約 1,010,370 件
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魔法使いモーラ 移動 エリア 備考 × 【1-06】 ショップキャラクター 秋の泉にある、最も高い塔の上に居る人物。 希少なフラスコとそのレシピを売っている。 ショップ 種類 商品 価格 上限 備考 レシピ ねこの肉球フラスコ 100 ∞ 限定品 消耗品 ねこの肉球フラスコ 16 10 >ショップ一覧へ >NPC一覧へ
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カードデータ カード名 霧雨 魔理沙〈普通の魔法使い〉 効果:☆このカードが相手のカードの効果で手札から墓地に置かれるに際し、代わりに中央エリアのスクエアにフリーズ状態で置いて良い。★このカードは相手のカードの効果でスクエアから離れない。(相手のカードの効果でこのカードがスクエアを離れようとする場合、代わりに何もしない。) 種族 メイデン/ウィッチ 種別 ユニット タイミング クイック 使用コスト 白2無2 移動コスト 白1無1 パワー 4500 スマッシュ 1 ゲーム外カードデータ 収録セット 東方零次元 ~緋想天&星蓮船~ No. 187 フレーバーテキスト 魔法の星キラキラ、恋が始まる。 Illustration かやこ?
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クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(クイズRPG まほうつかいとくろねこのウィズ)とは、コロプラで配信された携帯端末専用ソーシャルゲーム。Android版は2013年3月5日、iOS版は2013年4月22日に配信開始。 「芸能」ジャンルにて、B z関連のクイズが存在する。内容は「B zの楽曲「FUSHIDARA 100%」で、ラストの喘ぎ声を担当しているタレントは誰?」というもので、選択肢は「飯島直子」「大黒摩季」「杉本彩」「岡本夏生」となっている。 関連商品 Android版 外部リンク 公式ウェブサイト 名前 コメント
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《大魔法使い エルデ・ファンタシーア》 ゼロ文明 (0) クリーチャー:ミステリア・ルーラー/マギア 0 ■このクリーチャーが出た時、自分のマナゾーンのカードをすべて墓地に置く。その後、墓地から好きな枚数の呪文をこのクリーチャーの下に置く。 ■このクリーチャーはバトルゾーンを離れない ■自分のクリーチャーはすべてアタックできない ■このクリーチャーの下に呪文が8枚以上あれば、以下の*能力を与える。 * 自分が呪文を唱えた時、相手のシールドを一つ選びブレイクしても良い。 * 自分が呪文を唱えた時、相手のシールドが一つもなければ、自分はゲームに勝つ。 作者:ユノア 評価 名前 コメント
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SH/009 R SR 元気と笑顔を届けるアミル/パン工房の魔法使い 女性 パートナー 魔法使い アミル/パン工房の魔法使い 女性 レベル 1 攻撃力 2000 防御力 4500 【パン屋の朝は早いから、寝坊しないでね!】《魔法》《パン》 【スパーク】【自】 あなたは自分のベンチの『シャイニング・ハーツ』のカードを1枚まで選び、自分の手札に戻す。1枚以上戻したら、あなたは自分の手札を1枚選び、自分の控え室に置く。 作品 『シャイニング・ハーツ』
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魔法使いのスキル 火系 名称 属性 天候属性 必要SP 消費MP 消費時間 使用距離 使用範囲 特殊効果 説明 習得前提スキル フュージョン可/不可 ポカ 火 晴れ - 3 0秒 近 単体 恐怖 敵1体に炎で小ダメージ - ? ポカポカ 火 晴れ 30 10 0秒 近 単体 恐怖 敵1体に炎で中ダメージ ポカ ? ポッカポカ 火 晴れ 48 24 0秒 近 単体 恐怖 敵1体に炎で大ダメージ ポカポカ ? 中距離 ゴウ 火 晴れ 6 25 0秒 中 単体 ? 敵1体に炎の槍で小ダメージ - ? ゴウマ 火 晴れ 34 - 0秒 中 単体 ? 敵1体に炎の槍で中ダメージ ゴウ ? ? 火 晴れ - - 0秒 中 単体 ? 敵1体に炎の槍で大ダメージ ゴウマ ? 遠距離 レハ 火 晴れ 12 30 0秒 遠 小 - 敵1体に炎の渦で小ダメージ - ? レハル 火 晴れ 40 45 0秒 遠 小 - 敵1体に炎の渦で中ダメージ レハ ? レハルズン 火 晴れ 60 62 0秒 遠 小 - 敵1体に炎の渦で大ダメージ レハル ? バリア ポカバリア ? 晴れ 10 ? ? 近 単体 ? 炎のダメージを減少させる。 ? 雷系 名称 属性 天候属性 必要SP 消費MP 消費時間 使用距離 使用範囲 特殊効果 説明 習得前提スキル フュージョン可/不可 ゴロ 雷 曇り 3 2 0秒 近 単体 気絶 敵1体に雷で小ダメージ - ? ゴロリス 雷 曇り 22 7 0秒 近 単体 ? 敵1体に雷で中ダメージ ゴロ ? ゴロリオン 雷 曇り 40 16 0秒 近 単体 ? 敵1体に雷で大ダメージ ゴロリス ? 中距離 ライ 雷 曇り 8 12 0秒 中 単体 ? 敵1体に雷の槍で小ダメージ - ? ライジ 雷 曇り ? 20 0秒 中 単体 ? 敵1体に雷の槍で中ダメージ ライ ? ライジーン 雷 曇り 48 30 0秒 中 単体 ? 敵1体に雷の槍で大ダメージ ライジ ? 遠距離 リモク 雷 曇り 16 20 0秒 遠 小 ? 敵1体に雷の嵐で小ダメージ - ? リモクル 雷 曇り 36 30 0秒 遠 小 ? 敵1体に雷の嵐で中ダメージ リモク ? リモクード 雷 曇り 54 42 0秒 遠 小 ? 敵1体に雷の嵐で大ダメージ リモクル ? バリア ゴロバリア ? 曇り 10 ? ? 近 単体 ? 雷撃のダメージを減少させる。 ? 氷系 名称 属性 天候属性 必要SP 消費MP 消費時間 使用距離 使用範囲 特殊効果 説明 習得前提スキル フュージョン可/不可 キーン 氷 雪 4 2 0秒 近 単体 ? 敵1体に氷で小ダメージ - ? カキーン 氷 雪 28 6 0秒 近 単体 ? 敵1体に氷で中ダメージ キーン ? ガッキーン 氷 雪 36 12 0秒 近 単体 ? 敵1体に氷で大ダメージ カキーン ? 中距離 スノ 氷 雪 10 12 0秒 中 単体 ? 敵1体に氷の槍で小ダメージ - ? スノウ 氷 雪 38 ? 0秒 中 単体 ? 敵1体に氷の槍で中ダメージ スノ ? ? 氷 雪 ? ? 0秒 中 単体 ? 敵1体に氷の槍で大ダメージ スノウ ? 遠距離 キユ 氷 雪 18 ? 0秒 遠 小 ? 敵1体に凍結させて小ダメージ - ? ? 氷 雪 ? ? 0秒 遠 小 ? 敵1体に凍結させて中ダメージ ? ? 氷 雪 ? ? 0秒 遠 小 ? 敵1体に凍結させて大ダメージ ? バリア キーンバリア ? 雪 10 ? ? 近 単体 ? 氷のダメージを減少させる。 ? 弱体系 名称 属性 天候属性 必要SP 消費MP 消費時間 使用距離 使用範囲 特殊効果 説明 習得前提スキル フュージョン可/不可 ルシープ ? ? 10 ? ? 近 単体 ? 対象を眠らせる ? パプルン ? ? 15 ? ? 近 単体 ? 対象を混乱させる ? - - - - - - - - - - ? とくぎ 名称 必要SP 消費MP 消費時間 使用距離 使用範囲 特殊効果 説明 習得前提スキル フュージョン可/不可 魔力の暴走 0 0 30分 近 単体 - 恐怖効果を与え魔力を増加する - ◯ ミニマムガード 5 4 3分 近 単体 - 3ターンの間、ダメージを軽減する - ? ヴァイパーバイト 5 0 1分 近 単体 - 攻撃と同時に毒を与える - ◯ アイテムゲット - 4 10分 近 単体 - 低い確率で道具を盗む ヴァイパーバイト ◯ パッシブスキル 名称 必要SP 消費MP 消費時間 使用距離 使用範囲 特殊効果 説明 習得前提スキル フュージョン可/不可 炎の刻印Lv.1 10 0 0秒 近 単体 常時発動 炎の神の加護を得る事で、火属性魔法のダメージがアップする。 - × 炎の刻印Lv.2 10 0 0秒 近 単体 常時発動 炎の神の加護を得る事で、火属性魔法のダメージがアップする。 炎の刻印Lv.1 × 炎の刻印Lv.3 10 0 0秒 近 単体 常時発動 炎の神の加護を得る事で、火属性魔法のダメージがアップする。 炎の刻印Lv.2 × 氷の刻印Lv.1 10 0 0秒 近 単体 常時発動 氷の神の加護を得る事で、氷属性魔法のダメージがアップする。 - × 氷の刻印Lv.2 10 0 0秒 近 単体 常時発動 氷の神の加護を得る事で、氷属性魔法のダメージがアップする。 氷の刻印Lv.1 × 氷の刻印Lv.3 10 0 0秒 近 単体 常時発動 氷の神の加護を得る事で、氷属性魔法のダメージがアップする。 氷の刻印Lv.2 × 雷の刻印Lv.1 10 0 0秒 近 単体 常時発動 雷の神の加護を得る事で、雷属性魔法のダメージがアップする。 - × 雷の刻印Lv.2 10 0 0秒 近 単体 常時発動 雷の神の加護を得る事で、雷属性魔法のダメージがアップする。 雷の刻印Lv.1 × 雷の刻印Lv.3 10 0 0秒 近 単体 常時発動 雷の神の加護を得る事で、雷属性魔法のダメージがアップする。 雷の刻印Lv.2 × コメントフォーム アイテムゲットの前提条件って何でしょうか? -- 名無しさん (2011-02-12 21 37 13) ヴァイパーバイトを覚えると次に出てきます。 -- 飛竜 (2011-02-13 13 01 07) 刻印って効果あります? ダメージ上昇していない気がします -- 名無しさん (2011-02-16 20 41 36) まほう -- 名無しさん (2011-02-19 22 09 48) 若干修正しました。意見等あればお願いします。 -- すぷ (2011-02-28 19 30 35) 氷近接魔法は キーン→カキーン(SP?、MP6)→ガッキーン(SP36、MP?)です -- 名無しさん (2011-03-12 00 32 43) ↑は水近接です。すいません。水中距離は スノ(SP?,MP12)→スノウ(SP38,MP?)です -- 名無しさん (2011-03-12 00 35 06) リクモの下は リモクル(必要スキルポイント:36) 遠 消費MP:30 -- 名無しさん (2011-03-26 19 24 33) ↑ リモク 要 修正 -- 名無しさん (2011-03-26 19 25 45) レハルの消費MP -- 多摩術師 (2011-03-28 19 11 47) レハルの消費MPは45、レハルの次に強力なのはレハルズンで必要SPは60、ゴロリオンの消費MPは16で、ゴロリスもゴロリオンも特殊効果は気絶があります。(ごめんさっき書いてる途中で送っちゃった) -- 多摩術師 (2011-03-28 19 15 42) ガッキーン、MP12です -- 名無しさん (2011-04-06 14 21 26) ゴロリオン、ガッキーン共、威力は素手でどの程度あるのでしょうか?おばりよんなど属性耐性のないモンスターでのダメージを教えてください。 -- 虹河レイラ (2011-04-12 20 46 10) 刻印あるとドラゴンが雑魚になります -- 名無しさん (2011-07-16 20 08 21) ゴロリオンの消費MPは16、ガッキーンの消費MPは12です。 -- ヴォンゴレ (2011-07-29 16 04 31) 魔力の暴走は消費時間が30分です。 -- 名無しさん (2011-08-14 15 22 57) 刻印が使えません・・・となっていますが何か足りないんでしょうか -- 名無しさん (2011-08-23 22 01 24) ライジーン(必要スキルポイント:48)です。 -- ミルフィユ (2011-09-05 22 10 21) 名前 コメント
