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2021年下半期集計トップ 【作品別得票数】 得票数順に並べてあります。 ◆23票 如月千早は寝れない 503氏 【ノクチル】いつだって僕らは【MMD Band-Edition】 どら氏(Drumaster) good night baby ハニハニP ◆22票 【アイマス16周年】なんどでも笑おう【ニコマスMADMAD】 がぉすP ◆21票 【人力】シンデレラ&ミリオンでLOVE PEACH!!【64人】 メカP、Oriens氏 ◆19票 五ツ座流星群 もあいP ◆16票 あいこまーけっと だぶくろ氏 ◆15票 クリーニング△さんかく 末定氏 ◆14票 クラブ・ミラージュ 残機F氏 ◆13票 【ダンスMAD】BANG!!!【白石紬】 YASU-P 【ミリシタMAD】北上麗花で『Chance To Shine』 カサブランカP 怪盗三十八面相 残機F氏 ◆11票 【MV MAD】いつだって僕らは【シャニマス】 いを氏 TORATAN まるいP 単位上等!爆走4Luxury団! メガペン氏 ゆかさえ オブ ライフ 2021【水本ゆかり / 小早川紗枝】 やーまP、めいむ氏 【手描き】カワイイボクと142’sの三者三葉【完成版】 火拳のエース応援アカウント氏 万花爛漫【塩見周子】 紅ばめ氏 ◆10票 公然の gu氏 【手描き】放クラと283プロでダンベル何キロ持てる?OPパロ【完成版】 tktk氏 【シャニマス3.5周年】アカシア -Shiny Colors Special Coll@boration- シャニマス3.5周年合作 ◆9票 煮込みハンバーガーの話 あやいずP あつまれ 花びらメモリーズの森 コジコジP 【MAD】大冒険をよろしく! シャキシャキレタス氏 【シンデレラガール合作】灰神舞踏~Cendrillon~ 【アイドルマスターシンデレラガールズ】 シンデレラガール合作 ◆8票 ハレループ うろこの噛みごたえ氏 【シャニマスMAD】ダウト【樋口円香】 ごんざえもん氏 まこりんデビュー!【MAD】 しばづけ氏 【人力SideM】イリュージョニスタ!【Café Parade】 タカ氏 【ニコマス20年P・1周年記念合作】MY VO1CE, MY iM@GE【アイマス合作動画】 ニコマス20年P合作 【MV作ってみた】パンとフィルム【ミリオンライブ】 まるく氏 オー・モッチモチ 伯方氏 ◆7票 壊れてしまったの。 gu氏 「なんどでも笑おう」THE IDOLM@ STER FIVE STARS!!!!!【MMD合同プロジェクト】 なんどでも笑おうMMD合同プロジェクト 【シャニマスMAD】透明ガール【ノクチル】 ケプスト氏 ▷▷▷▷ ぶどうとう氏 何でも言うことを聞いてくれるアカネチャンの天気予報 ヨシキP、シェア氏 【LTP/LTH合作】ミリオンライブ!8th st@ge GLOW-ING D@YS!!【双星演舞】 双星演舞LTP/LTH合作 モモヒトダンス 眠子氏 ◆6票 【アイマスMAD】Girl's work D.S.K氏 ローリング△山岳 gs@氏 Gimme! gu氏 やっちゃいなよ、そんな劇場版ストレイライトの偽予告なんか! hibiki氏 Curiosity Palette versusP すっごく豪華なお夕飯です~!! シャキシャキレタス氏 ニコマス平成メドレー3 ~平成レトロ 1989~2005~ ニコマス平成メドレー 【アイマスMAD】あいますかるてっと『異事務所ガールズ♡トーク』【双星演舞】 まさか!P 【アイマスMAD】道なき道を進むアイドルライフ【こんなハズジャナカッター!】 まさか!P ステキな替え歌あげる メカP 108 途方氏 滋賀県M@STERシガー・スウィートMVノンストップミックス 伯方氏 【人力VOCALOID】やさしさに包まれたなら【桑山千雪】 眠子氏 ◆5票 52hertz **P 【夏のサイケデリアマスター】 ekitaimary氏 oyasumi gu氏 【MV MAD】Transcending the world【シャニマス】 hibiki氏 不埒な喝采/木下ひなた Hoaxer(ほ)氏 KAKU-tail VS MSC ~令和の陣~ 投票動画 KAKU-tail THE@TER 【ダンスMAD】PAINT THIS TOWN 2NITE【白石紬】 YASU-P 星野源『りんごえもん』 こがっぱどん氏 長富蓮実のHelloSong しんこんP 下乳保冷剤部部長宮尾美也 ておどーる氏 Cinderella PokémonART 【ポケットモンスター×シンデレラガールズ】 てつ(XIAO)P、Inori氏 【静止画MAD】童祭【After20】 てつ(XIAO)P Seven Nation Army トリライト氏 アイドルマスター 新サクラ大戦「奇跡の鐘(太正二十九年版)」 ぴっかりP かわいいですね☆ ひななななめ氏 【MAD】並んで同じ景色を【Blooming Clover】 ポンズ氏 【手書き】高坂海美の卵とじ【ミリオンライブ】 マハラギ氏 「BANG!」「わーお」「あはっ♪」 みおはすP 踊 ゆのすP 君じゃなきゃダメみたい ゆのすP 砂漠の北極星【ライラ】 紅ばめ氏 金星のにゃんす 三ツ鉢氏 【人力VOCALOID】ラーニングトレイン【硲道夫】 眠子氏 にちかマン3 チョコアイドルマンステージ 獺x氏 ◆4票 Rollin' LM氏 「Snow*Love」LIVE short ver.【高森藍子誕生祭】 mobiusP、螺旋王P、酢ぱん酸氏 「Bloomy!」アルストロメリア【シャニマスLIVE MV】 mobiusP、市川氏、螺旋王P あつまれ だってあなたはプリンセスの森 コジコジP ペナルティ・キッス / 樋口円香 ことぶきP、まるきゅー氏、腎臓P、涼姫彼方氏 【MAD】Sing Along!【松山久美子】 シャキシャキレタス氏 e_d_i_t じゅっP 【ミリオンライブ!】プリンセススターズがやってきたぞっ しろねこP セムいわよ! にくにく氏 溶媒に対する考察 ノヂエ氏 〇ン〇ンのうた ビッグコックP 【80'sM@STER】 天井裏から愛を込めて ぽP 無限にホメてくれる桜守歌織先生 マハラギ氏 【ノクチル】 海月 ミズゴロウ氏 【ミリシタMAD】DOPEMAN メルカディアン氏 光 よぅ氏 夏葉のケツ合作2021 -728FEST 2021- 夏葉のケツ合作2021 ゆかさえで『淋しい熱帯魚』 兄裸P ザコメンタルのビターステップ 兄裸P 浅倉透が作った音MAD 残牛丼氏 アサヒトレイン 上品氏 悲 し い 女 の 子 腎臓P 【ミリシタMAD】AKANE are taking over the WORLD 青い秋千氏 天使の贈り物 電動P polar express 途方氏 【MAD】美城バタンキュー 藤和P ʕ·͡·ʔLovin'Drivin'Darlin'ʕ·͡·ʔ 特殊型ドサイドン氏 【人力Vocaloid】NOISY LOVE POWER☆【菊地真】【改良版FULL】 冷茶氏、赤井なな氏 ◆3票 ヘイユー 503氏 【アイマスMAD】Hello, New world.【双星演舞】 Clank氏 怠惰 gu氏 映画@小松伊吹 whoP 【サイスタMAD】▽△▽【C.FIRST】 YASU-P カレーメシのCMに出る放クラ アニサキス氏 コイトン教授と283のアイドル ナゾ001 いっぱい食べたい あるねこっと氏 【MV MAD】機動捜査隊MIU283【シャニマス】 いな⁷²㌢氏 冬優子「ねぇ、なら観光しない?」 うさぎらーめん氏 【80'sM@ster 開催告知】ギンギラギンにパ・リ・ラ ごP 【人力SideM】POP STAR【DRAMATIC STARS】 タカ氏 みちるすきLIMIT-2021 Summer- チャノ氏 【シャニマスMAD】感電【緋田美琴】 ちゅーじん氏、DJ Raisei氏、芒乙。氏 はちみー冬優子マフティー構文 つくな氏 ミリオンライブ!× 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 CollabrationプチMADメドレー てつ(XIAO)P、たけつき氏、heterochromia氏、ハバネロP プロデューサーにお休みを促すダンス てんきり氏 【2019年ニコマス20選ED】 虹色ミラクル ニコマス20選運営陣 ニコマス21年P合作 ─宇宙編─ ニコマス21年P合作 クソデカ楽園 バチP 【アイマス×EVE ZERO】いぶます!(仮) 加蓮編第16話 6日目[2/3] バニラマリンP アイドルマスター 新サクラ大戦「桜夢見し~花組~」 ぴっかりP 錯梦リブレムリア【双星演舞】 ブルートラバース氏 何でも言うことを聞いてくれるナオチャン マハラギ氏 【水本ゆかり】 ゆかりょい伝説 【誕生祭2021】 やーまP、夢芽氏、ろき氏 [ MAD ] ハニー!宣材撮るの手伝ってほしいな! [ 星井美希誕生祭2021 ] ゆっぴP どうしよう ゆのすP radio よぅ氏 i よぅ氏 【人力VOCALOID】Rolling star【八宮めぐる】 りゅうせいのたき氏 【ミリシタMAD】「愛のシュプリーム!」 伊勢P 【モバマス】MOTHER2~サイコソルジャー堀裕子~Part29(最終回) 花猪口P 孤独のサイゼ【第1回サイゼリヤm@ster】 紅ばめ氏 浅利七海合力士鍋(がっちゃんこ‼︎) 黒土P、アルトP ラグアマナァ 象ちゃんですP 【ミリシタMAD】十五夜 青い秋千氏 【デレステMAD】Sweet Little Kiss 青い秋千氏 怪造人間 途方氏 背負ったもの 二階から点鼻薬氏 MITSUAMI 伯方氏 クソデカ夕映えプレゼント 伯方氏 アカネジカac14.0V 末定氏 【あかしほ】踊るような心地で 林檎飴氏 【スターライトステージ】魔法以上が宿ってゆく【MAD】 豐嵜P ◆2票 【デレステMAD】この幸せが夢じゃないなら 136氏 【80'sM@STER】Time After Time【桜守歌織】 annP 【ミリシタMAD】誇り高きアイドル【Honeyworks】 Bleu氏 【MAD】Great Journey(デレマス&プリコネコラボ) e-style氏、てつ(XIAO)P Harmony 4 SHUZO EastMt氏 【PBoyP@rk2021】 ekitaimary氏 なだれ gu氏 やっちゃいなよ、そんな大ヒット御礼ロング版ストレイライトの偽予告なんか! hibiki氏 UNTRAVEL I Ɔ H Ξ L L M N氏 【疑似m@s】カ・ニ・だ k10(ケーテン)氏 【第一回サイゼリヤm@ster】Fa Festa l'ammore【Fleuranges】 k10(ケーテン)氏 【白坂小梅】Therefore I Am k10(ケーテン)氏 Crimsonate【ミリシタMAD】 KutoriP Hurt Locker LM氏 【6周年】デレステMV進化の歴史 Niku氏 パクトレイン nkaoobt氏 【デレステMAD】はい!もしもし…夏です! occhan-L氏 【MMD】ヴィトンのCM【水瀬伊織】 P.I.P 【モバマス】シンデレラと百人一首 第1首【阿倍仲麻呂】 ParrotP ハローマリーナ / 樋口円香 sio氏 【夢見りあむ】だらしなくふたりで【イメージソング】 Theムッシュビ♂ト氏、RAINY氏、Kevin Lin氏、ミンカ・パノピカ氏 【VOICEROID実況】天才美少女765P・琴葉茜がアイドルマスターミリオンライブ・シアターデイズを遊ぶ #1【ミリシタ】 torimiso氏 ソーニャちゃん夜を往く いひぇ氏 【人力VOCALOID】周防桃子に『プラリネ』を歌ってもらった【周防桃子生誕祭2021】 うももP 【ミリシタMAD】矢吹可奈で『Fa Festa l'Ammore』 カサブランカP プロジェクト・フェアリー『オーバーマスター』スターリットシーズンver ぎょP 【MAD】彼女たちは天然色【シャニマス】 きんじ氏 ぴゃ漏れ日の中で クマレオン氏 【人力VOCALOID】依田芳乃で『幽霊東京』【依田芳乃生誕祭2021】 クロリア氏 琴葉 琴葉 琴葉 琴葉『真夏のダイヤ☆』MV 水着 ミリシタ けまり部P 冬優子ちゃんとおいかけっこするっす! コココココココ氏 2拍目と4拍目が存在しないアタシポンコツアンドロイド コラーニャ・ピダ氏 Celsius 天海春香/アイマスMAD サネカズラ氏 【アイマスMAD】 強く儚い者たち シーバスP 【癒し系動画】アイドルと夏休みに遊んだ しま氏 【デレステミュージカル】歌うたいの魔女 しま氏 CS MC じゅっP 【シャニマス3.5周年記念WEBCM】努編 しろさぎ氏 初めての気持ち ソニおP 水分こまめに補給して タカ氏 カカカカ柏木 タカ氏 星降る夜になったら:菊地真 ちーず氏 【ミリシタMAD】イイコトしようよ テキトウムシ氏 【ミリシタMAD】I’m総理 テキトウムシ氏 【浅倉透】青春なんていらないわ【双星演舞】 ととろP moonriver トリライト氏 ムキムキ構文伝説 にコホ(こほ)氏 【第4回シャニマス投稿祭】月岡恋鐘でクラナドOPパロ【AniPAFE2021】 ニセP フェスタ・カビトリシューリョーン ヌストラダマス氏 【人力VOCALOID】キラキラ ねあか氏 同じ土の中物 ノヂエ氏 rocse ノヂエ氏 迯げたのか ノヂエ氏 ユーラヤ ノヂエ氏 円周率redzone バンギ岡本氏 存在しないシャニマス3.5周年CM ひさ氏 Oshani Scramble! ふくろお氏 美琴……なんで、日テレに……… ふくろお氏 甜花……布団から出たくない! ふくろお氏 【80'sM@ster遅刻】 Madonna X 【マッシュアップ】 ぽP 【アイマスMAD】ららら道夫君【ニコマス平成メドレー3】 まさか!P ンゴトレイン まるきゅー氏 あなたに逢いたい むすひらP 【盆m@s】あのね、帰省したい家があるんだ メカP 【シャニマス】ガチャピンとムックがSHHisに似てるなって思ったのでOH MY GOD踊らせた【疑似m@s】 メガ羊氏 【ミリシタMAD】Uが肝要 メルカディアン氏 【デレマスMAD】ステージバイステージ【ダンスロボットダンス】 ヤマダリオンP 世界滅亡 or ウィーアー! ゆーばり氏 ちょこセンパイーボーイ ゆーばり氏 春香は僕のマリオネット ゆのすP ミ!!! ゆのすP ダンスホール よぅ氏 衝動 よぅ氏 口実 よぅ氏 ワンダーランド よぅ氏 【デレステMAD】Swimming Night ライオン氏 【デレステMAD】ALTIMA【夏のサイケデリアマスター】 ライオン氏 【人力VOCALOID】Dazzling World【白瀬咲耶】 りゅうせいのたき氏 【人力VOCALOID】HELLO【天海春香】 りゅうせいのたき氏 14平家BOYにスケベェにアッー! るぺあ氏 【ミリシタMAD】Let's Go Muscle!!!【険しく長き筋肉の道!】 レアリズ氏 ACM(真センター)で なんどでも笑おう[Harmonized.ver † noir EDITION] れのP 【R@P_M@STER】シークレットジュエル〜魅惑の金剛石〜 (Rap cover)【ニコラップ】 わょじP、安定P 【スタマスMAD】「LOVE2000」 伊勢P さくらんぼ(箱崎星梨花) 音無翠氏 【80'sM@ster】赤道小町ドキッ【ミリシタMAD】 加速(kskP)氏 【ミリシタMAD】スウィートソウルレヴュー 【百瀬莉緒誕生祭】 加速(kskP)氏 【GBA版FF2×デレマス】ファイナルファンタジー151's Part1『のばら』 花猪口P、シロP 胡蝶 回P Pを定義 回P travel 回P m3 回P 【疑似m@s】水中カニエィ/NO CURRY スクリプチュア【メドレー】 魚実氏 JUR_YY⸜(๑’ᵕ’๑)⸝ 四角氏 【第4回シャニマス投稿祭】シャニマス漫才 特別編④【オズワルド】 紫緑P 懐光に照らされて、気淑く風和ぎ 【パストデイズ・シンガーズ】 小豆虫P ジューリンチャンス 象ちゃんですP あおぞらサイダー×Garage Talk【iM@SHUP】 新しいデラックスライフ氏 木下ひなた誕生日アニメ 新垣れいみ氏 【シャニマス手書きMAD】ほうくらセンセーション 水無瀬 桜花氏 【ミリシタMAD】ちっぱいぱん 誠之助氏 カラオケにいく、ちよことかほ 元気いっぱいバージョン 浅倉透氏 【#双星演舞】CINDERELLA GIRLS VS. MILLION LIVE! 煌々華劇 【MAD×REMIX】 双星演舞煌々華劇合作 ドキッ!こういうのが恋なの?【うごメモ】 倉庫氏 若き流星USAアベナナー 束ねるこ氏 第765876346315283回 KINEM@STER合作 前編 第765876346315283回 KINEM@STER合作 【人力SideM】クラファ短いのまとめ【C.FIRST】 竹本氏 遅れてしまったの 電動P The Time Of The Year Is Sunset 電動P すばやくてンカ 頭ハピリリ氏 川´3`) コカコーラ '79 南駆流P ヒーロー宣言 / 小宮果穂 捻挫氏 甜花てんかテンカてんカテんかテンかちゃんってね、めっちゃかわいーんだー! 捻挫氏 【踊ってみた】真夏のダイヤ☆【博多ORIHIME】 博多ORIHIME、白石ありさ氏、上川まゆ氏、立花つぐ氏、星乃あみ氏 【アイマスMAD】私のせいかな 八海山大五郎P 咲く向日葵の方へ 枕元P 茜ちゃんなでたい 末定氏 高山紗代子とメイスイ浄水器 獺x氏 ◆1票 シキちゃん、レッスンしよ~/宮本フレデリカ 26K / にとろく氏 囁 503氏 響と文香の真夜中グルメ探索日記24 ajinoriP 【デレステMAD】Sweetest girl【七海・琴歌・マキノ】 albireo氏 【第1回サイゼリヤm@ster】Dio come ti amo【デレステMAD】 annP 【ミリシタMAD?】Let's Go Surfing!!【#海美の日 】 Bleu氏 [MMD]『どりーみんチュチュ』美穂 DHP 【ノベマス短編】im@sDSフェスタ12th【イベント開催告知】 DSPlusP リズム天国シャイニーカラーズ(詰め合わせ) Enbisen氏 【AI式HALC@LOID】ノンユース【NNSVSカバー】 Heimatlos氏、かづき氏 【AI式HALC@LOID】ハローマリーナ【NNSVSカバー】 Heimatlos氏、かづき氏 Bad Girl I Ɔ H Ξ L L M N氏 【合作】みんなで!inm@sネタ掃除2021.jpeg inm@sネタ掃除2021合作 【三浦あずさ生誕祭2021】Raganu Nakts【ARCANA】 k10(ケーテン)氏 【THE虎牙道】Khan【菊地真】 k10(ケーテン)氏、kakitama氏 【タグロック企画】第1回サイゼリヤm@ster開催のお知らせ k10(ケーテン)氏 【4Luxury】Uptown Girl【80'sM@ster】 k10(ケーテン)氏 【chicA Amor】Water k10(ケーテン)氏 【百瀬莉緒】Hey Momma/Hit the Road Jack k10(ケーテン)氏 【PBoyP@rk2021】Oliver Twist【永吉昴・松田亜利沙】 k10(ケーテン)氏 【菊地真】 Alive k10(ケーテン)氏 【ミリシタMAD】B.I.T/真,玲音,紗代子,貴音,千早 kakitama氏 KAKU-tail VS MSC ~令和の陣~ 結果発表 KAKU-tail THE@TER HAPPY AKANE HARDCORE Konstantin氏 Not the End LM氏 Save Me, Save You LM氏 【MMD】黒ちゃんが踊るチーズケーキクライシス【9月6日は黒ちゃんの日】 Lostsoul氏 【星井美希生誕祭2021】星井美希 マイオンリー衣装 全SSR(通常衣装)紹介【ミリシタ/ユニットMV】 mattoP 【紗代子誕生祭2021】LIFE is... 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Beautiful Amulet(前編) ◆gFOqjEuBs6 己が欲望の為に悪魔に魂を売った女は既に殺され―― 彼女から全てを奪った奴らは、一目散に逃げ出した。 この“時の庭園”に残された者は、最早誰一人居ない。 ……と、少なくとも、奴らはそう思っていたのだろう。 だが、実際は違う。 まだ、残っているのだ。 プレシアにとっての、最後の戦力が。 見捨てられたと思っていた、生き残りの戦力が。 奴らの決定的な失敗は、完全にシステムを掌握しただろうという過信。 首謀者であるプレシアを殺した時点で、邪魔者など居ない……そんな慢心。 それが勝った気でいる奴らにとっての最大の綻びになるなどと、誰が想像出来ただろう。 ◆ 目覚めた少女は、碧銀の髪を揺らし、立ち上がる。 蒼と紺の虹彩―所謂オッドアイだ―で、仄暗い一室を見渡す。 自分の他は、数人の女が壁際に設置されたコンソールを叩いているだけだ。 それが誰なのか、何て事を少女は知らないし、自分が何故ここに居るのかすらも解らない。 少女にはそれ以前の記憶が殆ど残されてはいなかった。 だけど、だからと言って思い悩んだりする必要もない。 成すべき事は、只一つ。愚かな裏切り者の始末、だ。 与えられた任務は、ジェイル・スカリエッティを叩き潰す事。 それだけが確固たる目的として、脳裏に刻み付けられていた。 「武装形態」 ぽつりと呟いた。 数瞬ののち、少女の衣服が弾け飛んだかと思えば、その身体が変質してゆく。 まだ幼さを残した身体が、成熟した大人の身体へと。 手足が伸びて、先程までは幼かった筈の胸が、大きく揺れる。 大人の身体へと変化したその身体を、白と緑の騎士甲冑が包み込み―― 最後に、少女のオッドアイの瞳を、黒のバイザーが覆い隠した。 かくして少女は“変身”を遂げた。 戦う為の、任務を果たす為の姿へと。 倒すべき敵を求めて、少女は周囲を取り巻く女へと向き直り、 「私の敵は、何処ですか」 淡々とした口調で問うた。 「母さんが遺した“緊急転送システム”で、君を敵の元まで送り届ける」 「君はそこで、“命令”された通りに敵を叩き潰せばいい」 「私達は君を送り届ける為に、今の今までずっと身を隠して来たんだ」 「それが、母さんが望んだ事だから」 よく済んだ女性の声が、口々に答えた。 何人か居るようだが、皆が皆同じ声をしている為に、聞分ける事は難しい。 ともすれば、一人しかいないのに、複数人を装っているのでは、とも思える程だ。 されど、そこには確かに数人の……それこそ十人にも満たない程の女が居た。 長い金髪に、すらりと伸びたスタイルの良い手足。 赤い虹彩の瞳はまるで生気を感じさせず、気味が悪かった。 同じ顔。同じ声。同じ特徴を持ったそれらは、母の愛の為だけに動く人形。 先の戦いで殆どが死に絶えた彼女らも、全滅した訳ではなかった。 最後に残された数体には、プレシアから特別な任務を預かっていたのだ。 それは“最後の罠”を起動させる為の駒として、その瞬間が来るまで身を隠せ、という事。 ナンバーズやリニスすらも知り得ない、間取り図からも抹消された最後の部屋に。 ……最も、プレシアはその時が来るとは思っていなかったのだろうが。 『――まあ、あの子を投入する事は来ないでしょうね』 ミラーワールドでの騒動が終わった時、プレシアはこう言った。 ここで言う“あの子”とは、最悪の場合に備えたカウンターの事。 そう。あの時はまだ、それを使うつもりは無かったのだ。 というよりも、使う時が来て欲しくは無かった。 ここに閉じ込めたフェイト達も、このまま二度と解放する気は無かった。 アリシアだけを蘇らせて、残された戦力など全て放棄するつもりだったのだから。 されど、事はプレシアの望んだ通りには進まず……。 状況は彼女が想定していた内、最悪の方向へと傾いた。 事実として、彼女らに与えられた指名を、彼女ら自身が果たす時が来てしまったのだ。 だから彼女らは……フェイトらは、最後の任務を成し遂げる為に。 碧銀の髪の少女を敵の本拠地へと転送する為に、コンソールを叩く。 「叩くなら今しかない。奴らが油断し切っている、今しか」 「急いで。もうあまり時間が無い……奴らが逃げてしまう」 「こっちは準備完了。いつでも“脱走妨害システム”は起動出来るよ」 フェイト達は必死だった。 今は亡き母の命令を、母への愛を、貫き通す為に。 そして何よりも。母を殺した奴らへ、一矢報いる為に。 これが残された最後の任務。そして、これが残された最後の感情。 愛する母からの命令と、憎き仇敵への愛憎が、彼女らを突き動かしていた。 「よし……緊急転送システム、何時でも起動出来るよ」 「良かった、これで間に合う。後は君に、全て任せるよ」 「うん。君の転送が完了すれば、もうこの庭園からは誰も出られなくなる」 「だから、後は君が私達の想いを成し遂げて欲しいんだ」 最後の切り札たる少女に、今にも消えそうな笑顔を向ける。 儚げで、心は泣いている……そんな風にも見える、悲しい笑顔だった。 されど碧銀の少女は、それを向けられたからと言って、何を感じる訳でも無く。 逆に、ふと気になった疑問を尋ねる。 「貴女達は、どうするんですか」 「この庭園はもうすぐ崩壊する。だから、最期の瞬間まで、私達はここに居るんだ」 「理解出来ません。そんな自殺行為に、一体何の意味があるんですか」 「君が理解する必要はないよ。この意味は、君にはきっと解らないから」 「そうですか」 それ以上の詮索はしなかった。 最後の切り札たる彼女には、殆どの記憶が無い。 プレシアによって記憶と感情を制御された彼女は、ただの兵器。 裏切り者を抹殺する為に残された、最後の鬼札(ジョーカー)なのだ。 それ故に、自分の目的と何ら関係の無いフェイトが理解不能な行動を取った所で、さほど興味は沸かない。 「転送、開始」 一人のフェイトが、パネルを叩いた。 同時に、騎士甲冑を纏った少女の姿が消えてゆく。 次元間転送だった。それは、たった一つの目的を果たす為に。 奴らがアジトとしている場所を叩く為に、碧銀の少女を送り出したのだ。 やがてその姿が完全に見えなくなった頃には、もう一人のフェイトが別のパネルを叩いていた。 「脱走妨害プログラム、起動」 最後の兵器は、最後の戦場へと送り出された。 これでもう、ここに思い残す事など一つもない。 後顧の憂い無く、もう一つのシステムを起動出来る。 何人たりとも庭園から逃がしはしない、最後のシステムだ。 それら二つを合わせて、プレシアは最後の罠としていたのだ。 今頃プレシアを裏切った奴らは、システムの網に引っ掛かっている頃だろう。 その結果を暗示する報告が、今頃プレシアの部屋のモニターに映し出されている筈だ。 されど、そんな報告をした所でもう意味は無い。 母の言い付けを守った娘らを褒めてくれる人は、もう何処にも居ないのだから。 何はともあれ、これでフェイト達はもう、二度と外の世界を見る事は無くなった。 だけど、不思議と―彼女達にとっては不思議ではないのだろうが―後悔はない。 何より、それが怖い事だとも思わなかった。 「きっと、母さん一人だけじゃ寂しいと思うから」 「だけど、安心して。私達は、これからもずっと母さんと一緒だから」 届かぬ愛を胸に抱き、フェイト達は笑う。 愛する母の言い付けを、始めて成し遂げる事が出来たから。 母が残したこの庭園で、これからもずっと母と一緒に居られるから。 結局、何が本当に正しい事で、何が本当の愛なのかも解らないまま。 激しい地鳴りを伴って、時の庭園の崩壊が始まった。 母と子らを乗せた庭園の最期だった。 ◆ リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル 第200話 「Beautiful Amulet」 都市型テロ「JS事件」の解決から数カ月後。 不可解な連続失踪事件が相次いで発生していた。 被害に遭ったのは、空のエース・高町なのはに始まる機動六課の面々。 彼女らが、まるで神隠しにでも会ったかのように、次々と何の痕跡も残さず失踪したのだ。 目撃者は皆無。周囲の人物に事情を訊くも、皆一様にして彼女らが失踪する前後の記憶は曖昧。 まるで超常的な力が働いたかの様に――それは本当の意味で、「消えた」という表現が正しかった。 そこへ追い打ちを掛ける様に発生したのが、JS事件の首謀者であるスカリエッティによる脱獄事件。 投獄されていたスカリエッティ及び配下のナンバーズ達が、何者かの手引きによって脱獄したと言うのだ。 それも、無期懲役処分を受けていたナンバーズのみならず、更生組である筈のナンバーズまで。 当然、管理局はこの二つの事件に何らかの関連性を見出そうとするが、一向に解決の兆しは見られなかった。 事件は何の進展も見せず、数カ月が経過して――このまま迷宮入りするかと思われたその矢先。 今から4年近く前の出来事だ。 ある日、ミッドチルダの辺境に、不自然な次元干渉が確認された。 誰も近寄らない様な山奥の地に、かなりの長距離を越えて何かが転送されて来たのだ。 正規の手続きを取って居ない以上、それが不正な形での次元間跳躍である事は一目瞭然。 しかしながら、それに輪を掛けて不自然なのは、何の隠蔽工作も無しに堂々と跳躍して来た事。 まるでわざと管理局に見付かる為に事に及んだのではないかと、そう思ってしまう程に。 ともすれば、管理局に敵対心を持った何者かによる罠とも考えられる。 だが、例えそれが罠であったとしても、看過する訳には行かない。 管理局は、直ちに武装局員を派遣した。 それが最後の戦いの場である事も知らずに。 ◆ 高町ヴィヴィオ。 ミッドチルダ在住のSt.ヒルデ魔法学院、初等科4年生。 少しだけ人とは違う生まれ方をして、少しだけ人とは違う運命を辿った少女。 ヴィヴィオがヴィヴィオとして生きる事を許してくれた人達が居て。 命を賭けて、ヴィヴィオに色んな事を教えてくれた人達が居て。 今は仲良しの友達も居て、母親代わりになってくれる人も居る。 現在はごくごく普通の子供らしい人生を歩んで居た。 その日は、少しだけ特別な日だった。 今日からヴィヴィオは、晴れて初等科4年生となる。 新しい学校生活を、新しい気持ちで迎えたのだ。 嬉しい気持ちを一杯に胸に秘めて、ヴィヴィオは走る。 新しいクラス分けとか、今日あった出来事とか、沢山話したい事があるし。 それに何よりも、今日は早く帰って来れば、少しだけ嬉しい事がある、らしい。 帰宅したヴィヴィオは、期待に胸躍らせ、玄関のドアを開け放った。 「ただいま、フェイトママ!」 「おかえりーヴィヴィオ」 優しい笑顔で出迎えてくれたのは、ヴィヴィオのもう一人の母……フェイトママだ。 高町なのはが居ない今、母親になるのは後見人であるフェイトしか居ない。 ヴィヴィオが帰還したと聞いて、フェイトは嫌な顔一つせずにヴィヴィオを引き取ってくれた。 しかし、今でこそヴィヴィオの前では何時でも笑顔で居てくれるが、少し前はそうではなかった。 数ヶ月前、ヴィヴィオが帰還したばかりの頃は、フェイトも相当落ち込んで居たのだ。 それも当然と言える。十年間共に過ごして来た友が……沢山の人の命が散ってしまったのだから。 人前では笑顔で居ても、一人になった時はいつも泣いていた事を、ヴィヴィオは知っている。 そんなフェイトを、強い人だと思う。 本当は誰よりも悲しい筈なのに。 誰よりも泣きたい筈なのに、そんな素振りを出しはしない。 それどころかヴィヴィオの事を、本当の娘の様に可愛がってくれる。 ヴィヴィオは、なのはが命を賭けて救ったたった一人の娘。 なのはがその魂を託した、言わばなのはの唯一の忘れ形見なのだ。 となれば、フェイトも黙って居る訳には行かないと、そう思ったのだろう。 まずフェイトは、ヴィヴィオを立派に育てようと、魔法学院に入学させてくれた。 それから、毎朝早起きしてはお弁当を作って、笑顔でヴィヴィオを送り出してくれる。 夜にはヴィヴィオを安心させる為、遅くなる前に仕事を切り上げて帰宅してくれる。 と言っても、どうしても帰れない夜もあるにはあるのだが。 本局執務官ともなれば、本当は仕事だって忙しい筈だ。 それくらいは、ヴィヴィオにだってわかっている。 無理はして欲しくない、とフェイト本人にも言ったのだが、フェイト曰く「これくらいは平気」との事。 そう言われてしまえばこれ以上何も言い返す事も出来なくて。 ヴィヴィオは、そんな優しいフェイトママの事が大好きなのであった。 「今日はお仕事大丈夫なの?」 「フェイトママ、船の整備で明日の午後までお休みなんだ。だからヴィヴィオのお祝いしようかなって」 柔らかな笑顔を浮かべ、テーブルの上にお菓子を並べて行く。 今日はヴィヴィオの始業式。沢山のお菓子は、4年生に進級するヴィヴィオへのお祝いだった。 お菓子の甘い香りが鼻孔をくすぐり、今すぐに食べてしまいたい衝動に駆られる。 だけど、まだだ。まだ、その前にすべき事がある。 「お茶いれるから、先に着替えて来るといいよ」 「うん! ありがと、フェイトママ!」 そう。まずは着替えだ。 家の中でまで学校の制服を着たままでは堅苦しい。 それから手を洗って、うがいをする事も忘れてはいけない。 お楽しみは、きちんとやる事をやってから。 それはかつてなのはママに教えられた事でもあるのだ。 取り急ぎ着替えを取りに行こうと駆け出した……その刹那。 ――ピンポーン、と。 鳴り響いたのはチャイム音。 来客が来た事を知らせるベルの音に、二人は顔を見合わせる。 ヴィヴィオと目が合った瞬間のフェイトは、何処か嬉しそうな表情をしていて。 如何にヴィヴィオが子供と言えど、それくらいの表情変化はすぐに見抜く事が出来た。 「来たみたいだね。ヴィヴィオ、出てくれる?」 「……? うん、わかったー」 釈然としないものの、どうやら待ち望んでいた来客らしい。 心中に若干の期待を抱きながら、ヴィヴィオは玄関に向かった。 ドアノブをがちゃりと捻って、造りの良い玄関のドアを開く。 同時。ドアの前に居た誰かが勢いよく跳び上がり―― 「――んっ!?」 次の瞬間には、ヴィヴィオの視界は闇に覆われていた。 動きを完全に封じられ、次いで息苦しさを感じる。 何者かの罠か、と考えるも、すぐにその線は薄いと判断。 何故なら……肌に感じる“それ”は、柔らかかったからだ。 顔面に触れる感触が、どういう訳か、僅かに柔らかいのだ。 それがどういう事なのか大体理解した次の瞬間には、 「こら、いきなり飛び付く奴があるか」 「あいたっ!」 ヴィヴィオの視界に光が戻っていた。 目の前で頭を押さえ蹲るのは、一人の女だった。 特徴的な水色の髪の毛に、修道騎士見習いのシスター服。 人懐っこい表情でヴィヴィオを見る彼女の名は、セイン。 かつて機動六課と死闘を繰り広げた、ナンバーズの一人だ。 そして、セインの背後に控えていた二人の事も、ヴィヴィオは良く知っている。 「セイン! それにノーヴェとウェンディも!」 「おうよ。元気でやってっか、ヴィヴィオ?」 「今日からヴィヴィオが4年生だって聞いて飛んで来たんスよ!」 セインの背後に控えていたのは、赤い髪の毛の女二人。 ともすれば男前とも取れる様な爽やかな笑みを向けるのはノーヴェ。 子供みたいに無邪気な笑みを浮かべるのは、ウェンディだ。 「三人とも、いらっしゃい! わざわざヴィヴィオの為にありがとー!」 最初は誰かと思ったが、相手が彼女らならば話は別だ。 ヴィヴィオとノーヴェは、同じストライクアーツを極めんとする者同士。 格闘技の練習にはいつだって付き合ってくれるし、この三カ月で色んな事を教わった。 今やノーヴェとヴィヴィオの練習試合は、周囲の注目を集める程のレベルへと昇華しているのだ。 ウェンディはウェンディで、ノーヴェと会うついでに、ヴィヴィオと一緒に過ごす時間も少なくない。 ナンバーズとヴィヴィオの間には、確かに色々あったが……だからこそ、彼女らもヴィヴィオの事は可愛がってくれる。 ウェンディもセインもノーヴェも、まるで本当の妹を可愛がるようにヴィヴィオと遊んでくれるのだ。 そんな彼女らを好きにならない訳が無かったし、会いに来てくれたとなれば尚の事嬉しくもなる。 そんな中で、すっくと立ち上がったセインは、苦笑いを浮かべ、言った。 「いやー、悪かったよヴィヴィオ、久々だから思わず」 「もう、セインはいつ会っても子供みたいなんだから」 そこがセインの良い所だが、と心中で付け足す。 そんなヴィヴィオの心境を知ってか知らずか、セインは声を荒げて言った。 「自慢じゃねーが、あたしはこいつら程精神的に大人じゃないんだからな!」 「うわぁ、それは本当に自慢じゃないっスね」 「全く……こんなのがあたしらよりも年上かと思うと涙が出て来るわ」 ウェンディとノーヴェが、口々に告げる。 二人とも心底あきれ果てた様な表情で……だけど、何処か楽しげだった。 それを見ているヴィヴィオも、何だか解らないけど、楽しくて。 次の瞬間には、三人が三人とも、子供みたいに笑っていた。 色々あったけど、今ならば――否、今だからこそ、思う。 こうやって、他愛も無い雑談で笑い合ったり出来る事は、幸せなんだと。 今みたいに下らない話題で盛り上がったり、格闘技の練習に励んだり。 帰還してからの毎日は、ヴィヴィオにとって何もかもが輝いて見える日々だった。 それもこれも、命あっての物種。 生きているからこそ、実感出来る幸せなのだ。 ……しかし、その代わりに払った“代償”は大きくて。 その事を、一日たりとも忘れた事は無いというのも、また事実なのであった。 ◆ 暗い暗い洞窟の闇の中を、一人の少女が歩む。 碧銀の髪を揺らして歩く姿に、一切の脅えは無い。 その姿にこそ、威風堂々という言葉は相応しかった。 今、この空間に於いて彼女は侵入者だ。 この先に控える裏切り者を叩き潰す事だけを行動方針に動く兵器。 当然、彼女の侵入に対して、裏切り者のスカリエッティが何の手を打たない訳がなかった。 「 !!」 息一つ乱さずに、跳躍した。 その下方、先程まで少女が居た場所を、眩い閃光が駆け抜ける。 前方に視線を戻せば、無数の閃光が自分目掛けて飛んでくるのが見えた。 侵入者を排除しようと放たれた、刺客による砲撃だろう。 だが、何て事はない。 魂の籠らぬ一撃など、この身体に当たりはしない。 無駄一つない動きで、舞って見せる。 ぎゅおおん! と轟音を轟かせ、何発のもレーザーが少女の脇を奔り抜けた。 数瞬ののち、遥か後方で巻き起こる魔力爆発。 狭い洞窟内を駆け抜ける爆風は、颶風となって少女の髪を嬲る。 燃え上る炎に照らされ靡く碧銀の髪は、絹糸の様な美しさを秘めていて。 美しい少女の容姿には、傷一つ見受けられない。 それを確認するや、洞窟の奥から一人の少女が飛び出した。 ボードに乗った少女は、凄まじい速度で狭い洞窟内を駆け巡る。 少女もそれを視界に捉えて、頭の中で計算を立てる。 今から数秒の後には、奴が自分と接触する頃だろう。 ならば、ランデブーの瞬間に、真正面から迎え撃つまで。 腰を軽く落とし、構えを取った――その刹那。 「今だ!」 第三者の声が、背後から少女の耳朶を打つ。 振り向こうとしたその時には既に、この身体から自由が奪われていた。 自分を羽交い締めにする水色の髪の女と、バイザー越しに目が合った。 それは、勝利を確信した者の目付きで。 何処かから飛び出して来たこの女が動きを封じ、その隙に戦いを終わらせる。 そういう戦術を仕掛けて来るつもりなのだろうが……下らない。 これで勝てると思っていたのなら、実に下らないと思う。 彼女がそう思った、次の瞬間には既に、身体が動いていた。 非力な女の腕を振り払い、 「なっ!?」 上部へ向かって放り投げた。 予想だにしない行動だっただろう。 だが悲しいかな、その程度の腕力で覇王の進行を妨げるのは不可能だった。 仰天した様子で空を舞う女は、そのまま真っ直ぐに落下。 こうしている間にも、前方からは赤髪の女が拘束で迫り来る。 赤髪と接触するまで、推定残り時間は5秒といった所か。 ならば5秒で十分だ。それは彼女にとって、あまりにも簡単過ぎる問題だった。 そう判断するや否や、その場で右脚を振り上げ――跳躍した。 「いいっ!?」 素っ頓狂な声を上げたのは水色の髪の女。 何がどうなったのかすら解らなかっただろう。 次の瞬間には、真っ直ぐに振り上げた足が、女の腹を蹴り上げていた。 凄まじい衝撃が、自分の脚からビリビリと伝わって来る。 その感触が、相手を破壊したのだという感覚を確信へと変えてゆく。 女の身体がくの字に折れ曲がって、蹴った箇所からは嫌な音が聞こえた。 機械が軋み、壊れる様な――ともすれば、骨が折れた音にも聞こえるかも知れない。 嫌な破壊音に次いで、声にならない嗚咽が聞こえた。 女はそのまま天井に激突し、真っ逆さまに落下。 その様を碌に確認もせずに、少女は一歩後方へと跳び退った。 「ちょっ……セイン!?」 同時、突貫してきた赤髪が急停止した。 真上から落下してきた女の身体が、ボードの動きを掣肘したからだ。 どさりと音を立てて落下したこの女、名はセインというらしい。 最も、敗者の名前に興味など持つ筈もなく、すぐに頭の隅へと追いやられたが。 不自然に折れ曲がったセインの身体を見たボードの女が、一瞬身体を強張らせる。 眼前に広がる狩る者と狩られる者の構図。 本能的な恐怖が背筋を駆け抜けたのだろう。 次はお前だと言わんばかりに、 「 ッ!!!」 碧銀の少女は息を一つ吐き出して、大地を蹴った。 赤髪の眼前まで飛び上がり、長い脚を振り上げる。 反射的にボードでガードの姿勢を作るが、そんな物は問題にもならない。 その程度の玩具でこの蹴りが防げると思ったら大間違いだ。 振り抜いた脚は周囲の大気を寸断して、傲然たる勢いでボードを叩き折った。 火花と共に強烈な破壊音が鳴り響き。 次の瞬間には、 「――グフ、ァ……!?」 赤髪の顔面を、少女の脚が蹴り飛ばしていた。 真っ赤な血液を吐き出して、呻きと共に後方へと吹っ飛び。 そのまま洞窟の壁に激突、地べたに転がるボードの破片の元へと崩れ落ちた。 ……が、どうやらまだ完全には意識を刈り取れてはいない様子だった。 咄嗟に掲げたボードによるガードが、存外ダメージを和らげてくれたらしい。 だが、意識を失わなかったからと言って、助かった事には決してならない。 寧ろ、今の一撃で気を失えなかった事は不運でしかないのだった。 バイザー越しに赤髪を見下ろし、トドメを刺そうと一歩を踏み出した、その時だった。 「らぁぁぁああぁぁああぁぁああああああああッ!!!」 耳を劈く様な怒号。 反響するタービンの回転音。 彼方から走り抜けて来たもう一人の女が、拳を振り上げ跳び上がる。 型は良い。気迫も十分。格闘家としては、十分過ぎる程の逸材と見た。 ならば、確かめてみたい。こいつがどれ程の力を持っているのかを。 自分の拳とこいつの拳、どちらの方が上なのかを。 何も思い出せない筈の心は、しかし目の前の女との決戦を望んで居た。 