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以下、松原謙一・中村桂子『生命のストラテジー』ハヤカワ文庫NF、1996年より抜粋(一部改変) 有性生殖では、子孫を作るために必ず相手を探さなければならない。これは、種の繁殖にとっては、かなり不利なことだ。それなのに、有性生殖をする種の方が優勢になったのは、どこかにその不利を越える有利さがあるからに違いない。ポイントは、原核細胞は《一倍体》であるのに対して真核細胞のほとんどが《二倍体》であるというところにある。 大腸菌は分裂前に細胞の中の遺伝子系(ゲノム)を二つに増やし、その一つずつをそれぞれの娘細胞に渡す。つまり、分裂直前の大腸菌には、ゲノムが二組ある。けれどもこれは、増殖過程でそのような時期があるというだけで、ゲノムを二つ持った一個の細胞として生存するわけではない。そして、この二つのゲノムは互いに同じである。大腸菌は常に一つのゲノムだけを大切に抱えている生物、つまり一倍体なのである。 これに対して、ヒトのような多細胞生物の体を作っている細胞(体細胞)はすべて、父親と母親に由来する対の染色体を持っている。実際には、ヒトの場合、一個の細胞の中に二二対の常染色体と性染色体二本、合計四六本の染色体がある(詳しくは今年の三学期に行う【遺伝子】の授業で触れます)。性染色体だけは女性の場合はXX、男性ではXYという異なる組合わせになる。ところで、ヒトの細胞の中にも、一倍体のものが一種類だけある。生殖細胞、すなわち精子と卵である。これは、減数分裂というこみ入った過程を経て、染色体の数が半分になった特殊な細胞である。一倍体の精子と卵がめでたく融合すると受精卵、つまりヒトの出発点となる二倍体細胞になる。受精卵は通常の分裂(有糸分裂)をして、体の各部分を構成する細胞となり、二倍体細胞の塊ともいえるヒトができあがるわけである。 そこで生物を、大腸菌のような一倍体生物とヒトのような二倍体生物の二つに分類できると簡単なのだが、そうはゆかない。ゼニゴケの場合、雌雄の配偶子が交配をして二倍体の接合子ができるが、それがすぐに減数分裂をして一倍体細胞になる。そしてこれが通常の有糸分裂をする。雑ないい方をすると、ゼニゴケの場合には、われわれの精子と卵に相当する世代が一生の大部分を占めており、受精して生じる体、つまりわれわれの成体に相当する状態での存在期間は非常に短いということになる。有性生殖とは、一倍体と二倍体の間の世代の交代をしながら新しい個体を作ってゆく方法である。進化の過程を見ると、二倍体である期間が長くなる方向に進んだものが多いように見える。 二倍体の説明が長くなったが、この二倍体のおかげで、「性」に伴って遺伝子が混じりあうということの真の有効性が出てくる。生存に必要な遺伝子が変異によってはたらけなくなると、一倍体の場合は死ぬほかない。しかし、二倍体では、一方の遺伝子が”はたらく”ものなら、細胞も、その細胞を持った個体も生きていけることになる。つまり、二倍体の方が遺伝子に起きた変化を変化として次に伝えていけるのである。遺伝子の変化は進化の大きな要因なので、これは多様化の可能性を大にする。事実、二倍体生物の方が一倍体よりはるかに多様である。 一倍体の生物の持つDNAの中で、生死には無関係の変異が起きた場合を考えてみよう。同じニッチに棲む二つの個体に別々に変異が起きれば、この二つの子孫の間にはなんらかの競合関係が生じる。どちらかが勝ちどちらかが負ける……そうなると負けたほうがたまたま持っていたよい性質は消えて、その集団の中に広まることはない。集団の構成員の数が少ないときは、これがとくに問題になる。ところが、有性生殖をしていれば、問題の二つの個体が合体して両方の性質を持った新しい個体が生まれ、両方の性質が子孫に伝わっていく可能性が生じる。これは明らかに有利である。 もう一つ、有性の有利さを示す例をあげよう。一つの遺伝子が変異して、劣性の致死遺伝子(二本ある染色体のうちの一方が変異しても死なないが、二本ともその変異を持つと死ぬ場合をこのように呼ぶ)が生じた場合を考えてみよう。たとえ二倍体であっても、このような個体が無性生殖をしたのでは、その子孫はすべてこの致死遺伝子を受け継ぐので、致死遺伝子はたまっていく一方であり、結果としてはたらく遺伝子が一個だけしかない一倍体と同じことになってしまう。つまり、この遺伝子を持つ個体は消えてゆく運命になり、それと共存するよい性質も失われてしまう。しかし、有性生殖、つまり、いわゆるかけ合わせがあれば、致死遺伝子をまったく持たない個体や二個とも致死遺伝子である個体が生じる。後者は死んで集団から取り除かれ、集団の中には広がりにくい。こうして、致死遺伝子はある程度までしか広がらないし、それといっしょに存在していたよい性質は消えずにすむ。つまり、有性生殖をして初めて「二倍体のメリットがじゅうぶんに得られる」のである。それに、生きるか死ぬかというほどではない性質については、少しずつ違う遺伝子系の組合わせで、両親のどちらとも違った形質を表わす子が生まれてくるのも有利だ。これは、家畜や作物の改良でよく利用されている。 こうして「性」は二倍体の出現と結びついて有効にはたらき、異なる個体の遺伝子を共存させ、混ぜあわせて新しい個体を作りあげ、安定に保つしくみとなっている。それはより多様で、より新しい変化の可能性を期待させるしくみなのである。 生きていくためだけなら、遺伝子は一組持っていればじゅうぶんだ。むしろすばやくふえるためには、そのほうが都合がよい。二倍体生物の場合、ふえるうえでの負担が大きく、そのうえに受精や減数分裂などに必要な複雑な装置を維持しなくてはならない。それでもなお、この生き方を選ぶのは、安定でしかも変化するという生物の大切なストラテジーを容易に実現できるからだろう。 (同書、103~106頁) 関連書籍 ジャック・モノー『偶然と必然 現代生物学の思想的な問いかけ』みすず書房、1972年 福岡伸一『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』木楽舎、2009年 関連ページ 無性生殖と有性生殖
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autolink 【技名】 STF 【読み】 えす・てぃー・えふ 【別名】 【大分類】 クロスフェイス 【中分類】 STF 【小分類】 STF 【開発者】 蝶野正洋 【得意とするレスラー】 【変形技】 クロスフェイス、裏STF、クロス式STF、FTS 【進化系】 【連携技】 【連絡技】 解説 STFとはステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック(Stepover Toehold with Facerock)の略称で、本来はクロスフェイスと呼ばれるルー・テーズ以前から存在する古い技。 うつ伏せの相手の右足を折りたたみ、自らの両太ももで相手のふくらはぎをはさむようにする。 挟んだ相手の足のつま先を外側に向けるようにし、自らの腹で相手の足を固定する事で相手の足首を決める。(トーホールド) 相手に覆いかぶさるようにし、左腕で相手の頬の辺りを抱え、両手をクラッチしフェイスロックを決める。 歴史 ルー・テーズの師匠格であったエドワード・ストラングラー・ルイスの得意技であるクロスフェイスを省略化した技。 クロスフェイス自体はシュート用の技でフィニッシュとして使って居た訳で無いようだ。ルー・テーズ自身はチョッカイをかけてくるレスラーに「お仕置き」として使っていたそうだ。 蝶野とSTF 蝶野正洋が海外修行時代にテーズに「誰も知らない、誰にも負けないフィニッシュ・ホールドを教えてくれ」と頼み、テーズ門下のマーク・フレミングとマン・ツー・マンでレクチャーされたのは有名。しかし、最も重要なことは蝶野がこの地味な技を「他に使うレスラーの居ない、自分だけのフィニッシュ・ホールド」として使いつづけた事に有る。 蝶野のSTFはフェイスロックの部分を通常のフェイスロックにした物で、実際は簡易クロスフェイスと言える。クロスフェイスと言う「テーズ直伝」の技を現代プロレスのスピードに合わせた、クレバーな蝶野らしいアレンジと言えよう。 蝶野が有名にしたSTFだが、それ以降STFを使うレスラーは増えたがフィニッシュに用いるレスラーはなかなか現れない。この技自体が地味で観客を沸かせ難い、判り難い技である事を忘れ、有名レスラーの「粗悪コピー」になっている事が多い。いくら他団体とは言えトップレスラーの決め技を使って試合が決められないのであるなら使わない方が賢明だろう。なぜなら、粗悪コピーが増えれば増えるほど、コピーは完璧を要求され、逆に蝶野自身はオリジナリティが際立つからだ。 また蝶野は自身の代名詞的な技であるこのSTFのバリエーションを幾つか公開している。 蝶野がヒールサイドに回った当時、フィニッシュにしていたのがSTC、もしくはSTSと呼ばれるフェイスロックをチョーク・スリーパーにした技。しかし、これは余り長続きしなかった。チョーク・スリーパーという反則がこの洗練されたイメージの技にはそぐわなかったのだろうか、その後蝶野が発表したバリエーションがクロス式STF。 そして2005年にはFTSを発表している。 初出 まぐまぐ プロレス技データベース MyWiki版プロレス技wiki より転載 関連するリンク クロスフェイス クロス式STF 蝶野正洋 裏STF FTS 名前 連絡事項
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GF13-055NI ネロスガンダム 性能 COST EXP SIZE HP EN 攻 防 機 移 宇 空 地 水上 水中 27800 500 M 13100 128 25 25 27 6 B - B - C 武装 名前 威力 EN MP 射程 属性 命中 CRI 備考 格闘 3500 14 0 1~1 格闘 85% 5 バルカン砲 1500 8 0 1~2 連射 100% 25 銀色の脚 3800 16 0 2~5 特殊射撃 85% 5 虹色の脚 4000 20 30 3~5 必殺技 80% 10 アビリティ 名前 効果 備考 支援防御可能 「支援防御」コマンド使用可能。味方の攻撃を代わりに引き受ける。リーダーエリア内に位置する同チームのユニットが反撃のみ、使用可能。 開発元 開発元 3 ガンダムヘブンズソード 5 デスアーミー 設計元 設計元A 設計元B シャイニングガンダムゴッドガンダムガンダムマックスタードラゴンガンダムガンダムローズボルトガンダムガンダムシュピーゲルライジングガンダムマンダラガンダムガンダムヘブンズソードグランドガンダムノーベルガンダムウォルターガンダムマスターガンダムグランドマスターガンダムデビルガンダム ネモ 開発先 開発先A 開発先B 開発先C 開発先D 2 デスアーミー 3 ガンダムシュピーゲル 4 ガンダムヘブンズソード 5 マスターガンダム 捕獲可能ステージ ステージ ブレイク詳細 捕獲不可 備考 登場作品『機動武闘伝Gガンダム』 MF勢の基本として必殺技持ち。それ以外は飛行不可、射程1が弱いことぐらいか。というより、射程1以外を全て特殊射撃でカバーできることの方が大きい。 ネモとモビルファイターで設計できるので入手しやすく、ここからデビルガンダム開発の足掛かりにするのもいい。 このままでも悪くないがヘブンズソードを目指そう。かなりの戦力強化が見込める。