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レンタルルイズ~魔法使い、貸します! もろもろの事情含め二年ぐらいはあまりネットに繋げないので凍結宣言です レンタルマギカ 葛城みかん(♀) 小学生 神道 結界を張り物理的でないもの全般を封じる 原作一巻の時点から召喚 ガンダールヴの力で結界は半径100m程 あらかじめ塩をまくなどすればもっと広範囲で可能 オルトロス ケルベロスの末裔の亜種 体長3m 吐き出す炎は数千度 人懐こい レンタルルイズ1 レンタルルイズ2 レンタルルイズ3 レンタルルイズ4 レンタルルイズ5 レンタルルイズ6 レンタルルイズ7 レンタルルイズ8 以下、改訂版です 少しずつ納得がいかなくなってきたので最初からやり直します みかんはロンドンの話のあとから召喚されています レンタルみかん1
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風追い魔法使い大神官と犬士4人部隊 編成の詳細がBBSに無し 風追い魔法使い大神官と犬士4人部隊第一回行動:冒険準備 第二回行動:遺跡 第三回行動:地下神殿所感 第一回行動:冒険準備 t:星月と花陵は蛇の指輪2を所持している = 蛇の指輪2は盆踊り事件と関わりが深いため、手がかりとなる #修正3 t:遺跡について、大神官所持国である自国で事前調査をしている = 神殿内や遺跡の内部構造に詳しく神事にも通じている大神官が調査しているので、詳細に調査できており、遺跡探索が容易となる #修正3 #が、しかし、詩歌藩は踊っており、修正は-3される。 第二回行動:遺跡 t:詩歌藩国は国を挙げてボン・ダンスブームを支援していた(ボン・ダンス会場:http //blue-bell.at.webry.info/200804/article_4.html)=側面:延々踊っているので、疲れにくい踊り方のコツをつかんでいる。踊りの振り付けもバッチリ。 #修正2 第三回行動:地下神殿 t:妹人は苦笑しつつも手伝ってくれている=側面:ウイングパイパーへの対応の仕方についてアドバイスを得る事ができている #修正1 所感 マイトとボン・ダンス。なんかもうそれがすべてなゲームだった。
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147:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 21 18 48.59 ID hpeqfj4Jo―――黄金の国 村 勇者「……」 僧侶「えと……」 魔法使い「黄金なんてどこにも無いわね」 勇者「なんてことだ……」 僧侶「掘ればでるかもしれません!!金は土ですし!!」 勇者「なるほど!!」 魔法使い「馬鹿か……」 村人「あの……貴方たちは?」 勇者「どうも。遠路遥々やってきました。金をよこしやがれ」 村人「旅の人……。悪いことはいいません。すぐに立ち去りなさい」 僧侶「え……?どうしてですか?」 村人「この国は魔王の手に落ちたのです」 魔法使い「魔王に……?」 勇者「詳しい話を聞かせてもらえますか?」 148:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 21 27 53.38 ID hpeqfj4Jo―――村長の家 勇者「失礼いたします」 村長「旅の人か。村民から聞いておる。座りなさい。これ、茶を」 村娘「は、はい」パタパタ 僧侶「お構いなく」 村長「この国のことはお聞きになりましたかな?」 勇者「はい。魔王に占領され、酷い圧政を受けていると」 村長「若い者は皆、連れて行かれ……どこかで奴隷のような扱いを受けていると聞きます」 僧侶「酷い……」 勇者「女性もよく連行されているようですが?」 村長「この国を取り仕切っている魔物が女を好んで喰らう」 勇者「いい趣味をしていらっしゃる」 魔法使い「皮肉に聞こえないわよ?」 村長「月に数人、女は生贄にされている。この村だけでなく、他の村でも同じのようだ」 僧侶「許せませんね……」 149:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 21 34 42.90 ID hpeqfj4Jo勇者「いや、全くです。僕の天敵となる魔物だ。絶対に排除せねば」 魔法使い「はぁ……」 村娘「ど、どうぞ、お茶です……」 勇者「……」パシッ 村娘「え……?」 勇者「僕の側室になってくれませんか?」 村娘「えぇ……?」 魔法使い「ねえ?手を貸して?」 勇者「はい」ギュッ 魔法使い「ありがとう」ギュッ 勇者「あづぃぃ!?!?」 魔法使い「痴漢。国境を越えてすぐに馬脚を露せないで」 勇者「やけどしたぁ……。―――応急措置」ムニュ 僧侶「きゃぁぁぁぁ!!!!!」 魔法使い「胸を揉むなぁ!!」 150:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 21 40 33.98 ID hpeqfj4Jo村長「あの……。あなた方は一体?」 勇者「ただの勇者です」キリッ 村娘「勇者……様?」 村長「まあ、よくわかりませんが、ともかくこの国には長居しないほうがよい」 勇者「そうですね。ご忠告ありがとうございます」 村長「いえ」 勇者「行きましょう」 魔法使い「どこに?」 勇者「そうですね……」 村娘「あ、あの……」 勇者「なんですか?」 村娘「勇者様……この国を救っていただけませんか……?」 村長「これ!何を言っておる!他国の者を巻き込んでいい話ではない」 勇者「貴女に頼まれては断れない。この国を恐怖に陥れている元凶はどこにいるのですか?」 村長「な……!?本気ですか?!」 151:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 21 48 34.86 ID hpeqfj4Jo勇者「どちらにせよ、僕の夢を脅かす存在は消さねばならないので」 村長「なんという……」 魔法使い「まあ、ものすごい不純な動機よね」 僧侶「でも、その想いこそが勇者様の原動力なわけですし」 魔法使い「そんな原動力、燃えてしまえばいいのに」 勇者「燃えているからこうして行動に移しているのではありませんか」 魔法使い「はいはい。―――で、その支配者はどこに?」 僧侶「ふふっ」 魔法使い「なによ?」 僧侶「あ、ごめんなさい。討伐することには反対じゃないんだなって思って」 魔法使い「見てみぬフリはできないわ」 僧侶「そうですね」 魔法使い「ふんっ」 村長「みなさん……ありがとうござます。では、お教えします」 勇者「はい、お願いします」 153:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 01 15.63 ID hpeqfj4Jo勇者「地図を」 僧侶「は、はい」 勇者「場所からしたら……この辺りに問題の洞窟があるのですね」 村長「ええ」 僧侶「なるほど」 魔法使い「ここからならそう遠くないわね」 勇者「では、明日の朝向かいましょう。こちらも万全にしておくべきです」 僧侶「はい」 魔法使い「わかったわ」 勇者「では、村長様、よそ者の僕たちに色々とありがとうございます」 村長「気にしないでください。それより、もしよければ、今日はこの家で休んでいくといい」 勇者「え……?」 村娘「勇者様。是非、そうしてください」 勇者「……なるほど。貴女の入浴中に僕が間違って入ってしまうという展開ですね?」 魔法使い「いい加減にして」 154:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 10 05.49 ID hpeqfj4Jo―――客間 勇者「……」 僧侶「勇者様?どうかされましたか?」 勇者「黄金の国にしては随分とオープンだなと思いまして」 魔法使い「どういうことよ?」 勇者「自分が聞いた話では他国の人間に対しては排他的な態度を取るということだったのですが」 僧侶「あまり隣国とも交流しない国だって言われてますね」 勇者「得体の知れない僕たちの話を簡単に信用しているのが解せない」 魔法使い「考えすぎじゃない?私たちだって黄金があるとかいう風説を信じてたわけだし」 勇者「だといいですけど」 魔法使い「……」 勇者「まあ、でも、今はそんなことなど瑣末事ですね。なにせ、今日は相部屋ですし。これは間違いが起こる予感。いや、起きろ」 僧侶「ま、間違いって……」 魔法使い「早く寝てよ。明日は大変なんだから」 勇者「馬鹿な……。同じ部屋で寝るのにぱふぱふも無しだと……?」 155:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 18 32.57 ID hpeqfj4Jo―――翌朝 勇者「一食一飯の恩、忘れません。魔物の討伐をもって、返します」 村長「それはおつりが出るぐらいだな。お願いします」 勇者「はっ」 僧侶「では、行きましょう」 魔法使い「お世話になったわ」 村娘「お気をつけて、勇者様」 勇者「はい。貴女の笑顔を取り戻すために行って参ります」 村娘「そ、そんなぁ……照れます……」 魔法使い「……」ガシッ 勇者「つめたぃ!?」 僧侶「あの……仲良くしてください……」オロオロ 村長「……では、行って参ります」 村娘「できるだけ奴らの実力を引き出せ」 村長「はい」 156:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 22 36.03 ID hpeqfj4Jo―――洞窟 勇者「ここか……」 魔法使い「嫌な空気ね。魔物の巣窟だと思ったほうがいいかもしれないわ」 勇者「ええ。十分に警戒して進みましょう」 僧侶「は、はい……」 勇者「僕の腕にしがみついていてもいいですよ?」 僧侶「で、では……」ギュゥゥ 勇者「ああ、癒される」 魔法使い「……もう文句を言う気力もないわ」 魔物「グルルル……!!」 勇者「早速ですね」 僧侶「ひっ……」 魔法使い「……」パシンッ 勇者「お二人は僕の後ろにいてください」 魔物「ガァァァァ!!!」ダダダッ 157:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 33 17.31 ID hpeqfj4Jo勇者「―――随分と歩きましたね」 僧侶「そうですね」 魔法使い「休憩にする?」 勇者「ええ。それがいいでしょう」 僧侶「はぁ……申し訳ありません。私のために……」 勇者「僕も疲れてますし。お互い様です」 僧侶「そうですか……?」 魔法使い「私もつかれた―――きゃっ!?」ビクッ 勇者「どうしました?僕の魅力に興奮してしまったのですか?!」 魔法使い「水滴が首筋に当たったの」 僧侶「水滴……?そういえば、ここ鍾乳洞なんでしょうか?」 勇者「地形的にそうでしょうね。きっと最深部に行けば綺麗な水がいっぱいあるのでしょう」 僧侶「こういうところのお水は絶品だって聞きますよ」 勇者「身を清めるのには打って付けですね。お二人とも、ここは僕を気にせず全裸になって泳ぐことをお勧めします」 魔法使い「こういうところの水温がどれだけ低いか知ってて言ってるの?」 158:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 37 54.04 ID hpeqfj4Jo―――最深部 勇者「む……?」 僧侶「誰か……いる?」 魔法使い「もしかして……」 勇者「奴の足下を見てください」 僧侶「え……?な、なんですか……あれ……?」 魔法使い「骨ね」 僧侶「うっ……?!」 勇者「神聖な水場でこのような蛮行を行っているとは、僕も驚きを隠せませんね。これではお二人を泳がせるわけにはいかない」 魔法使い「泳ぐ気なんて更々ないけど」 魔人「―――来たか」 勇者「貴様がこの国を支配している魔物か」 魔人「その通りだ。矮小なニンゲンどもめ。自ら餌になりに来るとは殊勝な心がけだな」 勇者「この二人は僕が食べる!!手を出すな!!」 魔法使い「真面目にやって……お願いだから……」 159:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 44 04.58 ID hpeqfj4Jo魔人「カカカカ!!可笑しなことをいう。今から八つ裂きにされる者が私に命令するか?」 勇者「まあ、手を出す隙なんて与えないけどな」 魔人「減らず口を……」 僧侶「く、くる……!!」ササッ 魔法使い「いいわね、盾」 僧侶「勇者様、がんばってください」 勇者「お二人もサポートお願いします」 魔法使い「出来ればいいけど……」 魔人「行くぞぉ!!!」 勇者「こいっ!!」 村娘「さて、その実力いかほどか」 村娘「色々と見せてもらおうか……」 村娘「ん……?あの後ろにいる二人は何もしないのか……?」 村娘「それとも……何か狙いがあるのか……?」 161:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 22 58 39.14 ID hpeqfj4Jo勇者「せぇぇい!!!」ギィィン 魔人「カカカカ!!!なんだそれはぁ!!」ドゴォ 勇者「がっ?!」 魔人「私の体を切り裂くには力量が足りないようだな」 勇者「ふっ!!」シュッ 魔人「きかぬわぁ!!」 勇者「化け物め。トロルでも掠り傷程度のダメージはあったのに」 魔人「カカカカ!!!」ドガァ 勇者「づっ!?」 魔人「カカカカカ!!!期待ハズレだな。ここで終わりにしてやろう!!」 勇者「―――それはどうかな?」 魔人「なに?」 勇者「気がついていないのか?この空間の空気が凍りつつあることに」 魔人「貴様ぁ!!何をしているぅ!!!」 魔法使い「内緒に決まっているでしょ?」 162:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 23 05 24.29 ID hpeqfj4Jo勇者「ここは鍾乳洞だ。色々と水が多い。それが寒さで凍れば……」 魔人「くだらぬ。私を氷柱で殺すとでもいうのか?」 勇者「そうだ!!もう天井は無数の氷柱だらけだ!!見てみろ!!」 魔人「なんだとぉ?!」バッ 勇者「かかったな!!」ダダダッ 魔人「―――ひっかかるか、アホがぁ!!!」ドゴォ 勇者「がはっ!?」 僧侶「勇者様!!」ダダダッ 魔法使い「……っ」 魔人「この程度の温度で氷柱ができるわけないだろうが!!」 勇者「ごもっとも……」 魔人「コケにして……死ねぇ!!!」 勇者「ちっ!!」ギィィン 魔人「飛び散れっ!!」ゴォォォ 勇者「魔法か……!!」 163:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 23 14 46.97 ID hpeqfj4Jo魔人「ハーッハッハッハッハ!!!」 僧侶「―――やぁぁぁ!!!」ダダダッ 魔人「はっ!?」 僧侶「シールドアタック!!」ガキィィン 魔人「うおぉぉ?!」 勇者「僕に集中しすぎたな」 魔人「ふん。これしきで―――」ダッ 魔法使い「あ、そこ凍ってるわよ」 魔人「なっ―――」ツルッ ドボンッ!! 勇者「よし。リムストーンプールに落ちた」 魔法使い「私が凍らせられるのは手で触れられるところだけだから」ピトッ 魔人「ぷはっ!!―――力では敵わぬから溺死させようとするのか?カカカカカ!!!!実に浅はかだな!!」 魔人「魔物を舐めるのも大概にしておけぇぇ!!!ニンゲンがぁぁぁ!!!床に転がっている塵芥の骸となれぇ!!」 魔法使い「この巨大な水溜りと一緒に凍りなさい」コォォォ 164:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 23 24 12.05 ID hpeqfj4Jo魔人「こ、これは……!!!凍っていく……!!」 ピキ……ピキピキ…… 僧侶「やりました!!」 勇者「魔物はすぐに熱くなるからわかり易くていいな」 魔人「おのれぇ……!!これしきで私の動きを封じたと思っているのか!!」 勇者「いいや。思ってない。だけど……すぐには身動きが取れないはずだ。これだけ深く、広い水源が一気に凍ればな」 魔法使い「……」スッ 魔人「なに……を……」 魔法使い「物理攻撃に強くても魔法ならどうかしらね?」ギュッ 魔人「きさまっ……」ゾクッ 魔法使い「燃えろぉ!!」ゴォォォ 魔人「ガァァァ……ァ……ァァ……」 勇者「ここで凄惨な死を遂げた人たちにせめてもの手向けを」 僧侶「はい。僭越ながら……祈らせていただきます……」 魔法使い「疲れた……。なんでいつも大量の魔力を使わせるの?」 165:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 23 28 31.29 ID hpeqfj4Jo勇者「それは貴女が―――」 村娘「実に有能な魔術師を連れているようですね」 勇者「なっ!?」 僧侶「え……」 魔法使い「貴女は……村長さんのところにいた……」 村娘「勇者様。全て見させてもらいました」 勇者「もしかして……僕の側室になってくれるのですか?」 村娘「私がニンゲンであれば……貴方に惚れていたでしょうね」 僧侶「人間で……あれば……?」 魔法使い「あんた……だれなの?」 村娘「ふふふ……実力をもう少し見せてもらおうか……勇者よ!!!」メリメリ 勇者「な……ななな……!?」 ドラゴン「―――予想以上に部下が使えなかったのでな。行くぞ?」 僧侶「あ……あぁぁ……」ガクガク 魔法使い「う、うそでしょ……?」 166:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 23 36 44.76 ID hpeqfj4Jo勇者「バ……バカな……」プルプル 僧侶「伝説の魔物が……いる……なんて……」ヘナヘナ 魔法使い「しっかりして!!」 ドラゴン「ふふふふ……。どいつも同じだな。俺の姿を見れば驚愕し萎縮する」 ドラゴン「魔王様は魔物を統べる王。ドラゴンが傍にいても可笑しくはないだろう?」 勇者「な……なんてことだ……そんな……ありえない……!!」プルプル ドラゴン「ふふふふ……。さあ……その力を見せろ。魔王様の脅威となる存在なのかどうか……!!」 ドラゴン「ただし、勢い余って殺してしまうことになるだろうけどな」 魔法使い「そんな……」 僧侶「死ぬ……わたしたち……ここで……」 勇者「く……そ……!!!」ギリッ ドラゴン(ふんっ。なんだ、他のニンゲンどもと変わらないようだな。恐怖に身を震わせ、絶望している。魔王様の杞憂だったか―――) 勇者「くそぉぉぉぉ!!!!ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!!!!てめぇぇぇ!!!!!」 ドラゴン「……!?」ビクッ 勇者「さっさと女の子の姿に戻れよ!!!俺はあの女の子を側室候補にしてたんだぞ!!!なのにそんな醜い姿になりやがってぇぇ!!!」 167:NIPPERがお送りします(チベット自治区):2012/06/07(木) 23 39 29.62 ID KF/058IMoブレないなあ、勇者 168:NIPPERがお送りします:2012/06/07(木) 23 42 56.77 ID hpeqfj4Joドラゴン「み、醜いだと……!?」 魔法使い「な、なにいってるのよ!?そんなこと言ってる場合!?」 僧侶「そ、そうですよ!!勇者様ぁ!!」 勇者「俺を裏切りやがってぇぇ……!!絶対に……!!絶対に許さん!!!」 ドラゴン「き、貴様……!!俺の姿を見てなんとも思わないのか?!」 勇者「醜いトカゲに用はないんだよぉ!!!」 ドラゴン「きさ……ま……ニンゲンの分際で……!!!この俺に罵詈雑言を……!!」 勇者「俺の側室候補返せぇぇ!!!」 魔法使い「にげるわよ!!早く!!!」 僧侶「勇者様!!お気持ちは分かりますがここは退きましょう!!」 勇者「早く女の子に戻れ!!今なら一緒にお風呂で許してやらぁ!!!」 ドラゴン「ぬかせぇ!!ニンゲンがぁぁ!!!灼熱の業火にやかれろぉぉ!!!!」 勇者「こっちはとっくに腸煮えくり返ってるんだよぉ!!オオトカゲが!!」 ドラゴン「殺すっ!!―――焼け死ねぇ!!!」ゴォォォォ!!! 僧侶「きゃぁぁぁ!!!!」 169:NIPPERがお送りします:2012/06/08(金) 00 02 59.55 ID hpeqfj4Jo勇者「お願いしますっ!!」 魔法使い「もうアンタと出会ってから毎日のように魔力が空になるのはなんでなのよぉ!!」コォォォ 魔法使い「―――凍れ!!」 ボゥン!! ドラゴン「霧?!」 勇者「退却!!!」ダダダッ 魔法使い「賛成!!」ダダダッ 僧侶「異議なしです!!」ダダダッ ドラゴン「これしきの目くらましなど……俺の両翼で!!!」バサバサ ドラゴン「―――くっ。逃げられたか」 ドラゴン「まさか俺の灼熱を利用して霧を発生させるとは……。この水溜りを一気に氷漬けにできるなら、不可能ではないか……」 魔人「おぉぉ……ドラゴンさま……お、た……すけ……く―――」 ドラゴン「役立たずは不要だ」ゴォォォ 魔人「ギャァ……ァァァ……!!!」 ドラゴン「確かに注意が必要かもしれないな」 170:NIPPERがお送りします:2012/06/08(金) 00 11 32.38 ID hpeqfj4Jo―――フィールド 勇者「はぁ……はぁ……」 僧侶「はぁ……追っ手はいない……ようですね」 魔法使い「ねえ……もしかして……この国には……」 勇者「生きている人間はいないでしょうね」 僧侶「そ、そんな……」 勇者「魔王め……僕の理想郷成立を邪魔するのか……」 魔法使い「アンタねえ……」 勇者「完全に魔王の手によって落とされた国は、どこも同じと見ていいでしょうね」 僧侶「許せない……」 魔法使い「ええ。気分が悪いわ。私の力がどこまで通用するかわからないけど……」 僧侶「勇者様……私も……がんばります。できるだけのことはします」 魔法使い「人間を皆殺しなんてさせたくない。アンタは?」 勇者「勿論、皆殺しなんて見過ごせません。―――それって美人な人もいなくなるってことですからね」キリッ 魔法使い「……はぁ。はいはい。そうですね」 171:NIPPERがお送りします(関西・北陸):2012/06/08(金) 00 26 27.49 ID mfR8KEvAOモンスターっ子に興味はない、か… 172:NIPPERがお送りします(熊本県):2012/06/08(金) 00 59 36.71 ID 0/O30EmPoつまり変態レベルは俺達が上と 173:NIPPERがお送りします(岡山県):2012/06/08(金) 01 09 09.21 ID beIJcq5Ao俺たちの高みまで来れるか?勇者よ 185:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 17 49 23.93 ID hpeqfj4Jo―――魔王城 ドラゴン「魔王様、ただいま戻りました」 魔王「どうだった?」 ドラゴン「はい。