約 4,105,619 件
https://w.atwiki.jp/roborowa/pages/374.html
呼びたかった名前 ◆hqLsjDR84w ウイングロードの上でスピードを可変させながら、スバルは左の拳を繰り出す。 ドラスの裏拳で腕の軌道をずらされて舌を打つも、冷静にデバイスの操作に集中する。 ひゅう、と僅かに吐息。ふっ、と軽く吸気。 続いて勢いよく見開かれる双瞳――展開していたウイングロードのさらに先に奔る淡い蒼光。 虚空に新たなる足場を構築していく。 空中の陸路完成を見届けたのと同時に、スバルは加速しながら右ストレートを放つ。 顔を顰めつつもドラスは首を捻って何とか回避、逃れ切れなかった青い毛髪が数本宙を舞う。 「っやぁ――――っ、せぃっ!」 ドラスが認識するよりも早く、スバルからハイキックが放たれる。 元より拳は布石、二撃目の蹴りが本命であったのだ。 首元にもろに衝撃を受けて吹き飛ぶドラス。その進行方向には、先刻作り出されたばかりのウイングロード。 よってドラスは体勢を立て直す前に、加速していたスバルにすぐさま追いつかれてしまう。 「はっ!」 「があッ」 アッパーがかったスバルの拳が鳩尾に突き刺さり、僅かな静止の後にドラスは上方へと飛来する。 短く整えた深青の髪に付着した緑色の血液を不快そうに拭いつつ、ゴシックロリータを纏う少年が上昇していくのを見据えるスバル。 少し前のやり取りで、相手の防護障壁が脆弱なことは既に分かっていた。 だからこそ、両腕に魔力を集中させる。 狙うのは、最も尊敬する恩人が愛用するのと同じ名を持つ『あの魔法』。 幼き日に自分を救ってくれた恩人が見せた、スバルの夢のきっかけともいえる『あの魔法』。 詳細や術式こそ違えど、恩人への憧れから自己流で編み出した――――『あの魔法』。 「一撃必殺ァァアツ! ディバイィィィン――!」 ドラスへと向けた左腕、その前方に魔力の塊が出現。 肥大化するそれ目掛け、スバルが回転音を鳴らすギアを装着した右の拳を叩き付け―― ――BANG! ようとした瞬間に銃声が響き、スバルの動作がピタリと止まる。 蒼い粒子と霧散していく魔力の向こうに、鋭く首を動かしたスバルは見た。 「ボブ……さん……?」 この壊し合いにおいて最も信頼できる仲間であり、現在最も来て欲しくなかった相手の姿を。 高鳴る動悸と伝う冷や汗を自覚しながら、スバルは上昇していたはずのドラスを見やる。 飛行する術を所持しているらしく、空中で留まっている。 その視線がT-800に向いているのに気付き、スバルは意を決する。 ディバインバスターで体力を削ってからのつもりだったが、そんな暇はない。 そう判断したスバルが拳を握り締めると、手首に嵌められたナックルスピナーという名の歯車が回転を開始した。 「――――殺す」 己の覚悟を吐き捨てたスバルの両瞳は、金色に染まっていた。 『先天固有技能』=『inherent skill』――ISと略される機能を行使することで身体に漲る振動エネルギー。 それをデバイス操作で外部放出させることなく、右拳へと集束させる。 手首付近で回転するギアの動力音が増大しているのを実感して、未だ上空でT-800を見ているドラスを刺し抜くようにウイングロードを発現。 一撃必殺ならぬ一撃必壊の意思を胸に、スバルはマッハキャリバーのローラーを駆動させた。 ◇ ◇ ◇ スピードを上下させながら機敏な動きで攻撃を放つスバルと、その猛攻を捌いているドラス。 その戦場付近まで辿り着いたミーは、思わず開けてしまった口を直さないままで一言。 「……まいったね」 「あれだけ動かれてしまえば、こちらは近付きようがないな」 スタンドを立てることでハーレーという名のオートバイを停車させ、T-800が冷静に状況を見極める。 靴に装着されたローラーから生み出される甚大な運動エネルギーでもって、スバルは高速で疾走している。 そのために戦場は一箇所に留まらず、一瞬の内に離れたポイントへと移動してしまうのだ。 とは言っても、それだけならば接近することはどうにか可能なのだが、問題は別にある。 ――――戦闘が行われている舞台が、空中なのだ。 大気中に出現した蒼色の道を踏み締めて駆けるスバルに対し、飛行能力でも有するかのようにドラスは宙で体勢を崩さない。 T-800が操縦していたハーレーのエンジン音にも気付かずに、戦闘を続けている両者。 思案する機械猫とターミネーターの見つめる中、見舞ったアッパーカットの影響でドラスが浮上――戦局が大きく傾いた。 「飛行は可能か?」 「うん、無理だね」 ていうか飛べるならもうやってるだろ、などとミーが騒いでいるのを無視してT-800は再び尋ねる。 「ならば、あの高度まで跳躍は」 「それなら何とかなるけど、あんなに動かれちゃあ……厳しいな」 「止めればいいのだな。ならば注意を引く」 黒いライダースーツのポケットに収納したハンドガンを取り出すと、T-800はあらぬ方向へ銃口を向ける。 「動きが止まるだろうから跳べ。捕まえられる速度の内に取り押さえろ」 頭上に疑問符を浮かべるミーの前で、引き金に指をかけた。 銃声が響く寸前で、ようやくT-800の策を理解したミー。 先に説明しとけよ、とぼやきながらスバルが向かうであろう地点の真下へと急行して跳躍。 その場所、ドラスの目前――――繰り出された振動拳の射線上。 ドラスは危険人物であると聞いていたが、攻撃を仕掛けていないのでミーは庇うことにした。 一撃くらい受けても何とかなる。 スバルから彼女のISについて聞かされていないミーはそのように考えて、ウイングロードへと足を付けた。 ◇ ◇ ◇ 「何で、アイツが……?」 金蛟剪の飛行能力を用いて空中で体勢を立て直したドラスは、銃声の主を確認して目を見開いた。 T-800――ゼロから伝え聞いた話では、獅子王凱を殺した男。 そいつが、なぜか全く関係のない場所を射抜いたのである。 打ち抜くことだって可能だったはずなのに、まるで注意を惹き付けるかのように。 はっきり言って、ドラスには状況を理解することができなかった。 「ドォラァァアアアスッ!!」 ゆえに反応が遅れる。 金色の瞳に青い魔方陣。スバルのISについての知識を持つドラスは、迷わず回避を選択する。 対抗手段自体は持っているが、食らえば幾らか隙が生まれる。 束の間とはいえ、殺意に満ちたスバルの前で無防備になるのは危険。命を奪われかねない。 そう憶測したドラスは金蛟剪の飛行能力でもって、自身に向かって伸びるウイングロードから外れた。 「え?」 その後で、スバルの眼前に横合いから飛び出してきた猫型サイボーグに気付いた。 最高速に達したと思われるスバルは、おそらく止まれない。 「ま、ず……まずい――――!」 このままではミーは粉砕され、姉を殺害してしまったスバルに新たな罪を被せることになる。 ドラスにとっては、そのどちらもあってはならない事態。 空中で踵を返してミーを抱えて再び回避――案自体は即座に浮かんだが、とても間に合わない。 攻撃を掻い潜るどころか、スバルの拳がミーに接触するのにすら遅れるのは必至。 一瞬にも満たない思考の末、ドラスは決意を固めた。 歯を噛み締めて、全身に力を篭めるドラス。 少女ほどの肉体は成人男性以上のサイズに。 人間のようだった体躯は、さながら昆虫のように変化。 巨大な瞳は黒ずみ、口にはクラッシャーのようなものが展開。 短い触角を生やし、ボディは血管を思わせる真紅。 怪人態になってしまえば、スバルに全てを説明するのが困難になることは予想済みだった。 それでも、ドラスは身体を変化させる。 己がどう思われてもミーを守りたかったし、スバルに余計な後悔をさせたくなかったから。 「うっおおおおおおあっ!!」 声を張り上げながら、ネオ生命体の姿となったドラスが腕を伸ばす。 宝貝を操るのに使うエネルギーがネオ生命体の力とはまったく別物である以上、金蛟剪による飛行速度は変わらない。 変わったのはリーチの長さだけ。 それだけであるのだが――――何とか、ドラスはミーを守ることができた。 伸ばしきったドラスの左腕。 その掌がスバルの拳を押さえ込み、スバル自身の勢いすらも止めたのだ。 ミーとスバル、そして地上のT-800が、割り込んできたドラスの姿に呆然とする。 三者からの視線を浴び、ドラスは己の姿についてどうにか説明しようと頭脳を回転させる。 咄嗟に適切な言葉を見つけられずに焦りが生まれ――ぐじゃり、という音。 「グがァアあああああ!?」 続いて、裏返った叫び声。 ドラスはかつて一度振動破砕を食らった時のように、身体を構成する金属の硬度を液体同然まで下げた。 そのまま振動を受け流そうとしていたのだが、簡潔にいえば失敗した。 スバルの拳に触れた掌から侵攻するように、螺旋状の亀裂が走っていく。 顔面を苦痛に染め上げながらも、ドラスは左肩口から先を分離させる。金属生命体だからこその荒業。 しかしそれでも微細な振動がコアに到達し、力なく地上へと落下するドラス。 ネオ生命体の姿を保つことも出来ず、少女を模した姿に戻ってしまっていた。 スバルが使った技の名は、振動破砕をさらに応用させたものである。 振動破砕のエネルギーを制御して圧縮。 さらにデバイスによる回転を上乗せして放つ、一撃必壊の拳――振動拳。 振動破砕の威力しか知らないドラスには、受け流すことなどできる道理がなかった。 「ミーくん!? 何で――」 唖然としていたスバルは我に返り、ウイングロードに飛び込んできたミーを問いただそうとしてやめる。 それよりも優先すべきことが他にあるから。 「今は、アイツを!」 仰向けに倒れたドラスへと視線を投げるスバル。 その眼差しは冷酷。 ドラスが怪人態を隠していたという事実が、スバルの殺意をさらに加速させた。 地上のドラスへとウイングロードを展開させ、ミーの静止も聞かずにスバルは駆け出した。 