ともすれば、それは心と言うよりも、彼女自身の本能なのかも知れない。 嗚呼、結局、本当の所は自分にも解らないのだ。 だけど、ただ一つだけ、本能が覚えている事があるとすれば。 それは、戦えば戦う程に、この身体が強さを求めるという事。 自分は、この身体は、一体何処まで行けるのか。 眼前の相手よりも――誰よりも強く在れるのか、と。 「ぐ……っ!」 女の拳を腕の甲で受け止める。 ここへ来て初めて漏らした呻き声。 ぎしっ、と。音を立てて、骨が軋む。 だが、これで終わりはしない。 拳を受け止めた腕を振り払い、同時に右脚を振り上げた。 がきん! と金属音が鳴り響いて、蹴り脚は女の脚と激突。 相手もまた、この蹴り脚を受け止める為に左足を掲げたのだ。 所謂、カットという奴だ。格闘戦に於ける、初歩的な防御方。 お互いがお互いの身体を弾いて、共に数メートルの距離を開いて対峙する。 「テメエ、よくもあたしの姉妹を!」 金色の瞳からは確かな憎しみが感じられた。 女は拳を引いて、次の一撃に備える。 ならばとばかりに、こちらも再び構えを取った。 この身体に眠る“彼”の記憶を再現するように。 ベルカの天地に覇を成すとまで云われた構えを、この身体で再現する。 刹那、少女の脳裏に疑念が過った。 自分は今、何をしているのだろう、と。 これは何のための戦いで、誰を守る為の戦いだったか、と。 自分が今しようとしている事は、本当に“彼”が望む事なのか。 彼と私が望んだ■■流は。 ■■の悲願は、本当にこれで成し遂げられるのか。 そんな疑念を振り払ってくれるのは、対峙する女の絶叫だった。 「オォッォォォオオオオオォォォオオォオォォォオオォッ!!!」 脚のタービンを唸らせて、拳を振り上げ大地を蹴り上げる。 一足跳びに少女の眼前まで肉薄した女は、全力で拳を振り抜いた。 だけど、その攻撃は何故か……曇っているように思えた。 自分の拳と同じで、何処か迷いがあるような。 だが、今は一先ず考える事をやめよう。 今は只、目の前の戦いに集中すべきだ。 腰を落として、ステップを踏み込み。 ひゅん、と風が切れる音が聞こえた。 凄まじいまでの速度で振り抜かれた拳は、しかし命中せず。 風の音と共に、少女の周囲の風を断ち切った。 技量としては見事の一言に尽きる。 だが――届かない。 これでは、こんな拳では、届かないのだ。 赤髪の女の胴体まで上体を下げた少女は、相手の顔をちらと見遣る。 背後で燃え盛る爆炎の所為か、燃える様な赤の髪は、余計に赤く染まって見えた。 「 ッ!!」 足腰を踏ん張り、この身体に眠る力を練り上げる。 白亜の騎士甲冑に身を包んだ少女が、拳を握り締めた。 一合で決める。こいつに使ってやる時間は、勿体ないからだ。 相手が上体を捻り、その一撃に対処をしようとするが――もう遅い。 「ぐっ――ぅ……!」 どすん! と、心地の悪い、それでいて豪快な音が響き渡った。 目にも止まらぬ速度で、少女の拳が相手の胴体を抉ったのだ。 紺色のスーツ越しに、拳は相手の腹筋へと捻り込まれ、そのまま内臓を破壊せん勢いで減り込む。 全ては一瞬だった。 次の瞬間には、相手の身体は洞窟の壁に叩き付けられ、そのまま崩れ落ちる。 口元から血液だとか胃液だとかを吐きだしながら、意識を失った少女の瞳からは光も失われる。 白目を剥いて倒れる姿は、ナンバーズきっての攻撃手・ノーヴェにしては、あまりにもあっけない敗北であった。 「貴方がもし自我を保っていれば、もっと強かったのでしょうか」 碧銀の髪を揺らし、少女は物言わぬノーヴェに吐き捨てる様に言った。 ノーヴェの拳は、素人がそうおいそれと繰り出せる代物ではなかった。 そのテクニック、速度、切れ味、どれをとっても格闘家としては一級品。 なのに、何故こうも簡単に敗れたのか。 それは、単に拳に「魂」が乗って居ないからだ。 それが一体何故なのか、なんて事には全く興味を抱かない。 向かってくるならば倒す。 自我がないなら、楽に潰せる。 その分、事がスムーズに進められる。 少女にとっては、その程度の認識でしかなかった。 不意に振り向けば、そこに横たわるは、三人の身体。 水色の女はセイン。胴体を“壊した”のだ。修理を受けない限り、動く事は不可能。 今し方倒した格闘家はノーヴェ。問題無く、完全なるKOだ。此方も同じ理由で動けまい。 最後に残った女は、ウェンディ。意識こそ保ってはいるが、この程度の相手ならば問題無い。 向かってくるなら他と同じ様に撃破するのみ。自分にとって取るに足らない弱者だった。 故に踵を返し、洞窟の更に奥へと進もうとした――その時。 「待つっス……! ドクターの元へ行かせる訳には……!」 女はそれでも声を荒げた。 だけど、耳を傾けてやる気は無い。 こんな所でこんな奴を相手にするのは、時間の無駄だ。 第一、これ以上こんな場所で道草を食うのは、彼女の使命感が許さなかった。 この心に刻み付けられたのは、「裏切り者を叩き潰せ」という揺るぎない使命。 この身体が動くのは、それを果たさんとする使命感故。 だからこそ、これは最後の警告だった。 「貴女は私の標的ではありません。それでも邪魔をするというのなら、次は徹底的に破壊しますが」 バイザー越しにちらと一瞥する。 ウェンディは、動かなくなったノーヴェとセインを眇め見て――。 最早それ以上は、何も言おうとはしなかった。 ただ何も言わず、反抗的な視線で自分を睨み付けるばかり。 恐怖心に脅かされた心が、ウェンディにそれ以上の言葉を塞がせたのだろう。 無理もない。ウェンディとて既にそれなりのダメージを負っている状態なのだ。 その上で、姉妹二人の完全なる敗北を見せ付けられたのだ。 いくら頑丈な心だって、折れてしまうのも仕方のない事だった。 「それでは」 だが、それでいい。 これこの手を以上煩わせないで欲しかったから。 最早誰に刻まれたのかも解らぬ使命を果たす為。 白亜と深緑の少女は洞窟の最深部へと進む。 ◆ その日の晩、ヴィヴィオの進級祝いは無事執り行われた。 テーブルの上に無数に並ぶのは、綺麗に料理を平らげられた痕跡。 料理のソースやケーキのホイップが僅かに付着した大量の皿。 それらを眺め、満腹感に浸りながらヴィヴィオが告げる。 「今日は皆、私の為にありがとう」 「本当は他の皆ももっと呼びたかったんだけどね」 苦笑いしながらそう返すのは、フェイトだ。 結局他に進級を祝ってくれたのは、ナンバーズの三人だけだった。 だけど、ヴィヴィオはこれでも十分だと思っている。 セインが作ってくれた料理はどれも美味しかった。 ノーヴェと共に、格闘技について語り合った時間は、心が熱くなった。 場の空気を盛り上げてくれたウェンディのお陰で、常に笑顔を絶やす事も無かった。 自分の事を本当に思ってくれている彼女らだけでも、ヴィヴィオにとってはこれ以上ない幸せだったのだ。 「まあ、なんだ」 ジュースの容器に突き刺したストローから口を離し、ノーヴェが口を開く。 「あたしらとヴィヴィオの間には確かに色々あったけどよ 今ではあたしも、お前の事は妹みたいに思ってるから、さ」 ぽん、と。 ノーヴェの手がヴィヴィオの頭の上に置かれた。 その手から伝わって来るぬくもりは、どこか懐かしくて。 遠い昔、大切な人に頭を撫でて貰った時の事を思い出して。 この小さな胸が、少しだけ締め付けらる様な気がした。 「あたしらに頼りたい時は、いつでも頼ってくれよ、ヴィヴィオ」 何処か照れ臭そうにノーヴェは笑う。 目線を逸らしているのは、やはり直接こんな事を言うのは柄ではないからだろうか。 確かにヴィヴィオは多くのものを喪った。 だけど、代わりに得たものも多い。 血こそ繋がっていないものの、本当の姉の様に接してくれる人が居る。 ノーヴェだけじゃない。セインやウェンディ、フェイトだってそうだ。 彼女らもまた、ヴィヴィオと同じように大切な人を喪ったから。 だから殊更、彼女らもヴィヴィオを他人とは思えないのだろう。 「ありがと、ノーヴェ」 だけど、だからこそ。 その事を考えれば素直には喜べなかった。 忘れる事など出来ない出来事が、影をちらつかせる。 結果、図らずも何処か虚ろな笑顔を浮かべてしまっていたようで。 只でさえ赤面していたノーヴェも、それ以上何も言わなくなってしまって。 この場の空気が一転、少しだけしんみりとしてしまう。 「あ、ごめん……皆、折角盛り上がってたのに」 「いいっスよ、ヴィヴィオ。あたし達だって、気持ちは解るっス」 「一応あたしらも、ヴィヴィオとは似た様な境遇にあった訳だしなー」 ウェンディに、セインが続ける。 ナンバーズもまた、被害者と言えば被害者なのであった。 ヴィヴィオも事のあらましは全て聞いた。 ナンバーズの身に何が起こったのかも、知っている。 更生組である筈の彼女らが何故再び悪事に手を染めてしまったのかも。 悪の科学者の尖兵として戦った彼女を、武力で以て止めてくれた人物が居る事も。 ……結局の所、どうしてそうなったのか、とか。そういう裏手の事情は解らず終いだが。 かろうじて、彼女らの身に起こった出来事だけは知っていたのだった。 「その、4年前にノーヴェ達を止めてくれた人はどんな人だったの?」 不意に、疑問を口にした。 詰まってしまった会話の流れを再び繋ぐべく。 それは同時に、気になって居た事でもある問い。 どんな人間が、どんな想いを持って、ノーヴェ達ナンバーズを止めたのか。 それは正直な所、ヴィヴィオ自身も気になる話なのであった。 「さあ、結局あいつも保護された後すぐ出て行っちまったらしいからな」 「でも、聞いた話じゃ彼女も洗脳されてたらしいっスね」 「短期間だけど、洗脳解けるまでは管理局でリハビリしてたらしいけどなー」 「え、ちょっと待って、洗脳って……?」 三人の言葉に、疑問で答える。 ノーヴェ達を救ってくれた英雄だと思っていたその人は、洗脳されていた。 そんな事実は初耳だし、どういう状況なのか、訳も解らなかった。 そして、ヴィヴィオの疑問に答えたのは、 「調書だと、プレシア母さんによる洗脳の可能性が高いんだって」 フェイトだった。 食器を片づける手を止めて、悄然として俯く。 プレシアの起こした事件は、フェイトにとっても消えない傷だった。 例え事件が終わっても、フェイトの中でそれが解決する事は無いからだ。 そもそも元を正せば、十年前、自分がプレシアを救えなかったが故に起こった事件とも言えるのだから。 フェイトはそれを背負って行くしかないし、だからこそ今こうして前向きに生きているのだろう。 子供なりにそれが解って居るからこそ、ヴィヴィオもこれ以上プレシアを憎もうとはしない。 あの戦いで散った最愛の母だって、ヴィヴィオが彼女を憎み続ける事は望まないだろう。 フェイトが背負った過去と戦い続けている様に、自分も背負った命の分まで生きなければならない。 憎む方が圧倒的に簡単なのだから、自分はそうではない未来を歩んで行かねばならない。 本当に難しいのは、憎しみや過去と向かい合ってどう生きて行くか、だった。 だからヴィヴィオも、フェイトに必要以上の同情はせずに話を続ける。 「プレシアママがどうしてナンバーズを?」 「多分、スカリエッティがプレシア母さんを裏切ったから、だと思う」 「……ま、そのお陰であたし達は今こうしてここに居られるんだけどな」 ノーヴェの言う通りだった。 事実として、この事件の解決に最も尽力したのは、その少女だ。 プレシアに洗脳されていたとはいえ、彼女が行動を起こしたからこその結果。 出来るなら、今はもう何処にいるのかも解らないその少女に会ってみたい、と。 彼女も武人であるのなら、一度ヴィヴィオもお手合わせを願いたい、と。 そんな事を考え、物思いに耽ったヴィヴィオは、つい黙り込んでしまう。 各々思う事があったのか、数瞬の沈黙が流れた後、 「ま、まぁまぁ、折角の進級祝いなんだから、難しい話は置いといて」 それを破ったのは、やはりこの場での最年長たるフェイトであった。 最後の食器を片づけ終えたフェイトが、本来のこの場に似つかわしい明るい声色で以て告げる。 「ヴィヴィオももう4年生だよね?」 「そーですが?」 「この4年間、色々あったみたいで……魔法の基礎も大分出来てきた。 だからそろそろ、自分の愛機(デバイス)を持ってもいいんじゃないかと思って」 「ほ、ほんとっっ!?」 それは思いもよらぬ僥倖。 ヴィヴィオが所持しているのは、マッハキャリバーのみだ。 だけれどそれは、元々スバルの為に組まれたデバイスであって、ヴィヴィオの物では無い。 帰還するまでの4年間を、ずっとゆりかごで共に過ごして来たとは言え、その事実は変わらない。 だから、マッハキャリバーに魔法の練習に付き合って貰う事はあっても、それが自分の愛機だとは言えなかったのだ。 だが、そんなヴィヴィオにも、ようやく愛機と呼べるデバイスが与えられる。 ともすれば、ヴィヴィオの瞳が輝かない訳が無かった。 「実は私が今日、マリーさんから受け取って来ました」 そう言って、フェイトが近くの戸棚から小箱を取り出した。 ヴィヴィオの手と比較すれば、少し大きいくらいのサイズの箱。 待機状態のバルディッシュやマッハキャリバーを入れるなら、大きすぎるくらいの箱だった。 中には一体どんなデバイスが入って居るのか。 そんな期待を胸に、箱を開ける。 しかし。 「……うさぎ?」 中に入って居たのは、うさぎのぬいぐるみだった。 かつてヴィヴィオが大切にしていたうさぎのぬいぐるみに、良く似ている。 だけど、似ている様で違う。あのぬいぐるみとは決定的に違う、何か。 そう。言うなれば、それはまるで「生きているようなぬいぐるみ」と表現するに相応しい。 まるで的を射ていない表現だが、これがただの布と綿の塊でない事だけは、感覚的に解る。 そんな不思議なぬいぐるみが、次の瞬間には―― 「えっ!?」 ふわりと浮かび上がり。 ヴィヴィオの眼前で、びしっ! と手を上げた。 それはまるでヴィヴィオに挨拶をしているかのようで。 愛らしいうさぎのぬいぐるみは、明確な意思を持っていたのだ。 これがヴィヴィオにとっての初めての愛機との出会いとなるのであった。 Back 魔法少女、これからも。(後編) 時系列順で読む Next Beautiful Amulet(中編) 投下順で読む 高町ヴィヴィオ ジェイル・スカリエッティ トーレ セイン ノーヴェ ウェンディ
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ゼミBBS、関係者ブログで書き込みのあった内容を、時系列でコピー&ペーストしています。 (2009/06/04~) 事件に関係なさそうなものは一部省略、改行も調整を行っています。 まとめリンク>> || 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 || 2009/06/04(土)の途中から 23 28 投稿者 poly6 [Re ユウタからの資料] >あじのひらきさん リストアップありがとうございます!自分も歴史に弱く、なかなか五人組が思いつきません(汗 ところで、幕末月旦札についてブログ記事等を調べたところ、数字ごとにジャンル分けされているようです。 遼恒パパさんのレスにある役リストのマークも参考に分類すると、下記のようになりそうです。 --------------------------------------------------------- 1 [新選組] 沖田総司 / 土方歳三 / 近藤勇 / 山南敬助 2 [ 女傑 ] 天璋院篤姫 / 和宮 / 幾松 / 楢崎龍 3 [ 薩摩 ] 西郷隆盛 / 大久保利通 / 小松帯刀 / 有馬新七 4 [ 長州 ] 高杉晋作 / 桂小五郎 / 久坂玄瑞 / 吉田稔麿 5 [ 土佐 ] 坂本龍馬 / 中岡慎太郎 / 武市瑞山 / 後藤象二郎 6 [ 人斬 ] 岡田以蔵 / 中村半次郎 / 田中新兵衛 / 河上彦斎 7 [ 学者 ] 吉田松陰 / 佐久間象山 / 大村益次郎 / 橋本左内 8 [外国人] ハリス / ロッシュ / パークス / プチャーチン 9 [ 幕臣 ] 勝海舟 / 山岡鉄舟 / 小栗忠順 / 佐々木只三郎 10 [ 藩主 ] 山内容堂 / 島津久光 / 松平春嶽 / 松平容保 J [ 老中 ] 井伊直弼 / 阿部正弘 / 堀田正睦 / Q [ 朝廷 ] 孝明天皇 / 明治天皇 / 岩倉具視 / K [ 将軍 ] 徳川慶喜 / 徳川家慶 / 徳川家茂 / 徳川家定 JOKER ペリー --------------------------------------------------------- 不明の2人は老中と朝廷でしょうかね?お持ちのかた、よろしくお願いします! (分類の間違い等についてもご指摘いただければと思います。) 23 47 投稿者 森の水 [Re ユウタからの資料] こういう事には初めて参加するのですが、みなさんの書き込みがとても勉強になります。不謹慎ですが楽しくなってきてしまいました。 >ぐりんさん おまとめ参考になりました!素晴らしいですね。細かいところですが後ろから5行目の「不穏」は私には「不徳」と読めました。 後ろから3行目の●は「惹」と読めるみたいですが、いかがでしょうか。 kuontuiさんや教授のレジュメを見ると、私も五人の一人は坂本龍馬だと考えます。 あじのひらきさん、私は歴群を読んでいて幕末も好きなのでお返事を。 幕末で五人組というと、新選組の美男五人衆とか長州ファイブが有名ですが、龍馬が絡まない。 龍馬絡みだと“五人”という括りはあまり思い当たりません。 龍馬と同郷の土佐に野根山二十三士という悲劇的な志士グループがあり、その中に田野七人衆というのがいて、 別の説では田野五人衆とも呼ばれているそうですが、これにも龍馬は含まれていません。 新聞には「生れも彼方此方ぢやつた」とあるので、kuontuiさんのおっしゃるように龍馬を含む超藩的な五人でしょうか?他の方はどう思われますか? 23 49 投稿者 うーさん [幕末月旦札の幕末志士53人|Re ユウタからの資料] >kuontuiさん、あじのひらきさん、poly6さん お返事が遅くなってすみません。うーさんです。 八重樫だと硬いので、よかったら今後は私のことを“うーさん”と呼んでください。 調べてみましたが、poly6さんのご指摘どおり、役の一覧に名前がないのは朝廷の“三条実美”と老中の“安藤信正”になります。 私の持っている幕末月旦札の説明書に、幕末志士53人全員が載っています。 該当部分をアップしますが、著作権の問題もありそうなので、説明書にあるクレジットを下記に掲載しておきます。 ------------------------------------------ 制作/発行 京都 便利堂 2008年7月初版 2008年9月第2版 株式会社 便利堂 http //www.benrido.co.jp/ ------------------------------------------ http //nishiya-bakumatsu-semi.com/static/bbs/image/data/log/000187_thumb.jpg 2009/06/05(金) 00 43 投稿者 ぷるぷる [Re ユウタからの資料] 斜め推理で河田小龍がこの珍聞に関係してるかもです。 河田小龍は明治27年に藤陰略話という回顧録で竜馬の事を書いてます。 そして、龍馬との出会いが18歳以降なので20~40にはあてはまるかと。 http //www.ryomadna.net/ryoma-kouza/20070803000005.php 小龍門下生では長岡謙吉や近藤長次郎、新宮馬之助、岡崎参三郎がいたそうです。 00 46 投稿者 ぐりん [Re ユウタからの資料] >森の水さん 2箇所訂正させていただきました。 画像を拡大したり、縮小したり、画面に近づいたり、離れたり、いろいろ試してみたんですけど、、、語彙力のなさですね…うぅっ(-_-;) ありがとうございました~! 00 58 投稿者 ワイジロー [Re ユウタからの資料] ちょっと離れてしまいますが、宇和島と繋がりのある高野長英という幕末の蘭学者が「戊戌夢物語」というものを執筆しているようです。 この夢物語は宇和島へ来る前に執筆したものですが「土之絵多津夢物語(戊辰夢物語)」となにか関係ある? 03 38 投稿者 kuontuiさん [其の国|Re ユウタからの資料] 志を同じにするものの国=何かの新興組織か結社 そこにいろいろな藩やもしかしたら国から集まった男達 ある程度の行動力と政治力があった。 人々の信頼も厚い、、 単純に考えると亀山社中のこととも考えられる気もしますが、珍聞、、異説的なもの、歴史の表舞台にでていないものだから、 新説的な意味合いがあるとすると、この中で意外なつながりを探っていく方がいいかもしれませんね。 ひとまず、消去法でしぼりますか、、、 08 08 投稿者 ましろ [キーワードはドレ?|Re ユウタからの資料2] 多くの方が新聞記事の情報を解析されている中で 個人的に気になっているのはこちらだったりします。 「準備手伝ってくれたお礼(一応みやげのつもり!!)」とユウタさんがメモを残しているなら 新聞記事とこちらがリンクして初めて見えて来る「何か」もあるのではないでしょうか。 注目すべきは以下かな。 ---------------------------------------- 「明治中後期以前の歌詞」と「現在の歌詞」の比較 ↓ 【新説】かごめ唄に隠された真実! ・作者について ・歌詞が変わった理由 ---------------------------------------- 「明治中後期以前の歌詞と現在の歌詞の比較」と「作者」「歌詞が変わった理由」 このどちらかがキーワードになる可能性もあるのではないでしょうか。ミスリードだったら、ごめんなさい(笑 ちなみに、皆様お気付きだとは思うのですが、ゼミBBSでは雑談スレッドがないので、一緒に告知しておきます。 ---------------------------------------- 「ズケちゃんの ズケズケいっちゃおう★」にて 記事「ユウタからの資料画像」更新 http //ameblo.jp/zuke2009/entry-10274207277.html ---------------------------------------- ゼミBBSの不具合により2点の画像が別スレッドになっちゃったので、私のブログではまとめました 1)かごめ唄が載っている新聞のコピー(『珍聞記事誌』 ~土之絵多津夢物語 第二回~) http //ameblo.jp/zuke2009/image-10274207277-10191488715.html 2)講座レジュメ(『かごめ唄の“新”考察』) http //ameblo.jp/zuke2009/image-10274207277-10191489996.html 09 43 投稿者 ましろ [楽しくなって来た(笑|Re ユウタからの資料] >森の水 ◆bFa2QwthCMさん ようやく少し動き出して、楽しいムードになって来ましたね(笑 幕末や事件に直接関係ない話はフォーラムで雑談として展開されています。 残念な事にメンバー登録をしないと発言出来ませんが、良かったら覗いて見るか参加してみて下さいね(笑 フォーラムはこちら http //bb2.atbb.jp/ta_ka_mi_ya/index.php ユーザー登録はこちら http //bb2.atbb.jp/ta_ka_mi_ya/profile.php?mode=register ---補足--- 現在はwikiにリンクされているのでフォーラムについて触れましたが、今後の動向によってはこの発言を撤回します。 あしからず御了承下さい。 10 47 投稿者 kuontui [Re ユウタからの資料2] なぜか人気がないですが、この資料もポイントおおいですよね。 作者がいると言及している点 歌詞が変わった=変えられた これは昔の歌詞では不都合だった、時の権力者の手によって、今の様な内容になったと考えられますね。 今の一般的なものは昭和初期に千葉県野田市あたりが発祥、これは唱歌になったりレコードになったりと定着させたれた感があります。 かごめ唄は文献では江戸中期以降の登場。 地方でいろいろあるみたいですが、鶴と亀が滑ったあたりは明治以前には登場せず、後ろの正面も明治末期になってからのようです。 これがある特定の思想、若しくは信仰、言論に対する弾圧の名残なのかもしれませんね。 ともかく作者がいる、歌詞が変わった理由について確信に近づいた、その先のは龍馬暗殺の核心部分があるのかもしれません。 それとこの件について、話をできる人間がいるということが読み取れます。 とすると、ユウタ君が話を聞こうとした人間が危ない気がします。 11 37 投稿者 CLUBSODA [Re ユウタからの資料] 展開が早いので、みなさんのすごい推理を追っていくだけで手一杯です。 第2回と書いてあったので、他の号もあるかと思い、 yahooとGoogle、Exciteで「土之絵多津夢物語」「珍聞記事誌」を検索してみましたが、何もひっかかりませんでした... 12 59 投稿者 あじのひらき [Re ユウタからの資料] >poly6さん おお、わかりやすい分類をして頂きありがとうございました。 リストから文字起こしする際、名前をなんて読むのかわからず四苦八苦したのは内緒(笑) >森の水さん 教授の話によると、「例の役を作るには、何枚か足りないな」ということなので、数人はカードに入っていて、残りの数人がいないという状態なのだと思います。 ユウタさんのコピーと幕末ポーカーを結びつけたのは僕なので恐縮ですが、必ずしもこのコピーと幕末ポーカーが関係しているのかわからないのが現状ですので、 「竜馬」を含めずに広く考えたほうがいいかもしれません。 >うーさん ありがとうございます!おかげで不明の二人がわかりました! >ぷるぷるさん >ワイジローさん コピーの作者(名前が潰れていますが)から追って行くという手もありますよね。 登場する歴史上の人物が多すぎて混乱してきましたが(笑) >kuontuiさん そうですよね。歴史の表舞台に出ていないことを考えると、意外な組み合わせも考えられるかもしれませんよね。 ただ人物が膨大すぎるので、なんらかのきっかけが欲しいところ。なんかヒントがないかどうか探してみます。 >CLUBSODAさん ありがとうございます!僕も検索してみようと思っていましたが、なんだかんだでしないでいました(笑) ひとつひとつのワードを調べていくのは非常に重要なことだと思います。これからもなにか気がついたことがあれば、どんどん書き込んでください! よろしくお願いします! 13 06 投稿者 あじのひらき [Re ユウタからの資料2] >ましろさん >kuontuiさん 確かに、「変わった」のではなく「変えられた」というのは斬新ですね。 じゃあ誰が変えたのか、というのはかなり重要な着眼点だと思います。 ユウタさんは、どうやって談話に使える人物を見つけ出したんですかね。最初のレジュメから書き換えているところを見ると、つい最近見つけることができたのでしょうか…… 13 10 投稿者 あじのひらき [Re ユウタの写メ画像] >ふぇにるさん 桔梗紋をたどるとなにかあるってことですかね。 izouさんの大山益次郎も桔梗紋ということは、幕末には桔梗紋を持つ人は結構多いんでしょうか? 13 14投稿者 あじのひらき [Re ユウタが入院!] >izouさん 鶴と亀って結構多いんですね。 「かごめ唄」で当時「つるつるつうるとすべった」という歌詞から考えると、「鶴」という名前がついたところが密集している場所という風にも考えられるのではないかと思います。 なにか心当たりはありませんか? 13 43 投稿者 LION [幕末の登場人物について] 幕末のゼミ生として参加したものの、幕末のことをよく知りません。 坂本龍馬をはじめ、どのような人物がいて、どのように時代を駆け抜けたのか、誰のどのような些細なことでも、一言でも良いので教えていただけませんか? 皆さんの愛してやまない人物で構いません。 質問が広義で申し訳ありませんが、宜しくお願いします。 13 47 投稿者 ぷるぷる [Re ユウタからの資料] 作者なんですが、天●●五郎●で当てはまりそうなのぐぐってみました。 天麟院五郎八姫があてはまるのですが、伊達政宗の長女で時代もまったく違うのです。 かごめ歌等との関連もみてみましたがなさそうです。 誰か似た人かな。。。。 13 48 投稿者 LION [西谷教授について] 西谷教授が行方不明になって数日立ちます。 西谷教授のお孫さんの早紀さんからも事実確認の協力要請を受けていますので、ゼミ生の皆さんのご意見聞かせていただけませんか? 西谷教授の経歴、行方不明になる前後何か不振な行動、校内で不振な人物を見たとか、 西谷教授が残したクコの実や龍のキーホルダーについて等々どんな些細なことで構いません。 宜しくお願いします。 13 51 投稿者 LION [西谷教授の講座-かごめ唄] ゼミ生の桧垣 遊太さんが以前西谷教授のかごめ唄の講座を開いたことを目にしました。 その講座の内容や、そもそも幕末のゼミにおいてなぜそのような講座を開いたのか?など何か時代背景を含めご存知の方がいればレスいただけますか? 宜しくお願いします。 14 11 投稿者 kuontui [絞り込み1|Re ユウタからの資料] 当時の状況や、思想なども鑑みつつ、龍馬を中心に消去法でカード内の5人の仲間候補を絞ってみました、とはいえまだまだ多いですが、、あと誰が消えますか、、、 坂本龍馬 中岡慎太郎 後藤象二郎 桂小五郎 小松帯刀 山岡鉄舟 武市瑞山 岡田以蔵 高杉晋作 久坂玄瑞 吉田稔麿 大村益次郎 大久保利通 有馬新七 中村半次郎 佐久間象山 準候補 勝海舟 橋本左内 松平春嶽 山内容堂 吉田松陰 河上彦斎 西郷隆盛 15 42 投稿者 kuontui [Re ユウタからの資料2] >あじのひらきさん 僕も急遽アポが取れたのではないかと思っています。 なので、新説発表前の週末にいそいで岡山四国へむかった。ではその人物はどこにいるか? 岡山で会えるはずが、1日とかずれて、かねてから好きな大村益次郎ゆかりの地に足をのばして、いざ岡山で会う前後に襲われたとかんがえるとしっくりくるような、 岡山もいろは丸など縁深いですし、ただ、向こうも証拠隠滅に動いてますよね。 突破口はどこでしょう。 16 19 投稿者 izou [かごめ考|Re ユウタが入院!] この唄は、時代とともにだいぶ変わってきていると思います。 野田発祥とされるものが標準化さてれますが、鶴や亀や、後ろの正面や、滑ったは明治中盤以降のものだとおもわれ、 明治初期や江戸、またはそれ以前にその部分のルーツを求めるのはいささか無理があるのでしょう。 文字数にわけてみたり、御山をつなでみたりと、いろいろな説がありますが、この時間的なものは動かしにくい。 一番鳥のところをのぞけば変化前のものにちかいのではとおもいます。 つるつる つっぱいた=ずるずるっとひっぱった。 浄瑠璃「月花茲友鳥」にあります「つるつるつるつっぱいた」が変化したもので、「するすると突っ込んで入っていった」という意味もあるそうで、 土着のシャーマニズム的、地蔵憑けから来ているというのが大方正しいのではとおもいます。 ただ、土着の唄に、新しいメッセージを染み込ませる事は可能だと考えています。 一つは、禁止された、または弾圧された思想などを口伝するための手段です。 ですがこれだけでは短すぎるので、こらはそのメッゼージを解く為のキーになるなどですが しかし歌詞が意図的に変えられたところをみると、違う可能性も否めません。 そこでもう一つ考えられるのは、賞賛、または懐かしみの対象として染み込んだ、かごめ唄であり、 それを快く思わないものが、危機を感じて歌詞を変貌させていき、様々な説を流布し、曖昧の宇宙に葬ったと考えられるかもしれません。 17 18 投稿者 izou [桔梗紋|Re ユウタの写メ画像] 蠢く諸説の中の一つですが、桔梗紋は土岐氏の系列、有名なのが明智光秀です。 彼はいろいろと謎の多い天海という僧侶ではないかという説もあり、東照宮を創った天海とかごめ唄を巡る説は有名です。 東照宮の柱や鶴と亀、しかし、鶴亀のくだりは、明治以降とするほうが自然なので、少々難があります。 時代が変わる時には桔梗紋が現れると言われるいるようです。 そして、この桔梗紋をもつ坂本龍馬のルーツも明智家ではないかという説もあります。 そして、龍馬暗殺の実行犯である京都見廻組の関係実力者に織田信長の子孫である織田泉之というものがいて、やらせたという説があります。末代までの仇敵ということです。 さらに展開すれば、桔梗紋は五芒星を表すともいわれています。有名なところだと、安倍晴明です。 一筆でかけるので、魔がはいれない=魔除けと言う意味があるそうです。 龍馬はさらに組み合わせ角に桔梗、組み合わせ角は九字紋に通じ、六芒星ともいわれ、呪術と魔除けの複合 正確には三子持亀甲瓜花という家紋に通じます。 とだんだん怪しい説への道が派生するため諸説あるわけです。 桔梗紋、幕末の志士では他に山岡鉄舟がいます。ただ彼は山岡家の婿養子です。父は小野朝右衛門高福。 すこし関連が気になる、かごめ唄とも造詣が深そうな、日本民俗学の父、柳田國男も桔梗紋です。 17 59 投稿者 あじのひらき [Re 幕末の登場人物について] >LIONさん ありがとうございます。このようなトピを渇望しておりました(笑) 幕末に疎い人にとって、人物紹介は欠かせません。このトピによって人物像が把握できるようになれば、捜査もより進展しやすいのではないかと思います! というわけで、坂本竜馬について紹介したいと思います(ほぼwikiからのコピペですが……) もし間違いなどがございましたら、詳しい方々、ご指摘のほどよろしくお願い致します。 とりあえず、こんな感じでどうでしょうか。 ----- 坂本 竜馬(さかもと りょうま) 1836年1月3日~1867年12月10日(天保6年11月15日~慶応3年11月15日)(31歳没) 幕末の日本の政治家・実業家。土佐藩(現在の高知県)を脱藩後、貿易会社と政治組織を兼ねた亀山社中・海援隊の結成や、薩長連合の斡旋、 大政奉還の成立に尽力するなど、志士として活動した人物。 関連用語: ・亀山社中(かめやましゃちゅう) 坂本竜馬によって1865年長崎に結成された浪士結社・貿易結社・商社で、海援隊の前身。 ・海援隊(かいえんたい) 1867年、土佐藩に脱藩したことを許された坂本竜馬が、土佐藩の外郭機関として亀山社中を改称した組織。貿易結社。 ・薩長同盟(さっちょうどうめい) 1866年、坂本竜馬や中岡慎太郎の斡旋により、長州と薩摩が倒幕運動に協力することを約束した同盟のこと。 ・船中八策(せんちゅうはっさく) 1867年に大政奉還論を進言するために、後藤象二郎と共に策定されたと言われているもの。 ・大政奉還(たいせいほうかん) 1867年、第15代将軍徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)が、統治権を明治天皇に返上した出来事。 ・近江屋事件(おうみやじけん) 1867年、坂本竜馬と中岡慎太郎が京都河原町近江屋井口新助邸において暗殺されたとされる事件のこと。 関連人物: ・千葉 定吉(ちば さだきち) 坂本竜馬が入門した千葉道場の運営者 ・佐久間 象山(さくま しょうざん) 坂本竜馬が通った私塾の運営者 ・武市 瑞山(たけち ずいざん) 坂本竜馬が加入した「土佐勤王党」のリーダー ・勝 海舟(かつ かいしゅう) 坂本竜馬の師匠 ・中岡 慎太郎(なかおか しんたろう) 坂本竜馬とともに薩長同盟を推進した人 ・後藤 象二郎(ごとう しょうじろう) 坂本竜馬と船中八策を策定した人 18 43 投稿者 ぐりん [Re 西谷教授について] 香月さんのブログ内 2008/12/26「年末の恒例行事」の中に名刺整理をしたとの記述がありました。 処分された名刺の中に「警備会社」がありましたが、この警備会社の名前など覚えていらっしゃいませんか? 西谷教授のお孫さんが誘拐された事件には「マーキュリー警備保障」という会社がかかわっており、 教授、ユウタさんの事件にも関係しているのでは?と考えている方も多いと思います。 下記にマーキュリー警備保障のサイトを張っておきますので、一度ご確認いただけませんでしょうか?よろしくお願いします。 http //mercury-security.jp/ 18 47 投稿者 あじのひらき [Re ユウタからの資料] >ワイジローさん 戊戌夢物語ってほんとにあるんですねぇ。 wikiでみたら「モリソン号事件」とリンクしていたので見てみましたが、戊戌夢物語を書いた高野長英が所属していた「尚歯会」のメインメンバーで5人上げられていました。 高野長英 小関三英 渡辺崋山 江川英龍 川路聖謨 うーむ。どうでしょう。 21 23 投稿者 りんこ [Re 西谷教授の講座-かごめ唄] LIONさん、はじめまして。前城綸子です。 講座は、西谷教授の歴史観を披露したような内容でした。 レジュメにもありますが、教授は「草の根にだって、歴史をひも解くきっかけがある」と常々おっしゃっていました。 西谷教授のレジュメ「かごめ唄の考察~庶民が語り継ぐ幕末史~」 http //nishiya-bakumatsu-semi.com/static/image/resume/20081106.pdf 教授は、教科書や史料に書かれていることがすべてではなく、庶民が語る歴史にも真実はある、という考えです。 まぁ、学校で教えてくれる歴史というのはあくまで概要であって、 実際には、自分のおじいちゃんやおばあちゃんから聞く昔の話だったり、 当時のまま残っている史跡を訪ねてみて、初めてわかることってありますよね? 要は、そうやって地元の方のお話を聞いたり、幕末当時から残る史跡を訪ねることでみえてくるものがある、というお話の一例として、教授はかごめ唄を取り上げたのだと思います。 ただ、アタシたちもかごめ唄にまつわる都市伝説系の話で盛り上がってしまって・・・(汗 22 08 投稿者 森の水 [Re ユウタからの資料] >ぐりんさん おまとめ大変だと思いますがとても参考になります!「私にはそう読めました」と書いたつもりなのですが、採用していただけて嬉しいです♪ >ましろさん ハイ、楽しませていただいてます♪ウィキとフォーラムへのお誘いを有難うございます。どちらもこちらのゼミに参加させていただく時から時々拝見しておりました。 正直に言いますと後者は裏方話がメインのようでちょっぴり殺伐というか私のような者には恐い雰囲気と言いますか…w。 (あくまで私的印象ですので他意はありません。お気に障ったら申し訳ありません。不適切でしたらすぐに削除します)。 せっかくお誘いをいただきましたので、いつか挑戦できたら♪ 私は毎日参加できるわけではないのでこちらのBBSから、本線をゆるゆると楽しませていただこうと思っております。 >あじのひらきさん お返事を有難うございます。名指しされると嬉しいものですね(少し緊張)。 私が「龍馬を含む五人」と考えるのは、教授のレジュメが根拠です。「かごめ唄と坂本竜馬のことを書いた新聞がある」との一文から連想しました。 『土之絵多津夢物語第2回』には五人、父母、長の連中、殿様などの代名詞的な語句があり、この新聞に龍馬のことが書かれているという前提なら、 「龍馬は“五人”の中に含まれるのでは?」と連想した次第です。まったく間違っているかもしれませんので、書くのが恐い気もありますが書かなきゃ始まらないですもんね! 22 24 投稿者 ましろ [>森の水さん|Re ユウタからの資料] >森の水さん 気に障るなんてとんでもないっ!フォーラムに慣れない人はどう感じているのか、個人的な意見でも「表現して下さった事がとても嬉しい」です(笑 いつ、どこから参加したとしても、私たちはこの場において、既に「同志」(笑 楽しみ方は人それぞれですが、「仲良く共闘」してゆけたらと思っています。 これからもよろしくお願いしますね(笑 あ~なんだかとっても、嬉しい気分~♪ 23 12 投稿者 チョーちゃん [Re 西谷教授の講座-かごめ唄] オレもじーちゃんから戦国とか幕末の話を聞いて、歴史に興味持ったからわかるっス。 学校で勉強することって限られてるし、なんか覚えさせられてる感ありありで^^; 教授は昔、どっかの老人から「かごめ唄は坂本竜馬の唄だ」って聞いて、そのことが載ってる新聞があったって話でした。 ただ教授も、その場でその新聞を見たってゆーだけで、実物はなかったんすよね。 ユウタはその新聞をどっかで手に入れて、そっから調べていくうちに何かわかったんじゃないっスかね? 23 18 投稿者 楽太郎 [西郷隆盛|Re 幕末の登場人物について] ゼミ生の楽太郎です。事歴に絞ってざっくりまとめました。 ---------------------------- 西郷 隆盛(さいごう たかもり) 文政10年12月7日(1828年1月23日) - 明治10年(1877年)9月24日) 薩摩藩(鹿児島)の志士、政治家、軍人。 主な事歴: ・薩摩藩の下級武士の生まれだが、開明的藩主だった島津斉彬に見出されて以来、江戸や京都で政治工作を担い、 斉彬の死後も活躍を続けて明治維新の立役者の一人となった。 ・島流しされた。井伊直弼の安政の大獄で睨まれたり、斉彬の死後に実質的藩主になった島津久光と折り合いが悪く、 徳之島などに流された。ちなみに親友の大久保利通は久光派で、西郷嫌いの久光との仲を大久保が取り持ったといわれている。 ・薩長同盟を結んで反徳川幕府勢力のリーダーになった。薩摩はそれまで親徳川派だったのに対して、長州は反徳川の立場で、さらに薩摩とも折り合いが悪かった。 ところが坂本竜馬と中岡慎太郎が仲介に努力して、犬猿の仲だった薩摩と長州を同盟させた。西郷は薩摩の代表者として竜馬たちの説得を受けて、同盟に踏み切った。 ・小御所会議で徳川家打倒の方針を決定。徳川慶喜が大政奉還した後、時流は「平和倒幕:徳川が政権を朝廷に返したのだから穏便に扱おう」という一派と、 「武力討幕:徳川慶喜を殺して徹底的に徳川を叩き潰す」派に分かれた。西郷は徹底した武力討幕派で、京都の小御所会議に集まった諸藩の実力者に短刀をちらつかせて、 平和倒幕派を黙らせ、強引に武力討幕に持ち込んだとされる。 ※「とうばく」は平和的な方針を“倒幕”、武力的な方針を“討幕”と書き分けることも多い。 ・戊辰戦争の総司令官になる。小御所会議で武力討幕が決定され、鳥羽伏見の戦いをはじめ、江戸上野、長岡、会津、箱館など足掛け2年に及ぶ戊辰戦争が起きる。 西郷は官軍(明治新政府側は“朝廷配下の正義の軍”という意味でこう名乗った)の実質的総司令官となり、戊辰戦争を指導した。 その後、明治新政府で陸軍の唯一無二のトップである元帥になる。 ・西南戦争で自決。明治新政府で強大な権力を握るが、西郷は「理想としていた政府ではない」という意味のことを言い、政府に失望して辞職(異説あり)。 故郷の薩摩に帰る。この頃、四民平等政策で既得権を剥奪された元武士たちの不満が全国的に高まっていて、 薩摩でも青年を中心に明治政府の打倒!という気分が充満していた。そこへカリスマ西郷が帰郷したため、不平武士たちは西郷を担ぎ上げて西南戦争を開始。 西郷は渋々の形ながら旗印になって参戦するも敗北。薩摩に戻って城山(地名)で自決した。 ウンチク: ・巨大キ○タマ! フィラリアに起因する陰膿水腫を患っており、歩行困難、馬にも乗れないほど睾丸が肥大していたという(医学的立証もされているとか?) ・秘技アンダーファイアー! 酔うと股間の毛を燃やしてはしゃいだそうです。 (下品なネタ2連チャンですが、でも資料にそう書いてあるんだもん。西郷どん意外におちゃめ!) ---------------------------- ちょっとがんばってみました! 間違いがあったら教えてください。 23 22 投稿者 ごーちゃん [Re ユウタからの資料] 作者の天●●五郎●が気になってぐぐってみたところ、こんな人がいました。 http //www006.upp.so-net.ne.jp/tsuji/amagasu.html お門違いかもしれませんが同時代の人物だったので気になりました。 2009/06/06(土) 00 40 投稿者 Yoshiwara [河井継之助|Re 幕末の登場人物について] 吉原秀治です。他のスレッドではなかなか書き込めなかったのですが、ここならどうにかできそうなので、私の好きな河井継之助を語らせていただきます。 ---------------------------- 河井継之助(かわいつぎのすけ) 文政10年1月1日(1827年1月27日)~慶応4年8月16日(1868年10月1日) 越後長岡藩士・家老 主な事歴 ・ 長岡城下の長町で生まれました。気性が荒く負けず嫌いだったようです。江戸には2回遊学しました。 蘭学や西洋砲術で有名な佐久間象山の塾や古賀謹一郎の久敬舎で学びました。 ・ 長岡藩主であった牧野忠雅に大抜擢され、農政改革、灌漑工事、兵制改革など藩政改革に取り組みました。 またガトリング砲、ミニエー小銃などを購入し、近代武装による一藩武装中立を目指しました。 ・ 1868年(慶応4年)1月3日 鳥羽・伏見の戦いがおこり戊辰戦争が勃発しました。 一藩武装中立の立場から、新政府軍にも東北諸藩の連合である奥羽越列藩同盟を与しない態度を貫こうとしますが、 5月2日に官軍と小千谷談判が決裂すると、列藩同盟に参加します。 ・ 5月10日に長岡藩の軍事総督として新政府軍と開戦、北越戦争がはじまりました。 新政府軍に長岡城を奪われますが、奇襲して奪い返します。しかし再度攻め込まれ、戦闘中に左足に被弾。重傷を負い会津へと逃げました。 ・ 逃げている途中にも傷は悪化、慶応4年8月16日に会津領塩沢村(現在の福島県只見町)にて死亡しました。享年42歳でした。 雑学:河井継之助にまつわる句 「八十里 腰抜け武士の 越す峠」 会津へと逃走する際、河井継之助が詠んだといわれる自嘲の句です。 「かわいかわい(河井)と今朝まで思い 今は愛想もつきのすけ(継之助)」 それまで散々遊郭で遊んでいた河井継之助が、戦時に備え遊郭の禁止令を施行しました。遊女がこれを揶揄して詠んだといわれる句です。 ---------------------------- 司馬遼太郎先生の『峠』という作品は、河井継之助が主人公の小説です。 この書き込みで河井継之助にご興味を持った方は、ぜひこの作品を読んでみてください。お勧めです。 02 35 投稿者 香月 [Re 西谷教授について] >LIONさん 教授の、いわゆる経歴はゼミサイトのプロフィールに譲り、それ以外の事柄を大まかにまとめます。 ・若い頃から歴史に興味 ・長じて幕末史、坂本竜馬を専門に ・昔から全国でフィールドワーク ・著述活動や講演も活発 ・奇抜かつ大胆な仮説で史学の世界では異端児扱いされていた ・「福岡と京都の血が入っている」とおっしゃていた ・動画からの推測では、早紀さんの幼少期に一緒に過ごした? お人柄は、ひと言でいえば「情熱の塊」です。 教授の仮説は「荒唐無稽」と酷評されることも少なからずですが、外野の声に惑わされる方ではありません。 「誤っていれば真摯に受け止めて正す。しかし誤りか否かも、研究せねばわからない」という柔軟さもありました。 不審なことで思い当たるのは、何より、研究から私が遠ざけられた気がすることです。 教授の全研究にタッチしているわけではありませんが、今回はあえて距離をおかれた感じがします。しまいには史・資料すら見せてもらえなくなりました。 そういえば! 教授が声を荒げて電話していたことが何度かありました! 内容はわかりませんが、思えばそれから落ち込まれる日が増えたかもしれない。 心配したものの、「少し体調が悪いだけだ。大丈夫」だと。 クコの実や竜のキーホルダーは見かけたことがありません。 >ぐりんさん 処分した名刺の中に、マーキュリーと書かれたものがあったかもしれません! しかし、警備会社の者が学内や我々の研究室を訪ねて来た記憶はありません。 政界、財界人からメディアまで、会談、取材、訪問者は日常的にありました。 03 53 投稿者 ta_ka_mi_ya [Re 桧垣遊太君の足取り] 報告が遅くなってすまない。恥ずかしい話だが正直カネがヤバい。 ホテル代を浮かせるために夜はファミレスなどを渡り歩いているから、なかなかネット環境になかった。今後はどうにかしないと。 ちなみに、今夜はマクドナルドの無線LANを使っている(24時間営業はありがたいが、寝たら追い出されるかもな・・・)。 >カッファ1988さん、みなさん お待たせしたが宇和島パールキティの画像をアップする。それにしても、ふぇにるさんの素早い調査には感心する! http //nishiya-bakumatsu-semi.com/static/bbs/image/data/log/000224_thumb.jpg この2日間は、道端の道草さんのアドバイスに従い西予市方面にも足を延ばした。 幕末の面影が残る宇和町卯之町の町並みや、開明学校、高野長英の隠れ家(二宮敬作宅)、愛媛県歴史文化博物館などを回った。 この宇和町あたりでも、桧垣君や例の不審人物らしき者の目撃情報が得られた! それが不可解なことに、不審人物は「桧垣君の友達」を名乗ったらしい。さらに、目撃者によれば「女性」だったというんだ! 誰か心当たりのある人がいれば教えてほしい! >あじのひらきさん おいおい、怖いこと言わないでくれよ。でも警告ありがとう。 06 52 投稿者 あじのひらき [Re ユウタからの資料] なにげなくCLUBSODAさんに習って検索してたら、ヒットしました(笑) 店主のための備忘録 http //ameblo.jp/witwit-owners-blog/entry-10273231853.html オンライン専門古書店のようで、『珍聞記事誌』第3号がでてました。 http //rare-usedbook-shop.witwit.jp/chinmon_m240411.html 現在商品は品切れのようですが、問い合わせフォームから問い合わせができるようです。 >お問い合わせ、ありがとうございます。 >下記フォームへ入力し [ 確 認 ] ボタンを押してください。 >※お問い合わせいただいた内容はHNとともに、サイト上で公開する場合がございます。 どんな内容を問い合わせするか、ちょっと話し合いが必要だと思います。 07 14 投稿者 あじのひらき [Re ユウタからの資料] 「オンライン古書店“WITWIT”」内のQ Aに、Fire Dharma(火吹き達磨)による書き込みがありました。 http //rare-usedbook-shop.witwit.jp/soudan.html ●『珍聞記事誌』 明治27年4月11日付 第3号● Q:連載小説が掲載されていると思いますが、その部分の文字は読めますか? 状態を教えてください。 (ハンドルネーム:Fire Dharma) A:『土之絵多津夢物語』という連載小説が掲載されています。文字は判読できると思いますが、新聞自体は経年劣化が激しく全体的にヤケ、シミ、判読しづらい部分があります。 Q:ありがとうございました! あとで注文させてもらいます。(ハンドルネーム:Fire Dharma) A:Fire Dharmaさん、ご注文ありがとうございました。 ▲ ページTOPへ まとめリンク>> || 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 ||
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それからというもの、私は「イーグルラヴィの情報分析官」「綿月姉妹の世話役」という立場を利用し、行方を眩ますのに必要な情報を集め続けた。 月の都は常に全てが完璧に管理された「理想郷」であり、この中には私がひそめる場所などどこにも存在しない。では都の外、たとえば「静かの海」はどうか。 ここのほとりならば文字通り静かに暮らせるだろうか。答えは否、ここには月に周期的に災いを引き起こす元凶が住むとされており、いずれはここにも監視の目が広がるかもしれない。 では静かの海、その結界の外側はどうか。もちろん、ここもダメ。穢云々どころかそもそも生命が存在できるような条件が整っていないのだ。 青く澄み渡り波音以外に存在しない静かの海も、結界の外側ではただの窪地、不毛の大地となる。 「どうしたものか……うむむ……」 ありとあらゆる可能性を検討し、否定する。その繰り返しをする中で辿り着いた結論は 地上へ堕ちる ことであった。 一般的に言えば、穢れの蔓延る地上へ行くことはこの月においてこの上無い処罰となる。 実際、過去にも重罪を犯した月の姫が地上へと堕とされた。ここまでならば教科書にも書いてある。 たが調査を進める中で気になる記述を見つけた。 本来ならば罪を償った後で使者が遣わされ、月に帰還する筈であったのだ。 しかし、どういうわけだか当人はおろか、月から送った使者達ですら帰還することはなかったという。 ――と、閲覧権限の関係上私が知り得たのはそこまでだが、 私の背中を押すには十分なものだった。 地上へと堕ちた月の姫は後に回収される手筈であった。つまり、"地上で罪を償っている間に死ぬことはない"ということなのだ。 則ち地上の穢れによって月に住むものが即死することはないと言えるだろう。 さらに、迎えとなるはずの月の使者が帰還を果たさなかったと言うことは、地上から月への移動は当初の予想に反し極めて困難であったのだと考えられる。 つまり、私が"優秀すぎて"何かの拍子に月へ連れ戻される心配もないということになる。 気になる事と言えば肝心の地上での暮らしだが、これも問題は無さそうだ。 月の都の開祖たる月夜見様も、元はと言えば地上で生まれ、それから穢れを捨てて月へと移り住んだという。 それが事実ならば、穢れによって本来私達が持ち得ない"寿命"というものを得ること――すなわち月の民の言うところの"賎しき地上の民"となる以外に目立った不利益もないことになる。 「決まり、ね。私はこれから地上へ墜ち、死ぬまで自分の罪を償う」 「そして○○は夢を叶え、私の替わりに情報分析官に任命されるの!完璧!完璧じゃない!あっははは!」 一介の玉兎の発想としてはあまりに完璧。耳と頭と勘の良い私だからこそ、そして○○を心の底から想うからこそこんな事が思い付く。実行できる。 全部、全部全部全部○○のため。 勢い良く立ち上がり、すぐにでも駆け出したかったがなんとか堪えた。 月から地上への移動にはいくつかある槐安通路のうち一つを使うのだが、その特性上それなりに監視の目がある。 つまりタイミングこそが何よりも重要であり、決行日は慎重に選ばねばならない。 しかし、これもまた大した労力をかけずに決めることが出来た。 近々イーグルラヴィ結成最初の演習が行われるという情報を手に入れたのだ。 イーグルラヴィに関する情報は必ず一度は私の耳へと入るため、当然といえば当然だが。 そしてその演習だが、特殊部隊らしく目的地へ素早く展開、浸透するというものだった。 移動先は都から距離のある拠点となるため、通常の移動手段ではなく槐安通路を使用する。 槐安通路とは都から遠方への移動を目的として整備された、文字通り‘夢の通路’である。 だが今までに使用されたことはなく、今回は安全な使用が可能かどうかの確認も含めているのだろう。 それを踏まえて私の立てた計画は至って単純なものだ。 表向きは演習中の事故に見せ掛け、地上へと繋がる槐安通路、すなわち「第四槐安通路」を用いて月から消え去る、たったそれだけのことである。 勿論、強行突破などという愚かな真似はしないし、そもそも不可能だろう。 基本的に重要施設は厳重に監視がされており、正当な理由がなければ立ち入りは出来ない。 強行突破しようにも玉兎よりも何倍も屈強な衛兵達が立ちはだかるため、結局は正規の手段で堂々と立ち入ることが最も安全かつ容易なのだ。 何はともあれ、さして苦労もせずに計画を立てた私は一時的に普通の生活へと戻ることにしたのだが、 計画のその一切を気取られてはならないため、刻一刻と決行日が迫る中でも身辺整理一つしなかった。 部屋の中まで監視されているわけではないが、心境の変化で身辺整理をするその逆、 身辺整理によって自身の心境が目に見えて行動に出てしまうことを避けるためだ。 それは同時に、月を離れるにあたって○○との思い出の品も何もかもを全て捨て置くことも意味していた。 寂しくないと言ったら嘘になる。だが全ての発端は私であり、当然報いを受けてこそ○○の気も晴れると言えよう。 だから、私は―― 『――通達、2130時に槐安通路連絡口へ集合せよ。以上』 不意に脳内に響いた声によって私の思考は遮断された。 抑揚のないその声は演習時刻を告げる念波通信だ。 壁の時計を確認すると、現在時刻は午後7時。気が付けば残された時間は3時間を切っている。 「……行こう、地上へ」 軽くため息をつき、壁に掛けてあったブレザーに袖を通すと 二度と戻らないであろうこの場所に別れを告げ、足早に部屋を後にするのだった。 ――――― 月の都にある槐安通路の連絡口は、為政者達の集う宮殿の敷地内にある。 その広大な敷地をぐるりと囲うかのように高い塀が築かれており、その出入り口には‘いかにも’な門と衛兵が配置されている。 それゆえ正規手順以外では何人たりとも入ることが叶わないのだ。 「レイセンです。勅命により参上しました。開門許可を願います」 『しばし待て――。よし、確認した』 しかし、私にはここに立ち入る正当な理由がある。 重厚な音色を響かせながら徐々に開いてゆく鉄扉を前に、顔の筋肉が弛緩し始めるのを感じた。 ――何も知らずにそこでずっと立っているがいい。 そんな事を考えながら、私は門の内側へと足を踏み出した。 いくら頑丈な門を築き屈強な衛兵を置いたとしても、一度許可が出てしまえばだれも止める者は居ない。そのはずだった。 『――おい待て。お前、何を笑っている』 「はひっ?!」 とっさに声のした方を見ると、衛兵の一人が私を睨み付けていた。その目には明らかな疑いの色と"やっと仕事が出来る"という期待の色が見てとれた。 「あぁ…!私、耳が良すぎるんです。だから開門の音がこそばゆくて、ついつい笑いが…」 『本当に?』 「本当に!」 『…そうか。まあ良い。中ではくれぐれも失礼のないように』 どうやら私は思った事が顔に出やすいらしい。 この先、あまり調子に乗らない方が良いかもしれない。 追求が案外緩かったことに胸をなでおろしつつ、槐安通路がある建物へと足を進めていった。 集合場所には既に多くのメンバーが集まっており、私が到着して間もなく依姫様が壇上に立った。 『――これより本演習に関する補足事項を通達する!』 凛とした声が響き、今回の演習の主目的である「槐安通路の使用」についての説明が始まった。 どいつもこいつも聴いているのかいないのか、欠伸を噛み潰している者も居れば上の空になっている者さえいる。特務部隊の要員としてあるまじき態度だが、誰も注意する者はいない。 身勝手な玉兎ではあるがここに集まった者達は皆厳しい選抜を勝ち上がって来ただけあって、聴いていないようで実は聴いているのだ。 かく言う私もまともに依姫様の話を聴いてはいない。勝手に聞こえてくる情報は無意識のうちに脳が処理してくれるからである。 そして私の耳が聞き取ったところによると、話の要点は次のようになる。 ・槐安通路の入り口はこの建物の中にあり専用の扉が存在する。 ・扉の中は真っ暗だか進むにつれて光が見え、さらに進むと幾つかの扉が現れる。これが各槐安通路に接続されている。 ・今回使用するのは第一、第二槐安通路の2つ。 ・槐安通路は"夢"を用いた通路であることから、複数名が同時に入ったとしても互いの存在を認識したり干渉したりすることは不可能であること。 ・入り口の扉を潜った段階で夢は始まるので、連絡事項は前もってしておくこと。 ・槐安通路において、緊急時は獏を呼び出し、その指示に従うこと。 これは事前の書類連絡とほぼ同じ内容であり、私の脱走計画が決行可能という確認がとれたことになる。 時は来た。 『――以上である。………現時刻をもって演習を開始する!状況開始!』 依姫様の号令が響き、皆が皆堰を切ったように槐安通路連絡口へと駆け込んでゆく。 私もその流れに乗り、大きく口を開けた扉の中へと吸い込まれていった。  ̄ ̄ ̄ ̄ 気が付くと私は暗い闇の中に佇んでいた。 辺りを見回しても一面の闇が広がり、手元すらまともに見えない。 自慢の耳をピンと立てて意識を集中するが、物音一つ聴こえず、気配も存在しない。 「事前の説明の通りだけれど……本当に"誰もいなくなる"のね……」 槐安通路が夢の通路ならば、この闇は夢を見るのに必要な闇である。 そんな空間にいると、かつて○○が私に話した事が脳裏に浮かんでくる。 "孤独、闇、静寂。この三つの条件下に置かれた者が抱く感情はふたつにひとつ。安堵か絶望のどちらかである" というものだ。そして今の私が抱く感情は"安堵"。 これから始まる前代未聞の脱走劇を前に、私を止めるものが一人もいないのだから当然かもしれない。 ゆっくり歩みを進めると視線の先にうっすらと明かりが見え始める。 その光を目指して更に先へ進むと、一から十まで書かれた扉が、その数だけ佇んでいた。 四と書かれ扉の前に立ち、そっと指を這わせてみる。 すると扉がまばゆく耀き、一瞬にして光の渦へと変換された。 この光の渦に身を投げればその先は第四槐安通路である。 「ここを抜けたらいよいよね………ふぅっ……!」 一呼吸おいてから脚に力を入れ、まばゆい渦の中へと飛び込む。 その瞬間、渦巻く光が私を包んだかと思うとすぐに流れ星の如き勢いで流れてゆく。 落ちているとも歩いているともとれる奇妙な感覚を忘れてしまうほどに、ソレは美しい。 ○○と一緒にこの感覚を共有できたのならば、いったいどれ程幸せなのだろう。そう思わずにはいられない。 視界を埋め尽くす美しい幻想に見とれているうちに、全ての流れ星が小さな光として固定されてゆくことに気が付いた。 反射的に周囲を見渡すと、一面に瞬く大小様々な星々が見えた。勿論、月も。 「月……月?月ってあの……月よね?」 そう、そこには広大な宇宙が広がっていたのだ。 正直言うと、槐安通路は暗いトンネルのようなものを想像しており、ここまでのものとは全く思っていなかった。 私は今、自身の存在も意識も霞と消えそうな程に圧倒的で、無機質で、冷たくて美しい宙の海に、たった一人で浮かんでいる。 もし一歩でも歩みを進めれば崖から転げ落ちるように突き進み、二度と戻ってこられないとすら感じてしまう。 しかし、○○のためにはここから前へ進むことが唯一の正解となる。ここまで来た私に最早選択肢などないのだ。 ならば、有終の美を飾ってやろう。 「見ていてね○○……私は……私は○○のためなら世界中を欺くことだって出来るんだからッ!」 両腕を広げて有らん限り大きな声で、月にいる○○へ向けて思いの丈を叫ぶ この言葉は決して○○に届かないだろう。だがしかし、そうと分かっていても叫ばずにはいられない。これは○○への言葉であり、そして不退転の決意の表明でもあるからだ。 ○○のために、私は今これから地上へと堕ちるのだ! 『そうですかそうですか。いやぁとても友人想いなのですねぇ……ンフフフ……私もそんな大切な誰かが欲しいものです』 「ひゅぃっ?!?!」 さっきまで私以外に誰も存在しなかった空間に、突如として声が響き渡る。 そこには艶かしい……というか大分特徴的な笑みを浮かべる変な服の何かが居た。 「えっ?!なにっ?!だっ…誰?!」 『私はドレミー・スイートです。あぁ……獏です、獏なんですよ、私』 想定外の出来事に当惑する私を余所に、獏──ドレミー・スイートと名乗る獏は愉しそうに言葉を紡いでゆく。 『あれ…もしかして伝達ミス?私や槐安通路についての説明はちゃんとありましたよねぇ?』 「あっ……はぃ、それは一応……」 『ンフフフ……それは良かった。もし私の伝達ミスだったらサグメに何を言われるやら…』 『......おっといけない、危うく本題を忘れるところでした』 彼女から柔和な笑みが消え、突如真顔になる。さしずめ“仕事モード”に入ったという感じだろう。 『今回、第四槐安通路は使用されないと聞いていたのですが……これは事故……ではありませんよね?』 「…通報するつもりですか」 そこまで分かっているのならば、と私は身構える。 ここまで来て水を注されるわけにはいかない。彼女の返答次第では"そういうこと"をしなければならない。この目で、瞳で。 しかし彼女の返答はまたもや私の想像の斜め上をゆくものだった。 『いいえ、別になにもしませんよ?仕事の範囲外なので』 「え?あ…あぁ…はい」 『…何か?』 「てっきり私の目的を阻止するために送り込まれたのかと…」 『私は妖怪獏です。月とは貴女の上司を通しての関係しかありません』 『そして私の居場所は"夢"という"現実"全てにあります。月の都の内部情勢などというちっぽけなものはどうでも良いのです』 『ですから、貴女が脱走しようと私には関係ないことなのですよ』 貴女が"夢"の使い方を誤りさえしなければ、と付け加えると再び笑顔へと戻った。 どうやらこのまま槐安通路を使う分には問題ないらしい。 そう言えばいつであったか、豊姫様も"槐安通路は獏に左右されかねない"と言っていたような。 とにかく無事に目的を達するには彼女に従い、協力を仰ぐべきだろう。 「あの、一ついいでしょうか?」 『ええ、なんでしょう』 「この通路って地上へつながってるんですよね。他の槐安通路は目地直通だけど、この第四槐安通路は地上のどこへ繋がっているのですか?」 『何処と言われましてもねえ…ンフフフ…何処でも行けますよ』 まさに僥倖だった。とりあえず地上へ行くとは言ったものの、出口がどこになるのかは知らなかったのだ。 陸上ならまだしも、海の上に出たものなら目も当てられない結果になってしまう。 ゆえに出口を任意に決められるのは非常にありがたい事なのだ。 「ええと…昔、月の姫が地上に送られたのは知ってますよね?その姫を送った時と同じ場所に繋げてください」 『フフフ…物好きですね。ええ、良いでしょう』 彼女がわざとらしく指鳴らす。すると、広大な宇宙に赤い碁盤の目のような模様が浮かび上がる。 『誘導灯を点けておきますので、今一番近いこれに沿って進んでください。あ、そうですそうです、この赤い線です』 「わかりました。……ええと、ありがとうございます」 『いえいえ、礼には及びませんよ』 『それではこれにて。――良い夢を』 そう言うと彼女は溶けるように宙へと消えてしまった。 出会いも別れも嵐のように突然ではあったが、結果的に大きな収穫であることには違いない。 月に別れを告げて踵を返すと、そのまま地球へ向けて飛び立つ。 第四槐安通路を用いれば、遥か38万4千キロをたったの数時間で移動できてしまうという。夢ってすごい。そして変な服の彼女、ドレミー・スイートにも感謝しなければならないだろう。 彼女が出てこなければ、私は今頃こんな安らかな気持ちで飛んでいなかったはずだ。 このままいけば“無事に地上へ堕ちる”ことができる。 「○○はきっと栄転して願いをかなえる。そして私はそれを地上から見守る。あぁ、なんて、なんて素晴らしいの」 穢れに染まった自分の姿と、栄光を手にした○○の姿を想像しながら 私は目指すその場所に向けて加速して行くのだった。 ―――――― 地上へたどり着いた後は『鈴仙』という名前を使い、人里離れた山奥に潜伏していた。 簡単に潜伏とは言ったが、衣食住から重力加速度に至るまで何もかも不慣れな中で正気を保ち続けるのには非常に苦労したし、 その後に『幻想郷』と呼ばれる場所にたどり着くまでを全て話せば、涙なしには語れない。おそらく本棚を一つ占領するほどの長編小説が書けるだろう。 それはさておき 幻想郷に辿り着いたところで月の姫と、そのお付きの賢者についての情報を入手した。この穢れに満ち満ちた地上において、いまだに生きているというのだから驚きである。 事情は違えど、同じ月から堕ちた者同士だ。きっと想像を絶する苦悩を乗り越えて今に至っているに違いない。 妙に親近感を覚えた私は、今後身を寄せる場所の確保もかねてその2人の元を訪れることにした。 そこで会った二人に、月に嫌気が差して逃げ出し、命辛々ここへ辿り着いたと説明したところ快く私を迎え入れてくれた。 満身創痍になってまで、噂を頼りに必死になって辿り着いた健気な玉兎を見れば匿いたくもなるだろう。 実際、月を出て着の身着のままずっと過ごしてきたせいで服はぼろぼろ、耳はしわしわで通信どころではない状態だった。 そんな私を迎えた二人。 その一人は誰もが知る月の賢者、八意永琳だ。 その頭脳は天才以外に形容する言葉はなく、彼女が居なければ月の都も蓬莱の薬も存在しなかっただろう。 あまりに畏れ多いのでこれから先はお師匠様と呼ぶことにする。 そしてお師匠様に蓬莱の薬を作らせた張本人、「元」月の姫は自身を『輝夜』と名乗った。 名前は自身に非常に良くしてくれた老夫婦からつけられた名だという。 月に居た頃の名前は忘れたが、とにかく月に住むものならその存在を知らぬものはいない。 未だに地上人から付けられた名を名乗り続けるということは、何か思うところがあるのだろう。 地上に堕ちた記念にと、お師匠様は私に『優曇華院』という名前を付けた。 そのくせ私を呼ぶときは「ウドンゲ」と省略して呼ぶ。天才の思考はよく分からない。 因みに、その名の由来は「優曇華」という花らしい。 千年に一度だけ咲く、などという言い伝え付きである。 しかもこの花、ただ珍しいだけではなく月との所縁があるのだ。 それはなにかと言えば、秘宝『蓬莱玉の枝』である。地上の民でも歴史物語で読んだか人伝に聞いたか、そのどちらかはあるだろう。 そしてその『蓬莱玉の枝』が実をつけたものがこの地上では『優曇華』と呼ばれているという。 植物は穢れを吸って成長する。『蓬莱玉の枝』も御多分に漏れず、永い間穢れを吸って成長するはずだ。 しかし、穢れそのものが排除された月の都をはじめ、永遠に時が止まったこの屋敷では『蓬莱玉の枝』が『優曇華』に成長することはないだろう。 そして、月を捨てた月の姫も私に名を付けた。 ……付けたのだろうか。 姫様は私を「イナバ」と呼ぶ。彼女はここ――永遠亭にいる兎と私を大して区別していないようだった。その上、他にも人の型を持つ兎がおり、そいつも苗字を「イナバ」と名乗っていた。 何が何だかわからなくなってくるが、その洗練されていないややこしさも地上の趣というやつなのだろうか。……やはりよくわからない。 かくして、私は『鈴仙・優曇華院・イナバ』という名前を持つに至ったのだ。 長ったらしい名前だが、案外気に入っている。 今までの私は○○の存在と自分の優れた能力でアイデンティティを確立してきた。 それが崩れ去った今、改めて自分の存在、立場を認識させてくれるのがこの名前なのだ。 月から地上へ、自ら不可逆変化を起こした私に相応しい名前。 「……ついにやり遂げたのね……私」 与えられた殺風景な自室から外を、空を見上げる。眼前に広がるのは全てを覆い隠さんとする竹藪、その隙間からはつい最近まで自身がいた場所が、夜空から私を見下ろしている。 あそこには今、この瞬間も○○がいるのだ。あぁ○○、○○、○○―― 「――っ!」 意識が上空へ飛びかけていたその時、何かが動く気配を感じた。 咄嗟に身をかがめ、あたりを見渡す。誰か、誰かに見られているのだろうか。 自慢の耳もノイズだらけで何も捉えるとこができない。視線を上下左右に動かし、気配の正体を探ってゆく。やはり何も見つからない。 気のせいかと肩の力を抜き、溜め息をついて足元を見る。すると、そこに白い塊が見えた。 「うわぁっ?!」 殆ど本能のままに飛び退く。しかしそこにいたのは、この屋敷で飼われている何の変哲もない兎だった。 「……なぁんだ、兎か」 たかが兎ごときに何をやってるのだろうか。こんな今の自分の状態を思うと悲しくなる。 疲れているのかもしれない。何せ短期間の間に余りにも多くのことが起こり過ぎたのだ。 そうなるのも致し方ないであろう。 「今はゆっくり休もう……」 何の変哲もない、この先の安寧を夢見て何気無く放った言葉だった。 しかし、実際は心の安寧が訪れるどころかその逆に進み始めていた。 ──────────────────── ゆっくりと休養をすれば、体調が良くなる。体調が良くなれば、思考が冴え渡る。耳にもハリが出る。 思考が冴え渡るとどうなるか、それはお察しの通りである。今○○がどのような状態にあるのか、それが気になって仕方がなかった。 そもそも今私がここにいるのも、○○の為にイーグルラヴィの情報分析担当のポストを空けようとした結果なのだ。 当然、私の行動が成果となって現れてもらわなければ困る。 この永遠亭に匿われてから10日経つ頃には、自慢の耳を駆使して月の通信の傍受を始めた。 月を離れて地上に潜伏し、此処へとたどり着くまでに一月近く費やしている。 それに、私の役職は「綿月姉妹の世話役兼イーグルラヴィのメンバー」だったのだから、脱走すれば月に何らかの動きがあって然るべきだろう。 深い竹藪の中のいくらか開けた場所まで移動し、耳をこれでもかと真っ直ぐ伸ばす。 「方角は…よし、遮蔽物なし。集中して…集中…」 方角や角度を合わせて意識を集中すると、多少のノイズ混じりではあるが、玉兎たちの他愛もない会話が聴こえてくる。 「わぁお……」 この耳が遠距離通信に秀でているとはいえ、まさかここまでの距離があってもまともに聴こえるとは。 やはり私はとんでもないくらい優秀なのだろう。 ふふんと自慢気に鼻を鳴らすが、それを聞く筈の相棒はいない。 何とも言えない虚しさを覚えつつ、情報収集を始めた。 お喋りばかりのオープンな回線、イーグルラヴィ専用回線、情報部専用回線、連絡用回線… 自身が今までに使用してきた様々な念波帯域、周波数に合わせ、耳に入る情報を片っ端から貪る。 『訓練が厳しい』『誰かが消えた』『桃餡饅頭が2つ余っていた』『集合時刻変更』『寝込んだらしい』『捜索再開打診中』『4号案否決』『お夕飯抜き』等々 一つ一つの情報だけでは何の役にも立たなくとも、それらを一つ一つ紐付けていけばやがては大きな「絵」になることもある。 私が知り得た情報から有効なものを抜き出して纏めると次のようになる。 演習中に私が行方不明になったという一報が届き、すぐさま捜索が始まったという。 当然だが、いくら探せど見付からず仕舞い。 そこで槐安通路で移動中に何らかの事故が起きた可能性を検討した。 獏によれば『全員が全員、それぞれ行くべき目的地へ到達したのを確認した』とのことであり、再び月中の捜索がなされる。 しかし見付からず、最終的には結界の外側へ弾かれてしまったという結論に至り、つい数日前に捜索が打ち切られた。 情報部に再捜索案が出されたのが昨日であり、今朝それが否決された。 と、こんなところである。ありがとう変な服の妖怪獏さん。 皆のお喋りが過ぎるお陰で、今日一日だけでも、私の居なくなった月で何が起きたのかを大分知ることができた。 「通信暗号を強化するより玉兎の口に戸でも立てた方が良いと思うわね」 しかし、肝心の○○に関すること何一つとして手に入れることはできていない。 まだまだ聴き足りないが、もう戻らねばならない時間だ。結局、そのまま永遠亭へと戻らざるを得なかった。 それからというもの、毎日毎日暇さえあれば耳を立てた。 兎達がお喋りというのもあって、一週間もしないうちに月の詳しい内情が明らかとなった。 情報分析官の権限が見直され、私のように‘機密情報を握ったまま行方を眩ます者’の出現に備えて分析官は必ず情報部への情報伝達を行うことになったらしい。 最初から手間を省こうとせずおとなしく私と○○を同じ場所に配属していればよかったのだ。 愚かな為政者め、と心の中で毒づく。 更に数日後には、綿月姉妹の世話役には別の玉兎が充てられたとの話も耳にした。後任となる"二代目レイセン"の声を確認したが、少なくとも○○ではないようだ。 これだけ色々な会話を盗み聞きしているのに、○○の声はおろか、その動向すら聞こえないのはいくらなんでもおかしい。 「なんで…○○……どこ行っちゃったの?○○…」 もう二月近く○○の声を聞いていない。 会えないどころか声も聴けないのがこれほどまでにつらいとは思いもしなかった。 ○○に会えなくなるのは少し寂しいが仕方ない。全てはわたしのせい。 これは自分自身への罰なのだ。受け入れろ。 この地上へと来た当初の目的ソレであった。その筈だったのに。 「あっあっ…○○いない…いないよぉ…」 ○○のためにと勇んで行動に移したは良かったが、結局は寂しくなってこのざまである。 浅ましく、情けないことこの上ないが、かといって穢れに堕ちた私に今さら何ができるわけでもなし。 この先も膝を抱え、耳を立てて○○の名を呼び続けるだけしか残された道はないのだろうか。 だが、その心配は稀有に終わることになる。 ―――――――――――――――――― 私が月の通信を傍受し始めてはや1ヶ月。 永遠亭での生活にも慣れ始め、何かと雑用を任されるようになったためにこうして深夜になっては屋敷を抜け出し、竹林をさ迷い歩くようになった。 こうして外に居れば周囲を気にすることなく耳から入る音に集中できる。 「――現在時刻、子の刻1分前…月位相、下弦。天候確認…よし」 誰もいないその場所で独り言をつぶやく。これは確認をする時の昔からの癖なのだ。 自慢の耳を月に向けてピンと立てる。数だけは多い玉兎ではあるが、この長い耳を持つ者はその母数に対してそれほど多くは居ない。 このタイプの耳は、所謂ロップイヤー型の耳を 持つ者に比べ、遠距離の繊細な念波通信を非常に得意としている。そのためか玉兎の中でも特殊任務を負っているものが多い。その反面繊細であり、ストレスによる受信感度変化の振れ幅も大きくなってしまう。故に通信時は必ず感度調整を行う規定になっていた。 地上に堕ちた今では規定を気にする必要はないが、私の耳もストレスの影響を受けやすいため念波通信時の感度調整は必ず行っている。 ○○に会うことはおろか、その声すら聴くことのできない今となっては尚更だ。 「方位よし、直上遮蔽物なし、感度調整はじめ」 首から上、さらには耳の先へと神経を集中させてゆく。先ほどまで聞こえていた竹葉の擦れる音も、頬を撫でる風の音さえも消えて無くなってゆく。 地上の音全てが消え、私の意識は一気に遥か上空へと引き上げられる。 まさにその時だった。 『… 宛 ……部………時報…はじ…』 「っ…!?」 唐突に聞こえてきた音に心臓を直接握られたかのようで あまりの衝撃でそのまま尻餅をついてしまう。 「今の……声って…...まさかっ……!」 まさかも何もない。私のこの耳が聞き間違えるなどあり得ない。 まぎれもなく○○の声だ。 すぐさま耳を伸ばし、これでもかと意識を集中する。 ザザザ――という微かなノイズの後に、追い求めて止まなかったその声がはっきりと聞こえてきた。 『――は特に問題点を認められず。今後の使用に支障なし』 「○…○、○○っ!○○だぁ!」 短距離を走りぬいた直後のように心臓が早く鼓動し、息が荒くなる。 自身の生み出すその音にすら気が付かないほどに、私は○○が紡ぎだす声に時間さえ忘れて聞き入っていた。 『――以上である。定時報告終わり。通信終了』 それ自体は数分もかからなかっただろう。 型にはまったような“お堅いセリフ”を一通り話し終えると、○○の声は止まってしまった。 「ぁ…おわっちゃった……」 口元を伝っていた液体を拭うと、途端に虚しさがこみあげてくる。 例えるならば、線香花火のその最後の火球が地に落ちて消えてしまった時のソレに似ている。もっと見たいと思うのに、必ず時間切れは訪れてしまう。 ○○の声はわたしの中に小さな光を灯し、そしてその光ごと消えていった。 残されたのは孤独、暗闇、静寂。 そんな状況に置かれたものが抱く感情は二つに一つ。安堵か絶望。 今の私に迫り来るものは後者だ。 真っ暗な塊が蛇のようにはい上がってくる。その感覚が胸元にまで達した瞬間。 先ほど○○声が止まって20秒も経っていないくらいだろうか。 突如として‘続き’が始まった。 『――聞こえる?レイセン』 「ひゅっ…!」 『聞こえて…いるかはわからないけど。あのね、レイセン。もし無事だったら返事がほしい』 『私…イーグルラヴィに配属になったんだ。レイセンがいなくなったすぐ後に』 『で、レイセンの後釜についたわけなんだけど、レイセンがどこに消えちゃったのか…。捜す手立てももう無くて…それで…』 『……あぁ、時間…。それじゃあね、いつでも返事待ってるから!』 一分、あるいはもっと短い時間だったのだろうか。 私の思考が追いつく間もなく○○の通信は、私宛のメッセージは打ち切られた。 しかし今度のソレは線香花火などではなく、強烈なスパークのように私の中を照らしたのだ。 「ひゅ…」 「ぁ……○○が……○○が心配してくれてるよぉ……」 「うれし…うれしいよぉ…あっはははぁ…!」 ○○は確かに「レイセンの後釜」と言った。つまり私がここに来た目的もめでたく達されたというわけなのだ。 私の行動によって○○は夢を叶えた。 そして○○は行方を眩ませた私のことを気にかけ、心配してくれている。 あぁ、なんという幸福。何もかもが完璧ではないか。 その後数時間ほどの間、 頬に両手を当てて身体をくねらせながら この悦びを反芻し、噛み締めていた。 ────── それからおおよそ24時間後、私は昨日と同じ時刻、同じ場所を目指して竹林の深くへと歩みを進めていた。 昨日の事が、○○が私に向かって語りかけるソレが私には忘れられなかった。 私は○○にひどい仕打ちをしてしまったのに、まだ愛想を尽かしていないどころか、心配し、気にかけ、探し回ってくれているのだ。どうして落ち着いていられようか。 「はやく…あぁ、はやく準備をしなくちゃ…」 地上からの通信には長い手順があり、まず月位相を確認する。 満月では月との通信に大きなノイズがのってしまうのだ。 地上にいる妖怪達が活発になるという話も何らかの関係があるかもしれない。 そして次に天候、方位、直上の遮蔽物、全ての確認を終えてようやく感度調整に入る。 耳を伸ばし、任意の念波を捉え、距離に合わせて耳で増幅し、最後に脳へと送るのだ。 こちらから発信する際は単にその逆をすればいい。 「感度調整終わり…帯域は…昨日と同じ……よし。子の刻まであと…46…45…」 面倒な手順を焦らず確実に、焦っても確実にこなす。 全ての準備が整う頃には昨日の“定時報告の時刻”まで一分を切っていた あの定時報告という言葉を額面通りに受け取るならば、この通信は毎日の頻度で決まった時間に行われることになる。 そしてその度に○○の声を聞き、私宛の想いを耳元で感じることが出来るのだ。 『――発 ○○。 宛 第一管区情報部。定時報告はじめ――』 定刻通りに始まった“お堅いセリフ”の中には非常に機密性の高い情報が含まれているのだが、今の私にとっては○○の声が聞こえてくるという以外に何の価値も存在しない。 そしてこれは前座でしかないのだ。この長ったらしい“前置き”の後に、○○は私宛に独り言を放つ。 『――以上、定時報告終わり。通信終了』 主目的はこの後の‘続き’なのだ。 『あー…、よし。レイセン。聞こえている…のかな』 『こうして何回も呼びかけているけど、中々うまくはいかないね』 『でもレイセンからきっと返事が来るって信じてるよ!』 私がいなくなってから、○○は毎日こうして私のことを想ってくれていたのだろう。 今すぐにでも○○に返事をしたい。 私はここにいるよ! ○○がイーグルラヴィに入れるようにポストをあけたんだよ! うれしいでしょう?! ○○の為に地上まできたんだよ!頑張ったんだよ! 凄いでしょう?偉いでしょう?○○、○○、○○…… しかしそれが念波として発信される前に、脳に浮かんでからほんの一瞬も経たない間に 私の耳は"くしゃり"と潰れた。 それに伴い、ノイズ一つ無く○○の声を拾っていた通信はそのまま切断される。 「ぁ……」 触ってみると完全に縮み上がっているのがわかる。 踏み潰された道草、干物、投げ捨てたブラウス 何れとも形容出来ないような状態。 極度の負荷がかかると反射的にこうなることがあるし、そうなること事態は生理現象なので特に不思議はない。 問題はその生理現象を生み出した源だった 。 耳が潰れる直前、一つの考えが頭を過った。 もし○○の呼び掛けに応答したのなら、○○は一体どんな反応をしてくれるのだろうか と。 ○○は私の無事を知り喜ぶだろう。生きていたことに安堵するだろう。 ではその後どうなる? あぁよかったと安心したら、○○はそのあと私宛の独り言を止めてしまうのではないだろうか。 そうなったら、日々の仕事に忙殺されて私のことなんて忘れてしまうに違いない。 そうなれば、もう二度と○○の声を聴くことが出来なくなる。 唯一の心の支えが失われてしまう。 想像力豊かで頭の切れる私が素早くその答えに辿り着いた結果、それが今のこれなのである。 「返信……できない……だめ……」 さっきまでとはうって変わって今は歯を食いしばり、ままならないこの状況に耳と頭を抱えている。 だが、それも長くは続かなかった。 今ここで短期的な欲求を満たすために○○に念波を送ってしまえば、この先私にとっての光が完全に失われてしまう。 しかしそれを我慢すればこの先ずっと○○の声をその身に受けることが出来る。どうするかなど、あらかじめ決まっているようなものだ。 こうして、この先数十年に渡る日課が始まったのである。
