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紬「みんなごめんね~昨日は用事があって部活来られなくて」 律「いいっていいって、でも唯はムギのお菓子がなくて泣いてたけど」 唯「泣はないよー!ぶー!」 澪「まぁ、確かにムギの持ってくるお菓子が無いと少し寂しいかな」 梓「で!今日はどんなお菓子を持ってきたんですか!?」 紬「ごめんなさい!今日はお菓子持ってきてないの・・・」 律唯澪梓「・・・・」 紬「で、でも、明日はちゃんとケーキとか持ってくるから!だからっ!」 律「あーあーいいよムギ。誰もお前を攻めたりしないよ。なっ?」 唯「そ、そーだよ!お菓子が無くてもムギちゃんはムギちゃんだよ!」 澪「その言い方もどうかとおもうが・・・」 梓「じゃあ今日はもう練習は無しですね」 紬「本当にごめんなさい・・・」 …… 律「じゃあ、今日はどこ行くー?」 澪「遊ぶ気満々かよ」 唯「私アイス屋さんが良い!」 梓「またアイスですか・・・」 紬「私は~ファミレスがいいでーす^^」 律澪唯梓「・・・え?」 紬「え?あ、あの・・・」 律「ん、あ、ああそうだな。ファミレスにしよう」 澪「う、うん、ちょうどお腹空いてたし」 唯「さ、さんせー!」 梓「あ、私はちょっと用事があるので・・・」 紬「・・・」 … 律「ああ~おいしかった~!」 唯「もう食べられない・・・」 澪「もうすぐ晩ご飯なのにあんなに食べて・・・まったく」 紬「うふふ」 律「いや~メニュー見てるとつい色々と」 唯「う~素直にアイス屋さんに行っていればこんな事には・・・誰だー!ファミレス行こうって言った奴はー!」 紬「あっ!え、えっと・・・ごめんなさい・・・私が・・・」 唯「あ、ううん!そんなつもりで言ったんじゃ無いから・・・」 律「そうだよ、唯の言う事なんか気にすんなー」 唯「むー!りっちゃんひどーい!」 律「あはは、嘘だよごめんよー」キャッキャ 紬(なんか違う・・・) 唯「じゃあバイミー」 律澪紬「バイミー」 唯「・・・」テクテク 唯「なんか神経使うなー」 唯「やりにくいんだよね・・・」 … 律澪「バイミー」 紬「じゃあまた明日ー」 澪「なぁ・・・律」 律「ん?」 澪「ムギの事なんだけどさ、なんかやり辛くない?」 律「ん~そうか?ちょっと他人とズレてる所はあるけど、普通じゃん」 澪「あんまり積極的に絡んでこないし・・・」 律「澪だってそうだろ」 澪「お嬢様育ちで、悪気は無いのかもしれないけど自慢に聞こえる事もたまにあるしな・・・」 律「そりゃあ、育ってる環境が全然違うんだから仕方ないだろ」 澪「なんだよさっきからムギの肩ばっかり持って!もういいよ!バカリツ!」 律「な、なに怒ってんだよ!?」 … 紬「・・・・」テクテク 紬「やっぱり・・・」 紬「みんなとキョリを感じる・・」 紬「いや!きっと私がケーキを忘れたんで怒ってたんだわ!」 紬「明日は凄いフルコースを振舞ってみんなを驚かせましょう」 紬「そして、りっちゃんと漫才したり!唯ちゃんとニャンニャンしたりするの!」 紬「ふふふ」 紬「明日が楽しみねー!」 次の日!放課後! 律澪唯「おいーす」ガチャ 澪「!!!なっなんだこれは!」 律「す、すげー・・・」 唯「お・・・お菓子の・・・天国の・・・バイキングの・・・」 梓「唯先輩・・・意味不明ですよ」 唯「うおっ!あずにゃんいたの!?」 律「なぁ、これどうしたんだ!?」 梓「私も少し前に来たばかりなんですが、その時にはもう・・・」 澪「・・・まぁこんな事出来るのは一人しか居ないけどな」 紬「あ、みんなー」ガチャ 律「ム、ムギッ!これムギがやったのか!?」 紬「うふふ、みんなを驚かせようと思って。昨日の御詫びも兼ねて・・・ね?」 唯「あ、あのー・・・ムギちゃん・・・」 澪「ムギッ!!!」 紬唯「ビクッ!」 澪「今日は何の日か知ってるのか?」 紬「え、いや、あの・・」 澪「今日は部室点検の日だ。もうすぐ生徒会がここを点検しにくる」 紬「あ・・・」 澪「どうする気なんだよ!今から片付けても絶対間に会わないぞ!」 紬「ご・・・ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」ヒック … 律「今日は大変な一日だったなーあははは」 澪「なに笑ってんだよ・・・一週間部室使用禁止だぞ・・・・・誰かさんのせいで」 紬「ビクッ!ご、ごめんなさい・・・ゴメンナサイ・・・」 唯「い、いいよームギちゃん、澪ちゃんも言い過ぎだよー!」 梓「でも・・・一週間は流石に痛いですね・・・」 澪「痛いなんてもんじゃないよ!あーあーなんでこんな・・・ 律「澪!いい加減に・・・」 紬「いいの!私が全部悪いんだからっ!!!!」ダッ 律「お、おい、ムギ待てよ!」 唯「行っちゃった・・・」 …… 律「っ!ムギ!」 紬「りっちゃん!?」 律「あの、確かにムギのやり過ぎ感はあったけど・・・それは皆の為にした事だろ?」 紬「・・・」 律「だからさぁ、私は嬉しいよ。澪も少し感情的になってただけだしさ・・・だから、気にすんな!」 紬「・・・ちゃん・・・」 律「へ?」 紬「うわああああん!りっちゃーーーん!!!」ダキッ 律「お、おう!泣け!泣いて忘れろ。失敗は誰にでもあるさ」 紬「ぐすん・・・ありがとう・・・りっちゃん・・・」 …… 澪「な!?唯もそう思うだろ?」 唯「え!?うん、まあ・・・ちょっと絡み辛いかなぁ・・なんて」 澪「梓はどう思う!?」 梓「へっ!ま、まぁ少し人とズレてる所はあると思いますけど・・・」 澪「だろ!挙句の果てに部室使用禁止だ。もう気が変になっちゃいそうだよ・・・」 梓「でも、ムギ先輩のおかげで合宿の時も別荘とか借りれたんじゃ・・・」 澪「う・・・そ、それとこれとは話は別だ!!!」 梓「・・・別じゃ無いでしょ・・・」 …… 律「じゃあ、また明日な!」 紬「うん・・・本当に、ありがとう・・・りっちゃん」 律「いやー私部長だし!・・・ムギは大切な友達だしな」 紬「りっちゃん・・・」 律「おおい!もう泣くな!これ以上泣くと私も泣くぞー!びえーんって!」 紬「ふふ、りっちゃんって本当に優しいのね。ありがとう、私も自分を変えるように頑張るからっ!」 律「おう!それでこそ紬お嬢様だ!じゃあなー」 紬「ええ、さようならー」 律「とは言ったものの・・・」 律(澪は本気でムギの事嫌ってるしな) 律「どうすっかなーーーー」 …… 澪「じゃあまたあしたな」 唯梓「バイミー」 梓「ムカつきませんか?」 唯「え?なにが?」 梓「澪先輩ですよ!特に自分は何をしてたって訳でもないのに」 唯「そ、そうだね!確かに言いすぎだったね・・・」 梓「いや、別に言いすぎでは無いですよあれは」 唯「へ?」 梓「ムギ先輩もあれ位言われて当然です。澪先輩が私の言いたい事を全て言ってくれました。でも言い方がウザい」 唯「う、うん、確かにウザいね」 梓「ええ、ダブルウザキャラです」 …… 澪「ああ~っんっとにウザかったな・・・ドンッ!」 壁「ぎゃん!」 ブーーブーー 澪「あ、メールだ・・・げっ、ムギ!?ありえん・・・」 「紬です。今日は本当にごめんなさい。謝っても許されないのはわかっています。でも、私は澪ちゃんの事も好きだし、仲直りしたいと思っています。なので、御詫びをしたいので今週の土曜日に二人で遊びに行きませんか? 勿論御代は私が払います。本当に迷惑をかけて御免なさい。」 澪「そう言う所がまたムカつくんだ!」 澪「・・・でも全部ムギの奢りか・・・」 澪「ようし、そこまで言うなら行ってやろう。ふふふ」 ピロピロピロ 紬「へ、返信が・・・」ドキドキ 「まぁ、今日は私も言い過ぎたよ。ゴメンm(_ _)m 土曜は思いっきり遊ぼう!」 紬「わぁ・・・」 紬「うわあぁぁぁ」 紬「やったあー!良かったあ~」 紬「・・・よかった・・・」 紬「あ、りっちゃんにメールしておきましょう」 律「ん?ムギからメールだ」 「紬です。今週の土曜日に澪ちゃんと遊ぶ約束をしました。澪ちゃんと仲直りできそう! りっちゃんが私に勇気をくれたおかげです。本当に有難う御座いました。 PS 私と澪ちゃんがイチャイチャしてても妬かないでね!笑い」 律「あはは、なんじゃそりゃ」 律「ムギも元気になって良かった良かった」 律「澪・・・いや、考え過ぎだな」 律「おう、二人でラブラブして来いチクショー!・・・っと」 紬「ふふふ、りっちゃんたら」 紬(でも、遊ぶっていってもどこに行こう・・・やっぱり、高級ランチを予約して・・・ いや、こうやって自分のやりたい事を押付けるからいけないんだわ・・・昨日だって・・ ・うん、やっぱり澪ちゃんの行きたい所に合わせるのが一番ね!) 紬「よし!完璧!」 …… 紬「昨日は本当にごめんね!」 律「うん!今の謝罪で全部チャラ!な、みんな」 澪「ああ」 唯「うん」 梓「はい」 律「じゃあ部活も無いし、今日は帰ろうか」 澪「そうだな」 紬「あっ!澪ちゃん、明日は」 澪「分かってる。10時に駅前な」 紬「う、うん!お願いね」 梓「・・・なにかあるんでしょうか?」 唯「さぁ?」 律(ムギ・・・明日は頑張れよ) 2
