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【種別】 年表 【解説】 とある科学の超電磁砲の各巻で起こった主な出来事を巻数と日付でまとめたもの。 本編(禁書目録)版は本編 年表、 禁書目録と超電磁砲を交えた時系列は統一年表を参照。 一巻第一話 七月十六日 第二話 七月十七日① 第三話 七月十七日② 第四話 七月十八日① 第五話 七月十八日② 第六話 七月十九日① 第七話 七月十九日② 二巻第八話 七月二十日 第九話 七月二十一日① 第十話 七月二十一日② 第十一話 七月二十四日① 第十二話 七月二十四日② 第十三話 七月二十四日③ 三巻第十四話 七月二十四日④ 第十五話 七月二十四日⑤ 第十六話 七月二十四日⑥ とある学徒の後日談集 第十七話 七月二十五日 番外編 とある二人の新人研修[前篇] 番外編 とある二人の新人研修[後篇] とある科学の超電磁砲SS(「禁書目録」目録)八月一日 アニメとある科学の超電磁砲八月二日~九日? 四巻第十八話 八月十日① 第十九話 八月十日② 第二十話 八月十一日 第二十一話 八月十五日① 第二十二話 八月十五日② 第二十三話 八月十五日③ 五巻第二十四話 八月十五日④ 第二十五話 八月十六日 第二十六話 八月十九日① 第二十七話 八月十九日② 第二十八話 八月十九日③ 第二十九話 八月十九日④ 第三十話 八月十九日⑤ 六巻第三十一話 八月二十日① 第三十二話 八月二十日② 第三十三話 八月二十一日① 第三十四話 八月二十一日② 第三十五話 八月二十一日③ 第三十六話 八月二十一日④ 第三十七話 八月二十一日⑤ 七巻第三十八話 八月二十一日⑥ 第三十九話 八月二十二日 『鉄橋は恋の合図』 第四十話 派閥① 第四十一話 派閥② 第四十二話 Rainbow's End 第四十三話 交渉 第四十四話 開会 八巻第四十五話 伏兵 第四十六話 胎動 第四十七話 遭遇 第四十八話 浸蝕 第四十九話 信頼 第五十話 開戦 第五十一話 解析 第五十二話 暗部 九巻第五十三話 瑕庇 第五十四話 連携 第五十五話 同舟 第五十六話 分進 第五十七話 捜索 第五十八話 疑心 第五十九話 追憶 第六十話 友達 第六十一話 SYSTEM 十巻第六十二話 参戦 第六十三話 渾沌 第六十四話 抗戦 第六十五話 敗北 第六十六話 誤算 第六十七話 右手 第六十八話 DOLLY 第六十九話 閉会 第七十話 約束 十一巻第七十一話 インディアンポーカー 第七十二話 BLAU 第七十三話 注視 第七十三.五話 とある少年の幕間挿話(エピソード) 第七十四話 予知 第七十五話 阻止 第七十六話 我儘 第七十七話 夢 第七十八話 胸 第七十九話 啓示 十二巻第八十話 奇縁 第八十一話 強襲 第八十二話 遊猟 第八十三話 Ha det bra 第八十四話 遊戯 第八十五話 魂魄 第八十六話 茶番 第八十七話 出勤 第八十八話 痛撃 十三巻第八十九話 厄日 第九十話 欺瞞 第九十一話 折衝 第九十二話 巨像 第九十三話 犠牲 第九十四話 推量 第九十五話 初心 第九十六話 再会 十四巻第九十七話 心馳 第九十八話 宣戦 第九十九話 緒戦 第百話 鉄壁 第百一話 院長 第百二話 蠱毒 第百三話 間者 第百四話 潜兵 第百五話 大穴 第百六話 開放 十五巻第百七話 怪生 第百八話 思惑 第百九話 風狂 第百十話 性悪 第百十一話 虚実 第百十二話 洞察 第百十三話 狂愛 第百十四話 苦肉 第百十五話 跳躍 とある科学の超電磁砲SS(アニメ禁書目録BD DVD初回特典)第一話 九月三日・昼 第二話 九月三日・夜 第三話 九月四日・朝~昼頃 第四話 九月四日・夜 第五話 九月五日・朝 第六話 九月五日・夜 第七話 九月六日・昼頃 第八話 九月六日・昼頃 とある科学の超電磁砲SS②(アニメ禁書目録2期BD DVD初回特典)第一話 七月一日 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 とある科学の超電磁砲SS③(アニメ禁書目録3期BD DVD初回特典)第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 とらドラ!vs禁書目録番外編 とある暗部の下着論争(○月×日) 一巻 第一話 七月十六日 朝、御坂美琴と白井黒子が路地裏で不良を一蹴。 美琴の期末能力測定が常盤台中学のプールで行われる。 放課後、美琴・黒子と初春飾利の目前で丘原燎多ら三人が銀行強盗を行う。 丘原ら二人を黒子が確保。同時に、車で逃走を目論んだもう一人の男を美琴が超電磁砲で車ごと吹飛ばす。 第二話 七月十七日① ファミレスにいた美琴と初春の前に黒子が現れ、初春を仕事に連れて行く。 美琴が風紀委員に間違われ、子供が無くしたバッグを探す事になる。 バッグを爆発物と勘違いしていた美琴が、児童公園でヌレヌレのグチャグチャになりながらも回収に成功する。 上条当麻がコンビニのATMにカードを飲み込まれる。 第三話 七月十七日② 【回想】六月十七日ごろ、美琴が不良に絡まれていた所に上条が乱入。逆に美琴を怒らせ雷撃を喰らうが無効化。以後数回遭遇→逃亡を繰り返すことに。 美琴の電撃で上条のカードが戻ってくるが、ATMの警報が鳴ったため逃げ出す。 河原で美琴が上条に決闘を仕掛ける。上条は途中で逃亡し、一晩中追いかける。 第四話 七月十八日① 【回想】七月十七日夕方、とある店で虚空爆破事件が発生。前兆を探知した固法美偉ら風紀委員が発生前に駆けつけるが、男性風紀委員一人が客をかばって負傷。 【回想】七月十一日、連続虚空爆破事件が始まる。 【回想】七月十日、レベル4の量子変速能力者である釧路帷子が原因不明の昏睡状態に陥る。 佐天涙子と初春が、美琴と共にセブンスミストに向かう。 第五話 七月十八日② 美琴がセブンスミストで上条に遭遇。 セブンスミスト店内で虚空爆破事件が発生するが、上条の活躍により人的被害は防がれる。 美琴が犯人の介旅初矢を確保する。 第六話 七月十九日① 初春が熱を出して寝込み、佐天に看病される。 御坂美琴と白井黒子が、佐天から幻想御手の情報を入手する。 美琴が、ネット上で幻想御手を使用したと実名で書き込みをしていた、スキルアウトらしき集団とファミレスでコンタクトを取る。 第七話 七月十九日② 上条の介入により、美琴が情報の入手に失敗する。 スキルアウトらしき集団が美琴に焼かれる。 上条相手に、人間相手では初めとなる全力を出した美琴の雷により、周辺地域で停電等が引き起こされる。 【翌日】介旅初矢が取調べ中に意識不明となり、水穂機構病院に搬送される。 【翌日】大脳生理学の専門チームとして、木山春生らが招聘される。 【翌日】佐天が、ネット上で幻想御手を入手する。 二巻 第八話 七月二十日 木山が病院内と喫茶店で服を脱ぎだす。 黒子が木山に幻想御手事件調査への協力を依頼する。 佐天が初春たちに幻想御手を見せびらかそうとするが、結局見せられずに終わる。 美琴が上条と勝負しようとするが、美琴が躊躇したため未遂に終わる。 黒子がスキルアウトらしき集団をぶちのめし、幻想御手の情報を入手。 第九話 七月二十一日① 黒子・初春、木山が幻想御手だと言われている音楽ソフトを手に入れ、本格的に捜査を開始する。 佐天が、幻想御手を鋼盾掬彦相手に金銭で売買しようとしていたスキルアウトらしき集団と遭遇。 スキルアウトと黒子が戦闘を開始。 黒子、テレポートでの戦闘が通じないスキルアウトのボス相手に苦戦。 第十話 七月二十一日② テレポートを無効化する能力は、自身の周囲の光を捻じ曲げる偏光能力だと判明。 黒子が、手傷を負いながらもビルそのものを破壊する事で偏光能力を動揺させ、拘束する。 佐天が友人のアケミ、むーちゃん、マコちんと会い、幻想御手を持っていることを告白。 第十一話 七月二十四日① 【二十一日】佐天と友人たちが、幻想御手を使用し能力者になる。 美琴と黒子が、幻想御手は共感覚性を利用したものだと気づく。 佐天と友人たちが幻想御手の影響で意識不明になり、冥土帰しの病院に収容される。 幻想御手の作成に使用されている脳波が、木山の物だと判明する。 第十二話 七月二十四日② 幻想御手を利用し、木山が擬似的に多重能力となる。 警備員を壊滅させた木山が、御坂美琴と対峙する。 第十三話 七月二十四日③ 美琴と木山が戦いを繰り広げる。 美琴、木山に敗北する? 三巻 第十四話 七月二十四日④ 木山春生が幻想御手を作成する事となった、理由と過去が語られる。 不意打ちで手痛いダメージを受けた木山春生から謎の胎児(?)らしきものが出現する 第十五話 七月二十四日⑤ 低能力に絶望して幻想御手に手を出した、生徒達の過去。(この日以前の回想、単行本加筆内容)野球に打ち込んで居た男子生徒が、試合で能力者の投手に惨敗。 とある女生徒が能力の使い方を教え、可愛がっていた後輩に身体検査で抜かれ、もう教わる事はないと後輩が言っているのを聞いてしまう。 レベル5を目指して地道に努力をしていた眼鏡の男子生徒が、偶然削板軍覇のすごいパーンチを目撃し、自分の目指す道に努力だけでは越えられそうもない壁があると悲観して向上心を失い、以後、能力開発から落ちこぼれた無気力な学生達に「諦めるな」等と励ますフリをして、上も前も見ずに自分よりも下の者を見る事で安心するようになる。 幻想御手のネットワークの暴走により出現したAIMバーストと御坂美琴が交戦を開始する。 初春が現地の警備員と連携して、幻想御手のワクチンソフトを学園都市中に流そうと行動を開始する。 ファミレスでだべっている、アイテムのメンバーがちょい役で出演する。 第十六話 七月二十四日⑥ 学園都市中に幻想御手のワクチンソフトが流される。 弱体化したAIMバーストが核を撃ち抜かれ、御坂美琴に撃破される。 木山春生が警備員に捕縛される。 佐天涙子が意識を取り戻す。 とある学徒の後日談集 第十七話 七月二十五日 美琴と黒子が常盤台中学学生寮に帰るが、寮監に見つかりプール掃除の罰を受ける。 番外編 とある二人の新人研修[前篇] 風紀委員の訓練所にて、白井黒子と初春飾利が出会う。 郵便局に強盗が現れ、黒子と初春が巻き込まれる。 番外編 とある二人の新人研修[後篇] 白井黒子が絶対等速と応戦し左足首を砕かれるが、美琴の陰からの援護により無事に捕縛する(美琴との出会いはなし)。 この時点では白井黒子は自身を空間移動させる事が出来ない事が判明。 とある科学の超電磁砲SS(「禁書目録」目録) 八月一日 テロリストによって衛星誘導車の『将軍』がジャックされる。 警備員の要請により、風紀委員から初春が派遣される。 黄泉川愛穂と初春が、最悪の事態を防ぐ為に奮闘する。 事件の顛末を見届けた美琴と黒子が、首謀者を制裁しに向かう。 アニメとある科学の超電磁砲 八月二日~九日? 『ポルターガイスト』事件。(アニメ最終話が九日。当てはめるとなるとこの時期が正しいと思われる) 四巻 第十八話 八月十日① 幼少の頃の、美琴がDNAマップを提供する経緯が明かされる。 第七学区にマネーカードを撒いていた長点上機学園の少女がスキルアウトに絡まれるが、話術と演出だけで鎮圧する。 第十九話 八月十日② 美琴が能力を使用して、長点上機学園の学生名簿にハッキングを仕掛け、寿命中断の少女の名前が、布束砥信だと判明する。 注:電撃大王連載時、下記の部分は次月に掲載され、こちらも「第十九話」の表記になっていた。単行本で統合した模様。 美琴が樋口製薬・第七薬学研究センターに進入。妹達の事を知るが、実験は行われる前に永久凍結されたと残されていた為にそれを鵜呑みに。 美琴と入れ違いで妹達の一人が現れ、残されていたデータを消去。 第二十話 八月十一日 美琴、当面の心配事が消えてハイになり、黒子に不審がられる。 三ヶ月前(おそらく五月一一日)、研究場内にてミサカ9982号が生まれる。 女性研究員により、施設内で殺害された、妹達最低でも10人の後片付けを命じられる。 第二十一話 八月十五日① 美琴、妹達の一人ミサカ9982号と遭遇。 第二十二話 八月十五日② 美琴、ミサカ9982号が自分のクローンであることを知る。 初春が美琴から実験の符丁(パス)についての相談を受ける。 ミサカ9982号、白髪の少年と合流。第九九八二実験に向かう。 第二十三話 八月十五日③ 21時00分、第九九八二次実験開始。 美琴、初春の手を借り、符丁(パス)から絶対能力進化計画の存在を知る。 第九九八二次実験、白髪の少年によるミサカ9982号の殺害で終了。 美琴、白髪の少年がミサカ9982号を殺害する現場を目撃。我を忘れ、白髪の少年に戦いを挑む。 五巻 第二十四話 八月十五日④ 美琴、白髪の少年と交戦。 白髪の少年の能力の前に美琴の攻撃はことごとく無力化、切り札の超電磁砲すら反射される。 白髪の少年の反撃前に、計画外戦闘を止めるべく妹達が到着。白髪の少年が警告を受け入れ戦闘終了。 美琴、相手が一方通行であることを知る。 第二十五話 八月十六日 (電撃大王連載時の表記は「八月十五日~十八日」。単行本で修正された模様) 美琴、布束と再会。 美琴、絶対能力進化計画関連施設に対し直接間接両面から破壊活動を開始。残り2基まで迫る。 実験の外部研究施設への引継ぎと施設の防衛が申請され、結果上層部からアイテムに施設の防衛が依頼される。 第二十六話 八月十九日① (電撃大王連載時の表記は「八月十八日②」。単行本で修正された模様) アイテム、キャンピングカーにて電話相手から依頼の詳細を聞き、分散し防衛に当たることに。 美琴、絶対能力進化計画関連施設の破壊に向かうが、施設内で待ち構えていたフレンダと交戦。 第二十七話 八月十九日② (電撃大王連載時の表記は「八月十八日③」。単行本で修正された模様) もう1基の研究施設のデータ移設作業の関係で、布束が研究施設に呼ばれる。 美琴、フレンダを撃破。 第二十八話 八月十九日③ フレンダの救援に麦野、滝壺が到着。美琴と戦闘になる。 布束、妹達に感情データを入力することで実験への妨害工作を試みるが、絹旗に捕縛される。 第二十九話 八月十九日④ 布束、絹旗の隙を突いてミサカネットワークに感情データの入力を行うが、セキュリティに阻まれ失敗。再度捕縛され連行される。 麦野、侵入者が美琴であることを察し、自分一人で勝負をつけるべくフレンダと滝壺を後退させる。 第三十話 八月十九日⑤ 美琴、麦野と交戦。フレンダの置き土産を利用し撃退に成功。 研究施設の破壊後、再度麦野の奇襲を受けるがフレンダの置き土産を利用し撃退。施設からの撤退に成功。 麦野、施設の研究員から資料を奪い絶対能力進化の全貌を知る。 (以下、日付的には八月二十日) 美琴、もう一方の施設に潜入。施設が稼働していない事を確認。 美琴、自販機前で悪戦苦闘中の上条に出逢う。 六巻 第三十一話 八月二十日① (電撃大王連載時の表記は「八月二十日」。単行本で修正された模様) 美琴、自販機に二千円札を飲まれた上条の前で裏技を敢行。その後上条の分を取り返すべく自販機に電撃、警報を鳴らす。 黒子、初春や佐天と自販機の警報を確認。方角から事態を察した黒子が単独で向かい、美琴の仕業であることを確認。 美琴、警報から逃亡した上条に追いつき電撃で入手したジュースの山を渡す。 黒子、美琴が上条と一緒にいる所を発見。 美琴、ミサカ10031号と遭遇。第一〇〇二〇次実験まで終了しており、計画が未だ進行中であることを知る。 第三十二話 八月二十日② スフィンクスのノミ取りをしようとしていたインデックスと姫神が、上条と一緒にジュースを運んできた御坂妹と出会う。 美琴、絶対能力進化計画が183もの外部施設に引き継がれたことを知り、施設への破壊工作を断念。 美琴、計画が学園都市主導の物であることを察する。 (以下、日付的には八月二十一日) 美琴、補習から帰宅中の上条と出会う。 美琴、計画を導き出した樹形図の設計者への破壊工作を決意。 第三十三話 八月二十一日① (電撃大王連載時の表記は「八月二十一日」。単行本で修正された模様) 美琴、樹形図の設計者ハッキングのため第二三学区へ向かう。 ミサカ10031号、道路脇に捨てられた黒猫に気づかず通りすぎる。 一方通行、自分に喧嘩を売った武装無能力集団の殲滅中に上条と一緒にいる御坂妹を発見。第一〇〇三一次実験に向かう。 美琴、施設への潜入に成功。ハッキングにより樹形図の設計者がすでに失われていることを知る。 第三十四話 八月二十一日② 美琴、半ば自棄気味に絶対能力進化計画の引継ぎ施設の一つを襲撃。 美琴、施設襲撃中に第一〇〇三一次実験の中継映像を発見。ミサカ10031号の最期を目撃する。 黒子、寮を訪ねてきた上条に応対。寮内に招き入れる。 上条、橋の上に佇む美琴を発見。寮のぬいぐるみから発見した書類を見せ、妹達や計画について知った事を告げる。 美琴、計画中止の最後の手として、自身が一方通行と戦い予測より早く自滅する計画を上条に明かす。 第三十五話 八月二十一日③ 上条、第一〇〇三二次実験へ向かおうとする美琴の前に立ちふさがる。 美琴、上条を排除するため電撃を放ち、上条は幻想殺しを使用しなかったため直撃。昏倒する。 上条、美琴の膝枕で目覚める。 上条、計画中止のため無能力者の自分が一方通行を倒すことを決意。第一〇〇三二次実験へ向かう。 上条、第一〇〇三二次実験中の操車場にて御坂妹と一方通行を発見。一方通行に戦いを挑む。 第三十六話 八月二十一日④ 上条、操車場にて御坂妹を保護。一方通行と戦闘を開始。 美琴、黒猫と共に操車場に向かう。 一方通行、上条の右拳で殴られる。 第三十七話 八月二十一日⑤ 美琴、操車場にて一方通行を殴る上条を発見。 一方通行、上条の言葉に最初の実験を思い出す。 (単行本化に際し研究者からの絶対能力進化計画への勧誘と、第一次実験の詳細が加筆される) 一方通行、風向操作による暴風で上条を吹き飛ばし、そこから風向操作による高電離気体の発生を思いつく。 