約 451 件
https://w.atwiki.jp/3on_gacho/pages/39.html
№ 部曲員名 メインキャラ名 加入日 生産 1 李由美 李まゆ 部曲長 2 周稟 周敦 3 西園寺恭晃 西園寺恭圭 4 西園寺恭深 西園寺恭圭 医食 5 龍颯宮咲良 龍乃焔 医食 6 海彩紅 海担克 7 ハーレーデラ ハーレーカスタム 金武 8 龍凱辿法師 龍乃焔 宝飾 9 丘陸尉 丘陸曹 10 ダライそば ダライラマー 11 甲斐志狼 甲斐道男 12 垂野紅昌 垂野朱音 医食 13 細美々 細美麗 14 渋沢夢 渋沢愛 皮革 15 桜てん 桜クー 2009/10/16 16 細昌 細美麗 2009/10/21 李葎歌 李まゆ 2009/11/4 李まや 李まゆ 2009/11/4 17 甲斐悠慧 甲斐道男 2009/11/6 18 月牙坊 月牙雷 2009/11/15 19 海老ぴらふ 海老ちり 2009/11/24 医食 20 白虎蒼龍 羽から移籍 2009/12/4 金防 21 周友紀 周ゆき 2009/12/7 金防 22 周ユキ 周ゆき 2009/12/10 木材 23 海老てん 海老ちり 2009/12/12 宝飾 24 周ゆき 羽から移籍 2009/12/14 医食 25 垂野紅朱 垂野朱音 2009/12/15 布 26 白虎紫龍 白虎蒼龍 2010/1/5 皮革 27 桜静音 桜奈緒 2010/1/14 木材 28 周馬小喬 周敦 2010/1/14 29 海賊ナミ 海賊赤髭 2010/1/17 木材 30 海賊白髭 海賊赤髭 2010/1/17 宝飾
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1179.html
30年前、人類は突如として現れた謎の生物『ゆっくり』の脅威に晒された。 全長2m~4m、幅3m~6mのその巨大な侵略者は本当に振って湧いたかのように突然人間の住んでいた領域に現れた。 発生源は不明、餅のように柔らかい球体に顔を貼り付けたようなそれはさながら巨大な生首だった。 その肉体を形作っているのは、小麦粉を練った皮の中に餡子がたっぷりとつまった物 そう、驚くべきことに彼等は饅頭だった。 その現代科学をあざ笑うかのような無軌道摩訶不思議ぶりは 何人もの有望な研究者を狂わせ自殺させるという痛ましい事件を呼び起こした。 しかもただの饅頭ではない。 その表皮に拳銃などの通常兵器は通じずロケットランチャークラスの兵器を用いてやっと体に傷がつく。 最新の戦車でさえ一対一では場合によっては遅れを取る。 生身の人間には太刀打ちできる相手ではない。 そしてその強靭さ以上に驚くべきことに、ゆっくりは人の言葉を用いた。 「ゆっくりしていってね!」 それが初めてゆっくりと出逢った男がゆっくりから聞いた言葉だった。 このことから、その巨大な怪生物は以後『ゆっくり』と総称されるようになる。 なのでゆっくりとの対話による和解も試みられたが その天敵を持たない強さからその性分は他の種族に対して傲慢極まりなく そもそもゆっくりは小さな家族的集団しか作らないためいくら対話してもキリが無く大抵の場合破綻した。 そのことを人間がこれまでやってきたことのしっぺ返しと揶揄する識者も居たが やがて自分にも脅威の及ぶ頃になると彼等も他の大勢と同じように自分を棚に上げてゆっくりを口汚く罵った。 傲慢な者同士の対話などうまく行くわけは無かったのかもしれない。 いくら強力なミサイルを使って辺り一帯ごと焼き尽くしても、その場所にまた別の場所からゆっくりが移り住んで 人類は逆に自分たちが住める土地を失っていった。 そうして至る所に突如発生しだすゆっくりにより人類は次々と生活圏を追われ 人類は辛うじて自衛を可能とする力を持っていた都市部へと追いやられた。 多くの人がこのまま人類は地上の覇権をゆっくりに譲り渡し、細々と生きて行くしかないかと思われた。 だが、ある天才の発明により人類に逆転のための炎が燈る。 ゆっくりを研究していたとある女性研究者の手により ゆっくりを長期に渡って完全な休眠、仮死状態にする薬品 ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』が発明されたのだ。 世界中が都市部内の工場を『ヤゴコロス』を製作するために作り変えた。 これを一帯に散布することによりゆっくりをほぼ完全に無力化することに成功する。 そして人類は再び地上の覇権を取り戻した。 だが、問題は山積みだった。 『ヤゴコロス』は非常にコストが高く、また定期的に投与しないと休眠状態を維持できない。 また不可解なことにゆっくりはそれまで居なかったところ、制圧したはずの場所からも突如発生し続けた。 人間は一時的に地上の覇権を取り戻したもののその覇権を守るための刃を必要としていた。 鉄の臭いがする。 鉄の臭いは好きだった。 普段かいでいる甘ったるい臭いと全く逆なところが特に気に入っている。 俺はポケットやら何やらが色々ついたダークグリーンの服を脱ぐと 専用のスーツに着替えていった。 体にピッタリと密着するそのスーツは、一言で言うと所々に堅いパーツのついたスウェットスーツだ。 色はグレーの地に所々暗めの青、専用にあつらえているため俺の体に完全にフィットした。 俺は背中のチャックをあげると扉を開けてヘルメットを片手に抱え歩き出した。 通路を歩き格納庫へと入ると、整備士たちが駆け回る慌しい喧騒を無視して 迷うことなくまっすぐに自分の機体の元へと向かう。 甘い臭いが鼻腔をくすぐった。 機体の前に立って見上げる。 機体のハッチは高さ3mのそのボディの一番上にある。 毎回乗り降りが大変なのだが、構造上そう設計せざるを得ないので仕方ない。 最初の頃は登るたびに一々文句も言ったものだが今では黙して淡々と梯子を登りハッチを目指す。 手動で黒い扉を開けると、立てひざをついて機体の頭頂部に設置されているロックを解除した。 そして重々しいハッチを開けて俺は機体の中に乗り込んだ。 ボスンとパイロットシートの上に背中を預ける。 ずっと思っていたのだが、この中では甘い臭いはしないのは少々奇妙なものを感じる。 中にはコードで繋がれたリングが何個もある。 その形状から拘束具などと揶揄されるソレはコレを操縦するための要だ。 実を言うと、このスーツのシンプルな構造といくつかのパーツもそのための物だ。 俺は手首や足首にあるパーツに次々とそのリングを接続した。 全てのリングを接続したのを確認して、俺は脇に置いておいたヘルメットを被った。 そしてヘルメットに備え付けられている通信システムを起動させると言った。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 『了解、Bjh開始してください』 形式的な文言を言い終わると俺は目を瞑り力を抜いていった。 ゆっくりと溜め込んでいた息を吐いていき、鼻から吸った。 格納庫の甘い臭いが鼻腔をくすぐる。 「嗅覚…同期」 体の力が限界まで抜けきった時、俺の体を外の熱気が撫でた。 「感覚、同期」 順調に行程が進んでいくことに満足して唾を呑む。 甘い味がした。 「味覚、同期」 耳を澄ましていくと格納庫の喧騒が聞こえてくる。 「聴覚、同期」 俺は通信を入れた。 「同期完了、視覚データの転送を」 『了解、視覚データ転送します』 ゆっくりと目を開くと、ヘルメット全体にさっきまで見ていた格納庫の映像が映し出された。 たださっきと違う点を上げるならば、少々目線が高いことだろうか。 さっきは見上げるようだった整備士の中年の大男も今では遥か下に見下ろしている。 俺は進路に障害物の無いことを確認すると言った。 「ジャック完了」 『Bjh完了を確認、ハッチを開放します』 「了解、ゆっくりまりさ、出ます!」 俺は不敵な笑みを浮かべると、ぼいんぼいんと跳ねながら格納庫から発進した。 人類は、ゆっくりに対抗するための刃を欲した。 しかしこれまで人類が作り上げてきた力はゆっくり相手には余りに脆弱すぎるものと 強力すぎて周りまで傷つけてしまうものばかりで帯に短し襷に長しといった有様だった。 だが人類はゆっくりを相手にするのにもっともふさわしい力を手に入れたのだ。 そう、ゆっくりそのものである。 しかしゆっくりはそのまま使うには手に余った。 だからゆっくりの中身を改造して、その脳を侵略してゆっくりに手綱をつけて使役することにしたのだ。 それをゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』は可能にした 『ヤゴコロス』を使い休眠状態にしておいたゆっくりをゆっくりの内部に入力デバイスを埋め込む。 そして薬品の量を減らしてゆっくりを半休眠状態にする。 ここからがさっきやった『ジャック』『Bjh』と呼ばれるものだ。 『Bjh』とはBean jam hijackの頭文字からとったもので、要するにゆっくりの餡子をのっとるということだ。 入力デバイス内に人間が乗り込み、自分の感覚を通して半休眠状態のゆっくりの脳を侵略し支配権を奪っていく。 完全に支配権を奪ったところで、今度はゆっくりを半覚醒状態にして五感をのっとられたゆっくりを動けるようにする。 後は操縦者の思うがままに、その手足となってゆっくりは動かせる。 とは言っても所詮操り人形を操るようなもので、完全に自由自在というわけには行かない。 だがそれでも訓練次第でかなり自由に動かせるようにはなる。 スウェットスーツのようなパイロットスーツもゆっくりとの感覚を共有しやすくするための ゆっくりと人間の間にある変換機のような役割を担っている。 人類はこの人の手で動くゆっくりを饅頭兵器、すなわちSteamed bun armsの頭文字をとって Sba、もしくはSb兵器と呼んだ。 そしてそれに乗る人間のことをSb乗り または餡子を乗っ取る人という意味でBean jam hijackerを略してBean jackerと呼んだ。 まあ年を取った人は見も蓋も無く饅頭乗りと呼んだりもする。 これの副次的効果として半休眠状態をデフォルトとすることで『ヤゴコロス』の使用量を減らすことも出来た。 こうして人類はゆっくりと戦うのにふさわしい刃を手に入れ、本格的な反撃を開始した。 そうしてゆっくり駆逐戦、後に第一次ゆっくり大戦と呼ばれる戦いは開始し 15年ほど前に以前人間が生活していた地域を殆ど人の手に取り戻して大戦は終焉した。 大戦を人の手に導いたのはやはり人の操縦するゆっくりを主力にした特殊部隊だった。 ゆっくりが現れ始めてから30年、ゆっくりに人が打ち勝ってから15年 俺は母国の軍隊に、ゆっくりのパイロットとして入隊していた。 ゆっくりとの戦争があった時は俺はまだ小さな子どもでその頃のことは良く覚えていない。 軍隊に入ったのも別に何か特別な理由があったわけではない。 偶然受けた適性検査に受かってそのまま入っただけだ。 そんな軽い気持ちで何故俺が軍隊生活を続けられているのか。 「敵機を視認、これより戦闘を開始します」 『了解、戦闘を開始してください』 俺は足を弾ませ目の前のゆっくりに対して直進した。 予想外に早いこちらのアプローチに驚いたのか、目の前のまりさは驚愕の表情を浮かべている。 そのまりさがやっと対処をしようと動きだした時にはもう大勢は決していた。 俺はまりさの眼前に大きくジャンプし、その勢いで真上に跳んだ。 体一つ分ほど俺の体が宙を舞う。 俺は相手のゆっくりまりさの帽子にとび蹴り ゆっくりの感覚的には底部の端に力を入れてすこし伸ばしてする体当たりが蹴りなのだが それをしてまりさの帽子を叩き落し、まりさの頭の上に乗っかった。 ゆっくり同士の戦いにおいて、これだけでほぼ勝敗は決する。 後は上から数度ジャンプして踏み潰してやればツブレ饅頭の出来上がりだ。 「ど、どおぢでぞんなにゆっぐりぢでないのおおおおおお!?」 悲鳴を上げるまりさに対して俺は言った。 「あんたが遅すぎるのさ」 [まりさがゆっくりしすぎてるんだよ!!] 俺の言葉が俺の操縦するゆっくりまりさを通して、ゆっくり言葉で喋られた。 操縦者が外に向けて言った言葉は、このようにゆっくりの言葉に変換されてゆっくりによって喋られる。 『そこまで、訓練を終了してください』 俺は相手のまりさの頭から降りて、格納庫へと戻るために跳ねていった。 「同期…解除」 手のひらを握ったり広げたりしながら自分の感覚が自分の手をちゃんと動かしていることを確認してから もう外の景色を映していないヘルメットを外し息を吐いた。 面倒な行程だが、これをしておかないとうっかりゆっくりと同期したままヘルメットを外したりしようとして 妙な事故を招いてしまうこともある。 俺もド素人の頃に一度やって格納庫の備品を壊して始末書を書かされた。 さて、さっき言いかけたそれほど目的意識の無い俺が軍隊でやっていけているのかというと つまるところ、それなりに才能があったからだ。 ただしゆっくりの操縦に関してだけで他は平均かそれ以下といったところだが それでもゆっくりの操縦を出来る人間は少ないので重宝される。 人類は地上の覇権を取り戻したものの、まだ自然発生するゆっくりはなくならない。 また、ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』で休眠させているゆっくりを駆除するにもそれが出来る兵器は金がかかる。 かといってそのままにしておいてもゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』を定期的に散布せねばならず金がかかる。 なので戦争が終わってから十五年経った今でもSb乗りは引っ張りダコだ。 それから数日後、俺に辞令が下った。 「転属…ですか?」 俺は上官に尋ねた。 「ああ、書類に目を通してから荷物をまとめておいてくれ」 それだけ言って書類を俺に渡すと上官は全て済んだというように立ち去っていった。 俺は面倒だななどと考えながら頭を掻いて書類に目を通した。 転属先は南の方にある大戦前からある古い基地だ。 元々は合衆国の基地だったが、大戦時の混乱によりいつの間にかわが国が実質的に管理運営している。 どこも自分の国のゆっくりに手一杯で、他の国までどうこうしようという余力は無い。 なので合衆国もその基地にこだわらずに放置してしまっているのだろう。 転属は一週間後 それまでにそれほど多くは無い荷物をまとめなくてはならず整理整頓の苦手な俺は溜息をついた。 転属の何が嫌かといえばやはり人間関係の再構築だろう。 特に、ゆっくり操縦士は重用されている割に若者が多い。 ゆっくりと同期するという行為が自我の確立した熟年よりも 若くて自我のやわらかい人間の方がやりやすいからと言われているが科学的に証明はされていない。 まあそんな訳で一般の、特に中年くらいの兵隊からの風当たりは強かったりするのだ。 ここでも大分苦労してやっと操縦士以外の何人かと馴染んできたところだったので 正直に言うと転属はしんどい。 が、そのことで上に文句を言えるほどの立場も俺には無い。 なのでそれなりの覚悟をして、かなり肩肘張りながらこの基地にやってきた。 軽く挨拶だけ済まして特に打ち解けようとすることも無くふらふらと格納庫の方へやってきた。 これから俺の乗る機体も見ておきたいという、別にそれだけの理由だ。 「俺タクヤってんだ!渡邊タクヤ タクヤでいいぜ?オマエ歳いくつ?タメ? まあどうでもいいや、あんま歳かわんなそーだし敬語とか無しな? ゆっくりの整備士やってるんで多分オマエの担当になんじゃないかなと思うわけ なんていうかビビっと運命って奴? ってか今専属無い奴俺だけだしさーってことでヨロシクゥ☆」 捲くし立てながらぽんぽんと肩を叩いたりと 異常なまでに馴れ馴れしいその整備士の態度に俺は正直、「なんだこいつ」と思いながら眉を潜めた。 「あー、その 俺の機体見に来たんだけど…」 俺はマシンガンのごとく繰り出されるその整備士の言葉の縫い目を見つけて控えめに目的を伝えた。 「あーはいはいはい命を預ける愛機のことを一刻も早く知りたいって訳ねオーケーオーケー 多分あのまりさじゃないかな、他に空いてるのは無いし」 そういってそいつは斜め後ろに陣取っているゆっくりまりさを指差した。 俺はその整備士を置いて、そのゆっくりまりさに歩み寄った。 肌の艶から見て整備はきちんとされているようだ。 手で触った弾力から考えても生育は良好 そう悪くない いや、むしろ何故こんないい仕上がりのものがエンプティになっていたのか疑問に思うくらいの機体だ。 「よろしく頼むぜ、相棒」 俺は何の気なしにそんなことを呟いた。 「おっけー!任せてけって!」 オマエじゃない。 そんな感じで、鬱陶しいのが一人懐いてきたものの 俺は引越し後で忙しいというのを理由に訓練時以外は殆ど同僚達とは接触しなかった。 接触すれば波風が立つだろう。 まず新人としての注目が薄れてからじっくり馴染んでいくのがいい。 特にこの基地は高齢の隊員が多いようなので慎重に行こう。 そう思って周りに反感を抱かれない程度に意識して避けていた。 意図してやっているとはいえ宙ぶらりんの居心地の悪い状態の続いていた日のこと。 遂に俺にこの基地に転属されて初めてのスクランブルがかかった。 「坊主!仕事だ!郊外に野生のゆっくりが出やがった!」 ヒゲ面の上官、山崎源五郎二等陸曹の言葉を聴きながら 既に専用のパイロットスーツに着替えていた俺は格納庫へ向かっていた。 山崎源五郎二等陸曹は定年間近の大分年を食った男で いかにもな傷だらけの浅黒い肌と筋肉 そして体毛と酒臭さを供えた男臭い男をそのまま体現したような男だ。 他と同じようにこの人のこともなるべく避け様と思っているのだが 小ざかしい俺の意図など意にも介さずに向かってきてやたらと呑みに誘ってくる人だった。 俺のことは名前ではなく坊主と呼ぶ。 二十歳過ぎて坊主と呼ばれるのは勘弁して欲しいのだが 上官だし顔を見合わせるとどうにもその男臭さに気圧されて指摘出来ずに居た。 「数は何匹ですか?」 「確認されたのは二匹だ、まあそこらに隠れてるかもしれんが こっちで出せるのはオマエだけだ 後は出払ってるか帰ってきたばかりで休養中ってとこだ いけるな?」 「はい、問題ありません 俺一人で充分です」 「言ったな坊主 よし、トレーラーに積むからとっとと糞饅頭に乗って来い!」 「了解しました」 走りはしないが早足にゆっくりの方へと向かう。 ゆっくりの後ろに立つと、その金色の髪の間から垂れている縄梯子を掴んで上っていった。 前はアルミ製だったので最初は面食らったがこの縄梯子にも既に慣れて上るのに5秒とかからない。 黒い帽子についた扉を開けてハッチを開きコックピットへ滑り込む。 すぐに感覚共有用のデバイスに接続してヘルメットを被り呟いた。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 目を瞑り体の力を抜いて鼻から息を吸う。 「嗅覚…同期、触覚、同期 味覚同期、聴覚同期」 感覚を共有させていく順番は人それぞれで、俺は嗅覚から同期させていくのが癖になっていた。 余談だが嗅覚から行く人は結構珍しいらしい。 それにしても、こちらに来てからの訓練で分かってはいたがこのまりさとはこれまでになく同期がスムーズに行った。 どうにも俺とこのまりさは相性がいいらしかった。 「早く視覚データを、ハッチも開けて下さい」 『了解しました、これより視覚データを転送します』 すぐに視覚データがヘルメットに転送され格納庫の映像を映し出した。 それと同時に格納庫のハッチも轟音を立てながら開かれる。 「ジャック完了、ゆっくりまりさ、出ます!」 [ゆっくりいくよ!] 俺はまりさから感覚を奪い去り、外へと飛び出した。 巨大になった体が否応無く巨大な力を手に入れたのだということを感じさせる。 俺は専用の、だが旧式の大型トレーラーに乗り込むと目を瞑り神経を集中した。 『坊主!どうだ、緊張してるか?』 山崎二等陸曹からの通信が入ってきた。 「いえ、実戦は初めてでは無いので大丈夫です」 野生のゆっくり二匹、実戦では一匹しか相手にしたことは無いが 訓練では3対1で勝った事もある、なんら問題ないはずだ。 それでも神経が昂ぶって仕方が無い。 それを見透かされたのか、と思うと心が読まれているようでどうにも座りが悪かった。 「嘘付け!オマエのゆっくりを見りゃ誰だって緊張してるのがわかるぜ!」 なるほど、そういうことかと俺は頷くと同時に まりさとの相性が良すぎるのも考え物だと思った。 以前はそこまでダイレクトに心情がゆっくりに表れてしまうほど細かい機微を再現するようなことはなかったのだが。 それとも単にこの山崎二等陸曹が図抜けて鋭いだけなんだろうか。 そうこうしているうちに、俺を乗せた旧式の大型トレーラーは郊外のゆっくりの発生した地点に到着した。 場所は郊外のさらに外れの広さだけはある寂れた場所。 近くにはクヌギなんかが群生した小さな林もあった。 所々に見える古いコンクリートの欠片や床から上の無い民家の跡から考えて ここも昔はそれなりに栄えていたのかもしれない。 