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黒い瞳のノア攻略@Wiki このサイトは 黒い瞳のノア~Cielgris Fantasm~ (くろいひとみのノア ~シェルグリス ファンタズム~)の攻略サイトです 製品情報 商品名 黒い瞳のノア~Cielgris Fantasm~ ジャンル RPG 機種 PlayStation PSP/PS3(ゲームアーカイブス) 発売日 1999年7月1日 2008年1月30日 価格 標準価格¥5,800(税抜き) ¥600 備考 【閉鎖】公式サイト / 【閉鎖】公式2
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全て呪うような黒いドレスで ◆RLphhZZi3Y 謝って、許されることと許されないことがある。 金銭で責任を表せる段階ならまだいい。 かたちを無くしてしまうと、責任は金銭で片付く範囲から遠くへ飛び出していく。 苦しむ被害者関係者への償いは、金銭で保障できない。 大切な人を失ったら、空いてしまった穴を埋められるものはない。 満たされも癒されもせず、深い嘆きの底で暮らすことになる。 逆に、失わせてしまったら、どんなに詫びようと嘆きの沼の底に着きはしない。 罪責と後悔と孤独を感じるなら、被害者の尊厳を守ることに徹していかなければいけない。 それが少しは慰めになる、最大の贖罪だ。 事実を受けとめ、被害者のためだけに涙を流して、傷みと憎しみを和らげていく。これが責任の取り方だ。 しかし償うのは辛いコト。 死ぬよりずっと辛いコト。 ゆのの天秤は、片方の皿がしっかり沈んでいた。許されないことが、とても重かった。 もう片方の皿に乗せる重りなど、どこにあるというのだろうか。 贖罪など、できるというのだろうか。 ##### 首の折れた女の子から、温かそうな服を剥ぎ取ったところから、また放送が流れだした。 悲鳴をより集めたような放送の壮大なBGMの中で、グリフィスの名前が呼ばれ、パックの名前が呼ばれ、女の名前が数人呼ばれた。 この手この腕で、五人もの命を奪った。 五人分の命がナイフになって、身を削ってくる。 眼の球がぐるぐる回る。 だが、もっと自分を責めさいなむかと思ったが、あまりにもすっからかんになった胸には何も引っ掛からなかった。 沙英の名前が呼ばれなかったのもあるだろうが、驚くほど冷静だった。 「そうだ、首輪、回収、しないと」 みぞれから作った水の刃を、襲ってきた女の子へ下ろす。 ぷちり、と首が落ちた。 首輪には胡喜媚とある。男女の名かわかりにくかったが、放送には呼ばれていた。中国の人か。 もうひと仕事とばかりに、転がる死体全員の首をもぐ。 といってもほとんど外傷のなかった女の子以外は、水の手で抱き上げただけで、もろもろと崩れてしまった。 血を洗い、確認する。 胡喜媚、高町亮子、浅月香介、竹内理緒、そして宮子。 あれ? どうして首輪を集めていたんだっけ? 首輪回収の指示がごた混ぜになる。 こうして腕の感覚も戻った。なら集める理由もなくなったはずだ。 どうしてどうしてどうしてどうして。 もう切り取ってしまったので首輪はバッグにしまう。が、冷静になっていても答えが出せないままだ。 度重なる涙と嘔吐で、精神が錆びきってしまった。 売っている犬の首輪に感慨を持たないのと同じように、こうして大事な友達の遺品を手に入れても胸はスカスカなままだ。 だけど、もう疲れた。こんこんと眠りたい。 木々の隙間からかろうじて見える、電灯が灯りつつある街へ勝手に向かっていた。 沈黙する街を見下ろす。雲が地面に蓋をしていた。 灯りだした電灯を頼りに、道を辿る。 当たり前だが、どこの家にも電気はついていない。住宅街をひょろひょろ通る。 真っ暗などこかの家で休みたいが、そうなると敵の襲来にも気づけなさそうだ。安全な場所など島のどこにもありはしない。 両腕で身体を抱きしめさすり、寒さを紛らわす。ワンピースとは段違いの服を着ていても鳥肌が立つ。 摩擦で暖をとりながら、歩いていればちょっとは温かいとばかりに足を動かす。 目的地は特に決めていない。だから休む家を定める基準が曖昧だった。 どこから奇襲されるかわかったものじゃない。 疲弊しきっていても、監視に追われる恐怖で、あれは無理これは無理と根拠なく除外していった。 停電でもない限り見れない、灯火を失った住宅街は恐ろしく気色が悪かった。 電灯だけついているので、気持ち悪さに拍車がかかる。 まっすぐな小道脇に、やっぱり一直線に並ぶ明るい電信柱が、地獄への灯籠に見えて仕方がない。 生き物の気配が皆無なのは嬉しいが、黄泉路を一人で歩いていく錯覚がどうしてもつきまとう。 鳥肌は寒さのせいだけではない。 電信柱がゆのを滑稽だと笑っている。 「疲れた、なぁ」 爪先は千切れそうに痛い。 みぞれが染み入って、霜焼けができそうだった。 一刻も早く休みたい。 暖まりたい。 ポツンと、か細い光が灯った。ずいぶん遠くで、光らしきものが出現したようだ。 降りしきるみぞれが電灯に照らされただけかもしれない。 よく目を凝らしてみる。 きらめくのではなく、均一の光を発している。 罠とは考えにくいが、それは窓明かりだった。住宅の影に隠れながら、近づいてみる。 誰かが光の家から出ていった。遠すぎて男か女かはっきりしない。 だが、二階の部屋の一室で影が左右に揺れている。少なくとも一人は家にいる。 なんだかその家が、とても暖かそうに見えてならなかった。 マッチ売りの少女が、幸福な家の窓からクリスマスパーティーを見ているような、羨望と不幸が入り交じる不思議な魅惑を感じた。 ##### 周りの住宅とは少し違った。 暗さと遠目で小さく見えた家は、近づくにつれイメージが変わっていった。 ちょっとした邸宅だ。 芸能人が休暇に使うような、別荘的な造りだった。 玄関へ吸い寄せられる。鍵は開きっぱなしだ。 ノブをひねると、目に見えそうなほど温かい空気が雪崩れてきた。 明るい。温かい。きれい。いい香り。別世界。 顔の筋肉が緩む。摺り足で玄関を土足のまま上がった。 人が来ないのをいいことに、台所へ忍びこむ。流石にマッチ売りが夢見たご馳走の類いはなかったが、暖炉で焚き火が赤々と燃えていた。 手を擦り足を擦る。 これでもかと濡れた顔を近づける。解けそうだ。 しばらく服を乾かし……人がいるのを知っているのに、いつか人が戻ってくるのを知っているのに、ゆのは無防備すぎた。 その無防備が気にならないぐらい疲労困憊していた。くったくただった。 時計の長針が半分回ってから、初めて異様さに気づいた。 どうして中にいる人は動かないのだろう。棒になった脚もだいぶ回復して、家を回るぐらいの余裕ができた。 ゆのには混元珠もある。 扉をひとつづつ開けていく。パソコンルームだったり、書斎だったり、洗面所だったり、トイレだったり。 二階に上がってからふたつめのドア、とりあえずここが人の影があった部屋だ。 できるなら生きていてほしくない。ノブが回らない。 特殊な造りになっているらしい。外側から鍵をかけられ、中は拘束状態にされている。 「だ、誰なのかな……?」 心細さが染み渡る、震えた女の子の声がした。 ゆのの気配は察しているのに、例えば散弾銃かなにかで攻撃はしてこない。 ペットボトルの蓋を捻る。半螺旋を描いた細い水柱を床へ垂れ流した。 ドアの隙間も通って、水が部屋へ侵入する。そのまま鍵とドアノブを破壊した。 