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そんなじぶんをあいせない【登録タグ VOCALOID そ 寄辺 なき 幻奏楽団キリギリス 曲 語部 もどき 調 ひびき 鏡音レン】 作詞:語部 もどき(幻奏楽団キリギリス) 作曲:調 ひびき(幻奏楽団キリギリス) 編曲:寄辺 なき(幻奏楽団キリギリス) 唄:鏡音レン 歌詞 (動画概要欄より転載) だから息をしたくない だからいなくなりたいんだよ そんな自分を愛せない 泣きたいくらい悩んだって足りない 謝りたい 今まで関わったすべてに ルールは無用 そんなことはないのにやっていることは いつも掟破り そんな自分が大嫌いだ だから生きていたくない だからいなくなりたいんだよ 気も遣えない 取り柄もない 役になんて立つはずもない そんな自分を愛せない 消したいくらい悔やんだって足りない ごめんなさい 今まで関わったすべてに どうしたら良い? どうしたら迷惑を掛けずに済むの? いつも痛みばかり そんな自分に価値なんてない だから息をしたくない だからいなくなりたいんだよ 自信がない 希望もない 魅力なんてあるはずもない そんな自分を愛せない こんな自分が悲しくて仕方ないんだ だから生きていたくない だからいなくなりたいんだよ 気も遣えない 取り柄もない 役になんて立つはずもない 自信がない 希望もない 魅力なんてあるはずもない そんな自分を愛せない どうしても… コメント 名前 コメント
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鼻そうめんP はなそうめんひい【登録タグ クリエイター 作は】 曲一覧 Unfragment プラグアウト YOUTHFUL DAY S GRAFFITI Wander Girl コメント 名前 コメント
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今日は5-4でぎりぎり逆転勝ちってのが何回かあった。 味方がラストひとりになって敵が4人とかいても諦めの雰囲気にはならなくて 味方を信じて黙って見守るシーンも何度かあった ようするにみんなあきらめてない!それってめちゃくちゃ素敵だよね! あとVCでいいなって思ったのは敵をキルしたときにダウンの報告がちゃんとできてた! ダウンの報告があるとしっかり切り替えて集中できるからすごくいいね(*ノ∀`*) byなるこ
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YouTubeで視聴可能なみんなのうたの一覧。 現在ではそのほとんどが削除されている。 あ行 ああ おかしいね I'm here with you~アイム・ヒア・ウィズ・ユー 青い童話 赤鬼と青鬼のタンゴ■ 秋物語 あさな ゆうな■ あした会おうね アジのひらきの三度笠 あっそうか! ありがとう~こころのバラ~ ありがとサンキュ~■ あわて床屋 YES,YOU 以心伝心しよう■ いつか見る虹~"モルダウ"から~ 笑顔■■ YELL■■ 王様のたからもの■■ おしりかじり虫 お誕生日おめでとう おはようクレヨン おもいでのアルバム (1982年)■ か行 風ぐるま カゼノトオリミチ■ 数え歌■■■ 元祖バナナの魂 北風小僧の寒太郎 (1974年)■ 北風小僧の寒太郎 (1981年)■ きょうも茶ッピーエンド 金のまきば 雲が晴れたら CRYSTAL CHILDREN■■ クロ コイシテイルカ■ 恋つぼみ■ 恋のスベスベマンジュウガニ■ 恋花火 子ねこと毛糸 ごめんよ!わんわん これってホメことば? コンピューターおばあちゃん さ行 最後のシュート サッカーボーイ さとうきび畑 (1997年) サボテンがにくい サルサ いいな いいね■ しっぽのきもち 白い道 (1983年) スノウドロップ そして君は そんなぼくがすき■ た行 太陽の子どもたち 旅人のように チグエソ 地球の空の下で 月■ 月のワルツ 翼が今 手紙~拝啓 十五の君へ~ (8月版)■■ 手紙~拝啓 十五の君へ~ (9月版)■ 哲学するマントヒヒ テトペッテンソン 父さんのつくった歌 TOFU (豆腐) 遠い恋の物語■ 遠い空 ドナ ドナ トレロカモミロ■ 永遠にともに■ な行 菜種時雨~natane shigure 夏からのプレゼント 夏恋花 なんのこれしき ふろしきマン 虹色ラブレター■ ねずみは米がすき ねっこ君 のびろのびろだいすきな木 は行 バケツの穴 はだかん帽 HAPPY WEEKEND 鳩の詩 ハートにホッチキス HANA バナナ村に雨がふる■ 花になる パパとるすばん はるか 晴れ舞台■■ ハローアゲイン,jojo 反省のうた 光のゲンちゃん■ ひげなしゴゲジャバル ひよこぐも■ ひよこぶたのテーマPART2。 ヒロミ■ ブーアの森へ■ ふうせん 二人ぼっち時間 フニクリ フニクラ 冬の夜のおはなし フルサト■■ ヘンなABC ぼくのバレンタインデー ホッキョクグマ■ PoPo Loouise■■ ホロスコープ~あなたの星座~ ま行 まっくら森の歌 水色のワンピース 道■ みんなのうみ むし 無敵のじいちゃん■ メッセージ・ソング■ メトロポリタン美術館■■ MOTTAINAI~もったいない~ 森の熊さん や行 山口さんちのツトム君 やわらかい風 悠久の杜 雪祭り ゆびきり 夢でも逢えるかな ら行 りんごのうた
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・注意する点は特にありません。楽しんでいただければ幸いです。 では、ゆっくりしていってね!!! 小五ロリあき 「ごべんなざい!ゆるじでくだざい!!ばでぃざがわるがっだでずぅぅぅ!!」 今、俺の足元…と言うか靴の裏で、薄汚い野良まりさが体をひしゃげさせながら何やら鳴いている。 こうなった経緯を簡単に説明するなら ・散歩中にふてぶてしい野良一家が絡んできた。 ・いつもの様にあまあまがどうのとクソ生意気な口を利いてきたのでとりあえず踏んでみる。 ・踏んでる奴の謝罪や他の奴らが泣き喚く声がウザいので、潰すためにどんどん足に体重を乗せる。 ←今ここ と、いう感じだ。 「おちょーしゃんをはなちぇくしょじじい~!!」 「れーみゅおこっちぇりゅよ!!ぷきゅーしゅりゅよ!ぷっきゅーーう!! ……ぷひゅりゅりゅりゅ。これでわかったでちょ?わかっちゃりゃ…はやぐおどーぢゃんはなじぢぇよぉぉぉ!!」 「ばでぃざぁぁぁ!!やべであげでね!いたがっでるよ!!どぼじでこんなひどいこどずるのぉぉぉ!!?」 「いだいぃぃ゛ぃ゛!ばでぃざじんじゃうんでず!あやばりばずがらやべでぇぇぇ!!」 本当にいつ聞いても言ってる事が代わり映えしない。 こうも毎度毎度同じ言葉を聞いているといい加減にウンザリしてくる。 「………で?」 「ゆっ!?」 「謝ってるのはわかったよ。助かりたいって気持ちも十分伝わってきた。……で、それからどうするんだ?」 「ど、どうずるっで…ばでぃざがあやまっだがらゆるじで」 「そうじゃなくて。お前何か勘違いしてないか?ごめんなさいの一言で、話ってやつは終わらないんだぞ」 「なにいっでるのかわがんないよぉ!それよりもはやくどけてぇぇぇ!!!」 落ち着いて話しかけてみたが、やはりこっちの話も聞かずにピーピーと泣き喚く野良まりさ。 …まあこんなもんだろうとは思ってたさ。 「謝罪・・・謝るってことはな。何らかの形で罪を償おうとする意識があって始めて成立するんだよ。 っつってもお前ら馬鹿だからわかんないか。 あー……例えばだ。お前らがよく言う、慰謝料としてあまあまよこせってやつ。あれと同じようなもんだ。 本当に許して欲しいんなら何かを差し出すべきだって話だよ。さあ、お前たちは何をしてくれるんだ?」 「ゆ、ゆ、ゆぅぅぅぅぅ!!?」 とりあえず、わざと踏みつける力を緩めて考える余裕を作ってやる。 一方、楽になったと同時に降って来た問い掛けに表情をころころ変えながら戸惑う野良まりさ。 本当に滑稽を通り越して気持ち悪い。もう見ているだけで不快感が湧いて出てくる。 「ば…ばでぃざざまはちゃんとあやまったんだぜ? それにいしゃりょうのあまあまなんてもっでないんだぜ!」 「それは知ってるよ。あればわざわざこんな事はしないだろうしな。 それに俺だってあまあまなんていらないって。物以外にも奉仕の心だとか……色々あるだろ。 わからないか?俺が欲しいのは『誠意』だよ、『誠意』」 「せいいってなんなんだぜ!?そんなものみたこともないんだぜ! もうここまであやまってるんだから「早くしないと死んじゃうぞー」うあ゛ぁぁぁ!!やべでぇぇぇ!!!」 このままチンタラしていても埒が明かないので、再び踏みつけている足に力を入れる。 野良まりさの頭も帽子ごとめり込んでいき、ミチミチと嫌な音を発し始めた。あと何秒持つだろうか? 「だずげで!づぶれる゛ぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!じにだぐないよぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!! ごべんなざい!!ごべんなざいごべんなざいごべんなざいごべんなざいごべんなざいごべんなざい ごべんなざいごべんなざいごべんなざいごべんなざいごべんなざいごべんなざいぃぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 「だから、ごめんなさいを言うのは基本中の基本なんだって。連呼しても意味無いし。 っていうかその手の言葉は言えば言うほどありがたみが薄れるぞ。 問題はそのあと、ごめんなさいって言ってからお前が何をしてくれるかなんだよ。どうすんの?」 「わがらない!!ぞんなのわがんないぃぃ゛ぃ゛ぃ゛!!! ばでぃざぢゃんとはんぜいじばずがら!!だがらぁ゛ぁ゛「あー、もういいや、お疲れ」あ゛っ!!! …………」 「…ば、ば、ば……ばぁでぃざぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!どぼじでぇぇぇぇ!!!」 「ゆんやぁぁぁぁ!!なんぢぇおとーしゃんがちんでりゅにょぉぉぉぉぉ!!?」 「ゆぴぃぃぃぃ!!れーみゅまだちにちゃくにゃいよぉぉぉ!!いやぢゃぁぁぁぁぁ!!!」 しばらく様子を見ていたけど、いくら待っても同じことしか言わないので踏み抜いた。ぶっちゃけ飽きたし。 足の裏から小さくて少し硬めの、なにやら丸っこい物の感触が伝わってきたがかまわず潰す。 たったそれだけで足元のまりさが一瞬震えた後、動かなくなった。どこでもしぶとく生きる割には随分と呆気ないもんだ。 「ぐぞぉぉぉぉ!!よぐもばでぃざをごろじだなくぞじじいぃぃぃぃ!! ぜっだいにゆるざないぞ!!おばえもおんなじようにじででいぶがごろじでやる!! どれだけあやまってもゆるじでやらないがらなぁぁぁぁ!!」 「おとーしゃん!おとーしゃん!!ちんじゃやだよ! おとーしゃんがいなかっちゃらこれかりゃだれがれーみゅをゆっくちさせちぇくれりゅの!!?」 「ゆんやぁぁぁぁ!!にゃんでまりちゃのいうこちょきいちぇくれにゃいにょぉぉぉ!? まりちゃおとーしゃんをはなしぇっちぇいったでちょ?ゆっくちりきゃいちてよぉぉぉ!!」 「あー、うっさいうっさい。 っていうか許してくれなくても結構だよ。なんで謝らなきゃいけないの?馬鹿なの?死ぬの?」 「はぁぁぁぁ!?なにいってるの!!れいむのだーりんをころしたくせに!!」 「ああ、殺したな。 ……で?だから何? 俺はあまあまよこさないと痛い目見るぞ~とか言って脅してきたゲスを殺しただけなんだけど、それの何が悪いんだ?」 「ゆゆっ!!?」 「おまけにごめんなさいって言うから反省してるのかと思ったら、言葉だけで全然態度にも出さないし。 口だけで助かろうとする嘘吐きを制裁しただけなのに、なんでそんなこと言われなきゃならないんだ?なあ、オイ」 「たいどもなにもまりさはちゃんとあやまってた「あ、そういやお前も脅してきたゲスだったっけ」うぎぃぃぃ!!」 憤怒で醜く歪んだ形相が困惑のそれへと変わったと同時に、先ほどのまりさと同じように親れいむを踏みつける。 ひしゃげたついでに、頭上から襲ってきた急な衝撃に痛みやらなんやらで小便らしき物を噴き出した。……汚い。 「その上言うに事欠いて殺してやる、か。 脅迫の上に殺人予告かー。こりゃ先手を打っとかないと怖くて堪らんなあ。 と、いうわけで野良ゆっくり相手ならこれは正当防衛だよな?さよなら、見知らぬ野良れいむよ。永久に」 「ぃ゛やべでやべでやべでやべでぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!でいぶづぶれでじんじゃうぅぅぅぅ!!! なまいぎいっでずいばぜんでじだぁぁぁぁ!!だがらだずげで!でいぶまだじにだぐないぃぃぃぃ!!!」 「………言ったな?」 「ゆ゛っ!?なにがでずが……?」 「今、確かにすいませんって言ったよな? オッケー、お前の気持ちはわかった。……じゃあお前は何をしてくれるんだ? まさか“すいませんやごめんなさいだけで済ませよう”だなんて、思ってないよな?」 「なにをっで…ど、どぼじで!?でいぶはゆっぐりじないであやばっだでじょぉぉ!! どうでぼいいがらはやぐはなじ……ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!やべでふまないでぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「そっかー。適当に口先だけで済ませようとするなんて、やっぱりゲスのつがいはゲスなんだな。 ああ残念だ。また一匹、罪深いゆっくりをさっきのまりさの様に制裁しなきゃいけないなんて」 「ぢ、ぢがいまず!まっで!!でいぶはばでぃざどはぢがうんでず!! ぢゃんとはんせいじでばずがらごろざないでぐだざいぃぃぃぃ!!」 とりあえず潰そうとする俺と、必死に助かろうと懇願するれいむによるイタチごっこのやり取り。 馬鹿が死に掛けながら泣き叫ぶ姿も見ていてこう…来るものがあるが、一分も眺めていれば流石に飽きる。 さっきから色々と漏らしながら喚いていたチビたちも、そろそろ大人しくなってきたことだし…… 「反省してる反省してるって…それはもう聞き飽きたんだって。 口で言うのは簡単なんだよ。たまには他の物で示してみな。 誠意が足りないぞ。誠意が、な」 「だがらせいいっでなんなのぉぉぉぉ!!?でいぶはゆるじてっていっでるのにどぼじでやべでぐれないのぉぉぉ!! なにもわがんないよぉぉぉ!!どうずればいいのがゆっぐりじないでおじえでね!おでがいじばずぅぅぅ!!」 「いやいや、教えちゃ意味ないじゃん。ナメてんの? …なんかやっぱりゲスっぽいから潰すことにしよう。じゃあ、あと十秒な。じゅー、きゅー」 「ゆぅぅぅぅ!!?まってね!まっでね!でいぶげすじゃないよぉぉぉ゛ぉ゛!! ちゃんとあやばるがらあんよざんのぢがらぬいでぇぇぇぇ!!!」 「はーち、なーな」 「あがぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!あ゛っ、げっ、ゆ゛げぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!! でいぶのあんござんがぁ!ぼうやべでぇ!!どぼじだらゆるじでぐれるのぉぉぉ!!?」 「だから誠意を見せろって言ってんじゃん。何度も言わすなよ、餡子脳。