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■人外少女学園 ?■ 賀司屋 どくろ(ガシヤ ドクロ) 18歳?♀ 妖怪がしゃどくろの少女 体が骨で出来ているスケルトンガール とってもスレンダー ドクロフェイスにリボンはプリティーだと評判 (061222b初出)
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どくろクマ【どくろクマ】 『GS1』で登場したマスコットキャラ。 どくろの顔をしたクマのぬいぐるみみたいな姿をしている。 日比谷渉がこのキャラが好きだったり、紺野珠美のメールの話題に登場するくらいなのではばたき市ではそこそこ人気があるようである。 ちなみに3年時の日比谷への誕生日プレゼントに「どくろクマちゃん携帯電話入れ袋」「ドクロクマちゃんなりきりセット」というものをあげることができる。 また、クリスマスプレゼントに「どくろクマ筆箱」(1リッチ)、「1/1どくろクマ」(10リッチ)がある。 関連項目 用語 殺人コアラ グレイちゃん ケロケロでべそちゃん
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本編で使うイベントを殴り書き。~ ネタバレ満載なんだけど気にしない方向で。 何しろ開発中なので、性格や口調が変わったりもします。~ そこらへんはご容赦ください。 ~ ~ #contents *ファーストコンタクト、あるいは極めて個人的な各キャラのイメージ **遥(唯より) ――面白い子がいるらしい。 バスト七十九、名無しのクラスメイトからそんな話を聞いたのは、~ 戸部唯の(桃色)学園生活が始まってから、一週間目のことだった。 ~ ~ 証言そのいち。『なぜかいつもスパッツ』。 ~ 昼の休み時間。~ 一年の廊下を、騒がしい足音がどたばたと駆けてゆく音が聞こえた。 教室でクラスメイトと談笑していた唯が廊下に目を向けると、~ スカートの下にスパッツを履いて、すこぶる楽しそうな顔で走っていく少女の姿が見えた。 「……あれが」 確かに、あんなに動くならスパッツは必須だ。 唯の呆けた顔を見てさもおかしそうに、~ クラスメイトたちがあの元気な少女の解説を始めた。 ~ ~ 証言その二。『勉強は嫌いらしい』 ~ 家庭科の授業中。~ 日直だったせいで、唯は教室にプリントを取りに行かされることになった。 ――と、その途中、屋上に続く階段の向こうから、ごつん、という物騒な物音が聞こえた。 踊り場の手前からこっそり覗き込んでみると、~ 地べたに寝転がった件の少女が、両手で頭を抱えて悶絶していた。 おそらく、転落防止の柵に頭をぶつけたのだろう。 ものすごく痛そうに、でも授業中だから騒ぐこともできずに、~ 床をのた打ち回って耐えている。 見つかるとお互い面倒なので、気付かれないうちに唯はそっとその場を離れた。~ ~ ~ 証言その三。『ドラマーだとか』。 ~ 風景画の授業のために昇降口から外に出ると、~ どこか遠くから、テンポの速いドラムの音が聞こえてきた。 今日は一緒にデッサンね、と誘い合っていた名無しのクラスメイト(バスト八十一)は、~ 前の学校で彼女とは同じクラスだったの、と語り始める。 準備室にあるドラムを叩いているのだろう、という話を聞いて、~ ちゃんと許可取ってるのかなあ、と唯は思った。 ~ ……と、その時、何かが崩れるような騒音が響き、それと同時にドラムの音が止んだ。~ 何が起こったのか大体わかったらしいバスト八十一が、苦笑しながらこう言う。 「ドジなの。あれ、壊れなかったかなあ……」 がしゃしゃ、くゎんくゎんゎん……という、~ 独特の痛々しい騒音がいつまでも反響し、耳に残った。 ~ ~ 証言その四。『純真そうな顔して実は』。 ~ クラスの数人と共に学食へ行くと、食べている最中に隣から肩を叩かれた。 「ね、あれ……」 こっそり指差した先で、噂の彼女が誰かと二人で昼食を食べていた。~ 窓際で二人用の席に座り、楽しそうに談笑している。 彼女と一緒に座っているポニーテールの子は同じクラスの友達で、~ なんと現在は同じ部屋で生活しているとのこと。 ~ 三年の人にも目を掛けられているらしい、とか、~ 入学してから今日までで、もう何枚かラブレターを貰った、とか。 声を潜め、あることないことを話しながらくすくすと笑うクラスメイト。 ~ 全てが嘘ではないにせよ、すぐ“そういう”噂と結びつけるのはどうかと思う。~ ノーマルな人だとしたら迷惑だし、実は本当にそういう人だったとしたら失礼だ。 とは言え個人的には、その噂は真実であって欲しいとも思う唯だった。~ 同じ趣味の人がいると分かることは、嬉しいものだ。 ~ 「……とと」 と、何とはなしに二人のことを眺めていると、ポニーテールのほうと目が合う。~ 心なしか睨まれているような気がして、唯は咄嗟に目を逸らした。 ~ ~ 最後の証言。『可愛くて人懐っこい、彼女の名前は――』。 ~ 体育の授業で、唯は初めて彼女と顔を合わせた。~ (体育の授業は基本的に二クラス合同で行われる) ~ 見ているこっちのテンションが上がりそうな笑顔で、少女は唯に手を差し出した。 唯の左手が差し出されているのを見て、傍らに立ったいつぞやのポニーテールの子が、~ 『右手を出せ』と乱暴な口調で注意する。 慌てて出し直された右手を、唯はしっかりと掴んだ。~ 温かい手だった。 意外と礼儀正しい口調で、少女が言う。 「わたし、中条遥って言います。よろしくお願いします!」 ~ ~ **奥村 紀利(吉佳より) 担任の教師にもよるが。~ 三年にもなると、自己紹介なんて今さらなことはしないクラスが多い。 今年度始めのSHRが終わると、クラスメイトたちは知り合いと寄り添い、~ 早くも新しいグループを作り始めていた。 ~ ――さて、と吉佳は考える。 自慢じゃないが、交友関係は広いほうだ。 どの集まりに寄ってもそれなりにうまくやれる自信はあるし、~ なんなら小さい集まりをいくつかまとめてしまってもいい。 ~ だが、彼女はそれを良しとしない。 もっと興味をそそることがあったからだ。 ~ 奥村紀利、というクラスメイトがいる。~ 吉佳とは三年になって初めて同じクラスになった。 窓際は最後尾の席で、誰と話すでもなく無表情に窓の外を眺めている人がそうだ。 名前順に席を決められ、幸運にも絶好のポジションを手に入れた少女は、~ 誰と話すでもなく、ただぼんやりと、窓の外に視線を投げやっていた。 ~ と言っても、友達がいないとか孤立しているとかいうわけではなく、~ むしろ人望はとても高いと言っていい。 奥村紀利の話は、一度も接点がなかった吉佳の耳にも入ってきていた。 ~ まず、彼女は勉学に優れていた。~ 職員室前の掲示板に張り出されるテスト上位者リストには、いつでも彼女の名前がある。 スポーツも苦手ではない。~ 陸上もできるし球技もこなす。ただし、体力はそれほどではない。 更に、線は細いが美しい体型をしていて、しかも綺麗な顔をしていた。 これだけ揃えば、周囲の羨望も仕方のないことだと言える。 今も紀利とお近づきになろうと、~ 少し離れたところでヒソヒソ話をしている数人の女子がいるくらいだ。 ~ しかし彼女には、それだけではない"何か"がある、という噂があった。 大きな問題を起こしたとかいうわけではないが、~ 一部の生徒からは異常に怖れられているらしいし。 なんでも、鬼畜外道、とか呼ばれているとか。 そして確かに彼女からは、ちょっと綺麗で線の細い優等生なだけの女子にはない、~ 独特の存在感とでも言うべきものを、吉佳も感じていた。 ~ 気になる。気になるのだ。 誰よりも何よりも面白いものが大好物な吉佳にとって、~ 奥村紀利という謎の優等生はおいしそうなカレーに見えた。~ (一応解説を加えておくと、これは吉佳にとって最大級の賛辞である) ~ 「ぅしっ」 口の中で小さく言って、吉佳は立ち上がった。 