美琴、上条を救うため一方通行に超電磁砲を向けるが、自滅して実験を止めても高電離気体の試し撃ちは止まらないと悟る。 美琴、高電離気体発生の妨害のための助力を御坂妹に懇願し、御坂妹はそれを承諾。 妹達により、学園都市各所の風車による高電離気体発生の妨害が開始される。 七巻 第三十八話 八月二十一日⑥ 妹達による風車を利用した妨害により、一方通行の高電離気体発生が阻害される。 美琴、『妹達』を守るため御坂妹をかばい、一方通行の前に立ちはだかる。 上条、満身創痍の身体を引き摺り立ち上がる。 一方通行、上条を倒すべく接近。右手をかわされ、左人差し指を右拳で折られる。 一方通行、上条の右拳を喰らう刹那、『絶対』を目指した最初の理由を思い出す。 上条、右拳を一方通行の顔面に叩き込み、撃破。上条も倒れる。 第三十九話 八月二十二日 美琴、上条の病室へ見舞いに行き、帰りに御坂妹と会い公園で子供らと遊ぶ。 (病院の廊下を歩くインデックスの後ろ姿が一コマあり) 美琴、御坂妹からの「ワガママ」を受諾。 『鉄橋は恋の合図』 (日付は八月二十二日以降と推測) 美琴、佐天の部屋で台所を借り上条に渡すためのクッキーを作る。 美琴、鉄橋にて退院してきた上条と出会うが、クッキーは渡せず。 上条、別れ際に美琴を「ビリビリ」ではなく「御坂」と呼ぶ。 第四十話 派閥① (以下、日付的には八月二十七日頃と推測) 婚后、常盤台へ転入手続きのため来訪。学舎の園内部の寮に向かおうとして外部の寮に行ってしまう。 美琴、海原光貴と遭遇。アステカ展に誘われる。 黒子、間違えて外部の寮に来た婚后と口論になり、二人とも寮監のげんこつを喰らう。 美琴、学舎の園への道に迷っている婚后光子を発見。海原光貴からの誘いを断るダシに使い、二人で学舎の園へ向かう。 婚后、美琴の名前を海原美月と誤解。 美琴、婚后と学舎の園を遊び歩き、最終下校時刻に別れる。 (以下、日付的には九月一日と推測) 婚后、湾内と泡浮に出会い『派閥』について聞き、食蜂の派閥を見て自分の派閥を作る事を宣言。 (以下、日付的には九月十四日と推測) 婚后、能力測定の授業中に超電磁砲の片鱗を肌で感じる。 第四十一話 派閥② (以下、日付的には九月十四日以降と推測) 冒頭、婚后が幼い頃に父と交わした友達についての会話が描かれる。 (婚后の幼少期は単行本化に際し全面的に描き直され、盛大だが友人席に誰もいない誕生会の光景も加筆されている) 婚后、派閥を作ろうといろいろな生徒に声を掛けるも玉砕。 婚后、美琴との会話から自身の勘違いに気づき、派閥ではなく友達を作ることに方針転換。湾内や泡浮とも友達になり、美月=美琴であることに気づく。 食蜂、図書館にて美琴を牽制する。 第四十二話 Rainbow s End (以下、日付的には九月十四日以降と推測) 佐天、初春を誘い虹の根本を目指して出発する。 佐天と初春、途中で大覇星祭の準備を行う学生(吹寄と姫神)を見かける。 第四十三話 交渉 (以下、日付的には九月十四日以降・九月十九日以前と推測) 上層部から大覇星祭運営委員会に、あることを超能力者にやらせるよう指令が下る。 Case#1 一方通行の元にネゴシエーターが向かうが、依頼を告げる前にぶちのめされる。 Case#3 美琴に依頼すべく運営委員が常盤台に向かうが、前学期末に他人の目を気にしてノイローゼ気味だった事(恐らくOVAの事件)を心配した教師により辞退。 第六位を探しに行った山根は、依頼どころか見つけることも出来ず委員会に帰還。 Case#2 垣根帝督にエージェントから依頼が来るが、一蹴。その際に能力について茶化され激昂し、部屋を破壊する。 Case#4 麦野にも依頼が来るが仕事の関係もあり当然却下。同業のフレンダがお気楽に立候補して麦野にとっちめられる。 Case#5 美琴の代打ということもあり最初は乗り気でなかった食蜂だったが、絶対能力進化計画研究者の後押しもあり依頼を受諾。 Case#7 削板軍覇に依頼をするため運営委員が学校へ出向くが、欠席。だが削板の性格を考慮した教師により依頼が受諾される。 結果、食蜂操祈と削板軍覇により大覇星祭の選手宣誓が行われることが決定する。 第四十四話 開会 (日付は九月十九日) 大覇星祭開会。食蜂操祈と削板軍覇により選手宣誓が行われるが、文言を忘れた削板のアドリブ+能力でぐだぐだに。 佐天、不在金属(シャドウメタル)を探そうとして黒子に説教される。 美琴と婚后が二人三脚に参加。 (以下、電撃大王連載時は「第四十五話 開会②」となっていた部分。単行本化に際し統合された模様) 二人三脚中に吹き飛んだ羽場跳高(未編集)の生徒を美琴と婚后が救助。二人三脚は常盤台の勝利に終わる。 ショチトル、佐天と遭遇。偽装していたため佐天は気づかず。 ショチトル、博士からの電話を受け『メンバー』としての初任務に向かう。 食蜂、能力使用に必要なリモコン入りカバンを実行委員に取り上げられる。 八巻 第四十五話 伏兵 (電撃大王連載時は上記「第四十五話 開会②」部分と合わせて第四十五話という扱いだった 美鈴、美琴や初春、佐天と出会う。 美鈴、初春や佐天と、美琴の『アイツ』の話題で盛り上がる。 御坂妹、美鈴や初春らとすれ違うが、双方気づかず。 御坂妹、大覇星祭の観戦に来た所湾内に美琴と間違われる。 美琴、美鈴らを撒いて競技会場に戻ってきたが、常盤台の生徒が御坂妹を自分と思って競技に参加させてるのを見て隠れる。 (競技会場に戻る途中の一コマに、オリアナと思われる後ろ姿あり) バルーンハンター開始。相手学校の作戦により戦力が分散され、大能力者の切斑(未編集)が無能力者の重石と相打ちになる。 第四十六話 胎動 (日付は九月十九日) 口囃子(未編集)を始めとする常盤台の生徒が、馬場の戦術により各個撃破されていく。 御坂妹、妹達が対一方通行戦で蓄積した実戦経験を生かして奮戦。美琴はそれを遠くから見守る。 御坂妹に対し、馬場の提案による『対美琴』戦術が発動。御坂妹は奮戦するが、馬場の本命である蚊を模したロボットによる薬物注入を受け、それにより出来た隙を突かれ撃破。勝負は常盤台の敗北となる。 勝負より服の汚れを優先した常盤台生徒の行動に対し寮監から寮のトイレ掃除を当番制にする提案がなされ、綿辺が賛同。 御坂妹、美琴と別れた後に注入された薬物の効果で昏倒。そこに食蜂と片言の研究者(未編集)と思われる人影が現れる。 第四十七話 遭遇 (日付は九月十九、二十日) 御坂美琴、美鈴と昼食にチーズフォンデュを食べる。(このとき手前でインデックスが食事している) 美琴と上条が話していると食蜂と遭遇する。食蜂、自己紹介をする。 佐天と初春、不在金属(シャドウメタル)を調べる。美琴、勘違いから清掃員に電撃を浴びせる。 大覇星祭一日目のナイトパレードが行われる。 翌日の朝、美琴はミサカ10032号が湾内に体操服を返していないことを知る。 第四十八話 浸蝕 (大覇星祭二日目) 美琴が防犯カメラをハッキングし、ミサカ10032号が搬送されたことを確認する。 ミサカ10032号を搬送した救急隊員の証言とカーナビの記録が食い違っており、美琴は食蜂操祈による記憶の改竄を疑う。 白井黒子、初春飾利、佐天涙子が食蜂操祈によって『御坂美琴との思い出』を消される。 美琴の救急隊員への詰問が『公共機関への脅迫』となってしまい、綿辺先生(心理掌握で洗脳済み)に食蜂派閥の見張りをつけられる。 第四十九話 信頼 美琴が白井らに協力を頼もうとするが、馴れ馴れしい赤の他人としてあしらわれる。 いつもの3人に頼れないため、美琴は競技の最中に婚后光子に相談。ミサカ10032号本人を連れて帰ることを約束される。 『メンバー』の馬場芳郎が『上層部』の命令でミサカ10032号の捜索を開始する 第五十話 開戦 婚后が御坂妹の捜索をしていると御坂妹の猫を発見する。 馬場芳郎が婚后に接触し戦闘を仕掛ける。婚后がT GDに能力で善戦するも御坂妹の猫という隙をつかれ敗北。 佐天涙子、湾内絹保、泡浮万彬が駆けつける。 第五十一話 解析 湾内、泡浮が馬場と交戦。馬場は二人の能力の弱点を把握したつもりになる。 傷だらけで運ばれた婚后を見た美琴が食蜂派閥の生徒を押し切って湾内らの元へ向かう。 第五十二話 暗部 湾内と泡浮に敗北し、大型ロボットのT MTを持ち出すが、本物の御坂美琴に破壊される。 『メンバー』の指示役である警策看取が動き出す。 九巻 第五十三話 瑕庇 湾内らの知り合いの能力者が、御坂妹の猫の記憶を対動物戦闘の読心能力で読み取る。 初春飾利と御坂美鈴が再び出会い、同行することになる。 (御坂美鈴との記憶は消されていないため、違和感無く接することができる。) 御坂美琴との思い出が消された可能性に気づいた佐天が美琴と連絡を取る。 第五十四話 連携 警策看取が水銀でできた等身大人形で初春と御坂美鈴を人質に取り、御坂や白井と交戦。 第五十五話 同舟 美琴、ダミーサイトで埋め尽くされていた都市伝説サイト『Auribus oculi fideliores sunt.』の本物を能力で発見し、食蜂操祈の隠れ家を発見し彼女に接触する。 美琴、食蜂から一連の事件に関わっている組織の概要やミサカネットワークが狙われていることを聞かされる。 第五十六話 分進 美琴と食蜂、ミサカネットワークを狙う木原幻生が秘密裏に来場している公演会場に潜入。木原幻生を捕えるべく洗脳や襲撃を開始。 第五十七話 捜索 白井、初春、佐天が『大質量の水銀を精密に操れる高位能力者』を特定するべく『書庫』を調べ上げる。 第五十八話 疑心 佐天、借り物競走で御守りのクジを引いてしまった上条当麻に御守りを貸す。 佐天、液体金属を扱っていた廃工場に侵入。警策看取らに襲われる。 食蜂らが木原幻生を捕えるが読み取った記憶から、それが変装させられた別人であることや木原幻生に『外装代脳』が狙われていることが判明。 第五十九話 追憶 『御坂美琴を殺さず捕らえる』という命令に疑問を抱いた『メンバー』のリーダーが独自に調査を行った結果、警策看取が『統括理事会』と繋がっていないことが判明。 (メンバーは統括理事会から勅命を受けて活動する組織であるため警策と敵対することとなる。) ショチトル(四十四話で佐天が携帯電話の使い方を教えた女性)が襲われていた佐天を防護する。 ショチトルが魔術の存在を仄めかし、警策を退かせる。その後佐天を外に連れ出す。 『外装代脳』の所在地に向かう途中で渋滞に巻き込まれるが、食蜂が数千人を操って道を切り開く。 第六十話 友達 【回想】食蜂、ドリーと出会う。以前のドリーの友達だった『みーちゃん』に成り代わるよう研究者から頼まれる。 【回想】食蜂は『みーちゃん』としてドリーと親しくなるが、ドリーが間もなく亡くなり、研究所のすべての人員を心理掌握で支配する。 第六十一話 SYSTEM 食蜂が美琴に『外装代脳』について打ち明ける。 御坂妹を看病していた施設が特殊部隊に襲撃され、カイツが御坂妹を連れ出す。 木原幻生に『外装代脳』が乗っ取られ、その力でカイツが無力化される。ミサカネットワークに特製ウイルスが撃ち込まれ、世界各地の学園都市協力機関に移っていた妹達が昏倒する。(アニメでは一方通行が倒れる描写もあり。) 上条と佐天は、ショチトルから木原幻生と警策看取の狙いが『御坂美琴を絶対能力者(LEVEL6)に進化させること』であることを聞かされる。 妹達から発生した力が御坂美琴に注ぎ込まれ、『もう一つの絶対能力進化計画』が開始する。 十巻 第六十二話 参戦 警策看取が精神世界で御坂美琴を唆し、諸悪の根源である『窓のないビル』に雷を落とさせる(が、傷一つつかず失敗に終わる)。 御坂美琴を元に戻すため、食蜂は警備員の上層部を操り第二学区の一画からあらゆる人間を避難させ、上条当麻を参戦させる。 第六十三話 渾沌 白井がカイツと御坂妹を敷地外に、食蜂を『外装代脳』を所有する施設にテレポートさせる。 御坂美琴の操る大質量の瓦礫を削板軍覇が粉砕し上条に助太刀する。 第六十四話 抗戦 食蜂が『外装代脳』の迎撃システムを発動させるが、木原幻生は『多才能力』でそれに対抗。御坂美琴の精神をこの世に縫い止めるための『外装代脳』の『リミッター解除コード』を狙う。 次の段階(Phase5.2)に進化した御坂美琴に不意打ちを受け、削板が額に深傷を負う。 白井黒子と警策看取が交戦。 第六十五話 敗北 上条当麻と削板軍覇の介入に興奮した木原幻生が食蜂を取り逃がす。 食蜂が自らの『自壊コード』と『リミッター解除コード』の認識を入れ替え、その発想と行動した記憶を消去する。 初春と佐天、警策が『警備員』の避難確認用カメラを利用していることに気づく。 呼吸を封じられ意識が断絶した食蜂は『心理掌握』で精神干渉を妨害することができなくなる。 木原幻生が食蜂の脳から『外装代脳』の『リミッター解除コード』を入手する。 警策はハッキングしたカメラで、水銀の人形が白井の胸を貫いたことを確認する。 (実際には初春飾利がそうなったかのように映像を操作しており、白井黒子は生存している。) 御坂美琴がPhase5.3に到達し、木原幻生が『リミッター解除コード』を使用。 白井黒子が、下水道に潜む警策を発見する。 第六十六話 誤算 白井、警策に勝利。警策はドリーの姿を思い出す。 木原幻生が『自壊コード』を入力し精神崩壊。 第六十七話 右手 御坂美琴に別世界からの力が入り込み、精神が侵食され始める。 削板が御坂美琴の暴走する力を抑え込み、上条がその隙に御坂美琴を覆う別世界の力を幻想殺しで打ち消そうとするが、打ち消しきれず右腕が吹き飛ぶ。 上条の右腕から八柱の『竜王の顎』が出現し、別世界の力を喰らい尽くす。 第六十八話 DOLLY 【警策の回想】研究所の人間に媚を売っていた結果、ドリーの世話役を任せられる。 【同上】ドリーと次第に打ち解けていったが、ある日ドリーがクローンであることや非道な実験に統括理事会が関わっていることを知り、研究所に歯向かい監禁される。 【同上】見張りが突然消えた為研究所から脱出。統括理事長暗殺計画が失敗し少年院に入る。 【同上】とある日、木原幻生に極大の憎悪を認められ協力者となる。 警策、食蜂に連れられドリーと記憶や経験を共有する『妹』の元に向かう。 第六十九話 閉会 美琴、病院で婚后と面会。その後白井らと談笑する。 順調に大覇星祭が進行し最終日となる。 上条と美琴がフォークダンスをする。 第七十話 約束 警策と食蜂、ドリーと再会。海に行く約束をする。 御坂妹、病状が完治し海に行きたいと思う。 十一巻 第七十一話 インディアンポーカー 美琴、帆風潤子とゲコ太トークをする。食蜂と喧嘩し、帆風からお詫びに最近広まりだした『他人の夢を見られるカード』を贈られる。 美琴、佐天との会話で需要の高い夢を安定供給できる『天賦夢路』の存在を知る。 美琴、帆風から贈られたカードで食蜂操祈に仕える悪夢を見る。 第七十二話 BLAU 帆風潤子、美琴と食蜂の親睦を深めさせようとお茶に誘う。 BLAU(ブラウ)が取り巻きに、美琴と食蜂が登場する性的な夢を紹介していたため壁の向こう側からやってきた本人達が彼らに制裁を下す。 風紀委員の白井と初春、近々事件が起こる座標と時間が分かるアプリについて話す。 第七十三話 注視 白井と初春、アプリにあった座標に向かい事件を死亡者0で食い止める。 白井、屋上から事件を見ていた美山写影と接触。 第七十三.五話 とある少年の幕間挿話(エピソード) 美山、バス停でショタコン疑惑アリのとある女子高生に話しかけられたり、制服のズボンに茶をこぼした途端に家に迎え入れられそうになる。 美山は、待つバス停を間違えていたためその場を去る 第七十四話 予知 白井と初春は美山に能力の詳細について説明を受ける。 川に溺れる、復讐、看板の落下、ワニの脱走、暴力沙汰など数多の予知された事件を食い止める。 『夢で勉強した』女子高生が桜の木に怪しげな薬品を注入し一年中桜を咲かせようとする。 既に発火による事件が予知されていた公園でもう一つ事件が起こるという新しい予知が出る。 第七十五話 阻止 風紀委員総勢40人で、出入り口での検問や危険物の有無、『書庫』による能力照合を行い、付近の消防も警戒態勢に入る。 不自然に桜が開花していることが確認される。 美山、能力の酷使で倒れる。 【美山の回想】同級生が建物の崩落に巻き込まれるという予知を回避しようとするが失敗する。その後愛犬のペロが公園の発火事件に巻き込まれる予知が出る。 第七十六話 我儘 公園が発火。火が異常な速度で燃え広がる中、白井ら風紀委員が人々を救助する。 白井によって桜の木の根本にあった引火性の高い植物アンプルが公園全体に浸透している可能性が指摘される。 警備員が到着し消火を開始。白井、固法先輩と共にペロを救助する。 第七十七話 夢 植物アンプルを注入した女子生徒が自首し『インディアンポーカー』で学んだと供述。 美山、手紙で大川内と仲直り。ペロを引き取ってもらうこととなる。 (未来予知編(仮)はここで終了) 佐天、美琴に『インディアンポーカー』で会得したけん玉の大技を披露。 美琴、インディアンポーカーのトレーダーの元に向かうと絹旗最愛と遭遇。 第七十八話 胸 【絹旗の回想】『アイテム』のとある下部構成員に体型をバカにされたと勘違いする。 美琴と絹旗、最上位のSランクカードの『巨乳御手』を取り合う内に売られていたカードの中に混ざってしまう。仕方なく二人ですべてのカードを買い、近くのネットカフェで『巨乳御手』探しを始める。 第七十九話 啓示 美琴と絹旗、数多くの夢を消費する内にコンプレックスを過度に刺激され発狂。 美琴と絹旗、ネットカフェから追い出されホテルの野外ラウンジに移動。 美琴、誰にも乗り移らず『放置できない脅威に直面したとき君ならどうする?』と少女に問われる謎の夢を見る。 『巨乳御手』が偶然カラスに持ち去られどこかの少女の手に渡る。 