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注 父母息子近親相姦 鬱ではありません。 永澄の母親は、ロープで後ろ手に縛られて息子の部屋である薄暗い屋根裏部屋で彼女の愛する夫と全裸で向い合っていた。 部屋の隅には母の日の為に、息子が用意していたのか赤いカーネーションが置いてあった。 妻はこわばった微笑みを僅かに浮かべてカーネーションを眺めると自分の足の下に敷いてある布団を見つめる。 それは1年程前に買った永澄と自分のための布団セットだった。 妻は初めて使用した日のことを思い出していた。 あれから何度、この上で息子に抱かれて眠っただろうか…… 今日は出張だったはずの夫が妻の表情に気が付いたのか不満そうにチッと舌を鳴らす。 今頃、息子の永澄は自分の部屋で待つ母親を想像しながら、こんな事態を知らずに呑気に湯に浸かっているだろう。 「おいっ!」 夫が語気荒く呼び掛けると妻の青ざめた顔が夫の方を向く。 夫の目が覚悟は出来ているだろうな、と鋭い眼差しで妻を見つめた。 妻は視線を僅かに逸らしてから、今度は自虐的な微笑みを浮かべて横を向く。 ついに永澄との禁断の行為が夫に知られてしまったのだ。 でも仕方がない……全ては自分が招いた事だと、妻は背筋を伸ばし剥き出しの乳房を揺らすと、まっすぐ夫の目を見た。 「永澄の奴に俺とのセックスを見られるのが、そんなに嫌なのか?」 「…………………」 許されない秘め事が露見した時、夫は一切、妻を責めなかった。 妻も一言も言い訳をしなかった 重い沈黙のあと夫は一つの事を要求した。 『永澄の目の前で俺とセックスをしろ!』 夫の要求に妻は反対したのだが、自分よりも息子を選ぶような態度に怒りに我を忘れた夫は、強制的に妻の服を剥ぎ取ると息子の目の前で穴という穴を犯しまくってやると宣言したのだった。 妻は、その時の光景を思いだし身震いする。 後ろから羽交い絞めにされ狭いトイレに押し込められた。 抵抗する間もなく夫に尻を持ち上げられ、どこに持っていたのかイチジク浣腸を深く射し込まれたのだった。 妻は風呂に入ったばかりの永澄に気付かれないようにと必死に声を押し殺して耐えた…… やがて下腹部にどうしようもなく高まる圧力に我慢の限界が来たのだった…… 屈辱感に打ちのめされたあと、前も後ろも念入りにウォシュレットで洗浄され、夫に赤子にようにアソコも尻穴も拭かれたのだった。 やがて永澄の部屋に連れ込まれた時には、すでに反抗する気力も萎えていたのだった。 夫の怒りは、当然のことだろう。 実の息子に妻を寝取られたようなものだ。 事実を知った時、夫はどんな気持だったのだろうか…… 妻は夫を裏切ってしまった激しい罪の意識に苛まれながら夫のなすがままになっていた。 夫に目隠しをされた妻は、夫の指示で、素直に布団の上に横たわる。 ロープで縛られた腕が痛いのか呻いていた。 夫の手が妻の顎に触れ横に向いた顔を上へと向かせてそのまま首筋、胸へ臍と辿り、妻の秘部に触れる。 妻は短い息を漏らし乳房が僅かに震えた。 「もう濡れていやがる、この嫌らしい売女めっ!」 「……………」 その通りかもしれない… なじられながらも妻は、夫の突き刺さるような視線だけで淫らな快感を感じてしまっているのを自覚していた。 息子とのセックスをすることで見事に開花してしまった敏感な躰は妻の意思とは関係なく反応して濡れていく。 夫の指が乱暴に股間を這いずり回る感触に妻の躰が疼き、中が少しずつと湿ってくるのだった。 でも、それはあなたの指だから…… 妻は胸の中で呟いた。 目隠しをされた妻の目から涙があふれ頬を流れると夫は鼻先で笑った。 「ふふん!」 夫は洗濯したての白いシーツに上に横たわる妻を眺める。 初めて抱いた時よりも若干丸みを帯びたが、小柄で整った艶かしい肢体は、線の崩れも、たるみもなく今も若々しく変らない、いや初めて抱いた時よりも美しくなっているような気すらした。 乳房も一回り大きくなり歳を取る事を知らないようにゴム毬のような弾力を保っている、そして夫は自分の弛んだお腹を眺めると、無駄な贅肉のない妻の躰に溜息をついた。 しかしこれほどまでに艶かしいエロスを醸し出す女だっただろうか? 夫は後ろを向いて、隠し持っていた小型ビデオを妻へと向けセットをしたのだった。 「入れるぞ」 高らかに宣言すると大きく勃起したモノを無気味に揺らせ夫は乱暴に覆い被さった。 妻は最後の抵抗とばかりに太ももを閉じて犯されることを拒む。 「あ、あなた…止めて…」 「ほ~ 永澄には自分から股を開くくせにっ」 「違う、あなたが乱暴な事するからよ」 「五月蝿い!」 「あ…た、助けてぇ…・・っ」 力では妻が勝てるわけなく、ついに太ももを無理矢理にこじ開けられると前戯なしに逞しいペニスを入れられた。 「あっあっ…痛っ!」 まだ十分に潤滑してない膣の中に無理矢理侵入される痛みに妻の身体が震え悲鳴をあげそうになるが必死に耐え抜ぬくのだった。 「お前が、こんなに淫乱だったとはな!」 挿入に反応して結合部から溢れて来る粘液を見た夫の冷たい声が響き 妻は悲しく哀願した。 「あなた…あっ…んんっ……許して……私はどうなってもいいから永澄はそっとして…ふっぅぁっ…あげて……」 「ダメだ、あいつも同罪なんだよ!」 「違います、私が誘惑したんで……」 「黙れぇ! 大体アイツが、あの時、海で溺れたりしなければ俺達は普通の家族でいられたんだ!」 「……………!」 妻を実の息子に寝取られた夫の激しい怒りを感じて妻の身が竦む。 そうだ、確かにあの時から家族は激変してしまった。 姿を海の生き物に変える、いや人の姿に変化することの出来る海から陸に来た、人間ではない人間以上の者達…… そして連続して起こる数々の非常識極まりない出来事…… そもそも息子と契ってしまたったのも彼等の作った魔法薬を、間違って母子で飲んでしまった為だった。 夫は傍らに置いてあったタオルで妻の口に猿ぐつわを結ぶ。 「むぅう ・…んん」 目隠しをする時の夫の目に走った殺意にも似た激しい憎しみの色が脳裏に浮かぶ。 恐い、恐い…助けてぇ…永澄! ……妻は夫に激しい恐怖を感じた。 「ギシ……」 そして幽かに梯子が軋む音がする。 「おぅ、変態息子があがってきたな」 夫は、挿入したまま妻の背中と尻の谷間に手をまわして強引に妻を抱きかかえると何故か身体を回転させ妻を上にする。 んっ…ぐぅぬぅう…あっあっあっ! 夫の指が後ろの穴にめり込み、膣に挿入された夫のモノが捩じれる感覚に妻の艶かしい躰が悶える。 「クゥ…さすがにきついな、おっ、こんな時にも感じてるのか、さすが息子とセックスをするだけのことはあるな」 夫は中指の第二間接まで妻のアナルにズブブと入れ、異物感に身体を震わせいる妻を見て揶揄したのだった。 「ギシ…」 再び梯子が軋む音がする。 ああっ永澄が、あがって来る! 妻でも女としてでもなく母親として怯える。 息子が両親のこんな場面を見たらなんと思うだろうか? 永澄、ダメこないで! 夫は床に開いた出入り口から結合部が見えやすいようにする為か妻の両足に自分の足を絡めて使って妻の股を大きく開いていく。 丁度、永澄が廊下から梯子を上がり出入り口に顔を覗かせた瞬間、目の前に父母の結合され粘液が滴り落ちる股間が目の前に晒されることになるのだった。 「・・っ…ぅぅ…」 息子の表情を想像して妻の喉から低く嗚咽が漏れるのだった。 「くぅ…お前の膣、前より良く締まるようになったんじゃないか」 「………………」 夫は上がって来る息子にさらに見えるようにと妻の内股に手を入れて広げる。 あっ…ひぃ…嫌…止めて…お願い! 妻は心の中で叫ぶ! 私は愛する夫と息子を同時に失うの……… 「…………?」 夫の息と、猿ぐつわをされた妻の乱れた息が屋根裏部屋に静かに響く… どうしたのだろう? もうとっくに息子は部屋にあがっている筈なのにと妻が訝しげに顔を動かす。 そして妻は、ふとさっきまで冷静だった夫の鼓動が高く打ち、息がひどく乱れているのに気が付いたのだった。 妻が身体を動かすと夫が鋭い口調で命令をした。 「歯を食いしばれ!」 「む…ぅん」 「…俺の胸に強く顔を押しつけろ」 「むぅう?」 「声を出すな…ハァハァ…お仕置きだ…きついぞ」 「……」 「俺がいいって言うまで唸り声も喘ぎ声も出すなよ!」 「………」 興奮の為か息を荒げながら夫が止めの一言を言う。 「お前が素直に言うことを聞けば永澄を許してやってもいい」 「!」 息子は、もうとっくにこの部屋に上がっている筈なのに気配がしない。 夫はあの子に何かしたのだろうか? しかし他にどうしようもない妻はコクリと頷いて夫の胸に涙で濡れた顔を押し付けた。 お願い、あなたへの愛は変らない、永澄もあなたも愛してる…… 妻は夫の胸の中で妻猿ぐつわをした口で言葉にならない声で空しく呟いた。 「…!」 突然、夫の手が妻の後頭部を掴み強く自分の鎖骨あたりに押しつける。 「いいな覚悟をしとけよ!」 「………!!」 なっ! えっ?? なんなの…? 妻は突然、尻を撫で回す嫌らしい感触に驚き身体強張らせる。 その手は尻の谷間に撫で回すと後ろの穴を確かめるように触れ、妻の躰がビクと怯え震える。 「おっ…くぅ…締め付けてくる!」 夫が興奮した叫びを上げるが妻はそれどころでは無かった。 誰っ? この部屋には、夫と、夫に挿入されたまま夫の身体にうつ伏せに乗っている自分、そして上がってきた筈の息子しかいない筈だ。 永澄よね? あっいや、止めて…指の跡が残りそうなぐらい強く、お尻を掴んでいる! 妻は尻を撫で回す手の嫌悪感に必死に身をよじる。 「むぅうう!」 止めて、離してー 「おっと、暴れるな! 永澄がどうなってもいいのかぁ、えぇ?」 ぐぅ…なんて…ひどい……でも… そう血を分けた実の息子とセックスをする……どう考えても母親たる自分が汚らわしく異常なのだ。 酷いのは自分の方なのだ…… 「むぅ…ぅむう……・・」 妻は、泣きながら息を乱し空しく耐えるのだった。 相変わらず執拗に尻を弄る手、そしてもう片方の指でアナルをほぐすように蠢いている。 んーんー…・ぅう 妻は身に起こりつつある恐怖に心の中で叫び続けた。 何が起こっているのよ 一体誰なの? 永澄じゃないの? 恐い! ああ…なんてこと! やぁ、尻の谷間を広げるように力を込めてる! ヒィッ! 嫌っ…後ろの穴に何かが当たってる。 アッーアッーアッ…や…め…て 筋肉をこじ開けねじるのように、そのまま中に侵入しようとしてくる! いやっなにこれ? 弾力があって熱くて固い? この感触は、ひょっとしてアレ? っ・っ…な、永澄はどうしたの? 「よし、いいぞ、そこでくたばっている息子にも見えるようにしてやれ」 な、なんですってぇ! 夫の身体の上で苦しそうに躰を悶えさせる妻は、夫の言葉に驚愕して今度は本気で陸に上がった魚のように必死で身体をくねらせ逃れようとする。 「おっと、永澄がどうなっていいのか? 大人しく後ろの穴も犯されてろ!」 あ、あなた! 永澄! 永澄! 永澄に何をしたのっ! ひ、酷い…! 「むっぅうっ!…ぬぐぁうずむううっ!」 「黙ってろっと言ったよな」 「・う…」 徐々に腰に体重がかかるの意識しながら息子がどうなっているか判らなくなった妻は、激しい恐怖に襲われる。 これが禁忌を犯してしまった罰なの? 愛する夫に強姦され、どこの誰とも知れない男にアナルを犯させ息子に見せつける? そして息子がどいう表情をして自分達を見てると思うと妻は目から涙が溢れ出すのを押さえる事が出来なかった。 「おい、さっさと入れろよ、ちゃんと浣腸してあるから安心しろ、俺が出したらこの女を自由にさせてやる、永澄、ちゃんとその腐った目を開いてろよ、愛しい愛しいママが誰とも判らない男に犯される様をよぉ」 夫が妻の耳元で残酷に囁く。 そ、そんな嫌、嫌ぁー 助けて! あなた、止めてお願い! しかし夫の冷徹な言葉が部屋に響いく。 「覚悟しておけよ、これからお前は毎日、何人もの男の慰めものになるんだ、肉奴隷の第一歩だ、嬉しいだろ!」 「!」 嫌だ、嫌だ、嫌ぁー 「フン! 実の息子 とセックスをするよりよっぽど健全だろうがぁ」 ヒィ! あっあっ…後ろの穴に先端が入って来る。 誰とも知れない者のアレが… 前には、夫の太いのが入ってるのよ! 痛いっ! あ゛あ゛・ぐぅううう… ん゛ん゛嫌…嫌 ハァハァ… ヒィ…アヒィ…えうぐぁああっあっあっー 壊れる、痛い、死んじゃうー ひぃっ…お、大きい、入る…わけ…ない…! ハッハッハッ…ぐぅうぉ…おおぅ… お、奥までっ入ってっくる…… ぅーあぐぅううぉー あああーくっふ…ぅ… 誰か、永澄、助けてハァハァハァお願い! 拘束され視界を閉ざされていることが何倍にも感覚を鋭敏にさせ恐怖をさらに煽り、妻はタオルを強く噛み締めたのだった。 妻は思った。 この猿ぐつわがなければ舌を噛んで死ねただろうに…… あっあっあっあ…・ぉーあっぐふぅっー・うぁああああー ついに深くアナルに挿入されてしまった妻は、夫が見知らぬ誰かに放った言葉を思い出しこれからどうなるか想像して絶望の悲鳴をあげたのだった。 ……助けて… 二つのアレが入ってるぅー 中が圧迫されてゴリゴリして……ハァハァ… 痛くて… 苦しい… 頭の中が…ハァハァ…真白になって… あっ… 脈打っている。 アッヒィ! 二人の人間の重さに夫が身じろぎすると、妻の尻に乗っている人物が体重の係り具合を調整するかのように腰を動かす。 あっあっ…ダメ… 二本の熱い肉棒が肉壁を通してよじれて妻の中で蠢く。 あっ! あっ! あっ! ハァハァ…す、凄い… ……! あ、嫌 嫌だぁ! 絶対、気持よくなん…てっ…ないー 見知らぬ男にアナルを深く犯されて、息子がどんな状態になっているかわからないのに身体が熱い、熱い。 やぁ! 助けて、嫌、感じたくない、感じたくないー あ、あ、あなた、お願い、もう許して! 「おい! 永澄、お前のが中の壁を通して判るぜ」 ……………えっ! 「うん、俺も親父のが判るよ」 …………ええっなに? 「でも凄いね、俺、こんななのは初めてだよ!」 な、な、な、なー 何を言ってるのよ? 「はっはっはっ…前後二本も入ってるからな」 「お前、母さんのアナル初めてじゃないんだな」 ……………………!! 「うん、前に一回だけ…」 「おい永澄、そろそろ母さんのロープを取ってやれ」 ………………!!! 「え、うん」 事態を把握出来ない妻はパニック気味になって、涙と鼻水と涎でグチャグチャになった顔をあげる。 「……ハッハッハァ……ハァハァハァ………?」 涙で霞む目の前で、興奮して息を乱した夫が悪戯ぽく微笑んでいる。 肩で激しく息をする妻が、首を捻って後ろを振り返ると必死な表情を浮かべ、なんとか笑おうとしている息子がいた。 「あ…あ、あなた……達」 目の前の光景に、前後二つの穴に挿入されていることすら忘れた妻の唖然とした声が掠れる。 「お、おれ、僕は止めようと言ったんだけどさぁ…ご免なさい」 愛する息子は酷く罰が悪そうに視線を逸らした。 「いやー 実は一度父息子で妻を無理矢理、犯すプレイやってみたかったんだよな」 顔を興奮に紅潮させて呑気に呟く夫… 「…………………」 「夢の叉夢だっと思っていたぜぃ!」 天井に視線を走らせ夢見るような表情した夫が、感に耐えないというように呟く。 「恐怖に怯える母さんエロくて萌えたよ、チュ!」 そして妻を抱きしめ頬に優しくキスをしたのだった。 「…………………」 「はっはっ…俺を除け物にした罰だよ」 ようやく状況を把握したらしい妻の顔が大きく崩れ、目からが大粒の涙が溢れ出す。 「・っうっ…グス…ヒック…ウゥ…ヒック…」 「……わっ、わっ お、おい…お前、…泣くな!」 「…母さん…い、今、抜くからっ」 「うっ…うううう…酷すぎるわ!」 「いや…ちょっとふざけただけなんだよ…母さん、ご免」 怒りまくり怒鳴り散らす妻の姿を思い描いていた夫は、顔に落ちる妻の涙を感じて意外な反応に焦りつつも言い訳を始めるのだった。 夫を恨めしげに睨みつける妻の目からはボロボロと涙が零れ落ちる。 「ふ…でもさ、そうやって泣いていると初めての時を思い出すな」 言い訳をやめたと思うといきなり目を細めて場違いなことをのたまう夫を妻は、ありったけの殺意を込めた視線で睨みつけると無言で両手を使って夫の首を締め付けた。 →淫らで淫乱なママンはお好きですか?・4
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バトルロワイヤルの火薬庫 ◆NIooiMe9JM 一触即発 この四字熟語の意味は、ちょっとしたきっかけで大事件につながると言う意味だ。 例えるなら、第一次世界大戦直前のバルカン半島や、 関が原の戦い直前の徳川軍と石田軍などが良い例えだろう。 さて何故このような四字熟語を出したか。 理由は簡単、今この場所─つまりD-3エリア内にある喫茶店では、 まさに今ピエロの格好をした女性と、 黒に包まれた男が一触即発の状態なのである。 「問おう、貴様はこのゲームに乗っているか?それとも乗っていないのか? いますぐに答えろ!!」 「貴様ではない、俺には蝶サイコーな名前がある。だがまずは自分の名を名乗ったらどうだ? それに、手にあるナイフを置け。そんなものがあったら、誰でも警戒をする」 先程も言った通りここは、D-3エリア内にある喫茶店。 ほんの少し前、この場所に才賀勝、エレオノールがこの場所に来た。 だがその前から、パピヨンがこの場所にいた、 その結果がこれである。 パピヨンは、今現在このゲームに乗るつもりはない。 だから、エレオノールたちをすぐには襲わなかった。 エレオノールも、このゲームに乗るか迷っている途中であるが、 無闇に攻撃することは、結果的に勝を守れなくなる可能性がある。 だから、パピヨンに話しかけたのである。 しかしここはバトルロワイヤル、そうそう安易に組むことが出来ない、 なぜなら、組んだ相手が急に裏切ることもあるからだ。 だから二人とも慎重になっていると言えば、そうも言えなくはない。 だがエレオノールがナイフを持っているのは、完全に裏目、 このため、パピヨンがエレオノールを敵とみなし警戒態勢に入っており、 そのためいつ戦闘が起こってもおかしい状態なのである。 さてここで一つ疑問に思うことがあるだろう、才賀勝のことである。 普通なら一時的にこのゲームに乗ったエレオノールが交渉をせず、 勝が交渉すれば良い結果になる可能性が大きいだろう。 しかし勝はしなかった、いや出来なかったと言えるだろう。 勝とて馬鹿ではない、むしろ歴戦の将と言ってもおかしくはない。 では何故勝が交渉しなかったか? 勝が交渉した場合、一番困るのは自分の名を名乗ることだ。 勝はエレオノールに自分を『才賀勝』では無く『綾崎ハヤテ』と騙していたことが、 交渉が出来ない一番の理由だった。 もしこの中に本当の『綾崎ハヤテ』を知っているもの、もししくは本人がいたらどうなるか? まず最初に、エレオノールが偽名を使っていたことに憤慨して攻撃するだろう。 いやそれどころか、偽名を使ったことをこの殺し合いに乗っていることを疑われて、 この男─つまりパピヨンに殺される可能性も無くはない。 これにより勝は、交渉のときに自分達の 名前を名乗らないようとエレオノールに言ってしまった。 これもまた、パピヨンとエレオノールが、うまくいかない理由の一つだろう。 ちなみに泉こなたは、先程の展開で疲れていたのか何なのかわからないが、 奥のテーブルのいすで寝ているため、二人には気づかれてはいない。 「私の質問に対して、答えられないのなら…… 貴様はこの殺し合いに乗っていると考えていいのだな?」 エレオノールが、ナイフを構える。 「乗っている乗ってない以前に、俺はお前の態度が気に入らないな」 それにあわせて、パピヨンも戦う構まえをしようとしている。 (不味い事になっちゃったかな…) 勝も二人を止める事をあきらめかけたそのとき─ 「くく……!まるで幼稚園児の集まりだな……!」 混沌としている中、赤木しげるが三人の前に現れた。 ◆ ─────30分ほど前───── 赤木しげると鳴海は繁華街にいた。 「なあ赤木、繁華街は誰もいないぞ、これだけ探していないってことは、 病院のとか、もっと人が安全だと思っているところに言ったほうが良いと思うぜ。」 鳴海が赤木にこう提案した、無理もない。 彼らはこの繁華街で1時間ほど、探索していた。 が結果は最低だった。 「そうだな、移動するのが得策だろう……だが……」 「だが?」 「もう行き先は決めている」 そういうと赤木はデイバッグに入っている地図を取り出した。 「俺たちが次に行くところは、ここだ」 そう言って指を刺したのはD-3エリアだった。 「市役所…?市役所に何があるんだよ」 「くっく……! 実は黙っていたんだがな、移動していたときに このエリアには喫茶店があってだ、その店の前に人がいた……」 「は?」 「聞こえなかったのか? ここに人がいたって言ったんだ」 「そうじゃなくてだな、なんで今までそのことを黙っていた?」 「この事言ったら、お前は繁華街を探索するより、 おそらくこの場所で人と接触することを優先するからだ」 鳴海の疑問を赤木はテキパキと返す 「ああ、おそらくそう言ってただろうな、 だが何で今となって行くことを選んだんだ?」 「おそらく俺たちはこの殺し合いに参加している中で、1番ツキに見放されている可能性がある。 だから他人と接触できるときは、 確実にしておくのが無難だ ここらできっちりと情報や、誰がこの殺し合いに乗っているか、乗っていないかを確認するべきだからな」 確かに赤木たちはついていない、なぜならお互いに 接触した参加者が一人だ。 「勇次郎って奴はどうするんだよ」 「今ツキに乗ってない俺たちと接触した場合、交渉する時間も与えられず ただ殺される可能性が高い。だから会うのは今のところ保留だ」 「じゃあ、お前が見たって奴が、まだその喫茶店にいる可能性はあるのか もしかしたら、もう移動してかもしれないぞ」 「それはない、俺が見た感じだとあれは誰かを待っている感じに見えた。 もっとも、一時的な待機だったら目立つ喫茶店じゃなくてもいいはず」 「わかったよ。誰かがいるとわかっているなら、お前を否定するわけにもいかねぇな」 「そう言ってくれると助かる」 「ただな、赤木…… お前は計画性があんまりないな」 「クク……」 ◆ 話しを赤木が登場したところへ戻そう。 「まったく…お互いとも探りを入れすぎだ、 交渉ていうのはもっと気楽に、疑いをかけずにやらなきゃ意味がない」 「貴様! 勝手に人の話しに入ってきて、何だその言い様は!!」 エレオノールはナイフをパピヨンから赤木に向け変えた。 「フフ…圧力をかけて交渉をするなんて、それこそ この殺し合いを恐れていると自分から言ったと同じ……!」 「黙れ!!」 エレオノールは、無駄口をたたいてきた赤木に近づき、 ナイフを突きつけた。 「ふふ…… まるで白痴だな……!俺が危険だとわかっていて、 何も用意せずに、お前に喧嘩売ると思っているのか?」 そう言い終わったその時であった。 「ッ?!」 「お遊戯会はここまでだぜ?」 鳴海がエレオノールを腕を蹴ってナイフを落とし、 そして彼女自身を羽交い絞めにする。 「不意打ちなど卑怯な?!」 「この殺し合いで不意打ちも一種の戦い方だ。 まあ……とりあえずこれでちゃんと交渉が進みそうだな…! なあ、そこのあんた」 そう言ってパピヨンのほうを見ている。 「ん……? 俺に言っているのか?」 「ああそうだ…… が先に俺の名を名乗っていたほうが言いだろう、 俺は赤木しげる…… まあ赤木とでも言えばこちらは反応できる」 「赤木しげる……ねえ。 嘘は言ってなさそうだな、なら俺もそれに答えなければならないな、 俺はパピヨン♪、まあこの名簿では違う名前で乗っているがな」 「パピヨンだな…… わかった…… 軽い自己紹介はここまでにしてだ、本題を話し合うぞ。 鳴海、いい加減その女を離してやれ」 「いいのか、また何かするかもするかも知れねえぞ?」 「そのときは、お前が女を何とかしろ。 第一『何か』を起こさせないためにお前が監視していれば問題ない」 鳴海は渋々とエレオノールを解放した。 「単刀直入に言うとだ…… 「『チームを組まないか』って事だろ」 アカギが全部言い終わる前に、パピヨンが赤木の言いたいことを言った。 「話しが早くて助かる」 「だが…そこにいる小僧とピエロとも組めと言うのか?」 「無論だ、アンタと交渉をしていたってこととは、 どっちつかずなんだろう」 「だったらまず名前を言ってもらお 「まだいい」 今度はアカギがパピヨンの会話に入ってきた。 「まだ言うときじゃない、二度も同じ場所で 自己紹介はしたくは無い」 そう告げると、アカギは親指を立てて後ろの扉を指した。 そして数秒後その扉から、強面の男と女装をしている男が入ってきた。 「おいおい、こいつから聞いた話しだとお前と、女しかいないと聞いていたんだが…… どうしたら短時間でこんなに増えるんだ?」 「まあ、色々あったからな」 「あれ? こなたさんは?」 「奥で寝ているぞ……まったくこんな緊迫している中……逆に感心する」 ハヤテと承太郎が喫茶店で合流した、これで喫茶店いる人数は 8人となった。 「正直こんな大所帯になれるとは思えなかった。これがお前が言うツイているって奴か?」 「人が多ければ多いほど、このふざけた殺し合いを壊せる。 今の状況は、百点に限り無く近い状況だな……!」 ◆ 「鳴海兄ちゃん……!」 赤木と鳴海が話し合っているその時、 勝は鳴海にそう言いたかった。 いや勝は鳴海を見たときそう言いたかった。だが言えなかった。 勝にとって加藤鳴海は命の恩人、しかも生死の判別不明で生きているかどうかわからなかった。 普通なら、我を忘れて飛び放て嬉しみたかっただろう。 しかし、何という神の悪戯であろう。 ここはバトルロワイヤル、そんな事をしたら、せっかくパピヨンという男と、 赤木しげると言われている男の交渉の邪魔をしてしまう可能性がある。 だがその前に鳴海は勝を見ても何も思わなかった。 その時点で勝の心は痛く、とても辛かった。 それと同時に力いっぱい涙を流したかった。 (ああ、鳴海兄ちゃんも僕のことを覚えていないのか…… どうして僕の知り合いは…… 僕のことを知らないのかなあ……?) こう嘆いてもしょうがない。勝が今真っ先に考えることは、 どうやってエレオノールに、才賀勝本人だと知らせることが出来るか否かである。 そのため勝は今、この二人の交渉が上手くいくようとに願うだけだった。 今この喫茶店には 女装した執事、強面な男子高校生、小学生のような女子高校生、偽名を使っている少年 黒い蝶の格好をした男、ピエロの格好をしている女性、腕が剣に変形する男性 そして博徒の白銀髪の男性がいる。 一見、対主催の面子が積り集ったと思われるが、 実は違う。 1人は自分の主を探して行動をしており、 もし主が死んだら、殺戮者になってもおかしくは無い。 1人は自分がある男と戦うために、対主催になっている。 しかしこれもその男が死んだら、殺戮者になりかねない。 この場所─── D-3エリアの喫茶店は、 いつ何時、戦いが起こってもおかしくは無い。 