知り合いの視線のいくつかが自分に集まるのが分かる。 目が合ったクラスメイトに小さく手を振って、~ 吉佳は教室の隅、奥村紀利の席の前まで悠然と歩いた。 ~ 吉佳の意図が分かったのだろう、視線が更に集中する。~ 教室のざわめきが、心なしかボリュームを下げた。 ちらと横目に見ると、先ほど紀利のほうを見ていたグループが、~ こちらに非難がましい目を向けている。 それにニカッと笑みで返して、吉佳は両手を紀利の机の上についた。 「……?」 そこで初めて気付いたように、紀利が不思議そうな目で吉佳のことを見上げた。 「うぃーっす。あたし吉佳。奥村、あー、誰だっけ。奥村。奥村奥さん?」 「奥村、紀利です。はじめまして」 紀利が薄い笑みを浮かべる。~ なるほど、確かに美人だ、と吉佳は内心で頷いた。 そして、 ~ 「あんた、鬼畜外道だってホントかい?」 「……、いえ」 一瞬。 紀利の笑顔に亀裂が入った、ように見えた。 ~ 波乱の一年が、幕を明けた。 ~ ~ ~ ~ あー、どうだろ、これ微妙だなー。~ 最後の台詞が全然なってない。 でも定時になったんで帰ります。 吉佳さんは、紀利さんと唯一マトモに張り合える人だっていう方向でいきたいです。 だって、Mとか受けな人多いし……。英美さんとか。 ~ ~ *もう順番とかてきとう **雪がふりもうした ***紀利×吉佳 (色々ありました。を前略。そのうち書くかも) ~ ~ 「――じゃあ、一緒に入る?」 言った。言ってしまった。 冗談交じりとは言え(冗談と取られないかもしれない状況で)(むしろそのほうが)、~ こんな露骨なことを(しかも実現してもおかしくない状況で)言ってしまうなんて、~ 本当に今日はどうかしている。 声は震えていなかったろうか。冗談っぽく言えただろうか。~ 紀利はどんな顔をしているだろうか。笑っているだろうか。困っているだろうか。~ 呆れているだろうか。もしかして引いているだろうか。 心臓は早鐘を打ち、鼓動がうるさいくらい耳の奥で響く。 コンマ一秒ごとに、言わなかった方がよかった、という後悔が膨らんでゆく。~ にべもない口調で否定された場合のこれからのことを考えて、更に不安が増大する。 そんな、吉佳にとって拷問のような数秒の後(実際には五秒と経っていなかった)。 「今日はお湯を張っていないから。また次の機会にね」 「っ――…………そ、」 どっ、と体から力が抜けた。~ 熱かった体が急激に冷め、シャワーの音を今さら気付いたかのように意識し始める。 「あ……あーらら、残念」 かろうじてそれだけ返し、吉佳はぺたりとタイルの床に座り込んだ。~ 扉の向こうで、紀利が部屋に戻る気配を感じる。 一度だけ、長く大きく深呼吸。 頭からお湯を受けながら、鼓動が落ち着くのを待つ。 「ああ、もう」 右手で頭を押さえ、ぐしゃぐしゃを掻きむしる。~ 本当に、どうかしている。今日の自分は。 落ち着こう、落ち着いて、いつも通りで。 口の中で呟いて、――でも、とまた思う。 ~ 『また次の機会にね。』 ~ その言葉に、希望を感じてしまうのは間違いなんだろうか。~ それともこれもまた、彼女の思い通りに弄ばれているだけなんだろうか。 極力そういう素振りはしないように気を付けているものの、~ 自分のそういう趣味嗜好が紀利にバレていないとは、~ とても自信を持てはしない。 ~ 誤魔化すように、シャンプーを手に取り、頭を乱暴に洗う。 「~~~!」 いつも自分が嗅いでいる紀利の髪の匂いがして、また動揺する吉佳だった。 ~ ~ (後略) ~ ~ ***古河×唯 今日は雪が降った。~ たくさんの雪だ。 原付で通学している古河みちるは、五時限目の時点で既に積もり始めていた雪を見て、~ うん、億劫になる前にさっさと帰ろう。と、今日は部活に行かないことを決めていた。 そんなわけで、最後のSHRが終わって、クラスメイトと談笑して、~ それから教室を出たのが四時半前。 自分の下駄箱でクツを入れ替えながら外を見ると。 目の前には、ちらちらと空を舞うきめ細かい何かと、~ おおむね五センチほどの厚みを持つ白い絨毯が広がっていた。 ~ ――あ、原付は無理ですね。 簡潔に結論を出して、クツを履き替える。~ 今日は愛車は学校に置いて、バスか何かで帰ればいい。 ~ そう考え、ダウンジャケットを羽織ながら昇降口を出たところで、 外履きを突っかけた片足をとんとんと叩いている戸部唯と出くわした。 「あら?」 「あれ」 一瞬の間を置いて、 「あらあらこれはどうも」 「あっ、ああ、どうも、こんにちはセンパイ」 頭を下げ合う。 二人とも背の高さは似たようなものなので、傍目には、~ 遠慮の抜けない新入生同士が何かの事故を謝り合っているようにしか見えなかった。 「戸部さんは、これから部活で?」 「いやいや、今日はさっさと帰ろうかと思ってたところです」 ほんとは自転車で帰りたかったんですけどねー、と、~ 唯は右手に持った鍵をちゃりちゃりと鳴らした。 「てことは、あれですね、センパイも今帰りですか? 原付……は無理ですよね」 「です。今日はバスか何かで帰ろうかなーと。戸部さん、もし良ければご一緒しません?」 「へえっ?! やっ、の、」 「あ、徒歩でしたか。それじゃあ、今日は私も歩きで」 原付持ってきますね、と、意思も確認しないままに、~ 唯のことを半ば置き去りにして、古河はさっさと歩き出していた。 展開の早さに、唯はしばし呆けていたが、~ 「って、わたしも自転車持って帰りますから!」 慌てて古河の背中を追いかけた。 ~ ~ ***歩×英美 部活を終え、忘れ物をしたことを思い出した英美が自分のクラスへ戻ると、~ 最終下校時間を目の前にした薄暗い教室の中から、小さな吐息が聞こえてきた。 「ってオイィ!」 目下爆睡中のクラスメイトの後頭部を平手で叩くと、~ いつも通りにむっつりとした顔が、ゆっくりと持ち上がった。 「……何?」 「なに? じゃないしねー。さっさと帰るよ」 「……あ、英美」 未だに何が起こったのか分かっていなかった歩は、~ 涙で滲む視界にぼんやりと映った人影の顔を半眼で確認すると、ぼそりとその名前を呟いた。 次に、教室が暗いのをたった今やっと不自然に思ったかのように、~ 少しだけ怪訝な顔をして……そのあと壁の時計を見て、お、と小さく驚嘆の声をあげる。 「はい、いいからさっさと立って、服着て。ほら、支度する!」 眠い、とかおなか空いた、とかボヤきながら、もそもそと帰る準備をする歩。 ペンケースを入れ忘れたりジャケットに袖を通せなかったりする歩に、~ 見かねた英美が所々で手助けをしてやり…… 結果として、二人はなんとか最終下校時刻前に学園を出ることができた。 ~ ~ 英美は元からバスか電車で通学しているし、~ 積雪で自転車が使えない歩は、西照宮行きのバスに乗るのが最も早い。 バスで帰ることにした二人は、校門を出てすぐのところにあるバス停へ向かった。 ~ 「あんまり積もんなかったみたいね。これじゃ遊ぶのもムリかなー」 その道中、すっかり汚れた雪にまみれた道路を見渡して、残念そうに英美が言った。 「ん」 分かっているのかいないのか。 歩は小さく頷きながら、道端の民家の屋根の上に積もった、~ 白いままの雪をぼうっと眺めていた。 ~ べたべたと汚れた歩道を進むと、学園を出て五分も掛からないうちに、~ 生徒御用達の最寄のバス停へは到着できる。~ 屋根のお陰で濡れずに済んだバス停のベンチへ、英美が腰掛ける。~ 時刻表を眺めて、ついさっきバスが出たところだと知り、あちゃー、と声をあげた。 「残念、タイミング悪かっ……って、何してんの?」 振り向くと、歩はベンチへは座らず、その傍らに屈み込んで、~ 俯いた頭のせいで見えない手の中で、何かをしている、ように見えた。 英美は尋ねながら体を傾げて覗き込んで、へえ、と笑った。 風で斜めに吹き込んできたのか、~ ベンチの下には、まだ誰にも踏まれずに白いままの雪が残っていた。 「キレイな雪、まだ残ってたんだ。私にもちょっと触らせてよ」 差し出された手を見て、歩は、かき集めていた雪を抱えて、なぜか数歩ほど後退。