ろーく、ごー」 「でいぶぜいいっばいあやばっでるのにぃぃぃぃ!! でいぶはほがになんでもでぎないんだよぉぉ!!どうずればいいっでいうのぉぉぉ!!?」 「さあ?本当に申し訳なく思ってるんなら試しに自分で舌でも噛み切ってみたら?よーん、さーん」 「じだをがみぎっだらぼうむーじゃむーじゃでぎないでじょぉぉぉ!!? それにじんじゃうよ!でいぶぞんなごどでぎないよぉぉぉぉ!!!」 「そうだねえ。でもどうせなんにもしなくても死ぬんだから同じじゃね? まあ嫌って言うなら無理はしなくてもいいさ。このまま死ねよ。 にー、いーち」 「ゆっ、ゆっ!ゆっ!?ぼうやだ!でいぶじにだぐない!!おうぢがえりだい!! ごんな…ごんな……ぼっどゆっぐりじだがっだよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 そろそろ死んでくれよ。もういいからさ。 「ゼロ」 グシャッ 「あ…ああぁ………おかーしゃん……おかーしゃんがぁ……」 「ゆぅぅぅ!!?ちらないうちにおかーしゃんもいなくなっちぇりゅよぉぉぉぉ!! どういうこちょにゃにょ?おいじじい!ゆっくちしにゃいでれーみゅにしぇちゅめい…ち……」 「残ったお前たちも、ゲス同士の子供だからきっとゲスだよな。だったら世の中の為に制裁しないとな!」 「ゆあぁぁぁぁ…れーみゅにょ…れーみゅにょおかーしゃんまぢぇ……」 「ま…まりしゃたちはなんにもわりゅいこちょしちぇにゃいよ…? なまいきなこちょいっちゃのはあやまりゅかりゃゆっくちゆるちてにぇ……?」 「謝る?……そうか、わかった。じゃあお前たちは―――」 ――――――――――――――― 「まりちゃの…まりちゃのおぼーちしゃん……ゆっくちしたおぼーちしゃんがぁ…」 「ゆぐっ…ゆっぐ……でいびゅのじまんのおりぼんしゃんがなくなっちゃよぉ…… もうゆっくちできにゃい…どぼじぢぇ……どぼじぢぇごんにゃごぢょにぃ………」 結局いくら言っても『誠意』が見られなかったので、 命と同じくらいに大事な飾りを粉々に破った後、更にライターで火をつけてやった。 チリチリと燃えている間は絶叫を上げ、終われば燃えカスを見て泣き崩れる赤ゆっくり達の声を背にして帰り道を行く。 「あー、スッキリした!やっぱ野良ゆっくりはああでないとなあ。 どうずればいいのぉぉぉ!って、どうしようもないんだっつーの!わかれっつーの!!」 そのまましばらくした後、先ほどの遣り取りを思い出すと、 大声が出せないとわかっていながらもあまりの面白さについ腹を抱えてしまう。 そう。これまでの経緯を見れば大体の人は気づいているだろうが、 俺は間抜け相手にわざわざ諭してやる優しい男などではなく、実はただの虐待鬼意山である。 しかも、寄ってくる身の程知らずでクソ生意気な馬鹿に難癖つけて、困惑しているところを見るのが大好物。 あいつらが反省なんてしないことや、謝罪の言葉が口だけだということなどとっくの昔に承知している。 あれこれと野良相手に講釈を垂れたが、こちとら最初からあいつらに心からの謝罪なんてものは求めていないのだ。 ゆっくりに―――少なくとも野良ゆっくりにとっちゃ、そんなものは最も縁遠いものだろうから。 俺があいつらに望むのは、馬鹿みたいに無い知恵絞りながら無駄な命乞いを繰り返す姿を晒すことだけだ。 あのふてぶてしいクソ饅頭に謝る気が無いなら、それなりの楽しみ方を見つけたって罰は当たらないはずだと思う。 そして存分に楽しんだ後は、なんらかの害になりそうなでかい奴らはキッチリ殺しておくし、 無力なチビは殺して楽になんかしてやらずに、もっと惨めな姿にして放り出す。正に虐待鬼意山の鑑ではないかと思う。 ……後片付けはしないし、人としてはダメだって? まあ細かいことは気にすんなって!! まあ、虐待中はテンションが上がりすぎて少しおかしくなる事もあるが、それはご愛嬌だろう。 「おいくそにんげん!!れいむたちはおなかがすいてるよ!!ここをとおりたかったらあまあまよこしてね!!」 「たくしゃんよこちぇ!はやくちろ!!ぐじゅはきりゃいだよ!!」 「ゆっくちしちぇないにんげんはれーみゅたちにみちゅぐのがとうじぇんなんだよ!りきゃいできりゅ?」 しばらく歩いていると、また何も知らない馬鹿がのこのことやってきた。 薄汚れた醜いれいむ種が三匹。親らしき奴が一匹と小さいのが二匹という、よくある構成だ。 「れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!ひとりではたらくれいむをもっとそんけいするべきだよ!! ゆっゆ~ん♪ちょうどいいところににんげんがやってきたよ!やっぱりれいむはてんにあいされてるね!」 いや、多分お前らが愛されてるのは疫病神だと思う。 だが丁度いい、というのには同意しておこう。少し面倒だけど、来る者は拒まずが俺のスタンスだ。 「なにだまってりゅの?もちかちてれーみゅたちのいうこちょがわかんにゃいにょ?」 「ゆぷぷっ!おばかなにんげんだにぇ!まっちゃくどーちようもないにぇ! ちかたないかりゃきゃわいいきゃわいいれーみゅのどれーにちてあげりゅよ!かんしゃちてにぇ!!」 なにせ、全くもってゆ虐心というのには底が見えない。 さっきまではあんなに満ち足りていたのに、こいつらの憎たらしい顔を見るともうこんなにもQNQNしている。 「ゆっ!それはいいかんがえだね! にんげんのどれいだなんてかわいいれいむたちにはふさわしいことこのうえないね!!」 ふと思うが、万が一。いや、億が一の偶然にでもこいつらが本当に心から謝罪することはあるのだろうか。 まあ、自分の身の程も知らず、学習もせずにこんなことを言っている輩には無理だとは思うが… (その時は焼き土下座くらいで………やっぱいいや、面倒臭いし。どうせ死ぬことには変わりないもんな。) 結局のところ、そんな事は考えるだけ無駄だろう。 少なくとも、善良な奴を標的にせずこんな奴らしか相手にしないうちは心配など必要ない。 だって、こいつらみたいにプライドだけが突出してる糞饅頭に、心から謝るなんて高度な芸当できるわけ無いからな。 本当に助かりたいなら、自尊心なんてかなぐり捨てて帽子を差し出すとか、 額が削れるくらいに地面に擦りつけるとか、足を舐めて媚びるとかぐらいできそうなもんだけどなぁ。 まあこっちとしてはイチャモンつけて殺したいだけなんだから、されても困るけど。 「やっとれいむたちがゆっくりできるゆんせいがやってきたんだよぉぉ♪ これもれいむとおちびちゃんのそこなしのびぼうのおかげだね!!……せーの!」 さて。それはともかく、そろそろあいつらの戯言に我慢の限界が来た虐待神AQN様のお告げが下りそうだ。 まあやることはいつもと変わらないんだけど―――とりあえずでかい奴から潰しとくか。 「かわいくてごめんね!!!」 「「きゃわいくっちぇごめんにぇ!!」」 そして右足を上げようとした瞬間、突如耳に入った野良たちの台詞。 ………なるほど、そういったのもあるのか。 「はい!れいむたちのとびっきりかわいいところみたんだからあまあまにばいだよ!!はや…ぐぅ゛っ!!? うぶぅぅ゛ぅ゛ぅ゛!!やべぢぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!でいぶぢゅぶでどぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「おきゃーしゃーん!!や、や、やめちぇあげちぇにぇ!!おきゃーしゃんいちゃがっちぇりゅよぉぉぉぉ!!!」 「ゆんやぁぁぁぁぁ!!れーみゅはなんにもちてないよ!だかられーみゅだけはたしゅけちぇにぇぇぇぇ!!!」 でもパターンが違ったところで結局行き着く先は同じだし……とりあえず思いっきり苦しんでいってね!!! 「かわいくてごめんね、か……わかった。お前たちが言いたいことはよく伝わったよ」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ごべんなざいぃぃぃ!!でいぶがわるがっだでず!!だがらぁ゛ぁ゛ぁ゛―――」 「で、お前たちは何をしてくれるんだい?」 ・あとがき まあ、ありがちっちゃありがちですね。 あーしんどい・・・連投とか二度とやらねえ。 では最後までお読み頂いた皆さん、ありがとうございました!
