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彼は怒り狂っていた。 100年のにわたって誰も足を踏み入れなかった彼の家に、エルフの若い女がやってきたのは少し前になる。 彼女は言った。 愚かな人間が、貴公の住処を荒らしに来る。 奴らとは話し合いは通じない。 殺すか、殺されるか。 その時の彼は、鼻で笑って彼女を追い返した。 殺すか殺されるか? 下等な人間に何が出来る? この森に住む精霊たちに誑かされ、同族同士で殺しあうことくらいしか能がないというのに。 やがて見た事のない格好をした人間の集団が現れた。 奴らは見る見るうちに集落を作り上げた。 そこで彼は、愚かな人間に教育を与える事にした。 おお人間よ、100年程度で忘れてしまうとは情けない。 こちらを殺す気か。やれるものならばやってみよ。 だが、愚かなのは彼だった。 気がつけば、十体以上の若い命が散っていた。 自身も、鱗を貫く謎の魔法で傷を負っていた。 住処に帰った彼は、一切合財にけりをつけることにした。 一族を召集し、一撃で全てを終わらせることにした。 100を超える集団。 竜族の怒りを持ってすれば、いかなる存在とて止める事は不可能、だった。 何かが飛び込んできた事は理解できた。 魔力の欠片も感じない、高速の物体。 それが炸裂した時、最初に命を飛ばしたのは彼の息子だった。 次々と炸裂する物体、見えない敵。 長らく戦いと無縁だった一族は、ただひたすらに前進することしか出来なかった。 そして現れた銀の鳥。 放たれる何か。 我らより早いものなどいなかったのに、これは一体何事なんだ? 次々と落とされていく同族を、彼は眺める事しかできなかった。 唐突に現れた銀の鳥は、やがて唐突に飛び去っていった。 奴らを許すわけにはいかない。 戦ってみて解った。 動きに余裕がありすぎる。 彼は勝ったと確信した。 敵は遊んでいる。 敵の戦いのルールは、まだ完成されてはいない。 だが、気がつけば、彼は落ちていた。 土ぼこり。 周囲からは悲しげに呻く同族たちの最後の声が聞こえる。 左前足が落ちている。 翼はズタズタだ。 背中が異常に軽い。 だが、まだ足がある。 生きている。 やってやる。人間たちを、一人残らず喰ってやる。 彼は人間の集落の方を向き、全力で走り出した。 西暦2020年3月26日 06:21 ゴルソン大陸 陸上自衛隊大陸派遣隊第三基地 西方陣地 「目標六千!」 対地レーダーに取り付いた隊員が叫ぶ。 号令を待たずに全員がそれぞれの火器を構え、そして発砲許可を求める。 天空を睨んでいた自走高射機関砲が、その砲身を前方へと向ける。 基地中から装甲車輌が集結してくる。 「目標!前方敵生物!撃ぇ!!」 89式片手に陣地へとやってきた佐藤が号令を発し、そして迎撃が始まった。 未だ正面部隊から消えていない自走高射機関砲が、軽やかに砲身を動かして発砲を開始。 轟音が鳴り響き、巨大な薬きょうが周囲に散らばる。 それに負けじと12.7mm重機関銃が弾幕を張る。 気の早い何人かは、銃声に押されて小銃や軽機関銃を発砲し始める。 戦車がいないことを除けば、そこは総合火力演習の場と言える賑やかさだった。 双眼鏡の中で次々と被弾し、肉をそぎ取られ、それでも進撃を止めない相手に、佐藤は恐怖した。 何故だ。 直撃した機関砲弾が残っていた腕を吹き飛ばす。 何故止まらない。 残っていた翼が細切れになり、さらには肩までもが吹き飛ばされる。 どうして止まらないんだ。 小銃弾が弾かれる。重機関銃の弾丸が、傷口に突き刺さる。機関砲弾が肉を吹き飛ばす。 どうして奴は止まらないんだ。 視界の中で、ドラゴンは口を大きく開いた。 見る見るうちに、巨大な炎が現れる。 なんて、なんてこった。 あんなのを喰らったら全員が、死ぬ。 突然、視界一杯に広がっていたドラゴンの頭部が消えた。 連続して放たれる機関砲弾が、そこを細切れの肉片に変えてしまったのだ。 脳からの命令を受け取らなくなった肉体は、それでもなお数歩前進し、殺到した対戦車ロケットの集中砲火を受けてバーベキューになった。 現代科学は、数百年の寿命を持ち、いかなる勇者でも傷一つ負わせられないだろうと言われたこのファイヤードラゴンを、惨殺した。 この日を境に、第三基地への襲撃は終わった。 僅かには生き残っているであろうドラゴンたちは、臨戦態勢の陸空自衛隊に恐れをなしたのか、二度と姿を現すことはなかった。 それを感謝しつつも不思議がった自衛隊員たちであったが、彼らは知らなかった。 彼らは、一つの種を絶滅させたのだ。 もちろんの事、全てを見届けていたエルフ第三氏族の女は、自衛隊の実力に恐怖していた。 アレは、自分たちだけではどうしようもない。 どこかの国を焚き付けるだけでも足りない。 もっと強い、何かが必要だ。 最良でも相打ちに持ち込めるような、邪悪でも何でもいいから強力な何かが。 彼女は可能な限り早くその地を離れた。 時間はあまりにも少ない。 万が一にでも自分たちの関与が発覚すれば。 今日のドラゴンは、明日のエルフだ。
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36話:甘美なるネクロマンス デグチャレフ・ペクホトノイ28、旧ソ連製の軽機関銃。 日宮まどかのもう一つの支給品だが、彼女には重過ぎて扱えない。 故に、まどかはヘルムートに支給された回転式拳銃・スーパーレッドホークアラスカンと、 予備弾である.44マグナム弾と交換して貰った。 「ん…ふぅ…」 「あん…」 黒と赤の竜は、銀髪の全裸の女性の乳房を舐め回し、右手で自分のいきり立つ分身を握り、 激しく上下に手を動かす。 その瞳はすっかり蕩け切っており、快感に支配されている事が窺えた。 計画通りだとまどかは心の中で思う。 (ここまで私に入れ込ませれば…大丈夫でしょ? ただ、ずっとこんな事しててもアレなんだけど。 お腹パンパンだし、身体中ヘルムートの涎と精○まみれだし…) 自身に支給された禁止薬物入りのイチゴミルクを飲ませた結果、 ヘルムートは完全にまどかの虜となった。 今や、ヘルムートはまどか無しではいられなくなってしまっている。 まどかが指示すれば、どんな事でもその指示を履行するだろう。 人を殺せと言われれば殺し、盾となれと言われれば盾となり、死ねと言われれば死ぬ。 もっともヘルムート本人は、自分がそんな状態になっているとは気付いていなかったが。 いや、例え気付いていたとしても、彼はまどかからは離れられなくなっていただろうか。 (いつの間にかもう放送の時間が近付いているし…行動起こすのは、 放送聞いてからにしよ…結局ずっとエッチしてただけだったなww) 「アウウッ!」 「あっw」 ヘルムートの右手の中の彼の息子が震え、勢い良く白濁を吐き出した。 大量のそれはまどかの身体を更に汚す。 人間の男のそれより濃く、粘り気があり生臭いそれにまどかも多少興奮していた。 後始末がきっと大変だろう、と心の隅で思ってもいた、が。 ◆ 森の中の廃道にて、黒いブレザーを着た狐の少女伊賀榛名は、 道の脇の木の根元に座っていた。 デイパックから時計を取り出し時刻を確認する。 午前7時45分。残り15分で第一回目の放送が主催者から入るはずだ。 「中村さんに平池さんは大丈夫かな…何か希望持てないよ」 数刻前に廃村にて青髪赤鉢巻の刀を持った男に襲撃され、同行者全員を失ってしまった 榛名の気分は沈みがちになってしまっていた。 「…私はいつまで生きられるのかな」 悲観的な事ばかりが頭によぎってしかたない。 友達と喋ったり、適当に男を捕まえて行為に及んだり、夜の公衆トイレに繰り出して 不特定多数と乱交していた日常が遠い日のように思えた。 「…駄目だ、マイナスの方ばかりに考えちゃ…それは分かってる、けど」 いつまでも悲観的になっていてはいけないと榛名は自分に言い聞かせる。 