約 1,790,756 件
https://w.atwiki.jp/morshowsumakou/pages/23.html
ボロボロの姿で倒れているあかりを見つけたのは、宮本佳林だった。 保健室から戻ってきた佳林に、高木紗友希が訊いた。 「あーりーはどんな様子?」 佳林の白い顔がいっそう蒼白になっている。 爆発寸前を示す兆候である。 「…意識が戻らない…苦しそうにうめいてたよ…」 大塚愛菜がゴルフクラブを手にして、実習室を出ようとした。 その背中に金澤朋子が声をかける。 「そんなもの持ってどこ行く気?」 振り返った愛菜の目は涙をたたえ、憤怒に煮えたぎっている。 「あーりーをやったのはポッシハイのやつらだよ! このまま黙ってられるかよ!カチコミかけるんだ!」 「落ち着いて」朋子がピシャリといった。 「たとえそうだとしても、いまはベリ工まで噛ませて話し合ってる最中よ。 ゆかちゃんの顔も潰すことになる」 「あーりーはやられ損かよ?」佳林が愛菜に寄り添うように立ち、 朋子の目をにらみつけた。 やり取りを黙って聞いていた紗友希が割って入った。 「冷静になりなさい。とも、ゆかちゃんと連絡はとれたの?」 「…まだよ」朋子は首を振った。 「とにかく、ゆかちゃんが戻るまで待機よ。軽はずみに動かないでちょうだい」 「う…う…気持ち悪…」目を覚ましたあかりは自分がベッドの上にいることに気がついた。 「お、気がついたな」保健医の石井先生が生あくびを噛み殺しながらベッドの横に近づいてきた。 「ここ…うち…なんで…」焦点が定まらない目であかりが力なく尋ねた。 「拾い食いでもしたか?たいした毒素じゃなかったからいいが、食中毒には用心しなさい」 フラフラしたが、とりあえずあかりは上半身を起こしてベッドに座る格好になった。 「それに、あちこち打撲傷がある。転んだのかい?」 じっとあかりを見つめた。「それともケンカでもしたか?」 「ちょっとチャリンコとぶつかっただけや。たいしたことあらへん」 まだふらつく足取りで、あかりは保健室を出た。 「あかん!誰かが“あれ”を食べたら危ない!」 あかりは実習室へと急いだ。
https://w.atwiki.jp/nisina/pages/162.html
あかねと百合 図書館の勉強机にて、演劇部所属の1年生・黒咲あかねは真っ白なノートを目の前にして、自分の才能に疑問を感じていた。 「久遠はどうしてあんなにきれいな脚本が書けるんだろう」 机の端に重ねられた資料は未だ乱れることなくきっちりと並び、買ったばかりの消しゴムも角を保ったまま、ノートと同じように眩しかった。 プロットを迫先輩から任された。こんなに嬉しいことはない。迫先輩のためなら、部員みんなのためなら、劇を見てくれる人のためなら、 誰もが劇を見た後にちょっと幸せになれるような、ささやかなストーリーが書きたい。だけど、幸せの糸を紡ぐことは苦しいこと。 言葉の糸車の針があかねの指にずきりと突き刺さる。痛いと言っていても、無情にも糸は何も織り成すことはない。 あかねの前の真っ白なノートにみんなの笑顔が浮かんでは消えてゆく。『期待』という言葉から耳を塞ぎたくなる。 放課後の時間だけが時計の音ともに削られてゆき、締め切りに徐々に近づいてゆくことに、大人しいあかねは焦りを隠せなかった。 髪の毛を摘む回数が増えてきた。 「久遠がここにいたらなぁ」 あかねは同じ演劇部1年生・久遠荵と共に、演劇部の先輩から次に発表する劇のプロットを練ってくるように宿題を出されていた。 ゼロから物を作り出す苦しみに耐えて、魅力あるプロットを組み立てることは一日二日で出来るものではないということ。 1年生ながら文才を買われたあかねと荵は、始めはノリノリで書きはじめたものの、ふとしたことで全く筆が動かなくなってしまった。 演劇に携わる者でなくても何となくお分かりであろう。さらに残念なことに、相方である荵はあかねがきょうの作業へと誘う前に どこかへと消えてしまったのだ。子リスのような荵を捕まえるのは、文章を書くより骨が折れると、あかねは悩む。 長いみどりの黒髪が窓から通り抜ける冬の日差しで照らされ、学園を去る生徒たちの歓声が外から楽しそうに聞こえてくる。 静かな図書館の中では、あかねが物語をあれやこれやとひねっては消してと、苦悶していた。 校庭では太陽のような暖かい明るさが輝き、図書館では星のような冷たい光があかねを凍てつかせる。 「どうしたら、部員のみんなが引き立つ本が書けるんだろう」 いつの間にかシャープペンでノートを叩く音が、秒針の音と重なっていたことにあかねは気付かない。 あかねが時計を見ようと顔を上げると、一つ先の机で描いては消して、描いては消してとノートと格闘する女子学生の姿があかねの瞳に映った。 「あたしの才能はこんなもんじゃない!やに、イメージ通りのデッサンができんきぃ!」 静かな図書館に聞きなれない訛りを響かせ、彼女は消しゴムをノートの上で擦り付けていると、 勢い余って消しゴムを床に落とした。我に返ったその少女は今の言動を少し後悔していたようにあかねに見えた。 図書委員から口にチャックのジェスチャーをされた彼女は、しゅんと縮こまる。 あかねはイスから立ち上がり、少女が落とした消しゴムを拾い上げると、殆ど球状になり黒くすすけた消しゴムを見て自分を恥じる。 (こんなになるまで使ってたんだ。わたしも頑張ってプロット書かなきゃ) 丸い消しゴムは頑張りに正直者だ、とあかねが消しゴムを摘んで見つめていると、聞き慣れない訛りの少女の声があかねに飛び込む。 「ありがと!たすかるきぃ!」 「は、はいっ」 彼女を避けるようにあかねは返事だけを返し、そそくさと自分の席へと戻ったのだが、消しゴムを落とした少女は あかねに興味が湧いたのか、そっと側に立って机の上の本を見つめていた。 「ね、ちょっと!あなた。その詩集って?」 「これですか。わたしの本ですが」 「そうそう!これって崇人が探しちょったのと同じやん」 あかねが「創作の参考に」と自分の家から持ち込んだとある詩集。 自分が好きな詩集を学園のどこかの誰かが探すほど好きでいてくれる人がいるなんて、ちょっと嬉しいじゃないか。 少女のいう『崇人』という人物とは、誰なのだろう。あかねは少し見知らぬ『崇人』という人物に興味が湧いた。 訛りの少女は、あかねの詩集を手にして瞳を輝かせていた。 「出来ればでいがやけど、お手すきになったら崇人に見せに行きたいんがや」 「今、とてもお手すきですっ」 用事はある。だけど、書こうとするから書けないのだ。だったら少し手を離してお話に乗ればいい。あかねの決断は早かった。 未だに文字が書かれることの無いノートを閉じると、あかねは目の前の少女の後を付いて行くことにした。 胸に詩集と未知なる興奮を抱えて。 人前に出る部活の癖に、恥ずかしがり屋というところを突っ込まれやしないか、とあかねは手に汗を握っていたが杞憂に終わる。 素朴な香り漂う垢抜けない訛りで士乃は、妹のような先輩振りであかねの気持ちを和らげる。 