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常に頭を悩ませる諸問題のせいで深く皺が刻まれた顔。 長い年月に頑なになった目に赤い光が映っていた。 非常灯だけが点灯する廊下に幽鬼のように現れたマスクド・ライダー… 最も早くその怪人の存在に気付き、取り上げた雑誌の記者がつけた呼び名で少しずつ民衆の間で親しまれるようになった怪人の足元に、また犯罪者が転がされていた。 帰宅間際、人気の失せた地上本部で日課の筋肉トレーニングを済ませたレジアスの口元に微かに笑みが浮かんだ。 日が没しても中々下がらない暑さのせいで額に浮かぶ汗をハンカチで拭き、レジアスは怪人に言う。 「良くやった。後のことはワシに任せてもらおう」 凶悪な犯罪者を逮捕できたことを素直に喜びながら、怪人の甲冑の如き皮膚下にある無駄のない肉付きやちょっとした動きを冷静に観察する。 怪人は何も言わずに佇んでいる。仮面に遮られ、怪人が何を思っているのかを窺い知ることは何人にも出来ぬように思われた。 薄く笑みを浮かべたレジアスがゆっくりと歩み寄り、二人の距離は狭まっていく。 地上本部の数多くの実権を握り、多大な影響力を行使できる事実上の地上本部総司令であるレジアスと怪人との関係は突然生まれた。 今日と同じく、怪人は突然現れ自分で捕らえた犯罪者をレジアスに引き渡して去っていった。 何故かと引き渡された犯罪者を牢にぶち込みながらレジアスは頭を捻った。 今のように犯罪者を引き渡してくるのだが、その理由は皆目検討が付かない。 その上素性もわからない。 目的も。名前もだ。どんな音楽を聞くのか。筋肉についてどう考えるかも知らない。 昆虫を模した姿は恐ろしく、怪人が犯罪者を捕らえた場所は壊滅させられていることを考えれば、レジアスが体一つで対面するのは危険な存在だ。 相手のことは全くわからず、今もこうして地上本部の警備を潜り抜けて姿を現した。 入局以来30年近くに渡って盟友と一位を争い続けたナチュラルビルダーだったが、最近は贅肉がついてしまった上に魔力を全く持たないレジアスなど瞬きをする間に殺してしまえるのだ。 警戒して当然の存在だった。 だが、レジアスはこの怪人に対していつのまにか好意を持つようになっていた。 地上本部の戦力増強の為にレジアスが裏では犯罪者に兵器開発を依頼しているからではない。 何度目だったか、怪人が犯罪者を連れてきた夜…その日に限ってゆっくりと去ろうとする怪人のしぐさに、何の感情も見せない飛蝗の仮面が切なげに見えた。 冷静に考えればそれは恐らく偶然合わさった角度や、灯りの加減のせいであろうとは思うのだが、レジアスの中にあった怪人に対する疑念は不思議と消え去っていた。 普段のレジアスを知る者達が聞けば耳を疑うような話。 レジアス自身でさえそれには同意するのだが、腹には一物もない。 己の過失から失ってしまった部下であり友人だった男に向けていた感情に似た気持ちが沸いていた。 「だがマスクド・ライダー。貴様のやっていることは犯罪だ」 レジアスは鼻息荒く言い放つ。 例え怪人に襲われるのが犯罪者だけだったとしても、好感を持っていようとも地上本部は怪人を捨て置くわけにはいかなかった。 「地上の治安を守るのは、ワシら管理局の責務だ。貴様のようなならず者の仕事ではないわ!」 怪人がやっていることは法に照らし合わせれば犯罪となる部分が多数存在する。 その上、犯罪者達は、この怪人を警戒して有能な魔導師や武器を集めていくことだろう。 もしその影響で犯罪者達が武力を増したとしたら、地上本部の戦力で対抗できるのかは甚だ疑問だ。 レジアスは手を打つであろうし、何より今建設中の「アインヘリアル」と呼ばれる地上防衛兵器があればどうとでもなるかもしれない。 しかし怪人の力に更に頼るしかなくなるやもしれない… 怪人が心変わりをして犯罪を起こさないことを祈り、いや…この怪人はいい奴だから心変わりして犯罪者となるはずがない、などと楽観的な考えを持つわけにはいかないのだ。 怪人は何も答えなかった。 視線を避けるようにレジアスよりも遥かに上にある顔を伏せて犯罪者を置き去りに背中を向けようとする。 「マスクド・ライダー…! ワシの部下になれ」 怪人は足を止めた。触覚を揺らしながら肩越しに振り返り、レジアスに爛々と光る複眼を向ける。 「犯罪者が司法取引を行った後管理局で働いている例は少なくない。そうして自らの派閥を強めるというのもよくある話だ」 返答はないがレジアスはそれを気にする風もなく、拳を握りしめてより自信に満ちた力強い口調で語りかけた。 「ミッドチルダ地上の平和を守るには、陸には…! お前の力が必要なのだ。破格の待遇で地上本部に迎え入れると約束する」 予め用意しておいたカードを出しながらレジアスは言った。 カードの使用場所から怪人の生活圏を割り出す目的で用意されたそのカードには、これまで怪人が捕まえた犯罪者達に見合う報酬が振り込まれている。 金額には一切嘘はない、むしろレジアスの要望で色が付けられている。 目的は目的として、レジアスにしてみれば怪人が受け取るべき正当な報酬だったからだ。 「…断る。俺は管理局が信用できない」 怪人は受け取ろうともせずに乾いた金属質の声で返事をした。傷ついたような表情を一瞬だけ見せてレジアスは尚も熱心に言い募った。 地上本部から魔導師・人材の引き抜きが日常茶飯事に行われ、地上の戦力が揃わない現状を強く訴えた。 「確かに管理局にも黒い噂は事欠かん…ワシ自身の手も汚れておらんとは言わぬ。だが、」 「すまない。言いたいことはわかるが、それでもまだ俺は…」 首を振り、口を濁す怪人は何かに迷っているようにも見える。 静まっていく彼らの間に、レジアスが強く噛み締めた歯がギシリ、と鳴る音がやけに大きく響いた。 「断れば…ワシはいずれ貴様を指名手配する。しなければならん! そう言ってもか!」 「わかっている。それでもだ」 レジアスは険しい表情の中に、苦いものを含ませた。 微かな変化に気付いたのか怪人はそそくさとレジアスの前から立ち去っていく。 「強情な奴め。そこを、曲げてはくれんのか………」 背を向けた怪人にレジアスは苦みきった声でそう言った。 今の状態。怪人が自由意思で犯罪者を捕らえている状態ならば、本局から引き抜かれる心配はない。 盟友であったゼスト・グランガイツとその部下達のような有能かつ本局からの誘惑に耐え切れる者などそうはいないのだ。 そういう意味では、怪人に断られたことは許せないことではないという気持ちも沸いているが、そう考える以上に…レジアスにとっては残念だった。鍛え抜かれた大胸筋が咽び泣いている。 * レジアスに勧誘されても光太郎はそんなことがあったなどとは全く感じられない、至って普段どおりの生活を営もうとしていた。 少なくとも同居しているウーノの目にはそう映っていた。 ドレスシャツと夏向けの薄い生地のジーンズを着たウーノの姿に少し困ったような顔をし、外出の用意をする光太郎の姿を見ていたウーノは初夏を迎え、眩しすぎる程の日差しに目を細めながら外へ出る。 困り顔をしているのはスカリエッティの所にいた頃に作ったウーノの体にフィットするドレスシャツに気付いたのかとも思われたが、視線の先を見るにどうも違うらしい。 どうやら光太郎は屈みこむとお尻や種類によっては下着が見えてしまうローライズのジーンズがお気に召さないようだった。 暑い日差しに目を細める彼女に続き、光太郎も家から出てくる。 ウーノの服装を見る光太郎の視線と同じように、ウーノも光太郎の服装を見てもの言いた気な眼差しを向けた。 光太郎もウーノと同じ色のジーンズを履いている。こちらにはオレンジ色の糸を使ったステッチが入っていた。 スタイル等が良く丈も合っており良く似合っているが、何故わざわざそんな安物を着たがるのかウーノには理解しづらかった。 低家賃のアパートに住んでいるとは思えない安くない生地と職人の技術で作られたスーツを何着も持っていたのだが、光太郎のたっての願いで何着かは売却してわざわざ購入したという経緯も心象を悪くしていた。 歩き出した二人は今日の予定やレジアスの勧誘があったという大きなニュースに紛れて話そびれた他愛ない出来事を報告しあいながら細い道から、多少大きな道路に面した道へと出た。 二人はそこで別れ、ウーノは一人街の中央へと向かっていった。 同居人が暑さに少し参っているのに気付いた光太郎の申し出もあって、彼女は今日一日は休むことになっていた。 働く人々を尻目に一日暇になったウーノは一軒のカフェへと立ち寄った。 古い建物を改修した店内に客は少なく天井近くの壁に付けられたテレビに流れるニュース番組で凶悪な事件を読み上げる声だけが響いていた。 奥のテーブルに着いた女性がウーノに手を振る。 それに気付き、微かに相好を崩したウーノが手を振った女と可愛らしいワンピースを着た少女のいるテーブルに寄っていく。 ウーノは店員に熱いコーヒーとミルクが半々のカフェ・オ・レを、砂糖大目で注文すると、普段のボディスーツの変わりに可愛らしい服を着てきた妹を褒めた。 負傷した片目を無骨な眼帯で覆った妹は今はウーノの代わりにスカリエッティの世話の大半をしているはずだった。 「ウーノと比べられて困っているよ」 久しぶりに再会した妹、チンクは彼女らしからぬ微かな疲れを見せてそう零した。 聞く所によるとウーノが突然いなくなり仕舞っていた必要な道具や研究材料、未整理のデータから調味料の位置までわからなくなり大変らしい。 その上料理の味が違ったりスカリエッティの言外の要望まで汲み取れずにしかめっ面をされることもよくあると語り、沈痛な表情でケーキを口に運ぶチンクに二人は苦笑いをした。 そこへ店員が注文したカフェ・オ・レを運んでくる。 置かれた持ち手のないカップを手に取りウーノが口をつける間に、入店した際に手を振った女性がうなだれるチンクにしみじみとした口調で同情して見せた。 姿形は二人と全く似ていないが彼女も二人の姉妹でスカリエッティのことはよく知っていた。 ウーノ、トーレに並んで古い稼動暦を持ち彼女は固有技能「偽りの仮面」と名づけられた変身能力で潜入諜報活動をしている彼女はその任務上気苦労を強いられているのかいやに説得力のある優しい声だった。 一しきりチンクを慰めた彼女は、今度はウーノに目を向けた。 「ドゥーエ、気持ちは嬉しいけど私に慰めは必要ないわ」 「フフ、旦那が仕事をしなくて困ってるんじゃなかったかしら」 彼女が教育を担当しクアットロにも引き継がせたスカリエッティそっくりの軽薄な笑みを浮かべるドゥーエ。 先日までは同じ笑みを浮かべることも多かったはずだが苛立った声でウーノは返事を返した。 「ドクターの邪魔になりそうな相手は片付けてくれるし、私の分で暮らしていくには十分よ」 「ウーノ、それってなんだか駄目亭主に聞こえるんだけど…ドクターに利用されてるとも知らないで」 「分かっているから性質が悪いわ」 微かに沈んだ声を出すウーノをドゥーエは興味深そうに見る。 研究所にいた頃は世話役だったチンクも気遣わしげな視線を姉に向けている。 今のウーノと光太郎の状況はほぼ完全にスカリエッティの耳に届いている。 そのため他の姉妹と一緒にウーノがいなくなってできた穴を埋めているチンクも凡その事情は掴んでいた。 気を取り直すようにウーノはまたカップに口をつけた。 「それと、彼は夫じゃないわ」 「え? 嘘でしょ」 ドゥーエは酷く驚いたように目を見開いた。 その反応にウーノは気分を害して自然とカップを持つ手に力が篭っていった。 ドゥーエは機嫌を損ねたことが分かってもなお信じられないといった風にチンクの顔とウーノの顔を交互に見つめる。 「そのコウタローってゲイ? 健全な男性って聞いてたからてっきり妹達にはとても言えないような…」 「ドゥーエ! い、幾らなんでも二人に失礼だぞ!」 若干顔を赤くしたチンクがテーブルを叩く。 そうしてやっとウーノの言葉を信じたのか、困ったように眉を寄せて腰掛けた椅子を軋ませながら、背もたれに倒れこんだ。 