約 925 件
https://w.atwiki.jp/thvision/pages/1770.html
第十二弾カードリスト・詳細版 第十二弾カードリスト・詳細版キャラクターカード非想天則 シーカードール る~こと リリーブラック リリーホワイト 紅 美鈴 稗田 阿求 マエリベリー・ハーン 宇佐見 蓮子 朱鷺色の妖怪 森近 霖之助 キスメ 上白沢 慧音 黒谷 ヤマメ ナズーリン ルナチャイルド スターサファイア サニーミルク 雲居 一輪 雲山 水橋 パルスィ 火焔猫 燐 霊烏路 空 多々良 小傘 寅丸 星 キクリ アリス・マーガトロイド パチュリー・ノーレッジ 村紗 水蜜 聖 白蓮 姫海棠 はたて 金伽羅 上白沢 慧音(白沢) 星熊 勇儀 古明地 さとり 古明地 こいし 永江 衣玖 比那名居 天子 封獣 ぬえ 龍神 スペルカード気符『地龍天龍脚』 熾撃『大鵬墜撃拳』 始符『エフェメラリティ137』 葵符『水戸の光圀』 月光『ダークスティルネス』 光壁『ウォールブレイク』 流星『プチコメット』 星粒『スターピースシャワー』 虹光『プリズムフラッシュ』 光精『クロスディフュージョン』 蜘蛛『石窟の蜘蛛の巣』 瘴気『原因不明の熱病』 捜符『ゴールドディテクター』 嫉妬『ジェラシーボンバー』 花咲爺『シロの灰』 呪精『ゾンビフェアリー』 溶解『メルティングホワイト』 傘符『パラソルスターシンフォニー』 雨符『雨夜の怪談』 稲妻『帯電入道』 土符『レイジィトリリトン』 犠牲『スーサイドパクト』 浸水『船底のヴィーナス』 天符『焦土曼荼羅』 『聖尼公のエア巻物』 光鬼『金剛螺旋』 『嫌われ者のフィロソフィ』 雷符『エレキテルの龍宮』 地震『避難険路』 アンノウン『軌道不明の鬼火』 コマンドカード一時休戦 改良 信仰心 彼岸 ミニ八卦炉(初期型) 太古の時代 妖回針 宣戦布告 ミステリアスジャック 神前試合 奇跡の蝉 肝試し 知識の墓 秋の日の人食い 魔法の森 昔時の業火 地滑り パラジウム合金 二つ目の太陽 ハートフェルトファンシー ラストリモート フォースフィールド 悪魔の星 信仰は儚き人間の為に 人間の消える道 名前の無い石 歴史喰いの懐郷 真実を変える力 陰謀論 意識の水底 プロモーションカード秘術『天文密葬法』 キャラクターカード 非想天則 《非想天則》 No.1021 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(1)/COST(0) 種族:なし 人形 (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、〔あなたの場の「種族:人間」を持つキャラクター1枚〕をこのキャラクターにセットしてもよい。そうした場合、以後、そのカードは以下の効果を装備カードとして扱われる。 「戦闘修正:+3/+3 (自動α)〔このキャラクター〕が持つ、「人形」の効果は無効になる。」 攻撃力(2)/耐久力(2) 「・・・」 Illustration:9時 コメント ある意味ゴリアテ人形以来の巨大人形。正体はバルーンであるが。 場の「種族:人間」を装備することによって5/5の大型になれるウィニー向きアタッカー。現状、一番安い人間としては里香が優秀である。 ちなみに人間を装備カードとして装備するため、里香を利用した場合は戦車が併用できない欠点がある。 関連 第十二弾 シーカードール 《シーカードール》 No.1022 Character <第十二弾> GRAZE(0)/NODE(1)/COST(0) 種族:なし 人形 (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、〔相手プレイヤー〕は(1)支払っても良い。支払わない場合、〔あなた〕は〔相手プレイヤー1人の手札〕を全て見て、スペルカード、またはコマンドカード1枚を選んでデッキの下に戻してもよい。戻した場合、相手プレイヤーは1ドローする。 攻撃力(1)/耐久力(1) 「・・・」 Illustration:三日月沙羅 コメント 原作では相手の動きを制限するスペルだった人形。 効果は相手に1コストを要求し、支払わない場合は相手の手札を看破+スペルかコマンドをデッキの下に戻すというもの。 ただしその後に1ドローさせてしまうため、ハンドアドバンテージは稼げない。 しかし、このカードの真価は相手の重要なカードをデッキの下に戻してしまうこと。相手の手札事情を把握した上で、再利用しづらい場所にキーカードを戻してしまえるのはかなり強力。 相手に選択権があるため確実にピーピングハンデスすることは出来ないが、序盤ならコスト支払いを嫌がって手札公開してくれることも多い。 先攻1ターン目なら、まず間違いなく通すことができる。 確実にハンドアドバンテージを稼げるオルレアン人形か、それとも序盤に本領を発揮するこちらか…と言ったところだろうか 関連 第十二弾 る~こと 《る~こと》 No.1023 Character <第十二弾> GRAZE(0)/NODE(1)/COST(0) 種族:なし 人形 マナチャージ(1) (常時)(S): ターン終了時まで、目標の〔キャラクター1枚〕は「戦闘修正:+1/+1」を得る。 (自動γ): 〔このキャラクター〕が決死状態になった場合、〔あなたの場のキャラクター全て〕は3ダメージを受ける。 攻撃力(0)/耐久力(2) 「・・・」 Illustration:ちもち コメント マナチャージ持ちのメイドロボ。 1ノード0コストのほぼ究極の安さに加えて場の展開を邪魔しない人形持ちでありながらマナチャージ持ちというこれまでの常識を覆すようなキャラクター。マナの生成なしで1ターン目から安定したマナ加速役をプレイできるならば、序盤の展開で相手を一歩リードできるため非常に強力である。耐久力も2と、玉兎/5弾と違い不意打ちに耐えられることもポイントが高い。 ただし、背中の☢マークに恥じない(自動γ)による巻き添え効果を有しているため、下手をすると序盤の自身の場が消し飛びかねないリスクもある。 対策のひとつとしては要石を用意することがあるが、そちらには槌の子という強力な相棒がいる。 どちらかというと、デッキ内の耐久力3以下のカードをこれのみにするのが楽で確実な対策だろう。幸い、第十二弾でサニーミルク/12弾という耐久4のキャラクターが登場したため、1ターン目にこのキャラクター→2ターン目にサニーミルク/12弾という理想的な流れも可能である。 ノードをさっさと貯めて大型キャラを運用していくデッキならば、序盤のマナチャージ要員として積極的に採用できるだろう。 また、キャラクターをパンプアップする(常時)効果も所持している。 「戦闘修正:+1/+1」は、地味なようでいて意外と面倒。戦闘において一方的に負ける場面を相打ちに、相打ちを勝利に変える局面に当たれば、たとえ効果を使わずとも相手にプレッシャーが掛かるだろう。 ただし、マナチャージ要員として考えるならば常時効果とは二択になり、常時効果が腐り気味。あくまでも、終盤にマナチャージが必要なくなった時のおまけ程度と考えておいたほうが良いだろう。 関連 第十二弾 る~こと/15弾 リリーブラック 《リリーブラック》 No.1024 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(1)/COST(1) 種族:妖精 (自分ターン)(S): 目標の〔貴方の場のカード1枚〕を破棄する。その後、〔あなたの冥界にある「リリーホワイト」1枚〕を貴方の場にスリープ状態で出しても良い。 攻撃力(2)/耐久力(1) 「・・・」 Illustration:ぱすてる コメント 場のカード一枚を犠牲にリリーホワイトを復活させる春告精。 犠牲にするカードとしては相手にはられた呪符か、死神『ヒガンルトゥール』のセットカードなどが有力か。 リアニメイトするリリーホワイトはリリーホワイト/9弾かリリーホワイト/12弾が有力。ただし回転力や威力を考えるとリリーホワイト/9弾がもっとも相性がいいと言える。 関連 第十二弾 リリーブラック/1弾 リリーブラック/9弾 リリーブラック/15弾 リリーホワイト/1弾 リリーホワイト/9弾 リリーホワイト/12弾 リリーホワイト/15弾 リリーホワイト 《リリーホワイト》 No.1025 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(1)/COST(1) 種族:妖精 (常時)(S): 〔あなた〕は1ドローする。その後、〔このカード〕をスリープ状態でノードに加える。 攻撃力(1)/耐久力(2) 「いい気持ち!」 Illustration:ぱすてる コメント 1ドローしつつ、自身はスリープノードに変化する春告精。 手札を消費することなくノードを1枚増やせるので序盤のノード加速要員としての採用が考えられる。 プレイするのに1コストかかってしまう事と、速攻を持っていないので起動効果を使うには1ターンのラグが存在するのが難点。 リリーブラック/12弾と組ませることで、使いまわしが出来るようになっている。 ちなみに、猫符『怨霊猫乱歩』で3枚場に出すと、3ノードと3ドローという凄まじいアドバンテージを生み出す。 関連 第十二弾 リリーホワイト/1弾 リリーホワイト/9弾 リリーホワイト/15弾 紅 美鈴 《紅 美鈴》 No.1026 Character <第十二弾> GRAZE(0)/NODE(1)/COST(1) 種族:妖怪 (自動γ): 〔このキャラクター〕が戦闘を行う場合、〔このキャラクターと、このキャラクターと戦闘を行う相手キャラクター〕の攻撃力は、戦闘終了時までそのキャラクターの耐久力と同じ値に変更される。 (自動γ): 〔このキャラクター〕が戦闘ダメージを受けた場合、〔あなた〕はライフポイントをX得る。Xはこのキャラクターが受けたダメージの値に等しい。 (自動γ): 〔このキャラクター〕が相手プレイヤーのカードの効果で決死状態になった場合、〔あなた〕は1ドローする。 攻撃力(0)/耐久力(4) 「あんたが先に攻撃したのよ」 Illustration:ちもち コメント 紅魔館の門番。スペルブレイクを除けば三度目の登場となる。 1ノード帯でありながら、3つの自動効果を持つ。 1つめの(自動γ)は、戦闘が耐久力勝負になるもの。 テキスト中の「そのキャラクター」はそれぞれのキャラクターのことを指しており、美鈴の攻撃力は美鈴の耐久力と同じ値に変更され、「美鈴と戦闘を行うキャラクター」の攻撃力は「美鈴と戦闘を行うキャラクター」の耐久力と同じ値に変更される。両者の攻撃力が「美鈴と戦闘を行うキャラクター」の耐久力と同じになるわけではない。 攻撃力がいくら高くても耐久力が3以下のキャラクターには一方的に打ち勝てる。反面、攻撃力が3以下でも耐久力が5以上あるキャラクターには返り討ちにあう。 基本的には序盤での足止めブロッカーとして運用するのが妥当であるが、終盤まで使うとなると、耐久力の強化か警戒が欲しい所。 2つめの(自動γ)は、戦闘ダメージ分プレイヤーが回復するというもの。1つめの(自動γ)を補強する意味合いがあるが、おまけ程度に考えていい。 3つめの(自動γ)は、効果除去に対する1ドロー。アドバンテージで損し辛くなるある意味除去対策。 攻撃して防御されなかったときなど、戦闘する相手キャラクターが存在しない場合、一つ目の自動γは対象不適切で解決に失敗する。 N1C1でテキストを3つ持ちグレイズ0。カードパワーは高い部類であるが、攻撃力が0のため基本的に攻撃する意味が無い。ブロッカーとして残しておくのが有用な使い方となるだろう。立っているだけで(自分から動いていかなくても)仕事になるあたり、門番らしいデザインである 「攻撃力が高く耐久力が低い」という傾向のある先制持ちに対して強め。フレーバーテキストも、それを意識しているのかもしれない。 関連 第十二弾 紅 美鈴/1弾 紅 美鈴/9弾 紅 美鈴/14弾 符ノ壱“紅 美鈴” 符ノ弐“紅 美鈴” 彩符『彩光乱舞』 華符『彩光蓮華掌』 彩華『虹色太極拳』 華符『芳華絢爛』 彩翔『飛花落葉』 気符『地龍天龍脚』 熾撃『大鵬墜撃拳』 華符『破山砲』 稗田 阿求 《稗田 阿求》 No.1027 Character <第十二弾> GRAZE(0)/NODE(2)/COST(1) 種族:人間 (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、〔あなたのデッキの上のカード1枚〕を見て、そのカードをデッキの上か下に戻す。その後、〔あなた〕は1ドローする。 (常時)(2)(S): 〔あなたのデッキの上のカード1枚〕を見て、そのカードをデッキの上か下に戻す。その後、〔あなた〕は1ドローする。 攻撃力(0)/耐久力(2) 「私、稗田阿求は皆様の貴重なお話を纏め、これからの幻想郷の為に伝えていきたいと考えています」 Illustration:うなさか コメント 三度目のリメイクとなる稗田の子孫。 今回はプレイ時テキストとしてドローを行える。しかもただのドローではなく、デッキの一番上を確認した後にそのカードを引くかどうかを選択できる。 上海人形に代表される歴代の先輩たちと比較しても、場に出ただけで即座にカードを引けるだけでなく、最大2枚のカードにアクセスできるため、比較的良質な手札補充が可能。 しかも(常時)テキストにも同様の効果があるため、コストさえ払えれば継続的に選択ドローができる優秀なドロー要員といえる。 継続的に2コストを払うことは厳しいが、とりあえず場に出た時点でアドバンテージの損失は克服しているため除去されたとしても悪くない働きではあるし、余裕があるときに1度でも起動できれば、手札の質を上げつつアドバンテージも得られるため軽量キャラクターという額面以上の働きができるだろう。秋 穣子/11弾というコスト捻出役とセットで運用すれば、手札が質量共に万全となるだろう。 (自動β)持ちキャラクターのお約束として、記憶『DNAの瑕』をつけての運用が考えられる。継続的な良質のドローは強力だが、除去耐性がない上に低耐久力であるため、他のキャラクターと比較しても運用にはより一層の注意が必要。 2013/04/03のエラッタで、コストが(0)から(1)に引き上げられた。同日にエラッタの出された秋 穣子/11弾とともにコントロールデッキ全般の強力なドローエンジンとなっていたが、この2枚を最速で出していくプレイングにノード面でのリスクが付きまとうようになったといえる。 関連 第十二弾 スターターデッキ風 稗田 阿求/1弾 稗田 阿求/7弾 稗田 阿求/15弾 マエリベリー・ハーン 《マエリベリー・ハーン》 No.1028 Character <第十二弾> GRAZE(0)/NODE(2)/COST(1) 種族:人間 (常時)(2)(S): 〔このキャラクター〕をゲームから除外する。その後、目標の〔キャラクター1枚〕をゲームから除外する。 攻撃力(0)/耐久力(2) 「しょうが無いわねぇ。今夜はそこから”見に行きましょう”」 Illustration:伍長 コメント みたび帰ってきた不良オカルトサークル、秘封倶楽部の片割れ。 自爆して目標を道連れにする。 効果は目標のキャラクターを自身と共にゲームから除外するというもの。除外は除外されたカードの回収手段の少ないこのゲームにおいて最高クラスの除去性能なうえ、(常時)なので相手ターンでも使用出来る。 強力な効果だが、このカードのプレイ+起動コストの合計で3点に加えスリープコストを必要とするため重く、速攻性に欠ける上、さらに目標を取っているため対策されやすい。しかも自身も除外するため再利用が難しい。符ノ弐“八雲 紫”と組み合わせる事で再利用できなくもないが、コストが見合っているかは疑問のあるところ。 唯一の利点はキャラクターカードなので冥界に落ちても回収が容易な事とキャラクター効果である事、場に出るためある程度の牽制になることくらいだろうか。 相方の「宇佐見 蓮子」とはシナジーが無くなった。マエリベリー・ハーン/7弾は名称指定こそ無いが宇佐見 蓮子/7弾と強いシナジーを形成していた。しかし、このカードには宇佐見 蓮子/1弾が起動効果を使用出来るようになるくらいでこのカード側には特に何も無い。 関連 第十二弾 マエリベリー・ハーン/1弾 マエリベリー・ハーン/7弾 妖鳥と化猫チーム 宇佐見 蓮子/1弾 宇佐見 蓮子 《宇佐見 蓮子》 No.1029 Character <第十二弾> GRAZE(0)/NODE(2)/COST(1) 種族:人間 (自分ターン)(1)(S): 〔このキャラクター〕を破棄する。その後、目標の〔あなたの冥界にある「プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果(アイコン参照)」を持つカード1枚〕を手札に加える。 攻撃力(0)/耐久力(2) 「この近くにも天鳥船神社、あったよね」 Illustration:伍長 コメント みたび帰ってきた不良オカルトサークル、秘封倶楽部の片割れ。 起動効果を使用することで強引な取引や情報戦、黄泉の舟、無縁塚のような効果範囲がプレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果のカードを手札に加えることができる。 このアイコンを持つカードには禁忌『フォービドゥンフルーツ』や要石『天地開闢プレス』のような強力なものも多いのでそれらが回収できるこの効果は強力。 しかしスリープが必要で即効性が無く耐久力も低いため対処されやすい。 猫符『怨霊猫乱歩』を使用することで何度も効果を使うことが可能。 『効果範囲が「プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果」のカード』一覧はプレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果の関連項目を参照。 関連 第十二弾 宇佐見 蓮子/1弾 宇佐見 蓮子/7弾 妖鳥と化猫チーム 朱鷺色の妖怪 《朱鷺色の妖怪》 No.1030 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(2)/COST(1) 種族:妖怪 奇襲 (自動γ): 〔相手プレイヤー〕がドローフェイズの規定の効果以外でドローした場合、相手プレイヤーの手札1枚を無作為に選んで破棄する。この効果は重複しない。 攻撃力(3)/耐久力(1) 「さっきの赤いの、居るのはわかっているわ!」 Illustration:会帆 コメント 相手プレイヤーの手札を増えにくくする妖怪。 奇襲も持っているので相手の行動に干渉でプレイすれば最低でも1度は(自動γ)の条件を満たすことが出来る。 同じノード・コストである朱鷺色の妖怪/3弾と比較すると以下の点で異なる。 プレイを無効にするわけではないのでカードの効果の解決自体は許してしまう。ノード回収の効果も厄介な紅葉狩りなどを確実に止めたければ朱鷺色の妖怪/3弾の方が優れていると言える。とはいえ、このカード自体もノードから回収したカードを落とせる可能性はあるので一概に紅葉狩りに対して有効ではないとは言い切れないが。 コマンドカード以外にも対応出来る。新史『新幻想史 -ネクストヒストリー-』や『嫌われ者のフィロソフィ』などの厄介なスペルカードに対応出来るのは優秀と言える。また、河城 にとり/11弾のように毎ターンドローする効果に対しては非常に有効である。 無作為に手札を破棄するのでドローする以前から持っていたカードを破棄させる可能性がある。序盤に使用すればハンデスで落ちたカードから情報を確保し、相手が何のデッキかを推察することも可能。 場にいる限り効果が持続するので相手のドローカードの使用を躊躇させることが出来る。 攻撃力が3なのでアタッカーとしても十分な性能である。グレイズも1であるため優秀。 惜しむらくは耐久1なことか。他の耐久力が1であるキャラと同様、八坂 神奈子/11弾が場に出るだけで無力化されてしまう。また、不意打ちには落とされるうえ、ハンデスを行えない。もっとも、その場合は手札からもう1枚出してやるといい。 関連 第十二弾 スターターデッキ風 朱鷺色の妖怪/3弾 朱鷺色の妖怪/9弾 森近 霖之助 《森近 霖之助》 No.1031 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(2)/COST(1) 種族:人間/妖怪 (常時)(1)(S): 〔あなたの手札にあるコマンドカード1枚〕を破棄しても良い。破棄した場合、〔あなたのデッキ〕を全て見て、コマンドカード1枚を抜き出し、相手プレイヤーに見せてから手札に加えても良い。その後、デッキをシャッフルする。 攻撃力(3)/耐久力(2) 「君達は大きな勘違いをしている様だね」 Illustration:鶴亀 コメント 非常に軽くなって帰って来た香霖堂店主。 起動効果は所謂手札のコマンドカードを別のコマンドカードに入れ替えるという物。手札で腐っているマナの生成等を強引な取引等に交換できる。 また、この効果はコストが1掛かるものの、捨てるコマンドカードの対象に制限が無い。よって銀ナイフと組み合わせれば毎ターン好きなカードを手札に加える事が出来るのだ。このカードが低ノードなのを活かして序盤からマナの生成で加速するのも良し。強引な取引でさらに手札を増やしても良し。是非曲直庁の威令や陰謀論、緑眼のジェラシーなどを手札に溜め込んで相手の行動を次々妨害するのも良し。手札にまだ無い銀ナイフを加えても良し。状況に合ったコマンドカードを選んでいこう。 逆にこのカードを相手にする場合、放っておくとカウンターを大量に握られる等して手が付けられなくなる場合もあるので優先的に除去して行きたい所。 地味にグレイズ1の3/2と平均以上の戦闘力まで持っている。目ぼしいコマンドカードがデッキから無くなった場合でも十分戦列に並ぶ事が出来るだろう。人間/妖怪と、サポートを受けやすい種族であることも好材料といえる。 相手の強引な取引に干渉してハートフェルトファンシー、エンパシーなどにはラストリモート、ワンショットされそうなときに雲外蒼天などが後出しできるため、(自動β)を持つコマンドカードとの相性が良い。 関連 第十二弾 スターターデッキ風 森近 霖之助/1弾 森近 霖之助/7弾 キスメ 《キスメ》 No.1032 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(2)/COST(1) 種族:妖怪 速攻 (自動γ): 〔あなた〕が手札から直接ノードをセットした場合、ターン終了時まで、〔このキャラクター〕は「戦闘修正:+2/+1」を得る。 攻撃力(1)/耐久力(3) 「こんな所に来るなんて」 Illustration:ぱすてる コメント ノードセットによってパンプアップするウィニーアタッカー。 3/4になるための条件は手札から直接ノードをセットした場合だが、序盤ではよくあることなので積極的にテキスト起動を狙って行ける。 ただしウィニーとしてはノード2と若干重く、またマナチャージャーなどが揃いだす中盤以降はチャンプブロックとしてしか活躍できない。 キスメ/9弾は同じノードコストで元々攻撃力3を持っているがこちらは耐久力が高いのでそこに活路を見つけるしかないだろう。 マナの生成などでは戦闘修正は得られない。IR-1.8.3 帚木伝説の効果を使用すれば最高+6/+3の修正を得ることができる。 関連 第十二弾 キスメ/5弾 キスメ/9弾 怪奇『釣瓶落としの怪』 釣瓶『ウェルディストラクター』 釣瓶『飛んで井の中』 上白沢 慧音 《上白沢 慧音》 No.1033 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(3)/COST(1) 種族:人間/妖怪 (自分ターン)(0): この効果はメンテナンスフェイズにしか使用できない。このターンのドローフェイズをスキップする。その後、〔このキャラクター〕を変身状態にする。 攻撃力(3)/耐久力(3) 変身後 《上白沢 慧音(白沢)》 GRAZE(3) 種族:妖怪/獣 貫通 警戒 攻撃力(6)/耐久力(6) 「満月さえあればこんな奴には…」 Illustration:ぱすてる コメント ついに単体で変身能力を得た先生。 ドロー1回を犠牲にして警戒・貫通持ちの(白沢)状態に変身できる。 変身によって名称が「上白沢 慧音(白沢)」に変化するため、ノーコストで新史「新幻想史 -ネクストヒストリー-」を撃てるようになるのは大きな利点。変身時のデメリットも軽減できる。 IR-10.28.10により変身しても次のターンの開始時には元に戻ってしまう。 変身後のステータスはノードコストの割りに強力だが変身するたびにアドバンテージを失ってしまうのでご利用は計画的に。 関連 第十二弾 上白沢 慧音/1弾 上白沢 慧音/9弾 上白沢 慧音/15弾 上白沢 慧音(上白沢 慧音(白沢)/12弾の変身後) 産霊『ファーストピラミッド』 倭符『邪馬台の国』 国符『三種の神器 剣』 光符『アマテラス』 未来『高天原』 始符『エフェメラリティ137』 葵符『水戸の光圀』 『日出づる国の天子』 野符『将門クライシス』 ※「上白沢 慧音」を参照するカード 上白沢 慧音(白沢)/3弾 上白沢 慧音(白沢)/3弾 上白沢 慧音(白沢)/9弾 上白沢 慧音(白沢)/12弾 新史『新幻想史 -ネクストヒストリー-』 旧史『旧秘境史 -オールドヒストリー-』 転世『一条戻り橋』 『無何有浄化』 黒谷 ヤマメ 《黒谷 ヤマメ》 No.1034 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(3)/COST(1) 種族:妖怪 即死 (自動β): 〔このキャラクター〕プレイされて場に出た場合、目標の〔必要ノードが1~2のキャラクター1枚〕を決死状態にする。 攻撃力(1)/耐久力(2) 「胡散臭いからこの場で倒してあげる」 (PR.115:「胡散臭いからこの場で倒してあげる」) Illustration:とり(PR.115:Sui.) コメント 3度目のリメイクとなる土蜘蛛。西行寺 幽々子/5弾の下位種のようなカード。 必要ノードとコストが半分になり決死状態に出来るキャラクターの必要ノードも半分になった。ついでに戦闘力も約半分。 西行寺 幽々子ほどスペルカードには恵まれていないがこちらは即死を持つため防御できればほぼ相打ちにできる。 関連 第十二弾 プロモーションカード 黒谷 ヤマメ/5弾 黒谷 ヤマメ/9弾 罠符『キャプチャーウェブ』 瘴符『フィルドミアズマ』 毒符『樺黄小町』 細綱『カンダタロープ』 蜘蛛『石窟の蜘蛛の巣』 瘴気『原因不明の熱病』 ナズーリン 《ナズーリン》 No.1035 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(3)/COST(1) 種族:妖怪/獣 (自動α): 〔装備カードがセットされているあなたの場のキャラクター全て〕は「戦闘修正:+1/+1」を得る。 (常時)(1): 〔相手プレイヤーの冥界にある装備カード1枚〕を選び、〔このキャラクター〕にセットする。この効果では「神器」の効果を無視することができる。 攻撃力(4)/耐久力(3) 「さて、次の宝を探さないとあのお方の小言を聞くはめになるな」 Illustration:カズ コメント 墓泥棒のナズーリン。 常時効果で相手の冥界から装備カードを奪うことが出来る。 多少相手依存な効果ではあるが、強力な装備が増えた昨今では狙える機会も多いことだろう。 また自動αは装備をセットしたこちらのキャラクターを強化するもので、重複もするので複数枚揃えると美味しい。積極的に活用していくなら装備カードを主軸としたデッキと相性がよいとえる。また常時効果で積極的に狙って行けるのもいい。 戦闘力やグレイズもアタッカーとして大変優秀であり、全体的に今までの補助的なナズーリンから攻撃的なものへと変わっている。 関連 第十二弾 ナズーリン/7弾 ナズーリン/10弾 幻想の探求チーム 捜符『レアメタルディテクター』 視符『ナズーリンペンデュラム』 財宝『ゴールドラッシュ』 守符『ペンデュラムガード』 棒符『ナズーリンロッド』 宝塔『グレイテストトレジャー』 捜符『ゴールドディテクター』 ルナチャイルド 《ルナチャイルド》 No.1036 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(3)/COST(2) 種族:妖精 隠密 (自動α): 〔このキャラクター〕は相手プレイヤーの場のキャラクター効果の目標にならない。 (自動γ): 〔このキャラクター〕が相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、〔あなたのデッキ〕を全て見て、「種族:妖精」を持つキャラクターカード1枚を抜き出し、あなたの場にスリープ状態でだしても良い。その後、あなたのデッキをシャッフルする。 攻撃力(4)/耐久力(1) 「だらしないわねぇ…いつもの虚勢はどうしたのかしら?」 Illustration:鳥居すみ コメント 再び隠密を得て帰ってきた三月精その1。 耐久力が減った代わりに攻撃力が上がり、低いグレイズ値と合わせてよりアタッカー向けになった。 (自動α)によってリリカ・プリズムリバー/11弾のようなキャラクター効果から身を守ることができる。 (自動γ)も隠密と非常にマッチしており、妖精の展開力をより強化できる。 妖精デッキで使用するならば非常に使いやすいカードと言えるだろう。 関連 第十二弾 ルナチャイルド/1弾 ルナチャイルド/9弾 ルナチャイルド/15弾 光の三妖精チーム 月符『ルナティックレイン』 月光『サイレントストーム』 月光『ダークスティルネス』 光壁『ウォールブレイク』 障光『ムーンライトウォール』 スターサファイア 《スターサファイア》 No.1037 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(3)/COST(2) 種族:妖精 速攻 貫通 (自動γ): あなたのターン終了時、〔このキャラクター〕を決死状態にする。 攻撃力(6)/耐久力(1) 「また悪巧み?」 Illustration:鳥居すみ コメント より攻撃的な性能になった三月精その2。 速効と貫通、ノード3にしては破格の攻撃力と低グレイズを持つ代わりに、ターン終了時に決死状態になるデメリットを持つ。 実質的に1ターン限定とはいえ、十分優秀なアタッカーと言えるだろう。 妖精デッキでは自身の効果で能動的に呪精を場に出すこともできる。 そのまま追撃することは出来ないので意味があるかどうかは微妙なところではあるが。 余談だがMtGのあるカード(外部リンク)に酷似している。 関連 第十二弾 スターサファイア/1弾 スターサファイア/9弾 スターサファイア/15弾 光の三妖精チーム 星符『レッドスター』 流星『コメットストリーム』 流星『プチコメット』 星粒『スターピースシャワー』 星粒『スプリンクルピース』 サニーミルク 《サニーミルク》 No.1038 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(3)/COST(2) 種族:妖精 マナチャージ(2) 攻撃力(2)/耐久力(4) 「そうだ、良いことを思いついたわ!」 Illustration:鳥居すみ コメント 他の二人に対して、非常にシンプルな能力になった三月精その3。 珍しいマナチャージ(2)を持つ。 サニーミルク/9弾と比べると、コストが1増えた代わりに耐久力が1増え、再生効果が無くなっている。 ノード3でのマナチャージ(2)は優秀なので、サニーミルク/9弾を使用していたデッキでは十分採用圏内に入るだろう。 反面、コストは重くなっているので、サニーミルク/1弾を採用しているようなデッキでの活躍は難しいかもしれない。 関連 第十二弾 サニーミルク/1弾 サニーミルク/9弾 サニーミルク/15弾 サニーミルク(裏向きキャラクター) 光の三妖精チーム 陽光『サンシャインニードル』 日符『アグレッシブライト』 虹光『プリズムフラッシュ』 光精『クロスディフュージョン』 光精『ダイアモンドリング』 雲居 一輪 《雲居 一輪》 No.1039 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(4)/COST(1) 種族:妖怪 警戒 (自動α): 〔このキャラクター〕はカードがセットされているキャラクターと戦闘を行う場合、ダメージを受けず、戦闘終了時まで「即死」を得る。 攻撃力(3)/耐久力(4) 「賊は生かしておけないよ!」 Illustration:ukyo_rst コメント 持ち物を持っている相手には容赦しない入道使い 装備、呪符問わずカードがセットされたキャラとの戦闘ではほぼ無敵。 戦闘ダメージと限定されていないが、「戦闘を行う場合」の効果が発生するのは攻撃、および、防御以外の干渉を全て解決してからなので注意。 警戒も持っているため、装備などを主軸としたデッキ相手にはかなり強力に立ち回る事が出来る。 また積極的に相手にセットカードを貼るなら各種呪符や、雲山/7弾、雲山/12弾、リリカ・プリズムリバー/11弾あたりが候補に挙がる。 特に雲山/12弾は常時効果でカードをセットすることができるので、コンバットトリックとして相性がいい。雲山/7弾も相手ターン限定ではあるが、2枚ハンデスがおまけで付いてくるので強力。 関連 第十二弾 雲居 一輪/7弾 雲居 一輪/10弾 鉄拳『問答無用の妖怪拳』 大喝『時代親父大目玉』 拳骨『天空鉄槌落とし』 拳符『天網サンドバッグ』 拳打『げんこつスマッシュ』 稲妻『帯電入道』 孤高の監視者 雲山 《雲山》 No.1040 Character <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(4)/COST(1) 種族:妖怪 貫通 (常時)(2)(S): 目標の〔キャラクター1枚にセットされている「雲」全て〕を本来のプレイヤーの手札に戻す。その後、このキャラクターを破棄する。 (常時)(S): 目標の〔キャラクター1枚〕に、〔そのプレイヤーのデッキの上のカード1枚〕を裏向きにしてセットする。そのカードは以下の効果をもつ呪符カード「雲」として扱う。 「戦闘修正:+1/+1」 攻撃力(3)/耐久力(4) 「…」 Illustration:ukyo_rst コメント 今回は自身をセットするのではなく、+1/+1になる「雲」を配る入道。 スリープコストが必要だとはいえ、常時効果である上にその用途は多用である。 まず簡単に見てもパンプアップ要員として優秀であり、その威力は鬼火『超高密度燐禍術』などでも証明済みである。 いざというときは2コストの常時効果により、手札の補充を行うこともできる。 またセット先を選ばず、裏向きの呪符カードとして扱うことから、相手キャラクターに貼り付け、雲居 一輪/12弾のサポートをしたり、古明地 さとり/9弾の効果で奪ったり、ルナサ・プリズムリバー/11弾のダメージ増加に使うこともできる。 名称のルールIR-12.3から、「雲」を手札に戻す効果には雲山/10弾なども該当し、また気質変化によって、八雲家や妖雲『平安のダーククラウド』をサーチできる。覚えておいて損はないだろう。 関連 第十二弾 雲山/7弾 雲山/10弾 雲居 一輪/7弾 雲居 一輪/10弾 孤高の監視者 水橋 パルスィ 《水橋 パルスィ》 No.1041 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(4)/COST(2) 種族:妖怪/鬼 (自動γ): あなたのライフポイントが相手プレイヤーのライフポイントより15以上少ない場合、〔このキャラクター〕は変身状態となり以後は通常状態に戻る事が出来ない。 攻撃力(4)/耐久力(4) 変身後 《宇治橋の怨霊》 GRAZE(2) 種族:鬼 (自動α): 〔このキャラクター〕は決死状態にならない。 攻撃力(8)/耐久力(8) 「ふん、舐められたもんね。その下賤な力が人間は身近で恐ろしいのに」 (PR.113:「まさか私達の呪われた力を目当てに?」) Illustration:とり(PR.113:双瀬聖) コメント 3度目の収録となる橋姫。 相手とのライフ差によって大型キャラクターに変身する能力を持つ。 また、変身後には「決死状態にならない」という自動効果も追加される。 「15以上」というライフ差は大きく、自分からライフを削る工夫が必要。もしくは幻術で変身を付与しても良い。ただしその場合はターン開始時に元に戻る(IR-10.28.10)ので注意が必要である。 同じくライフを削ることで活きる嫉妬『ジェラシーボンバー』の術者であるのだが、ライフ差により「宇治橋の怨霊」になると術者として参照できなくなってしまうというまさかのアンチシナジーを持つ。 また、変身前は4/4のバニラに過ぎないため、展開によっては腐ってしまう可能性もある。 変身後も特に戦術を持っていないのが悩みどころ。 あくまで「決死状態にならない」だけで、「破棄する」効果には耐性が無いのも痛い。 8/8でグレイズ値2は破格の数値なので、その攻撃力をうまく生かしたい。 関連 第十二弾 プロモーションカード 水橋 パルスィ/5弾 水橋 パルスィ/9弾 恨符『丑の刻参り』 舌切雀『大きな葛籠と小さな葛籠』 妬符『グリーンアイドモンスター』 怨み念法『積怨返し』 嫉妬『ジェラシーボンバー』 花咲爺『シロの灰』 火焔猫 燐 《火焔猫 燐》 No.1042 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(4)/COST(2) 種族:妖怪/獣 (自動α): あなたの場に「霊烏路 空」がいない場合、以下の効果を使用することは出来ない。 (常時)(1)(S): 目標の〔冥界にあるキャラクターカード1枚〕をあなたの場にアクティブ状態で出す。この効果で場に出たキャラクターは以下の効果を得る。 「【(自動γ)このターンの終了時、〔このキャラクター〕を決死状態にする。】」 攻撃力(4)/耐久力(4) 「死体と怨霊ならあたいにお任せ!地獄の死体運搬はお燐の猫車運送でってね」 Illustration:RiE コメント 3度目の収録となる火車。 今回は親友の「霊烏路 空」とのコンボを前提とした効果となっている。 効果は場に「霊烏路 空」がいる場合、傀儡の死者に似た起動効果を得ると言うもの。特に制限が無いうえアクティブ状態で場に出るので西行妖/1弾のようなノード「‐」のキャラクターや二ッ岩 マミゾウ/11弾のように強力なキャラクター、秋 穣子/11弾のような優秀なスリープ効果を持つカードを出してやるといいだろう。 常時効果なうえ相手の冥界からも奪えるので、相手のリアニメイトカードや秘密結社を妨害する事も出来る。 霊烏路 空/12弾とはエンパシーに対応している。霊烏路 空/12弾はこのカードのデメリットとなるはずの自壊効果とシナジーを生むので是非採用してやりたい。更にこのカードは小型キャラクターを多く生み出すスペルカードを複数所持している。これも空の自動効果に良く噛み合っているので強力。 弱点は「霊烏路 空」が居ないとただの戦闘力4/4のバニラである点。何としても「霊烏路 空」を維持するか、変装を活用する等して常に起動効果を使用出来るようにしたい。 また、相方代表の霊烏路 空/12弾とは異なり(自動α)で封じられているのは起動効果である。そのため真実の光景とコンボする事も可能。 関連 第十二弾 火焔猫 燐/5弾 火焔猫 燐/9弾 心霊の火車チーム 地獄の鳥獣チーム 恨霊『スプリーンイーター』 『死灰復燃』 妖怪『火焔の車輪』 死符『ゴーストタウン』 『死体繁華街』 呪精『ゾンビフェアリー』 霊烏路 空/5弾 霊烏路 空/9弾 霊烏路 空/12弾 神霊の劫火 霊烏路 空 《霊烏路 空》 No.1043 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(4)/COST(2) 種族:妖怪/獣 (自動α): あなたの場に「火焔猫 燐」がいない場合、以下の効果は無効となる。 (自動γ): 〔場のキャラクター〕が決死状態になった場合、目標の〔相手プレイヤー〕に4ダメージを与える。この効果は重複しない。 攻撃力(4)/耐久力(4) 「私が余りに強い力を手にしてしまったから火焔地獄の炎は強くなる一方」 (PR.117:「異物発見!核融合炉の異物混入は一旦反応を停止し、即座に異物を排除せよ」) Illustration:RiE(PR.117:鶴亀) コメント 3度目の収録となる地獄鴉。 今回は親友の「火焔猫 燐」とのコンボを前提とした効果となっている。 効果は場に「火焔猫 燐」がいる場合、キャラクターの決死状態をトリガーに相手プレイヤーに4ダメージを与えると言うもの。4ダメージは要石『天地開闢プレス』に次ぐ威力なので無視出来る物では無く、さらにターン制限が無いのでキャラクターが決死状態になる度に効果が発生する。 緑眼のジェラシー等カード効果による決死状態は勿論、戦闘による決死状態でも発生する。このため相手のチャンプブロックを許さず、自分のチャンプブロックは決定打に変えてしまう事が可能。 ミスティア・ローレライ/1弾のように自発的に自身を決死状態に出来るキャラクターカードを採用し、4打点の爆弾として運用するのも面白いだろう。 火焔猫 燐/12弾とはエンパシーに対応している。火焔猫 燐/12弾はこのカードとシナジーを生むので是非採用してやりたい。 1枚目の燐で2枚目の燐を、2枚目の燐で3枚目の燐を、3枚目の燐で何らかのキャラクターを出せば、3コストで12ダメージである。 更に燐は小型キャラクターを多く生み出すスペルカードを複数所持している。これもこのカードの自動効果に良く噛み合っているので強力。 弱点は決死状態でなければ効果が発生しない点。破棄や除外には対応していないので、符ノ壱“八雲 紫”や爆符『ギガフレア』でキャラクターを除去しても自動効果は発生しない。 また、「火焔猫 燐」が居ないとただの戦闘力4/4のバニラである。何としても「火焔猫 燐」を維持するか、変装を活用する等して常に自動効果を発生出来るようにしたい。 爆符『メガフレア』等、ひとつの効果でキャラクターを複数同時に決死状態にしても、(自動γ)が発生するのは1度だけである。対して、「火焔猫 燐/12弾の効果で出したキャラクター」と「傀儡の死者の効果で出したキャラクター」がそれぞれの効果で決死状態になった場合には、効果は2回発生する。「決死状態の解決」が何回行われるのかがポイント。前者のように、ひとつの効果で複数のキャラクターが同時に決死状態になったときは決死状態の解決は1回である。後者のような「発生するタイミングが同じ、別の効果」の場合、効果の解決が順番に行われるため、効果1の解決→効果1による決死状態の解決→効果2の解決→効果2による決死状態の解決、となる。 連結を持たない「霊烏路 空」の中で、唯一自力で八咫烏を装備出来ない。 関連 第十二弾 プロモーションカード 霊烏路 空/5弾 霊烏路 空/9弾 惨禍の閃光チーム 地獄の鳥獣チーム 爆符『メガフレア』 『地獄の人工太陽』 熱符『ブレイクプロミネンス』 焔星『十凶星』 爆符『ギガフレア』 溶解『メルティングホワイト』 火焔猫 燐/5弾 火焔猫 燐/9弾 火焔猫 燐/12弾 神霊の劫火 多々良 小傘 《多々良 小傘》 No.1044 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(4)/COST(2) 種族:妖怪 奇襲 速攻 (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、目標の〔必要ノードが5以上のキャラクター1枚〕を本来のプレイヤーの手札に戻す。 攻撃力(3)/耐久力(5) 「ちょっと待ってよ~」 Illustration:きゃっとべる コメント 大型バウンサー小傘 以前同様に速攻奇襲持ちで耐久力とグレイズが高く、コンバットトリックによる防御要員である。相変わらず攻撃には向かない。 今回はプレイされて場に出たときの自動効果として目標の〔必要ノードが5以上のキャラクター1枚〕をバウンスする効果を得た。 特に終盤においてこの効果は有用であり、一体を防御しつつもう一体をバウンスするなどといった、十六夜 咲夜/1弾に似た運用が可能である。しかもバウンス対象が必要ノードが5以上のキャラクターなので十六夜 咲夜/1弾と違ってボードアドバンテージを得られる。 ただしノード4以下を主軸とするウィニーなどには無力であり、対応力の広さで言えば十六夜 咲夜/1弾や多々良 小傘/7弾などの方が優秀である。 関連 第十二弾 多々良 小傘/7弾 多々良 小傘/10弾 大輪『ハロウフォゴットンワールド』 後光『からかさ驚きフラッシュ』 傘符『細雪の過客』 虹符『オーバー・ザ・レインボー』 驚雨『ゲリラ台風』 傘符『パラソルスターシンフォニー』 雨符『雨夜の怪談』 寅丸 星 《寅丸 星》 No.1045 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(0) 種族:妖怪 加護(2) (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、〔あなた〕は(2)支払っても良い。支払った場合、〔あなたのデッキ〕を全て見て、「宝塔」1枚を抜き出し、このキャラクターにセットしても良い。その後、デッキをシャッフルする。 攻撃力(4)/耐久力(5) 「もし貴方が道を誤っているのであれば、この毘沙門天の宝塔の前にひれ伏す事になるでしょう!」 Illustration:萩原凛 コメント 宝塔との組み合わせにより特化した寅丸。 プレイされて場に出たときに2コスト支払うことで宝塔をデッキからサーチして自身にセットすることができる。ちょうど自身のスペルカードである宝塔『レイディアントトレジャー』の1の効果とほぼ同じである。 そのため、実質ノード5コスト2で戦闘力5/5のグレイズ2。戦術:加護(2)所持のスリープ1コストで5点ダメージを与える起動効果持ちのキャラクターとも取れる。 宝塔や宝塔をコストとして使用するカードとの組み合わせに特化したデザインに仕上がっている。 宝塔をサーチしない場合はコスト0で4/5の加護(2)持ちのキャラクターとなる。宝塔以外の装備をセットしたい場合は、そのコストの軽さを活かしていきたい。 何かしら装備をセットしている場面がほとんどで、加護を所持しているのため雲居 一輪/10弾がいるとキャラクター効果、スペル、コマンド全てに耐性を持つことになる。ただし、完全に防ぐという訳ではないので過信しないように。 自動効果でセットする「宝塔」は装備カードである必要はない。その場合セットされたカードのテキストは無効であるが、宝塔『レイディアントトレジャー』の2の効果で破棄することはできる。 関連 第十二弾 寅丸 星/7弾 寅丸 星/10弾 魔界の武神チーム 幻想の探求チーム 宝塔『レイディアントトレジャー』 光符『浄化の魔』 宝符『黄金の震眩』 光符『正義の威光』 法灯『隙間無い法の独鈷杵』 寅符『ハングリータイガー』 天符『焦土曼荼羅』 魔界の幻船 キクリ 《キクリ》 No.1046 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(2) 種族:妖怪 (自動α): 〔このキャラクター〕はスペルカードの効果の対象にならない。 (常時)(1): 〔このキャラクター〕をゲームから除外する。ターン終了時まで、〔あなた〕と〔あなたの場のカード全て〕は相手プレイヤーのカードの効果の対象にならない。 攻撃力(4)/耐久力(5) 「あなたが私に光を当てたの?」 Illustration:三日月沙羅 コメント 旧作『東方靈異伝』に登場する地獄ルート15面ボス。 起動効果は自身を犠牲にしてプレイヤーと場の全てのカードを相手プレイヤーのカード効果から守る事が出来るというもの。 常時効果で守れる範囲は広く、さらにターン終了時まで続くので非常に使い勝手の良い効果となっている。 ただし、それなりのサイズのキャラクターを犠牲にしているということは忘れない様にしたい。普通のパーミッション感覚で使うにはコストがかなり重い。 自動αによってスペルカードの対象にならず、戦闘力やグレイズもコストと比べて悪くない数値なのでアタッカーにもなれる。 運用法としては、常時効果で相手の除去などに睨みを利かせつつ、アタッカーとして運用していくといった使い方になるだろうか。 2012/06/23付で起動効果の内の自身の破棄がゲームからの除外となるエラッタ修正を受けた。 汎用性が高く、特に魔鏡との組み合わせにより盤面に対して強固になりすぎる為、使い回しを制限します。(公式ブログより抜萃)とのこと。 関連 第十二弾 キクリ/15弾 アリス・マーガトロイド 《アリス・マーガトロイド》 No.1047 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(2) 種族:魔法使い マナチャージ(1) 抵抗(3) (常時)0: 〔あなたの場の「人形」を持つキャラクター2枚〕をスリープ状態にする。その後、あなたは1ドローする。 (常時)0: 〔あなたの場の「人形」を持つキャラクター3枚〕をスリープ状態にする。その後、この干渉終了時まで〔このキャラクター〕は相手プレイヤーのカードの効果の対象にならない。 (常時)0: 〔あなたの場の「人形」を持つキャラクター5枚〕をスリープ状態にする。その後、目標の〔相手プレイヤーの場のキャラクター1枚〕を決死状態にする。 攻撃力(2)/耐久力(6) 「貴方ももっと自由に使役できる味方を増やした方がいいんじゃない?」 Illustration:伍長 コメント 大型化した人形遣い。 今回は人形のスリープをコストに多様な能力を得た。 1つめの(常時)効果は人形2枚をスリープさせることによる1ドロー。 特に使用に制限も無いので、実質アクティブの人形/2の分だけドロー出来る。アドバンテージエンジンとしてはすこぶる優秀で、人形を4枚並べて毎ターン2ドローが始まると手札が尽きることは無いだろう。このカードの目玉効果といえる。 2つめの(常時)効果は人形3枚スリープによるアンタッチャブル効果の付与。 「相手プレイヤーのカードの効果の対象にならない」なので幅広く対応できるが、「この干渉終了時まで」なので2枚、3枚と重ねられると辛くなる。 そもそも全体除去を受けた場合、周りの人形が吹き飛んでこのカードだけでは、マナチャージ持ちの准バニラが残るだけなので、この効果のために人形を温存するか、一つ目の効果でカウンターなどの守りを引くかの判断は意外と重要。 なお、このゲーム全体に言えることだが人形のスリープは効果使用時のコストではなく効果の一部なので、この効果を使用してからパペットリッターをプレイすることで、場に人形がいなくても問題なく効果を使用出来る。パペットリッターを覚醒のように扱えるため、覚えておいて損はない。 3つめの(常時)効果は人形5枚スリープによる除去。 一見強力そうだが、「目標を取る」「決死状態」なので過信はできない。必要とされる人形の数が多いことも相まってかなり使用しづらいだろう。それでも、少女密室で跳ね返されて自滅することがないこと、明確なボードアドバンテージが得られることなどを考慮すると、回り始めれば勝ちに等しい効果といえる。 人形を大量展開することによって真価を発揮するため、人形主軸デッキ向き。というよりそれ以外では他のアリスの方が優秀である。 基本はマナチャージでノードを稼ぎ、ドローエンジンとして後続の人形や相手の行動に対処するカードを確保するような運用法が妥当だろうか。残念なことに攻撃力が低くグレイズ効率も悪いので、直接戦闘にはあまり向かない。 また(常時)効果の解決には人形のスリープが必要であるため、人形で防御しづらくなるのも問題の一つである。 このアリスを積極的に運用するならば、彩符『彩光乱舞』や錨符『幽霊船長期停泊』のような人形を能動的にアクティブ状態にできるカードと相性がいいだろう。 関連 第十二弾 アリス・マーガトロイド/1弾 アリス・マーガトロイド/5弾 アリス・マーガトロイド/14弾 符ノ壱“アリス・マーガトロイド” 符ノ弐“アリス・マーガトロイド” 禁呪の詠唱チーム 魔符『アーティフルサクリファイス』 咒詛『魔彩光の上海人形』 繰符『乙女文楽』 咒詛『首吊り蓬莱人形』 戦操『ドールズウォー』 魔操『リターンイナニメトネス』 犠牲『スーサイドパクト』 注力『トリップワイヤー』 闇符『霧の倫敦人形』 『グランギニョル座の怪人』 ※「アリス・マーガトロイド」を参照するカード ブクレシュティの人形師 人形 パチュリー・ノーレッジ 《パチュリー・ノーレッジ》 No.1048 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(5)/COST(3) 種族:魔法使い マナチャージ(1) (自動α): 〔「幻想生物」を持つキャラクター全て〕は「先制」と「警戒」を得る。 (相手ターン)(2): 〔あなたのデッキ〕を全て見て、〔「幻想生物」を持つスペルカード1枚〕を抜き出し、あなたの場にアクティブ状態でセットする。その後、デッキをシャッフルする。この効果は1ターンに1度しか使用できない。 攻撃力(6)/耐久力(4) 「魔法の力は、いわば科学その物、つまり時代の最先端よ」 Illustration:6U☆ コメント 召喚魔術を搭載したパッチェさん。 パチュリー・ノーレッジ/9弾となにやら似ているような気がしなくもないが、こちらのほうがより幻想生物の運用に特化している。 戦闘力はアタッカーとして及第点だが、耐久力が低いため相打ちでも狙わない限りはマナチャージでもしていた方が良い。それでも耐久力4のおかげで除去されづらくなった。 相手ターン効果で幻想生物を展開しつつ、自動αで強化して戦わせるのが定石。幻想生物は多くの場合維持コストを必要とするので、基本的にはパチュリーの幻想生物しか運用できないが、非統一魔法世界論を合わせることによって、さらに戦略の幅が広がる。 崇符『ミシャグジさま』を3体出しただけでもゲームエンド級である。 関連 第十二弾 パチュリー・ノーレッジ/1弾 パチュリー・ノーレッジ/9弾 パチュリー・ノーレッジ/14弾 符ノ壱“パチュリー・ノーレッジ” 符ノ弐“パチュリー・ノーレッジ” 知略の幻術チーム 真紅の魔神チーム 木符『シルフィホルン』 日符『ロイヤルフレア』 火符『アグニシャイン』 金符『シルバードラゴン』 火金符『セントエルモピラー』 木&火符『フォレストブレイズ』 水符『プリンセスウンディネ』 土符『レイジィトリリトン』 月符『サイレントセレナ』 火水木金土符『賢者の石』 村紗 水蜜 《村紗 水蜜》 No.1049 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(3) 種族:幽霊 奇襲 速攻 (自動γ): このキャラクターが防御を行う場合、〔全ての相手キャラクター〕に3ダメージを与える。 攻撃力(4)/耐久力(5) 「この船では、この世界に未練がある方の乗船はお断りさせて頂いていますが、貴方は?」 (PR.114:「残念ながら力無き者の乗船は認めておりません」) Illustration:雨宮結鬼(PR.114:伍長) コメント 奇襲速攻ブロッカーとなったムラサ船長。 (自動γ)によって防御すると相手キャラクター全てに3ダメージをまき散らせるため、実質的に耐久力7のキャラクターまで討ち取れる上に、おまけで耐久力3以下のマナチャージャーなども道連れに出来る。効果だけを見ればメディスン・メランコリー/1弾の上位種と言える。 とくにそのテキストから相手の耐久力を下げてくれる浸水『船底のヴィーナス』と相性がよく、防御向きな自らのスペルカードと見事にマッチしているといっていい。 ノードとコストこそ高いものの、奇襲速攻による手札からの突然の登場は非常に優秀で、見えている地雷であり抑止力という位置づけが強いメディスン・メランコリー/1弾に比べ、地雷としての性能は大幅に上がっている。 種族にも恵まれ、夢殿大祀廟によるコスト軽減のサポートが得られるため運用次第では非常に厄介なキャラクターとなり得る。 場に出たあとも抑止力として相手に睨みを効かせることができるので、その点でも優秀。グレイズ対攻撃力も平均的であるため、アタッカーとして運用できなくもない。その場合は転覆『道連れアンカー』をセットしたり、錨符『幽霊船長期停泊』で警戒を付与したりすると更に嫌らしくなること請け合いである。 関連 第十二弾 プロモーションカード 村紗 水蜜/7弾 村紗 水蜜/10弾 湊符『幽霊船の港』 幽霊『シンカーゴースト』 転覆『道連れアンカー』 溺符『ディープヴォーテックス』 錨符『幽霊船長期停泊』 浸水『船底のヴィーナス』 キャプテン・ムラサ 聖 白蓮 《聖 白蓮》 No.1050 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(3) 種族:魔法使い 伝説 警戒 加護(3) マナチャージ(1) (常時)(X)(S): ターン終了時まで、〔あなたの場のキャラクター全て〕の戦闘力は「X/X」に変更される 攻撃力(4)/耐久力(4) 「貴方は私の考えを支持してくれますか?」 (PR.118:「もう魔法を使っても大丈夫な世界になったのね?」) (PR.130:「私の名は白蓮。遠い昔の僧侶です」) Illustration:朱シオ(PR.118:豊田えり) コメント どんどん全体支援向きにリメイクされていく大魔法使い。 常時効果は戦闘力変更であり、自身の場のキャラクターの戦闘力を支払ったコストと同じにすることができる。 単体での運用はまず破綻しているため、常時効果を使用するなら大量のキャラクターを揃えた上で使用するのが望ましい。 特に大量展開に向いている裏向きキャラクターを出すカードとは相性がよく、大量展開した後にこのテキストを使用すればほぼゲームエンドである。 ただし大量展開で代表的な幻想の四季とはお互いにノードを大量消費することから相性が悪い。 関連 第十二弾 プロモーションカード 聖 白蓮/7弾 聖 白蓮/10弾 魔界の武神チーム 奇矯の魔術チーム 光魔『スターメイルシュトロム』 大魔法『魔神復誦』 魔法『魔界蝶の妖香』 超人『聖 白蓮』 魔法『紫雲のオーメン』 『スターソードの護法』 『聖尼公のエア巻物』 魔界の幻船 姫海棠 はたて 《姫海棠 はたて》 No.1051 Character <第十二弾> GRAZE(2)/NODE(6)/COST(2) 種族:天狗 先制 抵抗(2) (自分ターン)(1): この効果は1ターンに1度、メンテナンスフェイズにしか使用できない。目標の〔相手プレイヤー1人〕の手札1枚を無作為に選んで破棄する。この効果でキャラクターカード、またはスペルカードを破棄した場合、このターンのドローフェイズをスキップする。 攻撃力(5)/耐久力(6) 「私は今日から念写じゃなくて、実際にネタを集めに出ようと思うの」 Illustration:雨宮結鬼 コメント ギャンブル鴉天狗。 自分ターンの起動効果にはドローフェイズがスキップされる可能性があるものの相手の手札1枚とドローするはずだった1枚の交換なので、もしそうなってもそれほど損はしていない。 使用タイミングとしてはこちらの場が優位になった終盤が狙い目。 終盤ではキャラクターカードやスペルカードよりもカウンターとしてのコマンドカードの方が役に立つ場面が多いため、積極的に狙っていって損はない。またこのゲームでは手札が減りやすいので自然と相手のキーカードを破棄できる可能性も高くなる。 戦闘力もグレイズ2の5/6先制と戦闘要員としても優秀である。 関連 第十二弾 姫海棠 はたて/9弾 姫海棠 はたて/10弾 姫海棠 はたて/14弾 姫海棠 はたて/PR 蒼天の突風チーム 追撃の辻風チーム 遠眼『天狗サイコグラフィ』 連写『ラピッドショット』 取材『姫海棠 はたての練習取材』 金伽羅 《金伽羅》 No.1052 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(3) 種族:妖怪 速攻 先制 (自動γ): 相手キャラクターが攻撃を行う場合、〔あなた〕は可能な限りこのキャラクターで防御を行わせなければならない。 (自動γ): あなたのメンテナンスフェイズ開始時に、〔全てのプレイヤー〕に3ダメージを与える。この効果は重複しない。 攻撃力(7)/耐久力(4) 「優壮なる者に我が力を貸そう」 Illustration:Sui. コメント 鬼っぽいけど妖怪。これ重要。 主な仕事はゲーム加速用員だが、戦闘力も馬鹿に出来ないもの。 耐久力も4あり、焼きに強いもの優秀な所である。 速攻を持っているのでとどめの一撃にも活躍できる。 ゲーム加速効果はオレンジ/9弾や嫦娥と一緒に運用するとこちらに被害が及ばないため、相性が良い。 ただし防御に関しては相手にアドバンテージを奪われがちなので、出来るだけ積極的に攻撃していきたいところである。 関連 第十二弾 金伽羅/15弾 上白沢 慧音(白沢) 《上白沢 慧音(白沢)》 No.1053 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(3) 種族:妖怪/獣 (常時)(3)(S): このターン終了後、相手のターンをスキップしあなたのターンを開始する。その後、〔このキャラクター〕は変身状態となり以後は通常状態に戻る事が出来ない。 攻撃力(6)/耐久力(6) 変身後 《上白沢 慧音》 GRAZE(1) 種族:人間/獣 攻撃力(3)/耐久力(4) 「待っていたぞ」 Illustration:ぱすてる コメント 今夜は、お前達の歴史で満漢全席だ! 戦闘面では6/6とただ大きいだけ。 その真価は起動効果にある。相手のターンをスキップするため、相手は、場のカードがアクティブにならずドローもできずスペルカードや(奇襲を持たない)キャラクターカードのプレイ、攻撃などが一切できない。このキャラクターがいると相手は大きな隙を晒せなくなる。 しかし、効果が強力な分重い。 カード自体が3コストで、起動効果に3コストとスリープコストが必要。速攻性にも欠ける。 効果的に運用するなら変身状態を解除できる再起動や迷ひ家、アクティブ状態で場に出せる神秘の卵などと組み合わせたい。 また、霊烏路 空/12弾を用意したうえで火焔猫 燐/12弾の起動効果をフル活用すれば、合計4コストで永続ターンが可能となる。 変身状態になるのは、ターンをスキップした後。起動効果の解決時ではない。 このカードの起動効果は、待機中の効果に分類される。効果を使用し解決したなら、ターン終了の前に慧音が場を離れても、スキップは発生する 関連 第十二弾 上白沢 慧音(白沢)/3弾 上白沢 慧音(白沢)/9弾 上白沢 慧音(白沢)/15弾 新史『新幻想史 -ネクストヒストリー-』 旧史『旧秘境史 -オールドヒストリー-』 転世『一条戻り橋』 『無何有浄化』 産霊『ファーストピラミッド』 倭符『邪馬台の国』 国符『三種の神器 剣』 光符『アマテラス』 未来『高天原』 始符『エフェメラリティ137』 葵符『水戸の光圀』 『日出づる国の天子』 野符『将門クライシス』 上白沢 慧音/1弾 上白沢 慧音/9弾 上白沢 慧音/12弾 上白沢 慧音/15弾 ※「上白沢 慧音」を参照するカード 上白沢 慧音(白沢)/3弾 星熊 勇儀 《星熊 勇儀》 No.1054 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(3) 種族:鬼 速攻 抵抗(5) (自動α): 〔全てのプレイヤー〕がプレイするコマンドカードのコストは+3される。 攻撃力(6)/耐久力(6) 「愚か者に質問は時間の無駄だったねぇ」 Illustration:葉庭 テキスト修正@20130111 コメント 鬼の四天王、力の勇儀。 伝説こそ失ったものの、コマンドカード阻害効果を手に入れた。 その効果は、パーミッションデッキに対する天敵である。 抵抗(5)を支払うことは非常に厳しく、陰謀論や瞋怒を受けづらい。 そして場に出てしまえばコマンドカードのコストが軒並み+3されるため、コマンドカードを主軸に据えたデッキはノード運用に苦しむことになるだろう。緑眼のジェラシーですら4コストかかるので、苦労してこのカードを処理したとしても、もう1枚このカードが出てしまえば息の音が止まってもおかしくない。仮に2枚並べようものなら6コスト追加が課されるため、動きが完全に止まってしまうだろう。 ただし自身のコマンドも阻害されてしまうため、構築やプレイングに注意する必要がある。 戦闘力は6/6速攻とノード帯の平均値。もちろん十分なサイズだが、自分が場にいてこその効果であるためそこまで戦闘が得意というわけではないか。 カードのプレイコストを上げる効果なので、陰謀論のXが8以上である場合は0コストでのプレイを許してしまうことに注意。 関連 第十二弾 星熊 勇儀/5弾 星熊 勇儀/9弾 夜天の鬼神チーム 力業『大江山颪』 怪輪『地獄の苦輪』 鬼声『壊滅の咆哮』 鬼符『怪力乱神』 四天王奥義『三歩必殺』 光鬼『金剛螺旋』 古明地 さとり 《古明地 さとり》 No.1055 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(3) 種族:妖怪 抵抗(1) (自動α): 〔このキャラクター〕がスリープ状態の場合、全てのプレイされたコマンドカードが持つ「抵抗」の効果は無効になる。 (自動α): 〔あなた〕のスペルカードのプレイは無効に出来ない。 攻撃力(4)/耐久力(7) 「戦いの心象、それに貴方は苦しめられるといいわ」 (PR.138 「」) Illustration:皆村春樹 (PR.138:皆村春樹) コメント 支援特化さとりん ステータスが完全に防御よりなため攻撃には不向きだが、 リリカ・プリズムリバー/11弾2枚に抱きつかれても死なない耐久力はサポートキャラとして優秀といえよう。 今回の目玉は2つめの自動αであり、自身のスペルカードのプレイを無効にされなくなる。そのためスペルカードを主軸としたコンボの味方として優秀であり、パーミッションの敵である。ただしパーミッション相手の場合、抵抗(1)しか持たないこのカードを陰謀論等で止められる状況も多く過信はできない。 一つめの自動αによる抵抗無効化はこのカードがスリープ状態でないと機能しないため、攻撃性能の低いこのカードで積極的に使っていくならばマナチャージなどのスリープ起動効果を付与したいところ。 また、このキャラクターが出ている状態でプレイしたスペルカードであっても、是非曲直庁の威令などのカウンター+緑眼のジェラシー・真実の光景などを干渉で使われると、スペルカードのプレイを無効にされない自動αが消された後、スペルカードのプレイが無効にされるということもある。やはり過信はできない。 ちなみにさとりが場にいる状態でスペルをプレイ→それにコマンドカウンター→さとりにコマンド除去といった形で相手が干渉して来た場合、最後の警告のプレイ条件を満たす。無論さとりが場にいる状態でスペルを無効には出来ないのでスペルとさとりを守ることが出来る。変わった使い方として脳細胞の肥やしにでもしておくと良いかもしれない。 関連 第十二弾 プロモーションカード 古明地 さとり/5弾 古明地 さとり/9弾 悪夢の記憶チーム 惨禍の閃光チーム 心霊の火車チーム 想起『テリブルスーヴニール』 脳符『ブレインフィンガープリント』 心花『カメラシャイローズ』 想起『恐怖催眠術』 想起『うろおぼえの金閣寺』 地霊殿 古明地 こいし/9弾 古明地 こいし 《古明地 こいし》 No.1056 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(6)/COST(3) 種族:妖怪 隠密 警戒 抵抗(5) (自動α): 〔このキャラクター〕はアクティブ状態の場合、他のカードの効果の対象にならない。 (自動γ): あなたのカードの効果であなたのデッキをシャッフルした場合、〔あなた〕は1ドローする。その後、手札を1枚選んで破棄する。 攻撃力(7)/耐久力(4) 「私は姉と違って心は読めないのよ。ちゃんと聞こえる言葉でお願い」 (PR.139 「」) Illustration:皆村春樹 (PR.139:皆村春樹) コメント 3度目の登場となった心を閉ざした覚妖怪。 今回は古明地 こいし/5弾の流れを汲み、アンタッチャブルな隠密アタッカーとして帰ってきた。 まず攻撃力7+隠密+抵抗(5)+除去耐性と、アタッカーとしての基本スペックは非常に高い。打ち消されづらく、攻撃を通しやすく、わずか4度の攻撃でゲームを終わらせられるため、フィニッシャーとして1枚で完結しているといえるだろう。 古明地 こいし/5弾と違い、(自動α)の除去耐性は目標を取らない効果に対しても有効となった。警戒も所持するため相手ターンでの隙は特に少なく、スペルカードでの除去はかなり難しい。 ただしスリープ状態の時は無防備。緑眼のジェラシー、リリカ・プリズムリバー/11弾+不意打ちなど、攻撃した瞬間に除去されることもままあるので、過信は禁物。 逆に言えばスリープ状態の場合はサポートすることも可能であるため、装備などでのサポートが受けられるメリットもある。アクティブ状態にすることが出来れば除去耐性も復活するため、葉団扇とは相性が良い。 警戒を持つが耐久力が低いため攻撃を防御するよりも(自動α)とあわせて相手のスペルカードなどの効果から自身を守るという側面が強い。 また自身のデッキをシャッフルするたびに1ドローして1枚破棄する(自動γ)も持つ。手札の質を上げる効果があるため、地味だがいぶし銀の能力と言える。なお(自動γ)は効果解決中は解決終了まで解決を待つため、魔法研究などでデッキトップに置いたカードをそのままドローすることが可能である。その後の1枚破棄があるためアドバンテージこそ取れないが、覚えておいて損はない。 しかしシャッフルするカード自体はあまり多くなく、おまけ程度。他の効果が強力な分忘れられがちだが、効果自体は強制なので気をつけよう。 関連 第十二弾 プロモーションカード 古明地 こいし/5弾 古明地 こいし/9弾 悪夢の記憶チーム 本能『イドの解放』 抑制『スーパーエゴ』 表象『夢枕にご先祖総立ち』 記憶『DNAの瑕』 深層『無意識の遺伝子』 『嫌われ者のフィロソフィ』 古明地 さとり/9弾 永江 衣玖 《永江 衣玖》 No.1057 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(7)/COST(3) 種族:妖怪 (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、〔あなたのデッキ〕を全て見て「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果(アイコン参照)」を持つカード1枚を抜き出し、相手プレイヤーに見せてから手札に加えても良い。その後、デッキをシャッフルする。 (自動γ): 〔あなた〕は「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果(アイコン参照)」を持つカードをプレイした場合、干渉終了時に1ドローする。この効果は重複しない。 攻撃力(6)/耐久力(7) 「緋色の霧は気質の霧、緋色の霧は異常の宏観前兆、緋色の雲は大地を揺るがすでしょう」 Illustration:えふぇ コメント 3度目のリメイクとなる龍宮の使い。 今回はプレイされて場に出たときに効果範囲が のアイコンのカードをデッキから手札に加えることができる。 (自動β)で状況に応じてデッキから上記アイコンのカードを手札に加えることができる上に、そのカードをプレイすれば(自動γ)によって干渉終了時に1ドローすることができるので、このキャラクター1枚で手札の消費分を丸々補える。 効果範囲が「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果」であるカードの一覧は目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果を参照。 関連 第十二弾 永江 衣玖/5弾 永江 衣玖/9弾 永江 衣玖/14弾 天上の威光チーム 魚符『龍魚ドリル』 光珠『龍の光る眼』 光星『光龍の吐息』 電符『雷鼓弾』 棘符『雷雲棘魚』 龍魚『龍宮の使い遊泳弾』 雷符『エレキテルの龍宮』 雷魚『雷雲魚遊泳弾』 ※「永江 衣玖」を参照するカード 天空の覇者 比那名居 天子 《比那名居 天子》 No.1058 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(7)/COST(3) 種族:天人 伝説 速攻 加護(4) (自動γ): 〔相手プレイヤー〕がカードをプレイするたび、〔このキャラクター〕をアクティブ状態にする。 攻撃力(7)/耐久力(6) 「貴方たちばかりずるいわ。私だって、人間や妖怪たちと遊びたいの」 Illustration:えふぇ コメント 相手がカードをプレイするたびに立ち上がる暇天人。 ゴチャゴチャしていた今までと異なり、今回はかなりテキストがシンプルになった。 コスト対戦闘力はいたって普通であり、耐久力も大型アタッカーとしては若干低い方なので、殴り合う為に単体で運用するには不安が残る。しかし加護(4)は非常に魅力的な戦術であり、戦闘でなければ除去される事も比較的少ない。相手の場に大型が居なければ積極的に攻撃を仕掛けに行きたい。 さらに自動効果も優秀。相手プレイヤーがカードをプレイする度にアクティブ状態になるのだが、この効果はターン制限が特に無いので、この手のカードにありがちな「自分ターンでは適用されない」といった弱点が存在しない。つまり、自分ターンに相手がカードをプレイしてくれれば再攻撃も可能という事である。VISIONは相手ターンにもカウンターカード等のコマンドカードや奇襲を持ったキャラクターカードをプレイする事が多く、間接的にカードの使用も縛る事が出来る。 さらに速攻まで持っている。大型である点とこれを活かし、遠隔支援端末や光鬼『金剛螺旋』などスリープコストを必要とするカードを併用するのも理想的と言える。加護と自動効果のおかげでサポーターとして非常に優秀。 またアクティブ状態になる事が多く、攻撃力が高い伝説持ちであることから祇園様の剣とも相性抜群である。 関連 第十二弾 比那名居 天子/5弾 比那名居 天子/9弾 比那名居 天子/14弾 天上の威光チーム 激動の大地チーム 気符『無念無想の境地』 『全人類の緋想天』 要石『天地開闢プレス』 要石『カナメファンネル』 乾坤『荒々しくも母なる大地よ』 霊想『大地を鎮める石』 地震『避難険路』 要石『天空の霊石』 ※「比那名居 天子」を参照するカード 天空の覇者 封獣 ぬえ 《封獣 ぬえ》 No.1059 Character <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(7)/COST(3) 種族:妖怪/獣 (自動β): 〔あなた〕は〔このキャラクターカード〕の必要ノードとコストを-3してプレイしても良い。その場合、このキャラクターは変身状態で場に出て、以後は通常状態に戻る事が出来ない。 攻撃力(8)/耐久力(8) 変身後 《封獣 ぬえ(光球)》 GRAZE(2) 種族:なし (自動α): 〔このキャラクター〕は戦闘ダメージを受けない。 攻撃力(3)/耐久力(3) 「私は滅多に人間の前に姿を現したりしない」 Illustration:朱シオ コメント 戦術:伝説を失った伝説の妖怪、鵺。 ぬえの特徴であった奇襲まで失ったが、代わりに封獣 ぬえ/7弾のようにコスト軽減効果と変身状態を得た。 通常状態はN7C3で8/8と中々の戦闘力を持つが、同じノード帯には八坂 神奈子/11弾や比那名居 天子/12弾のような非常に強力なキャラクターカードが存在している。効果も通常状態で運用しようとすると無いような物のため、大型キャラクターとして運用する利点は少ない。 よって、このカードを使うならば(自動β)をうまく活用したい。(自動β)を利用して場に出すとN4C0と中々のコストパフォーマンスになり、さらに変身状態になる事が出来る。変身状態では戦闘ダメージを受けないので壁として優秀である。 名称も「封獣 ぬえ」を含むままなので、ぬえの強力なスペルカードの術者にもなれる。基本はこの状態を目当てに運用し、リアニメイト等プレイを介さず場に出る場合、大型になってお得と考えると良いかも知れない。 しかし、戦闘ダメージを受けないといってもカード効果による除去であっさり倒されてしまう。現環境では戦闘ダメージで決死状態になる事もだいぶ少なくなっており、さらに耐久が丁度3なので高い採用率を誇るリリカ・プリズムリバー/11弾に弱いのは致命的である。 大型のぬえが欲しければ封獣 ぬえ/7弾という優秀なカードが存在し、4N帯で安定して出せる術者としても奇襲を持つうえ様々なカードのメタにもなる封獣 ぬえ/PRが存在している。既存カードをまとめてこのカード1枚で補えると考えるとお得かも知れないが、器用貧乏感が拭えないので、あえてこのカードを採用する意味は薄い。 変身状態のこのカードと再起動をコンボすれば1コストで8/8の大型が場に登場する。このように他のぬえには出来ない芸当も多いので活用していきたい。 関連 第十二弾 封獣 ぬえ/7弾 封獣 ぬえ/10弾 封獣 ぬえ/PR 奇矯の魔術チーム 妖雲『平安のダーククラウド』 鵺符『弾幕キメラ』 恨弓『源三位頼政の弓』 正体不明『紫鏡』 鵺符『鵺的スネークショー』 鵺符『アンディファインドダークネス』 アンノウン『軌道不明の鬼火』 魔界の幻船 龍神 《龍神》 No.1060 Character <第十二弾> GRAZE(7)/NODE(-)/COST(-) 種族:龍/神 加護(9) (自動α): 〔このキャラクター〕の攻撃は防御することが出来ない。 (自動β): 〔冥界にあるこのキャラクターカード〕は場に出す事ができない。 攻撃力(15)/耐久力(15) 「龍が現れると天が割れんばかりの雷鳴と、水没するかと思われる程の豪雨に包まれ、暫くの間、昼も光が差さない闇の世界に陥った」~幻想郷縁起 Illustration:道井祐輝 コメント ついに登場した幻想郷の最高神。 ノード・コストが「-」と通常のプレイが出来ず、加えて(自動β)のためリアニメイトも不可能とかなり出しづらいが、もはや規格外と言える高い戦闘力が自慢。その上に防御を許さない(自動α)と加護(9)というデタラメな除去耐性まで持つ。 これらの基本スペックは非常に高く、出せれば勝てる……と思いきや、攻撃力が15で一度攻撃しただけでは勝利にならず、グレイズが7あるため反撃される可能性も十分にある。 また耐久力が高く加護(9)を持っているとはいえ、7もあるグレイズからの単体除去は実質加護(2)程度。さらにスペルカードや、目標を取らないカードに対しては基本的に無力である。特にイリュージョナリィブラストには致命傷を負わされかねない。 それでも、二回攻撃すれば勝てるということそのものがすでに破格。二回の攻撃を確実に通す手だてを用意しよう。 なお、条件は厳しいものの激突でこのキャラクターが攻撃できれば(自動α)によって防御されず、攻撃力15と10の効果ダメージでめでたくワンショット成立である。 必要コストが「-」であるため幻想郷の門では出せない上に、(自動β)のために冥界を経由する天符『雨の磐舟』でも出せない。 場に出す手段としては、専用カードである名前の無い石の他にも、一度除外してからの符ノ弐“八雲 紫”、夜雀の歌声などがあるが手間や除去への脆さなどの点で実用性にはやや欠ける。 最もお手軽なのは未来『高天原』だろう。確実性にこそ欠け、手札に来ればただの事故要素になってしまうものの、新史『新幻想史 -ネクストヒストリー-』あたりをプレイすれば十分にチャンスはある。 ただしその状態で呼び出すとライフは16。未来『高天原』の効果で攻撃力修正を受けているためイリュージョナリィブラストでの突然死範囲内である。注意。 とにかくスピードを求めるなら臨時雇用でこのカードを場に出してから光魔『スターメイルシュトロム』で裏返すとよいだろう。グレイズがあるため実現性は厳しいものの、何も妨害がなければその2枚にこのカードと、マナの生成、幻象『ルナクロック』2枚でワンターンキル成立である。 2度攻撃を通せばいいという見地に立てば、彩華『虹色太極拳』にとっては最高の相棒であるといえる。このカードがそれを絶対に必要とするわけではないが…… 幻想郷の最高神ではあるが、耐久力16の西行妖/1弾と、耐性:神を持つ蘇我 屠自古/11弾および八坂 神奈子/11弾を葬ることはできなかったりする。(自動α)が無効にでもなっていない限り防御されることはないが。 関連 第十二弾 名前の無い石 スペルカード 気符『地龍天龍脚』 《気符「地龍天龍脚」》 No.1061 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(1) 術者:紅 美鈴 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔キャラクター1枚〕にXダメージを与える。Xはあなたの場のキャラクターの中で最も高い攻撃力の値に等しい。 龍は普段は沼地の底で眠っており、異変が起きると雲を呼び雨を呼び、天高く舞い上がる。 Illustration:Dai コメント 紅 美鈴のスペルカード。 自身のキャラの最も高い攻撃力分のダメージをキャラクター1体に与える。 ダメージが自身のキャラクターに依存する上、肝心の使用者である美鈴のステータスは軒並み低いので、単純な除去用のカードとしては使いにくい部類に入る。 ダメージを複数に振り分けられないのも痛い。 エニグマティクドールを対象に使用して相手プレイヤーに直接ダメージを与える、といった使い方もできるだろう。 関連 第十二弾 紅 美鈴/1弾 紅 美鈴/9弾 紅 美鈴/12弾 紅 美鈴/14弾 符ノ壱“紅 美鈴” 符ノ弐“紅 美鈴” 熾撃『大鵬墜撃拳』 《熾激「大鵬墜撃拳」》 No.1062 Spell <第十二弾> NODE(3)/COST(2) 術者:紅 美鈴 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔キャラクター1枚〕に3ダメージを与える。この効果でキャラクターが決死状態になった場合、〔そのキャラクターのプレイヤー〕は、そのキャラクター以外の自分の場のカード1枚を選んで破棄する。 一飛びで九万里を飛ぶと言われる伝説の鳥、大鵬はその巨大さ故に撃ち落とした際にも大きな被害を与える。 Illustration:てるる コメント 紅 美鈴のスペルカード。 キャラクター1体に3ダメージを与え、この効果でキャラクターが決死状態になった場合、他のカード1枚を破棄させる。 マナチャージ要員や人形など、耐久力が3以下のキャラクターは多く、また展開の補助として採用されていることが多いので、相手が選択するとはいえボードアドバンテージを取りやすくなるため、比較的使いやすいカードと言えるだろう。 ただし、ノード、コスト共にそれほど軽いわけではないので、どんなデッキにでも入れられるような手軽さは無い。 術者である紅 美鈴を採用する場合には考慮のうちに入るカードだろう。 関連 第十二弾 紅 美鈴/1弾 紅 美鈴/9弾 紅 美鈴/12弾 紅 美鈴/14弾 符ノ壱“紅 美鈴” 符ノ弐“紅 美鈴” 始符『エフェメラリティ137』 《始符「エフェメラリティ137」》 No.1063 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(1) 術者:上白沢 慧音 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなた〕は3ドローする。その後、目標の〔相手プレイヤー1人〕はあなたの手札を全て見て、1枚を選んでゲームから除外する。 神武天皇は137歳で亡くなり、御陵は敏傍山の北の白檮の尾の上にあると伝えられている。 Illustration:gisyo コメント 上白沢 慧音のスペルカード。 3ドローの代わりに、相手にピーピングとこちらの手札を1枚選んで破棄させるメリットを与える。 同じく3ドローする新史『新幻想史 -ネクストヒストリー-』と比較すると、単純なドローソースとしては難点が多い。 ライフコストが必要ないのは利点であるが、ドローした後の手札をすべて公開する上に手札1枚が除外されるのは非常に大きいデメリットである。 基本的に除外された手札は再利用が難しく、また手札を公開することでこちらの取れる手段が全て筒抜けになってしまう。 4枚目の強引な取引としてはいささか頼りない。 関連 第十二弾 上白沢 慧音/1弾 上白沢 慧音/9弾 上白沢 慧音/12弾 上白沢 慧音/15弾 上白沢 慧音(白沢)/3弾 上白沢 慧音(白沢)/9弾 上白沢 慧音(白沢)/12弾 上白沢 慧音(白沢)/15弾 葵符『水戸の光圀』 《葵符「水戸の光圀」》 No.1064 Spell <第十二弾> GRAZE(3)/NODE(7)/COST(2) 術者:上白沢 慧音 【幻想生物】 維持コスト(2) (自動α): 〔必要ノードがX未満のキャラクター全て〕はアクティブフェイズの規定の効果でアクティブ状態にならない。Xはこのキャラクターの必要ノードの値に等しい。 (自動β): 〔このキャラクター〕がプレイされて場に出た場合、〔必要ノードがX未満のキャラクター全て〕をスリープ状態にする。Xはこのキャラクターの必要ノードの値に等しい。 攻撃力(7)/耐久力(7) 水戸藩二代藩主徳川光圀公は63歳で権中納言に任ぜられ、この官位が国では黄門と呼ばれた事から水戸黄門と尊称されるようになった。 Illustration:道井祐輝 コメント 上白沢 慧音のスペルカード。 恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にご登場いただく。 (自動α)により自身のノード未満(通常は7未満)のノードを持つキャラクターはアクティブフェイズの規定の効果でアクティブ状態にならない。しかも(自動β)によってアクティブ状態だったキャラクターもスリープ状態にできるため高いロック能力を持つ。 仮に霊烏路 空/9弾が隣にいれば相手の8ノード以下のキャラクターが機能しなくなる。9ノード以上のキャラクターは稀であり、相性が良いといえるだろう。 戦闘力も高く、ロックした上で自身で攻撃出来るため、ロック後のアタッカーとして一枚で完結している点も優秀。大抵は状況上ブロックされないため、戦闘向けの戦術を持っていないことはマイナスにはならないだろう。ただし、手札から出てくる村紗 水蜜/12弾には相打ちにされるので注意。 なお効果は自身の場にも及んでしまうため、被害を抑えるためにも自身の場を高ノードキャラで固めたり、警戒を付与したい。逆に相手の場にそれらがあるとこちらが無力化するし、相手の場に7ノード以上のキャラクターが出ている場合はまず一方的に勝てる性能ではないので、状況次第では出すことが不利につながる可能性もある。 維持コストが高いため術者が欲しい所。 術者としては上記の理由から警戒を所持している上白沢 慧音/9弾が最も扱いやすい。 関連 第十二弾 上白沢 慧音/1弾 上白沢 慧音/9弾 上白沢 慧音/12弾 上白沢 慧音/15弾 上白沢 慧音(白沢)/3弾 上白沢 慧音(白沢)/9弾 上白沢 慧音(白沢)/12弾 上白沢 慧音(白沢)/15弾 月光『ダークスティルネス』 《月光「ダークスティルネス」》 No.1065 Spell <第十二弾> NODE(3)/COST(2) 術者:ルナチャイルド 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 ターン終了時まで、目標の〔「種族:妖精」を持つキャラクター1枚〕は「戦闘修正:+2/±0」と「隠密」と以下の効果を得る。 「(自動γ): 〔このキャラクター〕が相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、〔あなた〕は1ドローする。」 沈黙の闇 闇に紛れ敵に気付かれる事無く襲撃する。 Illustration:SHO コメント ルナチャイルドのスペルカード。 妖精限定だが攻撃力を+2し、隠密とドロー効果を与える。 攻撃力はともかく隠密とドロー効果は非常に相性がよく、純粋な戦闘力で劣ることの多い妖精ともマッチしていると言える。 その効果から複数回攻撃できればとても強力。幻象『ルナクロック』はもちろん、飛倉の破片で妖精にした木符『シルフィホルン』と組み合わせても面白い。 同じく妖精の戦闘を補助するカードとしてリリーブラック/9弾や霧の湖が存在する。どちらもコマンドカードのタイミングでプレイできるので奇襲性はあるが、戦闘修正以外の効果はない。 関連 第十二弾 ルナチャイルド/1弾 ルナチャイルド/9弾 ルナチャイルド/12弾 ルナチャイルド/15弾 光の三妖精チーム 光壁『ウォールブレイク』 《光壁「ウォールブレイク」》 No.1066 Spell <第十二弾> NODE(3)/COST(1) 術者:ルナチャイルド 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 抵抗(1) 目標の〔相手プレイヤーの場の「世界呪符」、または「装備/場」を持つカード1枚〕を破棄する。その後、〔相手プレイヤー〕にXダメージを与える。Xはこの効果で破棄したカードの必要ノードの値に等しい。 月の光を放ち、立ちはだかる障害物を破壊する。 Illustration:三日月沙羅 コメント ルナチャイルドのスペルカード。 目標の破棄に成功すればその必要ノード分だけダメージを与えられる。これはあくまでオマケの効果だが破棄したカードによっては思わぬ打撃を与えることもある。 破壊工作よりも(相手の場に限られるが)破棄できるカードの範囲は広く追加効果もある一方でスペルカードなので使用できるタイミングに制限がある。 関連 第十二弾 ルナチャイルド/1弾 ルナチャイルド/9弾 ルナチャイルド/12弾 ルナチャイルド/15弾 光の三妖精チーム 流星『プチコメット』 《流星「プチコメット」》 No.1067 Spell <第十二弾> NODE(1)/COST(1) 術者:スターサファイア 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔全てのプレイヤー〕に3ダメージを与える。 太陽から1光年の距離にチリやメタンとを主成分とする天体、オールトの雲がある。その一部が太陽の引力に引かれてくるのが彗星である。 Illustration:Sui. コメント スターサファイアのスペルカード。 白符「アンデュレイションレイ」と比べて相手に与えるダメージは増加しているが反面こちらも同様にダメージを受けるようになった。 オレンジ/9弾などが場にいると一方的に3ダメージ与えることができる。 関連 第十二弾 スターサファイア/1弾 スターサファイア/9弾 スターサファイア/12弾 スターサファイア/15弾 光の三妖精チーム 星粒『スターピースシャワー』 《星粒「スターピースシャワー」》 No.1068 Spell <第十二弾> NODE(5)/COST(2) 術者:スターサファイア 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 抵抗(1) 〔あなたの手札1枚〕を破棄する。その後、Xダメージを〔任意のキャラクター〕と〔任意のプレイヤー〕に振り分けて与える。Xはこの効果で破棄したカードの必要ノードの値に等しい。 流星群は彗星が放出した物質に地球が突入することで発生する。 Illustration:三日月沙羅 コメント スターサファイアのスペルカード。 恐ろしい波動に似た、手札を犠牲とした範囲火力。 キャラクターだけでなく相手プレイヤーも対象に取ることができるので、範囲除去にも本体火力にも使え幅広い活躍が見込める。 コストとなったカードの必要ノードを参照するので、紅月の女王チームや千年幻想郷といった高ノードのカードを破棄すると最大10点のダメージを任意に飛ばすことが出来る。6ノードのカードを捨てることで、かつての脳符『ブレインフィンガープリント』と同じ効果が見込めることから、主力として採用するなら安定してそのラインのカードが捨てられる構築を目指したい。 恐ろしい波動と比較すると、キャラクター以外のカードに触れない事とスペルカードであるという弱点こそあるが、耐久力の低いカードが多い裏向きキャラクターを一掃したり、引導火力にすることも可能な点で十分差別化できるだろう。捨てる手札の種類を問わないことは、どんなカードでも冥界に送れる点、手札で腐りにくいという点と、ブラフをかけられない点、必ず手札を捨てなければならないという点で一長一短。 関連 第十二弾 スターサファイア/1弾 スターサファイア/9弾 スターサファイア/12弾 スターサファイア/15弾 光の三妖精チーム 虹光『プリズムフラッシュ』 《虹光「プリズムフラッシュ」》 No.1069 Spell <第十二弾> NODE(1)/COST(1) 術者:サニーミルク 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔全てのキャラクター〕をスリープ状態にする。 光を全方向に反射させ、あらゆるものの目を眩ませる。 Illustration:茶葉 コメント サニーミルクのスペルカード。 すべての、と書いてある豪快な効果の割に非常に軽いスペルカードである。 それもそのはず、そのスリープ効果は自分の場も巻き込んでしまう。何も考えずに使うとせっかく相手の場を空けたのにもかかわらず自分は攻撃できず、あまつさえアクティブになるのは相手の方が先。単体では自分が損をするだけのカードである。 また相手キャラクター全体をスリープ状態にする効果と考えると幻葬『夜霧の幻影殺人鬼』という強力なライバルがいる。あちらはラストスペル持ちの特性上相手ターンにもプレイ可能なので、単体の効果で見れば天と地の差である。 憂いの雨をプレイされた等のレアケースを考えなければ、こちらの利点としては軽さしかなく、自分の場のキャラクターがスリープ状態になるデメリットへの対処が問題となる。 永江 衣玖/5弾によって自分のキャラクターがこの効果の対象にならない場面や、キクリ/12弾や古明地 こいし/12弾などこの効果の対象にならないキャラクターを並べた場面、 魂魄 妖忌/1弾のような貫通や隠密を持たない速攻持ちのキャラクターの攻撃を通したい場面の多いデッキであれば使っていけるかもしれない。 低いコストで相手プレイヤーのガードする腕を強制的に下げさせる点を見れば十分に強力な効果を持つカードではあるので、採用するなら上記のようなコンボを念頭に置きたい。 関連 第十二弾 サニーミルク/1弾 サニーミルク/9弾 サニーミルク/12弾 サニーミルク/15弾 サニーミルク(裏向きキャラクター) 光の三妖精チーム 光精『クロスディフュージョン』 《光精「クロスディフュージョン」》 No.1070 Spell <第十二弾> NODE(5)/COST(2) 術者:サニーミルク 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 抵抗(1) 〔このカード〕はあなたの場に「種族:妖精」を持たないキャラクターがいる場合はプレイ出来ない。ターン終了時まで、〔あなたの場のキャラクター全て〕は「戦闘修正:+X/±0」を得る。Xはあなたの場の表向きのキャラクターの枚数に等しい。 光の拡散。光を受けた自然の力は著しく高まる。 Illustration:三日月沙羅 コメント サニーミルクのスペルカード。 攻撃力修正のみの全体強化をかける。 プレイ条件は自分の場に妖精のみがいること。もともと術者であるサニーミルクはこのゲームでも有数の採用率を誇るためよく見かけるが、この効果を十全に活用できるような横に並べるデッキではマナチャージの必要性が薄いため、基本的には妖精デッキ専用のエンドカードといえる。 申し訳程度ではあるが抵抗もついており、その戦闘修正の総計は時として破格としか言えないレベルに達する。仮に攻撃力が0のキャラクターしか場にいなかったとしても、5枚も表側表示のキャラクターがいるだけで25点に達し、7体並べば人が二人死にかねない。 類似カードである表象『夢枕にご先祖総立ち』と比較すると、耐久力修正がないので相打ちに取られやすく、その分戦闘修正を下げられてしまう可能性が高くなることや、あちらは一度盤面を捌かれたた後でも少しの最展開で高い打点を出して押し込みに使える点が弱みとなるが、逆に決死状態になりやすいことで呪精が場に出やすく、また呪精が場に出ることで修正値が上昇することも考えられる。奇襲持ちキャラクターが一種のコンバットトリックとしても機能するようになり、大妖精/9弾を使っているときに運命のダークサイドで場が壊滅することなく、また冥界依存ではないため冥界を肥やす必要がなく、無縁塚を苦にしないなど、こちらが勝る点もあるため十二分に差別化は可能。 自分の場に妖精のみがいるというのはプレイ条件のみで、妖精でない表側表示のキャラクターも勘定に入ることには注意。一応、想起『うろおぼえの金閣寺』などでプレイ条件を無視して使うことも可能である。 関連 第十二弾 サニーミルク/1弾 サニーミルク/9弾 サニーミルク/12弾 サニーミルク/15弾 サニーミルク(裏向きキャラクター) 光の三妖精チーム 蜘蛛『石窟の蜘蛛の巣』 《蜘蛛「石窟の蜘蛛の巣」》 No.1071 Spell <第十二弾> NODE(2)/COST(1) 術者:黒谷 ヤマメ 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:呪符 【呪符】 (自動α): 〔このキャラクター〕が戦闘を行う場合、〔戦闘を行う相手キャラクター〕は戦闘終了時まで「先制」を得る。 攻撃力(-2)/耐久力(-1) クモの糸は引っ張ってもなかなか切れる事が無く、その力は鋼鉄の半分にも達する。 Illustration:青芝クレハ コメント 黒谷 ヤマメのスペルカード。 N2の序盤から打てて相手を弱体化できる、ありそうでなかった呪符。 耐久力1のキャラクターの除去に使えるのはもちろん、これをセットした相手キャラクターとの戦闘では先制を得るため、-の戦闘修正も相まって打ち負け辛くなる。 攻撃力を下げることによるグレイズ効率が悪化することもあり、状況次第では相手キャラクターを封殺することも可能だが・・・あまり強力ではなくN2C1で順当な効果といったところか。 自身の梅霖の妖精/3弾にセットするという使い方もアリ。 関連 第十二弾 黒谷 ヤマメ/5弾 黒谷 ヤマメ/9弾 黒谷 ヤマメ/12弾 瘴気『原因不明の熱病』 《瘴気「原因不明の熱病」》 No.1072 Spell <第十二弾> NODE(2)/COST(1) 術者:黒谷 ヤマメ 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 (自動α): 〔このカードにセットされているキャラクターカードと同じ種族を持つキャラクター全て〕は「戦闘修正:-1/-1」を得る。 (自動β): 〔このカード〕がプレイされて場に出た場合、目標の〔冥界にあるキャラクターカード1枚〕を〔このカード〕にセットする。 【(自動γ): 〔このカード〕に種族を持つキャラクターカードがセットされていない場合、このカードを破棄する。】 マラリア・チフス・肺炎など高熱が出ることを特徴の一つとする病気。 Illustration:duca コメント 黒谷 ヤマメのスペルカード。 種族統一デッキに対するアンチカード。 軽く、安く、かつ維持コストも存在しないのに恒常的にマイナス修正をかけると、やっていることは非常に強力。 ただし、何の条件もなしに使用はできず、冥界に狙った種族のキャラクターカードが落ちない限りは実質プレイ不可能である。 幸い、術者のうち黒谷 ヤマメ/12弾は自身が限定的とはいえ除去効果を有し、セットカードを用意しやすい。 修正値自体は貧弱だが、恒常的な修正は脅威の一言。戦闘においての1点の差は非常に大きく、また全体除去のハードルが1段下がる。八坂 神奈子/11弾と併用したり、重ね張りしたりできればその種族の低耐久のキャラクターはそもそも場に出ることすら難しくなるだろう。 しかし当然だが、その種族以外には一切効かないのでグッドスタッフのようなデッキには対処しづらい。状況によっては相手に致命的な被害を与えることも可能ではあるが、基本的にはサイドボードに置いておくカードと言えそうだ。 自分のキャラクターも効果を受けるため、注意。特に術者である黒谷 ヤマメはすべて攻撃力が1。0になってしまってはせっかくの即死が腐ってしまうので、注意すること。 関連 第十二弾 黒谷 ヤマメ/5弾 黒谷 ヤマメ/9弾 黒谷 ヤマメ/12弾 捜符『ゴールドディテクター』 《捜符「ゴールドディテクター」》 No.1073 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(1) 術者:ナズーリン 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:装備 【装備】 (自分ターン)(1)(S): 〔あなたのデッキの上のカード4枚〕を公開し、必要ノードとコストの合計値が最も大きいカード1枚を選んで手札に加える。それ以外のカードは全て破棄する。 攻撃力(+1)/耐久力(-) 黄金探知機。価値の高い物だけを正確に見つけ出すことが出来る。 Illustration:SHO コメント ナズーリンのスペルカード。 香霖堂のような起動効果を内蔵した装備。 香霖堂に比べて手札に加えるカードは選択できず、自由度は低いが、装備故に何度でも使用できるという利点がある。 装備カード全般にある除去に対するディスアドバンテージを、起動効果が一度でも通れば取り返せる。何度も起動できれば冥界を肥やしつつハンドアドバンテージを獲得することが可能なため、回り出せば非常に強力。ただし継続的にハンドアドバンテージを確保するだけであれば兎符『開運大紋』というライバルがいるので上手く差別化していこう。 自由度の低さも、デッキ構築段階で工夫すれば、例えば他のカードの必要ノードとコストの合計値を9以下に抑えることで陰謀論が見えた時にそれを逃すことなく手札に入れられるようにできるなど、ある程度の緩和が可能である。また、終盤のめくり合いではマナの生成などを引かなくて済む分普通に1ドローするより強力である。無論緑眼のジェラシーなどが欲しい場合は絶望的だが。 このゲームにおける「手札を増やせるようになるセットカード」としては他に、2コスト+スリープ起動の祈願『商売繁盛守り』、攻撃時1コストの弦奏『グァルネリ・デル・ジェス』、0コスト+スリープの兎符『開運大紋』などがある。このカードの利点としては継続的に使いやすく兎符『開運大紋』ほど重くないことだろうか。 最も重いカードだけしか手札に加えることができないが、「価値の高い物だけを正確に見つけ出すことが出来る」というフレーバーをうまく再現しているといえるだろう。 関連 第十二弾 ナズーリン/7弾 ナズーリン/10弾 ナズーリン/12弾 幻想の探求チーム 嫉妬『ジェラシーボンバー』 《嫉妬「ジェラシーボンバー」》 No.1074 Spell <第十二弾> NODE(5)/COST(3) 術者:水橋パルスィ 効果範囲:複数の効果を持つカード 発動期間:瞬間 以下の効果から解決できるものを、上から順に全て解決する。 1.あなたの手札が相手プレイヤーの手札より少ない場合、〔相手プレイヤー〕に4ダメージを与える。 2.あなたの場のカードの枚数が相手プレイヤーの場のカードの枚数より少ない場合、〔相手プレイヤー〕に4ダメージを与える。 3.この効果の解決時にあなたのライフポイントが相手プレイヤーのライフポイントより少ない場合、〔相手プレイヤー〕に4ダメージを与える。 積もり積もった嫉妬の力が爆発する。 Illustration:Dai コメント 自分よりも優勢な部分を見つけ出しては4ダメージ、最大12ダメージを相手に与える豪快なカードなのだが、 相手が大ダメージを受ける状況=自分が不利な状況であり、豪快さとは真逆の緻密なプレイを要求される。 第1の嫉妬は手札枚数。相手がコントロールタイプであれば枚数で負けることは容易だが、通すための下準備は必須。 逆に速攻タイプだと、解決時にお互い0枚ではダメージが発生しないので、ダメージを出すこと自体が困難。 水符『河童のポロロッカ』を利用し、強引に手札の枚数を揃えてからスタートするというのが最も堅実だろうか? 第2の嫉妬は場の枚数。これは比較的容易にクリアしやすく、少数精鋭で守りきる盤面を作るだけでいい。 大量のセットカードを使用する相手であれば、普通にプレイしていても問題ない。 ここはパペットリッターを利用することで、自分の手札を減らしつつ相手の場を3枚増やすのが最も有効。 第3の嫉妬はライフ差だが、これはカード解決時ではなく、この3番の効果の解決時のライフ差を参照するため、 上2つの解決によってライフが並んだ、もしくは逆転した場合はダメージが発生しない。 最大点である12ダメージをあたえるには、カードの解決段階で相手のライフが9以上上回っている必要が出るが、 罪人の金鉱床を使うことで手札減らしと9ライフロスを能動的に行うことが出来る。 