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…円堂に告白をしてからもう1週間が経った。 だが円堂は音無に見られた事を未だに気にしているのか、とても人目を気にするようになってしまった。 しかもどこか俺に対して余所余所しい。 …円堂と俺が2人きりになれる時間は少なく、正直のところ俺は… ――限界だった。 我慢できない ここ1週間、まともに円堂に触れることができない。 俺だって中学生だ、好きな人とは一緒にいたいし、抱きしめたい。 キスだってしたい。 あいつはまだお子様だからわからないと思うけど、その先だっていつかしたいと思っている。 …よくもまぁ1人の人間に執着するようになったものだ。 我ながらそう思う時もあった。 だがあいつは俺を救ってくれた。 だから円堂に惹かれていったことは必然だったのかもしれない。 …明日こそは、円堂を抱きしめたい。 だが昼休みも、部活でも、ましてや教室では2人きりになることはまずないだろう。 帰宅する時は2人きりだが外だ。 円堂は恥ずかしいのか俺から少し離れて歩く。 …どうしたものか… ―あっという間に放課後になってしまった。 時間というのは無情に過ぎ去っていくものだと思う。 昼休みは部活の事で用事があったらしく始まると同時にいそいそとどこかへ行ってしまった。 一番のチャンスだと思っていた時間帯を逃したのは痛い。 そしてこの後は部活だ。多分2人きりになることは…ないだろうな。 「豪炎寺、部活行こうぜ!」 俺の気も知らずに、円堂は無邪気に笑いかけてくる。 …少しくらい、寂しそうにしたりしてもいいだろ… …そうだ、いいことを思いついた。 「…円堂。」 俺は円堂の腕を掴み、部室とは反対の校舎裏へと円堂を引っ張る。 円堂が俺の唐突な行動に何か喚いているようだが、今の俺にはどうでもいいことだ。 校舎裏は人気もなく、木々が多く茂っているので人目につくこともない。 部活には多少遅れるかもしれないが、我慢、できなかった。 「何すんだよこんなとこ連れてきて!早く部活に行かなきゃ…!」 「円堂…!」 俺は怒っている円堂をぐいっと引き寄せ、抱き締める。 1週間ぶりに抱き締める円堂は、とてもいい匂いがした。 「ごう…えんじ…」 「悪い…」 抱き締めている時間が、すごく長く続いたような気がした。 実際は1分くらいだっただろうけど。 円堂を十分に堪能したところで、腕の力を緩めて少し解放してやる。 「…豪炎寺…」 抱き締められたことがまだ恥ずかしいのか、赤面した円堂が俺を見る。 その表情が酷く俺を欲情させる。 俺は円堂に顔を近付け、キスをする。 触れるだけ、次に深く、次はもっと長く。 もう何度したかわからないキスの後、円堂は俺の胸に顔を埋めた。 「ばか…やろ…もっと早くしろよ…寂しかったのに…」 「!…円堂…お前…」 俺だけじゃなかった。 円堂も、俺と同じように寂しかったんだと気付く。 …確かに俺は馬鹿野郎だ… 「…寂しい思いさせて悪かった…」 俺は円堂の顎を軽く上げて、もう一度その柔らかい唇にキスをする。 円堂は恥ずかしがりながらも目を瞑って俺のキスを受けた。 気がつくと放課後になってから既に1時間ほど経過していて、その後部活に遅れたのは言うまでもない。 ―だけど、お前と気持ちを確認しあえてよかった。 円堂…お前が寂しがってる時は、いつだって傍にいてやるから… あとがき 今回はなんか長ったるい。 …タイトル的にエロかな?と思わせておいてエロでない罠。 そもそも時期的にまだエロとか不自然じゃない。 豪炎寺はきっと円堂の心の準備がつくまで待ってくれるような大人だと俺は思ってる。 でもそのうち行動がエスカレートしていきそうな気がする(
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結婚できない不安と自信 梅雨入りしたみたいだけどあまり、雨の日はないですね~。 じとじと感はやっぱりつよまった気はしますが・・・。 今日はくもりスタートのいちにち。 天気予報は一日中くもりで、夕方には雨が降るかもといった感じだったのだけど、昼前から晴れ間が出始めてガンガンに晴れだす。 とにかく暑いです・・・。 湿度は相変わらず高くてむわっとしている。 お昼すぎには、これはまずい!暑すぎる! といった状況です。 こんなに暑くて夏本番はどうなってしまうのか心配・・・。 もう活動する気にはまったくなれない・・・。 毎年毎年、暑さに弱くなってる気がします。 今年の夏はいよいよ溶けてしまう自信がありますよ! 結婚できない不安
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ヘ / ヘ ゝ ヽ\ _,,. -‐''"巛==≦= マ\ / / k =- l\ヘ _,, -‐''"´ / ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ il 恨んで…憎んで…その先には何もありはしないわ…  ̄ / / / ヽ ヽ ヘ ヘヘ il / / / / l ヘ ヽ ヽ ヽl il 私は父の想いを無駄にしたくない…あんな悲劇はもう起きて欲しくないの…! // { / ハ i; ; ; ; l lヘ ヽ ヽ ヽ il l l /イ / l / l l k l l ヽト ヽ k ヽ l 人;l だから…例えどんなに時間がかかっても戦争を終わらせたい…! / l / l /l__ト ト k l l ==ヽ==-k l ヘ l il l イ k ll_l l_リヘヽ lト ィzz=ヽ-ェソ l へ l li l li i っi気 ヽヽ k っ気勿メ l l/ 人 ヽ l l l 弋汐 込示タ / l / ノ l ヽl l i i ''' ` ''' //l/ / ヽ ヽ j /イ l l ヽハ - 一 / リ/ /l l } > イ ソl / l } /====== 三三三三l / l /ヘ / ヘ l //ヘヘ イ////ヽ l /llll////ヽヽ _,,. -‐''"ll///////ヽ / /;;;////////=====///ll ll////////ヽ ノ 名前 できない子 原作 2ch 出演物語数 2 ドラゴンクエスト外伝 若者達の復興記 アヴァロンに住んでいるドジっ子のガチレズで行き遅れなエルフとして登場 先祖代々続く魔法肥料が得意 +ネタバレ注意 ネタバレはここに書く 機動戦士ガンダム 月より落ちし姫君 ルナマシン最高議長の娘『DKNI・K・2ch』として登場 両親共に最高議長を務めたルナマシンの名家の生まれで自身も活動家である13歳の少女 戦争終結を願い弱者の為に力を尽くす事の出来る優しい性格の持ち主だが無鉄砲なのが玉に瑕 +ネタバレ注意 ネタバレはここに書く
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ _ _, ___,> Y´'ー-、 _ z二_ ___`ー≧__ >┴'´ ̄` ‐-、 ̄ 7 < / ヽ `Y′之>. / , l、 、 , 、 | ヽ } l ,ィ {7Tハ T寸寸 | }ノヘ )) (( ,ヘ, |(○) (○) / / ,/ / '、 `|'''' r-‐‐┐''''.「)'/|/ / \ヽ、ヽ、__,ノ _,.ィT/=/ l 7Eニ ィ1 〉 ゝ'イ/ヽ ` 、 / i´ ̄ `ヽ | j| ! / ヽ \┃┃名前 :できない子 ♀ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ナベリウスに魔界に放り込まれたやる夫達を保護した魔王。 親父の名前に繋がるクラインと呼ばれるのを嫌がっている。 大魔王と呼ばれる魔族の一柱であり、永世中立界である魔界をいくつか収めている……?らしい。 しかし本人はあまりやる気が無い模様。 現大魔王の中でも最古。 魔界は娯楽が少ないので娯楽品や食材を持っていくと喜ばれるようだ。 神竜とは、竜族においては最も尊き血筋であり、 その性質は神に近い……とはいえ、本当に神な竜神とは違うものだけど。 そして、神族がとある拍子で魔族に堕ちるのと同じく、神竜が近しい神竜の血を持つ者を自分の手で殺すを犯すと、魔に落ちて魔竜となる。 遥か昔の誓約とかなんとかで、本来は神竜族には逆らうことすら不可能だったんだが、 長い年月でその誓約の効果が薄まって、単純にカリスマ効果になってるんだったような? ※ただしできない子にはあるようだが余り発揮してないようだ。 やる夫のスキル「根源召喚」とその特性を見抜いた。 元ムーの巫女。 父メディウスが神竜王ナーガや母親、チキを殺したことにより復讐のため魔界に攻め込み魔竜となった。 今はマフーを無効化するスターライトブレイカーの魔法書も織莉子と取引して手に入れマフー対策はしてある。 妹マスターLV10だったがマムクートロード になった時に失ってしまった。 チキトの和解によりできない子は姉バカとしての“自分”を取り戻しつつあるようだ……! チキの姉なのでやる夫の義姉ということになり姉マスターの対象になった。 やる夫に何かあった時は力を貸してくれそうだ 過去のトラウマにより攻撃することができない
