約 2,509,443 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/174.html
687 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 20 21 00 ID yo/te8St 【咲はアルバイトをしているようです】 喫茶店 咲「行ってらっしゃいませご主人様」 まこ「ずいぶんこなれてきたのぉ」 咲「はい この制服にもだいぶ慣れてきました」 まこ「今日はもうお客さん来んじゃろうから上がりにしようか まかない作っちゃるけぇ待っときんさい」 咲「もう脱いでいいですか?制服」 まこ「もしお客さんがきたらいけんけぇまだ着といてぇ」 咲「はーい」 咲(今日のまかない何かなぁ) カランカラン 咲「おかえりなs…!」バビュッ!! 厨房 まこ「どうしたんじゃ?ホールで食べてええんぞ?」 咲「あの…お客さん…」 まこ「ほうか そんなら接客してあげてぇ」 咲「それがその…京ちゃんで…この格好恥ずかしくて…//」 まこ「はっは さっきと言うとることが違うぞ」 咲「染谷先輩が出てもらえませんか?」 まこ「だーめ 接客はあんたの仕事じゃろう?お冷だけは出して来ちゃるけぇそれまでに心決めときんさい」 688 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 20 26 43 ID yo/te8St ホール まこ「我は初来店じゃの京太郎」 京「いやぁ今日は両親の結婚記念日で二人ともどっか食いに行ってるんで…」 まこ「そういうことか これメニューな」 京「あれ以来咲と和もここでバイトしてるっていう話でしたけど…今日はいないんですか?」 まこ「今日は咲が来てくれとるんじゃが…あんたが来て恥ずかしいんじゃと」 京「恥ずかしい?」 まこ「厨房に引っ込んでしもうとる メニューは聞きに来させるけぇ決めときんさい」 京「はぁ」 厨房 まこ「おーい覚悟できたか?」 咲「ほ…本当に出ないといけませんか?」 まこ「当たり前じゃ 京太郎もあんたのこと探しとったで」 咲「え…?//」 まこ「じゃけぇ早う注文とってきんさい」 咲「うぅ…」 689 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 20 32 20 ID yo/te8St ホール 咲「お…お帰りなさいませご主人様…」 京「!咲!?なっなんだよその格好!?」 咲「いや…これがここの制服で…//」 京「はぁ~そうなの…」 咲「うん…// …注文は?」 京「宮永咲」 咲「えっ!?//」 京「いや…染谷先輩に渡されたメニューそれしか書かれてないんだけど…」 咲「っ染谷先輩!!」 ヒョコリ まこ「軽い冗談よ 本物のメニューはテーブルの上な」 咲「もう…」 京「じゃあオムライスとシーザーサラダ」 咲「うん ちょっと待ってて」 690 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 20 38 16 ID yo/te8St 厨房 まこ「お帰りぃ」 咲「………」 まこ「なんじゃそんなに怒らんでええがな」 咲「あっ違います!そうじゃなくて…制服…」 まこ「制服がどうかしたんか?」 咲「京ちゃん…この格好見てちょっと引いてました…こういうの嫌いなのかも」 まこ「引いとったかぁ?」 咲「引いてましたよ…絶対…」 まこ「…じゃあ料理はわしが運んじゃるけぇもう着替えんさい あんたのまかないもすぐできるけぇ」 咲「…はい…」 ホール まこ「ほいお待たせ」 京「おぉ!美味そ~!ってあれ?咲は?」 まこ「あんたがメイド服に引いとる言うてえらい落ち込んどったで」 京「え…いや別に引いてないですけど」 まこ「あんたの素振りがそう思わせたんじゃろう だいたい女の子があんな格好しとったら少しは褒めてやるもんじゃ」 京「はぁ」 まこ「チャンスをやるけぇ今度はちゃんと褒めてやりんさいよ」 京「チャンス…?」 691 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 20 44 16 ID yo/te8St 厨房 まこ「お疲れ まかないできとるよ」 咲「ありがとうございます…ってどこですか?まかない」 まこ「3番テーブル」 咲「3番テーブルって…京ちゃんの席じゃないですか…!」 まこ「せっかくじゃけぇ一緒に食べたらええがな それに京太郎の奴…あんたに言いたいことがあるようじゃぞ」 咲「言いたいこと…?」 ホール 京「遅いぞ咲」 咲「ごっごめん 待ってくれたの?」 京「冷めちゃうから早く食べようぜ」 咲「うん」 京「いただきまーす!」 咲「いただきます」 692 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/10/24(土) 20 50 16 ID yo/te8St 京「美味いなこれ」 咲「うん 染谷先輩料理上手だから」 京「言ってる割に箸が進んでないじゃないか」 咲「うん…ちょっと食欲なくて…」 京「…あのさ」 咲「うん?」 京「さっきのメイド服…似合ってたぞ」 咲「え…」 京「いやさっきはただびっくりして何も言えなかったけど…結構似合ってたぞ うん」 咲「京ちゃん…//」 京「咲は普段ああいうフリフリで可愛いの着ないからさ 何ていうかその分余計に可愛く見えたよ」 咲「うん…ありがと…//」 京「また来るわ 咲が働いてる日に」 咲「うん 待ってる//」 京「なんか咲のまかないも美味そうだなー ちょっともーらい!」 咲「あ!もう京ちゃん!」 キャッキャウフフ まこ(全く…面倒な奴らじゃ) おわり 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/h23_johoc/pages/25.html