~ その懐をよく見てみると、白い雪は綺麗ないくつもの小さな球体に形を整えられていた。 歩は、片手で抱えた雪玉を一つ取り出すと、それをしばし眺め、考え、 「おおっと?」 下手投げで、英美へ向けて放り投げた。 ばし、という音と共に、握られた雪玉が破壊される。~ 英美の胸元を狙ったゆるい軌道の玉は、英美の右手でしっかりとキャッチされていた。 「いい粉雪。私もちょっと……って、もう無いし!」 英美がベンチ下を覗き込むと、~ ついさっきまでそこにあった雪は根こそぎ掻っ攫われ、~ 今では粉雪が薄く散らばっているだけだった。 ちくしょー、と屈み込んだまま肩を落とす英美。~ 手の中に残っていた雪玉の残骸も、後ろ手にポイと投げ捨てる。 「……」 握られ、粉々になって地面に散った雪玉の残骸をじぃっと見つめ、~ 歩はつまらなそうな――と言ってもいつもと変わらないが――顔をして、~ 雪玉をもう一つ取り出した。 「ねえ、ちょっとそれ私に貸し……っと! ほ、は、ぅおい!」 予告もなしに、結構なハイスピードで放たれた雪玉四連撃を、~ 英美は見事な動体視力と運動神経でその全てをキャッチ、あるいは回避した。 「ちっ」 「うわーい、なんだこいつ、なめとんのかー」 投げやりに嘆き、英美は歩の手の中を覗き込む。~ ああ、雪玉が、あと一つしか残っていない。 「よしわかった、もう一発、カモン」 狙うはソフトキャッチ。 「えー……」 急に乗り気になった英美に、途端に嫌そうな顔をする歩。 綺麗な雪を得るたためだと、英美はイラっと来た内心を抑え込み、~ ヘイヘイカモン、と歩を挑発。 「四発はまずい、不吉な数字なのよ。縁起が悪い」 「合計だと五発になるんじゃ」 「だー、いきなり冴えるなっ」 そのとき、歩がふと車道に視線を向けた。~ そして一言、 「あ、バス来た」 「え、もう?」 べしゃ。 英美の胸元で砕けた雪玉が、パラパラと崩れ散っていく。 その背後でバスが停車し、がちゃりと扉が開いた。~ 呆然と立ち尽くす英美を尻目に、歩はさっさとバスに乗り込んでいく。 「…………ちょ待って、乗りますから!」 二秒ほど硬直してから、閉まりかけたバスの扉を強引にこじ開けて、~ 英美もバスに乗り込んだ。 次は見てなさいよむしろ見えないところからやるわよ、~ という背中からの呟きは、残念ながら全無視された。 ~ ~ **全然整理してないっす ***きみのにおい ぺたり、ぺたり。 一段を踏み上がるのも一苦労といった様子で、~ 夜の階段をだるそうに上っていく人影がある。 非常灯のランプでぼんやりと浮かび上がるその姿は、~ 長町学園の制服に身を包んだ、伊織夏希だった。 ポニーテールを左右にふさふさと揺らしながら、のそりのそりと暗闇を進む。 口から漏れる、意味を成さないうめき声の調子は、~ 彼女の疲労困憊っぷりを如実に表していた。 ~ 彼女は今日、祭歩の住むアパートにお呼ばれしていた。 いつも通りに長引く帰り際の立ち話で時間を稼がれ、~ 深夜一時を過ぎたあたりでようやく開放してもらえたのが、つい先ほどの話だ。 ~ 西照宮寮の本来の門限は一〇時で、その頃には寮の出入り口は全て施錠されるが、~ 寮母にあらかじめ連絡を入れておけば、それなりに融通を利かせてもくれる。 ~ 道すがら出しておいた自室の鍵を差し込み、開錠。 なるべく音を立てないようにドアを小さく開け、隙間から滑り込んで、~ 自分のベッドを見て、ふぅ、と吐息のように呟く。 ~ 夏希がいつも寝ている、二段ベッドの下の段。~ そこには、制服のままで眠りこけている遥の寝姿があった。 少し体を丸め、幸せそうな顔を夏希愛用のタオルケットに押し付けて、~ 穏やかな寝息を立てている。 ~ この時期、遥たち吹奏楽部の生徒たちは、来たるコンクール本番に向け、~ 毎日遅くまで学校に残り、練習を重ねていた。 顧問の教師も生徒たちも相当に熱が入っているらしく、~ 最近の遥は部屋に帰るとすぐ寝てしまうということが多く見られた。 ~ だから、それを見た夏希は早々に状況を把握した。 おおかた練習で疲れきった遥は、入りやすい伊下側の布団に文字通り倒れ込み、~ 『つかれたー』とか言いつつそのまま寝入ってしまったのだろう。 夏希はウンザリとした顔で鞄をゴミのようにポイ捨てし、~ 遥を強引に押しのけて、自分のベッドに乗り込む。 無意識ゆえの力強さをくすぐることで打破し、まずタオルケットを奪取。 次に、馴れた手つきで遥の制服を脱がすと、~ それをベッドの外……テーブルの上に放り投げる。 夏希の手によって、遥はあっという間に下着姿になった。 夏希は、遥のわきを掴んで上半身を引っ張り上げ、~ 背中を自分の胸の中にもたらせるように抱いた。 次に、この時期のためにあらかじめベッドの脇に準備してあった遥の寝間着を、~ 手を伸ばして掴み取り、着せ、丁寧にボタンの全てをしめてやる。 遥を再度ベッドに横たえ、夏希は静かにベッドから出た。 ~ 先ほどテーブルの上に放り投げた遥の制服を拾い上げ、シワを伸ばしてハンガーに掛ける。~ 自分も制服を脱ぎ捨て、どこか適当に投げ捨てた。 下着姿のままで十数秒ほど思案してから、ふと気付いたようにベッドへと歩み寄る。~ 遥の足元に丸まっていた自分の寝間着を身に付けてから、ベッドをもう一度眺め、逡巡。 ~ ~ 数分後、夏希は梯子を上がり、~ いつも遥が寝ている二段ベッドの上のほうへ乗り込んだ。 不穏なものがないか一応チェックしてから、とりあえず横になる。 ふと気付いて起き上がり、掛け物を探し、~ 足元方向に押しやられていたタオルケットを見つけ、丁寧に広げて身を包んだ。 ~ 今度はびっくりしたようにもう一度起き上がり、動転した様子のままでまた横になる。 しばらくして、ようやく落ち着いたのか、~ 夏希はタオルケットを抱きしめるようにして眠りについた。 ~ ~ *吉佳関連 ***水球大会後(唯寄り視点) 閉会式が終わると、大会に出場した生徒たちは一斉に部屋になだれ込んだ。 全学年の生徒が入り乱れ、我先にとシャワーを浴びに来ている今こそ、~ この場所が一年で最も騒々しくなる日だと言えるだろう。 ~ ざあざあという、たくさんの水音が重なり合った滝のような音と、~ 女子たちの騒がしい話し声がシャワー室に響く。 数年前の増改築で多大な恩恵を授かったシャワー室は、~ 一つのクラスの生徒が全員個室に入ってもまだ余裕があった。 ~ ~ そのシャワー室の一角。 部屋中央付近、壁に隣接した個室のひとつで、~ 疲労感を滲ませながらも、とても満足そうな顔で背に水流を受けているのは、~ 今大会の出場者であった戸部唯だ。 ほとんどの少女が壁を向いている中で、彼女だけはシャワーヘッドに背を向けて、~ 部屋全体を見渡すような格好をしていた。 「あー、極楽ごくらく」 首をさりげなく回し、乙女たちの白い肌を鑑賞する。 ~ 一応個室の形態を取っているとは言え、女学園で何を過剰に気にする必要もない。 個室間を隔てている擦りガラスは、 胸から股下にかけてを適度にカバーする程度に過ぎなかった。 背が平均より高い生徒の胸は丸見えであるし、~ 背の低い生徒などは頭まで隠れてしまったりもする。 「眼福っす。最高っす」 息も荒く、ちょっと危ない目でお隣の一年生を視姦する唯は、 かれこれもう三〇分以上も個室に居座り続けている。 全学年対抗戦ともなると、さすがに全員が同時に個室を利用することはできない。 ローテーションしつつ入れ替わり立ち代わる少女たちに目を奪われ、~ 唯はいつまでも部屋を出ることが出来ないでいた。 「今こそコマンド『おぼえる』を活用しまくる時。食らえ我が奥義、エックスボタン連打……っ!」 「あンた、背中が煤けてるぜ」 「へェあ?!」 唯のすぐ耳元でドスの効いた声が囁き、~ それと同時に、視界が急に真っ暗になる。 どうやら、後ろから目隠しをされたようだったが、そんなことを考える余裕もなく、~ 思わず唯は奇声をあげ、後ろを振り向こうと身をよじった。 「あれ、あれー?! 誰っすか、見えねええー!」 