約 3,283,663 件
https://w.atwiki.jp/cfmiyoshidq10/pages/48.html
ダークキングⅠ 人気 オッズ タイム 戦士 バト 道具 僧侶 4 10.1 2:56;39(最速) それは~ でいじぃ マッギョ ネルフ・ 2 4.18 3.31 それは~ でいじぃ マッギョ てぃ~かはし 2 5.45 3:02;62 それは~ まっちゃ ウィン かじよ 1 1.99 2:55;86(最速) それは~ でいじぃ ドラえも~ん てぃ~かはし 2 2.5 2 46;11(平均) それは~ でいじぃ マッギョ てぃ~かはし 2 3.19 3:11;97 それは~ でいじぃ マッギョ さな ダークキングⅡ 人気 オッズ タイム 戦士 バト 道具 僧侶 3 5.02 4:32;82 それは~ でいじぃ マッギョ さな 2 2.55 3:10;39 それは~ でいじぃ マッギョ やっぱり ダークキングⅢ 人気 オッズ タイム 戦士 バト 道具 僧侶 3 3.86 8 57;75 それは~ でいじぃ ひろきん らんま 3 5.19 8 12;49 それは~ でいじぃ ひろきん らんま 3 4.24 9 17;70(平均) それは~ でいじぃ ひろきん すず 1 2.35 //全滅 それは~ でいじぃ ひろきん やっぱり 2 3.05 全滅 それは~ でいじぃ マッギョ やっぱり ダークキングⅣ 人気 オッズ タイム 戦士 バト 道具 僧侶 3 7.1 13:05 それは~ でいじぃ マッギョ さな 3 6.35 12:06 それは~ でいじぃ マッギョ さな 3 3.7 11:30 それは~ でいじぃ マッギョ らんま 3 13.1 10:28;07 それは~ でいじぃ マッギョ らんま 3 8.42 全滅 それは~ でいじぃ マッギョ らんま 3 6.23 全滅 それは~ でいじぃ マッギョ さな 3 8.63 10:12;05 それは~ でいじぃ ひろきん らんま 4 17.3 敗北 それは~ でいじぃ ドラえも~ん ノエル 3 3.2 9:28;06 それは~ でいじぃ マッギョ やっぱり 1 1.49 12:58 それは~ でいじぃ マッギョ そふぃ~ 2 2.9 10:01;17 それは~ でいじぃ マッギョ やっぱり 1 1.82 9:22;94(最速) それは~ でいじぃ マッギョ やっぱり
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5514.html
https://w.atwiki.jp/yugioh-anime/pages/35.html
恐らく遊戯王シリーズにおいて最頻出であろうワード。 振り返るとこの言葉を発さなかったメイン登場人物決闘者はいないんじゃないかという程の名物セリフである。 主な使用例 A「この攻撃が通れば俺の勝ちだ!」 B「それはどうかな?」 A「何ッ!?」 テッテッテッテッテーレレレーレー(熱き決闘者たち風) デュエル終盤で主人公が発するとほぼ確実にメインテーマにBGMが切り替わり、そのまま勝利フラグになる。 また逆に相手が発するとほぼ確実に逆転される…という諸刃の一手、ともいえる言葉である(?)。 全シリーズ中最も「それはどうかな?」を使ったのは王様。 恐らくこのセリフがネタになり始めたのは後述する通りエド・フェニックスがキッカケだとよく言われている。 遊戯王デュエルモンスターズGXでは登場人物のエド・フェニックスが「「それはどうかな?」と言えるデュエル哲学」という著書を執筆・発行。 なお本人は珍しく「それはどうかな?」を劇中で発言しなかったが、つい最近別のアニメで全く同じ声優のキャラが全く同じエドボイスで発動させた…とかなんとか。
https://w.atwiki.jp/sweetser/
美容院 私は、あまり美容院が好きではないんです。 もともとあまりしゃべる方ではないので、担当の店員さんに話しかけられると疲れてしまいます。 職業とか聞かれると、私はあまり女の人がやらないような仕事で、一言で言ってもなんだかよくわからないような理系の職種なので、ふーん、なんかよくわかんないけど難しそうだねで、終わってしまったり。 なんか面倒なんですよね。 最初のカルテに、必要最小限の会話希望とかチェックする欄があればいいのになあと思います。 http //www.umdayp.com/
https://w.atwiki.jp/ol20/pages/14.html
○○さんって□□なんですか? ↓ それはどうかな? 語源 病院でシローが言ったらしい 使い方 何か質問されたときなどに
https://w.atwiki.jp/tsuvoc/pages/1264.html
恋のロープをほどかないで こいのろーぷをほどかないで (歌)おニャン子出身の新田恵利の2ndシングル。伊集院の愛唱歌の一つ。拒否や禁止の意志を示す際に「恋のロープをほどいちゃだーめだーめなんですよ」という形で使われる。
https://w.atwiki.jp/negiijime2/pages/242.html