クラスメイト二人は脱出を目指して奮闘しているかもしれないのだから。 「……放送、待とう」 榛名は名簿とメモ帳、地図と筆記用具を取り出し、放送を待つ事にした。 【一日目/朝方/H-5廃旅館二階客室】 【日宮まどか】 [状態]肉体疲労(大)、全裸、ヘルムートの体液まみれ [装備]スタームルガースーパーレッドホークアラスカン(6/6) [持物]基本支給品一式、.44マグナム弾(18) [思考・行動] 基本:優勝を目指す。ヘルムートを最大限に利用する。 1:放送を待つ。 2:浅井きららはどうでも良い。 [備考] ※特に無し。 【ヘルムート】 [状態]肉体疲労(大)、快楽、薬物により日宮まどかに夢中 [装備]デグチャレフ・ペクホトノイ28(47/47) [持物]基本支給品一式、デグチャレフ・ペクホトノイ28パンマガジン(5) [思考・行動] 基本:日宮まどかのためにこの身を捧げる。それのみ。 [備考] ※薬物の効果により日宮まどかに心底惚れ込んでいます。効力が切れるかどうかは不明です。 【一日目/朝方/H-5東部の森の廃道】 【伊賀榛名】 [状態]肉体的疲労(大)、精神的疲労(大)、服装に乱れ [装備]シグザウアーP226(15/15) [持物]基本支給品一式(ポケットティッシュ一個消費)、シグザウアーP226マガジン(3) [思考・行動] 基本:殺し合いはしない。平池千穂、中村アヤの二人の捜索。 1:放送を待つ。 2:首輪を外せそうな人物も捜索する。 [備考] ※勤武尚晶(名前は知らない)の外見を記憶しました。 ※悲観的な考えが多くなっています。 ≪支給品紹介≫ 【デグチャレフ・ペクホトノイ28】 日宮まどかに予備パンマガジン5個とセットで支給。 1928年に旧ソ連赤軍に採用された軽機関銃。 本体はシンプルな構造で信頼性が高かったがパンマガジンの強度や使用弾薬の形状などで、 ジャム(装弾不良)が多かったと言う。 デグチャレフとは開発者のバジリー・デグチャレフにちなむ。 【スタームルガースーパーレッドホークアラスカン】 ヘルムートに.44マグナム弾18発とセットで支給。 回転式拳銃スタームルガースーパーレッドホークのコンパクトモデル。 寂しがりなおさげ、旋風に揺れて 時系列順 [[]] 寂しがりなおさげ、旋風に揺れて 投下順 [[]] 時計仕掛けのマリオネット 日宮まどか [[]] 時計仕掛けのマリオネット ヘルムート [[]] こんな村おこしは嫌だ 伊賀榛名 [[]]
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となりのリリカと紅魔館事件 ◆27ZYfcW1SM なぜ私にこれほどの力が……この力が力なき者に与えられていたとしたら…… その者は延命出来たかも知れないというのに…… なぜ私にこれほどの技術が……この技術にふさわしい者に与えられていたとしたら…… 私よりも効率よく行動できたかも知れないというのに…… 私はこのゲームが始まって運が強く働きすぎている。 私自身が恐怖を感じるほどに…… 私が目覚めたところはなんと紅魔館であった。 私、四季映姫・ヤマザナドゥは紅魔館の図書館の中で目覚めたのだ。 これだけでも十分強運といえよう。 建物の中は行動が限定され、そして何より隠れる場所が多い。 殺人者が現れたとしても、逃げ切れる可能性が高い。広い館なのだ。なおさらである。 この利点はまだ序の口、まだ利点はある。 部屋の中にある本、冷めた紅茶、ベッド、イス…… 備品が沢山だ。得物を奪われ、力を制限され、さらにはわずかな食料や水、道具しかない私たちにとって、豊富な飲食料、家具や道具は重要度が高い。 持っているだけで他者より一歩先に出ることが出来る。 長所ばかりで短所が殆ど無い場所なのだ。 私は沢山の本棚の影に隠れる。深い緑色と紺色の服なので、影に逃げ込んでしまえばカモフラージュ率は相当高い。 道具の入った袋……スキマを開くと…… 第二の強運が始まった。 『武器』と思われる道具は3つ入っていた。しかも、そのすべてが金属製。 金は古代より武器に使われてきた。それを意味するはすべてがすべて、武器なのだ。 そのうちの一つ、銃といわれる鉄の筒をスキマから『引きずり出す』 そう、引きずり出すほど巨大な銃だ。 小町なら多少格好にはなるだろうが、自分にはあまりにも大きすぎる銃。 説明書によれば MINIMI軽機関銃 というらしい。 機関銃くらい知っている。弾薬を自動的に発射し続ける銃のことだ。 弾幕勝負ではなく戦争の道具だ。この種類の銃で命を落とした人物など沢山知っている。 銃は確かに強い武器だ。 そして、銃の中でも強い種類は存在する。 詳しくは知らないが、単発式の銃より連射式のほうが強い。 小さな弾を飛ばす銃より、大きなライフル弾を飛ばす銃のほうが強い。 だったら、この銃は最強ではないか? 銃の中に伸びるベルト状のライフル弾の列、そして機関銃の連射力。 この銃に敵う銃など存在するのだろうか? ……しかし、重い。 閻魔の私だから持てるだろうが、この重さは10kg位だろうか。 片手で扱おうものなら腕が肩からぶちきれて落としてしまいそうだ。流石に冗談ですよ。 もう一つ出てきたのは金属製のケース。真鍮かブリキ、ジュラルミンあたりの素材だ。 中を開けると白と黒の2つの小型の機械が入っていた。白い衝撃吸収剤に包まれて入っているので精密機械だろう。 蓋の裏に取扱説明書が貼り付けてあったので、はがして読む。 携帯電話 取扱説明書 このたびは、我社の携帯電話をお買い上げいただき、まことにありがとうございます。 【こんな使い方は絶対NG!】 クルマの運転中、飛行機や病院、指定品以外の使用 充電端子を接触させない、水や海水につけない/ぬらさない 分解/改造しない(ここにボールペンで横線が引いてある) 加熱しない。 【ココがすごい 新しい】 高性能大型液晶、高性能カメラ(5.2メガオートフォーカス) 自分の位置情報をしっかりキャッチ! GPSナビ 長時間バッテリー 1ボタン通話(なぜかここだけ手書きで書かれている) ・ ・ ・ このようなことがずらずらと書かれてある。説明書の癖に一冊の六法全書みたいだ。 一応図が載ってあり、簡単な基本操作はある程度分かった。 カコ、カコともう一台と通話が出来るようになるボタンを押す。1ボタンといいつつ実は2回だった。 『ちゃらららら~ちゃらららら~♪』 びくっ! っと思わず飛び跳ねてしまった。 この曲は「六十年目の東方裁判 ~ Fate of Sixty Years」 それも結構な音量だ。もともとの曲がそうであるように…… それより、音を出すほうが問題だ。すぐに白いほうの携帯電話を取り、通話ボタンを押す。 「も、もしもし……」 『――も、もしもし……』 ……無言で通話終了ボタンを押した。マナーモードはどうやるんだっけ? ぎりぎり扱える銃を付属のベルトで肩に掛け図書館から出る。 紅魔館はシンとしていた。うわさで聞いていた妖精メイドたちは残らず姿を消し、当主も妹も魔法使いもメイドもいない。 ただ、真紅の絨毯が廊下を一線走っている。 少し歩くと、扉があった。中に入ると其処はキッチン… キッチンの癖に、調理道具は少ない。食料は1に紅茶、2に紅茶……殆どが紅茶で埋め尽くされていた。 7くらいにようやく小麦を見つけることが出来た。 以前から変わった家だとは思っていたが、やはり予想は正しかったようだ。 変わり者でも一応は使えるから目をつぶることにする。 さらに廊下を先に進むと其処はエントランスが広がっていた。 私がエントランスについた瞬間、第3の強運が始まった。 ところ変わって、ダイニングルーム。 私の前には妖怪と騒霊がいた。 私がエントランスについた瞬間外への扉が開いた。 入ってきたのはこの2……人。 リリカ・プリズムリバーと黒谷ヤマメ。 いち早く気がついた私は机を蹴っ飛ばし、それを盾にミニミを扉に向けた。 机を蹴っ飛ばした音に反応した2人は銃を構える私に気がつく。 