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/ ̄ ̄\ 「 へ \ (●)(ー.) | 「願っているのは村を助ける事。英雄になるのはその手段さ。. | | | あの村が無くなるのは嫌で、俺の手にはそれを覆す可能性が、僅かなりともあるわけだ。 l __`___, ! なら、試してみたい。諦めたくない。 l { 、______ .ィ-ート、 ……うん、それ以外の理由は思い付かないかな」 V/_ _ュ - - ヽ {ャ< . /ー-、 '., 「r'、 / `、 '., } r'、 ヘ、 / i i/ ム、} .{ i V | { い、{ Y .\ V | \ ヽ {|V \V | \ ノ| .V 〉 |【できない夫】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃■ステータス■┃【統率】9 【武勇】13+2 【情報】8 【政治】2┃┃■武勇内訳■┃【力】16 【体】10+5 【速】28+7 【技】5 【魔】6┃┃■成長率■┃【統率】B 【武勇】B 【情報】B 【政治】D┃┃【力】B 【体】D 【速】A 【技】D 【魔】D┃┃■成長ポイント■┃【89点】┃┃■名声(現在値:累計値)■┃15/595┃┃■所有リソース■┃資金:97(毎ターンの諸経費差っ引いた後です)┃装備:15┃┃■特性■┃◎無謬の神速/前衛┃ 戦闘において【速】が選択され、比較に勝利した場合、【技】か【力】の数字を+6できる。┃ 敗北した場合、敵に任意のステータスを-6される。┃ 速度のみを積み上げ続け、原始的な速度こそを最大の武器として戦う剣士。┃ 既に速度の一芸に関しては、大陸でも有数の領域に足を踏み入れつつある。┃┃■能力■┃┃◎主人公┃ 毎ターンの交流パートで仲間と交流した場合、交流相手と自分の成長ポイントに+1。┃ 自身と仲間の成長を促進する、不思議な力。┃ また、自分の能力値成長ダイスの結果が気に入らなかった場合、振り直す事が可能。┃ ただし、振り直した後で振り直し前の結果を選択する事は出来ない。┃┃◎常識人┃ 会話・交渉安価で致命的な内容が出た場合、それを無かった事にするか再安価する。┃ ただし、無効化出来るのは致命的な失敗のみであり、小ミスなどには適用されない。┃ また、この能力は1ターンに1度しか使えない。┃┃◎雲耀┃ 小規模戦闘時、勝率を+20%.また、戦闘以外の武勇を使う判定の成功率に+20%する。┃ 更に小規模戦闘時に、このキャラクターの【速】を常に+8して計算する事が出来る。┃ 速度という一芸を極めた戦い方。他では届かなくても、純粋な速度で見れば、┃ 今のできない夫に対抗できる者は大陸全体で見ても多くないだろう。┃ このスキルは成長限界である。┃ また、このスキルは『武術』の上位スキルである。┃┃◎走り続ける者┃ 自らの愛した地を飛び出し、走り続ける事を選んだ者。安息を求めず走り続ける求道の道である。┃ 戦闘やランダム表を含めたあらゆる安価において、1度だけ振り直しが行える。┃ ただしこのスキルを使用した場合、このキャラクターは死亡するか重篤な負傷を得る。┃ 前者の場合、更に再安価の成功率に+20%の補正を得る。┃┃○直感力┃ 索敵や戦闘に関わる方面での【情報】判定に限り、自身の【情報】ステータスを+2する。┃┃○力の鍛錬ver2.0┃ 小規模戦闘時、【力】のステータスを常に+出来る。┃┃○情報力┃ このキャラクターが【情報】ステータスを用いる判定に参加する場合、その成功率を+5%する。┃┃○罠┃ 戦闘開始前に、相手の最も高い【情報】を目標値として、自身の【情報】で判定。成功した場合、勝率に+5%。┃┃○探索士┃ ダンジョン探索に参加している場合、判定に成功した後で得られる探索度を+1。┃┃○小隊統率┃ 小規模戦闘時、3名(フルメンバー)で戦闘する場合に限り、勝率+5%。┃┃●白亜の書┃ かつては道胎動という呪いの書であったが、なんかなりゆきで浄化された魔導書。┃ 使用者の周囲に薄い障壁を張り、物理攻撃に対し高い耐性を持たせる。┃ 【武勇】+1、【体】ステータス+5。┃ ただし武勇は21以上にはならない。┃┃ パナソニック ツインパ リミデット エディション デキナイオ┃●羽那天駆・対陰刃 Limited Edition Dekinaio(専用マジックアイテム・中級)┃ 螢光燈ブランドのパルックシリーズの、最新作にして最高峰。┃ 遂にマジックアイテムの域に達し、更にできない夫専用にカスタマイズされた逸品。┃ 【武勇】+1、【速】ステータス+7。┃ ただし武勇は16以上にはならない。┃┃●無銘・短刀(非マジックアイテム・下級)┃ パルックブランドブレード―――の筈なのだが、名前を付ける前に工房が襲撃された為、無銘のままの短刀。┃ 頑強さを重視しており、武器としての用途と同時に、並の盾クラスの防御力を使用者に与える。┃ 使用者の【体】を+1する。ただし、16以上の数値に伸ばす事は出来ない。┃ 現状では限界値に達しているため効果はないが、状況や敵のスキルでペナルティを負った際には有効。┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ . ── 、 / ヽ. i.「 へ i (●) (● ) | | | i _`__ .λ ヽ //ハ _...`.,ー ´././ i ` 、 _ r ' ´ ./ .! . ,' i =、 | / i/iiiii!\i i / .ヽ ∥ i、/ i iiiii i l / ’,. | ! i ヽノi. iiiiii iヽ= '´ i i ’, !ヽ ! i; .iiiiii l / __=====三三三ニ==- i i i !; .iiiiiii l ___!三三三=== - ''´ ヽ `i i i .!;;. iii!!!!-=三=- ' ´l ヽ 'λ | i i i;;;;, .ー- =三=´ ` ハ '., | i! i;;;;;; | ', i .リ ヽ .’, | i /;;;;;;;. i ', i i i\ .v ─ ─ 、 r ´`i リ;;;;;;;;;; i v 、 l ヽ ヽ_.i r ∨ \ i ,.-;';; ;;; 、 ! ∨ ヽ-'ー ´ ./ . ∨ .\ / (;;;;; / ヽリ 、 ヽ ヽ / / λ  ̄|´ `ヽ_ { ヽ \ ./ /_ リ , -|三ミミ===-,,,,,,,,,,, =彡 、 < / `' - _ i;r '´ ノ ` i-ミ三三三三=-;' ´ / ` 'ヽ _ r ' ´ リ i i l ヽ ', / i ./ リ i l \ヽ >´ ノ ∧ / i | `iヽ ´▼――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――▼『できない夫』 “神速蒼狼”できない夫。 この時代のスペースコブラを代表する冒険者であり、魔術師スペシネフの陰謀を止めた人物として名が伝わっている。 また、同時代の教育の神として讃えられる麻呂伯爵の友人としても知られている。 村の復興を目指して冒険者となり、自身の腕と仲間の協力を以てそれを成し遂げた“英雄”。 この時代、同時期に魔術師スペシネフと関わった多くの人物の手記に姿を現しており、 彼がこの事件を中心となって解決したことは疑い無いとされている。 速度を極めた特異な剣士であり、その速度は迅雷に例えられた。 色白な青年だったと言われており、何故“蒼狼”というあだ名が付いたかは不明。 一説には当人はその呼び方を嫌っていたとも言われており、“神速白狼”と呼称する場合もあったという。 スペシネフとの戦いにて彼の魔術師を討ったあとは、復興を遂げた故郷を出て、 相棒にして恋人の永江衣玖と共に旅に出たという。 スペースコブラを中心として各地を巡った彼の足跡と物語については各地に残されており、 竜種を圧倒するような武勇こそ無いものの、この時代を代表する英雄の一人なのは疑いが無いだろう―――▲――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――▲
