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螺旋の覚醒具ドクリティカ・ドライバー UC 火 コスト4 サイキック・クロスギア ■このクロスギアに覚醒した時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体選んでもよい。そうした場合、そのクリーチャーにこのクロスギアをコストを支払わずクロスする。 ■これをクロスしたクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。 ■これをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、相手の「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体破壊する。 ■これをクロスしたクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、このクロスギアをコストの小さいほうに裏返す。 覚醒前:《時空の+-ドルドライバー》 作者:牛乳 フレーバーテキスト 螺子こむ螺旋は怒クリティカル! 評価 覚醒前をアンタッチャブルと一緒に出せば、そのままSAで殴ってターンの終わりにパワードに覚醒できるので、それを狙ったデッキが組めたら面白そうです。 -- 赤烏 (2011-07-25 17 07 42) 名前 コメント
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大螺旋交差演奏占い師「大鳥 香奈枝」 読み:だいらせんこうさえんそううらないし「おおとり かなえ」 カテゴリー:Chara/女性 作品:装甲悪鬼村正 属性:風 ATK:6(+1) DEF:8(-) 【登場】〔自分の【表】のキャラ1体を控え室に置く〕 [自動]このキャラが、登場かレベルアップかオートレベルアップした場合、自分のデッキの上から3枚まで見て、それらのカードを好きな順番でデッキの上に戻す。その後、デッキを切り直してもよい。その後、カード1枚を引く。 では、あなたの未来を占って差し上げます illust:Nitroplus NP-114 R SR 収録:エクストラパック 「OS:ニトロプラス2.00 「装甲悪鬼村正」」 登場、レベルアップ、オートレベルアップ時に、デッキトップの操作とドローができるキャラ。 任意でデッキを切り直すこともできるため、どうしても欲しいカードがない時は選択肢のひとつとしてあり得るか。 劔冑 贋作弓聖「ウィリアム・バロウズ」をセットすることで非常に裏になり難くなる。 しかし補正値が低いため、主にフレンドとして運用することになるだろう。 2010年1月現在、自分のデッキの切り直しが出来る数少ないカードである。
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頭 入手場所 木綿の帽子 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 魔法のカーチ 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ とんがり帽子 空中都市ビュエルバのリシルの防具ショップ トプカプー帽 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ カロ型の帽子 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 三角帽子 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 閃光魔帽 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 羽根付き帽子 交易品(水の石×5+ウール×3+なめし皮×2),王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 魔道士の帽子 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ ラミアのティアラ 交易品(氷の魔石×4+良質のウール+地竜の皮),王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 魔術師の帽子 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 黒頭巾 交易品(地竜のなめし革+火の魔石+良質のウール),王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ アストラカーン モスフォーラ山地の商人ルシオ 大地の帽子 フォーン海岸の何でも屋 ヒュプノクラウン 帝都アルケイディスのヴェント武器・防具店 金の髪飾り 港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 司祭の帽子 港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 黒の仮面 交易品(闇の魔晶石×9+高級なめし革+高級ウール),港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 白の仮面 交易品(聖の魔晶石×8+高級ウール+獣王の皮),港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 黄金のスカラー バルハイム地下道のブロッホ サークレット リドルアナ大灯台(上層/至頂の旋回廊2)のトレジャー,リドルアナ大灯台(地下層の陰裏の層)のトレジャー 体 入手場所 木綿の服 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ メディアスの服 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ シルクの服 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ キリム織の服 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 羊飼いのボレロ 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 魔法使いの服 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 詠唱のジェラーバ 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 旅人の法衣 交易品(水の石×5+ウール×3+なめし皮×2),王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 魔道士の服 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 妖術師の服 交易品(氷の魔石×4+良質のウール+地竜の皮),王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 魔術師の服 王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ 黒装束 交易品(地竜のなめし革+火の魔石+良質のウール),王都ラバナスタのバナミスの防具ショップ カーマニョール モスフォーラ山地の商人ルシオ マディーンの衣 フォーン海岸の何でも屋 碧玉のガウン 帝都アルケイディスのヴェント武器・防具店 大地の衣 港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 クリリカルガウン 港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 白のローブ 交易品(聖の魔晶石×8+高級ウール+獣王の皮),港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 黒のローブ 交易品(闇の魔晶石×9+高級なめし革+高級ウール),港町バーフォンハイムのベルニ武器・防具店 光のスティフォス バルハイム地下道のブロッホ ローブオブロード リドルアナ大灯台(地下層の陰裏の層)のトレジャー,ヘネ魔石鉱(特殊採掘坑)のトレジャー FFXII Topページへ