だが30年前に人類が都市部に追いやられた際に家や建物はゆっくりに踏み潰され こんな風に人気の少ないだだっ広い場所がたくさん生まれた。 その殆どは未だに復興しておらず、そんな中ではここはまだ盛り返している方だった。 民家は半径1kmに三軒ほどで通報者含めて避難は完了済み。 多少暴れて周りに被害が出ても問題ない、保険がおりるはずだ。 政府は人口がパンクしかけて問題が山のように出てきた都市部から離れて こういう土地を再び栄えさせようとする人間には寛大なのだ。 『いました!ゆっくりです!』 『種類は?つがいか?』 『それぞれまりさ型とれいむ型です! 恐らくつがいなんじゃないでしょうか?』 『だそうだ坊主』 「了解しました、直ちに駆除を開始します」 俺は跳ねると頭を打つので這いながら大型トレーラーから降りると野良ゆっくりに対して向き合った。 俺のことを見つけたゆっくりれいむとまりさは、こちらを見てこう言った。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 初めて人類に接触したゆっくりが最初に言ったというあの言葉だ。 俺は息を軽く吸うと、腹の底から思いっきり言ってやった。 「あいにくと、この地球上にお前等の安穏の地は無い お前等はここで排除する!」 [ゆっへっへここは俺のゆっくりぷれいすなんだぜ!ゆっくりでていくんだぜ!] 「どおぢでぞんなごどいうのおおおおおおおおおお!?」 「れいむだぢゆっぐりぢでだだげなのにいいいいい!!」 せっかく気張って言ったのに変換後の会話の間抜けさにガックリと肩を落とす。 『坊主!そいつ乗ったまま啖呵は切らないほうがいいぞ 情け無いことになるからよ』 「今痛感してます」 俺は半眼で呻いた。 本当にいらんことを言ったと後悔する。 無駄なことをしたと嘆息しながら 気を取り直して標的のゆっくり二匹を見る。 大きさは、高さ3m横幅5m程と実に平均的で種類もれいむ種とまりさ種の組み合わせという 最もオーソドックスで普遍的な物だった。 これといって見るべきところも恐れるようなところも見当たらない。 ならば二対一でも問題ないだろう。 野生のゆっくりに対して何故数の上で不利にも関わらず俺が余裕を持っているのか。 それは訓練をしているというのもあるが、それは数の不利を完全に覆せるほどではない。 むしろ人間の扱うゆっくりはどうしても人の意思を伝達するためにわずかばかりの遅れが生じるため身体的能力においては劣る。 それでも人間の扱うゆっくりは野性のものに対して優位に立てるのだ。 それは人類が高いとはいいがたい身体的能力で他の強大な力を持つ生物に対して優位に立てた理由と同じことだった。 「ぷんぷん!れいむたちのゆっくりぷれいすなのにきゅうにでてけなんてぜんぜんゆっくりしてないよ!」 「ゆー!だいたいそのぼうしからしてゆっくりしてないよ!」 確かにこのまりさの言うとおりゆっくりから見ればこのとんがり帽子は珍妙なのだろう。 鍔は曲がっているし先の部分も普通のゆっくりからみれば尖り過ぎている。 まあそれは構造上仕方ないことだ。 「アウェイクン」 ゆっくりに備え付けられている一部の装備は意識しながら音声入力をすることで操作可能だ。 手を動かそうとするとゆっくりの方が動いてしまうので通常のボタンなどによる入力方法は使いづらく 苦肉の策でこういった入力方式をとらざるを得ないらしい。 音声は一応個々人で変更可能だが俺は面倒なのでデフォルトのままにしてある。 俺が指示すると、頭にコツンと棒が当たる感触と共に頭上の黒いとんがり帽子が真上に飛び上がった。 ぽかんと口を開けるまりさを他所に俺は体を捻って、ゆっくりと落ちてくるとんがり帽子の、その中から伸びる棒に食い付いた。 そしてとんがり帽子の先をまりさに向けて構えると、そのまま一直線に突撃する。 一瞬後には自分の腹に深々と突き刺さった帽子を愕然とした表情で見下ろすまりさがいた。 「ど、どおぢでぼう゛じがざざっだりずるのおおおおお…!?」 何故野生のゆっくりに対して人間の扱うゆっくりが有利であるのか 要は武器を持っているということだ。 ゆっくりまりさの帽子を加工・コーティングして作り上げた硬化饅頭皮製帽子型突撃槍。 帽子に支柱が通してありこちらの指令に応じて伸縮させて口に咥えて振り回せるゆっくりまりさの主要武器だ。 ゆっくりの研究を進めていく過程で副次的に発見されたこの武器に用いられている新素材は非常に堅く その上比較的軽いため発見当初は技術革新だのなんだのと持て囃された。 だがさらに研究を進めていくにつれて、すぐに劣化する、温度変化に弱い、加工するのが難しい 安定供給するためにはゆっくりの養殖が不可欠、そもそもコストがかかる 生産・加工にもゆっくりの飾りそのままの形を保たないと時間がかかるetcetc 山のような問題点が発見された。 結局いまだにこのかつての新素材を用いているのは対ゆっくり用の武器くらいだ。 それも使いこなせるのは同じゆっくり位なのだ。 この槍だってゆっくりの体重と力で振り回すから対ゆっくり用の武器足りえているが 他のものにとっては雨宿りくらいにしか使えない。 散々扱き下ろしてきたがそれでも対ゆっくり戦においてだけは有用なことは確かだった。 「げふっ、ごぱぁ」 まりさは内部から槍で圧迫され口から餡子を吐いた。 驚愕の表情は既に失せ、土気色の顔で焦点の合わない虚ろな瞳で視線を空に漂わせていた。 「ま゛り゛ざのあんごがあああああ!?」 れいむは伴侶の身に起こった突然の凶事に目を見開き悲鳴をあげた。 後腐れ無くこのままれいむの方も突き殺してしまおうと槍を引き抜いた。 直径一メートルはあろうかという巨大な傷穴から大量の餡子が零れ落ちた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ!!!!」 れいむがまりさの傷口に駆け寄り、舌を使って必死に餡子をまりさの体の中にに押し戻そうとした。 しかしいくら舌を器用に動かしても舌の上を流れて餡子は地面に零れて行く。 傷穴に押し戻されたわずかな餡子も未だ止まることの無い餡子の濁流に押し返され体から抜け出していった。 「ま゛り゛っ、ま゛り゛ざああああ!!い゛や゛あああああ!!」 「おどどざあああああああああん!!」 未だ餡子に濡れる槍を構え直し、再び突撃しようと腰を深くした時 近くの森から体長1mほどの小さなゆっくりが現れまりさに駆け寄った。 「!?きちゃだめえええええええええ!!」 俺はその小さなゆっくりごとれいむを貫こうと飛び出した。 『まずい坊主!子持ちだ!小さいのは後にまわせ!』 通信が入ったがもう遅い、既に俺の槍は子れいむの体を貫く いや押しつぶしていた。 『畜生!!やっちまった!!』 山崎二等陸曹は何故か悪態をついた。 そんなに俺の腕が信用できないのだろうかと思って不快感に眉を潜める。 確かに大きい方のれいむは仕留め損なったが別に大きなミスではない。 このれいむをとっとと駆除してしまえばそんな態度を改めさせることも出来るだろうと俺は再び槍を構えた。 「れ゛い゛む゛のあがぢゃんがあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! うがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 「な!?」 [ゆ!?] 今まで一度も聞いたことの無い大地を揺るがすかと思うほどのれいむの雄たけびに俺は立ち竦んだ。 槍を持つ手、いや舌と唇が震えた。 『気をつけろ!もういままで倒してきたゆっくりと同じと思うな!!』 山崎二等陸曹が耳が痛くなるほどでかい声で俺に助言を送った。 「い、一体どういう…」 よく意味がわからずに俺は戸惑いながら聞き返した。 『母は強しだ!!』 「じねえええええええええええええええええ!!!」 山崎二等陸曹が叫ぶと同時に、鬼神のごとき形相で突進してきたれいむに俺はたじろいだ。 「っ!?」 [ゆゆっ!?] 辛うじて槍を斜に構えて体当たりを受け流したものの、その余りの迫力に呼吸が荒くなる。 汗や唾液で槍が滑らないように注意しながら穂先を突きつけて牽制しながら距離を取ろうとした。 「よ゛ぐも゛れ゛い゛む゛のあがぢゃんおおおおおおおおおお!!!」 だがそんなもの意にも介さずにれいむはこちらに向かって突進してくる。 このままこちらも突撃で応じるか一瞬迷うが もしこちらの突きを避けられた時あの勢いの体当たりをどうにかできるか不安だったので 再び槍でいなしてから間合いを取った。 「よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛ぉ゛…!れ゛い゛む゛だぢばがぞぐでゆっぐりぢでだだげだどにぃ…!」 お前等が近くに居るだけで人間は恐ろしくて仕方が無いんだと心中で呻く。 「糞っ、隙が無い…!」 [もっとゆっくりしてね!] 「お゛ばえのぜいでゆ゛っぐぢでぎだぐなっだんだあああああああああ!!!」 意図せずして発動したゆっくり語変換機能がれいむの神経を逆撫でてしまった。 俺は舌打ちしつつ槍を咥えたまま横っ飛びに飛んでれいむの突進を避けようとした。 「う゛があああああああああああああああああ!!」 が、予想以上の速さで突っ込んできたれいむに、槍の穂を横から噛み付かれてしまう。 「しまった!」 [ゆぅ~!?] 俺は振りほどこうと頭を振ったが、れいむはガッシリと槍を咥えて離さない。 お互い槍を奪い取ろうと喰い縛り、力が拮抗しあってお互いに動けなくなった。 「くっ…」 俺は冷や汗を垂らしながら呻いた。 今は持ちこたえているが、さっきまでの戦いで向うの方が腕力が上なのは散々見せ付けられた。 このまま膠着状態を続けていればいずれ槍を奪われる。 そうなれば勝ち目は無い。 『坊主!大丈夫か!?』 トレーラーの山崎二等陸曹から通信が入る。 「すいません…厳しいです…!」 俺は情け無いことこの上ない気持ちで弱音を吐いた。 『仕方ねえな、なんとか援護するから切り抜けろ! 1、2の3でいくからタイミング合わせろ』 「…?了解しました」 俺はゆっくりに対抗できるような強力な装備があのトレーラーに積んであったかと疑問に思い首を傾げた。 ゆっくり以外の対ゆっくり兵器はそうポンポン使えるような兵器ではないのだが。 『1!』 そうこうしている内にもカウントダウンは進んでいく。 俺はそれまでなんとか持ちこたえようと歯を食いしばり目の前のれいむを睨みつける。 『2の!』 ひょっとして休眠剤でも積んでいたのかと思い当たり心中で合点する。 滅多に無いことだが作戦中にSbaの休眠剤が切れてしまう場合に備えている可能性も無くは無い。 それなら一応納得がいく。 『3!』 と思った瞬間トレーラーがゆっくりれいむの横っ腹に突っ込んだ。 トレーラーのコックピットがれいむの体にめり込んで、目の前のれいむの顔がひしゃげた。 いくら軍用とはいえ、トレーラーの体当たり程度でゆっくりが傷を負う事はまず無い。 衝撃は完全に饅頭側と餡子の弾力に吸収されてしまう。 が、それでも槍を咥えていた口の力を少し緩ませるには充分だった。 少し面食らったが兎にも角にもれいむから槍を奪い返した。 がっしりとくわえていた口からちゅぽんと音を立てて槍が抜ける。 そのままこちらに槍を引き込み、糸を引いていた唾を引きちぎる。 「マジかよ…」 目の前の事態に頭が時間差で追いついてきてやっと呻きながら 俺は未だトレーラーを頬に減り込ませながら驚愕の表情を浮かべるれいむの額に槍を突き刺した。 「も゛っど…ゆ゛っぐりぢだが…だ…」 か細い断末魔をあげるれいむから槍を引き抜くと、頭から滝の様に餡子を噴出しながらその勢いでれいむは後ろに倒れこんだ。 大地が揺れ、あたりに落ちているコンクリート片が震えた。 「任務…完了か」 ぐるりと周りを見回して、もうゆっくりが居ないことを今度こそ確認して 緊張を解いた俺は溜息を吐いた。 『危なかったな坊主!』 「ええ、お互いに」 元気そうな山崎二等陸曹の声に俺はよくトレーラーで突っ込んでピンピンしてるなと呆れながら返した。 『まあルーキーにしては上出来だ! とりあえず後始末は他の奴等に任せて帰って酒でも飲もうや! どうせ饅頭乗りは一度出撃したらリフレッシュやらなんやらで当分出撃できないんだしよぉ 徹夜だ徹夜!朝まで呑め!三日くらい二日酔いで頭ガンガンなるまで呑むぞ!』 山崎二等陸曹の語気の強さに 比喩じゃなく本当にそれくらい飲まされそうな気配がしたので俺は適当に言い訳を考えて断ることにした。 「あー、その、これから飲み会の準備するのも大変なのでまた今度に…」 『大丈夫だ、整備士の方の坊主に店の準備やら何やらやらせといたから』 渡邊め。 心中で毒づきながら、くたびれ切った体で俺はトレーラーに乗り込んだ。 ―――――――――――――――――――― 次回予告 山崎は大戦時の戦友にして合衆国軍の英雄ブライアンの来訪に沸き立つ。 だが、変わり果てたブライアンの姿に俺はゆっくり乗りの闇を見ることになった。 次回 緩動戦士まりさ 『英雄の末路』 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/393.html
30年前、人類は突如として現れた謎の生物『ゆっくり』の脅威に晒された。 全長2m~4m、幅3m~6mのその巨大な侵略者は本当に振って湧いたかのように突然人間の住んでいた領域に現れた。 発生源は不明、餅のように柔らかい球体に顔を貼り付けたようなそれはさながら巨大な生首だった。 その肉体を形作っているのは、小麦粉を練った皮の中に餡子がたっぷりとつまった物 そう、驚くべきことに彼等は饅頭だった。 その現代科学をあざ笑うかのような無軌道摩訶不思議ぶりは 何人もの有望な研究者を狂わせ自殺させるという痛ましい事件を呼び起こした。 しかもただの饅頭ではない。 その表皮に拳銃などの通常兵器は通じずロケットランチャークラスの兵器を用いてやっと体に傷がつく。 最新の戦車でさえ一対一では場合によっては遅れを取る。 生身の人間には太刀打ちできる相手ではない。 そしてその強靭さ以上に驚くべきことに、ゆっくりは人の言葉を用いた。 「ゆっくりしていってね!」 それが初めてゆっくりと出逢った男がゆっくりから聞いた言葉だった。 このことから、その巨大な怪生物は以後『ゆっくり』と総称されるようになる。 なのでゆっくりとの対話による和解も試みられたが その天敵を持たない強さからその性分は他の種族に対して傲慢極まりなく そもそもゆっくりは小さな家族的集団しか作らないためいくら対話してもキリが無く大抵の場合破綻した。 そのことを人間がこれまでやってきたことのしっぺ返しと揶揄する識者も居たが やがて自分にも脅威の及ぶ頃になると彼等も他の大勢と同じように自分を棚に上げてゆっくりを口汚く罵った。 傲慢な者同士の対話などうまく行くわけは無かったのかもしれない。 いくら強力なミサイルを使って辺り一帯ごと焼き尽くしても、その場所にまた別の場所からゆっくりが移り住んで 人類は逆に自分たちが住める土地を失っていった。 そうして至る所に突如発生しだすゆっくりにより人類は次々と生活圏を追われ 人類は辛うじて自衛を可能とする力を持っていた都市部へと追いやられた。 多くの人がこのまま人類は地上の覇権をゆっくりに譲り渡し、細々と生きて行くしかないかと思われた。 だが、ある天才の発明により人類に逆転のための炎が燈る。 ゆっくりを研究していたとある女性研究者の手により ゆっくりを長期に渡って完全な休眠、仮死状態にする薬品 ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』が発明されたのだ。 世界中が都市部内の工場を『ヤゴコロス』を製作するために作り変えた。 これを一帯に散布することによりゆっくりをほぼ完全に無力化することに成功する。 そして人類は再び地上の覇権を取り戻した。 だが、問題は山積みだった。 『ヤゴコロス』は非常にコストが高く、また定期的に投与しないと休眠状態を維持できない。 また不可解なことにゆっくりはそれまで居なかったところ、制圧したはずの場所からも突如発生し続けた。 人間は一時的に地上の覇権を取り戻したもののその覇権を守るための刃を必要としていた。 鉄の臭いがする。 鉄の臭いは好きだった。 普段かいでいる甘ったるい臭いと全く逆なところが特に気に入っている。 俺はポケットやら何やらが色々ついたダークグリーンの服を脱ぐと 専用のスーツに着替えていった。 体にピッタリと密着するそのスーツは、一言で言うと所々に堅いパーツのついたスウェットスーツだ。 色はグレーの地に所々暗めの青、専用にあつらえているため俺の体に完全にフィットした。 俺は背中のチャックをあげると扉を開けてヘルメットを片手に抱え歩き出した。 通路を歩き格納庫へと入ると、整備士たちが駆け回る慌しい喧騒を無視して 迷うことなくまっすぐに自分の機体の元へと向かう。 甘い臭いが鼻腔をくすぐった。 機体の前に立って見上げる。 機体のハッチは高さ3mのそのボディの一番上にある。 毎回乗り降りが大変なのだが、構造上そう設計せざるを得ないので仕方ない。 最初の頃は登るたびに一々文句も言ったものだが今では黙して淡々と梯子を登りハッチを目指す。 手動で黒い扉を開けると、立てひざをついて機体の頭頂部に設置されているロックを解除した。 そして重々しいハッチを開けて俺は機体の中に乗り込んだ。 ボスンとパイロットシートの上に背中を預ける。 ずっと思っていたのだが、この中では甘い臭いはしないのは少々奇妙なものを感じる。 中にはコードで繋がれたリングが何個もある。 その形状から拘束具などと揶揄されるソレはコレを操縦するための要だ。 実を言うと、このスーツのシンプルな構造といくつかのパーツもそのための物だ。 俺は手首や足首にあるパーツに次々とそのリングを接続した。 全てのリングを接続したのを確認して、俺は脇に置いておいたヘルメットを被った。 そしてヘルメットに備え付けられている通信システムを起動させると言った。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 『了解、Bjh開始してください』 形式的な文言を言い終わると俺は目を瞑り力を抜いていった。 ゆっくりと溜め込んでいた息を吐いていき、鼻から吸った。 格納庫の甘い臭いが鼻腔をくすぐる。 「嗅覚…同期」 体の力が限界まで抜けきった時、俺の体を外の熱気が撫でた。 「感覚、同期」 順調に行程が進んでいくことに満足して唾を呑む。 甘い味がした。 「味覚、同期」 耳を澄ましていくと格納庫の喧騒が聞こえてくる。 「聴覚、同期」 俺は通信を入れた。 「同期完了、視覚データの転送を」 『了解、視覚データ転送します』 ゆっくりと目を開くと、ヘルメット全体にさっきまで見ていた格納庫の映像が映し出された。 たださっきと違う点を上げるならば、少々目線が高いことだろうか。 さっきは見上げるようだった整備士の中年の大男も今では遥か下に見下ろしている。 俺は進路に障害物の無いことを確認すると言った。 「ジャック完了」 『Bjh完了を確認、ハッチを開放します』 「了解、ゆっくりまりさ、出ます!」 俺は不敵な笑みを浮かべると、ぼいんぼいんと跳ねながら格納庫から発進した。 人類は、ゆっくりに対抗するための刃を欲した。 しかしこれまで人類が作り上げてきた力はゆっくり相手には余りに脆弱すぎるものと 強力すぎて周りまで傷つけてしまうものばかりで帯に短し襷に長しといった有様だった。 だが人類はゆっくりを相手にするのにもっともふさわしい力を手に入れたのだ。 そう、ゆっくりそのものである。 しかしゆっくりはそのまま使うには手に余った。 だからゆっくりの中身を改造して、その脳を侵略してゆっくりに手綱をつけて使役することにしたのだ。 それをゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』は可能にした 『ヤゴコロス』を使い休眠状態にしておいたゆっくりをゆっくりの内部に入力デバイスを埋め込む。 そして薬品の量を減らしてゆっくりを半休眠状態にする。 ここからがさっきやった『ジャック』『Bjh』と呼ばれるものだ。 『Bjh』とはBean jam hijackの頭文字からとったもので、要するにゆっくりの餡子をのっとるということだ。 入力デバイス内に人間が乗り込み、自分の感覚を通して半休眠状態のゆっくりの脳を侵略し支配権を奪っていく。 完全に支配権を奪ったところで、今度はゆっくりを半覚醒状態にして五感をのっとられたゆっくりを動けるようにする。 後は操縦者の思うがままに、その手足となってゆっくりは動かせる。 とは言っても所詮操り人形を操るようなもので、完全に自由自在というわけには行かない。 だがそれでも訓練次第でかなり自由に動かせるようにはなる。 スウェットスーツのようなパイロットスーツもゆっくりとの感覚を共有しやすくするための ゆっくりと人間の間にある変換機のような役割を担っている。 人類はこの人の手で動くゆっくりを饅頭兵器、すなわちSteamed bun armsの頭文字をとって Sba、もしくはSb兵器と呼んだ。 