「うわぁ! わ、私たちはこのゲームに反対なのよ!」 「そうそう! 反対反対!!」 と、二人は両手を挙げながら震える声で言った。銃の知識は幻想郷では乏しいはずなのに……銃は向けられると強制的に腕を上げる能力でもあるのだろうか。 そして、現在に戻る。 本当にゲームに乗っていないようなので、一応は信用することにした。 「まったく、困ったことをしてくれるわ。今日はお昼から友達と遊ぶ予定だったのに」 「それなら私もだよ。明日の夜はライブだったのに」 「私は仕事が現在進行形で溜まっているのですけどね」 乾いた笑いしか出ずたはははと笑う。 するとヤマメがやれやれと肩をすくめながら 「まぁ、それも運命だとしてあきらめるしかないんじゃない?」 とぼやく。リリカも 「そうだよ。どうせなら早く異変を解決して明日に間に合わせればいいじゃん」 と、どうも二人は前向きな性格のようだ。 「ちょっと、だったら今日の昼に間に合わせてよ」 それは流石に無理じゃない? 「兎に角、お二人の異変を解決したいという気持ちは分かりました。 私もそう願っています。しかし、方法が分かりません。 何をするにもとりあえずこの首輪を外さない事には私たちの勝利はありえないでしょうから」 「そうだよね。あの人みたいにボンッって爆発したらひとたまりもないもの」 「あの音ははじめて聞いたよ」 「そうです。今ここにいる私たちでは首輪をはずすことは無理。それでも幻想郷全土から萃められたこの面子です。誰か一人くらいならはずすことが可能かもしれません」 「大方、あの河童だけだけどね」 「あのミサイルを撃ってくる奴?」 「アレは魔理沙……のオプション。ミサイルじゃなくて魚雷らしいよ」 「河童の保護ですか……難しいでしょう。どこにいるかも分からない。ゲームに乗らないとも限らない。 協力してくれるとも限らない……はぁ……」 あの性格の河童だ。自分からゲームに乗る可能性は0じゃないし、協力してくれない可能性も0じゃない。 最悪、既に殺されている可能性もあったりする。 「さぁ、どうするんだい? 閻魔さん。私はあまり頭の回転が速くないから、あんたが行動方針ってのをきめてくれる?」 「……私が言うことが絶対だと、絶対に思わないでください。 そして、私が出した命令を拒否する権限が貴方たちにはあります。 自分が違和感を感じた命令はそむいてくれて結構です。 異議も許可します。理由を求めることも許可します。 それをしっかり理解した上で私の話を聞いてほしい」 「なんだか難しい話ね。まあいいわ自分の考えは大切にってことでしょ」 「そうです。分かってくれたなら言います。 私たちはこの紅魔館に篭城します。」 『篭城!?』 二人は異口同音に声を上げた。 「そうです。時に……なぜ、禁止エリアというものがルールにあるか分かりますか?」 ヤマメは顎に手を添えて「そうねぇ……参加者を追い詰めるため?」と疑問系で答えた。 「そのとおりです。もっと言うなら参加者を歩かせるためです」 リリカはぽんと腕を叩き 「なるほど、かくれんぼで見つからないようにするには動かないこと。だって動いたら鬼に見つかっちゃうもん」 「またまた正解。例えば一つの壁をはさんで二人の人間がいたとします。二人が人形のように一歩も動かなければ、仮に1mも近くにいたとしても気がつかないでしょう」 リリカが映姫の考えを代わりに言葉にする。 「だけど動く、つまり音を奏でると壁の向こうの人間は音を聞いて壁の向こうの存在を認識する」 「そう、では一人だけ動いていた場合はどうなる?」 「簡単、動かなかったほうは向こうが動いていることを認識できるけど、動いたほうが認識できないわ」 「先に攻撃が出来るってわけね……」 「攻撃だけではなく、防御、逃走……なんでも対応できるわ」 「しかし、不利な点もいくつかあります。一つにここが紅魔館であるということ」 「主人の帰りね」 「あー。あの吸血鬼が帰ってきたら面倒だな」 「それだけでなく、貴方たちみたいに訪れる者が多いって事です」 せっかくエンカウント率が下がったというのに場所自体のエンカウント率が高かったら意味が無い。 「だから、あえて他人との遭遇率の高さは無視します。訪れるものは片っ端から裁判に掛けましょう」 「そんなこと出来るの?」 「ええ、出来ますよ。今までの話はこのまま動かなかった場合。これからは篭城の話です」 紅魔館一階… 本来ならメイドが掃除しつくし、ごみ一つ落ちていない真紅の絨毯が敷かれているはずである。 しかし、今はその面影が無かった。 外へと続く扉には巨大なテーブルやベッド、クローゼットが子供が作った積み木のお城のように積まれている。 「あーあー本当に聞こえるのかな? こちらヤマメ。異常ないわ」 「了解、一度戻ってきてください」 「了解ーっと」 廊下をヤマメが歩く。手にはMINIMI軽機関銃、そしてスカートのポケットには携帯電話が入っている。 「おっと、確かこっちは罠が張ってあるんだったな」 廊下のT路地を曲がろうとして足を止める。 よく目を凝らさないと見えないが、ピアノ線が最初に首の辺りの高さに…… あとは蜘蛛の巣のように張ってある。実際何のワイヤーかは知らないが、倉庫のほうに置いてあったものだ。 細く鋭いピアノ線なので、走って蜘蛛の巣に突っ込もうものなら、その肉体は16分割されてしまうだろう。 まぁ、実際になるのは首が刎ねられるだけどね…… 後に続くピアノ線は、行く手を妨害するためだ。ここを突破されてしまっては私たちが待機している部屋へとすぐに到達されてしまう。 「ただいまー。結構疲れるね」 「お疲れ様です。では次は私が見張りに行きます」 映姫はイスから立ち上がるとヤマメに手を出す。ヤマメはMINIMI軽機関銃と携帯電話を渡した。 その2つを受け取ると、映姫は廊下を歩いていった。 つまり、篭城とはこういうことである。 1階の出入り口はすべてバリケードで封鎖。そして、私たちがいる2階は1人が外に沿って巡回、哨戒。 1人が休憩をとり、1人が正門のあたりを監視。 このサイクルを一コマ30分。 この状況をサッカーで例えるならディフェンスが8、ミッドフィルダーが1、フォワードが1の超フルディフェンスな陣だ。 守りを固めることによって相手は動きを制限される。相手とは紅魔館を訪れるすべての者を指す。 相手がゲームに乗っているなら、迎撃。乗ってなかったとしても、足止めをすることによって相手が本当に乗っていないのか判断することが出来る。 そして、何より、この要塞化はマーダー避けにもなる優れものの布陣だった。 マーダーの基本的な考えは多くの者を殺したいであろう。 だったら篭城=人がいるという方程式が成り立ち、狙われるのではないか? それは安直な考えだ。マーダーは殺したいという欲求のほかに、自分は死にたくないという殺人衝動を越える欲求を持っている。 マーダーはこの要塞を見てこう考えるだろう。 「この要塞を落とすには手がかかりそうだ」 たとえ要塞を落とすことが出来るほどの力を持っていたとしても、簡単にはいかない。下手をしたら手傷を負うかも知れ無い。 自分が傷つくくらいなら、もっと他の簡単に殺せる参加者を探したほうが安全だ。他のマーダーに任せればいい。 抑止力が働くのだ。 ハリボテの要塞だが、これでしばらくは持ってくれる。果報は寝て待てだ。 今交代したばかり、私は休憩、リリカは監視、映姫さんは哨戒。 私たちの篭城は始まったばかりだ。 【C‐2 紅魔館F2・一日目 黎明 】 【四季映姫・ヤマザナドゥ】 [状態]健康 [装備]MINIMI軽機関銃 残弾(200/200)、携帯電話 [道具]支給品一式 [思考・状況]紅魔館に篭城。哨戒中 【リリカ・プリズムリバー】 [状態]健康 [装備]なし [道具]支給品一式、不明アイテム(1~3) [思考・状況]紅魔館に篭城、正門監視中 【黒谷ヤマメ】 [状態]健康 [装備]携帯電話、MINIMI用マガジン30発(空)、5.56mm NATO弾(100発) [道具]支給品一式、不明アイテム(1~3)、不明アイテム(金属製の武器) [思考・状況]紅魔館に篭城、休憩中 ※紅魔館1階の出入り口はすべてバリケードが張られています。 ※紅魔館2階にはブービートラップが張られています。 映姫に支給されたのはMINIMIと携帯電話2つと不明1です。 携帯電話は電波が立っていて、通常機能のほかに、2台を1ボタンで通話可能に出来る機能がついている特殊仕様です。 哨戒に必要ない荷物は休憩中の者が預かっています。 20 奇跡のダークサイド 時系列順 23 揺れる第三の瞳 20 奇跡のダークサイド 投下順 22 家族が笑うとき 四季映姫・ヤマザナドゥ 27 消えないこだま/Haunting Echoes リリカ・プリズムリバー 27 消えないこだま/Haunting Echoes 黒谷ヤマメ 27 消えないこだま/Haunting Echoes