両脚に装着されたマッハキャリバーの四つの車輪がさらなる回転。 金属の軋む音と共に、車輪から飛び散る火花――生み出される運動エネルギー、上昇するスピード。 繰り出される右ストレートには、振動エネルギーとデバイスの旋回が上乗せされる。 すなわち、二度目の振動拳。 「ッああっ、やぁあああああッ!!」 ドラスを貫くように展開されたウイングロードを、一陣の疾風となったスバルが走り抜けた。 ◇ ◇ ◇ 「どう……して……?」 少しずつ車輪の回転が緩まり、当然ながらスバルの速度も落ちていき――ついには静止する。 わなわなと震わせた身体から漏れた言葉もまた、微かに揺れていた。 そのことに気付いたスバルは唇を噛み締めて、無理矢理に震えを消し去って甲高い声を上げた。 「ボブさん!?」 勢いよく振り向いたスバルの瞳に映ったのは、彼女がこの地で最も心を許していた相手。 そして、そのハーレーに跨るT-800が小脇に抱えている――最も憎い存在であるドラス。 スバルの振動拳が命中する寸前で、ハーレーを駆動させたT-800がドラスを掬い取ったのだ。 黒いライダースーツとサングラスが怪しく月光を照り返す中で、T-800が静かに口を開く。 「落ち着け、スバル・ナカジマ」 「でも!」 「頭冷やしなって言ってるのさ。 そのドラスって子は、スバルちゃんに全然攻撃してなかったでしょ。それどころか僕を守りに来たように見えたけど?」 納得できない様子のスバルがT-800に掴みかかろうとするが、メタルボディを輝かせたミーが間に入る。 スバルが地上目掛けて発進した時点で、ウイングロードから飛び降りていたミー。 着地したと同時に全速力でスバルを止める――という考えは失敗に終わったのだが、結果としてドラスが攻撃を受けなかったことに安堵していた。 「そっ、そいつは平気で嘘を付くんだよ! どうせ何か企んで――」 「ドラスが、俺の救助を推測できたとは思えない。それくらい君も理解可能なはずだ」 言い返す途中で自分の考えを切り捨てられ、スバルは言葉を詰まらせる。 反論のしようがなくなり、瞳が金色から普段通りの濃いブルーへと戻る。 戦闘機人モードでなくなっても未だに自身を貫くスバルの視線には、ドラスはあえて反応しない。 己の罪を認めているからこそ、睨まれるくらいでへこたれるワケにはいかなかった。 ドラスはゆっくりと自身を掴む腕の主へと視線を流すと、コアに負ったダメージのせいで呼吸が乱れたままで尋ねる。 「何、で……? 凱兄ちゃん、を……殺、した……お前、が……」 「その件に関しては、のっぴきならない事情があった。おいおい説明しよう。 こちらも誤解をしていた、君たちがギンガ・ナカジマを盾にしたものとな。それゆえに先ほどは距離を取った。理解できたか?」 「そう……勘違い、か。全、部…… 悪かっ、た……のは、結局……僕、一人だ……ったの、か…………」 T-800の言葉は、実際のところ事実ではない。立場を危うくしないための虚構だ。 だがドラスは気付かなかった。否、気付けなかったというのが正しいか。 自らの目的のために、他者を不幸にする嘘を吐く。 かつて平然と行った行為であるが、ドラスはそんな行動に出る者がいるとは思えなかった。 本当に欲しかったものを知る前の自分を、誰より嫌悪するからこそ。 自分の罪に対して、誰より許せないと思っているからこそ。 己以外にそんな悪行を行う相手がいるなどと、無意識のうちに考えようとしなかった。 ◇ ◇ ◇ コアへのダメージは回復できないものの、ドラスは数分かけて呼気を整える。 T-800に下ろされ、ミーが回収した切り落とした左腕を取り込む。 かつて腕を喰らわれた光景が蘇り、スバルの表情が憎悪に染まる。 自身の罪を再認識しながら、ドラスは左腕を再構成。 「落ち着いたのなら、説明してもらいたい。 実際の君が、なぜスバル・ナカジマから伝え聞いた話と異なっているのか」 こくりと頷いて、ドラスは切り出した。 まず当初の目的と、タチコマやスバルに接触した理由――かつて明かした全てを肯定する。 そして、タンクローリーを操縦した三体と同行した際の思惑。 無意識のうちに、スバルが拳に篭める力が強くなる。 赤い液体が滲み出ているのに気付いたミーが、話の腰を折らないように忍び足で彼女に歩み寄った。 「気持ちは分かるけど、今は話を聞こう。ね?」 四体でシャトル発着場へと到着したところまで説明を終え、急にドラスが黙する。 だんまりを決め込もうとしているのではなく、数時間前の約束を守るために。 一息付いてから、再びドラスは口を開く。 自分が欲していたものを知ることになる事件についてを詳細に打ち明けて、体内からあるPDAを取り出す。 数回ボタンを操作してから手渡されたPDAを見て、スバルは絶句した。 映し出されていたのは、ノーヴェという少女からの遺言。 高鳴る動悸を沈めようと説明を中断するドラスを急き立てる者は、この場にはいなかった。 そこから先については、もう止まらなかった。 小さな姉に連れて行かれた先で出会った戦士たち。 その地を襲撃してきながら、『育てる』などと言ってのけた蓮の化身。 黒ずくめの男とのキャッチボール、問い掛け。 暴れていた青い女性を止めるための戦い――起こってしまったすれ違い。 第五の仮面戦士との再会と誓い。 白い鎧を着込んだ青鬼の強襲、その結果。 理解し得ない破壊者の行動に、全てを洗い流すかのような銀の自動人形の歌。 何もかもを話し終え、ドラスは呆然としているスバルに視線を合わせる。 そして勢いよく頭を下げた。 「ごめんなさい。許されることじゃないのは分かってるけど、言わせて欲しいんだ…… こんな僕の言うことなんて信用できないと思う。でも、それでも……本当にごめんなさい!」 ノーヴェの残したテキストを目にしてからは、スバルはドラスの様子を食い入るように見ていた。 家族や戦士たちとの触れ合いについて話していた時、ドラスの表情はとても暖かかった。 彼らとの別れについて説明する際、涙こそ零れていなかったが瞳は赤く染まっていた。 (ああ、そうだったのか……) スバルの脳内に、金色の勇者の姿がフラッシュバックする。 彼は本当のことを言っていたのに信じられずに、自分は何度も殴り付けてしまっていたのだ。 今になって、スバルはその事実に気付いた。 「恨まれるだけのことをしたと思う。だから……許せなかったら僕を殺して」 「ちょっ、ドラス君!?」 ドラスが纏うゴシックロリータを通して、激しい光が放たれた。 身体を構成する金属を操作して、ネオ生命体の中枢であるコアを露にしたのである。 意を決したかのような表情のドラスに、ミーが裏返った静止の声を上げながら飛び掛る。 しかしドラスに触れることなく、ミーは丸太じみたT-800の腕に掴まれた。 「何してんだ、お前ェェーーーッ!」 「彼らの決着は、彼ら自身に任せるべきだ」 声を荒げるミーに対して、T-800が冷静に告げる。 ――が、これもまた嘘。 スカイネットからの命令に従うべき彼からすれば、ドラスの戦闘力は邪魔でしかない。 先刻ドラスを救助したのは、あのまま殺させてしまえば己の立場が危うかったためだ。 ただでさえ、ドラスはスバルに攻撃を加えていなかった。 そんなドラスを助けられる位置にいたというのに手を出さなかった、などとミーから他の参加者に漏れてしまえば一巻の終わりだった。 ゆえに助けたのだが、今回は別である。 ドラスが自ら殺されても構わないと言っているのだ。 スバルが殺すところを見ていても、何ら問題はない。 「アンタ、バッカじゃねーか!? 確かにいろいろあったのは分かるけどな! 今はどっちもいいヤツだし、誤解も解けたとこじゃねーか! 殺すのも殺されるのも止めるんだよッ! いいヤツが死んでいいワケがないだろ!」 両腕を掴まれていてはウィル・ナイフを取り出すことができず、ミーは足を激しく動かす。 ミーの決して弱くはない蹴りを何度も胸に受けても、T-800は掴む力を緩めない。 真意など知る由もないドラスは、T-800に頭を下げてスバルに向き直る。 「さっきの攻撃をここに受ければ、僕は死ぬから。気にしないで……悪かったのは全部僕なんだ……」 「…………もういいんだよ」 「え?」 予想していなかった返答に呆けた声をあげたドラスの視界が、急に暗くなった。 自身が抱き締められていることに気付いたのは、包み込む温もりが伝わってからだった。 「何で……?」 「もういいよ、ドラス君。もういい……分かったから。 私が諦めたことを……ノーヴェたちがやってくれたんだって。全部噛み合わなかっただけだって……」 スバルの顔を見ることはできなかったが、服の隙間に水滴が入り込むのをドラスは感じ取っていた。 しかし、ドラスはあえてそれには触れなかった。 瞳から涙が溢れそうになるのをこらえて、今までスバルを前にして告げることができなかった呼び名を口にした。 「スバル……お姉ちゃん、ごめん……なさい。スバルお姉ちゃん…… そして、本当に……本当にありがとう、スバルお姉、ちゃん……スバルお姉ちゃん…………!」 何度も、何度も、弟は姉の名前を呼んだ。 何度も、何度も、姉は弟の呼びかけに頷いた。 ◇ ◇ ◇ ――――抱き合うスバルとドラスの横で、ひそやかに問答が繰り広げられていた。 「……なあアンタ、もしかしてこれ予想してたの?」 (事実を言ってしまえば、ミーが俺に対して抱いていた怒りはそのまま残るだろう。 しかし肯定しておけば、ある程度は緩和されるだろうと推測される。ならば……) 「ああ」 「マジすか」 「ああ」 「何かもう……その、早とちりしちゃってすんません」 「気にするな」 ちなみに、この会話は抱き合っている姉弟の耳には入っていない―――― ◇ ◇ ◇ 「じゃあ先に行くね、お姉ちゃん」 「うん、私たちも遅れるけど向かうよ」 所持する大量のPDAの一つから転送したテントローに跨り、ドラスがスバルに一時の別れを告げる。 