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. 『あなたは、全てを壊してしまう』 『あなたは、人をいっぱい傷つける』 『あなたは、最期にたったひとり……』 違う。 俺は、そんなことには、ならない。 俺はお前を傷つけない。 ……蘭。 ▼ ▼ ▼ 足を踏み出せば、そこに広がるのは時間ごと凍りついたような世界だ。 忘れ去られた団地を彼は歩く。大昔に放置され、今は朽ち果てた石造りの森。均一化された立方体が整然と並ぶ様は墓地にも見えて、かつてそこにあった営みを想起させた。 人の姿はない。空っぽの建築群は収めるべきものを全て吐き出してしまって、代わりに静寂を詰め込んでいるかのよう。静寂のままに夜の闇が充ち、辺りは深海底が如き停滞の色を澱ませているのだった。 「……」 彼は───櫟士は言葉なく足を進める。 こつり、こつりと靴音が反響する。均一、等間隔。規則正しい足の音。 こつり、こつり。 かつり、かつり。 それがいつの間にか"二人分"になっていることに気付くと、櫟士は立ち止まり、やがてゆっくりと振り返る。 「いつまで付いてくる気だ」 びく、と怯えたかのように、その小さな影は震えるように身を竦ませた。 櫟士の視線の先、路地の暗がりに立つ少女は、怯えと心配と不安が綯交ぜになったような表情で、おずおずとこちらを見遣っていた。 櫟士がこの少女と出会ったのはつい先ほどのことだ。 突然訳の分からないことを言い出した男によって見知らぬ場所に連れてこられ、これもまた見たことのない携帯端末を慣れない手つきで弄ること数分。荷物を纏めた矢先に出会ったのが、この明るい髪を結った小柄な少女であった。 「蘭を知っているか」 ふるふる、と少女は首を横に振る。櫟士は表情を変えず、出会い頭の詰問めいた言葉を詫びるでもなく続けた。 「大西京呉、遠山治彦は」 ふるふる、とやはり否定する少女。その視線は不安げに見上げられたものであり、あるいは何かを言いたそうな目でもあった。 「……」 櫟士は何を言うでもなく、ただ無言で少女に背を向けた。朽ちかけた扉のノブに手をかけ、静かに押し開いて外へ出た。 彼の背に、静止の声は届かなかった。 だから彼は止まることはなかったし、後ろを振り返ることもなかった。情も馴れ合いも流9洲における彼の生活にはなかったものだったから、それが当たり前だと考えていた。 どうやらそれが自分の勘違いだったらしいことは、そこから50mも歩かないうちに察した。 櫟士と少女の間に、重い沈黙が流れた。 櫟士は相変わらず表情筋が死滅したかのような面持ちであるのに対し、少女は何かを言いたげで、意を決したかのように何かを伝えようとするけれど、やはり何の言葉も出てはこない。 彼女は何をしたいのだろうか。櫟士が顔に出さないまま困惑していると、少女はがさごそとデイパックを漁り、マジックペンとスケッチブックを取り出して何かを書き始めた。 『危ないですよ』 どん、と見せつけられるスケッチブック。そこに書かれた六文字の文章。見つめる櫟士は、やはり無言と無表情。 ふざけているのだろうか、と考えてみたが、当の少女は真剣そのものといった顔だ。訳が分からない。 「何が言いたい」 『あなただけでは危ないです、私と話をしてくれませんか?』 「……」 「……」 沈黙。 櫟士は動かず、少女もまた困ったように立ち尽くしている。 この少女は何をしたいのだろう。櫟士は思考する。 ここが危険な場所であることは周知の事実だ。まさか安全地帯と思っているような者はいないだろうし、そんな知恵遅れや知能障害を持っているような人間と勘違いされる覚えも謂れもない。 ならば取引か、あるいは恐喝の類かとも考えたが、どうもしっくりこない。それにしては少女の態度は下手のもので、奪う者特有の余裕や蔑みの感情はまるで見えてこない。 ふと、ありえない可能性を思いつく。 もしかして、この少女は単純に自分を心配しているのではないかと。 「俺の心配をする前に、自分の心配をしたらどうだ」 仮に少女の真意が"それ"だとするならば。 それは弱さだ。真っ先に狙われ、跡形もなく絞りつくされるのを待つだけの隙だ。 善悪や好悪とは全く違うベクトルで、それは弱さなのだ。残念ながら。 言われ、少女はやはり困ったような表情をして。言葉を紡ぐのではなく支給品の携帯端末を手にすることで応えた。 櫟士には見慣れないそれを数秒ほど弄って───次の瞬間、少女は光に包まれる。 「ッ!?」 突然の光に、櫟士は思わず懐の銃に手を伸ばしかける。 しかし、燦然と輝く緑の光はそれよりも早く収まり、そこには先程とは衣服を異な物とした少女が立っていた。 緑を基調とした、繁る命の息吹を思わせる姿。 否応もなく、力充つる気配を湛える勇者の姿。 それは信仰は愚か神性への理解すら持たない櫟士にさえ、ある種の荘厳さを感じさせる佇まい。 そして少女は指先を持ち上げ───スケッチブックに何かを描き込み、見せた。 『大丈夫です。私は勇者なので』 「……」 勇者。 その名の意味を、櫟士は分からない。 『あなたの名前を教えてくれませんか?』 けれど、何かを感じたのだろうか。 改めて少女へと向き直り、その体に彩られた花を見つめ、彼は口を開く。 「……イチセ」 平坦な、けれど一切敵意のない、最初からずっと変わらない声音で彼は言う。 「俺の名は、イチセだ」 ◆ 辺りを探索して暫くもしないうちに、目当てのものは見つかった。 それは団地の軒先に放置されていた一台のオートバイだ。これも相当に年季が入った錆びれ方をしていたが、周囲の朽ち果てた建築群と比べればかなりマシなほうで、何とか動かすことができそうだった。 跨り、エンジンを吹かす。作動に問題ないことを確認すると、一気に走り出そうとし─── その動きを、服の裾を掴む指によって阻まれた。 「……」 「……何故、まだ俺に構う」 「……」 「お前にはいるはずだ、探すべき人間が」 "イツキ"と名乗った少女と、櫟士はいくらかの情報交換をしていた。 イツキが聾唖の身であることは、途中から櫟士も薄々察することができていた。流9洲にはそうした欠損を持つ者が掃いて捨てるほどいた。そしてそれは、今の櫟士も同じことだった。 失われた右手の左足。それを補うために接続された人工義肢「テクノライズ」。血縁を否定し、自らを人なる種とは別種と定義する技術。 全てを失くし、親との繋がりと己が身だけを糧として生きてきた櫟士にとって、何よりも忌まわしいはずの機械の体。 それを幾ばくかでも肯定できるようになったのは、彼が今まで知ることのなかった"繋がり"によるものではないかと、そう考えていた。 そして、イツキにはその繋がりがある。 恐らくは、自分のものよりもよほど強く確かな、そんな繋がりが。 「お前はそこに行け。俺は俺の行くべき場所に行く」 「……」 イツキはただ、ふるふると首を振っていた。書き文字をすることもなく、ただじっと、櫟士を見つめる。 「……俺は流9洲に向かう。途中、お前が言っていた場所にも立ち寄れるだろう」 先程二人で見た地図を脳内に描く。現在位置のH-2から流9洲に向かおうとすれば、道中にはイツキが慣れ親しんでいたという"中学校"という場所がある。 櫟士はじっと、イツキを見返した。揺るぎない瞳がそこにはあった。櫟士には目を見るだけで人柄を看破できるような経験も眼力も存在しない。しかし、イツキのそれは櫟士の知る何にも該当しない光があった。 地下の人間のように、ただ生きるために全てを燃やし尽くすような熱でもなく。 地上の人間のように、ただ生きることしか知らないがための死んだ穏やかさでもなく。 櫟士の知らない何かを、彼女は持っていた。 「乗れ。行くぞ」 こくり、と頷いて後部座席に跨る。爆音と振動が鳴り響き、二人を乗せたオートバイは勢いよく走り去っていく。 後には残響と、舞い上げられた砂埃だけが残されているのだった。 ▼ ▼ ▼ 『あなたは、全てを壊してしまう』 『あなたは、人をいっぱい傷つける』 『あなたは、最期にたったひとり……』 その言葉を───蘭が見た未来を、俺は否定することができなかった。 それは、俺の辿ってきた人生そのものだった。 何かを壊すことで、俺は生きてきた。 誰かを傷つけることで、俺は生きてきた。 そうしなければ生きられなかった。そうすることでしか、俺は生きられなかった。 俺はずっと一人きりだった。父が死に、母が死に、寄る辺なくこの流9洲で犬のように過ごしてきた。 手を差し伸べることも差し伸べられることもなかった。献身や博愛など空想の中にすら居場所はなく、明日を夢見る希望さえあの街にはなかった。 だから俺は総てを壊し、誰かを傷つけ、そして一人で死んでいく。それは当然のことだ。 それを変えたのはお前だ、蘭。 お前と出会ったことで、俺は変われた。変わることができた。変わってしまった。 だから、蘭。 お前にも知ってほしい。俺は、あの世界で生きることはできないけれど。