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大型・しょくぶつ系、混沌にして中立 AC:12(外皮) HP:114(12d10+48) 移動速度:20フィート 【筋】16(+3)【敏】6(-2)【耐】18(+4) 【知】8(-1)【判】13(+1)【魅】8(-1) 技能:なし 感覚:受動〈知覚〉11、暗視60フィート 言語:なし 脅威度3(700XP) 種を蒔く(再チャージ6):このじんめんじゅはボーナス・アクションとして1d4体のおむつっこりを30フィート以内の何にも占められていない場所に招来することができる。こうして招来されたおむつっこりはこのじんめんじゅから30フィート以内にいる場合、攻撃ロールに有利を得る。 擬態:このじんめんじゅは森や林、その他樹木が生えているような環境で動かないでいる場合、他のクリーチャーは難易度16の【判断力】〈知覚〉判定に成功しないと樹木と見分けをつけることができない。 やくそう(再チャージ4~6):1回のボーナス・アクションとして接触したクリーチャー1体のヒット・ポイントを(2d8+4)回復するか、このじんめんじゅと友好的な隣接しているクリーチャーが1回のアクションとして自身のヒット・ポイントを(2d8+4)回復する。 アクション 叩きつけ:近接武器攻撃+5、間合い10フィート、目標1つ。ヒット:(2d8+3)[殴打]ダメージ。
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西住まほが命を落とした。 継続高校のアキが助からなかった。 そして目の前でカルパッチョが死んだ。 助けを求めてやって来た、島田愛里寿の想像以上に、状況は大きく動いていた。 加えてその愛里寿は、河嶋桃とダージリンが、窮地に立たされているとして、この場に救援を求めに来たのだ。 これらの情報を明晰な頭脳で、一つずつ整理整頓しながら、冷泉麻子はつとめて、冷静に振る舞おうとしていた。 (単純に考えて、六人か) 一人人数が多いのは、もちろん、園みどり子の分である。 役人のもとで目覚めて数時間だというのに、総計六人もの人間が、命の危機に瀕しているか、あるいは命を喪うかしていた。 クールとクレバーがデフォルトとはいえ、さすがの麻子にも、これは堪えた。 これが幼子の目の前でなければ、後輩の目の前でなかったならば、頭を抱えたくなる心地ではあった。 啖呵を切っておきながら、実際に起きた現実はこれか。自分は果たして武部沙織に、なんと言い訳すればいいのだ。 「それで、どうしようか。これから」 問いかけるツチヤの表情には、いつもの暢気さも明るさもない。 いよいよそど子だけでない、参加者同士の殺し合いによる、死者が出てしまったという事実に、いくらか打ちのめされているのだ。 当然といえば当然だ。冷静にあろうとはしているが、そんなことできている方がおかしい。 人一人を殺害しておきながら、今や何食わぬ顔でいるミカの顔にも、正直、麻子は恐怖すら覚えていた。 打ちひしがれ涙したミッコや、それについている桂利奈や愛里寿の方が、幾分か真っ当な感性の持ち主ではあるのだろう。 「河嶋先輩を助けに行く」 それでも、状況が状況だ。 無理やりに己を律してでも、行動を起こさなければならないのだ。 胸中で一つ息をつくと、意を決して麻子は方針を口にする。 現状最も優先すべきは、傷ついた河嶋桃の保護だ。 カルパッチョと戦っていたはずのダージリンが、どうなったのかも気になるが、今は桃の方が距離が近い。 何より愛里寿の願いもあるし、同じ大洗の仲間ということもある。心理的にもそちらに動くのは、自然な帰結であると言えた。 「反対だね」 それでも、そこに異を唱えるものがいた。 他ならぬダージリンの安否を、確かめる術を奪った者――ミカだ。 「どうして!」 「アキとまほさんの命を奪った人……それはきっと彼女じゃない。何より、河嶋さんを襲った人も、まだ行方が知れていない」 珍しく声を荒らげるツチヤに、涼やかな声でミカが返す。 彼女の証言によれば、前者二人を殺した者は、非常に大胆かつ狡猾な手口で、その命を奪ってみせたのだそうだ。 対して桂利奈の話によると、カルパッチョは許しを請いながら、突然姿を現して、銃口を突きつけてきたらしい。 確かに両者の特徴は、比べてみると一致はしない。であれば残虐な殺人者は、未だどこかに影を潜めて、獲物を狙っていると見ていいだろう。 加えて、桃と愛里寿を襲ったという、サンダースのナオミの存在もある。 会敵からの戦闘を、警戒すること自体は間違いではない。 「あんたのことは聞いていたが、印象とは随分と違ったな」 だとしても、それを理由に諦めて、引き下がっていい局面ではないはずだ。 麻子はミカの反論にも臆さず、鋭い言葉で押し返す。 「と、言うと?」 「戦車道の教えについて、しつこく話してるような奴なら、こういう状況を素直に、受け入れるとは思ってなかった」 戦車道には人生にとって、大切なものが詰まっている。 ミッコはそのことをミカの口から、いやというほど聞かされてきたそうだ。 であるからには、道理に合わない、この殺し合いに対しても、拒否反応を示すのだろう。 人の命を無碍に奪う、文科省と戦うために、きっと力になってくれるはずだ。彼女は、そうミカに期待していたのだ。 「……誤解しないでもらいたいね。私も殺し合うこと自体を、容認しているわけじゃないんだ」 見殺しにしたくてしているわけじゃない。 殺し合いに乗ったから殺したわけじゃない。 言い訳がましいその言葉を、ミカは悪びれる様子もなく口にする。 「だけどね。そこに争いがあるのなら、私も武器を取らなくちゃならない。でなければ、少なくともミッコは、確実にアキの後を追う」 「ちょっと、ミカ!」 「重ねて言うよ。私はもう喪えないんだ。戦車道で培ったものも、使えなくちゃ何の意味もない。 大切なものを守るためなら、その力を振るう理由になる……少なくとも、私はそう信じている」 そこにあるのは酷薄さではなく、決意だ。 横合いから叫ぶミッコの言葉を、敢えて無視しながら、言い切った。 この一線だけは譲れない。薄情者と罵られてもいい。 何故なら自分は喪ったのだ。既に大切な命を一つ、守ることができず取りこぼしたのだ。 であるなら、これ以上は手離せない。たとえ救いの手を振り払ってでも、血飛沫で赤く染めてでも、必ず守り抜くしかない。 まっすぐに麻子を見据える視線は、言葉よりもなお雄弁に、胸中の決意を物語っていた。 「……二手に分かれる必要があるな」 多分、駄目だ。この手合いは折れない。問答を続ければその分だけ、時間を無駄に浪費する。 そのように判断したからこそ、麻子は珍しく先に折れた。 「私達は仲間を助けたい。あんたはミッコさんを行かせたくない。だとしたら進む方と残る方に、チームを分けるしかなくなる」 「待ってよ! 私だって一緒に……!」 「ミッコ」 声を大きく上げるミッコを、ぴしゃりとミカが制止する。 彼女の厚意はありがたいが、この場では甘えるわけにはいかない。 殺人者の存在を否定できない今、自分達だけでなく桃も、命を脅かされる可能性があるのだ。 次の行動を早めるためには、やはりミカではなく麻子の方が、意見を呑むしかないのだった。 「私とツチヤさん、島田愛里寿で、河嶋先輩を迎えに行く。ミッコさんを置いていくかわりに、阪口もここで待たせてやってほしい」 「ええっ!? 私、お留守番ですか!?」 「考えてみろ。私達割とザコだぞ。何かあった時お前までは、さすがに守り切れないだろ」 救出メンバーはツチヤを除けば、チビと子供の二人組だ。 悔しいが、戦えない桃すらも抱き込む以上、これ以上チビをパーティーに加えて、危険に晒すことはできない。 役に立てないというのは不服だったようだが、さすがにそのことは理解できたらしく、唸りながらも桂利奈は了承してくれた。 「本当にいいの?」 となると、残るはツチヤの説得だ。 隣から語りかける彼女の顔には、やはり不信の色が濃い。 たとえ危険な敵対者であっても、問答無用で人を殺した女に、後輩の命を預けていいものか。 先程の物言いも合わせて、やはりツチヤにとってミカとは、快い相手であるとは言い難いのだ。 「こいつは面識もない阪口を、見捨てずここまで連れてくれていた。そのことは信じてやろうと思う」 それでも、少なくとも今までは、彼女は桂利奈を捨てなかったのだ。 そこには様々な理由があったかもしれない。けれど彼女は、碌に顔を合わせてもいない彼女を、弾除けにも囮にするでもなく、ここまで守り通してくれた。 その一点において、殺し合いに乗ったわけではないという言葉を、麻子は信じてもいいと思った。 