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このページは見なくてもそれ程支障はありません。 契約した場合のキャプション表記例です。 ===== Name(槍): Name(盾): Rank: 紋章の位置: 【初期能力】型:「」 属性:「」 【吸収能力】型:「」 属性:「」/型:「」 属性:「」 ===== 吸収能力毎にスラッシュで区切り分け。 吸収能力がない場合、吸収能力はあるが「属性」がない場合は -- で表記。 例:【吸収能力】型:「○○」 属性:「○○」 / 型:「○○」 属性:-- 例:【吸収能力】型:-- 属性:-- ※略奪による吸収能力は2つまでです。 【関連Link】 → ■ 槍と盾 → ■ 特徴 → ■ 個々のランクと紋章色 → ■ 槍の能力は唯一無二 → ■ 型と属性 → ■ 略奪について → ■ キャラクターシートの表記もどうぞ。(`・ω・´)
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…化け物、か 「……そうなれたら、どれだけ楽だろうな」 そう、呟いた俺は、どのような表情をしていただろうか とりあえず、血を拭い、笛吹の後を追おうとする 迫ってくる魔物達を、また、追い払おうとしたが… ……駄目だ 今回は、俺より強い連中も集まっている 睨みつけた程度では、散らない …ならば、切り捨てるのみ 自分より弱いものをいたぶる気はないが、強いならば、戦う必要がある 俺は、自身に群がってくる魔物達に、切っ先を向けた ……龍一が、魔物と切りあいだした場所より、やや離れた場所 「ったくもう!どれだけ集まってきてるのよ!?」 「みー!」 花子さんや望も、魔物に囲まれていた 裂邪も追いついてきたが、やはり囲まれる …とにかくにも、数が多い 相手を仕切れない程ではないが、どうしても消耗してしまう そんな、乱戦の中だった 「み?」 ふわ、と 花子さんの体が、浮かんだ ばっさばっさばっさ 大きな 大きな、鷹だか鷲だかのような、魔物が 花子さんの体を掴んで……持っていった 本来、死体を貪る魔物のはずなのだが………雛鳥に生餌でもやるつもりなのだろうか そもそも、雛鳥がいるかどうか不明だが 「みーーーーーーーーっ!?」 「っちょ!?花子たーーーーーんっ!?」 周囲がそれに気付いた時には、既に遅し あっという間に、花子さんは持っていかれた 助けようにも…もはや、遠すぎて 攻撃が、届かない 追いかけようにも、無理だ その、様子は なにやらごそごそと、仕掛けをしていた上田にも見えて 「畜生、持っていかれたっ!?……って、フルメタルなアルケミストの真似してる場合じゃないっ!?俺がお持ち帰りしたかったかぁいいナマモノを横取りたぁいい度胸じゃないか、あの鳥めっ!?」 後でフルボッコだ、と上田が、やや、元来た道を引き返そうとした時 ……くい、と 服を、引っ張られて 「みー」 と 愛らしい声がした 「……は?」 「みぃ」 ちょーーーん、と そこには…確かに、先ほど取りにさらわれていったはずの、花子さんの姿が、あった 身間違えようもなく、間違いなく、花子さん その花子さんは、上田をじっと見上げて …にぱ~、と、笑みを浮かべた それは、喩えるならば、天使の笑み 天使の笑顔 それを前に……思わず、上田は意識を奪われた 「……え?」 花子さんが、上田に笑いかけている、様子は 裂邪達にも、見えた …いつの間に、逃れたのか いつの間に、あそこまで上田に接近していたのか 理解しようにも、襲いくる魔物のせいで、まともに判断できない (…よくわからないけど。龍一はわかってて、動揺一つしなかった訳ね) 前方で、一人、魔物の群れ相手に刀を振るい続けている龍一の姿を確認しながら、望はそう考えた 先ほど、花子さんが巨大な鳥にさらわれた時……龍一は、気付いたようだったが、それを一瞥すらしなかった 初めは、冷たい奴なのかと思ったが、違う …あれは、信頼している証 花子さんならば大丈夫だ、と そう、信じていた証だったのだ 都市伝説と、契約者 その、強い絆 (………私も) 大樹と、そのような関係になりたい 強く、願う 都市伝説と契約者の絆 自分と大樹だって、同じくらい強いと願いたい …そして 自分達は、都市伝説と契約者以上の関係に、なっているのだ それより強い絆になってみせる、と 襲いくる魔物を倒しながら、強く、誓った にぱ~、と 上田に笑いかけ続けている、花子さん …しゅるり その足元で、白いものが蠢いて それは、上田に、上田のネコミミに、迫って……… 「おぉっと!?」 寸前で、気付いて 上田は、慌ててそれを避けた 上田を束縛しようとしていたトイレットペーパーが 上田のネコミミを奪おうとしていたトイレットペーパーが、空を切る 「っちぃ…!天使の笑顔で誘惑たぁ、やってくれるぜみぃみぃ少女!」 花子さんから、距離をとった上田 …にぱ~、と 花子さんは、上田に微笑みかけ続けている くら、と それに、思考を奪われかけ 慌てて、上田は首を振って… 「--------っ!!??」 気付いた 己の頭上に、出現している、ものに それは、水 地下水脈の水を集めたのだろうか かなりの量の水が、上田の頭上に集められていた もし これを、一気に落下させられたら 上田は、その水の質量に、潰される そろそろと、花子さんに視線を戻す上田 花子さんはやっぱり、にぱ~、と微笑んでいて 「……みぃ!」 と、無邪気に言い放った、瞬間 大量の水は、上田を押しつぶそうとするように、ものすごい勢いで落下してきた 轟音があたりに響き渡り、辺りに水飛沫が飛び散る 水があたりに飛び散った後、地面は、大きくえぐれていて 上田だった物体は………ない 「……あっぶねぇええええええ!!??」 瞬間的に、何とか水を避けた上田 が、水飛沫をもろに浴びて、全身ずぶぬれだ 「死ぬからね!?あれだけの量の水一気にぶつけられたら、いくら俺でも圧死するからね?!」 「みー??」 