絹旗、例の下部構成員の発言を誤解していたことに気づく。 初春と佐天、驚異の胸を持つどこかの少女と遭遇。 十二巻 第八十話 奇縁 佐天、スーパーで残っていた最後のサバ缶を買うがベテランの水煮サバ缶愛好家のフレンダにせびられもう一つのサバ缶を渡す。 その場でフレンダが誤って着火器で焦がしてしまった為、佐天がサバカレーをフレンダにご馳走する。フレンダ、サバカレー好きとなり佐天とSNSでやり取りをする。 佐天、『箸さばきの超絶技巧の使い手のカード』を入手。フレンダにSNSでこれを話す。 目的のため『ピンセット』を求める暗部組織『スクール』がインターネットを捜査。佐天の書き込みが『ピンセット』との関連が疑われる会話の一つとして浮上する。 第八十一話 強襲 フレンダがとある少年へのプレゼントを選んでいた最中、『スクール』の末端が佐天を連れ去る瞬間を目撃。ロケット弾やぬいぐるみ爆弾を駆使し佐天を救出。 暗部組織『スクール』の念動使いである誉望万化が『ピンセット』との関連が疑われる研究所に侵入し、インディアンポーカーの情報をスキミングする。 『スクール』のスナイパーである弓箭猟虎がフレンダを狙撃。 第八十二話 遊猟 弓箭、群衆の中に溶け込むなどして佐天とフレンダに反撃の隙を与えずに攻撃を続けるが、偶然すれ違ったクラスメイトに気を取られ取り逃がす。 佐天、時限式のぬいぐるみ爆弾(もどき)を持って弓箭の前に現れる。 弓箭が爆弾から身を護る行動を取ったためフレンダが奇襲をかける。 第八十三話 Ha det bra フレンダ、戦闘集に仕掛けておいた爆弾を一斉起爆。割れた窓から酸素を吸おうと弓箭が開けた口に小型爆弾を詰め込み、ビルから突き落とし爆破する。 佐天、安全のため警備員の施設に数日ほど宿泊することになる。 弓箭、直前で滑り込んだ誉望のおかげで一命を取り留める。 弓箭、『スクール』のリーダーである垣根帝督の命令に背きフレンダを殺害しに行く。 佐天、フレンダに一週間後に家で夕飯をご馳走することを約束する。 佐天、一向にやってこないフレンダを待ち続ける。 第八十四話 遊戯 美琴、佳茄ちゃんと出会う。食蜂が彼女を操り幼女にふさわしくないことを言わせる。 美琴、気を取り乱して食蜂の胸を鷲掴みする。 第八十五話 魂魄 インディアンポーカーによる『学舎の園』の情報漏洩が問題になる。 食蜂、インディアンポーカーの作成者の情報を得る。 美琴と食蜂、操歯涼子のサイボーグ実験(詳細は操歯涼子のページを要参照)について話す。 第八十六話 茶番 第八十七話 出勤 第八十八話 痛撃 十三巻 第八十九話 厄日 第九十話 欺瞞 第九十一話 折衝 第九十二話 巨像 第九十三話 犠牲 第九十四話 推量 第九十五話 初心 第九十六話 再会 十四巻 第九十七話 心馳 第九十八話 宣戦 第九十九話 緒戦 第百話 鉄壁 第百一話 院長 第百二話 蠱毒 第百三話 間者 第百四話 潜兵 第百五話 大穴 第百六話 開放 十五巻 第百七話 怪生 第百八話 思惑 第百九話 風狂 第百十話 性悪 第百十一話 虚実 第百十二話 洞察 第百十三話 狂愛 第百十四話 苦肉 第百十五話 跳躍 とある科学の超電磁砲SS(アニメ禁書目録BD DVD初回特典) 第一話 九月三日・昼 御坂美琴、白井黒子、佐天涙子、初春飾利たちが広域社会見学としてアメリカの学芸都市へ滞在開始。 御坂美琴ら、爆乳映画監督少女のビバリー=シースルーに遭遇。 学芸都市を来襲した雲海の蛇(ミシュコアトル)とラヴィーゼ飛行隊が戦闘を繰り広げる。 第二話 九月三日・夜 雲海の蛇(ミシュコアトル)に疑問を抱いた御坂美琴が学芸都市のシステムをハッキングする。 御坂美琴と偶然その場で出会った佐天涙子がラージランチャーに進入。 『係員』オリーブ=ホリデイに遭遇。戦闘になりかけるが、上層部の「手出し無用」の指示により事なきを得る。 第三話 九月四日・朝~昼頃 白井黒子が学園都市製のハイテクフェロモン水着で悩殺テロを起こしかける。 佐天涙子がショチトルに遭遇。拷問用具を鼻の穴に突っ込んで脅され、彼女の水着を買いに行くことに。 水着を買いにでた佐天がビバリーに出会う。結果、ショチトルの水着はジュエリービキニとなる。 ミシュコアトルが学芸都市を再び襲撃。ショチトル、トチトリに救助されて帰還。 第四話 九月四日・夜 夕食のケーキバイキングで初春飾利と白井黒子が大ハッスル。 学芸都市の不審点が気になる佐天涙子が御坂美琴を尋ねるが、出会えずに終わる。また、美琴の部屋の前でビバリーに遭遇。 佐天、唯一の心当たりとしてラージランチャーへ向かう。 美琴がこの後どう動くべきかを思索する。「昨夜一度しくじっている為、一人で動くべきではない」としてまだ動かず。 佐天、砕かれたミシュコアトルの安置部屋で巨大な扉ならびに『汚染注意』の警告を発見。直後、『係員』らしき女性に声を掛けられる。 第五話 九月五日・朝 美琴たち、佐天が部屋から消えていることに気づく。 佐天、オリーブ=ホリデイに殺されかける。 ミシュコアトルの襲撃により、ついに街がパニックを起こす。 佐天、ショチトルに助けられる。 第六話 九月五日・夜 美琴たち、佐天の言葉を聞き、学芸都市の客たちを救命艇で避難させることを思案。 美琴たちの部屋が『係員』によって襲撃されるが、失敗に終わる。 経営陣、プロジェクト凍結の指令を受ける。 アレイスター、経営陣に学園都市からの増援を提案する。 第七話 九月六日・昼頃 太陽の蛇(シウコアトル)が学芸都市への進撃を開始する。 一般の観光客・従業員がサーモンレッドに退避する。 美琴、シウコアトルのうち3機を撃墜する。 美琴、水の翼を展開し、最後のシウコアトルを撃墜しに向かう。 第八話 九月六日・昼頃 美琴、学芸都市に突入した最後のシウコアトルを半壊させる。 ショチトル、落下するシウコアトルを破壊し、佐天を助ける。 ショチトルとトチトリ、テクパトルの命令に背き、救命艇を守るため組織のミシュコアトルと戦闘する。 学芸都市の経営が破綻、学園都市の協力を受けて解体作業が始まる。 広域社会見学が切り上げられ、美琴たちが学園都市への帰路へ着く。 ショチトルとトチトリに、制裁として『原典』が執行される。 とある科学の超電磁砲SS②(アニメ禁書目録2期BD DVD初回特典) 第一話 七月一日 御坂美琴、『ショッピングセンター』で起きたオレンジの事件に巻き込まれる。 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 とある科学の超電磁砲SS③(アニメ禁書目録3期BD DVD初回特典) 第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 とらドラ!vs禁書目録 番外編 とある暗部の下着論争(○月×日) 妹達の研究に関わる男性研究員達が、妹達をよりオリジナルに近付ける為に、御坂美琴がどんな下着を着用しているか論議する。 樹形図の設計者に申請を出すが却下され、猟犬部隊に出動を要請する。 猟犬部隊が常盤台中学学生寮に潜入するが、寮監により瞬く間に撃退される。 芳川桔梗の采配により、妹達の下着が縞パンになる。
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19時01分 その後、さんざんな目に遭った。 コスプレ衣装は没収された。描写不可能な形相をした白井に追い掛け回され助けを求めた他の常盤台中学生は敵に周り、上条当麻は『学舎の園』の中を走り回った。休む暇も無く、針や二〇〇〇℃を超す灼熱やカマイタチが襲ってくる。周囲はそんな光景を目のあたりにしながらもいたって驚くそぶりも見せない。つまりこれは上条当麻が起こす『普通の光景』なのだろう。常盤台中学の能力開発の優秀さ感心しつつも敵に回すとこれほど恐ろしいものはないということを上条は実感していた。 もっとも、上条当麻の敵ではないのだけれども。 命からがら逃げ出し、通学路の途中にある人気の無い公園のベンチで少年は項垂れていた。 三時間ほど走り続け、彼女たちを撒いてたどり着いた先がこの公園である。いくら体力のある年頃と言えど足に疲労を感じていた。空はすでに夜。下校時間を過ぎているので人通りは極端に少ない。携帯で時刻を確認すると十九時を過ぎている。 この状況を端的に表すとこの一言に尽きるだろう。 「…不幸だー」 不幸な少年は真っ暗な空を見上げて呟いた。夜空に輝く流れ星(実際は廃棄処分された人工衛星のデブリ)に心奪われながら、先ほど自販機で購入した缶ジュースに口をつけた。 「ぶわっ!?不味っ!」 口に広がる不快な味覚に上条は思わず吐き出した。口元を袖で拭いながら缶シュースの銘柄を見る。 「ゴホッゴホッ…んー、何々…抹茶味のサイダー!?て何だこりゃあ!?しかもホットだし!缶コーヒーを買ったはずなのに、また入れ間違いかよ!」 さらには缶の種類、サイズ、デザインの色合いも似ており、薄暗い公園で確認できなかったのも無理は無い。 ようやく訪れた静かなひと時を堪能したかった上条だが、ジュース一本でその雰囲気はものの見事に崩れ去ってしまった。カクテルバーで粗茶を飲むようなものである。 「うう、不幸すぎますー」 「不幸不幸と言っておるとまた味あわせてやるぞ?上条」 後ろからふいに声をかけられた。 振り返ろうとすると頬に暖かいものが押し付けられた。缶ジュースである。 「おしるこは嫌いか貴様?私は気に入っているのだがな」 見覚えがある。『今』の上条当麻にとってはつい最近会ったばかりだ。 「バードウェイ!?何でここに!?」 「……ふむ。私がここにいることがそんなに不思議か?」 先日帰ったばかりだろ!とは言えなかった。ここは一年後の未来。あの時から会っていないとすれば、一年ぶりの再会といえる。 しかし、上条は妙な親近感を覚えた。 高級感ある紺色のコートに白のプリーツブラウス。デザインの良い薔薇の刺繍が入った黒のストレッチベロアパンツを履いていて大人びた印象を受ける。 だが、その容姿はまるで変わっていなかった。可愛らしい容姿にひそむ鋭い目つきが。 「ひ、久しぶりだなー。突然の再開に少し驚いているだけだよ」 「ああ、それだ。それだよ。その『ヒサシブリ』という日本語を忘れてしまってな。貴様にどう話しかけようか思考を巡らせていたところだ」 「…また何かあったのか?」 外見は十二歳前後の少女とはいえ、『明け色の陽射し』のボスとして君臨する魔術師である。 この学園都市に観光目的で来日していないのは明白だ。さらに彼女ほどの実力と地位を持つ者が入ってくる事自体、ただ事ではない。 バードウェイは上条の変化を察したらしく、ニヤァ、と口を大きく引きつらせながら言った。 「なあに、大それた用事ではない。確かにここに来た目的は仕事の為だが、貴様に頼らずとも安易に完遂できるモノだ。私が貴様を訪ねたのはkotatsuをもう一度堪能しくなっただけだ。ウチにもあれを取り寄せたのだがな。アンティークが並ぶリビングでは案外つまらなくて、鬱憤晴らしに部屋ごと吹き飛ばしてしまった」 そう言って軽く舌を出すバードウェイのイタズラ心満点の笑顔に、上条当麻はギョッとした。片目を閉じながら、いつの間にか右手に持っている杖をクルクルまわしている。何かの拍子で術式が発動するかもしれない。 「そ、そうですか。今はまだコタツは出していないんでー、サヨナッ!?」 ガシイッ!襟首をつかまれた。かなり強い力で。 「貴様、どこに行く気だ?」 悪意たっぷりの笑顔を浮かべながらバードウェイは言う。 「い、いやー、カミジョーさんはただ家に帰ろうとしただけですよ?インデックスが腹を空かせてるかもしれないから、早く家に帰って夕飯の準備をしなくちゃならないのでェッ!?!」 足のつま先を踏まれた。かなり強い力で。 「それは奇遇だな。私もまだ夕食が済んでいないんだよ」 「…つまり」 「そこまで言ってもまだ分からぬか。やはり貴様は私の下僕にしてやったほうがいいな」 「…つまりつまり」 「喰わせろ」 ハイ、ワカリマシタ。 「お帰りなさいとうま(当麻)」 そこに二人のエプロン姿の美少女がいた。 上条当麻がとった行動は一つ。カバンをズリ落とした。それはもうドコかの漫画みたいに。 19時23分 バードウェイと共に見慣れない自分のアパートに戻ってきた。第七学区にある高級住宅地で十四階建の高級マンション。セキュリティの優秀性は知らないが、仄かに彩られる和風庭園を一望できる玄関があるだけでもその高級感は理解できるだろう。管理人のお姉さんも気立てがいい人で上条とバードウェイを見るなり「あららー?当麻ちゃんったらー『また』?」などと話しかけてきた。その直後にバードウェイが上条の足を踏みつけた。学生寮であれば男女揃って部屋に入ろうとしようものなら即刻先生たちに捕まり両親に知らせがいく。 しかし、上条は気にすることは無いだろうと思った。 管理人はアルコールの匂いをプンプンと発し、目の焦点が合っていないほど泥酔していた。 監視カメラを見過ごすあたりが上条らしいが、少年はそんなことを考えながらエレベーターに乗り最上階へと昇った。財布にあった二枚の黒色のカードキーを見る。一枚は玄関口を開けるカードキー。二枚目は「一四〇二号」と書かれたカードキー。上条の家である。 そして彼は見た。 エプロン姿の銀髪碧眼少女と茶髪茶眼少女が笑顔で上条を出迎えるのを。 上条の後ろに立っていたバードウェイを見るなり二人の笑顔が凍り付いたのは言うまでもないだろう。 そして今に至る。 四人用にしては比較的大きいテーブルに男一人と女三人が座り夕食を取っていた。 ハヤシライスがメインディッシュでサラダにチーズフォンデュ。加えてインデックスには蒲焼の缶詰が二パックある。 「ちょっとアンタ、食べすぎ」 「これくらい普通だよ。ね?とうま」 「あ、ああ、今日は少ない方じゃないかな」 「え!?」 「禁書目録よ。それは太るぞ」 「太らないもん!」 そんなやり取りをしながら夕食は進んでいた。上条の箸もすすんでいた。ハヤシライスもチーズフォンデュも舌をうならせる絶品だからだ。上条は三杯目に突入し、インデックスに至ってはルーを5回もつぎ足している。ハヤシライスはインデックス。チーズフォンデュとサラダは美琴が作ったらしい。しかもこのチーズ。一口食べただけでも分かるが、そこらのスーパーで売っているようなチーズは使っていない。おそらくそれに加えて美琴の腕もあるのだろう。とても美味しい。 「どうどう?とうま。美味しいでしょ、私が作ったハヤシライス!」 「ああ、美味え。インデックスが作ったとは思えないくらい…」 「ふっふ~ん。そうでしょそうでしょ。とうま、おかわりいる?」 「ああ、頼む」 得意げに話すインデックスは上機嫌で上条の食器を手に取った。 ご飯をつぎにキッチンに向かうインデックスを薄目で見ていると御坂美琴から脇腹を横から肘で小突かれた。 割と強い力で。 「いてっ、どうした?」 「…何か言うことはないの?」 インデックスとは反対に不機嫌そうな御坂美琴。 流石の上条も察することが出来た。自分の料理の評価が聞きたいのだ。 「ああ、美味いぜ。これ、チーズと牛乳の割合と加熱加減が難しいんだよな。いや、これはワインか。チーズも良いもん使ってるし、今度レクチャーしてくれよ。俺も作りてぇ。こんな美味いやつは初めてだからな」 上条の絶賛の言葉を聞いて面食らう美琴。それから少し間をおいてワザとらしく、コホンと咳をはいて、 「…フ、フン。いくら褒めたってもうお替わりは無いわよ」 「そうか。そりゃ残念だ」 なっ、と口を噤んだ美琴は顔を赤めると腕を組んでプイッと顔を背けた。 何だコイツ?と上条は美琴の挙動不審に首をかしげた。まあ、美琴がおかしいのいつものことだと考えてその疑問を放棄する。 「このチーズ、グリュイエール・アルバージュとみた」 「っ!!貴女、結構通ね…」 「もしかして一〇〇グラム八〇〇円もするあの!?」 「ああ、スイス産の安物だ」 美琴の予想以上の料理に対する入れ込みとバードウェイとの金銭感覚の違いに唖然とする上条はギギギ、と首を回して美琴の顔を見た。 赤い顔をしたまま美琴は上条の方をチラチラ見て、何かに気づいたような表情をした。 「あ、口についてるわよ」 美琴はナプキンで優しく上条の口を拭った。彼女の思わぬ行動にドキッとする上条だったが、そういう彼女の顔にも人に言えないものがある。 「…お前もついてるじゃねーか」 上条は仕返しのつもりで美琴の口元に付いている米粒を取った。 ごく自然に、それを口に含んだ。 そして気づく。 「「あ」」 事実を確認するや否や二人はみるみる顔が赤くなり、すごい勢いで顔をそらした。 恥ずかしすぎる!二人は心情まで一致した。 しかし、そんなやりとりは向かい側からは丸見えだ。 「何だそのツンデレ娘は?貴様の下僕か?」 ガチャン!とテーブルに頭をぶつける美琴。食器に直撃しなかったのは幸いだ。 そう言うバードウェイは退屈そうな顔をしていた。 「ななななな何言ってるのよアンタは!」 「図星か」 「ンなワケないでしょ!私は当麻のこ、恋人なの!」 「なら愛人の間違いだ。上条の正妻は禁書目録だろう?」 「「はぁ!?」」 ハモる上条と美琴。 「同棲しているではないか」 「ど、同棲!?」 『居候』の間違いだと上条は言いたかったが、若い男女が一緒に暮らしていること自体そのように受け取られていても不思議では無い。むしろ居候という方が異常だ。だがそんな事はお構いなしに口論はますますヒートアップしていく。 「インデックスはそっち側にとって危険なものなんでしょ?当麻はお人よしだから匿ってるだけよ!」 「何を言っている。禁書目録はイギリス清教の人間だ。上条は『枷』としての役割はあるが、安全性としては教会にいるほうがずっと高い。実際は禁書目録の意思が反映されているだけで、ここにいなければならないという適切な理由はない。そうだろう?」 少し驚いたようにインデックスは肩を震わせた。手元にあったハヤシライスを落としそうになる。上条はそれをキャッチした。 