「ん………」 微かに吐息を零して頬を片手で撫でるドゥーエは、スカリエッティそっくりの笑みを浮かべるとウーノに軽く流し目を送った。 「困ったわね。ドクターは期待してるみたいだったけど」 「ドクターが?」 「貴方とコウタローが信頼関係を築けるのか。そっちの機能はどうなのか。子供が出来るのか。どんな子供が生まれるのか」 クククでもフフフでも構わないが、満面の笑みを浮かべたスカリエッティがそう言っている姿を幻視したウーノとチンクの表情が引きつった。 全身改造を受けた改造人間である光太郎がそんな機能まで備えているかどうか。 人間の姿、RX、ロボライダー…彼女らの想像を超える変身を遂げる光太郎をどちらと断言することは彼女らには出来なかった。 ナンバーズにそんな機能まで備わっているということ自体初耳ということもあったが…何よりスカリエッティならば、その為に自分達が知らぬ間に何らかの改造を行っていても何らおかしくはなかった。 スカリエッティの計画の中には、スカリエッティが万が一捕らえられた場合の措置として極小サイズのカプセルに収められたスカリエッティのクローンとなる「種」を簡易な外科的処置で埋め込む事も含まれている。 これによりある技術を応用して体内に仕込まれているスカリエッティのクローンが約一ヶ月で記憶を受け継ぎ新たなスカリエッティとして産まれてくる。 遠い昔、旧暦時代の権力者の間では常識とされた準備だが、期間的にそれは全く別の手段だと考えていた。 これについてはスカリエッティや危機に陥る度に『不思議なことが起きる』光太郎自身も本当の所は分からないのかもしれない。 スカリエッティがどんな結果が出るにせよそれを実験する為のリスクを負う決定をしたのは間違いないようだが。 「ドゥーエ、私はそんな話初耳だぞ」 「? クアットロから聞いた話ですもの。ほら、彼の基本的な能力も計りきれてなかったでしょう? だからその辺りは全く分かってないんですって」 厳しい表情で言うチンクに、何を怒っているのか分からないとでも言うようにドゥーエは笑ったまま返事をした。 ウーノは目を細めて何も言わなかった。 他の誰かがクアットロから…と言ったなら信憑性は薄まるが、クアットロは教育役を務めたドゥーエを半ば心酔している。 ドゥーエの口から出たクアットロから…という言葉はほぼ確実と言ってもよかった。 「貴方が無理なら私でもいいけれど…もう切欠は作ってあるし」 「……というと?」 掠れた声で尋ねるウーノにドゥーエは悪戯を成功させた子供のように得意げに言う。 「マスクド・ライダーって何度か強姦魔から女性を助けてるんだけど、フフ。その一人が私だし…彼のバイト先のお得意様でもあるわ。首にしないよう彼に分かるように手を回してあげたしね」 とても感謝されたわよと言うドゥーエをウーノとチンクは敵に向けるような目を向ける。 でも、とドゥーエは二人の視線など気にせずにどこか芝居がかった、媚るような動きで自分を抱きしめた。 「余り興奮させると砕かれてしまいそうだし、もっと肉体増強された妹達に任せた方がいいかしら。二人はどう思う?」 彼女の肉体増強レベルは姉妹の中ではそう高い方ではなかった。 常人よりは遥かに強靭だったが、トーレや今後増えていく姉妹達に比べれば劣っている。 何時変身するとも分からない光太郎の相手をするにはリスクが高すぎるとドゥーエは考えていた。 「駄目に決まってるでしょう。仮にうまくいっても、貴方の体にどんな影響があるかわかったものじゃないわ」 ウーノとしては光太郎の耳に入っていないことを祈るばかりだ。 この話を聞いて激怒する光太郎の顔を思い浮かべウーノはげんなりした。 不愉快気にそう言われ、ドゥーエは居住いを正して二人に別の話題を振る。 それぞれに不満を零したり興味のある話題について話し合った彼女らが分かれたのはそれから数時間後のことだった。 * ナンバーズ達の間で交わされる会話に一時自分が上がった事など知る由もない光太郎はバイトを早々に終えて廃棄都市区画をアクロバッターに駆って移動していた。 相変わらず決まった仕事がなく、真っ当な人々より犯罪者の方が言葉を交わした人数が多くなった光太郎は時折複数ある廃棄都市の様子を少しでも感じ取ろうとしていた。 首都とその近郊にある7つの廃棄都市はどれも酷い有様だが、それでも少なからず人の気配があることを光太郎の超感覚は察知していた。 わざと大きな音を立てて走らせアクロバッターが撒き散らす騒音に怯える犯罪者達も現れだしていた。 強盗するために入った店から慌てて出て行く強盗犯。 金品を巻き上げようとしていた手から杖を落として逃げ出す魔導師。 怪しげな取引現場で息を潜め、過ぎ去ったと思った瞬間に降り注ぐ瓦礫の飛礫に大怪我を負って仲間か管理局の救援を待つ悪党共。 都市の状況はどこもさほど違いはなかった。違うのは廃棄都市に限っては、一見静かな地区ほど内に秘めた闇は危険だということだ。 平穏に見える区画は耳を澄ますと悲鳴が聞こえてくる時があった。 その日もまた、RXへと変身した光太郎は不意にアクロバッターを停止させた。 誰かが呼ぶ声がした。 空気を振るわせた音ではない。 進化を続ける肉体の新しい力に光太郎は気付こうとしていた。 生命の気配を感じ、聞こえないはずの叫びに気付こうとしていた。 爛々と赤い光を宿す二つの複眼を。 その間にある第三の目とも言うべきセンサーを。 RXは廃ビルや崩れた建材が転がる道へと向ける。 始めは気のせいだと思っていた。 だが先日、スカリエッティの所にいたウーノ達のような少女らが生み出されようとしているのに光太郎は気付き…不完全な命を消し去っていた。 それを思い出して、不必要に強く握り締めた黒い拳が地面へと振り下ろされた。 RXパンチが廃棄都市に微かな振動を起こす。 舗装された道路や地下道をぶち抜き、光太郎は地下に築かれた空間へと降りていった。 一見真っ黒なブーツにも見える極小の鉤爪を備えた足先が研究施設の床を音もなく踏みしめる。 瓦礫を床にばら撒き、施設に損傷を与えながら現れた怪人に驚き、白衣を着た男達が様々な反応を見せている。 白衣を着た者達の奥に光太郎は巨大なガラスケースが複数確認できた。そこに浮かぶ小さな女児も、見つけた。 恐らくは一歳前後の赤子の瞼が薄く開く。 左右で目の色が違う女児が意志の見えない目でRXを見た。 光太郎が聞いた声はその子や周りに並ぶケースから聞こえていた。 夜闇のような男達も、研究施設も一切合財を飲み込んでしまいそうな黒に染まる怪人が握りしめた拳が音を立てる。 複眼に写る彼らの引きつった表情。冷静に助けを、警備員を呼ぶ姿やそれに安堵して研究を再開しようとする姿。 誰かの意思によって非合法な研究を行う為に作られた施設。ケースの中に浮かぶ女児や、失敗作と見なされた者達。 女児の隣のケースに浮かぶ見覚えのある宝石。ロストロギア『レリック』…全てが昆虫の物を模した真っ赤な複眼に映っていた。 映りこんだそれらが、四肢を動かす熱量を生み出す燃料として蓄えられ(記憶され)ていく。 静かに光太郎は告げた。 「例え貴様等が誰かを救うために研究を行っていたとしても、その子達を苦しめる貴様等を俺は許さん…!」 散発的な魔法や防衛施設が動き出していた。 背中に魔法の砲撃が当たっているが、光太郎は歯牙にもかけなかった。 以前より更に進化していた体の表面を魔法が流れていく。水滴が弾かれるようにRXの体表に弾かれた魔法が施設を傷つけ、流れた光の一滴が研究者を巻き添えにする。 一瞬毎に恐慌に陥っていく彼らを光太郎は一人残らず制圧していった。 「生きられるのは、この子だけなのか…」 科学者達、警備員を悉く倒し、飛蝗怪人の姿をトラウマとして残しながら意識を刈り取られた彼らを入ってきた穴から放り出した光太郎はロボライダーへと姿を変えて呟いた。 ロボライダーのハイパーリンクを用いて研究内容を吸収した光太郎は女児をケースから出し、レリックとを抱える。 初めて水槽から出され、自分を見つめる女児を抱き上げた光太郎も自分が開けた穴から出ようと上を見上げる。 大穴から降り注ぐ日の光がスポットライトのように光太郎を照らし黒光る怪人の姿に、女児は瞬きをした。 光太郎はそれに気付いて微かに笑う。だがその脳裏に、突如稲妻が走った。 一度そのレリックの爆発に巻き込まれた光太郎はレリックについてウーノに尋ねていた。 レリックは高エネルギーを帯びる『超高エネルギー結晶体』でその為外部から大きな魔力を受けると爆発する恐れがあると… 『超高エネルギー結晶体』…自分の腹部に埋め込まれたキングストーンが思い浮かんだ。 手に掴んだ『レリック』、詳しくは残されていなかったが何かの計画の為にレリックに合わせて生み出された子供… 「信彦…」 愚かな考えだと光太郎は頭を振った。 重ねてしまうのは信彦を犠牲にしたことに負い目を持つ自分の悪い癖なのだと。 ボルテックシューターを二、三度放ち、RXの姿へと戻った光太郎は高く跳んだ。 ロボライダーからRXに姿が戻っていくのを少女は不思議そうに見ていた。もう助からない不完全な生命を飲み込み、施設が破壊されていく。 光太郎の呟きが聞こえたのか、赤子が小さく声をあげた。 「俺は仮面ライダーBlackRX…安心してくれ」 「…?」 言葉が通じないことは分かっていたが、上昇が止まり一瞬だけ浮遊感に包まれながら光太郎は女児を見つめて言った。 「俺は味方だ」 いや…信彦の、自分の為に光太郎は何も分からない赤子に向かってそう言わずにはおれなかった。 自分で開けた穴から飛び出した光太郎は放り出した男達の白衣を奪い取り女児を包んだ。 本当ならもっとちゃんとした、柔らかい布で包んでやりたかったがそんな用意はない。出来れば早くちゃんとした施設に連れて行ってやりたいと思った。 そして意識を失い死屍累々と転がる科学者達の向こう側に眼を向け、庇うように、体をずらす。 「セインか。今度は何の用だ?」 「む。またばれちゃいました?」 光太郎に指摘され五メートルほど離れた地面から、戦闘機人の少女が顔を出す。 どこから嗅ぎ付けているのか、光太郎の動きは未だにスカリエッティに筒抜けであるらしい。 それが光太郎を少し苛立たせる。 水色の髪をセミロングにした戦闘機人の少女は愛想笑いを浮かべながら転がる科学者達に同情するような視線を向けた。 死んでるわけではないが、彼らの体験を思うと同情せずにはいられなかった。 「何の用だ?」 「ドクターのお使いです。光太郎さん、その子私達に預けてもらえません?」 セインは、光太郎が抱える少女をチラッと見る。 「その子の面倒私らならちゃんと見れますからね。私達と同じようなもんですから」 「…君達はいいところもあるな」 光太郎は抱えた子供とレリックを見る。 「普通ですよ。で、返事を聞かせて貰えます?」 光太郎から言われたのが意外だったのか、少し照れたように言うセインには任せても大丈夫かもしれない。 だが、スカリエッティがこの赤子をまっとうに育てるとは全く思えなかった。 「断る。お前達こそ抜け出さないか?」 「せめて自分の身分証くらい持ってから言わないと説得力ないですよ?」 軽く苦笑して言うセインは指摘を受けて乾いた笑い声をあげる光太郎から視線を逸らし、まだ気絶している白衣の男達を見てげんなりした顔で視線を戻した。 「あれでも私達にとっては創造主ですし、姉妹達のこともあります。軽々しく裏切れないですよ」 「そんなつもりじゃないんだが。すまない…!?」 光太郎は何かに気づいて顔をあげた。 きょとんとするセインに低い声で言う。 「セイン、今日はもう引くんだ。誰かこっちに飛んでくる。今まで会った魔導師では一番早い」 どう受け取ったかはわからないが、セインは地面に沈んでいく。 セインの身を案じての発言ではなかった。 既に地上本部の長であるレジアスに犯罪者として追うと告げられている自分だ。 抱えている赤子のことを考えれば、話をこじらせる可能性のあるセインは邪魔だった。 