それでもお前にはあそこにいてほしいと願う。 殺し合いのない世界で。 お前に、生きてほしい。 『H-2/廃墟群/一日目・深夜』 【櫟士@TEXHNOLYZE】 [状態]:健康 [装備]:ハネムクロ@CODE VEIN、ニューナンブM60@現実 [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~1、オートバイ@現地調達 [思考・状況] 基本方針:蘭の見た未来を覆す。 1.蘭を最優先で探す。 2.大西との合流。 3.遠山を警戒。しかし場合によっては……? 4.イツキを傷つけない。 [備考] 参戦時期は20話で遠山と再会する直前 勇者部メンバーについての簡単な情報を得ました。 【犬吠埼樹@結城友奈は勇者である】 [状態]:健康、聾唖 [装備]:讃州中学の制服 [道具]:基本支給品一式、勇者システムのアプリ@結城友奈は勇者である、不明支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:殺し合いには乗らず、皆で帰る。 1.イチセさんと一緒に讃州中学を目指す。 2.戦わなきゃいけない時は覚悟を決める。 3.勇者部のみんなと早く合流したい。 [備考] 参戦時期は一期で声を失って以降~最終話以前。 勇者システムのアプリは基本支給品のタブレットにインストールされています。 満開の代償によって声を失っています。 櫟士の知り合い(蘭、大西、遠山)と流9洲についての簡単な説明を受けました。 支給品紹介 【ハネムクロ@TEXHNOLYZE】 日本刀を元に作り上げられた片手剣。作中登場する中では軽量の武器だが、それでも元となった日本刀と比べ遥かに長く、幅広の刃を持つ巨大な武器。 鞘は存在せず、その質量のままに怪物を斬り殺すことを前提として設計されている。 【ニューナンブM60@現実】 回転式拳銃。装弾数は6発。日本の警察・海上保安庁・刑務所において配備される、およそ一般に拳銃と聞いてイメージされる最も普遍的な拳銃。 BACK NEXT 002――への切符 投下順 004 星が降るユメ 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 櫟士 犬吠埼樹
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信仰者は終末の奇跡を見るか P(R) 光 11 呪文: ■バトルゾーンにあるクリーチャーをすべて破壊する。 ■相手のカードの効果でこのカードが手札から離れるとき、または相手のターン中にこのカードが手札から離れるとき、このカードを相手に見せてもよい。そうした場合代わりにこの呪文をコストを支払わずに唱える。 作者:神風弐千 収録 DMTT-0H「信仰者の祈り」 《アポカリプス・デイ》2014/05/12効果修正 評価 名前 コメント
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世界なんて、救わなければよかった。 ■ 歩く、歩く、歩く、歩く。 世界が変わっても。世界が荒れ果てても。世界が終わっても。 ただ、歩き続ける。足が折れても、心に罅が入っても。 前だけを見据えて棒のようになった足を無理矢理に動かして。 始まりは三人だった。 優等生に不良、凡庸な青年。 性格も生い立ちも違うのに、何故だか知らないが、妙に気が合った。 だから、彼らがいた時はまだ折れずにいられた。 母親を殺した時も、東京が崩壊しても、世界が様変わりしていっても。 三人ならきっと、乗り越えられると信じていたから。 ――そんな夢が続くと信じていた。 三人は二人になり、二人は一人になり。 再び三人になった時は、全員が変わっていた。 神の生贄。悪徳の救世主。 世界の均衡を乱す存在となった彼らを前にして、青年は強いられた。 未来の為に等しく鏖殺を。 親友だった彼らを、青年は自ら手放した。 否、手放さざるを得なかった。顔も声も知らぬ大衆の為に、未来という朧気な希望の為に。 運命が彼らと生きることを許さなかった。 それでも、それでも。この手には何かが残っていたはずだ。 例えば、使役した悪魔とか。 例えば、世界が様変わりしても再び出会えた女の子とか。 もっとも、自分には追いつけず死んでしまったけれど。 親友二人を切り捨てた時点で、青年はもう手放すことに躊躇なんてなかったのかもしれない。 大切なものが一つだけあればよかった。 その一つに女の子が入るはずだった。もしかしたら共に戦った悪魔だったかもしれない。 そう、信じていた時もあった。否、信じていたかった。 結局、彼女達も自分が殺したようなものだ。 青年がやったことは殺戮だけである。 悪魔を殺した、天使を殺した。立ち塞がる者は総て鏖殺した。 ああ、そういえば幼馴染を殺したのも自分だったか。 殺さなくては前に進めない。踏破するには全てを終わらせる他なかった。 後々、自らの障害に成り得る可能性は片っ端から潰して回る。 それが一番の近道であり、それ以外に選択肢なんてなかったから。 だから、青年はだくだくと流れ落ちる何かを気にせず、力を振るい続けた。 今は遠き、理想郷。嘗てはくっきりと浮かんだ願いは泡沫へと消えていく。 数え切れぬ程、血を流し、流させた。 手に持った武器は数え切れず。いつしか千変万化とも呼べるくらい、使いこなして――できたのは鏖殺だけ。 殺らなければ、殺られる。もはや、青年の傍には誰もついてこれない。 強く、強く、誰にも害されぬように強くならねばならないのだ。 どんな手段を使ってでも、生き残る。 奪ったものが無価値にならないように、自分が生んだ犠牲が無意味にならないように。 奪うことしか選ばせてくれなかった運命に抗い続けるのだ。 そうして――――“英雄”になってしまった。 自らの名前が滲んで読めなくなるくらいに磨り潰された、バケモノ。 遺した誓いすら、思い出せなくなった無辜の怪物。 その名を、ザ・ヒーローという。 決定的なまでに固定された在り様はもはや、変わらず。 それは、終末が目前となった世界でさえ何の感慨を浮かべはしなかった。 いつも通り、やることは一つだけ。 総てを殺す。奪った分だけ、終わらせる。もう二度と過酷な運命が紡がれないように。 支給されたものを確かめる。数秒で終わる。武器であれば何でも良い。 使いこなせない武器など、ザ・ヒーローには存在しない。 そして、戦いが始まるのはいつだって突然だ。 眼前に映る二人の少年少女。 戦いとは無縁に見える華奢な体に、穏やかな表情を浮かべた二人組。 名前も知らぬ、知るつもりもない誰か。 これから、奪わなくてはならないが、特に感情が揺さぶられることはなかった。 そんな初心はザ・ヒーローから消えてしまったから。 腰にぶら下げた剣を抜刀し、一気に間合いを詰める。 一太刀で終わらせる。事実、少女の方は全く反応をしておらず呆けたままだ。 このまま首を刈り取って死体が二つ、地に伏せる。 ザ・ヒーローはそう、確信していた。 「…………っ」 ザ・ヒーローの口からは無言の驚愕が漏れ出した。 少女を斬り捨てるはずだった剣は寸前で止められている。 横にいた少年が瞬時に短刀を抜き放ち、受け止めたのだ。 なるほど、と。ザ・ヒーローは見た目によらぬ強敵に気を引き締める。 そのまま、続けざまに連撃。全てが致命の一閃であり、避けること叶わぬ鋭さを持っている。 だが、それもまた少年の短刀に防がれた。 迸る斬撃の応酬と共に、ザ・ヒーローと少年は少女から徐々に離れていく。 否、離された。少年が少女を護るべく、距離を稼いでいる。 まるでお姫様を護る騎士のようだ。 王道の物語を好む人間からは拍手喝采が舞い散るだろう。 ――――縋られた者の末路はいつだって、残酷だ。 もっとも、ザ・ヒーローのいた世界でそんなものはとっくに消え去った。 世界は青年に優しくなかった。運命は青年に過酷な淘汰を強いた。 「……すごいな」 あんな風に、誰かを護れたら。護ることを諦めていなかったら。 自分達も、運命を呪わずに済んだのだろうか。 力を求め、底に堕ちて死んでいった彼。 理想を求め、高みへと生贄に捧げられた彼。 そして、何も捨てられなかったが故に何もかも捨てられてしまった彼。 確かに掴んでいたはずのものはもうどこにもない。 感傷だ、何も生まない終わってしまった過去を今更思い直しても意味などない。 「こんな状況である以上、話し合いより殺し合いが先だってことぐらいわかってる」 「当然だね」 「だからといって、殺されてやるつもりはない」 今の最適解は殺すこと。結局、今までと同じ繰り返しだ。 剣を改めて握り直し、ザ・ヒーローは駆ける。 目の前の少年は油断していい相手ではない。 心臓、首筋、と。繰り出すのは全て必殺だ。 少年に余裕を与えてはならない。ザ・ヒーローのこれまでの戦闘経験が言外に告げている。 少女から離された時もそうだ、彼は戦うことに、誰かを護ることに慣れていた。 