そしてそれに乗る人間のことをSb乗り または餡子を乗っ取る人という意味でBean jam hijackerを略してBean jackerと呼んだ。 まあ年を取った人は見も蓋も無く饅頭乗りと呼んだりもする。 これの副次的効果として半休眠状態をデフォルトとすることで『ヤゴコロス』の使用量を減らすことも出来た。 こうして人類はゆっくりと戦うのにふさわしい刃を手に入れ、本格的な反撃を開始した。 そうしてゆっくり駆逐戦、後に第一次ゆっくり大戦と呼ばれる戦いは開始し 15年ほど前に以前人間が生活していた地域を殆ど人の手に取り戻して大戦は終焉した。 大戦を人の手に導いたのはやはり人の操縦するゆっくりを主力にした特殊部隊だった。 ゆっくりが現れ始めてから30年、ゆっくりに人が打ち勝ってから15年 俺は母国の軍隊に、ゆっくりのパイロットとして入隊していた。 ゆっくりとの戦争があった時は俺はまだ小さな子どもでその頃のことは良く覚えていない。 軍隊に入ったのも別に何か特別な理由があったわけではない。 偶然受けた適性検査に受かってそのまま入っただけだ。 そんな軽い気持ちで何故俺が軍隊生活を続けられているのか。 「敵機を視認、これより戦闘を開始します」 『了解、戦闘を開始してください』 俺は足を弾ませ目の前のゆっくりに対して直進した。 予想外に早いこちらのアプローチに驚いたのか、目の前のまりさは驚愕の表情を浮かべている。 そのまりさがやっと対処をしようと動きだした時にはもう大勢は決していた。 俺はまりさの眼前に大きくジャンプし、その勢いで真上に跳んだ。 体一つ分ほど俺の体が宙を舞う。 俺は相手のゆっくりまりさの帽子にとび蹴り ゆっくりの感覚的には底部の端に力を入れてすこし伸ばしてする体当たりが蹴りなのだが それをしてまりさの帽子を叩き落し、まりさの頭の上に乗っかった。 ゆっくり同士の戦いにおいて、これだけでほぼ勝敗は決する。 後は上から数度ジャンプして踏み潰してやればツブレ饅頭の出来上がりだ。 「ど、どおぢでぞんなにゆっぐりぢでないのおおおおおお!?」 悲鳴を上げるまりさに対して俺は言った。 「あんたが遅すぎるのさ」 [まりさがゆっくりしすぎてるんだよ!!] 俺の言葉が俺の操縦するゆっくりまりさを通して、ゆっくり言葉で喋られた。 操縦者が外に向けて言った言葉は、このようにゆっくりの言葉に変換されてゆっくりによって喋られる。 『そこまで、訓練を終了してください』 俺は相手のまりさの頭から降りて、格納庫へと戻るために跳ねていった。 「同期…解除」 手のひらを握ったり広げたりしながら自分の感覚が自分の手をちゃんと動かしていることを確認してから もう外の景色を映していないヘルメットを外し息を吐いた。 面倒な行程だが、これをしておかないとうっかりゆっくりと同期したままヘルメットを外したりしようとして 妙な事故を招いてしまうこともある。 俺もド素人の頃に一度やって格納庫の備品を壊して始末書を書かされた。 さて、さっき言いかけたそれほど目的意識の無い俺が軍隊でやっていけているのかというと つまるところ、それなりに才能があったからだ。 ただしゆっくりの操縦に関してだけで他は平均かそれ以下といったところだが それでもゆっくりの操縦を出来る人間は少ないので重宝される。 人類は地上の覇権を取り戻したものの、まだ自然発生するゆっくりはなくならない。 また、ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』で休眠させているゆっくりを駆除するにもそれが出来る兵器は金がかかる。 かといってそのままにしておいてもゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』を定期的に散布せねばならず金がかかる。 なので戦争が終わってから十五年経った今でもSb乗りは引っ張りダコだ。 それから数日後、俺に辞令が下った。 「転属…ですか?」 俺は上官に尋ねた。 「ああ、書類に目を通してから荷物をまとめておいてくれ」 それだけ言って書類を俺に渡すと上官は全て済んだというように立ち去っていった。 俺は面倒だななどと考えながら頭を掻いて書類に目を通した。 転属先は南の方にある大戦前からある古い基地だ。 元々は合衆国の基地だったが、大戦時の混乱によりいつの間にかわが国が実質的に管理運営している。 どこも自分の国のゆっくりに手一杯で、他の国までどうこうしようという余力は無い。 なので合衆国もその基地にこだわらずに放置してしまっているのだろう。 転属は一週間後 それまでにそれほど多くは無い荷物をまとめなくてはならず整理整頓の苦手な俺は溜息をついた。 転属の何が嫌かといえばやはり人間関係の再構築だろう。 特に、ゆっくり操縦士は重用されている割に若者が多い。 ゆっくりと同期するという行為が自我の確立した熟年よりも 若くて自我のやわらかい人間の方がやりやすいからと言われているが科学的に証明はされていない。 まあそんな訳で一般の、特に中年くらいの兵隊からの風当たりは強かったりするのだ。 ここでも大分苦労してやっと操縦士以外の何人かと馴染んできたところだったので 正直に言うと転属はしんどい。 が、そのことで上に文句を言えるほどの立場も俺には無い。 なのでそれなりの覚悟をして、かなり肩肘張りながらこの基地にやってきた。 軽く挨拶だけ済まして特に打ち解けようとすることも無くふらふらと格納庫の方へやってきた。 これから俺の乗る機体も見ておきたいという、別にそれだけの理由だ。 「俺タクヤってんだ!渡邊タクヤ タクヤでいいぜ?オマエ歳いくつ?タメ? まあどうでもいいや、あんま歳かわんなそーだし敬語とか無しな? ゆっくりの整備士やってるんで多分オマエの担当になんじゃないかなと思うわけ なんていうかビビっと運命って奴? ってか今専属無い奴俺だけだしさーってことでヨロシクゥ☆」 捲くし立てながらぽんぽんと肩を叩いたりと 異常なまでに馴れ馴れしいその整備士の態度に俺は正直、「なんだこいつ」と思いながら眉を潜めた。 「あー、その 俺の機体見に来たんだけど…」 俺はマシンガンのごとく繰り出されるその整備士の言葉の縫い目を見つけて控えめに目的を伝えた。 「あーはいはいはい命を預ける愛機のことを一刻も早く知りたいって訳ねオーケーオーケー 多分あのまりさじゃないかな、他に空いてるのは無いし」 そういってそいつは斜め後ろに陣取っているゆっくりまりさを指差した。 俺はその整備士を置いて、そのゆっくりまりさに歩み寄った。 肌の艶から見て整備はきちんとされているようだ。 手で触った弾力から考えても生育は良好 そう悪くない いや、むしろ何故こんないい仕上がりのものがエンプティになっていたのか疑問に思うくらいの機体だ。 「よろしく頼むぜ、相棒」 俺は何の気なしにそんなことを呟いた。 「おっけー!任せてけって!」 オマエじゃない。 そんな感じで、鬱陶しいのが一人懐いてきたものの 俺は引越し後で忙しいというのを理由に訓練時以外は殆ど同僚達とは接触しなかった。 接触すれば波風が立つだろう。 まず新人としての注目が薄れてからじっくり馴染んでいくのがいい。 特にこの基地は高齢の隊員が多いようなので慎重に行こう。 そう思って周りに反感を抱かれない程度に意識して避けていた。 意図してやっているとはいえ宙ぶらりんの居心地の悪い状態の続いていた日のこと。 遂に俺にこの基地に転属されて初めてのスクランブルがかかった。 「坊主!仕事だ!郊外に野生のゆっくりが出やがった!」 ヒゲ面の上官、山崎源五郎二等陸曹の言葉を聴きながら 既に専用のパイロットスーツに着替えていた俺は格納庫へ向かっていた。 山崎源五郎二等陸曹は定年間近の大分年を食った男で いかにもな傷だらけの浅黒い肌と筋肉 そして体毛と酒臭さを供えた男臭い男をそのまま体現したような男だ。 他と同じようにこの人のこともなるべく避け様と思っているのだが 小ざかしい俺の意図など意にも介さずに向かってきてやたらと呑みに誘ってくる人だった。 俺のことは名前ではなく坊主と呼ぶ。 二十歳過ぎて坊主と呼ばれるのは勘弁して欲しいのだが 上官だし顔を見合わせるとどうにもその男臭さに気圧されて指摘出来ずに居た。 「数は何匹ですか?」 「確認されたのは二匹だ、まあそこらに隠れてるかもしれんが こっちで出せるのはオマエだけだ 後は出払ってるか帰ってきたばかりで休養中ってとこだ いけるな?」 「はい、問題ありません 俺一人で充分です」 「言ったな坊主 よし、トレーラーに積むからとっとと糞饅頭に乗って来い!」 「了解しました」 走りはしないが早足にゆっくりの方へと向かう。 ゆっくりの後ろに立つと、その金色の髪の間から垂れている縄梯子を掴んで上っていった。 前はアルミ製だったので最初は面食らったがこの縄梯子にも既に慣れて上るのに5秒とかからない。 黒い帽子についた扉を開けてハッチを開きコックピットへ滑り込む。 すぐに感覚共有用のデバイスに接続してヘルメットを被り呟いた。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 目を瞑り体の力を抜いて鼻から息を吸う。 「嗅覚…同期、触覚、同期 味覚同期、聴覚同期」 感覚を共有させていく順番は人それぞれで、俺は嗅覚から同期させていくのが癖になっていた。 余談だが嗅覚から行く人は結構珍しいらしい。 それにしても、こちらに来てからの訓練で分かってはいたがこのまりさとはこれまでになく同期がスムーズに行った。 どうにも俺とこのまりさは相性がいいらしかった。 「早く視覚データを、ハッチも開けて下さい」 『了解しました、これより視覚データを転送します』 すぐに視覚データがヘルメットに転送され格納庫の映像を映し出した。 それと同時に格納庫のハッチも轟音を立てながら開かれる。 「ジャック完了、ゆっくりまりさ、出ます!」 [ゆっくりいくよ!] 俺はまりさから感覚を奪い去り、外へと飛び出した。 巨大になった体が否応無く巨大な力を手に入れたのだということを感じさせる。 俺は専用の、だが旧式の大型トレーラーに乗り込むと目を瞑り神経を集中した。 『坊主!どうだ、緊張してるか?』 山崎二等陸曹からの通信が入ってきた。 「いえ、実戦は初めてでは無いので大丈夫です」 野生のゆっくり二匹、実戦では一匹しか相手にしたことは無いが 訓練では3対1で勝った事もある、なんら問題ないはずだ。 それでも神経が昂ぶって仕方が無い。 それを見透かされたのか、と思うと心が読まれているようでどうにも座りが悪かった。 「嘘付け!オマエのゆっくりを見りゃ誰だって緊張してるのがわかるぜ!」 なるほど、そういうことかと俺は頷くと同時に まりさとの相性が良すぎるのも考え物だと思った。 以前はそこまでダイレクトに心情がゆっくりに表れてしまうほど細かい機微を再現するようなことはなかったのだが。 それとも単にこの山崎二等陸曹が図抜けて鋭いだけなんだろうか。 そうこうしているうちに、俺を乗せた旧式の大型トレーラーは郊外のゆっくりの発生した地点に到着した。 場所は郊外のさらに外れの広さだけはある寂れた場所。 近くにはクヌギなんかが群生した小さな林もあった。 所々に見える古いコンクリートの欠片や床から上の無い民家の跡から考えて ここも昔はそれなりに栄えていたのかもしれない。 だが30年前に人類が都市部に追いやられた際に家や建物はゆっくりに踏み潰され こんな風に人気の少ないだだっ広い場所がたくさん生まれた。 その殆どは未だに復興しておらず、そんな中ではここはまだ盛り返している方だった。 民家は半径1kmに三軒ほどで通報者含めて避難は完了済み。 多少暴れて周りに被害が出ても問題ない、保険がおりるはずだ。 政府は人口がパンクしかけて問題が山のように出てきた都市部から離れて こういう土地を再び栄えさせようとする人間には寛大なのだ。 『いました!ゆっくりです!』 『種類は?つがいか?』 『それぞれまりさ型とれいむ型です! 恐らくつがいなんじゃないでしょうか?』 『だそうだ坊主』 「了解しました、直ちに駆除を開始します」 俺は跳ねると頭を打つので這いながら大型トレーラーから降りると野良ゆっくりに対して向き合った。 俺のことを見つけたゆっくりれいむとまりさは、こちらを見てこう言った。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 初めて人類に接触したゆっくりが最初に言ったというあの言葉だ。 俺は息を軽く吸うと、腹の底から思いっきり言ってやった。 「あいにくと、この地球上にお前等の安穏の地は無い お前等はここで排除する!」 [ゆっへっへここは俺のゆっくりぷれいすなんだぜ!ゆっくりでていくんだぜ!] 「どおぢでぞんなごどいうのおおおおおおおおおお!?」 「れいむだぢゆっぐりぢでだだげなのにいいいいい!!」 せっかく気張って言ったのに変換後の会話の間抜けさにガックリと肩を落とす。 『坊主!そいつ乗ったまま啖呵は切らないほうがいいぞ 情け無いことになるからよ』 「今痛感してます」 俺は半眼で呻いた。 本当にいらんことを言ったと後悔する。 無駄なことをしたと嘆息しながら 気を取り直して標的のゆっくり二匹を見る。 大きさは、高さ3m横幅5m程と実に平均的で種類もれいむ種とまりさ種の組み合わせという 最もオーソドックスで普遍的な物だった。 これといって見るべきところも恐れるようなところも見当たらない。 ならば二対一でも問題ないだろう。 野生のゆっくりに対して何故数の上で不利にも関わらず俺が余裕を持っているのか。 それは訓練をしているというのもあるが、それは数の不利を完全に覆せるほどではない。 むしろ人間の扱うゆっくりはどうしても人の意思を伝達するためにわずかばかりの遅れが生じるため身体的能力においては劣る。 それでも人間の扱うゆっくりは野性のものに対して優位に立てるのだ。 それは人類が高いとはいいがたい身体的能力で他の強大な力を持つ生物に対して優位に立てた理由と同じことだった。 「ぷんぷん!れいむたちのゆっくりぷれいすなのにきゅうにでてけなんてぜんぜんゆっくりしてないよ!」 「ゆー!だいたいそのぼうしからしてゆっくりしてないよ!」 確かにこのまりさの言うとおりゆっくりから見ればこのとんがり帽子は珍妙なのだろう。 鍔は曲がっているし先の部分も普通のゆっくりからみれば尖り過ぎている。 まあそれは構造上仕方ないことだ。 「アウェイクン」 ゆっくりに備え付けられている一部の装備は意識しながら音声入力をすることで操作可能だ。 手を動かそうとするとゆっくりの方が動いてしまうので通常のボタンなどによる入力方法は使いづらく 苦肉の策でこういった入力方式をとらざるを得ないらしい。 音声は一応個々人で変更可能だが俺は面倒なのでデフォルトのままにしてある。 俺が指示すると、頭にコツンと棒が当たる感触と共に頭上の黒いとんがり帽子が真上に飛び上がった。 ぽかんと口を開けるまりさを他所に俺は体を捻って、ゆっくりと落ちてくるとんがり帽子の、その中から伸びる棒に食い付いた。 そしてとんがり帽子の先をまりさに向けて構えると、そのまま一直線に突撃する。 一瞬後には自分の腹に深々と突き刺さった帽子を愕然とした表情で見下ろすまりさがいた。 「ど、どおぢでぼう゛じがざざっだりずるのおおおおお…!?」 何故野生のゆっくりに対して人間の扱うゆっくりが有利であるのか 要は武器を持っているということだ。 ゆっくりまりさの帽子を加工・コーティングして作り上げた硬化饅頭皮製帽子型突撃槍。 帽子に支柱が通してありこちらの指令に応じて伸縮させて口に咥えて振り回せるゆっくりまりさの主要武器だ。 ゆっくりの研究を進めていく過程で副次的に発見されたこの武器に用いられている新素材は非常に堅く その上比較的軽いため発見当初は技術革新だのなんだのと持て囃された。 だがさらに研究を進めていくにつれて、すぐに劣化する、温度変化に弱い、加工するのが難しい 安定供給するためにはゆっくりの養殖が不可欠、そもそもコストがかかる 生産・加工にもゆっくりの飾りそのままの形を保たないと時間がかかるetcetc 山のような問題点が発見された。 結局いまだにこのかつての新素材を用いているのは対ゆっくり用の武器くらいだ。 それも使いこなせるのは同じゆっくり位なのだ。 この槍だってゆっくりの体重と力で振り回すから対ゆっくり用の武器足りえているが 他のものにとっては雨宿りくらいにしか使えない。 散々扱き下ろしてきたがそれでも対ゆっくり戦においてだけは有用なことは確かだった。 「げふっ、ごぱぁ」 まりさは内部から槍で圧迫され口から餡子を吐いた。 驚愕の表情は既に失せ、土気色の顔で焦点の合わない虚ろな瞳で視線を空に漂わせていた。 「ま゛り゛ざのあんごがあああああ!?」 れいむは伴侶の身に起こった突然の凶事に目を見開き悲鳴をあげた。 後腐れ無くこのままれいむの方も突き殺してしまおうと槍を引き抜いた。 直径一メートルはあろうかという巨大な傷穴から大量の餡子が零れ落ちた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ!!!!」 れいむがまりさの傷口に駆け寄り、舌を使って必死に餡子をまりさの体の中にに押し戻そうとした。 しかしいくら舌を器用に動かしても舌の上を流れて餡子は地面に零れて行く。 傷穴に押し戻されたわずかな餡子も未だ止まることの無い餡子の濁流に押し返され体から抜け出していった。 「ま゛り゛っ、ま゛り゛ざああああ!!い゛や゛あああああ!!」 「おどどざあああああああああん!!」 未だ餡子に濡れる槍を構え直し、再び突撃しようと腰を深くした時 近くの森から体長1mほどの小さなゆっくりが現れまりさに駆け寄った。 「!?きちゃだめえええええええええ!!」 俺はその小さなゆっくりごとれいむを貫こうと飛び出した。 『まずい坊主!子持ちだ!小さいのは後にまわせ!』 通信が入ったがもう遅い、既に俺の槍は子れいむの体を貫く いや押しつぶしていた。 『畜生!!やっちまった!!』 山崎二等陸曹は何故か悪態をついた。 そんなに俺の腕が信用できないのだろうかと思って不快感に眉を潜める。 確かに大きい方のれいむは仕留め損なったが別に大きなミスではない。 このれいむをとっとと駆除してしまえばそんな態度を改めさせることも出来るだろうと俺は再び槍を構えた。 「れ゛い゛む゛のあがぢゃんがあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! うがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 「な!?」 [ゆ!?] 今まで一度も聞いたことの無い大地を揺るがすかと思うほどのれいむの雄たけびに俺は立ち竦んだ。 槍を持つ手、いや舌と唇が震えた。 『気をつけろ!もういままで倒してきたゆっくりと同じと思うな!!』 山崎二等陸曹が耳が痛くなるほどでかい声で俺に助言を送った。 「い、一体どういう…」 よく意味がわからずに俺は戸惑いながら聞き返した。 『母は強しだ!!』 「じねえええええええええええええええええ!!!」 山崎二等陸曹が叫ぶと同時に、鬼神のごとき形相で突進してきたれいむに俺はたじろいだ。 「っ!?」 [ゆゆっ!?] 辛うじて槍を斜に構えて体当たりを受け流したものの、その余りの迫力に呼吸が荒くなる。 汗や唾液で槍が滑らないように注意しながら穂先を突きつけて牽制しながら距離を取ろうとした。 「よ゛ぐも゛れ゛い゛む゛のあがぢゃんおおおおおおおおおお!!!」 だがそんなもの意にも介さずにれいむはこちらに向かって突進してくる。 このままこちらも突撃で応じるか一瞬迷うが もしこちらの突きを避けられた時あの勢いの体当たりをどうにかできるか不安だったので 再び槍でいなしてから間合いを取った。 「よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛ぉ゛…!れ゛い゛む゛だぢばがぞぐでゆっぐりぢでだだげだどにぃ…!」 お前等が近くに居るだけで人間は恐ろしくて仕方が無いんだと心中で呻く。 「糞っ、隙が無い…!」 [もっとゆっくりしてね!] 「お゛ばえのぜいでゆ゛っぐぢでぎだぐなっだんだあああああああああ!!!」 意図せずして発動したゆっくり語変換機能がれいむの神経を逆撫でてしまった。 俺は舌打ちしつつ槍を咥えたまま横っ飛びに飛んでれいむの突進を避けようとした。 「う゛があああああああああああああああああ!!」 が、予想以上の速さで突っ込んできたれいむに、槍の穂を横から噛み付かれてしまう。 「しまった!」 [ゆぅ~!?] 俺は振りほどこうと頭を振ったが、れいむはガッシリと槍を咥えて離さない。 お互い槍を奪い取ろうと喰い縛り、力が拮抗しあってお互いに動けなくなった。 「くっ…」 俺は冷や汗を垂らしながら呻いた。 今は持ちこたえているが、さっきまでの戦いで向うの方が腕力が上なのは散々見せ付けられた。 このまま膠着状態を続けていればいずれ槍を奪われる。 そうなれば勝ち目は無い。 『坊主!