光太郎はセインが去ったことを確認しようともせず、接近してくる金色の頭を見上げていた。 腕の中の赤子よりはずっと年上だが、まだ若い。 いいとこ高校生か中学生位の可愛らしい少女だった。 堅い表情をしている。目や、無骨な杖を構える姿は勇ましい。 可愛らしいというよりは美人という言葉が似合いそうな容姿をしていたが、金色を見て光太郎の脳裏に浮かぶのはクライシス帝国の最強怪人ジャークミドラ。 あれに比べれば、光太郎と光太郎が開けた穴の周りに転がる白衣の男達を見て警戒した少女に金色の刃を出し巨大な鎌になった杖を向けられてもなお、光太郎の目には微笑ましく映った。 「時空管理局執務官フェイト・T ・ハラオウンです。マスクド・ライダー、貴方に幾つか質問があります。ゆっくり、その女の子を下ろして武装を解除して手を挙げてください」 「…わかったよ。だけど、変身は解除できない」 変身という単語を聞き、フェイトの目が細まる。 「何らかの魔法…?」 恐らくは光太郎に聞こえないつもりで囁かれた呟きを耳にしながら、光太郎は白衣に包んだ赤ちゃんを慎重に地面へ置いた。 固く砂利の散らばった地面を見て一瞬躊躇う光太郎の頭上にフェイトの声がかかる。 「何故ですか?」 警戒心と共に魔法を行使しようとしているのか黄色の恐らくは魔力が彼女の体の中で動くのが光太郎にもわかった。 優しげで一見、善人そうな少女に(と言ってもこの世界に着てから自分の眼力の無さに足を掬われっぱなしだが)光太郎は言う。 「俺は管理局を信用していない」 確かに一瞬で人間の姿に戻ることは可能だ。 だが、顔を覚えられ探し回られでもしたら光太郎の今の生活が終わってしまうのは間違いない。 自分の暮らしは最悪どうとでもなるが…瞬時にウーノを切り捨てる判断を光太郎はすることが出来なかった。 理由の一つにウーノが浮かんだことは光太郎自身意外だったが。 フェイトの表情は、それを聞いて微かに険を増した。 「わかりました。そのままで結構です」 ですが、とフェイトはいつでもバインドがかけられるように準備を行いながら言う。 「ですが、少しでも攻撃する素振りを見せたらこちらもそれ相応の対応をさせていただきます」 「ありがとう。それと先にこの子を安全な所に預けたい。話はその後にしてくれないか?」 「…その子は?」 「この科学者達にここの地下で生み出され実験体にされていたらしい…」 周囲に横たわる白衣の男達や地面に開いた穴から一つの可能性として頭に浮かんでいたらしく、フェイトに動揺した様子はなかった。 微かに険を増した目で地面に転がった者達を一瞥し、フェイトは首を振る。 断られたことにこちらも大した動揺も見せず、光太郎は両足に力を込めていた。 それに気付いたフェイトは慌てて今にも飛び退きそうな光太郎を呼び止めた。 「待ってください! マスクド・ライダー。勘違いしないで、貴方を捕まえたりその子に危害を加える気はありません。念のためにその子の体を調べさせて欲しいだけなんです」 「…調べるだと?」 スカリエッティと出会う羽目になった経験から光太郎は訝し気な声を出す。 「まだまだ問題の多い技術ですから。管理局にはとても腕のいいドクターが何人もいますし、その後の事も。必要ならちゃんとした専門の施設に預けます」 「…信用できないな。検査すると言われて俺はスカリエッティのところに連れて行かれたぞ」 アクロバッターに援護をさせようと呼びかけながら、光太郎は時間稼ぎに自分の経験を言おうとする。 その為に挙げた名前は、思いも寄らぬ劇的な効果をあげた。 フェイトの雰囲気が変貌していた。 「スカリエッティ…? 次元犯罪者のスカリエッティのこと!?」 怒り、嫌悪。複数の感情が入り混じる赤茶の瞳。微かな焦燥に険しさを増した表情は幼さの残る顔立ちのせいで光太郎を不安にさせた、 「答えてくだ…!」 知っているのか? そう尋ねようとした光太郎に先んじた怒鳴りつけるような言葉は、子供の泣き声にかき消された。 光太郎の腕の中で静かにしていた赤子は、フェイトの様変わりに驚き、今の声で泣き出してしまったようだ。 杖を光太郎に向けたまま目に見えておろおろし始めるフェイトに嘆息して光太郎は一つ条件をつけることにした。 「…俺は管理局を信用できない」 「そ、そんなことはありません。私が責任を持ってその子を預かります」 少しムッとした顔で言うフェイトの可愛らしい瞳は危うく信用し頷いてしまいそうな真摯な光を湛えている。 だが光太郎はゆっくり首を振った。 「すまないが君だけじゃ不安が残る。時空管理局本局のクロノ・ハラオウン提督に連絡を取れないか? 君と同じ執務官でもあると言っていたんだが」 「お知り合いですか?」 「以前世話になった」 アクロバッターが光太郎の呼びかけに答え、威圧するような騒音など一切起こさずに瓦礫を乗り越えてやってくる。 光太郎に寄り添うようにして止まったバイクに、赤子とフェイトの視線が集まりフェイトは警戒を解いた。 「クロノ・ハラオウンは私の義兄です。兄が預かったバイクの持ち主は貴方なんですね?」 一瞬間を置いて、光太郎は頷いた。 そうでしたかと納得した様子で白衣の男達全員にバインドをかけて拘束していくフェイトに光太郎はついていけずに首を傾げる。 バインドを掛け終えたフェイトは「彼らを引き渡すまで少し待ってください」と笑顔で言うと、まだ泣いている赤子をあやし始めた。 その赤子はこの後紆余曲折を経てハラオウン家に引き取られることになる。 警戒する光太郎と再会し、光太郎が次元犯罪者のもとにいたことを聞かされたクロノが、内通者の存在を疑ったことと、その赤子と共に光太郎から渡されたロストロギア『レリック』を管理局に渡す条件として(最も後者は建て前に過ぎなかったが) 赤子の名前はヴィヴィオ。ヴィヴィオ・ハラオウンとなった。 ヴィヴィオはリンディと共に地球へ移り住み、翠屋という店を営むご近所さんにも可愛がられすくすくと育っていく。 光太郎はそれを暫く見守り、ヴィヴィオの前から姿を消した。 南光太郎は失われた世界、怪魔界から…正確には怪魔界に侵略された地球から迷い込んだ改造人間である。 そんな自分に関わらぬよう距離を置いたのかも知れない、と新しい義妹にも甘過ぎるクロノはヴィヴィオに言った。 管理局にいるとも他の仕事に就いたともどちらともつかない言い方をして肝心なところははぐらかした。 だが光太郎が姿を消しても、暗い研究施設のケースから助け出された記憶は強くヴィヴィオの中に残った。 ヴィヴィオの心にはいつまでも黒い太陽が輝いていた。 火種が絶えない次元世界で、才能と人手不足を盾に就労年齢は低下の傾向にある。 そして有能であれば犯罪者をも積極的に登用し、重要なポストを与える管理局で… 地球で暮らそうとも、そこで新たな一大派閥となろうとするハラオウン家で、ヴィヴィオの気持ちを止められる者はいなかった…! ヴィヴィオは、地球の芸能人や華々しい活躍をする管理局のエースオブエースに憧れるより先に、マスクド・ライダーに憧れるようになったのだ! 数年後、小学校に上がる年頃となったヴィヴィオに、翠屋の看板娘が尋ねた時それは判明することになる。 「将来の夢かー。ヴィヴィオは何て書くの?」 作文を書いていたヴィヴィオは、不敵な笑みと子供らしからぬジョジョ立ちに若干引き気味の隣のお姉さんの問いに胸を張って答えた。 「このヴィヴィオ・ハラオウンには叶えたいと思う夢があるの!」 だがそうなることなど露とも知らぬ光太郎は、同居人のウーノに今夜は遅くなる旨を伝えフェイトに赤子を渡した。 前へ 目次へ 次へ
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2009年10月22日発売の成人向けPCゲーム「コミュ -黒い竜と優しい王国-」まとめwikiです。 本作は18歳未満の方は購入できないのでご注意ください。 このページには本編のネタバレが多分に含まれています。閲覧はオールクリア後を推奨します。 道化と魔女と4人の仲間の、長い旅が始まる─── ジャンル:新美少女伝奇エンタメADV 初回版発売中。 シナリオ:日野亘、衆堂ジョオ キャラクターデザイン・原画:さえき北都 アバターデザイン・原画・彩色:村瀬倫太郎 BGM:Angel Note 楽曲:Angel Note / Elements Garden 暁WORKS 公式サイト http //www.akatsukiworks.com/ コミュ - 黒い竜と優しい王国 - http //www.akatsukiworks.com/product/com/top.html 修正パッチ ver.1.02 ※ウィルス対策ソフトウェアの誤検出も無くなります http //www.akatsukiworks.com/support.html バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。 とりあえず、各ページにコメント蘭つけて回りました -- 名無しさん (2009-12-19 17 43 52) 名前 コメント
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声優、田所あずさちゃんのキャッチフレーズ「明るく元気に後ろ向き」に対して作られたよっぴーのキャッチフレーズ
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思い出せ、きみの本当の願いを。 ☆ (ったく、ツイてねえぜチクショウ!) この俺、ホル・ホースの胸中を占めるのはそんな思いだ。 ほむらの嬢ちゃんと分かれた後、結局、彼女のあとを追わずに自室へと戻った。 リスクを負うべき場面というものはあるにはあるが、しかしまだ早すぎる。 怪我の手当てもそうだが、やはりなんの準備もなしにDIOの野郎と関わるのは避けたい。 だから、いまはとにかく近辺整理だ。 部屋に着き、小一時間程で荷物を整理し、目を覚ましたキャスターの嬢ちゃんと共に部屋を後にした。 そう。そこまではプラン通り。あとは寝床を探すだけってところからが一転しちまった。 ギャアアース、なんていかにも怪獣染みた鳴き声が聞こえちまったもんで、慌ててキャスターを抱えつつ身を屈めて、こっそりと角から様子を伺った。 そこは街灯なんかもそこそこに点いていたので、どうにか誰がいるのかを把握することができた。 するとどうだ。そこにいたのは、鳴き声の主であろう衣服を着た恐竜と同じような種類の恐竜、それらと対峙するのは、一組の男女。 男は、フードを被り丸太を構えていた。...あれ、サーヴァントだよな?じゃなきゃあんな不審者丸出しのトンチンカンな格好をする筈もねえ。 女の子のほうは、紛れもねえ。暁美ほむら。先刻別れた、最も取り扱いに注意しなくちゃならねえ子だ。 (なんであの子から離れようとした矢先に会っちまうんだチクショウ!) 「でっかいトカゲ...切り刻んだら食べられそう」 (オメーは黙ってろ!) 飛び出し戦いに混ざろうとするキャスターを抱きとめ、静かにしろと人差し指を口に当ててジェスチャーをする。 俺の意図が通じたのか、それとも単に俺の真似をしただけなのか。彼女もシー、と人差し指を己の口に当てていた。 (ここで不意打ちかましてどっちかに味方するか?いや、DIOが絡む可能性を考えりゃやはり関わらないのが一番いい。ひとまずここは見つからねえように息を潜めてゆっくりと...) 万が一にも目が合うのを恐れて、俺達は様子を伺うことすら止めて、後ずさりつつこっそりと戦場を離れようとする。 あと数歩だ。あと数歩下がったら、全力で走り去ってやる。 5、4、3、2、1... いまだっ! 振り返ろうとしたその時だ。 「なにをしている」 ―――ゾクリ。 背筋に凍てつくような怖気が走る。 忘れもしない。忘れるはずもない。 この人の心の隙間に付け込むような妖しい声。背後からでもわかるほどの圧倒的な圧力。 「もう一度聞こう。なにをしている、と聞いているのだホル・ホース」 いま、俺の後ろにいるのは。 