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コスト ゲーム開始時から装備 デポコスト 1300CP 情報 ハードスーツを呼ぶことの出来るデジグネーターを出す。(詳しくは乗り物のハードスーツを参照。) 左が投下不可状態(ホログラムがオレンジ)。上に障害物がある、もしくは投下可能状態に射線妨害されるとこの状態になる。 右が投下可能状態(ホログラムが水色)。HUDに投下までのカウントダウンが表示される。 詳細 タイプ ハードスーツ クラス 強襲 コメント欄 +... ある意味このゲームの顔とも言えるハードスーツを呼び出す。火炎放射器やロケラン、AMRなど天敵が多い。しかも消費CPが多いと欠点が目立つが、うまく使いこなせば連続キル無双できる・・・はず。 - 名無しさん 2013-02-28 16 46 39ちなみにCPフリー部屋で何台呼び出せるか試したところ、15台まで確認しました。もっといけるかも・・・ - 名無しさん 2013-02-28 16 49 27 正直、デメリットの方が大きい気がする - 名無しさん 2013-10-08 03 27 32 名前
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バランスを壊さない程度の能力と、特技発明が便利で、つい追加したくなる武将。 一見ただの文官だが、兵器適性Aとそこそこの武力と知力があり、育てれば優秀な兵器隊になれる。 やはり劉備軍で弟の関平と共に戦わせたい。 -- (名無しさん) 2011-01-11 20 16 20 一回り劣化した(というか統率と武力が入れ替わった)王甫という感じ。しかし特技のおかげで、前線近くで兵器が急ぎ欲しくなった時、自身で急造することが可能。 基本的には主将タイプではないので親愛関係が活きることはあまりない。特技は射程に書き換えるのもありといえばありだが、適性はAどまりなので発明を無駄にする勿体無さの方が大きいだろう。むしろ相方の武官につけるぐらいでもよい。 -- (名無しさん) 2015-01-22 15 40 47 それなりに(三国志ファン間で)名の知れた人物でも特技無しが多いのにこんなのに無理矢理特技与えるのおかしいやろ -- (名無しさん) 2020-10-10 21 48 48
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にとり3 11スレ目 318 に「おーい、にんげーん!」 自「もう人間はやめてくれないか」 に「つい癖でね、あはは」 自「それがお弁当?」 に「ふっふっふ、私の愛のこもった手作り弁当を堪能しろい!」 自「これは…、きゅうり!これも…、きゅうり!」 に「じゃあこれは?」 自「きゅうり!」 に「ちゃんとスライスしてあるだろー、ちゃんと見ろー」 自「あ、あぁ…」 に「嫌い?」 自「好きだよ(キリッ」 に「じゃあ食べよう。いっただっきまーす」 しゃく… しゃくしゃく… しゃく… しゃくしゃく… しゃく… しゃく… しゃくしゃく… しゃく… しゃくしゃく… 自「ハァー…ハァー…(シャク…」 に「なにハァハァ言ってんの?さては私にヨクジョーしてるな!こいつぅ~w」 自「ハァー…ハァー…(シャクシャク…」 に「なんでブルブルしだしてんの?平気か?」 自「…あ、あぁ、!全然平気だぜ!?いやぁにとりの手作り弁当最高だぜ!」 に「そ、そうか!明日も頑張って作ってくるな!あはははは☆」 自「…」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 992 人生の盟友にならないか? ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1052 「ただいまー……あれ?」 戸を開けて家の中に入る。 もう外は暗くなってきたが、灯りがついていない。 入り口の横にあるスイッチで電灯を点ける。 ……一応言っておくが、ここは幻想郷だ。 外の世界から迷い込んで、この川縁の小屋で一人暮らしをしていた頃は、 こんな文明的な設備はなかった。 きっかけは、ある日川上から流れてきた少女を助けたことだった。 彼女―河城にとりという名の河童だと自ら名乗ったが、脚がつってうっかり流されたという時点で大いにうそ臭い。 ともかく、助けてもらった礼だと言って、にとりは我が家の文明レベルを数日かけて格段に引き上げた。 今では水力発電で動力を供給された機械たちがひしめいている。 「いいっていいって、だって友達でしょ?」 感心しつつ、あべこべに礼を言う俺に彼女はそう答えたものだ。 それから、外の世界の機械の話(半分くらいはフィクションなのだが、ちゃんと伝わったろうか?)をしたりしている内に だんだん仲良くなって、いつのまにかにとりはこの家にいついていた。 「気にしない気にしない、だって友達じゃない!」 帰らなくていいのか、と尋ねる俺に彼女はそう言ったものだ。 で、帰ってきてみるといるはずのにとりがいない。 特に出かけるという話もなかったのだが。 ついに家に帰ったのだろうか?あるのかどうかも知らないが。 (……ん?) 部屋の隅に、見慣れた水色のスカートの裾だけが見える。 あのポケットは間違いない。 問題は、それが空中に浮いていることだ。 (ははあ、これが例の……) 声には出さず、心の中で納得する。以前ちらっと話していた、光学迷彩というやつなのだろう。 どうやら俺を驚かせてやろうというつもりらしいが、服の裾だけが隠れていないのでばればれだ。 それならこっちにも考えがある。 「あー、にとりいないのか……せっかく農家の手伝いして、いいキュウリもらってきたのになー」 棒読みだが、キュウリをもらってきたのは本当だ。 持っていたざるをこれ見よがしに机に置く。 服の裾がぴくりと動いた。 「一緒に食べたかったんだけどしょうがない、一人で食べるか」 さらに大きく動く。 飛び出さないのはさすがだが、それでも実にわかりやすい。 「……やっぱり待つか」 食べるふりまでしてみようかと思っていたが、 何だか気の毒になってきたのでやめた。 だいぶ時間が過ぎた。にとりはまだ動かない。 出るタイミングを失っているらしいが、それは俺も同じだ。 実は最初から見えてた、と言ってしまえばそれでいいはずなのだが、 どうにもこちらからは言い出しづらくなっている。 なので、少し思い切って誘いをかけてみることにした。 「にとり帰ってこないな……もしかして、俺に愛想つかして出て行ったのかな……」 ―反応は、ない。 「友達だって言ってたのになあ……でも仕方ないよな、あきらめるか、寂しくなるな……」 ―やはり反応はない……かと思ったが。 「すん……ぐすっ…………ううっ……」 何もない(ように見える)空間からすすり泣く声が聞こえてくる。 しまった。やりすぎたか。 「……あー、にとり?」 「ぐずっ……ふぇ?な、何で私がここにいるって……」 「いや、実は帰ってきたときからそこにいるってわかってたんだけど……」 「………………ええっ?」 一瞬の沈黙。そして。 「―どうしてもっと早く言ってくれなかったのさーっ!?」 なんで俺が怒られるのか。そもそも最初に隠れていたのはお前の方じゃないのか。 泣かせてしまった時点でそういう突っ込みはできない。 「……ごめんなさい」 俺は素直に謝ることにした。 にとりは、涙の跡もそのままにぽりぽりとキュウリをかじっている。 もう光学迷彩スーツは着ていない。 半分ずつ食べようと思っていたキュウリだが、一本だけもらって後はにとりにやることにした。 そのかいあって、なんとか落ち着いてくれたようだ。 「ねえ、○○」 「ん?」 キュウリを食べる手を止め、にとりが声をかけてくる。 「もし私が急にいなくなったら、○○は私のことなんか忘れちゃう?」 普段あまり見ない真剣な目でこちらを見つめながら問いかけてきた。 「この間も一人の時、前に○○から聞いた『頭につけて空を飛ぶプロペラ』作って、 試しに使ってみたら制御不能で遠くまで飛ばされちゃったんだ。 何とか○○が帰るまでに戻ってこれたけど」 制御する手前まではできたんだ。実物は外の世界にもないのに ……いや、問題はそこじゃない。そんなことがあったとは。 「もし戻って来れないくらい遠くに行ったりしたら、 ○○はもう私の友達でいてくれないかな?」 さっき俺が何気なく言った一言は、思った以上ににとりを不安にさせていたらしい。 想像してみる。 ある日突然にとりがいなくなって、光学迷彩で隠れてるわけでもなくて、いつまで経っても戻ってこなかったら。 機械好きで、明るいけどちょっと引っ込み思案で、でも人懐っこいにとり。 改めて考えてみると、にとりがいない暮らしなんてもう考えられないと気付く。 「……いや、探しに出かけるよ。どこまでも探しに行く」 俺の答えに、にとりはほっとしたようだ。 だが、気付かされたことはそれだけじゃない。 「でも友達だからじゃなくて」 しっかりと目を見つめて、口を開く。 「にとりのことが好きだからだ」 ……言ってしまった。 にとりは一瞬意味が飲み込めなかったようだが、 やがて顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。 「…………で、でも……私、河童だよ?人間じゃないんだよ?」 消え入りそうな声で、にとりが言う。 「正直今でも俺の中の河童のイメージとお前が結びつかないけど、 お前が人間じゃなくても関係ない」 「河童と人間は友達だから、一緒にいられるけど…… それ以上の関係になっても、一緒にいていいの? それ以上の関係になっていいの? 私なんかで本当にいいの?」 堰を切ったようにまくし立ててくる。 「いいとか、悪いとかじゃない。 にとりを愛してるんだ。 ……でも、もし迷惑なら」 ここまで言って、急に不安になってきた俺の言葉をさえぎるように、 にとりは俺の側に来た。 「……迷惑なんかじゃないよ」 ぎゅっと俺の身体に腕を回して抱きついてくる。 「私も、○○のこと好きだから。 ずっと、ずっと前から好きだから」 安心したような顔で、俺の胸に顔を埋めているにとり。 俺もその背中に手を回して抱きしめる。 やがてどちらからともなく、唇を合わせた。 ほのかなキュウリの味と、甘いにとりの味がした。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1122 がちゃがちゃと、家の鍵を弄くる音がした 白黒なら問答無用で吹っ飛ばしているだろう 合鍵を渡すよな関係の奴は居ない この世界でピッキングが出来る奴を探してみたが、誰も思い浮かばなかった 「おー、噂どおりだな」 きしんだ音を立てて開かれた我が家のドア そこから現れた緑色の帽子、水色の服 ああ、そういえばこいつがいたな、と思い出したように 「○○ーげんき?」 「にとり・・・喉の上?鼻の奥?が痛い」 布団に寝ている俺を見て元気?など、見れば解るだろうと突っ込みたいが残念ながらそんな気力も無い 「風邪を治す機械は無いのか」 「あはは、医療系は苦手でね・・・きゅうり食べる?」 ポケットから取り出された緑の棒状の野菜 程よく人肌に温まったきゅうりなど食べる気にはならない 「遠慮しとく・・・それで、何用だ?」 「盟友が風邪ひいて寝込んでるって噂を聞いてね、これは見舞いに行かないわけにはいかないでしょーと思い・・・」 「・・・ありがとな」 気持ちは嬉しい こういうときに他人の優しさはすごく、沁みる 「洗濯物とかいろいろやっとくからさ、ゆっくり寝ててよ」 「あー、ありがとう・・・お言葉に甘える」 既にまどろんだよな意識だったからか すんなりと、意識を手放し、眠りに落ちた 「よっし、やっぱり男一人暮らしは宜しくないね」 埃のたまった部屋、ろくに整理されて無い衣類 ある程度片付け終わって、一息ついた 「・・・○○」 寝室に行ってみると、熟睡していた 上下する胸、微かに聞こえる寝息、苦しそうな表情 「人間は難儀だねぇ、風邪一つでこんなに」 今一瞬、悪い考えが頭をよぎった これなら、何をしても起きないんじゃないか、と 「だ、駄目駄目!○○は病気で床に臥せっているのにそんな破廉恥な事を私は」 ○○の唇、自然と目が行ったそこは、乾いていて 「く、唇割れると痛いもんねっ!」 相当苦しい言い訳をして 彼に、覆いかぶさった 翌日 「にーとーり、風邪引いたって?」 まさか、人間の風邪が移るとはおもわなんだ 反対に○○は完全に調子を取り戻したらしく、ぴんぴんしている 「○○・・・これは絶対あんたの風邪だね」 「人に移すと治るって、本当らしいな」 ○○は笑っているが、片手にはきゅうりの入った袋、なんとも嬉しい見舞いの品か 「治してやろうか?」 「・・・え?」 