約 1,107,342 件
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/232.html
「こなた~、こないだ貸したフルメタの短編集、ちゃんと読んだ?」 「う、うん。結構面白かったよ。てか、かがみ顔近いよ?」 「でしょでしょ? 原作のラノベだってなかなか面白いでしょ?」 (だから顔が…って、聞いてないか) 「はい、これ次の巻」 「いいっ!?」 「ささっ、読書の秋。さっそく次行ってみよう!」 『目と鼻の先-Eye Don't Nose-』 「行ってみよー!」というかがみの勢いに負け、私はその場で本を開いた。 ペラリとページを何枚かめくり、とりあえずカラーイラストに目を通す。 (おおうっ!早速巫女かなめ♪相変わらず四季童子さんのイラストは可愛いなぁ…) なーんてことを思いながらちらりと目線を上げるとかがみのそれとぴったり合った。 じ~~~~~~っと言う擬音が聞こえてきそうなほど顔を近づけて、かがみは私の正面から こちらを見つめている。 上機嫌な笑顔に私の心音が跳ね、慌てて下を向く。 (うぅ、読みづらいやぅ…) 新たにページをめくり、読んだフリをしながらもう一度視線を上げる。 やっぱりいつものように両手で頬杖をつきながら、私の目と鼻先でニコニコとかがみは微笑んでいた。 私にラノベを薦める時、いつもこうやってかがみは私の傍にすごく近づきこちらをじ~っと見てくる。 「あの~かがみ?顔が…」 「ん?どした?もうボン太くん出て来た?」 「ううん、まだだけど…」 「ささっ、早く読もう!」 (んもう、こっちの気もしらないで! そんなに近くで見つめられたら、集中できるわけないじゃないか…) 再び本と向き合うが、やっぱり一文字も頭に入らない。 私はもう読むことを諦め、適当に文章を目だけでなぞり、ゆっくりページをめくっていく。 頭に浮かぶのは目の前のかがみの小さな唇。柔らかそうな『それ』は、かがみが いつも使っているリップのせいか潤いに満ちたまま軽い弧を画いている。 気のせいか、かがみに抱きついたりすごく傍に近づいた時にだけ感じる甘い香りもする。 (全く…かがみは無防備すぎだよ) もし私がひょいと顔を上げて首を伸ばせば、かがみが抵抗する暇もなくその唇を奪える距離だ。 かがみがすうっと息を吸い、唇が少しだけ開いた。 まるで空気とともに吸い寄せられるような感覚に私は思わず息をのむ。 『奪っちゃえって。かがみだって望んでいるからこうやって誘っているのかもよ?』 私の中にいる蛇がそう囁く。 (いやいや、蛇さんやそんな訳あるわけないじゃないですか。ってゆーか、それ何てエロゲ?) 『馬鹿だなー、かがみフラグなんて立ちまくりだって。間違いなくトゥルーエンド一直線。もう ゴールしてもいいんだよ?』 (いやいやいやいや!!最近のギャルゲー舐めちゃいけませんぜ蛇さん! トゥルーエンドと見せ掛けて カオス!ラブラブと思ってたらNTRエンドは当たり前! 空鍋、包丁、鉈、おはぎ!!) 『そ、そうなの?』 (そうなんです!) 『というか空鍋とおはぎって何?』 やれやれ、この蛇のギャルゲ歴は葉鍵全盛期で止まってるみたいだ。 (と、ともかくそんなこと無理なんだからっ!) 『ふーん…でも禁断の果実ってのは甘美な味だっていうけどな~』 (う゛~、もういいから引っ込んでなさい!!) 『はいはい、そうしますよ。それにしても、いつもは飄々としている風を装いながら 心の中じゃ焦りまくってるなんてかがみが知ったらなんて言うんだろうね』 ニヤリと――いつもの私のように笑って蛇は私の中に帰っていく。 (うぅぅ…) 図星を指されたせいか、私の心は何も言い返せないまま押し黙る。 頭の中ではかがみの唇と一緒にさっきの蛇の言葉がぐるぐる回る。 (禁断の果実…か…) 確かにそうかもしれない。 神様が食べちゃダメ!っと言ったのに蛇の囁きに負けてイヴが食べた果実。確かそれは リンゴだったと聞いたことがある。 そういえば、ずっと昔やった心理テストには「リンゴの味のイメージでファーストキスの味がわかる」 というものがあった。 望む全てのモノがあるエデンの園でイヴが食べた果実は『知恵の実』。 その実を食べて知恵をつけ、自分が裸であることなど様々なことを『知ってしまった』二人は 神様に楽園を追放されてしまった。 きっと私も、これを食べてしまったら『何かを知って』今の幸せはなくなってしまう… そんな気がして私は今までこの目と鼻の先にある果実に触れることが出来なかった。 多分、私は贅沢なんだろう。 好きな人が傍にいてこうして笑っていてくれる。私のダメなところを怒ってくれて、私の 度を超した悪ふざけも何とか許してくれる。居心地の良い場所を私にくれる。 こんなに幸せなのにそれ以上を求めてしまう。 ひょっとしたらそれを求めることで今の全てを失うかもしれないのに…。 でもそんな不安とは別に、私の中の蛇はどんどん大きくなっていく。 『――が私のことをどう思っているか知りたい』 あの果実に触れ、その中に満ち満ちた甘い果汁を吸ったら分かるかもしれない。 閉じた目を開けた時、――はどんな反応を見せるのだろうか。 今みたいに微笑んでくれるのかな? それとも…。 「ちょっとこなた、ちゃんと読んでる?」 「へっ?!」 こなたが我に帰るとかがみの顔が目の前にあった。 先程よりずっと近くにある『それ』にこなたの顔が真っ赤になる。 「よ、読んでますよっ?!」 「本当に? なんだか反応鈍いけど、どこまで読んだのよ」 「か『空回りのランチタイム』…かな?」 先程目次を見た時にチラリと目に入ったタイトルを挙げる。 「嘘つき、ページからしてまだ一話目じゃないの」 さすがは所持者、しっかり嘘がバレてしまった。 かがみは機嫌を損ねたように腕を組み、そっぽを向く。 「ううっ、そんなにマジマジと見られたら集中できないんだって…」 こなたがなんとか小声を絞り出すとかがみはこなたにずずいっと接近し、人差し指を立てた。 「それじゃ、この本貸すからちゃんと読んでおくように!」 「う、うん」 その返事に満足したのかかがみは立てた人差し指でこなたの額をツンとついて笑った。 「ちゃんと感想聞かせてね、ニブニブこなた」 こなたの目と鼻の先には、笑みによって細められたかがみの『目』がある。 それはこなたが知りたがっていた疑問の答えそのものなのだが…そのことを知っているのはただ一人。 God only knows…. 終 コメントフォーム 名前 コメント 禁断の果実のとこの描写が的確 -- 名無しさん (2024-04-02 23 11 02) GJ! -- 名無しさん (2022-12-21 11 15 01) 内容とアホなタイトルとのギャップ萌えwww -- 名無しさん (2009-09-05 00 41 10) 『神の味噌汁』と掛けてるだけじゃ? -- 名無しさん (2008-07-29 19 18 31) ↓かがみ『のみぞ』知る、じゃない?俺も最初勘違いしたが -- 名無しさん (2008-06-20 15 49 39) このSS、みぞ汁ってタイトルでいーのかよ… -- 名無しさん (2008-06-20 01 03 47) ↓猛るなww けど面白い!グッジョ~ブ! -- 名無しさん (2008-06-20 00 40 53) うわーうわーうわわわ!!!こなたが揺れてる描写が新鮮で…猛りました!! -- 名無しさん (2007-11-22 05 44 41)
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/939.html