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トップページ 新聞論評 新聞論評2009 新聞論評 20091019 this Page {2009年10月19日 締 切 新聞論評 学籍番号 200814080 氏名 柏成昭} 1.新聞情報 見出し 「羽田ハブ化」へ急旋回 国際競争力にらむ 成田とのすみ分け転換 千葉県など猛反発 新聞名 日本経済新聞 朝刊 発行日 2009年10月14日 面数 3面 2.要約 前原誠司国土交通相は羽田空港の国際化を本格的に進め航空網の拠点である「ハブ空港」にする方針を表明した。国交省は国際線中心の成田空港に配慮しつつ羽田を国際化してきた。国交省が「成田・羽田の国際・国内の分離を取っ払う」と踏み込んだため波紋を広げている。(124文字) 3.論評 前原誠司国土交通省が羽田空港を「ハブ空港」に転換すると移行した。現在では、成田は日本の空港の中でも1番国際線の便が多く、逆に都心に近い羽田は国際線がほとんどない。そのため、地方から欧米などの海外へは羽田経由で遠回りしなければならず、ソウル経由で渡航する人が多いのが現状だ。また、成田は騒音対策という理由で、深夜は就航不可。そのため、羽田がハブ化していくと同時に滑走路も増設していき、羽田の国際線を増便していく。しかし、当然そう簡単に実現できる事ではない。千葉県知事森田健作は、「成田は闘争があって開校にこぎつけた。羽田と互いに対立しあったのですよ。」という批判や、国際線の大幅増加は国内線の減少の予測、地元自治体との調整などのハードルも多い。しかし、これらが実現すれば、東京での国際会議もとてもプラスになる事や地方から海外へ行く場合も羽田経由でそのまま海外に行く事が出来る事などのメリットがたくさんある。(402文字) 4.コメント 上の「新聞論評2009」と「新聞論評 20091013 」のリンクがおかしいですよ。 -- (やまさき) 2009-10-20 12 20 52 名前 コメント すべてのコメントを見る
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入手場所 オパールの指輪 交易品(カエルのタマゴ×2),アルケイディス旧市街の帰れない商人 ルビーの指輪 神都ブルオミシェイスの旅の行商人 トルマリンの指輪 西ダルマスカ砂漠のローエン 賢者の指輪 アルケイディス旧市街の帰れない商人 守りの指輪 キャビンチーフ七姉妹のイベント,死都ナブディスのバグナムス商人 瑠璃の指輪 西ダルマスカ砂漠のローエン バングル アーシェ初期装備,ギーザ草原のアージィ オルアケアの腕輪 トマジのイベント,ギーザ草原のアージィ パワーリスト アルケイディス旧市街の帰れない商人 アーガイルの腕輪 エルトの里のテトラン ダイヤの腕輪 東ダルマスカ砂漠のついてない商人 格闘のアンバー 交易品(くるくるドリル),レイスウォール王墓の旅の商人ダイス アームガード 東ダルマスカ砂漠のついてない商人 魔法の手袋 エルトの里のテトラン 盗賊のカフス 神都ブルオミシェイスの旅の行商人 ブレイザー 交易品(まがった杖×3+ボムの抜け殻),レイスウォール王墓の旅の商人ダイス 源氏の小手 ギルガメッシュ1回戦目から盗む ガントレット 西ダルマスカ砂漠のローエン 亀のチョーカー 交易品(狼の毛皮+幸せの四葉),空中都市ビュエルバの路上の商人 ニホパラオア 交易品(レオ×3+血染めの首飾り×2+シャレコウベ),王都ラバナスタのクランショップ 雛のティペット アルケイディス旧市街の帰れない商人 革のゴルゲット 西ダルマスカ砂漠のローエン ヒスイのカラー エルトの里のテトラン 鋼のゴルゲット 西ダルマスカ砂漠のローエン 薔薇のコサージュ 西ダルマスカ砂漠のローエン ほろろの根付 交易品(星の砂×2),アルケイディス旧市街の帰れない商人 インディゴ藍 飛空定期便(ビュエルバ~バーフォンハイム間)のショップスタッフ 金のアミュレット 交易品(裂かれた衣),エルトの里のテトラン 舫結びのガロン アルケイディス旧市街の帰れない商人 ファイアフライ 交易品(トマトのヘタ+羽虫) サッシュ レイスウォール王墓の旅の商人ダイス バブルチェーン 交易品(攻竜の殻×2+アダマンタイト×15),王都ラバナスタのクランショップ カメオのベルト アルケイディス旧市街の帰れない商人 西陣の帯 神都ブルオミシェイスの旅の商人 黒帯 エルトの里のテトラン バトルハーネス 交易品(餓狼の生血),西ダルマスカ砂漠のローエン ジャックブーツ エルトの里のテトラン エルメスの靴 交易品(アルカナ×4+ギザールの野菜×33),バルハイム地下道のブロッホ ギリーブーツ 交易品(スレイブハーネス),神都ブルオミシェイスの旅の行商人 鋼鉄の膝当て アルケイディス旧市街の帰れない商人 フェザーブーツ 交易品(欠けた剣+北極の風),アルケイディス旧市街の帰れない商人 クイスモイトの靴 交易品(ゾンビパウダー),モスフォーラ山地の商人ルシオ 人造破魔石 戦艦リヴァイアサンのイベント 猫みみフード 交易品(ヴァルゴ×4+白の香×3+アインヘリエル),王都ラバナスタのクランショップ ふわふわミトラ アルケイディス旧市街の帰れない商人 リボン リドルアナ大灯台の地下層の陰裏の層のトレジャー,リドルアナ大灯台の下層の始原の旋回廊2,4に出現するヴィシュヌがドロップ 女神の魔石 ラバナスタ王宮のイベント 暁の断片 レイスウォール王墓のイベント FFXII Topページへ
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第25話「螺旋の腕《ベディヴィアズ・ランス》」 第一三学区の戦場から少し離れた大通り、そこに停車する軍隊蟻のCIC(戦闘指揮所)である装甲車“コウチュウ”。軍隊蟻が保有する8つの有人兵器の一つだ。 内部のCICにリーリヤの死亡の一報は伝えられていた。しかし、それで喜ぶ者はいない。心の中で戦いが終わったことを安堵する者はいるが、素直に喜ぶことは出来なかった。 仲間が一人死んだ。 その事実はどんな勝利を手にしても拭うことは出来ない。CICは文字通り、お通夜状態だった。 『持蒲だ。聞こえるか?樫閑』 樫閑はインカムから持蒲からの通信に答える。 「聞こえるわよ」 『今すぐ、第七学区の例の病院に戦闘員を派遣して欲しい。あっちで我々にとって都合の悪い騒動が起きているようだ。すぐにでも部隊を編成して向かわせて対処しろ』 第七学区の例の病院。冥土返しがいる病院のことだ。何かと荒事や裏、闇に通じる人間ならば第七学区の病院と言うだけで、大抵の場合はあの病院を指す。 「とりあえず、情報をこっちに送って。そうしないと部隊を編成できないわ」 『分かった。早急に頼む。こっちの残りは我々で処理する。ポイントC11に輸送ヘリを1機寄越す。それを使え』 「分かったわ」 2人のやり取りが終わった途端、病院での騒動に関するデータが送られてきた。 病院とその周囲の監視カメラ。そしてテキストが得た情報の一部が開示されている。 樫閑がその情報に目を通す。常人を遥かに超えた速度で情報を処理し、瞬時に最適な部隊を脳内で構成する。 (これは…随分と複雑でややこしい状況ね) 咏寧が樫閑の方に振り向いた。 「姐御。あの病院って確か今は…」 「分かってるわ。まさか、日を跨がない内にこうなるとは思わなかったわ」 樫閑は席から立ち上がった。 「コウチュウ・樫閑より総員へ通達。今、私達は第七学区へ向かい、新たに出現した第三勢力との交戦に入る。2班、3班、4班はポイントC11にてヘリと合流。すぐに用意して。あと“ボンベ”も忘れないでね。それ以外の部隊は待機を継続」 『2班、了解』 『3班、了解ッス』 『4班。了解だ』 各班からの応答を確認し、樫閑は腰を降ろした。 「まったく次から次へと…本当に嫌になるわ」 勝利条件も敗北条件も曖昧な戦争、どこまで勢力が大きく、事件が広がっているのか分からない。そんな気の休めない戦いに身を投じてしまったことを少しだけ後悔した。 * * * * * 人間の気配が無い。車一台通らない。ただ街灯だけが虚しく照らされる夜の大通り。周囲を高層ビルで囲まれた四車線の広々とした空間の真ん中で尼乃昂焚とマティルダ=エアルドレッドは対峙していた。 