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書き手&読み手の心得 書き手の心得その1(心構え) 無理して体を壊さない。 この物語はリレー小説です。みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。 知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。 みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば避難所にうpしてください。 自信がなかったら先に避難所の仮投下スレッドにうpしてください。爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。 本スレにUPされてない仮投下スレッドの作品は、続きを書かないようにしてください。 本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。 巧い文章ではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け! 叩かれても泣かない。 来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。 書き手の心得その2(実際に書いてみる) ……を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。 適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。 適切なところで改行をしましょう。改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。 かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。 人物背景はできるだけ把握しておく事。 過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。 一人称と三人称は区別してください。 極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。 「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。 状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。 フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。 残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。 ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。 位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。 書き手の心得3(一歩踏み込んでみる) 経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。 キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。(今までの話を平均すると、回復魔法使用+半日費やして6~8割といったところです) 戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。 キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。 『展開のための展開』はイクナイ(・A・)!キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。 書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。 +修正に関して+ 修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。 NGや修正を申し立てられるのは、「明らかな矛盾がある」「設定が違う」「時間の進み方が異常」「明らかに荒らす意図の元に書かれている」「雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)」以上の要件のうち、一つ以上を満たしている場合のみです。 批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。 書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。 +議論の時の心得+ 議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。 『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』 読み手の心得 朝ご飯はしっかり食べる。夜食はなるべく控える。残暑が厳しいので水分もきっちり摂取するように。 好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。 