[部分編集] 【中上 育実(なかがみ いくみ)】 プロフィール リンク 関連グッズ ▼レビュー +... ・ 【中上 育実さんの出演作品】 RDG レッドデータガール WHITE ALBUM2 ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)
https://w.atwiki.jp/zooo2ndunofficial/pages/103.html
[#世界VライバーZooo] 基本情報 ルーム https //www.showroom-live.com/VCHET2G_0559 名前 さめ。 番号 0559 ニックネーム ファンネーム 飼育員さめ係 ルーム挨拶(入室) ルーム挨拶(退出) Twitter https //twitter.com/same_0608 マシュマロ YouTube 配信タグ #さめを捕まえた ファンアートタグ #さめを飼育中 Twitter以外のSNSなど項目も適宜追加してください 目次 詳細情報自己紹介 配信タイムテーブル 活動の記録スタートダッシュ期間 予選イベント期間 準決勝イベント期間 決勝イベント期間 本選後の消息 用語・名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ 詳細情報 自己紹介 #世界VライバーZooo 第2回オーディションに参加しております、【さめ。】と申します。【エントリーNo.559】 【自己紹介】 夢は、皆さんを楽しませ、和ませる、Vtuber Vライバーになることです。 ぜひ、私のことは、さめちゃん、さめ氏、さめ!!!などと呼んでいただけると嬉しいです! 【好きなもの】 ゲーム(あつ森、モンハンRISEやWORLD、太鼓の達人、fall guys、ドラクエⅩ、apexはやってみたいけどやったことありません笑) 音楽(J-pop、J-ROCK、ピアノ、ギター) 映画(邦画が好きです。が、詳しくないので、皆さんのオススメを聞きたいです!) プロ野球(昔はめちゃ観てたけど、最近は全然選手詳しくないです、、、が、野球見るの大好きなのです❤︎もと高校野球部マネでした!) 読書、マンガ、アニメなどなど… ※少しでも共通の趣味があれば、お声かけしてください!あなたともっとお話ししてみたいです❤︎ 【基本のタイムテーブル】 基本毎日配信! 18:00〜20:00 21:00〜23:00 【目標】 20位以内に入って、準決勝に進みたいです!!! そして、あわよくば、決勝に連れて行ってほしい。 決勝期間の6月8日は私の誕生日なの。。 誕生日に配信したいなぁ。。 最後までプロフィールを見てくれた心優しいあなた、そして私の配信に来てくれたファンみんなに感謝を込めて… 本当にありがとう。 配信タイムテーブル 日付 配信開始 配信終了 星集め 星捨て 備考 活動の記録 スタートダッシュ期間 予選イベント期間 準決勝イベント期間 決勝イベント期間 本選後の消息 用語・名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ Twitter用画像です。本画像はページ最下部に配置してください。
https://w.atwiki.jp/mattsuan-cardgame/pages/750.html
ジャンル 魔人シリーズ HP ? 特殊能力 あるときは愛の女神 女 ATK ? ― DEF ? 必殺技 またあるときは哀の女神 ― 魂 ? 超必殺技 ―
https://w.atwiki.jp/esekouhaotoge/pages/92.html
うちさぁ、音ゲーあんだけど、やってかない? *67 121 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 00 36 17.42 ID QBwoGuMO0 [1/8回(PC)] あー深夜に聴くEDMはいいっすね~ 最近はHardstyleが多いけどお前どう? 131 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 02 29 14.71 ID QBwoGuMO0 [2/8回(PC)] ノンケアニオタを自ら主張していく姿…(ある意味)尊敬するゾ 139 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 07 46 18.90 ID QBwoGuMO0 [3/8回(PC)] アーハキソ 何で最近淫夢実況シリーズ観るようになったか原因考えたゾ どう考えてもつイッたのフォロワーがおかしな語録使うから引きこまれたゾ(責任転嫁) プロパガンダだってはっきりわかんだね 157 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 10 57 25.82 ID QBwoGuMO0 [4/8回(PC)] naraku within…えっ何そのネーミングセンスは… レーシングラグーンかな? 160 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 11 41 34.53 ID QBwoGuMO0 [5/8回(PC)] 159 あーいいっすねぇ~ 最近IIDXにはHouse足りないというホモの兄ちゃんが多いけど、海外は海外でEDM(House)が流行り過ぎて飽和状態ってはっきりわかんだね A曲が気に入っていたのにあとから発表されたB曲がもろにメロディー被ってすげー気まずかったゾ… 167 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 13 14 48.33 ID QBwoGuMO0 [6/8回(PC)] 全部漢字略称だともはやただの激寒略称音ゲーマーなんだよなぁ… TDN表記よりは分かりやすいけどな~ 192 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 17 37 44.06 ID QBwoGuMO0 [7/8回(PC)] ハウス! ワン!ワン! 249 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/23(日) 23 56 54.69 ID QBwoGuMO0 [8/8回(PC)] hoomoのシステムもHeroシリーズのパクリじゃないんですかね…(小声) 265 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 00 23 38.12 ID 5P2iPc4R0 [1/12回(PC)] 太鼓とグルーヴコースターそこはAYA姉貴にHardcore制作交渉してもらってホラホラホラホラ http //www.youtube.com/watch?v=2lsbc16t0QI 278 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 03 01 39.69 ID 5P2iPc4R0 [2/12回(PC)] http //www.nicovideo.jp/watch/sm24957030 またE(淫夢)DMか壊れるなぁ 293 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 12 43 50.18 ID 5P2iPc4R0 [3/12回(PC)] ウッソだろお前www なんでそんなに構うの?お前ホモか? 