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三作品目です。 感想ありがとうございました。 今回も子まりさは反旗を翻します。 前作品の続きです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 老夫婦とまりさ2 1. お爺さんは子まりさへの教育を続けていた。 子まりさのすでに顔はぼこぼこになっている。 「話しているように食事というものは簡単には用意できない。苦労があって手に入るものなんだ」 「そんなのしらないのぜ…おばあちゃんがもってきてくれるのぜ…」 これまで自分で食べ物を手に入れたことがない子まりさにとって、食べ物は持ってきて貰うものでしかなかった。 それをお父さんが狩りをしてとってきているとは聞いていたが、まだそれがどのようなことすら知らなかった。 「やれやれ。そんなことから教えないといけないのか…」 お爺さんは眉を潜めた。相手があまりにも物を知らないためである。 一つのことを教えるのに沢山のことを教えなくてはならない。 「じゃあまずはお前のお父さんがしていることについて話そう」 「お父さん…そうなのぜ!おとうさんとおかあさんはどこなのぜ!?」 子まりさは今までのぬるま湯生活ですっかり忘れていた両親のことを思い出した。 本来の目的を忘れてしまうのも餡子脳の成せる技だろう。 「…お前のお父さん、お母さんはどこに行ったんだ?」 「にんげんさんがひとりじめしているおやさいさんをとりにいったのぜ」 お爺さんはもしや、と思った。 妻から聞きたくもない子まりさのことを聞いていたがそれと合致する。 以前成体まりさが畑を荒らしていたので潰したことがあるのだ。 さらに言うとその翌日には成体れいむを潰していた。 「それはいつのことだ」 「まりさがここにくるまえのぜ。それがどうかしたのぜ」 お爺さんは確信した。 日にちを逆算するとぴたりと一致する。 お爺さんはこのまりさの親を殺していたのだ。 (これは機会かもしれんな) 事実は早く知った方がいい。 それに自分の両親がすでにこの世にいないということを知らなければ、一生探し続けることになる。 また、それ以外に大きな目的もあったのだ。 「お前の両親は俺が殺した」 「…ゆ?」 間ができる。 唐突な発言に子まりさは戸惑った。 「なにをいってるのぜ…いくらおまえでもおとうさんとおかあさんがころされるはずないのぜ…」 口では両親の強さを信頼しているようだが、その目は明らかに動揺している。 自分が蹴り飛ばされた時の衝撃や現在の自分の立場から考えるとお爺さんの言うことが正しいように思えてくる。 「お前の父親はまりさで母親はれいむだろ?」 「ゆ…なんでおとうさんとおかあさんのなまえをしってるのぜ…」 餡子脳が役に立った。 多くのゆっくりの番はまりさとれいむであり、名前もそのまままりさとれいむである。 子まりさはお爺さんが親とその名前を知っているということを聞き、疑惑が確信へと迫っていった。 (ゆっくりっていうのは本当に頭がアレだな…) 「そうだ。俺がお前の両親をしっているのh」 「ゆわぁぁぁぁ!ゆるさないのぜ!おまえをころしてやるからここからだすのぜ!」 子まりさは自分の立場さえもを忘れてケースの中で暴れ始めた。 目前の敵に両親を殺されたという事実のために痛みからくるものとは別の涙が流れ始めた。 (予想通りだな…予想通り過ぎて嫌になるが…) 「人間の作った物に手を出すからそうなったんだ。仕方のないことだ」 「…にんげんさん?」 人間という言葉を聞き子まりさは動きを止めた。 目の前の生き物が 「ゆっくりしていないおやさいさんをひとりじめにするばかなせいぶつ」 であることにここで初めて気がついたのである。ここに来て一週間経ってのことである。 「にんげんさんはばかでゆっくりしてないからよわいはずなのぜ!さっさとここからだすのぜ!」 子まりさは途端にまた不貞不貞しい態度になりゆっくり的な独自の理論を力説した。 だがそれが人間に通用するはずはなかった。 「俺がお前を蹴り飛ばしたのは覚えてないのか?」 「あれはぐうぜんなのぜ!にんげんさんはよわいからつぎにたたかえばかてるはずなのぜ!」 お爺さんは期待通りの言葉を聞き出せて満足をした。 人間という存在を学ばせるためのきっかけ作りとなったからだ。 「ほう、じゃあ一つ戦ってみるか。もしも俺が負けたらなんでも好きにしていいぞ」 「やっぱりにんげんはばかなのぜ!まりささまにかなうはずがないのぜ!」 目の前の生き物に両親を殺され、蹴り飛ばされ、鉛筆を刺されているのに相手が人間と知るとこの態度である。 今までのことは全て偶然もしくは運が悪かったと思いこむのは餡子脳ゆえだろう。 「じゃあ出してやる。どこからでもかかってこい」 お爺さんはケースから子まりさを出し置いてやった。 「まりささまをにがしたことをこうかいさせてやるんだぜ!」 鉛筆が刺さったまま偉そうに宣言する子まりさ。 痛みなどすでに忘れているのだろうか。 子まりさにとって最初の授業は人間についてとなった。 2. 「そろーりそろーり」 あぐらをかいて座っているお爺さんの周りを子まりさはぐるぐると這いずり始めた。 お爺さんが逃げられないように包囲しているということを主張したいらしい。 だが結果が見えているお爺さんからすれば無駄なことにしか見えない。 「さっさとしろ。夕飯までに終わらせたいんだ」 「まりささまにかてるとおもってるのぜ?おもいあがりもはなはだしいのぜ!」 (人を苛つかせる言葉だけはよく知っているんだな…) 「しぬのぜー!」 子まりさは火花のような勢いでお爺さんに飛びかかりお爺さんを痛めつけた、つもりのようであった。 お爺さんは実際はなんともなっていないのだが、それに気がつかず何度も体当たりをする。 「ゆはははは!もうしんだのぜ?ひめいがきこえないのぜー!」 いわゆるどや顔で子まりさは攻撃をやめた。 もう勝ったつもりでいる。 「…もういいか?」 「ゆ!?」 信じられない。そういった顔で子まりさはお爺さんの顔を見上げた。 まさか人間がこんなにも打たれ強いとは思っていなかったのだ。 「じゃあ次は俺の番だな…」 子まりさは考えられない事態に戸惑い動くことができなかった。 ガタガタと震え、その目はこの世の物でないものを見ているかのようである。 「二本目だ」 二本目の鉛筆が左右対称になるように突き刺さった。 ただ適当に刺すのではなく左右対称に刺すのはお爺さんの整然さを好むところから来ている。