「ちょっと、あたしたちの部室に寄っていかん?創作部っち言ってなあ」 「創作。そうさく。……何かを作るんですか?」 「そうな。そうそう、自己紹介まだじゃったね。あたしは浅野士乃。よろしゅう」 「……わ、わ、わたしは。黒咲あかねですっ。演劇部の1年生ですっ」 「それじゃあ、あたしはあかねちゃんの先輩やん」 士乃の横顔を見るだけで精一杯のあかねは、見せるのが恥かしいくらい頬が赤くなっていた。 ―――「先輩!あそこにも初々しいカップルが並んでます!なんと一人は頬が真っ赤です!」 「ほんとだね!男の子の方は、女の子の横顔を見るだけで精一杯なんだ!この!恋愛仮免講習受講者め!」 演劇部部室では、久遠荵と近森ととろが窓から仁科学園から帰り行く『恋愛若葉』を観察していた。 カップルの幸せを見せていただきながら、幸せをご相伴にあずかるととろは「下校する生徒がよく見えるから」と言って、 演劇部部室に放課後から入り浸っている。この日は先輩たちが部室に来る予定はないので、勝手気ままに部屋を使えるわけだ。 「人物観察は演技の練習の基本のキ!勉強になります!!迫先輩も熱弁していたことですの!」と、 荵は小さな身体をめい一杯使って、ととろの訪問を歓迎していたが、迫先輩からのプロットの宿題のことなどすっかり忘れていたのだった。 「ととろ先輩!いつでもここを使っていいから、これからもわたしにも金平糖のような甘くて刺々しい恋の蜜を味あわせてくらさい!」 「そ、そうね。荵ちゃんって……やっぱり演劇部向きだね」 「でも、わたしが芸事の道を選んだのは、あかねちゃんの姿を見たからですよ。わたしはあかねちゃんになりたい! 大人びた性格に、すらりと伸びた長身!何故、芸能の神・アメノウズメは、わたしにこんな試練を与えたのか!」 子どもっぽい容姿に、ちっこい背丈の荵は、声を大にして叫んだ。 中庭で先輩たちとエチュード(即興の演劇練習)をしているあかねの演技に惚れたからだと、荵は語る。 芝生だらけの中庭に茜の花が咲き誇っていたと、荵は語る。 「でも、負けないもん!わたしは先輩の後ろにある棚の百合の花でさえ、笑顔にしてみせるよ!!百合の花よ、咲き誇れ!」 花瓶に生けられた百合の花は、荵に呆れたように静かに二人を見つめていた。 「ところで、ととろ先輩。ソレ、何の格好です?」 荵が気にするのも無理は無い。ケモノ耳のようなものが付いたヘルメットにハート型のアイシールド。 制服の上には勇者のようなマント、そして純白の手袋。おまけに魔法のステッキを手にしたととろは、瞳を輝かせ腕を振り上げる。 「良くぞ聞いてくれた!他人の恋路を邪魔するものは、ウマに蹴られて地獄に落ちろ!謎の美少女戦士カップルウォッチャー、ここにあり!」 決め台詞のようなものを一通り叫ぶと、ととろはひょいとマントをなびかせてイスに飛び乗る。 そして、ここには居もしないカップルを探すように、きょろきょろと心躍らせた様子で周りを見渡したのだった。 「しあわせゲージMAXなカップルはどこだ!?」 ―――「ここやち。ここやきん」 士乃があかねを連れて仁科学園創作部の部室を紹介すると、あかねはきょろきょろと落ち着かない様子で周りを見渡した。 通い慣れたいつもの校舎の中だというのに、行ったこともない土地に放り出されたような気持ちに包まれるあかねの頬は赤い。 「まあ、お茶でも飲んでいってん」 人懐っこい士乃の笑顔があかねにとっての救い。薄っぺらい扉を開くと、物の数だけの匂いがふんわりと二人を包んだ。 「りっちゃん、こんちはー」 「士乃ちゃん、お客さん?」 「うん。初々しいお嬢ちゃんじゃの!なのに、崇人が居らんき!どこに行ったー」 ぐっと両手を握った士乃は、部屋一杯に声を響かせながら崇人という男子生徒の名を叫んでいた。 同輩に呆れている『りっちゃん』と呼ばれた少女は、士乃に隠れるように立つあかねに気が付くと、手にしていた雑誌を静かに閉じた。 初めての場所に戸惑うあかねは、右手で左の腕を握り締めて肩をすぼめて自分を落ち着けと言い聞かせる。 脚をぶらぶらとさせながら、軋む木のイスに座る『りっちゃん』は創作部の部員。士乃は彼女の両肩にぽんと手をかける。 「ま、ちっちゃいけどお気楽に。この子がりっちゃん、あたしと同じ2年」 「金城葎です。よろしくねー、って誰がちっちゃいねん!!」 葎が士乃の言葉に反応してイスから飛び上げる。事実、葎が立ち上がっても彼女の目線は、あかねの胸ほどの高さしかない。 士乃は「ちっちゃいのは、部室ち言ったんやん」と士乃のブレザーを引っ張る葎をなだめるが、 あかねの目にはどうしても士乃が葎のことを『ちっちゃい』と言ったようにしか見えなかった。 「はいはい、りっちゃんは席に戻って。新しいお友達が自己紹介するきい」 あかねは舞台に立ったつもりで黒タイツの脚をそろえお辞儀をする。長く伸ばした黒髪が一緒に揺れる。 ここが舞台なら怖いものは無い。舞台はみんなで作るもの。先輩たちも一緒だから怖くない。 先輩たちは舞台を見に来たお客さんと思えばいいじゃないか。舞台仕込みのよく通った声で自分の名前を伝える。 色白の頬を牡丹のように赤く染めながら、堂々と自己紹介を終えたあかねは立派な『役者』だった。 挨拶を終えると、演劇部に居ながら恥ずかしがり屋であるあかねは、創作部の二人に目を合わせようとすることはなかった。 「……よろしくね。あかねちゃん」 「まさか、ここで『あーちゃん』と会うとは思わんかったけんなあ」 葎の雑誌をちらりと覗き込んだ士乃の言葉は、あかねをますます赤くさせてゆく。 自分のことを知っている人がいる。しかも、かなり前から……。 「読者モデルを辞めてから、どうしちょるのかなあって思っとったら、奇跡の巡り合いやん。あたし高知で毎月読んでたき!」 「そうね!もしかして、どこかで見たことあると思ったら『プチ・ポップ』に出てた『あーちゃん』?」 ×××××××××××××××××× 小学生時代、黒咲あかねは『あーちゃん』と呼ばれていた。 実際に呼ばれていたのは、雑誌の上でのこと。『あーちゃん』は毎月きれいな服を着て、大人びたメイクを体験して、 そして日本中の読者から羨望の眼差しを受けながら、限られた紙面を華やかに飾っていた。 そう。黒咲あかねは、小中学生向けのファッション雑誌『プチ・ポップ』の読者モデルであったのだ。 ファッション誌に出ることになったのは、クラスメイトの推薦からであった。「あかねはきっと人気出るよ」と。 その言葉はうそではなかった。人気も出た。誰もがちやほやしてくれた。クラスメイトも一目置いてくれた。 でも、それは『あーちゃん』に向けてだ。『あーちゃん』は『黒咲あかね』なんて子は知りません。何処の誰ですか。 『あーちゃん』は『あーちゃん』の場所でしか生きることができない、花壇の花のような存在だったのだ。 「あーちゃん、こんなに読者からのハガキが来てるよ」 「う、うん。ありがとう」 「いいなあ、あーちゃん。わたしにはこんなに来ないんだもん。超羨ましいなあ」 「カラーページ独り占めだもんね」 「はは……。