大丈夫か!?』 トレーラーの山崎二等陸曹から通信が入る。 「すいません…厳しいです…!」 俺は情け無いことこの上ない気持ちで弱音を吐いた。 『仕方ねえな、なんとか援護するから切り抜けろ! 1、2の3でいくからタイミング合わせろ』 「…?了解しました」 俺はゆっくりに対抗できるような強力な装備があのトレーラーに積んであったかと疑問に思い首を傾げた。 ゆっくり以外の対ゆっくり兵器はそうポンポン使えるような兵器ではないのだが。 『1!』 そうこうしている内にもカウントダウンは進んでいく。 俺はそれまでなんとか持ちこたえようと歯を食いしばり目の前のれいむを睨みつける。 『2の!』 ひょっとして休眠剤でも積んでいたのかと思い当たり心中で合点する。 滅多に無いことだが作戦中にSbaの休眠剤が切れてしまう場合に備えている可能性も無くは無い。 それなら一応納得がいく。 『3!』 と思った瞬間トレーラーがゆっくりれいむの横っ腹に突っ込んだ。 トレーラーのコックピットがれいむの体にめり込んで、目の前のれいむの顔がひしゃげた。 いくら軍用とはいえ、トレーラーの体当たり程度でゆっくりが傷を負う事はまず無い。 衝撃は完全に饅頭側と餡子の弾力に吸収されてしまう。 が、それでも槍を咥えていた口の力を少し緩ませるには充分だった。 少し面食らったが兎にも角にもれいむから槍を奪い返した。 がっしりとくわえていた口からちゅぽんと音を立てて槍が抜ける。 そのままこちらに槍を引き込み、糸を引いていた唾を引きちぎる。 「マジかよ…」 目の前の事態に頭が時間差で追いついてきてやっと呻きながら 俺は未だトレーラーを頬に減り込ませながら驚愕の表情を浮かべるれいむの額に槍を突き刺した。 「も゛っど…ゆ゛っぐりぢだが…だ…」 か細い断末魔をあげるれいむから槍を引き抜くと、頭から滝の様に餡子を噴出しながらその勢いでれいむは後ろに倒れこんだ。 大地が揺れ、あたりに落ちているコンクリート片が震えた。 「任務…完了か」 ぐるりと周りを見回して、もうゆっくりが居ないことを今度こそ確認して 緊張を解いた俺は溜息を吐いた。 『危なかったな坊主!』 「ええ、お互いに」 元気そうな山崎二等陸曹の声に俺はよくトレーラーで突っ込んでピンピンしてるなと呆れながら返した。 『まあルーキーにしては上出来だ! とりあえず後始末は他の奴等に任せて帰って酒でも飲もうや! どうせ饅頭乗りは一度出撃したらリフレッシュやらなんやらで当分出撃できないんだしよぉ 徹夜だ徹夜!朝まで呑め!三日くらい二日酔いで頭ガンガンなるまで呑むぞ!』 山崎二等陸曹の語気の強さに 比喩じゃなく本当にそれくらい飲まされそうな気配がしたので俺は適当に言い訳を考えて断ることにした。 「あー、その、これから飲み会の準備するのも大変なのでまた今度に…」 『大丈夫だ、整備士の方の坊主に店の準備やら何やらやらせといたから』 渡邊め。 心中で毒づきながら、くたびれ切った体で俺はトレーラーに乗り込んだ。 ―――――――――――――――――――― 次回予告 山崎は大戦時の戦友にして合衆国軍の英雄ブライアンの来訪に沸き立つ。 だが、変わり果てたブライアンの姿に俺はゆっくり乗りの闇を見ることになった。 次回 緩動戦士まりさ 『英雄の末路』 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2150.html
30年前、人類は突如として現れた謎の生物『ゆっくり』の脅威に晒された。 全長2m~4m、幅3m~6mのその巨大な侵略者は本当に振って湧いたかのように突然人間の住んでいた領域に現れた。 発生源は不明、餅のように柔らかい球体に顔を貼り付けたようなそれはさながら巨大な生首だった。 その肉体を形作っているのは、小麦粉を練った皮の中に餡子がたっぷりとつまった物 そう、驚くべきことに彼等は饅頭だった。 その現代科学をあざ笑うかのような無軌道摩訶不思議ぶりは 何人もの有望な研究者を狂わせ自殺させるという痛ましい事件を呼び起こした。 しかもただの饅頭ではない。 その表皮に拳銃などの通常兵器は通じずロケットランチャークラスの兵器を用いてやっと体に傷がつく。 最新の戦車でさえ一対一では場合によっては遅れを取る。 生身の人間には太刀打ちできる相手ではない。 そしてその強靭さ以上に驚くべきことに、ゆっくりは人の言葉を用いた。 「ゆっくりしていってね!」 それが初めてゆっくりと出逢った男がゆっくりから聞いた言葉だった。 このことから、その巨大な怪生物は以後『ゆっくり』と総称されるようになる。 なのでゆっくりとの対話による和解も試みられたが その天敵を持たない強さからその性分は他の種族に対して傲慢極まりなく そもそもゆっくりは小さな家族的集団しか作らないためいくら対話してもキリが無く大抵の場合破綻した。 そのことを人間がこれまでやってきたことのしっぺ返しと揶揄する識者も居たが やがて自分にも脅威の及ぶ頃になると彼等も他の大勢と同じように自分を棚に上げてゆっくりを口汚く罵った。 傲慢な者同士の対話などうまく行くわけは無かったのかもしれない。 いくら強力なミサイルを使って辺り一帯ごと焼き尽くしても、その場所にまた別の場所からゆっくりが移り住んで 人類は逆に自分たちが住める土地を失っていった。 そうして至る所に突如発生しだすゆっくりにより人類は次々と生活圏を追われ 人類は辛うじて自衛を可能とする力を持っていた都市部へと追いやられた。 多くの人がこのまま人類は地上の覇権をゆっくりに譲り渡し、細々と生きて行くしかないかと思われた。 だが、ある天才の発明により人類に逆転のための炎が燈る。 ゆっくりを研究していたとある女性研究者の手により ゆっくりを長期に渡って完全な休眠、仮死状態にする薬品 ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』が発明されたのだ。 世界中が都市部内の工場を『ヤゴコロス』を製作するために作り変えた。 これを一帯に散布することによりゆっくりをほぼ完全に無力化することに成功する。 そして人類は再び地上の覇権を取り戻した。 だが、問題は山積みだった。 『ヤゴコロス』は非常にコストが高く、また定期的に投与しないと休眠状態を維持できない。 また不可解なことにゆっくりはそれまで居なかったところ、制圧したはずの場所からも突如発生し続けた。 人間は一時的に地上の覇権を取り戻したもののその覇権を守るための刃を必要としていた。 鉄の臭いがする。 鉄の臭いは好きだった。 普段かいでいる甘ったるい臭いと全く逆なところが特に気に入っている。 俺はポケットやら何やらが色々ついたダークグリーンの服を脱ぐと 専用のスーツに着替えていった。 体にピッタリと密着するそのスーツは、一言で言うと所々に堅いパーツのついたスウェットスーツだ。 色はグレーの地に所々暗めの青、専用にあつらえているため俺の体に完全にフィットした。 俺は背中のチャックをあげると扉を開けてヘルメットを片手に抱え歩き出した。 通路を歩き格納庫へと入ると、整備士たちが駆け回る慌しい喧騒を無視して 迷うことなくまっすぐに自分の機体の元へと向かう。 甘い臭いが鼻腔をくすぐった。 機体の前に立って見上げる。 機体のハッチは高さ3mのそのボディの一番上にある。 毎回乗り降りが大変なのだが、構造上そう設計せざるを得ないので仕方ない。 最初の頃は登るたびに一々文句も言ったものだが今では黙して淡々と梯子を登りハッチを目指す。 手動で黒い扉を開けると、立てひざをついて機体の頭頂部に設置されているロックを解除した。 そして重々しいハッチを開けて俺は機体の中に乗り込んだ。 ボスンとパイロットシートの上に背中を預ける。 ずっと思っていたのだが、この中では甘い臭いはしないのは少々奇妙なものを感じる。 中にはコードで繋がれたリングが何個もある。 その形状から拘束具などと揶揄されるソレはコレを操縦するための要だ。 実を言うと、このスーツのシンプルな構造といくつかのパーツもそのための物だ。 俺は手首や足首にあるパーツに次々とそのリングを接続した。 全てのリングを接続したのを確認して、俺は脇に置いておいたヘルメットを被った。 そしてヘルメットに備え付けられている通信システムを起動させると言った。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 『了解、Bjh開始してください』 形式的な文言を言い終わると俺は目を瞑り力を抜いていった。 ゆっくりと溜め込んでいた息を吐いていき、鼻から吸った。 格納庫の甘い臭いが鼻腔をくすぐる。 「嗅覚…同期」 体の力が限界まで抜けきった時、俺の体を外の熱気が撫でた。 「感覚、同期」 順調に行程が進んでいくことに満足して唾を呑む。 甘い味がした。 「味覚、同期」 耳を澄ましていくと格納庫の喧騒が聞こえてくる。 「聴覚、同期」 俺は通信を入れた。 「同期完了、視覚データの転送を」 『了解、視覚データ転送します』 ゆっくりと目を開くと、ヘルメット全体にさっきまで見ていた格納庫の映像が映し出された。 たださっきと違う点を上げるならば、少々目線が高いことだろうか。 さっきは見上げるようだった整備士の中年の大男も今では遥か下に見下ろしている。 俺は進路に障害物の無いことを確認すると言った。 「ジャック完了」 『Bjh完了を確認、ハッチを開放します』 「了解、ゆっくりまりさ、出ます!」 俺は不敵な笑みを浮かべると、ぼいんぼいんと跳ねながら格納庫から発進した。 人類は、ゆっくりに対抗するための刃を欲した。 しかしこれまで人類が作り上げてきた力はゆっくり相手には余りに脆弱すぎるものと 強力すぎて周りまで傷つけてしまうものばかりで帯に短し襷に長しといった有様だった。 だが人類はゆっくりを相手にするのにもっともふさわしい力を手に入れたのだ。 そう、ゆっくりそのものである。 しかしゆっくりはそのまま使うには手に余った。 だからゆっくりの中身を改造して、その脳を侵略してゆっくりに手綱をつけて使役することにしたのだ。 それをゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』は可能にした 『ヤゴコロス』を使い休眠状態にしておいたゆっくりをゆっくりの内部に入力デバイスを埋め込む。 そして薬品の量を減らしてゆっくりを半休眠状態にする。 ここからがさっきやった『ジャック』『Bjh』と呼ばれるものだ。 『Bjh』とはBean jam hijackの頭文字からとったもので、要するにゆっくりの餡子をのっとるということだ。 入力デバイス内に人間が乗り込み、自分の感覚を通して半休眠状態のゆっくりの脳を侵略し支配権を奪っていく。 完全に支配権を奪ったところで、今度はゆっくりを半覚醒状態にして五感をのっとられたゆっくりを動けるようにする。 後は操縦者の思うがままに、その手足となってゆっくりは動かせる。 とは言っても所詮操り人形を操るようなもので、完全に自由自在というわけには行かない。 だがそれでも訓練次第でかなり自由に動かせるようにはなる。 スウェットスーツのようなパイロットスーツもゆっくりとの感覚を共有しやすくするための ゆっくりと人間の間にある変換機のような役割を担っている。 人類はこの人の手で動くゆっくりを饅頭兵器、すなわちSteamed bun armsの頭文字をとって Sba、もしくはSb兵器と呼んだ。 そしてそれに乗る人間のことをSb乗り または餡子を乗っ取る人という意味でBean jam hijackerを略してBean jackerと呼んだ。 まあ年を取った人は見も蓋も無く饅頭乗りと呼んだりもする。 これの副次的効果として半休眠状態をデフォルトとすることで『ヤゴコロス』の使用量を減らすことも出来た。 こうして人類はゆっくりと戦うのにふさわしい刃を手に入れ、本格的な反撃を開始した。 そうしてゆっくり駆逐戦、後に第一次ゆっくり大戦と呼ばれる戦いは開始し 15年ほど前に以前人間が生活していた地域を殆ど人の手に取り戻して大戦は終焉した。 大戦を人の手に導いたのはやはり人の操縦するゆっくりを主力にした特殊部隊だった。 ゆっくりが現れ始めてから30年、ゆっくりに人が打ち勝ってから15年 俺は母国の軍隊に、ゆっくりのパイロットとして入隊していた。 ゆっくりとの戦争があった時は俺はまだ小さな子どもでその頃のことは良く覚えていない。 軍隊に入ったのも別に何か特別な理由があったわけではない。 偶然受けた適性検査に受かってそのまま入っただけだ。 そんな軽い気持ちで何故俺が軍隊生活を続けられているのか。 「敵機を視認、これより戦闘を開始します」 『了解、戦闘を開始してください』 俺は足を弾ませ目の前のゆっくりに対して直進した。 予想外に早いこちらのアプローチに驚いたのか、目の前のまりさは驚愕の表情を浮かべている。 そのまりさがやっと対処をしようと動きだした時にはもう大勢は決していた。 俺はまりさの眼前に大きくジャンプし、その勢いで真上に跳んだ。 体一つ分ほど俺の体が宙を舞う。 俺は相手のゆっくりまりさの帽子にとび蹴り ゆっくりの感覚的には底部の端に力を入れてすこし伸ばしてする体当たりが蹴りなのだが それをしてまりさの帽子を叩き落し、まりさの頭の上に乗っかった。 ゆっくり同士の戦いにおいて、これだけでほぼ勝敗は決する。 後は上から数度ジャンプして踏み潰してやればツブレ饅頭の出来上がりだ。 「ど、どおぢでぞんなにゆっぐりぢでないのおおおおおお!?」 悲鳴を上げるまりさに対して俺は言った。 「あんたが遅すぎるのさ」 [まりさがゆっくりしすぎてるんだよ!!] 俺の言葉が俺の操縦するゆっくりまりさを通して、ゆっくり言葉で喋られた。 操縦者が外に向けて言った言葉は、このようにゆっくりの言葉に変換されてゆっくりによって喋られる。 『そこまで、訓練を終了してください』 俺は相手のまりさの頭から降りて、格納庫へと戻るために跳ねていった。 「同期…解除」 手のひらを握ったり広げたりしながら自分の感覚が自分の手をちゃんと動かしていることを確認してから もう外の景色を映していないヘルメットを外し息を吐いた。 面倒な行程だが、これをしておかないとうっかりゆっくりと同期したままヘルメットを外したりしようとして 妙な事故を招いてしまうこともある。 俺もド素人の頃に一度やって格納庫の備品を壊して始末書を書かされた。 さて、さっき言いかけたそれほど目的意識の無い俺が軍隊でやっていけているのかというと つまるところ、それなりに才能があったからだ。 ただしゆっくりの操縦に関してだけで他は平均かそれ以下といったところだが それでもゆっくりの操縦を出来る人間は少ないので重宝される。 人類は地上の覇権を取り戻したものの、まだ自然発生するゆっくりはなくならない。 また、ゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』で休眠させているゆっくりを駆除するにもそれが出来る兵器は金がかかる。 かといってそのままにしておいてもゆっくり休眠剤『ヤゴコロス』を定期的に散布せねばならず金がかかる。 なので戦争が終わってから十五年経った今でもSb乗りは引っ張りダコだ。 それから数日後、俺に辞令が下った。 「転属…ですか?」 俺は上官に尋ねた。 「ああ、書類に目を通してから荷物をまとめておいてくれ」 それだけ言って書類を俺に渡すと上官は全て済んだというように立ち去っていった。 俺は面倒だななどと考えながら頭を掻いて書類に目を通した。 転属先は南の方にある大戦前からある古い基地だ。 元々は合衆国の基地だったが、大戦時の混乱によりいつの間にかわが国が実質的に管理運営している。 どこも自分の国のゆっくりに手一杯で、他の国までどうこうしようという余力は無い。 なので合衆国もその基地にこだわらずに放置してしまっているのだろう。 転属は一週間後 それまでにそれほど多くは無い荷物をまとめなくてはならず整理整頓の苦手な俺は溜息をついた。 転属の何が嫌かといえばやはり人間関係の再構築だろう。 特に、ゆっくり操縦士は重用されている割に若者が多い。 ゆっくりと同期するという行為が自我の確立した熟年よりも 若くて自我のやわらかい人間の方がやりやすいからと言われているが科学的に証明はされていない。 まあそんな訳で一般の、特に中年くらいの兵隊からの風当たりは強かったりするのだ。 ここでも大分苦労してやっと操縦士以外の何人かと馴染んできたところだったので 正直に言うと転属はしんどい。 が、そのことで上に文句を言えるほどの立場も俺には無い。 なのでそれなりの覚悟をして、かなり肩肘張りながらこの基地にやってきた。 軽く挨拶だけ済まして特に打ち解けようとすることも無くふらふらと格納庫の方へやってきた。 これから俺の乗る機体も見ておきたいという、別にそれだけの理由だ。 「俺タクヤってんだ!渡邊タクヤ タクヤでいいぜ?オマエ歳いくつ?タメ? まあどうでもいいや、あんま歳かわんなそーだし敬語とか無しな? ゆっくりの整備士やってるんで多分オマエの担当になんじゃないかなと思うわけ なんていうかビビっと運命って奴? ってか今専属無い奴俺だけだしさーってことでヨロシクゥ☆」 捲くし立てながらぽんぽんと肩を叩いたりと 異常なまでに馴れ馴れしいその整備士の態度に俺は正直、「なんだこいつ」と思いながら眉を潜めた。 「あー、その 俺の機体見に来たんだけど…」 俺はマシンガンのごとく繰り出されるその整備士の言葉の縫い目を見つけて控えめに目的を伝えた。 「あーはいはいはい命を預ける愛機のことを一刻も早く知りたいって訳ねオーケーオーケー 多分あのまりさじゃないかな、他に空いてるのは無いし」 そういってそいつは斜め後ろに陣取っているゆっくりまりさを指差した。 俺はその整備士を置いて、そのゆっくりまりさに歩み寄った。 肌の艶から見て整備はきちんとされているようだ。 手で触った弾力から考えても生育は良好 そう悪くない いや、むしろ何故こんないい仕上がりのものがエンプティになっていたのか疑問に思うくらいの機体だ。 「よろしく頼むぜ、相棒」 俺は何の気なしにそんなことを呟いた。 「おっけー!任せてけって!」 オマエじゃない。 そんな感じで、鬱陶しいのが一人懐いてきたものの 俺は引越し後で忙しいというのを理由に訓練時以外は殆ど同僚達とは接触しなかった。 接触すれば波風が立つだろう。 まず新人としての注目が薄れてからじっくり馴染んでいくのがいい。 特にこの基地は高齢の隊員が多いようなので慎重に行こう。 そう思って周りに反感を抱かれない程度に意識して避けていた。 意図してやっているとはいえ宙ぶらりんの居心地の悪い状態の続いていた日のこと。 遂に俺にこの基地に転属されて初めてのスクランブルがかかった。 「坊主!仕事だ!郊外に野生のゆっくりが出やがった!」 ヒゲ面の上官、山崎源五郎二等陸曹の言葉を聴きながら 既に専用のパイロットスーツに着替えていた俺は格納庫へ向かっていた。 山崎源五郎二等陸曹は定年間近の大分年を食った男で いかにもな傷だらけの浅黒い肌と筋肉 そして体毛と酒臭さを供えた男臭い男をそのまま体現したような男だ。 他と同じようにこの人のこともなるべく避け様と思っているのだが 小ざかしい俺の意図など意にも介さずに向かってきてやたらと呑みに誘ってくる人だった。 俺のことは名前ではなく坊主と呼ぶ。 二十歳過ぎて坊主と呼ばれるのは勘弁して欲しいのだが 上官だし顔を見合わせるとどうにもその男臭さに気圧されて指摘出来ずに居た。 「数は何匹ですか?」 「確認されたのは二匹だ、まあそこらに隠れてるかもしれんが こっちで出せるのはオマエだけだ 後は出払ってるか帰ってきたばかりで休養中ってとこだ いけるな?」 「はい、問題ありません 俺一人で充分です」 「言ったな坊主 よし、トレーラーに積むからとっとと糞饅頭に乗って来い!」 「了解しました」 走りはしないが早足にゆっくりの方へと向かう。 ゆっくりの後ろに立つと、その金色の髪の間から垂れている縄梯子を掴んで上っていった。 前はアルミ製だったので最初は面食らったがこの縄梯子にも既に慣れて上るのに5秒とかからない。 黒い帽子についた扉を開けてハッチを開きコックピットへ滑り込む。 すぐに感覚共有用のデバイスに接続してヘルメットを被り呟いた。 「スタンバイ完了、これよりジャックを開始する」 目を瞑り体の力を抜いて鼻から息を吸う。 「嗅覚…同期、触覚、同期 味覚同期、聴覚同期」 感覚を共有させていく順番は人それぞれで、俺は嗅覚から同期させていくのが癖になっていた。 余談だが嗅覚から行く人は結構珍しいらしい。 それにしても、こちらに来てからの訓練で分かってはいたがこのまりさとはこれまでになく同期がスムーズに行った。 どうにも俺とこのまりさは相性がいいらしかった。 「早く視覚データを、ハッチも開けて下さい」 『了解しました、これより視覚データを転送します』 すぐに視覚データがヘルメットに転送され格納庫の映像を映し出した。 それと同時に格納庫のハッチも轟音を立てながら開かれる。 「ジャック完了、ゆっくりまりさ、出ます!」 [ゆっくりいくよ!] 