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伊賀の影丸 七つの影法師の一人。あやしげな火の玉を操って相手の目をくらませる。おびき出した幻也斎を、魔風と二人がかりで倒してすり替わるが、幻也斎の残した忍法血染蛛により天鬼に正体を見抜かれ、一刀のもとに斬り捨てられた。
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それではそろそろ、最後の話をするとしよう。 私自身が体験したギガントマキアだ。 もったいぶるものでもないが、折角だから聞いていってくれ。 「・・・・・・何?・・・・・・ヒレー・ダッカーが?・・・・・・そうか・・・・・・」 無灯だが薄明るい部屋に男は居た。 男はやがて、通信相手の近況報告を聞き終えて席を立つ。 それから、強く日差しの差し込む窓枠に腕を乗せた。 「・・・・・・またしても、”血染の羽毛”か・・・・・・」 男の目前には、果てなき肌色の地平、陽炎ゆらめく灼熱の砂漠が広がっていた。 ここは、広大な砂漠にただ一つ設けられた、リズ連邦軍の警備基地である。 草木の生えぬ死の土地、適したごくわずかな生命にさえ苦労を強いる過酷な極限環境において、 生体兵器であるアームヘッドもまたそれを得意とはしなかった。 猛暑と極寒の二極の中で恒温を保つことは厳しく、また変温化すればパイロットが耐えられぬ為、対処には手間がかかる。 その上、対アームヘッド兵器として一般的な水圧レーザーは、空気中の水分を利用する上、高熱の大気中では蒸発が早くなり威力が半減する。 更に、人型が最も効率が良いとされるアームヘッドは、砂の上の二足歩行では自重で沈むなどして、専用の改造か非人型に妥協するか等、これもまた手間がかかる。 ゆえに、砂漠がアームヘッドの主戦場になる事は無く、各国は砂漠運用を重視せず、万が一の保険として若干数の開発をするに留まった。 この基地もその少数の内の一つで、先の男以外には三人程度しか人員がおらず、そのメンバーも入れ替わりが早い。 男は砂漠の上に浮かぶ、何もない青空を見上げながら、電子煙草を吸った。 「獅子騎士、疾風の蒼燕、蜘蛛魔女、アームヘッド・トレーナー、リジアン・サムライ・・・・・・そしてヒレー。 名の知れた者、親交のあった者、それから私の優秀な同期たちまで、ことごとく破り、葬っていく・・・・・・セイントメシア!」 しかし男には、そうした者たちの仇を討つということとは、自分は無関係であろうと思っている節があった。 男、デザルト・サンダースの同期からは、ヒレー等数多くのエースパイロットが排出され、彼自身も優秀な能力を持っていた。 しかしそれは他の者とは異なり、悪路や岩場といった劣悪な環境、悪条件下でこそ真価を発揮するというもので、 デザルトは戦車乗り時代からの大半を、こうして砂漠で過ごし、隔離された外界に思いを馳せていたのである。 もちろん仕事がない訳ではない。戦車が主兵器の頃には砂漠での戦闘も多く、砂を利用した戦法で数多くの戦績を上げていた。 今でも敵軍のアームヘッドの出入りがあるが、そのパイロットの全てが砂漠に不慣れなため、デザルトには造作もない相手なのだ。 デザルトは、外のエースパイロットがすべて血染の羽毛に敗れでもしたら、砂漠から引っ張り出されるだろうが、それは当分無いと考えていた。 「接近する敵影なし、か」 本日の業務の大半を終えたデザルトは、砂の上に出る。 それから、敷地内の岩盤に鎮座する愛機の元に向かうのだ。 「よう、パランワルド。今日も暑いな?」 デザルトのアームヘッド・パランワルドは、砂漠戦闘用に特別な改造を施された機体である。 改造元はDH重工で不採用となった試作機の一機であるため、同型のものは存在しない。 デザルトは、アームヘッドが生物に近いと聞いた時から、こうして時折話しかけているのだが、 パランワルドには特に機械的な改造部分が多い為、彼は戦車と対して変わりない印象を持っていた。 砂嵐の度々起こるここでは、機体のメンテナンスが特に重要になっている。 今、この基地の人員もそれぞれ、砂色のサンド・ヴァントーズの整備を行っているところだ。 陽炎のゆらぐ装甲の表面に、豪快に水をぶちまける。 パランワルドはどこまでも無表情で、デザルトは水が勿体ないと思った。 こまめに掃除しているため特に問題もなく、この日この基地だけは平和のまま過ぎていった。 それから三日間、戦闘のない日々が続いたが、ある時緊急報告が入った。 存在が確認されたプラント帝国軍の輸送大部隊の航路が、おそらく砂漠の上空を通っていくというのだ。 その内訳は、輸送用アームヘッド・長月が9機、護衛と思しき神無月が1機だ。 輸送機の中にも護衛が入っていると考えて、この基地4人だけで相手をするには厳しいと思われる為、 砂漠を超えた先に迎撃部隊を用意するまで足止めしておけという通達だった。 しかしデザルトには密かだが固い自信があった。長月は非武装のアームヘッド。 収納されている飛行型アームヘッドの数は知れないが、ともかく自分より砂漠慣れしている者は居まい。 おそらくこの砂漠の中だけで全機を撃墜できる。いや、やってみせるのだ。 砂漠中に転々と設置された、広範囲レーダーが次々と輸送部隊の接近を感知する。 デザルトと砂漠基地の面々は一足早く行動を開始。待ち伏せをかけるのだ。 「行くぞ、パランワルド!」 機体に飛び込むデザルト。 全身のあらゆる隙間、エアダクトから砂を吐きこぼしながら立ち上がる機体。 胴部の油圧レーザーの砲口からも砂交じりの蒸気を吹き出し、パランワルドは巨大な大砲とロングナイフをそれぞれ握りこむ。 やがて平たい砂地に足を沈めると、踵に装備されたサンド・スクリューを始動、爪先のボードで砂を裂きながら滑り出す。 サンド・ヴァントーズ部隊もデザルト同様に砂上を滑っていき、やがて散開し持ち場に向かっていく。 この砂漠一帯にはあらかじめ、砂色にカモフラージュされたジャミング・バリケードを幾つも設置してある。 パランワルドはそれらに身を隠すようにしながら、輸送部隊と距離を詰め、やがて最も近い発射台岩盤へと身を沈める。 岩盤の穴に嵌り、寝そべったパランワルドは、右手の大砲をジャミングバリケードの間に構え、左手のナイフを地に突き立てる。 そして・・・・・・砂塵の向こうに見える輸送部隊の姿、その先頭の神無月を避け、脇の長月に照準! 轟音と共に砲撃!! それは本来、複数の戦車を一挙に撃破するための大質量砲! 大砲は砲口からだけでなく各部の廃炎口からも爆炎を噴き、その反動を抑えようとする! しかしその反動は立てたナイフが地を削り砂を巻き上げるほどに強い! 吐き出された巨大な鉛弾はまっすぐに長月へと向かっていた! 「接近物体有り!実弾の模様!」 通常、アームヘッドに対する実弾攻撃はアウェイクニング・バリアーによって無力化される。 対戦車用の実弾、その上遠距離からの砲撃などは大した被害を生まぬ! パランワルドの砲弾が長月の覚醒壁に直撃! 止まったかに見えたそれは・・・・・・次第に加速していく! 球状の弾の表面を高速回転するものが無数! 肉眼で捉えられるものではない、それは砂だ!! バリアーを削りきる弾丸!やがて爆炎が周囲の機体を照らす!! 「何だ!?」 早くも一機の長月が墜とされたことに動揺するプラント軍。 その砲弾は長月を完全に貫通して爆発したのだ。 サンド・ヴァントーズは迅速に地を滑り、墜落した長月に追撃をかけている。 その間にデザルトのパランワルドは、次なる砲台へと滑らかに移り次の長月を狙う!! 大質量砲の第二射!再びの撃墜!! 「早くしろ!!」 残った長月からはあわただしく護衛アームヘッドが出撃! 飛行能力を持った高機動型弥生が大半だ。 だがその中に一際派手な姿あり!! 他機体よりも重武装なそれは、マシンガンを乱射しながらパランワルド目がけ降下! 「ちぃっ!!」 デザルトは仕方なく砲台を跳び離れる。 「逃がしませんよ!!」 ド派手な赤緑の高機動型弥生・改は、バックパックについたコルダックブラスターを連射! 砂上を滑るパランワルドを、執拗に追尾する! デザルトは設置ジャミングバリケードで敵弾を防ぎながら、次の砲台岩盤へ向かう。 追う弥生は次に、サモラランチャーをも始動し三種類の弾丸でパランワルドを攻撃! 高速で逃げるパランワルド!攻撃を避ける間に砲台への予定コースを外れる! 「来るのか・・・・・・!」 デザルトは攻撃目標を弥生に改める。 弥生は全身の武器を一斉掃射しながらパランワルドを蜂の巣にせんと迫る。 だが敵機は突如Uターン!追い越した弥生が振り向くも、デザルトの姿無し! 砂より出ずるパランワルド、弥生の背後のジャミングバリケードに大砲を乗せる! そして発射!強化バックパックを貫通破壊し、高機動型弥生・改は弥生に退行!! 「がふっ!」 墜落した弥生はすぐさま立ち上がり長槍を振りぬく! パランワルドはジャミングバリケードの間に隠れながらそれを覗く。 対して弥生はマシンガンで牽制しながら次の接近をかける! 「ほほー、貴方が”砂塵を纏う者”なんですね、知っていますよ!」 「噂にはなってるようで結構だ」 デザルトはバリケード群の隙間から大砲を撃ち、反動で機体の軌道を変えていく。 「ほほー、それでは私”戦闘X(セントクロース)”のことは御存じですかな?」 「知らんな」 「貴様・・・・・・!貴様・・・・・・ッ!」 弥生は大砲をかわしながらパランワルドとの距離を詰める! マシンガンが、デザルトの足元で爆ぜ、砂を抉って足止め! 「知らんと?知らんとぅ!?」 「仕方ないだろう、ずっと砂漠に居たんだ。 ”血染の羽毛”レベルのパイロットでなきゃ知らんよ」 「貴様には!とっておきのプレゼントをやらねばなああ!!!」 赤緑の弥生がバリケードを蹴倒し跳躍!! 弥生の斬撃を、パランワルドのナイフが受け止める! しかし弥生は衝撃を意に介さず、連続して長槍を振るう! 若干遅れ気味にそれを弾いていくパランワルド! 「流石に速いか、新しげだものな」 「そんな旧型ッ!壊れてしまえば新機体がプレゼントされるだろうぞ!!」 「まだ必要ないけどな」 「生き延びられればなあああ!!!」 全力で槍を振り落す弥生! パランワルドはジャミングバリケードを蹴飛ばし、それを斬らせてスライド移動! 弥生の目がそれを追った時、デザルトの大砲は煙と共に巨大な薬莢を棄てていた! 至近距離で火を噴くパランワルドの大砲! 弥生の右腕ごとマシンガンを破砕! 「プレゼントにはそのコアを貰おう」 「なめるなああああ!!」 弥生の肩ブレード、更に頭部が回転してホーンを突き出し、四刀流の形になった。 更に激化した斬撃を、パランワルドは防ぎきれない! 「不味いか!?」 ホーンによる刺突を辛うじてさけるも、デザルトは幾つもの切り傷を作られた。 