296 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 13 31 13.28 ID 5P2iPc4R0 [4/12回(PC)] サンキュー 303 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 16 32 36.63 ID 5P2iPc4R0 [5/12回(PC)] 萌豚ノンケに睡眠薬飲ませて殺処分したい 330 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 19 13 19.53 ID 5P2iPc4R0 [6/12回(PC)] お前らがひなビタとかやってるからいけないんだゾ 335 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 20 00 22.88 ID 5P2iPc4R0 [7/12回(PC)] そろそろRyu(淫夢)に同レーベル所属のGRTMN兄貴についてどう思っているか聞いてみたいけどなぁー(ゲス顔) 340 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 20 33 49.48 ID 5P2iPc4R0 [8/12回(PC)] うちさぁ、IIDXアーケードコントローラー(KONAMI製)あんだけど、やってかない? で釣れるのか 347 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 20 53 50.21 ID 5P2iPc4R0 [9/12回(PC)] Line 4 Ruinを聴いたが、やっぱりどう考えても裏でチャカポコなっているアルペジオが邪魔だなぁ(OZM並感) コナミオリジナル曲特有の音数に縛られているってはっきりわかんだね 358 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 22 01 33.46 ID 5P2iPc4R0 [10/12回(PC)] ポケットモンスター(直球)ってそんなに面白いのかゾ? 当時ホモガキの頃はリッジレーサーとかチョロQ(PS)ばかりヤっていたゾ 365 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 22 39 37.31 ID 5P2iPc4R0 [11/12回(PC)] 359 エロゲーのサイトに見えるゾ SPADAのデータ引き継ぎしないまま2015年になりそうです(小声) 当然IIDX21→23は無理だよなぁ? 372 : 爆音で名前が聞こえません[sage] 投稿日:2014/11/24(月) 23 18 20.14 ID 5P2iPc4R0 [12/12回(PC)] 366 あ、そっかぁ…遅かれ早かれやらなきゃいけないという逃れられぬカルマ そろそろNAOKI兄貴は家庭用音楽ゲームよ~い、して 弐寺よりポップンの方が数倍難しいと思うんだけど 80 :爆音で名前が聞こえません:2015/07/11(土) 15 44 44.91 ID bfuA52JV0 弐寺はもともと硬派で超高難易度っていうのが売りだったし、それに憧れて始めたひともいるだろうから最難じゃないっていうのはかわいそう まあいまは硬派(笑)どころの騒ぎじゃない萌え厨二同人電波だけどな
https://w.atwiki.jp/opfan/pages/3430.html
『あらざくらのはないくさめのかみ』 荒櫻大白鳳尊が島々を鎮める際に付き添った戦の女神にして櫻華家の守護神。 立ちはだかるまつろわぬ神々や草木を手にした刀で尽く討ち滅ぼし、その建国を助けたとされている。 ※(まつろわぬ神々・草木とは島小鬼や鬼人、またはそれらが信奉する神や眷属を指す) 華々しい装飾のついた巫女装束を身につけ、妖しく光る刀を肩に担いでいる姿で描かれている。 荒櫻大白鳳尊が二代目の皇に全てを継承して役目を果たし、鳥の姿になって夕陽の彼方へ飛び去った後も荒櫻華戦女神は残り続け、代々の皇や櫻華家の者達を守護しているとも。 櫻華家によって光神山神社で配祀されている。 関連 ロブラヌア諸島 薫桜ノ皇国 薫桜神道 荒櫻大白鳳尊 巫女(ミコ) 居合術 目次に戻る
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/88.html
「お姉ちゃ~ん、早くしないと遅れるよ~」 「おい、こなたー!おいてくぞー!」 外からの声だというのに、二人の声がガンガン頭に響き渡ってくる。 「ま、待って…ふああぁ…」 急いで荷物をまとめ、靴を履いて外に出ようとしたわけだが、まだ完全に起きれてない。 昨日はコミケやらカウントダウンやらで、はしゃぎすぎたのが悪いのだろう。 まぁ、大きな理由はもう一つあったりするんだけどね…。 『かがみまもり』 クリスマスにかがみから告白されて丁度一週間後の昨日、ほとんど一緒に一日を過ごした。 まず、朝一番でひよりやパティと一緒に冬コミへ突撃。 ひよりは自分のサークルもあるし、パティも一緒に手伝っていたようで、二人の休憩時間以外は、 ずーっとかがみと一緒に回った。 かがみも朱に染まったか、何冊か買っていた。頬も染まってたけどね。 その後、かがみの家に行ったわけだけど、半ば無理やり神社の手伝いをすることに…。 かがみ曰く、「毎年コミケに付き合ってるんだから、手伝ってくれたっていいじゃない」だそうだ。 一緒に本買ってたのに、理不尽だー!って言ったら、急に赤くなっちゃってさ。 買った本のことかと思って弄ろうとしたら、 「そ、それに、手伝ってくれた方が、長く…一緒にいられるじゃなぃ…」 声は尻すぼみで小さくなって、顔を真っ赤にしながら言うんだよ?!もう最終兵器だよ?! そんなかがみに敵うはずもなく、私は巫女のコスプレで遅くまでお手伝いしてんだよね~。 引いたくじは二年連続で凶だし、かがみと立場が逆転したりしてネ。 まぁ、カウントダウンは言わなくても分かると思うけど、ゆい姉さんが暴れだしたのが大変だったヨ。 さっそくのおみくじ効果だったかな…。 して、今はどういう状況かというと、初日の出をみんなで見ようというのだ。 みんな、というのは私たち泉家、柊家、高良家、岩崎家+ひよりん、パティ、みさきちと峰岸さんだ。 おっと、それに黒井先生もね。もちろんゆい姉さんとゆーちゃんは泉家に含む形だよ。 全員そろって「いざ行かん、海へ!」ってことになったんだけど、今の私にそんなこと言う元気はない。 でも、行かないわけには行かないし、なんてたってかがみを独りには出来ない。1人じゃないけどね。 「う~、さぶっ!…でも、ねむぅ~…。」 「ほら、こなた!早く乗りなさい!」 「わ、分かってるってばぁ。ふわあぁっ…。」 外に出ると、風が吹いて目が覚め…るかと思ったが、眠気の方が勝っていた。 「こなた、まさかずっとネトゲしてたんじゃないだろうな?」 「いやぁ、昨日は挨拶だけしてすぐ寝たんだけどね~、なれないことしたからかなぁ。」 「でも、巫女さんの仕事ちゃんと出来てたの、凄かったなぁ。さすがお姉ちゃんだよね!」 「う、うん、まぁね…。」 今までずっとかがみの事を見てたから、やることとか覚えちゃった、なんて言えるわけないネ。 もちろん本人の前で言ったら即弄られるネタになっちゃう。 「とりあえず、着いたら起こして~。私、寝るから~、はうぁっ…」 「ったく、しょうがないな。ゆーちゃん、代わりに前に来てくれるかな?」 「あ、はい。…お姉ちゃん、大丈夫?無理しないでね?」 「うん、ありがとうゆーちゃん。おやすみ~」 わたしとかがみは手を繋いで海辺を歩いてた。海からの風が当たるのに、凄い暖かい感じがしてた。 となりにかがみがいるだけで私は嬉しくて、なにより幸せで。 すると、不意に向こう側から大勢の人を抜けてつかさ達がやってくる。 …あれ皆、どうしたの?顔が暗いんだけど…。 