上田の訴えに、かっくん、首をかしげる花子さん その仕種に、思わずきゅん、ときた上田に 「殺してネコミミを奪い取るのは、反則じゃないの」 と あっさりと、言い切った 「っちょ、おま!?反則じゃないけどね!?反則じゃないけどねっ!!??他に手段はなかったのかな!?」 「みーーーー!」 しゅるり 飛び散った水が、浮かび上がる 本来、トイレの水しか操れないはずの花子さん しかし、COA内では、その制限がやや弱くなり、水ならば問題なく、操れる その浮かび上がった水は…まるで、弾丸のように、上田に向かって撃ち放たれた 目を、心臓を、股間のゴールデンボール二個を狙ってきた容赦ない攻撃を、上田は避けていく 「殺してでも奪い取る一択っ!?殺してでも奪い取る一択なのっ!!??冥府ルート一直線じゃねぇかぁあああ!!??」 「みー?元々、このCOAって言う世界は、冥府の一部に足を突っ込んでるの」 「いや、そうなんだけどそう言う問題じゃな………!?」 悪寒 身をよじって、迫ってきた刃を避ける ……龍一だ 粗方、襲い掛かってきた魔物を返り討ちにし、返り血を浴びた姿で、上田に追いついてきたのだ 上田のネコミミを切り落とそうとするように、刀を振るってくる 再び集まってきた魔物は、今度は花子さんが相手をし始めた (あぁ、くそ、本当、思ったよりもやるな、こいつら…!) 先ほど、天井にこっそりと爆弾を仕込んでいた上田 …だが 先ほど、花子さんが盛大に、水を撒き散らしてくれた はたして、爆弾は無事だろうか? 地下水脈を弄ろうか、とも思ったのだが… …そもそも、この辺りの水の支配権だが、どうにも花子さんが握っているような気配がしないでもない 弄れるか? 「うわっと!?」 「っち…ちょこまかと!」 そして こうやって、上田が思考をめぐらせている間に、望まで追いついてきた そのうち、裂邪も正義も追いついてくるだろう …あれ?もしかして、俺、追い詰められている?と 上田は、その事実にどうしようか、とさらに思考を進めていくのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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黒服Hと呪われた歌の契約者 22 (ドクター(バイト青年)より) 「あー、面倒くせぇ…」 人気のない道を歩く、黒服の男 …まったく、外回りの仕事と言うのは面倒だ 己の契約都市伝説の性質上、彼は元々書類事務と……裏の仕事が多かった よって、こんな外回りの仕事なんぞ、普通は回ってこないはずなのだ ……しかし、だ 「組織」の黒服の数は、いまだ足りていない よって、彼のような黒服でも、現場に借り出されているのである 正直、この黒服のような存在を外に出すのは、「組織」としても苦渋の決断であろうが仕方ないことだ 「ヨーロッパから入り込んだ都市伝説…については、ゲデの野郎にでも後で聞くとして、だ……あいつと「爆発する携帯電話」が接触、なぁ。あいつら接点なんぞあったか…?」 考え込みつつ、歩いていると 「………うん?」 …しゅるんっ 思わず、髪を伸ばす 視界の隅に、男物の服を着た、なかなか美人な姉ちゃんが うん、あれは良い 男物の服を着た女性と言うやつはそれはそれでなかなか良い 場合によっては露出の多い服を着ているよりもエロくて良いぞ、良いぞ 「……んー?待てよ?」 ……あれ? あのねーちゃん、どっかで見た事あるような? 女性の顔なんぞ、確実に忘れるはずがない 覚えているはずである だと言うのに、記憶が曖昧となると…… 「……まさかなぁ」 ひとまず、うっかり伸び放題だった髪を抑えつつ、彼はそちらに近づいた 「あー、そこの姉ちゃん」 「っ!?」 「俺と、面識がある覚えはあるか?」 しゅるり ほんの僅か、一瞬だけ髪を伸ばしつつ、そう女性に尋ねる すると 「……あの時の、黒服?」 「おー、やっぱ面識あったか」 面識ある女性 しかし、記憶がはっきりしない ……つまり、彼女は本来「彼女」ではない 男に関する事に関しては覚えが悪いが、それでも何とか記憶から引っ張り出す 「……あー、思い出した。「第三帝国」のにいちゃんか」 「…わかるんですか?」 「あぁ。色々と総合した結果、そうだな、と」 なるほど、こいつは女になるとこんな感じか うん、良いぞ、良いぞ 「…とりあえず、人目がありそうな場所で髪を伸ばすのは危険かと」 「あぁ、俺もそう思う。だから、ちょっとこっち来い」 ちょいちょい、と手招きしてみせる 別に、路地裏に連れ込んでいかがわしい事をしようってんじゃない まぁ、それもちょっとはしたいなー、と思うが、相手は「第三帝国」の人間だ、我慢、我慢だ 「…何か、不埒な思考を抱かれたような」 「気のせいだ」 髪を伸ばしつつ、そう言うと、女性はやや不審な表情を浮かべてきたが それでも、付いてきてくれた 何年前だかに殺人事件があったとかで、空家になってそのまま、と言う廃墟までやってくる 「…で。「第三帝国」のバイトの兄ちゃんで間違いないんだな?」 「はい」 やはりか、と黒服は考える 男が女になった ざっと考えられるパターンはいくつかあるが… 「性転換手術でもしたか?」 「今、ちょっと殺意が沸きました」 「OK、落ち着け。その物騒な棒を閉まってくれ」 っち、冗談の通じない 「ガスマスク被った奴から、ピンク色の甘ったるいガスでも喰らったんだろ?」 「…知っているんですか?」 「あぁ、同僚が被害にあったことあるんでな。あの乳は素晴らしかった」 しゅるりん 髪を伸ばしつつ、あの見事なEカップを思い出す この青年が女になっている以上、原因であるあれが、また学校町に来ているのだろう …また、あの過労死候補の同僚が女にならないかな そんな期待を抱いて見る 「マッドガッサー、って知ってるか?」 「あぁ、アメリカの都市伝説の?」 「知ってるなら、話は早い。お前を女に変えたのは、その変異体だ。