それは、愛 ――少年の意識は、白い光の中に浮かんでいた。 心地よく、疲れを癒してくれる淡い光。どこまでも広がる、霧に包まれたような世界。 地面も、天井も、壁もなく。静寂に満ちた虚空に浮かびながら、少年は思う。 「僕は……眠っているんですね。これは、夢なんだ」 夢を夢と自覚しつつ、少年は目覚めることができない。 まだ、目覚める時ではない。 少年は思う。これまでのことを、思い出す。 最初の日の夜、亜子が病院に収容された、というニュースを聞いたのが初めだった。 2日目、裕奈が初めてのリストカットを行い。 3日目、雪広あやかが犯人に襲われ、手足と心に深い傷を負った。 4日目、チアリーディングの3人は、何か深刻なケンカをしたらしい。それぞれに傷を負い、友情は裂かれ。 同日、ネギは様子のおかしいのどかと、エヴァの家の前で遭遇。以来彼女は引き篭もりである。 5日目、千雨が夜の道で襲われ、意識不明の重傷。3人目の「公式の」犠牲者。 6日目、土曜の午前中、エヴァの家から出て分かれた木乃香は、禁呪に手を出して深く傷ついた。 同日夜、巡回中の美空は両足を失い、ココネは命を落とし。 7日目、聡美が実験中に片腕を喪失。そういえばこの頃から茶々丸の様子が少しおかしい。 同日夜、五月が襲われ、真名が両目を失い、小太郎が殺され…… ……そこから先は、ネギは知らない。 さよの身に起きたことも、双子の被害も、アキラのトラウマも、ハルナの件も。 魔法先生たちの会議の席で、突然『眠りの霧』で眠らされて…… こうして、魔法の力で眠り続けている。 夢を見ながら、眠り続けている。 「……治癒魔法の1種、なのかな……。 まだまだ僕の知らない魔法、いっぱいあるんだ……」 夢の中で、少年は呟く。 おそらくこれは、安らかな眠りを維持することで、心身の疲労を回復させるための魔法。 考えてみれば、次々に発生する事態に追われ走り回っていたネギは、疲れ果てていた。 妥協のできない性格。ついつい無理しがちな性格 彼は、魔法先生たちから割り当てられた時間以上に巡回をし、また修行を重ね…… こうして隔離される寸前には、本当にフラフラの状態だった。 いつブッ倒れてもおかしくない状態。体力は限界に達し、思考力も失われ。 自分でも何をしているのか、何をしたいのか良く分からない状態が続いていた。 しかし、こうして強制的にではあるが、休息を与えられ。 ネギの心身は、ゆっくりと回復していった。 思考力も戻り、過去の記憶を思い出す彼は、やがてその記憶の中、いくつかのポイントに気付く。 エヴァの家の前、『いどのえにっき』を抱えていた宮崎のどか。その時以来、豹変した彼女。 彼女は一体、誰の心を読んだのか? 誰の心を読んで、ああなってしまったのか? あの時、本の効果範囲に居た『存在』と言えば、のどか、ネギ、エヴァ、茶々丸、そして……! エヴァの家を出る所で別れた、近衛木乃香。その後、病院に向かって禁呪を使った彼女。 彼女は一体、どうやってエヴァの膨大な蔵書の中から禁呪を見つけ出したのか? あの時、木乃香と行動を共にしていたのは。家を出る時、木乃香が頭の上に乗せていたのは……! 他にも、様々な事実の断片が、ネギの中で組み合されていく。 思考力の戻った今なら、分かる。冷静に考えることができる。全ての元凶は、間違いなく、あの、 『……聞こえる、ネギ!? 返事しなさいよッ! ネギってば……!』 突如、白い光に包まれた夢の中に。 少年の思索を破る声が響く。懐かしい声。少年を、現実に引き戻す声――! ……窓の外の暗い街に、パパパッ、と電燈が灯る。 数秒のタイムラグを置き、部屋の中も電灯がついて明るくなる。 「う~ん、何とか回復したみたいだな」 「何がおきたんだろうねぇ。簡単には落ちないシステムになってるんだけど」 麻帆良学園都市の一角、住宅街エリア。その一室。 弐集院はその自宅で、停電から回復した街を眺めながら、オコジョのカモと言葉を交わす。 心身を回復させる、眠りの魔法をかけられたネギ。数日は目を覚まさないであろう彼。 彼が目を覚ますまで、その身柄を預かることになったのは、魔法先生の1人・弐集院だった。 ネギを暫く泊めることのできる家の広さ。ネギの面倒を見れる家族の存在。 弐集院の場合、その幼い娘も幻術を修める魔法使い一家だから、なおさら都合がいい。 事情を全て明かした上で、面倒を見ることができる。 「あの結界に関するトラブルとか、起きてなければいいんだけどねぇ」 「……なぁ、センセイよ。なんで兄貴を眠らせたりしたんだよ? 結局事件は終る気配もねぇし、兄貴が欠けた分、逆に隙もできちまったようだし……何考えてるんでぃ」 「…………」 カモの言葉に、弐集院はしばし沈黙して。 細い目をさらに細め、渋い表情で外を見る。 「今回の敵は、おそらく、ロクな目的すら持っていない。愉快犯のクラッカーみたいなものだ。 行為そのものが目的で――そのくせ、技術と用心深さは一級品だ。 これは僕自身、電子精霊を扱いネット界に基盤を置く魔法使いだから、感じることなんだがね」 「ふむ……確かにな」 「しかも、相手を空回りさせる方法をよく理解している。