「お姉ちゃんとこなちゃん、そろそろやめにしない?」 「私も潮時だと思います。やはり、いろいろと危ないと思いますし。」 「え…?あー、満ち潮が近づいてるってこと?そだね、海を侮ると怖いっていうし…」 「違うよ、お姉ちゃん達のことだよ。」 その言葉で、何か大きな剣で心を貫かれた衝動に駆られた。 会話の始めから感じていた違和感から来る不安が、現実になった。 いや、もっと前から感じていた感情で、自分の中に閉じ込めていただけだ。認めたくないと。 「べ、別に私は世間体とか気にしないし、本人達の気持ち次第だよ、そんなの!」 私はつかさ達に向けられるとは思えないような大声で言い返す。 「では、かがみさんはどう考えてるんですか?」 「わ、私は…」 「な、なんで、そこで口ごもるの?ねぇ、かがみ!」 「やっぱり、世間の目が…少し…気になるかな、どうしてもね…。」 貫いていた剣が爆発を起こしたかのように、私の中の不安が破裂した。 明らかに手が震え、顔もこわばっているのが自分でも分かる。それでも、かがみは言葉を続ける。 「ごめん、こなた…。自分で言っておいてだけど、前みたいに戻ろう?やっぱり私、今後の不安とか、周りからの視線が耐えられない……みゆきの言うとおり潮時なのよ…。」 ちょ、ちょっと待ってよ!かがみ、どういう… 「ごめんね…っ!」 かがみは後ろを向いて勢い良く走り出した。つかさとみゆきさんも一緒に。 「ま、待ってよかがみ!戻ろうってどういうこと?!ねぇ、待ってよ…そんなのって…ないよっ……」 私は、何も感じられない状態で、絶望と孤独によるショックでただ立っていた。 考えることができないというより、もはや、生気を感じられないレベル、かかし状態だ。 周りは真っ暗で、先ほどまでの人も海もなにもなくて、ただ自分だけ取り残されたようだった。 虚無にいた私の口に、不意にスポンジケーキのようなやわらかさと淡い甘さが襲ってきた。 (…何だろう、やわらかくて、気持ちいい…んっ……って、い、息が!く、くるし!) 「ぷはあっ…、はあっ、な、なに…?」 「ようやく起きたわね、まったくもう。」 「か、かがみ?!な、なんで、ここに?」 若干意識が朦朧としていたのか、今の状態が把握できていない。 周りを見渡すと未だに暗いが真っ暗ではなく、自分は椅子に座っているようだ。天井も近い。 そして、さっき別れを告げて走っていったはずのかがみが目の前にいて、いまされたのが…? 「なーに言ってんの!もう海に着いたわよ!」 「あ、あれ?だって、さっき〈ごめんね〉って走り去って行って…」 「…なんのこと?あんたが全然目覚まさないっておじさんに言われたから起こしに来たのよ。 目、覚めたでしょ?新年早々、恥ずかしいことさせんなっつーの。」 (じゃあ、さっきのは全部ただの夢?…よ、良かった…。) かがみが悪戯っぽく微笑んで、私のほうを見てくる。その言葉と顔に安心して、思わず抱きついた。 「うぅっ、かがみぃ~~!!!」 「な、いきなりなによ!ほ、ほら、他の皆も何事かって来てるから!って、あんた泣いてる?」 どうやら、無意識に泣いていたみたいだけど、今はそんなことよりかがみがいることが嬉しかった。 「ど、どうしたのよ、あんた!どこか痛いの?」 「…うん、もう大丈夫だヨ。ごめんね、心配かけて。ありがと。」 「なら、いいんだけどね。…ってほら、みんなの前でいつまで甘えてるつもりだ!」 ちょっと強引に離されたが、かがみの存在を心と体で感じて、ひとまず落ち着くことが出来た。 まだ説明してないお父さんとかがいるから、自重しないとネ。 まぁ、親以外は全員知ってることになるから、そろそろ頃合いを見計らって言うつもりだけど。 この間のクリスマスの時点で、つかさにみゆきさん、それとゆーちゃんまですでに知っていた。 ひよりんやパティはすぐに感づいて問い詰めてきたし、みなみちゃんにもゆーちゃんがしゃべったみたいだから、正直他に知らない人はいない。みさきちと峰岸さんには、かがみが自分で伝えたみたい。 あー、親じゃないけど、ゆい姉さんと黒井先生も知らないね。ゆい姉さんには言うにしても、先生にはどうしたものかな? 起きて車を降りると、みんなが待っていてくれた。 「お姉ちゃん、やっと起きたね。全然起きないから心配しちゃったよ。」 「ごめんごめん、色々疲れててさ。今は顔も変わって、元気100倍だよ!」 「また懐かしいネタやなぁ。どないにしても、泉にしては幼稚すぎへんか?」 すかさず突込みが入る。でも、これはかがみじゃなくて、 「あ、先生、明けましておめでとうございます。いやぁ、寝起きだから頭のキレが悪いんですよ。」 「おぉ、そういえばまだ挨拶してへんかったな。明けましておめでとうな。」 ちらっとかがみの方を見ると、なにやら不機嫌そうな顔をしている。可愛いねぇ~。 でも、ここはあえて気づいてない振りをして、先生との会話を続ける。 「そういえば、ゆい姉さんの運転は平気でしたか?」 「何もなくて、全然平気やったで?しいて言えば、運転上手かったなぁ。」 「運がいいですね、先生。いつもはリバース地獄ですよ。全ての道が酷道と化します。」 「そーなんか?まぁ、帰りを楽しみにしとるわ。」 そういって笑ってるけど、帰りにゆい姉さんの本気を見ても知らないヨ? ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― その後、まだ挨拶していないみゆきさんとみなみちゃんの親にも挨拶を済ませた。 私とかがみのお父さんとゆい姉さんは場所を探しにいってたみたいで、しばらくしたら戻ってきた。 他にも大勢の人が来ていて、砂浜では全員で取れるような場所がなかったらしく、かろうじて見つけた場所は砂浜から少し離れた岩場だった。 「いやぁ、すいません皆さん。こんな場所になってしまいまして。」 「いえ~、全然構わないですよ~。せっかく探してくれたんですもの。ねぇ、みゆき?」 「はい。それに他の方々から若干離れているので、静かでいいです。」 どっちが親なのか分からないような反応だが、そこはさすが高良家。 「それに、砂浜よりは僅かに高いから、ちょっと早く拝めてラッキーかも?」 「そんなん大して変わらんがな。特に泉の場合はな。」 「先生、さりげに気にしてる事をズバッと言いますね…。」 そんな話をしていると、岩場の上は大人グループ、下は私たち高校生という構図が出来上がった。 そんな中で、私だけ岩場の上で先生とネトゲや受験などの話をしては、突っ込まれていた。 すると、何かを感じて下を見ると、なにやら不吉なオーラを出しているかがみんがいるわけで。 (ちょ、かがみ!?いくらなんでもオーラはまずいよ、オーラは!) 「って、うおっ!」 急いでかがみの方へ寄ろうとしたら、暗かったため、石に躓いて派手に転んでしまった。 そこが岩場の上だったため、岩場の側面に沿いながら下の砂浜に転げ落ちた。 「ぐえっ…ま、まだ、死ねない…」 「こなたっ!大丈夫!?立てる?」 「お姉ちゃん、大丈夫?!」 「おい、泉ぃ!無事か?」 「こなたー、大丈夫かい?骨とか折ってない?」 かがみとゆーちゃんが慌てて駆け寄ってくる。上からも先生とゆい姉さんが心配そうにのぞいてくる。 特にかがみは顔面蒼白だ。とりあえず必要以上の心配はかけたくない。 「大丈夫だヨ、そんなに心配はいらn、うぐっ…」 無事だと見せるため、立ち上がろうとしたら右足に激痛が走った。思った以上に痛めたかもしれない。 「ちょっと、こなた?!あんた、本当に大丈夫なの?」 「…待って。動かないでください…足をくじいてるかもしれないから…。泉先輩、懐中電灯を…。」 懐中電灯を渡すと、みなみちゃんが丁寧に足を診てくれた。かがみや周りの皆も心配そうに見ている。 高さは2メートルぐらいだったし、厚着していたのも手伝って外傷はほとんどなかったけど… 「…軽い捻挫だと思います…。