騎士の決闘のように互いの得物の切先を向ける。 「悪いが、こっちはお前が期待する様な戦いをするつもりは無い。3秒で終わらせる」 昂焚は都牟刈大刀の切先をマチに向ける。 七支刀、または樹形図のような形をした異形の刀。マチは以前の戦いで彼の霊装を見ている。しかし、今回は微妙に形が違う。以前は普通の棒だった都牟刈大刀のグリップが変わっている。その形状はただの棒から細身のライフルのような形に変わっていた。剣の持ち方ができる剣のグリップとしての機能を残しつつもそれに付け加えるように銃把(グリップ)と弾装(マガジン)のようなものが取り付けられ、更にグリップと刀身の間の鍔の部分にも何かしらの機械が付けられていた。 明らかに科学の産物で改造された霊装、偶像崇拝の理論だけじゃない。魔術師の価値観すらも冒涜したそれにマチは警戒した。 加えて、150cm近くある鋼鉄の大刀を軽々と片手で持ち上げる腕力、これも何かしらのカラクリが存在するのかもしれない。 「じゃあ、こっちも同じだね。私こそ『3秒で終わらせてやる』」 マチは螺旋の腕の長槍形態、その槍の先端を昂焚に向けた。 身の丈を悠に超える9つの孔を持つ巨大なランスを中心とし、その周りに鎖で繋がれた多関節の小さな槍が都牟刈大刀の枝のように自由に動き回る。 互いに切先を向けたまま微動だにしない。呼吸を整え、タイミングを計る。 何かしらの改造が施された都牟刈大刀、初めて見た螺旋の腕の長槍形態、相手がどんな手で戦うか分からない状況で先手には出られない。 下準備が重要となる魔術師の戦いにおいても先手必勝の道理は存在する。自分はさっさと準備を終え、まだ相手が準備を終えていない段階で攻撃すれば、それは確実な有効打となる。しかし、今は互いに霊装を準備した状態で切先を向け合っている。全力の矛先を向け合う状態で先手を撃つことは、自らの手の内を先に晒すことに等しい。 例え、その先手が瞬殺の早業だとしても先に出したその一瞬で的確な判断を下し、対策を練られる可能性がある。 三度の飯より戦いが好きなマチには“勘”と“経験”がある。幾多もの戦場を渡り歩き、一瞬の判断が生死を分ける命の駆け引きを繰り返してきた。思考する間もない極限の戦いの中で彼女を生かしてきた“勘”、その勘による判断の繰り返しによって積み重ねられた“経験(データ)”がある。 一方の昂焚にも経験はある。自分で『荒事は苦手』『武闘派じゃなくてデスクワーク派』などと言っているが、トラブルに首を突っ込む性分とトラブルに巻き込まれ易い運勢を持つ彼の“戦闘経験”は武闘派魔術師並みに多く、その中で生き残る為の経験を積んできた。 そしてもう一つ、彼には“知識”がある。あらゆる宗教、文化圏のカバーする彼の膨大な魔術の知識は相手が手の内を読むのに役立つ。相手が魔法陣や霊装を晒しているのであれば、尚更だ。今こうして膠着状態になっている間でも彼は螺旋の腕・長槍形態からその霊装が出来るであろう魔術を逆算し、対策を練っている。 「ところで…」 沈黙を破り、昂焚が口を開いた。 マチは警戒し、更に身構える。何かの準備のための時間稼ぎかもしれない。もしくは、天草式のように呪文や詠唱を他愛の無い話に“偽装”したものかもしれない。 「お前は、どうして戦っているんだ?」 「どうして?って…私はただ単に戦いたいだけだよ」 「それだけか…。とんだ戦闘狂を相手にしてしまったものだ」 「自覚はしてるよ。私は狂ってる。でもこの“狂い”を止める術を私は知らない」 「自分が戦う理由に何の疑問も持たないのか?」 「お兄ちゃんは私のこと全然理解してないね。正しいとか正しくないとか、そんな事はどうでも良いんだ。そういうの、よく分かんないし。あたしにとって大事なのは、楽しい戦いが出来るか出来ないか。ただそれだけだよ」 「なるほど…単純だな。だが、時にその単純さが羨ましくもある」 昂焚が呟いた途端、都牟刈大刀が展開し、グリップに繋がれた8匹の刃の触手が現れた。触手は一度花弁の様に展開すると、2本が地面に突き刺さり、残りの6本が回転して螺旋状に絡み合うことで筒のような形になろうとする。 マチは即座に螺旋の腕の鎖に繋がれた8本の子槍を昂焚に向けて射出する。子槍は都牟刈大刀の蛇と絡まることで無理やり動きを抑えた。 咄嗟の判断だ。相手が何をしようとしているのかわ分からない。しかし、今相手がしようとしていることを阻止しなければ、次の一手を打たれてしまう。 昂焚の意思通りに筒型になろうとする都牟刈大刀とそれを阻止する螺旋の腕の子槍。両者の力比べが始まった。金属と金属がぶつかり合い、都牟刈大刀の触手と螺旋の腕の子槍を繋ぐ鎖がガチガチと音を鳴らし、軋む音が聞こえる。 都牟刈大刀は既に刀身の半分ほど筒が出来上がっていたが、マチの表情には余裕があった。昂焚は8本ある刀身のうち2本を地面に突き刺している。そのため、8本ある子槍がまだ2本残っていた。それに本命の母槍も健在だ。周囲の対気を母槍に集め、凝縮させることで風の槍を作り上げていた。 「もう3秒経ったけど、私の勝ちみたいだね」 「それは…どうかな」 昂焚は不敵な笑みを浮かべていた。だが、マチはそれに臆することはなかった。イギリスでの戦いから昂焚の戦いにはフェイクも含まれていることを学習しているからだ。 イギリスで戦った時、彼女は彼を仕留める絶好のチャンスを逃した。それは彼の掌に描かれたデタラメな魔術記号に警戒してしまい、一瞬の隙を作ってしまったからだ。 (これもフェイク…、いや、違う。今回はハッタリじゃない) 彼女の勘だ。だが、この勘を信じて悪いことになったことはない。 「ところで、お嬢さん」 都牟刈大刀と螺旋の腕が拮抗する中で昂焚はほくそ笑んだ。都牟刈大刀の握り方を変える。剣の持ち方から銃の持ち方へ…。 そして、都牟刈大刀はバチバチと電撃を各部から漏らしながら、青白く発光した。 ――――――――レールガンって知ってるか?」 ズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!! 突然の砲声と衝撃波。地面が抉れ、砕かれた瓦礫が砂塵となって大通りを舞い、埋め尽くしていく。ガラス張りのビルは衝撃波が伝播したせいで2ブロック先のビルまでガラスが割られる。 レールガン 物体をローレンツ力で加速して撃ち出す兵器だ。電源とレールの2つの単純な構造でありながら、その威力は既存の火薬を用いた銃や砲を凌駕する。膨大な電力という問題点で学園都市の外ではコストパフォーマンスの面もあって実用化の目処が立っていない。 昂焚は都牟刈大刀、その伝承の元となった剣を内包していた水神であり雷神でもある八岐大蛇の伝承を利用して剣から膨大な電力を発生させ、触手を伸ばすことでレールを作った。今回は2本のレールの周囲に弾丸をライフリングするために残りの触手を螺旋状に巻いたため、構造としてはレールガンとコイルガンの混合に近い。 弾丸は特注でヴィルジールに用意させたレールガン用の耐摩擦弾頭と摩擦熱で表面が溶解して内部から無数の散弾が現れるキャニスター弾も用意している。 舞い上がる砂塵、その中心部から昂焚とマチがそれぞれ真逆の方向に吹き飛ばされる。 昂焚は螺旋状に巻いていた都牟刈大刀を展開させ、ビルの壁面や地面に突き刺すことで減速するが、電信柱に激突して背中を強打する。背負っていた棺桶トランクは堅過ぎてクッションにならない。 (まさか、風の槍で相殺してくるとはな。3秒宣言が恥ずかしい結果になってしまった) 昂焚派背負っていたトランクを降ろし、蓋を開けた。 (やはり“一本だけ”で立ち向かうのは飽く無き死闘を望む彼女には失礼だったかもな) トランクの中から現れたもう一本の都牟刈大刀。昂焚が使っていたものと同様に銃把が追加された改造モデルだ。刀身の方にも僅かながらの差異がある。 都牟刈大刀は本来、二つ同時に作られるはずだった霊装である。しかし、それを作る礼装職人、そして依頼者の予算の都合により、頭のみが作られた。 都牟刈大刀は形質・性質が剣としての伝承ではなく、その剣を宿していた八岐大蛇に近付くように設計されている。八岐大蛇の特徴である“八つの頭と八つの尾”。これらを再現する為、都牟刈大刀は2つあるのだ。 それが「都牟刈大刀・頭」「都牟刈大刀・尾」である。 昂焚が今まで使っていた“頭”を右手に、トランクから出した“尾”を左手に持った。 2本の都牟刈大刀が展開し、触手のようにうねりながら樹形図のように広く展開する。触手は横一列に並んだ。16本もの刃の触手が一列に並ぶ姿は壮観だ。