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「どうだ人間の強さが分かったか?」 「わからないのぜぇぇぇぇ!なんでかなわないのぜぇぇぇぇ!」 お爺さん子まりさが本気で分かっていないということが見て取れた。 こっぴどくやられても人間に適わないということが信じられないらしい。 「じゃあお婆さんと戦ってこい。それで分かるだろう」 「…ゆ!?おばあちゃんなららくしょうなのぜ!ちょろいもんなのぜ!」 今まで暴力を振るわれたことのないお婆さんに対しては余裕で勝てると思ったらしい。 気の持ちようなのだろうか、痛みどころか鉛筆が刺さっていることさえ忘れているようである。 この点は餡子脳の凄いところであると言えよう。 「じゃあ行こうか。現実を知らしめてやろう」 お爺さんは子まりさを台所へ連れて行った。 お婆さんは夕飯の準備をしていた。 「おい、こいつと戦ってやってくれ。力関係を学ばないと教育が進まないんでな」 「なんで鉛筆が刺さってるんだね!それに顔が腫れてる…なんて酷いことを…」 「所詮ゆっくりだ。すぐに治る」 「しぬのぜぇぇぇぇ!」 老夫婦が話している内に卑怯にも子まりさはいきなり飛びかかった。 が、結果は予想の通りのものでありお婆さんに傷一つつかない。 「あぁっ!」 とは言え不意打ちかつ腰の弱い老体であるお婆さんの体は揺れた。 それと同時に持っていた包丁が落ちる。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 定められた運命かのように包丁が帽子をも貫き子まりさに突き刺さる。 かなり深く刺さり、刃は見えている部分の方が少ない。 「あぁ、これは死ぬな」 「あぁぁぁ、どうしましょう!」 「もっ…ゆ……り…し……」 子まりさは死を覚悟して最期の言葉を残そうとしていた。 餡子が漏れだしている上に黒ずみ始めている。このままでは死ぬのは確実だろう。 包丁と鉛筆を抜いたもののそれは餡子が漏れるのを早めるだけであった。 3. 「何か甘い物で治さないと…!」 お婆さんは砂糖のある棚を見たが砂糖が無い。 お爺さんが砂糖水作りに使ってしまったからだ。 「砂糖はさっき砂糖水を作るのに全部使ってしまったよ」 「じゃあそれを持ってきて!」 「分かった分かった…」 お爺さんは砂糖水を持ってきて子まりさにかけた。 意識は戻ったのか言葉が漏れる。 「……ゆっ…ぐ……りぃ…」 「…足りないみたいだな」 「もう砂糖はないのに…」 延命措置はできたがそれも長くは続かないようである。 また少しずつ黒ずみ始めている。 「砂糖以外じゃ駄目なのか。冷蔵庫に何かないか?」 「多少砂糖が入ってるものもあるけど、砂糖以外にも色々入ってるし…」 「まあ試してみるか」 お爺さんは冷蔵庫から使えそうなものを探し出した。 まず目にとまったのは甘酢である。 「酢が入ってるがまあ大丈夫だろう。これを使うぞ」 お爺さんは甘酢を取り出すと子まりさの裂け目に流し込んだ。 「…ゅ…ゆぐ…がぁぁ…ぁあ……」 どうやら痛みを感じるらしい。 だが声には元気がついてきている。 「適当なものでも結構なんとかなりそうだな」 「頑張ってね!死んじゃいけないよ!」 このように冷蔵庫の様々なものを子まりさに少しずつ足していった。 その内容は割愛するが、それらを注ぎ込む度に悲鳴は元気なものとなり、傷口はふさがっていった。 「…ゆ…しぬかとおもったのぜ…」 子まりさは意識を取り戻した。 「どうだ?人間の強さが分かったか?」 「もうじゅうぶんなのぜ…」 「良かった。死んじゃうのかと思った」 「ゆ…ゆ…おばあちゃんこわいのぜぇぇぇぇ!!」 子まりさは号泣した。 意図的ではないにしろ死の寸前まで至らしめたお婆さんが恐かったのである。 「あら…」 子まりさの中で一番恐ろしい存在となったのはお爺さんではなくお婆さんであった。 4. 夕食の時間となり座敷机を二人と一匹が囲む。 「「いただきます」」 老夫婦は食事を始めた。 しかしそこには子まりさの分はない。 「ゆぅ…おなかすいたのぜ…」 「そうか。それがどうした」 「あなた、この子が可哀想ですよ…」 「お前は甘やかしが過ぎる。これも教育の内だ」 「ごはんさんがほしいのぜ…」 子まりさは空腹を訴えたがお爺さんは耳を傾けない。 すでに新しい授業が始まっていたのだ。食についてである。 「ご飯が欲しいなら自分の力で手に入れろ」 「ゆっ!?そんなのむりなのぜ!じぶんでごはんさんをてにいれたことはないのぜ!」 「…教えてやるからそこで待ってろ」 お爺さんは面倒くさそうに返事をすると、ご飯をやや早く食べ始めた。 子まりさは不安そうにお爺さんを見つめていた。 ご飯が済むとお爺さんは子まりさを連れて近くの原っぱへと向かった。 実践をさせるつもりであった。 「…さて、お前が今までお父さんにとってきて貰った物を言ってみろ」 「ゆ…くささんにむしさんにおはなさんに…きのみさんややさいさんなのぜ」 「野菜は人間が育てているものだぞ」 「やさいさんはかってn」 強力なデコピンが子まりさに打ち出された。 お爺さんも力加減も分かってきたようで、少し吹っ飛ぶだけですませることができた。 「野菜に関してはまた今度教えるが、野菜が勝手に生えてくるだとか二度と言うな」 「わかりましたぁぁぁぁぁぁ!」 ゆっくりの持つ概念は人間の持つそれとは異なる。 それを打ち破り上書きしなくてはならないのは面倒なことである。 「で、お前がその中で好きなものは何だ?」 「おやさいさんとかきのみさんとか虫さんなのぜ」 「草や花は?」 「あんまり美味しくないのぜ…」 どうやら入手に苦労するものほど好きらしい。 食べ物の価値を教えるにはちょうど良い価値観だろう。 「草や花はそこらにあるからそれを食べればいいだろ」 「美味しいものが食べたいのぜ…」 「じゃあ取り方を学ばないといけないぞ」 お爺さんは虫がいる場所、木の実が落ちている場所についてその生態から教え始めた。 なかなか分からないだろうと思っていたが不思議と学習は円滑に進んでいった。 「…つまり虫さんは見つからないように隠れているのぜ?」 「そうだ。…やけに物わかりが良くなったな」 「何故か頭の中がすっきりしているのぜ。まりさにもよく分からないのぜ」 お爺さんには心当たりがあった。それは子まりさの中に色々と入れたことである。 中に入れたそれらの内の何かが、子まりさ知能に影響を与えたのかもしれないのだ。 他に心当たりがない以上、それが原因であるとしか考えられない。 「まあいいか…じゃあ次に野菜についてだが…」 驚くべき事に子まりさは野菜についても理解を示した。 