けど、あまり動かさない方がいいです…。待っててください、今…。」 そう言うと、持っていたバックの中から湿布と包帯を取り出し、手当てしてくれた。 「おぉ、さすが保健委員。ありがとう、みなみちゃん。」 「いえ、お役に立ててよかったです。」 「私からもお礼を言うわ、ありがとう、みなみちゃん。」 何か親がするお礼をかがみがやってる感じで、嬉しいんだけど、恥ずかしいし、それに複雑。 「それにしても、良く持ってたね。常備してるって凄いなー。」 「本当、みなみちゃんはすっごい頼りになるんだよ。」 「さすがネ、みなみン!」 つかさにゆーちゃん、パティが褒めるもんだから、みなみちゃんは顔を赤くして顔を逸らしてしまった。 今は慣れたから分かるけど、知らない人から見たら怒ってるようにしか見えないんだろうね、これが。 まぁ、本当の意味が分かると、これはこれで可愛いんだけどね~。 「…ゆたかに何があっても対処できるように…いつも持ってるから…」 「そ、そうなんだ!ありがとう、みなみちゃん。そう言われると恥ずかしいな、えへへっ。」 どこから見ても立派な恋人にしか見えない二人は、本当に微笑ましい絵になる。 「ふぉー、もう駄目ッス!この二人は反則ッス!いくら、つきぁ(むぐっ」 「ひよりン!それはまだ言っちゃだめネ!」 「あ、ごめんごめん…。つい、暴走しそうになっちゃった。」 「まだ、あの二人のことも言ってないんだから、気をつけてもらわないと困るよ、ひよりん…。」 そう、私たちと時を同じくして、無事カップルになったのがゆーちゃんとみなみちゃんだ。 まぁ、あの二人はなんだかんだで、前から似たような感じだったから、違和感ないけどね。 みゆきさんとかからすれば、あの二人にそういう考えがあったのことに皆は驚いてたみたいだけど、 私たちの時同様、みんなでサポートする形になったんだよね。本当、いい人に恵まれてるよ、私たち。 それにいつ見ても、あの二人は萌えるからね~。 「な~に馬鹿なこと考えてんの?どうせ、あの二人を見て萌えとか考えたんでしょ?」 「うぉ?!かがみん、いつの間にか読心術を?!」 「あんたの考えてることなんて分かるわよ、単純だしね。ほら、支えてあげるから立ちなさいよ。」 「一言余計だヨ…。でも、ありがとう、かがみ。」 憎まれ口をたたきながらも、照れながら肩を貸してくれた。やっぱりツンデレだよね~。 でも、そんなことを言ったら座らされて、しばらく放って置かれそうだから止めとく。 「…それにしても、さっきは妬いてたのかなぁ?ねぇ、かがみぃ~。」 ただ、やっぱり自分がかがみを弄りたいという心は抑えられない。だって、ねぇ…いじると可愛いし。 私は支えられているというのに、にやけ顔全開でかがみを見つめる。 「んなっ?!そ、そんな訳ないでしょ!ただ、先生の方が突っ込み速かったなぁって思っただけよ。」 ボンッと音が出たように聞こえるほど、すぐにかがみの顔は真っ赤に沸騰した。それでも私は続ける。 「それで自分の専売特許を奪われて、やきもち妬いてたんだ~。可愛いねぇ~かがみは♪」 「う、うるさ~い!ただ、こっちに戻ってこないかなって思ってだけで、別に妬いてたわけじゃ…!」 「かがみ…耳元で大声はきついよ…。それにかがみもバレバレだよ、ある意味単純だし。」 「ご、ごめん。でも、ある意味単純ってどういうことよ?」 ちょっと反省したのか、声を極端に小さくして問いかけてきた。 「だって、かがみは何でもかんでも顔とかしぐさに出るもん。まぁ、そこが可愛いんだけどネ♪」 「うぅ~、みんなの前でそれ以上恥ずかしいこと言うの禁止…。それにそんなに顔に出てる…?」 「だって、今も真っ赤だし。それに多分皆もそう思ってるよ?ねぇ、つかさ?」 急に話を振られて、つかさはボーっとしてたのか慌てた様子で答えてきた。 「ふえっ?ご、ごめん、こなちゃん、何の話?」 「いや、かがみってなんでも顔とかしぐさに出るよねって話。」 「確かにお姉ちゃんって表情豊かだよね~。うれしい時とか、悩んでる時ってすぐ分かるよ~。」 「それに、なんかオーラでも分かるよな!隠し事とかあんまできないタイプだぜ。」 そういってみさきちが会話に飛び込んできた。後ろから峰岸さんもやってくる。 …何か1人だけ苗字で呼んでるし、仲間外れみたいだから呼び方変えようかな? 「あぁ~、分かる分かる。そういうとこあるよね、かがみって。」 「柊ちゃんは隠してるつもりでも、結構分かりやすいのよね。照れてる時は反対に取ればいいし。」 「あれだな、この間ちびっ子に聞いた通り、柊はツンデレなんだってヴぁ。」 「じゃあ、あんたはあれだな、馬鹿素直ってやつで決まりね。」 「お、お姉ちゃん、容赦ないね。」 「みゅう~。あやのん、この寒いのに、柊がドライアイスみたいだぜ…。」 いつものみさきちのあしらわれ方、そしていつもの峰岸さんのフォロー。 私でもちょっとばかしかわいそうに思えるが、いつものことだから華麗にスルーする。 「気になったんだけど、かがみとつかさは苗字で呼ばない方がいいんじゃないかな?ややこしいヨ。」 「う~ん、考えてみれば確かにそうね。それに5年間も一緒何だし、下で呼んでもらって構わないわよ?私もこれからはそうするわ。」 「そう?じゃあ、これから私もそうするね。よろしく、つかささんにかがみさん。」 「じゃあ、私もそうしよっかな?よろしくね、あやちゃん。」 つかささん、それはマジっすか?いきなりあだ名で呼ぶとは、さすが天然系。 「…つかさ、いきなりあだ名で呼ぶのは…。」 「うふふ、私は別に構わないからいいわよ。みさちゃんもみさちゃんでいいと思うわ。ね?」 「おう、よろしくな、つかさにかがみん!」 む!かがみのことをそう呼んでいいのは私だけだというのに!…そんなルール決めてないけど。 「お前までかがみんと呼ぶな!普通に呼べ。」 「えー、いいじゃんかよー。ちびっ子だってたまにそう呼んでんじゃん。」 「いいからかがみと呼べ。なんでも構わないから、かがみんと呼ぶな。」 「ちぇー、つまんねぇの。まぁ、いっか。よろしくな、かがみ~。…おぉ、何か新鮮だ。」 「分かればよろしい。こっちこそよろしく、みさおにあやの。」 かがみが〈かがみん〉という名を私だけが呼んでいいことにしてくれているのが、正直嬉しかった。 別段かがみは私のことをあだ名で呼ばないけど、私は全然構わないし、今頃変えられても違和感がある。 「よろしくね~。それとつかささんにかがみさん、私もあだ名で呼んでいいかしら?」 「うん、全然いいよ~。でも、今まで呼ばれたことないかも…。」 「私も構わないわ、かがみんでなければね。まぁ、あやのがそう呼ぶとは考えにくいけど。」 「ありがとう、二人とも。どんなのがいいかしら。柊からとって、〈ひーちゃん〉とかどうかしら?」 (うぉ、それってつかさが自分でつけた場合として考えた奴ジャン!似たもの同士だからかな?) 「わあ、前に私が自分で考えたのと一緒だね♪私もOkだよ。」 「そうなの?じゃあ今度からそう呼ばせてもらうわね。」 「いや、それじゃあ苗字で呼んだときに逆戻りしてるだろ。区別がつかないわよ。」 確かにそうだ。親しくはなった感じは出るけど、この二人の差がつかない状態に戻っては意味がない。 「それじゃあ、お姉ちゃんは〈きょうちゃん〉にしたらどうかな?私が前に考えたやつなんだけど。」 「なるほど、名前を変換して音読みにしたのね。かがみさんもそれでいい?」 「まぁ、あやのだったらいいかな?」 「えー、私が呼んだ時は散々嫌がったのに、なんでさ?」 「あのときはいきなり呼ぶからでしょ。決めてもないあだ名に普通は反応できないわよ。」 ちょっと不満だけど、正論を言われると反論できない。でも、一番あだ名らしいのがなぁ…。 「な~に?あんたも妬いてんの?あんたも人のこと言えないじゃない。」 