二本一組のレールが8本並んだ。構造としても純粋なレールガンだ。 ズガガガガガガガガァァァァァァァァァァン!!! 8本のレールから同時に射出されるレールガン。射出される弾丸とそれが生み出すソニックムーブ。弾丸そのものに当たらなくてもそこから発生するソニックムーブはその圧力で人間を圧殺し、その身体を吹き飛ばす。1個の弾丸でありながら完全なる面制圧兵器なのだ。それを8発も同時に撃たれれば、逃げる場所などない。ビルや道路が文字通り、蜂の巣にされていく。 レールガンが舞い上がる砂塵を吹き飛ばし、視界がクリアになった。 「!?」 マチの姿がない。てっきり風の槍で相殺して持ち堪えていると思っていた。レールガンで身体がバラバラになったとも考えられない。 (どこに…?) 昂焚が辺り一面に目を通す。 ガッ!! ―――――――突如、マチが昂焚の左側のビルから現れた。螺旋の腕で操った風に身を乗せ、母槍と子槍を前面に突き出して昂焚に突撃する。 マチは昂焚の真逆の方向に飛ばされた後、すぐにビルの中に飛び込んだ。そして、螺旋の腕の母槍に風の槍を集め、そこからビルの内部を一気にぶち抜いて昂焚のすぐ左側まで接近したのだ。 ガィィィィィン!! 咄嗟に防御態勢に入った都牟刈大刀と螺旋の腕の母槍がぶつかり合う。都牟刈大刀がソードブレイカーのように母槍を受け止め、8本の刃の触手が九孔を埋めるように母槍にに巻き付いた。しかし、勢いに乗った全力攻撃と咄嗟の防御、力の差は歴然であり、マチの螺旋の腕が都牟刈大刀を押していた。ズルズルと押され、反対側のビルの壁面まで到達する。そして、母槍の切先が徐々に昂焚の胴体へと近付いて行く。 (このままだと力負けする…!) 昂焚はもう一本の都牟刈大刀の切先をマチに向ける。中央の2本はレールガンの状態に、残りの6本を左右3本ずつに展開させ、左右から挟撃する。 それに気付いたマチは螺旋の腕から都牟刈大刀と同様に6本の鎖に繋がれた子槍を出し、自身を挟撃する触手を迎撃し、さっきと同じように絡みつくことで抑えつける。 レールガンの状態にしていた二本の触手が青白く光り始める。レールガンの発射態勢だ。 (ヤバッ!) マチは咄嗟に余った2本の子槍をレールガンに突き刺した。一本は鍔にある機械に、もう一本はマガジンに突き刺したことで、弾丸の装填をギリギリ回避した。 「にへへ…。万策尽きたようだね。それにしても驚いたよ。レールガンだっけ?あんなに綺麗だった街が一瞬で爆撃跡地だよ」 「お褒めに与り光栄だな。ところで、これからどうするんだ?このまま体力か魔力が尽きるまで力比べでもするか?」 昂焚の問いかけにマチは少し笑った。 「まさか。そんなことはしないよ。それに ――――私はまだ一手を残している」 周囲の大気が螺旋の腕に集まり、主槍で凝縮されていく。 「また風の槍を出すつもりか?悪いが、こっちは孔は塞いでるんだ。下手に出そうとすればお前の霊装がバラバラになる」 「勿論、そんなことは理解しているよ。私がやろうとしているのは、その“逆”」 ゴォォォォォと音を鳴らしながら霊装の後部から主槍に集められた大量の大気が噴出する。 「お前…まさか!」 昂焚が彼女の思惑に気付いた時には既に遅かった。 ズドォォォォォォォォォォォォォォォ!!!! レールガンのそれに匹敵する轟音と暴風、肩から噴出される莫大な空気により、ジェットエンジンの原理で圧倒的な推力を得たマチは一気に加速し、昂焚を盾にして反対側のビルへ突っ込んだ。 ビル1階の自動車のショーウィンドウを突き破り、内部の壁に昂焚の身体は強く叩きつけられた。レールガンと風槍の相殺で飛ばされた時とは桁違いのスピード。全身を強打した。どこかの骨も折れただろう。脳を揺さぶられ、内蔵を叩きつけられ、口から大量の血を吐いた。 朦朧とする意識を四肢を走る激痛で無理やり現実に戻される。 螺旋の腕の子槍が昂焚の腹部を貫通した。幸い、臓器は外れている。いや、わざと外したのか。だが、どちらにしろそれが朦朧とした意識を現実に引き戻すには充分過ぎる激痛だった。 他にも2本の子槍が右腕を貫通し、壁に磔の状態にしていた。 「これで、チェックメイトだね」 マチの価値誇った顔と共に螺旋の腕の主槍の切先が昂焚に向けられる。 腹部と右腕を子槍に貫通されて重傷の昂焚、ほぼノーダメージのマチ。勝敗は歴然だったが、昂焚の顔は負けを覚悟していなかった。まだ何か策を残しているのか、どこか不敵な笑みを浮かべていた。 「まだ策が残ってるみたいだね?まぁ、そっちの方が面白いんだけど」 「まぁ…な。とろでお嬢さん。魔術師の戦いは『何から始まるのか』知っているか?」 「知ってるよ。『事前調査と下準備』でしょ?」 「そうだな。じゃあ、周りを見てみろ」 昂焚に促され、少し警戒しながらもマチは周りを見る。暗い中で見えるのは、割られたショーガラスの破片、突撃の衝撃で吹き飛ばされた内装のテーブルや椅子。そして、並べられた高級車だ。 どうやら、マチは高級車の販売店に突っ込んだようだ。だからと言って、昂焚が何を言いたかったのかは分からなかった。 「一体、何が言いたいの?」 「俺もちゃんと“事前調査と下準備”はやってるってことだ」 ドガッシャアアアアアアアアアアアアン!! 並べられていた高級車の一台がマチを轢き飛ばした。 アクセル全開で踏めば1秒足らずで静止状態から時速100キロまで加速する学園都市製の高級車。それが繰り出すスピードのある質量攻撃でマチの身体は数メートルほど轢き飛ばされた。 昂焚は自由だった左腕で右腕に刺さっていた2本の子槍を引き抜いた。スーツの襟元を強く噛み締めて痛みに耐え抜き、憔悴した表情で壁に体重をかけながらゆっくりと立ちあがる。腹筋に力を入れる度に腹部を貫通している子槍から激痛が走る。 「ここが戦場になるのは分かっていたからな。事前にこの周囲に残された全ての車とロボットに擬神付喪神を施した」 そう言って、昂焚はポケットからオリエンタルな記号が描かれた小さな札を取り出した。 よく見ると周囲の全ての高級車、戦いに巻き込まれた大破した警備ロボットにも同じものが貼り付けられている。 擬神付喪神 「モノに魂が宿る」という日本の民俗信仰“付喪神”を疑似的に再現した魔術だ。 モノに「目的」と「目的を達成する為の行動プログラム」を植え付けることで使役する。 その対象となったモノはまるで魂(意志)を持ったかのように自己判断して目的を達成する為に行動する。 汎用性の高い魔術であるが、あくまで対象は“モノ”であるため生物に使うことは出来ず、また高度なAIを搭載した機械だと魔術がAIを“既にモノに宿る魂”と判断してしまい、術式が定着しないこともある。 昂焚は車やロボットに「尼乃昂焚の敵への攻撃」という目的を与え、それを実行する為の行動プログラムを施していた。 昂焚が目を遣るとマチがゆっくりと立ちあがった。車のスピードからして轢き飛ばされたダメージが少ないのは、彼女が咄嗟の判断で槍を盾に使い、少しでも衝撃を緩和していたからだ。 「チェックメイトだと思ってたんだけどね…。油断しちゃった」 「ああ。戦場じゃ油断は大敵だ。“トドメはオーバーキルぐらいが丁度いい”」 昂焚はそう言うと、指示を出すようにマチに指をさした。 それに呼応するかのように他の車もヘッドライトが点灯し、エンジンがかかった。 そして、先ほどマチに突撃した車を筆頭に次々と他の車がマチに向かって全速力で突撃してきた。 マチは螺旋の腕を先頭に出し、風の槍で1台目の車を吹き飛ばした。しかし、次の瞬間には狭い空間の中で100キロ近く加速した2台目、3台目と次々に車が向かってくる。 (駄目!相殺できない!) マチは2台目もギリギリのところで風の槍で飛ばす。だが、3台目には間に合わなかった。無残にも彼女は轢き飛ばされ、再び宙を浮いた身体が壁に叩きつけられた。 何度も車に轢き飛ばされ、マチの意識は飛びかけていた。それでもかろうじて足を踏ん張り、目の前の敵を倒すことに神経を集中させる。 しかし、そんな彼女の意思を踏み躙るかのように4台目が突撃し、壁と挟みこんで彼女の身体を潰した。 「がっ……ぁ……」 マチは倒れた。 マチの沈黙を確認した昂焚は満身創痍の状態でビルの外へ出る。 昂焚は勝利した。しかし、ジェット機のスピードでコンクリートの壁に叩きつけられ、腕には2本、腹には1本の子槍が貫通し、今でも血が流れている状態だ。圧倒的に血が足りない。子槍を引き抜けばもっと血が流れる。 (とにかく…身体の修復をしないと…) 昂焚はワイシャツのボタンを開け、腹部の素肌に血の陣を描く。蛇を表す記号を織り交ぜた治癒術式。9年前にユマに施したものの発展型だ。 