「で...DIO...様...!」 気がつけば、俺は跪いていた。背後を振り向くことすらせず。 冷や汗でグッショリと濡れた額を拭うことすらできず。咥えていた禁煙パイプを落とすことすらできないほど歯を噛み締めていた。 「D、D...なんでしたっけ。まあいいです。切り刻みます」 そんな俺にお構いなしにキャスターは普通に振り返り、そんなことをのたまった。 「ま、待て!」 振り返り、彼女の馬鹿げた自殺行為を止めようと必死に手を伸ばしたときにはもう遅い。 彼女は既にDIOへと襲い掛かっていた。 ほむらの嬢ちゃんの時とは違い、令呪を使う暇すらない。 その時のDIOの緩んだ口元を見て。嘲笑を見てしまって悟る。俺はここで死ぬのだと。 ああ、なんてツイてねえんだ。 聖杯戦争なんておっかないものに巻き込まれちまって。 よりにもよってDIOの野郎まで出しゃばってきて。 全く制御できない上に有能とも呼びきれないサーヴァントを掴まされて。出会う奴らはDIOづくし。 そんで最期がキャスターの暴走でDIOに逆らい死亡。しょっぱすぎるぜ、チクショウ。 せめて楽に死なせてくれと目を瞑り、頭を垂れ、来るであろう喪失感に備える。 「............」 なにも感じない。既に殺されたのだろうか。 「............」 だとしたら、こんなにもあっさりと終わらせてくれるDIOは案外優しいのだろうか。それともそういう都合のいい幻覚でも見せられているのだろうか。 死んだことのない俺にはまだなにもわからない。 「どんな女であれ敬意を払うというお前の矜持は面白いが、サーヴァントの躾くらいはキチンとしておくことだ」 ポスリ、と、俺のズレた帽子を被せ直しつつ、かけられた声はとても穏やかなものだった。 「...え?」 思わず俺はキョトンとしてしまう。 俺は確かにいま、反逆行為をしてしまった。10人が見れば間違いなく10人がそうだと答えるだろう。 そして、用心深いDIOがそんな奴を生かしておく筈が無い...だが、現にこうして俺は五体満足でいる。 ならキャスターが殺られたのか?恐る恐る、顔を上げてみる。 キャスターは、その逞しい両腕にお姫様のように抱きかかえられていた。それも無傷でだ。 DIOがパッ、と両腕を開けば、キャスターは地面に落ちる。 さしものキャスターも自分の身になにが起きたかわからないようで、困惑の色を浮かべていた。 あの自由奔放な彼女が言葉を失っている時点で身に起きた事の異様さはうかがい知れるだろう。 「さて、改めて聞かせてもらおう。お前は、そこでなにを見ていた?」 もはや三度目の質問だ。 これに答えないことこそが反逆行為にあたるのは猿でもわかるだろう。 「そ、そこの曲がり角で、恐竜とサーヴァントが小競り合いをしていて。戦況を見て撤退しようとしたところでさぁ」 「そうか」 なんのことはない、上司への報告でもイチイチ緊張感が走りやがる。 やはり、任務を二度失敗してしまって以来、この男との会話は慣れない。 「では質問は増えるが...ホル・ホース、お前のスタンド、皇帝(エンペラー)は不意打ちにこそ真価を発揮する。なぜ手を出さず撤退を決め込んだ?」 ドキリ、と俺の心臓が跳ね上がった。 別段、DIOが不利になるように動いているわけではない。だが、彼のマスターであるほむらに手を貸さないというのは、見ようによっては反逆行為だ。 そんなつもりはなかったと言い訳するにせよ、DIOに少しでも関わりをもちたくなかったと正直に告げようものならば、それだけで彼にとってのホルホースは価値を失くす。 ならばどうするべきか? 「『恐竜のウワサ』はご存知ですかい。詳しいことはわかりませんが、仲間を増やす類のヤツだと推測し、撤退がベストだと判断した訳ですぜ」 それらしい理由をでっちあげるしかない。 DIOは、ほう、と小さく呟き俺を見下ろし笑みを浮かべている。 まるで俺の心境を見透かされているようだ...居心地が悪いぜ。 「ホル・ホース。私はお前のその狡猾さはひどく気に入っているよ。己と相手の力量を見極めているからこそ適切な行動をとることができる」 ど、どっちの意味だ!?俺の恐竜への見解か?それともそれらしい理由をでっち上げたことについてか!? 「しかしその手首の怪我はなんだ?君らしくないじゃあないか...先ほどの暴走といい、どうやらきみと彼女との相性はあまりよくないと見える。苦労が窺い知れるというものだ」 なんだなんだなんなんだ。なんでこんなに気を遣うようなことばかり口にしてきやがるんだ。 コイツはまかり間違ってもそんなタマじゃないだろうに。 いったいなにが言いてえんだ、コイツは。 「どうだ、私と契約し直さないか?暁美ほむらに代わる私のマスターとしてだ」 ...は? ☆ 「なるほどなるほど。ササがそうなってんのはソウルジェムがDioにとられたからなんだな」 「はい。原理は私もよくわかっていないんですけど」 簡素な自己紹介を終えた二人は、互いの持つ情報を交換していた。 マジェントは沙々の魔法のことを。 いろはは沙々の現状を。 自分が既に体験しているため、沙々の魔法のタネがわかっているからよかったものの、マスターの能力をあっさりと明かすのはどうなんだろうと思わなくもなかった。 けれど、それはマジェントが自分に協力してくれるからだろうと前向きに捉えることにした。 「それで、その時間ドロボーちゅうヤツを見つけてきたら返してもらえるんだな」 「そういう取引になっています。ただ、手がかりはないし、優先するべきかも迷っているんです」 マジェントはおよっ、と思わず疑問符を浮かべた。 「探しださねーとササは返してもらえねえんだろ?」 「でも、探し出したところで返してもらえる保証がないんです。あの人は、探し出した途端に沙々ちゃんを殺すことだってするかもしれません」 「Dioを疑ってんのか。なおさら気が合いそうだぜ」 「え?」 「あいつは平気で人を裏切るヤツなんだ。あいつの本性を見抜けるなんて、見る目がある証拠だぜ」 マジェントは腕を組みうんうんと頷いた。 「まー、どうするにせよDioの奴からソウルジェムを返してもらわなくちゃならねーよな。いっそのことあいつを倒しに戻るか?」 「...無理ですよ。まだ、彼の能力への対抗策が思いついていません」 「けどノンビリしてる暇はねーだろ。はやくしないとササの身体が腐っちまうぜ」 「え?」 「いや、一応死んでるんだろ、ササは」 下っ端とはいえ、仮にも殺し屋である為か、肉体が死んでいることへのリスクに先に気がついたのはマジェントだった。 肉体が死んでいるということは、心臓も脳も停止しているということ。 そうなった生物の肉体がどうなるか。そんなもの、小学生でもわかることだ。 そして、腐った肉体に魂が戻ればどうなるか...あまり想像したくない。 (マジェントさんの言う通りだ...時間泥棒を探すにせよなんにせよ、早くセイヴァーからソウルジェムを取り返さなくちゃ沙々ちゃんは...) 沙々は言うまでも無く悪人である。しかし、だからといって死んでいいとは思えない。 理由を問われれば、彼女は命が失われるのをよしとしない人間だからとしか言いようがないだろう。 フー、と深呼吸をひとつ置き、セイヴァーに打診すると意を決したその時だ。 前方から争うような音が聞こえたのは。 ☆ 「転校生...?」 暁美ほむらが美樹さやかたちを認識したのなら、その逆も然りである。 まどかをほむらに押し付け、丸太を構える篤を見て、さやかは思わず目を丸くした。 知り合いと下水道で、しかもあからさまな不審者と共に遭遇したのだから当然だ。 「あなたは彼女と知り合いなのですか」 「......」 「...それくらい答えてくれてもいいでしょう」 未だに信用しようとしないさやかに、マルタは思わずムッと眉根を寄せてしまう。 「美樹さん、なんでこんなところに...それに、佐倉さん...」 さやかの傍らに佇む女性が背負う少女は間違いなく佐倉杏子だ。 だが、ダラリとうな垂れたまま動かない様は、まるで眠りについているようで。 そんな彼女の様子に、ほむらは違和感を抱かざるを得なかった。 (佐倉さん...まさか...!) ほむらは思わず唇を噛み締めた。 彼女にとって佐倉杏子は最も戦力として信頼できる魔法少女である。 普通に斃されたにせよソウルジェムを奪われたにせよ、その彼女が、こうも早い段階で脱落しているのだ。 その胸中は計り知れないものがある。 「なんでこんなところにはこっちの台詞だよ。...そこの人はあんたのサーヴァントじゃないよね。となると...」 「ああ。俺はまどかのサーヴァントだ」 「そっか、やっぱりか...やっぱりまどかは...」 さやかは、ほむらの背負うまどかを凝視する。 ピクリとも動かない、呼吸音も聞こえないとなれば、もはや解は出ている。 やっぱり、まどかもそうだ。杏子と同じ状態だ。 「そうなると、まどかのソウルジェムは杏子を襲った奴らに奪われたってことでいいんだよね」 「なに?」 さやかの確認に、篤の頭上に疑問符が浮かび上がる。 「まどかは疲労で眠っているだけだ。ソウルジェムは奪われていないが...」 「え?」 今度はさやかが疑問符を浮かべる番だ。 (あの人はソウルジェムについて何も知らない?まどかのサーヴァントなのに?) 魔法少女がどういったものかはまどかもよく知っている。 ソウルジェムからグリーフシードが生まれることは知らなくても、これが魂であることは知っている。 その事実を伏せることは...あるかもしれない。魂の問題は非常にデリケートなものだ。如何にまどかといえど、話すのを躊躇うのかもしれない。 しかし、それは篤と二人きりである場合に限る。 暁美ほむら。なぜ、彼女が側についていながら、篤がソウルジェムのことを知らずまどかの魂がないままにここまで来てしまうことがありえるのか。 少なくとも、さやかからしてみれば良い印象を持つことなどできない。 「転校生...その人を欺いてまどかと一緒に行動して...あんた、なにが目的なのさ!?」 「ッ...わたしはやましいことなんて」 「じゃあ、なんでこんな大事なことを教えておかないのさ!」 「そ、それは鹿目さんの精神的な負担を減らそうとしただけです」 ほむらに裏があると睨むさやかと、後ろめたいことをしていないと主張するほむら。 互いの意見はぶつかり合い、徐々に熱を帯びていく。 それを収めたのは、両者の間に割って入った篤の丸太だった。 マルタの指がトントンと己の足を叩いていた。 「落ち着け。いきなり騙されているだのなんだの言われても事情がわからない。ほむらちゃんが俺になにを黙っていたのか、それをハッキリさせてくれ」 「...ソウルジェムのことだよ。聖杯戦争のじゃなくて、あたしたち魔法少女のソウルジェム」 さやかはおおまかに説明した。 ソウルジェムとは、キュゥべえと契約してできるものであること。そして、これこそが魂そのものであり、これを壊せば死に至ってしまうこと。 マルタの足も小さくタップを踏み始めた。 「つまり、ほむらちゃんは俺にソウルジェムのことを知らせず、死体同然のまどかを運ばせた。だから怪しいと」 「そうだよ。...そもそも、ソウルジェムを奪われてないならまどかがそうなっていること自体がおかしいじゃん」 「言いたいことはわかった。だが、俺はほむらちゃんを疑うことはできない」 「なっ!?」 「ほむらちゃんはわざわざ夜中にまどかの家へ訪れ、あの危険極まりないバーサーカー相手にも率先して立ち向かった。あれが全て演技とはどうしても思えない」 「じゃあ、なんでまどかは魂をはがされてるのさ?」 「...ソウルジェムの濁りを防ぐためです」 「それにしたってやり方ってもんがあるでしょ!」 「...チッ」 三人の喧騒が加熱しかけたところで舌打ちが響く。 舌打ちの主は、聖女であるはずのマルタだった。 「さっきからギャーギャーやかましいっての。お仕置きされないとまともに会話もできないの」 「...!?」 突然の変化にさやかは困惑してしまう。 