テントローの後部座席には、ミーがしがみ付いている。 せっかく誤解が解けたというのにすぐに離れるのには、きちんと理由がある。 スバルが落ち着いてから、ミーが別の戦場へと向かった本郷たちについてを話したのだ。 その戦場というのが、ドラスがゼロとフランシーヌ人形を置いてきた地点。 一刻も早く向かおうという結論になったのだが、彼らが所持する移動手段には性能に差がありすぎた。 テントローという名のモンスターマシン、それには適わないがかなりの速度が出るマッハキャリバー、性能はいいが小型なライドチェイサー、どうしても前三つにはスペック負けしてしまうハーレー。 四人全員が乗れるタンクローリーもあったのだが、性能ではテントローやライドチェイサーに劣る。 暫し思案した後に、スバルが提案した。 ドラスとミーがテントローを駆り、T-800とスバルはハーレーで向かう――と。 戦闘能力が最も高いドラスの最速到着。 残った移動手段のうち、T-800とスバルが二人で乗れるのはハーレーだけ。 マッハキャリバーを駆動させればスバル単独でT-800よりも先に到着可能だが、二人ならともかく一人で行動するのは危険。 上記三つの理由が至極理に適っていたので、否定意見が出ることなく採用となった。 「よし……手を離さないでね?」 「はいよー」 短くミーに確認して、ドラスがアクセルを捻った。 「……ッ、速!?」 ミーが驚愕の声を漏らした時には、既に雪原地帯は突破済み。 足場はアスファルトとなっていた。 落ちたら傷つきそうだなーと考えてから、ミーは下を見てしまったことを後悔するのだった。 【D-3 路上/二日目 黎明】 【ドラス@仮面ライダーZO】 [状態]:右腕がスバルのもの、自分が求めていたものが『家族』と自覚、ナタク@封神演義を吸収、疲労小、コアにダメージ セインを四、五歳幼くした状態に擬態(ただし生えている)、テントローを運転中 [装備]:ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG、メカ沢の学ラン@魁クロマティ高校、オルゴール付き懐中時計@仮面ライダーZO 混天綾@封神演義(マントとして)、乾坤圏@封神演義(左腕の方は修理が必要)、カセットアーム@仮面ライダーSPIRITS(体内) 金蛟剪@封神演義(体内のナタクと付属)、テントロー@仮面ライダーSPIRITS [道具]:PDA(ドラス、マルチ、ノーヴェ、ロボ、アラレ、シュトロハイム、城茂、エックス、あ~る、バロット、チンク、メカ沢、灰原、ロックマン) 荷電磁ナイフ@マルドゥックスクランブル(D-3基地に放置。呼び出し可) スタームルガー レッドホーク、装弾数0/6@ターミネーター2(D-3基地に放置。呼び出し可) ぎんのいし@クロノトリガー、液体窒素入りのタンクローリー@ターミネーター2 (D-3基地に放置) タイムストッパー@ロックマン2(メカ沢の胴体部):ロボのPDA はちゅねミクのネギ@VOCALOID2(E-3道路に放置)メッセージ大砲@ドラえもん(E-3道路に放置) 拡声器@現実(E-3道路に放置):アラレ、及びシュトロハイムのPDA。 転送可能 スモールライト@ドラえもん(残り四回):城茂のPDA クロマティ高校の制服@魁!!クロマティ高校 、グロスフスMG42(予備弾数20%)、 NIKU・Q・マックス@サイボーグクロちゃん、 ナイスなグローブ×2@パワポケシリーズ、ダンボール@メタルギアソリッド、 大型スレッジハンマー@ジョジョの奇妙な冒険、アトロポスのリボン@クロノトリガー、高性能探知機(バッテリー切れ) [思考・状況] 基本思考:二度と家族を失わない。 1:D-3のシャトル基地へと向かう。 2:仲間の死にショック……だが、泣かない。 3:家族と殺しあうハカイダーを認めない。 4:放送がないのに疑問。 [備考] ※自分が未完成品、仮面ライダーが完成品だと勘違いしています。 ※チンクを姉として強く慕っています。 ※無意識の内に罪悪感が芽生えつつあります。 ※志郎の言った10人ライダーの中に仮面ライダーZOがいると思い込んでいます。 ※他人の肉体を吸収すると取り出せなくなっています。 ※金蛟剪@封神演義に『使用者の資格がある』と認められましたが、龍を発現させるまでには至っていません。 ※赤ドラスに変身可能になりました。 【ミー@サイボーグクロちゃん】 [状態]:健康、仲間を失った悲しみとやるせなさ、シグマへの怒り、爆弾解除、テントローの後部座席に座っている [装備]:アームパーツ@ロックマンX、ウィルナイフ@勇者王ガオガイガー(何でも切れる剣のあった場所に収納) [道具]:PDA(ミー)、青雲剣@封神演義、ライドチェイサー『シリウス』@ロックマンXシリーズ [思考・状況] 基本思考:殺し合いには乗らない、打倒主催。 1:D-3のシャトル基地へと向かう。 2:武美、ソルティを守る。 3:シグマ打倒の為、仲間を集める。 4:本郷に対し、少々の罪悪感。 5:T-800に対して疑心。 6:放送がないのに疑問。 [備考] ※悪魔のチップの制限は精密動作性の低下、他者への使用には遠慮気味になる、支給品と合体するとやや疲労する、です。 ※合体による肉体の主導権は、基本的に相手の側にあります。 ※ドクターケイトの杖@仮面ライダーSPIRITS(ID未登録)は切断され、E-8に放置されています。 ※バトル・ロワイアルにおけるドラスの動向を、細かく聞きました。 ◇ ◇ ◇ 「スバル・ナカジマ、なぜ来ない。本郷らの許に向かうのではないのか?」 ハーレーのエンジンを温めたものの、なかなか後部座席に衝撃が加わらないのでT-800が腰掛けたまま首を後ろに回す。 そのカメラアイが映し出したのは、バリアジャケットを解除したスバルの姿だった。 T-800には装備を剥ぐ真意が見出せず問おうとするが、その前に歩み寄ってきたスバルからPDAを手渡される。 「これは?」 「ドラス君に渡してください……私が彼にできるのは、この程度だから」 首を傾げるT-800に意図せず口元を緩めてから、スバルはハッとする。 適わないなと小声で呟いてから、T-800から距離を取って簡潔に一言だけ。 「ボブさん、今までありがとうございました…………ごめんなさい」 言い終える頃にはスバルの瞳は金色に変わっており、そしてこめかみに押し当てた左拳が青い魔方陣を纏う。 ――ぶちゃり。 樹から落ちた熟れた果実のような音を立てて、彼女自身のISによりスバルは粉砕された。 苦しむこともなく一瞬の内に、肉も骨も皮も毛も脳も全てがミックス。 奇しくも最後の言葉は、彼女が敵だと思い込んでいた少年にかけられた言葉によく似ていた。 スバル・ナカジマは強い少女だったが、それはあくまで戦闘という観点で見たらの話にすぎなかった。 いきなり呼び出されて壊し合えと命じられる。そんな異常事態は、歳相応の彼女の精神を磨耗させた。 信じた少年に裏切られ逃亡し、いきなり二者に襲い掛かられて暴走。そしてその後、錯乱。 数時間かけて頭を冷やしたが、それはただ己の中に作り出した強大な敵に全ての罪を押し付けたに過ぎなかった。 ――――しかしその強大な敵は、もはや敵ではなかった。 知ってしまったゆえに、これまでの罪がスバルに圧し掛かった。 こんな時に頼るべき人間は、スバルの周りにはもう誰もいなかった。 尊敬する恩人も、共に夢を目指した親友も、同じ部隊の同志たちもいない。 距離を縮めようとしていたはずのナンバーズは拒絶し、大切な姉は……―――― 自らが、今の状況を作ったのだ。 罪を背負ったまま生きるほどの意思を固める要素もなく、彼女は終わりを選んだ。 ドラスがいる前で行わなかったのは、ショックを与えたくなかったから。 本当はT-800にも見せたくはなかったが、本郷たちと合流してしまえば一人になれる状況はないと判断して踏み切ったのだ。 彼女にはデッドエンド以外の選択肢を与えてくれる人物がいなかった。 いたにはいたが、自らその手を払いのけた。あるいは距離を置いた。 ただ、それだけの話。 【D-3 雪原/二日目 黎明】 【T-800@ターミネーター2】 [状態]:全身に損傷(特に背部)、所々の深い傷からは金属骨格が露出、シグマウィルス感染。爆発物解除。 [装備]:滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、コルトS.A.A(6/6) [道具]:HARLEY-DAVIDSON:FAT BOY@ターミネーター2、電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITS、 PDA(凱、村雨、T-800、スバル)、打神鞭@封神演義、グランドリオン@クロノトリガー、トリモチ銃@サイボーグクロちゃん 生活用リゼンブルパーツ(左腕)@SoltyRei、コルトS.A.Aの弾丸(12/30発) ラブラブビッグバンの音楽ファイル@パワポケシリーズ、サブタンク(満タン)@ロックマンX 滝和也のナックル@仮面ライダーSPIRITS、ナックルの弾薬(25/30発)@仮面ライダーSPIRITS テキオー灯@ザ・ドラえもんズ、ライディング・ボード@リリカルなのはStrikerS、マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS [思考・状況] 基本思考:スカイネットの使命通り、全ての者を破壊する。 1:どうするか。 2:スバル、本郷らを利用して人間及び、人間側のサイボーグとロボットを始末する。 3:時間を稼ぐ。必要ならゼロチームの消耗を待つ。 4:発見した音楽ファイルに秘められたメッセージを本郷と共に解読。 5:用が済めば、スバル達を破壊する(しかし、ノイズが発生。それを心地よく思っている?)。 6:放送がないのに疑問 [備考] ※本編開始直後からの参加です。 ※テキオー灯は、一時間のみ効力持続。一度使った者には、24時間経過しなければ使用不可能と制限されています。 ※バトル・ロワイアルにおけるドラスの動向を、細かく聞きました。 ◇ ◇ ◇ 「――ふふっ」 不意に、ドラスの顔がほころぶ。 零れた声が届いたらしく、後部座席のミーもうっすらと笑みを浮かべた。 ドラスは嬉しかった。 罪が許されたのがではなく、スバルを再び姉と呼ぶことができたことが。 ハンドルを掴むドラスの心は、幸せで満たされていた。 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS:死亡確認】 【残り9体】 ※D-3雪原上に、首から上は粉微塵の状態で横たわっています。 右腕は今のところリゼンブルに換装されていますが、T-800に再転送される可能性があります。 時系列順で読む Back 血塗れの指先1 Next |NEXT LEVEL| 投下順で読む Back 血塗れの指先1 Next |NEXT LEVEL| 148 閉幕と始まり1 スバル・ナカジマ GAME OVER 148 閉幕と始まり1 T-800 153 あなたはここにいますか? 前編 148 閉幕と始まり1 ドラス 152 そして終焉【フィナーレ】へ…… 148 閉幕と始まり1 ミー 152 そして終焉【フィナーレ】へ……