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―――赤羽根探偵事務所。 名前こそ立派だが、雑居ビルに押し込まれた狭っ苦しい部屋だ。 入り口に直接繋がってる客間はまだしも、事務所兼寝室である奥の部屋は俺の女っ気の無さを象徴するみてぇに、トランクスやら靴下やらが乱雑に散らばっていて、他人から見れば安物ベッド以外に足の踏み場もない。 ……昨日まで、そんな状態だったんだが。 その生活が一変した。理由は言うまでもなく―――。 「……すぅ、……すぅ」 ―――今、俺の安息の地で静かな寝息を立ててる俺の"妹"のせいだ。 事務所の外に置いたまんま何年も新調してなかった洗濯機をフル稼働させた挙げ句、客間は客を招き入れられるような状態ではなくなった。 好き好んで事務所を訪れた奇特な客は、漏れなく俺のトランクスと靴下で出来た何重もの暖簾トラップの餌食と仕組みになっている。未だに生乾きだから少し……いや、大分臭っせぇんだわコレが。 煙草用の普段回んねぇ換気扇が、外の洗濯機よろしく昨日今日と終日フル稼働な理由もそれだ。 んで、事務所にそんな大混乱を招いた当の本人は、ノラ猫みてーに毛布にくるまったまんま、今さっきまでガラス戸越しに俺を睨みつけてた。 事務所兼寝室と客間の間には薄っぺらいガラス戸―――鍵なんて豪勢なもんはない―――しかない。プライバシーの欠片も無い。 カラダが女になっちまった、そこそこのルックスの女子がンな状態でベッドで無防備に寝姿を晒すなんて無理がある。 ……ちなみに、昨日もこんな感じだったな。 今日との違いはただ一点。 昨日は名佳も俺も、ある種の緊張状態にあったから四六時中起きてられたんだが。 「すぅ……すぅ……」 見てのとおり、ついに体力の限界がきたらしく名佳は今さっき眠った。 ……というよりオチた。 ただ、俺は眠る訳にはいかねぇんだよな……別に何もする気は起きねーけどよ。 かと言ってアイツより先にグースカ寝ちまったら、最悪、逃げられちまう可能性がある。 契約不履行で依頼金がパァになったら、財布的にかなり痛い。 だから、今もこうして重たい瞼を無理矢理にこじ開けてる訳だ、が。 ……くそ、眠ぃ………。 ……いや、まぁ、文句を垂れても仕様がねぇのは分かる。 いきなり、見知らぬ野郎との共同生活を余儀なくされて、はい、そうですかって素直に従うバカがどこに居るかって話だ。 くそっ、楽な仕事だと思ったのに。 内心でボヤきながら、赤ラークに火を点ける。 朝の一服が、睡眠を求める脳みそにガツンと来た。 初めて重てぇ煙草吸った時のガキか俺は? 「………ふぅう」 ゆっくり、紫煙を吐き出してから無防備な寝姿を晒す名佳を見やる。 ―――赤羽根 名佳。 ―――"なのか"、ねぇ。 フルネームを尻上がりに発音すると、なんか疑問系に聞こえるな。 ………。 そんな下らない考えが頭をよぎったのは、ここ二日間の寝不足のせいだろう。事務所の輪郭がボヤけた視界の中で、ぼんやり、そう思った。 【赤羽根探偵と奇妙な数日-2日目-】 …………。 …………。 ………っ? ……やっべぇ、俺もいつの間にかオチてたらしい。 さっきまで白むだけで、姿も見せてなかったお天道さんが、俺の座っているデスクをかなり鋭い入射角で照りつけていた。 そこまで、ぼんやりとしたアタマで考えて、一気に血の気が引いたような音がした気がした。 ―――今さっきまで、向こうの部屋のベッドで寝ていた筈の、名佳の姿が見当たらない。 いつの間にか俺の身体には、アイツをくるんでた筈の毛布が掛けられてて、当の本人は蛻(もぬけ)の空。 「………クソったれがっ!」 慌てて、イスに引っ掛けてた安物コートに羽織り、ドラマで一度は見たことがありそうな探偵のトレードマークである黒いハットを被り、俺は何重にも仕掛けられた暖簾トラップを潜り抜け、出入り口のドアノブに手を掛けようとした―――。 ―――そん時だった。 内側から見れば、引いて開ける仕組みのドアが俺の意志とはカンケー無しに勢い良く開き、 ――――ゴンッ という鈍い音と共に、頭にヒットしたドアのせいで俺は身体ごと玄関に弾き飛ばされた。 「お……おぉ……ぅ」 間違いなくコブが出来たな、こりゃ……。 「―――そんなトコで何悶えるんだアンタ?」 「……ヒトのドタマにドアお見舞いしといて、"何悶えてんだ"はねぇだろ……っ」 俺にドアの一撃を放った犯人は名佳だった。 その細い両手にはコンビニのビニール袋がいくつかぶら下がっている。 「……つーか、ドコ行ってたんだ?」 「買い物」 事も無げに名佳は両手に持っていたビニール袋を乱雑に放り投げた。 ……つーか事も無げに何言ってやがる。 「勝手に彷徨くんじゃねぇっつのッ!」 「……っ、オレの勝手だろ」 ……しまった、つい声を荒げちまった。下手に名佳の機嫌を損ねたら、ここから出て行きかねねーぞ。 それは、色んな意味でヤバい。とりあえず落ち着け、俺。 だが、俺の危惧など知る由もなく、名佳は不満げに口を開く。 「この部屋、なんにも食べるモノがなかったんだから仕様がないだろ」 「そっちの収納棚になんかあったろーが?」 此処に越してきてから一度として使ったことのないキッチンの横を俺が指差すと、名佳は深ぁい溜め息を吐く。 「確かにあったよ、焼きそばパン」 「そらみろ―――」 「―――カビてたけどな。……いつのだよ、アレ」 「ぐ……」 まだ大丈夫だろーと思ってたんだがな。……確か、1ヶ月前に。 「オレの"家族"は、カビてた焼きそばパンを食べろっていうのか? ネグレクトっていうんだぞ、それ」 「ネグ……なんだそりゃ?」 「ネグレクト。虐待の一種。 衣服を洗濯しなかったり、食事を与えなかったりすることだよ。今ある育児虐待の約10%を占める社会問題で―――」 「―――だぁああっ! わぁった! わぁったから、どこぞロリコン官僚みてぇなテンションで喋んな、眠くなるっ!! ネグレクトだかネブラスカだか知らんが俺が悪かったっつのっ!」 「……そんなの知ってて当たり前―――っ」 嫌味を言おうとした名佳の口がフリーズして、奇妙な静寂に事務所が包まれる。 「ンだよ、急に通夜みてーな面しやがって」 「……オレ、何偉そうなコト言ってるんだ? そんな知識よりも、もっとずっと……覚えていて当たり前なことも、忘れてる、くせに……」 フェイドアウト気味に言って、名佳は俺よりも一回り小さな掌で自らの額を覆う。 「―――生きてりゃ、どうにかなる」 俺は無対象に―――半ば、自分に言い聞かせるような言葉を呟いていた。 「無責任な慰めだ、そんなの」 不貞腐れるように、名佳はそっぽを向く。心なしか、その背中は一回りほど小さく見えた。 「可能性はあんだろーが」 「可能性? そんな絵に描いた餅をぶら下げたところで何が出来るんだよ」 怒りというには冷たく、悟った割には苛ついた言葉が背中越しに帰ってくる。 「……はっ、それに自分が誰かを思い出したところで、今度は変わり果てたこの身体に絶望して首を括ってるかもな?」 「―――っ、てめーは考えられるだろ、動けるだろ、ふてくされられる感情があんだろっ、あぁっ!? 思い出した所で自殺だぁっ? ふざけんのいい加減にしやがれッ!!」 我に返ると、目の前には両腕で頭を多い隠すように縮こまる名佳の姿があった。 俺の右手が、拳を固めて勢い良く振りかぶられていたからだ。 ……何ガキ相手にムキになってんだ俺は。 二日間寝てねぇだけでこうも苛つくなんてトシなのか、俺も。 跋が悪くなって、名佳から身体ごと向きを逸らす。 「……悪ぃ、今のナシ、忘れてくれ。 幸不幸の匙(さじ)加減なんざ、人それぞれ違ってて当然だ。 自分の価値観を押しつけあってどーこーする方が間違ってんだ」 「………」 名佳は俯いたまんま何も答えない。 オイシイ仕事だと思ったが、共同生活初日からこんな調子じゃ一週間なんぞもつワケねぇよ。 それに、コイツを守りきれる保証も無い。 ……仕様がねーな。 「……おい」 「? ……や……っ!!?」 俺は……意を決して、無防備に目を逸らしていた名佳を床に押し倒した。 弾みで、昨日買った名佳用の衣服がバサバサと床に散らばる。 「なんだよっ、なんなんだよいきなりっ!!?」 輪郭がハッキリとした綺麗な瞳が、驚きと困惑の色に染まる。 コイツだって年頃だ、言葉を濁してはいるが"その先"のコトだって分かってんだろう。 名佳の色白な頬が紅潮していくのが見て取れた。 「溜まってンだよ、俺。最近、オンナ抱いてねーから」 「知るか……っ、離せ、離せよっ!!」 押さえつけた細い両腕が熱を帯びる。その心中にあんのは、怒りか、焦りか、または、無自覚な"女"としての羞恥心か。 ……そんなコトに興味はねぇ。 「……オレなんか、興味ないんじゃなかったのかよ?」 「さぁな。気持ちと下半身は別の生きモンだろ、男だったンなら分かるだろーが?」 「サイテーだなっ、アンタ……!」 「ありがとよ」 鋭利な刃物を連想させるような恨み辛みの視線が向けられる。 「そう思えるんなら、まだてめーは真っ当な神経を持ってンだろ。 ……やっぱお前は神代ンとこで預かって貰え。その方がいい」 「………」 名佳のマウントポジションを取ったまんまの体勢で、強姦ごっこの動きをピタリと止める。 「アイツん家はいいぜ? 広いし、こんなとっちらかった部屋とは月とスッポンだ」 「………」 「こんな破落戸と暮らすより、よっぽどいいんじゃねーのか、安全性も、精神衛生面上にもよ」 頷いたのを確認してから、俺は名佳を拘束していた両手を離す。 「……わぁったら、さっさと支度だ。 こっちも一応仕事だ、送り届けるまでは一緒に居る、それまでは我慢してくれ」 「………。ああ」 ……さて、この判断が吉と出るか凶と出るか。 「……?」 それまで黙々と荷物をまとめてた名佳が不意に作業の手を止めた。 その白い小さな手には、古ぼけた写真。 ……って、それっ!? 「それ俺ンじゃねーかっ!? 返せっ」 名佳から引ったくった写真に写っているのは、まだガキだった頃の俺と、肩を組んで屈託無く笑っているもう一人の少年。 「……ホモだ」 「違うわっ!!」 「じゃあショタ趣味?」 「だから違うっつってンだろがっ!!」 ガキの頃の写真一つでどこまで想像が飛躍すりゃ気が済むんだっつの?! 「……どーだか」 必死扱いてホモ疑惑を否定する俺をからかい飽きたのか、名佳は気のない返事をすると再びに荷物のまとめ作業に着手した。……言っておくが俺はホモでもショタ趣味でもねーからな。ノンケだからな。 「最初から、そんなことする気なんて無かったくせに」 「………」 低い声で名佳が何か呟いた気がするが、俺は返事をしなかった。 ……そっから先は会話もなかった。 ただ淡々と、ただ黙々と。 昨日、買い揃えた衣服やら日用品やらを、嬢ちゃんがセレクトした紅色のスーツケースにまとめて。 ついでに俺はとっちらかった部屋を片付けて。 やたらと広くなった事務所に施錠をし。 「……んじゃ、行くか」 名佳からの返事は無かった。 ただ黙ったまんま、事務所への入り口を見据えていて動こうとしない。 「おい」 「………」 最近のガキは何考えてんだかさっぱり分からん。 ……ったく。 「野外プレイのが好みか?」 「……っ」 俺が言うと、名佳は逃げるように先を歩き出した―――。 「……[ピーーー]ば?」 ―――と、離れた位置で毒づいて。 おい、ビビるのか挑発すんのかどっちかにしてくれよ、面倒くせぇ。 ……ま、恨まれるのなら仕事柄慣れている。一々気にしてたらストレスで禿げちまうからな。 ……兎に角、漸く俺らは委員会のあるビルへの道を歩き出した訳だが―――。 ―――その、道中のことだった。 「―――路上喫煙は罰金刑」 汚らしい街並みを、通夜みてぇな面をして並んで歩いてる俺達に、空気を読まずに高圧的態度と高周波な音階で話しかけてくる女の声がした。 目を向けると、フェンダーミラーの黒塗りの車から、相変わらずの童顔と背丈、そしてハニーブラウンの長い髪を拵えた女が降りてくるのが見える。 ……こんな時にツイてねぇ。赤ラークを堪能してるとこを厄介な奴に見つかっちまった。 「……ンだよ、"ゴロリン"か」 「―――"ゴロリン"言うな、バカバネっ!」 端から見ればフォーマルスーツに着られた女子中高生くらいのガキが俺に突っかかって来る珍妙な構図が出来上がる。 ……信じがたいコトだが、下手すると名佳よりも年下に見えるコイツは、新宿区警察署捜査一課の新人の女刑事だ。 本名が言いづらいってことで、俺が"ゴロリン"ってあだ名を付けてやったんだが、気に入らないらしい。 ―――コイツとは、交通課の頃からの知り合いで、キッカケが何だったかは忘れちまったが第一印象は最悪だった。 それ以来、俺が何らかの仕事で出場ってくると大抵コイツが立ちふさがる―――所謂腐れ縁って間柄だ。 普段なら、コイツの"保護者"が場を収めてくれるンだが……。 「けほっ、けほっ。あー煙い煙い」 ……大仰に咳き込む振りをしながら俺を睨みつけるコイツを見るあたり、今は保護者不在らしい。 相変わらずイヤミな奴だ。 致し方なく俺はジャケットの内ポケットに仕舞いっぱなしになってたソフト携帯灰皿に、まだ半分以上残ってる赤ラークを突っ込む。 ……あぁ、勿体ねぇ。 「ふぅ………拝島は一緒じゃねぇのかよ」 「呼び捨てにすんなっ! 年上でしょ拝島さんは!!」 「少なくとも俺はてめーより年上だぞ、ほれ、敬え」 「ばっかじゃないのっ!? 誰がバカバネなんか敬うもんですか!」 ―――誰がバカバネだ、コラ。 「それに、アタシがいつまでも拝島さんにおんぶにだっこだと思ったら大間違いなんだからねっ!」 勢い良いゴロリンの啖呵を最後に、しばしの間、街頭ノイズが俺達三人を支配する。 「………微笑ましいな」 「……うん」 顔を見合わせた名佳と初めて意見が一致した。 「二人してアタシが拝島さんにおんぶやだっこされてるトコを想像するなぁっ!!」 冗談はさておいて。―――車には、拝島の姿は無い。 ンだよ、新宿区警察イチの問題児を放ってどこ行ったんだぁ、あのオッサン。……はぁ、面倒くせ。 「んじゃな、急いでんだよ俺達は―――」 「―――待ちなさいよっ」 ゴロリンが俺の二の腕にぴょんと飛びついて来た。身長差の関係で肩まで手が届かねーらしい。……本当に面倒くせー女だなっ。 「そっちの女の子、誰?」 ゴロリンが、俺の腕にひっつきながら名佳を指して言う。……鬱陶しいな、てめーは俺の古女房かなんかかよ。 「……答える必要あンのかよ」 「っ、あるわよ、答えなきゃ未成年者略取、児童買春の疑いで逮捕するわよっ!?」 「うっわ、うぜぇ」 「サービスで公務執行妨害の現行犯も追加して欲しい?」 本心を言っただけなのに、なんだこの権力の横暴は。 「……赤羽根……なの、か、です。兄が……その、いつも、お世話に……なっております」 なんて誤魔化そうか考え倦ねていると、おずおずと名佳は口を開き、ゴロリンに頭を下げた。……ったく、そんな建て前なんざどうでもいいのに律儀な奴だな。それに、"お世話"になったことなんざねぇぞ、少なくともコイツには。 「……へぇ、妹さん?」 「は、はい」 ゴロリンの興味のベクトルが名佳に向いてくれたお陰で、漸く、右腕の過負荷が無くなる。 「末っ子?」 「え、はい……まぁ」 ゴロリンは名佳を嘗めるようにジロジロと見つめる。しばらくすると満面の笑みで―― 「二人ともお兄さんに似なくて良かったねっ」 ―――と、名佳の肩をパシパシと叩いて笑うゴロリン。……チッ、余計な事言いやがって。 「オイ、さらりとロリータスマイルでひでーコト言うなよ、失礼だろが」 「なっ、どっちが失礼よっ!?」 「間違いなくゴロリンだろ」 「だからゴロリン言うなぁっ!!」 ……はあ。何が悲しくて、見た目は中高生の女刑事と路上コントまがいな事をしなきゃなんねぇんだか。 「あーもぉっ、そんな事よりっ! ……アンタ、この近くのアパートの火事があったの知ってる?」 「あン?」 そう言うと、ゴロリンは目の前で腕を組みながら鋭い視線で訊いてくる。 ……一昨日、この辺に設置された街頭ビジョンで見た臨時ニュースの事か? 此処から現場が近いトコだったか。 「あぁ、火事で野郎が一人おっ死んだアレだろ? おーやだやだ、焼け死になんざ痛そうじゃねーか」 「……火事……?」 「残念だけど、焼死じゃないんだよね。 直接の死因は、……コレ」 そう言って、ゴロリンは右手をピストルの形に見立てて自らのコメカミに突き付ける。 おいおい、んな物騒な話をガキの前ですんなって。 「……ニュースじゃやってなかったぞ。いいのかよ、ンな機密事項垂れ流して」 「……い・い・の! どーせ、今日の夕方には正式に発表されるし」 いや、そういう問題じゃねーだろ。 可愛い子ぶりっ子したって誤魔化されねーぞ俺ぁ。 「……け、拳銃……?」 ほら、名佳もビビっちまったじゃねぇか。 でもまぁ、俺好みの―――文字通りのキナ臭さも後押ししてくるせいか、頭で考えるよりも先に口から質問が飛び出していた。 「……拳銃で撃たれた後での火事、ねぇ」 「……事故や自殺だってんなら、事件から丸二日以上経ってんのに捜査一課の刑事が熱心に聞き込みなんざする筈ねぇよなぁ?」 「―――勘違いしないで。アンタに捜査協力して欲しいなんて一言も言ってない」 低身長にはアンバランスなハニーブラウンのロングヘアを靡かせてゴロリンは言う。 ……否定しないっつーことはだ。 要するに警察はこの案件を放火殺人事件として捜査してるんだな。 ま、コイツが俺に知恵を貸せなんざ言うわけねぇし、興味が湧いたら詳しい経緯を拝島のオッサンにでも訊いてみるか。 「そうかい。んじゃ俺にはカンケー無いね」 「そう、言い切れる?」 話を打ち切ろうとした途端に、妙な含みを持たせた言い方でゴロリンが詰め寄ってくる。 ……まるで、俺がその事件に関係を持ってる確信があるみてーな口振りだ。 「気を遣うのもアレだから、この際はっきり言っとく。 今度の事件、アンタも容疑者候補の一人だから」 「はぁっ!!?」 写真一枚で俺にホモ疑惑をかける名佳といい、ゴロリンといいなんでそんな突飛な発想に行き着くんだよ最近のガキはよっ!? 「……バカじゃねーの? つーかバカだろお前」 「一応訊いておくけど、一昨日の午前2時頃、アンタ、何処に居た?」 人の話、聞いてねぇな。 「事務所で寝てたっつの」 「それを証明―――」 「―――出来るわきゃねぇだろっ」 「妹さんは一緒じゃなかったの?」 不意に名佳にゴロリンの視線が向けられる。 ……マズい。 何度か警察とやりあってる俺ならまだしも、コイツは素人だ。 下手な受け答えをしたら痛くもねぇ腹を探られるコトになる。 「コイツがこっちに来たのは一昨日の20時頃だから証明なんざ出来るわけねぇよ」 「……ふぅん」 ……あっぶねぇ。 アドリブで受け答えした割には上手くいったな。少なくともこれで名佳に疑いが掛かることはない。 後は俺に掛けられた疑いを晴らすだけでいいだろう。 「そもそもだ、何で俺が名前も知らねーような野郎を殺さなきゃなんねーんだよ」 「……神代 宗」 「あ?」 そこで、なんでアイツの名前が出てくるんだ? 「警察は身元不明なんて発表してるけど、とっくに身元なんて判明してる。……その情報を止めるように指示したのはアンタと関わりのある――あの人なんだよ」 ゴロリンは、悔しそうに唇を噛み締めながら呟く。一応、キャリア組でありながら圧力や権力という言葉を嫌うゴロリンらしい反応だ。 ……って、ちょっと待て。 神代家がいくら凄ぇ権力を持ってたとしても、警察の発表より早く事実を知っていなければ被害者の情報なんざ、せき止めようが無い。 つまり、だ。 少なくとも神代は被害者が殺された事を―――または被害者に何らかの異変があった事を明るみに出る前に知っていたってことになる。 「……誰なんだよ、その殺された"被害者"って」 「言ったでしょ。その情報は警察から発表することを止められてるの。これは、お互いの組織の信頼に拘わる問題だから」 感情を押し[ピーーー]ように、女刑事は言う。そういう顔はちゃんと大人びて見えたような気がした。 ……流石に、公僕が特記事項を漏らすような真似は出来ねぇか。 「ま、被害者が誰かは知らねーけど、あのロリコン官僚を経由して俺が疑われてンのは分ぁったよ。……ただな、一つだけ言っとく」 「後学の為に聞いてあげる」 「てめーの正義の為だけに好き勝手動いてたんじゃ、いつかしっぺ返しを喰らうぞ」 「っ……ご忠告、どうも」 どうやら俺は知らず知らずの内にガンを飛ばしてたらしく、ゴロリンは怯んだ自分を見せないようにそっぽを向いていた。 ……話を切るなら今の内か。 「……行くぞ、名佳」 「あ……うん」 俺達は、ゴロリンに背を向けて、再び委員会のあるビルの方へと歩き出した。 「………次に路上喫煙見つけたら逮捕だかんねっ!」 背後で恨みがましい声が聞こえた気がしたが、俺は聞こえない振りをして先を急いだ。 つーか路喫って罰金刑じゃねぇの? てめーで言ってたくせに。 ったく、余計な道草を食っちまった。 「……なあ」 「あン?」 仏頂面で名佳は訊いてくる。さっきまでのしおらしい態度が嘘みてぇだな。 ………いや、十中八九嘘なんだろーけど。 「あの刑事さん、名前なんていうんだ? まさか……あのあだ名が本名なワケないよな?」 あー、ゴロリンのコトを言ってんのか。勿論、本名なワケない。 「宮前 芽依(みやまえ めい)だ。言いづれぇからゴロリンって呼んでる」 「……本名となんの関係性もないあだ名だな」 「そりゃそうだろ。アイツの見た目で決めたあだ名だからな」 「……見た目?」 「"合法ロリ警官"の略だからな」 「………っ」 ……今、名佳の奴、笑わなかったか? 「……勿体ねーな」 「……? 何がだよ」 「なんでもねーよ」 「………変な奴」 お前にだけは言われたくねぇよ。 ―――― ――― ―― 「申し訳ありません。只今、神代は席を外しております」 漸く辿り着いたロリコン官僚のネグラの一階。 そのフロントに居た受付のねーちゃんにサラリと言われ、俺はガクリと頭を垂れた。 「嬢ちゃん―――秘書の坂城 るいも居ねぇの?」 「お答えしかねます」 受付のねーちゃんが慇懃無礼に即答する。 「……アンタが不審者みたいだから受付は答えてくれないんじゃないの?」 そして、俺の横でサラリと毒づく名佳。 「余計なお世話だっつの。……あ。 あーそうだ忘れてた」 「……なんだよ」 「向こうさんにも事情があるんだよ、イロイロ」 「……ふぅん」 ……一応"私設秘書"っつー扱いで籍を置いちゃいるが、嬢ちゃんはまだ高校生だ。 委員会は厚労省直轄の公的機関だし、嬢ちゃんの存在は世間的によろしくねぇってことで一般人には知らぬ存ぜぬを通してるんだった。 体面を繕うのも大変だな。 ……ま、急ぐワケでもねぇし、事務所で気まずい思いをしながらダラダラ過ごすよりはまだマシか。 「……んじゃ、気長に待たせてもらいますかね」 「……」 拭いきれないぎこちなさを抱えたまんま、誰も座っていないフロントの長椅子に向かおうとした―――そん時だった。 「―――あれあれっ? こんなお堅い場所でなーにしてるんですか、おっふったっりさんっ!」 飛びハネたような歩調を体現したような可愛らしさをまとった声が、入り口から飛んでくる。 「坂城……さん」 トレードマークの青いリボンで結ったポニーテールのおかげか、遠目からも分かる。 嬢ちゃん―――坂城るいだ。……つーか、仮にも自分の仕事場を"お堅い場所"なんて言ったら他の職員に睨まれるんじゃねーのか? どうやら高校の帰りらしく、制服姿で学校指定の鞄を肩から下げていて、音楽を聴いてんのか両耳にハマったイヤホンをしきりに弄っている。 「ん?」 その嬢ちゃんの両サイドに、見慣れない男女二人の姿。 ブリーチを失敗したみてーな斑な茶髪が痛々しい学ランのガキと、嬢ちゃんと全く同じセーラー服を着ている女子。 ……嬢ちゃんのクラスメートかなんかか? そこに神代の姿はない。くそっ、相変わらず大事な時に空気を読まねぇな、あのロリコン。 「よぉ、19時間ぶりくらいか?」 嬢ちゃんだけが俺達に駆け寄ってくる。他の二人は少し離れた場所で何かを話してるみたいだが……まぁ気にするだけ無駄か。 「……ごめん、ひーちゃん、初紀ちゃん。先に行っててっ、すぐ戻るから!」 何かを察したのか、スカートをふわりと翻して嬢ちゃんは連れの二人を促した。 高校生の男女二人組は顔を見合わせた後に、こくりと頷いて、奥のエレベーターに乗り込んで行く。 「……あー。あの子達は私と同じ"被験者"ですよ」 嬢ちゃんはイヤホンを片耳だけ外しながら、俺の質問の先回りをするように平坦な口調で答えた。……曲を止めるつもりはないのか、もう片方のイヤホンとプレーヤーをしきりに気にしながら。 「いや、まだ何も言ってねぇんだが」 「目がそう言ってますよ?」 ……まぁ、確かにフツーの高校生が役場やら病院やらをすっ飛ばして、いきなり異対(異性化疾患対策委員会)の本部に来るわけはねぇから、気になってたっつーのは事実だが。 なるほど、嬢ちゃんと同じっつーことは、あの二人も運悪くレアな貧乏くじを引いた不幸なヤツってことか。南無。 「で、どうしたんです? 二人してクマなんて作っちゃって? あ、もしかして……一線越えちゃいましたか? 一戦交えちゃいましたか?」 「「越えてないし交えてないっ!」」 「あはははっ、相変わらずのシンクロ率ですねっ」 嬢ちゃんがしたり顔で言った冗句があながち間違ってないのが怖い。例え本気じゃなかったにしても、だ。 ……あーもうっ! 今はそんな冗談に付き合ってる場合じゃねぇだろ。 さっさと本題を切り出そう。 「あのよ―――悪ぃがこの仕事、降りようと思ってよ。コイツも嫌がってることだしな」 俺は努めて事も無げに言ってのけた。 ……嬢ちゃんは、ほぼ無反応のまんま何も言わないで居る……そのまま無拍子に殴られそうで少し怖ぇ。 「ホントに?」 漸く口を開いた嬢ちゃんの質問は、意外にも平静さを持っていて、少し驚く。 昨日の今日だから、食ってかかられるのも覚悟のつもりだったんだが……何だか拍子抜けしちまうなぁ。 「ああ、マジもマジ、大マジ―――」 「―――"オジサン"には訊いてません」 「っ」 ……おぉ、恐ェ。 ……どうやら、嬢ちゃんの平静さは名佳に用意されていたものだったらしい。 今、捕食する猛禽類の目をしてたぞ嬢ちゃん。マジで殺されるかと思った。 「ねぇ、なのちゃん。答えて?」 名佳に視線を戻す一瞬で、嬢ちゃんはまた菩薩みてぇな優しい表情に戻る。 ……なんつー変わり身の速さだ。 「……」 「なのちゃん、お願いだから」 答えあぐねている名佳を見て、嬢ちゃんは優しい声色と懇願するような声で言葉を繋げる。 ……名佳が腹の底で何を思ってんのか知る由もねぇけど、少なくとも嬢ちゃんの期待する答えが返ってきそうにないことだけは俺にも察しがつく。 「……ごめん」 しおらしげに、一言添えて嬢ちゃんに頭を下げる名佳。 本心かどうかさておいて、事務所での時よりはマシな反応で、俺は内心で安堵の溜め息を吐いた。 「そっかぁ……」 ……それでも敏腕秘書サマにとっちゃあ厄介事に変わりねぇんだろう。 悩む時の癖なのか、嬢ちゃんは前髪の指先で巻き付けながら天井を見つめている。 「……でも、坂城さんが条件を飲んでくれたらもう少し頑張ってみようと思う」 まるで嬢ちゃんの困り果てた表情を待ってたみてぇに、名佳は間髪を入れずに口を開いた。 「―――」 ん……何だ? 今、名佳の奴、嬢ちゃんには見えないように、俺に何か口パクで言わなかったか? ………"悪い"? 「えっ、何だろ? 言ってみてっ、私に出来ることだったら協力するからさっ」 嬢ちゃんにとって名佳の言葉は渡りに舟ってとこだったんだろう。困り果てた表情が途端に明るくなる。 「オレの質問に……答えて欲しい」 ―――その言葉で、俺は漸く名佳の真意を悟った。あんにゃろ……俺とほぼ同じコトを考えてやがったのか。 ……くそっ、先を越された。 さっき名佳が口パクで言った"悪い"ってこのコトかよ!? 「質問?」 コトの成り行きを知らない嬢ちゃんはキョトンとした表情で首を傾げてみせる。 「簡単なコトだよ。何でオレは警察とかに届けられてないんだ?」 ……あーあ。言っちまった。 「……っ」 「どう考えても、こんなの異常だと思うんだけど」 名佳の言う『こんなの』っつーのは、恐らく異対のとる自分への待遇のことだろう。 組織のトップが異性化疾患に対して御執心だからっつってもだ。 ケーサツに届けも出さずに自前の魔法のカード(金)から保護費用を捻出するとか、 赤の他人で―――しかも男一匹で暮らしている俺を保護者に指名するとか、 いきなり学校への編入手続きをするだとか、 ……身も蓋もなく言っちまえば名佳の言う通り、異常そのもの。 記憶を喪ったガキだって、ちっとアタマを使えば分かる話だ。 ……だが、問題はその次だ。 「女になったからとか、記憶を喪ったとかじゃ、説明が追い付かないことだらけじゃないか」 今のところ、女になったから記憶を喪ったっつー明確な根拠が無い以上、あのロリコンが……異性化疾患の"被験者"として扱うとは考えづらい。 万一、名佳を被験者として扱う仮定で考えたとしても先程挙げたような違和感は残る。 「その理由を訊かない限り、オレは―――」 『実は、私もよく分かってないんです』 『あン?』 『いくら私設の敏腕秘書を自称しても肝心なコトは私に流れてはきません。 ……当然、ですよね。一介の女子高生に与えられる情報量なんて、大したコト、ないんですから』 不意にデパートでの嬢ちゃんとのやりとりを思い出す。 ……そこに、妙な違和感を覚えた。 「なっと―――んぐっ!?」 「―――そーガッつくなよ」 畳み掛けるような名佳の詰問を遮ることにする。……無論、物理的にだ。 「んーっ! んぅーんっ!!」 俺の両手に塞がれた小さな口が何を言おうとしてるのかさっぱりわからんが、とりあえず俺を非難するような罵詈雑言だろう。聞くだけ無駄だ。 「悪ぃな嬢ちゃん。その質問、今は答えなくていいわ」 「は、はいっ!?」 内心では、俺が名佳を使ってコトのあらましを聞き出そうとしてると踏んでいたのか、嬢ちゃんはオクターブ高い素っ頓狂な声をあげる。 ……いや、正直俺も気になってたんだが今、その話をすんのは得策じゃない。 「んーぅっ!」 「ちっと黙れ。てめーの訊きたいことは後にしろっての」 辺りを見回すがそれらしい姿は無い。 ……クソっ、何でそこまで考えが回らなかった? 「んーぐぅっ!!」 「いっつっ!!?」 右手の平に激痛が走る。……名佳のバカが噛みつきやがったからだ。 おー痛ぇ……歯形がくっきり残ってら。 「けほ、けほ……っ、何する……――――!?」 「―――なぁ、嬢ちゃん。最近、その音楽プレーヤー、調子悪くねぇ?」 抗議する名佳を無視して、俺は嬢ちゃんの片耳にハマったまんまのイヤホンを指差した。 嬢ちゃんに思い当たる節は……あるみてーだな。 名佳は相手されないのが不服なのか、そっぽを向いている。 「……よく、分かりましたね?」 嬢ちゃんの持ってる音楽プレーヤーは少し古いものらしく、メインのプレーヤーにワイヤレス機器をくっつけて情報を飛ばし、小型の受信機にイヤホンをくっつけて曲を聴くっつー仕組みになっているらしい。 その証拠に、嬢ちゃんの首にぶら下がってる機器はサイコロみてーに小さい。操作出来るのは、せいぜいアナログなスイッチのオンオフくらいだろうな。 「しきりに耳を気にしてたからな」 「へぇ、伊達に探偵さんやってませんね。ちょっぴり見直しました」 「惚れ直したの間違いだろ?」 「………。昨日からイヤホンから偶にノイズが聴こえてくるんですよ」 俺の渾身の冗句を半周も年下の女の子にスルーされた。……いや、凹んでる場合じゃねぇんだけどよ。 「……"偶に"っつーか、主に登下校中とか、こっちに来る時だろ? それ以外はフツーに聴ける筈だ」 「そんなコトまで分かるんですか?」 嬢ちゃんは目を丸くしている。……どうやら当たりらしい。 「……十中八九、原因は"それ"だな」 「ちょっ、赤羽根さんっ!?」 俺は嬢ちゃんの肩から下がってる学校指定の鞄をひったくり、中身の物色を始める。 「もぉっ、何ですかいきなりっ!? プライバシーって言葉知ってますかっ!!?」 「知ってっから今、こーしてんだろーが」 「え……っ?」 鞄のファスナー付近を調べていた指先に何か小さなものが当たる感覚。 この感触は……ビニールテープか? 乱雑に貼り付けられたのか、そこかしこに気泡のような凹凸。 ……兎に角、剥がしてみるか。 ―――すると、接着面に張りついた4センチくらいの黒い長方体が白日の下に晒される。 「これ……!?」 ……ビンゴみてーだな。 「コイツは嬢ちゃんの持ち物か?」 「……違いますね」 その物体の正体に気付いてるのか、嬢ちゃんは嫌悪と驚きが入り混じった表情を浮かべていた。 「……なんだよ、それ」 成り行きだけは聞いていたであろう名佳が、好奇心に負けて振り返る。……が、その正体は分からないらしい。 ……ま、身近なトコに存在するような代物ではないから致し方無いんだが。 「いいから見てろ」 俺はその黒い長方体を床に落とし、そのまま全体重を掛けてそいつ踏み壊す。 「な……っ!?」 そん中から、緑色の基盤、剥き出しになった丸い機械、そして、一昔前のポケットゲームに使ったような極小のボタン電池が姿を現した。 ……どうやら間違いなさそうだな。 「小型の盗聴器だ。 恐らくコイツが発する電波障害でイヤホンにノイズが入ったンだろう。 ……問題は、"いつ、どこで"そいつが仕掛けられたって話だが」 「……あっ」 嬢ちゃんと名佳は多分同じキッカケを思い付いたんだろう。 二人して顔を見合わせている。 ―――デパートであった、ひったくり事件。 「盗られたモンは無かったってコトであん時スルーしちまったのがアダになったな、嬢ちゃん」 「………っ」 流石の嬢ちゃんでも皮肉を返す余裕無しか。 おー、嬢ちゃんが奥歯を噛み締める音がこっちにまで聞こえてくるわ。 虚勢は張ってるが、所詮は思春期真っ只中のお子様だっつーコトか。 まぁ、ちっと予定は狂っちまったが、あの口の堅い野郎を呼び出す手筈は整っただろう。 「さて、アタマの回転が早い敏腕秘書様なら理解してンだろ? 俺が言いたいコトが」 嬢ちゃんは、真顔でコクリと頷く。 ……その真横で一人、話の真意を読み取れずに、自分は蚊帳の外だと言わんばかりの名佳が不貞腐れていた。 「まぁ経緯はどうあれ、てめーの目的は達成したんだ。そーイジけんなよ。名佳」 「……イジけてなんかないっての」 「……どーだか」 俺は名佳に言われた事をそっくりそのまま返してやった。 さぁて、どんな裏事情が飛び出すことやら。 【赤羽根探偵と奇妙な数日-2日目-】 完
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新参陣営最終応援ボーナス:229点 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑥「埴井葦菜の陰謀」 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑧「埴井葦菜の分裂」 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑨「埴井葦菜の驚愕」 行方橋ダビデのダンゲロス・覇竜魔牙曇(ハルマゲドン)~邂逅編~ 行方橋ダビデのダンゲロス・覇竜魔牙曇(ハルマゲドン)~BL編~ 『緑風 佐座』 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑥「埴井葦菜の陰謀」 「お前ら、暇なら俺の手伝いをしないか?」 昼下がりの拠点教室にて、そう声をかけてきたのは探偵魔人・紫野縁である。 人並みの背丈に鋭くない目と、一見普通の男子生徒に見えるが、彼は実はDDC(ダンゲロス探偵倶楽部)に所属する魔人探偵なのだ。 腰まで届く三つ編みとそれを結ぶ乙女ちっくなリボンも、そう考えてみると中々絵になっているように思えた。 「手伝いって、探偵の?」 「ああ、そうだ。ハルマゲドンの前に、調べておきたいことがあるのでな」 ふーん、と相槌を打ちつつ、蜂使いの女子高生魔人・埴井葦菜は考える。 ここにいてもどうせ暇なんだし、こいつの付きあって見るのも面白いかなー、なんて。 少し離れた机に座る巨躯の少年を一瞥し、了承することに決定した。 「まっ、あんたがそこまで頼むんだったら付き合ってやらないこともないわよ」 「ははは、人手が増えればなんでもいいさ――さて、巨堂、お前は?」 「……」 紫野の呼びかけに思案している様子のこの若者は、巨大ぼっち魔人・巨堂斧震である。 荒ぶるぼっちマインドを操り拒絶結界を発生させる彼は、繊細すぎるがゆえに一年生陣営の仲間たちとも未だ打ち解けてはいなかった。 それは葦菜も例外ではなく、端的に言って葦菜はこの巨大な若者を苦手としていた。紫野の頼みをきいたのも、この空間から抜け出す口実が欲しかったという理由もあってのことだ。 「巨堂、頼む。今回の調査には、お前のその巨体は是非とも欲しいんだが」 「…………分かった」 長き沈黙の末に、遂に紫野は巨堂を口説き落とした。 意外なこともあるもんだ、と感心する葦菜と共に、三人は教室を後にした。 歪なパーティによる、探偵ミッションの開始である。 「お前らも気付いているかもしれないが、古参どもと戦う我々の仲間にも、数人ほど油断ならぬ怪しい者が潜んでいる」 「そうね、あいつら憎たらしい程目立っちゃって、あーむかつく」 噛み合っているんだかいないんだかよく分からない会話を交わしながら一同が向かったのは、学校の近くのゲームセンターであった。 こんなところに誰がいるのやら、と疑問符を浮かべる葦菜と巨堂だったが、その答えは間もなく判明することとなる。 その存在はゲームセンターの一角、パンチングマシンの付近にいた。 「本当につよいやつは強さを口で説明したりはしないからな口で説明するくらいならおれは牙をむくだろうなおれパンチングマシンで100とか普通に出すし」 独りごちつつパンチングマシンを殴りつけているのは、光属性のリアルモンク属性魔人・武論斗さんである。 彼はその独特の言語センスにより陣営内でも一部に狂信的なファンを獲得しているが、今回はそれが紫野の目に止まってしまったらしい。 ずばり、陣営の有力な能力者をまとめて引き抜こうとする敵のスパイでないか? と―― 「最初のターゲットはあいつだ。お前らはどう思う?」 「どうって、まあ、変な奴よね。変なことしか言わない割にすっごい目立ってるし……言っててだんだん腹が立ってきたわ。むかむか」 「おいィ?」 「「 !? 」」 気付いた頃には時すでに遅し――武論斗さんは三人組に気付き、バックステッポで接近していた! 「もうついたのか!」「はやい!」「きた!盾きた!」「メイン盾きた!」「これで勝つる!」 どこからともなく現れたブロンティストが囃したてる中、武論斗さんは不敵な笑みを浮かべて探偵団をねめつける。 三人は一様に感じた。こいつ、かなり強い――! 「俺を強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ」 こいつ、心まで読めるのか!?――紫野は驚愕した。 誰かが止めなければ、全滅もありえるやもしれん――巨堂は決意した。 ホント変なやつねえ。転んで死なないかしら――葦菜は侮辱した。 「おれの怒りが有頂天になった。お前ハイスラでボコるわ・・」 「ええ!? あたし!?」 葦菜の暴言を察知したのか、臨戦態勢に入る武論斗さん。 “ヴァナのイチロー”とでも形容すべき身体能力を遺憾なく発揮し距離を詰め、葦菜に反撃の隙を与えることもなく一撃を―― 「ウオオオオオオオオ!」 ――見舞ったが、驚くべきことに、それは巨堂によって止められていた! 葦菜も、紫野も、武論斗さん自身も目を見開いていた。 あの、他者との関わりを避けていた巨堂が、自らの意志で――!? 「お前らは、ぼっちの俺を誘ってくれた……! 友だちは、護る!」 ぼっちであるがゆえに、一度結ばれた絆は己の身を挺してでも護り抜くというのだろうか。 ともかく葦菜は当面の危機を脱したが、しかし根本的な解決には至っていない。 目の前の、この黄金の鉄の塊で出来ているナイトを退けないことには――! 「俺は別に強さをアッピルなどしてはいないが、実は俺は四天王№1の攻撃力と言われてるイフリート」 「お前、攻撃力0じゃないか」 「完 全 論 破(された)」 破壊力ばつ牛ンの舌戦を制したのは、巨堂であった。意外にもあっけない勝利――! 彼は護りきった仲間たちの方を振り返り笑みを見せ、葦菜と紫野もその栄光を称えた。 一方、がっくりと膝をつく武論斗さん。その光景を見て、ブロンティストたちが激昂する! 「お、俺たちの武論斗さんが……」「武論斗さんが負けるはずがねえ!」「チートに決まってやがる!」「チートは消毒だあー!」 好き勝手なことを喚きながら、ブロンティストたちは探偵団に襲い掛かった。 葦菜や紫野が応戦するよりも早く、彼らの前に巨堂が立ちはだかる! 「お前らは、俺が護ると決めた! こいつらは俺に任せて先に行け!」 「ぐっ……致し方ない! 無事に戻れよ、巨堂!」 「死なない程度に頑張るのよー」 気持ちの入った励ましを送る紫野と、対照的に適当さの際立つ声援を送る葦菜。 二人は次なる調査対象の元へと駆け足で去って行った。 「(『ここは俺に任せて先に行け』か……ずっと言ってみたかったんだよなあ……)」 仲間たちを護れたことで満足した巨堂は、晴れ晴れとした気持ちでブロンティスト達と交戦した。 「巨堂を失ったのは痛いが、まあ次で最後だ」 「次は誰? 妖怪? 大根? それともスライム触手?」 「あいつだ」 ゲームセンターの奥へと進んだ二人は、二人目にして最後のターゲットを視認する。 紫野の指差す先にいたのは、自称一般人魔人・緑風佐座であった。 飽くまで己を一般人であると称する緑風こそ、ある意味最も怪しい存在であると言えるのかもしれなかった。 「やっているのは……格ゲーか。一般的だな。埴井嬢は、彼をどう見る?」 「あいつ、一般人の癖にいろんなSSに引っ張りダコなのよね……このあたしを差し置いて……いらいら」 何か不思議なことを呟く葦菜に首を傾げながら、確かに一理あると紫野は思った。 ただの一般人であれば、そんなにも注目されることはないハズである。彼の人気の秘密とは……? そう思案している最中に、なんと葦菜は緑風と接触していた! 「あんた、ホントに一般人なの?」 「あァ? 今ゲーム中なんだよ、ちょっと黙ってろよ変態」 「あ、あたしは変態じゃないっての! あー頭来た! やっておしまい!」 葦菜が所持していたキャリーバッグの扉を開くと、中より無数のアシナガバチが湧いて出てくる。 蜂達は主人の命令に嫌々ながらも従い、緑風に襲い掛かる! これに間一髪で気付いた緑風は咄嗟に避けたが、操作を投げだされたゲーム内のキャラクターは敵の必殺技を喰らい、KOされてしまった。 「ああああああ! おまっっ、もうすぐ連勝記録樹立するところだったんだぞ!?」 「知らないわよ! むしろ、ふふん、いい気味ね」 「あんだとコラァ!」 葦菜の挑発を受け、闘志を剥き出しにする緑風。 あの闘気、やはり魔人か……? 推測する紫野だったが、それならそれで問題がある。 ここで仲間の魔人同士に激突されては、来るハルマゲドンにおける戦力低下は避けられなかろう。ならば―― 「お前たち。ここはゲーセンであり、ファイトクラブじゃあないんだ。勝敗は、あれで決めたらどうだ?」 親指でクイッと指し示した先を、葦菜と緑風も向く。 そこにあったのは、一昔前に流行った音楽ゲームであった。 