「な、なんなのかな!?」 扉の先にいたのは、取り立てて特徴のない女の子だった。濃いストレートの髪が振り返る。 なぜかジャージ姿だったが、ゆのと同い年ぐらいのようだった。 足は枷と鎖で拘束されている。速くは歩けまい。 同じく手首にも手錠がかけられていた。 平均的な顔立ちだが、瞳が大きくかわいい子だ。 目立った傷はない。なのに顔も手も、露出している皮膚は乾いた血にまみれていた。 女の子も、生き残りを懸けて誰かを手にかけたのか。 ただ、この子は気持ちがしなびている。光も活気も、せっかくの大きな瞳から消え、憔悴しきっていた。 アジの開きの眼球の方が、まだずっと潤いがあった。 生きる方法を忘れている、息をするだけの不毛な女の子。 鏡を見ているようで、目を反らしたくなる。 ゆのはぱく、と口を動かすも、言葉が出てこなかった。 女の子がゆのの殺人を受け入れるか、突っぱねることをどこかで願っていたのかもしれない。 でなければ、口がすんなり動いてこう言っていただろう。 チャンスなので、私、今から貴方を殺すんです。 「えっと、一体どうしたのかな……」 目を大きく見開いた以外、これといった反応を示さなかったゆのに、女の子が話しかけてきた。 諦めの混じる、枯れそうな声で。ひゅうひゅうとした、仲間を求める声で。 耐えられなかった。 女の子はたじろぎながらも、ずっとその様子を見ていた。 垂らした水が灯油やガソリンのような物騒なものを撒いているのではないとわかっているようだ。 もう一本のペットボトルの水も流す。 殺人とは程遠い、意味のわからない行動だろう。 ぼんやりと、まるで硝子越しに演劇を眺めるように、ゆのをみつめる。 その霞みがかった大きな瞳に映る自分が怖かった。 自分が、呪いをかけている魔女にしか見えない。 無抵抗の生贄を鍋で煮詰めようとしている悪魔にしか見えない。 見ないで、見ないで、こっちを見ないで。そんな目で私を見ないで。 最後の一滴まで滴らせ、ペットボトルを転がせる。その軽いプラスチック音で、女の子は我に返った。 でももう準備は整ってしまった。 混元珠を握る。水溜まりから、薄い刃を何枚も立ち昇らせる。 そこでやっと女の子は、狙われているのを自覚したようだ。 刃が飛沫を散らして空中を裂く。 鉈のようなカミソリが女の子の頸椎を狙う。 峰にひだをつくり、ある刃は左から、または右から、そして正面から首輪へ向かう。 女の子は身体を伏せた。 伏せるだけでかわせる攻撃ではなかった。 左右の刃は互いにぶつかって水の塊と変わる。 正面からの刃が、逃げ遅れたストレートの後ろ髪を横一文字で切っていった。 サイド以外ショートヘアになる。 ゴッ、 やけにゆったりと認識した。 平たい金属が眼前をよぎる。 右手と左手の間を器用にすりぬけた金属は、引き起こした風と共に下へとおりていく。 パァァン! はじき飛ばされた音で、やっと遅れて理解した。 またたきする間に、女の子にスコップで混元珠をはたき落とされた。 スコップともども、混元珠はすっ飛んでいった。 混元珠が棚に当たり、四角い箱が倒れた。 金属の爪が回り、小さな鍵盤が奏でられる。 オルゴールが場違いにも涼やかに歌い出した。 聞いたことがある。 確か、『主よ、人の望みの喜びよ』だ。 一番有名な小節が繰り返される。 壊れてはいなそうだが、混元珠は取りに行くには隙ができ過ぎるほど遠くへ転がっていく。 武器を失い、丸腰になり、敵意剥き出しのゆのに相手が何もしないはずがない。 抵抗と報復。 報復報復報復報復報復報復 抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗 報復報復報復報復報復報復 抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗抵抗 報復報復報復報復報復報復 死ね。 やりかえされる! そのふたつの単語しか浮かばない。 死にたくないなら、やられる前にやらなきゃいけない。 糸が切れた。 緊張でもあり、恐怖でもあり、我を抑えるものでもあった。 「あ゙あっああああぁあ゙あ゙あああ゙あぁっ……!」 空っぽになった手を握り、女の子の側頭を殴っていた。 大して筋肉のない腕での攻撃だ。そうダメージは与えられない。 今度は脇腹を貫くように、パンチを放つ。けれど思う通りに動かない。 女の子はまたかがむ。下へ目線をやった途端、頬が熱くなった。 手枷があるにも関わらず、見事な平手打ちをされた。 仕返しされた。仕返しされた。仕返しされた。 ――ならこっちも何をやっても大丈夫。 仕返しの仕返しとばかりに、往復でビンタをした。女の子の頬に紅葉の跡がつく。 この様子だと、女の子もスコップの他は武器を持っていない。 そのスコップは混元珠と一緒に遠くへ飛んでいった。 目が熱い……潰されたのかとも一瞬勘違いしたが、目尻を伝う感覚で泣いているのだと知った。 「ああっあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」 初めての、力が拮抗した戦いだった。 背徳という名前のアルコールは、身体の中を駆け巡って高揚させ、涙腺を襲う。 叫びと一緒に、あとからあとから涙が溢れた。 拳の痛みが痺れとして全身に広がった。女の子も恐怖の悲鳴を上げている。 その泣き顔が、痺れよりもずっと瞼の裏に沁みた。 抱えきれない罪の重さが身体をひきつぶして、出てきた汁。これこそが涙の正体だ。 壊れた蛇口のように止めどなく流れる。 一滴一滴が重い。辛い。 唇が震えて、喉の奥が焼けそうになる。飲んだ唾液はありえない苦さだった。 嗚咽の波が押し寄せる。 死にたくない、助けて、怖い、逃げたい、逃げられない。 突っ伏して泣きじゃくりたかった。何もかも手放して泣きたかった。 親友が死んだ時には出なかった涙が顔を汚す。 よりによって人をまた殺めようとしている、こんな時に。 拳を結ぶ。 ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり ぎりぎりぎりぎりぎりぎり 肉を握り締めた幻覚が染み付いていた。 いまだにこびりついた血の匂いがはがれてくれない。 女の子を睨みつけた。 悔しさと恐怖を向ける標的が、的外れなのは承知している。 女の子は知ってか知らずか、その荒みきった視線をずらしもかわしもしなかった。 雪で冷えきった心が、カッと熱くなる。 胸が抉れ、破けそうになるほど痛い。 握り潰した陽気な妖精を、首を折った女の子を思い出すたびに、人として大事なものが徐々に壊死していった。 腐りゆく感情の断末魔が、今、口からほとばしっている。 爛れた心の悲鳴を代弁しているようだった。 取り戻せないもののために、どうしてこんなにボロボロになっていくのか、それすらもわからない。 「あ゙あ゙っ、うあ゙あああぁッ!!!!」 ゆのの叫びは止まらない。 失った何かは大きすぎた。 バラバラに砕けた倫理を必死にかき集める自分がいて、それを乱す自分がいる。 後悔と保身、それぞれが頭を暴れまわる。 女の子を一発殴るごとに、ゆのにとって一番大切なものを蔑ろにしているのだと、是認しているようなものだった。 大切なものは、絵描きになる夢? 笑いあえる仲間との時間? この世にひとつしかない命? たぶん、いままで当たり前に生きてきたこと全部だ。 ふとゆのは後ろを向いた。 ひどく細い糸が、闇の奥から何本も伸びて腕を掴んできた。 