男を女に変える特殊な毒ガスを使ってくる」 「何ですか、その嫌な方向に進化した都市伝説は」 「個人的にはナイスな能力の都市伝説だと思うんだがなぁ」 目的はよくわからんが、まぁ、無差別にそのガスをばら撒いているようだ 「夢の国」の騒動中は学校町を出ていたようだが…帰ってきたか 「…あの」 「うん?」 「…元に戻る方法、ご存知ないですか?」 じ、と 向けられる期待の眼差し あぁ、と黒服は答える 「結局、毒ガスの効果である事に変わりはないからな。解毒すりゃあ戻るはずだな」 「解毒…」 「有名どころだと「ユニコーンの角の粉末」とか、その辺だろ。他にも解毒能力持つ都市伝説は色々といるだろうが…」 「…その「ユニコーンの角の粉末」ですが」 「俺は持ってないぞ」 きっぱりと、即答する 疑いの眼差しを向けられて、肩をすくめて見せた 「そんな目をされても、ないもんはねぇよ。あの手の霊薬を持ち出せるのは、「組織」の黒服でもごく一部だ。前まではそれなりに知り合いの同僚が持ち出せていたが…今、その権利を取り上げられていてな」 よって、自分は「ユニコーンの角の粉末」は持ち合わせていない この青年を元に戻す事はできないのだ 「…何とか持ち出せません?」 「無理。俺、あっちの管理してる上層部と仲悪いから」 さらりと言い切る 本来は、ちょっと頑張れば持ち出せなくもないが… はっきり、言おう 折角、女体化なんて素晴らしい状態なのだ この状態で放置してみたい 「まぁ、都市伝説なら、一週間くらいで自然と解毒されるみたいだけどな。都市伝説特有の自然治癒力って奴で」 「なんだ、自然にも戻……って、都市伝説、なら?」 …よし、いい勘だ 嫌な予感、という奴がするんだろう、きっと 「ぶっちゃけ、都市伝説以外が吸った場合、自然に戻るかどうかはさっぱりわからん。何せ、サンプルがいなかったからな。都市伝説との契約によって身体能力が強化されてい場合は、ちったぁ期待できるが…」 「…そうじゃなかったら?」 「それこそ、何かの解毒系都市伝説で何とかしないと無理じゃね?」 ……もしくは 「…そのマッドガッサーを、倒すか?」 「そう言うこったな」 個人的には、マッドガッサーは倒さず、生け捕りにしたいところだが 元に戻る手段といったら、それくらいだろう もしかしたら他に手段があるかもしれないが……まぁ、提案しても100%J断られるのは目に見えているし、やめておこう 「で、どうすんだ?」 「え?」 「その格好で、行く当てとかあんのか?」 う、と押し黙る美少女 …さて、どうしようか 相手の、頭の天辺からつま先まで、じっくり見つめて考える 「…何なら。俺が寝床用意してやろうか?」 「……は?」 「着替えとか、その辺も用意してやるぜ?」 ニヤリ、笑ってそう言ってやると …にじりにじり、警戒するように下がられた 何故だ 28%くらい善意だと言うのに それ以外は、下心だが 警戒するような視線を向けてくる美少女を前に、黒服は髪を不気味に伸ばしつつ、笑うのだった 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
https://w.atwiki.jp/legends/pages/520.html
ぶぅぅぅん 黒こげた蝿たちが、飛びまわる ぶぅぅん、ぶぅぅん えぇい、いつの間にどれだけ増えやがったんだ、スパニッシュフライ 集まりすぎて蝿団子で気持ち悪っ!? 「おばーちゃん!」 『はいよっ!』 妹が、鏡婆に合図を出した声が聞こえてきた ぱっ、と 公衆トイレの洗面台前の鏡に、鏡婆が姿を現す ぶぅぅ………ぅぅぅぅん!!?? スパニッシュフライたちが、鏡に吸い寄せられる その群れごと、鏡婆が鏡に引き寄せているのだ …が、鏡の中に吸い込ませる訳じゃない あんなのに大量に入ってこられても、鏡婆も困るだろう 「しっかり狙えよ、花子さん」 「うんっ!」 女子トイレの中で 花子さんは、それが視界に入ってくるのを待つ ぶぅぅぅぅん……っ 「………今だ!!」 俺の合図で、激流を放つ花子さん 水は轟音をたててスパニッシュフライたちに襲い掛かり、その群れを飲み込んだ ぶぶぶぶぶぶぶ!?と、スパニッシュフライたちが、パニックを起こしているような羽音をたてる ごぽぽぽぽぽん スパニッシュフライたちは、花子さんによって…あっと言う間に、トイレに吸い込まれていったのだった 「…花子さん、大丈夫か?疲れてないか?」 「うんっ!」 ぴ!と、こちらの言葉に、花子さんは元気に答えてくる 「おばーちゃん、大丈夫?平気」 『あぁ、平気さね』 妹も、コンパクトミラーに映る鏡婆に、声をかけていた …不良教師から、『夢の国』とやらが、この町で何かやらかそうとしているらしい、と言う話を聞いて以来 俺達は連日、街中で都市伝説と戦っていた 今まで通り、契約者のいない、野良都市伝説ばかりだ その中でも…今回のスパニッシュフライの群れのような、動物的な連中ばかりと 「やっぱ、気が立ってんのかね…」 …何か、大きな災害が起こる前触れなどに 動物が、奇妙な集団行動を取る事が多いという その法則に、当て嵌まるのか、否か 動物レベルや昆虫レベルの頭脳の都市伝説たちが、最近、妙に暴れているような気がする 今回だって、公園で変な蝿の群れに囲まれた、と言う話を聞いて、やってきたのだ …うん、まさか、スパニッシュフライの群れだとは思わなかったけどな まさか、あの時うっかり逃がしたのがここまで増えた訳じゃないよな 違う個体から増えたんだよな!? 「ねー、兄貴」 「うん?」 「兄貴はさぁ……その、夢の国って言うのと。戦うの?」 じ、と 妹が、こっちを見つめてきた ちらり、花子さんに視線をやると、花子さんは「み?」と首をかしげている 「……できりゃあ、そんな物騒なもんとやりあいたくないけどな。火の粉を振り払う程度だな」 「…そう…」 …妹が、心配そうな顔をしてくる まったく、心配性なんだよ、お前は 「みー!だいじょーぶ!けーやくしゃは私が護るから!」 ぴぴ!! 元気に、花子さんが宣言してくれた …嬉しいのだが、若干、自分が情けなく感じる 「あはは、そうだね。花子さん。バカ兄貴をお願いね?」 「うん!」 くぉら、妹 そこまで、俺は信用ないか、こら 「お前こそ。