「お前が俺にしたことを、お前にしてやれば治るんじゃねー?」 熱があったのは認める、確かに顔は赤かったかもしれない だが、一瞬で身体ごと、かぁっ、っと熱くなった 「あ、うぁ、うえあ」 「その反応だと、やっぱり夢じゃなかったのか」 どうやら墓穴を掘ったらしい 墓穴でもいいから、穴があったら入りたい 「○、○・・・んぅっ」 もう身体が熱る原因が風邪なのか○○なのか わたしの上手くまわらない頭では、何がなんだかわからなくなっていた ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1183 私が○○に会う事が出来たのは、それから少したってからだった からんころん、店のドアを開けると可愛らしい鐘の音が鳴った 「いらっしゃ・・・」 「やぁ○○、久方ぶりだね」 彼は相当驚いたらしい、目をヤモリのように丸くしていた 「にとり・・・何度か天狗の山まで行ったんだが」 「うん、椛に聞いたよ、ごめんね留守にしてて」 嘘、彼が来るたびに、隠れて、逃げて そのたびに椛に心配をさせてしまった 何となく、会う気になれなかったんだ 「いやぁ良かった、てっきり避けられてるのかと思ってたぜ」 やはり、彼は勘がいい 只者ではないと思っていたが、変な所で勘が働く 「そ、そんなわけ無いよ!それより、椛とはどう?」 「ん?ああ・・・うん、いい奴だよな、このあいだ菓子をやったときなんか尻尾振ってたよ」 「あはは、可愛いでしょ?耳なんかピコピコさせて」 「ああ、確かに可愛いよなぁ」 じくじくと、胸が痛んだ 彼が椛を可愛いといったのが、苦しい 自分で話しを振っておいて、しかもそんな些細な事で 嫌だな、私は 「それじゃあ・・・」 「おいおい、もうちょっとゆっくりしていけよ」 「そうしたいのは山々なんだけど・・・巫女さんにお茶に誘われてるから」 「そ、そうか・・・それなら」 「それで、こんなにお菓子を貰ってきたわけね」 「あはは、流石に多いよね」 縁側に腰掛けて、霊夢と二人、茶を飲む 今日は白黒はいないらしく、実に静かだ 「・・・それで、何か話したい事があるからきたんでしょ?」 「うぁ、さすが巫女さん、鋭いっすね」 きっと読心術でも使えるのだろう もしくは妖怪の考えなどお見通しなのかもしれない 「まだ日は浅いけどさ・・・友達でしょ?」 ぎしり、と音を立てて、停止した しこうと、肉体と、心が 「あ、う、ぁ・・・うぁぁぁ」 零れ出る涙、勝手に出てくる、止められない 「ちょ、ちょ、何で泣くのよっ!?ああもう、ほら、よしよし」 「れい、む、ごめ、ひぐ、うぇぇぇん」 霊夢は優しく、抱きしめてくれた 背中をさすってもらって、凄く安心して、また泣いてしまった 「・・・落ち着いたみたいね」 「う、うん・・・ごめん・・・ありがとう」 ひとしきり泣いて、すっきりしたらしく、だいぶ落ち着きを取り戻した にとりがいきなり泣き出した理由は・・・まぁ私のクサイ台詞に原因が無いとも言い切れない 「さて、落ち着いた所で・・・話してみてよ」 かくかく、しかじか~少女悩み相談中~ つまり、友達と○○が話しているところを見て嫌な気分になった自分が嫌 それが気まずくて○○と会えなかった 嫉妬した相手、その友達は自分が悩んでいるときに優しく相談に乗ってくれた それが余計に辛い ってことね(説明口調 「・・・私って、こんなに嫌な妖怪だったんだなぁ」 「んー、別に、それは人間だって妖怪だって、もともと、誰でも持っている感情よ」 「・・・そう、かな」 「私だって、貴方だって、魔理沙だって、その○○だって、誰かを好きになって、悩んだり、嫉妬したり、泣いちゃったり そういうモンなのよ、色恋沙汰ってのは。それにあんたは、そういう黒い感情を、ちゃんとコントロールできたし、罪悪感も持ってるでしょう」 そう、そういう感情をコントロールできなかったり、抑えるつもりが無かったり そうすると、どっかの皆が大好きなヤンデレとかになっちゃうわけでしょう 「ねぇにとり、ってとりばやく陰鬱な気分を吹き飛ばす方法を教えてあげるわ」 これが成功したら、悩みなんか忘れちゃうはずよ 「そそそ、そんなこと」 「大丈夫、私の読みがあっていれば・・・」 きゃぁきゃあと、修学旅行のように騒がしい縁側 それを少し離れた所から見ている影ひとつ その名も八雲紫、茶菓子を求めてきたのだが・・・ 「若いって・・・いいわねぇ」 何となく輪に入れなかったのであった 「たたたたのもー!」 乱暴に開けられた店のドア 鐘の音はならず、がちゃんという金属音がしただけだった 「にとり?・・・どうした」 「○○っ!貴方に決闘を申し込む!!」 「・・・は?」 にとりの言っている事が理解できず、処理落ちした いやちょっとまて、決闘と言ったか つまり・・・妖怪と戦え、と 「ふふふ、安心して、勝負の内容は・・・SUMOUよっ!」 嗚呼、少し会わない間ににとりはアホの子宜しく駄目な子になってしまっていたんだな 「・・・何か考えがあっての事か?」 「うん・・・だからこの勝負、受けて欲しい」 真剣な眼差し 目は赤くはれている、一目瞭然、ついさっきまで泣いていた奴の顔だ しかし、清々しい顔をしている 腹を括ったという感じの 「・・・解った、裏に行こうか」 何か知らんが、俺もにとりの覚悟に失礼のないように、腹を括って、全力を出そう 店の裏、ちょっと行くと広い空き地がある、まるで公園のような感じだ にとりは長靴を脱いではだしになり、レインコートも脱いだ 「・・・レインコートの下はスクール水着(旧式)だと期待してたのに」 「この勝負で勝てば、着てもいいよ」 下は普通の服だった、正直今年一番の残念賞だ 枝でがりがりと、地面に線をひき、土俵を作った 「・・・先月ぐらいの事なのに、ずっと昔のように感じるね」 「ああ、出会ったときが、こうだったな」 「負けたほうが」 「勝った方の言う事を聞く」 あの時と一緒だ だが、何となく勝てない気がする 「はっけよーい」 「「のこった!!」」 前と変わらない、何もさせない、突っ込んで吹っ飛ばして、終わり そう考えていたとき、ごごご、という地鳴りのような音に気付いた 「・・・え?」 水符「河童の幻想大瀑布」 「な――」 目の前にはドデカイ水、いや滝、いや、激流 だがそれは 「幻―」 水が偽者だとわかったときには、にとりの姿はなかった 「え?あいつ、どこに」 土俵の中にはその姿を見る事が、出来ない そのとき、俺は倒れた 何が起こったのかわからんが、いきなり倒れた 足を引っ張られたか、足払いでもされたか、そんな感じだったと思う 何もないと思っていたところから、すぅっとにとりが現れた 「なっ!?」 「えへへ、オプティカルカモフラージュ」 参った、正直河童の化学を舐めてた いまなら 河童の科学は世界一ィィィィィィ!!とでもいえる 「はぁ・・・それで・・・俺は何をすればいい?」 ○○さんは土俵に胡坐をかいて、私の言う事、を待っている 「はい、ではそのまま聞いていてください」 「・・・」 良いにとり?振られてもね、いわないと、こうかいするしかないのよ 言えばよかった後悔より、言っての後悔、さぁ言って来い! 霊夢さん・・・ありがとう、私は言うよ、言いたいから 「○○さん・・・・・・もし、良かったら・・・・・・私とお付き合いしてください!」 言ったぞ、言ったよ、言っちゃったよ ああ、なんていい気分、まだ返事も貰ってないのに、何かを終わらせた達成感 さぁ来い、今ならきっと、頑張れる だから、どっちでもいい、あなたの素直な気持ちが聞きたい 「にとり・・・俺はさ、元々天狗の友達が欲しかった。というか妖怪の友達が欲しくて思いついたのが天狗だっただけなんだけどな まぁ結果河童の友達が出来て、天狗のダチも出来て・・・正直嬉しかったよ」 彼は、こっちに来てあまり知り合いが出来なかったと言っていた、私とおなじだったのかもしれない 「それでだな・・・ええと・・・好きでもない奴のところに、しかも片道何十分もかかって、わざわざ行かないって」 「え?・・・それは、どういう」 「・・・俺も、いつの間にかお前のこと好きになってた、会えなくて寂しかったし・・・好きだにとり」 ぼそっと、恥ずかしそうに、最後に付け足された言葉、それだけで 「あ、う、あ・・・うぁ」 ぶしゅう、と音を立てて、頭から煙が出た 頭が真っ白になった 「告白すれば、悩んでた事もぜーんぶ、飛んで行くわ、結果が良くても、悪くてもね。成功したら・・・幸せすぎて全部忘れちゃうでしょうね」 あのときの、霊夢の言葉が、頭をよぎっていた 今解るのは、彼女の言葉は正しかったという事だ 「あらあら、お熱いわね」 少し遠くの空高く、紅白の巫女が、河童と人間を見守っていた 心配になってきて見れば二人は熱い抱擁を交わしているところだった 告白→おk!→にとり失神→○○が抱き抱える→にとり起きてそのまま抱擁 「よー霊夢!何してるん「シャラップ、見付かるでしょ」 現れたのは魔理沙、毎度ながら五月蝿い登場だ 「ん?うわ、アレって河城にとり?マジか・・・男がいたのかorz」 「よかったじゃ無い、友達に男が出来て」 「うあーどうせ私は独り身なんだー」 「・・・不本意ながら私もね」 「霊夢・・・お前にもそういう願望が在ったんだな」 「なかなか私につりあう男がいないのよ」 「言ってて虚しくないか?」 そんなことはない、私の心を射止められない男が悪いのだ しかし魔理沙のほうが意外・・・でもないか、恋色の魔法使いって自分で名乗ってるし 「・・・とりあえず帰ってお茶でも飲みましょうか」 「賛成だぜ」 貴女の分はない、というと魔理沙はぶーぶーと文句を言っていた にとりのほうを振った、遠目に見ても中睦まじい、羨ましい限りだ 私は心の中で、おめでとう、と祝福の言葉を送った 「・・・巫女に礼を言わなきゃなぁ」 「え・・・気付いてた?」 「当然、にとりがする行動にしちゃパワーがあると思ったからな」 「あはは・・・今度神社にお礼を言いに行かなきゃね」 「ああ、俺の分も礼を言っといてくれ」 茶菓子なら山ほどある、と なるほど確かに、だが緑茶向きではないなぁ、何て思ったりもした 「ふぁあ、やっぱり無理するもんじゃ無いなぁ」 気疲れして、大きく背伸びをした、慣れない事はするもんじゃ無い 「でもさ、無理してよかっただろ?」 「う、うんっ!」 それは、私も心のそこからそう思うのだ end ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1193 山の中はこんなにも五月蝿いのか。 木々の葉が擦れ合う音、鳥や虫の鳴き声、吹き抜ける風の音。 全てが嫌に耳についた。普段なら気にも掛けないのに。 何故そんな風になっているかというと俺は今、迷いに迷っているからだ。 出口の見えないこの山腹からどのように脱出すればいいのかをね。 2、3日前山の上に神社があるということを友人から聞いた。 そこの巫女がたいそうな別嬪さんらしい。 行くしかない。これは俺の本能が下した決断であった。 そして3、4時間前、夏の日差しが容赦なく降り注いでくる中、俺は山へ入った。 妖怪のことなんて考えもせず、一人で何の用意もせずここまで来てしまった。 ましてやここが天狗の本拠地であったり鬼が居たりなんてことはまったく思いもしなかった。 多分長い間里に妖怪が襲ってきたことも無かったから、そんなこと頭の片隅へ消えてしまっていた。 何も考えずに森の風景を見ながら山の上の神社を目指していた。 しかし、しばらくして俺はやけに嫌な予感がして振り返ってみた。 ………………! 妖怪だ。妖怪が居る。俺の目線の先には妖怪がいる。 何故そいつが妖怪かと判るかって? ふん、爪が手より長くて、舌をダラ~ンと垂らして山の中を ふらふら歩いてるのが人間な訳無いだろ? 暗い森の中だと昼間から動いてるのだろうか。 一瞬でこんなことが分かっちゃう俺、めっちゃ頭いい~! と頭の中でファンファーレを鳴らしていると 目の前の妖怪はいきなり俺のほうに向かって走り出した。 そんな風にいきなり走り出すだなんてなんて落ち着きの無い野郎だ… ってここままだと俺、死ぬじゃん!! 「やぁぁぁぁぁだぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」 俺は兎に角走った。