魔王様の想像通り、中々の使い手でした」 ドラゴン「勇者と思われる男は自分の姿を見ても冷静さを失わず、したたかに行動していました」 ドラゴン「後方支援者と思しき術者も、空間を一瞬で凍らせるほど熟練された魔法を駆使していました」 魔王「なるほど」 ドラゴン「我が炎すらも掻き消すことができるニンゲンが存在するとは思いませんでした」 魔王「……よく無傷で帰ってこれたな」 ドラゴン「いえ。流石にそれだけでは勝てないと判断したのでしょう」 魔王「お前の炎を相殺できるだけの力量を持ちながら、即時撤退をしたというのか?」 ドラゴン「ええ、その通りです」 魔王「竜族を間近で見ても冷静な行動を取れるだけの思考能力と行動力があり、しかも対抗できる術を持っていて逃亡を即断するか……?」 ドラゴン「魔王様?」 魔王「炎を凌ぐ以上のことはできないのか……それとも……。どちらにせよ、もう少し知りたいな……勇者一行のことを……」 186:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 17 57 48.90 ID hpeqfj4Jo―――夜 夜営地 勇者「テント、張れましたよ」 僧侶「いつもありがとうございます」 勇者「いえ。これぐらいのことは喜んでします」 魔法使い「不思議ね。あのドラゴン、追ってくると思ったのに」 勇者「初めから殺す気はなかったのでしょう」 僧侶「どうしてですか?あんな熱そうな火まで吐いてきたのに」 勇者「殺すなら僕たちが魔人と戦っているときに頭上かた灼熱の炎を吐けばいいだけですからね」 魔法使い「それは仲間を巻き込みたくなかったからじゃ……」 勇者「あのドラゴンは村娘に扮して僕たちをあの洞窟に誘いました。なら待ち伏せして丸焼けにだってできたはず」 魔法使い「あ……言われてみればそうね」 勇者「きっと力量を見ていたのでしょう」 僧侶「でもどうしてそんなことを?私たちでは絶対に太刀打ちできないのに」 勇者「あのドラゴンはきっと誰かに命令されて、あんなことをしたのでしょう。でなければ僕たちなんて瞬殺ですし」 魔法使い「ちょっと待って。それってつまり……ドラゴンを指示している……魔王が私たちのことを警戒をしているってこと?」 187:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 07 26.43 ID hpeqfj4Jo勇者「はい」 僧侶「ど、どうして……」 勇者「トロルの一件が魔王を慎重にさせているのかもしれませんね」 魔法使い「そっか。側近を倒したから、無理な特攻がしにくいのね」 勇者「だと思います。トロルも魔王の側近だとするなら、トロル以上の強者は恐らくあまり居ない。あのドラゴンぐらいかもしれません」 僧侶「そのトロルを倒したから、魔王は警戒して力押しで来ようとしないのですか」 勇者「魔王からしてみればトロルが人間に倒されたことは予想外だったはずですから」 魔法使い「魔王にとって私たちは未知の相手ってわけね」 勇者「トロルより力がある者を嗾け、万が一、その者がやられてしまっては事です。相手は今、情報収集の最中なのでしょう」 魔法使い「なら、ボロがでちゃったら……」 僧侶「一気に攻めてくる……?」 勇者「そうなっては無残に死ぬしかありません」 魔法使い「……」 僧侶「そ、そんな……」 勇者「でも、安心してください。僕は死なない。貴女たちを側室に迎え入れ、楽しい隠居生活を満喫するまではっ!!」 188:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 16 09.44 ID hpeqfj4Jo魔法使い「かっこつかないわね……いちいち……」 僧侶「そ、そうですか?」 魔法使い「えぇ!?」 勇者「格好の良い理想なんてありません。理想とはエゴ、私欲の塊。口にするだけで嫌悪される。それが理想というものです」 魔法使い「アンタの場合は野望でしょ」 勇者「願望も野望も夢も理想も全部同じですよ。人間の醜悪な部分ですね」 僧侶「そ、そうでしょうか?」 魔法使い「だから、アンタはそれを隠そうとしないから余計に気持ち悪く見えるんでしょう!!?」 勇者「バカな。勇者なのに気持ち悪いとは、これいかに」 魔法使い「あんたねえ……」 僧侶「でも、勇者様にはその強い野望が生命力に転換されているようですし、良い事ではないでしょうか?」 勇者「流石は神に仕えるお人だ。理解が早くて助かります」 僧侶「い、いえ……そんなぁ」 勇者「そう!!多くの美人をはべらせること!!それが僕の原動力!!魔王を倒す力となる!!」 魔法使い「そんな想いで倒される身にもなりなさいよね」 189:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 22 48.82 ID hpeqfj4Jo僧侶「まぁまぁ。でも、将来の夢を持つことはいいことですよ?生きる糧になることは間違いないですし」 魔法使い「否定はしないけど……」 勇者「そういえばお二人とも魔王を倒すのが夢だと言っていましたね」 僧侶「は、はい」 勇者「どうしてそのような夢を?」 魔法使い「……」 僧侶「えっと……」 勇者「お金ですか?それとも名声?」 魔法使い「いいえ、違うわ」 僧侶「あ……」 魔法使い「復讐よ」 勇者「……」 僧侶「勇者様……あの……」 勇者「なるほど。合点がいきました。それで貴女たちは、自ら才能がないと認めながらも魔法使いと僧侶で居続けたのですね?」 僧侶「は、はい……」 190:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 33 29.64 ID hpeqfj4Jo魔法使い「私たちみたいな境遇の人は珍しくないわ。孤児になる理由の七割以上は魔王の軍勢による侵攻のためだもの」 僧侶「私たちの国も魔王の軍勢に支配され……そして、親類を殺されました」 勇者「……」 魔法使い「だから、なんとしても魔王に一矢報いたい。そう思って、修行したわ。結果はこうだったけど」 勇者「半ば諦めていたのでは?」 魔法使い「ええ。最初のうちは反骨精神みたいな感じでがんばってきたけど、現実を突きつけられるうちにやっても無理だって思うようになった」 僧侶「きっと誰かが倒してくれる。仇討ちは見知らぬ勇者様に任せてしまえばいいって……そんなことを考えたこともあります」 魔法使い「誰についていっても役立たずでしかないし……」 勇者「なるほど」 魔法使い「幻滅した?」 僧侶「も、もちろん……世界平和のためでも……」 勇者「世界平和を盾に自分の私欲を隠さないでくれますか?」 魔法使い「なんですって……!?」 勇者「他人に任せてもいいと考える程度の願いでは、叶うことはないでしょうね」 魔法使い「ちょっと……今はきちんと自力で叶えようって思ってるわよ……」 191:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 39 22.09 ID hpeqfj4Jo勇者「本当にそうですか?」 僧侶「も、もちろんです……」 勇者「まさかとは思いますが、僕に全てを託していませんか?」 魔法使い「何がいいたいの?」 勇者「貴女たちは僕を復讐の道具として見ているのではないですか?」 魔法使い「……っ」 僧侶「そ、そんなこと思ってません!!い、いくら勇者様でも……酷いですっ!!」 魔法使い「アンタだって……」 勇者「なんですか?」 魔法使い「アンタだって私たちのことを理想ための道具にしか見てないくせによく言うわ」 勇者「そうですよ?」 魔法使い「なっ……!?」 勇者「貴女たちは僕にとって理想郷を作るための材料に過ぎません」 僧侶「そ、そんな……こと……な、仲間じゃ……?」 魔法使い「最低ね。そんな男だなんて思わなかったわ……」 192:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 43 44.30 ID hpeqfj4Jo勇者「初めに言ったはずです。僕は体目当てだと」 僧侶「そ、それはそうですけど……!!」 勇者「まさか嘘か冗談だと思っていたのですか?」 魔法使い「……」 勇者「でも、いいではありませんか。僕は貴女たちの体が欲しい。そして貴女たちは僕を復讐のために利用する」 僧侶「ち、違います!!」 勇者「交換条件としては悪くありません」 魔法使い「……本気で言っているの?」 勇者「はい」 僧侶「……」 魔法使い「分かったわ」 僧侶「あの……」 勇者「どうかされましたか?」 魔法使い「私は抜ける」 僧侶「え……!?」 193:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 48 45.13 ID hpeqfj4Jo勇者「故郷に帰るのですか?」 魔法使い「馬鹿。ここまで来て帰る訳ないでしょう?」 勇者「な……」 僧侶「あの!!やめてください!!」 魔法使い「アンタのおかげで私なりの戦いかたが分かったし、独りでもやれるわ」 勇者「何を言っているんですか。相手はドラゴンですよ?」 魔法使い「体を張ればあのドラゴンにだって対抗できることは実証されたわけだしね」 勇者「む……」 僧侶「ど、どうして喧嘩になるのですか!?」 魔法使い「まさかアンタがそういう目で見るとは思わなかった」 勇者「……」 魔法使い「……おやすみなさい」 僧侶「あ、まってください!!」 勇者「……」 194:NIPPERがお送りします:2012/06/09(土) 18 55 03.74 ID hpeqfj4Jo―――テント内 僧侶「あの……仲直りしましょう?」 魔法使い「……」 僧侶「勇者様の発言には確かに問題はありました。ですけど、私たちの理由を知ればそう思われても……」 魔法使い「違うわ」 僧侶「え……?」 魔法使い「アイツがあんなことを言ったのが許せないの」 僧侶「……」 魔法使い「自分に正直で、言ってることは変態だけど……筋が通ってて……」 僧侶「あの……」 魔法使い「私たちの欠点を長所に変えてくれて……嬉しかったのに……」 僧侶「もう一度、話をすればいいじゃないですか」 魔法使い「もういいわ。あんな奴……」 僧侶「そんなぁ……」 魔法使い(どうしてあんなこと……言うのよ……ばか……) www57.atwiki.jp/matome_ssm/pages/10.html