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99式雷電のぬいぐるみ ※和錆が、今まで出会った雷電たちを思い出しながら、ひと針ひと針丹精込めて縫い上げて作ったぬいぐるみ。 ストラップになるくらいのサイズであるらしい。 「自分の作ったぬいぐるみにまで嫉妬したりして」 「…………」
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《四式地上用外骨格「チト」》 セイバー開発以来、日本はフィーンドに制圧された東アジア・東南アジア諸国の解放を支援する「大東亜共栄圏」構想に基づく作戦を展開している。 だが、帝国陸軍が有する地上戦用機材は1942年までの南方作戦当時の戦訓を十分に活かしているとは言えず、特に力場貫徹力に問題があった。 この有り様では外地の継続的な防衛は困難という判断のもと、世界水準に合わせて新造された機体が「チト」である。 事実、コアの励起能力と冷却性能を旧来以上に高めた新式の発動機により、総合的なパフォーマンスは従来型より大きく向上。 目新しい部分はないが、既存の技術を堅実にブラッシュアップした「チト」は、今後帝国陸軍の主力として台頭していくだろう。 外観は陸戦セイバーのスタンダードに近く、膝および肘の関節から先、胸から臍にかけてを国防色の装甲が覆う形態。 インナーの清潔性を保つことが難しい東南アジア戦線での継続的な戦闘を想定しているため、軍服での着用が基本となる。 頭部はおわん型のヘルメットで防護され、通信機やマイクといった機能もここに集約されている。 移動用のキャタピラは脹脛装甲に懸架されており、使用時には踵に設けられた「コ」の字の窪みに陥入。 ソールの小型履帯と合わせて高速走行が可能である上、砲撃時の接地面積を拡大する効果もある。 戦地の兵士によると、チャームポイントは左右の腰を防護する前が空いたスカートのような形状の防盾だとか。 【兵装】 二式自動砲 セイバー実用化以前、1937年から使用されてきた「九七式自動砲」の後継機種にあたる20mm口径の対フィーンドライフル。ガス圧作動方式。 小隊運用を前提とした対戦車ライフルであった九七式とは異なり、当初から完全にセイバーの運用を前提として開発されている。 そのため後脚の省略や二脚の小型化といった変更が加えられ、銃身長120cmに対して、全長154cm・重量45kgと(比較的)コンパクト。 装弾数は10発で、予備弾倉は両腰防盾の内側で保持されている。 肝心要の威力も十分で、チトのコア出力で使用すれば射程700mでカテゴリー3フィーンドの力場を貫通し、接射すればハイブの隔壁を容易く破砕する。 散開した軟目標に対処するために榴弾を発射することもでき、取り回しはよくないものの汎用性は高い。 また銃身下部には着剣が可能。カテゴリー1のフィーンドであれば、銃剣(というより槍)としての運用で十分に対処できる。 九九式特装機関銃 1939年にロールアウトした7.7mm口径の軽機関銃がベースの、セイバー用副武装。 今となっては旧式だが、高い信頼性ゆえに対小型フィーンド用に割り切った上で現役を保つ。 生身の歩兵でも使用可能な火器でも、フィールドへの干渉能力があるとないとでは有用性に天と地ほどの差が生じるという好例である。 多くの場合、排莢方向の都合から右肩フレームに装備され、引き金を引かなくてもコアを介して論理トリガを作動させ射撃が可能。
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全21種(現段階で確認できる限り) 「Sinterpol Armory」という自販機から購入ができます。 格闘(全三種) 名称 入手方法 トリオメガ 武器ショップで購入 神のハンマー 『召喚パワーを手に入れろ』をクリア ユリエルズ・エッジ (七つの大罪武器:嫉妬) 『マーシャル・グラウンドを乗っ取れ』をクリア ピストル(全三種) 名称 入手方法 45口径フレッチャー 初期装備 エネルギーキャスター 武器ショップで購入 敵デーモンからドロップ ギャローズ・ドッジャー(七つの大罪武器:高慢) 『デックスを始末しろ』をクリア サブマシンガン(全三種) 名称 入手方法 エクソダス10 武器ショップで購入 敵グレネーダーからドロップ ブリムストン・ベルチャー 武器ショップで購入 敵飛行デーモンからドロップ ダイヤモンド・スティング(七つの大罪武器:強欲) 武器ショップで購入 ショットガン(全三種) 名称 入手方法 ダムド・インペイラー 武器ショップで購入 敵デーモンからドロップ アルター社製ソウルスイーパー 武器ショップで購入 敵デーモンからドロップ ブーム・チカ(七つの大罪武器:色欲) 『黒髭の宝箱を集める』をクリア ライフル(全三種) 名称 入手方法 アルター社製軽機関銃 武器ショップで購入 敵デーモンからドロップ 溶岩キャノン 武器ショップで購入 敵デーモンからドロップ アルマゲドン・チェア(七つの大罪武器:怠惰) 『リラックス・タイムをクリア 重火器(全三種) 名称 入手方法 アルター社製ロケットランチャー 武器ショップで購入 敵デーモンからドロップ リトル・クローカー 武器ショップで購入 敵グレネーダーからドロップ 契約の箱(七つの大罪武器:憤怒) 手配度6になったときにごくたまに出現するゲンキ(猫)を倒す 特殊武器(全三種) 名称 入手方法 マクマヌス2020 武器ショップで購入 敵シャドウデーモンからドロップ ラスト・サパー(七つの大罪武器:暴食) 三つの『タコス・マロス』を訪れる 道化師のドクロ 予約特典
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武器一覧 今までに公開されたトレイラーやゲームプレイ映像等で確認できた武器の一覧です。 新しい情報が入り次第、随時加筆修正していってください。 ※武器情報の詳細はこちら ハンドガン M1911 .357 Magnum …アタッチメントでソードオフ可。 Makarov …アキンボを確認。 Cz75 ASP サブマシンガン MAC-10 …アキンボを確認。 MP5K …ゲーム中に登場するものはH K MP5Kのプロトタイプ。 Skorpion …アキンボを確認。 SITES Spectre M4 アサルトライフル Famas …FAMAS G2 FELIN、フルオート。 AK47 AK74u Galil AUG …スコープ付きのものとアイアンサイトのもの両方を確認。 Commando …CommandoとはAR-15のカービンモデルの総称。 M16 …3点バースト。 M14 …30発弾倉のM14E2/A1も確認。 G11 …H K G11、ケースレス弾を用いた自動小銃。3点バースト。 FN FAL ENFIELD …Enfield XL64 ショットガン SPAS …セミオート M37 …イサカ M37、装弾数4発のポンプアクション。 KS-23 上下二連散弾銃 軽機関銃 RPK …RPK-74、45発箱型弾倉。サーマルスコープを装備できることも確認。 HK21 …30発箱型弾倉 M60 …装弾数100発 スナイパーライフル AI Arctic Warfare …ボルトアクション。 Carcano M91/38 …ゲーム中では未確認。 Dragunov …スコープ内のレティクルも再現。 WA2000 …MW2に引き続き登場。 ランチャー RPG-7 XM191 …4連射 M72 LAW China Lake Launcher …ポンプアクション式グレネードランチャー グレネード M18 Smoke Grenade Mk2 Hand Grenade M7 Gas Grenade その他 Crossbow …矢先に遅延式のくっつき爆弾。 M134 Minigun …撃ちながら歩くことができる。 Flamethrower …Famasにアタッチメントとして装備できることを確認。 Grenade Launcher …アタッチメント