12点は出せずとも、8点ダメージでも手札1枚による打点としては最大級の部類に入ることも考慮しよう。 関連 第十二弾 水橋 パルスィ/5弾 水橋 パルスィ/9弾 水橋 パルスィ/12弾 花咲爺『シロの灰』 《花咲爺「シロの灰」》 No.1075 Spell <第十二弾> NODE(3)/COST(3) 術者:水橋パルスィ 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔あなたの冥界にある、このターン戦闘、または相手プレイヤーのカードの効果で決死状態になって破棄されたキャラクターカード1枚〕をゲームから除外する。その後、〔あなた〕はXドローし、〔相手プレイヤー〕は自分の手札X枚を選べるだけ選び、破棄する。Xはこの効果で除外したカードのコストの値に等しい。 シロの灰を撒くと枯れ木に花が咲き、じい様は殿様から褒美を貰った。隣のじい様も同じ様に灰を撒いたが花は咲かず、無礼者と叩かれた。~花咲か爺 Illustration:duca コメント 自分は引く、相手は捨てる。書いてあることはアドバンテージの塊だが、それを満たす条件が割と面倒なカード。 戦闘か相手のカードの効果で自分のキャラクターを決死状態にする必要があるのだが、スペルカードである以上、 相手の攻撃を防御して決死状態になったキャラクターを~とはいかず、相手の除去が破棄効果であってもいけない。 バンザイアタックから使用してカウンターされたら目もあてられない。 場に出た時点で仕事を終えていて、コストが重く、戦闘で死にやすいキャラクターで狙うのがベスト。 綿月 依姫/13弾、綿月 豊姫/13弾ならば4ノードと軽めでコストの重さを能力でカバーしつつ、 唐突に攻撃しはじめてもグレイズ1がいい隠れ蓑になり、シロの灰狙いと読まれることも少ない・・・はず。 関連 第十二弾 水橋 パルスィ/5弾 水橋 パルスィ/9弾 水橋 パルスィ/12弾 呪精『ゾンビフェアリー』 《呪精「ゾンビフェアリー」》 No.1076 Spell <第十二弾> NODE(3)/COST(3) 術者:火焔猫 燐 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなたの手札2枚〕を破棄する。その後、〔あなたの冥界にある「種族:妖精」を持つキャラクターカード全て〕を裏向きにして、あなたの場にスリープ状態で出す。そのカードは以後、キャラクター「呪精(GLAZE1、2/3、種族:妖精/幽霊)」として扱う。 妖精の死体に怨霊が取り憑いて蘇った…風に見えるが実際はノリの良い妖精がゾンビの振りをして襲いかかってきているだけである。~グリモワール・オブ・マリサ Illustration:Sui. コメント 2枚の手札コストと引き換えに呪精を大量展開するカード。 種族:妖精は大妖精/9弾などのバンプアップが豊富であり、冥界の状況次第ではあるが一気に勝負を決めに行けるカードパワーを持つ。 また名称に「呪精」を含むことから、プレイせずとも『死体繁華街』の連結素材として活用できる。 関連 第十二弾 火焔猫 燐/5弾 火焔猫 燐/9弾 火焔猫 燐/12弾 心霊の火車チーム 地獄の鳥獣チーム 呪精(裏向きキャラクター) 溶解『メルティングホワイト』 《溶解「メルティングホワイト」》 No.1077 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(1) 術者:霊烏路 空 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 抵抗(2) 〔場の装備カード、及び「装備/場」を持つカード全て〕を破棄する。 炉心融解。原子炉の核燃料体が高温となり、炉心の燃料棒や制御棒等の内容物が損傷する現象。 Illustration:うなさか コメント 霊烏路 空のスペルカード。 装備/場はお互いの場に1枚ずつしか出せないため、このカードの特徴は場の装備カードを全てまとめて破棄できる点にある。 つまり装備を主軸としたデッキに対するアンチカードである。 逆に効果は自身にも及んでしまうため、使用する際は自身の場に出来るだけ装備カードが無いようにするなど、構築やプレイングに気を付ける必要がある。 自身の場にも影響するデメリットはあるものの破壊の目や破壊工作と比較してもスペルカードであること以外の性能は優秀である。 関連 第十二弾 霊烏路 空/5弾 霊烏路 空/9弾 霊烏路 空/12弾 惨禍の閃光チーム 地獄の鳥獣チーム 傘符『パラソルスターシンフォニー』 《傘符「パラソルスターシンフォニー」》 No.1078 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(2) 術者:多々良 小傘 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔それぞれのプレイヤーの場で、他に同じ種族を持つキャラクターがいないキャラクター全て〕を決死状態にする。 彼女は元々は忘れ物の傘だったのだが、配色が不人気で誰も拾ってくれる事もなく、雨風に飛ばされているうちに妖怪になった。 Illustration:てるる コメント 多々良 小傘のスペルカード。 目標をとらないものの、条件が条件なので効果にむらがある。 種族が統一されているほど被害を受けにくく、種族がばらばらなデッキほど被害を受けやすい。 活用するならば、種族を絞っておいた方が無難である。 他に同じ種族を持つキャラクターがいる/いないの確認は、それぞれのプレイヤーの場だけを見て行われる。相手プレイヤーの場に種族が同じキャラクターがいても、自分の場にいないければ決死状態となる。例えばプレイヤーAの場のキャラクター3枚の種族がそれぞれ「妖怪」「妖怪」「人間」で、プレイヤーBの場のキャラクター2枚の種族が「妖怪」「人間」という状況では、Aの「人間」1枚と、Bの「妖怪」「人間」の2枚の、合計3枚が決死状態になる。 そのプレイヤーの場にキャラクターが1枚しかいなければ確定除去となる 関連 第十二弾 多々良 小傘/7弾 多々良 小傘/10弾 多々良 小傘/12弾 雨符『雨夜の怪談』 《雨符「雨夜の怪談」》 No.1079 Spell <第十二弾> NODE(1)/COST(1) 術者:多々良 小傘 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 (自動γ): 〔全てのプレイヤー〕はコストがXのカードをプレイする場合、3ダメージを受ける。Xはこのカードにセットされているカードの枚数に等しい。 (自動β): 〔このカード〕がプレイされて場に出た場合、〔あなたのデッキの上のカード5枚まで〕を〔このカード〕にセットする。 ある化石に腰掛けるととんでもない方向に迷うと言われており、侍が雨夜にそこを通りかかると燃える松ノ木がたくさん散らばっていた。~お仮宮の化石 Illustration:三日月沙羅 コメント 多々良 小傘のスペルカード。 自分の山札の上のカードをセットし、特定のカードのプレイにデメリットを負わせる世界呪符。コストを参照するため、制限できるカードは限定的だがその種類を問わない。 この類のカードが相手にプレッシャーを与えるのは、プレイする機会が多いカードを指定された時である。そういう意味では、緑眼のジェラシーを始めとする各種除去、是非曲直庁の威令のようなカウンター、強引な取引を代表とする各種ドローソースなど、多くの強いカードが属する1コストが最もプレッシャーがかかる選択肢となる。ただし、同時に自分の首も締まる可能性があるのは注意。 他にも0コストや2コストも有効な選択肢となり得るだろう。逆に3コスト以上の強力なカードは、その分プレイされる機会も少ないのであまり大きなプレッシャーにはならないだろう。 結果として対象を絞れば汎用性に欠け、対象を増やすと自分にも火の粉が降りかかることになる。 似たような効果を持つ業火絢爛と比較すると、与えるダメージ量が増加した代わりに参照するカードに制限がついた形となる。 同じ世界呪符である秋符『秋の空と乙女の心』とでは、ロック強度では大きく劣るものの、大きなコストのカードを止めたい場合の速効性と維持コストがない点で勝る。 サイドボード要員としての強烈さは秋符『秋の空と乙女の心』に劣るが、逆に言えばダメージさえ甘受すれば自分の行動に制限はない。 多少のダメージはものともせずに相手のライフを素早く減らせる、ウィニーデッキが相手の行動を縛る目的で投入するのに向いたカードといえる。 オレンジ/9弾がいると相手だけ行動を抑制できる。ライフに不安があるなら採用を検討したい。 場のカードをカード1枚で6枚分に水増しするカードでもある。脈絡もなく多くのカードがセットされた場合、破滅の呼び声のような場のカードを参照するカードに気をつけるべし。 関連 第十二弾 多々良 小傘/7弾 多々良 小傘/10弾 多々良 小傘/12弾 稲妻『帯電入道』 《稲妻「帯電入道」》 No.1080 Spell <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(3)/COST(1) 術者:雲居 一輪 【幻想生物】 (常時)(S): 〔このキャラクターにセットされている「雷雲」1枚〕を、〔あなたの場の別のキャラクター1枚〕に移す。 (自動γ): 〔このキャラクター〕が相手プレイヤーのカードの目標になった場合、〔あなたの冥界の上のカード1枚〕を裏向きにしてこのキャラクターにセットする。そのカードは以後、以下の効果を持つ呪符カード「雷雲」として扱う。 「戦闘修正:+3/+3 先制」 攻撃力(3)/耐久力(3) 上昇気流で高空に行った水滴は氷晶となり、互いに激しくぶつかり合って砕けたり、摩擦が生じたりすることで静電気が蓄積される。 Illustration:青芝クレハ コメント 目標になる度にパンプアップする幻想生物。 ノードに見合った戦闘力を有し、維持コストも無いため運用しやすい。 しかも(自動γ)により除去カードなどの目標とされた場合は+3/+3と先制を得るため、このカードを除去するには6点以上のダメージを与えるか、耐久力によらない除去が必要となる。耐久3ながらも採用率の高いリリカ・プリズムリバー/11弾によって除去されないのは大きい。 ただし相手もそのことを承知済みなため、除去する場合はより確実な方法を取られることが多く、(自動γ)は牽制程度にしか役に立たないだろう。だが「雷雲」は「雲」の名前を含むので雲山/12弾の回収効果の対象になる。除去の目標になった際、冥界から1枚乗せた後に回収できるので覚えておいても損はないだろう。 しかし、雲居一輪のラストワード「華麗なる親父時代」の登場で非常に用意に「雷雲」を載せることが可能になった。 デッキからアクティブインする上に1枚の雷雲が乗るので実質6/6先制として場に出てくる。(常時)により既に場に出ているカードに移すことも可能。グレイズ0のアタッカーなどがいればそちらに移すのも好いだろう。 関連 第十二弾 雲居 一輪/7弾 雲居 一輪/10弾 雲居 一輪/12弾 土符『レイジィトリリトン』 《土符「レイジィトリリトン」》 No.1081 Spell <第十二弾> GRAZE(1)/NODE(4)/COST(2) 術者:パチュリー・ノーレッジ 【幻想生物】 警戒 維持コスト(1) (自動γ): このキャラクターがダメージを受けた場合、〔あなた〕はライフポイントをX得る。Xはこのキャラクターが受けたダメージの値に等しい。 攻撃力(2)/耐久力(6) トリリトンは驚異の三石と呼ばれる3つの石で、バールベック遺跡の象徴でもあるジュピター神殿の土台に使われている。 Illustration:カズ コメント パチュリー・ノーレッジのスペルカード。 耐久力が高く防御向きの幻想生物。 とりあえず防御すると幸せになれる。出した返しのターンから大きな壁として立ちはだかるし、戦闘する相手キャラクターの攻撃力が高いほど回復量も期待できるので、相手が攻撃を躊躇する可能性はそれなりに高い。 攻撃力は2とアタッカーとしては辛いが、警戒を持っているので、積極的に攻撃に回れるのも強み。大きなクロックではないが防御すると防御キャラクターの攻撃力分ライフゲインするため、いやらしい働きができるだろう。 槌の子でマナチャージできるようにすると、継続的なライフゲインが行える。警戒で防御にも立てるため相性が良い。また村紗 水蜜/7弾の起動効果のような全体火力なら相手の盤面を焼き払いつつライフゲインが狙える。ただし、ダメージを受けたところで相手から火力を投げられると落ちる可能性もある。ご利用は計画的に。 関連 第十二弾 パチュリー・ノーレッジ/1弾 パチュリー・ノーレッジ/9弾 パチュリー・ノーレッジ/12弾 パチュリー・ノーレッジ/14弾 符ノ壱“パチュリー・ノーレッジ” 符ノ弐“パチュリー・ノーレッジ” 知略の幻術チーム 真紅の魔神チーム 犠牲『スーサイドパクト』 《犠牲「スーサイドパクト」》 No.1082 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(2) 術者:アリス・マーガトロイド 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなたの場の「人形」を持つキャラクター1枚〕を破棄する。その後、目標の〔プレイヤー1人〕の手札X枚を無作為に選んで破棄する。Xはこの効果で破棄したキャラクターの耐久力の半分(端数切り上げ)に等しい。 自殺協定。人形を敵の近くで爆発させて被害を与える。 Illustration:鍋島テツヒロ コメント アリス・マーガトロイドのスペルカード。 人形を犠牲にしてのハンデスカード。巨大な人形ほどハンデスする力も上がる。 同じように人形を破棄して効果を発揮する魔操『リターンイナニメトネス』とどちらを採用するか迷うところである。数を並べてなんぼの人形であるが、どちらも耐久力を参照するスペルであるため、大型の人形となると数は限られてしまうからである。 また、手札から1枚、場から1枚、計2枚のカードを使ってプレイするものであるため、上海人形のような小型の人形を破棄するのもおいしくない。 罠符『キャプチャーウェブ』で相手の場から人形を調達したり、精神の海でデメリット呪符をつけられたキャラを無理やり人形にして破棄したりするなど、魔操『リターンイナニメトネス』と違い自分の場しか対象にできない点も頭を悩ませるところである。 もちろん手札を破棄するということは強力な効果であり、枚数も一枚以上破棄できる可能性は十分あることから、うまく利用する方法を考え付けば十分な働きをしてくれるカードだろう。 関連 第十二弾 アリス・マーガトロイド/1弾 アリス・マーガトロイド/5弾 アリス・マーガトロイド/12弾 アリス・マーガトロイド/14弾 符ノ壱“アリス・マーガトロイド” 符ノ弐“アリス・マーガトロイド” 禁呪の詠唱チーム 浸水『船底のヴィーナス』 《浸水「船底のヴィーナス」》 No.1083 Spell <第十二弾> NODE(3)/COST(1) 術者:村紗 水蜜 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 維持コスト(1) (自動α): 〔全ての相手キャラクター〕は「戦闘修正:±0/-X」を得る。Xはこのカードにセットされているカードの枚数の2倍に等しい。但し、この戦闘修正のみで耐久力0以下にはならない。 (自動γ): あなたのメンテナンスフェイズ開始時に、〔あなたの冥界の上のカード1枚〕を裏向きにして、このカードにセットする。 徐々に浸水させ、敵を溺れさせる。 Illustration:ミユキルリア コメント 村紗 水蜜のスペルカード。 相手キャラクターの耐久力を下げてくれる世界呪符。 メタられやすい世界呪符であり、場に出た瞬間から返しの相手ターンにかけては場に影響を及ぼさず、これ1枚だけでは何も仕事をしない上に維持コスト持ちと、四重苦を抱えてしまっている。 しかし耐久力を下げる効果そのものは非常に強力で、カードが溜まっていくにつれ本領を発揮し、最終的には全ての相手キャラクターを耐久力1にしてくれるだろう。 鬼火『超高密度燐禍術』を使えばプレイしたターンに耐久-6という大きな修正を与えることも可能。 このカードだけでは相手キャラクターを決死状態にできないので、術者がこのカードと共通である幽霊『シンカーゴースト』によるダメージで除去したり、八坂 神奈子/11弾で耐久力を0まで下げさせたり、地霊殿でとどめを刺しつつ相手プレイヤーにダメージを与えるなどして上手くサポートしたい。 さらに言えば効果が出るまではそれなりに時間を必要とするので、貼った返しのターンに敗北したりしないようにデッキ全体でサポートしてやりたい。このカードの上に3枚もカードが乗るようなら、序盤を凌ぐための不意打ちや、海水浴のような使いにくいカードでさえ非常に強力な除去カードとして扱えるだろう。 関連 第十二弾 村紗 水蜜/7弾 村紗 水蜜/10弾 村紗 水蜜/12弾 天符『焦土曼荼羅』 《天符「焦土曼荼羅」》 No.1084 Spell <第十二弾> NODE(5)/COST(5) 術者:寅丸 星 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなた〕は9ダメージを受ける。その後、〔全ての場のカード〕と〔全てのノード〕を破棄する。 金剛界は真理と本質とするもので、悟りの知恵である。 Illustration:9時 コメント お互いの場を文字通り焦土に変えるリセットカード。 恋符『マスタースパーク』をはじめとする霧雨魔理沙の無差別大量除去スペル群をひとまとめにしたような大味なカードであり、しかも決死状態ではなく破棄であるため、通ればほぼ確実に場を更地にできる。 効果の解決時に自分が9ダメージを受ける上に使用後はノードが空になるため、不利な状況のリセットとして使っても後が続かずジリ貧になる可能性が高い。 使用する場合はやはり恋符『マスタースパーク』同様、永江 衣玖/5弾と併用して相手の場だけを焼き払うという使い方が良いだろう。自力で効果を回避できる同弾収録の古明地 こいし/12弾やキクリ/12弾、あるいは冥界から自力で復活できる豊聡耳 神子/13弾も相性が良い。 ただしリセット後に中途半端な攻め方をすると、グレイズが仇となってライフを削りきる前に手痛い反撃を受けかねない。 リセット後の優位を盤石なものにするためにも、事前に各種ハンデスで危険なカードを取り除く、ノードが0でも使える十王の激怒や陰謀論を握っておくなど、一工夫を考えよう。 未来『高天原』の自動γ効果や雲外蒼天の自動β効果等、ダメージを受けることがトリガーとなる効果との併用も考えられる。もっとも前者の場合は出てきたキャラクターが即座に焼き払われ、後者の場合には発動条件に1ダメージ足りないため、やはりもう一工夫は必要だが。 13弾環境現在、(連結キャラクターも含め)全ての寅丸星が術者でありながら自力ではこのカードを回避できず、他のカードと一緒に吹き飛んでしまう。ドジっ虎もここまで来ると返って清々しい。 関連 第十二弾 寅丸 星/7弾 寅丸 星/10弾 寅丸 星/12弾 魔界の武神チーム 幻想の探求チーム 『聖尼公のエア巻物』 《「聖尼公のエア巻物」》 No.1085 Spell <第十二弾> NODE(5)/COST(2) 術者:聖 白蓮 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 抵抗(2) 〔あなたのデッキ〕をシャッフルする。その後、〔あなたのデッキの上のカード3枚〕を見て、その中からカード1枚を抜き出し、抜き出したカード以外をデッキに戻し、シャッフルする。その後、抜き出したカードをあなたがプレイしたものとして解決する。 紙の巻物に比べて軽く、内容量はほぼ無限。しかも経年劣化がなく振りかざしただけで唱えた事になるオート読経モードが搭載されている。 Illustration:ちもち コメント 聖 白蓮のスペルカード。 自分のデッキの上3枚を見て好きなカードをプレイできる。 効果そのものは安定せず、ギャンブル性の高いカードである。たかだか3枚程度では狙ったカードを引き当てることは難しく、3枚ともマナの生成のような弱いカードだったりすると目も当てられないだろう。 しかしそれはこのカードの表の顔である。 よく似た効果を持つ乾坤一擲と比較すると、「どんな種類のカードでも解決できる」という利点を持つ。乾坤一擲には存在した「2コストとカード1枚切っての空振り」が存在しないことはひとまずの利点である。 構築段階でデッキ内にカードパワーの高いカードを多く採用しておくことでもフォローは可能。こちらは安定性にこそ欠けるものの、抵抗(2)を持ちカウンターにそれなりの耐性を持っている上に、相手は解決されるカードを見てから干渉することは不可能なため、紅魔『スカーレットデビル』のようなカードがめくれて相手の場が壊滅、といったことが起こるかもしれないし、いきなり天魔や幽香のような超大型キャラクターが場に登場する可能性もある。またこの時プレイされて場に出た時が条件の(自動β)も解決されるため、カードによってはひどいことになるだろう。 相手に「止めにくいけど止めないとまずいかもしれない」という理不尽な二択を強要できるため、構築を歪める価値は十二分にあるといえる。 いずれにせよ、単体では厳しいものの使い方次第で大化けするカードであるといえるため、使い手の腕が問われるカードである。 2013/04/03のエラッタにより、事前のシャッフルが追加され、抜き出されたカード以外の2枚を、抜き出したカードの解決前にシャッフルするように変更された。前者は単純な積み込み防止、後者は処理の煩雑さの軽減が目的であると推測される。とはいえ、強引な取引を抜き出した場合、エラッタ前では他に見た2枚をドローするが、エラッタ後はシャッフルしてから2ドローするなど、挙動自体も結構変化はしているので注意。 なお、同時に行われた総合ルールの改正により、大災厄などの厳しいプレイ条件を持つカードの条件無視は難しくなった。このカードにとっては大きな弱体化と言えるだろう。 関連 第十二弾 聖 白蓮/7弾 聖 白蓮/10弾 聖 白蓮/12弾 魔界の武神チーム 奇矯の魔術チーム 超人『聖 白蓮』 光鬼『金剛螺旋』 《光鬼「金剛螺旋」》 No.1086 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(1) 術者:星熊 勇儀 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 抵抗(3) 〔任意の枚数のあなたの場のアクティブ状態のキャラクター〕をスリープ状態にする。その後、ターン終了時まで目標の〔キャラクター1枚〕は「戦闘修正:+X/±0を得る。Xはこの効果でスリープ状態にしたキャラクターの攻撃力の合計に等しい。 破滅的な金剛力は一撃で敵の息の根を止める。 Illustration:SHO コメント 星熊 勇儀のスペルカード。 簡単に言えば一人に攻撃力を集中するスペル。 キャラクターが大量に並んでいれば致命的な一撃を叩き込む事が可能である。 しかし、これ自体には特に他の効果はないので、貫通や隠密といった回避能力を持つキャラクターを目標にしなければせっかくのパンプアップが無駄になってしまう。さらに対象に取ったキャラクターはスリープ状態になってしまうため、調子に乗って攻撃力を結集させると反撃を受けた際に壁がいない、なんてことにもなりかねない。 そして最も致命的なのが必殺『ハートブレイク』と同じくスペルカードであること。防御されなかったのを見てから…というような奇襲的なプレイングが不可能なのは痛い。 くるみ/9弾などをデッキに採用していると、終盤には大型キャラクターに阻まれて棒立ちしていることも多く、そうしたキャラの攻撃力を一度だけだが利用できると考えてもいいだろう。 一人に攻撃力を集中させる場合、イリュージョナリィブラストのように一体の攻撃を止めるカードがくればデメリットであるが、法界の火を相手が採用している環境であれば被害を一体で済ませることができる、とも見ることができる。 警戒を持つキャラを組み合わせることでスリープにするデメリットも幾分か軽減することができるため、そのようなキャラが多いデッキであれば相手の計算を狂わせることも可能になるだろう。彩符『彩光乱舞』あたりでフォローしてやるともう少し使いやすくはなるか。 またまわりくどい方法であるが、結集させた攻撃力を気符『地龍天龍脚』でエニグマティクドールで生成した「神秘の人形」めがけて叩き込んだりするのも面白いだろう。 3枚+攻撃力を持つキャラクター複数とカード枚数は少々多いため浪漫の域を出ないが、決まれば多大な火力を発生させることができる。 関連 第十二弾 星熊 勇儀/5弾 星熊 勇儀/9弾 星熊 勇儀/12弾 夜天の鬼神チーム 『嫌われ者のフィロソフィ』 《「嫌われ者のフィロソフィ」》 No.1087 Spell <第十二弾> NODE(4)/COST(2) 術者:古明地 こいし 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 【ターン1枚制限】 〔相手プレイヤー〕は手札を2枚破棄しても良い。破棄しない場合、〔あなた〕は2ドローし、ライフポイントを5得る。 近くとも遠くとも疎まれる存在 Illustration:カズ コメント 古明地 こいしのスペルカード。 相手プレイヤーに相手の手札を増やすことを嫌うか、自分の手札を減らすことを嫌うかを選ばせる。 その効果は非常にいやらしく、相手がどちらを選んだとしてもカードアドバンテージ上は1枚の得となり、ドローができたならばライフアドバンテージのおまけまでついてくる。 さすがに強引な取引のように1コストとはいかないものの、2コストのカードがやることとしては十二分以上であり、また相手がどちらを選択するかを見ることで相手の手札の質を考える材料にもなる。 さらに術者である古明地 こいしは除去耐性のあるアタッカーであり、ある程度のノードが確保できるなら簡単に採用できるため、術者を据えた運用も非常に楽。ターン1枚制限こそあるものの、除去耐性の高いこいしであれば次のターンも場にいる可能性は高く、このカードの効果でこのカードを引いてしまってもあまり問題にはならないだろう。 ただし弱点がないわけではない。相手プレイヤーの手札に銀ナイフがあるとその威力は半減するし、上白沢 慧音(白沢)/9弾が捨てられては相手の展開を助けてしまう。 最悪なのは月眼『月兎遠隔催眠術(テレメスメリズム)』が相手の手札にあった場合で、「古明地 こいし/12弾をプレイしてすぐにこのカードをプレイしたら相手プレイヤーの場にふらふら迷い込みました」ということにもなりかねない。 効果自体は強力だが、相手のデッキ内容によって効く効かないの差が非常に大きいので、相手によっては思い切ってサイドアウトできるようなデッキ構成にしておきたいところ。 関連 第十二弾 古明地 こいし/5弾 古明地 こいし/9弾 古明地 こいし/12弾 悪夢の記憶チーム 雷符『エレキテルの龍宮』 《雷符「エレキテルの龍宮」》 No.1088 Spell <第十二弾> NODE(2)/COST(2) 術者:永江 衣玖 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 (自動γ): あなたのメンテナンスフェイズの開始時に、〔あなたのデッキの上のカード1枚〕を公開する。公開したカードが「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果(アイコン参照)」を持つカードだった場合、手札に加える。 村に残した母親を心配して帰ろうとした若者に、竜神様は何でも好きな土産を持ち帰る様にと言った。~竜宮女房 Illustration:ちもち コメント 運次第ではあるものの、維持コストを必要とせず手札を増やせる世界呪符。 「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果」を持つカードを多く含むデッキであれば、毎ターン高確率でハンドアドバンテージを得ることができる。 宏観前兆や橙/5弾の効果でデッキトップを操作しておくのも有効。 「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果」でなかった場合はそのままデッキトップに戻すため、何もしなければその公開されたカードがドローフェイズに手札に加わる。 つまり相手にドローの内容が完全にバレてしまう危険がある。 マナチャージ持ちさえいれば「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果」を持たないカードが公開された場合でも、ドロー前にノードに送るか、そのままドローするか選べるようになるのでさほど問題はないが。 効果範囲が「目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果」であるカードの一覧は目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果を参照。 関連 第十二弾 永江 衣玖/5弾 永江 衣玖/9弾 永江 衣玖/12弾 永江 衣玖/14弾 天上の威光チーム 地震『避難険路』 《地震「避難険路」》 No.1089 Spell <第十二弾> NODE(5)/COST(3) 術者:比那名居 天子 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなた〕は場のキャラクター1枚を選ぶ。〔必要ノードがあなたが選んだキャラクターと異なるキャラクター全て〕に4ダメージを与える。 災害から逃れられる、ただ一つの険しい道 Illustration:君と子音 コメント 比那名居 天子のスペルカード。 選んだキャラクターのノード帯以外のキャラクターにダメージをばら撒くスペル。 4ダメージは全体火力としてはそれなりの数値であり、頼もしい。だが、問題は自分の場も影響を受けることである。る~こと/12弾でもいようものなら自分の場だけ吹っ飛んで更地になった、という事態も考えられる。さりとて自分のデッキにキャラクターがいないと、少なくとも相手キャラクターのうち1枚はダメージを受けなくなるため、何の目的もなしに投入できるカードではないだろう。 高ノード帯は防御力4以上のキャラクターがほとんどであるため、狙うのは1~4ノードの小~中型キャラクターになるだろう。 自分の場を効果ダメージから守るのなら、要石や紅 美鈴/9弾を据えて撃つと良い。相手の場にいないノード帯のキャラを指定してやることで、結果として相手全体に4ダメージを与えるスペルとして機能させることもできる。 要石を火力に使用することができる比那名居 天子/9弾をメインにしたデッキは相手の場を焼くカードが少なく、プレイヤーへの直接ダメージを主とする構成になりがちであるが、このカードを採用することで場を処理しやすくなる。 単体で使うには5ノード3コストと少々重いスペルであるため、術者がいればより運用しやすくなるだろう。 関連 第十二弾 比那名居 天子/5弾 比那名居 天子/9弾 比那名居 天子/12弾 比那名居 天子/14弾 天上の威光チーム 激動の大地チーム アンノウン『軌道不明の鬼火』 《アンノウン「軌道不明の鬼火」》 No.1090 Spell <第十二弾> NODE(3)/COST(3) 術者:封獣 ぬえ 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 維持コスト(1) (自動α): 〔あなたの場のキャラクター全て〕は「戦闘修正:+X/±0」を得る。Xはこのカードにセットされているカードの枚数に等しい。 (自動γ): コマンドカードがプレイされた場合、そのプレイを無効とし、〔このカード〕にセットする。 【(自動γ): 〔このカード〕にセットされているカードが3枚以上になった場合、このカードを破棄する。】 人間の怨念が火の玉となって襲いかかる。 Illustration:キレロ コメント 関連 第十二弾 封獣 ぬえ/7弾 封獣 ぬえ/10弾 封獣 ぬえ/12弾 封獣 ぬえ/PR 奇矯の魔術チーム コマンドカード 一時休戦 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 改良 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 信仰心 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 彼岸 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 ミニ八卦炉(初期型) #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 太古の時代 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 妖回針 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 宣戦布告 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 ミステリアスジャック #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 神前試合 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 奇跡の蝉 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 肝試し #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 知識の墓 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 秋の日の人食い #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 魔法の森 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 昔時の業火 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 地滑り #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 パラジウム合金 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 二つ目の太陽 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 ハートフェルトファンシー #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 ラストリモート #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 フォースフィールド #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 悪魔の星 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 信仰は儚き人間の為に #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 人間の消える道 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 名前の無い石 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 歴史喰いの懐郷 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 真実を変える力 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 陰謀論 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 意識の水底 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。 プロモーションカード 秘術『天文密葬法』 #include plugin Error includeは1ページに 70 個までしか使えません。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/46839.html
登録日:2020/12/28 (月曜日) 20 38 32 更新日:2024/05/09 Thu 10 28 11NEW! 所要時間:約 20 分で読めます ▽タグ一覧 PS4 PS5 PlayStation4 RPG SEGA Steam Xbox One Xbox Series X|S XboxOne XboxX|S オマージュ グレーゾーン ゲーム セガ ドラクエリスペクト バカゲー マンネリ打破 メタルギア ヤクザ 世代交代 主人公交代 名作 心の暴力団 愛すべきバカ達 成り上がり 所要時間30分以上の項目 春日一番 水曜どうでしょう 汚いペルソナ 涙腺崩壊 灰色の無法者達 胡椒やダーツが凶器になる世界 賛否両論 龍が如く 龍が如く7 龍が如く7 光と闇の行方 龍魚 人生は冒険だ ~概要~ 『龍が如く7 光と闇の行方』(Yakuza Like a Dragon)とは、セガゲームスより発売された龍が如くシリーズ8作目のナンバリング作である。(*1) 当初はPlayStation4向けに2020年1月16日に発売されたが、後にXbox OneやSteamでも海外版ベースの『インターナショナル』として2021年2月25日に発売された。 なお、海外でSteamでリリースされたのは2020年11月11日(JST基準)だったので、実は当初は「おま国」になっていたということになる。 木村拓哉を主役に起用した外伝作、ジャッジアイズを経て4年ぶりのナンバリングタイトルとなった本作では大きな変更点として、これまでのシリーズで主役を務めてきた桐生一馬からスマホアプリの『龍が如く ONLINE』で初登場した春日一番が新主人公として据えられており、更に戦闘システムも今までのアクションバトルから元々はエイプリルフールネタであったRPG方式のターンバトルへと大きく変更されており、発売前から大きな話題を呼んだ。 システム変更の理由は、新規が入りやすくすることと、春日は桐生と違い一人で大人数を無双できるほどの強者でないことの2つが大きい様子。 しかし話題の大半はネガティブな意見が多数を占め、桐生とは真逆とも言える春日の人物像や裏社会の物語を描く龍が如くに似つかわしくないRPG方式等がユーザーから大きく批判を受け、一部では開発のやり直しやボイコット運動等の声が上がるほどに批判はエスカレートしてしまい、「見えすいた地雷」「2020年最初の魔物」等と揶揄されてしまった。 しかし、ユーザー達の手に本作が行き渡り始めると春日をはじめ個性的で魅力のある登場人物達にシンプルながら奥深い戦闘システム、秀逸で見応えのあるストーリー等の要素が大きく評価され、最終的にはその前評判を見事に覆して「0に匹敵する最高傑作」「完璧な主人公交代作品」と言われるまでになった。 現に発売後は本作の完成度の高さを評価され、日本ゲーム大賞2020ではP5RやMHW I等の錚々たる顔ぶれと並んで優秀賞を見事に受賞する快挙を成し遂げた。 その様は本編のテーマの一つになっている「どん底からの成り上がり」を現実でも見事に体現しており、主人公が春日一番となり新しくなった龍が如くの門出に相応しいものであると言える。 ●目次 ~概要~ ~あらすじ~ ~登場人物~基本メンバー 荒川組 異人三星龍会 横浜流氓(ハンピンリュウマン) コミジュル 近江連合 ブリーチジャパン ゲスト その他 ~登場する町~異人町 神室町 蒼天堀 ~新たなゲームシステム達~・戦闘システム ・デリバリーヘルプ ・ジョブチェンジ ・人間力 ・絆レベル/絆ドラマ ・宴会トーク/パーティーチャット ・スジモン図鑑 ~今作のプレイスポット~・サバイバル缶拾い ・名画座 ・ドラゴンカート ・会社経営 ・資格学校 ~主題歌~ ~余談~ ~あらすじ~ 2000年12月31日。 20世紀も終わりを迎えようとしており神室町も新年ムードに包まれていたが、極道は盆だろうと正月だろうと休みは無く、東城会の三次団体「荒川組」に所属していた春日一番は組のために今日も使いっ走りをしていた。 しかし、年が明けた元日に組長の荒川真澄に呼び出され、若頭の沢城丈が犯した殺人の罪を被るよう直々に頼み込まれ、出頭する。 尊敬する荒川のため18年にも及ぶ辛い刑務所生活を送り、2019年、春日は晴れて出所するが、春日を出迎えてくれる筈の荒川組の者は誰一人いなかった。 途方にくれる春日の前に足立という人物が現れ、東城会は春日が出所する2年前に「神室町3K作戦」(*2)という都知事の施策により壊滅し、現在の神室町は警察と東京へ進出した近江連合に支配されており、その元凶が荒川真澄である事を聞かされる。 それでも荒川が東城会を裏切ったとは信じる事が出来ず、春日は足立と共に荒川がいる近江連合の会食の場へと趣き真相を確かめるが、無情にも春日は荒川に銃で撃たれてしまう。 辛うじて一命を取り止めた春日だったが、目を覚ました時には神室町から遠く離れた横浜の「伊勢佐木異人町」へと打ち捨てられていた… ~登場人物~ 基本メンバー 春日一番 CV:中谷一博 本作の主人公。 神室町に存在していた高級ソープ「桃源郷」で生まれ、両親がいない環境で桃源郷のスタッフ達に育てられた。 中学卒業後はチンピラとして喧嘩やカツアゲに明け暮れていたが、ひょんなことから荒川真澄に命を救われ、以後彼が組長を務める荒川組に所属するも、前述の経緯から出頭時に荒川組とは絶縁となった上に出所後は横浜へと打ち捨てられドン底へと落ちる羽目に。 抜けたところがありながらも明るく真っ直ぐな性格をしており、極道だった経緯もあって度胸も備えている熱い男だが、長年刑務所にいたため少々世間知らずな面も垣間見せる。(*3) 少年時代はドラクエの勇者に憧れて育ってきたために、何かとドラクエになぞらえて話を進めることもしばしばあり、喧嘩のスタンスも「一方的に相手を殴ることを嫌い相手にも行動させる」というRPGの戦闘のような考え方を持っている。 「そうしないと力が出せない」とまで言っていたせいで弟分の安村からは真剣にドMではないのかと疑いを持たれる羽目に このように意図的なものなのか、性格はもちろん外見のデザインも桐生とは対照的な見た目になっている。 一方で担当声優は桐生の「兄弟」こと錦山と同じであり、シリーズファンには感慨深いキャスティングとなっている。 ちなみに妄想性障害級の極端な思い込み傾向があり、これまでのシリーズ作品からかなり方向性のブっとんだスジモン達やオブ・ジ・エンドやクロスゾーンから乱入してきたような必殺技の数々は春日の妄想の産物であり現実にはもっと地味な戦いをしている…という事になっている。 じゃあどうやって石尾田の乗ったモンケン車をぶっ壊したんだよ… 無論この設定がストーリーに関わることは無く、作中の春日は猛進だけではなく思慮を備えた好漢である。 専用ジョブは「フリーター」と「勇者」を持っており、前者は桐生を思わせる素手での攻撃特化の性能をしており、後者は攻撃、防御、回復の三拍子が揃ったあらゆる状況に対応できる万能タイプな性能をしている。 足立宏一 CV:大塚明夫 出所した春日に接触してきた人物で、その正体は元神奈川県警の刑事にして現在は免許センター務めをしている男。 春日に近づいたのは現警視総監が荒川から近江連合の東京進出の際に賄賂を受け取っていた疑惑に辿り着き、それを暴くべく接触が容易で荒川に近い存在である春日に目をつけたというのが事の初まり。 酒と女に弱い典型的なダメ親父だが、それと同時に刑事としての正義感や機転の良さも持ち合わせ異人町や神室町に何人か知り合いがおり、そこに拠点を用意してもらうなど年長者として頼り甲斐もある人物である。 ストーリー中でもよくCQCっぽいの使うし「安全装置(セーフティ)外れてないぞ?」と指摘したりするが、あの伝説の男とは関係ないダンボールはナンバがかぶったし 普段は刑事らしく威厳のある高圧的な声で喋るのだが、風俗や女性関係になると俄然元気になる。 専用ジョブは「刑事」免職済みで所謂タンク型の性能をしており防御兼火力要員として運用出来るが、似たような性能を持ち且つ属性攻撃も可能なジョブ「機動隊員」にお株を奪われがち。 ナンバ(難波悠) CV:安田顕 春日が打ち捨てられたゴミ捨て場近くのコミュニティに身を寄せている元看護士のホームレス。 瀕死の状態だった春日の手当てをするだけで無くコミニティ内に春日の居場所を用意してあげたり、ホームレスなりの生き方を教えるなど春日にとっては正に命の恩人である人物。 足立同様酒と女に弱く良く言えば慎重、悪く言えば弱腰なところもあるが、いざという時には勇気を振り絞り危険な修羅場へと自ら飛び込む仲間想いな一面も持ち合わせており物語が進むごとに春日の良き相棒と言える存在になってくれる。 余談であるが、担当声優の影響かたまに「黄色い着ぐるみ着て殴り合い」だの「俺が牛乳吐くわけねぇだろ」だの「エビチリは苦手」だの水曜どうでしょうネタを言い放つ。 専用ジョブは「ホームレス」で、魔法攻撃が得意な賢者的なポジション。なお、魔法攻撃にあたるのは主に臭い息。 序盤では貴重な属性攻撃と魔法攻撃で戦ってくれる上に後述するジョブチェンジシステムを活用すれば全属性の魔法攻撃を使えるようになるため序盤から終盤までアタッカーから補助要員まで幅広く使える非常に有用な専用ジョブ。 向田紗栄子 CV:上坂すみれ 異人町のキャバクラで雇われママとして働いている女性。 菜乃葉という双子の妹がおり、そちらは春日達によってトラブルから救われている。 無職だった春日達を雇ったソープランドオーナー・野々宮から口伝てに春日達のことを聞いており、野々宮の葬儀にて初めて春日達と邂逅し、以降は恩義のある彼の死の真相を追うために春日達と行動を共にする。 若い女性かつ全くの一般人であるため、一見するとせいぜいゲスト枠かと思うかもしれないが正式なパーティーメンバーとなる。 酒豪で男勝りな性格をしており相手が屈強な男であっても物怖じをしない豪胆な人物だが、それと同時に他人を思いやる優しさと涙脆いところがあり、強気な性格はある意味それの裏返しでとあるイベントでは普段と打って変わって弱々しい一面をのぞかせることも。 専用ジョブは「チーママ」。 女性であるためか、HPが低い代わりにMPが高く相手に状態異常を付加したり、味方にバフをかけたりと攻撃と補助が両立したジョブである。 荒川組 荒川真澄 CV:中井貴一 東城会の三次団体・荒川組の組長。 旅芸人の一座に生まれ、自身も役者として活躍していたが、14歳の時に団長でもあった父が殺され、母は蒸発してしまったことで行き場が無くなり東城会系列の「氷川興産」という組の所属を経て自身の組を立ち上げた経緯を持ち、以降は「殺しの荒川」の通り名で知られており、神室町に住んでいる者ならば少なからず彼の名前は聞いたことがある程度には名が通った人物。 だが、同時に義理人情に厚い一面があり見ず知らずの春日のために小指を落として命を救ったり、刑期を全うしている春日に態々直筆の手紙をよこす等、通り名が嘘のような理知的で紳士的な人柄をしている。 こう言った人柄もあって春日からはもう一人の父親として深く尊敬されているが、春日が刑期を全うしていた18年の間に心変わりを起こしたのか東城会を裏切りその見返りに近江連合の若頭代行の座につくなど狡猾に立ち回っており、春日と再会した時も手紙を渡すほど大事に想っていた春日を躊躇いなく撃つなど、嘗ての通り名に違わぬ人物へと変わり果ててしまっている。 『ONLINE』の堀内賢雄氏からキャスティングが変更されているが、これは制作にあたり許諾を得て行った意図的なもの。後述の世界線の違いを示唆するためだろうか? 荒川真斗 CV:鳥海浩輔 荒川真澄の一人息子。 赤ん坊の頃に重度の低体温症に罹ってしまったことが原因で多臓器不全を患ってしまい車椅子生活を余儀なくされ、春日は荒川からの頼みで彼が出かける時などは一緒に付き添うことが組での仕事の一つとなっていた。 歩けないことと極道の息子であることに大きなコンプレックスを抱いており、それを晴らすかのように荒川組の金で散財をし春日を奴隷のように扱うなど好き放題に振舞っていた。 しかし春日が出頭してからまもなく持病が悪化したようで、春日が出所する数年前に故人となってしまっている。 春日が出所する前後の荒川の様子を知る者は彼の死が荒川を豹変させ、東城会と神室町を売ったのではないかと噂されている。 沢城丈 CV:堤真一 荒川組の若頭兼金庫番を務めている男で組のNo.2。 義理人情を重んじる荒川や春日とは対照的に冷徹かつ非情な性格で、シノギの際に相手の事情を鑑みて金を持ち主に返したり、見逃してしまう春日とは折が合わずシノギの稼ぎが悪いのもあって春日とは辛く当たっていた。 そんな苛烈な性格が災いしてか、大晦日の晩に坂木組の鈴森という組員と睨み合いになった末に射殺してしまい、荒川は葛藤の末に春日に身代わりを頼むこととなる。 春日が出所した18年後は荒川とともに近江連合へと鞍替えし、若頭代行となった荒川の補佐を務めており、良くも悪くも荒川以上に極道らしい立ち回りが上手い男。 安村光雄 CV:鶴岡聡 春日の唯一の弟分で、春日や荒川からはミツと呼ばれている男。 何かと苦労人気質なところがあり、春日の人の良さと直情的な面に振り回されがちで春日のそういった一面に苦言を呈することも度々あったが、そんな春日のことを兄貴分として慕っており春日が出頭する直前には初詣に誘ったりする等兄弟仲は至って良好であったが、終ぞ春日が出頭することは知らぬまま18年も関係は途絶することとなる。 出所前からの弟分、再会時は敵対組織に所属、そして、シリーズにおいて時にプラスにもマイナスにもなるモデル俳優なし等々のいかにもな設定を持つ事から過去作プレイ層からはシンジ・力也の再来を懸念されていたがこのジンクスを打ち破り見事に生存を果たした。 異人三 本作のメインステージとなる「異人町」を拠点に活動する3つの組織、「星龍会」「横浜流氓」「コミジュル」の通称。 由来は童謡「赤い靴」の歌詞の一部である異人さんとそれぞれの組織が三竦みで睨み合いを続けている事から因んで付けられている。 この3つの組織が冷戦状態となっており、ナンバが「いつ爆発するか分からない火薬庫に盗みに入る気になるか?」と例えた通り均衡が崩れると戦争が起きかねない程に危ない状況。 その為、近江連合や東城会などの外部組織も手出しできない様な状態が保たれている。 核心に触れるネタバレのため注意 実は3つの組織は表向きにはしのぎを削り対立をしているように振る舞っているが、本当は敵対などしておらず異人町のある秘密を巡って共謀関係にあるが、その事実は三組織のトップと極限られた一部の者しか知らされていない。 実働は星龍会と横浜流氓が担い、コミジュルはその二組織間の調停を行う形で結託。 異人町の秘密が外部の者に知られることが無いよう三竦みの対立関係を演じていた。 星龍会 嘗て横浜が戦後の混乱期にあった頃にまとめ役として発足した組織が母体のヤクザ。 発足の経緯から異人三の中でも古株の組織であり、規模こそ小さい物の長年東城会や近江連合の等の大規模な組織の干渉を受けずに独自の力で生き抜いてきた強かな組織。 星野龍平 CV:金尾哲夫 星龍会の会長である高齢の男。 「任侠は正否では測れない」「極道は顔やメンツで生きている」等の矜持を持っており、春日曰く「良くも悪くも昔ながらの極道」と評される人柄をしており、初邂逅の際も自身の組員が晒した醜態にケジメを付けさせると共に春日達の実力を評価したが、同時にその行いが一歩間違えれば異人三を敵に回しかねない旨の警告をする等荒川とは違う意味で極道としても組長としても貫録を持った人物。 春日達とは以降様々な形で関わることになるのだが、物語が進む毎に挟まる春日とのやりとりが孫と強面のお爺ちゃんにしか見えないと専らの評判で春日にとっては第三の父親ともいえる存在になっていく。 彼の過去に関するネタバレ注意 彼こそが荒川真澄の父を殺した張本人である。 荒川の父・斗司雄は異人町の秘密に繋がる金の運び屋としての裏の顔を持っていたが、ある時その金を荒川の母・ゆう子が見つけてしまい、愛人との遊ぶ欲しさに彼女に全額(一億円分)を盗まれてしまう。 この事態を重く見た星龍会は跡目として目をかけていた若かりし頃の星野に斗司雄をケジメと口封じを兼ねて殺すよう命じ、真澄少年と食事を楽しんでいた中華料理店のボーイに扮して射殺。 金を盗み出した荒川の母も後に愛人と共に罰として海の底に沈めて始末をした。 この暗殺を成功させたことで星野は星龍会の会長として栄達することになるのだが、彼の中でこの一件は大きな遺恨として残り続け、後に「殺しの荒川」として再会した荒川に全てを話した上で彼から許しを受けるまで星野は遺恨に苛まれることとなる。 高部守 CV:遠藤大智 星龍会のNo.2(若頭)を務める男。通称『高部のカシラ』 龍平に忠実で冷徹なキレ者といった如何にもNo.2らしい知的な人物だが、その反面部下想いの熱い男でもあり異人町と異人三を巡ってとある事件が起きたときには龍平の静止を振り切って後述の横浜流氓の本拠地へと自らカチコミに向かう程の行動力と実力を併せ持った御仁。 後に春日達と協力関係になった際には、星龍会で使っている車両や道具等を自ら届けて手助けしてくれるようになる。 横浜流氓(ハンピンリュウマン) 異人三の一つである中国マフィアの組織。 嘗て中華街の覇権を巡って別の中華系組織と抗争し、敗北した後に異人町へと流れ着き現在へと至った経緯を持つ。(*4) 側から見ればよそ者でしかなく、古株である星龍会とは長年抗争が絶えない関係となっており、現在は辛うじて冷戦状態を保っているといった緊張状況となっている。 趙天佑(チョウテンユウ) CV:岡本信彦 横浜流氓を率いる若き総帥。 一見すると飄々とした態度の軽い兄ちゃんだが、言動の端々に殺意や狂気を垣間見せたかと思えば急にフランクな態度になったりと真島吾朗のように言動が読めない実にマフィアらしい性格をしている。 …というのは総帥としての建前の姿であり、本来は親しみやすく仲間想いの熱い男。 本質的には春日と似通っている所があり、後述の絆ドラマやパーティチャットでは意外な趣味やコミカルな一面をのぞかせ、組織の拠点が高級料理店のため料理上手だったりと今作の登場人物の中でもとりわけギャップの大きなキャラクターとなっている。 因みにパーティーチャットでドリームキャストプレイヤーであることが明かされ、かつ「クロワッサンの意味をゲームで知った」という話からサクラ大戦3を遊んでいた疑惑がプレイヤー間で浮上していたりする。 後述の鎌滝えりを除けば最後に春日パーティーに加入することになるメンバー。 専用ジョブは「マフィア」(*5)。 刃物をデフォルトで使える数少ないジョブでその他に独自の拳法も会得しており、育成すると全体攻撃+即死(確率)なんて芸当も出来るようになる強力なジョブとなっている。 戦闘時の演出や必殺技が過去作以上にぶっ飛んでいるからといってベクトル変換でビルを動かしたり、冷気を自在に操ったりはしない 馬淵昌 CV:竹田雅則 趙の右腕である横浜流氓No.2の男。 野心と才覚を兼ね備え、多くの部下を率いて稼ぎ頭として貿易会社を運営する等手腕も確かな人物で、組織の下っ端からも尊敬されている。 その分黒い話が絶えず、最近は趙に対して反抗的な態度が露骨に目立つ等油断ならない人物。 彼が手掛けるのはフカヒレや燕の巣など、横浜中華街には無くてはならない高級中華食材。 それをほぼ原価という爆安価格で販売、しかも仕入れの支払いは現金手渡しの一括払い。 そんな無茶苦茶な経営にも関わらず資金繰りは全くもって健全で、背後にマフィアがあるにも関わらず不自然なほどクリーンな経営を維持している。税務調査をどう切り抜けているのか気になる とある事情から馬淵に目を付けた春日たちは食品輸入の裏でブラックなビジネスに手を出しているのではと当たりを付け、馬淵に接近すべく潜入を試みるのだが……? 貿易会社の実態 偽食材の販売で利益を上げているのではという春日一行の予想に反し、食材自体は本物。 偽物だったのは彼らが支払いに使用していた中国人民元紙幣の方。 つまり日本円より偽造が容易な人民元を利用し、かつ証拠の残らない輸入業者への現金手渡し(*6)という形で支払いに使ってしまうことで発覚を回避する、偽札ロンダリング事業こそが馬淵の事業の正体。 そしてこの偽札こそ、異人町が抱える秘密の根源に迫るキーワードである。 コミジュル こちらも異人三の一角を担う組織であり、横浜流氓と同じく大陸系の組織だが構成員が韓国系の人員で固められている謂わば韓国マフィア。韓国語で「蜘蛛の巣」を意味する。 星龍会・横浜流氓とは睨み合いの関係にあるが、前述の組織達と比べると素性が分からない部分が多く、本拠地も異人町の古びた廃ビルを使用している為異人三の中でも一際異彩を放っており不気味な組織として君臨している。 その歴史 韓国系組織という時点でシリーズファンがそれとなく関連を察していた通り、組織の主な構成員は2や6で暗躍したジングォン派の残党。 1980年に風間・嶋野らに壊滅させられた日本支部の残党、更には2で倉橋こと池頻敏が本国から呼び寄せた部隊の生き残りとその子供世代が帰国もままならなないまま日本国内に取り残され(*7)、異国の地での生き残りを図って集結した正しく流民の群れ。 後に6でハン・ジュンギとともに来日したグループが紆余曲折の果てに合流し、異人町最大の勢力となっていく。 ソンヒ CV:武田華 コミジュルの総帥を務める妖艶な美女。 マフィア然とした冷酷な一面が目立つ人物で、コミジュルや異人三の均衡を守る為なら殺人等の荒い手を使うことも厭わない一面を持つが、後述のハン・ジュンギを始めとした行き場の無い韓国人達をコミジュルに匿ったり、とある事情から春日達に窮地を救われた際には、コミジュルの持てる力を使って春日達の支援をする等義理堅く、情に熱い一面も併せ持っている。 あるシーンでは油断から春日達に出し抜かれたり、趙の作った料理を美味しそうに食べていたりと趙と同じく悪人になり切れていない部分が見受けられ、本作を遊んだユーザーからは「ポンコツ」と呼ばれたりしている。 ハン・ジュンギ CV:中村悠一 前作にも登場した元ジングォン派の総帥。彼は6で死亡したはずだが…? 嘗て神室町の一流ホスト店スターダストを手中に収めた後に神室町で桐生と幾度も争い敗北を喫した彼だが、その後異人町に流れ着きそこでソンヒに救われる形でコミジュルに籍を置いており、現在はソンヒの参謀としてその辣腕を振るっている。 任意加入の鎌滝えりを除けば4番目に加入するパーティーメンバーとなる。 専用ジョブは「ヒットマン」。唯一打撃、斬撃、銃撃の全てが単体で揃っているジョブとなっており、毒瓶やスタンガンによる状態異常付与も狙える為、雑魚処理から対ボスまで幅広く対応出来る便利なジョブとなっている。 ちなみに正史シリーズで現役の組織構成員がプレイアブル化したのは実は彼が初(*8)だったり。 彼の秘密 6を遊んだユーザーは周知の事実であるが、ハン・ジュンギは尾道で桐生に敗れた後に広瀬によって射殺されており、劇中の3年前に死亡している。 つまり彼は本物のハン・ジュンギではなく偽物であり、6で存在が仄めかされていた「影武者」である。 3年前、彼は別の任中だった故に本来果たすべき影武者の役目を果たすことができず、ハンを失ったジングォン派は統制が崩れ東城会によってとどめを刺され壊滅。その後は東城会の追ってから逃れながら生きていたが、不思議な経緯からソンヒに命を救われた。 以降はソンヒの右腕として彼女に恩返しをしながら、かつての同胞達にジングォン派に代わる居場所としてコミジュルの道標になるべくハン・ジュンギの名前を使っており、これからもその生き方は変えるつもりはなく命尽きるまでハンとして生きる覚悟を持っている。 なお、個人イベントを最終盤まで進めると生前のハンに取り入ろうとした父親に無理矢理影武者としての整形手術を受けさせられたこと、生来の名前はキム・ヨンスであること、そっくりに整形させられた際はさすがに本物も呆れていたものの影武者でありながら弟のように大切にしてくれていたことを教えてくれる。 近江連合 2や5に登場した大阪の蒼天堀を根城とする関西最大の極道組織。 関東最大の東城会とは正に火と油の関係性で、過去に幾度も東城会と抗争を繰り返しその度に桐生達によって敗北を喫し辛酸を舐めた本組織だが、今作では怨敵であった東城会が神室町3K作戦で崩壊したのを機にガラ空きになった東京へと進出。 蒼天堀と神室町、二つの歓楽街を手中に収め実質的な日本の裏社会の支配者へと成り上がり我が世の春を謳歌している。 石尾田礼二 CV:速水奨 八代目近江連合の若頭補佐にして現在は若頭代行を務める荒川の側近の一人。兼・直参石尾田組組長。 一見すると高部のように知的なインテリヤクザと言った雰囲気を醸し出しており、必要なときはしっかりと筋を通す一面もあるが、その本性は狙った物は力づくで手に入れようとするほどにキレやすく、非常に粗暴な武闘派。初登場時はモンケン車を用いてコミジュルの拠点へと乗り込もうとする等、破天荒な行動が目立つ。 ストーリー上で戦うボスの一人であり、素の攻撃力が高い上にビビりの状態異常を付与したり、弱点以外の攻撃は即座に反撃行動を取る等、性格に違わぬ強引な戦法をとるため、対策無しの初見では苦戦必至の強敵である。 天童陽介 CV:田中美央 沢城、石尾田と同じく荒川の補佐を務める男。兼・直参龍童会会長。 プロボクサーでありながら八百長に加担した上に殺人事件を起こしたことで極道へと堕ちた経緯を持っており、腕っ節はそこいらの極道の比ではない。久瀬といい、この世界のボクサーはやべー奴ばかりである。 しかし、性格の方は石尾田とは真逆の冷静で考えて行動するタイプで、石尾田曰く「美味いもんは最後まで取っておくタイプ」。 石尾田と同じくストーリー上で戦うボスの一人であり、石尾田以上の攻撃力と瞬発力でこちらのHPをどんどん削ってくる上に、体力が減ると即死技を放ってくるため石尾田以上に苦戦必死のボスとなっている。 ブリーチジャパン 現東京都知事を勤める青木遼が立ち上げたNPO団体。 「現代社会のグレーゾーンを撤廃して健全な社会を築き上げる」という理念を抱えており、世間からはその活動が評価されているが、水商売等を営む者(*9)からすれば偏見で自分の居場所を潰そうとする傍迷惑な組織でしかなく、デモに暴力団の人員を起用して横暴なやり方を通す等どこかきな臭い雰囲気を醸す組織である。 青木遼 CV:鳥海浩輔 ブリーチジャパン創設者にして、東京都知事をも勤める敏腕の男。 アメリカへの留学経験を持ちそこで政治等を学んだ後に帰国。留学中に知り合った小笠原と共にブリーチジャパンを立ち上げ、組織が成熟すると運営を小笠原に任せ自身は都知事選へと立候補し、当選後は3K作戦を始めとした政策を行い見事成功させたことで世間からの支持率を大きく獲得した足立曰く「行動力のある男」。 しかし、グレーゾーンの代名詞である近江連合の組員を自身の護衛に使ったり、異人町に侵攻させて様々な形で圧力をかける等ダブスタな一面を覗かせることもある。 隠された真実 その正体は死亡したとされていた荒川真斗。 実際には症状が悪化するどころか春日のムショ入り直後に渡米、肺移植手術を受けて下半身の障害は解消されていた。 しかしある出来事が原因で極道の子である経歴を今まで以上に忌避するようになった真斗は自身の存在を精算、裏のルートで手に入れた青木遼青年の戸籍を得て別人としての人生を歩み始めた。 それまでの経歴がバネになった側面もあるとはいえ、地盤0からのスタートで史上最年少都知事当選とその出世ぶりは凄まじく、とんでもない傑物であると言える。ノンキャリアから警視庁副総監に上り詰めた宗像といい勝負である。 裏で近江連合と結託しつつもそれを掴ませることなくストーリー全般にわたり暗躍、ついに与党幹事長の座にまで手が届くも春日達の策にはまり全てを失っていくことに。 + 闇の果て 本人も知らないことだが、実父は荒川真澄ではなく沢城。 かつて行き場のない不良だった沢城が行きずりの女との間に授かった長男だったが、子を養育するような生活基盤も精神的な覚悟もなかった二人は生まれて間もない真斗(正確にはまだ「真斗」ではないが)を新宿のコインロッカーに放置する。 しかし、なんの因果かそこに「生まれたばかりの我が子がコインロッカーに居る」という情報だけを知って飛んできた若かりし日の荒川真澄が、すぐ隣のロッカーにいた沢城の子を我が子と誤認して連れ去ってしまった。 若き沢城の軽率な行動のツケが、「ほぼ同時刻の同じ場所に2人の赤子がコインロッカーに入れられる」という奇跡的な偶然と合わさり、本作の物語の始まりとなる一大事件となったのであった。 後に沢城は神室町で荒川とその息子である真斗……すなわち成長した我が子と遭遇し、後に真斗がコインロッカーに置き去りにされた際の後遺症で歩けなくなったことを知り、良心の呵責と父としての情に苛まれた結果、真斗を見守るために荒川組へと所属するが、真斗にした仕打ちの負い目から沢城は外道に堕ちていく真斗を父としても人生の先達としても糺すことができず、全ては破局へと向かってしまった。 小笠原肇 CV:新垣樽助 ブリーチジャパン現代表。 青木と共に組織を創設した男で、青木が政界に進むと同時に二代目代表に就任した。 組織の運営に勤しむその裏で、自分達の障害になり得る権力者達の裏を探って弱みを握り事が有利に運ぶように暗躍する等、カタギでありながらその人間性はかなり悪どい。 しかし春日には打算的な性格から「金と力に弱い人間」と称されており、わかりやすい俗物でもある。 久米颯太 CV:平川大輔 ブリーチジャパン横浜支部長。 青木の理念に心酔しており、自分を正義の使者と信じて疑わずブリーチジャパンの掲げる理想を実現するためなら横暴なやり方も辞さない一面がある。 借り物の歪んだ正義感を振りかざすだけの、ある意味ブリーチジャパンという組織を最も体現している男であり、青木や小笠原にとってはブリーチジャパンの看板に釣られて集まってきた無数の「駒」の一つである。 何の能力もない取るに足らない人物だが、横浜支部長に任じられていることに始まり、神輿として都合よく担ぎ上げられることになる。 その果てに……(最終盤ネタバレ) 幸いにも、別に生命的にも社会的にも使い捨てられるようなことはなく、最後まで都合のよい神輿として生き残る。 ……が、春日達の活躍によって青木の計画が打ち壊された結果、青木は清廉潔白とは程遠い悪党そのものであり、彼が盲信した正義など全くの嘘っぱちであったことが明らかとなった。 その現実に絶望した彼に与えられた最後の役回りは、春日の必死の懇願によってついに自らの過ちを認め、どん底からやり直すことを決意した青木もとい荒川真斗にナイフを突き立て、因果応報の死をもたらすことであった。 身内どころか敵対する春日達(ひいてはプレイヤー)にとってすら取るに足らない小物であった彼は、最後の最後でとんでもないことをしでかしたのである。 刺殺後はそのまま平然と立ち去る姿だけが描かれ、彼がその後どうなったかは一切触れられない。 何事もなければ、後ろ盾もなくなった彼が警察から逃げおおせられる道理はないが…… ゲスト 7発表前に行われた「『龍が如く 最新作』助演女優オーディション」に出場し、合格者として選ばれた五人の女性達。全員実在する女優やタレントがモデル。 グランプリ獲得者の鎌滝えり氏の他、特別賞に選ばれた四人もサブキャラとして春日に関わってくる。 鎌滝えり CV:鎌滝えり 異人町に拠点を構える企業「一番製菓」の2代目社長を務める物腰の低い女性。 しかし、会社の経営状況は悪徳企業に騙されたことで風前の灯となっており、どうしようもなくなったため会社を畳もうとしていた所へ春日達と出会い、彼女から父である先代の理念を聞き感銘を受けた春日が社長を請け負うこととなり後述のミニゲーム「会社経営」へと物語は進んでいく。 会社経営をある程度進めるとパーティーへと加入する所謂隠しメンバーであり、専用ジョブ「事務員」を携えて力添えしてくれる。 肝心の性能は本作のあらゆるジョブの中でも屈指の強ジョブとなっており、強力な範囲攻撃やデバフ付きの攻撃、高確率のクリティカル攻撃等火力要員として申し分ない性能を誇るが、気絶しやすいというメンバー唯一のマイナス耐性を持っているためその点には注意。 なお見た目は事務用の定規で斬撃したり、ペンや画鋲を手裏剣・撒菱のように投げつけたり、電話機をヌンチャクのごとく振り回したりと全ジョブでも特にアクロバティック。つまるところ忍者枠。事務員とは。 柳いろは CV:柳いろは サバイバーの看板娘。元ホステスで「聞き上手のいろは」と呼ばれている。彼女に話しかける事でパーティチャットの振り返りができる。 沢すみれ CV:沢すみれ 異人町の町工場「浪漫製作所」の工場長。材料と資金さえ揃っていればどんな武器や防具も製造してしまうと噂されている。元ヤン説あり。 蒸発した父親が工場の機材を借金のカタに売り飛ばしてしまったため、経営が危うい状態にまで落ち込んでしまっている。 資金援助する事で工場の設備はパワーアップするが、オーバーテクノロジーな機械が設置されるのはご愛嬌。 宮越愛恵 CV:宮越愛恵 資格学校「大海原資格学校」の受付嬢。資格修得に励む受講生達を応援しており、その人当たりの良さから彼女目当てにする者も多いとか。 里々佳 CV:里々佳 「ハローワークみさき」の女性職員。生真面目かつ誰が相手でも物怖じせず、言いたい事ははっきりと述べる強気な女性。 その他 村長 異人町のホームレス達を束ねるコミュニティの長を務める男で本名は不明。 春日がコミュニティで波風を立てたり、厄介事を持ち込もうとした際には厳しい態度で窘める一方で突然やってきた余所者の春日をナンバの紹介があったとはいえほぼ無条件で居座らせるなど話のわかる一面も持ち合わせる。 よく言えば平和主義、悪く言えば事なかれ主義なスタンスをとる人物である。(*10) 浜子 CV:唐沢潤 異人町の隅で小料理屋を経営する妙齢の女性。 ハローワークに赴いた春日とナンバに知り合い経由で仕事を与え、その見返りに少しの金と店の空き部屋を春日達の住居として提供する等異人町でその日暮しをしていた春日にとってはナンバに次ぐ第二の恩人とも呼べる人物。 しかしそれはある意味建前で前述の小料理屋の正体は風俗店であり、春日達を住まわせたのも居住権の効力を盾に自身の小料理屋を不当に立ち退き出来なくさせるための保険としての意味合いが大きいが、その行為の裏には身寄りも国籍もない女性達の最後の居場所を作るという訳があり紗栄子と同じく優しさと気丈さを持ち合わせる世話焼き母さんのような女性である。 ニック・尾形 出所して間もない春日が神室町で知り合った数々の事業を手がける日系アメリカ人の男。 足立からスマホを貰ったばかりで使い方を理解してなかった春日に使い方を教えたことをきっかけにメル友となり、後に会社経営で資金難に苦しむ春日を支援する等良き友として春日達に関わってくる。 ネタバレ注意 ストーリーの後半で明らかとなる事実だが、なんと彼は3K作戦で東城会が崩壊した後に行方を眩ませた大吾達を匿っていたことが明らかとなる。 本人曰く「仕事柄色んな人達と会う中で知り合った」との事でやむを得ずに匿ったものの、裏社会の住人である大吾達とは深く関わりたくないとも語っている。 更に明言こそされてはいないものの、ストーリーの最終盤にて春日達が青木遼を嵌めるために仕掛けた裏工作にも一枚噛んでいるらしい描写がされており、政界やマスコミにも多少なりも人脈を築いている事がうかがえ、ユーザーの多くは単なるサブキャラだと思っていた彼の思わぬ活躍に驚いたそうな。 しかしこの作戦が、後に重大な結末を迎える事を春日達は知らなかった… マスター CV:咲野俊介 異人町のスナック街の一角でBAR「サバイバー」を営む、足立の古い知り合いの男。本名は村長同様不明。 ストーリーの序盤から足立の口利きによって自身の店を春日達の溜まり場として快く解放してくれる。 解放以降は無料の回復場として利用出来る他、カラオケや絆ドラマの進展、CD鑑賞等ができる上に特定の材料を揃えればマスターが便利な回復アイテム等を作ってくれるため、足繁く通うこととなるスポットの一つになる。 マスターまにまつわる謎 このマスターという人物一見すると強面の渋いおっちゃんのように見えるが、3で命を落とした柏木修との関連性を匂わす点が非常に多く 顔の傷や声含め柏木と瓜二つ。 店名の由来が「嘗て生死の境を彷徨い命の重さを痛感したから」という理由。 作ってくれる回復アイテムの中に「冷麺ランチボックス」なる物が存在する。 とあるサブストーリーで武装ヘリに襲われたことがある過去を明かしてくれる。 大吾のデリバリーヘルプにて風間、嶋野、堂島と共に彼も現れるが、他の三人が足元にモヤがあるのに対して彼だけ存命している大吾と同じく足がはっきりと映っている。 エンドロールで元東城会組員の欄に入っている 等と作中ではっきりとした言及はなくあくまで状況証拠でしか無いものの、あまりにも柏木と結びつく物が多く異人町の隠された性質を加味すれば納得できる点が多いのだが、果たして彼は柏木なのか他人の空似なのか…ファンからは「ヘリの銃撃でハチの巣にされ、長い間生死の境を彷徨った人なんてそんなに居るわけねぇだろ」「これで別人は無理でしょ」などと言われているが 伝説の漢達 真島吾朗 CV:宇垣秀成 みんな大好き真島の兄さん。そして春日の実家をぶち壊した張本人。 今作は所属していた東城会が3K作戦によって消滅する前後に消息を絶っていたが、異人町で再開した光雄から荒川の居所を知り近江連合の本部へと乗り込んで来た春日達の前へと現れ、荒川との接触を図る春日達を侵入者とみなし兄弟分の冴島と共に立ちはだかる。『6』ではシナリオの関係上、戦闘機会が無かったためか非常に嬉しそうな登場シーンは必見。 当然ながらボスとして戦闘することになるのだが、レベルが直前の敵達と比べて一回り高く(*11)攻撃力・瞬発力共に高水準のためこちらのターンが中々回らずにHPをどんどん削られていくことになる。 これだけでも脅威的だが、HPが7割を切ると5で披露した分身を使ってくるうえに5割を下回ると冴島が加勢してくるというとんでもない仕様となっており、レベリングを余りせずにここまで来て返り討ちにあったプレイヤーも多い本作屈指の難敵となっている。(*12) 冴島大河 CV:小山力也 4・5で主人公を務めた真島の兄弟分。 彼も真島と同じく東城会の消滅前後に行方をくらましていたが、真島と共に春日達の前へ現れ勝負を挑んでくる。 前述の通り最初は真島の戦いを見守っているが、真島をある程度追い詰めると「そろそろええか?」の一言と共に真島に加勢して来る。来ないでください ステータスとしては攻撃力とHPが高く一撃が真島以上に重いため、レベル次第ではナンバや女性陣が一撃で落とされかねず、防御が高い足立でも3〜4割は持っていかれるため中々に厳しい。 さらに厄介なのが加勢してから数ターンおきに真島と冴島の絆技とも言える「剛刃合殺」という春日に大ダメージ+全体攻撃を放ってくるため、冴島が加勢し始めたら春日がやられないよう対策しつつ持てるリソースを全て割いて真島を集中攻撃し、この技を発動させないように立ち回るのが基本となってくる。 堂島大吾 CV:徳重聡 東城会6代目会長にしてシリーズ屈指の苦労人。 2で会長の座に就いて以来、10年以上東城会を守り続けてきたが青木が行った3K作戦によってついに東城会と神室町を失い真島達と共に姿を消していた。 その後はどういう経緯か敵である近江連合の本部へと身を寄せており、春日達と真島兄弟の喧嘩の仲裁へと入った荒川と共に現れ乗り込んで来た春日達に自身が東城会の6代目である事を明かし東城会壊滅後の自分達の経緯を春日達に語る。 渡瀬勝 CV:西凛太郎 5で登場した8代目近江連合の若頭を務める漢。 表面上の役職は若頭となっているが、8代目が病床に臥せっており復帰の目処も立たないため、事実上渡瀬が舵を切る状態となっている。 2年前の3K作戦開始とほぼ同時期に暴対法によって下っ端組員が起こした事件の使用者責任を問われて刑務所へと送られており、春日と同じく2019年に晴れて出所することとなり、近江連合は出所祝いの準備に明け暮れていた。 そんな背景もあって春日達は大吾達がここにいるのは渡瀬の出所を狙って東城会の復讐を目論んでいると推測する。 東城会壊滅の真実 3K作戦で東城会が壊滅したのは時代の流れによる悲劇ではなく、大吾達が自らの計画の布石とするために敢えて青木の政策に乗ってやり壊滅させたのが真実であった。 年々暴対法によって弱体化していき、警察や政治家に振り回される近年の極道の在り方に以前から大吾は疑問と憂いを抱き、同じ考えを持っていた渡瀬と結託して東城会と近江連合の二大極道組織を解散させることを画策する。(*13) そんな折に荒川が青木から 「3K作戦の為に東城会の内部情報をよこせ。断れば荒川組が潰れるまで何度でもお前を逮捕する」 と強請られている事を聞き、それを逆手にとって大吾は荒川に裏切り者を演じるよう頼み込んだうえで東城会を潰し、神室町に近江連合の組員を流し本部の戦力を削ぎ落として少しでも解散宣言が穏便になるように根回しをしていた。 後は渡瀬が出所するまで計画を悟られず、且つ信頼できる仲間を増やすことが大吾達に出来る最後の準備であり、荒川が春日に自身の居場所を掴ませたのはそんな経緯もあってのことだった。 こうして春日一行、嶋野の狂犬、極道18人殺しの男、殺しの荒川が揃い渡瀬が出所祝いの席で解散届の書状を読み上げ混乱に陥る本部で解散をかけて合戦が勃発。 一時は大混戦に陥るが、春日を始めとした実力者達と渡瀬が臨時で雇った腕利きの用心棒によって合戦は大吾達の勝利に終わり0の頃から存在していた東城会と近江連合はその長い歴史に幕を下ろすこととなった。(*14) しかし、この一連の出来事が後に春日達を襲う大きな波を呼び寄せることとなる… 更なるネタバレ 桐生一馬 CV:黒田崇矢 旧主人公にして堂島の龍と呼ばれた伝説の漢。 6で戸籍上死人となり大吾達の前から姿を消した彼だが、渡瀬の働きかけで近江連合の合戦の場へ渡瀬の用心棒として参戦する。 渡瀬曰く「名前も知らん臨時雇いのただの用心棒」、なので暴れても問題ない。 合戦の最中春日達と初邂逅を果たし、春日達に前衛を任せ自身は渡瀬と大吾の護衛に徹し合戦を勝利へと導いた。 その後合戦の後に起きた事件によって仲間の声も届かぬ程荒んだ春日の前へと現れ自身が掴んだ黒幕に繋がる情報を渡すに相応しいかを見極めるべく春日達に勝負を仕掛ける。 彼もボスとして戦うことになるのだが、その強さは本作屈指の強さを誇る。 序盤は6・極2で使用した「喧嘩スタイル」を主体に闘うが、体力が減る度に0・極で使用した「ラッシュ」「壊し屋」「堂島の龍」の3つのスタイルを使用して春日達を追い詰めていく。 スウェイで攻撃を回避したり、高火力の攻撃を放ったり、古牧流奥義を用いて反撃を行う等他のボスには無い厄介な行動が多いため、彼との戦闘では回復やバフ付けを重視して立ち回らなければあっという間にパーティーが瓦解をするため意を決して立ち向かおう。 但し彼はこの戦闘でも「女は殴らない」主義を貫いているため、これを利用するかどうかで攻略難易度は幾分か変わってくる。春日が集中放火された時はご愁傷様です。 ~登場する町~ 本作はシリーズ恒例の神室町、蒼天堀に加えて新規の異人町がステージとして登場しており、全部で3つのステージで遊べる様になっていてそれぞれの街でしか登場しない敵や遊べないスポットがあるので、今まで以上に街を練り歩き探索する楽しさや必要性が大きくなっている。 余談ではあるが、シリーズの常連でありゾンビに襲われようが幕末の時代であろうが営業していた『ドン・キホーテ』とのタイアップが今回は無いのも特徴。 神室町のドンキは警察署に、蒼天堀のドンキはバトルアリーナになっている。 異人町 神室町に代わる本作のメインステージ。モデルは横浜市伊勢佐木町(*15)。通称「どん底の町」。 なおこの記事を含め殆どの場面で「異人町」とだけ呼ばれる事が多いが、「伊勢佐木異人町」が正式名称である。 ちなみに選挙のくだりにおいて異人町は神奈川二区の選挙区に属している事が分かるが、モデルとなった伊勢佐木町は神奈川一区である。 異人三の存在によって長年東城会はおろか、他の裏社会の組織も干渉出来ないグレーゾーンとして存在しており、全部で12のエリアに分かれエリア毎に多様な施設やプレイスポットが存在している。出現する敵もエリアによって変化するなど実に多様な顔を持つ町となっている。 エリアの多さだけでなくマップの広さも特徴的であり、その広さは神室町の2〜3倍を誇り、序盤のエリアを歩き回るだけでもそれなりに時間がかかる程広くRPGのダンジョンの様に金庫やアイテムが町中の至る所に落ちているため、これまで以上に探索の楽しみが大きくなっている。 神室町 シリーズお馴染み東京一の歓楽街。 異人町にメインステージの座を譲ってはいるものの、依然としてその存在感は大きく、序盤と終盤はこの町を舞台にメインストーリーが展開される。 春日が出頭前の2000年と出所後の2019年の二つの時代のマップが用意されており、特に序盤のみ探索可能な2000年では建設途中のミレニアムタワー等を見ることが出来るため、初代及び極にて桐生が収監中だった神室町の町並みを拝める貴重なマップとなっている。(*16) 蒼天堀 関西の一大歓楽街にして近江連合のお膝元でもある街。 前述の二つの町と比べると今作はストーリー上のイベントマップという趣が大きく町自体も所々端折られ小さめなものの、極2を遊んだ人にはニヤリと出来るスポットがあったり、既存作の闘技場にあたるバトルアリーナが存在している等他の町に負けず劣らずの魅力を持っている。 ~新たなゲームシステム達~ ・戦闘システム 今作はRPGシステムへの変更に伴い攻撃・防御・極技・その他の4つのコマンドから春日達の行動を選択して敵達と戦っていくことになる。 しかし、本作はドラクエやFFの様な王道のRPGバトルではなく「ライブコマンドRPGバトル」と銘打たれ、春日達は勿論敵の集団や町の小物に至るまで常に戦いの状況が変化していく戦闘システムとなっており、敵の配置や小物の存在を意識することで戦いを有利に進めていくことが出来るシンプルながら奥の深いシステムとなっている。 因みに海外ではコマンドがSkill・Etc.・Guard・Attackとなっており、頭文字でSEGAが出来るようになっている。 元々Etc.は「More」だったが、ローカライズを行っているハチノヨンの共同設立者の提案によりこうなったそうな。 ・デリバリーヘルプ おぉぉぉぉぉーー!! こいつに…決めたぁーーー!! ☛【注文確定】 デリバリー…よろしくぅーー!! 異人町のサブストーリーをクリアすることで解禁される、春日のみ使用可能な龍が如く版召喚獣といった塩梅のシステム。本作はCERO:Dとはいえ絶対に略して呼ぶなよ キャスト達の効果は様々で、敵に大ダメージを与えるものからバフ・デバフ、回復などバリエーションに長ける。 そして呼び出されるキャスト達は個性豊かすぎるな面々ばかりであり、シンプルでカッコいい演出もあればツッコミどころ満載の馬鹿馬鹿しい物まで実に多種多様でどれも一見の価値がある物ばかりとなっている。老若男女のみならず、人ではない違う生き物や、さらにはお高いながらもどこかで見たことがあるようなキャスト等、実に様々。 お金を払えば来てくれるが、一度呼んだキャストはその戦闘で一回のみの登場となる(他のキャストは呼べる)ので呼ぶタイミングに気を付けよう。また、キャストは誰もが24時間働けるわけじゃなく、昼や夜限定なんて方もいるのでよく確認しよう。 他に、スマホの電波が届かないような一部の地下エリアや妨害電波を出してくるような敵がいると利用できないのにも注意しよう。 ちなみに初回はどのキャストも無料でご利用頂けます。ここぞという時に是非ご利用くださいませ。 ・ジョブチェンジ 名前の通り異人町の職安街にあるダーマ神殿ハローワークを使用することで専用ジョブから様々な共通ジョブへと変更する事が可能となるシステム。何故かハローワークで扱っているとも思えない自由業や逆に簡単になれそうもない国家公務員もあるが気にしないでおこう。 春日は下記の人間力を、他の仲間達は絆レベルを上げることでより多くのジョブにチェンジ出来るようになる。 これを利用する事で専用ジョブでは使うことのできない属性の攻撃が使える様になるうえに一部の技は他のジョブに切り替えても引き継ぐ事が可能なため、積極的に利用することで攻略の幅を広げられる様になっている。 胡椒か雷占いがあれば十分とか思った人はエンコを詰めなさい ・人間力 春日のみが備える専用ステータス。所謂ク・リパース。 情熱・メンタル・陽気・優しさ・知性・お洒落 の6つが存在しサブストーリーで特定の選択肢を選んだり、プレイスポットで遊ぶ事でいずれかのステータスが上昇するようになっており、これらを高めていく事で異人町でやれる事が増えたり、状態異常への耐性を高める事が出来るため資格学校やプレイスポットに足繁く通って高めていこう。 ・絆レベル/絆ドラマ 春日が仲間達と戦闘や食事をすることで絆ゲージと呼ばれるゲージが上昇していき、キャップに到達した段階でサバイバーへと行くことで対象の仲間と酒を交わしながら特別な会話が聞けるようになるシステム。 ただし、本編をある程度進めないと次のドラマが展開されない仲間もいる為、並行して本編を進めておこう。 パーティーメンバーの生い立ちや関わりのある人物のその後等、メンバーの様々な話が聞けるため人物像を深く知ることが出来るうえに、絆レベルをMAXまで上げると絆技と呼ばれる強力な極技が使用できるようになる他、ジョブチェンジのアンロックや追撃確率の上昇等の恩恵が受けられるため、積極的に上げていくのが良いだろう。 ここの会話で度々入る台詞の選択肢によって人間力が上昇する。基本的に自分の思うがままの選択肢を取ればいいが、上げたい人間力があるならばそこだけ攻略サイトを見てもいいかもしれない。 ・宴会トーク/パーティーチャット 前者は仲間達と飲食店で食事を行う際、後者はフィールドを散策している際に特定のメンバーがいると発生するメンバー同士の掛け合い要素。 話の内容はちょっとした豆知識から下世話な話まで多種多様にあり、絆ドラマ同様メンバー達の意外な一面を知ることも出来たりする。 ・スジモン図鑑 世の中には一般人が関わってしまうと危険に巻き込まれてしまう危険人物が跋扈している。 そんな人物には近づかないのが一番だが、どんな輩が存在しているのかは中々分からないものであるため、「どんな危険人物がいるのか」という図鑑を作成できれば世の中の役に立つ。 …という思想を持って「そのスジの者」略してスジモンの図鑑を作ろうとしているスジモン博士と知り合った事から、 「歩いているだけで面倒ごとに巻き込まれそうで、かつ危険人物と殴り合っても平気そうな腕っぷしの人物」と見込まれて図鑑作成を依頼される。 スジモン博士にスジモン図鑑の製作を依頼され、手始めに赤と青と緑のスジモンを紹介され、「めざせ!スジモンマスター!」の掛け声で送り出されるが、某有名ゲームとは関係ない…はず。 図鑑に登録するのは至って簡単で、スジモンと戦い勝つだけである。 登録されたスジモンはいつでも情報が確認出来、耐性や弱点属性がわかるようになるため異人町と自分の身を守るためにどんどん戦ってスジモンマスターになろう! あくタイプばっかりじゃねえか!とかツッコんではいけない スジモン博士の正体 平和のためにスジモン研究を行っている博士だが、実は自らもスジモンであり、「伝説のスジモン」と称している人物である事が判明する。 なお、彼は昔悪い事ばかりしていたらしく、その贖罪として研究を始めたそうな。 ~今作のプレイスポット~ 異人町の中には多種多様なプレイスポットが点在しており、既存作にもあったダーツ・カラオケ・キャバクラ、ゲームセンター等の恒例の物から今作登場のスポットも存在している。 長らく登場していなかったパチスロが復活し、逆にシリーズでも毎回力の入っていたキャバクラはかなり簡略化された。 ここでは今作ならではのスポットを挙げていく。 ・サバイバル缶拾い 春日がナンバからホームレスなりの金の稼ぎ方として教わった缶拾いのミニゲーム。 専用の自転車を操り職安街エリアに散らばる缶達を拾い集めるシンプルなゲームだが、サバイバルというだけあって他のホームレス達やゴミ収集車を相手に缶を拾い集めていくことになる。 序盤から解放されるうえにここでしか交換できないアイテムがあるため多くの人がやり込むスポットとなっている。 一応、ここで得られるエコポイントを現金に変換するのは可能だが、割に合わないのでおススメしない。 ・名画座 異人町にある古き良き映画館「うみねこ坐」で優雅に仲間達と映画鑑賞を楽しめる風変わりな内容のミニゲーム。 …というのは建前で、本当はここで上映されている往年のB級映画達を相手に上映中春日を睡魔達から守り映画を最後まで見きるという反射神経が試される珍妙なミニゲーム。 ミニゲームの対象となる映画は基本的に本作オリジナルの映画だが、タイトルや演出に有名映画のオマージュの数々が散りばめられているため、ネタとして見ても楽しめる要素となっている。 また、パーティーメンバーの1人と一緒に映画を見ることも出来、メンバーの好みの内容だと絆ゲージを上げることが出来るというちょっとした小ネタがある。 ちなみにインターナショナル版のキービジュアルには、スーツを着た羊の悪魔のような謎の物体がメインキャラクターの4人の次にデカデカと描かれているが、ここで登場する睡魔がコイツである。 ここにしか登場しないモブキャラクターのはずなのだが、何故あんなにデカデカと描かれているのかは全く不明。 ・ドラゴンカート 藤沢というどこかで見たことある人物が仕切っている異人町を舞台にカートレースを繰り広げるミニゲーム。 5のレースバトルや0・極に存在したカーチェイス「ポケットサーキット」をマリオカートのような何でもありのレースとして発展させたミニゲームとなっており、コース内には様々なサポートアイテムや交換アイテムとしても使えるリング等が設置されており、それらを駆使して異人町のレーサー達としのぎを削り合う爽快感のあるゲーム内容となっている。 …とは言えライバル達も皆正々堂々というわけではなく、スタート開始と同時に春日に体当たりをかまして妨害してくる奴もいるので注意。特にプロレスラーや関取には要注意。 プチネタバレ 過去作を遊んだユーザーはピンと来ているかもしれないが、ドラゴンカートを仕切っている藤沢という人物は嘗てポケットサーキットを仕切っていた「ポケサーファイター」その人である。 極で結婚した後に子供を授かり6では尾道で小さな豆腐屋の店主として働いていた彼だが、6から本作の間に数々の幸運が重なり豆腐屋の事業が軌道に乗ったことで莫大な資金を得ることに成功しており、趣味兼新規事業として尾道から遠く離れた横浜でドラゴンカートを興すことになる。 形は変われどレースに対する情熱は健在で、良き司会者として春日達のレースを見守ってくれている。 そんな彼だが、ドラゴンカートをやり込んでいくと春日のレーサーとして実力を認め直々に勝負を挑めるようになる。 当然ながらこれまでのレーサーとは一味違う強敵なので彼とのレースではカートのカスタマイズはもちろんのこと、テクニックや道中のアイテムをフル活用して全力で迎え撃とう。 ・会社経営 鎌滝えりとのイベント後に解禁される既存作の不動産やキャバクラ経営に当たる要素で、どん底に落された煎餅屋「一番製菓」の社長となった春日と共に会社を立て直していくというストーリー展開となっており、鎌滝えりの絆ドラマを兼ねている。 最初のうちは見入りが少ないものの企業として成長していくと稼ぎは大きくなり、最終的には数分で数百万が稼げるようになるため今作屈指の金策要素となってくれる。成り上がりってレベルじゃねぇぞ! また、ここでしか習得できない春日専用の強力な極技が存在し、このストーリーを進めなければえりも春日のパーティーに加入しないため、これを放置すると戦力及び資金面でストーリーの難易度が大きく変わるので、敢えてこれを縛ってプレイしてみるのも乙である。 DLCを導入すると元不動産王や伝説の支配人等が社員として働く変態企業になるのはご愛嬌。 そしてゲームの流れ上東西の巨大暴力団歴代会長や最高幹部が勢揃いしたメンバーに全力で喧嘩売るチンピラ崩れめいた状況が起きるのはもっとご愛嬌。 会社経営終盤の展開、以下ネタバレ注意 一番製菓が横浜第2位まで昇り詰めた後に横浜を牛耳る「宝生」という人物が現れるが、実は彼こそが一番製菓を敵視する総会屋達の親玉であり、えりを騙して彼女から全てを奪った張本人だった。 彼女を陥れた理由は、単に一番製菓が自分にとって目障りだったからという自分勝手なものだった。 「騙されたのが私で良かったじゃないか」と言うなど経営者の風上にも置けない卑劣さに激昂する春日に対して「私を殴ったら横浜を敵に回すことになるよ」と挑発するも、えりに見抜かれて失敗する。 春日達を潰す為手下を引き連れて株主総会に出席するも、自らも敗北して横浜一の座から転げ落ちてしまう。 その後は同時に今までの悪事がバレるも、反省するどころかニックに逆ギレして殴りかかるという完全にブーメランな行動を起こしてしまい、直後に正当防衛としてえりに殴られるという因果応報な末路を辿った。 ・資格学校 異人町にある資格学校「大海原」で遊ぶことが可能な所謂クイズ形式のプレイスポット。 出題範囲は多岐に渡り、数学や音楽等の基本的なものからフードコーディネーターや調剤学、裏社会(*17)なんてマニアックなものまで揃っており、見事試験に合格をすれば人間力も大きく高めることが出来るため、春日を研鑽したい人は積極的に通い詰めていこう。 なお合格するたびに、大喜びする春日を学友達が胴上げしてくれる。たかが資格試験なのに……。 ~主題歌~ 本作はクロヒョウ2や0の主題歌も担当した湘南乃風と音楽プロデューサー兼DJとして活躍する中田ヤスタカ氏がタッグを組んで作られた「一番歌」が提供されている。 春日一番の人柄や境遇を想起させる湘南乃風のセンス溢れる歌詞選びと中田氏による軽快な音楽が非常にマッチしており、本作に相応しい曲として大きく評価されている。 更にYoutubeでは特別映像としてドラゴンエンジンによって描画された湘南乃風と中田氏のMVがfullバージョンで公開されているため本作を遊んだ人は必見の内容となっている。 ~余談~ 本作の序盤のストーリーは春日が初登場した『龍が如くONLINE』の設定をベースに作られているが、本編である本作の登場によって7が正史といった意見が見受けられるが公式としてはそういった見方ではなく、あくまでナンバリング作の7の物語はこうなったというだけでonlineの物語も春日が紡ぐ正史であるという。 相互矛盾するジャッジアイズも含めて、どれが正しいではなくどれも正しいという解釈がなされているため掲示板などで議論をする際はその点に留意して意見交換をしていこう。 冥殿が如く 追記と修正の項目 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄をリセットしました。作品に対する攻撃的なコメントはお控えください。 -- 名無しさん (2021-06-07 00 13 39) 6でくたびれた雰囲気を醸していたファイターが春日同様に大成功を収めて楽しそうに過ごしているのを見たときは感慨深いものを感じたなあ -- 名無しさん (2021-07-28 11 44 49) 「主人公交代」と「戦闘システム変更」というどちらか片方だけでも荒れやすくて難しい要素を同時に押し進めてそれでいて遊んだ人の大半が納得出来る完成度に仕上げたのは見事としか言いようがない。 -- 名無しさん (2021-08-03 18 56 58) 重箱の隅をつつくようなことだけどさっちゃんと菜乃葉が和解できないまま終わっちゃったのが残念だから次回もさっちゃんが続投されるのなら若いイベントが欲しいなとは思う。 -- 名無しさん (2021-09-01 11 55 57) デリバリーヘルプの略称は公式の放送でスタッフが言ってたんだよなぁ -- 名無しさん (2021-09-11 21 22 40) 鈴村健一さんがプレイしたって東京エンカウントで言ってたね。ちょうど目の前にハン・ジュンギの中の人がいるから、「めちゃくちゃ活躍したよ」って言ってたw -- 名無しさん (2021-09-23 22 53 51) メインストーリーも良質だけど、仲間の絆ストーリーも中々に作り込まれてて面白かったな。特にジャンギの絆ストーリーは見ていて胸が熱くなった -- 名無しさん (2021-10-04 11 45 45) ストーリーがいいだけにアクション版も出してほしかったなぁ。 -- 名無しさん (2021-10-29 22 43 26) 序盤の神室町パートはストーリーは絶対必要なんだけど戦闘は面白味に欠けたと思う -- 名無しさん (2021-11-08 18 05 43) 下馬評の低さをひっくり返したゲームは数多く見てきたけどこの作品ほど期待値が低かったのをひっくり返した例は稀有だからそういう意味ではゲーム史に残る一品だなって感じる -- 名無しさん (2021-11-11 11 47 17) 7はグレーゾーンに生きる人達、ロストジャッジメントではそれによって被害を受ける人達を描いているのが面白い対比だと思う。「コミジュルの行いとかちょっとなあなあにし過ぎてない?」と感じたのが一気にスッキリした -- 名無しさん (2022-05-08 01 12 31) 足立さんがイケオジ過ぎて個人的には春日よりも愛着が湧いてしまった。次回作も続投してくれるのならロスジャのDLCみたいに足立さんが主人公のスピンオフを遊んでみたいわ。 -- 名無しさん (2022-05-27 12 51 45) 上でも触れられてるけど実質世界観を一新したようなものなのに評判の大半が肯定的なのが本当にすごいと思う -- 名無しさん (2022-10-25 15 43 04) ムショ帰りした春日の境遇を見た後だと真島の兄さんや風間組の人達が待っていてくれた桐生は恵まれてたんだなって感じる。 -- 名無しさん (2022-10-26 15 11 24) 最近インター版を遊んだけど、当時大荒れだったとは思えないくらいストーリーもゲーム部分も作り込まれてて大満足の出来だったわ。強いて言うなら戦闘が少し大味なバランスだったのがモヤッとしたくらいかな -- 名無しさん (2023-09-27 13 07 52) 会社経営はDLCを導入してない状態のプレイでもそれはそれで、子供・鶏や猿などの動物・掃除機が活躍する混沌とした企業になる事もある -- 名無しさん (2023-11-17 15 00 22) 次回作のPVを見る限りだと戦闘面での不満点に幾らかメスが入ってるみたいだからどんな風に進化してるのか楽しみだわ -- 名無しさん (2023-11-23 13 18 05) これがずっこけてたら正真正銘如くシリーズは終焉を迎えてただろうな… 傑作として世に出てくれてありがとう -- 名無しさん (2024-04-01 12 40 43) ブリーチジャパンは今で言うとツイフェミやエコテロリストに近い「お気持ちヤクザ」だと思う -- 名無しさん (2024-05-09 10 28 11) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/378.html