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279:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 00 46 47.26 ID hpeqfj4Jo―――翌朝 エルフの里 牢屋 兵士「出ろ」 勇者「……」 僧侶「ついに……」 魔法使い「ふぅー……」 兵士「ついてこい」 勇者「……」 僧侶「まさか……こんな森の奥で死ぬことになるなんて……」 魔法使い「はぁ……怖くなってきたわ……」 僧侶「わ、私も体の震えが……止まりません……」 勇者「……」 魔法使い「アンタは?」 勇者「え?」 魔法使い「怖いでしょ?」 勇者「僕だけなら相当怖かったですが、貴女たちがいるなら怖くありませんね。むしろ、緊張できなくて困るぐらいです」 280:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 00 51 38.18 ID hpeqfj4Jo魔法使い「また強がり言って」 勇者「本当ですよ」 僧侶「相手はエルフですよ?!」 勇者「僕は勇者です。そして貴女たちは有能な魔法使いと僧侶です」 僧侶「そ、そんな真顔で言われても……」 魔法使い「いい?!今までの魔物みたく本能で向かってきたり、魔法が簡単に通じる相手じゃないのよ?!」 勇者「でしょうね。だからこそ、戦術が大事になります」 僧侶「えぇ……」 魔法使い「無理よ……。今度ばかりは……」 勇者「できますよ」 僧侶「どうして……そこまで断言できるのですか……?」 勇者「貴女たちがすごい術者だからです」 魔法使い「はぁ……なんの根拠もないってことね……」 僧侶「うぅ……」 勇者「絶対勝つぞー!!おー!!」 281:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 00 56 45.96 ID hpeqfj4Jo―――処刑場 長老「ではこれより、洗礼の儀を執り行う!!」 長老「罪人よ。聖地へ足を踏み入れることを許可する」 兵士「上がれ」 勇者「……」 僧侶「……っ」ガクガク 魔法使い「できるだけ、苦しくない方法で殺して欲しいわね」 僧侶「そ、そうですね……」 長老「罪を流す者よ、聖地へ」 神官「……」 勇者「あの人たちが……神官ですか……」 神官「……準備は整っております」 神官「右に同じ」 神官「いつでも、どうぞ」 長老「罪深き者たちに洗礼を!!!」 282:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 02 57.69 ID hpeqfj4Jo勇者「では、手筈通りに」 魔法使い「ほ、本当に大丈夫なんでしょうね?」 僧侶「勇者様……本当に私は抱きついているだけでいいのですか?」ギュゥゥ 勇者「ぬほほぉ。―――はい」キリッ 魔法使い「なんで私が矢面に……」 勇者「貴女の能力なら大丈夫です」 魔法使い「信じられないけど」 勇者「向こうは魔法のプロフェッショナル。だからこそ、貴女たちの苦しみなど絶対に分からない」 僧侶「それって……」 神官「では……洗礼を始める」 勇者「来ます!!」 魔法使い「ええい!!もうどうせ死ぬなら……!!!」 神官「炎よ!」ゴォォォ 魔法使い「―――はぁ!!!」コォォォ 神官「な……!!炎を掻き消した……?!」 283:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 08 03.14 ID hpeqfj4Jo長老「ん……?!なんだ……今のは……?」 エルフ(まさか……全力ではないとはいえ、いとも簡単に……神官の魔法を……) 魔法使い「ほ、炎なんて私には効かないわ!!」 魔法使い(冷気を纏っただけだけど……) 神官「面白い……では……!!―――凍れ!!!」コォォォ 魔法使い「氷も効かない!!」ゴォォォ 神官「なんだと……」 神官「中々の能力者。注意せよ」 神官「うむ」 魔法使い「……っ」 勇者「よし。警戒を強めた」 僧侶「それって……本気にさせたってことですよね?」 勇者「さあ、次行きますよ」 僧侶「は、はい!」ギュゥゥ 神官「では、手加減はしない。―――雷よ!!」バリバリ 284:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 12 37.33 ID hpeqfj4Jo勇者「雷!?」 神官「終わりだ」 僧侶「きゃぁぁ!!!」 勇者「絶対に離れないでください!!」 僧侶「は、はい!!」ギュゥゥゥ ―――ドォォォォン!!!! 長老「―――終わったか」 エルフ「……」 神官「儀式は終了」 神官「では、死体の回収をおこな―――」 勇者「―――はぁぁ!!!」ゴォッ 神官「なに……!!」 勇者「せいっ!!」ザンッ 神官「バ……カ……な……」ドサッ 勇者「砂塵を巻き上げては、敵を見失う。状況によっては今みたいに隙をつくることになります。覚えておいてください」 285:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 19 29.45 ID hpeqfj4Jo神官「理解不能」 神官「何故、無傷でいる……。確かに直撃したはず……」 勇者「結構痛いですよ。でも、僕は無敵なんで」 僧侶「うっ……」ギュッ 勇者「(大丈夫ですか?)」 僧侶「(は、はい……)」 長老「どうなっている……!?」 エルフ「そんな馬鹿なこと……」 勇者「これだけははっきり言っておきます。僕を倒すことはできないぞ!!!」 神官「思考中」 神官「魔力を解放する。肉体を滅裂させれば再生も不可能のはず」 勇者「ああ、やっぱり力があるとそういう力押しができていいですねえ!!全くぅ!!」 僧侶「(勇者様、流石に治癒が追いつかない傷を負えば……)」 勇者「(分かっています)」 魔法使い「(ちょっと、あれは多分指定した空間を爆発させる魔法よ?!どうするの?!)」 286:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 24 22.05 ID hpeqfj4Jo勇者「指定した空間を?」 魔法使い「そうよ!!」 勇者「やったー!!」ダダダッ 僧侶「えぇ?!特攻?!」 神官「なに……?!」 勇者「爆発させる魔法は近距離では使えない。それは以前に聞きました」 魔法使い「あ……」 神官「くっ……!!」バッ 勇者「遅いっ!!!」ズバッ 神官「がっ……?!」ドサッ 勇者「二人目だぁ!!!」 神官「……」 勇者「ふん。いくら魔法ができるからって、やりようはいくらでもある!!」 神官「……」 勇者「もう声も出ませんか?!ええ、おい!!」 287:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 29 56.02 ID hpeqfj4Jo神官「……」 勇者「あーん?」 神官「爆発」 勇者「え―――」 ドォォォォン!!!! 僧侶「きゃぁ?!」 魔法使い「なっ……!?自爆?!」 勇者「うっぁ……ずっ……」 僧侶「勇者様ぁ!!!」タタタッ 神官「損傷甚大……」 勇者「まさ……か……捨て身……とは……」 僧侶「今、治癒を……!!」ギュッ 勇者「あ、ありがとうございます」 神官「治癒開始」 魔法使い「一撃でしとめないと、向こうも回復しちゃうわね……」 288:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 33 51.14 ID hpeqfj4Jo神官「爆炎放出」ゴォォォ 僧侶「きゃぁ?!」 魔法使い「炎なら!!」コォォォ 神官「……」 魔法使い「効かないわ」 神官「氷塊放出」 魔法使い「無駄よ!!」ゴォォォ 神官「……」 魔法使い「はぁ……はぁ……」 勇者(これ以上はまずい……タネがバレたら……) 僧侶「うぅ……」ギュゥゥ 神官「解析完了」 魔法使い「え……?」 神官「炎、継続放出開始」ゴォォォ 魔法使い「なっ……!!」コォォォ 289:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 39 26.11 ID hpeqfj4Jo神官「貴殿、魔法放出不可」 魔法使い「ちょっ……!!」 勇者「まずい……!!早くトドメを……!!!」ダダダッ 僧侶「勇者様!!」 勇者「うおぉぉぉ!!!!」 神官「爆炎放出」ゴォォォ 勇者「うぁ!!」 魔法使い「馬鹿!!なにやって―――」 神官「最大出力」ゴォォォォ 魔法使い「やめて……よ……!!もう……魔力が……!!!」コォォォ 僧侶「ど、どちらに抱きつけば……!!」オロオロ 神官「貴殿、魔力残量皆無」 魔法使い「うる……さい……やれる……これぐら、い……!!!」 神官「諦観推奨」 魔法使い「そ、そんなこと……奨めないでよ……!!」 291:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 01 53 15.22 ID hpeqfj4Jo長老「どういうことだ……これは……?」 エルフ「あの二人の術者。少し様子が変ですね」 長老「うむ。神官の魔法を相殺できるほどの魔力を放出しておいて、それを攻撃に転換しないとは」 エルフ「しないというより、できないのでは?」 長老「む……それは……」 エルフ「できるのであれば、治癒も抱きつくほど密着する必要はないですし、魔法で攻撃するのも安全な遠距離で行うはず」 長老「相手との力量が違いすぎるから奇をてらった方法を用いているのではないか?」 エルフ「攻撃魔法を防御に使うのはありえますが、それなら先ほど神官が弱っているときに追撃をかけないのが不自然です」 長老「そういえばあの術者たちは魔法について学びたいを言っておったな……」 エルフ「魔法を上手く使いこなせないということでしょうね」 長老「そういうことか。分かってしまえばどうということはないな」 エルフ「ええ。時間をかければ終わります。エルフの魔力量は人間の数十から数百倍ですからね」 長老「ああ……。人間にとっては無限に等しいだろう」 エルフ「儀式終了も時間の問題ですね……」 エルフ(悪く思わないで……。これも全て貴方たちが魔王と戦おうとするから……) 297:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 21 22 48.89 ID hpeqfj4Jo勇者(このままじゃ……!!) 神官「……」ゴォォォ 魔法使い「くぅ……ぁ……ん……!」コォォ 僧侶「……っ」タタタッ 魔法使い「え……?」 僧侶「……」ギュッ 魔法使い「あんた……!!」 僧侶「うぅ……」ガクガク 魔法使い「……もう!!」コォォォ 神官「無意味」ゴォォ 魔法使い「死にたくないから足掻くのよ!!悪い?!」 僧侶「うぅぅ……ぅ……ぐすっ……ゆう……しゃさま……たすけて……」 勇者「あ……!!」 勇者(あ、いや……上手くいくかはわからない……それ以前に二人を危険な目に合わせてしまう……) 勇者(だが……迷ってはいられない……!!) 298:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 21 27 34.01 ID hpeqfj4Jo勇者「わかった!!諦める!!」 神官「……」ピクッ 魔法使い「ど、うし……て……」 僧侶「そ、んな……」 勇者「もうお二人を苦しませないでください」 神官「……」 魔法使い「まだ……やれる……のに……」 勇者「もう無理ですよ。やめましょう。お二人とも、もう魔力が……」 僧侶「あぁ……うぅ……」ガクッ 魔法使い「しっかりして!」 僧侶「私たち……ここで……終わり……なんですね……」ウルウル 勇者「残念ですが……治癒する術が無い以上、勝ち目はありません」スッ 僧侶「……」 勇者「申し訳ありません。僕が不甲斐ないばかりに……」 僧侶「いえ……」 299:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 21 34 02.58 ID hpeqfj4Jo魔法使い「やめて……」 勇者「……」 魔法使い「アンタはいつも諦めなかったじゃない……!!」 勇者「勝算があったからですよ」 魔法使い「何よ……今はないっていうの……?」 勇者「はい」 魔法使い「どうしてよ!?綺麗なお嫁さんと側室を10人はべらせるんでしょ?!」 勇者「志半ばで力尽きる人が殆どですよ」 魔法使い「なんで……やめて……」 勇者「本当に申し訳ありません。自分が馬鹿なことをしなければ、貴方達を巻き込むこともなかったのに……」 魔法使い「……」 勇者「僕から処刑しろ」 神官「……」 魔法使い「本気なの……」 僧侶「勇者様……」 300:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 21 38 30.61 ID hpeqfj4Jo長老「観念したのか……致し方ないな……。所詮は人間だったか……」 エルフ「……」 神官「処刑容認」スッ 勇者「魔法で殺すのか……?」 神官「肯定」 勇者「できるだけ痛くないように頼みます」 神官「了解」 勇者「ふぅー……」 魔法使い「いや……だ……め……」 僧侶「……」 神官「―――爆破」 勇者「……っ」 僧侶「―――やめてぇ!!!」バッ 神官「!?」 ドォォォン!!! 301:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 21 43 23.75 ID hpeqfj4Jo魔法使い「なっ……!!」 長老「どうした!!」 エルフ「庇ったの……?」 僧侶「ぅ……ぁ……」 勇者「……!!」 神官「失敗」 勇者「……」 魔法使い「いやぁぁぁ!!!!」 神官「処刑開始」スッ 勇者「くっ……!!」ジリジリ 神官「撤退不可。抵抗無意味」スタスタ 勇者「……っ」 魔法使い「あぁ……ぁ……!!!」ガクガク 神官「処刑開始」スッ 勇者「……」 303:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 21 50 17.96 ID hpeqfj4Jo僧侶「……」スクッ 長老「なに?!」 エルフ「え……!?」 神官「……?!」バッ 僧侶「……」 神官「理解不能……!!」スッ 勇者「―――でぁぁぁ!!!」 神官「……!!」 勇者「あぁぁぁぁ!!!!」ザンッ 神官「はっ……ぁ……!?」 勇者「はぁ……はぁ……戦闘中に背中を向ける奴が……あるか……ど素人め……!!」 魔法使い「え……どうして……?」 僧侶「や……やりま……し……」フラッ 勇者「危ない!!」パシッ 僧侶「ゆう……しゃ……さま……」ニコッ 306:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 21 56 27.63 ID hpeqfj4Jo長老「馬鹿な……神官の魔法を受けて……立ち上がるなんて……!!」 勇者「彼女は常に治癒魔法が漏れている状態なんです」 エルフ「え?」 勇者「だから、魔力さえ残っていれば自動的に自分を治癒する」 魔法使い「でも……もう治癒できるだけの魔力は……」 勇者「魔力を回復させれば問題はありません。たとえ雀の涙ほどでも魔力があるなら、多少なりとも傷は癒えます」 魔法使い「それはそうだけど……どうやって回復させたわけ……?」 勇者「大丈夫ですか?」 僧侶「気絶しなかったのが……奇跡……ですね……」 勇者「本当に。だから、危ない賭けでした」 僧侶「ふふ……私でも……お役に……立て……ましたか……?」 勇者「ええ……」 僧侶「うれ……し……ぃ……」 魔法使い「大丈夫なの!?」 勇者「気を失っただけです。問題ありません。でも、絶対安静ですね……」 307:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 02 11.87 ID hpeqfj4Jo長老「馬鹿な……人間に……負けるとは……」 エルフ「こんなことって……」 勇者「まずは彼女の休む場所を用意してください」 魔法使い「大丈夫!?ねえ!!」 僧侶「うぅ……」 勇者「魔力はもう残っていないでしょうね。傷が殆ど癒えていない」 長老「そんな……こんなことあってはならん……!!」 エルフ「長老……」 長老「人間に……我々が……!!」 エルフ「長老、しっかりしてください」 勇者「慢心した結果だ。人間は貴方たちが思っているほど、弱くはない」 長老「数の暴力しか知らぬ……野蛮な種族……のはず……なのに……」 勇者「お願いします。今は一刻も早く、彼女を休ませてあげたいのです」 エルフ「……こちらに」 僧侶「ぁ……ぅ……」 308:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 05 01.60 ID hpeqfj4Jo―――エルフの家 エルフ「……」パァァ 僧侶「うぅ……ぅ……」 エルフ「これで大丈夫でしょう」 勇者「本当ですか?」 エルフ「ええ」 魔法使い「よかったぁ……」 エルフ「だけど、しばらくは安静にしておかないと……」 勇者「……」 エルフ「それでは、ボクはこれで」 勇者「待ってください」 エルフ「なに?」 勇者「……ありがとうございました」 エルフ「……ごゆっくり」 勇者「……」 309:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 10 35.29 ID hpeqfj4Jo僧侶「すぅ……すぅ……」 魔法使い「本当によかった……」 勇者「いやー、死ぬかと思いましたね」 魔法使い「ねえ……どういうことなの?この子は魔力がなくなってたはずなのに」 勇者「以前、彼女に携帯させた物を使ったのですよ」 魔法使い「え?」 勇者「すぐに魔力が枯渇する彼女にとって最大の武器に成り得る……これを」スッ 魔法使い「それ……非常食?」 勇者「僕を庇う直前に食べるように言っておきました。魔力は睡眠か食事を取ることで回復するとのことですので」 魔法使い「死んだらどうするつもりだったの?」 勇者「そのときは……諦めるしか……」 魔法使い「……」 勇者「申し訳ありません。僕は最低の手段を選び、彼女を危険に晒しました。どんな罰も受けるつもりです」 魔法使い「私に言われても……困るわ……」 勇者「申し訳……ありません……」 310:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 18 44.04 ID hpeqfj4Jo―――長老の家 長老「魔王様……」 魔王『結果は?』 長老「勇者は生きております」 魔王『殺し損ねたか。下等種族では荷が勝ちすぎていたか?』 長老「勇者らの体質を知っていれば、負けはしませんでした」 魔王『言い訳はよい。して、体質とはなんだ?』 長老「勇者は魔法の類を一切使えぬ人間であり、剣術に長けています」 魔王『ふむ……』 長老「そして二人の術者ですが……こやつ等が一癖ありまして……」 魔王『早く言え』 長老「一人は魔力の放出ができず、相手に接触しなければ傷を負わせることが叶いません」 長老「治癒魔法を操る者は常に魔力が漏れている状態で、魔力が尽きぬ限りは自身と自身に触れた者を癒します。ですが、魔力はすぐに尽きてしまいます」 魔王『欠陥の特異体質というわけか。ふはははは……そうか……感謝するぞ、エルフの長よ。これで我の勝利は約束された』 長老「はい……」 311:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 24 08.84 ID hpeqfj4Jo―――エルフの家 僧侶「……」 勇者「……」 魔法使い「いい加減、休んだら?」 勇者「……」 魔法使い「目が覚めるまでもう少しかかるわよ」 勇者「ですが……」 魔法使い「いいから。もしかしてアンタ、無意味に服を脱がせたりしようなんて考えてないわよね?」 勇者「そんなこと考えていません」 魔法使い「本当かしらぁ?」 勇者「僕の所為で……彼女は……」 魔法使い「……いいから、休んで。アンタだって、傷ついてヘトヘトのはずよ?」 勇者「……」 魔法使い「これは命令。休め」 勇者「わかりました……」 313:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 31 15.38 ID hpeqfj4Jo―――エルフの里 勇者「……」 エルフ「何をしている?」 勇者「……」 エルフ「怒っているの?」 勇者「はい」 エルフ「でも、貴方たちだってボクたちに対して……色々と酷い仕打ちを……」 勇者「自分が許せません」 エルフ「え……?」 勇者「僕が囮になるべきだった……!!」 エルフ「……」 勇者「生き残れる可能性があると分かったとき……僕は最も可能性が高い方法を手にとってしまった……」 勇者「二人を守る立場にいる僕が……」 エルフ「でも、誰が囮になっても失敗したらみんな死んでいた。なら、成功率が高い手段を選ぶのは当然だと思うけど……」 勇者「誰が囮になってもよかったのなら……僕がなるべきだったんです……!!」 314:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 38 47.20 ID hpeqfj4Joエルフ「……」 勇者「すいません。貴女にこんなことを言っても……仕方ないですね……」 エルフ「別に……」 勇者「……」 エルフ「貴方達三名は現時刻をもって、解放されることになりました」 勇者「ありがとうございます」 エルフ「できればすぐにでも立ち去ってもらいたいのですが」 勇者「それは……」 エルフ「わかっています。一人は重傷ですから、暫くの間は面倒を見ます」 勇者「もしかして僕だけを……?」 エルフ「ええ。元はといえば、貴方が騒ぎを大きくしたわけですから。貴方がこの里からいなくなれば、誰も文句はいいません」 勇者「わかりました。なら彼女たちだけでも―――いや、それはしないほうがいいですね……」 エルフ「え?」 勇者「こちらの弱点は魔王を通じて他の魔族にも伝わっているはず。彼女たちだけを置いていくことは……もう出来ません」 エルフ「そうですか……」 315:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 44 35.08 ID hpeqfj4Jo勇者「……」 エルフ「道中、お気をつけて」 勇者「はい?」 エルフ「それでは」 勇者「ちょっと待ってください!!」 エルフ「なんですか?」 勇者「おかしいなことを言わないでください」 エルフ「は?」 勇者「貴女がどうして旅の成功を祈る側にいるのですか?」 エルフ「だって……」 勇者「貴女は祈られる側ですよね?」 エルフ「なんで?!」 勇者「あれー?約束……忘れたなんて言わないですよね?誇り高きエルフ族が、そんな馬鹿なこと……」 エルフ「な、なんのこと……?」 勇者「僕たちが勝てば貴女は僕の側室になるって約束……しましたよね?」 316:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 49 36.00 ID hpeqfj4Joエルフ「あ……!!!」 勇者「ぬほほぉ!!」 エルフ「ボクは……!!」 勇者「ダメ」 エルフ「待って!!ボクはエルフだ!!人間と関係を持つことは許されない!!そういう戒律がある!!」 勇者「あっそ。いや、でも、約束は守ってくださいね」 エルフ「待って!!エルフ族に伝わる妖精の剣と鎧を貴方に差し上げるから!!!」 勇者「そんなのいりません」 エルフ「じゃあ、盾もつける!!」 勇者「いりませんて」 エルフ「兜もあげるぅ!!!」 勇者「僕はね……貴女が欲しいのですよ」キリッ エルフ「そんなぁ……」 勇者「では、すぐに支度を整えてください」 エルフ「待って!!お願い!!あれはなかったことにぃ!!!」 317:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 22 58 15.98 ID hpeqfj4Jo―――エルフの家 魔法使い(アイツ……大丈夫かしら……) 魔法使い(すごく自分を追い詰めてたみたいだけど……) 魔法使い「はぁ……ああいうとき……どう声をかけたらよかったの……?」 魔法使い「ねえ……?」 僧侶「すぅ……すぅ……」 魔法使い「私って……やっぱり……ダメね……」 魔法使い「気の利いたことも言えないなんて……」 勇者「ただいま戻りました」 魔法使い「あ。さっきは―――え?」 エルフ「おねがいしますぅぅ!!!許してくださぁぁぁい!!妖精の妙薬もあげますからぁぁぁ!!!」ギュゥゥゥ 勇者「だから、貴女以外いらないのですよ。分からない人ですねぇ」 エルフ「戒律を破るとボクが処刑されるんですよぉ!!!」 勇者「なら僕が生涯をかけて匿ってあげます。ほら、解決した」 エルフ「ちがうぅぅ!!!そういう問題じゃないぃぃ!!!」 320:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 06 56.47 ID hpeqfj4Jo魔法使い(元気そうね……) 勇者「まだ、目覚めてないのですか?」 魔法使い「ええ」 勇者「少々酷ですがいつでもここを発てるようにしておいてください」 魔法使い「え……!!