パランワルドは大砲を投げ置き、ナイフとマントを構える。 「子供に渡した瞬間細切れになるプレゼントの包装紙のようになれえええ!!!」 更に熾烈な弥生の連続斬撃が迫る!! それを弾くのはナイフとマント、違う!その表面を高速移動する、砂粒だ!! 奇妙な受け流しに首を傾げ憤怒する”戦闘X(セントクロース)”! 更に接近、加速、斬撃! 四つの刃が完全にパランワルドを抱え込む距離! 「近づきすぎたな、”選択・ロス”!」 「なんだ?プレゼントはなあ、貴様の死だああああああ!!!!(きまった・・・!)」 弥生の毒牙が一斉に振り落される・・・・・・!! そのまさに直前! パランワルドの頭部、ホーン後部が爆発的に火を噴き、 超加速したアームホーン刺突を繰り出す! それは打ち出されるパイルバンカーのごとく、弥生の胴体を貫徹!! パランワルドに刺さる直前で止まる、弥生の刃。 ド派手な弥生はド派手に体液を噴き出しながら、静かに後ろに倒れこんだ。 その残骸は砂風にさらされすぐさま乾燥していった。 「危なかったな・・・・・・性能の差を埋めるのは容易でないが、出来れば問題ない」 デザルトはパランワルドに言いながら、大砲を拾って長月を追う。 一方サンド・ヴァントーズも、護衛の高機動型弥生を撃退し、長月を一機沈めた所であった。 その後は神無月によって妨害され防戦を強いられていた。 パランワルドはそれを横目に、残りの六機の長月へと加速をかける。 最大速度で標的を追い越し、バリケードに囲まれた砲台用岩盤に飛び込む! そして再び大砲が業火を噴く!風穴の開いた長月が墜落!! その攻撃に気付いた神無月が、パランワルドへ向け一直線! それは飛行型アームヘッド最速! 瞬時に繰り出されたホーン攻撃を、岩の窪みに屈み間一髪で避けるデザルト! 転回した神無月は、すぐにパランワルドの真上に飛行、そのまま垂直降下で止めを狙う! 寝返りを打ったパランワルドは上空へ向け大砲を構える!降りつつアームヘッド形態に変形した神無月がホーンを振り下ろす! 砲台岩盤に突き立てられるアームホーン、その根元にある神無月の頭部はゆっくりと、胴部と分断された。 首部分がまるごと砲弾に持っていかれたのだ。 再び窮地を逃れたパランワルドが立ち上がる。 戦況を見ると、襲われている間にサンド・ヴァントーズがまた長月を落としたようだった。 敵は残り四機。その全滅はもう目前だ。 デザルトがその旨を僚機に伝えようと向き直った時である。 三機のヴァントーズが次々に首を刎ねられ、新手の機影が向かって来ていた! 「!?」 デザルトはとっさの判断でサンド・スクリューを逆回転、踵から砂へと沈む。 敵機はパランワルドの鼻先にアームホーンを掠めたあと、長月を背にするように見下ろしていた。 「”血染の羽毛”・・・・・・!」 デザルトは静かに呟いた。 セイントメシアは、太陽の前で後光の射すように威圧的に佇んでいた。 「・・・・・・まさか、本当に相まみえることになろうとは・・・・・・」 パランワルドは、その存在感に気圧されるようにして動かなかった。 「少し、遅かったな・・・・・・」 メシアの中で幸太郎が独り言ちる。 睨み合う二機を尻目に、生き残りの長月は離れ飛び去っていく。 デザルトは最早それを追うことは不可能だと感じていた。 迎撃部隊の用意も、もう大半は出来ているだろう。 だが、このセイントメシアがそちらへ向かったらどうなるか? 「デザルト・サンダースだ。輸送部隊の護衛にセイントメシアが出現した。至急迎撃部隊の再調整を」 「了解」 この敵と遭遇しては、もう後には引けない。 せめて時間稼ぎが出来るなら、そういう次元の戦いになるのだ。 デザルトはそう思って、しかしそれ程まで自信をそがれるのは如何なものかと自嘲する。 有りえないと思っていたシチュエーション、しかしそのシミュレーションを試みたことは何度もあったのである。 幾多の同僚を討ってきたこの敵の虐殺を、ここで止めることが出来るならば・・・・・・! ”血染の羽毛”はその死神の鎌を振るって、迅速にパランワルドへ駆けた。 一撃で仕留める心算なのだ、デザルトの意地が刺激される。 セイントメシアの刃の一振り! しかしそれを受け止めたのは砂粒を纏った砲弾だ! それぞれ別の強い反動に仰け反る二者。 パランワルドはスクリューで砂の壁を巻き上げながら高速で後退! セイントメシアは砂塵の中を突破する、しかしその中に撃ちこまれる大質量弾! 上昇して避けたメシアは、水圧レーザー砲で牽制しようとする。 レーザーは高速でパランワルドの足元に着弾するも、わずかに砂を弾くに留まる。 お返しとばかりに胴の三連油圧レーザーを連射するパランワルド!! 油のレーザーは大気からの摂取が出来ず弾切れがあるものの、威力を削がれることはない! メシアは数発のレーザーに抉られながらも、パランワルドに接近! その二振りの翼で叩き斬る!またしても弾かれた? パランワルドは砂を纏ったマントでアームホーンを受け流したのである! それは如何なる能力か? パランワルドの装備する静電気マントは、砂を吸い寄せてその身に纏わせることが出来る。 デザルトの異名、”砂塵を纏う者”とは主にこれが由来だ。 しかしそれだけではない。 デザルトとパランワルドの調和能力「バイ・バイ・バビロン」の内容は、 触れた物を加速させることが出来る、というものだ。 それも軽くて小さい物ほど、加速度が上昇し負担も少ない。 よってデザルトは、静電気マントの上で吸い寄せられた無数の砂を超加速して電流の流れに乗せて砂のバリアーを張ったり、 球状の砲弾の表面に吸着した超高速の砂を周回させることで、敵の装甲を貫く強力なグラインダー・ボールを生むことが出来たのだ。 「原始的なアームヘッドのようだが・・・どうなっているんだ?」 さすがの”血染の羽毛”でもこれだけで能力の全貌を知ることはできない。 「貰った!」 パランワルドはマントの裏で大砲の薬莢を射出、更に装填! 砂塵の衣を翻し、至近距離で砲撃!! 「ちぃっ!」 セイントメシアの瞳が咄嗟に赤く光った。 調和、マタ・カノイズの能力の一つ、ハウだ。 高速で唸る弾丸はメシアの装甲を削りきることなく爆散した。 「目の色が赤・・・あれは防御能力の兆候だったな。ならば!」 デザルトは、メシアと戦うことがないと思っていながらも、自然と情報を蓄えてしまうような男なのだ。 攻撃を諦めたパランワルドは、サンド・スクリューの逆回転と調和による足元の砂の加速で、 素早く砂の中へと潜っていく。 砂中では機体を包む砂が超加速して流れを生み出し、パランワルドを運んでいく。 一方巻き上げられた砂塵を抜けたセイントメシアは、振り向いて敵が消えたのを知る。 それから幸太郎は、この相手が今回の出撃で唯一注意すべきと告げられていた”砂塵を纏う者”であろうと理解する。 「砂漠最強のアームヘッド・・・・・・どれほどのものか!」 メシアの目が氷のような輝きを放つ。カノイ・アカクの透視能力! 血染の羽毛は砂の下の敵を見透かして追い詰める! 急降下と共に目の色は深い緑へ!パワー上昇のカノイ・パカリ! 振り下ろされた鎌は砂の海を割り、そこに大砲を構えるパランワルドの姿を露出! 大砲の一射!怪力で弾き落とすメシア!だがそこへ静電気マントから放たれる無数の砂! メシアの防御調和が発動するより早く、その装甲に食い込む砂の弾丸!! 「”血染の羽毛”とはいえ複数の調和を同時に永続させることなど!」 超加速した無数の砂は、セイントメシアの全体に降りかかり、空へ押し戻すように食い込む! メシアが再びハウを発動しきって砂を弾くが、パランワルドは再び砂に潜っていた。 「繰り返してこちらを徐々に削る・・・・・・時間稼ぎか?」 幸太郎は先ほど同様、アカクで敵を透かし見る。 しかし手は出さぬ。一筋縄ではいかぬと分かれば待つこともある。 待つといえどこの暑さ・・・・・・”血染の羽毛”とて時間が経つほどに消耗する。 パランワルドは案の定、砂の中から大質量弾を砲撃! セイントメシアはそれをハウで防ぐ。 背後の地面から飛び上がる”砂塵を纏う者”!外套を掃って微細な弾丸を放つ! ”血染の羽毛”の瞳が瞬間的に複雑に光る!飛行のミル!加速のカカマ! 砂の壁を避けきったメシアの、血染めの翼が斬りかかる! 対しパランワルドが構えるは、加速砂の流れるロングナイフ! 激しくかち合うホーンとナイフ! 流れる砂はやすりのようにホーンを傷つけようとする。 もちろんホーンは切断されないが、逆にナイフが切断されないのが異常だ! 押し合いの中で退くナイフ、それはパランワルドが懐にすり抜ける為だ! 敵の後頭部が爆発!!メシアにはそう見えた。 そして、なんと! 杭打ちのごとしパランワルドの加速アームホーンは、セイントメシアの肩を貫いていた! 左翼をアームキル!! 驚く血染の羽毛もただでは下がらない。 即座に脚部のホーンで回し蹴り!砂に潜る途上の敵のバックパックを破砕! 足元の砂を加速させ一気に後退するパランワルド。 「ようやく一太刀浴びせられたってところだ・・・・・・。 だが勝つには、あと六回このまぐれを起こさねば」 それはまず常人には不可能だ。 七つのコアを持つメシアに対し、パランワルドは一撃のアームキルも耐えられない。 調和による加速飛行で追跡するセイントメシア。 それが誘いであろうとも、遠距離武器は実質使えない故、接近戦に持ち込むしかない。 長月の護衛へ引き返す選択肢もある。だが”砂塵を纏う者”はここで倒しておくべき相手だ。 前進しながら砂上、砂中へと交互に移動するパランワルド! 低空飛行で追いついたセイントメシアが一閃! しかし目前の砂中から、こちらへ向け加速したジャミング・バリケードが出現! メシアはそれを踏み台にして交わす、敵を追い越していた! 背後から大質量弾!!上昇で回避、更に砂粒の弾丸! メシアは装甲を強化、だが代わりに飛行と加速がやや弱まる、真下から蹴り飛ばされてくる加速バリケード! 飛んできた盾に跳ね飛ばされるセイントメシア! 「私が”血染の羽毛”と戦えているのは、これまで挑んできた者たちがいるからだ!見ていろ!!」 サイドワインダーのごとく砂上と砂中をくねくねと進むデザルト! 横ばい移動ですれ違うたび、大砲・砂粒弾丸・バリケード投擲のいずれかで距離を取った攻撃を仕掛ける! それゆえ、いつの間にかセイントメシアが前方で逃げる形になっている! ”血染の羽毛”の前方に巨大な砂丘!追いつめようとする”砂塵を纏う者”! その頂上に埋まるようにして突っ切る!! 砂の壁の向こうにメシアが見たのは、周囲に緑もまばらな巨大砂漠湖だ! デザルトは感づく。正面へ砲撃!更に粒子弾丸!滑らせていたバリケードもダメ押しで蹴撃射出! 砂漠湖に飛び込むセイントメシア!その瞳は湖の色に溶け込むよう。カノイ・カウカウ! 加速砂とバリケードは水面に叩きつけられ無効化!更に機体を冷却! この広大な砂漠の、唯一の水場に逃げられるというのはデザルトの盲点だった。 