がんじがらめに糸が手首や足首に絡みつき、囚われてしまう。 闇に糸を引っ張られ、無理やり腕を手繰り寄せられる。 がむしゃらに振り払おうとすると、糸は急に緩み、弾みで前へ勢いよく拳をついてしまった。 ただの幻のはずだが、柔らかい感触が拳を受け止めた。 穏やかなオルゴールの音色で、今度はゆのが我に返る番だった。 背後に闇などなかった。 拳に食い込んでいたのは女の子の腹だった。 さっき女の子は、ペットボトルの音がするまでぼんやりしていた。 ぼんやりしてるように見えただけで、本当は何かに囚われて動けなかっただけなのではないのだろうか。 手足を窮屈に締め付ける糸が、女の子の全身に巻き付いていたのではないのだろうか。 呼吸は鎮まらない。肩は激しく上下し、言葉にならない言葉を吐き出し続ける。 それは目の前の女の子も同じだった。 「うわぁああぁああああぁぁん!!」 混じりけのない涙を拭いもせず、全身で泣いていた。 泣いて泣いて、叫んでいた。 ゆのには、その涙が世界中のどんな宝石よりきれいだと感じた。 渦を巻き、激しさを増し、煮えたぎる熔鉄の洪水がついに決壊した。 「――私は死にたくない!」 ゆのはたまらなく悲しくなった。 神経を擦り減らして絞り出した言葉が、余りにも一人よがりで、歪んで曲がっていた。 「私だって死にたくない!」 同じ台詞を返される。 この子と同じだ。死にたくない。 魂の脱け殻だったような女の子の第一印象はどこかへ行ってしまった。 そこにいるのは、必死に崖にしがみつく子獅子だった。 頂上へ昇る力も、蹴落とす体力もないが、落ちたくない一心で幼い爪を立てている。 泥沼にはまりこんでも、ゆのの頭はなお無責任な逃げ道を探し出す。 枯れもしない涙と、枯れ果てた叫びをぶちまけた。 「もう宮子にも、会え゙ないんだっ、もう誰も信じられない、 誰も許してぐれないよぉおおお!!」 箍が外れたように、初めて思いのたけを発露した。 声の勢いのままに上半身を揺らし、拳を突き上げる。 顎へヒットする寸前、女の子は後ろにのけ反ってかわした。 スカを食らってすぐに体勢を立て直せるほど喧嘩慣れはしていない。 ふらっとよろける。 尻餅をついた女の子は隙に横へ転がった。 足枷の状態なら、立ち上がるより転がる方が早く逃げられる。 ゆのから少し離れたところで、立ち膝して俯いている。 顔は見えない。ゆの以上に大粒の涙を滴らせていた。 落ちた真珠の輝きは、床に当たって砕けていった。 「私だって、ハヤテ君とナギちゃんにはもう会えない…… ナギちゃんは私の腕の中で逝っじゃったんだ…… もう土の中だよ! どこに行ったっでもう笑ってくれな゙いよぉ!」 女の子は顔を上げた。鼻を真っ赤にして、すすっていた。 「どうずればい゙い゙かわかんないじゃない!」 きれいに切り揃えられた眉を限界までハの字にして、女の子は泣き崩れた。 哀しいほど、伝わった。 悔しいほど、理解した。 叩けば響く、その境遇。 ちゃんと友人を埋葬したという女の子が、どうしようもなく輝いていた。 自分はどうだ。 旅館にあるはずの死体に、ごめんなさいって言って首輪を取ろうとしていた。 ――ごめんなさい、で許されると思っていたのか。 臓物ツリーと化した友人から、首輪を取っていた。 ――助かりたいから、で許されると思っていたのか。 女の子の唇が動いて見えた。 『この、外道が』 その罵り、妄言を作りだし、喋らせたのは、他でもない。ゆの自身だ。 我が身可愛さに、脳は勝手に女の子の口を借りて、喋らせている。憎む理由を捏造している。 それに気づいた瞬間、目から鼻から口から、感情という感情が爆発した。 この場においては、立ち止まってしまった者が負けなのだ。 女の子を仰向けに押し倒し、胴体へ馬乗りする。 指を鎖骨の間へ埋める。寸分違わず、気道を位置を捉えた。 押す。 押す。 押す。 ゆのの手首に爪痕が増えていく。 押す。 押す。 押す。 痣ができるほど強く手首を握られる。 押す。 押す。 押す。 女の子は顔が真っ赤だ。 押す。 押す。 押す。 女の子の顔が青くなる。 押す。 押す。 押す。 オルゴールのネジが緩んでいく。 押す。 押す。 押す。 女の子の瞳が大きく揺らぐ。 押す。 押す。 押す。 女の子の目から、涙がこぼれた。 押す。 押す。 押す。 ゆのと女の子の涙は、女の子の黒髪の中へ落ちた。 押す。 押す。 押す。 ゆのの手首から、女の子の手が剥がれた。 ――かくり。 ……――ピン…… オルゴールが間延びして止まる。 すぐに女の子から離れた。 混元珠を拾いに、いく。 「これが君の武器だね?」 「え?」 背の高い影がゆのより先に混元珠を拾ってしまった。 腕の感覚を無くしていた時に会った、とてもとても派手な男が立っていた。 「ハッハッハッ! 君はこれが無いと一般人なんだろう! まだ戦いはしないさ! いや、本来の持ち主でない君がどうこれを駆使するのかは気になるところだ! 非常に戦ってみたいのは本心だが、楽しみは後にとっておこう!」 たしか、趙公明と呼ばれていた男だ。 逆らってはいけない、そう本能が告げる。 べたんと尻餅をついた。立ち止まってしまった者が負けなら、次はゆのの番なのだ。 趙公明はヒラヒラした赤と黒の布を持っていた。 見上げるゆのに、その布端があたる。 「来たまえ! 面白いものを見せてあげよう!」 ##### 通されたのは、パソコンのある部屋だった。 とあるブログを抜けると、色々なスレッドが立ち上げられた掲示板へつながった。 スクロールしていくと、地獄の底へ蹴り落とされるような書き込みが多数あった。 1:気のいい兄ちゃんに協力求めたら肺をブチ抜かれたんだけど(Res ?) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 4 名前:ラッキースターな名無しさん 投稿日:1日目・昼 ID:mIKami7Ai ×印の髪飾りを付けた少女には注意してください。 既に何人かの人間を殺しているようです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 7 名前:ラストバタリオンな名無しさん 投稿日:1日目・日中 ID:NaiToYshR ここは危険なので手短に。 僕も×印の髪飾りを付けた少女に襲われました。 彼女は白いワンピースを着ているので注意して下さい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 8 名前:絶版発売中な名無しさん 投稿日:1日目・日中 ID:tAkaO03rD 第一放送前、×印の髪飾りを付けた少女に襲われた。 水を操る力を持っているらしい。水辺にいる場合は気をつけてくれ。 ほとんど勝ち目はない。 間違いもなにもない。自分のことだった。 これらを否定する書き込みはあるにはあったが、目を向ける余裕などない。 悪評がだだ漏れている。 そして、全て事実だ。 味方してくれる人がいるとは期待していなかったが、これでとどめを刺された形になった。 詰んだ。終わりだ。何もかも。 でも、言わずにはいられない。 「どうしてこんなこと書かれてるの……」 特に引っ掛かるのは 《第一放送前、×印の髪飾りを付けた少女に襲われた。》 との書き込みだった。 男の子と強面の男の人は吹き飛ばしてしまった。 では誰が書き込んだのか? 「まさか、生きてた?」 希望が差したが、すぐ頭の中の小さな歯車が噛み合った。 きっとグリフィスを担いでいた男の子が書き込んだのだ。 