「…そうなの?アンタ」 「う、うん。それはそうだけど…で、でも私はここにいたいもん!」 「なっ!前にアンタの居候の理由を聞いた時は半信半疑で仕方無いことだと思ったけど、ここにいる理由はそれだけ!?」 「短髪には関係ないじゃん!」 「大アリよ!私は当麻の恋人なのよ!他所の女が恋人の家に住んでるなんてそんなの認められるかぁ!」 「心は私のものだ、などという勘違いは愛人にはよくあることだ」 ピタリ、と美琴の動きが止まる。 「…バードウェイ、だったけ?よっぽど死にたいらしいわね。アンタ」 「貴様こそ誰に向かって口を聞いてるつもりだ」 頭からピリピリと静電気を放つ美琴に平然と答えるバードウェイ。何故か口ごもるインデックス。 非常にまずい。 今、ここにいる御恩方を紹介しよう。 一〇万三〇〇〇冊の魔道書を保有する禁書目録―Index-Librorum-Prohibitorum。 魔術結社『明け色の陽射し』の首領であり他の魔術師を圧倒する強大な魔術師、バードウェイ。 学園都市「超能力者(レベル5)」の第一位。『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ御坂美琴。 学園都市最強の「絶対能力者(レベル6)」第一位。世界の英雄。上条当麻。 一見、女性関係のもつれによる口喧嘩だが、実際は国際問題に発展しかねない火ぶたがお茶の間のテーブルの上で切って落とされようとしている。原因は上条の女性関係という些細なものだが、古代文明の戦争なども案外似たようなものが発端なのかもしれない―――――――― などと現実逃避している上条当麻だった。 「インデックス。アンタ、覚悟しなさい」 「それはこっちのセリフだ、愛人。貴様こそ立場をわきまえてモノを言ったらどうだ」 「アンタは関係無いでしょ。部外者は黙ってなさい」 「禁書目録には借りがあるのでな。貴様が彼女に危害を加えようとするなら容赦はせんぞ。愛人」 「っ!愛人愛人って違うっつってんでしょ!」 ビリビリバチィ!と御坂美琴の頭から高電圧が放たれた。同時に電子レンジと液晶テレビから黒い煙が出る。 上条当麻以外は席を立ってお互いにらみ合っている。明るいムードから一転、いつの間にか一発触発の緊急事態に陥っていた。 どうしよう、と上条は考えていた。 事の発端はバードウェイの下僕発言でありそこからインデックスの居候の理由に矛先が向き美琴が上条の彼女であってインデックスの居候を快く思わないからでありバードウェイの愛人発言が美琴の神経を逆なでして今にも食ってかかりそうな勢いになってインデックスをかばうようにバードウェイが立ちはだかっており何でこんなことになったかというと上条当麻が御坂美琴という彼女がいながら年頃の美少女ことインデックスを家に置いているからであり、 結局、事の発端は「上条当麻」に帰結するのだ。 しかし、ここで上条が謝ったとしてもインデックスか御坂美琴の意見を聞くかで大きく事態が変わってしまう。しかし、上条はこの食事を楽しみたかった。だから何気なく呟いたのだ。 「お前ら、いいかげんにしろよ」 「っ!!!」 上条の言葉に三人の表情が凍り付いた。 あれ? と首をかしげる上条。 三人は渋々と席に着きながら、 「…そうね、ちょっとどうかしてたわ私」 「…フン、まあこれはお主の問題だ。客人の私が口を出すのはおこがましいな」 「…私はここにいたいもん」 皆、恐縮している。 一番恐縮しているのは上条当麻本人だ。 (あれー!?何で皆さんそんなにビビってんのー!?『うるさい!っていうかそもそもアンタが悪いんでしょうがあああ!』的展開を予想していたんですが!?) 「ごめんさない。インデックスがここにいる理由、前にも話し合ったもんね」 「気にしてないよ、美琴ちゃん。とうまの彼女なんだから、私のこと気にしないほうがどうかしてるもん」 「…中々、複雑な恋愛事情だな」 「……………………………………………………………この空気は一体何なんでせうか?」 「そ、そういえば、当麻。当麻は何で私の作った料理が分かったの?」 いきなりの話題転換。この暗い雰囲気を打破するために美琴があわてて上条に話題を振った。バードウェイもインデックスも苦笑している。 しかし、この期待を見事に裏切ってくれるのも他ならぬ上条当麻だ。 「んー…美琴の味がしたから、かな」 皆、絶句した。 硬直から五秒後。最初に口を開いたのはインデックスだ。 「とうま、それは一体どういう意味かな?」 「えっ!!!?い、いやそのっ!別に深いイミなんて無くってですね!?言葉のアヤというかなんというか!」 「そんなに挙動不審なのはどうしてなの!?ちゃんと説明してほしいかも!!」 怖い。向かい側の席でインデックスがとても怒ってらっしゃる。整った顔立ちをしているので余計に迫力があった。美琴は、というと上条の隣で耳まで赤くしてうつむいている。 バードウェイに目を見やると、これまた退屈そうに頬づえをついていた。 「禁書目録よ。言わずもながら分かるだろう?」 「!!!な、何を!?」 「…つまり、そういうことだ。なあ?御坂美琴嬢?」 「う、うん」 小さな声で、顔を真っ赤にした美琴はコクリと頷いた。 …短い人生だったな。 「とうまあああああ!いつ、どこで短髪に手を出したのおおおおおおっ!今日という今日はとうま殺す!カミコロス!私の腹の中で溶けちゃえええええええ!」 「では私がチョコ味にしてやろう」 「そんな魔術があんの!?っていうか皆で食事の続きをしましょうよ!結局こういうオチになるわけ!?やっぱ不幸ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」 「ちょっとー!!私の当麻に何すんのよー!!!」
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第1章 献身的な修道女達の強制的要求 1 「と、言う訳です。理解しやがりましたか?」 …………おかしい。いやちょっと待ってほしい。 学園都市に住むレベル0の平凡な高校生、上条当麻は必死に思考する。 彼の前には黒を基調とした修道服に身を包んだシスター3人が、さも当然のように座っていた。 「やはり理解できませんでしたか?……シスター・アニェーゼ、やはりこの少年の頭脳レベルに合わせて解説するべきなのでは?」 (シ、シスター・ルチア!か、仮にもこれからお世話になる人にその言い方はちょっと……) (しかしシスター・アンジェレネ、実際に彼は固まったまま動かないじゃないですか) ヒソヒソ話まる聞こえだぞこの野郎。固まったまま動けないのはあなた達のせいですからね?つーか内容は理解出来たけど何でそういう展開になるんだと激しくツッコミを入れたいんですがOKですか? と、固まっている割には意外と激しく脳内思考をしている上条だったが、続くアニェーゼの台詞で反射的に口が動き、逆に脳内思考は完全に停止した。 「そーですか、そんじゃ簡潔に……………………私達をここに1~2週間ほど泊めやがれってんです」 「………はぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!!!???」 なんだかその1~2週間全てが不幸で埋め尽くされそうな気がした。 ○月×日・午後3時半 上条の絶叫から、遡ること2時間半前………… 今日の授業が終わり、上条の通う高校の廊下をデルタフォースの3バカトリオ、上条、青髪ピアス、土御門元春は、今日も他愛のない話をしながら帰宅の為に昇降口に急いでいた。 その中でも特に急いでいたのが他でもない上条である。 「今日はDiscountスーパーで冷凍食品の大安売り!!節約学生の第1人者である上条さんとしては行かない訳には参りません!!」 「………どおでもええけど、なんだかカミやん最近ずいぶん所帯じみてきたような…………なんでなん?カミやんが自炊派だってのは知ってるけどそれほど金に困ってる訳でもないやろ?1人暮らしなんやから。…………まさか、どっかの薄幸少女を家に連れ込んでたりすんのん?」 ビックウ!!と肩を震わせる上条。彼は訳あってアパートの自分の部屋に「インデックス」と言う修道女を保護しているのだ。 真っ白な生地に金色の刺繍を施した、ティーカップの様な修道服をきているそのインデックスがとにかく食べる食べる。 ある日の夕食なんか、インデックスが上条さん特製フライ定食(ご飯&サラダ&スープ付き)を上条の分まで平らげ、自分だけ「18秒で出来上がり!学園都市特製、速さ0、1倍、美味さ10倍!!真・カップラーメン・しょうゆ」の時があったほどだ。 そんな訳で家計簿をつけるのは当たり前、少しでも安い物を求め、スーパーを渡り歩くようになった上条は、お目当ての店が少し位遠くても足を運ぶようになっていた。 …………問題はとある事情により、この事実を周りに伝えられないという事だ。(1人暮らしの男の部屋に少女を連れ込んでる時点で話せるものではないのだが) 自分は勿論、インデックスの為にも。 上条がどう言い逃れしようと考えていたその時 「はっは~!夢があるニャー青髪は。朝起きたら「おはようお兄ちゃん?」って微笑んでくれる幼女メイドがいてくれたら最高なんだけどニャー」 「……そうやな~、考えてみたら日々フラグに塗れているカミやんがわざわざ「少女誘拐」なんてする訳あらへんもんな~」 「ブフッ!!?」 「少女誘拐」の所で思わず噴き出した。 もしかしたら自分は何も知らない他人から見たら犯罪に見えかねない事をやっているのではないだろうか?と、上条は少々本気で頭を抱える。 「……せや、よう考えたらカミやんはそーゆー事せんでもええんやないか!おかしない!?そーゆー事に手ぇ出さんでも大満足のフラグパラダイスなんて!!?つーかどっちかっていうと僕がそっちに手ぇ出しちまいそうやもん!!」 「……何だかお前が言うと、妙にリアルに聞こえるぞ…………」 「にゃー……あとで小萌先生に青髪注意報を呼びかけておこうぜぃ……」 同時刻。職員室で職務を全うしていた上条達のクラスの担任、月黄泉小萌は、小学生にしか見えないその小さな体全体で多大なる悪寒を感じとっていた。 2 上条の絶叫から遡る事18時間30分前・イギリス清教・必要悪の教会・とある公園の一画 「わかりました。そんじゃ、準備がすみしだい出発します」 必要悪の教会の女子寮近くの公園に呼び出されたシスター、アニェーゼ・サンクティスは仕事の説明を受け終わると、資料として渡された紙を手早く折りたたみ、修道服の中にしまう。 彼女、実は生粋のイギリス清教徒ではなく、ローマ正教の250人からなる1部隊を任されていたシスターのリーダー的存在だったのだが、現在はとある2つの事件によりイギリス清教に改宗した(本人はイギリス内にローマ正教支部を作ろうとしているらしいが)元・ローマ正教徒である。 「ああ、本当なら神裂達「天草式」の出番なんだろうけど、こんな術式が発動した以上、天草式は勿論、土御門も役に立たないだろうからね」 一方アニェーゼを呼び出したのはステイル・マグヌスという神父だ。 アニェーゼとは違い、此方は生粋のイギリス清教徒。ルーンカードを使った炎の術式を得意としていて、教皇クラスの術式も使える天才魔術師。 ……ただ、神父としては勿論、人としても見本にはならない格好をしていた。 真っ赤に染まったロン毛、両耳にピアス、目の下にバーコード、そして何より超タバコ臭い……と言うか、今も喫煙中だった。 「ニコチンとタールが無い世界の名は地獄」という名言を吐いた事があるほどタバコ好きで、彼の事を知る人はそれを注意しようとしない。なぜか「絶対に」無駄だからだ。 それはもはや「依存」や「中毒」どころの話では無く、彼にとって「酸素=タバコの煙」の方程式が成り立つほどの物だ。 彼からタバコを取り上げた未来は、取り上げた者が確実な燃えカスとなる、もしくは、ステイル自身が廃人になる、の2択だろう。 だからアニェーゼも (ったくこの喫煙神父が、自重しろってんです) と思ってはいても口には出さないのだった。 「んで、貴方はいかねぇんですか?」 「ああ、正確には「行けない」かな?状況が状況だし「外」でサポートさせてもらうよ」 「(ふん、ウソつきやがれってんです「ジュッチューハック」禁書目録の世話がしてぇだけでしょ)」 心の中で悪態をつくアニェーゼに 「…………ずいぶん余裕そうだね、ま、仕事を成功さる自信がそれだけあるって言うなら大いに結構だけど」 「……なにがいいてぇんですか?」 ステイルの目が微妙に細まる。 何の質問が来るか分かっているのに、いや、分かっているからこそアニェーゼは聞き返した。 「別に、ただ元・同僚である誰かと殺しあう事になるだろうからさ」 「…………あたしの仕事に甘さがあるってんですか?笑えねぇ冗談です」 そんな言葉を返したアニェーゼに、ステイルは嘲るようにフッ、と笑う。 「そんな事は言ってないよ?ただ「かつて仲間と慕ってくれた者が向ける敵意の視線」に耐えられれば良いね、そう言ってるんだ。まあ、君が嫌いだった人が来ない確率も無いわけじゃないし、出来ればそっちの可能性であることを祈っていてあげるよ」 ステイルはそう言うと、公園に掛けてあった人払いを解除し、自然な足取りで公園の出口へ向かい、人ごみにまぎれていった。 「…………ったく自分の経験を尊重しすぎてんですよ」 公園に一人残されたアニェーゼは、嘲るように、自分の意思を再認識させるように呟く。 「今も、そしてこれからも、あたしに昔はねぇんですよ」 3 ○月×日・午後5時半・上条の絶叫から、遡る事1時間前 「くっそ、だーもうちきしょう不幸だ~!!」 上条は街道を全速力で走っていた。 目的地は冷凍食品のタイムセールがあるスーパー…………のはずなのだが、何故か「全く逆方向に」走っている。このまま行くと上条の住んでいるアパートにたどり着く道のりだ。 上条の全力疾走の理由は何時も通り不良に追いかけられている……のではない。 逆だ「上条」が「不良」を、追っているのだ。 何でそんな事をする必要があるのかと聞かれれば、単純明快、とても分かりやすい答えを用意する事が出来る。 サイフヲスラレタ いや、正確にはスラれたと言っていいのかは分からない。何故なら………… 「ちっ、しつけーな!いい加減あきらめなよ!!」 「ふざけんな!こっちに近づいてきたと思ったらいきなり腹にグーをブチ込みやがって!!んでもってうずくまった人から財布奪ってそのまま逃亡開始する奴を上条さんは見逃しはしませんよ!?」 いきなり不意打ち&急所狙いをしてくる輩をスリと呼べるのかは分からないからだ。 まあとにかく財布だけは取り返さなくてはならない。 あれには1~2週間の食生活を保障するだけのお金が入っている。もし無くしたら……………とりあえず上条の頭が腹ペコシスターに噛み砕かれる事は間違いない。 そんな不幸な未来予想に身を震わせる上条が追っている暴力スリは全身を黒いコートで包んでいて、顔は勿論、外見が全く分からなかった。だが身長と声の高低から察するに、上条より二、三歳年下のようだ。 それにしても動きにくいであろう服装のくせにとんでもないスピードだ。長距離が得意なマラソン選手と言うよりは、こういう事(スリ)に慣れた、すばしっこい子ネズミの様な感じだった。 気を抜くとすぐに距離を離されそうだったが、上条も必死で食らいついている。 「しょうがねえじゃん!だってズボンの、しかも尻ポケットなんてスリやすい所に財布入れてるなんて思わなかったんだから!!日本人って不用心だよな~、でも銀行にはたっぷり貯め込んでんだから財布のカネ位いいっしょ?」 「ブ・ッ・ツ・ブ・ス、俺がどんな思いでやりくりしてると思ってんだテメェ!!」 上条が雄叫びと共にスピードを上げると、暴力スリは顔を引き攣らせ、同じくスピードを上げた……と言うより本能的に上げさせられた。 何と言うか、上条の表情に鬼気迫るものがある。「必死」そのものだ。 捕まったらどうなるか………………考えたくも無い。 ……同時刻・某国で新発見されたとある遺跡内にて…… 『と、言う訳なのよん♪』 「…………そうですか…………」 小宗教、天草式の女教皇である神裂火織。 片足が根元からバッサリ切られたジーンズを穿いている彼女は、遺跡入り口の大広間の様な場所に作った作戦拠点ポイントで必要悪の教会の拠点、イギリスはセントジョージ大聖堂にいる最大宗教、ローラ・スチュアートと連絡を取っていた。 『あれれ~?カ~ンザキ~、どうかしたのん?それはかとなく元気ない様な気がす』 「相変わらずとんでもなく変な日本語ですね、まるで貴女のマヌケスキルをそのまま形にしたような気がします。憐れみを覚えてしまいそうですよ」 『え、あの……カンザ』 「そんな貴女のマヌケスキルに振り回される彼は非常に迷惑でしょうね。彼にはただでさえあの子のお世話をして頂いているというのにあなたは厄介事ばかり押し付けるのですね」 『カン;』 「だいたい貴女はいつも何時も………………」 ……なぜだかひどく不機嫌な神裂に尻込みするローラ。 ちなみにこの状態で神裂を刺激するような事を言ってしまうと一気に「ブチギレモード」になってしまう事を知っている天草式のメンバーは「触らぬ神に祟り無し」の言葉如く、状況を静かに見守っている………………と思ったら大間違いだ。 (女教皇と五和が大ピンチなのよな!) (少年との距離を一気に縮めるチャンスだと言うのについてませんね~) (ほんとですよ、この機会に堕天使エロメイド&大精霊エロメイドで少年に迫る女教皇と五和が見れたかと思うとものすごーく残念です) ……なんだか神裂が聞いたら問答無用で叩きのめされそうなセリフをがんがん言っている天草式メンバー(おもに男)。 その顔は「せっかく面白そうな展開(もの)が見られたかもしれないのに!!」という無念でいっぱいだった。 (いろいろアプローチできるチャンスだったのにな~五和。どうするよ?あの少年が3人の内の誰かと……あ、いや、あの少年の事だから3人纏めてって事もぐぼはぁあ!!) (不安にさせる様な事言ってんじゃないわよ!!) (だ、だだだだだっだ、大丈夫ですよ!