好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。 荒らしは透明あぼーん推奨。 批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。 擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。 「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。 「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。 寝る前に歯を磨く。 感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。 ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。 書き手にも生活があるので、新作を急かすのも程々に。書き手が書きやすい雰囲気を作るのも読み手の役割。 +感想について+ 良い所や感動した点を感想として書くには、文章力も読解力も不要です。感じたままに素直に綴るだけで書き手の心に届きます。貴方の熱いハートの音を遠慮無く書いちまってください。 逆に、指摘や批判等は読解力と相応な文章力が必要となります。的外れな批判は自分が恥をかくだけでなく、標的にされた書き手さんにも迷惑を及ぼします。素人にはオススメできない! 疑問に思ったこと、気になる点などはご遠慮なくどうぞ。素人でも安心! 出典: AC Character Battle Royalのルール FFDQバトルロワイアル3rdのルール(大部分ここから引き写し) RPG Chara Battle ROYALEのルール S・R(センゴク・ロワイヤル)(「感想について」のテンプレを拝借) 【コメント】 名前 コメント
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質問してもいいですか?ApplicationContextに用意されてるメソッドに、Activityクラス以外からアクセスする方法は? createDatabaseとか、getResourcesとかを自前のJavaクラスから使いたいんだけど、方法がわかりません。 ApplicationContextのインスタンス起こせないし。。。 - ごめんなさい 2008-03-25 17 26 02 勝手ながら転載しておきました。 - kojira 2008-03-25 17 26 42 そのクラスを呼び出すときに、Contextを引数で渡せないんですか? - moro 2008-03-26 21 26 54 質問させてください。androidエミュレータ上での話なんですが、フレームバッファに直描きしたものをSurfaceFlingerに上書きされないようにする方法はありませんか? Linux自体はじめてさわるのでぐぐってぐぐってはや4ヶ月答えがだせません。。よろしくお願いします。 - hidezo 2008-05-23 15 06 55 フレームバッファ直描きの方法がネイティブでやっているなら難しいでしょうねえ。JNIなどを使って直描きをやめてアプリ側で描くようにするしかないかも。 - kojira 2008-05-25 13 42 24 的外れだったらごめんなさい。 - kojira 2008-05-25 13 42 39 ここはGoogle本家の人もいるので、ここで聞くと確実です→http //groups.google.co.jp/group/android-sdk-japan - kojira 2008-05-26 09 32 37 kojiraさん、レス URLありがとうございます。やっぱり難しいですか。。先日Wnnのアンドロイド版が発表されていてIMEの変換候補が最前面にでているのをみたのでGUIが何で実装されているか気になるところです。 ありがとうございました。 - hidezo 2008-05-26 14 01 29 WnnはJNIでやっていると担当者の方に直接聞きましたよ。アプリで描画していると思います。 - kojira 2008-05-26 14 58 49 kojiraさん、またまた迅速な回答ありがとうございます。なるほど、、そうでしたか。見た感じフォントや窓枠からアプリではと思っていましたがこれですっきりしました。今日みつけたのですが[onscripter」というSDL上にのせたゲームライブラリをandroidで動作させてみたというページがあったのでためしにDLしてエミュレータで実行してみたらandroid側のキャレット点滅時でも上書きして表示されていました。バイナリしかなかったので元となるSDLのソースとonscripterのソースをおっかけてます^^; ぱっと見、普通にmmapしてioctlという普通の手順にみえましたが何か秘訣がみつかることを祈って。。 ほんとにありがとうございました。気分的にちょっと楽になりました。 - hidezo 2008-05-26 15 40 54 SDL等でやるとどうしてもちらついたりすると思います。ネイティブで直接描かずにアプリ側のSurfaceに渡して描画した方がいいでしょうね。パフォーマンスは出ないと思いますが。何をやろうとしているのかわからないのでこれ以上はなんとも言えません。 - kojira 2008-05-27 08 46 05 独自フォーマットの画像ファイル表示したいのですがawtのImageProducerに相当するクラスってありますでしょうか?あるとすればどれでしょうか? - turner 2009-02-11 13 29 17 今のところなさそうです。フレームワークのソースではImageProducerを使っているみたいですが。きっちり見たわけではないのでAndroid SDK Japanで質問した方がいいかも。 - kojira 2009-02-12 11 21 58 ダイアログがActivity上でしか使えないみたいなのですが、Viewの処理でダイアログを出す方法ご存知の方いませんか? - lic 2009-06-22 10 52 54 ActivityのコンテキストをViewに渡せばそのコンテキストを使ってダイアログ使えません? - kojira 2009-06-23 23 06 02 kojiraさんレスありがとうございます、Java自体さわりしか知らないので、サンプルを書き換えて勉強中です。SDK1.5R2のサンプル、Snakeでゲームセット後のスコアをポップアップにしてみようと思ったのですが…もうしばらくいろいろ調べてみます - lic 2009-06-25 09 02 27 DolphinBrowserやSteelが実装している、扇形のメニュー、どうやれば実装できるんでしょうか? - 名無しさん 2010-02-14 22 15 09 外部DBへ簡単にアクセスできる方法はないですか。 - suouin 2010-02-22 10 55 42 タイトルバーにボタンを貼り付けるにはどうすれば良いですか?iPhoneのように左右にボタンを貼り付けたいです。 - Lee 2010-03-06 18 53 52 DDMSのFileExplorerで(avdからpcへの)ファイル保存ができません。"Failed to pull selection"と表示されて失敗してしまいます。 - popo 2010-04-25 00 13 02 アンドロイド初心者なのですが、eclipseでデバッグしてみようと思っているのですが、フォルダの構成がよくわかりません・・・。例えばメニューの「Settings」押下時に表示されるメニュー一覧のjavaソースはどこら辺に位置するのでしょうか。 - kara 2010-06-17 11 01 50 アンドロイド初心者です。ある時点から、ある時点のアプリが使用した通信の頻度や量を表示するアプリを作成しようとしていますが、WEBを見回っても情報にたどり着けず書き込みさせて頂きました。ご教授お願いいたします。 - yuki 2010-07-07 01 03 06 サーバーから動画を取得して、アプリ内にその動画を保存する方法をご存知の方いらっしゃいませんか? - taro 2010-08-12 17 01 21 Alarmmanager - 名無しさん 2010-09-28 15 11 28 変な質問ですが怒らずにお答えいただけないでしょうか?ここは、長文の質問を書くところではないようで、困っています。どこか、数十行くらいになるような質問を書ける、Androidにくわしい人が集まっている掲示板がないでしょうか? - BlueDuck 2011-10-14 06 30 34 WiFi通信の開始終了を件つするにはどうすればよいでしょうか? - わいこ 2011-12-02 22 40 18 WiFi通信の開始終了を検知するにはどうすればよいでしょうか?でした申し訳ないです。 - わいこ 2011-12-02 22 41 43 ログイン画面で入力された内容を格納し、他のActivityに引き継ぎたいと考えています。テキストの取得はgetTextを使うと言うことですが、色々な書き方があるように思えます。良い例をご教示いただけないでしょうか。 - ezomomong 2012-02-01 11 21 37 すみません。検索の仕方が悪かったようです。見つかりました。 - ezomomong 2012-02-01 11 26 21 music - 名無しさん 2012-02-20 09 39 02 player - 名無しさん 2012-02-20 09 39 26 this way - 名無しさん 2012-09-05 02 29 20
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255 :長文注意:2008/05/16(金) 20 12 54 堤未果『ルポ・貧困大国アメリカ』を読んだ感想。 プロローグでは導入としてサブプライム問題が取り上げられる。 正直、プロローグだけで読み進める気力がかなり萎えた。固有の経済問題として分析するのではなく、 市場原理の悪、資本による搾取という大雑把な図式に押し込めるだけ。 もう著者の脳の回路が「反市場原理主義」で固まってしまっていて、自分のイデオロギー的図式を懐疑する気一切ありません という強い意志がひしひしと伝わってくる。「市場原理主義」批判というより、反市場「原理主義」。 (前者は十分検討に値するが、後者は「市場原理主義」と同じく「原理主義」の一種) 第一章は米では貧乏人ほどデブが多いという今では誰でも知っている話。 確かにこれを貧乏人の自己責任に帰するのは間違いだし、栄養学的「貧しさ」を押し付けられていると言っていいだろう。 