恐らく風呂に入っている間にグリフィスは、男の子二人+強面さんの三人組に会っていたのだろう。 何らかの理由で男三人組はグリフィスと男の子、ひき潰したあの二人と二組に別れた。 事故で二組を死なせてしまい、グリフィスに大怪我を負わせ、残った男の子は息のあるグリフィスを抱えて逃げた。 その時にゆのの姿を確認したのだ。 死体がなかったのは、男の子が埋葬したから。 撃たれる前に注意を呼び掛けられたのは、トレードマークの×印の髪留めをしていおらず、しかも薄暗かったのでゆのだとはわからなかったのではないか。 すらすらと憶測が積み重なる。 あまりに辻褄があっていて、欠片の希望も残らなかった。 「君は一人で行動しているね? 人質の価値はあまりなさそうだ。 しかしっ! 優勝を狙っているのだろう? 宴の参加資格は十分にある! 特別ゲストとして闘技場に来たまえ! シード権を差し上げようじゃないか! 何なら大量の水も用意しておこう! さぁ戦おうじゃないかっ!」 突き出されたのは、趙公明の持つヒラヒラの黒い布だった。 ふんわりした真っ黒いドレスが広がる。 「これが宴のチケットだ! 着てみてほしい! 僕は愚かだった……四不象をさらったときには思い至らなかったのだが、 より多くの者に、戦いへ身を投じようと考えさせるには、もっとメリットを持たせなければならない! 与えるものを明確にしなくてはいけなかった! そう、いわゆるマーケティング! 僕は人々の需要を求めた結果、平々凡々な人質を美しく彩ることで価値を与えるところに辿り着いたのさ! ハッハッハッ、僕は経済理念を理解したのさ。 そうだ、これを本にして出版しよう!『もしもバトルロワイヤルで趙公明がマネジメントを読んだら』 ああこれは売れる! いや、閑話休題だ。 とにかく、歩君に似合うのはどっちのドレスなのか迷って、両方持ってきてしまったのだ! やはり優雅なアフタヌー……いやいやミッドナイトに必要なのは美しさだからね! あの上下ジャージは宴の召し物にはいただけない! 君も大概だ。これでは美しくない。腕を通してみたまえ!」 胸をはった趙公明はつらつらと長く口上を述べた。 有無を言わさぬ強さに、戦意が喪失した。 喜媚から奪った暖かい服を脱ぐ。これで裸になるのは何回目になるだろうか。 傷だらけの全身が露になる。 持っているだけではカーテンにしか見えないが、脚を通して引っ張りあげると、デザイナー渾身の出来栄えであろう美しい曲線ができた。 背中が大きく開いたドレスだった。裾がゆったりとしている。動きに支障はなさそうだ。 特に欲情もせず、趙公明は開いたドレスの背中の紐を結んでやる。 素粒子レベルで構築された喜媚の服は、趙公明が手を加えて寒さに耐えられるドレスのショールへと創り変えられた。 真っ赤なもう一着のドレスをご機嫌に振り回す趙公明に、小声で呟いた。 「もう、許して……」 ひどくガラガラな声だった。 泣き疲れて、眼球がガラス玉のようになる。 頬の肉がごっそり落ちたみたいだった。平手打ちされた熱が、まだぴりぴりと残る。 掲示板の人質情報に載っていた女の子が、さっき息絶えた子のようだ。 助けに向かってくれる人がいた。それだけで嫉妬してしまう。 でも闘技場に向かう向かわない以前に、殺してしまった。この書き込んだ人はどう思うだろう。 闘技場へやってきたら、もう死んでました、残念でした、なんて聞くことになる。 ガラス玉から、なけなしの雫が落ちた。 謝って、許してくれるものと許してくれないものがある。 消えた命は償えない。崩れた柱は戻らない。 それでも女の子へ、笑顔で慰めてくれた妖精へやってしまった過ちを埋めなければいけない。 女の子の仲間は怒るだろう。悲しむだろう。もがき苦しむだろう。 その気持ちを鎮めることが、手をかけた女の子へのかすかな贖罪だ。 せめてその助けに向かってくれる人のため、趙公明と戦っている間だけでも「そこに女の子がいる」と思わせておいてあげたい。 替え玉になるのだ。 「人質には私がなるから……」 「ノンノンノン、言ったじゃないか。君の情報は錯綜していて、人質のメリットが薄いのさ! 歩君を着飾るのはこの真っ赤なドレスになるな!」 いそいそと、趙公明はゆのを連れて女の子・歩の亡骸を着飾りに部屋へ戻った。 上半身のジャージのジッパーを下げる。なぜか下着を着けておらず、谷間が晒される。 少し肩からジャージを下ろすと平均的な大きさの胸がはだけた。布地に擦れて、先端が赤い。 ゆのはぼっとマネキンの着せ替えを眺めていた。ゆのがペットボトルの水を流したときの歩と同じ表情だった。 胸を覆い隠し、細い腰を取り巻くコルセットを装着させる。 ぎりぎりと締め付けの紐を絞る。 げふっ 「ご、ごめんなさい……何しているのかな?」 ゆのはやはり魔女だった。 歩の瞳が映した通り、悪魔だった。 趙公明は王子には程遠かったが、確かに歩は白雪姫のようだった。 ##### ゆのの首絞めは、半日前にカノンに殺されかけたときの半分の力もなかった。 更に、酸欠で気絶してからすぐに手を放したので、比較的早い回復ができた。 首を絞めるなら、カノン並の力で念入りに五分ぐらいは続けないと確実ではない。 「ハッハッハッ! 人間はこんな程度では死なないのだよ! 勉強になったかね!」 歩はされるがままに着せ替えられる。 ゆののものとは違う、花嫁衣装のように立派なドレスで歩は彩られた。 まだ殴られた顔は腫れぼったいが、人質には充分すぎるほどに美しい。 首輪が手に入らなかった悔しさと、どこかしらの安堵が混ざる。 決して歩が生きていたことへの安心ではない。人質の替え玉になる必要がないとわかったからだった。 まだまだ虚ろだった歩だが、趙公明がナイブズのマントをジャージと一緒に捨てようとしたのを必死で止めていた。 「こ、これは必要なんです……私これがないと寒くて死んじゃいます。 あの、ドレスに似合わなくもないので捨てないでください!」 寒さで死ぬのではなく、心に纏う防寒具にしているようだった。 弱々しくマントを引っ張り、身体に巻きつける。 ふと向いた、歩の目線が痛い。 「憎……いでしょう?」 ゆのは語りかけた。返事など決まっている。憎いです、と言って欲しい。 闘技場で、また首輪を狙うつもりだから。 「憎い、より、悲しいのかな」 ぽつりぽつりと、やはり枯れた声で呟かれた。 小さく人の名前も言ったようだが、ゆのは聞き取れなかった。 「私は知らないんだけど、憎くて仕方がないはずの存在を見捨てないで、愛し続けた人が、いるんだって。 そう聞いた、の」 何年も、何百年も。 思い出し、噛みしめるように歩は言葉を紡ぎだした。 「私、そんなに強くないし、物分かりも悪い。 諦めも悪いつもり、だけど、見捨てないかどうかって言われるとたぶん、強く『うん』って言えない……と思う」 もう歩の視界にゆのは入っていなかった。天井に焦点を這わせている。 独り言を、今ここにいない『憎い存在を愛した人』と『それを話した人』へ向けていた。 ゆのは歩に、底の知れない何かを感じた。 「ハヤテ君をこ、殺したミッドバレイさんは憎い、けど殺そうとは思えなかった。 今、首も痛くてすごく悲しい、けど、やっぱり殺そうなんて考え、られないよ。 ゆ、ゆっくり、ゆっくりなんて考える暇はなかったけど、やっぱり私は許せない」 ほら、やっぱり恨んでいる。 案の定綺麗事を連ねているだけの歩に腹が立った。 だが、最後の一言に仰天する。 