できれば、関わるなよ?……鏡婆、こいつを頼んだ」 『はいな、わかってますよ』 「何よー!バカ兄貴の癖に生意気な!!」 ぎゃんぎゃん言ってくる妹の言葉を適当に聞き流し、俺は花子さんの頭を撫でた 頭を撫でられて、花子さんは嬉しそうに笑う …夢の国 そんな大それた都市伝説に、俺なんかが何を出来るか、わからない 花子さんは強いけれど、女子トイレ以外では、その力は弱まってしまう …夢の国は女子トイレに出没してはくれないだろう、常識で考えて だから、俺に出来る事は 「夢の国」の気配に反応するように暴れ回る都市伝説たちを、少しでも何とかする ……それくらいなのだ 終 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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必要条文 甲(貸主)、乙(借主)の住所氏名 契約日 (金銭消費貸借)いくら借りたのか (弁済)いつまでにどうやって返すのか (利息)いつまでにどうやって返すのか。年利率はいくらか。 (遅延損害金)元利金に対する損害金率 (期限の利益の喪失)利息支払遅延時の権限喪失について (合意管轄)貸主の住所を管轄区域とする地方裁判所 以上、契約の証として、本契約書3通を作成し、各当事者署名押印の上、各その1通を所持する。 平成 年 月から平成 年 月まで毎月 日限り金 円也宛。合計 回 平成19年度長期プライムレート
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【占い師と少女 09 【vs マリ・ヴェリテのベート】より】 ○月×日 21:43 家庭科室 「……おかしい」 「え?何がですか?」 銀髪の青年が呟いた言葉に、長い黒髪の少女が首を傾げた 同じ考えを抱いたのだろう 不良教師が、続けて呟く 「…その黒服から、スパニッシュフライが出てこない」 「どう言う事だ?」 今度は、八百屋の大将が疑問の声を出す 気絶したままの黒服Hに、気を使ってか家庭科室にあった大きな布をかけてやっていた白骨標本が……あ、と声を出す 『あ、そう言えば…スパニッシュフライは、宿主が気絶したら、口から出てくるんですよね?』 『そう言えば、そうやったなぁ』 一度、スパニッシュフライを飲み込んだ事がある人体模型が同意する …そうだ スパニッシュフライは、取り付いた宿主が気絶すると、その体内から排出される 「骨を溶かすコーラ」の契約者が気絶した瞬間だって、その口からスパニッシュフライが排出されたのだ…まぁ、Tさんの攻撃に飲み込まれて、一瞬で消滅していたが だが……気絶しているはずの黒服Hからは、スパニッシュフライが排出されていない しかし、間違いなく、黒服Hは気絶しているのだ 「それって、もしかして…」 「…こいつは、操られていなかったのかもしれないな」 銀髪の青年は、厳しい視線を気を失ったままの黒服Hに向けた ……すると 「---いやぁ、操られてたぜ?途中までは」 気を失っていたはずの、黒服Hの口が……ゆっくりと、開いた 『っ!』 ば!と急いで離れる人体模型 皆が、一斉に警戒態勢を取った…が 「…あぁ、そう警戒しないでくれや。体中痛くて、戦う気になれねぇ」 ゆっくりと黒服Hが体を起こした こきこきと、首を鳴らしている 「おぉ、痛ぇ。ちったぁ手加減してくれてもいいだろうがよ。気絶させるだけなら」 「……どう言う事、かな?」 にっこりと、「骨を溶かすコーラ」の契約者が黒服Hに微笑みかける ただし、その手に持っているコーラのペットボトルの蓋は、空いているが 「おぉ、怖い怖い。ちゃんと話すから落ち着いてくれや」 壁に寄りかかる状態で座りながら、黒服Hは一同を見回す サングラスのせいで表情ははっきりしないが、どこか楽しげに笑っているようだった 「確かに、俺は最初操られてたさ…ただ、途中、なんとも強いお嬢ちゃんに撃退されたな。その時に、一瞬、気を失ったんだよ」 その時に、スパニッシュフライは排出された そう、黒服Hは口にする 「え、じゃあ…もう、操られてないのに、マッドガッサー達の味方を、したんですか…?」 「って言うか、君、途中までだって本当に操られてたの?君って、確か精神支配系の能力をほとんど受け付けないんだよね?」 長い髪の少女が途惑ったような声をあげ、「骨を溶かすコーラ」の契約者は、追い討ちをかける くっくっく、と黒服Hは、やはり楽しげに笑うだけだ 「まぁ、ちょいとな。個人的な事情とか色々とあるんでね……一応、途中までは本当に操られてたんだぜ?」 「………」 疑いの眼差しを向けられながらも、黒服Hの態度は変わらない 飄々と、これ以上の追及を逃れようとしている 「…安心しな。マジで、この状態じゃあ戦えないんだ。お前さんたちの邪魔はしないさ。ここを移動して屋上に向かうんだとしても…俺には、それを止められない。まぁ、せいぜいできるのはお願いだけかね?」 『…お願い、ですか?』 「あぁ、そうだよ、骨のお嬢ちゃん………お前たち、屋上に向かうんだろ?」 その問いには、誰も答えない もう、その答えは決まりきっている事だ マッドガッサーを止めるには、屋上に行くしかないのだから それをわかっていて、黒服Hは続ける 「その途中…多分、階段の踊り場にいると思うんだが。そこに、若干馬鹿っぽそうな奴がいるかもしれない。そいつの事、あまり虐めないでやってくれや?」 「階段……「13階段」か」 「あぁ…ま、それはあいつの本名じゃあないがね」 一瞬 黒服の、楽しげな笑みが……どこか、皮肉気なものに、変わった その変化はほんの一瞬で、見逃してしまってもおかしくないもの しかし、不思議と一同は、その笑みを見逃す事がなかった 「…そいつを、虐めないでくれるんなら……まぁ、あとはどうでもいい、さ」 「それが、お前の「罪滅ぼし」の対象か?」 