「……祭歩」 「あ、祭センパイっすか。どもお疲れサマです」 声色を似せたその言葉に、唯があっさり頷く。~ 背後の誰かは『いやいやいや』と否定して、目隠しを解いた。 「おつかれ戸部さん。今日も視姦に精が出るね。ていうかキミ、シャワー長すぎじゃない? ふやけるよ?」 「その声と背中に当たるボリュームからして……吉佳センパイですね!?」 唯が首だけ後ろに向かせると、~ そこにはマッパの柚瀬吉佳が堂々と仁王立ちしていた。 どうやら、いつの間にか忍び込んできたらしい。~ おそらくは隣のスペースから、下を潜って来たのだろう。 「ぴんぽんぴんぽーん、大当たりー。正解者にはハグをプレゼンツ」 吉佳は背後からぴったりと密着し、唯のわきの下から手を通し、~ へその辺りで手をクロスさせた。 前屈みの姿勢になると、唯の背中になにかとても大きなものが重くのしかかる。 「うう、間に合ってます。ていうか今はちょっと忙しいんスけれども」 ぬいぐるみを抱かれるような恰好になって、唯は少しだけ顔を赤くした。~ しかし文句を言いながらも、唯の目は前方の桃色風景を見ることをやめない。 「まあ、学年の違う人たちのハダカが見れる機会なんてそうないしねえ」 うんうんと頷きながら、吉佳は唯の体をぺたぺたと触り始めた。 「そうなんです。なんでスけど、センパイ?」 うんうんと頷く吉佳に、唯が控えめな態度で進言する。 「なんだいコウハイくん」 「この手はなんでしょう」 これ、と指差された吉佳の両手は、唯の薄い胸を揉みしだいていた。 その手つきは無遠慮ながら、それなりに丁寧だった。~ 笑いながらも困った顔をした唯の頬が赤みを増す。 「発情してたみたいだから、お手伝いをば」 「いくらなんでも、ここでおっぱじめるのは無理っす……」 うんざりといった顔で、唯が反論する。~ その呼吸は心なしか荒い。 「まー、そこらへんは遥くんの担当だしね。おっ、いいケツ……もとい、腰細いねえ。うらやましい」 左手で胸を揉み上げながら、吉佳の右手が脇をするすると降りてくる。~ 脇から腰へと下り、手のひらが下腹部と太ももを這い回る。 「……った、っとと、そこはダメっすー!」 慌てて手を掴もうとする唯を見て、元々、単なるおふざけのつもりだったのか、~ 笑いながらパッと両手を離し、半バンザイの姿勢で吉佳は後ろに退がった。 「それじゃ、あたしは先に出ますかね。おつかれーっす」 片開きのスイングドアを開け、あっさりと吉佳は退散した。 「……バレなかったかな」 吉佳の姿がシャワー室の外へ消えたのを確認してから、~ そう小さく一人ごちる。 毛の薄い自分の陰部を人差し指でなぞると、~ シャワーの水とは違う、とろりとした液体が指先に絡みついた。 「いやいやいやないないない。あの胸はない」 自他共に認める生粋のロリフリ(ロリータフリークスの略)としては、~ あんな凹凸の激しい体は謹んで遠慮させて頂きたいところだった。 ~ 蛇口を強くひねり、なんとなくさみしくなった背中に強い水を当てる。 「あいたたたた」 水の勢いが強すぎて、背中が痛かった。 慌てて蛇口を少し閉めて一息ついたところで、~ 人が少なくなっていることに気付く。 そこで初めて、唯は髪を洗い始めた。 ~ ~ ~ ~ *はえちゃうまでのこと(英美編) ~ ***モチベーション(グリーン) 「ほらあの。性別反転できるクスリとか欲しくないですか?」 「ああー、いいですねいいですね。ところで古河さん、それは一体誰に飲ませるつもりですか」 「それについては、じっくり議論する必要がありそうですねっ」 対戦を続ける面々を尻目に、~ ベッドの上に座って楽しそうに話をしているのは、夏希とみちるだ。 彼女たちは先ほどから、~ "もしも○○があったら"という、もしもトークに花を咲かせている。 「男になるってことは、もちろんアレも付くんだよね?」 思い出したように横から口を出してきたのは、~ コントローラを握った英美だった。 彼女は中年チックに下品な笑みを浮かべ、夏希の体を嘗め回すように眺めはじめる。 「私、そういうネタ好きなんだよねー。色々してみたいなあ。色々」 英美はあぐらをかき、股間の辺りで何か見えない棒のようなものを掴むような仕草を見せた。~ 何かを擦るように右手を上下に動かしながら、夏希の下腹部を注視する。 「ぷぇっ!? ななな何どこを見てんですかって!」 「棒を入れる穴」 きっぱりと断言する英美に、 場の面々の半数以上が、『またこれだよ』といった感じの顔をした。 「唯ちゃぁん。なんか英美さんがコワいよ。あれは獲物を狙う目だよ」 「……うへ(遠い目)」 「いやいや伊織さん。戸部さんもあっち側ですよ」 「わたし、チンチンより触手のほうが好きだよ」 「聞いてねえしっ!?」 ~ 助けを求める伊織に、妄想世界に旅立つ唯、~ 冷静に突っ込みを入れる古河と、唐突に違う話を持ち出す遥。 いつも通りの風景、くだらない談笑。 ~ ――その朗らかな笑顔の輪の隅で。 奥村紀利だけが、種類の違う微笑を浮かべていた。 ~ ~ ~ ~ ***コーション(イエロー) 二時限目のあとの休み時間。~ 体育の授業を終えた三年の生徒たちが、ぞろぞろと廊下を歩いていた。 「あー、楽しかった」 「つかれた」 「ですね。楽しかったですけど、そのぶん疲れました」 英美、歩、紀利の三人も、その集団の中にいた。 英美はまだ動き足りないような顔で、~ 歩はもう眠そうに、~ そして紀利は、疲労を滲ませながらも晴れやかな顔で、 上履きのゴムを鳴らしながら、三人は教室へ向かう。 「もう、喉がカラカラです」 「確かに。あとでジュース飲みにいこっか」 財布は三人とも教室に置いてきているので、一度は教室に戻らなくてはいけない。 休み時間はまだ一〇数分あるから、着替えてからでも余裕かな、~ などと英美が計算を働かせていると、紀利がこんなことを言い出した。 「あ、それなら、二人には私が持ってきたジュースを差し上げます」 「へえ? 珍しいね、どうしたの」 「親戚からの貰い物が余っていまして。ただ捨てるのも勿体無いから、誰かに渡すつもりで持ってきたんです」 「……何味?」 「色々ありましたけど、今日持ってきたのはメロンヨーグルトとベリーカルテットです。どちらも一度飲んでみたんですけど、私の舌には合わなかったみたいで」 「あ、じゃー私はヨーグルト」 「んと、」 「ベリーカルテット。四種のベリーが入ったジュースらしいですよ」 「それ」 「分かりました。それじゃあ、少し待っていて下さいね」 会話がひと段落したのとほぼ同時に、三人は教室に到着した。 英美と歩が自席に戻り、着替えを始める。 紀利は自分の鞄の中から二つのパックジュースを取り出し、~ それぞれを二人の机の上に置いた。 「はい、お二人ともどうぞ」 「ありがとー。それじゃ、遠慮なく」 「ん」 パックの背中からストローを取り出し、それぞれ口に含む。 紀利はきちんと自分の分も用意してきたらしく、~ 二人に渡したものと同じデザインのパックを手に持っていた。 「苦……じゃなくて、栄養ドリンクみたいな? 確かにちょっと変かも」 ストローをくわえたまま、モゴモゴと英美が感想を漏らす。~ 表情からするに、やはり何とも言えない味のようだ。 「あ、やっぱり苦いですよね。大丈夫ですか?」 気遣わしげに紀利が尋ねる。 英美は気にするなと言う風に手をひらひらと振り、~ こう返した。 「いや、これなら全然気にならないよ。メロンの味はあんまりしないけどね」 「よかった。あ、祭さんのほうはどうです?」 「ん」 問題ないという意思表示か、体操着のまま机に座っていた歩は、~ ストローをくわえたままでこくりと頷いた。 ~ 二人の答えに満足してか、紀利も自分の机に戻り着替えを始めた。 その口端にはなぜか、嗜虐的な笑みが浮かんでいたのだった。 ~ ~ ***コンディション(レッド&ブラック) がたがたん、という大きな音がした。 ~ それは、授業中の雑音として許容できる音量を少しだけオーバーしていたため、~ 居眠りをしていない生徒のうち半数ほどが、その音のした方向に顔を向ける。 