「絶対に、許しはしないけど……一緒にご飯食べるぐらいならできるようになるかもしれない」 何を言っているのかわからない。 どうして憎い人と歩み寄れるというのだ。 ほうっと歩の目から光が消える。 無意識であろう、下手ながら誰かの台詞をそらんじた。 「『だが愛し共に歩めずとも……憎まぬくらいなら出来るかもしれない』」 「……っ、あああああ ああ あああ あああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああ ああああああっッッ!!!!!!」 ゆのはそこらにあったものを手当たり次第投げつけた。 歩に当たり、趙公明に当たり、壁に当たり、床に当たる。 「ハーッハッハッハッ! 花丸元気なのはいいことだ! また会おう!」 天井に大穴を開け、趙公明と歩は空へ消えていった。 ##### キンブリーよりも、趙公明よりも、手だらけ女の三人組よりも。 歩の人間味の方がずっとずっと怖かった。 ゆのが取り戻せなくなった大切なものを、代わりに預かってくれていたようだった。 ジグソーパズルを縦にして叩いたように、倫理も道徳も剥離していく。 逃げ場を断たれたときに見つけた不器用な優しさが、痛くて痛くて仕方がない。 もしかしたら死ぬより辛い贖罪よりも、ずーっと、痛い。 『どうずればい゙い゙かわかんないじゃない!』 女の子、西沢歩がぶつけた叫びが甦る。 ぶつかった心に黒々とした痣が増えていく。 精神が錆び付いた、そう思ったのに。 『憎……いでしょう?』 『愛し共に歩めずとも、憎まぬくらいなら出来るかもしれない』 ――私は、 「どうしろっていうのよおおぉおお!!!!!!」 【F-02/北/一日目/夜】 【趙公明@封神演義】 [状態]:疲労(小) [服装]:貴族風の服 [装備]:オームの剣@ONE PIECE、交換日記“マルコ”(現所有者名:趙公明)@未来日記 [道具]:支給品一式、ティーセット、盤古幡@封神演義、狂戦士の甲冑@ベルセルク、橘文の単行本、小説と漫画多数 [思考] 基本:闘いを楽しむ、ジョーカーとしての役割を果たす。 1:闘う相手を捜す。 2:競技場に向かいつつ、パーティーの趣向を考える。 3:カノンやガッツと戦いたい。 4:ナイブズに非常に強い興味。 5:特殊な力のない人間には宝貝を使わない。 6:宝貝持ちの仙人や、特殊な能力を持った存在には全力で相手をする。 7:キンブリーが決闘を申し込んできたら、喜んで応じる。 8:ネットを通じて更に遊べないか考える。 9:狂戦士の甲冑で遊ぶ。 10:プライドに哀れみの感情。 [備考] ※今ロワにはジョーカーとして参戦しています。主催について口を開くつもりはしばらくはありません。 ※参加者の戦闘に関わらないプロフィールを知っているようです。 ※会場の隠し施設や支給品についても「ある程度」知識があるようです。 【西沢歩@ハヤテのごとく!】 [状態]:手にいくつかのマメ、血塗れ(乾燥)、全身に痣と打撲、拘束 [服装]:真っ赤なドレス、ナイブズのマント、ストレートの髪型(短) [装備]:なし [道具]:スコップ、炸裂弾×1@ベルセルク、妖精の燐粉(残り25%)@ベルセルク [思考] 基本:死にたくない。ナイブズに会いたい。 0:趙公明に対して――? 1:ミッドバレイへの憎しみと、殺意が湧かない自分への戸惑い。 2:ナイブズに対する畏怖と羨望。少し不思議。 3:カラオケをしていた人たちの無事を祈る。 4:孤独でいるのが怖い。 [備考] ※明確な参戦時期は不明。ただし、ナギと知り合いカラオケ対決した後のどこか。 ※ミッドバレイから情報を得ました。 【ゆの@ひだまりスケッチ】 [状態]:疲労(極大)、貧血更に進行、頭部に爪による切り傷、後頭部に小さなたんこぶ、首に絞められた跡、倫理観崩壊気味、精神不安定(大) [服装]:真っ黒なドレス、ショール、髪留め紛失 [装備]:混元珠@封神演義 [道具]:支給品一式×3(一食分とペットボトル一本消費)、イエニカエリタクナール@未来日記、制服と下着(濡れ)、パックの死体(ワンピースに包まれている)、エタノールの入った一斗缶×2、首輪×5(胡喜媚・高町亮子・浅月香介・竹内理緒・宮子) [思考] 基本:死にたくない。 1:人を殺してでも生き延びる。 2:『特別ゲスト』として闘技場へ向かう。 3:壊れてもいいと思ったら、注射を……。 4:西沢さんの人間性に恐怖。また彼女に羨望と嫉妬。 [備考] ※二人の男(ゴルゴ13と安藤(兄))を殺したと思っています。またグリフィスにも大怪我を負わせたと思っています。 ※切断された右腕は繋がりました。パックの鱗粉により感覚も治癒しています。 ※ロビンの能力で常に監視されていると思っています。 ※イエニカエリタクナールを麻薬か劇薬の類だと思っています。 時系列順で読む Back 明日の朝日がないじゃなし Next 私の救世主さま 投下順で読む Back 明日の朝日がないじゃなし Next 私の救世主さま 155 残酷な神が支配する 趙公明 173 適者生存 -survival of the fittest- 155 残酷な神が支配する 西沢歩 173 適者生存 -survival of the fittest- 154 ちだまりスケッチ ~殺人遊戯~ ゆの 169 Small Two of Pieces~JUNO~
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カオルの亡父・由児が書いた絵本。内容と主人公の容姿を見る限り、牙狼をモデルにしていると思われる。終盤の部分が描かれていなかったため出版されていない(「結末は人それぞれの心にある」との信念から白紙にしていたが、業界に理解されなかったため)。複数あった在庫は、孤児院の子供達の落書きでそれぞれの結末が描かれており、カオルは父の意思に気づく。最終話で、カオルの所持する一冊はカオルの手で結末が描き加えられ、鋼牙に贈られた(結末を読んだ鋼牙は、感極まって絶句する。その内容は演出上伏せてあり、視聴者の想像に委ねられている)。
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知識 人物 セレンディアの人々 知識 | 人物 | 地形 | 生態 | 冒険日誌 | 調査 | 生活 | 貿易 | 黒い砂漠への適応 バレノス東部の人々 | セレンディアの人々 | 馬を管理する人々 | 船管理人 | バレノス西部の人々 | カルフェオンの人々 | ケプランの人々 | カルフェオン南西部の人 | 特殊貿易管理者 | 拠点管理者(内陸) | 拠点管理者(北海) セレンディアの人々-目次 ハイデルの上流階級 セレンディアの外地人 セレンディアの商人 セレンディアの将校 セレンディアの警備兵 セレンディアの住人 グリッシー村の住人 ハイデルの上流階級 (行動力増加2) 名称 星座 場所 カロリン ジョルジュ・フースト グレース・ローレン ボニー・ローレン ジョルダイン・デュカス クルシオ・ドモンガット ジャレット・ドモンガット クレイア ▲ セレンディアの外地人 (行動力増加2) 名称 星座 場所 ヤーズ クラント ブラッディ修道院の西の橋のすぐ近くエダンの隣 ホーコン モニク ドーソン ジャムカス・ウィルムスベイン 北部警備キャンプ オクレイン イソベル・エンカロシャー ポピオス エイル ロベイ・フォン ▲ セレンディアの商人 (行動力増加2) 名称 星座 場所 テクトン コンスタンテ シウタ メリッサ・ブレディー ルチアーノ・ピエトロ ララ カレスト・フォンティ 北部警備キャンプ オルネラ プラビアーノ レビオス オリビア プイア ジョエル アメリゴ ドーラ・ポンティ ▲ セレンディアの将校 (行動力増加2) 名称 星座 場所 アルグレン バイフ・ストーナー ハイデルから北北東。