こういうのは、ウチの娘が結構上手いんだが。 ネギ君のような真面目なタイプは、一番相性が悪い。正面から挑んでも、無駄に消耗するばかりだ。 一旦、距離を置く時間が、どうしても必要なんだ……遠回りに見えても、その間に犠牲が出ても、ね」 「…………」 「さて、ちょっと出かけてくる。さっきの停電について、調べてこなきゃ。 何かあったら、娘か妻に言ってね。ネギ君のこと、頼むよ、オコジョ君」 弐集院はそういい残し、部屋を出て行く。 そして弐集院の客間に残されたのは、眠り続けるネギと、ヒマを持て余したカモだけ。 「まさかとは思うけど……だが『奴』じゃないよなァ。そうであって欲しくねぇなァ。 確かに、血の臭いとかしてた時あるんだけどよォ……」 ぶつぶつと、カモは1人呟く。 実は彼も、1人の容疑者を思い浮かべていた。 ネギと共に行動していた時、動物妖精ならではの嗅覚で察知した異常。 知り尽くした『親友』の性格と、それがもたらすかもしれない最悪の展開。 彼自身、その仮説を信じたくはなかったのだが……。 と、突然。 再び、部屋の明かりが唐突に消えて。窓の外の街並みも、次々に明かりが消えていく。 2度目の停電――。 カモたちが知る由もないが、それは丁度、エヴァのログハウスの前での死闘の開始の合図。 再び闇に包まれた、部屋の中で……。 「……ふぅ」 「おッ!? 兄貴!? 目ェ覚めたのかよ!? 大丈夫か、オイ!?」 むっくりと、起き上がる気配。 闇の中、そして彼はカモに手を差し出す。 「行こう、カモ君。みんなが、戦ってる。僕たちも明日菜さんと合流して、早く行かなくちゃ」 ――そして、物語は最後の局面を迎える。 チャチャゼロ、エヴァンジェリン、茶々丸の3人の前に傷つき倒れた、『最後の6人』。 そこに遅ればせながら到着した、ネギと明日菜、それにカモ。 明日菜は別に、和美たちの期待したような、「いざという時の連絡手段」など持ってはいなかったが…… それでも必死に彼女なりに考え、仮契約カードの機能を用いてネギに念話を送り。 夢の中でその声を聞いたネギは、予定より早く目覚めて。 こうして、揃ってエヴァの家に。 「……明日菜さん」 茶々丸が、静かに呟く。何を想っているのか、その仮面のような無表情な顔からは読み取れない。 「ふふ……ぼーやか。いい表情だ。 見たところ、疲れも何も残ってはいないようだな」 エヴァンジェリンが、不敵に笑う。 楽しくて仕方ないといった表情。待ち望んだものがついに来たといった表情。 先ほど、6人へのトドメを命じられた時の不機嫌さなど、カケラも残っていない。 そして、そのエヴァの頭上。しがみ付くように乗っている人形は。 「ア……アルベール?!」 呆然と、『彼』の名を呟いた。ネギの肩の上に乗る、『彼』の名を口にした。 表情の変わらない顔。変えられない顔。ただその口をぽかんと開け、視線は彼に釘付けで。 この世で最も会いたくない相手に、会ってしまったという――そんな雰囲気。 3者3様の、リアクション。 対するネギたちは、無言のまま、1歩踏み出して―― 激闘が、始まった。 Final TARGET → 出席番号08番 神楽坂明日菜 担任 ネギ・スプリングフィールド アルベール・カモミール 次のページへ
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/19606.html
2005年7月放送開始。Amazonインスタントビデオが配信開始。続編にあまえないでよっ!!喝!!がある。 http //www.vap.co.jp/amae/ 監督 元永慶太郎 原作協力 ボヘミアンK シリーズ構成 上江洲誠 キャラクターデザイン 堀井久美 プロップデザイン 印玄、森下昇吾 美術監督 長谷川弘行 色彩設計 松本真司 撮影監督 近藤慎与 特殊効果 斉藤丈史 編集 松村正宏 編集助手 三田沙弥佳 音響監督 蝦名恭範 効果 川田清貴 録音 小原吉男 録音助手 澤村裕樹 音楽 岩崎文紀 アニメーション制作 スタジオディーン 脚本 上江洲誠 木村暢 根元歳三 高田直樹 絵コンテ 元永慶太郎 吉田俊司 こでらかつゆき 又野弘道 秋田谷典昭 演出 元永慶太郎 吉田俊司 則座誠 秋田谷典昭 又野弘道 岡本英樹 作画監督 堀井久美 波風立流 山本佐和子 鷲北恭太 井上善勝 森本浩文 青山まさのり 服部憲知 笠原彰 小山知洋 Amazonインスタントビデオ:あまえないでよっ!! 第1話 覚醒(い)かせないでよっ!! 監督 元永慶太郎 再生時間 0時間24分 初公開日/初回放送日 2005年1月1日 ■関連タイトル DVD あまえないでよっ!! vol.1 あまえないでよっ!! さんとら 夏盤 あまえないでよっ!!はっぴぃ☆くりすます 原作コミック あまえないでよっ!! 1巻 あまえないでよっ!! MS 1巻
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2540.html