音の発生源は、教室の中心部に近い位置に座る、松島英美のようだった。 ~ 生え際が後頭部まで下がってしまった地学の男性教諭が、~ クラス半数の総意を代表するようにこう尋ねた。 「どうしました?」 「え!? えーと、すいません! 何でもナいです!」 見るからに動揺した様子の英美は、不自然な作り笑いを浮かべながらそう言った。 彼女は、何でもないと両手をぶんぶんと振る。 かと思えばその自分の両の手を、~ ハッと気付いて、まるで机の下に隠すかのように勢いよく下ろした。 「調子が悪いのでしたら、無理せず仰ってくださいね」 「いえ、大丈夫です。はい」 半ば俯いて言いながら、英美は自分が座っている椅子の位置を調整した。~ 力が入りすぎているのか、またもガタンガタンと音が鳴る。 先ほどの音は、英美の椅子が大いに暴れたのが原因だったようだ。 「わかりました。それでは引き続き、二六七ページの真ん中辺りからを――」 誰がどう見ても様子がおかしかったが、まあ、本人が言うなら問題ないだろう。~ 生え際が後頭部まで下がってしまった地学の男性教諭はそう結論付け、授業を再開することにした。 それにつられ、集まっていたクラスメイトたちの視線も徐々に外れていく。 ~ 比較的仲の良い友達の、揶揄するような視線が全て前を向いたのを確認してから、~ 英美は、そっと下を向いた。 ショーツの中に違和感がある。~ 妙な圧迫感もある。 さりげなく触れてみると、ショーツの中に、~ なにかとてもおかしなものが含まれているのが分かった。 タンポンなどが原因ではない。~ 肩からもう一本の手が生えてきたかのような、奇妙な感覚があった。 「(……なに?)」 ショックが引いてからまず始めに出てきたのは、現状への疑問だった。~ それもそうだ。当然である。考えないほうがおかしい。 本当に、何の前触れもなく、それは唐突に『出現した』のだ。 正確には、『(股間から)生えてきた』と言ったほうが正しいかも知れない。~ その何かは、ショーツを内側から押し広げるように出てきたのだから。 ~ スカートの上からもう一度、"それ"にそっと触れてみる。 「……うぁ」 触感があった。~ 異物を触った感じではなく、自分の体に触れた感覚があった。 不思議なことに、それは異物感というものを全く感じさせなかった。~ 生まれた時から正しくそこにあったかのように、その棒的なものはごく自然に存在していた。 「(…………)」 時間が経つにつれ冷静になり、状況を把握すると、次に頭をもたげたのは好奇心だった。 英美は再度、周囲を確認し、誰も自分を見ていないことを確認する。~ そして、手のひらでやんわりと包むように、それに触れた。 「(な、なんかむずむずする)」 輪郭をなぞるように、端から端に指を這わす。~ 少しだけ熱を持ったそれに触れていると、なんとなく背中がざわついた。 誰かに見咎められるかも知れないという恐怖から、手の動きは緩慢で控えめだ。~ それがなんとももどかしく、英美の手の動きは徐々にバリエーションを増やしていく。 撫で、摘み、擦り、握る。 モノの全体的な形を把握していくと共に、英美は二つのことを理解するに至った。 一つは、これはやはりアレだということだ。~ なにがどうしたらこんなものが、しかも唐突に自分から生えてくるのかはさておき、~ おそらく、いや、ほぼ間違いなくこれは、 「(もしかしてこれって、チ……)」 男性の生殖器であった。 そして二つめ。~ これは、実は大変な問題なのだが。 彼女のスカートが、少しだけ下から持ち上がっていた。 股の間に太い棒でも挟んでいるかのように、不自然なシルエットを形作っている。~ 中にある何かで押し上げられているのだ。 そうとも。 股間のナニが、膨らんできたのだ。 「(な、な、なななわわわわわわ)」 男性器は膨らむ。 そんな単純なことにも頭が回っていなかった英美は、~ 好奇心と動物的本能の赴くままに股間の棒をいじくり回し、こうして致命的な状況に追い込まれた。 目立つ。~ 例えようもなく目立つ。 いや、椅子に座ってる分にはそんなに目立たないんだけれども、~ 休み時間となると話は別だ。 休み時間に席を立たない生徒など、滅多にいない。~ それが松島英美ともなれば、誰が見ても明らかな異常だ。 誰かにちょっかいを出され、それでも席を立たない英美。~ 善意であれ悪気のない悪戯であれ、その後の展開がまずいことになるのは明白だった。 「(逃げよう)」 三十六計逃げるに如かず、と言う。 とりあえず逃げて、安全な場所を確保する。~ 早退する、誰かに相談する、などの今後の行動は、それから考えればいい。 そうと決まれば話は早い。~ 先生に体調不良を訴え、保健室へ向かう振りをして安全な場所まで避難するのだ。 「(…………えっと)」 えっと。 その。 あれだ。 ~ これが落ち着いてから。 ~ ~ *雑多イベント ~ ~ ***健康法です。 そんなわけねぇ。 ~ 夏のお約束。 プール開きの日、前日の晩から水着を下に着用した状態で気合十分だった伊織夏希は、~ 当然のように下着を全部忘れて登校した。 ~ あれ、なんだこれ、イメージが湯水のように溢れて止まらねー。~ 誰と誰が組んでも面白い。 悩むなあ。誰にしようかなあ。~ 全員で書けばいいのか。それだ。ねーよ。 ~ ~ ***寝坊した!? 朝起きて、ベッドの中で仰向けのまま首を横に倒すと、~ すぐ見える位置に目覚まし時計が置いてある。 現在、その時計が指し示す時刻は―― 「っちょああ!? 一五分とかありえねええ!」 夏希は布団を足で跳ね飛ばし、その勢いのまま起き上がった。~ 転がるようにベッドから降りて、まず二段ベッドの上側に寝ている遥に声を掛ける。 「ハル起きて! チコク! 朝メシもムリ、即行で着替えないとっ」 何度か遥の体を揺さぶり、うめき声が聞こえたのを確認したらすぐクローゼットへ。 パジャマをベッドの上に放り投げ、ハンガーが飛ぶのも構わずに制服を乱暴に取り出し、~ とりあえずといった感じで袖を通していく。 「んーーー、え、もう朝、なの? 早くない……?」 「や、一五分過ぎてる! ちょっぱやで行ってもかなりムリくさい!」 そうして大急ぎで自分の支度を整えながら、~ ナマコのようにもぞもごしている遥の声に答える。 ちなみに、チャイムが鳴り終わるまでに教室に滑り込むには、~ 最低でも八時一五分に寮を出なければいけない。 「わ、明らかに間に合わない。 ごめんねなっちゃん……わたしのことはここで置いていってくれえー」 「それじゃお先。あ、二限目からでいいから来てよね!」 そう言い残して、髪も下ろしたままで夏希は部屋を飛び出していった。~ 遥は寝直すつもりなのか、布団を顔の上まで引っ張り上げ、もぞもぞと丸くなり、 「あれ?」 そこで、不自然に部屋が暗いことに気が付いた。 かと言って、雨の日のような薄暗さではない。~ どちらかと言えば、そうだ。これは。 それに気が付いて、遥は机の上に置いてある夏希の置き時計を見た。 「あやや、勘違い。ていうかまだ余裕。もうちょっと寝てよっと……」 現在、七時一五分。~ 二人が渋々ベッドから這い出るいつもの時間まで、まだ三〇分ほどの猶予があった。 ~ ~ ちなみに、そのあと遥はしっかり寝坊し、三限目から教室に顔を出した。 ~ ~ ***小事にもメアリー 「……あれ?」 途中、何かおかしいな、とは思った。 信号の変わるタイミングとか、歩行者や車の数とか。~ いつもより眩しくて邪魔くさく感じる太陽とか。 「あれー?」 でも、そんなことを気にしてられるほど時間に余裕がないと思っていたので、~ 学校に到着するまで全然気付かなかったんだけど。 「ま、マジですか!」 どうやら今日、夏希は時計を見間違えてしまったらしい。 ~ ~ ***素直さは時に空気を読まない 「それでだ。ここで主人公は考えたわけだ。"(お前は―――)"」 面白くもなさそうな顔で講義を続けているのは、ひねくれた性根が特徴の国語教師だ。 