つまりバトルロワイヤルの火薬庫と例えるのが妥当。 この火薬庫がいつ爆発するか、それはこの現状を何とか纏め上げた『赤木しげる』と、 エレオノールに偽名を使っている『才賀勝』 この二人にかかっていると言ってもおかしくは無いだろう。 はてさて、どうなることやら。 【D-3喫茶店内/1日目 午前】 【赤木しげる@アカギ】 [状態]:健康 [装備]:グリモルディ@からくりサーカス(鞄に入っています) [道具]:核鉄(モーターギア)@武装錬金、傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの) [思考] 基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先 1:喫茶店内にいる参加者と交渉して、有益な関係を築く 2:1が成功したら情報交換する 3:このバトルロワイアルに関する情報を把握する(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術 や種類など、なお勇次郎に対しては保留) 4:参加者の考えがまとまったら、学校を拠点とすることを提案する 【加藤鳴海@からくりサーカス】 [状態]:健康 [装備]:聖ジョルジュの剣@からくりサーカス [道具]:支給品一式×2、核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金、 輸血パック(AB型)@HELLSING、 グリース缶@グラップラー刃牙、道化のマスク@からくりサーカス [思考] 基本:対主催・誰かが襲われていたら助ける 1:前にいるピエロ(エレオノール)が何かしないように見張る 2:喫茶店内の参加者と協力関係を結ぶ 3:このバトルロワイアルに関する情報を把握する (各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術や種類など) 4:誰かが襲われていたら救出し、保護する 5:赤木の人柄を見極める [備考] 聖ジョルジュの剣は鳴海の左腕に最初からついていますので支給品ではありません 参戦時期はサハラ編第19幕「休憩」後です サハラ編から参戦しているので勝、しろがねについての記憶は殆どありません 【才賀勝@からくりサーカス】 [状態]:両足の脹脛に一つずつ切り傷。軽傷のため行動に支障なし。 [装備]:なし [道具]:支給品一式、書き込んだ名簿、携帯電話(電話帳機能にアミバの番号あり) [思考・状況] 基本:殺し合いには乗らない 1:しろがねの誤解を解く。 2:赤木しげるの言うことを聞く。 3:乗っていない人を探して味方にする。 4:フェイスレスには最大限注意を払う。 5:みんなで脱出する。 [備考] ※勝は鳴海が自分のことを覚えていないということを感じ取りました。 【才賀しろがね(エレオノール)@からくりサーカス】 [状態]:ピエロの衣装&メイク@からくりサーカス、ヴィルマの投げないナイフ@からくりサーカス (残り11本)、オリンピア@からくりサーカス、支給品一式 [道具]:青汁DX@武装錬金 [思考・状況] 基本:『本物の才賀勝』の安全を確保する。 1:とりあえず、赤木しげるという男の話しを聞く 2:本物の才賀勝を優勝させるため皆殺し(殺し合いに乗っている人間を最優先) 3:強力な武器が欲しい。人形は手に入れたので他の武器。 4:花山、斗貴子、カズキに関しては襲うのは保留 5:100%勝を傷つけないと確信が持てた人間に関してのみ、殺すことを保留する。 [備考] ※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。 ※才賀勝の事を偽物と勘違いしています。 【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]健康 [装備]無し [道具]支給品一式、不明支給品0~2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い) [思考・状況] 基本:殺し合いからの脱出 1:おいおい、こんなに人がいるなんて聞いてねえぞ!! 2:色々めんどくさく無くなった時に、ナギたちを迎えにいく。 3:ジョセフ、ハヤテ、マリア、ヒナギクと合流する。 4:首輪の解除方法を探す。 5:DIOを倒す。 6:主催者を倒す。 参戦時期:原作28巻終了後 [備考] ※パピヨンについては、ハヤテから聞いていたので、 喫茶店にいることを不思議と思っていません。 【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】 [状態]健康。女装。 [装備].454カスール カスタムオート(7/7)@HELLSING [道具]支給品一式、執事服一式 13mm爆裂鉄鋼弾(35発)、ニードルナイフ(15本)@北斗の拳 [思考・状況] 基本:出来るだけ多くの人を助けたい 1:なんかにぎやかになっていますね。 2:落ち着いてから、ナギたちを迎えに行く 3:マリア、ヒナギクを探し出し合流する 4:そろそろもとの服に着替えたい 【パピヨン@武装錬金】 [状態]:全身に軽い打撲、口に血の跡、小程度の疲労、 [装備]:核鉄(エンゼル御前)@武装錬金 [道具]:支給品一式、猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険 [思考・状況] 基本:首輪を外し元の世界で武藤カズキと決着をつける。 1:とりあえず、赤木の話しを聞く。 2:ピエロ(エレオノール)を警戒しておく。 3:核鉄の謎を解く 4:二アデスハピネスを手に入れる。 [備考] ※エンゼル御前は、使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると、自動的に核鉄に戻ります。 ※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です ※スタンド、矢の存在に興味を持っています。 ※猫草の『ストレイ・キャット』は、他の参加者のスタンドと 同様に制限を受けているものと思われます ※承太郎が喫茶店に来ていたときに、ハヤテと一緒にいる事から、 敵ではないことを一瞬で確認しました。 【泉こなた@らき☆すた】 [状態]:健康 (睡眠中) [装備]:なし [道具]:支給品一式、フレイム・ボール@ゼロの使い魔(紙状態)んまい棒@銀魂、 綾崎ハヤテの女装時の服@ハヤテのごとく [思考・状況] 基本:みんなで力を合わせ首輪を外し脱出 。 1:zzzz…… 2:パピヨンといっしょに二人の帰りを待つ 3:かがみ、つかさ、みゆきを探して携帯を借りて家に電話 [備考] ※寝ているため、この人数の多さに気づいていません。 109 ギャラン=ドゥ ジグマールのバトルロワイアル 投下順 104 心に愛を 103 エンゲージ 時系列順 100 気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい 093 デッド・ライン 赤木しげる 113 大切なもの――SOLDIER DREAM―― 093 デッド・ライン 加藤鳴海 113 大切なもの――SOLDIER DREAM―― 095 いま賭ける、この―― 才賀勝 113 大切なもの――SOLDIER DREAM―― 095 いま賭ける、この―― 才賀エレオノール 113 大切なもの――SOLDIER DREAM―― 086 漫画キャラバトルロワイアル特別編『SAGA』 空条承太郎 113 大切なもの――SOLDIER DREAM―― 086 漫画キャラバトルロワイアル特別編『SAGA』 綾崎ハヤテ 113 大切なもの――SOLDIER DREAM―― 090 パピ☆すた パピヨン 113 大切なもの――SOLDIER DREAM―― 090 パピ☆すた 泉こなた 113 大切なもの――SOLDIER DREAM――
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「天使型チームにしよう」 「ありがとうございます、ご主人様!」 「流石、ダーリン」 俺は天使型チームを選んだ。 やっぱり違法改造武器経験者のアンジェラスがいるからバトルで楽が出来ると思うし、ルーナも前の闘いで楽々勝利してたから余裕があるだろう。 「えー!?アンジェラス達のチームじゃなくて、ボク達のチームを選んでよー!」 「お兄ちゃん、私頑張るから…私達のチームを」 悪魔型チームを選ばなかった事に抗議するクリナーレとパルカ。 気持ちが解らんなくもないが、これは俺が選んだ事だ。 文句は言わせない。 でもまぁ、ここは優し接しって説得するか。 「後で婪に頼んで、バトルをさせてやるから待ってろ」 「でも~」 「クリナーレは大人だろ。頭撫でてやるから大人しく待ってろ」 そう言いながら肩にいるクリナーレの頭を撫でてやると大人しくなった。 純情なものだ。 …でもちょっと撫でずらい。 「お兄ちゃんー私も撫でてください」 「はいはい、パルカも忘れてないよ」 クリナーレ同様、パルカの頭も撫でてやる。 うぅ~、手がつりそうだ。 「ご主人様、頭を撫でるのはご褒美じゃないんですか!?」 「まったくもって、その通りですわ」 「あーもう、しょうがないだろ。クリナーレ達が駄々こねるんだから、少しは多めに見てやってくれ」 「じゃあ、私とルーナには撫でるご褒美より、更に素敵なご褒美をくださいね!」 「わ、解ったよ。バトルに勝ったらな」 「約束ですからね!それじゃあルーナ、頑張ってバトルに勝つよ!!」 「はい、お姉様!」 俺は片方の手を使ってアンジェラスとルーナをバトルを行う筐体に入れる。 はぁ~、アンジェラスの奴はちゃっかりしてるなぁ。 撫でるより素敵なご褒美ねぇ~、何してやればいいかなぁ? あんまり良い案が出ない。 まぁ後で考えるかぁ。 「そんじゃあ頑張ってこいよ、二人共!」 「任せてください!」 「おちゃのこさいさいですわ」 こうして天使型チームのバトルが始まった。 違法改造武器を持たせたからといって、相手を殺す程の威力は無いように設定してあるから大丈夫だろう…多分。 …。 ……。 ………。 アンジェラスの視点 私がバトルを始める筐体に入ってから数十秒が経った。 そして最初に見た風景は浜辺でした。 とても透き通る海に晴天の空。 まるで海に遊びに来た感じです。 周りを見ると敵はいなく、ルーナだけがいた。 調度違法改造武器のインストールが終わった頃でしょう。 「ルーナ、武器の調子はどうですか?」 「う~ん、これといって違和感ありません。でも最初は頭の中がごちゃごちゃになった感じがしましたわ」 「大丈夫です、すぐに慣れますから」 「お姉様はまるで、もう違法改造武器を使った事がある口ぶりですね」 「エッ!?いや、何と無くそんな感じがしてね」 「そうなんですか?」 「そうそう、そうなのよ」 あ、危なかったです。 ルーナに既に違法改造武器を使って手慣れているとバレる所でした。 いつもおちゃらけているルーナは以外と鋭い所がありますからね。 気をつけないといけません。 「じゃあまずは武器を召喚しましょう。やり方はルーナでも解るでしょ?」 「はい、先程インストールされてその中のデータを見ましたから」 どうやら大丈夫みたい。 この調子ならルーナの事は心配なさそうです。 それでは私は自分の事に集中しましょう。 「グラディウス、召喚!」 私が高らかに声をあげると目の前に青白く光る剣が現れた。 アンダーグラウンドで使う剣。 昨日夜、ご主人様は性能はそのままで威力だけ低く設定した、と言っていたから遠慮なく攻撃できます。 私はグラディウスを手にとるといつもと同じ感覚になる。 バトルで殺し合う感覚に…。 駄目! 今回は普通のバトルです! 殺し合いじゃないです! 「沙羅曼蛇、召喚!」 隣で沙羅曼蛇を召喚するルーナ。 目の前に沙羅曼蛇が召喚され手にする。 「これがあたしの武器ですか。他の武器と違って扱いやすそうですわ」 どうやら沙羅曼蛇の事が気にいったみたい。 良かったですね、ご主人様。 「ルーナ、準備はいい?」 「はい。大丈夫ですわ、お姉様」 「それじゃあ…行きます!」 私は掛け声とともに空に飛ぶ。 ルーナも私の後を追っ掛けて飛んでくる。 空へ飛び、敵を探すが中々見つからない。 ヘッドのセンサーを使っても反応は無し。 これでは時間が刻々と過ぎていくだけ。 その時だった。 「ヤァアアアアーーーー!!!!」 「「!?」」 私達よりも上空から大声が聞こえた。 声がする方向にすぐさま振り向くと。 「ッ!?」 敵は太陽の背にいたので眩しくて直視できなかった。 おかげで目がやられ、敵に隙を見せてしまった事になる。 「クラエェーーーー!!!!」 ドカッ! 「グハッ!?」 私の腹に敵の蹴りがクリティカルヒットした。 そのまま敵の落ちる勢いで急降下する。 ダメージが高く、身体が動かす事が出来ない私は何も出来ないまま地面に落ちた。 ズドンー! 浜辺の砂に落ち砂煙が舞い、地面に落ちた衝撃で背中にもダメージをくらう。 強いです。 これまでバトルしてきた敵とレベルが違い過ぎます! 「まだ終わりじゃないよ!」 「エ、ゥッ!?」 敵の足がどかれたと思えば、今度は首を掴まれ持ち上げられてしまった私。 なんなの、この力は!? 「ハァーッ!」 敵は私を野球ボールのように投げ、近くにあった岩に投げつけられた。 ズガン! 「カハッ!」 さらにまた背中にダメージをくらう。 岩は私がぶつかった衝撃でガラガラと音をたてながら崩れおち、そのまま私も地面にズルリと落ちる。 この圧倒的な力の差。 はがたちません。 既に私のHPも半分以上削れています。 力なく私は後ろを見ると、リアウイングM‐88対消滅エンジンは使えない状態だった。 あれだけ地面や岩にぶつけらればボロボロにるのは当然。 これでもう空中に飛ぶ事はできません。 「こんなモノなの?弱いね、あんた」 敵が余裕を見せながら近づいて来る。 「…ハウリン型ほう…ですか」 私はよろめきながら立ち上がり相手を見据える。 「藍、よ。マスターの恋人の神姫と聞いてどれだけ強いのか期待していたけど、期待ハズレだったみたい」 「クゥッ!」 藍は鼻で笑うように私に挑発してくる。 ムカつきますけど、相手の方がレベルが高い。 ここは敵の挑発を我慢して次にどうやって攻撃するか考えないと。 あ、そういえば! 「ルーナ、大丈夫なのかしら?」 チラッと空を見上げる。 するとルーナはマオチャオ型と闘っていました。 苦戦しているみたい。 あのルーナが顔を苦しそうに歪めている。 あんなルーナの姿、初めて見ました。 バシ! 「アウ!?」 いきなり後ろから攻撃され右腕を羽交い絞めされ地面に倒される。 「敵が目の前にいるのに余所見するとはね。弱すぎて話にならない」 藍は心底残念そうに言う。 いつの間に私のバックを取っていたの。 確かに余所見をしていたとはいえ、一秒以下です。 どれだけ速く動けるのよ、こいつは! 「そんなにそのルーナという奴が心配ならここで見ていればいい。その間、アンタは私にこうやって捕まりながら何も出来ないけどね」 不敵な笑みしながら藍は私の右腕をギリギリと痛みつける。 クッ、これでは本当になにも出来ないまま負けてしまう。 いったいどうすれば…。 <I hope to transform into the person type> 左手に持っているグラディウスが私の心の中で言ってきた。 人型、変形? 何言ってるかさっぱり解らない。 けど、こんな状態で何も出来ない私よりもグラディウスが出来るというならそれに頼るしかないです! 「お願いグラディウス!」 <I understood!> 私がグラディウスにお願いするとグラディウスは白く光出した。 眩い光によって私と藍は思わず瞼を閉じる。 その瞬間左手に持っていたグラディウスに違和感を感じた。 いままで握っていた剣の感触が柔らかい人の手の感触になったのだ。 そう感じたらすぐに私の手から離れてしまった。 「ッキャアアァア!」 藍の悲鳴が聞こえた同時に眩い光が消えた。 するとそこにいたのは見たこともない武装神姫がいました。 容姿は顔が小さく銀髪のツインテックにアホ毛が二本で目の色は赤、体系は私と同じくらい。 そしてなんとも特徴的なのは八本の銀色に輝く翼に、右手に持っている巨大な剣。 持つ場所は真ん中にあって左右に鋭い両刃がある。 剣の種類では無い剣の形をしているのでなんて言えば解らない。 <Does not the master have the injury?> 「あ、あなたはグラディウスなの?」 <Yes.You are my master!> これまた凄い展開です。 私の剣が武装神姫になってしまいました。 ご主人様が改造したに違いありません。 あ、そういえば藍はいったいどうなったのかな。 さっきの悲鳴は藍の声だと思うけど。 <She is sleeping there> グラディウスが左手で示す先を見ると、そこにはグッタリと倒れている藍がいた。 いったい何の攻撃をしたらあの強敵な藍をあんな状態に出来るのやら。 「ていうか、『寝ている』という表現はちょっとオカシイよ、グラディウス。それにちょっとやりすぎよ、ここは殺し合いする所じゃないんだから」 <Apology> 「謝罪じゃなくて『ごめんなさい』て、言えばいいのよ」 <ゴメン、なさ、い?> 「そうよ。今度、日本語教えてあげる。さて、それよりもルーナの事が心配だわ」 空を見上げると、まだルーナはあのマオチャオに苦戦していました。 早く助けないと! でも私のリアパーツは使い物になりません。 これではルーナを助けるどころか、空を飛ぶ事もできません。 どうしよう。 するとグラディウスが自分の剣をプログラム化して白い光となって消え、手ぶらとなった右手を私に向けた。 まるで『こっちに来て』みたいな感じで。 <Please hang on to my back> 「え?背中につかまるの??あっそうか!」 右手はそいう誘いだったのね! グラディウスがルーナの所まで運んでくれる! なら迷う必要はありません。 私は二つのM4ライトセイバーを取り出し、一つ右手に持ってもう一つを口に咥える。 そしてグラディウスの左肩を左手で掴む。 「準備OKだよ、グラディウス!」 <I fly toward the enemy!> 「GRADIUS、GO!」 <GO!> 銀色の翼を羽ばたかせ空へと飛ぶグラディウス。 待っててルーナ! 今すぐ助けに行くから! ルーナの視点 「クッ!?しつこいですわよ!貴女!!」 「へっへ~んだ。もっとアタシと遊ぼうよ!」 「御免こうむりたいですね!」 「そんなこと言わずに、サァ!」 ズガン! アタシの右わき腹にマオチャオの錬の拳がクリティカルヒットする。 苦痛に顔が歪む。 圧倒的なレベルの差ではがたちませんわ! ダーリンから渡された沙羅曼蛇の力を発揮できないままこのまま負ける訳にいかない! 「一か八か!沙羅曼蛇、頼みますわよ!!」 <…神機妙算> 沙羅曼蛇だがそう言った瞬間。 アタシの身体は勝手に動く。 しかもかなり無理矢理な体勢で沙羅曼蛇の剣が敵の錬に向かって振り下ろされる。 ブオン! 「おっと~。危ない危ない。君、かなり無理矢理な攻撃にでたね、ちょっと驚いたよ」 「チッ!外れましたか!!」 「そうだね。しかもさっきの攻撃で身体が動かないじゃない?」 「…畜生、ですわ」 錬の言っている事は正しい。 先程の無理矢理な攻撃のせいで身体に負担を掛けてしまったのです。 身体の節々が痛くて空を飛ぶのもやっとのこと。 これでは空に浮かんでいる的。 「もっと遊びたかったけど、そろそろ残り時間がないからトドメいくね♪またね♪♪」 「…ごめなさい、ダーリン。アタシ、負けるかも」 「バイバイ!」 突撃してくる錬。 アタシは目を瞑り覚悟を決めた。 ズバッ! 攻撃音が聞こえ身構える。 けど、身体には痛みは走らなかった。 しかも攻撃音は打撃の音というより何かを斬るの音でした。 恐る恐る目を開けると、そこにはとても不思議な光景がアタシの目に飛び込みました。 アンジェラスお姉さまが二刀流のM4ライトセイバーで錬を攻撃していたのです。 それともう一人は銀色の翼を生やしている見たこともない武装神姫がいました。 「妹には手出しさせないわ!これで終わりよ!!」 「そんなのアリなのかニャ~!?」 「落ちなさい!」 ズバン! 「フニャ~…」 浜辺近くの海に落ちていく錬を一瞥して私は安心して溜息をはく。 と、その時。 「落ちる~!誰か助けてー!!」 アンジェラスお姉さまがヒュ~、と落ちていく。 あれ、よく見るとリアパーツを装着していません。 そりゃ落ちますよ、飛ぶものが無いのだから。 て、納得してる暇じゃなかった! お姉さまを助けないと! 「お姉さ…あら」 アタシが助けよとしたら、もう一人の知らない武装神姫がお姉さまをお姫様だっこで助けました。 ふぅ~、もうお姉さまたら、心配かけるんだから。 でも、あの神姫はいったい誰なのかしら? アタシに向かって飛んでくる謎の神姫にお姫様抱っこされているお姉さまが来る。 「大丈夫、ルーナ?」 「えぇ、大丈夫ですわ。所で、今お姉さまをお姫様抱っこしているの誰ですか?」 「あ、あぁ~。この人はね」 <Hello. I am Gradius> 「グラディウスなの!?この神姫が!?!?」 驚きの真実! さっきの剣が今私の目の前にいる神姫だというの!? <I have surprised you.I m sorry> 「…う~ん、確かに驚いたけど。でもまぁ、いいです。アタシは助かって、しかもバトルに勝てたのですから」 先程からいかにも機械音で作られた女の人の声が『Battle end』の声が聞こえる。 バトルの終了をつげる指示だ。 はぁ~でも今回はかなりきついバトルになりました。 「ルーナ、ご主人様の所へ帰りましょう♪」 「はい、お姉さま。でもその格好のままで行くとダーリンは多分笑うでしょうね」 「格好?は、はわわわわ!グラディウス、今すぐ離しなさい!!」 <With what?> 「お姫様抱っこのままだとマズイからです!」 <Really good?Master fall on ground> 「あうぅ~そうでした!?今の私は飛べないだったんだ!」 グラディウスの両手に抱かれながら慌てるお姉さま。 あまりのお姉さまの慌てっぷりに言うのが遅れてしまい言うタイミングが無くなってしまったけど、ご主人様はこのバトルをズーッと見ているハズです。 つまり、今どんなに騒いでも時既に遅しです。 でもそんな事に気づいてない、お姉さまが可愛いです。 「もういい、このまま帰るよ!」 「そうですね♪」 <? The reason why the master panics is not understood why> グラディウスが疑問に思いながらアタシとアンジェラスお姉さまはご主人様の所に帰った。 …。 ……。 ………。 天薙龍悪の視点 「よっ!お疲れさん。よく勝てたなぁ、最初は冷や冷やしたぜ」 俺は両手を横に添えながらアンジェラスとルーナを手の平に移動させる。 おっとと、フラフラと手の平の上で女の子座りをしてしまう。 あぁ~、これは相当疲れてるな。 でもまぁ相手が相手だからなぁ、なにせファーストランカーの神姫だからね。 「ほら、ご褒美だぞ」 二人の頭を撫でててやった。 ルーナは満足そうな顔をしていたが、アンジェラスは少し不満そうだった。 「やっぱり、頭を撫でるだけですか…」 「え?いやだっていつもこうして…あ、そっか!」 「私がバトルする前に言いましたよね」 「そうだったな。頭撫でるよりももっと凄いご褒美が欲しいと」 すっかり忘れてた。 と、言っても、なにかご褒美するものがウムゥ!? チュ~~~~ 「チュッ…これで一応、満足しときますね」 「ナッ!?オマッ!キスを…」 アンジェラスが俺が褒美を考えてる隙に俺にキスしやがった。 あ~ビックリした。 しかし、アンジェラスの奴も大胆な行動にでるようになったものだ。 成長した、と言うべきかな? 「あちゃ~、負けちゃいましたよ先輩」 自分の髪の毛を弄りながらこっちに来た婪。 胸の両ポケットには不貞腐れてる藍、それと対照的にニコヤカに笑っている錬。 「でも先輩~オリジナル武器は卑怯ですって~。しかも武器が武装神姫に変身するなんてきいてませんよ~」 おやおや、プク~ッと頬っぺたを膨らます婪。 珍しくご立腹みたいだ。 「あぁ~残念です~。もし先輩が負けたら、あんなことやこんなことをお願いしようかな~と思ったのにぃ」 「あは、あはははは…」 アンジェラス、ルーナ、勝ってくれてありがとう。 マジでありがとう。 俺の貞操が守れた。 「アニキ~、早くボク達にバトルさせえてよー!」 「そうですよ、お兄ちゃん」 「痛い、痛い。解った、解ったから耳を引っ張るなって!」 両肩にいるクリナーレとパルカが俺の両耳を引っ張る。 結構痛いです。 「なぁ婪もう一度バトルしてくれないか?クリナーレとパルカがだだこねちゃってさぁ~」 「いいよ♪条件付だ・け・ど♪♪」 ウッ…なんか嫌な予感。 どうせ先程言った『あんなことやこんなことをお願い』のとかじゃないだろうなぁ~。 「先輩が負けたら『先輩がアタシにエッチな事をいっぱいしてもらう』という条件ならいいですよ♪」 ウワ~ッ!? 余計にたちが悪い条件になりやがった! これはなんとしてもクリナーレとパルカに勝ってもらわないと! 「クリナーレ、パルカ。絶対に勝てよ!負けたら俺が婪に食べられちゃうんだからな!?」 「大丈夫だって。ボク達を信用してって」 「婪さんの思い通りにはさせませんから!」 気合十分な二人。 うん、これなら大丈夫だな。 「よし!じゃあ二人とも頑張ってこい!」 「「はい!」」 二人を筐体の中に入りバトル開始を待つ。 アンジェラスとルーナは俺の右肩で一緒に見学する。 今日一日中はバトルするのもいいだろう。 それに久々に婪と遊べたんだ。 こんな日もたまにはいいだろう。