放課後の掃除当番に当たってしまった俺は、かなり遅れて部室へと向かっている。 ハルヒは先行くわねとの言葉を残して消えてしまった。 おとなしく部室に行くのか、それともどこかほっつき歩いているのかもしれん。 部室棟への渡り廊下を歩けば、新鮮な風が心地いい。 軽く喉の渇きを覚えたものの、部室に行けば朝比奈さんがいれてくれるお茶が楽しめるだろう。ペットボトルのような無粋なものは不要だ。 早いもので4月も中旬だ。 佐々木や橘はまったく音沙汰がない。一体何をやってるのかはわからんが、できればあと100年ほどでいいから、おとなしくしていてほしいもんだと思う。 部室の扉を開けると、団長席に座ったハルヒの姿が見えた。うっかり飲み物を零した幼稚園児のような笑顔を浮かべた。 「あれ?みんなは?」 ハルヒは肩をすくめて話し出した。 「古泉くんはなんかバイトが忙しくて、みくるちゃんは風邪でお休み。有希はとなりで遊んでるわ」 「そうか」俺は長テーブルにカバンを置き、定位置におかれているパイプ椅子を引いて腰掛けた。 「そうなの。とりあえずあんたとあたしだけってことね」 ハルヒは頬杖をつき、ついでにため息までついてから、そう言った。 そのまま見つめ合うこと数秒。話す言葉も見つからずに、二人同時に視線を逸らせてしまった。 ハルヒを見るのがなんとなく恥ずかしいのは何故だ。部室に二人しかいないからか。時間遡行までして、ハルヒの想いを知り、自分の想いに気づいたからなのか。 そこまで考えが届くと、とたんに恥ずかしさが倍増し、喉の渇きも増してしまうのは、本能のなせる業なんだろうか? 「お茶、飲むか」 俺はハルヒの返事も聞かずに立ち上がり、冷蔵庫に向かった。 確か冷蔵庫にペットボトルのウーロン茶があったはずだ。 冷蔵庫のドアを掴んだところで、ハルヒと手が触れた。お互い驚いて、手を引っ込めてしまう。 「お茶ぐらい入れたげるからさ、座ってなよ」ハルヒは視線をうつむき気味にしながら言う。 「あ、いや、おまえこそ座ってろよ」俺はハルヒの手元を見ながら言う。 お互いに立ち尽くし、相手の出方を伺っている。 「じゃ、こうしようよ。あたしが湯飲みを準備するから、キョンがそれにお茶を入れるの」 「そ、そうだな」口の中がねばつくようだ。「それがいいな」 なにがいいのか自分でも分からないままに、冷蔵庫を勢いよく開け、ペットボトルを見つけた。まだ半分ウーロン茶が残っている。 ハルヒは俺と自分の湯飲みをなぜか自分の机に置いてから、俺を振り返った。 俺はペットボトルを冷蔵庫から取り出した。ボトルキャップを外して、冷蔵庫の上に置いた。 俺はペットボトルを手に団長机まで歩み寄ると、まずハルヒの湯飲みを取り上げてウーロン茶を注いだ。 ハルヒに湯飲みを渡した。ほんの少しだけ指が触れて、あやうく湯飲みをおとしそうになるが、すんでのところで悲劇は防げた。 ハルヒは深いため息をつき、たったまま湯飲みに口をつけた。つややかな唇が、湯飲みに触れるのを、ぼんやり見つめてしまう。 「やだ。なに見てるのよ?」ハルヒは視線を合わせようとせず、小声でささやくように言う。 声が照れていた。 「あ、すまん」あわてて背を向け、自分の湯飲みにウーロン茶を注ぎ入れた。 そのままの態勢で、立ったままウーロン茶を飲んだ。味なんてしねえ。超純水だといわれればそう信じてしまうほどにな。 客観的に考えれば、お互いにお互いを意識しすぎている状態だ。以前はもっと気軽にやってたじゃないか。どうしたってんだ? 気恥ずかしさが先に立って体が動かない。 なるほど、初恋がうまくいかないってのはこういうことなのかと得心したが、いまさら後の祭りだ。 ついさっき起きた崩落で、引き返すルートが断たれた登山家のような心境になるな。いろいろ装備は不十分で、雲行きも怪しい。それでも前に進むしかねえ。 もっともハルヒもそう思っていればの話か。またはそう思わせることができるのか、だな。 まあハルヒにも苦手分野があったのかと思わなくもないね。 「そこ、座りたいんだけど」遠慮しているかのようなハルヒの声に我に返った。もうどうしようもないね。俺は肩を落として、自分の定位置に戻った。 ハルヒが冷蔵庫にペットボトルを戻すのを見て、落胆する思いで一杯だ。 まったく、これまでは平気だったじゃねえか。それこそハルヒとなら一つのコップで、お茶飲むことさえ気にもしなかった。 ハルヒが女で、俺が男なんて意識の外だった。それが告白騒動で意識するようになっちまった。特別教育を受けたばかりの小学生じゃあるまいにな。 席に戻ったものの、なにもする気になれないな。カバンの中に、読みかけのマンガ雑誌があり、携帯電話には清水の舞台から飛び降りる覚悟で入手したRPGが収まっている。 が、どれにも触手が伸びない。ほんの少し居心地の悪さを感じながら、長門蔵書を眺めるぐらいしかできない。 「ため息、多いんじゃない?」ハルヒが遠慮しがちに声を掛けてきた。「どうかしたの?」 言われるまで気がつかなかった。 「あ……いや、ちと息がつまるようでな」 「そう……ね」ハルヒは小首をかしげながら言う。「どうしたのかしらね、あたしたち。すっごく恥ずかしいのはなんでだろ」 そしてハルヒは小さなため息をひとつついた。視線は机の上に落ちている。 「ああ。