https://w.atwiki.jp/gensouiri/pages/1712.html
出来れば普通に幻想入りしたかった 動画リンク コメント・レビュー 出来れば普通に幻想入りしたかった 何人目の幻想入りか 作者 ひとこと 主人公 mylist/9827632 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー 名前 コメント すべてのコメントを見る ※この作品のレビューを募集しています。レビューについては、こちらもご覧下さい。
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/594.html
183 名前: NPCさん 04/08/27 21 40 ID ??? ファミレスでセッションは周りの客が迷惑だと想うのだが。 まぁ、俺としては周りの客の迷惑なんぞ知った事ではないんだが、 世間一般の卓ゲ者への評価という点を考えると、もう少し配慮をしてもらいたい。 例えば、コスプレイヤーは会場以外でコスプレしないとか。 サバゲ者は戦場につくまで、エモノや迷彩服をしまっておくとか。 そういう次元。 あと蛇足だが、 会話の端端に、前後の文脈を離れて聞くとアレな発現が混じる事もある。 セッションではないけど、スパーへツマミの買いだしに行った時に 「あそこで奴を消しとけば話しが早かったんだよなぁ・・・失敗した。」 「へっ、まあいいさ。○○とは一度戦ってみたかったんだ。ぶっ殺してやるぜ!」 正直置いて帰りたかった。(´д`) スレ30
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1055.html
885 名前:【SS】シスコン世界陸上[sage] 投稿日:2011/08/26(金) 03 27 51.59 ID lmidAb5R0 『シスコン世界陸上』 今、俺は桐乃と一緒にテレビの中の激戦に釘付けになっている。 「あと少し!抜ける、抜ける!!……あー、くそっ!」 「半身の差、だったな……」 液晶の中で繰り広げられるのは、陸上競技。それも世界最高峰の選手ばかりが集まる、世界陸上の大会である。 日本国中が熱気にあてられるように、俺と桐乃も例に違わず、白熱したアスリートの祭典を応援しているのだ。 「でも、やっぱり世界は凄いなぁー。あの選手でも、予選で敗退しちゃうんだもん」 桐乃は、テレビのレースが終了すると同時に脱力し、ソファーに座りこんでそう呟いた。コイツ自身、陸上に心血を注いでいるだけに、この世界陸上の舞台で行われている競技、中でも短距離のレースには、熱い思いを抱いているようだ。 「アタシ、前に日本代表の練習を見た事があるんだけど、その時はとても敵わない!って、愕然としたのに……」 「世界は、それ以上だったってことか」 「あーもー!自信失くすって、こんなの……」 反則だよ。 桐乃は覇気無くそう嘆いた。それもそうだろう、陸上のみならずどんな世界でも、天井知らずな実力差を見せつけられたら嫌にもなるさ。 それでも、ここで「辞めちゃおう」という選択肢を出さないところが、桐乃の偉い所でもあるし、何かで成功できる人の必須条件なんだろうな。 平凡な俺は持ち合わせない、大した才能だよ。 テレビに目を向けると、褐色の肌の女性選手が、嬉しそうにコーチらしき人と抱き合っている。見ているこっちまで嬉しくなる、眩しい笑顔だ。 その光景を眺めていると、俺はふと、リアの顔が浮かんできた。 おそらく今までの人生で、桐乃を一番打ちのめしたであろう少女。そして同時に、天真爛漫で良く笑う女の子だった。 彼女が今、何をしているかは分からないが、世界最速の小学生とまで呼ばれた子だ、きっと元気に走り回っている事だろう。 やがてはリアも、この大舞台に立つ日が来る。 まだ先の話だが、恐らくそれは、間違いなく訪れる未来の出来事である。 「ねぇ、アンタ。今、何考えてんの?」 不意に桐乃が、俺に問いかけてきた。 「ちょっとな。アイツ……リアの事、思い出してたんだよ」 「なんだ、アンタもか」 「も」、って事は、桐乃も俺と同じ事を考えていたようである。 無理もない、テレビの中の女性はリアの雰囲気によく似ているし、何より俺と桐乃は兄妹だからな。思考もたまには似るってもんさ。 「あの子はさ、絶対この大会にも出てくるよ。そして、間違いなく注目を浴びる」 まるで自分の妹を自慢するように桐乃は言った。何の迷いもなく。 これまた大した自信だな。勿論、俺も同じ意見だけどよ。 「まっ、このアタシをさんざん負かしたんだし?それくらいは当然だけどね~」 桐乃は、嫌味とも称賛とも取れる言葉でリアを語る。 一度は自分が勝った相手、だからといって桐乃はリアを下に見るような事はしない。こいつなりのプライドなんだろう。 それでも、そんな相手に勝ったお前は、やっぱりすげぇよ、桐乃。 俺は口には出さなかったが、心で自分の妹を誇らしく思った。 「でもさ……アタシだって、諦めたワケじゃないよ」 そして桐乃は、声のトーンを少しだけ低くして、俺に言い聞かせるように続けた。 「今はまだ、全然先の見えない状態だけど、いつかはリアやこのテレビの中の選手達にも負けない、ううん、勝てるくらいの実力をつけて、一番になってやるんだから」 「出るだけじゃ、満足できないか?」 「当たり前じゃん?やるならキッチリやって、そして結果を残す。当然っしょ!」 「ハハッ、すげぇな」 ホント、お前らしいよ。どこまでも不遜で、でも妙に説得力のある言葉だ。 いつかこの最高の舞台で、桐乃とリアが並んで真剣勝負をする日が来るかもしれない。それは想像するだけでも、胸が熱くなる話だぜ。 「……アンタは、信じてくれるの?アタシの言葉」 「当たり前だろ?実際、お前は結果も残してるし、ちゃんと実力をつけ続ければ、夢物語でも何でもないだろ」 「現実は、言うよりももっと大変なんだよ?それでも、叶うと思ってんの?」 桐乃は少し語気を荒げ、必死な面持ちで俺に聞いてくる。 「大変なのは分かってるよ。でもな、俺はお前なら出来ると信じてる。他の誰が無理だって馬鹿にしても、俺はお前の目標を笑ったりはしねぇよ」 いつか桐乃の趣味を知った時のように、俺はそう桐乃に返した。一つ違う事があるとすれば、今回は本心からそう思って言った。 俺は、桐乃なら出来ると本気で思っているから。 「……ふーん。あっそ。マジになってさ、バカじゃん?」 悪態をつきながら、桐乃はそっぽ向いてしまう。 うーむ、真面目に答えすぎて、少し恥ずかしくなってきたぞ……。 「じゃあさ、もしね……」 すると桐乃は、顔を俺には向けずに、 「もし、アタシが本当に世界陸上に出て、そして一番になったらさ……」 ――何でも一つだけ、お願い、きいてくれる?―― なんて事を言ってきやがった。 おいおい、まさかとは思うが。 「……それってもしかして、その時にしか言えない、『人生相談』……とか?」 「まぁ、そんなとこ……かな」 桐乃は限定せずに、はぐらかすだけだった。 はぁー。 いくら大きくなっても、俺は桐乃のお願いからは解放されないんだな。 人生相談なんて、もう聞かなくなると思ってたのに。 桐乃の中には、いつまでも俺に言いたい事があるみたいだ。 ……まぁ、それもいいか。 人生相談、そういって頼られるのも、悪くねぇ。 「いいぜ、じゃあそん時は聞いてやるよ」 「……どんな内容でも、だかんね?」 「当たり前だ。今更だろ、そんなのはよ」 「そうかもしんないけど……」 桐乃は、不安の消えない表情でいた。 大丈夫、たとえどんな無茶難題を押し付けてきたとしても、叶えてやるよ。 桐乃がそこまで成功した時の話だろ? それなら俺だって、全力で答えてやるぜ。 だって俺は、コイツのたった一人の兄貴だからなっ! そして、数年後――。 桐乃は、あっさりとその目標を達成させやがった。 実におそろしい妹様である。不可能なんて言葉、コイツの辞書には無いのかもしれない。 俺も兄として、鼻が高いぜッ! ……とまぁ、そんな輝かしい未来があったわけだが。 問題は、桐乃の新たな人生相談である。 俺はてっきり、「アキバの妹モノのエロゲ、全部買い占めてきて」とか、「妹空のメディアミックス化を手伝え」とか、そんな話だと思っていたんだが。 実際には、 『アタシの旦那様になって』 ときたもんだ。 あぁ、正直メチャクチャ驚いたよ。聞いた瞬間は、目の前が真っ白になった。 でもよ、それを告げる桐乃が震えていたり、今にも逃げ出しそうな表情をしてたのに気付いたら、言えないよな。 無理だなんて。 今の時代、当然ながら兄妹の結婚なんて認められない。当たり前の事だ。 後ろ指差される日常を、覚悟しなくちゃいけないだろう。 だが桐乃は、不可能だと思われた事を、自分の力で可能にした。 それなら、俺も逃げずに立ち向かおうと思う。 ……もし実現できる日が来たら、桐乃は喜ぶかな? 陸上で一番をとった時より、もっと嬉しそうに笑ってくれるかな? そう思うと、不思議と俺も、やる気がみなぎってくるんだよ。 よし、じゃあ絶対に勝ち取ってみせるぜ! ウェディングドレスを着た桐乃を、お姫様抱っこしながら、 シスコンの金メダルをなっ!! ----------