パランワルドは急激に進路変更し湖の沿岸を滑り走る! 並走するのは、湖面からサメの背びれのように不吉に出ているメシアのホーン! 鋭利な背びれは前進しながらも次第にデザルトへ近づいてくる! ついにセイントメシアが水中から奇襲! その左腕に持つ、幾多の戦士を葬ってきた死神の鎌で、パランワルドの息の根を!! ”砂塵を纏う者”は同時にメシアへ向き直り、背後へ跳躍! 狙いすました大口径対戦車砲の一撃!! ”血染の羽毛”の左上腕を貫通!メシアの左腕が、もがれた!! 腕が取れてもその先の鎌の斬撃の威力が失われることはない! 同時にパランワルドの大砲が両断され爆発!!最強の武器を失うデザルト! そのまま激突した二機は絡み合って砂丘に突っ込む。 血染めの翼!パランワルドの静電気マントが裂かれる! 至近距離で砂の弾丸!メシアの片目がひび割れる! アームホーンキック!油圧レーザー用タンクを盾に防ぐデザルト! 噴き出し飛び散る油!その向こうで爆炎が! 降ってくるのはロケット加速したパランワルドのアームホーン! セイントメシアの右脚をアームキル!! 同じく頭部ホーンの刺突を返す!デザルトの真横でコクピットガラスが砕けた! 何故外した?幸太郎も汗だくで憔悴しきっているのだ。 両者はもう一度アームキルを試みる!! ホーンの衝突!覚醒壁の衝突!その力場が砂嵐を生じ爆ぜる!! それぞれ灼熱の砂に突き刺さる二機。 倒れこんだデザルトが、砂塵の向こうに見たのは、静かに佇む満身創痍のセイントメシアだ。 急加速するような気配もなく、ゆっくりと歩を進めていく。 「・・・・・・もはや・・・・・・これまでか・・・・・・」 割れたガラスから入った砂がデザルトの汗を汚した。 パランワルド、お前はよくやったよ。 あのセイントメシアを二度もアームキルしたんだぞ。 砂漠の力を借りたって言っても。充分だよ。 これでお前の仲間達も報われる・・・・・・報われる?仲間達?パランワルドの? でも私の仲間は・・・・・・俺は何かを残しただろうか?何も残らなければ、報われるとは? 俺は負けただけだ、そして死ぬ。無意味に・・・・・・仲間たちのように? 残るのは結果だけなのだ。過程の努力では誰も報われない・・・・・・知らなければ、見ていなければ? 全力で挑み、果てる。その敗北は自身の名誉になるが、真に名誉あるものとは? 吹きすさぶ砂風の音がノイズとなってデザルトの意識を覆っていく。 セイントメシアが歩みを止めた。 パランワルドが膝を立てていた。 砂色のアームヘッドの瞳は静かに紅く輝いている。 そして立ち上がる。その周囲に砂の渦を巻きながら。 薄れゆく意識の中デザルトは、彼を包み響き渡る雑音が、次第に獣の唸り声に変わっていくのを覚える。 セイントメシアの目前、パランワルドはその刃から毒液のようなものを滲み出させていた。 それが超常的な現象であることが幸太郎にはよく分かる。 砂交じりの体液を流しながら、”血染の羽毛”を睨んで唸るアームヘッド。 「パランワルド・・・・・・? これが、お前だっていうのか・・・・・・?」 デザルトは、ただ感じる。意識に潜り込む異物感を。 異なる記憶が脳裏をよぎってくる。 デザルトがなったのは、蠍の化け物のような野蛮な姿をしたバイオニクル。 同じ無数のそれが砂漠で蠢いていた。 ボタ・マグナ。 グラトリアン。 ヴォロックス。 その長、カブルーア・・・・・・。 パランワルド・・・・・・? これが、お前だっていうのか・・・・・・? ”狩るのだ” 何? ”狩るのだ。トーアを。トーアを狩るのだ。 狩る。トーア。カルノダ。 カル。カルノダ――” ざらついた声が体に染み渡る。 意識が薄まる。パランワルド―カブルーアの獰猛な意識が流れ込む。 お前の声か、パランワルド。 俺はお前を戦車と同じだと思っていた。 でもお前には前世も目的もあったんだな。 だが俺は・・・・・・。 このままお前に取り込まれて、死ぬのか? 俺はお前が俺を助けるために立ち上がったのかと思った。都合のいい、人間の悪い癖だな。 だけど俺はお前を、愛機だとか、相棒だとか、そういう風に信じてたんだぜ・・・・・・? ”だからこそだ。 トーアにより奪われた我らの文明を取り戻し、共に新たな帝国を築き上げるのだ。 共にトーアを狩り、我らの栄光、未来を勝ち取るのだ、デザルト・サンダース” その名を呼ばれた時、ぞっとした衝撃が体を走る。 全身が引き寄せられていた。融合が始まったのか。 俺を生かす術がそれだけだと。そう言いたいのか? バイオニクルに生まれ変わる。蘇る。生きていく。 いいね。いや、だめだ。 それは俺じゃない。お前だ。 俺が俺として何も残さず消えるなら、せめて俺のままで・・・・・・。 唸り、毒液を撒きながら、飛びかかっていくパランワルド。 セイントメシアは静かに見上げている。 「――――――!!」 デザルトは言葉にならない叫びを上げた。 砕けたガラスの向こう、眩い光に手を伸ばして。 デザルトとパランワルドは、セイントメシアの放つ光に包まれていった――。 「・・・・・・俺は・・・・・・。 ・・・・・・生きているのか・・・・・・?」 それを口に出せたのが生きている証だ。 デザルトは砂漠にはいなかった。 病院の個室のようだった。空調が涼しい。 あれからどうやって助かったのかは、全く覚えていない。 私たちが戦ったあの砂漠には、砂の結晶で出来た闘技場の遺跡のような残骸と、 それを封じるように描かれた、カノイの地上絵だけが残されていたという。 私はあの日、二重の意味でアームヘッドの恐ろしさを知ることになった。 ”血染の羽毛”、そして自身の愛機すらも・・・・・・。 そしてただ思うのは、死ななくて良かったという事だけだ。 何も残さずに死んでしまったら、そこに、名誉の死など存在しない。 お前も、そう思っていたんだろう? パランワルド。 私の知っている、ギガントマキアの話はこれで終わりだ。 ここまで、長話に付き合ってくれて有難う。 この昔話を、どうするかは君の自由だ。 忘れるもよし、記憶の隅に留めるもよし。 だけど、他の誰かに語り継いでくれたなら、それが一番嬉しいな。 それが、私たちが燃やしてきた命を、名誉を残すことになると思うから。 名前 コメント 戻
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刈夜 ステータス コードネーム 血染朱方一庁紅 クラス ロード(64) 装備 ブリュンヒルド、破魔の盾、風のオーブ? 建国暦 伽藍堂 備考 愛称はカーリー 刈@ 貧乳を馬鹿にするなとは言ったw (08/26(Sat) 01 03) (名無しさん) 3鯖で一番完成に近い装備を持つ人。 (名無しさん) CNなんてよむのん? (名無しさん)
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南蛮幽霊 生首の進物 血染の手形 青眉の女 笛の秘密 謎の八卦見 村正騒動 卍の文身 達磨を好く遊女 耳のない浪人 身代り花嫁 毒色の唇 足のある幽霊 曲芸三人娘 京人形大尽 七化け役者 蛇使い小町 明月一夜騒動 袈裟斬り太夫 千柿の鍔 闇男 毒を抱く女 朱彫りの花嫁 死人風呂 首つり五人男 左り刺しの匕首 子持ち硯 血の降る部屋 山雀美人影絵
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性別:男 所属:プラント皇族 職業:皇帝 調和:ヴィジョンズ 登場:ディアマイロード 神聖プラント帝国初代皇帝。 『血染帝』の異称を持つ。 アイサの神託を受け、一代でアイサ大陸の統一を果たす。 彼の聞いたアイサの神託がどのような物なのかは詳しくは分かっていない。 彼の霊は、神聖プラント帝国の歴代皇帝に乗り移っていると言われている。
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配置 星羽を燃やすもの(赤き星炎の霊鳥)九尾羽の星継朱雀 炎に炙られしもの(星炎を広めしもの)ローリングホットロブスター 啄火鳥タキビツツキ 火吹き戻しカメレオン 三連海星レッドトライアングル 栗鼠毛玉ビッグレッドテイル 焼入バーナーキングホーク 血染立髪ヤンキーモンキー チャコールコーラル 燃鱗不死蝶雑感 配置 ローリングホットロブスター 三連海星レッドトライアングル 焼入バーナーキングホーク 4 5 栗鼠毛玉ビッグレッドテイル 7 チャコールコーラル 啄火鳥タキビツツキ 10 血染立髪ヤンキーモンキー 12 九尾羽の星継朱雀 火吹き戻しカメレオン 14 15 燃鱗不死蝶 ※-:出現しないマス 星羽を燃やすもの(赤き星炎の霊鳥) 九尾羽の星継朱雀 種族 精霊 属性 星 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 星+~ 斬撃 2.0 魔法ダメージ スキル 朱夏炎風ノナグラムストーム 風炎星+~ 斬撃 2.0 敵単 9回ダメージ スキル 赤帝巨星アルファルドクエイク 星+~ 斬撃 2.0 敵十 ダメージ ガード 未確認 その他 ※(妖爪)所持 炎に炙られしもの(星炎を広めしもの) ローリングホットロブスター 種族 甲殻 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 打撃 1.0 スキル 火轍デスロブスターロール 炎 打撃 1.0 敵円 ダメージ ガード サイドステップ 魔法 確率で回避 その他 ※ローラーホットシューズ(戦闘靴)所持 啄火鳥タキビツツキ 種族 鳥 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 斬撃 1.5 スキル ヒダルマツツキ 炎+~ 斬撃 1.5 敵単 5回ダメージ ガード カウンタ 直接 確率で反撃 その他 ※長物火突箸(長剣)所持 火吹き戻しカメレオン 種族 爬虫 属性 炎 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 炎+~ 突撃 1.5 魂魄還元 スキル 熱舌ファイアロール 炎+~ 突撃 1.5 敵単 ダメージ待機ゲージが上昇 ガード ディフレクト 直接 確率で回避 その他 ※火鞭の伸縮自在剣(細剣/炎/魂魄還元Lv16)所持 ※熱舌ファイアロール待機ゲージ上昇量は30~60を確認 三連海星レッドトライアングル 種族 軟体 属性 星 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 星+~ 射撃 3.5 スキル 三連赤星手裏剣 星+~ 射撃 3.5 敵縦 ダメージ ガード マイティガード 全 ダメージ軽減 その他 ※(弓)所持 栗鼠毛玉ビッグレッドテイル 