それはそれで大きな問題だが、これは「市場原理が貧困をもたらす」例としてふさわしいだろうか? 社会全体が充分「豊か」でない限り、「貧乏人ほど肥満」という現象は起こらないんじゃないすか? その「豊かさ」が倫理的な意味で「本当に」豊かかどうかはまた別の話。 256 :続き どーーん!:2008/05/16(金) 20 14 27 第二章はハリケーンカトリーナによるルイジアナの惨状について。ルポとしては悪くないのだろうが、 原因の分析となると相変わらず単純な新自由主義悪玉論で思考停止している。 FEMA(連邦緊急事態連邦庁)の実質民営化によって無責任体制が生じ被害者が見捨てられたとのこと。 その事実認識は正しいのだろうが、「民営化」自体が悪いとするのは問題のすり替えだろう。 日本の耐震偽装事件でもこの類の愚論がまかり通っていたが、 要は責任へのインセンティブが生じるような制度設計が必要だということであって、 民営は金儲け主義で効率第一主義だからモラルがないというような幼稚な話をされても困る。 民間では責任を担えるようなシステムは不可能であることをある程度論証した上で、 国民の安全に関しては国家や公共性に委ねましょう、という議論ならわかるが。 第三章は医療問題。ここはあまり異論はない。アメリカの医療制度の悲惨さは昔から知られており、 医療制度は国民皆保険を基礎とすべしでほぼ決着がついている。 単純な市場原理を医療に適用するのは間違いだというのは正しいし、 日本でも医療供給不足による医療崩壊が進んでいるので、アメリカの悲惨さを教訓にするのはいいだろう。 しかしこれも医療経済学などを参照しながら慎重に制度設計をするべきもので、 257 :続き どーーん!:2008/05/16(金) 20 16 00 医療制度を単にイギリス型やキューバ型にすればいいというものでもない。 この章でも民間保険会社を非情なモンスターのように描写する情緒的な書き方が気になる。 第四章・第五章では、貧困に追いやられた若者が否応なく戦場に送り込まれ使い捨てられる残酷なシステム、及び戦争民営化について。 この件に関してはは自分もよく知らなかったし、一般にもあまり知られていないであろうし、興味深い取材がされていると思う。 しかしやはり問題の整理の仕方が相変わらず浅薄かつ図式的。勧善懲悪。 「資本・国家権力・軍が結託して新自由主義システムによって貧困を故意に作り出し、戦争というビジネスに駆り立てている」 という陰謀論的な論述の仕方。むろん「陰謀なんてない」とも断言できないが、 自分の記事が陰謀論に基づく単なるプロパガンダに陥る危険について一切配慮のないジャーナリストというのは評価する気にならない。 エピローグでは「ショッピングをやめよ」「買い物をするたびに、海の向こうでは貧しい者たちが搾取される」 と説く牧師が肯定的に紹介され、例によって消費社会が糾弾される。 まぁフェアトレードのようなオルタナティブを頭から無意味だと言うことはできないが、 本当のところどこまで貧困撲滅に有効なのかも検証しないで自己満足的な善意だけで信仰するのはどうかと思う。 著者は「貧困ビジネス」を糾弾してるが、岩波が格差貧困ブームで貧困本を売りまくるのも貧困ビジネスじゃないのか? 「自分らは貧困者のためにやっているので、金儲けだけのためにやっている大企業とは違う」とでも言うのかな。 さらに著者は英コラムニストの言を引いて「ひとりひとりが倫理を変えることが重要だ」と言い切るわけだが、 もうここまで来ると降参、どうでもよくなってくる。 モラルハザードはひとりひとりがモラルを守ることで防げます♪とか真顔で言っちゃう系の人なのか。 しかしこれ、ネットでも絶賛が多いのには呆れる。探せば批判もあるのかもしれんが。 258 :無名草子さん:2008/05/16(金) 20 32 41 簡潔にまとめると、ルポとしての価値は否定しないが、 岩波サヨ的な浅~い反市場原理主義がアレだってことですね。 大事なことなのでクドく書きました。 260 :無名草子さん:2008/05/16(金) 20 54 06 257 的外れの感想もいいところ 262 :260じゃないけど:2008/05/16(金) 21 36 58 岩波サヨ的な浅~い反市場原理主義 という偏見を前提に考えてものを言ってる気がするな。 ルポで書かれてるのは、貧困層にある人間が這い上がることが出来ずに、 ますます厳しい状況に追いやられていく、という構造を書いたもので 「資本・国家権力・軍が結託して」なんてこた書いてないでしょうに、陰謀って まあ、自分も恣意的な部分は感じたけど (共和党は個人で批判するが、民主党は言わない。サブプライムを作ったのはクリントンなのにとか) 全然いい本だと思う。やっぱアメリカのガキは水みたいにコーラを飲むんだな。とか(代替がオレンジジュースって!) 263 :無名草子さん:2008/05/16(金) 21 54 38 こんな感想書いてるようじゃ、俺怒っちゃうよ、マジでww 264 :無名草子さん:2008/05/16(金) 22 13 42 262 たとえばp177では「政府は格差を拡大する政策を次々と打ち出すだけでいいのです。(ry」 パメラ某の発言が載せられている。 これは政府主体の意図として格差拡大が故意に行われているという印象を与える。 著者自身の発言ではないが、他人の発言を引用しただけという客観性を担保しながら、 こっそり陰謀の存在をほのめかしているように読める。 p142の「誰がメディアの裏側にいるのか」 という問題のとらえ方だけを本質的なものとする構え方も陰謀論的では? ジャーナリストは陰謀を突き止めるのも仕事だから仕方ないとは思うが。 ⇒アマゾンリンク [参考スレ] ⇒ 『ルポ貧困大国アメリカ』を100万部まで押上げスレhttp //love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1208386161/ [参考書籍] ⇒J・E・スティグリッツ『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』ポール・クルーグマン『格差はつくられた』