「……おやまぁ、あんまり関わりたくない能力をお持ちのようで」 くっくっく、と銀髪の青年に、黒服Hは笑った 青年の言葉を、肯定せず…しかし、否定もしない 「…根っからの、悪い奴じゃあないんだよ、連中も」 そう言って、黒服Hは天井を見上げた …そのずっと先の、マッドガッサー達も見つめるように 「…あいつらの望む世界、ってのも、面白そうだったんだが、ねぇ…やっぱ、この賭けは勝率が低すぎだ。やっぱ…止めた方が、親切だった、かねぇ…?」 独り言のように呟かれた言葉 その言葉に、返事を返したものはいなかった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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黒服Hと呪われた歌の契約者 07 「おーし、ちゃっちゃと片付けろよー。流石にこの穴見付かると「組織」の存在バレバレだからなー」 …秋祭り 二日目の深夜 北区にあいた巨大な大穴の傍に、彼はいた 「組織」の構成員たちに指示を出し、この大穴を「なかった事」にしようと作業中だ どうやら、東区の謎の力によって倒壊した住宅街の片付けなどは「怪奇同盟」がやってくれるらしいので、そちらはあちらさんにおまかせだ …こちらは、「鮫島事件」の片付けに集中すればいい 「……あー、面倒くさ」 しゅるり 時折、髪を伸ばして資材などを運ぶのを手伝いつつ、その黒服は呟いた はぁ、とため息をつく 「結局、No,003とNo,005は逃げたらしいしなぁ……まぁ、そっちの捜索隊に編成されなかっただけマシと見るか。あー、畜生。誰だよ。「鮫島事件」の作戦にGOサインだしやがったのは…」 …まったく、暗部も暗部なら、上層部も上層部だ もうちょっと、上層部が連帯してくれていれば、どうにかなったのかもしれないと言うのに ……まぁ、それで、「鮫島事件」にGOサインだした連中が中枢に来られても困るが この黒服にとっては、自分がつながりを持っている上層部の派閥に力を持ってもらいたいところだ 恐らくは、今回の件で、彼らはそれなりに発言権を持つはずだ 「鮫島事件」計画の失敗は、あまりにも大きい GOサインを出した連中は、しばし、肩身が狭いはずである 今が、チャンスだ 「……ま、そう言う面倒事はあちらさんに任せればいいか」 自分は、自分がすべきことをやるべきなのだ 幸い、あの過労死寸前の同僚に関する今後の扱いについては、プランBが採用されたらしい ……まったく、プランAにしておけば良かったものを しかし、上層部としても、世間体と言うか何と言うか…裏切り行為ギリギリの行動をとっていたあの黒服を、そのままの状態で「組織」に置く訳にも行くまい かと言って、完全に手放す事もできない 仕事面に置いては優秀だし、何より人脈が広いし……「首塚」から、一定の信頼を得ている その黒服を利用して、「首塚」を組織の管理化に起きたいという考えなのだろう …無駄なことを、とこの黒服は考える 世界中に、「組織」の管理下におかれていない存在がどれだけいると思っている? 自分達が唯一で強大な存在などと思っていたら、思いあがりだ このままでは、いつか「首塚」だけではなく、他の組織からも牙をむかれるだろう 上層部の連中は、それに気付いているのだろうか? ……気付いていようが、いなかろうが こちらがとる行動は、変わらないが 「……あー、明日までに終わればいいな…」 …明日までに、終われば 街で、浴衣のねーちゃんたちを見て目の保養をするのだが 帯をくるくる解く様子でも妄想しながら しゅるるるるるる 彼の髪は、特に用がなかったとしても、ただ伸び続けているのだった 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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賑やかな繁華街の一角 そこで、一人の少女がむぅ、と思案顔になっていた 小学校低学年程度、と想われる外見の、黒いゴスロリ衣装を纏った少女だ 黒いレース生地の傘を差し…むむむぅ それを前に、思案している 「……これは、どうやったら手に入るのじゃ?」 少女…ヘンリエッタの前にあるのは、クレーンゲーム機 ゲームセンターの店先に置かれた、可愛らしいヌイグルミの入ったクレーンゲーム機だ ででん!と、人気のだれだれ熊のヌイグルミが一つ、その中にある訳だが …ヘンリエッタは、どうすればこのヌイグルミが手に入るのか、わからない まだまだ、今のご時世の一般常識などが欠落しているヘンリエッタ まだ、クレーンゲーム機、と言う物がよくわからないのだ だが、欲しい この世間を舐めきった表情をした、だらけた熊のヌイグルミが欲しい!! 何とか、手に入れる方法はないものか ヘンリエッタが、思案を続けていると 「…嬢ちゃん、どうしたんだ?」 「む?」 突如、背後から声をかけられ、振り返る そこには、高校生ほどの、ヘンリエッタとしてはなんだか親近感を覚える胸をした少女が、立っていた そして、数分後 「おぉ~!」 ヘンリエッタは、無事、熊のヌイグルミをゲットしていた 声をかけてきた少女が、ゲットしてくれたのだ 「ありがとうなのじゃ!」 「ん、どういたしまして」 礼を述べるヘンリエッタに、笑ってそう言ってくる少女 ヘンリエッタの能力が、少女は都市伝説契約者であると告げてきているのだが、特に悪意や敵意、危険性は感じない 気にしなくても良いだろう、とヘンリエッタは考える 「何か、お礼がしたいのじゃ」 「いや、いいよ、礼なんて」 「そう言うでない。親切にされたからには、お礼をするのじゃ!」 断固、そう主張するヘンリエッタ どんなお礼をしたら良いか、考える そんなヘンリエッタの様子に、少女は参ったなぁ、と言った表情をして …と、その時 ピピピピピピピピピピピピピピ………、と 周囲に、電子音が響いた ヘンリエッタが肩から下げている、黒いレースのついたゴスロリ仕様のポシェットからだ ……その、音に ヘンリエッタは、かすかに表情を強張らせた 「む、すまぬ。