種族 獣 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 爆撃 2.5 敵十 スタン追加 スキル ローストナッツハリケーン 風命+~ 爆撃 2.5 敵× ダメージ ガード ブロッキング 直接 ダメージ軽減 その他 スタン抵抗 自身 オープニング時、スタン抵抗*5を付与 ※(大砲)所持 焼入バーナーキングホーク 種族 鳥 属性 炎 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 炎+~ 神撃 2.5 スキル 放射丸焼スカイバーナー 炎+~ 神撃 2.5 敵貫 ダメージ ガード マジックカウンタ 魔法 確率で反撃 その他 ※火炎注射器ニードルバーナー(注射器/炎/炎24%)所持 血染立髪ヤンキーモンキー 種族 獣 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 神撃 2.5 呪い追加 スキル 鼻殴ブラッディリーゼント 無 神撃 2.5 敵単 ダメージ麻痺追加一定時間、待機ゲージ減少速度が減少 ガード ディフレクト 直接 確率で回避 その他 呪い抵抗 自身 オープニング時、呪い抵抗*4を付与 ※血染バタフライナイフ(メス/呪い追加Lv15)所持 チャコールコーラル 種族 植物 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 魔撃 3.0 頭痛追加 スキル 煉炭サンゴラリアット 無 魔撃 3.0 敵単 ダメージ ガード マジックバリア 魔法 ダメージ軽減 その他 頭痛抵抗 自身 オープニング時、頭痛抵抗*4を付与 ※海燃石コーラルチャコール(水晶/頭痛追加Lv15)所持 燃鱗不死蝶 種族 蟲 属性 命 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 命+~ 神撃 2.5 スキル 死出燃鱗雪 炎命闇+~ 神撃 2.5 敵× ダメージ ガード マイティガード 全 ダメージ軽減 その他 ※(メスor注射器or鈴)所持 ※共通所持品 星印焼板スクエアウォール(盾/星/スタン暗闇抵抗*4) 星焼袋クッキーメーカー(手袋/星/スタン頭痛抵抗*4) 星火鎧レッドペンタグラム(軽鎧/炎/炎星12%) 占星火術法衣(法衣/炎/炎星12%) タイプ:ダンジョン 属性:星&炎(光に弱く闇に強い)(水に弱く木に強い) マップLv:397(399~) スキップLv:不可 クリアボーナス:SB+15、182000Ash、SP+1、1以上の炎属性攻撃値を持つ対象への回避貫通/妨害浸透率が10%上昇 ボスLv:418~ ボス魂片 名称 種族 Lv 属性 ギフト 九尾羽の星継朱雀 精霊 124 無 朱夏星天 朱夏星天 武器専用 / 攻撃時、15%で以降の与ダメージが5%上昇する発動後、1ターン間、0.2ターン経過ごとに上昇効果+3%その後の1ターン間、0.2ターン経過ごとに上昇効果-4%すべての効果中は再発動なし / 終了時に全ての効果が消える 重複× 雑感 赤き九芒星の山の登山道をさまよう獣の追跡行。 追いかけた先では星の一部となる炎が燃えている。やがて炎は膨らみ「九尾羽の星継朱雀」が夜空を照らす。 朱雀を構成する炎が全て消えるとマップおよびミッションクリア。各種クリアボーナスと闇氷柱の鍾乳洞窟のマップを獲得する。 そして後日、消防団事務所『さみだれ団』で事の顛末を教わることとなる。 コメント すべてのコメントを見る
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武将名 とりいもとただ 三河武士の鑑 R鳥居元忠 徳川家臣。忠節を尽くすことで知られる三河武士の中でも随一の忠臣。関ヶ原の戦いでは家康に代わり、伏見城を預かり、宇喜多秀家らと交戦。圧倒的劣勢の中、降伏勧告も拒絶して奮戦。最期は鈴木重朝との一騎討ちで倒れる。その様は「三河武士の鑑」と称された。「拙者はなんと果報者よ…… 殿のために死ねるのだからな!」 出身地 三河国(愛知県) コスト 2.0 兵種 鉄砲隊 能力 武力7 統率5 特技 気合 計略 伏見城の血染畳 【三葵:蒼/発動時点灯】(点灯している葵紋に応じて効果が変わる)徳川家の味方の武力が上がり、鉄砲隊であれば射程距離が上がる。蒼煌:さらに武力が上がり、鉄砲隊であれば射程距離が上がる。この効果は計略使用後に蒼煌に変化した場合も発動する 必要士気5 Illustration 仙田聡 今川家時代から家康に従い続けた無二の忠臣もついに人生最後の見せ場を迎え、3枚目にして初のレア。 コストと数値はVer2.1時代から変化なしだが、特技が気合に、兵種が鉄砲に変わっている。 スペックとしては悪くはないが良好とも言い難く、全体強化持ちとしてはコスト相応といったところ。 計略の「伏見城の血染畳」は武力と鉄砲射程を上げる采配。 範囲は戦場幅6割ほどの広い正方形で、自身は中央やや手前よりに位置する。効果時間は約9c。 蒼葵状態で武力+3、射程は戦場中央から敵陣すべてを射程に収める程度。 蒼煌状態になると、さらに武力が+1され自陣から敵陣ほぼすべてを射程に収めることができる。 蒼煌に変化させるための相棒としては「蒼煌の牽制射撃」を持つC青山忠成やUC本多正純がお手軽。 射程を活かすのであればR熊姫で吹き飛ばすのも有効だが、どれも士気消費が実質7になる割にそれほど殲滅力は上がらない。 蒼葵点灯の采配として使い、追加で翠葵、紅葵計略に繋げていくのも一手。 同じような効果を持つイスパニア方陣に比べて采配であることから、戦場では扱い易くなっている。 一方で射程は蒼煌状態でやっと並ぶ程度。また、足並みが揃わなかった部隊は恩恵をうけることができないデメリットも有る。 またイスパニア方陣と異なり勢力限定の采配であることにも注意が必要。
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優れた能力を持つ者は、よく怪物などと揶揄されるが、 本当にそれ以外の部分でも怪物じみている奴が、たまにいるものだ。 そういう利用できる問題児は、大問題を起こすまで自由に振舞わせておく風潮が、 少なくともアームヘッドパイロットに対してはあった。 だから社会でやっていけないような危険人物も、 戦場では名誉の悪名を掲げて、堂々と居座る事が出来たんだな。 鈍色の曇天がどこまでも広がっている。 そんな空の下を、セイントメシアは飛行していた。 突然の任務は、窮地に陥ったある部隊からの、救援要請であった。 ここは禿げた山に囲まれた山岳地帯。 目下を果てしなく、枯れ朽ちた木々が埋め尽くしている。 こんな所で戦闘をしていたのか? 派手なセイントメシアが、色のない痩せた土地に降り立つ。 今いる開けた場所の外では、黒く歪んだ巨大な枯れ木が所狭しと並び、 頭上の高さまで、細く長い枝を複雑に絡ませあっていて、まるで化け物に囲まれているようだった。 枯れ木も山の賑わい・・・・・・でもこの不気味さ、無い方がましだ。 レーダーにはアームコア反応が一つあり、移動すれば他にも検出できそうな予感がする。 木々の間は暗く、遠くまで見通すことは出来ない。 この枯れきった森の、枝で出来た壁の間に、味方または敵のアームヘッドが隠れているのだろうか? セイントメシアはゆっくりと木々の間を進んでいく。 細く長い枝が時折行く手を阻む。 メシアはそれを気にせず折って進み、あるいは斬りとばして新たに道を作った。 別のアームコア反応。それも、進むにつれ増えていく。 しかし周囲には陰鬱な朽ちた森しか見えない。 村井幸太郎は身構えた。 しかしその時、友軍の機体反応がレーダーに出現した。 続いて、通信が届く。幸太郎はすぐに回線を開いた。 「・・・・・・・・・ザ・・・・・・・・ブ・・・・ッ・・・・・・」 セイントメシアの中で、大音量の耳障りなノイズが流れた。 驚いた幸太郎は急いで音量を下げる。 しばらく待っても一向に言葉は聞こえてこなかった。 こんな山だ、電波が悪いのか? いや、それだけではない。さっきからアームコアの反応も感度が悪すぎる。 目の前に突き当たった、枝の塊でできた壁を切り払う。 その向こうに見たのは奇妙な光景であった。 そこにはおびただしい数の枝が、蜘蛛の巣のように絡み合って空を覆っていたが、 それだけでなく、木々の間にワイヤーのようなものが複雑に張られていた。 その下には、アームヘッドの残骸、それも弥生の四肢などの他に、 ヴァントーズなどの連邦の機体の一部とおぼしきものも、散らばっていた。 まるで、アームヘッドを見境無く食べる怪物の巣のような印象だが、そんな訳はない。 枝に引っかかった無数のパーツを眺めながら、血染の羽毛は進む。 目の前の、交差したワイヤーの間で、弥生タイプの生首がこちらを見ていた。 ホーンとカメラアイが焦げており、首から下を焼ききられたようになっている。 なるほど、アームコア反応の正体はこれか。 だが、機体自体の反応もあったはずだが? その時、ノイズの音量が再び大きくなった。 幸太郎は軽く頭を抱えつつ、音量を下げようとした。 「・・・・・・・・・たす・・・・・・・・・けて・・・・・・・・・」 それは微かに聞こえた。 ノイズの中に薄っすらと、聞き間違いと思いたい・・・・・・。 だが通信の雑音の中には、等間隔で喘ぎ声のようなものが含まれていた。 どこかに助けを待つ機体がある・・・・・・。 メシアが周りを見るが、散乱した戦車の残骸しか見当たらない。 再び、枯れ枝の壁を切り崩す。 なんとその向こうには、 無数のワイヤーに絡まって動けなくなっている、 黒焦げで首無しの弥生の機体があった。 「通信していたのはお前か?」 幸太郎の問いには反応しない。 すでに息絶えている機体であったか・・・・・・。 そう思ったときだった。 「ケケケケケ」 通信から流れる不気味な笑い声! その時、四方八方の木々の間の暗がりから、銃声が鳴り響く。 黒焦げの機体とセイントメシアを囲って、 マシンガンが激しく撃ち込まれる。 血染の羽毛の強力なバリアーが、それらの実弾を全て弾いた。 「どういう訳だ?」 セイントメシアがいびつな木々を裂く。 その向こうには、多脚砲台アラクネの姿があった。 メシアは容赦なくその一機を切り裂く。 その間にも、背後からマシンガンの集中放火を受けていた。 「無駄だと分からないのか?」 幸太郎が振り向くと、次には接近戦用のアラクネが、 杭打ち機のような武器を向けて迫っていた。 メシアは撃ち出された杭をスタッフで受け止めた。 反動で退くアラクネを、血染の刃で貫いた。 だがその間、別の機体の杭が装甲に食い込んだようである。 振り向きざまにスタッフを振るう。