あああ、あ、あの人は、紳士で強くてヒーローで…………) (いや……安心はできねーのよ) (ど、どういう意味ですか?) 元・天草式教皇代理、建宮才二の意味深な言葉と表情に一段と反応する、恋する乙女、五和。 ……実はこういう時の建宮は、大抵の場合が面白がって話を煽っているのだが、テンパッているのか、五和はまったく気づいていない。 (そもそも俺達の思考レベルが低いって言ってるのよ。あの少年に「俺達の知っている奴らだけが」好意を抱いているなんて事は100%無いのよな!!) (ッツ!) 建宮の言葉に天草式のメンバーも、ああ!と、納得の表情を浮かべ、思考レベルを上昇させる。 (なるほど、確かにあの少年なら普通に1クラス位の女子は好意を抱いていそうですよね) (むしろ学校の女子全員?) (教師を忘れてるぞ!) (通っている学校だけじゃねえ!違う学校の……ほら!例えばどっかの破天荒お嬢様とか!!) (甘い!俺は学園都市の可愛い女子全員にかけるぜ!!) (フッ……これだからド素人は……問題は数だけじゃねーのよ。フラグの立て方なのよな) これだけでもかなりの精神的ダメージを負っている五和だが、ここで建宮がさらに追い打ちをかける。 (いいか?まずいくら好意を抱いている人間が山ほどいるって言ってもフラグの立て方が上手くなければ意味がないのよ。良い例えがアイドルなのよな。どんなに人気があってファンがいても、ファンはファン。よほど親しくならないとお互いは勿論、どちらかが完璧な好意を抱くなんて事はあり得ねーのよ) (え?じゃ、じゃあ……) (だがしか~~~~~~~し!!少年は強い印象を残し、ある程度間を開けるというやり方でこの常識を覆したのよ!!広く浅くと言うやり方は一見駄フラグに見える。だが植え付けた印象は根強く残るから何らかのきっかけで思考の輪廻に少年の事が組み込まれてしまえば後はずっと少年の事を考えるようになる!五和!お前がその良い証明なのよな!!) (!!??) (要は長距離恋愛の理論を取り入れる事によって多数の人間から同時に好意をもたれる様になる!根強く、幅広くと言う方法で夢のハーレムENDへの道を確立したのよ!!さらに通常の恋愛理論「長い時間」「1目惚れ」「血族」etc……などを計算に加えれば…………もはや少年のフラグ数は我らに想像できるものでは無いのよ!!!) ( ( ( ( (おォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!))))) 今日1番の盛り上がりを見せる天草式メンバー。 だが彼ら勿論、上条の周りに居る、彼を羨ましがる人々は何人が辿り着いているだろう。 上条がフラグ体質と言われ続けられている理由。その先にある答えに。 ……その一方…… 「ちょっと五和!しっかりしなさい!!いつわ~~~~~~!!!」 「ん?どうしたの…………んおわぁあ!!五和が壊れたのよ~~~!!」 「うふふ…………私って救われない……うふふ……」 「なんか日本の巫女霊がとり憑いてる気がする!!なぜだか分からないけど確信を持って言えるわ!!」 「しっかりするのよ!何故だか分からないけどこのままだと「忘れられた子」になってしまうような気がするのよ~~~!!」 4 「ち、ち、く……しょう……あの暴力スリ、今度会ったら……はぁ、はぁ………か、かみじょーさん必殺の一撃を……ぜぇ、ぜぇ…………」 結局あのスリに逃げられた上条は、自分の部屋がある学生寮に帰ってきていた。 エレベーターに貼られた『現在調整中です。階段をお使いください』という張り紙を恨めしそうに数秒見つめるが、使えない物は使えないので素直に階段で自室を目指す上条。だが朝は使用禁止になって無かった所から考えて、やはり不幸だった。 逃げられた原因は単純明快。 全力でスリを追い、距離もいくらか縮まってきたとき、スリは急に方向転換をして路地裏の道に入ろうとしたのだ。 これを今まで以上のスピードで追う上条、これまで何度も無能力者集団とやりあってきた上条には分かる。路地裏は彼らのホームグラウンド。縄張り。 逃げ込まれたらマズイ。そう思い、スピードを上げたのが間違いだった。 自らの経験をもっとよく思考すれば、こうなるかもしれない位の事は予想できたのに。 路地裏へと逃げたスリを追うため、上条も路地裏へと入ろうとしたその瞬間 ドゴン!!というすさまじい音が「自分の腹から」体全体に伝わってきた。ガハッツ!!と肺の酸素を強制的に吐き出させられ、上条はその場にうずくまる。 「奇襲」の2文字が頭をよぎる。対多数戦に有効なこの手は、上条がよくやる事でもあった。 喧嘩慣れしている上条は自分の実力を熟知していて、勝てるのは1対1まで。2対1なら危ういし、3対1なら迷わず逃げる…………のだが時々、逃げても逃げても追いかけてくる奴らがいたりする。 そんな時、手頃な脇道に入り、呼吸を整え準備をし、1番初めに入ってきた奴を殴り飛ばすのだ。逃げていると思っている&大人数と言う事で油断しきっているからこれがやたらと効く。さらに1人撃破する事で相手の指揮も乱れ、逃げ果せるチャンスも大きくなる。 …………まさかそのシュチュエーションを自分が受ける事になろうとは。 上条が蹲ったまま顔だけ上げると、案の定スリは逃げ果せた後だった。 「…………はぁ……これで少なくとも上条さんの1週間の食事は朝昼晩と食パン、そしてインデックスに頭を喰い千切られる事は決定ですはい……」 部屋で待つ超大食修道女の怒りをどうやって和らげようか考える上条が、自分の部屋がある階へと続く階段の途中の踊り場で立ち止まってから5分が経過しようとしていた…………その時だった。 「?」 踊り場から、ふと自分の部屋を見上げると、なにか違和感をおぼえる。階段を登り切り、近づいて違和感を確かめようと……した。 近くに行くまでも無かった。僅かだが確実に「ドアが開いている」 「んなッ!!」 上条は迷う事無く駆け寄り、ドアの具合を確かめる。 インデックスが部屋に居るならドアが開いているという事は無い。 部屋の合鍵も渡してあるから自由に外出が出来る……よって、鍵をかけ忘れたまま出かけるという事も無いはずだった。 考えられる可能性は………………かなり絞られてくる。 上条は、自身の不幸体質というのがあるから断言はできないが、ただの空き巣ではないと考えていた。 ただの空き巣が、学生寮、それも平凡な高校の平凡な高校生の部屋に狙いを定めるわけがない。それにこんな上の階じゃ無く、逃げやすさを考慮した下の階を狙うだろう。 …………魔術関連が1番高い、と上条は思う。 禁書目録―10万3000冊の魔道書を管理するインデックス。 ローマ政教の30億人に命を狙われている上条。 そっちの方がよっぽど納得がいく。実際には納得いってほしくないのだが、それ以外に思いつかない。 よって、誰かが無理やりこじ開けたのではと思ったのだが、その様な後は全く無い。空いている事を除けば、極々自然な状態だった だが油断は出来ない。上条の経験上、魔術師ってのは何でもありのとんでも集団だ。 聖人だったらその腕力だけでドアをへし曲げる事が出来るだろう。スパイ業を兼ねている者なら合鍵ぐらい持ってそうだし、タバコ好きの者なら人払いかなんかで人目に付くこと無く行動していそうだ。 だからいとも簡単に、かつ自然に、部屋へ侵入する事が出来る魔術だってあるかもしれなかった。 (インデックスは今どこだ!?携帯……ってどうせまた充電切れてんだろうな…………) このドアの先、自室には上条もしくはインデックスを狙う奴らがいるかもしれない。 ここでインデックスを呼ぶわけにはいかない、だが中で人質にされている場合だってあるかもしれない。 上条はドアを近距離で穴があくほど睨みつける。 その手はドアノブまであと数センチの所で止まっていた。 (……くそっ!どうする…………) 入るべきか、入らざるべきか (……どうする…………!!) と、ここで上条の意識は一度途切れかける。 ドアがいきなり内側から思いっきり開いてきたからだ。 超視近距離でドアノブとにらめっこしていた上条は、問答無用で手すりがある方の壁にぶっとばされる。 「そげふ!!??」 「………………なんだ、少年でしたか……んなとこでなにやってんです?」 顔を押さえてのた打ち回る上条の耳に、聞き覚えのある、少し生意気な女の子の声が聞こえてきて、上条はガバッ!と顔を上げる。 「な……!!」 「ちょうどよかったです、色々話したい事がありますんで早く入ってください」 いやそこ俺の部屋だし、そもそも俺に対する謝罪の言葉は無しですかそうですか、んでもってインデックスはどこ行った、つーか人の家に勝手に上がり込んでんじゃねえ。 と、言いたい事は色々あったが、とりあえず上条の口から出たのはその声の主の名前だった。 「アニェーゼ!!なんでお前がここに!!?」 5 上条の絶叫から15秒後…… 「つーわけであたし達3人をここに泊」 「まてまてまてまてちょっと待て!!話は分かったけどどうしてそういう展開になるんだっつーの!!」 「……話を聞いてましたか?それとも内容が理解できてねぇんですか?」 「いや分かったって言ったじゃん!たった今!!人の話聞いてねぇのはテメエらだろうが!!」 上条はテーブル向かいに座っている、アニェーゼ、ルチア、アンジェレネの3人に向かって、必死に説明を求めていた。 いや、正確には「アニェーゼ達がなぜここにいるのか」の説明では無くなぜ「上条の家に泊めてくれ」などと言ってくるのかなのだが、彼女達は全くくみ取ってくれない。 上条の絶叫から15分前・上条の自室 「1人暮らしの男の部屋としては結構片付いて……1人じゃねぇでした、同棲してんですよね。まああの禁書目録が進んで家事や手伝いをするとは思えねぇですが」 アニェーゼはまるで自分の家の様にベットの上でくつろぎ………… 「…………正直、修道女としてその事実は了承しかねますね。まったく……成り行きでこうなってしまったと聞きますが、あなたならこの調子で何名もの女性とパイプを持っていそうです……それと鍵はもっと解除が難しく、窓ガラスは防弾ガラスの物にしなさい、不用心ですよ?」 ルチアは礼儀こそ正しいが自分たちの行いなどまるで気にも留めていないかの様子で無神経にペラペラと話し………… 「す、すみません……ちょっと事情があって(モグモグ)……し、仕方なくなんですよ?勿論仕事であって(パクパク)……決して嫌がらせでは……(パクモグ)」 アンジェレネはインデックス様に買っておいたケーキ菓子を上条の了承も無く勝手にパクパク食べている………… 「……………………ちょ」 「「「?」」」 「ちょっと待てテメエら~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!」 と、ここで上条の今までためていた何かが一気に爆発した。それは怒りと言うより激しい混乱によるもので…… 「まず人の家に勝手に上がり込んでんじゃねえよ、なんでお前らがここに居る!?んでもってなに和んでんだ!ここは上条さんのお家ですよお分かりですか!?つーか本来ここに居る筈のインデックスはどこ行った!!?そしてあなたは自分の事を棚に上げて人を注意をするんじゃありません!最後にケーキをパクパク食ってるきみ!!君がそのケーキをパクパク食べると後に私が腹ペコ野獣と化したインデックスに頭をガブリと食べられてしまうのですが!!??」 勢い良く立ち上がり、息継ぎなしで怒涛のツッコミ連打をした上条は、ここでようやく息を整えアニェーゼ達をキッ!と睨む。 「了承なら最大宗教の許可を」 「俺の許可を取れよ!何度も言いますけどここは上条さんの部屋です!!」 「……じゃあ許可をください」 一瞬ドついてやろうかとも思った上条だったが、まずは状況を把握し、混乱を治めたい。 「…………まず何がどうなってるのか説明してくれよ…………」 溜息をつきながら再び床に座る。 「ん~……そうですね、色々説明しなきゃいけない事があんですよね…………取り合えず何かを言うなら禁書目録は無事ですから安心すると良いです」 「むしろ今頃大満足してるかもしれません…………まったく、禁書目録もそうですがあの喫煙神父も許しがたい。煙草もそうですが、あの人は禁書目録に甘すぎです」 「赤髪さん、今日の為に貯金を目一杯降ろして様々な料理店を貸し切りにしてましたもんね…………う、羨ましいです…………」 赤髪・タバコ、この2つに禁書目録が合わさるだけでインデックスがどこの誰といるかは明白だった。 「ステイルも来てるのか?だったら何でお前らと一緒じゃないんだ?」 「そりゃあとうぜんです、だって…………」 禁書目録は今、学園都市に居ませんから。 行間1 同時刻・学園都市の外・某有名料理店 「これと、これと………ああもうここにある料理全部食べてみたいかも!!」 「…………好きにすると良いさ……」 東京で超有名な和風料理店の最高級ランクの部屋。 そこには同じく最高級ランクの、少なくとも今の上条には絶対に手が出ないほど馬鹿高い料理をガンガン注文するインデックスと、それを見て溜息をつきつつも、内心かなり和んでいるステイル・マグヌスが居た。 純和風の部屋に英国の修道女と神父がいるというのはいささか奇妙な光景だったが、店の従業員は外国からの客に慣れているのか、そこまで気にしていないようだ。 ……そう「その事に関しては」気にしてない……だが 「お、お客様。お会計の方は大丈夫ですか?」 「最初にカードを渡しただろ?そこから会計の分だけ引き落としてくれ」 「は………はい」 「(ガツガツむしゃむしゃ)あ!あとこれとこれも~!!」 従業員は呆れたような困ったような顔で注文票に料理名を書くと、厨房へと走っていった。 驚いているのはその注文の量だ。 一見一人では食べきれないだろうと思われる膨大な数の高級料理が、次々とインデックスの胃袋へと吸い込まれてゆく。しかもステイルは料理に一切手を付けていない。 「…………随分と食い付きが悪いね」 この場にインデックスと関わりを持たない誰かがいれば迷わずツッコミをいれただろうが、実際に全力時のインデックスと比べれば若干スピードに勢いが無い。 「そ、そんなこと…………」 「…………さっきも言ったけど、その術式が発動する可能性がある以上、君を学園都市に置いておくわけにはいかない。」 「う、うん……分かってるけど…………でも……」 箸を止め、若干不安そうな表情をするインデックスに、ステイルはこんな言葉を掛けた。 「……あいつには護衛が付いている。任務が優先とはいえ、ある程度安全のはずさ。それにあいつなら巻き込もうが巻き込まれまいが、勘づきさえすれば自分から飛び込んでくると思うけど?」 「!!?」 バッ!と、こちらを見たインデックスに、ステイルはこの発言が失敗だったとすぐに気付いた。 …………が、もう遅い。 「そ、そうなんだよ!当麻ったらいつも何時も!!あいさ曰く当麻はフラグ体質~って言って次々と女の子と厄介事を引き寄せる体質らしいけど、ただでさえ色んな事に巻き込まれやすいって言うのに自分から関わっていくんだもん!私の知らない所でも色々あったみたいだし!!それと当麻は私がご飯をたくさん食べるから食費が大変だ~!って言ってるけど正直当麻の入院費もバカにならないかも!!あとあと………………」 「…………ハァ…………」 この後ステイルは、インデックスの気が済むまで上条への愚痴(ステイル曰く、そうは聞こえない)を聞かされ、上条に理不尽な殺意を抱くことになるのだが、肝心の上条はそれを知らない。 7 「ちょっ、ちょっと待てよ!学園都市にいないって…………」 「言った通りの意味です。禁書目録は今、学園都市にいねぇんです。危険だから置いとけねえって事ですよ」 「な……………………」 言葉を失った。 理由は嫌というほど分かっていた。 インデックスは魔術側の人間。イギリス清教、必要悪の教会のシスターで、完全記憶能力を生かし「禁書目録」10万3千冊の魔道書を脳内に保管している「魔道書図書館」だ。 この魔術と対する科学の街。学園都市に置いておくという事自体が危険だと判断されても不思議では無かった。 今まで上条とインデックスが共に暮らしてこれた事の方が奇跡なのだ………………だけど 「……………………………………………………………………………………でだよ……」 「は?」 「なんで今になってあいつを連れ戻そうって話になったんだよ!!?」 上条は叫ぶ。奇跡という幻想が消えていくのをただ黙って見ている訳にはいかない。 「……俺は魔術の世界や魔術は勿論、肝心のインデックスの事だって殆ど知らない無知野郎だけど………困った事や苦労した事だってあったし、危険な事に巻き込まれる事なんてもう数えんのもバカバカしい位だ…………だけど…………だけど俺達は今まで一緒に居たんだ!!インデックスに確認取らないでこんな事言うのもなんだけど…………最悪、俺の幻想かもしれねぇけど…………俺「達」の意思で一緒に居たんだよ!!!」 そうだ。現に今までインデックスは上条と一緒にいた。 それ自体が危険である事を知りつつも、この学園都市で、上条の部屋で、時を過ごしてきた。 それは、笑顔を絶やさない彼女が上条に見せてくれた信頼。 だったらそれを、自分が裏切るのは勿論、他の誰かにも断ち切らせるわけにはいかない!! 上条は知らず知らずのうちにテーブルの向こうの3人に思いっきり顔を近づけていた。 「だから……!!」 「ちょっ、お、落ち着いてくださいっ!!禁書目録を学園都市の外に連れ出すのは事件を解決するまでです!!」 ……………………………………………………………………………………………え? 「え?……あ…………は?」 「……シスター・アンジェレネの言うとおり。私達は禁書目録を回収、もしくは連れ戻しにきた。とは1言も言っていませんよ?」 「まったく、早とちりもいいとこです。……………それと、ちょっと身を乗り出し過ぎでねぇですか?」 