放った斬撃を全て受け流され、あまつさえこちらに反撃を加えようとする。 だが、届かない。届かせてなるものか。 崩壊していく世界で最後まで戦い続けた 瞬間、少年は反転して一足で距離を取った。 ザ・ヒーローは訝しむ表情を浮かべた瞬間、空気の温度が一気に下がる。 突如、虚空から生み出された氷槍の雨がザ・ヒーローへと降り注ぐ。 氷槍一つが致命の一撃、物理破壊をするのが馬鹿らしいくらいの無数の雨。 だが、どうってことはない。 何の変哲もない、特別な力など使わないただの回避行動。 予め、知っていたかのような挙動で氷槍の雨を全て躱し切る。 あの地獄を見てきた英雄にとって、この程度は致命足り得ない。 「……っ」 少年は驚愕の表情を浮かべるも、すぐに持ち直す。 戦いに慣れているのか、淀みがない。 少なくとも、これらの氷槍がとっておきの切り札という訳ではないらしい。 手数が多いのはそれだけ取れる戦法のヴァリエーションがあるということだ。 ――とはいえ、退く訳にはいかない。 後々に残すと厄介な参加者は早めに潰しておきたい。 艱難辛苦を踏み越えてきた経験が告げている。 この少年はここで殺しておくべきだ、と。 必殺の決意を再度充填し、ザ・ヒーローは地面を蹴り砕き、疾走を開始した。 氷槍の回避もあってか、少年との距離は離されている。 多少の手傷を負わせ、隙あらばこのまま離脱しようかと考えているのだろう。 そうはさせない。無傷にてこの氷が降り注ぐ極寒の障害を踏破する。 雨が降る。先程と変わらず、一発でも当たったら氷槍を全て回避し、少年へと迫る。 瞬間、ザ・ヒーローは反射的に跳躍。突如出現し、秒単位で振り抜かれた金属の腕を躱す。 あの少年の手札なのだろう、突然の一撃は姿勢を崩してしまう。 とはいっても、数秒あれば持ち直す程度の空白。 姿勢を戻し、いざ少年の首を狩らんとした時、既に死地は完成していた。 「…………逃げ場なしか」 ザ・ヒーローが足を止めた数秒間があれば、少年にとって必殺の一撃を生み出すには十分すぎるものだった。 全方位に氷槍が生み出され、檻が完成する。 ここでザ・ヒーローは気づいてしまった。 最初から少年は逃げる気なんてないことに。 自分を殺すべく、入念に場を整えていたことに。 『■■■、諦めるときだ』 視界の端で道化師が踊っている。 現実ではない幻覚――否、幻覚ではない現実か。 青年の英雄譚はここで終わる。漸く、旅路を終えて眠りにつける。 だから、これでいい。もう、いいのだ。 脳裏に浮かぶのは、まだ何も知らなかった頃。幸せな日常が続いていた頃。 母とパスカルと自分と。 満ち足りていたとまではいかないけれど、普通の青年でいられたあの時を。 お前は、何を切り捨てた? 母親は死んだ。悪魔に殺され、その悪魔をお前は殺した。 鏖殺の旅路は自らの居場所を壊す所から始まった。 それでも、まだ残っている願いはあった。 お前は、何を切り捨てた? 自らを犠牲に未来を託した少女を、お前は踏み越えた。 仕方がなかったという言葉でごまかして、その礎の上を走る決意をした。 それでも、まだ残っている願いはあった、はずだ。 お前は、何を切り捨てた? 袂を分かった親友達を、お前は切り捨てた。 ずっと、三人でいたかった。 母親を喪っても、少女を切り捨てても、二人がいたから生きていけた。 困難な状況にも関わらず、自分を見失わずに済んだのだ。 けれど、二人はいなくなった。自分が殺して、終わらせた。 それでも、まだ残っている■■は■■■。 お前は、何を切り捨てた? もう、わからない。 少女も、仲魔も、全て消えた。 ユメは終わり、運命は相変わらず真っ直ぐなまま。 真っ直ぐ過ぎて、全部失くしてしまった。 『■■■、諦めるときだ』 失ったものを取り戻そうとは思わない。 そもそも何を取り戻すべきかもわからない。 だから、せめて終わらせようと誓ったのだ。 世界が今度こそ平和になりますように。 望まぬ運命に強いられた“英雄”が生まれない世界を。 ――――――右手を伸ばす。 運命はまだ、“英雄”を見捨てない。 “■■■”は、揺らがない。 氷に覆われた死地を踏破することは運命に定められている。 道化師よ、そこを退け。“英雄”が通る。 地を踏み締め、握り締めた剣は銀色の輝きを増していく。 とん、と。軽い足音と共に、ザ・ヒーローの姿は掻き消える。 そして、少年が次に彼を知覚していた時、氷の檻は既に突き破られていた。 「……っ」 「……遅い」 ほんの少しだけ弾幕が薄い箇所を見極め、突き抜ける。 全方位から穿たれた氷槍の弾幕を全て崩す必要なんてない。 ただ自分に直撃するものだけを、ザ・ヒーローは切り砕く。 勿論、その判別は並大抵の技量ではできない。 圧倒的な経験――死地を潜り抜けなくては身につかないだろう。 常人ならば。ただの戦士ならば。この氷獄にて終りを迎えている。 ――なるほど、確かに。常人ならば、何もできないまま殺られてるね。 けれど。どうやら。鋼の“彼”は常人ではない。 少年がその事実に気づいた時にはもう距離は一足一刀の間合いに入っていた。 振るう剣、流す短刀。少年の手札を知ったからにはそう簡単に距離は稼がせない。 ミドルレンジであれば、防戦一方になるのかもしれないが、クロスレンジならば。 ただひたすらに。ザ・ヒーローは愚直なまでに少年との近接戦に挑む。 遠距離から氷槍を飛ばすアウトレンジ系統のバトルスタイルかと思えば、実際はクロスレンジでも戦える。 オールマイティーに戦えるのだろう、ザ・ヒーローの振るう剣に的確に対応してくる。 首筋狙いの突きはしゃがみ込みつつ躱して、あまつさえ反撃の横薙ぎ一閃。 数十合の切り結びが秒単位で行われる。 互いの武器が虚空を縦横無尽に駆け回り、常人から見ると何をしているかさえ把握できないだろう。 「まだだっ!」 少年が攻め手を変える。 大雑把な振りかぶり、それまでの繊細な斬撃とは打って変わってたものに、ザ・ヒーローは一瞬躊躇する。 とはいえ、一瞬の硬直は傷を負うまではいかず、少年の振るった刃は受け止められた。 受け止められると、すぐさまに少年は次の動作にシフトし、体を縮こませ、足を振り抜いた。 流れるように放たれた蹴撃はザ・ヒーローの腹部に直撃し、大きく吹き飛ばす。 距離が、空く。再び氷槍が飛んでくる。 予測の通り、虚空に生み出された氷槍が視界に入った時、ザ・ヒーローは既に離脱していた。 ザ。ヒーローはジグザグに走りつつ、時に剣で氷槍を撃ち落としながら徐々に距離を狭めていく。 「強いな、君は」 自然と口から漏れ出た言葉は、ザ・ヒーローの心からの称賛だ。 少年は強い。きっと、それは過去の自分よりも。 この齢でこれだけ強いと言うことはこの先、もっと伸びていく。 崩壊後の東京でも自分を曲げずに生きていけるだろう。 すなわち、大切なものの喪失を回避できる力があるということだ。 「僕も君のように強かったら――」 懐かしむように言葉が勝手に漏れ出していく。 郷愁、なのだろうか。こんな終末の箱庭でも善性を失わない少年に対して抱いたのは。 「大切な人達を護れたのかもしれない」 「………………は?」 失ってしまったもの。そして、手に入れたもの。 両者は不等号が成され、比率は片方へと比重している。 「僕は――――世界を選んだから、全部失くしちゃったんだろうな」 ザ・ヒーローは、英雄は、総てを受け入れ、総てを壊した称号である。 ■ 「喝采せよ。喝采せよ」 世界のどこかで誰かが囁いている。 運命の夜、夢の始まり、神の終わり。 何回目か数え切れない終末の始まりを、祝福する。 「ああ、ああ、素晴らしきかな。 第一の夜を盲目の英雄が駆けるのだ。 現在時刻を記録せよ。 クロック・クラック・クローム」 駆ける、駆ける、駆ける。 黄金螺旋の果てまで駆ける青年が一人。 それは愚者。それは運命の生贄。それは中庸。 虐殺の英雄。 世界にして終焉の担い手であった英雄。 彼は黄金螺旋の果てまで駆ける。 一歩、一歩踏み締めて。 かつても、今も。 終焉を目指して。いと高き場所にある終焉を求めて。 「世界の望んだ”その時”だ、ムーンセルよ、導くがいい。 黄金螺旋の果てに、我が夢、我が愛のかたちあり」 しかし、頂上にまだ残っているものがあると誰が決めた。 かつてはあった。最後の希望があった。 今はない。何も、何も。 青年が望むものなんて、もうこの世界にはどこにも残っていないのだろう。 ■ それは、天樹錬がかつて選ばなかった選択肢。 世界か、少女か。 錬は少女を選んだ。 悩んで、悔やんで、信じて。 フィアの笑顔が自分にとって何よりも大切で尊いものだと気づいたから。 見知らぬ大勢を切り捨てて、少女の幸せを望んだ。 恐怖に揺れる人々を尻目に、たった一人、君を護る為なら、と。 罪業は深い。いつか自分達は裁かれる時が来る。 最後は断頭台に首を落とされるのが定めだ。覚悟はできている。 「どうして」 そして、眼前の青年は世界を選んだ。