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/ ̄ ̄\ / 「 \ | ( ●)(●). | | | | __´___ノ. l^l^ln `ー'´}. ヽ L } ゝ ノ ノ / / \ / / \. / / |ヽ、二⌒)、 ヽ__ノ 名前:できない夫(できないお) 性別:男 原作:やる夫派生 AA:2ch/やる夫派生/できない夫 やらない夫とできる夫を合成して生まれたキャラクター。 初期は無個性ゆえ、有能であったり下種であったりと両極端な役回りが多かった。 現在は主人公や先輩キャラポジション等として活躍するスレも増えている。 mltは10枚以上ある。タグは細かめに分けられている。 変わったものとして、mlt4が「スータン」というキリスト教(カトリック等)で聖書者が着用する衣服で、 AAが70枚以上、うち武器持ちが8枚ある。 mlt6は顔アップが多くバストアップが少なめ。 できない夫出演作まとめ キャラ紹介 やる夫Wiki Wikipedia アニヲタWiki ニコ百 ピクペ 登場作品リスト タイトル 原作 役柄 頻度 リンク 備考 愛たす死はカラクリチェンソー オリジナル 「カラクリ覚者対策結社糸切りバサミ」所属 主 まとめ エター 異世界食堂できない夫 異世界食堂 異世界食堂の店主 主 まとめ 完結 終わった世界の、壊れた電子空間で オリジナル 数少ない生き残り 主 まとめ 完結 彼らは長い間待ち続けたようです オリジナル 冷凍冬眠から目覚めた男 主 まとめ 完結 甲と呼ばれた侍 鬼滅の刃 鬼殺隊の中で甲(きのえ)と呼ばれた男 主 まとめ 予備 完結 警部補 古畑できない夫 古畑任三郎 古畑任三郎役。捜査一課に所属する刑事 主 まとめ 予備やる夫Wiki 休止中 巣作りドラあんこ゛ン 巣作りドラゴン 混血の竜族であるブラッド役 主 スレ 完結 多次元調停者できない夫 オリジナル アース連盟の調停者 主 まとめ rss エター できない夫が神ならぬ身にて天上の意思に辿り着く者になるそうです オリジナル 主人公。屑。 主 まとめ エター できない夫たちのブレイブストーリー ブレイブストーリー 主 スレ エター できない夫達は森を破壊するのでしょうか? オリジナル 主人公。 主 まとめ 完結 できない夫と青子さん オリジナル 主人公。上司の蒼崎青子と結婚し、今は専業主夫 主 まとめ できない夫と伝説の超ポケットモンスター ポケットモンスター金銀 主人公強すぎる自分たちのポケモンに胃を痛める苦労人。 主 まとめ エター できない夫と愉快なお嫁達 オリジナル 主人公いじめられっ子だったが狐に会うことで人生を大きく変えた 主 まとめ R-18 できない夫と結月ゆかりの怪異暴き オリジナル 怪異事務所に入った男 主 まとめ 完結 できない夫は108の物語を満たすようです オリジナル 主人公の高校生 主 まとめ wiki 安価 完結 できない夫は異世界で孤独にグルメを楽しむようです 複数作品 主人公、様々な異世界で食事をする男 主 まとめ 完結 できない夫はガチで走るようです リアル鬼ごっこ 主人公、足の速い大学生 主 まとめ 完結 デキナイオは下層に居場所を作りたいようです オリジナル 主人公の能力犯罪者 主 まとめ wiki あんこ できない夫は狩猟日誌を綴るようです モンスターハンター 主人公のベテランハンター 主 まとめ できない夫はパワポケ世界で青春するようです パワプロクンポケット13 主人公役 主 まとめ R-18 安価あんこ 完結 できない夫は冒険者として立志するようです オリジナル 主人公廃村寸前の村を復興するため冒険者になる 主 まとめ 完結 できない夫はメラミを唱えられないようです オリジナル 主人公 主 まとめ 完結 できない夫はやってられっか代に恋してるようです オリジナル 主人公やってられっか代に思いを寄せる高校生 主 まとめ 完結 できない夫もパーティーに誘い込まれていたようです オリジナル 主 エター できる夫が悪魔召喚師にさせられてしまったようです 真・女神転生デビルサマナー 最初はできる夫だったが後に魂をやらない夫の体に入れられてこの姿になった 主 まとめ 完結 できる夫とできない夫はコンビのようです オリジナル 主人公。 主 まとめ 完結 逃げませう。 オリジナル ブラック企業から逃げてきた男 主 まとめ 予備 花に笑えばムギが咲く オリジナル 主人公女の子と話すのが苦手な高校生 主 まとめ 完結 プロ野球人生、始めました 実況パワフルプロ野球 第2部の主人公社会人野球出身の二塁手 主 まとめ 完結 良い空気吸える聖杯戦争 Fate ライダーのマスター 主 まとめ 完結 LIVE ・ω・ ヨVIL(SF編) LIVE A LIVE OD-10、宇宙船のマザーコンピューター 常 まとめ エター 綾辻やる夫は双葉山の惨劇を小説化するようです 綾辻行人「殺人鬼」 大八木鉄男役 常 まとめ rssやる夫Wiki 完結 解を求めよ オリジナル 問題の解決を試みるキャラクター群の内の1人 常 まとめ 完結 彼らはキラークイーンで最後まで殺し合うようです シークレットゲーム-KILLER QUEEN- 参加者のひとり。システムエンジニア 常 まとめ 彼らは本能に従うようです。 モンスターハンター 飛行船に乗ってたハンター、HR5 常 まとめ 予備予備2 ゲッターアンコ ゲッターラブ!! ちょー恋愛パーティーゲーム 彼女getを目指す高校生 常 まとめ 完結 はろー、ぐっばい オリジナル やらないのか夫の従兄 常 まとめ エター モンハン自衛隊 戦国自衛隊モンスタハンターP2G 陸上自衛隊二等陸曹サバイバルマニアの狙撃手 常 まとめ 予備 傭兵団やってます byやらない夫 オリジナル 傭兵団の後方支援役 常 まとめ エター やる夫たちは怪奇現象から街を護るようです! オリジナル 刑事。関係者で唯一記憶喪失ではない 常 まとめ 彼らは奇妙な“敵”から街を守るようです ジョジョの奇妙な冒険 やる夫の叔父で会社員 常 まとめ 予備 ×××と俺 八尺様 大学生、あだ名は寺生まれのDさん 準 まとめ 完結 あんこ時々安価でクトゥルフ神話TRPG クトゥルフ神話TRPG シナリオ「庭師は何を口遊ぶ」に登場する、元零課班長の的場できない夫 準 まとめ wiki R-18G 安価あんこ 彼らはDQ2でロトと賢者の末裔のようです ドラゴンクエスト2 ラダトームの大臣 準 まとめ キル夫は野生のライダーのようです 仮面ライダーアマゾン ライダーマン・結城丈二役 準 まとめ ゴーストスイーパー?○○ 極楽大作戦!! GS美神 極楽大作戦!! 妖怪であるできる夫のクラスメイト 準 まとめ 失格シリーズ オリジナル 多くの話で、優秀な文官として登場 準 まとめ R-18 完結 魔法少女達の旅路† profectus de puella magika † ブレイブ・ストーリー さやかの父、やらない夫の兄 準 まとめ エター やらない夫の恋人は 不滅の恋 やらない夫の甥 準 まとめ 完結 やらない夫はモンスターマスターとして召喚されたようです ドラゴンクエストモンスターズ 他国の不良マスター。ある秘密を持つ 準 まとめ 完結 やらない夫は弱虫のようです ドラゴンクエストV小説版 主人公の叔父・オジロン役 準 まとめ オーバードース オリジナル やらない夫の父 脇 まとめ rss 完結 エドの引き鉄 -EDO no TRIGGER- クロノ・トリガー グレン役 脇? まとめ 完結 彼らは荒野の宝石を守るようです オリジナル シェルター王国の境伯 脇 まとめ 完結 彼らは星となるようです オリジナル レストランオーナーシェフ 脇 まとめ rss 完結 岸辺露伴は踏み込まない 岸辺露伴は動かない 出忌那議員 脇 まとめ rss 完結 食事処 ~やる夫の大釜~ オリジナル 冒険者ギルド・発掘品買取担当 脇 まとめ 予備 第一部完 それじゃあやる夫くん! それじゃあ吉田くん! 先々代魔王と戦った勇者 脇 まとめ 完結 できない子とSCP SCP Foundation(SCP財団) できない子の父、故人 脇 まとめ 予備rss やる夫Wiki ミリオンクエスト~MP100万で異世界攻略~ オリジナル Aランクハンター 脇 まとめ 予備 美鈴はアイドルで大陸を一つにするようです オリジナル 美鈴の元部下 脇 まとめ 予備予備2 wiki 完結 メダロットUNION メダロット やる夫の友人 脇 まとめ 安価 あんこ やらない夫は闇に立ち向かうようです 池井戸潤「果つる底なき」 帝都商事金属グループ金属課・課長兼信州マテリアル取締役財務部長 脇 まとめ 予備 完結 やる夫が究極的な仕事に就いたようです スティーブン・キング「なにもかもが究極的」 スキッパー役 脇 まとめ 前編後編 完結 やる夫とばくだん 横山光輝「マーズ」 ミロ役、監視員の1人 脇 まとめ やる夫はDQ3の世界で生きていくようです ドラゴンクエスト3 異界の勇者の1人だが、サマンオサで大問題を起こす 脇 まとめ やる夫Wiki 完結 ワタシはファンタジーを否定する オリジナル ジョフク 脇 まとめ rss 完結 短編 タイトル 原作 役柄 リンク 備考 オオサンショウオ(*1) オリジナル 泣きドングリ君 まとめ 予備 短編 活字原作・短編やる夫目羅博士 江戸川乱歩「目羅博士」 小説家 前編/後編 短編 興津弥五右衛門の遺書 森鴎外「興津弥五右衛門の遺書」 興津弥五右衛門役 まとめ 短編 できない夫と雛苺の物語のようです ~できないちご~ オリジナル まとめ 短編集 できない夫は最後の喫煙者になるようです。 筒井康隆「最後の喫煙者」 喫煙者の小説家 まとめ rss 短編 2ch mlt数10以上 mlt数1以上 mlt数3以上 mlt数5以上 やる夫系 スータン スーツ 主人公作品あり 男性 紹介スレ数10以上 紹介スレ数30以上 紹介スレ数50以上