俺はまりさから感覚を奪い去り、外へと飛び出した。 巨大になった体が否応無く巨大な力を手に入れたのだということを感じさせる。 俺は専用の、だが旧式の大型トレーラーに乗り込むと目を瞑り神経を集中した。 『坊主!どうだ、緊張してるか?』 山崎二等陸曹からの通信が入ってきた。 「いえ、実戦は初めてでは無いので大丈夫です」 野生のゆっくり二匹、実戦では一匹しか相手にしたことは無いが 訓練では3対1で勝った事もある、なんら問題ないはずだ。 それでも神経が昂ぶって仕方が無い。 それを見透かされたのか、と思うと心が読まれているようでどうにも座りが悪かった。 「嘘付け!オマエのゆっくりを見りゃ誰だって緊張してるのがわかるぜ!」 なるほど、そういうことかと俺は頷くと同時に まりさとの相性が良すぎるのも考え物だと思った。 以前はそこまでダイレクトに心情がゆっくりに表れてしまうほど細かい機微を再現するようなことはなかったのだが。 それとも単にこの山崎二等陸曹が図抜けて鋭いだけなんだろうか。 そうこうしているうちに、俺を乗せた旧式の大型トレーラーは郊外のゆっくりの発生した地点に到着した。 場所は郊外のさらに外れの広さだけはある寂れた場所。 近くにはクヌギなんかが群生した小さな林もあった。 所々に見える古いコンクリートの欠片や床から上の無い民家の跡から考えて ここも昔はそれなりに栄えていたのかもしれない。 だが30年前に人類が都市部に追いやられた際に家や建物はゆっくりに踏み潰され こんな風に人気の少ないだだっ広い場所がたくさん生まれた。 その殆どは未だに復興しておらず、そんな中ではここはまだ盛り返している方だった。 民家は半径1kmに三軒ほどで通報者含めて避難は完了済み。 多少暴れて周りに被害が出ても問題ない、保険がおりるはずだ。 政府は人口がパンクしかけて問題が山のように出てきた都市部から離れて こういう土地を再び栄えさせようとする人間には寛大なのだ。 『いました!ゆっくりです!』 『種類は?つがいか?』 『それぞれまりさ型とれいむ型です! 恐らくつがいなんじゃないでしょうか?』 『だそうだ坊主』 「了解しました、直ちに駆除を開始します」 俺は跳ねると頭を打つので這いながら大型トレーラーから降りると野良ゆっくりに対して向き合った。 俺のことを見つけたゆっくりれいむとまりさは、こちらを見てこう言った。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 初めて人類に接触したゆっくりが最初に言ったというあの言葉だ。 俺は息を軽く吸うと、腹の底から思いっきり言ってやった。 「あいにくと、この地球上にお前等の安穏の地は無い お前等はここで排除する!」 [ゆっへっへここは俺のゆっくりぷれいすなんだぜ!ゆっくりでていくんだぜ!] 「どおぢでぞんなごどいうのおおおおおおおおおお!?」 「れいむだぢゆっぐりぢでだだげなのにいいいいい!!」 せっかく気張って言ったのに変換後の会話の間抜けさにガックリと肩を落とす。 『坊主!そいつ乗ったまま啖呵は切らないほうがいいぞ 情け無いことになるからよ』 「今痛感してます」 俺は半眼で呻いた。 本当にいらんことを言ったと後悔する。 無駄なことをしたと嘆息しながら 気を取り直して標的のゆっくり二匹を見る。 大きさは、高さ3m横幅5m程と実に平均的で種類もれいむ種とまりさ種の組み合わせという 最もオーソドックスで普遍的な物だった。 これといって見るべきところも恐れるようなところも見当たらない。 ならば二対一でも問題ないだろう。 野生のゆっくりに対して何故数の上で不利にも関わらず俺が余裕を持っているのか。 それは訓練をしているというのもあるが、それは数の不利を完全に覆せるほどではない。 むしろ人間の扱うゆっくりはどうしても人の意思を伝達するためにわずかばかりの遅れが生じるため身体的能力においては劣る。 それでも人間の扱うゆっくりは野性のものに対して優位に立てるのだ。 それは人類が高いとはいいがたい身体的能力で他の強大な力を持つ生物に対して優位に立てた理由と同じことだった。 「ぷんぷん!れいむたちのゆっくりぷれいすなのにきゅうにでてけなんてぜんぜんゆっくりしてないよ!」 「ゆー!だいたいそのぼうしからしてゆっくりしてないよ!」 確かにこのまりさの言うとおりゆっくりから見ればこのとんがり帽子は珍妙なのだろう。 鍔は曲がっているし先の部分も普通のゆっくりからみれば尖り過ぎている。 まあそれは構造上仕方ないことだ。 「アウェイクン」 ゆっくりに備え付けられている一部の装備は意識しながら音声入力をすることで操作可能だ。 手を動かそうとするとゆっくりの方が動いてしまうので通常のボタンなどによる入力方法は使いづらく 苦肉の策でこういった入力方式をとらざるを得ないらしい。 音声は一応個々人で変更可能だが俺は面倒なのでデフォルトのままにしてある。 俺が指示すると、頭にコツンと棒が当たる感触と共に頭上の黒いとんがり帽子が真上に飛び上がった。 ぽかんと口を開けるまりさを他所に俺は体を捻って、ゆっくりと落ちてくるとんがり帽子の、その中から伸びる棒に食い付いた。 そしてとんがり帽子の先をまりさに向けて構えると、そのまま一直線に突撃する。 一瞬後には自分の腹に深々と突き刺さった帽子を愕然とした表情で見下ろすまりさがいた。 「ど、どおぢでぼう゛じがざざっだりずるのおおおおお…!?」 何故野生のゆっくりに対して人間の扱うゆっくりが有利であるのか 要は武器を持っているということだ。 ゆっくりまりさの帽子を加工・コーティングして作り上げた硬化饅頭皮製帽子型突撃槍。 帽子に支柱が通してありこちらの指令に応じて伸縮させて口に咥えて振り回せるゆっくりまりさの主要武器だ。 ゆっくりの研究を進めていく過程で副次的に発見されたこの武器に用いられている新素材は非常に堅く その上比較的軽いため発見当初は技術革新だのなんだのと持て囃された。 だがさらに研究を進めていくにつれて、すぐに劣化する、温度変化に弱い、加工するのが難しい 安定供給するためにはゆっくりの養殖が不可欠、そもそもコストがかかる 生産・加工にもゆっくりの飾りそのままの形を保たないと時間がかかるetcetc 山のような問題点が発見された。 結局いまだにこのかつての新素材を用いているのは対ゆっくり用の武器くらいだ。 それも使いこなせるのは同じゆっくり位なのだ。 この槍だってゆっくりの体重と力で振り回すから対ゆっくり用の武器足りえているが 他のものにとっては雨宿りくらいにしか使えない。 散々扱き下ろしてきたがそれでも対ゆっくり戦においてだけは有用なことは確かだった。 「げふっ、ごぱぁ」 まりさは内部から槍で圧迫され口から餡子を吐いた。 驚愕の表情は既に失せ、土気色の顔で焦点の合わない虚ろな瞳で視線を空に漂わせていた。 「ま゛り゛ざのあんごがあああああ!?」 れいむは伴侶の身に起こった突然の凶事に目を見開き悲鳴をあげた。 後腐れ無くこのままれいむの方も突き殺してしまおうと槍を引き抜いた。 直径一メートルはあろうかという巨大な傷穴から大量の餡子が零れ落ちた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ!!!!」 れいむがまりさの傷口に駆け寄り、舌を使って必死に餡子をまりさの体の中にに押し戻そうとした。 しかしいくら舌を器用に動かしても舌の上を流れて餡子は地面に零れて行く。 傷穴に押し戻されたわずかな餡子も未だ止まることの無い餡子の濁流に押し返され体から抜け出していった。 「ま゛り゛っ、ま゛り゛ざああああ!!い゛や゛あああああ!!」 「おどどざあああああああああん!!」 未だ餡子に濡れる槍を構え直し、再び突撃しようと腰を深くした時 近くの森から体長1mほどの小さなゆっくりが現れまりさに駆け寄った。 「!?きちゃだめえええええええええ!!」 俺はその小さなゆっくりごとれいむを貫こうと飛び出した。 『まずい坊主!子持ちだ!小さいのは後にまわせ!』 通信が入ったがもう遅い、既に俺の槍は子れいむの体を貫く いや押しつぶしていた。 『畜生!!やっちまった!!』 山崎二等陸曹は何故か悪態をついた。 そんなに俺の腕が信用できないのだろうかと思って不快感に眉を潜める。 確かに大きい方のれいむは仕留め損なったが別に大きなミスではない。 このれいむをとっとと駆除してしまえばそんな態度を改めさせることも出来るだろうと俺は再び槍を構えた。 「れ゛い゛む゛のあがぢゃんがあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! うがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 「な!?」 [ゆ!?] 今まで一度も聞いたことの無い大地を揺るがすかと思うほどのれいむの雄たけびに俺は立ち竦んだ。 槍を持つ手、いや舌と唇が震えた。 『気をつけろ!もういままで倒してきたゆっくりと同じと思うな!!』 山崎二等陸曹が耳が痛くなるほどでかい声で俺に助言を送った。 「い、一体どういう…」 よく意味がわからずに俺は戸惑いながら聞き返した。 『母は強しだ!!』 「じねえええええええええええええええええ!!!」 山崎二等陸曹が叫ぶと同時に、鬼神のごとき形相で突進してきたれいむに俺はたじろいだ。 「っ!?」 [ゆゆっ!?] 辛うじて槍を斜に構えて体当たりを受け流したものの、その余りの迫力に呼吸が荒くなる。 汗や唾液で槍が滑らないように注意しながら穂先を突きつけて牽制しながら距離を取ろうとした。 「よ゛ぐも゛れ゛い゛む゛のあがぢゃんおおおおおおおおおお!!!」 だがそんなもの意にも介さずにれいむはこちらに向かって突進してくる。 このままこちらも突撃で応じるか一瞬迷うが もしこちらの突きを避けられた時あの勢いの体当たりをどうにかできるか不安だったので 再び槍でいなしてから間合いを取った。 「よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛よ゛ぐも゛ぉ゛…!れ゛い゛む゛だぢばがぞぐでゆっぐりぢでだだげだどにぃ…!」 お前等が近くに居るだけで人間は恐ろしくて仕方が無いんだと心中で呻く。 「糞っ、隙が無い…!」 [もっとゆっくりしてね!] 「お゛ばえのぜいでゆ゛っぐぢでぎだぐなっだんだあああああああああ!!!」 意図せずして発動したゆっくり語変換機能がれいむの神経を逆撫でてしまった。 俺は舌打ちしつつ槍を咥えたまま横っ飛びに飛んでれいむの突進を避けようとした。 「う゛があああああああああああああああああ!!」 が、予想以上の速さで突っ込んできたれいむに、槍の穂を横から噛み付かれてしまう。 「しまった!」 [ゆぅ~!?] 俺は振りほどこうと頭を振ったが、れいむはガッシリと槍を咥えて離さない。 お互い槍を奪い取ろうと喰い縛り、力が拮抗しあってお互いに動けなくなった。 「くっ…」 俺は冷や汗を垂らしながら呻いた。 今は持ちこたえているが、さっきまでの戦いで向うの方が腕力が上なのは散々見せ付けられた。 このまま膠着状態を続けていればいずれ槍を奪われる。 そうなれば勝ち目は無い。 『坊主!大丈夫か!?』 トレーラーの山崎二等陸曹から通信が入る。 「すいません…厳しいです…!」 俺は情け無いことこの上ない気持ちで弱音を吐いた。 『仕方ねえな、なんとか援護するから切り抜けろ! 1、2の3でいくからタイミング合わせろ』 「…?了解しました」 俺はゆっくりに対抗できるような強力な装備があのトレーラーに積んであったかと疑問に思い首を傾げた。 ゆっくり以外の対ゆっくり兵器はそうポンポン使えるような兵器ではないのだが。 『1!』 そうこうしている内にもカウントダウンは進んでいく。 俺はそれまでなんとか持ちこたえようと歯を食いしばり目の前のれいむを睨みつける。 『2の!』 ひょっとして休眠剤でも積んでいたのかと思い当たり心中で合点する。 滅多に無いことだが作戦中にSbaの休眠剤が切れてしまう場合に備えている可能性も無くは無い。 それなら一応納得がいく。 『3!』 と思った瞬間トレーラーがゆっくりれいむの横っ腹に突っ込んだ。 トレーラーのコックピットがれいむの体にめり込んで、目の前のれいむの顔がひしゃげた。 いくら軍用とはいえ、トレーラーの体当たり程度でゆっくりが傷を負う事はまず無い。 衝撃は完全に饅頭側と餡子の弾力に吸収されてしまう。 が、それでも槍を咥えていた口の力を少し緩ませるには充分だった。 少し面食らったが兎にも角にもれいむから槍を奪い返した。 がっしりとくわえていた口からちゅぽんと音を立てて槍が抜ける。 そのままこちらに槍を引き込み、糸を引いていた唾を引きちぎる。 「マジかよ…」 目の前の事態に頭が時間差で追いついてきてやっと呻きながら 俺は未だトレーラーを頬に減り込ませながら驚愕の表情を浮かべるれいむの額に槍を突き刺した。 「も゛っど…ゆ゛っぐりぢだが…だ…」 か細い断末魔をあげるれいむから槍を引き抜くと、頭から滝の様に餡子を噴出しながらその勢いでれいむは後ろに倒れこんだ。 大地が揺れ、あたりに落ちているコンクリート片が震えた。 「任務…完了か」 ぐるりと周りを見回して、もうゆっくりが居ないことを今度こそ確認して 緊張を解いた俺は溜息を吐いた。 『危なかったな坊主!』 「ええ、お互いに」 元気そうな山崎二等陸曹の声に俺はよくトレーラーで突っ込んでピンピンしてるなと呆れながら返した。 『まあルーキーにしては上出来だ! とりあえず後始末は他の奴等に任せて帰って酒でも飲もうや! どうせ饅頭乗りは一度出撃したらリフレッシュやらなんやらで当分出撃できないんだしよぉ 徹夜だ徹夜!朝まで呑め!三日くらい二日酔いで頭ガンガンなるまで呑むぞ!』 山崎二等陸曹の語気の強さに 比喩じゃなく本当にそれくらい飲まされそうな気配がしたので俺は適当に言い訳を考えて断ることにした。 「あー、その、これから飲み会の準備するのも大変なのでまた今度に…」 『大丈夫だ、整備士の方の坊主に店の準備やら何やらやらせといたから』 渡邊め。 心中で毒づきながら、くたびれ切った体で俺はトレーラーに乗り込んだ。 ―――――――――――――――――――― 次回予告 山崎は大戦時の戦友にして合衆国軍の英雄ブライアンの来訪に沸き立つ。 だが、変わり果てたブライアンの姿に俺はゆっくり乗りの闇を見ることになった。 次回 緩動戦士まりさ 『英雄の末路』 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/siranai/pages/486.html
【スレ31】陸上自衛官 このページのタグ:ファッション 警察・自衛隊・軍事 521 :陸自の中の人:2008/01/03(木) 01 22 50 ID q0bipaK8 お久しぶりです。 ちょっくら自衛官の服とか靴の話題などを。 と言っても私服ネタは個人の問題ですので、演習時のインナーとかのお話。 1 演習・訓練時の服 夏は暑く、冬は寒いと言う天然エアコンの効いてる中で訓練する我々ですが、その暑さ/寒さに耐えるために使っているものがあります。 (1) 暑い時 自衛隊の売店で販売している迷彩シャツ(メッシュ・ポリエステル地) ミズノやらナイキやらで売ってる、スポーツ用サラサラのものと同等品で、ただ単にOD/迷彩色になっているものです。 汗っかきの人はこれじゃないと汗が引かずえらい事になります。 (2) 寒い時 官品で防寒シャツ・ズボン等インナー着用の服が配給されてはいるのですが、セーターのような素材で静電気が溜まりやすいわ、 破ってしまったら補給陸曹に大目玉を食らうわで人気がありません。 ということで、大多数の人がユニクロとかで売っているシャツ・パンツ等を愛用しています。なんたって安いし暖かいし。 そんなこともあり、駐屯地周辺のユニクロでは、オリーブ色のシャツは妙なまでに品切れになりやすくなります。 ちなみに自分が『このオリーブのシャツのMサイズないですかー?』と店員さんに聞いたら、『今日で3件目なんですよね。 もうないんです』と返されorzとなったこと多数。 2 体力練成時の服・靴 体力練成と言えば聞こえはいいですが、要は駆け足です。 毎日10kmとか走ったりする都合上、どうしてもジャージやウィンドブレーカー、ランニングシューズは増えていくようになります。 (1) ジャージ・ウィンドブレーカー 自分みたいに 入校→部隊配属→入校→部隊配属 を繰り返している人だと、ジャージ・ウィンドブレーカーは増えていく傾向にあります。 何でかと言うと、(何かの教育練成課程に)入校する度に、記念として仲間内でネームとかを縫い付けたジャージを自費で購入するのです。 ○○期 △△会(適当) ××××(名前) といった感じで。……正直、これでコンビニとかに買い物は行きたくないです。 あまり入校しない人でも、駆け足するときに必要になるので、最低3枚くらいは持っています。 522 :陸自の中の人:2008/01/03(木) 01 23 14 ID q0bipaK8 続き。 (2) ランニングシューズ 毎日10km走っていると、3〜6ヶ月で大体ボロボロになります。 なのでスペアも兼ねて、2〜3足持っている人が多いです。 そうじゃない人でも持続走競技会/体力検定3000m走用に専用レーシングシューズを持っていたりとか。 ちなみに自分は自宅・駐屯地にそれぞれ2足、レース用に1足常備しています。 して、ここでひとつ問題が。 こういったものは全て自費でまかなわなければならないため、結構に財布を圧迫することになります。 特にジャージ・ウィンドブレーカー・ランニングシューズは1足10000円くらいはするため、いつも店で散々悩んでいます。 買ってしまった週の晩飯は、非常食の買置きカップラーメン+卵で耐えたりとか。 自分は偉くなってしまったので、給料もちびっと増えてるし、ヤフオクとか楽天とかで安く手に入れられるだけまだマシですが、 たぶん妻帯の陸曹さんやら新隊員とかは非常に辛いかとも思います。 こんなところでしょうか。 質問があれば暫く受付いたします。 523 :おさかなくわえた名無しさん:2008/01/03(木) 01 30 10 ID q5EXSQem 自衛隊さん、こんばんは。 角刈りが基本だと思いますが、基地内の所定床屋で散髪なんですか? 美容院でちょっと「オサレ目に〜」とはアリですか? 524 :おさかなくわえた名無しさん:2008/01/03(木) 01 33 44 ID p7dWHoaV ええ?何度も入校ってどういうこと?中退繰り返すの? 525 :陸自の中の人:2008/01/03(木) 01 47 41 ID q0bipaK8 523 別に角刈りってわけでもないのですが、所定の床屋でやる場合も、民間の床屋でやる場合も両方あります。 美容院でやってる人もたまにいます。 用は見苦しくない(グレーな表現ですね)髪型をしていればいい訳で。 自分は髪を長くしても似合わない&仕事や駆け足のときにうざったい、という理由から短めにしています。 524 一回の入校が3ヶ月〜1年だったりするのです。 たとえば、基礎動作=新隊員教育=3ヶ月入校、その後戦車操縦課程=3ヶ月入校、幹部候補生課程=6〜12ヶ月入校 といった具合に。 なので中退というものではありません。 ……まあ、空挺とかレンジャーみたいに、途中で適性や体力、能力、根性(これが一番)が足りなかった場合は中退というのもありますが……。 526 :おさかなくわえた名無しさん:2008/01/03(木) 01 53 02 ID q5EXSQem そうなんですか。ありがとうございます。髪型散髪場所は自由なようですね。自衛隊さんは、今は寮ではないのですか? カプ麺+卵 では栄養が>< 536 :おさかなくわえた名無しさん:2008/01/03(木) 16 16 06 ID tj0VxS7L 陸自さんお久しぶりです。 駐屯地の近くのユニクロの話、面白かったですw うちも近所に駐屯地があるのですが、なるほど〜!といった感じです。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2793.html
魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF――"mission11『光と嵐と異邦人(中編)』" ――新暦七十五年 五月十三日 十三時十四分 機動六課司令室―― はやてが到着したとき、司令室は混乱の渦中にあった。 室内にはスタッフの怒声や罵声が響き渡り、六課の活躍を映し出すはずのモニターは、一つ残らず砂嵐となり耳障りな雑音を奏でている。 雑音の中に、時折声のようなものが紛れ込むが、通信状態が酷すぎるせいで内容はさっぱりわからない。 「こ……ライ……し……りみ……を……る……」 「こちら本部、もう一度繰り返してください」 「ほ……い……り……じょ……を……」 「ライトニング1……ですか? よく、聞こえません、もう一度」 「ほん……えて……ふ……ゃ……い……」 「ああもう妨害酷すぎ! もう一度お願いします!」 雑音混じりの通信に、機動六課通信主任兼メカニック、シャリオ・フィニーノ一等陸士が苛立たしい声を上げている。 アルト・クラエッタ二等陸士も舌打ち混じりに操作盤へ指を走らせ、ルキノ・リリエ二等陸士は半ば涙目になりつつも、諦めることなく現地へ通信を送っていた。 誰もがはやてが来たことに気付いてない。それほどまでに状況が緊迫してるということだろう。 「ずいぶん遅かったですね、八神部隊長」 その中でただ一人、はやてに気付いた者がいた。 真面目という言葉をそのまま具現化したような、理知的な風貌を持つメガネをかけた青年。 機動六課部隊長補佐、グリフィス・ロウラン准陸尉だ。 「遅なってゴメンな。それでグリフィス君、現在の状況は?」 「最悪です。敵からと思しき電子妨害により通信機能はほぼ壊滅、スターズ、ライトニング両隊とも、現地観測隊とも連絡が取れない状況にあります」 「こっちのECCMはどうなってん?」 「全く効果がありません。恐らく、敵のECMには管理局の知るどの世界のものとも違う未知の技術が使用されていると思われます」 「そんな……だったら、ほんまはしたくないけど他の部隊に応援要請を。念の為に本局とアンノウン対策本部にも通信送って」 「とっくにやってますよ。しかし地上部隊は機動力の問題で、一番近い部隊でも到着に最低三十分はかかるそうです。 本局も地上の事は地上で解決しろと。対策本部は所属艦隊が謎の大型球体と接触したらしく、そちらの対応に追われて応援は送れないとのことです」 「なんやそれ……」 あまりの状況に、はやては頭を抱えて自身のデスクに突っ伏した。 はやては最初から全てがうまくいくとは思っていなかった。新人達はこれが初陣だから、少しは苦戦するだろうとは予想していた。 しかし、これはどういうことだ。 敵のECMに全く対応できずにロングアーチは実質的に機能を停止、通信機能は壊滅状態。 なのは達も敵の猛攻を受けている可能性が高く、おまけに周囲の部隊は誰も救援を送ってくれそうにない。 まだ彼女等は初陣だぞ。なのに、初っ端から敗戦を喫してしまうのか? こんなところで、自分は大事な部下を死なせてしまうのか……。 「部隊長、副隊長達に、『ヴォルケンリッター』に大至急連絡を取りましょう」 はやての様子を見かねたように、グリフィスが意見を具申した。 「念のために交替部隊にも召集をかけておきます。それと、後見人の方々にも連絡を。状況によっては、リミッター解除を申請します。よろしいですね?」 はやては静かに頷いた。 管理局の部隊には戦力の均一化を図るために戦力上限が設けられている。 それを守りつつ、六課の戦力を充実させるために隊長陣には『リミッター』と呼ばれる能力制限が施されていた。 『リミッター』を解除することが出来るのは後見人の三人のみ、しかも回数制限もある。 出来るだけ使いたくない手段だが、このまま行くと、機動六課は本来の力を出せずに一方的に蹂躙され、殲滅されることになる。 仲間が助かる可能性が少しでもあるならば、はやてはどんな事でもするつもりだった。 「そやな、そうしよう。あと念のために指揮交代の準備もよろしく。状況次第ではわたしも出る」 ―― 列車の中は異様な静けさに包まれていた。 照明のほとんどが砕け散り、唯一の明かりは薄暗い非常灯のみだ。 車内の壁には少なくない数の銃痕、斬痕、レーザー痕、その全てが、ここで激しい戦いがあったことを如実に語っていた。 おそらく、車内に侵入したガジェットがここにいた陸士達に襲いかかったのだろう。 そして、応戦はしたが歯が立たなかった陸士達は、これはいかんと列車を放棄して一人残らず逃げ出したのだろう。 その証拠に、列車に陸士の姿は見当たらず、車内には今直多くのガジェットが存在した。 しかし、ガジェットの様子がどうもおかしい。 二人が目の前を通りすぎても、機体を叩いてみても何の反応もせず、全く動かない。 まるで彫刻か置き物にでもなったかのように、ぽつんと突っ立っているだけだ。 何かの罠かもしれないと警戒はしているが、今のところは何かが起こる気配は無い。 陸士達が撤退前に何かをしていったのだろうか? それとも、自分達には知らされていない、列車の貨物の影響だろうか? それとも、何らか妨害電波か魔法が発生しているんだろうか……まあ、なんにせよ動かないならそれにこしたことは無い。 「空の連中もこいつらみたいだったら楽でよかったのに、ねえスバル、あんたもそう思わない?」 二人のうち、先頭を行くティアナは微かに笑って後ろにいる相棒スバルにそう言った。 しかしスバルは俯いたまま「そだね……」と生返事をしただけだった。 普段の明るく活発な彼女からは考えられないことだ。まあ、その理由は簡単に想像できるが……。 「ねえティア、大丈夫なのかな」 「大丈夫って、何が?」 「わかってるくせに……ヴァイス陸曹のこと」 やっぱりそのことか。ティアナは顔をしかめて足を止めた。 「あの時脱出してなかったよね、だったらヘリと一緒に落ちて怪我して動けなくなって、ひょっとしたら、陸曹はもう……」 スバルはそれ以上何も口に出す事は無かった。 ティアナも何を言わず、ただ黙ってスバルの顔を見詰める。 やがて、ティアナはもうその話しはしたくない、とでも言うように顔を背け、一言も喋らずに前に進み始めた。 スバルとティアナは六課配属前は災害担当部でコンビを組んでいた。 だからこそ、二人はヘリ墜落時の搭乗員死亡率がどれだけ高いかをよく知っている。 もう、ヴァイスの命は尽きているのかもしれない。 生きていたとしても、致命的な傷を負って死にかけているのかもしれない。 前者なら諦めるしかないが、後者だったら今すぐ救助し治療をすれば助かる可能性は大いにある。 ヴァイスも機動六課の大切な仲間なのだ。出来れば今すぐ助けに戻りたい。スバルはそう思っているのだろう。 それはティアナとて同じだ。しかし、それは出来ない。 航空優勢が確保出来ていない状況で外に出ることなど出来るはずも無く、それ以前に列車はすでにヘリが墜落した地点を通りすぎている。 なにより、任務を放棄し助けに行ったら、何の為にヴァイスは犠牲になったのだ。 ここで戻ってしまえば、墜落するとわかっていても、己を捨てて六課を守った彼の思いを裏切ることになってしまう。 二人がヴァイスの為に出来ることは、ヘリの事は気にせず任務に全力を尽くすこと。 そう思っているからこそ、ティアナは任務に集中するため極力ヴァイスのことは考えないように努めているのだ。 スバルもそれをわかっているから、心配はしても助けに行くとは言い出さないのだろう。 ティアナは二丁拳銃型デバイス『クロスミラージュ』を構えて次の扉を開けた。 この車両も、ガジェットが突っ立っている以外はなんの異常は無い。 それでも二人はいたる所に目を配り、ガジェットの影に隠れながら忍び足で前進する。 車両の中ほどまで進んだものの、攻撃の兆候はどこにも見当たらない。 と、思ったそのとき、車両の端で何かが動いた。 薄暗くてよく見えなかったが、それが人の形をしていることだけはわかっていた。 降下チームは貨物室をはさみ込む形で降下した。 スターズは後方に、ライトニングは前方に、だからここでかち合うことはありえない。大きさからしてリインでもない。 スバルはちゃんと自分の隣にいる。だとしたら! それを確信した途端、ティアナはスバルを思いきり突き飛ばして横ざまに飛びのいた。 人影の手の部分がきらりと光る。 直後、激しい銃撃音と共に曳光弾がばら撒かれ、ガジェットが紙細工のように次々と引き裂かれていく。 ティアナの上にガジェットの残骸がぱらぱらと降り注ぐ。 やはり敵だった。床に伏せたまま、ティアナはクロスミラージュの銃口を上げる。 だが、その先にはもう誰もいない。銃撃も止んでいる。 体勢を立て直すなら今のうち。スバルに声をかけようとしたその時、殺気を感知し銃口をそちらに向けようとした。 反応が一瞬遅かった。敵を捕捉する直前、側頭部に大岩をぶつけられたような衝撃を感じた。 ティアナの体が宙を舞う。目の前が真っ白になる。スバルが何かを叫んでいるが、もうなにも聞こえない。 やがて、体の感覚全てが無くなり、ティアナの意識は霞みのように消え去った。 ―― 「ティアアアアアアアアアアアッ!」 突然ティアナに突き飛ばされたスバル。 彼女が起き上がり際に見たものは、敵に頭を蹴り飛ばされて壁に叩きつけられたティアナの姿だった。 スバルはうつ伏せに倒れ込んだティアナに駆け寄った。 頭から血を流して動かない彼女の様子に絶望感が走りかけたが、喉元に手を当ててみると、しっかりと脈を感じ取ることができた。 呼吸も安定している。折れている骨もなさそうだ。脳震盪を起こして気絶してるだけのようだった。 意識の無いティアナを静かに横たえ、スバルは相棒を傷付けられた怒りを込めて背後の敵に向かい合った。 「へぇ、まだそんな目ができんのな。仲間やられたからビビってると思ってんだけど」 スバルをあざ笑った敵は兵士の姿をしていた。 兵士の体を包んでいるのは真紅のボディアーマー。 顔は黒色のヘルメットと、同色のバイザーのせいでわからない。 中でも特徴的なのは兵士の武装だった。 右手に装着した金属製の大型手甲と両足のローラーブレード型の装備は、スバルのデバイス『リボルバーナックル』と『マッハキャリバー』に酷似している。 これはただの偶然なのだろうか、それとも…… 「あなたが……あなたがこの事件の犯人なの?」 敵は手甲のマガジンを取り替えてから、にやりと唇を歪めた。 「それがどうかしたのかよ」 「空であたし達を襲ったのも……ヴァイス陸曹を堕としたのも……」 敵は一瞬何かを考えるように腕を組んで俯き、 「だったら、お前はアタシをどうすんだ?」と肩を竦めて見せた。 やっぱりこいつだったのか。ヴァイス陸曹を、皆を傷付けた犯人は。 スバルの怒りがいっそう激しく燃えさかる。 彼女は自分のことでは滅多に怒らない。だが、仲間の事なら話は別だ。 ティアナを傷付けた敵。ヴァイス陸曹を殺したかもしれない忌むべき敵。 絶対に許すことは出来ない。この敵はあたしが倒す。あたしが皆の仇を取るんだ! 「そんなの決まってるよ」 自身の怒りを総動員して、兵士を睨みつけながら彼女は『シューティングアーツ』の基本姿勢をとる。 「貴女を、倒す」 「アタシを……倒す? ふぅん」 敵は拳をぎゅっと握り締め、スバルと同じように両腕を正面に構えた。 「面白れぇ、やれるもんならやってみろぉ!」 何かに弾かれたように兵士は全力で突っ込んできた。 常人では対応出来ぬほどの弾丸の如き突撃。スバルは避けずに真正面から受けてたつ。 凄まじい力のぶつかり合いに震える車内。 二人は同じように弾き飛ばされ、同じように壁に叩きつけられた。 スバルと敵は、同時に跳躍して再び拳と蹴りを繰り出した。 二人の戦い方は全く同じだった。 『マッハキャリバー』で壁を駆ければ敵もローラーブレードで追撃をかけてくる。 光の道を作る魔法『ウイングロード』を使えば、敵も同じように光の道を作って襲ってくる。 体術だって『シューティングアーツ』そのものだ。 装備も同じ、戦い方も同じ、違うのは姿形のみ。 まるで二人は実の姉妹のようだ。 しかし、スバルには姉のギンガ・ナカジマ以外に姉妹はいないはず。だったら、こいつは一体何だ。 頭に浮かんだ疑問をスバルは無理矢理振り払った。 今は余計なことは考えるな。こいつが誰であれ、今は自分の敵でしかない。 敵が一体何者なのか。そんなことはこいつを逮捕してからゆっくりと聞き出せばいいことだ。 「チッ……」 敵は微かに舌打ちすると、後ろに飛んで距離を取る。 「させないッ!」 スバルは吠えるように叫んで猛然と攻め立てた。 二人に明確な差があるとすれば、それは手甲に付いている重火器の存在だろう。 あれは間違いなく質量兵器、しかもガジェットを軽々と引き裂くほどの威力を持っている。 いくらスバルが『常人よりも頑丈』だと言っても直撃すれば只ではすまない。 勝敗の鍵は接近戦にあり、重要なのは相手に撃たせないことだ。 「リボルバアアアアアアアアアアッッ――」 ナックルスピナーが高速回転。リボルバーナックルに魔力を纏い、 「シュゥゥゥゥゥゥゥゥトッ!」 気迫と共に衝撃波を撃ち出した。 敵はそれをまともに食らい、吹き飛んだ。衝撃波は勢い余り、敵の真後ろにあった扉をも粉々に砕いた。 機を逃さず、スバルはナックルに魔力を圧縮、敵に飛びかかった。 打撃魔法、ナックルダスター。 非殺傷と言えどもこれを食らって平気な者はまずいない。 「これで、終わりだ!」 振り下ろされた拳の先、敵は真横に転がり打撃を避ける。 そのまま起き上がり際に繰り出した蹴りが、スバルの横顔をとらえた。 今度はスバルが吹き飛ぶ番だった。敵の追撃はない。敵は踵を返して、距離を取っていた。 車両の連結部分で立ち止まり、敵はスバル再び睨み合う。 敵は右手で腹をおさえ、ぜーぜーと肩で息をして。 起き上がりかけのスバルは跪くような姿勢で。 「お前、中々強いな。アタシと似てんのはカッコだけじゃないってか?」 「当たり前でしょ、なのはさんの訓練毎日受けてるんだから」 「なのは、あの高町なのは、か。そりゃ、どうりで強いわけだ」 敵は静かに笑い出す。痛みのせいか、ほとんど声にはなっていない。 「けどな――」 そして敵が顔をあげ、苛立ちに満ちた金色の双眸でスバルを睨む。 「こっちだって毎朝毎晩、あいつに鍛えられてるわけじゃねえんだよぉ!」 それが再開のゴングであった。 拳が唸り、魔法と曳光弾が二人の間を交差する。 矢継ぎ早に繰り出される攻撃はスバルを砕けた扉の向こうに吹き飛ばし、今度は敵も容赦なく追撃をしかけてくる。 激しい戦いの余波は列車の連結部分をも破壊した。 ティアナの乗った車両が徐々に本体から離れていく。 しかしスバルは気付かない。気付いたところでどうにか出来るものでもない。 実力の拮抗した終わりの見えない肉弾戦。 だが、戦いの終わりは、予期せぬ形で、唐突にやってきた。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/58.html
「ああ~今日もお疲れさん乾杯」 「そういやここ最近八神一尉が無断欠勤だとよ」 「でも昨日ラフな格好で夜街を歩いてたって話なんだよな」 「あの人も若いからね~まだ16だっけ」 「俺ら陸曹が教育的指導しないとダメってかハッハ」 「…おっ噂をすれば、あの奥のカウンタに座ってるのーアレ八神一尉じゃねぇか?」 「マジだヒュー男連れてやがる。無断欠勤しといてデートに甘~いキスたぁ いいご身分なこってなぁ!」 「…おい声がでかいぞ…八神一尉の男が気づいたじゃねえか…」 「何言ってやがる…ヒック…店の客から店員まで みーんな俺らをずっと見てるじゃねえか」 「え!?…な、なんだお前らな、何見てやがる!き…気味がわりい!おい、で…でようぜ」 「お前との酒が旨くて気づくのが遅れちまったが… 経験的によ…無理だぜ…ここは異常だ」 「な、何言ってんだよ!?わっ!?誰だお前!?いきなりなんだ?離しやがれ!!ぎゃあああ!?」 6月23日 頻発する吸血殺人事件の中心人物を八神はやてと確認。 オーバーSランク魔導士多数を投入して対処。取り逃がす。 6月24日 八神はやてを次元犯罪者に指定。 注記 交戦した魔導士の証言によると性格が男性的に変化している模様。 八神はやての使い魔達は感情が欠落している模様。 共に冷酷であり極めて危険。 尚八神はやての逃走先は97管理外世界と思われる。追跡を続行中。 8月16日 殺人、吸血鬼事件の頻発していた97管理外世界海鳴市に置いて八神はやてを補足。 かねて追跡を実施していた魔導士らが現地武装組織聖堂教会の構成員の協力で 八神はやての殺害に成功。 しかしその後八神はやての死体は上記構成員に奪取された。 管理局としては危険はないものと判断し 八神はやての死亡をもって本件の終了とする。 「また面白いものを連れてきたわね、エレイシア。 名実と共にあなたの後輩というところかしら? ロアの子で不死の者…殺しがいがありそうね」 「……」 「私は…私はどう…すればええ?」 小ネタへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1280.html
4 第1158管理外世界。 そこは、巨大な砂丘が果てしなく続く死の世界。 強烈な陽射しが砂を焼き、目を灼き尽くさんばかりに照り返してくる。 時々吹く風が砂を巻き上げ、その跡が風紋となって砂上に刻み込まれていく。 突然、砂丘の一角が盛り上がり、砂の中から潜望鏡のように、髑髏を思わせる 金属製の頭部が現れた。 光学映像、赤外線、紫外線。人間よりも遥かに広い視野と高感度の眼が、周囲 を隈なくスキャンする。 数秒後、目指す目標――黒布に包まれた担架を、交代しながら運ぶ十人弱の人間 たち――を発見。より接近しようと、頭部は再び砂の中へ潜り込んだ。 陸・空の魔導師たちは、体内総ての水分を蒸発させるかのような、凄まじい炎熱 と闘いながら、彼らは砂丘の山脈を踏破する。 やがて、砂に埋もれかけた、いつごろ死んだか分からぬ、東洋の竜に似た巨大な 生物の骨が横たわる場所に差し掛かると、魔導師部隊はそこで休憩する事に決めた。 幸い、背骨を頂点に、両側へトンネル状に肋骨が伸びているので、そこへ衣服や ポンチョを掛けると、即席の日除けシェルターを作る事が出来た。 最も日の当たらない場所に担架を運び込み、他の者たちはその周囲で座ったり 寝たりして、昨夜以来ずっと動きっぱなしで疲れた体を休ませた。 「…見た事ない、バカでかい化物(バケモノ)だったな」 仰向けに寝転がりながら、グーダが呟いた。 「ガジェットドローンにしちゃ火力凄過ぎだし…、戦闘機人にしちゃでか過ぎる…」 「分離主義の連中か?」 体育座りをしているロアラルダルが、横向きに寝ているデ・カタに問いかけると、 彼は首を横に振って否定した。 「いや、奴らにあんなの作れないッスよ。それこそ、ジェイル・スカリエッティ みたいな、頭のいいクレイジーな奴でなけりゃ…」 それっきり会話は途切れ、辺りを沈黙が覆う。 エップス陸曹は、意識不明で担架に横たわっているフェイトに付いている、 蛇の顔をした女性衛生兵とデュラハの方を振り向く。 「執務官の様子は?」 ブラックアウトが放ったプラズマ弾の直撃を受けた胸部には、バリアジャケット の上からガーゼが当てられて幾重にも包帯が巻かれ、吹き飛ばされた車両に激突 した時に骨折した両足には、応急の副え木が当てられている。 「出血は、何とか止めることが出来ました。ただ、脚の方はひどい骨折をして まして、早いうちに本格的な治療をしないと…」 「そうか…」 エップスは、次に胡坐を掻いて座っているエグゼンダに尋ねる。 「次元航行部隊がこちらに来ているはずだ。空戦魔導師(そっち)の方で連絡を 取れるか?」 エップスの問いかけに、エグゼンダが自分のサブマシンガン型デバイスに声を かけた。 「シューティングスター、次元航行艦とコンタクトを取れるか」 機関部にある、丸くて青い宝石が二・三度瞬いた後、申し訳なさそうな口調で 答えた。 「申し訳ありませんマスター、現在のところ返答はありません」 エグゼンダは、隣で同じように座っているローレンスの方を振り向くが、 彼もまた首を横に振った。 「おいおい、どう言う事だ!? 日頃から、次元航行艦(ふね)と直接コンタクト を取れるって自慢してたろ!」 メルゲルが、血相を変えてエグゼンダに詰め寄る。 「ああ、そうだ。直接連絡は取れる。ただし、送・受信範囲ってのがあってな、 次元転送可能距離以上では無理なんだよ」 相手の目を見ながら冷静に答えるエグゼンダの姿に、メルゲルは絶句して力無く うな垂れる。 「僕の村はどうかな?」 突然、黙って大人達のやり取りを聞いていたデュラハが、口を開いた。 彼の言葉に、その場に居る者全員がデュラハに注目する。 「大したものはないけど、水の出る井戸はあるし、執務官を休ませる場所ぐらい だったら何とかなるよ」 エップスが、デュラハに尋ねる。 「村までは、どれぐらいかかる?」 「この先の砂丘を越えてすぐ、二時間ぐらいだね」 エップスは、生き残りの魔導師たち一人ひとりを見ると、全員が力強く頷いた。 「よし、行き先は決まったな」 エップスがそう言った時、フェイトが微かなうめき声を上げて、目を開いた。 「陸曹! 執務官が意識を!!」 衛生兵の言葉に、全員がフェイトの回りに集まった。 「執務官」 エップスが声をかけると、フェイトは周囲を弱々しく見回して、小さな声で 言った。 「こ…こは…?」 「砂漠のど真ん中です。基地が壊滅した後、ずっと逃げてきました」 エップスは、ゆっくりはっきりした口調で説明する。 「ああ…あれからずっと…逃げて…きたんですね」 フェイトが弱々しく呟いた後、デュラハが水の入った革袋を出し、ストローを 挿してフェイトに差し出す。 「執務官、水飲んだ方がいいよ」 フェイトは、デュラハが差し出したストローに口をつけ、水を二・三口飲む。 「ありがとう…君…は…?」 「デュラハ」 「ありがとう…デュラハ……」 フェイトは、デュラハに微かに微笑む。 「執務官、我々はこれからデュラハの村へ向かいます。 そこで、可能な限りの治療をしますので、二時間ほど我慢して頂けますか?」 エップスがそう言うと、フェイトは微笑みながら弱々しく頷いて、再び目を 閉じた。 「よし、全員出発の準備をしろ。 今度から、執務官を運ぶ連中を中心に横に広がれ。 何か金属を見つけたら大声を出せ。砂に埋もれかけた缶詰でも何でも構わん、 すぐに知らせろ」 エップスがそう号令をかけると、全員が装備をまとめ始めた。 シェルターから少し離れた砂の小山の陰で、先程のと同じ金属製の頭が魔導師 たちのやり取りを見ていた。 彼らが出発の準備を始めるのと同時に、再び砂漠の中へ潜行する。 蠍型の怪物メガザラックは、彼らの会話から次の目的地を定め、先回りすべく 全速力で砂の中を進み始めた。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/army2ch/pages/113.html