たとえ今は、冷酷なほどに、平静を保っていたのだとしても。 ミッコと出会ったあの瞬間に、泣きそうな笑顔を見せていたのは、紛れもない事実なのだから。 「……まぁ、釈然とはしないわけだけどさ。そういうことなら合流のために、連絡手段を考えないとね」 不承不承ながらも了承、といった様子で、頭を掻きながらツチヤが言った。 今後のプランとしては、まず河嶋桃を救出した後、安全を確保してダージリンの捜索に向かう、というつもりでいる。 そのためには一度、ミッコと合流し、桃の身柄を預けなければならないのだ。 それならそれで、合流場所を指定するためにも、連絡手段が必要というのは分かるのだが、しかしそれはミッコのスマホに、メッセージを入れれば事足りるのではないか。 「ミッコ。窮屈な思いするかもだけど、しばらくの間あんたのスマホを、手の届かない所に置かせてくれないかな」 「? 何でさ」 「信じてもらうためだよ。冷泉さんが言ったでしょ? チームメンバーの特権は、外の人らにとっちゃ脅威になるって」 言われて、ああ、と得心した。 チームを組んでいる人間は、メンバーチャットの利用など、様々な権利を得ることができる。 しかしそれは、チーム定員からあぶれた者から見れば、水面下で目に見えないコミュニケーションを行われるということに他ならない。 仲間外れの人間は、集団リンチの計画を、裏で話し合われているかもしれないという、得体の知れない恐怖に晒されることになるのだ。 そもそもそれを避けるために、同数同士のチームを作って、互いを牽制できる状況を作るのが、麻子の目的だったではないか。 「ミッコさんが良いのなら、スマホはミカさんに渡してやってくれ。信用してもらうからには、多分それが一番いい」 「なるほど、確かに道理だね」 密告を恐れているのはミカだ。チャットの利点を封じ込めるなら、そのミカが見られるようにするのがいい。 そもそもチームリーダーというのも形式的で、別段独裁者というわけでもない。 ミカに邪心があったとしても、麻子やツチヤとの関係を、勝手に解消できるわけではないのだ。 合流地点のやりとりは、ミカと直接行うのが、一番理にかなっていると言えるだろう。 故に麻子はそう提案し、ミカがこれを呑んだことで、スマホは彼女の手に預けられることになった。 「しばらく別行動だけど、青い鳥チームはまだまだ、解散したわけじゃないからね」 ぽん、とミッコの肩に手を置き、ツチヤが力強い笑顔で言った。 チームの解消を提案せず、回りくどいやり方を主張したのは、これが理由だったわけだ。 離れていても関係は切れない。この地で結ばれた絆は、消えることなく残り続ける。 アキを喪ったミッコにとって、あるいはその事実だけでも、支えになるのかもしれない。 そう思ったのだろう。なるほど大した奴じゃないかと、麻子は内心で賞賛した。 「んじゃ、行こっか。河嶋先輩との連絡は、愛里寿ちゃんにお願いするね」 「あ……うん」 これまで蚊帳の外だった愛里寿に、ツチヤが役目を割り当てる。 島田愛里寿と河嶋桃は、現状二人きりのチームメイトだ。 地図上での位置把握にしても、メッセージによる詳細な合流地点の指定についても、彼女の存在は不可欠になる。 「必ず連れて帰ってくる。あんなのでもうちの副隊長だからな」 「ま、副隊長サマだからね。しょうがないからここは一つ、媚を売りに行きますか」 そうして全ての準備を整え、桂利奈に成果を約束し、二人は救出へと赴く。 危険は多い。死ぬかもしれない。けれどもこれ以上の犠牲を、見過ごすわけにはいかないのだ。 桃の性格を考えると、素直な言葉は出てこなかったが、それでも結ばれた絆には、嘘はないことは理解していた。 故に冷泉麻子とツチヤは、たとえ嵐の渦中であっても、彼女を助け出すと誓い、足を運ぶことを決めたのだった。 「………」 余談だが、愛里寿はその二言で、自身がチームを組んだ相手の、母校での扱われ方を完全に察した。 ◆ 地図に浮かんだ赤い印が、点滅しながら遠ざかっていく。 チームを組んだ最初の時にも、この場へと向かう足取りのさなかで、何となく確認したことだ。 家屋に入って身を隠しながら、スマホの画面を眺めるミカを、ミッコはその傍らから見つめていた。 「不服というのなら、聞くだけは聞くよ」 見透かしたような口調で、ミカが言う。 恐らくはこの殲滅戦の舞台で、二人きりになってしまった、継続高校の最後の仲間だ。 小難しく理解に苦しむものであっても、それでももう一度聞けるならと、そう望んでいたはずの言葉だ。 にもかかわらず、今はどうしても彼女の言葉に、不安を覚えずにはいられない。 「何でついて行かなかったのさ。あっちの副隊長さんを助けに」 「三度も同じ話をするのは、私もさすがに避けたいんだけどね」 「ミカはそれでいいのかよ! このまま泣き寝入りしたままでさ!」 確かにミカの言葉はもっともだ。 敵がどこにいるかも分からない、危険な状況で出歩くことには、リスクがつき纏うというのは理解している。 更に要救助者を一名、向こうで拾ってくるというのなら、少しでも見つかる危険性を減らすために、少数で行動するのは道理だ。 「ミッコは仇を取りたいのかい?」 「別に殺したいわけじゃない! だけどこう……一発ブン殴ってでもやらなきゃ、ケジメってものがつかないだろ!」 けれど、そこで息を潜めているのは、あのアキを殺した女なのだ。 危ないからの一言で、何もせずやり過ごすというのは、果たして正しい判断だと言えるのか。 先程までは泣くしかなかった。覚悟していたことではあっても、事実として突きつけられた時、彼女には涙することしかできなかった。 しかし、今はそれだけじゃない。悲しみと同じだけの怒りが、一発でもかましてやりたいという想いが、ミッコの胸中では燻っている。 「あ、あの、ちょっと落ち着いて!」 「報いを受けさせなくてはならない、というのは、私も同じ気持ちだよ」 そしてそれはミカにとっても、きっと同じであるはずだ。 そうしたミッコの主張をミカは、確かに否定はしなかった。 制止した桂利奈とやらの言葉に続いて、彼女は復讐心への同意を示した。 「でもね、君のおかげで冷静になれた。今はまだその時じゃないと、そう理解することができたんだ」 言いながら、ミカはミッコへ手を伸ばす。 軽く抱き寄せるような姿勢。否、囁くような形になるのか。 後頭部を掴んでゆっくりと引き寄せ、自身の口は正面から、赤毛の下の右耳へと向かう。 「必ずその時は訪れる。だから今はその時まで、じっくりと待つことだよ、ミッコ」 今はあまりに足りないものが多い。 確実に勝利するための情報も、確実に報復を行うための武器もだ。 コッラーの奇跡をもたらした、フィンランドの白い死神も、目標をスイートスポットに捉えるまでは、極寒の地で辛抱強く待ち続けた。 継続高校の戦士が、かの国の戦いに倣うのならば、失敗が許されない今こそ、その基本に立ち返るべきだ。 そして全ての準備が整い、決定的な勝機を得たならば、その時こそあの怨敵に、相応しい報いを受けさせてやろう。 甘く、優しく響く言葉は、奥処にナイフを隠したような、冷たく鋭い誘惑であった。 (ミカ……) その時のミッコが抱いたものは、殺意でも嫌悪感でもなかった。 悲しみとも怒りとも異なる、第三の感情の名前は、敢えて呼ぶならば困惑だった。 果たして今目の前にいるミカは、本当に冷静であると言えるのか。 先程の言葉を聞いた時、彼女の胸に蘇ったのは、冷泉麻子の提案を、拒否した時のあの言葉だった。 『大切なものを守るためなら、その力を振るう理由になる……少なくとも、私はそう信じている』 あんな言い回しを、ミッコは、今までに聞いたことがなかった。 殺人を肯定したことではない。問題はその後の一言だ。 ミカの知ったかぶった言葉は、それが当然の世の摂理だと、常に断定するようなものだったはずだ。 にもかかわらず、あの時彼女は、たとえ世の道理がどうであってもと、恐らく初めて明確に、言い訳の言葉を口にしたのだ。 常に自信と確信を胸にし、我こそが正道を行く者なりと、迷いなく歩み続けてきたミカ。 その心にミッコが知る限り、初めて生まれたその揺らぎは、一体彼女の足取りを、どこへと導いてしまうのか。 恐らくこんなことは、他の誰も、もちろん傍らの桂利奈ですらも、決して気づいてはいないだろう。 その言葉の意味を知っている、ミッコただ一人を除いては。 【B-6・南・民家/一日目・昼】 【ミカ@フリー】 [状態]健康、髪と肌に軽度のやけど、復讐心と痩せ我慢、肩に刺し傷 [装備]継続高校の制服 [道具]基本支給品一式、不明支給品(ナイフ、銃器、その他アイテム)、ミッコのスマートフォン [思考・状況] 基本行動方針:継続高校の仲間と生きて帰る 1:現在地で籠城する。