その名も、『ダンゲダンゲレヴォリューション』――! 「いいだろう。あいつで決着をつけるとしよう」 「やってやろうじゃないの。後で謝ったって許してあげないんだから!」 筐体にコインを投入し、所定の位置につく両者。 流れるメロディに合わせて脚をせわしなく動かしながら、対戦相手を睨みつけることも忘れていない。 非常に高度な戦いを、後方で紫野が『探偵手帳』に記録していた…… 後日、三つ編みを花柄のゴムで縛った紫野は、DDC総代に調査報告書を提出した。 曰く―― 『武論斗さん:不可解な言語センスで信者を増やすが、これといって害悪はなし』 『巨堂斧震:孤立していたのはスパイだからではなく単に繊細なだけのイイヤツであった』 『緑風佐座:一般人を自称しているだけの魔人で、魔人の中でも極々一般的であるがゆえに非常に便利な存在』 『埴井葦菜:嫉妬心の強さは吉とも凶ともとれるが、少なくとも敵とは通じていなそうである。ぱんつは白』 そう、紫野は怪しい者の調査と並行し、同行を依頼した者の調査も行っていたのだ。 結果的に、埴井葦菜の陰謀の存在は確認されなかったということであった。 ダンレボの最中にぱんつは確認されてしまったが、まあ、どちらもシロだったので無問題であろう。 <終> 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑧「埴井葦菜の分裂」 「ねえねえ! 分裂したら、きっと目立つわよね!」 まーた変なこと言いだしたよ、と呆れ返るアシナガバチ達を引き連れ、埴井葦菜はグラウンドに飛び出した。 快晴の空の下、グラウンドでは、二人の男が待ち構えていた。 一年生陣営所属の魔人が二人――分身魔人・行方橋ダビデと反復横跳び魔人・左高速右である。 「遅いぞ。小娘の分際で吾輩を待たせるとはいい度胸だな」 「うるさいわねー。来てやっただけでも感謝しなさいよ」 「なっ! 貴様が呼びつけたのだろうが……!」 「まあまあ、二人とも落ち着くでありますよ」 互いに譲らず、バチバチと火花を散らす葦菜(ぶるま着用)とダビデ(腰巻着用)、それを宥める左高(ジャージ着用)の図。 今回、ダビデと左高は葦菜が「分身の術」を会得するために招集されていた。 全ては彼女が目立つための作戦なのである。 二人も、「葦菜が増えれば、それは戦力の大幅な底上げになるだろう」と了承した。 かくして修行は開始された――のだが。 「我が『質量を持った残像』の極意は魔人拳法にある! 凝り固まった『型』などには囚われず、固有の能力と拳法の融合を目指すのだ!」 「ちょっと待ってよ、固有の能力って、つまり、あんたの能力じゃなきゃ分身出ないってこと?」 「そうだが?」 「使えねー!!」 「自分は特別なチカラなど必要なくても分身できるようになれるでありますよ! (゚Д゚≡゚Д゚) シュッシュッ」 「……確かにすごく速く動いてるけど、でも別に分身してる訳じゃないわよね」 「その通りであります! 自分はまだまだ修行の身ゆえ、完全な分身まではまだ遠い道程であります! (゚Д゚≡゚Д゚) シュッシュ」 「使えねー!!」 その後も試行錯誤を繰り返す三人だったが、結局分身の術の会得には至らなかった。 日も落ち、辺りを夕闇が包み始め、校舎からは下校を促す放送も聞こえてくる。 「……あんたたち、結局なんの役にも立たなかったわね」 「とことん不遜だな、貴様」 「わはは。 自分は楽しかったので『良し』であります」 まあ、確かに。 いがみ合う二人も思った。 なんだかんだ言って、分身を作りだそうと奮闘した数時間は、時の流れを忘れるほどに楽しかったのだ。 でも、それを認めるのはなんとなくシャクだったので、ぷいっとそっぽを向いたままで葦菜は解散を告げた。 「と、とにかく! 今日の特訓はこれでおしまいよ! お疲れ様っ!」 「あ、最後に一つ」 一方的に別れを告げて走り去ろうとした葦菜を、左高が止める。 ちなみに、この左高という男は、一年生陣営において陣頭指揮を執っていた。 なんなのよ、とジロリと睨む葦菜の視線には気付かぬように左高が口を開く。 「来るべき三年生陣営との決戦において、我々は隊をAとBの二つに分けて迎え撃つことになるのは知っているでありましょう?」 「ええ、知ってるわ」 「埴井殿には、そのBチームの覆面メンバーになって欲しいのであります」 「「 !? 」」 覆面メンバー。 それは、戦いの直前までその情報の全てを秘匿される、まさに勝負の鍵を握ると言っても過言ではない存在だ。 葦菜自身も「覆面メンバーとか、逆に目立ってて気に入らないわね。むかむか」と思っていたのだが、まさか、自分が……? 「ふ……ふん。よかったじゃないか。せいぜい吾輩の勝利のために隠れているがいい」 覆面メンバーの重要度についてはダビデも理解しており、「吾輩が覆面になれば……ぐふふ」などと思った事もあった。 それゆえに葦菜に取られてしまったことは少し悔しい様子ではあったが、今は彼なりの遠回しな励ましをしていた。 葦菜は若干迷ったのち、 「そ、そこまで頼むんだったら、まあ、覆面になってやらないこともないわね!」 と了承した。 「ふふ……ふふふふ……! あったしっが覆面っ♪ だっれよっり目立つ♪」 覆面メンバーになれたことが余程嬉しかったのか、陽気に歌いながら帰宅する葦菜。 しかし、彼女の連れている蜂達は、どこか雰囲気が違っていた。 それに気付いた葦菜は、立ち止って問いかける。 「あんたたち、どうしたの? なんか変よ」 首を傾げる葦菜に向かって蜂達が口を開く。 『オレたち覆面か―――…』 『なんかさ…こんなもんかってカンジだよな』 「え…」 それは、一言で言い表すならば“異様”。 これまで葦菜の横暴に何一つ反抗することなく従ってきた蜂達が見せる、初めての表情であった。 『戦場からの景色って別に変んねェなと思って 模擬戦・本戦もたいして変んねェよな』 『うん…二度もいらねェな そんなのより作戦会議がキツイし』 「………何言ってるの、あんたたち…?」 そして、決定的な一言を口にする――! 『『 オレたち もう ハルマゲドンやめます 』』 「――――――!!」 それだけ言い残し、蜂達は飛び去った。 ただ一人置いて行かれた葦菜は、空のキャリーバッグを抱えてその場にへたりこみ、しばらくそのままでいた。 埴井葦菜の分裂は、かくして起こってしまったのだった。 <終> 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑨「埴井葦菜の驚愕」 「アッシーナ! 覆面メンバーに選ばれたんやってな!」 「おめでとうございます!」 続けざまに飛び交う祝福の言葉。 普通の女子高生のような表情でそれらを浴びながら、しかして気分は沈んでいた。 嫉妬に身を焦がす蜂使い魔人・埴井葦菜も、蜂を失った今では、ただの嫉妬魔人でしかなかった。 「もォ、あいつら、どこに行っちゃったのよ……!」 家に帰ってベッドの上のクッションに顔を埋めながら、葦菜は久しぶりに独りごちた。 いつもならなにがしかのリアクションをとってくれるハズの相棒は、もういない。 「うう、もォ、ばかばか……!」 口では必死に強がろうとしてみてるが、そう上手くはいかないものである。 本当は、さみしくて、くやしくて、目元もなんだか潤んできて―― ――ピピピピピ! 「わっ!?」 心が折れかけた、そんな時にこそ救いの手は差し伸べられるものだ。 けたたましく鳴り響く携帯を開くと、ディスプレイには『埴井ホーネット』の名が表示されていた。 じんわりと浮かんだ涙をパジャマの袖でぐしぐし拭い、いつも通りに……! と念じて通話ボタンを押す。 「も、もしもし?」 『お久しぶりですー!』 電話の向こうから聞こえる声は、最後に聞いた“あの時”と何も変わっていなかった。 明るい声の主は、葦菜の従姉妹にして同じく蜂使いの魔人・埴井ホーネットである。 尤も、葦菜を“嫉妬”の蜂使いとするなら、ホーネットは“色欲”の蜂使いと呼ぶのが相応しかろうが…… とにかく二人はしばらくぶりの通話を味わい尽くす様に色々な話をした。 近況報告に始まり、そこから派生する枝葉に他愛無い話を咲かせてゆく。 そんな中、避けては通れぬ話題というものもあろう――それが、蜂。 『そういえば、葦菜さんのところのアシナガバチさんたちは調子はどうですか?』 「あー、あいつらね……うん、どうなんだろうね……」 『? なにかありました……?』 隠すことなど不可能だった。 堰を切ったように感情の奔流が溢れだす。 「――あ、あたしっ……ぐずっ……見捨てられちゃったの、かな……どうしたらいいんだろ……!」 『ど、どういうことですかっ!?』 葦菜は蜂たちの離反におおよそ関係ありそうなことはなんでも喋った。 要約するなら、自分の暴挙に愛想を尽かされてしまった、という感じであろうか。 聞き終わると、ホーネットは珍しく強い口調で言葉を発する。 『――それで、葦菜さんはこのままでも別に構わないというわけでしょうか?』 「なっ……! そんなわけないでしょ!? 何年一緒にいると思ってんのよ!」 ホーネットの辛辣な言葉を受け、葦菜は半ば焦って言い返した。 その言葉を待っていたとでも言わんばかりに、ホーネットは一転して優しい口調で語り出す。 『そう、私たちは蜂さんたちとずっと一緒に生きて来ました。なら、何をしたらいいかなど、誰かに聞くまでもないことでしょう?』 「――っ!」 そう。簡単なことだったのだ。 このままサヨナラだなんて、そんなの了承できるはずもない。 選択肢など、元より一つしかなかった。 「……ありがと、ホーネット。それと、ごめんね」 『はい? 謝られるようなこと、何かありましたっけ?』 「……ふふ、なんでもないっ。こっちのゴタゴタが片付いたら、会って話そっか♪」 『? うふふ、そうですね♪』 それから二言三言交わし、互いに別れを述べて通話を終えた。 葦菜の心にかかっていた雲も今や全て消え失せていた。 晴れ渡った気持ちで、ここに宣言する。 「絶対に仲直りしてやるんだから!」 後日、葦菜はある部屋の前に来ていた。 そこは一年生陣営が使っている拠点のうちの一つではあるが、最初の顔合わせの時以来使われていなかった。 「きっと、ここにいるハズ……!」 ここ数日、葦菜はこれまで使ってきた拠点教室を順番に思いだし、辿ってみた。 それらはどれも複数回以上使われていたが、ここだけ最初の一度きり。理由は分からないが、隠れるならここが最も適しているというわけだ。 その証左に、この部屋からは明らかに複数の人間のものと思しき足音や物音、さらには聞き違えるはずのない、慣れ親しんだ羽音も聞こえた。 「誰が手引きしてるんだか知らないけど、きっちり連れて帰るんだから……!」 軽くなって久しいペット用キャリーバッグをぎゅっと抱き締め、葦菜は部屋の扉を思い切り開けた! 「頼もおおおおおおおおおおおおおお!!」 「「 ぎゃああああああああああああ!! 」」 押し入った部屋の中から爆発した叫び声は、全て聞き覚えのあるものであった。 そこにいたのは、アシナガバチたちと、一年生陣営Bチームの面々であった。 「……え?」 メンバーは、それぞれが一つの目的に向かって異なる準備に取り掛かっていたようだった。 ある者は輪飾りで部屋をデコレーションし、またある者は黒板に色とりどりの文字や落書きを描く。 別の者は、部屋の中央でくっつけた机の上に料理やお菓子、ジュースの類を並べていた。 「えっ、えっ」 黒板にでかでかと描かれた文字を、葦菜の目が追ってゆく。 曰く―― 『 アッシーナ、覆面抜擢おめでとうパーティ 』 「えー、それでは改めて! アッシーナ、覆面抜擢おめでとお! カンパーイ!」 「「 カンパーイ!! 」」 パーティ会場たる教室では、チームメイトたちが各々お喋りに興じながら机の上の料理に舌鼓を打っている。 中でも稲荷山謹製の寿司は別格で、最早パーティの主賓が誰かなど忘れたかのように パクついていた。 「ちょっとちょっとお! その辺はアッシーナのためにとっておくべきですよ!」 「はッ、速いもん勝ちだぜ!」 「わあ、武論斗さん、お寿司とるのも速いですねえ! すごいなー、あこがれちゃうなー」 「それほどでもない」 好き勝手に騒ぐ者ども。魔人の集いなど、所詮こんなもんであろう。 ちなみにこの部屋は、陣頭指揮官・左高速右がパーティ用にと予め少ない使用回数で確保しておいたものであった。 さて、会場が盛り上がっている中、主賓たる葦菜が何をしているかと言うと、乾杯の直後、蜂たちを連れて一旦外に出ていた。 「――はあ!? 狂言!?」 離反の真相を確かめるべく問い質そうとした葦菜に明かされたのは、俄かには信じられないものであった。 それは、狂言。 サプライズパーティのための布石と、普段横暴に振る舞っている主人へのちょっとした薬のつもりだったという。 「……びっくりさせないでよ、ばかぁ……!」 安堵したためか、いつもは他人に見せないような本音をつい明かしてしまう葦菜。 はっと気づいて「いや、今のは違くて……!」などと取り繕おうとするも、時すでに遅し。 にやにやと笑う蜂たちに囲まれ、照れ隠しにプイッとそっぽを向いてしまうのだった。 『……まあ、でも良かったんじゃない? 目立つことには成功したわけだし』 一匹の蜂がそっと耳打ちする。 確かに、覆面メンバーに選ばれ、こんなに盛大に祝ってもらって、葦菜は正直言って大満足であった。 ちなみに別の拠点教室ではAチームによる鶴崎の覆面抜擢おめでとう乱行パーティが開かれているのだが、ここでは割愛するとしよう。 「でも、まだ足りないわ……最大限に目立つには、もっと、何か……」 しかし、葦菜にとってはまだまだ物足りないらしい。 あれでもない、これでもないとブツブツと呟きながら思索に耽る。 やがて、今度こそ正真正銘の名案を思い浮かんだようで、頭上の豆電球をピコーンと光らせる。 「そうよ! 敵の中でも特に目立つやつをあたしが倒せばいいのよ! 古参どもを驚かせてやるわ……!」 余程その作戦を気に入ったのか、うん、うん、としきりに頷き、やがてくるりと蜂たちの方へ振り返ると、 「とにかく目立ってそうな奴を探してきなさい! 覆面をつけた怪しいのとか!」 などと、アバウト極まりない命令を口にするのだった。 全然懲りてないなあ、と笑う蜂たち。もう、自分たちがついて行ってやるしかないようだ。 埴井葦菜の驚愕は、まだまだこれからなのである。 <終> 行方橋ダビデのダンゲロス・覇竜魔牙曇(ハルマゲドン)~邂逅編~ 前回までのあらすじ もうついたのか!はやい!きた!盾きた!メイン盾きた!これで勝つる! 「ひぃっ!ブ、武論斗さん!」 背後に立つ巨躯の男の姿に気づいてモヒカンザコの顔色が蒼ざめる。 「君も一年生かい?」 「なに気安く話しかけちゃってるわけ?」 ダビデの問いに対して鎧を纏った男、武論斗さんはリアルモンク的な憮然とした口調で返す。 「あいんsつにもそれなりにもっと丁寧のがあるでしょう?お前調子ぶっこき過ぎですよ」 「……ああ、そこに寝転んでる彼らの事?勘違いしないでくれよ、僕が先に彼らに襲われたんだ。正当防衛だよ」 武論斗さんが刺青のモヒカンザコをじろりと睨む。 「や、やだなあ武論斗さぁん……俺らなりの歓迎ってやつですよぉヒャッハー!」 「おまえ親のダイヤの結婚指輪のネックレスを指にはめてぶん殴るぞ?」 「ヒッ……お、オレ達ちょっと用事を思い出したんで今日はちょっと失礼しますヒャッハー!」 武論斗さんの放つリアルモンク的な覇気に気圧されたモヒカンザコは、気絶した仲間を載せてバイクに跨りあっという間に立ち去った。 あとに残ったのは砂煙と二人の男、行方橋ダビデと武論斗さんである。 「まったく……迷惑な連中だ。ところで君、相当できるみたいだねぇ……面白そうだ」 ダビデの口の端がニヤリと歪み、その瞳には殺気の火が灯っている。 「俺を強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ」 それに気付いてか気付かずか、武論斗さんの表情は変わらない。 「いいねえ、気に入ったよ。戦 ら な い か」 ダビデが再び構えを作り、その体から闘気が立ち上る。 「おい、やめろ馬鹿。お前の人生は早くも終了ですね」 武論斗さんもダークパワーっぽいオーラの封印を解きそれに対峙する。 二人の魔人の間に静かな緊張が走る。 空気の膠着が臨界に達する刹那――――― 「なあぁにしてんねん!アホ!!」 スパァァァァァン! ドゴォォォォォン! 「おいぃッ!?」 突如、武論斗さんの体が真横に吹っ飛ぶと同時に、派手な音を立てて爆炎に包まれる。 現れるなり突然に彼を殴り飛ばしたのは、巨大なハリセンを持った少女だった。 「武論斗さん!覇竜魔牙曇も近いっちゅうのに何道草食うてんねん!ん?誰やアンタ?ひょっとして助っ人さん?いやー助かるわあ!ウチ一年生の朱音多々喜!」 ハリセン少女改め、ツッコミ魔人・朱音多々喜はポカンとした表情のダビデに凄まじい早口で自己紹介した。 「……えっ、ああ、僕は行方橋ダビデ。覇竜魔牙曇に参加したくてこの希望崎に来たんだ。一応キミたちの助っ人って事になるのかな。さっきのはキミの能力かい?」 「せやでー。アホな能力やろ?ま、これからよろしゅう頼むわ。ホラ、行くで武論斗さん」 吹き飛ばされた武論斗さんには派手な爆発の割にダメージがほとんど無いが、顔中が煤で真っ黒に汚れている。 「ゲホッ……ゲホッ…お前マジでかなぐり捨てンぞ?」 「あぁ゛?なんやとコラ?」 「……今日のところはやめときてやrう…(こbの謙虚さが人気の秘訣)」 朱音はうつむく武論斗さんの手を引いて速足でその場から立ち去って行った。 「希望崎学園か、悪くない所じゃないか」 遠ざかる二人の後ろ姿を見ながらダビデはまた目を細めた。 つづく 行方橋ダビデのダンゲロス・覇竜魔牙曇(ハルマゲドン)~BL編~ 前回までのあらすじ:武論斗さんがツッコまれて爆発した。 「で、後ろのキミはいつまで付いてくるつもりだい?」 ダビデがおもむろに校舎の方に振り返ると、渡り廊下の柱の陰から忍者装束の少年が姿を現した。 「……」 「何か用かい?もし良かったら校舎を案内して欲しいんだけど」 少年はダビデの前に出ると、いきなり深々と頭を下げた。 「せ、先生と呼ばせて下さいっす!」 「……は?」 頭を90度の角度に下げたまま少年は続ける。 「自分、希望崎学園忍者部所属一年生、名前を左高速右っつうケチな忍者っす!先ほどのモヒカンザコとの戦い、失礼と思いつつ一部始終、柱の陰から見せていただきました!」 「いやそれは知ってたけど。なんで僕が先生なんだい?」 「自分、恐縮ながら先生のような分身使いを目指してるんす!何卒お願いします!自分を弟子にしてほしいっす!」 「ふーん。なるほど」 それを聞いてダビデが納得したように頷く。 「いいよ。魔人拳法奥義・残影淅踊身、君に伝授しよう」 「マジっすか!ほ、本当にいいんすか?」 自分の悲願への扉が想像以上にあっさりと開かれた事に左高速右は目を輝かせながら顔を上げた。 「もちろんだよ。……ところでキミ、中々可愛い顔をしているね」 「へ?」 「いやぁ、こっちの話さ」 もしも左高がこの時ダビデの視線の中に潜む不穏な影に気づいていれば、彼はその後の残酷な運命も回避できたことだろう。 「君に奥義を伝授するとは言ったけれどもちろんタダって訳にはいかないなぁ。この能力は僕が中国の山奥で血のにじむ修行の末に手に入れた物だしねえ…」 「分身の術を体得できるなら、自分、なんでもするっす!」 「ん?今キミなんでもするって言ったかい?」 その不用意な言葉にダビデは野獣じみた歪な笑みを浮かべる。 「……先生、な、なんスかその目は……」 ようやく左高は自分の置かれている状況の危険さに気付いた。 しかし時すでに時間切れ。 「ふふふ、心配ないさ。優しくするからね……」 「え、いやいやいや!ちょ、ま、待って!そん……アッー!!」 「ふははは!どうだい左高くん!」 「分身にはこういう使い方もあるんだよ!」 「り、両方同時なんて、そんな……アッー!」 「ハァハァ……す、スゴいわ!」 カシャッ!カシャッ! 二人の男が校庭のど真ん中でヒートアップする様を、校舎の陰から夢中でシャッターを切る少女。 彼女の名は夢追中、希望崎学園報道部所属の新聞記者魔人である。 「ハァハァ……とりあえず明日分の記事はこれに決まりね。ああっ!そんな所までっ!」 しかし、その日彼女の書いた記事はあまりにも過激すぎる内容の為に、学園新聞に載る事は無かったという。 おわり 『緑風 佐座』 ※設定捏造及び、盛大な中二病注意。 ――それは、たった一つの、ちいさな矛盾。 一人の魔人が思い描いた、ささやかで、しかしけして叶わうことのない願い。 「……明日か」 堕ちゆく夕陽が、教室を血のように赤く染め上げている。 破壊学園ダンゲロスの一角にして極地、ハルマゲドン専用に構築された校舎。その一つにある新参陣営待機教室。 学校の教室でありながら大学の講義室レベルの広さを持ち、ガス栓や冷蔵庫、台所から洗濯機まで常備された改造教室である。 授業や実習はもちろん、避難所や籠城にまで使える代物だ。 その一角では、のもじが伝説の白いギターの弦を確かめていたり、葦名が蜂達と戯れながら嫉妬を撒き散らしていたり、稲荷山は寿司職人の日課修行に精を出していたり。 幽霊なぞいない! と蝦夷威もとじが幽霊少女であるみれん相手に語っていたり。 大根と武論斗さんがリアルファイトしていたり、とにかくカオスな情景だ。 その異常極まりない教室の一角で、ダンゲロスの魔人でありながらホックだけ外した詰め襟をごく普通に着こなす少年――至って特徴の無い、どこにでもいるような姿をした緑風佐座は、ひどく憂鬱そうに溜息をついた。 「スタメンとか……一般人には荷が重いんだよなあ……」 「お前のどこが一般人やねんっ!」 「ウボァー!?」 黄昏れていた所に、後ろから唐突にハリセンの一撃が飛んでくる。 机に頭からぶつかり、あいたたた、と赤くなった鼻を抑えながら立ち上がると、背後には快活に笑う関西風の少女。朱音だ。 「あたしの突っ込みに耐えられる奴が一般人なワケないやろが! スタメンの癖にうじうじうーじうじしとんなや」 「んなこと言われても……だったらアンタが代わってくれよ」 「増援で着いたら大暴れしたるさかい、覚悟しときぃや!」 なっはっは、と笑う朱音。しかし、自らの突っ込みに耐えられる人間が魔人しかいない、と認識しているあたり相当だ。 つまりそれは、一般人を突っ込み殺したことがあるという証拠でもあるのだから。 「それに、俺は一般人だよ。――いや、一般人で無きゃ、いけないのさ」 「はぁ……?」 席を立つ。確かに、選ばれてしまったことには違いない。 妖怪ではないが、他のメンバーに挨拶に行っても良いだろう。 たとえばホラ、今しがた教室に入ってきた、朱音 多々喜とか―― 「……ふむ。やはり、それが貴様の“認識”か」 「……っ!?」 振り向く。 朱音の声が、唐突に重く、冷たいものになる――否 ・・・・・・・・・・ それは朱音ではない! 周囲の景色が凍る。まるで銀河の中にでも放り込まれたかのように、周囲の景色が一変する。 色を失ったクラスメイトと――ただ一人、その中で動ける佐座を除いて。 「これはっ、刺客――いや、違う!?」 この途方も無い能力規模。こんなものを持つ三年生がいたら、今頃自分たちの命なぞ在るはずもない。 朱音だったはずの姿は、混沌の塊のような人影となっていて、その中身は読めない。 ――一つだけ、可能性が脳裏に浮かぶ。 この状況に加担しうる、途方も無い能力を持った、しかし新参でも古参でも無い誰か。 「……“転校生”……!」 「そうだ。――そういきり立つな。何も、蹂躙しに来たわけではない」 「?」 佐座は首を傾げる。転校生の影は語る。 「緑風佐座。『自分は一般人である』という認識に縛られた『魔人』。 ――この度し難い矛盾は、たった一つの意味を持つ。ある特別な意味を」 すなわち、と。 「貴様は個人の能力のみで“転校生”に覚醒しうる。 希有な存在だ。――端的に言おう。今ここで我らに加担する気は無いか。スパイがいれば、その分我々の仕事も楽になる」 「――っ!」 息を呑む。 転校生。それになる仕組みを、佐座も知っていた。戦闘破壊学園ダンゲロスのノベライズは、基本ライトノベルしか読まない彼もきっちり買っている。 その可能性には気付いていた。自分が孕んだ、致命的な能力の矛盾。一般人という認識に縛られた魔人。 魅力的な提案だ。転校生化は、あらゆる魔人が恐れ、また心の底で憧れることでもあるのだ。 ――だが。 「お断りだ」 即座に、佐座は首を横に振った。たとえこの場でこの相手に殺されようと、しかし、それだけは飲めない提案だった。 「俺は“一般人”なんだ。卑小で凡俗な、どこにでもいる、ね。――転校生になる気も無ければ、ダチを裏切る気もねぇよ」 周囲で凍りついているクラスメイトを指して、冷や汗を浮かべながら佐座は笑って見せる。 ――彼は昔、ごく普通の、どこにでもいるような魔人だった。 密偵の魔人。相手のHPを簒奪し、一瞬で2にする能力“瞬殺”。 しかし彼は弱かった。名前に反して、対象を瀕死にすら出来ない能力を持つ彼を、使えない周囲は嗤った。 挙げ句の果てに、彼のいる陣営があるハルマゲドンで盛大に敗北した時、彼は敵にまで貶された。 『――貴方のように平凡で、何の突出した所の無い人が……この場にいることに驚いています』 ああ、そうかよ。 だったら俺は、それでいいさ。 「計り知れないのは、人の想いの強さだ」 そして彼は覚醒した――魔人から、一般人に。 「ここにいるのは、クソみてえな魔人どもだ。どいつもコイツも、馬鹿で、変態で、魔人的な、 だけどそれでも、一度たりとも俺をけなすことをしなかった、気の良い奴らだよ」 拳を構える。かつて持っていた最強の短刀は、そこには無い。だが、それでいい。 「覚悟しろよ転校生(さいきょう)――俺の一般人(さいじゃく)は、ちっとばっか響くぞ」 「くっ……ははははははっ!」 その口上を一頻り聞いた転校生が、腹を抱えて笑い出す。 「いいだろう――ならばハルマゲドン、我らも正々堂々三つ巴で入り乱れようではないか」 ぱちん。 指を弾いた瞬間、周囲の景色が元に戻る。再び動き出すクラスメイト達。 転校生の気配など、どこにも無くなってしまっていた。 「っはぁ~~~~~~~~~! やっべ、死ぬかと、思った……!」 息を吐き、佐座はどっかと床に座り込む。 その拍子に椅子を軽く倒して、隣で職人修行をしていた稲荷山に目を細められる。デリケートな食材を扱う彼女は埃が立つのを嫌った。 「どうした? ――ん、あれ、緑風、キミ、さっきまで座ってなかったか?」 「ああ……リーダー」 怪訝そうに首を傾げ覗き込む少女を、晴れ晴れとした表情で、顔で佐座は見上げる。 「俺は戦うよ。この命、思う存分使い倒してくれ」 「――え? いや、それはそうだけど……そ、そんなこと……いいの?」 首を傾げる稲荷山に、佐座は気安く笑い掛け。 「何だ、心配してくれるのか? いやあ俺いつの間にフラグ立てたのかなあ――」 「身の程をわきまえよ」 「スイマセンでした!」 未だにトラウマはトラウマだった。
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+ 目次 1.0〜1.9 / 24000〜46000 2.0〜2.9 / 27000〜70000 3.0〜3.9 / 71000〜94000 4.0〜4.9 / 95000〜11.8000 5.0〜5.9 / 11.9000〜14.2000 6.0〜6.9 / 14.3000〜16.6000 7.0〜7.9 / 16.7000〜19.0000 8.0〜9.9 / 19.3000〜23.8000 10.0〜 / 24.0000〜 400/m (四百字一分換算) 読む時の参考にしなされ ブンゴウサーチの★(PV数)が基準となっています。 ページ内検索を使うと良いと思います。 1.0〜1.9 / 24000〜46000 【1.0 24-5000】0.1〜0.2 ★3 1.0 白痴 {坂口安吾} 24000 1.0 心理試験 {江戸川乱歩} 1.0 かのように {森鴎外} 1.0 私の個人主義 {夏目漱石} 25000 1.0 恩讐の彼方に {菊池寛} 1.0 山椒大夫 {森鴎外} 1.0 如是我聞 {太宰治} 1.0 天守物語 {泉鏡花} 1.0 キチガイ地獄 {夢野久作} 1.0 赤毛連盟c {アーサー・コナン・ドイル} 1.0 少年 {谷崎潤一郎} 1.0 ウィリアム・ウィルスン {エドガー・アラン・ポー} ★2 死の淵より {高見順} 24000 護持院原の敵討 {森鴎外} 雨あがる {山本周五郎} 金色の死 {谷崎潤一郎} 明治開化 安吾捕物 04 その三 魔教の怪 {坂口安吾} 星より来れる者 {室生犀星} つばくろ {山本周五郎} 別れ霜 {樋口一葉} 25000 エタ源流考 {喜田貞吉} 念珠集 {斎藤茂吉} 恐ろしき錯誤 {江戸川乱歩} 肝臓先生 {坂口安吾} 狼疾記 {中島敦} 入院患者 {アーサー・コナン・ドイル} 自転車嬢の危難 {アーサー・コナン・ドイル} 明治開化 安吾捕物 05 その四 ああ無情 {坂口安吾} あの世の入口 ――いわゆる地獄穴について―― {知里真志保} 名字の話 {柳田国男} 道鏡 {坂口安吾} おばな沢 {山本周五郎} のんしやらん記録 {佐藤春夫} おれの女房 {山本周五郎} 【1.1 26-7000】 ★3 1.1 いのちの初夜 {北条民雄} 26000 1.1 赤いカブトムシ {江戸川乱歩} 1.1 空家の冒険 {アーサー・コナン・ドイル} 1.1 白銀の失踪 {アーサー・コナン・ドイル} 1.1 「平家物語」ぬきほ(言文一致訳) {作者不詳} 1.1 グスコーブドリの伝記 {宮沢賢治} 27000 1.1 原爆詩集 {峠三吉} 1.1 弟子 {中島敦} ★2 忠直卿行状記 {菊池寛} 26000 明治開化 安吾捕物 02 その一 舞踏会殺人事件 {坂口安吾} 「天に積む宝」のふやし方、へらし方c {富田倫生} 源氏物語 13 明石 {紫式部} 明治開化 安吾捕物 03 その二 密室大犯罪 {坂口安吾} 明治開化 安吾捕物 06 その五 万引家族 {坂口安吾} 五百句 {高浜虚子} 虎狩 {中島敦} 断腸亭日乗 04 断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未 {永井荷風} 春と修羅 第三集 {宮沢賢治} 天空の魔人 {江戸川乱歩} ママ先生とその夫 {岸田国士} オシャベリ姫 {かぐつちみどり} 27000 盗聴者c {アルジャーノン・ブラックウッド} 【1.2 28-9000】 ★3 1.2 地獄変 {芥川龍之介} 28000 1.2 歯車 {芥川竜之介} 1.2 若菜集 {島崎藤村} 1.2 暗号舞踏人の謎 {アーサー・コナン・ドイル} 1.2 貧乏物語 {河上肇} 1.2 源氏物語 02 帚木 {紫式部} 1.2 六百句 {高浜虚子} 29000 ★2 源氏物語 12 須磨 {紫式部} 28000 海神別荘 {泉鏡花} 世界怪談名作集 09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃 {アーサー・コナン・ドイル} 闇をさまようものc {ハワード・フィリップス・ラヴクラフト} 悪魔の弟子 {浜尾四郎} 鼻 {ニコライ・ゴーゴリ} 29000 明治開化 安吾捕物 10 その九 覆面屋敷 {坂口安吾} 赤ひげ診療譚 03 むじな長屋 {山本周五郎} 【1.3 30-2000】1.3〜1.7 ★3 1.3 たけくらべ {樋口一葉} 30000 1.3 夜長姫と耳男 {坂口安吾} 1.3 阿部一族 {森鴎外} 1.3 ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 {宮沢賢治} 銀河まつり {吉川英治} 1.3 イワンの馬鹿 {レオ・トルストイ} 31000 1.3 人魚のひいさま {ハンス・クリスチャン・アンデルセン} 1.3 屋根裏の散歩者 {江戸川乱歩} 1.3 源氏物語 04 夕顔 {紫式部} 1.3 源氏物語 09 葵 {紫式部} 乳房 {宮本百合子} 1.3 陰翳礼讃 {谷崎潤一郎} 32000 1.3 十八時の音楽浴 {海野十三} 1.3 俳人蕪村 {正岡子規} ★2 世界怪談名作集 03 スペードの女王 {アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン} 30000 法句経 {作者不詳} UVc {石塚浩之} 彼は昔の彼ならず {太宰治} 31000 キャラコさん 01 社交室 {久生十蘭} 瞼の母 {長谷川伸} 倭女王卑弥呼考 {白鳥庫吉} ハムレット {久生十蘭} 天地有情 {土井晩翠} 32000 人魚の姫 {ハンス・クリスチャン・アンデルセン} 鎮魂歌 {原民喜} 病院横町の殺人犯 {エドガー・アラン・ポー} 歌う白骨 {リチャード オースティン・フリーマン} 盗まれた手紙の話 {坂口安吾} 【1.4 33-4000】 ★3 1.4 風の又三郎 {宮沢賢治} 1.4 月に吠える {萩原朔太郎} 33000 1.4 夫婦善哉 {織田作之助} 1.4 夜叉ヶ池 {泉鏡花} 1.4 源氏物語 05 若紫 {紫式部} 1.4 思ひ出 {太宰治} 1.4 女生徒 {太宰治} 34000 1.4 海潮音 {上田敏} 1.4 まざあ・ぐうす {作者不詳} 34000 1.4 詩ノート {宮沢賢治} 1.4 二百十日 {夏目漱石} 1.4 スリーピー・ホローの伝説 故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より {ワシントン・アーヴィング} 1.4 こがね丸 {巌谷小波} ★2 世界怪談名作集 08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から {ナサニエル・ホーソーン} 33000 思い出の記 {小泉節子} 柳生月影抄 {吉川英治} 流刑地で {フランツ・カフカ} 鬼 {江戸川乱歩} 国語音韻の変遷 {橋本進吉} ビジテリアン大祭 {宮沢賢治} 34000 風野又三郎 {宮沢賢治} 神社合祀に関する意見 {南方熊楠} 幾度目かの最期 {久坂葉子} 万葉集研究 {折口信夫} 【1.5 35-7000】 ★3 1.5 藍色の蟇 {大手拓次} 35000 1.5 野菊の墓 {伊藤左千夫} 36000 1.5 カインの末裔 {有島武郎} 1.5 フランダースの犬 {マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー} 1.5 風流仏 {幸田露伴} 1.5 モルグ街の殺人事件 {エドガー・アラン・ポー} 37000 1.5 金魚撩乱 {岡本かの子} ★2 民芸とは何か {柳宗悦} 35000 散文詩・詩的散文 {萩原朔太郎} 幼年時代 {室生犀星} 東京の風俗 {木村荘八} 木曽義仲論 {芥川竜之介} 人生は擬似体験ゲームc {太田健一} 悪霊 {江戸川乱歩} 36000 知られざる漱石 {小宮豊隆} ちるちる・みちる {山村暮鳥} 人魚謎お岩殺し {小栗虫太郎} 青春論 {坂口安吾} 37000 私の履歴書 ――放浪の末、段ボールを思いつく {井上貞治郎} 秘密礼拝式 {アルジャーノン・ブラックウッド} 【1.6 38-9000】 ★3 1.6 智恵子抄 {高村光太郎} 1.6 李陵 中島敦} 38000 1.6 上海游記 {芥川竜之介} 1.6 外套 {ニコライ・ゴーゴリ} 1.6 すみだ川 {永井荷風} 1.6 共産党宣言 {フリードリッヒ・エンゲルス} 1.6 阿Q正伝 {魯迅} 39000 1.6 道化の華 {太宰治} 1.6 海豹と雲 {北原白秋} 1.6 吉野葛 {谷崎潤一郎} ★2 芥川竜之介論 ――芸術家としての彼を論ず―― {堀辰雄} 38000 天馬 {金史良} 十二支考 11 鼠に関する民俗と信念 {南方熊楠} 義血侠血 {泉鏡花} 39000 菊屋敷 {山本周五郎} 親鸞 {三木清} 妖婆 {芥川竜之介} 予謀殺人 {リチャード オースティン・フリーマン} 【1.7 40-1000】 ★3 1.7 河童 {芥川龍之介} 1.7 高野聖 {泉鏡花} 40000 1.7 後世への最大遺物 {内村鑑三} 41000 1.7 歌行灯 {泉鏡花} ★2 蘆刈 {谷崎潤一郎} 40000 女の決闘 {太宰治} ろまん灯籠 {太宰治} 能とは何か {夢野久作} 嵐 {島崎藤村} 雲霧閻魔帳 {吉川英治} 環礁 ――ミクロネシヤ巡島記抄―― {中島敦} 火の鳥 {太宰治} 41000 怪人と少年探偵 {江戸川乱歩} 桜島 {梅崎春生} コロボックル風俗考 {坪井正五郎} いさましい話 {山本周五郎} オスカー・ブロズキー事件 {リチャード オースティン・フリーマン} ボロ家の春秋 {梅崎春生} 【1.8 42-4000】1.8〜2.0 ★3 1.8 銀河鉄道の夜 42000 1.8 遠野物語 {柳田国男} 42000 1.8 雪の女王 {ハンス・クリスチャン・アンデルセン} 1.8 侏儒の言葉 {芥川竜之介} 1.8 愛の詩集 03 {室生犀星} 1.8 黄金虫 {エドガー・アラン・ポー} 1.8 いなか、の、じけん {夢野久作} 43000 1.8 青鬼の褌を洗う女 {坂口安吾} 1.8 邪宗門 {芥川竜之介} 1.8 大嘗祭の本義 {折口信夫} 1.8 ランボオ詩集 {ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー} 44000 1.8 宿命 {萩原朔太郎} 1.8 絵のない絵本 01 {ハンス・クリスチャン・アンデルセン} ★2 虫喰い算大会 {海野十三} 42000 大菩薩峠 05 龍神の巻 {中里介山} 趣味の遺伝 {夏目漱石} 平将門 {幸田露伴} 何者 {江戸川乱歩} あやかしの鼓 {夢野久作} 43000 性に眼覚める頃 {室生犀星} 月と手袋 {江戸川乱歩} その一年 {山川方夫} 十二支考 10 猪に関する民俗と伝説 {南方熊楠} 郷愁の詩人 与謝蕪村 {萩原朔太郎} 44000 鱷 {フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー} 人外魔境 01 有尾人 {小栗虫太郎} 桑の木物語 {山本周五郎} 【1.9 45-6000】 ★2 魔女の家で見た夢c {ハワード・フィリップス・ラヴクラフト} 45000 美しい村 {堀辰雄} 46000 活人形 {泉鏡花} 新世帯 {徳田秋声} 2.0〜2.9 / 27000〜70000 【2.0 47-9000】 ★3 2.0 春琴抄 {谷崎潤一郎} 49000 2.0 茶の本 04 茶の本 {岡倉覚三} ★2 支那人間に於ける食人肉の風習 {桑原隲蔵} 47000 剣の四君子 02 柳生石舟斎 {吉川英治} 重右衛門の最後 {田山花袋} 或る少女の死まで {室生犀星} 48000 博物誌 {ジュール・ルナール} 探偵少年 {江戸川乱歩} 植物知識 {牧野富太郎} 夜明けの辻 {山本周五郎} 受験生の手記 {久米正雄} 49000 こども風土記 {柳田国男} 日本改造法案大綱 {北一輝} ベーシック英語 {高田力} 【2.1 50-1000】 ★3 2.1 蒲団 {田山花袋} 50000 2.1 青猫 {萩原朔太郎} 2.1 邪宗門 {北原白秋} 51000 2.1 俳句の作りよう {高浜虚子} ★2 ふしぎな人 {江戸川乱歩} 50000 殺意(ストリップショウ){三好十郎} 51000 迷信解 {井上円了} 【2.2 52-3000 ★3 2.2 大塩平八郎 {森鴎外} 52000 2.2 「いき」の構造 {九鬼周造} 53000 2.2 絶対矛盾的自己同一 {西田幾多郎} 2.2 桐の花 {北原白秋} ★2 華々しき一族 {森本薫} 52000 一九二八年三月十五日 {小林多喜二} 文芸の哲学的基礎 {夏目漱石} 夢日記c {アンナ・キングスフォード} ひかげの花 {永井荷風} 政治学入門 {矢部貞治} 六号室 {アントン・チェーホフ} 53000 子規居士と余 {高浜虚子} 【2.3 54-6000 ★3 2.3 文芸的な、余りに文芸的な {芥川竜之介} 2.3 偸盗 {芥川竜之介} 54000 2.3 日和下駄 一名 東京散策記 {永井荷風} 2.3 生まれいずる悩み {有島武郎} 55000 2.3 藤村詩抄 島崎藤村自選 {島崎藤村} 2.3 永日小品 {夏目漱石} 56000 2.3 俳句とはどんなものか {高浜虚子} ★2 糞尿譚 {火野葦平} 54000 滝口入道 {高山樗牛} マリー・ロジェエの怪事件 {エドガー・アラン・ポー} 日輪 {横光利一} 55000 虚構の春 {太宰治} 56000 【2.4 57-8000 ★3 2.4 最終戦争論 {石原莞爾} 58000 2.4 硝子戸の中 {夏目漱石} 2.4 十二支考 01 虎に関する史話と伝説民俗 {南方熊楠} ベートーヴェンの生涯 02 ベートーヴェンの生涯 {ロマン・ロラン} ★2 白蟻 {小栗虫太郎} 57000 おれは二十面相だ {江戸川乱歩} 58000 【2.5 59-61000 ★3 2.5 春と修羅 2.5 あのときの王子くんc 59000 2.5 変身 {フランツ・カフカ} 59000 2.5 五重塔 {幸田露伴} 2.5 風立ちぬ {堀辰雄} 60000 2.5 かもめ ――喜劇 四幕―― {アントン・チェーホフ} 2.5 二流の人 {坂口安吾} 60000 2.5 春と修羅 第二集 {宮沢賢治} 61000 2.5 大宇宙遠征隊 {海野十三} 2.5 桜の園 {アントン・チェーホフ} ★2 福沢諭吉 ペンは剣よりも強し {高山毅} 59000 牧野富太郎自叙伝 01 第一部 牧野富太郎自叙伝 {牧野富太郎} 60000 【2.6 62-3000 ★3 2.6 アーサー王物語 {アルフレッド・テニソン} 62000 2.6 思い出す事など {夏目漱石} 63000 2.6 濹東綺譚 {永井荷風} 2.6 奇巌城 アルセーヌ・ルパン {モーリス・ルブラン} 2.6 妖怪学 {井上円了} 63000 2.6 押絵の奇蹟 {夢野久作} ★2 大和路・信濃路 {堀辰雄} 62000 二千六百年史抄 {菊池寛} 貧民倶楽部 {泉鏡花} 古代国語の音韻に就いて {橋本進吉} 63000 十二支考 04 蛇に関する民俗と伝説 {南方熊楠} 随筆 私本太平記 {吉川英治} 源氏物語 34 若菜(上) {紫式部} 【2.7 64-5000 ★2 【2.8 66-8000 ★3 2.8 ヰタ・セクスアリス {森鴎外} 66000 2.8 老人と海c {アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ} 67000 2.8 思ひ出 抒情小曲集 {北原白秋} 68000 ★2 RUR ――ロッサム世界ロボット製作所c {カレル・チャペック} 66000 幽霊島c {ホワイトフレッド・M} 野草雑記・野鳥雑記 01 野草雑記 {柳田国男} 水晶の栓 {モーリス・ルブラン} 68000 トニオ・クレエゲル {パウル・トーマス・マン} 【2.9 69-70000 ★3 2.9 蟹工船 2.9 大菩薩峠 01 甲源一刀流の巻 {中里介山} 70000 ★2 妾の半生涯 {福田英子} 69000 薄紅梅 {泉鏡花} 蒲生氏郷 {幸田露伴} 70000 愛と認識との出発 {倉田百三} 二重心臓 {夢野久作} 十二支考 08 鶏に関する伝説 {南方熊楠} 3.0〜3.9 / 71000〜94000 【3.0 71-3000 ★3 3.0 長崎の鐘 {永井隆} 71000 3.0 党生活者 {小林多喜二} 3.0 死者の書 {折口信夫} 73000 ★2 二十歳のエチュード {原口統三} 71000 法然行伝 {中里介山} 72000 猫と庄造と二人のをんな {谷崎潤一郎} 73000 【3.1 74-5000 ★3 3.1 雨の玉川心中 01 太宰治との愛と死のノート {山崎富栄} 75000 ★2 時間からの影c {ハワード・フィリップス・ラヴクラフト} 74000 鳴門秘帖 05 剣山の巻 {吉川英治} 湖畔亭事件 {江戸川乱歩} 75000 【3.2 76-7000 ★3 3.2 お伽草紙 {太宰治} 76000 3.2 人形の家 {ヘンリック・イプセン} 77000 ★2 盲目物語 {谷崎潤一郎} 76000 ちくしょう谷 {山本周五郎} 【3.3 78-80000 ★3 3.3 ジーキル博士とハイド氏の怪事件 {ロバート・ルイス・スティーブンソン} 78000 3.3 人生論ノート {三木清} 3.3 人間失格 79000 3.3 はつ恋 {イワン・ツルゲーネフ} 80000 ★2 新・水滸伝 {吉川英治} 78000 鼻の表現 {夢野久作} 神鑿 {泉鏡花} 79000 道徳の観念 {戸坂潤} つゆのあとさき {永井荷風} 80000 孔子 {和辻哲郎} おばけの正体 {井上円了} 魔法人形 {江戸川乱歩} 【3.4 81-2000 ★3 3.4 雁 {森鴎外} 81000 3.4 草迷宮 {泉鏡花} 82000 3.4 柿の種 {寺田寅彦} ★2 聞書抄 第二盲目物語 {谷崎潤一郎} 81000 3.4 雪 {中谷宇吉郎} 82000 満韓ところどころ {夏目漱石} オリンポスの果実 {田中英光} 愛ちやんの夢物語 {ルイス・キャロル} 【3.5 83-5000 ★3 3.5 蜜のあわれ {室生犀星} 83000 3.5 パノラマ島綺譚 {江戸川乱歩} 84000 3.5 アリスはふしぎの国でc {ルイス・キャロル} 3.5 アイヌ神謡集 {作者不詳} 85000 ★2 透明人間 {ハーバート・ジョージ・ウェルズ} 83000 塔上の奇術師 {江戸川乱歩} 油絵新技法 {小出楢重} 奇面城の秘密 {江戸川乱歩} 夜光人間 {江戸川乱歩} アリスはふしぎの国で アーサー・ラッカム挿絵版c {ルイス・キャロル} おせん {邦枝完二} 84000 運命 {幸田露伴} サーカスの怪人 {江戸川乱歩} 海底の魔術師 {江戸川乱歩} 仮面の恐怖王 {江戸川乱歩} 妖人ゴング {江戸川乱歩} 春泥 {久保田万太郎} 黄金豹 {江戸川乱歩} 85000 【3.6 86-7000 ★3 3.6 惜みなく愛は奪う {有島武郎} 86000 3.6 墨汁一滴 {正岡子規} 3.6 ファラデーの伝 電気学の泰斗 {愛知敬一} 3.6 省察 神の存在、及び人間の霊魂と肉体との区別を論証する、第一哲学についての {ルネ・デカルト} 3.6 ロミオとヂュリエット 03 {ウィリアム・シェークスピア} 87000 3.6 行乞記 01 (一) {種田山頭火} ★2 魔法博士 {江戸川乱歩} 85000 田園の憂欝 或は病める薔薇 {佐藤春夫} 86000 鉄人Q {江戸川乱歩} 灰色の巨人 {江戸川乱歩} 冒した者 {三好十郎} 87000 電人M {江戸川乱歩} 【3.7 88-9000 ★3 3.7 光と風と夢 {中島敦} 88000 ★2 ヴェニスに死す {パウル・トーマス・マン} 88000 死刑囚最後の日 {ヴィクトル・ユゴー} 89000 青銅の魔人 {江戸川乱歩} 美学入門 {中井正一} 【3.8 90-2000 ★3 3.8 千曲川のスケッチ {島崎藤村} 92000 ★2 少将滋幹の母 {谷崎潤一郎} 90000 超人ニコラ {江戸川乱歩} 平凡 {二葉亭四迷} 鉄塔の怪人 {江戸川乱歩} 91000 【3.9 93-4000 ★3 3.9 学問のすゝめ 3.9 パンドラの匣 {太宰治} 93000 3.9 クリスマス・カロル {チャールズ・ディケンズ} 94000 ★2 海野十三敗戦日記 {海野十三} 94000 4.0〜4.9 / 95000〜11.8000 【4.0 ★3 4.0 草枕 4.0 菜穂子 {堀辰雄} 95000 4.0 こころ 96000 4.0 病牀六尺 {正岡子規} 4.0 惜別 {太宰治} ★2 三太郎の日記 第一 {阿部次郎} 金狼 {久生十蘭} 97000 ★1 我が家の楽園 {久生十蘭} 97000 【4.1 ★3 4.1 新釈諸国噺 {太宰治} 99000 4.1 新ハムレット {太宰治} ★2 宇宙怪人 {江戸川乱歩} 98000 十二支考 05 馬に関する民俗と伝説 {南方熊楠} 夏と少年の短篇c {片岡義男} 99000 私本太平記 11 筑紫帖 {吉川英治} ★1 街頭から見た新東京の裏面 {杉山萠円} 98000 【4.2 ★3 4.2 斜陽 {太宰治} 4.2 緋のエチュードc {アーサー・コナン・ドイル} 101000 ★2 桃の雫 {島崎藤村} 100000 怪奇四十面相 {江戸川乱歩} 炎の人――ゴッホ小伝―― {三好十郎} 海底大陸 {海野十三} 【4.3 ★3 4.3 銀の匙 {中勘助} 102000 ★2 鳥影 {石川啄木} 102000 大金塊 {江戸川乱歩} 浮標 {三好十郎} 103000 日本橋 {泉鏡花} 虎の牙 {江戸川乱歩} 104000 【4.4 ★3 4.4 野分 {夏目漱石} 105000 4.4 一寸法師 {江戸川乱歩} 4.4 鍵 {谷崎潤一郎} 106000 ★2 かんかん虫は唄う {吉川英治} 105000 透明怪人 {江戸川乱歩} 106000 わが町 {織田作之助} 復員殺人事件 {坂口安吾} ★1 地震なまず {武者金吉} 106000 【4.5 ★3 4.5 古事記物語 {鈴木三重吉} 107000 4.5 宮本武蔵 02 地の巻 {吉川英治} 4.5 古事記 03 現代語訳 {太安万侶} 108000 ★2 瘋癲老人日記 {谷崎潤一郎} 108000 戦争史大観 {石原莞爾} 小坂部姫 {岡本綺堂} 【4.6 ★3 4.6 この子を残して {永井隆} 111000 4.6 少年探偵団 {江戸川乱歩} ★1 古川ロッパ昭和日記 01 昭和九年 {古川緑波} 110000 【4.7 ★3 4.7 日本の伝説 {柳田国男} 112000 4.7 無人島に生きる十六人 {須川邦彦} 4.7 地獄少女 {夢野久作} 113000 ★2 恐竜島 {海野十三} 113000 ★1 満蒙遊記 附 満蒙の歌 {与謝野晶子} 112000 良寛物語 手毬と鉢の子 {新美南吉} 113000 【4.8 ★3 4.8 般若心経講義 {高神覚昇} 116000 4.8 哲学入門 {三木清} ★2 にんじん {ジュール・ルナール} 115000 武州公秘話 01 武州公秘話 {谷崎潤一郎} 116000 夢は呼び交す ――黙子覚書―― {蒲原有明} 【4.9 ★3 4.9 津軽 {太宰治} 118000 4.9 黒蜥蜴 {江戸川乱歩} ★2 ロザリオの鎖 {永井隆} 117000 飛騨の怪談 {岡本綺堂} 昭和遊撃隊 {平田晋策} 5.0〜5.9 / 11.9000〜14.2000 【5.0 ★3 5.0 右大臣実朝 {太宰治} 119000 5.0 怪人二十面相 {江戸川乱歩} 120000 5.0 正義と微笑 {太宰治} 121000 5.0 晶子詩篇全集 {与謝野晶子} 5.0 単独行 {加藤文太郎} ★2 蓼喰う虫 {谷崎潤一郎} 119000 大和古寺風物誌 {亀井勝一郎} 古川ロッパ昭和日記 05 昭和十四年 {古川緑波} 空中征服 {賀川豊彦} 120000 ★1 古川ロッパ昭和日記 04 昭和十三年 {古川緑波} 119000 【5.1 ★3 5.1 放浪記(初出){林芙美子} 122000 5.1 山の人生 {柳田国男} 123000 ★1 古川ロッパ昭和日記 02 昭和十一年 {古川緑波} 122000 落葉日記 {岸田国士} ウニデス潮流の彼方 {橘外男} 123000 【5.2 ★2 私本太平記 06 八荒帖 {吉川英治} 125000 黴 {徳田秋声} 【5.3 ★3 5.3 狂気の山脈にてc {ハワード・フィリップス・ラヴクラフト} 126000 5.3 二十四の瞳 {壺井栄} 5.3 探偵小説の「謎」 {江戸川乱歩} 5.3 浮雲 {二葉亭四迷} 127000 5.3 小公女 {フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット} 128000 ★2 明日は天気になれ {坂口安吾} 126000 私本太平記 05 世の辻の帖 {吉川英治} 樅ノ木は残った 02 第二部 {山本周五郎} 自叙伝 {大杉栄} 127000 陰獣トリステサ {橘外男} 狂い凧 {梅崎春生} 手仕事の日本 {柳宗悦} 128000 【5.4 ★2 星座 {有島武郎} 129000 私本太平記 04 帝獄帖 {吉川英治} 130000 ★1 次郎物語 03 第三部 {下村湖人} 129000 【5.5 ★3 5.5 ガリバー旅行記 {ジョナサン・スウィフト} 131000 5.5 怪談牡丹灯籠 04 {三遊亭円朝} 132000 ★2 私本太平記 13 黒白帖 {吉川英治} 131000 如何なる星の下に {高見順} お蝶夫人 {三浦環} 132000 ★1 現代日本の思想対立 {戸坂潤} 132000 【5.6 ★3 5.6 善の研究 {西田幾多郎} 134000 ★2 あらくれ {徳田秋声} 134000 斬られの仙太 {三好十郎} 135000 【5.7 ★3 5.7 古事記 02 校註 {太安万侶} 136000 5.7 卍 谷崎潤一郎 137000 ★2 仏教人生読本 {岡本かの子} 136000 私本太平記 12 湊川帖 {吉川英治} 私本太平記 07 千早帖 {吉川英治} 137000 【5.8 ★3 5.8 若草物語 {ルイーザ・メイ・オルコット} 138000 5.8 青年 {森鴎外} 5.8 東京人の堕落時代 {杉山萠円} ★2 胡堂百話 {野村胡堂} 138000 明治世相百話 {山本笑月} 139000 鳴門秘帖 01 上方の巻 {吉川英治} 140000 妖怪博士 {江戸川乱歩} 私本太平記 02 婆娑羅帖 {吉川英治} 私本太平記 10 風花帖 {吉川英治} 【5.9 ★3 5.9 私本太平記 01 あしかが帖 {吉川英治} 141000 5.9 小説 不如帰 {徳冨蘆花} 142000 5.9 ああ玉杯に花うけて {佐藤紅緑} 5.9 出家とその弟子 {倉田百三} ★2 私本太平記 08 新田帖 {吉川英治} 141000 家 01 (上){島崎藤村} 142000 6.0〜6.9 / 14.3000〜16.6000 【6.0 ★3 6.0 年中行事覚書 {柳田国男} 145000 ★2 玉藻の前 {岡本綺堂} 143000 時と永遠 {波多野精一} 145000 私本太平記 03 みなかみ帖 {吉川英治} 雪国の春 {柳田国男} ★1 恐怖の季節 {三好十郎} 143000 【6.1 ★3 6.1 地下生活者の手記 {フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー} 146000 ★2 縮図 {徳田秋声} 146000 上杉謙信 {吉川英治} 147000 法窓夜話 02 法窓夜話 {穂積陳重} 論語物語 {下村湖人} 私本太平記 09 建武らくがき帖 {吉川英治} 折々の記 {吉川英治} 【6.2 ★3 6.2 現代訳論語 {下村湖人} 149000 ★2 彼のオートバイ、彼女の島c {片岡義男} 148000 【6.3 ★2 探偵夜話 {岡本綺堂} 150000 松のや露八 {吉川英治} 吉田松陰 {徳富蘇峰} 151000 ★1 北越雪譜 03 北越雪譜初編 {山東京山} 152000 【6.4 ★3 6.4 門 {夏目漱石} 154000 6.4 古寺巡礼 {和辻哲郎} 6.4 小桜姫物語 03 小桜姫物語 {浅野和三郎} ★2 家なき子 01 (上){エクトール・アンリ・マロ} 154000 【6.5 ★3 6.5 坑夫 {夏目漱石} 156000 ★2 古川ロッパ昭和日記 06 昭和十五年 {古川緑波} 156000 ワンダ・ブック――少年・少女のために―― {ナサニエル・ホーソーン} 157000 ★1 死せる魂 01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 {ニコライ・ゴーゴリ} 155000 【6.6 ★3 6.6 即興詩人 {ハンス・クリスチャン・アンデルセン} 158000 ★2 随筆 宮本武蔵 {吉川英治} 156000 ★1 鳴門秘帖 02 江戸の巻 {吉川英治} 158000 【6.7 ★3 6.7 或る女 1(前編){有島武郎} 161000 ★2 宮本武蔵 03 水の巻 {吉川英治} 160000 上海 {横光利一} 迷信と宗教 {井上円了} 161000 【6.8 ★3 6.8 細雪 01 上巻 {谷崎潤一郎} 163000 6.8 詩の原理 {萩原朔太郎} 164000 ★2 五瓣の椿 {山本周五郎} 164000 ★1 東京青年c {片岡義男} 164000 【6.9 ★3 6.9 悪魔の紋章 {江戸川乱歩} 165000 6.9 道草 {夏目漱石} 166000 ★2 本の未来c {富田倫生} 165000 茶話 02 大正五(一九一六)年 {薄田泣菫} 166000 7.0〜7.9 / 16.7000〜19.0000 【7.0 ★3 7.0 植物一日一題 {牧野富太郎} 167000 7.0 田舎教師 {田山花袋} 169000 ★2 影男 {江戸川乱歩} 167000 だいこん {久生十蘭} 168000 樅ノ木は残った 01 第一部 {山本周五郎} 169000 食道楽 春の巻 {村井弦斎} 【7.1 ★3 7.1 二都物語 01 上巻 {チャールズ・ディケンズ} 170000 ★2 フレップ・トリップ {北原白秋} 171000 【7.2 ★2 努力論(現代訳)c {幸田露伴} 172000 【7.3 ★3 7.3 不連続殺人事件 {坂口安吾} 174000 7.3 青べか物語 {山本周五郎} 7.3 三国志 04 草莽の巻 {吉川英治} 176000 ★2 人間豹 {江戸川乱歩} 174000 食道楽 秋の巻 {村井弦斎} 175000 波乗りの島c {片岡義男} 海に生くる人々 {葉山嘉樹} 176000 【7.4 ★3 7.4 努力論 {幸田露伴} 177000 7.4 こころ 178000 7.4 次郎物語 01 第一部 {下村湖人} 7.4 三国志 03 群星の巻 {吉川英治} ★2 青春の逆説 {織田作之助} 177000 植物記 {牧野富太郎} 178000 【7.5 ★3 7.5 三国志 02 桃園の巻 {吉川英治} 179000 7.5 宇宙の始まり {スヴァンテ・アレニウス}180000 ★2 三国志 05 臣道の巻 {吉川英治} 180000 【7.6 ★2 三国志 08 望蜀の巻 {吉川英治} 182000 【7.7 ★3 7.7 黒田如水 {吉川英治} 184000 7.7 三国志 06 孔明の巻 {吉川英治} 7.7 宮本武蔵 07 二天の巻 {吉川英治} 7.7 三国志 07 赤壁の巻 {吉川英治} 185000 【7.8 ★3 7.8 渋江抽斎 {森鴎外} 186000 7.8 フランケンシュタイン 02 {メアリー・ウォルストンクラフト・シェリー} 188000 ★2 青空のリスタートc {富田倫生} 187000 獄中への手紙 11 一九四四年(昭和十九年) {宮本百合子} 比較神話学 {高木敏雄} 牢獄の花嫁 {吉川英治} 188000 ★1 双面神 {岸田国士} 186000 樅ノ木は残った 03 第三部 {山本周五郎} 187000 【7.9 ★3 7.9 神曲 01 地獄 {アリギエリ・ダンテ} 190000 ★2 7.9 地名の研究 {柳田国男} 189000 地上 地に潜むもの {島田清次郎} 8.0〜9.9 / 19.3000〜23.8000 8.0 三四郎 {夏目漱石} 8.0 それから {夏目漱石} 193000 8.1 海上の道 {柳田国男} 195000 8.2 痴人の愛 {谷崎潤一郎} 197000 8.2 婦系図 {泉鏡花} 198000 8.6 宝島 02 {ロバート・ルイス・スティーブンソン} 206000 8.8 彼岸過迄 {夏目漱石} 212000 9.3 夜明け前 01 第一部上 {島崎藤村} 224000 9.5 福翁自伝 02 {福沢諭吉} 227000 9.5 破戒 {島崎藤村} 229000 9.5 虞美人草 {夏目漱石} 229000 9.8 万葉秀歌 {斎藤茂吉} 234000 9.9 審判 {フランツ・カフカ} 238000 ★2 7.9 木綿以前の事 {柳田国男} 190000 8.2 孤島の鬼 {江戸川乱歩} 196000 8.2 三国志 11 五丈原の巻 {吉川英治} 197000 8.3 三国志 09 図南の巻 {吉川英治} 200000 神曲 02 浄火 {アリギエリ・ダンテ} 新書太閤記 10 第十分冊 {吉川英治} 8.4 エルヴィスから始まったc {片岡義男} 201000 永遠の夫 {フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー} 楽聖物語 {野村あらえびす} 8.6 新書太閤記 11 第十一分冊 {吉川英治} 210000 8.8 細雪 02 中巻 {谷崎潤一郎} 211000 8.8 新書太閤記 01 第一分冊 {吉川英治} 212000 8.9 吸血鬼 {江戸川乱歩} 213000 9.0 宮本武蔵 04 火の巻 {吉川英治} 215000 二つの庭 {宮本百合子} 9.0 新書太閤記 09 第九分冊 {吉川英治} 216000 9.0 三国志 10 出師の巻 {吉川英治} 217000 新書太閤記 04 第四分冊 {吉川英治} 季節のない街 {山本周五郎} 9.1 新書太閤記 08 第八分冊 {吉川英治} 218000 9.2 神州纐纈城 {国枝史郎} 220000 或る女 2(後編) {有島武郎} 220000 9.3 貞操問答 {菊池寛} 222000 9.5 新書太閤記 05 第五分冊 {吉川英治} 227000 9.5 宮本武蔵 08 円明の巻 {吉川英治} 228000 新書太閤記 07 第七分冊 {吉川英治} さぶ {山本周五郎} 9.5 新書太閤記 06 第六分冊 {吉川英治} 228000 9.5 真景累ヶ淵 {三遊亭円朝} 229000 9.7 暗黒公使 {夢野久作} 232000 9.7 科学の不思議 {ジャン・アンリ・ファーブル} 233000 9.8 随筆 新平家 {吉川英治} 234000 9.8 思想と風俗 {戸坂潤} 235000 ★1 8.1 忘れ残りの記 ――四半自叙伝―― {吉川英治} 194000 8.2 苦心の学友 {佐々木邦} 198000 9.0 新書太閤記 03 第三分冊 {吉川英治} 215000 猫の蚤とり武士 {国枝史郎} 9.0 剣侠受難 {国枝史郎} 216000 9.3 文明と病気c {シゲリストヘンリー・E} 222000 10.0〜 / 24.0000〜 ★3 10.5 行人 {夏目漱石} 251000 11.1 幽霊塔 {黒岩涙香} 266000 11.6 新版 放浪記 {林芙美子} 282000 11.9 土 {長塚節} 286000 12.4 金色夜叉 {尾崎紅葉} 298000 12.6 みみずのたはこと {徳冨健次郎} 302000 13.2 黒死館殺人事件 {小栗虫太郎} 317000 13.6 真珠夫人 {菊池寛} 328000 13.5 レ・ミゼラブル 04 第一部 ファンテーヌ {ヴィクトル・ユゴー} 324000 14.2 ファウスト {ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ} 341000 14.3 吾輩は猫である 343000 15.0 明暗 {夏目漱石} 362000 15.3 新生 {島崎藤村} 367000 15.8 城 {フランツ・カフカ} 380000 17.6 カラマゾフの兄弟 01 上 {フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー} 426000 19.0 ドグラ・マグラ 455000 19.0 イーリアス 03 {ホーマー} 22.6 伊沢蘭軒 {森鴎外} 543000 23.5 チベット旅行記 {河口慧海} 564000 23.7 南国太平記 {直木三十五} 569000 24.8 パソコン創世記c {富田倫生} 596000 ★2 10.0 神曲 03 天堂 {アリギエリ・ダンテ} 241000 10.1 折々の記 {吉川英治} 242000 10.3 大岡越前 {吉川英治} 246000 10.3 獄中への手紙 08 一九四一年(昭和十六年) {宮本百合子} 248000 10.5 浮雲 {林芙美子} 252000 10.6 レ・ミゼラブル 06 第三部 マリユス {ヴィクトル・ユゴー} 255000 10.8 平の将門 {吉川英治} 260000 11.2 宮本武蔵 06 空の巻 {吉川英治} 268000 11.3 人間本性論(人性論) 実験的研究方法を精神上の主題に導入する一つの企てc {デイヴィッド・ヒューム} 270000 11.5 故郷七十年 {柳田国男} 276000 11.5 剣難女難 {吉川英治} 12.0 レ・ミゼラブル 05 第二部 コゼット {ヴィクトル・ユゴー} 288000 12.4 吹雪物語 ――夢と知性―― {坂口安吾} 297000 12.5 森の生活――ウォールデン―― 02 森の生活――ウォールデン―― {ヘンリー・デイビッド・ソロー} 300000 12.6 ゴリオ爺さんc {オノレ・ド・バルザック} 302000 13.0 レ・ミゼラブル 08 第五部 ジャン・ヴァルジャン {ヴィクトル・ユゴー} 311000 13.1 魔都 {久生十蘭} 315000 13.4 いやな感じ {高見順} 322000 13.5 宮本武蔵 05 風の巻 {吉川英治} 323000 14.4 火星兵団 {海野十三} 346000 14.9 源頼朝 {吉川英治} 357000 15.0 レ・ミゼラブル 07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 {ヴィクトル・ユゴー} 361000 15.8 蔦葛木曽棧 {国枝史郎} 379000 16.0 新編忠臣蔵 {吉川英治} 385000 ▲ 19.3 花と龍 {火野葦平} 464000 23.4 ジエィン・エア 02 ジエィン・エア {シャーロット・ブロンテ} 561000 25.3 神州天馬侠 {吉川英治} 582000 25.8 旅愁 {横光利一} 620000 27.3 江戸三国志 {吉川英治} 654000 29.2 大岡政談 {作者不詳} 700000 ★1 10.0 梅里先生行状記 {吉川英治} 240000 ニールスのふしぎな旅 {セルマ・ラーゲル10.0 レーヴ} 241000 10.4 任侠二刀流 {国枝史郎} 249000 11.7 あさひの鎧 {国枝史郎} 280000 12.0 石狩川 {本庄陸男} 287000 16.0 雪之丞変化 {三上於菟吉} 383000
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【不思議少女シルバームーン~第一話 第一章「天野昴と魔法少女」~】 世の中には人智を越えた出来事がある。 だが大半の人間はそれに気付かないで過ごしてしまう。 僕はそれを知っている。 しかし知っていることとそれに関わっていることはまったくの別だ。 何を知ろうと行動しなければなんの意味も無い。 実践できない知識や行動に移せない理念はそれこそ無意味。 お題目ばかりの正義や、弱者を庇護するための倫理なんて犬の餌にもなりゃしない。 僕は何も出来なかった。 しなかったんじゃない、できなかったんだ。 だからあの時の僕は間違っていない。 僕は何も出来ない、だから何もしない。 もし僕が何か出来てしまえば、あの時僕は手を伸ばさなかったことになる。 僕は見捨てたことになる。 僕は見捨てたんじゃない。 何もしないのは退屈だけど、それでもあれが間違いだなんて、僕は認められない。 「……遅刻しちまうな。」 僕は天野昴、小学六年生男子、オカルト話で有名な学校町の住人だ。 今日は思えば今朝からついていなかった。 朝は通学途中に交通事故に巻き込まれるし、 昼は給食のプリンが一つ足りなかった為に良い人キャラの僕は他人にプリンを譲らねばならなかったし、 たった今僕の乗った通塾用のバスがバスジャックされてしまうし。 退屈しのぎには丁度良いがどう考えても80km/hでバスは暴走している。 「妙な動きをするんじゃねえぞ!」 「少しでも妙な真似したら殺す!」 バスジャック犯はナイフを持った二人組。 何を思ってこんな馬鹿げたことをしているのか知らないが、 これからの日本を支えるであろう頭脳たるこの俺の勉強の邪魔をしないで欲しいものだ。 「うええええええん!」 泣き始める赤ん坊。 「うるせえ!」 「てめえさっさとそのガキを黙らせやがれ!」 泣く子も黙らせれない悪党か、三流以下だな。 僕がそんなことを思って二人組を眺めていると、何と二人が突然銃を取り出したのだ。 ……何故其処で銃を取り出すのだろうか、馬鹿なのだろうか。 「こっちは銃を持ってるんだ!言うことを聞かないとドン!だぞ!」 そう言って男が床に向けて懐から取り出した銃を撃つ。 馬鹿止めろ、バスのエンジンに直撃したらどうする気だ。 あとどう見ても弾が少ない銃なんだから無駄弾を撃つべきではない。 「俺たちの要求は金だ!」 「それを人質に言ってどうする。」 「なんだとガキ!?」 ……あれ? 「何が『それを人質に言ってどうする。』だこら!」 考えていることが口に出ていた!? 何時もこれだ、僕は思っていることをポロッと口に出してしまうくせがある。 当然それは毎回良くない結果を生んでしまう訳で……。 「このクソガキ!撃ち殺してやる!」 「だから何故そうなる。 とりあえず銃を手に入れてはしゃぎたいだけだろこいつら。」 「好き放題に言うじゃねえか……!」 やべっ……、まただよ。 今日はやっぱり不幸だ。 自業自得って言った奴、表に出ろ。 そして僕に引き金が向けられる。 「正直気になるのですが、ここで弾を使ってしまって良いのでしょうか。」 「はぁ?」 「見たところそれはニューナンブだかっていうリボルバーの拳銃。 警察から奪ったのでしょうか、リボルバーってことは六発しか弾が残ってない。 さっき撃ったから五発かな? このバスにはざっと見たところで十人以上の人間が乗っていますよね。」 はっはっは、こうなればやけだ。 喋って喋って喋りまくってやる。 「数えてみてくださいよ。」 「んなもん知るか!」 ですよねー! ここで犯人を話術で煙に巻くなんて漫画の登場人物じゃないんですからねー! 男の持つ拳銃の撃鉄が起きる。 「死ね!」 「…………まあ、良いか。」 退屈しのぎには丁度良い。 どうせ僕なんて死んでも良い命だし。 「あぶなあああああい!」 その時突然、時速80km/h以上で暴走するバスの窓ガラスを割ってバスの中に少女が侵入してきた。 少女は箒に跨っていた。 「危ないも何も……お前が危ないよ。なんだその危ない服装は。」 「大丈夫でしたかあなた!」 少女は無駄に露出度の高い謎の服装をしていた。 「魔法少女ルックです!」 「お、おいクソガキ!いいいいいきなり何なんだ!?」 二人組は俺に向けていた銃を少女の方に向ける。 「うるさいぞ悪党!」 少女はパンチラ(ちなみに黒、素晴らしい)も気にせずに犯人の二人組にハイキックを決め、 あっという間に大の男二人を倒してしまった。 もっと恥じらえ、あと魔法少女の癖に魔法を使わないなんてなんのつもりだ。 「皆さんもう大丈夫!魔法少女シルバームーンが貴方たちをお助けしました!」 シルバームーンはバスの乗客の避難誘導をしている。 彼女はさりげなく乗客の身体にステッキを当てている。 乗客はステッキが身体に触れる度に能面のような表情になってバスを出て行った。 「くそ……。」 男達が立ち上がって銃を彼女に向ける。 「危ない!」 僕は咄嗟に男達に体当たりをした。 銃弾はあらぬ方向に逸れてバスの天井を貫く。 事態に気付いたシルバームーンは跨っていた箒で男達をバスの外まで殴り飛ばす。 「大丈夫ですか!?」 「問題無いよ、それより僕にはこれから塾があるんだ。 さっきからやってる妙な魔法は俺にかけないでくれ。勉強も忘れちまいそうだ。」 「……え?」 「いや、魔法だろそれ?お前が魔法少女と名乗っているんだし。」 「いや確かにそうですけど……、なんでそんな普通にしていられるんですかと。」 「ちょっとだけ、契約者の知り合いが居た。ああいうものが世にあるなら魔法使いだって居てもおかしくない。」 「…………むぅ。解ったよ。そもそもバス全体にも軽い暗示魔術をかけてたのになあ? ほら、行って行って!もうすぐ組織の人が来ちゃうから!」 「ああ、ありがとう。」 僕はバスを降りてそそくさと現場から逃げ出した。 「……あ、しまった!あんた私のパンツ見たでしょ! どうせ暗示かけて忘れられるからあれだけ派手にやってたのに!」 今更気付いたのか、バーカ。悪いがこれは心のブルーレイディスクに収めさせて貰うぞ。 僕は犯人達の懐から拳銃を抜き取ってそそくさと逃げ出した。 さて翌日、僕は何時も通り小学校に通っていた。 昨日のバスジャック事件は新聞紙にはまったく載っていなかった。 恐らく魔法少女が出張ったせいで組織に隠蔽されたのだろう。 「……ねえ」 「…………ねえ昴君!」 「えっ、ん、何?」 「もー、ボケッとしてたでしょ?」 「今日転校生来るんだってよ。」 「へー、そうなんだ。」 冬休みの直前に転校生か。 妙なものだ、まあ確かに冬休み後よりはまえの方が転校には丁度良いだろうが……。 僕たちは転校生が男か女か、どんな人間かを同級生と空想した。 正直どうでも良いけど。 チャイムが鳴る。 担任が何時も通りの無機質な顔をぶら下げて教室に入ってくる。 彼の後ろには女の子が一人立っていた。 「今日は皆に紹介したい子がいる。」 「朝月朔夜です、先週までは北海道の学校に通ってました! 短い期間になるかも知れませんが仲良くしてくださいね!」 「げげっ。」 「あっ!」 「なんだ朝月、お前昴の知り合いだったのか。じゃああいつの隣の席に座ってくれ。」 転校生は――――魔法少女だった。 【不思議少女シルバームーン~第一話 第一章「天野昴と魔法少女」~】 【不思議少女シルバームーン~第一話 第二章「朝月朔夜と復讐鬼」~】 世の中に不思議なことなんて何も無い。 だが大半の人間はそれを知らずに何でも不思議で済ましてしまう。 私はそれを知っている。 知っているということは関わっていると言うこと。 知ってしまえば行動せずには居られない。 実践できない知識や行動に移せない理念なんて在る訳もない。 お題目ばかりの正義や、弱者を庇護するための倫理、偽善であろうと結構。 私は誰かのために出来る限りのことをしたい。 私はその為の力をおばあちゃんから貰った。 私は誰も見捨てない。 誰にも人の未来を奪うことは出来ない。 だから、昔憧れたテレビの魔法少女に、私がなる。 私の名前は朝月朔夜、小学六年生女子、オカルトそのものの都市伝説だ。 深夜、私は学校町の空を箒に跨って飛んでいた。 今日も世の為人の為にパトロールである。 空を飛ぶ私の後ろから追いすがるように一匹の蝙蝠が飛んでくる。 私の使い魔のバトンだ。 「お嬢様、今日も夜間飛行か?」 「なによバトン、付いてくるなって言ったでしょ?」 「ふん、君には悪いがヨツバさまの言いつけだ。」 「またお婆ちゃまの言いつけ? 貴方は私の使い魔でしょ、私の命令を聞けばいいのよ!」 「う~ん、お嬢様は魔女としてはヨツバさまより遙かに下位だからな。 命令も簡単に上書きされてしまうのだよ。」 「キー!悔しい!」 「人助けなどと言う愚昧な事を止めて修行に専心したらどうだね?」 「どうせ私ってば飛行魔術しかできないもん。」 そう、私は箒を使って空を飛ぶことしかできない。 あとは本当にちょっとした初級魔術の類だけだ。 占いとか、魔法薬とか、降霊術とか。あ、でもお父様に似たのか催眠暗示と使い魔の操作はちょっと得意。 素人を騙す程度にしか使えない。 「まったく、お母上に似て魔術に対するやる気が無いから困る。」 「お母様は看護婦さんとして働いているじゃない。職業に貴賎は無いわ!」 「笑わせる、駄人間如きを救って何になると言うのだ。 お嬢様はお母上と違って才能にも溢れる魔女な訳であるから……」 まったくもう、本当にバトンも解らず屋だ。 「キャー!誰か助けて!」 遠くから悲鳴が聞こえてきた。 私はバトンの説教を無視して悲鳴の方向にまで飛んでいく。 「ま、待つのだお嬢様!」 「追いつけないあんたが悪いのよ!」 「おおおお、お待ちくださいお嬢様あああ! 危のうございますうううう!」 無論無視。 悲鳴の聞こえた場所で地面に降りると口裂け女が若い女性を襲っていた。 「其処までよ悪党め! 貴方のピンチに颯爽参上!愛と勇気と希望の戦士! プリティ魔法少女シルバームーン!」 名乗りを上げながら口裂け女に箒ごとぶつかる。 口裂け女は盛大に電信柱と衝突して鼻血を流しながら倒れる。 「なによあんた……?」 「お姉さん逃げてください!」 「あ、ありがとうございます!」 「あんたが誰か聞いているのよ!」 「悪党に名乗る名前は無い!」 むくりと起き上がる口裂け女、私は箒を持って彼女と退治した。 襲われていた女性が逃げ出したのを確認して、私は口裂け女との戦闘に移った。 「マジカルステージオープン!飛翔第一系統大空魔術!装填!」 私は箒を高く振り上げて呪文の詠唱を開始する。 その隙を突いて口裂け女が私めがけてまっすぐに突っ込んできた。 「今ね!」 箒が旋風を纏って激しく唸る。 私はその箒を思い切りよく口裂け女に叩き付けた。 ギャリギャリギャリギャリと肉と骨を削るような音と共に口裂け女の身体が砕け散る。 これが私の得意な箒を使った飛行魔術だ。 そもそもこの魔法は箒を媒体にすることで強烈な気流を発生させて飛行することが目的だ。 私が箒に載っていない状態でそれを過剰な魔力を注ぎ込んで発動させれば、箒はチェーンソーと同じような武器になる。 しかも私の普通の女の子と変わらない膂力も突風を吹かせてスイングの速度を高めることで補ってくれる。 無論、それほどの魔力を飛行魔術に注ぐなんて普通の魔女には不可能だ。 だが私は父から受け継いだ莫大な魔力、契約者で言うところの容量と心の力がある。 そして母や祖母が代々練り上げてきた魔法の技術がある。 だから私にはこの埒外の魔法(ボウリョク)を行使できるのだ。 「くそ!まだまだ消滅なんて!」 「いいえ、ここで終わりよ! マジカルオーケストラオープン!飛翔第二系統疾空魔術!装填! いっけえええええええええ!」 箒の最後尾に超超圧縮した大気の塊を生み出す。 そしてそれの圧縮を解いて一方向にのみ衝撃を逃がすことで推進力として口裂け女を箒で貫く。 その速度は防御不能回避不能、単純且つ圧倒的な物量作戦の前に為す術など無い。 口裂け女は悲鳴も上げることなく真夜中の空に消し飛んでしまった。 「今日も素敵に正義を執行!マジカル少女☆シルバームーン!」 「お、お嬢……置いて行かないでくれよ!」 「あらバトン、来るのが遅いわよ。」 「まったく困った人だ。」 「ああ、困った化け物だよ、お前らは。」 「――――!?」 「お前があの魔女の孫か……、十年探したがやっと見つけたぞ。」 私がバトンと合流したと同時に、黒い虎の仮面を被った男が出てきた。 低くて暗い声。 こんなどす黒い感情のこもった声を聞いたことがない。 「あの人の仇だ……、お前を倒して、あの魔女も殺す。死ぬより苦しい目に遭わせてから、な。」 男は私に向けて構えを取る。 何が何だか解らない。 お婆ちゃまが“あの人”とやらに何をしたというのだろうか。 あんなに優しいお婆ちゃまなのに。 「な、何言ってるの?人違いじゃ……」 「問答無用、お前はここで死ね。」 仮面の男は私に向けて襲いかかってきた。 【不思議少女シルバームーン~第一話 第二章「朝月朔夜と復讐鬼」~】 【不思議少女シルバームーン~第一話 第三章「魔法少女と亡霊少年」~】 転校生が学校に来た。 転校生は痛いコスプレで魔法少女を名乗り、悪人を懲らしめるのが趣味だった。 転校生のパンツは年齢に似合わない艶やかなブラックだった。 すばらしい! そしてそんな転校生は転校初日に俺の知り合いという大嘘を吐いた。 「昴君久し振り!」 「え、ああ、おお……。」 「昴お前知り合いなのかよ!」 「朝月さんと昴君って友達なんだ~!」 「いや、昔ちょっとね……。」 「お父さんが知り合いなの!」 背中をこづかれる。 話を合わせろと言うことなのだろう。 魔法少女を敵に回したくないし、話くらいは素直に合わせておこう。 「あ、ああ!そうなんだ!家族ぐるみの付き合いって奴でさ!」 そう言って朝月朔夜の方をチラリと見る。 彼女はコクコクと頷いた。 その日は何とか周囲の人間を誤魔化して、彼女は「昴君の友達」ということでとりあえずのクラスにおける立ち位置を手に入れた。 只その為に僕の過去話をねつ造してくれたことだけは断固抗議したい。 放課後、僕と朔夜はお互いの事情を探るために二人で色々と話し合うことになった。 場所は彼女の家。いきなり攻撃された時の為にこっそり拳銃を持っていくことにした。 そんな訳で僕と朔夜は朔夜の家でお茶をしていた。 彼女の姉と思しき人が僕たちにお茶を出してくれた。 顔には常に優しい微笑みを浮かべる美人だった。 「あらあらうふふ、朔夜が転校初日に男の子を家に連れ込むなんて……。」 「ど、どうも朝月さんのお姉さん。僕は天野昴と言います。」 「あら残念、おばあちゃんよ。」 え゛っ ……えっ? …………ええええええええ!? 「若く見られて嬉しいわぁ、それじゃあ邪魔な年寄りはさっさと退散するわね。」 「別にいて良いわよお婆ちゃま、この子、私の正体知っているし。」 「……なんですって?」 彼女の微笑みが凍り付く。 「朔夜、貴方あれ程正体を人間にばらすなと……」 「まままま、待って!?彼は既に都市伝説関係について知識を持っているみたいだったし! そこらへんは節度を持ってくれるかなっておもったの! それで一応厳重に口封じというか黙って置いて貰うのを頼んだりとか! これからのことについて話したりとかしたいなあって!」 「……ならまあ良いわ。」 「……見た目に反して怖い人だな。」 「あら、結構度胸有るのね。」 「天野君貴方何言ってるの!?怖いなら怖いって言わないでしょ普通!」 あっ、やべっ。 「いや、怖いですよ。僕みたいな無能力者じゃ貴方のような偉大な魔女には適いませんし。」 ええい、こうなればもう仕方ない。 確かに普通の場合怖いものを怖いとは言わない。 さも余裕が有って怖くないかのように振る舞ってやる! 「僕も都市伝説についての機密は守るようにしっかり教育されています。」 「教育、ねえ?」 「ええ、まあ契約こそしてませんが関係者ですから。」 「ならばまあ信じようじゃないか。都市伝説のことが表に出て困るのはお互い様だしね。」 「お、お婆ちゃま相手に一歩も引いてない……!」 「じゃあこれで用件①は終りだね、朔夜、次のこの子への用件は?」 「え、いや学校でちょっとばたついたから咄嗟に家族ぐるみのお友達という設定を……」 「馬鹿だね、嘘なんて吐くもんじゃないよ。 じゃあその口裏合わせかい、お婆ちゃんも手伝ってあげるからさっさと決めちゃいなさい。 その前にマフィンが焼けたから食べなさい。 安心して、毒は入ってないわ。」 僕は甘い物が大好きだ。 とりあえず小学生らしく無邪気に素直に頂くことにした。 二時間ほど彼女の家にお邪魔した後、僕はおばあさんの車で送って頂くことになった。 「ごめんなさいね、朔夜がご迷惑をおかけたしたみたいで。」 「いえいえ、自分こそ素直に記憶消去されときゃ良かったんですけどね。」 「そうよねえ……。でもまあ関係者なんでしょ? じゃあどのみち一緒、一度こういう事に関わったら抜けられないわ。」 「ですよねえ……。」 「ところでさっきのマフィン、簡単な呪いをかけていたんだけど大丈夫?」 「えっ。」 「毒は盛ってないけどね。」 朝月のおばあさんがどうみても二十代の女性の顔で艶然と微笑む。 何をされたんだ……、今度こそ本当に恐怖で背筋に悪寒が走る。 そもそも朔夜だってあれを喰っていた、俺はそれを確認してからマフィンを食ったんだ。 自分の孫ごと呪いにかけたっていうのか? 「大丈夫よ、死にはしないわ。そういう呪いじゃない。」 この際死ぬのは怖くない。 「ただ少しだけ私の言うことを聞いてもらいたいから……ね。 貴方も都市伝説に関わる人間なんでしょ? だから記憶を消すような無粋な真似はしない。」 黒い蝙蝠の紋章が右手を這い回る、これが呪いか。 でもちょっと格好良いな、と思って見とれていたらすぐに消えてしまった。 「じゃあ一体何を……?」 「ただ、あの子を守ってやって欲しいの。 貴方も見たでしょう?あの子が無鉄砲に正義の味方なんてやってる姿。 私も心配でねえ……、でも一々あの子について回るのも無理だし。 だから貴方には“私に対してハッタリをカマした大胆さ”と “無能力者と思わせておいて拳銃をわざわざ用意している小ずるさ”を生かしてあの子を助けて欲しい訳よ。 簡単でしょう?その上、上手く行けばあの子に彼氏ができて正義の味方なんて馬鹿なことも忘れるかも知れない。 ……それに、共犯にしてしまえば裏切るも情報を漏らすもへったくれもないしね。」 