走りつづけた。妖怪はまだ追いかけてくる。 自分でも驚くほどの速さで不安定な足場を走りつづけた。 しかし、しばらく走るといきなり木々が無くなり川原に踊り出た。 逃げ場が無くなった。後ろを振り向くと既に妖怪が俺に近づき始めていた。 俺はもうだめなのかもしれない。くそぉ、、、遣り残した事だらけだぜ。 地霊殿まだやってないし、緋想天もやってないし、風神録でEX行ってないし。 諦めかけたその瞬間、 「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん!!」 懐かしいフレーズが聞こえた。 その瞬間目の前の妖怪が倒れた。 「キューカンバードロップキック!!」 “空中元彌チョップ”なみにかっこ悪い名前が聞こえた。 すると妖怪が叫び声を上げたかと思うと、走って森の中へと逃げていった。 どうやら俺は助かったようだ。アイアムラッキーボーイ。 「ハァ…ハァ…何だかよくわからんが助かったぜ…」 その代わり、 「ひ、ひどい!今の盟友の勇士をその二つの目に刻み付けなかったのかい!?」 誰も居ないところから声がした。 あれ?俺、頭おかしくなっちゃったのかな…? 「返事ぐらいしてくれてもいいんじゃないかなぁ?一応君のこと助けたんだよ?ねぇ?」 やばい。本格的におかしくなってきた。 永遠亭のお医者様なら助けてくれるかもしれない。 帰ったらすぐ行こう。 「…はぁ。あんまり人前に出るのは苦手なんだけどねぇ…」 と声がした瞬間、目の前に何かが現れた。 「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!また妖怪だぁっ!!!!!!!!!」 いきなり眼前に水色の髪の毛に緑の帽子、 雨合羽みたいな服にリュックサックを背負った奴が出てきた。 妖怪だ。こんな変な奴は里にいない。 恐怖で足が竦んだ。 「っ!?う、うるさいなっ、なんで大声でいきなり叫ぶのさっ!?」 と、その妖怪は俺に劣らぬ大声で叫んだ。 俺は恐怖とその勢いに押され眼前の妖怪を見ているだけで精一杯だった。 声も出ない。山の中で助けを呼んでも誰も来てくれそうに無いが。 もうだめなのか…と思いながら眼前の妖怪を定まらない視線で眺めていた。 あれ?女の子? こいつ女の子だ。 さっきの妖怪みたいな怪奇さがまるで無い。 普通に居そうな女の子。愛らしい瞳がこっちを見ている。 でもこいつ、どこから現れたんだ? 「…?どうしたの?ねぇ?黙りこくっちゃってさ。人間さんよぉ?」 ふと気付くといつの間にかにとりは川原の大きな岩の上に座り込んでいた。 「あ、ごめん。少し驚いてたんだ…。き、君は?」 無意識の内に俺はにとりの方へ歩み寄っていた。 「私は山河童のにとり。河城にとりさ。あんたこそ誰なんだい?こんな山奥に人間一人来るなんてさ」 「あぁ…。俺は〇〇。山の上の神社に行こうとしてたんだ」 「妖怪とかけっこしながらかい?」 おい。んなわけないだろ。 しかし、 「いや、途中で襲われちゃってさ。君が居なかったら死んでたよ。ありがとう」 「どういたしまして。…いや~、照れるね。あんまり人間と話すのは得意じゃないんだ」 このにとりという河童は、 「すごく気になったことがあるんだけど、いいかな?」 「なんだい?〇〇」 可愛い、 「さっきはどうやっていきなり俺の目の前に現れたんだ?」 「アレはねぇ…じゃじゃ~ん!光学迷彩すぅーつ!!」 半端無い可愛さだ。 「…?それは?」 「ふふ、これはね…」 それからしばらくの間、俺はにとりの河童の化学に説明を聞いていた。 それ以外にも河童と人間の関係だとかこの山についてのことも話してくれた。 にとりも人間の化学に興味があるようで俺にしきりにそのことについて聞いてきた。 話してるうちに俺はにとりが人間に友好的な妖怪なのだと確信した。 瞳を輝かせ、前のめりになって話を聞き入る様子を見ているとこっちまで楽しい気分になってきた。 時間も忘れて二人で話し合っていた。 しかし、熱中しすぎたお陰で気付いた頃にはもう日が傾いていた。 「やばい…今から帰ったら森の中で夜になっちまいそうだな…」 「む…うっかりしてたよ。すまない。私が気付くべきだったね」 にとりは腕を組み、少し考えたかと思うとすぐに何かを思いついたようだ。 「そうだ。確か〇〇は山の上の神社に行こうとしてたんだろ? その辺の天狗に訳を話して連れてって貰いなよ」 「え!?む、無理だって!!」 天狗に連れてって貰うだなんて、そんなことしたら 俺の幼女のように綺麗で繊細な心は恐怖で壊れてしまうじゃないか。 しかし、それ以外に方法はなさそうだ。 どうしたものか。 「にとりが一緒に神社までついて来てくれるっていうのはど、どうかなぁ~?な~んて」 「ええぇ!?あんな遠くまでかい!?やだよぉ」 ズッギュゥーーーン!!!! 俺は打たれた。胸のど真ん中を。 困った顔をするな。そんな困った顔をするんじゃない。 卑怯だぜ…可愛すぎる…(にや 「ん?いきなりにやにやするのは少し気持ちが悪いなぁ、〇〇」 「へ?あ、ああ、いや、これは、その、ち、違うんだ、ええと、、」 「…?」 あまりに狼狽しすぎたのか、にとりが不安がって俺を見上げる。 あ、その顔いいね。っておい! こんな不謹慎なことばっかり考えるんじゃないマイマインド! 安全に一夜を過ごす方法を考えるんだ! 「…そういえばにとりは何処に住んでるの?」 「ええと、それはどういう意味かな?まさか…」 ふふ、そのまさかさ。俺の超絶的(超絶望的)思考は瞬間にしていい方法を考え出した。 そう、にとりの塒で一緒に寝てやろうと思ったのだ。 ふふ、可愛かったら妖怪でも一緒に寝てやろうとする俺の根性にひれ伏すがいい! にとりの問いに俺が不敵な笑みを浮かべると彼女は俺の考えを理解したようだ。 「…〇〇、一応私はこれでも妖怪なんだよ?判ってる?」 「ああ、でもにとりは人を襲うような奴じゃないってさっき話してて感じたんだ」 「…。それはどうも。人間にそんなことを言われるとなんだか嬉しいね」 にとりは笑った。 しかし、表情は即座に険しくなった。 「だからって山に入ってきた人間をホイホイと自分の住処に入れるほど妖怪は懐が広くないよ」 静かで、強く、どこか悲しげな声。 俺は何も言えなかった。 「まあ、私の塒は狭いしね。どっちにしても二人は無理だよw」 「………じゃあ、俺はちょっと天狗を探してこようかな」 険しい表情から一転、またやさしい笑顔になったにとりに俺は出来るだけ明るく答えた。 「その必要は無いかも…」 空を見上げたにとりが呟いた。 俺も同じように空を見上げようとしたその瞬間、 「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン!!」 ドォォォォン。 ものすごい勢いで何かが空から降ってきた。 そしてこけた。川原なのに砂煙が立ち昇るほどで激しくぶつかってやがる。 死んでる? 「ごほっ、ごほっ、死んでなんかいませんYO!」 砂煙の中から黒髪の少女が現れた。 「どうも、烏天狗の射命丸文です」 「はぁ…どうも」 我ながら間抜けな返事をしてしまった。 なんだこいつは。にとりは少々呆れている。 「噂は聞きました。神社に行く途中に河童に襲われたそうで。お怪我はありませんか?」 「へ?!おいおい!私は〇〇を襲ってなんかいないよ!」 「あれ?噂は間違いでしたかな。これは椛を後で折檻しなきゃいけませんね…」 これ以上めんどくさい展開はごめんなので今までの経緯を 俺の超絶的な話術で幻想郷最速の説明をした。 まったく意味がわからないといわれたのでゆっくり二度目の説明をすることにした。 物分りが悪いぜ。天狗のお嬢さん。これで理解してくれたかな? 「…まったく話の順番が整ってません。よくにとりさんは理解できましたねw 〇〇さんには国語の力というものがまったくありませんよwww」 馬鹿なのは俺のほうだったようだ。 にとりが今度は懇切丁寧に説明してくれたのでどうにかなった。 恥ずかしい。可愛い女の子の前で恥をかくのは嫌なものだ。 「ふ~ん、そうですか。じゃあ〇〇さん、今から神社に行きましょう」 取材は神社の方で聞くことにします」 「へ?」 振り向いた時にはもう俺の体は宙に浮いていた。 「おい!!速い!速すぎるってぇぇぇぇぇっぇぇぇえ!!!!」 にとりに別れを告げることも出来ずに俺はつかの間の空の旅へと出発した。 「…〇〇と帰りにまた会えるかな?」 見送り付きで。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 烏天狗に誘拐された後神社で俺は一泊させて貰うことになった。 次の日には魔除けのお守りまで持たされた。実にいい巫女さんだった。 また今度来よう。 そう、いつしか俺は巫女さんに会うことよりにとりに再び会うことばかり考えていた。 俺はにとりに会うため急いで山を降りた。 だいぶ歩いた。太陽の位置がかなり移動している。 しかし、早くにとりに会いたいはずなのになんでこんなに歩くペースが落ちてるんだ? 最悪だ。眩暈がする。苦しい。こんなに気分が悪いのは初めてだ。 何でなんだろうか?朝はこんな調子じゃなかったのに。 俺はすぅっと自分の意識が薄らいでいくのが分かった。 畜生…もうダメだ… 刹那に俺は倒れた。頭に強い衝撃が走ったかと思うと意識を失った。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ ふと目を開けると見慣れない岩肌の天井が現れた。 「…俺はどうなったんだ…」 「助かったんだよ、〇〇」 聞いたことのある声が耳に入ってきた。 「に、にとり!っ…!」 肩口に激痛が走る。 「あんまり大声を出さないほうがいいよ。体はまだ休まりきってないんだから」 「……俺はなんでここにいるんだ…?」 「…嫌な予感がしてね、森のほうへ行ってみたら〇〇が倒れてたのさ。びっくりしたよ。 多分ツツガ蟲にやられたんだろうね。変な熱が出てたし、頭からも血が出てたよ。 ほっとけないから私の塒に寝かして治療してたんだ」 「そうなのか…ありがとう、にとり。俺、にとりがいなかったら死んでたよ」 へへっと舌を出して恥ずかしそうに笑うにとり。 その姿を見ていたら何故か俺まで顔が綻んでいた。 不思議ともう体の痛みは感じなかった。 「もう日は暮れちゃったよ。今日もこの山で一泊しなきゃいけなくなっちゃたね」 「ふふっ、にとりの塒で過ごせるなら本望さ」 「………おかしな人間だねぇ……」 「どうしてだよ、可愛い女の子と一緒にいられるだけで俺は幸せなんだよ」 「…むぅ……」 何でさっきからあんまりにとりは機嫌が良くないんだ? 昨日はあんなに嬉しそうだったのに… 「〇〇、私は河童だよ」 「そんなの判ってるぜ」 「判ってない…判ってないよ…!」 不意ににとりの語調が厳しくなる。 「妖怪は所詮妖怪。人間は所詮人間。 住む世界が違うまったく違う生き物なんだよ…」 最後の方が聞き取れなかった。 にとりは泣いていた。 「本当は私だって〇〇ともっと一緒に…話がしたい…」 「じゃあ、すればいいだろう?」 俺は体の痛みも気にせず、にとりの傍へ向かう。 にとりは泣いていた。それはもうひどい有様であった。 「おい、可愛い顔が台無しだぞ」 「……〇〇はどうしてそんなことが言えるんだ…? 恥ずかしくないのか?それに私は妖怪なんだぞ…」 「…にとりに…俺はにとりに一目惚れした。理由はそれだけだ」 「……!」 にとりの目が見開く。 畳み掛けるように俺は言葉を紡ぐ。 「にとり!人間とか妖怪とかそんなんじゃねぇんだよ、好きになったんだ。 だからもっと一緒にいたい。話がしたい!!」 「……うっ…うわぁぁぁん!!」 「お、おいっ!?ど、どうした?何で泣く!?」 にとりは大声を上げて泣き始めた。 「うぅ…わ、わたしも〇〇のこと最初に見たときからなんか気になったの…。 で、でも私は妖怪だからって諦めてたんだよぉ…」 「大丈夫だ。俺は諦めてない」 何を言ってるのか自分でも分からなかった。いう言葉が見当たらない。 いうことないからちんちんとも言ってられない、一世一代の大勝負なのだから 一所懸命に言葉を探した。出でこんぞ。出てこない… …!! 「う、うわぁ!?いきなり、な、何をするっ!?」 