ハイデル北部採石場 エルバーノ・ティト ザビエロ・ヴィッテロ ロマーノ・プロスペロ セレミオ チェイサル クルムホルン・ウィルムスペイン テオニール ギンタ ゼニアンス ブレマン エンティ ▲ セレンディアの警備兵 (行動力増加2) 名称 星座 場所 フランシル メシアン パーシャ ディラノア ヴァリオス ピアル ラマート ケイル ベルマン 北部警備キャンプ マウル エンリコ・マンチーニ ▲ セレンディアの住人 (行動力増加2) 名称 星座 場所 アルザス アーチェル ディオクーレ ユゲルタ トーレス アノン ハンネス ザラ・リンチ メルシアン・モレッティ パイシィ ファトゥース ココ・エルダ アマデオ・アレハンドロ ムラーナ・リンチ リンチ牧場(西部キャンプ南の山の上) マルエ・コスタ ハント ▲ グリッシー村の住人 (行動力増加2) 名称 星座 場所 カルロ・デローズ ラーク ダニエラ・デローズ バッハ フレニル デボラ アマラント ライオネル・リッチ アマラント フレハラウ ロレーナ ウルアル アンブロシア カンナ カダッシュ セイレーン ▲
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藩国放送71509002 藩国政庁から皆様へのお知らせです。 ○大事なこと(ここだけ見ればOK) 最近、共和国で『黒い塊のようなもの』が発見されています。 これはとても危険なものであり、『近くで見る』『障ってみる』と、よくない事が起きることがわかっています。 ですから、黒い塊のようなものを見かけた場合、必ずそこから離れて、発見したことを国に教えてください。お願いします。 ○本文 此方は藩国政庁です。 先日、羅幻王国にて謎の黒い塊の発生が確認されました。 これは夢の剣で死亡してしまった人々の残留思念のようなもの、と推測されており、「近くで目視する」「直接触れる」等の行為を行うと危険である、とされています。 黒い塊が羅幻王国以外で確認されたという情報はこの政策を出した時点では確認されていませんが、自国に発生する可能性もあります。 これを退けることが出来るのは精霊手のみとされておりますので、まだ国内に残っている皆さん及びカマキリ種族の皆さんは、謎の黒い塊を確認した場合、即座に離れ、場所の連絡をお願いします。 30609002 追記 藩国放送の日付が間違っておりましたので訂正しました。 どうやら緊急放送を流す際に日付を古いまま読み上げたようです。皆様にはご迷惑をお掛けしました。 深くお詫びし、同じ失敗をせぬように気を着けて行く所存です。 玄霧藩国藩王 玄霧弦耶 同摂政 雅戌
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白い魔法少女と黒い男と銀の機神 ◆vyNCf89vh2 ――美国織莉子は困っていた。 自身の能力である「未来視」の調子が悪い――というのも理由のひとつではあったが、目の前にいる『ソレ』とどう接すればいいのか分からないというのが、現時点においては最大の理由であった。 『ソレ』は人間と呼ぶには、あまりにも機械的過ぎた―― しかし、機械と呼ぶにしては、あまりにも人間的過ぎる―― 織莉子の前で堂々と、その存在をアピールする『ソレ』。 全長約2メートル。 最高出力2500馬力を誇る、鋼の肉体を持つ銀色の機神。 スマートブレインモーターズが産み出した、まさに技術の結晶―― 『ソレ』の名は――オートバジンといった。 ◇ 「最後の一人になるまで殺し合って欲しい――ね。やれやれ、困ったわ……」 話を十分ほど前に戻す。 美国織莉子は、自身のスタート地点である城の前で、一人佇んでいた。 彼女の足元には、ここに転移される直前にアカギという男から与えられたデイパックがひとつ、ぽつんと置かれていた。 しばらくの間、ぼーっと目の前の光景を眺め続けた織莉子であったが、やがてあることを思い出し、視線を足元に持っていく。 「そういえば、中に地図が入っているんだったわね」 そう言いながら、いそいそとデイパックを開け、中身を確認する。 ――一リットル入りペットボトルに入った水が二本。 ――学校の購買部でも売られていそうなパンが六つ。 ――ノートや鉛筆といった筆記用具。 ――そして、手のひらサイズの平たくて丸い形をした赤と白のツートンカラーで彩られた機械が出てきた。 「これは……?」 よく見ると、その機械にはボタンのようなものが付いていた。 試しにそれを指でポチっと押して見ると、機械の真ん中に備え付けられていた液晶画面がパッと明るくなる。 そして次の瞬間には、その液晶画面に『H-8』という文字が表示された。 ――アカギが言っていた『現在自身がいるエリアを示すデバイス』である。 「なるほど、これで私のいる場所は分かったわけだけど……」 地図がなきゃ意味が無いわ、と再びデイパックの中をあさり、地図を探す。 「あった!」 地図はすぐに見つかった。 見つけて取り出すと同時に、ばさりと広げて自身のいるエリアは、この殺し合いの会場のどの辺りに位置するのかを確認する。 が―― 「く、暗くてよく読めない……」 そう。現在の現地時刻は午前0時。 いくら空には月と星々が輝き、織莉子の背後に建つ城は所々がライトアップされているとはいえ、暗いことに変わりはないのだ。 美国織莉子。自身の世界においては、巴マミのような歴戦の魔法少女にすら恐怖を抱かせるほどの威圧感を持つ『白い魔法少女』―― ――なのだが、日常面の彼女、どこか抜けている印象が否めない。 彼女の親友である呉キリカが、それ以上に色々とアレなせいで目立たないが…… 「大変、大変。明かりになる物は入っていないかしら?」 デイパックの中をあさり始める織莉子。 その時―― 「!」 デイパックを漁っていた手が突然ピタリと止まる。 「――誰かが近くにいる」 そして、ポツリとそう呟いた。 美国織莉子の魔法少女としての能力――それは「未来視」。 数秒から数分、一ヶ月、果てにはその先まで、とにかく未来に起こる光景を「視る」ことができるチカラ―― 普段は織莉子本人が「見たい」と望むことによって発現する能力であるが、今回のように無意識下に発動することもある。 ――だが、いつもどおり発動したはずのその能力に、織莉子は違和感を覚えた。 「視える」光景が、何故か濃い霧がかかったかのようにボヤケているのだ。 普段ならば、どんなに先の光景であっても、繊細に、はっきりと「視える」はずなのに―― (おかしい……) そう思いながらも、「視える」光景をじっくりとその目に焼き付ける。 ――自身よりも一回りほど背が高い人影。 ――それが自身の前に立ちふさがっている。 ――その人影が何者なのかまではボヤケているせいで分からない。 ――だが、うっすらとだが「視えた」場所的に考えて、そう遠くない未来で起きる出来事のようだ。 「この場所は……」 すっと視界を背後の城へと向ける織莉子。 そこには、城の中へ入るための大きな城門――と、その脇に停車されている一台のバイクがあった。 