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引越しダン箱女史 507 :名無しの心子知らず:2011/04/04(月) 17 39 52.35 ID 5HceMenZ 流れを読まずに書き込みスミマセン。 既婚者の友人に愚痴ったらこのスレをすすめられたので来ました。 引っ越し作業中に小学生くらいの男の子とその母親に ゲーム機類の入ったダン箱とテレビを盗まれかけました。 幸い持ち去られる前に友人が気付いて声をかけたんですが、 途端に母子が荷物を放り投げて逃走しようとしたためテレビも ゲーム機も壊れてしまいました。 男の子は捕まえたんですが、母親には逃げられました。 捕まえた男の子が 「ママーたすけてママーーー」 って絶叫してたのに脇目もふらずに猛然と走り去るその姿に 唖然としました。 通報して男の子のみ引渡し、現在警察からの連絡待ち。 取り押さえた男の子に蹴られたりひっかかれたりであちこち痛いわ、 一連の騒動で時間をとられ本日のみで終わるはずの引っ越しが 終わらないわで最悪です。 そして、壊された物の補償はどうなるやら心配……。 509 :名無しの心子知らず:2011/04/04(月) 17 43 59.27 ID 3bpkviiA それは腹が立つな…。 510 :名無しの心子知らず:2011/04/04(月) 17 46 34.42 ID 2U9I1FL8 507 事後強盗ですな。 診断書とるといいよ。 511 :名無しの心子知らず:2011/04/04(月) 17 47 40.12 ID Jz65omSd ランニングやってるからクエン酸はよく摂取する。 空腹時にカプセルのやつ(クエン酸顆粒のまま)を摂取すると、 胃が荒れる。 溶液にする場合も、濃い目のを飲んだら歯磨きしないと歯に悪い。 気をつけて使ったほうがいいですよ。 507 乙。負けるながんばれ。 引越し業者とか、目撃者はたくさんいるんだよね? 520 :507:2011/04/04(月) 18 30 26.47 ID 5HceMenZ 引っ越し先が徒歩圏で荷物も少なく、素人では運べない物が なかったので業者には頼まず有志の友人数人に車を出してもらい 作業をしていました。 前の部屋が駐車場がないオートロックマンションで、目の前が それなりに通行がある道路なため 作業効率と歩行者・交通への迷惑を最小限にするため 室内組がオートロック外まで荷物を運び積んでおく →室外組で車に乗せ転居先に運ぶってのを繰り返してました。 目撃者は友人達の他、歩行者の方がいて 男の子を取り押さえた際 「誘拐犯に殺されるー」や他の罵詈雑言の叫びで出来た 人だかりへの説明や警察への証言もしてくださいました。 テレビはむき出しで段箱は分かりやすく書いてあったので 中身はバレバレでした。 その辺はこちらの落ち度かもしれません。 腕捲りしてたとこに血が出るほどの引っ掻き傷、その他身体中に アザの予備軍があるので今から他の負傷した友人と 病院行ってきます。 アドバイスありがとうございます。 521 :名無しの心子知らず:2011/04/04(月) 18 36 09.74 ID uDYhDd2h >テレビはむき出しで段箱は分かりやすく書いてあったので 中身はバレバレでした。 >その辺はこちらの落ち度かもしれません。 なんで引越し完了後の作業をスムーズにするための工夫を落ち度と されねばならんのだ 箱に中身を記名するのが泥ホイホイなんて言われるなら警察は 税金ドロボーだろ 529 :507:2011/04/04(月) 19 39 12.06 ID 5HceMenZ やっと警察から連絡きました。 母親が男の子を迎えに来たらしいんですけど、迷子の迎え と言いはってるみたいで これから警察で母親が泥棒本人か確認しなきゃならないみたいです。 まだ病院おわってないのに… 531 :名無しの心子知らず:2011/04/04(月) 19 49 03.71 ID atXSVQOm うわあ…子供を放置して2時間以上も何してたんだ、その母親。 置き去りにされた上に「迷子」…子供の心が心配だよ。 534 :名無しの心子知らず:2011/04/04(月) 20 34 59.17 ID DXZNiP07 盗もうとしたブツにはバッチリ指紋残ってるんじゃね? 541 :507:2011/04/05(火) 01 01 24.29 ID 1y5h09Jm 頻繁に出てきてスミマセン。 あまりの馬鹿馬鹿しさに腹が立ち友人に愚痴りまくってたんですが、 まだおさまらないのでここでも愚痴らせてください。 私は母親をしっかり見たわけではないので、第一発見者の 友人に付き合ってもらいました。 警察の人が言うには、男の子の自供はとれてるし 現場にいた人の中に男の子を知ってる方が居たみたいで 身元の証言もとれてたので、私が呼ばれたのは担当の人との お話と書類関係がメインで、母親を見るのは形式上のことか ついでみたいでした。 向こうからは見えない死角から確認したんですけど、友人の感想 「あの程度でバレないつもりなんてアニメ脳?キモい」 が全くその通りだと思いました。 私達が見た走り去る母親は、ブリーチしました!みたいな パサパサ色のルーズな髪の人だったんですが、署に居たのは、 落ち着いた髪色でまとめ髪のキチンとしてそうな人でした。 逃げてる間に染めたのかヅラかはしらないけど本当に 気持ち悪いです。 男の子は男の子で 「捨ててある物だとおもったし、ママもそう言った。早く帰らせろ」 って悪びれもしてなかったらしいし本当に母子ともに気持ち悪い。 545 :507:2011/04/05(火) 01 16 51.22 ID 1y5h09Jm 極めつけは 「息子が迷惑をかけたのなら謝る」 って母親が封筒を出したみたいなんですけど その中身がたったの2万円。 どうしますか? って警察の人に聞かれたけどらたったそれっぽっちじゃ 壊された32型テレビどころかPS3も買えねぇんだよ! とイラッとしてお断りしてしまいました。 警察の人がいろいろ示談の話とかも説明してくださったんですが 壊された物全部の弁償がないかぎり示談はしないと決めて 帰ってきました。 警察の人も母子の態度を見てそのほうが良いだろうと おっしゃってました。 とりあえず「迷子」と言い張る母親の話に矛盾がありすぎるので 「今夜は署でキチーンとお話させていただきます」 だそうです。 550 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 02 21 11.10 ID dobpsQL9 うーん充分馬脚は現してると思うけど、(髪とか封筒とか) 偽装工作とかちょっとやっかいな感じするなー ま、ガキがクソ加減出しまくりだけどな 551 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 02 54 45.20 ID ImPhNUJd 偽装工作はかえって逆効果なのにねえ。 しかも、子供のせいにするなんて最悪。 ボッシーなんだろうか。児相に24レベルだとおもうけど。 552 :507:2011/04/05(火) 05 15 56.15 ID 1y5h09Jm まとめを読みあさっていたらこんな時間に…OTL あちらさんの事情については 警察では教えられませんでしたし、 こちらもきかなかったので知りません。 どうやら近所に住んでるみたいですけど、家庭環境はおろか 名前もサッパリです。 今夜 警察の人がキチーンとお話してその結果如何でこちらにも お話がくるんでしょうか? まとめにあるみたいな奇抜な親族の来襲とかなければ いいですけど… ところで、現在 引っ越し先にいるんですがテレビがなくて 大変不便です。 弁償はしてもらう前にこちらで買って代金を請求しても払って 貰えるでしょうか? 一応、壊された物が現行品で売り場にあるので同じ物を 買うつもりなんですけど。 616 :507:2011/04/05(火) 21 50 02.34 ID fIGeEyJo 507です。 まとめる力がないので分かりにくかったらすみません。 今日わかったこと ・母子は一応犯行を認めたらしい ・母親の髪は逃げた後に染めたらしい ・旦那さんの連絡先 昨夜、警察に旦那さんが母子を迎えに来たそうで 担当の方が色々お話ししてくださったそうです。 あちらさんは示談を希望なさっているようですが、 「示談にするかどうかは被害者が決めることです」 と言ってくれたそうです。 「個人的にはちゃんと事件として残したほうが良いと思いますが…」 ともおっしゃっていたので、たぶん母子はあまり反省して いないのかもしれません。 壊された物の弁償について まとめにあるように、あちらからコンタクトがあるものだと 思ってたんですが 担当の方が気をつかってくださったのか旦那さんの連絡先を 教えてくれて こちらから連絡をする形になりました。 あちらに私の個人情報は伝えていないそうです。 今日は午前中に引っ越しのつづき、午後から仕事と 忙しかったのでまだ連絡してませんが 明日には全部片付くと思います。 ちなみにテレビは話し合いが成立するまで買わないほうが良い と警察で言われたので買いませんでした。 お陰で今日も娯楽のない夜を過ごすハメに……。 617 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 21 52 19.65 ID kwoxksku 乙です。読書をしなされ! 618 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 21 53 59.32 ID 58VTyQjj 616乙 言いくるめられないように必要事項はメモっといたほうがいいよ! 全部返ってくるまで頑張って 619 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 22 01 41.23 ID Wgzx9jxD 616 旦那から少しでもお金を受け取ったら示談が済んだとみなされて しまう事があるから注意してね 事件にした方が、結局自分を守れると思うよ 622 :507:2011/04/05(火) 22 35 12.00 ID fIGeEyJo 盗もうとして逃げたこと。と 盗もうとした結果壊した物の弁償。は 別のものとして考えて良いと担当の方に言われました。 あちらに『盗もうとして逃げたこと』を示談にしなければ 弁償しないと言われたら ちょっと困ったことになりますね。 623 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 22 39 16.18 ID A28LlOuD 507 あちらに『盗もうとして逃げたこと』を示談にしなければ弁償 しないと言われたら ↑これ対策で弁護士はさんだほうがいいと思う。 626 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 22 43 46.37 ID 58VTyQjj 622 まだ続きそうならトリつけてって あちらに『盗もうとして逃げたこと』を示談にしなければ弁償 しないと言われたら でもそれって脅迫になるんじゃない? 会話は録音推薦 628 :名無しの心子知らず:2011/04/05(火) 22 51 24.78 ID Wgzx9jxD 622 とりあえず先に被害届出して刑事事件にしたら? 取り下げるためには弁償を申し出てくると思うから、 「弁償してくれたら取り下げる」で良いんじゃない? 弁護士はお金もかかるし(テレビのお金よりも高くつく) 634 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/05(火) 23 01 00.37 ID fIGeEyJo 会話の録音、弁護士 よく考えたら悠長に今夜の娯楽~なんて言ってる場合じゃなかったですよね。 弁護士なんてテレビの中の生き物だと思ってたもので心当たりも ありませんが…。 もしまだご相談させていただくことがあるやも知れませんので 取り繕えさせていただきました。 670 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/06(水) 16 08 13.43 ID ZOAiLSz+ 会社から書いてます。 昨晩よく考えてみたんです、社会経験も浅くもう本当に どうするのが一番良いのかわかりません。 今回の引っ越しで貯えがないどころか、家具の買い替え等で 赤字状態で弁護士さんをすぐにお願いするのもちょっと難しいです。 会社でも相談にのってもらったんですが、 あちらの出方を見ないことに今後の方針も定まらない ということでとりあえず本日電話してみることになりました。 ただ、私が喋るとナメられるだろうからと上司に代理で 話していただくことになりました。 会話はオープンにして私も一緒に聞きます。 671 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 16 10 09.54 ID qykwMXTX 良い上司でよかったね 673 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 16 37 11.03 ID JYNo/fC6 仕事中に2ちゃんねるはどうかと思うよ。 686 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/06(水) 21 36 43.79 ID ZOAiLSz+ いま書き込んで大丈夫ですか? 687 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 21 39 31.51 ID MUfxNlF1 どーぞ 693 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/06(水) 21 47 47.63 ID ZOAiLSz+ まず前回の書き込みですが、一応休憩中だったんですが 就業時間内に2ちゃんなんてダメですよね。 ご指摘ありがとうございます、以後改めます。 あちらの旦那さんとお話ししてきました。 私本人ではなく上司が代理で話したことに苦言はていされましたが 壊れた物や私と怪我した友人の治療費は全額支払う意志が あるそうです。 会話は録音してありますが、書面で残すために後日会うことに なりました。 母子のしたことの警察への訴えは取り下げなくて良いようです。 698 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 22 00 20.37 ID xrZBg9De 妻が人を怖がらせることをしたんだから、 「代理人を立てるあなたのお気持ちはごもっともです」 って言うのが普通じゃないのかな。 苦言って、偉そうすぎw 700 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/06(水) 22 01 48.00 ID ZOAiLSz+ 書くのが遅くてスミマセン スマホにまだ馴れてないもので。 私が女性だと署できいていたのに電話したのが男性上司 だったのでビックリされてしまったんだと思います。 旦那さんと会うときも上司が同行してくれると言ってくれたんてすが 流石にそこまで迷惑をかけられないので友人にお願い できないかあたってみます。 私としては母子へは警察が相応の処罰んあたえてくれるでしょうし、 壊れた物が返ってくればそれで良いので これで解決だと思います。 みなさんありがとうございました。 701 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 22 03 09.98 ID WapQDqC1 いや、それでも苦言は無いわ。 上司同席が正解だと思う。 相手をかばうような事を考えるのはやめた方がいいよ。 702 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 22 04 33.03 ID oQbFvp5N 変な遠慮はしないで、上司に頼んだほうがいいんじゃないかな。 電話で話したんだし、同じ人のほうがいい気がするよ。 707 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/06(水) 22 22 53.14 ID ZOAiLSz+ やはり上司のほうがいいでしょうか? 上司が体育会系の人で下の面倒事なんでもかってでてくれて しまうような人なので せっかくの休日を潰してしまうのはどうかと思ったんですが。 709 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 22 27 28.83 ID U4rnDaF7 今後、弁護士等のプロに頼まない限りは上司に投げる 担当者をコロコロ変えると意思疎通が難しくなる 710 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 22 27 40.98 ID UwoX/43F 707 いくら上司が面倒見がいいって言っても、家族もあるだろうし 甘えすぎるのもどうかと思う。 他の社員にも変な目で見られて困るのは上司だと思うけどな。 仕事とプライベートははっきりわけたほうがいいよ。 711 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 22 29 29.98 ID SfjhmggE 707 誰に頼んだってせっかくの休日をつぶすに変わりないでしょう。 あなたの場合話し合いに成人男性は必要。 親族が出てこられないのなら上司にお願いするのは至極当然。 事情をすべてわかった上で協力を申し出てくれているのに 断る理由も必然性もない。 ありがたく助けてもらうといい。 もちろん、ことが落ち着いたら心からのお礼が必要。 713 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 22 31 28.20 ID EuMwSqSO 泥旦那は女で小娘であればどうどでもなる=御しやすい と踏んだのに男の上司(体育会系のしっかり者社会人)が出て きたんでまともな対応をせねばならなくなった。 だから苦言に繋がったと考えるべき。 悪いことは言わん、上司に頭下げてお願いしとけ。 休日をつぶすことについては お礼として既婚なら奥さんへどうぞと菓子折を渡す&後々仕事で ご恩をかえすことでいいと思うよ。 719 : 【東電 76.7 %】 :2011/04/06(水) 22 49 31.53 ID qXv4CJGy 上司が独身ならフラグが立ったな。 721 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/06(水) 22 57 55.57 ID ZOAiLSz+ アドバイスありがとうございます。 怪我した友人と電話していました。 友人も話し合いに同席するそうでお父様を連れてきてくれる そうです。 私のほうは両親は遠方で仕事があるので同席は難しいんですが、 比較的近くに兄がいるのできいてみようかとおもいます。 上司にお願いしてもしなくても迷惑をかけたし、失礼なことだと 気づかされました。 あらためてお礼をしなくてはりませんね。 725 :507 ◆J.ydYdzD56:2011/04/06(水) 23 20 23.02 ID ZOAiLSz+ 残念ながら上司は奥さんもお子さんもいます。 ご家族で召し上がっていただけるような物を贈ろうと思います。 あとは部署のみんなにも何か用意しなきゃ… とりあえず壊された物の価格調査をするので落ちます。 726 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 23 23 44.52 ID YuJUc+Wn ご友人の親御さんがおられるとしても 507さん個人のサポートをしてくれる人は連れて行った方がいいと思う。 物盗んだ挙句怪我をさせた側が、被害者のしかも若い娘さん本人を 出さない事に苦言を申し立てる筋合いはない。 上で誰かが書いてたけど、若い子と舐めてかかって丸め込む気で居た と思って間違いなさそうだし犯人だけでなく旦那にまで顔を見られる のなら、今後の逆恨み凸にも警戒しないといけない。 727 :名無しの心子知らず:2011/04/06(水) 23 27 26.40 ID egOm0IRG 726 たしかに、近所なんだもんね。 じゃあやっぱりお兄さんを頼ったほうがいいね。 いつまで今回の転居先に住んでるかわからないけど、身内のほうが 後々頼りになるからね。 続きはこちら→引越しダン箱女史2 次のお話→羽交い絞め奥(507)
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ある『客人』がこう尋ねた。 「一足違いだったようだね。ファッションにうるさいという彼にこの僕の美しさをとくと堪能して貰いたかったのに!」 ある『客人』はこう応えた。 「何、この胸の高鳴りをもう少し感じていられると思えば悪くないぞ!!!」 ある『客人』は初めて会うメンバーへ思いを馳せる。 「界刺氏とは如何なる御方なのか、遂にこの眼(まなこ)に映すことが叶う・・・すっごい楽しみ!!!」 ある『客人』は運動不足から来る体力の無さを実感して愚痴を零す。 「私は裏方なんだから、体力が無くて当然当然。あぁ、早く自己紹介を終わらせて性能テストしたい~!!」 刺客(?)という名の『客人』達は喧しく、しかし心だけは長閑やかに驚愕させる機会を図る。 「ふはははは!!!『獣耳衆 ケモミミスタ 』推参!!!さぁ・・・『シンボル』の“変人”よ!!!これより貴様にケモミミの素晴らしさを叩き込んでやろう!!!いざ参る!!!」 『獣耳衆』の頭領であり、黒猫の仮面を被っている黒井がテロ()活動開始を宣言し、両隣に並ぶ宇佐美と独楽田が戦闘体勢に入る。 僅か後れて黒井も自己の身体機能全般を強化する肉体系能力『身体強化』を発動し、標的へ特攻を仕掛ける準備に入ったのだが・・・。 「ちょいタンマ!!!んで、質問がありまーす!!!」 「「「はっ?」」」 当の標的足る界刺の問い掛けによって行動が中断される。挙手しながら質問をする様は、あたかも教師の授業に疑問を抱いた故に挙手して質問を行う生徒のようであった。 「『獣耳衆』ってあれか。人が多く集まるイベントなんかに潜入して、参加者にケモミミを装着させる迷惑行為を繰り返しているって噂の・・・」 「迷惑行為とは失礼な!!俺の目的は徹頭徹尾変わらぬ。遍く世にネコミミを広げることだ!!!」 「俺はイヌミミ!!!」 「俺はウサミミ!!!」 「俺達はケモミミの普及のために日夜奮闘している!!この学園都市に住まう者達もいずれ悟るだろう!!ケモミミが世界共通の万能機に成る素晴らしき時代が到来することを!!!」 「(いや、そんな時代は来ねぇよ)」 「(いや、そんな時代は来ないわ)」 黒井の自信満々な演説に界刺と霧流は揃って駄目出しを行う。もちろん心の中で。言葉に出すと面倒臭いことに発展することはわかり切っている。それよりも・・・ 「もう1つ質問していいかよ?」 「ほぅ。何だ、言ってみろ」 「アンタのそのネコミミ・・・超絶的に似合ってなくね?」 「何っ!!?」 「ブッ!!!」 「噴出すな、銀髪女!!」 ファッションデザイナー界刺得世としてどうしても納得がいかないことを問い質すにはいられない。噴出した霧流も同感であったそれを端的に述べるなら・・・『アンバランス』。 黒井が自分の体に『移植』した長さ10cm程のネコミミと、彼自身の体格(身長195cm、体重90kg)が超絶的に似合わないと界刺と霧流は判断したのだ。 「いやね、もっと似合うミミがあるんじゃねぇかとファッションデザイナーである俺は思うんだよ。そのミミはアンタにゃちょっと可愛過ぎる」 「(む、むぅ。確かに野宮からも『ライオンや虎といったかっこよさを追及したネコミミの方が似合うかも』と言われたことがあるが・・・)」 黒井というネコミミをこよなく愛する人間は、ネコミミを馬鹿にされるとキレるタチである。当たり前ではあるが、界刺と霧流の(黒井目線で)非常に失礼な態度にキレかけていた。 だが、話を聞くと“変人”は黒井に合うミミが他にあるのではないかと指摘しているのだ。何も、ネコミミそのものを馬鹿にしているのでは無い。 副頭領であり自身の彼女でもある貴常からも、過去に似たような指摘を受けたこともある。本人としては、このネコミミが一番のお気に入りだからこそ『移植』した自負がある。 今後も他のネコミミへ乗り換えるつもりは全く無いが、ネコミミと装着する人間との相性的観点からの参考意見として聞き入れるのは吝かでは・・・ 「そ、そうか。まぁ、貴様達の意見を参考として聞き入れてもいいぞ。俺にはどんなネコミミが似合うと思う?(お前達の心の底に眠る『装着したい』ケモミミの願望をこの問いにて見極めてやろう!!)」 「(はっ!?私はそもそもケモミミなんかに興味は無いんだけど。でも、ここは話を合わせておいた方が・・・)そうねぇ、あなたに似合うのは猫よりもライオンや虎といった・・・」 「俺としては、ゴリラとかチンパンジーとかオランウータンとかかな」 「(ブッ!!何でネコじゃ無くてサル統一なの!!?)」 「嫌ってんなら百歩譲ってバッファローとか?体格的にアンタらしいと思うよ」 「(ウ・シ!!!あの男はネコミミって言ってんでしょうーが!!!何でどれもネコから外れてるの!!?あなた馬鹿!!?)」 「・・・(プルプル)・・・」 「(ほれ見なさい!!見当外れな返答が返って来たモンだから、怒りで顔が真っ赤じゃない!!!)」 無かった筈なのだが、自称ファッションデザイナー界刺得世の返答はいずれもネコとは種族の違う獣ばかりでネコミミを愛して止まない頭領として全く受け入れることができない。 一方、黒井の怒りのボルテージが急激に上昇しているのを瞬時に理解した霧流はこれ以上面倒臭い方向へ状況が流れないよう必死に声を張り上げる・・・ 「ちょ、ちょっと待って!!こんな常識の知らない“変人”の言うことなんか真に受けないで、常識人である私の言葉を聞い・・・」 「ありゃ、お気に召さない?なら、ここは獣縛りを外してバッタやゴキブリとかにある触角に乗り換えてみたら? 個人的には、今のアンタのネコミミってバニーガールを連想させる長さなんだよな。だから、可愛過ぎるって思ったし。 その点、触角なら可愛いとは全く思わないしケモミミのようにピンと立ってるから風貌もそんなに変わらないと思うし一石二鳥じゃね?」 「ブッ!!!何で触角!!?1万歩譲って触角を出すのはいいとして、何で例えで挙げるのがよりにもよってバッタやゴキブリなの!!?特に後者!!!あなた、わざとやってるの!!?」 「えっ?だってアイツには・・・」 「そうよ!!あの男にはネコミミなんか似合わないわ!!!でもね、少しは話を合わそうと努力しなさいよ!!!」 「俺はファッションについてはうるさいんだ」 「あなたの語るファッションどれもおかしい!!」 が、よりにもよって“変人”がバッタやゴキブリの触角の方が似合う云々を言い出したために己の目算が瓦解する霧流。 確かに、ハタ迷惑な行為を繰り返している『獣耳衆』と“害虫”とも称されるバッタやゴキブリを結び付けることは有り得なく無いとは思うが発言する時と場合が悪過ぎる。 「ほぅ・・・つまり、貴様も本当は俺のネコミミを馬鹿にしていたと?」 「(あっ・・・しまった!!)」 「ゆ、ゆ、ゆゆ、ゆゆゆ、許さぁぁーーーん!!!!!」 結果、『黒井にネコミミは似合わない』『ネコミミより“害虫”の触角の方が良い』とされた『獣耳衆』の頭領は完全に怒ってしまった。 