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【エネミーデータ】 《データの見方》 名前:エネミーの名前です 種別:エネミーの種別です。獣、機械、人、植物など、多種多様の種別があります。 撃破達成値:エネミーを一撃で倒す場合の達成値です。攻撃に成功した場合、Masterはこの数値より少ない数値でも撃破できるようにしてください。 攻撃基準達成値:エネミーを攻撃する場合の達成値の基準です。この達成値を最低値として、相手に与える戦闘ダメージなどが高い達成値などを設定してください。 この達成値を2~4回くらい達成したら、エネミーは死ぬと思ってください。そのあたりのさじ加減はMasterが決めてください。 防御基準達成値:エネミーからの攻撃を防御する場合の達成値の基準です。この数値をちょうど真ん中くらいとして、この数値より低い達成値なら守り切れず基準との差分のダメージを。 この数値より高い達成値なら反撃に成功して相手にダメージを与える、と思ってください。どの達成値を失敗しても、失敗ならダメージは達成値そのままです。 説明:そのエネミーの具体的な説明です 《ランク》 エネミーのランクです。E~Sまであり、攻撃基準達成値を基準に決められています。戦うに適するDSPが大体決まります。 あくまで目安ですので、Masterはよく考えてエネミーを使用してください。 E:攻撃基準達成値20~40:DSP10~12 D:攻撃基準達成値50~80:DSP13~19 C:攻撃基準達成値90~130:DSP20~24 B:攻撃基準達成値140~190:DSP25~29 A:攻撃基準達成値200~280:DSP30~39 S:攻撃基準達成値290~430:DSP40~50 このデータ集では、一つのランクにつき6種類のエネミーを紹介しています。このデータを基準にして、Masterは自由なエネミーを作りだして構いません。 紹介しているデータは『陸上にいる生物』『陸上で使われる機械』『水上にいる生物』『水上で使われる機械』『どちらにも現れる生物』『どちらでも使われる機械』です。 《ランクE》 名前:羽虫の群れ 種別:虫 撃破達成値:70 攻撃基準達成値:20 防御基準達成値:50 説明:群れを作って様々なものに襲いかかっては喰らい尽す雑食昆虫の群れです。 名前:ガンカメラ 種別:機 撃破達成値:60 攻撃基準達成値:30 防御基準達成値:60 説明:監視カメラに軽機関銃が付随しているものです。敵を見つけると攻撃してきます。 名前:ヘビクラゲ 種別:他 撃破達成値:70 攻撃基準達成値:40 防御基準達成値:50 説明:シビレ毒をもつ刺胞(触手)で生きものの動きを止め、体内に取り込んで溶解液で解かして食べる生物。その対象は人間も例外ではなく、動きを止められるとじわりじわりと死を味わうことになる。 名前:漁船 種別:機 撃破達成値:60 攻撃基準達成値:40 防御基準達成値:30 説明:一般的な漁業船。自衛用に機関銃を積んでいる。攻撃すると撃ち返してくる場合もあるが、大抵は逃走する。 名前:ソルゲーター(子供) 種別:獣 撃破達成値:70 攻撃基準達成値:30 防御基準達成値:70 説明:海を泳ぐことのできる、特殊な鱗をもった変わったワニです。1m半程度の大きさですが、成長するともっと大きく強力になります。 名前:サイファー 種別:機 撃破達成値:50 攻撃基準達成値:20 防御基準達成値:70 説明:プロペラによって空中を移動して偵察や警戒をするガンカメラです。強度はなく速度もありませんが、死角から攻撃してくるのでかわすのが難しいです。 《ランクD》 名前:オオサソリ 種別:虫 撃破達成値:110 攻撃基準達成値:50 防御基準達成値:80 説明:巨大な爪と毒液を発射する尻尾で獲物の動きをとめてゆっくりと咀嚼する危険な生物です。動きはのろいですが、一撃には重みがあります。 名前:無人戦闘二輪“煌” 種別:機 撃破達成値:100 攻撃基準達成値:60 防御基準達成値:70 説明:機銃を装備した偵察用オートバイです。AI制御によって姿勢を保ち、的確な射撃を行ってきます。新兵の練習台にも使用されます。 名前:ソード・マーメイド 種別:人 撃破達成値:100 攻撃基準達成値:80 防御基準達成値:100 説明:美しい女性の上半身に魚の下半身をもつ人魚ですが、その手には大振りの青龍刀を携え人や兵器を襲ってきます。その刃にかかれば小型の船舶はひとたまりもありません。 名前:巡視船 種別:機 撃破達成値:130 攻撃基準達成値:50 防御基準達成値:80 説明:偵察、巡回を主とした船舶です。軽機関銃や機関砲を装備しているので火力はありますが、船の強度はそれほどではないので戦艦などにかかればすぐにでも沈んでしまいそうです。 名前:ロック 種別:獣 撃破達成値:120 攻撃基準達成値:70 防御基準達成値:70 説明:猛禽類の様な翼を持った肉食獣。視力が高く、高空から獲物を見つけると急降下して襲いかかります。海上にも現れ、初心者の探検家にとって脅威は脅威です。 名前:偵察ヘリ 種別:機 撃破達成値:110 攻撃基準達成値:50 防御基準達成値:90 説明:一般的なヘリコプターに機関銃や対空砲などを付随して戦闘用にチューンアップした機体です。空中からの攻撃はかわすのが難しく、威力も高いので厄介です。 《ランクC》 名前:陸龍の幼生 種別:龍 撃破達成値:210 攻撃基準達成値:90 防御基準達成値:130 説明:四本の足で大地を駆けまわる“龍”の一種、陸龍の幼生です。大きさは象程度ですが、強靭な脚力による突進攻撃は人間にとっての脅威です。 名前:戦闘用ジープ 種別:機 撃破達成値:190 攻撃基準達成値:110 防御基準達成値:110 説明:軽機関銃を装備し、悪路を走破する4WDの戦闘用ジープです。強固なバンパーも装備しており、突撃攻撃も行えます。 名前:水龍の幼生 種別:龍 撃破達成値:180 攻撃基準達成値:100 防御基準達成値:160 説明:脚や背中などのヒレで水中を自在に泳ぎ回る“龍”の一種、水龍の幼生です。巨大なサメくらいのサイズですが、口から圧縮して高水圧になった水を吐き出します。 名前:巡洋艦 種別:機 撃破達成値:170 攻撃基準達成値:100 防御基準達成値:120 説明:機関砲や魚雷、ミサイルなどの最新鋭の武装を積んで、高性能のレーダーを搭載した強行偵察用、もしくは自衛用の戦闘艦です。 名前:風龍の幼生 種別:龍 撃破達成値:170 攻撃基準達成値:130 防御基準達成値:150 説明:巨大な翼で天を翔ける“龍”の一種、風龍の幼生です。