今までであったら話を途中で忘れるほどの餡子脳であったことが信じられないぐらいである。 「野菜さんはそうやってできるのぜ…知らなかったのぜ…」 「あぁ、だから畑を荒らすゆっくりは嫌われるんだ。それでお前の両親も殺すことになった」 「ゆ…それは悪かったのぜ…でも殺さないで欲しかったのぜ…」 子まりさは両親を殺されたということを再認識し顔に影を落とした。 両親が悪いといえども人間の法を知らないゆっくりにとっては理不尽に思えることであった。 「…すまんな。人間にも人間の生活があるんだ」 「…人間さんには悪いゆっくりだったかもしれないけど、まりさには掛け替えのないお父さんとお母さんだったのぜ…」 その言葉を聞いてお爺さんは少し考えを巡らした。 自分の息子のことである。しかしそれはすぐにやめることにした。 「…今日はもう勉強は終わりだ。家に帰ってご飯を食べようか」 「ゆ?…ご飯さんをまだとってないのぜ?」 「いや、今日はもういい。お婆さんに残り物を用意してもらおう」 「?」 お爺さんと子まりさは帰路についた。 一人と一匹の影が道に並んで伸びている。 影と影の間の長さは行きのそれよりも縮まっていた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今まで書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 1085 ゆっくり一家とゲスとお兄さん ふたば系ゆっくりいじめ 1101 老夫婦とまりさ1
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4,水の都アイヴィアス7,動けない老人概要 1,老人の道しるべ 2,のどかな遊歩道 3,老夫婦との出会い 4,老人を救え! コメント 概要 魔導師ランク 1級以上 老人の道しるべ 消費魔力 15 バトル数 ◯ ステージ 野原(昼) 獲得経験値の目安 ◯ 獲得ゴールドの目安 ◯ のどかな遊歩道 消費魔力 15 バトル数 ◯ ステージ 野原(昼) 獲得経験値の目安 ◯ 獲得ゴールドの目安 ◯ 老夫婦との出会い 消費魔力 15 バトル数 ◯ ステージ 野原(昼) 獲得経験値の目安 ◯ 獲得ゴールドの目安 ◯ 老人を救え! 消費魔力 19 バトル数 ◯ ステージ 野原(昼) 獲得経験値の目安 ◯ 獲得ゴールドの目安 ◯ コメント 名前 コメント
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二作品目です。 前作品に感想を下さりありがとうございました。 指摘を見て初めて文章におかしな部分があったことに気がつきました。 今後も精進して行くつもりなのでよろしくお願いします。 この作品は時系列でいうと前作より前の話になります。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 老夫婦とまりさ1 1. 人口が少なければ、家も少ない。 そんな静かな村にその老夫婦は暮らしていた。 小さな畑を耕して、日々の食事とする慎ましい生活だった。 子どもは飛び出すように都会へ出向き、消息も知れなくなっていた。 そんな寂しい生活にある変化が起こった。 「一体何だこれは!」 小さい家の中に怒号が響く。 それをものともせず優しげな声が応えた。 「何って見て分かるでしょう?ゆっくりですよ」 「そうじゃない!何でゆっくりなんかが家にいるのかを言っているんだ!」 老夫婦の間には小さな子まりさがバケツの中に入ったまま眠っている。 怒号が響く中でよく起きないものである。 「縁の下のバケツを被って寝ていたんだけど、あなたが捕まえたんじゃないの?」 「こんな奴知らん!ゆっくりなんぞ見つけたらとっとと潰している!」 またしても大きな声が響く。 畑を持つものにとってゆっくりは面倒な相手だ。 いちいち対策をするにも時間と労力と金がかかる。 この周辺でも例に漏れずゆっくりによる被害は絶えない。 数日前に畑の野菜にたかりに来た親子を木刀で叩きつぶしたばかりである。 「まあなんて乱暴な。まだ小さいじゃありませんか」 「大きかろうが小さかろうが関係ない!さっさと殺すんだ!」 「可哀想なことを言うもんじゃありませんよ。私が責任を持って飼いますから」 「ふん、どうせゆっくりはゆっくりだ。畑の野菜に手を出さないはずがない」 「絶対にさせませんよ。ちゃんと育てますから」 頑固に怒鳴り立てる夫を相手に妻は毅然と立ち向かう。 流石に小さな生命を殺すのは躊躇われたようである。 「子ども一人まともに育てられないくせに何を言って…」 途端に妻の顔は色をなくした。 それと同時に夫はしまったというような顔をして言葉に詰まった。 「す、すまん…そいつは好きにしていいぞ…」 そそくさとその場を立ち去り書斎の中へ夫は逃げるように入った。 その場には顔を俯かせる妻とバケツに入った子まりさが残された。 2. 力なく持ち上げたバケツと共に妻は居間にに向かった。 バケツから子まりさを取り出し、座敷机に乗せた。 息子の事をぼんやりと考えながら子まりさの起きるのを待った。 暫くすると子まりさが目を覚ました。 「…ゆ?」 「おはよう。ここは私たちの家だよ」 「ゆわああああああああ!すごくおおきなどうぶつさんだぜぇぇぇぇぇぇ!」 「あっ」 子まりさは初めて見る人間を見て驚きの声を上げ、途端にその場から走り出した。 ゆっくりを捕食する動物は少なくはない。 飼いゆっくりならともかく、野生のゆっくりはその恐ろしさをよく知っている。 それも自分より何倍も大きいとなればそれは恐怖そのものだろう。 「どこがでぐちなんだぜぇぇぇぇぇぇ!」 子まりさは必死に出口を探そうと物凄い勢いで走り回った。 本人はそのつもりだろうがただ部屋をはね回っているだけであり、 その速さは人間から見れば歩く速さよりも遅かった。 だが老体で追いかけるのはなかなか辛いものがあった。 どうしようかと考えあぐねたお婆さんはある方法を思いついた。 「あ、そうだ。…ゆっくりしていってね!」 ぴたっと子まりさの動きが止まり、お婆さんの方を振り返る。 そしてそれと同時に返答をする。 「ゆっくりしていってね!…はっ!」 反射的に返答をした後に我に返り、驚いた表情をする子まりさ。 同じゆっくりからしか聞いたことのない言葉を見知らぬ生き物が喋っていることに驚いたのだろう。 「この家にいてもいいんだよ。ゆっくりと寛ぐといいよ。」 