天人の五衰。 天界で長く快楽の世界で悠々としていたとしても、いざそこから転落するという時にはとてつもない苦しみに襲われるのだ。 その時が近づいてきた場合に現れる五つの衰亡の相のことを「天人五衰」という。 一つには頭の上の花鬘もたちまち萎れ、 二つには天衣も塵や垢で汚れ、 三つには腋の下より汗をかき、 四つには身も穢れて臭い出し、 五つにはもはや自分の住居をも楽しまなくなる。 そうなってくるとその七日目に、いよいよ地獄の十六倍もの苦しみが襲い天界から退く時がやってくるのだ。 ここに居る比那名居天子に限らず、天人は総じて身体がこの五衰に満たされることを最も嫌う。 死こそが恐怖そのものだ。 人も妖怪も、およそ数多の存在がこの死から逃れようと苦悩し、高みを目指そうとする。 天人も例外ではない。寧ろ天上に漂う雲の上にまで登り詰めた天人らこそが、不死を究めた種族の最たる例であるひとつだ。 しかし彼らは不老不死といえども、遠い遠い未来の死を免れる方法など無い。蓬莱人でもない限り、どんなものにも寿命は存在するのだ。 天人・比那名居天子。 元人間。親の七光りという経緯で天人という座に胡坐する、この上ない我儘者で、怠惰者。 彼女は自分さえ楽しければそれで至上の幸福を得られる。その為なら身の回りの世界が多少、地に傾こうが気にしない。 退屈嫌い。負けず嫌い。努力嫌い。少女を表す端的な要素の悉くは、まるで子供のそれ。 だから、と言ってもいいのだろうか。 少女は無駄に強く、厄介者で通っていた。 栄華である現在を極めた、光り耀く箱入り嬢。 天人の五衰を逆説的に考えれば、無類の不良天人・比那名居天子は今を楽しんでおり、体は汚れず、臭ったりせず、腋から汗すら流さない。 頭上の仙果である桃の果実は、彼女を体現するかの如く清々しい鮮度を放ち続けることだろう。 不良娘の比那名居天子は、紛う事なき非想非非想天の娘―――幻想の有頂天に轟くトンデモお嬢様であった。 このお話は、緋想天にて腕組んでいたひとりの天人が地上に降り立ち、最悪の異変を砕こうと奮起する―― そんな、世にありふれた寓話。 例えその結末がどんな終わりを迎えようとも。 それは、世界からすれば、ありふれたものでしかない。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『比那名居天子』 【昼】C-2 GDS刑務所 医療監房 『死』が、私を見上げながら微笑むように視えた。 それはもう、ムカつくくらいにハッキリと。堕ちゆく私の顔に歪む死相が、走馬灯のように流れて映り込んできたのだ。 ここは地上の大罪人が収容されるグリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所、通称『水族館』……と館内案内所に書いてた。 罪人の魂が漂う肌寒いこの施設は、まるで地獄だ。天界に住む私には間違っても縁のない場所。 その天蓋を叩っ壊してやった。 登って、上って、昇って、遥か天界を仰ぎ往くかのように幾重もの天柱を足蹴にして。 そうして辿り着いた石の海。私の行く手を邪魔するその蓋に穴を開けるために。 光遮る石に亀裂を裂き、大空に飛び出すために。 なにより、あの悪魔を二度と這い上がれぬ石海に沈み臥せるために。 この右手に携えた、“勇気”を意味する剣閃にて。 一太刀を掲げ、それで終わり。 天井が派手な音を立ててバラバラと崩れ落ちる、その僅か最中。 私は一瞬だけ、天空を見上げた。 次第に拡がっていく亀裂のスキマから射し込まれる、一筋の光明。 灰色の雨雲がほんの気まぐれで見せた、僅かばかりの慈愛。 雨の中からお天道様が顔を覗かせる、お狐様の嫁入り。 俗に謂われる天気雨。眩いばかりの日光と、天高く上り往く龍神様――七色のアーチ“天の虹”。 更にはその遥か天上、いまや懐かしき我が楽園の里である天界を望み見て。 (綺麗だなあ………………) と、ただそれだけ。 昔日の頃、毎日のように仰いだあの空が。 今となっては怠惰を過ごし、つまらない日常の象徴と成り果てたあの空が。 こんなにも、綺麗に映った。 あの空にもう一度帰りたいと、一瞬でも思ってしまったのは内緒。 退屈な場所ではあったが、あの天こそが私が本来座する故郷であり。 あそこには家族が居る。衣玖も居る。幸福な生活に必要な凡そ殆どの物が揃っている。 だから“最後”に、私は宙を落ちながらも腕を伸ばした。あの美しき虹を掴みたくて。 どんなにつまらなくとも、彼の処こそが天人・比那名居天子にとっての天国であり。 そして、この世に二つと無い家なのだから。 腕を精一杯に伸ばして、すぐにも私は途中で止めた。 このとき確かに、私は決意したんだと思う。 何の決意かと問われれば……今はまだ、その正体が掴めない。 でも私は、これを以て全てを投げ打つ。 『不楽本座』……かつて在るべきだったその座を、自ら捨てる。 ああ……私はとうとう、かつての『今』を楽しめなくなってしまったのだ。 五衰の一角。その砦が侵される。こんな天子(わたし)は、天子(わたし)じゃない。 ならばわたしとは誰だ。 わたしは今から何に成る? 瓦礫と共に堕ちながら、わたしはゆっくり考える。 善悪の頂に在る『真実』とは何か? 之より地獄に堕ちたる罪深き天人こそが、果たして悪と成るか。 決めるのは閻魔か。 それとも釈迦か。 あの『右腕』か。 ―――違う。 天道。 天人が住まう世界。私の居る処だった筈の場所。 空を舞う奇跡こそが天人たる所以だったのに、今の私ではもう空を翔べそうにない。 ―――堕ちる。堕ちる。天子は堕ち逝く。 人間道。 人間が住まう世界。四苦八苦に悩まされる世界で、私には無縁だと思っていた場所。 大昔、まだ人間だった私がこの世に生を受けた場所でもある。 ―――堕ちる。堕ちる。天子は天から視界を落とす。 修羅道。 阿修羅の住まう世界。修羅は終始戦い、争うとされるとか。 まるで今の私みたい。この殺し合いに、一体何人の修羅が跋扈しているのかしら。 ―――堕ちる。堕ちる。天子は下界の悪鬼を見下ろす。 畜生道。 牛馬なんかの畜生の世界。ほとんどが本能ばかりで生きている、救いの少ない世界。 ここまで来れば立派なマイナスだ。プラスからゼロへ。ゼロからマイナスへと私は堕ちている。 ―――堕ちる。堕ちる。天子は只管マイナスへと身を堕とす。 餓鬼道。 腐れに腐った餓鬼の世界。飢えと渇きに悩まされる餓鬼は、ある意味このゲームにはおあつらえ向けだ。 他人を慮らない餓鬼なのは、果たして今までの私か。 ―――堕ちる。堕ちる。天子は全てを捨て去ってでも。 地獄道。 とうとう辿り堕ちてしまった地獄の世界。天人がこの界隈に踏み入れるなんて言語道断。 罪を償わせるために在るのがこの世界なら、私の犯した罪――或いはこれから犯す罪とは。 ―――堕ちる。堕ちる。天子はこの世の最底まで墜落した。 此処に御座すはまさしく邪鬼。 不可視の暴虐を撒き散らす、死界の骸骨を模した鬼そのもの。 対峙すべくは天から堕ちた堕天使もとい、堕天子少女。 比那名居を冠した不屈の破天荒が、崩落する石の海と共に地獄へと舞い堕りて来たのだ。 数多の罪人を閉じ込めるこの刑務所は、さながら地獄。無間の牢獄だ。 とするなら、希望という名の天へと向かって立ち登った天子は。 そこから再び地獄の底へと堕ちてしまった天子は。 もう二度と、栄光の天界へと這い上がれなくなってしまったのだ。 蜘蛛の糸から堕ちてしまった者は、決して光を見ることなど出来ない。 (私は……それでいい) 流れる六道を堕つる最中、心に過ぎった感情が少女の人生を決定付けてしまった。 足元にド級の要石を顕現させ、崩れゆく柱と天蓋に紛れて。 鋭く睨み付けるは、地獄道から見上げる悪鬼の貌。 今思えば、死の予兆……そのフラグとでも言うべき片鱗は“あの時点”で既に見えていたのだ。 偽りの空を裂こうと、妖怪山の山腹から下界を見下ろしていたあの遊戯開始時点で。 空が飛べない、なんて体験は随分久しい。『主人公』を目指して崖から飛び立った彼女が、情けなくもゴロゴロと転げ落ちた頃が半日も前。 落下の影響で天衣が汚れてしまったあの時は深く考えなかったが、アレこそまさに天人五衰・衣裳垢膩。滅亡の前兆。 こうやって、大地に落ちる/堕ちるのは今回で二度目だ。 そして現在、堕天子の抱える死相の数。その程は――― 『死』が、視えた。 頭上華萎(ずじょうかい)。頭の上の花鬘もたちまち萎れ、 衣裳垢膩(えしょうこうじ)。天衣も塵や垢で汚れ、 脇下汗出(えきげかんしゅつ)。腋の下より汗をかき、 身体臭穢(しんたいしゅうわい)。身も穢れて臭い出し、 不楽本座(ふらくほんざ)。もはや自分の住居をも楽しまなくなる。 完全なる天人五衰。全てが充満に刻まれた崩壊の序章。 これより私は間違いなく、死ぬのだろう。それが何となく、分かる。 死ぬのが怖くないのかって? 馬鹿を言わないで欲しい。 死が怖いから、天人なのだ。 死が怖いから、不死を究めたのだ。 死が怖いから、より地獄に近い下界を見下ろすのだ。 嗚呼、天人とはなんと因果で愚かな極地なのか。 こんな身体で、『アイツ』の傍に居られるもんか。 こんな身体で。 こんな身体で…… ……こんな、身体でッ! ガ オ ン ッ ! ――――――『死』が、視えた。 「――――――クレイジー・ダイヤモンド」 同時に、この世のどんなことよりも優しい金剛の光が私を包み、そして。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『東方仗助』 【昼】C-2 GDS刑務所 医務室 ―――天女に包まれる、優しい夢を見た。 上も下もない無限の闇。 どこまでも落ち着かない浮遊感に苛まれ、東方仗助はその場所に浮いていた。 ズキズキと、腹の傷が抉るような痛覚を訴えかける。 まるで地獄だなと、仗助は大雑把でしかない感想を抱く。 (向こうに居るのは……ありゃ康一、か?) 深淵の先の先。何十里の彼方にポツンと佇む、見える筈のないシルエットが網膜に映った。 チビの癖に妙な存在感を放つそれは、何となく友人・広瀬康一に見える。 護ることが出来なかった、男の姿。 (あっちには……じいちゃん? ……はは、マイッタぜ、こりゃ) 目を横にやれば二人目のシルエット。 東方良平。毎日のように見飽きた家族の影だ。 彼もまた、かつて仗助が護れなかった男のひとり。 その内に正義の精神を宿す、立派な男だった。 死んだ人間が居るというのなら成る程、ここは確かにあの世の類なのだろう。 (つまりおれは…………クソ。あのままお陀仏になっちまったっつーのかよ) 仗助の最後の記憶には、小さな少女の背中が映っていた。 どうしようもなく我侭で、うるさくて、生意気で、高飛車で、自己中で、暴力的で、不条理で、子供っぽくて、厄介者。あと、なんか硬い。 そんな内心ムカつくとすら思っていた女。 だが、『仲間』だ。 最後に彼女は、仗助を『護』ろうと必死に駆けていた。今までの彼女の姿を思うと、目を疑う光景だ。 少しは成長した、ということなのだろうか。 仗助はほんの少し、少女の行いを誇りに思った。仲間の気高い姿を見れば、誰しもが誇り高い気持ちを抱くものだ。 ふわっ、と。 何かが手に触れた。 虚ろな意識の中、仗助が首を回すと。 そこに居たのは、蒼天の色彩を放つ、長く綺麗な髪を持つ天女。 母親が愛する子を愛でるかのような壮大な母性が、ほんのりとした温かさを伴って仗助の右手を包む。 純粋に、綺麗だなと思った。 ◆ (生きてんのか……おれ……) 再び目を覚ませばそこはベッドの上。固い石の壁に阻まれた、冷たい部屋の中に仗助は孤独と共に居た。 どこか施設の内部らしい。自分をこの場所まで運んで来たであろう仲間の姿は、ない。 「天子さん……?」 寂しさの中、思わず呟いた少女の名に応える者は居ない。どうしようもなく、孤独感を覚えてしまう。 ズキリと痛む脇腹が、時の止まった仗助の世界を動かした。 見れば自分はパンツ一丁。衣服を脱がしたであろう心当たりの異性を思い浮かべ、思春期である少年は柄になく羞恥を覚えた。 脊髄反射でいつもの学ランを探すも、壁に掛けられたそれは、水気を切られていたとはいえ未だ全身が濡れていた。 ひとしきり大きな溜息を吐き、仗助は我侭主の帰還を待つことにする。 「……っつか、ヘッタクソな処置だなオイ」 己の包帯姿を見れば、なんとまあ彼女の不器用の極みが見て取れた。 最低限の消毒は施されていたものの、不慣れどころか元来の手際の悪さが容易に想像できるグダグダの包帯が腹を覆っている。 ド下手くそではあったが、しかし彼女にしては頑張った。及第点だ。 ゴォォ…ン ドゴォ… ガォオン…… まこと上から目線な感想を抱いていると、何処からか地響きと騒音が鳴り響いてきた。 発信源は遠くはない。この施設が何処なのかは分からないが、あのガトリング女が追って来ている可能性もある。 「男がオンナ置いていつまでも寝てるようじゃ、カッコわりーな……! 可愛げのねェ奴だがよォ」 濡れてはいるが、せめてズボンとシャツだけを羽織り、男は眼孔を鋭く変貌させた。 学ランの胸ポケットから愛用のクシを取り出し、魂の象徴とも言える髪を乱雑にセットしながら。 少年・東方仗助は、地響きの震源地――仲間の元に駆け出した。 ◆ 「――――――クレイジー・ダイヤモンド」 聴こえた響きは、この世のどんなことよりも優しく。 そして、この場の誰よりも怒りに満ちた音色を孕んでいた。 だが少なくとも、意識が薄れゆく天子には、その奏でが心地良く聴こえる。 「じょ、ぅ……っ、……っ…………、」 「喋んねえでくれ、天子さん。……傷はおれが治す」 其処は廃れた、石の舞台上であった。 仗助が目撃した光景は、どこまでも重苦しい演劇で。 そして何よりも、到底許すことの出来ない悲劇が今まさに幕を引き下ろそうとしていた。 舞台は崩壊した石の海上。 喝采は天から堕ちる雨音。 役者は孤独の悪鬼と天女。 三流の、馬鹿げた脚本だ。 何故そこに、おれが居ない? 何故おれは、仲間の傍についてやれなかった? 何故彼女は、こんなにも悔しげな瞳でおれを見上げている? 少女の右肩から先が丸々失われ、絶望的な量の血液がこの地の海の底に、血の海を形成する。 クレイジー・Dで治す。それでも、何度能力を施しても……傷は治ってくれない。 ドクドクと流れ込む切断面だけは何とか塞いだ。それでも、右腕は帰ってきてはくれない。 『無い』のだ。どこを探しても、天子の白魚のように綺麗だった腕から先が。 例えば、仗助の脳裏に過ぎったのが親友・虹村億泰のスタンド『ザ・ハンド』だ。 あの右腕に削られたものは、どこかへ消えてなくなってしまう。そうなれば仗助の能力でも治せないことは、既に織り込み済みだった。 治せない。仲間の負傷を、治してやれない。 それが仗助にとって一番の悔しさと、怒りの正体であった。 天人は頑丈。そんな謳い文句はあくまで物理的な防御。金剛の如き装甲を称えた物に過ぎない。 ならばこの攻撃痕は何だというのか。あらゆる盾に風穴を開ける、そんな矛にて突かれた様なこの傷は。 矛盾にすら成り得ない。敵の持つ矛が、最高の暴力性を携えていただけの話。 ダイヤモンドの様に硬い盾は……砕かれた。 クレイジー・ダイヤモンドは……治せない。 「―――天子、さん。悪ィ……ちぃーっとだけ、我慢しちゃくれねえか。すぐに、絶対に……助けてやるからな」 「―――ば、……っ、……か………………――――――」 それは未だかつて聞いた事のない、有頂天少女の弱々しい言の葉。 力無く倒れる仲間の姿が、“あの時”吉良吉影の攻撃を受けた億泰の姿と否が応でも重なる。 何度揺すっても、何度声を掛けても、目を開ける事すらしなかった親友の姿。 だが奇跡は起きた。 あの時、億泰は暗闇の中から自分の戻るべき『場所』を見つけ出し、帰ってくることが出来た。 仗助の仲間を想う懸命な優しさが、確かに奇跡を起こしたのだ。 だから今回だって、きっと――― 「クレイジー・ダイヤモンド。この崩壊した天井を、『直す』……!」 絶望に蝕まれつつある仗助の声色が、倒れる天子を包んだと同時。 天上から崩れ落ちた夥しい数の瓦礫が、在るべき場所に収まろうと動き出す。 仗助はそっと優しい手つきで、その瓦礫のひとつに天子の身体を置くと。 暁色の雨の中、崩落した地の雨は時を逆流し、天人を支えて再び天へと上り往く。戦場の血の雨から、遠ざけるように。 蜘蛛の糸から堕ちた罪深き天人は、再び天へと帰っていくのだ。 全ては少女を『護る』為。あの悪鬼から、動く事も喋る事も出来なくなった仲間を救う為に。 「コイツをブッ飛ばして、すぐに……何とかして完治させてやるからよ……! だから待ってろ……っ!」 空に見えなくなった天子へと、希望を傾けるように声を掛ける。 声色の震える理由は、怒りか、絶望か。少なくとも今の仗助に、天子の傷を治す術は見つからない。 最後に触れた少女の身体から、生命の光が消え去っていくように見えた。 ただの奇妙な幻想。ふざけた幻覚に違いないと、己に鞭打ちながら。 あるいは、『そんな現実など見たくない』と、この期に及んで青臭い希望に縋りたかったのか。 「テメーかかって来やがれコノヤロォーーーーッッ!!!」 目の前の男に対しては、殺意を収める鞘など見当たらない。だがそれは敵もまた同じだろう。 瞬殺宣言。仲間を逃がし、仗助はサシでのやり合いを心に決めた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『八坂神奈子』 【昼】C-2 GDS刑務所 医療監房 屋上 比那名居天子は死んでいた。 少女の右肩を境とした左は、本来の少女から酷くかけ離れた惨状。 冠する丸の黒帽に供えられた天界の仙果も、蒼を彩る流麗の髪も、今や血雨に塗れて萎える。――頭上華萎。 高貴なる装いも過去のモノ。粉塵や土垢、果てはこの雨によって夥しく全身を濡らしている。――衣裳垢膩。 残る左の脇下のみならず、容姿端麗という他ない身形から覗く肌汗は少女が懸命に戦った証。――脇下汗出。 嘗ての華麗はいずこやら。穢れに穢れきったその御身より放たれるは、罪人が纏う血の臭い。――身体臭穢。 四項を満たして尚、滅亡の予兆を自覚していて尚、在るべき場所に唾を吐き、自ら堕ち退く。――不楽本座。 その全てが、天人の死を確かな終末として伝えていた。 「アンタ、天人なんだろ。上からモノを見下すその鼻につく態度。すぐに分かったよ」 少女の右肩を境とした右に目をやれば、そこには左半身よりも更なる悲劇が目に見えていた。 いや、見えなかった。既に右腕が丸々消失した、不完全な躯体が野晒しにされていたのだから。 在るのは五体不満足であり。 そして五衰満足となった天人少女の骸。 「なんとまあ、ものの見事に天人五衰のフルコースを極めてるじゃないかい」 かつての栄光もあられなく、“天人”比那名居天子は死んだ。 「……直接の死因はこの無くなった右腕よりも、むしろ五衰を満たしちまった苦しみかねえ」 天人の亡骸を前に胡坐かき、独立不撓の神は独りごちる。 その表情に貼り付くは、哀情とも憤怒とも興味とも見える、下々には形容し難い薄い笑みだった。 彼女がわざわざ雨に降られてまで医療監房の屋上に足を運んだ理由は、此処に眠る少女を暫し眺めていたかった以外に無い。 下界の死闘なら、途中からではあるが直に覗いていた。この比那名居天子とヴァニラ・アイスを名乗った男の、それはあまりにも熾烈なぶつかり合い。 割って掻き乱そうなどという無粋な水差しなど、見た瞬間、思考の彼方に吹き飛ぶほどの壮絶な光景であった。 ルール無用の殺し合いだというのに、だ。 あろうことかその戦神は戦場から一歩遠のき、天に登った。少女の『果て』を、一目見たいという、ただそれだけの理由で。 これもまた、ちっぽけな感傷に過ぎず。 遅れて登場した、あの負傷した少年は……まさに遅すぎたのだ。 この天人がたった独りで戦っていた理由など、ひとつしかない。 先刻、湖での戦い。その一端が、少年に暫しの休息を急務とさせた。 「私のせい、だろうねえ。アンタがここでオッちんでるのは」 女は胡坐の上で、自嘲気味の溜息を漏らす。 後悔など勿論していない。しかしだからこそ、己が関わった少女の末路は見届けるべきなんじゃないかと。 少年のスタンドが少女の傷を治していたように見えたと同時、全ての柱が少女を再び天へと押し上げた。どうやら彼の能力の全容が見えた気がする。 だが、少女の傷は絶望的であり。 そして天人としての『死の予兆』は免れようもなかった。 「五衰を満たした天人の苦痛は地獄の十六倍と聞く。いやはや、想像したくもない痛みだろうさ」 そっと優しく、八坂神奈子の手が少女の頬に触れた。 実際の年齢は違うだろうが、早苗とそう変わらない年頃のように見える。 まだ温かみが残る頬を擦りながら、ぽつりぽつりと神奈子は呟き続ける。 「それなのに―――ねえ、何故なんだい? アンタは自ら五衰を受け入れたように、私には見えたがね」 立てた片膝に乗せる逆の手で頬突き、戦神はゆっくりと吐き出し続ける。 雨の音にも掻き消されそうな、小さく、しかしどこか優しげな声色で。 「まさかとは思うけど、あの少年の為かい? だとしたら信じ難い。 五衰を受け入れる天人なんて古今東西、天にも地にも聞いたことない。……そこまでして、あの人間の傍に拘りたかったとでも?」 蜘蛛の糸を一度でも堕ちた者が、再び天へと帰れることはない。 この娘は少年の能力で、天に帰れたのではない。 天に召されてしまった。陳腐な物言いだが、事実はそれだけだ。 あの時、天人は自ら堕ちた。 死の予兆を我が身に受け入れておきながら、釜底に投身したのだ。 何の為か? それを真に理解できる者は…… 「―――少なくとも、私には理解できないね」 神奈子は空を仰ぐ。 雨雲のスキマから、僅か射し込む日の光。偽りが創ったお天道様。 暁色の光線が反射を促し、辺り一面を薄紅の雨景色へと変貌させた。 天人、暁に斃れる。 そんな幻想の光景を、戦の神は見惚れるように、ただただ……眺める。 (―――早苗。アンタは今、何処でどうしてる? この暁の空の下、まだ私を止めようと錯綜しているのかい?) もし早苗がまだ生きているのなら、それは傍に居る者のおかげでしかない。 このゲームをあの子がたった一人で生き抜くことは、あの子お得意の奇跡を起こしたって不可能だ。 ならば容易に想像がつく。早苗の隣に居る者は恐らく……“あの時”仕留め損ねた花京院典明だろう。 線の細い見た目に反して、天晴れな精神を持つ少年だった。あの男が付いているなら、早苗もそう簡単には死なない筈だ。 あの子に死んで欲しくない。 神奈子が心から想う願いであり、そして同時に不可能な現実だとも察していた。 この殺し合いは……あの子が想像する以上に凄絶だ。最低だ。醜悪だ。 その本質を心根で理解できた神奈子には、早苗が此処から生還できるとは端から思わない。 だからこそ、今では奮起する気力のある早苗も、最後には必ず潰れる。人の悪意に殺されてしまう。 神奈子にとってそれこそが危惧する最悪であり、避けなければならない事態である。 出来ればそうなる前に、早苗には私自ら手を下さなければならない。 慈愛溢れる抱擁の中、あの子には地獄を見ずに綺麗なままで逝って欲しい。 矛盾した想いだと分かってはいても。 神奈子の願いとは、最初からそれただ一つ。 「それでも……早苗が花京院と出逢ったっていうなら、それは幸運だったのかもしれないね」 幸運。 つまるところ、この殺し合いで生き残る術は幸運があるかどうかだ。 自分にとって最良の『相手』と出逢えるかどうか。乗ってようが乗ってまいが、それがその人間にとっての運命を左右する。 早苗にとっての花京院が最良なのかは分からない。元よりあの少年には片鱗にしか触れていないし、そんなことはあの子達にしか知り得ないことだ。 「じゃあ、『アンタ』にとっての最良が、あの『仗助』だった……ってワケかい?」 雫に濡れる骸に、語り掛ける。 少女から返事は、当然返ってこない。 この天地人が有頂天に再び返り咲くことは、もう無い。 五衰を満たすとは、そういうことだ。 「天子、だったよね? アンタ。良い名前を貰ったね。『今』となってはその名前も無意味だろうけどさ。 …………面白いね。面白いよ。アンタも、あのハンバーグ頭も」 そんな興味を抱いたからこそ、神奈子は戦場に割って入ろうとはしなかった。 自分こそがこのゲームに興じる立役者だと、自覚しておきながら。 敢えて神奈子は、漁夫の利を獲る無二の好機を自ら逃したのだ。 殺し合いに乗っているとはいえ、神奈子にも感情はある。 下界の人間に揺られて感情を昂ぶらせる気まぐれこそ、神たる本分。 そう、自分にも言い聞かせるように、神奈子は自らを嘲け笑う。 頂に辿り着けなかった全ての少年少女が、いずれは滅ぶ運命だと分かってはいても。 今はどうか……この未来ある若者たちをもう少し、眺めていたい。これも感傷である。 だが、もしも。万に一つ。誰かの奇跡で。この醜悪なゲームを砕ける者たちが現れるとするなら。 「―――それは私のような、古席で胡坐かく老害じゃあない。主人公ってのはアンタたちみたいな……未来ある若者の役目さ」 諏訪子みたいに酔った言葉を吐いちまった。神奈子はそう苦笑し、しかし酒に酔うなら茶飯事だとも。 しばし景色の彼方を眺め、何を思ったかビーチ・ボーイの針を、己の居座る床の下……戦場へと垂らし始める。 あるいはその光景こそが、漁夫の利を表す故事そのものの絵のように。 然らば、気ままな神の獲物は―――――― ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 「貴様は、何だ?」 短い言葉の中に、男の隠せぬ殺気が煙のように朦々と出で立つ。 天子に惨劇を下した男の戯言だ。仗助としては聞く耳を持つ理由もない。 「―――東方仗助」 聞く理由はないが、答えぬ理由もない。 たった一言。今からボコボコに殴り飛ばす代償として、名前くらいは与えても良いだろうと、仗助の最後に残った理性が口を動かした。 「そうか…………貴様も、か」 返されたその言葉の意味を考える理性までは残っていない。 仗助には時間が残されていなかった。天子の状態は―――いや、それを今考える事こそ無意味の極地だ。 相対する男は、果たして満身創痍である。 流石はあの女というべきか、タダでは転げない。起き上がるついでに五、六回は足を踏みつけてくるような理不尽娘だ。 その理不尽娘をああも悲惨に仕立て上げたこの男の能力とは。 警戒すべきは男が隠すその牙。ボロボロの相手とはいえ、安易に近付くべきではない。 「お前……東方仗助。…………そうか、キサマもそうだったか。通りであの小娘……」 ブツブツと、男は文字通りの血眼となってこちらを睨みつけている。 その視線の……死線の先にあるモノは。 「あの『黒い翼の小娘』も……同じだった。先程の、剣を振り回す生意気な小娘と。 ……何故『ジョースター』に与する者共は、こうもわたしに――いや、DIO様に、牙を立ててくるのだ?」 「……あ? ディオ~?」 男が睨むは、首の『アザ』。 学ランを脱ぎ、シャツのみとなった上半身の首に映えた『星のアザ』が、眼前の男の殺気を誘発している。 「テメー、今確かに『DIO』っつったよなぁ~。そいつとどんな関係だ?」 「答える必要はない……! キサマもこのヴァニラ・アイスの暗黒空間にバラ―――」 「だったらよォー!! 答えなくてもいいぜッ! 本人に直接訊くッ! テメーを壁に埋めた後でな!!」 茶番は要らない。 もう我慢の限界だ。そして限界たるは、天上にて待つ仲間だ。 ヴァニラと名乗った男の左腕が無かった。あれも天子の功績か。 あの覇なる天候の如し破天荒を怒らせたのだ。腕の一本二本、持っていかれて当然。 だが男に牙は残っている。その牙こそが天子を瀕死にまで至らしめ、ならばそれを折ることこそが仗助の仕事。 ヴァニラに武器は見当たらない。流石に例のガトリング女ほどの露骨な武装など早々無いだろうが、スタンド使いの可能性も十二分にある。 瓦礫に塗れた床の掃除は九割がた片付いた。クレイジー・Dの能力を以てすれば、全てが元在る侭に。 最後の大掃除だ。そこに立つはゆらりと蠢く、ドス黒いヒトの形。 もはや立っているだけでも大した精神力だ。死にかけを呈する狂気の塊。 (何か分からねぇが、奴の持つ『何か』はあの天子さんの身体を粉々にする程の破壊力がある……迂闊には近づけねえ) 迂闊には近付けない。だが敵もまた、迂闊には近付かない。 時間稼ぎでも狙っているのか。はたまた呆けか。それは仗助にとって最も陥りたくない状況。 「ほう……来るのか、ジョースター」 「近付かなきゃテメーをブッ飛ばせねェーんでな……!」 だから往く。初志など捨て、敵の闇を孕む懐にあえて潜り込む。 ヴァニラの言う『ジョースター』が、首のアザを指しているとするならば。 東方仗助はやはりジョースターの血脈を受け継ぐ男だ。この直進力こそが間違いなく彼をジョースターたらしめる証だ。 ダイヤのように硬い意志の貫徹こそが、彼を表す耀きなのだ―――! 男との距離、五メートル。 仗助はクレイジー・ダイヤモンドを顕現させる。 ヴァニラに動きは、まだ無い。 男との距離、三メートル。 スタンド射程距離は二メートル。あと一歩の踏み出しで、金剛の拳を叩き込める位置。 ヴァニラに動きは、まだ無い。 男との距離、二メー「ドラァァアッ!!!!」 時速300km/hの豪速が、弾けんばかりの怒声を伴ってストライクゾーンに叩き込まれる。 馬鹿正直に放った真正面からのストレートではなく、敵の失った左腕という死角から曲げるように打ち込んだスライダー。 「~~~~~~~ッッッ!!!!」 捕手のミットに吸い込まれるように、ヴァニラの腹へとデッドボール狙いの死球が打ち込まれた。 敵がスタンド使いだと仮定して、バッターという名の守護霊すら顕現させず、バットを振ることすらなく馬鹿正直に攻撃を受けた。 その理由とは何だ。それを考える時間すら惜しい。 「どーしたバニラの森永アイスちゃんよォー! 暗黒空間がどーとか仰ってなかったかァァー!?」 猛りを抑えることの出来ない仗助は、吹っ飛んでいったヴァニラへの追撃を容赦なく狙う。 そもそもがこの相手、既にしてボロボロの状態であったのだ。 ならば仗助のクレイジー・Dとマトモに相対するほどのスタンドパワーが残っているか、考えるまでもなかった。 怪我人相手だ、とか。卑怯だ、とか。暴れ狂った頭の中では倫理観も意味を成さない。 わざわざ負傷を治してすぐさまボコす……ハイウェイ・スターの時のようなみみっちい飯事は、杜王町だからこその『遊び』の様なものだ。 この男に、そんな遊びは通じないだろう。 本気で撃った弾道ミサイル。クレイジーな怒りの体現をその身に受けてなお、敵は立ち上がった。 敵もまたクレイジー。その双眸に迸るは究極の殺意。殺意以外の全てが切り抜かれた男の視線は、フラフラと立ち上がって今なお崩れない。 男がジョースターに抱く殺意を一身に受け、正面から切り崩すはやはりダイヤの拳。 「その根性、グレートだぜ……! 医者に行くならおれ以外の所に当たりな。このクソゲームが終わった後でな!」 殺すことはしない。仗助が過去に相対したスタンド使いを直接死に至らしめた事など、ひとりとして居ない。 それはこの殺し合いも同じこと。呪われた魂に成り果てる業を自ら背負ったりは絶対にしない。 だが剛を以て強を制す。轟々と撃ち放たれる豪なる拳こそが、呪われた業を跳ね返すのだ。 GOのシグナルは既に鳴った。己の胸中に宿る怒りを、自ら鼓舞して。 漆黒を秘めた男は、地に立つことが精一杯。隙だらけの、透きだらけ。 すかさず二撃目を与えてやる。 三撃目は、無い。 GOだ。GO。 GO―――! ゴウ―――! ご、ぉ――― ガ オ ン ―――! ―――『静』から『動』へ――― 仕込み杖から放たれた、なにより不吉な音が。 不屈のダイヤモンドをも削る、暗黒の殺意が。 不可視の暴虐となって。 ◆ ヴァニラ・アイスの全霊の一撃は、機を待つことで初めて効果を発揮する。 左腕は捨てた。石の海に覆われ、肉体も限界が近い。 男の脅威の具現像『クリーム』。その能力の旨みも半減したと言っていい。 なにしろ本体が暗黒空間に侵入出来なくなってしまうほどの精神性にまで変貌したのだ。 最強の矛と盾。その盾が無用の長物へと。 それならそれで、新たな境地へと至ればいい。たったそれだけの、細事だ。 新たに現れたジョースターの一族。この脅威に、どう立ち向かうか。 ヴァニラは奇をてらうことで、機を待った。それもまた、細事。 『この敵は、先の戦闘にて既に瀕死の一歩手前だ』 実際そうであったし、そう思わせることにも成功した。 ただ一撃。少年の操る屈強な金剛拳を、ただ一撃だけ耐える事が出来れば。 攻撃の手段が肉弾戦のみであろう相手の距離を引き付けることが出来れば。 その油断は、致命的な隙となって『クリーム』をストライクゾーンに打ち込めるコースを誘発させる筈だ。 ◆ 油断をしたつもりなど無かったが、やはりそれは油断に過ぎなかったのだろうか。 仲間を。女を。自分を救うために奮起した彼女を。 殺したこの男に対して、怒り心頭の思いが邪念となり、隙を突かれてしまった。 自慢の髪型を貶された時よりも、断然気分が悪い。プッツンした。 したたかだったのは、ヴァニラ・アイス。 天子の状態を省みれば、この男の攻撃が必殺の攻撃性を備えていることなど一目瞭然だろうに。 見えない。 仗助には、何が迫ってきているかがまるで見えない。 不可視なのだから当然だ。『ナニカ』が迫ってきている、というあやふやな脅威だけが彼を戦慄させている。 そしてそれは、一瞬で完結する。 防御は間に合わない。そして、意味も無い。 男の形相からは「してやったり」という感情が、嫌というほどに雪崩込んでくる。 してやられた。 敵は、切札を巧妙に隠していた。透明のベールにて。 隙だらけなのは自分であり、透きだらけなのは敵のスタンドであった。 (お――――――) 終わった。 失敗(しくっ)た。 すぐ眼前に迫る『ナニカ』を察知し、仗助の頭にはそればかりが流れて消える。 天子の頑強な肉体を削ったソレをまともに喰らい、果たして戦闘の続行など可能なのか。 きっと、無理。 何が仲間だ。 おれはまたしても、仲間を救えなかった。 あの我が侭で、それでいてちょっぴりだけは優しい女を。 命を救ってもらった恩人を、救えない悔しさ。 泥のように圧し掛かる、憤り。不甲斐無さ。 負の感情が、スタンドの動きを鈍らせる。 金剛の光が。耀きが。 風前の灯を思わせる儚さで、消滅していく。 ダイヤモンドの拳に、亀裂が。 砕けない拳が、暗黒に呑まれて、そして―――――― ガ オ ン ―――! 伸ばしたその腕に、線が入った。 「――――――あ?」 「……………っ!?」 そして、それは線に留まった。 (…………なに? は……『外した』のか!?) グンと伸ばした右腕。その外側の皮膚に走る、真一文字の線。亀裂。 傷は負ったが、想定したものより遥かに浅い裂傷。 正体不明の攻撃が、外れた。何の前兆も見せずして。 完全なるアウトコース。打者も投者も理解不能といった呆け状態。さながらクロスカウンターが決まる直前の絵面のままで時間が止まった。 「――――――ド」 一瞬早く我に返ったのは、少年の方。 「ドラァアッ!!!」 時間の溜めは生じたが、勢いの溜めは削がれてしまった。 距離もなく、停止状態から速度が殺されたままのパンチに威力は生まれない。 しかし、呆けるヴァニラの顔面を再び殴り抜けるだけのダメージまでには届いた。 「ガハッ!?」 冷たい石の床に這わされたヴァニラは、未だ理解に及ばない。 何故、クリームの攻撃が逸らされた? 完璧にタイミングを合わせた、正確無比の一撃必殺を生み出せたはずだ! コイツは何をした!? ……いや、何もしてやしない。殴り抜けた本人も、何が何やらといった表情なのだから。 ならば理由は自分にある。クリームは逸らされたのではなく、バランスを崩したのだ。 即殺の矛を外した理由は、クリームの――否。 本体・ヴァニラのバランスが猛烈に崩されたことに端を発する。 「――――――なに?」 脳震盪直前の頭部を支えながらも、己のバランスが崩れた『原因』を発見した。 『右腕』が、無い。 正確には、本来あるべき腕が備わっていた場所にぶら下がっていたのは、貧相な『元のまま』の腕だった。 あのジョニィ・ジョースターから受けたタスクの攻撃を癒した『聖なる遺体』が消失していた。 本体とスタンドの状態はリンクする。ヴァニラ本体の右腕が以前までの負傷状態に突如戻ってしまった為、クリームの軌道が崩されたのだ。 「ど……どこだ!? あの『右腕』は何処にいったァーーー!!」 全霊の一撃を逃した。 膨れ上がる怒りの感情を吐き出しながら、ヴァニラは自らを離れた肉体を探す。 「―――グレート……」 声の主は仗助。 追撃の好機を見過ごし、彼は見上げていた。 石の海の天井。天上。 天の光を。 其処に在るのは、正しく聖なる光。 降り注がれた極光に浴びられ、天へ天へと浮かび上がっていく『右腕』を。 まさに我々は奇跡の瞬間を垣間見ている。 聖なる遺体がひとりでに飛び上がる、神の起こした奇跡。 だが真相は違う。 右腕は、ひとりでに動いているわけではなかった。 それは気まぐれな神の起こした軌跡をなぞる様に。 一本の『糸』に釣り上げられ、遺体は天を辿るのだ。 ならば天にて座す神とは、誰なのか。 奇跡をもたらした神は、少年に何を授けるのか。 それもまた、真相とは違う。 「――――――お……オメー」 少年の視界が、歪んだ。 これこそ神の威光がもたらした影響か。 それもきっと、違う。 光は、スキマから漏れ出ていた。 確かに直した筈の、石の天蓋から割れた亀裂。 其処から漏れる光こそが、宙に浮く遺体を耀かせていたのだ。 そしてスキマは次第に亀裂を広げ。 ―――次の瞬間、破天荒を連想させるド派手な音と共に炸裂した。 「チクショウ、やっぱオメ~…………!」 視界がグニャリと歪み、一筋の雫が仗助の頬を伝った。 それは決して、神の奇跡に心奪われた俗物的な感情ではない。 ただただ、嬉しかったのだ。 少年が最後に触れた少女の身体からは、生命の光は既に失われていた。 心の奥底では、そんな絶望が蝕んでいたから。 だから、こうしてもう一度『あの女』の天立つ姿が見れるなんて。 天井が、崩された。 そこに見える少女が、乱暴な手つきで『聖人の右腕』をブン取る。 そこに立つ剣を携えた少女が、完全なる五体満足を取り返し、仁王立ちでこちらを見下ろした。 絶望的だった筈の傷は、遺体により上書きされ。 在るべき姿を取り戻した少女の傲慢な笑みが、天人の帰還を何よりも正しい真実として歴史に刻みつけた。 だが在るべき姿ともまた、真相は少し違う。 腰に届くほど長く綺麗だった蒼色のロングヘアが、バッサリと断髪されていたのだ。肩まで、短く。 恐らくはその左手に持つ勇気の大剣で、不器用ながらも強引に切り落としたのだろうか。無骨で、荒々しい断髪式だった。 渦巻く胸中は、どういう心境か。少女の表情からは、何となく思惑が窺える。 それでも仗助は、今はただこう叫ぶのだ。 「生きてんじゃねーかこのクソ女ッ!!!!」 「生きてるわよッ!! このバーーーカ!!!!」 ああ、あの大胆不敵な態度は、確かにかつての少女だ。 しかし違う。かつてのままだが、何もかもが違う。 仗助には今の少女が、何故だかそんな風に見えた。 そしてその予感は、次なる少女の宣誓によって確信を得た。 少女は右腕を伸ばし、あの天を指す。 まるで天に仇為す、強欲なるヒトのように。 あの天こそが不倶戴天の敵だと、豪語するように。 「――――――私は天人を辞めるわ、仗助」 小さく前置きを並べて。 傲岸不遜な人差し指を有頂天に向けて立てた【人間】の少女が、気高く吼える。 「ヒトに堕落することで、新たな『自分』に至れるというのなら…… もはや天人としての座(強さ/弱さ)など―― そんな名誉など―― ―――この天の衣(なまえ)と共に、脱ぎ捨ててやるッ!」 その少女は高々と、新たなる自分を宣言した。 こんな愚かな自分を縛る煩悩も、誇りも、全てを捨てよう。 あの六道を堕ち往く最中、少女の中にそんな決意が光を灯し始めたのだ。 お気に入りだった髪を短く切り落としたのも、分かりやすい意思表示の為。己を奮わせる決意の証だ。 少女は天に仇する指を下げ、地獄で這い蹲る悪鬼に向けてもう一度叫んだ。 「母なる空の有頂天より堕落した愚かな私には、天衣無縫などもはや過去の栄華! 今を以て、私はヒトだ! 【人間】比那名居“地子”と、その【仲間】東方仗助が! 貴様を父なる大地の下に還してやるッ! 粉々にしてね!」 右手には聖光を。 左手には勇気を。 今……聖なる勇気を宿して少女は、少年(なかま)の『傍に立つ』―――! ◆ 「……なんで私を助けたのよ」 少女は下界に指を指したまま、視線だけは逸らさず背へと訊ねた。 「私はキッカケを与えただけさ。肉体的な死から復活出来ても、精神的な死からは逃れられない。天人なら尚更だ。 『五衰』から復活できたのは紛れもなく、アンタ自身の成長が起こした奇跡だよ」 胡坐をかいたままの姿勢で、その神は不敵に答えるだけだった。 「こんな『右腕』……本当はもう見たくもなかったのに」 「だから『キッカケ』なのさ、そいつは。あんな暴君よりもっと相応しい所持者が居るだろうと、私はお節介を焼いただけ。 そいつをどう扱うかはあくまでアンタだ。嫌なら捨てりゃあいい」 「……答えになってないわ。アンタの目的は皆殺しでしょう。これじゃ逆じゃない」 「見たかったのよ。アンタがどんな『決意』を下すかを、ね」 「…………ふざけないで」 「いやいや本気だよ。本来、五衰に蝕まれた天人はもう終わりなんだ。それはアンタが一番良く知っている。 そんな絶望的な逆境を越えさせたのは、私みたいな一柱の神じゃなく、ましてやそんな干からびた『右腕』でもない。 ……天人を辞め、人間の身に堕ちるなんて素っ頓狂な『決意』に至ったアンタ自身が起こした奇跡。 そんな神をも恐れぬ愚行――天人を辞めることで……自ら“ヒト”に堕ちることで、死の予兆を回避したんだ。普通なら考えにも及ばない」 「……私、元々は人間だし」 「通りで。……だが、二度と天界の地は踏めないよ。そんな穢れた身体じゃあ」 「それも含めての、私の『決意』よ」 「……そんなに、あの少年の隣が心地良いかい?」 「…………」 「無粋だったね。ごめんごめん」 「……今は見逃してあげる。次会ったら、ブッ飛ばす」 少女は最後まで背後の神へと目を合わせず、そこから飛び降りた。 その背中は、心なしか以前よりも生き生きと耀いてるように、女には見えた。 「……全く。見逃したのは私の方だってのよ」 漏れ出た独り言も、どことなく浮かれてるようで。 八坂神奈子は楽しそうに笑った。 ◆ ―――堕ちる。堕ちる。天子は全てを捨て去ってでも。 石の海。その最天上からもう一度。 あの時と今では、その意味も全然違う。 さっきはまだ、心に迷いがあった。 今はもう、ありはしない。 私が地上に降り立った時、その瞬間こそがこの名前とも決別の時だ。 ―――堕ちる。堕ちる。天子は新たな座を見つめながら。 左に持つ勇気の剣を、右に。 その右腕こそが、かつて私を上から目線で見下した幻想そのもの。 今は、私の手中。ざまあみろ。 ―――堕ちる。堕ちる。天子が立つは人間道。天子が絶つは地獄道。 之より先は人の道。 自らの位置は此処にこそ。 嗚呼、其れが艱難たる逆境であろうとも。 五衰を受け入れた今の私には、其れこそが天への道。天人道。 ―――堕ちる。堕ちる。真なる天人道とは、崖を登ることと見付けたり。 それでも今はヒトである身。 一度地獄に堕ちることで、見える光も在るというもの。 だったら喜んで堕ちてやる。何度でも。 そいつが私の目指す天人道。 ―――堕ちる。堕ちる。奈落の底にまで堕ちた人間に残るは、這い上がることだけ。 ならば強くならないわけがない。 堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し。 私は救わなければならない。 他ならぬ、私自身の手によって。 そいつが私の謳う堕落論。 ―――堕ちる。堕ちる。此処はこの世の最底辺。しかし、彼女にとっては最高天。 平和で何の不足も不満もない状態であれば、人はいくらでも理想の自分でいることが出来る。 好きな仮面を被って、本当の自分を偽って生活することだって出来る。 だが、いざ其処から転落するという瀬戸際へと至った時。 彼らはどこまでその状況を保っていられる? 仮面は脱いだ。 天衣も捨てた。 在るのは――新たな『座』のみ。 有頂天である天界に、登るべき崖は存在しない。 そこに住む、端から天人である彼らは、そんな些細な事にも気付かない。嫌悪すべき怠惰だ。 ならば堕ちよう。なればこそ私は堕ちたのだ。 地上の有象、『ヒト』の身に。 ここは人間界。今こそ私は此処から登ろう。 もう一度、空を翔ぼう。 ―――これから隣を歩く、唯一無二の『仲間』と共に! 「仗助ェ! 『アレ』いくわよォ!!」 「『アレ』? ……上等ッ!!」 溌剌とした声で、天子は仲間に促した。 何を、とは言わない。言うべくもないのだから。 猛烈な勢いで天から降ってくる天子の意を、仗助は察する。 対する悪鬼。討つべき地獄の鬼ヴァニラ・アイスは、これに対応できない。 殺した娘が、今また天から舞い降りる光景。 先の焼き増しだが、決定的に違う。 少女には仲間が居た。 少年には仲間が居た。 だが、ヴァニラには。 孤独でしかないヴァニラには、対応する術がとうに失われている。 それでも男の牙は折れたりはしない。 不屈の狂気は、不可視の凶器と成って。 今また少女と、すれ違うのだ。 「浅はかだぞッ! 今度は全身を奪ってやるッ!!」 空すら飛べない少女に、宙空にてクリームを躱す術は次こそ無い。 左腕も、右腕も、必要ない。 牙さえあれば、唯一無二の畏敬に従う術が揃うのだから。 「クリィィィィイイイイムッッ!!!!」 「―――断じて行えば鬼神も之を避く。固い決意をもって断行すれば、何者もそれを妨げることは出来やしない。 それでも貴方が避けないというのなら。私も之を避けるつもりは毛頭ない。必然、衝突ね。そして最後に立つのは…… ……より意志の硬い方よッ!」 天を照らす金剛の光が、空から突っ込んでくる天子を包んだ。 天庭(あまてらす)で戯れる神のように、どこまでも不敵な笑みを作りながら。 鬼神の暴虐に衝突すれば、タダでは済まなくなる。先のやり合いで、それは身に沁みて心得ていた。 馬鹿正直には突っ込まない。語る言葉を持たずしても、少女と少年は通じ合っていたのだから。 「いくぜッ! クレイジー・ダイヤモンド!!」 天子が得意の要石を出現させたのと、仗助のスタンドが光を反射させたのは同時だった。 二人に降り注ぐは、眠ったら死ぬ程度の天気『ダイヤモンド・ダスト』の耀き。 相手の気質に合わせて天候を変える天子の特技が、仗助の気質に影響されて天を映す光を反射させたのだ。 暁の雨から、金剛の細氷へと。 ダイヤモンド・ダストの発光が、クレイジー・ダイヤモンドの像を無限の耀きへと乱反射せしめ。 幾億と繰り返される金剛と金剛の幻想リフレクト――その混合が、仗助と天子の精神に黄金のスピリッツを生み。 それは果てしない絆へと昇華し、砕けぬ意思で交わす勇気の賛歌となる。 決して砕けぬ金剛<ダイヤモンド>の光こそが、彼女の目指す緋想天へと導くただ一つの路。 最硬の精神こそが、最高の精神なのだ。 ギラギラ耀く粒子纏うこの精神こそが、大異変解決の『主人公』たる証明なのだ。 もう『ごっこ遊び』なのではない。遊びで、興で立ち向かうことは止めだ。 胸に抱く真の意志が、少女の理想を最硬の石へと変化させ。 今ここに二人の『主人公』が並び立つ―――! 少年が、要石を拳で砕いた。 バラバラの粉末状にまで散らされたそれは、ヴァニラの身体を煙の牢獄のように包み、そして。 「―――直す」 一人の不良少年と、一人の不良天人。 少年と少女が初めて出会い、拳を交し合った『あの時』の光景が鮮明に思い出される。 同じだ。 仗助がとった手段は。天子が選んだ路は。 初めてのケンカ、それの再現に過ぎない。 だが、あの時とは何もかもが違う。 「な、に……ッ!?」 「ただし、今度はアンタが餌食になりなさいッ!」 塵状から復元された要石がヴァニラを巻き込んで固まり、捕縛した。 動きを止めたところで、不良コンビの合体技は終わりはしない。 「もっとよ仗助! もっと、もっともっともっともっともっとーーッ!!」 「分かってんすよ、ンなこたァ! ドォラララララララララララララララララーーーーーッッッ!!!!」 地の底から天子が呼び出した天柱に、仗助がラッシュを打ち込む。 動きの止まったヴァニラにこれを躱す術は、またしてもない。 柱とヴァニラ。ふたつを同時に巻き込んで。 金剛の拳は、悪を砕く。 「――――――――――ッッッ!!!!」 もはや吐き出す絶叫も出ない。 要石に取り込まれたヴァニラが、そのまま天柱にも取り込まれて。 クレイジー・Dのデタラメな復元能力が、その地に一本の『人柱』を作り上げた。 「ガ…………き、サマら……! ジョース、タ…………ッ!」 抜け出せない。声を上げるのも苦痛だ。 クリームを……駄目だ! 完璧に体が柱と同化している。スタンドを操ることすら出来ない……! 「―――って、きゃああああああ止めて止めて受け止めて仗す……」 「は!? うごァ!!?」 敵の完全無力化に成功し、安心しきった仗助の素敵な髪の上に、落ちて来る天子が流れ込んで倒れた。 何とか受け止めたはいいものの、自慢の髪型は散々たる有様を呈してしまった。 「痛ったたたぁ~~~……ちょっと仗助! ちゃんと受け止めてよ! 私の身体、もう前みたいに頑丈じゃないのよ!?」 「ッテェ~~……あーーー!? お、おれの髪がぁーー!!」 「アンタの下手な髪より私の心配をしなさいっ!」 「誰の髪がヘチマのへたみてぇだとコラァーーー!!!!!」 そこにはいつもの光景。 そりの合わない男と女が、日常風景となった痴話喧嘩を始めるだけだった。 「コロ、シテ……ヤル……ぞ…………ッ! きさ、まらァ……!」 「あらアナタまだ居たの? 随分シックな見た目になったじゃない」 「テメー、ヴァニラだとか言ったな。悪いがテメーにはこのまま観光名所オンバシラ様として、一生を過ごしてもらうぜ」 「……殺さないの? 仗助」 「……おれは、そーいうのは好きじゃねえ。殺しちまったらそれは『このゲームに乗る』っつーことだからよ」 「……そ。ま、アンタがそう言うなら私はそれでもいいけど」 たったそれだけを言い放ち、獰猛なる二人の少年少女はそこから立ち去って行った。 後に残るは真の孤独。 ヴァニラはこの罪人眠る魂の牢獄で、一生を過ごす事になる。 それはどれほどに屈辱的で、憤慨すべき醜態だろうか。 なまじ意識がある分、死ぬことよりも恐ろしい末路でしかない。 主の為に何の行動も起こせず、おめおめと敗北し。 果ては永遠の生き地獄を晒す羽目になるのだ。 男にとってそれは、地獄の何十倍にも耐え難き罰だった。 ―――――――――― ―――――― ――― 孤独の世界に、変化が赴いた。 人柱と成り果てた邪鬼の前に、柱の女が現れる。 何もかもが嵐の後だ。其処に女の入り込む隙間など、僅かとて在りはしない。 決着は、完全に付いたのだ。 「いーや、付いてないね、全然。アンタほどの男を思えば、全く終わってないともさ」 八坂神奈子はここで初めてヴァニラ・アイスと正面から対峙した。 満身創痍である天子と仗助を追撃する利を捨て、漁夫の利を狙った獲物をこの男一点のみに絞ったのだ。 理由など語るに及ばず。 「ゥ……ゴ、アァア……! 女ァ……オレを、この柱から……出せェェ…………ッ!」 「おー怖。まだまだ元気じゃないかい。アイツら、結局トドメは刺さなかったみたいだね。 そんな『優しさ』で、この殺し合いの儀を生き残れるとは到底思えないがねえ」 だがそれもまた、彼らの素晴らしき味なのだと神奈子は納得する。 だから神奈子は天子を救うような神の真似事を行い、二人を見逃したのだから。 彼らを生かしておけば、優勝を狙う自分にいずれ牙を向けてくることは明白。 それも問題はさほど無い。それならそれで再び返り討ちに出来る自信はあるし、逆境の中に身を置くというのも一興だ。 それにあの少年少女が掲げる……云うなら『黄金の精神』とも称すべき正義の覚悟は、早苗を悪意から護ってくれるかもしれない。 少なくとも『来るべき刻』が到来するまで、早苗は生きなければならない。他の誰よりも、あの娘と決着を付けるべくは己なのだから。 「―――だが、アンタは『駄目』だね」 女の醸す雰囲気が一変した。 目の前で殺意を撒き散らすこの男こそが、神奈子の危惧する最悪そのもの。 こんな危険の針を振り切った悪魔を早苗と遭わせる訳には、絶対にいかない。 最優先で掃討すべき対象は、天子でも仗助でもない。 「お前はこの場所で散れ。ヴァニラ・アイス」 ガチャンと。 柱の女を、柱足り得る者として象徴する『鉄の柱』が、重厚な金属の音を鳴らした。 だがそれは女の真髄などでは決してない。八坂神が柱足りえる者として象徴される真相は、ヒトの生み出した殺人兵器には無い。 「天道是か非か。神から受ける正当なる裁きの対象は、人か。天か。罪か。言うべきにも非ず。 是は善。善こそ人。成れど人は天成らず、天は人の身に堕ちて。其処に在るは、今や金剛に耀けん、人ふたり」 女が両の掌(たなごころ)を激しく合わせ、『柱』を創造する。 生贄には大罪人を。 流れる血は冷たい刑務所の、地の獄の極へと。 天より降り注ぐ四の巨なる御柱が、男へと。 「善悪の頂に在る『真実』とは、ヒトの個々が持つ精神の器。その中身にこそ在る。 其処に裁きを下すのは……天じゃあない。 ―――下すは我! この“山坂と湖の権化”八坂神奈子也ッ! 貴様こそ非! 非であり卑でしかない有象の羅刹如きに、天寿全うの生など永劫無いものと心得よッ!」 「グ…………ウグオオオオォォォおおおおおガアアアァァあああぁぁあッッ!!!! わたし、は……ッ! お、オレは……ッ! こんなところでェェエエーーー!! DIO様にィィイイイ!!!」 グシャリ 断末をあげる人柱は、天上より降り注がれし御柱により潰された。 肉の弾ける音と血飛沫とが、印を結んだ神奈子の眼前で儚くも舞う。 さながら、墓標のようであり。 それは女神が見せた、生に苦しむ人間へのせめてもの情であった。 「貴方の信仰する神<DIO>は、貴方に本当の幸福を与えられましたか? その起源は果たして崇拝? 賛美? 畏敬? ……畏怖なのかしら? 私には貴方が不憫でなりません。罪が宿るは人の内。せめてその魂、どうか安らかに眠りなさい。 ……ヴァニラ・アイス」 神々たる威光を煌かせながら、神奈子は柱の墓標に背を向けた。 近くに落ちていた男のディパックを拾い上げ、中身を検めて、すぐに施設外へ足を運ぶ。 雨は未だ止まず。むしろゲームの進行を表すかの如く、その勢いは増すばかり。 神奈子は弾薬が濡れるのを防ぐ意味も兼ね、乾を操る。身の回りの雨が、透明状のドームに弾かれるように避け始めた。 『乾』とは『天』。元来、風雨の神である神奈子に雨は意味を為さない。屋外だろうが屋内だろうが、これまでと同じ様にガトリングの行使は可能だ。 「あの天人……いや今は“人間”か。気まぐれで施しを与えた身、すぐに鉢会うってのもなんだかね……」 右腕を丸々奪われたあの天人に、ヴァニラの右腕から“釣り上げた”神々しい遺体を授ける気になった理由とは。 どちらにしろ皆殺しという最終目標に変わりはないというのに。敢えて神奈子は少女を救い、今また見逃すつもりでいる。 五衰の苦しみを受け入れ、それに耐え、最後には天人の座すら堕りたあの少女。 少女がそれほどに辛い選択を選び、人間として傍に居ることを決意させたであろうあの少年。 神奈子が理に適ってない気まぐれを起こした理由など、間違いなくあの二人の精神に中てられたからだ。 そんな不明瞭とした自覚が、己の胸を漂うかのように渦巻いている。 だのに何とも……気分がイイ。朗らかだ。 「―――全く……これだから人間って奴は好きさ。魅せてもらったよ……アンタ達の『人間賛歌』を」 人間を辞め、高みを登ろうとする輩は星の数ほどいる。 だが高みから人間に堕ちようなどという奇特な種は、そうはいない。 人間賛歌は『勇気』の賛歌。 居るべき全ての地位を捨て、人間へと成ることを決意したあの少女。 勇気(PLUCK)の剣身を振り抜き、生涯初めての『仲間』を手にした幸運(LUCK)を生まれ持ったあの少女。 ―――それもまた、穢れし檻の中で生まれた……ひとつの素晴らしき『人間賛歌』なのだろう。 【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険 第3部】 死亡 【残り 56/90】 【C-2 GDS刑務所 医療監房/昼】 【八坂神奈子@東方風神録】 [状態]:体力消費(小)、霊力消費(小)、右腕損傷、早苗に対する深い愛情 [装備]:ガトリング銃(残弾70%)、スタンドDISC「ビーチ・ボーイ」@ジョジョ第5部 [道具]:不明現実支給品(ヴァニラの物)、基本支給品×2 [思考・状況] 基本行動方針:主催者への捧げ物として恥じない戦いをする。 1:『愛する家族』として、早苗はいずれ殺す。…私がやらなければ。 2:洩矢諏訪子を探し、『あの時』の決着をつける。 3:DIO様、ねえ…… [備考] ※参戦時期は東方風神録、オープニング後です。 ※参戦時期の関係で、幻想郷の面々の殆どと面識がありません。 東風谷早苗、洩矢諏訪子の他、彼女が知っている可能性があるのは、妖怪の山の住人、結界の管理者です。 (該当者は、秋静葉、秋穣子、河城にとり、射命丸文、姫海棠はたて、博麗霊夢、八雲紫、八雲藍、橙) ※神奈子がどこへ向かうかは、次の書き手さんにお任せします。 『比那名居地子』 【昼】C-2 GDS刑務所 正面玄関 「……仗助」 「……なんスか」 「私、今……何処に“居る”?」 「おれの隣で一緒に大の字で仰向けになってるように見えます」 「そうね」 「そうっすね」 「じゃ、もう一個。……貴方にとって、私は“要る”存在かな?」 「たりめーっスよ。仲間っつーのはそういうことでしょ?」 「そうね」 「そうっすね」 「…………」 「…………」 「え、終わり?」 「うん」 「いや、うんって……続きは無いンすか?」 「続けて欲しいの?」 「いえ別に」 「そ」 「…………」 「……確認、したかっただけよ」 「続けるんスね」 「文句ある?」 「無いっす」 「よろしい。……私はね、私の座すべき場所を、今一度確認したかったの」 「座すべき場所……っスか?」 「そう。私は天人って教えたでしょ?」 「まあ、はい(ていうか天人って何だ?)」 「高貴で極楽。毎日歌って踊って食べてればそれで幸せな腑抜けた種族の事よ」 「……天子さんは嫌いなんすか? その天人ってのが」 「在り方は正直、好きになれなかったわ。だって退屈だもの」 「そーいうモンっすか? 随分気ままで楽しそうっすけどね」 「そーいうモンよ。……それでも私は、この親のついでで手に入れたような己の地位に誇りはあったわ」 「結構なことじゃないっスか」 「でも、その役柄も全部捨てちゃった」 「……」 「天人の五衰。その症状が現れると、天人様はその地位を退くことになる。想像できない苦しみに悶えるの」 「ごすい……何スかそれ?」 「後であの寺子屋にでも訊いて。とにかく、天人としての比那名居天子は死んだ。 もう、ダメなのよ。この五衰が出てきちゃったら」 「じゃあ、今おれの横でペラペラくっ喋ってるアンタは誰なんですか」 「いい質問ね。頭上華萎。衣裳垢膩。脇下汗出。身体臭穢。これら四項を満たしてしまった私に最後に残ったのは不楽本座だけ」 「ふらくほんざ……ってなんスか?」 「質問が多いわねえ。『自らの住居すらも楽しめなくなってしまったこと』。私は最後まで残った自分の座すべき場所を、自ら捨てた。 今までの自分じゃあ、新たな座に居座る資格なんて無いって気付いちゃったからよ」 「新たな座……」 「アンタの隣よ、仗助」 「……じゃあ天子さんは、わざわざおれの隣に座る為に、その『ふらくほんざ』っつーのを捨てたンすか」 「『仲間』っていうのは、同じ高さで一緒に戦うってことじゃないの? 片方だけが天上で見下ろすってのは、何か違うんじゃないかってさ。 だからアンタの居る、遥か地上まで堕ちて来ただけ。それだけの……ことよ」 「それだけ……って、それで天子さんが全部捨てちまったんじゃあ意味ないじゃないっスか!」 「あら、私の為に怒ってくれてるんだ?」 「はぐらかさないでください! よーするに天人辞めちゃったってことでしょーが! アンタの『誇り』じゃなかったんスか!?」 「座を降りて、天人辞めて、全部捨てても……新しく手に入れた座があるじゃない」 「……そいつが『仲間』、スか」 「今まで結構長く生きてきたけど、私には『仲間』はおろか『友達』と呼べる存在も居なかった。アッチから来るのは死神ばっかりよ。 ……だから嬉しかった。不思議ね……天人じゃなくなったってのに、こんなに清々しい気持ちになれるなんて。 あ~あ。不良天人から天人を取っちゃったら、それこそただの不良じゃない。げっ……アンタと一緒じゃん」 「天子さん…………」 「地子」 「……はい?」 「私の……人間だった頃の旧名。比那名居地子。正直この名前で呼ばれるのは嫌いだったけど。 天人“比那名居天子”は今日を以て消滅。人間“比那名居地子”に戻るわ。これから私のことは『地子』と呼びなさい、仗助」 「“ちこ”、スか。……ぷっ」 「って、ナニ笑ってんのよアンタ!」 「い、いや……響きがチンチクリンで可愛いなって思っただけっスよ…………ぷくく」 「はあッ!? あ、アンタ、人の名前でよくも………………いや待って」 「……?」 「フンフン。仗助……人べんに丈夫の『丈(じょう)』と『助』ける、かあ」 「!!」 「決めたわ! 仗助! これから貴方を仗助(じょうじょ)……『ジョジョ』って呼ばせてもらうわ!」 「はあッ!? いや、それだけはカンベンしてくださいよ天子さん!」 「地・子!」 「いや、幾らなんでも名前音読みで『ジョジョ』は強引だしダセーっすよ!」 「あははははっ! いいじゃないジョジョ~! 『不良コンビ』同士、『信頼』を築き合う仲間なんだしさ~」 「ぐ、ぐぬぅ~~……! 屈辱だぜ……そのアダ名でおれを呼ぶ奴がまたも現れるなんてよォ~!」 「で、ジョジョ。どう? どう? これ!」 「早速呼ぶんスね…………何がスか?」 「イメチェンよイメチェン! 心機一転。人間に堕ちた新・地子様の可愛い髪型はどう?」 「前向きっスねアンタ……。そうっスねー、おれはどっちって言やあ、ショートよりロングの方が大人びてて好きっスけど」 「……え」 「あ、いや天子……じゃねえ地子さんのことじゃなくってですね、単に髪型の好みって言うか……」 「仗す……じゃなかった。ジョジョは………………年上の方が好み、とか?」 「うん? まあそっすねー」 「……そ、そう。…………そっか、そっかぁ」 「……あ! これも地子さんのことを言ってるんじゃねっスよ! 大体、地子さんってぶっちゃけあんま年上らしくねえ、っつーか……」 「…………は?」 「粗暴だし、我侭だし、子供っぽいし、おれの好みを言うならもっとこう……全体的な凹凸が圧倒的に足りねえ、っつーか。なんか硬いし」 「…………」 「スタイルもそうなんだが、クールさが足りねえよなあ~~地子さんには。髪切ったぐれーじゃあ人間、簡単に変わりゃしねーぜ~」 「………………こ、の」 「……あん?」 「この…………イカレヘチマヘアーがーーーーーーッ!!!!」 ゴ キ ャ ! ☆★ 永江衣玖さんの特別課外解説2 ★☆ [ジャーマン・スープレックス] これまた有名なプロレス技ですね。簡単に言えば、背中から組み付いての投げ技です。 相手の背後から腰に腕を回してクラッチ(手と手を組むこと)し、そのままブリッジをする要領で相手を真後ろへと反り投げる豪快な技です。 えーっと、まあ大層危険な技でして。素人がプロレスごっこで、ましてや屋外マット外で絶対やっちゃダメな奴ですよ。 悪者ならともかく、大切な『お仲間』に仕掛けるような技じゃないです。「ゴキャ」って音出てましたけど、総領娘様……。 【C-2 GDS刑務所 正面玄関/昼】 【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:首ゴキャ(多分そのうち治る)、黄金の精神、精神疲労(小)、右腕外側に削られ痕、腹部に銃弾貫通(処置済み) [装備]:なし [道具]:基本支給品×2、龍魚の羽衣@東方緋想天、ゲーム用ノートパソコン@現実 、不明支給品×2(ジョジョ・東方の物品・確認済み。康一の物含む) [思考・状況] 基本行動方針:仲間と共に殺し合いに反抗し、主催者を完膚なきまでに叩きのめす。 1:このカチカチまな板オンナ……ちっとも変わってねえーーッ!! 2:後は真っ直ぐジョースター邸へ向かう。 3:吉良のヤローのことを会場の皆に伝えて、警戒を促す。 4:承太郎や杜王町の仲間たちとも出来れば早く合流したい。 [備考] ※幻想郷についての知識を得ました。 ※時間のズレ、平行世界、記憶の消失の可能性について気付きました。 ※デイパックの中身もびしょびしょです。 【比那名居天子@東方緋想天】 [状態]:黄金の精神、人間、ショートヘアー、霊力消費(極大)、肉体疲労(大)、濡れている [装備]:木刀、LUCK PLUCKの剣@ジョジョ第1部、聖人の遺体・右腕@ジョジョ第7部(天子の右腕と同化してます)、三百点満点の女としての新たな魅力 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:仲間と共に殺し合いに反抗し、主催者を完膚なきまでに叩きのめす。 1:この華麗なるスタイルがまな板みたいですってェ!? 2:後は真っ直ぐジョースター邸へ向かう。 3:これから出会う人全員に吉良の悪行や正体を言いふらす。 4:殺し合いに乗っている参加者は容赦なく叩きのめす。 5:吉良のことは認めてない。調子こいたら、即ぶちのめす。 6:紫の奴が人殺し? 信じられないわね。 [備考] ※この殺し合いのゲームを『異変』と認識しています。 ※デイパックの中身もびしょびしょです。 ※人間へと戻り、天人としての身体的スペック・強度が失われました。弾幕やスペルカード自体は使用できます。 150:或いは暢気なアームチェア・ディテクティブに捧ぐ 投下順 152:ある者は、泥を見た 150:或いは暢気なアームチェア・ディテクティブに捧ぐ 時系列順 152:ある者は、泥を見た 148:相剋『インペリシャブルソリチュード』 東方仗助 163:船、うつろわざるもの、わたし。 148:相剋『インペリシャブルソリチュード』 比那名居天子 163:船、うつろわざるもの、わたし。 148:相剋『インペリシャブルソリチュード』 八坂神奈子 155:この子に流れる血の色も 148:相剋『インペリシャブルソリチュード』 ヴァニラ・アイス 死亡
https://w.atwiki.jp/thvision/pages/926.html
第六弾カードリスト・詳細版 第六弾カードリスト・詳細版スペルカード灯符『ファイヤフライフェノメノン』 闇符『ダークサイドオブザムーン』 冬符『フラワーウィザラウェイ』 鬼神『鳴動持国天』 鳥符『ヒューマンケージ』 豊符『オヲトシハーベスター』 瘴符『フィルドミアズマ』 舌切雀『大きな葛籠と小さな葛籠』 騒符『ルナサ・ソロライブ』 騒符『リリカ・ソロライブ』 騒符『メルラン・ハッピーライブ』 大合葬『霊車コンチェルトグロッソ』 兎符『開運大紋』 疵痕『壊されたお守り』 譫妄『イントゥデリリウム』 幻惑『花冠視線(クラウンヴィジョン)』 水符『河童のポロロッカ』 式神『橙』 難題『燕の子安貝 -永命線-』 虚人『ウー』 表象『夢枕にご先祖総立ち』 天呪『アポロ13』 光星『光龍の吐息』 要石『天地開闢プレス』 禁弾『カタディオプトリック』 コマンドカード障壁 蟲の知らせ 密命 月の間諜 後天性変異 マナの蕩尽 ボーダーオブライフ 魂の花 逆さ虹 天狗の小槌 美しき慈愛の心 精神の海 パペットリッター 祇園様の剣 白羽の矢 渾天儀 是非曲直庁の威令 ヴォヤージュ1970 召喚魔術 再思の道 悠久の月明 封印 奪われた叡智 満月の爆発 横溢 スペルカード 灯符『ファイヤフライフェノメノン』 《灯符「ファイヤフライフェノメノン」》 No.421 Spell <第六弾> NODE(3)/COST(1) 術者:リグル・ナイトバグ 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 ターン終了時まで、〔全てのキャラクター〕は以下の効果を得る。 「(自動γ): 〔このキャラクター〕はダメージを受けた場合、破棄される。」 ゲンジボタルの雄が群れで飛びながら発光する場合、一斉に光る集団同時明滅を行う。 Illustration:chink コメント リグル・ナイトバグのスペルカード。 場の全てのキャラクターにリグル・ナイトバグと同じような(自動γ)を付与するスペル。 カード単体では何も出来ない為、蛍符『地上の流星』や雹符『ヘイルストーム』、リリーブラック等の複数のキャラクターに低火力のダメージを与えるカードと組み合わせる事で真価を発揮するコンボカードであるが、その点において征服の果てにと非常に性質が似ており、一種の互換カードであると言える。 先のカードとの効果の違いとして、以下のようなものがある。 スペルカードとコマンドカードの違い 決死状態にするのではなく破棄 戦闘ダメージを受けた場合でも破棄される キャラクターに(自動γ)を付与する効果である 特に如実なのがスペルカードであると言う点で、魔法研究によるサーチが可能である事はコンボカードとしての性質が強いこの手のカードとしては非常にありがたい。 他にも、例えば符ノ壱“伊吹 萃香”のような「決死状態にならない」カードに対しても有効であったり、戦闘によっても破棄する事が出来るなど、征服の果てにより比較的安定性が向上している印象を受ける。 また霊符『夢想妙珠』をキャラクターに張り付ければこの効果を無視する事が出来たりなど、先のカードでは出来なかった独自のコンボもある(詳しくは以下)。 逆に、コマンドカードの優位性であった死神『ヒガンルトゥール』のようなカードと組み合わせられたという要素を失っている点に注意が必要。 性能としては一長一短だが、同じ種類のカードを必要とするコンボギミックとしてどちらもデッキに採用し安定性の向上を図るというのが基本となるだろう。 与える自動効果は【 】に囲われた特殊効果ではないため、自動効果を無効にする効果が適用されているキャラクターはダメージを受けても破棄されることはない。 関連 第六弾 リグル・ナイトバグ/1弾 リグル・ナイトバグ/7弾 リグル・ナイトバグ/11弾 リグル・ナイトバグ/15弾 闇符『ダークサイドオブザムーン』 《闇符「ダークサイドオブザムーン」》 No.422 Spell <第六弾> NODE(3)/COST(1) 術者:ルーミア 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 維持コスト(2) (自動α): 〔「種族:妖怪」を持つあなたの場のキャラクター全て〕は「戦闘修正:+2/+0」を得る。この効果は重複しない。 古より災いの先触れとされて来た日食。暗黒面の中で、妖怪の真の力が解き放たれる。 Illustration:たこ焼き コメント ルーミアのスペルカード。 種族:妖怪を持つキャラクターの攻撃力を強化する世界呪符。 維持コストが2と重いため、術者によりコストを踏み倒したいところ。しかし肝心の術者であるルーミア/1弾が強化後も4/1と耐久力に難があり、場持ちしづらいのが問題。よって、戦線維持が可能なルーミア/7弾を採用してみるのもいいだろう。 が、たとえ維持できなくとも3ノード1コストで1ターンは全体強化となるため、怪奇『釣瓶落としの怪』などにより種族:妖怪を大量展開するデッキとは相性がよい。 他にも後天性変異で自分の場のキャラクター全ての種族を妖怪に変更することで、あらゆるキャラクターを強化することが出来る。 また対象なため、古明地 こいし/5弾を強化できる数少ないカードでもある。 ただし効果は重複しないため、このカードを複数枚場に出しても得られる戦闘修正は「+2/±0」である。手札に2枚来ると片方が腐るのでデッキにこのカードを採用する場合、採用枚数はよく考える必要がある。 また、同じく全体強化カードの代表である神術『吸血鬼幻想』とは種族を吸血鬼に変更してしまうので相性が悪い。採用するキャラクターの種族により切り換えていこう。 種族変更効果は後から出たカードが優先される。よって、神術『吸血鬼幻想』の後に後天性変異を出して種族を妖怪にすれば自分の場のキャラクターは吸血鬼から妖怪に上書きされる。こうすれば神術『吸血鬼幻想』と併用しつつ合計で+3/+1の戦闘修正を得ることが出来る。 この手のカード全てに言える事だが、種族が妖怪だけである必要はない。玉兎(妖怪/獣)でも対象として適正である。 関連 第六弾 Advanced Starter ルーミア/1弾 ルーミア/7弾 ルーミア/11弾 ルーミア/14弾 冬符『フラワーウィザラウェイ』 《冬符「フラワーウィザラウェイ」》 No.423 Spell <第六弾> NODE(4)/COST(1) 術者:レティ・ホワイトロック 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔あなたのノード2枚まで〕を手札に戻す。その後、〔相手プレイヤー〕はあなたが手札に戻した枚数と同数の〔自分のノード〕を選んで手札に戻す。 冬が訪れ、多くの花は枯れ果てる。 Illustration:芋川 コメント レティ・ホワイトロックのスペルカード。 自分と相手のノードを最高2枚まで持ち主の手札に戻す。 仙符『鳳凰卵』や大寒波と同じ系列にあるいわゆるノードロックカードに当たる。 相手のノードを削るカードとしては必要ノードが4と高めである事が大きなネックで、自分も2枚戻さなければならないので実質的なコストも高くなりがちだが、それでも一度に2枚のノードを減らせるのは強力。 これらのコンセプトの欠点である「一度ノード加速を許すと挽回が難しい」という点を補い得るカードであり、先の2枚と組み合わせてこそ力を発揮するカードとなるだろう。 また「手札に戻す」という点もポイントであり、自分がセットしたマナの生成を回収すれば損害を軽減する事も可能となる。 ただしそれは相手も同じ事なので、相手がそれまでに使ったカードには一応注意を向けておくと良いだろう。 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ妖 レティ・ホワイトロック/1弾 レティ・ホワイトロック/7弾 レティ・ホワイトロック/11弾 レティ・ホワイトロック/14弾 鬼神『鳴動持国天』 《鬼神「鳴動持国天」》 No.424 Spell <第六弾> GRAZE(2)/NODE(5)/COST(3) 術者:橙 【幻想生物】 維持コスト(3) (自動α): 〔あなた〕は、ライフポイントが0以下になっても敗北しない。 【(自動γ): 〔このキャラクター〕が破棄、または相手プレイヤーの場に移った場合、〔このカードの本来のプレイヤー〕は敗北する。】 攻撃力(5)/耐久力(3) 持国天は帝釈天の配下、賢上城に住む盲目の王である。 東方の守護神であり、国を支える者と伝えられている。 Illustration:仄柑 (テキスト修正@2011/03/13) コメント 橙のスペルカード。 自分の場にある限り、ほぼライフを気にする必要がなくなるカード。ライフが0になっても敗北しない効果は強力ではあるが、このカードが自分の場にいなくなった時点で敗北するため、過信は禁物である。 このカード自体を除去から守るだけでなく、維持コストを払えなくなる事での破棄を防ぐため術者やマナチャージャーも守らなければならない。 夢符『二重結界』や倭符『邪馬台の国』でキャラクターを守りながら使用しなければ、安定することは厳しい。 また、敗北するのは「このカードの本来のプレイヤー」であるため、相手に古明地 さとり/5弾の起動効果や想起『テリブルスーヴニール』、奪われた叡智などでこちらのを鬼神『鳴動持国天』を相手の場に出されたのち、何らかの効果で破棄されたり、こちらの場に押し付けられたりしてもやっぱり敗北してしまう。 ちなみに、符ノ壱“八雲 紫”や迷ひ家などで除外された場合は(自動γ)の効果で敗北することはないが、その時点でライフが0以下だった場合は即座に敗北となる。 これはライフが0以下のときに自動効果を無効にされた場合も同じであるため、ライフが0以下になっている場合は符ノ弐“博麗 霊夢”や真実の光景などのカードにも注意しなければならない。 あくまで「ライフが負である」ことでの敗北を免れるのみ。他の敗北条件を満たしたり、特殊勝利効果を使用されたりすると普通にそのまま敗北する。例えば魂の花の(自動α)や相手の『反魂蝶』の第3効果で敗北する。 関連 第六弾 Tactical Starter 橙/1弾 橙/5弾 橙/10弾 橙/13弾 橙(黒猫/13弾の変身後) 忠節の霊獣チーム 幻想の偉容チーム 鬼神『飛翔毘沙門天』 ※特殊敗北効果を持つカード 魂の花 大将棋 鳥符『ヒューマンケージ』 《鳥符「ヒューマンケージ」》 No.425 Spell <第六弾> NODE(2)/COST(1) 術者:ミスティア・ローレライ 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔「種族:人間」を持つキャラクター1枚〕をあなたの場に移す。 (自動β): 〔あなたの場の「種族:人間」を持つキャラクター全て〕は、あなたの冥界にある 「ヒューマンケージ」1枚につき「戦闘修正:-1/-1」を得る。 人を誘い込む闇夜の鳥籠。 Illustration:芋川 コメント ミスティア・ローレライのスペルカード。 種族:人間に限定した離反工作といえるか。 種族:人間であればこちらの場に移せる上、それが場を離れると効果を失った離反工作と違い奪い返される心配も少ない。種族:人間には採用率の高いキャラクターカードが多数居るので強力なメタカードになるだろう。 が、その手軽さの代償として自分の場の種族:人間全体に対するマイナス修正を与える(自動β)を持つ。 この(自動β)は「場以外にあっても発揮される効果」である。よって冥界にある全ての鳥符『ヒューマンケージ』がこの効果を発生させるため、n枚の鳥符『ヒューマンケージ』がある場合自分の場の種族:人間のキャラクター全ては「-n^2/-n^2」の修正を受けることになる(解説は後述)。 最大3枚が冥界に落ちた場合「-9/-9」修正となるため、一部を除く殆どの種族:人間が決死状態になってしまう。無縁塚等で冥界の鳥符『ヒューマンケージ』を除外してやればデメリットを無くす事は出来るので余裕があれば狙ってみよう。 (自動β)効果が『冥界にある「ヒューマンケージ」1枚につき』と枚数をカウントしているため、因縁の魔障によって無効化が可能。相手側の人間を奪いつつ弱体化を防ぐことが出来る上、起動効果を使っていけばヒューマンケージそのものを除外してしまえる自己完結コンボが成立する。 公式QAより Q120.No.425 鳥符「ヒューマンケージ」が冥界に複数ある場合、1枚ごとに戦闘修正を得るのですか? A120.はい、その通りです。仮にNo.425 鳥符「ヒューマンケージ」が冥界に3枚あった場合、合計で「戦闘修正:-9/-9」を得ます。コメントこうなる理由は以下の通り。 【ケージが1枚の場合。X=1】 [-1/-1] 【ケージが2枚の場合。X=2】 [-2/-2] [-2/-2] → 合計[-4/-4] 【ケージが3枚の場合。X=3】 [-3/-3] [-3/-3] [-3/-3] → 合計[-9/-9] (2chVISIONスレPart3 213改) つまり、冥界にある鳥符『ヒューマンケージ』それぞれが 「ヒューマンケージ」の枚数を参照する為-(X^2)の修正を受ける。 関連 第六弾 Advanced Starter ミスティア・ローレライ/1弾 ミスティア・ローレライ/7弾 ミスティア・ローレライ/11弾 ミスティア・ローレライ/15弾 豊符『オヲトシハーベスター』 《豊符「オヲトシハーベスター」》 No.426 Spell <第六弾> NODE(1)/COST(0) 術者:秋 穣子 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔全てのプレイヤー〕は、〔デッキの上のカードX枚〕をスリープ状態でノードに加える。Xは(そのプレイヤーの)相手プレイヤー1人の場のキャラクターの枚数に等しい。 大年神はスサノオと神大市比売との間に生まれた穀神であり、御年神と共に祝福をもたらすと言われている。 Illustration:たこ焼き コメント 秋 穣子のスペルカード。 要約すると「自分は相手の場の」「相手はこちらの場の」キャラクターの数だけスリープノードが増えるカード。 こちらの場に1枚もキャラクターが居なければ当然相手は何も得られないため、戦況を調整してやれば多大なノードアドバンテージを手に入れることができるだろう。 必要ノード1、プレイコスト0ととても手軽であり、これがプレイできない状況はほとんどない。 このため特に序盤に多数のキャラクターを展開するようなデッキに対して有効で、中でもプリズムリバーデッキのような「相手にグレイズさせず、ノードを増やさせないデッキ」には強力なアンチカードとなる。 解決時にデッキがX枚以上あるならば必ずスリープノードにしなければならない。 なので、幻想の四季などで一時的にキャラクターを増量した上で撃てば、相手に大量のノードを与える代わりに強力なライブラリーアウトの手段として機能するので、狙ってみるのも一興だろう。 Xは効果の解決時にキャラクターの枚数を参照し決定する。 解決時にデッキがX枚未満である場合、スリープノードは1枚も得られない。 必要ノードとコストの関係で術者を据える意味がほとんどない。秋姉妹の明日はどっちだ 関連 第六弾 Advanced Starter 秋 穣子/3弾 秋 穣子/7弾 秋 穣子/11弾 秋 穣子/14弾 豊穣の女神チーム 実符『ウォームカラーハーヴェスト』 瘴符『フィルドミアズマ』 《瘴符「フィルドミアズマ」》 No.427 Spell <第六弾> NODE(3)/COST(1) 術者:黒谷 ヤマメ 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 維持コスト(2) (自動α): 〔相手プレイヤー〕がプレイするキャラクターカード、スペルカードのコストは+1される。 瘴気が漂う中では衰弱し、本来の力を出す事が出来ない。 Illustration:巫女街 コメント 黒谷 ヤマメのスペルカード。 相手プレイヤーの動きを阻害するタイプの世界呪符で、 必要コストを+1することができる。 霧雨 魔理沙/5弾と異なり「重複しない」の記述がないため、 これをn枚並べると相手はプレイコストが+nされることになる。 また、魔理沙とは別の効果であるため、スペルカードに限れば相手のプレイコストを+4まですることが可能である。 ただし、相手の場に術者いる状態でコスト無視によりスペルカードを使用された場合は意味を成さないので注意。 維持コストが2と高いため、術者無しでこれを維持するのは相当難しいだろう。 とはいえキャラクターカードのプレイコストを増やせる効果は大きいため、 専用にデッキを組めば、かなりのコントロール力を発揮できる……かもしれない。 関連 第六弾 黒谷 ヤマメ/5弾 黒谷 ヤマメ/9弾 黒谷 ヤマメ/12弾 舌切雀『大きな葛籠と小さな葛籠』 《舌切雀「大きな葛籠と小さな葛籠」》 No.428 Spell <第六弾> NODE(6)/COST(1) 術者:水橋 パルスィ 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 (自分ターン)(1)(S): 〔あなた〕は〔デッキの上のカード1枚〕を公開し、手札に加える。 その後、〔あなた〕はデッキの上のカードの必要ノードとコストの合計値が直前に公開したカード以上か未満かを選択し、〔デッキの上のカード1枚〕を公開する(この行動は〔あなた〕が(1)支払う度に、選択を間違えるまで何度でも行う事が出来る)。選択が正しければ〔そのカード〕を手札に加える。間違っていた場合、〔このカード〕を相手プレイヤーの場にアクティブ状態でセットする。このカードは以後、以下の効果を持つキャラクター「魑魅魍魎(GRAZE0、10/10、種族:妖怪)」として扱う。 「(自動α): 〔このキャラクター〕は相手プレイヤーのカードの効果の対象にならない。」 葛籠の中からは蛇やマムシがゾロゾロ這い出し、お婆さんに噛みつき毒針を刺して殺してしまいました。~舌切り雀。 Illustration:宮野えりな テキスト修正@2011/02/09 コメント 水橋 パルスィのスペルカード。 非常に大きなリスクを伴う強力な起動効果をもつ世界呪符。 1コスト支払う度に手札を1枚ずつ補充することができるが、宣言を間違えると相手の場に強力なキャラクターが出てくることになる。 「魑魅魍魎」は実質的に戦闘以外での破棄・除外がほぼできない(※)ため、ひとたび出してしまったら最後、グレイズすらさせてもらえずに殴り負ける可能性が高い。 デッキの構成時にノード・コストの合計値をある程度操作したり、宏観前兆を使うことで確実に手札を増やすなどの対策が必要になる。 エニグマティクドールを併用する場合、あえて間違えることも悪くはない選択。しかしリスクの面ではとてもお勧めできない。 (※)相手プレイヤーの場に出る魑魅魍魎は、こちらのカード効果の対象にならないため、こちらのスペル・コマンド・キャラクター効果を一切受け付けない。そのため、戦闘で倒すか相手が自壊させてくれるか以外に除去する手段がなかった。 ただし第七弾で収録された闇符『ディマーケイション』は、選ぶキャラクターが対象ではないため、相手の場に他のキャラクターがいなければ魑魅魍魎を決死状態にさせることが出来る。 コストがあり、宣言を間違えなければ何枚でも手札を肥やせる。 魚符『龍魚ドリル』と合わせればかなりの威力の貫通ダメージを飛ばすことができるが、障壁で簡単に防がれるため、ダメージ通せないと絶望。 その場合もディスカードフェイズで手札を破棄した後大災厄を打てば何とかなるかもしれないが非現実的。 当初はノーコストで宣言を行うことが出来、さらに正解するたびにライフが3点回復するおまけがついていたが、共に09/09/01施行のエラッタで削除された。 それ自体が場に出ないカードであるため「神秘の人形」と区別出来るエニグマティクドールなどと違い、舌切雀「大きな葛籠と小さな葛籠」は場に単独で存在することが出来るカードであるため、舌切雀「大きな葛籠と小さな葛籠」なのか魑魅魍魎なのかを区別出来るようにする必要がある。 関連 第六弾 水橋 パルスィ/5弾 水橋 パルスィ/9弾 水橋 パルスィ/12弾 騒符『ルナサ・ソロライブ』 《騒符「ルナサ・ソロライブ」》 No.429 Spell <第六弾> NODE(2)/COST(0) 術者:ルナサ・プリズムリバー 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなたの冥界にある「ルナサ・プリズムリバー」1枚〕をあなたの場にアクティブ状態で出す。その後、〔必要ノードが1以下の全ての相手キャラクター〕をスリープ状態にする。 彼女の演奏は精神に影響を与える為、子供に聞かせるのは止めた方が良い。 Illustration:雨宮のの コメント ルナサ・プリズムリバーのスペルカード。 いわば強烈な付加効果が付いたルナサ専用のリアニメイトカード。 アタッカーとして有用なルナサ・プリズムリバー/1弾を冥界からアクティブで出せる上に、人形などノード1以下のブロッカーをすべてスリープにさせるので、こちらの展開状況次第ではそれで勝負が決まってしまう事もある。 同じソロライブ系のスペルの中でも特に強烈な付加効果であり、ノード、コスト共に文句の付け所も無い優秀なカードである。 冥界にルナサがいなければ効果を発揮出来ない性質上、相手に警戒されやすいのがネックと言えなくも無いが、逆に言えばこのカードの存在によりルナサに対する除去や防御に大きなプレッシャーを与えられるという事でもある。 もちろん勝負を決めにいく為には、場合によっては攻撃後に自ら人界剣『悟入幻想』で冥界に落としてリアニメイト、というのも選択肢として考える必要があるだろう。ノードにセットして自ら破棄も有効だが、速攻寄りで1体でも多く場に並べたいプリズムリバーデッキでは多少悠長な面が否めないか。 同じく冥界のプリズムリバーを目標にしたレイラ・プリズムリバー/3弾とは択一になりやすいが、香霖堂のような同じサポートが通用するという意味では相性が良い。 〔あなたの冥界にある「ルナサ・プリズムリバー」1枚〕は目標ではなく対象である。つまり、「Aする。その後Bする。」のA、Bどちらも対象を指定するタイプのカードである。プレイ時に冥界に「ルナサ・プリズムリバー」がいなくてもプレイは可能。 解決時に、冥界に複数の「ルナサ・プリズムリバー」がある場合、いずれか1枚を指定し場に出すことが可能。 解決時に、冥界に「ルナサ・プリズムリバー」が1枚も存在しない場合解決に失敗する。なお、後者の対象については「全て」の記述であるため、0枚でも対象不適切にはならない。 公式Q Aより Q271.「全て」が対象の効果で対象が0の場合、その効果は対象不適切として扱いますか? A271.いいえ、「全て」という対象は特に最低枚数が指定されていない場合、0でも適切な対象として扱います。例えば「No.064 マスタースパーク」は場にキャラクターが1枚も居ない場合でも対象として適切のため、効果を解決します。コメント 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ妖 ルナサ・プリズムリバー/1弾 ルナサ・プリズムリバー/3弾 ルナサ・プリズムリバー/11弾 ルナサ・プリズムリバー/14弾 騒霊三姉妹チーム 騒符『リリカ・ソロライブ』 《騒符「リリカ・ソロライブ」》 No.430 Spell <第六弾> NODE(3)/COST(1) 術者:リリカ・プリズムリバー 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔あなたの冥界にある「リリカ・プリズムリバー」1枚〕をあなたの場にアクティブ状態で出す。その後、〔あなた〕は1ドローし、あなたのデッキの上のカード1枚をスリープ状態でノードに加える。 リリカが単独で行動している時は、悪巧みをしているか姉と喧嘩をしたかのどちらかであろう。 Illustration:雨宮のの コメント リリカ・プリズムリバーのスペルカード。 付加効果の付いたリリカ専用のリアニメイトカード。 「リリカ・プリズムリバー」を冥界からアクティブ状態で場に出す。さらに付加効果として1ドローにデッキの上のカードがスリープノードとしてセットされるので、実質的に手札消費とコストがそのまま帰って来る。 非常に安定した効果のリアニメイトカードと言えるが、他の姉妹のソロライブ系のスペルと違いリアニメイト以外では場に影響を及ぼさない。リリカ自体がアタッカーとしての性能がお世辞にも高いとは言えないのもあって、「ただ戻せるだけ」に終わってしまう事も多かった。 しかしリリカ・プリズムリバー/11弾の登場によって状況が変化。マイナス修正の除去を用意しつつノード加速まで出来るスペルに生まれ変わった。実質的には除去カードをノーコストで使用しつつ1ドローできるので、不意打ちのようなカード消費なしの除去を耐久力3までのキャラクター相手に行えることになる。 現在では文句なく、ソロライブ系のスペルカード中で最も優秀であると言えるだろう。八雲 藍/1弾のように後から出たカードによって評価が爆発的に上がるカードは数多くあるが、中でもこのカードの躍進ぶりは凄まじいものがある。 2012年11月23日のエラッタで冥界の「リリカ・プリズムリバー」を目標として指定するとともに、ノードへセットするのがこのカードではなくデッキの上のカードに変わった。紅葉狩りなどでノードにあるこのカードを回収し、何度も使うことを防ぐためだろう。 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ妖 スターターデッキ神 リリカ・プリズムリバー/1弾 リリカ・プリズムリバー/3弾 リリカ・プリズムリバー/11弾 リリカ・プリズムリバー/14弾 騒霊三姉妹チーム 騒符『メルラン・ハッピーライブ』 《騒符「メルラン・ハッピーライブ」》 No.431 Spell <第六弾> NODE(3)/COST(1) 術者:メルラン・プリズムリバー 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 〔あなたの冥界にある「メルラン・プリズムリバー」1枚〕をあなたの場にアクティブ状態で出す。その後、ターン終了時まで〔あなたの場のキャラクター全て〕は「戦闘修正:+1/±0」を得る。 彼女の音の影響を受けすぎると、突然踊りだしたりまともに会話が出来なくなったりする。 Illustration:雨宮のの コメント メルラン・プリズムリバーのスペルカード。 付加効果の付いたメルラン専用のリアニメイトカード。 全体強化の付加効果により、戻したメルランはもちろん全体の打点を上げる事が出来る為、それだけでも非常にコストパフォーマンスに優れるカードである。 またメルラン・プリズムリバー/1弾自体の性質により、アクティブで場に出る為普通にプレイするより高い奇襲性を得られ、その耐久力の低さゆえに「相打ち覚悟で特攻」という機会も非常に多いなど、ソロライブ系のスペルの中でも最も有効活用しやすいのもポイント。 騒符『ルナサ・ソロライブ』と比べて効果の影響力が低い分汎用性が高いという利点もあるので、同系統スペルの中でも使い勝手の良さではトップクラスのサポートカードと言えるだろう。 〔あなたの冥界にある「メルラン・プリズムリバー」1枚〕は目標ではなく対象である。つまり、「Aする。その後Bする。」のA、Bどちらも対象を指定するタイプのカードである。プレイ時に冥界に「メルラン・プリズムリバー」がいなくてもプレイは可能。 解決時に、冥界に複数の「メルラン・プリズムリバー」がある場合、いずれか1枚を指定し場に出すことが可能。 解決時に、冥界に「メルラン・プリズムリバー」が1枚も存在しない場合解決に失敗する。なお、後者の対象については「全て」の記述であるため、0枚でも対象不適切にはならない。 公式Q Aより Q271.「全て」が対象の効果で対象が0の場合、その効果は対象不適切として扱いますか? A271.いいえ、「全て」という対象は特に最低枚数が指定されていない場合、0でも適切な対象として扱います。例えば「No.064 マスタースパーク」は場にキャラクターが1枚も居ない場合でも対象として適切のため、効果を解決します。コメント 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ妖 メルラン・プリズムリバー/1弾 メルラン・プリズムリバー/3弾 メルラン・プリズムリバー/11弾 メルラン・プリズムリバー/14弾 騒霊三姉妹チーム 大合葬『霊車コンチェルトグロッソ』 《大合葬「霊車コンチェルトグロッソ」》 No.432 Spell <第六弾> NODE(0)/COST(0) 術者:プリズムリバー 効果範囲:複数の効果を持つカード 発動期間:その他 以下の効果から解決できるものを、上から順に全て解決する。 1.あなたの場に「ルナサ・プリズムリバー」がいる場合、目標の〔キャラクター1枚〕をスリープ状態にする。 2.あなたの場に「リリカ・プリズムリバー」がいる場合、〔あなた〕は1ドローする。 3.あなたの場に「メルラン・プリズムリバー」がいる場合、ターン終了時まで〔あなたの場のキャラクター全て〕は「貫通」を得る。 プリズムリバー楽団は、妖怪のパーティなどに呼ばれてはライブを行う。謂わば幽霊楽団である。 Illustration:雨宮のの コメント プリズムリバー三姉妹のサポートスペルカード。 自分の場のキャラクターによって効果が増えるカード。 ノード・コストともに0であるため術者なしでノーコストでプレイできるが、解決時に術者でもある「ルナサ・プリズムリバー」「リリカ・プリズムリバー」「メルラン・プリズムリバー」が最低でも1人は場に居ないと発生する効果も0なのであまり意味は無い。 しかし「解決可能であるものを順番に全て~」であるため、1~3のうちのいずれかが解決できなかったとしても他の全ての効果まで解決できなくなることはない。 1つ目の効果は「ルナサ・プリズムリバー」が存在する場合、キャラクター1枚をスリープ状態にするというもの。 そこそこ優秀ではあるが、相手をスリープ状態にするカードならば他にいくらでもある。わざわざこの効果の為だけにこのカードを入れる意義は薄い。あくまでもオマケと考えていた方が良いだろう。 2つ目の効果は「リリカ・プリズムリバー」が存在する場合、カードを1枚ドローするというもの。 所謂キャントリップ効果を得る。このカードにはコストが掛からないので、他の効果を使う場合ならカード消費無しで効果を使用する事が出来る。こちらも上記同様、この効果の為だけに投入する意義は薄い。 3つ目の効果は「メルラン・プリズムリバー」が存在する場合、自分の場のキャラクター全ては貫通を得るというもの。 このカードを採用する場合この効果を目当てに使う事になるだろう。展開力に優れるプリズムリバーデッキにおいて、全員が貫通を得るのは大きい。厄介なキャラクターは第1効果でスリープ状態にしたり出来るほか、第2効果も発動出来れば手札消費0で貫通を付与出来る。 騒霊三姉妹チームが居れば、1枚で全ての効果を適用する事が出来る。 場に~がいるとは次のように定義された用語である。 ●場にいる(いない) 「キャラクターとして場にいる(いない)」事を指す。 このため起動効果で呪符化したメルラン・プリズムリバー/1弾、リリカ・プリズムリバー/1弾や後天性変異に表向きにセットされているキャラクターカードといった「キャラクターではない」ものを参照することは出来ない。 逆に、キャラクターであるならばメルラン・プリズムリバー/3弾、リリカ・プリズムリバー/3弾、ルナサ・プリズムリバー/3弾などの、種族:幽霊でないものでもかまわない。 関連 第六弾 Advanced Starter ルナサ・プリズムリバー/1弾 ルナサ・プリズムリバー/3弾 ルナサ・プリズムリバー/11弾 ルナサ・プリズムリバー/14弾 リリカ・プリズムリバー/1弾 リリカ・プリズムリバー/3弾 リリカ・プリズムリバー/11弾 リリカ・プリズムリバー/14弾 メルラン・プリズムリバー/1弾 メルラン・プリズムリバー/3弾 メルラン・プリズムリバー/11弾 メルラン・プリズムリバー/14弾 レイラ・プリズムリバー/3弾 レイラ・プリズムリバー/11弾 プリズムリバー伯/3弾 プリズムリバー伯/11弾 騒霊三姉妹チーム 兎符『開運大紋』 《兎符「開運大紋」》 No.433 Spell <第六弾> NODE(6)/COST(3) 術者:因幡 てゐ 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:呪符 【呪符】 (常時)(S): 〔あなた〕は1ドローする。 彼女は別名幸運の素兎とも言われ、姿を見た者には幸せが訪れると言われている。 Illustration:宮野えりな コメント 因幡 てゐのスペルカード。 毎ターン1枚ドローを増やすことができるため、初めのプレイコストは高いもののそれに見合った効果はある。 ただ、それだけ相手に対しての除去の目標にもなりやすいため注意が必要。 このカード最大の利点はスリープ以外は特にコストを必要としない点。タイミングも(常時)なのでいざとなれば相手ターンで起動することも出来る。 代表的なのは木符『シルフィホルン』とのコンボだろう。木符『シルフィホルン』にこのカードをセットすることで毎ターン2枚ドローすることが出来る。彩符『彩光乱舞』や警戒持ちとの組み合わせも強力。 関連 第六弾 因幡 てゐ/1弾 因幡 てゐ/7弾 因幡 てゐ/10弾 因幡 てゐ/13弾 疵痕『壊されたお守り』 《疵痕「壊されたお守り」》 No.434 Spell <第六弾> NODE(4)/COST(1) 術者:鍵山 雛 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:装備 【装備】 (自動α): 〔このキャラクター〕がスペルカード、コマンドカード、及び自動効果の目標となった場合、その効果を無効とし、破棄する。その後、〔あなたのデッキの上のカード1枚〕をこのキャラクターにセットする。以後、そのカードは以下の効果を持つ呪符カード「厄」として扱う。 「(自動α): 「厄」が3枚以上セットされているキャラクターは破棄される。」 昔、ある仏師が胸を矢で射抜かれたが無事だった。 代わりに彼が作った観音像の胸からは血が流れていたという。 Illustration:日向あずり コメント 鍵山 雛のスペルカード。 スペル、コマンドに加え自動効果の目標になっただけでそれを無効化できるため、死符『ギャストリドリーム』や離反工作に加え、符ノ壱“八雲 紫”などから守れ、場持ちさせたい場合とても便利である。 しかし、このカードの持つ多くの欠点は軽視出来ない。 まず、自分の使ったカードであっても効果が無効にされること。他のカードによるアシストがしづらくなるため、運用が難しくなる。 次に、装備であること。アタッカーにセットする場合、他の攻撃的な装備を諦めることになるため、打点自体は下がってしまう。 さらに、目標になったならば必ず無効化した上破棄しなくてはならないこと。どれだけ弱い効果であろうと、目標になっただけで厄がセットされる。 そしてなにより、(自動α)の存在である。厄が3枚以上セットされていれば破棄されてしまうため、弱い効果の積み重ねでも致命傷になりうるのである。 とはいえ、自動効果を無効化した場合、その発生源がキャラクターだろうが世界呪符だろうが破棄出来るため、「プレイされて場に出た場合、~を目標とし」という(自動β)を持つキャラクターへのアンチカードとして役立てることは不可能ではないだろう。 鍵山 雛/3弾につけた場合あらゆる効果を防ぐことができるが、目標をとらない効果、及び風見 幽香/5弾や因幡 てゐ/1弾あるいは河童『のびーるアーム』を装備したキャラクターなどの起動効果は普通に通ってしまうので注意が必要である。 厄は裏向きカードであるため、ボーダーオブライフで回収したり破滅の呼び声をプレイすることで再利用することもできる。 ルナサ・プリズムリバー/1弾は同名の呪符カードを1枚までしかセットできないため、このカードと高いシナジーを持つ。また符ノ弐“パチュリー・ノーレッジ”や伊吹 萃香/9弾は「厄」を自力で処理できるので、比較的相性がいい。 場のカードから発生している自動効果の目標になって無効化した場合、その自動効果を発生させていたカードは破棄される。例えばなんらかのキャラクターにセットされている陰陽玉の(自動γ)の目標になったならばそれを無効化し、発生源である「陰陽玉をセットしているキャラクター」を破棄する。 西行寺 幽々子/5弾の(自動β)の目標になったならばそれを無効化し、西行寺 幽々子/5弾を破棄する。このため、(自動β)の適正な目標が疵痕「壊されたお守り」をセットしたキャラクターだけである場合、西行寺 幽々子/5弾は場に出ると同時に「厄」を1枚増やして破棄されてしまう。 1つ目の(自動α)は、デッキが1枚もない場合「〔あなたのデッキの上のカード1枚〕」が対象不適切であるため、その後~以降を実行しないことになる。このため前半の「効果を無効とし、破棄する」だけを解決する。 公式Q Aより Q123.「効果を無効とし、破棄する」という効果で、場のキャラクターから発生した効果を無効とした場合、そのキャラクターは破棄されますか? A123.はい、破棄されます。キャラクターや世界呪符等であっても、その効果によって無効にされた場合は破棄されます。コメント Q224.「デッキの上のカードを場にセットする」という効果は、裏向きのまま場にセットするのですか? A224.はい、特に指示のない場合は裏向きのままセットします。コメントこのカードには玉兎/5弾のように「裏向きにし」という記述がないが、そもそもデッキのカードは裏向きであるため、特に指定がなくとも裏向きのままセットする。 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ風 鍵山 雛/3弾 鍵山 雛/7弾 鍵山 雛/11弾 鍵山 雛/14弾 譫妄『イントゥデリリウム』 《譫妄「イントゥデリリウム」》 No.435 Spell <第六弾> NODE(3)/COST(0) 術者:メディスン・メランコリー 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔全ての場の「人形」を持たないキャラクターのうち、最も攻撃力が低いキャラクター1枚〕を決死状態にする。 彼女から発せられる毒には神経を錯乱させるものもあり、元来精神の弱いものは深刻な事態に陥る。 Illustration:巫女街 コメント メディスン・メランコリーのスペルカード。頭の二文字の読みは「せんもう」。 キャラクターの攻撃力に依存する単体除去カード。コスト0であるため撃ちやすさは抜群だが、その代わりに除去できるキャラクターに制限がある。 軽量のマナチャージ持ちキャラクターやブロッカーは攻撃力が低いことが多く、それらの相手には良く刺さる。また、場全体に人形以外のキャラクターが1枚しかないときはそのキャラクターを決死状態にできる。 恐怖と合わせて使うと人形以外のすべてのキャラクターを破棄できたりする。他にも時効『月のいはかさの呪い』や、戦闘修正を受けているキャラクターなら運命のダークサイドが有効になる場面もある。 解決時、自分の場のキャラクターの攻撃力が最も低い場合はそちらを破棄しなくてはならない。一般的なカウンターカードの他にコマンド装備等にも注意が必要。 なお、該当のキャラクターが複数の場合は、プレイヤーが破棄するキャラクターを選択することができる。 関連 第六弾 Advanced Starter メディスン・メランコリー/1弾 メディスン・メランコリー/7弾 メディスン・メランコリー/11弾 メディスン・メランコリー/14弾 人形 幻惑『花冠視線(クラウンヴィジョン)』 《幻惑「花冠視線(クラウンヴィジョン)」》 No.436 Spell <第六弾> NODE(2)/COST(2) 術者:鈴仙・優曇華院・イナバ 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 この干渉終了後、目標の〔キャラクター1枚〕は直ちに〔そのキャラクターのプレイヤー〕に攻撃を行う。 攻撃を受けたプレイヤーは、通常通り防御、及びその他の干渉を行う事が出来る。 催眠術で他者を意のままに操る。 Illustration:gisyo コメント 鈴仙・優曇華院・イナバのスペルカード。 要するに同志討ちを誘発させる効果である。 アクティブ・スリープの表示形式を問わず、その表示形式が変更されることもない。干渉で防御を行うキャラクターは通常通りスリープにしなくてはならないので混同しないよう注意。 相手の場に大型キャラクターがいる時や、先制を持つキャラクターがいる時に使ってやると面白いことになる。 人形を持つキャラクターは、人形の(自動α)のため攻撃を行わせることはできない。 一応自分の場のキャラクターも目標に取ることができる。 貫通などの「相手○○に戦闘ダメージを与えた場合」という効果の処理には注意が必要。効果について「相手プレイヤー」や「相手キャラクター」とはその発生源から見て判断するため、対戦相手のキャラクターにこのカードをプレイし解決した場合攻撃している先は(あなたから見れば「相手プレイヤー」であるが、そのキャラクターの効果上の扱いは)「あなた」となる。例えば相手プレイヤー(=a)の場の、禁忌『レーヴァテイン』がセットされているキャラクター(=A)を目標にあなた(=b)が幻惑「花冠視線(クラウンヴィジョン)」を解決した場合を考える。Aがaに戦闘ダメージを与えても、レーヴァテインの(自動γ)によるデッキ破棄は発生しない。何故ならばAがダメージを与えたaはAからみれば「あなた」であり「相手プレイヤー(=b)」ではないからである。 戦術のうち、貫通と隠密の場合、攻撃させられたキャラクターを防御するのは、攻撃キャラクターと同じ場のキャラクターであるため「相手キャラクター」ではない。したがって「相手キャラクターに~」で発生する効果である貫通や隠密は発生しない。先制についてはこのような縛りはない。 公式Q Aより Q125.スリープ状態のキャラクターに「攻撃する」「攻撃を行う」という効果を解決した場合、スリープ状態でも攻撃が出来ますか? A125.はい、出来ます。コメント目標としたキャラクターがスリープ状態だったり、干渉でスリープ状態になるなどしても、攻撃を行わせることは可能である。 Q131.「No.436 花冠視線(クラウンヴィジョン) 」でアクティブ状態のキャラクターを目標にして解決した場合、そのキャラクターの攻撃をそのキャラクター自身で防御することは出来ますか? A131.いいえ、出来ません。攻撃を行うキャラクターと防御を行うキャラクターは別である必要があります。(後ほどリファレンスの改訂を検討します)コメント Q132.「(対象のキャラクターは)攻撃する」という効果で、「人形」を持つキャラクターは攻撃を行うことは出来ますか? A132.いいえ、出来ません。「人形」の攻撃を行うことが出来ないという効果が優先されます。コメント「出来ない」という効果が優先されるため。 秘術『グレイソーマタージ』などの「〔このキャラクター〕は攻撃を行うことが出来ない」という効果が適用されているキャラクターについても同様。 関連 第六弾 Advanced Starter 鈴仙・優曇華院・イナバ/1弾 鈴仙・優曇華院・イナバ/5弾 鈴仙・優曇華院・イナバ/10弾 鈴仙・優曇華院・イナバ/13弾 神秘の薬師チーム 水符『河童のポロロッカ』 《水符「河童のポロロッカ」》 No.437 Spell <第六弾> NODE(5)/COST(5) 術者:河城 にとり 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 【自分ターン1枚制限】 〔全てのプレイヤー〕は手札が上限枚数になるまでドローする。その後、全てのプレイヤーは〔自分の冥界の上のカードX枚〕を、任意の順番でデッキの下に戻す。Xはそれぞれのプレイヤーがドローしたカードの枚数に等しい。 ポロロッカとはアマゾン川を逆流することを指す。 川口に入る潮波が垂直壁となって河を逆流する現象である。 Illustration:巫女街 コメント 河城 にとりのスペルカード。 全てのプレイヤーの手札を上限枚数になるまでドローさせる。 この効果で手札に加えた枚数よりも冥界のカードの枚数が少ない場合は、「その後」の効果は解決に失敗する。 手札補充カードとしては確実性が高く優秀な部類に入る。 欠点はコストが5である点と相手プレイヤーも対象になること。 ただ、コストについては術者を据えてのプレイでカバーが可能である。相手プレイヤーもドローすることについては、大将棋や術者である河城 にとり/3弾と併用するならば一概に欠点であるとも言い切れないし、ドローさせたくないのであればルイズ/7弾を出しておくことで対処できる。 山札が増えてしまう効果が付いているが、ドローが出来ない時点で負けが確定するためデッキアウトの最後の一押しに使えなくもない。 効果を解決する時点で手札が上限枚数以上であるプレイヤーは、何も行わない。 関連 第六弾 Advanced Starter 河城 にとり/3弾 河城 にとり/7弾 河城 にとり/11弾 河城 にとり/14弾 友邦の科学チーム 式神『橙』 《式神「橙」》 No.438 Spell <第六弾> NODE(4)/COST(2) 術者:八雲 藍 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなたのデッキ〕をすべて見て、「橙」1枚を抜き出し、あなたの場にアクティブ状態で出しても良い。その後、デッキをシャッフルする。 八雲藍の式神で二本の尾を持つ猫又、橙を呼び出す。 