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[できないこ] 登場作品:やる夫派生キャラクター ◎ 甘ったるいラブコメ集(完) ◎ 彼らは霧の街で誰かを守るようです ◎ Never Stop(完) ◎ やらない夫とできない子は幼馴染に片想いのようです ◎ やらない夫と愉快な生徒会(完) ◎ やらない夫はブリーダーになる!(完) ◎ やらない夫は一人ぼっち(完) ◎ やる夫はカタキのやらない夫を討つようです(完) ○ とりあえず世界が終わるまで(完) ○ 凡庸やる夫日記 ○ やる夫が武士になるようです(エ) △ 学園総合学科奮闘記(安価・あんこ) △ 【PoI×血界戦線】彼らは霧の街で誰かを守るようです △ やらない夫は運命に弄ばれているようです(完) △ やらない夫は経済帝国の影を生きるようです △ やらない子は思春期(エ) ◇ お城にて ◇ かんざすっ!! ― 日常系西部開拓史 ―(完) ◇ やらない夫とできない子 ◇ ヤラナイオと幽香りんの12花月(エ) ◇ やらない夫は主に尽くす(完) ◇ やらない夫は妖精使いのようです ←ディードリット テに戻る テュレンヌ→
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中学生日記 ~未完成ストライド~ ◆j1I31zelYA ◆ そんな、わけの分からない理由で。 天野雪輝は走っていた。 幾つかのトレーニング器具が設置された、リノリウム張りの理学療法室を。 入り口の靴置場にあったシューズと、更衣室にあった体操服に着替えて。 ダッダッと床に音を刻みながら、壁まわりをグルグルと回っている。 ちょっとうんざりが入ってきた顔で、しかしムキになったように。 最初は軽いジョギング程度の走り方だったけれど、十週目を越えたあたりからしだいに息が上がり始め、今や首から上は汗でべっとりと湿っていた。 「アンタ、結局止めなかったんだね」 室内の入り口、シューズの履き替え場所近くの壁ぎわで。 綾波レイは休憩用のベンチに座り、越前たちとともに経過を見守っていた。 一周を走るごとに、越前がその左手にある数取器のボタンをカチリと押しこみ、周回を計測していく。 車いすをベンチ横につけたまま、秋瀬へと話を振る。 ちなみに、向かって左から越前、綾波、秋瀬の順に座っている並びだった。 「殴られるよりは、見ていて辛くないと思ったからね。 僕も一緒に走りたかったところだけれど、ちょっと血を流し過ぎたし」 「そうじゃなくて、天野さんが別れようって言い出しても止めなかったこと。 アンタのその怪我じゃ、人手は欲しかったはずだし」 秋瀬は残っている方の手を使って、越前から手渡されたスポーツ飲料にしきりと口をつける。 血量を失った分を、少しでも補おうというつもりらしい。 車を持って来たりと精力的に動いていたけれど、明かりのついた部屋にいれば、顔色がだいぶ悪いと分かった。 「確かに、彼のやり方はとても不器用なものだった。 我妻さんのことで雪輝君を信用できない人はいるだろうけど、それならそれで誠意を見せるべきだったね。 少なくとも、『いざとなったら対主催よりも由乃を優先するけど受け入れるのか』なんて聞くのは悪手でしかない」 「だったら」 「でも、雪輝君に釘を刺されたんだよ。『遠山の友達には全部をぶちまけてみたい』って。どう転んだとしても」 「…………」 「さすがに、あの時の君の答えしだいでは割って入るつもりだったけどね」 どう答えていいものか分からない風に、越前はふいと顔をそらした。 そんな彼らのいる前を、雪輝が恨めしそうな顔で見やりながら通過しようとする。 綾波はすかさず、用意していた清涼飲料水入りの紙コップを手渡した。 給水を怠らせるのだけはまずいと、越前に言われている。 ……何も知らない第三者が見れば、この四人はいったい何をしているのかと困惑するだろうが。 「弁護しておくなら、彼があんな言い方をしたのは、君たちへの負い目があったからだよ。 我妻さんが『雪輝日記』を持っている限り、雪輝君と一緒に行動するだけで危険が伴うからね」 なるほど、と綾波は頷く。 つまり、敢えて不穏当な言い方をして、見捨てることを示唆したらしい。 もっともな話で、『一緒にいるだけで、常に殺人鬼に命を狙われる。しかも居場所や動向がばれている』というハンディキャップは大きすぎる。 脱出派がひとまとまりに集合したりすれば、奇襲されて一網打尽にされるのが見えている。 かといって、あのまま気まずく別れてしまっても、秋瀬としてはまずかったはずだ。 越前が言ったように怪我のこともあるし、仲間を作ろうとしなければ、逆に『泳がせておく意味がない』と判断されて、すぐに襲撃されるかもしれない。 秋瀬が『グラウンド100周』を容認したのも、あのタイミングでの喧嘩別れはマズイという兼ね合いからだろう。 「それより。皆に会ったって話……聞きたいんスけど」 ぼそりと呟くように、越前が話題を変えた。 天野雪輝のこれまでの経緯を聞く過程で、秋瀬が越前たちの知り合いに会ってきたことはそれとなく伝わっている。 綾波としても、越前が知り合いのことを聞ける機会は欲しい。 碇シンジが放送で呼ばれて色々とあった時も、越前の知り合いの名前は呼ばれていた。 越前だって痛みはあったはずなのに、綾波を支えるために、知り合いのことを思う時間を奪ってしまった。 話が長くなるからと、秋瀬は越前から数取器を受け取る。 数える役割を交代して、切り出した。 「真田君に会ったのは、ゲーム開始から5時間ぐらい経過した頃だよ」 語られるのは、真田弦一郎という古風な中学生との出会い。 そして、月岡彰という、『手塚国光と出会った』少年――のような少女のような、との出会い。 最初に、月岡が手塚との間にあったことを語り始めたこと。 バロウ・エシャロットとの戦いで、命を救われたという告白のこと。 最後までバロウを救おうと諦めず、出会ったばかりの月岡に託して『柱』を示した姿は、月岡の価値観を揺り動かしていたこと。 月岡彰の経験した殺し合いの話を聞き、真田弦一郎から『反逆する』という意思を聞き。 そして、月岡は『新しい自分』になると宣言した。 「『過去に行った攻撃を、再び発生させる能力』のこと。 その情報をもって、彼に対抗する戦力をつくって欲しいこと。 そして、『お前たちが柱になれ』。 確かに、伝えたよ」 カチリと周回をまたひとつ記録して、秋瀬は息を吐く。 綾波からすれば、ただ言葉もない。 綾波レイから碇シンジを奪った少年は、越前リョーマからも大事な人を奪っていた。 越前にとっては既知だったのかもしれないが、閉じこめられていた綾波には初耳だ。 血のにじみそうなほど唇を噛んだまま聞いていた越前は、やっとというように声を出す。 「月岡ってひと、もう放送で呼ばれんだっけ」 「第二放送で呼ばれたね……真田君と一緒に」 それは、手塚国光が助けた命が、もう潰されたということ。 二人の宣言がどうであれ、夢破れたという敗北の証明。 「秋瀬さんから見て、その二人、どうでした?」 「どう、とは?」 「負けるはずなさそうだった、とか。逆に、危なっかしかった、とか」 「そうだね……」 カチリとボタンを押し、思い出すように目を細める。 「できれば後ろも見て欲しいな、とは思ったよ」 「後ろ?」 「新しい道を見つけたばかりで、前だけ見ていたという印象を受けたね。 もちろんそれは良いことだし、最後までそれを貫けそうに見えた。 危うさを感じたとしたら、それが正道だからこそだろうね」 正道に目が眩んでいるからこそ、詭道への備えは怠りがちに見えたということか。 月岡彰は、本来ならばそういう詭道こそに精通していたはずの少年だったという。 もし彼らにもっと時間が与えられていれば、正々堂々と戦わずに背中を狙う者の存在を考慮におけるような余裕が生まれ、その時こそ死角無しの布陣として成立していただろう。 「もちろん、勝手な印象だけどね」 「どうも…………続けて」 印象論で知り合いのことをとやかく言われた割には素直に頷いて、越前は促した。 「遠山君のことは、さっき聞いていたね。 跡部君とは、直接に出会っていないよ。 