いくつかの宗教で蛇は死と再生の象徴として描かれる。蛇の脱皮は老いた身体を再生させ、衰えた生命を復活させる為のものだとされているからだ。ギルガメッシュ叙事詩でも不老の霊薬を飲んだことで蛇は脱皮をするようになったと言われている。そういった伝承を利用した治癒魔術で、ケガや病気といったものを“皮”として抽出する。 昂焚は陣を描くと覚悟を決め、腹部を貫通している子槍に手をかけた。 何かの視線を感じる。自分達の戦いを覗き見する第三者の目ではない。とてつもない執念と共に向けられた視線に昂焚が気付く。 そして、彼は我が目を疑った。 (な…!!) マチは立っていた。自身に襲いかかる車をすべて破壊し、血塗れでボロボロの身体に鞭打ちながら、昂焚以上に満身創痍の状態でありながら立ち上がり、そしてゆっくりと昂焚の元へ歩いて行く。 全身から血が流れ、今にも倒れそうなおぼつかない足取りで昂焚へと近付いて行く。 (馬鹿な…。あいつには痛覚が無いのか!?) 口から苦悶の声が出ることはない。ただ呼吸するだけの器官と化している。 視線は固定されている。昂焚に向けられた執念に満ちた視線。血に濡れながらも決して瞬きせず、ただ目の前の敵だけを見つめている。肉に飢えた獣、いや、血に飢えた狂戦士の目だ。 気がつくと昂焚は後ずさりしていた。表情も心なしか彼女を恐れているようにも、いや、確実に彼は恐れていた。満身創痍で、もう拳一つ出せない、ただ戦いたいという執念だけで足を動かすがやっとの彼女を恐れていた。 昂焚は足元に落ちている都牟刈大刀を拾おうとする。手が震えていた。手が震え、まともに刀を握ることが出来ない。 呼吸も早く、荒くなる。 彼はこの恐怖を理解できなかった。マチは足を動かすだけでやっとの、死んでいてもおかしくは無いゾンビのような状態で、対して自分は手元に都牟刈大刀がある。まだレールガンの弾も1発だけ装填されたままだ。今すぐにでもトドメの一手を刺せる。 自分の勝利は確実なのに、彼は恐れていた。 (俺はマティルダ=エアルドレッドという存在そのものを恐れているのか!?) 無言のまま、一歩、また一歩と歩みを進め、血と戦いに飢えた目でマチは螺旋の腕を昂焚に向けた。昂焚も震えた手で即座にレールガン状態にした都牟刈大刀を向ける。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 だが、撃つことは無かった。 マチは螺旋の腕を向けたが、何も出来ないままその場で倒れ込んだ。 昂焚も安堵して、腰を抜かした。 目の前の敵が倒れたのに荒くなった呼吸が治まらない。終わったというのにどっと汗が出て来る。 (なんて…執念だ…俺は今、お前に屈したぞ。マティルダ=エアルドレッド。 ―――――俺の……負けだ」 そう告げた直後に多量の失血で昂焚は気を失った。
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何かがおかしい。 「ちょっとこなた」「消しゴム取ってって言うんでしょ?」 遮るように言うこなたに、かがみは不思議そうな顔をした。 「よく分かるわね」 「そりゃあね」 いつもの平和な教室の休憩時間、いつもの四人組で机を囲んでいる。今はた またま、つかさが授業で分からなかった所を姉に質問し、かがみはツンデレツ ンデレしながらも、妹にその答えを教えているところだった。 「ねえねえ、かがみん、つかさ」 いつもはそういう勉強風の空気の時には、まぜっかえすような事しか言わな いこなたが、そらみたことかと食いついてきたので、かがみは邪険に言った。 「なによ、こなた」 「それの答えは、x=6だよ」 「あんた授業聞いてたの!?」 珍しいこともあるものだ、とかがみは思ったが、そういう変な日もあるかも、 だってアメリカ西海岸に魚が降るような事件が起こったこともあるんだし、と 自分を納得させた。 「うーん」 しかし、答えをずばっと言った筈のこなたの方が難しい顔をして、問題が解 決したつかさの方が安心して子犬みたいな顔になっている。まあ、大体いつも 子犬みたいな顔してるけど、姉妹なのに、なんか微妙に似てないのよね、とも かがみは思う。それはともかく、問題はこなただ。 なんかさっきから、こなたは変じゃないだろうか? そう思ったので素直に言うことにした。まあ、こなたはある意味いつでも少 し変ではあるけれど。 「「こなた、あんた何か変よ」」 声が重なる。 完璧なタイミングで、こなたがかがみの声に合わせて同じ台詞を発したのだ。 全くずれることなく完全に重なっている。 「「なに?!おちょくってんの!?」」 それに対する抗議の声さえ、完全に被る。この番組は、ステレオ放送でお送 りしております。 「うーむ、かがみん、これはなかなか大変だ」 「何が大変なのよ」 「私、今日を過ごすの、三回目だ」 とこなたは、いつもと同じような何を考えているかわかりづらい、 (≡з≡)みたいな顔で言うのだった。 「三回目~~?何言ってのこなた、とうとう本気で現実とゲームの区別がつか なくなっちゃった訳?」 「違うのだよかがみん~、確かにオタクはギャルゲーなんかでループに対する 耐性はバリバリ高いから、プラグマカティギュレーション(うろ覚え)な訳だ けど、これはマジなんだよー、かがみの下着の色まで分かるのだよ」 「なんで同じ日を三回繰返したからって私の下着が分かる!?」 「真っ赤になっちゃって、かがみん可愛い~、青と白のストライプ」 「殴るぞ!」 なんとはなしにスカートを抑えるかがみを見ながら、つかさとみゆきは視線 を合わせてしまうのだった。みゆき、ここまで全く台詞なし、違う、みゆきさ んは要らない子なんかじゃないんだ・・・・。 「まあ、仮に同じ日を三回繰返してたと信じるとしても・・・」 「お、下着の色があたったから信じた」 「そういえばおねえちゃん、朝、確かに・・・」 「なんでつかさが知ってる!?」 「あらあら、つかささんとかがみさんは、仲の良い姉妹なんですね」 「え!?このタイミングでなんでその台詞!?」 このあと、ちょっと全然関係ない方向に話が逸れて紛糾しましたが割愛しま す。何故かツンデレのキャラクターにはストライプの・・・下世話な話ですが 、縞模様の下着のイメージが作者の中で定着しつつあります、おたく産業の影 響力怖ぇー! 「ともかく、こなたが同じ日を繰り返しても、私達には関係なくない!?」 「えー、冷たいよかがみーん、それに、かがみんが認識できないだけで、かが みたちも同じ日を繰返してるのかも知れないじゃん」 「ふむ、それはそうだな、反論できん」 「なんだか、哲学みたいだねー」 つかさがほわほわ、と言うのを、みゆきさんが微笑みながら受けて言う。 「そうですねぇ、同じ日を繰返しても、記憶がリセットされれば論理上は認識 できない訳ですから、いついかなる時でも、その可能性は否定できませんけど 逆にいえば、記憶がリセットされるなら何の問題もないのかも知れませ んね」 「いや、そっちの方向の話に踏み込んでいくのはやめようよ。みゆき」 ふふん、と何故かこなたが格好をつけた。自分を指差し、自信ありげに言う。 「問題なのは記憶がリセットされない私がいる事なのだよ、かがみん」 なぜそこで自信にあふれる? 「なんとなくだが、まずお前がその繰返された二日でどんな悪行をしたのか確 認したいのだが」 「ノンノン、過去を振り返っちゃ駄目だよ、かがみん」 こいつ、既に話せないレベルで色々やってやがる・・・! 末恐ろしい事になりそうなので、早くこいつをループから出すべきだ、とか がみは決意を新たにしたのだった。 「大体、まあ、あんたの言い分を信じるとして、何かきっかけみたいなものは ないわけ?」 半分は、新たな話のネタ、遊びだと思ってかがみは言う。こういう遊びに付 き合うのがかがみの良いところ。声を合わせたのは、一緒にいる時間が長いか ら反応を先読みできただけかも知れないし、下着は・・・見られる可能性は0 ではない。しかし一方で、本当にループしているという夢あふれるSFにも魅力 を感じずにはいられないかがみなのだった。だってラノベ好きだし。 「きっかけ・・・そういえば、あれかも」 あれはそう、ループが始まる最初の日だ。 かがみがきわどい感じのメイド服を着て、その短いスカートをふりふりさせな がら「こなた!アキバに行こ!アキバに!ゲーセンで遊びまくり、エロスな1 8禁ゲームを買っていっしょにやろう!あとネトゲ」と言ってきたので、私は 「しょうがないなあ、かがみ、じゃあ、お願いしますご主人様、って言ってみ て?」