どうもな」 「こんなんじゃなかったのにね」ハルヒは、肺の中の空気をすべて吐き出すような長いため息をついた「なんで?」 「おまえもため息だらけだな」 ハルヒは、クスクスと笑った。 「お互い様ね」 すっと緊張が抜けて行くような感覚を味わう。ハルヒもそうだったのか、いつもの顔に戻って、俺を見つめている。 「初めてづくしでなんにもわかんないな」ハルヒは両手を机の上において、その上に顎を乗せた。俺を見つめる瞳は銀河系をひとつまるまる収めたように輝いている。 「ハルヒにも苦手分野があったとは思わなかったぜ」 「なんのこと?」キョトンとした顔でハルヒがたずねる。 「恋愛系は苦手分野じゃねえか?」 ハルヒは俺をにらみながら、口をとがらせた。 「あんたのせいでしょ。どんだけ悩んだと思ってんのよ。まったく、人の気も知らないで、何回あたしが枕を濡らしたか知ってる?」 「そんなことがあったのか? そりゃすまん。いや、まさかそんなに思い悩んでいたなんて知らずに」 だが、ハルヒはにっこりとほほ笑んだ。罠にかかったイタズラキツネを見下ろす猟師のような表情を浮かべている。 「嘘よ」ハルヒは弾けるような声で言った。「バーカ」 「ったく」完全にやられた。ああ、クリーンヒットを認めてやるよ。いいパンチだ。「やられたぜ」 「ふふん、このあたしが泣くなんて思うの? そんな必要がどこにあるってのよ。この涼宮ハルヒがよ? どーやってあんたから告白させてやろうか、それを考えてただけよ。 遊びに誘いまくれば、それとなーく空気読むかと思ってたら、遊びには乗るけど、普通に楽しく遊んで終わり。小学生が公園で遊んでるのと同じじゃない」 ハルヒはがばっと体を起こして、何を思ったか椅子の上に立ち上がった。 そしてびしっと音をたてて、俺を指さした。 「あんたがねぇ、もうちょっと空気読んで、あたしに告白してれば済んだ話なのよ。それとなくきっかけ作っても、全部スルーじゃない。何度スルーくらって、メゲそうになったと思ってんのよ。 そのくせ、あたしがわがまま言っても、なんだかんだ言いながらも付き合うし。ホント、訳わかんない」 「すまんな」としか言いようがねえよ。 「それだけじゃなくて、有希とはなんか変な信頼関係あるみたいだし、みくるちゃんにはでれでれするは、おまけに妹ちゃんの友達まで手を広げて。 あの佐々木って変な女まで出てくるし。 無自覚なドンファンっぷりに呆れかえる毎日よ。 あんたね、そういう無防備な優しさはね、女の子を泣かせるのよ? ホント、あの佐々木も裏で実は泣いてたんじゃないの?」 「んなこたねえと思うがなぁ」 「どーだか。中三にもなって好意もなしに、一緒に塾通いなんてするわけないじゃない。絶対噂になるし、好意がなけりゃ無理よ。 そういう女の敵を野放しにしとくことは出来ないの。第二第三の佐々木が現れる前に、あたしがあんたの首に縄つけとくことにしたの。 これはね、あたしがあんたのことどう思ってるなんて、小さな問題じゃないの。逆にあたしはこの身を投げ出して、これ以上の被害拡大を防ごうと立ち上がったのよ」 「おい、論点がズレて」 「なによ、『論点がズレて』って。ずれちゃいないわよ。いい事?あんたがあたしに『好きだ』とか『愛してる』とか『もうおまえなしにはいられない』なんて言えば、それで済む話じゃない。違う? そりゃ、あたしは恋愛は精神病の一種だと思っているわ。いまでもね。 それはそれとして、あんたがあたしのこと好きだって言うなら、あたしだって少しぐらい考慮するわよ。 それをラブコメマンガじゃあるまいし、だらだらだらだらあたしの気も知らないで、延々引っ張ったのは、あんたでしょう?」 さらに論点がずれたが、もはや突っ込みを入れるような状態じゃねえ。 ハルヒは有頂天になって、演説を続ける気のようだし、突っ込みを入れれば入れるほど、単に火に油を注ぐだけだ。 「それは済まなかった」 「いい? あんたとあたしは普通のカップルじゃないの。あんたをね、野放しにしとくと被害者が増えるばかりなの。そう、あたしはあんたの首に縄つけておくために、カップルになってやるのよ。 分かった?分かったのなら、はいといいなさい?」 「はい」なんか新興宗教にでも入団した気分だぜ。 「素直でよろしい」ハルヒは腕を組み、大きくうなずいた。「その素直さがほしかったわね、最初から」 「最初から?」どういう意味なのか分からず、思わず聞き返した。「いつのころからだ?」 「最初からは最初からに決まってんでしょうがぁ!」ハルヒはなぜか顔を赤らめながら、吠えるように言った。「乙女心だけじゃなくて、日本語も分からないの?」 「そ、そうか」 「とにかく、カップルになった以上、まずひとつやることがあるわ」 ハルヒは椅子から降りた。団長席の横に回って、腰に手を当てた。なにが不満なのか、怒ったような表情を浮かべている。 「こっちにきなさい」 有無を言わせぬせりふに、仕方なく立ち上がった。なにをするつもりなのだろうか。キスしろとか言い出すんじゃねえだろうな? この神聖なる部室を穢す不届き者には、天罰が下るぞ。 ハルヒが使っている甘いシャンプーの香りを感じるまで近寄った。 満足げにハルヒが見上げた。