でも!!」 勇者「エルフ族は仲間意識が非情に強いですから。ここに留まることは危険です。色々と」 魔法使い「それって……他の魔物を呼んで私たちを……」 エルフ「そんなことはしない!!」 魔法使い「でも……魔族は魔族でしょ?―――あと、ソイツから離れてくれない?」 エルフ「あ……」パッ 勇者「ちっ」 エルフ「我々は人間と友好関係を築いていた過去がある。そのため、他の魔族からは敵視されているぐらいだ」 魔法使い「じゃあ、魔王とも敵対関係なの?」 エルフ「中立……といいたいところだけど、魔王が何か命令してきたら逆らえない。逆らえばきっと……一族が滅びるから」 勇者「それは酷い。こんなに美しい一族を葬るなんて……魔王!!許さん!!」 321:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 13 41.27 ID hpeqfj4Jo魔法使い「まあ、いいわ。要するに魔王には絶対服従なのね?」 エルフ「……」 勇者「僕たちは魔王に目をつけられていますからね。処刑命令が出てもおかしくありません」 魔法使い「わ、私は嫌よ!!もう一度、エルフと戦うなんて!!」 勇者「それは僕もです。だから、彼女が目覚め次第、いつでも動けるようにしておきましょう」 魔法使い「……仕方ないわね」 勇者「貴女もですよ」 エルフ「ちょっ……!?」 魔法使い「え?どういうこと?」 勇者「彼女とは約束しましたからね。僕たちが勝てば僕の側室になると」 魔法使い「あー……」 エルフ「だ、だからぁ!!!あれはその場の勢いで……!!!」 勇者「約束も守れないのか!!!それでも誉れ高きエルフ族か?!えぇ!!おい!!!こっちは命かけたんだ!!お前も命かけろ!!!」 エルフ「め、めちゃくちゃじゃないですか……」ウルウル 勇者「おっと。すいません。つい熱くなってしまいました。でも、大丈夫です。僕の側室になれば将来は約束されたようなものですから」 322:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 18 56.07 ID hpeqfj4Joエルフ「いやぁ……なんで……こんなことにぃ……」メソメソ 勇者「僕に惚れられたのが運の尽きですね」 エルフ「全くです……」 魔法使い「ちょっと……ということは、このエルフもこれから一緒に行動するの?」 勇者「はい」 魔法使い「それって……あの……」 エルフ「あの……妖精の笛もつけますから」 勇者「そんなに嫌ですか?」 エルフ「はい……」 勇者「わかりました……」 エルフ「えっ?!」 勇者「そこまで嫌だというなら……僕も考えましょう」 エルフ「ほ、ほんとうに?!」 勇者「無理強いなんてさせたくありませんからね」 エルフ「よ、よかった……理解ある人間で……」 323:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 25 45.47 ID hpeqfj4Jo勇者「貴女が一緒にこないというなら、僕たちはこの里のことを号外で人間たちに伝えます」 エルフ「えぇぇぇ?!」 魔法使い「それは流石に……!!」 勇者「そうなったらこの森に何万という人員が投入され、貴方達は……喰われますよー!!がおー!!!」 エルフ「いやぁぁぁ!!!」 勇者「さぁ!!!どうする?!貴女一人が犠牲になって里を救うか、それとも人間たちから逃げ隠れる道を選ぶか!!!」 エルフ「そんなの酷いっ!!」 勇者「好きなほうを選んでください。無理強いなんてさせたくないですから」 魔法使い「あんた……悪魔なの……?」 勇者「さぁ?どうするんですかぁ?」 エルフ「くっ……」ウルウル 勇者「ぬほほぉ……」 エルフ「……ます……」 勇者「え?」 エルフ「行きます!!ボクも連れて行ってぇ!!!」 324:NIPPERがお送りします(岡山県):2012/06/13(水) 23 29 06.34 ID ZE2EHKqao容赦なくなってきたな 325:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 30 12.87 ID hpeqfj4Jo―――夜 魔法使い「一応、いつでも出発できるようにはしておいたわ」 勇者「ありがとうございます」 魔法使い「……」 勇者「軽蔑しますか?」 魔法使い「いや……アンタらしくないなと思って……」 勇者「どうしても必要でした」 魔法使い「側室に?」 勇者「……はい」 魔法使い「あきれた……」 勇者「……」 魔法使い「ねえ……それじゃあ……私たちはここまでなの?」 勇者「え?」 魔法使い「エルフがいるなら……私たちはいらない……でしょ?エルフ一人で攻撃も治癒もできる……し……」 勇者「何を言ってるんです?」 326:NIPPERがお送りします(東京都):2012/06/13(水) 23 30 33.94 ID wMTPuDUAo鬼畜にも劣る下種だなこの勇者…… やはり変態紳士の名は伊達ではないということか 328:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 36 45.33 ID hpeqfj4Jo魔法使い「だって……」 勇者「お二人も必要ですよ。無論、連れて行きます」 魔法使い「でも……一回、別れてるし……」 勇者「こうして再会できました。これも赤い糸で結ばれている証拠ですよ」 魔法使い「はぁ!?」 勇者「それに一緒に行動してもらわないと困ります。魔王は僕たち三人を狙っているわけですから」 魔法使い「そうだけど」 勇者「もう休んでください。彼女の看病は僕が引き受けましょう」 魔法使い「……」 勇者「どうしました?」 魔法使い「あ……ありがとう……」 勇者「何に対してですか?」 魔法使い「バーカ」 勇者「……?」 勇者「まあ、いいか」 329:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 41 56.00 ID hpeqfj4Jo勇者「……」 僧侶「……」 勇者「……申し訳……ありません……」 僧侶「……勇者様……自分を責めないでください……」 勇者「……!!」 僧侶「あのときはああするしか……無かった……」 勇者「しかし……」 僧侶「貴方は最善の策を……」 勇者「違う。貴女を危険に晒すことなく突破できた……のに……」 僧侶「それだと……勇者様が……私のような目に……」 勇者「……」 僧侶「いつもそうですね……」 勇者「なにがですか?」 僧侶「貴方はいつも……全部一人で解決しようとしていました……。わざと別行動をとったのも……」 勇者「やめてください。あれは僕の失言が原因です。意図もなにもありません」 331:NIPPERがお送りします:2012/06/13(水) 23 53 07.42 ID hpeqfj4Jo僧侶「エルフを探そうと考えたのは……私たちだけではドラゴンに……魔王に勝てないと判断したからですよね?」 勇者「魔王。今まで誰も魔王と対峙することが叶わず散っていったために、その力は未知数でした」 勇者「ですが、おとぎ話の怪物を従えていると分かり、愕然としました。恐らく……いや、確実に人間では敵わないと悟った」 僧侶「……」 勇者「貴女たちの能力が劣っているから、僕が勇者としては未熟だからなんて理由ではない。絶望的な力の差がある」 僧侶「だから……私たちを突き放して……同じおとぎ話のエルフ族を仲間に……?」 勇者「貴女たちの目的が復讐だと聞き、きっと簡単には別れてくれないと思いました。だから……」 僧侶「勇者様……」 勇者「あの時は酷いことを……そしてこの度も……」 僧侶「よかった……」 勇者「何がでしょうか?」 僧侶「少しだけ……あれは本心だったのではないかって疑っていました……でも……勇者様はやはり……お優しい……」 勇者「……」 僧侶「好きです……そんな勇者様が……。だから……傍にいさせてください……」 勇者「……何を言っているのですか。貴女は側室候補。傍にいてもらわないと僕が困りますよ、はい」 332:NIPPERがお送りします:2012/06/14(木) 00 03 19.30 ID hpeqfj4Jo僧侶「ふふ……嬉しい……」 勇者「え?」 僧侶「私は側室で構いません……よ……?」 勇者「えっ?」 僧侶「……」 勇者「あの……」 僧侶「すぅ……すぅ……」 勇者「……おやすみなさい」 エルフ「あのー」 勇者「おや、どうされました?」 エルフ「いつ出発するの?」 勇者「明朝にします」 エルフ「わかった。ボクは森の外で待ってるから……」 勇者「こっそり出るのですね」 エルフ「当然でしょ!?見つかれば極刑だし……。もうこの里には戻れないし……うぅ……」ウルウル 339:NIPPERがお送りします:2012/06/14(木) 23 26 18.34 ID hpeqfj4Jo―――翌朝 魔法使い「起きて……ねえ……起きて……」ユサユサ 勇者「ん……?」 魔法使い「ほら、顔でも洗ってきて」 勇者「あ……はい……」 魔法使い「もう……」 僧侶「おはようございます」 勇者「おお!!もう大丈夫なのですか?」 僧侶「はいっ。勇者様が一晩中、お傍にいてくれたおかげです」 勇者「それはよかった」 僧侶「ふふ……」 勇者「……」 僧侶「あの……なにか?」 勇者「いえ。では、洗顔してきます。そのあと、すぐに出発しましょう」 僧侶「はい」 340:NIPPERがお送りします:2012/06/14(木) 23 32 59.69 ID hpeqfj4Jo魔法使い「顔色もいいし、もう大丈夫みたいね」 僧侶「ご心配をおかけしました」 魔法使い「いいのよ。―――それよりも……アイツが心配だわ」 僧侶「勇者様がですか?」 魔法使い「あんたを傷つけたって、すごく落ち込んでたから」 僧侶「そうみたいですね……」 魔法使い「まだ引き摺ってなきゃいいけど……」 僧侶「……」 勇者「―――お待たせしました」 魔法使い「はい、荷物」 勇者「ありがとうございます」 魔法使い「さ、行きましょ」 勇者「そうですね。きっとボクっ娘さんも待っていますし」 僧侶「え?誰ですか?」 魔法使い「エルフよ。こいつ、ついに人外にまで手を出したのよ。呆れちゃうでしょ?」 341:NIPPERがお送りします:2012/06/14(木) 23 39 13.91 ID hpeqfj4Jo僧侶「その方も……側室候補なのですか?」 勇者「はい」 僧侶「そうですか」 魔法使い「それだけ?もっと批難すべきよ、これは」 僧侶「いえ。人間とエルフの恋は実際にあったと聞きます」 魔法使い「え?」 僧侶「それは悲恋だったようですが……。でも、勇者様ならきっとエルフとも純愛を貫けると思います」 魔法使い「ちょっと!!側室10人って時点で不純じゃないの!!」 僧侶「私は……勇者様のお傍に居られたら……」 魔法使い「はぁ?!」 僧侶「あ……すいません。失言ですね」 魔法使い「……」 勇者「ふっ。僕は正妻と10人の側室を区別しません。変わらぬ愛情を注ぐ覚悟があります」 僧侶「それで十分です……勇者様……」 魔法使い「あの……え……?」 342:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 03 53.80 ID hpeqfj4Jo―――エルフの森 勇者「それでは色々とお世話になりました」 僧侶「ありがとうございました」 魔法使い「本当、色々とお世話になったわね」 長老「……もう会うことはないだろう」 勇者「あの、一つだけよろしいですか?」 長老「なんだ?」 勇者「この里、随分と見つかりやすい場所にあったようですが……今まで、人間に見つかったことはないのですか?」 長老「おぬしらが倒した神官たちの力を合わせれば、結界を張り集落そのものを不可視にすることも可能だ」 魔法使い「不可視ですって?」 僧侶「そんな……でも……私たちには今もこうして見えてますよね?」 