やめてよ」 うそばっかり。他の子は自分がもっと目立ちたいんだ、って思っているんだ。 読者モデル仲間からの言葉を薄っすらと鋭い瞳で見抜く『黒咲あかね』は『あーちゃん』ではない。 仲間が太陽のような笑顔になればなるほど、分かり易いウソをかばう氷がゆっくり雫をたらす。 「人気いちばんだからね。『あーちゃん』は」 「わたしも『あーちゃん』みたいに、カラーページを独り占めしたいな。あ!このバッグかわいい」 出来ることなら何もかも砕く金槌で、あかねの手を冷やす氷を砕きたい。あかねは氷を持ち続けながら、 『あーちゃん』にしか出来ない、妙に大人びたウソ笑いを一緒に読モ仲間と分け合うだけだった。 お遊びの仲間だなんて、誰に何の得になる。たまたま同じ雑誌に載っているだけじゃないか。 わたし『黒咲あかね』は『あーちゃん』なんて子は知りません。何処の誰ですか。いっそのこと、無視してくださいな。 『黒咲あかね』は『あーちゃん』を一人ぼっちにしたかった。 ×××××××××××××××××× 創作部の部室では、雑誌を読み飽きた葎が何やら図面を真っ白いケント紙に起していた。 「おっ。りっちゃん、きょうもペンの調子がいいやん」 「思い付いたときに図面を起さないと、すぐに忘れちゃう」 「おお、そうや。あたしも新作のデザインをしちょるところやった」 ぽんと手を鳴らした士乃は、くるりと周りスカートを揺らす。 あかねは部屋の中にはたくさんの本、焼き物、そして玩具に視線を奪われていた。 「あかねちゃん!ここはね『創作部』だから、何でも作るのよ」 「そうなんですね。あの……金城さんは……」 「りっちゃんはね、玩具ばっかり作りよるよ。鉄砲とか鉄砲とか……」 葎の目の前の紙に、士乃は手にしていたシャープペンでうずまき落書きの攻撃をする。 「し、士乃ちゃん!わたしの傑作が渦に巻き込まれたよ!」 あはは、と笑う士乃に対して葎は困ったような、笑っているような顔をしていた。 どうしたらいいのか分からず立ちすくむあかねは、とりあえずエチュードで学んだ「何でもいいから、話を途中で切らすな」の教えを思い出し、 思い切って士乃に話を振ってみる。士乃なら何か答えを返してくれると微かな期待を抱いたからだ。 「あの、士乃さんは……何を作っているんですかっ」 「あたしは焼き物をやってるよ。でも」 士乃の背後に並んだ作品たちが、光に照らされて誇らしげに見えた。自己主張もせず、ただたたずむだけの花瓶に皿たちは、 どれもこれも美しい。しかし、急に真面目な顔になった士乃は、ダンボールに乱雑に入れられた花瓶を手にする。 「……やっぱり、これ」 花瓶には『審議中』の付箋紙が付けられていた。 「女の子と焼き物は同じやきん。みんなに見られれば見られるほど綺麗になってゆく。でも、そればかりがやない。 ダメなものはダメじゃったりする。いちばんタチが悪りいのは、自分がダメなことに気付かんこと。 もっとダメなもんはダメなもんでも、周りからおだてられて自分がダメなことに気付かんこと。 いちばん大事なのはそれが分かっちょる人が、いつも側にいちあげることやと思うの。大切なことやけん」 手にしていた一枚の陶製の花瓶を士乃が天に向かって持ち上げる。 「この子もこうしてダメっち気付かせちゃる方が、幸せじゃったりするがかも。って、なーんちね」 誰だって、自分が作ったものは愛しい。だけど士乃はそれを見切ることも一つの愛情だと、静かに自分を抑えながら語り、 テラスへの扉を静かに開いた。コンクリートの床はあかねには冷徹に見えた。温厚な空は裏腹に青い。 士乃の振り上げられた腕には士乃が作った白い花瓶。「やけに青空に映える白さやん」と士乃は花瓶を見つめていた。 己の行く末を悟った花瓶は、生みの親の教えに逆らうことなく地面に飛び込む覚悟であった。 ―――陶器の割れる音が部室に響く。居合わせたものの視線をひきつける。粉々に散った破片が力なく横たわる。 そして静寂だけが二人を包み込む。 「……どうするの」 「わたし?ちょ、ちょっと!ととろせんぱーい!」 ちょっとはしゃいだつもりだった。ちょっと調子に乗ったつもりだった。荵のちょっとが騒ぎになるとはととろも思っていなかった。 荵はととろから『カップルウォッチャー』の衣装をちょっと借りて、自分もととろになった気になっていた。 ととろがイスから飛び降りたなら、わたしは机から飛んでやる。上靴を脱ぎ、小柄な身体で机に飛び乗る。 「カップルウォッチャーしのぶ、ここにありー!」 「ちょ、ちょ?易々とカップルウォッチャーの座を渡してたまるものかあ!」 ととろを真似て、机から飛ぶ降りる。荵には長すぎる長いマントがゆっくりと捲り上げる。 が、荵が机から飛び降りるものの、着地に失敗。紺色ハイソの足で床を滑る。両手をぶんぶんと振りながら 足をふらつかせて壁に向かって体勢を立て直すものの、運悪く棚の上の百合の花が生けられた花瓶をピンク色のステッキでジャストミート。 魔法のステッキで一撃された花瓶と百合の花は、床を目掛けてまっ逆さまに床に吸い込まれた。そして、大きな音を立てて百合の花は黙り込む。 百合の花を拾い上げようと荵は床にしゃがむが「役者が手を怪我したら危ないよ!」と、ととろから手を掴まれた。 ―――あかねは士乃の振り上げた花瓶を持った手を掴んでいた。抱えていた詩集が花瓶の代わりにテラスに落ちた。 「この子だって、どこか光る場所があるはずです!」 「……」 「みんなで作る……、みんなで育てる…。そして、みんなで気付いてあげる、ってわたし、生意気すぎましたね。ごめんなさい」 静かに士乃の腕から手を離し、いつもの恥かしがり屋さんに戻ったあかねの背中をポンと叩くのは葎だった。 葎の小さな体は、あかねには自分を包み込む『アネキ』に見えた。 「ははは!あかねちゃん!よく言ったね。士乃にはいいクスリだよ。いっつもガッチャンガッチャン割ってこっちはうるさくて」 「りっちゃん!あたしは芸術家としてこだわりを通したきぃ!!でも……」 「でも?」 「何て言えばいいんだろう。あかねちゃん、ありがとう。よかったらいいんやけど、この花瓶、演劇部で使ってくれる……かえ」 士乃の言葉にこれまで以上にあかねが頬を赤らめていると、メガネを光らせる男子生徒が部室に入ってきた。 「士乃ー?聞いたぞ、聞いたぞ。何時になくお姉さん振っているな!後輩を見るとすぐこれだ」 「崇人!!あたしは、この仁科学園の先輩としてあかねちゃんに……崇人!!崇人が『このデザインがいい』っち言うたけん、 あたしは全身全霊をかけて仕上げたんやに!それに、なんじゃ?崇人の作った詩は、みんなが喜んでもわたしは響かんきい!」 「士乃ったら。きのうさ、こっそりと崇人の詩を何度も口ずさんでたくせにね」 「う、うるさいっ。りっちゃんは、早く自分の玩具を仕上げる!やないと、また『ぐるぐる攻撃』しちゃるきん!」 あかねは創作部のみんなで作品を作ってみんなで語り合うという、創作マインドに心打たれ、 先輩たちの持つ作品への愛情に自分の創作意欲を沸き立たせていたのであった。