あどけない笑顔を浮かべている。大きな瞳が潤んでいるのは気のせいじゃないだろうな。 「いつ覚えたのよ」ハルヒはすこし視線を反らせながら言った。 「なにが、だ?」 「腰に手を回してるじゃない」 おや? 言われてみれば、ハルヒの腰に俺の右手が回っているではないか。おかしい、これは実に驚くべき現象だな。 「ばか」ハルヒは俺の肩に手を置いた。「いやらしい」 「んー谷口がこうすると女の子が安心すると言っててな。無意識のうちにそれが実行されたんだな」 「ふん、何言ってんのよ。バカみたい」 ハルヒはすこしだけ唇を尖らせた。リップでもつけているのか、うるおいたっぷりの唇に目が釘付けになる。 「なに見てるの?」ハルヒは体を俺に押しつけながら言う。柔らかい感触に思わず堅くなるね。 「ハルヒの唇」 「ほんと、男っていやらしいんだから」 体を押し付けているおまえはどうなんだと思いながら、ハルヒの瞳に封じ込まれた銀河系に、果たして我らが太陽系第三惑星は含まれているのか探しはじめた。 「なんか言いなさいよ……」ハルヒは深いため息をつきながら、瞳を閉じた。 この部室で男女が体を必要以上に密着させた状況で何を言えというのだろうか。 まあ言うことなんて、ひとつしかないんだがな。 「好きだ、ハルヒ」 ハルヒはバカと唇を動かさずに言った。ような気がする。唇が近づくにつれ、やはりこちらも目を閉じなければならないのだろうか。 俺も初めてなもんで、勝手が分からないのさ。少なくともこの世界ではな。 目を閉じて、ハルヒの柔らかい唇を感じた。かすかにイチゴの香りがする。昼に食ったのか、それともリップの香りか。 そんなことでも考えていなければ、暴走しそうだぜ。 ハルヒが軽く声を上げたような気がするが、聞かなかったことにしないと理性がもちそうにない。頼むからこれ以上の刺激は勘弁してくれよな。 ハルヒの右手は強く俺の肩をつかんでいる。左手が俺の背中に回り、俺の上着を強く握り締めているようだ。 唇を放したが、光るものが唇をつないだ。ハルヒはそのまま顔を俺の胸にうずめ、深いため息を一つついた。 腰に回していた手で、ハルヒのつややかな黒髪に触れた。そのまま撫でれば撫でるほど、いとおしさが増していくようだ。 こんなことを部室でするなんて思いもよらなかったが、まあ天罰も下らずに済んで良かったぜ。 ハルヒが顔を上げ微笑んだ瞬間、思いもよらぬ声がかかった。 「終わった?」長門の声だった。 恐る恐る声のする方向に首を向けながら、ハルヒと体を離した。 いまさらどう言いつくろうことも出来ないが、抱き合ったままはさすがにまずいだろう? 長門は、お取り込み中なのでおとなしく順番をまっていただけというような表情を浮かべている。 「ゆ、有希、なんでノックとかしないのよ」 すこし乱れた制服をあちこちひっぱりつつ、ハルヒが言った。 「した。聞こえなかった?」 「き、聞こえなかった…」ハルヒが俯きながら答えた。 「あちらでの作業が終了したため、戻ってきた」長門は淡々した口調で説明し、そのまま本棚で適当な本を一冊取り出し、いつもの椅子に腰掛けた。 「そ、そう」 俺は絶句したまま、長門を見つめていることしか出来ない。 長門は本を開いたが、ふと思いついたように部室の扉を指さした。 「もし続きがしたいのであれば、外で」 そしてページをめくりながら、長門は言葉を続けた。 「暑苦しいのは勘弁」 これには俺もハルヒも言葉がなく、俯くことしか出来なかった。 おわり
https://w.atwiki.jp/negiijime2/pages/243.html
それは、愛 中編 「誰が犯人だったのか――もう、この状況そのものが、その答えのようなものです」 ネギたちが、1歩進む。まだ、間合いではない。 俯いたネギの表情は、闇の中で。 「どうしてこんなことしたのか、気にはなるけど――まずは、お仕置きが先ね」 明日菜たちが、1歩進む。まだ、間合いではない。 明日菜の顔も、闇に隠れる。 「連戦のところ、申し訳ねェが……俺っちたちも、必死なんでな」 カモたちが、1歩進む。双方にとって、ギリギリの距離。 そして、ネギが、明日菜が、カモが、一斉に顔を上げて。 「――契約執行、『神楽坂明日菜』! ラス・テル マ・スキル マギステル……」 「来たれ(アデアット)ッ!」 「いっけぇ兄貴ィッ!」 ネギたちが、一気に飛び出す。 迷いの無い目。真っ直ぐな気持ち。そして……奥底にある、怒り。 かつて吸血鬼事件の際に戦った相手。あの時勝てたのは、いくつもの偶然のお陰。 今度は手加減もないだろうし、さらにはもう1体、強敵が加わっている。 それでも彼らは突進して―― ほぼ同時に、相手側も突進を開始。戦いが、始まった。 『さて、どうするんだ、『マスター』?』 一歩ずつ近づくネギたちを目の前にしながら、エヴァが笑うような声で問いかける。 いや声ではない、声無き声である『念話』。3人の間だけで通用する声。 『僭越ながら、明日菜さんに対するのは私が最適任だと思います。 よろしければ、私が明日菜さん相手の足止めを行いますが……』 明日菜たちが、一歩近づく。茶々丸は無表情のまま現状を分析する。 