また心を読まれて図星を指された。なんか最近、私が主導権を握るペースが崩されてるヨ。 「うお、またしても読まれた?!…前より、敏感になったネ。」 「当たり前じゃないの。前よりあんたのこと見てんだから。」 私は顔を赤く染めてしまったが、暗さでごまかせる範囲だと思う。すぐさま逃げに入る。 それにしても、かがみの方は当たり前じゃないのと言わんばかりで、恥ずかしがってない。 私がいじる側で固定されてたのに…まさか、今年から下克上?! おみくじにそんなこと書いてあったかなぁ?…凶だからろくな事じゃないだろうけどネ。 「そ、そういえば、峰岸さんだけ上の名前で呼んでるから、私も下でいいかなぁ?」 話しかけた相手は、どう見ても暖かい目としか言い様がない眼差しでこちらを見ていた。 逃げたな、という視線をかがみから感じながらも私は返答を待った。断られることはないと思うけど。 そのため、峰岸さんは急に方向転換した話にビクッと驚きながらも、快く了承してくれた。 「え?うん、もちろんいいわよ~。私も下の名前で呼ばせてもらってもいいかな?」 「もちのろんだヨっ。じゃあ、あやのさんヨロシク!」 そんなこんなで話は収束し、後は初日の出を待つばかり…のはずだった。 2へ続く
https://w.atwiki.jp/1h4d/pages/254.html
亞さめ 旧・亞くね。 ほぼ毎回三日月形の目と口をしたゾンビを4コマに登場させてくる 一年中ハロウィンな人。 ゾンビ以外もこの顔にしてくる場合があるので 油断してはいけない。 いつ見ても独特な表情である。 【関連リンク】 『亞さめの曼茶羅タイム』 | まんだらけWEBコミック ラザ 亞さめいと 亞さめの心臓 pixiv Twitter Tumblr
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/6333.html
ささめきこと Blu-ray BOX Blu-rayBOX発売日:2月25日 1)原作・いけだたかし先生描き下ろし特製BOX 2)倉田英之他(高垣彩陽・高本めぐみなど)出演オーディオコメンタリー 3)特製メモリアルブックレット(12P) 4)ピクチャーレーベル 5)特典映像 ・あやひー、めぐみん、エミリーの女の子実験室 ・ノンクレジットOP ED ・番宣CM DVD-CM 2009年放送。2015年2月25日、初のBlu-rayBOXが発売。Amazonインスタントビデオが配信開始。 http //www.sasameki.com/ 監督 菅沼栄治 原作 いけだたかし 脚本 倉田英之 キャラクターデザイン・総作画監督 猪股雅美 美術設定 反田誠二 美術監督 渋谷幸弘 色彩設計 松山愛子 コンポジットディレクター 加藤友宜 ビジュアルエフェクト 津田涼介 編集 宇都宮正記 音響監督 岩浪美和 音響効果 西佐知子 サウンドミキサー 山後茜 サウンドエディター 内田直継 音楽 蓮実重臣 アニメーション制作 AIC 脚本 倉田英之 絵コンテ 菅沼栄治 伊藤真朱 土屋日 森脇真琴 中山岳洋 宮崎なぎさ 稲垣隆行 あおきえい 演出 高島大輔 岩田幸大 荒井省吾 のがみかずお 森脇真琴 宮崎なぎさ 神戸洋行 菅沼栄治 作画監督 猪股雅美 山田裕子 山岸正和 桝井一平 小泉初栄 澤田譲治 斉藤美香 谷拓也 合田浩章 亀谷響子 サトウミチオ Amazonインスタントビデオ ささめきこと Ep. 1 "ささめきこと" 監督 菅沼栄治 再生時間 0時間23分 初公開日/初回放送日 2009年10月7日 提供 梅枝高校女子部 ■関連タイトル ささめきこと Blu-ray BOX ささめきこと Vol.1 オリジナルサウンドトラック ささめきおと オリジナルドラマCD 純夏の一番長い日 「彩陽・めぐみのささめきらじお」ラジオCD 原作コミック いけだたかし/ささめきこと 1巻
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/89.html
さすがにずっと支えてもらっているのもかがみが辛いと思ったから、岩に腰掛けていた。 すると、たまたまそばにいたひよりん目掛けて、どこからともなくチェリーが突進してきた。 かがみがすぐに助け出してくれたものの、その乱闘の巻き添えを食らって体中が砂だらけになるわ、 その上持っていた小銭をいくつか落として、それを探そうと手伝ってくれてたつかさに、 痛めてたのと逆の足を踏まれるはで、もう色々と最悪だヨ…。 元々、岩場から落ちたときから砂はついてたけど、そんなレベルじゃないしね、今は…。 今はかがみとつかさが必死に砂を落とそうとしてくれてるけど、服の中まで入ってきてるし、 こんな真冬に脱いで水で洗うわけにも行かないから、じゃりじゃり感はあんま変わらない。 「ごめん、ありがとう、かがみにつかさ。」 「いいのよ、別に。」 「私こそごめんね…足踏んじゃって…。」 かがみもしゅんとしてて、つかさなんか今にも泣き出しそうだ。 「私もごめんなさい…。ちゃんと、見ておくべきだった…。」 みなみちゃんもチェリーのことで責任を感じて謝りに来た。 「いいんだヨ、気にしなくってさ。チェリーは止めようがないし、つかさもわざとじゃないんだしね。」 つかさは少し気が楽になったのか顔を上げ、みなみちゃんも少しだけど明るくなった気がした。 「もうすぐ日の出だし、過ぎたことは気にしない気にしない~。新年何だから、楽しくしよーヨ。」 「うん、ありがとう、こなちゃん。これからはもっと気をつけるね。」 「…(コクリ)…ありがとうございます。お大事にしてください。」 そういって、みなみちゃんはゆーちゃんの方へ向かった。今はチェリーもおとなしくしてるみたいだね。 「おーい、もうすぐ初日の出やでー。」 先生からの声に皆はふと上を向き、次に水平線を見た。確かに空が明るくなり始めている。 慌てて立ち上がり、バランスを崩しそうになったところをかがみが支えてくれた。 「皆、上がってらっしゃい。ほら、つかさもこなたちゃんを助けてあげなさい。」 他のみんなも岩場の上に移動し、少し遅れて私達も合流した。 お父さんがカメラをスタンバイさせ、私達は前後二列に並んで待っていた。 もちろん私は前の方で座り、かがみも隣にいる。ゆーちゃんペアも同じ感じだ。 遠隔操作用のリモコンを持って、お父さんも列に入り、準備完了。 初日の出が上がると同時に、おおーという声が辺りから聞こえてきた。私達も含めて。 そしてシャッターの音がする。いきなりのことで、みんなはちゃんと顔を整えてなかった。 「ちょっと、おとーさん!撮るなら言ってよネ!」 「ごめんごめん、初日の出の瞬間は撮りたかったからさ。それじゃあ皆さん、改めて、ハイチーズ!」 撮り終わり、すぐにお父さんは初日の出の写真や私達の写真を撮るため、色々動いたりしていた。 みんなは若干ばらけ、何人かのグループに分かれて話してる感じ。もちろん海のほうを見ながら。 私も例外なくだけど、さっきの場所から動かずかがみと話していた。 「いやぁ、綺麗だね~。心があらわれるヨ。」 「そうね…海がキラキラ輝いてて、宝石みたいで…。」 そう。目の前の光景は、光が海面を乱反射しながら太陽が昇っていて、美しいとしかいえないぐらいだ。 新しい一年が始まったんだと思うと、不思議な気持ちになる。でも、かがみ弄りは忘れない。 「かがみって、やっぱり結構ロマンチストだよね~。」 「悪いか!」 「いんや、別に~。そういや、朝日が昇るところ見ること自体が久しぶりかな。」 「あんたは早起きなんて普通しないものね。って、コミケの時は?」 「そんときは朝日のことなんて頭にないよ~。朝日より同人だね!」 はぁ、と呆れるような感じでかがみがため息をつく。 