「…………」 城門の横に駐車されているバイク――それは、明らかに違和感バリバリな光景だった。 城自体は中世ファンタジーなどに登場する典型的なものとは構造が違うようだが、それでも違和感がある。 ――近づいてじっくりと見てみる。 (変わったデザインね……) まだ中学生であり、かつ機械や乗り物に興味があるわけでもない織莉子でも、そのバイクは変わったデザインをしていると思った。 特に、ハンドルの部分が、ハンドルというよりも『何かの取っ手』のようにも見え―― 「あら?」 よく見ると、そのバイクの座席にはそのバイクのマニュアルと思える薄い冊子が置かれていた。 ――早速手に取り、一枚目のページを開いてみる。 ――が、やはり、暗くてよく読めない。 「え、えぇと……。ハンドルの……スイッチを、押し……スイッチ?」 バイクのハンドルの方へと目をやる。 ハンドルの手前、丁度座席との間に位置する部分――そこには、確かにスイッチと思える部位が存在した。 「ここかしら?」 手を触れ、ぐっと力を込めて押してみる。 すると―― 『 Battle Mode 』 「あら?」 突然、バイクから電子音が鳴り響き、同時に黄色いランプが点灯する。 「も、もしかして、このボタンってエンジンのスイッチだったのかしら?」 急いで切らないと、と再びボタンへ手を伸ばす織莉子。 だが、彼女の手が再びボタンに触れるよりも先に―― ――ガシャン! 「へっ?」 ――ガシャン! 「え?」 ――ガシャン! 「え? え?」 ――ガシャン! 「え? え? え?」 ――ガシャン! 「えぇーーーーっ!?」 バイクが突然動き出した。 ――否、『変形』を始めた。 そして数秒後、そこにはバイクではなく―― 『…………』 「…………」 左腕に盾――実際はバイクの前輪――を備えた銀色の人形ロボットが立っていた。 ――そして、現在に至る。 ◇ 「えぇと……。あなた、魔女……ではないわね。どう見ても。うん……」 目の前の存在に言葉が通じるのかは分からないが、そう話しかける織莉子。 それに対してオートバジンは、ただ黙って織莉子の方を見つめたまま動かなかった。 「……も、もしかして、あなたもこの『儀式』とやらの参加者なのかしら?」 ――ピロロロロ…… 「!?」 オートバジンの人間で言うと顔と目に該当する黒い部分が電子音を発しながら僅かに光った。 織莉子が言った今の問に対して「いいえ、違います」とでも言っているかのように。 「…………」 『…………』 ――黙って見つめ合う(?)二人もとい一人と一機。 「――そ、そういえば、デイパックの中には一人一人ランダムで支給される道具が入っているってあの男は言っていたわね~」 だが、数秒ほど経過したところで、織莉子がそのようなことを口にしながらくるりと後ろに振り返る。 ――発言がかなり棒読みだったことはあえてここでは突っ込まない。いや、むしろ突っ込まないであげてほしい。 「もしかしたら、何か武器とかが入っているかもしれないから確認しておかなくっちゃ~……」 そして、そう――やはり棒読みで――口にしながらオートバジンの前から離れると、置きっぱなしにしていたデイパックの方へと戻っていった。 ――いや、この場合『逃げた』と言ってもあながち間違いではなかった。 なぜなら、デイパックの方へと歩く織莉子は、誰がどう見ても早足であったから―― 『…………』 ――ピロロロロ…… そんな織莉子の様子を黙って見ながら、オートバジンまるで「寂しいです」とでも言っているかのように、顔を僅かに光らせるのであった。 ――オートバジンが自身に支給された支給品のひとつであることを織莉子が知るのは、それから数分後。 デイパックから取り出した懐中電灯を明かりとしながら、オートバジンのマニュアルを一から読み直した時のことである。 ◇ ――サカキは怒っていた。 突然このような舞台に放りこまれ、殺し合いを強制されたからという理由もあるが、再び自身の組織が表舞台に立つ時が来たというのに、それを邪魔されたからという理由もある。 ――この舞台に放り込まれる直前、彼はある洞窟にいた。 三年前、彼の組織はある一人の少年とそのポケモンたちによって解散に追い込まれた。 少年から『真の強さ』――『協力』や『団結』という概念が生み出す強大なチカラ――というものを見せつけられたサカキは、再び『強さ』というものは何なのかを知るため、一人修行の旅に出た。 ――それが結果として、最愛の息子を孤独にしてしまったのだが、そこは別の話である。 それから三年が経ったある日、サカキが洞窟で偶然ラジオを聞いていると、突然ラジオからこのような声が聞こえてきた。 ――こちらはコガネラジオ塔! こちらはコガネラジオ塔! ――三年間の努力が実り、今ここに、ロケット団の復活を宣言する!! 「!」 修行中の身となっていたサカキにとって、それはまさに青天の霹靂であった。 自身の組織――ロケット団の突然の復活宣言。 当然、ボスであるサカキには全くもって覚えのないことであった。 ――ラジオからはさらに声が聞こえてくる。 ――サカキ様ー、聞こえますか~? ――我々、ついにやりましたよー! それは、紛れもなくロケット団の構成員であった者たち――かつての部下たちの声であった。 三年前、部下たちに何の事前報告もなく、突然の解散宣言をした自分。 正直あの時は、もう二度と彼らの前に顔を出すことはできないだろうとサカキは思っていた。 ――だが、現実は違った。 かつての部下たちは、自身が勝手に組織を解散させた後も、残党として社会の裏側に身を潜めながら待ち続けていてくれたのだ! ロケット団こそがサカキという男がいるべき場所であると――ロケット団こそがサカキという男そのものであると、彼に思い出させるために――! ――行かなくてはならない! 部下たちのもとへ! 未だにサカキという存在を必要としてくれる者たちの場所へ――! 気がつくと、ラジオの電源を切るのも忘れて、サカキは歩き出していた。 今度こそ、部下たちと世界を手にするため。 三年前は手にすることができなかった『真の強さ』を我がものとするために―― ――サカキが謎の黒い空間に足を踏み入れてしまったのは、その直後であった。 ◇ 「…………」 サカキは無言で闇夜の中を歩き続ける。 その肩にはデイパック、腰にはモンスターボール、そして右手にはスマートフォンにも携帯ゲーム機にも見える、ある端末が握られていた。 その端末の名は高性能デバイス。 『儀式』の参加者全員に通常支給されるデバイスを一回りほど大きく、そして機能を拡張させたもの―― サカキに与えられた支給品のひとつだ。 その液晶には、自身がいるエリアだけでなく、そのエリア全体の詳細なマップが表示されていた。 さらにこのデバイス、もうひとつ『とっておき』とも言える機能が搭載されている。 それは――『術式探知』。 そのエリアに存在する『プレイヤー』の呪術式を感知し、現在そのエリアに何名のプレイヤーがいるのかが表示されるというものだ。 ――現在、サカキのいるエリアには二名のプレイヤーがいることが端末の液晶には表示されていた。 当然、そのうちの一名はサカキということになる。 ――つまり、現在サカキがいるエリア『H-8』には彼以外にもう一人術式を持つ者――『プレイヤー』が存在するということになる。 「――いるとすれば、あそこか?」 サカキは前方にそびえ建つ、大きな城を睨む。 確か『ポケモン城』と言ったか、とサカキはスタート開始とほぼ同時に確認した地図の内容を思い出していた。 