良い点 名前 コメント 悪い点 名前 コメント 自己評価 どんな意見が多かったか 名前 コメント ほかの人の作品と比べて自分の作品の感想 名前 コメント 真似したいほかの人の良かったところ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wiki6_piro/pages/9332.html
2024年2月12日(月) 今日のラジオ体操会場は、矢来公園。 矢来公園は、小浜藩の下屋敷跡。杉田玄白が生まれたところ。 牛込台地の縁。右側が外苑東通り沿いの谷。大谷石の古い擁壁が連なる。 一旦家に帰ってから、休日メトロ放題で朝風呂へ。 梅の花。メジロが止まっていた。 本駒込駅で下車。 ふくの湯。 ペンキ絵の富士山に鷹と茄子が描かれていた。 江戸時代の川柳、「駒込は一富士二鷹三なすび」にちなんだものかな。 近くのカフェで朝食。 養源寺 関連項目 ふくの湯 ラジオ体操会場 東京巡り 矢来公園 銭湯 風呂一覧 養源寺 この項目のタグ 2024年 2024年2月 散歩 日記 電車 タグ「2024年2月」がついた項目 2024-02-10 / 2024-02-12 / 赤城神社(新宿区) / 駒込天祖神社 / 駒込富士神社 / 子安天満宮 / 天神湯(中野区) / 東方学会本館 / 簸川神社 / 吹上稲荷神社 / ふくの湯 / 松の湯(新宿区) / 矢来公園 / 湯島天神 / 養源寺 / ラクーア タグ「日記」「2024年」がついた項目 2024-01-08 / 2024-01-14 / 2024-01-20 / 2024-02-10 / 2024-02-12 / 2024-03-30 / 2024-04-20 / 2024-05-12 / 2024-07-14 / 2024-08-07 / 2024-08-08 / 2024-08-10 / 2024-08-18
https://w.atwiki.jp/saikyouryodan/pages/189.html
第十二奏 別々の道を 流れる涙を手でぬぐう。 あれから、10分ほどが過ぎた。 周りに広がるのは、一面の青。 ところどころでは、爆煙が立ち上っている。 『うぅ・・・・』 涙が止まらない。 どうして・・・だろう・・・。 一緒に過ごした時間は、決して長くない。 ほんの数年だった。 それなのに、 『うぅぅぅ・・・・・うあぁぁぁ・・・』 どうして、こんなに涙が出てくるんだろう。 なんで・・・なんだろう・・・・ね・・。 私は、こんなにも・・・。 学校 !? どこかで、生命反応が消えた。 しかも、私にとって、大切な人が・・・。 空の上・・・。 今なら、間に合うかもしれない・・・。 音玉「くそっ!」 どうして私は大切な人を守れないんだ! どうして!どうして! 音玉(なんて無力なんだ・・・私) 私は・・・役に立てないんだ・・・。 そのとき、また── 音玉「おっ・・・・・・・とと・・・・・・」 さっきよりも激しい眩暈がした。 やっぱ、私は消えるんだな・・・。 ??「よっ、FYTERさん」 音玉「え?」 空 珀玉「待て!」 ??「待てといわれて待つような馬鹿はいない!」 戦闘中に見かけた奴を追跡する。 こいつとは、ちゃんと話しておきたい。 珀玉「おい!待てって!」 ??「待つわけ無いだろう!」 予想以上に早い。 魔力の純度はかなり高いだろう。 量も計り知れないな。 珀玉「つばき!待てよ!」 ??「その名前は呼ぶなぁ!」 珀玉「・・・珀阿、待てって」 ??「小雨、おまえは何も変わってない。何もな」 この野朗・・・。 後で絶対にぬっ殺す。 珀玉「待てといっているだろうが。阿呆が」 バスッ ??「あいったたた・・・」 一発チョップを入れる。 珀玉「何で逃げた。逃げる必要は無いだろう」 ??「うぬぬ、貴様、殺すぞ」 バスッ! ??「うぇぇーーん、いじめたー」 阿呆だ、こいつ。 どこからどう見ても、あの時と何も変わっていない。 珀玉「お前のほうこそ、変わってないじゃないか」 ??「何を言う! おまえこそ変わってないだろうが!」 珀玉「お前なんて、見た目も性格も、ぜんぜん変わってないだろう。とても中学生には見えんぞ」 ??「人を身体的な特徴で貶すな! まだ130も無いけど!」 え、まじでか? 130cmも無いのか? 珀玉「思ったよりもちっさいな」 ??「うぬぬ!」 腕を振り回しているが、頭に手を当てているので、こちらまで届かない。 ??「うにゅーん・・・」 珀玉「ったく・・・」 『あっ!』 珀玉「え!?」 NEXT・・
https://w.atwiki.jp/kyoutarouherlame/pages/74.html
504 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 20 14 59 ID cvOptC+d 京太郎が麻雀部を去ってからだいぶ経った。 その日以来、京太郎は麻雀部に顔を出していない。 「彼、やっぱり戻る気はないんでしょうか……」 「もうあんな奴、知らないんだじぇ」 京太郎が去っても、麻雀部の活動はいつも通り行われている。 少しずつだが、以前の活気も少しずつ戻ってきた。 しかし、京太郎がいた時に比べるとどことなく寂しさが漂っている。 そして京太郎がおかしくなった原因を、咲だけは知っている。 ツヨナール。飲むと麻雀が劇的に強くなるという薬。 自分の弱さにコンプレックスを抱いていた京太郎は、この薬に手を出した。 そして彼は、悪魔の力を手に入れた。 