「本当にこの陽光で、心を洗ってもらったほうがいいんじゃないか?」 「むぅ、最愛の人に対してそれは酷いよ、かがみん…。それにかがみだって見てないんじゃないの?」 「えっ?!」 何故かこの一言で慌てだし、何故か照れはじめた。ちょっと予想外の反応だ。 「だからさぁ、一緒にコミケ行ったじゃん。そんとき、かがみも日の出なんて見てないんじゃないの?」 「そ、それは…」 明らかに照れてるし、何か隠してる。朝日のせいには出来ないぐらい、顔も赤くなり始めた。 「ん~、もしかして誰かかっこいい男の人でも見てたの?私というものがありながら!」 「違うわよ!男なんて見てないわよ!私が見てたのは、ウキウキ輝いてたあんたの顔っ…じ、じゃなくて、ただの電車の広告よ!」 (く~、やっぱりツンデレだね、かがみは。この反応、最高だヨ~。) 「やっぱりかがみも見てないんじゃん~。それに私を見てたってことは、煩悩だよね~♪」 「こ、恋人の顔を見て何が悪い!!全く、もう…。」 大声でそう宣言した後、下を向いてしまった。こういうところも可愛く見えちゃうんだよね~。 でも、大声だったのはまずいよ、かがみん…。 「か・が・み~、恋人って誰のことかな~。」 「?!?!げっ、まつり姉さん…に、いのり姉さん。い、いや仮想の話よ、仮想の!」 あちゃ~、やっぱり聞こえてるよ…。他の大人は気付いてないみたいだから、一応セーフ? でも、必死でかがみが逃げようとしてるけど、全くもって信用されてない。 普通に考えて、あれを聞かれたら逃げられないと思うヨ、かがみん。 諦めて、とりあえずこの二人には打ち明けたらと、小声で耳打ちしてみた。 ちょっと驚きの顔をこちらに向けて、指を唇に当てながら数分間考えた後、頷いた。 かがみは決心したのか、深呼吸。お姉さん方お二人は、物凄い形相でこっちを見ていた。 「実は…」「こういうことですヨ!チュ。」 と、クリスマスと同じ展開でかがみに軽くキスをした。 「?!…ば、こここ、こなたああああああ!!!!!」 かがみはいろんな意味で大噴火、お姉さん方は目を点にしている。まぁ、普通はそういう反応だよネ。 やっと意味がある程度理解できたのか、いのりさんが反応した。 「ああ、そういうことなんだ~。かがみがそういう趣味だったのは意外ね。」 「え、どういうこと??」 「だ、だから、その…付き合ってるのよ、私とこなたが…。」 「えええぇーーー!!!だって、こなたちゃんも女の子でしょ?!」 物凄い大声を出してまつりさんが驚いた。 「うっ…だから、言いたくなかったのよ…。」 「かがみ、本気?」 「…本気じゃなかったら、こんなこと改まって言わないわよ。」 「そう…。私は賛成できないけど…」 ああ、やっぱり一般人の考えはこうだよね。車での悪夢が少し蘇り、嫌な汗が出始めた。 かがみも顔を曇らせて、下を向いた。実の姉に話しているかがみの方が、ダメージは大きいんだろうな。 「でも、私は反対もしないわ。」 『えっ?』 私とかがみ、それにまつりさんの声が被った。 「だって、これはあんたの人生だもの。私がどうこう言うもんじゃないしね。」 「ありがとう、いのり姉さん…。」 私とかがみは少しだけど、ほっとした顔を見せ合う。 「姉さん?!」 「あら、まつりだってどうなるか分からないわよ?それに、素性の知れない変な男よりよっぽどいい気がするわ。何か親が言うことみたいだけどね。」 「そうかもしれないけど…やっぱ、変じゃない?」 「でも、それを覚悟でこの二人は付き合ってるんでしょ?だったらいいじゃない、変でも。」 「まぁ、私も別に構わないけどさぁ…。」 そういって、まつりさんは渋々引き下がった。 「色々あると思うけど、がんばりなさいよ、二人とも。それと、後でちゃんと母さん達にも言うのよ?」 「うん、ありがとう、いのり姉さん。それに、まつり姉さんも。」 「私は別に何もしてないよ。ほら、お邪魔みたいだし行こう、姉さん。」 そういって、二人はつかさの方へ歩いていった。 「ふぅ、なんとかなって、良かったヨ。」 「そうね。渋ってたけど、なんだかんだで認めてくれたというか、分かってくれたみたい。」 ようやく収まって、一息つく。これで落ち着いて二人でいられるかと思った。 が、しかし、そうは問屋が卸さなかった。 「こなた、ちょっといいか。」 「かがみ~、こっちにいらっしゃい。」 ビクッ いやーな予感が思いっきり頭を通り抜けた。恐る恐る後ろを向くとお父さんがいた。 かがみも冷や汗が出ているように見えた。すっと立ち上がって離れていく。 「さて、さっきのはなんの話だ?女の子がどうだの、付き合ってるだのって。」 「はぅあ?!おとーさん、聞いてたの…?」 なんだろう、このありきたりなドラマのシチュは。 しかもかがみも呼ばれて行っちゃうし、バッドエンドフラグじゃん、これって? 「あれだけ大声だと、どうしても気になってな。んで、説明してもらおうか?」 「い、いやぁ、えーと…そう!ネトゲの話だよ!ほら、私ネカマじゃん?それで、嫁の話とかを…」 「目が泳いでるぞ、こなた。正直に言ってもらおうか?」 目が本気だし、表情も硬いし、声のトーンも低い。お正月からなんでこんな修羅場の連続が…。 もはや逃げ道はないし、変にごまかそうとすると自分の首を絞めることになる。 チラッとかがみのほうを見ると自分の両親と話をしている。お父さんだけの私はまだ楽かナ? いつか話さないといけないし、早い方がいいだろうか? かがみの了承を得てないけど、ここは覚悟を決めるしかない。 ここで引いたら、まさしくゲームオーバーだろう。しかも、ゲームみたいにリセットはできない。 深呼吸をして、自分で出来る限りの意思を込めてお父さんの目を見た。本気だと伝えるために。 「…私、付き合ってるんだ……かがみと。もちろん本気。意味も理解してる。覚悟も…できてる。」 不安というより、恐怖が心の半分を覆っていて、今にも泣きそう…。 どんなホラー映画もお化け屋敷でも泣いたことはないのに、今は心が裂けそうなほど怖いよ。 目が潤み始めて、視界がぼやけてきてるけど、お父さんと目を合わせたまま離してない。 さっきから真剣な顔のまま、私を見ているだけで何のリアクションもないけど、私はやめない。 どれだけお互いを見詰め合っていたか分からないけど、もうそろそろ涙腺の限界だヨ。 断られるのが、認められないのが怖くて、もはやそれだけで頭が一杯になりそうだった。 「…良く、本当のことを言ってくれたな、こなた。」 「…えっ?」 先ほどまでの硬い表情ではなく、真剣だけど優しい顔と声になっていた。 「この後も、嘘でごまかそうとすれば怒って認めないつもりだった。それは相手がかがみちゃんだから でも、同姓だからでもなく、親にすら言う覚悟ができていないから反対するつもりだった。」 「おとーさん…。」 「でも、こなたは正直に言ってきたし、ずっと俺の目を見て訴えてきた。不安な気持ちも伝わってきた けど、必死でそれに耐えて、俺に気持ちを伝えてきた。だから、俺はもう何も言わない。」 「いいの…?」 「社会的に見たらおかしいと思われるだろうけど、俺は誰でもないこなたの親だ。俺は、お前が幸せだ と思う道を応援するべきだ。こなたにとって何が幸せかは、こなたにしか分からないことだからな。 …きっと、かなたもそう言うはずだ。」 自分はどう考えても、親不孝な子どもなんだと思っていた。絶対反対されると怖がっていた。 でも、お父さんは反対せず、認めてくれた。それが嬉しくて、ほっとして涙が流れてしまった。 「うぅっ…ご…めんね…グズッ…おとう、さん…。」 「泣くなよ、こなた。それに、〈ごめんね〉なんて言われる覚えはないぞ?一度きりの人生、好きなよ うに生きればいいさ。俺だって、かなたと色々やったんだしな。かがみちゃんなんていい娘と付き合う なんて、さすが俺の娘だ。」 