見知らぬ大勢の為に大切な人の幸せを諦めた。 見知らぬ大勢の悲嘆をどうしても見過ごすことができなかったのだろう。 その結果、彼はもう後戻りできない領域にまで到達してしまった。 奪ったものが無意味に、無価値に沈まないように。 「どうして」 嗚呼、こんな問いかけに意味なんてないのに。 錬にだってわかっている。問いかけたところで、彼が救われることはない。 最後まで貫いた以上は、彼は止まらないのだ。 致命的なまでに分たれた二人が何を語ろうが、結果は変わらない。 「どうして、だったんだろうな」 「……っ!」 それでも、口からは思いの丈が漏れ出した。 錬は我慢ができなかった。その声を聞いた瞬間、悲痛な表情が抑えきれない。 青年は疲れて、もう歩けないような声で吐き捨てるように呟いた。 それに対して返答をしないということは到底できない。 だって、彼は別の道を進んだ自分だから。人々の営みを壊せなかった、天樹錬だから。 「どうして、そんな顔をしているんですか」 怒りか、悲しみか。彼にこびりついているものが多すぎて絞りきれない。 悲しみ、苦痛、恐怖、後悔、諦め、総てが彼にまとわりついている。 顔中の神経を刺激しているのは何かさえ、錬にはわからない。 そして出来上がるのは、怒りと悲しみが中間にあるような、強張った無表情だった。 「そんな顔をするまで、戦って」 青年は地を縮めたかのような速度で一気に距離を詰め、必殺の瞬撃を振るう。 錬は矢継ぎ早に放たれる閃光を捌き続ける。 一を捌けば数十に。数十を捌けば数百に。 無限に増えていく斬撃の応酬は、さながら盤面のない陣取りに等しかった。 「そこまで疲れ果てたなら……っ!」 途中まで出かけた言葉は剣劇の音に掻き消える。 だが、消えてよかったのかもしれない。 ――世界なんて捨ててしまえばよかったのに。 そんな残酷なこと、彼に対して言えるはずがなかった。 涙を明日の光へと変えたい。 けれど、結局は何も変えれないまま、英雄へと堕ちてしまった。 涙は涙のまま。失った彼自身の明日はもうどこにもない。 「……たぶん、どの選択をとっても、僕は全部失ったと思う。 どれだけ抗ってもこの結末は必然なのかもしれない」 「何を、言って」 「もう、今の僕には何も残っていない。 世界の為に、人々の営みを護る為に……大切だったモノを犠牲にしたんだ。 その犠牲の価値が下がらないように、僕は破綻の一切を終わらせる、 犠牲が無意味にならないように。ただそれだけが、僕の存在意義だ」 「そんなの、間違っている! 殺して! 殺されて! それで戦い続けるんですか! それなら……あなたは!」 彼自身がどこにもいけないまま、死んでしまう。 無限に積み重ねた屍が彼を永遠に縛り付けるのだ。 青年の末路は“英雄”である、と。 「いつかは終わるさ。敵を皆殺しにすれば戦いは終わる」 喪失に報いる為に永遠に戦い続ける英雄。 数分の邂逅にも関わらず、錬は眼前の青年に酷く共感を覚えていた。 自分もシティ・神戸を存続させる選択を取ったらこうなっていたのかもしれない。 フィアの犠牲が価値なきものにならないように。 大の為に小を捨てる。判断基準に価値は存在しない。 ただ、多くを救えるなら、と。 「だから、君も世界も運命も総て――――僕が終わらせる。 もう二度と、誰もが間違えることのないように」 「終わらせるもんか!」 その決断がどれだけ重いかなんてわかっている。 他ならぬ錬だからこそ。 世界を犠牲にして一人の少女を生かすことを選んだ自身だからこそ、安易に否定なんてできない。 貫いてしまったからこそ、もう後戻りができない。 それでも、その決断を許容することは錬自身を否定することになる。 自分も選んだから。大切な少女の幸せを奪わせないと誓ったから。 少女を護る為に貫いた過去を無意味にしたくないと願っている。 その願いだけは、誰にも譲らないし奪わせない。 「あの子を犠牲にして世界を救っても、意味がない!」 子供の癇癪だ、こんな言葉。他の人達から見ると失笑ものの言い分かもしれない。 「あなたからすると、僕の言葉なんて到底受け入れられないものだけど! それでも、僕にとってたった一つの真なんだ! 僕はこの選択を、曲げない!」 けれど、いつだって、どんな時だって。 引き金を引くのは心底の願い――成し遂げたいという強い意志だ。 「…………やっぱり、君は強いな」 青年の口元がほんの少しだけ、緩んだ気がした。 それは錬の見間違えだったのか。どちらにせよ、錬はもう迷わないし、迷えない。 フィアを護る。その為には眼前の“自分”を踏み越えなくてはいけないから。 「けれど、僕は――英雄だ」 錬も、青年も。互いに選んだ結果に報いる為に生きている。 折れてはいけない、と。半ば強迫観念染みた不屈を胸に、武器を振るう。 「僕も彼女にとっての英雄で在りたい。だから、ここで……!」 「それを理解した上で言う。勝つのは僕だ」 諦めたのは世界か、それとも自分か。 問いかけは、まだ返ってこない。 「行くよ、英雄」 「来なよ、英雄」 自分が夢を妥協できる大人だったら。 世界が本当に悪と汚穢に満ちていたら きっと、救われたのかもしれない。 『C-6/流9洲市街地/一日目・深夜』 【結城友奈@結城友奈は勇者である】 [状態]:身体にタタリの跡(タタリの症状自体は沈静化している)、精神疲労 [装備]:讃州中学の制服 [道具]:基本支給品一式、勇者システムのアプリ@結城友奈は勇者である、不明支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:みんなと協力し、殺し合いを止める。 1.錬と一緒に讃州中学に向かう。 2.勇者部のメンバーとは一刻も早く合流したい。 3.タタリは……? [備考] 参戦時期は勇者の章5話冒頭あたり。 勇者システムのアプリは基本支給品のタブレットにインストールされています。 【天樹錬@ウィザーズ・ブレイン】 [状態]:健康 [装備]:フロストブラッド@CODE VEIN [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:フィアを探し、保護する。 1.フィアの捜索を最優先。けれど友奈も放っておけない。 2.できれば殺し合いはしたくないので友奈の基本方針に協調。 3.ヘイズや祐一とも合流しておきたい。エドも早く保護しないと。 4.もし、仮に、万が一、フィアが死んでしまったら…… [備考] 参戦時期は少なくとも四巻以降。ディーやセラ、サクラとの面識の有無は以降の書き手に任せます。 友奈から勇者部メンバーについての簡単な紹介を受けました。 【ザ・ヒーロー@真・女神転生】 [状態]:健康 [装備]:明神切村正@Fate/Grand Order [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:総てを殺す。 1.終わらせる。 [備考] 参戦時期はニュートラルルート BACK NEXT 010イカロスの翼 投下順 0012 夜に駆ける 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 001 明日、君が花と散っても 天樹錬 結城友奈 ザ・ヒーロー
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終末世界の粛清者 ウォール・フリート R 光文明 3 クリーチャー:ソルトルーパー/ハルマゲドン 2500 ■ブロッカー ■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。 ■自分の「エンドレスエンド」能力を使った時、相手のクリーチャーを1体選び、タップしてよい。 作者:宇和島 フレーバーテキスト 「光り輝いていた栄光の世界より、監理者と名乗る異形の軍隊が降り立ち、戒厳という名目で炎の都を破壊し始めた。」---終末大戦 第4章第2節より 評価 名前 コメント