ツヨナールの力で部長達をボロボロに負かし、彼はツヨナールの力に心酔した。 弱者が突然強い力を手に入れれば、次にやることはすの力の誇示。 「風越も、京太郎にやられたそうじゃな……」 「やっぱりあのお姉さんでも、ダメだったじぇ」 京太郎は麻雀部を去ってから、県内のあちこちの強豪校へと挑戦をし始めた。 そして千曲東や東福寺など、麻雀で有名な高校に乗り込んでは圧勝を続けた。 彼は先の大会で好成績を残した鶴賀学園すらも破り、そして風越女子も彼の毒牙にかかった。 最近では、藤田プロをも完膚なきまでに叩きのめしたという噂もある。 彼がまだ戦ったという話を聞かない高校といえば、龍門渕くらいのものだ。 「ごめんなさい、私のせいでこんなことになっちゃって。皆にも……須賀君にも、申し訳ないわ」 久は現状を作り出した最も大きな原因となっている人物だ。 そのことを久は、ずっと気に病んでいる。 「そんな、部長のせいじゃ……」 「そうじゃ、気にせんとき」 「と、とりあえず、麻雀しようじぇ!」 タコスの一声で、皆が麻雀の準備を始める。 まるで、京太郎のことを忘れようとしているかのように。 そんな中、咲だけは動かず喋らず、ずっと窓の外を見続けていた。 「宮永さん、どうしたんですか?」 「え……あ、ごめんなさい」 慌てて咲も卓に向かう。 しかし咲の心には、ずっと京太郎のことが引っかかっていた。 (京ちゃん……京ちゃんは今、何をしているの……) 505 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 20 17 45 ID cvOptC+d その日の夜、龍門渕麻雀部の扉を開く者があった。 現れた人物を見て、一同が身を固くする。 「お前だな、噂の須賀京太郎ってのは」 「……………………」 「たいそう、強いそうだね」 「ここに来たということは、目的は一つですわね」 「……よく知ってるな。話が早くて助かるぜ」 部室にいたのは5人。井上純、沢村智紀、国広一、龍門渕透華。 そして。 「今宵は満月、それも夜は衣の力が最も発現せし時」 「ええ、それを狙いましたからね。天江先輩」 「貴様は妖異幻怪の気形なのか?」 「さぁ……その身で確かめてみたらどうでしょう」 「こんなにも月が紅いから、本気で玩弄して打ち毀す」 「こんなにも月が紅いのに」 「「楽しい夜になりそうだ」」 須賀京太郎VS天江衣、死闘の幕が開いた。 515 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 36 54 ID s0RD2TGd ルールは25000点持ちのアリアリ、赤ドラなし。 東家から順に透華、衣、一、京太郎という席順になり、純と智紀は観戦である。 東1局。 純の脳裏に先日行われた県大会決勝の場面が浮かんだ。 福路美穂子、竹井久、原村和、東横桃子、加治木ゆみ、そして……宮永咲。 誰も彼もが常人と一線を画した力を持つ、素晴らしい打ち手であった。 (さて……この男はどんな麻雀を打つんだろうな) 純は京太郎の後ろに回って打ち筋を眺めることにした。智紀は衣についている。 まずは配牌。中が対子になっており、ごくごく普通の配牌である。 その7巡目。 「ポン」 衣から出た中を鳴き、テンパイ。そして次巡。 「ロン。中のみ千点」 「なっ……私の親が……」 透華からすぐに和了をとった。 衣:25000 一:25000 透:24000 京:26000 東2局、衣の親番ではタンピン三色の見える好配牌だったが、 「チー」 中盤であっさり喰い仕掛けに以降し、数巡後。 「ツモ。タンヤオドラ1」 これまた早和了りを達成した。 衣:24000 一:24500 透:23500 京:28000 516 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 39 26 ID s0RD2TGd (あれ……何だこりゃ……) 純は違和感を覚えた。 京太郎は確かに和了りをとってはいるが、その打ち筋は平々凡々。 先の大会で見た強豪達のような、圧倒的な気配もまるで感じない。 その心境を読んだかのように、衣が口を開いた。 「乏しいな。凡庸極まりない」 衣から凄まじいオーラが発せられた。 ざわ、と皆の体に鳥肌が立つ。京太郎は……動じない。 (き、きましたわ……) (始まる……衣の支配が……) 「フジタをも倒すほどの打ち手だと聞いてうきうきしていたが…… その程度では、衣の贄となる運命からは逃れ得ぬ。そろそろ御戸開きといこうか」 東3局。 「ポン」 早々に白と九萬を衣は鳴く。 そして京太郎から5巡目に一筒が打たれると、冷たく微笑んだ。 「昏鐘鳴の音が聞こえるか」 そのまま、ゆっくりと牌を倒した。 「ロン。白トイトイ混老頭、満貫だ」 「……………………」 衣:32000 一:24500 透:23500 京:20000 517 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 44 33 ID s0RD2TGd 東4局。 (やっぱり、一向聴から進まない……) (衣が、本格的に仕掛けてきたようですわね) 衣の力の一つ、一向聴地獄。 同卓した者が、海の底に引きずり込まれるかのように一向聴から手が進まなくなる。 この局も、一も透華も好形ながら、一向聴地獄に迷い込んだ。 (そして、この男も例外ではなかった、か) 純は京太郎の打ち筋をずっと見ているが、中盤から一向聴のまま進まない。 非常に待ち受けの広い一向聴だが、さっきからツモ切りを繰り返している。 そしてそのまま袋小路に迷い込んだ16巡目。 「……チー」 京太郎は少考した後、一から鳴いてテンパイを取った。 その時、一同に電流が走る。 