陸じゃほぼすべての職種で大型を取得させられるって聞いたけど、どうなの? 航空学生て教育期間長いですよね?その間は結婚できないですかね? 自衛隊の教育で羞恥系のしばき(人前で全裸にしたり恥をかかせたり)ってありますか? 自衛隊では休みたいときは無理せず休んでよいというふうに教育してるの? 隊員に電話の応対とか接客なんかの教育は十分におこなわれてますか? 自衛隊では、捕虜になったときの心得などはどのように教育しているのでしょうか? 陸自で新隊員教育を教育隊で行わず、直接普通科や特科の連隊で行っている場合がありますよね。それについて質問させてください。 モールス信号ってどれくらいの人が使えるの?検定とか受けたりするの? 事務関係の仕事の進め方・こなし方はどのように教育されるのですか?入隊まで民間などでの経験がない者は1から教えないといけないと思うのですが。 民間人への答礼についての教育は徹底されているのですか? 下総基地って学校? 陸上自衛隊で民間企業向けの新人研修とか今もやってますか? 陸士特技課程とは何をする課程なのでしょうか? CGSとかいう課程が終わるとどんな仕事やるんですか? 敬礼の仕方で疑問。天皇と国歌の時は同じは納得できるが、皇族と総理が一緒ってどうよ。 二士で自衛隊に入って、次の年に補士が受かったとして、教育期間は、またやるんですか? 自衛隊ではもしも捕虜になり機密事項について聞かれた場合どう対処することになっていますか? 図書室ってあるんですか? 勉強できる学習室はありますか? ヘリの免許ほしいけど、陸自の場合は航空科でしかとれませんかね? 前期教育隊に勤務(班長など)する隊員、幹部は優秀で無かったら無理と聞いたけど本当? 英語テスト合格したら来年アメリカ行くの?何のため? 統合幕僚学校の一般課程と特別課程ってどう違うんですか? cgsて何ですか? 防衛省のキャリアとか自衛隊の部隊で研修を受けることがあるのですか。 教育期間中って禁酒禁煙ですか? 自衛隊で受けれる大型免許って厳しいと聞いたんですが、落ちる人っているんですか? 教育隊の勤務地や、その後の配属先は、試験を受けた県のどこかの駐屯地になるのですか? 陸上自衛隊の各学校はどの時期に行く物なのですか? レンジャー訓練、レンジャー教育、レンジャー課程など呼び方ありますがどれが正しいのでしょうか? 冬季戦技教育隊についてですが、これは部隊(旅団や連隊規模)なのでしょうか? 3曹教育隊は組織的にどこにあるのですか? 体育幹部候補生ってなんですか? 入隊したら教育隊で軍歌を暗記とかさせられますか? 陸教がきついとかよく言われますが具体的に何がつらいのでしょうか 二士で入った場合はしばらく大学の通信制自主的に勉強する時間はないですか? 教育隊は、どんなことするんですか? 教育隊に入ってGWは、外泊許可がでますか? 髪の毛は短くないとダメですか? 入隊したら強制的に寮に収容されますか? 私服でジーパンにダメージ入ってるんですがダメなんですか? 教育隊の寮は金庫とかあるんでしょうか? 前期教育隊はいつ終わりますか? 入隊時に持っていくものに国語辞典ってあるけどなんにつかうんのん? どこぞの教育隊では初めの一月は制服外出、とか東京都では着てはいけない、とか聞くんだが、実際はどうなんですか? 教育期間中に怪我したら除隊させられるのですか?? どっかの警備職種の空曹が米空軍の警備課程に入校した、みたいな記事を読んだんですが 海自で水泳競技会とかあります? 家事関係のことは自衛隊の皆さんは叩き込まれるんですか? 少人数で山岳・森林地帯でのゲリラ戦を学ぶ部隊ってどういうところがありますか? 教育隊の一日を教えてください。 小平学校いくのと自費でじもとの英会話学校いくのどっちがいいですか 何も無い状態から入隊して戦車やヘリコプターを運転できる資格を取れたりするんですか? 入隊してから仕事のために理系の勉強ってできますか?そうでなくても独学で勉強できる設備はありますか? 今の自衛隊って「正しい降伏の仕方」とかは教えてるんですか? 富士教導団って何? これ何?キューバとか東部方面隊とか書いてあるようだけど、スカッドミサイルが何たらと書いてあるんだけど・・・ 自衛隊病院の医師や看護婦は専門の学校で医学を習うのでしょうか? 陸自化学学校って所謂、学校なんですか? どうして自衛隊では、将校を養成する学校を防衛大学校というのでしょうか? 自衛隊では将校に対して用兵に関する高等学術を教授する学校は、無いということでしょうか? CGSって何なんですか? 陸自に入隊したらまずどんな部隊に行かされるのでしょうか? 女子専門の防衛大学や付属の女子高校とか実現性ありますか? 陸じゃほぼすべての職種で大型を取得させられるって聞いたけど、どうなの? 陸はほぼ全員が陸曹になる前に大型取得できます。うまくいけば大特やけん引もとれます。 (自衛隊板初質スレ2 林ロータリー) 航空学生て教育期間長いですよね?その間は結婚できないですかね? 航空に限らずとも結婚した場合勤務地の希望は聞いてくれますかね? 結婚は無理。って言うかそんな暇無いぞ。航学は。 勤務地の希望も結婚が理由じゃ無理。 (自衛隊板初質スレ2 686) 自衛隊の教育で羞恥系のしばき(人前で全裸にしたり恥をかかせたり)ってありますか? 度を超した指導は「私的制裁」と見なされ処分の対象になりますので一般的な教育ではありません。 レンジャーの斥候訓練なんかで助教にとっ捕まると「捕虜尋問」というとても素敵な体験が出来ます・・・。(笑 (自衛隊板初質スレ13 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 駐屯地司令に廊下に立たされている初級幹部がいたが、これも羞恥プレイかな。 (自衛隊板初質スレ13 剣恒光 ◆YR1Hskt.M.) 自衛隊では休みたいときは無理せず休んでよいというふうに教育してるの? 「休みたい」では休めない そんな教育をするわけがない 体は資本だから、基本的には、休ませるけど、無理をせずでは無く、 ギリギリまでは、やらせるって言う方針です。 本当に、やばいときは、休ませるということでは? (自衛隊板初質スレ13 291-292) 隊員に電話の応対とか接客なんかの教育は十分におこなわれてますか? しないよ。 てか、広報やら電話交換手わするだろうけど、それ以外の部署で必要は ないたぁ思うんだが。 なんとか中隊に電話つないでもらって、そういう対応は期待せんほうが ええだろうねぇ(笑) (自衛隊板初質スレ13 緑装薬4 ◆.4aL5K3vps) 多くの部隊の隊員は、電話応対は「めちゃくちゃ」であることが多いです。 もーほんと、企業のヒトなんかには恥ずかしくってミセラレナイ。 (自衛隊板初質スレ13 jsdf-erai.shacknet.nu ◆ERAI.FezH) 自衛隊では、捕虜になったときの心得などはどのように教育しているのでしょうか? つい最近まであまりその種教育に熱心でなかったのですが、 最近はきちんと「国際法(/条約)にもとづき」コレコレこういうふうにせい、と教えてます。 (みんなが熟知してるかどうかは別) (自衛隊板初質スレ13 jsdf-erai.shacknet.nu ◆ERAI.FezH) 陸自で新隊員教育を教育隊で行わず、直接普通科や特科の連隊で行っている場合がありますよね。それについて質問させてください。 1 なぜ、教育隊で新隊員教育を行わないのですか? 2 入隊先が教育隊の新隊員と実働部隊の新隊員はどのように分けられますか? 3 例えば特科連隊で新隊員教育を受けた人はそのまま特科の隊員になるのですか?(他の科に配属される事はない?) 4 普通科と特科以外の科の部隊で新隊員教育が行われる事はありますか? 1 なぜ、教育隊で新隊員教育を行わないのですか? 4月入隊の場合、曹学、補士、2士と何千人という新隊員が入隊してきますが、これを教育大隊等だけで教育するのは能力を超えてしまいます。 そこで、連隊/群級の部隊に臨時新隊員教育隊を編成して不足分を補っています。 2 入隊先が教育隊の新隊員と実働部隊の新隊員はどのように分けられますか? 基本的には、教育大隊等で、曹学、補士、女子2士の教育を、臨時新隊員教育隊で男子2士の教育と分担されているようですね。 3 例えば特科連隊で新隊員教育を受けた人はそのまま特科の隊員になるのですか?(他の科に配属される事はない?) 全員がそのままその部隊に配属というわけではありませんが、1/3程度はそのまま配置に成ることが多いようです。 残りは結構多種な職種が少しずつ揃うような感じですね。 4 普通科と特科以外の科の部隊で新隊員教育が行われる事はありますか? 施設群でやるのを聞いてますね。 (自衛隊板初質スレ14 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) モールス信号ってどれくらいの人が使えるの?検定とか受けたりするの? ほとんどの人は使えませんよ。 検定みたいなもんはありますな。 (自衛隊板初質スレ14 無線屋 ◆RADIOAeQ5s) とりあえず、空自の通信員はほぼ全員モールスが使えるはずです。 国内電信級陸上特殊無線技師を受験しますね。 (自衛隊板初質スレ14 398) 「丙種陸上無線通信士」という資格を持っているけど、モールスは全然わかりません。 ↑ ちなみに陸では殆どの者が取らされる国家資格 (自衛隊板初質スレ14 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 事務関係の仕事の進め方・こなし方はどのように教育されるのですか?入隊まで民間などでの経験がない者は1から教えないといけないと思うのですが。 陸の普特機はヒジョーに時間をかけて教えるのは「戦いかた」で、 事務のしかたはほとんど教えない(チョビットしか教えない)デスね。 (自衛隊板初質スレ15 jsdf-erai.shacknet.nu ◆ERAI.FezHQ) 漏れは教えてもらったことないな~。 習うより慣れろって感じでしたよ。 でも、わからんことは聞け、一度聞いたことは何べんも聞くな、 同じ間違えを何回もするなってのは最初に言われますた。 (自衛隊板初質スレ15 無線屋 ◆RADIOAeQ5s) 陸士でもデスクワークが主の職場は前任者からの引継や同僚から教わります。 一線部隊の場合は係の下に陸士が配置されて丁稚みたいにして仕事を覚えることが多いですね。 ただ最近では基本的なビジネスマナーを身につけさせる為に部隊で「電話応対」や「手紙の書き方」講習をするところもあります。 (自衛隊板初質スレ15 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 民間人への答礼についての教育は徹底されているのですか? 以前街中で制服姿の3等陸佐に敬礼したのですが完璧に無視されてしまいました。 「敬礼」「答礼」は、然るべき場所・状況以外では「民間人」との間に交わされるものではありません。 基本的には自衛官(或いは他国軍人)同士の間で交わされるのもです。 よって、 街中で制服姿の3等陸佐に敬礼した 場合は然るべき場所でも状況でもありません。 「敬礼」「答礼」もひとつの制度だと理解されたい。 (自衛隊板初質スレ15 724) 下総基地って学校? 下総は教育航空団・下総教育航空群・下総基地隊・第3術科学校(航空) これらで構成されています (自衛隊板初質スレ17 予備海士長 ◆0J1td6g0Ec) 陸上自衛隊で民間企業向けの新人研修とか今もやってますか? 受入ています。(1泊~2泊ですが) 詳しくは最寄りの駐屯地広報室か地方協力本部の各協力事務所まで (自衛隊板初質スレ45 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 陸士特技課程とは何をする課程なのでしょうか? 特技とはその業務・訓練に必要な技能・資格を指すんだが、 その技能を習得し、資格を取るための教育のうち、 陸士だけが行ける課程こと。 (自衛隊板初質スレ46 204) CGSとかいう課程が終わるとどんな仕事やるんですか? 勤務(補職)のパターンが変化します。 一般的な幹部の場合だと、1ポストを2~4年勤務します。 ポストは「同じ部隊内をぐるぐる」と「部隊等←→師団司令部(機関)等」のパターンで転勤します。 CGSを出るとこのパターンが、1~4年周期で「部隊(司令部)←→陸幕」に変化します。 (成績により「中央」にいる時間が変化する傾向があり) (自衛隊板初質スレ80 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 敬礼の仕方で疑問。天皇と国歌の時は同じは納得できるが、皇族と総理が一緒ってどうよ。 自衛隊の礼式に関する訓令 第32条 隊は、皇后、皇太子及び天皇の名代としての皇族に対しては、 着帽している場合であつて小銃を携行しているときは捧(ささ)げ銃(つつ) (第83条の特別儀じよう隊にあつては着剣捧(ささ)げ銃(つつ))の敬礼を、 以下省略 このように捧げ銃の敬礼を指定しています 総理等にはありません ただ天皇・国歌・隊員のひつぎ・国旗等と比べると歩行中に停止する必要が無いのは同じですね (自衛隊板初質スレ80 予備海士長 ◆0J1td6g0Ec) 皇族>総理なんですか?それとも皇族<総理なんですか? 礼式的には皇族>総理です。 総理は一応自衛隊の指揮権をもってます。 天皇を頂点とする皇族は、国の象徴の一部です。だから扱いは総理より上です。 存在としてどちらが上か下かということとは、直接関係ありません。 (自衛隊板初質スレ80 506) 二士で自衛隊に入って、次の年に補士が受かったとして、教育期間は、またやるんですか? 同じ職種で継続するなら、現在の部隊で補備教育を行う。 (補士と一般の教育課程の差の部分) まぁ、実際は行われていないようだが・・・ 職種の転換を希望する場合は、再度教育を行う。 ってことは 前期からやり直すことになるのかな。 (自衛隊板初質スレ81 陸秀夫 ◆Bf5xepPT82) 補士の場合は、現在の階級・所属のままで「曹候補士に指定」される。(階級章の上にバッチが付く) 従って新隊員教育をやり直すことはない。 この点は陸曹候補生とよく似ている。 ただし補士としての期別の管理は指定された年の隊員として扱われるので、 指定時すでに士長であっても3曹になれるのは最短でもそこから3年後になる。 (自衛隊板初質スレ81 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 自衛隊ではもしも捕虜になり機密事項について聞かれた場合どう対処することになっていますか? 捕虜になったときに答えるのは 氏名・階級・生年月日・認識番号だけ もっと詳しく知りたければジュネーブ条約を検索しろ (自衛隊板初質スレ81 57) 図書室ってあるんですか? 大きなところならあるし、小さなところなら無い。 あっても「ただ本があって静かな部屋(日中しか使用不可)」というだけ。 (自衛隊板初質スレ81 921) 勉強できる学習室はありますか? 自習室という名前の「机があるだけの部屋」ならある場合が多い。 ただ、海上で艦艇でもしていない限り、自分の居室で勉強はできるはず。 教育隊では8~10人くらいの大部屋なので、「自習室」で勉強したほうが良い。 (自衛隊板初質スレ81 921) ヘリの免許ほしいけど、陸自の場合は航空科でしかとれませんかね? あなたが現在、他の職種にいるというのなら、 3曹昇任後に、陸曹航空操縦課程選抜試験を受験して合格し その後、課程を修了すればヘリの免許は取れる。 課程修了後の職種は航空科になるけど・・・ (自衛隊板初質スレ82 陸秀夫 ◆Bf5xepPT82) 前期教育隊に勤務(班長など)する隊員、幹部は優秀で無かったら無理と聞いたけど本当? 陸の場合助教(陸曹)要員は方面隊により陸教成績が前から1/3以内の制限が設けてある場合があり。 (ただしこれは教育大隊への場合で、部隊毎の臨時編成の新隊員教育隊は除外。) (教育隊本部要員は制限無し) また幹部は制限無し。 (自衛隊板初質スレ82 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 英語テスト合格したら来年アメリカ行くの?何のため? 海上自衛隊がアメリカに自衛官を留学させると事が有ります 英語がしゃべれなければ行く意味がないので英語を教えます 公務として英語を習ったのならそう言う目的でしょう 私的に英語の試験を受けたとしても、その人に聞くのが早道です (自衛隊板初質スレ82 予備海士長 ◆0J1td6g0Ec) 統合幕僚学校の一般課程と特別課程ってどう違うんですか? 一般課程は1選抜の2佐や1佐になりたての人が入るエリート課程 特別課程は1佐の古株や将補のおじさんが入る馴れ合い課程 AGS・統幕課程・防研課程のいわゆる高級3課程は将来の幕長(陸将)を探す為の課程 特別課程はそれらに漏れたおじさんが行くご苦労さん的な課程 (自衛隊板初質スレ82 872,874) cgsて何ですか? 指揮幕僚課程の陸自での略称。 (自衛隊板初質スレ89 922) 防衛省のキャリアとか自衛隊の部隊で研修を受けることがあるのですか。 「部隊研修」と称して、1週間ほど部隊に見学に来るよ。 ただ、それだけ。 (自衛隊板初質スレ90 緑装薬4 ◆8R14yKD1/k) 教育期間中って禁酒禁煙ですか? 教育期間にかかわらずタバコは灰皿の無いところでは吸ってはいけない。 酒は何て答えてば良いのか・・・ 一応、飲めないと考えておいたら吉。 親睦会とかで飲む機会は与えられるけどね (自衛隊板初質スレ90 赤い狐さん【森林防衛隊】 ◆J3RedFoxz2) 自衛隊で受けれる大型免許って厳しいと聞いたんですが、落ちる人っているんですか? 少なくとも自分は落ちたという話を聞いたことはありません。 陸の場合、免許を取得した後すぐに「初級装輪操縦」という特技を取るのですが、 免許の教習に時間を使いすぎて特技がとれなかったという話は時々聞きます。 教習所も自衛隊の教育隊なので、教習は部外より厳しくなりますが、 それが理由で落ちることはないと思います。 (自衛隊板初質スレ90 ローレディ ◆5xsookHc2o) 教育隊の勤務地や、その後の配属先は、試験を受けた県のどこかの駐屯地になるのですか? 採用コースによって勤務できるパターンが違うのでここでは「陸」の「2等陸海空士」の場合で回答します。 まず4月の入隊の場合、教育隊は受験した都府県(地方協力本部)の近傍の駐屯地で教育を受ける可能性が高いです。 他の月の場合は同じ地方の新隊員教育隊がある駐屯地になる可能性が高いです。 次に配属ですが、「2等陸海空士」の場合は基本的にその教育が属する方面隊内の配属になります。 従って関東での勤務を希望するのなら関東エリアを担当する「東部方面隊」の教育隊に入らねばならず、 その為必然的に東海関東甲信越地域の県で受験しなければなりません。 勿論、他の方面隊への配属枠が全くないわけではありませんが、それは極々少数です。 また関東には第1空挺団がありますが、これの要員は新隊員を含め全国から募集しています。 教育隊で実施される空挺適性検査に合格すれば降下教育を経て配属される可能性はあります。 (自衛隊板初質スレ91 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 陸上自衛隊の各学校はどの時期に行く物なのですか? こんな感じ 陸士:前期教育隊>後期職種教育隊>部隊勤務>(職種学校(陸士特技))>部隊勤務>陸曹教育隊(陸曹候補生) 陸曹:部隊勤務>職種学校(中級特技)>部隊勤務>中級陸曹集合訓練(各方面隊)>部隊勤務 職種学校(上級特技)>部隊勤務>陸曹教育隊(上級陸曹)>部隊勤務 (自衛隊板初質スレ92 陸秀夫 ◆Bf5xepPT82) レンジャー訓練、レンジャー教育、レンジャー課程など呼び方ありますがどれが正しいのでしょうか? その教育を主催している機関や部隊によって呼び方が変わります。 