https://w.atwiki.jp/5ark/pages/150.html
Miteia Afrika-Yuuramerikon 世界 画面の前、貴方の居る世界。 関連項目 墓標船 世界一覧に戻る 地理のページに戻る 自然のページに戻る
https://w.atwiki.jp/sksm/pages/30.html
「世界一しまむら」本編 2 ある程度、体調が落ち着いた頃には、もうとっくに食堂の閉店時間を過ぎていた。 購買部は夕方遅くまで開いているものの、昼休みにはほとんどのお弁当や惣菜は捌けてしまっているだろう。 胃の中が空っぽで、逆に腹痛がひどい。 入学早々、なんて不幸なのだろうと思うも、全て自分の自業自得だ。 自分にうんざりとしながら、お腹すいたと小さく呟くと、その近くにあった椅子に座り、ぼんやりと視線を少し横に移す。 先ほど、告白して打ち破れた場所が視界に映り込む。四年間、あの場所がずっとトラウマになるのだと思うと、かなり気が重たい。 「バランス栄養食くらいなら売ってるかなぁ……」 またぼそりと独り言を呟くと、視界に小走りで駆けて行く濡れ鼠になった男の姿が飛び込んできた。 太一がいることに気がついたのか、ふっと視線をこっちに向けてきたが、一瞬だけ目が合ってしまい、首を傾げられる。 見ていませんでしたアピールをしたつもりでいたが、どうもしきれなかったようで、こちらに向かって足音が近づく。 自分の目の前に来たところで、彼が手にしていた画材道具についているネームプレートが映った。 二年美術科西洋絵画専攻、縞村義騎。 それを一目見て、彼が先輩であること、そして、自分とは学科が違うことが分かる。 「どーしたの? 迷子?」 自分と同じくらいの目の高さまでしゃがみ込み、優しい声色で問うた。 泣き止んだばかりの赤く腫れた太一の瞳が義騎の目に飛び込んできて、なぜだか、まるで他人事のように思えなくなってしまったのだ。 きっと、本人は何でもない表情をして、平静を装っているつもりなのだろう。 けれど、今の義騎になら分かる。 道には迷っていない。 ただ、今後の自分が行く先に迷っている、と。 「あ、え、えっと……先輩、おしゃれ、ですね」 思っていた言葉をふと口にしてしまい、慌てて訂正したが、義騎はただにこやかに笑っていた。 初対面の人に、なんて優しく接してくれるんだろう。 響也に冷たく当たられたばかりなので、優しくされるとつい安堵してしまう。 「……そのジャケット、俺とお揃いじゃん。だから、変に親近感湧いてきちゃって、ほっとけなくなったん。もしかしてメーワクだった?」 そんなことはないですと否定すると、義騎は、それならよかったと白い歯を見せる。 「似合ってるよ、ジャケット。自分の似合う服よく分かってんじゃん。俺より多分、似合うんじゃね?」 「あ……っえ?」 戸惑って困惑していると、可笑しいものを見たかのように笑いながら、ぽんぽんと太一の頭を撫でた。 「俺さ、最初すっげーシンプルな格好しててね、すげーオサレな幼なじみに、てめーみてぇなハデなヤツにそんな格好似合わねぇーんだよこのビチクソがって、チョーブチギレられたんよ」 多少の誇張はあるだろうが、何て口の悪い人なんだろうと、太一は僅かに苦笑いを浮かべる。 それでも、楽しそうに話を続ける義騎を見ていると、どことなく親近感が湧いてきて、嫌なことを全部吹き飛ばしてくれるように思えた。 だから、どんなに小さくて他愛のない下らない話でも、最後まで聞けたんだと思う。 こういう人と友達になりたいなと、心のどこかで思えてくる。 せめて、学科が同じだったらよかったのにと、思えてくらいに。 「そこで薦められたのがさ、しまむらだったんだよ! しまむらってすげーよなぁ。安いくせに結構いろんな服置いてあるから、あれもこれも着てみたくなって、どう着こなせばいいか、逆にワケ分かんねぇよな!!」 「あはは、僕もそれです。買うのいいんだけど、家帰って着てみて、似合わないんじゃないかとか、どう着こなせばいいんだとかって……」 「だろぉ? 俺も最初に幼なじみとしまむら行ったとき、てめぇは地方から都会に来たおのぼりさんかこのゴミクズがーってキレられたもんだ。ここまで俺に近い感覚の人間初めてかも知んね!!」 太一の両手をがっしりと掴んで、義騎が深く頭を下げる。 あまりにも唐突すぎる出来事で、一体全体どうしてこうなったのかよく分からず、太一はただ目を丸くした。 「なぁ、ちょっと今から美術棟来てくんね? キミの意見が聞きたい!!」 真剣な瞳で言われ、断るにも断れなくなる。 しかし、センスのいい人に、センスがないと一刀両断されたばかりの人間が、専門的に美術をやっている人に意見などしていいものなのか。 いや、最初から意見できるような勇気や技量など、持ち合わせていないのだけれど。 断る言葉を捜して口篭っていると、急に義騎が立ち上がり、ぐいっと手を引かれ、よろめきながら立ち上がる。 「悩んでるくらいなら、とりあえず、俺の絵見てってよ! な、それならいいだろ?」 気迫に負け、見るくらいならと返すと、義騎は大袈裟にガッツポーズをして見せた。 「よっしゃ! じゃあ、ちょっとこっち来いよ……えーと……」 「文学部一年の、島村太一です」 「おっけぇ! じゃあ、行こうか、たいちゃん!!」 「えっ、たいちゃ……?」 聞き返そうとする間もなく、義騎は走り出した。 酔ってしまいそうなくらいの速さで。 それと同時に感じる。 流れていく桜並木の風景、身体中に感じる雨に濡れた冷たさ、晴れることのない胸の靄。 何だかすごく青春しているように思える。 けれども。 (……お腹がすいたなぁ……) 雰囲気や空気をぶち壊すように、空腹の音だけは鳴り続くのだった。 諸君、待たせたなの声とともに、騒々しく美術棟の一室の扉は開いた。 中では恐らく、義騎の同級生が作業をしていたのだろうが、義騎の一声により、ぴたりと全員の作業が中断された。 どの生徒の顔を見ても、目の下にクマを作っていたり、空気がピリピリと張り詰められていたりで、締め切りに追われ切迫した状況であることがひしひしと感じられる。 その空気に耐えられなくなり、思わず、義騎のジャケットの裾を掴んでいたが、突如、周りの空気は和やかになった。 「義騎、てめー余裕だな!」 「この子だぁれ~? 美術科志望の受験生? 可愛い~っ!!」 絵に向かって黙々と作業をしていた生徒たちが立ち上がって、義騎と太一の周りに集まる。 「ヨユーでもないし、受験生の子連れてきたわけでもないんだけどぉ、なんていうか、息抜き?」 「お前、授業以外でここに作業しに来たの初めてだろーが!!」 同級生に首を絞められ、ギブギブと手を振る義騎を見て、太一は羨ましく思った。 義騎の第一印象はすごくよかった。 そして、普段の義騎を知っている多くの人たちが、彼の人柄の良さを評価して、彼と接している。 きっと縞村義騎という人物は、普段から太一の第一印象通りの人なのだろう。友達が多いのも素直に頷けた。 そんか日常の風景の断片を遠目で眺めていた太一に、一人の女子生徒が声を掛ける。 「高校生じゃないってことは、うちの学校の生徒?」 「あ、はい。文学部の島村太一っていいます」 「へぇ~そっかぁ。可愛いからてっきり見学に来た高校生かと思っちゃった。ほら、あたしのお菓子あげる」 子ども扱いというか、小動物的扱いというか。 もう慣れているし、背に腹は変えられないので、ありがたくお菓子をいただく。可愛くラッピングされているのを見ると、女の子らしいなぁと感じ、少しだけテンションが上がる。 「よっしーと仲良いんだね。もしかして、アイツの彼氏との子どもって設定?」 「どっどどっどっどどどどっどっどっ、どういう、ここっここっこけっここけっ!?」 思わず食べていたクッキーを落としてしまいそうになったが、間一髪のところで受け止めた。しかし、動揺のあまり、舌を噛んでしまった。 一人でばたばたと慌てふためく太一の姿が彼女にとって、とても滑稽だったらしく、手を叩いて笑っている。 「あっははは、太一くん、最後ニワトリみたいになってる! 超萌える!!」 そんなに笑わなくてもいいのにとしょぼくれながら、もらったクッキーを一口かじる。 「けど、義騎に彼氏がいるのはマジね。アイツ、幼なじみの男と付き合ってるバイでさ、そのせいか昔は超キモがられたんだって。今もちょっと気にしてるらしいから、あまりそのことには触れないでいてくれると嬉しいな。義騎と仲良くしたいなら、なおさら」 「大丈夫です。そういうのに偏見はありませんから」 「そっか、ならよかった」 世間は狭い。 自分以外にもそういった性癖を持つ人が身近にいたなんて。 そう思いながら、友達とわいわい会話している義騎を見つめていた。 友達も多いし、好きな人もいるなら、毎日楽しいんだろうなと思っていたが、どんな人にも悩みの一つや二つはあるんだなとしみじみ思う。 自分や義騎だけじゃない。 きっと、響也も。 「おーい、たいちゃーん! たいちゃんどこー?」 