無理に仇を探すのではなく、向こうから尻尾を出すのを待つ。 2:アキの死を償わせる。なんとしても――――なんとしても。 3:ミッコを守るためなら、誰であろうと遠慮なく殺す 4:もう、何も喪えない。ただ一人だけ残ったミッコに、どんな顔をされたとしても 5:カンテレを没収されたことに若干の不満 [備考] ※若干スマートフォンの扱いに不慣れです ※スマートフォンに「アキに対する拷問映像」が入っています ※アキを殺した犯人(=ノンナ)は、カルパッチョではないと考えています 【☆ミッコ@青い鳥チーム】 [状態]健康、疲労(小)、復讐心とそれ以上の不安 [装備]ジャージ [道具]基本支給品一式(スマートフォンを除く)、不明支給品(ナイフ・銃)、『諜報権』 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いからの脱出を図る。殺し合いに乗る気はないが、継続の仲間を傷付ける奴は許さない 1:不本意だがミカと麻子に従い、この場で籠城する 2:ミカの本心が分からない。微かに感じられる、心の揺らぎに対する不安 3:アキの死を償わせる。ただし殺したいとは思わない。ぶん殴って謝らせることができれば、それでいい 4:どっかに乗り物ないかなぁ~ [備考] ※C-4、C-6での爆発音を聞きました ※ミカに渡したスマートフォンに、「アキに対する拷問映像」が入っています 【阪口桂利奈@フリー】 [状態]健康、髪と肌に軽度のやけど、強い不安 [装備]大洗女子学園の制服 [道具]基本支給品一式、不明支給品(ナイフ、銃器、その他アイテム) [思考・状況] 基本行動方針:みんなで学園艦に帰りたい 1:籠城して、冷泉先輩達の帰りを待つ。河嶋先輩が心配 2:ウサギさんチームや、他の大洗女子学園のチームメイトと合流したい 3:一人じゃ生き残れないことは目に見えているので、麻子達の力を借りたい 4:人殺しなんてしたくないし考えたくもない 5:殺意を持っているミカに対しての不安。本当に頭を冷やしたのかな、この人……? [備考] ※スマートフォンに「アキに対する拷問映像」が入っています ◆ 九死に一生を得た、というのが、河嶋桃の現状だった。 今回はなんとか外れてくれたが、太ももには大きな動脈がある。 仮にここを刺されていたら、失血死を待つまでもなく、即死していたことだろう。正面から股関節を狙い撃つ、というのも、妙な話ではあるのだが。 (何でだ) 島田愛里寿に運ばれてきた、ゴルフ場のクラブハウス。 そこでわずかばかりの処置を受け、身を潜めていた桃は、一人何度も問い続けていた。 ここには守るべき愛里寿もいない。優しく慰めてくれる友達もいない。 何故だ。どうして。何でこうなる。 何の罪もない自分が、どうしてこんな痛みと恐怖に、晒され続けなければならない。 抑えのなくなった孤独な心は、遂に内からの衝動に耐えかね、決壊を迎えようとしていた。 (島田流の、特殊殲滅戦) あの時ナオミから告げられた、残酷な言葉がリフレインする。 詳しく語られることはなかったが、それが真実だというのなら、この殺し合いは既に何度も、繰り返されてきたことになる。 であるならば、その数だけ、抵抗の動きも起こっていたはずだ。 にもかかわらず存続したのは、それら全ての芽を摘み取り、滞りなく進めてきた、その証明になるのではないか。 だとすれば、こんな抵抗など無意味だ。その程度の反逆行為など、鎮圧するだけのノウハウは、きっちりと蓄積されている。 たかだか学生の身の上で、その裏をかこうとすることなど、無謀でしかないということではないか。 (それこそ、島田愛里寿にしたって) 確かな証拠などどこにもない。 しかし痛みで加速する不安は、先程まで守ろうとしていた、島田愛里寿にも向けられる。 彼女は聞き覚えがないと言ったが、それが嘘である可能性は、全くのゼロというわけではないのだ。 あれが演技ではないと、そう断言できるほどには、桃は愛里寿のことを知らない。 よしんば演技でなかったとしても、もし仮に島田家の者から、直接のコンタクトがあったらどうする。 家に迎え入れてやるから、反乱分子をその手で殺せと、そうした命令があったとしたら、どうする。 絶望の中で差し伸べられた、その救いを振り切れるほど、あの島田愛里寿は強い娘か。 「っ!?」 その時だ。 懐に入れていたスマートフォンが、突如として振動を始めたのは。 マナーモードゆえに着信音は鳴らない。それは敵に聞き取られないための、せめてもの警戒心の表れだ。 それにしたってさすがに今は、妙なタイミングで刺激を受ければ、こんな風に驚いてしまう。 びくっと跳ね上がった体を抑え、恐る恐るポケットに手を入れ、支給品のスマートフォンを出す。 画面に表示されていたのは、チーム作成アプリの通知だ。 メンバーチャット機能の方に、メッセージが送られてきたらしい。 任命権を握っているのは、リーダーである桃だけだ。故にメッセージを送れる者は、島田愛里寿ただ一人しかいない。 『大丈夫?』 『地図を見てもらえば分かると思うけど、今そっちに向かってる』 『大洗の人たちを連れてきたから、もう少しだけ、我慢して』 開いたアプリに表示されたのは、三行の簡素なメッセージだ。 本当に、音も声もない、デジタルの三行の文字だけが、桃の目に映る全てだった。 「……くっそぉぉぉぉぉッ!!」 それでも彼女が、己自身を恥じるには、それだけで十分すぎるほどだった。 身を預けていたソファを叩く。泣きそうな顔で歯を食いしばる。 僅か三行のそのメッセージに、どれほどの意図が込められていたのか。 この状況を作るまでに、島田愛里寿がどれほどに、苦労と恐怖を味わったことか。 それを理解できないほど、河嶋桃は間抜けではなかった。 (馬鹿が! 馬鹿か! 私は誰を疑った! どうしてそんな真似ができた!) もう一度思い出せ、あの顔を。 お前は親から捨てられたのだと、そう突きつけられた瞬間の、島田愛里寿の顔を思い出せ。 あの絶望を見たことは、ただ一度きりだけではなかったはずだ。 全国大会準決勝の折、大洗女子学園廃校の話を、突然告げられた仲間達は、皆あんな顔をしていたはずだ。 この戦いが終わった瞬間、帰るべき場所はなくなってしまう。 絶望的な戦況に押し負け、学園で再起を図ろうにも、その学園は来年を待たずして消える。 それを知った彼女達は、皆あんな顔をしていたではないか。 あんな状況に至って、初めてその事実を告げられたから――こともあろうに自分自身が、それを告げてしまったから。 (それを疑う資格など……私にあるはずもないだろうがぁっ!) あれは河嶋桃のミスだ。彼女が犯してしまった罪だ。 廃校回避のために戦わせるなら、最初から目的を教えていればよかった。 皆を不安にさせたくないのなら、最後まで黙っているべきだった。 それでも彼女にはできなかった。半端なタイミングで全てを暴露し、いたずらにチームメイトを不安がらせた。 そんな裏切りを犯した自分が、あの時の愛里寿を疑うというのか。 あの顔を作った側の自分に、あの顔を見せた島田愛里寿の、真贋を問うなどということが、許されると思っているのか。 痴れ者め。とんだ恥知らずめ。 お前は一体どれほどの罪を、上塗りし続ければ気が済むのだ。 悔しくて、恥ずかしくて、そのために桃は、ソファに顔を押し当て泣いた。 もはや苦痛も恐怖もなく、それだけが今の河嶋桃を、突き動かす衝動になっていた。 (……それでも、あの子は戦ったんだ) それほどの絶望の中にあっても、彼女は諦めることをしなかった。 ナオミの銃口に脅されても、死に瀕し涙を流しても、決して首を縦には振らなかった。 その時の絞り出すような拒絶の言葉は、意識を失いかけた桃も、何となくだが覚えている。 いったいあの一言を口にするために、どれほどの勇気が求められたことか。 そしてあの場から脱して、己をここまで連れ出して、遂には救援まで取り付けてきた。 そこまでの偉業を、あの小さな体で、残らず実行したことが、どれほどの功績だったか分かるか。 「生きてやる……私も絶対に、生き残ってやるっ……!」 生きることを諦めない。 全てを変えられなかったとしても、誰かの助けとなるために、前に進むことだけはやめない。 愛里寿はそれを成し遂げた。桃が口にした慰めを、忠実に実行してみせたのだ。 であれば、絶望してなどいられない。諦める方向には進みたくない。 最後まで戦い抜いてやる。生きて生きて生き続けて、皆で脱出するために、抗い戦い続けてやる。 改めて、桃は決意を固めた。それが何者にも依らず、誰のことも言い訳に使わず、たった一人で握り締めた、河嶋桃の信念だった。 