Illustration:宮野えりな コメント 八雲 藍のスペルカード。 式神『八雲 藍』とほぼ同じ動きをするカードであるが、 呼び出せるカードは藍ではなく橙である。 橙/5弾の持つ名称「八雲」とのシナジーを生かす為 基本的には場に八雲 藍が居る状態でこのスペルを打ちたい所。 アクティブ状態で場に出るので名称「八雲」を中心としたデッキであれば使い勝手は悪くない。 式神『八雲 藍』と同じく、デッキに存在する橙しか対象に取れない点は注意。 ただし八雲 藍/1弾ほどノードコスト共に重くはないので 仮に橙/5弾が直接手札に来ても場に出せない事もない。 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ妖 八雲 藍/1弾 八雲 藍/5弾 八雲 藍/10弾 八雲 藍/13弾 暗黒の奸智チーム 忠節の霊獣チーム 幻想の偉容チーム 式神『憑依荼吉尼天』 鬼神『飛翔毘沙門天』 ※名称に「橙」を含むカード 橙/1弾 橙/5弾 橙/10弾 橙/13弾 難題『燕の子安貝 -永命線-』 《難題「燕の子安貝 -永命線-」》 No.439 Spell <第六弾> NODE(5)/COST(3) 術者:蓬莱山 輝夜 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:装備 【装備】 神器 (自動γ): 〔このキャラクター〕が攻撃を行った場合、〔あなた〕は冥界の上のカード2枚をスリープ状態でノードに加えても良い。 (自動α): あなたのノードが相手プレイヤーのノードより3枚以上多くなければ、以下の効果を使用することは出来ない。 (常時)(1): この干渉終了時まで、目標の〔キャラクター1枚〕の決死状態を1度だけ無効にする。 攻撃力(+2)/耐久力(+4) 財産と子孫の繁栄をもたらす霊鳥、燕が子を産むときに出来ると言われる宝貝。 (SP-43:燕が子を生む時に出来る珍宝。繁栄、生誕、富などの象徴とされ、装身具やお守りとして身に着けられる。) Illustration:羽瀬ななせ(SP-43:仄柑) コメント 蓬莱山 輝夜のスペルカード。 冥界を利用してノードを増やす自動効果と、干渉終了まで決死状態を無効にする起動効果を持つ。 起動効果は(自動α)により使用制限が課されているものの、(自動γ)によりノードを増やせるため、単体でシナジーを形成している。 近接戦闘や霊符『夢想妙珠』などで自動効果を無効にした場合、起動効果の使用に関する制限は消滅する。 一度の干渉では発生源が同じである効果を複数回使用することは出来ない点に注意。 効果を解決するまで決死状態を無効にできるようにはならないため、(常時)を使用した後にプレイされたカード(=(常時)より先に解決されるカード)で決死状態にされたのであれば、無効化できない。 (常時)は待機中の効果であるため、その解決後、このカードが場を離れたとしても無効になることは無い。 このカードでノードを2枚増やしたとしてもグレイズによって相手とノードの差が開かないこともありうるので注意が必要。 関連 第六弾 Advanced Starter(SP-43) スペシャルカード 蓬莱山 輝夜/1弾 蓬莱山 輝夜/5弾 蓬莱山 輝夜/10弾 蓬莱山 輝夜/13弾 永遠の月人チーム 不滅の敵愾チーム 五つの難題 『永夜返し -世明け-』 神器 虚人『ウー』 《虚人「ウー」》 No.440 Spell <第六弾> GRAZE(2)/NODE(4)/COST(2) 術者:藤原 妹紅 【幻想生物】 (自動α): 〔このキャラクター〕は、ダメージを受けない。 (自動γ): 〔このキャラクター〕は戦闘修正を得ることが出来ない。 攻撃力(3)/耐久力(3) 不死身の生命体、無。 Illustration:えう コメント 藤原 妹紅のスペルカード。 戦闘ダメージ、効果ダメージを受けることがない幻想生物。 その性質上ブロッカーとして働くか。 戦闘においては負けることが無いため、壁としては最適といえるだろう。 ただしあくまでダメージを受けないだけであり、死符『ギャストリドリーム』や符ノ壱“八雲 紫”などによる除去はもちろん、秘術『グレイソーマタージ』などでも無効化されてしまう。 また、物量により場を制圧してくるデッキとも相性が悪い。 関連 第六弾 藤原 妹紅/1弾 藤原 妹紅/7弾 藤原 妹紅/10弾 藤原 妹紅/13弾 不滅の敵愾チーム 表象『夢枕にご先祖総立ち』 《表象「夢枕にご先祖総立ち」》 No.441 Spell <第六弾> NODE(5)/COST(2) 術者:古明地 こいし 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 〔あなた〕は種族を1つ宣言する。ターン終了時まで、〔あなたの場の、あなたが宣言した種族を持つキャラクター全て〕は、「戦闘修正:+X/+X」を得る。Xはあなたの冥界にある、あなたが宣言した種族を持つキャラクターカードの枚数に等しい。 心理学者であるユングは無意識の真相領域に、個人を越えた集団や民族、人類の心の作用力動があると考えた。 Illustration:えう コメント 古明地 こいしのスペルカード。 冥界を参照し、自分の場の指定種族に全体修正を加える。 その性質上、種族統一デッキと相性がよい。 特に闇符『ダークサイドオブザムーン』の影響も受ける種族:妖怪などは、大幅修正を得ることも可能。術者である古明地 こいし/5弾を強化できる数少ないカードである。 またカードの種類も多い種族:人間や種族:幽霊、種族:獣、種族:なしなども構築により大幅修正を得ることが可能だろう。 特に種族:なしの多くは人形を併せ持っているため、人形解放戦線と併用することで攻撃を終えたキャラクターを破棄し冥界に置くことで、Xを増やし後続の人形の戦闘修正を大きくすることが可能である。 もっとも、裏向きのパペットリッターや蓬莱人形についてはその限りではないが。 ただし、種族を統一すればするほど疾風『風神少女』による一掃の危険も孕んでしまうので警戒が必要となる。 無縁塚、古の記憶は天敵。 秘密結社や禁弾『カタディオプトリック』などの対策は必須となるだろう。 種族の指定はプレイ時の「目標を指定するタイミング」。どの種族を指定するか聞いてから無縁塚などをプレイするタイミングが存在するため、相手の手札によっては何も効果が得られないという可能性もある。 コストの支払いでノードから破棄されたキャラクターカードも、種族が一致するならば参照可能である。 Xは「解決時の~」という指定がないため、解決後も変動する。通常、大幅な戦闘修正を受けてしまうと戦闘によって決死状態になることはなくなるが、ミスティア・ローレライ/1弾のように自壊できるキャラクターを使用すれば、Xを上昇させることが出来る。 公式Q Aより Q008.「種族:なし」のキャラクターが「隠密」を所持して攻撃する場合、「種族:なし」のキャラクターで防御を行い、「隠密」の効果を無効にすることは出来ますか? A008.はい、出来ます。種族を参照する場合、種族を持たないキャラクターは便宜的に「種族:なし」という種族であるとして扱います。 Q025.「種族」を宣言する効果で、「種族:なし」を宣言することは出来ますか? A025.はい、出来ます。コメントQA008とQA025から、種族:なしを宣言し戦闘修正を与えることは適正であると考えられる。何故ならば「種族:なしの宣言」は可能であるし、「“種族:なしのキャラクター”は便宜上“種族:なしを持つキャラクター”として扱う」ため。(……QAは「キャラクターカード」については言及していない、と言ってしまうとそこまでだが。) Q049.名称や種族などを宣言する必要がある効果の場合、その宣言はいつ行いますか? A049.目標の指定を行うタイミングで行います。(後ほどルールに追記します)コメント相手はどの種族を参照するかを知っている状態で対応することが出来る。無縁塚や古の記憶など冥界のカードを除外するコマンドカードでの対応が容易であるため注意が必要。 関連 第六弾 Advanced Starter 古明地 こいし/5弾 古明地 こいし/9弾 古明地 こいし/12弾 悪夢の記憶チーム 既に発生している効果 天呪『アポロ13』 《天呪「アポロ13」》 No.442 Spell <第六弾> NODE(2)/COST(1) 術者:八意 永琳 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 (自動α): 〔相手プレイヤー〕は、冥界のカードを手札に加えた場合、(4)支払う。支払うことが出来ない場合、相手プレイヤーは〔自分の場のカード2枚〕を破棄する。 (常時)(1)(S): ターン終了時まで、〔相手プレイヤー〕は冥界にあるキャラクターカードを場に出す事が出来ない。 1970年4月13日、ケネディ宇宙センターから発射されたサターンV型ロケットの機械船の酸素タンクが爆発した。 Illustration:Capura.L コメント 八意 永琳のスペルカード。 相手の冥界利用を妨害する世界呪符。 1つ目の効果はカード回収の際に4コスト支払わない限り、場のカードを破棄させる自動効果。 相手はカード1枚の回収に4コスト余計に支払うか場のカード2枚を犠牲にすることを迫られることとなり、そうした効果を使い辛くなるだろう。 しかし、冥界からのカード回収を相手が重視していない場合は意味がない。 2つ目の効果はリザレクションなどのリアニメイトに有効な起動効果。特に霊符『古き地縛霊の目覚め』においては自分、相手のどちらが使用する場合であっても有用であり、 相手の使用に対する抑止 こちらの使用の際のデメリット軽減 という効果がある。 また「冥界にあるキャラクターカードを」という記述であるため、どちらのプレイヤーの冥界からも、相手プレイヤーはキャラクターカードを場に出すことが出来ない。 再思の道などこちらの冥界を対象にしたカードで場に出すことを制限できる一方、冥界にあるスペルカード、コマンドカードなどを解決して幻想生物など「キャラクターだがキャラクターカードではないもの」を場に出すことは制限できない。 一つ目の自動効果について、テキストは「支払っても良い」ではなく「支払う」なので、相手は4コストを支払えるならば必ず支払わなくてはならない。逆に、ノードが3枚以下などでどうしても支払えない場合、「支払うことができない場合~」の記述に従い以降の効果を解決する。ノードが3枚以下で、場のカードが2枚未満であるならば、効果の解決に失敗し1枚も破棄しなくて良い。 公式Q Aより Q133.「No.442アポロ13」が相手の場にある時に、デッキまたは手札から「No.286 銀ナイフ」が破棄され自働効果により手札に戻る場合、「No.442アポロ13」の(自動α)効果は適用されますか? A133.はい、一旦冥界に置かれた後に手札に戻るため、適用されます。コメント一度でも冥界に置かれたカードであれば、それを何らかの効果で手札に加える場合「アポロ13」の(自動α)が発生する。 Q169.冥界のカードを裏向きにして場に出す効果に対し、「No.442 アポロ13」の常時効果が解決されていた時、裏向きで場に出すカードがキャラクターカードの場合、場に出す事は出来ますか? A169.いいえ、出来ません。場に出す効果の解決に失敗します。コメント戦操『ドールズウォー』や怪奇『釣瓶落としの怪』などの「場に出でからキャラクター扱いになる効果」であっても、「出そうとしているカードがキャラクターカードである」ならば解決に失敗する。 関連 第六弾 Advanced Starter 八意 永琳/1弾 八意 永琳/5弾 八意 永琳/10弾 八意 永琳/13弾 永遠の月人チーム 神秘の薬師チーム 光星『光龍の吐息』 《光星「光龍の吐息」》 No.443 Spell <第六弾> NODE(4)/COST(1) 術者:永江 衣玖 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔スリープ状態のキャラクター全て〕に2ダメージを与える。 油断している者たちを凄まじい放電が襲う。 Illustration:道井裕輝 コメント 永江 衣玖のスペルカード。 ダメージの点数として2点はいまひとつ足りないが、複数枚にダメージを与えることができる可能性を秘めている。 相手キャラクターをスリープ状態に変更できるカードと組み合わせて使っていくと効果的。 自分の場のキャラクターも影響される点には注意。 関連 第六弾 永江 衣玖/5弾 永江 衣玖/9弾 永江 衣玖/12弾 永江 衣玖/14弾 天上の威光チーム 要石『天地開闢プレス』 《要石「天地開闢プレス」》 No.444 Spell <第六弾> NODE(5)/COST(2) 術者:比那名居 天子 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔相手プレイヤー1人〕に5ダメージを与える。 天と地が分かれて世界が誕生した。 今再び空を落とし、地上の混乱を終わらせる時が来た。 Illustration:鳥居すみ コメント 比那名居 天子のスペルカード。 実にシンプルな火力カード。初期体力の5分の1を削り取る。 効果は白符『アンデュレイションレイ』の上位版と言え、やはりカード一枚消費して相手に一度ダメージを与える事しか出来ず、ただ使ったのではアドバンテージ面で心許ない。 しかしこのカードの場合ダメージ量が大きい為、ビートダウンのお供やトドメなどに馬鹿に出来ない爆発力を秘めており、上手く使えば有用なダメージソースとなってくれるだろう。 大災厄のトドメ用としても、他の火力カードが一癖あるものばかりなこのゲームにおいてトップクラスの使い勝手を誇る。 関連 第六弾 Advanced Starter 比那名居 天子/5弾 比那名居 天子/9弾 比那名居 天子/12弾 比那名居 天子/14弾 天上の威光チーム 激動の大地チーム ※「要石」を参照するカード 比那名居 天子/9弾 天上の威光チーム 要石『カナメファンネル』 霊想『大地を鎮める石』 要石『天空の霊石』 禁弾『カタディオプトリック』 《禁弾「カタディオプトリック」》 No.445 Spell <第六弾> NODE(2)/COST(1) 術者:フランドール・スカーレット 効果範囲:その他 発動期間:世界呪符 【世界呪符】 (自動α): 〔あなた、あなたのデッキ、あなたの手札、あなたの冥界のいずれか〕が相手プレイヤーのカードの効果の対象となった場合、〔このカード〕を破棄しても良い。破棄した場合、その効果を無効とし、破棄する。 catadioptricはcatoptricとdioptricの合成語で反射屈折光学を意味する。 Illustration:市緒 コメント フランドール・スカーレットのスペルカード。 事前に場に出しておくことで、火力からハンデスまでありとあらゆる効果に保険をかけておくことが出来る世界呪符。 効果範囲の関係上、「アンチカードに対するアンチカード」として働く場面が見られる。 例えば秘密結社に対しての無縁塚を無効にし無事秘密結社を通したり、八雲 藍/5弾の自動効果を無効化し(この場合相手プレイヤーも手札公開や破棄は行わないが)、藍を破棄しつつカウンターカードを守ったり。特に近年では冥界利用を頻繁に行うデッキが複数登場しているので、このカードをサイドボードに入れて相手の冥界利用対策カードを対策するというのはよく見られる光景である。 また、非常に厄介なスペルカードである禁忌『フォービドゥンフルーツ』に対しても効果的。 ただし閉ざされた瞳と違いスペルカードであり世界呪符であるため、相手の急な動きには対処できない。解呪や破壊工作などで除去するタイミングも存在するため、確実性には欠けるかもしれない。 それでも、維持コストが存在せず、対象になった場合に「無効&破棄」のする/しないを選べるため、より危険な効果に備えて温存しておくことが可能など、カード自体の使いやすさは悪いものではない。 なにより、無効化効果が、(自動α)というのが強み。干渉では割り込めない各種自動効果をこれだけ幅広く無力化できるカードは他に類を見ない。 処理がややこしく初心者泣かせのかーどである。このカードを使うのであれば(自動)の項はきっちりと把握しておこう。 「~が対象になった場合」が条件であるため、「対象になっていない状態」から「対象になっている状態」に切り替わるタイミングでのみ、カタディオプトリックの(自動α)は発生する。何らかの効果で手札などが対象になっているときにカタディを後出ししても、自動αは使えない。 無効にしているのは「カードのプレイ」ではなく「効果」である。また、カードは対象にとっていない。「プレイは無効にできない」カードに対しても有効。 そのカードに「対象にならない」効果が適用されていても効果は無効にできるし、破棄できる。 あなた、あなたのデッキ、あなたの手札、あなたの冥界などに「対象にならない」効果が適用されている場合、それはそもそも対象になることがない。このため、通常ならばそれらを対象にしている効果が発生したり、カードがプレイされても、このカードの自動効果を解決することは出来ない。 術者のフランドールらしくない防御的なスペルカードだが、一応「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」の通りあらゆる種類のカードを破棄する事は出来る。ようは「防御は最大の攻撃」という事である。 2011/03/13にエラッタが適用され、このカードを破棄するタイミングがカード効果無効の前になった。 特に記述がないため、カタディオプトリックは「戦術」や「特殊効果」を無効にすることはできない。 公式Q Aより Q066.「その後」、「その場合」以降に対象や目標を指定する効果の場合、どのタイミングで指定しますか? A066.「その後」「その場合」以降に書かれていた場合でも、通常どおり指定します。つまり、対象の場合、その効果の解決開始時に指定します。目標の場合はプレイ時にしています。 Q121.No.445 禁弾「カタディオプトリック」で、「Aその後B」のBの時点でNo.445 禁弾「カタディオプトリック」のプレイヤーが対象になる場合、Bだけが無効になるのですか? A121.Bが対象を指定する場合は、Aが既に解決されてしまっているのでB以降の効果だけが無効になります。遡ってAが無効になる事はありません。Bが目標の場合は目標として指定した時点で無効に出来るため、全ての効果が無効になります。コメント対戦相手が月の間諜をプレイし、その効果を(自動α)で無効化した場合、Aの効果も無効になる為、対戦相手が手札を破棄する必要もなくなる。 対戦相手が日符『ロイヤルフレア』をプレイし、解決を開始した場合は、「その後」以降の部分で初めて"あなた"は対象になるため、ここで初めて効果を無効にする。対戦相手は手札を破棄する必要がある。正確には既に破棄した後であるが。 Q122.No.445 禁弾「カタディオプトリック」で、「プレイを無効にされない」効果を持つカードによってプレイヤーが対象になる場合、その効果は無効に出来ませんか? A122.いいえ、無効になります。プレイそのものは無効にされませんが、効果の解決に入った時点でプレイヤーが対象になった場合は効果が無効にされ、解決に失敗します。コメント「プレイを無効にされない」とは作戦阻止などで「プレイ自体を無かったことにされることはない」という効果。「カードの効果そのものを無効にする」ことは可能であるということ。また、「プレイを無効」にした場合は全てのテキストが解決されないが、カタディオプトリックで「効果を無効」にする場合、テキストの一部は実行される可能性がある。このように二つの効果には差異がある。 Q123.「効果を無効とし、破棄する」という効果で、場のキャラクターから発生した効果を無効とした場合、そのキャラクターは破棄されますか? A123.はい、破棄されます。キャラクターや世界呪符等であっても、その効果によって無効にされた場合は破棄されます。コメント八雲 藍/5弾のようなキャラクターカードは勿論、禁忌『レーヴァテイン』など(をセットしたキャラクター)まで破棄出来る。相手プレイヤー及び相手プレイヤーのデッキ・手札・冥界いずれかを対象とする効果であるならば、それを無効化したとき、キャラクターだろうが世界呪符だろうが発生源ごと破棄する事が可能。 Q136.No.445 禁弾「カタディオプトリック」で(自動α)効果を無効にする場合、どのタイミングで無効にしますか? A136.(自動α)の適用タイミングによって異なります。1.常に適用される効果(例:No.318 霧雨 魔理沙)予めNo.445 禁弾「カタディオプトリック」が場に出ている場合に限り、(自動α)が有効になった時点でのみ効果を適用するかどうかを選択出来ます。仮に適用しない事を選択した場合、以後は効果を適用する事は出来ません。例の場合、既にNo.445 禁弾「カタディオプトリック」が場に出ており、後から残りNo.318 霧雨 魔理沙が場に出た時に、No.318 霧雨 魔理沙の効果を無効にするかどうかを選択します。この時に無効にしなかった場合、以降はNo.318 霧雨 魔理沙の効果をこのNo.445 禁弾「カタディオプトリック」によって無効にする事は出来ません。2.特定の条件・タイミングを満たした場合に適用される効果(例:、No.442 天呪「アポロ13」)(自動α)が適用される条件を満たした場合、効果が解決される前に無効にするかどうかを選択します。無効にしなかった場合、例えば効果の解決途中に無効にする事は出来ません。例の場合、冥界のカードを手札に戻した時点で、No.442 天呪「アポロ13」の効果を無効にするかどうかを選択します。無効にしなかった場合、No.442 天呪「アポロ13」の効果は全て解決されます。コメントカタディオプトリックの(自動α)が「~対象になった場合」という記述であるのがポイント。すなわち、「対象になっていない状態」から「対象になっている状態」に切り替わるタイミングでのみ、カタディオプトリックの(自動α)は発生する 例1「常に適用される効果」については、まず、すでに手札などが何らかの「常に適用される効果」の「対象になっている」ときに後からカタディオプトリックを出してもカタディオプトリックの(自動α)は発生しない。次に、カタディオプトリックが先に場に出ているケースでも、「常に適用される効果」が有効になった時点(=「対象になっていない状態」から「対象になっている状態」に切り替わるタイミング)でのみカタディオプトリックの(自動α)が発生するので、そこで無効にしなければ「対象になっている」状態となり、以降はこのカタディでの無効化はできないということである。 例2「特定の条件・タイミングを満たした場合に適用される効果」については、それらの効果は条件・タイミングが満たされたそのときに「対象をとっていない状態」から「対象をとっている状態」に切り替わるため、カタディオプトリックの(自動α)は、条件・タイミングを満たしたその瞬間に発生し、そこで無効にしなければ「対象になっている」状態となり、以降はこのカタディでの無効化はできないということである。 Q138.複数の効果から1つを選んで解決する(または自動的に選ばれる)効果で、相手プレイヤーを対象としない効果を選んだ時、選ばなかった他の効果に相手プレイヤーを対象にする効果があった場合、No.445 禁弾「カタディオプトリック」の効果でその効果を無効にする事は出来ますか? A138.いいえ、出来ません。選ばれなかった効果は一切対象をとりません。コメント例えば紅い飼い主は第2効果で〔相手プレイヤー1人〕を対象にとっているが、第1効果が選択された場合はカタディオプトリックで無効化することは出来ない。 Q139.対象であるかどうかはどこで判断しますか? A139.テキスト中の〔 〕で括られている部分が対象です。〔 〕で括られていない部分で他の情報を参照する場合でも、それは対象ではありません。 Q153.相手のカードの効果が全てのプレイヤー(や手札など)を対象とする場合、No.445 禁弾「カタディオプトリック」の効果を適用することは出来ますか? A153.はい、出来ます。 Q163. 「スペルカードの効果の対象にならない」効果を受けている「貫通」を持つキャラクターで攻撃をし、相手キャラクターが防御しました。戦闘の解決時、相手がNo.445 禁弾「カタディオプトリック」の自動効果を適用する場合、攻撃を行ったキャラクターは破棄されますか? A163.No.445 禁弾「カタディオプトリック」では貫通を無効にすることはできません。ただし、No.445 禁弾「カタディオプトリック」で無効にできる効果を使用した場合、No.445 禁弾「カタディオプトリック」自身はキャラクターを対象としないため、そのキャラクターを破棄することは出来ます。コメントルールリファレンスが改訂され、貫通を無効化できなくなり挙動が変化した。 QA-242.「待機中の効果」が解決され、その効果を発生させたカードが既に冥界に置かれている場合、No.445 禁弾「カタディオプトリック」で無効とすることは出来ますか? A.はい、出来ます。 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ紅 フランドール・スカーレット/1弾 フランドール・スカーレット/7弾 フランドール・スカーレット/11弾 フランドール・スカーレット/14弾 フランドール・スカーレット(裏向きキャラクター) ふにゃん 紅月の女王チーム カタディオプトリックによって破棄できるカード一覧 ※破棄出来るキャラクターカード(第十三弾現在) リリーブラック/1弾 風見 幽香/1弾 四季映姫・ヤマザナドゥ/1弾 西行妖/1弾 リリカ・プリズムリバー/3弾 河城 にとり/3弾 八坂 神奈子/3弾 洩矢 諏訪子/3弾 符ノ弐“十六夜 咲夜” 符ノ弐“霧雨 魔理沙” オルレアン人形 黒谷 ヤマメ/5弾 霧雨 魔理沙/5弾 射命丸 文/5弾 八雲 藍/5弾 八坂 神奈子/5弾 古明地 さとり/5弾 蒼穹の疾風チーム 知略の幻術チーム 友邦の科学チーム サラ/7弾 レイセン/7弾 ルイズ/7弾 ミスティア・ローレライ/7弾 犬走 椛/7弾 稗田 阿求/7弾 魅魔/7弾 真紅の魔神チーム 浄土の姫君チーム 幽冥の住人チーム 暗黒の深淵チーム 不滅の敵愾チーム 風神の奇跡チーム 信仰の神風チーム 漆黒の怨霊チーム 和蘭人形 ふらわ~戦車/9弾 黒谷 ヤマメ/9弾 火焔猫 燐/9弾 朱鷺色の妖怪/9弾 古明地 こいし/9弾 永江 衣玖/9弾 上白沢 慧音(白沢)/9弾 比那名居 天子/9弾 霧雨 魔理沙/9弾 惨禍の閃光チーム 眠れる恐怖チーム 多々良 小傘/10弾 鈴仙・優曇華院・イナバ/10弾 姫海棠 はたて/10弾 藤原 妹紅/10弾 封獣 ぬえ/10弾 西行妖/10弾 天上の威光チーム 天魔の尖兵チーム 追撃の辻風チーム エリス/11弾 ルナサ・プリズムリバー/11弾 幽谷 響子/11弾 レティ・ホワイトロック/11弾 ミミちゃん/11弾 霍 青娥/11弾 物部 布都/11弾 四季映姫・ヤマザナドゥ/11弾 洩矢 諏訪子/11弾 シーカードール/12弾 朱鷺色の妖怪/12弾 ナズーリン/12弾 雲山/12弾 火焔猫 燐/12弾 霊烏路 空/12弾 姫海棠 はたて/12弾 金伽羅/12弾 星熊 勇儀/12弾 比那名居 天子/12弾 橙/13弾 幽谷 響子/13弾 鈴仙・優曇華院・イナバ/13弾 藤原 妹紅/13弾 八雲 藍/13弾 八雲 紫/13弾 姫海棠 はたて/PR 伊吹 萃香/PR ※破棄出来るスペルカード(第十三弾現在) 白符『アンデュレイションレイ』 魔符『アーティフルサクリファイス』 禁忌『レーヴァテイン』 幻幽『ジャック・ザ・ルドビレ』 霧符『ガシングガーデン』 日符『ロイヤルフレア』 死神『ヒガンルトゥール』 難題『火鼠の皮衣 -焦れぬ心-』 禁忌『フォービドゥンフルーツ』 秋符『秋の空と乙女の心』 華符『彩光蓮華掌』 彩華『虹色太極拳』 天星剣『涅槃寂静の如し』 空虚『インフレーションスクウェア』 洪水『ウーズフラッディング』 河童『お化けキューカンバー』 奇跡『神の風』 光撃『シュート・ザ・ムーン』 神祭『エクスパンデッド・オンバシラ』 神具『洩矢の鉄の輪』 天符『天仙鳴動』 騒符『ソウルゴーハッピー』 狂夢『風狂の夢(ドリームワールド)』 死価『プライス・オブ・ライフ』 幻想『花鳥風月、嘯風弄月』 審判『ラストジャッジメント』 開海『海が割れる日』 岐符『サルタクロス』 難題『仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-』 霊符『古き地縛霊の目覚め』 魍魎『二重黒死蝶』 神符『神が歩かれた御神渡り』 想起『テリブルスーヴニール』 大結界『博麗弾幕結界』 河童『のびーるアーム』 冬符『フラワーウィザラウェイ』 豊符『オヲトシハーベスター』 水符『河童のポロロッカ』 天呪『アポロ13』 要石『天地開闢プレス』 闇符『ディマーケイション』 冬符『ノーザンウイナー』 大輪『ハロウフォゴットンワールド』 『反幽幻弾』 宝塔『レイディアントトレジャー』 光符『浄化の魔』 QED『495年の波紋』 幻術『マイナイフリカージョン』 秘弾『そして誰もいなくなるか?』 再迷『幻想郷の黄泉還り』 奥義『西行春風斬』 魔眼『ラプラスの魔』 釣瓶『ウェルディストラクター』 傘符『細雪の過客』 狗符『レイビーズバイト』 拳骨『天空鉄槌落とし』 脳符『ブレインフィンガープリント』 運命『ミゼラブルフェイト』 宝符『黄金の震眩』 錬丹『水銀の海』 恨弓『源三位頼政の弓』 赤眼『望見円月(ルナティックブラスト)』 釣瓶『飛んで井の中』 星符『レッドスター』 心花『カメラシャイローズ』 想起『恐怖催眠術』 連写『ラピッドショット』 乾坤『荒々しくも母なる大地よ』 星符『ポラリスユニーク』 拳符『天網サンドバッグ』 魔獣『鎌鼬ベーリング』 薬符『壺中の大銀河』 龍魚『龍宮の使い遊泳弾』 取材『姫海棠 はたての練習取材』 審判『ギルティ・オワ・ノットギルティ』 死符『死者選別の鎌』 響符『マウンテンエコー』 大声『チャージドクライ』 枯道『ロストウィンドロウ』 災禍『呪いの雛人形』 河符『ディバイディングエッジ』 地獄『無間の狭間』 贄符『御射山御狩神事』 神霊『夢想封印 瞬』 幻葬『夜霧の幻影殺人鬼』 魔操『リターンイナニメトネス』 人鬼『未来永劫斬』 月眼『月兎遠隔催眠術(テレメスメリズム)』 『インペリシャブルシューティング』 熾撃『大鵬墜撃拳』 始符『エフェメラリティ137』 光壁『ウォールブレイク』 流星『プチコメット』 星粒『スターピースシャワー』 嫉妬『ジェラシーボンバー』 花咲爺『シロの灰』 雨符『雨夜の怪談』 犠牲『スーサイドパクト』 『嫌われ者のフィロソフィ』 回霊『夢想封印 侘』 彗星『ブレイジングスター』 方符『奇門遁甲』 星符『飛び重ね鱗』 迫符『脅迫幻覚(オブセッショナー)』 藤原『滅罪寺院傷』 式弾『アルティメットブディスト』 天丸『壺中の天地』 操神『オモイカネディバイス』 ※破棄出来るコマンドカード(第十三弾現在) 情報戦 白楼剣 強引な取引 館に棲むモノ 流出 古の記憶 竹林の火事 ディゾルブスペル 幸せのお賽銭箱 紅魔館 陰陽玉 紅い飼い主 収穫祭 大寒波 大災厄 エニグマティクドール 白昼の暗夜行路 実と虚の境界 月都万象展 自警団 無縁塚 魔法感知 銀ナイフ 夜明けの亡霊 威力偵察 光の春 鷽替神事 紅い虹と天使の翼 破滅の呼び声 誘拐 宏観前兆 墓泥棒 空間操作 凍結 諏訪大戦 月の間諜 美しき慈愛の心 パペットリッター 白羽の矢 封印 横溢 内偵 二つの世界 仕込み芸 憂いの雨 大将棋 権謀術数 衛星カフェテラス 流行神の壺 イリュージョナリィブラスト 地霊殿 天界 根絶 贖罪の檻 天空の覇者 邪心の囁き 業火絢爛 一騎打ち エコー 幻視の系譜 プレッシャー 因縁の魔障 裏切りの少女 招かれざる客 均衡 無名の丘 最後の選択 敵情視察 愛宕様の火 七星剣 河童の腕 千年幻想郷 幻視の夜 ゲルセミウム・エレガンス 太古の時代 宣戦布告 地滑り ハートフェルトファンシー ラストリモート 悪魔の星 真実を変える力 意識の水底 坐忘 罪人の金鉱床 尸解仙の秘術 八雲立つ夜 East Opera 2008※いろいろな意味で実際は不可能だが… 初夢 メイガスナイト 激突 夏祭り コマンドカード 障壁 《障壁》 No.446 Command <第六弾> NODE(0)/COST(0) 効果範囲:複数の効果を持つカード 発動期間:持続 以下の効果から1つ選んで解決する 1.このターン、〔あなた〕が次に戦闘ダメージを受ける場合、そのダメージを無効とする。 2.ターン終了時まで、目標の〔あなたのノード1枚〕は相手プレーヤーのカードの効果の対象にならない。 「だからあんたは弱いのよ」 Illustration:とり コメント 貴重な0ノード0コストのカードの一枚。 戦闘ダメージを一度だけ無効にする効果と、ノード1枚を相手のカードの効果の対象にならなくさせる効果を持つ。 文字通りノードが0枚でもプレイ出来る為、手札に引くだけで速攻デッキやワンターンキルデッキに対してアンチカードとなる非常に希少なカード。 またノードに対する効果も封じるので、グレイズ0アタッカーによるノードロックデッキに対するアンチカードとしても同様に働く。 その局所的な効果から例え同じ速攻寄りであってもあまり役に立たないデッキも多いが、前述のワンターンキルのように「このカードでしか対策出来ない」というデッキも存在し、その意味では典型的なサイドボード向けのカードと言えるだろう。 関連 第六弾 Advanced Starter 蟲の知らせ 《蟲の知らせ》 No.447 Command <第六弾> NODE(1)/COST(0) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:呪符 【呪符】 警戒 「朝だよー」 Illustration:源五郎 コメント セットしたキャラクターに警戒を持たせる。 アクティブになるタイミングが相手ターンなので、その効果を生かす為には自分ターンと相手ターンのどちらにも使い道があるカードとの併用が望ましい。 相手ターンに出来る行動の関係から、基本的には高い戦闘力を持つ大型キャラクター1枚で攻撃と防御を併行して行わせると言ったような防御的な使い方が主となるだろう。その性質上、攻撃・防御両面で活躍する先制持ちアタッカーとは相性が非常に良い。 またマナチャージと防御の併用などもキャラによっては有効となるだろう。特に霧雨 魔理沙/1弾などは前述の理由もあり優秀である。 スリープ起動効果と組み合わせる場合、攻撃的な使い方も視野に入る。 例えば符ノ弐“パチュリー・ノーレッジ”のような相手ターン限定の起動効果を持つキャラの場合、攻撃やマナチャージといった能動的な行動を行いつつ使用できるので非常に使い勝手が良くなる。 これの装備版が玄爺/9弾にあたる。あちらは戦闘修正が付与される。 テキスト修正の結果、やたらシンプルなテキストになった。 関連 第六弾 Advanced Starter 警戒 密命 《密命》 No.448 Command <第六弾> NODE(1)/COST(1) 効果範囲:複数の効果を持つカード 発動期間:瞬間 〔このカード〕はメインフェイズにしかプレイ出来ない。このカードがあなたのターン中にプレイされた場合、以下の効果の「1」を、相手ターン中にプレイされた場合、以下の効果「2」を解決する。 1.〔あなた〕は②払う。支払った場合、この干渉終了後、直ちに目標の〔あなたの場のキャラクター1枚〕は攻撃を行う。 2.相手プレイヤーの場のキャラクターが攻撃を行っており、あなたの場のキャラクターが防御を行っていない場合、目標の〔あなたの場のキャラクター1枚〕で防御する。 「咲夜、私は動けないから私の下に容疑者をしょっ引いてきて!」 Illustration:Fue コメント キャラクター一体に攻撃・防御させるコマンドカード。 目標のアクティブ・スリープと言った状態は問われず、攻撃・防御を行ったとしてもスリープ状態にする事を要求されたりする事も無い。 いわばコマンド版奇術『ミスディレクション』とでも言うべきカード。 同じような立ち位置にある葉団扇と比べ、攻撃する為のコストが高くなっている代わりに防御する為のコストが安くなっている。 また装備であるあちらと違い、神器のような他の装備カードと組み合わせられる点や、一度使用済みのキャラクターに対して再度使用が可能な点なども異なる。 あくまで攻撃・防御をさせるカードであり、アクティブ状態にする効果では無い為スリープ起動効果の連続使用や魂魄 妖忌のデメリット効果の回避などには使えなくなっているのも注意が必要。 何といってもその攻撃時のコストの高さから4枚目の奇術『ミスディレクション』としては使い勝手の悪さが否めないが、それでも「伝説持ちキャラクターのサポートに使える」という葉団扇には無い大きなメリットを持つカードである為、一概にどちらが優秀かは決め兼ねる所だろう。 目標にしたキャラクターが干渉で使用された離反工作などであなたの場から移動した場合、それは〔あなたの場のキャラクター〕ではなくなるため目標不適正となり、効果の解決に失敗する。 「攻撃を行う」という効果が解決された後は、通常の攻撃に対するものと同じように干渉することが可能。密命による攻撃は、別の干渉枠として防御その他の干渉を行うことができる。戦闘処理詳細の「1.攻撃の宣言」に該当する効果を与えるものであるため。 2009/09/01のエラッタより、1番の効果を使う場合、追加で2コストを払わなければいけなくなった。 相手の攻撃に対して防御したが、すり抜けを発動されたのでこのカードで2体目の防御を宣言するといったプレイングは不可能。このカードで干渉を宣言するタイミングでは防御が取り消されておらず、逆に防御が取り消された後では攻撃が通っているためである。 公式Q Aより Q125.スリープ状態のキャラクターに「攻撃する」「攻撃を行う」という効果を解決した場合、スリープ状態でも攻撃が出来ますか? A125.はい、出来ます。コメントおそらく防御に関しても同様の裁定が下されるものと思われるため、相手ターンに使えばスリープ状態のキャラクターで防御が出来る。 Q132.「(対象のキャラクターは)攻撃する」という効果で、「人形」を持つキャラクターは攻撃を行うことは出来ますか? A132.いいえ、出来ません。「人形」の攻撃を行うことが出来ないという効果が優先されます。コメント秘術『グレイソーマタージ』などの「〔このキャラクター〕は攻撃を行うことが出来ない」という効果が適用されているキャラクターについても同様。 Q140.攻撃を行っている自分のキャラクターを目標に密命を解決した場合、攻撃はいつ行いますか? A140.現在行っている攻撃の干渉が終了した後、直ちに攻撃の干渉が発生します。コメント Q141.1つの干渉中に複数枚の密命を自分のキャラクターを目標に解決した場合、その枚数分だけ攻撃が発生しますか? A141.はい、その通りです。ただし、1つの干渉中に複数の攻撃は発生しないため、1つ目の密命の効果で発生した攻撃の干渉が終了した直後に次の密命の効果で攻撃が発生します。コメント Q142.覚醒に干渉で密命を同じキャラクターを目標に対象とした場合、密命による攻撃(防御)は発生しますか? A142.はい、発生します。密命の解決時に既に攻撃(防御)が行われる事が確定されているため、後から効果の対象にならない効果を得たとしても、攻撃(防御)は行われます。コメント 関連 第六弾 Advanced Starter 月の間諜 《月の間諜》 No.449 Command <第六弾> NODE(1)/COST(X) 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 【自分ターン制限】 〔あなたの手札X枚〕を破棄する。その後、目標の〔相手プレイヤー1人〕は〔自分の手札X枚〕を選べるだけ選び、破棄する。 「もし月に辿り着きたいのなら私の言う愛称を提案してもらえるかしら?」 Illustration:芋川 コメント 支払ったコストの分だけ互いの手札を破棄するハンデスカード。 捨てさせた枚数分だけコストも掛かるので非常に重く、また捨てさせる手札の内容は相手が決めるので影響力が低い。カードアドバンテージの側面においても一枚分の損となる。 単体でただ使ったのではデメリットが多くなりがちなので、相手との手札の枚数差がある状況で行動を制限する手段として用いるのが望ましいだろう。 ボーダーオブライフのような手札を一度に増強するカードと組み合わせれば、相手の手札を空にさせる事で多少の損は強引にカバー出来る。 また銀ナイフや怪奇『釣瓶落としの怪』などの手札コスト代用カードと組み合わせる事でディスアドバンテージを軽減する事も出来る。 払ったコスト=自分の捨てる枚数という点に注意。何らかの干渉で解決時に手札がX未満となった場合、解決に失敗してしまいコスト払い損となってしまう。 2009年12月30日付けのエラッタにより、対戦相手の手札破棄については「選べるだけ選び、破棄」に変更された。これにより、解決時に対戦相手の手札がX枚未満でもきちんと効果は解決されるようになった。 関連 第六弾 後天性変異 《後天性変異》 No.450 Command <第六弾> NODE(2)/COST(0) 効果範囲:その他 発動期間:装備 【装備/場】 (自動α): 〔あなたの場のキャラクター全て〕の種族はこのカードにセットされているキャラクターカードの持つ種族に変更される。 (自動β): 〔このカード〕がプレイされて場に出た場合、〔あなたのデッキ〕を全て見て「種族:人間」を持たないキャラクターカード1枚を抜き出し、このカードにセットする。その後、デッキをシャッフルする。 【(自動γ): 〔このカード〕に種族を持つキャラクターカードがセットされていない場合、このカードを破棄する。】 「あら、すっかりお変わりになって」 Illustration:名波早乃 コメント 自分の場のキャラクター全ての種族を変更する装備/場。 変更したい種族を持つキャラクターカードがデッキに無ければ意味がない。 逆に言えば、デッキに1枚でも存在していればサーチしてこられるので、よほどデッキに少数しか入れていない種族を指定するのでも無い限り安定性の面で問題にならない。 この性質により、このカードの使い道は基本的には「元々ある程度種族を統一してあるデッキ」において「そうでないキャラ」を同じ種族にし、種族単位で効果を及ぼすカードの対象に含めることとなるだろう。 特に、表象『夢枕にご先祖総立ち』とは上手く噛み合う。 ただし冥界のキャラクターカードの種族は変更されないため、高い効果を得るには元々デッキの種族がほとんど統一されている必要があるが。 現環境において、このカードによって種族を変更する候補として挙げられるのは妖怪・神・妖精・吸血鬼辺りか。 上白沢 慧音のハクタク化を意識したデザインであるためか、種族:人間だけは指定出来ない点に注意。 変更される側のキャラクターについてはそれこそ状況によって千差万別だが、当然ながら変更してまで使いたいだけのキャラクターがデッキにいなければそもそもこのカード自体が不要になる。 種族が違うものの同じコンセプトと優秀なスペックを持つキャラクター(速攻デッキなら速攻アタッカーなど)や、単体でアドバンテージを得やすいキャラクターなどデッキそのものに安定性をもたらすようなカードが望ましいだろう。 セットされているカードは「キャラクター」ではなく「キャラクターカード」である。用語の定義「場にいる」に該当しないので注意。 「対象にならない」効果が適用されているキャラクターは種族を変更されない。 (自動β)はプレイされて場に出た場合しか発生しないため、プレイ以外の方法で場に出した場合(自動γ)により破棄されてしまう。 滅多にない状況であるが、(自動β)の解決途中でデッキ内に条件を満たすキャラクターカードが存在しなかった場合、カードがセットできず解決に失敗する。結果、(自動γ)により破棄されてしまう。 冥符『紅色の冥界』や神術『吸血鬼幻想』など、「種族を変更する効果」を持つカードの効果が複数適用されている場合、最後に解決した効果にしたがって種族を決定する。 何らかの方法により、表向きに2枚目以降のキャラクターカードがセットされた場合、セットされているカードのすべての種族を得る(例:水橋 パルスィと呪精がセットされている場合、変更後の種族は妖怪・鬼・妖精・幽霊の4つとなる)。 関連 第六弾 Advanced Starter 種族 マナの蕩尽 《マナの蕩尽》 No.451 Command <第六弾> NODE(2)/COST(1) 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔相手プレイヤーのノード全て〕をスリープ状態にする 「わぁ、この壷すごーい!」 Illustration:菊一文字 コメント 相手のノードのみを全てスリープ状態にするコマンド。 コストの安さの割に大規模な効果を持ち、多数のアクティブノードを並べている相手なら非常に高い効果を発揮するだろう。 ただし、このゲームではノードが多数増える最大の要因はマナチャージやグレイズと言ったスリープノードを並べる効果であり、通常通り手札からセットしたノードであっても少し経てばコストを支払われスリープ状態になっていたという事も少なくない。 その為、必然的に「アクティブノードが多数並ぶ」という状況自体が少なくなりがちであり、シンプルな効果の割に使い所が難しいコマンドである。 特にノード消費のペースが早い速攻デッキではとかく腐りがちである。 逆に言えば、積極的にコストを支払う事が比較的少ないパーミッションなどのコントロールデッキ相手なら刺さりやすいと言えるか。 豊作『穀物神の約束』とのコンボを行えば自分のノードだけをアクティブにしつつ相手のノードを全てスリープに出来る。 相手のノード自体を減らしているわけではなく、どちらかと言えば豊作『穀物神の約束』のリスクを緩和する意味合いが強いものの、揃えればその後の動きの自由度を飛躍的に上げられる強力なコンボである。 逆に言えば相手の豊作『穀物神の約束』に対するアンチカードでもあるわけで、使用の際は相手が持つこのカードの存在には十分注意したい。 読みは「マナのとうじん」。蕩尽とは(財産などを)使い尽くすこと。 関連 第六弾 ボーダーオブライフ 《ボーダーオブライフ》 No.452 Command <第六弾> NODE(2)/COST(1) 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなたの場の任意の枚数の裏向きカード〕を選んで手札に加える。その後、〔あなた〕はXダメージを受ける。Xはこの効果で手札に戻したカードの枚数の2倍に等しい。 「御覧なさい、これこそが生命の実態よ」 Illustration:cercis コメント ライフコストと引き換えに場の裏向きカードを手札に加えるコマンド。 枚数分ダメージを受けるものの、任意の枚数だけ手札に戻せるので使い勝手が良く、組み合わせるカードによって様々な用途が考えられる。 3枚で6点、5枚で10点と考えれば安い取引とは言い難いが、その分単純にかなり低いノードで多数のカードを手札に加えられる為、使い方によっては強力な手札増強手段として用いる事が出来る。 組み合わせるカードの種類によって、伊吹 萃香や怪奇『釣瓶落としの怪』のようなカードなら冥界から回収、玉兎やレミリア・スカーレット/1弾のようなカードならデッキからの大量ドローに等しい。 また死神『ヒガンルトゥール』のようなセットカードを手札に戻す事で効果をリセットさせる事が出来る。このカード自体のノード・コストがかなり控え目なので、効果を使い回しつつ手札を増やせるリターンの大きさが利点。 逆に言えば、これらのカードと組み合わせる事が大前提であり、単体では何も出来ない典型的なコンボカードである為、採用するならそれだけの価値があるコンボギミックを用意しておきたい所だろう。 手札に加えた後にダメージが発生するため、森羅結界を干渉等でプレイすることで手札補充+ライフ回復が可能。大結界『博麗弾幕結界』でダメージを無効化することもできる。 が、ただでさえ事故要素の大きいこのカードにそこまでフォローするのはさすがに辛いものがある。 関連 第六弾 Advanced Starter 魂の花 《魂の花》 No.453 Command <第六弾> NODE(2)/COST(1) 効果範囲:その他 発動期間:装備 【装備/場】 (自動α): 〔あなた〕のライフポイントが0以下になった場合、〔このカード〕を破棄し、あなたのライフポイントを1にする。この干渉終了後、直ちにこのターンを終了し、あなたのターンを開始する。そのターン終了時、あなたは敗北する。 「死後には想像を超えた楽園が待っている、と思うことで逆に生きる力が湧くのだ」 Illustration:chink コメント 一度だけ敗北を免れた後、最期の戦いを挑むという装備/場。 (自動α)により発生する効果は待機中の効果であるため、既に魂の花が場に存在しなかろうが問答無用でゲームに敗北する。 このため、(自動α)を解決した次のターンには死に物狂いで勝利をもぎ取らなくてはならない。 (自動α)は相手によってもたらされたダメージ以外でライフが0以下になっても発生するため、霊符『古き地縛霊の目覚め』などで能動的に発生させることも可能。上手くやればワンショットキルも可能かもしれない。 新たに得たターンが終了すれば敗北してしまうため、閉ざされた瞳の(自動β)などで追加ターンのメインフェイズを終了させられた場合、投了するしかない。 また、よほどの激戦にならない限り自分のライフが0になった時にはキャラクターや場は非常に不利な状況に陥っている事が多く、カードアドバンテージを得る事が出来ない1ターンだけで勝利をもぎ取る事はかなり厳しい。そして1ターンで勝利できるならライフが0になる前に勝てる場合が殆ど。 このカード単体で効果を生かそうとした場合、ライフが0になる前に場に出さなくてはいけないため、相手の計算にも入ってしまうというのも欠点。 また、同時期に収録された障壁が0ノード0コストであるため、例え先攻を取って決死のワンショットを放っても防がれる可能性がある。後に雲外蒼天なども登場し、勝ったと思ったら負けていたというパターンもある。その場合もやはり投了するしかない。 良くも悪くも、第六弾の特徴をもっとも良く表しているカードの一つだろう。 ターンを終了し、新しいターンを始めるのは「この干渉終了後」。「ダメージを受ける。その後~」という効果で魂の花の(自動α)を解決した場合であっても、「その後~」の効果も正常に解決できる。 干渉が終了する前に何らかの効果の解決によって1以上のダメージを受けると敗北してしまう。例えばライフが4以下のとき、自分の場のパペットリッター3体が同時に決死状態になった場合などに起こる。パペットリッターの(自動γ)は同時に発生するが、解決は順番を決めて行う。このため、2体目の(自動γ)によりライフが4→2→0になり、魂の花の(自動α)が発生、解決する。ライフは1になるが、干渉はまだ終了していないため、ターン終了・新しいターンの開始より先に、残っている(自動γ)を解決することになり、2ダメージを受けてライフは1→0になって敗北する。 関連 第六弾 ※特殊敗北効果を持つカード 鬼神『鳴動持国天』 大将棋 逆さ虹 《逆さ虹》 No.454 Command <第六弾> NODE(2)/COST(1) 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 この干渉終了時まで戦闘が行われる場合、その戦闘終了時まで〔戦闘を行っているキャラクター2枚〕の戦闘力を入れ替える 「なんなら貴方も次の悪戯に参加する?」 「そう。巫女を何とかこてんぱんにする悪戯に」 (PR.035:「まだ霊夢を騙していないわ。これからが本番よ」) Illustration:茶葉 コメント 戦闘を行っている攻撃側と防御側の戦闘力を入れ替えるカード。 相手が強力なアタッカーを展開している際に上海人形のような低戦闘力ブロッカーをぶつけたり、逆にブロッカーによってこちらのキャラクターが戦闘で決死判定になりそうな時の回避手段として用いたりなどが主な用途となるだろう。 キャラクターが別途に必要となるものの、その条件は「相手キャラクターより低戦闘力である」事のみであり比較的緩く、戦闘力次第では1対1交換も可能なのでそのコスト面の手軽さの割には高い効果を得られるカードと言えるだろう。 ただし特定のキャラクターを決死状態にしたい場合はそのキャラクターが攻撃・防御をしてくれる必要がある為相手に依存する面が大きいのがネックか。 あくまで戦闘力を入れ替えるのみであり戦術や効果などは入れ替わらないという点にも注意が必要。 装備や呪符による戦闘修正は入れ替わらないことにも注意。ルールリファレンスで戦闘修正の優先順位は以下の様に定義されているからである。 1.変更 2.入れ替え(逆さ虹の効果発生のタイミングがここ) 3.加減算(戦闘修正が付与されるタイミングがここ) 4.「常に」で指定された変動 関連 第六弾 Advanced Starter プロモーションカード 天狗の小槌 《天狗の小槌》 No.455 Command <第六弾> NODE(3)/COST(0) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:装備 【装備】 伝説 (自動α): 〔このキャラクター〕は装備カード2枚までセットする事が出来る 「お詫びとして天狗の秘法を一つ置いていきます。 敬具 深山の大天狗」 Illustration:日向あずり コメント 伝説を得る装備。 効果により装備をもう一枚セット出来るので、事実上神器をセット可能になる装備である。 森近 霖之助/1弾との違いとして、コストが非常に低い為神器をプレイする為の阻害にならない点と、コマンドカードである為神器と一緒にセットすれば良いのでタイミングに融通が利きやすい点が上げられる。 総じて、非常に使いやすくなった森近 霖之助/1弾といった具合のカードと言える。 ただしこちらは一枚に付き一体しか効果が及ばず、複数のアタッカーに神器を付ける、などのような状況だと森近 霖之助/1弾に分がある。また魂魄 妖夢/1弾の場合元々持っている効果と重複する為、森近 霖之助/1弾なら可能だった「神器を2枚セット」という芸当は出来なくなっている。 逆に言えばそのような限られた状況でも無い限りこちらで十分であるわけだが、霖之助自体がそこそこ優秀なアタッカーでもある為、使い分けの範疇だろう。 関連 第六弾 美しき慈愛の心 《美しき慈愛の心》 No.456 Command <第六弾> NODE(3)/COST(1) 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 この干渉終了時まで、〔相手プレイヤーの場のキャラクター〕が決死状態になった場合、直ちにその決死状態を無効にする。この干渉終了時、〔相手プレイヤー〕は(X)支払い、〔あなた〕はXドローする。Xはこの効果で決死状態を無効にした相手キャラクターの枚数に等しい。 「誰がこんな酷い事を!すぐに手当てしますね」 Illustration:菊一文字 コメント 相手キャラクターの決死状態を無効にし、一度に無効にしたキャラクターの分だけコスト強要とドローを行うカード。 効果は無効にするキャラクターの枚数分なので、通常の戦闘や人界剣『悟入幻想』のような単体除去と組み合わせてもメリットを得づらく、恋符『マスタースパーク』のような一度に複数のキャラクターを除去するカードと組み合わせる事で初めて意味を成すコンボカードと言える。 条件が厳しいが一度に大量ドロー&コスト強要が可能なカードであり、決まればそれなりに強力。 ただ一枚分除去カードを自ら無力化させるからにはそれに見合った枚数のドローやコスト強要を行いたい所なのだが、その為には相手の場に多数のキャラクターが展開されている必要があるので、効果が多少なりとも相手のデッキの性質に依存するのがネック。 ただ、パペットリッターを使えばいくらかは稼げるか。 また大量にキャラクターを決死状態にする手段は「重い」か「必要カードが多く安定しない」事がほとんどなので、ただでさえ単体では役に立たないこのカードと組み合わせる事を考えるとデッキの安定性を大きく下げかねないのも悩み所。 大量にキャラクターを決死状態にすることに成功しても、Xが相手のノードを超過した場合は干渉終了時の効果が発生しない点も注意。 関連 第六弾 精神の海 《精神の海》 No.457 Command <第六弾> NODE(3)/COST(1) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:呪符 【呪符】 人形 攻撃力(+2)/耐久力(+2) 「てゐの波長は兎の中でも飛び抜けて短いから、近くにいるとすぐ判るのよ」 (SP-44:「こら、何処をほっつき歩いていたのよ」) Illustration:入穂(SP-44:黒鴉) コメント +2/+2の戦闘修正と戦術人形を与える呪符。 セットされたキャラクターは人形の効果により攻撃宣言を行えなくなるので、相手のアタッカーにセットする事で妨害呪符として機能する。どれほど大型のキャラクターでもコスト1点で攻撃を継続的に封じられるが、防御は可能なので相手の場に強力なブロッカーを一体作り出してしまう事になり、その点では時効『月のいはかさの呪い』と似た効果を持つカードと言える。 こちらのブロッカーの強化としても使えるが、デメリットや使い所の少なさに対して戦闘修正がパッとしないので、強化だけが目的なら他の装備や呪符を採用した方が良い。 ただ、サポートカードの多い人形なので、それらとの組み合わせによる採用も考えられる。 符ノ弐“アリス・マーガトロイド”のような効果の為に人形の数を増やすサポートカードとして用いたり、人形潰し占いとのコンボで「単体除去+サーチ」を一度に行ったり、人形解放戦線とのコンボでキャラクター一体に攻撃+5という戦闘修正を与えて特攻させたりなど用途は多岐に渡る。 これらのカードを使うデッキなら前述の妨害呪符やブロッカー強化の用途も合わせて使える為、1枚でいろいろ出来る便利カードとしての活用も可能となるだろう。 特に魔操『リターンイナニメトネス』とのコンボは強力で、場で最も耐久力の高いキャラクターを、このカードで人形化&耐久力+2した後に発動すれば、相手の場のカードをすべて決死状態にしたあげく、相手に直接ダメージが飛ぶという壮絶なことができる。相手の龍神や西行妖/1弾などを対象にとれば15以上の直接ダメージも狙うことができ、壊滅的被害を与えられる。 人形のテキストの都合上、精神の海をプレイしたターンは人形を持つキャラクターカードがプレイできない。精神の海自体はキャラクターカードではないため、逆の順番なら可能 関連 第六弾 Advanced Starter(SP-44) スペシャルカード パペットリッター 《パペットリッター》 No.458 Command <第六弾> NODE(3)/COST(2) 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔プレイヤー1人のデッキの上の3枚〕を、そのプレイヤーの場にアクティブ状態でセットする。以後、そのカードは以下の効果を持つキャラクター「パペットリッター(GRAZE(0)、3/1、種族:なし)」として扱う。 「人形 (自動γ): 〔このキャラクター〕が決死状態になった場合、〔あなた〕は2ダメージを受ける。」 「数は多いに越した事はない。大は小を兼ねるのよ!」 Illustration:影吉郎 コメント プレイヤー一人の場にパペットリッターを3枚展開するカード。 人形を持つため攻撃は行えない上、決死状態になった際にダメージを受けるデメリット効果を所持するため壁としてもあまり適さない。 ただし、受けるダメージは2であるため、例えば小野塚 小町/5弾のような「攻撃力が3以上かつ耐久力3以下」のキャラクターを防御した場合、相打ちをとった上ダメージを2に押さえられるため悪くない。 (自動γ)の発生条件が「決死状態になった場合」であるが故のメリットもあり、魔符『アーティフルサクリファイス』や戦操『ドールズウォー』などの破棄するカードとは相性が良く、人形を主軸としたデッキで威力を発揮すると思われる。 アクティブ状態で場に出るため、人形解放戦線を使えば即座に攻撃可能。攻撃が全て通ればダメージが18点にもなるのでかなり強力。 また相手プレイヤーに対して使用する事も可能で、その場合相手の場に3体のパペットリッターが出て来ることになる。 空間操作を先に場に出しておき、相手のキャラクターのプレイに干渉でプレイし解決した場合、そのキャラクターの解決に失敗させることが出来る。 パペットリッターが場に残るものの、人形を持つため攻撃させられず、防御させても(自動γ)でダメージを受ける為、非常に高度なキャラクターへのロックが完成する。 またその上で紅符『スカーレットシュート』やリリーブラック/1弾などの全体火力をプレイすれば6点分ものライフダメージになる為、詰めの手段としても使えなくも無い。 憂いの雨の打点を引き上げたり、封獣 ぬえ/7弾の(自動β)の条件を満たしやすくするなどの使い道もある。 他にも、大妖怪降臨のエサとしても最適である。八雲 紫/1弾や風見 幽香/1弾、古明地 こいし/5弾を早期から出せるので、大型の妖怪を使うデッキへの採用を考えてもいいだろう。 戦操『ドールズウォー』の起動効果と同様、セットされた後にキャラクターカードとして扱われるようになるため、場に空間操作がセットされていても問題なく使用できる。 場に空間操作がありキャラクターのプレイの解決に失敗させた場合、相手の八雲 藍/5弾などの「場に出る場合~」「場に出た場合~」の自動効果も発生しない。 プレイ時と解決時で〔プレイヤー1人のデッキの上の3枚〕が異なっていても解決できるが、デッキが3枚未満の場合は解決に失敗する。 公式Q Aより Q114.「目標の〔プレイヤー1人のデッキの上のカードX枚〕」といった目標を指定する効果は、その効果の解決前にデッキの上のカードが破棄されるなどして指定した時と異なる状況になった場合、目標として不適切となり、効果の解決に失敗しますか? A114.いいえ、解決することが出来ます。目標となるのはあくまで「指定されたプレイヤーの山札の上のカードX枚」にあるカードのため、効果の解決時にデッキにX枚以上のカードがある場合は目標として適切です。一方、「プレイヤー1人の冥界にあるカードX枚」や「ノードX枚」などを目標とする場合、具体的にどのカードを目標とするのかを最初に指定するため、解決時に指定されたカードが存在しない場合は目標不適切として解決に失敗します。コメント Q224.「デッキの上のカードを場にセットする」という効果は、裏向きのまま場にセットするのですか? A224.はい、特に指示のない場合は裏向きのままセットします。コメントこのカードには玉兎/5弾のように「裏向きにし」という記述がないが、そもそもデッキのカードは裏向きであるため、特に指定がなくとも裏向きのままセットする。 関連 第六弾 Advanced Starter パペットリッター(裏向きキャラクター) 祇園様の剣 《祇園様の剣》 No.459 Command <第六弾> NODE(3)/COST(3) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:装備 【装備】 神器 先制 (自動γ): 〔このキャラクター〕がアクティブ状態の場合、〔攻撃を行った相手キャラクター〕に直ちに4ダメージを与える。 攻撃力(+4)/耐久力(-) 「女神を閉じ込める祇園様の力」 Illustration:Fue コメント メディスン・メランコリー/1弾の自動効果をさらに強力にしたような防御効果を持つコマンド神器。 メディスン・メランコリー/1弾と異なり、これをセットしているキャラクターが防御宣言をしなくても効果ダメージを与えられる。その為、複数のアタッカーに対して一体で、このカードをセットしたキャラクター自身が戦闘で倒されるリスクを冒さず決死状態・もしくは弱体化させられる。 またこの効果を発揮したからブロックは不可能という事は無く、攻撃+4という高い補正値に加え先制が付与されるので、その気になればほぼ全てのアタッカーに対して一方的に決死状態を強いる事が出来る。 また、「防御した時」や「防御された時」に発生する効果よりも早いタイミング(攻撃宣言による効果の解決タイミング)に解決される為相手の動きを封じやすい。 たった一体で相手の攻撃宣言をほぼ封殺する事が出来る、非常に強力な防御効果を持った神器である。 ただし効果が発生するためには、これをセットしているキャラクターがアクティブ状態でなくてはならない。その為、セットしたキャラクターの攻撃・及びそのターンの以降のブロックとの択一となる。 またスペルやコマンドなどの耐性効果も得られないので、セットしているキャラクターごと死符『ギャストリドリーム』などで除去されたり、奇術『ミスディレクション』でスリープ状態にされたりすることで、割とあっさり無力化されてしまう。 コストも3とコマンド神器としては高めの数値で、術者による軽減も行えない。よって、自身の効果でデッキからサーチ・セット可能な綿月 依姫/10弾専用のカードといってもいいだろう。 彼女自身が警戒を持つため、攻撃してもこのカードの効果を活かせるというシナジーを形成しており、見事に自己完結している。フィニッシャーとして十分なスペックと言える。 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ星 綿月 依姫/10弾 白羽の矢 《白羽の矢》 No.460 Command <第六弾> NODE(4)/COST(1) 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔あなた〕は必要ノードの合計値が9になるように手札のキャラクターカード2枚を選び、裏向きのまま相手プレイヤーに見せる。その後、〔相手プレイヤー〕はあなたの選んだカードから1枚選ぶ。〔選ばれたキャラクターカード〕をあなたの場にスリープ状態で出し、選ばれなかったキャラクターカードは破棄する。但し、この効果では必要ノードが「-」のカードを場に出すことはできない。 「さ、早く行こう。地底巡り楽しみだあね」 「何言ってるの、魔理沙は私のパートナーよ!」 Illustration:もここ コメント 月都万象展などのようにキャラクターを場に出す効果を持つコマンドカード。 同系統のカードとしてはノード・コスト共にお手軽で、使用タイミングにも制限が無い為擬似的に奇襲キャラクターとして展開することが出来るのが利点。 ただし場に出すキャラクターに大きな制限が付いており、まず必要ノードの合計が9になるようにキャラクターを2枚用意しなければならず、しかもそのうちで場に出るキャラクターは相手がランダムに選んだ一枚のみであり、特定のキャラクターを場に出したい場合の手段としては安定性に大きく欠ける。 特にノードを極振り(ノード1+8やノード2+7など)して大型キャラクターを展開しようとするなら、必然的にギャンブル性が高くなり安定し辛くなる。 かといって4~5ノードのキャラクター2枚を選び「どちらを選ばれても良い」という状況を作ろうとすると、その場合はこのカードで展開する利点があまり無くなってしまう(ノードがこのカード自体と大差無く、コストもそこまで高い事は少ない為)。 いずれにしても三枚もの手札を消費するのもあり、展開補助カードとして使いづらさは否めないだろう。 キャラクターカード2枚を選ぶのは効果の解決時。プレイ時に条件を満たすキャラクターカードが手札になくても、プレイ自体は可能である。その為、干渉でドローが行われて解決時までに条件を満たされれば通常通り効果を解決し、逆にハンデスなどが行われ解決時に条件に当てはまらなくなる(合計ノード9になるようにキャラクターが選べなくなる)と効果の解決に失敗する事になる。 手札が非公開情報であることから、「選べないので解決に失敗します」と虚偽の申告をする可能性は残る。よって、公式大会においては、プレイヤーが「合計9になるように2枚選べないので解決に失敗する」と宣言した場合、他のプレイヤーはジャッジを呼び本当に選べないのか確認させることが出来る。 選んだカード2枚の合計ノードが9でなかった場合の処理については不明瞭。 必要ノード「-」のキャラクターはこれの効果では場に出せないが、2枚のうちの1枚として選ぶだけならば適性。よって「-」と「9」のキャラクターカードを選べば、場合によっては八雲 紫や風見 幽香/1弾などの必要ノード9のキャラクターを場に出すことが出来る。 イラストの通り、アリス(1弾or壱符)とにとりの合計ノードも「9」。手札2枚にこの2人を選ぶのが、ある意味では正しい使い方かもしれない。 関連 第六弾 渾天儀 《渾天儀》 No.461 Command <第六弾> NODE(4)/COST(1) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:装備 【装備】 (自動α): 〔あなた〕がスペルカードの効果によって手札をX枚破棄する場合、代わりにデッキの上のカードX枚を破棄しても良い。 (自動β): 〔このカード〕は相手キャラクターを目標にプレイできる。 攻撃力(-1)/耐久力(-1) 「どれどれ?『著作 八雲…紫』?げげ、渾天儀って、もしかしてあいつが作った道具だったのか?」 Illustration:くろな コメント スペルカードによる手札の破棄をデッキで代用する事が出来るようになる装備。 装備なので場にキャラクターの存在が必要となるが、その代わりセットしたキャラクターが場にいる限り継続的に恩恵を得られるのが特徴。戦闘力こそ下がるものの、セットしたキャラクターがただ存在するだけで効果を発揮するのもポイント。 恋符『マスタースパーク』や脱兎『フラスターエスケープ』、旧史『旧秘境史 -オールドヒストリー-』などの手札コストが必要となるスペルカードの代わりとなるので、銀ナイフのような他の手札コスト代用カードと合わせてデッキ単位で統一すれば複数回使えるメリットを生かせるだろう。 また相手の光撃『シュート・ザ・ムーン』などのスペルカードによるハンデスに対して対抗策にもなる。 対策カードとしては効果が局所的過ぎるのでそれを目当てに採用する事は少ないだろうが、使い方の一つとして覚えておいて損は無いだろう。 日符『ロイヤルフレア』の場合、前述の手札コストの代用と手札破棄の無効化を一枚でこなしてしまうので、相手の手札のみを空にさせるコンボとして運用出来るようになり強力。 二番目の自動効果により、装備カードでありながら相手キャラクターに貼り付ける事が出来るという性質も持つ。 いわば秋の女神のように「1点火力を内蔵したメリット装備」と言えるが、このカードはそれだけでなく装備のルールにより相手キャラクター一体に対する装備のセットを妨害するという使い方も出来る。 ただし、セットした後は相手に上述の手札コスト代用効果を使われるリスクがあるのは忘れないようにしたい。 公式Q Aより Q150.「No.461 渾天儀」を自分のキャラクターに装備した状態で、相手の「No.207 シュート・ザ・ムーン」が解決された場合、デッキの上のカードを代わりに破棄することは出来ますか? A150.はい、出来ます。その場合、手札を公開し破棄するカードを確定した時点で「No.461 渾天儀」の自働効果を適用するかを選びます。デッキの上のカードを破棄した場合、「No.207 シュート・ザ・ムーン」のXはその破棄したカードのコストを参照します。 Q151.手札を全て破棄する効果に対して「No.461 渾天儀」の自働効果は適用できますか? A151.はい、出来ます。破棄する時点での手札の枚数をXとします。 関連 第六弾 是非曲直庁の威令 《是非曲直庁の威令》 No.462 Command <第六弾> NODE(4)/COST(1) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔プレイされたスペルカード、またはコマンドカード1枚〕のプレイを無効とし、破棄する。 「死後の生活を良い物にしようという考えが、人生を善い物にする唯一の方法だと知れ!」 Illustration:chink コメント 相手のスペルカード、コマンドカードを無効にするコマンドカード。 いわば作戦阻止とディゾルブスペルを一緒にしたようなカウンターカード。 似たタイプのカウンターである断罪裁判と比べ、その汎用性の高さの割にコストが元となるカウンターと同じである事が最大のメリット。 これによりノードの高さ以外は作戦阻止と同じような感覚で扱う事が出来、効果は上位互換である為非常に取り回しやすい。 速いデッキを相手にする場合など、そのノードの1点差が仇になる事もあるので過信は出来ないものの、少なくとも現存するカウンターカードの中では群を抜いたカードパワーの高さを持つカウンターである事は間違いないだろう。 コントロールデッキの新たな戦力であり、またそれ以外のデッキであってもその取り回しやすさと汎用性は非常に便利な戦力として期待出来る。 このカードも断罪裁判や魔力掌握と同じく、ディゾルブスペルの「無効化されない」効果とは使い分けとなる。 ただしこのカードの場合、これ自体が作戦阻止との無効合戦を可能とする(コスト面でも互角に張り合える)という点が大きく異なり、その分他のカウンターに比べて大きく有利である。 なお、7弾においてサラ/7弾の登場により、作戦阻止やディゾルブスペルならばプレイできるのに、このカードであるがゆえにプレイできない、という局面もあり得るようになった。相手のデッキ次第ではあるが、頭の片隅にとどめておいていい事項である。 亜種に十王の激怒が登場したが、運用法が異なるのでこのカードの地位は揺らがないだろう。 近年さらに評価が上がっているらしく、マナチャージもロクに入れないほどの速攻デッキでもなければグッドスタッフ、コントロール問わずほとんどのデッキに採用されている。ある意味強引な取引やマナの生成の仲間入りをしたと言える。 読み方は「ぜひきょくちょくちょうのいれい」。 関連 第六弾 Advanced Starter スターターデッキ地 スターターデッキ神 審判『ギルティ・オワ・ノットギルティ』 ヴォヤージュ1970 《ヴォヤージュ1970》 No.463 Command <第六弾> NODE(4)/COST(1) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:呪符 【呪符】 (自動γ): 〔このキャラクター〕が相手プレイヤーに防御された場合、直ちにこのキャラクターの攻撃を取り消す。 (自動γ): 〔このキャラクター〕が相手キャラクターを防御した場合、直ちに相手キャラクターの攻撃を取り消す。 「貴方達が作った半端な永遠の夜なんて…私の永遠を操る術で全て破って見せる。 夜明けはすぐそこにあるはずよ」 Illustration:羽瀬ななせ コメント 攻撃を取り消す効果を持った少々トリッキーなコマンド呪符。 基本的に相手を攻撃させない為のカードだが、自分のキャラクターと相手のキャラクターのどちらにセットしたかによって使い勝手が異なるのが特徴。 その場の状況や組み合わせるカードに合わせて使い分けることになる。 相手のキャラクターにセットした場合、セットされたキャラクターの攻撃はこちらがどのキャラクターで防御しても取り消せるようになる。 例えばサニーミルクのように低戦闘力であってもこちらに(アクティブ状態の)キャラクターが存在する限りその攻撃を防げるようになるので、よほどのことがない限り攻撃不可能にできる。 同様に特定のキャラクターの攻撃を制限する呪符である秘術『グレイソーマタージ』と比べて、起動効果を制限出来ずこちらのキャラクターの存在に依存するため拘束力に劣るものの、必要ノードが低くコマンドカードなので相手ターンに使えるなどのメリットがある。 一方、自分のキャラクターにセットした場合、セットされたキャラクターで防御することで相手のどのキャラクターの攻撃でも取り消せるようになる。 複数あるいは後出のキャラクターに対しても対応しやすいが、結局は1ターンに1体分しか凌げず、相手はこちらの一体の防御を除去などで封じるだけで対処出来る為、基本的な使い勝手は相手キャラクターにセットした場合より劣る。 ただし、符ノ壱“紅 美鈴”のような1ターンに複数回防御が行えるキャラクターとは非常に相性が良く、耐久力の低下により決死状態になりやすくなっていくというデメリットもこのカードによってフォローすることが可能となる。 また祇園様の剣などと組み合わせても高い拘束力を発揮するだろう。 注意すべき点として、効果は強制なのでどちらの用途で用いる場合もこのカードがセットされている限り相手キャラクターを戦闘で決死状態に出来なくなる点があげられる。 例え一方的に勝てるキャラクターを後から展開してもいつまでも場に居座られ、攻撃をスルーすれば当然ダメージを受けてしまうので常にブロッカー一体分の行動を制限されてしまう、といった事態が起こりかねない。 秘術『グレイソーマタージ』と異なり、これがセットされていても攻撃宣言自体は可能である。「攻撃した場合」の自動効果などは通常通り発生する。 戦闘中の干渉でプレイしてセットした場合、基本的にはこのカードは何も出来ない。防御は既に行われているため、「防御した(された)場合」の(自動γ)効果を解決するタイミングを過ぎているからである。ただし、奇襲+速攻や反転攻勢などによりこれが場に出たあとに「防御」が実行される場合はこの限りではない。 関連 第六弾 召喚魔術 《召喚魔術》 No.464 Command <第六弾> NODE(4)/COST(X) 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 【相手ターン制限】 〔あなたのデッキ〕を全て見て、〔コストがX以下の「幻想生物」を持つスペルカード1枚〕を抜き出し、あなたの場にアクティブ状態でセットする。その後、デッキをシャッフルする。 「我が呼びかけに応じ、姿を見せよ!」 Illustration:Dai コメント 幻想生物用サーチカード。 デッキから直接、アクティブ状態で場に出す。 相手ターン制限なので虚人『ウー』のようなブロッカーを出したくなるが、奇襲+速攻と違い干渉での防御は出来ないため、タイミングをみなければならない。 いっそ、アクティブで場に出る恩恵を捨ててアタッカーのサーチ手段として使う手もあるだろう。 魔法研究との違いは「ドローを潰さない」「アクティブ状態である」「コストが無視できない」「プレイされて場に出た場合の効果が使えない」という違いがある。幻想生物が維持コストの関係で術者とセットで使う必要があるものが多いので、Xコストの支払いは馬鹿には出来ない。 召喚魔術プレイ時に支払ったコストでXが決定するので、デッキにX未満のコストのカードしか無かったり、サーチ対象が無かったりなどでコストの払い損になることもある。 鬼神『鳴動持国天』を呼び、ライフ負けを突然無効化させる荒業も可能だが、扱いには十分な注意が必要。 このカードにそこまでの記述はないが、場にセットされた「幻想生物を持つカード」は、以降、キャラクターとして扱う(IR-10.16.3) 関連 第六弾 Advanced Starter 幻想生物 ―幻想生物 0コスト災禍『呪いの雛人形』 1コスト夜符『ナイトバード』 蠢符『リトルバグ』 式神『前鬼後鬼の守護』 河童『お化けキューカンバー』 火符『アグニシャイン』 氷符『アイシクルフォール』 創符『流刑人形』 魍魎『二重黒死蝶』 恨霊『スプリーンイーター』 湊符『幽霊船の港』 幽霊『シンカーゴースト』 鬼符『青鬼赤鬼』 魔獣『鎌鼬ベーリング』 2コスト木符『シルフィホルン』 管霊『ヒノファンタズム』 不死『火の鳥 -鳳翼天翔-』 金符『シルバードラゴン』 外力『無限の超高速飛行体』 虚人『ウー』 鵺符『弾幕キメラ』 木&火符『フォレストブレイズ』 妬符『グリーンアイドモンスター』 妖怪『火焔の車輪』 土着神『御射軍神さま』 棘符『雷雲棘魚』 水符『プリンセスウンディネ』 夜符『ミッドナイトバード』 3コスト咒詛『首吊り蓬莱人形』 崇符『ミシャグジさま』 岐符『サルタクロス』 火金符『セントエルモピラー』 鬼神『鳴動持国天』 毒符『樺黄小町』 超人『聖 白蓮』 正体不明『紫鏡』 寅符『ハングリータイガー』 4コスト光符『アマテラス』 土着神『手長足長さま』 再思の道 《再思の道》 No.465 Command <第六弾> NODE(5)/COST(0) 効果範囲:その他 発動期間:瞬間 〔このカード〕はメンテナンスフェイズにしかプレイ出来ない。このターンのメインフェイズ終了時に、〔このターンのメインフェイズ中、最後に場から破棄された冥界にあるキャラクターカード1枚〕をあなたの場にアクティブ状態で出す。 (自動β): メンテナンスフェイズに〔あなたの冥界にあるこのカード〕を除外しても良い。除外した場合、〔あなたの冥界にある「再思の道」1枚〕を手札に戻す。 「自殺する愚か者はいねーかねー」 Illustration:もここ コメント リアニメイトカードの一枚。 また紅魔館・白玉楼などと共に冥界回収能力を持つカードの一つ(詳細は紅魔館の項)。 必要ノードは高いものの、ノーコストで冥界のキャラクターカード一枚を場にアクティブで出すことができる。 ただし、その条件により出すキャラクターを完全に選ぶことはできない。 人界剣『悟入幻想』や死符『ギャストリドリーム』で相手のキャラクターを決死状態にし破棄できれば、より低いコストで離反工作とほぼ同じ効果を得られる。 これを狙うときは、除去を使った後は極力行動を起こさないほうがいい。 それでも、相手がコマンドカードなどで他のキャラクターを場から破棄したりなど、妨害される可能性は十分にあるので、欲しいキャラクターを必ず出せるカードではないということを忘れないように。 (例えばミスティア・ローレライ/1弾のように自前で決死状態になる能力を持つキャラクターなどがいる場合は難しくなる) 尤も、前述の冥界回収能力により、フル投入すればノーコストのリアニメイトが最大五回行えると考えれば十分な性能ではあるか。 1ターンに複数枚プレイされた場合の注意点としていくつかを挙げておく。 基本的に「最後に場から破棄した冥界にあるキャラクターカード」は1枚しかない。このためキャラクターを場に出せるのはメインフェイズ終了時に最初に効果を適用した1枚分のみになる。2枚目以降の再思の道が「最後から2番目に破棄されたキャラクターカード」を場に出すようなことはない。あくまで対象は「最後に場から破棄した冥界にあるキャラクターカード」。複数のプレイヤーの場から同時に破棄されない限り2枚目以降は何もできない。 ルール上待機中の効果は「解決した順番」にかかわらず、「アクティブプレイヤーのカード効果」が「非アクティブプレイヤーのカード効果」より先に解決される。アクティブプレイヤーの再思の道に干渉で非アクティブプレイヤーが再思の道をプレイしても、先に「最後に場から破棄した冥界にあるキャラクターカード」を場に出すのはアクティブプレイヤーであるため意味はほとんどない。つまり、相手のターンに再思の道がプレイされた場合干渉で再思の道をプレイしても意味がないし、相手のターンに再思の道をプレイしても相手も再思の道をプレイしてきたら意味がないということ。 逆に自分のターンに再思の道をプレイすれば、相手の再思の道を事実上無力化できるということ。 もっとも、エラッタにより「場から」の一文が追加されたため、相手ターンにプレイする機会は以前より減っているかもしれないが。 纏めてみれば、「基本的に複数枚同時にプレイする意味はない」ということ。 カードの効果は待機中の効果に該当する。 何もキャラクターカードが破棄されなければ何も出せない。 恋符『マスタースパーク』などで複数のプレイヤーのキャラクター複数が同時に破棄された場合、それぞれのプレイヤーが冥界の一番上に置いたキャラクターカード全てを「最後に破棄にされたキャラクターカード」として扱い、それらのうち一枚を選択して場に出すことになる。 メインフェイズを相手プレイヤーに無断で終了することは出来ない。あなたがメインフェイズを終了したいと宣言した時、あなたは優先権を次のプレイヤーに渡す。そのプレイヤーが優先権を放棄し「これ以上の干渉を行わない」ことを宣言した場合初めてメインフェイズは終了する。つまり、あなたがメインフェイズに何も行わなくても、対戦相手がカードを使うことは出来るという話。 天呪『アポロ13』が天敵。これが相手の場にあるならば、このカードはプレイしないほうがいい。 2009/09/01のエラッタより、『最後に「場から」破棄された「冥界にある」キャラクターカードを~』となった。場以外から破棄されたキャラクターは対象に出来なくなった。 「冥界にある」の一文が追加されたため、「最後に破棄されたキャラクターカード」が冥界に存在しない場合、場に出すことが出来ないと明文化された。古の記憶や無縁塚での対応はきちんと効果を成すようだ。 裏向きキャラクターは表向きにしてから破棄され冥界に置かれる。このため、表がキャラクターカードだった場合、それが「メインフェイズの最後に破棄されたキャラクターカード」であったならば、再思の道の効果の対象として適正である。 公式QAより Q129.「No.456 再思の道」を解決した後、最後に破棄されたキャラクターカードが複数ある場合、どのキャラクターカードが場に出ますか? A129.破棄された状況によります。(1)1人のプレイヤーのキャラクターカードが同時に複数破棄された場合→その中で、最終的に冥界の一番に置いたキャラクターカード1枚を便宜的に最後に破棄されたキャラクターとして場に出します。(2)複数のプレイヤーのキャラクターカードが同時に破棄された場合→(1)に基づき各プレイヤー毎に最後に破棄されたキャラクターカードを決めた後、各プレイヤーの最後に破棄したキャラクターカードの中から好きな1枚を場に出します。(つまり同時に破棄されたカードの中で1番上になったキャラクターカードの中から1枚選びます)注意点として、裏向きのカードが破棄される時は表側を見る前に破棄する順番を決定する事を忘れないように気をつけてください。コメント実質的に自分のキャラクターを出す場合は自分が、相手のキャラクターの場合は相手が、場に出るキャラクターを任意に決めることが出来る。 Q130.「No.456 再思の道」は、デッキや手札から直接破棄されたキャラクターカードでも含みますか? A130.場から破棄されたキャラクターカードのみとなります。(裏向きの状態から破棄されたものも含みます。)コメントエラッタの適用によりQ Aの回答も変化した。現在は場から破棄されたもののみとなっている。 関連 第六弾 ※似たような(自動β)を持つカード 紅魔館 博麗神社 白玉楼 無縁塚 守矢神社 旧都 永遠亭 再思の道 中有の道 天界 霧の湖 月の都 無名の丘 彼岸 太陽の畑 三途の川 悠久の月明 《悠久の月明》 No.466 Command <第六弾> NODE(5)/COST(1) 効果範囲:目標を取らず、複数のカードに及ぶ効果 発動期間:持続 あなたの場に「蓬莱山 輝夜」がいる場合、ターン終了時まで〔あなたと、あなたの場のキャラクター全て〕はダメージを受けない。 (自動β): 〔このカード〕があなたの冥界の一番上にあり、あなたの場に「八意 永琳」がいる場合、〔相手プレイヤー〕はキャラクターに攻撃を行わせることが出来ない。また、攻撃が行われている場合、直ちにその攻撃を取り消す。 「穢れのない月は、穢れのない地上を妖しく照らす。この光は貴き月の民ですら忘れた太古の記憶なのよ」 (PR.029:「人間に宿るは儚い霊。その人間が住むのは大きな球。そして、貴き民が住むのは……、後ろに見える狂おしい珠」) Illustration:Capura.L コメント 使用時と使用後のどちらも防御的な効果を発揮するコマンドカード。 「蓬莱山 輝夜」あるいは「八意 永琳」が場に存在しなければ効果を発揮出来ない。 単体では何も出来ないのでかなりコンボカード寄りのカードである。 効果の解決時に自分の場に「蓬莱山 輝夜」(1弾・5弾)がいる場合は、ターン終了時まで自分と自分のキャラクター全てがダメージを受けなくなる効果を発揮する。 戦闘ダメージ・効果ダメージを問わず防げるので、キャラクターを除去から守ったり、火力でライフを削られそうになった時の緊急回避に用いたり、戦闘中の干渉で使って一方的に決死状態を強いたりなど融通が利き汎用性が高い。 ただし、当然ながらダメージ以外の破棄に対しては無力。 また既に発生している効果である為、場から「蓬莱山 輝夜」がいなくなった場合は効果の適用が終了してダメージを受けるようになってしまう点には注意が必要。 (自動β)は「八意 永琳」(1弾・5弾)が場にいる限り、相手の全てのキャラクターの攻撃を封じる効果。 上記の効果に比べて持続力に優れるので、上手く継続させれば手軽に相手の全てのキャラクターの攻撃を封じるそこそこ強力なロックカードとなる。 また上記の効果を蓬莱山 輝夜/1弾で満たていた場合、効果でデッキからサーチしてこられるので、自然とこちらの発生条件も満たしやすい。 ただし、発生条件として「このカードが冥界の一番上のカードである」必要があるので、その他のカードが1枚でも冥界に送られた時点で効果が発揮出来なくなる。 スリープノードによるコストの支払いさえも行えなくなるので、継続させる為にはかなり気を使って立ち回る必要がある。 もちろん場の「八意 永琳」が場からいなくなった場合も効果が切れてしまうので、ロックカードとして信頼性はお世辞にも高いとは言い難い。 一応、干渉の途中で条件を満たしても効果を発揮するので、スリープノードにこのカードを忍ばせておいてここぞという時の防御手段として使う、というような事が可能ではある。 またこれを臭わせれば場に「八意 永琳」を出しておくだけである程度ブラフ効果が生まれるというメリットもあると言えるか。 基本的には「蓬莱山 輝夜」と神器を主軸にしたデッキの除去対策兼コンバットトリックとして採用し、蓬莱山 輝夜/1弾を用いるなら状況次第で「八意 永琳」とのシナジーを狙ってみる、ぐらいの使い方が主となるか。 もし場に「蓬莱山 輝夜」がいない状態でプレイし、解決時にも「蓬莱山 輝夜」がいない場合、効果を解決せずにそのまま冥界にいく。もちろんプレイ時に支払ったコストが戻ってくるような事は無い。こちらの場に1枚もキャラクターがいない場合対象不適切となり解決に失敗するが、すなわち「蓬莱山 輝夜」もいないということであるため気にする必要はない。 関連 第六弾 Advanced Starter プロモーションカード ※名称に「蓬莱山 輝夜」を含むカード 蓬莱山 輝夜/1弾 蓬莱山 輝夜/5弾 蓬莱山 輝夜/10弾 蓬莱山 輝夜/13弾 ※名称に「八意 永琳」を含むカード 八意 永琳/1弾 八意 永琳/5弾 八意 永琳/10弾 八意 永琳/13弾 封印 《封印》 No.467 Command <第六弾> NODE(5)/COST(1) 効果範囲:その他 発動期間:装備 【装備/場】 (自動α): 〔全てのプレイヤー〕は、〔自分の冥界にあるカードと同名のカード〕をプレイできない。 (自分ターン)(1): 〔あなたの冥界にあるカード1枚〕をゲームから除外する。この効果は全てのプレイヤーが、それぞれ自分のターンに1度だけ使用できる。 「亡骸は一箇所に集めるから美しいのよ。春も桜も同じ…」 Illustration:桜庭友紀 コメント 冥界に同名のカードが存在するカードのプレイを封じる装備/場。 ただ相手が使うのを待っていたのでは効果は薄いので、能動的に相手の冥界を肥やす手段と組み合わせるのが望ましいだろう。 「冥界に同名のカードがある」という条件さえ満たせばあらゆるカードのプレイに対して妨害となるので、状況や相手のデッキの性質にも寄るがその影響力は高い。 一応起動効果により最悪の事態に対してフォローは互いに可能だが、1ターンに一回しか使えずその分だけコストも掛かるので速度低下は免れない。 その性質上、ハイランダーやそれに似た構成をしたデッキを組めば良く噛み合う。 起動効果のフォローによりある程度融通が効くので、採用しない事で著しくデッキパワーを落とす重要カードを無理に1枚構成にする必要が無いのも使う側にとっては嬉しい所。 逆に言えば、相手も同じような構成のデッキであった場合途端に腐るのがネックと言えるか。 関連 第六弾 奪われた叡智 《奪われた叡智》 No.468 Command <第六弾> NODE(5)/COST(1) 効果範囲:その他 発動期間:装備 【装備/場】 (自動β): 〔このカード〕がプレイされて場に出た場合、目標の〔プレイされた、術者がいないスペルカード1枚〕のプレイを無効とし、このカードにセットする。 (自分ターン)(1): 〔このカードと、このカードにセットされているスペルカード1枚〕を破棄する。その後、〔この効果で破棄したスペルカード〕を、あなたがプレイしたものとして解決する。この効果はスペルカードのタイミングでしか使用できない。 「あのスペルはなかなか面白かったな」 Illustration:滝島朝香 コメント 魔力掌握の亜種で、装備/場を持ち無効にしたカードを破棄せず自身にセットし場に残るという一風変わったカウンター。 必要ノードが5と重い上、無効に出来るカードの種類が限られる為カウンターとしては扱い辛いが、その分決まれば強力。 相手の死符『ギャストリドリーム』などの術者なしで使用されることが多い強力なカードを、1コストで手札を消費する事無く使用することが出来る。 後天性変異と違いセットカードがなくなっても破棄されないため、(自動β)の効果でスペルカードをセットできなかったり、何らかの効果でセットカードだけが場を離れてしまった場合、このカードだけが場に残ることになる。 この状況では起動効果を使用しても“〔このカードと、このカードにセットされているスペルカード1枚〕を破棄する。”が実行できないため効果の解決に失敗し、このカードを破棄することは出来ない。後続の装備/場を出すためには、別の手段でこれを場から離れさせる必要がある。 カードは表向きでセットする。幻想生物であるスペルカード(仮にカード名Aとする)を無効にしセットした場合、場に同名の、キャラクターとなったAがいれば『全人類の緋想天』で両方とも破棄される。 関連 第六弾 Advanced Starter 満月の爆発 《満月の爆発》 No.469 Command <第六弾> NODE(5)/COST(1) 効果範囲:目標のカードに及ぶ効果 発動期間:瞬間 目標の〔場の「装備/場」を持つカード1枚〕を破棄する。その後、〔このカード〕を相手プレイヤーの場にアクティブ状態でセットする。以後、このカードは【装備/場】を持つカードとして扱う。 「単なる脅しよ脅し。みんなで面白がって鬼は外、鬼は外って言うもんだから、ちょっと脅かしてみただけよ」 Illustration:とり コメント 装備/場専用の破壊の目。 破棄出来るカードの種類が限定された代わりに、破棄後に相手の場に装備/場としてセットされる。 セットされたこのカードは何の効果も持たない装備/場として居座り、「互いの場に一枚しかセット出来ない」というルールにより以降の相手の装備/場のプレイを封じる事が出来る。 プレイ時だけでなくプレイ後も装備/場に対して影響を与え続ける、生粋のアンチカードと言えるだろう。 いわゆる難題デッキのキーカードである五つの難題、連結の使い回しを可能とする運命の輪を筆頭として、空間操作や花果子念報、大将棋など、装備/場にはプレイされてしまうとその後の展開が大きく変わるカードが幾つか存在している。 他にも装備/場には後天性変異や魔法使いの憂鬱、非統一魔法世界論など、デッキとしての中核になるようなカードが多くあり、今後その種類が増えれば増えるほどそれらへの対策カードとして有効である。 しかし、破棄だけなら世界呪符など他の厄介なカードの対策も兼ねる事が可能な星熊 勇儀/9弾や蝶符『鳳蝶紋の死槍』などで済む話であり、わざわざ汎用性を落として相手の以降の装備/場のプレイを封じる必要があるほど装備/場に頼っているデッキは当然限られてくる。 テキストの関係上、破棄出来なければ相手の場にセットも出来ないのもネック。要石のように自壊効果がある場合はその効果で回避され、2枚目の装備/場を展開されてしまう事もある。 良くも悪くも特定デッキへの対策に特化したサイドボード向けのカードと言えるだろう。 フレーバーテキストの内容が節分と繋がっており、節分も装備/場なのでこのカードで対策出来る。イラストに描かれている伊吹 萃香は種族:鬼なので、このカードで節分を破棄しようとするのは正しい考えだろう。イラストはとり氏の独特のイラストからか「ちょっと脅かしただけ」にはとても見えない。むしろ本気で怒っているように見える。 関連 第六弾 Advanced Starter 横溢 《横溢》 No.470 Command <第六弾> NODE(6)/COST(1) 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 【自分ターン制限】 目標の〔プレイヤー1人〕は自分の手札1枚をアクティブ状態でノードに加え、〔あなた〕はライフポイントを5得る。その後、あなたの場に「風見 幽香」がいる場合、〔相手プレイヤーの手札1枚〕を無作為に選び、そのプレイヤーのノードにアクティブ状態で加え、〔あなた〕はライフポイントを5得る。 「この世の全てに花を咲かせましょう」 Illustration:鳥居すみ コメント 普通に使った場合はハンドアドバンテージを失わずライフを得るコマンドとなるが、ノードに埋めるカードを相手が選べるため効果としては少々心許ない。 やはり「風見幽香」が場にいることで真価を発揮する。 スペルカードの少ない幽香への救済処置といえるだろう。 相手のノードを増やしてしまうものの、ハンドアドバンテージとライフアドバンテージを同時に得ることが出来る上、彼女自身の効果とも非常に相性が良い。 風見 幽香/1弾はノードが2枚増えることで修正を得、 ライフが10増えることで風見 幽香/5弾の起動効果がより強くなる。 相手のライフ次第では風見 幽香/14弾の効果で2ドローもできる。 一応最初のプレイヤー指定で自分を選ぶこともできる。 どうしてもノードが必要な時などに使えるが、そういう状況のみにとどめておいたほうが良いだろう。 なお、このカードは一つ目の効果が目標を指定し、条件付きで処理を行う「その後~」の効果が対象を指定するという、やや複雑なテキストであるため、扱いには注意が必要。 一つ目の効果は〔プレイヤー1人〕を目標にとる。 プレイ時に、いずれかの「プレイヤー」に「対象にならない」効果か「目標にならない」効果が適用されている場合、そのプレイヤーを目標にプレイすることは出来ない。いずれのプレイヤーも目標に出来ないのであれば、プレイできない。 解決時に、「目標にしたプレイヤー」に「対象にならない」効果か「目標にならない」効果が適用されていた場合、効果の解決に失敗する。 「その後~」の効果は〔相手プレイヤーの手札1枚〕を対象にしている。そして、この効果はこれをプレイしたプレイヤーの場に風見幽香がいる場合のみ解決される。 このため「風見幽香」がいる、いないで扱いが大きく変る。 「風見幽香」がいない場合このとき、「その後」の効果は解決や対象の確認を行わないため、こちらの効果の対象が適切であるか否かを考える必要はない。 プレイ時でも解決時でも、「対象にならない」効果が適用されていたり、相手プレイヤーの手札が0枚でも、プレイは可能だし、「その後」以前に部分は通常通り解決される。もちろん、「その後」以前の部分が適切に解決出来る状況である必要があるが。 「風見幽香」がいる場合このとき、「その後」以前の部分の「目標」と、こちらの効果の対象の両方が適切であるか否かを考える必要がある。 プレイ時に〔相手プレイヤーの手札1枚〕を適切に対象として指定出来ない場合、たとえ「その後」以前の部分で適切な目標を指定できてもプレイできない。解決時に、〔相手プレイヤーの手札1枚〕を適切に対象として指定出来ない場合、「その後」以前の部分も含めて解決に失敗する。 つまり、これをプレイされたとき、風見幽香がおり「その後」以降を解決する場合のみ、閉ざされた瞳で解決に失敗させることが出来る。 逆に、風見幽香がいなければ、閉ざされた瞳をプレイしてもなんの意味もない。 禁弾『カタディオプトリック』ならば、どちらの場合でも対応することが出来る。 ちなみに、読み方は「おういつ」。「おうえき」ではないのでお間違えなきよう。 2009/09/01のエラッタより、自分ターン制限が付加された 関連 第六弾 Advanced Starter 風見 幽香/1弾 風見 幽香/5弾 風見 幽香/14弾 無作為に ハンデス
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/338.html