逃げ遅れた一機を倒した。 すると木々の間から、フックのような武器がいくつも射出されてくる。 それはセイントメシアの突起に引っかかったが、大したダメージにはならなかった。 幸太郎が闇の向こうの敵を睨みつける。 アラクネ群の歩く音が寂れた森に響いて、マシンガンが黙った。 撤退か? そう思ったとき、枯れ木の間が青白く光った気がした。 実際そうだ。暗闇の中、雲もないのに地上に稲妻が走っている。 少なくともこの山は非常に乾燥して寒い。静電気のようなものか? いや、これらは、この森に張り巡らされた、ワイヤーを伝っている! メシアは気づいた。装甲に食い込んだ杭に、ワイヤーが結ばれている。 そして、先ほど放たれたフックもみな、ワイヤーの先に付けられたものだった。 しかし遅し。ワイヤーを伝った青白い光は、八方からセイントメシアに流れ込んだ。 バヂヂヂヂヂヂヂヂィッ!!!! 高圧電流がメシアの装甲の上で弾けて、激しい音と光が寂れた森を照らす。 生体であるアームヘッドは、電撃を受けて幾度も痙攣を起こした。 焼き焦がされて、異臭と黒煙に包まれるセイントメシア。 恐ろしい拷問が終わった後には、黒く煤けてぐったりとした血染の羽毛の姿。 先ほどのアラクネの群れは、念入りにも、マシンガンを撃ちながら包囲を始める。 「すっかりバリヤーが消えてるぜ」 「ちょろいもんだな!」 それは素人らしい、非常に危険な判断だった。 セイントメシアは突然、体にこびりついた焦げを掃うように、翼を大きく広げた。 そのまま全身を豪快に振り回す。 それだけで体に付いた電撃ワイヤーを斬り飛ばし、周囲のアラクネを引き裂いた。 血染の羽毛の足元に、型落ちの旧兵器の破片が散らばった。 セイントメシアは先程の電撃で、機械としてのカメラとレーダーを傷めていた。 しかし幸太郎はトーアとして肉体の感覚を強めることでそれを乗り切っていたのだ。 たとえアラクネ相手でも油断すべきではないな、幸太郎が反省会を始めたその時であった。 再び、木々の間の暗がりの中で青白い稲妻が飛び交う。 セイントメシアは、次の高圧電流を危惧し身構える。だがワイヤーに触れてなどいない。 その時、真正面の木の隙間から、二本のワイヤーが一直線に猛進してきた。 スタッフで払いのけようとするメシア。だがワイヤーはしなって刃に巻きついた。 電撃が届く前。血染の羽毛はスタッフを振り上げて、ワイヤーの先の相手を引き寄せる。 暗闇に、不気味に輝く二つの紅い眼が浮かび上がった。 現れたのは連邦の強襲用アームヘッド・バンシールだった。 バックパックにあるX字の電力装置の柱には、ワイヤーがコイルのように幾重にも巻きついていた。 また4つの柱の先端には、余ったワイヤーが鞭のように伸びており、なるほど蜘蛛のように八本足に見えた。 バンシールと相対したのは、幸太郎にとってこれが初めてだった。 バンシールはたぐりよせられながらも、電撃を流しつつその手にある銃剣を向けて突進する。 セイントメシアはスタッフを地面に突き刺した。これで電流は流れまい。 引っ張られる勢いの中、気づいたバンシールがワイヤー鞭を絡ませようと伸ばした。 急激な接近。バンシールが直前で止まる。メシアは肩の翼刀をバンシールの顔に突きつけていた。 「ケケケケケ」 バンシールのパイロットと思しき女が魔女のように笑う。 しかし声質は老婆ではなかった。 「『蜘蛛魔女』というのはお前のようだな」 幸太郎はその異名を噂に聞いたことがあった。 「ケケケ・・・・・・アンタも噂通りの、残酷な天使だねぇ。 さっきのアラクネには、通信でアンタをからかう為だけに、 捕虜も一緒に乗せてたってのに。 全く勘ぐりもせずに、情け容赦なく殺しちまうとはねぇ!」 蜘蛛魔女は高笑いしながら銃剣を向ける。 「何だと・・・・・・!」 セイントメシアは更に威圧的にホーンを近づけた。 「おっと殺るつもりなのかいいい!? アタシの隣にいるこの小娘も同じように殺すつもりかい? お仲間がみんなアンタに殺されたって悲しんでるよぉ! カワイソーにねぇぇぇぇ!!」 バンシールの背中で、再び青い火花が散った。 「何が目的だ!」 幸太郎は、人質を捕られ手を出せずにいた。 「何が目的だって?? アンタ、アタシを山賊やテロリストなんかと思ってるのかい!! アタシはねぇ、れっきとした連邦のパイロットだよ! さっきのアラクネパイロット達も、アタシが特別に調教した連邦軍人さぁ! アタシらの目的はねぇぇぇ、最初からアンタを討つことだったんだよぉぉぉ!!!!」 メシアの頭と翼のホーンに、鉤の付いたワイヤーが巻きついた。 「貴様、この蜘蛛の巣には連邦機の残骸もあったな! こんな作戦を認めるほどに、リズ連邦は屑なのか!!」 幸太郎の怒りに対し魔女は笑った。 「あれはこの巣に迷い込んじまった愚かな奴らだよ! 貴重なアムヘを無駄にしやがってさ・・・・・・。 そういう訳でアンタもここで食い散らかしてやるよぉ!!」 再び強力な電流が走った。 それはセイントメシアだけではなく、ワイヤーを伝って木々の間にも広がった。 漏れ出した稲光が、蜘蛛の巣となって暗黒の森に張られた。 電撃を受けながら幸太郎は考える。 これだけの電気をバンシール一機が取り扱うはずはない。 調和か?いや、ならばわざわざワイヤーで巣を張ったりするだろうか? そもそもこのワイヤーは、送電線に使われているものか? どこからか電気を送っているならば、中継器あるいは発電機が必ず仕込まれている! セイントメシアは焦がされながらも、頭上へ向け宙返りキックを繰り出した。 それは頭と翼に巻きついたワイヤーを切断する。 反動で倒れたバンシール、メシアはそのまま加速して離れた。 「無駄だっての!」 巣を構成するワイヤーはいつのまにか数を増していた。 駆け抜けるメシアの装甲を、電気を纏った鋭いワイヤーが触れ、溶断せんとする。 電流の中継器は遠くに隠されているのか? いや好き勝手を振舞うこの敵に、それだけの設備が提供されているとは思えない。 おそらくは山を通っていた継電装置を勝手に改造したものを隠している。 人質をとっているらしいバンシールを倒すのは後だ。 この邪悪な巣を、陰鬱な森を破壊してしまえば!! セイントメシアは翼の一振りで張られたワイヤーを切断した。 勢いのまま黒い木々の間に突っこみ、連続で蹴りを繰り出し枯れ木を砕く。 巣の支柱となる異形の森を、次々に崩していく。 「なんてことしてんのさ!!」 蜘蛛魔女の怒りのボルテージが上がり、電撃ワイヤー鞭を振り回して迫る。 だが、先ほどよりも強い電流は、この山の乾燥しきった大気と、 メシアによって砕かれて舞う木粉と接触したことで、 ついに爆発、発火を起こしたのだった。 一瞬にして、枯れた森は業火に没した! 炎の中、幸太郎はそれまで闇に紛れていた黒い箱を発見した。 セイントメシアは次々に、炎に耐え忍ぶ幾つもの電源装置を両断していく。 再び爆発が、閑散としていた山に響いた。 すさまじい炎に囲まれながら、セイントメシアとバンシールは睨みあった。 「アンタは本当に残酷だよ!! 恐ろしすぎて小娘も気を失っとるわ!!」 強力な電源を失ったバンシールが、仕方なしにレーザー攻撃を始めた。 「生きているのならそれでいい」 レーザーをかわしたメシアが接近、翼を用いてバンシールの両腕を刎ねる! 「馬鹿を言うわ!人質なんか意地でも渡さないよぉ! まあここで焼け死ぬのも御免だけどねぇぇ!!」 上に向けて急加速するバンシール。 だが頭上に張られていた、崩れたワイヤーの巣が逃亡を阻害した。 動きの止まったバンシールの足を、空中でメシアが斬り飛ばした。 四肢を失った蜘蛛魔女の機体が炎の中に落ちる。 血染の羽毛は素早く降下し、コクピットを開ける為に接近した。 だが直後、バンシールの背にあった、四本のワイヤー鞭がしなり、 メシアの手足に巻きついた。 「そうはさせないよぉ・・・・・・! アンタも・・・・・・ここで焼け死んじまえ・・・・・・!!」 セイントメシアはそれを払いのけることはしなかった。 壊れかけのカメラアイが光る。 調和、マタ・カノイズの中の一つ、「ミル」だ。 血染の羽毛は、蜘蛛魔女の糸が絡んだまま、力強く浮上する。 そして頭突きでワイヤーの巣をぶち破ると、最初の着地地点まで退避した。 再び着陸するセイントメシア、吊られていたバンシールは一足早く地面に衝突した。 メシアは素早く蹴りを放ち、蜘蛛のコクピットをこじあける。 その中には確かに、気を失った女性パイロットと、恐ろしい魔女の姿があった。 「ヒヒヒ、ひ、人質は生かしといたんだからさ!今更アタシを殺さなくてもいいだろう?エェ??」 恐ろしい形相の魔女は、煤を浴びたために怪物じみて見えるだけで、実際は完全に逃げ腰であった。 「そうさせてもらおう」 幸太郎はバンシールのコクピットから捕虜を回収する。 蜘蛛魔女には妨害する気力も残されていないようだった。 捕虜を乗せたセイントメシアが離陸する。 魔女はほっと息をついた。 「・・・・・・これで済ますと思ったか!」 突然メシアがバンシールのコクピットを閉め、機体を抱え上げて飛び立つ。 それから、炎ゆらめく森の上空で投げ捨てた。 「ギエエエエェェェェェ!?」 『蜘蛛魔女』ことレイト・ジョーベンは悪魔のような断末魔を上げながら、自ら起こした山火事に飲まれていった。 でも、悪はどこまで突き詰めても悪でしかないのだから、 悪事でどれだけ名声を得たとて、いつかは報いを受ける事になるんだな。 しかしこの蜘蛛魔女、怪物じみた生命力の持ち主で、今ではテロリストの首領をやってるそうだ。 どんどん続けよう、次の話は・・・・・・。 外道幸君いいね しびれた♂ -- げいぺど (2012-11-21 23 21 45) 電気だけに痺れたとは上手いな(黙 -- こぜに (2012-11-24 16 02 49) 名前 コメント 戻
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スカイクイーン 飛行ユニット.攻撃するたびに攻撃速度が上がるようになる コスト 35 攻撃属性 刺突 防御属性 野生 アビリティ 曲芸 マナが0の状態からはじまり移動しているときにマナを得る.8マナごとに攻撃速度が3%上昇する 血染の鉤爪 攻撃するごとにマナが0.8回復する アップグレード前 ハーピー アップグレード先 データ ヘルス 1250 マナ 120 マナ自動回復 0.001 DPS 97 ダメージ 72 クールダウン 0.74s(高速) ATK/秒 1.35 射程 450 コスト(合計) 200 移動速度 300(空中) ヒットボックス 0.19 フラグ Air