俺は無言で後ろ向きににとりを抱きしめたのだ。 言うことが見つからなきゃ体で示したってことさ。 やっぱり俺、頭いい。 「にとり、もう離さんぞ」 「…私はトンでもない人間を好きになっちゃったみたいだね」 「当たり前だ。こんなイケメン、この山にはいねーぞ」 「……」 「冗談だよ」 にとりを抱きしめたまま俺は話し続けた。 このまま夜が明けてしまいそうな気さえした。 「にとり、好きだぜ…」 「ありがとぅ…」 それから他愛の無い話をした。 昨日と同じような話。ふたりについての話。 幸せだった。後悔無しだ。 ん?後悔? …む!! この体勢、俺は生かしきれていないっ!! そうだ、俺は今後ろからにとりを抱きしめている。 ということは誤魔化しながら少しずつおっ〇いを触れるんじゃなかろーか? これに気付いて実行せぬのは一生の後悔になる。 こういうときはLet s TRY!!すべきだ。ってけーねが言ってた。 「そうかぁ…〇〇もきゅうりが好きなのか」 「いや、にとりほどじゃないけどねw」 後少し…! 「里には緑色のビールは無いのか…」 「それビールじゃいないだろ…」 触れるぞ!後少しだぜ、軍曹! 「……!?……ね、ねぇ〇〇?」 「ん?」 「手が…さっきから怪しいよ…?」 「…!!……な、何のことだよ!?マ、マイハニーっ!?」 なっ!?ば、ばれた!? 申し訳ありません、軍曹! 不肖〇〇、妖怪の山にて散ってしまいそうです… 「さ、触ってみる…?」 ん? 俺はやっぱり耳がおかしいのであろう。 「〇〇、き、聞いてるのか?本当に、さ、触ってもいいんだょ…」 最後になるに連れてか細くなってゆくにとりの声に俺の理性は吹っ飛んだ。 抑えられん。ここで抑えたら男、いや漢じゃない!! 「うぉぉぉっぷ…!!!」 初めての感触に俺の理性はぐるぐる巻きになってどっかに飛んでいった。 「が、が…我慢ならんっ!!」 「ん?うわぁ!?」 (ここからの続きを読むには俺が風神録でケロちゃんに会えたらね!) ───────────────────────────────────────────────────────────
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HAPPY END(8)◆ANI2to4ndE ◇ チミルフが何かが違う、と思い始めたのは戦いが始まってから数分が経過してからだった。 「グ――!?」 「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」 燐光を放つビームを掻い潜りながら、灼熱の巨龍が炎の弾丸を口蓋から吐き出した。 大きさは直径二メートル程度。 普通の人間ならば、一発でも食らえばすぐさまその身を焼き尽くされてしまうだろう。 ビャコウの強化装甲に関しても過信は出来ない。 一発は大地を駆け抜けることで躱し、一発は十字槍で切り裂く。 そして最後の一発に対して回避運動を―― 「ちぃいいっ!!」 鴇羽舞衣の使役するチャイルド、カグツチの放った大火球がビャコウの左の腕部に直撃したのである。 チミルフは堪らず、コクピットの中で苦悶の表情を浮かべる。 これで、カグツチの攻撃を被弾するのは三回目だった。 左腕、胴体、そして再度左腕。 大して錬度の高い炎ではないため、一発で装甲が融解し爆発するまでとはいかないが、 あと一撃でも直撃した場合は、おそらくこちら側は切り離す必要があるだろう。 「コンデムブレイズッ!」 十字槍からビームを発射し、遥か上空を飛翔するカグツチに向けて発射する。 だが、未だにチミルフの攻撃は一発も命中していなかった。 紅蓮の翼で大空を翔け回るカグツチの機動性が非常に高いという点を考慮しても、これは異常な事態だ。 戦闘開始直後はこちらが握っていたはずの勢いも完全に向こうの手中。 確かに、本来の実力を発揮すればカグツチは単体での大気圏突入を可能とするような図抜けた能力を持つ相手だ。 だが、まさかここまでいいようにやられるとはチミルフ自身は思っていなかったのである。 「ッ……ぐぁあぁっ!!」 レーザー状の熱線にビャコウの左のショルダーアーマーが切断される。 収束度を増した強力な一撃である。運用自体に問題はないが、これでビャコウは相当に情けない風貌になってしまった。 天秤の傾き具合はすっかり変わってしまっていた。 つまりチミルフが苦しくなったということはその逆、舞衣達が楽になったという事実に繋がる訳だ。 火球ではなく、ブレスと呼ぶ方が相応しいだろうか。 牽制の意味合いではなく、確固たる意志を持って敵はチミルフを仕留めに掛かっていた。 ――どうなって、いる? チミルフがビャコウを駆り、この空間で行った戦闘はこれで二戦目である。 一回目はパニッシャーを装備したニコラス・D・ウルフウッドとの戦いだ。 そう、彼が「何故か」ロージェノムを主君であると認識していた時期の出来事である。 しかし、あの時出来たはずの動作が今の彼には出来なくなっていた。 具体的に言うならば、戦士としての直感に起因する槍捌きや身のこなしについてだ。 ビャコウを今の彼は百パーセントの力で操ることが出来ているはずだった。それなのに、である。 そうだ、今こそが完全な姿なのだ。 なぜなら、チミルフはルルーシュという真の〝王〟との再会を果たし、真の忠義を誓った。 「武人」とは仕えるべきたった一人の主君のためならば、容易く己を捨て去ることの出来る気高き闘士なのだから。 では、何だというのだろうか。 まさか、体調が本調子ではないとでも? 機体の整備に不備が? もしくは、慣れない夜間の戦闘が影響しているのだろうか。 操縦桿を握り締めるチミルフの剛毛と分厚い筋肉に覆われた腕が震えた。 身体の奥深く、深遠の淵から押し寄せる衝動にチミルフは焼かれ、己を鼓舞する。 「俺は……絶対に負ける訳にはいかんのだ……!」 空と陸。 大空の覇者と翼を持たぬ者。 両者の間にはどう足掻いたとしても埋めることの出来ない空白が広がっている。 ここは起死回生の一手が必要だ。 このまま、手を拱いてコンデムブレイズによる牽制を続けても全く埒が明かない。 が、手はある――アルカイドグレイヴだ。 ビームを発生させた十字槍を突き刺し攻撃するビャコウの奥の手である。 遠距離からの攻撃が当たらないのならば、接近して仕留めるまで。 だが、問題は大空を舞うカグツチにインファイトを挑むことは非常に困難であるという点だ。 一度、こちらに相手の注意を惹き付ける必要がある。 ルルーシュにヴィラルとシャマル、そしてグレンラガンの回収を命じられたチミルフはこんな場所で躓いている訳にはならない。 ましてや、敗北することなどあってはならないのである。 何か、打開策は―― 「む……ッ!?」 耳触りなノイズがコクピットのレーダーから響いた。 すぐさま反応の原因を調べると、どうやら周囲に他のニンゲンが潜んでいる気配を感知したらしい。 廃ビルを襲撃した時点では、何人生き残りがいるのか定かではなかった。 最大で十人の参加者が周囲でこちら側の戦力と交戦しているとも考えられたのだ。 今回レーダーがその存在を確認したのは三人。 周囲の地図の縮尺を操作すると、紅の光点が三つ、多少離れてはいるが丘陵地帯に燈っている。 廃ビルとの位置関係から察するに、襲撃から逃げ果せた他の参加者と見て間違いないだろう。 その時、チミルフの脳裏にふと一つ妙案とも呼べる作戦が思い浮かんだ。 つまり、これは使えるのではないか、と。 このニンゲン達を先に確保し、人質とすればおそらくカグツチは―― 「な――お、俺は……!?」 ピタリとビャコウを操っていたチミルフの動作が静止した。 瞬間、彼の身体を駆け巡るのは酷い不快感を伴った驚愕の感情だった。 息を呑み、機体が駆動する音だけが彼の中へと浸透していく。 夜の闇と月の光に照らされ、孤独を噛み締める男は大きく眼を見開き、天を仰いだ。 ――それは、訪れるべくして訪れた衝撃だ。 目的を達成するために、人質を取るというプランは確かに非常に効果的かもしれない。 そもそもルルーシュ本人が脅迫や恫喝のカードとして、拉致や拘束を行うことを忌避しない人物である。 故にルルーシュからギアスを掛けられたチミルフが、その流儀や信念に勝手に影響を受けてしまう可能性は十分に考えられた訳だ。 主君の願いを遵守し、意志を叶えるべく行動することこそを武人の誇りと考える彼にとって、 「ルルーシュ・ランペルージ」という人物が好んで用いる戦略こそがある種の理想とも成りえるからだ。 カグツチに勝てないのならば、勝機を見出すために他の要因に縋るのは実に合理的だ。 相手はいかに強大な力を有していたとしても、あくまで少女。 付け入る隙は簡単に見つけられるだろう。闇雲に射撃を行いエネルギーを消耗するよりも余程マシだ。 だが、 「俺は……何を、考え――うがぁああああああああっ!! ッ……ガッ、グゥウウウウウ!!!」 本来の彼は――決して、そのような卑劣な真似に手を染めることなどない高潔な獣人なのだ。 巨龍の吐き出す紅蓮の輝きにも似た色へとチミルフの瞳が染まった。 チミルフの中で二つの意志が鬩ぎ合っていた。 ギアスの力に捉われたものは決してその力に抗うことは出来ない。 むしろ、こうして自身の行動に疑問を持っている――その一点においてでさえ賛美に値するのだ。 「グッ……俺の仕えるべき……主君は……グ――」 頭を抱え、チミルフは激しく身体を捩った。 荒々しく吐き出される息と上下する肩。更に震えを増す豪腕にミシミシと操縦機器が悲鳴を上げる。 何が間違っているのかなど、彼には分からなかった。 彼が目指したものは一体どこに繋がっているのか。 何かが違う。 だが、これは自分が越えてはならぬ一線だ――そんな風に思ったりもする。 「ガァアアアアアアアアアアア!」 そして、チミルフは――吼えた。 彼はケモノであり、そしてニンゲンでもある獣人という曖昧な存在だ。 この一瞬だけは、その雄叫びは「理性」という〝知〟を司る分野から乖離した野生の毛色を帯びていた。 結果として、チミルフは一瞬であったとしても、 武人としての流儀に真っ向から反する考えを浮かべてしまった己に強い羞恥心を覚えた。 そう、ニンゲンを人質に取り、不利な状況を覆そうという発想こそが忌むべきモノだ。 勝利のために誇りをも捨て、恥や外聞を投げ捨てて外道に走るなど、武人として在り得ない行動だ。 そして、湧き上がる自身への失望。 人質などに頼らなくてはならない程、「怒涛」の二つ名を持った戦士はちっぽけな存在だったのか。 そのような形で戦士としての矜持を散らしてもいいのか。 結果として起こるのは二つの意志の衝突だった。 ギアスの力によってルルーシュの傀儡と化した男と、武人として死ぬまで忠義を貫き通す漢。 相反するそれらの二つの理性がチミルフの中には在り、この瞬間――真っ向からぶつかり合った。 「はぁっ…………はぁっ……っ!!」 疲労困憊といった様子で、チミルフはただただ息を吐き出した。 滲み出した汗が身体を濡らし、モニター越しでも光を失わない月が輝きを増す。 必死に、必死に、チミルフは心を落ち着かせようとした。 息を吐いて、吸って、また吐いて。 深呼吸を繰り返し、自分自身という存在をもう一度確認しなおそうとした。 だが――もはやそのような行為を〝戦闘中〟に行った時点で、 彼は戦士として、正しい道から足を踏み外してしまっていたのだ。 「な――――っ!?」 ◇ 「舞衣ちゃんっ!」 ゆたかはキュッ、と舞衣の衣服の端を掴む手に力を込めた。 返ってくるのは暖かい鼓動と、胸の奥からとろけてしまいそうになる不思議な衝動だった。 心に溜まっていた想いを全てぶちまけたおかげだろうか。 二人の間には何も障害なんてないようにゆたかは感じていた。 「分かってるわ、ゆたかっ!」 ゆたかを抱き抱えた舞衣がカグツチの頭を蹴って音もなく、飛翔した。 戦いに関する勘や知識などがゆたかにはまるで存在しない。 故に彼女の側から舞衣へ何かをアドバイスしたりといった具体的な支援は出来ないはずだった。 しかし、今、この瞬間、二人の少女の心は完全に通じ合っていた。 だから、分かるのだ。相手が何を考え、今何を言おうとしているのかも全部! 橙色の鎧のようなバリアジャケットを展開した舞衣が、高度数百メートルの地点から大地を見下ろしているカグツチから少しだけ距離を取った。 