先ほどまでは物腰丁寧に振舞っていたというのに、いまやチンピラと遜色ないからだ。 「別に私達を疑うのは別に構わないわ。けど、物事には優先順位ってものがあるでしょ。それがわからなけりゃ杏子はもうおしまいだって」 さやかの感じている通り、マルタはキレていた。 一刻も早い杏子のソウルジェムの奪取、一向に捕まらない恐竜どもとその主、さやかとの問答で浪費した時間... それらの要因が重なり、聖女である以前の、荒々しかったかつての彼女の顔を覗かせていた。 マルタの言っていることはさやかにも解る。 杏子の安全を優先するなら、余計な諍いは無駄であることも、怪しいもの全てを疑っている暇もないことも。 けれど、そういう耳障りのいいキュゥべえの言葉を信じたから自分はどうしようもなくクズになり、杏子の家族も破綻するハメになった。 (このライダーも、転校生も、そもそもまどかのサーヴァントだってめちゃくちゃ怪しい。...目的はなんであれ杏子を助けようとしているライダーはともかく、転校生まで信じきるのは難しいよ) 故にさやかには疑うことしかできない。確たる証拠があがるまで、迂闊に気を許してはならない。 そんな彼女を見てほむらは、己のすべきことを模索する。 (...美樹さんの疑いは、鹿目さんのソウルジェムを返せば晴れるかもしれない) いまここでソウルジェムを返し、まどかが意識を取り戻せばさやかも今の不信は水に流すかもしれない。 けれど、まどかが家族を失ってからまだ時間がさほど経っていない。 もしもここで精神的な疲労が再び蓄積されれば、最悪ここで魔女になってしまうかもしれない。 だからといって、ここでまどかをこの状態のままにしておけば、さやかからの不信は避けられない。 (私はどうすれば...) 「なにを躊躇っている」 背後よりかけられる男の声。 突然の来訪者の気配に、篤もさやかもマルタも、それぞれが咄嗟に各々の戦闘体勢をとる。 ただ一人、その声を知っていたほむらは思わず呟く。 「セイヴァー...さん」 ☆ (コイツが、セイヴァー) 篤もさやかもマルタも、写真を通じて彼の姿は認識していた。 だが、己の目で直接見れば、その圧倒的に神々しくも不気味なオーラは写真とは桁違いだ。 それこそ、救世主 セイヴァー の肩書きに相応しいと思えてしまうほどに。 『デ...セイヴァー様ァァァァァ!!!!!』 さやかの脳内にアヌビスの歓声が響き渡る。 うるさいと思うまもなく、アヌビスはベラベラと賛美の言葉を並べ立てていく。 『よくぞお出でなされました!このアヌビス、あなたと再会できる日をどれほど待ち望んだか!!さあ、なんなりとご命令ください!あなた様の命とあらば、この身を粉にしてでも尽くしましょう!』 そういえば、コイツはセイヴァーと会いたがっていたっけと思い出す。 先ほどはDIOの振りをしていたディエゴにあれほどビビリあがっていたというのに、立ち直りの早い奴だと呆れと感心を同時に抱いてしまった。 「なにを躊躇う必要があるのだ、マスター」 自らに尻尾を振るアヌビスをスルーし、DIOはほむらに問いかける。 「きみが排するべきものがすぐそこにあるというのに、なぜ排除しようとしない」 DIOの言葉のひとつひとつに、ほむらは心臓を締め付けれらるような感覚に襲われる。 彼は確かに救世主と名乗っていた。けれど、それは万人のためのものではなく、『悪』というが観念に括られる者の為のもの。 そんな彼が排するべきものというのは、十中八九、この場にいるものたちのことだろう。 ではそれは誰なのか。 ランサー。まどかを守るため、共に戦ってくれた者。 ライダー。杏子を救うために恐竜を追跡している者。 美樹さやか。疑念を振りまき、現状を停滞させている根本の原因。 ならば、解は自ずと出てしまう。 (でも...) 彼女はまどかの一番の親友であり、自分にとっても大切な仲間だ。 繰り返してきた中で対立することはままあったけれど、それでも交わった道があることは確かだ。 まどかの存在がなければ彼女を疎ましく思う、なんてことはありえない。 まどかや他の魔法少女たち同様、彼女にも救いたいと思っている。 そんな彼女を簡単に切り捨てることは...できない。 ―――まどかのお母さんは切り捨てたくせに。 そんな声が聞こえた気がして、思わず視線をそちらに向ける。 そこには誰もいない。 あの選択をした後悔の表れ...なのだろうか。 「なにを勘違いしている。君にとってなによりも排するべき者は、ソレだろう」 えっ、と思わず言葉が漏れてしまう。 DIOはほむら自身に指を指しながら言った。 自分にとって排するべき者は自分。意味が解らない。とんち問答かなにかだろうか。 困惑するほむらに、DIOは意地悪く目を細めて告げた。 「その背の鹿目まどか。きみの語った『願い』において、最も不要なのはその娘だろう」 「鹿目、さん...?」 ほむらはDIOの言っていることがわからなかった。 自分が伝えた『願い』を思い返してみる。 ―――私は、鹿目さんと――皆と普通にくらしたいです………!! 確かに自分はそう言った。伝え間違いはない。 自分の『願い』―――『救い』には、確かにまどかの名も入っている。 にも関わらず、彼は『不要なものは鹿目まどかだ』とハッキリと告げた。 意味が解らない。セイヴァーは、なにを言いたいのだろう。 いや、なにが言いたいのか以前に、セイヴァーは『悪』であり、まどかと決して相容れない存在だ。 そんな彼が、彼女を消す為にそれらしいことを言っているだけなのかもしれない。 (もしもセイヴァーが鹿目さんを殺すつもりなら...) タンッ、と地を蹴る音が二つ。 ほむらの思考を他所に、DIOへと踊りかかる二つの影。 『や、やめろォォォォ!!』 ひとつは、アヌビスと魔法の剣の二刀を振り上げる美樹さやか。 もう片方は、丸太でなぎ払おうと振りかぶる宮本篤。 彼らは『まどかを排除しろ』という言を聞いた瞬間、悟った。 この男は、間違いなく友の/マスターの敵だと。 左方からは二刀が、右方からは丸太が迫り来る。 敵意を持ったそれらが目前に近づこうとも、彼の笑みは依然崩れない。 どころか、フッ、と軽く鼻を鳴らしたかと思えば、両手を広げ、右指で二刀を挟み込み、左手で丸太を止めてみせたではないか。 あまりのパワーと正確さに、さやかと篤は思わず動きを止めてしまう。 そんな彼らに遅れて、DIOの懐に飛び込むのは、聖女・マルタ。 彼女はまどかのことなどほとんど知らない。 それが故に、DIOの言の危険性を察知するのが微かに遅れ、しかしそれが幸いし、図らずともさやかと篤に次ぐ第二射となることができた。 DIOの懐に入る。 もはやマルタの射程圏内だ。ここからDIOに出来ることといえば、微かにでも身を捩りダメージを減らすことくらいだろう。 「世界(ザ・ワールド)」 DIOの腹部に撃ち込まれるはずだったマルタの拳は、腹部から生えた金色の豪腕に防がれた。 「むんッ」 DIOは武器を掴んだままの両腕を振るい、さやかと篤を投げ飛ばし、それに呼応するように黄金の腕はマルタの拳を弾き飛ばした。 黄金の腕は、スルリとDIOの腹部から抜け出し、その人型の像を曝け出す。 「黄金の人形...召還型の宝具という訳ですか」 「だとしたらどうする?」 「攻め立てるまで」 突撃するマルタに続き、篤とさやかも再び斬りかかる。 突き出される拳を『世界』で捌き、振るわれる刀と丸太をかわし、受け止め、いなしていく。 彼はまだ本気を出していない。遊ばれているのだと、三人はいやがおうにも感じざるをえなかった。 それでも、現状は攻め立てる三人と守りに徹するDIOという構図は均衡を保てていた。 彼が反撃を開始するその時までは。 「フンッ!」 DIOの拳がさやかの頬をとらえて殴り飛ばす。 勢いよく後方へと吹き飛ばされるさやかの身体は地面を幾らかバウンドしてようやく止まることができた。 その隙を突き、篤は丸太を手放し、代わりにさやかの落とした魔法の剣を拾い、切りかかる。 その躊躇いのない剣筋に、DIOはほう、と感心の声を漏らす。 振り下ろしを避けられ、流れのまま放った薙ぎも跳躍でかわされ、挙句にDIOは軽やかに篤の刀にふわりと着地した。 わずか数ミリの刀身に立つその姿はある種芸術的であり、その気がなくとも引き込まれるような妖艶さを醸し出す。 彼の雰囲気にのまれまいと、篤は刀を切り返し振り落とす。 その隙をつき、マルタは拳を撃ちこもうとするも、世界が割って入り、彼女の拳に己の拳を打ち付け食い止めた。 「的確な判断力だ。それに、足りない力を技術と経験で補っている。相当の修羅場を潜ってきたと伺える」 世界にマルタの相手をさせながら、DIOは篤へと向き合う。 「鹿目まどかの家の付近で起きた大量の殺人...あれは君の仕業だろう?」 「...!」 「図星だったかな?」 振り下ろされる斬撃を難なくかわしながら、なおも彼は語りかける。 「どうやらいまここにいる者の中ではきみが最も『悪』(わたし)に近いようだ。少しばかり興味が湧いてきたよ」 「お前と話すことなどなにもない」 武器を変え、太刀筋を変えても篤の剣はDIOへと届かない。 遊んでいるかのように眺めているだけだ。 「ッ...とうしい!!」 マルタは『世界』に毒づきつつ、拳を撃ち合わせていた。 純粋な拳の威力だけなら彼女に分がある。が、『世界』の特筆すべきはそのラッシュの早さだろう。 素人目には幾つにも分裂したかのようにしか見えないほどの速さで繰り出される拳は、マルタをもってしても捌くのは困難。 かといって、その一撃一撃を無視できる程度の威力ではないため、強行突破さえも難しい。 結局、マルタは『世界』に殴り勝たなければどうしようもないのだ。 (これがサーヴァント同士の戦い...!) 一足先に弾き出されたさやかは眼前の戦いに心を奪われていた。 戦況を見れば、マルタと『世界』はほとんど互角、DIOと篤は篤が不利気味という程度のことはわかる。 だが、彼らの技量も速さも、さやかが到底太刀打ちできる水準ではない。 仮に正面から挑んだところで時間稼ぎが関の山、勝利など収められるはずもないだろう。 (そうだよ...マミさんや杏子ならまだしも、あたしはまだ未熟だ。あたしだけじゃ勝てない) 「なのに、なんであんたは力を貸してくれないのさ」 『バカ言うなァ!なにが悲しくてこの俺がDIO様に歯向かわねばならんのだ!』 先の攻防において、アヌビスは一度たりとも能力を使用していない。 当然だ。 敵の攻撃を学習する能力など、DIO相手に使えばあっさりと露呈してしまう。 もしそんなことになれば、DIOからの処罰は免れない。 使われるしかない身とはいえ、現状でもいつ破壊されても可笑しくない。 ならばせめて、自分のアイデンティティーである能力を封印することで、彼は彼なりの忠誠心を示していたのだ。 「いい?アレが昔のあんたの上司だかなんだか知らないけど、いまのあんたのマスターはあたし!あたしに死なれたらあんたが困るんでしょ!?」 『わかっている!だから逆らうなと言っているんだ!今すぐ詫びを入れてあの眼鏡たちを斃して忠誠を誓え!それが出来ないならせめて自らあのお方の糧になれぇ!!』 「そんなことしてたまるかっての!」 さやかは改めて理解した。 アヌビスは文字通り『DIO』の狗であり、それはさやかがとって変われるようなものでもないことを。 「...わかったよ。あたしの力だけでなんとかする。あんたには迷惑かけないから」 『なっ、おい待て!』 さやかは喚くアヌビスを鞄にしまい込み、ふぅ、と深呼吸をひとつ置く。 自分が彼らに勝てるはずもない。 だからこそ、いま、他のサーヴァントがDIOを相手にしているこのチャンスを逃すわけにはいかない。 さやかはクラウチングスタートの姿勢をとり、足に力を込めていく。 篤とマルタがこのまま戦い続けたところで勝ちの目はない。 ならば、自分が動き少しでも状況を揺らす賽の目になろう。 それがどう転ぶかはわからないが、なにもしないよりはマシだ。 さやかが地を蹴り、DIOへと跳びかかるその瞬間だった。 一つの銃声と共に、DIOの頭部が弾け鮮血が舞ったのは。 さまよえる黒い弾丸(後編)