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戦争という状況において、敵対する者の命など特に軽いものである。 そこにいちいち情念などをかけていたら、自らの死にも繋がるからだ。 そんな事が出来るのは、絶対に負けぬという自信と余裕と実力のある者だけである。 岩陰に二機のアームヘッドが対峙していた。 片方は帝国の文月、その鎧は黒く表面には黄金の文様が走り、高級感を醸し出している。 もう片方は連邦のヴァンデミエール、既に四肢を激しく損傷しており、地面に倒れこんでいた。 文月は両刃槍を回転させた後にヴァンデミエールの鼻先に突き付けた。 ヴァンデミエールは多少もがくものの、最早それ以上機体が動かないらしい。 あと一撃止めを刺すだけで、この小さな戦いは終わりを告げるだろう。 文月が武器を振り上げた時である。そのコクピットに通信が届いた。 モニタからは敵機の送ってきたものであると確認できる。 投降を申し出る気であろうか?仕方なく回線を開く。 「・・・・・・し、死にたくない!どうか!命だけは!・・・・・・」 案の定そうであった。 「何を今更。それを捨てる覚悟が無いのならば、どの道待つのは死だけだ・・・・・・!」 黒の文月は無情にも、槍と角で足元の敵を串刺しにした。 ヴァンデミエールの崩壊を確認した直後。 突然、文月のモニタの表示が歪みだし、次にはノイズの砂嵐が流れ、そして・・・・・・。 「!?」 帝国パイロットは我が目を疑った。 自機の腕がひとりでに動き出し、手先の両刃槍を振り回し始めたのだ。 「何だ!?止まらないっ!?」 やがて落ち着いたその矛先は、自らのコクピットに向けられていた。 プラント帝国軍のとある基地の一室に、三人の軍服の姿があった。 「キャロライン!ダーカス!俺たちの次の任務が決定したぜ!」 部屋に入ってきたばかりの若い男が言う。 「おっ!?やるじゃん!さっすがリーダーじゃん?」 呼ばれた一人の男、ダーカスが答える。 「一体どんなお仕事なの、ジン?」 続いて紅一点、キャロラインだ。 「要するにリズの重要補給基地を叩くって作戦だ! そこには何度も襲撃をかけちゃいるが、今まで行ったどの部隊も返り討ちにされたって話だぜ」 リーダー、ジンが言う。 「そんな任務を任されるってことは、オレら『カロータ隊』も名を上げたってことじゃん!? ホームランド防衛戦やゼリーフライ作戦でのオレらの活躍が、 いつのまにやらネームバリューを高めてたってやつじゃん!?」 「でもでも、そもそも捨て駒にされてるって考えられない?」 「心配ないぜ!この作戦には他の部隊も助っ人で来てくれるようだし、 更にあの”血染の羽毛”までも参加するらしいって噂だ!」 「・・・・・・じゃあむしろライバル多すぎって感じじゃん!」 「ま、どっちにしても、私たち『カロータ隊』にとっては、 ”超えるのに申し分ないハードル”なのよね!」 「その通りだぜ、キャロライン! 俺たち『カロータ隊』には根となるチームワークが、葉となるアームヘッドがある!」 「それって師匠のお言葉じゃん?」 「これは、私たちが師匠を超えていくための、大きな一歩になるわ!」 「見ててくれよ師匠!俺と『カロータ隊』の、 そして俺の新機体、武甲文月の真の力を!!」 「私の高機動型弥生もね!」 「ついでにオレのブートン・デスメタルカスタムもよろしくじゃん!?」 こうして、アームヘッド遊撃小部隊『カロータ隊』は、次なる戦いへ向け息を合わせるのであった。 所変わって、リズ連邦軍の中規模補給基地。 汚らしい廊下の端を、一人の少年がとぼとぼと歩いている。 頭を下げ、伸ばしたままの髪は目や顔を隠し、体に力は入っていなく、だらりとしている。 その上に頬はこけ、全身がやせ細り、実に不健康そうな外見で、その様はホラー映画をも思い起こさせる。 しかし彼は、迷い込んできた孤児難民などでは、決してない。 そう、パイロットなのである。 それも、この基地の数少ない番人の役に就いている。 彼が、足を引きずりながら食堂に入ると、席に座っていた屈強な体つきの男たちが睨みつけていた。 「俺たちが、今度この基地の防衛に派遣されてきたメンバーだ。宜しく」 少年は返事も返さず、ただ静かに、端の薄暗い席について通信端末をいじくった。 「・・・・・・挨拶もなしか。なるほど・・・・・・噂通りのガキだな」 「お前、今までここに派遣されてきた部隊を、みーんな盾にして皆殺しにしてきたらしいなぁ!」 「なぁー、噂の味方殺しってのはどうやってんだ?知りてーな、俺らを殺して見せてみろよ?」 男たちが口々に言うが、少年は何の反応も見せぬままだ。 「シカトこいてんじゃねーぞ!このクズ野郎!!」 一人の短気な男がいよいよ少年を蹴り飛ばした。 少年は、文字通り紙クズのように無様な態で転がっていった。 「あぁ?どうした?俺を殺してみろよ!」 喧嘩慣れしている他の男達は、出る幕もないとその様子を笑って見ているだけだった。 「・・・・・・・・・る・・・・・・・・・・ゃる・・・・・・・・・・」 少年が口を開いた。 「あん?聞こえねーよ!!?」 「・・・・・・・・・てやる・・・・・!・・・・・してやる・・・・・!!・・・・・」 低く小さく唱えられた念仏のような少年の言葉は、僅かにしか届かない。 「だから殺ってみろっつってんだよッ!!」 短気な男は少年にもう一度蹴りを入れる。 それから唾を吐き捨てた後、その得体の知れぬ底なしの怒りを床に叩きつけるように、 足音を響かせながら去っていった。 食堂が消灯された後、少年は再び、ゆっくりと廊下を歩いて行った。 少年はパイロットであるが、普通のパイロットではない。 基地に立ち入る者を壊滅させる存在として、先ほどのような人々にも名が通っている。 だからといって、異名を持つような凄腕のエースという訳でもない。 彼に対する”クソ野郎””最低の屑”などといった暴言こそが、もはや彼の異名となっていると言っても過言ではない。 しかし彼自身は、匿名のソーシャルメディアなどにおいて”トロージャン”という名を好んで名乗っている。 自室に戻った少年は、卓上通信端末を起動すると”トロージャン”としての活動に入った。 「・・・・・・ああいうバカは本当に死ななきゃ理解できないようだな・・・・・・ まぁ駒として扱うにはバカな奴の方が気楽でいいんだけどさ・・・・・・」 ”トロージャン”はぶつぶつと言いながら、慣れた手つきで裏・動画サイトを開いた。 それから携帯型記憶装置を接続して端末内にデータを移動すると、 サイトに一つの動画ファイルをアップロードした。 その動画は『発狂パイロット』シリーズと題したものの一つだ。 今回の内容は、ヴァンデミエールを倒したはずの黒い文月が、突然暴走し自殺を始めるというもの。 映像は何故か様々なアングルで撮影されており、更には暴走機パイロットの悲鳴までも録音されている。 それは通常の手段では出来ないことであったし、ヤラセや合成にしてはあまりにも生々しすぎた。 こういった動画を撮影し演出できるのも、”トロージャン”の特権なのだ。 しばらくすると彼の端末の画面に、幾つもの警告の表示や怪しげな画像が点滅を始めた。 少年は小さくため息をつくと、自身の作ったソフトウェアを立ち上げて、 それらウイルスやマルウェアの送信元を一挙に特定する。 先ほどの動画サイトや、彼の存在に反感を抱くネットワーク上の人々からの攻撃であった。 ”トロージャン”は彼らに対し、お手製の複合ウイルスをぶち込んで、停止あるいは再起不能に至らしめた。 少年はパイロットである前にハッカー、クラッカーであった。 天才とまでは行かないが、悪質であるという点では天才的なレベルに達している。 ”トロージャン”はネット上において全ての邪魔を排除する方法を知っていたし、 逆に特定の相手を永続的に苦しめ続ける方法も知っていた。 彼は動画のみるみる上がっていく再生数と支払われる広告料、溜まっていく閲覧者の個人情報、 どしどし寄せられる誹謗中傷コメントを確認すると、薄ら笑みを浮かべて端末の電源を落とした。 ある夜のことである。 リズ連邦・中規模補給基地の周辺、取り囲むようにして残っている未整備の悪地に、 プラント帝国軍アームヘッドの連合部隊が集い、敵の様子を伺っていた。 その中には、遊撃小部隊『カロータ隊』や”血染の羽毛”セイントメシアの姿もあった。 「これまた随分と手薄じゃん?」 カロータ隊の一人、ダーカスが言う。 「向こうもまだ様子を見ているのかもしれないわ、隠し玉で大物がいるのかも」 チームメイトのキャロラインが返した。 「何であれ俺たち『カロータ隊』はベストを尽くすだけさ! 各機戦闘用意!一番乗りで行くぞ!!」 リーダーのジンはそう言い、新たな愛機・武甲文月を走らせた。 カロータ隊の三機の突入を受け、補給基地から防衛アームヘッド群が展開を始める。 ブリュメールの砲火網を、三機のアームヘッドが掻い潜り距離を詰めていく。 続いて残りの帝国アームヘッドも岩陰から飛び出し、 カロータ隊に気を取られている敵機に対し追撃を始めた。 連邦の防衛アームヘッドはそれ以上数を増す事は無く、 物量の差では帝国側が勝っている状況だ。 「どうりゃぁ!!」 ブリュメールの一機が、大砲で弥生を殴りつけて地に埋めんとする。 弥生は激しい衝撃を受け、足関節がひね曲りよろめいて倒れた。 「雑魚め・・・・・・!」 ブリュメールはブレードを抜いて手早く止めを刺す。 突如そこへ通信が入る。信号は味方からのものであった。 「こりゃ・・・・・・あんガキか?」 周囲の敵機に注意を払いながら回線を開く。 「・・・・・・・・・・・・・・・」 しかし流れてくるのはノイズだけである。 「何だ?もっとデカい声で言いやがれ!こちとら忙しいんだ!!」 だが少年の声が聞こえるよりも早く、弥生の一群が襲い来たために、 ブリュメールは通信を切って迎え撃つこととなった。 ブレードを振る瞬間のことだった。 機体は途端に手を放し武器を放り投げて、動かなくなった。 「クソッ!?」 ブリュメールは六機の弥生の刃に一斉に貫かれ、装甲を破られる致命傷を負った。 「・・・・・・まさか・・・・・・ガキに、殺される!?」 満足に動くことの出来なくなった連邦機に尚も弥生の群は迫る。 丁度その時、それぞれの弥生に受信が知らされる。 それは目の前のブリュメールが出した投降申請で、弥生は刃を向けたままで攻撃を止めた。 「投降!?オレがか?」 ブリュメールのパイロットはモニタを見て愕然としていた。 彼自身は、投降する意思はなくまだ足掻いていたのである。 弥生は敵機を足元に、その武装を破壊して無力化を行っている。 しかし、その矢先である。 弥生の群れは突如として、両手とアームホーンを乱雑に振り回し、 ブリュメールの周囲を走り回りはじめたのだ。 「なんだクソ!今度は何だよ!!」 短気な連邦パイロットは、”トロージャン”に対して通信を入れるが、繋がらない。 弥生はやがて、ホーンを足元に叩きつけて敵機を少しずつ啄んでいく。 「・・・・・・おいバカ!?やめろ!・・・・・・やめさせろ!!?