教材として与えられた作品を"学ばされる"ことに、彼はいつも辟易していた。~ 気に入らない作品が授業の対象になる時の彼の態度は、大体いつもこんな風だった。 ~ そして、教師のやる気のなさに呼応するように、~ 生徒たちの顔も一様に活力の感じられないものとなっていた。 誰もがうんざりした顔で、それでも半数以上は板書をノートに写し取り、~ そのまた半分くらいの人数は、やる気がないなりにきちんと話を聞いていた。 「……という展開から、あー、彼女の心には、」 しかし、生徒どころか教師でさえも真面目に授業をする気がないので、~ どうしても教室の空気は弛緩する。 ~ そんな中でも、少数ながら真面目に授業を聞いている者もいた。 窓際は前から三番目の席に座る、この三好ゆたかという少女は、~ そんな数少ない真面目な生徒の一人だった。 ~ ~ 「(はあ……)」 ゆたかは少し憮然とした表情で、~ 教室に蔓延している弛んだ雰囲気に、内心でため息を吐いた。 やる気の有無は伝播する。 いくら真面目に授業を受けようとしていても、~ 周囲がこれでは勉強がはかどるわけもない。 「(っていうのも言い訳かな、まったくもう)」 板書の写しがひと段落したところで、ゆたかはふと、窓の外に目を向けた。 窓の近い席にいると、手持ち無沙汰な時にどうしても外に目が向いてしまう。~ その時の授業が退屈であれば、尚更だ。 庭には木々、空には雲、そして校庭には運動着の少女たちが見える。 窓から見える木々は軒並み葉を散らし、~ 枯れた色の多くなった風景はどこか寂しさを感じさせる。~ グラウンドの少女たちは、寒そうに手足を縮こまらせながらトラックを周回していた。 まったくもって、いつも通りの学園風景である。 「(……ん?)」 ふとゆたかは若干の違和感を感じ、内心で首をかしげた。 教室を見回してみる。~ つまらなさそうな教師。やる気のない生徒。どこも変なところはない。~ 板書も更新された様子はない。 次に、目立たないようにさりげなく、ゆっくり外を見渡してみた。 と、校庭の隅、マラソンを終えて座り込んでいる生徒たちの中に、~ 一人だけ立ち上がってこちらを見ている少女がいた。 それは、三年の祭歩だった。 ゆたかと目が合うと、その少女――少女と言うには~ ちょっとばかり大きすぎる気がしないでもないがとにかく、~ 歩はゆたかに向かって大きく手を振り始めた。 そりゃあもう、遠めにも誰にでも分かるくらい大きく、ぶんぶんと。 「(はあっ!? いや、ちょっと、見られてますよ!)」 ゆたかの思うとおり、グラウンドで座り込む少女たちのいくらかが、~ おや? という顔で歩のほうを見ていた。 背を向けている歩は気付かないが、~ 見ているゆたかのほうが恥ずかしくなってくるくらい注目されている。 「(もうボクも気付いたんですし、手を振るのはやめて頂ければ……って)」 はた、と気付いた。 もしかして歩は、ゆたかが気付いたことを分かっていないのかもしれない。~ たしかにこの距離では、顔を外に向けているくらいでは判別が付きづらい。 しかしそうすると、ゆたかが気付いたこと、手を振らなくていいことを伝えるには、 「(あっちに見えるくらい、大きく手を振れ……? それはさすがに)」 ゆたかは首を戻し、教室を見渡す。~ 黒板を見る生徒がいる。教室を一望できる位置に教師がいる。 「(無理です。ってああ! 今まさに祭先輩を注意しようと評判の悪い体育教師が先輩に近寄ってきたり!)」 ゆたかは説明口調で慌てると(これでも慌てている)、~ まだ手を振り続けている歩と、教室とを交互に何度か見て、 「(ええい、ままよっ)」 妙に古くさい言葉で気合を入れると、ゆたかは、~ 頼むからこれで分かってくれと、肘から上を精一杯に横に振った。 視界の左端で、後ろの席の生徒のもの言いたげな視線が痛い。 「(ああ、ボクってば授業中に何をやってるんだっ)」 半ばヤケクソで、にこやかに手を振る。 と、どうやら気付いてくれたのか、歩は心なしか嬉しそうにもう何度か手を振ると、~ ようやく手を振るのをやめ、芝生の上に座り込んでくれた。 「(ほっ……)」 安心したのも束の間。~ ばしっという音とともに、ゆたかの頭を小さな衝撃が襲った。 「たっ」 「詰まらんのは俺もだが、せめて話を聞くフリくらいはしろな」 いつの間にかすぐ隣に、閉じた教科書を持った教師が立っていた。 「は、はい」 教室を包む笑い声に、ゆたかは肩を竦めた。 「難儀なやつだ」 口の片端を上げ、国語の教師が皮肉げに笑う。~ どうやら一部始終を見られていたらしい。 「すみません……」 「詰まらん授業を再開するぞ。あと一五分くらい我慢しろよ、生徒諸君」 再び静かになった教室で、ゆたかはもう一度だけ外を見てみた。~ 英美や紀利と談話している歩が見えた。 振り損だ、とゆたかは少し頬を膨らせ、ノートに目を落とした。 ~ ~ ***ボクとあなたのはじまり 「!」 「あ、いや、そのですね…」 「…いいです、もう。本当はこっちなんですよ、自分を呼ぶときは。」 「もうこどもじゃないんですし、いつもはちゃんと『私』なんですけど」 「…ボク、あなたといるときは、役割を演じたくないんです」 「ただのボクとあなたでいたい」 ~ 「本当ですよ?」 ~ ~ ***待ち合わせナックル ~ 校庭には、トラックと校舎に挟まれる位置に短距離走専用のスペースがある。 規模の大きな大会が近いこともあり、~ 今日も数人のスプリンターたちが遅くまで練習に励んでいた。 本番が迫ったこの時期、部活は一人ずつのタイム計測で締められる。~ 今もまさに計測を終え、茶色がかったベリーショートを汗みずくにした少女が、~ 自分のタイムを聞いて肩を落としていた。 そしてまた、一人の少女がスタート位置に近づいていく。~ 次にタイムを測定されるのは、松島英美だ。 純白のランニングユニフォームに身を包んだ彼女は、~ その手足もまた、他の少女たちと比べるといくらか白さが目立った。 そのランニングシャツは豊満な乳房に押し上げられ、~ 歩くたびにヘソがちらちらと見え隠れしている。 「がんばってね」 付き合いの長い、スタートの合図を担当する部員が、小さく声を掛ける。 それに小さく手を振って応え、スタートラインの手前に立つ。~ 生ぬるい風が、そよそよと長い髪を揺らした。 「(それじゃあ、軽くいってみますか)」 英美はひとつ深呼吸をしてから、ゆっくりと腰を屈めた。 周囲からの羨望の視線も多い、その白く長い手足を綺麗に折り曲げ、片膝をつく。~ 足を何度か踏み直し、スターティングブロックの向きや角度を確認する。 そうした一連の動作で心の準備を終えてから、~ 英美は少し離れたところに立つ合図係の少女のほうを見やった。 互いに小さく頷く。 「いちについてェ――――――用意、」 グッと腰を上げる。~ 成熟した竹の木のように、しなやかに力強く全身が撓む。~ キリと前と向いた瞳は、ゴールラインだけをしっかりと見据えている。 手を真上に掲げた合図係が、ピストルのトリガーを引いた。 ~ ~ ~ ~ そして、ゴール。 「……ッふぅ」 軽くジョギングして息を整えてから、~ ゴール地点に立っていたマネージャーからタイムを聞いた。 どうやら、好タイムが出たようだった。~ 英美はにこやかに頷いて、スタート地点のほうへ歩き出した。 待ちきれなくなった数人の少女が、結果を聞くために英美の周囲に集まってくる。~ 苦笑しながらそれを出迎えて、英美は計測が終わった部員たちと談笑を始めた。 ~ その光景を、遠くから眺めるひとつの影があった。 「……」 校舎の周囲に植えられた、何本もの桜の木。~ そのうちの一本の根元に背を預け、退屈そうに校庭を眺めているのは、 最近この学園に転校してきた少女、弓宮求だった。 ~ 春も終わり、求が背を預けている大木は、既に深い緑を一杯に茂らせていた。~ 最近は雨も降らなかったため、根元の土は程よく乾き、~ 地べたに寝転がるにはいい日だった。 