眺めていた人ごみの中から、自分の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。 返事をすると、義騎が人ごみを割いて、太一のところへ向かってきた。 「もぉー勝手にどっかいなくならないでよ」 「それは太一くんの台詞でしょ?」 義騎に向かって、彼女が一蹴すると、義騎が何か言いたそうな表情をして顔をしかめる。 「あるぇ、たいちゃん、蘭とも友達になったの? アブナイから付き合うのやめた方がいーよー。こいつ、男二人見ると掛け算したくなる人だからぁ~」 「さ、三次元ではやおい萌えしないわよっ!!」 「か、掛け算? やおい、萌え?」 「たいちゃんは知らない方がいいよ。世の中には知らなくていいことなんか、いっぱい、いーっぱい、あるんだからねっ」 「何言ってるの! 最近は腐男子だって増えてきてるんだから!」 「俺は一筋の人がいるからなぁ……」 女性と対等に会話ができる義騎をまた少し羨み妬みながら、ぼんやりと二人の会話をしている様子をじっと眺める。 彼女は島斑蘭といい、美術科のファッション学部に属しているモデルらしい。 街中でスカウトされて、今はファッション雑誌の専属モデルを務めているとのことだ。 その雑誌が創刊されたばかりとあり、知名度や認知度はまだまだ低いものの、今後の活躍を期待されているとかどうとか。 男性もののファッションですら疎いのに、女性もののファッションなんてもってのほかで、彼女の名前は初めて聞いたが、それは口にしないでおく。 後に義騎から聞いた話によると、本性はフジョシ(?)らしく、かっこいい男性を掛け算して楽しむ趣味を持っているらしい。 それにしても、義騎が盲目になるほど愛してやまない男性とは、どんな人なのだろう。 気になって仕方がなかったものの、そんな下世話な質問を初対面の人、ましてや後輩風情がするものじゃないと、言わずに胸に留めておく。 義騎のような人柄もルックスもいい人に愛されている人――きっと、すごく素晴らしい人なのだろう。 そんな空想に思いを馳せながら、ふと窓の外に目をやる。 先ほどまで降っていた通り雨はすっかりと上がり、橙色の夕陽が校門の桜並木を燦々と照らしている。 もうそんな時間なのかとはっとして、部屋の時計を見ると、十八時を過ぎていた。 早くしないと、帰宅するための最終バスがなくなってしまうと不安になり、話に花を咲かせている義騎のジャケットの裾をおずおずと引っ張る。 「ん、たいちゃんどした?」 「そろそろ最終のバスに間に合わなくなるので……」 「わぁぁ、ごめんよぉ! 強引に引っ張り出しといて、つい長話になっちゃった!!」 申し訳なさそうな声色で義騎が謝ると、すぐに蘭を別れを告げ、義騎と美術棟を後にする。 本当は義騎の会話を邪魔しないよう、一人でこの校舎を出ようとしたのだが、さすがに見ず知らずの美術棟から脱するのは困難を極める。 ついでに義騎も下校するとのことで一緒に来てくれたのだが……課題があまりできあがっていないと言っていたような気がする。大丈夫なのだろうか。 ああ、それこそ下世話な話か。 校門の桜並木を背に学校を出ると、近くにあるバス停でバスを待つ。先に帰ってもいいですよと言ったが、どうやら義騎もこのバスに乗るらしい。 「たいちゃん、どこ住み?」 「え、えっと、一丁目です」 「お、近いね! 俺、三丁目! そこ、ショッピングモール近くていいよねー。都会って感じ!」 「そう、ですね」 本を買いに行くくらいで、あまり買い物に行かないゆえ、ショッピングモールに行くことはさほどない。だから、特に気にしたことがなかった。 そんなだから、お洒落になれないのかも知れない。敗因の一部が分かってしまったような気がして、また微かに胃が痛む。 そういえば、今隣にいる彼とお揃いのジャケットを着ているということは、しまむらで服を買っているということではないのだろうか。 何か参考になるようなことを聞き出したいのだが、こういう人に限って、ファッション雑誌を読んで研究しているというような解答が飛び出しそうで、聞くにも聞けない。 「そうだ、今度ショッピングモール行こうぜ! 今日のお詫びに何か奢らせて!」 「そんな気にしなくてもいいですよ! 僕も楽しかったですし!」 「いーや、俺の気が治まらない! それに、そこのしまむらの店員さんから、春の大セールがあるって教えてもらったから、ついでに行きたいなーなんて。よかったら、一緒に何か見ようぜ!」 しまむら春の大セール。 つまり、安く服が買え、さらに、義騎のファッションを観察、参考にすることができる。これは絶好の機会だ。 「じゃ、じゃあ、一緒に行きま、す……」 心の中では快く了承していたが、奢りを楽しみにしている図々しい人間に思われるたくなくて、いつもの調子で答える。 脳裏に歓喜の歌が流れ出す最中、二人を乗せたバスが大学前のバス停を静かに離れていく。 今週の日曜日、一丁目のバス停で待ち合わせ。期待と興奮で心が躍る。 楽しげな太一の瞳には橙が夕闇に支配されて、暗澹の世界へと色を変えていた儚い色の空が映った。 先にバスを降りた義騎は去っていくバスに向かって、ひらひらと手を振った。 そして、そっと携帯電話を開き、数時間前にきたメールをふと読み返す。 『Re 今日中に提出しないといけない課題ができた。先に帰れ』 タイトルを入れる箇所に要件を書くほどだ。よほどのことだったのだろう。 おかげで、太一と知り合って楽しい時間を過ごすことができたのだが、義騎にとって、響也はすべてだ。 響也を幸せにできるなら、すべてをなくしてもいいと、そう思えるほどに。 用事があるなら仕方がない。 学科も違うから、何があるのかも分からない。 けれど、心のどこかで、心配と疑念が過ってしまう。 そんなことはしたくない。 けれど、そう思ってしまうのは、自分だけのものにしたい、愛という好意の気持ちがあるから。 何考えてるんだろうと自分を嘲笑いながら、バス停のベンチにすっと座り、メール作成画面を開く。 『きょーちゃん、課題進んでる?(o・ω・o)ノ゙ 俺は今日、友達ができたよーv(。・ω・。) 今度一緒に遊びに行く!(+`ω´+)』 少し迷った末、送信ボタンを押す。 メールの送信完了を確認すると、ズボンのポケットに仕舞い込んだ。 響也は元々メール無精なので、返事が返ってくることは期待していない。 ただ、このメールを見て、少しでも自分に振り向いてくれれば、あわよくば、嫉妬してくれればと、そう思ったのだ。 朝はいつも通りだったのに、突然――告白を受けて断ったあの瞬間から、何かおかしくなった。 いつもと違う。 否、あんな響也は見たことがなかった。 あれはまるで、新しい遊び道具を見つけた子どもような、瞳をしていたように思える。 (飽きられちゃったのかな、俺……) ベンチに足をかけ、膝を抱えて俯く。 そうして、数十分ほどヘッドホンで音楽を聴きながらメールの返事を待っていた。 だが、一向に返事はなかった。 よほど、無理難題な課題が出されたのだろう。 冷えて悴んだ手を吐息で温めながら、また数十分ほど待っていると、目の前にバスが止まった。 確かこれが、最終のバスだったはずだ。 ぱっとバスの出口を見上げると、薄手の黒いコートを纏った響也が降りてきた。 その姿を発見して、ばっと飛び掛かる。 最後に会ったのは数時間前だというのに、胸に突っ掛かっている不安のせいで、やけに長く会えずにいたような感覚がある。 コートを両手でぎゅっと握って背中を抱き締めると、響也は呆れたように小さく肩を竦めた。 「どうした?」 響也の声はいつも冷ややかだ。 でも、響也の発した言葉には、いつも感情の色が乗っていて、安心できた。 しかし、今は違う。 無味乾燥で、人間らしさがない。 まるで、義騎の突拍子な行動を見て、反射的に返事をする機械のようだ。 「きょーちゃんに、会いたかった。すっげぇ会いたかった」 「もしかして、それだけのためにここにいたのか?」 「へへっ、そーだよ」 屈託のない笑顔でそう答えると、響也は困ったような顔をして溜息を吐いた。 「昼に会っただろ? こんなことをして、風邪でもひいたらどうするんだ?」 「俺、バカだから風邪ひいたことないし! あ、メール、読んでくれた?」 「メール? ああ、読んだ」 「日曜日、遊びに行くんだ~」 「そうらしいな」 「羨ましい?」 「別に。どうせ課題がある」 あまりにも淡々とした口ぶりに、動揺せずにはいられなかった。 思えば、響也は確かに嫉妬なんてしたこともなかったし、束縛したいと思われたことも、独占したいと思われたこともない。 恋愛に関して淡泊なタイプの人間なんだろうと思っていた。 付き合ってから、今日まで、ずっと。 「今度、きょーちゃんも一緒に遊びに行こうね」 「悪いが、そろそろ進路を決める時期だから、あまり時間がない」 「あ……」 「お前もニュースくらい見てるだろ? 知っての通り、不況だからな。三年のうちから説明会に行くくらいはしないと」 「そ、そうだよね。けど、俺が学校卒業して、お互いに就職できたら、同棲したりとかしたいねっ!!」 「お前、就職できる自信あるのか?」 「うっ。そう、だよねぇ~……俺の学科や成績じゃ、到底、就職なんて……」 「もう少し、現実を見通した見据えた将来設定をするんだな」 「うん、ごめん……」 「俺たちのような関係だと、世間体っていうのもあるしな」 「そうだよ、ね……」 辛くて、苦しくて、身体が震える。 涙が落ちそうになるのを、唇を噛み締めて堪えていると、肩にふわりと黒いコートが乗った。 「俺のせいで風邪を引かれちゃ、たまったもんじゃない。帰るぞ」 「あ、うん」 コートに袖を通してベンチを立つと、先を行く響也の空いた手に手を伸ばす。 そして、その手を握ろうとして、すっと引っ込めた。 甘い理想ばかり見て、目の前にある現実を見ようとすることすら、響也に言われるまで気付かなかった自分に嫌気が差す。 それでも、少しくらい夢を見させてくれてもいいじゃないか。 ぽつりと、そんな独り言を零すと、前を歩いていた響也が足を止めて振り向く。 「好きだよ、義騎」 真っ直ぐに義騎の瞳を見据えて、そう言った。 泣きそうになった。 嬉しいからではない。 悲しかったのだ。 口にした愛の言霊に、感情が乗っていなかったから。 「うん、俺もきょーちゃんのこと好き! 愛してる!!」 精一杯の笑顔を作って、響也の手を握る。 その手は温かい。 だけど、どこか冷たい。 必死に堪えていた涙が一滴、右頬を密かに濡らした。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/39814.html