と答えた。 するとかがみは頬を染めながら、俯き、私の手の甲に口付けしながら、言う。 「お、お願いします、ご主人さ」「ふざけんなあああああああああ!!!」 回想シーンのこまをぶち破る勢いでかがみが叫んで回想中断、そういう漫画的 演出を想像してくださったら分かりやすいほどのかがみの怒りっぷりです。 「それ妄想!全部お前の妄想だろうが!?」 「なんだよかがみーん、いいとこだったのに」 得意げに語っていたこなたは不満そうだ。 「ふざけんな!同じ日が千回繰り返されたってそんな事はおきん!」 「いやいや、そんな事わかんないじゃんかー」 「分かるわ!」 がみがみ言い合う二人を見ながら、つかさは首を傾げます。 「こなちゃんは、お姉ちゃんにそういう事してほしいのかな?」 何気にきわどい質問に、みゆきは「ふふふ」と笑ってごまかしました。みゆ きにもその辺の事はよく分からないのです。あと、あんまり突っ込んでは薮蛇 的にきまずい事になりそうなので誤魔化します、みゆきは賢い子なのです。 「ともあれ、泉さんは、思い当たる事はないんですか?」 かがみにしかられていたこなたは、救い主を見るようにみゆきに振り返って 答えた。 「うーん、パッとは思いつかないなあ。でもこれって、タイムトラベル?」 同じ日をループしているのですから、そう言えない事もない。 「そうですねえ、タイムマシンは制作日より以前には戻れないタイプの仮説も 結構ありますから。有名なところではフランク・ティプラーのティプラーの円 筒なんかもそうですねぇ。そして製作日より以前に戻れないから、現在で未来 人を見かけない理由の説明にもなるんですよ」 出ました、みゆきさんの解説です。これが、これがみゆきさんの存在意義だ というのか・・・・? 「なにそれ、えっと、それだと、今日がタイムマシンの発明日で、こなたがそ れを使ってずっとループしてるって事にならない?」 「いえいえ、そうとは限りません、時間やタイムマシンはまだまだ未知の部分 が多いですから……こなたさんだけが、なんらかの時空のねじれに巻き込まれ ているとか、四次元やワームホールなど、さまざまな可能性が考えられます。 もちろん常識的にはありえない確率の話ですが、現に常識ではありえないルー プをしている、という泉さんの主張に根拠を置くなら、常識的発想では解決で きない訳ですし……それに、タイムマシンは不可能であると確定する科学的根 拠はないんですよ。あのスティーブン・ホーキンスもタイムマシンが可能かど うかについては「私は誰とも賭けをしないだろう」と言っているほどですから 、単純にSFではなく、タイムマシンについては、まだまだ科学の研究領域なん ですよ」 みゆきさんの台詞が、十話分くらいまとめて喋られた、気がする。 「あ、お姉ちゃん、そういえば、そういう映画あったよね」 「時かけかあ、私は筒井康孝の原作読んだな」 さすがかがみ、小説派です。 「私はもちろん映画だよー」 こなたはにやりと自身満々。 「あー、あれ確かに面白かったもんね。同じような時期にやってた○ド戦記よ り面白かった」 かがみは当然、ゲド戦記の原作も読破しております。 「ノンノン、かがみ、時かけの映画といえば、原田知世の方だよ」 「1983年公開の方かよ!なんであんたが見てるのよ!監督・大林宣彦」 かがみも妙に詳しいです。してやったり顔のこなた、なんでオタクってこう いう時に、有名じゃない方を見たって言って得意顔になるんだろうね? 「あの映画みたいにさあ、ぐるぐるーって回って自由に戻れるなら、もっと色 々できるのにさあ」 「お前にそんな力与えたら、大変なことになるだろ」 「いやかがみん、意外と一日をループするだけじゃ大したことできないんだっ て。たとえば競馬とかしても、増えたお金もなくなっちゃうじゃん」 「それ以前に、お前の年齢では馬券は買えない筈なんだが」 こなたが無言になる。・・・・・、って感じ。 「まあ、もちろんやってないけどね!」 「こいつ・・・既にやってやがる・・!」 こなたはニヒルに笑って言う。 「今日の第三レースは、2-4だから」 「うわあ!?余計な情報を知った!?ループしない私は、その情報を利用でき てしまう!?わわわ・・・」 「私たちの年齢じゃ、馬券買っちゃ駄目だよねえ、かがみ?ちなみに33倍く らい、倍率」 良心が心の内でせめぎあうかがみだった。33倍って、一万円なら、30万!? あ、ありえない、あわわ・・・。 みゆきさんが不思議そうに首をかしげる。 「でもこうやって、ループする泉さんが、私たちに色々な情報を渡したら、こ の一日だけ私たちの情報量が増え続けるんでしょうか、それとも、今日のレー スの答えを知るかがみさんと、知らないかがみさんが居て、無限に分岐してい ってるという事なんでしょうか。量子力学のエベレット解釈によれば・・・」 「いや、みゆきさん、そこは掘り下げなくていいから」 作者も掘り下げる気はない。というか、何もかんがえてはいない。 「ねえねえ、こなちゃん、こなちゃんはじゃあ、これからどんな一日を過ごし たの?」 「え、それは、お昼にみんなでご飯食べて、ふつうに授業受けて、普通に放課 後になったなあ」 「でもでも、1983年の映画では、火事とか瓦が落ちてくるとかあるし、最 近見た方でも、あれを変えなきゃこれを変えなきゃ、って感じの事が目白押し で、それがループものの醍醐味だし・・・」 なぜかつかさまで詳しくなってしまいました。キャラ崩壊ってこわいね。 「それは確かにつかさの言うとおり、そういうループ醍醐味的な重大事件・・・あっ!」 こなたが何かに気づいたような声をあげ、かがみが身を乗り出します。 「何かあるの!?今日、これから重大なことが!?」 「アニメの録画予約忘れた」 「そんな事かよ!!」 それが原因でループしてるなら、ループ現象は各家庭で頻発してしまう・・・! 「いやでもこれ、今日・・・ややこしいなあ、三回目の今日忘れただけだから、 一回目二回目は忘れてないけど、さすがに三回目になるとねえ、だんだん惰 性みたいになっちゃって」 「ほんとどうでもいい話だな」 そしてチャイムが鳴ったのでみんな授業を受ける体勢に戻る、ふとかがみは 自分の教室に戻る前に振り返り、こなたの方を見た。 (あんな風に振舞ってるけど、ほんとに同じ日が繰り返してるなら、不安じゃ ないのかな?) 遠めに見たこなたは、やはり感情の分からない(≡≡)みたいな顔をしてい た。 「あれ?」 かがみはふと、自分の机に手紙が入っていることに気づく。 それには、(今日の放課後、屋上に来てください)と書かれていた。 「え、え」 これは、まさか、果たし状、などというベタな前ふりではなく、あれじゃない のか、ラとかブとかつく、レターではないのか。あわわ、あわわ。 かがみは内心テンパりつつ、周囲を見回した、差出人が誰なのかは分からな い。かがみは、そんなに親しい男子がいる訳でもない。いつも女子グループと 一緒にいるタイプなんで、心当たりがない。 そして悶々としながら昼休みが来る。 ・・・・・・・・・・・・・ 「み、みんな、あ、あのさ・・・」 一緒にお弁当を食べながら、しかしかがみは考えこむ、こういうのって、他人 に相談したりせず、自力で・・・こう、胸の奥にしまっておいた方がいいのか な、それとも、などと迷っていると、こなたが言った。 「お、ラブレター来た?かがみん?」 「なんで知ってる!!!」 殆ど首を絞めんばかりの勢いで問い詰めるかがみに、つかさが間に入って二人 を止めた、ブレイク、ブレイク。 「げほげほ、そりゃ知ってるよ、三回目だもん。冷静に考えると、これがルー プの原因じゃないかなー、って気がするんだよね」 「だったら最初に言え!!」 「いやいや、ラブレターが来てうろたえてるかがみん、かわいかったよ」 「こなたーーー!!」 争いだす二人をあわあわ、と見ているつかさと、ほわほわ笑って見ているみゆ き、というワンカットを挿入すると考えて下さい。情景描写まで手を抜き出し た! 「でも、お姉ちゃん、どうするのかな?」 「それは、泉さんに聴いてみましょうか。泉さん、かがみさんは、この後、ど うしたんですか?」 「うぎゅ?」 かがみに掴みかかられていたこなたは、いったん動きを止めてかんがええる。 「うーん・・・会いに行ってたよ、結果は知らない。だって、今日のかがみは、 どう答えたのか教えてくれなかったもん」 「そりゃ、すっぽかしはしないだろうけど・・・」 自分のことなのに、何か他人事のようにどきどきしてしまう、じっとしてい られないような気分のかがみなのだった。 