「…………」 ――サカキは無言で、腰のベルトに付けていたモンスターボールを取る。 そして、それを掴むと同時にひょいと前方に放り投げた。 ――ポンと音をたてて開かれるモンスターボール。 中から出てきたのは、鎧のような強靭な肉体を持つ、大型のポケモンであった。 ――ニドキング。 この『儀式』に放り込まれる直前までサカキが手持ちで連れていたポケモン。その一匹。 他にもニドクイン、ドンカラス、ガルーラがいたはずだが、何故か今その三匹は今サカキの手元にはいなかった。 ――言葉には決して出さないが、サカキはこのニドキングに対して『思い入れ』というものを感じていた。 それは、このニドキングがロケット団のボスであるサカキとしても、かつてのトキワシティジムリーダーであったサカキとしても常に手元に置いていた一匹だからだ。 言ってしまえば、苦楽を共にしてきた存在―― 故にこのニドキングは、三年前から一人修行の旅を続けてきたサカキにとって、唯一の仲間とも言える存在であった。 「――ッ!」 「――そうか、お前もこの茶番には怒り心頭のようだな……」 ニドキングの顔を見ながらサカキが呟く。 この『儀式』、サカキは、何としてでも生き残るつもりでいる。 当然だ。三年間という長い月日の果てに、再びロケット団が世界にその名を轟かせようとしているのだ。 自身の帰りを待っている部下たちのもとに行くまで死んでなるものか。 ――だが、あのアカギという男に言われたとおり、ただ他の『プレイヤー』を潰し回って勝ち残る気もなかった。 自分はロケット団のボス・サカキ。いずれ世界を手中にする男だ。 そんな自分が、どこの馬の骨とも分からぬ輩の言いなりになるつもりなどない。 例えそれが、相手に自身の命を握られている状況だとしてもだ。 ――利用できるものは、他の『プレイヤー』であろうと、道具であろうと、そしてポケモンであろうと全て利用する。 そして、最後は生き残る。 どのような結果になろうとも、最終的に自身が生きていればそれでいい―― それが、サカキのこの『儀式』におけるたったひとつの行動理念であった。 「――さて、このエリアにいるというもう一人の『プレイヤー』とやらは、いったいどんな奴なのだろうな?」 できるのなら有用な――利用できそうな奴がいいのだが、と思いながらサカキはニドキングを連れ、城を目指して再び歩き出した。 【H-8/海岸沿いの道/一日目 深夜】 【サカキ@ポケットモンスター(ゲーム)】 [状態]:健康 [装備]:高性能デバイス、ニドキングのモンスターボール@ポケットモンスター(ゲーム) [道具]:共通支給品一式 [思考・状況] 基本:どのような手段を使ってでも生き残る。ただし、殺し合いに乗るつもりは今のところない 1:ポケモン城へ行く 2:同エリアにいる他の『プレイヤー』と接触したい。そして、『使えそうな者』ならば利用する 3:『強さ』とは……何だ? [備考] ※『ハートゴールド・ソウルシルバー』のセレビィイベント発生直前の時間からの参戦です ※服装は黒のスーツ、その上に黒のコートを羽織り、黒い帽子を頭に被っています ※『ギンガ団』についての知識はどの程度持っているかは後続の書き手さんに任せます ◇ 一方その頃、城の前では美国織莉子が自身のデイパック、そしてオートバジンの前でがっくりと項垂れていた。 「ま、まさか本当にコレが私の支給品だったなんて……」 ――ピロロロロ…… そんな織莉子を見下ろしながら、オートバジンは電子音を発しながら顔を光らせていた。 その様子は、まるで織莉子に対して「『コレ』だなんて失礼な!」と言っているようにも「まぁ、気を落とすな」と言っているようにも見えた。 ――織莉子はまだ気がつかない。 先ほど彼女が「視た」人影の正体は、オートバジンではなく、これから彼女のもとにやって来る、もう一人の『プレイヤー』であるということに。 そして、織莉子はまだ知らない。 自身の目の前に立つ、一見イロモノな銀色の存在が、実はとんでもない性能――チカラ――を秘めているということに。 白い魔法少女と黒い男が出会う瞬間は、刻一刻と迫っていた―― 【H-8/ポケモン城城門前/一日目 深夜】 【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】 [状態]:健康、白女の制服姿 [装備]:オートバジン@仮面ライダー555 [道具]:共通支給品一式、ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本:(いろんな意味で)これから先、どうすればいい……orz 1:本当にどうしよう、コレ(オートバジン)…… 2:そういえば、まだ地図と名簿も確認してない…… [備考] ※参加時期は第5話以前(詳細な参加時期は後続の書き手さんに任せます) 【「未来視」の制限について】 1:基本的に「視える」のは最長でも十数分後までの未来です 2:「視える」未来が先であるほど、「視える」光景が霧がかっているかのようにボヤけて見え辛くなります 3:上記制限は、本人が望んで発動させた場合でも、無意識下で発動した場合でも同じです 【オートバジン(バトルモード)@仮面ライダー555】 現在の護衛対象:美国織莉子 現在の順護衛対象:なし [備考] ※『バトルモード』時は、護衛対象の半径15メートルまでしか行動できません ※『ビークルモード』への自律変形はできません ※順護衛対象はオートバジンのAIが独自に判断します 【支給品解説】 【高性能デバイス】 通常支給されているデバイスの発展型。 自身がいるエリアだけでなく、そのエリア全体の詳細なマップが表示される。 さらに『術式探知』機能を持ち、そのエリアに存在する『プレイヤー』の呪術式を感知し、現在そのエリアに何名の『プレイヤー』がいるのかも表示される。 ただし、分かるのは人数のみで、詳細な場所までは分からない。 【サカキのニドキング@ポケットモンスター(ゲーム)】 ドリルポケモン。タイプはどく/じめん。 わざマシンや教え技により習得できる技が幅広く、見ただけでは技構成や型が読み難いことが最大の強みであるポケモン。 通称「技のデパート」。 頭部を始め、身体のいたる所にトゲがあり、その全てに毒がある。 【オートバジン@仮面ライダー555】 スマートブレイン社の子会社であるスマートブレインモーターズ製の可変型バリアブルビークル。 左側のハンドルグリップは着脱可能で、ファイズのミッションメモリーをセットすることでファイズエッジになる。 高性能AIを搭載しており、『バトルモード』と呼ばれる人型のロボット形態へ自律変形する。変形後は独自にファイズのサポートを行う。 ハンドル手前(『バトルモード』時は胸部)にあるスイッチを押すことで、任意変形も可能。 本ロワでは、制限により通常形態である『ビークルモード』時は自律変形を含む一切の自律行動が不可能になっている。 また、護衛対象もファイズではなく、“『ビークルモード』時に変形ボタンを押した者”を護衛対象とする。 護衛対象の仲間も順護衛対象として守るようになっているが、その順護衛対象はオートバジンのAIが独自に判断する。 また、護衛対象と順護衛対象が同時に敵の襲撃を受けた際は、護衛対象を優先して守る。 019 「復活祭」 投下順に読む 020 檻の中の猫 時系列順に読む 初登場 美国織莉子 028 殺さねばならない相手がいます 初登場 サカキ