この鳴きにより、海底牌をツモる者が透華から衣へと変わった。 (なっ、なんてことを……) (衣のこと、知らないわけではないのでしょう!?) そして衣は。 「リーチ」 残り1巡ながらツモ切りリーチを放つ。 衣のもう一つの力それは海に映る月を撈い取る力。 「リーチ一発海底ツモ、タンピンドラドラ。倍満」 こうして、東場が終わった。 天江衣が、その力を存分に見せ付けて。 衣:48000 一:20500 透:19500 京:12000 518 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 18 46 59 ID s0RD2TGd 「……下らぬ。須賀京太郎とは、この程度か」 衣は失望していた。 須賀京太郎とは、自分を満足させ得る力の持ち主なのかと思っていた。 噂を聞くたび、戦いへの期待がどんどん膨らんでいった。 だが、今目の前にいる男は、自分が想像していたような厄介な打ち手ではない。 何のオーラも感じない、ただの普通の打ち手でしかない。 「東場が終わって36000点差では、もうどうしようもないですわね」 「ま、いくら他所で勝っていても、衣には敵わないってことだよ」 透華と一も、もう決着が着いたと思った。純も智紀もそう思った。 だが、そのような空気の中、京太郎は静かに語りだした。 「……俺は最近まで、滅茶苦茶弱かった」 いきなり何事か、と皆が京太郎に注目する。 「周りは咲とか和とか、化け物揃い。そんな中、ド下手の自分は見下されていてね。 俺は強い奴が憎かった。自分に無い、圧倒的な力を持っている奴が羨ましかった。 だが、俺は力を手に入れた。もう誰も、俺を見下すことなどできはしない」 ニヤリと笑った京太郎を見て、衣は背筋が震えた。 この男は、これほどの力を見せ付けられながら、全く臆していない。 今も、ただただ勝つ気でいる――――― 「天江先輩、確かに大した強さだ。今まで俺が倒してきた連中の中でも最強かもしれない。 だがな……それでこそ、わざわざ乗り込む価値がある。壊しがいがあるってもんだよ。 さぁ、続けようぜ。南場突入だ」 夜のとばりが降りてくる。 須賀京太郎VS天江衣、まだまだ戦いは終わらない。 576 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 21 38 48 ID 7fANjYr7 南1局。水深が首元にまで達する。 (駄目……鳴けませんわ……) (このまま行くと、海底は……) 全員面前のまま進んだ17巡目、衣のツモ切りリーチが入る。 そして。 「ツモ。リーチ一発海底ツモ、満貫」 衣:56000 一:18500 透:15500 京:10000 南2局、衣の親番。 早々に東、白と役牌を二つ鳴いた衣はわずか6巡目で和了った。 「ツモ。混一トイトイ役々、6000オール」 衣:74000 一:12500 透:9500 京:4000 「相変わらずだね、衣……」 「こんなの、無理ゲーですわ!」 衣の点数は74000。追いつこうとして追いつける点差ではない。 一と透華は、もう完全に戦意を喪失していた。 だが、衣は内心穏やかではいられなかった。 衣と初めて戦った相手は皆、圧倒的な力の前に心を折られる。例外など、誰もいなかった。 だが、これほどの差をつけられても、目の前の男は顔色一つ変えていない。 その闘志にも、いささかの衰えも見られなかった。 (馬鹿な……今更何が出来るというのだ) 衣は大量のリードを奪いながらも、京太郎に対する不気味な印象を拭い去ることはできなかった。 577 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 21 41 33 ID 7fANjYr7 南2局1本場。 衣の手はタンヤオドラドラ、ツモれば1本場も含め4000オールの良形だったが。 「チー!」 ほぼ唯一といっていいくらいのピンポイントで京太郎から透華が鳴き、次巡。 「ロン!タンヤオドラ1、2000は2300ですわ」 透華は京太郎から和了り、衣の親番を流した。 ミエミエの差し込みである。 衣:74000 一:12500 透:11800 京:1700 残すは2局。衣と京太郎との点差は、72300。 親役満ツモでもひっくり返らない、絶望的な大差である。 だが、それでもなお……京太郎の表情は変わらない。まるで、予定通りというように。 「なぜだ……」 ぽつりと、衣が呟いた。 「なぜ貴様は満身創痍ながら、意気軒昂でいられるのだ……」 70000点以上の差と、たった2局という残り局数。しかも相手は、あの天江衣。 衣と戦った相手は皆、世界の終焉を見るような顔をする。 誰もが衣を恐れた。だが、京太郎は全く心がぶれていない。 「天江先輩……あんたは、自分が勝つと思っているのかい?」 「……当然だ」 「それは違う」 ぴしゃりと京太郎は言い放った。 「そんな風に思っていたら、そんな言葉は出てこない。あんたは、負けるかもと思っている。 俺を……恐れているから」 それは、衣の確信を突く言葉。 衣が京太郎に抱いていた、何やら分からぬ不気味さの正体。それは、恐怖。 この男には、殺されるかもしれないという。 「たとえ何点リードがあっても、昔の俺はあんたや咲には勝てなかっただろうさ。 だがな、今の俺は違う。今の俺から見れば、あんたも咲も昔の俺も変わらねぇよ。 点差は72300、残り2局……十分だ。あんたの息の根を止めるには十分だ」 凄まじい圧迫感が皆を襲う。 衣はガタリと音をたてて立ち上がった。その体は、小刻みに震えている。 「さあ、追うぜっ……天江先輩!」
https://w.atwiki.jp/h23_johoc/pages/95.html