マジックキャンセル能力を持つ明日菜。破魔の力を持つアーティファクト。 エヴァやゼロにとって、危険な相手だ。ゼロなど、下手をすればハリセンの一発で即死しかねない。 それは確かに、合理的かつ現実的な選択。 『…………』 『『マスター』が命令しないなら、我々なりにやらせてもらうぞ。 ぼーやの血を吸えば、麻帆良を潰すまでもなく自由になれるんだ。 抵抗されては敵わんからな、まずは精神的に屈服させる。 『マスター』にも協力してもらうぞ、いいな?』 『……アア……』 カモたちが、一歩近づく。双方にとって、ギリギリの距離。 生返事を返すゼロをよそに、エヴァも茶々丸も戦闘態勢は十分で。 ネギたちが飛び出すと同時に、エヴァも茶々丸も大地を蹴る。 エヴァの頭上のゼロも、エヴァと一緒に。それでも反射的に、ナイフを抜いて。 「リク・ラク ラ・ラック ライラック……『氷爆』!」 「戦闘開始。神楽坂明日菜を、引き離します」 「…………ケケケッ! 喰ライヤガレッ!」 双方が飛び出した、一瞬の後。 ネギと明日菜の間の空間で、凍気と爆風が吹きすさび―― その爆風に煽られ、2人の距離が離れた所に、茶々丸が飛びかかって―― 茶々丸のジェット噴射を利用した飛び蹴りに、明日菜の身体が大きく小川の向こう側に跳ばされて―― ほぼ同時に、ネギの周囲に29個の光球が浮かび―― それに呼応するように、エヴァの周囲に29個の闇の球が浮かび―― 双方互角。『魔法の射手・光の29矢』と『魔法の射手・闇の29矢』が、互いに相殺しあう。 この全てが一瞬。 茶々丸に弾かれた明日菜、その明日菜を追う茶々丸が遠ざかるのを横目に見ながら。 カモを肩に乗せたネギと、チャチャゼロを頭に乗せたエヴァが対峙する。 「……おい兄貴。今の、何か変じゃねぇか?」 「変って?」 「俺っちの目の錯覚かもしれねぇが……今、エヴァの奴、魔法2つを同時に使わなかったか?」 「……ッ!?」 それは、ありえない話。 遅延呪文や無詠唱呪文など、相手のタイミングを外す技術はいくつかある。エヴァの得意分野でもある。 それでも、「一度に発動できる呪文は1つきり」という魔法の大原則は外せないハズなのだ。 遅延呪文で詠唱を溜めておいたり、無詠唱呪文で詠唱を省いたりすることはできるが…… 同じ瞬間に、右手と左手で別々の呪文を『発動』させることは不可能だ。 持続時間のある魔法を維持しつつ、別の呪文を発動させることなら普通の技術なのだが。 「ふふふ……。そこの小動物はよく見ているな。 以前ぼーやと戦った時、なぜ私がゼロを連れてこなかったか、教えてやろうか?」 対するエヴァは――そのネギとカモのやりとりに、不敵に笑う。 自信たっぷりに、問いかける。 「それは、あまりに一方的な展開になるのが見え見えで、つまらなかったからさ。 私の出来ることはほぼ全て、ゼロにも行うことが出来る――魔力さえあれば。 いわば私は、呪文を唱える口を2つ持った『魔法使い』なのさ」 ――明日菜と茶々丸は、エヴァのログハウスの近く、流れる小川の向こう側にて向かい合っていた。 明日菜の手には、巨大な大剣。アーティファクト『ハマノツルギ』完全版。 対する茶々丸も、追加装備こそ無いものの、全武装リミッター解除済み。 対戦カードこそ吸血鬼騒動の時と同じだが、双方の持つ殺傷力は本物で。 「……ねぇ、茶々丸さん。1度だけ言うけど……邪魔しないわけには、いかないの?」 「申し訳ありません、明日菜さん。姉さんの意志には、逆らえませんので」 無表情のまま、口だけで謝ると、茶々丸は拳を固める。 「何故か魔法に対して強力な打ち消し能力を持つ明日菜さん……。 姉さんやエヴァンジェリンにとって、貴女は脅威です」 「まあ、そうだろうね」 「それに対し、私はロボットです。動力以外は全て科学の力で作られた身体。 不安が無いわけではありませんが……貴女は私が相手するのが最適でしょう」 茶々丸は淡々と語る。 心情的には明日菜に倒して貰いたい茶々丸。しかし一切手を抜くことのできないプログラム。 彼女にできることは、これくらいのものだ。あとは明日菜が、気付くか否か。 「では――行きます」 茶々丸は短く断りを入れて、大地を蹴って――ハイスピードな戦闘が、始まった。 「ラス・テル マ・スキル マギステル、『魔法の射手・連弾・雷の49矢』ッ……!」 「クククッ。リク・ラク ラ・ラック ライラック 『魔法の射手・連弾・氷の27矢』」 「ケケケッ。リク・ラク ラ・ラック ライラック 『魔法の射手・連弾・氷の27矢』」 「ちょっ、お前ら、ズルいぜそりゃッ……!」 ログハウスの前。ゼロたちに破れ、倒れ伏した者たちの眼前で。 相互に放たれた魔法が、次々に相殺されていく中。 エヴァたちの放った魔法だけが、一方的にネギを傷つけていく。 唱える口が、2つある―― 実にこれは魔法使い同士の果し合いにおいて、とんでもないアドバンテージなのだった。 魔法の矢の撃ち合いも、普通に唱えてもネギと同じ本数を放つのは簡単だろうに。 エヴァとゼロは、ネギよりも少し遅れて唱え始め、本数は少なめで。 だけども2人分の矢を足せばネギより勝るから、相殺してなお余った矢がネギを傷つける。 