だが、あかねの脳裏に蘇ったのは、迫先輩からの宿題だった。 「そうだ!プロット!!」 あかねは、白紙のノートを抱えて恥かしそうに廊下側の扉に向い、創作部の面々に深々とお辞儀をする。 「創作部にまた遊びに来てね」と、葎から見送られたあかねは、再びこの部屋へ来ることを誓い、演劇部の部室に戻る。 士乃が一度は投げようとした花瓶を大事そうに抱えて……。 あかねが演劇部部室に入ると、人影は全くなかった。 魔法少女の衣装のようなマントにヘルメットが残されていたが、あかねは「初等部向けの劇でもするのかな」程度に思っていた。 そして、他にあるのもと言えば、暇を持て余した机とイス。そして、水の張ったバケツに生けられた百合の花。 折角の百合の花がこのままではかわいそうと哀れんだあかねは、バケツから士乃から譲り受けた花瓶に水を差し、 百合の花を生けることにした。士乃は始め気に入らなかったものの、やはり花瓶は花をいけると、 水を得た魚のようにいきいきと見えてくるのは、花瓶に感情があるからなのだろうか。 「……よしっ」 部室の棚に、一輪の花を置く。たったそれだけなのに、まるで美しいクラシック音楽に浸るような贅沢な気分になる。 じっくり百合の花を観賞しようとあかねは、一歩一歩後ずさり。開けっ放しの窓からの風は冷たかったが、美しい花を見ていると心地よく感じる。 しかし、静かに花を愛でていたあかねの時間は、荵の声で閉ざされた。あかねは同時に頬を赤らめる。 何故なら、荵と共に部屋にやって来たのはととろと、そして迫だったのだから。 迫の腕にコアラのようにしがみ付きながら、わめきたてる荵はどう見てもお子ちゃまであった。 「さこせんぱぁーい!わたし、花瓶を割っちゃったんですぅ!!わたしはなんて愚かな子羊なんでしょう!」 「荵ちゃん!泣かないで!!荵が泣くならわたしも泣くよ!恋に破れた乙女を癒すのは、同じく恋に破れた乙女だけだからね!」 荵の後から付いて来るととろを気恥ずかしそうに眺めるあかねは、右手で左の腕を握り締めて肩をすぼめていた。 ところが、と言うより当然なのだが、あかねが生けた百合の花をじっと見つめた迫は、メガネを光らせて目を細める。 「久遠、子羊に謝れ。ウソをつくのもいい加減にしろよ」 「もしかして、奇跡が起こった?!天上界の神々はわたしたち子羊を見捨ててなかったのですの!ねえ!あかねちゃん……っていない!」 百合の花が生けられた花瓶を目にした荵は、あかねが生けたことを知らずに目を輝かせていた。 ―――その頃、創作部部室にて。 崇人が詩を書き連ねていると、横で士乃の焼き物を光に当てて眺めていた葎が呟く。 「あかねちゃん、また来てくれるかなあ」 葎と背中合わせの士乃が、自分の作品を我が子のように抱きしめながら質問に答える。 「来るよ、きっと。今度はあたしの最高傑作をあかねちゃんに見せちゃるき!」 「はいはい。それじゃ、今度あかねちゃんが来るまでに、幾つ焼き物が割られるか……崇人、ジュース賭けない?わたしは8個!」 「おれ、10個」 「ななな?あたしの才能を見くびっちゃいかんちや!一発で……」 士乃が両手を握って部室一杯に声を上げると、扉を叩く音がする。訪ねた者の声を聞いて瞳を輝かせたのは士乃だった。 「あのー、演劇部の黒咲あかねです。確か、詩集を……」 おしまい。 前:カップル撲滅運動宿命のライバル編 次:真っ暗な帰り道
https://w.atwiki.jp/kaizoki_huriko/pages/77.html
かいぞーき!!@振来町名鑑の使い方 そもそもこれは何? ぜんまい商店街のコンテンツかいぞーき!!のキャラクターの公募キャラのまとめになります。 原作のまとめはこちらをご覧ください。 ↓ここから編集をする人向け↓ キャラクターの追加について 企画に応募したキャラクター、および 原作者に直接紹介したキャラクターのみページの追加が可能です。 ページ編集、追加について 応募した本人がページを編集していただいて構いませんが、バックアップは自己責任にておねがいします。 応募していないキャラクターは追加できません。 ページの書き方は本編wikiの改変↓ 名前 名前の由来、解説 応募した人 本編登場 あり/なし ありの場合は話数 メインカラー 詳細 機能 のテンプレを利用してください。(一部改変可) 編集時の注意 キャラクター設定は原作の設定、世界観に沿ったものであれば基本的に自由ですが、以下の内容はご遠慮ください。 〇原作設定、できごと、キャラへの過度な干渉 〇別作品ネタの過度な引用 また、トラブルの予防のため 引用元、別サイトへのリンクもしないようにお願いします。 ウィキ容量の圧迫になりますので 画像の掲載はご遠慮ください。 本編登場について 応募していただいたキャラクターは かいぞーき!!本編に登場するかもしれません。 お話の流れによりますので、必ず登場できるとは限らないのでご承知おきください。
https://w.atwiki.jp/seathor/
かいとおるのwikiへようこそ 気が向いたら何か書きます
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/4347.html
「わかるぜ……俺の大切な『仲間』が戦っているのが……! 待っていろ、お前達に救われた俺が、今度はお前達を救ってみせる!」 あまりに変態orダメなデュエリストが多い八期カオスロワ。 しかしなかにはまともにカッコいいデュエリストもいたようです。 【一日目・15時/某所/天候・快晴】 【鬼柳京介@遊戯王5D s】 【状態】健康、上半身裸、満足タウン町長 【装備】ハーモニカ、自分のデッキとデュエルディスク、44マグナム 【道具】支給品一式、その他 【思考】 基本:色々なことを満足できるように頑張る 1:仲間(遊星達)を助ける ※満足力で仲間のある程度の位置を把握できるようです
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/5394.html
阿紫花英良は防戦一方だった テラカオス化が進行し強化されたきれいなジャイアンに反撃の隙が見れないのだ (なかなか厄介なもんで!) 阿紫花英良は少々焦る さすがに体力が消費されているからだ (どうしやしょうかねえ) 阿紫花が巻き返しの方法を考えているとき、銃声が鳴った その銃弾はジャイアンに向かっていき腕に当たった 阿紫花英良との戦いに集中しきっており反応できなかったのだろう そしてジャイアンは阿紫花英良から距離をとり銃弾が発射された場所を見る するとそこからまた銃弾が発射された 避けようとするもののテラカオス化が進んでいるとはいえ避けきれずに胴体に当たる 幸いというべきか避ける動作をしていたため直撃しなくてすんだ そして形勢不利を悟りIAの支給品にあったスタングレネードを投げて逃走した 「ふう、なんとかなりやしたか、でそろそろ姿をあらわしてくれやしませんかね」 その言葉と同時に隠れていた場所から姿をあらわした その姿の全容はパーワドスーツを着ている人物だった マスターチーフとそう呼ばれている人物だった 【一日目・15時40分/日本・山口県】 【阿紫花英良@からくりサーカス】 【状態】健康 【装備】グリモルディ@からくりサーカス 【道具】支給品一式 【思考】基本:降りかかる火の粉は払う 1:できればキャスパーとIAの仇を討つ 2:逃げられてしまいやしたね 【マスターチーフ@ヘイロー・シリーズ】 【状態】健康 【装備】ミョルニル・アーマー@ヘイロー・シリーズ MA5D ICWS@ヘイロー・シリーズ 【道具】支給品一式 【思考】基本:何が起こっているか把握する 1:助けた人物から情報収集 【きれいなジャイアン@ドラえもん】 【状態】血濡れ、テラカオス化進行、汚くなった、軽傷 【装備】さすまた 【道具】支給品一式 【思考】基本:全て殺す 1 ジャイアンポジションにはぼくが座らないと! 2:体勢を立て直す ※ナノマシン入りの水を飲みました。