「ゆ…でもまりさは…」 「ここにお菓子があるから一緒に食べようか」 「おかし?」 「美味しい物だよ。ほらおいで」 「ゆぅ…」 戸棚から羊羹を出し、子まりさの前に一切れ差し出した。 警戒をしているようであったが、空腹に耐えられなかったのか食べ出した。 美味しいと分かると「むーしゃむーしゃしあわせー」さえせずにガツガツと食べ始めた。 お婆さんはその様子を微笑ましく見ていた。 3. 「おいしかったのぜ!もうたべられないのぜ!」 「そう、それは良かった」 子まりさ、お婆さん共に笑顔となっていた。 それぞれの笑顔の理由は違うものの和やかな雰囲気である。 「ところであなたはなんであんな所にいたの?」 「おとうさんとおかあさんをさがしにきたのぜ。でもみつからなかったからあそこできゅうけいしてたのぜ」 「そう、それは大変だったねぇ」 さらに話を聞くと次のことが分かった。 狩りに行くと行って出て行った父まりさが帰って来なかったために、母れいむが探しに行った。 しかし、その母れいむも帰ってこなかった。そして寂しさと空腹に耐えかねて探しに来たとのことである。 「お父さんとお母さんが見つかるといいねぇ」 「ゆぅ…でもにんげんさんっていうのにころされちゃったかもしれないんだぜ…」 子まりさは顔を伏せ悲しげに答えた。 どうやら目の前の生き物が人間だということは分かっていないらしい。 それを察してか察してないのかお婆さんは答える。 「可哀想にねぇ。じゃあ見つかるまでの間、家に居てもいいよ」 「ほんとうなのぜ!?ありがとうだぜ!えーと…」 「『おばあちゃん』でいいよ」 「おばあちゃんありがとうなのぜ!」 子まりさは幸か不幸か目の前の生き物を人間と知らずに心を許した。 結果としてそれは子まりさの寿命を延ばすこととなったが、真実を知らないままであった。 4. 翌日、子まりさお婆さんと共に家の探険をすることにした。 「…ゆ?あれはだれなのぜ?」 「あぁ?」 子まりさはお爺さんに遭遇した。 とりあえずいつもの台詞を元気よく発した。 「ゆっくりしていってn」 「うるさい」 お爺さんは子まりさを軽く蹴り飛ばした。 本人は軽くのつもりだが、その勢いはゆっくりにとっては凄まじいものである。 子まりさは壁に鈍い音と共にぶつかった。 「あなた!何してるの!」 妻が夫に対して声を張り上げる。 突然の暴力行為に憤慨している。 「好きにしていいとは言ったが、俺がゆっくりを嫌いなのは変わらん」 「だからと言って蹴り飛ばすことはないでしょう!」 「ゆぅぅぅ…」 「俺にそいつを見せるな。反吐が出る」 「あなた…!」 夫はそのまま畑仕事をするために外へ出て行った。 またしても一人と一匹は残された。 「…大丈夫?」 「じぬぅ…」 大分弱っていることがその形状と声の力なさで分かった。 お婆さんは子まりさを回復させるため台所へと向かった。 数分後、そこには元気を取り戻した子まりさの姿があった。 「たすかったのぜ…ありがとうなのぜ」 (なんていい加減な生き物なんだろうね…) 「無事で何よりだよ」 子まりさは命を救ってくれたお婆さんに感謝をしお辞儀をした。 「あいつはいったいなんなのぜ?こわいのぜ」 「あの人は『おじいちゃん』よ。あんまり近寄っちゃ駄目だよ」 「ゆ…わかったのぜ…」 子まりさは恐怖の体験を思い出し、体を震わせた。 『おじいちゃん』は子まりさにとって畏怖の対象となった。 5. それから一週間。子まりさはゆっくりらしい成長を遂げた。 「おなかすいたのぜー!」 座敷机の上で大きな声を張り上げる子まりさ。 その対象は命を救ってくれたおばあちゃんである。 「はいはい。今用意するからね」 お婆さんは不貞不貞しい態度となった子まりさに対し優しく接している。 子どもがいないお婆さんにとって子どものような存在なのだろうか、甘やかしが過ぎている。 (ふふん、おばあちゃんはたいしたことないのぜ。へこへこしてたのがばかみたいのぜ) この心内をお婆さんが知ったら、さぞかし傷ついただろう。 しかし、子まりさの思い上がりはその日限りで終わることとなる。 「おい」 「…ゆ?」 子まりさの後ろから強い圧力が加わる。そしてさらに浮遊感が加わった。 そこにはお爺さんの力強い手に掴まれた子まりさの姿があった。 「お婆さんに何を言ってるんだお前は!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 みちみちと音が漏れる。そして子まりさの形が変形していく。 その悲鳴を聞きお菓子を取りに行った妻が帰ってきた。 「あなた!何をしているんですか!」 「決まっているだろう。お前に不貞不貞しい態度をするこいつを制裁しているんだ」 「そんな…!」 「おばあぢゃんばばやぐだずげろぉぉぉぉぉぉぉ!だずげないおばあぢゃんはじねぇぇぇぇぇぇ!」 「…」 「ほらな。ゆっくりはこういうもんなんだ」 お婆さんの顔は悲しさで溢れていた。 子どものように大切にしていた子まりさに死ねと言われたことが辛かったのである。 「ばやぐじろぉぉぉぉぉ!」 「まだ殺さないから安心しろ」 お爺さんはゆっくりと力を強めていく。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!」 それに応じて悲鳴はさらに大きくなる。 「もうやめて!」 「お前はそれでいいのか?どうせこいつはお前に対してこの態度のままだぞ」 「それは…」 「どうするんだ?」 「…」 妻は黙ってしまった。夫の言うことには何一つ間違いがないからだ。 悲鳴だけが家の中に響いている。 「…ちょっとこいつを暫く預かる」 「えっ…?」 「殺しはしない。ただ教育をするだけだ」 「ばなぜぇぇぇぇぇぇぇ!」 夫は子まりさと共に一つの部屋へと消えた。 妻は一人その場に残された。 「あの子大丈夫かねぇ…」 妻は不安そうに部屋を見つめた。 6. 「はぁ…はぁ…たすかったのぜ…」 子まりさはお爺さんから解放された。 だが、解放されたとは言っても解放先は昆虫採集用の透明なケースであった。 お爺さんはケースの蓋を閉じると部屋を出て行った。 「ここからだすのぜぇぇぇ!」 ケースの中に自分の声が響く。 その声に答えてくれる者はもういなかった。 しばらくするとお爺さんが帰ってきた。 なにやら瓶を持っている。 「な…なにをするのぜ…!いたいのはやめるのぜ!」 「教育をするだけだ」 お爺さんは瓶をケースの横に置いた。 教育をするというこのお爺さん。 実は元教師であり、その厳しさで校内でも村内でも有名であった人物である。 だが、ただ厳しいだけなのでなく文武両道の教師であり、礼儀を重んじる態度から尊敬されていた。 