ただ、いちど遠山君たちと別れて間もないころに、彼の話を聞いた」 神崎麗美と、出会った。 その名前を出されて、越前の肩がぴくりと上下する。 カチリ、と周回を刻む音。 「時間から言って、君たちと神崎さんが別れた後、そして学校で雪輝君たちと接触する間のことだね」 秋瀬或に対して神崎麗美が言ったことはは簡略に説明されたけれど、およそ天野雪輝や越前らに話したことと同じベクトルの言葉だった。 ただ、新しく分かったのは、跡部景吾が首輪のことを調べて、それを手がかりとして残していたということ。 「腑に落ちないと言えば、首輪を透視して内部構造を調べたとか言っていたことだけれど……」 「跡部さんなら、できるから」 「君や遠山君を見た後では、『そういう世界なんだ』と思うしかないようだね」 左手親指でカチリと数取器をカウントして、人差し指と薬指で、補修されたメモ書きを持ち上げる。 そこには、診察室で待機する間に書き残したらしい秋瀬の手によるメモ書きも数枚加えられていた。 メモ用紙の下には、ツインタワービルから高坂が持ち出して、綾波が手渡した『未来日記計画』の書類も置かれている。 「彼女は少なくとも、跡部君たちと仲良くやっていたようだね。 メモを完全には処分しきれなかったのも、だからこそだと思う」 雪輝君まで煽ったことに腹が立たないでもないけれど、元をたどれば我妻さんのせいでもあると、走る少年を見て言った。 「でも、最後に菊地君といた時は、安らかだった……」 秋瀬にもすでに伝えたことを、綾波は口にする。 「そうらしいね。僕たちには伸ばせなかった手を、その少年は伸ばしたんだとか」 「あの時……」 言いかけて、越前は言葉を止める。 信じてもらえるか自信がないように躊躇い、顔を伏せて。 「あの人の声で、『救けて』って言われた気がした……」 「私にも、聞こえた。たぶん高坂君にも」 「なら、君たちは間に合ったということだよ」 「そうかな……」 越前の声は、彼らしくもなく自信がなさそうだった。 あったかもしれない和解が目の前で消えたことに、まだ思うことを残しているのかもしれない。 話を締めくくるように、秋瀬が続く経緯を話した。 「その後、僕は浦飯君たちと再合流して、レーダーから我妻さんを感知する。 常盤さんが『白井黒子』とか名乗っていたらしいことは引っかかるけど、また会ってみないことになどうにもならないだろう。 そして、学校方面へと進路を変えて今に至るというわけだね」 カチリ、とまた一周。 神崎麗美と同じ制服を着ていたことから、『白井黒子』が菊地たちのクラスメイトの『相沢雅』か『常盤愛』である可能性は高い。 『相沢雅』は第二放送で呼ばれたこともあるし、十中八九で『常盤愛』だろうと落ち着いた。 「僕が直接間接に動向を聞いたのは、その4人だね。 切原君という知り合いのことも、真田君から聞いてはいたけれど」 「あの人はあの人で不安かも。真田さんの名前が呼ばれたし」 話に区切りがつき、全員がそれぞれに分かったことを噛みしめる。 「どうもっス。皆のこと、話してくれて」 「僕としても、義理は果たしたかったからね。 それに、こちらこそツインタワービルのことや、会場の端に関する手がかりも得られたし」 車椅子の手すりに左手で頬杖をついて、越前はぼんやりとしていた。 綾波には疲れているようにも、思慮にふけっているようにも見える。 そんな顔のまま、吐きだすように言った。 「残していったものを貰うのは別にいいんだけど。できる範囲で、貰うけど。 それでも皆、死にたくなんてなかったと思う」 締め切られたカーテンの隙間から西日が差し、細い朱色の光線を室内に走らせていた。 陽が、まもなく沈もうとしている。 「部長は、後悔とかしてないだろうけど。 でも、生きて、プロになるって夢を叶えて、大人になりたかったと思う」 生きている越前が、そう言った。 生きている秋瀬が、答える。 「そうだね。色んな中学生に会ったけれど、皆が生きたいと思っていたよ」 中学生しか、ここにはいない。 出会った人物の話をするうちに、そのことは自然と分かってきていた。 東京の進学校に通っていたという、菊地とそのクラスメイト。 富山県の、ごくごく緩やかな校風の中学校に通っていたという杉浦綾乃。 使徒によって滅ぼされかねない都市で、それでも学校に通っていた碇シンジたち。 常識的に呑み込めない部分はあるけれど、それでも彼らなりの部活動に青春をかけていた越前たち。 平凡な生活をしていたはずが、突然に『神様』の主催する殺し合いに巻き込まれたという高坂たち。 高坂が出会ったマリリンや、何人も殺したというバロウのような、『能力』を持った少年少女たちにも、学校でクラスメイトと笑い合ったりしていたのかもしれない。 「何人かに、動く動機を聞いて回った。 答えられない人。ヒーローになりたい人。反逆者。意思を継ごうとうする者。 みんな、それぞれの世界を持っていたよ。好きな人と星を見に行くことも、その一つだね」 眼前を息を切らした少年が通過するのに合わせて、カチリとボタンを押す。 “願い”を認めてもらうための、変わった儀式だった。 「でも、いたんだ」 それだけの短い言葉に、綾波は右隣の少年を見る。 「みんな……ちゃんとここにいたんだ」 それだけ。 声が、感情の発露を堪えるように震えている。 みんな、いた。 その事実が、噛みしめるほど重要なことであるかのように、越前はもう一度繰り返した。 そんなに動揺すべきことだろうかと首をかしげて、そして思い出す。 綾波は、最初の放送よりもずっと前から二号機パイロットと遭遇していた。 しかし彼の場合は、遠山金太郎の遺体に出会ったのが最初だった。 次々に名前を呼ばれていった人々は、ちゃんとここにいた。生きていた。 それが、どれほどの重みを持つのか。 「越前君。私や、天野君に遠慮することは無いと思う」 彼が『それ』を堪えるのは、自分や天野雪輝が『それ』を持てずにいるからではないか。 そんな可能性に思い至り、綾波はあてずっぽうに言っていた。 言葉にしてから、不思議なことだと思う。 少なくとも出会った頃の彼は、自分のやりたいことをするのに、他人に遠慮を働かせただろうか。 「……俺、最初の放送の時に、もう済ませてきたから」 「理由になってない」 恥ずかしげに、しかし明確にうろたえつつ言い訳するのを見て、やはりと綾波は反論をふさぎにかかる。 カチリと、またボタンが押されるのを横目にして。 「碇君の名前が放送で呼ばれて、高坂君がいなくなって、分かったことがある」 「…………」 「『悲しい』って、とても辛いものだった」 それまで、誰かの生き死にの話で、壊れそうな思いをすることなんて無かった。 いざという時は、ほかならぬ自分自身が真っ先にそうなるものだったから。 「だから、それを表せない私の代わりに、それが出来るあなたにはそうしてほしい」 ……っ、と。 のどを鳴らすような音が、彼の口元から聞こえた。 数呼吸を挟んで、口が開く。 「高坂さん……いい人だったよね」 「うん」 ぽつりと、ぼそりと。 「アイツ……暑苦しいくらいに騒々しくて。 顔を合わせたら、いっつも『勝負だ』ばっかり言ってた」 いきなり、別人のことへと話題が飛ぶ。 しかし、誰のことを話しているかは理解できる。 碇シンジの時、高坂の時に、自分は彼からどうしてもらったのか。 それを思い出した綾波は、車椅子の手すりにおかれた左手に、自身の手を重ねて握った。 「うっとうしかったし……楽しそうに乗っかるのも何か気に食わなかったから。 いっつも……適当にいなしてきたんだけど……」 まるで、感情を呼び起こすための契機とするかのように。 声はどんどん、先細りするように小さくなる。 聞いて欲しくないのか、それとも、誰かに告げてしまいたいのか。 息のかかる距離で、綾波は、その懺悔を聞きとった。 「もっと……いっぱい、試合してやればよかった」 言い切るやいなや、越前の左手が右手をつよくかたく握り返してきた。 頭にある帽子は斜め前に深く被られて、綾波たちから表情の上半分を隠している。 かすれるような嗚咽の音が、帽子のツバの向こうから聞きとれた。 もしかすると、人前で落涙させるという行為は、いたたまれないことだったのかもしれない。 それでも越前は、よく表情の変化をごまかす時にするように、顔をふせて深くうつむくことはしなかった。 カチリと。 眼前を通り過ぎる、天野雪輝の『本気』を見届けるために。 頬をつたいきった涙をユニフォームに雫として落とし、それでも、走る少年に視線を向け続ける。 天野雪輝が顔を真っ赤にして、歯を食いしばるように、ただ走って行く。 綾波レイは、こんな時にどんなことを言えばいいのか知らない。 だから。 せめて、涙が止まるまで。 右手が痛いぐらい、我慢することにした。 泣き顔で顔を赤くする少年と、顔を真っ赤にして走る足を止めない少年。 ――がんばれ。 そんな言葉を、送りたくなった。 【回帰】 息が苦しい。 足が重たい。 心臓が爆発しそう。 顔が酸欠で発熱している。 全身がもう勘弁してくれと叫んでいる。 