舞衣の持つ環状のエレメントには強力な防御能力が存在するが、それも過度の期待は禁物である。 これから発射される最強の砲撃の余波がどの程度のモノか、二人にも予測は出来なかった。 「さぁ行くわよ……カグツチ」 「頑張って、カグツチっ!」 「――GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」 二人の主にその名を呼ばれ、カグツチが猛々しい雄叫びを上げた。 それは明日の未来を掴み取るための輝かしい希望に満ちた咆哮だ。 ゆたかの、舞衣の願いがカグツチの中で揺らめく天壌の劫火へと姿を変える。 炎の色は、龍の放つ光の色は、思わず息を呑んでしまうような黄金だ。 憎しみと絶望の螺旋に囚われ、負の感情を爆発させてしまった時とは違う。 カグツチの肺の奥から強大なエネルギーが紅蓮の煌きとなってゆっくりと食管を通り、上昇していく。 そしてその輝きに伴い、舞衣の身体の周囲に紅の光が満ちる。 帯状の鮮火、飛び散る火の粉、血潮のように噴出すプロミネンス。 「カグツチの身体が……っ!」 ゆたかは感嘆の吐露を漏らした。 特別な力など何も持たないゆたかにさえ、目の前の龍の身体に凄まじい力が集められていることを悟ったのだ。 カグツチが見据える敵は眼下の白い機体。 そう、先ほどまで二人を苦しめていた相手――猛将・チミルフの駆るビャコウ。 しかし、迫り来るビームの嵐は止み、ビャコウは今や完全に立ち止まってしまっている。 ロボットがどこか故障してしまったのだろうか。 だとしたらソレは致命傷だ。 戦っている最中に足を止めてしまうなんて、攻撃して下さいと言っているようなモノなのだから。 ゆたかの胸の奥にはグルグルと渦を巻く激しい感覚が眠っていた。 それは「絶対に負けたくない」という強い強い想いだ。 『螺旋力』という力が、実際どれだけゆたか自身に影響を及ぼしているのかはよく分からない。 それでも、そんな「人間」という種族としての力ではなくて、 〝小早川ゆたか〟という一つの存在としての力が遥か未来へと繋がる萌芽になっているような気がしていた。 「ゆたか、しっかり掴まっていて!」 「う、うん」 集中力を高めた舞衣がゆたかに強い口調で言った。 ゆたかは舞衣の首の後ろに両手を回して、もっともっと身体を密着させる。 薄い布を通して伝わって来る温もりがじんわりと広がっていく。 耳の奥、後頭部の辺りに疼きにも似た不思議な感覚が芽生える。 そして――浸透。 触れ合う舞衣の感触だけがゆたかの中へと流れ込んでくる。 舞衣とゆたかは別の人間なのに、脈打つ鼓動は一つだけ。 二人の心は完全に一緒になっていた。 ……あったかい。 「いくよ、ゆたか」 「……うん」 投げ掛けられる優しい声。 「ね。全部、終わったらさ。どこかに二人で遊びに行かない?」 「あ……それ凄く楽しそうです」 「でしょ」 世界の歯車がゆっくりと回り始める。 「……あ、ま、舞衣ちゃん」 「え?」 「身体、震えてる」 思わず、ゆたかは舞衣の首に回した腕にギュッと力を込めた。 二つの心臓が触れ合う。 トクン、トクンという音のテンポが次第に一つのはっきりとした鼓動へと変わる。 ドクン、ドクン、と。 力強く、だけど優しく。 ゆたかは眼を閉じて舞衣を抱き締めた。 この一撃が、きっと相手の命を奪ってしまう――きっと舞衣はそう考えている。 全て振り切ったように見せていたとしても、それは演技に決まっている。 人を一人殺す度に心も一緒に死んで行くのだ。 綺麗事や正義を振り翳すつもりはない。 全ての罪を意識して生きて行く。 前に進むためには、いくつもの屍を越えて行かなければならない。 だから、二人で戦うと決めた時から、 その苦しみはゆたかと舞衣、二人で背負わなければならないと悟っていた。 「大丈夫だよ」 「……ゆたか」 「大丈夫、だから」 「……うん」 こくり、と舞衣が頷いた。 舞衣の震えがピタリ、と止まった。全ての準備は整った。 そして、スゥッと息を吸い込み、二人の少女は――叫んだ。 「「カグツチィィイイイイイイイイッ!!!」」 終末の色は紅。煌々と燃える紅蓮に、夜空が赤く染まる。 その時、ようやく動きを止めていたビャコウに反応があった。 まるで何かに憑り付かれていたかのように、緩慢な動きで白い機体が天を見上げた。 男の視界に映ったモノは何だったのだろうか。 己の終焉を悟った諦めか、それとも最後まで抗う線香花火のような輝きか。 迫るは太古の龍王の口から吐き出される超高温のレーザーの如き波動。 そして――カグツチの放った〝天壌の劫火〟がビャコウに直撃した。 ◇ 「ギガ……ドォリル……ブレイクウウウウゥゥゥ!!」 右腕を振り上げドリルとなし、その身までも一本の巨大な螺旋となるほどのエネルギーを集めグレンラガンが必殺の突撃を行う。 牽制として放ったのは決まれば絶対の束縛となるグレンブーメランだ。 グレンラガンの胸部にサングラスを思わせる形で収められていたそれが鋭利な刃物となってアルティメットガンダムに迫る。 「ならばこちらも!超級!覇王!電影だぁぁぁぁぁぁぁん!!」 必殺の一撃を座して受けるドモンではない。対とするように同じく全身をフル回転させ竜巻のように膨大な突進力を得る。 生身でさえグレンラガンの猛攻を阻んだ奥義が比べ物にならない程の巨体によって生み出され、巻き起こされた爆風が壁となりブーメランを弾き飛ばした。 輝ける二つの光が相競うよう突撃し――意固地なまでに真正面からぶつかりあった。 「く、ぐおおおおおおおお!!」 「ぬ、がああああああああ!!」 火花散り紫電舞い飛ぶ力比べもほんの数瞬。 僅かにずれた切っ先を決起に両者の激突は交錯に変わり纏っていたエネルギーが霧散する。 互いに傷をつけることは叶わず、一瞬遅れて周囲に無数の爆発だけが巻き起こった。 「埒があかんか……!」 「ならばっ!」 同時に大地を踏み締め、同時に双方の健在を知った二人は全く同じタイミングで確信する。 今こそ、決着のとき。 「一気に決めるぞシャマル!」 「はい!」 「あれで行く……気合いをいれろおおおおおおお!!」 「私達の、全力全開!!」 再び、グレンラガンがドリルを展開する。 だが、その力強さ、雄々しく聳え立つドリルの勇ましい輝きは無効に終わった先の一撃の比ではない。 溢れんばかりの緑青の光を支えるように桃色の光がそっと寄り添い高みへと、遥かな高みへと導いていく。 その力はまさしく天元突破。 恒星の如く悠久の時を越えて煌めく、至高の感情の結晶である。 「見事な力だ……惚れ惚れしそうなくらいにな……だがな!」 創世の光を前に一歩たりとも退かぬのはキングオブハート。 最強の技を迎え撃つべく不敵に笑い、力強く右手を構える。 「俺のこの手が光って唸るのさぁっ!レインが!シュバルツが!師匠が!仲間達が教えてくれた勝利を掴めってなぁっ!!」 数えきれぬ戦いを潜り抜けた黄金の指の裏でシャッフルの紋章が光を放つ。 アルティメットガンダムもまた同じ金の輝きにその身を染め上げ、放たれた裂帛の気合いが砂塵の大地を叩き割った。 勝負は一撃。 「行くぞぉ!!」 「行くぞぉ!!」 「ギガァァァァァァァァァァァアアアア!!」 「流派!東方不敗は王者の風ぇぇぇ……!!」 「ラァァァァァァァアアアアブラブゥゥ!!」 「フゥルパワァァァァァアアアアアアア!!」 「ドリル!!ブレイクゥゥゥウウウッッ!!」 「石破!!天驚けぇぇぇええええんッッ!!」 激突が、宇宙を揺らした。 ◇ 「何だよこいつは……」 崩壊した建物の残骸を更に根底から抉りとる程の衝撃と、直視するだけで視覚を焼き切られる程の極光の中でそれでも踏ん張る男がいた。 カミナである。 「こいつぁ……」 息をすれば肺が焦げる気さえする熱波を吹き付けられようとも、カミナが後退を選ぶことはない。 風に舞い為すすべもなく鉄の壁に叩きつけられようと、這ってずって、また立ち上がる。 「こいつぁよぉ……!」 退けぬ訳があった。 意地と威勢だけで生き延びてきた男を繋ぎ止めるだけの何かがあった。 死んでも最後を見届けたいと思える戦いが、そこにあった。 「すげぇじゃねか!」 見開かれた両目が見るものは、何か。 ◇ 限界をとうに越えた運用にグレンの搭乗席で小規模な爆発が起こった。 「きゃあ!」 「くっ!こらえろシャマル!あと少しだあああああああ!!」 退くことも避けることも知らぬ戦いはいつ果てるとも知れない。 だが、終焉は確実に近づきつつあった。 「ぐぅ……なんというパワーだ!!」 アルティメットガンダムの装甲が捲り上がり、融解していく。再生力を越える痛みにドモンが歯を食い縛る。 勝利は我にありと、ヴィラルが確信を強め尚も力を加えようと喉を裂く。 「当然だ!!これは俺とシャマルの愛の力っ!!例えお前といえども、いいや誰であろうと!! 止めることなどできんのだああああああああああああああああああああああああああああ!!」 更に膨れ上がるグレンラガンの力に、緑の光はまたたく間に金色の巨体を飲み込むかに思われた。 しかし、愛を知るのは獣人の戦士ばかりではない。 「俺の……」 グレンラガンが押し戻される。 「何っ!?」 「俺のこの手が真っ赤に燃えるぅ!『幸せ掴め』と轟き叫ぶぅ!今爆熱するのは、レインとこの俺ぇっ!!」 輝きを取り戻した黄金の力が再び均衡状態を形作った。 獣人の目が驚愕に見開かれ、対するドモンは言葉を放つ。 絶対に曲げられぬ意志を込めて。 「言ったはずだぞヴィラル……俺は、レインが好きだとなあああああああああ!!」 「ほざけえええええええええ!!」 『おおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおお!!!』 ぶつかり合う意志の中央で一際大きい爆発が起こり、そして勝負が決した。 ◇ 「終わった、のかな」 「多分……そうだと思います」 カグツチから降りた舞衣はずっと抱き抱えたままだったゆたかをそっと地面へと下ろした。 腕に掛かっていた微かな重量と彼女の体温が離れていく感覚が少しだけ寂しかった。 「……舞衣ちゃん? どうかしたの」 「う、ううん! な、なんでもないっ」 首を傾げたゆたかに舞衣は慌ててその場を取り繕った。 そしてああ、そんな気分になるのがおかしいのだ、と上気した頬を掌で軽く扇ぐ。 暗闇と瓦礫の世界の中で、煌々と燃えていく白い機体だけがクッキリとその輪郭を露にしていた。 舞衣はキョロキョロと辺りを見回しながら、ホッと胸を撫で下ろした。 ――確かに、ビャコウにはカグツチのブレスが直撃したはずだ。 地面に降りて確認してみた所、どう見てもビャコウは大破している。 火球で爆破した肩の鎧などだけでなく、二つある顔(ビャコウは胴体にも顔が付いているロボットだった)はどちらも完全にその形を失っていた。 「……あっ……、ま、舞衣ちゃん!」 「どうしたの、ゆた――っ!?」 ゆたかが指差した方向に眼を向けた舞衣は思わず身構えた。 「グゥッ……ッ!」 燃え盛る炎の向こうから現れたのは――未だ健在のチミルフだった。 だが、もちろん無傷という訳ではない。 身体に纏っていたであろう鎧は所々が焼け焦げ、特に肩部から完全に炭化している左腕は「悲惨」の一言である。 肉の焼ける焦げ臭い匂いを漂わせながら幽鬼のような足取りでチミルフはよろめいた。 爆炎を背負い苦悶の表情を浮かべつつも、右手に握り締めた鉄槌が彼の戦意が朽ち果てていないことを示していた。 だが同時に囚人の足鉄球のように引き摺る鉄と地面が擦れ合う音こそが、彼の満身創痍を証明している、と考えることも出来るだろう。 「ゆたか。下がっていて」 「……舞衣ちゃん」 「大丈夫。絶対に……大丈夫だから」 不安げな眼差しで見上げるゆたかの頭を軽く撫でつつ、舞衣は気丈に言い放った。 そして一度消滅させたエレメントを再び具現化させる。 両手首・両手足の周囲に惑星のリングのように展開される金環が音もなく回転を始めた。 ギリィッ、と舞衣は下唇を噛み締めた。 そうだ、相手はわざわざ殺し合いの途中から参戦してくるような人物だ。 こちらが一筋縄で圧倒出来るなんて、あまりに楽観的な見通しだったのだ。 「ッ……」 隣のゆたかがごくり、と息を呑む音が聞こえたような気がした。 その表情に浮かび上がった色は〝驚愕〟と〝怯え〟だ。 