「いや別に僕は朔夜さんと恋愛関係とかそういうのは……。 あの子と仲良くするというのはやぶさかではないですけど……。」 「祖母である私が言うのはなんだけど、あの子結構可愛いし気立ても良いわよ。 まあ少し怠惰でドジなところはあるけど、それはまたチャームポイントでしょ? 君が真面目タイプの人間らしいことは少し調べて解っているから丁度良いわ。 ね、お願い。」 困った、僕は美人に弱い。 という冗談はさておき、大分困ったことになった。 恐らくさっきかけられた呪いの内容は『(私の言うことを聞けば)死にはしないわ』だろう。 「ああ、呪いの内容が気になっているの?」 「え、あ、はい。」 「正直ね、可愛らしい。私がもうちょっと若かったらお相手したかったわ。 呪いの内容はシンプルよ、あの子が死んだら貴方も死ぬ。 あの子が精神的に苦しめば貴方も苦しむ。 一緒にマフィン食べてたじゃない。呪いのために二人で同じ行動して貰う必要が有ったのよね。」 「…………おおぅ」 そういうことだったのか。 「でもなんで俺なんですか。」 「だって貴方死ぬのを怖がらないもの。丁度良いわ。 護衛には命を平然と張れる人間じゃないと。」 「そんな滅茶苦茶な……。大体僕が朔夜さんの為に命なんて……」 「いいや、かけるね。だって貴方は全てのことがどうでも良いと思っている。 目的意識が0なんだもの、何でも良いから、脅されてでも良いから目的を与えられれば貴方は機械のようにそれをこなすわ。」 「そんな馬鹿な……。」 「だって、貴方はそういう風に作られた生き物だもの。」 「な、なんでそんなこと解るんです?」 「悪いわね、さっき魔法で記憶を覗かせて貰ったわ。 其処で見た貴方の働きも、今のお願いの理由ね。」 「……やれやれ。解りましたよ。まあ退屈しのぎにはなりそうだ。」 「よしよし、偉いぞ少年。お姉さんが頭を撫でてあげよう。」 僕の頭に朔夜のおばあさんの手が触れる。 身体の中から何かが抜けていくような感覚がした。 「それじゃあ一つ目の呪い解呪完了、じゃあしっかり頼むぞ。」 え? 「何時かけた呪いが一つと言った?私は感覚と命の共有以外にも色々しているよ。」 「なんてこったい……。」 車が僕の家の前に止まる。 「それじゃあ頼んだよ。」 「はい、解りました……。」 「ああそうだ、私の名を名乗ってなかったね。」 「え?」 「朝月ヨツバ、今度からは名前で呼んでね。」 「はぁ……。」 僕は車から降りて、ヨツバさんにお辞儀をして家の中に入った。 家には誰も居ない。 「おい少年、誰もいないと言うことはないぞ。」 「へ?」 声が聞こえる。 どこからだ。 「ここだよ、ここ!ここ!」 声のする方向、俺の右腕を見る。 先ほどの蝙蝠の入れ墨だ、消えたと思っていたのに……? そして入れ墨が……喋ってる? 「入れ墨などではない!我が名はバトン・ザ・ノーブル十一世! 代々朝月家に仕える誇り高き使い魔である!」 平面ガエル……じゃない、平面蝙蝠だああああ!? 「へ、平面蝙蝠!」 「平面蝙蝠言うな!これは本体ではない! ただヨツバさまのお言いつけで貴様に我が分身がとりついているだけだ!」 「寄生獣+ど根性ガエルとは……。」 「人の話を聞け!」 「うるせえ。サトウカエデみたいな名前しやがって。」 「それはメープル!」 「佐藤さんって呼ぶぞ。栗みたいな形しやがって。」 「あああああ!黙れクソガキ!誰が栗みたいな口してるだって!?」 「良いのかよ誇り高き使い魔様がそんな言葉遣いして!だって栗に似てるんだもん。」 「うるせえ!こっちは駄目人間と共同生活せねばならぬのだ。 腹が立って仕方ないわ!あと栗に似ているってのは良く言われるから腹立つんだよ!」 「そういえばヨツバ様……ってヨツバさんのことか?栗の件については受け入れろ。」 「そうだ!大魔女たるヨツバ様に遣わされたのだ! 貴様がしっかりお嬢様の手伝いをするかどうか監視するためにな!」 「くそっ、結局あいつ俺を信じてないんじゃねえか!」 「まあそれ以外にも役割はあるが……、今はまだ口にする時ではない。」 もったいぶるなよ……。 こういうのってこいつが言わないせいで大抵後からろくでもないことになるんだよ。 「さて少年、早速だがお嬢様が魔法少女活動にいそしんでいる。 急いで現場に急行してくれたまえ。行かないと俺もお仕置きされる。」 「くそっ、解ったよ!」 やれやれ、妙なことになってしまった。 僕はとりあえず自転車に乗って、バトンの誘導に従って朔夜の元に向かった。 【不思議少女シルバームーン~第一話 第三章「魔法少女と亡霊少年」~fin】 【不思議少女シルバームーン~第一話 第四章「亡霊少年と復讐鬼」~】 「十年前、俺がまだ子供だった頃。 家出をして夜の町を彷徨っていたら一人の魔女に襲われた。」 「それがお婆ちゃんだって言うの!?」 「ああ、そうだ!」 「そんな訳無いわ!だって、お婆ちゃんはとっても優しい人だもん!」 「いいや、確かにそうだった!しかも襲われた俺を助けてくれたおじさんまで殺したんだ! 過去に一度奴を倒そうとして返り討ちに遭っているからな!」 「そんな話、私は絶対に信じない!」 「黙れ人殺しの孫め!」 なんだか今日はついてない、口裂け女を退治したと思ったら仮面の男に絡まれてしまった。 さっさと始末しようと箒に纏った疾風をまだ距離の空いている仮面の男に叩き付ける。 だが風は男の目の前で霧のように掻き消えてしまった。 「――――――え、なんで!?」 「やはりお前はまだ成長しきってないらしいな、一気に叩きつぶす!」 咄嗟に箒に捕まって空中に飛び上がる。 近づかれたら確実に倒される。 「とう!」 虎の仮面を付けた男は空高くジャンプして私と一気に距離を詰める。 「喰らえ!」 男の手刀が箒に叩き付けられ、箒が乾いた音を立てて折れる。 「外した、か。」 壁を、電柱を、宵闇を、ありとあらゆる物を踏み台にして仮面の男が飛びかかってくる。 身体強化を覚えていない私では反応が間に合わない。 さらに箒が折れてしまった以上、自在に攻撃をすることも出来ない。 「――――ガンド!」 簡単な呪いの魔術を指から放つ。 少しでも時間稼ぎになれば幸いなのだが……。 「効かん!」 呪いの弾丸は黒い尾を引きながら私の元へはじき返される。 折れた箒で無理矢理飛行し、それを咄嗟に躱す。 「これでも喰らいなさい!」 量産型の使い魔である大量の蝙蝠を飛ばして男を攻撃する。 男は頭の近くに飛んできた物だけを払いのけて私に疾走してくる。 「シルバースター!」 星形の光弾を飛ばすがこれも無効化される。 今更気付いたが、あの男は魔力を無効化あるいは反射することができるらしい。 だがそのことに気付いた時にはもう遅かった。 「これでトドメだ!」 「お嬢様、危ない!」 「邪魔だ!」 「――――――――あ」 男の膝蹴りが鳩尾を捉えた。 咄嗟に私を庇うようにバトンが飛んでくるが握りつぶされてしまった。 呼吸が出来なくなり、胃の中の物が逆流する。 「ふん、所詮はこの程度と言うことか。 こいつは捕まえて人質にでもしておこうか。 あの魔女にも、あの男にも、俺をあの時殺さなかったことを後悔させてやる!」 男の手が私に向けて伸びる。 逃げようとして折れた箒に手を伸ばすが思うように身体が動かない。 「そうだな、でもその前に溜まりに溜まった恨みをこいつで晴らすのも……」 男は私を片手で軽々つまみ上げると拳を思い切り振り上げた。 お腹が焼けるように熱い。 地面に放り投げられて腕を踏みつけられる。 「助け……て、おばあ……」 「さて、死ぬより苦しんで貰おうか。まずはお前の希望の象徴から……。」 せっかく夜なべして作った衣装を破かれた。 どうしてこうなったんだろう……。 こんな筈じゃなかったのに……? 男が馬乗りになって私の顔に拳を振り下ろしてくる。 「パーフェクト、こうなる筈と睨んでいたんだ。」 聞き覚えのある声が聞こえる。振り下ろされた拳は私の目の前で力を失った。 目の前の男のマスクが子供の小さな手によってはぎ取られる。 乾いた音が三回響く。 何か暖かい液体が顔について、その後マスクをはぎ取られた男がその場に崩れ落ちる。 息はしていない。 ……死んでる? 私に歩み寄って手をさしのべる少年――天野昴――は笑っていた。 「いやー、手が痺れるの何のってなあ。 僕は肉体派じゃあないのに。」 「あ、あなた……!殺したの?」 「殺したさ、君を助けるため、それと暇潰しにはなりそうだし。」 「え、あ、……貴方、が、殺した……?暇潰しって……。」 暇潰しで人を撃ち殺した……? そんな言葉に対する疑問も次の言葉で吹き飛ぶ。 「それにしてもナイスブラジャー、上の方も黒だとは思わなかったぜ。」 「―――――最っ……低!」 「え?僕今何か言った?」 「何か言った?じゃないわよ馬鹿!死ね!変態! 感謝の気持ちも二遊間貫通殺人ライナーよ!」 「成る程、つまり名センターによるレーザービームが見られるのか。」 何故助けに来たのかは解らないが……、とりあえず感謝はしなくても良い気がする。 「しかしなんでこんな反応を……ああ、そうか。癖なんだよ、つい本音がポロっと出ちゃうの。 その下着があまりにも年齢不相応で……、なんていうの?ギャップがまたキュンキュン来る感じ。」 「死ねば良い!死ねば良いのに!……痛ッ!」 「おいおい、そんな腕を振り上げるなよ。見てたけど折れてるだろ?」 「……まさかあんたずっと見てたの?」 「いやあ、子供の身長だとあのマスク引っぺがせないじゃん? お前あのマスクが弱点だって気付いてなかったろ? そもそも都市伝説なんて高い能力を持っていれば持っているほどなにがしかの弱点も有るんだ。 吸血鬼とか見てみろよ、解りやすいだろ? タイガーマスクの力を持つ都市伝説が一時期出回ったらしいからな。 あれはその生き残りだろ。 あの虎仮面も恐らく【マスクを付けている間は無敵】とかそういう能力だ。 ならマスクをはぎ取れる一瞬を待てばいい。」 「……えー。」 何なのだろうこの人は、なんか気持ち悪い。 「お前、馬鹿だろ。」 「な、なんですって!?」 「ほら、おんぶだおんぶ、お前その身体じゃ歩けないし箒には乗れないだろ? 丁度僕の家誰も居ないし、お前の婆ちゃんに電話して迎えに来て貰うよ。 ったく、自転車また取りに来ないと。」 私は一発昴の背中を叩いた後、仕方なく彼の家まで連れて行かれることにした。 【不思議少女シルバームーン~第一話 第四章「亡霊少年と復讐鬼」~fin】 【不思議少女シルバームーン~第一話 エピローグ「魔法少女と亡霊少年」~】 僕が朝月を助けた数日後。 僕と朝月はなんだかんだでよく喋るようになっていた。 「おはよう昴君!」 「おはよう……。」 蹴られた、ちゃんと演技しろということだろう。 「やあおはよう朔夜ちゃん!」 頷かれた。 これで良いらしい。 転校二日目からそのスポーツ万能ぶりで朔夜は学校に馴染んでいた。 あれだけ大怪我した翌日にサッカーで男子相手にハットトリックを決めたのだ。 「キュウユウ」であるところの僕としてもじつに喜ばしいことである。 帰り道が同じ方向の友人が居ない僕は帰り道まで彼女が吐いてくるのが非情にうざったいがまあ良い暇潰しだと思おう。 「そういえばあんたも中央中学に行くの?」 「いや、まあ……。」 「じゃあ中学も一緒か……。貴方みたいな変態と一緒かと思うと気が滅入るわ。」 「あはは、僕は退屈しなくて良いけどね。」 繰り広げられるのはそんな普通な日々の普通の帰り道での会話。 「そういえばあんたさ、両親はどうしてるのよ?」 「母さんは居ない、父さんは仕事で家を空けている。 中堅どころの作家でね、多分作品名も聞いたことはあるんじゃないかな?」 「へー、まあ私本は読まないけどね。」 「そうは言っても魔女は魔術書くらい読むんじゃないのかい?」 「お婆ちゃまは沢山本を読んでるわ。でも私は読まない。魔術書も。」 おかしい、魔女とは本来勤勉な生き物ではないのだろうか。 実に興味深い。 「じゃああのチェーンソーみたいな魔法は何なんだ?」 「適当に思いついたからやった。」 「なんかやたら名前長くしてなかったっけ?」 「格好良いからつけた。」 『マジカルオーケストラオープン!飛翔第二系統疾空魔術!装填!』 「なるほど、これが格好良いとは中々素晴らしいセンスだ。」 「ななななななな!?なんで!?」 「面白そうだからボイスレコーダーで撮っておきました。」 「止めて!止めてそれ恥ずかしいから!」 「マwwwwジwwwカwwwルwオーケストラwwwwww」 「いやあああああああ!」 「飛wwww翔www第二w系ww統wwwww」 「やめてええええ!」 「疾wwwwww空wwwwwwwww魔wwww術www」 「馬鹿ァ!死んじゃえ!あんたなんか死ねば良いんだ!」 「ソウ☆テン!」 「らめええええええええええええええ!」 駄目だ、こいつ面白すぎる。 そもそも僕はヨツバさんから魔女っ子だか魔法少女だかをこいつが止めるようにさせろと命令されている。 その方法は特に限定もされていないし、こうやって遊ぶ玩具も手に入ったのだから零石一鳥である。 あの日の僕はどうやらラッキーだったようだ。 「ごめんごめん、流石に弄りすぎたよ。」 「うぅ……酷いわ。」 「謝るから許してよ。ごめんね?」 「も、もうしない?」 『マジカルオーケストラオープン!飛翔第二系統疾空魔術!装填!』 「いいいいやああああああああああ!」 「へっへっへっ、良いリアクションしやがるぜ。」 「うわああああん!もう一緒に帰って上げないもんね!」 「別に良いけど、ヨツバさんの言いつけに背いて良いのか?」 「う、うぐぅ……。」 ヨツバさんは朔夜が魔法少女を止めるように説得してきたそうだ。 だがいずれも失敗したとのことで最終手段として俺を使うつもりらしい。 そう、彼女は『日常生活でも僕の側に居て絶対に僕と一緒に魔法少女活動を行う』ことを条件に朔夜の魔法少女活動を許したのだ。 いやーヨツバさんマジウィッチ。 「ほらほら、泣かないの。 コーヒーおごって上げるから。」 自動販売機を指さす。 僕が金を入れると朔夜はミルクたっぷりのカフェオレに手を伸ばす。 僕はそれより速くブラックのボタンを押した。 「あ!私それじゃなくて……」 「いやー、俺も飲みたくなってさ、ブラック美味しいよなあー。 カフェオレなんて子供だよなー。」 「…………。」 ガコン 彼女は物も言わずにブラックを選ぶ。 しかも、よりによって、彼女は無糖を選んだ。 馬鹿だ、極めつけの馬鹿だ。 彼女はそれに口を付ける。 「…………。」 いやー、いい顔してるなあ! 僕はあんな顔した女の子が最高に好きだよ! 「悪魔ぁ……!」 駄目だ、にやけが収まらない! 朔夜ちゃん可愛いよ朔夜ちゃん! 「さて、道草してるとヨツバさんに怒られるよ? 急いで飲んじゃおうよ!」 僕は持ってきていたコーヒーフレッシュをこっそり自分のコーヒーに混ぜる。 ブラックなんて飲むのは大人ぶりたがるガキか徹夜覚悟の受験生及び社会人だけだ。 缶をゴミ箱に捨てて彼女の手を引いて歩き始める、僕と彼女の家までの道が真っ直ぐ続いていた。 【不思議少女シルバームーン~第一話 エピローグ「魔法少女と亡霊少年」~fin】 前ページ次ページ連載 - 魔法少女銀河
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ウーヴルーズ(GM) 旅のはじまりが運命的なものだとは限らない。現実と平凡で案外つまらないものです。だが時として事実は小説より奇なり…そんな事も起き得るのもまた現実。それは喜ばしいことです。とてもとても喜ばしいことです。さて、私は筆をとるにあたって一組の旅人達に目をつけました。この広大な母なる大地――コマフィニール全体から見れば、どれもこれも…よく居るような顔ぶればかりですが。さてさて、この旅人達はどんな運命的な物語を紡いでくれるのでしょうかねぇ。 ウーヴルーズ(GM) さて ウーヴルーズ(GM) 書きだしの題名はそう、「旅の仲間」。 ウーヴルーズ(GM) 物語最初の舞台は、コマフィニール南東…辺境の島アヴリル。 これと言って特筆するべきものもない島ですな。所謂ド田舎と言ったところですかねぇ。おっと失礼。それでも故郷は故郷ですものね? ウーヴルーズ(GM) 季節は “春” ウーヴルーズ(GM) さてまずは、ダルク・アストラエア。貴方はその腰に下げている魔剣アストラエアを捨て、貧窮したお家を救う為に旅にでました。まず目指すべきは宿場町プルミエでしょうな。そこで準備を整え、山岳都市ドゥーズィーの関所をくぐるのが当面の目的と言えましょう。 貴方は故郷アストラエアの領地を旅立ちましたが、プルミエに真っ直ぐ続く筈の橋が老朽化して落ちたそうです。これでは川を渡れませんねぇ。いやはや、運の悪い事で…それともこれも“呪い”なんですかね?(笑) ダルク 「ふむ… おい、クソ剣。橋が通れんではないか。どういうことだ」 ウーヴルーズ(GM) 「アスティーって呼んでって言ってるでしょ!…知らないわよぅ!なんでもかんでもアテクシのせいにするんじゃないわよ。このスカタン。」 ダルク 「何がアスティーだたわけめ。ええい、迂回して進む道は無いのか?」 ウーヴルーズ(GM) さてそうですね。 ウーヴルーズ(GM) 迂回するならば竜飼いの里ラナドを経由して目的地を目指すしかないでしょう。直線ルートもない事はないですね、ほら目の前…泳いで渡る気があればですが。旅装で着衣水泳ですか。ふはは、なかなか見物になりそうだ。>ダルク ウーヴルーズ(GM) 「ちょっとー泳いでわたるとか言わないでよね?濡れるなんてごめんよっ!」 ダルク 「お前を水に流してしまうことができたらどれほど胸がすくことだろうな。何、私もそこまで無鉄砲ではないのだよ。東にラナドの里があるから、そちらから迂回しよう」 ダルク 「そちらの橋も落ちていたときのことは、またその時考えれば良いか…」 ウーヴルーズ(GM) はい、それでは。ラナドまでの道のりはさほど困難なものでもありませんでした。 ダルクがラナドに着いた次の日、ここにもまた夢を抱いて旅立つ少年がおりました。オズ・レッドフィールド、君です。君とダルクは里で知り合いこれも何かの縁と、共にプルミエを目指す事にいたしました。 ウーヴルーズ(GM) ラナドの里は起伏の富んだ地形の上に成り立っている、のどかなところです。あちらこちらで草を食む竜の姿がみられます。 オズ 「にーちゃん旅人? ここ、宿ないしうち泊まってけよ。夜中に歩くと崖から落ちるからさー」(相棒の荷運び竜フィーを撫でて。夕暮れ時の事だ) ダルク 「おお、それは助かる。私はダルク。アストラエア家の嫡子だ。厚意に感謝する」(家紋をかたどったペンダントを見せつつ) オズ 「ちゃく…? まあうん、アストラエアの人ってのはわかった。 オレ、オズ。よろしく、ダルクのにーちゃん。 オレんち、ちょっと人多いけど、寝るのはこまらねーから。飯は? なんか食う?」(家の方に促しながら) ウーヴルーズ(GM) 「まあーかわいい坊やだ事!たべちゃいた――」(がたっと鞘が鳴って) ダルク 「黙れ」>アストラエア ウーヴルーズ(GM) (がたっ) オズ 「なんかいったー?」(振りかえった) ダルク 「よろしく、オズ。助かるが…宿だけでなく食事も頂いて、何も返さんというのは恩知らずだからな。何か私に手伝えることは無いか?」 オズ 「うーん…じゃあ、飯食ったら竜の世話手伝ってくれよ。あいつらにも飯食わせないと。あと、なんか旅の話聞かせてよ。かーちゃんやにーちゃんも喜ぶ」 ダルク 「わかった。 …ふむ、私もさして長く旅をしているわけではないが、それでも良ければ」 オズ 「皆、ずっとここにいるから外の人の話が珍しいんだよ(にかっとわらって。そうして、家に案内して母や兄に紹介し、夕食になったんだろう。素朴な民族料理だ)」 ウーヴルーズ(GM) さて、では。オズの招待を受けて彼の家におじゃますると、彼の家族は、ダルクを暖かく迎え入れてくれました。質素な食事ながらもあたたかいスープとパンにありつけます。アストラエアからの旅人のほとんどが、あの橋をわたってプルミエへ行ってしまうのため、旅人が珍しいのか、オズの兄弟達に群がられてしまいました。 寝る前まで兄弟達に纏わりつかれたダルクは、なかなかに疲れはてて寝床にはいります。大家族ですが寝床は確保できたもよう。オズも自分の寝床にはいり、やがて寝息をたてはじめました。 ウーヴルーズ(GM) 白い世界。ここは雲上の世界。雲の海をすべるように君は飛んでいる。>オズ.. オズ 「…あれ、オレ寝てたんじゃなかったっけ…。 …(はっ)すげー、飛んでる!」(目を輝かせ) ウーヴルーズ(GM) 君は自力で飛んでいるわけではない。何かにしがみついている。そう、竜だ。里で飼育している竜達とは比べ物にならぬ程に大きな竜の背に乗って君は飛んでいる! すい、と竜の背中がかたむいて大きくひろげられた翼が、雲の海を切り裂いてゆく。 オズ 「わあああ(さらに表情が輝き、竜をしっかりと掴んだ) すげー…… なあ、どこにいくんだ? おまえ。この先になにかあんの?」 竜は長い首で振りむいて、目を細めて笑った様な気がした。 次の瞬間、突風のような風圧に襲われる。しかし不思議なことに君がしがみつく竜の背に生えた鱗はすいつくように君の掌になじんで、不思議と君は恐怖を感じなかった。竜は翼を小さく折りたたむと、雲の海に飛び込んだ。 しろいしろい、まっしろな世界。 君を乗せて竜はぐんぐんと世界を降りてゆく。 オズ 「この下…?」(風にあおられながらも、何一つ見逃すまいと目をひらいて) ウーヴルーズ(GM) そして――― ウーヴルーズ(GM) 不意に視界いっぱいにひろがっていた白が途切れた。 久方ぶりに感じる空のいろがまぶしい。そして、眼下にひろがるのは――… 竜は翼をふたたび大きくひろげて、その世界を飛んだ。 竜の背から君は見た。“海”を。本物の海を。空の色とは違う、深い青を湛えた大海原を。それはどこまでもどこまでも水平線のかなたまで続く青。日の光をうけた水面はきらきらと輝き、跳ねる魚は見た事もない。 オズ 「うわ…… うみ、 海だ…… 雲じゃない、……すげえ!!」(何度も何度も瞬きをして、それでも自然に顔が笑ってしまって) オズ 「もっと近くでみれねえかな…… な、あの中までいけねー?」(上気した顔で名も知らぬ竜へと。) ウーヴルーズ(GM) 竜は、 さあ、次は君が自分で往く番ですよ。 ――さあ、おいで。ここまでおいでなさい。果ての、民よ。 ウーヴルーズ(GM) 君はその呼び声にこたえる前に目を覚ました。 ウーヴルーズ(GM) 窓の外ではチチチと鳥が鳴いている。朝だ。寝床についたときのまま、君は自分の家にいます。 オズ (答えようとしたのだ。誰なのか、と。そこで、唐突に海の色がきえた。ぼんやりとした視界が定まってくる。いつもの見慣れた寝床だ)「……いまの……」 ウーヴルーズ(GM) あなたのお母様のよく通る声も聞こえています。「オズーーーーーーー!!いつまで寝てるんだい!ダルクさんはもう起きてらっしゃるのよ!オズッ!」階下から聞こえてくる。そして朝餉の良い香りがただよってきていますよ。 ウーヴルーズ(GM) カーンカーーンカンカンカンカン!鉄鍋を木べらで叩く音。いつもの朝。 オズ 「いまいくー!」(ばっと毛布を蹴飛ばして、階段の下へ。珍しく何か考え込んでいるような顔だ) ウーヴルーズ(GM) では、朝餉も済ませて。ダルクが旅立っていくところです。 ダルク 「どうもお世話になりました。アストラエア家の者は受けた恩を忘れない、みなさんが我が領地においでの際には存分にもてなしましょう」(貴族的に品を作ったように言う)>オズの家族 オズ (朝食の時からずっと言葉少なだったけれど)「……うん、ありがと。 にーちゃん、里の入口までおくるよ」 ウーヴルーズ(GM) 「いいんですのよ、お気になさらず。汚いところでごめんなさいねぇ!」オズの母親はそう頬笑みながら。「そうね、オズ。入口まで送ってさしあげなさい。」 オズ 「いってくる」(頷いて、フィーと一緒に歩きだし)>かーちゃん ダルク (一緒に歩き出す) ウーヴルーズ(GM) お母様は、あなたの格好が少し重装備な気がして二度見しましたが、赤ちゃんが泣きだしたので家の中へひっこんでいきました。>オズ オズ (家族が皆見えなくなった辺りで立ち止まって)「――あのさ、にーちゃん。にーちゃんこれからまた旅にでるんだろ。 …オレも一緒に行きたい」 ダルク 「… 『人は誰でも一度は旅に出る』だったか。急にどうした」 オズ 「みたんだ、夢。 でっかい、”本物の海”の。 今度はオレがいく番だって、いってた。呼ばれたんだ」(たどたどしいけれど、真っ直ぐあなたの顔を見て) オズ 「だから、行きたい。 にーちゃんの邪魔にはならないようにするから」 ダルク 「オズ、君が旅に出ることを私は止めない。そうする資格が私には無いのでな」 ダルク 「だが、君の家族にはそれがある。黙って、逃げるように旅に出ることを、あの人たちは許してくれるのか?」 オズ 「……ちゃんと、いっていくし…。 かーちゃんのことだから、ダルクのにーちゃんがいいよっていったらとか言いそうなんだよ」(目をちょっと逸らして) ダルク (ぽん、と頭に手を置いて目線を合わせる)「… なら、ちゃんと言ってくるんだ。私はここで待っているから。旅に出るなら、ちゃんと身支度も必要だろう。一緒に来ると言うなら、私は別に構わないぞ」 オズ 「やった! ありがとーにーちゃん!」(ぱあっと表情が明るくなってから。家の方にダッシュで走っていった) オズ (ほどなくして、「オレ行ってくる!」と母親に言いながら旅支度をまとめた格好で戻ってくるのだろう。祖父の剣とフィーも一緒に) ウーヴルーズ(GM) 「ちょっ……あんた急に何言って………困ったら、その服の襟のところをほどいてみなさい。」 ウーヴルーズ(GM) 君がいつか、その時になって襟を縫っている糸をほどくと200Gでてきます。母の愛は偉大ですね。>オズ オズ 「呼ばれたんだよ!(主語なし) ダルクのにーちゃんもいいっつってたから大丈夫! 襟…? なに?」>かーちゃん オズ (襟重かった。不可思議な顔をしつつ)「よくわかんないけど、わかった。 いってくる!」 ウーヴルーズ(GM) さて。二人はラナドの里をあとにします。 場面は変わって―――― ウーヴルーズ(GM) フィロ・ルディオ。リンネア。君達は共にマルディ村から旅立ちました。君達もまた、プルミエを目指していましたが、マルディ村とプルミエの直線上には山があるため、迂回して草原地帯を進むルートを取りました。まだ村を出てから程なく、家畜の声がここまで聞こえてきます。>フィロ、リンネア ウーヴルーズ(GM) 「コケーーーーーーーーッ」「ブモー」 ウーヴルーズ(GM) 田舎ですなぁ。まごう事なき田舎ですなぁ。田舎オブ田舎。 ウーヴルーズ(GM) こんな泥臭いところには住みたくありませんね。おっと失礼。ふっ…(紅茶を啜りながら) リンネア 「(さくさくさくさく。無言で草を踏み締めながら、村を振り返りもせずに直進中であった)」 フィロ 「………あの、…リンちゃんさ、……どこさこれから行くの…?」 フィロ 「やっぱし、行商の人についていった方が……」 リンネア 「プルミエ(きっぱり) …あの人たちは、そっちからこっちへ来たのよ。どんどん田舎へいくだけ。逆なの」 フィロ 「あ、う、うん…… ……ごめんね………」 リンネア 「謝ることないのよ(わたあめの手綱を引きつつ)」 ウーヴルーズ(GM) 喧しいクモアルパカが「フェェェフェーンフエエ…」とかぱかぱと蹄を鳴らします。ときおり、文字通り道草を食おうとしております。 リンネア 「わたあめうるさい」 ウーヴルーズ(GM) 「フエエエ…(´・ω・`)」 フィロ 「お腹すいてるんかな? ゆっくりおたべー」 ウーヴルーズ(GM) 「フェェ、ェー♪」(すりすりっ)>フィロ リンネア 「こら、わたあめ。フィロちゃんに失礼でしょ(ぐいぐい)」 ウーヴルーズ(GM) 「フェーン」 ウーヴルーズ(GM) さて。丁度地図によるとエトロワ山脈から、流れている小川の川辺の辺りまできていますね。旅人や行商人が使う橋がかかっている辺りです。そこを丁度、ダルクとオズの二人組が荷運び竜を連れて通りかかりました。合流です。 さて、ここから先は君達自身に本格的に物語を紡いでいただきましょう。ここまでの演出で手持ちの水と食料の消費はありません。舞台は“草原”。天気は生憎の“小雨”。体調管理は大丈夫ですか?【体力】+【精神】でコンディションチェックを行い、RPを初めてください。>all ウーヴルーズ(GM) ヒーリングハーブの採取もこのタイミングですね。>ヒーラー リンネア 「……フィロちゃん。誰か居る(橋の方を指しつつ。コンディションチェック) (コロコロ…) 1D6 5 + 1D4 3 [ 計:8 ] ダルク (コンディションチェック。呪いでマイナス1) (コロコロ…) 1D6 3 + 1D6 2 [ 計:5 ] フィロ 「ここは賑やかやねぇ」(コンディションチェック:1d4+1d6) (コロコロ…) 1D4 4 + 1D6 6 [ 計:10 ] オズ 「ダルクのにーちゃん、このまま進んで大丈夫か? …あ、あっち。ひとがいる。おーい!そっちもどっかいくとこー?」(手ぶんぶん)>ダルク、リンネア、フィロ (コロコロ…) 1D8 5 + 1D4 1 [ 計:6 ] ウーヴルーズ(GM) リンネア:8 ダルク:5 オズ:6 ウーヴルーズ(GM) そして、フィロさん。クリティカルですね。貴女は今日とても調子がいいです。好きな能力を一段階あげてください。>フィロ フィロ 体力を1段階上昇させる、とか宣言したらよいでしょうか。取りあえず、かいておきますねー ウーヴルーズ(GM) 自分のコンディションはちゃんと把握しておいてくださいね。 ダルク 「ああ、問題無いと思う。 人か、念のため道を聞いてみたほうが良いか」>オズ リンネア 「……こんにちは。プルミエへ行くところ」>オズ、ダルク フィロ 「だ、だめだよう、外は怖い人がいっぱいいるからっ……」話しかける前に何事か言っていたが会話が成立してしまえばきょどっておこう オズ 「なんだ、オレたちと一緒のところかー。 こんにちは、オレ、オズ。こっちがダルクのにーちゃん。そっちが、アスティーとフィー」(順番に指差しながら)>リンネア、フィロ オズ 「プルミエってこっちであってんの?」(うんってダルクに頷きながらきいた) ウーヴルーズ(GM) 会話を交わしながら“雨の草原”を移動する君達。【体力】+【敏捷】で移動チェックを行ってください。目標値は7です。>all リンネア 「ええ。この草原を向こうへ。距離は少しあるけれど、迷うこともない道のりね(淡々と答えながら移動チェック)」>オズ リンネア (コロコロ…) 1D6 3 + 1D8 4 [ 計:7 ] ダルク 「どうやら道は合っているようだ。それでは先を急ぐとしよう」 ダルク (コロコロ…) 1D6 4 + 1D6 6 [ 計:10 ] フィロ 「………、 …」 (移動) フィロ (コロコロ…) 1D5 2 + 1D6 2 + 2 [ 計:6 ] オズ 「そっか。ありがと、ねーちゃんたち。 折角行く先が一緒なんだし、一緒にいかねー? な、ダルクのにーちゃん」>リンネア、フィロ、ダルク オズ 体力・敏捷 (コロコロ…) 1D8 7 + 1D8 5 [ 計:12 ] ウーヴルーズ(GM) フィロ、貴女は盛大にこけた。たとえ調子が良かったとて…どじっこはどじっこなのですよ…倒れる瞬間、思わずダルクの服の裾をひっぱって共倒れしそうになります。服が泥で汚れました。おお、汚らしい…HPを半分に減らしてください。>フィロ フィロ 「(ベシャアアアアアアア)」 ウーヴルーズ(GM) ああ、ダルクは少し傾くだけですね。雨靴ボーナスを忘れていました。失礼。>ダルク フィロ 「ごごっごご、ごめんなさ……! けが、けがとかしてないですか、本当にもう……」 ダルク 「旅は道連れ、というしな。私は別にかまわないぶぉっ」 フィロ 綺麗な布とかである程度汚れとか拭いたりして フィロ 怪我してたらその治療とかして フィロ 先に進みます ダルク 「いや、大丈夫だ、気にしなくて良い」>フィロ オズ 「うわっ 二人ともへーきー?」 リンネア 「フィロちゃん大丈夫?(無表情ながらも様子見に行ったり) ごめんなさい(ダルクに頭下げたりして)」 ウーヴルーズ(GM) さてそんなトラブルもありましたが。雨の所為か少し視界が悪いですねぇ。さて…進路はきちんととれていますか?【知力】+【知力】で方向チェックを行ってください。目標値は7です。>マッパー フィロ 「…………」(一度木の下で濡れないように地図を確認:方向チェック) フィロ (コロコロ…) 1D8 5 + 1D8 5 [ 計:10 ] ウーヴルーズ(GM) なお、方向チェック・野営チェックでは、どなたか一人が目標値5を成功させる事で、代表者をサポートする事ができます。集中とも合わせて使用を今後ご一考ください。>all ウーヴルーズ(GM) 君達はフィロのおかげで迷う事なく進んでいます。草原の草はさわさわと揺れ、青々とした草原は視界のずっと向こうまで続いております。そんな時、進行方向に何かが居るのを発見しました。ゆっくりとした歩みで、こちらに向かってきます。>all オズ 「すげーな、フィロのねーちゃん。 地図読めるんだ。 …ん、あれなんだろう?」<向かってくるもの>フィロ、ALL ウーヴルーズ(GM) それは草原を司る竜の親子でした。のんびりと草を食んでいます。君達の事を恐れる様子も、また敵対する様子もありません。ときおり子竜が親竜にすり寄って「きゅい」と鳴いています。微笑ましいですねぇ。四季竜達程可愛くはありませんがね。ふむ、彼等が歩いた跡には、ぴょこん、ぴょこ…と草やワタグモタンポポの花が咲いていますね。彼等が草原を司る所以でありましょう。 彼らの足跡を探せば、もしかすると有益な薬草が摘めるかもしれませんね。ヒーラーにしか薬草は見分けられませんが。探すならば目標値は7>all フィロ (薬草採り、でいいのかな……?)<探す ウーヴルーズ(GM) はい、薬草採りでどうぞ。今朝はやっていませんでしたしね。>フィロ フィロ 「あ、う、あの、……べ、別に、読むやけならだれでもできるし……」 フィロ (体力/知力チェック)(コロコロ…) 1D6 2 + 1D8 2 [ 計:6 ] ウーヴルーズ(GM) ぴんっと音をたてて雑草が生えた。残念ながら、なにも見つかりませんでした。>フィロ オズ 「オレうまくねーもん。 ずっと里にいたからさー。 だからすげーなっておもう。あっ!!」(竜を見て目を輝かせて手を振った。フィーと一緒に) フィロ 「ごめんない……やっぱり親子を邪魔するのはいけんな……しかも全然見つけられないと…」雑草片手に溜息吐いたが、その後後続に続いた ウーヴルーズ(GM) 「きゅい」「きゅいきゅいっ」草原竜の親子はゆっくりとした歩みで草を生やしながら立ち去りました。君達はまた旅路にもどりましたが、 さて…そろそろ日も暮れて参りました。小雨はまだ君達の体を濡らし続けていますね。はやめにテントを広げた方がいいですよ。さあ野営チェックを行いましょう。【敏捷】+【知力】です。目標値は7、どうぞ。水と食糧も1人1つずつ消費してください。 サポートもできますよ。目標値は5>all オズ 野営チェックの前に「狩猟」を行いたいのですが可能でしょうか?>GM ウーヴルーズ(GM) どうぞ。【敏捷】+【知力】目標値7です。>オズ オズ 狩猟/敏捷・知力 (コロコロ…) 1D8 1 + 1D4 3 [ 計:4 ] ウーヴルーズ(GM) 雲兎が居ましたが、あなたは枝を踏み折ってしまい兎はぴょんと跳ねて逃げて行ってしまいました。なにもとれませんでした。>オズ ウーヴルーズ(GM) 野営チェックお願いします。>オズ以外 オズ 「(ばきっ) …ちぇ、今日はあんまり深追いしないでおこう」(しょんぼりしながら戻ってきた) ダルク 「まあ、食料はまだ残っているのだから、無理に狩る必要はないだろう。さて、そろそろ野営の支度をせねばな」>オズ ダルク (コロコロ…) 1D6 3 + 1D6 5 [ 計:8 ](野営チェックサポート) オズ 「足りなくなった時に狩れると限らないんだよ、にーちゃん(謎の力強さで頷き) うん、雨やまないね。今日は早めに休んだ方がいいかも」>ダルク ウーヴルーズ(GM) 成功です。野営チェックに+1ボーナスを進呈します。 ダルク リンネア 「(ごそごそ。あまり雨に濡れなさそうなところを探して、テント立てようとし始める。野営チェック。サポートつきで+1)」 リンネア (コロコロ…) 1D8 3 + 1D6 3 [ 計:6 ] ウーヴルーズ(GM) テントが倒れてきそうになりましたが、ダルクがそれを支えてくれました。成功です。今夜の寝床は確保できそうです。>all フィロ 雑事とか、細々としたことを手伝っていたかった所存 ダルク 「おっと、少し風が出てきたか」(テントを支えつつ) リンネア 「あ、……ありがとう(ぺこっと頭を下げた)」>ダルク ダルク 「礼には及ばんよ。これも貴族の勤めなのでな」 リンネア 「貴族…?(目をぱちくり。多分今夜色々聞かれるこれ)」 オズ 「あ、そーだ。フィロのねーちゃんとダルクのにーちゃん、さっき転んでたし先に休んでよ。 オレ、みはっとくから」 ダルク 「そうか?私は別に大丈夫だが、では見張りを頼んだぞ」>オズ オズ 「じゃあにーちゃんはオレと交代なー。あとで起こしにいくよ」>ダルク フィロ 「い、いや、なんも手伝えてないし、おきてるよう」 リンネア 「何かあれば私も代わるわ(ランタンに明かりを入れながら)」 ウーヴルーズ(GM) 寝るがよいわ。>フィロall では君達は寝床を整え、夕餉を囲んだ後は休む事にしました。君達は交互に見張りをたてて休む事になります。テントの中では暫くにぎやかで、ダルクがリンネアに質問責めにあったりしていたようです。こうして一日目の夜は更けていきます。 ウーヴルーズ(GM) 朝になりました。パタパタとテントの天蓋を叩く雨音は残念ながらやんではいません。しかしプルミエまでは、あと一息。頑張って参りましょう、【体力】+【精神】でコンディションチェックを行いましょう。 ウーヴルーズ(GM) ヒーリングハーブの採取もできますよ。>フィロ ダルク (コロコロ…) 1D6 4 + 1D6 4 [ 計:8 ](コンディションチェック) フィロ (コンディションチェックから) フィロ (コロコロ…) 1D4 4 + 1D6 3 [ 計:7 ] オズ コンディションチェック (コロコロ…) 1D8 1 + 1D4 1 [ 計:2 ] フィロ (薬草とり) フィロ (コロコロ…) 1D4 4 + 1D8 1 [ 計:5 ] リンネア (コロコロ…) 1D6 6 + 1D4 4 [ 計:10 ] ウーヴルーズ(GM) ダルク:8 フィロ:7 リンネア10 好きな能力値を一段階あげてください。 リンネア 「(ダルクを質問攻めにした後、貴族=由緒正しい身分=一緒に居れば身分高い人にも会えるかも=国ゲットの足がかりに!という結論に達していた。同行にあまり乗り気じゃなかったのが一転してたとかなんとか)」体力一段階上げます ウーヴルーズ(GM) 絶不調ですね。【大ケガ】【毒】【だるい】【ハイ】を選んで能力を一段階さげてください。4以上はさがりませんので選べません。>オズ ウーヴルーズ(GM) またもや薬草はみつかりませんでした。>フィロ ウーヴルーズ(GM) 「おっはよーーんvよく眠れたぁ?(はぁと)」と、鞘ががたがた鳴ります。>ダルク オズ 【毒】で敏捷1段階さげます ウーヴルーズ(GM) では、オズ。君が昨日食べた食糧は腐っていたようだ。腹痛ではやく動けない。1ゾロポイント1進呈。集中で使えますよ。>オズ ダルク 「この前よりはな。この調子で少しおとなしくしていて欲しいのだが」>アストラエア ウーヴルーズ(GM) 「なによう。ちょっと優しくしてあげたらこうなんだから、つれない男ねっ!」(がたがた)>ダルク オズ 「(フィーにしがみついてぐったりしてた) …腹いてえ… 台所のあまりの食糧、やっぱり腐ってたのかなーフィー…」 ダルク 「良いから静かにしていろ。お前の出番はまだ先だろう」>アストラエア ウーヴルーズ(GM) さて、今日も“雨の草原”を進みましょうか。腹痛だからって町は近づいてきてはくれませんよ。【体力】+【敏捷】で移動チェックです。目標値7、どうぞ。>all ダルク (コロコロ…) 1D6 4 + 1D6 3 [ 計:7 ](移動チェック) リンネア 「大丈夫?(オズを気にしながら移動チェック)」 ダルク (靴の修正で都合8、成功です) リンネア (コロコロ…) 1D8 1 + 1D8 5 [ 計:6 ] フィロ (オズのBSを【応急処置】したいのですが、使えるタイミングはいつになりますでしょうか?) ウーヴルーズ(GM) 各チェックの合間にいいですよ。申請していただければ、私が使用可能か答えましょう。応急処置どうぞ。>フィロ オズ 移動チェック (コロコロ…) 1D8 5 + 1D6 1 + 1 [ 計:7 ] フィロ では、移動チェック 靴と杖で+2) フィロ (コロコロ…) 1D4 2 + 1D6 4 + 2 [ 計:8 ] ウーヴルーズ(GM) 旅の疲れがでているようですねぇ。体力を半分にしてください。端数切り捨てで。>リンネア オズ 「うん… 変なもんくったからしょうがねー…。 動けるから、大丈夫だよ ねーちゃん」(フィーにしがみつきながらぷるぷる移動である)>リンネア フィロ (では、応急処置をオズの毒に) フィロ (コロコロ…) 1D8 2 + 1D6 4 [ 計:6 ] リンネア 「そう……プルミエに着いたら、少し休む方が良いかもね(ふー、とこっちも溜息ついて)」 ウーヴルーズ(GM) では、オズの【毒:4】が【毒:3】に低下。次のチェックでは毒の効果を無効にしていいです。>フィロ、オズ フィロ 「あの、これ……」 フィロ オズに薬を渡して、呑み方等説明して、ちゃんと処方できたようでしたら、また後続します オズ 「そういうねーちゃんこそ、顔色あんまりよくないけどだいじょうぶ?」>リンネア リンネア 「まだ大丈夫よ。ありがとう(言葉少なに)」>オズ オズ 「わ、ありがとー フィロのねーちゃん。 助かるよ。 …苦い…?」(等と確認しつつ薬を飲むのでした>フィロ ウーヴルーズ(GM) おやおや…体調管理もままならないとは、だらしないですねぇ。まったく。旅人を見繕い違えたましたかねぇ…。先が思いやられますなぁ。さあ、方向チェックですよ。【知力】+【知力】で方向チェック、目標値7です。どうぞ。>マッパー ダルク (サポート入れます)(コロコロ…) 1D6 6 + 1D6 2 [ 計:8 ] フィロ 「あと、リンちゃん……は、こっぢのほうがいいね…」 フィロ (魔法:キュアタッチを、リンネアに使いたいです) ダルク 「少し楽な道を探した方がよさそうだな…」 ウーヴルーズ(GM) どうぞ。