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カオルの亡父・由児が書いた絵本。内容と主人公の容姿を見る限り、牙狼をモデルにしていると思われる。終盤の部分が描かれていなかったため出版されていない(「結末は人それぞれの心にある」との信念から白紙にしていたが、業界に理解されなかったため)。複数あった在庫は、孤児院の子供達の落書きでそれぞれの結末が描かれており、カオルは父の意思に気づく。最終話で、カオルの所持する一冊はカオルの手で結末が描き加えられ、鋼牙に贈られた(結末を読んだ鋼牙は、感極まって絶句する。その内容は演出上伏せてあり、視聴者の想像に委ねられている)。
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全て呪うような黒いドレスで ◆RLphhZZi3Y 謝って、許されることと許されないことがある。 金銭で責任を表せる段階ならまだいい。 かたちを無くしてしまうと、責任は金銭で片付く範囲から遠くへ飛び出していく。 苦しむ被害者関係者への償いは、金銭で保障できない。 大切な人を失ったら、空いてしまった穴を埋められるものはない。 満たされも癒されもせず、深い嘆きの底で暮らすことになる。 逆に、失わせてしまったら、どんなに詫びようと嘆きの沼の底に着きはしない。 罪責と後悔と孤独を感じるなら、被害者の尊厳を守ることに徹していかなければいけない。 それが少しは慰めになる、最大の贖罪だ。 事実を受けとめ、被害者のためだけに涙を流して、傷みと憎しみを和らげていく。これが責任の取り方だ。 しかし償うのは辛いコト。 死ぬよりずっと辛いコト。 ゆのの天秤は、片方の皿がしっかり沈んでいた。許されないことが、とても重かった。 もう片方の皿に乗せる重りなど、どこにあるというのだろうか。 贖罪など、できるというのだろうか。 ##### 首の折れた女の子から、温かそうな服を剥ぎ取ったところから、また放送が流れだした。 悲鳴をより集めたような放送の壮大なBGMの中で、グリフィスの名前が呼ばれ、パックの名前が呼ばれ、女の名前が数人呼ばれた。 この手この腕で、五人もの命を奪った。 五人分の命がナイフになって、身を削ってくる。 眼の球がぐるぐる回る。 だが、もっと自分を責めさいなむかと思ったが、あまりにもすっからかんになった胸には何も引っ掛からなかった。 沙英の名前が呼ばれなかったのもあるだろうが、驚くほど冷静だった。 「そうだ、首輪、回収、しないと」 みぞれから作った水の刃を、襲ってきた女の子へ下ろす。 ぷちり、と首が落ちた。 首輪には胡喜媚とある。男女の名かわかりにくかったが、放送には呼ばれていた。中国の人か。 もうひと仕事とばかりに、転がる死体全員の首をもぐ。 といってもほとんど外傷のなかった女の子以外は、水の手で抱き上げただけで、もろもろと崩れてしまった。 血を洗い、確認する。 胡喜媚、高町亮子、浅月香介、竹内理緒、そして宮子。 あれ? どうして首輪を集めていたんだっけ? 首輪回収の指示がごた混ぜになる。 こうして腕の感覚も戻った。なら集める理由もなくなったはずだ。 どうしてどうしてどうしてどうして。 もう切り取ってしまったので首輪はバッグにしまう。が、冷静になっていても答えが出せないままだ。 度重なる涙と嘔吐で、精神が錆びきってしまった。 売っている犬の首輪に感慨を持たないのと同じように、こうして大事な友達の遺品を手に入れても胸はスカスカなままだ。 だけど、もう疲れた。こんこんと眠りたい。 木々の隙間からかろうじて見える、電灯が灯りつつある街へ勝手に向かっていた。 沈黙する街を見下ろす。雲が地面に蓋をしていた。 灯りだした電灯を頼りに、道を辿る。 当たり前だが、どこの家にも電気はついていない。住宅街をひょろひょろ通る。 真っ暗などこかの家で休みたいが、そうなると敵の襲来にも気づけなさそうだ。安全な場所など島のどこにもありはしない。 両腕で身体を抱きしめさすり、寒さを紛らわす。ワンピースとは段違いの服を着ていても鳥肌が立つ。 摩擦で暖をとりながら、歩いていればちょっとは温かいとばかりに足を動かす。 目的地は特に決めていない。だから休む家を定める基準が曖昧だった。 どこから奇襲されるかわかったものじゃない。 疲弊しきっていても、監視に追われる恐怖で、あれは無理これは無理と根拠なく除外していった。 停電でもない限り見れない、灯火を失った住宅街は恐ろしく気色が悪かった。 電灯だけついているので、気持ち悪さに拍車がかかる。 まっすぐな小道脇に、やっぱり一直線に並ぶ明るい電信柱が、地獄への灯籠に見えて仕方がない。 生き物の気配が皆無なのは嬉しいが、黄泉路を一人で歩いていく錯覚がどうしてもつきまとう。 鳥肌は寒さのせいだけではない。 電信柱がゆのを滑稽だと笑っている。 「疲れた、なぁ」 爪先は千切れそうに痛い。 みぞれが染み入って、霜焼けができそうだった。 一刻も早く休みたい。 暖まりたい。 ポツンと、か細い光が灯った。ずいぶん遠くで、光らしきものが出現したようだ。 降りしきるみぞれが電灯に照らされただけかもしれない。 よく目を凝らしてみる。 きらめくのではなく、均一の光を発している。 罠とは考えにくいが、それは窓明かりだった。住宅の影に隠れながら、近づいてみる。 誰かが光の家から出ていった。遠すぎて男か女かはっきりしない。 だが、二階の部屋の一室で影が左右に揺れている。少なくとも一人は家にいる。 なんだかその家が、とても暖かそうに見えてならなかった。 マッチ売りの少女が、幸福な家の窓からクリスマスパーティーを見ているような、羨望と不幸が入り交じる不思議な魅惑を感じた。 ##### 周りの住宅とは少し違った。 暗さと遠目で小さく見えた家は、近づくにつれイメージが変わっていった。 ちょっとした邸宅だ。 芸能人が休暇に使うような、別荘的な造りだった。 玄関へ吸い寄せられる。鍵は開きっぱなしだ。 ノブをひねると、目に見えそうなほど温かい空気が雪崩れてきた。 明るい。温かい。きれい。いい香り。別世界。 顔の筋肉が緩む。摺り足で玄関を土足のまま上がった。 人が来ないのをいいことに、台所へ忍びこむ。流石にマッチ売りが夢見たご馳走の類いはなかったが、暖炉で焚き火が赤々と燃えていた。 手を擦り足を擦る。 これでもかと濡れた顔を近づける。解けそうだ。 しばらく服を乾かし……人がいるのを知っているのに、いつか人が戻ってくるのを知っているのに、ゆのは無防備すぎた。 その無防備が気にならないぐらい疲労困憊していた。くったくただった。 時計の長針が半分回ってから、初めて異様さに気づいた。 どうして中にいる人は動かないのだろう。棒になった脚もだいぶ回復して、家を回るぐらいの余裕ができた。 ゆのには混元珠もある。 扉をひとつづつ開けていく。パソコンルームだったり、書斎だったり、洗面所だったり、トイレだったり。 二階に上がってからふたつめのドア、とりあえずここが人の影があった部屋だ。 できるなら生きていてほしくない。ノブが回らない。 特殊な造りになっているらしい。外側から鍵をかけられ、中は拘束状態にされている。 「だ、誰なのかな……?」 心細さが染み渡る、震えた女の子の声がした。 ゆのの気配は察しているのに、例えば散弾銃かなにかで攻撃はしてこない。 ペットボトルの蓋を捻る。半螺旋を描いた細い水柱を床へ垂れ流した。 ドアの隙間も通って、水が部屋へ侵入する。そのまま鍵とドアノブを破壊した。 「な、なんなのかな!?」 扉の先にいたのは、取り立てて特徴のない女の子だった。濃いストレートの髪が振り返る。 なぜかジャージ姿だったが、ゆのと同い年ぐらいのようだった。 足は枷と鎖で拘束されている。速くは歩けまい。 同じく手首にも手錠がかけられていた。 平均的な顔立ちだが、瞳が大きくかわいい子だ。 目立った傷はない。なのに顔も手も、露出している皮膚は乾いた血にまみれていた。 女の子も、生き残りを懸けて誰かを手にかけたのか。 ただ、この子は気持ちがしなびている。光も活気も、せっかくの大きな瞳から消え、憔悴しきっていた。 アジの開きの眼球の方が、まだずっと潤いがあった。 生きる方法を忘れている、息をするだけの不毛な女の子。 鏡を見ているようで、目を反らしたくなる。 ゆのはぱく、と口を動かすも、言葉が出てこなかった。 女の子がゆのの殺人を受け入れるか、突っぱねることをどこかで願っていたのかもしれない。 でなければ、口がすんなり動いてこう言っていただろう。 チャンスなので、私、今から貴方を殺すんです。 「えっと、一体どうしたのかな……」 目を大きく見開いた以外、これといった反応を示さなかったゆのに、女の子が話しかけてきた。 諦めの混じる、枯れそうな声で。ひゅうひゅうとした、仲間を求める声で。 耐えられなかった。 女の子はたじろぎながらも、ずっとその様子を見ていた。 垂らした水が灯油やガソリンのような物騒なものを撒いているのではないとわかっているようだ。 もう一本のペットボトルの水も流す。 殺人とは程遠い、意味のわからない行動だろう。 ぼんやりと、まるで硝子越しに演劇を眺めるように、ゆのをみつめる。 その霞みがかった大きな瞳に映る自分が怖かった。 自分が、呪いをかけている魔女にしか見えない。 無抵抗の生贄を鍋で煮詰めようとしている悪魔にしか見えない。 見ないで、見ないで、こっちを見ないで。そんな目で私を見ないで。 最後の一滴まで滴らせ、ペットボトルを転がせる。その軽いプラスチック音で、女の子は我に返った。 でももう準備は整ってしまった。 混元珠を握る。水溜まりから、薄い刃を何枚も立ち昇らせる。 そこでやっと女の子は、狙われているのを自覚したようだ。 刃が飛沫を散らして空中を裂く。 鉈のようなカミソリが女の子の頸椎を狙う。 峰にひだをつくり、ある刃は左から、または右から、そして正面から首輪へ向かう。 女の子は身体を伏せた。 伏せるだけでかわせる攻撃ではなかった。 左右の刃は互いにぶつかって水の塊と変わる。 正面からの刃が、逃げ遅れたストレートの後ろ髪を横一文字で切っていった。 サイド以外ショートヘアになる。 ゴッ、 やけにゆったりと認識した。 平たい金属が眼前をよぎる。 右手と左手の間を器用にすりぬけた金属は、引き起こした風と共に下へとおりていく。 パァァン! はじき飛ばされた音で、やっと遅れて理解した。 またたきする間に、女の子にスコップで混元珠をはたき落とされた。 スコップともども、混元珠はすっ飛んでいった。 混元珠が棚に当たり、四角い箱が倒れた。 金属の爪が回り、小さな鍵盤が奏でられる。 オルゴールが場違いにも涼やかに歌い出した。 聞いたことがある。 確か、『主よ、人の望みの喜びよ』だ。 一番有名な小節が繰り返される。 壊れてはいなそうだが、混元珠は取りに行くには隙ができ過ぎるほど遠くへ転がっていく。 武器を失い、丸腰になり、敵意剥き出しのゆのに相手が何もしないはずがない。 抵抗と報復。 報復報復報復報復報復報復 抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗 報復報復報復報復報復報復 抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗 報復報復報復報復報復報復 死ね。 やりかえされる! そのふたつの単語しか浮かばない。 死にたくないなら、やられる前にやらなきゃいけない。 糸が切れた。 緊張でもあり、恐怖でもあり、我を抑えるものでもあった。 「あ゙あっああああぁあ゙あ゙あああ゙あぁっ……!」 空っぽになった手を握り、女の子の側頭を殴っていた。 大して筋肉のない腕での攻撃だ。そうダメージは与えられない。 今度は脇腹を貫くように、パンチを放つ。けれど思う通りに動かない。 女の子はまたかがむ。