彼女は、ジャージが入ったバッグを枕代わりに、~ 放課後からつい先ほどまで眠りこけていたのだが、 「……うるさ」 陸上部のタイム計測のために用いられたピストルの音で、~ 意図しない目覚めを強制されたのだった。 上半身を起こし、まだ覚醒し切っていない頭で校庭を見渡す。 楽しそうに談笑する、英美と部の仲間たちが見えた。~ その誰もが、求の知らない顔だった。 「ふぅん」 詰まらなそうに鼻を鳴らし、仰向けに寝転がった。~ 腕時計を見ると、部活の終了まであと五分もない。 ~ ふと、いいことを思い付いた。 求は口元を少しだけ歪め、その準備に取り掛かった。 ~ ~ ~ ~ それから、ぴったり五分の後。~ ついさっきまで求が寝転がっていた場所に、英美が現れた。 「あれ?」 はじめ、英美は軽く戸惑った。 ここでの待ち合わせは、別にこれが初めてではない。 校庭、中央階段から二つ左の桜の木の下。~ そこが二人のいつもの場所だったはずだ。 それが、今日はなぜか求の姿が見えない。 ~ 「モモー?」 軽く、小さく名前を呼んでみる。~ ひとつ……いや、ふたつ隣の木の陰も覗いてみる。 弓宮求の姿はない。 ~ いくら夏が近いとは言え、最終下校時間ともなれば空も薄暗い。~ それを意識した途端に、不安が倍増した。 念のために携帯を確かめてみても、求からの連絡は入っていない。 もしかしたらと振り仰いでも、~ 完全に施錠された校舎は重い沈黙を返してくるだけだ。 ~ 彼女の行動の突発さには慣れていても、~ まさか放課後に約束した待ち合わせを即座にすっぽかされるとは思わなかった。 悔しさと寂しさと不安が入り混じった顔が、そんな心境を如実に表していた。 ~ 「………………」 ~ 一人きりの長い沈黙のあと、英美は、ポツリとこう呟いた。 ~ 「……さ、」 ~ その声は小さすぎて、求の耳までは届かない。~ 木の上に隠れていた求が、目をつぶって耳を澄ましたところで、 「なにさ、バカァ!」 裂帛の気合と共に、英美は右の拳を繰り出した。 「って、うおいっ!?」 「へっ?」 べしゃ、という音がした。 ほんのちょっと涙目で、木の幹に拳を打ちつけたままの体勢で固まった英美の前に、~ バランスを崩した弓宮求が、絶叫しながら降ってきた。 ~ 「……」 「………………」 若干の沈黙があった。 求は下着丸出しでひっくり返ったまま、英美はちょっと涙目のまま。~ 数秒ほどの思考の空白。 ~ なんとも扱いづらい空気の中。 求はひっくり返ったままで、悪かった、と謝った。 ~ ~ ~ ~ *生えました後。 ***古河みちる×松島英美 「(あつ……)」 手がじっとりと湿っていた。~ 窓を全開にされてはいたが、ドアが閉じられているので換気効果は悪い。~ 額の汗を右手で拭い、古河みちるは左手で握ったソレを握り直した。~ 「ね、ねえ、ちょっと、お願いだから」 狼狽した、いつもの彼女からは考えられないほど弱々しい声が、~ 松島英美の喉から漏れた。 息が荒い。~ 英美は中腰になり、半ば覆いかぶさるようにしてみちるにもたれかかっている。 「いやいや、まあ、もうちょっとだけですから」 南校舎三階、女子トイレ。~ 音楽室のすぐ外にあるこのトイレには、今は誰もいない。~ 今は授業中なのだから当然だ。 みちると英美の二人は、ひとつの個室に入り、鍵を掛け、抱き合うように寄り添い合っていた。 「もういいってば。こんなので直るわけない、じゃ、ん……っ!」 みちるが少し強く擦りあげるだけで、英美の体は大きく跳ねた。 「待って。これ、ホント、に、あ、あ、」 英美の声が徐々に逼迫してきた。 つと、みちるがソレから手を離す。~ 安心して力が抜けたのか、英美はフタが閉じたままの洋式のトイレに腰を落とした。 「大丈夫ですか?」 荒い息で俯いたままの英美を見下ろすみちるの背中を、~ 燃えるような嗜虐心がぞくぞくと駆け上がる。 「(いやぁ、これは奥村さん様々ですね。やばい、悶死しそうですよ)」 英美の股間から生えた赤黒いソレを見下ろしながら、~ みちるは今朝起こった事件を思い返していた。 ~ とかそんなん。~ ここから回想→英美さん陵辱→萎えないあれ→二R突入→フェードアウトの流れになる想定でした。 ~ ~ ***中条遥×伊織夏希 昼休み。 昼食を食べ終えた伊織夏希は、いつものように自分の教室で小説を読んでいた。 窓の外からは、生徒たちの歓声が聞こえてくる。~ 昼休みの校庭や体育館は、活発な少女たちの恰好の遊び場だ。 ハルもあの中にいるんだろうなー、と地味に筋違いの寂しさを感じながら、~ 夏希は今日も黙々と本を読み進める。 ――――――と。 「なっちゃん!」 唐突に、バン、と教室のドアが開け放たれた。~ 中条遥だった。急いで走って来たらしく、けっこうな汗をかいている。 ついでに書くと開けられたのは後ろ側のドアだったり、遥はスパッツを履いてたりと~ 色々あるけど、そんなことはこの際どうでもいい。 「ねえ、見て見てなっちゃん! これ!」 現在ドアのすぐ前で、ものすごく嬉しそうに顔を輝かせている少女。~ 彼女のスカートの下が、なんか、うぞうぞと蠢いていた。 「うわああああああああああああっったああばあああ!」 例えるなら、数百の蛇と言うのが一番近い。~ スパッツを内側から押し上げている複数のそれは、まるで、そうだ、 「チンコ生えてきた! すごい!」 「違うよ、それ違う! 絶対違うよ! 明らかに触手だよ! アホか!」 どうやらスパッツの中に収容しているらしい股間の異物は、~ 今朝紀利さんから押し付けられた怪しげな薬品のせいらしかった。 疑いもせずに遥がそれを一気飲みしていたことを、夏希はよく覚えていた。 「(ああ、やっぱりあれ死亡フラグだったんだなあ)」 場合によってはステキイベントになる選択肢だったんだけど、~ そんなことを夏希が知るわけもなく。 しかし、夏希の記憶によると、たしか「チンコが生える薬」だったはずなんだけど、~ 一体全体どうしてあんなグロテスキューなものが生えてきちゃったんだろう……? 「これさ、すごいでしょ!!? ほら見て、ほら!」~ 「ちょ、こっちくんな!」 邪気のない笑顔で駆け寄ってくるUNKNOWNクリーチャー。~ 夏希は確信した。 や ら れ る 。 本能が危機を察したのか、夏希の行動は早かった。~ 駆け寄って来る遥を避けるように、教室の前側のドアから廊下へ飛び出す。 「あ! 待ってって、色々実験してみようよー!」~ 「ヤに決まってんでしょおおお! 誰かプリィイイーズヘルぷぁああーーーっ!」 『ぷ』のあたりで背中に触手がカスった。~ なんかヌメっとした。 「びゃああー!」 必死で廊下を駆ける。~ 日頃からあまり運動をしていないせいか、遥との距離は一向に離れない。 かと言って追いつかれもしないのは、単純に走るスピードが同じくらいなのか、~ この追いかけっこを彼女が楽しんでいるのか。 どちらにせよ、一瞬で勝負が着かなかったのはありがたい。 事態を収拾してくれそうな三年生に助けを求めるため、~ 夏希は目的の生徒がいるはずの場所へ走った。 <誰を探す?> →ここは元凶である紀利さんに~ 英美さんの力に頼ってみる~ 意表をついて祭先輩とかどうよ?~ 大人しく投降……せずに立ち向かってみる ~ 紀利さんは好感度次第で見捨てられて乙。~ 英美さんは触手が苦手で逆に二人ともやられるハメに。OH NO!~ 祭先輩は獣を静める術を知っている……わけもなく、普通に見つからずデッドエンド。 立ち向かった場合は選択肢じゃんけん三本勝負。相手の手は確率で変動。運ゲー。~ 三回とも勝つと世はこともなし。イベント終了。~ 一回でも負けると夏希さん陵辱イベントのはじまり。タスケテケスタ。 ~ ~ ***はえちゃった案 某「チはえ薬」は催淫効果もあるよ。 ~ 家に帰ってから効果が出て一人自慰に耽る三好さん。~ と思ったらタイミングよく誰かが訪問してしどろもどろ。 そこで終わってもいいし成り行きに任せてもいいし。 ~ お気に入りの一年生に薬を飲ませて遠くから観察し続ける戸部さん。~ いきなりスカートを抑えてトイレに駆け込むのを見て絶頂に達しちゃう戸部さん。 オナニスト?