通称的には「レンジャー教育」で良いと思います。 レンジャー教育: 普通科連隊等の部隊や師団単位で行う曹士を対象にした初歩の教育を「レンジャー集合教育(集合訓練)」といいます。 レンジャー訓練: どちらかというと「教育」を修了したレンジャー要員の練成訓練を指します。 レンジャー課程: 課程教育というのは学校や教育隊で行う法規に定められた教育コースのことです。 レンジャー課程と言えば富士学校で行われる「幹部レンジャー課程」を指します。 (自衛隊板初質スレ92 ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA) 冬季戦技教育隊についてですが、これは部隊(旅団や連隊規模)なのでしょうか? 教育も何本か持ってるみたいですが、規模は極めて小さい部隊です。 バイアスロンのオリンピック選手の養成もしていますが成果はありませんし、これからもないでしょう。 北方のRMA師団構想の対極にある筋肉系金食い虫部隊で、なんとか廃止の口実を考察中です。 (自衛隊板初質スレ92 ローレディ ◆5xsookHc2o) 3曹教育隊は組織的にどこにあるのですか? それから、具体的に何を学ぶのですか?期間は? 教育隊は横須賀(陸自の武山と共同)呉・佐世保・舞鶴の4つで 大湊を除く各地方総監部(陸自の方面隊的な位置)にあります 防衛ホームの記事の引用だと 約2か月半にわたり海曹として必要な精神的、身体的基盤を育成するとともに、 部下指導についての基礎的な教育を受ける。 海自の部隊勤務で班長として数名の部下を持つのは2曹ぐらいからなので陸自とは違うと思います 術科では上級海曹課程が有りますが教育隊では無いはず、海自は術科重視なのかも (自衛隊板初質スレ92 予備海士長 ◆0J1td6g0Ec) 体育幹部候補生ってなんですか? 正式名称は知らんが・・・ 体育専門で採用されて、オリンピック強化選手として体育学校に配属される人のことじゃね? 階級は2士から始って、職種もあるけど基本教育以外はずっと体育学校の「特別体育学生」 とかいう身分で、ひたすら練習してるって奴 長く体育学校長やってた三宅元将補がそれね。 (自衛隊板初質スレ93 緑装薬4 ◆8R14yKD1/k) 入隊したら教育隊で軍歌を暗記とかさせられますか? 無いよ 精々国家と隊歌 (自衛隊板初質スレ93 707) 陸教がきついとかよく言われますが具体的に何がつらいのでしょうか 1日のスケジュールで余る時間がほとんどないので時間管理がつらい。 共通中隊入校だと全職種寄せ集めなので後方職種の人は若干体力的につらい。 助教が神様なので精神的につらい。 自分の任務だけをきっちりこなせばいいので楽。 全員が同じ事をやらせられるので精神的に楽。 職種によっては全国に友達ができるので楽しい。 (自衛隊板初質スレ94 243) 二士で入った場合はしばらく大学の通信制自主的に勉強する時間はないですか? 少なくとも前期教育中は通学は認めていないうえに できたとしても勉強する時間なんて無いと思っていい。 (自衛隊板初質スレ94 451) 教育隊は、どんなことするんですか? 前期はとにかく礼儀やら挨拶やら敬礼の仕方、体力練成、銃の分解とか組み立て 射撃予習、実弾射撃とかなり忙しい日々を送ることになります 後期は配属職種が決まるので、配属する職種の専門教育を受けます (自衛隊板初質スレ94 489) 教育隊に入ってGWは、外泊許可がでますか? 通常であれば一週間程度の連休が与えられ、外泊も許可される。 (自衛隊板初質スレ94 513) 髪の毛は短くないとダメですか? 教育期間中は確実にスポーツ刈りや角刈り決定。 部隊に行けば多少は伸ばしてる人もいるけどそれは部隊次第。 勤務中にバンダナを巻くつもりならネタとしか思えないけど、 駐屯地の外で遊んでる最中にバンダナ巻くくらいならいいんじゃない? (自衛隊板初質スレ94 748) 入隊したら強制的に寮に収容されますか? 2ちゃんねるはできませんか? 私物PCは教育期間中は100%NG。2ちゃんねるがやりたきゃネカフェにでも行くこと。 部隊配属後は私物PCも許可されるだろうけど、大半はEDGEとかに頼ることになる。 幹部になるか結婚するか30歳以上&2曹以上になるまでは営内居住だから、 外に出たいなら自衛隊そのものを考え直したほうがいい。 (自衛隊板初質スレ94 748) 私服でジーパンにダメージ入ってるんですがダメなんですか? 一概に言えん。 けど、空自では教育隊・術校ともにアウトだった。ついでに半ズボンも。 術校の区隊付きは半ズボンで俺らの引率外出をして、後に区隊長から大目玉を喰らったらしいw (自衛隊板初質スレ95 345) 教育隊の寮は金庫とかあるんでしょうか? 隊舎のロッカーにはちゃんと鍵がついてる。 ちなみに大抵、施錠管理には厳しくて、 閉め忘れるとロッカーぶっ壊されたり中身ぶちまけられるから。 (自衛隊板初質スレ95 580) 前期教育隊はいつ終わりますか? 4月に入隊したら7月初旬くらい。 概ね3ヶ月。 (自衛隊板初質スレ95 632) 入隊時に持っていくものに国語辞典ってあるけどなんにつかうんのん? 所感文書くのに使うんだろ。 俺らなんか持ってくるものに書かれてなかったのに、 入隊してから「買うか送ってもらえ」って言われたぞ、国語辞典。 (自衛隊板初質スレ97 523) どこぞの教育隊では初めの一月は制服外出、とか東京都では着てはいけない、とか聞くんだが、実際はどうなんですか? 教育期間は制服外出が基本 教育隊によっては私服外出も許可されたり 都内でも制服だよ関係ない (自衛隊板初質スレ97 650) 教育期間中に怪我したら除隊させられるのですか?? 怪我の程度による。 あまりにも酷い怪我(骨折とか)をすると、 教育を終えられる見込みがないとして退職を勧められる。 (自衛隊板初質スレ97 890) どっかの警備職種の空曹が米空軍の警備課程に入校した、みたいな記事を読んだんですが あれは毎回(毎年?)あるようなことなんでしょうか? 教官(助教)要員が米軍に教育入校して、それが帰ってきたらその後は日本で教育するってかんじじゃね。 被教育者がすくないものだと、教育隊つくらず米軍に丸投げって可能性もあるが。 (自衛隊板初質スレ98 剣恒光@Free Tibet ◆yl213OWCWU) 海自で水泳競技会とかあります? 教育隊とか術科学校で行うよ (自衛隊板初質スレ99 予備海士長 ◆0J1td6g0Ec) 家事関係のことは自衛隊の皆さんは叩き込まれるんですか? 自衛官は最初の教育期間中、自分の制服や作業服等へのアイロンがけや 居住環境の清掃について徹底的に指導される。 教育期間中は制服のプレスが適当だったら連帯責任できちんとやっている同期が とばっちりを受けたりするのが当たり前の世界だから皆必死だよ。 (自衛隊板初質スレ103 173) 少人数で山岳・森林地帯でのゲリラ戦を学ぶ部隊ってどういうところがありますか? 遊撃課程があるのは富士学校と冬季戦技教育隊 山岳行動を重視しているのは13iレンジャー教育。通称アルペンレンジャー (自衛隊板初質スレ103 895) 教育隊の一日を教えてください。 06 00 ラッパで起床 06 05 点呼 清掃 06 30 朝食 07 30 整列、教場まで行進 08 00 国旗掲揚 朝礼 午前の授業 12 00 昼食 13 00 午後の授業 16 00 ランニング 17 00 国旗降下 夕食 入浴 19 30 自習 22;00 消灯 (自衛隊板初質スレ104 陸) 小平学校いくのと自費でじもとの英会話学校いくのどっちがいいですか 自衛隊で教える英語はあくまで軍事英語 基礎的英語力は自分で養うしかない 防衛駐在官とかペンタゴンや米軍勤務を命ぜられる予定の人はまず自費で英語を習っている (自衛隊板初質スレ105 502) 何も無い状態から入隊して戦車やヘリコプターを運転できる資格を取れたりするんですか? 戦車はともかくヘリパイは無理だと思う。 確かヘリパイも年齢制限があったはずだから、志願できるようになる前に上限年齢を超えてしまう。 (自衛隊板初質スレ107 829) 入隊してから仕事のために理系の勉強ってできますか?そうでなくても独学で勉強できる設備はありますか? 消灯後に教場とかで勉強するしかないんじゃね? 設備って何を言ってるのか不明だけど、教科書とかはないよ。 つか、入って半年は自分の勉強する暇は無い。 (自衛隊板初質スレ109 821) 今の自衛隊って「正しい降伏の仕方」とかは教えてるんですか? 「よくわかる無条件降伏」なんて教本があったりとかはしないんですか。 周辺諸国に戦時国際法を守る国がないので、教えるだけ無駄と思われ (1 664) 富士教導団って何? 戦車、砲兵、歩兵、工兵、偵察など各兵科の小規模部隊があり 最新兵器は最初に配備され研究に実験と教育などが主任務です。 研究本部などもありナンカやってます(w 屋勘暗視装置の研究も昔からやっており予算がないのが悩みとか。 (55 一等自営業 ◆JYO8gZHKO.) 富士学校ってのがありまして そこでいろいろと、装備運用・教育などをやっているわけですが 学校のために、部隊行動などをして教育などの支援をする実働部隊が 富士教導団です。 普通科教導連隊、戦車教導隊、特科教導隊、偵察教導隊などを隷下に持ちます。 武器学校などの職種学校は武器教導隊などの、教育運用開発支援部隊を持ちますが 富士学校は普通科・特科・機甲科の諸兵科連合部隊として、教育運用開発支援部隊を持っている といった特色があります。 (55 768) これ何?キューバとか東部方面隊とか書いてあるようだけど、スカッドミサイルが何たらと書いてあるんだけど・・・ jko;asrhtgauiosryhtioasruiotuairtfopakrtfwitfuasdjotgfuqeriojtirjkotgjf/ndkasyh airfo4 hjijuuimhjuikhjkj ;uohr\ asiouhnulikiojkhaugfa\kao PatriotPassword(PP);48415;;jytuidas Lord39;DDsirane Lord91;DDkongou SeaMissileLockNumber;8714922 SSJDF kaiinkyhkkohullihhjhasdfrgf Russia;481% America;77158% Cuba;482158% NorthKorea&Korea+4711;78155 ChinaBB;ScudMissileNumber44;Lock,Speed;44792 EnterNumber19 Master;ToubuHoumentaiDaiitiKikiKanriTaiMatudaYukihikoIttouRikusou 防衛大学校とかで研究させる、弾道ミサイル迎撃システムの研究用の一般公開コードの一部。 1~3行目はランダムパスと言う使用しているコンピューターから、研究用のサーバへ、「私は、このパソコンを使っている○○ですよ。」 っていう情報を送っているソース。 6~7行目は、護衛艦しらねと護衛艦こんごうを指示目標として指定している。 そして8行目は艦載ミサイルを使用するのでパスワードを送信するコード。 12行目は、自衛隊防衛作戦指揮本部って意。 13行目は、12行目の許可を要請して返答を待つとのコード。 15~17行目は、ロシア、アメリカ、キューバの使用兵器リストから、弾道ミサイルデータを抽出してくれって研究用サーバへデータを送る。 19~20行目は、この時、北朝鮮と韓国の兵器データからリコしてくれって言うコード それで、キューバのミサイルだと限定して初速計算、ロックして発射までのタイムラグを計算してって言うコード。 22行目は、実行する種類のコードこの時、19番の作業をしてくださいってお願いしているコードだと思う。 最後の23行目は、管理者の名前固有名詞が入ってるから割愛する。 (57 63) 自衛隊病院の医師や看護婦は専門の学校で医学を習うのでしょうか? そのものズバリ”防衛医大”というものがあります(埼玉県所沢市)。 でもって、身分としては”防衛医官”という身分になります。 看護士は曹クラス、医師は尉官~佐官の階級を持っています。 わたしが受診した時の先生は3佐でした。 (84 205) 陸自化学学校って所謂、学校なんですか? 試験を受ければ誰でも入れるのですか? 自衛官を対象とした学校です。職種教育や、特技教育で選抜されて入校します。 たまに警察や海上保安庁なども教育します。 学校には富士学校、武器学校、需品学校、高射学校などがあります。 (85 剣恒光 ◆YR1Hskt.M.) どうして自衛隊では、将校を養成する学校を防衛大学校というのでしょうか? 防衛士官学校のほうが適当だと思うのですが? 軍隊(旧軍)を連想させる用語を使うことを避けたためでしょう (95 673) 学校教育法に定められた「大学」とは違い、 国の行政機関の付属機関として設置されたものを「大学校」という。 防大は大学校のひとつに過ぎない。 防衛士官学校のほうが適当だと思うのですが? 政府機関である限り、逆に不適切。 大学校はこれだけあるが、全大学校を「適当」な呼称に切り替えることは困難だろう。 ↓ 警察大学校(警察庁) 防衛大学校・防衛医科大学校(防衛省) 税務大学校(国税庁) 水産大学校・農業者大学校(農林水産省) 国土交通大学校・航空保安大学校・海技大学校・航空大学校(国土交通省) 気象大学校(気象庁) 海上保安大学校(海上保安庁) (95 鷂@元とんぼでし ◆Kr61cmWkkQ) 自衛隊には、士官を養成する機関として、幹部候補生学校が有ります。 (95 699) 自衛隊では将校に対して用兵に関する高等学術を教授する学校は、無いということでしょうか? 防衛大学卒業後も各分野の専門的な知識・技術を得るための各種教育機関があります 当然用兵に関するものもあり、有資格者が必要に応じて教育を受けます (95 673) CGSって何なんですか? 指揮幕僚課程のこと。 大学の修士・博士課程のようなもの。 (104 941) 陸自に入隊したらまずどんな部隊に行かされるのでしょうか? 曹候補士なら教育団や各地の教育連隊 曹候補学生なら教育団 一般2士なら教育連隊もしくは、普通科・特科連隊・群等の教育隊に配属されます。 そこから先は希望したり、能力で配分されます。 レンジャーになりたいなら普通科連隊がいいでしょう 特殊部隊目指すなら空挺団でしょう。 まあ、空挺団は虫歯1本あっても無理だし、体力も必要です 入隊前に懸垂30回、腕立て300回、3km走を8分台前半ってところかな。 (124 941) う、その程度でいいんか… 最低でもと言うレベルだよ。 (124 944) 女子専門の防衛大学や付属の女子高校とか実現性ありますか? 男女別学ってなら、アメリカやイギリスには幼年学校制度がある。 (俺初質スレ2050 33)
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3795.html
519 :第三帝国:2016/05/22(日) 22 17 47 GATE~北アフリカにてネウロイと戦いけり(九曜ストパン×GATE) セリフ集2 なぜイタミ中尉が責められる!? 彼はエジプトの民をネウロイから救った。 犠牲が出たとしても残る民を救った、その事実になぜ注目しない! ガマール・アブドゥル・ナセル大尉 避難民死傷でその責任を問われた伊丹に対して反論する。(※1) 日本語が分かるのに何故黙っていたかって? 何、簡単さ、馬鹿に付き合うつもりがなかったからだよ。 え、馬鹿とは誰だって? それはもちろんアンタだよ、お・ば・さ・ん。 ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ中尉。 日本の国会での証人審問で某女性議員に対する回答。(※2) うわ、やっちゃった。 加藤圭子大尉。 テレビ越しでマルセイユの回答を見て呟く。(※3) ティナは容赦ないからね。 やり過ぎて逆恨みされるような事がなければ良いけど。 特にああしたプライドだけは無限に高いコミーなんて特に。 セシリア・グリーンダ・マイルズ少佐。 同じくテレビでマルセイユの対応を見ての反応。(※4) 扶桑皇国陸軍陸軍飛行第33戦隊より派遣されました黒田那佳小尉であります! 趣味は通帳を眺めること、好きな食べ物は冷汁とあんみつです! あ、後お手当てが一杯出たらうれしいです!! 黒田那佳少尉。 統合戦闘飛行隊「アフリカ」での自己紹介にて。(※5) 520 :第三帝国:2016/05/22(日) 22 18 18 何でマルセイユが日本、 いや扶桑に留学した経験があるんだか…。 そしてライトニング・フォックスだっけ? 妙な繋がりが有るみたいだし……調べてみるか。 伊丹耀司二尉。 色々違う人間関係を見て呟く。(※6) あはははは!話には聞いていたけど本当にその恰好なのね! 南雲さん、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」って言ってみて! 澤猛美一等陸曹。 南雲弓と再開しての第一声。(※7) い・っ・そ・殺・せ! アメリカ海兵隊三等軍曹、南雲弓。 自分の映像が世界中に出回っていることを知り絶望する。(※8) くっそ~次は加藤大尉に頼み込んでお姉ちゃんのサインを貰ってやる! 倉田武雄三等陸曹 お姉ちゃんのサインを今度は加藤圭子大尉から入手しようとする。(※9) この世界は白のスクール水着が白装束なのか……。 狭間陸将。 文化の違いに大いに戸惑う。(※10) 521 :第三帝国:2016/05/22(日) 22 19 17 (※1)ネウロイの勢力圏から逃げ遅れたエジプト避難民救出に第三偵察隊が随伴。 しかし【GATE原作】のコダ村避難民に炎龍が襲撃してきたようにネウロイが襲撃。 マルセイユ率いるウィッチ隊に自衛隊、海兵隊、エジプト帝国軍が増援として駆けつけため全滅は免れる。 しかし、これを口実に野党は自衛隊批判と倒閣を目論み、当時エジプト軍を率いていたナセル大尉が証人として呼ばれた。 なお、彼の批判について夜盗(野党)は阿Q的精神勝利法で無視した。 (※2)同じく当事者として呼ばれた。 彼女が一時的にアフリカから離れることに懸念の声があったが、扶桑の増援が来る前から元々超過勤務状態で一度休ませる必要があったこと、さらに自衛隊と海兵隊が一時的に周囲のネウロイを駆逐したため余裕ができたので参加することに。 なお彼女について日本では二次元のキャラが現実に現れ、しかも超絶美貌に色々話題を呼ぶことになる。 ……その年の流行語大賞が「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」となるまでそう時間はかからなかった。 (※3)アフリカで留守番、テレビは自衛隊の施設で見ていた。 (※4)ソ連が誕生していない世界ゆえに、共産やら社会という党名に対する評価は低かった。 (※5)アデンから急きょ北アフリカに派遣された。 前向き…というより極度の楽天家ゆえに直ぐにマルセイユ達に馴染む。 彼女はこの後色々癖がある史実ノーブルウィッチの面々と北アフリカで共に戦うことになる。 (※6)10割趣味と好奇心でマルセイユや加藤から情報を仕入れていたが、 マルセイユが扶桑へ留学していた事実と「ライトニング・フォックス」なる横の繋がりと九曜という名のウィッチ等と【原作】にない展開に疑問を抱く。 (※7)東京でネウロイとの交戦した自衛官の1人、いくつか功績を上げて昇進。 ストパンについて知っており、軍服マニアの彼女はこの後無茶苦茶写真撮影をした。 522 :第三帝国:2016/05/22(日) 22 19 53 (※8)レーガン大統領に見守られ誕生。 高校卒業後海兵隊に入隊、そして二重橋での活躍。などと普通にはない人生を歩むなど、分かりやすい英雄の航跡と、 高校まで日本人であったことから日米友好の象徴として政府に宣伝されまくり、既に世界規模でその名が知られ、ストパン同人誌でもネタにされまくっていた。 (※9)マルセイユの根回しでもらえなかった模様。 ただし代わりに加藤圭子のサインを貰い、以前に増して周囲の嫉妬を買った。 (※10)主敵であるネウロイを知るため自衛隊幹部は公式同人誌である「アフリカの魔女」だけでなく、全シリーズの小説版、漫画版、ドラマCD、そしてアニメにその劇場版を鑑賞。 さらに島田フミカネ氏を招待するなどしてネウロイについて研究を重ねて来たが……。 「パンツしゃないから恥ずかしくないもん」な設定には真面目な幹部たちにとって衝撃で、加えてアニメ2期の白スクもっさんの設定について知った時に反応は色々な伝説を生んだ。 523 :第三帝国:2016/05/22(日) 22 24 31 以上です。 そして前回九曜を九条と誤字っていました。 失礼しました。