勇者「そのようなことができるのに、僕たちの侵入を許したのですか?」 魔法使い(そうよね。こんなにあっさり見つけられるんじゃ、大勢の人間に見つかっているはず……) 長老「……」 勇者「やはり魔王ですか?」 343:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 12 55.34 ID hpeqfj4Jo長老「魔王から勇者一行が近くにいると伝えられた。そして勇者が目の前に現れれば、その能力を測れともな」 勇者「やはりそうでしたか」 長老「初めは一人だけだったから、また我らの身柄を狙う不貞の輩と思ったがな」 勇者「不可視にできるのに拉致されるのですね」 長老「人物そのものを透明にすることはできん。特定の場所に結界を張ることで初めて不可視になるのだからな」 勇者「透明人間……というわけではないと?」 長老「そんな魔法ありはせん。誘拐されるエルフは決まって狩りの最中だからな。結界の中に居続けるのは難しいからな」 勇者「優秀な神官がいるからこそ広範囲で不可視にできるが、個人だと範囲が狭まると?」 長老「そういうことだ。その範囲も人一人で限界だろう」 勇者「……」 魔法使い「覗きに使えるとか思ってないでしょうね?」 勇者「どうして僕はエルフじゃないのでしょうか。神様は酷いことをしますね」 魔法使い「この……!!」 長老「さぁ、もういいだろう。早く行ってくれ」 勇者「はっ。それでは、お元気で」 344:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 19 39.30 ID hpeqfj4Jo勇者「里が見えなくなっていく……」 僧侶「すごい……」 魔法使い「あー!!!」 勇者「どうしました?下着を着忘れたとか!?」 魔法使い「違うわよ!!私たちの重大な欠点を直して貰うっていう目的があったじゃない!!」 僧侶「そうでした。色々あって忘れていましたね」 勇者「欠点?」 魔法使い「魔力を上手くコントロールできるようになるかもって思って、私たちはこの森にきたのよ」 勇者「僕の側室になるために追ってきたのではないのですか?」 魔法使い「違うわよ!!あんたからも言ってあげて!!」 僧侶「……」モジモジ 魔法使い「え?」 勇者「まあまあ、とにかく今は森を出ましょう。―――外でエルフが待っているのですから」 魔法使い「そうよ……そうだったわ。エルフが仲間になったのよね」 僧侶「そうですね。ボクっ娘さんというエルフが仲間になってくれたのなら、私たちの欠点を改善することも―――」 345:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 24 35.00 ID hpeqfj4Jo―――フィールド エルフ「無理」 魔法使い「え……」 僧侶「本当ですか?」 エルフ「貴女たちはそういう特異体質だから。魔力を調整することで改善されることはないよ」 魔法使い「そんなぁ……」 勇者「残念でしたね」 魔法使い「他人事だと思って……!!」 エルフ「でも……補強はできるかもしれない」 僧侶「補強?」 エルフ「定期的に魔術による補強を行えば魔力が一時的に漏れないようにすることはできる」 魔法使い「それでもいいわ」 僧侶「お願いします」 エルフ「かなり面倒だけど……。まあ、これから先のことを考えれば―――」 勇者「ゆるさんっ!!!!」 346:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 30 50.22 ID hpeqfj4Jo魔法使い「なっ?!」 僧侶「ひぐっ」ビクッ エルフ「どうして?」 勇者「ならん!!!お母さんから貰った体を大切にしないやつなんて、俺は嫌いだ!!!」 魔法使い「何言ってるのよ?!旅を続けるなら―――」 勇者「ダメー!!!!絶対にノー!!!ノォォォ!!!!」 エルフ「ど、どうしてそこまで……」 僧侶「勇者様……?」 魔法使い「どうしてよ!?私たちが一般的な魔力の扱い方ができれば、戦いだって劇的に楽になるわよ?!」 勇者「貴女たちの体質が改善される……それすなわち、他の魔法使いや僧侶と同じになるということ」 僧侶「そ、そうですね」 勇者「つまり、治癒をするとき対象の人物に触れなくても大丈夫になるってことですね?」 僧侶「はい」 魔法使い「いちいちくっつきに行くのはタイムロスだし、離れた場所からでも治癒ができるって相当いいことじゃない」 勇者「没個性じゃん!!!なにいってんのぉ?!」 347:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 37 05.33 ID hpeqfj4Joエルフ「没個性って……。そんな考えで魔王と戦うつもりだったの?」 勇者「何か問題でも?」 エルフ「いや……」 魔法使い「ちょっと。アンタの足りない脳みそでよく考えなさいよ」 勇者「僕の頭には欲望がぎっしり詰まってますが」 魔法使い「いい?私たちは基本的に前線で戦えない」 勇者「当然です。前に出て戦うのは僕の役目ですから」 魔法使い「でしょ?なら、離れたところから治癒ができるってすごく便利よね?」 勇者「そうですね」 魔法使い「分かってくれたのね」 勇者「はい」 魔法使い「じゃあ、補強を―――」 勇者「ならんっ!!!」 魔法使い「なんでよ?!」 勇者「するなら魔力が漏れないようにするだけ!!治癒は今までどおり抱きつかないとできないようにしなさい!!!」 348:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 42 48.41 ID hpeqfj4Jo魔法使い「なんの解決にもならないでしょ!?」 僧侶「それに魔力の漏れを防いでしまうと、密着しての治癒は不可能になりますよ」 勇者「そうなのですか?!じゃあ、だめ!!今のままでいい!!自然体っていいですよね!!!」 僧侶「え……」 勇者「ね!?」 僧侶「は、はい……」 勇者「さあ、いざ行かん!!魔王の城!!!」 エルフ「え?結局、補強はしなくてもいいってこと?」 魔法使い「ちょっと!!デメリットが消せるのよ!?」 勇者「黙ってくださいよぉ!!」 魔法使い「拒む理由を言って!!」 勇者「理由?そんなの……一つしかないですよ……」 エルフ「あ……もしかして、二人の特異体質を利用して相手の意表を突く作戦を色々考えているとか?」 魔法使い「そうなの?」 勇者「違う。―――僕がぁ!!!いや、俺がぁ!!!合法的に女体に触る機会が減るでしょう!?分かってくださいよぉ!!!」 351:NIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/06/15(金) 00 46 44.42 ID HYAX4iBooゲスっぷりが素晴らしいな 352:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 50 48.30 ID hpeqfj4Joエルフ「は……?」 勇者「普段からガード固いくせに……更に強化するとか……マジで勘弁してくださいよぉぉ……」ウルウル 魔法使い「……」 僧侶「勇者様……私に抱きつかれるの……お嫌いじゃないんですか?」 勇者「なんで?!むしろ好きですよぉ!!!」 僧侶「そ、そうですか……よかった……」ホッ 魔法使い「待って」 勇者「なんですか?」 魔法使い「あの……その……なんて言ったらいいか……分からないんだけど……」 エルフ「サイテー……こんな人間が勇者って……」 僧侶「あの……きっと勇者様にもお考えがあってのことでは?」 魔法使い「考えって!!たった今、本音を語ったじゃない!!!」 僧侶「目に見えること全てが本質とは限りません」 エルフ「やけに肩持つね。何かあったの?」 僧侶「い、いえ……私は勇者様のことを信頼しているだけでして……」 353:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 00 59 09.07 ID hpeqfj4Jo勇者「流石ですね。貴女の側室度が5ポイント上がりました」 僧侶「わーい」 魔法使い「ちょっと!!!なによその不愉快なポイントは!!」 勇者「ええい!!とにかく、今のままで何も問題はありません!!!」 魔法使い「嘘でしょ……」 勇者「本当です」 エルフ「ボクはどっちでもいいけど……どうする?」 勇者「……」 魔法使い「……私はまだいいわ。でも、こっちはどうするのよ」 僧侶「わ、私ですか?」 魔法使い「この子は常に魔力が漏れている状態、休んだり食事をとったりしないと1時間ほどで魔力が無くなるのよ?」 勇者「……」 魔法使い「今後、内部が複雑な塔や洞窟を探索するようなことがあればどうするの?」 勇者「そのためにエルフ族を仲間にしたのですが?」 魔法使い「おい!!!いい加減にしなさいよ!!!」 354:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 01 07 07.62 ID hpeqfj4Jo僧侶「えっと……勇者様……私は……不必要ということですか?」 勇者「何を言っているのですか。貴重な側室候補なのに、必要ですよ」 僧侶「ゆうしゃさまぁ……」 エルフ「あのー……」 魔法使い「あのねえ!!!!」 勇者「とまあ、冗談はこれぐらいにして」 エルフ「どういうこと?」 勇者「定期的に魔術を施しても一時的にしか効果が得られないのであれば、労力の無駄遣いでしょう」 エルフ「それは……」 魔法使い「……」 勇者「もっと効率のいい方法はないですか?―――例えば普段は魔力漏れを完全に遮断し、治癒が必要なときだけそれを解放させるとか」 僧侶「いいですね」 勇者「ええ。それなら長時間の活動もできるようになります」 エルフ「なるほど。うん。それなら魔力を封じる装飾品を身につければできるかもしれない」 魔法使い(反論したいけど……できないわ……悔しい……) 355:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 01 13 48.05 ID hpeqfj4Jo勇者「では、その方法で試してみましょう」 エルフ「わかった。じゃあ、作業に集中できる場所に行きたいのだけど」 勇者「それなら街に向かいましょう。宿屋で道具の製作を」 エルフ「街……か……」 勇者「……?」 僧侶「この道をまっすぐいけば着くはずです」 魔法使い「これからのこともそこで考えたほうがいいわね」 勇者「はい。情報収集もしないといけませんし」 僧侶「あの……勇者様」 勇者「なんでしょうか?」 僧侶「人身売買を行っている組織のことご存知ですか?」 勇者「人身売買?」 魔法使い「ちょっと」 僧侶「今から行く街にその組織があると……噂で……」 勇者「……」 357:NIPPERがお送りします:2012/06/15(金) 01 21 20.79 ID hpeqfj4Jo魔法使い「それ今、言っても仕方ないでしょ?」 僧侶「でも、私は放っておけません」 勇者「人身売買……ですか。組織ぐるみでそんなことを」 僧侶「もしかしたらエルフ族を拉致している人もいるかもしれません。いえ、きっと居ます」 エルフ「だろうね。人間はそういう生き物だ。見方によってはボクだって誘拐されたようなものだし」 勇者「営利誘拐です」 エルフ「はっきり言わないで」 勇者「わかりました。勇者としてもそのような非人道的行為を看過することは出来ません」 僧侶「ありがとうございます」 魔法使い「でも、裏世界の話よ?どうやって調べるの?」 勇者「裏世界の人物に聞けばいいだけの話です」 僧侶「どうやって……?」 勇者「こちらには今、いいエサもありますし。ね?」 エルフ「え?」 魔法使い「まさか……」 www57.atwiki.jp/matome_ssm/pages/12.html