>フィロ フィロ (では「魔法チェック」) フィロ (コロコロ…) 1D6 3 + 1D8 1 [ 計:4 ] フィロ (精神チェック分の回復) フィロ (コロコロ…) 1D6 3 [ 計:3 ] ウーヴルーズ(GM) ダルクが最短距離を探していると、年輪を刻んだ切りかぶを見つけました。これで方向がわかりやすいでしょう。方向チェックに+1ボーナス。>ダルクall フィロ (方向チェック) フィロ (コロコロ…) 1D8 1 + 1D8 4 + 1 [ 計:6 ] ウーヴルーズ(GM) HPが3点回復しました。>リンネア リンネア 「ありがとう、ちょっと楽になった。……フィロちゃん、もうちょっと自信持ったっていいのに(そんなに色々出来るんだから、と、ちょっとだけ笑ったりしてた)>フィロ ウーヴルーズ(GM) おやおや、少し方向が逸れたようですね。大回りをしてしまい、移動チェックをもう一度。【体力】+【敏捷】目標値7ですよ。>all フィロ 「……いってるはじから、迷ったみたいやね……ごめんない……」 ダルク 「気にするな」 ウーヴルーズ(GM) 難易度は+1して6でよろしい。>all フィロ (移動チェック) フィロ (コロコロ…) 1D4 1 + 8 [ 計:9 ] ダルク (コロコロ…) 1D6 2 + 1D6 1 [ 計:3 ](移動チェック) リンネア (移動チェック) リンネア (コロコロ…) 1D8 1 + 1D8 1 [ 計:2 ] オズ すみません。先ほどの、次のチェックで毒効果無効というのはこのチェックに適応されますか?>GM ウーヴルーズ(GM) されます。>オズ オズ ありがとうございます。了解しました オズ 移動チェック (コロコロ…) 1D8 8 + 1D8 4 [ 計:12 ] ウーヴルーズ(GM) ……なんだか剣がとても重いですよ。体力が余計に消費します。半分にしてくださいな。>ダルク ウーヴルーズ(GM) 「ぐごおおおおお、ごおおおおお、」剣はいびきをかいている。>ダルク オズ 「だいじょーぶだいじょーぶ、歩いてればいつかはつくよ …うっ」(腹を押さえた。薬の効き目が切れてきたようだ)>フィロ ダルク 「おいこらクソ剣、うるさいぞ。どうせなら静かに寝ていろ」(HP:8) ウーヴルーズ(GM) 盛大にすっ転びましたね。痛そうですなぁ。体力を更に四分の一。>リンネア ウーヴルーズ(GM) 「ぐおおおおおっぐごーーーふがっ!」>ダルク リンネア 「(ずびたーん)」 フィロ 「!! リンちゃん、だいじょうぶ…」(キュアタッチ) フィロ (コロコロ…) 1D6 3 + 1D8 4 [ 計:7 ] フィロ (回復チェック) フィロ (コロコロ…) 1D6 1 [ 計:1 ] ウーヴルーズ(GM) 一ゾロポイント進呈。ああ…旅人ってやはり泥っぽいですね。>リンネア ウーヴルーズ(GM) 1ポイント回復。>リンネア オズ 「リンのねーちゃんだいじょうぶ!? やっぱりつかれてんじゃ…フィーにのる?(荷運び用ですが)」>リンネア リンネア 「……ええ、大丈夫……(むくり)」 ウーヴルーズ(GM) (コロコロ…) 1D3 2 [ 計:2 ] ダルク 「みんな相当疲労が溜まってきているか…どうしたものか」 リンネア 「乗るならわたあめに乗るから、いいのよ(さらっと何か言ってた。そいつも荷運び用だ) みんなありがとう」 ウーヴルーズ(GM) ごっとんごっとん。荷馬車が揺れる音がします。大型の竜にひかれた馬車が近づいてきて、「――…ん?あんれまあ、オズ坊でねえが。どうすた、こんなとこで。顔色悪ィど?」>オズ オズ 「んあ?」(フィーから顔をあげた。誰だろう?)>GM ウーヴルーズ(GM) ご近所の竜牧場のスミスおじさんです。「こんなところさ来て、どうすたんだぁ?」>オズ オズ 「なんだー スミスのおっちゃんこそ行商かなんか? オレはプルミエにむかうところなんだ…いてて」(腹押さえ)>スミス ウーヴルーズ(GM) 「なんだぁ、旅にでたのがぁ?おめえ。かーちゃんさ、いいって言ったべな。おお、おお、行商の帰りさ。なんだぁ、腹さ壊したんかぁ。」>オズ オズ 「言うてた。やけん、大丈夫。 うん、食ったのが腐ってたんよ。 そうだ、おっちゃんさ、薬とかもってねえ? 怪我につけんのとか。ねーちゃんやにーちゃんが転んだりしてて」>スミス ウーヴルーズ(GM) 「がっはっは、腹ぁ壊したり転がったりか!俺も昔旅にさ出たっどぎ、そんなめにもあったなぁ。うんうん、プルミエはもうすぐそこだ。気をつけでいげなぁ…おう、これさ持ってげ。売れ残りだけんど。」そう言って、スミスおじさんは夕焼け色の木の実を投げてよこしてきます。“夕陽のヒメリンゴ”を1つ入手。>オズ オズ 「おう、ありがとーおっちゃん。 皆にもよろしくな。」(手をぶんぶんふって)>スミス ウーヴルーズ(GM) 「かーちゃんに、手紙ば書くんやぞ。あんまり心配さかけんなよ。」>オズ ウーヴルーズ(GM) 「そんだば、俺は行くけえ。どうか皆さま。この子ばぁ、お願えしますだぁ。」スミスはぺこりと皆に頭をさげて馬車をだします。>all オズ 「わかっとーよ。次の街ついたら、ダルクのにーちゃんやリンのねーちゃん、フィロのねーちゃんにきいてかいとくー」>スミス オズ ヒメリンゴはリンネアさんにパスしたい所存です>GM、リンネア ウーヴルーズ(GM) さてさて。オズの同郷の民に別れを告げてしばらく進んでいくと、宿場町プルミエの輪郭が徐々に近づいてきました。家々の煙突からのぼる、夕餉の煙…匂いがもうそこまで漂ってくるようにさえ感じられます。今宵はあたたかい食事と寝床にありつけそうですね。>all ウーヴルーズ(GM) どうぞ。>オズ、リンネア ダルク 「街の灯りが見えたぞ。プルミエだ」>ALL フィロ 「よかったなあ……」 オズ 「ついたー! 早くいこう!」(腹押さえながらちょっと駆け出して。途中で、ヒメリンゴをリンネアさんにパスしようとしつつ) リンネア 「ああ、ようやくね……と(パスされたヒメリンゴ受け取ってきょとんとしたりしながら、街へ向かう)」 オズ 「くったら元気でるんよ、それ」(にっと笑って街へとむかうんだろう)>リンネア ウーヴルーズ(GM) ようやく、到着ですか…気を揉ませるパーティですなぁ…。体調管理も食糧の衛生管理もできていなければ、ころころとよく転ぶこと…この先やっていけるのですかねぇ。せめてまともな物語に仕上がるまでは、野たれ死んでくれないでくださいよ?(豪奢なペンを片手に眉間をもみながら) ウーヴルーズ(GM) しかし…ふむ。アストラエアも未だ健在…あの子供も面白いものを持っていますねぇ。よろしい、磨いて光らせてみようではありませんか。まだまだ物語ははじまったばかりですよ?くく、くくくくく。 それでは、みなさま。次回も良き旅を。 「旅の仲間」Fin. ―――――――――――――――― 地形最高難易度:7=100EXP 進呈
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07年10月の日記上 自己啓発反省日記07年9月下 より続く 自己啓発反省日記07年10月下 へ続く 10月1日(月) アクセス急増の秘密は/福田さん始動/歴史の「記憶」と「記録」の問題 10月2日(火) 自転車通勤/モーツアルト熱/秋の花粉症 10月3日(水) 10月4日(木) 交通事故の補償交渉/我が「軍」のレベル 10月5日(金) 10月6日(土) 伊那谷キャンパーズビレッジ 10月7日(日) 陣馬形山/まつかわ温泉 10月8日(月) 四天王寺の古本市/3日間の新聞から/福田首相は南京70周年に参加せよ 10月9日(火) 来年の仕事/なれ鮓/市井のえらい人 10月10日(水) 会議と考えることとしごと/気象の勉強 10月11日(木) ブックオフ 10月12日(金) 男を下げた亀田/時事用語の基礎知識/タレント候補/二階 10月13日(土) 墓参り/日本酒/黒川紀章/ゴアにノーベル賞 10月14日(日) ノーベル賞学者の講演/信濃庵/黒川さんの話続き 10月15日(月) カミさんのもみおこし/ムスコと藤本まり子 名前 コメント ↑ご自由にコメントをお書き下さい。 07年10月の日記上 自己啓発反省日記07年9月下 より続く 10月1日(月) アクセス急増の秘密は/福田さん始動/歴史の「記憶」と「記録」の問題 10月2日(火) 自転車通勤/モーツアルト熱/秋の花粉症 10月3日(水) 10月4日(木) 交通事故の補償交渉/我が「軍」のレベル 10月5日(金) 10月6日(土) 伊那谷キャンパーズビレッジ 10月7日(日) 陣馬形山/まつかわ温泉 10月8日(月) 四天王寺の古本市/3日間の新聞から/福田首相は南京70周年に参加せよ 10月9日(火) 来年の仕事/なれ鮓/市井のえらい人 10月10日(水) 会議と考えることとしごと/気象の勉強 10月11日(木) ブックオフ 10月12日(金) 男を下げた亀田/時事用語の基礎知識/タレント候補/二階 10月13日(土) 墓参り/日本酒/黒川紀章/ゴアにノーベル賞 10月14日(日) ノーベル賞学者の講演/信濃庵/黒川さんの話続き 10月15日(月) カミさんのもみおこし/ムスコと藤本まり子 名前 コメント ↑ご自由にコメントをお書き下さい。 10月1日(月) アクセス急増の秘密は/福田さん始動/歴史の「記憶」と「記録」の問題 1100就寝、630起床。 昨夜は、Tシャツの寝間着とタオルケットだけでは寒くて、長袖のパジャマを来、冬の毛布を被って寝た。起きた時はすこし汗ばんでたけど、快適で、熟睡できた。 3日ぶりに店へ行き、ネットにつながると、dunpooの昨日のアクセス数が250余と出てきてびっくり。いつも30から60の間なのに。どこから視聴者が飛んできたのか、「リンク元の表示」を見て調べる。石けんの評判をあつめたサイトで、dunpooを「評判のまとめサイト」としてリンク貼ってあることがアクセス急増の原因とわかった。アクセスされたのはトップページだけで、そこからほかの、コンテンツのあるページへ飛んでくれた形跡はないので、「読者」が増えたわけではない。がっくり。 アマゾンの注文は4冊。3日前に出した本が早々に売れた。僕がたばこを吸ってた頃から持ってた本で、ビニールカバーがヤニで汚れているのを、一生懸命アルコールで落として発送。 NPO事務所では週初めの打ち合わせ。今週も皆大忙しだ。 カミさんは夜の仕事。順延で今日になった運動会にはカミさん一人で行ってもらい、夕方、僕がムスコを受け取って、カミさんを駅に送ってから、本屋に寄り、それから店に連れて行き、おばあちゃんちで晩ご飯(赤飯とぶりの塩焼き)を食べさせてもらって、夜7時からNPOの会議に二人で参加。ムスコは、このNPOの「副事務局長」ということになっており、参加するのが当然と受け止めている。 福田首相、国会で所信表明演説。野党との話し合いを強調し、ひじょうに低姿勢。テレビカメラに向かってコメントで、民主党の鳩山は「華がない」、社民党の福島は「内容が全くない」と切って捨てているが、どうかと思う。「対話路線」自体は評価して、「お手並み拝見」くらい余裕をもって言えないものかなあ。共産党の志位は、国民の審判のせいだ、としながら、ウルトラ右翼政治の転換がなされたことを評価しているみたいだったぞ。 本屋で立ち読みした週刊各紙の福田関連記事も厳しい。ポスト「福田がタニマチに「タダでもらった」1億円豪邸」など。福田さん、どうもカネの面ではあまりきれいではないような。 週刊現代は、ポストと週刊朝日に書きまくっている売れっ子の政治ルポライター上杉隆を返す刀で斬っている。経歴で「NHK報道局勤務」と書いているが、実はバイトで数年雑用をしていただけ、ということを暴露。「週刊現代」が自信満々に放った「安倍相続税脱税疑惑」スクープを「週朝」で上杉にけなされたからかな。 今日の朝日朝刊の保阪正康執筆の小論「昭和の歴史 薄れる記憶、ゆがむ記録」は出色である。 「侵略した側の行為は兵士しか記憶をもっていないが、侵略された側では幼児にも記憶が残っている」。歴史認識についての彼我のギャップはこの構図に起因すると、保阪は言う。 時代の流れとともに「記憶」を失う我々は、侵略した「記録」がない、虐殺したという「記録」がないなどと言いつのり、あまつさえ、「記録」の偽造までする輩たちのせいで、「記憶にもとづいた記録」が残されていた時代の真摯な姿勢を失いかけている。 沖縄の11万人集会はその我々の腐りかけた性根に対する覚醒の一撃だった、と思える。 10月2日(火) 自転車通勤/モーツアルト熱/秋の花粉症 1100就寝 3時に目が覚めたので起きて法律の勉強。6-8時二度寝。 カミさんを駅まで送って、ムスコと自転車で店へ。ムスコは運動会の振り替え休日のため。 今月から、節約のため、店の方の駐車場の契約をやめた。これからは自転車通勤だ。 NPO事務所の仕事、ムスコにも手伝ってもらう。 夕方カミさんを駅まで迎えに行き、ムスコを引き渡して、僕は今晩もNPOの会議。 10時帰宅。トンカツと、昨日の運動会の弁当の残り物。発泡酒と焼酎ロック。 ムスコのモーツアルト熱はますます高まっている。 ウィーンへ行きたい行きたいと言う。本屋では熱心にオーストリアの旅行ガイドブックを立ち読みしている。旅行店からオーストリア旅行のパンフレットをもらってくる。 今晩はムスコにねだられて、髙橋睦郎『モーツアルト366日』のいくつかの章を読んであげる。 僕はモーツアルトとマリー・アントワネットが幼なじみだったとは知らなかった。彼がフランス革命前夜のパリに遊んだことも知らなかった。映画「アマデウス」に出てくる皇帝ヨーゼフ二世はマリー・アントワネットの兄だという。ムスコはあの映画に出てくる皇帝が大好きなので興味を示す。 「モーツアルトがもしも革命の時代に生きていたら、モーツアルトもベートーヴェンたらざるをえなかっただろう」という言葉が本にあり、僕が、「なるほどー!」とうなると、「どういうこと?」とムスコが聞く。 「その話をしたら長ーくなるけど、聞く?」というと、「うん」と言う。 それで、僕が帝政オーストリアのこと、フランス革命のこと、ベートーヴェンのことを講義。彼、興味深げに聞いていた。彼なりに、モーツアルトとベートーヴェンの音楽性の違いは把握しているみたいだった。 彼はいま、ピアノに向かうといつも、モーツアルトの交響曲25番の出だしのところか、ベートーヴェンの第9の「歓びのうた」を弾いている。 風邪はなおったけど、鼻水は引き続きひどい。目もかゆい。秋の花粉のせいみたいだ。 米シティ、日興コーディアルを完全子会社化する方針発表。今年5月に解禁になった三角合併方式を活用。買収される会社の株主に米国親会社の株を対価として渡す方式だ。これで外資の企業買収がいっそう加速されるという見られている。 10月3日(水) NPO事務所は、今日から、省エネと節約のため、エアコンの電源を切り、電力の契約も中断。 窓からいい風は入ってくるのだが、すぐ裏の建物の解体工事が続いているので、騒音が酷い。鼻水はひょっとして現場から飛んでくる粉塵のせいかもしれない。のどもイガイガしてきた。契約を打ち切るのは早計だったかも。 NPO事業について新聞記者の取材受ける。これからの活動の発展のために、NPOの知名度を上げなければならない。そのためにメディア対策は重要と最近意識しはじめた。 夕食、ムスコが食べたいと言ったので、久々に鍋。鯛、牡蠣、ホタテ、と奮発する。 10月4日(木) 交通事故の補償交渉/我が「軍」のレベル 去年の交通事故の補償交渉を、加害者側の保険会社の人とする。向こうの提示額に、すこし注文をつけて、66000円増しで合意、サインする。 肩はまだすこし痛む。なのに、外見的な損傷が見られないということで「後遺障害」の認定は却下される。痛みが続いているにもかかわらず、過去の通院等に関わる慰謝料だけで、将来に向けての慰謝料がまったくないというのは納得できないのだが、まあこういうことになっているのなら、ほどほどの要求で引き下がるとするか。 幸い肩は、自分で体操を続けることで、徐々に良くはなっているみたいだから。 でも、サインしたあと、今日は一日、気のせいか肩が重かった。 夕食は家で焼き肉。カミさんが奮発し、僕が調理。 6か国協議、合意文書を発表。北朝鮮が年内に3つの核施設の無能力化、米国がテロ支援国家指定の解除を約す。 衆院で代表質問スタート。民主は解散求める。首相、インド洋給油活動の給油実績の訂正を陳謝。 政府の海自給油活動の嘘を暴いたのは、民間団体のピースデポだ。米国政府に情報公開請求で米艦の「航泊日誌」を出させ分析した結果わかったことだが、海自への同様の請求は「安全確保」と「他国との信頼関係」を理由に却下されたという[朝日]。笑うべき、そして哀しむべき我が国の「軍」の民主的コントロールのレベルである。 今週の週刊新潮と週刊文春、そろって、時津風親方、二瓶絵夢(政治家がらみの詐欺未遂で逮捕)、沢尻エリカ(高慢ちきらしい)を取り上げている。こういう人や事件にみんな興味あるの? 10月5日(金) 朝、NPOの仕事で他所に寄り、それからキャンプのために買い物。 僕はバーベキューコンロを持っていない。場所をとるから。でも、火遊びの好きなムスコを満足させるために、携帯用の七輪を買う。コーナンで1250円。 昼食後夕方までNPO事務所で仕事をし、帰ってばたばたと荷造りをして車に放り込み、おとといの鍋の残りにご飯を入れたおじやをかき込み、家族三人、カミさんの実家へ出発。 政府がインド洋給油活動を続けるため、テロ特措法に代わる新法の骨子を決定。活動内容を給油・給水に絞ることと期限を2年にし国会の事後承規定を削除。 韓国盧武鉉大統領が訪朝して南北共同宣言。朝鮮戦争の休戦状態の終結のための首脳会談を提起。大規模な経済協力を約す。統一・核には深入りせず。 創価学会の御用雑誌「潮」11月号に佐藤優が「SGI会長の「民間外交」が果たす意義」を寄稿。佐藤が池田をヨイショしているのか?これは読まねば。 10月6日(土) 伊那谷キャンパーズビレッジ 予定よりすこし寝坊して、朝7時過ぎに十三を出発し、車で信州伊那へ。 途中3箇所で休憩して、中央道松川インターで高速を下りて30分、目的地の伊那谷キャンパーズビレッジに着いたのは1時半。 谷間の起伏の多い樹林の中に、キャンプサイトが50くらいあるだろうか。小さな谷川が一本場内を走っている。すべてのサイトがオートキャンプ用で、お互いに離れていて独立性が高い。管理棟はじめ施設は手作りで質素だが、「できるだけ自然に親しむキャンプを」という経営者・スタッフの高いプロ意識が感じられる。 僕らはAC電源なしのキャンプサイトで、1泊4000円。 マウンテンバイクで遊べるということを事前に調べていたので僕は自分のマウンテンバイクとヘルメットを持参。ムスコはキャンプ場のをレンタルして、二人でキャンプ場内を走り回る。ムスコは夢中になった。 ほかのキャンプサイトは、立派なテント、タープ、テーブルセット、バーベキューコンロ、ランタン。 うちは、テントはカミさんの姉からの借り物、タープなし、テーブルはミカンのコンテナをひっくり返して使い、椅子は景品かなにかでもらった簡単な床几式のもの、調理は小さなストーブと七輪で、食器は僕が学生時代から使っている山用のアルマイト食器だ。寝るときは、一番寒がりのカミさんは僕の30年来使っている冬山用の羽毛シュラフ、僕はだれかにもらったかびくさい、めちゃくちゃ重い三季用のシュラフ、ムスコはカミさんが10年前に買った夏用シュラフ(チャックがしまらない)とシュラフカバーだ。ランタンはなしで、やはり景品でもらった懐中電灯をテントにつるしてる。 夕食はバーベキュー。七輪の炭を完全にいこらせる前に肉を焼きはじめたのではじめはしょぼい焼き肉だった。 夕食後、キャンプ場全体でキャンプファイヤー。子どもたちがたくさん参加して、スタッフがゲームや話術で盛り上げてくれて楽しいひとときだった。 風呂は無料で入れる。 カミさんは風邪ひいたみたい、と、夕食後はテントの中で寝てる。僕とムスコ、七輪の火に手をあぶりながら、満天の星空を仰ぎ、酒とお茶を酌み交わした。 10月7日(日) 陣馬形山/まつかわ温泉 朝、雲は多いけど一応は青空も見えている。 陣馬形山にハイキング。登山道は別にあるみたいだけれど、キャンプ場裏から続く、送電線工事用の林道を二時間すこし歩いて頂上。頂上近くまで立派な車道もついていてちょっとがっくり。でも、頂上は広くて展望のいいところ。南アルプスと中央アルプスが一望できる。これらの山、僕はほとんど学生時代に二度三度と登っている。無料の望遠鏡があって、それで南アルプスをのぞくと、登山道までわかる。懐かしさに胸が締め付けられる。 同じ道を下山。樹林はほとんど松林で、陽がよく射すなだらかな道を軽快に歩く。ススキがきれいで、僕はカミさん、ムスコと語らいながら陶然として歩いていた。 ところが、帰りの分岐を見逃し、違う道を1キロほど歩いてから間違いに気がつく。ちょうどキノコ取りの人の軽トラックがやってきたので、道を尋ねると、その人はキャンプ場に帰る山道のことは知らないで、「このまま林道を通っていくとものすごい遠いよ」と言い、トラックの荷台に乗っていけという。そこでお言葉に甘えて、トラックでキャンプ場まで送ってもらう。「大人だけならほっとくけどな、子供がかわいそうだから」と。感謝感謝。カミさんとムスコは、トラックの荷台に載せてもらったことがないらしく、初めての経験でものすごく楽しかったらしい。 キャンプもハイキングも堪能した。もう一泊する予定だったが、カミさんは体調がすぐれないし、ムスコも夜が寒いのでもう帰りたいと言う。僕は実は、今日帰れれば、明日、四天王寺の古本市に行けるという思いがあるから、帰るのに賛成。 今日の夕食のメニューだったカレーを昼につくって食べてから、ゆっくりとテントを撤収し、3時にキャンプ場をあとにした。 このキャンプ場は、チェックアウトが3時、チェックインが11時という良心的な設定なので、1泊で2日めいっぱい遊べるのだ。 松川町内で、昨日買いそびれたリンゴを無人販売所で買う。二個100円という安さなので10個買って、早速皮ごとかぶりつくが、じつに美味い。 帰りの道中にどこかの温泉に入ろうと思ってはいたが、何にも調べてこなかった。カミさんが鉄道駅に寄って駅員さんから聞き込んできた「まつかわ温泉 清流苑」という町営の施設に飛び込む。これがまた素晴らしい温泉施設。露天風呂から南アルプスが一望できるのだ。入浴料400円はめっちゃお得だ。 さらに道の駅「華の里飯島」まで足を伸ばし、そばを食って土産を買ってから、ようやく帰路につく。 松川インターに7時に入り、途中3箇所のSAで休憩し、吹田インターまで、運転を僕とカミさんで交代しながら飛ばす。ムスコは前半はカーステレオでモーツアルトのCDを繰り返し繰り返し聞き、後半はぐっすり。高速料金は6600円のところ、ETCの時間割引で5300円に。でも途中のSAで補給したガソリンはリッター144円で、これは僕らは普段入れいているところに比べるとずいぶん高い。 11時15分、十三のカミさんの実家に無事帰還。ビールで一息つく。 10月8日(月) 四天王寺の古本市/3日間の新聞から/福田首相は南京70周年に参加せよ 早朝目覚めると、雨。昨日幕営しなくてよかった。 でも雨だと、四天王寺の古本市はお休みだろうか? 気がもめたが、9時半には雨があがったので、電車で四天王寺に出かける。 着いて本を選びはじめたところで雨。天幕なしの百円均一本の台には無情にビニールシートがかけられ、見ることができなくなった。均一本以外の書棚はテントの下で販売されている。中に一店だけ、テントの中で百均セールをやっていたので、そこで集中的に本を買ったあと、ほかの全店を一巡。 本日の収穫-----まずは百円本。 「ゴンクウルの日記Ⅱ」、「ゲーテ評伝 上」(ビルショウスキー)、「日本政治社会思想史」(内田繁隆)、「近代文藝十二講」(生田長江ほか)-----以上は戦前・戦中の本。内田という学者の名前は聞いたことがない。丸山真男以前に日本政治思想史はないように思っていたが、どうなのだろうか。 「宗教とは何か」(西谷啓治」、「日米安保条約 その解説と資料」(渡辺洋三ほか)、「戦争と科学」(武谷三男)、「セクシュアル・レボリューション」(ライヒ)、「無思想時代の思想」(清水幾太郎)、「アインシュタイン 上・下」(クズネツォフ)、「ルネッサンス的人間像」(下村寅太郎)。以上は戦後の本で、読んだことのある本、すでに持っている本もあるが、100円は超お買い得なので買ったちゃった。 ほかは、「ラムぜー・クラークの湾岸戦争」300円、「第二の罪 ドイツ人であることの重荷」(ジョルダーノ)1500円、「戦争の記憶 日本人とドイツ人」(ブルマ)500円、「戦後日本共産党史」(小山弘健)500円。 以上で計4100円の出費。 買ったのはほとんどが単行本なので、持って行った山用のザックはこれだけでもう一杯。重さは17キロくらいだろうか。もし雨がやんだら、百均本の棚から手に提げられるだけの本をまだ買いたいところだが、今日はこれであきらめる。 十三に帰り着いたら雨がやんでた。お義母さんが、豚しゃぶを昼に用意してくれたので、ビールを飲んで汗をかきながら大食。休みの日の昼の贅沢はいいねえ。 一眠りして、4時頃十三を出発、途中道草をして、8時頃和歌山の自宅に帰還。 明日にとっておくとやる気がなくなるので、キャンプ用品など持って行ったものをカミさんと手分けしてすぐに整理。 夕食はソーメンとスーパーで買ってきた寿司。ビールと焼酎ロック。 以下、3日間の新聞から。 書籍広告。『タイガーフォース 人間と戦争の記録』マイケル・サラほか著、WAVE出版。知られざるベトナム戦争最悪の住民虐殺を小さな新聞社が調べ上げた、2004年のピュリッツァー賞受賞作。 05年に機密指定解除となっていた米公文書で、沖縄返還交渉時の「核持ち込み密約」の存在が確認された。ただし、密約の存在は、若泉敬の著書ですでに明らかにされていた。外務省は、「密約は存在しない」と言い張っている。 これについては、国会で野党は強く追及して白黒をはっきりしてもらいたい。が、民主党では無理かな。 インドネシア泥炭火災多発で、日本の総排出量上回るCO2が排出されているという。こわいこわい話だ。 内閣府調査によると、「環境に関心」9割、環境税「賛成」4割。 年金とか、政治とカネの問題とか、格差とか、景気とか、そんなもんたいした問題と違うで、地球温暖化問題に比べたら! 「温暖化みんなで死ぬから恐くない」という川柳があるらしい。まあ、そういう気イなら、ほっといたらええけどな。みんなちょびっと心配しはじめてんねん。ここで一気に、ぐっと、「環境」改革にアクセルを入れてほしいなあ。 朝日読書欄から。 『生のあやうさ 哀悼と暴力の政治学』ジュディス・バトラー著 著者のことは知らなかったが、ジェンダー論ですごい影響を与えてきた社会哲学者らしい。56年生まれ、僕と同年齢じゃないか。 「「テロリズム」という語の使用はこうして国家に基盤をおかない政治団体が行使する暴力行為を非合法化する機能を果たしており、それはまた同時に既存の国家による暴力的な対応にお墨付きを与えているのだ。」 その通り。そして日本国憲法第9条は、国家による戦争という暴力を非合法化したんだよ。小沢一郎が言うように、それが国連憲章と理念的に同じだなんて、笑わせるぜ。対テロ戦争の泥沼に日本をいっそう引っ張り込むのが民主党の役割なのか?(って、最近の小沢の悪のりにほんとに頭に来て、戦争関連のもの読むたびに小沢のこと罵倒したくなる) 朝日朝刊、ビル・エモットの連載コラム「世界をよむ」を楽しみにしている。今朝は、「福田首相は70周年に南京訪問を」に、うならされた。 南京事件という個別の事件についてはっきりと首相が謝罪することで日本は中国に対して歴史問題で主導権をとれるというのだ。 実現したら、僕は福田政権を断固支持する。9条を変えずに壊そうとする小沢民主よりはね。 10月9日(火) 来年の仕事/なれ鮓/市井のえらい人 わがNPOに、ほかのNPOと某メディア会社が共同イベントの話を持ち込んでくる。来年度の実施に向けて協議継続することに。僕は来年事務所に勤めているかどうかわからないので最初のうちは黙っていたのだが、「事務局長どう思います?」と代表に問われて、ついついまた前向きの発言をしてしまって、あとで後悔する。 みかんの仕入れ先の有田の人から、郷土料理、鯖のおしずしである「なれ鮓」をいただき、家族で夕食に食べる。 僕は青年期まで生臭いものが苦手で、なれ鮓なんか、見るのも気持ち悪かったのだが、最近はうまさがわかるようになってきた。ムスコなんかほんの小さい頃から大好きで、それを僕は不思議に思う。 自殺防止NPOの代表茂幸雄さん。東尋坊管轄の元福井県警の警察官だ。退職間際に保護した男女を救えず自殺されてしまったことから、退職後はこの仕事に身を捧げている。 「「しからず、励まさず、いさめず、笑わず」が相談の基本だ。どうすれば前向きになれるか。本人に代わって実家や勤務先に電話をかける。仕事も世話する。縁もゆかりもない者が必死になればこそ、凍り付いた心もとけていく。」[日経] できんことだなあ。僕には無理だ。宗教者とか公務員は、本来こうあるべきだ。が、望むべくもない。市井にえらい人はいっぱいいる、と改めて思う。 10月10日(水) 会議と考えることとしごと/気象の勉強 初めて、朝、半袖では寒いと感じた。でも昼からはやはりTシャツに。 今日は環境省主催の会議、県との打ち合わせ、NPOの例会、と3つも会議があった。 会議が続くと仕事をしている気になるが、実は事前に仕込んだものを消化しているだけだったり、新たな仕込みのための準備だったりする。一人で、頭を使ってじっくり考えること(じっくりと言っても時間をかけることじゃない、集中することだ)、決断すること、これが仕事の基本だと思う。 日経夕刊の「人間発見」はきのうから新シリーズで、アサツーディ・ケイという広告会社の会長稲垣正夫の巻。タイトルは「躊躇する者は敗者なり」だ。 素早く決断をするのは、やはり一人でじっくりと考えることが必要だ。あっちにもこっちにも相談をかけたりみんなの意見を聞いたりしていてはできないだろう。 先日から知人に頼まれていること、やらなきゃやらなきゃと思いながら、気が進まず一日延ばしにしている。明日はかならずやろう。 例会で和歌山地方気象台の方の話を聞く。この9月の和歌山市の平均気温は観測史上最高であったという。エルニーニョとラニーニャの説明を聞き、わかった気になる。 夕食は今季初のおでん。 カミさん、ムスコ寝たあと、法律の勉強1時間、新聞整理2時間。 最近ようやく、ムスコは僕が起きていても一人で寝られるようになって、僕に深夜の勉強時間がとれるようになった。 10月11日(木) ブックオフ 12時就寝630起床。 朝は小雨で肌寒い。はじめて長袖を着て出勤。でも今日も昼からは晴天で暑くなる。 昨日はラジオ局と、今日はテレビ局と番組でのNPOの広報の打ち合わせ。 友人と夕方会う約束だったが、すっぽかされてしまった。おかげで予定が狂って、今日やると誓っていた用事もできなかった。 来月東京へ家族で行くので、東京と鎌倉のガイドブック、それにレストランガイドを本屋で買う。カミさんとムスコに行くところ決めろと言ってある。東京のガイドブックというのは初めて買った。 夜、平和運動の市民団体の会議。僕が司会をして早く終わらせる。 12月8日終戦記念日&ジョン・レノン暗殺記念日&僕の誕生日、なんかイベントしようよ、イマジンでも歌って、ということになる。 会議中、抜け出してボクシングの亀田戦見に行くやつがおった。 会議後、ブックオフへ寄り道。100円本ばかり26冊購入。 文庫----「レ・ミゼラブル 1」岩波、「モーツアルトの手紙 上」同、「決定的瞬間」(中公)、「モラトリアム人間の時代」(同)、「響きと鏡」(同)、「児玉大将伝」(同)、「前略、人間様。」(新潮)、「もっとソバ屋で憩う」(同)、「マシアス・ギリの失脚」(同)、「司馬遼太郎が考えたこと 1」(同)、「星の牧場」(角川)、「海は甦える 5」(文春)、「長征」(潮) 新書----「国語のできる子どもを育てる」(講談社)、「これがニーチェだ」(同)、「続セルフ・コントロール」(創元社)、「美の構成学」(中公)、「湛山座談」(岩波同時代ライブラリー) 単行本----「冬の鳥」(小学館)、「ブルース世界地図」(晶文社)、「大仏破壊」(文春)、「大国の興亡 上・下」(草思社)、「オウエンのために祈りを 下」(新潮)、「20世紀からの決別」(白帝社)、「シャガール わが回想」(朝日新聞) すでに持っている本が11冊もある。売れると思って買った。 夕食は昨日のおでんの残り。遅くに帰ってきて一人で食べる。 友人が旅先から送ってくれた北海道産ジャガイモ焼酎。ビミョーな味。 今日もまず、カミさんがゴー・トゥ・ベッド。ムスコは僕としばらくおしゃべりして盛り上がったが、僕がパソコンに向いだすと、あっさりと「寝るわ」といって退場。 静かな秋の夜長。本はあるが、うまい酒がない。秋はやっぱ日本酒のぬる燗かな。明日買うてこー。 来年4月からの導入を決めていた高齢者医療負担増(75歳以上の被扶養高齢者の保険料負担、70歳から74歳高齢者の自己負担1割から2割へ)を、半年ないし一年凍結することで与党が調整中。不足する財源2000億円は補正で手当。 10月12日(金) 男を下げた亀田/時事用語の基礎知識/タレント候補/二階 1230就寝640起床。 新聞見て、ゆうべ、亀田大毅が負けたってあるから、テレビ「朝ズバ」みると、こればっかりやってる。 亀田がくりだすレスリング技、逆上してやったのか?それとも苦し紛れのウケねらいか?理解できん。記者会見での「切腹」発言といい、男を下げたの~。 朝食中、カミさんが、「モーダルシフト」って知ってる?と聞くので説明してやる。そいで、僕が逆に「プレカリアート」知ってるかって問題を出すと、知らんと言う。説明してやると、「おとうちゃんって、プレカリアート?」って聞くから、「そんなもんやろ」と答えた。「それでもなんで幸せそうやの」と聞くから、「ええカミさんとムスコに支えられてんのや」と、この前と違う答え。 夕食は、北海道産ハタハタの干物、野菜炒め。 ハタハタの干物、12尾入ったパックが半額になって150円で高島屋に売ってたので珍しくて買った来たが、あんまりうまくなかったな。これだったらめざしの方がいいな。 焼酎と発泡酒。 大阪市長選に民主党が毎日放送元アナウンサーの平松氏擁立へ。 首長選で民主が自民との相乗りを禁じたことに僕は、疑問を感じている。そもそも地方政治において長年自民と相乗りしてきた民主党に、独自の地方政策は、ない。政策的対立軸がないところに無理矢理対立候補を立てようとすると、とにかく勝てる候補を担ぎ出そうということになるだろう。勢い、相手を上回る知名人、現代ならテレビ的知名度のある人、ということになる。平松氏の擁立はそのことを証している。 一定の政治的見識を有しているとか、これまで政治的行動なり発言をしてきた、という人ならわかる。だけど、アナウンサーというのは、極端に言えば、原稿を読んできた人だ。政治的発言がタブーの世界に住んできた人だ。そういう人を、知名度があるからということだけで、地方政治においても二大政党制を確立して対立軸をつくっていこうという政党が担ぎ上げていいのだろうか? これでは、なんのための相乗り否定かと思ってしまう。政党政治の自己否定ではないか。 二階衆院議員が跡地譲渡について政治介入したのではないかという疑惑の「グリーンピア南紀」問題。那智勝浦町職員が作成した経過記録文書が、故意に廃棄されていたという。朝日和歌山支局のスクープ。豪腕政治家で裏もなかなかすごいといわれる二階さん、転ぶのはいつだろう。 イラクでの要人警護を請け負う米軍事会社による乱射・殺人事件がイラクと米国で波紋 化学・製紙・セメントなど13業界、CO2削減で新目標。「自主目標」と歌っているが実質は官主導。「削減すればするほど追加目標を背負わされる」という不満ももっとも。排出増加に歯止めがかからない民生業務部門(店舗やオフィス、輸送)に対してもっと強力な手を打つべきだ。 「炭素税」を導入すべきだ。そうすれば不公平感もなくなるのでは。 地方オーケストラの危機 アウトリーチ(団員による出張演奏)で限界を突破せよ 札幌交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団の例 [朝日]山田真一(文化創造研究所所長) 「「瀕死自民」が下野する日」と週刊文春が特集。民主党がチョンボしない限り、時期衆院選での自民敗北は免れない、という雰囲気。 10月13日(土) 墓参り/日本酒/黒川紀章/ゴアにノーベル賞 1100就寝600起床。 母と姉二人、ムスコを乗せて丹波の創価学会墓苑まで、父の墓参り。1年ぶりだ。墓前に父の好きだったコーヒーとアメを供え、家族で声を合わせて読経・唱題。 雲間から柔らかい日差しが射し、ほんとうにさわやかな天気で、紅葉にはまだ間があるのが残念だったが、ドライブも墓参りも楽しかった。 片道正味3時間。3時半に和歌山に帰還。途中篠山の料理屋「和食膳 丹南茶寮」で丹波牛のたたき1500円を食う。とても柔らかく新鮮な生肉で、量も多く、皆満足。 和歌山に帰ってから、日本酒を買おうとスーパーへ寄るが、紙パックの安い酒しか置いていない。焼酎はおいしそうなのいろいろ置いてるのに。日本酒はめっきり人気がなくなったなあ。僕自身、日本酒を買うのは昨冬以来。置いてある酒で妥協してカートに入れようとすると、ムスコが「紙パックはあかんやろ」と言うので思いとどまり、ほかの店に寄ってちゃんとした日本酒を買うことにした。 ムスコがアマゾンで注文した「アマデウス」のDVD届く。今日からしばらくは毎日観るにちがいない。ほんまにへんなもん好きやなあ。 黒川紀章死亡。 和歌山市には、黒川設計の県立美術館・博物館がある。道を挟んで和歌山城に接しており、その建物が巨大で、自己主張があまりに強いため、和歌山城の景観を殺してしまうという論争が建った当時にあったと記憶している。黒川は、城の景観と調和させるというより、自分自身の設計の建物は城と拮抗しうるものにしたかったのだろうし、して当然だと思っていたのだろう。 大規模プロジェクト大好きだったのに「共生の思想」なんてことをいけしゃあしゃあと書いたり語ったりして、自己顕示欲が強いな、という印象である。 晩年の政治活動は、その自己顕示欲と、儲けすぎてカネの使い所がなくなったんで散財したかったのが動機じゃないだろうか。 ノーベル平和賞にアル・ゴアとIPCC。 ゴアのこと僕は好感をもってるけど、いくらなんでもこのごろは太りすぎだろう。 ジュリスト10月号は、「特集 日本と国際公秩序 集団的自衛権・国際刑事裁判所の原理的検討」だ。小沢一郎理論を破折するためにも読まねば。 夕食は、家で秋生鮭のムニエル。めっちゃおいしかった。特に皮が。 日本酒「土佐鶴 本醸辛口」を冷やで。サントリー「ジョッキ生」にしたのは、景品の「笑点Tシャツ」をカミさんもムスコも欲しいというからだけど、味もまあまあいけると思う。 カミさんの大好きな「ブロードキャスター」を見る。亀田を持ち上げていた番組が一転して勝った内藤を持ち上げる。TBSって恥知らずやな。 10月14日(日) ノーベル賞学者の講演/信濃庵/黒川さんの話続き 昨夜は法律の勉強10分で眠くて1130就寝。630起床。 わがNPO主催の温暖化に関する研修会の第一回目。 講師は、国立環境研究所の参与・西岡秀三氏。IPCCに設立当初から関わり、第三次報告書の執筆メンバーでもあるという。日本では右に出る者のいない地球温暖化に関する専門家だ。IPCCのノーベル賞受賞おめでとうございます、と言ったら、うれしそうだった。 講義は、1時間の予定が1時間30分に及び、質疑のあとの捕捉説明がまた45分に及んだ大熱弁で、それがだんだんと調子が良くなり熱を帯びて、もうすこし聞きたいと思ったほどだ。 気温上昇は、2度までで止められればなんとか人類は生き延びられる可能性が高い、そのためには、2050年までに世界中の二酸化炭素排出量を半分にしなきゃいかん。日本は70%削減が必要だ、そしてそれは可能だ、という、怖ーい、でも勇気と希望もわいてくるお話だった。 夕食は、まずは回転寿司の「弥一」へ行ったが、6時前ですでに駐車場は満杯、80分待ちといわれあきらめる。チェーンの外食店はどこも一杯だろうと思い、地元の老舗そば屋「信濃庵」へ。つい1年ほど前にMさんに教えてもらった店だが、昼のそば定食は、そばもうまいがだし巻きがたいそううまい。先日ムスコを初めて連れて行って、ムスコはたいそう気に入った様子。夜に行くのは初めて。入ったときは空いてて、大丈夫かと思ったが、その後続々客が入ってきて満員に。カミさんは初めてで、うまいと言っていた。僕は初めてソバ以外、親子丼をとったが、うまかった。これからは家族のひいきの店になりそう。 帰ってから風呂上がりに「ジョッキ生」を飲むが、昨日うまいと書いた自分を恥じる。やけに酸っぱく感じたので成分を見ると、クエン酸と書いてある。ビール(じゃないか)にクエン酸かあ・・・。 偶然か故意か、昨日黒川紀章の追悼記事を載せた朝日新聞の文化面、今日は、黒川が去った旧師・西山卯三の住宅を撮った写真集が出版されたことを大きく報じている。庶民の視線から住宅建築に打ち込んだ西山から、正反対のモダニスト(っていっても建築流派的にはポストモダニスト?)の丹下に鞍替えした黒川を暗に皮肉っているのだろうか。 僕は昔、黒川といっしょに西山研究室で学んだ建築家から裏話を聞いたことがあるから、どうもそのへんに興味を感じてしまう。 10月15日(月) カミさんのもみおこし/ムスコと藤本まり子 1100就寝630起床。寝過ぎやな。夢をたくさん見た。 和歌山県立医大に、NPOのメンバーのMさんを見舞う。お元気そうで安心した。資料好きのMさんなら喜ぶだろうと、昨日の西岡先生の講義レジュメをおみやげに渡す。 ゆうべ、カミさんが異様に首が凝るというので、注文されるがままに首をもんでやったら、今朝になって痛くて首が回らないという。もともと人より長くて繊細なカミさんの首を素人がもむんじゃなかった。 仕事で大阪へ行くついでに実家近くのかかりつけの整骨院で見てもらうと、しばらく毎日通院せよとのこと。 というわけで今晩からムスコと二人の夜が続く。 ムスコが「アマデウス」を観るのは一日一時間以内という約束。それを過ぎてテレビを消すと、今度は世界史の教科書を読んでくれという。「チャート式高校世界史」のフランス革命のところを読んであげる。 ルイ16世が処刑されたのが自分の誕生日の日だとわかって、ムスコは興奮。「僕の誕生日は有名な人の生まれた日とか死んだ日が多いなあ」と誇らしげだ。 「ほかに誰?」と聞くと、「藤本まり子」。彼はパンフレットで彼女の誕生日を知っていたのだ。 「ああ、そういえば、藤本まり子が民主党和歌山県連の代表になったって今日新聞に出てたで。たしかに有名人や、和歌山では。これからもっと偉なるかもしれへんな。」