なんで、こんな思いをしてまで走ってるんだっけ。 今が何十周目なのか、もう雪輝はさっぱり覚えていやしない。 数えられなくなったというより、『あと78周……』など意識すれば絶望的な気持ちになってしまうので、 そのうち数えるのをやめたという方が当てはまる。 周回のカウントは、先ほど越前と交代した秋瀬がボタンを押しているので、まず不正はないはずだが、 その三人がふらふらの体で走っている雪輝をさしおいて、別の話題らしき情報交換で盛り上がっているのも恨めしい。 いや、理屈で考えればじっと100周分を待つよりもこの時間を有意義に使った方が今後の為になることは理解できるのだが、 人が未だかつてないほど走らされている時に……という感情論は止められない。 しかも命令した当人である越前は、なんか泣いてるし。本気を見せろと言ったのはお前のくせに。 しかも、女の子と手とか繋いでいるし。 嫌味か。元恋人から命を狙われている独り身への嫌味か! それでも、なぜか走っていた。 (まさか、『グラウンド100周』なんて答えるなんて……) 気持に収まりをつける手段として、危害を加えられることは覚悟していた。 しかし、まさか走らされるとは。 断りきれなかったのは、好きな人のために何でもできるなら、それぐらいできるはずだという安易な挑発に乗っかってしまったから。 そして、『本気を見せて』と言った声と顔に、こちらを侮ったり見くだしたりする感情が無かったからか。 走る雪輝を見定めることで、何かを変えようとするかのように。 (そっちに歩み寄ってやるから、僕もこっちに来い……って、ことなのかな……) 疲れた。しんどい。息が切れるなんて感覚ですら、長いこと忘れていた。 体を動かすなんて、まさしく一万年ぶりだ。 殺し合いが始まってからも何回か走ったけれど、逃げるためだったり、助けを呼ぶためだったりで、意識する余裕なんてなかった。 いや、一万年前の殺し合いでも、たぶんそんな風だった。生き残るために、殺すために、必死だった。 いつ以来だろう。 ただ駆けるために、走っているのは。 ――ちっぽけでも抗ってみるがいいさ。その想いが親父さんに届くように。 (そうか……病院とか、リハビリ室とか、懐かしく思ったわけだ) 父親が、見舞いに来た。 両親が離婚してから会いづらくなっていたから、親子で一緒に何かをするのは楽しかった。 体力測定の種目で勝ったら、願いを叶えてくれると言われたから。 母さんと再婚してほしい、と言った。 一万年経ってから思い返せば、じつに子どもじみた訴えだと分かる。 両親が離婚した原因も知らないのに再婚を要求するなんて、それこそ両親にのっぴきならない事情があったらどうするつもりだったのやら。 (実際、事情はあったしそのせいで後に父が死んだのだが) 雪輝自身も、最後に高台へと競争する頃にはそういったことを自覚していて、諦めかけていた。 ――抗い続けることで届く奇跡というのもある。 そうやってすぐに諦めるのがお前の悪いところだと、ある女性から指摘された。 しんどかった。苦しかった。もう無理だと思った。 でも、もしかしたらと、期待した。 今と同じように、赤く染まる夕陽を感じながら、走った。 ――ちょっとくらい辛いことがあったって、諦めるにはまだ早いねん。だいたい、そんな簡単に諦めるからジジくさく見えるんやで。 ――何が、『もう手遅れ』だよ。なんで、そこで諦めてんのさ。 精いっぱい頑張っても積んでいたのに。 どいつもこいつも、同じことを言う。 ――たいがいは届かないんだ。 嘘つき。 後に、同じ女性からそう言われた。 カチリ、という音で、また一周を重ねたのだと知る。 ゼェハァと、荒い呼吸がのどに痛かった。 顎をつたう汗が、体を流れきってリノリウムの床へと落ちる。 なんで、こんな汗を流してるんだろう。 走り切ったからといって、何かが変わるとは限らないのに。 由乃を迎えに行くための方策を考えるとか、すべきことはいくらでもあるのに。 あの時も、届かなかったのに。 再婚を考えると言ってくれた父親は、その為の資金を援助すると唆した11thに殺された。 喪ったものを取り戻したくて、生き返らせるために神様を目指そうとしたら、ワガママだと非難されて、由乃以外の味方がいなくなった。 誰も殺したくなんかないのを我慢して人を殺したのに、生き返るなんて嘘だった。 最後にただ1人だけ、失うまいとした最愛の人は、追いかけたら追いかけないでと拒絶した。 流れたものは戻らない。 一度流れた物はどんなに手を伸ばしても掴むことは出来ない。 部活動の練習で流した汗も時間が経てば消えてしまう。 流れた物は形を変えて残ることも在る。 流した汗は努力の結晶となり自分を成長させてくれる結果に変わる。 しかし、それでも、届かない。 目指した頂点を、輝く栄光を掴みとれるのは、ごく限られた人間たち。 努力すれば結果が帰ってくるなんて、夢見る子どもを励ますための方便だ。 流した汗は、報われない。 抗っても、奇跡には届かない。 それが世界だ。それが『願い』に狂った人間たちの作る世の中だ。 『願い』に狂った、大人が嫌いだった。 『願い』を勝ち取る力のない、子どもでしかない自分が嫌いだった。 頭がふらふらする。 苦い記憶ばかりを思い出す。 (なんだ……僕は、けっこう覚えてるんじゃないか) そんなことを自覚して、苦笑する。 まさしく、走馬灯と言うべきか。 滝のようにどころか、洪水のように汗が噴き出す。 誇張でも何でもなく『死ぬ』と思った。 さっきも水分補給をしたはずなのに、のどが渇いてヒリヒリする。 倒れる。倒れてしまおう。 だいたい100周って、1周が80m足らずだとしても8kmあるじゃないか。 いくら神様でも体はただの中学生なのに、はじめからそんなの無理だって。 カチリ、と音がした。 「あと5周!!」 耳朶をうつ越前の声に、え、と顔をあげる。 振り返れば、越前がいつの間にやら秋瀬から数取器を受け取り、手のひらをパーにして『5』という数字を示していた。 いつの間に。 『5』という数字に、頭が空白になる。 しかし、言われてみれば。 時間の感覚がなかった。 一時間なのか二時間なのか、放送はまだだから三時間はないはずだけれど。 越前たちがあれだけ話し込んだり泣いたり泣きやんだりしていたんだから、 それだけの距離を走っていてもおかしくない。 倒れこもうとしていた足が、次の一歩を踏みしめていることに気づく。 もう、走れない。そのはずだった。 でも、あと少しだけ。 100周のうちのたった5周ぐらいなら? いや、せめて1周でも、100周に近いところで。 乳酸のたまりきって鉛のようだった足も少しだけ軽くなったように感じられ、 そんな自分の現金さがおかしかった。 汗を流して、必死になっている。 生きている、そんなことを思う。 願ってもかなわないと、嫌と言うほど思い知らされた。 ならばなぜ、天野雪輝はまだ“願い”を持っている? なぜ、彼女のことを諦めない? 『……僕は――――"神様"なんだ』 『……あまのがかみさま?』 『うん、一応神様って事になってるんだ』 神様だと、自認することから始まった。 一万年ぶりに出会う、他者という存在。 誰かに見つけられて、嬉しくなかったと言えば嘘で。 そして、一万年ぶりに彼女を見つけた。 ユッキーと、彼女だけの名前で呼ばれる。 その次に待っていたのが、大好きな少女からの殺意を持った攻撃だった。 二度目のサバイバルゲームは、その手をつかみ損ねるところから始まった。 『大事なのは、天野がどうしたいのかってことやとワイは思うけどなぁ』 新たな友達は、最初からそう言っていた。 『何もやりたいことがないっちゅーんなら、ワイを手伝ってくれんか?』 その言葉に頷いた時、どこまでいっても甘さを捨てられない『天野雪輝』を自覚した。 そう、見捨てられないのが、天野雪輝だった。その相手を、一度でも近しい存在だと意識してしまったら。 9thには、最後までそのせいで怒らせた。 『すべてを救うのは無理だ』と分かっていても、『見捨てられない』と答えてしまう。 「あと4周!」 5周から、4周になった。 のどが痛い。汗でベトついた体が気持ち悪い。 それでも、また1周ゴールに近づいた。 『名前は我妻由乃。できれば止めたいんだけど……』 忘却したつもりだったのに、本当は少しずつ思い出していた。 前原圭一に話していた時には、もうすでに『殺したくない』と意識していて。 彼女のことを想うにつれて。 思い出を、人に語るにつれて。 そして、傍観者の神様ではない、ただの無力な中学生でしかない挫折を知って。 『せやけど、天野の友達は天野を探してたかもしれん。ワイはそのことを考えてへんかった』 日野日向に謝る機会を失ったことで、取りこぼしたものの重さを知った。 雪輝にも、助けてくれたかもしれない人がいたことを、思い出した。 『我妻さんの言葉だけじゃなく、僕たちの言葉にも耳を貸してほしかった。 ご両親が死んだ時だって、暴走する前に僕たちに相談してほしかった。』 