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東欧シナリオ#5-女性キャラクター(中篇の前編) 13人中5人目~6人目。 ゼノンの話で出てきた神託少女とそれを追うハンターの話。 バリキーの師のアドリアはコンスタンティノープルのハンター組合のえらいさんで、実際にゲーム内で会えます。 レナ 職業:預言者 年齢:20 「空の月が消え、二つの大きな星が落ちるとき、私の意志が純粋な魂を通じて世の中に伝わるであろう 」 上記の文はビザンチウム教会の書斎の奥深くで見つけた紙の啓示が書かれている本の内容である。 この本を探し出したビザンチウム教会は啓示の時に備え、純粋な魂を持つ存在を探すため捜索を開始し 、捜索隊で一人であったゼノンという若い正直者のゼノンが長年の捜索の結果、アルプス山脈で寂しく 暮らしていたレナを探し出した。 幼いころに両親を事故で失ってから一人で山奥で暮らしていたレナは本に書かれていた純粋な魂を持つ 条件を全て持っており、ゼノンは彼女を説得してコンスタンティノープルまでつれてくることができた 。 しかし、幼いときから人と交わらずに一人で暮らしてきたレナは言葉が不自由であり、人々とかかわり 合うのがぎこちなく、他人との接触を避けて教会の隅で一人でいる時間が好きであった。 こんな彼女を哀れに思ったゼノンは彼女に言葉を教え、他の聖職者達と話をする場を用意して、彼女を 他の少女と同じようにしてみたが、レナは簡単には変わらなかった。 そのように静かに教会の隅で生きてきたレナが20になった年だった。真夏のある日、本当に空から月が 消え、二つの大きな星が落ちる事件が起こった。 皆が落ちる星を見て不思議に思っている間、レナの部屋では神と人との出会いが成り立っていた。神は レナに世界の終末に関する話をいくつかし、レナは神の話を全身で受け入れた後気を失ってしまう。 神の啓示が成り立ったと思ったゼノンはレナを心配して彼女の部屋に駆けつけたが、彼が見たものは倒 れている彼女の姿だけであった。 翌日目が覚めたレナは、我に返るやいなや教会の高位聖職者に呼び出される。そこでレナは神が言った 終末の啓示に対する全てのことを言ったが、貴族と結託して反逆を謀っていたその高位聖職者はこの啓 示が王に知られると自分達の陰謀がばれるかもしれないと思い、レナが嘘の言葉で人々を惑わせて世の 中を混沌に落とそうとしていると言って彼女を監獄に閉じ込め、処刑することにした。 この処罰にかかわらずレナはこの全てのことを神の思し召しだと思い淡々と受け入れた。 監獄に閉じ込められ処刑される日を待っていたレナはある夜、普段から面識があったガブリエルという 聖職者が最後の祈祷のために訪ねてきた。祈りをささげる準備をしたレナにガブリエルは自分の服をレ ナに与え、その服を着て脱出しなさいと言った。あらかじめ準備した縄で自らを捕縛し、まるで自分が レナであったかのような格好になったガブリエルは、レナにゼノンのために必ず脱出に成功するように 頼む。 ガブリエルの助けで監獄を無事に脱出したレナは監獄の前で自分を待っているゼノンに会った。 暖かさと物悲しさが交錯しているレナは初めて感謝の意をあらわし、彼の額に自分の唇を合わせ、ゼノ ンを後にしたまま準備していた馬に乗って道を発つ。 レナは彼女にだけ聞こえる神の声についていき、世界の終末を阻むために旅をはじめようと思っていた 。 ヴァリキー 職業:十字軍 年齢:28 バリキーは貴族の家で生まれた少女である。 普通の貴族少女と違い、幼いころから剣を扱って武術を学ぶことを楽しみ、かなりの男の子達が彼女の 拳に泣かされていた。 彼女の親は女の子らしく育てるために多くの努力をしたが、剣の訓練をするために家出までする彼女の 姿に結局は諦め、時がたてば物心が付くだろうという考えを持って彼女がしたいとおりにすることにし た。 親の干渉が消えるとバリキーはますます剣の修練に没頭し、その実力は上がっていった。 そんなある日、バリキーがいつものように修練しているときであった。一人の女の人がバリキーに近づ き、彼女の修練を見ていた。 女の人の目つきが目障りだと思ったバリキーは喧嘩を売ったが、その女の人はただ笑いを返すだけであ った。 女の人の笑いが嘲笑だと思ったバリキーは剣を取って女の人を攻撃しようとしたが、バリキーが攻撃す る前に女の人の蹴りによって倒れてしまった。 今まで経験したことがないような速さに驚いたバリキーは、初めて経験した敗北を受け入れられず、剣 でまた女の人を攻撃したが、結果はまた一度の蹴りによって倒されるのであった。 バリキーは女の人に跪き、自分の師になってくれと懇願したが、女の人は1年後に自分の攻撃を三度以 上受け止めることが出来たら考えると言い、消えてしまう。 そのときからバリキーは食事の時間を惜しむほど修練に没頭した。彼女の早い攻撃から対抗するように 身を鍛え、その速度をかいくぐって攻撃するために剣を振るう方法を考えた。 そして1年が過ぎた。 1年後もまた女は海岸にいた。バリキーは少女を脱した姿になり、女はもっと成熟した姿になっていた 。 再会の挨拶も無しにバリキーへの攻撃が始まった。このときのために1年間骨折る修練をしてきたので 今回は自信を持っていた。 初めの攻撃は受け止めた。次に入ってくる2回目の攻撃も受け止めた。しかしその後の記憶は無かった 。我に返ったとき、彼女は海岸で大の字に伸びていた。 女はバリキーが気が付くと彼女を起こしてくれ、自己紹介をした。 自分は聖騎士団にいるアドリアという軍人で、自分の攻撃を2回も止めた人はあまりいないと言ってバ リキーの実力をほめた。そして、軍人になりたければ聖騎士団を訪ねてきなさいと言った。 バリキーは翌日すぐに聖騎士団を尋ね、入隊申し込みをした。 王宮で幼いころから才能がある子供たちを集め、特別な訓練をさせて育てている特殊騎士集団である聖 騎士団なのでそのテストは厳格であった。しかしバリキーにとってはあまり難しいテストではなく、す ぐに入隊できるようになった。 しかし、聖騎士団は初期の理念とは違って腐敗しており、彼女のように実力で入ってくる友達は少なか った。そして平民出身と女を無視していたのだ。 このように腐敗していた聖騎士団であったが、その教育方法と実力は確かだったので、バリキーはいつ かはアドリアに勝つと言うという信念で他の子供たちの無視と厳しい教育に耐えた。 しかし、毎年バリキーはアドリアに挑戦し、そのたびに敗れた。 10年後事件はおきた。 その日はアドリアにもバリキーにもめでたい日であった。 アドリアは騎士団初の聖騎士団の副団長になる日であり、バリキーは25歳の誕生日であった。 普段アドリアを可愛がっていた皇帝は特別の彼女のために王宮で盛大な宴を開いた。いつもは貴族たち に引っ張られている皇帝であるが、今回だけは貴族の大きな反発にもかかわらず自分の意を貫徹した。 バリキーの誕生日でもあったその日は、親が盛大にパーティを開こうとした日であった。ところがアド リアの祝福パーティのためにバリキーへの誕生日パーティが無視されてしまうと、彼女の親は頭にきて いた。 そして、自分の誕生日も忘れたまま平民出身の聖騎士であるアドリアの昇進を自分のことのように喜ぶ 娘の姿に、バリキーの親のアドリアに対する反感は高まった。 そしてその反感はパーティの場で爆発してしまう。バリキーの父はアドリアの顔に杯の酒を撒き散らし ながら、侮辱的な言葉をでたらめに言い、数十年間聖騎士団で耐えてきたアドリアも到底耐えることが できずに剣を抜いてバリキーの父を怪我させてしまう。 騎士が貴族の体に傷をつけたことは重罪であり、このことが貴族たちの目の上のたんこぶのようにおも っていたアドリアがやらかした事件であったので、貴族たちは火の様に怒り、アドリアを処罰しなけれ ばならないと皇帝に進言した。 皇帝もこの事件はどうしても見逃すことができず、アドリアを監獄に閉じ込めることはしたくなかった ので聖騎士団を罷免することにした。 こうしてバリキーとアドリアの縁は終わる。お互いに会えば形式的な挨拶を交わしたが、これ以上は個 人的な教えも1年ごとにやった対戦も過去の話になってしまう。 この後、バリキーは廃人のようになってしまう。自分の親を許せず、アドリアにはとてもすまなく思い 、何もできない自分の姿に頭にきて、酒無しでは耐えることができなかったのだ。 3年後、訓練もせずに毎日酒びたりになっていたバリキーの姿はまるで浮浪者であったが、貴族出身の バリキーは騎士団を除名されていなかった。 彼女が居酒屋で酒を飲んでいたある日のことである。一人の若い青年が彼女に近づいた。よくあった軟 派な男だと思ったバリキーは青年が声をかける前に剣を手にとって首を狙った。しかし剣を見ればすぐ に逃げ出すほかの男達とは違い、その青年は彼女の横に座って声をかけた。 自分が皇帝の密偵で、皇帝が彼女に秘密裏に会いたがっているということと、会う場所と方法を知らせ てから男は立ち去った。 バリキーは皇帝がどうして自分に会いたがるのかがわからなかったが、皇帝の命令には絶対な聖騎士団 員であったので皇帝の呼び出しを拒否できなかった。 3年ぶりに人間らしく着飾ったバリキーは密偵に聞いた方法で宮殿に入っていった。宮殿でバリキーを 待っていた皇帝はうれしそうに彼女を迎えてくれた。 皇帝はこの間にあったレナと言う少女の神託事件を話してくれ、教会では彼女の言葉が偽りであり、彼 女を監獄に閉じ込めて世間の混乱を収めたと言っていたが、皇帝は彼らの言葉が信じがたいと言った。 貴族たちでさえ教会の肩を持っていて皇帝は公式的には彼らの言葉についていくように行動していたが 、実際は彼らの言葉を信じていなかったのである。 皇帝はハンター組合を運営しているアドリアにそのことの調査を頼み、アドリアは自分が処理するより は適任者を紹介すると言って、それがバリキーだったのだ。たとえお互いに悪い事件があったとはいえ 、アドリアは自分の唯一の高弟であったバリキーが自分のために壊れていくことを見てはいられなかっ たのだ。 高弟はバリキーに監獄から逃げ出したレナを探し出して彼女を保護し、事件の真相を調査してほしいと 言う願いをし、バリキーはその命令を受け入れた。もし教会の言っていることが真実でレナが偽りの噂 を言いふらしているのであれば彼女を殺すことも承諾すると言った。 翌日バリキーは誰にも言わずに旅に出る。レナを探してシルクロードへ。