さすがに頭領足る者ちょっとやそっとの挑発には動じないものの、ここまで虚仮にされては憤怒のK点ならぬ沸点を完璧に超えるというものである。 「あれ?何が気に入らなかったんだろう?『獣耳衆』のケモミミと“害虫”の触角との組み合わせは通じるモンがあると思ったんだけどな。 う~ん、これが価値観の相違というヤツか。俺のファッションセンスを一般人が理解する日はまだまだ遠そうだ。残念」 「残念なのはあなたのアタマ!!!つーか、やっぱ“害虫”との組み合わせだったか!!!あなた、よくそれでファッションデザイナーを名乗れるわね!!?」 「だから、“変人”って皆に言われんのかな?今更だけど」 「そりゃそうだ!!」 収まることを知らない怒涛のツッコミをかます霧流は確信する。この“変人”に『獣耳衆』をとやかく言う筋合いは無いと。 『ケモミミが世界共通の万能機に成る素晴らしき時代が到来する』と豪語する黒井の感性とケモミミの代わりにバッタやコギブリの触角を提案する界刺のファッションセンス。 双方共に一般人に受け入れられる日が来ることは無いと。そもそも、共に『価値観の相違』というレベルをとっくの昔に超えている。 「まぁ、しゃーねーか。よしっ。んじゃ、ここは連中のケモミミから逃れるために共同戦線を張るとしようか、寿恩ちゃん?」 「何、休戦してんだゴルアァッ!!?それと、気安く私をちゃん付けで呼ぶな!!!」 「言葉が荒れてんなぁ・・・傭兵まがいのお仕事で完全に“不良”になっちゃったんだねぇ。界刺お兄さんは悲しいよ。しくしく」 「う、うるさい!!!それと、勝手に兄さん面してんじゃないわよ!!!」 「別に実の兄貴面するつもりねぇし。君、見た感じ俺より年下だよね?なら、『体操のお兄さんだよ~』的な兄貴面くらいしてもいいんじゃないかな? さすがの俺も亡くなった兄貴の面を被るつもりは無ぇよ。俺は1人っ子だから、君が抱く兄貴への想いなんてのを本当の意味で理解することはできねぇし」 「そ、それは・・・」 「そんな俺でもわかる・・・気がするだけかもしれないけど。寿恩ちゃんは兄貴のことを・・・本当に愛してたんだな」 「・・・・・・当然じゃない(ボソッ)」 「・・・んふっ。それに“今日の敵は今日の友”って言うじゃないか。常識を知らないね、寿恩ちゃんは」 「それを言うなら“昨日の敵は今日の友”だ!!!異常なファッションセンスといい、常識から掛け離れているのはあなたでしょ!!!」 それなのに・・・自身とは価値観が全く合わない筈のこの“変人”は、それ故になのかはわからないが自分の心へズカズカと無遠慮に踏み込んで来ている気がする。 いや、違う。他の誰でも無い、霧流寿恩自身が踏み込ませてしまっている。“変人”らしいわけのわからない御託を並べられて自分が混乱してるせいだろうか。 「(あれ?このやり取りって・・・)」 何時・・・何時のことだったろうか・・・こんなやり取りを誰かとしたような気がして仕方が無い。故に、銀髪の少女は束の間だけ記憶の海へ飛び込み・・・ 『兄さん。あんまり悪いことばっかりやってると、何時か大事になっちゃうよ?』 『うるせぇな~。レベルの高い奴等からどれだけ上手くカツアゲできるかを競い合うってのが俺のようなスキルアウトの常識なんだよ。わかったか、寿恩?』 『そんな非常識、別に全然褒められることじゃ無いよね~。チンピラみたいな兄さんって・・・カッコワル♪』 『うるせぇ~。このっ!』 『アハハ!痛い痛い~』 今となっては遠き日の出来事・・・カツアゲの仕方で一々誇っていた頃の“不良”な兄と妹のやり取りが現在の“不良”界刺とのやり取りと重なり・・・ 『何て・・・何て馬鹿なことをやってるのよ・・・!!!そんなことしたらヤバいことになるってわかってたでしょうが!!!!この馬鹿兄貴!!!!!』 兄が犯して来た数々の罪を、当の兄が犯そうとした犯行―凶器を伴った強姦未遂―の末に逆襲された挙句殺されたことで知った過去の妹の哀しき慟哭が、 現在の―因縁とは『関係無い』人間を襲う・・・すなわち兄と同じ立場に立つ妹―霧流の鼓膜を震わせた気がした。 「(私・・・私ったら、何で兄さんと“変人”を重ねてるの!!?何で、あの時の言葉が私を『襲う』の!!?わけわかん・・・)」 「(ジ~)」 「何よ?」 「『壊れた私に常識を期待する方がおかしいわよ』って言ってた君が常識を語るんだなぁって思っただけ」 「ッッ!!!な、何を言ってるのかしら!?私は壊れてるの!!壊れてるんだから常識を期待するなんてちゃんちゃらおかし・・・」 「なら、君も非常識なあの連中と同類?ほら、見てみなよ。大の男がケモミミや尻尾をピコピコフリフリさせてる様子をさ」 「許さん!許さん!!許さん!!!あの男だけはこの手でネコミミを装着させなければ俺の気が済まん!!!(ピコピコ)」 「教祖様!!落ち着いてワン!!あんな“変人”の言葉なんか無視すればいいワン!!!(フリフリ)」 「そりゃ無ぇぜ、錬児!!今回は俺だって言ってんだろ!!!(フワフワ)」 「・・・・・・(プイ!)」 「全力で目を逸らしてんじゃ無ぇよ」 本当はちゃんとした常識を持つ―現在は無視しているだけ―霧流は、非常識を謳いながらも『獣耳衆』と同類にされることだけは頑なに拒否する。 同じ非常識でもあの連中と同類とだけは見做されたく無い。大の男か尻尾を振ったりケモミミを揺らしたりする様は奇妙を通り越して気味が悪いのだ。 「こうなれば、湧き上がる憤怒を怒りの咆哮として見舞ってくれる!!!奴等の能力行使を阻害するためにもな!!!」 ちょ、ちょっと錬児!!ここでやったら、警備員達に勘付かれる可能性が・・・ 「ネコミミを侮辱した者は何人たりとも許さん!!!例え警備員達に勘付かれたとしても、その前にあの“変人”へケモミミを装着してしまえばいいのだ!! 今の奴なら俺の怒りの咆哮は“防げない”からな!!『身体強化』で即刻ケリを着けてやる!!美兎!!今回は早い者勝ちでいいな!!?」 「・・・へっ。ようは、何時も通りってヤツだな!!上等!!」 「教祖様お得意の・・・これはヤバいワン!!」 他方、ネコミミを侮辱された怒りが収まらない黒井は、貴常の忠告を無視した上で標的足る“変人”へ有効な攻撃を仕掛けるべく大きく息を吸う。 頭領の傍に居る宇佐美と独楽田は黒井が『身体強化』によって初めて実現し得る先制攻撃が放たれることを察知し、『耳を栓で塞いだ』。 「(耳を塞いだってことは・・・!!!)」 「(まさか!!!)」 数瞬遅れて『獣耳衆』それぞれの行動の意味を今まで培って来た戦闘経験から悟った碧髪の少年と銀髪の少女だったが、遅れた以上先手を打ったのはやはり頭領足る黒井の方。 両手を口に添えた上で『身体強化』によって己が心肺機能を高めに高めた状態で放つ咆哮という名の呼気が、宣戦布告として吐き出された。 「――――――――!!!!!!!」 ある『客人』が信望する“神”へこう尋ねた。 「向こうの方から、何やらけたたましい音が聞こえますわ!!」 ある『客人』は、確信をもってこう応える。 「・・・俺の勘が言っている!!あそこに界刺が居ると!!行くぞ!!!」 ある『客人』は小柄な体型とは裏腹と言っていい男勝りな性格そのままな大声を張り上げる。 「おおお!!!界刺よ、待ってろよおおおおぉぉぉ!!!!!」 ある『客人』は日除けにもなっている傘を握り締めながら溜息を吐く。 「はぁ・・・アイツの勘は当てになんのかねぇ」 ある『客人』は遥か遠き未来を見ているかのような視線を己の拳へ向ける。 「さて、界刺得世とやらは私達に共通する『真の目的』を忘却しているのかしていないのか・・・確かめねばなるまい!!」 刺客(?)という名の『客人』達は騒々しく、しかしざわつき始めた心を何とか宥めながら時が満ちるのを待たずに疾走する。 「(音響攻、撃・・・くそっ!左腕が使えりゃ!!)」 黒井の咆哮を受けて苦痛に苛まれる界刺は【叛乱】にて重傷を負った左腕を見やりながら歯噛みする。 片腕を使えない以上、音響系攻撃を防ぐことはできない。わかっていたことだが、いざ直面するとどうしても歯噛みする気持ちを抑えられない。 付近に居る霧流はどうにか手で耳を塞ぐことに成功したようだが、あれだけの大音量を完全に防げたかどうかは定かでは無い 「とうっ!!!」 先手を打たれた標的の動きが鈍っているチャンスを逃すまいと黒井は3階建ての建物の屋上から飛び降りる。 常人なら自殺とも捉えられかねない“黒猫”の行動だが、肉体強化系能力を有する彼にとっては至って普通の行動である。 ドォン!!! 着地と同時に発生する轟音。僅か陥没した地面。獲物をこの手で狩らんとする獰猛な瞳。全てが、標的に危機感を募らせるに足る代物。 界刺と霧流は眼前で起きた一連の流れから、『獣耳衆』の頭領が肉体系能力者であると推測した。 「“変人”!!覚悟!!!」 “黒猫”の手にはネコミミカチューシャが握られている。肉体強化系能力をフル活用し、速攻で界刺へネコミミを装着させるつもりなのは明白。 だが、界刺を標的に強襲を仕掛けたのは『獣耳衆』だけでは無い。むしろ、先客である銀髪の少女は黒井の行動そのものに腹立たしさを覚えた。 「邪魔すんじゃ無いわよ!!」 「ぬっ!!?」 今まさに特攻を仕掛けようとしていた黒井の皮膚や服の表面に多量の水粒が発生し、次いで氷漬けにすることで身動きを封じる。 水分子限定で三態変化を自在に操る霧流は、黒井に後れを取るなと言わんばかりに飛び降りて来るウサギミミ―及びウサギミミの後背にしがみ付くイヌミミ―達へ視線を向ける。 パキン!!! 「しゃらくさいわ、銀髪!!!」 「なっ!!?」 油断。“黒猫”の咆哮による演算の乱れが少々あったため、動きを封じた黒井より飛び降りて来た宇佐美と独楽田へ集中したため、何より『身体強化』行使中における“黒猫”の実力を霧流は見誤った。 体に纏わり付く氷を力尽くで粉砕し、今度こそ標的へ特攻を仕掛ける黒井。ロスした時間は数秒のみ。だが、この数秒が“変人”にとって救いとなる。 「(猫にはマタタビ、『獣耳衆』にはケモミミってな!!)」 「うおっ!!良いネコミミ!!!」 何とか持ち直した『光学装飾』によって自分から離れた位置にネコミミの幻影を生み出し、黒井の気をそちらへ逸らした界刺は逃走に掛かる。 ネコミミ大好き、ネコミミグッズマニアでもある黒井だからこそ引っ掛かった罠。その姿はマタタビにじゃれ付く猫そのものである。 「教祖様!!お気を確かに・・・」 「よしっ!!錬児がモタついてる間に、俺が“変人”の頭にウサミミを!!」 「えええぇぇっ!!?こういう時は仲間を助けに行くのが普通じゃないかワン!?」 「早い者勝ちって吠えたのは錬児だぜ!?そんじゃ、あの銀髪はお前が何とかしろよ!?じゃぁな!!」 ネコミミ派閥長が敵の罠に引っ掛かっているのをこれ幸いとし、ウサミミ派閥長宇佐美美兎は霧流の相手を独楽田に任せ“変人”の後を追い掛ける。 『獣耳衆』のテロ()活動において、どのケモミミを一番多く装着させられるかというのを競い合うことが多い。それが、各派閥のステータスにもなるからだ。 この競い合いで『数の多さ』と同じくらい競われるのが『早さ』である。特に、標的が限定される場合はいの一番に装着させた派閥が賞賛を集めるのだ。 「ま、待ちなさ・・・」 「ワ、ワン!!お前の相手は俺だワン!!」 「逃げられた・・・か。・・・あなた、氷漬けになりたい?それとも水流の圧で潰されたい?」 「(ど、どっちも嫌だああああぁぁぁっっ!!!)」 宇佐美の行く手を阻もうとした霧流だったが、独楽田の声に気が散ったのと『脚力強化』を発動した宇佐美の猛スピードに虚を突かれたために取り逃がしてしまった。 一応水蒸気によって後を追えるが、その前に自分の行動を邪魔し、今後も邪魔するであろう犬っころを何とかしなければならない。 敵では無い者には容赦もする霧流だが、敵となる者に対しては容赦をする必要は無い。 「はぁ・・・。だったら、大人しく小屋に戻ってなさい。私はあなたと無駄口を叩いている時間さえ惜しいの」 「(この女は俺以上の水流操作系。まともに戦ったら勝ち目は薄い。なら、俺が採るべき選択肢は1つ!!)」 とは言え、どう見ても自分にビビっている独楽田を眺めていると今ひとつ戦闘意欲が削がれてしまうのも正直な所である。 もしさっさと引き下がってくれるなら、こちらとしても無駄な戦闘を避けられる。そもそも、自分の標的はあの“変人なのだ。 故に、霧流は脅しに見せかけた降参をイヌミミ派閥長に突きつけたのだが・・・ 「お、お前にはイヌミミが似合ってると思うワン!!お前なら、すぐにでもイヌミミ派閥のNo.2になれるワン!!」 「私はイヌミミなんかに興味を抱かない・・・」 「だ、だったら教祖様のようなネコミミは!?女の子にネコミミは萌えポイントが高いワン!!いや、どんなケモミミでも萌えポイントがあるワン!!」 「ネコミミにも興味無いし・・・」 「じゃ、じゃあキツネミミは・・・」 「キツネミミ?何それ?そんなのがあるの?でも、どうでもいいというか・・・」 独楽田の必死の勧誘作戦によってどんどん変な方向へ話がズレて行く。戦闘になれば独楽田が不利になる可能性はすこぶる高い。 なら、戦闘以外の手段で目の前の銀髪少女を足止めする。界刺の話にツッコミを入れまくっていた霧流の姿を見て思い付いた作戦でもあるのだが、滑り出しは中々に好調のようだ。 こまださん。ゾウミミもお願いしますね~ 「こ、こうなったらゾウミミを試してみるというのはどうだワン!!?アフリカ象にアジア象、何でもいいワンよ!?」 「ゾウミミ!?ゾウミミに萌えなんてあるの!?」 「そりゃある・・・・・・・のかワン?」 「勧誘してる人間が疑問を持つな!!」 「常識という壁を打ち壊して新たな世界の扉を開いてみるワン!!」 「嫌よ、そんな非常識な世界!!!」 実は、足止めのための場当たり的作戦では無く今回の勧誘で霧流にもケモミミの素晴らしさに目覚めて欲しいと心底願っているイヌミミ派閥長は懸命に勧誘を続ける。 『ケモミミが世界共通の万能機に成る素晴らしき時代が到来する』と豪語した頭領の言葉を彼は本気で信じている故に・・・なのだが、 そんな彼でも未だに屋布が推すゾウミミの萌えポイントが理解できないあたりまだまだケモミミ愛が足りていないようである。 「ハァ、ハァ」 影に覆われている路地を駆ける碧髪の少年は、荒々しい呼吸を繰り返しながら自身の置かれた状況の整理に努める。 「(さっきから、上空や水道管の上なんかに動物が群がってやがる!!しかも、首下にはカメラや発信機のようなモンが付いてんな!!動物へ作用する能力を持つ奴が居るのか!?)」 置かれた状況とは、上空や建物の屋上に集まるカラスの群れや水道管や屋根の上に群がる猫による“監視”。 小動物に分類される生物達が、首下に小型カメラやレーダー発信機らしき機材を身に付けながら界刺の進む先に何匹も屯っているのだ。 「(カメラに関しては『光学装飾』でどうとでもできるが、レーダー発信機はどうにもなんなぇな。チッ・・・ ダークナイト がありゃ何とかできるのによ!!)」 『光学装飾』が及ばない領域である電波レーダーに対する要でもあった ダークナイト の破損が、この状況下で界刺を苦しめる。 殺人鬼との戦いに生き残るために仕方無かったとはいえ、 ダークナイト が手元に無いために起こる不利は確かに存在する。それが今の状況だ。 「(まぁ、走るしか移動手段が無い俺がここで動物を避けて動くのは愚策だよな。敵さんの戦略は、逃げ道をわざと残した上で俺をそこへ誘導するって所だろ。 ご丁寧に、警備員の警戒区域から離れてる路地程動物が少ない。わかりやす過ぎるだろ。んふっ)」 えへへ~。“変人”さんってかしひまさんを思い出す行動をするんですよねぇ。だったら、普通の追い込みは見破られる可能性が高い。なので、“わざと”わかりやすい配置を採ります 『シンボル』の策士と『獣耳衆』の策士の読み合いが熾烈さを増す。共通するのは、かの『軍隊蟻』の“指揮官” 樫閑恋嬢の存在。 彼女の影響を受けた者同士である界刺と屋布。互いに高度な先読み能力を有する者達の勝敗を分けるのは・・・ 「(『獣耳衆』って噂通り変わった連中の集まりだな。しかも、脳筋が多いって印象。能力そのものはヤバそうだが、あのトップからして頭脳戦には根本的に向いて無ぇ)」 くろいさんの行動で、図らずもあの“変人”には僕達が頭脳戦には向いていないという先入観を与えられていると思います 植え付けられた“先入観”と・・・ 「(いざとなりゃ光で動物は蹴散らせる。寿恩ちゃんのことは気掛かりだけど、ここは追っ手が来る前に一旦退散・・・)」 “変人”はきじょうさんの『頭脳強化』によって知能を向上させた監視係の動物達を能力で何時でも追い払えると考えている筈。 追い払わないのは動物達をできるなら傷付けたくないから。そして、追い払っても追い払わなくても場所が知られるから。 つまり、“変人”が不利な状況は全く変わっていない。それなら、こちらの有利を活かしつつ肉体強化系能力を持つ2人の連携で仕留められる。ですので・・・ 有する“戦力”の活かし方である。 くろいさん。うさみさん。短期決戦です。恨みっこ無しでお願いします 「「おおよ!!!」」 「ッッ!!!」 屋布の号令を受けた黒井と宇佐美が全速力で特攻する。『身体強化』によって人間を超越した身体能力を得た黒井と『脚力強化』と四足走法を組み合わせた宇佐美は、 共に時速200km近い速度を叩き出しながらビルからビルへと飛び移る。界刺と霧流の間に割って入ったあの時も彼等はビルからビルへの移動によって、 複雑に入り組む路地を進まないという大幅なショートカットを実現していた。 錬児。宇佐美。今から電波レーダーによる索敵情報を仮面へ送るわ。光学映像じゃ無いから戸惑うかもしれないけど、何とか適応しなさい 副頭領からの合図と共に、2人の仮面にある『目』の部分にシャッターのようなモノが降りる。これによって黒井と宇佐美は外からの映像を取得することができなくなったものの、 即座に映った電波レーダー映像によって周囲の状況を確認する。光学系能力を有する“変人”への対策を怠らない『獣耳衆』は、趣味趣向はさておいて決して馬鹿な集団では無い。 「錬児!!行くぞ!!」 「あぁ!!」 “変人”を眼下に捉え、黒井と宇佐美が声を揃える。制止を振り切って咆哮を放った挙句ネコミミの幻影に引っ掛かった黒井は貴常に、 速攻でケリを着けようとした宇佐美は屋布にそれぞれ指示を受けていた。近くに警備員がウロついている以上迅速且つ確実な狩りが通常以上に求められる今回の活動において、 認められる独断の限界を超えたと判断した後方支援組の指示に渋々納得した2人は、せめて活動の成功でもって自分達の力を示そうと躍起になっている。 「(なんつー速度!!!しかも、あの高さから飛び降りても平気なのかよ!!!)」 他方、上空から飛び降りて来た黒井と宇佐美を認識した界刺は2人の仮面の『目』が光を遮っていることを見抜き、屯っている動物と合わせて刺客達に光学偽装が通じないことを悟る。 何処まで肉体強化が及ぶか未だに判明していない故に、“通常”の赤外線加熱が黒井達に通じる保障も無い。 「(【雪華紋様】と【千花紋様】は対人相手には『使わねぇ』!!どうする!?)」 残る目ぼしい手段はレーザー能力である【雪華紋様】と赤外線加熱炉化能力である【千花紋様】だが、有する性質的に対人相手にはまず使わない。 使うとしたら『本気』の時だけ。あの殺人鬼を相手にしたように、『殺す』気で戦闘する時でしか使用しない。 そんな碧髪の少年の逡巡を、しかしケモミミの刺客達は全く気にせず唯々“変人”の頭にケモミミカチューシャを装着させることしか頭に無い。 「(どうす・・・・・・寿恩ちゃん!!?)」 錬児!!宇佐美!!独楽田から緊急連絡!!あの銀髪が物凄い速度でそっちへ・・・ 「あのしゃらくさい銀髪が!!?」 「あれは・・・水の竜巻!!?」 対抗策を考えていた界刺は『光学装飾』で、降下中の黒井達はケモミミから聞こえる副頭領の声でそれぞれ認識する。 カラスや猫が一目散に退避していく中を行進する水の竜巻が、猛烈な速度でもって“変人”と『獣耳衆』の戦場へ迷い無く突入した。 「失せろ!!!」 「教祖様!!!」 竜巻の半分が水の槍として降下して来る黒井と宇佐美目掛けて放たれる。全身を強化できる黒井はともかく、宇佐美は下半身限定の肉体強化系能力者である。 上半身を狙われれば一溜まりも無い。降下中故に身動きの取れない2人・・・彼等を救ったのは霧流と同じく水流を操作して移動して来た独楽田の『水流操作』。 能力的に劣るとは言え、自分なりに必死に磨いて来たイヌミミ派閥長が狙うのは唯1点。水槍の突貫速度の減少のみである。 「「ハアアアァァァッッ!!!」」 独楽田の干渉によって速度の落ちた水槍を黒井は拳で、宇佐美は脚でもって迎え撃つ。全力を出せば戦車砲並みのパンチを放てる黒井と、 著しく肥大化した筋肉を纏う脚から繰り出される蹴りが次々に水槍を破壊して行く。更に状態変化による冷凍化にも備える2人だったが、銀髪の少女は水槍以外を仕向けて来ない。 「ここで・・・くたばれ、“変人”!!!」 「寿恩ちゃん!!?」 仕向ける先は標的足る界刺。竜巻の残り半分を巨大な氷塊とし、碧髪の少年を押し潰しに掛かる霧流。 限界操作範囲ギリギリだった最初とは違い、この距離なら“変人”の加熱攻撃を受けても固体状態を保って見せる自信を抱く銀髪の少女。 「(これ、で・・・いいんだ!!これが『今』の私なんだから!!)」 竜巻と共に移動して来たせいか顔に幾粒の水滴が付着している霧流。その姿が、まるで泣いているかのように界刺には見えた。 しかし、銀髪の少女は止まらない。過去から『襲って来る』声も、抱く罪悪感も押し殺して・・・霧流寿恩は遂に巨大な氷塊を標的へ向けて放ち、界刺得世は迫る氷塊に圧殺され・・・ 「すっごい炎壁扇風 ファイア・ブラスト !!!!!」 ることは無かった。何故なら、変な掛け声と共に飛来した3000度にも上る超高温の炎の壁が氷塊を瞬く間に溶かしたからだ。 「ッッ!!!ここはマズい!!!」 炎の壁から放たれる輻射熱は『光学装飾』によって防げるものの、炎によって熱された空気そのものは防げない界刺はすぐさまその場から離れた。 殺しに掛かった霧流も降下した黒井達『獣耳衆』も事態の変化に付いていけていない現状を利用し、何とか距離を取ろうと足がもつれながらも動く碧髪の少年の視線の先には・・・ 「あれが、かの『シンボル』のリーダーですか?随分と服装が乱れているようで・・・髪も同様に。フフッ、全くもって美しく無い。僕の方が断然美形でイケメンだよ」 「能面被ってちゃ美形もイケメンもさっぱりわかんないと思うんだけど。あぁ、暑い暑い。早く工場(ラボ)へ帰って『実は日本刀になるスマホ』の開発を・・・」 「目の前の光景を見て美形だの開発だのを口から漏らせるお前等の胆力ってやっぱすげぇな」 能面を被った少年―苑辺肇(そのべ はじめ)―へ花がらのワンピースに、軍手と安全靴を身に付けた少女―鉄こころ(くろがね―)―が至極当然のツッコミを入れ、 2人の間に挟まれた古株らしく新入りと比較的新入りが織り成す会話に常識人らしい感想を述べる仲場が・・・ 「ゲコ太様!!ワタクシ達の仲間へ危害を加えようとしているあの者達へ、ミンチにしてやんよ!!的な手法を取っても構いませんでしょうか!!?」 「落ち着くでござる、ピョン子!!とりあえずは、界刺殿から事情を・・・」 「おおお!!ピョン子!!やるならアタシも手伝うぜ!!喰らえ、エアロマシ・・・」 「落ち着けって、山蕗!!(や、山蕗に触っちまったー!!うおおおおぉぉっっ!!!)」 ピョン子のマスクを被っている以外は、どうしてか【叛乱】を経て“ヒーロー”になったあの風紀委員を思い出す格好をしている少女(?)―ピョン子マスク―を、 古株でありゲコ太のマスクを被るゲコ太マスクが羽交い絞めによってどうにかこうにか取り押さえ、 少しチャラチャラした雰囲気を醸し出しているのにも関わらず男勝りな性格よろしく果敢にも敵へ向かおうとした少女―山蕗撫子(やまぶき なでしこ)―を、 毛先を白に染めている程度の黒髪にサングラスやマスクを顔へ装着する少年―綿杜篭則(わたもり このり)―が同じく羽交い絞めにして取り押さえる姿が・・・ 「この混沌(カオス)な事態・・・フッ、これは私の正義(ジャスティス)の出番だな。共に行こう、扇堂。正義フォーム発動!!」 「寄ってたかって界刺氏を苛めるとは・・・何たる悪辣!!控えろ、控えろー!この紋所が目に入らぬかー!」 虹色に染め上げられたキノコヘアーと、銀色のラメが散りばめられたジャージが特徴的な少年―未来守護者(タイムキーパー)―が髪と同じ色のサングラスをキラリと輝かせ、 燃え上がる炎のような色が際立つくりんくりんのドリルツインテ少女―扇堂焔(せんどう ほむら)―が某時代劇ドラマにほぼ毎回出て来るあの紋所を見せ付ける姿が・・・ 「そこな銀髪少女よ!!界刺にどんな恨み辛みがあるのかは知らんが、奴の仲間としてこれ以上の狼藉は許せんな!!!後ろの者共!!!お前達もだ!!!」 「・・・・・・・・・な、仲間?ま、まさか『シンボル』!?い、いや。『シンボル』はこんな大所帯じゃ無かった筈。あなた達は一体・・・!!?」 「きょ、教祖様!!」 「錬児!!話が違うじゃねぇかよ!!」 「・・・野宮?」 私だって、あの“変人”にこんな仲間が居るなんて初めて知ったわ!というか、逆咲!!報告遅い!! だって、警備員中心に観察してましたしぃー!!それに、あの銀髪の接近やなんやで私の報告を後回しにしたのって・・・ えへへ~。これは予想外の展開だなぁ・・・・・・本当に そして、絶賛混乱中の霧流及び『獣耳衆』の視線を一身に集める長身の男の姿があった。界刺もよく知る黒いコートに包まれし少年・・・啄鴉は霧流の疑問に応えるべく、 腰に差していた剣(模造品)を抜き放ち、遂に仲間が全員揃った高揚感も相俟って自分達を称するあの名前を声高に宣言する。 「その瞳に確と映せ!!その耳に強く刻め!!俺達は風紀委員や警備員の目の届かない所で虐げられている者達を救う12人の正義の勇者達・・・ 【叛乱】を契機とし、弱者を救い悪を刈り取る我が“剣”が放つ暗黒闘気(オーラ)の下に集った歴戦の強者達・・・その名も十二人委員会だ!!!ハーハッハッハ!!!!!」 銀髪の少女達―この中には十二人委員会の一員である界刺も含まれる―が目を白黒させている中、十二人委員会のリーダーが放つ高笑いは留まることを知らない。 穏健派救済委員の中で啄鴉を中心として結成した非公認グループ・・・刺客(?)足る十二人委員会の標的は・・・・・・ 【『ブラックウィザード』の叛乱】にて啄達と共に戦った『シンボル』のリーダー界刺得世の首・・・では無く、『【叛乱】を切欠に十二人委員会のメンバーが遂に出揃ったと界刺得世に教えて驚愕させること』。 【叛乱】が齎した余りにも意外な展開、予想だにしなかった『客人』の襲撃に啄へ問いを投げ掛けた霧流は相次ぐ妨害によって混乱する頭を抱えながら心中で盛大に叫んだ。 「(何か、面倒臭そうな連中キタアアアアアアアァァァァァァッッッ!!!!!)」 continue…?