「お前はつけ上がりすぎている。その考えを改めさせる」 「おばあちゃんはまりささまのどれいなのぜ!まちがってないのぜ!」 「何故そう思う」 「まりさにごはんさんをもってくるからだぜ」 「じゃあお前のお父さんとやらもどれいか」 「おとうさんはおとうさんなのぜ?おじいちゃんはばかなのぜ?」 (…駄目だこいつ) お爺さんは頭を抱えた。 子まりさが憎たらしく今すぐ殺したかったが、「殺しはしない。ただ教育をするだけだ」 と言った手前、引き下がることは出来なかった。 しかし。それよりも教育者としてここで教育を放棄するということも自分の中で許すことができなかったのだ。 「まず…ごはんさんとやらについて説明しよう…」 お爺さんは説明を始めた。 説明はお爺さんが予想していたよりもかなり長く続いた。 人間に対してではなくゆっくりに対してなので当然である。 「…つまり苦労をしている者に対しt」 「『くろう』ってなんなのぜ?」 子まりさの知らない言葉が出るとそこ言葉の説明が必要になった。 「…だからお婆さんはお前のためn」 「もういっかいさいしょのほうをいってほしいのぜ」 餡子脳のための忘れっぽさが説明を困難にさせた。 「もういやなのぜ!もうやめるのぜ!」 「駄目だ。お前が更正するまで続ける」 「しらないのぜ!もうねるのぜ!」 子まりさはふて腐れて眠ろうとした。 「…」 お爺さんは黙って部屋にある学習机から鉛筆を取り出した。 そして子まりさに近づいた。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 鉛筆が子まりさの頬を貫いた。 それと同時に悲鳴が響く。 「なにするのぜぇぇぇぇ!」 「寝るな。俺もお前に付き合うから最後まで付き合え」 「さいごっていつなのぜぇぇぇぇ!」 「お前が更正するまでだ」 お爺さんは瓶を持ち、中身をまりさの傷口に流し込んだ。中身は砂糖水である。 傷口はふさがったものの鉛筆はそのままであり、痛みが子まりさを攻め続ける。 「これをぬくのぜぇぇぇぇ!」 「何度も言わせるな。お前が更正するまでだ」 「じねぇぇぇぇぇぇ!」 「そういう態度を取るのか」 お爺さんは学習机に行き、コンパスを取り出した。 そしてその両端を子まりさの目に照準を合わせる。 先端が両目に近づく。あと5cmで刺さる距離だ。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!やめるのぜ!やめるのぜ!」 あと3cm。 「やめて欲しかったらどうするべきか分かるな?」 1cm。 「わかったのぜぇぇぇぇ!!」 子まりさは泣きながら答えた。 お爺さんは満足そうな笑みを浮かべた。 「よし、じゃあまた始めるぞ」 子まりさにとっては地獄とも思える授業が始まったのである。 部屋の扉を挟んでお婆さんは不安そうな顔をしていた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今まで書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 1085 ゆっくり一家とゲスとお兄さん
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【作品名】キノの旅 【ジャンル】ライトノベル 【名前】森の中の老夫婦 【スペック】森の中の丸太小屋に住む老人の二人組 【変態属性】猟奇殺人 【変態性の詳細】 森の中の丸太小屋に住み、通りがかった旅人をお茶会に誘い、だまして殺す老夫婦。殺害した旅人は家具などに加工する。 本人曰く「自然の材料でいろいろなものを作る喜び」を生き甲斐としているらしい。 以下原文 そこには、老夫婦が作ったであろう、いろいろな“もの”がありました。それらは、“自然の材料で作られたもの”、でした。 まず目につくのが、天井にぶら下げられている足でした。人間の足が、薫製化されて、 腿をフックで引っかけられたまま、二本ずつぶら下げられていました。きれいに等間隔でした。 部屋の壁一面には、皮が隙間無く張ってありました。おへそや乳首の形でそれが人間のものだと知れました。 手首から先だけが張られて、丸く円を描く模様もありました。 立った棒の先に刺してあるのは、昔々とある部族が作ったといわれる、目と口が縫われた干し首でした。 元の大きさよりだいぶ収縮しています。髪の毛は丁寧に編んでありました。 ソファが一つありました。二人用のソファで、その足は薫製でしたが、周りに人骨がデコレーションとして張り付けてありました。 座るところや背もたれは、全て人間の皮でした。背もたれの上には、剥製化された人の顔が四つ並んでいました。 男と女と互い違いに。目にはガラス玉が埋め込まれていました。もし二人がソファに座ると、 ちょうど頬がふれあうことができました。後ろからだと、仲良く六人が座っているように見えるでしょう。 その前の床には、トラや熊でよく見る、頭と体中の皮を一度に?がした敷物がありました。もちろん人間で、大柄な男のものだと思われました。 小さな丸テーブルがありました。その四つの足は人間の足でした。 その上には、頭蓋骨を逆さに切って作られたボウルが二つと、指の骨で作られたフォークが並んでいました。 奥には木の棚が一つあって、そこにはとても大切そうに、大きなガラスの瓶が数個ありました。 中には液体と、小さな首がありました。全て子供でした。見開いた濁った目で、女性を見ていました。 口を開けて、舌を出されていました。その先を、太い針が貫いていました。 別の瓶には、何人分もの眼球だけが、ゴロゴロと隙間なく入っていました。よく見ると、棚の縁には耳がついていました。 原文ここまで 【簡易テンプレ】 通りすがりの旅人をだまして殺し、家具に加工することを生き甲斐としている老夫婦。 人間の薫製や剥製を作ったり、皮膚を壁紙にしたり、様々な装飾にしたり。 参戦vol.1 39 vol.1 69 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2012/07/10(火) 21 11 59.74 ID lWH6Nqaj 森の中の老夫婦:猟奇殺人 殺し方、殺害数ともにトップレベルの狂人 ただし「変態」という点では微妙なので鷲巣巌の上 カール・クラフト=メルクリウス>吉良吉影>夢見崎アルパ>片桐安十郎>赤蝮伝斎 森の中の老夫婦>鷲巣巌>ある愛の国の王様>桜井智樹>美咲>クマ吉>白井黒子 フランキー>野球帽の少年>杉崎鍵>坂田銀時>河原梅夫>久我良>神裂火織