すくいたかったのは【登録タグ VOCALOID v flower Δ す 曲 殿堂入り】 作詞:Δ 作曲:Δ 編曲:Δ 唄:v flower 曲紹介 Δです 今回は10秒の余裕を持たせた4分タイマーです(作者コメ転載) 歌詞 (piaproより転載) ふと 目が覚めた まただ またあの夢だ 時計を見る まだ 午前3時 窓の外を見上げた 切り取った 空に浮かんだ月があまりに綺麗だから 手を伸ばした こんな僕にも何だってできる そんな気がして 君はまだ起きてるかな 散々な毎日も 今だけは ちょっと放り出して 群青の中へ ここは世界で一番星が綺麗に見える場所 塞ぎ込んだ昨日も不透明な明日も 意味を持つんだ 僕ら確かに飛んだんだ 箒星を追いかけた もう少しだけ このままで このままで 切り取った 記憶のなかの君はいつも俯き加減で 人が怖くて 世界を嫌って 自分を呪った 教室の窓辺で ずっと空を見てた「未来なんて」が口癖の 意気地なしの出来損ない あれは僕だ この満天の星は僕の諦めた夢だ きらきら光った 色とりどりの星だ 意味を求めた 僕は救いたかったんだ 君の笑顔がみたかった もう少しだけ もう少しだけ 暗い 暗い 心の奥底 いつだって君は怯えてる 「何もかもが怖いんだよ」 あの日の僕だ 僕が救いたかったのは 僕が意味を求めたのは 僕が救いたかったのは 僕が救いたかったのは ここは世界で一番星が綺麗に見える場所 この心象風景は 僕らの空は 星が降るなか 僕ら手を繋いだんだ 箒星にさよならを 涙は宙に残して 白んでゆく 白んでゆく 白んでゆく 時計をみる もう 午前8時 すすり泣く声は止んだ 次の月夜まで ゆっくり おやすみ コメント ページできてる……!ありがとうございます、すき! -- 名無しさん (2019-08-23 17 14 39) 好きすぎる -- (2023-04-02 15 06 39) 星空が目に浮かんでくる -- 名無しさん (2023-09-21 01 56 12) 名前 コメント 、
https://w.atwiki.jp/sksm/pages/32.html
「世界一しまむら」本編 4 食事が終わり、響也より先にシャワーを浴びた義騎がタオルで頭をがしがしと拭うと、居間のテーブルの上にあるリモコンに手を伸ばした。 音量を少し上げたのち、つけっぱなしだったテレビのチャンネルを回し、深夜のバラエティ番組に切り替え、三人掛けのソファーに腰を落とそうとした。 だが、もうすでに定員オーバーになっていた。 響也が一人で占領して眠っていたのだ。 毎週見ている番組なので見逃したくないと思い、音量を下げて床に座って見ていたが、隣で寝息を立てている響也が気になってしまい、途中でテレビから視線を落とした。 自分よりも年上だというのに、幼くあどけない面影が残るその寝顔を、ずっと見つめていたくなったのだ。 「あんまり変わんないなぁ、寝顔は」 額にかかった髪を横によけてやると、小さく身を捩る。 その姿がどこか滑稽で笑みが零れた。 ここにいるのが、響也であることは分かる。 分かるのだが、とても彼とは思えないくらい。 「すごく綺麗だな……きょーちゃんじゃないみたい……」 なぜだか照れ臭くなって、恥ずかしくなって、さっと頬を赤く染めた。 部屋の明かりに照らされた唇に誘われ、触れるような口づけを落とすと、顔に似合わない甘い香りと微かに感じた柔らかさと暖かさで、さらに混乱に陥る。 きっと湯あたりしてしまったんだと自分に言い聞かせていたが、自分の意志に逆らう右手が下肢に触れたのが分かると、自分の中で自分の今の感情に解答が出たと同時に、諦めが脳裏を支配していった。 (もう、俺の知ってた頃のきょーちゃんじゃないんだ。ていうか、ずっと一緒にいたのに、気づかなかったんだ……) だんだんと声を押し殺す余裕がなくなり、リモコンの音量を上げようとしたが、視界の端に響也の寝顔が映ると、きつく唇を噛み締めた。 掌から指の間を縫って、生温かな雫が肌を伝っていくのが分かると、ぷつりと緊張の糸が切れた。 もう、我慢ができない。 ソファーの少しのスペースに倒れかかるように身を投げると、無我夢中になって快楽の海に溺れていく。 もはや周囲など見えなくなるほどにまで深く沈んでいったそのとき、海から空まで引き上げられた。 身体が宙に浮き、ソファーの上まで抱きあげられる。 「きょぉ、ちゃ……!?」 天にも昇りそうなほど、激しい接吻。 耳朶に触れる唇が低く紡ぐ、言葉。 世界が、真っ逆さまに狂っていく。 真っ白に、真っ白に。 天井の白が視界に灯ったと同時に、響也の五指に収まった昂りが熱い白濁を吐き、目前に一瞬の閃光が走った。 その閃光に少しの眩暈すら感じながら、見慣れた黒髪に目を遣ると、彼の赤い舌が五指に纏わりついた白濁を掬い上げていた。 居た堪れなくなり、そっと視線を剥がすと、顎を長くてしなやかな指先が捕らえる。 「何、人の顔見て欲情してんだよ」 真っ直ぐに見つめられて、言い訳の口上が浮かぶはずなどなく、ただ素直に小さく頭を下げた。 「ごめん。きょーちゃん、すごい綺麗だったから」 「は?」 「え、えーと、綺麗っていうと語弊があるかなぁ。じゃあ、可憐? 違うなぁ、あー……えーと、んーと……」 うんざりして溜息を吐くと、ソファーの背凭れに背中を預けて腕を組む。 確実に響也を怒らせてしまった。 それもそうだろう。何せ、あんな形で眠りを妨げてしまったのだから。 「きょーちゃん、怒ってる?」 「別に」 冷やかな口ぶりに戦きながらも、か細い声で言葉を紡ぐ。 考えても分からないなら、いつまでも燻っていないで答えを尋ねるべきだと。 「……どうすれば、許してくれる?」 組んでいた腕を崩すと、乾ききっていない金色の髪を荒っぽく撫でる。 それと同時に、響也の口角が少しだけ上がったのが見えた。まるで、何かを企んでいるかのように。 言われなくても、大体の予想はついた。 ソファーの上に這い蹲ると、それでいいとでも言いたげに浅く笑った。 額にかかった前髪をそっと耳にかけると、両足の間に顔を埋め、異物を口に含んだ。 飲み込むことも、吐き出すこともできず、困惑しながら、それに舌を這わせると、熱く脈を打っているのを感じた。 するのが嫌なわけではない。 むしろ、信頼を寄せられていることに喜びすら思えるのに、これだけは得意でない。 不慣れな手つきで喉の奥へ奥へ強引に捻じ込むと、喉を使って、快感を促していった。 身体的苦痛に耐えきれず、何度も手放そうとしたが、好きな人を手放す悲痛に比べたら、この程度の痛みなど。 心に不安を植えつけられながらも、意を決して響也の顔色を窺う。 「もういいよ」 俯いて目を伏せる。 謝罪よりも先に、自己嫌悪が込み上がり、声をなくす。 「これ以上やっても、時間の無駄だろ」 言い返せるような言葉が出ず、俯いて黙ったまま、涙を堪える。 小刻みに震えている義騎の両手を見つめながら、深く溜め息を吐くと、うんざりとした様子でソファーに全身を投げた。 「寝直す。お前、俺の部屋のベッド使っていいから。六時に起こして」 「……うん」 それきりで会話が途切れた。 少しの間、何も言えずに立ち尽くしていたが、床に放られていた上着を拾い上げ、そっと響也の身体に掛ける。 身を捩ることも、不愉快そうな声を上げることもしなかったので、すっかり熟睡してしまっているのだろう。 背凭れに隠された寝顔を思い浮かべると、なぜだか立っていられなくなり、その場で静かに咽び泣いた。
https://w.atwiki.jp/mousouyomi/pages/2712.html
【妄想属性】 ノートの落書き 【作品名】 陰毛がサラサラストレート 【名前】 なかったことにしたい過去 【属性】 絶対的な基準原点 【大きさ】 人間大 【攻撃力】 過去に限り無限大の規模で全能 過去を改変することで対戦者が存在しない現在や、敵対しえない現在を作り出すことが出来る 無限大過去から改変するため、この改変に介入することは他者には出来ない 過去改変により自分が無限大の規模で現在に介入できる力を所有している現在も作り出せる 【防御力】 時間の流れ方が他者とは異なり、常に無限大過去に存在するためどのような効果も届くことはない (時間を越える効果も届かない。届けば無限大ではないから) また、過去の改変により敵の攻撃や、その効果が存在しない現在や、その効果の通用しない自分がいる現在を作り出すことも出来る 【素早さ】 メタ的に無限大過去に位置するため、メタ的に絶対先制。対戦者の参入よりも以前から対戦者にアクションを取れる 【特殊能力】 無限大過去に位置するが、現在や無限大未来を知っている。