舞衣にもその心情は痛いほどよく分かる。そもそも――チミルフは人ではなかったのだから。 螺旋王は確かに部下を途中から舞台に上げると言った。 だが、まさかこのような〝獣〟の姿をしたモノが殺し合いに加わっているとは夢にも思わなかった。 ロボットを操っているから、人語を話すから。 そんな理由で舞衣はてっきり相手はロージェノムと同じ人間だと思っていたのだ。 二メートル近い巨体。隆々とした筋肉と全身を覆う剛毛。 低く豚のような鼻に豪快な足音。 そして――ルビーのように煌々と光る赤い瞳。 「来て、カグツ――」 「……待て。鴇羽……舞衣……」 「え?」 チミルフの口から吐き出された静止の言葉に舞衣は思わず言い淀んだ。 「もう、終わりだ……ッ……」 「お、わり?」 「そうだ、グッ…………!」 言葉と共にチミルフの膝が折れた。ガクッと片膝を付き、息を荒げる。 終わり……もう、限界ということか? 確かに、チミルフの身体には相当なダメージが蓄積しているようだ。 完全に燃え尽きた左腕などその最たる例だろう。 「完敗だ……ッ、だが……貴様らのような子供を前に膝を付くことになろうとは……な」 自嘲気味にチミルフが呟いた。 鉄槌を右手に持ったままなので、戦意が喪失した訳ではないなのだろう。 単純に身体がその意志に付いて行かない、だけなのかもしれない。 「……どうして、ですか」 「な、に?」 その時、舞衣の背後のゆたかが小さな声でチミルフに問い掛けた。 「なんで……戦いの最中に立ち止まったりしたんですか……?」 「ソレは……ッ!」 チミルフの苦虫を噛み潰したような顔付きが更に歪んだ。 触れられたくない部分だったのだろうか。 だが、ゆたかの覚えた疑問は同様に舞衣も感じたモノだ。 戦闘の主導権をこちら側が握った直後、ビャコウが突如動きを停止したのだから。普通では考えられない行動だ。 「わたしには……戦いのことはよく分かりません。 でもチミルフさんは〝武人〟だって……聞きました。だから、その、凄く変だと思ったんです。 本気で戦っていないとか、手を抜いている……とは違った……妙な感じがずっとあって……」 たどたどしい口調でゆたかが続ける。 「チミルフさんは……どうして……戦うんですか? わたし達を襲って来たってことは、ロージェノムさんの命令だと思うんですが……でも」 確かにチミルフの行動には不可解な点が数多く見られた。 それは、言ってしまえばある種の二面性だ。 ある時は強くて、ある時は弱い。 ある時は熱くて、ある時は冷たい。 ある時は心の込められた戦い方をするのに、またある時は極めて無機質で。 彼の中に二人の彼がいて、それが交互に顔を出しているような不思議な感覚だった。 舞衣の中にも〝ソレ〟と似たような記憶があった。 一面の炎と、涙と、怨恨。 もちろん、曖昧で根拠のない想いではあるのだけど。 「くくくくくく……ハハハハハハッハハハ!」 言葉を切ったゆたかを見据えたチミルフが突如、凄まじい大声で嗤った。 舞衣達は飛び上がってしまいたくなる衝動を必死に抑える。 身体が大きいだけあって、その声量も圧倒的だった。 「小娘共よ。最後に、一つだけ……聞こう」 チミルフが小さく、言葉を切った。そして、 「――俺は、手強い相手と言えたか?」 「え……っ!」 「俺は……貴様達を存分に沸き立たせるだけの戦いが出来たか? 貴様達は何を……感じた? 何を思った……? そこに武人としての生き様は……あったか?」 舞衣とゆたかは、チミルフの言葉に思わず顔を見合わせた。 二人とも、胸に過ぎった感想は同じだった。 相手が本気だから、鬼気迫るような迫力が伝わって来るからこそ、辛いのだ。 何かに一生懸命になっている相手を無碍に扱っても、お互いが傷つくだけなのだから。 それが、チミルフにとって残酷な宣告になると確信していた。 悟ってしまっていた。だが、 「言えっ!! 貴様達はどう感じたのだ……ッ!?」 「う……」 そんな甘えを目前の猛将は決して許さなかった。 評価しろ、と。 感じたことを言ってみろ、と。 二人の少女に強要――いや、懇願したのだ。 そこに、戦士としての誇りが在ったかどうかを確かめるために。 ゆっくりと、舞衣が口を開く。 「…………正直、やられちゃう……とは一度も思わなかったわ。少なくとも、負ける気はしなかった」 「……そうか」 チミルフはそう呟くと、膝を付いたまま天を見上げ、遠い眼で空の彼方を見つめた。 でも、どうしていきなり立ち止まったりなんか…… ハッキリ言ってしまえば舞衣はチミルフに負ける訳がない、と感じていた。 そしてソレは単純な慢心や自己の実力の過剰などではなく、半ば感覚的なモノとして嚥下出来る感想だった。 大きな理由の一つとして、ゆたかが「一緒に戦う」と言ってくれたことが大きかった。 舞衣は、自身の〝叫び〟をその胸の内に押し隠してしまう少女だった。 彼女には巧海という、心の底から大事に思っている弟がいた。 彼は少しばかり身体が弱くて、病院に通い詰めだ。 そして舞衣はそんな弟のことをずっとずっと気に掛けていた。 ――私は、お姉ちゃんだから。 そんな意識をずっと抱えていた気がする。 本当は誰かに頼りたくて頼りたくて堪らないのに。 不安で、心配事で潰れてしまいそうなのに、無理ばかりしてしまう。 苦しいことを心の奥底にある棚の中へと押し込んで蓋をして、自分だけの問題にしては外の顔ばかりを取り繕っていた。 だからこそ、ゆたかが「自分を頼ってもいい」と言ってくれた時に、舞衣は本当の気持ちで笑えたのだ。 一人一人ではちっぽけな存在かもしれないけれど、舞衣の側にはゆたかがいてくれた。 二人、だ。 一人じゃない。頼れる相手がいる。 全部心の中に抱え込む必要はないのだ。 だから――無敵だ。 絶対に負けるはずがないと思った。 舞衣もゆたかも胸を張って、全力で目の前の障害に立ち向かうことが出来たのだから。 若干の沈黙に舞衣は心の底から居た堪れない気持ちになった。 望まれてやったことだとしても、相手の感情がこうしてモロに伝わって来るとなると話は別だ。 覚悟を剣に、使命感を刃に、決意を炎に変えて戦っていた数分前とは状況が全く異なってしまっている。 怪物にしか見えなかったチミルフが、 何故かこうしていると本物の人間と変わらないように見えてくるから不思議だった。 星空へと食い入るように視線を寄せるチミルフの眼が輝いて見えた。 いつの間にか――チミルフの瞳から紅色が消えていた。 「ルルーシュの力に取り込まれた時……既に〝怒涛〟と呼ばれた武人は死んでいたのかもしれんな」 「え……今なんて――」 ニィッ、とチミルフが一瞬だけ豪放な笑みを浮かべたような気がした。 棒切れのようにピクリともしなかった彼の右腕が動いた。 大槌を天を突き破らんばかりに持ち上げ、そして、 「螺旋王ッ!! 忠義を失った哀れな部下にせめて獣人らしい最期を!!」 振り下ろした鉄槌を――チミルフ自身の頭蓋へと叩き付けた。 「え…………」 赤色の血潮が辺り一面に噴水のように降り注いだ。 支える力を失った鉄槌が地面へと落下して鈍い音を立てる。 万力によってひしゃげた男の骨は粉々に砕かれ、血流からサラサラと粉末のように流れ落ちる。 黄身を帯びた白いペースト状の物体が道路にぶちまけられた。 そしてドサッ、という小さな音と共に、チミルフの身体がコンクリートの上に倒れ込んだ。 「きゃああああああっ!」 「ゆ、ゆたかっ! 見ちゃダメ……!」 あまりに凄惨な光景にゆたかが悲鳴と共に顔を覆う。 だが、彼女を庇おうとした舞衣の顔面も引き攣り何が起こったのかを理解出来ずにいた。 「な、なんで……」 呻りのような言葉しか出て来なかった。 誇りを否定されたことが、 武人として満足行く戦いが出来なかったことが、それほど彼には苦痛だったのだろうか。 もしくはもっと他の理由が……あったのだろうか。 舞衣は戦いの中に己を全て埋没させている訳ではない。 彼女を構成する要素はいくつもあって、HiMEとしての側面はその中の一部に過ぎないのだ。 誇りも、 忠義も、 武人としての生き様も、 ソレが自身の命を絶つに相応しい理由なのか、舞衣には分からなかった。 ただ一つ、漠然とした結末だけが転がっていて。 それだけが彼女の理解出来るハッキリとした事実で。 パチパチと燃え続ける街。溶けたコンクリートに抉れた大地。 星と月だけが埋め尽くす宇宙の瞬きに包まれて――男は逝った。 ◇ もう一歩意地を通していたら流石に死んでいたかもしれない。 カミナの目の前には巨大なクレーターが広がっていた。円は綺麗にカミナの鼻先から始まっていたが、対岸が見えないためその全貌を窺い知ることはできない。 派手な喧嘩に相応しい置き土産と言ったところか。ともかく戦いは終わったらしい。 「へへっ、あの馬鹿野郎ども見せつけてくれんじゃねぇか」 スポーツで名勝負を観戦した後のようにさっぱりと笑い、体にこびりついた土砂を払う。 さすがに身が持たなかったのか最後の瞬間の記憶はなかった。そのため勝負の行方がどうなったかは分からない。 だがそんなことは些細な問題だ。 カミナはクレーターの中に降り立った。 この先に進み、立っていたものが勝者だという根拠のない確信に突き動かされ足を動かす。グレンラガンやクロスミラージュのこともあったが、不思議とそれほど不安はなかった。 底に近付くにつれて水が溜まっていた。どうやら穴は水辺と繋がってしまっているらしい。 クレーターの中心に居るのは激戦を潜り抜けた一体のロボットである。やはりというか、もう片方は影も形も見えない。 声の届く距離まで一気に駆け寄って、カミナは勝者へと声を張り上げた。 「おう!見せてもらったぜぇ……ドモン!」 「カミナ……か?お前まだこんなところに……」 立っていたのはアルティメットガンダムだった。 生物的だった外観のそこかしこから機械が剥き出しになり、あれ程活発だった再生も殆ど進んでいないが、それでも最後に立っていたのはドモン・カッシュだったのである。 「言われっぱなしで逃げたんじゃあグレン団の名が廃るってもんだ!……おかけで久しぶりに良いケンカを見せてもらったぜ」 「ふ……お前という奴は」 アルティメットガンダムの損傷具合と同様、スピーカーを通して聞こえるドモンの声も限界寸前という様子だったがカミナへの不快感は感じられない。 ただの野次馬とはまた違う表情を見せるカミナに何かを感じたのかも知れなかった。 「ヴィラルの野郎はどうしたぁ?派手にぶっ飛んじまったか?」 「そのようだ……死んではいないだろうが確かに手応えがあった。もう戦闘はできまい」 「クロミラは?」 「無事……のはずだ」 つまりは万々歳という訳だ。敵は倒れ、味方は皆健在である。 もっとも俺もこいつもボロボロだがな、とドモンは笑った。そこに自嘲的な感情はなく、代わりにやり遂げた男だけが持つ誇りが感じられた。 「なら今度こそクロミラを取り返しに行くとしようじゃねぇか。まさか歩く力もねぇなんて言わねぇだろうな?」 「ああ……どのみちこいつはここで眠らせてやった方が良さそうだ」 何かを惜しむような、懐かしむような響きがあった。そう思った理由まではカミナには分からなかったが。 「仲間とも合流しなくてはな……ぐぅお!?」 ハッチが開かれる寸前、上空から降り注いだ何かがアルティメットガンダムの周囲で爆発し、その巨体を揺らした。生じた突風にカミナの体も宙を舞う。 「あでぇ!何だぁ!?」 訳も分からず顎から強かに地面に打ち付けられ、カエルが潰れたときのような妙な音を立てた。 世界が反転していたのも一瞬、持ち前の頑丈さで素早く身を起こすとカミナはきっ、と眼前を睨み付ける。 黒い巨体がそこにあった。一瞬にして現れ、崩壊寸前のアルティメットガンダムに攻撃を加えた新たな敵である。 「てめぇは……!」 漆黒に赤を差した禍々しき機体。ネオホンコン代表マスターガンダム。 それを支える真白きモビルホース。操るは愛馬風雲再起。 「ふん。見事だ。見事であったぞドモンよ」 流派東方不敗開祖。東方不敗マスターアジアその人である。 