少々待っておくれ」 ごそごそ、ポシェットから、ポケベル…に、見えるそれを取り出した …「悪魔の囁き」が、一定範囲内にいるかどうか、それを調べるための機械だ Gから、「今の時期外を出歩かれるのでしたら、その装置を必ず持ち歩き、作動させておいてください」と煩く言われていたので、仕方なく持ち歩き、作動させていたのだが ……これが、悪魔の囁きの気配を、告げている 目の前の少女からではない だが…………近い このゲームセンターのすぐ傍の、路地裏辺りに反応があるようだ ヘンリエッタが、そちらに視線を向け、路地裏に入ろうとしたせいか 「ん?何かあるのか?」 と、少女も、そちらに視線を向けた 「あ、い、いや、何でもないのじゃ」 慌てて誤魔化そうとするヘンリエッタ 自分に親切にしてくれた少女を、都市伝説絡みの事に巻きこむ訳にはいかない そう考えたのだが……しかし、遅かった その、路地裏から 何者かが、飛び出してきて 「また会えましたね、麗しきレディ!!是非、膝枕をばっ!!??」 ごっすーーーーん 飛び出してきた、それは…純白の白馬に、あっさりと、蹴り飛ばされた 「…何事じゃ?」 「うわ、なんかすっげぇデジャヴ」 思わず呆然とするヘンリエッタと…何やら、大変と覚えのある光景を見たらしい少女 …ひひん、と 純白の、額から角を生やした白馬が、少女の前に跪いた ユニコーンだ……何故、こんな貴重な都市伝説が、日本に? ヘンリエッタは、先ほどユニコーンに蹴り飛ばされた人物が、その発言からユニコーンの契約者であろうと当たりをつけ、蹴り飛ばされた先に視線をやる …後頭部に馬の蹄の跡などつけて、気絶していたようなのだが 「……っの、エロホース!毎度毎度不意打ちはやめろっ!?」 ずんずんずん、と 物の数秒で復活して、ユニコーンに文句を言っている なんと言う回復力だ 「…嬢ちゃん、ちょっと、下がってた方がいい」 「む?」 す、と 少女が、ヘンリエッタを庇うような位置に立った ごそごそと、少女が持っていた鞄から、人形が出て来て顔を出す ……なるほど ヘンリエッタが都市伝説であると気づいていないようだ いや、都市伝説の気配を感じる能力でも持っていない限り、そう簡単には気づかないだろうが 「あぁ、警戒しないでくれ、レディ。俺達は、ただレディに膝枕してもらいたいだけだ」 警戒態勢を示す少女に、そう告げる男 人形のように端整な顔立ちではあるが……やや、変態よりの性格のようである 「こないだ、人を襲ってたじゃねぇか」 「それは相手がビッチだったから。俺は全世界の乙女(処女)の味方!!乙女は決して襲わない!!!」 少女の警戒心たっぷりの言葉に、堂々とそう告げた男 ひひん、とユニコーンも同調している 駄目だ、この処女厨共 早く何とかしないと 「…と、言う訳で、膝枕してくださいお願いします」 「土下座っ!?」 っば!!と 目の前で土下座してきた男に、少女はむしろますます警戒するように後ずさった …ここは、自分が何とかしなければ ずい、と ヘンリエッタは、今度は自分が、少女を庇うように前に出た 「あ、嬢ちゃ…」 「お前が何者かはわからぬ。だが、この者は困っておろう。膝枕なら、妾がしてやる」 少女にとってもらったヌイグルミを抱きかかえたまま、そう宣言したヘンリエッタ ……じ、と 男とユニコーンはヘンリエッタを見つめて 「………駄目だっ!?乙女である事に変わりはないが、俺はロリコンではないっ!?」 ひっひひん 男もユニコーンも、悩むように項垂れた!! 「む!?失礼な。妾がお子様だとでも言うかっ!?」 「…あー、うん、世間一般では、嬢ちゃんはお子様の範疇だと思うぞ?」 少女にも、そう告げられてしまったヘンリエッタ …実際は、明らかにこの中で一番年上なのだが、誰もわかるまい ……に、しても この失礼な男、ちょっと血でも吸ってやろうか ヘンリエッタが物騒な事を考え出した、その時……「悪魔の囁き」の気配を探る機械が、再び作動した 機械は告げてくる …目の前の相手は、「悪魔の囁き」にとり憑かれている、と まずい ヘンリエッタは考える この男が、悪魔の囁きによってどんな願望を増幅されたり、歪められてしまっているかはわからない …だが、危険な存在である事に変わりはない 駆除剤を持っているのだ、それを注射してやれば良いとは思うが…悪魔の囁きにとり憑かれている期間が長ければ、駆除剤を一度注射しただけでは、引き剥がす事はできない ヘタに駆除剤を打とうとすることで、敵と認識されて戦闘状態になったら…自分は平気だが、自分に親切にしてくれたこの少女を巻き込んでしまう ならば、どうするか? 「…お前、逃げるのじゃ」 「へ?」 「こやつ、少々厄介なものにとり憑かれておる。妾が何とかするから、お前は逃げるのじゃ」 せめて、この少女を逃がすべきだ そう考えて、逃げるよう告げながら…ヘンリエッタは、ポシェットから、駆除剤を入れた注射器を出そうとして 「とり憑かれて…?え、やっぱ、あの兄ちゃん、悪魔の囁きにとり憑かれてんのか?」 少女が口にした、その言葉に 思わず、ヘンリエッタは、動きを止めた …悪魔の囁きのことを、この少女は知っている? 「……ん?囁き?何の事だ?」 首を傾げてくる男 …が、どろ、と その胸元に…黒い染みが、浮き出始めている どろ、どろ…………と それはやがて、黒い双頭の蛇となって、ヘンリエッタと少女の目の前で、実体化した!! 『ドウシタァアアアアアア?欲シンダロォ?膝枕。ダッタラ、無理矢理手ニ入レチマエヨォオオオオ!!??』 双頭の蛇が囁く ユニコーンの契約者である男に、悪への誘いを囁きかける 男の全身に絡みつくほど大きな姿で実体化した双頭の蛇 これは…相当、長い間とり憑かれていたようだ 駆除剤では、駆除しきれない ヘンリエッタは小さく舌打ちし、駆除剤をポシェットに戻す 相手を実力行使で気絶させるか…ここは一度、撤退するしかない この男と遭遇経験があるようで、さらに、悪魔の囁きの存在も知っているこの少女を逃がす事を優先するとなると…逃げた方が良いか 悪魔の囁きに囁かれる男 …ゆらり 少女とヘンリエッタに、視線を向けて… 「---っいや!!!乙女に乱暴を働く訳にはっ!!