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【種族】月人 【強さ位置】最強グループ1 【設定】 ―― 依姫はパワーアップ版主人公キャラという感じでした。 ZUN 彼女はチートキャラですからね。あれは科学力ではなくて純粋に彼女の能力なんです。 降ろす神が強い分だけ強くなれる。強すぎて漫画じゃないと出せませんね。ゲームは どんなボスでも倒せなきゃいけませんから。ゲームだからこそのキャラクターの制限ですね。 (『東方求聞口授』、182頁、「おまけインタビュー 本書で不遇なキャラの話をしよう」) 負けず劣らず暢気な綿月姉妹。でも、戦いになるとそれはもう強いんです。 (『東方儚月抄』上巻、176頁、「綿月のスペルカード~Lunatic Blue」、ZUN) 綿月と言えば、千年近くも月の都の警備を任されている由緒正しい家である。元々戦闘に向かない月の兎達を 訓練し、月の都を守ってきた者達だ。 特に妹の綿月依姫は、神々の力をその身に宿し敵に合わせて柔軟に対応できる力を持っている。 基本的には外敵から都を守る事を生業としているが、素行の悪い兎を連れて行き、兵士として教育する事も やっている。兎の殆どが兵士になる事を嫌がっており、兎達にとって綿月の屋敷はさながら再教育の場といった イメージであった。 (『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、地の文) 非常に頭が切れ、私の言う事を何でも吸収していった。 (『東方儚月抄』(小説版)、第一話「賢者の追憶」、八意 永琳) 月の使者と呼ばれ、月を守り、地上を見張る防衛隊。綿月姉妹はそのリーダーであった。 私は依姫様の元で戦闘の仕方から、作法、常識など様々な事柄を学んだ。 妹の依姫様は私以外の兎の稽古も付けている。と言っても、兎の人数は十にも満たない位の少人数である。 みんな実戦の経験が浅く、強さを見ても私と大差ないと思う。 実際に戦う事は殆ど無いのだが、依姫様の稽古は厳しく、怠けていたりするときついお仕置きが待っている。 (『東方儚月抄』(小説版)、第六話「愚者の封書」、レイセン) 綿月依姫の役職である「月の使者」とは、月の都を守る防衛隊を指す。 現在は綿月姉妹と数人の玉兎で構成されているが、戦闘に関しては玉兎はあまり期待されていない。 実質的に綿月姉妹の二人で月の都の外敵に対処している。 綿月姉妹の任期中に月へ襲来した外敵 ①八雲 紫と妖怪軍団(第一次月面戦争) 千年以上昔の逸話である。実と虚の境界を弄り、湖に映った月に飛び込み月に攻め入った事があるという。増長した妖怪を集めて行ったが、月の近代兵器の前にあえなく惨敗する。 (『東方求聞史紀』、49頁、「八雲 紫」の項、稗田 阿求) 昔に妖怪を引き連れて乗り込んできた事もありました。勿論、みんなコテンパンにしましたけどね (『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、綿月 豊姫) 驚く事にレミリアは負けた事に対して特に悔しいとも思っていないようだ。最初から勝てると思っていなかったのかも知れない。何せ、紫が妖怪を総動員しても全く勝ち目がなかった事を知っていたのだから。 (『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、地の文) ②外の世界の人間(アポロ計画) その昔、人間は月面に旗を立てて、月を自分達人間の物だと言った時代があった。人間は自分の科学力を盲信していて、月ですら自分のものだと思ったのだろう。 しかし、蓋を開けてみると月の都の科学力とは雲泥の差であった。月面に基地を作ると豪語していた人間も、基地どころか建造物を造る段階まで至らずに逃げ帰ってきたのだ。人間の惨敗だった。 外の世界では、月面着陸は大成功の様に報道されているが、惨敗だった時は報道されていない。最初の月面到達以来人間は負け続きだったのでそれ以降月面には行っていない事になっている。本当は、何度も月に行っては月面基地開発に失敗している事を、月と通じている私達は知っていた。 (『東方儚月抄』(小説版)、第一話「賢者の追憶」、八意 永琳) ③地上からの侵略者(第二次月面戦争) 「……月に辿り着いたら後悔するでしょうね。あの吸血鬼達」 「……ま、何の対策を取らなくても最初から戦力差は絶対だったと思うけどね。依姫とあの吸血鬼&三馬鹿トリオじゃ」 三馬鹿トリオ? あの巫女と魔法使いとメイドの顔を思い出して吹き出しそうになった。確かに脳天気そうだ。 (『東方儚月抄』(小説版)、第四話「不尽の火」、八意 永琳と蓬莱山 輝夜) 幽々子がお酒を盗み出した理由はただ一つ。月の民に喧嘩を売らずに、一度は惨敗した綿月姉妹に復讐をする為であった。千年以上も昔に月に攻め入って惨敗したのは紫なのだが、紫はそれ以降目を付けられていて目立ちすぎてしまう。だから、吸血鬼の襲撃を囮と見せかけて、更に紫自らが囮となる二十囮作戦に出たのだ。紫さえ地上に封じてしまえば、月と地上を行き来出来る力を持つ者は居ない。これ以上に綿月姉妹を油断させる方法は無いだろう。 しかしながらお酒を盗む事、それが、紫が考えた第二次月面戦争の正体なのだろうか? (中略) 月の都で千年以上もかけて熟成した超超古酒である。そう、永琳が月の都に居た頃から寝かせていたお酒なのだ。 「こ、このお酒は……?」永琳は明らかに動揺した。考えのない余裕を見せた瞬間、つまり弱点を狙われてしまったからだ。永琳がこのお酒の味を忘れる事はない。穢れの多い地上では味が変わってしまい作り出せない純粋さ、そして何年も寝かせたであろう奥深さ。 「貴方も故郷を離れて千何百年か。そろそろ望郷の念に駆られる頃だろうと思いまして、月の都をイメージしたお酒の席を用意致しました」 紫はにやりと笑った。その笑顔は永琳の心の奥深くに刻まれ、忘れる事の出来ない不気味さをもたらした。死ぬ事のない者へ与える、生きる事を意味する悩み。正体の判らない者への恐怖。 それが八雲紫の考えた第二次月面戦争の正体だった。 (『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、地の文) 八雲 藍「ぎゃふんと言わせるための宝物が お酒」 八雲 紫「敵が取り返しに来ない物を盗んだほうがいいのよ どうせ飲んでしまうだろうし あの綿月姉妹が悔しがっている姿が想像できて愉快だわ」 (『東方儚月抄』底巻、168頁、八雲 藍と八雲 紫) 依姫 豊姫「ぎゃふん」 (『東方儚月抄』底巻、176頁、綿月 依姫と綿月 豊姫) 【能力概要】 八百万の神を降ろす。本人の台詞からすると、「数が非常に多いこと」ではなく「文字通り8000000」らしい。 依姫「私には八百万の技がある。一人頭二つしか使っていないんだから あと399万回連戦しても勝てる計算」 現実世界で祭られている神と全く同じ名前で描写された神は、役割や能力も同様になっている。 ここでは実際に依姫が降ろした神と、日本神話等におけるその神について、簡単な紹介を記す。 ①祇園様 女神を閉じ込める祇園様の力。 ただ周りに剣が生えているようにしか見えないが、動けば祇園様の怒りに触れる。依姫の剣を地面に刺すと発動し、剣を抜くと解除される。劇中では2度発動された。 1度目は霊夢・魔理沙を拘束したが咲夜が刀を抜いた事で解除、 2度目は霊夢・魔理沙・咲夜・レミリアを拘束し、魔理沙に降参を宣言させた。 (魔理沙以外の3人は何も言わなかったが、その後のスペルカード戦への移行には同意した) 祇園様とは、神道においてスサノオの事を指す。天照大御神、月読命と並ぶ三貴神の一柱で非常に粗暴な性格を持つ神。 ヤマタノオロチ討伐も行っている。 ②愛宕様 すべてを焼き尽くす神の火。 愛宕様の火とは愛宕信仰の祭神である火之迦具土神の火。 火之迦具土神とはその身の熱さから、日本列島や神々の創造神イザナミに火傷を負わせ、殺してしまった神である。 十六夜 咲夜に羽交い絞めにされた時に使用。両腕をこれに変化させた。(十六夜 咲夜自体は火に触れる前に離脱) 描写としては、 P137,138→腕を完全に炎化 P139,140→炎を纏ったまま腕を元に戻す P141→全身を炎で包む となっている。本人はこの炎について 依姫「地上には これほど熱い火はほとんどない」 と述べている。 ③火雷神&七柱の兄弟 火雷神(ホノイカヅチノカミ)とは雷電神社に祀られている神。雷神である。 依姫が片手を挙げただけで豪雨が巻き起こり、後に雷が襲う。 その雷と次項の金山彦命による再構成ナイフとの同時攻撃で十六夜 咲夜の退路を断ち、降参させた。 咲夜が時を止める瞬間に合わせて放っているため、発動は非常に速いと言える。 ちなみに、雷神は鬼と同じくらい大きな声が出せるらしい(『ダブルスポイラー』) ④金山彦命 依姫が火雷神&七柱の兄弟と同時に降ろした神。 金属である銀のナイフを分解し砂に変え、さらにその砂をナイフに再構成させて見せた。 依姫「金山彦命よ 私の周りを飛ぶうるさい蠅を砂に返せ! そして 持ち主の元へ返しなさい」 金山彦命とはその名の通り金山(鉱山)を司る神で、鉱業、鍛冶など、金属に関する技工を守護する神とされている。 全国の金山神社で祀られている。 ⑤天津甕星 真の星の輝き。詳細不明。 天津甕星とは天香香背男命とも呼ばれる神。 日本三大軍神のうちの二柱、建御雷神と経津主神をもってしても敵わなかったという星の神である。 『東方Project』では、天津甕星が天照大御神に勝つと、その年は妖怪の年になり夜の時代が始まると言われている(『東方三月精』)。 レミリア達にとって金星=明星=ルシファーであり、 霊夢にとっては明星=天津甕星(天香香背男命)である。 そのため天津甕星=ルシファーと見る場合も多いが、こちらについては明言がない。 天照大御神も天津甕星も降ろしている事から、依姫の神の使役は非常に高い強制力を持つという説もある。 ⑥石凝姥命 三種の神器の一つ、八咫の鏡を持つ。 石凝姥命とは日本神話において三種の神器の一つである八咫鏡を作った神。 三種の神器は『東方Project』の世界においても非常に強力な道具で、もう一つの三種の神器『草薙の剣』は森近霖之助の能力 によって『世界を変えてしまう程の品』と鑑定されている。 (『東方香霖堂』) 霧雨 魔理沙戦で使用。依姫はダブルスパークが眼前まで迫っている所から、石凝姥命の召喚、八咫の鏡の発動、 攻撃の反射までを行っている。 八咫の鏡によって反射されたダブルスパーク(の片方)は月から地上付近まで到達している。 ⑦天宇受売命 天宇受売命とは日本神話において天照大御神が天岩戸に隠れた際、踊りによって外に誘い出した神。 芸能、技芸全般の神として信仰されている。 天宇受売命を降ろした依姫はうっすらとした光を纏い、弾幕を舞うように避けるようになる。 レミリアには「飛び道具は効かない」と評されている。 次項の天照大御神を降ろすには、先に天宇受売命を降ろす必要があるという見方もある。 ⑧天照大御神 詳細不明。一撃でレミリア・スカーレットを倒した。 天照大御神とは太陽を神格化した神。天津神の中で最高位の神である。 たまに八咫烏を使って月の都と連絡を取る。 (『東方儚月抄』、第三話) ⑨伊豆能売 巫女の神。穢れを祓う。以下使用までの流れ。 霊夢「『大禍津日』」 霊夢「あんたたちの弱点はわかっているわ 穢れなきこの浄土に穢れを持ち込まれるのを極端に嫌う事」 依姫「なんですって? じゃあ さっき投げた物は」 霊夢「大禍津日神がその身に溜め込んだ厄災よ 放っておけば月に寿命をもたらすわ」 霊夢「弾を一つ一つ潰さないと月は地上と変わらなくなる」 霊夢「これであんたは私の弾を避けるわけにはいかないでしょ?」 つまり霊夢は(スペルカード戦なので)自分の弾を受けても依姫の負け、自分の弾を避けても依姫の負け、 自分の弾幕を構成する弾の一つ一つを全て斬り潰さなければならない、というルールを依姫に課したのである。 これにより霊夢は依姫とのスペルカード戦を互角にまで持ち込んだ。 この状況に対し、依姫は伊豆能売を使役し穢れを一つ残らず祓い清めた。 依姫「『伊豆能売』よ 私に代わって穢れを祓え!」 霊夢「巫女姿の神!? 誰それ? 聞いたことない神様だわ」 伊豆能売とは、日本神話においても大禍津日の禍を直すために直毘神と共に生み出された神。 しかし、現在では信仰する神社が無くなってしまった、いわゆる「埋没神」である。 作中でもこの神がマイナーな神である事を匂わせている。 厄除けも可能と言う事で信仰も厚くメジャーな神である大禍津日神に打ち勝った事については 「神の力の大きさに関係なく神話伝承で起こった事は必ずまた踏襲される」という説と 「単純に依姫の技量が霊夢の技量を大きく上回っていたから」という説がある。 ■神降ろしについて 降ろした神霊はオリジナルの神と同じ力を持つが、その力をどの程度再現できるかは術者次第である。 ちなみに、魔理沙は霊夢の神降しと依姫の神降しの能力には 魔理沙(霊夢と同じ能力と言ったって 見るからに力の差は歴然だ) と、歴然な差があると評している。また、依姫は神を複数同時に降ろすことも可能であった。 霊夢は自身の神降しについて「神の力を借りても神には敵わない」と言っているが、 神降しをすると秋姉妹などにも勝てなくなるという意味なのか、相手の神そのものを降ろして 戦っても引き分け以上にはならないという意味なのかは不明である。 いずれにせよ依姫は霊夢の事を勉強不足と言っている。 ■神降ろし以外の能力、描写など ①十六夜 咲夜の時間停止から逃れることはできなかった。ただし、時間を止めるタイミングを見切り、能力発動の瞬間に合わせて火雷神&七柱の兄弟を放ち、完全に包囲するという方法で対抗している。 ②霧雨 魔理沙のスターダストレヴァリエを 依姫「等速度の攻撃は加速度系において止まっているに等しい 止まっている弾幕なら誰にでも避けられるでしょう?」(儚月抄) という理論で、「ピタッ」と止めた。さらに、その星弾を食べている。味は甘いらしい。 しかしスターダストレヴァリエは円運動を主体とした攻撃であり、等速度の攻撃とは言えないという矛盾が内包されている。 ③また、魔理沙が 魔理沙「この世に 光の速さより速い物は存在しない どのような加速度を持とうと究極的には直線になるんだよ!」 という台詞のもとに放ったファイナルスパークとダブルスパークを、依姫は斬った。ファイナルには刀を当てて斬り、ダブルの方は縦に「ズバッ」 っと斬っている。曰く 依姫「光を切るのは 水を斬るよりもずっと容易いこと」 このことから「依姫はレーザーを斬ることが出来る」と分かる。なお光を切る描写はこの場面のみである。 ④レミリア・スカーレットの体当たりで尻餅をつく。体当たりによってダメージを受けた様子がないため、月人が持つ「強靭なる生命力」の例と見なされることも多い。 また、レミリアは レミリア「ちっぽけな天体だったから一周してきちゃったよ」 と言っていたが、この後に 依姫「私が攻撃すれば貴方は必ず一撃で負けるでしょう だから貴方の技をすべて見てからでも遅くはない」 という台詞があるため、あえて喰らったのではないか、とも解釈される。 事実この後、体当たりされる前に神を降ろしレミリアを一撃で撃ち落としている。 【各種要素をふまえての強さ議論】 上述した通り、『東方求聞口授』で原作者ZUNが綿月依姫を 「チートキャラ」「強すぎて漫画じゃないと出せませんね。ゲームはどんなボスでも倒せなきゃいけませんから」 と形容している。 「第二次月面戦争」で八雲 紫に翻弄されたり、てゐの落とし穴に落ちて目をまわす等、完全無欠ではないようだが。 依姫のような例外は 綿月 豊姫(ZUNが「綿月のスペルカード~Lunatic Blue」で、依姫と同列に強さを評価しているキャラ) 龍神(外の世界も冥界も天界も地獄も自由に体を移動させ、森羅万象を創造するキャラ) くらいだろう。 (「身長だけでビッグバン宇宙より遥かに大きい」阿弥陀如来のようなキャラも居るが、強弱以前に存在の規模が大きすぎるため、あまり議論で言及されない。) 力では絶対に敵わない月人に知恵で勝つ、というストーリーの『東方儚月抄』において力を象徴する人物。 「全盛期の妖怪軍団」「外の世界の科学文明」を難なく下している上、天津神のうち最高位である天照大御神、それと争うとされる天津甕星、さらにスサノオ(祇園様)といった強大な神々をその身に降ろす。加えて、光を斬る、弾幕を止めるなど、本人も未知の力を持っている。 「相手の行動に合わせて八百万の神の中から最適な神霊を選択、その神を降ろしてその神の能力を使う。」 という流れをノータイムで行える為、臨機応変にあらゆる戦法が取れる。 具体的な強さに直結した設定と描写、妖怪(幻想)と人間(科学)を撃退した実績、他キャラからの評価など根拠が揃っている。
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前ページ次ページSSまとめ 13-170 13-170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/10(月) 06 44 19 ID ORhukNiDO 美空は祈る この世界の平和を 美空は祈る 何気ない日常が続く事を けがれなきこの美しい空に 13-184 13-184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/10(月) 16 23 12 ID pZJckbgY0 10日は絡繰茶々丸の日。茶々丸の半分は子供の夢で出来ています。 千雨 「……なぁ」 茶々丸「はい、何でしょうか」 千雨 「お前って、その、なんだ、ロボなんだよな?」 茶々丸「はい、そうです」 千雨 「じゃあ……ロケットパンチが出せるのか?」 茶々丸「ええ、まぁ出せますが」 千雨 「だ、出せるのか!?」 茶々丸「はい、そういう機能を付けてありますから」 千雨 「な、なら目からビームは」 茶々丸「出せますよ」 千雨 「何!畜生……製作者、分かってやがる」 茶々丸「あの、質問の意図がよく分からないのですが」 千雨 「気にするな。……だったら当然自爆装置が付いてるよな?」 茶々丸「何を根拠に当然なのか分かりませんが……付いてませんよ」 千雨 「じ、自爆装置は付いていないのか!?」 茶々丸「付いていません」 千雨 「……お前の製作者に伝言頼めるか?」 茶々丸「は?構いませんが」 千雨 「『お前は分かってるようで肝心な事を分かってない!』って言っておけ」 茶々丸「……自爆装置が、重要なのですか?」 千雨 「この上なく重要だ」 茶々丸「……理解できません」 13-245 13-245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 07 13 52 ID 43L26Sz0O のどか、雨の日に みんなは雨が嫌いと言う 濡れる、憂鬱 マイナスなイメージばかり 私はそうは思わない 雨は好き 街がしっとりと静かに濡れる 蛙の声、雨音のリズム そんな中で本を読むのが好き そして雨上がりの虹 キラキラ輝く雨の雫 虹を見て背伸びをする 爽やかなかぜが読書疲れの体を優しく包む だから雨が好き 雨が好き 13-249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[刹那] 投稿日:2005/10/11(火) 11 18 21 ID 43L26Sz0O 護りたい 約束だから 護りたい お嬢様ではなくこのちゃんとして 護りたい 愛しているから この夕凪に賭けて ただ一人を護りたい 13-250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[クギミー] 投稿日:2005/10/11(火) 12 16 28 ID 43L26Sz0O がんばれ 頑張って 今日も力いっぱい応援する 桜子、美砂、さぁ行くよ 友情のチアリーディング 終わったらみんなで牛丼食べよ でも、いつか誰か一人を応援したい でも今は精一杯チアしよう みんなを勇気づけるために 13-256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ザジ] 投稿日:2005/10/11(火) 14 30 58 ID 43L26Sz0O 私はピエロ 語る事なく笑わせる 笑顔は見せない、涙も さらに月の夜 私は自分を無くす 考えたくない ずっと一人ぼっち でも今は愛し愛してくれる人がいる きっと二人なら きっと 13-265 13-265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 17 38 53 ID KTHmIKAG0 千雨 悪夢 1/4 暗い・・ ここはどこだ? ここがどこか確認しようと体を動かす、しかしうまく動かせない 縛られている・・のか 足は両足首で、両手は手首を後ろ手にして縛られ寝転がされているらしい 何故こんな事に・・ 記憶を探る 確か帰り道・・後ろから襲われたと思う 何者かに背後から羽交い絞めにされ口を布で覆われた。その布から何か匂いがしたと思う。どんな匂いかは覚えていない その後の記憶は無い、何かの薬品で眠らされたんだろうか 足音が聞こえてきた、どうやらここはなにか部屋のようで、足音は外の廊下から聞こえてくるようだ やがてその足音は大きくなりぴたりと止まる、誰かがこの部屋の前に立ったのだろう 13-266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 17 40 01 ID KTHmIKAG0 2/4 ギギィィ・・・ 扉が開かれた、誰かが立っている。逆光でよく顔が見えない そいつは私に近づいてきた、よく見ると人影は二人だ しばらくしてそいつらは私の私の前に立つ 私は見あげてそいつらの顔を見る ザジだ、もう一人は・・和泉亜子だ 私はその顔を見て驚いたが、同時に安心した 千雨 「よかった!サジ、助けてくれ!どうしてだかわからないが監禁されてるんだ!」 ザジに助けを求める、しかしザジからは何の反応もない 千雨 「おい!どうしたんだザジ!頼むよ!和泉さんあんたでもいい!このロープを何とかしてくれ!」 ザジにだけでなく和泉にも助けを求めた、しかし和泉からも何の反応も無い しばらくして和泉は何かをつぶやく 千雨 「・・?なんだ和泉さん、なんか言ったか?」 亜子 「たゆんたゆん・・」 私は混乱する、たゆんたゆんとはなんだろうか? 13-268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 17 41 15 ID KTHmIKAG0 3/4 私は二人に仰向けにされた 二人に両肩を押さえつけられる 千雨 「なにするんだ!ザジ、やめろ!」 私は抵抗した、しかし二人がかりで押さえつけられてはどうする事も出来ない 亜子 「たゆんたゆん・・」 ザジ 「・・・おっぱい」 そう言って二人は私の上に覆い被さる 私は理解した 「たゆんたゆん」とはおっぱいの事で、「・・・おっぱい」とは私のおっぱいの事を意味する つまりこいつらは私のおっぱいを弄ぶつもりなのだ 千雨 「止めろ、この馬鹿供!おっぱいならお前らにもついているだろう!それを揉めばいいだろう!」 私はじたばたするが、それは二人をさらに興奮させただけだった 指をもみもみするように動かしながら私の胸に近づけてくる そこだけ見ればまるでホラー映画のワンシーンだ 二人の目は明らかにイッている、このためだけに生きている・・そんな感じだ そして二人の指は私の胸に欲望の毒牙を突き立てる 13-269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 17 41 42 ID KTHmIKAG0 4/4 ハッ・・!! 私は現実に引き戻された どうやら授業中に寝てしまい、悪夢を見てしまったようだ 私は額の冷や汗を拭う そうだ、あんな事が現実のはずが無い。何であんな夢を見るかな・・ 最近ストレスがたまってきているのだろうか? 今日は十分に睡眠をとろう、そう思った しかし私は知らなかった 今日、ザジが曲芸で使うロープを持っていること、和泉が保健室にあったクロロホルムを持っていることに・・・ そして悪夢は現実となる 完 13-274 13-274 名前:以下、ザジにかわりまして日替わりキャラがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 18 46 45 ID OKHVQQ+L0 11日は釘宮円の日。実は日替わりが古菲からなのはクギミーネタが思いつかなかったから。 千雨「ふぅ、たまには街に出ないとな」 釘宮「あ、長谷川ー!いい所に」 千雨「……何でこんな街中でクラスメートと会うかな」 釘宮「ねぇ、これとこれどっちがいいと思う?」 千雨「あぁ?……シルバーアクセサリーか。こんなの欲しいのか?」 釘宮「うん。で、どっちがいいかな」 千雨「知るかよ、自分で選べ」 釘宮「自分じゃどっちか選べないのよ」 千雨「なら両方買えばいいだろ」 釘宮「そんなお金ないんだって」 千雨「あー、……いっそこっちの禍々しい指輪を買ったらどうだ?」 釘宮「そんな不吉そうなの嫌だよ」 千雨「この呪われそうな感じがいいんだろ」 釘宮「じゃあ長谷川買ってみたら?」 千雨「いや、買うって言ってもサイズが合うか……お、ピッタリだ」 でんでんでんでんでんでんでんでんでーでれれん 釘宮「…………」 千雨「…………」 釘宮「…………あぁ、今の私の携帯」 千雨「着信を呪いの音楽にするな!」 それでは皆様、お付き合いありがとうございました。 13-286 13-286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 21 31 10 ID hNACb2Cc0 茶々●「まぁ大変、マスターの上履きがあんな高い所に(棒読み)」 エヴァ「(ぴょん、ぴょん)……クソッ!届かない……んぎぎぎ……茶々●!!見てないで手伝え!!」 茶々●「ハイハイ……(クスクス)」 13-287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/11(火) 22 08 10 ID 43L26Sz0O 茶々●ヒドスwww 13-308 13-308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[☆] 投稿日:2005/10/12(水) 07 13 21 ID X8BCIVD/O 朝 ちう「また寝落ちか…」 ザジ「ちう、よくない」 ちう「ははっ、ゴメン」 ザジ「あー寝癖」 ちう「さっさと直さねーとな」 ザジ「だね、朝ごはんも」ちう「よし、いただきまーす」 13-324 13-324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[15分以内にレス来なかったら実行] 投稿日:2005/10/12(水) 14 37 45 ID FGnPkEDl0 ちう「ちょっと過疎ってんな・・・・・・」 ザジ「うーん・・・・・・・」 ちう「はぁ・・・・保守も疲れるんだが」 ザジ「もう疲れてるんだったら休めば?