・・・・・・」 機体を貫く刃は次第に速度を増していく。 「・・・・・・もう・・・・・・やめてくれ・・・・・・助け・・・・・・」 情けない悲鳴を上げながらもブリュメールは、 弥生のアームホーンによってメッタ刺しにされ、原型を留めぬ程にバラバラの残骸となった。 ”トロージャン”は暗闇の中でモニタの光を浴びていた。 僚機が倒されたその頃、頬張っていたポテトチップスをコーラで飲み下した。 「悪いのは、殺せと言ったオマエだろ・・・・・・? まあでも、おかげさまで六機も引っかけることが出来ただけ、無駄死にじゃなかったね」 暴走を始めた弥生の群は、他の帝国機に対しても見境なく攻撃を仕掛けた。 その標的の中にはブートン・デスメタルカスタムの姿もあった。 「いったい何事じゃん!?」 カロータ隊の一人・ダーカスは、ブートンの持つ鎖鎌で、弥生の攻撃をいなす。 同時に後退するが更に別の弥生に切り込まれて、浅い傷を負うこととなった。 「しっかりするじゃん!?気を確かに持つじゃん!?何が起こったわけじゃん!?」 ダーカスは二機の弥生に通信を回し、パイロットの状態を確かめる。 すると返答は確かにあった。 「分からない!!ただ・・・・・・」 弥生からの声はそこで途切れた。 それと同時に、モニター上の表示がぼこぼこと激しく歪み、後にモノクロの砂嵐へと変化した。 ダーカスの目前にあったノイズは、やがて薄れ、モニタにはあるものが浮かび上がっていた。 そこに映し出されていたのは、半ば腐乱しているような馬の死骸であった。 唖然として見ていると、死骸の腹部が不可解に収縮し、中で何かが動いているのが判る。 「冗談きついじゃん・・・・・・」 ダーカスはモニタを操作しようとボタンを押すが、馬の腹が動くだけだった。 続いて機体の操縦桿を動かす。馬の腹が膨れるだけだった。 操縦不能となったブートンに対し、二機の弥生は改めて武器を振り上げる。 ダーカスはいよいよ死を覚悟して目を瞑った。 しかし外から響く激しい衝突音に、開眼せずにいられなかった。 「大丈夫か!ダーカスッ!!」 「私たちが来たからには!」 暴走弥生からブートンを救ったのは、同じくカロータ隊の武甲文月と高機動型弥生だ。 「二人ともっ・・・・・・命の恩人じゃんっ!」 「何、『カロータ隊』リーダーとして当然の事をしたまでだぜ!」 「さあダーカス、気を取り直してこの状況の原因を探るわよ!?」 チームメイトのジンとキャロラインがそれぞれ言う。 「ありがとじゃん・・・・・・。 そ、そうだ、さっき弥生に通信したら、いきなりブートンが操作効かなくなったんじゃん?」 「えっ?それって・・・・・・」 キャロラインが言いかけた時、彼女とジンのアームヘッドは、 弥生とブートンの同時攻撃に晒されていた。 「ちくしょう!ダーカスまでッ!?」 武甲文月は背後の弥生を弾き飛ばして、もう一度ブートンへ向いた。 「どうして!?『敵』はいったい何者なの?」 高機動型弥生も、暴走機体の包囲から抜けきった。 「申し訳ないじゃん・・・・・・完全に乗っ取られちゃったじゃん・・・・・・」 ブートンは依然として武器を振り回し、弥生群と互いに傷つけあいを始めた。 「キャロライン!暴走機の武装解除を行う!」 「了解!」 カロータ隊の二人は、暴走したアームヘッドを引き剥がす為に再び飛び込んだ。 武甲文月はブートンを蹴っ飛ばして群れから離し、更に接近をかけた。 すぐさま立ちあがったブートンは鎌を振り下ろし、文月の装甲を貫く。 「これ以上は無理じゃん!?・・・・・・早くオレを倒すじゃん!?」 ダーカスが促すも、ジンの機体はブートンの両腕を掴んで、力づくで攻撃を封じていた。 「何言ってんだ!俺たちはカロータ隊の仲間だ、助けるのに努力や命を惜しむかよ!」 「リーダー・・・・・・っ」 「ジン!ダーカス!大丈夫!?」 キャロラインの弥生もブートンの背後に周り、腕に手を回して動きを封じる。 「行くぞキャロライン!せーのっ!!」 二機のアームヘッドは、同時にブートンの肘先を切り取って武装解除した。 それでも残りのアームホーンや大砲が封じられたわけではない。 もがくダーカスを、ジンとキャロラインが肩を持って抑え、三人四脚の形で後退を始めた。 その直後。 ブートンの膝が力なく折れて、全く動かなくなった。 それは先ほどまで盛んに動いていただけに、麻痺でも起こしたかのような止まり方だった。 「しっかりしろ!ダーカスッ!!」 「だめ・・・・・・じゃん・・・・・・!?」 武甲文月と高機動型弥生がブートンを起こした時、 正面から突進してきた弥生がアームホーンを展開、 ブートンの大砲から胴体、背中までを貫いて爆散させた。 「ダァァーカァァースゥゥッ!!??」 「いやぁーッ!?」 ダーカスは、カロータ隊の仲間に支えられた状態で、その目の前で殺されたのだ。 ”トロージャン”はその光景を、不気味に笑いながら撮影していた。 「他人を命懸けで助けようとすんのは大したもんだよ。 でも必要なのは自分の心配だったんだよね。もう手遅れだ」 少年はそう言いながら、親指で二枚のコインを弾いた。 「きゃっ!?何!?」 親しんでいた仲間の死に、パニック寸前だったキャロラインの元に、 追い討ちをかけるように次の変化が襲った。 ダーカスと同様、彼女の機体のモニタにも、不可解な馬の死骸が表れていた。 キャロラインが自らの暴走を止めるために操作するが、その努力は実らなかった。 高機動型弥生はブースターを全開にして急加速、すれ違いざまに別の弥生の首を刎ねた。 「落ち着け!そいつらは操られてるだけだ、キャロライン!」 「違うわ!?私も乗っ取られてるの!!」 「何だと!?」 キャロラインの弥生は両手の短剣でジンの文月に斬りかかる。 武甲文月は刀でそれを弾いた後、もう一方の手で弥生の腕を捕えた。 高機動型弥生は、掴まれている文月の腕に狂ったように何度もナイフを突き立てる。 「もう・・・・・・ダメだわ!早く、私から離れて!ジン!!」 「くそッ・・・・・・!俺は・・・・・・ッ、どうすればいいッ!?」 セイントメシアが、残骸となった最後のブリュメールを蹴飛ばす。 「ここのアームヘッド・・・・・・まるで酔っ払いだ」 連邦側の防衛アームヘッドは全滅したはずだが、依然として戦火は飛び交っていた。 「やはり妙だ。帝国機までもが暴走を始めている・・・・・・!」 武甲文月と高機動型弥生の刃が激しく交わる。 それは模擬戦の時とは違う、命を奪いにかかった攻撃だ。 「ジン・・・・・・手加減はしないで、私があなたを殺してしまう前に・・・・・・」 「キャロライン!俺はお前に負けないし、お前もそんなラジコン操作なんかに負けやしねえよ!!」 「だけど・・・・・・っ」 その時、二機の頭上に月を背負った影が現れる。 ”血染の羽毛”は、体にまとわりついた弥生を翼を広げて弾き飛ばし、カロータ隊に接近をかける。 一方”トロージャン”はろくに噛んでないポテトチップスを飲み込んで喉を傷めた。 「ちっ!セイントメシアが割り込んできやがった!」 そして少年は仕方なさげに手元のスイッチを押した。 「・・・・・・うわっ!?これが、俺たちを・・・・・・」 武甲文月のモニターにも馬の死骸が表示された。 やがて画面の半分にキャロラインの様子が映り、彼女の方でもジンの姿が映しだされた。 「一体どうしたの!?次はなんなの!?」 パニック状態のキャロライン。 「わからない!俺もお前やダーカスと同じになっちまったようだ!」 ジンがコントロールパネルを殴る。 「・・・・・・応答しろカロータ隊!何が起こったか!?」 セイントメシアは二機にそう通信を送ったはずだったが、それはメシア自身のOSによって阻まれた。 モニタには幾つもの警告表示が浮かび、送信先回線から数千種ものウイルスが検出されたと告げていた。 「ウイルス・・・・・・通信によって全てのアームヘッドが感染していたのか!?」 それは恐らく真実であったが、敵味方関係なく死に至らしめる電子攻撃など正気の沙汰ではないと思えた。 武甲文月と高機動型弥生が、”血染の羽毛”に襲い掛かる。 メシアは剣と短刀を二振りの翼で受け止め弾く。 そしてスタッフで横なぎするが、二機が避けて掠めるだけに留まった。 「こうした動きをするのは、単に暴走しているわけではない、何者かが操作しているということだ」 ”トロージャン”の周囲には幾対もの操縦桿があった。 彼は今、片手につき一体の敵アームヘッドを操作している。 「セイントメシアが相手じゃあ、この二人にはもう少し粘ってもらわないと!」 少年はそう言って、足元のペダルを数回踏んだ。 ”血染の羽毛”が二機の帝国アームヘッドとのチャンバラを演じる間、 その装甲の表面では数回、鋭く短い金属音がした。 「何だ?」 危険を察したメシアが、背後に向かって回し蹴りを放つ。 足先のホーンは、飛んできた注射針のような矢を引き裂いて、その中の液体を撥ね散らしていた。 武甲文月の刀がセイントメシアのスタッフと競り合う。 そこへ襲い来る高機動型弥生のナイフは、開かれた血染めの翼によって受け止められた。 しかし次に彼を襲うのは、飛来する幾つもの注射針。 メシアは前後のアームヘッドを無理矢理弾くと、次いで針を蹴りで弾いた。 方向の変わった毒矢は、文月と弥生の肩口を射抜き、すぐさま武器を手放させた。 ”トロージャン”はコーラを吐くような勢いで笑った。 「スゴい、スゴいよ”血染の羽毛”!! 電子ウイルスも物理ウイルスも完璧にガード!! ・・・・・・流石だね。だけど負けを認めたわけじゃない。ここからが本番さ」 少年は、一瞬のみ文月と繋がれたセイントメシアの回線を突き止め、ハッキングしようと模索する。 それから興味を失ったカロータ隊の二機を思い出し、二つのサイコロを投げた。 「おっ?・・・・・・まあいっか」 ジンとキャロラインはモニター越しに見つめ合っていた。 「うう・・・・・・わたしは・・・・・・わたしたちは・・・・・・」 「泣くなよ、キャロライン。 救世主(セイントメシア)が何とかしてくれるさ・・・・・・」 次第に腹の動きが早くなる馬の死骸。 そして突然に駆け出す、武甲文月と高機動型弥生。 アームホーンを立て、”血染の羽毛”へ一直線に突撃する。 同時に彼らを囲むようにして無数の注射針が射出される。 セイントメシアは一瞬にして高く飛び上がり、それら全ての攻撃を回避した。 しかし走り続けた文月と弥生は、全身を毒矢に貫かれ、 そのフレームが、細胞が硬化して動けなくなった。 走った勢いのまま、向き合って空中で衝突する二機。 そのアームホーンは、互いに深く突き刺さっていた。 「・・・・・・き、キャロ・・・・・・ライン・・・・・・ッ・・・・・・」 「・・・い・・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 激しく動いていた馬の死骸の腹は、破裂して幾つもの血塗れの頭蓋骨をぶちまけた。 