『比那名居天子』 【午前】D-1 エア・サプレーナ島 リサリサの館 「じいちゃんがね……死んだんスよ。町の殺人鬼に殺されました」 赤を基調に彩られた上質な寝室の静かなる気配の中、東方仗助は箪笥を物色しながらそう零した。 感情の篭っていない、というよりかは敢えて感情を押し殺すような無感情さを纏う声色。 天蓋ベッドの上から足をブラブラさせながら天子は、そんな男の背中をまじまじと眺めている。 彼の表情は見えない。 男心という物は天子にとっていまだ未知なる領域だが、こういった話の時はきっと女には見られたくないような顔をしているのだろう。 そんな感情を天子にも悟らせるほどに、彼の話しだした内容は重い事実から始まったのだった。 最初は軽い気持ちで始めた会話だった。 友を失い、傷付き悲しむ仗助を慰めるため、己に出来得る限りの愛情を含ませた抱擁。 その後どういうわけか互いに殴り殴られ、二人して草のベッドで大の字に転がる青春を満喫したは良い。 良いのだが、後から思い返せば自分は年頃の男子に何をしてしまったのだろうという、甘酸っぱくも気恥ずかしい思いが頭をもたげてきた。 仗助など所詮、自分よりも遥か子供…いや幼いといっても過言ではないほどの『お子様』。 大人の女を自負する自分がこんなお子様を抱きしめたところで、どうということはない……ハズだったのに。 道中を共に歩けば歩くほど、段々と恥ずかしくなってきたのだ。 どうして自分はあんな大胆な行動を披露してしまったのだろうか。 仗助は何とも思っていないのだろうか。それはそれで腹が立つ。 そんな幼稚な感情が心を埋め尽くしていくと共に、会話も減って顔すら合わせ辛くなってきた。 ある意味微笑ましいその光景は、この広大な湖の中心に聳えるエア・サプレーナ島の地に踏み入れるまで続いた。 島内や館内を捜索し、めぼしい成果も獲得できず、そろそろ引き上げようかという佳境に入ったところで、天子は半ば余興のように会話の種を要求した。 いい加減、この空気にも限界が来たのだ。いつまでもこのままではこちらの身が持たない。 ここは一息入れる意味も兼ね、リサリサの館内にて天子は出来る限りの平常を装い、何気なく仗助に尋ねてみたのだ。 「仗助はどうして吉良吉影と戦っていたの?」と。 一介の学生である仗助が、町に潜む殺人鬼と戦っている。 天子が仗助の過去について知っている情報は、思い返せばただのそれだけだ。 スタンド使いの少年たちと、スタンド使いの殺人鬼。そこには如何なる激闘があったのか。 退屈嫌いの天子は純粋なる疑問も持ち合わせながら、少し仗助について知りたくなった。 色々と吐き出させてやることも大事だと、一際の優しさも込めて。 そして仗助は暫しのあいだ無言を通し、やがて口を開いた。 祖父が殺された、と。 「おじい様が? 吉良に?」 内心、しまったと天子は焦る。 友を喪ったばかりの彼の傷口に塩を塗るような真似をしてしまったかもしれない。 まさか身内の死から始まるような出来事とは思わなかったとはいえ、少々迂闊だったか。 「……いえ、吉良じゃありません。別の殺人鬼です」 しかし天子の予想に反して、仗助はこれをあっさり否定した。 吉良に祖父が殺されたというのなら、その恨み辛みやら何やらから奴を追うことになった経緯は簡単に想像できる。 だが実際には仗助の祖父と吉良にはなんら因果関係は無かったらしい。 ならば益々分からない。スタンド使いである以外は、仗助はただの子供。 彼が殺人鬼・吉良吉影と戦うようになった経緯とは一体なんだったのだろうか。 「……おれのじいちゃん、東方良平は町の警官でした。 35年間、毎日毎日休むことなく杜王町を『悪』から守り続けてきた。 あんまり口には出さなかったスけど……おれの誇りだった」 少し、声に感情がこもった気がした。 尊敬する祖父だったのかもしれない。天子も自分の家族、家系に対しては誇りがある。 共感の念と共に天子は、しかしそんな仗助の尊敬する祖父を奪った杜王の殺人鬼に怒りを覚えた。 町を守る警官であり、家族を愛するただの男がどうして殺されなければならない。 その祖父はきっと、心に眩い正義を灯す尊い人物だったのだろう。この自分と同じに。 「そんな男がある日、町に潜むスタンド使いに殺されました。 おれを狙っていた敵が、おれのうっかりで……じいちゃんは無残に殺されたんス。 ……おれの、おれのせいでっ!」 背中越しでも彼の表情が分かるほどに、声を通して昂ぶりの感情を撒き散らす。 天子は何も言えなかった。 自分だって家族が殺されたりすれば怒り心頭。必ずや報復し、その罪は死で以て償わせるだろう。 チクリと、心臓に針が刺されたみたいで気分が悪い。 「その時からおれは決めました。じいちゃんが愛したその町を、おれが代わりに守ろうと。 この世のどんな悪が襲いかかろうと、おれがぜってーブッ飛ばしてやるんだと。 おれ達みたいなスタンド使いにしか出来ねーことがある。だったらせめておれは、自分の腕の中で守れる範囲だけでも全員守ると決めたんす。 それがじいちゃんから受け継いだ……おれなりの『正義の心』だと思ってます。」 ―――そう、決めたはずなのに……おれは……康一を……っ! そこで仗助は語りをやめた。 否。堪らなくなって言葉が出なくなった。 (……なるほどね) 天子は心の中でそう呟き、納得した。 つまりは、この仗助は優しすぎるのだ。 他人を威嚇するような攻撃的な容姿とは裏腹に、彼は自分で必要以上に物事を背負いすぎている。 康一が死んだ時も思ったが、この男は何事も自分のせいにする悪いクセがある。 罪を求め、罰を求め、己の弱い心だけは決して他人に見せようとしない。 男というものは皆こうなのか。意地張ってないで泣きたいなら泣けばいいのに。 仗助に悟られぬようそっと溜息を吐きながら立ち上がり、 「仗助」 一言、そう呟いて彼の頭を振り向かせる。 「なんすか」 それだけの短い返答で仗助はほんの少しだけ首を回すも、表情を見られたくないのか、完全には振り向かなかった。 だが、“それがいい”。その角度が最高に丁度いい。 ニタリと天子は不気味に笑い、見蕩れるほどのそれはそれは鮮やかなトルネード・キック―― いわゆる『旋風脚』が仗助の右頬へと華麗に放たれた。 メ キ ャ ! ☆★ 永江衣玖さんの特別課外解説 ★☆ [トルネード・キック] 別名、旋風脚。身体を素早く回転させながら跳躍して蹴り上げる、飛び蹴りのひとつですね。 逆波動拳コマンド+Kボタンで竜巻を纏うあの蹴り技のようなものだと思ってください。 間違ってもいたいけな少年の背後から不意打ちでかますような技ではありません。総領娘様には後でキツく言っておきます。 閑話休題。 あまりにも不意な一撃は過去最大級のハリケーンとなり、大部屋を一薙ぎする仗助の自慢の頭は記憶が飛びかねないほどの衝撃に襲われる。 一瞬遅れて轟く爆音。壁を破壊して貫通した仗助はそのまま隣の客間にまで吹き飛ばされた。 ガラガラと崩れる壁穴から覗く天子の表情は至って通常……いや、群れるスライムを全体魔法で蹴散らせた勇者のような、どこか満足感すら感じる。 「あら、退屈なあまり普段意味なく練習していた必殺技、思いの外効いたみたいね」 「――――――――ま、た……やりやがったなテメエエェェェーーーーーーーーーッッッ!?!?」 「アンタがいきなり暗い話をするからいけないんじゃない」 「あんたが話せっつったんでしょォオーーーーーッ!!? さっきからおれの顔に何の恨みがあるんすか!! 今の流れの何処におれを蹴り飛ばす理由があったっつーの!? おれは都合の良いサンドバッグじゃねーんスよ!?」 「男は砕かれることで強くなるって聞くわ。その手伝いをしてやっただけよ。 知ってる? ダイヤって一番硬い物質だけど、結構簡単に砕けるのよ」 「物理的に砕いてどーすんスか!! そんなんで強くなるか! おれはサイヤ人じゃねーんすよ!?」 「サイヤ人だかダイヤ人だか知らないけど、アンタちょっと不器用すぎなのよ。 人前で泣けないのなら、せめて私の前くらいでなら泣いたっていいじゃない。 っていうか貴方忘れてない? 私は貴方の主人なんだから、これからはもう少し頼りにしなさいよ」 「た、頼りにだとぉ~~~?」 その通り。仗助は天子にとって子分同然で、そんな子分の情けない姿など天子は見たくなかったのだ。 自分で話を振った結果が全力の旋風脚とはまさしく天子の自分勝手ぶりがよく表されているが、そんなことよりも天子は少し怒っていた。 仗助と行動を共にしてしばらく経つが、彼は一向に自分を頼りにするだとか信頼するだとか、そんな素振りを見せてくれない。 口を開けば「おれのせいだ」とか「守ることが出来なかった」とか、ネガティブな感情ばかり。 だから天子は蹴った。とりあえず蹴ってみた。 案の定、喧嘩している今だけは仗助の本来の子供っぽい性格、その『根っこ』の姿を垣間見ることはできる。 しかしこの先こればかりでは、仗助の身体はあっという間にスクラップ街道一直線。 そろそろ何か別のアプローチが欲しいところだ。だから天子は気は進まないが、自分から一歩彼の心に近づいてみる措置を取った。 「そう、もう少し私に体なり心なり預けてみなさいな。 アンタの見た目ばかりのデカイ双肩で、誰も彼もを救えるなんて自惚れもいいところ。 自分の腕の中で守れる範囲だけでも全員守る、とか言ってたわね? 馬鹿なの? 腕二本じゃちっとも足りないでしょ。 なんなら私も巻き込んで良いって言ってるの。二人一緒ならそれだけ沢山の人間を守れる。 それともこんな簡単な事も分からないの?」 威風堂々。 今の天子を表すとしたならこんな言葉が相応しいのかもしれない。 横になった仗助を顎で見下しながら、しかしそんな彼と横に並んで立ち向かって行きたいと天子は思う。 ありとあらゆる全ての観点において自分は仗助より上等だとは信じている。 品性、知性、強さ、容姿、髪型。何をとっても天人である自分が仗助に劣るモノなどあるわけがない。 そんな十全十美の自分があえてこの男と肩を並べて歩いていきたいと思った理由は何なのだろう。 その感情の正体を天子はまだ知らない。しかしそれでも仗助はどこか放っておけない奴だった。 拳と拳での友情の確認も良いが、更にもう一歩先に進まなければ仗助の心はいずれ本当に砕け散るのかもしれない。 ダイヤモンドに傷は付かないけれども、砕け散るのは本当に一瞬なのだから。 「…………あーー、えっとぉ…ですねぇ、天子さん」 蹴られた頬を擦りながら、どこかばつが悪そうに仗助は喋り出す。 その視線は床に刺さったまま、天子には向けない。 「天子さんがそう言ってくれるのは正直嬉しいですし、おれはあんたを頼りにだってしていますよ。 でもその、なんつーか……女を頼ってばかりじゃいけねーっつーか、そういう育て方させられてたせいかもしれねースけど、 やっぱ男は女を守るモンっつーか……いや天子さんが強いのは知ってるつもりスけど……」 今度こそ天子は腹の底から思い切り溜め息が漏れ出た。 ここまで来るとこれはもう仗助の言う通り、親の教育の成果なのだろう。 彼の言うことは間違っていないし立派なのだが、その日本男児たる精神は今の天子にとっては少々煩わしく感じた。 そして“今回は”わざと、彼を刺激してやることにした。まだまだ殴り足りなかったせいかもしれない。 「言いたいことあるならハキハキ言いなさいよっ! このバッファロー頭!!!」 この自分も相当に不器用かもしれない。人のことは言えないと内心反省する天子だった。 「おれは天子さんを頼りにはしてますけどねぇ~~~……ッ! それはそれッ!! 一発は一発ってことが言いたかったんスよおれはよォォオオオーーーーーーーーーーッッッ!!!!」 やられた借りは返すとでも言いたげな咆哮が、第二ラウンドのゴングとして鳴った。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ブロロロロロ……! エア・サプレーナの湖上、島から西へ向けて一艇の船が波紋と共に激しいエンジン音を轟かせている。 天子と仗助が湖東の船着場で発見した、真新しいモーターボートであった。 これも主催の気遣いだろうか。それは中々に良い性能とお値段の物らしく、天子たちはこれに乗って島内に上陸し、今また陸を目指して一直線に走っている最中だ。 そのコックピット内部、顔中に腫れた痕や引っ掻きキズが痛々しく残り仏頂面で操縦桿を握っているのは東方仗助。 船の操作経験など皆無の彼だったが、船内には都合よくも簡単な操作説明マニュアルが張られており、上司である天子から半ば命じられる形で船の操作を任されていた。 そして船首にて仁王立ちのように構え、水上の風を全身に受けて美しい長髪を靡かせているのは比那名居天子。 彼女も仗助と同じに顔中にケンカの痕が見られ、これまた仏頂面でボートの行く先を見据えている。そしてその視線は決して仗助には見向けようとしない。 そも、彼女らが孤島とも言えるべきこの島に足を踏み入れた理由としては、当初の目的を果たすため。 即ち霊夢・紫の捜索と、この会場に眠る強大な魔力の集合地を発見するためである。 結果から言うとこの島は完全に『ハズレ』であり、したことと言えば無駄に体力を消費した子供げんかのみだ。 霊夢・紫どころか人っ子一人見付からず、気になることがあるなら既に何者かが物色した後だったことくらいであり、故に収穫もゼロ。 こうして両者不機嫌な顔を取りながら、島を背にのうのうと湖上を走っている現実が今だ。 “つまんない”。 天子は瞼にかかる前髪を意にもせずに心の中だけで呟く。 このゲームが始まった当初こそ意気揚々と『悪』を挫き、『正義』を掲げることを誓って動き始めた彼女である。 殺しに乗っている者も乗っていない者も、ともかく相手が自分の邪魔をするようであれば、誰であれ殴り飛ばして異変を解決しようと試みていた天子にとってこの現状は甚だ退屈な催しであった。 ホテルでは魔女パチュリーが集団の中核としてほとんど勝手に指示を出し、この自分に命令を下し。 明らかに『悪側』の吉良吉影に手を出すことも禁じられ。 こうしてようやく本格的に始動し始めた現在も、今のところただの名所観光にしかなっていない。 何より退屈を嫌う天子にとって、今この時ですら不満が募りゆく時間にしかならない。 加えて先の仗助との喧嘩。ストレス発散にはなったが、それが天子の不満なる心持ちを解消するまでには至らなかった。 『もしやゲームに乗っている奴は案外少ないんじゃないか』 『こうしている間にもあの博麗の巫女が全てを解決しているのではないか』 このような不安な思考が段々と心を占有していく。 だが天子とて先の放送内容を忘れるほど愚かではない。 18人。康一やにとりを含めれば既に20人の参加者が死亡している。 自分は何をしている? いち早くこの異変を解決するのではなかったのか。 そんな焦燥に蝕まれ始めた時。 天子の望むような“相手”が、いつの間にかそこに『居た』。 「ねーーえーーっ! そこのアンターーっ! 確か妖怪山の神よねーーっ!」 声高らかに叫んだ方向に、一艇の小船。 その船の上で片膝を組み、さも退屈そうに釣り糸を垂らしていたのはなんとも変わった風体の女。 巨大な浮き輪の代わりにでもなりそうな背の注連縄は、彼女の印象をより強力に脳に植えつける特徴のひとつ。 天子も何度か地上に暇潰しに来た際、彼女を見たことがある気がするし聞いたこともある。 名前は何だったか……そう、確か――― 「守矢神社の八坂神奈子、だっけーーー?」 船首での天子の大声に、仗助は異常を感じ取り船を止めた。 慌てて操舵席から外に出た彼の目に映ったのは、小船の上でぼんやりと“釣り”を楽しんでいる女性。 ホテルを出て初めて目にした参加者の姿。当然最初に考えるのは彼女が『どちら側』の参加者なのか、ということ。 しかし横の天子は、判断に悩んでいる仗助を無視して調子よく声をかけ続けている。 「ねえ、ここ釣れるの? 魚なんて見た感じ居なさそうだけど」 目を細めて周囲の湖を見渡す天子を無視して、神奈子と呼ばれた女は湖面に垂らす釣り糸の先を眺めるだけで反応しない。 仗助がまず奇妙に思ったのは、これまで虫一匹見なかったこの会場に魚なんて存在するのかということ。 釣りなんかしたところで釣果に期待は出来ないだろう。あの女はそんなことにすら気付いていなかったのか。 そして仗助が次に奇妙に――というほどでもないが――気がついたことは、座る神奈子の隣。 床に置かれた青いシートは、何か筒状のようなものを乱雑に包んだようである。 兎にも角にも会話が無いと何も始まらない。 仗助が天子の前に身を乗り出し、まずは相手が何者なのかを確認しようとしたところで。 「―――ん。あぁ、どうやら釣れたみたいだよ。それも一度に『二匹』だ」 女の口の端がほんの少しだけ曲がり、そこから甘たるく親しみさえこもったような声が二人の耳に届いた。 その声に敵意は感じられなかったように思えたが、女が釣竿を左手に持ち替え、右手で傍のシートの包みを解き始めたとき。 仗助だけは一瞬で理解した。 「―――天子さんッ!! ここはひとまずアイツから離れるっスよッ!!!」 我が僕の、あまり聞き慣れない焦燥した声。 天子はしかし、仗助の様子に疑問や驚きを持つ前に、何より『不満』を露わにした。 「ちょっと仗助。アイツは『敵』だって言いたいわけ? だったら尚更ここで逃げるわけには……!」 「一旦退くんだよォ!!! 『アレ』はこの場所じゃあちとヤベェぜーーーッ!!」 ガ シ ャ ン 女――八坂神奈子が大振りの武器を無機質な音と共に構えたと同時に、仗助は操舵席に乗り込みエンジンを素早く回す。 逃亡の意を示す仗助に遺憾を覚えながらも、天子は目の前の神奈子を迎撃するため気を練り始める。 だが銀色に光を反射するその“筒状の機械”を彼女は見たことが無かった。 天子が事の深刻さに思考が回らないのは当然の流れ。 幻想郷に『重火器』の概念は薄い。故に天子は自分にその牙を向けられていても、一向には焦らず警戒するだけ。 神奈子がその肩に構える『無痛ガン』なるガトリング砲を天子に向けて引き金を引くより先に、仗助たちのボートが再び水飛沫を上げるのが一瞬早かった。 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッ!!!! 普段聞くような弾幕音とは一線を画する轟音。 鼓膜を劈く破壊音に耳を塞ごうとするも、突然動き出したボートに天子がバランスを取られて足を崩したのは幸運だった。 今、天子が尻餅をつかなければ弾丸は間違いなく彼女の身体を貫通し、その生命活動を奪っていただろうから。 「……っ!? な、何あの武器!!」 「天子さん急いで中へ入ってくださいッ! 水上じゃあガトリング相手には分が悪すぎるッ!」 地の利は完全に向こうにあった。 こんな何も無く自在に身動きも取れない湖上では、狙い撃ちされて蜂の巣になるのが目に見えている。 三十六計逃げるに如かず。どうやら敵は自分ら二人を殺す気満々のようだ。 ミリタリー知識には詳しくない仗助だが、アレの恐ろしさは今まで観てきたアクション映画の世界で散々わからされている。 弾丸の一発や二発なら物ともしないのが近距離スタンドではあるが、あれほどの機銃ともなれば話は全く違う。 受けきれるわけがない。しかもクレイジー・ダイヤモンドには遠隔攻撃できる手段がかなり限られているのだ。 飛び道具が出せないわけではないが、どのみち性能の差で負ける。つまりここは逃げるが定石のはずだった。 障害物も何も無い、水平のフィールドであの散弾の嵐をどこまで掻い潜れるか。 神奈子の反対方向へ爆進するボートの背後を、飛沫を弾かせながら弾丸が追ってくる。 キュインキュインと、鉄と鉛同士がぶつかり合って船尾の鉄板を引き剥がされるという一方的な展開。 ボート船尾部分は機銃によって、既に激しい損壊が始まっていた。 敵の狙いは大雑把ではあるが、当たればそれだけで致命傷に成りかねない。 幸いなのは、敵が乗り込んでいるのはただの木製の小船でモーター機能が搭載されていないこと。 つまりある程度距離を離せば、こっちのモーターボートに追いつかれることはない。 戦うという選択など、愚の骨頂。 ここはなんとしてでも逃げの一手を取り、態勢を立て直すことが肝心なのだ。 「仗助! 今すぐ船を戻してよ! 私があの女を吹き飛ばす!!」 だが天子はその行動を善しとしない。 操縦する仗助に食って掛かるような勢いで、戦う選択肢を取ろうとする。 「何言ってんスかッ! あのガトリングの破壊力見たでしょう! あんた今、危なかったんスよ!?」 「さっきのは不意打ち喰らっただけよ! 私が本気になればあんな奴、10秒あれば再起不能にできる!!」 「パチュリーさんからも言われたでしょう!! 戦闘は極力回避するようにって!! ここでおれ達がいきり立ったところで、返り討ちにあうのが関の山でしょうがッ!」 「だったらアンタだけ泳いで逃げればいいわ! 私は戦う! ゲームに乗った奴は全員叩き潰すッ! それがこの比那名居天子に課せられた正義で、使命なの!」 高い位置にある仗助の襟首を掴みながら、天子は憤る。 彼女は相手の力量を測れない無能ではない。 物事を軽く考えているように見えて、その実は逆。非常にしたたかな実力者なのだ。 神奈子を一目見た時から、高い潜在能力……その『格』を感じることが出来た。 それでも自分なら、あの山の神を鎮圧できる自信はある。絶対に勝てる。 その生まれ持ったとも言える自信を仗助から否定されたように感じ、この火急の場で天子の不満はとうとう爆発したのだ。 この異変を解決するはずの自分が、どうしていきなり逃走しなければならないのか。 パチュリーから言われたことがそんなに大事か。 自分とあの魔女の言うこと、優先すべきは自分のはずだろう。 数々の歯痒い思いが、心の壁に張り付いて膨らみあがっていく。 仮にも自分と仗助は主従という関係であるはずなのに、思い通りにならないことに怒るその気持ちはまるで、わめく子供。 「もう一度言うわ! 船を戻しなさい仗助!」 「お断りさせていただきます……! 天子さんをむざむざ見捨てるわけにはいきません。あんたは間違っています!」 今度こそ天子はその手に力を込め、服を破りかかる勢いで仗助の胸倉を掴んだ。 その表情は烈火の如き剣幕。非常時だという状況も忘れ、鉄壁すら突き通すような鋭い視線を目前の男に突き刺す。 「舐めんじゃないわよッ!! アンタから湖に叩き落とされたいっての!?」 「……天子さんの言う『正義』ってのは、高揚した自分の満足感を満たすことですか。 あんたは『弱い者を守るため』などと体のいい主張をしきりに叫んでるみたいですが、本当はそんな立派なモンじゃねえ」 熱くなる天子に対し、仗助は宥めるようにクールに言う。 その視線は天子の射抜く視線と交わい、段々と熱が灯るように語尾は荒くなっていく。 「ハッキリ言いますよ。天子さんはただ、気に入らねえ奴は全員ブッ飛ばしてえって意気込んでるだけだ。 主催どもに反旗を翻すのも、ゲームに乗った参加者をブッ飛ばすのも、全部全部自分が『気に入らねえ』からだ。 “異変を解決する自分カッケー”って、調子に乗りてえから意気揚々と軽率に戦おうとしていやがる。 そんな勘違いしたお子様が掲げる使命とやらの………何が正義だコラァッ!!!!」 熱く、威圧を含んだ声が響き、二人の視線は逆転した。 普段は温厚な仗助が突然大きな声を出したことで天子はビクリと肩を震わせたが、それも一瞬。 すぐに天子も対立するかのように、より強く仗助の胸倉を掴み直す。 「そ……それのどこが悪いことなの!? 理由はどうあれ、危険な奴らを排除することがそんなに咎められること!? 私の行動は結果的には良い方向に繋がる! 仗助だってそう思ってたんじゃないの!?」 仗助が言い放ったことは、まさしく天子の的を射ていた。 本音では、確かに天子は自分本位な思いでゲームを動いていたのだ。 その事実に自分でも自覚があったからこそ、否定はしない。嘘はつかない。 しかし否定はせずとも、その行動が間違っているとは針の先ほども思わない。 重要なのは『結果』であり、天子の意思がどうであれ最終的に危険を減らすことが出来ればそれが最善なのではないのか? 責められるべきは自分ではなく、どう考えたって今自分らを襲っているようなゲームに乗った参加者達ではないのか? 少なくとも、仗助だけはそれを理解してくれていると思っていた。 「天子さんのは正義でも何でもねえ、自分勝手で我儘なエゴだ! あんたが危険な敵と戦うってんならおれも手伝ってあげます。出来る限りのことだってしますよ。 でも天子さんが一人で突っ走って全部カタを付けようって腹なら――それはおれが許さねえッ!!! 無謀と勇気は違うでしょうが!! あんたが死んで悲しむ奴だってここにいるんスよ!!」 「…………えっ」 違う。 相手を理解していなかったのは、天子の方だった。 再び天子は思い出した。 この男は優しすぎる性格ゆえ、必要以上に自分を責めるような男だということを。 かつて彼の祖父が殺された時も、友人が殺された時も、仗助は嘆いた。 自分の力が至らなかった。全て自分のせいだと。 康一が死んだ時、天子は仗助を慰め、そしてどういうわけか互いに殴り合っていた。 ケンカの理由なんかはとっくに忘れてしまったけれども、天子が居なければ仗助の心は今頃どうなっていただろう。 そしてそんな天子を“もしも”失ってしまったら……仗助は今度こそ悲しみ、泣き、壊れてしまうかもしれない。 そうなってしまえば後に待つものは、最悪の末路。 クレイジー・ダイヤモンドでも、砕けた人の心は二度と直せない。ましてやそれが、自分のものなら。 天子が今に至ってようやく……ようやく気付くことができたのは、仗助の自分へ向けたとても単純な想い。 「―――え…っと、仗助…………アンタまさか、私のこと……心配してくれてる?」 「たりめーだッ!!! どんだけ鈍いんすかアンタッ!? もう二度と自分だけで戦うなんて言わんでください! おれたち『仲間』でしょーが!」 仗助も天子と同じ気持ちだ。 戦闘は避けるよう言われてはいたが、なるべくのことなら危険人物は無力化しておきたいのが仗助の祖父から受け継いだ、正義なる意思だった。 だがこの状況を冷静に考えると、敵に勝てる公算はあまりにも低い。 少なくとも今は逃げるしかない。そして一人でも戦おうとする天子を彼が放っておけるわけがなかった。 天子も仗助のその優しさに気が付くことが出来た。彼は天子の身を想って、本気で叱ってくれたのだと。 二人はゲームを共に生きる『仲間』であり、決して勝手な真似はせず互いに助け合わなければならないのだと。 島の館で天子が仗助に向けて言ってくれた言葉がある。 もっと私を頼れと。体なり心なり預けてみろと。 しかし今ここで仗助が天子ひとりを残して逃げることは、果たして信頼か。 いくら天子の力量を信じていたとしても、そんな行為は信頼とは程遠い『犠牲』の心に過ぎない。 一方的な頼りではなく、互いが信頼しあい、正しい道を歩むことこそ仗助の考える『仲間』という絆。 そんな仗助の心に天子はようやく気付き、触れることができた。 天子の育ってきた環境には無かったもの。回り道しながらも、その心がほんの少し理解できた。 とたんに天子の頬に熱が集まってきた。 なんだこの気持ちは。たかだか十数年生きた地上人のお子様に心配されてると分かり、またも憤りが高まっているのか。 なれば今度こそ目の前のこの男を一発K.Oしてやろうか。 しかし何故か、今は仗助の顔をまともに見れる気がしない。その面妖な髪型が邪魔で前を向けないからだろうか。 ――ヤバイ。心臓までが何故か鼓動が激しい。これはきっと闘争心の高まりだろう違いない。 そう決め付け、今再び必殺・トルネードキック改をお見舞いしようかと構えを取った瞬間…… 「オヲヲーーーーーーイ!!! なに人様を、いや神様を無視して盛り上がってるんだいッ!!? 逃げるのか戦うのかハッキリしな!!!」 割り込むタイミングを計っていたかのような機銃の掃射が、天子の決意を中断させた。 いよいよ高速の弾幕が雨あられとなり、二人の乗るボートに襲い掛かる。 大嵐が直撃したかのごとく、真新しかったボートは一瞬にして悲惨な姿に変えられていく。 バキバキにめくられていく外装。弾け散り飛ぶガラス群。もはや逃げるどころではない破壊的な衝撃。 全支給品の中でも群を抜いて強大な火力を持った神奈子のガトリング銃は、瞬く間にボートを廃棄船に変えた。 そして、ダメ押しとばかりに弾丸がボートのエンジンタンクに穴を開けたのを合図にして―― ―――大爆発が起こり、爆炎と黒煙が仗助と天子を包んだ。 「――――――ん? …………あれ?」 確かな手応えを感じ、機銃を下ろした神奈子が次に目撃したものは。 たった今、粉々にしてやったはずのボートが何事も無かったかのように湖上を走って逃げゆく、理解不能な光景。 目を擦り再びボートを見ても、そこに映るのは溜息すら漏れるほどにピカピカなモーターボート。 炎や煙など噴いておらず、削りすぎた鉛筆のように貧相な形にしてやった外装も元のまま。耳には未だに爆発音の余韻が響いている。 自分が勝利の幻を見たのでなければ、あの二人が『何か』施した。 そして狸に化かされたように呆ける自分を見向きもせぬまま、ボートは遠方へどんどん遠ざかっていく。 「………ッ! なるほどね、奴らも只者ではないってわけか!」 先の一瞬、何が起こったのか。今の神奈子には皆目見当も付かない。 だがこのままでは弾丸の無駄遣いのみという目も当てられない結果に終わってしまう。 「逃がすかッ!!」 戦神は追う。血塗れた境地に至る覚悟を、絶やさないためにも。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ほんの一瞬、襲撃者を化かすことには成功した。 仗助がやったことといえばごく簡単なこと。ボートが爆発した瞬間、クレイジー・ダイヤモンドで復元しただけ。 呆気にとられている敵の隙を突いた逃走術。通じるのは初手のみだろう。 「いい仗助!? 逃げるのは陸に着くまで! そこからは二人で反撃するのよ!」 「わーってますってば! わかりましたから耳元でデカイ声出さないでくださいよ!」 この隙に乗じてエンジン全開で逃げる仗助を、天子は少し不満が残りながらも認めた。 ……幼稚だったのは自分の方だったのかもしれない。 あの見えない弾幕を操る未知の武器の脅威を、理解した。 あんなものをバカスカ撃たれては、どんな愚か者だって不利だと悟る。 無知を恥じ、醜態を恥じ、反省する天子。 仗助に指摘されたとおり、自分は浮かれていたのかもしれない。 やっと現れた敵ともいえる相手に、あろうことか天子の心はワクワクしていた。 なにより退屈だった現状を壊してくれる場面に出会ったのだ。彼女の性格からして、よい運動程度の転機。 必要以上に滾る心を、しかし制してくれたのは仲間である仗助。 今になって冷静に考えれば、死ぬことはないにしても大きな負傷は免れなかった状況だ。 負傷程度なら仗助が治してくれるだろうが、天子は彼のサポートを期待しての考えというわけではなかった。 ほとんど考え無しに、戦場へ踏み込もうとしていた。 あまりに危機感が足りなかった、かもしれない。 「………仗助。さっきは、ゴメンなさい。アナタの気持ち、ちっとも考えてなかった」 「………あ、は、っえぇ!? いや、わかってくれりゃあイイっつーか……!」 自然すぎて聞き逃すところだったが、あの我儘お嬢様の口から謝罪の言葉が出るとは思わず、仗助はつい彼女を二度見した。 ―――『これからあんたは一生私の下僕として、私の命令には必ず従い、命をかけて私に尽くしなさい! もしそれが出来るんなら、謝ってやってもいいわ!』 仗助の記憶が確かなら、天子は最初にこんな約束を交わしてきたはずである。 一度目は高慢すぎて全く謝られた感じはなかったが、今回の謝罪は殊勝さすら感じた。 これも窮地が彼女に促した成長たる所以なのか。男・仗助、軽く感動を覚えるほど。 「な、なによ……! 私が謝るのがそんなに可笑しい?」 「可笑しいというかおっかないというか……あっいや冗談っスその剣ひっこめてくださいホントすみません」 冗談も程々に、武器を仕舞った天子は一際声を小さくして、操縦する仗助に言う。 「……あー、そういえば仗助?」 「……何すか? あの女が追ってきてないか、外出て確認してて欲しいんスけど」 「アンタ、私の下僕になれっていう約束してたじゃない?」 「あー、天子さんの命令には必ず従えっていう約束ですか。 もちろん忘れてませんよ。……さっきは拒否しちまいましたけど」 「あれ、撤回するわ」 「そっスかー………………ええぇッ!? な、なんで……!?」 これまた仗助は驚愕。あの究極我儘自己中お姫様が、謝罪だけに終わらず今度は自身の交わした約束を自分から撤回するとは。 さては先ほど館での喧嘩の時、頭の打ち所が悪くて…… 「んなワケないでしょーが! ……ちょっぴりね、嬉しかったから。 アンタさっき言ってくれたでしょ。私たち『仲間』だからって」 比那名居天子という天人は『不良天人』と蔑称のように呼ばれてはいたが、曲がりなりにも名家の一族。 その裕福な家庭の一人娘である彼女の周囲の者はみな召使いばかり。 他の天人も見るのは彼女の『家系』ばかりで、天子自身の本質を見てくれる者などほとんど居なかった。 友達なんて居ない。お目付け人でもある永江衣玖は暇潰し役として嫌いではなかったが、そこに判然とした上下関係は存在する。 だから、だろうか。 仗助と最初に会ったとき、彼を迷うことなく使える手足とした。下僕のように扱おうとした。 自分こそが『上』だと理解させたうえで、そこでも天子は上下関係を発生させた。 しかしさっき仗助の口から放たれた『仲間』という言葉。これは天子を取り巻いてきた環境からするととても『新鮮』であった。 上下ではなく、自分を同列に扱ってくれる仲間。 立場を考えれば非常に失礼極まりないことを仗助は言ったはずなのだ。なのに、自分に生まれた感情は不快とは違う、清涼感のようなもの。 慧音やパチュリーたちとも便宜上、仲間として行動しているのかもしれないが、彼女らについては天子からしたら目的達成のために使える奴ら程度の感情。 そこに仲間意識は薄かった。何故なら天子は常に自分がナンバーワンだと信じているから。 だがこの仗助はそんな自分を本気で心配してくれ、本気で怒ってくれた。 そして当然であるかのように天子を『仲間』だと認めてくれたのだ。 唯我独尊を貫いてきた天子の心に、仄かな温かみが染み出した。この気持ちはきっと、悪くないものだ。 ちょっぴり嬉しかった、とは言ったが、本当はすごく嬉しかったのかもしれない。 だから天子も認めてみようと思ったのだ。 この東方仗助を、ひとりの『仲間』として。 「ってなわけで仗助。これからはアンタ、私の命令を聞くこともないわ。互いに、その……一緒に仲間として頑張っていきましょう」 「お、おうっス!(……あんまり命令を聞いた覚えもねーんだけど) まずはあのガトリング女から逃げ切って、そこから一緒に反撃していきましょーや!」 自然と二人は笑い合っていたのかもしれない。 少しだけぎこちなく、けれどもお互いを純粋に認め合った関係。 天子にとっては光り輝く、新しい世界のような。 仗助にとっては失いかけた温かみに、少し触れたような。 「痛っ―――!?」 微笑みを浮かべていた天子の表情が、苦痛に歪む。 仗助がどうしたと声をかける間もなく、天子は重力に引っ張られるように背後に引き摺られて行った。 背後――すなわち船の外。 事態を把握する前に、まずは天子を救出しなければ。 仗助の伸ばした腕が天子を掴むことは……出来なかった。 「きゃああああ!!?」 天子が『何か』に引っ張られるように船外へ飛び出し、その華奢な身体ごと空中を舞った。 一瞬の最中、よく見れば天子の腰の辺りから『糸』が伸びていた。 その糸の先端はボートの背後、波紋拡げるその湖上の上に佇む小船の上に繋がっている。 「まずは一匹目ェ!! 活きの良い獲物の一本釣りだッ!!」 「て、てめえいつの間に追いついてやがった!?」 襲撃者の乗る小船が既にボート背後まで差し迫って来ていた。 あんな小船が全速で走るモーターボートに追いついた? どうやって? だが疑問はすぐに解消した。敵が天子を振り回しているその『釣竿』、あれはただの釣竿ではない。 人間ひとり空中をブン回せる釣竿があるものか。恐らく『スタンド』の一種だと仗助は判断する。 (あの釣竿みてーなスタンドの糸が……このボート後部に引っ掛けてそのまま小船ごと引っ張ってきやがったのか!) 何という力技。あの女はその腕一本支えて強引にボートに引っ付いてきたというのか。 そして今度はターゲットを天子に変えた。一人ずつ引っ張り出して攻撃しようという算段なのか。 だとしたらあのスタンドは仗助の所見によれば、中・遠距離型の『遠隔スタンド』。 懐に潜り込めれば勝算はあるが、奴はまだガトリング銃まで備えている。簡単に近づけさせてはくれないだろう。 「な、なによこの糸……って、きゃあっ!?」 ド ボ ォ ォ ン !! そうこうしてるうちに空を舞っていた天子が湖に叩き落された。 瞬間、仗助の脳裏に嫌なイメージが浮かぶ。敵は天子を溺死させるつもりか! 「天子さーーーーーんッ!!!!」 迷っている暇はない。 仗助は走るボートを止めもせずに勢いよく駆けた! 陸までもう100mもないというというのに、状況は最悪だった。 天子の沈んだ水面に向かってダイビングのように飛び込む。だが神奈子もそれを易々と眺める馬鹿ではない。 待ってましたと言わんばかりに肩のガトリングを仗助に向けて構え、右腕一本のみを支えに撃ち込もうとする。 「へぇ……! 馬鹿なのかはたまた勇者か、身動きの取りづらい水中にわざわざ自分から飛び込むとはね!」 「馬鹿はてめーだ! 飛び込まねーと天子さん助けらんねーだろうが!!」 熱したフライパンに自ら飛び込んだオタマジャクシ。 今の仗助を表すならまさにそれだと神奈子は相手を評価した。 こちらには脅威の無痛ガンがある。ビーチ・ボーイとガトリング、その両方を同時に支えるなど神奈子にとって造作もない。 「行かせないよッ! 喰らいなッ!!」 仗助が着水すると同時、神奈子は機銃のトリガーを引こうとして――前方から鋭利な『何か』が飛んでくることを察知。 攻撃はすぐさま中断、回避行動に専念した。首筋を狙ってきたその飛び道具は目を凝らせば『ただの水』。 しかしクレイジーDの強力なパワーから弾き飛ばされたなら、ただの水飛沫でも切れ筋抜群な『水圧カッター』へと変化する。 ほんの数センチ首を動かしただけでそれを避けた神奈子だったが、仗助にとってはその一瞬が稼げれば充分。 視線を戻した神奈子の視界に既に仗助の姿はなく、ブクブクと浮かぶ気泡だけが水面に残っていた。 「アイツもスタンド使いだったか! そうはいくか!」 姿は見えずとも水面に機銃を斜めに向け、躊躇なく引き金を引いた。 湖面を激しく叩く散弾音が飛び込んだ仗助に向けられるも、数秒撃ち込んだところで神奈子は掃射を中断。 命中を確認出来もしない相手にこれ以上ブッ放すのは弾丸の無駄だと判断し、相手が二人とも水中にいるのなら丁度良い。 釣りとは水泳ぐ魚を捕獲するための行為だ。ならばビーチ・ボーイ以上に敵を捕らえるスタンドなど存在しない。 神奈子は一旦ガトリングを肩から下ろし、両の腕でしっかりとビーチ・ボーイを掴む。 髑髏型のリールにそっと耳をあて、水面下の状況を感じ取ることに集中した。 水中とは空気中以上に音の振動を捉える空間。直接視界に入らずとも、水中下の状況は手に取るように把握できる。 腕で水を掻き分ける音。 バタバタともがく音。 天子が浮かんでこないよう、ビーチ・ボーイの糸はしっかりと彼女を水底に沈めさせている。 糸は現在、天子の背部から体内に侵入。心臓破壊に向けて進んでいる。 しかしこの女、妙に身体が硬い。針の進行がいつもより遅い。 だがこのままなら、女の方は窒息よりも心臓を突き破った方が早そうだ。 そしてもがく女に近づいてくるハンバーグ頭の少年。 その距離約5メートル! やはり仕留めきれていなかったようだ。 一度ビーチ・ボーイに捕らわれた者は脱出は出来ない。身体をバラバラに分解でもしない限り。 ならば先に仕留めるのはまず女の方! このまま心臓を食い破ってやる! ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 「モガボガ、グボボ……っ(な、なによこの糸、外れない!)」 水底で天子は苦しんでいた。 不意に体を引っ張られたと思ったら次の瞬間、空に投げ出され、そして瞬く間に湖の底まで沈められている。 背中に感じる気持ちの悪い違和感。痛覚と共に感じ取ったのは、あの女が操る釣り糸がこの天人たる自分の身体に入り込んでいるという窮地。 このままでは溺れ死ぬ。いや、それよりも悲惨な結末が待っているのかもしれない。 思うが早く、天子は背から伸びる糸を掴もうと腕を伸ばすが…… (つ、掴めないッ!? この釣り糸……『スタンド』! や、やば……っ!) 糸に触れない。あの女が持っていた釣竿はスタンドらしく、これは天子の対応外。 山の神がスタンド使いだという話は聞いたことがない。岡崎夢美のような『DISC』による能力者なのかもしれない。 とにかく、何とかしてこの糸を外さないことには泳ぐのもままならない。 だがどうする? 弾幕ごっこで負ける気はしないが、こんな状況に対応できるほど天人の能力は万能ではない。 死ぬ? 天人であるこの比那名居天子が? こんな……こんな暗い水の底で、溺れ死ぬ? (や、やだ! いやよ! 死にたくない! たす……っ 助けてっ! じょうす――) 声にしたくとも代わりに出るのは肺に残った僅かな酸素のみ。 息が出来ない。苦しい。 体内が痛い。苦しい。 天を仰ぎながら、視界がぼんやりと薄ぼけていく天子の瞳の中に、救世主は現れた。 「天子さんッ!! まだ生きてるっスよね!? 大丈夫ですかッ!」 自慢の髪を濡らすことも厭わず、湖底まで助けに来てくれた男は仲間・仗助の姿。 涙すら誘うその男気に天子は、まず罵倒で返した。 「ブッボボバカゴゴ! ブググぶくぶくッ!!(遅いわよばか仗助! 早くこの糸チョン切って!)」 「あーー? 何言ってんスか? 思ったより元気そうで安心しましたけど」 スタンドを持たない天子は水中での会話は出来ないが、もしあればこの状況下でもケンカが勃発していたかもしれない。 それほどに二人の会話は普段どおりから始まった。 しかしいくら天子に余裕はあっても、絶体絶命の状況は変わらない。 仗助は暴れる天子の傍まで潜ると、まずはスタンドの糸をクレイジーDで掴んだ。 こんな細長いだけの釣り糸、スタンドさえあれば一秒とかからずに切断できる。 「ドラァ!!!」 得意の掛け声が水中に轟き、クレイジーDの手刀は確かにその釣り糸を切断した。 切断――したはずだった。 「ぶ……カハ………ッ!?」 貫いた手刀は糸を透過し、ピンと張られたまま――依然、天子の身体に繋がったままだった。 代わりに天子が胸を押さえながら顔を苦痛に歪め、突然吐血した。 眼前が赤い色に染まっていく視界の中、仗助は何事が起こったのかを……すぐに理解することが出来た。 (……! この『糸』、ただの糸じゃねえ! せ、切断できねえ……!) スタンドにはあらゆる能力がある。 仗助が今まで戦ってきたスタンドも、特定の状況下で恐ろしい能力を発揮する類の物は幾つも見てきた。 この糸も恐らく、一度捕まれば引き剥がすのは困難。物理攻撃は完全に無効化するようだ。 おまけにうっかり攻撃を加えたりすれば、その衝撃は糸を伝わり、ねっとり絡みついた体内の神経に跳ね返ってゆく。 そう。糸に釣られた者……天子へと攻撃は跳ね返る! 「天子さんッ!!! し、しまった……ッ!」 クレイジーDが放った衝撃を身体内部から一身に受けてしまい、頑丈さが取りえの天子もとうとう動かなくなってしまう。 そしてリミットは来た。天子の胴体に潜る針が、その急所――心臓に辿り着く。 糸の切断は不可能。引っ張ったってピクリとも動かない。 思った以上に厄介な代物を、この上なく厄介な場所で振り回す恐ろしい敵。 焦る。時間がない。 焦る。天子が死ぬ。 焦る。また仲間を守れない。 焦る。針が心臓に到達した。 「うおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」 暗い水の底で、男が吼える。 瞳を閉じた女の体を抱き寄せて。 ドグシャア! そして。 少女の体が無情にも突き破られた。 小さな体の胸の中心から、赤黒い飛沫を破裂させながら。 冷たい輝きを反射する針が、背を突き破って現れた。 ―――鮮血が、爆ぜて、混ざる。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 「一人、やったか」 湖上に浮かぶ小船の上で、神奈子は静かに呟いた。 ふぅ、と小さく息を吐く。 今度こそ、水を伝わって感じた糸の振動がその場で起こった全てを理解させてくれた。 確かに感じた、肉を抉り取る手応え。 天人の体内に侵入した針と糸は、その心臓を貫いて突き破ったのだ。 これで、二人目。まだ、二人目。 あの天人の少女よりも、神奈子が真に警戒するのは少年の方。 未知なる存在『スタンド使い』。あの少年の能力が未だに分からないからだ。 花京院典明やプロシュートのような、神をも驚愕させるほどの精神力の持ち主がこの会場にはわんさかと存在する。 これで状況は1対1。そしてこちらには地の利や武器の性能差も味方している。 それでも神奈子は慢心しない。油断すればこちらがやられる。 ブクブクと気泡が上がってくると同時に、水面が赤に染まり始める。 相手が上がってくる前にビーチ・ボーイの糸を巻き寄せておく。次はこのガトリング銃でお前を迎えてやる。 さあかかってこいスタンド使いの少年よ。 仲間を殺された怒りを携え、この我を殺すつもりで攻撃してみせよ。 お前はどんな顔で歯向かってくる? やはり怒りか。それとも悲しみか。 最期の間際まで闘争心を燃やし尽くす人間は、死してなお美しい。 獣にはない、人が進化を果てて至る境地だ。 我はせめて、お前のその生き様を見届けながらこの戦いに決着をつけるとしよう。 かつてプロシュートと鬩ぎ合った時のような、灰と化すほどの炎を漲らせてくれ。 「お前たちの亡骸は、我が陸の土に埋めてやる。流されたままではあまりに遣る瀬無いだろうからな」 水面から上半身を出した仗助に対し、神奈子はあくまで冷静に語りかけた。 殺す相手を土葬するというのも慈悲行為とは言えないが、第三者に死体を見られては殺害方法がばれるというのもある。 だがそれが神奈子なりの優しさだった。人の命には敬意を払う。それだけは神が忘れてはいけない尊厳だ。 肩に掛けたガトリングを仗助に向ける。引き金を引けば、後はそれで全てケリがつく。 「―――どうして殺した。アンタは、なんでヒトを殺すんだ」 男の両腕には、ぐったりと動かなくなった少女が横抱きに抱かれていた。 閉じた瞼は、二度と開くことはないだろう。少女の胸に塗れた血痕がその事実を物語っている。 その血痕が付着したのか、仗助の胸部もべったりと血で汚れていた。 「何か理由でもあるのか。それとも、理由すらない『殺人鬼』か」 男の声は思ったより冷静ではあったが、そこには確かに“怒り”の感情を含んでいる。 それを見据えた神奈子はひと呼吸置き、その艶かしい唇を滑らせるように動かし始めた。 「……神とは人を救うものだが、逆に人を脅かし祟ることもある。 どんな神にも両面性はあるものだ。そう、あの主催者……幻想の神も例外ではない」 殺人鬼呼ばわりされては神奈子といえど否定はする。彼女とて好きで殺し回っているわけではない。 どこまでいっても人と神は千年前から変わらない。 身勝手で未成熟な人間。そんな人間たちに神は時折バチを与え、続くのはそれの繰り返し。 外の世界では当の昔に神は信仰されなくなってきているが、この幻想郷では違う。 この世界の最高神が設定した取り決めならば、神である神奈子に拒否権はない。 ただ浸かり、踊り、果たす。 そこに意味はあるはずで、けれど神奈子は深く詮索しない。 「そういうことだ。現代のただの人間が理解するにはあまりに非常識な世界だが……悪く思うな」 それで会話は終わりだという合図を、引き金に指を掛けることで伝える。 神奈子の話を聞いた仗助は当然、納得できない。できるわけがない。 「あんたら神が決めた勝手なルールで……天子さんは死んだって言うのかよ……!」 仗助に神奈子の言った内容は半分も理解できない。 文字通り、住む世界が違うのだ。神だとか信仰だとか、そんなわけのわからない言い分でゲームに乗る。 そんな彼女を理解できないし、したくもない。 確かなのは神奈子が天子を傷付けたことであり、仗助はそのことに対して許せないと思っていることだった。 ならばどうする。 ここで奮起し、この敵を再起不能にするのが最上か。 だが勝てるような状況にないことは仗助にも分かっている。悪魔の銃身はこちらに向けられているのだ。 こちらの手札に銃は無い。飛び道具は無い。先ほど使用した水圧カッターなど通用するはずもない。 こんな時、仗助は思うのだ。 幻想少女たちの遊戯が羨ましい、と。 「―――っていうか、ずりーっスよね~~~。あんたら幻想郷の住民が扱う『弾幕』とかいうの。 一体どういう原理で何もない空中からビームなんか飛び出すんだ? おれにもその弾幕とかいうのが撃てたらよォーーー、こんな状況だとメチャ便利なんだがなーーー」 一転、雰囲気が変わったのは仗助の声のトーンだ。 どこかおちゃらけた様子にも見えるそれは、神奈子を内心困惑させるには充分の仕草。 この男に飛び道具というカードは無い。さっきみたいな水圧カッターは回避するまでもなく、弾丸掃射で撃ち落せる。 ならば恐怖で気でも違ったか……いや、もういい。会話は既に終えた。後はトリガーを引くだけ。 「あと、あの『スペルカード』っつの? あれゲームみたいでちょっとカッコイイよなァ~~~。 もしかしてこの幻想郷ならおれなんかにも使えたり し・て 」 神奈子が指を引くその刹那。 絶望的状況にある仗助の顔は―――確かに笑った。これ以上ないほど憎々しく。 そして彼の唇は動き、物静かに宣告した。 「―――要石『天地開闢プレス』」 神奈子が聞いた声は、女のもの。 キラキラに透き通った、それでいて凜を感じる気持ちの良い声だった。 宣告と共に仗助の唇は動いていたが、今のは明らかに男の声ではない。仗助のはリップシンク、ただの口パクだ。 誰が放った言葉だ。誰の発した呪文だ。 いや、まさかそんなはずはない。 奴の心臓は皮膚ごと食い破った。即死のはずだ。 既に死んで――― 「「生きてるわよ(ぜ)ッ!! このバーーーカ!!!!」」 ガバリという擬音が聞こえてくる勢いで、仗助の腕に抱かれた天子はいきなり起き上がった。 二人とも「してやったり!」とほくそ笑む笑顔で神奈子を睨みつけている。 「なに……ッ!? お前、死んだフリを……!」 「騙しの手品だぜッ!」 女の方がなぜ生きてるかという疑問を解消する前に。 神奈子は先の言葉の意味をもう一度思い出し、口の中で復唱させた。 (女が叫んだ台詞……スペカか!?) 神奈子はスペルカードルールに慣れていない。 故に死体のフリで言い放った天子の言葉が『必殺のスペル』だと気付くのに数瞬を必要とした。 機銃を撃とうと指に力を入れるも、時すでに遅し。 神奈子の足元から影が広がり、それは小船全体を一瞬で覆った。 「上か―――「ドボオオォォォン!!!!!」―――! 天子の召喚した巨大な要石が、神奈子ごと小船に墜落する! 上空から巨大要石を突き落とすスペルカード。死角から放った攻撃は完璧にキマッた! 「グレートッ! 天子さん、惚れ惚れするくらいナイスな死体役っスよ!!」 「棺桶を開けてみれば生者なり。思いもよらないことというのは物事の最後まで付き纏うもの。 ましてやそれが殺したはずの死者だと思い込んでいれば、より始末に悪い。結局はアンタ、油断していたってワケよ」 勝ち誇るかのように二人は水面でハイタッチを交わした。 イタズラに成功した幼子のような表情で、策は成功。神奈子の不意をうてた。 二人が弄した策とは、とても簡単なこと。 針が天子の心臓を食い破る直前、仗助のクレイジーDは天子の腹を拳で突き破った。 糸が切断できないならば、体の内部から引っこ抜けば良い。仗助は天子の腹部を貫きながら体内の針を掴んだのだ。 そしてクレイジーDの治癒力は、天子に痛みを感じさせる暇もなく“貫きながら治療した”。仗助の能力なら容易いことだ。 かつて祖父の仇、アンジェロのスタンド『アクア・ネックレス』が母の体内に侵入した時のように、体内からそのまま糸を引っ張り出した。 針が心臓を食い破るのと同時に腹を貫けば、湖上の神奈子にも『天子の心臓を破った』と錯覚させられる。 あとはさも仲間を殺されたように演技しながら水上へ顔を出せば、敵の不意をうてる寸法である。 流石に説明無しで仗助に腹をブチ抜かれたのは、天子といえど大抗議ものだったのだが。 「で、仗助。この後が問題よ。今のであの山の神を倒せたとも思えない。 ボートは私たち置いてとっくに陸まで行っちゃったし、どうするっていうの? 泳いで逃げる?」 「ちゃんと考えてありますよ天子さん。それに銃器ってのはとてもデリケートな代物です。 水に叩き落せばあの厄介なガトリングも、威力や命中精度はガタ落ちするはずで―――」 「―――誰を何処に叩き落したって?」 要石が墜落した衝撃で舞い散った水飛沫の中から、威厳ある女の声が響いた。 奴の乗っていた小船はバラバラ。ならば当然あの女も湖に落ちたものと仗助は予想していたが…… 「……天子さん。何であの女、水の上に立ってるんですか」 「まあ神様みたいだし、出来るでしょ。そのくらい」 水中をあっぷあっぷしている神奈子の姿を仗助はイメージしていたが、期待はハズレ。 どういう原理かで、神奈子は湖に立っていた。足の裏でしっかりと。 ジジイにもその昔、水の上を歩けたと自慢されたことを仗助は思い出す。年寄りのボケた戯言だと聞き流していたが。 「なに化かされたような顔してるんだい? 御神渡りくらい神なら出来て当然じゃないか。 こういうのはどっちかって言えば諏訪子の得意分野だけど、外界の聖人にも湖の上を歩いたって逸話があるじゃない」 神奈子が再びしっかりとガトリングを向けながら言った。気のせいか、その顔はどこか得意げだ。 どうやら幻想郷の住民は思った以上に規格外の存在らしく、仗助は彼女たちの認識を改めた。 「神様に一杯食わせるとは、あんたらも中々やるね。でも、手品のタネはもう尽きただろう?」 天子のスペカもほとんど効いていない。まさしく規格外と呼ぶべき実力だ。 今度こそ何も出来ない。攻撃なんてさせてくれるわけがない。 「タネが尽きた……? いやいやそれはどうっスかねぇ~~~? まだ残った策はあると思うんですがねーー」 周りには何もない湖のど真ん中。向けられたガトリング銃。反撃の隙も見出せない。 その状況で仗助はまだ笑うことが出来た。それは決して諦めの境地ではない。 歴とした最後の一本道が残されているからだ。 「ど、どうするのよ仗助……! 今度こそアイツは油断しないわよ……! まだ残った策があるって言うの?」 「ああ……たったひとつだけ残った策がありまっせー! とっておきのヤツがな! この手に握った操縦桿を見ろ! おれがさっきボートから飛び込む前にへし折っといた奴っす!」 「ボートの……? 何のために? たったひとつの策って何よ仗助!」 「フフフフフフ」 仗助のニヤついた笑みが天子をゾッとさせる。 それと同時に、仗助の体が水面から浮き上がるようにふわりと浮き始めたではないか。 この男に幻想少女のような飛行能力は無い。あるのは『治す』能力だけ。ならばこの現象は――! 「天子さん! おれに掴まってください!」 「な、なになに!? 何するのよ!」 「逃げるんスよォォォーーーーーーーーーーーーーーッ!!」 「きゃあああああああーーーーーーーーーーーーーーッ!?」 二人の体は空に浮き上がり……次の瞬間、物凄いスピードでバック方向に飛んでいく! 高らかな二重奏の叫び声が湖中に拡がった。 「なに!?」 「おれのクレイジー・ダイヤモンドにはこーんな使用方法もあるんスよ! あらかじめボートを止めずに陸まで走らせていたのはこうするためだぜッ!」 仗助の手の中にある操縦桿は、陸まで進んだボートの所へと『直り』に戻る。 それに引っ張られ、仗助と天子の体はまるで水上スキーのように後方へ滑りながら飛んだ。 今まで何度もお世話になったクレイジーDの復元による移動術だ。 そうはいくかと神奈子も銃で撃ち落とそうとするが、二人の姿があっという間に小さくなるほどのスピード。今更撃ったところでもう遅い。 完全に逃げられた。またしても一杯食わされたのだ。 「アッチャ~~。なんて逃げ足、いや飛行速度?の速いヤツらだい……。これじゃマヌケは私じゃないか」 湖の上で消沈する神奈子だったが、嘆いていても仕方ない。 少年のスタンド……『クレイジー・ダイヤモンド』とか言っていたか。 一体全体、何の能力だ? あの天人は確かに仕留めた手応えはあったんだが…… 治癒能力? じゃあ今のびっくりマジックはどういうわけだ? 「あーーーダメだわからん。スタンドってのはどうにも理解不能なところあるわねぇ」 頭をムシャクシャ掻き毟ってもわからないものはわからない。 だが、敵の飛んでいった方向はわかる。追いつけないこともないだろう。 自分の情報がばら撒かれても面倒くさい。どうせ参加者は全員倒さなくてはならないのだ。 奴らは追跡して仕留める。このまま湖を渡って。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 【D-1 エア・サプレーナの湖上/午前】 【八坂神奈子@東方風神録】 [状態]:体力消費(小)、右腕損傷、早苗に対する深い愛情 [装備]:ガトリング銃@現実(残弾70%)、スタンドDISC「ビーチ・ボーイ」@ジョジョ第5部 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:主催者への捧げ物として恥じない戦いをする。 1:『愛する家族』として、早苗はいずれ殺す。…私がやらなければ。 2:洩矢諏訪子を探し、『あの時』の決着をつける。 3:あの二人を追跡する。 [備考] ※参戦時期は東方風神録、オープニング後です。 ※参戦時期の関係で、幻想郷の面々の殆どと面識がありません。 東風谷早苗、洩矢諏訪子の他、彼女が知っている可能性があるのは、妖怪の山の住人、結界の管理者です。 (該当者は、秋静葉、秋穣子、河城にとり、射命丸文、姫海棠はたて、博麗霊夢、八雲紫、八雲藍、橙) ※仗助の能力についてはイマイチ確信を持っていません。 「―――仗助……? アンタどうしたの!?」 二人が無事、陸まで逃げ切れたのも束の間。 上陸した途端に仗助が突如膝をついたのだ。その額にはびっしょりと汗が流れていた。 「……や、ちょっとした掠り傷っス、よ……こんなモン……!」 言葉とは裏腹に仗助の腹からは多量の血が流れ出ている。 天子は大きく動揺した。いったい“いつ”血を流したのか。攻撃を喰らっていたのか。 おかしいとは思っていたのだ。 天子の腹を破った傷が完璧に治されたなら、どうして自分の服にはいまだ血痕が付着しているのか? この血痕があったからこそ死体のフリに説得力を出せたし、神奈子を騙すことも出来た。 そして気付く。自分に付着したこの血は、自分のものではない。 仗助が流していた血だったのだと。 「私……!? 私を助けるために水中に潜った時に、アイツの弾が当たっていたのね!?」 だとすれば自分はなんて情けないのだろうか。 仲間の負傷には気付かず、策が成功して子供みたいに笑っていたのだから。 こんな傷を受けて水に潜るなんて、本当に無茶する男だ。 ―――仗助はずっと、我慢していたのだ。 「天子さんの、せいじゃ……ねぇ……! ちょっとした掠り傷って、言っただろう……っ!」 敵に負傷を気付かれたくなかったためか、自分を心配させないためか。 何故自分はそこに気付いてやれなかったのか。 己の無力さに、拳が震える。 「この……馬鹿仗助!! どうしてアナタはいつもそう――!」 思えばこの男はいつもそうだった。 自分よりも先に他人を気遣う男。優しすぎる人間。 今回もその性格が災いしたとでもいうのか。 (違うッ! こんなの私が不甲斐ないせいじゃない!!) 自分の失態で仲間が傷付くなんて、天子にとっては屈辱以外の何者でもない。 自分が何とかしなければ。今、仗助を救えるのは自分だけだ。 「とにかくここをすぐに離れるわよ! アイツが追ってこない場所まで逃げて、アンタの傷治療しないと……!」 焦りながらそう言い、天子は仗助に背を向けて屈んだ。 「………なにやってんすか……天子、さん」 「私がおぶってやるって言ってんのよ! その傷じゃあ歩けっこないでしょ! さっさと背中に乗って!」 微妙に嫌がる仗助を半ば強引に背負い、天子は全速で駆けた。 汚れるのは大嫌いだが、血が付着するのも構わずに走った。 すぐに手当てしたいところだが、近くにはまだあのガトリング女がいる。仗助が負傷した今、追いつかれたら今度こそ全滅だ。 本来なら陸に上がったところであの敵を迎え撃つつもりでいた。あのまま戦闘を放棄するのはやはり気に喰わないし、この場所なら存分に暴れ回れる。 しかし状況が変わった。仲間の命だけは……仗助の命だけは助ける! 「天子さん……すま、ねえ。ちぃっと……眠くなっちまった…………」 「少し寝てなさい!! ていうか死ぬんじゃないわよ!! 絶対、絶対死なないでよッ!!」 耳元で仗助のか細い囁きが小さく響き、それきり動かなくなった。 とりあえず気絶しただけらしく、天子は少しだけ安心した。 全く、どこまでも世話が掛かる。 どこか休める場所に行って手当て出来たら、まずは殴ってやろうか。 大体どうしてコイツの能力は自分自身には使えないんだろう。 ふと過ぎったその疑問は、すぐに自分で解消した。 『自分よりも他人』。 仗助を表すその優しい性格が、きっとそんな能力を発現させたのだろう。 仗助の“仗”という文字には『護る』や『頼りにする』という意味があることを、天子の持つ知識にある。 そんな優しく頼り甲斐のある男に成長するよう願いを込めて、親から付けられた名前なのだろう。 ならば彼の誇りを、天子は守ってあげたいと思う。 思えば誰かのために何かをしてあげたいと思ったことは初めてかもしれない。 (今は、今だけは――仗助を護るのはこの非想非非想天の娘……比那名居天子よ!) 天子の心には、そんな小さな『光』が灯り始めた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 【D-1 エア・サプレーナの湖 西の湖畔/午前】 【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:気絶中、腹部に銃弾貫通、出血、びしょ濡れ [装備]:なし [道具]:基本支給品×2、ゲーム用ノートパソコン@現実 、不明支給品×2(ジョジョ・東方の物品・確認済み。康一の物含む) [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いの打破 1:気絶中。 2:霊夢と紫を探す・第一ルートでジョースター邸へ行く。 3:吉良のヤローのことを会場の皆に伝えて、警戒を促す。 4:承太郎や杜王町の仲間たちとも出来れば早く合流したい。 [備考] ※幻想郷についての知識を得ました。 ※時間のズレ、平行世界、記憶の消失の可能性について気付きました。 ※比那名居天子との信頼の気持ちが深まりました。 ※デイパックの中身もびしょびしょです。 【比那名居天子@東方緋想天】 [状態]:心に芽生えた小さな『光』、霊力消費(小)、びしょ濡れ [装備]:木刀@現実、LUCK PLUCKの剣@ジョジョ第1部、龍魚の羽衣@東方緋想天、百点満点の女としての魅力 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに反抗し、主催者を完膚なきまでに叩きのめす。 1:ガトリング女から逃げて、仗助の手当て。 2:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第一ルートでジョースター邸へ行く。 3:これから出会う人全員に吉良の悪行や正体を言いふらす。 4:仗助を信頼し合う『仲間』として認める。 5:殺し合いに乗っている参加者は容赦なく叩きのめす。 6:吉良のことは認めてない。調子こいたら、即ぶちのめす。 7:紫の奴が人殺し? 信じられないわね。 [備考] ※この殺し合いのゲームを『異変』と認識しています。 ※東方仗助との信頼の気持ちが深まりました。 ※デイパックの中身もびしょびしょです。 ※D-1 エア・サプレーナの湖 西の湖畔の陸上にはボートが一艇転覆しています。 123:行くぞ! 俺たちの旅立ち 投下順 125:賢者の意志 123:行くぞ! 俺たちの旅立ち 時系列順 125:賢者の意志 119:スウィートビター 東方仗助 148:相剋『インペリシャブルソリチュード』 119:スウィートビター 比那名居天子 148:相剋『インペリシャブルソリチュード』 115:Mountain of Faith/Face of God 八坂神奈子 148:相剋『インペリシャブルソリチュード』
https://w.atwiki.jp/internetkyogakusys/pages/448.html
◆「設問」の部 第1回(明治18年) 1 牽ト云フ語ハ如何ナル意味ナルヤ 且ツ作用言中幾段ノ活用ヲ為スヤ。 2 里はあれて人の?ふりにし宿なれ や庭もまがきも秋の野らなる 右ノ歌ノ係リ結ビハ如何。 3 作用言ノ中変格ノ種類及ビ其格中 ノ語数幾何アリヤ且ツ良行四段ノ中用 法ノ異ナル詞幾何アリヤ。 4 作用言ノ中毎段変格共使令ノ詞ノ 用法ハ如何。 5 (本文略) 右文中ノ誤リヲ正スベシ。 第2回(明治19年) 1 鶉,蛙,雀,鼠,瓦,器,杖, 笛,苗,竿 右,十字に訓をつくべし 2 箒ははゝきなるをはうきとも書く は如何なるゆゑぞ 3 春毎に心をそむる花の枝にだれが なほざりの袖やふれつる 4 故里へゆく人あらばことづてんけ ふ鶯の初音きゝしと 右,二首の歌のあやまりを直すべし 5 作用言の中の四段言を命令につか ふ時はいかなるいひかたにするかまた 四段言の命令のいひかたはてにをはの 結び辞となることありや 第3回(明治20年) 1 短,虹,梶,躑躅 蚯蚓,法師, 格子 右,訓の仮名をつくべし 2 小路は古来こうちと書き日向は古 来ひうがと書く 右,何故にうと書きてふとは書かぬ か其説明をすべし 3 思ふ事千枝にや繁し呼子鳥そのだ の森の方に鳴くなる 4 出づるとも入るともなくて足引の 山の尾上にすめる月かな 右,二首の歌のあやまりを直すべし 指点して其正誤をつくべし 5 はたらかす,生く 右,二語何段の活用といふ事を説明 すべし 第4回(明治21年) 1 く(来) す(為) 右二つの語の活用を説くべし 2 もみぢばをさこそあらしのはらふ らんこのやまもとはあめと降るなれ 3 おのづから思ひいづともかひぞな き契りしまゝのこゝろならずば 4 日にそへてふしたちにけりわが園 のたけの小枝のうぐひすのこゑ 右三首の歌の誤を指すべし 第5回(明治24年) 1 左の歌についててにをはの調不調 を説明すべし (い)つくばねの峰までかゝるそら 雲を君しもよそにみるは何なり (ろ)春がすみたなびく田居にいほ りしてあき田かるまで思はしむらく 2 左の歌についてうすみとふりみふ らずみとの区別を説明すべし (い)春のきるかすみのころもきぬ をうすみやま風にこそみだるべらなれ (ろ)神無月ふりみふらずみさだめ なきそぐれぞ冬のはじめなりける 3 左の歌について過去現在などとい いふ時の調不調を説明すべし (い)花見にとゆかましものを春が すみたなびく山のかひなかりけり (ろ)誰が方になびきはてゝかひじ のねのけぶりの末のみえずなるらん 4 左の歌についててはのはは清濁い づれにすべきかを説明すべし (い)みちのくにありといふなるな とり川なき名とりてはくるしかりけり (ろ)うめが香を袖にうつしてとヾ めては春はすぐともかたみならまし 右答案の末に熟読及び看過せし語学書 名を列記すべし 第6回(明治26年) 1 左の歌についててにをはの調不調 を説明すべし (い)ひとよりもこゝろのかぎりな がめてし月はたれともわかじものゆゑ (ろ)ほとゝぎす峰の雲にやまじり にしありとはきけどみるよしもなき 2 左の文について詞づかひの調不調 を説明すべし (い)玉はたとひ竜のあぎとにみい でしともそれ得るべき術のなからまし かばいかでかはそのかひあらん (ろ)硯もかわかせず夜毎にてなら ふまゝにいつしか消息をもかよはする ほどになりにけり 3 左の文について時または自他など の調不調を説明すべし (い)かの神龍をとらへては我また 害せられなましよくこそとらへ得ずは なりにけれ (ろ)和歌はひとつこゝろを種とし てよろづのことのはとぞなれりける 右答案の末に熟読及び看過せし語学書 名を列記すべし 第7回(明治27年) 1 左の文について天爾乎波の調不調 を説明すべし 手かくわざは文字のひとつにて上代 は殊にすぐれたりしをいつの頃よりや 漸くすたれて今はふつに学ぶ人だにな くなりしあわれ盛衰の理はたゞ人のう へのみにはあらじかし 2 左の二首の歌について詞づかひの 調不調を説明すべし (い)ゆくさきもみえぬ波路に船出 して風にもまかす身こそうきたれ (ろ)法のみちゑば ふみわけて 吉野の宮に いりにしを などかあら しの おちかへり 志賀山ざくら ち らすらん 3 左の十字に字音の仮字をつくべし 氷 火 僧 章 勝 納 信 心 (資料)「文検国語科」試験問題(1885年~1934年) 58 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) 孝 公 4 左の四条の問に答ふべし (い)有りといふ作用言を何故に変 格の活用といふか (ろ)とといふ天爾乎波はいかなる 時に連体言をうくるか (は)現在の時をあらはす作用言は いつも現在の一箇のみをあらはすか (に)音便の仮字をいうとするはい かなる故か 右答案の末に熟読及び看過せし語学書 名を列記すべし 第8回(明治28年) 1 動詞自他の弁 2 テニヲハの定義を与へかつ其分類 を示せ 3 維新以前の有名なる国語学者三名 を挙げその略伝と学説の一斑とを記せ 4 平安,室町,江戸各時代文学の特 質を略述せよ (国語教授法問題) 1 作文の採点は如何なる標準に拠る べきか 2 読方教授の方法及び其目的 3 読書科と作文科とは如何にして連 絡せしむべきか 4 尋常師範学校,尋常中学校,高等 女学校の国語科時間各々四学年間毎週 四時と見做し学科目及び教科用書の配 当表を作るべし (受験者ハ第一第二第三ノ三問ノ中其 二ヲ撰ブコトヲ得) 第9回(明治29年) 1 母音,子音,促音,拗音の定義を 与えよ 2 に,へ,と,の,が,も,を,の あらゆる用法を示せ 3 枕詞の性質を説き併せて之に関す る参考書を列挙せよ 4 語学の発達を略述せよ 5 左の書は如何なる事柄を記せるも のぞ 歴朝詔詞解 金塊和歌集 扶桑拾葉 集 藩翰譜 和漢朗詠集 6 左の人々の文学上の事蹟を問ふ 源隆國 一条兼良 北村季吟 貝原 益軒 瀧澤馬琴 7 長歌,短歌,旋頭歌,今様歌の形 式を問ふ 8 書牘文は如何にして発達せしか 第10回(明治30年) 【予備試験】 1 左の漢字に國訓を施せ 数 俵 鬼 菔 笈 刄 楫 醉 鵼 靨 潮 教 籖 氏 葛 屑 瓦 犯 竿 蝙蝠 紫陽花 2 左の漢字に漢語音を附しその用例 を示せ 京 右 奴 行 留 圖 慧 皇 女 人 宗 男 武 定 明 3 助動詞を分類してその用例を示せ 4 本邦助辞沿革の一斑を述べよ 5 左の人々の文学上の事蹟を問ふ 藤原俊成 石川雅望 村田春海 藤 原公任 安藤爲章 6 左の書の記載事項と編著者の名と を挙げよ 奥の細道 花月草紙 新葉和歌集 古今著聞集 古今和歌六帖 7 連歌とは如何なるものぞ 8 元禄時代の文学の状態を略述せよ 【本試験】 1 国学者の伝記を知らむには如何な る書を見るべきか 2 公事,衣冠,軍器のことを知らむ には如何なる書を見るべきか 3 土佐日記と古今集の序とを比較論 評せよ 4 読書科教授をして最も興味あらし むる方案如何 第11回(明治31年) 【予備試験】 1 左ノ文章ニ就キテ品詞ノ種類文章 ノ構造ヲ説明セヨ 見じといふ人こそうけれ山里の折か け垣の梅をだに情なしと惜みしに今更 薪になるべしとかねて思ひきや 2 左ノ語ニ仮名ヲ施シ意義ヲ説明セ ヨ 青侍 遠侍 年官年爵 引出物 切 米 緌 桑門 御釐降 檀越 冥加 3 左ノ人名ヲ漢字ニ写シ且ツ其時代 ヲ挙ゲヨ カタノアヅママロ ヤマノヘノオク ラ モトヲリノノリナガ オホトモノ ヤカモチ ケイチウアジャリ 4 左ノ書ヲ解題セヨ うけらが花 本朝文粹 吾妻鏡 玉 葉集 男信 同文通考 南留別志 安 齋随筆 莵久波集 蜻蛉日記 【本試験】 筆記試験無し 第12回(明治32年) 【予備試験】 (文法) 1 かなづかひ法のおこれる所以を問 ふ 2 方言の性質を略述せよ 3 明治以前に成れる語学書の重なる もの五種を挙げよ 4 左の文章中に誤謬あらば之を指摘 しかつ其の理由を述べよ (い)室内にては高声に談話を禁ず (ろ)その誠忠大に人を咸ずるもの あり宜なるかな芳名嚇々として後世に 伝ふるや 5 左の文章を文章法の上より解剖せ よ 灸治あまた所になりぬれば神事に穢 ありといふことは近く人のいひ出せる なり (文学史) 1 足利時代の文章の概略を述べよ 2 歌学に関する書五種の名と其の著 書の名とを挙げよ 3 俳諧歌と俳諧との別如何 4 三鏡を解題せよ 5 左の人名を時代の順序に配列せよ 藤井高尚 藤原爲兼 都良香 小澤 蘆庵 紀時文 藤原基俊 仙覚律師 【本試験】 (師範学校中学校高等女学校国語科用 読本には差異を立つる必要ありや) 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 59 第13回(明治33年) 【予備試験】 (文学史) 1 国文学に影響せる漢文学の書三種 を挙げよ 2 源氏物語の後世の文学に及ぼした る影響如何 3 左の天皇及び士庶の文学上に於け る事蹟を問ふ 後鳥羽院 戸田茂睡 京極黄門 林 述齋 善相公 4 徳川時代に現はれたる国語上の辞 書を挙げよ 5 明治以後の文章にして普通文の模 範たるべきものを挙げよ (文法) 1 左の文句中の誤謬を正し併せて其 理由を説明せよ (い)来(キ)しかた行末のみ案ぜ られて・・・・・・ 来(コ)しかた行末のみ案じ られて・・・・・・ (ろ)甲氏は体格つよしや否や 甲氏は体格つよきや否や 甲氏は体格つよきか否や 甲氏は体格つよきか否か (は)余り規則に拘泥さるヽはよろ しからざるやに聞及び候 (に)図書の検査を了はるときは 一々之に検印を附す例なるも時々は之 を略すこともなきにはあらずといふ 2 左の歌文の主語並に説明語を指示 せよ (い)世のうきも人のつらさも忍ぶ るに恋しきにこそおもひわびぬれ (ろ)彼等が首を正行正時が手にか けて取り候か正行正時が首を彼等にと られ候か 3 左の文句中の國,妻の二語は全く 同格なりと認めて可なるや否や之を詳 説せよ 法然國を去る 友人妻を去る 4 弖爾乎波研究に関する書籍中重要 なるもの三種を挙げよ 5 左の文章を国語の法則に拠りて書 下にせよ(女子の受験者には之を省く) (問題文略) 【本試験】 (1~3は解釈問題) 4 左の二文の意義の異同を説明せよ いかになりたまひにきとか人にもい ひ侍らむ いかになりたまひしと人ににもいひ 侍らむ 5 左の歌の係結を詳細に批評せよ 山里にたれをまたこはよぶこ鳥ひと りのみこそすまむとおもふに(山家集) 第14回(明治34年) 【予備試験】 1 言語学の効用を略述せよ 2 文語の動詞の活用と口語動詞の活 用とを対照して其の関係を述べよ 3 左の文字の用法を説明せよ (い)又 亦 復 (ろ)則 即 乃 輙 4 左の文章の構造を説明せよ 吾が郷神戸にうそ鳥多くきたり庭の 梅竹軒ちかき枝までこの鳥ならぬとこ ろなかりき 5 左の人々の文学上の事蹟を問ふ 宗良親王 歸震川 三蘇 太安万侶 【本試験】 3(1~2は解釈問題)左の歌に文法 上の誤謬あらば其の理由を附して説明 せよ うめがかをそでにうつしてとゞめて ははるはすぐともかたみならまし 4 左の語の差別を説明せよ 見す 見さす 見せさす 第15回(明治35年) 【予備試験】 1 用の字の活き方に幾種類あるか, その孰れが正しき。 2 左の文章の品詞を区別し且つ活用 ある語はその種類と段とを指示せよ。 ゑやせましせずやあらましとおもふ ことはおほやうはせぬがよきなり 3 左の人々の文学上の事蹟を問ふ。 元好問 李夢陽 本居春庭 大伴家 持 4 左の書籍を解題せよ。 説文解字 山口栞 続世継 名物六 帖 文選 【本試験】 1 口語と文語につき尊敬及び謙遜の 意をあらはす語法を説明せよ。 2 文法と美辞学との関係を問ふ。 3 徳川時代における小説の沿革を説 き且重なる書籍と作者とを示せ。 第16回(明治35年) 【予備試験】 1 左の歌を文章上より解剖せよ 世の中にあらまほしかぼと思ふ人な きが多くもなりにけるかな 2 左の歌中の「ながら」といふ語を 説明せよ。 彼は書を読みながら道をありく。 人道を唱へながら掠奪を事とす。 光秀は皮ながら粽を食へり。 3 鎌倉時代の著名なる文学書三種を 挙げて解題せよ。 4 諧声文字と会意文字との区別を説 明し且つ二三の実例を挙示せよ。 5 孟荀学説の異同を略述せよ。 (女学校のみの教員志望者は第四, 第五問に答ふるを要せず) 【本試験】 (漢文の部) 1 詩体の種類につきて知る所を挙げ よ。 2 故事成語を調ぶるに必要なる参考 書を挙げよ。 3 左の文章を漢文に復すべし。 (問題文略) (国語の部) 1 名詞及動詞は文の如何なる成分と して用ひらるゝか其種々の場合を挙げ よ。 2 連歌,狂歌,狂詩,今様歌に付い て知れる所を記せ。 3 動詞助動詞を教授する順序方法を 述べよ。 4 中古文と普通文との主要なる差別 60 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) は如何なる点にあるか。 第17回(明治36年) 【予備試験】 1 左の文の傍線を施したる語を説明 せよ。 (イ)やかすとも草は萌えなん春日 野をたゝ春の日にまかせたらなん (ロ)桜花散らばをしけん玉ほこの 道行ぶりにをりてかざさん。 2 左の文に誤謬あらばこれを正し且 つ其理由を説明せよ。 (イ)露こぼれぬ。 露ぞこぼれぬ。 (ロ)文治二年四月二日のはしを昇 りしも八島の内の大臣宗盛を生捕り賞 と聞ゆ。 ハ,委しく調査を為せしかとも遂に 何等の結果をも得ざりし。 3 左の伝説に就きて知れる所を記せ。 眞間手兒名 松風,村雨 阿新 丸 竹取翁 浄瑠璃姫 4 詩の六義とは何ぞ。 5 謚,諱,名,號,の別を問ふ。 6 左の文字に音と訓とを附し二音以 上有る者は其音に相当せる義を記せ。 (イ)己 (ロ)樂 【本試験】 (国語の部) 1 左の歌を作られたる時代を判別せ よ 梅の花それとも見えず久方のあまざ る雪のなべてふれゝば 鶯の鳴けどもいまだふる雪にすぎの 葉白しあふ阪の山 ほとヽぎすなかぬ國にも行きてしが そのなく声をまてば苦しも 蜩のこゑきく山の近けれやなきつる なべに夕日さすらん わが宿にさける藤なみ立ちかへりし ぎがてにのみ人の見るらん こと問へよおもひおきつの浜千鳥な くなく出でしあとの月影 2 左の語を解釈せよ。 秀句。 片歌。 落首。 前句附。 根合。 (漢文の部) 1 文学史上に於ける歐陽修 2 支那の人名を捜索すべき辞書二三 種を挙げよ。 3 左の語を解釈せよ。 (イ)詩餘。 (ロ)樂府。 (ハ)清談。 (ニ)壟断 第18回(明治37年) 【予備試験】 1 左音文を文章法の上より解剖せよ。 (イ)牛にひかれて善光寺参り。 (ロ)花より団子。 (ハ)人間万事塞翁が馬。 2 左の文に誤謬あらばこれを正し且 つ其理由を記せ。 (イ)貝ども拾いつヽうちさはぐ程 にやがて汐みつる頃となれば飽かず口 おしけれど返りぬ。 (ロ)火曜と木曜の午後は在宅に候 得ば御閑も候はヾ御来社被下度候。 (ハ)この地海に近く白帆を青松の 間に隠見して風光絶佳なり。 (ニ)人に命じて書かしたれば誤を やあらん。 【本試験】 (1~2は解釈問題) 3 次の事項について知れる所を記せ。 古今伝授,川柳,漢和連句。 4 維新以後の文学を概説せよ。 第19回(明治38年) 【予備試験】 1 左の名称を解釈せよ。 母音。 子音。 長音。 促音。 鼻音。 2 動詞の時を口語文語について説明 せよ。 3 左の文字の意義を説明し其用例を 示せ。 選,撰 篇,編 殉,徇 候,侯 僭,譖 5 左の傍線を施したる仮名に適当な る漢字を填充せよ。 顔ををかして諌む。 姓名ををかす。 疾にをかさる。 6 左の語の意義を説明せよ。 敢不為。 不敢為。 独不楽。 不 独楽。 【本試験】 1 左の文を文章法の上より解剖せよ。 (イ)今の儒者は天朝の故実を知ら ず夏夷順逆の理に暗くして名を乱り言 を紊る百五十年来比々として皆是なり。 (ロ)執行の時日は地方長官之を指 定する。 2 文部省文法許容案とはいかなるも のぞ。 3 左の事につき知れる所を記せ。 東 遊。 催 馬 楽。 延 年 舞。 田 楽。 浄瑠璃。 4 元稹,白居易につきて知れる所を 記せ。 5 左の書籍につきて知れる所を記せ。 論孟の註釈書 漢文典に関する書籍 第20回(明治39年) 【予備試験】 1 左の語につきて音韻の変化を変明 せよ。 なんなんとす。 とほたうみ。 いはゆる。 2 左の語につきて動詞と形容詞との 区別を説明せよ。 有り 無し 静かなり 3 抒情詩,叙動詩,戯曲詩の区別如 何。 4 弘法大師,日蓮上人の時代に於け る国文学の状況如何。 5 詩の古体と近体との区別を説明せ よ。 6 六書の区別及其実例を示せ。 7 左の人々を時代の順に配列せよ。 駱賓王, 陳思王, 朱?尊, 陸 放翁, 李夢陽, 昭明太子, 謝霊 運, 李? 宗景濂 【本試験】 1 小学校に於ける文法の教授案を示 せ。 2 文法と修辞学との限界如何。 3 左の書を解題せよ。 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 61 和字正濫抄。 和訓栞。 悦目抄。 玉霞。 歌袋。 4 朱陸学術の異同。 5 左の文を文章法の上より解剖せよ。 古者言之不出耻躬之不逮也。 第21回(明治40年) 【予備試験】 1 次の各項の書名を列記せよ。 (イ)六国史 (ロ)三代集 (ハ)四 鏡 (ニ)春秋三伝 (ホ)六経 2 延喜天暦時代の国文の状況如何。 3 左の事項につき参考すべき書目を あげよ。 (イ)皇国の御系図 (ロ)徳川時 代の女子の服装 4 左の文を(文?)章法の上より解 剖せよ。 (イ)知らざるを知らずとせよ是れ 知れるなり (ロ)物言へば唇寒し秋の風。 5 清初学術の状況如何。 6 支那歴代の国号を時代(順?)に 記せ。 【本試験】 1 歌論に関する書数種を挙げよ。 2 左の人々の語学上の事蹟を述べよ。 富士谷成章。 本居春庭。 鶴峰戊 申。 中島廣足。 3 左の名称を説明せよ。 宇治十帖。 古今六帖。 相聞。 東歌。 和讃。 組歌。 4 左の音韻学上の名称を説明せよ。 清音。 濁音。 摩擦音。 破裂音。 5 名詞と副詞との差異を述べて左の 縦線ある語の品詞を論定せよ。 沅湘日夜東に流れ去りて愁人の為に 住ることしはらくともせず。 6 支那の制度に関する参考書を挙げ よ。 7 曹大家蔡文姫につきて知れる所を 記せ。 8 七言絶句につきて平仄韻字の排列 を記せ。 第22回(明治41年) 【予備試験】 1 左の語の読方を問ふ。 盤渉調, 豊楽殿, 春宮大夫, 袙, 直 衣, 母 屋, 除 目, 歌 合, 万里小路, 流鏑馬。 2 左の語を説明せよ。 衆議判。 旋頭。 序歌。 浮世草 子。 宣命。 3 左の熟語を説明せよ。 格物致知。 径庭。 函丈。 良知 良能。 度支。 4 左の文法上の名称を説明せよ。 音便, 副詞, 修飾語。 5 唐宋に於ける古文復興の始末を略 記せよ。 【本試験】 (注意)第二種受験者は設問の(五) (六)に答ふるを要せず。 1 左の圏点を附したる語を品詞上よ り解剖せよ。 (イ)心あてに折らばやをらん初霜 のおきまどはせる白菊の花。 (ロ)うゑし植ゑば秋なき時や咲か ざらん花こそ散らめ根さへ枯れめや。 2 左の文を文章法の上より解剖せよ。 この殿には後夜に卯酒のさかなには 只今殺したる雉をぞ参らせける。 3 神楽歌,催馬楽に関する註釈書を あげよ。 4 俳句と川柳との区別如何。 5 左の人名につき知れる所を記せ。 庾信 李夢陽 6 左の文中の之の字の用法を区別せ よ。 自誠明謂之性。自明誠謂之教。(中庸) 博愛之謂仁。行而宜之之謂義。(韓 文原道) 7 左の句を漢訳せよ。 (イ)氷は水より寒し。 (ロ)病は口より入る。 (ハ)彼は此より善し。 (ニ)生民より以来未だ孔子より 盛なるはあらず。 第23回(明治42年) 【予備試験】 1 左の語を説明せよ。 衣冠,束帯。 宰相,相国。 公卿, 公家。 宣旨,令旨。 堂上,地下。 2 本居宣長の学問上における事蹟を 略叙せよ。 3 左の文を文章法の上より解剖せよ。 さしたる事なくて人がり行くはよか らぬ事なり用ありて行きたりとも其事 はてなばとくかへるべし久しく居たる いとむつかし。 4 左の書につきて知れる所を記せ。 文心彫龍。 通鑑網目。 【本試験】 1 係辞ありて結辞なき場合を挙げよ。 2 左の文の誤を正して其の理由を述 べよ。 (イ)雉子も鳴かねばうたれまじ。 (ロ)僅の費へを厭ふて大なる功を 空しふするな。 3 左の書につきて知れる所を記せ。 拾芥抄 東雅 令義解 懐風藻 紐 鏡 4 左の人々につきて知れる所を記せ。 安原貞室 浅井了意 藤原家隆 伴 信友 屋代弘賢 5 左の語を説明せよ。 隻声 畳韻 連句 6 大学の三綱領を挙げよ。 7 漢籍の解題に関する重要なる書名 を挙げよ。 第24回(明治43年) 【予備試験】 1 鎌倉時代の文学の概況を記せ。 2 左の語を説明せよ。 (イ)校倉 盤渉調 縣召除目 直 会 牛頭馬頭の呵責 (ロ)抽象 対象 概念 人格 散 文詩 3 左の名目を説明せよ。 音便 助数詞 副詞句 修飾語 4 周末の諸学派と之に属する学者の 名とを挙げよ。 5 平安朝時代の詩文集数種を挙げよ。 【本試験】 1 左の書の成れる時代を問ふ。 62 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) 新勅撰集 蜻蛉日記 岷江入楚 紫 家七論 月の行方 桂園一枝 古事記 古今著聞集 靖獻遺言 和名抄 2 枕詞の文学的価値如何。 3 自動詞他動詞を説明し左の語の孰 れに属するかを論ぜよ。 心の欲する所に従ひて矩を踰えず。 青柳絲を乱る。 何の仕出づる事もなし。 其是非を知らずといふ。 4 孔子の四科四教を挙げよ。 5 左の人々の時代と著書とを挙げよ。 趙翼 王弼 孔頴達 朱彛尊 第25回(明治44年) 【予備試験】 1 仮名の発達に就きて知れる所を記 せ。 2 べし,らる,や,に,と,の種々 の用例を列挙せよ。 3 左の語を説明せよ。 連枝 散楽 聟引出 究竟 笑止 荒凉 散位 娑婆 修羅 雑色 4 左の人々の文学上の事蹟を問う。 源親房 小澤蘆庵 林羅山 柳亭種 彦 三善清行 5 左の語の意義を問ふ。 風雅頌 起承転合 6 左の書に就き知れる所を記せ。 太極図節 玉台新咏 【本試験】 1 左の人々に就きて知れる所を記せ。 谷川士清 荒木田麗女 伊藤東涯 建部綾足 平賀源内 藤井高尚 肖柏 山崎闇齋 2 左の語を説明せよ。 科白 歌劇 句題 脚本 物名 賦 物 3 左の文を文章法の上より解剖せよ。 東洋の一大強国世界有数の軍国を以 て自ら居る日本が財政上に於いては欧 州二等国より劣等なる地位に就かざる べからざるが如き根本の原因は果して 何にあるか。 4 左の書につき知れる所を記せ。 小学 鍾嶸詩品 唐六典 5 左の事項に就いて知れる所を記せ。 三綱五常 魏晋の清談 第26回(大正元年) 【予備試験】 1 国文学に於ける韻文の形式を説明 せよ。 2 釈契沖の仮名遣に関する意見を述 べよ。 3 左の動詞の活用を示せ。 考 報 堪 用 栄 悶 据 教 抑 誣 4 左の語を略解せよ。 申文 節折 采女 頭陀 胡散 搦手 官憲 法人 人 為淘汰 群集心理 5 左の年号は何朝何帝の時なるか。 万暦 慶暦 建安 開元 6 左に就きて知れる所を記せ 姚江学 桐城派 【本試験】 1 明治時代に歿せし文学者二三人の 名を挙げてその事業を略述せよ。 2 祝詞と宣命とを比較論評せよ。 3 左の場合における品詞転成の例を 示せ。 (イ)名詞より動詞に (ロ)動 詞より副詞に (ハ)名詞より形容詞に 4 左の事項に就きて知れる所を記せ。 漢代に於ける国郡県の区別 唐代 の節度使 5 文章上の隻關法を説明せよ。 第27回(大正2年) 【予備試験】 1 謡曲に就いて知れる所を記せ。 2 欧州語より転化して我国の通用語 となれるもの若干を挙げよ 3 左の文の縦線を施したる部分を品 詞上より解剖せよ。 万里の長城未だ全く成らずして山東 既に乱れ坑灰なほ温にして咸陽の宮殿 三月紅なりあはれ万世無窮と期せし始 皇が遺図も忽ち二世にして尽きぬ盛な る者豈竟に久しからんや 4 左の語を解釈せよ。 起請 怠状 命婦 家司 優婆塞 連想 対照 暗示 本能 不文法 5 絶と律との特質を問ふ。 6 十八史略の名称の由来を説明し併 せて書中秦以後の国号を列記せよ。 【本試験】 1 左の書に就きて知れる所を記せ。 群書一覧 玉葉集 新葉集 金塊集 俚言集覧 詞の通路 2 左の人物に就きて知れる所を記せ。 松永負徳 伊勢貞丈 出口延佳 石川雅望 源順 阿佛尼 3 左の文を文章法上より解剖せよ。 夕さり大納言斬られ候はんに於ては 成經生きても何にかはし候ふべきなれ ば唯一所で如何にもなるやうに申して たはせ給ふべうも候ふらん 4 三礼に就きて知れる所を記せ。 5 類書の性質を略述し併せて其の二 三の書名を挙げよ。 6 二三の例を挙げて簡単に反切の法 を説明せよ。 第28回(大正3年) 【予備試験】 1 左の語に就きて知れる所を記せ。 東鑑 悦目抄 草庵集 文芸 類纂 詞の玉緒 2 左の語の読方を記し簡単に其の意 義を説け。 律令格式 公卿 法会 精進 上﨟 続松 3 助動詞助詞の意義用法を例を挙げ て説明せよ。 (イ)つ (ロ)らん ハ,ぬ べ し ニ,さ ら し ホ,は ヘ,が 4 左の人に就きて其時代及文学上の 特別の事蹟を記せ。 李夢陽 劉歆 5 左の書に就きて知れる所を記せ。 近思録 唐宋詩醇 【本試験】 1 俳文につきて知れる所を記せ。 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 63 2 左の語句の意義を解け。 六日の菖蒲 いさかひ果ててのち ぎりき 横紙破り 秘事はまつげ えてに帆をあげる 3 文章法の上より左の歌を解剖せよ。 世とともに峯へ麓へおりのぼり行く 雲の身は我にぞありける 4 正史編年史紀事本末の三史の区別 を略述して各一二の例を挙げよ。 5 漢学と宋学との特色を概説し,代 表的学者の名を挙げよ。 第29回(大正4年) 【予備試験】 1 左の人々に就きて知れる所を記せ。 安藤年山 屋代弘賢 藤井貞幹 四方赤良 清原元輔 2 左の語の読方を記し簡単に之を説 明せよ。 内舎人 門跡 廻立殿 白酒 黒酒 五節 准三宮 3 左の文中の用言を摘出しその活用 を示せ。 たとしへなくながめしをれさせ給へ る夕ぐれに沖の方にいとちひさき木の 葉の浮べると見えて漕ぎくるをあまの 釣船かと御覧ずるほどに都より御消息 なりけり(増鏡) 4 大学中庸の表章せられたるに就き て知れる所を記せ。 5 刑名学の意義を述べて其の著名な る人を挙げよ。 6 漢文の倒装法の例を挙げよ。 【本試験】 1 平安文学と漢文学との関係に就き て知れる所を記せ。 2 新井白石の著書の主なるものを挙 げよ。 3 左の文章を文法上より解剖せよ。 此の者さして猛き者とは見えず思ふ に狐狸のしわざにてぞあるらんこれを 射も殺し斬りも止めたらんはむげに念 なからまし同じく生擒にせん 4 主格をあらはす種々の助詞を文例 により示せ。 5 詩の六義を略述せよ。 6 楽府の起源及び其の体裁を略述せ よ。 7 濂洛關?の学とは何人の学と称す るか。 第30回(大正5年) 【予備試験】 1 左の人々に就きて知れる所を記せ。 太安麻呂。 西山宗因。 上田秋 成。 一條兼良。 高崎正風。 2 左の書籍の主なる註釈書の書名と 著者とを記せ。 万葉集。 源氏物語。 枕草子。 古今集。 徒然草。 3 左の文中の動詞,助動詞を摘出し て其活用を示せ。 三位討たれしと聞きしかども今朝ま では誠とは思はでありつるが此暮程よ りげにさもあらんと思ひ定めてあるぞ とよ。 4 左の事項に就きて知れる所を記せ。 寛政の三博士, 5 支那に於ける論語の註釈書三種以 上と著者とを記せ。 【本試験】 1 徳川時代に於ける左の各種の文章 の性質を述べよ。 和漢混淆文。 擬古文。 俳文。 狂文。 2 左の発句の修辞上の技巧を説明せ よ。 (イ)船となり帆となる風の芭蕉か な。 (ロ)木枯に二日の月の吹き散るか。 ハ,行く秋や手を広げたる栗のいが。 3 左の文を文章上より解剖せよ。 (イ)上も御涙の隙なく流れおはし ます。 (ロ)優なりなりと覚ゆるばかりす ぐれたると取る方なく口惜しきとは数 ひとしくこそ侍らめ 4 左の事項を説明せよ。 孟子の四端説。 詩の古体と近体。 5 左の事項につきて知れる所を記せ。 陸象山の学説の梗概。 伊藤東涯の 著書。 第31回(大正6年) 【予備試験】 1 韻文の価値を判断すべき標準につ き述べよ。 2 議論文と説明文との区別及其関係 を述べよ。 3 左の文中の動詞,助動詞を摘出し て其活用を示せ。 栗田殿の「いかにおほしならせおは しまぬるぞ。只今過ぎさせ給はゞおの づから障も出でもうで来なむ」とそら なきし給へるはこの時ぞかし。 4 左の文に誤あらば之を正し,且つ その理由を略記せよ。 孔子周に行き,礼を老子に問ふて大 ひに得る所ありしと云ふ。 5 儒教に於ける義利の弁につきて意 見を述べよ。 6 相城派の主要ある人名を挙げよ。 【本試験】 1 左の著作及び人物に就きて知れる 所を記せ。 山口栞。 後拾遺集。 怜野集。 本 朝文粹。 岷江入楚。 林信勝。 藤原 公任。 菅原孝標女。 竹田出雲。 2 大鏡にあらわれたる貴族生活を概 説せよ。 3 左の文を文章法上より解剖せよ。 五月雨の短夜に寝ざめしていかで人 より先に聞かんと待たれて夜深く打出 でたるに郭公の声らうらうじう愛敬づ きたるいみじう心あくがれてせんかた なし。 4 格物致知の意義を問ふ。 5 白楽天に就いて知れる所を記せ。 第32回 大正7年 【予備試験】 1 徒然草の所説に矛盾ありと云ふは 如何なる点なるか,又其の矛盾は如何 に之を解釈すべきか。 2 縁 語。 切 字。 黄 表 紙。 合 巻。 平面描写。 印象批評。 3 左の助動詞及び助詞の種々の用法 を例を挙げて説明せよ。 64 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) ぬ。 ま し。 ら る。 し か(欲 望)。 な(禁止)。 4 王陽明の良知説に就きて知れる所 を記せ。 5 青苗の法を略説せよ。 【本試験】 1 尊皇精神を内容とせる我が国の文 学に就いて知れる所を記せ。 2 叙事詩,抒情詩,劇詩の区別並に 其関係を説明せよ。 3 左の文を文章法上より解剖せよ。 おきなまろいいづく命婦のおもとく へといふに,まことかとてしれものは しれかゝりたればおびえまどひてみす まの中に入りぬ。 4 下の語の意義を問ふ。 居敬窮理 5 楚辞について知れる所を記せ。 第33回(大正8年) 【予備試験】 1 左の文を品詞上より解剖せよ。 (用言には活用及法(形段)をも記せ。) かくあやなき業の出で来ぬるはこの 世一つの事にもあらざらめども迷のお ろかなる前にはなほいとあやしかし。 2 口語の主格助詞「が」「の」の別 及動詞「ある」「をる」の別を例を挙 げて説明せよ。 3 左の修辞学上の名称を例を挙げて 説明せよ。 隠喩。 調和。 擬人。 漸層。 4 孟子の知言養気説を略述せよ。 5 物徂徠の文学につきて知れる所を 記せ。 【本試験】 1 源氏物語と枕草子に就きて比較論 評せよ。 2 京伝と馬琴とにつきて記せ。 3 左の文を文章法上より解剖せよ。 4 左の語の意義を問ふ。 博文約礼 5 文選に就きて知れる所を記せ。 第34回(大正9年) 【予備試験】 1 左の文章を口語に訳し,相対照し て口語法と文語法との異なる所を説明 せよ。 勝海舟壮時西洋式の兵術を学びける が一書肆の店頭を過ぎしに舶載の兵書 あり。当時得難き良書なり其価を問へ ば「五十両なり」と云ふ海舟之を購は むと欲すれども家貧にして直ちにその 金を弁ずること能はず。 2 我国における甲冑装束及び官職に 就きて参考書を示せ。 3 人心道心の意義を述べよ。 4 三蘇につきて知れる所を記せ。 【本試験】 1 八大集の書名を選集の年代順に列 記せよ。 2 新井白石谷川士清本居春庭の語学 上に於ける事蹟を記せ。 3 我国現代の文学にあらはれたる思 想上の傾向に就いて述べよ。 4 支那に於ける性の説の梗概を記せ。 5 陶淵明に就いて知れる所を記せ。 第35回(大正10年) 【予備試験】 1 左の文の誤を正し其の理由を略記 せよ。 口は食物を入る関門にして之を掩う 唇堅き歯柔き舌等はいはゆる発音機関 なり。吾人は之によりて自在に思想を 語ることを得る。言語は思想を通ずる 大切なるものなれども妄に用ゆれば不 測の禍を招くことあり。 2 左の動詞助動詞の活用を示せ。 肥 堪 支 率 恋 恨 らる ぬ べし まじ 3 左の名称を説明せよ。 今様 落首 俳諧 物名 歌枕 4 克己復礼の意義を述べよ。 5 司馬遷班固に就いて知れる所を記 せ。 【本試験】 1 文学上より平家物語を論評せよ。 2 左の文を文章法上より解剖せよ。 生物進化の事実なることは己に十九 世紀の後半の研究によつて全く確実と なつたから今世紀に入つてからは真理 を応用して直接に人間社会を利するこ とに計画する人が追々と出来た。 第36回(大正11年) 【予備試験】 1 左の文中の動詞形容詞助動詞を摘 出して其の活用を法(段)に当てゝ表 示せよ。 其の子家継は父には似ず大剛の者に て敵数多撃取つて引きにけるが父が馬 は射られて伏しぬ主はなし生捕られに けりと思ひて無念なれば只ひとり取つ て返し多くの敵を斬伏せて或兵と引組 んで落ち刺違へて死しけり 2 左の人々の年代を示しその著作物 の名を知れる限り挙げよ。 一条兼良 尾崎紅葉 紀貫之 賀茂真淵 北村季吟 3 左の名称に就いて知れる所を記せ。 (イ)道家 名家 法家 (ロ)四六文 【本試験】 1 源氏物語と枕草子とを比較論評せ よ。 2 左の文を文章法上より解剖せよ。 未成年者が其の飲用に供する目的を 以て所有し又は所持する酒類及其器具 は行政の処分を以て之を没収し又は廃 棄其の他の必要なる処置を為さしむる ことを得 第37回(大正11年) 【予備試験】 1 左の文を品詞に区別せよ。 まさをさんそんなにうちにばかりゐ ないでちつと外へおいでなさいいつ しょにあそびませう。 2 (イ)左の歌集の著者を挙げよ。 金塊集 山家集 うけらが花 桂園一枝 (ロ)左の名数について説明せよ。 四鏡 六国史 国学四大人 六歌仙 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 65 3 左に就きて知れる所を記すべし。 (イ)文選 (ロ)唐詩選 (ハ)人心道心 【本試験】 1 言語と文字との関係を簡単に説明 せよ。 2 室町時代の文学の特質を記せ。 第38回(大正12年) 【予備試験】 1 左の人々の著作に就いて所見を記 せ。 高山樗牛 徳富蘇峰 有島武郎 芥川龍之介 2 左の文中の動詞形容詞助動詞を摘 出し其の活用を法(段)に当てゝ示せ。 あないみじとて雪打払はせ給へりし 御もてなしこそいとめでたかりしか御 袍は黒きに御単衣は紅の花やかなるあ はひに雪の色もも.てはやされてえも いはずおはしまししものかな(大鏡) 3 左に就いて知れる所を記せ。 (イ)白居易 元槇 (ロ)近思録 伝習録 【本試験】 1 左の人々を論評せよ。 西行 兼好 芭蕉 2 左の諸項に就いて知れる所を記せ。 鉢の木 道中膝栗毛 小説神髄 浮雲 3 左の文を文章法上より解剖せよ。 世にあればこそ望もあれ望の叶はね ばこそ恨もあれしかじうき世を厭ひ誠 の道に入りなむには 第39回(大正12年) 【予備試験】 1 語尾,語句,語幹につきて説明せ よ。 2 左の書籍につきて知れる所を説明 せよ。 国歌大観 古事類苑 国文註釈 全書 古今著聞集 東関紀行 3 左の文章の構造を説明し文中の用 言の活用を表示せよ。 知らず生れ死ぬる人何方より来りて 何方へか去る,知らず仮のやどり誰が 為に心を悩まし何によりてか目を悦ば しむる 4 左につきて知れる所を記せ。 賴襄の日本外史 張載の西銘 【本試験】 1 近松門左衛門の芸の説と本居宣長 の物語の説とに就て述べよ。 2 形象文字と音標文字とに就きて説 明せよ。 3 官職,服飾,武器に関する参考書 を挙げよ。 第40回(大正13年) 【予備試験】 1 左の人物及著作の時代を問ふ。 松永貞徳 曽根好忠 玉勝間 四方赤良 頓阿 落窪物語 莵玖波集 正岡子規 大和物語 折焚柴の記 たけくらべ 日本 永代蔵 東上縁 性霊集 北村 透谷 2 左の文中の動詞形容詞助動詞を摘 出して其の活き方を法(段)に当てて 示せ。 凡保元平治より以来乱りがはしさに 頼朝と云ふ人もなく泰時といふ人もな からましかば日本国の人民いかがなり なましこのいはれをよく知らぬ人は故 もなく皇威の衰へ武備のかちにけると 思へるは誤りなり 3 左の事項に就きて知れる所を示せ。 (イ)魏の曹操父子の文学上に於け る事蹟 (ロ)知行合一 4 左の文を鑑賞批評せよ。 「平凡」(二葉亭四迷)(本文略) 【本試験】 1 愛読する国文学書の一を挙げて評 論せよ。 2 左の文を文章法上より解剖せよ。 昔は五たび譲りしあとをたづねて天 日嗣の位にそなはり八隈知る名をのが れて藐姑射の山にすみかをしめたり 第41回(大正13年) 【予備試験】 1 短文の異なる形式五種を例示せよ。 2 左の文中の動詞形容詞助動詞を摘 出して其の活き方を法(段,形)に当 てゝ示せ。 若し道のほとりに辱くも鳳輦を先立 てゝ御旗をあげられ臨幸の厳重なる事 も侍らむに参りあへらばその時の進退 いかゞ侍るらむ。 3 左の文を鑑賞批評せよ。 出典不明(本文略) 4 左の事項に就きて知れる所を記せ。 (イ)蒙求 (ロ)井田 【本試験】 1 江戸時代の歌論とその時代の歌と の関係を述べよ。 2 左の書を説明せよ。 東雅 詞八衢 和訓栞 本朝 文粹 新葉集 3 左の文を文章法上より解剖せよ。 やうやう天の下にあぢきなう人のも の悩みぐさになりてといとはしたなき 事多かれど忝なき御心ばへの類なきを 頼にて交らひたまふ(源氏物語) 第42回(大正14年) 【予備試験】 1 左の学者の国語学上に於ける重要 なる著書を挙げよ。 僧契沖 新井白石 富士谷成清 本居宣長 2 左の文章に就きて文の成分を説明 し且文中の用言を抜出してその活用表 を作れ。 行く川の流れは絶えずしてしかもも との水にあらずよどみに浮かぶうたか たはかつ消えかつ結びて久しく止るこ となし(方丈記)。 3 左の事柄に就きて知れる所を記せ。 (イ)三綱五常 (ロ)四六文 4 左の文を批評鑑賞せよ。 「作文第三十三講」(五十嵐力?) (本文略) 【本試験】 1 源氏物語の文章の特色を述べよ。 2 平家物語太平記を比較論評せよ。 66 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) 3 国語のアクセントに就いて知ると ころを述べよ。 第43回(大正14年) 【予備試験】 1 左の文章中の主語とそれに対する 述語を指示し次ぎに動詞を抜き出して その活用表を作れ。 年頃思ひつる事果し侍りぬ聞きしに も過ぎて尊くこそおはしけれその参り たる人毎に山へ登りしは何事かありけ むゆかしかりしかど神へ参るこそ本意 なれと思ひて山までは見ず 2 平安時代の著名なる物語及び日記 の書名を記せ。 3 左に就きて知れる所を記せ。 (イ)濂洛關閩の学 (ロ)建安 の七子 4 左の文章に就きて傍線を附したる 語を説明し且つ文中に表はれたる芭蕉 の心持を述べよ。 出典不明(本文略) 【本試験】 1 左の事項に就いて述べよ。 風俗歌 宴曲 時代物 幸若 舞 旋頭歌 2 徳川時代に表はれたる武家精神に 就いて述べよ。 第44回(大正15年) 【予備試験】 1 「べ し」「な り」「た り」「な む」「や」「か」の各種の用例を挙げ その意味を説明せよ。 2 現代文(日露戦争以後の文章)の 特徴に就いて述べよ。 3 講談派,桂國派,明星派,アラヽ ギ派に就いて知れる所を記せ。 4 (イ)三体詩 古文眞寳 (ロ)訓詁学と性理学 【本試験】 1 古今集より新古今集までの和歌の 展開を略述せよ。 2 左の書に就きて知れる所を記せ。 和名類聚抄 浜松中納言物語 鉢かづき 椿説弓張月 冠辞考 3 西洋文典の日本文法に及ぼしたる 影響を略述せよ。 第45回(大正15年) 【予備試験】 1 左の文章に就き単文及び復文を指 摘し且その構造を説明せよ。 野分の又の日こそいみじう哀に覚ゆ れ立蔀透垣などの乱れたる前栽ども心 苦しげなり大なる木ども倒れ枝など吹 き折られたるが萩女郎花などの上によ ろぼひはひ伏せるいと思はずなり(枕 草子) 2 国語の興隆につきて略述せよ。 3 左につきて諸氏の説を批評せよ。 「蕪村夢物語」(木村架空)(本文略) 4 左につき知れるところを記せ。 (イ)淮南子及び文中子の著者 (ロ)小学及び近思録 【本試験】 1 祝詞に表はれたる精神を説明せよ。 2 能楽の芸術としての性質に就いて 述べよ。 3 仮名遣の標準に就いて述べよ。 第47回(昭和2年) 【予備試験】 1 左の歌につきて文の構成を説明し 歌中に於ける用言につきて文語口語両 様の活用表を作れ。 かたちこそみ山がくれのくちきなれ 心は花になさばなりなむ(古今和歌集) ひさかたの月の桂も折るばかり家の 風をも吹かせてしがな(拾遺和歌集) 2 左の人々につきて知れるところを 述べよ。 橘守部 小林一茶 石川雅望 荒木 田麗女 松永貞徳 3 左の文を鑑賞批評せよ。 島崎藤村「小諸なる古城のほとり」 (本文略) 4 左に就きて知れるところを記せ。 (イ)格物致知 (ロ)呂氏春秋 文心雕龍 【本試験】 1 平家物語に現はれたる武士の精神 につきて述べよ。 2 紀貫之紫式部藤原定家の閲歴につ きて述べよ。 3 明治時代の口語文の発達につきて 述べよ。 第49回(昭和3年) 【予備試験】 1 左の語を例を挙げて説明せよ。 縁語 序詞 懸詞 折句 枕詞 2 左の歌の係結の関係を説明し歌中 に於ける用言の活用表を作れ。 淡路島通ふ千鳥のなく声にいくよね ざめぬ須磨の関守(金葉和歌集) ふる雪のみのしるごろもうちきつゝ 春来にけりと驚かれぬる(後撰和歌集) 3 左の文の意義を実例を挙げ敷衍し て説明せよ。 出典不明(本文略) 4 左の人物に就いて知れる所を記せ。 (イ)柳宗元 (ロ)新井白石 【本試験】 1 口語の文法と文語の文法との間に 存する主なる差異に就いて述べよ。 2 平安朝の女流日記文学四種を挙げ 簡明に解説せよ。 3 左の四種の文は如何なる文献にも ちいられたるものなるかを示し且つ漢 字使用の異同について述べよ。 (本文略) 第51回(昭和4年) 【予備試験】 1 和歌と連歌との関係を述べよ。 2 左に就きて「さび」の意義を説明 せよ 野明曰 句のさびはいかなる物にや 去来曰 さびは句の色也閑寂なる句 をいふにあらずたとへば老人の甲冑を 帯し戦場に働き錦繍をかざり御宴に侍 りても老の姿あるごとし賑なる句にも 静なる句にもあるものなりたとへば 花守やしろきかしらをつき あはせ 先師曰 さび色よくあらはれたり (去来抄) 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 67 3 左の文章に就きて文の構成を説明 し且つ用言の活用表(口語のみの)を 作れ。 呉服屋の手代が大きなふろしきづつ みを石地蔵の前におろして休みました がよほど疲れてゐたものと見えていつ の間にかぐつすり寝込んでしまひまし た。 4 左に就きて知れる所を記せ。 (イ)孝 経 (ロ)資治通鑑 (ハ)文献通考 【本試験】 1 江戸時代に於ける歌論の中著しき 数説を挙げよ。 2 本居宣長は何故に日本書紀より古 事記に重きを置きしか。 3 万葉集に現はれたる文法と古今集 に現はれたる文法とに於ける主なる差 異に就いて述べよ。 第53回(昭和5年) 【予備試験】 1 浦島伝説羽衣伝説義経伝説を取扱 ひたる文学的作品を挙げその作者並に 成立時代に就いて知れる限りを記せ。 2 左の文中より主語を摘出してその 性質を説明し又助詞形容詞及助動詞の 活用表を作れ。 萬のことは月見るにこそ慰むものな れ或人の月ばかり面白きものはあらじ と言ひしに又一人露こそ哀れなれと争 ひしこそをかしけれ 3 左の詩を評論せよ。 「泉」(クラブンド 訳 森鴎外) (本文略) 4 左に就きて知れる所を記せ。 (甲)太極図説 (乙)大日本史 【本試験】 1 発音的仮名遣と歴史的仮名遣 とによりて口語の動詞の活用に及ぼ す異同について説明せよ。 2 浮世草子・読本・合巻・滑稽本の 性質を簡単に説明せよ。 3 左の人々の重なる著書の名を挙げ よ。 契沖 谷川士清 伊勢貞丈 平田篤 胤 橘守部 第55回(昭和6年) 【予備試験】 1 左の文法の問題につきて説明 せよ。 (イ)過去の助動詞「き」は動詞に 如何に結びつくか。 (ロ)左の文章を品詞に区別し用言 の活用表をつくれ。 なんとも言へぬ美しいきれいな 花が野原一面に咲いて居りました。 2 道行文の特色を挙げよ。 3 左の書につきて説明せよ。 詞玉緒 古今要覧稿 小説神髄 古事類苑 貞丈雑記 和訓栞 稜威言 別 猿蓑 歴朝詔訶解 新学異見 4 左の二項につきて知れるところを 記せ (イ)伊藤仁斎 (ロ)唐宋八家 【本試験】 1 藤原定家の文学史的地位に就きて 記せ。 2 国語国文に関する年表・解題・索 引の書名を挙げて簡単に説明せよ。 3 片仮名の発達に就いて述べよ。 第57回(昭和7年) 【予備試験】 1 左の文章に於ける主語と述語との 成分を説明し文中の用言を抽出して活 用表を作れ。 文ことばなめき人こそいとどにくけ れ世をなのめに書きなしたる詞のにく ここそさるまじき人のもとにあまりか しこまりたるもげにわろきことぞ 2 紀行文学に就いて略述せよ。 3 左の文の要旨を述べそれに基づき て芭蕉の俳諧を論評せよ。 出典不明(本文略) 4 左に就いて知れる所を記せ。 (イ)昭明太子の文学上に於ける業 蹟 (ロ)王陽明の良知説 【本試験】 1 お伽草子の性質を説明せよ。 2 江戸時代における国語辞書の重な るものに就いて述べよ。 3 左の人々を年代順に排列し主なる 著書を挙げよ。 一条兼良 仙覚 二條良基 藤原公 任 源順 源俊頼 第59回(昭和8年) 【予備試験】 1 左の文章につき主語と述語との成 分を説明し動詞形容詞助動詞の文語口 語活用対照表を作れ。 (イ)この人々の深きこころざしは この海にもおとらざるべし。 (ロ)牛のたくさんのつてゐる車が いつかとほりました 2 南北朝時代の和歌について述べよ。 3 左につきて知れる所を記せ。 八代集 六国史 六歌仙 国学四大 人 芭蕉七部集 4 左につきて知れる所を記せ。 (イ)会澤安 (ロ)王夫之(船山) 【本試験】 1 契沖ノ仮名遣意見ニツイテ論評セ ヨ。 2 歌合ニツイテ略述セヨ。 3 左ニツイテ知レル所ヲ記セ。 梁塵秘抄 藤?冊子 伽婢子 無名 草子 往生要集 第61回(昭和9年) 【予備試験】 1 左の文章につき主語述語及補足語 の成分を説明し動詞形容詞助動詞の活 用表を作れ。 秋の月はかぎりなくめでたきものな りいつとても月はかくこそあれとて思 ひわかざらん人は無下に心うかるべき ことなり 2 歴史物語と軍記物語を比較論評せ よ。 3 左の事項につきて記せ。 (イ)和讃 (ロ)詞書 (ハ)六 義 (ニ)両部神道 (ホ)心学 4 左につきて知れる所を記せ。 68 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) (イ)陸 象 山 (ロ)山 鹿 素 行 (ハ)近思録 (ニ)言志録 【本試験】 1 方言研究の目的と方法とにつきて 述べよ。 2 江戸時代の小説に及ぼしたる支那 文学の影響につきて述べよ。 3 縣居派と桂園派の歌論を比較論評 せよ。 ◆「作文」の部 第1回(明治18年) 某(各人奉職スル所ノ校名ニ従フヘシ) ノ学校記 教育博物館記 修身学中ニ西洋修身ノ書ヲ加フルノ可 否ヲ論ズ 学力試験ニ赴クトキ同校教員ニ遺シ置 ク書翰 上京中学校ヨリ依託ノ書籍器械等ヲ購 求シテ其ノ仔細ヲ報知スル書翰 方今ノ作文ニハ何如ナル文体ヲ目的ト スベキヤノ問ヒニ答スル書翰 第2回(明治19年) 某学校の記 和文を教ふる順序を論ず 和文を人にすゝむる書翰 第3回(明治20年) 女学校創立の記 和漢学教授法の論 史をすゝむる書翰 第4回(明治21年) 史学の論 観桜の紀 第5回(明治24年) 大風の記 第6回(明治26年) 旅行の記 第7回(明治27年) 師範学校卒業生に告ぐ 尋常中学校卒業生に告ぐ 高等女学校卒業生に告ぐ (通行文と中古文体と両様) 第8回(明治28年) 戦死者の遺族に与ふる書 第9回(明治29年) 国語教育の要旨 第10回(明治30年) 【予備試験】師道を論ず(普通文体) 修学旅行の記(中古文体) 【本試験】*不明 第11回(明治31年) 【予備試験】文字ノ説 【本試験】*筆記試験無し 第12回(明治32年) 【予備試験】神皇正統記を読む(普通文 体) 【本試験】(師範学校中学校高等女学校 国語科用読本には差異を立つる必要あ りや) 第13回(明治33年) 【予備試験】国語統一の方法を論ず(普 通文体) 【本試験】作文添削の標準を論ず 第14回(明治34年) 【予備試験】中等教育に於ける国語漢文 の関係を論ず(普通文) 【本試験】自己の経歴(叙事文) 第15回(明治34年) 【予備試験】?吾が郷里 【本試験】? 第16回(明治35年) 【予備試験】海(普通文) 【本試験】*不明 第17回(明治36年) 【予備試験】*不明 【本試験】*不明 第18回(明治37年) 【予備試験】*不明 【本試験】*不明 第19回(明治38年) 【予備試験】戦争と文学 【本試験】吾が家庭(普通文) 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 69 第20回(明治39年) 【予備試験】婚礼を祝ふ文 死亡を弔ふ文 【本試験】高等女学校開校の祝辞 第21回(明治40年) 【予備試験】新聞紙(普通文) 【本試験】寄宿舎(普通文) 第22回(明治41年) 【予備試験】夏期休業(普通文) 【本試験】 第23回(明治42年) 【予備試験】公徳(普通文) 【本試験】 第24回(明治42年) 【予備試験】学校と家庭(普通文) 【本試験】吾が幼時(普通文) 第25回(明治44年) 【予備試験】山と海 【本試験】支那歴史を読む(普通文) 第26回(大正元年) 【予備試験】図書館(普通文) 【本試験】我が私淑する人物(普通文) 第27回(大正2年) 【予備試験】我が郷里(普通文) 【本試験】菊を観る(普通文) 第28回(大正3年) 【予備試験】読書法(普通文体) 【本試験】欧州戦乱に就きて(普通文) 第29回(大正4年) 【予備試験】学校卒業式祝辞(普通作文) 【本試験】秋(普通文) 第30回(大正5年) 【予備試験】旅行(普通文) 【本試験】秋の田舎(普通文) 第31回(大正6年) 【予備試験】わが母校(普通文) 【本試験】わが友(普通文) 第32回(大正7年) 【予備試験】体育(文語体) 【本試験】我が家(文語体) 第33回(大正8年) 【予備試験】わが郷の秋(口語文) 【本試験】講和大使を迎ふ(文語文) 第34回(大正9年) 【予備試験】夏の夕(文体随意) 【本試験】現代の時勢に鑑みて青年に諭 す(文語文) 第35回(大正10年) 【予備試験】わが愛読の書(普通文) 【本試験】わが希望(文語体) 第36回(大正11年) 【予備試験】わが勉強の状況を友人に知 らする文(口語文) 【本試験】月夜(文語体) 第37回(大正11年) 【予備試験】大正十一年を送る(口語体) 【本試験】万葉集を読みて(文語体) 第38回(大正12年) 【予備試験】初夏の田園(口語文) 【本試験】卒業式告示(校長に代りて) (文語体) 第39回(大正12年) 【予備試験】震災の感想(口語体) 【本試験】わが経歴(文語体) 第40回(大正13年) 【予備試験】五月初の感想(口語体) 【本試験】夏期休業(文語文) 第41回(大正13年) 【予備試験】我が時勢観(口語体) 【本試験】我等の進むべき途(文語体) 第42回(大正14年) 【予備試験】新緑(口語体) 【本試験】わが国文研究の態度(文語体) 第43回(大正14年) 【予備試験】晩秋(口語体) 【本試験】運動競技についての感想(文 語体) 第44回(大正15年) 【予備試験】旅に出て(口語体) 【本試験】方丈記を読む(文語体) 第45回(大正15年) 【予備試験】現今の世相に対する教育者 の覚悟(口語体) 【本試験】祖国(文語体) 第47回(昭和2年) 【予備試験】菅原道真伝を読む(口語体) 【本試験】昭和の御代と国民の覚悟(文 語体) 第49回(昭和3年) 【予備試験】思想善導に関する意見 【本試験】御大礼に際して国民の覚悟を 述ぶ(文語体) 第51回(昭和4年) 【予備試験】時勢に鑑みて節約を人に勧 む(口語体) 【本試験】我が読書法(文語体) 第53回(昭和5年) 【予備試験】我が国の韻文の将来に就い て(口語体) 【本試験】我が国体(文語体) 第55回(昭和6年) 【予備試験】秋の夜(口語体) 【本試験】正義の勝利(文語体) 第57回(昭和7年) 【予備試験】鎮守祭(口語体) 【本試験】平家物語を読む(文語体) 70 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) 第59回(昭和8年) 【予備試験】我が最も敬慕する学者 【本試験】日本精神(文語体) 第61回(昭和9年) 【予備試験】人格と其の感化 【本試験】昭和九年を送る(文語体) ◆ 「解釈」の部 (但し出題作品名のみ) 第1回(明治18年) 1 「栄華物語」 2 「源氏物語」 3 「伊勢物語」 4 「増鏡」 5 「落窪物語」 6 「宇治拾遺物語」 7 「神皇正統記」 8 「徒然草」 9 「読史余論」 10「万葉集」 11「万葉集」 12「万葉集」 13「古今和歌集」 14「古今和歌集」 15「古今和歌集」 第2回(明治19年) 1 「源氏物語」 2 「枕草子」 3 「徒然草」 4 「十六夜日記」 5 「琴後集」(村田春海) 6 「泊?舎文集」(清水浜臣) 7 「万葉集」 8 「万葉集」 9(イ)「古今和歌集」 (ロ)「古今和歌集」 第3回(明治20年) 1 「伊勢物語」 2 「枕草子」 3 「徒然草」 4 「増鏡」 5 「琴後集」(村田春海) 6 「北邊文集」? 7 「万葉集」 8 「万葉集」 9 「古今和歌集」 10「古今和歌集」 第4回(明治21年) 1 「枕草子」 2 「続日本紀」 3 「日本(書?)紀」 第5回(明治24年) 1 「源氏物語」 2 「万葉集」 3(イ)「古今和歌集」 (ロ)「古今和歌集」 4 「後拾遺集」 5 「新古今和歌集」 6 「日本書紀」 第6回(明治26年) 1 「源氏物語」 2 「大鏡」 3 「万葉集」 4 「古今和歌集」 5 「新古今和歌集」 第7回(明治27年) 1 「宇治拾遺物語」 2 「徒然草」 3 「古今和歌集」 4 「新古今和歌集」 5 「新葉和歌集」 第8回(明治28年) 1 「枕草子」? 2 「十六夜日記」 3 出典不明 4 さうざうし ゆふけ ゆふげ そ ばそぱし わくらはに らうたし ら うがはし さくじる みづはぐむ ほ うけづく 単語句の解釈(意味) 5 略 書取問題2問 第9回(明治29年) 1 出典不明 2 出典不明 3(イ)「万葉集」(4373) (ロ)「古今和歌集」(1060) 4 出典不明 傍線部の単語句問題4問? 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 71 第10回(明治30年) 【予備試験】 1 「枕草子」 2 出典不明 3(イ)出典不明 (ロ)「万葉集」(978) 4 出典不明 *傍線部のみ 5 靱負の佐 公卿 回録 攝籙 亭 子院のみかど けやけき奴かな 飾磨 のひたゝれ 弓矢の冥加 うるはしき 事よりも艶になまめかし むくつけく おそろし 単語句の解釈(意味) 【本試験】 筆記試験に解釈問題はなし 第11回(明治31年) 【予備試験】 1 出典不明 2 「源氏物語」(?) 3(イ)出典不明 (ロ)出典不明 (ハ)出典不明 (ニ)出典不明 4(イ)「拾遺和歌集」(?) (ロ)「古今和歌集」(?) 【本試験】 筆記試験無し 第12回(明治32年) 【予備試験】 1 「枕草子」 和歌を含む 2 「太平記」(?) 3(イ)出典不明 (ロ)「蕪村句集」(?) 【本試験】 1(イ)「増鏡」? (ロ)「古今和歌集」(1094) 2 出典不明 第13回(明治33年) 【予備試験】 1 「増鏡」? 2 出典不明 3(イ)(内容 形式) (ロ)(消極的 積極的) 4 参勤交替 刀自 行縢 左ノ宰相 中将 怠状 【本試験】 1 「東関紀行」 2 「新古今和歌集」 3 「蕪村句集」 4(イ)いかになりたまひにきとか人 にもいひ侍らむ (ロ)いかになりたまひしにと人に もいひ待らむ 二文の意義の異同を説明せよ。 第14回(明治34年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2 「十訓抄」 3 斎王 御息所 おほいまうちぎみ 扶持米 柳営 矛盾 塞翁馬 朝三 暮四 櫂輿 布衣の侍 単語句の意味 【本試験】 1 「枕草子」 2 「泊洦舎文集」 3 「古今和歌集」(46) 誤謬の指摘 第15回(明治34年)【予備試験】 1 「増鏡」 2 「古今和歌集」(1879) 3 羅城門 節折 郢曲 准后 膠柱 池魚禍 友于 白龍魚服 神嘗祭 新嘗祭の別 単語句の意味 【本試験】 1 「土佐日記」 2 「源氏物語」 3 「室鳩巣文」 第16回(明治35年) 【予備試験】 1 「枕草子」 2 めもあやなり おほどか 塗籠 壷切の劔 御湯殿の鳴絃 献芹之誠 点心 度牃 単語句の解釈(意味) 3 澪標 賢木 槿 雲隠 總角 蜻 蛉(以上源氏物語の巻名) 小大君 伊 勢大輔 万里小路藤房 月次祭 荷前 幣 慰斗目 褂 春宮坊 単語句の読み方 【本試験】 1 「鎌倉右大将西行法師を召し問ふ 記事」(上田秋成) 大意の要約・傍線部の解釈 2 「庭訓往来」 第17回(明治36年) 【予備試験】 1 出典不明 2(イ)「平家物語」 (ロ)「太平記」 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「愚管抄」 第18回(明治37年) 【予備試験】 1 「枕草子」 2(イ)「小袖曽我」 (ロ)「小督」 何れも謡曲 【本試験】 1 「うけらが花」 2 出典不明 第19回(明治38年) 【予備試験】 1 理想 連想 定義 現象 寝殿 四阿屋 いつきの宮 単語句の意味? 2(イ)謡曲八島 (ロ)「奥の細道」 (ハ)(犬も歩けば棒にあたる) (ニ)(仏の顔も三度) (ホ)(武士は食はねど高楊枝) 3 「今鏡」 4 「しみのすみか物語」(石川雅望) 【本試験】 1 「大鏡」 2 出典不明 72 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) 催馬楽 第20回(明治39年) 【予備試験】 1 出典不明 2 自然淘汰 万有 人格 軽文学 純文学 刹那 一機軸を出す 中原の 鹿誰が手に落つ 単語句の意味? 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「泊洦舎文集」 第21回(明治40年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2(イ)「古今和歌集(962) (ロ)「古今和歌集」(1097) (ハ)「古今和歌集」(867) 【本試験】 1 「万葉集」(16) 2 「古今和歌集序」 3 「平家物語」 第22回(明治41年) 【予備試験】 1 「徒然草」 2 「太平記」 【本試験】 1 「万葉集」(13) 2 「源氏物語」 3 「増鏡」 第23回(明治42年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2(イ)「古今和歌集」(161) (ロ)「新古今和歌集」(693) 【本試験】 1 「古事記」 2 「枕草子」 3 さうじみ はしたなし すげなう みじろぐ なよびか 五十日の餅 蹈歌 叙爵 攤うつ 上﨟 単語句の意味? 第24回(明治43年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2(イ)「古今和歌集」(867) (ロ)「古今和歌集」(420) (ハ)「古今和歌集」(212) 【本試験】 1 「万葉集」(45) 2 「源氏物語」 第25回(明治44年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2(イ)「古今和歌集」(277) (ロ)「古今和歌集」(872) (ハ)「古今和歌集」(1098) 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」 第26回(大正元年) 【予備試験】 1 「平家物語」 2(イ)「古今和歌集」 (ロ)「奥の細道」 (ハ)「風俗文適」 【本試験】 1 「大鏡」 2 「枕草子」 第27回(大正2年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2(イ)「古今和歌集」(901) (ロ)「新古今和歌集」(51) (ハ)「蕪村句集?」 (ニ) 出典不明 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」(38) 第28回(大正3年) 【予備試験】 1 「徒然草」 2(a)「古今和歌集」(277) (b)「古今和歌集」(1098) (c)「千載和歌集」 【本試験】 1 「枕草子」 2 「古事記」 第29回(大正4年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2 「平家物語」 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「古事記」 3(イ)「万葉集」(267) (ロ)「新古今和歌集」(340) 第30回(大正5年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2 「太平記」 傍線分のみ解釈 【本試験】 1 「枕草子」 2 「古今和歌集序」 第31回(大正6年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2 「平家物語」 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」(973?) 第32回(大正7年) 【予備試験】 1 徒然草 2(a)「古今和歌集」(1094) (b)「古今和歌集」(1097) (c)「新古今和歌集」(261) 【本試験】 1 「古事記」 2 「枕草子」 第33回(大正8年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2(イ)「新古今和歌集」(1617) 小笠原 拓:「文検国語科」の研究(2) 73 (ロ)「新古今和歌集」(1773) (ハ)「新古今和歌集」(987) 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」(319) 第34回(大正9年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2 「虞美人草」 要旨説明 【本試験】 1 「枕草子」 2 「万葉集」(1047) 第35回(大正10年) 【予備試験】 1 「徒然草」 2 「現代詩人選集」 要旨説明 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」(230) 第36回(大正11年) 【予備試験】 1 「徒然草」 2 「小鳥の来る日」(吉田絃二郎?) 要旨説明 【本試験】 1 「枕草子」 2 「万葉集」(207) 第37回(大正11年) 【予備試験】 1 「十訓抄」 2(a)「新古今和歌集」(861) (b)「新古今和歌集」(1558) 3 「惜しみなく愛は奪ふ」(有島武郎) 要旨説明 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」(800,801) 第38回(大正12年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2(イ)出典不明 (ロ)出典不明 3 「一本の枝」(武者小路実篤?) 要旨説明 【本試験】 1 「枕草子」 2 「万葉集」(971,972) 第39回(大正12年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2 「文学序説」(土居光知?) 要旨説明 【本試験】 1 「古事記」 2(a)「新古今和歌集」(1644) (b)「新古今和歌集」(1738) (c)「万葉集」(458) 第40回(大正13年) 【予備試験】 1 「増鏡」 2(a)「新古今和歌集」(980) (b)「古今和歌集」(300) 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」(1047) 第41回(大正13年) 【予備試験】 1 「十訓抄」 2(a) 「古今和歌集」(934) (b)「古今和歌集」(1057) (c) 「新古今和歌集」(452) 【本試験】 1 「万葉集」(897) 2 「源氏物語」 第42回(大正14年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2(a)「古今和歌集」(976) (b)「新古今和歌集」(156) 【本試験】 1 「枕草子」 2(a)「万葉集」 (b)「万葉集」 (c)「万葉集」 第43回(大正14年) 【予備試験】 1 「十訓抄」 2(a)「古今和歌集」 (b)「古今和歌集」 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」 第44回(大正15年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2(イ)「古今和歌集」 (ロ)「後撰集」 (ハ)「新古今和歌集」 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」 第45回(大正15年) 【予備試験】 1 出典不明 2(a) 出典不明 和歌 (b)「新古今和歌集」 【本試験】 1 「古事記」 2 「万葉集」 第47回(昭和2年) 【予備試験】 1 「今鏡」 2(a)「古今和歌集」 (b)「曽丹集」 【本試験】 1 「枕草子」 2 「万葉集」 第49回(昭和3年) 【予備試験】 1 「平家物語」 2(a)「古今和歌集」 74 地 域 学 論 集 第 10巻 第 3 号(2014) (b)「千載和歌集」 【本試験】 1 「源氏物語」 2 「万葉集」 第51回(昭和4年) 【予備試験】 1 「藤蔞冊子」(上田秋成) 2(a)「新古今和歌集」 (b)「柿園詠草」 【本試験】 1 「新古今和歌集序」 2(a)「万葉集」 (b)「万葉集」 (c)「万葉集」 第53回(昭和5年) 【予備試験】 1 「大鏡」 2(a)「古今和歌集」 (b)「調鶴集」 【本試験】 1 「源氏物語」 2(a)「万葉集」 (b)「万葉集」 (c)「万葉集」 第55回(昭和6年) 【予備試験】 1 「太平記」 2(a)「新古今和歌集」 (b)「千々廼屋集」 【本試験】 1 「大鏡」 2(イ)「賀茂翁家集」 (ロ)「柿園詠草」 第57回(昭和7年) 【予備試験】 1 「伴蒿蹊におくる」(村田春海) 2(イ)「新古今和歌集」(1755) (ロ)「竹亭夏月」 【本試験】 1 「枕草子」 2(イ)「古今和歌六帖」 (ロ)「赤人集」 (ハ)「古今和歌六帖」 第59回(昭和8年) 【予備試験】 1 「駿臺雑話」 2(a)「新古今和歌集」 (b)「桂園一枝」 【本試験】 1 「源氏物語」 2(a)「万葉集」 (b)「万葉集」 (c)「橘守都家集」 第61回(昭和9年) 【予備試験】 1 出典不明 2 (イ)(田安宗武)*和歌(神楽) (ロ)「人の七十の賀に橘によせて」 (賀茂真淵)*和歌 【本試験】 1 出典不明(古事記?) 2 出典不明(万葉集?) 「文検国語科」の研究(2)――筆記試験の構成と全体像―― https //repository.lib.tottori-u.ac.jp/files/public/0/4685/20180622151445442755/rs10(3)_47.pdf
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/322.html
―――『人狼』というゲームがある。 村人に化けて潜む狼――『人狼』を、村人たちが協力し、話し合い、推理し、そして投票によって狼と思われる人物を一人ずつ処刑していく。 人間に化けた人狼は一目では判別はつかない。 故に村人は様々な画策と知略によって彼らを追い詰め、正体を見極めなくてはならない。 村人側がとる戦法は非常に多種多様で、時には堅牢な慎重性で攻め、時には大胆な計略を用いて狼を炙り出す。 対して人狼側も自分の正体がばれぬよう、狡猾な誘導で村人を騙し通す。 裏切りと欺きと謀略の刺し合いの末、狼たちは一人また一人と村人を喰い殺していく。 そんな『騙し』のせめぎ合いが熱狂を呼び、一部の人々から高い人気を誇る。 ……といった内容のゲームがこの『人狼』だ。 さて、この場には一つの『集団』がある。 9人の『村人』という彼ら彼女らが、ひとつの目的を目指して集まり団結した、所謂『対主催』のチームだ。 だがその実態は、非常に脆く醜い。 彼らの中の何人かは既に気付いている。 この集団の中には、人を人とも思わぬ血塗れた『狼』が隠れ、その牙を隠しているということを。 狼を暴き出し、どうにかして『処刑』しようと企てる者もいる。 既に水面下では赤い火花が飛び散り、今にも燃え上がらんとしている状況。 だが彼らの誰一人として、集団の中に紛れる『狼』の数など把握出来ていなかった。 誰が何を考え、どの村人を喰わんとしているのか理解できている者などいなかった。 つまるところ、影の中に浮かぶ『真実』という小さな光を見ている者など、この場には存在しない。 ―――もしもそんな者がいるとすれば、天上から全ての万物を見下ろすような、まさしく『神の視点』を持つ者だけなのだろう。 例えば、そんな神の視点を持つ者がこの集団を覗いていたとして。 吉良吉影という『狼』が、自身の正体を知る者の抹殺を企てていたり。 東方仗助という『村人』が、吉良吉影という狂気の『狼』から仲間を守るため奮闘していたり。 河城にとりという『狼』が、パチュリー・ノーレッジという利口な『村人』をひどく鬱陶しく思っていたり。 そんな各々宿す因縁の関連性など、全てはきっと掌の上なのだろう。 しかし、天上で微笑みながら――あるいは胸を高鳴らせ夢中になりながらも9人を見下ろす神がいたとして。 『悲劇』という名の爆弾に火が付くその瞬間までは――― 『不穏』という名の導火線が伸びるその先までは――― ――――――『未来』の事までがわかる神などというモノは、この世に存在しない。 3人から始まった『藁の砦』は、紆余曲折を経て『要塞』へと成った。 しかし藁などが積み上がれば積み上がるだけ、燃え上がった後の被害は計り知れなくなる。 知識の魔女は当初、こう考えていた。 9人もの烏合の衆が集まったところで、待つものは『自滅』なのだと。 そうかもしれない。 しかし、そうはならないかもしれない。 だからこそ魔女は戦力を優先し、集団をより堅固な壁へと進化させるに至ったのだから。 未来の事など知りようがない故に、決断したのだ。 この判断が『吉』と出るか『凶』と出るか。 そこから先の未来は神すらも踏み込めぬ領域。 だが、ひとつだけ知り得る事があるとするならば――― ―――導火線には、既に『点火』が成されている、という事だけ。 【Fire up】―点火開始― ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [-00:10:30] [-00:16:04] 『河城にとり』 【午前7時1分】E- 1 サンモリッツ廃ホテル 玄関前 薄暗い廃ホテルから一歩外へ踏み出せば、空には白く輝き昇りつつある太陽。 その光輝に思わず目が眩み、河城にとりは右手を瞼に当てて陰を作った。 浮かぶ表情は普段通りの、河童妖怪らしい瑞々しい顔。 しかしその仮面の下では、その腹の底では動揺と恐怖が湯水のように溢れ出てきていた。 にとりは―――未だ『爆弾』を回収できていない。 パチュリーのディパックに仕掛けた小型爆弾は、とうとう爆破させる踏ん切りを付けられずに今に至る。 早くパチュリーを始末したいという保身と、集団の要となる人物を消すことによる失策の天秤に揺られ続けていた。 そもそも……パチュリーは自分にとって本当に害ある存在なのか? 今までに散々疑いを掛けられてきた事実は見過ごせないが、しかし今のところの実害は皆無だ。 現在の自分は様々な思考を辿ってきた故に生じた、ひとつの被害妄想に陥っている状態なだけではないのか。 パチュリーは魔女だが、鬼や悪魔ではないだろう。 むしろ自分がパチュリーに向ける悪意の方がチーム全体、果てはゲーム全体で見ればよっぽどタチの悪い扇動者なのではないのか。 仮にパチュリーを始末したとして、その後の自分が必ずしも安全を約束された環境に居座れる可能性は薄い。 パチュリー・ノーレッジという魔女は間違いなく、この異変を突破するのに何かしら役立つ知識と魔法を備える女なのだろうから。 ならばこのまま現状維持を貫けばいいのかというと、そうも言ってられない。 パチュリーの荷物に仕掛けた爆弾という名の『殺意』だけは誤魔化しようがないからだ。 今は見つかってないが、いつどの瞬間に誰かの目に止まるとも分からない。 ならばもういっそここで爆破させようか。 そう思いたくとも、前述した理由により迂闊な判断では爆破出来ない。 荷物に仕込む時はあれほどあっさり成功したのに、そこから取り出すとなるとコレが中々チャンスが来ない。 そして幸か不幸か、にとりはこの後のチーム分断でパチュリーとは同班。 今ここで焦って爆破するよりも、いずれは爆弾回収の『チャンス』は来るかもしれない(もしパチュリーと違う班であるなら、そもそも最初から無理してパチュリーを殺す必要は無いのだが)。 (く……クソっ! 頼むから見つかってくれるなよ……! せめてみんなと別れた後まで……保ってくれェ~~~ッ!) 結果、にとりは運を天に祈ることのみで何もせずにいる。 表情の上では平静を保ってはいても、内心では滝のような汗が絶えず流れ出ていた。 もし……もしも爆弾が見つかったのであれば、少しの口八丁で時間を稼ぐことは出来ても。 いずれは自分のやったことだとバレてしまうだろう。 そうなってしまった時には――― ―――ポケットの中に握る『リモコンスイッチ』が、汗ばんで気持ち悪い。 (私だって……殺したくて殺すわけじゃあないんだからな……! 頼むから私を『殺人者』にしないで、くれ……!) 込み上げてくるのは後悔と恐怖心ばかり。 それでも一度は確かに殺意を呑んだ者の責任というのだろうか。 心の中に付き纏う悪魔は、決して離れてくれずに『災厄』を呼び寄せる。 『命』を『運』んで来ると書いて『運命』とは誰かが言った言葉。 だが『命』を運び『奪』っていくのもまた『運命』なのだとしたら。 河城にとりに纏わり付く『運命』は、彼女の命を奪っていくのか。 または彼女の秘める『運』が、全く違う『天命』をもたらしてくれるのか。 異変の炎は、刻一刻と拡がりを見せ始めている。 その片鱗は、パチュリー・ノーレッジの口から高らかに吼え拡がっていった。 「さ。皆、覚悟は出来てるわね? もう一度これからの各自の動きを確認するから少し集まって頂戴」 バサリと地図を広げ、全員の注目を己の指に集めさせた。 悩み続けていても仕方が無いと、にとりは暗い面持ちでテクテクとパチュリーの元に歩いていく。 「まずは仗助・天子のAチーム。フットワークのありそうな貴方達2人は一番長いルートを通ってもらうわ。 このホテルから真っ直ぐ結界沿いに西へ。端っこのA-1まで突き当たったらそのまま南下してジョースター邸まで集まること」 ツツーっと、パチュリーの細い指が地図の上を滑っていく。 仗助はその様をフンフンと頷きながら眺め、天子は木刀を威勢よくブンブンと振り回す。 「任せなさいッ! この比那名居天子とその下僕、仗助があっという間にあのスキマ妖怪と紅白巫女を拉致してきてやるわッ!」 「誰も誘拐の真似事をして来いとは言ってないわ。2人を見つけたらなるべく平和的な同行をお願いするわね。 それとさっきも言った通り、道中での魔力の確認もお願いね。天人サマ?」 多分に皮肉を込めてパチュリーは天子へと念を押すも、既に彼女の意識は自分に任せられた任命へと向けられ燃え上がっていた。 やれやれとパチュリーは溜息を吐き、仗助の方にコッソリと耳打ちを施す。 「……暴れ馬のフォロー、貴方にお願いしても良いかしら?」 「……手綱ナシでは自信無いっスけど、やれるだけは努力します」 頼りのない応答ではあったが、この東方仗助はあの広瀬康一と同様、やる時はやる子なのだろう。 パチュリーもそれを感じ、仗助の背中をバシッと叩くことで気を入れてやった。 その2人の様子を仲良くしているものだと勘違いしてか。 岡崎夢美が頬をブーブーと膨らませながらパチュリーに抱きついた。 「パチェーーー!! それでそれで! 私&パチェの班はどのルートだっけッ!!」 「勝手に事実を曲げないでね。アンタと慧音、ぬえ達3人のBチームは第二ルート。 私とにとり、吉影、康一のCチームは4人で第三ルート。変更は御座いまっせん!」 言い終わるやパチュリーの拳骨がまたしても夢美の脳天に轟く。 既に見慣れた漫才の光景だったが、夢美はコブを擦りながらも全く反省する様子は無い。 未だ班構成に納得がいかないのか、騒ぎ立てまくる夢美をそっと押し退けて上白沢慧音が発言した。 「私たちBチームは地図上で言えば……このホテルから1マス下り、そこからB-2まで西行き、ジョースター邸まで引き帰るルートだな」 「ええ。中心部に近いルートを歩く分、それだけ参加者とも遭遇しやすくなるかもしれない。 勿論、中には危険人物とも鉢合わせる可能性もある。 皆ももう一度確認するわ! く・れ・ぐ・れ・も! 戦闘は避けて通るようにお願い!」 パンパンと手を叩き、パチュリーは目的の再確認をさせる。 今回の目的は霊夢と紫の捜索が最優先事項であり、危険人物の掃討ではない。 回避できる戦闘は極力、回避する。 それがこのゲームを生き残るために最も必要な戦法だと彼女は考えているからだ。 しかし、そうは思っていない者も少なからず居たらしい。 ご存知、比那名居天子は戦う気満々だとでも言いたげに木刀を天へと向けて叫んだ。 「弱い者が無理に戦う必要は無いわ! パチュリーの考えには一理あるけど、私は強いのよ! 危ない思考の輩はこの私が全員、ブッ潰すッ! その分、他の弱者は安全になるって道理よ! 間違ってる!?」 このゲームにおいて一番危ない思考の輩はお前なんじゃないのか、口には出さずとも仗助の目はそれを如実に言い表していた。 とはいえ仗助も天子の考えに理解がないわけではない。 というか、どちらかと言えば仗助は天子寄りの意見であり、彼女と同じく危険人物はなるべくブッ飛ばして無力化したいとも思っていた。 天子番長と舎弟仗助の意見が初めて一致した瞬間である。 が、その記念すべき瞬間を仗助は全然嬉しくも思わず、逆に天子と同意することはイコール面倒だなと考え、沈黙のみを味方とした。 一方、味方のいない天子に対しパチュリーはここぞとばかりに刺す。 「貴方の考えにも一理あるけどね、天子。でもそれは時と場合によるわ。 鼻高くして踏ん反り返ってる隙だらけの貴方を、その敵は狡猾に攻めてくる場合もある。 『勝てない』と思ったら素直に退いて、みっともなくても良いから逃げ出しなさい。 天人のプライドと命、どっちが大切なのかをもう一度噛み締めて」 「はあ? プライドを捨てるくらいなら死んだ方がマシよ! 陰険な地上の魔女如きがこの私の誇りを語るなんブバっふ――!?」 「そーそーようは『臨機応変』に対応しろっつーことなんスよねパチュリーさんの言いたいことはッ!」 次第に声色が熱くなってきた天子の口を横から塞ぎ、仗助は慌てて間を取り持つ。 天子も天子だがパチュリーもパチュリーだ。 台詞のひとつひとつに一々棘を含ませる彼女の悪いクセは天子に対してもまるで物怖じしない性格のようで。 全くどうして幻想郷の女はこうも危なっかしいひとクセふたクセある人物ばかりなのだろうと、仗助は自身の性格を棚に上げて呆れ果てた。 「んーーーんーーー! ……ぷはァ!! ちょっと何するのよ仗助、苦しいじゃないの! 下僕如きがよくも私の華麗な唇に触れてくれたわ―――」 「―――あの! パチュリーさん!」 傍から見ていて埒が明かなくなったのか、康一も慌てて天子の言葉を遮って質問を投げかけてきた。 「さっきの『案山子念報メールマガジン』なんですけど……」 康一は先程PC画面で目にした気になる記事についての出来事を簡単に思い出していく。 その記事は康一にとって――いや、その場の多くの者にとってある種ショッキングな記事だった。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [-00:20:15] [-00:25:49] ―――『八雲紫、隠れ里で皆殺しッ!?』 その恐ろしいタイトルはさておき……はて、八雲紫とは最近どこかで聞いた名だった気がする。 というか、今から自分たちが探しに向かうターゲットの一人ではなかっただろうか。 呑気しながら浅い記憶の引き出しを探っていた康一が答えを手繰り寄せると同時、一緒に画面を覗き込んだ慧音が蒼白な顔で叫ぶ。 「―――八雲紫!? それに、この画面は……ッ!」 映し出された画面内の写真には自分も知る幻想郷の住人『魂魄妖夢』や『星熊勇儀』など、計3人の参加者を殺害してるとおぼしき八雲紫の凄然な姿があった。 彼女の幻想郷に対する想いはこの慧音もよく知っている。だからこそ信じられなかったのだ。 「八雲紫が―――殺し合いに乗っている……!?」 思わず喉から出たその言葉の意味をよく考える。 ありえないと否定したい。 しかしそれならばこの記事自体の信憑性はともかくとして、この写真の語る意味するところは。 見る限りでは、どう見ても紫にしか見えない人物の、どう見ても殺人の瞬間を捉えた写真にしか見えない。 確かに大スクープではあった。……信じたくない悪夢のように。 「パチュリー……お前は『これ』を、どう考える?」 「……この記事は十中八九、『嘘』が混ざっている。 でもどこか真に迫るような『真実味』が見える気もする……そんなところかしら」 どちらにせよ彼女への遭遇及び接近には最大の注意を払って身構えることね、そう言い残してパチュリーはPC画面を早々と落とした。 パチュリーの答えは微妙に曖昧ではあったが、この記事の写真は確かにリアル過ぎる。 おかげで記事を目にした各々は目的人物の顔をこれでもかというほど詳細に記憶に刻み込まれる程度の効果はあった。 少なくとも紫が先ほどまで『猫の隠れ里』に居たという情報は得られたのだ。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [-00:06:40] [-00:12:14] ホテル食堂でのそんな出来事を康一は、駆け抜けて思い出し終えた。 あのような生々しく血生臭い現場写真を見てしまったのだ。 いくらスタンド使いとして戦ってきた康一も、こればっかりは気分も最悪だった。 そんな康一の不安げな表情を汲み取り、パチュリーも少し俯き加減に考える。 「ふむ……そうね。肝心なことを言っておきましょうか。 特に『猫の隠れ里』を通る第二ルートの教授や慧音たちBチームに強く念を押したいのだけど…… もしもターゲットの霊夢や紫が『乗って』いたのなら、それは考えられる限りの『最悪』よ。 私たちの最終目的、その前提から崩れるだけでなく、このゲーム…果ては元の幻想郷そのもののバランスまで揺らぎかねない。 出来ればだけど、その時は『力づく』で連れて来て欲しいわね。……ま、無いとは思うけども」 パチュリーたち幻想郷の住民にとっては『ありえない』事態故に、今までその考えに至らなかった。 異変解決でその名を広く轟かせるあの『博麗霊夢』と。 幻想郷を創った妖怪の大賢者の一人であるあの『八雲紫』とがゲームに『乗って』いた場合。 それはつまり本当の意味での『幻想郷の崩壊』を示す絶望であり、同時に主催に対抗する一切の手段の消失。 完全に光が絶たれ、よもやこの自分達ですらもゲームに興じるしか道は無くなるのだろうか。 ……いくら考えていても、今はその答えを導き出せそうにない。 考えるのは、『そうなった場合』の後からでも遅くはないのだろうか。 数字をゼロで割るような、そんな証明を求められているかのように思考の迷路に迷い込むくらいならば。 「その時はこの私があいつらをブッ飛ばせばいいだけじゃないッ! ねえ仗助!!」 「え。 ………あ、ええ、その通りですよ天子さん! パチュリーさんの不安なんか俺のクレイジー・ダイヤモンドで月までブッ飛ばします!」 正義の鉄槌というよりかは、個人的な恨みで霊夢や紫をハリ倒せる免罪符を手に入れただけのように見える天子と、 急に振られて思わず同意しただけのように見えた仗助が形だけでも元気付けてくれた。 信憑率皆無とはいえ実際に証拠写真の存在がある紫はともかく、あの霊夢までが一緒になって殺戮に興じるとはとても思えない。 杞憂だと思い、今は自分らに出来る戦いをやろう。 パチュリーは少々弱気になった自分を勇気付けてくれた仗助(のみ)にほんの少しの笑みを返し、いつの間にか腰に抱きついていた夢美を邪険に思う。 「パ~~~~~~チェ~~~~~~~~~………あたしゃ寂しいよォ~~~ン……! よよよよ…………」 懐いてくる子犬を優しく引き離す、というよりかは鬱陶しく血に吸い付いてくる蛭を引き剥がすような強引さで夢美を押し退けた。 パチュリーにとって厄介なのは、この岡崎夢美という女が自分のことを本気で心配しているという一点に尽きる。 夢美は自分の身を心の底から案じてくれ、その感情がちょっぴりだけ行き過ぎているだけなのだ。 それをよく理解できているからこそパチュリーは夢美のことを嫌いにはなれない。 (つくづく面倒な相棒を手に入れてしまったものね……) そうは思いつつもこのままではいつまでも出発できない。 あるいはいつまでも親離れできない子を持つ母親の苦労を身に沁みながらパチュリーは駄々っ子の教育を開始した。 「いい教授? 貴方の心の奥の奥のそのまた奥、その最底辺に眠るなけなしの米粒みたいな優しさは私もギリギリ理解しているつもりよ」 「ここは怒ってもいい所よね?」 「黙って聞く所よ。それでも貴方の優しさという名の『一方通行』の想いは決して私のためになるわけではないわ。 私と教授の間には『信頼』が足りない。それは時間を掛けて培うものでも、ましてやベタベタとくっつくことで育むものでもない。 『また明日ね』と言われて『バイバイ』と返せるような気軽さで、互いを信じることによって手に入れていくものよ。 それで教授? 貴方は私の『またね』という挨拶に、一方通行で傍迷惑なラブコールで返答するわからず屋なのかしら?」 「………………! わ、わかったわパチェ! 『また』! 絶対『また』会おうね!!」 果たして何処が夢美の琴線に触れたのかは定かではないが、とりあえず彼女はパチュリーの説得にいたく感動したらしい。 うるうると涙目になってまで手を振り、大げさな茶番芸まで見せ付けてくれた。 何だかんだ上手いこと言って夢美を丸め込んだことに一安心したパチュリーもこれにてようやく行動に移せる。 仮にも教育者の立場である筈の彼女を、図らずも教育してしまった点については複雑ではあったが。 ……抱きつかれた温もりをほんの少し『寂しい』と思ってしまったことには誰にも言えない。 夢美といえば、と。 パチュリーはふと、かなり重要なことを今更ながらに思い出した。 そういえばここにいる夢美はもしかしてあの吉良吉影の『正体』を知らないのではなかったか。 吉良の恐るべき正体を仗助が食堂で明かした時、夢美は(原因が何だったか覚えてすらいないけど)気絶していたはずだった。 自分たちが爆弾にされているかもしれないというとんでもない話の最中、あろうことか彼女はスヤスヤ夢の中を飛んでいたのだ。 その能天気ぶりに多少ムカついたので、このままで良いだろうという悪魔の囁きも聴こえたが、流石にそうはいかない。 夢美にもこの事実を伝えるべきなのだが、しかし吉良の居る今この場で伝えるわけにもいかなかった。 パチュリーは荷物の整理の最中である慧音を掴まえてそっと耳元で囁いた。 「慧音。吉良の『爆弾』……そして彼への『説得』についてだけど……」 「ああ、分かっているよ。夢美に伝えるのだろう? 後で私の方から伝えておこう」 流石に慧音は話が早かった。 爆弾の件云々もそうだが、その殺人鬼をパチュリー自ら説得しに行くことなど今話せば100%止められる。 どころか「代わりに私が説得する!」くらいは余裕で言うだろう。 皆が分かれた後で、夢美と同じチームの慧音から話を通しておけば面倒は最小限に抑えられる(※ゼロではない)。 慧音に軽く礼を述べ、時刻の確認をすると――― 現在時刻7:06。 予定より少し遅れている。 ジョースター邸での待ち合わせは正午だが、時間通りに回れるだろうか。 少しの焦りを見せ始めたパチュリーは最後にもう一度手を叩き、皆の注目を集めた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [-00:05:27] [-00:11:01] 『東方仗助』 【午前7時6分】 「―――じゃ、皆準備できたわね? もうここには戻って来ないと思うわよ」 「はいはーい! 私は完全完了準備オッケーです!」 「待ちくたびれたくらいよ。そろそろ身体を動かしたいところなのよね」 パチュリーの掛け声にややテンション高めの夢美と、天子が伸びをしながら返答した。 仗助もそんな天子の傍に付き、気合を入れ直す。 状況は―――ハッキリ言って不安の割合が多くを占める。 なんと言ってもあの殺人鬼が今なお、この場の誰かを爆弾に変えている事実はどうあっても変えられないのだから。 仗助はパチュリー、にとりらと共に出立の準備を整える吉良を横目で睨んだ。 奴の爆破能力に『射程距離』の概念があるならば、確かに吉良とその他のメンバーを出来るだけ引き離すのは上策かもしれない。 「パチュリー。それとにとり、康一君。……吉良さんも。気をつけてくれ」 「パチェ~~~~っ!!!! 『また』ね! 『また』ね!! 『また』ね!!! 『また』ね!!!!」 パチュリー率いる4人のCチームがいよいよ出発を開始する。 慧音が激励を送り、夢美がブンブンブンブンとそれはそれは大きく手を振っている。 吉良を有するこのチームが目下のところ一番の不穏だと仗助は考えているが、その心配は一人の親友が打ち払ってくれるだろう。 「―――吉良のヤローは、お前に任せるぜ。……康一」 「―――うん。僕が必ず、皆を守るよ。仗助くんも、天子さんをフォローしてやって。……あの人、結構危なっかしそうだし」 違いねェ、と仗助はニタリと苦笑する。 互いに一言だけの言葉を交わし、後は何もいらなかった。 親友の力はお互いしっかり理解出来ている。 康一が必ず守ると言ったならば、きっと彼は全力を尽くしてその約束を違うことはしないだろう。 チームの中で『爆弾化していない』と確信出来る者も自分を除けば康一ただひとり。 彼だけが吉良と唯一、対等な対峙が可能な者。 しっかりと吉良の動向を見張ってくれる広瀬康一という男は、仗助が本当に頼りにしている男なのだった。 軽く手を振り、少年の短い別れは終わった。 東へ向かう彼ら4人の姿がだんだん小さくなっていくのを見届けていると、仗助の耳に今度は優しい大人の声が掛かってきた。 「仗助くん。それに天子も。くれぐれに無茶はするんじゃないぞ。……特に天子は、その……」 「何よハクタクセンセー? まさかとは思うけど私の力を疑っているワケ? それなら何度も言うように心配要らないわ! この無敵天人比那名居天子が、あ!!!!っという間に悪者を叩きのめすからッ!」 2人が心配しているのは実力ではなくその自信過剰な性格なのだが、こればかりは生来治らない性なのだろう。 仗助もいい加減彼女の性質は理解出来ているので、ここからは天子のフォローという仕事が増えそうだ。 お調子者の上司を持った新入社員の気苦労を若くして味わうことになりそうだと、仗助は深い溜息を吐く。 「……慧音。そろそろ、私たちも……」 どこからいつの間に現われたのか。 封獣ぬえが仗助と慧音の会話に割って入って来た。 彼女の表情はどこか暗く、しかし何故かその中に不安という色は見えないように感じた。 だが彼女にも色々あったのかもしれないと、仗助は内心ぬえを心配する。 やはり放送のショックが多少なりともあったのだろう。 そのとき辺りからぬえの様子はずっとおかしかったのだから。 「慧音さん! ぬえちゃんも! 私たち栄光のBチーム――いえ、『輝く明日への教師チーム』も早速出発しましょう! 素敵な巫女さんの霊夢ちゃん、スキマ大妖怪のゆかりんさん共々パパっと捕まえちゃって、さっさと合流場所でパチェを待つのよ!」 「お前は霊夢たちを探しに行くのか、パチュリーと再会する為に行くのか、どっちなんだ……」 慧音がげんなりと夢美にツッコんでいく。 この人騒がせなお姉さんと行動を共にするのはひと苦労だなと、仗助は同情の意を慧音に向けた。 何だかんだでやいのやいのしながら南の方角へと歩を進める彼女ら3人を眺める仗助。 その大きな背にバシンと力強い震動が響いた。 「さッ! 後は私たちだけね仗助! 精々、主である私の足だけは引っ張らないようにお願いしたいわ!」 ……夢美の万倍人騒がせなお姉さんを忘れていた。 これから数時間、彼女と2人旅を味わうことを考えるとひと苦労どころの話ではない。 「目指すは西よ! 言っとくけど天人の脚力は人間の比じゃないわ。 『特別』に! 『今回』は! この私がアナタに歩幅を合わせてあげるわね! 優しい主で感謝しなさい!」 「ワー ソイツハ オキヅカイ アリガトウゴザイマッスー」 「……何か釈然としないノリだけど…ま!いいわ! じゃあこの私率いる『麗しき非想非非想天の天子様!チーム』出撃よ!」 ひとりしか居ないお連れのどこが“率いる”なのか、とか。 そのキラキラしたチーム名の中にはもしかしなくても俺を含めてるんだろうなぁ、とか。 歩幅を合わせるなどと言った次の瞬間、彼女の姿は既に自分の遥か前方を爆走している、とか。 そもそもそっちは太陽が昇り来ている方向なので恐らく西ではなく東なんじゃないだろうか、とか。 既にしてツッコミきれない天子の数々の行動は、仗助にもう一度盛大な溜息を吐かせるのには充分すぎる理由だった。 そのまま東に向かうパチュリーたちと合流しかねない天子を連れ戻すために、仗助は渋々彼女の背中を追いかける。 走りながら仗助は白い朝空を見上げ、これからの行く末に憂いを感じた。 どこまでも続く空は、自分たちの出発を歓迎しているようには見えなかった。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 【E-1 サンモリッツ廃ホテル前/朝】 【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:頭に切り傷 [装備]:なし [道具]:基本支給品、不明支給品 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いの打破 1:霊夢と紫を探す・第一ルートでジョースター邸へ行く。 2:吉良を仲間になんかできるのか? やっぱり……。 3:承太郎や杜王町の仲間たちとも出来れば早く合流したい。 [備考] ※幻想郷についての知識を得ました。 ※時間のズレ、平行世界、記憶の消失の可能性について気付きました。 【比那名居天子@東方緋想天】 [状態]:健康 [装備]:木刀@現実、龍魚の羽衣@東方緋想天 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに反抗し、主催者を完膚なきまでに叩きのめす。 1:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第一ルートでジョースター邸へ行く。 2:主催者だけではなく、殺し合いに乗ってる参加者も容赦なく叩きのめす。 3:自分の邪魔をするのなら乗っていようが乗っていなかろうが関係なくこてんぱんにする。 4:吉良が調子こいたら、ぶちのめす。 5:紫には一泡吹かせてやりたいけど、まぁ使えそうだし仲間にしてやることは考えなくもない。 [備考] ※この殺し合いのゲームを『異変』と認識しています。 ※ぬえに対し、不信感を抱いてます。 ※吉良の正体を知りました。 [-00:00:04] [-00:05:38] ドグォオオン―――! 天子の走っていった東の方角から仗助の耳に轟いたのは、そんな破裂音。 映画なんかでよく聞くような大胆で派手に盛ったSEではなく、 仗助自身、最近どこかで実際に聞いた音によく似ていた。 そう、例えば吉良吉影の繰り出す空気弾が爆発した時のような――― 「――――――あ?」 息と共に小さく漏れた、意味も成さない言葉が。 この空気に、これ以上なく不穏な寒さを予期させた。 ―――ずっと、嫌な空気は感じていた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:00:41] [-00:04:53] パチュリーは呆然としながらも、『ソレ』を前にして動けずにいた。 河城にとりは腰を抜かして地面にへたり込み、『ソレ』を空白の目で見つめていた。 離れた所から無表情の仮面を被った吉良吉影が、『ソレ』を黙って見下ろしていた。 だらんとぶら下げた木刀を携えた比那名居天子が、『ソレ』を見て言葉を失っていた。 音を聞いて駆けつけた仗助の目に飛び込んできた光景が『ソレ』だった。 爆発の余韻だけが空を響かせ、残るは静寂。 今、この場で何が起こった。 誰が、何を目撃した。 この事象を説明できる者は居ないのか。 誰もが言葉を詰まらせ、発せることが出来なかった。 「――――――いて、くれ」 静寂を最初に打ち破ったのは、後方からその死のような静けさを眺めていた男。 東方仗助は、言葉に成らぬ言葉を漏らしながら『ソレ』に近づく。 「―――どいて、くれ……ッ! 皆、どけ……ッ! そこをどけェェーーーッ!!」 唖然とする天子を荒々しく押し退け、 へたり込むにとりの肩に足をぶつけ、 猛然と『ソレ』の元に駆け寄る。 「――――――康一ィィィイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」 顔の原型が判別できないほどの爆死体と果てた“康一”と呼ばれた『ソレ』は。 爆発の跡地で、無残な骸と化していた。 「クレイジー・ダイヤモンドォォオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」 駆けながら、慟哭が如く吼える。 あらゆる物を『治す』能力。 この世の何よりも優しい能力と称されたその力は。 命を『繋ぎ止める』力はあっても。 ―――命を『呼び戻す』力は、無い。 【広瀬康一@第4部 ダイヤモンドは砕けない】 死亡 【残り 65/90】 [+00:01:27] [-00:04:07] 「おい! 今の音は何だッ!? 何があった……―――ッ!!」 「なによ……これ…………っ」 「嘘………」 騒ぎを聞きつけ駆け戻って来た慧音と、夢美と、ぬえが、惨劇を目にした。 そこに居たのは変わり果てた友人を懸命に治療する仗助と。 それを見守る――というよりも未だ信じられない眼差しで眺める周囲の面々と。 体の前面部が焼け焦がれ、ズタズタに切り刻まれた康一“だったモノ”が倒れている。 下顎がまとめて吹き飛び、 黒く焦げた胸部からは白い骨が飛び出していて、 破れた喉を含め呼吸器官も全て深刻な傷を負い、 肺の中もグズグズに破裂し、それだけでも致命傷。 右肩から先の腕が丸ごと消失し、数メートル先の地面に千切られたまま落ちており、 他にも身体のいたる所の皮膚が抉られ、そこから流れるドロドロした大量の血液が地面に血溜まりを形容している。 誰がどう見たって、『即死』だった。 仗助の能力は傷付いた身体を完全に癒せるものだと聞いてはいても、 果たして即死の人間を復活に至るまでに治せるのか。 恐らく―――不可能だろう、と。 この場の全員が、悟った。 それを一瞬で悟れるほど、康一の負ったダメージは深刻だった。 それを誰よりも理解している筈の仗助は、何も言わず懸命に治療を進める。 まだ、間に合うかもしれない。 もしかしたら助けられるかもしれない。 根拠の無い空白の希望に縋り、必死にその手を伸ばそうとする。 かつて親友の虹村億泰が吉良吉影から受けた絶望的なダメージを、ギリギリの状態から奇跡的に復活できた時のように。 だから仗助はその手を止めない。 可能性が1%でもある限り……いや、たとえ無くたって。 康一の命を助けられるのは自分しか居ないのだから。 ほんの短い間。 仗助が康一の身体を治療しているほんの短い間。 この場に流れる静寂と寒気が身をつつみ、時間も空気も凝結したような感覚を覚えた。 仗助も、彼を眺める周囲の者達も、皆。 しかし、そんな沈黙もすぐに崩れた。 「吉良吉影ッ!!! アンタが……アンタが康一を爆弾で殺したのねッ!!!」 眠った沈黙を撃ち崩したのは、殺気立った形相で吉良を指差したぬえ。 この場の誰もが初めて目にした、彼女の鬼面のような表情が真っ直ぐ吉良を見据えた。 「みんな聞いてッ! 今までずっと涼しい顔してたこのスカしたブタ野郎の正体はッ! 『人や物を爆弾に変える能力』のスタンド使いッ! イカれた『殺人鬼』なのよッ!!」 「――――――………っ」 今にも殴りかかっていきそうな勢いで怒号を放った彼女に物怖じしたのか、吉良がここで初めて動揺の色を見せた。 ぬえが当初に見せていた弱々しい印象やぶっきらぼうな雰囲気は既に面影に無い。 あるのは罪深き殺人者を糾弾し、処刑に追い込む暴衆のような豪気だった。 「え……えぇ~~~ッ!? 吉良さんがさ、さ、さ、『殺人使い』で、『スタンド鬼』ッ!? 爆弾って……どういうことぬえちゃんッ!?」 ぬえの言葉に大きくショックを受けたのはただひとり。 この場で唯一、吉良の『正体』を知らなかった夢美だけが驚愕した。 「この男は普通の一般人を装って、陰から私たちを殺すチャンスを伺っていたのよッ! その証拠に康一も爆弾で殺されたッ! コイツはゲームに『乗って』いたのッ!!」 「なっ……! 何を突然言い出すんだぬえさん! 私がスタンド使いなワケが……ッ!」 「嘘ッ! 私見てたんだから! アンタがホテルで仗助と康一と会話してる所を陰からッ! アンタが爆弾のスタンド使いで、どーしようもなくクレイジーな人殺しだって会話をねッ!」 「グ………ッ!?」 なんて迂闊な失態だと、吉良は過去の行動を恥じた。 まさか『あの』会話を見られていたとは、最大のミスだ。 どうする……これでは言い逃れようが……ッ! しかし、何かがおかしい。 全く辻褄が合わないのだ。 ―――そもそも、 「待てッ! 私は広瀬康一を殺してなどいないッ!! 何かの間違いだッ!!」 吉良は反論をした。 自分がスタンド使いだという事はともかく、康一を手に掛けたのは違うのだと。 しかし、 「へえ!? 殺人鬼の言うことなんて誰が信じるものかしら! 仗助も言ってやってよッ! この男はアンタと康一の『敵』で、正真正銘の『殺人鬼』だってことをッ!」 「………………………っ」 論証など無い吉良の反論に、ぬえは声を高くして言い返す。 あわよくば仗助をも味方に付けようと彼の傍に立つが、当の本人は黙って俯きながら治療の手を止めない。 「…まぁいいわ。とにかく吉良! ただひとつ言えるのはアンタは私たちの『敵』! これからどういうことが起こるのか、理解できてるんでしょうねッ!」 「―――――くッ!! け、慧音さんッ! 貴方も何とか言ってやってくれないか!? 彼女は思い違いをしている!」 「え、あ………っ! い、いや、私は………!」 吉良は頼った。 自分たちを信じ、守って見せると誓い放った慧音ならばもしかしたら自分を信じてくれるかもしれない、と。 だが助けを求められた慧音は期待に反してバツが悪そうに目を背けた。 それはしかし、慧音からすれば……いや。 この場の殆どの者からすれば至極納得のいく反応であったろう。 何故なら――― 「―――無駄よ、吉影。貴方の仮面の裏に隠してきたという『本性』……。既にここに居る全員が知っているわ」 「―――――――なに?」 パチュリーがスペルカードを繰り出す構えで、一歩前へ踏み出た。 その顔に勇ましさはあったが、警戒と不安の示す割合の方が色濃く現れていた。 更にパチュリーに続いて天子が木刀をブンと一振りし、大きく吉良の前へ一歩乗り出して宣誓する。 「ニッブい男ねアンタも! アンタの正体はホテルの中で、とっっっっくの昔に皆にバレてたって言ってんのよ!」 「――――――っ」 大胆不敵に構える天子の表情にいつもの横柄な笑みはない。 あるのは目の前の『悪』を退治してやらんという確かな正義と、粛然たる自信のみ。 現実としてひとりの仲間が殺されたのだ。ここで奮起せねばいつ奮起する。 そんな真っ直ぐな想いが、彼女の武器を握る手の力を強くした。 「いやいや私は初耳なんですけど!? ちょっ 私だけ除け者だったの!?」 「……教授。後で詳しく話すから今はスッ込んでて。……面倒くさいから」 「ひどっ!!」 話に付いていけてない夢美を強引に下げ、パチュリーも吉良を囲むように戦闘の態勢を作る。 吉良を無力化するため、今にも戦いを仕掛ける気の天子とパチュリーを見て慧音は、自分もなし崩し的に吉良を囲む。 彼女も納得出来ない部分はあったが、この吉良吉影という男が間違えようのない殺人鬼なのはどうやら事実らしい。 故に、迎撃の用意はしなくてはならない。 チームの命を守るというのは、自ら誓った言葉なのだから。 「ク……ソカス、どもめェェ……ッ! だがひとつ忘れているぞ……! 私はお前たちを既に『爆弾』にしているということをッ! そこから一歩でも近づいてみろッ! その瞬間、私は躊躇無く『スイッチ』を押すッ! 木っ端微塵にしてやろうッ!」 吉良はもはや冷静な仮面など脱ぎ捨て、スタンド『キラークイーン』を出現させる。 既に全員に自分の正体を話していたなど、まさか仗助や康一がここまで軽率な奴だったとは予想外だった。 人質まで取っているのによくも軽々と話せたものだと、吉良は驚きを通り越して疑問を覚えた。 何故そんなことが出来た……? それにコイツらは自分が爆弾になっていると知っていて向かってくるというのか……? この私がチョイと指に力を込めれば、自分が吹き飛ぶかもしれないという可能性を覚悟してまで……? 吉良のそんな疑問は、次なる天子の言葉によって潰された。 「ハン! クソカスなのはアンタの腐れ脳みその方じゃないの? アンタの能力『キラークイーン』の爆弾化は『一度に一つ』まで。知ってるのよ! だから“康一を爆弾にし、爆破した”今! アンタに残ってる『人質』なんていう札は既に無いのよッ!!」 「………ち、違うと言っているだろうッ! 私が爆弾にしたのは康一じゃあないッ!! お前たちの誰かひとりだッ!!」 「ギャーギャーうるさいわね。もういいわ、そーいうのは地獄の閻魔にでも泣きついていなさい。 罪深き悪人にかける情けナシ! 死んで地獄へ逝きなさいッ!」 死人に口は無ければ、罪人にも反論する権利など無いとでも言うように。 怒涛の勢いで天子は捲くし立て、眼前の『悪』を裁くことのみを正義の行動とした。 今やパチュリーもぬえも、慧音ですらも吉良を庇おうとは思っていなかった。 彼を説得し味方につけるという思惑も、この場で康一が殺された以上破綻せざるを得ない。 吉良が過去犯してきた許されざる『殺人』という罪は、どこまでも彼を孤立させた。 吉良吉影という男は、紛れもないこの世の『悪』だった。 それを今更疑う者など誰一人として居ない。 これで戦いの構図は、完全に決定した。 悪を裁く側の天子やパチュリー、ぬえや慧音。ついでに夢美。 一方、吉良は独りだ。 キラークイーンは一撃必殺の威力を持つスタンドだが、多勢には向いていない。 多方向から同時に畳み掛けられれば最初の一人は始末できても、残りの相手を全て迎撃出来るかは怪しい。 ここに来て吉良は、絶体絶命。完全に不利な状態となった。 どうしてこんなことになった。 今、何が起こっているのだ。 何が間違っていたのか。 自分の犯したミスは何だ。 万事休す、なのか。 ―――かくなる上は、戦う道しかないのか。 吉良の瞳が一層おぞましく変化した。 男が見せた瞳は、まさしく長年人を殺し続けてきたそれ。 それを受けた天子も怯まず、より激しく燃え滾って睨み返す。 一触即発。 極めて緊迫した空気に散る火花が、今にも戦いの導火線に点火せしめんとしたその時。 「――――――………クレイジー・ダイヤモンド」 [-00:05:36] [-00:11:10] 『河城にとり』 【午前7時6分】 (――――――やめよっか、パチュリー殺すの……) それが私の最終的に下した、か弱き決断だった。 何度も何度もスイッチは押そうとした。 でも、無理だった。 それはチームの要を殺すことに対する罪悪だとか、 その後の処理に状況改善は見られるのだろうかとか、 そんな回りくどい言い訳はナシに、ハッキリスッパリ言うのなら――― ―――要は、私はただ臆病なだけだった。 スイッチにかけた指がどうしても震えてしまう。 邪魔者を殺そうという確かな殺意を燃やした瞬間、汗は止まらず足が竦んでしまった。 私の甘い心が決断を鈍らせ、無駄な時間がズルズルと現実逃避の妄想に甘んずってしまう。 保身が第一とはいえ、こんな私でも何となく感じていることはある。 人の命を、そんなに軽々しく扱ってはいけない。 殆どの者は子供の頃からそんな認識を育み、それはこの世の常識として心に植えつけていくのだろう。 私だって例外じゃあない。良心ぐらい、持ってる。 異変に対してこうも能動的に動こうとするパチュリーの生命を、私如き臆病者が刈り取るだなんて不条理極まる。 いや、これも言い訳か。 うん。もう一度ハッキリ言おう。 私には、無理だ。 誰かを殺して、素知らぬ顔でのうのうと生き続けるなんて。 きっとその内、心が圧し潰される。壊れてしまう。 所詮は低俗妖怪の河童。細々と生きて、何もトラブルの無い人生を平和に送りたい。 都合の良い、まこと自分勝手な理想と偽善だとは理解してる。 でも、でも…… それが私の……ささやかな、願いなんだ。 「―――じゃ、皆準備できたわね? 朝食も取ったし、もうここには戻って来ないと思うわよ」 パチュリーが手を叩いて出発を合図した。 これからしばらくは4人で異変解決の第一歩に乗り出していくんだろう。 私も、パチュリーと一緒に……。 しかし最大の懸念は、残ってるんだ。 何としてもあの『爆弾』は回収しないとマズイ。あれだけはマズイ。 アレを見られてはいくら何でもオシマイだ。早く行動に乗り出さないと……! 「―――吉良のヤローは、お前に任せるぜ。……康一」 「―――うん。僕が必ず、皆を守るよ。仗助くんも、天子さんをフォローしてやって。……あの人、結構危なっかしそうだし」 仗助と康一の、そんな会話がチラッと耳に入った。 2人の会話はそれだけで、後は腕を交わし合って終わり。 たったそれだけで2人の仲の良さというか、意思が通じ合っているのかなぁと私は感じる。 なんか、良いな。羨ましいよ。 私にはそんな相手、居ないし……。 康一は、私を守ると言ってくれた。 あんなチビのクセして、偉そうにそう誓ってくれた。 私はアンタを利用したいとしか考えてないってのにさ。 ……どこまで私は惨めなんだろう。 人を頼って、利用して、最後には捨てることすらも厭わない。 今もこうして、自分のことだけしか考えていない。 ねえ、康一。 アンタ、私を守ってよ。 こんなに苦しんでる私の心に、気付いて欲しいよ。 だって言ったじゃん。アンタ、言ってくれたじゃん。 私を絶対に守ってくれるって、そう言ったじゃんか……。 どこまでも…どこまでも惨めで、愚かで、勝手なエゴだ。 それを自分で理解してはいても、私は誰かに縋らずにはいられなかった。 私はこのまま、ずっと独りなのかな。 (―――いっそ、) そうだ。 いっそ、『信頼』してみようか。 仗助と康一程の関係とまではいかずとも。 私も誰かを――例えば『康一』とかを、信じてみようか。 康一と信頼関係を築けば、私の悩みを聞いたりとかしてくれるんじゃないのか? そこに打算はあるかもしれないけど。 これ以上、独りで悩むのはもう―――キツイよ……。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [-00:02:49] [-00:08:23] 東に向けて出発した私たち4人。 魔法の箒に乗ってゆっくり進むパチュリーを筆頭に、 少し離れた場所を吉良が歩き、そして康一、私が疎らに団を形成していた。 「あの……………康一」 前を歩く康一に向けて、おずおずと話しかける。 というよりも、“口に出してしまった”と言った方が正しいのかもしれない。 それは心の限界が来たのか。 自然と、康一に話しかけていた。 無意識にこいつを頼りにしていた、のかもしれない。 「…? なんだい? にとりちゃん」 「ぁ………あ、いや……少し、話があるんだけど、さ……」 深刻そうな面構えで康一を呼び止め、前を歩く2人から少し離れる。 こんな話、とても聞かれたくないからだ。最悪、私の命にすら関わる。 私は深呼吸を二回して、もう一度心の中で会話のシュミレーションを行う。 ………大丈夫だ。康一なら、きっと大丈夫。 人間にも『良い』人間と『悪い』人間の2種類が居る。 コイツは、『良い』人間だ。だから、話してもいい。 私は康一を『信頼』、してみよう。 「あ、あのさ! ……実は康一に、ていうか皆に隠していることがあるんだ」 「隠していること?」 「う、うん……絶対誰にも言わないで欲しいんだけど……その、な?」 ヤバイ。心臓がめっちゃバクバクしてる。 これから私が告白する内容を考えたら当たり前か。落ち着け、私……! ここは教会の懺悔室だ。そして私は神父に『あやまち』を告白する信者だと思え。 神父は告白された罪を口外するようなことは絶対にしない。 康一は神父だ。康一を、信用するんだ……! 「落ち着いて聞いて欲しい。今、パチュリーさんの荷物には…………… ――――――『爆弾』が入っている」 「………………え? ば、ばくだ―――ッ」 (シィーーーーーーー!!! ばっ……デカイ声を出すなって!) 慌てて康一の口を塞いだ。 こんな会話を人に聞かれたら私の人生ジ・エンドだ。 私は人指し指を自分の唇にあてがい、それを確認した康一がモゴモゴと頷くのを見てそっと手を離す。 (―――プハァーーー……! ば、ばばばば爆弾だって!? 何でそんな物がパチュリーさんの荷物に!?) (入れたのは…………………………私だ。私が、パチュリーさんのバッグに入れた) (え!? な、なんでにとりちゃんがそんな物を……!) 康一の反応は当然で然るべきものだ。 勿論、私もその反応を予想していたわけだが…… どう、する。ここで正直な話をするのか? 『パチュリーに怪しまれてたんで爆弾を使って殺そうとしてました』と? とても、言えない。そこまで言ってしまえばいくら康一とて、私を突き放すだろう。 いや、でも……康一なら? コイツは私を守ってくれると言ってくれたんだ。 もしかしたら……もしかしたら康一なら、それでも私を責めないのかもしれない。 現に私はこうして康一に全てを明かそうとしている。 それは私が既に『殺意を抱いていない』証拠だ。 ギリギリの所で踏みとどまった……、それを康一は理解してくれるだろうか。 本当に、私はパチュリーを殺すことをやめたんだ。 それを康一は分かってくれる。『信頼』とはそういうことだ。 ―――でも……でも…………! (私はこの爆弾で……………………『吉良』を倒そうとした、から) (………ッ! 吉良を!?) 私はまた『嘘』を吐いてしまった。 パチュリーを殺すためではなく、吉良を殺すために爆弾を用意したという、『嘘』を。 言えなかった。やっぱり本当の事を言えなかった。 チームの中核であるパチュリーを殺すということは、誰にとっても『悪』と呼べる行為なのだろう。 だが吉良を倒すためと言えば。 殺人鬼であり、仲間を人質にとっているという卑劣な『悪』を倒すためだと言えば。 康一も喜ぶまではなくとも、まだ納得してくれると思ったから。 そして、私を責めないでくれると思ったから。 それは裏を返せば、もし事実を言えば康一は私を否定するかもしれないと思ったということだ。 私がパチュリーを殺そうと企んだことが分かれば、康一は私を責めるのかもしれないと思ったということだ。 つまるところ、私は結局康一を『信頼』出来なかったということになる。 康一にすら否定され、完全に孤立してしまうのが怖くて怖くて仕方なかった。 チクリ、と。 心に針が刺さった感覚を覚えた。 (で、でも吉良を倒すのに何でパチュリーさんの荷物に爆弾を入れたの!?) (ま、間違えちゃったんだよ! さっきホテルで私以外のみんなでトイレに行ったろ!? その時に爆弾を仕込んだんだけど……吉良の荷物と間違えてパチュリーさんの荷物に……) これも、嘘だ。 正直少し怪しい嘘だけど、でもこう言うしかないだろ。 大体、吉良は用心深いのか、常にディパックを持ち歩いている。 そんな簡単に吉良の荷物に爆弾を仕込めりゃ最初からそうするだろうに。 だがその嘘は何とか功を奏したようで、康一はまるで疑いもせずに信じきっていた。 (もしかして……にとりちゃんがさっき河童のアジトで作ってた物って……) (う、うん……。吉良を倒すための爆弾だよ) (あ、危ないよ! あの吉良に罠を仕掛けようとするなんて、一歩間違ったら殺されてたよ!? いや、現に今もパチュリーさんが爆弾を抱えてるだって!? どうしてもっと早く言ってくれなかったの!) (だ、だって私……その、実はパチュリーさんにあまり快く思われていないみたいで…… もし彼女に本当の事を言ったら、きっと……下手すれば仲間から追い出されてたかもしれないと思って……) (………) (だから、康一に打ち明けたんだ。私を守ると言ってくれた康一なら、そんな私を否定しないでくれると思って。 頼む康一! お前の遠隔スタンドでパチュリーのディパックからこっそり爆弾を抜き取ってきてくれないか!?) 嘘と真実を上手く織り交ぜ、私は精一杯康一に頭を下げた。 康一を半分騙していることになるけど……それでも私の想いに嘘は無い。 もうパチュリーを殺そうだなんて考えてないし、康一からも拒絶されたくない。 独りで悩んで怯えるなんて……もう嫌だ! (……分かった。分かったよ、にとりちゃん。 ひとりで勝手に吉良を攻撃しようとしてたことには少し怒っているけど…… 君がボクを信頼して話してくれたことについては、とても嬉しい) 「―――え……! と、ということは……!」 「うん。ボクはにとりちゃんの想いを尊重したいと思う。 その代わり約束して。もう絶対にひとりで悩まないって。これからはボクを頼ってよ! 約束しただろ? 『君を守る』って」 私は久しぶりに破顔した。 心の根っこに貯まっていたモヤモヤが綺麗に消えてなくなった感覚だ。 嬉しい。心から嬉しかった。 私は、独りじゃないんだ……! 「あ…ありがとう! ありがとう康一! それじゃあ早速爆弾を……!」 「それなら、もう『ある』よ。ここに」 そう言って康一は自分のスタンド(エコーズだっけ?)をパチュリーの傍から呼び戻した。 その手には……いつの間にか我が傑作発明品である高性能小型爆弾が抱えられていた。 「うおッ! て、手際が良いな……!」 「まあ、パチュリーさんが爆弾抱えてるなんて知ったらモタモタ出来ないからね」 「恩に着るよ康一! さっ! そいつはこっそり処理するから渡してくれ!」 本当に安心した。 パチュリーの私に対する疑念が消えたわけではないけど、ひとつの懸念は無くなったんだ。 人に信頼されるということの、何と気持ちの良いことか。 心が一気に晴れ渡った気分だ。今まで悩んでいたのが馬鹿馬鹿しく思う。 やっぱり、殺し合いなんて良くないよな! パチュリーたちと力を合わせれば、この異変も何とかなるような気もしてきたぞ。 うんうん、そうだ。 やめよう。もう誰かを陥れようだなんて、やめよう。 随分調子良いのかもしれないけど、結局それが一番なんだ。 今の私なら例えパチュリーに疑われてたって、きっと大丈夫。 だって私には康一がいる! 康一がついてくれているから! だから―――――― 「―――でもにとりちゃん。このことをパチュリーさんに話しておかないのはよくないと思う」 ―――――――――――――ん? 「君がひとり、爆弾で吉良を倒そうとしていたこと。 事故とはいえ、うっかりパチュリーさんを危険に晒したこと。 その非を、彼女に説明もナシに無かったコトにしようとするのはチームの亀裂を生む原因になると思うんだ」 ―――――――――――――え。 「だから、ボクはパチュリーさんにきっちり謝っておくことが大切だと考えるよ。 彼女も怒るかもしれないけど、ボクからも一緒に謝るから。 誠意を持って謝ればきっとパチュリーさんだって許してくれるさ。 そしてその後、皆で吉良を倒す策を一緒に考えよう。ね?」 ――――――おい。 ――――――まて。まてまて。 ――――――ね?じゃないでしょ。ちょっと。 「パチュリーさんにはボクから話を通してくる。にとりちゃんはここで待ってて!」 ――――――いやいやいやいや! ちょ……っ! そう言って康一はパチュリーの元へ駆け寄って行く。 全てが丸く収まるものだと疑わないような表情で。 私が話したことが全て『事実』だと疑わないような表情で。 康一は知らない。 私がパチュリーを一度は『殺そう』としたことを。 康一は知らない。 パチュリーに私の内心を疑われ、彼女に怪しまれていることを。 康一は知らない。 その爆弾を彼女に見せた途端、私のパチュリーに対する『殺意』が決定的なものだと判断されてしまうことを。 『この爆弾は吉良を倒すために用意しました』 そんな嘘、康一には通じてもパチュリーには通じない。 あの女には嘘を見抜く力があるのだから。 しかし事実として、私は既にパチュリーを殺す気は失せている。 それをいくら説いた所で、またパチュリーに嘘を見抜ける力があった所で。 目の前にあんな爆弾を見せられてはアイツが納得してくれる筈もない。 あの爆弾はパチュリーを殺すために作られたという確かな事実は、変えられないのだから。 「待っ――――――!」 呼んで、どうするんだ? 康一になんて説明すればいい? 今の話は嘘だったんです、と。 そう言うつもりか? どうする……!? 康一になんて説明する……!? 『パチュリーには言わないでくれ』 (どうして?) 『さっきの話には嘘がある』 (嘘とは何のことだい?) 『爆弾で殺そうとしたのは吉良ではない』 (じゃあ誰を殺そうとしたんだい?) だ、駄目だッ!! どう止めようとしたって『質問』が返ってくるに違いない! そうなってしまえば、私の立場は最初に逆戻りだ! 私の吐いた『嘘』で、まさかこんなこと……ッ! ど、どうすりゃいいんだ!? とにかく止めないと……ッ! 爆弾がパチュリーに見られてしまう前に…… 康一を止めなきゃッ! 止め―――――― コロン、と。 ポケットの中の『リモコンスイッチ』が、転がった。 それに気付いた私は、震える手でスイッチを取り出した。 ―――爆弾は今、康一の腕の中に収まっている。 無機質に光るそのスイッチを、私は焦点の合わぬ眼で見つめる。 ―――爆弾という『証拠』さえ消してしまえば。 自分が今、『考えていること』の恐怖のあまり、思わずスイッチが手から弾かれたように零れた。 ―――広瀬康一という『証言者』さえ消してしまえば。 コロコロと転がり草むらに隠れたスイッチを、慌てて探す。 ―――康一を爆弾で消した『としても』、吉良の能力にやられたとか何とか口を合わせていけば。 スイッチはすぐに見つかり、私はそれをギュッと腕の中に抱きしめる。 ―――爆弾の事を知っているのは康一だけ。私がやったなんて、分かりはしない。 ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン ―――ドクン [±00:00:00] [-00:05:34] ド グ ォ オ オ ン ――― ! ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:00:09] [-00:05:25] 想定していた以上に重く響いた爆音が、耳を劈いた。 瞬間、全身を突き刺す熱風と砂煙が通り抜け、私の意識は『その』光景に釘付けになった。 ―――目の前で、康一が吹き飛んで、倒れた。 体の前面部が焼け焦がれ、ズタズタに切り刻まれた康一“だったモノ”が倒れている。 何で……? どう、して……? ば、爆弾……? 爆弾が、ばく…はつ、しちゃったの……? ―――『お前が、スイッチを押したんだ』 頭の中で、声が響く。 不快でおぞましい、でも私によく似た声が。 ―――『康一を殺したのは、お前だ』 違う。 ―――『お前が、やったんだろう?』 私じゃ、ない……っ! ―――『お前だ』 違うッ!! 私はスイッチを押してなんか、いないッ!!! 違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う 私じゃないッ!!!! 震える手の中に収まったスイッチが、不気味に光る。 まるで私を嘲笑うかのように。 お前が殺したのだと糾弾するように。 全身の力が一気に抜け、腰を抜かしてへたり込む。 魂が抜けたみたいだった。 目の前で、康一が死んだ。 殺したのは―――ワタシ……? 違う。私は押してなんか、いない。 押してしまいたい、と迷いはしたけど。 否定したくても、握ったスイッチが現実を否応に見せ付けてくる。 不安と恐怖と疑念とが、心に澱むようにどんどんと堆積していく。 「クレイジー・ダイヤモンドォォオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」 いつの間にか、仗助が駆け寄ってきていた。 その顔には見たことのないような焦りが張り付いている。 康一“だったモノ”をそのスタンドで懸命に治療している。 でも、いくらコイツの能力でも……既に『死んだ者』を復活することなんて出来るのか? 無理、だろう。 康一は、死んでしまっている。 「おい! 今の音は何だッ!? 何があった……―――ッ!!」 「なによ……これ…………っ」 「嘘………」 慧音も夢美もぬえも、信じられないといった顔でこの惨劇を目にした。 もう、何も考えられなくなってきた。 なんでこんなことに……? 私の、せいなのか……? 「吉良吉影ッ!!! アンタが……アンタが康一を爆弾で殺したのねッ!!!」 ぬえが怒りの形相で、そんなことを言い放った。 吉良ではない。康一を殺したのは私の爆弾だ。 それを知っているのは私だけだけど、今ここでそんな真実を話せるわけがない。 皆、吉良が殺したものだと決め付けているだろう。 まさか私がやったものだとは思ってもいないだろう。 ―――いや、違う……ッ! 私じゃない……ッ! どれだけ自分の中でそれを否定しようとも、確たる証拠が私の手の中に握られている。 (………!! や、やばいっ! 『コレ』が見つかったら、私が疑われちゃう……ッ!) その時、私は『殺人の証拠』を握ったままだと今更気付いた。 これが見付かったら終わりだ。 私は焦燥しながらも、周りに気付かれぬようスイッチをポケットの中にそっと隠した。 これではまるで『私が殺しました』と言っているようなものじゃないか。 殺人の証拠隠滅に奔走する犯罪者そのものだ。 「ハン! クソカスなのはアンタの腐れ脳みその方じゃないの? アンタの能力『キラークイーン』の爆弾化は『一度に一つ』まで。知ってるのよ! だから“康一を爆弾にし、爆破した”今! アンタに残ってる『人質』なんていう札は既に無いのよッ!!」 「………ち、違うと言っているだろうッ! 私が爆弾にしたのは康一じゃあないッ!! お前たちの誰かだッ!!」 呆然とする脳に周りの会話が入り込んでくる。 もう何も分からない。 康一を殺したのは…………私なのか? 吉良の必死の弁明が、今の私とダブって見えた。 もし康一を殺したのが私“なのだとしたら”、吉良は冤罪ということになる。 あの男は冤罪の罪で、これから叩き伏せられることになるのだろう。 それ自体は、私に罪の意識はない。 吉良が倒されるのなら、それは誰にとっても万々歳な結果なんだ。 そして私は思ってしまった。 『康一が死んだことで吉良が倒されるのなら、もしかしたら康一は死んで良かったのかもしれない』、と。 吐き気がした。 そして直後に、私はまた気付いてしまった。 (―――いや、待て……!? 皆は吉良が人質を殺したと『思い込んでいる』……!!) だからこそ天子たちはこうも大胆に吉良を攻撃しようと追い込みをかけ、当の吉良はこうして窮地に陥っている。 ―――でも、『吉良の人質爆弾はまだ生きている』……ッ!! 「ギャーギャーうるさいわね。もういいわ、そーいうのは地獄の閻魔にでも泣きついていなさい。 罪深き悪人にかける情けナシ! 死んで地獄へ逝きなさいッ!」 天子が今にも吉良に攻撃を仕掛けようと踏み込んだ。 吉良が『人質』を爆破しようと、スイッチに指を掛けている。 (ま……マズイッ!! 私が爆弾にされている可能性は確かに薄い! 吉良が最初に人質を取ろうと動いた時、私は仗助にブッ飛ばされていたからだッ! 互いの位置関係から考えて、吉良のスタンドが私に触れたことは考えにくいだろうッ! でも、そんなの分からないッ! 仗助がプッツンした瞬間に吉良が人質に触れたなんて、そんなの奴の『嘘』かもしれないッ! 本当のところは結局吉良にしか分からないんだからッ! 私が爆弾にされている可能性だってゼロじゃないッ!!) 天子が、吉良に駆けた。 「ばっ……馬鹿! やめ―――!」 私は思わず声を出した。 その制止は、間に合わない。 吉良の指が、スイッチに掛かる―――! 「――――――………クレイジー・ダイヤモンド」 冷ややかな男の声が空気をそっと裂いた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:03:04] [-00:02:30] 「康一は死んだ……」 仗助はそれだけを言ってクレイジー・ダイヤモンドを背後に出し、ゆっくりと顔を上げた。 その静かな、そしてどこか怒っているような声がこの戦慄した空気に割り込んできた。 天子も吉良も攻撃の手を止め、周囲の皆が一斉に仗助の方を振り向く。 気付けば康一の身体は既に綺麗に治され、傷一つない健常者そのものまでに治療が進んでいた。 仗助の腕から優しく地面に寝かされた康一は、とても死んでいるようには見えない。 眠っているみたいに、その瞳を閉じて動かない。 二度と覚めることのない、深い、深い眠りの中で、夢を見ているかのように。 私は一瞬、本当に『康一はただ眠っているだけでは?』と思った。思いたかった。 でも、仗助は言ったんだ。何かを悟った表情を刻んで、確かに言った。 『康一は死んだ』と、滲んだ目頭で。 その言葉は同時に、私の奥底に燻る希望も絶望へと変貌させた。 「仗助君……」 慧音も、心を抉られるように沈痛な声で仗助を心配している。 私は声が出なかった。 こんな顔をした仗助に、なんと声を掛ければ良いのかがわからない。 もしかしたら恨みを晴らそうと、吉良に飛び掛っていくのだろうか。 友の命を侮辱した吉良を倒すため、その拳を振るうのか。 しかし、私が予想した仗助の次なる言葉は、思わぬ内容で始まった。 「康一を殺しやがった奴は――――――吉良じゃねえ」 ―――ドクンッ 鼓動が、聴こえた気がした。 「吉良のスタンド『キラークイーン』の爆弾は……対象を木っ端微塵に破壊する。 爆破された奴は、骨も魂すらも残りゃしねえ。……だが、この康一の身体は違う。 まだ随分と肉体が残っていた。“まるで本物の爆撃を受けた”みてェーに、だ」 何を、言うつもり……だ。 「そもそも俺も康一も爆弾にされてなんかいなかった。 もしされてりゃ吉良のヤローは最初っから俺達を爆破してただろうからな」 待、て……。お願いだから、待って……! 「康一の傍に小せえが、なんかの『破片』が落ちてた。これを今から―――」 仗助のクレイジー・ダイヤモンドがその破片を掴み、そして――― 「―――『直す』」 やめ―――! お願い! やめてくれッ!! 私の悲痛な心の叫びは、誰に届くこともなく。 最悪の結果が、目の前に落ちてきた。 「仗助……! それは……!?」 パチュリーがそれを見て驚愕する。 クレイジー・ダイヤモンドの掌に乗せられたそれは――― 「ああ。―――小型の、『爆弾』でしょうね」 止める間も無く、それはほんの一瞬で完成……いや、『復元』した。 破壊された筈の爆弾はあっという間に見えない破片を寄せ集め、凡そ原型に近いモノがそこにあった。 所々の破片は消滅していたり、おそらく中の爆薬までは復元してはいないのだろうけども。 「爆弾……!? 何でそんな物を康一君が……っ!?」 「それは……分かりません、慧音先生。でも、さっきから少し『気になる』ことがあるんスよ」 そんなことを言って、仗助は見た。 ―――私の方に、ゆっくりと首を回して。 正確には、私の『手』を。 「……にとりちゃん。その『手』についてなんスけど、どうしてそんなに油で『汚れて』るんです? まるで――『何か』を作った痕みたいっスよね。例えば―――」 「 違 う ッ ッ ! ! ! 」 乱暴に、私は否定の声を荒げた。 強く拳を握り締め、座り込んでいた態勢から思い切り立ち上がった。 「……俺はその汚れについて聞いただけっスよ。どうしたんすか、いきなり大声出して」 直後にハッとした。 しまった、と。私はつい汚れた手を背中に隠す。 まさか吉良からの関心を遠ざけるためにわざと汚したこの手のせいで、疑われるなんて。 「この汚れは……! ど、『泥』だよ! さっき転んじゃって、そのせいで……!」 「泥……? 今は御覧の通り晴れてるっスよ。どこに泥が溜まってるんスか? 『それ』……工具の油汚れっスよね」 仗助は完全に私を疑っている。 そりゃあ、そうだ。それは紛うことなき『真実』なんだから。 もう、言い訳が出来ない。頭の中がグチャグチャで、目眩がしてきた。 ―――それでも、それでも……ッ!! 「違うッ!! 私はスイッチなんか『押していない』ッ!! 康一を殺したのは私じゃないッ!!! 信じてくれ……っ」 確かに、私の中の悪魔はあの時、囁いた。 『康一を殺してしまえ』『口を封じてしまえ』と、そう囁いた。 それでも、違う……っ! 私は、絶対に殺してなんか……ぃ、んだよォ……っ! 周囲の私を見る目が、一気に冷ややかなモノへと変わった気がした。 誰も彼もが私を人殺しの目で見ているような、そんな目で。 『お前がやったのか』『どうして康一を殺したんだ』って、言っているような目で。 それとも康一を殺したのはやっぱり―――私、なの? あの時、私の中の悪魔が無意識にスイッチを押しちゃったの? そうであるなら―――なんだ、やっぱり人殺しは私じゃないか。 私は他人から……自分からすらも信じられずに、独りで虚しく踊り続けているだけなのか。 ……違う。 …………違うよ。 私が、私は――― 「殺してなんかないッ!! なあパチュリーもなんか言ってやってくれよッ!! お前、嘘がわかるんだろッ!? 私が誰も殺してないってこと、わかってるんだろおおッ!!」 「………………っっ」 私の悲痛な叫びに、パチュリーは狼狽しているだけで何も答えてくれない。 当然、なのかもしれない。 私が康一を殺したのか、それとも殺していないのか。 実のところ私自身、わからなくなってきた。 そもそも爆弾を爆破できたのはスイッチを持つ私しかいないんだから。 本当に私がスイッチを押したのかもしれない。そんな疑惑が心の隅から生まれてきているのだ。 そうでなくともパチュリーは元々私のことを疑っていた。 信用して貰えないのは、当たり前だ。 どうしてこんなことになってしまったんだ……? もう、何が本当で……何が嘘なのか…… わかんないよ……っ! それでも、私はやっていないんだと。 真っ白に染まった頭の中で、私は全てを吐き出してやりたくなった。 「け、慧音……っ! アンタ、先生なんだろっ!? 子供たちに道徳を説く、立派な人なんだろうっ!? だったら信じろよッ! 私がこんなに言ってるんだッ! 信じてくれたっていいじゃないかッ!! ねえったら!! 夢美もッ! さっきからなに黙ってンだよッ!? アンタも私を疑ってるのかッ! どうなのさ!? オイ天子! お前も何か言ってやれよッ! お前さっきまで吉良を疑ってたろッ! もう心変わりか!? なあッ!! 吉良ッ!! この……人殺しめッ!! 元はといえばお前のせいじゃないかッ!! 全部お前が悪いんだッ!! 何とかしろよッ!! 皆して私を疑ってるのかよッ!! なあッ!? なんだよその目はッ!! 康一は私を信じてくれたぞッ!! 康一だけだッ!! アイツだけが私に最後まで優しかったッ!! 私じゃないッ!! 私はやってないッ!!! 頼むよッ!! なあ みんなぁ――――!」 「――――――わたしを、信じてくれよぉ…………――――――」 その言葉を最期に私の白い意識は、黒に染まって途絶えた。 二度と浮かび上がることのない、暗闇の底に沈んだまま――――――。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 後編へ⇒COUNT DOWN “NINE” 後
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/323.html