下へ目線をやった途端、頬が熱くなった。 手枷があるにも関わらず、見事な平手打ちをされた。 仕返しされた。仕返しされた。仕返しされた。 ――ならこっちも何をやっても大丈夫。 仕返しの仕返しとばかりに、往復でビンタをした。女の子の頬に紅葉の跡がつく。 この様子だと、女の子もスコップの他は武器を持っていない。 そのスコップは混元珠と一緒に遠くへ飛んでいった。 目が熱い……潰されたのかとも一瞬勘違いしたが、目尻を伝う感覚で泣いているのだと知った。 「ああっあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」 初めての、力が拮抗した戦いだった。 背徳という名前のアルコールは、身体の中を駆け巡って高揚させ、涙腺を襲う。 叫びと一緒に、あとからあとから涙が溢れた。 拳の痛みが痺れとして全身に広がった。女の子も恐怖の悲鳴を上げている。 その泣き顔が、痺れよりもずっと瞼の裏に沁みた。 抱えきれない罪の重さが身体をひきつぶして、出てきた汁。これこそが涙の正体だ。 壊れた蛇口のように止めどなく流れる。 一滴一滴が重い。辛い。 唇が震えて、喉の奥が焼けそうになる。飲んだ唾液はありえない苦さだった。 嗚咽の波が押し寄せる。 死にたくない、助けて、怖い、逃げたい、逃げられない。 突っ伏して泣きじゃくりたかった。何もかも手放して泣きたかった。 親友が死んだ時には出なかった涙が顔を汚す。 よりによって人をまた殺めようとしている、こんな時に。 拳を結ぶ。 ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり 肉を握り締めた幻覚が染み付いていた。 いまだにこびりついた血の匂いがはがれてくれない。 女の子を睨みつけた。 悔しさと恐怖を向ける標的が、的外れなのは承知している。 女の子は知ってか知らずか、その荒みきった視線をずらしもかわしもしなかった。 雪で冷えきった心が、カッと熱くなる。 胸が抉れ、破けそうになるほど痛い。 握り潰した陽気な妖精を、首を折った女の子を思い出すたびに、人として大事なものが徐々に壊死していった。 腐りゆく感情の断末魔が、今、口からほとばしっている。 爛れた心の悲鳴を代弁しているようだった。 取り戻せないもののために、どうしてこんなにボロボロになっていくのか、それすらもわからない。 「あ゙あ゙っ、うあ゙あああぁッ!!!!」 ゆのの叫びは止まらない。 失った何かは大きすぎた。 バラバラに砕けた倫理を必死にかき集める自分がいて、それを乱す自分がいる。 後悔と保身、それぞれが頭を暴れまわる。 女の子を一発殴るごとに、ゆのにとって一番大切なものを蔑ろにしているのだと、是認しているようなものだった。 大切なものは、絵描きになる夢? 笑いあえる仲間との時間? この世にひとつしかない命? たぶん、いままで当たり前に生きてきたこと全部だ。 ふとゆのは後ろを向いた。 ひどく細い糸が、闇の奥から何本も伸びて腕を掴んできた。 がんじがらめに糸が手首や足首に絡みつき、囚われてしまう。 闇に糸を引っ張られ、無理やり腕を手繰り寄せられる。 がむしゃらに振り払おうとすると、糸は急に緩み、弾みで前へ勢いよく拳をついてしまった。 ただの幻のはずだが、柔らかい感触が拳を受け止めた。 穏やかなオルゴールの音色で、今度はゆのが我に返る番だった。 背後に闇などなかった。 拳に食い込んでいたのは女の子の腹だった。 さっき女の子は、ペットボトルの音がするまでぼんやりしていた。 ぼんやりしてるように見えただけで、本当は何かに囚われて動けなかっただけなのではないのだろうか。 手足を窮屈に締め付ける糸が、女の子の全身に巻き付いていたのではないのだろうか。 呼吸は鎮まらない。肩は激しく上下し、言葉にならない言葉を吐き出し続ける。 それは目の前の女の子も同じだった。 「うわぁああぁああああぁぁん!!」 混じりけのない涙を拭いもせず、全身で泣いていた。 泣いて泣いて、叫んでいた。 ゆのには、その涙が世界中のどんな宝石よりきれいだと感じた。 渦を巻き、激しさを増し、煮えたぎる熔鉄の洪水がついに決壊した。 「――私は死にたくない!」 ゆのはたまらなく悲しくなった。 神経を擦り減らして絞り出した言葉が、余りにも一人よがりで、歪んで曲がっていた。 「私だって死にたくない!」 同じ台詞を返される。 この子と同じだ。死にたくない。 魂の脱け殻だったような女の子の第一印象はどこかへ行ってしまった。 そこにいるのは、必死に崖にしがみつく子獅子だった。 頂上へ昇る力も、蹴落とす体力もないが、落ちたくない一心で幼い爪を立てている。 泥沼にはまりこんでも、ゆのの頭はなお無責任な逃げ道を探し出す。 枯れもしない涙と、枯れ果てた叫びをぶちまけた。 「もう宮子にも、会え゙ないんだっ、もう誰も信じられない、 誰も許してぐれないよぉおおお!!」 箍が外れたように、初めて思いのたけを発露した。 声の勢いのままに上半身を揺らし、拳を突き上げる。 顎へヒットする寸前、女の子は後ろにのけ反ってかわした。 スカを食らってすぐに体勢を立て直せるほど喧嘩慣れはしていない。 ふらっとよろける。 尻餅をついた女の子は隙に横へ転がった。 足枷の状態なら、立ち上がるより転がる方が早く逃げられる。 ゆのから少し離れたところで、立ち膝して俯いている。 顔は見えない。ゆの以上に大粒の涙を滴らせていた。 落ちた真珠の輝きは、床に当たって砕けていった。 「私だって、ハヤテ君とナギちゃんにはもう会えない…… ナギちゃんは私の腕の中で逝っじゃったんだ…… もう土の中だよ! どこに行ったっでもう笑ってくれな゙いよぉ!」 女の子は顔を上げた。鼻を真っ赤にして、すすっていた。 「どうずればい゙い゙かわかんないじゃない!」 きれいに切り揃えられた眉を限界までハの字にして、女の子は泣き崩れた。 哀しいほど、伝わった。 悔しいほど、理解した。 叩けば響く、その境遇。 ちゃんと友人を埋葬したという女の子が、どうしようもなく輝いていた。 自分はどうだ。 旅館にあるはずの死体に、ごめんなさいって言って首輪を取ろうとしていた。 ――ごめんなさい、で許されると思っていたのか。 臓物ツリーと化した友人から、首輪を取っていた。 ――助かりたいから、で許されると思っていたのか。 女の子の唇が動いて見えた。 『この、外道が』 その罵り、妄言を作りだし、喋らせたのは、他でもない。ゆの自身だ。 我が身可愛さに、脳は勝手に女の子の口を借りて、喋らせている。憎む理由を捏造している。 それに気づいた瞬間、目から鼻から口から、感情という感情が爆発した。 この場においては、立ち止まってしまった者が負けなのだ。 女の子を仰向けに押し倒し、胴体へ馬乗りする。 指を鎖骨の間へ埋める。寸分違わず、気道を位置を捉えた。 押す。 押す。 押す。 ゆのの手首に爪痕が増えていく。 押す。 押す。 押す。 痣ができるほど強く手首を握られる。 押す。 押す。 押す。 女の子は顔が真っ赤だ。 押す。 押す。 押す。 女の子の顔が青くなる。 押す。 押す。 押す。 オルゴールのネジが緩んでいく。 押す。 押す。 押す。 女の子の瞳が大きく揺らぐ。 押す。 押す。 押す。 女の子の目から、涙がこぼれた。 押す。 押す。 押す。 ゆのと女の子の涙は、女の子の黒髪の中へ落ちた。 押す。 押す。 押す。 ゆのの手首から、女の子の手が剥がれた。 ――かくり。 ……――ピン…… オルゴールが間延びして止まる。 すぐに女の子から離れた。 混元珠を拾いに、いく。 「これが君の武器だね?」 「え?」 背の高い影がゆのより先に混元珠を拾ってしまった。 腕の感覚を無くしていた時に会った、とてもとても派手な男が立っていた。 「ハッハッハッ! 君はこれが無いと一般人なんだろう! まだ戦いはしないさ! いや、本来の持ち主でない君がどうこれを駆使するのかは気になるところだ! 非常に戦ってみたいのは本心だが、楽しみは後にとっておこう!」 たしか、趙公明と呼ばれていた男だ。 逆らってはいけない、そう本能が告げる。 べたんと尻餅をついた。立ち止まってしまった者が負けなら、次はゆのの番なのだ。 趙公明はヒラヒラした赤と黒の布を持っていた。 見上げるゆのに、その布端があたる。 「来たまえ! 面白いものを見せてあげよう!」 ##### 通されたのは、パソコンのある部屋だった。 とあるブログを抜けると、色々なスレッドが立ち上げられた掲示板へつながった。 スクロールしていくと、地獄の底へ蹴り落とされるような書き込みが多数あった。 1:気のいい兄ちゃんに協力求めたら肺をブチ抜かれたんだけど(Res ?) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 4 名前:ラッキースターな名無しさん 投稿日:1日目・昼 ID:mIKami7Ai ×印の髪飾りを付けた少女には注意してください。 既に何人かの人間を殺しているようです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 7 名前:ラストバタリオンな名無しさん 投稿日:1日目・日中 ID:NaiToYshR ここは危険なので手短に。 僕も×印の髪飾りを付けた少女に襲われました。 彼女は白いワンピースを着ているので注意して下さい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 8 名前:絶版発売中な名無しさん 投稿日:1日目・日中 ID:tAkaO03rD 第一放送前、×印の髪飾りを付けた少女に襲われた。 水を操る力を持っているらしい。水辺にいる場合は気をつけてくれ。 ほとんど勝ち目はない。 間違いもなにもない。自分のことだった。 これらを否定する書き込みはあるにはあったが、目を向ける余裕などない。 悪評がだだ漏れている。 そして、全て事実だ。 味方してくれる人がいるとは期待していなかったが、これでとどめを刺された形になった。 詰んだ。終わりだ。何もかも。 でも、言わずにはいられない。 「どうしてこんなこと書かれてるの……」 特に引っ掛かるのは 《第一放送前、×印の髪飾りを付けた少女に襲われた。》 との書き込みだった。 男の子と強面の男の人は吹き飛ばしてしまった。 では誰が書き込んだのか? 「まさか、生きてた?」 希望が差したが、すぐ頭の中の小さな歯車が噛み合った。 きっとグリフィスを担いでいた男の子が書き込んだのだ。 恐らく風呂に入っている間にグリフィスは、男の子二人+強面さんの三人組に会っていたのだろう。 何らかの理由で男三人組はグリフィスと男の子、ひき潰したあの二人と二組に別れた。 事故で二組を死なせてしまい、グリフィスに大怪我を負わせ、残った男の子は息のあるグリフィスを抱えて逃げた。 その時にゆのの姿を確認したのだ。 死体がなかったのは、男の子が埋葬したから。 撃たれる前に注意を呼び掛けられたのは、トレードマークの×印の髪留めをしていおらず、しかも薄暗かったのでゆのだとはわからなかったのではないか。 すらすらと憶測が積み重なる。 あまりに辻褄があっていて、欠片の希望も残らなかった。 「君は一人で行動しているね? 人質の価値はあまりなさそうだ。 しかしっ! 優勝を狙っているのだろう? 宴の参加資格は十分にある! 特別ゲストとして闘技場に来たまえ! シード権を差し上げようじゃないか! 何なら大量の水も用意しておこう! さぁ戦おうじゃないかっ!」 突き出されたのは、趙公明の持つヒラヒラの黒い布だった。 ふんわりした真っ黒いドレスが広がる。 「これが宴のチケットだ! 着てみてほしい! 僕は愚かだった……四不象をさらったときには思い至らなかったのだが、 より多くの者に、戦いへ身を投じようと考えさせるには、もっとメリットを持たせなければならない! 与えるものを明確にしなくてはいけなかった! そう、いわゆるマーケティング! 