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老夫婦の愛 遂行地域 インタルディカ - ユプロシュネ村 適正レベル 取得 41 / 遂行 43 報酬 経験値 2,574,895 / 34,960 ギーナ+ 選択報酬天軍 エリート 四等兵 シューズ天軍 エリート 四等兵 レザー シューズ天軍 エリート 四等兵 チェーン ブーツ天軍 エリート 四等兵 ソルレット -の中から1つ選択 関連クエスト --- 進行順序 1.NPCゼトゥスと会ってクエスト獲得2.ウィンケルを採集してゼトゥスに届けよ-ウィンケル(15)3.NPCゼトゥスと会ってクエスト完了
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(はくちょうのろうふうふ)【swan】 どこかの池に住んでいた白鳥の老夫婦。キスしている。 ※注意※作品内容に関するネタバレ記述あり “一緒に歳をとることの素晴らしさ”の例として、フィンがアイスキングに示した。しばらく見ていたところ、爺さん白鳥が婆さん白鳥を飲み込んだ後に爺さん白鳥の口から婆さん白鳥が歌いながら飛び出すという仰天な光景が。キングはこれを「結婚とは一生嫁を捕らえておく行為」と解釈し、結婚の決意を固めのだった。(#09-A) タグ:キャラクター
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1114 老夫婦とまりさ3/コメントログ」 くじらぐもはゆっくりできるよ! -- 2010-08-19 21 11 32 もっとたかく!もっとたかく! -- 2010-09-30 00 10 23 「くじらぐも」懐かしいwww 今の教科書にも残ってるのかな? ※ゆっくりがみんなこのレベルだったら、人間も共存を考えただろうに。 -- 2018-03-09 06 25 49
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1107 老夫婦とまりさ2/コメントログ」 すげえいい -- 2010-08-19 19 48 33 イイハナシダナー(;∀;) -- 2011-09-14 17 53 33 ゆっくりの阿保な考えを覆したおじいさん凄い -- 2013-07-12 05 30 27 お爺さん神 -- 2014-06-15 13 35 28 まりさの治療に何を入れた!? それが分かれば、ゆ虐バリエーションが!!! ・・・いえ、ゆっくり共存の夢が広がるかもしれない!! -- 2018-03-09 06 15 54
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1193 老夫婦とまりさ5/コメントログ」 あぁ、一作目との関連があったのか。気がつかなかった。 じじばば物はゆっくりできる。 まあ転に入って、ゆっくり出来なくなってきたようなきがしないでもないけど。 -- 2010-07-02 04 51 10 敬語しか使わないゆっくりって思った以上にきもいな -- 2010-08-11 21 37 27 ちぇんのしゃべり方はどうも緊張感に欠ける -- 2010-09-30 00 24 18 敬語しか使わなくなるともう全然ゆっくりまりさらしくないな。悪い意味で。 -- 2011-01-09 03 30 05 う~んだぜ口調は残して欲しかったかな 漢字だけ増やしてさ -- 2013-06-24 17 20 02 これはゆっくり・・・なのか? -- 2013-07-12 05 46 38 おじいさんの甥はゆっくりできないよ! -- 2014-06-15 13 54 16 こんなに知能が高くなっても、胴付きにはならないんだね? ちぇんは昔の仲間の言葉が信じられないなんて、ゆっくりとしてどうなんだ? まりさの両親のことも思い出すと、群れ全体がゲスなんだろうねww -- 2018-03-10 09 53 06
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老夫婦とまりさ2 12KB 虐待-普通 制裁 自業自得 実験・改造 飼いゆ 赤子・子供 透明な箱 現代 虐待人間 愛護人間 三作品目です 三作品目です。 感想ありがとうございました。 今回も子まりさは反旗を翻します。 前作品の続きです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 老夫婦とまりさ2 1. お爺さんは子まりさへの教育を続けていた。 子まりさのすでに顔はぼこぼこになっている。 「話しているように食事というものは簡単には用意できない。苦労があって手に入るものなんだ」 「そんなのしらないのぜ…おばあちゃんがもってきてくれるのぜ…」 これまで自分で食べ物を手に入れたことがない子まりさにとって、食べ物は持ってきて貰うものでしかなかった。 それをお父さんが狩りをしてとってきているとは聞いていたが、まだそれがどのようなことすら知らなかった。 「やれやれ。そんなことから教えないといけないのか…」 お爺さんは眉を潜めた。相手があまりにも物を知らないためである。 一つのことを教えるのに沢山のことを教えなくてはならない。 「じゃあまずはお前のお父さんがしていることについて話そう」 「お父さん…そうなのぜ!おとうさんとおかあさんはどこなのぜ!?」 子まりさは今までのぬるま湯生活ですっかり忘れていた両親のことを思い出した。 本来の目的を忘れてしまうのも餡子脳の成せる技だろう。 「…お前のお父さん、お母さんはどこに行ったんだ?」 「にんげんさんがひとりじめしているおやさいさんをとりにいったのぜ」 お爺さんはもしや、と思った。 妻から聞きたくもない子まりさのことを聞いていたがそれと合致する。 以前成体まりさが畑を荒らしていたので潰したことがあるのだ。 さらに言うとその翌日には成体れいむを潰していた。 「それはいつのことだ」 「まりさがここにくるまえのぜ。それがどうかしたのぜ」 お爺さんは確信した。 日にちを逆算するとぴたりと一致する。 お爺さんはこのまりさの親を殺していたのだ。 (これは機会かもしれんな) 事実は早く知った方がいい。 それに自分の両親がすでにこの世にいないということを知らなければ、一生探し続けることになる。 また、それ以外に大きな目的もあったのだ。 