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登録日:2019/04/09 (火) 22 16 48 更新日:2024/01/16 Tue 16 30 43NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 CadaverCommander K-クラスシナリオ SCP SCP Foundation SCP-3396 SCP財団 Tiamat アポセオシス 終末の日コンテスト 至天蟲 蟲 終わり、始まり、そしてその間の、忘れられることの多い苦難の物語。 SCP-3396はシェアード・ワールド 「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つ。 項目名は『The Empyrean Parasite (至天蟲)』 オブジェクトクラスはTiamat。 攪乱クラスはAmida、リスククラスはCritical はじめに さて、いきなり特殊クラスを見せられて困惑した人もいるだろうが、一応言っておくとこれは情報災害ではない。 このクラスは簡潔に言ってしまえばKeterの上位互換のようなもので、脚注にて以下のように説明されている。 Tiamatクラスアノマリーは、財団にとって現在可能な資源と知識を用いてその影響を秘密裏に収容することができず、そのため基本的には財団の直接の戦術的関与の障害となる正常性に関するコンセンサスを改変もしくは完全に無効化するよう計画されている実体を指します。 …微妙にわかりづらいが要するに「財団がどんなに頑張っても隠蔽できないし一般社会に露出してるから、正常性とか無視した武力行使をする」と言えば恐らく大体あっている。 つまりこのSCiPがそれほどまでに強い影響力や拡散性を持っていることの証明でもある。現に元記事のACSでは撹乱クラス/リスククラスともに最悪のAmida/Criticalである。 ただしどこぞのApollyonのようなお手上げ状態ではなく、財団がオブジェクトと全面戦争をおっぱじめていると考えればある意味燃えるシチュエーションな気もする。 いずれにせよ当事者にとってはたまったものではないだろうが。 概要 クラスの説明も終わったのでオブジェクトの詳細に移ろう。 元記事では「変異原性の共生生物のゲシュタルト」とか「カテゴリー4異次元実体」とかややこしい言い方をしているが、SCP-3396の本質はずばり『極めて強力かつ危険な感染症』である。 といっても「感染者を絶対殺す病原菌」とかそういうのではない。てかそれだけなら場合によってはKeterも怪しい。 こいつの性質はそれとは真逆で「感染者自身を危険な実体に超強化してしまう」というものである。 SCP-3396の中枢はアメリカのデスバレーに根を張っており、樹木と昆虫の両方の特徴を兼ね備えた青緑色の実体である。 その幹や枝から、発光する青緑色の液体を垂れ流しており、周囲にはその液体によって浅い池が形成されている。 この樹木昆虫と謎液体は得体のしれない異次元物質からできているらしく、あらゆる物理的な手段での干渉が不可能である。 つまり撤去も破壊も不可能。感染源を排除できないとは非常に厄介だ。 そしてこの謎液体に触れたり匂いを嗅いだりした者はSCP-3396に感染し、SCP-3396-01となる。 SCP-3396-01の体には速やかに異常な組織が発達し、この謎組織はデスバレーに生えている樹木昆虫や謎液体と同じ物理的特性を示す。 つまり外科手術等では除去ができない。感染したら最後である。 SCP-3396-01となった者にあらわれる症状はランダムだが、どれも正常な人類にとって非常に危険なものである。 例えば、ある28歳の女性Dクラス職員の腕に謎液体を塗布し、何か変わったことはないか尋ねたところ、「私は火力を理解した」と発言。 直後に両手にガトリング砲を多数出現させて乱射したため、機動部隊が銃撃で応戦するとなんと身体を爆発四散させ、身体の破片で実験設備を破壊した。 その後も攻撃を受けるたびに自爆と再生を繰り返し、しかも破片は自爆するたびに更に高火力の武器に変化して実験チャンバーに壊滅的な被害を与え、37名が死亡する大惨事に発展。 こうして SCP-3396-01となった女性Dクラス職員はそのまま管理下から逃走。下手な漫画やラノベにも登場しないような最強全身兵器ガールが誕生する羽目になったのである。 また、今度は42歳の男性Dクラス職員に謎液体の匂いを嗅がせたところ、なんと5体に分身。そのまま融合して10本の腕を持つ巨大人型実体に変化した。 そして実験チャンバー内に激しく渦巻く海水を呼び出し、渦に巻かれて霞となって消滅。そのまま行方不明となった。 去る前に彼は「魔法の祝福を呪いとみなすのは汝らがごとき愚者のみなり」と宣言していた。 他にも人間だけでなくトカゲや犬などに謎液体を与えた実験もあったが、どれも極めて深刻な変異を起こしているにも関わらず生命活動に一切の支障をきたさず活動していた。 重要となるのは、謎液体に曝露したすべての生物は元の容姿を損なう以外に生物学的な負の影響をほとんど受けないという点である。つまり実質ただクソ強くなるだけとも言える。 人間の場合は以前の人格や記憶まで完全に保持しており、むしろ知性が向上した奴までいた。 更にはミーム汚染や洗脳まがいの症状も一切ない。まあ力を得たせいか悟りを開いたようなのはいたが。 ただリスククラスがCriticalにされてる辺り、財団からすれば「変異してしまった人間はもはや元のそれではない」という認識なのだろう。 どうやら彼ら自身も感染ベクターになるみたいだし。 3396の主な性質は以上なのだが、ここまで見た限りだと「意外と大したことなくない?」「感染源がはっきりしてるならそこ隔離すればいいだけじゃん」と思うかもしれない。 確かにこいつが現れた初期ならそういう対策もできただろう。 うん、結論から言うと財団が見つけた時点で手遅れだったんだなこれが。 最初にこいつを発見した一般の考古学研究チームは全員01個体になった挙句、こいつを掘り出して露出させた後に人口密集地に戻ってしまい、そのまま感染が拡大。 ある者は殺人、ある者は犯罪、ある者は病気の根絶、またある者は福祉活動のため、その能力を用いるようになり、結果として3396の影響は国際社会に大きな変化を与えるまでに至ってしまった。一応メディア統制によってこいつの存在は公になっていないが、上の立場の人々にとってはもはや周知と言っていい。 そして財団は3396の中枢を見つけたはいいものの、収容や隔離は全くできない状況に追い込まれている。なぜか? 考えてもみてほしい。これの影響を受けた者は強大なミュータントと化す。しかも例外なく全ての人間が適合できる。おまけに現時点でそれらしい副作用は何も見つかってない。 …世界中の国家や要注意団体にとってこいつがどんな価値を持つかは容易に想像できるだろう。 現にデスバレーに存在する中枢領域はその支配権をめぐって財団、GOC、国際連合、その他多数の団体による争いが繰り広げられており、可能な限り衝突を避けるため非武装地帯と宣言されている。01個体群も例外ではなく、既に拡散した彼らを利用するための奪い合いが勃発し、中には組織内での感染を意図的に起こして強化を図る連中まで現れる始末。 財団は全ての01個体の特定および確保、そして中枢領域の獲得を目的として活動しているが、それを上回る勢いで3936の影響は拡散しており、報告書執筆時点で世界人口の6%が既に感染している。このままこいつが財団のキャパシティを超えてしまえば、やがて全人類が『人ならざる者』と化すことによってかつての文明が失われる「TPK-クラス奇蹟論的増殖シナリオ」の発生に繋がるだろうとされている。 だが、こいつは財団が対峙してきた他の終末系オブジェクトとはわけが違う。 彼らの敵となりうるのは単一のアノマリーではなく、かつては守るべき正常性の下で生きていた者達であり、今や力を求めて争いあい、正常性を自ら切り捨てようとする者達。 そう、いわば人類そのものなのだから…。 アポセオシス・ハブ “神格化は有能な人間の起源ではない。