迎撃し損ねた5本の氷の矢が、ネギの身体を掠めスーツを裂き、血を滲ませる。 直撃はないが、じわじわとダメージが蓄積する。 さりとて、中国拳法の接近戦に活路を見出そうとしても…… エヴァは合気柔術の達人、ゼロはナイフ格闘術の達人。 片方が余裕をもってネギの攻撃を受け止め、その間にもう1人が呪文を唱えている。 ネギがエヴァを狙おうとゼロを狙おうと同じこと。片方に出来ることは、もう片方にも出来る。 結果、エヴァたちはどう見ても「遊んで」いるのに、ネギの方は手も足も出ない。 エヴァの側の手加減と、ネギの『風盾』とでなんとか凌いでこれたものの。 エヴァの頭の上にゼロが乗る、今のこの格好。普段からよく見られていた体勢。 だがプライドの高いエヴァが、他者を己の頭の上に乗せる、というのは、よくよく考えると少し不自然。 今でこそ主従逆転しているが、元々はゼロは従者に過ぎない存在なのだ。 決してエヴァの「上に立つ」存在ではない。なのに何故、エヴァはゼロを平気で乗せていたのか。 ……実はこれ、この2人にとって最強の戦闘態勢でもあるのだった。 ほぼ同じ所から同時に放たれる2つの呪文。4本の腕。ただでさえ強力な魔法が、およそ2倍。 他の数々の異名に並んで、しかし一見するとスキルを示す言葉でしかない『人形使い(ドールマスター)』。 だがこの名が恐怖と共に呼ばれていたのは、まさにゼロという人形の存在による。 ちなみにこれは、余談だが。 この物語の中で、ゼロが呪文を使ったのは、実は2回目である。 1回目は、茶々丸との決闘の際。幻想空間の中で、茶々丸の腕を凍結し粉砕している。 エヴァから供給される魔力が限られていた時には、事実上不可能な技。 学園の魔力封印結界を無効化した今だからこそ、現実世界でも使えるのだ。 「くッ……!」 「どうしたぼーや。私を倒さない限り、ゼロは止められないぞ? ゼロが私の主人となった今。もしゼロが壊れても、契約により私はすぐに直さねばならん。 だが一方で、私が滅びれば、魔力の供給源を失ったゼロもまた滅びる。 つまり私を倒さない限り、この事件は終らないということだ!」 エヴァは笑う。実に楽しそうに笑う。 何かを期待するかのように、懇切丁寧に説明しながら笑う。 期待。そう、それは、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルが、何百年も望んで止まない……! 一方、ネギたちは。 片膝をつき、頬の血を拭うネギの肩の上で。 「兄貴」 「何?」 「一瞬でいい、エヴァとゼロの間を引き離せるような、そんな魔法か何かねぇか?」 「……1つだけ、ある。上手く行くかどうか、自信はないけど」 エヴァとゼロが一緒になっているからこそ、手強いのだ。この2人の間を裂くことができれば、あるいは。 不安そうに問い返したネギに、カモは不敵に笑って。 「よし。じゃあ兄貴、ソレ、やってみてくれ。そしたら、俺っちが……」 「……!!」 「ソロソロ、遊ビハ終ワリニシヨウゼ。本気デ行ケヨ」 「……ふん、もう少しでぼーやを屈服させられるというのに。『マスター』はつまらんな……!?」 じれたゼロの命令に、エヴァが皮肉っぽい返事を返しかけた、その時。 2人はハッとネギの方を向く。 「来たれ虚空の雷 薙ぎ払え……『雷の斧』ッ!」 満身創痍のネギが、おもむろに何の前置きもなしに放った、雷系の上位古代語魔法。 振るわれる光の刃、しかしこんな大技、小技からの連携でもなければ当たりはしない。 エヴァの頭を斜めに横切るようなその軌道。 それに対し、ゼロはエヴァの頭を蹴って飛び離れ、エヴァは僅かに身を屈め。 それぞれ余裕を持って回避を―― 「――オコジョ魔法最終奥義、『オコジョ流星』!」 大技『雷の斧』を捨て技に、相手の連携を絶つネギ独自の戦術――それは見事にハマっていた。 回避のために、ゼロがエヴァの頭の上から少しだけ離れた、その瞬間。 白い流星が、宙に浮いた殺人人形の身体に、真正面から突進する。 それは、本来戦闘向きではないオコジョ妖精の、最後の手段。 持てる魔力のありったけを、ロケット推進のように噴出し推力とする、決死の体当たり。 「――ッ!? ア、アルベールッ!? 何ヲッ!?」 「ちょっとばかし俺っちに付き合ってもらうぜ、ゼロッ!! 兄貴――後は任せたぜぇぇぇぇッ!!」 百戦錬磨のゼロたちにとっても、これは意外だった。 この瞬間まで、戦力としてはカウントされていなかったカモという存在。 流星はそのままゼロの身体を捕らえ、人形もろとも、ログハウスを囲む深い森の中に飛んでいって…… そして、見えなくなった。 明日菜 対 茶々丸。ネギ 対 エヴァ。カモ 対 ゼロ。 再び3組の1対1の構図になった戦い、しかし今度はゼロたちの側の仕掛けではない。 停電続く闇の中、戦いは――! ……1人の少女が、片手で自分の頭を押さえながら、闇の中を駆けている。 ……1人の少女が、暗い森の中、大木の梢に佇んでいる。 ……1人の少女が、暗い学園の中、モニターを前にニヤリと笑う。 異なる場所、異なるタイミング、異なる動機で動き出した彼女たちは、それぞれに―― つぎのページへ