膝枕は同意の上で!!!!」 『コノ野郎ォオオオオオッ!!!???ココダケハ譲ラネェノカッ!?変ナトコロデ常識固持シテンジャネェゾコラァアアアアアアアアッ!!??』 よし、よくわからないがチャンス ヘンリエッタは、少女を見上げて、告げる 「…何故、お前が悪魔の囁きの事を知っているのかは、わからぬ。だが、ここは危険じゃ…逃げるぞ」 「へ?」 ばさ、と ヘンリエッタの背中から、蝙蝠のような羽が生えて そのまま飛び上がり…ヘンリエッタは、少女の体を持ち上げた 「う、わ!?」 ばっさばっさばっさ 少女の体を軽々持ち上げ、ヘンリエッタは空中へと跳び上がる! 「ユニコーン契約者ならば、空まではついてこれんじゃろう」 「いや、そうだけど……うわ、飛んでる!?」 「おそらとんでるの?」 ひょこり 少女の鞄から顔を出していた人形が、地面を見下ろしてそう呟く そのまま落っこちそうになった人形を、慌てて少女は抱きかかえた 「嬢ちゃん、都市伝説契約者だったのか?」 「うむ、まぁ、そんな所じゃ。ひとまず、安全な所まで逃げ………っ!?」 …この時 ヘンリエッタ達は……信じられないものを見た だんっ、と ユニコーン契約者の男が……そのジャンプ力だけで、ヘンリエッタ達と同じ高さまで、跳んで来たのだ …何と言う、身体能力だろう ユニコーンとの契約の影響に加えて、悪魔の囁きのせいで強化されているのか? 「待ってくれレディ達!怖がらずに逃げないで…」 ばっさばっさばっさ 飛ぶ高度をあげたヘンリエッタ そして、相手は飛んでいるのではなく、「跳んでいる」のであって 「あ」 ひゅぅうううううう……… そのまま、自然落下していった ぐしゃ 「うわ、リカちゃん、見ない方がいいぞ」 「みちゃだめなの?」 「うむ、あれはちょっと見ない方が良いな」 うん 見なかった事にして、ヘンリエッタは少女を抱えたまま、空を飛び移動する …自分よりも大きな少女を抱えて空を飛ぶ幼女など目立ちそうなものだが、意外と気づかれぬまま飛んでいく と、言うか、目撃されても見なかった事にされるだけだろう 「さて、どこで降ろそうかの?」 「あ…それじゃあ、ルーモア、って言う喫茶店、行ってくれるか?待ち合わせしてるんだよ」 「ルーモア、か?では、場所を教えてくれるかの?」 OK、とヘンリエッタに、そのルーモアと言う店の場所を教えてくれた少女 ヘンリエッタは少女を抱え、その店へ向かって飛んでいくのだった 続く 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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小さく、咳き込む 口の中に広がった血の味に舌打ちし、錠剤を口内に放り込んだ 長くもって、半年 それが、今の状態が続いた場合の、己の残りの命の時間 残った復讐対象の中に、一筋縄では行かない相手が居る だからこそ、「賢者の石」を体内に仕込んだ この状態ならば、そう簡単には殺されないから だが (思ったよりも…俺の体の崩壊が早い、か?) …つまるところ そこまで、自分には未練があった、ということか なんとも、情けない話ではないか しかし、後戻りをするつもりはない 前に踏み出したからには、その先に進むまでだ その先が地獄でしかなかったとしても、もう、自分にはそれしか選択肢がないのだから 「さて、と……とにかく、彼女に会わないとな」 軽く、首を振って思考を切り替える 異常増加している悪魔の囁き それが、己の担当契約者にとり憑いていないかどうか、確認をとらなければ まずは、「合わせ鏡に死に顔が映る」と契約している、あの少女から 会う約束は、もうとりつけている 今日は、両親が仕事で家にいないそうだから、家を尋ねて確認するつもりだった 玄関チャイムを鳴らせば、すぐに少女が顔を出してくる 「あ、Hさんいらっしゃい。何か、検査するんだっけ?」 「あぁ。まぁ、すぐに終わるから安心しとけ」 家に上がりながら、そう言っておく 検査自体は、一瞬だ すぐに終わる 「…変な検査じゃ、ないよね?」 「うん?………変な、って、どんなんだ?」 しゅるり かすかに髪を伸ばし、ニヤリと笑ってそう言ってやった さて、どんな反応を返してくれるか? それを楽しみにしながら、少女を見つめていると 「え?あ、その……ぬ、脱ぐ必要とか、あるのかなー?って…」 「………?」 …いつもと、反応が違う いつもなら、もっと、こう……勢いよく… ……………… 「Hさん?」 ぴたり 足を止めたHの様子に…少女が、首を傾げてきた じっと、Hは少女を見つめ…サングラスの下、目を細めて、表情を歪ませる 「…お前、鏡からどうやって出た?」 「え?」 「……佳奈美は、どこだ?まだ、彼女はお前達をこちら側に出せないはずだ…佳奈美を、どうした」 きょとん、とHを見つめてくる少女 何か、言おうとして……しかし、何やら頭を振って にこり、微笑んできた 「どうして、気づいたの?」 「反応が違うんだよ。佳奈美だったら、セクハラに対してはもっとオーバーリアクションで返してくる」 「そう言う判断の仕方もどうかなー」 むぅ、と不満そうな少女 …他にも、気づいた理由はある 自分はかつて、これと同じ都市伝説の契約者と接し続けていたのだ そのせいか、勘が働きやすかったのかもしれない 「答えろ。佳奈美をどうした?」 「厳密に言えば、あたしもあたしなんだけど…まぁ、いっか。鏡の中。そうすれば、あたしはずっと消えずにすむでしょ?」 …ゆっくりと Hは、少女に近づく 少女は、Hから逃げない 「それは、お前の意思でやったことか?」 「うん、そうだよ?」 当たり前でしょ?と 少女は、どこまでも無邪気に微笑む 「…そうかねぇ?」 やや、疑いの眼差しを、少女に向けて Hは…目の前の、少女の分身から、都市伝説の気配を探ろうとした 「組織」の黒服としての能力 今の彼の体の崩壊を早める力 それを、躊躇なく使って 「………ったく。よりによって、お前にか………!」 「にゃ?え、Hさん、ちょっと、怖いよ?」 