・・・チュッ」 ちう「ら、らめぇ・・・いきなり」 ザジ「っと、疲れ取れた?」 ちう「たくぅ・・・・まぁこれでほしゅさいかいできるしありがと」 13-331 13-331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[反応なかったらって事で] 投稿日:2005/10/12(水) 17 50 37 ID cQVaG89S0 朝倉「ち、違うのよ。あれは事故で」 千雨「さぁ言いたいことはそれだけかな?」 朝倉「メイドの衣装売り払ったのは謝るから!」 千雨「もういいんだ。これで終わるからな」 朝倉「ランキングにも貢献したでしょ!?」 千雨「うん。でもな……、着替え写真盗撮して売り払うのを許せるか!」 朝倉「ねぇ分かったそれも謝るからバットを下げてお願い」ゴス 13-339 13-339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[今度は20分] 投稿日:2005/10/12(水) 18 53 42 ID OtLz+IwS0 ちう「ザジ・・・どうしたんだ?」 ザジ「ジカンガキタ・・・・・」 ちう「はぁ?一体なんなんだよ」 ザジ「モウオソインダ・・・・」 ちう「って聞いてねぇ」 ザジ「テリャアアアアア」 ちう「いいい!?」 ザジ「クラエエェェェェ!!」 新田「なnウボァァァァァァ!」 ちう「!?新田退治のための演技かよ・・・・まじなんなのかと思ったぞ」 13-342 13-342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 19 17 48 ID WGqz+rC8O ちう「このヤロー」 朝倉「ノンノンノン、ちょっと落ち着いよ」 ちう「かぁ〜これが落ち着いていられるかよ!」 朝倉「はぁ〜、短気はいけないよ短気は」 ちう「もうマジで怒った。おまえを殺して私も死んでやる」 朝倉「ら、裸体の写真をバラまかれただけで大げさっしょ?」 ちう「っ・・・!!?これが大げさじゃない状態でいられるか!」 朝倉「テヘッ☆つい出来心でさぁ」 ちう「くるしまずに殺してやる」グサッ 13-346 13-346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 19 25 24 ID BjYFT/pR0 2901/3がまん・・するです夕映の意識はその一点に集中していた今日は3−Aの遠足の日遠足とは小学校ぽいが、そこはイベント好きの3−A。とんとん拍子に話は進んだ学園から少し遠い、雪広財閥の所有する山の牧場に行くこととなった現在は移動中のバスの中夕映は襲いくる尿意と戦っていた 13-348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 19 25 47 ID BjYFT/pR0 2/3 出発前、夕映はちゃんとトイレをした 人よりも水分を多めに摂取する上、体質的に尿が作られやすい夕映である。そのあたりの対策は完璧したつもりだった 目的地まで予定で約2時間、そう思い、バスの中でいろいろあやしいジュースを飲んでしまった それが大変な自体を巻き起こした 渋滞を予測していなかったのである 膀胱は破裂寸前である もって後10分、一旦バスを止めてもらおうかと思ったが、そうはいかなかった 外の状況がそれを許さなかったのである 今通っているのは山の峠道、片側一車線の細い道である しかも前方で事故があった為、前にも後ろにも車が連なっている そして左側は崖をコンクリで覆った壁、車線をはさんだ右側も急激な崖 遠くには茂みが見える。しかし残念ながら、走ってでも途中でおもらしは確実だ つまり、このあたりでは他人に見られずにおしっこをする事は出来ないのである 夕映は悩んだ、しかしどう考えても結果は同じだった バスの中でするか、外でするか どっちにしても人に見られるのである 時間はどんどん過ぎてゆく、そして膀胱にはどんどん尿がたまってゆく 13-349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 19 26 49 ID BjYFT/pR0 3/3 体というものはうまくコントロールできないものである 意志とは別に行動する事もあり、それが元でトラブルになることもある そして夕映の体は、ついに意志とは別の行動をとった 夕映 「もった・・です」 人間は排泄という行為については快楽が伴う 特に放尿などを限界まで我慢すると、その苦しさの分以上の快楽(開放感)が与えられる つまり、限界まで我慢しておもらしした夕映の思ったことはこうだ くせに・・なるです・・ ハルナ 「さてと、だいぶんできたかな。後は後半をどうするかだけれども・・」 いつものようにハルナは部屋にこもり、創作系同人誌のネタを作っていた 前回、古に敗者の証をつけられた。胸の七つの傷が痛々しい ハルナ 「ゆえっち、いつかおもらししちゃうだろうな。あの変なジュース利尿作用ありそうだし」 しかし、ハルナは気がつかなかった。背後に迫る虐殺者の影に・・ ハルナの聞いた最後の言葉はこうであった 夕映 「私の特選ジュースをおごってあげるです、吐こうが漏らそうが全部最後まで飲んでもらうです・・」 完 13-350 13-350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 19 41 13 ID v8CXR5zcO 茶々丸の成績が悪い理由 今日はテストの返却日でした、マスターはテスト勉強をしていなかった為に‥‥結果は言うまでもありませんね 「おい茶々丸、ちょっとテストを見せてみろ」 「‥‥これでいいですか?」 自宅に着くなり呼び出され、私は机の上にテスト用紙を広げます 「何でこんなに点数がいいんだ!」 「‥‥何でと言われましても」 データベースに答えがあるのですから間違えようがありません 「‥‥これからは私より良い点を取ることは許さないからな」 「はあ‥‥、構いませんが」 それからというもの私は正解出来る問題も適当に間違えることにしています 私には勉強は必要無いですので‥‥、マスターが喜ぶならそれで でも、たまにはマスターにも勉強してもらいたいですね 13-358 13-358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 20 31 31 ID 5235z1Ve0 千雨「にっくき朝倉め今日こそは!」 朝倉「っちょっとちょっと、ちうちゃんやめて誰かーー!!」 千雨「たすけを呼ぼうなんてそうはいかないぜ」 朝倉「はなせばわかる」 千雨「お前に話すことなんてねえよ」 朝倉「いやーーーー!!!」 千雨「とっとと逝きな!」 朝倉「くぁwせdrftgyふじこlp;」 13-367 13-367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 22 02 14 ID 62vNUBw80 朝倉 「うんうん、うん、うん、シルブプレ oh!!トーメイニンゲン、アンニュイビーム アメマ アメマ マイクロマジック そいじゃ、ポテトチンチーン」 ピ さよ「・・・どうしたんですか?朝倉さんだれからですか」 朝倉「長谷川が盗撮はもうやめてくれって」 さよ「そんな会話だったのーーー?」 13-368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/12(水) 22 20 02 ID I7gdSo6rO 367ジャガーwザジ「ちう…」千雨「!?なんでそれ知ってるんだよ!」ザジ「だってネットアイドル一位だから…ちうって呼んでいい?」千雨「ダメに決まってるだろ!もし他の人にバレたらあたしは終わりだ!」ザジ「じゃあ『げろしゃぶ』って呼んでいい?そう呼びたかったの…」千雨(駄目だ…!げろしゃぶだけは絶対にイヤだ…!)千雨「…ちうでいいよ」 前ページ次ページSSまとめ
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『駆除業者&隻眼のまりさ 統合最終話 その5』 29KB 考証 希少種 幻想郷 現代 独自設定 ちょっと見ない間にいろいろあったようですが、私は平常運転です。 投稿者の九郎です。 この作品は『ゆっくり駆(ry 饅・即・虐の方ご注意。 ――――同日、同時刻、森林―――― 「……………」 「……………」 俺はいくさんがそうするように正面から見据えていた。 その状態で、いくつかの思考を巡らす。 1.いくさんは、最初からそのつもりがあったから黙って出てきたのではないか? 2.向こうへ行って、戻ってくるつもりが無いのではないか? 3.そもそも、天変地異に関する情報は完全にデタラメなのではないか? 空気に敏感ないくさんのことだ。 こちらの思考はともかく、否定的な感情は既に読まれているだろう。 ただ、3に関しては慎重を重ねて確認する必要がある。 天変地異の情報は不自然な点が多い。 『竜宮の使い』が伝えるのは『地震』と言っておきながら『天変地異』言ったこと。 これだけ重要な情報を俺はともかく、他の二匹にも話していなかったこと。 あと、本件とどの程度関わりがあるか不明瞭なこと。 災害は起こらないに越したことは無い。 いくさんは明言していないが、要するにいくさん自身や 俺にも影響が出るかもしれないと言いたいのだろう。 一つ一つは言いがかりに近い話だが、こうも重なるとその真偽も危うく思えてくる。 「実際向こうの世界に行ったとして、一体どうするつもりなんだ?」 姿勢はそのままに、いくさんが答える。 「私に出来ることは二つ。私のオリジナルにあって確認すること。 そしてこの災害を食い止めることが出来るかもしれない方に会うことです」 「そうか…まあ、その食い止める云々の話はこの際聞かないが 許可を求める時点で俺が賛成するとは思っていないのだろう?」 「…………はい」 ここで初めていくさんがうつむいた。 しかし仮に嘘だったとしても、ならばどうして向こうの世界に行こうと思ったのだろうか。 それとも、いくさんは端から覚醒ゆっくりの移住作戦に乗り気なんだろうか。 「そういえば、なんだかんだでまだ聞いていない。 結局戦っていた理由とは具体的になんだったんだ?」 「そういやそうだが…」 そう言うと、もこうとまりさが一斉にいくさんを見た。 「おいおいまさか、いくさんがいきなり仕掛けたとか言うんじゃないだろうな?」 「………いきなりではないが、仕掛けてきたのはコイツだよ」 「およ………」 「もうここまできたら私から言うが、こいつは私たちに幻想郷へ行きたいと持ちかけてきたんだ」 「それで戦ったということは、お前らも反対なのか? 覚醒ゆっくりが向こうへ移住することが目的なんだろう?」 「その通りだが問題はコイツが行って戻って来たいということと そしてそもそも私達に協力的でないことなんだ」 「戻ってくる気だったのか?」 「おにいさんにはお伝えしましたけど…私は出来ればこちらに戻って来たいです」 「だが、それでは…」 「ああ、私達の計画が成立しなくなる」 その台詞を言ったとき、もこうは一瞬だが寒気のする目をした。 恐らく今俺が考えたように、自分達に与しない覚醒ゆっくりを始末して 新たな覚醒ゆっくりに掛けるという選択肢があるからだろう。 「まああとはあまり向こうとこちらを行ったり来たりするのはいただけない。 その理由はもう分かるな?」 「ああ、しかし手段として行き来する方法をお前達は確立しているのか?」 「それはだな」 「ゲラゲラ!!」 「?」「およ?」 今まで事の推移を静観していたうどんげが初めて口を開いた。 「ゲラゲラ!ゲラゲラゲラ!!」 「……通訳頼む」 「は、はい。えーと『私は幻想郷にまつわる……不思議な力を…… 見分けたり探したりすることが出来る……だから……』あ、あのごめんなさい。 もう少しゆっくり話していただけませんか?」 「ゲラ!」 うどんげはなにやら喜色のにじみ出る表情で強く頷いた。 これは空気を読まなくても表情から読める。 自分の言っていることを理解する者が現れたから嬉しくて早口になってしまったのだろう。 もっともそれ以前に、リアルタイムでの同時通訳など慣れた者でないと難しいはずだ。 「ゲラゲラゲラゲラ」 「はい。『さっき話していた……ゆっくりとオリジナルの……つながり……を 逆に追っていけば……オリジナルや、覚醒ゆっくりを……探せる……かも』」 「おいおい!ちょっと待て!そんなことが出来るならもっと早く…………… そうか…『言えない』んだったな…」 「ゲラ!」 「しかし先ほど言いかけていたことは、こいつが移動手段であったということなのだろう?」 「ああ、何故だかこいつは『繋がり』を察知できるし 時間を掛ければ能動的に向こうへ行くこともできるのが分かっていたのだが……」 「ゲラゲラ!ゲラ!」 「え?はい、あの……いいですか?」 「どうした?」 「少し話をしたいそうなんですが、長くなるようなので私が一度全て聞いて その上で皆さんに説明しようと思うんですが…」 「…分かった、そうしてくれ」 「はい」 ……………… ………… …… いくさんとうどんげが話し始めたのはとりあえず置いておき 俺はもこうとまりさに向き直った。 「話が二転三転したが、当面のところうどんげの能力を借りて 覚醒れいむを探すのがいいと思うのだがどうだろうか?」 「私は賛成だが…」 まりさがもこうを見やる。 もこうも若干バツの悪そうな顔をする。 「はっきり言って私達の行動可能範囲は広くない。 あいつの通訳のこともあるから……」 「ああ、分かっている。俺が行こう」 「何を今更という感じはあるが、いいのか?」 「ここまできたら多少は付き合ってやるさ」 「すまない、助かる」 もこうが神妙に頭(?)を下げた。 俺は僅かに感じた照れくささをごまかすように口を開く。 「代わりといってはなんだが…いや、できればでいいんだが いくさんの心配事の方はどうにかできないだろうか?」 「分からないが、難しいと思う。 移動手段のあいつがここを離れるというのもあるが 何より実際何をどうすればいいか見当もつかない」 「そうか?私には一つ心当たりがあるぞ」 「それは?」 「あちらには地震を押さえることのできる奴がいた。 それだけじゃない。私達のオリジナルなら 運命なり奇跡なりで災害の一つや二つ、何とか出来そうなものだが」 「お前結構無茶苦茶なことを言っているぞ」 「そういう世界だから、こっちと繋げるわけにはいかないんだよ」 結局はそこへ行き着くのか…。 「…お話中でしたか?」 「いや、大丈夫だ」 いくさんが最適のタイミングで戻ってきた。 意識してかそうでないかは分からないが、空気を読んだのだろう。 「で、どういう話だったんだ?」 「えーと、うどんげさんは私の考えていた『覚醒ゆっくりとオリジナルの関係』説が 自分の得た情報と合うと言っていました」 「じゃあ、私の説は間違いだったのか?」 「ゲラゲラ!」 「それは分かりません。まりささんの言った不自然な捕食種の群れが現れたという 事態を考えれば十分に考えられることだとも思いますし、或いは両方合っているのかもしれません。 ですが、その真偽はこの際重要ではありません」 「話の腰を折って悪かった。続けてくれ」 「はい。そして覚醒れいむさんの存在はかなりはっきりと感じ取ることが出来るようなんです」 「本当か?それなら好都合だが…」 「ですが、おかしな点が。 普段感知している覚醒れいむさんともう一つ 時々現れては消えている同じ存在があるそうなんです」 あいつだ、と俺は思う。 博麗大結界、れいむ種そっくりの容姿、あの時会ったもこう、そして奇妙な注連縄。 ここまで来て、察しが付かないほうがおかしい。 「覚醒ゆっくりが一匹しか居ないというのも間違いだと言いたいのか?」 「待て、これ以上話を遮っても仕方がないだろう。 とりあえずその『いつもいる』方のれいむに会うことは変わらん。いいだろうか?」 「ああ……」 「続けていいですか?これが最後の情報ですが ゆっくりが『覚醒』する条件ですが、これはオリジナルと同じ行動をとることが きっかけになっていると考えられます」 「そう…いうことか……」 もこうを見る。こちらも得心がいったようだ。 二人のもこう、二人の放火犯。 そして同様にオリジナルとゆっくりが同じ時間帯に『れいむ』に接触していたこと。 理屈はさっぱりだが、この二つの事象が同時に起きたことが もこうを覚醒せしめた理由なのだろう。 半年越しの疑問はこれで全て晴れた。 「さて、と。いつまでも決着のつかない話をああだこうだと言っていても始まらない。 とりあえず新しい情報を得るためにそのれいむに会いに行くとしよう」 「もう行くのか?」 「俺が聞くべき情報は全て聞いた。 先程協力するとは言ったが、付き合うのはれいむ接触に当たって橋渡しをするところまでだ。 あとはお前らで勝手にやってくれ」 「そうか……まあ、仕方がない」 「ではえーと、いくさん、まりさ、うどんげは付いてきてくれ」 「悪いが、私はここに残らせてくれ」 まりさの発した台詞に、意図せず若干の剣呑さを込められてしまう。 「……何故?いくさんは連れ帰るつもりだし、うどんげは喋れない。 聞き出した情報を伝える役目が必要なのだが?」 「私は私で、やってみたいことがあるんだ」 「…やってみたいこととは?」 「これはこれでまた相談が必要になるだろうが、神社に行ってみたくてな」 「神社ってのは…さっき話に上がった?」 「そういうことだ。まあ場所なり移動手段なり検討が必要だろうしすぐには出発しない」 「でしたらそれは、後回しでもいいのでは?」 「そう言うな。思いついたことはすぐにやりたい性質なんだ」 「………」 要するに、我々を簡単に切り離したくないということだろう。 報告のためにここに戻ってくればそのときはそのときで何らかの新しい要求をされるかもしれない。 「わかった、もういい。但しこっちはこっちで思うところがある。 今から移動すると夜になってしまうだろうし、寄りたいところもあるので ここに再度訪れるのは明日以降、あるいは明後日になるかもしれんぞ」 「ああ、それで構わない」 それを聞いた俺は話は終わった、とばかりに立ち上がる。 「ではいくさん、うどんげ、行くぞ」 「はい…」 「ゲラゲラ!」 ――――同日、午後5時、森林―――― 一人と二匹が去った後。 もこうは隻眼のまりさに問うた。 「……で、お前はどうするんだ?」 まりさは目線を逸らし、考え込むように答える。 「言った通り、神社の方を確認したい。 そのために出来れば…飛行手段になる奴を貸してほしい」 「そうじゃない。神社に行ってどうする気だ?」 「別に難しい話じゃない。ただ覚醒れいむより『霊夢』か…『紫』に会えればと思うんだ」 「ゆっくりより、オリジナルに会うほうが確実と言いたいわけか…」 しかしそれは向こうの世界との接触を避けようとするあの人間が協力するとは思えない。 それでいて、やはり人間の力を借りられるということは大きなプラス。 今後どうなるかはともかく、とりあえずまた会う約束を取り付けたということだ。 だが… 「穴だらけで確実性が全く無いな…」 あるいはあの人間が約束を破って戻ってこないかもしれない。 オリジナルに会えるかどうかもわからない。 場合によってはオリジナルに殺されるかもしれない。 また首尾よく会えたとしても解決策を導けるかどうかも怪しいのだ。 「それでもとりあえず、打てる手は全て打っておきたいからな…」 ――――翌日、午前11時、車中―――― で、俺はというと。 「ゲラゲラ!」 「右です」 「あいわかった」 ウインカーを点滅させて車が止まった。対向車を待つ姿勢である。 「だけど本当に興味深いね。 君の『空気を読む能力』というのも研究のしがいがありそうだ。 こんど研究所に遊びに来ないかい?歓待の準備をして待ってるよ?」 「丁重にお断りします(ニッコリ)」 「ゲラゲラゲラ!!」 うどんげの飼い主、つまりは昨日電話をしたゆっくり研究者の男の車の中。 感動の再会に少々時間をとられたが、こうしてうどんげの案内の下に覚醒れいむの元へ向かっていた。 「だけど君も付き合いがいいねぇ。 こんなファンタジーに手を貸すなんて」 「お互い様だろう。……付き合わせて申し訳ない」 「あはは……気にしなくていいさ。 こうしてうどんげと再会させてもらったしね」 「ゲラゲラ」 左手で助手席に座るうどんげを撫でる。 「しかしアンタは虐待鬼意惨と聞いていたんだが」 「君と同じさ。虐待する奴はする。可愛いのは可愛がる。 きちんと区別して対応するんだ。 虐待派、愛で派。相容れないように見えるけど ゆっくりが好きって共通項があるから 一人の人間に両者が混在することも不思議じゃないと思うんだ」 「そんなもんか……」 そう言いつつ納得してしまう。 再会する二人を俺といくさんはあえて見なかった。 能力云々関係無しにその程度は気を回すことは出来る。 何よりこの男が多くを語らなかったから。 同時に多くを聞こうとも思わない。 この男とうどんげの関係はどうしたって俺といくさんの関係に重ねてしまうから。 憎まれ口をきいてしまうのもその影響だろうか。 いや、これは単に俺の性格が悪いだけだ。そういうことにしておこう。 ――――同日、午前12時、山道―――― 「じゃ、戻ってるから」 「本当に申し訳ない。完全に使いっ走りをさせてしまう形で」 「いいさ、このくらい。帰りは大丈夫?迎えに来なくていい?」 「まあ帰りは…電車なり何なり使えば帰れるだろう。 こっちには、レーダー代わりになる奴も居るしな」 「うどんげのこと、よろくしね」 「ああ、分かってる」 仕事に戻ると言う男の車を見送る。 うどんげは少々残念そうである(相変わらず笑顔だが)。 「さて…この奥にれいむが居るんだな?」 「ゲラゲラ!」 「そのようですね」 「……一応聞いておきたいんだが、遠いか?」 「ゲラゲラ」 「そうでもないようです」 首を縦や横に振っていれば、通訳の必要はないのだが…まあいいか。 「では行こう。疲れたらいつでも言ってくれ」 「はい」 「ゲラ!」 ――――同日、同時刻、空中―――― 一方、隻眼のまりさは。 「なあ、お前いつか会ったことがないか?」 「おお、茶番茶番。ありきたりすぎる口説き文句ですね」 きめぇ丸に抱えられ、空中から神社を目指していた。 飛ぶことは特に好きでも嫌いでもないのだが 空中ではすることが無いため、自然と口数が多くなってしまう。 「はあ……茶化されるくらいだから多分違うんだろうが…… 私は、きめぇ丸と会ったことが『覚醒』するきっかけになったんだ」 だが、ゆっくりらしさを失ったからか単に記憶がはっきりしないからか 『おかざり』を見てもきめぇ丸が同じ者であったか判断がつかない。 しかし自分の方は違う。 片目を失ったまりさなど野生ではそう次々とは居ないはず。 制裁や虐待で目を潰されたゆっくりは居るかもしれないが そういったゆっくりが自分のように立ち直って普通に生きているケースは稀だろう。 「すまない。忘れてくれ。あまりに退屈だったんでな」 「貴方は、今回の事件をどう思っていますか?」 「へ?」 会話を切り上げようとしたところで突然そんなことを聞かれ、一瞬呆けてしまう。 すぐに思考を戻したまりさは正直に答えてしまう。 「良くは思っていない。 それでもあいつの言うカタストロフは避けなければならないし 私達のせいで他の生き物に迷惑をかけるのは忍びない。 ま、本質的に見ても往々にしてゆっくりは迷惑をかける存在なんだろうけど」 「………………」 「……今の答えでは不満か?」 「私は、観察をすることが好きなんですよ」 「……はぁ?」 さっきからつながりもなく要領も得ない言葉に多少なりとも苛立ちを覚えるまりさ。 だが意味も無く喋っているわけでもなさそうなのでもう少し我慢することにした。 「私は、幸福なゆっくりを見ることが好きです。 同時にその幸福が崩れ去っていく様も。 人間との関わりもそうです。 野良が物乞いをするところ、結果として駆除されるところ。 物事には発生、経過、収束があります。 その全てを見ることが楽しいんですよ」 未だ意図の読めない話には、一つの感情があった。 波紋というレベルにも達していない程度の僅かな揺らぎだが、最初に思いついたのは『哀しみ』。 「観察者を気取る私には、善悪など問題ではないのです。 ただ、そこにある存在が全力を持って事を運ぶ。 それは壊してやることも、成就させてみるのも楽しい。 そして、ただ見ているだけということも」 意図は分からないが意味は分かった。 要するにこのきめぇ丸は、物語が好きなのだ。 物語の主人公は、何かの事象に影響され、失敗成功はともかくとして何かを成そうとする。 それを『知る』『見る』ことがこいつの趣味、ということだろう。 「……だからお前は、私の移動手段になってくれたのか? 今回の事件を解決したいわけでもなく、ただ『見ていたい』からか?」 「ふふっ……」 そう言うときめぇ丸は先程の感情を消して薄く笑った。 「何がおかしい?」 「いえ、ただ思っただけです。 『あなたと遊んでもつまらないですね』と」 ――――同日、午後1時、登山道―――― 山の中を歩き続けて30分も経っただろうか。 俺は何度目かわからない回数見たコンパスをもう一度見る。 先頭を歩くうどんげは磁石もなしに一貫して同じ方角へ進んでいた。 これなら、遭難の危険は無いと思って大丈夫そうだ。 「ゲラ?」 「?」 突然うどんげが立ち止まった。 俺といくさんもそれに合わせて立ち止まる。 「ゲラ………?」 ややあってこちらに戻ってくるうどんげ。 しかし数歩進むと、また振り返って180度方向転換をする。 「………どうした?」 「何があったんですか?」 「ゲラ………ゲラゲラ………」 なにやら言葉が交わされる。 大人しく通訳を待っているといくさんが難しい顔をした。 「えっと、何と言ったらいいんでしょうか? れいむさんですが、ここにいるのにここにいないと………」 「……要するに、何もないように見えるここに追って来た気配がある、と言いたいのか?」 「そうみたいです」 俺は思わず木に寄りかかった。 なんだそれは。 「どうする?……というか、この状況で他にできることはあるか?」 「ゲ、ゲラ………」 「およ………困りましたね………」 途方に暮れる俺達。 いくさんが何か考えるようにそこらを歩き回る。 