良い点 わかりやすかった -- 名無しさん (2011-06-24 15 37 00) シンプルでいい -- 名無しさん (2011-06-24 15 44 28) 名前 コメント 悪い点 名前 コメント 自己評価 もっとアニメーションを増やしたらよかった。 -- 名無しさん (2011-06-24 15 44 17) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/h23_johoc/pages/60.html
良い点 シンプルで見やすいかも -- 名無しさん (2011-06-23 11 17 50) 背景好きよ -- 名無しさん (2011-06-23 11 19 45) 名前 コメント 悪い点 名前 コメント 自己評価 どんな意見が多かったか シンプル -- 名無しさん (2011-06-23 11 21 27) 名前 コメント ほかの人の作品と比べて自分の作品の感想 1枚のスライドに書く文字数が多かった -- 名無しさん (2011-06-23 11 22 34) 名前 コメント 真似したいほかの人の良かったところ 字だけじゃなく枠とか記号を使っていたところ -- 名無しさん (2011-06-23 11 23 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/625.html
~いち~ あるところに、あおいおんなのこときいろいおんなのこがおりました。 あおいおんなのこは、きいろいおんなのこのことがだいすき。 きいろいおんなのこは、あかいおんなのこのことをおもっていて。 ふたりのきもちは、ずっとすれちがったままでした。 でも、あおいおんなのこにきすされたきいろいおんなのこは、きがついたのです。 じぶんにとって、あおいおんなのこがどんなそんざいなのか。 そしてふたりは、ついにしあわせをげっとしました。 ―――けど、きいろいおんなのこのなかで、あおいおんなのこはいちばんになれたのでしょうか。 1 シュッ、と黄色い小ビンに入った香水を手首と耳の後ろに軽く吹き付ける。 その匂いを嗅ぎながら、鏡の前で一回転。 「―――うん、これでよし、と。どこもおかしくないよね?」 最後のチェックを済ませ、確認するかのようにわたしは鏡の中の自分に話し掛けた。 この日の為に買っておいた秋物の花柄の黄色いワンピース。 いつもよりちょっと派手なデザインだったから、ちょっと心配だったけど―――。 「……これなら美希ちゃんも気に入ってくれるよね」 美希ちゃんと……友達以上の関係になったのが、夏の終わり。 それから今日まで、学校やクローバー、プリキュアとしての活動が忙しくて。 なかなか二人きり、って状況になれないまま、気が付けばもう秋の半ば。 だけど――――今日は。 「……祈里?鏡の前で何をニヤニヤしてるの?」 「え?あ……」 いつからわたしの後ろにいたのか、お母さんの声で我に返る。 ……本当……頬が緩みっぱなしだわ……。 「……や、やだ……な、なんでもないの」 軽く両手で頬を叩いて、お母さんを振り返る。 お母さんはわたしの心を見透かしたように微笑んで。 「―――ま、祈里もお年頃って事よね。おめかししちゃって……デ・エ・トなんでしょ?」 「あ、で、デートなんて……うぅ……」 からかうようなお母さんの口調に、恥かしくなって言葉に詰まってしまう。 デート……そう、今日は美希ちゃんとの初デートなんだ……。 今までだって二人で出掛けたりする事はあったけど……でも。 (こ、恋人としてって思うと……緊張しちゃうな……) 押さえていた胸のドキドキが大きくなるのを感じる。 デートコースなんかは任せてって美希ちゃん言ってたけど……わたしはどうしたらいいのかしら。 何かできる事があれば……って言ってもいつもよりお洒落するくらいしか思いつかないし……。 「何?今度は不安そうな顔しちゃって……せっかくのデートなんだからもっと楽しそうにしなさい」 「楽しそうに……」 「そうよ。自分の一番好きな人とお出かけするんだから、楽しめばいいの。何も考えないで」 ―――……一番好きな人 お母さんの言葉が少しだけ心に引っかかる。 まだ……わたしの中には残ってるんだ……。 せつなちゃんという存在が。 ―――どこかで断ち切らないといけないのに……。 わだかまりを追い払うように軽く頭を振り、もう一度、鏡に写った自分に話し掛ける。 「――――今日はお母さんの言う通り……楽しめばいいのよ、祈里……」 さっきまでは自然と笑っていたのに。 今鏡の中にいる少女は、ただぎこちなく唇の端を吊り上げているだけだった。 * 「ご、ごめんなさい!美希ちゃん、待った?」 待ち合わせ場所の公園。 入り口から美希ちゃんの姿を見つけたわたしは、急いで彼女へと駆け寄った。 「待ったも何も……まだ約束の時間まで十分もあるわよ?そんなに慌てなくても……」 「で、でも美希ちゃんもう……」 「気にしないで。あたしが勝手に早く着きすぎただけだし……ほら、汗かいてる」 バッグからハンカチを取り出して、美希ちゃんはわたしの汗を拭ってくれる。 あ、この香りって……美希ちゃんも……。 「あ、ありがとう……」 「せっかくお洒落してるんだから……もっと落ち着いてよ、ブッキー」 気が付いてくれたんだ……。 それが嬉しくて、わたしは少しだけ笑顔を取り戻す事が出来た。 「え、えへへ……。み、美希ちゃんだって今日は素敵、よ?」 全体的に彼女のイメージカラーである青を基調にしてる事は変わらないけど。 いつもなら長く下ろした髪を、後ろでシニヨン風にまとめていて。 何か……いつもより大人っぽい雰囲気。 「ありがと……ってお互いに褒めあってるのも恥かしいわね。ちょっと予定より早いから……少し公園の中でも散歩する?」 