じり、と Hから離れようとする少女 が、しゅるり 伸びたHの髪が、少女を捕えた そのまま、自分の目の前まで引き寄せる 「今日、検査にきて良かったよ……いや、もっと早く来るべきだった」 「え、あ、ど、どう言う事?」 「お前の中にいる悪魔の囁きを、駆除する。ちょっとじっとしてろ」 Hの、その言葉に 少女の分身が、ぴくりと体を震わせた 「…ヤだよ。あたしだって、人生を楽しみたい。ずっと、鏡の中なんて…誰かの人生を受け取るだけなんて、嫌」 「悪魔の囁きは、そうやってお前を誑かしたか?」 少女の分身にとり憑いてしまった、悪魔の囁き まだ、そう深くは根付いていない 今の状態ならば、薬で駆除できる 黒服Hが、スーツのポケットから取り出したその小さな薬瓶を、見て 少女の分身が、身を固める 「…飲まないからね。絶対に」 そう言って、硬く、口を閉じられた …注射器で血管に注入する、と言う方法もあるが…残念ながら、今は注射器は手元にない 以前、YがOを正気に戻す為につかった銃弾タイプも、一応持ってはいる が、自分は拳銃を持っていないため、それは使えない ……あぁ、いや あの銃弾タイプは、悪魔の囁きを宿した者の体内に入れば、その体内で溶けて薬が効果を発揮するから… 「…こっちにしとくか」 「?」 薬瓶を閉まったHの様子に、少女の分身は首をかしげる 代わりに、Hは小さな、薬入りの銃弾を取り出した 「Hさん?何、を………………っ!?」 その銃弾を、口に含んで そっと、少女の分身の顎に、手を添えて Hは、少女の分身に口付けた 「-----------っ!!??」 じたばた、じたばた 突然の事に、暴れ出す少女の分身 が、髪で束縛された状態では逃れる事は不可能だ つ、とHの舌が、少女の分身の口内に入り込んで……銃弾が、少女の口内へと、移動する 「ん、んん………………ぅ!?」 体内へと入り込んだ銃弾は、溶けて 薬品が、少女の分身の中へと投与される それは、少女の分身の中の、悪魔の囁きを……まだ、心に深く根付いていなかった、それを その存在を、完全に消滅させた 「…さて」 悪魔の囁きは、駆除できたのだが 「そこまで、刺激が強かったかねぇ?」 ぷしゅう 気を失っている少女の分身 さて、口付けされた事が原因で気絶したのか、それとも、悪魔の囁きを駆除した衝撃で気絶したのか、どっちだ 「…まぁ、気絶してくれて…助かった、か」 ごほ、と 急きこみ始めるH しゅるり、髪を解き、少女の分身を壁に持たれかけさせ、座らせた 咄嗟に洗面台へと向かって……そこで、耐え切れずに吐血した 体内で、崩壊と再生が繰り返され、常人ならば正気を失うほどの激痛がHを襲う 取り出した銃数錠の錠剤を摂取する事で、それは収まったが 「……あぁ、また、寿命が縮んだか、ね……」 己の体の状態に、Hは苦笑する 「組織」の黒服の能力を使ったことで、また、己の体の崩壊が早まったことを悟る 「…まぁ、いい……佳奈美を助ける事の方が、優先だ」 約束したから 自分を、化け物ではなく人間と呼んでくれた彼女との、約束だから 約束だから? ただ、それだけか? …ただ、それだけだ 彼女との約束を守る それは、自分に残された数少ない、人間としての要素なのだから Hは、自分にそう言い聞かせ続ける 己の本心すら、欺き続けながら to be … ? 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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人肉料理店とその契約者 if小ネタ「少年のハロウィン」 「ハロウィンだしちょっとお菓子貰ってくる!」 「どうしたんですか、いきなり?」 「作者の暇つぶしだろ?」 「昼すぎまで寝てましたけどね?」 「じゃあ仮装せんといかんのぅ?」 「待てばーちゃん、それ仮装ってかコスプレ」 「問答無用ぢゃ」 「やめろぉぉぉぉっ!?」 * ~とある組織の拠点~ 「Trick or Treat?」 「ん?……あぁ、今日はハロウィンだったか」 「そう!お菓子ください!」 「猫娘の仮装か。だけど…」 「もうちょっと露出が多い方が好きだな」ワサワサワサッ 「のわっ、髪が伸びた!?」 「ちょっ!?服の中に入ってくんな!!にゃーーーーー!?」 「遠慮するなって」 黒服Hに剥かれたようです。 * ~花子さんの契約者宅~ 「…こ、ここはヤバイかな?いや、男は度胸!Trick or Treat!」 「あぁ?なんだぁ?」 「あ、いや、あのー……Trick or Treat?」 「なめとんのかワレェ!」 「し、失礼しましたーっ!」 「ったく……」 「どうかしたんですか?」 「あ、若。いえ、変なコスプレ嬢ちゃんが尋ねてきたんですよ」 「み?こすぷれ?」 実話参照。 * ~とある家~ 「と、Trick or Treat?」 「はい、どうぞ。クッキーでよろしければ」 「……やっとまともな反応の人キターッ!」ダキッ 「!?ど、どうしました?」 「「!」」 「…はい」 「ん?お嬢ちゃんもなんかくれるの?……って、百円玉?」 「買って嬉しいはないちもんめ」ボソッ 「あれ?体が動かない?しかもなんか日焼けしてきたよーな?」 「「………」」 チャラ男、はないちもんめぷち嫉妬。 * ~とある医院~ 「Trick or Treat?」 「はい、お菓子。今食べてもらえるかな?」 「ほぇ?あ、はい」モグモグ 「折角だからイタズラもしていこうか?」 「え?いや、いいですよ。お菓子貰いましたし……あれ?なんか体が痺れて」 「ほら、こっちのベットに寝て」 「もっとも、イタズラするのはボクだけどね?」 「離せぇぇぇぇっ!?」 * ~路上~ 「あ、携帯のにーちゃん。……ってこの恰好はヤバイ!?」 「………けけっ」タラ 「させるかっ!」ズポッ 「くけっ!?」 「「………」」 「…………けひっ………」ブシュゥゥッッ 「耳血!?」 ドクターに襲われて半裸。3コマ目のズポッは指で鼻の穴を塞いだ音。 前ページ次ページ連載 - 人肉料理店とその契約者