彼は現れる。身を折りたたんで無敵の薄膜に包まれ、理由を持って、真夜中によく学んだ目に照らされて、まどろみに包まれ、心の中で避けられた思考の共鳴体として……” ― ウォーレス・スティーブンス 一つの記事としての3396の内容は以上だが、察しの通りこれに関する物語はこの記事だけで終わらない。 こいつは財団wikiにおけるカノンハブの一つ、「アポセオシス・ハブ」の核となるオブジェクトであり、上記の報告書はいわば「プロローグ」のようなものに位置する。 このハブは本家で開催された『終末の日コンテスト』の参加作だった。 これのテーマはずばり「『世界の終わり』を4つ以上の記事で表現してね」というもので、アポセオシスは見事優勝を勝ち取った作品である。 実際、核となる3396はテーマの通り実に終末を感じられるオブジェクトだったであろう。 そういう経緯もあってか、このハブは他の有名なものとは一味違う。 「死の終焉」や「1998年」などでよく知られている普通のカノンハブというのは、1人または複数の著者が何らかの独特な『世界観』をテーマとして立ち上げ、そこから有志たちが更に記事を書き、世界観を広げていくのが基本である。 だがこのアポセオシスはその世界観の「始まり」から「終わり」までの時系列がすべて2つのSCPと4つのtaleによって纏められており、完全な終結が描かれているという特徴を持つ。 前例は普通にあるものの、こういう小規模な構成は中々珍しいと言って良いだろう。 そんなわけで、このハブは数あるカノンハブの中でも初心者には特にとっつきやすい部類である。 3396が現れた世界では何が起こり、どんな終末が訪れるのか。 その過程で財団は、人類は、異常存在は、何を見て何を成すのか。 ここで紹介するには長すぎるので、ぜひとも自分の目で見ていただきたい。 軌道で一人、青は、至天の蟲は、言語を超越した、全ての生命の始まりであった秘密の内的な炎の生物は、ただ見ていた。 自らのなしたことの結果が、悠久を通して描かれるのを、そして自らが大いなるタペストリーに編み込んだ最新の糸が、自らを永遠に喜ばせるのを。 追記、修正は至天の祝福を受けた方にお願いします。 ▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示 SCP-3396 - The Empyrean Parasite by CadaverCommander http //www.scp-wiki.net/scp-3396 http //ja.scp-wiki.net/scp-3396 この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] もしかしたら全ての人間がこれに感染してscp世界で生き延びて行くことを望まれているのではなかろうか? -- 名無しさん (2019-04-09 23 30 30) とりあえずマスドライバーで大気に拡散させて全人類に感染させようぜ(ゼノギアス感) -- 名無しさん (2019-04-09 23 42 45) ↑↑当たらずとも遠からず。これ自体はアポセオシス・ハブの事の発端に過ぎず、事の経緯と結末を描いたTale(とSCP)が存在する。ネタバレになるが大体、十人十色のオーバーマインド量産型幼年期の終わり -- 名無しさん (2019-04-10 00 37 21) コレが消されずにむしろ優勝取れる(作品の一部)って終末コンテストどれだけ凄まじいオブジェクトがエントリーされてたんだよ -- 名無しさん (2019-04-10 09 30 59) オブジェクトクラスがティアマト(地母神にして怪物達の母)な時点でヤバさ満点やな -- 名無しさん (2019-04-10 13 48 23) 終末コンテストはオブジェクト単品でなく、「SCP含めた4つ以上の記事」を競う形式なのが大きい>優勝 ぶっちゃけこのSCPが原因で生まれたもう一つの関連SCPと、それに対する財団の対応が発想の勝利過ぎた -- 名無しさん (2019-04-10 15 43 02) アポセオシスのハブページのイラストがなんか良いなあ。まさに「最強全身武器ガールはどうなってしまうのか?」だ。 -- 名無しさん (2019-04-11 00 42 38) SCPにおいてX-MEN的な作品は許されないのではなかったのか? -- 名無しさん (2019-04-11 06 57 11) 終末の日コンテストとかいうけどむしろ人類の全盛期始まったなってオチ -- 名無しさん (2019-04-11 07 04 51) ↑↑SCP創作において禁じ手はない。「往々にしてDVされる」定番が存在するだけで、UVさえ勝ち取ればタブーなんてない。 -- 名無しさん (2019-04-11 10 43 15) クロスリンクだって禁じ手だったけどRoget氏がGrand Crosslinkingで流行らしてしまったし -- 名無しさん (2019-04-11 10 57 45) 「単なる超人はX-MENでやれ」「単体でもやばいもん同士を組み合わせるクロステストとか(劇中視点で)危険すぎるだろjk」的な感じだから、要は問題点扱いされている部分を面白さなり納得感なりでクリアしてしまえばもうタブーでも何でもないという -- 名無しさん (2019-04-11 16 16 56) 誰かコードウェル博士呼んできて(火に油) -- 名無しさん (2019-04-11 16 23 46) 大変によくできた読み物だった。X-Menじみた設定から出発しておきながら、陳腐さを感じさせない文章で、着地点は実にSCP的な終末だと感じた。……けど、SCP Foundationを描く物語としては論外だな。未来が、残骸となった岩の球体よりも遥かに大きかったとしても、そこに立つのが不浄で忌まわしい怪物ならば、断じて認めず立ち向かうべきなのがSCP財団。新人職員でも知ってることだ。アポセオシスなんざクソ食らえ。 -- 名無しさん (2019-04-11 22 31 11) ↑実際アポセオシスの世界の財団はその思想を全うした。SCPにより変質した人類は、例え人間性が丸ごと残っていようが人類でなく化け物だと。結果財団は最期まで抗って滅び、対する人類は新たな繁栄を迎えた。「そうしかあれない財団」を書いた話としても、優れた話だと俺は思ったよ -- 名無しさん (2019-04-12 01 21 01) 直接Voteなりディスカッションなりしようぜ ここで言っても建設的じゃないからね -- 名無しさん (2019-04-12 09 07 20) 建設的も何も、コメント欄に感想以外なら何を書けと…って話になるんじゃね? 上二つは感想の範疇だぞ -- 名無しさん (2019-04-12 12 05 03) アニヲタwikiにコメントすること自体が建設的行為ではない、という厳しくも正しい御指摘であるな -- 名無しさん (2019-04-12 16 39 47) これ浴びて最強の現実改変者になりたい…とか考えても絶対成功しなさそう。なんかよくわからないクリ―茶―になりそう -- 名無しさん (2019-04-15 11 24 25) 正常性は維持される -- 名無しさん (2019-04-19 17 20 43) 正直なところアニヲタでしかSCPを読まない層がいる以上、本家ではとかあとの3記事がとかコンテストがとか何を言ってもこれしかアニヲタにない時点では何を言われても仕方ないんじゃないかと思う -- 名無しさん (2019-10-29 07 10 16) 追記 恩人三部作は最初からあの形(アニヲタでは三作1ページまとめて)書かれたのか後で追加されたりまとめたりされたのかわからんけど、どうしても正当な感想を書き込んでほしいなら最初からこれもそうした方がよかったんじゃないの -- 名無しさん (2019-10-29 07 13 03) すげー偉そうでワロタ -- 名無しさん (2021-01-06 11 22 13) とりあえず改稿はしましたが、やはりハブを読んでもらいたいとしか言いようがありませんねこれ。 -- 名無しさん (2021-02-04 21 51 39) チープで厨二臭いの好きね -- (2023-05-22 14 12 01) 名前 コメント