「………………………あ、すみません………」 ……………………………………え~……と、と言う事は…… ゼンブカミジョウサンノカンチガイ? (うぎゃァアアア~~~~~!!!!!ハズッ!恥ず!!いま俺すっげぇ恥ずかしいんですけど!!?) 上条は頭を抱え、床をゴロゴロと転がる。途中ベッドの角に足の小指をぶつけ、悶絶しながら転がるという荒業を披露した。 「ふ、不幸だ~~~~~~~!!!」 「……今回はどう見てもあなたの失態の様な気が……………」 「やめて!心と体に瀕死の重傷を負った上条さんを追撃して止めを刺すような真似はしないで~~~~!!」 「はぁ……………………?…シスター・アニェーゼ。先程から俯いたままですがどうかしましたか?少しばかり顔が赤い様な気もしますが」 「い、いえ!何でもねぇです!!……んなことより、さっさと話を戻して、さっさとこのめんどくせぇ説明を終わらせちまいましょう」 アニェーゼはわざとらしく体制と口調を正すと、今度こそ、といった感じで口を開く。 「先週……つっても何時かは分からねぇんですが、学園都市を標的としてとある魔術が発動。今までにない強力な術式で、これを新たなる原典と断定。イギリス聖教はこの魔術を「魔力暴走」(マナ・ドライブ)と名付けました」 「マナ…………ドライブ?」 「…………詳しく説明するとなると色々な専門用語から知って頂かなくてはなりませんが構いませんか?」 ルチアの申し出に、上条は首をぶんぶん振った。 上条は以前、インデックスに魔術関連の質問をした事がある。その結果、彼女の説明のつぼに入ってしまったのか、半分以上訳の分からない、理解出来ない話を、えいえんと2時間以上語られてしまった事があった。 そして上条の不幸センサーは語っている。 このルチアと言う修道女はあの時のインデックスと同じ匂いがする、と。実際、ルチアの表情はどこか不満そうに見えた。 上条と同じくルチアに説明させるのが嫌なのか、アンジェレネが慌てて口を開く。 「え、え~~っとですね。簡単に説明すると、魔術師が魔術を使うために生み出した魔力にその魔力を生み出した持ち主本人を自動攻撃させるっていうものなんです」 「………………え~っと、つまり……あれか?例えばステイルの出した「魔女狩りの王」がステイルを攻撃しちまうって事か?」 「……まあ、遠からず…………近からず…………」 「実際にはその魔術になる前の段階である「魔力」が暴走すんですよ。今の話に合わせると「魔女狩りの王」になる前に内側から大爆発って感じですかね」 「ふうん…………でもさ、何でインデックスを外に連れ出したりしたんだ?その……「魔力暴走」を仕掛けた奴の目的がインデックスなのか?」 「分かりませんが最悪の場合、死ぬかもしんねぇからですよ」 死というワードに、上条は思わず身を固くする。 話を聞いただけでは、魔術を使わなければ危険はなさそうな魔術に思えたのだが、どうもいろいろ違うらしい。 「忘れてねぇですか?禁書目録の頭ん中には10万3千冊の魔道書があんですよ?どっかでうっかりこの魔道書の1つでも暴走すれば次から次へと連鎖を重ね…………管理してる禁書目録は勿論、周りの被害だって結構なものになる可能性があるんです」 「………………そ、そうか………………でもその「魔力暴走」ってのが発動してんならお前らだって魔術は使えないんじゃ…………」 と、いうかそんなものが発動しているなら魔術師全般が使い物にならなくなるはずなのだが、アニェーゼ達は何事もない様に平然としている。 「その心配はいりません。この魔術には決定的な欠陥があんですよ」 「欠陥?」 敵の弱点を語っているのに、アニェーゼ達の表情は浮かない。困っているようにも見える。 「この魔術の構造を簡単に説明すると、まず魔力Aを魔術発動の為の魔力及び保護対象に指定、それ以外の……保護対象に入れていない魔力B~Zの構造を崩し、暴走させるというものです」 「つ、つまり、この魔術を発動させている人達と同じ魔力を使っている人なら、その影響を受けずに済むんです…………」 「これで分かったんじゃねぇですか?どうしてあたし達3人が来てるのか」 「…………その術式を発動してるのがローマ政教の奴だからか?」 彼女達は元・ローマ政教のシスター達だ。魔力は勿論、術式もローマ仕込みの物ばかりだろう。だから送り込まれてきた。 「そういう事です。あたし達の今回の目的はこの術式の破壊」 アニェーゼは言いながら目をそらし 「並びに相手の目的、狙いを探って…………」 ルチアは溜息をつき 「必要ならばそれを阻止する事」 アンジェレネは前にもましてワタワタと挙動不審に慌て始めた。 「へ、へえ~………………;」 そして上条はこの時点から何か嫌な予感がしていた。 「「「…………なんですが…………」」」 ギクッッ!!!と、全身を嫌な感覚が走る。 様々な不幸を体験してきた上条には分かる。これは単に「事件を解決するのを手伝え」と言われるだけじゃ無い。寧ろそれに関しては上条自身も自分から手伝うつもりだった。 これはもっと別の不幸やハプニングの匂いだ。上条にとって理不尽かつ決定的な物が降りかかってくる前兆だ。 「そ、その………………つまりですね………………」 「……学園都市ってのと、敵の持ってるであろう原点とまだ分からない目的などの理由で訳なしじゃ色々行動が出来ないんですよ」 「ま…………そんな訳で………………」 続いたアニェーゼの言葉を聞き、上条は例の絶叫をあげたのだ。 「私達3人を1週間ほどここに泊めやがれってんです」 回想完了
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~~♪~~♪~~~ 初めて知った、真実の重さ。 時を超え刻まれた、悲しみの記憶。 過去の痛みは、心の中に静かに溶かれ――、 あの日、胸に灯った炎を消さなねェように――、 深い闇に、消えないように――、 無限の絆を守るために――、 今、未来へ向かう扉を開く――。 魔砲少女リリカル・カナミンA‘s 始まりまるぞォ。 ~~♪~~♪~~~ 学園都市一〇区。 学園都市内で唯一墓場や実験動物などの廃棄場が存在する学区。 その人気の無い街中は、今や空爆にでもあったかのようにめちゃくちゃになっていた。 立ち並ぶビルは軒並み崩れ、辛うじて建っている建物にも無数の亀裂が見え、もはや使用には耐えられないのは明らかである。 そのビル群が損壊している地区の中心点、爆心地のようなところはアスファルトが捲られ、その下の向き出しの地面も大きく抉れ、 クレーターのようになっていた。 暴走した禁書目録の防衛プログラムを止めるべく空中で死闘を繰り広げた一方通行の渾身の一撃、風のベクトルを操ってのプラズ マ弾の直撃を受け、上空から叩き落されたヒューズ・カザキリの墜落地点である。 その傍らにはその恐るべき所業を成し遂げた一方通行が佇み、更に離れた所には禁書目録の内部空間に閉じ込められていた御坂美 琴がやや疲弊しながらも立っている。 その後方、やや離れた所には一方通行と同じグループのメンバーである結標淡希と、御坂美琴のパートナーである白井黒子が幾分 緊張しながら身構えている。 その時、近くに取り付けられている広報用のスピーカーから音声が出てくる。 『禁書目録の主、防衛プログラムと完全に分離しました!』 『皆さん! 前方の白い澱みが、暴走が始まる場所になります。ステイルさんが到着するまで、むやみに近づかないでください!』 上空に待機していた学園都市の飛行船『アースラ』内からの初春飾利からの通信であった。 「オッケー!」 「チッ、しょうがねえなァ」 その声にそれぞれ答えるレベル5の二人。 二人共、未だ緊張感は解かず、目の前を厳しく見続けている。 その視線の先には、上空からの落下の後に光る繭のようなものに包まれたままの球体がある。 直径はおよそ四〇メートル。直径が七〇メーター程のクレーターの中心に不気味な存在感を漂わせながら浮かんでいる。 その光は白くはあるが、まるで太陽からの自然光の中で見る蛍光灯の輝きのようにどこまでも人工的、異質なものであった。 そして――――。 #12 夜の終わり、旅の終わり そして、白い、不気味な光の球体があるクレーター、その斜面に落ちていくギリギリ縁のところに、それとは別の光があった。 目の前にある白い光とは真逆の、しかし、磨き抜かれた黒曜石のような、新月の夜の星の光さえ届かない闇のような、どこか見る 者の目を引き付ける輝きの、その内部で――――。 「管理者権限を発動するんだよ――――」 黒い闇の中、ゆったりと浮かんでいるインデックスが囁く。 それに答えるように、 「ぼ、防衛プログラムの進行に、割り込みを掛けれたよ。数分ぐらいだけど、暴走の開始を遅らせると思う、よ」 禁書目録の管理プログラムであり、インデックスから『かざきりひょーか』の名前を与えられた友人がたどたどしくもそれに答える。 「うん。それだけあったら、十分なんだよ。 ――リンカーマナ、送還。水属性(ウンディーネ)の守護天使による治癒魔術を開始――――」 そう呟くと同時に、インデックスが今まで入院していた病院の屋上に倒れ伏したままの四人の魔術師たちの上に光が灯り、その体 に吸い込まれていく。 ダメージから回復し、一人、また一人と立ち上がる魔術師たち。 「――来て、私の保護者たち――」 そうインデックスが語った直後、クレーターの縁から天に向かって凄まじい勢いで黒い光の柱が立ち昇る。 クレーターの周囲にいた一方通行ら四人が一瞬目を庇い、慌ててクレーターの方を見直すと、そこには――――。 「「!!」」 目を見張る一方通行と御坂美琴。 その視線の先には――――。 「我ら、禁書目録の主の側(そば)に集いし保護者たち――」 神裂火織が――――、 「主ある限り、私たちの魂は尽きることは無いのでございますよ――」 オルソラ=アクィナスが――――、 「この身に命がある限り、私らはあんたの側にいるんだよ――」 シェリー=クロムウェルが――――、 「ウチらが保護する者、禁書の王、インデックスの名の下に――」 アニェーゼ=サンクティスが――――、 輝きを強める黒い光の周り、四人の魔術師が背中合わせにそれぞれの方角を向いて静かに宣言する。 そして、その黒い光の中で、 「ひょーか、私の杖と甲冑を――」 「う、うん!」 インデックスの声に風斬氷華が応じ、その身に新しい装束を出現させる。 白い修道女の服に身を包んだインデックスが目の前に現れた蓮の花の飾りが付いた杖を握る。 次の瞬間、黒い輝きが粉々に砕け、インデックスがその姿を現す。 「白ィの!!」 そう叫ぶ一方通行に向かってインデックスは笑顔を浮かべると、手に持つ杖を高々と掲げ、大きく叫ぶ。 「禁書の知識、私に集まって! 氷の華、かざきりひょーか、セーーット・アーーーップ!!」 杖の先から黒い輝きが迸り、見る間にインデックスの衣装に安全ピンが付け加えられる。 「インデックス……」 そのインデックスを見てアニェーゼが上目遣いに名前を呼ぶ。 「うん……」 頷くインデックス。 「すみません……」 「あの……インデックスさん、私たち……」 神裂が、オルソラが謝ろうとするのを制して、 「いいんだよ。みんな分かってる。ひょーかが教えてくれたんだもん。……けど、細かいことは後で――――。 今は―――お帰りなさい、みんな」 そう笑顔で言うインデックスに対し、堪え切れなくなったアニェーゼが泣きながら飛びつく。 「あ、ああ、うわぁぁぁぁぁぁ!! インデックス! インデックス! インデックスーーー!!」 インデックスにしがみ付いて泣き続けるアニェーゼと、その背中をやさしく撫でるインデックス。 その背後から、一方通行と御坂美琴の二人が近づいてくる。 「白い人も短髪もごめんね。私の保護者たちが、いろいろと迷惑を掛けちゃって……」 「けっ、アンなもン、どオってこたァねェよ」 「べ、別に気になんかしてないわよ。っていうかその呼び名はやめなさい!!」 三人が話していると、そこに別の人間が加わる。 「すまないね」 「アァ?」 長髪長身で全身を赤く染めた神父が口を挟む。 「水を差してしまうんだが……。イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』ステイル=マグヌスだ。時間が無いので簡潔に説明させて もらうよ? あそこにある白い澱み、禁書目録の防衛プログラムが、後数分で暴走を開始する。僕らはそれを、何らかの方法で止め ないといけない。 停止のプランは現在二つある。一つ、きわめて強力な獄炎魔術で灰にする。二つ、上空三千メートルで待機している飛行船『アース ラ』にいる『幻想殺し(イマジンブレイカー)』で消滅させる。 これ以外に、何かいい手は無いかい? 禁書目録の主とその保護者たちに聞きたい」 懐からルーンが刻まれたカードを見せながら説明をするステイル。 それに対して、 「ええーっと、最初のは多分、難しいと思います。主の無い防衛プログラムは、魔力の、塊みたいなものですから……」 「灰にしても、コアがある限り、再生機能は止まりません……」 オルソラと神裂の二人が答える。 さらに、 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』もぜったいダメ!! そんな上空から『幻想殺し(イマジンブレイカー)』撃ち下ろしたらインデックスの家の 家主が死んじまうじゃないですか!!」 大きく両手を交差させて反対するアニェーゼ。 「よォ、ここへ撃ち込むのってそンなにやべェのか?」 その様子に何気なしに尋ねる一方通行。 「半径百数○センチの範囲内なら右手で触れるだけでいかなる異能も完全に消滅させるんだけど、それ以外は生身の人間と変わらな いから……」 「チッ! オイ、俺も反対だぞ。アイツにはまだ借りがアるからなァ!」 「ちょ、ちょっと、私だって反対よ! 何考えてんのよ!!」 一方通行と美琴の両方から詰め寄られるステイル。 「僕も小萌先生も出来れば使いたくは無いよ……。でも、あれの暴走が本格的に始まったら被害はそれより、遥かに大きくなるんだ」 「暴走が始まると、周囲にあるものを無差別に破壊して、無限に稼動していくみたいですのよ」 「…………」 ステイルの説明に補足する黒子の言葉に、一同が押し黙る。 『皆さん!! 暴走臨界点まで、後十五分切りました! 代理プランはお早めに決めて下さい!』 初春からの通信に焦る様にステイルが尋ねる。 「何か無いのかい!?」 「すみません、あまり役に立てそうには無いです……」 「暴走に立ち会った経験は、私らにも殆ど無いからねえ……」 「でも、何とか、止めないといけませんねぇ……。インデックスさんの居候先のお家が無くなっちゃうの、困りますしねぇ……」 「いや、そういうレベルの話じゃ、無いんだけどね……」 神裂、シェリー、オルソラの口からも芳しい意見は出てこない。 「発射地点をもっと降下させてからは出来ませんの?」 「今から飛行船を降下させても暴走開始には間に合わないでしょう。ビル群を無視した射角を取ろうとした事が裏目に出てしまいま したね……」 黒子の発案も神裂によって棄却される。 「「「…………」」」 重苦しい雰囲気がその場を包み出す。 「あーもう! なんかごちゃごちゃうっとぉしいわね! 皆でズバッとぶっ飛ばしちゃえばいいじゃないのよ!」 イライラした様子で喋る結標。 「あのね、これはそんなに単純な話じゃ無いんだよ……」 「ふん!」 場を混乱させるだけのように思える発言にステイルも苛立ちを見せれば、意見をあしらわれた結標もそっぽを向く。 「ズバッと、ぶっ飛ばす……、か――――」 「ここへ撃ったら、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の被害が大きいから撃て無いんだよね――――」 「じゃあ、ここじゃなければ――――」 結標の発言に対して呟く一方通行、インデックス、美琴の三人。 「「「あ――――、!!」」」 次の瞬間、三人は顔を見合わせて何かを思い付く。 「オイ! そこの赤イの! 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』ってのはどこへ向けても撃ち出せンのかよ?」 「どこでもって……、例えば?」 ステイルの疑問に、美琴とインデックスは勢い込んで答える。 「今、『アースラ』のいる場所」 「上空三千メートル、同じ高度上に向けて!」 『学園都市の科学力、舐めてもらっちゃ困りますよー。撃てますよー。同一高度上だろうが、宇宙にだって!!』 上空に待機中の初春からの通信が響き渡る。 「おい! ちょっと待ちたまえ君たち! ま、まさか!!」 その意図に気付き、慌て出すステイルに対して三人は得意そうに笑顔を見せるのだった。 □ □ その頃、第七学区の上条たちの高校の屋上から第一〇学区の方を眺めながら話す二人の少女たちの姿があった。 「光、収まった?」 「うん。小さくはなったけど。まだ。黒いのがあるみたい……」 「一体何なの? まさかこんなのが、このままずっと続いたりはしないわよね?」 「何となくなんだけど。大丈夫な気がする」 「え……?」 「きっと。戦ってくれてるから……」 「レベル5の二人が?」 「うん」 「姫神さんに真顔で言われると、なんかそんな気がするから、怖いわ……」 上条当麻のクラスメイト、吹寄制理と姫神秋沙の二人である。 「まぁ、それにしても、よ……。 あーー、もう!! 訳が分からないわよ!! 楽しいクリスマスイブに、一体どういう事態なの!? 何を摂ればいいの? カルシウム? イソフラボンなの!?」 「吹寄さん。あの。落ち着いて……」 若干テンパリ気味の吹寄とそれを宥める姫神の視線の先には、未だ収集の付かない事態の中心がある。 □ □ 上空三千メートル、待機中の飛行船の指揮所の中で、 「何とも、まぁ……、相変わらず物凄いと言うか、ですねー」 どことなく頭を抱える様子の小萌先生に対して、初春が話しかける。 「計算上では、実現可能ってのがまた、怖いですよねー」 更にパネルを操作した後、地上に向かって通信を繋ぐ初春――――。 