過去に喪われた友達から、叱られた。 苦しかったけど、嬉しかった。 取りこぼしてばかりの子ども時代だったけれど。 裏切りと嘘に満ちあふれた世界だったけれど。 かけがえのないものも、たくさんあった。 『由乃の分まで背負えるなら、どんな罰も受けるって思ってたんだ。』 だから。 いちばん『大事なもの』を、選んだ時の気持ちを思い出せた。 「3周!」 足は、止めない。 ノタノタと間抜けにふらつきながら、息を荒くして進む。 きっと、傍目にもみっともないほどにボロボロだ。 それでもいい。みっともなくても、足掻かないよりはいい。 『一兆を超えて、那由多の選択肢があったとしても。 僕は彼女を愛してる。誰に文句も言わせないぐらいに、愛している』 やっと、戻って来れた。 時間がかかって、遠回りして。 記憶を風化させた“時空王”は、“天野雪輝”を、取り戻した。 「2週!」 越前が指をブイサインにして、ぐっと前に突き出した。 泣きはらした目が、それでも強い眼光を宿らせて、推し量るように見ている。 視線と視線が、すれ違う瞬間に交錯した。 走り切ったら山ほど文句を言ってやると、心に決める。 (本当に、しんどい……遠山も高坂も、こんなふうに走ってたのかな) そう言えば高坂も陸上部だったっけ、と余計なことまで思い出す。 『もっと、泣きそうな顔、しろよ……』 一万年前と、同じ痛みを味わった。 友達を殺した時に、泣いていたことを思い出した。 昔の友達から『泣け』と言われて、今の友達からは『笑え』と言われた。 『生きたかった、くせに!』 遠山金太郎にも夢があったように。 その中学生にも、『将来の夢』があった。 ――大きくなったら、私がお嫁さんになってあげる。 ――大人になったらね。 それだけの『夢』から、全てが始まった。 今になって思えば、お互いに『誰でもよかった』だけ。 お互いが、依存できる相手を探していたら、ぴったりはまった。 いびつな関係だったかもしれない。でも、ずっとそばにいてくれた。ずっと守ってくれた。 ずっとそばにいた。守るために、なけなしの勇気を振り絞ったこともあった。 守るために、死なせないために、必死だった。二人とも、ただの中学生でしかなかった。 あれが、彼と彼女の精いっぱいだった。 『誰でもよかった』は、いつしか『彼女でなければならない』になった。 『私ならそう言われただけで満足するかもしれない。 好きな人を殺さずに済んで、居場所をもらったまま終われるなら』 『好き』に自信のない少女と会話して、理解する。最後まで理解できなかった、最期の彼女のことを。 どうして、居場所をつくると言ったのに、死を選んだのか。 好きだから、殺せなかった。ただそれだけ。 言われてみれば、簡単なことだ。 三週目の世界に舞台をうつして殺し合いを始めてから、由乃はどんどん切羽詰まったようになっていった。 「あなたが好き。でも二週目には戻れない」と言い出した由乃は、雪輝を幻覚空間に閉じこめて隔離した。 きっと、あの時点ではもう殺せなくなっていた。 愛しているから、殺そうとした。愛しているから、殺せなかった。 愛しているから、愛すればこそ。 「ラスト1周!」 Question、あなたは、殺したくなるほど、誰かを愛したことがある? Answer、あの時の、あの子と、同じぐらいには。 理解できたからといって、どうにもならない。 どちらかが死んで神の座を譲らなければ、どうあがいても詰みだった。 ただ、ちょっとだけ後悔した。 (好きな女の子の気持ちが分からない、なんてのは……やっぱり、駄目だよなぁ……) たったそれだけの後悔が、違う選択肢を選ばせる。 (僕は、由乃に殺されない。もう、僕を犠牲にすることで解決したりしない) 抗いつづけることで届く奇跡もある。 走り続けるための言葉を思い出して、最後のピースがはまった。 また、抗おう。ただし、昔と今では違うところがある。 今度は、幸せにする名前に『天野雪輝』を加えたい。 由乃と『二人』で、星を見に行こう。 (涙も、笑顔も、由乃も、ぜんぶ取り戻す!) 天野雪輝は。 (僕は――!) 前のめりに、倒れた。 ◆ 【対話】 天野雪輝は、倒れた。 越前リョーマたちの、目の前で。 完走と同時に倒れた。 「よく頑張ったね」 秋瀬或が雪輝のそばにしゃがみこみ、危険な症状はないかどうかを確かめる。 あいにくと片腕だったので、ベンチへと寝かせるのは綾波が手伝った。 二人してどうにか、汗だくの体を綾波たちのいた場所へと横にさせる。 リョーマはその様子を車椅子から見つめ、さすがに申し訳なさを顔に出した。 「……怒らないんスか?」 「もし走る途中で倒れたら怒っていたけれど……その結果を見ればね」 秋瀬が見下ろすのは、越前の左手。 手のうちにある計測器の数字は、ぴったりと『90』をカウントしていた。 「ありがとう。雪輝君に歩み寄ってくれて」 「……あんまり足を酷使して、動けなくなっても困るから」 じっさい、ギリギリの見極めではあった。 ランニングでのへばり方を見ながら「この分では持たないな」と判断するのと、 「でも、走り切ったと思わせたい」との境界線を兼ね合わせるのは。 「でも、彼のことを認めてくれたんだね」 「『本気』は、見せてくれたから」 『本気』の何が見たかったんだと、言われたら困るけれど。 けれど、もう駄目だ限界だ助けてくれとボロボロの顔で、 それでも走るのをやめない姿を見た時だった。 高坂が、あれほどぼろくそに言っていたはずの雪輝を放っておけなかった心境が、分かった気がしたのは。 冷やしてある濡れタオルを取ってくると、秋瀬は運動室を出て行った。 「綾波さん……なんか、成り行きで協力を決めたみたいになったんスけど」 「構わないわ」 「一緒にいるとヤバい人に狙われるっぽいけど、それでもいい?」 「…………私、嘘をついた」 「嘘?」 「『碇君が死んだから、もう全部いい』って言ったこと。ごめんなさい」 「謝らなくても……」 「高坂君が死んだ時、悲しかった。だから、嘘」 「…………」 「でも、ちょっとだけ安心した。あなたたちを、碇君の代わりにはしていないって分かったから」 「そんなこと、気にしてたんスか」 「高坂君がいなくなるまで、分からなかった。だから、分からないのは、嫌」 「うん」 「理由は説明できない。でも、自然に『構わない』と思ってたから。 意味はあるかもしれない。自分で分かってないだけで」 「回りくどい言い方だけど、『Yes』ってことっスか」 「越前君こそ、どうして?」 「何が?」 「高坂君のこと、私を責めなかったから」 「神崎さんの時に、オレだけのせいじゃないって言われたし。だったらその逆もそうだから」 そう言えば、と気づく。 「勘違いされてたら困るから言っとくけど……バロウ・エシャロットのことは許してないから」 「そうなの?」 天野と我妻のことを容認したことで、バロウも似たような認識だと誤解してほしくはない。 「当然。部長を殺されて、神崎さん殺されて、高坂さんも殺されてんだから」 「でも、その部長さんが助けようとしてた……」 「だから困ってるんじゃないスか。綾波さんだって、碇さんのことがあるし」 「私も、許せない。まだ、菊地君から話を聞けてないけど」 「俺も、知りたい。アイツとは決着つけたいから」 「碇君がどう殺されたのか聞いたら、また殺したくなるかも……」 「その時は一緒に考えればいいし」 「うん、高坂君も、『仲良くやれ』って言ってた」 そう言われて、すごく気恥ずかしいことを言い残されたんじゃないかと気づく。 どう返せばいいんだろうと、完全に言葉に詰まった。 しかし、綾波が先回りして言った。 「じゃあ、今後とも『よろしく』」 ――よろしく。 確かに、自分がそう言った。 覚えていてくれたんだ、という感想が生まれる。 なら、返事をしなければいけない。 「……今後とも、『よろしく』」 こつんと、二人は握った拳をぶつけて重ねた。 ◆ 「あ、起きたんすか?」 「ん……おはよう、コシマエ」 「寝ぼけてるんスか? ってゆーか、その呼び方……」 「だって、遠山がずっとこの呼び方だったから……水、のみたい」 「はい、最後のペットボトル」 「どうだった?」 「殴られた方が、万倍マシだった」 「『もう駄目だ死ぬ』って気分になるでしょ?」 「なったよ。もう一生分ぐらい……で、すっきりした」 「したんだ」 「色んなことを、思い出したよ……」 「ふーん」 「ぜんぶ、思い出したんだ。神様になる前の、ただの中学生だった時のこと」 「バカだったこと。子どもだったこと。取りこぼしたこと。 でも、必死だったこと。がんばったこと。嬉しかったこと。辛かったこと。 友達のこと。父さん母さんのこと。敵のこと。恋人のこと。 初めて、人を愛したこと。ぜんぶ」 「やっぱり、記憶喪失を治すには体を動かすのが一番っスね」 「なんだよそれ……で、僕に何か言うことがあるんじゃないの?」 「我妻って人のことは許せない。けど、生きて帰りたいなら協力する。 