https://w.atwiki.jp/fairytaleaniki/pages/123.html
ぜんかいのお話:よこはま村のめんめんが やきにくパーティーでたいへんなことになったが じつは それはつらいさんの夢だった。 あにきとふたりだけのせかいを築こうとしたものの、まっていたのはげんじつっ・・・!そう、げんじつだっ・・・ぜんぶっ・・・! とうのつらいさんは、いまだにゆくえ不明! いいかげんに あやしい水をのむのをやめろ! ことしのしゅうかくも ぶじ終わり、やることもなく ちんたらさんぽしていたあかほしは、 気がつけば おりっくす村にきていました。 ちかごろ どんでんがおりっくす村に ひっこしたとはきいていましたが、 こんなにきんじょうにあるとは 思いませんでした。 しばらく おりっくす村をさんぽしていた あかほしの耳に、きれいなうたごえがとどきました。 あかほしは、そのこえがきこえるままに、ほいほいとついていきました。 しばらくあるくと、そのうたごえは 丘の上の家からきこえていることがわかりました。 あかほしが、しばらく 家の前でたたずんでいると、歌はやみ、かわりに かみひこうきがとんできました。 それは風に乗り、ふわりふわりと空をとび、あかほしの前にぽとり、と ぶじちゃくちしました。 かみひこうきには、なにやら文字がかいてありました。 いけないと思いつつも かみひこうきをひらくと、そこにはうたごえのぬしである人がつづったであろう、てがみがかかれていました。 「このてがみをひろった 人へ。 私は うたうことがだいすきです。 でも、わたしはびょうきで このへやから いっぽもでることができません。 私は、じぶんのうたを もっとたくさんの人に きいてほしいのです。 よかったら、また わたしのうたを ききにきてください。 かねこ ちひろ 」 あかほしは、このてがみをみて この(たぶん)女の子に すこしでも力になりたい と思いました。 しかし、てれやのあかほしは はずかしくて 家に入ることができません。 そこで、あかほしは たまたまなぜかもっていた習字セットで、てがみの返事をかいて、家にむかってかえしました。 あかほしの肩では ぎりぎりでしたが なんとか家に入ったもよう。 かみひこうきをかえしたあと、またしばらく うたごえがつづきました。 それは、さむさもわすれる とてもきれいなうたごえでした。 しばらく、ちひろちゃんと へんたいストーカーぶんつうまがいのことをしていたあかほしでしたが、 ある日、こまったことになってしまいます。 何にこまっているかというと、少女に じっさいにあって お話がしたい、といわれてしまったからです。 え、なんで?じっさいにあえばいいじゃん。なんなのwwwwwリア充乙wwwwwww って思うでしょうが、あかほしには あえないりゆうが ありました。 そうです。 あかほしは、てがみでじぶんのことを 高身長高収入、村のリーダーで 剣道7段柔道6段100メートル走は7秒2、シュミは料理とギター、 首が頑丈でヘルニアとは無縁、今は世界中を飛び回っていて、もうすぐイタリアに行くetc...etc... などなど、ありもしないことを 少女にいってしまったのです。 さらには、じぶんは ダイアモンドのまじゅつしとよばれているだとかうんたらかんたら。 こまりはてたあかほしは、じぶんに会うのをとてもたのしみにしている 少女のゆめをこわしてはいけない と思い なぜか こうはいのとりたにに、じぶんのかわりに その少女に会いに行くよう おねがいしました。 まぁ、あかほしよりは高身長ですが。 しかし とりたにには 「じぶん、今じゅうたくかんけいで もめてるんスよねぇ。」 と ことわられてしまい、とほうにくれていました。 「その話、わしにまかせとけ!」 うしろから なにものかがきゅうに ヘッドロックをかけてきたと思ったら あにきかねもとでした。 「おうあかほしよ、そんな話わしにないしょにしとくなんて みずくさいやんけ! あんしんせいや!わしがおまえのかぶを ぐっとあげたるからな!!!」 あかほしはぜつぼうしました。まさかあにきかねもとに きかれているなんて・・・。 というわけで、あにきかねもととあかほしは 少女の家のまえまでやってきました。 「くれぐれも、よけいなことは言わないでくださいね!!お見舞いしたらすぐ帰ってきてくださいね!!」 念をおすあかほしに、「わかっとるわ!!」と あいさつがわりの チョークスリーパー。 あかほしはふかいねむりにつきました。 あにきかねもとは ずかずかと家に入っていきました。 すると 少女の母らしきじんぶつが でむかえてくれました。 「あらあら、あなたがあかほしさんですか?むすめからお話をきいていますよ。 なんでも、せかいじゅうに会社をもち、石油もほりあてたんですってね、ウフフフ」 あにきかねもと「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 あにきかねもとは ひっしで こみあげてくる笑いをこらえました。 あかほしから きいていた以上のスケールで 話はすすんでいたからです。 母親に むすめのへやをあんないすると 「むすめを げんきづけてあげてください。」 とおねがいされました。 へやにはいると それはそれは かわいらしい まさしくはっこうのび少女が ふとんの上で 外をながめていました。 「ちひろ、あかほしさんがおみえよ。」そう母にしょうかいされたので あにきかねもとは じこしょうかいしました。 「わしが あに・・・あかほしや!!フルイニングとうびょうせいかつごくろうやで!!」 「あ、あなたが あかほしさん?」 なにか、『そうぞうしていたのと まったくちがうわ。』とでもいいたげなかおで 少女はあにきかねもとを見つめました。 「あかほしやゆうてるやろ!!そや、これ みまいのしなや!」 そういうと、あにきかねもとは 少女につらいさん人形を わたしました。 つらいさんにんぎょうは もっているだけで まんせいてきなようつうに さいなまれる、ファンタジーなしろもの。 