「?予定って……?」 「まだ内緒……さ、行きましょ」 歩き出す美希ちゃんの後ろを、わたしもトコトコと追いかける。 お互いに何を話すでもなく、ただ公園の中をゆっくり歩いて。 だけど、不思議とそれだけでもわたしの心は満たされていた。 (いつも傍にいたのに、こんな事意識してなかったわ) 美希ちゃんが隣にいる事が、いつの間にか当たり前になってしまってたから。 こんな風に安らぎを与えてくれる存在だったなんて、気が付かなかった。 (一番好きな人―――か……) せつなちゃんの事が再び頭をよぎる。 彼女に恋焦がれていた時は、ただ熱くて、黒い衝動がわたしの中にあるばかりだった。 今こうして美希ちゃんと一緒にいるのとは正反対。 そのどちらが一番好きだって事の証明になるのかは分からない。 ―――――けど、やっぱりまだ……。 (……ダメ、難しく考えるのは悪い癖だわ……) 今は楽しまないと。何も考えずに。 ぎゅ。 「え……?」 唐突に握られた手の感触に、驚いて顔を上げると、いつの間にか先を歩いていた美希ちゃんが隣を並んで 歩いていて。 「……こ、これくらいいいでしょ?こ、恋……人同士、なんだし……」 真っ直ぐ前を向いて、目も合わさずにそう言う美希ちゃん。 耳まで赤くして照れている様子が可笑しくて。 「ふふっ……そうよね。恋人さんだもん」 手を繋いだまま、彼女の腕に寄り添う。 今はただ、楽しもう。彼女の傍にいられる事を。 この優しさに包まれている事を。 わたし達は本来の待ち合わせの時間になるまで、ただゆっくりと公園を歩いていた。 ~に~ きいろいおんなのこのこころのなかには。 まだあかいおんなのこへのおもいがのこっていました。 じぶんにとってのいちばんはだれなのか。 かのじょは、まだそれをきめかねています。 あかいおんなのこへは、まるでひのようなはげしいこいごころを。 あおいおんなのこへは、まるでみずのようなしずかなこいごころを。 まったくちがうふたつのきもち。 はたしてかのじょはそのうちのどちらをえらぶのでしょう? 2 公園での散歩を楽しんだ後、わたし達は電車に乗って、隣町まで移動した。 美希ちゃんが言うには、最近出来たいい場所があるんだって。 「結構考えたんだけど……初めてのデートにはね、どうしてもそこに行きたいの」 手を繋いだままで、わたし達が着いたのは……。 「プラネタ……リウム?」 ロマンチックだけど……美希ちゃん星とか詳しかったかしら? チケットを買い、休日だという事もあって多少込み合っているホール内に入る。 席に着いてしばらく待つと、アナウンスと共に場内が暗くなった。 『四季の夜空を彩る星々……まずは春から―――』 ドームの天井に映し出される星達。 顔を上へと向けてそれらを眺めながら、思わず呟いてしまう。 「綺麗……」 イミテーションと分かってはいても、その星々の煌きにわたしは目を奪われた。 クローバータウンだって夜空は綺麗に見えるけど、こうまではっきり見えることなんてあまりないもの。 『次は夏の夜空。<夏の大三角>として有名な琴座のベガ、白鳥座のデネブ、鷲座のアルタイルは―――』 わたしの手を握っていた美希ちゃんの手に力がこもる。 ―――?美希ちゃん、どうしたの? 「……これはね、ブッキー、自己満足みたいなものなんだけど……聞いて欲しいの」 わたしにだけ聞こえるように、小さな声で美希ちゃんが呟く。 「夏のね、お祭りの時。あたし、初めてあなたの……せつなへの想いを知ったの。夜空を見上げてたブッキーの……涙を堪えている姿を見て」 ―――え? あの時の事……見てたの? 「本当なら、こうしてブッキーの手を握ってあげたかった。いつもみたいに。―――だけど」 美希ちゃんの手が震えているのが伝わってくる。 わたしは美希ちゃんの横顔へ顔を向けたけど、彼女はまだ夜空を見上げたまま。 「あなたの傍に駆け寄る事すら出来なくて……その事がね、ずっと後悔として胸の中にあったの」 「美希……ちゃん……」 「この夏は……すごく色んな事があって……それであたし達付き合う事が出来たけど……それだけはもうどうしても取り戻せない―――だから、せめて同じように夏の夜空を見ながら、伝えたかった」 思い切るように息を大きく吸い、美希ちゃんはやっとわたしへと顔を向けた。 「あたしが、いるわよ。ブッキー。あなたの傍にはいつだって。楽しい時だけじゃない。悲しい時も、苦しい時も、こうやって手を握っててあげる」 真剣な眼差しでわたしを見つめる美希ちゃん。 彼女の言葉を聞いているうちに、何故だかわたしは……嬉しいのに……泣きそうになって。 ポスン、と彼女の胸に頭を埋める。 「ありがとう……美希ちゃん……」 「ぶ、ブッキー、泣いてるの!?ゴメン。変な事言っちゃった?」 「ううん……ふふ……なんか結婚式の誓いみたいだね」 星空を二人で見上げる。 秋、冬と変わり行く天空の星々。 現実で季節が変わっても、年月が過ぎていっても、いつもこうしてあなたといたい。 せつなちゃんじゃなくて……美希ちゃんと……。 * 星々の輝きが消えて、場内の明かりが点く。 周りの観客達が次々と立ち上がる中、わたし達はしばらく余韻に浸るかのように座ったままだった。 「そろそろ行かないと、ね。美希ちゃん、次はどこへ―――」 そこまで言って立ち上がったわたしの目が、座っている彼女の首の後ろに釘付けになった。 今までは美希ちゃんの方が背が高いし、場内が暗かったりして気がつかなかったけど……。 ―――?赤く…なってる……? 「ん、ちょっと待ってね。えーっと……」 何かを確認するように、手帳を開いている美希ちゃん。 彼女はわたしの視線には気が付いてないみたいだけど。 「―――ねぇ、美希ちゃん。最近……どこかにぶつかったりした?……首……とか……」 「?何?