「お前の両親は俺が殺した」 「…ゆ?」 間ができる。 唐突な発言に子まりさは戸惑った。 「なにをいってるのぜ…いくらおまえでもおとうさんとおかあさんがころされるはずないのぜ…」 口では両親の強さを信頼しているようだが、その目は明らかに動揺している。 自分が蹴り飛ばされた時の衝撃や現在の自分の立場から考えるとお爺さんの言うことが正しいように思えてくる。 「お前の父親はまりさで母親はれいむだろ?」 「ゆ…なんでおとうさんとおかあさんのなまえをしってるのぜ…」 餡子脳が役に立った。 多くのゆっくりの番はまりさとれいむであり、名前もそのまままりさとれいむである。 子まりさはお爺さんが親とその名前を知っているということを聞き、疑惑が確信へと迫っていった。 (ゆっくりっていうのは本当に頭がアレだな…) 「そうだ。俺がお前の両親をしっているのh」 「ゆわぁぁぁぁ!ゆるさないのぜ!おまえをころしてやるからここからだすのぜ!」 子まりさは自分の立場さえもを忘れてケースの中で暴れ始めた。 目前の敵に両親を殺されたという事実のために痛みからくるものとは別の涙が流れ始めた。 (予想通りだな…予想通り過ぎて嫌になるが…) 「人間の作った物に手を出すからそうなったんだ。仕方のないことだ」 「…にんげんさん?」 人間という言葉を聞き子まりさは動きを止めた。 目の前の生き物が 「ゆっくりしていないおやさいさんをひとりじめにするばかなせいぶつ」 であることにここで初めて気がついたのである。ここに来て一週間経ってのことである。 「にんげんさんはばかでゆっくりしてないからよわいはずなのぜ!さっさとここからだすのぜ!」 子まりさは途端にまた不貞不貞しい態度になりゆっくり的な独自の理論を力説した。 だがそれが人間に通用するはずはなかった。 「俺がお前を蹴り飛ばしたのは覚えてないのか?」 「あれはぐうぜんなのぜ!にんげんさんはよわいからつぎにたたかえばかてるはずなのぜ!」 お爺さんは期待通りの言葉を聞き出せて満足をした。 人間という存在を学ばせるためのきっかけ作りとなったからだ。 「ほう、じゃあ一つ戦ってみるか。もしも俺が負けたらなんでも好きにしていいぞ」 「やっぱりにんげんはばかなのぜ!まりささまにかなうはずがないのぜ!」 目の前の生き物に両親を殺され、蹴り飛ばされ、鉛筆を刺されているのに相手が人間と知るとこの態度である。 今までのことは全て偶然もしくは運が悪かったと思いこむのは餡子脳ゆえだろう。 「じゃあ出してやる。どこからでもかかってこい」 お爺さんはケースから子まりさを出し置いてやった。 「まりささまをにがしたことをこうかいさせてやるんだぜ!」 鉛筆が刺さったまま偉そうに宣言する子まりさ。 痛みなどすでに忘れているのだろうか。 子まりさにとって最初の授業は人間についてとなった。 2. 「そろーりそろーり」 あぐらをかいて座っているお爺さんの周りを子まりさはぐるぐると這いずり始めた。 お爺さんが逃げられないように包囲しているということを主張したいらしい。 だが結果が見えているお爺さんからすれば無駄なことにしか見えない。 「さっさとしろ。夕飯までに終わらせたいんだ」 「まりささまにかてるとおもってるのぜ?おもいあがりもはなはだしいのぜ!」 (人を苛つかせる言葉だけはよく知っているんだな…) 「しぬのぜー!」 子まりさは火花のような勢いでお爺さんに飛びかかりお爺さんを痛めつけた、つもりのようであった。 お爺さんは実際はなんともなっていないのだが、それに気がつかず何度も体当たりをする。 「ゆはははは!もうしんだのぜ?ひめいがきこえないのぜー!」 いわゆるどや顔で子まりさは攻撃をやめた。 もう勝ったつもりでいる。 「…もういいか?」 「ゆ!?」 信じられない。そういった顔で子まりさはお爺さんの顔を見上げた。 まさか人間がこんなにも打たれ強いとは思っていなかったのだ。 「じゃあ次は俺の番だな…」 子まりさは考えられない事態に戸惑い動くことができなかった。 ガタガタと震え、その目はこの世の物でないものを見ているかのようである。 「二本目だ」 二本目の鉛筆が左右対称になるように突き刺さった。 ただ適当に刺すのではなく左右対称に刺すのはお爺さんの整然さを好むところから来ている。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「どうだ人間の強さが分かったか?」 「わからないのぜぇぇぇぇ!なんでかなわないのぜぇぇぇぇ!」 お爺さん子まりさが本気で分かっていないということが見て取れた。 こっぴどくやられても人間に適わないということが信じられないらしい。 「じゃあお婆さんと戦ってこい。それで分かるだろう」 「…ゆ!?おばあちゃんなららくしょうなのぜ!ちょろいもんなのぜ!」 今まで暴力を振るわれたことのないお婆さんに対しては余裕で勝てると思ったらしい。 気の持ちようなのだろうか、痛みどころか鉛筆が刺さっていることさえ忘れているようである。 この点は餡子脳の凄いところであると言えよう。 「じゃあ行こうか。現実を知らしめてやろう」 お爺さんは子まりさを台所へ連れて行った。 お婆さんは夕飯の準備をしていた。 「おい、こいつと戦ってやってくれ。力関係を学ばないと教育が進まないんでな」 「なんで鉛筆が刺さってるんだね!それに顔が腫れてる…なんて酷いことを…」 「所詮ゆっくりだ。すぐに治る」 「しぬのぜぇぇぇぇ!」 老夫婦が話している内に卑怯にも子まりさはいきなり飛びかかった。 が、結果は予想の通りのものでありお婆さんに傷一つつかない。 「あぁっ!」 とは言え不意打ちかつ腰の弱い老体であるお婆さんの体は揺れた。 それと同時に持っていた包丁が落ちる。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 定められた運命かのように包丁が帽子をも貫き子まりさに突き刺さる。 かなり深く刺さり、刃は見えている部分の方が少ない。 「あぁ、これは死ぬな」 「あぁぁぁ、どうしましょう!」 「もっ…ゆ……り…し……」 子まりさは死を覚悟して最期の言葉を残そうとしていた。 餡子が漏れだしている上に黒ずみ始めている。このままでは死ぬのは確実だろう。 包丁と鉛筆を抜いたもののそれは餡子が漏れるのを早めるだけであった。 3. 「何か甘い物で治さないと…!」 お婆さんは砂糖のある棚を見たが砂糖が無い。 お爺さんが砂糖水作りに使ってしまったからだ。 「砂糖はさっき砂糖水を作るのに全部使ってしまったよ」 「じゃあそれを持ってきて!」 