大きさは他の龍ほど大きくありませんが、動きが素早く攻撃を当てることが難しい相手です。 名前:戦闘用ヘリ 種別:機 撃破達成値:230 攻撃基準達成値:90 防御基準達成値:110 説明:機関砲や対空ミサイルなど、偵察用のヘリよりも火器を多く積んだヘリコプターです。一撃で落とすためには強力なミサイルや砲撃などが必要となるでしょう。 《ランクB》 名前:ミノタウロス 種別:獣 撃破達成値:280 攻撃基準達成値:170 防御基準達成値:190 説明:牛の頭をもち人の身体をもつ巨大な怪物です。発達した腕での攻撃や巨大な角での一撃は強力です。 名前:無人二足歩行戦車“疾風” 種別:機 撃破達成値:240 攻撃基準達成値:150 防御基準達成値:180 説明:強靭な機械の脚をもち、どんな悪路でも関係なしに走ることができる無人戦車です。腕はありませんが、胴体には対人機関銃やミサイル、自爆装置も装備されています。 名前:セイレーン 種別:霊 撃破達成値:300 攻撃基準達成値:145 防御基準達成値:210 説明:美しい歌声で航海者を惑わし、恐怖の海域に誘いこむ海の悪霊です。一撃で倒そうとするのではなく、追い払うのが得策でしょう。その美しい歌声を遮ることは、高級耳栓でも不可能です。 名前:主砲搭載艦 種別:機 撃破達成値:260 攻撃基準達成値:140 防御基準達成値:200 説明:強力な火砲を搭載した戦闘艦です。一撃の威力が重く、強固な外装をもつ海戦の要です。 名前:炎龍の幼生 種別:龍 撃破達成値:230 攻撃基準達成値:190 防御基準達成値:200 説明:口から炎を吐きだし、強靭な翼で空を翔ける“龍”の一種、炎龍の幼生です。他の龍に比べて気性が荒く、攻撃的な性格をしています。 名前:無人強撃航空機“鳳” 種別:機 撃破達成値:220 攻撃基準達成値:140 防御基準達成値:180 説明:大きな翼と小型の胴体をもつ無人機です。ジェット機よりも遅く、ヘリよりも機動性は悪いですが、ちょうど中間あたりの性能でサイズも小さく、森や街などで能力を発揮する戦闘機械です。 《ランクA》 名前:地龍“レックス” 種別:龍 撃破達成値:330 攻撃基準達成値:240 防御基準達成値:260 説明:成長して二足歩行が可能になった地龍の成体です。高速の突撃はそのままに、身体は大きく肥大化し、前足による攻撃が可能になったためより一層の脅威となっています。 名前:陸戦用三輪攻撃艦“朧螺” 種別:機 撃破達成値:500 攻撃基準達成値:260 防御基準達成値:320 説明:「ろうら」という名前の巨大な陸上戦闘用戦艦です。大きな車輪を前方に一つ、小さな車輪を後方に一つ持ち、その車輪で敵を蹂躙しつつ、強力な火砲で攻撃します。 名前:水龍“リヴァイアサン” 種別:龍 撃破達成値:310 攻撃基準達成値:260 防御基準達成値:290 説明:身体が巨大化し、さらに強力な水流を吐き出すことができるようになった水龍の成体です。高速で水中を『飛びまわる』、恐ろしい海のハンターです。 名前:戦略目的撃破用潜水艦 種別:機 撃破達成値:420 攻撃基準達成値:200 防御基準達成値:280 説明:敵の戦艦や、要所を攻撃するためにある潜水艦です。魚雷に加えて、核弾頭を少量搭載した切り札的な兵器です。見えない水中からの攻撃は、実被害だけでなく恐怖などの二次被害も生むことでしょう。 名前:風龍“ワイバーン” 種別:龍 撃破達成値:280 攻撃基準達成値:220 防御基準達成値:380 説明:巨大な翼をもち、そこから発せられる衝撃波に加え、甲高い叫び声で敵の動きを封じる、風龍の成体です。皮膚は柔らかく強力な攻撃をもってすれば一撃ででも倒せますが、一度攻撃を喰らえばその被害は甚大です。 名前:大型飛空攻撃艦“嵐雲” 種別:機 撃破達成値:300 攻撃基準達成値:200 防御基準達成値:350 説明:低速で空を飛び、戦闘機や搭載兵器で敵を攻撃していく飛行戦艦です。爆撃攻撃は下にいる人間にとっての脅威です。発見次第撃墜するか、素直に逃げるのがいいでしょう。 《ランクS》 名前:霧の王 種別:幻 撃破達成値:580 攻撃基準達成値:360 防御基準達成値:420 説明:突然現れて難問奇問を問いかける、幻の怪物です。霧の深い島で彼に出会うことが多いことから、霧の王と呼ばれます。不可視の剣と強固な鎧をもち、高い戦闘力を持ちます。 名前:核搭載大型多脚戦車“蛇蝎” 種別:機 撃破達成値:580 攻撃基準達成値:430 防御基準達成値:440 説明:八本の足でどんな悪路も走破し、核弾頭を撃ち出す衝撃も打ち消す恐ろしい兵器です。脚での攻撃、付随する兵装での射撃、ミサイル攻撃など多彩な攻撃方法をもつ、戦略兵器です。 名前:幻影龍“不知火” 種別:幻 撃破達成値:600 攻撃基準達成値:400 防御基準達成値:400 説明:夜の海に現れる、青い炎をまとった美しい龍です。この龍を見た船には幸運が訪れると言われますが、襲われた場合生きて帰れる保証はまずありません。 名前:原子力戦闘艦 種別:機 撃破達成値:800 攻撃基準達成値:400 防御基準達成値:300 説明:核融合炉で機動する戦艦です。強力な兵装は積んでいませんが、強固な装甲を持ちなかなか沈みません。沈没ではなく破壊してしまうと、爆発が大きくなってしまう可能性があります。 名前:炎龍“バハムート” 種別:龍 撃破達成値:520 攻撃基準達成値:390 防御基準達成値:530 説明:燃え盛る紅蓮の炎に身を包む、炎龍の成体です。その他の龍に比べ気性も荒く、また能力も高いため、高ランクに位置づけられています。 名前:人造龍“ギドラ” 種別:機 撃破達成値:700 攻撃基準達成値:340 防御基準達成値:390 説明:三つの首をもった、機械で出来た龍です。龍に対抗するべく作られた兵器で、地・水・風の龍の力を持っていると言われています。
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(投稿者:LINE) 登録タグ一覧 【 LINE ルインベルグ】 唸るように響いてくる地鳴りと共に押し寄せてくるGの群勢。 立ち塞がる全てを噛み砕き、飲み下し、踏み潰さんとする異形種達の濁流。 破滅と絶望を孕んだ黒い津波が押し寄せてくる。 地平の彼方から迫り来るGを目にして、これを迎え撃つべく対峙していた兵士達は息を呑んだ。 神ならぬ人の身である彼らからすれば、まさに地獄が顕現したかのような光景だろう。 だが、しかし。 もしも押し寄せるこの悪夢を、たった二本の槍が押し止められるのだとしたら、それは神の御業と同義に映るのではないか。 なぜなら彼らは、神ならぬ人の身であるのだから。 「シェアリング・コードβ、リンクレベル1」 Gの群勢の中央を一条の閃光が突き抜けた。 轟音と、それに遅れてやってきた衝撃波(ソニックブーム)によって、重厚な甲殻を持つGの体躯が幾つも宙に捲き上げられてく。 次々とその衝撃の渦に飲み込まれていったGは、甲殻が押し潰されて弾け飛び、四肢は寸断されて力無く宙を舞い、やがてボトボトと音を立てて地面に落ちていく。 Gの群勢という黒い津波。恐怖と絶望の大海。 それを引き裂いたのは、神ヤハウェより十戒を賜わった聖人が起こした信仰の奇跡ではない。 Gの大海を引き裂いたのは、ただ、ただ、単純に強大な砲撃とその衝撃波。 プラチナブロンドの戦乙女が携えた、巨大な騎兵槍から放たれた一撃だ。 「シェアリング・コードα、リンクレベル3」 「おっけぃ。 ゲート、オープン!」 レーゼが機械的な文言を口にすると、ローゼが軽く頷いて了承の意を示した。 二人の間を循環し続けている、目に見えないコア・エネルギーの流れが、熱量を伴って加速していく。 シェアリング・コード。 リンクレベル。 ゲート・オープン。 それらの文言はローゼとレーゼの間で取り決められた、特殊能力“シェアリング”の発動を示す符号だった。 ―――正確には宮廷付きのMAID技師こと、ドクによる助言を受けて決められたものではあったが。 双子のMAID、ローゼとレーゼが持つ唯一にして最大の特殊能力“シェアリング”は、二人の中にあるエターナル・コア《戦乙女の涙》の間を循環するコア・エネルギーを媒介にして、ありとあらゆる感覚や力を共有させるものだ。 全てのMAIDが大なり小なり有している身体強化作用と同じように、ローゼとレーゼのシェアリングもまた、本来であれば常に発動しているパッシヴスキルである。 しかし、ある理由から彼女たちはシェアリングを常に発動させてはいない。 つい忘れがちになるが、ローゼとレーゼはそれぞれ独立した人格を持つ個人なのである。 それ故に、いくら生物学的に極めて近似値を示す双子といえども、四六時中精神を繋ぎ合わせておくことには限界があるのだ。 ほんの僅かな意識の齟齬からでも、ストレスが精神と身体に、澱のように蓄積していくのである。 よって普段シェアリングによる繋がりは意図的に制限(オフ)されており、両者が揃って解除(オン)に切り替えない限り、感覚などの共有が発動することはない。 そしてこの共有(シェアリング)に幾つかの分類と段階(レベル)を設けることで、ローゼとレーゼは相互の繋がりの度合いを調整していた。 シェアリング・コードα、リンクレベル1とは、視覚や聴覚といった外的な知覚情報を共有することを意味する。 つまり、お互いが見聞きした情報を共有できる状態だ。 アルベルトの私室でトランプを行った際に使用したことで、シェアリングが露見する切っ掛けとなった。 シェアリング・コードβ、リンクレベル1は、双子のエターナル・コア《戦乙女の涙》の間を循環しているコア・エネルギーを乗算加速させることを意味しており、これによってMAIDが元来持っている基礎能力を爆発的に上昇させることができる。 そしてシェアリングコードα、リンクレベル3では思考をはじめとする全ての感覚、リンクレベル1~2の領域も含めて、いわゆる精神と呼ばれるものを完全に共有する。 エターナル・コア《戦乙女の涙》の特性を最大限に発揮した状態だ。 このリンクレベル3の発動をもって、ローゼとレーゼは“二つの体を持った一つの個体”として機能することが可能になる。 「吹っ飛べえぇぇぇッ!!」 斉射の位置、タイミングについては、繋がった精神を通じて既に二人の間で意志疎通が終わっているが、それでも口に出して叫んだのは、気合いを込めるという意味合いが大きかった。 水平に構えられた二振りのグングニルの先端が、向かってくるGの群れに向けられる。 強烈な爆発音が鼓膜を嬲り、空気が震える。 二股に開いたグングニルの先端から飛び出した衝撃波が、陽炎のように揺れる空気を引き裂き、Gの群勢の中央を再び貫通して大穴を穿った。 二人が使用しているのは、グングニルに備えられた砲撃機能である。 内部シリンダーの弁を解放することで、射突機構(パイルバンカー)を動作させるために回転式弾倉に籠められている弾薬の爆発力を、外に向かって放出する機能。 これは予備排莢システムの副産物として付与された機能であるため、本来であれば至近距離に爆風を撒き散らす程度の威力しかないのだが…… 「もう一丁!!」 「いっけぇぇぇー!!」 三度、暴風がGの先頭集団に食らい付いた。 シェアリング・コードβ、リンクレベル1によって乗算加速された二人のコア・エネルギーは、MAIDが持つ強化作用を爆発的に押し上げている。 おまけ程度の砲撃機能でGの群れを吹き飛ばせるのは、それだけグングニルに反映されたコア・エネルギーによる威力強化の度合いが凄まじいということなのだ。 矢継ぎ早に繰り出された砲撃によって、接敵前から多数のGを屠ることに二人は成功していたが、未だ戦況の趨勢を覆すには至っていない。 天上に向けて垂直に立てたグングニルの石突きでとんと地面を突き、槍底から今しがた撃ち終えた空薬莢を全て排出して、新たな弾薬を内部の回転式弾倉に籠める。 残りの弾薬も数が限られてくるなか、駆け出したローゼとレーゼの姿は、既にGの群勢の真っ只中にあった。 全方位からワモンタイプと呼ばれるGが、生え揃った牙を、鋭い棘を、伸びた爪先を、蟲動する触角を、少女たちの白い柔肌へと伸ばす。 「…… ……」 既にローゼとレーゼの間に言葉はない。要らない。 時間がゆっくりと廻る。 第三者から見れば二人の命を刈り取るべく、Gが猛然と襲いかかっているおぞましい光景。 しかし当のローゼとレーゼにしてみれば、その光景はとてもゆっくりと流れているように見えていた。 シェアリング・コードα、リンクレベル3。 循環するコア・エネルギーを通じて全ての感覚・精神を共有させた二人の中では、全ての情報が超高速で処理されているため、Gの動きはスローモーションのように感じられていた。 シェアリングによって拡大された知覚は、周囲の情景を360度余すことなく二人にもたらしてくる。 背後、完全な死角から迫ったワモンの爪を、ローゼは身を屈めて躱した。 標的を見失ってたたらを踏んで躍り出てきたワモンを、レーゼのグングニルが刺し貫く。 ガラ空きになったレーゼの背中に、数匹のワモンが飛び掛かったが、屈んだ姿勢から一息に跳躍したローゼが、グングニルを振りかぶって纏めて蹴散らした。 全ては予定調和の内にある。はじめから背後を心配していなかったレーゼは、流れるような動作で軽機関銃を取り出した。 独特の太いバレルジャケット。そしてフラットパンと呼ばれる円盤型弾倉が特徴的なその銃は、かつてローゼとレーゼがオカマなイケメンのMALE(ハイディ)と遭遇した、アルトメリア義勇軍の倉庫から持ち出されたものだった。 後日オカマが言ったとおりに、アルトメリア義勇軍が撤退した後に訪れた倉庫の片隅で、ローゼとレーゼはこの軽機関銃を発見したのだ。しかもご丁寧に2丁も。 倉庫に置き去りにされていた銃は、そのどれもが使い古された旧式ばかりだったのだが、二人はそんなことまったく気にしなかった。 むしろ倉庫で埃をかぶっていたこの銃の、独特な形状と骨董品めいた美しさを大層気に入っていた。 よりによってなぜそんなもの拾ってきたと頭を抱えたシーマに、二人はこう言ったという。 「だってザ○マシンガンみたいな形だし」 「ねー」 ルイス軽機関銃が連続して火を噴いた。 旧式にも関わらず重厚な火薬の破裂音を響かせたそれは、Gの体躯に次々と穴を穿っていく。 続いてローゼもルイス軽機関銃を取り出すと、二人はステップを踏むように、Gの群の真ん中で次々と立ち位置を変えながら、互いの隙を補いながら弾丸を散蒔いていく。 優美さすら感じさせる一連の動きは、まるで踊っているかのようだった。 弾倉内の弾丸を撃ち尽くすのとほぼ同時に、ローゼとレーゼはぴったりと背中を合わせる形になった。 その体勢から二人は同時にグングニルを水平に構えてトリガーを引き絞る。 空気を震わせる爆発音。 続いて先端から爆風の放射が始まると、そのまま二人は脚を交差させてグングニルを振り回した。 回転することで全方位に向けて放たれた衝撃波が、Gの巨大な体躯を捲き上げて空気の渦の中でバラバラに解体していく。 疾風怒濤の勢いで屠られていくGの群勢。 ローゼとレーゼは双子特有のシンパシーの力を、シェアリングで身体に同調させている。 完全に同調したMAID二人の力は単なる足し算で終わらない。 ローゼとレーゼを造り出した男は、かつて円卓会議の場に居並ぶ議員達を前にしてこう言い放った。 “このように思考と視野。 この二つが共有されるだけでも、実戦時における戦闘効率の向上は、目覚ましいものがあるでしょう。 ―――私が試算するに、その戦力は2倍ではなく2乗に相当するかと” あれは誇張表現でも何でもなかったのだ。 “感応し、共有する能力……シェアリングがある限り、あの双子(Links)は無敵です” 累々たる死屍を荒野にさらすGがそれを証明していた。 戦端が開かれてから短時間のうちに数百体にも上るGを葬り去ることができた二人。 討ち漏らしたGも僅かにはいるが、そちらについては後方に築かれた防衛線に任かせておく他はない。 ひととおり先行していたGの一群を掃討し終えたローゼとレーゼは、さらに後方の群れへと突っこんでいく。 対してどれだけ同族を打ち倒されようとも、恐怖という感情を持たないGが猛然と二人に群がってくる。 「―――すっぱりさっぱり死んでくれや! 阿婆擦れ共が!」 その時、蟲の嘶きとは異なる、明確な敵意を込めたコトバが、突如として少女たちの背に浴びせられた。 次々と襲い掛かってくるGに紛れて、黒い影が急迫する。 HOME BACK NEXT 関連項目 ローゼ&レーゼ