【B・6 ゴルフ場・クラブハウス/一日目・昼】 【☆河嶋桃@チーム・ボコられグマのボコ】 [状態]健康、疲労(小)、右の腿に刺し傷(無いよりまし程度の処置済み) [装備]大洗女子学園の制服 [道具]基本支給品一式、不明支給品(ナイフ、その他アイテム)、スポーツドリンク入りの水筒×2 [思考・状況] 基本行動方針:みんなで学園艦に帰る 1:生き残ることが最優先。たとえ殺し合いを止められなくても、その助けになれる時のために 2:愛里寿を保護し支える。ダージリンの救援を誰かに頼む。 3:共に支え合う仲間を探す。出来るなら巻き込まれていてほしくないが、いるのなら杏と合流したい 4:状況とそど子の死は堪えるが、今は立ち止まるわけにはいかない 5:プラウダ戦の時のことを、学校の皆に謝りたい [備考] ※スマートフォンに「アキに対する拷問映像」が入っています ◆ 少々の時間はかかったが、河嶋桃からのメッセージは、無事に愛里寿のもとへと届いた。 『合流地点をしていしたい。大洗のやつがいるなら、地図は頭に入っているな?』 ところどころ変換が抜けた、ひらがな混じりの文章は、何らかの余裕のなさの表れだろうか。 ひょっとしたら怪我の程度が、思ったよりも酷かったのかもしれない。 急いだ方がよさそうだ。愛里寿はすぐさま麻子に対して、届いた返信の内容を告げた。 「クラブハウスへの行き方なら、だいたい覚えてる」 一度通った道だからなと、麻子はあっさりと返した。 過去に大洗女子学園は、あのゴルフ場をも舞台として、市街地でのエキシビジョンマッチを行ったのだそうだ。 戦車長の乗る車輌ともなれば、当然味方の位置関係を把握するために、内部見取り図もチェックしている。 どちらかというと操縦士の麻子は、地図でなく視覚情報で覚えていそうだったが、それでも桃の現在地までは、問題なくたどり着けるらしい。 「よかったね、愛里寿ちゃん。うちの副隊長、多分愛里寿ちゃんには、しばらく頭上がんないと思うよ」 難しそうな顔をしながら、麻子が思案へとふけり、道のりを進み始めた裏で。 悪戯っぽい笑みを浮かべ、ツチヤが愛里寿に対して言った。 どうということのない言葉だ。それでも恐らくは初めて、この場で愛里寿にかけられた、素直な賞賛の言葉だった。 お前が頑張ったからこそ、今まさに一人の人間の命が、救われようとしているのだ。 これまで何一つ行動を起こせず、悲鳴を上げる人々の姿を、ひたすら見続けてきた愛里寿にとっては、それは何よりの励みになった。 そうなれば、後は前進あるのみだ。愛里寿は麻子とツチヤに続き、行く先のゴルフ場を目指して、再びまっすぐに歩み続ける。 「……ツチヤさん」 その道のりで、ある時不意に、麻子がツチヤに声をかけた。 文字に書き起こしてしまったならば、ただ一言で済むだけの話だ。 それでもその短い言葉は、島田愛里寿の心の中に、不思議と印象深く残った。 「私は西住さんに対して、何を言えばいいんだろうな」 答えなど、求めていなかったのかもしれない。そういう類の響きではなかった。 ただ、答えの出ない問いかけを、胸に閉じ込めたままではいられなかった。そういう印象を受けた言葉だった。 いつか再戦したいと願う、好敵手・西住みほの姉、まほ。 この場で喪われた命の中には、最終決戦を戦った、あのティーガー乗りの名前もあった。 肉親を喪ってしまったことを、もしもみほが知ったならば、どんな風に思うのか。 それは肉親に捨てられた、己にすらも推し量れないほど、重く苦しい真実だった。 しかしそれでも、麻子にとっては、そのことは何かそれ以上の、大きな意味を持つ問いであるように見えた。 行く先でも、みほの顔でもない。もっと遠くにある何かを、ぼんやりと眺めていたような彼女の目には、一体、何が映っていたのだろうか。 【B-6・南・ゴルフ場付近/一日目・昼】 【冷泉麻子@青い鳥チーム】 [状態]健康、疲労(中)、軽い恐怖 [装備]大洗女子学園の制服 [道具]基本支給品一式、不明支給品(ナイフ、銃器、その他アイテム) [思考・状況] 基本行動方針:みんなで学園艦に帰りたい 1:チームを組んで殺し合いを止めたい……けど怖い 2:沙織や仲間達を死なせたくない 3:遠回りだが、河嶋先輩を助けに行く。ダージリンのことも助けたい 4:第一回目の放送までに、一度ミッコや沙織と合流する。絶対に仲間を連れて 5:西住さんに家族の死を報告するのは、辛い [備考] ※水道が生きていることを把握しました ※C-4、C-6での爆発音を聞きました ※スマートフォンに「アキに対する拷問映像」が入っています ※アキを殺した犯人(=ノンナ)は、カルパッチョではないと考えています 【ツチヤ@青い鳥チーム】 [状態]健康、疲労(中)、軽い恐怖 [装備]ツナギ [道具]基本支給品一式 不明支給品(ナイフ・銃) 『傍受権』 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに乗るつもりはない。首輪を外して脱出をする 1:ミッコに協力する。乗りかかった車だしね~ 2:河嶋先輩を助けに行く。ダージリンのことも助けたい 3:河嶋先輩を保護した後は、ミッコ達と合流する。ミカの態度は少々気に入らないが 4:首輪を外すために自動車部と合流して知恵を絞る。船などがあればそれで脱出を試みる [備考] ※C-4、C-6での爆発音を聞きました ※スマートフォンに「アキに対する拷問映像」が入っています 【島田愛里寿@チーム・ボコられグマのボコ】 [状態]健康、疲労(中)、恐怖 [装備]私服、デリンジャー(2/2 予備弾:6発) [道具]基本支給品一式、不明支給品(ナイフ、その他アイテム)、イチゴジュースのペットボトル、スポーツドリンク入りの水筒×1 [思考・状況] 基本行動方針:死にたくない 1:殺し合いには乗りたくない。誰も殺したくない 2:桃を救助したのち、ダージリンを助けに行く。これが役目だというなら、絶対に果たしたい 3:特殊殲滅戦のことは気になるけど…… [備考] ※H ampK MP5K(0/15)は A-7水族館の三階に投げ捨ててあります。 ※スマートフォンに「アキに対する拷問映像」が入っています。 時系列順 Back [[]] Next ノブレス・オブリージュの先に 投下順 Back 搭乗人数制限有 Next ノブレス・オブリージュの先に 登場順 Back Name Next 033 搭乗人数制限有 河嶋桃 - 033 搭乗人数制限有 島田愛里寿 - 033 搭乗人数制限有 ミカ - 033 搭乗人数制限有 阪口桂利奈 - 033 搭乗人数制限有 ミッコ - 033 搭乗人数制限有 ツチヤ - 033 搭乗人数制限有 冷泉麻子 -
https://w.atwiki.jp/mavivace/pages/14.html
【メイン/サブ】 ギー太/みんなの嫁/やぁ僕だよ キムッチ/Akinen/Harunen/Sabinan おぜう/筍おいしいよ ravireo/セアルート PESSIMIST/EROTOMANIA/みんなの夫 アリス雛/豆腐職人/芥河 ヘブンズレイ/グラビレイ/レイフィリア 來案/來杏/ユイ s ふりょいと ハイアデス/ミーナリス セントリノ/ちびゆずっ子 御槻 ほっしー Hinatsu アッキーー アイソン ミクヴァ 瑠莉華/恵理華/香折 TAIMIX 星野飛鳥 留里
https://w.atwiki.jp/ichirorpg51/pages/590.html
モンスター図鑑:岸めん 基礎ステータス HP MP ATK DEF MEN AGI 弱点 耐性 経験値 賞金 ドロップアイテム (*1) 攻撃技 通常攻撃 true my heart(味方全体回復) 胴上げ(全体胴上げ付与) 出現場所 第3部:ラピュタ 解説 全体回復を使い、回復量も非常に高くて与えたダメージを見る見るうちに回復されてしまう。 回復の使用回数に制限はあるものの、中途半端な攻撃だと無に帰されてしまう上に胴上げも回避策が少ないためハメられる可能性があるので何よりめんどくさい。 実質イチローのソロパートでも戦うようになるため、異常状態で黙らせるか威力の高い技でさっさと倒すかどちらかに絞ろう。 元ネタ 現東北楽天ゴールデンイーグルスに所属する岸孝之のこと。 岸は埼玉西武ライオンズ所属時代の2008年に13勝を挙げる活躍でリーグ優勝に貢献し、日本シリーズでも先発、中継ぎで読売ジャイアンツ打線に的を絞らせない大車輪の活躍で見事に日本シリーズMVPに輝いた。 日本シリーズ第7戦終了後、監督胴上げの後に一部選手によって大活躍の岸も胴上げされることになったが、岸の体重が軽すぎるため3mほどの高さまで上げられてしまった。(*2) 2chではこの胴上げの画像がコラの素材として使われることとなった。