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聖マラキの予言、正式名「全ての教皇に関する大司教聖マラキの預言」は、1595年に公刊された予言文書。アルノルド・ヴィオンの『生命の樹』に収録されており、12世紀の聖人マラキの予言という体裁が取られていたが、実際には1590年頃に偽造されたものだろう。1590年の選挙を巡っては、マラキ以外にも聖ブリギッタなどの過去の聖人を引き合いに出した偽預言が出回っていたことが明らかになっているし、「歴代教皇の予言」 というのは、16世紀には何種類も出回っていた、ごくありふれたモチーフだった。 【画像】 『中世の預言とその影響』。高額だが、教皇予言の背景を論じた数少ない日本語文献のひとつ。 マラキの予言は短いラテン語のフレーズ111と最後の散文からなり、歴代ローマ教皇を言い当てているとされている。前教皇ベネディクト16世 (在位 2005年 - 2013年) に対応するのは 111番目の「オリーブの栄光」。 次の教皇とされるのは散文で書かれた予言の中に出てくる「ローマびとペトロ」 (ローマびとペテロ)で、これより後の予言はないため、2012年の終末を信じる論者にも自説の補強材料としていた者たちは複数いた。 だが、もともと適当に区切られた偽予言の終わりに意味などあろうはずがない。短いフレーズの111人分のうち1590年の選挙以降に当たるのは37人分で、それ以前の74人分のちょうど半分にあたっており、非常に安直に偽作されたことが明らかである。 そもそも112番目が本当に予言かどうか自体、はっきりしない。もともとは111番目までしか偽作されておらず、112番目は後から追加された注釈のようなものとも言われているからだ。 ジャック・アルブロンによれば、もともと18世紀末頃に終わりが設定されていたのではないかという。ノストラダムスの予言にも1792年への言及があるように、当時は18世紀末から19世紀初頭がひとつの重要な区切りと認識されていたからだ。それが正しいとすれば、教皇の平均在位期間が近現代になって伸びた結果、21世紀になってもまだ終わっていないだけともいえるだろう(ちなみに1590年以前の約100年間の平均在位年数は7年弱、1700年から2005年までの平均在位年数は14年弱である)。 ローマびとペトロ 2013年には信奉者にとっての「最後」の教皇フランシスコ (2013年 - ) が即位した (選出当初、「フランシスコ1世」「フランチェスコ1世」 などとも表記されたが、カトリック中央協議会の採用している表記に従う)。 彼に対応するとされるのが112番目の散文である。 「ローマ聖教会への極限の迫害の中で着座するだろう」(In psecutione. extrema S.R.E. sedebit.) 「ローマびとペトロ 、彼は様々な苦難の中で羊たちを司牧するだろう。そして、7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る。終わり。」(Petrus Romanus, qui pascet oues in multis tribulationibus quibus transactis ciuitas septicollis diruetur, et Iudex tremendus judicabit populum suum. Finis.) しかし、この予言は初出では2段落に分かれており、ローマびとペトロ (ペトルス・ロマヌス) と「オリーブの栄光」が連続するのかどうか自体、はっきりしない。懐疑派にも信奉者にも、「オリーブの栄光」と「ローマびとペトロ」の間には、何人もの教皇が即位することが想定されているという仮説がある(*1)。 まとめておこう。 そもそもマラキの予言は1590年ごろに作成された偽書であろう。 本当に信頼できるのだとしても、112番目は後から追加された可能性がある。 112番目が最初から予言として書かれたものだったとしても、111番目と112番目の間には、何代もの教皇が即位する可能性がある。 要するに恐怖の大王のケースと同じように、この予言を人類滅亡と結びつけることができるのは、さまざまな仮定をすべて人類滅亡説に都合の良いように解釈した場合だけなのである。 ちなみに、フランシスコがローマびとペトロである理由として、ネットでは以下のような根拠が挙げられている(*2)。 フランシスコがあやかったアッジシの聖フランチェスコの本名はピエトロ(ペトロ)である。 フランシスコはイタリア系移民の家に生まれて、イタリアと接点がある。 フランシスコの本名ベルゴリオは名前に「山」を意味する単語を含んでおり、岩を意味する「ペトロ」に対応する。 だが、こんな薄弱な根拠でよければ、歴代教皇の何人もが当てはまってしまう。たとえば、直近の教皇たちを列挙してみると、 ベネディクト16世 (在位2005年 - 2013年) は、かつて神聖ローマ帝国があったドイツの出身である。同じ教皇名を持っていたベネディクト13世の本名はピエトロ・オルシーニ、対立教皇ベネディクト13世の本名はペドロ・デ・ルナで、これらはともにペトロを意味する。同じ代数の正教皇と対立教皇がペトロを意味する名をもつ例はほかになく、奇しくも13という数字は、ベネディクト16世が退位した2013年に対応する。 ヨハネ・パウロ2世 (1978年 - 2005年) は、バチカン(ローマ)のサン・ピエトロ広場で暗殺未遂事件に遭った。 ヨハネ・パウロ1世 (1978年) は、イタリア出身でローマの大学で学んだ。様々な人にあてた手紙という形式の『イルストリッシミ』を著したが、これはペトロが手紙を書いたこと (『新約聖書』ペトロの手紙1・2) に対応する。また、彼はヴェネツィア総大司教だったことがあり、ヴェネツィアは水の都、船乗りとも縁が深い町であり、漁師であったペトロにつながる。 ヨハネス23世 (1958年 - 1963年) とパウルス6世(1963年 - 1978年)は、ともにイタリア出身でローマの大学で学んだ人物であり、「岩」(=ペトロ)のような意志の強さで、さまざまな異論が噴出した第二バチカン公会議の開催および決議に漕ぎ着けた。 ピウス12世 (1939年 - 1958年) は、在任中にサン・ピエトロ大聖堂の地下でペトロの墓と思われる墓所の発掘を指示した。 と、こんな具合に屁理屈をつけていけば、全員とまではいかなくとも、歴代のかなりの教皇に当てはめられることは明らかだろう。 そもそも、教皇はすべてペトロの後継者とされると同時にローマ司教なのだから、象徴的な意味でだったら教皇はすべて 「ローマびとペトロ」 に適合する。「ローマ生まれのピエトロさん」が教皇になるか、ローマ出身の教皇が 「ペトロ2世」 を名乗ったのならまだしも、そうでなければ 「ローマびとペトロ」 は実質的に何も言っていないに等しい予言である。 フランシスコの治世が終わるまでに世界が終焉を迎えることはないだろうが、それが明白になったときには、むしろこの人騒がせな偽書のほうが終焉を迎えることになる。 なお、『検証 予言はどこまで当たるのか』でもあらかじめいくつか検討しておいたように、フランシスコの次の教皇の時代になっても、あれこれとこじつけてマラキの予言はまだ有効だと言い出す論者は消えないだろう。 しかし、通俗的な意味での日本のノストラダムス・ブームが1999年を境に見る影もなくなったのと同じように、112番目で最後だと散々煽った反動で、マラキの予言もそれ以降は大きな注目を浴びることはなくなるものと思われる。 【画像】 『検証 予言はどこまで当たるのか』カバー。手前味噌になるが、当「大事典」管理者は本書において、日本語文献の中では現在のところ最も詳しいマラキ予言への懐疑的検証を展開した。 ノストラダムス関連 マラキの予言は20世紀後半の時点で残りが少なかったため、ノストラダムス予言とも関連付けて解釈されることがあった。特に、ヨハネ・パウロ2世 (在位1978年 - 2005年) に対応する予言 「太陽の労働」(De labore solis) は、ノストラダムス関連書の中で最も多く引き合いに出された予言だったと思われる。ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌなどは、Mansolを強引に 「太陽の労働」 と読み替え、ヨハネ・パウロ2世が暗殺されると解釈していた。 外部リンク ウィキペディアの「聖マラキの予言」の項目主加筆者は当「大事典」管理者である。これも手前味噌になるが、日本語で読めるものとしては格段に充実した112個の予言すべての解釈を整備し、懐疑的な先行研究がある場合には、それも添えた。 【画像】Peter Bander, Prophecies of St. Malachy 【画像】 『ローマ教皇事典』 【画像】『西洋歴史奇譚』新装版。マラキの予言に関する章はある程度中立的で、日本語で読めるものとしては比較的まともな部類に入るが、創作と思われるエピソードの存在も含め、いくつもの点で注意が必要。 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
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