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79 :taka:2014/07/15(火) 04 16 55 米軍の沖縄攻略時の初期。 このようなジョークが米兵の間で流行った。 『北部に近いだけ天国に近づき、南部に下がるだけ地獄へと近づく』 これは、抵抗が全く起きずに易易と占領できた北部。 今もなお激しい抵抗が継続されている南部との比較をさす。 上陸後、北部と南部を分断し各地の制圧を開始した米軍であったが、その差は歴然だった。 遅滞任務部隊の細細とした誘引撤退の後、主要陣地へと到達した米軍は猛反撃を受けた。 メートル単位で進むのに損害を出し、血と肉を代償に敵地を占領していく激戦の大地。 それと比較すればあまりにも北部の占領は容易かった。 各地に残され破棄された監視哨と、軍の指定により避難していた数万人の沖縄県民達だった。 (戦後の調査によると県民の疎開は軍によって積極的に行われ、かなりの数が疎開船団により九州や台湾へと逃れていた。 ただ、疎開の勧告と促進にも関わらず沖縄の地を離れるのを拒む住民が多数存在したらしい) 彼らを簡単な収容所に隔離した米軍は各地を掃討したが拍子抜けする程抵抗は無く北部の掃除は完了した。 敵が存在しなかったのだから当然だろう。あちこちに残る残骸や破壊された設備だけだった。 米軍は「主戦力と防御陣地を南部に集中させた日本軍の戦術の結果」と判断した。 あちこちに検問と監視哨が作られ、警邏部隊が巡回をしたものの、ただそれだけだった。 ドロドロと砲撃と炸裂音が絶えず鳴り響く南部と異なり、北部はまさに平穏そのものだった。 数十キロを堺にした天国と地獄。南部の激戦地で戦う兵士達は、のんびりと警邏任務を行えばいいだけの北部の兵士達を羨んだ。 そう、初期はそう言われた。初期の頃は。 『ギゴウヨリカクタイヘ、ジョウキョウヲカイシセヨ』 謎の通信が雨季の始まりつつある沖縄に発せられた。それが始まりだった。 小雨が降り注ぐ夕暮れ、十数両のトラックが泥濘始めている道路を走っていた。 上陸地点から揚陸された補給物資を前線へと届けるための輸送部隊だ。 護衛のための軽装甲車が先頭を走っているが、車長が雨を嫌って車内に引っ込んでいる有り様だ。 油断も仕方ないと言える。上陸地点から前線への補給路が攻撃されたのは時折飛んでくる夜襲部隊の航空攻撃であり。 陸兵などによる伏撃はただの一度も存在しなかったのだから。 そう、今の今までは。 「来たぞ、攻撃用意」 鋭い眼光を眼鏡に隠した男が、側にいる兵士に告げる。 米軍車両の数えきれない轍が刻まれた道路の横に広がる背の低い灌木と茂み。 そこに潜む2個小隊の兵士達は、雨の中無音で獲物が横腹を見せるのを待っていた。 「攻撃、用意」 静かな伝令の一言で、彼らは獲物に突き立てる刃を構える。 彼らは通常の軍服の上に、ドイツ武装SSが着ているような迷彩ポンチョをかぶっていたのである。 加えて身体のあちこちに草木の枝を引っ掛けている為、暗がりも相まって彼らへの視認率はかなり落ちていた。 その手には陸軍主導で開発された四式自動小銃、百式短機関銃(着剣機能と二脚は無い) 擲弾筒、九十九式軽機、対破甲無反動砲(パンツァーファースト)、ロタ砲…… 各地の隠匿集積所から持ち出してきた兵器の数々が、トラック達が来るのを待っている。 そしてスピードを上げもせず下げもしないトラックの車列が間合いに入ってきた直後。 80 :taka:2014/07/15(火) 04 17 33 「てぇ!」 先頭の装甲車の横っ腹にロタ砲の一撃が浴びせられたのが始まりだった。 運転手が死傷したのか、道路脇の灌木に突っ込む装甲車。 いきなりの攻撃と装甲車の大破に動転したトラック群だが、彼らにはスピードを上げる事も脇道に逃げる事もできなかった。 無反動の一撃で横転するトラック、擲弾筒で運転席が吹き飛ばされ脇道へと突っ込むトラック。 横転したトラックに慌てて急停止するものの、後ろから続いてた別のトラックに追突され多重事故を起こす。 慌てて飛び出した護衛の米兵たちは、四式自動小銃や百式、軽機の集中射撃によりバタバタと撃ち倒されていく。 派手な爆発音と共に、最後尾に居たトラックが爆発する。燃料か弾薬でも運んでいたのだろう。 「よし、トラックは殲滅した。撤収だ、警邏隊が来る前に引くぞ」 男、中尉の命令が発せられると共に、攻撃を終えた兵士達は素早く茂みをかけ後方へと下がっていく。 中尉もキャンプファイヤー・ロードと化した道を一瞬見据えた後、素早い動きで茂みの奥へと駆け込んでいった。 残されたのは炎上、小爆発を繰り返す二度と動かぬ車列と、僅かな「ヘルプ、ヘルプ…」といううめき声のみ。 この日、後方の補給路を移動していた補給段列が複数攻撃され、数十両の車両と膨大な物資、輸送に従事していた多数の歩兵が死傷した。 最初は前線からの敵歩兵の浸透かと思われた。次は、最近活動を増してきた夜襲部隊の攻撃だと疑われた。 だが前者は戦線の密集度と激しさからありえないとされた。 後者は攻撃された段列の被害状態、僅かな生存者から否定された。 自分たちは歩兵部隊の攻撃を受けた、飛行機からの攻撃ではないと。 確信は、米軍キャンプの弾薬庫爆破だった。 敵侵入により銃声が木霊するキャンプの端にある、弾薬庫が爆薬によって吹き飛ばされたのだ。 どうやら負傷した侵入者が爆薬で自爆したらしく、他にも複数の車両を破壊した兵士が三人ほど射殺された。 死体の検分を行った将校たちの面付きは険しかった。 カーキ色とは違う緑色の軍服。武装SSを彷彿とさせる迷彩ポンチョと顔にも塗られた迷彩塗料。 装備も短機関銃や自動小銃、爆破装置付きの爆薬と優良だった。 彼らと戦った米兵たちも最後まで抵抗した粘り強さと執拗さを証言した。 「コマンドですよこいつらは。後方撹乱の為に襲撃を仕掛けてきたんだ」 検分に参加していた英軍の将校が、呻くように呟いた。 こうして、北部における米軍の安寧は終わりを告げたのだった。 そう、北部は安全などではなかったのだ。 確かに、大部隊は全く配置されていなかった。 配置されていたのは、2個中隊にも満たない兵士達。 米軍上陸のわずか半月前に輸送機で沖縄に降り立った精兵達だった。 彼らは住民や一般将兵にも知らされてない隠蔽壕に潜み、ただ機を待った。 米軍の注意が南に向き、北に対して無防備に背を向ける瞬間を。 そしてあの電文が届いた瞬間に、彼らは米軍の背中にナイフを突き刺した。 同じく分散隠蔽された小規模な武器庫に隠された武器を手にし各種破壊工作を行ったのだ。 陸軍中野学校卒の士官達に率いられ専門の訓練を受けた兵士達は冷徹に、確実にそれらを実践し成功させた。 斯くして、沖縄は本当の意味をもって地獄の島と化した。 この島に安全な場所など無い、と米軍はその身の痛みを持って知った。 潜入部隊である義烈空挺隊はわずか2個中隊にも見たぬ戦力で米軍後方を撹乱。 増援として空挺降下した『薫空挺隊』、遊撃訓練を受けた高砂兵達と共に終戦まで闘いぬいた。 終戦に投降した生還者は両隊合わせてたった8名のみ。 米軍戦史に『極東の緑の悪魔』と刻まれ恐れられた彼らの戦いは両国で長く語り継がれる事になる。 終わり