ちなみにあかほしが 少女にへ、と あにきかねもとにわたした みまい品は すでに食べてしまったのでありません。 「わ・・・わぁ。ありがとう(ぼうよみ)」 すると、少女のびょうじょうが きゅうにあっかしました。 あにきかねもとの うつわのでかさに 神、いわゆるゴッドをかんじてしまったのでしょう、 少女のずのうでは しょりしきれなかったのです。 「ちひろ!!?ちひろ!!?しっかりしなさい!!」 母親は すっかり気がどうてんしていました。 すぐに いしゃがかけつけましたが、むずかしいびょうきなので ちりょうには とくべつなやくそうがひつようである、と言いました。 そのやくそうは、『グリーンウェル』というやくそうで、ろっこう山のちょうじょうにのみ はえている まぼろしのやくそうなのです。 母親のこえでめをさまし、それをきいていた あかほしは、すぐさまろっこう山に かけだしました。 グリーンウェルをさがしに、あかほしのぼうけんがはじまりました。 ろっこう山は はんしん村やおりっくす村から遠くもないところにある山です。 ほどなくしてあかほしは ろっこう山にたどりつきました。 しかし、ろっこう山には おおくのとらとうが いきをひそめているといいます。 もしまちがって つかまろうものなら、にどとかえってこれないでしょう。そしてきっこうしばりにされてしまうのでしょう。 あかほしは、それでも走り出しました。 「おぉーっとぉ!!ここはとおさねえぜ!!フヒヒヒッヒヒwwwwww」 さっそくとらとうの人にからまれました。 しかし、あかほしは もちまえのぬすみのテクで とらとうの かはんしんのいふくを、いっしゅんでうばいさり そのすきをついて 走りぬけました。 いっぽうそのころ、あにきかねもとは ちひろちゃんのいえで おちゃがしをもらって くつろいでいました。 とちゅうでなんどもころんだり、まちがえて キンケードとかいうどくのくさをつんでしまったりしましたが、 なんとか ろっこう山のちょうじょうまで たどりつきました。 しかし、なんということでしょう。 ようやくみつけたグリーンウェルは、ほとんどが じぶんのはっぱの重さで 折れてしまっているではありませんか。 そうです。グリーンウェルがまぼろしのやくそうといわれるゆえんは せいちょうすると みずからおれてしまうという いみふめいな はかなさからのものだったのです。 あかほしは いそいでぶじなグリーンウェルをさがしはじめました。 なんほんか 手に入れましたが、どれくらいひつようなのかをきくのを忘れていたため、どうすればよいかわかりませんでした。 そうこうしているうちに 10本ほどみつけたので、かえろうとした そのときでした。 「マテ・・・」 じごくからの うめきごえのようなこえがきこえたので、ふりむくと そこにはつらいさん?が 木からぶらさがっていました。 「オメェ オデノ グリーンウェル カエセヨ・・・」 しかし ようすが じんじょうではありません。 しかし、つらいさんがふつうだったことは かこに一度もないので、あかほしはとくにおどろかずにすみました。 そして、こんなときのためにもっておいた あにきかねもとのブロマイドをちらつかせ、ちょうじょうのがけからなげました。 すると、つらいさんは ものすごいかけごえとともに がけからおちていきました。 「ちょろいぜ・・・。」 あかほしはそうつぶやくと、いちもくさんにかけだしました。 そのころ あにきかねもとは、もうおそいのでということで 家をおいだされそうになっていました。 (まだぜんぶおかしたべてないから)アカン。といいましたが、ふつうに追い出されそうでした。 あたりまえです。 そして、少女のようだいが ますますわるくなり、気をうしなってしまったころ、 あかほしが はぁはぁいいながら へやにかえってきました。 「グリーンウェルを とってきました!!」 母親は(・・・だれだこいつ・・・)とないしんでおもいながらも、 リアルあかほしにかんしゃしつつ グリーンウェルをうけとりました。 すぐにいしゃが グリーンウェルをちょうごうし、ちひろちゃんは みるみるよくなっていきました。 そして 少女がめをさましたころ、あかほしとあにきかねもとは こつぜんとすがたをけしていました。 「あら、お礼を いおうとおもったのに、もういないわ。」 母親が そうつぶやくころ、とぼとぼとあるく ふたつのかげが。 あかほしは あのこにうそをついたぼくには あのこのうたをきくけんりなんて、もってねぇんだよこのやろう―。 そうつぶやいて、目にひかるものをみせながら、はんしん村にかえっていきました。 一ヵ月後、そこにはげんきに外でうたう かねこちひろちゃんのすがたが。 どんでんはしったふうな口で 「はじめから せんぱつのほうがいいっておもってたよ。アカンわ、おさえなんかやらしたら。」 と、よくわからないことをつぶやいていたので さかぐちに へんな目でみられたという。 おりっくす村のほうがくから かすかにきこえてくる 美しいうたごえを聞きながら。 あかほしは 『こんどは うそをつかず、せいせいどうどうと ありのままのじぶんで しょうぶしよう。』 と思ったのであった。 たとえそのけっかが 良くないものだったとしても きっといつか みのる日がくるはずだ、と。 そしてさらにごじつ、ちょうしにのったあにきかねもとが、もういちどちひろちゃんの家に くつろぎにいったところ、 「この人 あかほしさんじゃない」という ちひろちゃんの一言で つうほうされ、 ポリスに たいほされかけたという。 どくしんあかほしの さみしいどれい生活は まだまだつづきそうである。 おしまい。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/48578.html
登録日:2021/07/06 Tue 00 15 09 更新日:2024/09/20 Fri 12 25 58NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 【推しの子】 もう一人のヒロイン イタコ コピー忍者 三角関係 主人公より先に立った項目 今からガチ恋♡始めます 俳優項目 劇団ララライ 努力家 厄介オタク 厄介ファン 天才女優 奥手 女優 恋敵 憑依型 炎上 真面目 石見舞菜香 腹黒 自殺未遂 舞台女優 舞台装置 茅島みずき 観察力 負け犬 青髪 高校生 黒 黒川あかね 黒川茜 私は何があってもアクアくんの味方だよ。辛い事は一緒に抱えてあげるからね。 ■概要 『黒川あかね』とは『【推しの子】』のヒロインの1人。 CV:石見舞菜香 演:茅島みずき 青髪の美少女。本名は黒川茜といい『黒川あかね』は芸名。イメージカラーは黒。 赤髪でイメージカラーが『白』の有馬かなと対称になっている。 本編開始当初はクールでショートカットの中性的な美少女であったが、再登場した際には髪を伸ばし笑顔が眩しい美少女になっていた。 