「でもこれ、かがみさんの事情で、こなたさんがループする理由にならないで すよね」 みゆきの鋭い指摘に、こなたがうっ、と言葉に詰まった。 「まあ、そうかも・・・だってさ、かがみん。だから好きなようにしてくれた まえ」 「こっちにとってはあんたのループよりもおおごとなんだよ!」 かがみはいっぱいいっぱいです。 「まあ、かがみさんの好きなようにされるといいですよ、後悔しないように」 そんな事いわても・・・ 「あの、みゆきさんは、告白されたこと、ある?」 すごいありそうだ。みゆきさんからはなんというか、モテそうなオーラをび しばしと感じる。 「うふふ」 と笑って答えないみゆきさん、この反応は、ある!明らかにありまくる匂い がびんびんしやがるぜぇぇぇっ・・・! 「お姉ちゃん、実は、私もあるよ」 「え、マジで?!!?」 おそるべし妹、知らない間に姉を追い抜いているっ・・・! 「幼稚園の頃に」 「おい!今、そんなボケはいらねえっ!」 だんだん口調が荒くなるかがみなのでした。 「でも、その時、ケンタ君に告白されて思ったんだけど」 「まだその幼稚園のエピソード続けるの!?」 「愛とか恋とか結婚とか、ぜんぜん早すぎるなあ、って思っちゃって・・・も ちろん、恋愛にも興味はあるけど、本当に興味本位でそういう風になっていい のかなって。もちろん経験として恋愛を体験しておいた方が色々良いっていう のは分かるんだけど・・・そういう風に割り切って恋愛できるような大人には 、私はなれなかったから・・・無理して背伸びして恋愛ごっこしても、結局二 人とも傷つくだけだって、断ったの」 「怖いよ!どんな幼稚園児だよ!!」 妹が末恐ろし過ぎる、そんな断り口上を幼稚園の時からしてたの?! 「お姉ちゃんも、後悔しないようにがんばろうね!えへ!」 いまさら、えへ、とか言って笑われても、ぜんぜんつかさっぽくないですね、 そうですね。分かってます。 でもそう、今、恋愛に興味津々なお年頃だから、好きかどうか分からなくて も、とりあえず付き合ってみる、という選択肢はかがみの中にあった、だって 何事も、やってみなくちゃわからないものだから・・・ 「彼氏が出来ても、友達でいてくださいね」 なんてみゆきさんは笑っている。冗談、だよね? 「いやいや、みゆきさん、女の友情なんて彼氏の前では紙切れだよー」 といつもの調子で言おうとしたこなたは、何故か、不思議と意気消沈してみ えた。 「あわわー、お姉ちゃんが彼氏持ちになって、お兄ちゃんが出来ちゃうよー」 「いや、まだ付き合うって決まった訳じゃないから」 とりあえず、相手だ、相手を見てからかんがえよう。 そんな訳で放課後です。 かがみが教室を出て行くのを、出陣を見送るように三人は見送ります。 「こなちゃん」 不意に、つかさが奇妙なほど真剣な表情で、こなたに声をかけた。 「なに?」 ひやりとするほど、真剣な顔のつかさが尋ねる。 「いいの?」 こなたは、何が?とは聞き返さなかった。 「かがみんに彼氏が出来るって、いいことじゃん。女子高生っぽい生活、かが みには合ってる気もするし」 「こなちゃん……」 つかさは色々、思うところがあるようで、ところでみゆきさんは沈黙を死守 してました。なんとはなく、何を言っていいのか分からないのです。ばしばし 発言できるつかさが、ちょっと羨ましかったりしました。 「なんかつかさ、勘違いしてない?」 もうなんか、BLとかに出てくる、何故か何の違和感もなく平然と同性愛カッ プルを突如応援しはじめる友達みたいになってます。もちろん、応援してもい い訳だけど、カミングアウトもされてない段階で、既に同姓二人をカップルと みなす思考は不自然というか都合よすぎますよねー、の意味(少数者への配慮 的文章) 「え、でもななこ先生も、かがみはこなたの嫁、って言ってたし・・・」 「いやそれネタだから!女の子同士だし!」 「でもこなちゃん、男の子がするようなえっちぃゲームとかしてるし・・・」 「それはお父さんの影響で、それにストーリーが泣けるんだよ!?ほんとだよ !?」 まさかこんないい訳をする日が来るとは思っていなかったこなただった。 「螺旋回廊2をやっておいてそれはないよこなちゃん・・・」 「あれもある意味泣けるよ!っていうかなんでつかさはそんなの知ってるの! ?」 「こなちゃんの部屋で見かけた、あと、最終痴漢電車2も・・・」 「あいたー!いたたたた!でも違う、そういうんじゃないから、いわゆるそれ も萌えなんだよ!」 本当は絶望~青い果実の散花~とかも見かけていたが、それらについては発 言を控えるつかさだった。 あとみゆきさんは、帰ったらこれらのタイトルを検索しようと記憶するのだ った。そして検索して顔を真っ赤にしたのは別のお話。 「あ、戻ってきました」 かがみが、俯いて、表情を隠して戻ってきた。しばらく肩で息をして、ずい ぶん時間をかけて顔をあげると、そこには笑顔があった。 「みんな、帰ろ?」 「あの、お姉ちゃん・・・?」 「ごめんね、心配かけて。さあ、帰ろ!」 まるで急ぐように鞄を持つかがみに、みんなぞろぞろついていくように下校 しはじめる。なんとなくみんな、かがみの勢いに押されて、結果を聞きづらく なってしまっていた。 「ちょっと寄り道していかない?」 とかがみが言った。 不思議とその笑顔が痛々しくて、こなたは見たいアニメも忘れて、アキバに寄 っていくことにしたのだ。無理してはしゃぐようなかがみが、放っておけなく て。 「ねえこなちゃん、お姉ちゃん、変だよね」 とみんな分かっているけど言いにくい事をつかさが言って、こなたは小さく頷 いた。みゆきさんは、困ったように笑っている。 「あ、かがみん、ちょっと」 こなたは不自然なほど音ゲーに熱中するかがみを待って、二人だけでゲーセ ンの片隅へ移動した。うるさいくらいの筐体の音が、熱気と一緒にこっちまで 響いてくる。 ふと昔、かがみがUFOキャッチャーに熱中して、貯金箱にお金を入れるよ うに夢中になっていた横顔を、切ないようなまぶしい思いで眺めていたことを こなたは思い出した。そして今、ゲーセンの暗がりで隣に俯くかがみの、見え ない表情をこなたは覗き込もうとする。 「かがみ?」 不意に黙り込んだかがみが、小さく肩を震わせた。 彼女は泣いていた。 「かがみ……!?」 「……あはは、なんだろうね、変なの。私ね、結局、断ったの、振っちゃった」 そう言って微笑むかがみは、無理しているように見えた。 こなたは何を言っていいかわからず、泣いているかがみを見ながら沈黙した。 かがみの目からは、大粒の涙がぽろぽろとこぼれた。 「変なの、振った私が泣いてるなんてね」 「かがみ・・・無理しなくていいよ、何も言わなくても・・・いいよ」 こなたはそっとかがみの手を握り、思い切ってかがみを抱き寄せた。それは 三回目だからできる事だった。一回目の時、こなたは何もできずただかがみを 見送った。そして、付き合う事になったという報告を、暗澹たる気持ちで聞い た。二回目の時、かがみはどうなったか答えなかった。そして、どういう結果 になったのか、狂おしいほど気にしながら、ただ眠った。そして三回目、かが みは相手を振ったといい、こなたは何故、自分がこの日を抜け出せないのか、 その理由を知る。 かがみが手の届かない所にいくのが嫌だから、私はこの日から抜け出せない。 かがみは、こなたの胸の中で泣いている。 こなたはただ、かがみが泣き止むのを待っていた。 その長い髪を、いとおしむようになでながら。 こなたは心の内で、この先どうするかを、決めた。 私がかがみを閉じ込めようとして、その結果、かがみが見知らぬ誰かを振っ たなら、そんな事は認められない。 かがみは誰よりも、幸せになるべき女の子だから。 一回目の時に付き合う事にしたんだから、本当はかがみはその見知らぬ男の 子と付き合うべきなんだ。 私のわがままで、かがみを閉じ込める事は出来ない。 リアルで誰とも仲良くなることのなかった私と、こんなにも仲良くしてくれ る……かがみがいなかったら、きっと私は全然違う高校生活をしていた。 かがみ、誰よりも、かがみの事が好きだよ、とこなたは心の中でつぶやいた。 「ごめん、こなた」 泣きやんだかがみが、こなたからそっと体を離す。 「いいよ、大丈夫、泣いてるかがみに、存分に萌えさせてもらったし」 「バカ」 かがみの言うバカ、はいつもよりぜんぜん元気がなかった。全く、全然、元 気ではない。でもその繊細さ、弱さが、こなたの胸を息ができないほどに締め 付けた。