COUNT DOWN “NINE” 前⇐前編から [+00:00:50] [-00:04:44] 『吉良吉影』 【午前7時13分】 私がこれからの前途を憂鬱に思う気分で歩いていた時だった。 後方から、轟音が耳に飛び込んできた。 私が扱う『キラークイーン』で人間を爆破させた時のような、そんな音が。 驚き、振り向いた私の視界に映ったモノ。 それは私にとっても信じ難い光景だった。 あの『康一』のチビがケムリ噴かせて、あられもない姿でくたばっているという光景が。 「――――――康一ィィィイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」 クソッタレ仗助が情けない声を出して走ってきた。 その御自慢のスタンドで康一を治すみたいだが、どうみてもソイツは『即死』だ。 良いザマだなと笑ってやりたくなる衝動をどうにか抑え、私は平静を繕う。 そして疑問が頭を駆け巡った。当然、康一の『死因』だ。 言うまでもない事だが、私がやったのではない。 私が爆弾に変えて人質にしているのは『アイツ』なのだ。康一ではない。 ある意味では私の目的が半分成就されたようなラッキーだが、ここで「バンザーイ」と喜ぶほど能天気でもない。 『誰か』が康一を狙って殺した……? しかしその理由は? 「おい! 今の音は何だッ!? 何があった……―――ッ!!」 私がその場で思考を続けていると慧音さんたちも駆け寄って来た。 いや、待て……。この状況、少しマズイかも知れない……! 康一の損壊状態はどうも『爆弾』で吹き飛ばされたようだ。 一応、私も爆弾のスペシャリストではある。十中八九、康一は『爆死』だ。 それを仗助が見たらどう思うだろうか。 誰かを『爆弾』にしていることを知っている仗助が、今の康一を見たら。 いや、仗助だけでなく、あのにとりとかいうガキも私の正体を知っていた節がある。 ―――この『惨状』を、私の仕業だと勘違いするかもしれない……! そうなれば非常にマズイ……! しかし、それを危惧していた次の瞬間、とんでもない台詞が私に飛んできた。 「吉良吉影ッ!!! アンタが……アンタが康一を爆弾で殺したのねッ!!!」 ―――何だって……? 確かコイツはええと、封獣ぬえとかいうガキ。いや名前などどうだっていい。 今、このガキは私を指差して何と言ったんだ……? コイツが叫んだ言葉の意味が一瞬理解できなかった。 それだけではない。次にこのガキは更にブッ飛んだことをぬかしやがった。 「みんな聞いてッ! 今までずっと涼しい顔してたこのスカしたブタ野郎の正体はッ! 『人や物を爆弾に変える能力』のスタンド使いッ! イカれた『殺人鬼』なのよッ!!」 「――――――………っ」 息が止まった。 私の『正体』がバレていた、だとォ……ッ!? 仗助ェェ……ッ! いや康一のクソチビが話したのか……ッ!! とにかく、このガキの口を止めなければ……ッ! だが、どう誤魔化すべきか言いあぐねる私に更なる口撃が飛び込む。 「この男は普通の一般人を装って、陰から私たちを殺すチャンスを伺っていたのよッ! その証拠に康一も爆弾で殺されたッ! コイツはゲームに『乗って』いたのッ!!」 「なっ……! 何を突然言い出すんだぬえさん! 私がスタンド使いなワケが……ッ!」 「嘘ッ! 私見てたんだから! アンタがホテルで仗助と康一と会話してる所を陰からッ! アンタが爆弾のスタンド使いで、どーしようもなくクレイジーな人殺しだって会話をねッ!」 「グ………ッ!?」 まさか『あの』会話を見られていたとは、最大のミスだ。 どうする……これでは言い逃れようが……ッ! しかし、何かがおかしい。 全く辻褄が合わないのだ。 ―――そもそも、 「待てッ! 私は広瀬康一を殺してなどいないッ!! 何かの間違いだッ!!」 これは本当だ。 康一が死んでくれたのは本当に嬉しいが、その罪を私に擦り付けられてはたまらない。 「へえ!? 殺人鬼の言うことなんて誰が信じるものかしら! 仗助も言ってやってよッ! この男はアンタと康一の『敵』で、正真正銘の『殺人鬼』だってことをッ!」 こ…、のメスガキがァァ……ッ! 人が下手に出ていれば有ること無いこと適当ほざきやがってッ! 仗助の次はお前から消してやろうか! その珍妙な羽根を毟って博物館に寄贈してやるぞッ! ……などという憤慨こそあったが、私はどうやらまだギリギリ理性を保つことが出来ている。 落ち着け……落ち着くんだ吉影……! まだ、何とか誤魔化す事は出来る筈だ! このメスガキをキラークイーンで木っ端微塵にしてやりたい衝動を抑えて、ここは慧音さんを頼ろう。 彼女のクソが付くぐらい真面目な正義感ぶりならば、私を庇ってくれるかと期待したからだ。 しかし予想に反して、何故か慧音さんの反応が良くない。 まさか彼女ともあろう者までもが、こんなガキの妄言を信じているというのか。 「―――無駄よ、吉影。貴方の仮面の裏に隠してきたという『本性』……。既にここに居る全員が知っているわ」 「―――――――なに?」 ………全員? 私が長年隠してきた『本性』が、よりによってコイツら全員に知られているというのか? 「ニッブい男ねアンタも! アンタの正体はホテルの中で、とっっっっくの昔に皆にバレてたって言ってんのよ!」 天子とかいう生意気なガキまで一歩踏み出し木刀を向けてきた。だがそんなことはどうでもいい。 私の正体が既に全員にバレて、いた……ッ!? ―――仗、助ェェエエエ………ッ!! キサマ、まさか全員に話したというのかッ!! 心の中が怒りに満ちてくるのを感じる。 どうやら仗助のアホ頭は人質の意味を理解していなかったらしい。 パチュリーや天子、慧音さんまで私の周りを囲んで戦闘の態勢を作ってきた。 もうなりふり構っていられない。 私は一般人の仮面を脱ぎ捨て、とうとうキラークイーンを出現させた。 ハッキリ言って、相当頭にキテいる。 だが、まだ『詰み』ではない。 「ク……ソカス、どもめェェ……ッ! だがひとつ忘れているぞ……! 私はお前たちを既に『爆弾』にしているということをッ! そこから一歩でも近づいてみろッ! その瞬間、私は躊躇無く『スイッチ』を押すッ! 木っ端微塵にしてやろうッ!」 人質はまだ生きている。 殺してやる……ッ! 殺してやるぞ……ッ! 「ハン! クソカスなのはアンタの腐れ脳みその方じゃないの? アンタの能力『キラークイーン』の爆弾化は『一度に一つ』まで。知ってるのよ! だから“康一を爆弾にし、爆破した”今! アンタに残ってる『人質』なんていう札は既に無いのよッ!!」 ……! そこまで、知られているだと……ッ 関係あるか……ッ! お前たちが私に攻撃するなら私もそれに対応せざるを得ないぞッ! 確実にひとり、いや『ふたり』は瞬殺出来る。だが、しかし…… キラークイーンはそもそも基本的に手で触れなければ攻撃できないし、爆弾にも出来ない。 これだけの相手を同時に相手するのは……正直、厳しい。 ―――大事を取って、人質は爆破しておくか。 キラークイーンの爆破スイッチを指に掛ける。 押すのにコンマ1秒と掛からない。だが問題はその後だ。 どうやってこの場を切り抜ける? 逃げるというのも足が付く。出来れば全員始末したい。 畜生めッ……! どうしてこんなことになってしまった……!? ……ダメだ! どう考えたって切りぬける方法が分からない! クソがッ! この吉良吉影が切りぬけられなかったトラブルなど一度だって無いんだッ! 来る……! 天子の奴が来るぞ……ッ! もう…駄目だ……ッ! とにかく『人質』を爆破しなければ『第一の爆弾』は使えないッ! 『限界』だッ! 押すねッ! 「――――――………クレイジー・ダイヤモンド」 キラークイーンの指がスイッチに掛かったその瞬間。 私にとってどこまでも憎々しい声が鳴った。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:03:12] [-00:02:22] どうやら、状況が変わってきている。 まさしく一触即発の状況でこの場が爆発するその瞬間。 コイツは、言った。 「康一を殺しやがった奴は――――――吉良じゃねえ」 まさか敵である仗助の奴が庇ってくれるようなことを言い出すとは、正直驚いた。 コイツにとっても私は敵の筈だが、だからと言って友人を殺した『真犯人』を見つけられぬまま私を倒すのは自分でも許せなかったのか。 そう、『真犯人』だ。康一を殺したのは私ではないのだから、他に殺した奴がいる筈だ。 あろうことかそいつは私にこのまま罪を擦り付けようとしている。 それを考えたら私はまた、無性に腹が立ってきた。 仗助にそれを気付かされるというのは、それはそれで腹の立つことではあるが。 そしてその仗助はお得意のクレイジー・ダイヤモンドで実演して見せた。 爆弾の『破片』が復元され、元通りの形に戻っていくマジックを。 それらは段々と原型への逆行を開始し、最終的には手のひら大の鉄の箱…… つまりひとつの『爆弾』が完成したということだ。 ここからは私も冷静を取り戻していった。 少なくともこれで私が『冤罪』だったということにはなりそうだ。 ここでひとつの当然な疑問が生じる。 じゃあ一体、康一を殺した奴は誰なのか? 私に罪を着せようと画策した卑怯者は誰だ? まさかそいつはどさくさに紛れて私を『殺そう』などと思ったのではないだろうな? ―――許せん。そいつが私の『平穏』を乱した輩なのか……! そして、『真犯人』は思ったより早く特定できた。 「……にとりちゃん。その『手』についてなんスけど、どうしてそんなに油で『汚れて』るんです? まるで――『何か』を作った痕みたいっスよね。例えば―――」 「 違 う ッ ッ ! ! ! 」 河城にとり。 反応で分かった。コイツで決まりだ。 この河童のガキが、私を陥れようとしたのか。 「この汚れは……! ど、『泥』だよ! さっき転んじゃって、そのせいで……!」 醜い。 「違うッ!! 私はスイッチなんか『押していない』ッ!! 康一を殺したのは私じゃないッ!!! 信じてくれ……っ」 醜い……! 「殺してなんかないッ!! なあパチュリーもなんか言ってやってくれよッ!! お前、嘘がわかるんだろッ!? 私が誰も殺してないってこと、わかってるんだろおおッ!!」 醜い醜い醜い……ッ! 私は『闘い』が嫌いだ。 『闘争』は私が目指す『平穏な人生』と相反しているからだ。 だからこの『バトル・ロワイヤル』とかいう胸糞悪いゲームでも、極力地味で目立たぬよう行動したかった。 仗助と康一はいずれ始末するつもりだったが(康一は死んだがな)、それ以上の波紋を拡げるつもりは無かった。 ―――無かったというのに、このクソガッパはッ!! あろうことかこの私に罪を擦ろうとしたッ!! いや、それどころかまさかコイツはッ! あの爆弾はそもそも私を殺すために用意したのではないだろうなッ!? コイツが康一を殺すメリットは殆どない。そしてコイツは私の正体を知っていたのならッ! 私を『排除』するため、爆弾を仕掛けようとしたのならッ! 私はコイツを許せないッ!! だが―――だが、キレるな吉影……ッ! 落ち着けよ……。怒って我を忘れると碌な結果が起きない……ッ ここは……ここは……冷静に……ッ 冷静に……ッッッ 「け、慧音……っ! アンタ、先生なんだろっ!? 子供たちに道徳を説く、立派な人なんだろうっ!? だったら信じろよッ! 私がこんなに言ってるんだッ! 信じてくれたっていいじゃないかッ!! ねえったら!! 夢美もッ! さっきからなに黙ってンだよッ!? アンタも私を疑ってるのかッ! どうなのさ!? オイ天子! お前も何か言ってやれよッ! お前さっきまで吉良を疑ってたろッ! もう心変わりか!? なあッ!! 吉良ッ!! この……人殺しめッ!! 元はといえばお前のせいじゃないかッ!! 全部お前が悪いんだッ!! 何とかしろよッ!! 皆して私を疑ってるのかよッ!! なあッ!? なんだよその目はッ!! 康一は私を信じてくれたぞッ!! 康一だけだッ!! アイツだけが私に最後まで優しかったッ!! 私じゃないッ!! 私はやってないッ!!! 頼むよッ!! なあ みんなぁ――――! ――――――わたしを、信じてくれよぉ…………」 (――――――なれるか) [+00:05:33] [-00:00:01] ―――カチリ――― ド グ ォ オ オ ン ッ ッ ! ! ! 【河城にとり@東方風神録】 死亡 【残り 64/90】 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:05:42] [+00:00:08] ―――この吉良吉影が人質と称して『爆弾』にしていたのは、河城にとりだった。 私は最初、仗助に対しこう説明した。 『仗助…お前がさっき我を見失って暴れていた時に少し『細工』させてもらったよ』と。 そんなものは奴を撹乱させるための『嘘』だ。 私が動いたのはそれよりももっと前。 パチュリーから連れられたホテルの部屋に入り、康一どもと合流したその時だ。 奴らは友人と再会できた嬉しさで気が緩んだのだろう。 私もその場に康一の奴が居て驚いてはいたが、その『隙』を狙ってやった。 康一の近くでマヌケそうに突っ立っていたにとりをキラークイーンで触れたのだ。 奴とより近そうにいる関係の相手を人質に取れば、後々脅しやすくもなる事を考えてだ。 だが、にとりを人質に選んだのは『幸運』だったのかもしれない。 第一に、簡単に私の気を晴らすことが出来たからだ。 結果的にはにとりは、どういう経緯があったのか知らんが康一を殺した。 そして私はそのことで周囲から疑われ、抜きさしならない状況に陥った。 私の平穏が完全に乱されたのだ。許せるわけがない。 だから『スイッチ』を押した。奴を粉々にして私の気もスッキリしたかったというワケだ。 そして第二に、彼女を殺すことは必ずしも私が凶行に走ったと周囲から捉えられるとは限らない。 何故ならにとりは、私が言うのもなんだが『殺人者』だったからだ。 チームの中の良心とでも言える広瀬康一を、その手で爆破した人殺し。それが河城にとりの本性といった所か。 その罪深きにとりを“裁いてやった”私は、果たしてそこまで責められるべき『悪』か? しかも康一は仗助の大切な友人。仗助としてもにとりに対し並々ならぬ思いを向けていただろう。 だが、正義感ぶった仗助は恐らく次にこう言う。 「吉良ァァァアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!! テ、メェ~~~~~~ッ!!!」 ほうらな。分かりやすい直情バカだ。 だがにとりを粉々にしてやったことで私のアツくなった頭も若干スッキリ冷えてきた。 さてさて、しかし肝心なのはここからだ。 私は依然、この窮地を脱したとは言い難い。 今度こそ冷静になって話を進めるのだ吉影よ。 そう、『話』をするのだ。ここで戦うことは誰にとっても『吉』とはならない。 まず私はスタンドを引っ込め、出来るだけ落ち着いた声で怒れる獅子を宥める。 「落ち着けよ仗助。そのイカした(イカレた)髪型が乱れているぞ? 見ての通り、私が人質にしていたのはにとりだ。彼女を爆弾に変えていた。 だが康一を殺したのもまたにとりだ。私はその危険人物であったにとりに『罰』を与えただけだぞ。 いわば『正当防衛』とも言える。彼女はもしかすれば私を殺すつもりなのかもしれなかったのだからな」 「ぬかせッ!! まだにとりの奴が殺したとは決まってねえだろーがッ!!!」 「ンン? そのにとりを『追い詰めた』のは一体誰だったかな? お前は康一を殺された怒りで彼女を追い詰めようとした。違うか?」 「そ、それは………ッ!」 どうやら図星のようだ。 強力なスタンド使いとはいえ、やはりガキ。 後先考えず、その場その場の思いつきで行動するからこんな羽目になる。 「だが私は実を言えばお前には感謝しているぞ、仗助。 あわや康一殺害の罪をにとりから被せられる所だった。そこをお前が真犯人を見つけてくれたのだ。 いや、本当に危なかったんだ。お前が居なければ私は今頃、再起不能ぐらいにはされていただろうからな」 「……………………クッ!!」 そう喚いた仗助は拳を一発、実に悔しそうに地面に打ち込んだ。 最高だった。もはや先程の絶望感も彼方へ吹っ飛んでいった。 私がそうやって優越に浸っていると、慧音さんが私を見咎めるように口を挟んできた。 「吉良さん。そんな言い方はあんまりだろう。仗助君は親友を亡くしたばかりだ。 それににとりに対する物言いだって目に余る。彼女は最後まで『信じてくれ』と訴えかけていた。 そんな彼女をまるで人殺しのように非難するのは惨いというものだろう。もしかしたらにとりは康一君を―――」 「―――『事故』…で殺してしまったのかもしれない、と?」 「………っ!」 「言わせて貰うが慧音さん。いや、本当に私が言うのもなんなんだがね。 『事故』だろうとなんだろうと、あの爆弾はにとり少女の紛れも無い『殺意』の表れではないかね? しかも下手をすれば死体として地面に転がっていたのは康一君ではなく『私』の方かもしれなかったのだ。 そんな文字通りの『爆弾』をあのままチームの中に潜ませていたら、それこそもっと大変な『悲劇』が起こったのかもしれない」 「ッ! だ、だが何も聞かずにいきなり爆破するなど―――」 「失礼だが慧音さん! ……いや慧音さんだけではない。 にとりさんが『信じてくれ』と必死な表情で訴えかけていた時、ここの皆は彼女をどう思っただろうか? ……私の目には誰も彼もが『お前がやったのか』『どうして康一を殺したんだ』と言っているように見えたよ。 本音では、誰一人にとりさんを信じている者は居なかった。……康一君は違ったかもしれんがね」 今度こそ慧音さんも、その他の奴らも皆して口を黙らせた。 やはり皆してにとりを人殺しだと決め付けていたんじゃあないか。 フン……実にくだらん。何が『信頼』だ。 結局のところ、私たちは互いのことを何一つ知らない『紛い物の結束』だったというワケだ。 力ばかり寄せ集めようと、知恵を出し合おうと、いくら要塞のような集団を作ろうと…… ―――所詮は『藁』で出来た要塞だ。ほんの少しの天候の悪化で吹き飛ぶような。 「それで―――どうするかね? さっきの続きとして、私を皆で襲うかね? 私自身はそれでも構わないのだが、やはり本音では戦うことはしたくない。 そこでだ……。ひとつ『交渉』をしようではないか」 「交渉……だと? テメエ……! 何考えてやがる……ッ!」 「にとりさんは康一君を殺した。私はその罰としてにとりさんを殺した。 各々不本意な所はあるだろうが、これでひとまず話を丸く『収めよう』じゃあないか……! しかも私は既に人質を失っている。お互い『イーブン』な立場ということになる。 私とてこのままチームから追い出されるというのは難点が大きい。再起不能にされるなど以ての外だ」 私は大仰に両手を広げ、次の台詞のために息を溜めた。 ひと呼吸の間を置き、仗助を見下ろして言ってやる。 「お互い今までの確執を水に流し、再び私を『仲間に迎えて』欲しい」 吐き出した台詞を自分の中でもじっくりと噛み締め、返答を待った。 プ ッ ツ ー ー ー ン 、と。 張った弦が切れたような、そんな音が聞こえた気がした。 しかも、二方向から。 「ザッッッッッッッケんじゃねえッッッッッッ!!!! どのツラ下げてそんな台詞吐けるんだコラァアアーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!」 「ザッッッッッッッケんじゃないわよッッッッッッ!!!! どのツラ下げてそんな台詞吐けるのよアンタはァーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!」 プッツン仗助と、プッツン天子が同時に私へと吼えた。 仗助は予想していたが、まさかこの女もここまで短気だとは……。 「仗助ッ! アンタは黙ってなさいッ! コイツみたいな危なっかしい輩は私が吹き飛ばしてやるわ!」 「天子さんこそ後ろ引っ込んでてくださいよ……! 元々吉良のヤローは俺の因縁の相手でもあるんスッ!」 「主の命令よッ! 下僕はそこで指咥えて見てりゃあいいのよッ!」 「ケンカってのはよォーー、まず舎弟の方から出るモンじゃあねぇっスかねー?」 「私に逆らうっての!!」 「なんすか!!」 「なによ!!!」 ……コイツらアホは一体どうしてこの状況で喧嘩できるんだ? これでは話が進まないだろう。 「……いいわ。仗助、アナタにも納得できる解決法を提示してあげる」 「ほォーー奇遇っスねーー。実は俺も同じ事考えてたんスけどねーー」 「へえ? いいわ、それなら一緒に言い合いっこしましょう」 「いいっスよ。それじゃあ……せーーのっ―――」 「「――――――ふたりで一緒にコイツを地の果てまでブッ飛ばすッッッッ!!!!」」 な……ッ!? なんでそうなるんだ、この脳筋どもが……ッ! くそ……ッ! この馬鹿どもでは話にならん! 誰か話の通じる柔らかい頭の相手が好ましいが―――! 「―――おやめなさいな、仗助。天子も」 危うくスタンドを出しかけた私の耳に届いた声の主は、 パチュリー・ノーレッジのものだった。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:00:58] [-00:04:36] 『パチュリー・ノーレッジ』 【午前7時13分】 参った。出発を目前にしてこの『アクシデント』……本当に参ったわ。 やっぱり『9人』というのは多すぎた。私ではとても制御し切れなかった。 康一が死んだのを見て最初に思ったことが、それだった。 あの時、情けなくも私は事態の把握に頭が追いついていなかった。 何故康一が死んだ? 誰が康一を殺した? 彼は直前までにとりと話していたみたいだけど、まさか彼女が? しかし理由が無い。康一を殺すメリットがあるのは現状、吉影だけだ。 死因も爆死みたい。爆死といえばやはり吉影が怪しいけど… 何故、今? このタイミングで? 事故? それとも故意に? 私のミス? 防げた災難だった? 吉影が爆弾にしていたのは……実は康一だったの? もっと周りをよく見ていれば康一は死ななかった? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? 荒波のように襲い来るクエスチョンを、処理しきれなかった。 マズイ……! 良くない兆候だ……! ここは冷静にこの場の『真実』を見極めないと、取り返しが付かなくなる。 そう判断し、何か言うべき言葉を発そうとした次の瞬間、思いがけない人物が口を開いた。 「吉良吉影ッ!!! アンタが……アンタが康一を爆弾で殺したのねッ!!!」 ぬえ……!? 貴方、まさか―――! 「みんな聞いてッ! 今までずっと涼しい顔してたこのスカしたブタ野郎の正体はッ! 『人や物を爆弾に変える能力』のスタンド使いッ! イカれた『殺人鬼』なのよッ!!」 馬―――鹿っ……! そんなことは知っているわよ! それを『今』! 吉影の目の前で言ったりしたら……ッ! 「え……えぇ~~~ッ!? 吉良さんがさ、さ、さ、『殺人使い』で、『スタンド鬼』ッ!? 爆弾って……どういうことぬえちゃんッ!?」 違うアンタはどうだっていい! 少し引っ込んでなさい! っていうより、どうしてぬえが吉影の正体を知っているの……!? 仗助が吉影の正体を私たちに話した時、ぬえは居なかった筈だけど…… 「この男は普通の一般人を装って、陰から私たちを殺すチャンスを伺っていたのよッ! その証拠に康一も爆弾で殺されたッ! コイツはゲームに『乗って』いたのッ!!」 「なっ……! 何を突然言い出すんだぬえさん! 私がスタンド使いなワケが……ッ!」 「嘘ッ! 私見てたんだから! アンタがホテルで仗助と康一と会話してる所を陰からッ! アンタが爆弾のスタンド使いで、どーしようもなくクレイジーな人殺しだって会話をねッ!」 仗助たちと吉影の会話を覗いていた……!? 確かにそれならぬえの強気な姿勢もわかる……でも、待って。 じゃあつまり、ぬえは『知らない』……? 私がこの後、吉影を『説得』して何とか味方に引き込もうと考えていることを! ヤバイわね……! かなり、困ったことになった……っ ぬえは自棄っぱちになっている。今ここで吉影を殺そうと、私たち全員を巻き込んで。 だからこうも強引に吉影を刺激している……。 いえ……でも康一が『爆弾』で、たった今吉影が人質を失ったのなら……! 彼を倒すチャンスは『今』……! でも、『何か』がおかしい。わからないことが多すぎる。 康一はそもそも何故死んだ? 本当に吉影の仕業なの? 「…まぁいいわ。とにかく吉良! ただひとつ言えるのはアンタは私たちの『敵』! これからどういうことが起こるのか、理解できてるんでしょうねッ!」 く……っ! ぬえがこれ以上、吉影を挑発するとマズイ! ……仕方ない、か。予定が大幅に変わるけど…… 「―――無駄よ、吉影。貴方の仮面の裏に隠してきたという『本性』……。既にここに居る全員が知っているわ」 「―――――――なに?」 今、ここで吉影を再起不能にするしかない……ッ! スペルカードの準備を整え、私は吉影の前に踏み出た。 吉影の説得はもう無理ね……。 納得できないけど、彼にはここで御退場してもらう。 「ばっ……馬鹿! やめ―――!」 天子が吉良に駆け行った時、誰かの声が場に響いた。 その叫びがにとりのものだと気付いた瞬間、 「――――――………クレイジー・ダイヤモンド」 仗助の覇気の無い声が響いた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:03:35] [-00:01:59] 仗助のおかげで康一を殺したのは吉影ではなく、にとりだと判明した。 私は正直な所、それでも疑問は尽きない。 どうして彼女が康一を殺すに至ったのか。その殺意の根幹が掴めない。 いや……結局、それは『事故』だったのでしょう。 にとりが殺そうとしたのは康一ではない。 そして吉影でもない。 ―――彼女が殺そうとしたのは、きっと……『私』。 にとりは私に対して明らかに『敵意』、みたいなものを抱いていた。 と言っても、それは周囲を飛び回る蝿を鬱陶しがるような、そんな些細なものだったのかもしれない。 だからと言って、まさか彼女が私を殺そうとするまでは思いもしなかった。 にとりの『気持ち』を、計り違えていた。 もしかしたら死体になっていたのは康一ではなく、私だったのかもしれない。 胸を撫で下ろす気持ちね……。あわや死ぬ所だった。 不謹慎にも、私はそんなことを考えていた。 でも、わからない所がまだある。 「殺してなんかないッ!! なあパチュリーもなんか言ってやってくれよッ!! お前、嘘がわかるんだろッ!? 私が誰も殺してないってこと、わかってるんだろおおッ!!」 「………………っっ」 にとりが恐怖に歪んだ表情で私に助けを求めてきた。 確かに私には相手の『嘘』の気を読む力がある。 その私を以ってしても、今のにとりの気持ちがわからない。 彼女の心は今やグチャグチャ。混濁としていてあらゆる気が混ざり合っている。 にとりは今、非常に混乱している。 康一を殺したのは『自分ではない』、『自分なのかもしれない』……そんな矛盾した二つの気持ちが垣間見える。 ああ……なんだか私もわからなくなってきたわ。 少なくともにとりは私を殺そうとあの爆弾を用意したのは間違って無いと思う。 その対象が何らかの原因により、私から康一に移ったというだけで、にとりは間違いなく『危険人物』だった。 所謂『殺人者』と言うべきかも知れない。 だって、そもそも爆弾を起動できたのはにとりだけで、康一が爆弾により死んだというのならば。 やっぱり康一を殺したのは河城にとりだった。そういうことになる。 その事実に、故意も不本意も関係ない。 にとりの処遇を考えていた私の耳に、 ―――カチリ――― そんな、不吉な音が聞こえて、 河城にとりは目の前からいなくなった。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:06:26] [+00:00:52] 吉影が爆弾に変えていたのはにとりだった。 この『爆弾』という言葉には色んな意味が含まれているのだけど、とにかく吉影は今…人質を失っている。 それにこれは絶対誰にも言えないようなことなんだけど…… にとりが死んだことで、私は少しホッとした。 彼女は間違いなくチームに亀裂を入れかねない『因子』で、 実際、にとりのせいで康一が死んでしまった。私だって殺されるとこだったかもしれない。 人の自然な心理として、そりゃあ少しぐらいは安心するわよ。 勿論これが倫理的に褒められるものではないし、吉影に対して「ありがとう!」と感謝する気は毛頭無いわ。 感謝はしないけども、このことで吉影と『対等な立場』を築きやすくなった。 もしかしたら、まだ彼を説得する余地はあるかもしれない。 どう話を切り出そうかと思考していると、吉影は思わぬ提案を出してきた。 「お互い今までの確執を水に流し、再び私を『仲間に迎えて』欲しい」 まさか彼から言い出してきてくれるとは、僥倖だ。 吉影とは元々説得するつもりでいた。予定はかなり狂ってしまったけど…… ここで彼を仲間に引き込めば、いや仲間とはいかずとも手を組んでくれる関係を築ければ……! にとりと康一を失った穴を埋めるには充分。まだ手遅れにはならない。 でも…… 「ザッッッッッッッケんじゃねえッッッッッッ!!!! どのツラ下げてそんな台詞吐けるんだコラァアアーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!」 「ザッッッッッッッケんじゃないわよッッッッッッ!!!! どのツラ下げてそんな台詞吐けるのよアンタはァーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!」 ―――そうなるわよね、やっぱ。 天子はともかく仗助は元々、吉影と敵同士だったらしいし…… 一筋縄ではいかない、かしらね。 でも、何はともあれ『味方』は必要になる。 仗助には悪いんだけど、ここは我慢してもらうわ。 「―――おやめなさいな、仗助。天子も」 殴りかかる仗助と天子のふたりを止め、私は間に入った。 「……何すかパチュリーさん。止めないでくださいよ」 「そうはいかないわ。直球で言わせてもらうけど、私は吉影の交渉を呑むつもりでいる」 「……ッ!! 本気っスかパチュリーさんッ!?」 「ちょっとアナタ、なに言ってるのよッ!? コイツは殺人鬼なのよッ!? 今ここでブチ殺しておくべきだわッ!!」 ……? 仗助が怒るのは分かるけど、さっきからぬえまで妙に興奮してるわね……? まあ、そうなるかもしれない。康一爆破の件に関して吉影は『無実』だけど、『殺人鬼』なのは事実なのだから。 でも、ここで退くわけにはいかない。 「殺人鬼如きがなによ。こう見えて私は魔女なの。いざとなれば大釜で煮込んで食べるくらいしてやるわよ。 それに彼を私が説得するというのは元々全員で決めていたことでしょう? 予定が早まっただけじゃない」 「ま、待って待ってパチェ待って!! 『説得』って、私それも聞いてないわッ!! どんだけ仲間ハズレよ!?」 ちっ……うるさい教授がまた割り込んできた。 めんどいから、後でにして欲しいんだけどなー。 「ああ!? 舌打ちッ!! 今舌打ちしたでしょ!!!」 「……教授。私のことを心配してくれるのはとても嬉しいわ。 でも大丈夫よ。吉影が私に危害を加えることは絶対にさせない。……勿論、皆にも、ね」 「当ッッッたり前よ!!! おい吉良!!!!!さん!!!!! もしも私のパチェに指一本でも触れて見なさいッ!!! 私があなたを異次元空間のスキマに叩き落してあげるわッ!!!」 「……これから『仲間』になろうって者を傷付けたりはしないよ。 爆弾に変えて人質にもしない。約束しよう」 「吉影。貴方が考えていることを当てて見せるわ。 『自分の正体を知る者を残らず始末するつもりではあるが、果たしてそれはこの『幻想郷』の住民にも当てはめるべきだろうか?』 答えは『ノー』よ。私たちは元々外の世界の貴方の犯罪なんかに興味はないわ。 貴方が外でどんなに人間を殺そうとも、それは幻想郷には全く関係ない埒外の出来事。 私たちは貴方の『性質』には全く干渉しない。その代わりに貴方も幻想郷の住民には『干渉』しない。 交渉するにあたって、私たちが貴方を仲間に加えるにあたって、それが絶対条件よ。 これが出来ないなら、私は今すぐ貴方を攻撃するつもりでいる」 「………ふむ。じゃあ例えば―――例えばだが、私がそこの幻想郷の住民ではない仗助を今から始末するとしたらどうする?」 「受けて立つぜェーッ!! テメェ吉良ッ!!!!」 「貴方は黙ってて。……質問の答えだけど、それも『ノー』よ。 仗助は私たちの仲間であり、この異変を打破するのに大きく役立つ能力を持っている。 異変が解決して元の世界に戻ったなら好きなだけ殴り合って頂戴。 彼だけじゃない。著しく仲間内の『和』を乱すのは厳禁。当然、キラークイーンで仲間に触れようとした瞬間、貴方を攻撃させて貰う」 「……幻想郷の住民であっても、敵であったり私に危害を加えようとした相手の場合は?」 「正当防衛を行使する権利は誰にでもあるわ。ただし、極力戦闘は回避して欲しいけどね。 貴方にとっても自分の『本性』は隠しておきたいでしょう?」 「ふむ………………………………、確かに、互いに『利』はある、か…………。 ………わかった。その条件、受け入れよう。だが、もしも君たちが私の正体を他の誰かに伝えたりしたなら―――」 「わかってるわよ。こっちも貴方の正体を無闇に口には出さない。これで交渉は成立かしら?」 「いいだろう。君たちにも手は出さないし、“今は”仗助とも休戦といこう。……康一も死んでくれたしな」 ギリリ……!と、仗助が視界の端で拳を握り締めているのが見えた。 残酷なことをしている、のだと思う。 仗助にとって吉影は倒すべき敵なのだとは理解しているし、決して彼らは手を組めるような関係には無いとも思う。 でも、仗助は今きっと複雑な心境を泳いでいる。 友人である康一を殺され、殺したにとりはよりによって敵である吉影に殺された。 向け処のない怒り……自分は誰に対して拳を振るえばいいのか。その憎しみの矛先が、見付からない。 私とて仲間を爆破した吉影をこのまま仲間に迎えようとなど、普通なら思わない。 でも、薄情なことを言うようだけど……『にとり』は少し、別だ。 彼女があのまま生きていればチームに更なる亀裂が生まれていたと思うし、実際康一は彼女に殺された。 にとりが死んだ事もこのチームの未来にとっては『プラス』になっている気もする。 あるいは、吉影はそこまで計算してにとりを殺したのかもしれない。 それはとても褒められた行為ではないけど、確かに吉影は集団の大きな戦力にも成り得る人材。 仗助はそこの所を、悔しくも理解している。だから余計に怒りが湧いて来る。 もしかしたら彼が一番怒りを感じているのは『自分自身』なのかもしれないわね……。 「……これで交渉は成立ね。色々大変なことも起きたけど、私たちの目的はまだ続いている。 厳しいこと言うようだけど、悠長なこともしてられない。待ち合わせに変更はナシ。正午に『ジョースター邸』に集合よ。 私たちCチームも、康一とにとりが欠けてしまったけど……チーム組み分けに変更は―――」 「―――待って、パチェ」 説明の途中で教授がまた入り込んできた。 とても、真面目に心配するような目で。 ええ、わかっているわよ……貴方の言いたいこと。 「パチェはこれからその、吉良さんと2人で行動するんでしょう? ………私も一緒に―――」 「―――気持ちだけ、受け取っておくわね。 でも貴方が私たちと一緒に来たら、Bチームは慧音とぬえだけになる。 もしも彼女らがスタンド使いに襲われたら、抵抗は難しくなるでしょう。 仮にも今の貴方はスタンドを持っているんだから、彼女たちについて守ってやんなさい。……ね?」 「……でも!! それでも私はパチェが心配なのッ! もしも貴方に何かあったら私―――」 「―――じゃあさ、私がパチュリーのチームに入って吉良を見張っとくわ」 そう言って私の前に悠然と歩いてきたのは―――封獣ぬえだった。 「私も一応、大妖怪なんだしさ。力には自信、あるから。 もしも吉良が何かしてきたら串刺しにしてやることくらい、出来るわよ」 「ぬえ……? でも……」 「“でも”、なに? 夢美も慧音と2人なら互いに守りやすいでしょ。 それとも……私じゃ不満?」 ぬえの眼が、ギラリと光った。 この子……最初会った時よりも、かなり雰囲気が変わった気がする……。 でも、確かにぬえも居れば吉影だってそうそう迂闊に凶行には走れないでしょう。 ―――仕方ない、か。 「じゃあ、ぬえ。同行をお願いしてもいいかしら? 教授は……また今度ね」 「……ええ、任せなさい」 ―――その時。 ―――ぬえの瞳がほんの一瞬だけ、吉影を睨みつけたような……そんな気がした。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:12:01] [+00:06:27] 「康一を……弔う時間をくれねえっスか……」 沈痛な面持ちで提案した仗助の頼みを、私たちは勿論了承した。 綺麗に治った康一の身体を優しく土に埋め、墓を作ってあげた。 彼を穴に入れる作業は、仗助にやらせるのは酷だと判断した慧音が代わってくれた。 身近に居た人が死ぬなんて経験は初めてではないけども、やっぱり慣れるものではない。 康一の荷物は仗助に渡した。彼が持つべき……なのでしょうね。 にとりの身体は完全に消滅するほどバラバラになっていた。 その事実を再確認し、改めて吉良吉影という人間の『怖さ』を知る。 アレを敵に回すことは悪手だ。私の判断は間違っていない……そう思いたいものね。 そのにとりの墓も作ってやるべきだと慧音が言った。 彼女の遺体はもう無いけど、一緒に作ってやることにした。 流石に殺した相手のすぐ横に作るのもあんまりなので、康一の墓とは離れた場所に作ったけども。 そして彼女の荷物も話し合った結果、火炎放射器とかいう物騒な現代武器と河童の工具は得意そう(?)な教授に。 大振りの剣がこれまた得意そうな天子へと渡った(というよりブン奪られた)。 他にもスタンドDISCとはまた違うらしい円盤があったけど、用途が不明なので取り敢えず私が所持することになった。 「―――随分、予定が遅れたわね……」 私はボソリと、そう漏らした。 「ああ……。随分と、随分と色々な事が変わってしまった、な……」 慧音もどこか心此処に在らずといった面持ちで返した。 「天子……。貴方、仗助よりも人生の先輩なんだから、仗助のコト……頼めるわね?」 少し声を落として天子に伝える。 友を失ったばかりの仗助には……誰かの優しさが必要なのだから。 「……下僕の世話くらい、主である私の当然の義務よ。 それより……吉良のことはまだ認めてないわよ、私……!」 不満げに言い去った天子は、やはり私の判断に不服みたいね。 彼女の性格からして、自分が間違っていると思う相手を野放しにするのは許せないんでしょう。 わからないでもない、けど……。何とか気持ちに折り合いをつけて欲しい、と言ったトコかしら。 私からすれば仗助も天子もまだまだお子様なんだから。 「パチェ……! 絶対、絶対無理しないでね……!」 そして、教授か。 この子もまだまだ子供なんだけどねぇ……。色んな意味で。 「無理はしないわ。それより貴方こそ気を付けなさい? たった2人なんだから。 …………それじゃあ、『また』ね?」 「……! うん! 『また』……!」 2度目の別れになるけど、今回は少し違うのかもしれない。 既に2人も死んでしまった……いえ、死なせてしまったのだから。 私にだって責はある。その圧力に圧し潰されて破滅を迎えることだけは……したくない。 「パチュリー。……そろそろ」 ぬえが急かすように催促してきた。 ……どうも、この子の本質が読めない。吉影とは別の意味で、わからない。 ―――『封獣ぬえ』。 大昔からその正体が掴めない妖怪であり実際の所、今の彼女の姿が『本物』なのかも知り得ない。 人々を翻弄し惑わしては、笑いながら去っていく謎の多い妖怪とは聞いているけど……。 正体が判らない存在ほど恐ろしい物もない。触れたくない物もない。 正直……私は彼女が少しだけ、怖い。 今からの数時間一緒に行動して、少しでもぬえのことが理解できれば良いんだけど……。 「じゃあ……皆。今度こそ準備はいいわね?」 私の合図を皮切りに皆の注目が向けられた。 今回の目的……出だしとしては『最悪』の一歩を踏んでしまったけども。 もう、二の轍は踏まない。 私たちがやらなきゃ、誰がやる。 とことん行くしか、ないんだから……! 「――――――行くわよ!」 チームは再び、3つに分かれた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 【E-1 サンモリッツ廃ホテル前/朝】 【パチュリー・ノーレッジ@東方紅魔郷】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:霧雨魔理沙の箒、ティーセット、基本支給品×2(にとりの物)、考察メモ、F・Fの記憶DISC(最終版) [思考・状況] 基本行動方針:紅魔館のみんなとバトルロワイヤルからの脱出、打破を目指す。 1:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第三ルートでジョースター邸へ行く。 2:魔力が高い場所の中心地に行き、会場にある魔力の濃度を下げてみる。 3:異変解決の足掛かりとして、吉良の能力を利用したい。 4:ぬえに対しちょっとした不信感。 5:紅魔館のみんなとの再会を目指す。 [備考] ※喘息の状態はいつもどおりです。 ※他人の嘘を見抜けるようです。 ※「東方心綺楼」は八雲紫が作ったと考えています。 ※以下の仮説を立てました。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは「東方心綺楼」を販売するに当たって八雲紫が用意したダミーである。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは「東方心綺楼」の信者達の信仰によって生まれた神である。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは幻想郷の全知全能の神として信仰を受けている。 荒木と太田、もしくはそのどちらかの能力は「幻想郷の住人を争わせる程度の能力」である。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは「幻想郷の住人全ての能力」を使うことができる。 荒木と太田、もしくはそのどちらかの本当の名前はZUNである。 「東方心綺楼」の他にスタンド使いの闘いを描いた作品がある。 ラスボスは可能性世界の岡崎夢美である。 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:健康 [装備]:スタンガン@現実 [道具]:基本支給品、ココジャンボ@ジョジョ第5部 [思考・状況] 基本行動方針:平穏に生き延びてみせる。 1:しばらくはパチュリーたちと手を組むしかない、か… 2:東方仗助とはとりあえず休戦? 3:空条承太郎らとの接触は避ける。どこかで勝手に死んでくれれば嬉しいんだが… 4:慧音さんの手が美しい。いつか必ず手に入れたい。抑え切れなくなるかもしれない。 5:亀のことは自分の支給品について聞かれるまでは黙っておこうかな。 [備考] ※参戦時期は「猫は吉良吉影が好き」終了後、川尻浩作の姿です。 ※慧音が掲げる対主催の方針に建前では同調していますが、主催者に歯向かえるかどうかも解らないので内心全く期待していません。 ですが、主催を倒せる見込みがあれば本格的に対主催に回ってもいいかもしれないとは一応思っています。 ※能力の制限に関しては今のところ不明です。 【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:精神不安定、頭に切り傷 [装備]:なし [道具]:基本支給品×2、ゲーム用ノートパソコン@現実 、不明支給品×2(ジョジョ・東方の物品・確認済み。康一の物含む) [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いの打破 1:霊夢と紫を探す・第一ルートでジョースター邸へ行く。 2:康一… 3:吉良のヤローがなんかしたら即ブチのめす。休戦? 知るか! 4:承太郎や杜王町の仲間たちとも出来れば早く合流したい。 [備考] ※幻想郷についての知識を得ました。 ※時間のズレ、平行世界、記憶の消失の可能性について気付きました。 【比那名居天子@東方緋想天】 [状態]:健康 [装備]:木刀@現実、LUCK PLUCKの剣@ジョジョ第1部、龍魚の羽衣@東方緋想天 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに反抗し、主催者を完膚なきまでに叩きのめす。 1:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第一ルートでジョースター邸へ行く。 2:下僕のアンタが落ち込んでたら私まで暗くなっちゃうでしょーが! 3:主催者だけではなく、殺し合いに乗ってる参加者も容赦なく叩きのめす。 4:自分の邪魔をするのなら乗っていようが乗っていなかろうが関係なくこてんぱんにする。 5:吉良のことは認めてない。調子こいたら、即ぶちのめす。 6:紫の奴が人殺し? 信じられないわね。 [備考] ※この殺し合いのゲームを『異変』と認識しています。 【上白沢慧音@東方永夜抄】 [状態]:健康、ワーハクタク [装備]:なし [道具]:ハンドメガホン、不明支給品(ジョジョor東方)、基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:悲しき歴史を紡がせぬ為、殺し合いを止める。 1:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第二ルートでジョースター邸へ行く。 2:殺し合いに乗っている人物は止める。 3:出来れば早く妹紅と合流したい。 4:姫海棠はたての行為をとっ捕まえてやめさせたい。 [備考] ※参戦時期は未定ですが、少なくとも命蓮寺のことは知っているようです。 ※ワーハクタク化しています。 ※能力の制限に関しては不明です。 【岡崎夢美@東方夢時空】 [状態]:健康、パチェが不安 [装備]:スタンドDISC『女教皇(ハイプリエステス)』、火炎放射器@現実 [道具]:基本支給品、河童の工具@現地調達、不明支給品0~1(現実出典・確認済み) [思考・状況] 基本行動方針:『素敵』ではないバトルロワイヤルを打破し、自分の世界に帰ったらミミちゃんによる鉄槌を下す。 パチュリーを自分の世界へお持ち帰りする。 1:パチェが不安! 超不安!! 大丈夫かしら… 2:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第二ルートでジョースター邸へ行く。 3:能力制限と爆弾の解除方法、会場からの脱出の方法、外部と連絡を取る方法を探す。 4:パチュリーが困った時は私がフォローしたげる♪はたてや紫にも一応警戒しとこう。 5:パチュリーから魔法を教わり、魔法を習得したい。 6:霧雨魔理沙に会ってみたいわね。 [備考] ※PCで見た霧雨魔理沙の姿に少し興味はありますが、違和感を持っています。 ※宇佐見蓮子、マエリベリー・ハーンとの面識はあるかもしれません。 ※「東方心綺楼」の魔理沙ルートをクリアしました。 ※「東方心綺楼」における魔理沙の箒攻撃を覚えました(実際に出来るかは不明)。 ※全員が吉良の正体を知りました。同行するらしい彼に多少なりと警戒はしています。 ※全員がはたての書いた紫についての記事を読みました。紫には警戒しています。 ※サンモリッツ廃ホテルの近くに康一、その少し離れた所ににとりの墓があります。 ※にとりの「小型爆弾@オリジナル」は爆薬を抜かれ、ホテル近くに捨てられています。 <各チームのルート> ※第一ルートを通る『仗助・天子チーム』はE-1からD-1へ進み、そのまま結界沿いを行くコース。 ※第二ルートを通る『慧音・夢美チーム』はE-1からE-2へ下り、そのまま西を行くコース。 ※第三ルートを通る『パチュリー・吉良・ぬえチーム』はE-1からF-1へ進み、そこからF-3に下って、西へ行くコース。 ―――『人狼』にはひとつ、『狂人』と呼ばれる役職がある。 彼らは『村人』の側に属していながら『人狼』の味方をする。 彼らの目的は人狼の勝利だ。人狼側が勝利することで狂人も一緒に勝利することが出来る。 狂人の役目は『騙ること』。 村人のチームに上手く溶け込み、翻弄した発言で人狼をサポートするのだ。 村人の混乱を目的とした彼らは自分の正体を明かさず、陰から常に場を混乱させる発言を怠らない。 この9人の集団に起こったひとつの『悲劇』は、偶然の連鎖によるものではない。 いや、確かにひとつひとつの些細な偶然が今回の悲劇を生んだのかもしれない。 封獣ぬえが偶然、吉良吉影の正体を知ってしまったからその後、彼を刺激したのかもしれない。 吉良吉影が偶然、河城にとりを爆弾にしていなかったら彼女は死ななかったのかもしれない。 河城にとりが偶然、手を汚していなかったら東方仗助に疑われることもなかったかもしれない。 東方仗助が偶然、パチュリー・ノーレッジらに吉良の正体を漏らしてしまわなければ、吉良はこうも追い込まれなかったのかもしれない。 パチュリー・ノーレッジが偶然、河城にとりに懐疑心を持たなかったら彼女は爆弾を作ることはなかったかもしれない。 全ての事象はほんの些細な事柄で決定される。 他愛も無い『if』が、その場限りにおいては救いをもたらせてくれるのかもしれない。 だが、この悲劇が単なる『偶然』の連鎖で生まれたモノだとは限らない。 『偶然』ではなく『必然』という名の他意によって生み出された結果なのだとしたら。 この集団の誰もが『彼女』という『狂人』の存在を意識出来ていなかったとしたら。 それは『if』(もしも)ではなく、引き起こされた『正体不明の運命』。 ―――正体不明の狂人は、戯けた。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [-00:03:08] [-00:08:42] 『封獣ぬえ』 【午前7時9分】 「慧音、夢美。ゴメン、私ちょっと忘れ物しちゃったみたい。先に行ってて」 Bチームの私たち3人は霊夢と紫を探し出すため、南へと向かって歩き出した。 ありふれた適当な文句を彼女たちに言い残し、私は当初の『計画』を実行するべく動く。 『メタリカ』によって姿を消した私は、東……すなわち吉良のチームへと隠れながら追いかける。 計画とは無論、今なお私たちの誰かを爆弾にしているという、卑劣な吉良の『暗殺』。 このメタリカの能力があれば暗殺は容易。誰にも気付かれずに奴を殺せる筈……! そしてとうとうチンタラ歩く吉良の姿を捉え、私は躊躇無く殺しにかかる―――! ―――予定ではあったが、いざ殺す直前になると不安が押し寄せてきた。 襲撃者の正体(つまり私だ)は本当にバレないのか? 私が慧音たちの前から離れている間に吉良が襲われれば、真っ先に私が疑われないか? そもそも透明だからといって、誰にも姿を見られることなく暗殺は完了できるのか? 吉良を即死させることが出来れば上出来だけど、反撃の隙を与えたら私は無事でいられるのか? なんかの拍子で透明化が解ければ、その時点で私はアウトだ。 ……少し、単純で浅知恵すぎる作戦ではないか? 今になって私は臆してしまった。 自分の正体が判明される事こそ昔から恐れてきた鵺という種族の特性。 ここに来て何たる無様だと、自分に喝を入れようとするけども、足は中々動いてくれない。 段々と焦燥を募らせる私の身にその時、ツキが舞い降りた。 「落ち着いて聞いて欲しい。今、パチュリーさんの荷物には…………… ――――――『爆弾』が入っている」 「………………え? ば、ばくだ―――ッ」 ばくだ……何? 近くに居たにとりと康一の会話が偶然私に聞こえてきた。 こっちには気付いてないらしい。そのままボソボソと会話を続けている。 私はというと、非常に気になる単語が飛び出てきたそのナイショ話に聞き耳を立てていた。 そしてにとりは次に仰天するような台詞を放った。 (私はこの爆弾で……………………『吉良』を倒そうとした、から) 吉良を……倒すだって!? 俄然私はその会話に興味を持った。 話がよく見えないけど、康一は当然として河童までもあの吉良の正体を知っているのか? そしてどうやらこの河童は、勇敢にもあの殺人鬼を爆弾で倒そうとしていたらしい。 ということはつまり、わざわざこのぬえ様が手を下す必要は無いということになる。 ワオ! それって超ラッキーってことじゃない!? (で、でも吉良を倒すのに何でパチュリーさんの荷物に爆弾を入れたの!?) (ま、間違えちゃったんだよ! さっきホテルで私以外のみんなでトイレに行ったろ!? その時に爆弾を仕込んだんだけど……吉良の荷物と間違えてパチュリーさんの荷物に……) そういえば、この河童がさっきホテルで誰だかの荷物に何か入れていたのを見た気がする。 あれは爆弾だったのね……河童も恐ろしいことを考えるものだわ。 とにもかくにも、これで私の不安は解消した。 このまま待っているだけで、私は何の苦労もなくあの吉良が爆死するところを見学できるからだ。 その瞬間を今か今かと待ちわびながらも、隠れて会話を聞いているとどうも話が違った方向に進んでいった。 「―――でもにとりちゃん。このことをパチュリーさんに話しておかないのはよくないと思う」 康一がそんなことを言う。 どうでもいいからさっさとその爆弾とやらを吉良の野郎に仕掛けてきなさいよ! 「君がひとり、爆弾で吉良を倒そうとしていたこと。 事故とはいえ、うっかりパチュリーさんを危険に晒したこと。 その非を、彼女に説明もナシに無かったコトにしようとするのはチームの亀裂を生む原因になると思うんだ」 「だから、ボクはパチュリーさんにきっちり謝っておくことが大切だと考えるよ。 彼女も怒るかもしれないけど、ボクからも一緒に謝るから。 誠意を持って謝ればきっとパチュリーさんだって許してくれるさ。 そしてその後、皆で吉良を倒す策を一緒に考えよう。ね?」 ……なんか、この流れは吉良を倒すような話じゃなくなってきたようだ。 なに呑気言ってるんだろう、この男は。 私が爆弾にされちゃってるかもしれないのよ? そんなふざけた正義感振りかざして、もし私が爆死したらどう責任とってくれるの? 皆で吉良を倒す策を考える? バッッッカじゃない!? 遅いっつーーーのッ! 私がこんなに苦労して奴を殺そうと頑張ってるってのに、随分平和な頭してるのね? 「パチュリーさんにはボクから話を通してくる。にとりちゃんはここで待ってて!」 コラ待ちなさいよ! ……なんて声を出すわけにもいかない。 どうしよう……これじゃあ最初の障害に逆戻りじゃない……! 何とか……何とかしないと……! その場で頭を抱えていたら、河童の奴が青い顔して何か取り出したのが見えた。 アレは……何かの『スイッチ』かしら? もしかして、爆弾の―――――― 「――――――っ!」 脳裏に過ぎった、『悪魔の策』。 私は逸る気持ちとは裏腹に、頭の中では冷静に『ある予測』を立てられていた。 『もしも』……もしあのスイッチが康一の抱える爆弾の物だとして。 それを今、私が『押して』やったら……当然だけど康一は爆死するでしょう。 すると……どうなる? 誰が康一を爆破したかって話になるだろう。 吉良の正体が殺人鬼だということを知るのはその時点で、私を除けば仗助とにとりだ(他にもいるかも知れないけど)。 後は私が上手いこと口を合わせて『吉良の仕業』だということに仕立て上げれば……! ―――ごく自然に、私は皆を巻き込んで吉良を攻撃できる口実を得る。 いや、私は皆を上手く口車に乗せるだけで、実際には吉良を攻撃したくない、というか近付きたくもない。 煽るだけ煽いで私はこっそり引っ込む。後は皆が勝手に吉良を攻撃してくれる! そうよ! 吉良の奴だって全員から『敵』だと認識され、同時に攻撃を受ければひとたまりもない筈! 最後の問題は『人質』。 私が爆弾にされている可能性がある以上、私自身も迂闊に仕掛けられない。 でも、そうよ! こっちにはなんと言っても仗助の『クレイジー・ダイヤモンド』があるのよッ! たとえ私が爆破されたとしても、恐らく仗助の『治す』能力は吉良の爆破スピードよりも一瞬速く治せるッ! つまり皆が吉良に攻撃する瞬間、私は仗助の隣に『ベッタリくっ付いて』いれば私は死ぬこともない! 爆弾が私じゃなく、他の誰かだった場合は……その人はご愁傷サマ♪ 知ったこっちゃないもん。 そしてこの作戦は『秘密裏』に行わなければ意味がない。 例えば私が吉良の正体を皆に喋っても、「それなら共に皆で吉良を打倒しよう!」と一致団結とはいかない。 だって人質が取られてるんだもん。お人好しのあいつらはきっと人質の命を優先して、吉良を攻撃することは出来ないでしょうね。 クレイジー・ダイヤモンドで爆殺を防ごうにも、すぐに治せるのは仗助の傍に居る奴だけ。 もし仗助の近くに居ない奴が爆弾にされていたら、そこで終わり。だからお人好しのあいつらはその策を使わない。 そもそも皆に吉良の正体を話すタイミングなんて、もう無い。 結局、今ここで康一を爆死させ、その罪を吉良に擦り付けるのが一番確実で楽チンってワケよ。 そこまで考えたら、私は急に希望とやる気がムンムン湧いてきたわッ! すぐにメタリカで作ったメスを取り出し、鉄分の構成を変化させる。 メスから姿を変えて私の手の中に現れたのは、河童が持っているモノそっくりの『リモコンスイッチ』。 外見を変化させただけの紛い物だから当然これを押しても爆発なんて起こらない。 あとはコイツを―――河童の持つスイッチと入れ替える。 透明とはいえすぐ近くに私が居るってのにコイツは全然気付かない。 なんだか震えて動揺しまくってるみたいだけど、丁度良い。 本物のスイッチを河童の手から弾き、草むらの中に転がせる。 急いでそいつを手に取り、代わりの偽物をその辺に放り出した。 案の定、河童は偽物を拾った。随分ニブイ奴ね、コイツ……。 もうあまり時間は無いわね。それじゃあモタモタすることもないし――― じゃね♪ 広瀬コーイチくん。 ―――カチリ、と。 私は躊躇いなく、スイッチを押した。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:02:33] [-00:03:01] 作戦は面白いほど計画通りに進んでいった。 スイッチを押して康一が爆死したのを見届け、すぐに私は慧音たちのところまで戻った。 そして彼女たちと共に何食わぬ顔で爆発音を聞きつけ、康一の惨状に驚く。 見るも早く、それを吉良の仕業だと声高らかに叫び上げる。 吉良の正体を殺人鬼だと口走って、全部ぜーんぶ吉良に押し付けてやる。 勿論、ここは『人質』のことは伏せておいた。 余計なこと言って、吉良を攻撃することに躊躇いの心を持たせることもない。 何だ、簡単じゃん。 予想通り康一は爆死したし、 予想通りそれを吉良のせいに出来たし、 予想通り吉良は焦っている。 何もかも順調だった私の計画は――― 「無駄よ、吉影。貴方の仮面の裏に隠してきたという『本性』……。既にここに居る全員が知っているわ」 ―――しかしこのパチュリーの台詞から、何かが狂いだしてきた。 「ニッブい男ねアンタも! アンタの正体はホテルの中で、とっっっっくの昔に皆にバレてたって言ってんのよ!」 …………………は? え、え……ちょっ、と…待ってよ……? ……『知ってた』? 吉良の正体を、みんなが……? とっっっっくの昔に……? いつ? ホテルで、ですって? 私の居ない間に、そんな話を……? な、なによソレ! それならわざわざ康一を殺して吉良に罪を擦り付けた意味が……! ―――いや、あるのか? 皆は今、康一が爆破されたことで『爆弾は康一だった』って思ってる。 『人質が居なくなった今なら吉良を好き勝手攻撃できる』って、皆は考えてるんじゃない? ……それはそれで、結果オーライって奴なのかもしれない。 このままの流れで皆が吉良を倒せば、何も問題はない筈だ。 いや、当然吉良がいつ人質を爆破してもいいように、私は仗助の傍についているけど。 うん、まあいいじゃん! 少しビックリしたけど、大丈夫大丈夫―――! ―――どころではない、予想外の事態が発生した。 「康一を殺しやがった奴は――――――吉良じゃねえ」 (仗、助ェ~~~ッ!!? ア・ン・タ……! この期に及んで何を言うつもりよ……ッ!?) 私にとって最大の予想外だったこと。 それは私がこの場でクレイジー・ダイヤモンドの順応力を忘れていたことと、仗助が思いの外、クールだったこと。 この土壇場で仗助が爆弾の破片を『直して』復元するという、とんでもないことをしてくれやがったのだ。 「……にとりちゃん。その『手』についてなんスけど、どうしてそんなに油で『汚れて』るんです? まるで――『何か』を作った痕みたいっスよね。例えば―――」 「 違 う ッ ッ ! ! ! 」 くっ……!? ヤバッ……犯人が吉良からにとりへと転換されてきている……! 私の仕業だとバレてないだけまだマシだけど、このままだと吉良を犯人に仕立て上げられなくなる……! そうなったら吉良を皆でボコる流れを作れなくなってしまう! 焦り始める私だったけど、当のにとりは私の100倍は狼狽しているみたいだった。 「違うッ!! 私はスイッチなんか『押していない』ッ!! 康一を殺したのは私じゃないッ!!! 信じてくれ……っ」 ええ、そうでしょうね……! アンタは殺していない。殺ったのは私だもん。 本物のスイッチはどさくさに紛れてさっき捨てておいたから、私が疑われることはない。 でも、ここに来て私の計画は既に破綻している。 私はこんな状況を作りたかったんじゃない。この後どうすればいいんだ? 考え込む私をよそに、にとりの悲痛な叫びはどんどんヒートアップしていき――― 「――――――わたしを、信じてくれよぉ…………――――――」 彼女の最期の言葉を聞くその瞬間も、私は自分のことで精一杯だった。 ―――爆発音が轟いて、河童は突然死んだ。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ [+00:07:02] [+00:01:28] 結論から言って、結局私の計画は『失敗』した。 吉良はにとりを殺し、その後何事も無かったかのように『仲間に迎えてくれ』だとか宣った。 当然私は憤慨した。ふざけんなと言いたかった。 河童が死んだことで私が『爆死』する可能性は無くなった。それはいい。 でも、アイツを再び仲間として迎え入れる……!? 冗談じゃないわッ! 私は康一を殺したかったわけでも、にとりを殺したかったわけでも……、ましてや吉良を仲間にしたかったわけでもない。 アイツをこの世から消してやるそのためだけに計画してきたのッ!! 「直球で言わせてもらうけど、私は吉影の交渉を呑むつもりでいる」 パチュリーが真顔でそんな事を口走った。 なによ……ソレ……ッ! 「ちょっとアナタ、なに言ってるのよッ!? コイツは殺人鬼なのよッ!? 今ここでブチ殺しておくべきだわッ!!」 見境もなく私は却下した。こんな奴を自分の近くに置いておくなんて狂ってるとしか思えない。 それでもこの魔女は、引き下がろうとしなかった。 「殺人鬼如きがなによ。こう見えて私は魔女なの。いざとなれば大釜で煮込んで食べるくらいしてやるわよ。 それに彼を私が説得するというのは元々全員で決めていたことでしょう? 予定が早まっただけじゃない」 ―――説得……!? そんなの……そんなの私は聞いていなかったぞッ!! 「ま、待って待ってパチェ待って!! 『説得』って、私それも聞いてないわッ!! どんだけ仲間ハズレよ!?」 どうやら夢美の奴も聞いてなかったらしい。 なんなのよ、コレ……ッ!! フザ、けんな……ッ!! 「……これで交渉は成立ね。色々大変なことも起きたけど、私たちの目的はまだ続いている。 厳しいこと言うようだけど、悠長なこともしてられない。待ち合わせに変更はナシ。正午に『ジョースター邸』に集合よ。 私たちCチームも、康一とにとりが欠けてしまったけど……チーム組み分けに変更は―――」 私の意見も聞く耳持たず、殺人鬼を仲間にしてしまった…… 吉良は私たちに手は出さないと約束されてはいるけど、そんなの分かるもんか。 やっぱり我慢ならない……! 吉良吉影は、殺さなきゃダメな人間なんだ……ッ! 「パチェはこれからその、吉良さんと2人で行動するんでしょう? ………私も一緒に―――」 夢美がパチュリーを心配して同行しようとせがんでいる。 フン……こんな根暗魔女、吉良と2人きりにして殺されちゃえばいい――― ……待てよ? いや、それなら『いっそ』……! 「―――気持ちだけ、受け取っておくわね。 でも貴方が私たちと一緒に来たら、Bチームは慧音とぬえだけになる。 もしも彼女らがスタンド使いに襲われたら、抵抗は難しくなるでしょう。 仮にも今の貴方はスタンドを持っているんだから、彼女たちについて守ってやんなさい。……ね?」 「……でも!! それでも私はパチェが心配なのッ! もしも貴方に何かあったら私―――」 いっそ、私が吉良の近くに居れば…… ―――そうすれば、きっと吉良を『暗殺』するチャンスがでてくる……! 「―――じゃあさ、私がパチュリーのチームに入って吉良を見張っとくわ」 私は覚悟を決めて、パチュリーにそう進言した。 私と吉良とパチュリー、3人のチームで動けば……私も吉良を暗殺しやすくなる! もう吉良の爆弾は解除されている。これ以上怯える必要なんて……無いッ! 対等な条件での『1vs1』なら……見込みがでてくる! 「私も一応、大妖怪なんだしさ。力には自信、あるから。 もしも吉良が何かしてきたら串刺しにしてやることくらい、出来るわよ」 「ぬえ……? でも……」 「“でも”、なに? 夢美も慧音と2人なら互いに守りやすいでしょ。 それとも……私じゃ不満?」 たとえ吉良がパチュリーに何かしてきたとしても、守ってやるつもりなんて毛頭ない。 なんなら2人とも始末したって構わない。 皆には後から「危険な人物に遭遇して2人はやられました」とかなんとか誤魔化しておいてさ。 「じゃあ、ぬえ。同行をお願いしてもいいかしら? 教授は……また今度ね」 「……ええ、任せなさい」 とにかく、吉良は殺す……! コイツは殺す……ッ! こんな殺人鬼を野放しにすれば聖だって危ういんだ! だから。 ―――死の恐怖を振りまく人間よ。正体不明の殺意(わたし)に怯えて、死ね。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 【Reignition】―『再点火』開始― ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 【封獣ぬえ@東方星蓮船】 [状態]:精神疲労(中)、吉良を殺すという断固たる決意 [装備]:スタンドDISC「メタリカ」@ジョジョ第5部 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:聖を守りたいけど、自分も死にたくない。 1:隙を見て吉良を暗殺する。邪魔なようならパチュリーも始末する。 2:皆を裏切って自分だけ生き残る? 3:この機会に神霊廟の奴らを直接始末する…? [備考] ※スタンド「メタリカ」のことは、誰かに言うつもりはありません。 ※「メタリカ」の砂鉄による迷彩を使えるようになりましたが、やたら疲れます。 ※能力の制限に関しては今のところ不明です。 ※メスから変化させたリモコンスイッチ(偽)はにとりの爆発と共に消滅しました。 本物のリモコンスイッチは廃ホテルの近くの茂みに捨てられています。 ※ぬえ以外の全員、康一を殺したのがにとりだと思っています。 115:Mountain of Faith/Face of God 投下順 117:痛みを分かち合う程度の能力 115:Mountain of Faith/Face of God 時系列順 117:痛みを分かち合う程度の能力 101:Strawberry Fields?? 東方仗助 119:スウィートビター 101:Strawberry Fields?? 比那名居天子 119:スウィートビター 101:Strawberry Fields?? 上白沢慧音 122:岸辺露伴は動かない ~エピソード『東方幻想賛歌』 101:Strawberry Fields?? 岡崎夢美 122:岸辺露伴は動かない ~エピソード『東方幻想賛歌』 101:Strawberry Fields?? パチュリー・ノーレッジ 125:賢者の意志 101:Strawberry Fields?? 封獣ぬえ 125:賢者の意志 101:Strawberry Fields?? 吉良吉影 125:賢者の意志 101:Strawberry Fields?? 広瀬康一 死亡 101:Strawberry Fields?? 河城にとり 死亡
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/299.html
Strawberry Fields?? 前⇐前編から ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『吉良吉影』 (忌々しい…………クソッタレの東方仗助めッ!!) 私はそう吐き捨てずにはいられなかった。 あのガキは、あからさまな悪意をもって、明らかにこの吉良吉影を挑発してきてやがる。 あの脳タリンめッ! 人質の意味を理解していないのか……ッ!! …………いや、理解しているのだろう。理解して、この私に突っかかってきているのだ。 人質は、私を守る盾。いわば、私の生命線でもあるのだ。 それ故に簡単には爆破しないと高を括り、その範囲内で皆に警告を与えようとしているのだろう。 あのクソカスがッ! やはり東方仗助、そして広瀬康一の存在は、私のストレスだ。 場合によっては、もう少しの間、生かしてやってもいいと思っていたが、それは私の勘違いだった。 あの二人は、早急に排除しなければならん。ストレスを排除してこそ、そこには平穏が訪れるのだから。 だが、ここで下手を打っては、ガキ共以外の奴らも私にストレスを与える敵となりかねん。 ふと、ガリガリと爪を噛む音が聞こえてきた。どうやら、知らず知らずの内に、私はまた爪を噛んでいたらしい。 このような悪癖をあからさまに見せては、無用な憂慮を慧音さん達に与えてしまう。 平時であれば、そんなものはどうとでもないが、今は他人からの気遣いは余計なお世話、寧ろ不快でしかない。 …………私の癖は誰かに見られたりしなかっただろうか。 目が合った。 確認の為に、私が辺りを見回したところで、いきなり河城にとりと視線が交錯したのだ。 そしてそのガキは一瞬にして目を逸らし、パチュリーとかいう紫女との会話に戻っていった。 私の不安は杞憂だったか。その思いと共に安堵を得たかったが、どうやら状況は私の予想以上に悪い方向に転がっていたようだ。 河童のクソガキがッ! 探るように何度もこっちに視線を向けてきやがる! この恐れを感じさせる目は、私の癖を見たからという、しょうもない理由からではない。 広瀬康一めッッ!! 私のことを喋りやがったな!!! 私は、すぐにその結論に達することが出来た。 私の正体を知ったとなれば、河童の恐怖も私を窺うような態度も頷ける。 イライラさせやがって…………あのクソカスがッ! 人質の話をしてから一時間もしない内に、あの時の取り決めを破りやがった。 怒りと共に私は思わず爆弾のスイッチに手をかける。 ここであいつらに制裁を加えてやったら、どれほど気分が晴れるだろうか。 大人を舐めるという愚かしさを、是非ともガキ共に分からせてやりたい。 しかし、それが出来ないという現状が、余計に私を苛立たせていった。 人質を失ってしまっては、闘いの幕が上がるのと同義だ。 そうなれば仗助と康一は、周りの制止など聞かずに遮二無二なって、私へ襲い掛かってくるだろう。 無論、私とキラークイーンが負けることなど有り得ないが、それでそれ以降の状況が良くなるとも思えない。 私は手傷を負い、要らぬ不信感を慧音さん達に植えつけてしまうことは確実だ。 それはストレスとは無縁の平穏と、余りにかけ離れている。 私は舌打ちしながら、スイッチから指を離した。 だが、このまま何も気づかなかった振りをして、のんびりしているというわけにはいかない。 あの二人に時間を与えてしまえば、いずれは外堀を埋められて、ここにいる皆が私と敵対することになってしまう。 そうなっては、例え人質があったとしても、最悪としか言いようがない。 それを防ぐ為にも、仗助と康一は早急に始末しなければならないだろう。 さて、その方法を、と早速思案を巡らせていると、また河童と目が合った。 (一々、こっちを見るんじゃあない! マナーも知らないのか、河童という生き物は! 全くもって忌々しい!) そう心の中で吐き捨てる私だが、そこで河童の手が目に入った。 肌は白く、爪も手入れされた小さな手だ。だが、そこには一際目立つ不自然さがあった。 汚いのだ。油汚れだろうか。まるで手そのものを貶めるように黒い筋が手を彩っていた。 (何だ、あれは? ……気にならないのか? 手が汚れているんだぞ) 手とは、顔のように絶えず外に晒している部分だ。否応にも目に留まる。 そしてそれは他人のというだけでなく、自分の目にも入ってくるのだ。 それを、あいつは気にならないのか? あいつではない私だって、こんなにも気になるものだぞ。 ……洗ってやりたい。河童の手を洗って、綺麗にしてあげたい。 …………いや、ダメだ! そんな奇行を繰り広げては、皆からの注目を集めてしまう。 ふぅ、ふぅ……落ち着け、落ち着くんだ。手の汚れだって、大した問題じゃない。 実際、他の奴らだって、気にしちゃいないじゃないか。ここは落ち着いて、冷静に行動するんだ。 外の景色でも見て、気持ちを落ち着けてみよう。ほら、見ろ、吉良吉影。 とても素晴らしい光景じゃないか。緑が広がり、遠くには青い川が流れている。 陽射しも柔らかで、ピクニックにでも行きたい気分にさせてくれるじゃないか。 ほら、あそこの木陰なんかは、お弁当を食べるのにちょうどいい。 あそこでサンドイッチを手に取って……手に…………手………………。 (……………………クソッ!! ダメだッ!! やっぱり気になる!! 河童の手を綺麗に洗ってやりたい~~!!) ガリガリガリガリガリッ! 私の動揺に呼応するかのように、私の爪が削られていく。 だが、私の指先から血がポタリ、と流れ落ちたところで、 横からもう一つの手が飛び出し、私の腕を掴んできた。 ああ、この手を見間違える筈もない。「慧音さん」だ。 「吉良さん、やめないか! 血が出ているぞ!」 慧音さんが、怒ったように口を開く。だが、そんなものに耳を傾けている余裕があるか? 目の前には「慧音さん」がいて、私の手をそっと柔らかに包んできているのだ。 東方仗助、広瀬康一、そして河城にとりが与えたストレスによって心が磨耗していた私は、 突如として現れた「慧音さん」の救済とも思える優しさに甘えずにはいられなかった。 「アフウウウ~~~~~~~~」 私は「慧音さん」に頬ずりをした。滑らかな白い肌。 そのキャンパスに私という色を染め付けるかのように、何度も頬をすり寄せる。 ああ、やはり「慧音さん」は美しい。あなたがいてくれて、本当に良かった。 あなたとこうしていると、とても落ち着く。不安が、苛立ちが癒されいくのを感じる。 シャブシャブ チュバチュバ ペロンペロンペロン 気が付くと、私は愛情を込めて「慧音さん」を舐め回していた。 それはとても濃密で、とても素晴らしい二人の睦み合い。 時間の経過さえ、忘れさせてくれる至福の時と言っていい。 たが、それは残念ながら、僅か一瞬で終わりを迎えることになってしまった。 ガンッ、と東方仗助が横からいきなり私を殴ってきたのだ。 無防備な態勢をしていた私はその衝撃をもろに受け、堪らず身体が床へと吹っ飛ぶ。 「おい、てめえ、吉良!! まさか、てめーが自分で化けの皮を剥いでくれるとはな~……!!」 口の中にある血の味を感じながら、私は仗助を睨みつける。 どうやら私はあの美しい手を目の前にして、我を失うというとんでもない失態を演じてしまったようだ。 ここから挽回は出来るだろうか、この状況を上手く言い繕うことは出来るだろうか。 私は必死になって頭を動かしていると、今度は慧音さんが、いきなり仗助の頭を叩いた。 「コラ、仗助君!! いきなり人を殴りつけるとは、一体どういう了見だ!!?」 「痛ゥッ……慧音先生、どうもこうも……って、アーーーー!! バッチィィーーーー!!! 吉良の唾液が、おれの髪に~~~~~~!! どうしてくれるんすか、慧音先生!!!?」 「今、私はそんなことを問うたのではない!! 何故、暴力を振るったかと訊いたのだ!!」 「暴力って……今、慧音先生は、おれに何をしたんすか!? 見てくださいよ、この髪型~~。 崩れちまったじゃないですか……おまけに唾で汚くなっているし~~」 二人は、そのまま私を置き去りにして、下らない言い争いを続けていく。 別に私も二人を放っておいても良いが、それでは解決には繋がらないだろう。 「慧音さん」のおかげで落ち着きを取り戻した私は、冷静に言葉を選択して、彼らに投げつけてやった。 「…………すまない、慧音さん。どうやらこの殺し合いという状況に、 自分で思っていた以上に恐怖や不安を感じていたらしい。……死……というものが、どうにも頭にチラついてしまってね。 脅迫観念というのかな? それで少し理性のタガがはずれてしまったようだ。本当にすまなかった、慧音さん」 「……いや、私自身は、その、別に気にしてないが……」 「それと仗助君を、どうか怒らないでやってくれ。彼がしたことは、正義感からとうい立派なものから出た行動だ。 つまり、仗助君は慧音さんや皆を守る為に、私を殴りかかってきたというわけだ。 結果こそ、単なる勘違い…………私は皆を傷つけるつもりはないからね…… とにかく、そんな正義感……死者を決して出してはならないという立派な志は、 褒められこそすれ、決して貶められるものではない。……誰かが死ぬなんてことは、本当に辛いことだからね。 そうだろう、慧音さん…………そして、仗助君?」 「むぅ……確かにそうだな。すまなかったな、仗助君」 「……それで釘を刺しているつもりかぁ~、吉良さんよ~~?」 素直な慧音さんと違い、クソッタレの仗助は露骨な反感を示してきた。 そういう思わせ振りな態度をやめろって言ったことが分からんのか、このクサレガキはッ! クソ! ここでこのガキの面を見ていたら、私はまた限界を迎えかねん。 「……おい、待ちやがれ! どこへ行くつもりだ!?」 私が無言で立ち上がり、去り行く姿勢を見せると、 東方仗助が私の背中に怒声とも言える言葉をぶつけてきた。 私は振り返り、慧音さんの顔を見つめながら答える。 「……少し、外で頭を冷やしてこようと思ってね。行ってきてもいいかな、慧音さん?」 「あ……ああ。だが、分かっているとは思うが、遠くに行ってはならないぞ。 それと誰かが来たら、すぐに私達のところに戻ってくること。それだけは守ってくれ、吉良さん」 「ああ…………それじゃ行って来るよ。また後で、『慧音さん』」 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『上白沢慧音』 「慧音先生! 大丈夫っすか!? 何かされませんでしたか!?」 吉良さんの背中を見送った後、横から仗助君の怒鳴り声が私の耳に入ってきた。 何をされるも何も……と、ベチョリと吉良さんの唾液が付いた手を掲げてみせる。 心配に染まっていた仗助君の顔は、途端に犬の糞を眼前に突きつけられたような嫌悪に満ちたものへ変化した。 そしてそのままゆっくりと後ずさりし始める。……こういう時、私は一体どうすればいいのだろうか。 「随分と積極的なアプローチだったわね。あいつ、貴方に気があるんじゃないの?」 仗助君の脇からピョコッと湧き出た天子が、私をからかうように言ってきた。 人命が関わるこの地で、そのような軽薄とも思える態度は褒められたものではない。 私は目を一際鋭くして、天子へ説教を開始する。 「不謹慎だぞ、天子。吉良さんが不審な挙動を取ったのは、吉良さんの言ったとおり精神が参ってのことだ。 殺し合いという悲惨な状況を考えれば、誰だって吉良さんのようになる可能性がある。 それなのに、吉良さんを揶揄するなど、人として、天人として、恥であると知るべきだ」 「はぁ、うるさいし、つまらないわね、貴方って」 「むっ……ちゃんと聞いているのか、天子?」 馬耳東風と言った姿勢を見せる天子の耳に、ちゃんと言葉を入れようと私は彼女の肩を掴む。 しかし、そうしようと伸ばした手は呆気なくかわされ、空を切ることとなってしまった。 「ちょっと! そんな汚い手を、こっちに伸ばさないでよ!」 天子は仗助君の背中に隠れ、失礼な台詞を遠慮なくぶつけてきた。 どうやら彼女には言葉だけでは足りないらしい。 私は意気込みも新たに天子を掴まえようと、再び彼女に手を向ける。 すると、彼女の前にいた仗助君は「げっ」などと言い、天子と一緒になって私から逃げ出した。 ………………そんなに私は汚いのだろうか。 だが、事実はどうあれ、天子と仗助君の人の善性をかなぐり捨てたような振る舞いは咎めるべきだ。 今の彼らのような行動は、下手をしたら、いじめを誘発するかもしれない。 それでは社会を構成する一員として、この先、問題しか残らないだろう。 私は手を洗うよりも、まずは彼らの性根を叩き直すのが先決だと思い、 手を前に掲げながら、天子と仗助君へ猛然と走り出した。 「……みんな、一体何を遊んでいるんだーー!!!」 私が足を動かす否や、今度は康一君の怒鳴り声が、私の耳に入ってきた。 ひょっとして私は天子や仗助君と一緒になって遊んでいると思われているのか。 「こ、康一君、待ってくれ。それはひどい誤解だ」 「そ、そうだぜ、康一……おれたちは別に遊んでいるわけじゃー……」 私に続いて仗助君が弁を抗するが、康一君は首を横に振り、聞き入れてくれない。 これは教師として、人の先達として、自分がちょっと情けなくなってくる。 しばらくすると、私があたふたと大人気なくしているのに呆れたのか、 康一君の後ろから、パチュリーが溜息を吐きながらやって来た。 「皆で楽しんでいるところ悪いんだけど、吉影も部屋から出て行ったことだし、 今が何かを話すにはちょうどいいんじゃないかしら、仗助?」 そういえば、仗助君は吉良さんに対して、随分と思わせ振りな発言をしていたな。 パチュリーの質問によって、私はそんな記憶を掘り起こしたが、仗助君は私とは違う反応を示してくれた。 「なっ…………な、何を言っているのか、さっぱり分かりませんよ~、パチュリーさ~ん」 軽く口笛を拭きながら、惚ける仗助君。……十分過ぎるほど怪しい。 そしてそれに触発されたかのように康一君の顔は蒼くなり、大量の冷や汗がそこに生まれていた。 「ちょ、ちょっと待って……何故、パチュリーさんが吉良のことを気にするんだ……? ま、まさか、き、吉良のことを喋ってしまったのかーーー!! 仗助君~~~~~!!!?」 「お、おい、馬鹿ァ! 康一ィッ!!」 仗助君の言葉に康一君はハッと慌てて両手で口を隠す。 確かにそれで口は隠れたみたいだが、吉良さんについての隠し事があるということは、 ありありとした形で皆に知らせてくれていた。 「これで吉影のことで何かを隠しているというのは証明出来たわね。 それについて問題がない、もしくは貴方達だけで解決出来るというのなら、私は口出ししないわ。 だけど、手の負えないというのであれば、私が手を貸してもいいわよ、こんな状況だしね。どうする?」 「いや、その……」 パチュリーの申し出に、いまだ仗助君は決断を出来ないようだ。 それに対して、パチュリーは事前に用意していたかのように、即座に言葉を付け足す。 「大丈夫。この部屋からは音が漏れないわ」 「…………魔法ってやつすか?」 「ええ、魔法。そして今が、もしかしたら千載一遇のチャンス……かもしれないわよ?」 後押しするかのようなその言葉で仗助君と康一君はお互いを見合う。 そして二人は小声で何言か言い合うと、やがて頷き合い、 迷いの晴れた力強い視線を私達に向けてきてくれた。 「それじゃあ、聞いてください。実は……」 仗助君のその言葉で始まった内容は、実に驚くべきものだった。 吉良さんは殺人鬼であるを皮切りに、彼の所業、彼の能力、そして彼の最期。 それを語り終えると、今度は何故それを今まで喋らなかったのかという理由で 私達の顔を蒼ざめさせてくれた。 「……以上っす。全てを信じろっつーのは無理だって分かっています。 だけど、この話をしたことは吉良の野郎にはバレずにお願いします。 そして、もしほんのちょこっとでいいんで、それを信じてもらえたなら、 あいつと関わるのだけは止めといて下さい。……お願いします」 そう言って、仗助君は深々と頭を下げた。 話の内容は突拍子もないものだ。全てを信じるというのは仗助君の言ったとおり無理な話だろう。 だが、それが真実であった場合、どうなるか。我々は仗助君を信じなかったという罪で 手痛い代償を支払わなければならなくなるかもしれない。それは何としても願い下げたいところだ。 「どうしたんすか、慧音先生? 急に立ち上がって……」 「うむ、吉良さんのところに行って、少し話をしてこようと思ってな」 仗助君の問いに、私は毅然と答えた。 皆の命を守る為の最善の選択。それは吉良さんを説得し、改心させることだろう。 そうすれば、皆を悩ます問題は全て解決出来ることになる。 そういった旨のことを続けて言ったら、仗助君はいきなり立ち上がって、声を大にして叫んできた。 「アンタッッ!! 一体、何を聞いていたんすかーーーッ!!! その耳は単なる飾りですか!! 吉良の野郎は殺人鬼なんすよ!! そんな聞き分けのいい奴じゃないんすよ!! 大体、人の言うこと聞くような奴だったら、殺人なんか最初からしてねーでしょ!!? そんな簡単なことも分からないんすか!! 慧音先生はーーーー!!!?」 「そうですよ!! あいつは人の命を何とも思っていないクズ野郎です!! それにあいつが改心なんかするはずがない!! 例え改心したって許せるような奴じゃない!!」 仗助君に続いて、康一君も唾を飛ばすかのような勢いで怒鳴ってきた。 その物言いから、吉良さんが如何に危険な人物かというのを如実に分からせてくれる。 しかし、それでも私は意見を変える気は毛頭なかった。 「では、おまえ達は犯罪者は何をしても許されないと考えているのか? 懺悔をしても、贖罪をしても、普通の人のように扱うのは間違っていると思うのか? あまつさえ、おまえ達はそのチャンスを与えることも許さないというのか? おまえ達は一体何様のつもりだ? 私にはおまえ達の方が、よほど恐ろしい考え方をしているように思えるぞ」 全てを切って捨てるなど間違いだ。私は仗助君達にそう伝える。 だが、彼らは納得する姿勢を露ほど見せてくれない。それどころか、二人は私の前に壁となって立ち塞がってきた。 これはいよいよ強硬手段に出るべきか。そう考えたところで、パチュリーが私を諌めるように声を掛けてきた。 「慧音の考えには、私も反対よ」 その発言に私はムカッっとする。私の主張は絶対に間違っていないはずだ。 「何故そう思うんだ、パチュリー!? おまえの考えを、是非とも聞かせてもらおうじゃないか!」 「貴方が爆弾にされている可能性が高いから」 予想外の台詞に私は言葉を失う。いや、それ自体は全く考慮していなかったわけじゃないが、 それは私が吉良さんとの話を取りやめにする理由になるのか。 そういった疑問が私の顔に出てしまったのか、パチュリーはそのまま説明を続けていった。 「まず爆弾にされたという可能性から話すわね。それは至って単純で、皆の位置から割り出した確率よ。 仗助が暴れた時に誰かが爆弾にされた。まずは、にとりは除外されるわね。吉良から一番遠くへ一瞬で吹っ飛んでいったわけだし。 そして次に私ね。仗助の行動で、私は仗助達一行は敵と認定し、距離を取ってスペルの準備に取り掛かったわけだから、うん大丈夫。 仗助と康一に関しては考慮する必要はないでしょ。二人を爆弾にしたのなら、二人はもうとっくにいなくなっているでしょうからね。 つまり、誰が爆弾となったか……その答えとなるのは、吉良の近くにいた残りの貴方達というわけよ」 そう言って、パチュリーは私と天子、床で気絶している夢美さんを見る。 ここにいないが、ぬえも候補には含まれているのだろう。 逃れようがない絶対的な死を、今までにないほど近くに感じる。 だが、それでも、と私は震える手足を抑えてパチュリーを睨んだ。 「それで何故吉良さんの説得が駄目になると思うのだ? まさか私が臆して、言葉も発せなくなるとでも思ったか?」 「まさか。貴方のそういった馬鹿な所は、死んでも直るようなものでもないでしょ」 「…………それは褒めているのか、それとも貶めているのか?」 「好きな方を選んで結構よ。それよりも私が言いたかったのは 命を握られた者と命を握った者が、同じテーブルに座ることが出来ないということよ。 両者には明確に上下関係が存在するのは分かるでしょう? わざわざ下の者の意見を尊重する道理が、どこにあるというの?」 「…………それでもお互いに話をすることは出来る」 「爆弾にされたのが百パーセント貴方だというのなら、私も止めはしないけれど、事実はそうでないでしょう? さて、貴方の我儘を横にいる天子は許してくれるかしら? 私だって、教授が死ぬとなれば、些か以上の抵抗はするわよ?」 そう言われてしまうと、上手く反論は出来なくなる。 だけど、このまま手をこまねいていても、状況が好転するというわけでもない。 そこのところを、パチュリーはどう考えているんだ。 疑問に思った私は素直に訪ねてみた。 「安心して、慧音。別に貴方の考え全てを否定するつもりはないわ。吉影の説得には私が行く」 パチュリーのハッキリとした答えに、おお、と思わず私は感嘆の声を上げる。 そしてそれと同時に、仗助君と康一君が一緒になってブーッと水を噴き出した。 ハンカチで急いで口の周りを拭いた仗助君は、今度はパチュリーに食って掛かる。 「一体、何を考えているんすか、パチュリーさん!!? 吉良のことを話したのは、皆に危険な真似をさせる為じゃないんすよ!!」 「分かっているわよ。それで答える前に確認するけれど、日常に戻る為なら吉影は手を組んでもいいって言ったのよね?」 「言いましたけれど…………って、まさかッ!! パチュリーさん!!?」 「ええ、そういうこと。慧音には悪いけれど、私のは改心させる為じゃなく、共闘する為の説得というわけね」 一時的な同盟というわけか。確かにそれ自体は私の目的とするところではないが、 吉良さんと一緒にいる時間が増えれば、自ずと彼と話をする機会も増えていくことになる。 それに共闘が相成れば、爆弾化という懸念事項も解消されるやもしれない。 そうなれば、吉良さんの説得する道筋は、今よりかは見つけやすくなるだろう。 そう結論づけた私だが、やはり仗助君達には納得いくものではなかったらしい。 「パチュリーさんも勘違いしていますよ!! あいつは人と仲良しこよしっていうよーな奴じゃないんすよ!!」 「そうですよ! 第一、危険です! 背中なんか、とても任せられるような奴じゃ、ありません! 一体どこに吉良と手を組む必要があるっていうんですか!?」 仗助君と康一君が一緒になって目をむき出し、パチュリーに迫る。 しかし、別段、彼女は慌てるでもなく、落ち着いて紅茶のカップを手に取り、 会話によって渇いた喉を潤すと、改めてゆっくりと説明を続けていった。 「別に私は皆で和気藹々を目論んでいるというわけじゃないわよ。 でも……そうね、確かに共闘という言葉に語弊があったかもね。 より正確に言うのなら、吉影の能力で実験してみたいことがあるから、彼を利用したい……ってとこかしらね」 「…………実験?」 ヒートアップしていた二人の感情が、肩透かしを食らったのか、たった一つの単語で熱が下がっていく。 「ええ、実験。吉良は何でも爆弾にすること出来るんでしょう? 果たして、その対象が魔力や結界といったものにも通ずるのか。そういったことを確認してみたいのよ」 「……それって必要なことなんですか、パチュリーさん?」 康一君がおずおずとパチュリーに質問を返した。 「さて、ね。必要かどうかは分からない。この場を脱出する、もしくは荒木達を倒すに当たって、 思わぬ糸口が、もしかしたら見つかる…………かもしれない。その程度のことだし」 「その程度のことで、パチュリーさん達を危険に晒せっていうんですか?」 「あら、優しいのね。でも、別に危険なんかないわよ」 意味不明だ。康一君が巧みに表情を変化させ、そのことを伝えていた。 その顔はちょっと面白くはあるが、いつまでもそのままにしとくのは可哀想なので、彼に代わって私が訊ねてみる。 「どういう意味だ、パチュリー? 危険を排除する方法があるというのであれば、それは皆で共有すべき事柄じゃないのか?」 「共有するって言ってもねぇ…………別に今すぐに吉影を説得しに行くわけじゃない。これで分かる?」 「…………残念ながら、言葉遊びをしている余裕はないな」 「はぁ、いいわ。この後、組み分けして、それぞれの別のルートを通るということは話したわよね。 それで爆弾になった者は無事に解除されるというわけ」 そこまで言われて、ピンとくるものがあった。 「そうか! 射程距離か!」 「ええ、そうよ。吉影のスタンドは近距離型で、爆弾化もそのタイプのスタンドの能力。 であるのならば、キロ単位で離れれば、その能力も無効となってくる筈……と考えているけれど、 そこんとこどうかしら、仗助に康一?」 その質問に仗助君と康一君はお互いの顔を見合い、 それから仗助君が代表して、答えを発表した。 「そうっすねー。その点は、ちゃんと確認したわけじゃないから、絶対とは言えないんすけれど、 パチュリーさんの言った通りかもしれません」 「心もとない答えね」と、パチュリーが声に失望に混ぜて言う。 「すんません」 「まあ、でも、危険性が減るということには変わりはないわ。 組み分けのメンバーも、人質になった可能性が高い者は吉影と離れ、 可能性が少ない者が吉影のいる組に集まったしね」 「でも、それじゃあパチュリーさんとにとりちゃんの危険性が無くなったというわけじゃないですよね?」 表情を正すことに成功した康一君が、今度はハッキリとした声を届かせてくれた。 それに対し、パチュリーは笑顔でこう言う。 「大丈夫よ。危険がないと言った一番の理由。それは私が強いからよ」 「パチュリーさんが……ですか?」 仗助君と康一君が、パチュリーの姿を上から下まで何度も目線を往復させて、声を唱和させた。 二人の疑いを隠すつもりのない様子を見て、パチュリーは堪らず苦笑を漏らす。 そしてパチュリーはそんな二人の疑問にに答えるかのように、竹箒を取り出した。 「これね、空を飛べるのよ。空を飛んで、こうね」 パチュリーの指先から出た火の玉が仗助君と康一君の目の前を通り過ぎていく。 「今の攻撃を空から雨のように降らせることが、私には出来るわ。 近距離型のスタンドを持つ二人に聞くけれど、それを全部かわせる? そして空を飛ぶ私を攻撃出来る? これで納得出来たかしら? まあ、康一とにとりが、ちょっととばっちりを受けるかもしれないことが 問題といったら、問題だけど……まぁ、そこらへんは愛嬌よね」 最後のはパチュリーなりの冗談なのだろうが、 人を傷つけてしまう可能性を含ませる冗談は、とてもではないが、笑えるものではない。 「パチュリー」 私は声を低くしてパチュリーを睨みつけた。 「はぁ、分かっているわよ、慧音。そこらへんも、ちゃんと考えて行動するわ。 だから、にとりも康一も、安心していいわよ。というか、戦闘になる可能性は、そう高いものではないのよね。 慧音の手を舐めるとか、しゃぶるとか、奇天烈な行動を取ったりもするみたいだけれど、 吉影の打算的な部分も見え隠れした。なら、ちゃんと彼にとって利する部分を提示してやれば、 戦闘の回避自体は、そう難しいものではない筈よ」 「見込みがあるということか。それならば、私から口を挟むことはないな。 尤も私も吉良さんの説得を諦めたわけではないということは、ここでちゃんと申し入れとくが」 パチュリーの考えに私は頷いて返す。それでは、他の皆はどうだろうか。 そのことを訊ねてみるが、他に吉良さんに対しての有効な策が思いつかない以上、 皆もそれを受け入れるより他なかった。そのことを確認すると、パチュリーは改めて皆に話しかけた。 「分かってはいると思うけれど、もうこの話はここでおしまいよ。 吉影について何かを知っているというのが、この場で気取られてしまったのなら、そこで終わり。 人質をどうこうすることは、今の私達には出来ないんだからね。 彼については、何も知らない振りをすること。いいわね? 彼への説得は、ホテルを出発してから、一、二時間後とするわ。 それなら、他の組とも十分に距離が離れるでしょうからね。そこらへんもちゃんと留意しといてね」 これで一応の閉幕は迎えたが、仗助君と康一君の顔は依然と晴れやかなものに変化はしていなかった。 吉良さんへの危機感、そしてその吉良さんを早くに……という気持ちが、まだ彼らの中にあるのだろう。 危機感自体は持っていて当然だと思うが、吉良さんへのあからさまな害意は、やはり見ていて気持ちいいものではない。 彼らの年齢を考えれば、それは尚更だろう。子供が持つべきものは、もっと前向きで明るい夢や志が相応しいのだから。 その辺りも、吉良さんと同様に、どうにか改善していきたいものだが…………困ったものだなぁ。 そこで頭を掻こうとした手がゴツンと私の角にぶつかった。 困ったと言えば、これもそうだ。夜が明けても、いまだにワーハクタクの状態なのだ。 戦闘面ではこちらの方が頼りになることは確かだが、やはり不慣れなこの姿では動きづらいところもある。 本当にどうしたものか。そうやって頭を悩ませていると、パチュリーが突然と私に話しかけてきた。 「ねぇ、慧音、今まであまりに泰然としていたから、気がつかなかったけれど、 何で貴方はそんな姿をしているの? 聞いた話では、満月の晩だけど、その姿になるというけれど」 「うむ……」 何故、変身するか、か。昔はそんなことを良く考えていたものだ。 そんな風に昔日に思いを馳せていると、パチュリーが溜息を吐き、何やら話し出した。 どうやら私が何も知らないと判断したらしい。そこらへんには異を唱えたくはなるが、 今までのパチュリーを見るに、知識を披露するというのが、彼女のコミュニケーションの手段の一つなのかもしれない。 だとしたら、今、差し伸べられているのは友好の手ということになるのだろう。 勿論、それを無下にするほど、私は野暮ではない。私はパチュリーの話を大人しく聞くことにした。 「……っと、その前に教授、いい加減に起きなさい。魔法の授業よ」 パチュリーが放った魔法という単語に反応して、床で気絶していた夢美さんが跳ね起きる。 「え!? うそ!? 魔法を教えてくれるの、パチェ!? やったー!!」 「嘘よ」 ズコーッと夢美さんが再び床に倒れ落ちる。 その姿にパチュリーは微笑を零し、今度こそ説明を続けていった。 「これから話すことで、夢美には手伝ってもらいたことがあったしね、それで起きてもらったわけよ。 さて、ここでさっきの話に戻るけれど、満月とそうでない時との差って何か分かる?」 「イテテっ……一般的には潮の満ち干が挙げられるわね。 オカルト的なのだと高揚感を得る、殺人事件が起きやすい、女の子の日に影響を与えるというのもあるけど」 パチュリーの質問に夢美さんは身体を起こしながら答える。 だが、パチュリーが求めている答えは、そうではないだろう。 「魔力か?」 私は答えの確認を取る。 そして思ったとおり、それは正解だったようだ。 「ええ、そうよ。月には魔力があり、満月となる晩には、多くの魔力が地球へ注がれる」 「ちょっと待って! 月の観測はイの一番に始めたけど、そんなデータは取れなかったわよ!」 夢美さんが反論するが、月に魔力があるというのは、厳然たる事実だ。 おそらく夢美さんのそれは単なるミスか、可能性世界とやらで、片がつくものなのだろう。 パチュリーもそう判断したのか、「それはご愁傷様」と簡単に告げるだけで、すぐに話を戻す。 「つまるところ、慧音がワーハクタクになるのは、周囲の魔力の濃度が関係している。……違うかしら、慧音?」 「うむ、それが主要因かは分からないが、間違いなく関係しているだろうな。 …………そして今も私がこの状態なのは、満月の晩と同じく周囲が魔力に満ちているからということか?」 「ええ、実際に私も魔力を感じるわ。そして当然、疑問が湧いてくるわよね。 何故、満月でもないのに、こんなに魔力が満ちているのか、と」 「それは分かるが、それでどうするつもりなのだ。 確かにそこから色々推理なり憶測を並べ立てられるだろう。 例えばこの擬似的な幻想郷を維持させるの必要だとか、空を飛べなくするなどの色々な制限をかける媒介となっているとかな。 だが、魔力が実際にある以上、そこから逃れる術はないだろう?」 そういった質問を私がすると、パチュリーはすっくと立ち上がり、胸に手を当て、厳かに答えた。 「あら、忘れたの、慧音? 私は魔法使い。魔力を自由に扱うことこそ、魔法使いの力であり、誇りでもあるのよ」 うーむ……答えになっているようで、答えになっていない。 パチュリーが何か格好つけて言っただけに、色々と台無しだ。 とはいえ、ここでそれを指摘するのは、いかにも無粋だ。 私は喉まで出掛かった文句を飲み込み、もう一度訊ねた。 「………………つまり、どうするのだ?」 「つまりね、周囲にある魔力を私が全部頂いちゃおうってわけ。 それで慧音に教授、そしてそこの天人にお願いしたいというのは、 貴方達の通るルートにも魔力が満ちているかどうかを確認してもらいたいってことよ。 それでその情報を元に魔力の中心地となっている場所を見当をつけて、そこで私が事に及ぶつもり」 「魔法使いならではの発想だな。 だが、この地にある魔力を大量に消費するということだが、問題はないのか? 必ずしも、それは荒木達に打撃を与え、私達の利点となるとは限らない。 例えば、もし魔力がこの地を作り上げる土台みたいな役割を担っていたとしたら、私達もただでは済まないだろう?」 「確かにそこにはギャンブル的要素があるわね。まあ、そこまで土地に密着しているものだったら、 私は簡単にそれを判別出来るけど…………でも、そうね、そうなった場合は外的刺激から身を守る魔法を、皆にかけるわ。 それに教授もいるしね。貴方のスタンドなら、宇宙船とか潜水艦とかにも化けられるんじゃない?」 「物凄い無茶ブリね、パチェ。さすがにそこまで複雑な代物は無理よ。 だけど、宇宙空間や海中でも大丈夫な箱というのは、作り出せると思うわ」 「というわけよ、慧音。最悪の場合でも、一応の保険を掛けられるというわけ」 「うむ。で、あるのならば、問題ないな。道すがら確認しておこう。天子もよろしく頼むぞ」 そこで私は仗助君にほっぽり出されて口を閉じていた天子の肩に手をかけ、声をかけた。 そして、べちょ、という音と共に天子の服の肩に染みが広がっていく。ああ、まだ吉良さんの唾液が乾いていなかったのか。 その悲惨な結果を目に留めた途端、天子は悲鳴を上げて、私に文句を言ってきた。 「ぎゃー!! ぎゃー!! ちょ、ちょっと何をしてくれちゃったのよ!! 着替えはないのよ!! ああ、もう!! 洗ってくるわ!!」 天子は急いで部屋を出て行った。慌ただしい奴だ。 しかし、その様を見て、私は部屋を出て行ったもう一人の妖怪のことを思い出した。 「そういえば、ぬえの奴が戻ってくるのが遅いな。もしかしたら、何かあったのかもしれない。 確か……お手洗いだったな。私も手を洗うついでに、様子を見てこよう」 私がそう言うと、夢美さんとパチュリーも一緒に行くと言い出した。 そして仗助君も髪をセットし直すとかで立ち上がり、康一君もそれに付いてトイレに行くという。 さて、これでこの部屋に残るのは一人ということになるが……。 「どうする、にとり、私達と一緒に来るか?」 一人では寂しいし、何よりも危険だろうと思い、私はにとりに誘いの文句を投げかけた。 だが、彼女は私の思っていた以上に心が強く、気の利いた妖怪であるらしかった。 「……いや、それで入れ違いとかになったら、嫌でしょ? 私はここで荷物番でもしながら、待っているよ」 「そうか。見かけによらず、と言ったら失礼か? だが、ここは素直にお願いするとしよう」 「う、うん、分かったよ……気をつけて」 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『封獣ぬえ』 (どうやら気づかれなかったみたいね) 私は部屋の片隅で河童のにとりを眺めながら心中で呟いた。 彼女をはじめ、他の奴らも私に気づく素振りさえ見せなかった。 途中から皆がいるこの部屋に入り、魔力がどうのという話を、一緒になって聞いていたのにも関わらずだ。 これは成功と言っていいだろう。 この「メタリカ」というスタンドを使い、砂鉄を保護色として塗り替え、自らの身に纏わせること。 つまり、これは正体を判らなくする程度の能力を、更に発展させた私の新たな能力――正体を知られなくなる程度の能力だ。 その「メタリカ」の使い方に気づいたのは、まさに僥倖だった。 吉良吉影の能力で間近に迫った私の死から逃れたい。その死の呪縛から解放されたい。 外の暗がりで一人蹲り、そんなことを一心に思っていたら、 スタンドが私の想いに呼応するかのように動き出し、砂鉄を私の身体にくっつけ始めたのだ。 その後程なくして、砂鉄を保護色に変えられると知ったけれど、勿論、そこに苦労がなかったというわけではない。 意識して行おうとした途端、急にスタンドを動かす難易度は増したし、 自分が動きに合わせて、保護色を塗り替えていくというのは、至難の技だった。 それに何より、スタンドの能力を私の全身に作用させると、短時間でも精神の疲労の度合いが大きかった。 だけど、それでも頑張り、私の新たな能力を何とか様に成なるまでにしたのは、 ひとえにそれこそが聖を守り、私の命を守ることに直結していたからに他ならない。 即ち、完璧なる吉良吉影の暗殺の為だ。 奴を殺せば、私は爆死などという不安から解消され、 そして危険な人物を排除するということで、聖を守ることにも繋がるのだから。 「メタリカ」は光明だ。 一人怯えていた私を優しく包み込み、この先に光があると知らせてくれた。 「メタリカ」の能力に、私が元々持つ能力を合わせれば、あら不思議 それはまさしく正体不明。襲撃者が誰で、どこにいるかは、相手には百パーセント判らない。 ここまで私をヴェールに隠せば、どんな相手とだって、戦闘は優位に運べる。 そして襲撃者が私だと判らなければ、仮に私が爆弾となっていても、吉良が爆破するということにはならないだろう。 確かパチュリーとかいう女は、この後でメンバーを分けて行動すると言っていた。 なら、吉良を殺すのは、その時だ。さすがに、今ここで行動を起こしては、不在となる私が疑われるし、 もし私が爆弾となっていたら、そこで全てが終わってしまう。そんな馬鹿で悲惨な結末は御免こうむりりたい。 いまだにこの殺し合いにおいて、最終的にどうしたいかというのは判らないけれど、 今ここで何をしなければならないということは、簡単に判る。 荒木の放送で聖が親しくしていた妖怪の死を知り、その思いは一段と強くなった。 別に私自身、その妖怪の死に哀しみなど抱かないが、聖は違うだろう。 私を受け入れてくれた聖。彼女が両腕を広げ、私に見せてくれた笑み。 それは太陽の光のように私を優しく包み込み、温かな気持ちにさせてくれた。 そんな彼女の笑顔が損なわれるのは、あってはならない。そんな彼女を悲嘆に暮れさせてはならない。 それが今の私の純粋な気持ちだ。 この地にはマミゾウ程の妖怪を、死に至らしめることが出来る奴がいる。 吉良も、おそらくその内の一人だろう。だからこそ慎重に、そして確実に事を運ばなければならない。 その理由を、友人であり、大妖でもあるマミゾウは、その死でもって、私に教えてくれた。 それは勿論、喪失感や悲哀などという、この殺し合いにおいての無意味な感情のことではない。 彼女ほどの妖怪でも、簡単に死ぬということ。つまり、生のあっけなさだ。 吉良は死に直結した能力の持ち主だ。であるのなら、慢心は一層排除せねばならない。 幾年月も時を過ごした妖怪としての誇りは、単なる戯言としか機能しない。 全力をもって吉良を殺せ。誰にも知られることなく、素早く奴を殺せ。 完璧な暗殺だ。それでもって聖は救われ、私は救われる。 (さあ、死の恐怖を振りまく人間よ! 正体不明の私に怯えて死ぬがいい!!) が、…………それはそれとして、この目の前の河童は何をやっているんだろう? バッグに何を入れているのか? 河童のバッグは背中に背負っている奴だと思うから、あれは河童以外の誰かのなのだろう。 うーん……一体、河童は何をしたいんだ? 気になるな~。 まあ、それを訊いたら、私の新たな能力がバレるから、何も言わないけど……。 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 『河城にとり』 「ふぅー……設置完了」 私は額に湧き出た汗を、腕でグイッと拭いた。 作業は、ある物をバッグの中に入れるというだけの単純さだけど、 その効果の程を考えるとやっぱり冷や汗っていうのは出てしまうよ。 だって、今、パチュリーのバッグの中に入れたのは、爆弾なんだもん。 河童のアジトで頭を何回も捻って、作り出したのが、まさにソレだ。 私は考えた。如何にパチュリーと吉良を排除して、私の死を遠ざけるか。 そして導き出した答えが、パチュリーを爆殺して、その罪を吉良に擦り付けるというものだ。 誰かが爆死したとなれば、仗助と康一は私が何かを言うまでもなく吉良に襲い掛かってくれるだろう。 そして私もそれに乗じて吉良に攻撃を加えたり、混乱するであろう他のメンバーを説き伏せたりして、康一達をサポート。 これで私を悩ましてくれる憂鬱の種が二つとも消えて無くなってくれるという正に一石二鳥の策。 名づけて「バッグがピカッ――」作戦だ。 あとは、パチュリーがバッグを持ち上げたところで、私がこのリモコンでスイッチを押す。 ただそれだけでパチュリーはボンッ! 続いて吉良も皆の手によって死体と成り果てる。 勿論、吉良の爆弾によって、他の誰かが死ぬことなるだろうけどれど、それも些末なもんだろう。 だって、それは私じゃないもん。よくよく考えれば、簡単に分かることだった。 仗助の馬鹿が暴れた時に爆弾にしたって吉良が言ってたけど、その時の私は吉良が遠くにいた。 その中で吉良が皆の目を盗み、スタンドの手を伸ばして、私を爆弾にするのは不可能ことだ。あー、安心。 そして私は今、運に恵まれていることを自覚した。 最も最も最も最も最も難しいと思っていたパチュリーのバッグに爆弾を仕込むという作業が、 廃ホテルに戻るや否や、成し遂げることが出来たのだから。まさしく幸運の極みだ。 おまけに危惧していたパチュリーの質問も、難なくやり過ごすことが出来た。 殺し合いのスタンスを改めて問われた際に「無事に殺し合いを解決したい」という私の答えで納得してくれたのだ。 勿論、それは嘘ではないから、パチュリーの嘘発見器は機能しないだろうけど、 「無事に」という部分を問い詰めていけば、きっと私からはボロが出ていたことだろう。 だけど、そうなることは、なかった。 事前にパチュリーの質問を想定し、嘘と判定されないような微妙な言い回しの答えを、 たくさん用意していた私の周到さも勝因として輝いているだろうけど、やっぱりパチュリーの詰めの甘さが目立った。 私が河童のアジトへ行く前のパチュリーだったら、疑心に疑心を重ねて、ねちっこく私をいたぶり、 自分が望む答えが出るまで、決して私を解放しなかっただろう。 でも、パチュリーは、私が想定していたほどの厳しさを見せなかった。 彼女が疲れていたのか、他に懸念事項があったのか、はたまた床で気絶していた夢美を気にしていたかは知らないけれど 理由はやっぱり一つの言葉に帰結すると思う。私は幸運だったのだ。 「何だよ、ラクショーじゃん! イエイ! よっしゃー!」 私は誰もいない部屋で勝利の雄叫びとダンスを繰り広げた。 それこそ胃に穴が空きそうなほど懸念していた事柄が、すぐに消えてなくなってくれたのだ。 それによって高ぶる気持ちが、私の身体を動かしてやまない。 これが勝利の美酒というやつか。フフ。 そのまま美酒に舌鼓を打っていたいけど、残念ながら気になることが、ないわけでもい。 どうも、吉良が私のことをチラリチラリと見てくるような気がするんだよなー。 もしかしたら、私と話していたパチュリーの方に目を向けていたのかもしれないけれど、 ここは念には念を入れて、予防策を打っておいた方がいいだろう。 吉良は、すぐに死ぬことになるとはいえ、それでもやっぱり殺人鬼に関心を持たれるのは、心臓に悪い。 私は再び工具を取り出し、その油汚れを手に擦り付けた。 「ただいまー!」 しばらくすると、その天人の声と共にバンッと大きな音が立てられて、部屋の扉が開いた。 目を向けてみると、天人が隣を歩く慧音に文句を言いながら、部屋に入ってくる。 慧音は再三と謝罪を入れているみたいだが、天人は変わらずご立腹の様子だ。 「にとり、何か変わったことはなかったか?」 慧音は私と目が合うと、助かったとばかりに急いで私のところに寄ってきて、そんなことを訊ねてきた。 私は手に持った工具をバッグにしまいながら、なるべく落ち着いて返答する。 「別に……何もなかったよ」 「ぬえは戻ってこなかったのか?」 「見てないけど……見つからなかったの?」 「うむ…………しかし、しょうがないな。もう一度、私がホテルの中を見てこよう」 慧音がそう言って、足を動かそうとしたところで、ぬえの声が突如としてドアの方から聞こえてきた。 「私なら、ここにいるわよ」 「おお、ぬえか!? 一体、どこに行っていたんだ!? 心配したんだぞ!!」 ぬえの姿を目に留めた慧音は急いで彼女の方へ駆け寄っていく。 その様子からして、随分とぬえを探して回ったと見える。 そうして何言か言葉をかわしていると、その後ろからパチュリーと夢美が部屋に入ってきた。 「はぁ、邪魔よ、慧音。おしゃべりなら、椅子に座ってしなさい」 「もう……何をむくれているの、パチェ? 大人気ないわよ」 「一体、誰のせいで、そうなったと思っているのよ! よくも、まあ、あんなことが平気で出来たわね!?」 「ちょ、タンマ! いや、ギブよ、パチェ!」 二人が行ったトイレで、何かあったのだろうか。二人は前よりも激しくどつき合いの漫才を繰り広げている。 ……少し二人の距離が縮まっているようにも感じるのは、気のせいかな? まー、どうせすぐ死ぬ人のことなんか、どーでもいけど。 「……二人とも、静かにしてくれないか。そんな喧騒を起こしては、危険な人物を呼び寄せてしまうかもしれないだろう?」 扉の奥から低い声と共に吉良が現れた。 途端に私の額には冷たい汗が滲み、喉が緊張でゴクリと音を立てる。 その音があまりに大きかったのか、吉良が一際目を見開いて、私を見つめた……ような気がする。 恐怖からか、私は吉良から逃れるように、すぐに視線を逸らした。 それによって吉良は視界から消えたが、冷静になって考えてみると、この反応は不審過ぎる。 露骨で過剰とも言える自分の行動を自省していると、パチュリー達が実に普通に吉良と会話している声が耳に入ってきた。 吉良が危険な奴だと皆も知っているのに、よく平気なものだ。まあ、パチュリーは吸血鬼二人を身近に置いているから、 この程度の危険なんか今更のことなのかもしれないけど。……他の奴らは知らない。多分、馬鹿なんだろう。 「いまいち、髪型が決まんねーな~~」 「いや……もう十分に決まっているよ、仗助君」 吉良が部屋に入ってから、大分経った後、髪をいじる仗助とそれを誉めそやす康一が入ってきた。 仗助は部屋に入っても、窓のガラスにうっすらと写る自分の顔を見ながら、何度も髪に櫛を入れている。 私がそんな彼を横目で見ながら、溜息を吐いていると、突然と仗助は私に振り返った。 「ヒッ!!」と思わず私の口から悲鳴が漏れる。 「どうっすか~~、にとりちゃん? おれのヘアースタイル?」 恐る恐る顔を上げて仗助を見てみると、人懐っこい笑顔が、そこにはあった。 てっきり私の心の声が外に漏れたのかと思ったが、それは杞憂だったらしい。 私は二の轍を踏むまいと、頭をフル回転させて、慎重に言葉を選び取る。 「か、かっこいいよ……しびれたね」 「……そっか~? ま、にとりちゃんが言うなら、そーなんだろうな」 やはり私には運が巡ってきている。 その証拠に、仗助は機嫌が良さそうに櫛を、胸の内ポケットへしまっていった。 ふっと視線をズラすと、仗助の後ろで康一と天人が私にグッと親指を上げているのが目に入った。 何だか良く分からないが、私は頷き、ホロリと涙を落として、彼らとこの喜びを分かち合った。 「さて、皆も揃ったことだし、これからの行動・指針を改めて説明するわ」 仗助の髪のセットが終わったのを合図に、パチュリーが皆の前に立って、弁舌を振るう。 「前にも言ったけれど、これから三組に分かれて動いてもらうわ。 一組目は仗助と天子。二組目は慧音、ぬえ、夢美。そして最後の三組目は私、にとり、康一、吉影の四人ね」 相変わらず、とんでもないメンバー分けだ。 パチュリーと吉良をどうこうするというのを画策していなかったら、私は間違いなく卒倒していただろう。 とはいえ、今だって平然となんかしていられるような状況でもないけれどね。 後ろ手に握った爆弾のリモコンスイッチをいじりながら、私はどうにか平静を装い、パチュリーの話に耳を傾ける。 「前もって言っておくけれど、このメンバー分けに対しての文句は受け付けないわ。確定事項よ。 それでルートだけど、一組目がD-1へ進み、そのまま結界沿いを行く、一番の長距離コース。 二組目はE-2へ下り、そのまま西を行くコース。そして三組目はF-1へ進み、そこからF-3に下って、西へ行くコースね。 目的地は先に言ったとおりC-3のジョースター邸。最優先目標は紫と霊夢の発見及び確保。 分かっているとは思うけれど、極力、戦闘は避けるように。これは弾幕ごっこやその他の遊びとは違うの。 命をかけた殺し合いよ。戦う場合は、常に多勢で無勢に挑むように。リスクは最小限にね。 それと何度も言うようだけど、天子、慧音、教授には道中での魔力の確認を、お願いね。 フゥ…………私から以上ね。他に誰か皆に伝えたいことがある人っている?」 パチュリーが、ひとしきり皆の顔を見渡すが、誰も何か言う気配を見せない。 そこでパチュリーは一つ頷き、皆に号令を打った。 「よし! それじゃあ、出発よ! 皆、行きましょう!」 その台詞で皆が立ち上がり、各々が置いてあったバッグを手に取りにかかる。 そして今こそが、パチュリーを爆殺する絶好の機会と私は見た。 肝心の彼女はバッグの前で咳を二、三度すると、いよいよその手をバッグに手を伸ばす。 さあ、死への秒読み開始だ。それに伴って、爆弾のスイッチを握る力も強くなっていく。 「ちょっと待って下さい」 康一がパチュリーに声を掛けた。まさか、気づかれたのか? 私はパチュリーが反応する前に、康一に訊ねた。 「ど、どうしたのさ、康一!?」 「あ、いや、パチュリーさんの具合が悪そうだから、代わりに僕が荷物を持ってあげようかなって……」 「ダメ!!!」 パチュリーが答えるよりも早く、私は康一に向かって叫んだ。 事態の危急さに、思わず私が口を開いてしまったが、この状況で、この私の言動は、どう考えてもアウトだ。 パチュリーがものすごーーーーく目を細めて、私を睨んできた。 「何でダメなのよ?」 「いや、その……ね。ほら、バッグに武器とか支給品とかも入っているだろう? それを自分以外に預けたら、色々と不信感を助長しちゃうかもじゃん? 少なくとも第三者から見たら、対等な関係が築かれているとは思わないよね? それってさ、誰かと交渉する際にさ、あんまり良い印象は持たれないんじゃないの?」 パチュリー対策第二弾。全部疑問文で答える。疑問文なら、嘘も本当もないだろう。 それが功を奏したのかは知らないけれど、パチュリーは私を責め立てるようなことはなかった。 「…………別にその程度のことは、私は気にしないけどね。 でも、まあ、バッグを持つ程度で苦なんか感じないし、今回は康一の気持ちだけ貰っておくことにするわ」 パチュリーはそう言って、再び自分のバッグに手を伸ばす。 その真っ直ぐに目的地に向かう彼女の手に安堵を得たのか、 爆弾のスイッチを握る私の手の力も、期待と共に段々と強くなっていく。 「ちょっと待って」 今度は岡崎夢美がパチュリーに声を掛けた。こいつは何か色々と勘の鋭さを見せた人間だ。 