時系列順に読む Back HAPPY END(7) Next HAPPY END(9) 投下順に読む Back HAPPY END(7) Next HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) ヴィラル 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) シャマル 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) スカー(傷の男) 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) ガッシュ・ベル 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) 菫川ねねね 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) スパイク・スピーゲル 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) 鴇羽舞衣 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) 小早川ゆたか 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) ジン 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) ギルガメッシュ 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) カミナ 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) ドモン・カッシュ 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) 東方不敗 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) チミルフ 285 HAPPY END(9) 285 HAPPY END(7) 不動のグアーム 285 HAPPY END(9)
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今回は、不等号と指数について教えていきます。 まず、不等号についてから。 前回の正の数・負の数については分かりましたでしょうか? 正の数と負の数を比べると正の数の方が大きいのです。 まずはこれを頭に入れておきましょう。 そして、=で成り立つのことを等式といいます。 この等式というのは、=の左側の部分(左辺)と=の右側の部分(右辺)が等しいことを表します。 例で表すと、2+8=4+6 これをりんごで例えるならば、左の皿にはりんごが2個と8個ある。 右の皿にはりんごが4個と6個ありますよーってことなんです。 これを計算すると、10=10という答えになり、両辺が等しいことが分かるかと思います。 これが等式なんです。これに”不”という文字がついてるのですから、等式ではないというわけです。 それに用いられる、記号は「>」または「<」です。(読み方は、>・・・ダイナリ <・・・ショウナリ) この口が開いてる部分が大きい数字を表します。 >ならば、左側に大きい数字がきて、<ならば、右側に大きい数字がきます。 例を出しましょうか。 6,2があるとしましょう。 どちらが大きい数字か分かりますよね? 6ですよね。だから、大きい数字の方に口が開いてる部分がくるので、 6>2 となります。 -がつく所謂負の数が混じっても同じです。 -6,2だと、 2の方が多い数字であることが分かるので、 -6<2 となります。 続いて、指数の説明に入ります。 同じ数字をかけたとき、その数の分だけ数字の右肩に小さく数値を書くことを指数といいます。 例えば、3×3×3×3 という問題があるとしましょう。 この場合、3が4つかけられてますよね? なので、この3の右肩に4を小さく書いて、34のように表します。 また、この指数というのは、自分の左隣の数字しか指定できません。 どういうことか。 これが正の数だと、簡単です。 34を分解すると、3×3×3×3ですよね。 ただし、これが-のつく負の数になると多少ややこしくなります。 例えば、-34という計算をしましょうか。先ほど言っていた、左隣にしか指定できないというのは、隣の3という数字のみにしか範囲がないということです。 つまりは、-は除いてから計算し、最後に-を付ける。所謂、必ず-なんです。 まぁ、例題でいいますと-52+-72という計算式があるとしましょう。-52を分解するとき、-5×-5で計算するのではなく、-(5×5)とします。 つまり、答えがかならず-になります。 よって、-25 -72を分解すると、-(7×7)で、-49 (-25)+(-49)=-74 というのが答えです。 よく分からなかったかな?しかし、例外があります。 ()で括ってあるものは、その項全てに指数が指定されてるものとされます。 え?項とは何か。 項とは、-2+8-9-10という式があるとするならば、それをひとつひとつに分けるようなものです。符号の前で区切って分ける。 つまり、-2と+8と-9と-10ですね。 これのひとつひとつのことを項といいます。 分かりました?ここは重要なので覚えておきましょう。そして、その項全てにかかるとは、()内に-があれば、それもその分かかるというわけですね。 例で表すと、 (-2)4+(-6)2という計算式ならば、 (-2)4というのは、-2という項に()がついてるので、-2が4つかけられてますよ~ということです。従って、 (-2)×(-2)×(-2)×(-2)=-16 同様に、-36で、これを足して、 -52という答えとなります。 とりあえず、なれることが大切です。計算を毎日頑張りましょう。 問1)次の問いに答えなさい。(1) =で成り立つ式のことをなんというか。 (2) (1)とは反対に、=では成り立たず、 や の記号を用いるときの式をなんというか。 問2)次の数字を、「=」「 」「 」の式で表しなさい。 (1) 8,3 (2) 7,-2 (3) -6,-6 (4) -3,2 ★(5) -9,6,-2 問3)次の式を、指数で表しなさい。。(ただし、×が必要な部分は×を用いること) (1) 3×3×3 (2) (-2)×(-2) ★(3) 7×7×5×7×5 問4)次の指数を、分解して×を使った式に変えなさい。 (1) 55(2) 63★(3) 92×24~答え~ 問1)(1) 等式 (2) 不等式 問2) (1) 8 3 (2) 7 -2 (3) -6=-6 (4) -3 2 (5) -9 -2 6 問3) (1) 33 (2) 42 (3) 73×52問4) (1) 5×5×5×5×5 (2) 6×6×6 (3) 9×9×2×2×2×2 ~解説~ 問2) (5) この問題を、順番どおりにすると、 -9 6>-2 となる。しかし、不等号の向きは、統一するのが妥当であるため、 -9 -2 6 という風に順番を入れ替えて、答える。 問3) 7は3つあり、5は2つある。 なので、73と52となる。 これを、指数で表すことは不可能なので、 73×52が答えとなる。 問4) 92は、9×9に分解でき、24は、2×2×2×2に分解できる。 これを×でくっつけて、 9×9×2×2×2×2 が答えとなる。
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サイズが大きすぎてちゃんと再生できない動画ってどうしたらいいの? 245 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 09 08.30 0 話は変わるんだけどさ サイズが大きすぎてちゃんと再生できない動画ってどうしたらいいの? 最近のTVの動画とか全部画面が止まったようになってしまう 246 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 10 41.13 0 パソコンを買い換える 247 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 11 47.22 0 買い換えるって解決法は無し? 248 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 13 28.63 0 買い換えられるなら聞かないですよぉw 249 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 16 30.04 0 全てのアプリ閉じてから動画開くとか プレイヤーをWMPじゃなくVLCにするとか 該当のスレでyoutubeでくれってしつこく言うとか 250 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 19 36.68 0 www ありがとうございます ハードディスクの整理かなとりあえず… 251 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 20 27.03 O MPCとかVLCみたいな軽いプレーヤーを使うくらいしかないだろ それでもダメなら買い替えしかない 252 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 36 13.79 0 プレイヤーを変えるって言うのはかなり有効だよ ぐぐれば丁寧に解説してるサイトとかあるからチャレンジしてみるといい 253 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 39 35.04 0 KMPlayerとかだとカクカクしたり止まったりするmp4とかの動画も見れたりするらしい 254 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 41 55.71 0 皆さんありがとうございます プレイヤー変えたりはしてみてたんですが挙げていただいたのは試していないのでやってみます! 255 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/23(日) 11 43 12.07 0 OSもHD容量もメモリの大きさも何も聞かずにアドバイスする狼住人すごいw 3ハマリ [2009年]
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AHEAD 舞い踊れ十一世界 目次 前進の時代 時代観概説 含ネタばれ 登場人物 用語・アイテム 謎・考察 前進の時代 [部分編集] 近未来、人類が他Gという異世界と概念の力を知る 作品は『終わりのクロニクル』シリーズ 出る杭は打たれる 憎まれっ子、世に憚る 時代観概説 [部分編集] 登場人物 [部分編集] 【終わりのクロニクル】登場人物一覧 【翼】 用語・アイテム [部分編集] IAIは、まだダメぇ UCAT 概念は、まだダメぇ 概念核は、まだダメぇ 護国課 全竜交渉は、まだダメぇ 全竜交渉部隊 謎・考察 [部分編集] □■■■■■■■■■■■■□ ■ ■ ■ E ◇■ ■A D H ◇◇■ ■ ■■ □■■■■■■■■■■■□ 軍 十一の異世界 □■■■■■■■■■■■■□ ■1234567890- ■ ■ WERT IOP ◇■ ■A DFGH L+◇◇■ ■ CV NM ■■ □■■■■■■■■■■■□ ↓ - LOW-G(LAW) 1ST-G(FIRST) 2ND-G(SECOND) 3RD-G(THIRD) 4TH-G(FORTH) 5TH-G(FIFTH) 6TH-G(SIXTH) 7TH-G(SEVENTH) 8TH-G(EIGHTH) 9TH-G(NINETH) 10TH-G(TENTH) TOP-G + MOTHER-G link_anchor plugin error idが指定されていないか、存在しないページを指定しています。 [部分編集]