うどんげが先程と同じように『気配』があると思しき場所を行ったり来たりする。 俺は木の上や地中にでもいるのかと、辺りを見回してみる。 「………ん?」 うろうろするうどんげを見ていたら、妙な違和感を覚えた。 「なあうどんげ、ちょっとこっちに来てくれないか?」 「ゲラ?」 こちらに歩いてくるうどんげ。 「今度はもう一度。向こうに向かって歩いてくれないか?」 「ゲラゲラ……?」 俺の指差した方向へ歩き出すうどんげ。 「……やっぱり」 「どうかしましたか?」 「ゲラ?」 足元から枯れ枝を拾う。 「この枝、概ね真っ直ぐだよな?」 「はい?そうですが……」 「で、こいつをここに置いて見ると……」 うどんげが『気配』を感じた場所に枝を置いてみると 「……曲がってますね」 「ゲラゲラ!」 あるところを境に枝が光の屈折をしたように少し曲がって見えた。 丁度、水を満たしたコップにスプーンを入れたようなイメージだ。 「ゲラ!ゲラゲラ!」 「……そうですか、そういうことですか」 「今ので何か分かったのか?」 「はい、これは恐らく『結界』でしょう」 「けっかい?……れいむ種がよく言う、巣のカムフラージュのことか?」 「そうです。勿論ゆっくりが使う偽装ではなく、覚醒ゆっくりのれいむさんが施した 本物の『結界』だと思います」 俺は釈然としないが、いくさんは納得がいったようだ。 「しかし分かったところでどうする? その話が本当ならここに覚醒れいむがいることは確定的なんだろうが……」 「ですが、少し変ですね。れいむさんの結界って」 「やれやれ、もう気付かれてしまったのね」 「「「!!!!!」」」 頭上で声がしたことに驚いた俺達はみっともなく慌てふためいてから 横一列に並び、そいつと相対した。 「お前は……!?」 「初めまして。ゆっくりゆかりと申しますわ」 白い服だ。長袖のロングスカートに身を包んでいる。 前掛けのように垂れ下がるのはどこか神道的な臭いのする紫と橙の装飾。 本来それなりの長さがあるであろう金髪は後頭部でまとめられている。 しかし、目を引くのはそこではない。 木の枝の上に佇むのは一匹の胴付きゆっくりだ。 ……いや、アレをゆっくりと言っていいのだろうか? 胴付きとは言っても基本的にゆっくりの身長は1mに満たないはず。 だがそいつは間違いなく十代前半の人間サイズである。 横に広いボール状の頭部は確かにゆっくりの面影が見て取れるが その姿はあまりに人間のそれと差が少なかった。 「最初に言っておくわ」 深く息を吸い込むと、こちらに手のひらを向けて言い放った。 「――――去りなさい、人に飼われたゆっくり達よ。 ここにあなた達の居場所は無い」 背筋がゾクッとした。 ……こいつは、今まで会ったどの覚醒ゆっくりとも違う。 もこうもこちらに対する不信感を隠そうともせずに接してきたが こうもあからさまな敵意を向けてくることは無かった。 「待ってください!私達は話を聞きに来ただけです! 貴方に害をなすつもりはありませんし 知らずにそのようなことにためにも教えてほしいことがあるんです!」 いくさんがゆかりに訴えかける。 慎重に言葉を選んだらしいが微妙な不自然さがある。 この危険な空気を読んでいるからだろう。恐らく俺以上の緊張感を持っているはずだ。 「……………」 「……………」 10m前後の間隔を空けて睨み合う俺達。 いくさんの言葉を聞いてもゆかりは反応を返すどころか、一切動かずにこちらを見ている。 少し間を空けて冷静さが戻ってきた俺は現状を打破するために口を開く。 「口ぶりから察するに、アンタは今の状況を良く知っているんだな?」 「……………」 無言を貫くゆかり。 今にも戦いになりそうな緊張感に冷たいものを感じながらも懲りずに問う。 「俺達は、何かよくないことが起こるのではないかと情報を集めて回っているんだ。 別にアンタに協力しろとは……いや情報提供は欲しいが、最悪でも敵に回らないで欲しい。 少なくとも今この場ではこちらから仕掛けるつもりは無い。 ………早い話、アンタは俺達と話を」 「駄目よ」 「………!!」 ようやく口を開いたと思ったら短く飛んできた言葉。 短いが故に取り付く島の無い、究極の拒絶。 「………帰るか」 「で、ですが!」 「ゲラゲラ!」 「聞いただろう。あいつはこちらに協力する気が全くないんだ。 ここでこれ以上食い下がってもお互いに不利益しかない」 俺は踵を返す。 素気無く断られた形だが不思議と不愉快ではない。 奴に対する恐怖心が勝っているからだろうか。 いや、そうじゃないな。俺はこれ以上この事件に関わらなくてすむという安心感を得たんだ。 こんなところにまで来てそんな思いを持っていることに僅かばかりの情けなさも感じるが。 「ゲラゲラ!!ゲラゲラゲラ!!!」 「…………え?」 うどんげが唐突に鋭い声を上げた。 しかし俺以上にいくさんが驚いた表情をする。 「ゲラ!!ゲラゲラゲラゲラ!!!」 「えっと……『あなたの………思い通りには、させない』」 拳銃を構えるようにゆかりに指先を向けるうどんげ。 いくさんが通訳を始めるとゆかりの表情が先ほど以上に険しくなる。 「『あなたが……それを否定するならば………むしろ………』………え!? ちょ、ちょっと待ってください!うどんげさん!!」 感情を剥き出しにしたうどんげがゆかりに攻撃をかけた。 いくさんがすぐに羽衣で羽交い絞めにしたが 指先から発射された銃弾のようなものがゆかりを撃ち抜く。 「ゲラァ………!!!」 「落ち着いてください!!」 「そんなことをしても無駄。あなたに私は止められない」 手遅れかと思いきや、ゆかりは平然とした表情。 それもそのはず。弾丸は障子紙を破くようにゆかりを貫通したが 数秒後にぐにゃりと歪んでその穴は塞がり、何事も無かったかのようになっている。 いくさんに羽交い絞めにされているうどんげは悔しそうに表情をゆがめていた。 「一体何なんだ?」 「細かい部分を省いて言えば、あの方はゆっくりが生息する 『もう一つの幻想郷』を作るつもりです」 「そう。あなた、もうそこまで知っているのね」 「それは……とがめられる事なのか?」 「人間の方。早い話が私達は、この世界を見捨てるつもりですから」 だんまりを決め込む様子だったゆかりが、愉快そうに笑った。 うどんげの必死さをあざ笑っているようで、少々癪に障る。 「私達が目的としている『この世界の危機』を止めるのではなく ゆっくりだけの新たな世界の創造。 うどんげさんの話から察するにそういうことですね?」 「そんなことが可能なのか?」 「ええ、もちろん。少なくとも幻想郷の『八雲紫』が一度やっていること。 そこの銃弾娘と同じように、幻想郷を行き来する手段を持つ者は 元となった存在の力と記憶をより強く受け継ぐことができる。 ……知らなかった?私達はこのままいけば、いずれオリジナルの存在と同等になる」 「ゲラ!!ゲラゲラアアアアア!!!」 「う、うどんげさん!落ち着いて!落ち着いてください!!」 「くすくす………無駄よ。もう事は始まっている。 いずれこの国に流れ込んできた者達の闘争が起きる。 最終的にはオリジナルの方がこの世界から放逐され、私達の幻想郷が本物になる。 あちらの世界から、ゆっくりと見守ってあげるわね」 「なっ………おい!!」 ゆかりの座っていた背後に裂け目のようなものができると、そこへ入り込もうと腰を上げた。 その時 「待ちなさい!!!」 「おっと」 突然飛んできた『何か』がゆかりのいた場所を通り過ぎていった。 驚いたような声を出したものの、それを回避したゆかりの身体はあっさりと空間の『隙間』に収まり姿を消す。 「ちっ………間に合わなかった………!!」 『さようなら人間さん。せいぜいあがいてこの世界を救ってみせなさいな』 姿を消したはずのゆかりの声が当たりに響く中、悪態をつくゆっくりれいむが空中にいた。 「なっ……!!胴付きれいむだと!?」 「…………珍しいのは認めるけど、そんなに驚くことはないじゃない」 ゆかりを襲ったそのれいむは緩やかな速度で地面に足を付くと、呆れたような反応を返してきた。 「そう言われてもな。 未発見と記録されていた胴付きれいむが現れたとなると誰でも驚くぞ」 「未発見ってあんた………まあいいけど。 で、あいつと何話してたわけ?」 気だるそうに頭をかきながらもこちらを威嚇するように問うてくる『覚醒れいむ』。 一応、何とか目標の相手と接触できたわけだが……。 「私達は、あなたを探してここまで来ました」 ――――同日、同時刻、神社境内―――― 「ここが…例の神社か?」 「さあ?私には分かりかねますが」 隻眼のまりさときめぇ丸はとある神社に到着していた。 かつてもこうやうどんげがうろついていた森林に 最も近い神社を上空から探した結果が現在の状況である。 「くどいだろうがもう一度言わせてくれ。 いざという時は頼むぞ」 「分かってますよ。人間がいたらすぐにあなたを抱えて逃げればいいのでしょう?」 「……あくまで、私達はゆっくりだ」 「分かってますって。もっとも、人っ子一人いないようですがね」 まりさは覚醒ゆっくり同士の交戦経験から、自らの戦闘能力を知ることになった。 少なくとも、今の自分はドスまりさ一匹に匹敵する強さがある。 しかし逆に言えば、ドスまりさ一匹分程度の戦闘力しかないとも言えるのだ。 飛行能力を持つきめぇ丸はともかく、自分は戦ってはいけない。そう考えるようになっていた。 「だけど、人がいないというのもこれはこれで困ったな。 折を見て接触……といきたかったが、情報収集すらできないぞ」 「いいえ。とりあえず『今は人がいない』ことが分かったんですから 収穫ゼロではありませんよ」 「そりゃそうだが……」 まりさは辺りを見回す。 鳥居をくぐると、左右を木々に囲まれた本堂が目に入る。 瞬間、まりさは強烈な既視感に襲われた。 「くっ………」 「おや?どうし……ぬっ……」 声をかけようとした二人は眩暈に襲われる。 暗転しかける視界できめぇ丸が右手で頭を抱えながら、本堂を確認しようとしているのが見えた。 ――――同日、午後1時、森林―――― 「あらためまして……こんにちは。いえ『ゆっくりしていってね』でしょうか?」 「別にどっちでもいいけど」 「ではこんにちはで。私はいくと申します」 「私はれいむ……見ての通りね」 見ての通り? 腕には赤い上着に繋がっていない袖があり。 下半身にはスカートのような袴。 俺はこんなれいむを見たことはない。 少なくとも『胴付きが未発見のはずの胴付きれいむ』など。 「こんなところに人間とは珍しいわね。 ひょっとして一斉駆除かしら?」 ゆっくりらしからぬ鋭い目つきでこちらを威嚇してくるれいむ。 ……全く、一昨日から驚かされっぱなしだな。 若干の呆れさえ感じならが俺は口を開く。 「そう棘々しないでくれ。お前と話がしたかっただけだ」 「……話?」 いかん、切り出し方がまずかったかもしれない。 人間に話すことは無いとか、何故自分がここに居ることがわかったとか、アレはそう言う目だ。 俺は探りを入れるのは逆効果と思い、結論を先に言う。 「今幻想郷とやらとこの世界で起きている『異変』について解決策があるなら教えて欲しい。 さらに協力してくれるなら有り難いのだが」 いかん、また言い方を誤った。 俺は自分が考えている以上に動揺しているのだろうか。 「何か、方法があればお願いします。 私達が今まで通りでいられる方法はありませんか?」 いくさんが必死さを込めて訴える。 うどんげは話が通じないと分かっているからか、静かにしている。 れいむは少し間を空けてから軽く息を吐いた。 「今まで通り……というのは少なくとも無理ね。 今ある状態に問題があるのだから」 道理である。 しかしいくさんの言ったことはそう言う意味ではないのだが。 機嫌を損ねられても仕方がないので指摘はしない。 「ということは『今まで通りでない状態』へ持っていければこの件は何とかなるんだな?」 「そうだけど……やっぱりそうなるのよね……はぁ……」 「??」 言動からするとどうやら本当に解決策を持っているらしい。 しかしなにやら余り乗り気でない様子。 れいむが重要な情報を抱えているという仮説は正しかったのだが少々腑に落ちない。 「まあいいわ、ついてきて」 「へ?……ああ」 背を向けて歩いていくれいむに俺達は付いていった。 「どこへ行くんだ?」 「神社」 「はぁ?」 まったくもって訳が分からない。 ――――同日、午後2時、山道―――― 「そう、だいたいはあいつが言っていた通りよ」 「そいつは厄介だな……」 俺といくさん、うどんげ、そして胴付きれいむは山道を走っている。 うどんげはいくさんが抱えた状態で空中を浮遊して重量を減らし、俺がそれを押している状態だ。 いくさんはそれほど速く飛べないが、こうすれば簡単に運ぶことができる。 エアホッケーのパックのような感覚である。 だが、れいむは独力だけでかなりの移動速度を持っていた。 実際、俺が小走りで追いかけなければならないほどの速度で前方を飛んでいる。 「もう一度確認するが、その結界とやらをもう一度張り直せば万事問題なく解決するんだな?」 「理屈の上ではそうなんだけど、その張り直しの方法がね……」 「?」 結局れいむは、ある種最も妥当な解決手段を持っていた。 あちらとの境界が曖昧になっているのであれば、もう一度その違いを定義し直せばいいということらしい。 だが今までもこうの話を鵜呑みにしていた俺たちにとってはかなり目から鱗な方法だ。 そう、こちらで一般化してしまった存在ならば無理してあちらに送り返してしまわなくとも ゆっくりという存在をオリジナルから完全に切り離し、こちらで定着させてしまえばいい。 あちらからの繋がりが断たれてしまった場合、いくさんやまりさの理屈で考えると 衰退の一途をたどるかもしれないが、むしろそうなるのが自然の流れとも思う。 その理論をそのまま適用するのなら、逆に切り離したところでいきなり消えてしまうわけでもなさそうであるが。 「少なくとも、今の私に大結界を張り直すだけの力はない。 私がもっと『霊夢』の力を使えるようになればわからないけど」 「パワー不足ってことか?」 「少し違うけどその理解で構わないわ。 だからこそ私の力が戻るまで待つという方法が一つ。 もう一つの方法として向こうの『霊夢』に協力してもらえればいいんだけど……」 「なるほどな」 同じ性質の能力を持っているのなら、それが最も早いかもしれない。 「……ん?だが、オリジナルに結界の張り直しができるのなら、どうして今すでにやっていないんだ?」 「それは……アンタの言い方をすれば、オリジナルだけではパワー不足ってことじゃない?」 「じゃあ、どうするんだよ?」 「そのために私が行くの」 「ああ……」 オリジナルとゆっくり。 ゆかりの話からすれば、『霊夢』も『れいむ』も同じ力を持つことになる。 ならば、両者が協力しないという手はない。 「ですが、今となってはそれほど猶予があるようにも思えません」 「……そうね」 口を挟んできたいくさんとれいむが同調する。 「どういう意味だ?」 「一番何とかできそうなゆかりはあんな状態だし すでに結界の方が破綻を始めてるみたい。 アンタ達が会ったようなゆっくりが増えているのが本当なら もう悠長に私の能力がどうのって言ってる場合じゃないの」 「そんなにやばい状況なのか?」 「今日明日は大丈夫でしょう。 ですが、一週間後はどうなっているかわかりません」 「そうか……」 確かに、俺ですらオリジナルと思しき人物と遭遇してしまったし ちょっと突いただけで歪んでしまうような結界の綻びを見たことがある。 あの時見た注連縄も、単なるその場凌ぎの応急処置だったのかもしれない。 「ただ、私が動くためにはアンタ達みたいな外部の協力者が必要だったからね」 「それは……」 「質問してばかりいないで自分で考えたらどう?」 そう言われて少し考えを巡らせる。 が、俺が口を開く前にいくさんが答えを言う。 「幻想郷との繋がりができてしまう条件が、こちらの世界とあちらの世界で ゆっくりがオリジナルと同じような行為をするから……ですか」 「そうね」 「つまり……」 「幻想郷とこちらの唯一のつながりであり 結界の発生源である神社には、れいむさんのオリジナルがいて……」 「そこに覚醒れいむが行くのは、確かに危ないかもしれんな……」 結界の重要な部分に穴が開けばどうなるか。 理屈は分からなくとも結果はどうなるか想像に難くない。 「………ちょっと、待ってくれ。 少し、疲れた……」 「およよ……大丈夫ですか?」 「それほど時間がないって言ってるのに……」 荒い息をしながら立ち止まる俺に前を飛んでいたれいむが呆れたような目を向けてくる。 いくら小走りとは言え話しながらでは思った以上に負担が大きかった。 しかしれいむもいくさんも、飛ぶのには体力が必要ないのだろうか? 「……だが、外部の者の協力って、要するに俺達がお前のの代わりの メッセンジャーになればいいってことか?」 「ええ。少なくとも私が近づくのは危険すぎる。 できればそっちの竜宮の使いも、妖怪兎も行くべきではないわね」 「そりゃ、そうか……」 れいむ以外でも、何かの偶然で同時刻にオリジナルがいる可能性があるからな。 「お兄さん……行くつもりですか?」 「いや……とりあえずもこう達と相談してから決めても遅くはないだろう。 俺じゃなくとも、神社に顔を出すことのない奴なら……」 「まあそうね。実際、神社に入り浸ってるやつはまりさくらいだし」 れいむのその言葉を聞いて、俺といくさんとうどんげが一斉に青くなった。
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12 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/29(金) 19 26 34.02 ID PN35eEAqo 夏休み最終日 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/21(日) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx 絶対バレるって言ったじゃん。そら、ああなるよ 「バレたのはおまえのせいだろ」という突っ込みは禁止な 長かった夏休みも今日で終わりだ 最後までよろしく! 朝の安価といこう ≫20 20 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/29(金) 19 31 07.67 ID GXozLlhg0 黒猫の家で三姉妹と一緒に義妹ものAV鑑賞 87 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 11 07 47.39 ID x5esMjwho なぜに義妹……。 なぜに黒猫宅で見る必要がある……。 ここへきて、久しぶり――というわけでもないが、鬼畜安価がやってきた。 夏休み最後の日くらい平穏無事にすごしたかったが、そうもいかないようだ。 そもそも、≫20は何がしたくてこんな安価をとったのか。 “コウノトリを信じている子供に無修正のポルノビデオを見せつけるような下卑た快感”というやつだろうか。 「……しっかし、黒猫のやつはほんとに鬼畜安価ばっかりだったな」 しょっぱなからレイプされかけたり、その余波で尻を揉まれたり……。 あげく、俺の尻にボラギノール塗らされかけたり……。 これでよく未だに俺と友達やってるな。正直言って、俺だったらこんなやつとは関わり合いを持ちたくないぞ。 「……黒猫には、いつか感謝の印と詫び状を送っとかないとな」 『メルルののビデオ借りたから一緒に見ようぜ。是非日向ちゃんや珠希ちゃんも一緒に』 こんなメールを黒猫に送り、黒猫からの返信を待つ。 ここまで付き合ってくれたおまえらならもうわかっていると思うが、俺が持っていくのは当然義妹もののAVだ。 “メルルのビデオと一緒に借りたAVを間違って持ってきてしまった作戦”だな。 AVが絡むと作戦がワンパターンになってしまうのが俺の悪い癖だが、安価の成功確率は高いので、それくらいは許して欲しい。 『それは構わないけれど……珠希はともかく、日向も? あなた、何か企んでるんじゃないでしょうね?』 ばれてる……。 流石黒猫さん。伊達に鬼畜安価は喰らってないぜ。 だが、ここで「はい。私は何か企んでいます」と白状する馬鹿はいない。 当然、とぼけておく。 『そんなわけないだろ。賢者に向かってなんと恐れ多い』 そして、しっかりと伏線を張っておくことも忘れない。 「で、それが問題のブツというわけね」 「人が持ってきた物を危険物扱いするんじゃねえ」 実際のところはその通りなんだけどな。 今までの安価のせいとはいえ、黒猫にはすっかり疑われてしまっている。 この防衛線をかいくぐり、黒猫三姉妹とAV鑑賞を行うことが今回の俺の任務だ。 「ルリ姉。せっかく持ってきてくれたんだしそんな言い方しなくても……」 「メルル! メルル!」 これから起こる“アクシデント”を知っているだけに、日向ちゃんと珠希ちゃんのリアクションが胸に刺さる。 ああ……これがほんとにメルルのDVDならよかったのに。 黒猫たちが最初から最後まで黙って見ていてくれるわけがないので、今回はチラ見せ程度を目標にして頑張ろうと思う。 もちろん、再生時間の方はなんとかして限界まで引き延ばす努力はするが、日向ちゃん、珠希ちゃんがそれを見ていてくれる保証はない。 黒猫の妨害も入るだろうし、“鑑賞”はまず無理だな。 「ここにセットすればいいのか?」 「……その前に、そのDVDを見せてくれるかしら」 ぎくっ。 それはまずい。それをされたら一発でAVだということがバレてしまう。 「よおし! チャプター5からスタートだ!」 「あっ!? 人の話を聞きなさ――」 <オ、オニイサン!? オネガイ、ヤメテクダサイ! モウスグネエサンモカエッテ――アンッ 88 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 11 08 14.65 ID x5esMjwho 黒猫宅の居間に流れたそれは、紛うことなき義妹もののAVだった。 嫁の妹に手を出すと言う内容なのだが、最初から見て行かないとちょっと分かりづらい内容ではある。 妹もの、父娘ものの時と違うのは、一発で義妹ものと把握できる場面が中々見つからなかったことだな。 これがまた本当に難しくてな―― ちょっと話がそれたな。 要は、今黒猫宅のテレビには、きちんと義妹もののAVが映し出されているということだ。 「あ、あなたたち! 今すぐ目を閉じて耳をふさぎなさい!」 「黒猫おおお! すまなかったあああ! ミスって一緒に借りたAVの方を持って来ちまったああああ!」 俺は、そんな言い訳を叫びながら、リモコンの元へと急ぐ黒猫を羽交い絞めにした。 「ちょっと! あなた、言葉と行動が一致してないわよ!? この手を離しなさい!」 そんなことしたら、おまえテレビ消しちゃうだろ! 黒猫を羽交い絞めにしながら、日向ちゃんたちの様子を確認する。 この安価の焦点は、きっと、この子たちのリアクションだろうからな。 「お兄ぃちゃん。これ、メルルじゃなくてぷろれすですよ?」 きょとんとした顔でツッコミを入れてくる珠希ちゃん。 一方の日向ちゃんはと言うと、 「ほ、ほら……高坂くんも男の子なんだし…………こんなこともあるよ。気にしないで」 顔を真っ赤にして、俯きながらぼそぼそと喋る日向ちゃん。 ほう……これは……。 そうか。これが“コウノトリを信じている子供に無修正のポルノビデオを見せつけるような下卑た快感”というやつか。 ふふ……なかなか悪くな―― 「違う違う。危うく暗黒面に落ちるところだった」 確かに、俺はS属性に目覚めはしたが、そんな方向に進む気は毛頭ない。 「さて、そろそろか」 妹猫たちの反応もしっかり確認したので、黒猫の拘束を解き、そして自らの手でテレビの電源を消す。 いやあ、中々に面白い安価だったぞ。S属性は暗黒面と隣り合わせであることも確認できたしな。 ただ、もう一回やりたいかと問われれば、全力でNOと答えるけどな。 このあと、黒猫に烈火のごとく怒られたのは言わなくてもわかるだろ? 夏休み、最終日。朝パート 安価成功 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/21(日) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx 暗黒面に通じるのは恐れではなく、エロだと思う 次だ ≫94 94 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 11 20 27.22 ID EPPJD8Dbo 同じ学校の奴らと夏休みの宿題がまだ終わってなさそうな奴らを集めて 宿題を片付けるための勉強会を開く 隙をみて誰かの宿題にいたずら書きをする 107 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 11 36 41.45 ID RN1dDri/o 宿題終わってなさそうな奴らって誰だろう 桐乃は終わってるだろうけど参加したがりそうだな 110 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 11 47 48.18 ID tZIRmxY70 加奈子が宿題とか…終わってる以前に手をつけているかさえ怪しいもんだ… 111 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 11 50 30.10 ID NBEU3V48o 黒猫は終わってそうだが、日向ちゃんは残ってそうだな 112 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 12 02 16.79 ID 6d/iO8HzP 赤城兄も怪しいな 京介のことだからヘルプで麻奈実も呼ぶだろう そうなると桐乃も黙っていなさそうだ 113 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 12 03 21.70 ID 5f1oxXkk0 同じ学校なら黒猫か瀬名ちゃんあたりか コミケの準備で忙しくて宿題に手を着けてないみたいな? 114 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 12 06 02.76 ID tZIRmxY70 フェイトさん、借金っていう人生の宿題が… 119 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 13 52 16.46 ID c4+TUHlDO そもそも加奈子は宿題の存在を覚えているかどうかすら怪しい 桐乃や黒猫姉妹やバジーナはきっちりやって(やらされて)そうかな 120 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 14 35 13.79 ID EivgyBBSO 意外なところでブリジットが日本語上手く書けなくて四苦八苦してるかもしれんな 123 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 20 37 11.71 ID x5esMjwho [4/12] とりあえず同じ学校の奴らは……麻奈実、黒猫、赤城兄妹。 