一流の役者しかいない『劇団ララライ』に所属する女優で若きエース。高校2年。17歳。 ちなみにギャラの取り分は事務所が8、あかねは2である。(エースでこれなら一般劇団員の取り分は……) この配分にはあかねも不満を覚えており、5:5のMEMちょを羨ましがっていた。 劇団に所属している事から分かる様に彼女の主な活躍の場は舞台。 そのため、アクア含めテレビ・映画といったカメラ演技にしか興味ない人たちにはまったく知られていないが、 舞台界隈では天才役者として評判である。 そのため同年代の女優にとっては目の上のタンコブ的存在。 ■人物 奥手で積極的に自己主張しない。ハッキリ言えばバラエティー映えしないタイプ。 焼肉に行った際には片時もトングを手放さず、自分が食べる事よりもみんなが快適に焼肉を食べられるようにしていた。 努力家であり責任感も人一倍強い。 なので『今からガチ恋♡始めます』という恋愛リアリティショーに出演した際には、 自分が番組映えしないということが分かっていたため、出演者やスタッフから意見を聞きメモを取っていた。 劇中では自身のバラエティー受けの悪さをどうにかしようと四苦八苦した末、とんでもない炎上事件を引き起こしてしまう……。 アクアとは仕事上の『恋人関係』になっている。 (アイの好みを完璧に把握できるあかねの特技を生かし、復讐相手の父親を探そうと考えたため。) あかねはアクアの目的を知らず、あくまで仕事だけの関係と言う事になってはいるが、あかね自体はアクアに助けられた事もあり、純粋に好意を抱いているようである。 子役の頃から活動しているため自分のやりたい役を片っ端から取っていった元天才子役の有馬かなの事をライバル視している。 かなが目の前だと普段の控えめな性格がどっかにいき、好戦的になる。 かなの方も自分は落ちぶれたのに現在頭角を現してきたあかねのことを強く意識している。(恋敵的な意味でも) なお、あかねが役者を目指したきっかけはアクアと出会う前の有馬かなである。つまりは隠れ大ファン。 そのためある種傲慢で太陽のような演技をしていた昔のかなのことを絶対視しており、他人を支える月のような演技をしている今のかなのことは嫌っている。 根っこの部分でかな大好きなので、嫌いというよりオタクの解釈違いなだけである。 ■演技 愛情の抱き方に何かしらのバイアス有り。視力は良い。秘密主義と暴露欲求。破天荒な言動に反し完璧主義者。無頓着さと過度な執着。ファッションはやや無頓着。金銭感覚が節制傾向。 思春期の段階で性交渉があった子特有のバランスの悪さ。歩き方が大股。箸の持ち方が少しいびつ。発達障害の傾向。教育レベルは低め。聴覚と嗅覚が過敏。15歳あたりから破滅的行動に改善が見られる。良い出会いがあったのかな? 俗にいう『憑依型』の役者。 演じる役の事を徹底的に調べ上げ、卓越した観察力から足りない情報を考察で補い、長年磨いて来た演技力でそれを再現する。 子役の時にパッとしなかったのは知識と演技力が足りず憑依しきれなかったためだろう。 本編で星野アイを演じる事になった際には徹底的に調べ上げ、上記の長台詞の内容を考察。アイの実の子供であるアクアでさえアイの面影を見るほど再現する。 しかもアイの行動パターンと雰囲気を完全再現しているためアイの天性のカリスマ性さえ模倣出来たほど。 一方で彼女の作り上げた人物像と異なる演技を求められると応えきれない面も。作中ではマンガの舞台化を演じる際に、劇団の脚本担当と解釈違いを起こし悪戦苦闘していた。 ■本編 恋愛リアリティショー編 高校生たちの恋愛劇をショー仕立てにしている番組。 MEMちょ「ん?」 積極的に異性に絡む人ほど目立つが、あかねは前述の性格なので目立てなかった。 そんなとき劇団の社長がマネージャーに「爪痕を残せ」と怒っているのを目撃する。 真面目で責任感の強いあかねは爪痕を残そうとし、番組スタッフがノブ×ゆきというカップリングの間に入る悪女を求めている事を教えてもらう。 そしてとにかく目立とうとゆきの前に立ち「悪女ムーブ」しながら手を振り払ったら、 それが偶然ゆきの顔に当たり怪我をさせてしまう(ゆきはモデルなので商売道具を傷付けた事になり問題となった)。 ちなみにこうなったのは直前ゆきがあかねの爪にゴテゴテのネイルをしていたため。まったく不幸な偶然である。 このエピソードで分かる様にあかねとゆきは仲良しであり、この怪我事件でもゆきは怒らずすぐに仲直りした……のだが。 番組の盛り上がり的に悪女を求めていたスタッフはあかねとゆきが仲直りする部分だけカットして放送。結果大炎上した。あかねが。 ネット上での誹謗中傷の嵐。クラスメイトの陰口。中学の卒アルの流出……。 真面目なあかねにはとても耐えられず、台風の中橋の上から身を投げようとするが……。 2.5次元舞台編 再登場。 前述の一件でアクアに助けられ、番組最後ではアクアと恋人になる。 大人気漫画『東京ブレイド』の舞台化にあたりアクア演じる『刀鬼』の許嫁役『鞘姫』に抜擢される。 しかし原作と舞台でキャラが露骨に違うため、困惑する姿を見せた。 また、かなと作中で初めて対面。過去に一度出会っていたこととかなへのヘヴィーな思いが明かされた。 追記・修正は爪痕を残してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 某皆川先生と名前が似ているけど、性格は全然違うね -- 名無しさん (2021-07-06 20 03 52) 読者がか弱い生き物だと思ってたら怪物だった。 -- 名無しさん (2021-07-07 13 00 29) モブかな?と思ったら一気に詰め寄ってきた怪物… -- 名無しさん (2021-07-09 23 23 49) あのメモを壁にペタペタしてるシーンで背筋凍った -- 名無しさん (2021-07-10 10 14 05) 完全に「お前は知りすぎた」状態…… -- 名無しさん (2022-10-19 21 33 14) 個人的にはこのまま退場して欲しくない人。でも本人の性格的に…… -- 名無しさん (2023-03-26 19 43 10) あかねを復讐に巻き込みたくないから別れたくせに、五反田にアイ映画の主演は黒川あかね予定って言われても特に反対せず「もう関わらないつもりだったけど仕方ないか」とか考えてるのは最悪だと思うよアクアさん -- 名無しさん (2023-04-27 19 31 10) ぶっちゃけこの子じゃないとアクアは手に負えない気がする。完全にデッドエンドに向かってるアクアを止めてくれ。 -- 名無しさん (2023-05-05 21 08 19) 犯人は現行で殺人繰り返してるシリアルキラーだから映画完成までにあかねが警察に通報すれば止められる(法の裁きは受けるがアクアの個人的な復讐は成就しないルート) -- 名無しさん (2023-05-05 21 39 22) 殺人までやってるかどうかまでは読者しか分からないのでは?