それでいて、かがみがこなたの手を握っているその手には、ぎゅっ、 と力が込められている・・・。 「あのね、こなた……」 かがみが、泣いたばかりの顔でこなたを見つめた。その切なげな表情に、こ なたは一瞬、心臓を直接つかまれたような気がした。 「……なんでもない」 「なにそれ?」 「なんでもないってば!ちょっと、お手洗い行ってくる、ひどい顔になっちゃ ったし!」 怒ったような、いつものツンデレな態度でお手洗いに行くかがみを見送って、 こなたは、ひとつの覚悟を決めた。 「またね」 分かれ道で挨拶して、別れようとする時に、つかさはふと、首をかしげた。 「でも、こなちゃんのループ、解決してないよね?」 「ええ、そういえばそうですねえ、どうしましょうか?」 こなたは笑って首を振った。 「いい、大丈夫、自己解決した」 「え!?そうなの!?」 「あらあら」 つかさとみゆきは不思議そうながらも納得したようで、そもそもどうしようも ないので、こなたの言う事を信じる事にした。ただかがみだけはどこか不満そ うだ。 「どう解決したのよ」 「何でもいいじゃん、かがみ、ふふふ、泣き顔かわいかったよ」 「次言ったら殺す!」 ぎゃあぎゃあと喚きながら過ごす楽しい時間、もしかしたら、この時間を手放 したくなかったから、ループは始まったのかも知れない。 かつて自分が卒業する、長い夢を見たことが、こなたにはあった。それ以来、 ずっと高校生を続けているような、そんな気さえ、する。 分かれ道で別れて、一人になったこなたは、自分の覚悟を反芻するように脳 裏に浮かべた。 自分は、このループから抜け出さない、抜け出せない。 かがみに彼氏が出来るのを、自分は見届ける。そう決めた、そしてそう決め た以上、自分はこの日から出られないのだろう。彼氏の出来たかがみを見るの に、自分は耐えられないから・・・だから、私は、 永遠にこの一日を繰り返す。 それでかがみが幸せになれるなら、それでいい。 かがみと楽しく過ごせる最後の一日を、永遠に繰り返す。それが発狂しそう な苦しみを伴う牢獄だとしても、それが、かがみの幸せのためならば。 いつか、抜け出せない一日の苦しみに、自分は負けてしまうだろうか? 永遠の長さに、かがみを思う気持ちは負けてしまうだろうか。 それでも、自分は……。 こなたは永遠に続く今日を思いながら、家に帰って目を閉じた。 翌日、こなたは、かがみから驚くべき言葉を聴いた。 「私、この日を過ごすの、二回目」 驚きに口をパクパクさせながら、何とかこなたは答えた。 「あはは、私は、四回目」 後編へ
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トップ|基礎知識|悪魔合体|悪魔|魔法・特技|アイテム|マップ|攻略|その他 アティルト回廊 マップ|宝箱|宝箱(緑)|魔法の箱|出現悪魔 マップ B1F ビナー方面 コクマ方面:ゲブラー砦B2F B2F 上へ 宝箱 No. 場所 名称 No. 場所 名称 1 B1F 魔力の香 2 B2F 速さの香 3 B1F 運の香 4 上へ 宝箱(緑) No. 場所 名称 No. 場所 名称 1 B2F メモリーチップ(GAMEBOY ADVANCE版) 上へ 魔法の箱 No. 場所 名称 No. 場所 名称 1 B1F ターコイズ 上へ 出現悪魔 〔ビナー方面B1F〕 属性1 属性2 種族 名前 LV HP MP 魔法・特技1 魔法・特技2 魔法・特技3 魔法・特技4 魔法・特技5 魔法・特技6 魔法・特技敵専用 相性 NEUTRAL NEUTRAL 魔獣 ケルベロス 43 477 90 噛みつき ファイアブレス バインドボイス ------- ------- サマリカーム ------- 火炎獣 NEUTRAL NEUTRAL 魔獣 ドゥン 39 419 79 引っかき 噛みつき ハンマ ------- ------- ------- ------- 神聖獣 NEUTRAL NEUTRAL 夜魔 ニュクス 47 277 245 ドルミナー マリンカリン ダークブレス テンタラフー ------- サマリカーム ------- 魔法喰い NEUTRAL NEUTRAL 地霊 ティターン 44 618 91 体当たり 鉄拳パンチ 押し潰し 暴れまくり ------- ------- ------- ノーマル NEUTRAL CHAOS 堕天使 バフォメット 37 298 145 ハピルマ デスタッチ マリンカリン メディラマ 吸い付き サバトマ ------- 対魔法 DARK NEUTRAL 邪鬼 ギリメカラ 54 736 87 パララアイ 毒ガスブレス パニックボイス 回転斬り ------- ------- ------- 反物理 DARK NEUTRAL 邪鬼 サイクロプス 40 520 58 殴る 蹴り マハジオンガ 暴れまくり ------- ------- 守る 電撃魔 DARK CHAOS 幽鬼 ヤカー 32 134 77 噛みつき デスタッチ 毒噛みつき タルンダ ラクンダ スクンダ 引っかき 対精神 〔コクマ方面B1F/B2F〕 属性1 属性2 種族 名前 LV HP MP 魔法・特技1 魔法・特技2 魔法・特技3 魔法・特技4 魔法・特技5 魔法・特技6 魔法・特技敵専用 相性 NEUTRAL NEUTRAL 夜魔 ニュクス 47 277 245 ドルミナー マリンカリン ダークブレス テンタラフー ------- サマリカーム ------- 魔法喰い NEUTRAL NEUTRAL 地霊 ティターン 44 618 91 体当たり 鉄拳パンチ 押し潰し 暴れまくり ------- ------- ------- ノーマル NEUTRAL CHAOS 堕天使 バフォメット 37 298 145 ハピルマ デスタッチ マリンカリン メディラマ 吸い付き サバトマ ------- 対魔法 NEUTRAL CHAOS 妖鬼 ヤクシャ 46 611 125 冥界破 マハラギオン ジオンガ ディアラマ ------- パララディ ------- 火炎獣 NEUTRAL CHAOS 妖鬼 シュテンドウジ 40 484 105 鉄拳パンチ 回し蹴り 飛び蹴り 暴れまくり ------- ------- ------- ノーマル DARK NEUTRAL 邪鬼 ギリメカラ 54 736 87 パララアイ 毒ガスブレス パニックボイス 回転斬り ------- ------- ------- 反物理 DARK NEUTRAL 邪鬼 サイクロプス 40 520 58 殴る 蹴り マハジオンガ 暴れまくり ------- ------- 守る 電撃魔 上へ
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■フォリスの滝 └武闘神像を破壊して『ブルーオーブの欠片』を入手 ■武闘場 └敵を全滅させて赤い封印を解除 ■光の広間 └資料展覧室へ ■資料展覧室 └蔵書室へ ■蔵書室 ├敵を全滅させて赤い封印を解除 └螺旋階段下を調べるとSECRET MISSION 09へ ■大回廊 └晩餐室へ ■晩餐室 └敵を全滅させて赤い封印を解除 ■大回廊 └修練の塔へ ■修練の塔 ├敵を全滅させて赤い封印を解除 └下に降りて螺旋棟へ ■螺旋棟 └青い装置を攻撃して青い魔方陣を起動させて乗る ■修練の塔 └城主私室へ ■城主私室 └敵を全滅させて赤い封印を解除 ■衛兵墓地 ├中央の像に上り、トリックスター+エアハイクを活用して上の段にある「ゴールドオーブ」を入手 └時空神像があるので活用しよう ■武闘場 ├ダゴンと戦闘 └『パンドラ』を入手 ■地下実験棟 └下に降りる DMC4 Topページへ
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"スクリュードライバー" = ウォッカ + オレンジジュース 人物 滝石時風(たきし・ときかぜ) 29歳。 工業高校卒業後、鉄鋼加工の工場に勤務。 覚醒 25歳のとき観測史上最大最凶の台風に巻き込まれ、周囲の建物すべてが破壊されてゆく中で覚醒した。 覚醒後は、療養のため一年間休職していたが、その後復職。 無月奏会加入 異能が覚醒したことを国側に知られ、検体とすべく追われていたところを轟喝に匿ってもらった。 能力 竜巻を発生させる能力。 突風を使って攻撃したり、風圧によって肉弾戦の攻撃力を強化したりといった戦闘が可能。大雑把な操作しかできないのが難点。 備考