こっちはこっちで菊地さんたちと合流するから、いつまで一緒にいるかは分からないけど」 「8キロかそこら走らせただけで、凶暴な女の子に狙われてもいいんだ。 僕が言うのもなんだけど、お人好し過ぎじゃない?」 「さぁね。危なくなったら、綾波さんと二人で逃げるかも。 ……天野さんは、これからどうするんスか?」 「やり直しが、したい」 「0から?」 「もう、0(チャラ)にはしない。 1から、やり直す。続きから始める」 「…………」 「何もできない“神様”じゃない。 ただの“中学生”だったけど、頑張ってた頃の僕を思い出したんだ。 なかったことにしない。全部、抱えて進む。もう絶対に忘れない」 「我妻さんが一番だけど、他の人たちも忘れない……なんか、矛盾してないっスか?」 「中途半端でいいよ。“抗って届く奇跡があるなら信じたい”。 これを否定したら、僕がしてきたことの全面否定になる」 「一万歳の“中学デビュー”ってこと?」 「学年は君より先輩だけどね」 ほとんど同時。 挑みあうように睨み合っていた両者の顔から、乾いた笑いが漏れた。 ◆ 独りぼっちだった“時空王”は、もういない。 ただの好きな人がいる“中学生”になった。 【G-4病院/一日目・夕方】 【天野雪輝@未来日記】 [状態]:発汗、疲労、中学デビュー [装備]:体操服@現地調達、スぺツナズナイフ@現実 、シグザウエルP226(残弾4)、 天野雪輝のダーツ(残り7本)@未来日記 [道具]:携帯電話、学校で調達したもの(詳しくは不明) 基本:由乃と星を観に行く 1:やりなおす。0(チャラ)からではなく、1から。 ※神になってから1万年後("三週目の世界"の由乃に次元の壁を破壊される前)からの参戦 ※神の力、神になってから1万年間の記憶は封印されています ※神になるまでの記憶を、全て思い出しました。 ※秋瀬或が契約した『The rader』の内容を確認しました。 【秋瀬或@未来日記】 [状態]:右手首から先、喪失(止血)、貧血(大) [装備]:The rader@未来日記、携帯電話(レーダー機能付き、電池切れ)@現実、セグウェイ@テニスの王子様、マクアフティル@とある科学の超電磁砲、リアルテニスボール@現実 [道具]:基本支給品一式、インサイトによる首輪内部の見取り図(秋瀬或の考察を記した紙も追加)@現地調達、火炎放射器(燃料残り7回分)@現実、クレスタ@GTO 壊れたNeo高坂KING日記@未来日記、『未来日記計画』に関する資料@現地調達 基本行動方針:この世界の謎を解く。天野雪輝を幸福にする。 1:天野雪輝の『我妻由乃と星を見に行く』という願いをかなえる [備考] 参戦時期は『本人の認識している限りでは』47話でデウスに謁見し、死人が生き返るかを尋ねた直後です。 『The rader』の予知は、よほどのことがない限り他者に明かすつもりはありません 『The rader』の予知が放送後に当たっていたかどうか、内容が変動するかどうかは、次以降の書き手さんに任せます。 【越前リョーマ@テニスの王子様】 [状態]:疲労(大)、全身打撲 、右腕に亀裂骨折(手当済み)、“雷”の反動による炎症(数時間で回復) [装備]:青学ジャージ(半袖)、テニスラケット@現地調達 リアルテニスボール(ポケットに2個)@現実、車椅子@現地調達 [道具]:基本支給品一式(携帯電話に撮影画像)×2、不明支給品0~1、リアルテニスボール(残り3個)@現実 S-DAT@ヱヴァンゲリオン新劇場版、、太い木の棒@現地調達、ひしゃげた金属バット@現実 基本行動方針:神サマに勝ってみせる。殺し合いに乗る人間には絶対に負けない。 1:休んだら、菊地と合流。天野たちにはできる範囲で協力 2:バロウ・エシャロットには次こそ勝つ。 3:切原は探す。 【綾波レイ@エヴァンゲリオン新劇場版】 [状態]:疲労(小) 、傷心 [装備]:白いブラウス@現地調達、 第壱中学校の制服(スカートのみ) 由乃の日本刀@未来日記、ベレッタM92(残弾13) [道具]:基本支給品一式、第壱中学校の制服(びしょ濡れ)、心音爆弾@未来日記 、隠魔鬼のマント@幽遊白書 基本行動方針:知りたい 1:休んだら、菊地と合流。天野たちにはできる範囲で協力 2:落ち着いたら、碇君の話を聞きたい。色々と考えたい 3:いざという時は、躊躇わない…? [備考] ※参戦時期は、少なくとも碇親子との「食事会」を計画している間。 ※碇シンジの最後の言葉を知りました。 Back 錯綜する思春期のパラベラム(前編) 投下順 Next それでも、しあわせギフトは届く Back 錯綜する思春期のパラベラム(前編) 時系列順 Next 最良の選択肢 君に届け(I for you) 天野雪輝 ぼくらのメジャースプーン 君に届け(I for you) 綾波レイ ぼくらのメジャースプーン 君に届け(I for you) 越前リョーマ ぼくらのメジャースプーン 君に届け(I for you) 秋瀬或 ぼくらのメジャースプーン
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手持ち 黒トレーナー 黒関係者 施設職員 ジム関係 白トレーナー 依頼人・一般人など ??? 手持ち 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 ハバキリ 0 100 友情 青の絆 ネフレン=カ -5 100 恋愛 赤の絆 禊 -5 100 恋愛 緋の契 かしわ 5 99 選択中 - 陽炎 1 79 - - 帝人 -5 83 - - 黒トレーナー 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 アリババ・サルージャ -5 82 - - アリサ・イリーニチナ・アミエーラ 5 48 - - ツナシ・タクト 0 63 - - 七夜志貴 0 28 - - 黒木智子 5 35 - - 立花響 6 25 - - 黒関係者 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 ブロント -5 95 選択中 - 小日向未来 5 86 - - ケンシロウ 0 3 - - 施設職員 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 アナスタシア・ルン・ヴァレリア 6 - - - ジム関係 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 ユーノ・スクライア 0 5 - - アンデルセン -10 53 - - ネプテューヌ 48 53 - - 天海春香 6 - - - 白トレーナー 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 やる実 70 99 友情固定 - ライン 50 68 - - 依頼人・一般人など 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 ギャリー 0 67 - - 松前緒花 5 15 - - 藤堂ユリカ 5 20 - - 諸星きらり 5 61 - - 不二咲千尋 5 10 - - トトゥーリア・ヘルモルト 5 25 - - 城ヶ崎美嘉 5 - - - 育て屋夫婦 -5 5 - - ヨーコ・リットナー -10 -5 - - 木山春生 5 15 - - メルク・フリーシアン 6 11 - - 漆原るか 6 - - - 祇堂鞠也 0 - - - 武内 2 - - - 少佐 0 - - - ??? 名前 初期好感度 現在好感度 ルート 絆・契 ケルべロス 5 - - - ベネット 5 13 - -
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【できない子】 「通常攻撃」「ナイフ術Lv4」2/50 ノーマル 1体選択 80% ダメージ ? ? ? 「ダブルアタック」 ノーマル 1体選択 90% 2回ダメージ、1回/1戦 物理 35 直接 「みねうち」 ノーマル 1体選択 100% ダメージ+対象:必ずHPが1残る 物理 40 直接 「ほろびのうた」 ノーマル 全員 - 3ターン後ひんし 変化 - - 『あたれ』 任意 味方1体選択 確定 そのターンのわざを必中に 1回/1戦 『もどれ』 任意 味方1体選択 確定 わざ使用直後にボールに戻す 1回/1戦 『ふせげ』 任意 味方1体選択 確定 被ダメージ1回半減(切り上げ) 1回/1戦 『速度補助』 任意 味方1体選択 確定 1ターンすばやさ1.5倍 1回/1戦 『かわれ』 任意 味方1体選択 確定 行動順入れ替え+自身も行動可能 1回/1戦 『気合』 対抗 自分 確定 HP0以下になる時:HP1に 1回/1戦 『加護』 対抗 自分 確定 判定失敗時:振り直し 1回 精神耐性 耐性 自分 高確率 狂気・精神系状態変化を無効化 常時