自分の過去改変により現在や未来がどうなるかも理解している 【ルールの作成】 メタ的無限過去から、つまり一連の最強スレ群やそれに類するもの以前から存在するために、当初のルール作成に参加でき ・テンプレの改変、ルールの改変、考察および考察結果の改変を禁止する(このルールは今後改正しない) ・「いかなる~」や、「全ての~」、「例外なく~」などにとっての例外といった言葉遊びは水掛け論になるので禁止する(このルールは今後改正しない) とまずは書き加えてある 今後、相手に応じてすでにルール作成時からこの様なルールだった(ルールの改変ではない)、とすることができる 【長所】 対戦相手が参入する以前にそのテンプレ作成者が思い直して異なるテンプレを書いていた、という現在も作れる 【短所】 若気の至りで陰毛にストレートパーマをあててしまった恥ずかしい過去がある 809 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/06(水) 23 02 23 なかったことにしたい過去なんだが、 【防御力】 時間の流れ方が他者とは異なり、常に無限大過去に存在するためどのような効果も届くことはない 前にスプーノーマルが3年前からいるから3年経過しないと相手がやってこないので自滅という考察があった。 同様にこいつの場合は常に無限大過去にいるから開始時の世界にやってこれなくて参戦不能じゃね? 812 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/06(水) 23 36 09 809 時間の流れ方が他者とは異なるって書いてあるから 見かけ上は同じ時間上に存在しても過去にいるって解釈でいいだろ 攻撃力の欄見ても現在にも存在出来るようなこと書いてる 814 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/06(水) 23 50 30 なかったことにしたい過去考察 とりあえず 812を適用して考察可能とする。 こいつに改変可能なレベルは現実世界、対戦世界、自分及び相手の世界の無限大過去~無限大未来か。 現実止まりのメトロポリタン美術館や三行には勝てるが、 それらより上とされるアルバート≡エッジワースは現実超えしてるだろうから勝てない。 考察後行動可能ともメタ禁止とも書いてないのでそれより上も概ね無理だろう。 とすると後は真の全能連中との勝ち負けだが、 恐らく現在の扱いでは真の全能=現実世界の全能ってことでいいと思われる (事実アルバートに負けとされているし現実のテンプレ干渉系のメトロポリタン美術館や三行に勝ち)。 神=パステルいんく´=超神戦艦ポチョムキン=ちゅるやさん=なかったことにしたい過去 816 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 00 13 45 814 メタはルールの作成で一部を禁止してるよ それで考察結果の改変禁止はきっちり条文化されてるから、考察後に行動出来るキャラも何も出来ない でも全能は禁止していないから、現実世界を含めた全能は発揮される 全能とそいつがエントリーしなかったスレを作れるのと、こういうのはどういう考察をしたらいいんだろう? なかったことにしたい過去も現在の現実レベルで全能になれるから、やや上という判断でいいかな 817 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 00 18 03 816 完全禁止じゃないし考察後も改変されたルールが残っているわけではないだろう。 永続的に残られるとこのスレのルールがぐちゃぐちゃになってしまうわけだし。 あと真の意味は常時で考察した。 818 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 00 36 36 まあ、この辺りは考察する人それぞれになると思うけど スレルール完全書き換えだとすると他のキャラも含めてぐちゃぐちゃになるし(メタ能力ってのは本来そういうぐちゃぐちゃな能力なわけだが) 考察結果の改変を禁じるルールを付け加える能力なのに無視して考察結果改変されることにするのも一方的だと思う 落としどころとしては、なかったことにしたい過去が関係するときだけルールが変更されている状態を考える辺りが妥当かな? でも、結局はこういう部分は考察する人次第だよな 819 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 00 39 03 そうするとアルバートには負けてもそこ越えてもっと上かな? 831 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 16 54 16 所で、なかったことにしたい過去だが ルールだった(ルールの改変ではない)、とすることができる これ自体言葉遊びで 「いかなる~」や、「全ての~」、「例外なく~」などにとっての例外といった ~~~~~~ に引っかかる気がするんだがどうだろう、 832 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 17 16 30 確かに、全てのキャラのルール改変禁止に対する例外とも読めるよな 833 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 17 57 30 831 テンプレ書いたものだけど なかったことにしたい過去はルール案が出来たときに自分の望んだルールを付け加えているというニュアンス 時間軸的にはメタ的に考えて頂戴 最初に開始距離だの戦場の環境だのを議論して決めたその時に、議論に参加して任意のルールを作ってる だから、なかったことにしたい過去は改正前の最初のルールを作成している なかったことにしたい過去としては改正もなにも当時はまだルールが決まってなかった その状況から未来(今のことね)を見て、最初から自分に有利なルールを整備して、そしてスレ議論スタートという手順 そしてそのルールでず~っと議論してきたから、なかったことにしたい過去がルールを付け加えなかった現在なんて存在しないということになる 834 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 18 30 13 テンプレから読み取れなければ意味が無いよ、 あのテンプレじゃあ言葉遊びにしか見えん 「今後、相手に応じて」ってもろ書いてあるしな 835 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 18 39 15 確認した。 とまずは書き加えてある。 で一区切り付いて 今後、相手に応じて だから書き加えた後で修正だな、まあテンプレ読んでたら 自分の設定事態変えられそうだが 836 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 18 43 55 834 いや、だからなかったことにしたい過去は常に無限大過去にいて そこから現在や未来を知ることが出来る、任意の現在を作れるとは書いてあるでしょ だから現在から過去に戻って改変するわけじゃない 常に過去にいて現在や未来を知って、それに応じて過去で色々やってる これは読み取れない? 837 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/07(木) 18 50 18 836 書いた本人が口出せば出すほど反発招いて重箱の隅を突かれるぞ でだ、 過去改変により自分が無限大の規模で現在に介入できる力を所有している現在も作り出せる この一文で最上層周辺行きは確実、そうなると無限大過去からのルール設定だろうとルール改変の禁止だろうと たいして意味が無いんだなこれが 986 名前:格無しさん 投稿日:2006/10/21(土) 12 45 02 なかったことにしたい過去考察 無限大過去までしか遡ってないので非加算無限大過去から動ける相手などは無理だと思われる。 よってあらゆる全てより速かったりする最上層相手だと勝てない。 ×サブヒロインD、変態マスク、それ以降 相手の方が速いだろう。 ○考察神 先手を取って勝ち。 ○THE TEXT THAT CANNOT BE DECIPHERED 先手を取って勝ち。 ○http //max.45.kg/saikyou/index.html 先手を取って勝ち。 ×竜宮レナ 先手を取られて負け。 ×人夜一世丹瞳五郎 先手を取られて負け。 ○絶対無敵全世界(ry 2chができるより前なので先手を取って勝ち。 ○「無限のゼロ」 参戦より前なので先手を取って勝ち。 サブヒロインD=変態マスク>なかったことにしたい過去>考察神
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/2279.html
会いたかった空 会いたかった空 アーティスト 茅原実里 発売日 2015年4月22日 レーベル ランティス デイリー最高順位 7位(2015年4月22日) 週間最高順位 10位(2015年4月28日) 月間最高順位 31位(2015年4月) 年間最高順位 240位(2015年) 初動売上 5291 累計売上 7586 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 会いたかった空 劇場版境界の彼方-I LL BE HERE- 未来篇 主題歌 2 凛の花 ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 4/28 10 新 5291 5291 2 5/5 30 ↓ 1325 6616 2015年4月 31 新 6616 6616 3 5/12 ↓ 648 7264 4 5/19 322 7586 境界の彼方 ED 前作TV版 次作 DaisySTEREO DIVE FOUNDATION 会いたかった空 関連CD 向かい風に打たれながら ありがとう、だいすき 境界の彼方