ラブじゃないんだから……そんなおっちょこちょいな事しないわよ」 「―――そう―――」 彼女の首に残っている赤い痣のようなもの。 それが何かにぶつかったりしたものじゃなければ……。 (キス……マーク……?) わたしの通っている白詰草は清純なお嬢様学校だけど。 その中にも何人かはませている女の子達もいて……見せてもらった事があった。 でも……美希ちゃんが……誰と? 今までの言葉は……わたしを好きだって言ってくれたのは……嘘だったの? 「よし、じゃあ次は、と。―――?どうしたの?ブッキー?」 「―――ううん……何でもない……」 言葉とは裏腹に胸の内に暗いものが湧き上がるのを感じる。 疑念と嫉妬、そして―――失望。 (美希ちゃん……わたしは間違っていたの……?) さっきまでの優しかった気持ちが次第に消えていく。 「さ、ブッキー、行きま……どうしたの?顔色悪いけど……?」 立ち上がり、わたしの顔を覗き込む彼女。 「何でもないって……気にしないで」 「そ、そう?ならいいんだけど……じゃあ行きましょうか」 美希ちゃんは心配そうに、そっとわたしの手を引き、歩き出そうとする。 だけどわたしは―――。 「え……ブッキー……?」 唐突に振りほどかれた手に、美希ちゃんは驚きの声を上げた。 わたしは無言のまま、黙って一人場内を出る。 「…………」 「ちょ……ちょっと待ってよブッキー!」 彼女の伸ばされた手もその声も、今のわたしには届きはしなかった。 ~さん~ きいろいおんなのこのなかで、あかいおんなのこへのおもいがうすれはじめたのに。 ぴんくいろのおんなのこがのこしたいたずらが、かのじょをくるしめます。 きいろいおんなのこのこころには、くろいおもいがうずまいて。 あおいおんなのこのおもいなんて、もうとどきはしません。 ふたたびすれちがいはじめるふたりのこころ。 とおざかりはじめるふたりのきょり。 ふたりは、このあとどうなってしまうのでしょうか。 3 「―――それでそれで?この後黄色い女の子と青い女の子はどうなるの?」 「えー?これで終わりなんだけど……」 「……ラブ……ちっとも終ってないじゃないの」 わはー、とごまかすように笑うラブお姉ちゃんに、あたしだけじゃなく、せつなお姉ちゃんまで不満げな様子。 「つまんないつまんないー!ここからが一番いいところなのにー!!」 「物語としては破綻してるんじゃない?それ……」 「う……千香ちゃんが退屈してるっていうから……せっかく作ってきたお話だったのに……」 ここはあたしの病室。 退院を間近に控えたあたしを、ラブお姉ちゃんとせつなお姉ちゃんがお見舞いに来てくれていた。 日頃から何か面白い事ない?って言っていたあたしに、ラブお姉ちゃんが絵本を描いてくれたんだけど。 「これでも頑張ったんだよ?だけどこれくらいまでしか見当がつかないし……」 「?変な言い方ね?ラブの作ったお話じゃないの?それ」 「い、いやそうなんだけどね……この後どうなるかまではまだ……」 困ったようなラブお姉ちゃんに、せつなお姉ちゃんは腕組みして。 「……それにしてもそのピンク色の女の子の悪戯は酷いわね……頭にくるわ……」 「そーそー、ひどいよね!二人の仲を引き裂くような真似して!」 「本当よ!目の前にいたら精一杯叱ってあげたくなるくらい!」 「ふ、二人とも……そ、そんな悪いコじゃないんだよ?ピンクの女の子も……」 必死にピンク色の女の子の肩を持つラブお姉ちゃん。 その様子が可笑しくて、あたしとせつなお姉ちゃんは笑ってしまう。 「お話の中の事なのに、ヘンなの~」 「あ、そ、そうだよね……は、はは……」 ラブお姉ちゃんは何故かホッとした様子。 「で、ラブ。この後……何となくでも考えてないの?気になるわ」 「あたしも気になる~!教えて教えて~!」 「う~ん……この後、かあ……」 立ち上がり、ラブお姉ちゃんは窓辺へと移動した。 あたし達に背中を向けて、ラブお姉ちゃんは空を見上げながら。 「……絵本だからさ。よくある終わり方すると思うよ。この後……何があったとしても」 ラブお姉ちゃんの顔はあたし達からは見えなかったけど。 でも……何でだろう。 「きっとあのコ達なら……何があったって……ね」 ラブお姉ちゃんは少し泣いてるように……あたしには見えた。 * 人の多い大通りを、わたしは早足で歩いていく。 後ろからは美希ちゃんの呼ぶ声がするけど……速度を緩めないままで。 そんなわたしの肩に、彼女の手が置かれた。 「待ってってば!どうしたのよ、ブッキー……」 「別に……どうもしてない」 彼女を振り返る事もせず、暗い声で返事をする。 「どうもしてないワケないじゃない……ねえ、あたし……何か気に障るような事した?」 「…………」 とぼけてるの、美希ちゃん? それとも、わたしならその首の痕に気が付いても怒らないとでも思った? 「ブッキーってば―――――」 足を止めたわたしの前に、美希ちゃんが回り込んだ。 心配そうにわたしを覗き込んでくる彼女の顔から―――目を逸らす。 「ねえ……お願いだから何とか言って……あたしが悪いなら謝るし……な、何でもするから……」 「―――何でも?」 必死って言ってもいい美希ちゃんの懇願に、わたしの中の黒い気持ちが反応する。 何でも……してくれるんだ。 ―――じゃあ。 「キスして」 「キ―――」 わたしの言葉が予想外だったのか、一瞬言葉に詰まる美希ちゃん。 その様子を見て、わたしは少し歪な笑みを浮かべた。 「今すぐ、ここでキスして。何でもしてくれるんでしょう?だったら―――」 無理を押し付けてる事は分かっている。 周りには大勢の人たちが歩いてるし、もしそんな事したら好奇の目で見られるのは確実だもの。 それに読者モデルをやってる美希ちゃんが、もし気が付かれたとしたら大変だものね。 さあ、どうするの?