「…うん、ありがとう。」 「ほら、かがみちゃんの方も終わったみたいだぞ。行ってあげなさい。」 振り返ると、親との話を終えたかがみも涙目ながら顔はどこか晴れやかで、こちらを見ていた。 「…かがみっ!」 そう言って私は足の痛みも忘れて、かがみの方へ走り出し、思いっきり抱きついた。 「うわっ!もう、こなたっ!…ったく。でも、その様子だと良かったみたいね。」 「かがみの方も、結果は顔に書いてあるよ。」 今まで抱えてきた悩みがなくなったかのように晴れやかな顔が、全てを物語る。 「ふふっ、そうね。お父さんが反対気味で駄目かと思ってたけど、お母さんのおかげもあって何とか認 めてくれたわ。お母さんは、前から気付いてたみたいらしいしね。」 「私の方もOKだってさ。いやぁ、お互い良い親を持ったねぇ~。」 「なんだその言い方は…でも、そうね。始めはどうなることかと思って、本当にヒヤヒヤしてたわ。」 「これで隠れて付き合わなくてもいいんだよね?」 「そうね…これだったら、もっと早く言うべきだったかしらね。」 あははっ、と笑って太陽のほうを見た。もうほとんど全てが見えるぐらいに出てきていて、まぶしい。 その後、私達はゆい姉さんや黒井せんせーにも話して、周りの人で知らない人はいなくなった。 先生にいたっては「前からそうだったんちゃうんか?」とまで言われた。取り越し苦労だったみたいだ。 さらに、ゆーちゃんとみなみちゃんも私達に乗じて決心したらしく、帰り際にゆい姉さんとお父さんに 話していて、相当驚いていたのが見えた。最初は珍しくゆい姉さんが怒り気味に見えたけど、どうやら その矛先はゆーちゃんたちじゃなく、お父さんに向けられてたみたい。最終的にOKを貰ったのか、ゆ ーちゃんもそうだけど、あのみなみちゃんまで満面の笑みで抱き合ってた。 後で聞いた話だと、ゆい姉さんはゆーちゃんが変なアニメやゲームの影響で、同性って考えが生まれた んじゃないかと怒ってたらしい。でも、ゆーちゃんが違うって否定した上に本気だったのを見て、観念 したらしい。…まぁ、原因はひよりんだと思うから、あながち間違ってないと思うけどね…。 みなみちゃんは既に親に打ち明けていたらしく、ゆーちゃんも了承していたらしい。 うちらより手際がいいというか、積極的じゃないかな? あともう少しで帰るということになり、私とかがみは二人きりで話していた。 「う~ん、とんだ初日の出だったなぁ。おみくじ通り災難だらけだよ。悪夢が初夢になるわ、足は痛めるわ、砂まみれになってお金落とすわ、逆の足を踏まれるわ、修羅場になるわ…どんだけ~だヨ。」 「でも、悪いことばかりじゃなかったじゃない。晴れて公認になったんだしさ。」 「そうだけど、できればもっと綺麗にさ。例えば、かがみがとなりにいる状態で親に紹介するって感じが、交際とか結婚を認めてもらうときの王道イベントじゃん?」 「そうだとしても贅沢言えないわよ、私達の場合は。認めてもらえただけ良しとしなきゃね。」 確かにかがみとの付き合いを認めてもらえたのは大きいんだけど、やっぱり不満な部分があるわけで。 「でもやっぱりついてないよ…。毎日がこんなんじゃ、体がもたないヨ。」 「ほーら、ブツブツ言わない!確かに運はついてないかもしれないけど、私が付いてるじゃない。それとも何、私じゃ安心できない?」 「そ、そんなわけないよ!かがみがついてくれてるのが一番だヨ!」 「そんなに必死にならなくても分かってるわよ。そういうところが可愛いんだけどね~♪」 「あうぅっ…」 あ~、またかがみに主導権が…でも、これはこれで悪くないかもネ。 そっとかがみが腕を肩にまわしてくれて、私も体を寄り添う形でかがみに預ける。 いつも思うことだけど、暖かくて安心できる。さっきの仕返しを思いつき、即座に決行する。 「やっぱりかがみの体温が一番安心できるね!」 「ゴホゴホッ…い、いきなり、何を言って…っ!」 「あれ~、どうしたのかなぁ、そんなに顔を赤くして?いやらしいことでも考えちゃった?♪」 「ち、違うわよっ!」 明らかに顔が真っ赤で、目を逸らしてる。誰から見てもバレバレだ。 「怪しいな~、かがみぃ。」 「うるさい!…でも、私もあんたの体温が一番落ち着くわ。」 そういって、私の上から覆いかぶさるように抱きついてきた。 「ちょ、かがみ?!は、恥ずかしいってば…」 「わ、私だって恥ずかしいけど、こうしてたいの!いいでしょ!」 「デレ覚醒ですか、かがみ様。」 「デレとか言うな、馬鹿っ。」 かがみがさらに強く抱きしめてくる。私はされるがまま、身をかがみに任せた。 腕ごと抱かれてるから、かがみに手をまわしてあげられないのが残念だけどネ。 お互いの体温を感じている間、朝日と輝く海が私達を照らしていた。 初日の出さえ癒せなかったケガの痛みも、精神的な疲れも全て癒えていくような気がした。 しばらくしてかがみが力を緩め、お互いを見つめ合って、顔を近づけた…。 「お姉ちゃーん、もう出発するって…わわわ、ごめんなさい!」 うん、お約束のタイミングだネ。萌え要素としてはGJだよ、ゆーちゃん。 出来ればあと数秒待って欲しかったけどね…。 「あ、ゆ、ゆーちゃん!う、ううん、教えてくれてサンキュー。」 「き、気にしないでね。ほ、ほら、こなた肩貸してあげるから立ちなさいよ。」 最も理解してもらってる人の1人でも、キス目前を見られるのは、してるのを見られるより恥ずかしい。 かがみは顔が真っ赤で、なんとか平静を保とうとしてるのが分かる。おそらく私もそうなんだろうね。 名残惜しくも車の方へ向かった。 「それじゃあ、気をつけなさいよ。これ以上痛めたら、どこもいけないわよ?」 車に乗せるのを手伝いながら、かがみが言う。素直に私の身が心配だといわないのは、らしいな~。 「もう、素直に私が心配だって言えばいいのに~。遠まわしに言ったって、バレバレ何だからさぁ。」 「う、うるさいっ…。どう心配しようと私の勝手でしょ?」 「う~ん、これはツンデレじゃなくてデレツンなのカナ?」 「私はどっちでもないわよ!全く、もう行くからね。…チュ、じゃあね。」 そういって、さりげなく頬にキスをして、車から降りた。 私のシチュのツボだったか、顔は大噴火を起こしたかのように火が上がる。 でも、当のかがみはほんのり頬と耳が赤いぐらいだ。 …もはやかがみはキスすることに対して、抵抗がないような気がしてきたヨ。 「あ、かがみちゃん、丁度いいところに。」 どこからあらわれてか、一時的に車を離れていたお父さんがやってきた。 「さっき、そちらのご両親と話をしていたんだが、良かったら今日は家に泊まらないかい?」 『えっ?』 「いや、かがみちゃんの意思次第だけど、ご両親は良いと言っているし、どうだい?」 「本当にいいんですか?」 「ああ、構わないよ。大勢の方が楽しいからね。あ、でも部屋はゆいちゃんとゆたか、それにみなみち ゃんがくるから、必然的にこなたの部屋に泊まってもらうけど、いいね?」 「は、はいっ。よろしくお願いします。」 「じゃあ、乗った乗った!…ほら、ゆーちゃん達も早く!」 そんなこんなで、5人で車に乗ることになった。 前にお父さんとゆーちゃん、そして私達とみなみちゃんは後ろの座席に。 ゆーちゃん達にはちょっと我慢してもらうけど、私けが人だし、いいよね? 帰り道、再び眠気が襲ってきたけど、暖かい感触を感じながら、今度はいい夢が見れそうな気がした。 かがみが付いてくれてると、何でもいい方向に進む気がするしネ。 やっぱりかがみには守られてるみたいだよ、いろんな意味でさ。 ありがとう、かがみ…。あとで、たっぷりお礼しないとネ♪ - Fin - 『かがみ開きすぎっ!』(続編)へ コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-03-04 23 26 06)