「分かった分かった…」 お爺さんは砂糖水を持ってきて子まりさにかけた。 意識は戻ったのか言葉が漏れる。 「……ゆっ…ぐ……りぃ…」 「…足りないみたいだな」 「もう砂糖はないのに…」 延命措置はできたがそれも長くは続かないようである。 また少しずつ黒ずみ始めている。 「砂糖以外じゃ駄目なのか。冷蔵庫に何かないか?」 「多少砂糖が入ってるものもあるけど、砂糖以外にも色々入ってるし…」 「まあ試してみるか」 お爺さんは冷蔵庫から使えそうなものを探し出した。 まず目にとまったのは甘酢である。 「酢が入ってるがまあ大丈夫だろう。これを使うぞ」 お爺さんは甘酢を取り出すと子まりさの裂け目に流し込んだ。 「…ゅ…ゆぐ…がぁぁ…ぁあ……」 どうやら痛みを感じるらしい。 だが声には元気がついてきている。 「適当なものでも結構なんとかなりそうだな」 「頑張ってね!死んじゃいけないよ!」 このように冷蔵庫の様々なものを子まりさに少しずつ足していった。 その内容は割愛するが、それらを注ぎ込む度に悲鳴は元気なものとなり、傷口はふさがっていった。 「…ゆ…しぬかとおもったのぜ…」 子まりさは意識を取り戻した。 「どうだ?人間の強さが分かったか?」 「もうじゅうぶんなのぜ…」 「良かった。死んじゃうのかと思った」 「ゆ…ゆ…おばあちゃんこわいのぜぇぇぇぇ!!」 子まりさは号泣した。 意図的ではないにしろ死の寸前まで至らしめたお婆さんが恐かったのである。 「あら…」 子まりさの中で一番恐ろしい存在となったのはお爺さんではなくお婆さんであった。 4. 夕食の時間となり座敷机を二人と一匹が囲む。 「「いただきます」」 老夫婦は食事を始めた。 しかしそこには子まりさの分はない。 「ゆぅ…おなかすいたのぜ…」 「そうか。それがどうした」 「あなた、この子が可哀想ですよ…」 「お前は甘やかしが過ぎる。これも教育の内だ」 「ごはんさんがほしいのぜ…」 子まりさは空腹を訴えたがお爺さんは耳を傾けない。 すでに新しい授業が始まっていたのだ。食についてである。 「ご飯が欲しいなら自分の力で手に入れろ」 「ゆっ!?そんなのむりなのぜ!じぶんでごはんさんをてにいれたことはないのぜ!」 「…教えてやるからそこで待ってろ」 お爺さんは面倒くさそうに返事をすると、ご飯をやや早く食べ始めた。 子まりさは不安そうにお爺さんを見つめていた。 ご飯が済むとお爺さんは子まりさを連れて近くの原っぱへと向かった。 実践をさせるつもりであった。 「…さて、お前が今までお父さんにとってきて貰った物を言ってみろ」 「ゆ…くささんにむしさんにおはなさんに…きのみさんややさいさんなのぜ」 「野菜は人間が育てているものだぞ」 「やさいさんはかってn」 強力なデコピンが子まりさに打ち出された。 お爺さんも力加減も分かってきたようで、少し吹っ飛ぶだけですませることができた。 「野菜に関してはまた今度教えるが、野菜が勝手に生えてくるだとか二度と言うな」 「わかりましたぁぁぁぁぁぁ!」 ゆっくりの持つ概念は人間の持つそれとは異なる。 それを打ち破り上書きしなくてはならないのは面倒なことである。 「で、お前がその中で好きなものは何だ?」 「おやさいさんとかきのみさんとか虫さんなのぜ」 「草や花は?」 「あんまり美味しくないのぜ…」 どうやら入手に苦労するものほど好きらしい。 食べ物の価値を教えるにはちょうど良い価値観だろう。 「草や花はそこらにあるからそれを食べればいいだろ」 「美味しいものが食べたいのぜ…」 「じゃあ取り方を学ばないといけないぞ」 お爺さんは虫がいる場所、木の実が落ちている場所についてその生態から教え始めた。 なかなか分からないだろうと思っていたが不思議と学習は円滑に進んでいった。 「…つまり虫さんは見つからないように隠れているのぜ?」 「そうだ。…やけに物わかりが良くなったな」 「何故か頭の中がすっきりしているのぜ。まりさにもよく分からないのぜ」 お爺さんには心当たりがあった。それは子まりさの中に色々と入れたことである。 中に入れたそれらの内の何かが、子まりさ知能に影響を与えたのかもしれないのだ。 他に心当たりがない以上、それが原因であるとしか考えられない。 「まあいいか…じゃあ次に野菜についてだが…」 驚くべき事に子まりさは野菜についても理解を示した。 今までであったら話を途中で忘れるほどの餡子脳であったことが信じられないぐらいである。 「野菜さんはそうやってできるのぜ…知らなかったのぜ…」 「あぁ、だから畑を荒らすゆっくりは嫌われるんだ。それでお前の両親も殺すことになった」 「ゆ…それは悪かったのぜ…でも殺さないで欲しかったのぜ…」 子まりさは両親を殺されたということを再認識し顔に影を落とした。 両親が悪いといえども人間の法を知らないゆっくりにとっては理不尽に思えることであった。 「…すまんな。人間にも人間の生活があるんだ」 「…人間さんには悪いゆっくりだったかもしれないけど、まりさには掛け替えのないお父さんとお母さんだったのぜ…」 その言葉を聞いてお爺さんは少し考えを巡らした。 自分の息子のことである。しかしそれはすぐにやめることにした。 「…今日はもう勉強は終わりだ。家に帰ってご飯を食べようか」 「ゆ?…ご飯さんをまだとってないのぜ?」 「いや、今日はもういい。お婆さんに残り物を用意してもらおう」 「?」 お爺さんと子まりさは帰路についた。 一人と一匹の影が道に並んで伸びている。 影と影の間の長さは行きのそれよりも縮まっていた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今まで書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 1085 ゆっくり一家とゲスとお兄さん ふたば系ゆっくりいじめ 1101 老夫婦とまりさ1 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まりさの治療に何を入れた!? それが分かれば、ゆ虐バリエーションが!!! ・・・いえ、ゆっくり共存の夢が広がるかもしれない!! -- 2018-03-09 06 15 54 お爺さん神 -- 2014-06-15 13 35 28 ゆっくりの阿保な考えを覆したおじいさん凄い -- 2013-07-12 05 30 27 イイハナシダナー(;∀;) -- 2011-09-14 17 53 33 すげえいい -- 2010-08-19 19 48 33