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DQⅨ 並ぶ者なき手さばきになれる神秘の手袋。装備すると器用さが96、守備力が12上がる。 装備できるのは僧侶、魔法使い、武闘家、盗賊、旅芸人、魔法戦士、レンジャー、賢者、スーパースター。 入手方法は【めいじんのてぶくろ】+しんかのひせき×3+シルバーオーブ×3の錬金で、大成功しなかった時のみ。 大成功の場合は【かみわざのてぶくろ】になる。 また、リサイクルストーンと共に錬金することで【わざしのてぶくろ】に戻すこともできる。
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「私の名はくろ千秋。千秋の悪なる心が生み出した存在だ。 この間は三人いっぺんに一人でやろうとしたばっかりに不覚を取られたが今日は違うぞ。見ろ」 「「「「「「「「「「秘術、分身の術」」」」」」」」」」 「ふっふっふ、理性を捨て欲望に目覚めた私に不可能は無い」 「質でだめなら数で圧倒すればいいだけの話」 「まぁ副作用で大きさが半分以下になってしまうんだが」 「それでも一人相手ならば充分だ」 「待っていろ。まずは藤岡から蹴散らしてくれるわ」 「「「「「うおおおおおー」」」」」ドタタタタタ どた ばた 「うおぉどけよバカヤローそこは私の席だぞ」 「知るかよ、私だって千秋だ。よって藤岡椅子は私の椅子だよバカヤロー」 「押すなバカヤローひざの上は定員オーバーだ他に行けー」 「じゃあ肩の上は私が取るぞ」 「バカヤローそこは私の陣地だぁー」 「あぁー! ふじおかをとるなコラ!」 「もういいよ、藤岡、椅子なら椅子らしくリクライニングしろ」 「倒せ、倒すんだ」 「お前は今日から藤岡椅子じゃなくてマットだマット」 「やめろー頭は私の陣地だぁー」 どたばた もみくちゃ 「ねぇ~藤岡君。そこのちびっこ一人私に分けt」 「ダメです」 「えー」 くろ千秋 あぁ恐ろしい 名前 コメント 11-541氏 11スレ目 スレ別 保管庫
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食べた日:2008/11/29 『くろく』で、気まぐれ限定の「くろくさんちのみそばたこーん」(850円)を。 08.11.29%20%82%AD%82%EB%82%AD%20%82%AD%82%EB%82%AD%82%B3%82%F1%82%BF%82%CC%82%DD%82%BB%82%CE%82%BD%82%B1%81%5B%82%F1%20479%94t%96%DA.jpg 関西方面から10時間以上バスに揺られて帰ってきて、かなり身体がギシギシいっていましたが、非常に気になるネーミングだったので、その足での強行来店です(笑) 「味噌バターコーンラーメン」といえば、自分的には真っ先に『どさん子(娘)』が真っ先に頭に思い浮かびます。 そのビジュアルは、恐らく北海道以外の人間は、今でも「これが札幌味噌ラーメン」と思っている人も多いであろう、誰しもが想像できる、ある意味“完成された”ビジュアルです。 でも、今回は“あの”「くろくさんち」が作った物! 上記のような「どさん子的」な物を想像して頼んだ人にはぶったまげるような、スッゴイ物が出てきました。。。 スープは真っ黄色でドロッとした“コーンポタージュ”。 コーンの甘味の中に、若干味噌の風味を感じます。 コーンの皮やツブツブ感が残っていて、手作り感がある自然な味わいです。 たっぷりと絡め取ってくれます。 08.11.29%20%82%AD%82%EB%82%AD%20%82%AD%82%EB%82%AD%82%B3%82%F1%82%BF%82%CC%82%DD%82%BB%82%CE%82%BD%82%B1%81%5B%82%F1%82%CC%83s%83%8D%83s%83%8D%96%CB.jpg 麺はレギュラー極太麺を平べったく延ばしたピロピロ麺。 不規則なちぢれにより、スープの持ち上げが非常によく、たっぷりとスープを絡め取ってくれます。 具は鉄板焼きバラチャーシュー・ハッシュポテト・細切りメンマ・バター・小口ネギ・味噌ダレ。 ハッシュポテトは星型にしてあり、ビジュアル的にも遊び心があっていいです。 一般的な「味噌バターコーン」は、あくまでも味噌が主役で、バターやコーンは引き立て役ですが、これはコーンを主役に持ってきて、味噌を引き立て役に持ってきた、逆転の発想の面白い品です。 味噌ラーメンだと思って頼んだ人は、かなりビックリしたでしょうね(笑) “くろく慣れ”した自分でも、ぶったまげるようなラーメンでした! 住所:仙台市宮城野区榴岡2-2-12 アーバンライフ橋本1F by hiro (2008年 479杯目) 名前 コメント
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製作者 くまたろう チームメンバー プランナー:くまたろう グラフィッカー:くまたろう プログラマー:くまたろう サウンド:くまたろう? タイトル シューティングパズル(仮) 進行状況 企画中。書き上げ次第アップします。 ファイル α版 β版
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名前 : くろくも 年齢 : 17歳 性別 : 女性 住所 : 宮城県 職業 : 学生 活動場所 ニコ動・ニコ生・ツイキャス 配信内容 ニコ生 雑談 歌 宣伝 凸待ち 逆凸 顔出し マイクラ ツイキャス 雑談(真夜中から朝方に多い) ランニングダイエット(外配信) カラオケ 経歴 不明 友達が生主しているのを見て自分も生主になる 不明 初動画投稿-「秘密警察」 不明 1個目のコミュニティー発足 不明 1個目のコミュニティー解散(気分転換) 2012/01/22 現在(2個目)のコミュニティー発足 不明 初めて恭一郎の凸待ちに凸した時に宣伝され一気にコミュ800人増 2014/12/09 Twitter(@kurokumo_01)フォロワー5000人突破 2014/12/17 歌ってみた/コラボ『おこちゃま戦争』初殿堂(10万再生)入り 2014/12/18 トコノコαとGCS結成 2014/12/31 総来場4000人突破(2000人越えの時に初立ち見席出現で号泣) 概要 ニコ生主であり、歌い手でもある 名前の由来は黒色が好きなので『黒』 でもそれだけだとニコニコではパッとしないので その場の思いつきで『雲』を追加して『黒雲』になった 活動当初は『黒雲』名義を使っていたが 現在本人はひらがな名義の『くろくも』で活動している 基本的にハイテンションで無茶ぶりは苦手と言いつつ乗ってくれる オツムは弱い(教科によっては中学レベルも怪しい) 困った状況になると下ネタで押し切る癖がある(本人曰くやめたいらしいが) だがひとたび歌えばまるで別人のようなそんなすばらしい歌声を披露する そんなギャップを気に入っているリスナーも多い B型、身長157cm(正式)、体重4?kg 胸は子供用茶碗ピッタリサイズ 手の大きさが男性レベル 体が柔軟(180度開脚出来る位) 一人称は僕/わし/くろくもさん 通信制の高校に通っている バイトは飲食系 しかし料理センスは・・・ 黒系のギャル服を好む →しかし最近は落ち着いた服も好むようになってきた 外見は20前半に見られる カラオケの十八番はビリーヴ/Che Nell 猫を4匹飼っている/ティアラ(♀)とルナ(♀)とシロ(♂)とレオ(♂) 愛用香水:VASILISA ROSYROSY Eau De Parfum 愛用シャンプー:Reveur-Moist&Gloss- と Bluria 好きな食べ物はハンバーグ、カルピスアイスバー、生クリームに合うもの 嫌いな食べ物は寿司(生もの)、抹茶のお菓子 積もっている雪を見るとダイブしたい衝動に駆られる よく引き笑いをする(ヘァッヘァッヘァッヘァッヘァッ) リスナーも軽く引くくらいの下ネタ好き その下ネタをツイッターでよくツイートする [放送環境や機材] 環境 ノートPC(低スペ)でOSはVISTAなので放送はよくptptする だったが現在PCを新調してptptとは無縁になった 自分の部屋がない(ある日いつの間にか物置にされた) ので家族の後ろで放送したりして度々家族の声が聞こえてくる その為に家族が寝るまで歌の録音が出来ない というあまり良い放送環境ではない 機材 マイク:AKG C-214 ソフト:REAPER インターフェイス:UA55 放送スタイル
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「なんだって? 年賀状?」 「そうそう、年賀状。兄貴もちゃんと友達とかに出しなよ〜」 女体化してからの弟は、それまでの大ざっぱさはどこへいったのか。まめなことをするようになった。 年賀状なんて、去年は一通も出してないくせに、今年は俺に強要するほどだ。 「俺は年賀状画像で済ますからいーよ。ほれ、VIPのスレに参加してるしな」 PCの画面を見せながら軽く笑う。弟もVIPPERだったはずだが、弟は最近はめっきりPC自体を触らなくなっていた。 「兄貴暗いー。もっと明るい趣味持ちなよ」 「うるさいな。お前だって女体化するまでは嬉々として参加してたじゃないか」 「ほら、来年は丑年だから緊縛プレイのロリ牛ようじょ……」 「兄貴……私はなんで兄貴が女体化しなかったか不思議でならないよ」 呆れ顔で弟は俺を見てくる。 そんなに俺が男なのがうらやましいのだろうか。 「そりゃ、そん時はまだオタじゃなかったしな。普通に彼女いたし」 「あー三木さんだっけ。可愛い人だったのにね」 「うるさい」 弟は机に向かい年賀状を書く作業を続けていた。 いっちょまえに丸文字なんか使いやがって、すっかり女気分を満喫している。 「ほい、兄貴」 「んあ?」 声をかけられて弟の方に向き直ると、弟は一枚のはがきを差し出して微笑んでいる。 「年賀状あげる」 「はぁ? 俺は兄弟だぞ——」 「——待て、そのまま動くなよ」 俺はおもむろに近くにあったデジカメで年賀状を差し出す弟をフィルムに収める。 「うわ! 何するの!?」 「いやー、いい写真が取れた。“年賀状を手渡ししてくれる美少女”って萌えるわ。せっかくだから今年の俺の年賀状はこれで……」 「何それ……バカ兄貴」 すまん。これが限界w