こいつらは呼ぶのは確定だ。 「あとは……まだ終わってなさそうな奴らか」 これはもう完全に想像するしかねえな。 「宿題終わってない最有力候補は……加奈子か」 こいつに関しては終わってる想像すらつかない。 あとは……あれ? 加奈子以外はみんなしっかりやってそうじゃね? 他に唯一やってなさそうな赤城は、同じ学校枠で呼ぶのが決まっているし、黒猫の妹たちは黒猫がちゃんとさせてるだろうし。 「うーん……仕方ねえ。加奈子のお目付け役としてあやせも呼ぶか」 あやせがいてくれれば、加奈子もやる気を出さざるを得ないだろ。 さて、呼ぶ面子の確認だ。 麻奈実、黒猫、あやせ、加奈子、赤城兄妹。 「濃い……なんて濃い面子なんだ」 果たして、無事宿題を終えることができるのだろうか。 集合場所は近所の図書館を選んだ。 やっぱり、宿題をするなら図書館だよな。俺の部屋と違って涼しいし。 「図書館でやるなよ。騒げねえだろ」と、突っ込みたい人もいるかもしれない。 だが、安心してほしい。 近くの図書館にはグループで作業できる部屋みたいなのがあるんだよ。 受付で申請すれば誰でも貸してもらえるのだ。 その小部屋は、外から中が見えるようになってはいるものの、防音性に関しては全く問題ない。 使用している人たちを何度か見たことがあるが、話し声が外に漏れていなかったので間違いない。 「さて、各自の宿題の状況を聞こうか」 全員が集まったところで、俺はそう切り出した。 キャンプの時点で面通しは済んでいるので、紹介とうは不要だったしな。 「私は、全部終わってるよ」 と、麻奈実。 当然だな。毎年毎年、夏休みの前半で終わらせるタイプだもんな、おまえ。 「私は……数学が少し」 と、黒猫。 「意外だな。てっきり、おまえなら終わってるもんだと思ってたのに」 「こ、今年はいろいろと忙しかったのよ。……誰かにいきなり2日間もキャンプに連れていかれたりね」 うっ。 そう言われると返す言葉がない。2日間あれば、大抵の宿題は終わらせることができるしな。 「私も当然終わってますよ。お姉さんと一緒にやってましたから」 こう言ったのはあやせだ。 まあ、俺もあやせが終わってないとは思っていないさ。 あやせのお仕事は、加奈子のお目付け役だからな。 というか、麻奈実と一緒にやってたのかよ。どんどん仲良くなってねか? こいつら。 いいことだけどね。 「か、加奈子はー……そ、その…………まだ半分? っつーかなんつーか……」 やっぱりか。 案の定、加奈子は宿題が全然終わっていないようだった。 ていうか、半分て。どんだけ遊びほうけてたんだよ。 「俺は、もう終わってっから」 「なにいい!?」 124 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 20 37 38.61 ID x5esMjwho 一番驚いたのは、赤城が終わっていることだった。 何故だ? ……こいつはいつもいつも夏休みぎりぎりまでかかるタイプだったはずだ。 「いやあ、今年は部活の合宿に“宿題”っていうメニューが追加されちゃってさあ……」 なるほど。やらざるを得ない状況にあったわけか。 その結果、無事終了したと。 「あたしも終わってますよ。当然ですね」 と、自慢げに胸を張る瀬菜。 おいおい。終わってるやつ多くね? 見せてもらう名目で、既に終わってそうな奴には宿題を持ってくるように伝えてあるので安価の対象が限られるなんてことはないけどな。 「ところで、お兄さんは終わってるんですか?」 「うん? 俺か?」 あやせがそんなこと尋ねてきたので、俺は瀬菜よろしく胸を張って答えてやった。 「聞いて驚け! …………一つも終わっていない! というか、手をつけてさえいない! 進行率0%だ!」 「「はああ!?」」 集まった面子が一様にみな驚いた。 ……仕方がないんだよ。これまでに、“夏休み宿題を終わらせる”系の安価がなかったんだもの。 そら宿題も進まないよ。 集まった連中は口ぐちに、 「きょうちゃん、今年はいつになく駄目だね?」 だの、 「これじゃ、お兄さんの宿題を手伝う会じゃないですか……」 だのと、それぞれから辛辣なお言葉を賜った。 中には、 「宿題にかこつけて瀬菜ちゃんに手を出したらぶっ殺すぞ」 と、訳の分からないことをのたまうやつもいたがな。 「…………終わらねえ。加奈子、そっちは?」 「……見ればわかんだろぉ」 「そこ! 無駄口を叩かない!」 ぴしゃり! 鬼より怖い鬼教官から、檄と言う名の鞭が飛ぶ。 ちくしょう、あやせのやつ……なんでこんなところまで鞭持参するんだよ。 最近に限って言えば、おまえの方が立派な変態だぞ。 他のやつらは俺たちを手伝ったり、談笑したり……とにかく和気藹々とすごしていた。 黒猫もさっさと宿題を終わらせて、今は向こう側の住人である。 テーブルを挟んで、向こう側とこちら側で流れる空気の差がやばい。 まるで空気に色がついたかのように、こちら側の空気はよどんでいる。 「…………ここらでちょっと自主的な休憩といくか」 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/21(日) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx 今なら、全員のノートを手に取ることができる 誰の宿題に、なんと悪戯書きをするか決めてくれ ≫130 130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/08/03(水) 20 44 12.45 ID EGKcjbYao あやせのノートにもっとぶってなぶってと書きこんで こっそりあやせだけに見せる 135 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 21 14 54.89 ID x5esMjwho [6/12] 「やだ。なにこの変態」 というか、悪戯書きするのはいいけど、それを今見せちまったらただの筆談じゃねえか。 いや……でも今見せないと、あやせのリアクションを楽しむ機会はなくなっちまうし……。 思ったよりも難しいな、この安価。 加奈子の前に広がっている“あやせノート”の一つを拝借する。 さすが、あやせたん。綺麗な字をしていらっしゃる。 「もっとなぶって」と、書いてある文字と重ならないようにページの端に書き込む。 そして、今は加奈子を監視しているあやせへと、そのページを突き付けた。 ぴしゃり! 「いてえ!?」 あやせは、一言も発せず俺に愛鞭での一撃をくださった。 続けざまに、2発、3発と鞭による攻撃が加えられていく。 「あ、あやせ! ちょ、ちょっと待って!? 今のはほんの冗談だから!」 「ほらほら、口よりも腕を動かさないと」 その腕を動かした結果がこれなんだけどな! というか、テーブルを挟んで向こう側の奴ら! 「またやってるわ」みたいな雰囲気で、のほほんしてるんじゃない! これ、けっこう痛いんだぞ! 「だからお願い! 誰か助けて!」 夏休み、最終日。昼パート 安価成功 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/21(日) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx なぜだろう。女王様の行動に誰一人疑問を抱かなくなってるのは 普通、人が他人を鞭で叩きだしたら止めに入るよな やはり、キャンプの際に知れ渡ってしまったのか……あやせの趣味が 下手するとそれが俺の趣味だと思われている危険すらある さあ、夏休み最後の安価だ。最終回にふさわしい安価を期待している よろしく頼むぞ! 最後なので、ちょっと遠目で≫150だ! 149 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 21 21 59.76 ID CtsBTdwF0 ブリジットに目隠しをし、何に触ったか当ててもらうという遊びをする 頃合いを見て自分のペニスを直接握ってしごいてもらい、少し舐めてもらう 150 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 21 22 01.56 ID kvskohWGo 桐乃の所有しているPCとエロゲーを全部壊して、廃棄処分する ついでに桐乃に向かってシスコンとオタクを全否定 そして、桐乃以外の面子で外食する 165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 21 23 20.65 ID 7mWkYV5u0 おぅ...終わった...o......rz 167 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします)[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 21 24 35.78 ID 2mxl7C9N0 ≫165 俺達の戦いは終わったんだ…orz 168 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/03(水) 21 24 52.83 ID f7PGZ0Fx0 やってしもうた 211 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 22 56 34.25 ID x5esMjwho 「ふ……ある意味もっともこのスレらしいと言えるかもしれん」 だが、ここまで数多の鬼畜安価を切り抜けた俺にとって、この程度の安価が何の障害にもなんらんこと最後に見せつけてやるぜ! もし安価とったのが≫149だったら、親父エンドまっしぐらだったけどな。 『通報しました』 待て待て早まるな! 確かにかなりの鬼畜安価だが、それをなんとかリカバリーするためにこうして頼んでるんだから! 俺は、今回の安価を実行するにあたって、沙織に協力を要請した。 『……気は進みませんが、京介氏がどうしてもとおっしゃるのであれば、仕方ありません』 「これでよし……と」 全ての下準備は整った。 桐乃のPCとエロゲの回収 リストアップ、そしてPC内のデータのバックアップをすませ、庭へと運び出しておく。 ちなみに、沙織以外への面子への根回しは全て済んでいる。このあと晩飯でも行かないか?ってな具合にな。 あとは桐乃を呼び出して、目の前で破壊活動 シスコン、オタク否定発言をすれば安価はほぼ達成だ。 まあ、一概に否定発言と言っても、色んな意味があるだろうから、俺なりの否定発言ということにさせてもらうが。 夏休みの宿題はどうした、という突っ込みは野暮というものだ。 世の中、諦めが肝心だよ? 「桐乃ー。ちょっとこっち来てくれ」 ソファでくつろぐ桐乃に、庭から声をかけた。 「なに? また水鉄砲?」 「ちげーよ。今回はこれだ」 そう言って、庭に置かれた段ボールの中身を見せる。 「そ、それっ!? あたしのエロゲ――じゃなかった。あ、あんたのエロゲじゃん。そっ……そ、そそ、それがどうしたの?」 桐乃が、“あんたのエロゲ”と言い直したのにはわけがある。 キッチンではお袋が夕食を作っている最中なので、桐乃はそう言うしかないのだ。 ちなみに、俺の分の夕食はいらないと伝えてある。 「俺は今こそ、親父との盟約を守ろうと思う」 「はあ? お父さんとの盟約ぅ?」 「そう。男子たるもの、一度した約束をそう簡単に反故にしてはならんのだ。おまえのコレクションを守るとも約束したが、順番で言えば親父の方が先だからな」 桐乃のコレクションを責任を持って全て廃棄すること。 それが、親父と交わした約束だった。 もっとも、それはかつて俺が一方的に反故にしたことで、今はなかったことになってはいるが。 「その盟約と、エロゲと何の関係が――まさか!?」 「そのまさかだああああ!」 せええい! と、俺は振り上げた拳を段ボールに向かって振り下ろした。 バキッ! と何かが砕ける音が響く。 「ひいいいいい!? あんた何やってんの!? い、今すぐやめろ!」 「すまん! だがこれも仕方ないことなんだ!」 続いて、反対側の拳で第二撃。 「ちょ、ちょっと本気でやめなさいってば!」 桐乃が、裸足のまま、庭へと飛び出してくる。 「やめろって言ってんのがわからな――」 桐乃の言葉は、最後まで紡がれることなく、そこでストップしてしまった。 「あんた……なんで泣いてんの?」 「えっ?」 どうやら、俺は涙を流していたらしい。 ……それもそうか。ちゃんとフォローの手段は講じているが、妹の目の前で妹の大事なものをぶっ壊すわけだからな。 泣きたいとは思ったが、まさか本当に涙が出るなんてな。 俺のシスコンもここに極まれりだ。 「……そっか」 212 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 22 57 10.33 ID x5esMjwho 俺の涙をどう解釈したのか、桐乃は、何か納得したような台詞を吐いた。 「……ごめんね。これを守ろうとしてお父さんとの約束を反故にしたせいで、兄貴はお父さんに殴られたんだよね」 えっ? 「兄貴も、お父さんとの約束破っちゃったこと気にしてたんだよね」 ……ちょっと雲行きが変な気がする。 雲行きが怪しい――というほど、不穏なものではないからいんだけど……。 いや、十分不穏か。 「あ……あの時は、あたしも兄貴のこと嫌いだったし……エロゲが守られてよかったとしか思わなかったんだけど……」 おい、少しは感謝――いや、感謝ならしてくれてたな。 あのときの桐乃の台詞と表情を、俺は未だにはっきりと覚えている。 そして、それを見て俺がどう思ったのかもな。 「……いいよ。あたしは兄貴がそれで楽になるなら」 あれ? おかしいな。話の流れが完全に変な方向へ向かっているんだけど。 俺の計画では、ここで桐乃がキレて、俺が逃げ出して……。 しかるのちに「ドッキリでした」とばらすとともに、沙織に用意してもらったリストアップした品+αをプレゼントするつもりだった。 そして、俺はその代金を支払うために貯金を全て吐きだし、今後の小遣いやらお年玉の全てを沙織に献上する予定だったのだが―― どうしてこうなった? 「大丈夫。あたしは兄貴がいてくれさえすればいいから」 気が付けば、桐乃が俺の目前に立っていた。 手を伸ばせば、簡単に抱き寄せられる距離。 「ごめんね。今まで兄貴に甘えっぱなしで」 そう言って、桐乃は、俺の首に手をまわしてくる。 「き、桐乃!?」 「ふふ……わざわざエロゲなんて買わなくても、こんなに近くにいたのにね。……理想の、お兄ちゃん」 というか、顔が近い! これ以上近づいたら―― 「私、いいよ? 兄貴となら」 ま、待て! いくらなんでも、兄妹でそれはまずい! 今さら感がぱねえが、安価でもないのにそれはまずい! そこはほっぺじゃねえんだぞ!? ちゅっ。 「!?」 これなんてエロゲ? そのまま、10秒、30秒、いや、1分近くはそのままだっただろうか。 とにかく、長い時間そうしていたことは覚えている。 あくまでも体感時間なので、実際のところ、どれくらい続けていたかはわからないけどな。 「…………ぷっ」 「えっ?」 「あっはははは。なにその顔!」 ……えっ? ……えっ? 自体がうまく飲み込めない。だが、この状況には妙な既視感があった。 そう――俺があやせの前で「桐乃が好きだ」と叫んだその後、桐乃にからかわれたあの時と同じなのだ。 今回は本当にやらかしてしまったという点で異なってはいるが。 「あんた、妹に言い寄られて“また”焦ってんの! あはははは!」 桐乃は腹を抱えて爆笑している。 い、いやいや!? 今回は現に一線を越えちゃってるんだけど!? ドッキリってレベルじゃねーぞ!? 「いやー。笑った笑った。沙織に感謝しないとね」 「……沙織?」 213 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 22 57 54.16 ID x5esMjwho なぜそこで沙織の名が出る? 「…………まさか!?」 「そう。あんたの計画は沙織から聞いてたの。ちなみに、そこにあるエロゲは全部ダミーだから。空のDVD。さすがにPCのダミーは用意できなかったから本物だけど……どうせあんたのことだから、データのコピー用意してるんでしょ?」 ぐ……見透かされてやがる……。 「だから、PCは弁償してもらうかんね」 「うっ……。できるだけ安いのでお願いします」 『通報しました』 まさか、沙織から送られてきたあのメールがそんな意味だったなんて……。 「ちくしょう、沙織のやつ! 今度会ったら覚えてろよ!」 土下座して感謝してやるから覚悟しろ! 夏休み、最終日。夕方パート 安価失敗 夏休み、最終日終了 本日の好感度変動 桐乃 +1 麻奈実 ±0 黒猫 朝 -1 昼 ±0 ――――― 計 -1 沙織 ±0 あやせ +1 加奈子 +1(仲間意識的ボーナス) 日向 -1 珠希 ±0 瀬菜 ±0 赤城 ±0 最終的な好感度及びステータス 京介 S属性 桐乃 +13.5 ※嫉妬無双+M属性 麻奈実 +8.5 黒猫 +3 ※覚醒済み 沙織 +9.5 ※M属性 あやせ +5.5 ※女王様気質 加奈子 +7 ブリジット +8.5 日向 +4 ※眼鏡をかけるようになっている 珠希 +5 瀬菜 +7 フェイト +2.5 ※年下の良さを認識 佳乃 ±0 赤城 +2 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/21(日) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx ドッキリを仕掛けたと思ったら、ドッキリを仕掛けられていた しかも、そのドッキリはどこまでがドッキリでどこまでがドッキリでないのかわからない――ときたもんだ おまえら、最後までありがとう。とりあえず、このスレはここでおしまいだ。 とりあえず、俺はこれまでの不勉強を取り戻すため、これからは勉強に精をだすことにする またスレを立てることがあったらよろしくな! 214 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 22 59 02.30 ID x5esMjwho エピローグ桐乃√ 「おーい、桐乃」 今年の夏休みは、こうして桐乃を呼ぶことがとても多かった。 今までで一番多かったかどうかは分からないが、少なくとも、屈指の多さだったことは間違いない。 「なに? あたし、もう行かなきゃなんないんだけど」 夏休みも明け、今日から2学期。始業式の朝。 玄関で靴を履いて、今まさに学校へ向かおうとしている桐乃に声をかけた。 「実はな、おまえに渡すものがあるんだよ」 そう言って、俺は一つの包みを取り出した。 中身はもちろん、麻奈実やあやせと一緒に選んだ桐乃へのプレゼントだ。 桐乃にばれない様に、俺のお宝グッズと一緒に厳重に保管しておいたものを今朝ひっぱりだしてきたのだ。 「はあ? あんたが? あたしに?」 「おう」 突然の俺からのプレゼントに訝しむ桐乃。 「……あんた、まさかなんかやらかしたの?」 「なんもやらかしてねえよ! お詫び的な意味じゃねえから!」 なんで素直にありがとうと言って受け取れないんだ。 いや、まあ……俺の行動にも問題がないこともない。 俺がもしいい兄貴だったなら、お詫び的な意味にとられることもなかったろうしな。 「じゃあ……なんなの? 誕生日でもないし」 「なんもねえよ。ただ、あげたい気分だったからだ。他意はないよ」 以前誰かが言っていたが、女の子の行動の裏には“他意”があるそうだ。 だけど、それは別に女の子に限った話ではないと俺は思う。 誰にだって“他意”はあるのだ。ただ、照れくさいから表にださないだけで。 「ふーん…………開けてもいい?」 「おう!」 桐乃の質問に、俺が力強く答えてやった。 「あ……髪留め」 「おまえ、いっつも同じ髪留めしてるからさ。たまには違うのもどうかと思って」 どうだ、よく見ているだろう――と、少し自信ありげに俺は言う。 桐乃に「ずっと観察してたの!? キモっ! このシスコン!」などと罵倒されることは覚悟の上だ。 だが、いつまでたっても罵倒はとんでこなかった。 それどころか、桐乃は、少しため息まじりにこう言った。 「……あんた、ちっとも成長してないんだから」 ひょっとして、プレゼントが気に入らなかったのだろうか。 デザインに関してはあやせのお墨付きをもらっているので問題ないはずだ。 だとすると、髪留めという品のチョイス自体が間違っていたのだろうか。 215 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/08/03(水) 22 59 35.94 ID x5esMjwho そんなことを考えていると、桐乃が呆れたような顔で俺に語りかけてきた。 「やっぱり覚えてないんだ。これ、兄貴がくれたんだよ?」 そう言って、桐乃は自分の髪留めを指さした。 「えっ?」 全然記憶にない。 いつごろの話だ? 少なくとも冷戦状態に突入する前の話なのは確かだが……。 「昔ね、どうしても欲しいものがあって、お母さんにねだったの。でも結局買ってもらえなくて……」 あー。 そう言われると、桐乃がだだをこねている映像が頭の中にぼんやりと浮かぶ。 あの時は大泣きしながらだだこねてたな。欲しがってたのは大きなぬいぐるみかなんかだった気がする。 「で、泣いてたらいきなり兄貴がこれをくれたの」 「…………そうだっけ?」 言葉とは裏腹に、俺ははっきりと思いだしていた。 桐乃が「買ってくれるまで帰らない」と泣いていたこと。 桐乃が泣いているのをなんとかしないとと思って、ポケットに入れておいた小遣いを数え、髪留めを持ってレジに走ったこと。 昔の俺はいい兄貴だったと思う。 「……ほんと、俺って成長してねえなあ」 ただ、最近は、少しは昔の俺に近づけたのではないかと思っている。 桐乃のためなら、頑張れてしまう。そういう体質になっているのだから。 「ほんと。また髪留めだもんね」 俺と桐乃とでは“成長してない”の意味合いが若干違うようだが、そんな些細なことはどうでもいいだろう。 大事なのは、昔の俺に恥じないシスコンになることだ。 「桐乃、せっかくだし途中まで一緒に行くか」 「うん。あ、これ付けてくるからちょっと待ってて!」 ――次のプレゼントは何がいいかな。 洗面所へと走る桐乃を見ながら、俺はそんなことを考えていた。 おわり 266 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/08/04(木) 12 04 39.81 ID M+Otk80qP 【好感度集計表】 ... |01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|13|14|15|16|17|18|19|20|21|22|23 |24 |25|26|27 |28 |29 |30 | 桐乃 |-3|-3|+0|+2|+2|+2|-3|-3|-2|-2|+1|+1|+3|+3|+3|+5|+3|+5|+7|+9|10|10|10.5|11.5|12|12|12 |12 |12.5|13.5| 麻奈実 |+0|+0|+0|+1|+1|+2|+2|+2|+2|+2|+2|+2|+4|+4|+4|+5|+5|+6|+6|+6|+6|+6|+8 |+8 |+8|+8|+8 |+8.5|+8.5|+8.5| 黒猫 |-3|-2|-2|-2|-2|+0|-2|+1|+1|+2|+2|+2|+3|+1|-1|-2|+1|+1|+1|+1|+1|+2|+2 |+3 |+3|+3|+3 |+4 |+4 |+3 | 沙織 |+0|+1|+1|+1|+1|+1|+2|+2|+2|+2|+2|+4|+4|+4|+4|+4|+5|+4|+4|+5|+5|+6|+6 |+6 |+7|+7|+7.5|+9 |+9.5|+9.5| あやせ..|+0|+0|+2|+2|+2|+2|+0|+1|+1|+2|+3|+3|+3|+3|+3|+2|+2|+2|+1|+1|+1|+1|+2 |+2 |+1|+2|+4.5|+5.5|+4.5|+5.5| 加奈子 |+0|+0|+1|+4|+4|+4|+4|+5|+5|+5|+6|+6|+6|+7|+7|+7|+7|+7|+6|+6|+6|+8|+8 |+8 |+6|+5|+6 |+6 |+6 |+7 | ブリ |+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+3|+3|+3|+2|+2|+3|+3|+3|+3|+3|+4|+4|+4|+5|+5 |+5 |+7|+7|+8.5|+8.5|+8.5|+8.5| 日向 |+1|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+1|+2|+3|+3|+3|+3|+3|+3|+3 |+4 |+5|+5|+5 |+5 |+5 |+4 | 珠希 |+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+2|+2|+2|+2|+2|+2|+2 |+3 |+4|+4|+4 |+5 |+5 |+5 | 瀬菜 |+0|+0|+0|+0|+1|+1|+1|+1|+0|+0|+0|+4|+4|+4|+4|+4|+4|+5|+5|+5|+5|+5|+6 |+6 |+6|+6|+6 |+7 |+7 |+7 | フェイト|+0|+0|+0|+0|+0|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+1|+2|+2|+2|+2|+2|+2|+3|+3|+3 |+3 |+2|+2|+2.5|+2.5|+2.5|+2.5| 佳乃 |+0|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|-1|+1|+0|+0|+0 |+0 |+0|+0|+0 |+0 |+0 |+0 | 赤城 |+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+0|+2|+2|+2|+2|+2|+2 |+2 |+2|+2|+2 |+2 |+2 |+2 |