『ステイルさん! こっちの準備はオッケイです! 暴走臨界点まで、あと十分です!!』 初春からの通信を聞いたステイルが全員を見渡しながら語りかける。 「実に個人の能力頼りで、ギャンブル性の高いプランだけど、まぁ、やってみる価値はあるだろうね」 それを受けて説明するインデックス。 「防衛プログラムのバリアは、魔力と物理の複合四層式で出来てるんだよ。まずは、それを破らないとだね!」 それを美琴が引き継ぐ。 「バリアを抜いたら、本体に向けてわたしたちの一斉攻撃でコアを露出させるのよね!」 続いて一方通行が、 「そしたら結標たちの座標移動で、『アースラ』の前に、転送させるんだな」 最後に、上空の小萌先生が結ぶ。 「あとは、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』で消滅させるんですねー」 「上手くいけば、これがベストですね!」 いいプランが見つかったためか、初春の声も弾んでいた。 それまでのムードから一転、対処の方法が見つかったことによって明るくなった一同から少し離れた位置からクレーターの中心、 光の繭を見つめるステイル。 咥えたままの煙草を燻らせながらポケットから携帯電話を取り出すと、おもむろにある番号に向けて掛けはじめる。 「アウレオルス、見えているかい?」 ステイルからの電話に応じている人物は、そこから十数キロ離れたとある進学塾の一室にいた。 「当然。すこぶる鮮明に映っている」 はるか上空、飛行船『アースラ』から送られてくる監視映像のモニターを見ながら、アウレオルス=イザードは答える。 その背後に控えているのは、この学園都市にいる学生たち。 性別も、年齢もバラバラなはずの少年少女たちはだがしかし、何故か皆一様に同じような表情をしていた。 「禁書目録は、呪われた、魔道書だった……。その呪いは、いくつもの人生を喰らい、それにかかわった多くの人の人生をも、狂わ せてきた。あれのおかげで、僕も小萌先生も……他の多くの人間も、本来関わる筈も無かった人生を進まなきゃならなくなった……。 それはきっと、君も、三沢塾の生徒たちも……」 携帯で会話をしながらおもむろにポケットからルーンのカードを取り出すステイル 「失われてしまった記憶は、取り戻すことは出来ない。――――だから、今を戦って、僕らは未来を変えるんだよ」 そう言い切った次の瞬間、ルーンのカードが光を帯び、次の瞬間『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』が姿を現す!! それをモニターを通して眺めているアウレオルスは、深く息を吐きながら瞠目するのだった――――。 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、出撃準備を始めてくださいなのですよー」 「「「はい!!」」」 飛行船『アースラ』内の全スタッフが返答をする。 作戦開始まで、あと、少し――――。 C M _ _ _ ゝ ,´ノ从 ヽ , ´ `ヽ / ビリビリ! ノノリ从从〉 リソリノ"゙从 ∠ / ソ(lリ゚ ー゚ノリ ノjid゚ ヮ゚ノ / /i,ミ彡i く) Y iつ ┣ l. T l! く/_|j〉 ┃ |__l_j し ノ C M クレーターの中心で不気味に震動を始める白い繭。 『暴走開始まで、あと二分です!!』 上空の初春からの通信に、改めて気を引き締める一同。 そんな中、インデックスがふと気が付いたように一方通行と美琴を見て、後ろにいるオルソラを呼ぶ。 「オルソラ」 「はい、お二人の疲労回復ですね」 インデックスの呼びかけに、オルソラが返事をしながら近づいてくる。 そして、どこからとも無く取り出した水筒から中身をコップに空けて二人に手渡し、更にタッパーを取り出して蓋を開く。 「ハーブティーとレモンの蜂蜜漬けでございます」 唐突な流れに軽く驚く二人に向かって、オルソラは言う。 「イギリス清教預かり、オルソラ=アクィナス。魔道書の解析と料理が本領でございますよ」 受け取って口に運ぶ二人は素直に口に運んで感想を述べる。 「あ、この香り、ブレンド? なかなかいい組み合わせね」 「ふん。まァまァだな」 そんな美琴と一方通行の反応にもにこやかに微笑むオルソラ。 そうした光景をよそに、結標淡希は傍らにいる白井黒子とシェリーに向かって呼びかける。 「あたしたちはサポート班よ、あのウザいバリケードを上手く止めるからね」 「はいですわ」 「わかってるよ」 各々が準備を済ませていると、目の前のクレーターにある光の球体から、一本、また一本と光が解れ、まるで触手のように天に向 かって伸びていく。 「始まる!!」 それを見た一同は更に緊張を高める。 「禁書目録を、呪われた闇の書と呼ばせたプログラム……。禁書目録の、闇……」 そして、光の繭を覆う輝きが一層濃くなった次の瞬間、ついに繭が全て解け、触手の光が一斉に蠢き出す。 そこに現れたのは一方通行と戦っていた時の女子高生の姿をした『ヒューズ=カザキリ』ではない。 頭上には発行する輪のような物があり、そこから周囲に向かってジャカジャカと音を立てながら細かい棒が伸縮を繰り返している。 触手のような翼を背中から無数に生やし、虚ろな目をどこへ向けるとでもなく開いている。 それが本格的に動き出す前に、結標淡希と白井黒子が同時に動く。 「座標移動(ムーブポイント)!!」 「空間移動(テレポート)!!」 結標が手に持つ軍用ライトを素早く動かして周囲にある瓦礫の塊を転送させる。 その周囲では黒子が小刻みに空間転移で跳んでは手に触れた瓦礫を転送させる。 それらの目的地は防衛プログラムの周りでのたうっている翼。 その羽の密集部分に転移させられた瓦礫の塊は、座標を重ねる部分の羽を食い込みながら出現する。 「ははっ、崩れな!!」 ビュバン!! その直後、シェリーが手に持つオイルパステルを抜刀術のように振るって周囲に魔法陣を描くと、それらの瓦礫が一斉に泥のよう に崩れ落ちる。 その身に食い込ませた羽が消失し、断ち切られていく。 「ちゃんと合わせてくださいよ! 一方通行(アクセラレータ)さん!!」 「はっ、おめェの方こそなァ!!」 防衛プログラムの周囲を覆う光の羽に穴が開くと、待ち構えていたアニェーゼと一方通行がそれぞれの攻撃を繰り出す。 「イギリス凄教預かり、アニェーゼ=サンクティス! ――――万物照応。五大の素の第五。平和と秩序の象徴『司教杖』を展開!!」 彼女の呼び声に応じて手に持つ杖、その先端にある天使の六枚の羽が開いていく。 「偶像の一。神の子と十字架の法則に従い、異なる物と異なる者を接続せよ!!」 完全に展開した杖を大きく振りかぶりながら詠唱を続けるアニェーゼ。次いで、それを渾身の力を込めて振り下ろす。 「『蓮の杖(ロータスワンド)!!』」 何も無い眼前に振り下ろされた杖。 しかし、遥か離れた防衛プログラムからは、とてつもない重量の物がぶつかった時のような破砕音が響き渡り、その周囲に展開さ れていた不可視のバリア、その一層目が粉微塵に砕け落ちる! 「学園都市、レベル5、一方通行(アクセラレータ)。いくぞォ!!」 高々と宣言する一方通行。その両手は頭上に掲げられ、周囲から膨大な空気が圧縮されて突風が渦を巻いていく。 立て続けに攻撃を加えられた防衛プログラムが周囲に展開する者達を漸く敵と認識したのか、断ち切られずに残った羽の何枚かを 一方通行に向かって振り下ろそうとする。 「はっ、遅っせェンだよォォ!!」 それに対し一方通行はベクトルを操作、圧縮させた空気の一部を叩きつける。 その暴風を受けて動きが止まった防衛プログラムに対し、一方通行が頭上に圧縮した空気の中心点にあるプラズマをぶち当てた。 閃光が辺りを焼き、大音響が響き渡る。だが、それに伴う熱波や衝撃波すらベクトル操作されて攻撃と化し、ついにバリアの二層 目が消し飛ばされた! 「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」 防衛プログラムが金切り声を上げる。 それを見たオルソラが声を張り上げる。 「次、神裂さんと御坂美琴さん!!」 その声を受けるのはいつの間に回り込んだのか、クレーターを挟んで一方通行たちとは真逆の位置にいる神裂達である。 「イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』、神裂火織。魂に刻み込んだ名を、七天七刀と共に」 語りながら腰に差した大太刀の柄に右手を添え、左手は鯉口を切る。 「フェイクである『七閃』の奥に隠された、真の一刀を」 その彼女に対して未だ残る羽の残骸が襲い掛かる。周囲にある瓦礫を崩して神裂に当てようとする。 しかし、彼女が繰り出す鋼糸の『七閃』により悉く弾き飛ばされ、次いで裂帛の気合と共に彼女の魔法名が唱えられる。 「『救われぬ者に救いの手を(Salvere000)』!!」 宣誓と同時に膨れ上がった魔力と共に彼女の持つ真の奥義『唯閃』が戦場を奔り、防衛プログラムにぶち当たる。 一拍を置いた後に激しい震動と共にバリアの三層目が砕け散る! 「学園都市、レベル5、御坂美琴。いくわよ!!」 次に攻撃に出たのは美琴。その体からは周囲に紫電の火花が溢れている。 その音色が、重く鋭く変化していき、音階がどんどん上がっていき、それと共に上空には黒く重たい雷雲が立ち込める。 「貫け、雷刃!!」 音の変化が最高潮に達したとき、遂に美琴から雷撃の槍が発射される。 それが着弾したと同時に、天から今度は本物の雷が降り、防衛プログラムに直撃する。 ドォォン!! という腹の底を揺さぶる音が響き渡り、最後のバリアが破られる! 「Kyaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」 度重なる猛攻の直撃、バリアの無効化という事態に、防衛プログラムが絶叫を上げながら背中に残る羽、その一際太い二本を大き く振り上げる。 と、その二本の羽の間に青白い光が瞬き始め、見る間に光球が発生する。 「イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』、シェリー=クロムウェル。砲撃なんか撃たせるもんかい!!」 それを見たシェリーが再び手に持つオイルパステルを再び振るう。 「『我が身の全ては亡き友のために(Intimus115)』――――。エリス!!」 先の多重召喚による作為的な崩壊とは違い、今度作り出すゴーレムは一体のみ。 その十メートルの巨体はたちどころに全身を形作ると両手を防衛プログラムに向かって突き出し、放電に似た現象を起こし始めた 羽を鷲掴みにする。 見る間にゴーレムの両手が崩れていくが、一時的に攻撃手段を封じられた防衛プログラムに対して更なる攻撃がなされる。 「インデックスさん!!」 オルソラの声に対してインデックスはその小さな口から言葉を紡いでいく。 「――――囁く声、噂の風よ、彼の者の心を暴き立て、その矛盾を糾弾せよ。――――『魔滅の声(シェオールフィア)』」 呪文が唱えられ、魔術が発動すると、ビクン!! と身じろぎする防衛プログラム。瘧にかかったかのように体を震わせていたが、 その体と翼のあちこちからスパークが起こり、いたる所で体が爆ぜる。 「Cuoooooooooooooooooo!!」 絶叫を上げながら体を崩壊させていく防衛プログラム。 しかし、ひとしきり爆発が収まった後に姿を現したのは今までよりも更に姿を変えたものだった。 頭はグラリと垂れ、半開きの唇からは半端に舌が飛び出している。見開かれた眼球は不規則に揺れ続け、涙と涎が混ざり合ってそ の胸元をベットリと濡らしていた。 「うわーーーー」 「な、何だか、もの凄いことになっているのでございますよー」 顔を顰める結標とオルソラ。 上空で監視している『アースラ』からも初春の通信が入る。 『やっぱり、並みの攻撃じゃ通じません! ダメージを入れた側から、再生されちゃいます!!』 しかし、地上で戦っている人間たちはそれでも逃げない。 「だが、攻撃は通っている。プラン変更は無しだよ」 咥えた煙草を揺らしながら言うと、ステイルは手に持つルーンのカードを目の前にかざす。 「いくぞ、『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』。――――焼き尽くせ!!」 その命令に従ってヒトガタの炎が防衛プログラムに組み付き、燃え盛る我が身を使ってその体を拘束する。 「――――神裂がいて助かったよ。限られた時間と枚数でここまで火力が上げられたんだからね」 その言葉どおり、『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』の姿は常のそれとは違い、炎の密度が違い、威圧感が違う。全身から放たれる熱波 は周囲の空気を歪め、その背中から巨大な翼が生えていると錯覚させるほどだ。 だが、それほどの熱量を持った攻撃を受け続けても、防衛プログラムは尚も稼動し続ける。 攻撃と再生を続ける『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』なればこそ、その体を抑える付けることが出来ているが、それでは決定的では無い。 その身に『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』を組み付かせたまま暴れようとする防衛プログラムを前にして、最後の三人が動く。 「いくぞォ、第三位ィ、白イのォ!」 「うん!」 「了解なんだよ!」 一方通行の呼びかけに応じる御坂美琴とインデックス。 一方通行はその場にしゃがむと無造作に右手を地面に突き入れ、アスファルトの塊を掴み取りながらその演算能力を行使する。 地球の自転エネルギーをベクトル変換しながら大きく振りかぶる――――、 「全開でいくぞォ! ――――『天体制御(アストロハインド)ォォォ――――」 御坂美琴は右手をポケットに突っ込むとそこからゲームセンターのコインを取り出す。 ただし、その数は通常の一枚限りではない。ポケットに残るコイン、その数七枚を右手に握り締めたまま叫ぶー―――、 「――――雷光一閃、――――『超電磁砲(レールガン)――――」 インデックスは暴れようともがく防衛プログラムを見ながら涙を滲ませて呟く。 「ごめんね……。お休み、なんだよ……」 その目に去来するのは如何なる思いか。 しかし、数瞬目を閉じ、迷いを振り切るように開くその瞳に映るのは決意の色。 「特定魔術『聖ジョージの聖域』の発動。――――現れよ、絶対なる守護者――――」 彼女の唱える呪文に呼応して目の前に二つの魔方陣が出現、そして、その二つの中心から空間を引き裂いて暗黒の闇が顔を覗かせる。 「――――『竜王の殺息(ドラゴン・ブレス)――――」 その亀裂の奥から『何か』が覗き込んで――――、 「――――ブレイカーーーーーー』!!」 「――――ブレイカーーーーーー』!!」 「――――ブレイカーーーーーー』!!」 三者の声が同時に響く。 そして、それぞれから自身が持つ最大の攻撃が放たれる。 一方通行からは天体運行のエネルギーを変換したベクトル攻撃が、 御坂美琴からは弾核を束ねたレールガンによる収束攻撃が、 インデックスからは蓄えられた魔道の書十万三千冊の知識全てを駆使した魔術攻撃が、 三方から防衛プログラムに向かい、直撃する。 瞬間、音が消えた。 別系統による同時多重一斉攻撃を受けた防衛プログラムが、今度こそ押し潰される! その外殻を構成していたプログラムが弾け飛び、中にあるコアが露出されるのを見た瞬間、オルソラが手に持つロープを勢い良く 投げつける。 如何なる魔術の働きによるものか、真っ直ぐにコアに向かって飛んでいくロープ。そして、 「本体コア、――――捕まえました、ですよ!」 ロープがコアを絡め取ると、すぐさま次の行動に入る結標淡希と白井黒子。 「長距離転送!」 「目標、上空三千メートル!」 共に大能力者である二人による一一次元計算式は直ぐに終了し、直ちに次なる手が打たれる。 「座標移動(ムーブポイント)!!」 「空間移動(テレポート)!!」 結標は手の軍用ライトを大きく振り上げ、白井はオルソラが飛ばしたロープの端を握り締めて同時に叫ぶ。 三人がかりによる強制転送により、防衛プログラムの本体コアが天高く飛ばされていく。 「コアの転送、来ます!」 上空で待機していた飛行船『アースラ』ブリッジ内に緊張が走る。 「転送されながら、外殻データを修復中。すごい速さです!」 次々と寄せられる報告を処理しながら、初春が指示を出す。 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、射出バレル展開!」 飛行船の前面、その先端に突き出ていたパーツが真ん中から分離し、二つに離れていく。さらに、それぞれのパーツが伸張して 十メートルほどの滑走用レールが現れる。 「ファイヤリング・ロック・システム、オープンなのですよー」 命令する小萌先生の前に卓上のパネルが展開、無骨なスイッチがせり上がってくる。 「命中確認後、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を安全圏にて回収します。準備をよろしくですー」 「「了解」」 全ての準備を整えた『アースラ』の前に、地上から転送された防衛プログラムの本体コアが現れる。 外殻データから剥き出しにされたコアが、その三角柱の身を回転させながら処理を行ない、元に戻ろうとしている。 「『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、出撃!」 復元処理の為に動きが止まったそれに対して、遂に『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が出撃する。 