僕は人々の需要を求めた結果、平々凡々な人質を美しく彩ることで価値を与えるところに辿り着いたのさ! ハッハッハッ、僕は経済理念を理解したのさ。 そうだ、これを本にして出版しよう!『もしもバトルロワイヤルで趙公明がマネジメントを読んだら』 ああこれは売れる! いや、閑話休題だ。 とにかく、歩君に似合うのはどっちのドレスなのか迷って、両方持ってきてしまったのだ! やはり優雅なアフタヌー……いやいやミッドナイトに必要なのは美しさだからね! あの上下ジャージは宴の召し物にはいただけない! 君も大概だ。これでは美しくない。腕を通してみたまえ!」 胸をはった趙公明はつらつらと長く口上を述べた。 有無を言わさぬ強さに、戦意が喪失した。 喜媚から奪った暖かい服を脱ぐ。これで裸になるのは何回目になるだろうか。 傷だらけの全身が露になる。 持っているだけではカーテンにしか見えないが、脚を通して引っ張りあげると、デザイナー渾身の出来栄えであろう美しい曲線ができた。 背中が大きく開いたドレスだった。裾がゆったりとしている。動きに支障はなさそうだ。 特に欲情もせず、趙公明は開いたドレスの背中の紐を結んでやる。 素粒子レベルで構築された喜媚の服は、趙公明が手を加えて寒さに耐えられるドレスのショールへと創り変えられた。 真っ赤なもう一着のドレスをご機嫌に振り回す趙公明に、小声で呟いた。 「もう、許して……」 ひどくガラガラな声だった。 泣き疲れて、眼球がガラス玉のようになる。 頬の肉がごっそり落ちたみたいだった。平手打ちされた熱が、まだぴりぴりと残る。 掲示板の人質情報に載っていた女の子が、さっき息絶えた子のようだ。 助けに向かってくれる人がいた。それだけで嫉妬してしまう。 でも闘技場に向かう向かわない以前に、殺してしまった。この書き込んだ人はどう思うだろう。 闘技場へやってきたら、もう死んでました、残念でした、なんて聞くことになる。 ガラス玉から、なけなしの雫が落ちた。 謝って、許してくれるものと許してくれないものがある。 消えた命は償えない。崩れた柱は戻らない。 それでも女の子へ、笑顔で慰めてくれた妖精へやってしまった過ちを埋めなければいけない。 女の子の仲間は怒るだろう。悲しむだろう。もがき苦しむだろう。 その気持ちを鎮めることが、手をかけた女の子へのかすかな贖罪だ。 せめてその助けに向かってくれる人のため、趙公明と戦っている間だけでも「そこに女の子がいる」と思わせておいてあげたい。 替え玉になるのだ。 「人質には私がなるから……」 「ノンノンノン、言ったじゃないか。君の情報は錯綜していて、人質のメリットが薄いのさ! 歩君を着飾るのはこの真っ赤なドレスになるな!」 いそいそと、趙公明はゆのを連れて女の子・歩の亡骸を着飾りに部屋へ戻った。 上半身のジャージのジッパーを下げる。なぜか下着を着けておらず、谷間が晒される。 少し肩からジャージを下ろすと平均的な大きさの胸がはだけた。布地に擦れて、先端が赤い。 ゆのはぼっとマネキンの着せ替えを眺めていた。ゆのがペットボトルの水を流したときの歩と同じ表情だった。 胸を覆い隠し、細い腰を取り巻くコルセットを装着させる。 ぎりぎりと締め付けの紐を絞る。 げふっ 「ご、ごめんなさい……何しているのかな?」 ゆのはやはり魔女だった。 歩の瞳が映した通り、悪魔だった。 趙公明は王子には程遠かったが、確かに歩は白雪姫のようだった。 ##### ゆのの首絞めは、半日前にカノンに殺されかけたときの半分の力もなかった。 更に、酸欠で気絶してからすぐに手を放したので、比較的早い回復ができた。 首を絞めるなら、カノン並の力で念入りに五分ぐらいは続けないと確実ではない。 「ハッハッハッ! 人間はこんな程度では死なないのだよ! 勉強になったかね!」 歩はされるがままに着せ替えられる。 ゆののものとは違う、花嫁衣装のように立派なドレスで歩は彩られた。 まだ殴られた顔は腫れぼったいが、人質には充分すぎるほどに美しい。 首輪が手に入らなかった悔しさと、どこかしらの安堵が混ざる。 決して歩が生きていたことへの安心ではない。人質の替え玉になる必要がないとわかったからだった。 まだまだ虚ろだった歩だが、趙公明がナイブズのマントをジャージと一緒に捨てようとしたのを必死で止めていた。 「こ、これは必要なんです……私これがないと寒くて死んじゃいます。 あの、ドレスに似合わなくもないので捨てないでください!」 寒さで死ぬのではなく、心に纏う防寒具にしているようだった。 弱々しくマントを引っ張り、身体に巻きつける。 ふと向いた、歩の目線が痛い。 「憎……いでしょう?」 ゆのは語りかけた。返事など決まっている。憎いです、と言って欲しい。 闘技場で、また首輪を狙うつもりだから。 「憎い、より、悲しいのかな」 ぽつりぽつりと、やはり枯れた声で呟かれた。 小さく人の名前も言ったようだが、ゆのは聞き取れなかった。 「私は知らないんだけど、憎くて仕方がないはずの存在を見捨てないで、愛し続けた人が、いるんだって。 そう聞いた、の」 何年も、何百年も。 思い出し、噛みしめるように歩は言葉を紡ぎだした。 「私、そんなに強くないし、物分かりも悪い。 諦めも悪いつもり、だけど、見捨てないかどうかって言われるとたぶん、強く『うん』って言えない……と思う」 もう歩の視界にゆのは入っていなかった。天井に焦点を這わせている。 独り言を、今ここにいない『憎い存在を愛した人』と『それを話した人』へ向けていた。 ゆのは歩に、底の知れない何かを感じた。 「ハヤテ君をこ、殺したミッドバレイさんは憎い、けど殺そうとは思えなかった。 今、首も痛くてすごく悲しい、けど、やっぱり殺そうなんて考え、られないよ。 ゆ、ゆっくり、ゆっくりなんて考える暇はなかったけど、やっぱり私は許せない」 ほら、やっぱり恨んでいる。 案の定綺麗事を連ねているだけの歩に腹が立った。 だが、最後の一言に仰天する。 「絶対に、許しはしないけど……一緒にご飯食べるぐらいならできるようになるかもしれない」 何を言っているのかわからない。 どうして憎い人と歩み寄れるというのだ。 ほうっと歩の目から光が消える。 無意識であろう、下手ながら誰かの台詞をそらんじた。 「『だが愛し共に歩めずとも……憎まぬくらいなら出来るかもしれない』」 「……っ、あああああ ああ あああ あああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああ ああああああっッッ!!!!!!」 ゆのはそこらにあったものを手当たり次第投げつけた。 歩に当たり、趙公明に当たり、壁に当たり、床に当たる。 「ハーッハッハッハッ! 花丸元気なのはいいことだ! また会おう!」 天井に大穴を開け、趙公明と歩は空へ消えていった。 ##### キンブリーよりも、趙公明よりも、手だらけ女の三人組よりも。 歩の人間味の方がずっとずっと怖かった。 ゆのが取り戻せなくなった大切なものを、代わりに預かってくれていたようだった。 ジグソーパズルを縦にして叩いたように、倫理も道徳も剥離していく。 逃げ場を断たれたときに見つけた不器用な優しさが、痛くて痛くて仕方がない。 もしかしたら死ぬより辛い贖罪よりも、ずーっと、痛い。 『どうずればい゙い゙かわかんないじゃない!』 女の子、西沢歩がぶつけた叫びが甦る。 ぶつかった心に黒々とした痣が増えていく。 精神が錆び付いた、そう思ったのに。 『憎……いでしょう?』 『愛し共に歩めずとも、憎まぬくらいなら出来るかもしれない』 ――私は、 「どうしろっていうのよおおぉおお!!!!!!」 【F-02/北/一日目/夜】 【趙公明@封神演義】 [状態]:疲労(小) [服装]:貴族風の服 [装備]:オームの剣@ONE PIECE、交換日記“マルコ”(現所有者名:趙公明)@未来日記 [道具]:支給品一式、ティーセット、盤古幡@封神演義、狂戦士の甲冑@ベルセルク、橘文の単行本、小説と漫画多数 [思考] 基本:闘いを楽しむ、ジョーカーとしての役割を果たす。 1:闘う相手を捜す。 2:競技場に向かいつつ、パーティーの趣向を考える。 3:カノンやガッツと戦いたい。 4:ナイブズに非常に強い興味。 5:特殊な力のない人間には宝貝を使わない。 6:宝貝持ちの仙人や、特殊な能力を持った存在には全力で相手をする。 7:キンブリーが決闘を申し込んできたら、喜んで応じる。 8:ネットを通じて更に遊べないか考える。 9:狂戦士の甲冑で遊ぶ。 10:プライドに哀れみの感情。 [備考] ※今ロワにはジョーカーとして参戦しています。主催について口を開くつもりはしばらくはありません。 ※参加者の戦闘に関わらないプロフィールを知っているようです。 ※会場の隠し施設や支給品についても「ある程度」知識があるようです。 【西沢歩@ハヤテのごとく!】 [状態]:手にいくつかのマメ、血塗れ(乾燥)、全身に痣と打撲、拘束 [服装]:真っ赤なドレス、ナイブズのマント、ストレートの髪型(短) [装備]:なし [道具]:スコップ、炸裂弾×1@ベルセルク、妖精の燐粉(残り25%)@ベルセルク [思考] 基本:死にたくない。ナイブズに会いたい。 0:趙公明に対して――? 1:ミッドバレイへの憎しみと、殺意が湧かない自分への戸惑い。 2:ナイブズに対する畏怖と羨望。少し不思議。 3:カラオケをしていた人たちの無事を祈る。 4:孤独でいるのが怖い。 [備考] ※明確な参戦時期は不明。ただし、ナギと知り合いカラオケ対決した後のどこか。 ※ミッドバレイから情報を得ました。 【ゆの@ひだまりスケッチ】 [状態]:疲労(極大)、貧血更に進行、頭部に爪による切り傷、後頭部に小さなたんこぶ、首に絞められた跡、倫理観崩壊気味、精神不安定(大) [服装]:真っ黒なドレス、ショール、髪留め紛失 [装備]:混元珠@封神演義 [道具]:支給品一式×3(一食分とペットボトル一本消費)、イエニカエリタクナール@未来日記、制服と下着(濡れ)、パックの死体(ワンピースに包まれている)、エタノールの入った一斗缶×2、首輪×5(胡喜媚・高町亮子・浅月香介・竹内理緒・宮子) [思考] 基本:死にたくない。 1:人を殺してでも生き延びる。 2:『特別ゲスト』として闘技場へ向かう。 3:壊れてもいいと思ったら、注射を……。 4:西沢さんの人間性に恐怖。また彼女に羨望と嫉妬。 [備考] ※二人の男(ゴルゴ13と安藤(兄))を殺したと思っています。またグリフィスにも大怪我を負わせたと思っています。 ※切断された右腕は繋がりました。パックの鱗粉により感覚も治癒しています。 ※ロビンの能力で常に監視されていると思っています。 ※イエニカエリタクナールを麻薬か劇薬の類だと思っています。 時系列順で読む Back 明日の朝日がないじゃなし Next 私の救世主さま 投下順で読む Back 明日の朝日がないじゃなし Next 私の救世主さま 155 残酷な神が支配する 趙公明 173 適者生存 -survival of the fittest- 155 残酷な神が支配する 西沢歩 173 適者生存 -survival of the fittest- 154 ちだまりスケッチ ~殺人遊戯~ ゆの 169 Small Two of Pieces~JUNO~
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黒い瞳のノア攻略@Wiki このサイトは 黒い瞳のノア~Cielgris Fantasm~ (くろいひとみのノア ~シェルグリス ファンタズム~)の攻略サイトです 製品情報 商品名 黒い瞳のノア~Cielgris Fantasm~ ジャンル RPG 機種 PlayStation PSP/PS3(ゲームアーカイブス) 発売日 1999年7月1日 2008年1月30日 価格 標準価格¥5,800(税抜き) ¥600 備考 【閉鎖】公式サイト / 【閉鎖】公式2