プロバビリティ犯罪に近い。もしくは殺人教唆。 -- 名無しさん (2023-05-14 19 56 43) アクアと別れてから時間あっただろうし、それまでは気を遣って遠慮していたプロファイリングしたり旅行の経験で、アクア=ゴロー辺りまで掴んでいたりするのかな?頑張ってきた子だけに最後は報われて欲しいな。 -- 名無しさん (2023-05-19 00 11 38) 海外のアニメ女性キャラランキングで、1位だった重曹ちゃんをおしのけていきなり圏外から1位になったとか。圏外からいきなり1位を取るのはランキングを集計してから初めてとかなんとか -- 名無しさん (2023-05-27 13 34 14) 腹を撃たれた系ヒロインの本気 -- 名無しさん (2023-05-28 11 33 07) アニメ7話のプロファイリング描写、完全にやべーヤツのそれだったな。DEATH NOTEのLかな? -- 名無しさん (2023-05-28 20 18 47) ↑むしろ、すごいスマホの全一郎を思い出した。 -- 名無しさん (2023-06-10 23 07 26) カミキ関連で推理大外ししたためにすごいプロファイリング能力の持ち主から確証もないのに推理の辻褄を妄想で埋めて殺しに行こうとする悪い意味でやべー女と化した -- 名無しさん (2024-07-07 13 48 22) スペック高くてかつ惚れた男に尽くしたい性質の子なのでこうやって便利に使い倒されてしまうのだ -- 名無しさん (2024-09-06 12 22 51) ↑↑2やっぱりカミキはクソだったので結果オーライ -- 名無しさん (2024-09-06 12 41 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bibibibi/pages/14.html
朝の勉強はいいらしい 朝飯前という言葉は 夜中いくら考えてもわからなかったことが 朝 朝食を食べる前に考えると 簡単にわかったことから朝飯前という言葉が生まれたそうです。ただ 早起きすれば 誰もが 勉強できるというわけではなく ちょっとしたコツがあります。 夜ぐっすり眠り 自然に目覚め 自律神経のバランスがとれていて とてもいい状態であること。 そして 起きた後 やるべきことがはっきりしていること。この二つが 早起きで得する方法のようです。 夜更かしをして 短い睡眠時間の後無理に起きても 調子はそれほど上がりません。睡眠というリラックスから 徐々に 目覚めていく中でやる気も起こるからです。 そして 前の晩から やることを決める。こうすることで 時間的な余裕も生まれ 集中ができるようになります。単純なようですが やることを決めておくことはとても大事で朝 自律神経のバランスが最もいい時に 迷いなく やるべきことをやる これが一番 効果を発揮できる方法だからです。 やることがいっぱいあって 不安にでもなれば せっかくいい状態が 崩れてしまうからです。これではもったいないというわけです。 朝はアイデアを出したり 特に語学、英語の勉強がいいそうです。 朝の自律神経のバランスがいい時は 耳の調子も良く 英語のヒアリングが驚くほどはっきりと聞こえるそうです。 子供は自律神経のバランスがとれているから 語学の上達が早い 。朝と夜では 頭の働き方が違ってくるので、夕方以降は 単純なインプット系がいいといわれています。 朝すごく緊張することがあれば その日はずっと 鬱な日になります。 朝リラックスして 快適な時間を過ごすことができればその日はとてもいい一日になります。それほど 朝の状態は 大事なのです。万が一遅刻した場合は 歯磨きをゆっくりする これだけでもリラックス効果が働いて パニックにならずに済みます。 参考 なぜこれは健康にいいのか 小林弘幸著 この本は リラックスと関係がある 副交感神経の働きを高めると健康にいいと書いてある本です。 緊張が続くと 頭痛や 手の震えなどが起きてきます。 自律神経失調症という言葉を 聞いたことがあるかもしれません。 日本人はせっかち屋さんタイプが多いので 交感神経だけが高まり 緊張していることが多く 緊張しすぎると 言葉が出てこないいつも不安になる 周りが見えなくなる 心に余裕がない など さまざまな症状が出てきます。 リラックスできれば 心に余裕がうまれ 冷静になり 緊張から今まで見えなかった 周りや 今やるべきことがみえてきます。人間関係も良くなります。 バランスを崩している状態の時は スポーツでも勉強でも 実力が最大限に発揮できない状態です。 緊張する神経だけが働きすぎている場合はバランスをとるためリラックスと関係が深い副交感神経の働きを良くすれば 体調も良くなり 頭もよく働くというわけです。 交感神経と副交感神経は 両方とも高い状態でバランスがとれている時が 最もいい状態です 緊張する場面が多いと思いますが その時に副交感神経を高めることができれば 最高のパフォーマンスを発揮できる時に変わります 緊張しないよう努力するより 副交感神経を高める方法を試してみるのもいいかも ↓ ゆっくり話す ゆっくり動く 顔の緊張を緩めるため口角をあげる周りをみる 顔をあげる (呼吸が楽になる)その他 スロトレや ゆったりとしたラジオ体操もいいかもしれません
https://w.atwiki.jp/revorn2020unofficial/pages/130.html
消息情報 自己紹介 基本情報 活動の記録プレ配信期間 予選イベント期間 本選イベント期間 名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ 消息情報 自己紹介 AVALON所属バーチャルアイドル「ReVorn」オーディションに参加中、ReVorn ④ 0017 あかねです。 はじめまして!こういうの、はじめてだから緊張しちゃいます。 どこにでもいる普通の女の子だけど、私もがんばったらキラキラしたかわいいVtuberさんになれるかなって思って今回応募を決めました!私のこと、見守ってくれたら嬉しいな。 ひとりの女の子ががんばるところから、なにか、勇気とか元気とか、あなたにとっていいことが起きますようにって気持ちで配信してるよ! 基本情報 キャラクター番号 ④ 番号 0017 名前 あかね よみ ルーム https //www.showroom-live.com/revorn_04_0017 Twitterアカウント akane_revorn_17 ニックネーム ファンネーム ルーム挨拶(入室) ルーム挨拶(退出) 配信タグ ファンアートタグ 活動の記録 プレ配信期間 配信の記録 Twitter等での活動 予選イベント期間 配信の記録 Twitter等での活動 本選イベント期間 配信の思い出 Twitter等での活動 名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