それは、滑空用レールから勢い良く飛び出すと、空中で機動翼を展開、メインエンジンを吹かしてあっという間に距離を詰める。 その身に纏っているのは頭の上から足の先まで覆うスマートな黒の装束だが、唯一、右手だけが違っていた。 正確にはその肘より先、腕の中頃から先は一回り大きな機械に覆われている。 そうして飛来する『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が迫る時には何とか最低限の外殻データが修復し終わる本体コアは、己の手足だけ を武器にして迎え撃とうとする。 と、近づいてくる『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の右手を覆う機械が勢い良く開き、そこから剥き出しの拳が姿を見せる。 「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」 落下しながらも腕を振り上げ、叩きつけようとする。 対する『幻想殺し(イマジンブレイカー)』も右手を後ろに引いて構えながらその懐に飛び込んでいく。 突き出される拳と拳。互いの攻撃が相手に届いた瞬間、しかし、結果はあっけないものだった。 その右手が触れた瞬間防衛プログラムの腕は瞬時に消し飛び、それに驚いて目を見開いた顔面にそのままの勢いで拳が突き刺さる! そのまま外殻データをまとめて吹き飛ばした右手が本体コアに叩きつけられると、コアを形作っていた三角柱は霧散した。 「「「――――!!」」」 地上では、上空を見つめる実働メンバー。 「――――」 三沢塾では、『アースラ』からの映像を見つめるアウレオルス。 それぞれが、それぞれの胸の内に思いを抱きながら見つめている。 そして、観測班からの報告が寄せられる。 「効果空間内の物体、完全消滅! 再生反応、ありません!!」 「はいなのですー。準警戒態勢を維持、もうしばらく反応空域を観察しますよー。それと、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』ちゃんの回 収、よろしくなのですよー」 「了解! …………ふぅ」 まだ警戒中とはいえ、殆ど終わったようなものなので緊張を解いて大きく息を吐き出す初春。 地上に向けて通信を入れる。 『というわけで、現場の皆さん、お疲れ様でしたー。状況、無事に終了しました!』 その報告を聞いて安堵する一同。 「――――ふふっ」 「――――へへっ」 顔を見合わせて笑顔を浮かべ合う結標、白井、オルソラ。 ルーンのカードを操作し、『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』が正常に終了されたことを確認するとそのまま懐から新しい煙草の箱を取 り出して早速一服し始める。 『この後、残骸の回収とか、市街地の修復とか色々ありますけど、皆さんは『アースラ』に戻って一休みして下さい』 大きく息を吐いてへたり込みそうになるアニェーゼ。 まだ警戒は解いていないが、それでも緊張を和らげる神裂とシェリー。 そして、美琴とインデックスは手を打ち合い、一方通行は差し出された手を見て鼻で笑ってインデックスに飛び掛られ、それを見 る美琴は呆れ返っていた。 「――――アァ、そオいやァ市街地にイた一般人はどオなったんだァ?」 ふと気付いた様子の一方通行からの質問に、情報を検索した初春からの返答がすぐさま返ってくる。 『被害が酷い場所以外の封鎖は解除されていますので、元いた場所に戻れると思いますよ』 「ふン、そォかイ」 首をぐるぐると回しながら気の無い相槌を打つ一方通行。既にその関心は別の事へと向いているようである。 「――――えっと、ステイル、さん? お、お疲れ様……」 「――――ああ、とっさの申し出にも良く応えてくれたね。ありがとう、御坂美琴、さん」 異なる世界に属する者同士の間でも事態の終息、といった空気が流れる中、 「インデックス!?」 「インデックスさん!?」 突然響き渡る悲鳴。 皆の視線が集まるそこには、突然倒れたインデックスを抱きかかえる神裂火織とそこに心配そうに詰め寄るアニェーゼとオルソラ の姿だった。 「インデックス! インデックス! インデックス!! インデックスゥゥゥゥ!!!」 突然の出来事に皆が呆然とする中、アニェーゼの悲痛な叫び声だけが無残にも響き渡っていた……。 「…………白イ、の?」 ~to be continued~ ~~♪~~♪~~~ そして、禁書目録事件が終わりを迎えます。 出会ったヤツ、触れ合ったヤツ等皆に、笑顔と感謝を。 それから、旅立ちと、別れと。 新しい道を進むとき――。 次回、魔砲少女リリカル・カナミンA‘s 最終話 「スタンバイ・レディ」 ――終わりじゃなくて、きっと、始まりなんだよォ――。
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序章 午後6時30分。かろうじて太陽が沈み切らない時間帯。 薄紅の光にさらされたビルとビルの間。人目をはばかるような細い道に 二つの人陰があった。 大きい影と、それに比べて小さい影。 やがて、小さい方の影が口を開いた。 「……こんな戦争が始まりそうな時期に何を考えているんだ。あの野郎は」 と、苦々しくつぶやいた。 「僕に言われても困るよ。僕はただ君に『奴』へ伝言頼んだだけだ。それと、 『仕事』をしにね」 と、小さい影に対して軽口をきいた。 「分かっている。だが、納得がいかない。禁書目録〔インデックス〕だけつれ て行けば良いものを……そう思うだろう?ステイル」 まあね、とステイルは言い、 「だけど、『上』が決めたことだ。僕達がどうこうしたって、しかたがないだ ろう」 「お前はこの件に賛成するのか?」 「ああ。『奴』がついてくる事については気にくわないけどね。 彼女にとって学園都市〔ここ〕は安全じゃなくなってきた。だからこの『仕 事』が終わったら、あの子と一緒にイギリスへ帰ろうかと思っている」 さらりと、そんな事を言った。 「さて、僕はそろそろホテルへ戻る。それじゃあ失礼するよ、土御門」 と、言い残してビルの角に消えた。 「……」 土御門はしばらく無言で佇んでいた。 そして踵を返し、とある人物に伝えるためにステイルからの伝言と会話を反 芻していく。 そうして歩いている内に、目的の建物が見えてきた。
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2013/10/6時点 芦屋 流(あしや ながる) ステータス 体力:40 筋力:100 魔力:43 知力:45 速度:60 余り経験点0 最大HP450 最大MP196 攻撃100 防御66 魔攻45 魔防30 速度60 移動6 秘技:全機解放炸裂…2フェイズの間、自分の与える物理ダメージと射程を2倍に、自分の受けるダメージを半減する スキル 機関砲砲撃:射程3 消費HP7 基本物理×1.5 使用後移動可 リアクタアサルト:射程1 消費HP33 隣接されて被攻撃時、出目-2が勝っていれば受けるはずだったダメージを1.5倍にして返し、1マスノックバックさせる。負けたらダメージが2倍 誘導ミサイル準備 発射 射程4 着弾範囲2 消費HP27 使用後移動不可 範囲内の敵全てに物理基本×2 マジックハンマー 射程1 消費HP MP24 物理+魔力/基本HPMPダメージ×0.5 与えたダメージを吸収してノックバックさせる 使用後移動不可
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【浜面仕上】 000 オープニングーーー《地獄へようこそ》 ◆qvpO8h8YTg 010 ほんとのきもちはひみつだよ ◆ZbV3TMNKJw 014 Noblesse Oblige -BREAK IT- ◆2dNHP51a3Y 020 ワイルド・スピード ◆ZbV3TMNKJw 039 撫子乱舞 -女郎蜘蛛と白の魔王、そして悪魔襲撃撫子乱舞 -黒髪乱れし修羅となりて-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く(前編)-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く-(後編)- ◆2dNHP51a3Y 【フレンダ=セイヴェルン】 005 インフィニア ◆ZbV3TMNKJw 022 殺伐感情戦線 ◆ZbV3TMNKJw 036 闇を暴け(上)闇を暴け(中)闇を暴け(下) ◆ZbV3TMNKJw 069 Go frantic ◆2dNHP51a3Y 085 フレンダちゃんのドキドキ☆生存戦略! ◆qvpO8h8YTg 092 Liber AL vel Legis -the point of no return-Liber AL vel Legis -黒 VS 白-法の書・外典【テイルズオブベルセリア】Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- ◆2dNHP51a3Y 106 生きる者達 ◆mvDj9p1Uug 112 過去が今、私の人生を収穫に来た ◆EPyDv9DKJs 114 裁定、そして災害(前編)裁定、そして災害(後編) ◆mvDj9p1Uug 122 夕暮れのかなたから ◆qvpO8h8YTg 【絹旗最愛】 012 禍ツ華が哭くころに ◆2dNHP51a3Y 039 撫子乱舞 -女郎蜘蛛と白の魔王、そして悪魔襲撃撫子乱舞 -黒髪乱れし修羅となりて-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く(前編)-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く-(後編)- ◆2dNHP51a3Y 060 人生は選択肢の連続だ ◆ZbV3TMNKJw 082 From the edge -Scarlet Ballet-From the edge -EreserRain-From the edge -Re:闇を暴け-From the edge -炎- ◆ZbV3TMNKJw 【麦野沈利】 012 禍ツ華が哭くころに ◆2dNHP51a3Y 039 撫子乱舞 -女郎蜘蛛と白の魔王、そして悪魔襲撃撫子乱舞 -黒髪乱れし修羅となりて-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く(前編)-撫子乱舞 -凛として咲く華の如く-(後編)- ◆2dNHP51a3Y 063 ハナガサイタヨ ◆ZbV3TMNKJw 074 It s My Life ーTir na nOg ー(前編)It s My Life ーTir na nOg ー(後編)It s My Life ー永遠の銀(RickReMix)ーIt s My Life(前編)It s My Life(後編) ◆ZbV3TMNKJw 078 「会えてよかった」 ◆ZbV3TMNKJw 092 Liber AL vel Legis -the point of no return-Liber AL vel Legis -黒 VS 白-法の書・外典【テイルズオブベルセリア】Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- ◆2dNHP51a3Y 105 Revive or Die Again(前編)Revive or Die Again(後編) ◆2dNHP51a3Y 115 ギャクマンガ虚獄 ~ムギノインパクト~ ◆2dNHP51a3Y 123 愛をとりもどせ!!(前編)愛をとりもどせ!!(後編) ◆ZbV3TMNKJw 127 魔獣戦線 ー黙示録の始まりー魔獣戦線 ー 人妖乱舞 ー魔獣戦線 ー進化の光ー魔獣戦線 ー愛されしものー魔獣戦線 ーDeep Redー魔獣戦線 ー生命の輝きー ◆ZbV3TMNKJw 【垣根帝督】 006 何れ花となるモノ ◆ハーメルンユーザー 050 病院へ行こう ◆ZbV3TMNKJw 065 病院での会敵 ◆ハーメルンユーザー 075 病院戦線 開幕 ◆ハーメルンユーザー 090 病院混戦~劇薬投下~ ◆ハーメルンユーザー 093 病院戦線、終幕(前編)病院戦線、終幕(後編) ◆ZbV3TMNKJw 096 最後に笑うは ◆ハーメルンユーザー 106 生きる者達 ◆mvDj9p1Uug 115 ギャクマンガ虚獄 ~ムギノインパクト~ ◆2dNHP51a3Y 123 愛をとりもどせ!!(前編)愛をとりもどせ!!(後編) ◆ZbV3TMNKJw 127 魔獣戦線 ー黙示録の始まりー魔獣戦線 ー 人妖乱舞 ー魔獣戦線 ー進化の光ー魔獣戦線 ー愛されしものー魔獣戦線 ーDeep Redー魔獣戦線 ー生命の輝きー ◆ZbV3TMNKJw 132 その座標に黒を打て(前編)その座標に黒を打て(後編) ◆ZbV3TMNKJw
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上条当麻 「―――ええい!くそっ!くそっ!あーもうちくしょー不幸すぎますーっ!!」 とある魔術の禁書目録1巻にて。 「――テメェは、インデックスを助けたくないのかよ?」 「テメェら、ずっと待ってたんだろ?インデックスの記憶を奪わなくても済む、インデックスの敵に回らなくても済む、そんな誰もが笑って誰もが望む最っ高に最っ高な幸福な結末《ハッピーエンド》ってやつを!」 「ずっと待ち焦がれてたんだろ、こんな展開を!英雄がやってくるまでの場つなぎじゃねえ!主人公が登場するまでの時間稼ぎじゃねえ!他の何者でもなく他の何物でもなく!テメェのその手で、たった一人の女の子を助けてみせるって誓ったんじゃねえのかよ!?」 「ずっとずっと主人公になりたかったんだろ!絵本みてえに映画みてえに、命を賭けてたった一人の女の子を守る、そんな魔術師になりたかったんだろ!だったらそれは全然終わってねえ!!始まってすらいねえ!!ちっとぐらい長いプロローグで絶望してんじゃねえよ!!」 「―――手を伸ばせば届くんだ。いい加減に始めようぜ、魔術師!」 とある魔術の禁書目録1巻にて。
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【種別】 人名 【初出】 とある科学の超電磁砲 第四話 名前はアニメ超電磁砲(1期)にて判明、本編登場は新約六巻 【CV】 植田佳奈 【解説】 第一七七支部所属の女子高生風紀委員。レベル3。 身長163cm・体重50kg、スリーサイズは85・60・81。 眼鏡をかけた黒髪セミロングの少女で、豊かなスタイルの持ち主。 中学生時代は美琴や黒子とほぼ大差ない体形で、黒妻の影響からほぼ毎日のようにムサシノ牛乳を飲んでいた結果現在の体形になったようだ。 黒子と初春飾利の上司的立場に当たる。 研修などで迷惑をかけてきたこともあり、黒子にとっては頭の上がらない存在の一人。 かつてレベル2だった頃、なかなかレベルが上がらないことに思い悩み、 スキルアウトのビッグスパイダーに所属していた過去がある。 当時のビッグスパイダーのボス、黒妻綿流に恋心を抱いており、彼とお揃いで仕立てた赤い革ジャンは現在でもクローゼットの中にある。 学生寮では柳迫碧美と同室。 【能力】 能力はレベル3の『透視能力』。 透視することで隠し持っている武器などを発見できる、捜査や警備に便利な能力。 能力だけでなく素の身体能力やそれを活かした逮捕術の腕も一流で、かつてのビッグスパイダー在籍中には体重差3倍の筋肉マッチョを膝蹴りで一撃KOした事もあるなど様々な武勇伝を持つ。 またオートバイの運転技術も習得している。 【作中での活躍】 白井黒子の新人研修を担当し、『絶対等速』の能力者とその仲間が起こした強盗事件にも立ち会った。 研修では黒子の実力は認めつつも、周囲を頼らず一人で解決しようとする傾向を不安視していた。 虚空爆破事件でも同僚の男子生徒と共に避難誘導に当たっている。 (※漫画版とアニメ版とでは、固法と名称不明の風紀委員の出番が逆になっている。) 黒妻が消えた2年後、ビッグスパイダーの行っていた能力者狩りを追いかけた際に黒妻に再会。 自分の気持ちと立場の間で大きく迷うが、黒妻を騙った蛇谷次雄に制裁を加えた後、 最終的には風紀委員という自分の立場と彼自身の意志に従い、黒妻を逮捕した。 禁書本編では、新約六巻でようやく初登場を果たす。 子供たちに黒子のマネを迫られ困惑していた初春を見かけて天啓を得た天才作曲家っぽくなった青髪ピアスの前に現れ、 黒子とともに青ピ本年度43回目の職務質問を担当した。
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いままで読んだラノベじゃかなり高得点。 ちょっと設定を押しすぎているところや、流れに無理もあるけど、 それを補って余りあるくらい世界やキャラが魅力的だと思う。 描写も良い。端的な文章で、映像が瑞々しく脳裏に浮かぶ。 押しすぎなのは「神の奇跡すら殺せる」の行、 無理は「インデックスが一年逃げてた」とか。 まぁそれなりに説得力は持たせようとしてたし、 当たり前のこととはいえ15%が嘘だ、って明かすところも面白かった。 この辺りを上手く説明するために「先生」は凄く都合が良いキャラだったし。 最後の「本当は覚えていないんだろう」っていうのはどうなんだろう。 好きではあるけど、どこか救いがない気もする。 「あっはっはのーはーっ」で喜んだところにこれでは、 意外性とか以前にがっかりな気もする。 でも凄いな。戦慄した。 ステイルとカンザキが活きていないのが残念。 それ以前にビリビリ女はガン無視だが。 続巻を意識して描かれた物語は興醒めだなぁ。