カロータ隊の二人は、目前で死に絶えていく仲間の生身の姿を、 互いに見ながら死んでいくこととなった。 「流石のセイントメシアも、お二人さんを救う方には手が回らなかったね。まあ妥当。 さあ、次は君の番だよ”血染の羽毛”?」 そして”トロージャン”は恐るべきスピードでキーボードを叩きはじめた。 セイントメシアが足元を見下ろす。 暴走していた弥生もいつの間にか相討ちとなって果てていた。 既に敵・味方共に、生存している機体反応も無くなっていた。 では、後は補給基地を潰せば終わりだろうか? それは違う。 アームヘッドを電子ウイルスで操作する者、 注射針の物理ウイルスで機能停止を狙っている者がいる。 その敵は果たして、基地内の安全地帯に潜んでいるのだろうか? そうだとしても、アームヘッドを容易に遠隔操作することが可能なのか? 調和によるものならば、なぜ自分はその被害を受けないのか? やはり操作妨害に関しては通信を介したウイルスの影響だと言いきれる。 いや問題は敵の位置だ。まずは基地に攻撃を仕掛け、その尻尾を掴むのもよいだろう。 ”血染の羽毛”は補給基地に対して急降下した。 「・・・ふひひひひ、さすが、メシア。セキュリティも他とは比べ物にならないや。 君が、基地に辿り着くのが先か。それとも僕が君の防壁を突破するか、あるいは毒矢の餌食になるのが先か・・・・・・!」 ”トロージャン”は久々の強敵に歓喜した。 セイントメシアは、地上より打ち出される無数のウイルス注射針の回避を強いられて、 基地へは容易に近づけぬ状態であった。 そんな時モニタに幾つもの警告表示が現れ、やかましく音を鳴らす。 今現在、激しいサイバー攻撃を受けているという証拠だった。 「不本意だが堅実にやるよりないな!」 メシアは毒針をかわしながらも、その射出元の方向へ向けて降下する。 降り立った先にあったのは、岩陰に隠された自動砲台だ。 血に染まった翼を軽く振るだけで切断、破壊する。 これらの砲台を一つずつ沈黙させれば、脅威が減る上に敵の本体へと巡りつける可能性もある。 問題はさっさと済ませなければセキュリティを突破される危険があることだ。 セイントメシアはウイルス針を全身の刃でひたすらに弾いていく。 そして出所である砲台を斬り、次の砲台、その次、その次の次と、的確にその数を減らしていく。 だが依然として本当の敵の姿は見えぬままだった。 ”トロージャン”はダミー砲台の反応が次々に消えていくことを受けて、 鼻血を流してモニターにかじりつきながらも笑みを浮かべたままだった。 「さすがブラッディフェザーは早いね!!でもあと少しで君も操り人形になる」 血染の羽毛が砲台を切り裂いた瞬間、同時に複数方向から毒針が発射される。 それらの殆どを迎撃するが、内の一本がセイントメシアの左眼を貫く。 天使は視界の半分を失いながらも、次々に自動砲台を破壊していく。 「あと少し・・・・・・!」 ”トロージャン”は強敵の内部への侵入を目前にして、舌なめずりをした。 セイントメシアが最後と思しき砲台を叩き潰す。 再び上昇をかけ、向かってくる毒針が無くなったことを確認した。 結局敵は基地内から電子攻撃をしていたということだ。 ”血染の羽毛”は全身の刃を展開して、全速力で補給基地に接近をかけた。 「ああ、もう壊し終わったのか、もうちょっと待っててよ」 少年は落ち着き払ってそう言った。 メシアが基地中心へ接近しレーザーを連射した時、 再びウイルス注射針がどこからか飛来し、メシアの右腕に突き刺さった。 肩から先のフレームがすぐさま麻痺し、持っていた武器が基地の屋根へと落下した。 ”血染の羽毛”は毒針の発射方向を見逃さなかった。 迅速に発射位置へと降下するが、その岩陰に自動砲台は隠されていなかった。 今までとは違っている、『敵』はこの辺りに隠れている・・・・・・? 「やばいな~!感動だよセイントメシア!ここまで来るなんて只者じゃない! でも~、ゲーム・オーバー。オマエは発狂したかのように無様に死ぬんだ!!」 ”トロージャン”の間近ではセイントメシアが辺りを見回していた。 そして少年は躊躇いなく実行キーをタイプした。 彼のモニタに、妙なマスクのような紋章が浮かび上がった。 それがカノイ・ハウだという知識は、”トロージャン”にはない。 「何?防がれた?そんなわけない!こんな所に割り込む余地があるはずがない、 なんで通らない?何を持って僕の攻撃を防ぐことが・・・・・・」 首を傾げながら実行キーを連打する”トロージャン”。 外の様子に目をやると丁度、セイントメシアが背を向けた所だった。 「ふふひ、甘いなァッ!!」 ”血染の羽毛”が振り返りざまに毒針を弾き飛ばす。 背後にあったのは単なる岩であった。針を飛ばす銃口などはない。 だが敵との距離が近いことを確認するには充分であった。 そこにあるのは岩。 だがメシアは経験上、それに敵が潜んでいる場合があることも知っている。 天使は躊躇いもなく岩に斬りかかり、その一部を砕いた。 ”トロージャン”の目の前では、セイントメシアが自分へ向かって岩を掘り進めていた。 「見つかったっ!?ウソだっ!!?冗談冗談!? ・・・・・・し、しょうがない、作業は中断だぁっ」 次にウイルス注射針が飛んできたのは、セイントメシアの後方、しかも足元だった。 やはりそこに銃口は無い。しかし一方向から一発のみ発射されていることから、 敵の本体そのものが地面という安全地帯へ逃げ、隙を見て撃ってきたと考えられた。 だが、岩から地面の中に移動することなど、可能なのだろうか? 思案する”血染の羽毛”の側面に、再び毒矢が襲い掛かる。 翼で弾いて振り向く。そこには低い岩。姿なき敵は動いている。 しかしわざわざ地中に潜むようなら、不可視化が能力の正体ではなかろう。 その時背後から迫る凶器に気付いた。 振り向いたセイントメシアの右眼は、氷のように冷たい輝きを放っていた。 その瞳は、隙間を這うゴキブリのごとく逃げまどう、真の敵の存在を見透かしていた。 透視のカノイマスク・アカクの発現である。 ”トロージャン”は地面の下を難なく歩き回っていた。 セイントメシアは続けて調和・カカマを発動、敵の頭上をぴたりと追跡する。 更にパカリによって脚力を増幅、足元を蹴り掘って標的の姿を露わにする。 「うわぁっ!?」 何にも隠れることなく姿を明らかする”トロージャン”。 しかし彼は瞬時に、岩に溶け込むようにして再び消えた。 ”血染の羽毛”は全く惑わされることなく、そこへ刃を突き立てた。 「・・・・・・・アイツ・・・・・・完全に僕を見ていた・・・完全に追っていた・・・。 ジャマーだって完璧にかけてるはずなのに・・・・・・逆探知だってありえない・・・・・・。 ハックするにももう少し時間が・・・アイツから見えるんならこっから出てもお終いだ・・・。 どうする、トロージャン?」 ”トロージャン”が早口で言っている間にも、セイントメシアは岩を削り進んでいた。 少年は人生史上最高のスピードでタイピングを行うも、 彼の攻撃の全ては画面に出る奇怪な仮面によってことごとく弾かれた。 「ハァ!ハァ!・・・・・・僕こそが、先駆者なんだ! それがなんで、こんなふうにおいつめられんだ!! ひ、ふふひひひ、そうかぁ、調和だなぁ、チートだ、卑怯な裏技つかいやがってぇ」 血塗れの翼が岩壁を大きく抉り取る。 そこには、細長い銃口と思しき筒が露出していた。 ウイルス注射針が射出されると同時、屈んだメシアが翼でライフルの先端を斬り掃う。 「ああーっ!ハァハァハァ、だめだ、もうだめだ・・・・・・ し、死ぬ!死ぬ?・・・・・・い、いやだ、イヤだぁ・・・・・・・・・」 密室の中の少年は、全方向から響き渡る凄惨な衝突音に震えていた。 ”血染の羽毛”の元に通信が入る。 「・・・こっ、殺さないでっ・・・・・・し、しぃ、死にたくないぃぃっ! ・・・・・・ど、どうかぁっ!命だけはっぁ・・・・・・!」 ”トロージャン”の声がメシアに届く事は無い。 そのメッセージもまた、自然と彼お手製のウイルスを帯びていたからである。 それが、心からのお手上げ、本気の降参であったとしても、その意思は誰にも通じることはないだろう。 セイントメシアは非情にも足を引き、最後の一撃を構える。 少年の生存本能が告げる、これを避けねば命はないと。 紅白の天使の攻撃直前、”トロージャン”の機体は、 岩の中から透過するようにして側面へと跳ね上がる。 メシアは一切のぶれなく、分かりきっていたようにそれを追って、 敵の体が半分、岩から出かかった状態のところへ、鋭い蹴りを打ち込んだ。 「あ・・・・・・あ・・・・・・!」 セイントメシアの爪先には、今まで砕いてきたウイルス注射針の毒液がたっぷりと塗られていた。 ”トロージャン”の機体は、自らの麻痺毒によって殆どの機能を停止し、 遂には『自分より質量の大きい物に透過できる』調和能力さえもその効力を失ったのだ。 ”血染の羽毛”の目前では、貧弱なアームヘッドが体の右半分を岩に埋めたまま、固まっていた。 「う、う、うあ・・・・・・」 調和の解かれた”トロージャン”は、体が霊体のように岩に透き通っていた感覚から、 徐々に通常の感覚に戻りつつあった。 つまり、半身が物理的に岩に入り込んでいる、あるいは岩が体に入り込んでいる感覚に戻るのだ。 「うううう、うがああああ!・・・いたい、いたい・・・イタ、イ・・・・・・! こ、ここ・・・・・・殺して、くれ・・・・・・ころ・・・・・・して・・・・・・」 「殺すなと言ったり、殺せと言ったり。 もう少し、ゆっくり考えて答えを決めたらどうだ? ・・・・・・そう、そこで、ゆっくりと、死んでゆくがいい・・・・・・」 セイントメシアは、岩からはみ出た敵の足やカメラ、アンテナ類を斬り潰すと、 そこへ向ける一切の意識を失くしたように、補給基地への攻撃を再開した。 少年からの通信には、皮肉にもウイルスが絡んでいなかった。 「・・・・・・・・・し・・・・・・・・・・ね・・・・・・・・・・」 ”トロージャン”は薄れゆく意識の中、複数のモニタに流れるノイズの向こう側に、あるものを見ていた。 それは、腹の中で何かが蠢いている、腐敗した馬の死骸――彼が、自身のトラウマに基づいて作った映像だ。 やがてそれが膨れ上がり、血に染まった頭蓋骨を吐いた時に、少年は息絶えた。 戦争という状況においては、追い詰められ、死んだ方がマシだと思える場合もある。 そこで死を選ぶ者が強いとか、死ねない者が弱いとか、そういう事は一概には言えぬものだ。 選択の余地を与えることが出来る、自信と余裕と実力を持った敵。 その掌の上に乗せられていることに、変わりはないからだ。 外道通り越してもうなんかすごい幸君に戦慄すら覚えた すげえ(^q^) -- げいぺど (2013-05-04 06 09 57) 名前 コメント 戻