もしかして爆弾に気がついたのかもしれない。その焦りからか、私はパチュリーよりも早く口を開いてしまった。 「ど、どうしたの!?」 「え、いや、ほら、パチュリー、まだティーカップに紅茶が残っているよって」 (そんな下らないことで呼び止めるなよ、人間!!) 私の心中の叫びに同意するかのようにパチュリーは、呆れた顔で席に戻る。 そして残った紅茶を一息で飲み干すと、パチュリーはその勢いのまま、再度バッグへ手を伸ばした。 それに伴って、爆弾のスイッチを握る私の手の力も、グンと強くなっていく。 「ちょっと待ってくれないか」 よりにもよって吉良が声を掛けてきた。コイツは爆弾にするという能力持ちの云わば爆弾のスペシャリストだ。 もしかしたら、私がパチュリーのバッグの中に仕込んだ爆弾に気がついたのかもしれない。 不安からか、私の顔から汗が飛び出し、喉からも声が押し出された。 「どど、ど、どうしたの!?」 「いや……ティーカップを片付けずに出て行くのかな、と思ってね。 小さなことと思うかもしれないが、どうも気になってね……すまない、パチュリーさん」 パチュリーは再び席に戻り、ティーカップを手に取る。 しかし次の瞬間、ティーカップは床へと落ち、ガシャンと無残にも砕け散った。 「はぁ、ダメね。こういった作業は、いつもメイドに任せていたから、 どうにも不得手だし、何よりもテーブルを綺麗にするっていう発想が出てこなかったわ……」 パチュリーは頭を掻きながら、申し訳なさそうに呟く。 というか、ティーカップの取っ手を持って、それを落とせるものか? そこまで考えて、ああ、わざとか、と納得することが出来た。 吉良の能力を知った今なら、吉良の近くにあったものを自分の懐にしまい込む様なことは出来ないよな。 まー、私が爆弾を仕込んだから、そんなの意味ないんだけど。 私のほくそ笑む姿など、パチュリーの目には入らなかったのだろう。 彼女はカップの破片をゴミ箱に捨てると、何ら疑うことなく、バッグへと手を伸ばした。 さあ、いよいよ死は間近だ。緊張によってか、爆弾のスイッチを握る私の手は汗で濡れてくる。 「ちょっと待ってもらっていいっすか?」 仗助が、クソッタレの仗助が、マヌケな声で口を挟んできた。 こいつは……こいつは、とにかく嫌だ。関わりたくない。しかも、こんなタイミングなんて尚更だ。 その恐怖と嫌悪感が、この場から早く逃げ出せ、と私の足に命令してくる。 だけど何をトチ狂ったのか、その電気信号で動いたのは、よりにもよって私の口だった。 「ななな、何だよ~、どうしたっていうのさ~?」 「いや、にとりちゃんの顔がすげー蒼いし、汗でびっしょりだぜ~。 どっか身体の具合が悪いんじゃないかと思って……大丈夫か?」 (余計なお世話だ! コンチクショー!!) そう叫びたい。叫びたいけど、心の中で留めておく。 というか、どう答えればいいんだ。パチュリーも見てる中で、嘘はつけない。 体調を聞かれて、疑問文で答えるって、なんか変だろ。 ……ああ、もう考えるのが面倒臭くなってきたなぁ。もういっそここで爆発させてやろうか。 そんな投げやりな気持ちが私の心の中を占有し始めたが、最後に残った私の理性が、何とか頑張ってくれた。 「辛いよ。だけど、ここで音なんか上げられないでしょう? だから、するべきことは、ちゃんとするよ」 会心の台詞だったらしい。仗助は何か感動し、康一の背中を頑張れよ、頼んだぞと言いながら叩く。 パチュリーも私の発言に何の疑心も抱かず、バッグへ手を伸ばしていった。 さあ、これでもう問題はないだろう。私の逸る気持ちに呼応するかのように、スイッチを握る手が熱くなってくる。 「……ちょっと待って」 最後の最後でパチュリーが、自らを呼び止めた。 やっぱり私のこれまでの挙動は不審だったか? 私の目論見は露見してしまったのか? 私の目の前には破滅の未来が色濃く見えてきた。ああ、やっぱり馬鹿なマネはするんじゃなかったよ。 しかし、次の聞こえてきたパチュリーの言葉で、それは無用な心配だと私はすぐに知ることが出来た。 「……ちょっと、お手洗いに行ってくるわ」 「もう……パチェったら、さっきも行ったでしょ? 紅茶の飲みすぎよ」 「う、うるさいわね」 顔を赤くするパチュリーを、夢美がやんわりと咎める。 だけど、パチュリーは急いでいたのか、ろくに耳に入れず、部屋を出て行ったしまった。 彼女達のやり取りは、気の抜けるものなのかもしれないが、 今の私からすると、単に気を揉ませて、私を焦らしているようにしか思えない。 ああ、早く帰って来い、パチュリー。 「よし! それじゃあ、出発よ! 皆、行きましょう!」 程なくして戻ってきたパチュリーは、爽やかな顔で、これまた爽やかな声を部屋に行き渡らせた。 その台詞で皆が立ち上がり、各々が置いてあったバッグを手に取りにかかる。 そして今こそが、パチュリーを爆殺する絶好の機会と私は見た。 彼女はバッグの前で咳を二、三度すると、いよいよその手をバッグに手を伸ばす。 さあ、爆弾のスイッチを押す準備は万端だぞ。私はこの機会を逃さぬよう、思い切りそれを握り締めた。 「ちょっと待って下さい」 康一が、また皆を呼び止めた。……ああ…………もういいや。どうでもいい。爆弾のスイッチを押そう。 度重なるやり取りに磨耗した私の心は自棄となって、スイッチに手をかけた指に力を込める。 だけど、後一ミリ押し込んだら作動するといったところで、私の動きは止まった。 「天狗でしたっけ? その人から? いや、妖怪から? とにかくメールが来ました」 という康一の言葉で、私の好奇心が自棄を押し退けて、打ち勝ってしまったのだ。 私はそのまま興味にそそられて、パソコンの画面を見てみる。 すると『八雲紫、隠れ里で皆殺しッ!?』という見出しで、八雲紫が死体を前に銃を持つ写真が、デカデカと載っていた。 これは一体何を意味しているのだろうか。頭を捻っていると、パチュリーがバッグを持って私の横にやってきた。 「これは……ふむ……そーね。皆、ちょっとこっちに来てくれる。 記事の内容は取り敢えず置いといて、これには八雲紫の写真が載っているわ。 これが私達の探し人の顔よ。知らない人は、これを見て、覚えておいて」 私が顔一杯に汗をかきながら、急いでパチュリーから距離を取ると、 それに取って代わるかのように皆がパチュリーの周りに集まりだした。 これでは爆弾を起動させられない。爆発なんかしたら、パチュリー以外の皆にも被害が及ぶからね。 そうしてスイッチから一旦手を離すと、何だか急に頭が冷静に回転しだした。 (あれ? ここでパチュリーを殺すのって本当に正しいのか? 彼女は集団の要となれる人だ。 それを失っては荒木達を倒す可能性を著しく下げてしまうのでないだろうか。 吉良のことだって、皆が彼の危険性を知った今なら、ここで何が何でも始末する必要はないように思える。 それにもしかしたら、パチュリーが言ったように、吉良の能力は何らかの事態において、 解決の糸口になるということも考えられる。やっぱり殺すというのは、時期尚早……というか、これって単なる私の臆断じゃないのか?) しかし、冷静になったらなったで、また私の顔は恐怖で蒼ざめてきた。 パチュリーのバッグには爆弾が入っているのだ。それは私の立派な殺意の現れ。 つまり、ゲームに乗っている証拠と言っても過言ではない。 それがパチュリーや他の皆にバレてしまったのなら、ろくな結果が待っているとは思えない。 勿論、その爆弾を私がセットしただなんてことは、すぐには分からないだろうけれど、 いつまでも隠し立てることも出来ないということも事実だ。なんせ相手は嘘を読み取るパチュリーなのだ。 言い逃れなど、延々とは続けられない。 やっぱりここでパチュリーを殺そう……それで平和になるんだ。私は決意も新たにパチュリーを睨む。 だけど、そこでまたパチュリー不在の問題が、私の頭をかすめてしまった。 彼女の死によって、この殺し合いを生き残る可能性を減らしては、元も子もないではないか、と。 ああ……ここに来て、私はパチュリーと吉良を殺していいのか、分からなくなってきてしまったよ。 【E-1 サンモリッツ廃ホテル/朝】 【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:頭に切り傷 [装備]:なし [道具]:基本支給品、不明支給品 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いの打破 1:天狗からのメールを確認 2:霊夢と紫を探す・第一ルートでジョースター邸へ行く。 3:吉良を仲間になんかできるのか? やっぱり……。 4:承太郎や杜王町の仲間たちとも出来れば早く合流したい。 [備考] ※幻想郷についての知識を得ました。 ※時間のズレ、平行世界、記憶の消失の可能性について気付きました。 【比那名居天子@東方緋想天】 [状態]:健康 [装備]:木刀@現実(また拾って直した)、龍魚の羽衣@東方緋想天 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに反抗し、主催者を完膚なきまでに叩きのめす。 1:天狗からのメールを確認 2:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第一ルートでジョースター邸へ行く。 3:主催者だけではなく、殺し合いに乗ってる参加者も容赦なく叩きのめす。 4:自分の邪魔をするのなら乗っていようが乗っていなかろうが関係なくこてんぱんにする。 5:吉良が調子こいたら、ぶちのめす。 6:紫には一泡吹かせてやりたいけど、まぁ使えそうだし仲間にしてやることは考えなくもない。 [備考] ※この殺し合いのゲームを『異変』と認識しています。 ※ぬえに対し、不信感を抱いてます。 ※吉良の正体を知りました。 【岡崎夢美@東方夢時空】 [状態]:健康 [装備]:スタンドDISC『女教皇(ハイプリエステス)』 [道具]:基本支給品、不明支給品0~1(現実出典・確認済み) [思考・状況] 基本行動方針:『素敵』ではないバトルロワイヤルを打破し、自分の世界に帰ったらミミちゃんによる鉄槌を下す。 パチュリーを自分の世界へお持ち帰りする。 1:天狗からのメールを確認 2:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第二ルートでジョースター邸へ行く。 3:能力制限と爆弾の解除方法、会場からの脱出の方法、外部と連絡を取る方法を探す。 4:パチュリーが困った時は私がフォローしたげる♪はたてやにとりちゃんにも一応警戒しとこう。 5:パチュリーから魔法を教わり、魔法を習得したい。 6:霧雨魔理沙に会ってみたいわね。 [備考] ※PCで見た霧雨魔理沙の姿に少し興味はありますが、違和感を持っています。 ※宇佐見蓮子、マエリベリー・ハーンとの面識はあるかもしれません。 ※「東方心綺楼」の魔理沙ルートをクリアしました。 ※「東方心綺楼」における魔理沙の箒攻撃を覚えました(実際に出来るかは不明)。 ※吉良の正体を知りませんし、パチュリーが彼と交渉するのも知りません。 【上白沢慧音@東方永夜抄】 [状態]:健康、ワーハクタク [装備]:なし [道具]:ハンドメガホン、不明支給品(ジョジョor東方)、基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:悲しき歴史を紡がせぬ為、殺し合いを止める。 1:天狗からのメールを確認 2:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第二ルートでジョースター邸へ行く。 3:もう少し時間が経ったら、ぬえのメンタルケアを行う。 4:殺し合いに乗っている人物は止める。吉良さんを説得して、改心させる。 5:出来れば早く妹紅と合流したい。 6:姫海棠はたての行為をとっ捕まえてやめさせたい。 [備考] ※参戦時期は未定ですが、少なくとも命蓮寺のことは知っているようです。 ※吉良の正体を知りましたが、まだ改心の余地があると思っています。 ※ワーハクタク化しています。 ※能力の制限に関しては不明です。 【封獣ぬえ@東方星蓮船】 [状態]:精神疲労(大)、吉良を殺すという断固たる決意 [装備]:スタンドDISC「メタリカ」@ジョジョ第5部、メス(スタンド能力で精製) [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:聖を守りたいけど、自分も死にたくない。 1:パーティーが分かれたら、吉良を暗殺しに行く。 2:慧音達に同行しながら、危険な奴を殺していく。 3:皆を裏切って自分だけ生き残る? 4:この機会に神霊廟の奴らを直接始末する…? [備考] ※吉良の正体を知りました。 ※メスは支給品ではなくスタンドで生み出したものですが、周囲にはこれが支給品だと嘘をついています。 ※スタンド「メタリカ」のことは、誰かに言うつもりはありません。 ※「メタリカ」の砂鉄による迷彩を使えるようになりましたが、やたら疲れます。 ※皆が行う吉良の爆弾解除と彼への説得を知りません。 ※能力の制限に関しては今のところ不明です。 ※河城にとりが他人のバッグに何かを仕込むのを目撃しました。 【広瀬康一@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、不明支給品×1(ジョジョ・東方の物品・確認済み)、ゲーム用ノートパソコン@現実 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いを止める。 1:天狗からのメールを皆に見せる。 2:霊夢と紫を探す・第三ルートでジョースター邸へ行く。 3:吉良を仲間になんかできるのか? やっぱり…… 4:仲間(億泰、露伴、承太郎、ジョセフ)と合流する。 露伴に会ったら、コッソリとスタンドを扱った漫画のことを訊ねる。 4:河城にとり、東方心綺楼の登場人物の少女たちを守る。 5:エンリコ・プッチ、フー・ファイターズに警戒。 6:空条徐倫、エルメェス・コステロ、ウェザー・リポートと接触したら対話を試みる。 [備考] ※スタンド能力『エコーズ』に課せられた制限は今のところ不明ですが、Act1~Act3までの切り替えは行えます。 ※最初のホールで、霧雨魔理沙の後ろ姿を見かけています。 ※『東方心綺楼』参戦者の外見と名前を覚えました。(秦こころも含む) この物語が幻想郷で実際に起きた出来事であることを知りました。 ※F・Fの記憶DISCを読みました。時間のズレに気付いています。 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:ストレス [装備]:スタンガン@現実 [道具]:基本支給品、ココジャンボ@ジョジョ第5部 [思考・状況] 基本行動方針:平穏に生き延びてみせる。 1:天狗からのメールを確認 2:河童の手を綺麗に洗ってあげたい~~!! 3:東方仗助、広瀬康一を出来る限り早く抹殺する。 4:無害な人間を装う。正体を知られた場合、口封じの為に速やかに抹殺する。 5:空条承太郎らとの接触は避ける。どこかで勝手に死んでくれれば嬉しいんだが… 6:慧音さんの手が美しい。いつか必ず手に入れたい。抑え切れなくなるかもしれない。 7:亀のことは自分の支給品について聞かれるまでは黙っておこうかな [備考] ※参戦時期は「猫は吉良吉影が好き」終了後、川尻浩作の姿です。 ※自身のスタンド能力、及び東方仗助たちのことについては一切話していません。 ※慧音が掲げる対主催の方針に建前では同調していますが、主催者に歯向かえるかどうかも解らないので内心全く期待していません。 ですが、主催を倒せる見込みがあれば本格的に対主催に回ってもいいかもしれないとは一応思っています。 ※吉良は慧音、天子、ぬえ、パチュリー、夢美、にとりの内誰か一人を爆弾に変えています。 また、爆弾化を解除するか爆破させるまでは次の爆弾化の能力は使用できませんが、『シアーハートアタック』などは使用可です。 ※能力の制限に関しては今のところ不明です。 ※正体が皆にバレてしまったことは、まだ知りません。 【河城にとり@東方風神録】 [状態]:精神疲労(小)、手に物凄い油汚れ [装備]:火炎放射器 、リモコンスイッチ@オリジナル [道具]:基本支給品、LUCK PLUCKの剣@ジョジョ第1部、F・Fの記憶DISC(最終版) 河童の工具@現地調達 [思考・状況] 基本行動方針:生存最優先 1:パチュリーを殺るか、殺らないか。それが問題だ。 2:パチュリーのバッグに仕込んだ爆弾をどうにかしたい。 3:知人や利用できそうな参加者がいれば、ある程度は協力する。 4:吉良吉影を警戒。手を汚くしてれば、関心は持たれないよね? [備考] ※F・Fの記憶DISC(最終版)を一度読みました。 スタンド『フー・ファイターズ』の性質をある程度把握しました。 また、スタンドの大まかな概念やルールを知ることが出来ました。 他にどれだけ情報を得たのかは後の書き手さんにお任せします。 ※幻想郷の住民以外の参加者の大半はスタンド使いではないかと推測しています。 ※自らの生存の為なら、他者の殺害も視野に入れています。 ※パチュリーの嘘を見抜く能力を、ひどく厄介に思っています。 【パチュリー・ノーレッジ@東方紅魔郷】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:霧雨魔理沙の箒、ティーセット、基本支給品、考察メモ、小型爆弾@オリジナル [思考・状況] 基本行動方針:紅魔館のみんなとバトルロワイヤルからの脱出、打破を目指す。 1:天狗からのメールをチェック 2:吉良と交渉して、彼の能力を利用する(結界の破壊etc...) 3:霊夢と紫を探す・周辺の魔力をチェックしながら、第三ルートでジョースター邸へ行く 4:魔力が高い場所の中心地に行き、会場にある魔力の濃度を下げてみる 5:状況が落ち着いたら、河童と改めて話をする 6:紅魔館のみんなとの再会を目指す [備考] ※喘息の状態はいつもどおりです。 ※他人の嘘を見抜けるようです。 ※河城にとりの殺し合いのスタンスを疑っており、問いただしたいと思っています。 ※河城にとりが仕込んだ小型爆弾には気づいていません。 ※「東方心綺楼」は八雲紫が作ったと考えています。 ※以下の仮説を立てました。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは「東方心綺楼」を販売するに当たって八雲紫が用意したダミーである。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは「東方心綺楼」の信者達の信仰によって生まれた神である。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは幻想郷の全知全能の神として信仰を受けている。 荒木と太田、もしくはそのどちらかの能力は「幻想郷の住人を争わせる程度の能力」である。 荒木と太田、もしくはそのどちらかは「幻想郷の住人全ての能力」を使うことができる。 荒木と太田、もしくはそのどちらかの本当の名前はZUNである。 「東方心綺楼」の他にスタンド使いの闘いを描いた作品がある。 ラスボスは可能性世界の岡崎夢美である。 [全体の備考] ※会場(最低限東北部)には満月の晩と同じだけの魔力があります。 ※第一ルートはE-1からD-1へ進み、そのまま結界沿いを行くコース。 ※第二ルートはE-1からE-2へ下り、そのまま西を行くコース。 ※第三ルートはE-1からF-1へ進み、そこからF-3に下って、西へ行くコース。 <小型爆弾> 河城にとりが河童の技術をもって作り上げた高性能爆弾。 大きさは手の平大で、バッグにもすっぽりと入る。重さは軽い。 威力は人一人を殺すのには申し分ない。 <リモコンスイッチ> 遠くから小型爆弾を爆破させる為のボタン。 100:嘆きの森 投下順 102:呼び覚ませ、猿人時代の魂 100:嘆きの森 時系列順 102:呼び覚ませ、猿人時代の魂 081:蛇と教師と御転婆と嘘と悪霊憑きと魔女のうた 上白沢慧音 116:COUNT DOWN “NINE” 081:蛇と教師と御転婆と嘘と悪霊憑きと魔女のうた 封獣ぬえ 116:COUNT DOWN “NINE” 081:蛇と教師と御転婆と嘘と悪霊憑きと魔女のうた 東方仗助 116:COUNT DOWN “NINE” 081:蛇と教師と御転婆と嘘と悪霊憑きと魔女のうた 比那名居天子 116:COUNT DOWN “NINE” 081:蛇と教師と御転婆と嘘と悪霊憑きと魔女のうた 岡崎夢美 116:COUNT DOWN “NINE” 081:蛇と教師と御転婆と嘘と悪霊憑きと魔女のうた パチュリー・ノーレッジ 116:COUNT DOWN “NINE” 088:Dirty Deeds Done by Dirty Hands 広瀬康一 116:COUNT DOWN “NINE” 088:Dirty Deeds Done by Dirty Hands 河城にとり 116:COUNT DOWN “NINE” 091:キャプテン翼は映らない 吉良吉影 116:COUNT DOWN “NINE”
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/212.html
(弾幕アクションでの霧雨魔理沙の画像をランダム表示しています) + それぞれ画像を並べて見たい方向け 「動くと撃つ! 間違えた。撃つと動くだ。私が動く」 『東方Project』の、博麗霊夢と並ぶもう一人の主人公。 「主に魔法を使う程度の能力」を持つ人間の少女。「きりさめ まりさ」と読む。 二つ名は「普通の魔法使い」「東洋の西洋魔術師」「霧雨の魔法使い」等。 専用BGMは「恋色マスタースパーク」「オリエンタルダークフライト」「メイガスナイト」等。 アリス・マーガトロイドやパチュリー・ノーレッジが魔法使いという種族(妖怪)なのに対し、こちらは職業としての魔法使い。 勘違いされやすいが背は低い方で、パチュリーや魂魄妖夢と同等。 「~ぜ」「~じゃないか」という男の子口調が印象的だが 一人称は「私」で、口調以外に男要素は全く無く、むしろ一番女の子らしいとも。 + 詳細な原作設定 実家は人間の里の大手道具屋「霧雨店」で一人娘であるが、魔法の道具を扱っていない事に何かあったとかで勘当されたらしく、 魔理沙自身も実家に関わるのを避けていて絶縁状態にある。つまり「家出不良少女」。 金髪金眼なのに日本人名である理由は不明。 食事は和食派で、『香霖堂』では森近霖之助宅でちらし寿司や味噌と香の物を作る姿が見られる (紅魔郷でレミリアとの会話で本人も「私は和食ですわ」と言っている)。 キノコの生い茂る魔法の森で「霧雨魔法店」を営みながら一人暮らしている。 + 霧雨魔法店 魔法の森にある魔理沙の自宅兼店舗。 店の中は魔理沙が集めてきたアイテムが一杯で、小さな魔法の森のように散らかっている。 『非想天則』までの魔理沙のホームステージでもある(以後は人間の里や香霖堂)。 「なんでも屋」を営んでいるとの事だが、悪い立地の上に留守である事が多い。 そのまともな商売をする気の無さたるや、アリスに勧められて訪れた三妖精達が初めての客だったほど。 報酬は成功払い・失敗時はお金を取らない、と意外に良心的。 なんでも屋とは言うものの、主な仕事は魔法の破壊力を活かした妖怪退治。 前述のように店に客が来ないので、博麗神社に赴いて霊夢宛の依頼を引き受けている。 魔法使いであり、外見も魔女のステレオタイプ。服装や箒は魔法使いとしてのイメージを重視したもの。 作中でも時たま「黒いの」と呼ばれるように黒と白の二色のカラーリングが特徴だが、作品によっては青みを帯びている事も。 帽子に色々マジックアイテムや酒などを入れているようだが、特にこの服装である必要性は無い。 『茨歌仙』での衣装のアレンジも、変化の少ない霊夢に比べて顕著。 寒がりなのか厚着する方だが厚着時は多少弱体化する。腋を出している霊夢と対照的。 箒なしで飛べるのかは明らかでないが、弾幕アクションでは「箒にのって登場」するのに「飛翔時は箒なしで飛んでいる」他、 天界へはウルトラマンみたいなポーズで飛んでいったり。途中まで本気を出してなかった『妖精大戦争』でも箒なしで飛び、 「ブレイジングスターのような鬼ごっこ」などスペルカード時も箒なしでありスピードも遅め。 + ミニ八卦炉 実家を出る際、霖之助から贈られた魔理沙の宝物。「ミニはっけろ」と読む。 暖房にも実験にも戦闘にも使用可能で毎日酷使しており、ミニ八卦炉が無い生活は考えられないらしい。 元々は霖之助が使っていた火炉だったが、各種機能追加や魔理沙の依頼で緋々色金を使い魔改造改良されたもの。 森近霖之助の項目も参照の事。 効力はそれなりに知れ渡っているらしく、十六夜咲夜にロケットの推進剤として盗まれそうになった事も。 緋々色金の名は知っていたがどんな物かは知らなかったようで、 緋々色金を使って修理してほしいと頼んだ時に、霖之助は緋々色金製の剣と交換と言い、 剣の材質を知らなかった魔理沙は即決した。 『求聞史記』によれば、食事と睡眠が必要なくなる「捨食の魔法」を習得する事で人間から妖怪の魔法使いとなり、 更に人の体内で寿命を減らす虫を殺す「捨虫の魔法」を習得すれば完全な「魔法使い」となるらしい。 これは道教における天帝にその人間が行った悪事を報告し、天罰で寿命を減らされ、 その人間が死ぬ事で体内から早く出たがっている三匹の虫「 三尸 」が元ネタと思われる。 彼女は年端も行かない少女だが*1、その魔法を習得可能かどうかは勿論、妖怪化する意思があるのか定かではない。 魔界には「魔法使いとして」行きたいと言っている。 姿も中身も変化が無い霖之助を羨ましいと言っており、長生きという点から仙人にも興味がある様子。 というか『妖々夢』時点での目標が、飲むと不老不死の仙人になると言われてる「丹」を作る事。 実際作ったが飲み込めなかったようだ。 『永夜抄』でも不老不死に興味を示している(一般的に妖怪は「不老長寿」であって「不死」ではない)。 本人の知性は高く、英語を話したり植物に詳しかったりするなど一般的な勉学の知識は豊富。 本人曰く「本を読み、魔法を磨く、それが日課だから知識を増やす事は勉強に値しない」。 頭が良い人物とされるが、周囲が妖怪や超人ばかりであるためか知恵を働かせる描写は少ない。 妖々夢では結界の解き方が分からなかったり、緋想天では犯人の居場所を推測したのに緋色の雲の意味には気付かなかったり、 地霊殿では意味も判らないまま地下に向かわされたりと、周囲に振り回される立場が多い。 原作者に、 「魔理沙は、我々に近いレベルの人間がいないと誰も話についていけないので、って理由でいるような感じ。脇役だしね」 「具体的に言うとアレだけど、サブキャラ」 などと言われる事からも、人外だらけの幻想郷では一般人に最も近いと言える。 言葉使いから無鉄砲で力任せに捉えられがちだが、実際は霊夢や妖怪に対してのツッコミ役になる事も。 綿月依姫を前にしても一番ビクビクしてたり、死神が来ると不安になるなど一般人っぽさが出ている。 この辺りが上記の「我々に近いレベルの人間」の感性の表現のようだ。 彼女の魔法の破壊力は既に人間の中では最高クラス。 ミニ八卦炉による所も大きいが、独自の方法で化け物茸を魔法の燃料にするなど努力の賜物でもある。 但し様々な魔法を自在に使える訳ではなく、光と熱の魔法が得意な一方で、物を破壊する以外の魔法は苦手。 魔法の触媒は術者によって異なるが、彼女は自宅周辺の森に生えるキノコを使う。 霖之助が言うにはキノコに関する知識は誰よりも豊富だとか (食用になる物や毒キノコも把握している…が、気分が陽気になったり、 軽い幻覚作用のあるヤバいキノコをお土産に持っていったり、基準は相当アバウト)。 それらの実験結果はお手製魔道書(これには魔力はない)にマメに記されている。 その成果の一つが彼女の代名詞である極太レーザー「マスタースパーク」。なお、過去に風見幽香が似た技を使っている。 「修行を全然しないくせに才能だけで強い霊夢に妬みを持つこともあり、いつもいじめたりする。 その実、魔理沙は霊夢がいないとつまんなくて死んでしまう位、仲がよい」(創曲幻想.txt) 「好きなことをやっていれば満足なのである。 中でも、霊夢が大好物(?)なので、ちょくちょく遊びに行っている」(紅魔郷マニュアル) 妖怪退治を生業にしている訳ではないが、よく霊夢を模倣して勝手に異変解決に赴く。 本業は霧雨魔法店という何でも屋だが客は来ず(そもそも普通の人間が気軽に行ける場所ではない)、働く姿は確認されていない。 面白そうな事なら何にでも首を突っ込むため、異変を解決したい他の妖怪などに体よく利用される事も。 霊夢とはケンに対するリュウのような関係。 空気のように翻弄する天才肌の霊夢に対し、魔理沙は圧倒的な力と技でねじふせる戦い方を好んだり、 努力を殆どしない霊夢に対し、魔理沙は強化アイテムや研究など強さに貪欲な所も対照的と言える。 設定上では体術は苦手。 あと普段は霊夢にパシリにされる事もあるようだ。 作中では「何処に行っても迷惑がられるが、実際に迷惑な行動も多い」とされ、『萃夢想』で伊吹萃香や八雲紫の反応が冷たかったり、 『緋想天』で小町から「決して主役にはなれない」と言われたりするなど、割と酷い扱いである。 『東方地霊殿』の魔理沙の設定には「魔法使いのため、魔法を使う妖怪と相性が良い。ただ、あまり好かれてはいない」と書かれ、 魔法を使う妖怪とはアリスとパチュリーの事と思われるが、ゲーム中ではさほど険悪な様子は見られない。 『非想天則』ではチルノに負けた後、彼女を間欠泉センターへ行かせ「あいつには熱すぎるだろう、ざまあみろ」と霊夢ほどではないだろうが酷い言動も多い。 手癖が非常に悪く、紅魔館の図書館や永遠亭等に忍び込み目ぼしい物を勝手に持っていく。 でも香霖堂ではしっかり物々交換してる模様。 本人曰く、人間の自分より妖怪の方が遥かに寿命が長いので「盗む訳ではなく死ぬまで借りるだけ」との事だが明らかに詭弁。 しかも本人は蒐集欲を満たせれば満足なのか、盗品自体にはさほど興味を示さず家の中に雑然と貯め込んでいるからタチが悪い。 お陰で周囲からはすっかり厄介者扱い (意外にも咲夜はそんな魔理沙をもてなしたり匿ったりしている。そのせいでパチュリーにどやされた事もあるが)。 泥棒自体は霊夢や咲夜もやっているが、頻度の差がそのまま印象の差になっているようだ。 おかげでパチュリーから直々に「お前に貸す本は無い」と怒られる始末。 『鈴奈庵』ではスカートの中に本を入れて持ち帰ったと思われるコマが描かれている。おまわりさんこっちです Win版以降の整数ナンバーの作品ではタイトル画面は霊夢、起動アイコンが魔理沙となっている。 書籍作品での出番も多く、一部の作品では霊夢以上に目立っている。 『三月精』や『香霖堂』の主役組と関連が強く、『The Grimoire of Marisa』では彼女の主観によるスペルカード考察本という体裁をとっており、 『求聞口授』では対談の司会を担当している。 ちなみに各作品で多くの彼女の偽物が現れており、夢の中の災厄だったり、霊夢を騙そうとした狸だったり、宴会に紛れこんだ狐だったり、 寺子屋を訪れた霊夢に話しかけた何かだったり、魔理沙顔のペコちゃん人形もどきだったりする。 + 旧作時代の魔梨…もとい魔理沙 「おっけ~、ここは魔梨沙にまかせて」 「やっほ~、魔理沙です。 みんなはノーコンティニューで私を倒せるようになったかしら? 駄目なんていっていたら魅魔様には到底勝てないぞ。 そこで、このげ~むの攻略法とヒントを魔理沙からおしえま~す」 「魅魔様に勝っちゃった。うふ、うふ、うふふふふ……」 ……今とは似ても似つかぬが、これがPC98シリーズ時の魔理沙である。 容姿も紫の魔女服に赤髪だったが、『夢時空』から金髪『幻想郷』からフリルが付き『怪奇談』から黒白である。 夢時空では白魔理沙もあり、後に弾アクや二次で使われている元。 悪霊とその弟子(?) 『封魔録』中の会話では「魔梨沙」と表記されていたが、ゲーム付属のテキストは「魔理沙」表記であり、誤字と思われる。 転じて、二次創作では旧作時代の赤髪魔理沙やうふふ魔理沙を「魔梨沙」という別人として扱う風潮がある。 まあ靈夢もハートマーク使ったり「どひゃー」とか言ってたりしたのだが。 + しかし…? 『封魔録』でのテーマである「恋色マジック」のアレンジ曲「恋色マスタースパーク」のコメントに、 「今の魔理沙でこの曲だと違和感あるかな、と思ったら何にも違和感無くてびっくり。 こんなに変わらない人間も珍しいです」とあったり、『The Grimoire of Marisa』のとあるスペルカードの欄の文章が乙女チックポエム全開だと言われていたりしている。 + その文章 メルトダウンってなんだろうな。ものすごく熱いのかな。その名の通りとろけるくらい甘いのかな。核融合ってすごいな、メルトダウンができるなんて。 …外見や言動は変わっても中身は変わってないんj(オ-レリ-ズ 『紅魔郷』~『花映塚』まで「最終面の手前のステージのボス→次回作で自機」という傾向だったが、 魔理沙も『封魔録』では4面ボス(『封魔録』は5面がラスボス)で、次回作の『夢時空』から魅魔と一緒に自機になっている。 そういった点では、咲夜・妖夢・鈴仙にとって二つの意味で先輩だと言える。 Win版(紅魔郷)以前の作品という区切りになるのでここに追記するが、 西方Project作品『秋霜玉』(ZUN氏の大学の後輩が製作。ZUN氏もBGM製作に協力)という作品に霊夢ともにゲスト出演(EXボス)している。 その時のテーマ曲『魔女達の舞踏会 ~ Magus』は『萃夢想』でアレンジが使われたり、 『妖精大戦争』ではメイガスナイトと名を変えドスアレンジ(全く別の曲にとのコメント)された。 ページ冒頭のような「撃つと動く!!」という台詞と共に登場するが、この時の魔理沙は既に旧作のうふふきゃははではなく、 Win版以降の性格である(霊夢の名前も旧作までの 靈 夢ではない)。 + 二次創作での扱い 背が低いものの口調が男の子っぽく、そしてゲーム中に男性キャラがほぼ登場しない(書籍や設定上は登場する)ためか、二次創作ではカプ相手は最多級。 旧知の友orライバル意識を抱く相手として描かれる霊夢の他、作中で組んだアリス・パチュリー・河城にとり、 家出前から関係がある森近霖之助(香霖)、紅魔郷や花映塚のEDで魔理沙に甘い咲夜、 更に作中で多少の関わりを持っただけのフランドール・スカーレットから好かれたりする。 あと、旧作以来の師弟関係で魅魔様とは親子のような絆を芽生えさせていたり。 カプ物では「攻め(所謂「棒」役)」となる場合がかなり多い一方、 魔理沙の受け属性的なイメージも段々広まり「受け」も増えた。相方が咲夜や霖之助の時は殆どがこのタイプ。 珍しい男女カプの相手となっている霖之助との関係の理由は、ミニ八卦炉、星の魔法、蒐集癖、実家関係など、 魔理沙を構成する要素に深く影響している他、食事を作りにきたり、花びらで飾って宴会に誘いにきたりなど、 魔理沙の方から色々と干渉する場面が多い事から。 通称通い妻(霖之助は滅多に店を出ないので「魔理沙の出番=自分から来る」となるのは自然な流れである)。 その他には極度のキノコマニアで、食べたキノコで巨大化したり(18禁な作品では下半身が男になったり)、 他者(主にアリス)に無理やり食わせてはその反応を楽しむ等、魔理沙が騒動の元凶になる事が多いが、原作で異変の黒幕になった事はない。 二次創作で犯しやすいミスに「一人称が俺の俺魔理沙(完全にネタ)」 「口調や性格が男過ぎる(こちらは非常に多い)」などがある。 ネタ以外でやってしまうとファンから顰蹙を買う恐れがあるので気を付けよう。 不自然に身長が大きかったり、見た目が違っても中が魔理沙なら一人称は「私」。これ重要。 旧作時代の話題を振ると中学時代を回想する高校生の如く苦しみ出すというネタも。 原作でも昔の事を聞かれるとお茶を濁したような発言になっている。 ちなみに、旧作では一人称が「アタイ」だった時期がある。 ちなみに、『うみねこのなく頃に』にはそっくりなキャラが登場する。 何と魔理沙のコスプレで「つるぺったん」を歌った上に、格闘ゲームに参戦した際のテーマ曲に採用される始末。 まあ竜騎士は東方大好きだから仕方ないね! アニメ版では作曲者の許可が下りなかったのか別の曲に変更されている。 「霧雨は薄く、暗く目立たないが、優しさを持っている」 「えへ、照れるな」 原作での性能 + 『東方萃夢想』での性能 有名な「弾幕はパワーだぜ!(原作は「弾幕に頭脳?馬鹿じゃないのか?弾幕はパワーだよ」)」の台詞通り、 威力とスピードに秀でた直線的な射撃が特徴。但し実戦で強いのは遠Bのナパーム。弾速の遅さ・相殺時の爆風が嫌らしい。 攻撃力も高く対空技や突進技を備えており、初心者でも扱いやすい。グレイズ攻撃が殆どなく使い辛いのが玉に瑕 (ただ、DAにグレイズがあったバージョンは相手にまともに射撃を出させない圧倒的性能だった)。 ナパームをまきつつ相手のグレイズをDAやJBで狩りながら接近戦に持ち込むのが基本。 画面端の固めや連続技は強烈で、受身を取られたら受身狩りからもう1セット。 欠点は、搦め手に乏しく自分から攻めにくい事。 スペカは壱符はグレイズ無敵で空中でも出せる「スターダストレヴァリエ」が主流。 代名詞でもある「マスタースパーク」も使えなくは無いが使用後に割れるのが痛い。「オーレリーズサン」は忘れて結構。 二符は3大狂スペカの一角「オーレリーズソーラーシステム」一択。 装着の手間はかかるものの、放ったビットがどこぞの傘のように戻ってくる上、中攻撃から連続ガードに。 そして、画面中央で射出ビットをガードした時点でクラッシュ+削りで1000前後のダメージが確定。 勿論起き上がりにはビットを再装着して起き攻め。 ここで打撃をガードしたらループ、食らえば3000+起き攻めという悪夢の連携が組める。 「ファイナルスパーク」は無敵や発生こそ優秀だが、マスパ同様に必ず割れてしまい、 更に全ゲージ消費の上ゲージ消費量と威力が釣り合わないため、ロマン技。 ニコMUGENではひき逃げとも言われる「ブレイジングスター」はミアズマから確定ヒットし、霊力削りが多く容易に割れるなど優秀ではある。 総合的には咲夜と並び2強とされる。 + 『東方緋想天』での性能 ↓↘→で飛び道具、→↓↘で無敵対空、↓↙←で突進技と分かり易いため、魔理沙を使う初心者も少なくはないだろう。 前作同様パワータイプで、格闘・射撃ともに様々な選択肢を持つ。 全体的に隙が少なく、何も考えずに反確技を振らない限りは大して不利にならない。 スペルには「オーレリーズサン」を除く全てに無敵がある。 通常技・必殺技共に高性能で、特に6Cはキャンセルタイミングが複数有るのに加えてキャンセルしなくても技後硬直が極小、 更に空中だと移動慣性が残り、グレイズからの反撃を受けにくい、J6Aから確定したり地上で当たればマスパ等が確定するので便利。 他にも共通中段の6Aは、全キャラ中最速の発生・入力から下段無敵・着地前後の隙を必殺技キャンセル可能と高性能。 キャンセルグラウンドスターダスト空中発動+発動前着地キャンセルで隙無し。6Aの持続部分を当てればむしろ有利。 グラウンドスターダストは慣性が残り射出が遅いので、撃たずに着地=6Aの軌道で着地キャンセルする事になり、 霊力消費せずに隙だけ消すというこれ以上無い運び性能。 また、他キャラの似た技がキャンセル不能且つ硬直大な物が多く、魔理沙を「常時蒼天」と呼ぶ人も多い。 因みに天候の「蒼天」では、無敵昇竜がキャンセル可能になり完全無欠の対空切り返しになる。 また、スペカはコストの割に高火力且つ高性能なものが多い。 固めの性能も申し分無く、画面端コンボに移行できればそのまま3割コースにも入れる。 反確だがデフォルト昇竜は入力から完全無敵なので相手を安易に暴れさせず、固められても拒否できる。 更に昇竜カウンターヒット時はブレイジングスター等で追撃可能。それ故ピンチがチャンスになってしまう。 空中使用可能1コストスペルの「メテオニックシャワー」があればどこからでも割りにいける。 霊力削り性能、ダメージ共に最強の1コストスペルである。地味に無敵があるので切り返しに使えなくもない。 ゲージとカードがあれば、「エスケープベロシティ」なら簡単なコンボ〆に使うだけで3.9割。「スターダストレヴァリエ」で4.2割。5コストなら5割も可能。 キャラ限定ではあるがデフォルトの状態でループコンボが存在し、これを利用すると手軽に4000以上奪い、ガードされても固めに移行。 全体的にlimit値が低い技が多いのも長所。 欠点は中央でのコンボが乏しい(バスキースウィーパーがあれば補える)、必殺技・スペカ共にガード後の隙が大きいものが多い(但し追撃されにくい)、 そして大概のキャラに言えるが、地上で通常技を空中ヒットさせても碌な追撃ができない事。 全キャラへの固めから抜ける事の出来ない割りルートがない事(そもそもそんなものはアリスにしかない)。 以上の点から、弱点はこのキャラにしか出来ないという芸当が魔理沙にはない事だが、 100点満点中120点の物が無いだけで、全て90~100点で収まる器用万能性能のため弱点になっていない。 キャラランクは文・妖夢・レミリアと並び4強に位置している。 参考動画 天候は「霧雨」で「スペルはパワー程度の天気」 + 『東方非想天則』での性能 本作では大半の強キャラが弱体化された。 魔理沙も例外ではなく、猛威を奮った6C・J6C・ナロースパークの各レーザーは発生が遅く、画面端まで一瞬で到達しない他キャンセルすると途切れるように。 更にsmash補正がかかり相殺強度が激減した。 おまけにJ6Aのワイヤーダメージが削除され、レーザーのお餅化と合わせ中央空コンが失われ安定したダメージが取れなくなった。 またB射の弾速が速くなり端コンの難度が激増、そしてキャラ限に。代わりに中央で高火力コンボを得たが、こっちも高難度かつキャラ限、しかも立ち限定。 この修正で理不尽なABループはほぼできなくなった模様。 6A(尻)は無敵無し・飛距離減・必殺技キャンセル不可となり、無闇に出すと反撃される普通の打撃となった。 また先攻入力が失われた事でDA,DBから固められなくなった。まぁこれは元々高性能すぎた。 レイラインは発生が遅くなり、レベルを上げればキャンセルできるように。 ミアズマの無敵・判定も弱くなり、打撃と相討ちになる程度。射撃を重ねられるとまず負ける。 空中版グラウンドスターダストは下に投げるモーションが削除され、その場で停止して山なりに投げる。 あと溜めが追加されC版を最大まで溜めると画面外に飛んでいく。因みに空中で起爆はしない。 そしてスペカもLimitが増加するように。 新技は何とも言いがたいものが多く、マジカル産廃な技(誇張ではない)も追加された。 ただ悪い事ばかりではなく、B・C射の追尾性能が上がり、更に全体的にスキルカードのLVアップの恩恵が大きくなった (というより強すぎたのを高LV遵守、弱かったのをLVアップで強くした感じか)。 緋ではネタ技だったグリーンスプレッドも制圧力が増し、実践レベルに。 また、高LV版ステラミサイルが魔理沙を覆うほど大きく、ステラ→その中でラジアルストライクなどとやると、 視覚的にも弾速的にも見えない状況が出来上がる。 以上の点から緋よりもスキル、システムカードによりかなり戦略の変わるキャラとなった。 他キャラの弱体化もあるとはいえ、強キャラの地位を支えていた大部分が修正されて中堅辺りに収まると当初は思われたが、 グリーンスプレッドを筆頭に、一部のスキルのLVが上がった時の性能の上がり方が異常に高く、 それらの性質から、前作のようなこちらから差し込むような動きではなく、技を置いて相手が崩れたり無理に押し返そうとするのを待つ戦法が有効となり、 デフォルトの状態が強かった前作と変わってスキルの書き換えやレベル上げをして、地盤を整えて戦えば本作も最強争いに加わる事が出来た。 しかし、1.10にて強かったスキルのLV上昇の恩恵の弱体化だけでなく、龍魚の羽衣の発生一律化によってシステムカードでの切り返しが鈍化するなど、 大きく強みを削られる事となり、最終バージョンで黄昏作品で唯一最上位争いから外れ、中堅に収まる性能となった。 + 『東方心綺楼』での性能 本作では空中戦という新仕様に則り、箒に乗って戦うというより原作STGに近い戦い方をする(まぁその箒で殴りつつその場に浮いたりしてるが)。 そのため他のキャラより喰らい判定が横に大きく、機動力は高いがダッシュ直前にほんの少し溜めがあり小回りが利き辛いなど、 前作ほどシンプルなスピードキャラというわけではない。 そんな魔理沙だが、同じく体験版時点から先行参戦していた他二人が色々とインパクトが強かったせいもあって、初期では微妙に影が薄かった。 その後も箒などのある種ネタになるようなぶっ飛んだ事にはあまりならず、そのため数々のバージョンアップにおいても致命的な弱体化はほとんど免れており、 一輪共々「基準」にするという発言もあって安定した性能というイメージが強いが、 実際は1.10辺りから現在に至るまで、ほぼ一貫して最強~準最強キャラの地位を維持し続けている影の豪傑である。 性能としては、速いスピードと長いリーチで差し込みを狙っていくやや立ち回り重視のキャラ。 特に打撃の性能の良さが目立ち、中でも最速の発生を持ち、打点もちょうど良い位置に出る最高クラスの小パンのA、 全通常技でも最長クラスのリーチを誇り下にもやや判定が伸びた打撃技B、発生・判定に優れ上方向から来る打撃は大抵追い返せる対空技8Bの3つは、 魔理沙にとって主力となる技。 射撃性能も決して低いわけではなく、特にX射撃はどの信仰でも発生が早く強度が比較的ある上に、隙が少ないため主力になる。 ただ魔理沙の象徴でもあるY射のレーザーは、『心綺楼』というゲームがあまり射撃戦を重視しないゲーム性なためそこまで強いわけではなく、 特にほぼ射程が無くなり近距離技になる仏信仰ではかなり影が薄い。 スキルの中では、上空から弾を雨のように降らせるどう見ても某悪魔狩人のアレな「ストラトフラクション」が立ち回り用として非常に優秀で、 守り・連係・上空迎撃と色々使える。 前作では名実共に産廃だったボムも「パワフルドラッグ」としてそこそこ使いようがあるスキルにちゃんと生まれ変わっている。 固有システムとして実装された特技の「三度目の粉飾魔」は、Y射撃及び必殺技を使う度に画面の星ゲージが点灯、 星が3つ点灯した状態なら一回だけY射撃や必殺技を強化した性能で出す事が出来るというもの。この強化状態の技は俗に「粉飾○○」という風に呼ばれ、 基本的にかなり高性能になるのでありがたい能力なのだが、全く気にしなくても立ち回り上問題ない霊夢や一輪と比べれば、 多少癖があると言えなくも無い固有システムである(それでも一部キャラに比べれば全然少ない方だが)。 魔理沙のもう一つの長所でもあるスペルは、前もって宣言する事で高い火力を叩き出す「マスタースパーク」、 一度画面から退避し無敵かつ超高速で突っ込む高火力切り返しの「ブレイジングスター」、 使用時にビットが設置されコンボ用として独自の道を行く「サテライトイリュージョン」と、3種どれもそれぞれの強みがあり高水準にまとまっている。 また、魔理沙はA連の性能の良さ(多少軸がズレていてもほぼ確実に最後まで繋がる)から、スタンだけ取りスペルに繋げるというのが容易であり、 他のキャラ以上に「生宣言→A差し込みからA連コンボ→スペルで5割」という超お手軽な逆転劇が起こりやすく、実践値の高さに拍車を掛ける事になっている。 ラストワード「サングレイザー」は、最初に箒で大振りの打撃を繰り出してヒットすればダメージ演出に移行するロック技。 初段は前斜め下から後ろ斜め上までとかなり広範囲をカバーしており、案外適当にぶっ放しても引っかかりやすく、当然コンボにも組み込めるので、 割と使いやすい部類のラストワードと言える。 弱点は、固めに向く技が無く防御システムがかなり強い本作では、増長しなければほとんど脅威にならない事と、 スペル無しでの火力自体は十分にあるが、コンボが少し安定し辛く立ち回りからのリターンが安くなりがちな事、 そして全体的に下方向に対する攻撃手段が乏しい事などか。 しかしそれを踏まえてもなおトップクラスの立ち回りの強さを持ち、使う者が使えば他を寄せ付けない強さを誇る上、スペル性能の高さ、 そして「牽制射撃で動かし打撃で狩る」というシンプルで分かりやすい行動指針から、抜群の実践値の高さも併せ持つ。 このため心者から上級者まで幅広くオススメ出来る、霊夢とは違った意味で主人公らしい性能と言える。 + 『東方深秘録』での性能 まごう事なき最強キャラ。 歴代の魔理沙らしく火力が高く機動力も高い。それでいて全キャラ体力根性値同一なのも一緒。 しかし直進的な動きが多くそこまで立ち回り性能が高くない事が多いのに対し、本作では立ち回りも恐ろしく強い。 核となるのは空中JAと6B。 JAは俗にいうジャンプ小パンチのような技だが、前にも下にも非常にリーチが長く、一部の強攻撃では勝てないほど判定が強く、当然発生も速い。 さらにJAがどこでヒットしても超高火力コンボに移行でき、着地硬直もまったくないのでスカされてもガードされてもほぼノーリスク。かなり出し得。 6Bは前方にレーザーを発射する魔理沙の代表的な射撃技だが、他キャラのレーザーに比べると明らかに発生が速く、距離次第で高火力コンボに繋がる。 また発動時に後ろに下がるために相手の空対空を狩れるし、万が一読まれてグレイズされても射出時間を切り上げて、 ジャンプ逃げ(8方向)・キャンセルHB(発生早い・大きくノックバック・隙ほぼ無し)・そのまま射出の逆択をかけられる。 このJAと6Bをとりあえずブンブンしておくのが実に強い。 それ以外にも時間差爆発する射撃や打撃突進技など、立ち回りでの幅を広げる粒が揃っている。 そして魔理沙の真価とも言えるのが起き攻め表裏2択である。 このゲームは無敵技がほぼ皆無、ガードキャンセルなどの防御システムも皆無、壁バウンド技を使うと画面端コンボでも少し壁から離れた位置でダウン、 頭上空中ダッシュ待機からそのまま打撃とバックダッシュ打撃の超高速表裏…と、非常にめくりが凶悪なゲームである。 その中でも魔理沙は表裏択どっちからでも超高火力コンボを決められ、さらに表裏どちらからのコンボでも再度同じ表裏択を仕掛けられるのだ。 そのため魔理沙のコンボは期待値がワンコンボノーゲージで7割と言ったレベル。 さらにガードされてもそのまま固めに行ける。理不尽。 その他スペルカード活かした確定ガードクラッシュもあり、魔理沙相手に一瞬で体力を10割減らされる事は日常茶飯事。 他にも見逃せない点として4Cがある。 このゲームはバリアガードというアドバンシングガードシステムがあるのだが、そのコマンドが「ガード中に4C」、つまり後ろ必殺技の入力と被っており、 相手に攻撃をすかされるなりディレイを掛けられるなりすると必殺技が暴発して隙を晒してしまう。 そんな中で魔理沙に関しては4Cが発生の早い打撃技となっており、半端なすかしは逆に4Cを食らってフルコンにご招待。 おまけにガードしても隙なし…と暴発しても安心な設計。 殆どのキャラは隙だらけ、強くても射撃なのだが何故か魔理沙(と聖)は強力なのだ。 その他ガン逃げに使える設置技、ジャンプを狩れる打撃択…などなどおおよそなんでもできるぐらいのものが揃っており、 あらゆる点が強いオールラウンドな強キャラである。 なお、本作の魔理沙は体験版から数えて3回も弱体化されている。 うち1回はバグ修正+魔理沙だけ弱体化パッチというほどなのだが、それでもまだ最上位キャラクターなのだ。 昔の魔理沙がどれだけ恐ろしかったかはもはや語るにもおぞましい…。 あまりにも強いので次にパッチが出れば当然弱体化すると思われていたのだが…。 + 2016年1月下旬 2016年1月下旬に出たパッチでまさかの相対的超強化。 これまでは強力なガードクラッシュが多くのキャラで可能で、それにより魔理沙に渡り合うキャラも存在した。 しかし共通システムのバリアガードの強化とガードキャンセルが実装された事で状況は一変。 多くのガークラに対してガーキャンができるようになり、立ち回り・めくりが強力だった魔理沙の強みはさらに上昇。 さらにガードキャンセルが「スペルカードを宣言していない場合、スペルカードを宣言して発動」というのが魔理沙と非常にマッチしている。 スペカ宣言中はゲージが溜まらず、ガーキャン・宣言によりロマキャンするシステム(早口宣言)も使えない。 スペカはぶっぱでは使いづらいものも多く、宣言した状態で立ち回ると持て余してしまう事が多い。 一方で魔理沙の主力スペカ「サテライトイリュージョン」は平たくいうと「円陣幻影剣」であり、ガーキャンで宣言してもすぐに消費可能。 元々のゲージ消費量の少なさも相まって、スペルカードの回転率で魔理沙を上回る者はいない。 その結果ただでさえ最上位だったのに、他が落ちて一人勝ちのようになってしまっている。 MUGENにおける霧雨魔理沙 以下のものが存在するが、公開停止やAI未搭載のキャラが多い。 これでも改変キャラの数は少ない方。他キャラが多すぎるだけかもしれないが。 初期からとま氏製+風見氏AI(通称”風見魔理沙”)の出番が多く、2012年以降はD0魔理沙、2016年以降は禍雨心傘が加わる形である。 また、2010年7月まで神キャラがいなかったのも特徴。本来あくまで普通の人間に過ぎない彼女らしいといえば彼女らしい。 でも妖怪を倒したり、普通の人間が出来ないような派手な技をやったりと、色んな意味で彼女も人間の域を超えているのかもしれない。 想定ランクの低いキャラに公開停止やAI無しが多い事もあり、以前とは逆転して凶悪キャラの方が多くなっている。 原作仕様 + とま氏製作 萃夢想+α とま氏製作 萃夢想+α 古くから存在する魔理沙。最終更新日は2005年8月3日。 infoseek無料HPサービスが2010年11月に終了し代理公開サイトが削除されたが、ファイルはトクトクに残っているのでアドレス指定でDL自体は可能。 原作仕様とは言っても初期体験版仕様なので現verとはかなり異なり、特にオーレリーズは現verとは別物。 スペカ宣言の制限時間無し、霊撃が回数制でなく0.5ゲージ消費かつ自動ゲージ回復があるためミアズマキャンセル霊撃を多用できるなど、アッパー性能。 『GUILTY GEAR』のようにロマンキャンセルを搭載している他、オリジナル技として、 5ゲージ技の「瞬弾殺」とストーリーモードのラストスペル・終符「レーザーオブアイリス」がある。 前者は空中の相手にも当たる、コンボに組み込める、生当てで6割5分、補正がほとんど(全く?)掛からない、 出かかり無敵、瞬獄なのでもちろんガード不可と、使用ゲージ数の多さに見合った高性能を誇る。 後者は耐久スペルなので食らい判定が無く、制限時間を耐え切れば勝ち。 AIをデフォルトで搭載しているが先述の通りストーリーモードを実装しているので、大会に出す時はCNSファイルをいじる必要がある。 動画では後述の風見氏AIの出番が多いが、デフォルトAIもなかなか戦えるので一見の価値はある。 ただし風見氏AIほどの強さはなく、並中位から上位程度なので相応の相手をあててやろう。 デフォルトではカットインやオーレリーズが真っ黒、マスタースパークやドラゴンメテオが透明な状態であり、 これを解消するにはMUGEn本体にパッチを適用する必要がある。 但し、このパッチを当てると他キャラ同士の戦いでもマスパのエフェクトや魔理沙のカットインが発生する事がある。 参考動画 + 風見氏製改変パッチ 風見氏による改変パッチ。最終更新日は2009年10年30日。通称風見氏AI。 AI改変パッチとして知られる本パッチだが、先述のストーリーモードのON/OFFが簡単になる他、上記パッチ無しでもマスパが表示され、 射撃の被グレイズ機能や特殊カラー(11Pカラーでゲージと霊力が常時MAX。12Pカラーは色のみの変更)の追加や、 普通の格ゲー同様、ゲージさえあればいつでもスペカが使用可能になるスペカルールON/OFFスイッチや、 AIの瞬弾殺使用のON/OFFスイッチも搭載されている。 また、霊撃を当てるとクラッシュ状態でも霊力が回復するようになる(原作とは異なる)。 ……などの改変がなされる。 このパッチを使用してAIレベルを最大近くまで上げると無敵対空および判定が非常に強い超必殺技を超反応で切り返し、 上述の霊撃や空中下降時の判定等々他キャラとの微妙な仕様の違いをフルに生かし、凶キャラクラスになってしまうので要注意。 瞬弾殺等解禁し、設定全開にすれば特殊カラーで狂クラスにまで到達する。 勿論、レベルを下げれば並~強キャラなので各自必要に応じて調整しよう。 AIレベル設定で超反応ONに出来るキャラ全般に言える事だが、無闇矢鱈にAIレベルをMAXにすればいいってものじゃないよ! + 飛び蹴りコンボについて かつてMUGEN民に魔理沙を凶キャラとして認識させ、一躍有名にしたのがこの風見氏パッチだが、 その原動力の一つにノーゲージでも3割以上のダメージが見込める飛び蹴りコンボがある。 飛び蹴りコンボとは、空中にいる相手に前HJ → 空B → 空B → 着地したらすぐさま前HJ → 空B… と続けるもので、カウンター無敵対空から移行でき、AIが多用するので記憶されやすいが実はとま氏本体ではこのコンボはできない。 空Bから空Bの間に相手の復帰を許すためである。 上記の霊撃の改変などと合わせてみると、風見氏パッチはアッパー改変のように感じるかもしれないが、 瞬弾殺をあくまでスイッチ式にしたり、本体がデフォで搭載しているロマキャンを一切AIに使わせなかったりと、 使った方が強くなるはずの技からも一定の距離をとっており、とま氏とは別の魔理沙を目指していた節がある。 その性能から製作者の意図を考えるのもMUGENの醍醐味と言えよう。 また、Nachel氏霊夢とのタッグ専用記述があるので意識して使ってみるのもいいだろう。 風見氏による命名は東方外道コンビタッグAI…否定はしない。 ニート運送氏による五頭身化パッチも存在する。 + 大会ネタバレ MUGEN祭 大盛りシングルトーナメントではゲジマシトップ3が3回戦で全滅する中、ベスト8まで進み東方勢で一番勝ち進んだ。 過去に同作者により行われたゲジマシでもベスト8だったがこの大会でここまで残ったのは彼女のみ。 最初は比較的まともだったが後にサスカッチとレイ相手に10割コンボを決めるなど外道な戦法を見せた。 東方狂大祭には11Pカラーで出場。 中盤までは脱落こそしないものの極端に目立つ戦績では無かったが、 終盤に幕末妖夢戦での脱落の危機をオーレリーズサンで辛くも越えてから、本領発揮とばかりに上位陣を蹴散らし快進撃を続けた。 実力未知数の魔改造キャラが好き放題に跋扈する今大会を、ゲジマユがなせる超反応無敵技と瞬弾殺を頼りに優勝を勝ち取った。 東方狂下位キャラの古株の面目躍如といえよう。 + gu氏製作 萃夢想仕様 gu氏製作 萃夢想仕様 現在はHP閉鎖により入手不可。 4段階制のAIを搭載済みで、ストーリーモードやスペカルール・霊撃回数制限OFF版も実装されている。 また、ダメージレベルやガードペナルティを変更可能。 + 水影氏 緋想天・非想天則 水影氏 緋想天 現在は入手不可。 緋想天の再現。デッキシステムも完備し、一部の特殊バウンド系等がまだできていない事を含めても完成度は高い。 7Pカラー以降のみスキルカードを使う事で、「デストラクションボトル」というオリジナル技が使える。 水影氏製作の配布データを利用する場合は必ず最新版を使ってください、との事。 リュウセイ氏のAIが存在したが、現在は公開先であったWebFileのサービス終了により入手不可。。 また、これとは別に『非想天則』再現のものが作られており、Sekt氏のサイトで代理公開されている。 こちらには凱氏のAIが公開されている。 + ふるれ氏製作 緋想天アレンジ ふるれ氏製作 緋想天アレンジ 作者曰く「緋想天をそれなりに再現したキャラ」。 2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴いサイトが消滅してしまったが、改変・転載自体は自由との事。 現在はhamer氏が代理公開している他、「MUGEN初心者用簡易AI講座」からも入手可能。 天候システムは無く、スペカがコマンド入力で可能なタイプになっており、一部スペカのコストダウンの他、 昇龍が空中でも使えたり、ナロースパークでジャンプキャンセルできないなど、意図的に原作と違う部分も作ってある。 また、霊力割れは存在しないが、相手をボーダークラッシュさせる能力はある。これのON/OFF切り替えも可能(タッグでは強制的にOFF)。 同作者のAIも別途存在し、本体同様にhamer氏及び「MUGEN初心者用簡易AI講座」にて代理公開中。 簡易との事だが中々の強さを誇る。 おすすめコンボ(最終更新日時が2011年7月3日のものを元に記述) コマンド 備考 AAAA→3A→C ステージのどこでも繋がり、さらにここから様々な追撃も可能になる、拡張性と汎用性に優れるコンボ C→6C→ナロースパーク 低難度ながらこれだけで3割減らせる。上のコンボから繋ぐ事も出来る これ以外のコンボに関しては、本体付属の取説参照。 魔理沙名義のアレンジ仕様 + gu氏製作 アレンジ仕様 gu氏製作 アレンジ仕様 PS2版『テイルズオブデスティニー』風のシステムを採用している。 チェイン・キャパ(CC)を霊力、ブラストゲージをスペルゲージで代用している。 AIは搭載済み。難易度やシステムカードが設定変更可能。 現在は公開されていない。 「狂以上のキャラと戦わせることは禁止です」の動画使用制限有り。 + Kohaku氏製作 アレンジ魔理沙 Kohaku氏製作 アレンジ魔理沙 氏お馴染み、原作での弾幕は捨て去り格ゲー風にアレンジされた魔理沙。 アリスとパチュリーをストライカーとして呼べる。 ファイナルスパークの演出は、これもまたKohaku氏お馴染み声付き。 12月25日の更新で大ポトレが変更になり、新技としてミスティカルチェインが追加された。 sekt氏がAIパッチを製作していたが、現在は公開停止されている。 現在はshao氏のAIが公開中。 + Felicity氏製作 SF魔理沙 Felicity氏製作 SF魔理沙 ケン風にアレンジされた魔理沙。『ストリートファイターIV』のシステム、ウルトラコンボを搭載。 また、試合開始後にランダムで選択されるカードにより、以下のように能力を強化する「称号システム」を搭載。 初心者 初期。効果は何も無い。 極貧 パワーゲージ+500 烈火 ウルトラコンボゲージが上昇率UP 猛者 ウルトラコンボの威力上昇 あけぼの スーパーコンボの威力上昇 心眼 一定時間透明になる+無敵 勝てば官軍 カウンターヒットの威力上昇 目には目を! 通常投げの威力上昇 ワイルド パワーゲージ+1500 ビーム脳 ハドウスパークがレーザー状に変化。だが飛び道具は掻き消さない 東方ファイター 12P用。勝てば官軍、ビーム脳、目には目を!、猛者、烈火の効果を得る。 12Pはあるお方がストライカーになり、301f後に301のパワーゲージを吸収するパンチを出す 301や、 合体攻撃なドラマチックコンボもある。 製作者曰く「真面目に作ったネタキャラだからか、12P強いかなと思ってたけど目安にしてたマスターリュウに及ばない」との事。 + Rel氏製作 UMVC3アレンジ Rel氏製作 UMVC3アレンジ 現在はムゲぎこ氏によって代理公開されている。 2014年9月に公開された、『UMVC3?』仕様に定評のある氏によるもの。 一部にDr.ドゥームと類似した技が見られるのが特徴。 着地前に行動可能になるウィッチレイライン、ダウン拾いが可能なグラウンドスターダストといった 仕様に合わせたアッパー調整がなされており、Xファクターも搭載済み。 デフォルトでAIが搭載されており、始動次第だが2コンボで1ラウンド終了→Xファクターで10割コンボという凄まじい試合展開を見せる事も。 + Zero-Sennin氏製作 アレンジ仕様 Zero-Sennin氏製作 アレンジ仕様 新MUGEN専用で、4ボタン式のアレンジ仕様。 萃夢想での使用技をベースにした、シンプルな格ゲーといえる仕上がり。 デフォルトでAIが搭載されている。 調整の際は、MUGEN本体の難易度を変更されたし。 + ShangW氏製 ShW Marisa ShangW氏製 ShW Marisa 心綺楼ドットの魔理沙。 カラーによって強~論外まで幅広く強さが変化する。 2015年3月の更新により、簡易的なAIが搭載された模様。 改変キャラ + 風見氏製作 魔理沙S 風見氏製作 魔理沙S スタープラチナが発現した魔理沙。 魔理沙は主人公・パワー・スター・借りパク等空条承太郎と共通点が多いので、スタープラチナの発現はおかしくないのかもしれない。 タンデムは未搭載。投げ・アドバンシングガードは今後も搭載される予定はない。 AIについても同様だが、「作りたい人は勝手にどうぞ」との事なので、外部AIの登場に期待しよう。 + G-sho氏製作 暴走魔理沙 G-sho氏製作 暴走魔理沙 現在は入手不可。 人呼んで「森の中キノコを食べてラリる魔理沙」。 アフロン氏作のヤミノナカオロチノチニメザメルレオナを改変して作られた魔理沙。 所謂画像差し替えキャラで、名無し氏によるレオナ用AIパッチも同梱されているが、病んだ表情や姿勢がよくできており、主に目が怖い。 ちなみに「アイスラッシャー」はゆっくりに差し替えられている。 + 夏恵氏製作 霧雨星凪 夏恵氏製作 霧雨星凪(きりさめせいな) 外見は藍色の服に黄緑色のリボンの魔理沙。 退治屋「颯爽」所属の少女で、宅配業や情報収集を担当する。 この他、同氏作のキャラクター達同様に詳しい設定が存在する。 一番の特徴は1ゲージ消費のギアチェンジで、繰り返し使う事で一部超必の解禁や攻撃力上昇等の恩恵が得られる。 超必を超必でキャンセルするコネクトアーツ等、同氏作の射命丸颯と同じシステムを搭載。 これらを全て活用するためのゲージは、素直な挙動の技による立ち回りとゲージ回収率の高さでカバーしたい。 なお、技名はうどんげ以上に読ませる気が無い模様。素晴らしき厨二臭。 また、狼のエフェクトやパワーゲイザー系の超必等、テリー・ボガードを思わせる演出が多い。 デフォルトAIは搭載されていないが、Lion氏による外部AIが氏のTwitterで公開されている。 また、2017年3月21日にshao氏からも外部AIが公開された。 ストーリー動画でいじられキャラとして扱われるのを除き、悪意を感じさせる動画の投稿は禁止との事。 また、ストーリー動画以外の動画での12P性能の運用も禁止されている。 おすすめ(?)コンボ(Ver1.3、2014年12月21日のものを元に記述) コマンド 備考 グランド・フォース→プロローグ→セカンドアサルト→エアフィニッシュ→サーペント・ウルフ→立ち強→グランド・フォース→プロローグ→セカンドアサルト→スペース・メイフライ 地対空限定コンボパーツ。相手の高さが低いと感じたらグランド・フォースは省略。投げ、立ち強から移行できる。締めは下手なゲージ技よりスペース・メイフライを使った方が強い。 スカイ・アーク→スカイ・ウルフ→立ち弱→立ち中→立ち強→グランド・フォース→プロローグ→セカンドアサルト→スペース・メイフライ 無敵対空技スカイ・アーク始動ノーゲージ汎用コンボ。ギアなしでも314D スカイ・アーク→スカイ・ウルフ→コル・レオニス×n 12P専用10割。コル・レオニスを連発する事で10割以上のダメージが出せる。スカイ・ウルフは当てるのではなく、着地を早めるために使うのがポイント。一撃を出した方が早いという言葉は禁句。 + 霧雨翔氏製作 魔術劇 霧雨翔氏製作 魔術劇 メルブラ風にアレンジされた魔理沙。1~5、6、7~10、11、12のカラーごとに性能の違いがある。 当初AIはなかったが、更新で一応仮設のものだがAIが搭載された。 マスタースパークやドラゴンメテオ等原作を意識した技や、十七分割、ゲフェーアリヒシュテルン等の他キャラの技を持つ。 更新で十七分割を決めた後に専用勝利ポーズを取るようになった。 プレイヤー操作(2 37~) + Deoxgigas氏製作 流星の魔理沙 Deoxgigas氏製作 流星の魔理沙 MUGEN1.0以降専用。『心綺楼』以降のスプライトを使用。 システムは地上戦メインの『緋想天』風のものになっている。 技性能はかなり強化されており、コンボ性能が高い。 デフォルトでAIが搭載されており、流星の名に違わず突進技の類を多く用いたガン攻めを行う。 紹介動画(DLリンクあり) 凶悪キャラ + piyo氏製作 GW魔理沙 piyo氏製作 GW魔理沙 「普通の人間」というイメージからか、長らく神の世界に踏み込まなかった魔理沙に、ついに製作された神キャラアレンジ。 名前は「ゴールデンウィッチ魔理沙」の略。12pは準論外レベル。 「魔法使い」ではなく、「魔 砲 使い」のイメージで作られている…のだが、ゆっくりがビッグボディしたり、 モンスターボールや霊夢の大御札をぶん投げたり、ミズチが降ってきたりしてご乱心気味。見ていて面白い。 + 軟骨カレー氏製作 S魔理沙 軟骨カレー氏製作 S魔理沙 ふるれ氏の魔理沙を改変したもの。 Sは「シューティングスター」の略。上記の「魔理沙S」「SF魔理沙」とは一切関係ないので注意。 ふるれ様製作の魔理沙を元に狂クラスに改変したアレンジキャラ。裏上位カラー(10P~12P)では準神~神下位に。 原作の雰囲気は残しつつも凶悪なオリジナル技を中心としたアレンジとなっている。 参考動画 + sudara13氏製作 非道魔女 sudara13氏製作 非道魔女 同製作者のロボミズチの開発者であり、外道巫女やDM天子の友人。 ロボミズチに対する扱いは悪く、登場イントロでバイトにしたり、戦闘中は飛び道具の如く使い捨てたりする。 ワープで相手の攻撃をかわしつつ、設置技で弾幕を張る戦闘スタイル。 どこかで見たような技が多いが、ロボミズチや友人を使った技も存在する。 9Pカラー以降は性能が強化され、12Pは殺傷力、耐性共に神上位クラスとなる。 AIはデフォルトで搭載されており、1P~8Pは強~凶(AIレベルで変わる)、9P~11Pは狂下位~狂上位、 12Pは先述の通り神上位。 + sudara13氏製作 非道魔女V2 sudara13氏製作 非道魔女V2 1歳年を取り21歳になった非道魔女。 見た目は変わらないが、「戦闘スタイルに飽きが来た」という理由で戦闘スタイルががらりと変わった。 弾幕を張るスタイルから一転、MVC風のコンボキャラとなっている。 友人2人も呼ばなくなったが、ロボミズチはストライカーとして出番がある。ただし扱いは変わらず。 こちらもカラーにより性能が変化する。 デフォルトのAIでは1P~5Pが凶下位、6Pが凶中位、7P~12Pが狂下位~狂上位となる。 + GGG氏製作 美しい魔理沙 GGG氏製作 美しい魔理沙 GW魔理沙に次ぐ2体目の神キャラ。ライフバーは常に減らず、下のゆっくり魔理沙の表情で表している。 + 黒巻氏製作 禍雨心傘 黒巻氏製作 禍雨心傘 「まがさめ みかさ」と読む。 比那名居戀子や風流衣玖を製作した氏が、凶悪技術に挑戦するべく製作したキャラクター。 常に悪巧みをしているような顔が特徴的。黒巻氏のキャラクターの看板娘的存在。胸がすごく大きい。 攻撃重視の黒カラー(デフォルトはこっち)と防御重視の白カラーを切り替えて戦うキャラ。 モードによって使用出来る必殺技・超必殺技が一部異なり、通常技も一部変更される。 元と同じ光線や星に加えて闇や神聖魔法をメインに据え、火炎や氷魔法も扱える。 魔法だけではなく怪力で、相手を掴んで何度も叩き付ける様は完全にオトコマエそのものである。 旧版にはデフォルトAIは存在せず、優希氏、nomucoke氏による外部AIが存在していた。 2015年12月15日の更新にて本体にも自重あり・自重なしの2種類のデフォルトAIが搭載された。 自重ありでは通常版ではコンボ重視の凶~狂下位向け、自重なしでは撃破重視の狂中位~狂最上位向けと殺傷力も大きく変化する。 カラーによってアーマーの有無・強度を始めとして性能が大きく変わり、オプションでは設定項目も豊富に用意されているため、 相手や目的ランク帯に合わせた調整が光る面でもある。 例えば自重ありAIの1Pや2Pではパワーゲージを消費した喰らい抜けこそあるが怯んでくれるので凶の範疇、 3P以降や自重なしAIではアーマーが付いて狂に足を踏み入れ、11P以降でアーマーが壊れなくなり神の入り口が見えてくる、といった具合。 MMDでの雄姿 2016年11月に禍雨心傘GxRv(Gene X Reassembly Version)として大幅なリメイクが行われた。 この更新で今までの禍雨(Magasame,MagasameEX)は動画使用禁止となった。 デフォルトAI・演出・全技を含め、全体の9割を再度作成し直したとの事。 参考動画 大幅なスプライト加工や追加が行われ、殆どのモーションで禍雨特有の悪巧み顔に変更され、黒禍雨状態では指抜きグローブを装着している。 既存の技の演出が更に強化され、必殺技や超必殺技では更に迫力のあるものへとリメイクされた。 また、新しいシステムとして魔力を開放して異形の黒い身体と化す「深淵化」、白禍雨状態での相手を氷漬けにする「氷結付与」等が加わった。 それぞれの状態での性能やAIの攻撃重視・防御重視がより明確になり、戦いのスタイルも一目で分かるようになっている。 HPが半分以下になったり、気分で発動したりする黒白モードチェンジ時にバリアが貼られるようになった。 新しいバリアは多段感知システムが搭載されていて、連続攻撃を受けたり垂れ流し等を受けると、バリア自体が硬くなって破壊が困難になるという曲者。 一度破壊すると再度展開された時にバリアの最大耐久力が下がるので、高密度の攻撃をしなければ以前のバリアよりも戦いやすくなった。 オプションも性能に関する調整項目が多く用意され、この項目の調整具合で狂中位~狂最上位まで使い分ける事が出来る。 ただし、新MUGENで動作しなくなったので注意。 以前と同じくランク、性能調整の腕の見せどころでもあるかもしれない。 rion氏による新規カットインも多数追加され、禍雨の超必殺やイメージを引き立てる役割を担っている。 現在はGxRvバージョン(狂上位~狂最上位版)とMftバージョン(凶上位~狂中位版)があり、 目的ランクにあわせてバージョンを変える事で幅広く戦える。 GxRvバージョンは黒による大技の威力や削り、高度な即死攻撃が売り、白ではステートを奪われない耐久性と削り攻撃を武器に戦う。 特に大技のDeepDeepDeepは即死技術も演出も狂ランクでは一級品である。 Mftバージョンは旧禍雨と同様にコンボを主体とした、低めのランクで戦う事を意識されたバージョン。 黒は攻撃性が高く、積極的に近寄っては投げやコンボを狙い、白は近接戦もできるが基本は遠距離攻撃を得意とする動きで戦う。 Ver MFT VS Ver GxRv + 混沌の理氏製作 キラキラ魔理沙 混沌の理氏製作 キラキラ魔理沙 ふるれ氏の魔理沙を改変したもの。星をコンセプトに製作された。 + 交差氏製作 マイム・ハイドロリック・ソーサレス 交差氏製作 マイム・ハイドロリック・ソーサレス 交差氏による水属性の魔理沙改変。本来の魔理沙の魔法の適性が五行でいう所の水属性であった事が改変の動機となっている。 悪町龍千氏の書いた設定によると、孤児であったが貴族に拾われ現在は当主になっているとの事で、原作の魔理沙とは逆の人生を歩んでいる模様。 また、交差氏のキャラの中では唯一直接的にガンドロイド・ルイスと関係を持っている。 水属性でありながら元の魔理沙改変キャラらしいパワフルな攻撃を繰り出しつつ、たまに小細工を弄していくキャラとなっている。 技の名称はほとんどがポケモンからとられており、 その中でも雷を落とす「あまごい」は、コンフィグで落とす場所をランダムか相手の場所をサーチするかを選ぶようになっている。 無論、氏のキャラ特有のペネトレイトや覚醒ゲージといった共通システムも完備。 後に更新で折笠愛女史のボイスも追加された。 AIはデフォルトで搭載されており、ランクは狂下位?~狂最上位との事。 参考動画 黄昏ドット以外 + プレート氏製作 ジョブチェンジ魔理沙 プレート氏製作 ジョブチェンジ魔理沙 突如、格闘の波動に目覚めた魔理沙と言う名の何か。弾幕を全て廃し、拳で相手に応える……そんな魔理沙(製作者談)。 スピードを生かして一気に近付き、多彩な投げや接近技で攻めるキャラ。 更にプレート氏製作のJCキャラがストライカーとして現れる。 なんだか超必に禊やらレイジングストームやら他人からパクりラーニングした技が多いのは流石盗賊魔理沙と言った所。 どこからでも永久を狙える凶キャラレベルの強さ。AIは性能をフル活用するわけではないため、総合的にはそこまでいかないが。 + 吠×2氏製作 D0霧雨魔理沙 吠×2氏製作 D0霧雨魔理沙 D0完全手描きオリジナルドットで製作された魔理沙。 システムは『CVS』風となっており、6ボタン仕様で緊急回避やガードキャンセル、ゲージ溜め等を搭載。 他に空中ダッシュ、ダウン回避、ジャンプ回避を持つ。 超必殺技は消費ゲージで演出・威力が変わるようになっている。 2012年5月23日の更新で必殺技4種 超必殺技2種が追加。 3ゲージ 空中前ダッシュ限定だがアリス パチュリーを召喚しての同時攻撃「メイガスナイトコンビネーション」も追加され、 攻めのバリエーションが格段に増えた。 切り札に瀕死時限定3ゲージ超必「ファイナル・マスタースパーク」もあり、総じて非常に出来がいい。 オリジナルのボイスパッチも別途公開されている。 声を担当するのは同人ゲーム「東方スカイアリーナ」でも魔理沙を演じている相沢ぴか氏。 「メイガスナイト~」で登場するアリスも相沢氏が、パチュリーは彩月ねね氏が担当している。 製作者の動画 誠治氏による外部AIも製作されている。 AnimugenZ氏がKOF XI風に改変したものが公開されている。 + RUsans氏製作 SZ姉貴 RUsans氏製作 SZ姉貴 「イタズラ心に火がつくな」 元ネタは東方ボイスドラマ『霊夢と魔理沙のチョコレート★ハート』にて魔理沙役を演じた声優、※すず。氏(通称SZ姉貴)。 + 補足 同作はクッキー☆を強くリスペクトしており、同じ企画者の他の作品が閲覧注意レベルなのと比べると視聴難易度が低く、 またネタの密度が高い脚本、演技力の高さや声質、随所の絵柄が登場人物によくマッチし、一定のクッキー☆ファンの評価を獲得している。 ちなみに同作の霊夢役のるりま氏はMUGENで言えば伊吹川氏の霊夢の声優オーディションに参加している。 また、流行った時期の関係でHSI姉貴が同作のキャラと一緒くたに扱われる事がある。 脚本での魔理沙のズレた行動や糸目の立ち絵からの連想でサイコパスキャラが確立され、 MUGENキャラに採用されたのはその流れの中で作られたチェーンソーで遊ぶBB素材。 そのため名義も「チェーンソーSZ姉貴」となっている。 前進と3種類の斬り技しか行えないが、それぞれが異なる一部の攻撃属性に対して無敵状態かつ一瞬で10割余裕な攻撃力を持つ。 試合中は強制的に背景が黒一色になり、闇に紛れて接近し、チェーンソーで血飛沫を大量に飛ばす様はシンプルながらホラー。 その上で喰らい抜けや長いコンボを感知すると発狂し、攻撃がちゃんと通るまで完全無敵状態が続くようになる。 戦わせるなら「怒らせた方が悪い」がまかり通るランクに限定されるだろう。 紹介動画 元ネタBB この他、虐待おじさんを制作したGustab_M氏による大人SZ姉貴も存在する。 普段よりも頭身が上がったBB素材を使用しており、徒手空拳で戦う。 完成版ではあるが、敵の投げ技で一部の必須スプライトを指定されるとkfmが表示されてしまう為、動画使用の際は相手を選ぶ。 他にもMegaMariや八頭身魔理沙、シューティング魔理沙などのキャラが存在する。 あとこんなのがいるらしいが、あれは魔理沙の皮をかぶった別人だっ。 ストーリー動画では霊夢や咲夜ほど主役やヒロインとしての起用は多くない。 場合によってはコイツの方が本人より目立ってたり。因みに某動画や某動画では共演している。 主役の動画ではよく似た誰かと何でも屋を営んだり、倉田佐祐理と運送業に励んだりしているようだ。 出場大会 + 一覧 + 原作再現及びタグ未分類 シングル もっと評価されるべきトーナメント 三つ編みトーナメント デスマッチ・トーナメント【ヨコハマ杯】 良キャラ発掘トーナメント 夢幻界統一トーナメント【実況】 凶キャラ最強グランプリ ゲージMAXシングルトーナメント【Finalゲジマユ】 ボスハルク級トーナメント 真の凶キャラ最強グランプリ 必殺技=必ず殺す技大会 東方シングル頂点杯 オールスターゲージ増々トーナメント 東方凶悪キャラ全☆員☆集☆合トナメ 不破師範主催 RandomSelect に身を任せる大会 ダン幕トーナメント EPO成長トーナメント【えぽ】 MUGEN祭 大盛りシングルトーナメント 集え!凶者ランセレバトル 大!凶者ランセレバトル 狂下位以上狂中位付近ランセレバトルおまけ大会 黒カラー限定ブラック杯 やっぱりAI(愛)だよね!狂下位シングルトーナメント ランセレクレイジーバトル MUGEN祭 並盛りシングルトーナメント この胸に 凶中位の闘魂ある限り 【シングルランセレ】 ビーム撃てれば魔法使い マジカル☆ランセレバトル 東方狂大祭 今度こそAI(愛)だよね!狂下位シングルトーナメント ランセレクレイジーバトル2 クソゲー確定!ぶっ壊れ性能爆発狂下位ランサバ 多分凶中位前後 本気を出せばお前らなんかランセレバトル 東西対抗東方狂大戦 ランセレに愛されろ!空気勢滅殺シングルバトル! 星取り地獄~輪廻杯~ 幻想郷サバイバルRe. 超平等!大体10割前後ワンチャン大会 凶以下東方only大会 【MUGEN大祭】特盛りシングルトーナメント タッグ 自分でもタッグトナメもっかい組んでみた トキ&アミバがトーナメントに参戦 デミトリによる珍しい男女タッグでリーグ戦 ゲージMAXタッグトーナメント【ゲジマユ2】 男女タッグ祭り2008 遊撃祭 ヨハン頑張る タッグトーナメント 幻想郷お祭りリーグトーナメント 忍者大好き!!幻想忍大戦!! 最終鬼畜全部世紀末タッグトーナメント 幻想浮遊島タッグバトル 第二回幻想郷お祭リーグトーナメント【タッグ】 こぁが選んだメンバーでタッグバトル タタリフェスティバルッ!! 仮面の可能性タッグトーナメント【アステカ杯】 第二回コミュ杯男女タッグチームリーグ戦 東方1/2 男女(?)タッグトーナメント 夏だよ!並・強・凶キャラ総当たり大会 作品別風タッグリーグ【原作再現】 東方夢幻童空杯 【クレイジークラスの】ランセレタッグバトロワ大会 ありえん(笑)狂キャラタッグ大会【ミズチ感謝祭】 忍者大好き!!SUPER幻想忍大戦!! 統劇!MUGEN オールスタータッグトーナメント2010 東方と男女タッグトーナメント【バランスは投げ捨てるもの】 DHA作品別全壊タッグトーナメント RPGツクールでタッグトーナメント 秋穣子主催高性能タッグトーナメント 戦いごとにルールが変わる!!高性能タッグ大会 ゲージ増々タッグトーナメント mugenオールスター?タッグファイト 第二回東方夢幻童空杯 新秋東方タッグ杯 第四回幻想郷お祭リーグトーナメント【タッグ】 【よしお前ら】第2期このメンツで戦ってもらった【ケンカしろ】 オールスター男女ペア大戦2011~MUGEN戦士は二度死ぬ~ 第三回東方夢幻童空杯 陣取り合戦TAG番外編トーナメント 第4回遊撃祭 凶前後ランセレタッグバトルロワイヤル 幻想郷お祭ランセレトーナメント 作品別主人公ボスタッグトーナメント パルスィ杯2 橋姫の復讐 第二回幻想郷お祭ランセレトーナメント【タッグ】 真お神杯凶下位~上位タッグバトル EFZ&東方 黄昏タッグトーナメント 第二回EFZ 東方 黄昏タッグトーナメント MUGEN祭 並盛りタッグトーナメント Ellaお嬢ちゃん基準ランダムタッグバトル 新生地獄の果てまで仲良し! 大お神杯凶上位付近タッグバトル 友情の属性タッグサバイバル ゲージMAX!!クレイジータッグランセレバトル 19XX年!作品別女性タッグトーナメント 多分普通だと思うMUGENタッグトーナメント ギース&ロック中心強前後タッグバトル 趣味に走った結果がこれだよ!トーナメント【タッグ】 チーム 第1回ニコニコチームトーナメント 第2回ニコニコチームトーナメント 特殊イントロで始まるトーナメント MUGENカテゴリトーナメント エロゲBGMでリーグ戦するよー 強キャラ 4on4 リーグトーナメント ストーリー動画対抗戦・無限交差 ドッペルゲンガートーナメント【俺がお前でお前が俺で】 大規模ネタチームトーナメント【大将以外全員かませ】 ネタかリアルか?作品別本気80%トーナメント サクッと終わらない作品別トーナメント 自重率0%世紀末チームトーナメント【全部チート級】 作品別凶キャラチームトーナメント~エイプリルフール杯~ 大将だらけのチームトーナメント【早苗さん杯】 俺の独断と偏見による自己満足トーナメント 【自分よければ】自己中成長(?)サバイバル【すべてよし】 出身作品別トーナメント【シシー杯】 有情率0%世紀末リーダーチームトーナメント【正義は勝つ】 陣取り合戦TAG 無縁塚トーナメント 第三回幻想郷お祭リーグトーナメント【チーム】 無茶?無謀?第5弾 『成長+大貧民』 作品別 わりと新しくできたキャラとAIトーナメント ほぼ作品別トーナメント【総勢128チーム】 捕食サバイバル【沙耶杯】 東方作品別トーナメント サイキョー作品別チームバトル【目指せ名勝負!】 強&凶ドリームチームトーナメント 陣取り合戦TAG番外編トーナメント 都道府県対抗!全国一トーナメント 風評被害杯 凶上位~狂中位ぐらいまでの35+α作品別チーム大会 新・MUGENコミュニティ杯タッグ選手権 作品別10人組お祭りトーナメント チームで挑め!アルカナサバイバル アタックVSディフェンス チームバトル その他 最弱女王決定戦 MUGEN聖杯戦争大会 第一回mugenハイスコア選手権 はい、X人組作って運動会 アンノーン主催第1回男女バトルロワイアル 作品別主人公連合vsボス連合対抗勝ち抜き戦 主人公連合vsボス連合対抗多人数チームトーナメント はい、○人組作って運動会 作品別味方殺しタッグチームバトル 第二回コミュニティ杯男女タッグチームリーグ戦【タッグ戦】 【新機軸】空気読めない奴は汚ねえ花火だぜリーグ【作品別】 主人公連合vsボス連合ランセレ勝ち抜き戦 作品別全部全画面判定トーナメント 秋のおっぱい祭り【貧乳VS豊乳】 大体ランセレ 博麗霊夢争奪戦 男女タッグでチームバトルロワイアル 主人公VSボス 特殊能力 LvUP成長ランセレ大会 全員集合ランセレパーティバトル 霊夢争奪戦第二幕 ストーリー動画対抗ッ!体育祭 スマブラっぽいルールで大会【ストック制】 第2回俺と俺の嫁が最強だトーナメント【嫁自慢トナメ】 紫もやし基準 ありえねぇ!ミズチ収穫祭【狂タッグ+a】 戦いごとにルールが変わる!!高性能タッグ大会 (うp主が)地獄リーグ 作品別B.C.2010 紙~論外クラス総勢1800人でランセレ大会 第3回作品別全部全画面判定トーナメント ランセレパーティバトル 霊夢強奪戦 狂下位前後 格ゲー界頂上決定戦 最終鬼畜作品別全部全画面判定トーナメント Mugen Hex Battle III 作品別総力戦大会するよー 逃走中サバイバル ‐幻想郷‐六大勢力対抗戦 第2回最終鬼畜作品別全部全画面判定トーナメント ニコニコRPGMUGEN杯 ランダムカラー シングル&タッグ戦 格ゲー~台パンありならチームでやればいい ポイント争奪戦 狂乱の宴【狂以下タッグサバイバル】 ほこ×たて杯 最強の男たちVS最強の女たち 特大合コン再び!! パラ×ハル杯裏 新生男性軍VS新生女性軍 無限大!ヒーローズランセレサバイバル ボスハルク&DIO前後ランセレバトル 史上最大級 MUGEN界 男性連合軍VS女性連合軍 凶の宴 シーズン2 凶中位前後ランセレバトル! たぶん永久vs即死トーナメント 第5回 4人タッグVSボス 大会 自爆しても狂・神大会 ROUND3 アークサハエル12p以上スローロリス君12p未満GBGB攻城戦記大会 第3回 凶vsオワタ式狂 チームランセレマッチ 自爆ウイルスの恐怖!ワクチン投与で世界を救え大会 真・最終章 MUGEN界 男性連合軍VS女性連合軍2 【凶悪MUGEN-神上位以上-】東方軍vs東方以外連合-チーム対抗戦- name四大勢力対抗狂上位~最上位大会 北斗四兄弟前後!!世紀末!!最狂チームトーナメント ファイナル最終鬼畜作品別全部全画面判定トーナメント 倒せるか!?恐怖のDB連合軍! 第二次東西対抗!仲間を集めてワンチャン大会 新キャラ大集合!狂下位クレイジーサーキットバトル 東方真本異争 Xevel vs Yeen vs Zagan 三つ巴チーム対抗戦 新章 希望vs絶望リスペクト大会【狂中位~狂最上位】 希望vs絶望 旧章12回リスペクト 隔離への挑戦大会 なんだ!このおんがくは!止めれるか戦慄のBGM軍! 旧章リスペクト 希望vs絶望大会 - その出会いは希望か絶望か - 七映 vs ステラ 仲間を集めて合戦バトル らんらん式で仲間を集めてチーム戦大会 削除済み 凶強混合チームトーナメント 自分でも~メンバー+αで連勝式タッググランプリ ガチンコ!タッグバトル大会 男vs女 良相性決定-男女ペアタッグ大会 凶狂だらけのチームトーナメント【紅魔郷杯】 気の向くままに男女タッグトーナメント【色モノ杯】 紅白対抗オールスター大会【年忘れ杯】 超弩級作品別Big Bangトーナメント Re 超弩級作品別Big Bangトーナメント ライダーと魔法少女と多分…普通の男女タッグ大会 更新停止中 凶キャラ最強タッグ決定トーナメント 超混沌タッグリーグ 第2回作品別Ultimateトーナメント 男女ペア頂上対決!バトルシティトーナメント 【超過激】MUGEN作品別トーナメント【超危険】 高性能作品別成長トーナメント クロス・イン・ワンダーランド~夢幻武闘劇~ クィーンオブファイターズ2009 他人任せ大会 150キャラ+俺総当りトーナメント 【戦力】国取り戦国MUGENバトル【補充】 ギリギリ格ゲー?チームトーナメント【本気エルクゥクラス】 タタリフェスティバルッ!!-II 狂下位前後ランセレバトロワ大会 年末年始だよ!ややランセレタッグバトルロイヤル 東方原作準拠チームでランセレチームバトル ザ・中道 MUGEN Persona Survival 第二回東方作品別トーナメント 【俺の屍を超えてゆけ】大会 凍結 東方オンリーチーム別勝ち抜け大会 シンクロナイズド・ストーリーズ 陣取り合戦TAG 東方キャラクター別対抗トーナメント 春なのにモテないからタッグトーナメント開く カオスでフィーバーなMUGEN男女TAG大会 【たぶんSMH未満】凶&狂キャラトーナメント Final 神鳴る門リーグ 第3回幻想郷サバイバル 神々が恋した最上位 非表示 ガールズタッグトーナメント GOHAN主催大規模オールスター男女タッグトーナメント 良AI発掘?最麗の「作者」決定戦 作品別 シャッフル・バトル・ロワイヤル! 題名の無い作品別トーナメント Explosion!! 主人公 ボス 無限 OF FIGHTERS クソゲーと無理ゲーが激突するシングルトーナメント 絆ランセレタッグロワイアル 皆ありえん(笑) ランセレタッグバトル! 題名の無い”究極”チーム別トーナメント 男女対抗 MUGEN式合コンパーティ! + 改変キャラ + GW魔理沙 【GW魔理沙】 東方凶悪キャラ全☆員☆集☆合トナメ 大乱闘!強以上際限無しトーナメント【強~神クラス】 東方only神キャラ10Pくらいトーナメント【神上~最上位】 Top Rankers トップランカァズ 論外未満 第四弾 希望vs絶望 無理ゲー!!挑戦大会 マシロ ミスト軍vs深淵蛟&CC蛟軍 第2回カルマさん10p未満 神中位前後シングル大会 GATTAIトーナメント 更新停止中 【オニワルド以上】ランセレ大会【鬼巫女零くらい】 大乱戦!!強以上極限0トーナメント【強~神クラス】 凍結 東方キャラクター別対抗トーナメント 製作者別3段階ランセレ大会 削除済み 東方キャラ カラー別ランセレバトル + S魔理沙 【S魔理沙】 シングル HIGE11P前後ミニランセル大会 HIGE11P前後ランセル大会おかわり 大惨事!HIGE11P前後ランセル大会 レアアクマ被害者の会 シングルランセレ大会 [レヴィアタン12P未満]狂・神境界線ランセレサバイバル レアアクマ被害者の会 第三回大会 狂下位以上狂中位付近ランセレバトルおまけ大会 竜子1st前後大会 HIGE10P前後ランセレ大会 東方狂大祭 たぶんレアアクマ前後シングルトーナメント 東西対抗東方狂大戦 世紀末やきう杯!高野レン主催狂下位ランセレバトル ジョーカー式9P前後狂最上位シングルランセレ大会 幻想郷サバイバルRe. 狂_100 タッグ 神ベガの逆襲!!狂キャラランダムタッグトーナメント チーム 狂?~神 チーム対抗戦 【リーグ戦】 最も狂ったスタイル決定トーナメント ○○でやらせねーよ!!トーナメント 【狂中位程度】狂vs神の低カラー チーム大会 その他 冬の狂祭り!最狂キャラ決定戦 狂以上神以下 希望軍団vs絶望軍団 無理ゲー?挑戦大会 論外未満 新時代 希望vs絶望 無理ゲー!挑戦大会 論外未満 第四弾 希望vs絶望 無理ゲー!!挑戦大会 MB紫Lunatic前後スキマ杯【狂】 レアアクマ被害者の会 第二回大会 禍たんくらい杯 真・単騎無双VS数の超暴力 大会 メジャー&マイナーごちゃまぜ狂キャラ大会 新章・希望vs絶望 無理ゲー挑戦大会 殺戮の祭 MUGEN de BINGO 新章 第三回 希望vs絶望 無理ゲー大会【狂・神下位】 金ラオウ前後狂中位級ランセレバトル バランス崩壊!弱者に虐殺・強者に罰を!大会 凶下位~凶最上位付近ランセレタッグ&チームバトル【門番杯】 第1回たぶん強以上ごちゃまぜトーナメント 凶&狂オールスターバトル 超乱闘世紀末ランセレ杯 旧章リスペクト 希望VS絶望大会 単騎無双VS数の暴力 FINAL WARS クソゲーVS核ゲー 無理ゲー大戦 禍雨心傘vsケシェト 仲間を集めて狂上位大会 希望vs絶望リスペクト大会 【絶望強襲編 狂中位~神下位?】 北斗四兄弟前後!!世紀末!!最狂チームトーナメント 金ラオウ前後狂中位級ランセレバトルFINAL EDITION きぼぜつクエスト -ぼくらの希望、まだ見ぬ絶望- 新章 第五回 希望vs絶望 final無理ゲー挑戦大会 旧章リスペクト 希望vs絶望大会 - その出会いは希望か絶望か - 更新停止中 大乱戦!!強以上極限0トーナメント【強~神クラス】 【たぶんSMH未満】凶 狂キャラトーナメント フェスティバル 凍結 東方キャラクター別対抗トーナメント 【たぶんSMH未満】凶&狂キャラトーナメント Final 裏【たぶんSMH未満】凶&狂キャラトーナメント Final 第3回幻想郷サバイバル 狂下位 ランセレコンビマッチ 削除済み よく分かる準神大会 幻想郷キャラコンセプトトーナメント 男女対抗 凶・狂キャラチームトーナメント 理解したら負けトーナメント【狂・準神】 無謀 狂前後キャラを666体集めたい大会 大実験 凶タッグ VS 狂上位 取り直し大会 紅白狂合戦 非表示 チーム対抗凶悪系サバイバル大会 + 非道魔女 【非道魔女】 アライメント対抗天地魔闘武闘会 地獄の果てまでもっと!仲良し! 第二回幻想郷お祭ランセレトーナメント【タッグ】 M.G.T. ○○でやらせねーよ!!トーナメント 男子禁制!女子会ランセレ! ビーム撃てれば魔法使い マジカル☆ランセレバトル name四大勢力対抗狂上位~最上位大会 凍結 東方キャラクター別対抗トーナメント 削除済み 東方キャラ カラー別ランセレバトル 大劇的!ポイントゲットトーナメント + 非道魔女V2 【非道魔女V2】 第二回 ワンチャンアレバカテルー大会 本気ナイト基準狂キャラ広ランクランセレ祭 エルクゥ未満ランセレバトル 東方狂大祭 幻想郷サバイバルRe. 【MUGEN大祭】特盛りシングルトーナメント 凍結 第3回幻想郷サバイバル + 美しい魔理沙 【美しい魔理沙】 マシロ ミスト軍vs深淵蛟&CC蛟軍 アライメント対抗天地魔闘武闘会 神以上論外未満? 矛vs盾チーム大会 カルマさん10p未満 神中位クラス前後シングルランセレ大会 神キャラ 頂上決戦 Legend of Heroes 神キャラ 頂上決戦2 Legend of Heroes 第2回カルマさん10p未満 神中位前後シングル大会 E長森5P前後チームトーナメント MUGEN凶悪 男神キャラ VS 女神キャラランセレ大会 旧章リスペクト 希望vs絶望大会 - その出会いは希望か絶望か - 更新停止中 新規凶悪キャラランセレバトル 凍結 東方キャラクター別対抗トーナメント オニワルド12P前後変則チーム大会 削除済み 最上位チャレンジ 神以上論外未満 矛VS盾チーム大会【リスペクト】 + 渦雨心傘 【禍雨心傘】 シングル 恋恋こいし4P前後シングルランセレ大会 たぶんレアアクマ前後シングルトーナメント 東西対抗東方狂大戦 世紀末やきう杯!高野レン主催狂下位ランセレバトル ジョーカー式9P前後狂最上位シングルランセレ大会 MUGEN ARMOR ONLY TOURNAMENT 狂下位級!叩け筐体ランセレトーナメント 神代彩9P前後狂上位シングルランセレバトル 絶望☆シングルトーナメント!! マーシャル前後R狂最上位シングル大会 タッグ 大お神杯凶上位付近タッグバトル 一キャラで二度美味しい同キャラタッグ狂中位トーナメント チーム トリオ・ザ・クラッシャーズ その他 飛竜vs半蔵 仲間を集めて狂中位大会【汚い忍者杯】 春閣下12P前後 狂下位ランセレ!台パンの向こう側へ! クソゲーVS核ゲー 無理ゲー大戦 禍雨心傘vsケシェト 仲間を集めて狂上位大会 Aカイン前後 狂上位ランセレチームバトル name四大勢力対抗狂上位~最上位大会 凶悪キャラオンリー!狂中位タッグサバイバル! 希望vs絶望リスペクト大会 【絶望強襲編 狂中位~神下位?】 希望連合VS絶望の紅魔 東西対抗!仲間を集めてワンチャン大会 第二次東西対抗!仲間を集めてワンチャン大会 RVSB 欲望の渦 金ラオウ前後狂中位級ランセレバトルFINAL EDITION Xevel vs Yeen vs Zagan 三つ巴チーム対抗戦 希望vs絶望 旧章12回リスペクト 隔離への挑戦大会 黒夢 vs 白幻 仲間を集めて合戦バトル 新章 第五回 希望vs絶望 final無理ゲー挑戦大会 旧章リスペクト 希望vs絶望大会 - その出会いは希望か絶望か - 更新停止中 叩き壊せ!!台パン壊杯 狂下位上限前後 凍結 神鳴る門リーグ 新説 -狂門番杯- 狂下位 ランセレコンビマッチ 平成vs令和 生き残りを賭けた合戦大会 + 黄昏ドット以外 + ジョブチェンジ魔理沙 【ジョブチェンジ魔理沙】 第二回幻想郷お祭リーグトーナメント【タッグ】 ころしてでも うばいとる ばとる 東方無限タッグ杯-アレンジ・オリジナル- 有名ペアっぽい何かでタッグトーナメント オールスターゲージ増々トーナメント 強肉弱食 味方殺しランダムタッグバトル 全員集合ランセレパーティバトル 霊夢争奪戦第二幕 統劇!MUGEN オールスタータッグトーナメント2010 東方凶悪キャラ全☆員☆集☆合トナメ 大乱闘!強以上際限無しトーナメント【強~神クラス】 ゲージ増々タッグトーナメント mugenオールスター?タッグファイト 第二回東方夢幻童空杯 新秋東方タッグ杯 MUGEN祭 大盛りシングルトーナメント 幻想郷お祭ランセレトーナメント 地獄の果てまで仲良し! クッキー☆杯タッグトーナメント 手書きキャラonlyトーナメント 第二回幻想郷お祭ランセレトーナメント【タッグ】 打倒剣帝!無差別級大会 運命に惹かれた者に捧げる!高性能タッグ大会【ステラ杯】(おまけ) 更新停止中 適当に共通項男女タッグトーナメント 150キャラ+俺総当りトーナメント 強~凶最上位付近「男VS女」対抗バトル! 凍結 東方オンリーチーム別勝ち抜け大会 東方キャラクター別対抗トーナメント 削除済み 東方高頭身トーナメント 普通・世紀末入り乱れタッグトーナメント【成長付き】 強キャラ ランセレサバイバル2nd 非表示 MUGEN厨の為のドッペルゲンガートーナメント + D0霧雨魔理沙 【D0霧雨魔理沙】 シングル オリジナル 非公式 HCサバイバル たまに見るならこんな並キャラ大会 【MUGEN大祭】特盛りシングルトーナメント タッグ 幻想郷お祭ランセレトーナメント 9条流!全部全画面攻撃ランセレタッグトーナメント! 主人公だらけのランセレタッグバトロワ大会【プリキュア杯】 ナイアと桜がタッグを結成! リリー「春ですよー!タッグですよー!」 ぶちクロスランセレサバイバルinタッグ ライダーor魔法少女と一緒の男女タッグ大会R 見せてやるよ!黄金の鉄の塊って奴を! 友情の属性タッグトーナメント2 古参VS新鋭 新旧交代式TAG FIGHT taruの選抜タッグ大会 2012年公開キャラ&AIでタッグチーム大会 第二回幻想郷お祭ランセレトーナメント【タッグ】 オラにゲージを分けてくれ!小規模タッグリーグ オラにゲージを分けてくれ!小規模タッグリーグZ 大お神杯凶上位付近タッグバトル 喧嘩上等! 強~凶下位付近タッグバトル 叩き込め追撃!春の交代制ランセレパーティー TAG TEAM WARS 巡り会う運命よ再び!高性能タッグ大会【ステラ杯2】(おまけ) チーム 作品別トーナメントRe 七人の闘士 都道府県対抗!全国一トーナメント [最近杯] 強キャラ チーム対抗 ポイントサバイバル 新春テーマ別チームバトル2014 成長タワートーナメント・プチ! シロップ対抗かき氷バトル 男子禁制!女子会ランセレ! RPGしようぜ!お前手駒な!大会 部活動対抗 熱血青春サバイバル ポキーモントーナメント2 その他 運命のサーヴァントクラスバトル タッグで挑め!魔界サバイバルレース チームで駆け抜けろ!魔界サバイバルレース Persona4 MUGEN-BATTLE 手書きキャラonlyトーナメント 版権VSオリジナル 交代制作品別トーナメント 戦国ランス 東西対抗戦 四神陣取り・第二幕 新世紀!交代式BOSS FIGHT 強ランクタッグ タイムアタック大会 幕末浪漫サバイバル 【月華杯】 2on1 クレイジーハント 更新停止中 逃走中サバイバル LastMission 新春!春の交代式TAG TEAM FESTIVAL!! 凍結 東方キャラクター別対抗トーナメント 男女タッグでチームバトルロワイアル Zwei! Big Bang Age ポイント争奪!MUGEN学園バトル 削除済み ヴァーンさん下限、魔法少女たちのランセレ大会 チームのために!ランセレシングル大会 出演ストーリー + 一覧 Infinite Drift ~荒野を渡る疾風 MUGEN STORIES INFINITY MUGEN X Fighters MUGEN ショートストーリー Nの日常(顔グラに注意) Reverse Night(稀に主人公状態) ~Restaurant Dolls~(一部原作準拠) Tea Party of Witches Timekeepers アリスさん姉妹(ガチレズ) └アリスさん姉妹・R(〃) ヴァニラと奇妙な世界 がくえんアリス(ジョブチェンジ魔理沙、不良、魔理沙・K・ハワード) 影気ままなストーリー 風と星の夜話 仮面ライダーMIOMEGA(ただしMegaMari。また、後にジョブチェンジ魔理沙も。) がんばレイセン! └がんばレイセン!R2 岸辺ヨハンは派手じゃない(ジョブチェンジ魔理沙) 霧雨魔法店(主役) クロスハート(東方勇輝翔~緑川ユウキの幻想入り~) 月下の幻想曲 謙虚でないと! 幻想郷戦隊ハクレンジャイ サイキョー流珍道中 崎さんと霊夢の便利屋爆走記(ヒロイン?の親友) └魔理沙の宅配便(主人公、崎さんと霊夢の便利屋爆走記のスピンオフストーリー) └ザキレイネ(便利屋爆走記の続編) 早苗さんとけーくん(常識人、姉は旧作のうふ魔理沙) 志貴と無限市物語(主人公の義妹) ジョインジョイン紅魔郷(主人公の一人、うp主操作) ジョブチェンジ!(主人公・ジョブチェンジ魔理沙) ジョンス・リーの受難 すごい漢シリーズ ストーリー動画対抗戦・無限交差(Nの日常枠、顔グラ注意) それがおそらく 僕らの日常 血が嫌いな吸血鬼(図書委員) ディオ・ブランドーは落ち着けない とある吸血鬼の東方見聞録 道具屋の異世界日誌 東北紅魔卿EX(魔法使い) 東方一年戦争 東方妖夢伝 特別課外活動部事件簿 七夜と痛快すぎる仲間達~ユニオン名は七夜フレンズ~(ヒロイン・・・?) ななやものがたり(主人公の姉) ヒナナイの剣(番外編) 楓流メイフィールド(既婚者) 不破師範は今日も逝く(途中で合成屋を開店) 北斗六兄妹 ホル・ホースの銃喫茶 魔王の策略(手動による音声付) 舞織の日々 魔法少女リリカルあきは 無限カオス戦記(笑)(ある意味準レギュラー) 夢幻暁光奇譚 無限の境界線(ヒロイン、ジョブチェンジ魔理沙) 無限の果てに。(主演) 無限旅行 名探偵ぱちぇ子(ちっこい南斗聖拳) 妄想式家族計画 厄神さまのおしごと(D0霧雨魔理沙) ユウ☆キ☆オウ ラディッツがMUGENで幻想入り ロック・魔理沙のキノコに釣られておいでませ夢幻想郷(準主役) ロックマンゼロが幻想郷の住人と戦うシリーズ 香霖堂夜想曲 *1 魔理沙の年齢は公式で明言されている訳ではないが作中の出来事からある程度推測する事ができ、 『緋想天』時点では多く見積もった場合は24歳、少なく見積もった場合は15歳と推測できる。 関連項目 東方Projectのキャラクター一覧 マスタースパーク ゆっくりしていってね!!! MegaMari 八頭身魔理沙 シューティング魔理沙 魔理沙(うろブラ)