美希ちゃん? ――――――やっぱり嫌なコだな、わたし……。 目が潤み出すのが分かる。 こんな女の子じゃ……美希ちゃんが浮気してても……何も言えないわ……。 そう考えて俯いたわたしの顎を、美希ちゃんの手が持ち上げた。 (―――え?) 驚いて、逸らしていた目を美希ちゃんへと戻した時、わたしの唇に。 ―――彼女の柔らかな唇が静かに重なって。 頭の中がぐるぐると回っている。 ―――美希ちゃん、ダメだよ!皆見てる! ―――もし美希ちゃんがモデルさんだってバレたら大変だよ! ―――どうして?どうして平気でこんな事が―――。 混乱するわたしの左手を、彼女の右手が握り締める。 壊れやすい大切な物を守るかのように、優しく。 わたしもいつしか、その手の感触に身を任せるように、そっと目を閉じた。 唇が離れ、わたしが再び目を開けた時、そこには微笑む美希ちゃんの顔があった。 「―――これでいい?ブッキー……」 「………あ……う、うん……」 ぼうっとしたままの頭で、なんとか返事を返すわたし。 やがて徐々に意識がハッキリしてきて。 「!!み、美希ちゃん!!」 「……やっとあたしの目を見てくれた……」 空いている左手を背中へと回し、美希ちゃんはわたしを抱きしめる。 「……さっき言ったばかりじゃない……悲しい時も、苦しい時もあたしがいるって……。今だって……」 繋がれた手に、力が込められた。 まるで、わたしの中の黒い思いを流し去ろうかとするように。 ―――バカだな、わたし。 ―――美希ちゃんを、疑っちゃうなんて。 ぽろぽろと涙が零れ落ちる。 「ブッキー!だ、大丈夫?!」 「え、えへへ……だ、大丈夫。今日は泣いてばっかりだね……初めてのデートなのに」 涙を拭いて、わたしも右手を彼女の背中に回す。 左手には、彼女の想いに答えるように力を込めて。 「―――ねえ、美希ちゃん。少しかがんで……首を向こうに捻ってくれる?」 「?え?ブッキー……何を……?」 「いいから……お願い……」 不思議そうにしながら、美希ちゃんが首を少し捻る。 そして、わたしの前には、例のキスマー……赤い痣が。 躊躇う事もせず、わたしはそこに口付けた。 ―――少し美希ちゃんがくすぐったそうな声を漏らしたけど……。 結婚式なら、これは、誓いのキス。 もう二度とあなたの傍を離れたりしないように―――。 赤い痕を覆い消そうとするように、激しく、強く、わたしは口付け続けた。 ちゅ……と音を立てて、唇を離した。 それから首を戻した美希ちゃんと、お互いに見つめ合う。 「な、なんだったの……今日は分からない事ばかりだわ……」 首筋を撫でながら、不思議そうにしている美希ちゃん。 わたしはそんな彼女に微笑んで。 「いいの!分かって欲しいのは―――美希ちゃんがわたしの一番なんだって事だけなんだから!」 大好きだよ、美希ちゃん。 この世界の誰より、あなたが好き。 そう、今なら―――それが言えるわ。 そして―――さよなら。せつなちゃんへの想い。 「あ……」 わたしの言葉に、顔を真っ赤にする美希ちゃん。 その様子を見て、わたしはクスッと笑ってしまう。 ――――――そして、ハッと気が付いた。 「み、美希ちゃん……ま、周り……」 「周り……って?えっ!?」 いつの間にか周りでは、道行く人々が足を止め、呆然と、あるいは頬を赤らめながらわたし達を見つめていた。 その状況に、わたしの顔も熱くなって―――――。 「み、みんな見てるよ……ど、どうしよう……」 「あ、そ、そうね!とりあえずこの場を離れなきゃ―――」 オロオロするわたしの手を引き、美希ちゃんは駆け出した。 「―――ね、ねえ美希ちゃん、この後はどこへ行くの!?」 わたしの問いかけに、美希ちゃんは微笑んでウィンクする。 「あたしのデートプランは、完璧!なんだから!楽しみにしておいて!」 その言葉に、わたしもニッコリ笑顔を返す。 ―――そしてもう離したりしないように、繋いだ美希ちゃんの手を強く握り締めた。 「勿論―――わたし、信じてる!!」 あなたが傍にいてくれるなら、きっと。 どんな事があったって、楽しいものになるって、ね。 デートだけじゃなくて。 これから先も、ずーっと続いていく……。 わたし達の物語も―――――――――……。 ~よん~ こうして、あおいおんなのこはきいろいおんなのこのいちばんになったのです。 そしてふたりのおんなのこは、それからもしあわせにくらしたのでした。 いつまでも、いつまでも。 ずーっと、ね。 ……ちょっぴり、くやしいけど。 めでたし、めでたし。 おしまい 了
https://w.atwiki.jp/emp3037/pages/205.html
J-128 復活のディオ J-128 R [[キャラ]] [[スターダストクルセイダース]] 血 P(6) S5 T5 ☆☆☆☆ ●ジョナサンの一族は…排除せねば 相手ヒーローカードが《ジョナサン・ジョースター/ジョセフ・ジョースター/空条承太郎》の時、このキャラは「P+2、S+2」される。 血幽血幽 DIO [[吸血鬼]] 出典:JC13巻 72-73 第3部までのジョースター家のヒーロー全てをメタにとった復活したばかりの第3部ディオ。 効果が起動すれば劇中のような一方的な強さを誇る。この状態になるとこれを単騎で倒すことができる承太郎はJ-032 時を止める承太郎のみになってしまう。 ただし、効果が起動できないデッキに対してはこれといった長所は無く、ただサイズがでかいだけである。さらに相手が柱デッキであるとサイズでもかなわなくなってしまう。 リネージの並び的に自身のスタンド、J-183 世界と相性が良い。
https://w.atwiki.jp/garnot/pages/13.html
FA-124の使い方 How to use FA-124?