https://w.atwiki.jp/houseofhero/pages/2485.html
妖精の森外れの廃墟 妖精の森の外にある謎の廃墟。 結構広いが、誰が住んでいたかでも定かではない。 また管理状態も最悪で、そこかしこに穴が開いている。 最終的には壁に穴まで開いて、中に川が流れる始末である。
https://w.atwiki.jp/masspy/pages/36.html
【目次】 基本情報 企画概要 本文 基本情報 【企画名】 「Masspy 5th Chronicle」 【コンセプト・キャッチコピー】 ――初代の物語が残っている組織は、強い。 ――若い人は定理の証明をすべきであり、老人は本を書くべきである。(G.H.ハーディ、『フェルマーの最終定理』p.31) 【提案者】 小野寺健 【更新】 2008/10/03 思いつく 2010/02/03-2010/02/07 企画大草案の作成 【関連企画】 (企画大草案)学生団体に関する書籍出版 (企画大草案)来年度の新メンバー獲得に向けた、Masspy活動内容の見える化について-ホームページの有効利用- Masspy用語集? 企画概要 【背景】 学生団体の栄枯盛衰 2000年以降、全国各地で学生団体という新たな学生活動の形式が広がりはじめた。 とくに、ここ3年ほどのあいだに新規で立ち上げられた団体の数は増加の一途をたどっており、学生団体という単語が全国的に普及しつつある。このまま勢いが持続すれば、いずれ学生団体という存在が世間的にメジャーになる日も近いであろう。 しかし、年々新団体が設立される一方で、初期メンバーが卒業すると同時に活気を失い、消滅していく団体もまた多い。これは、学生団体の設立理念を、創立者のカリスマや、初期メンバーの大立ち回りに拠って維持する側面が大きいためである。仙台の学生団体事情に詳しい人物に聞いたところ、団体の平均寿命は1年程度であり、3年以上続いたら上出来らしい。実際、筆者の体験を踏まえて周囲の団体の運営状況をみても、この分析は、あながち的外れではないように思われる。 では、2005年に発足した我々東北大Masspyの現状はどうだろうか。結論からいえば、順調に世代交代を繰り返し、年々活動の基盤をより磐石なものに高めてこれたと思われる。実際、2008年度末には初期メンバーのほとんどが卒業したにもかかわらず、2009年にはメンバー数を倍以上に増やし、今まで以上に活動の幅を広げることに成功した。もはやカリスマ的なメンバーは1人もいないが、それでも、当初の理念を見失わずに活動を続けている。さらに、2010年1月には念願の部室を手に入れ、よりいっそう、継続可能な組織として安定感のある体制となった。 (ただし、ここで慢心してはならない。初期メンバーのほとんどが抜けたといっても、大学院生のメンバーに目を向ければ、初期メンバーが奮闘する姿を見てきた学生がまだ残っている。現在のMasspyが設立当初の理念を継承できているのは、初期メンバーをよく知る現メンバーが、活動のさまざまなシーンで団体全体の意識を高く保つべく、日ごろ意識を払ってきたからである。彼らが完全に卒業したとき(2009年に加入したメンバーのみで運営するようになったとき……すなわち2012年頃)が、Masspyが学生団体として継続していけるかどうかの、本当の瀬戸際といえるだろう。) 初代の物語が残っている組織は、強い さて、筆者が本企画を思いついたのは、2008年の後半である。今でこそ、新メンバーがたくさん入ったおかげで活動が維持できている。しかし当時のMasspyは、設立以来4年間にわたって組織の活動を支えてきた初期メンバーの大量離脱を目前に控え、設立以来2度目の、未だかつてない存続の危機を迎えていた。人脈的にも行動力的にも戦力半減であった。その上、今後Masspyに参加するであろう未来のMasspyメンバーは、組織の理念そのものをリアルタイムで考えてきた初期メンバーたちの現役時代を知らないのだ。彼らにとって、組織の原点は生きた物語ではなく、資料の中のイメージでしかない。この状況下で、いかにして、組織の理念や文化を後輩に伝えていくべきか。これが、2009年度最大の課題であった。 Masspyの理念は幅が広い。大学に入ったばかりの新入生が、いっぱしの社会人に成長していく過程を担う概念でもあり、個人が大学生活を楽しむための行動例でもあり、社会人になってから真価が発揮される実践的な考え方でもある。発達心理学と社会科学の両面を併せ持っているといえる。とても一言では言い表せないし、活動をとおして体験的に理解する側面が強いため、見学対応時に全容を伝えるのは難しい。 しかし、その理念を正しく伝えないと、組織の核が年々揺らいでしまう。学生はどんどん卒業して仙台を離れていくから、口伝に頼っていては遅かれ早かれ限界が来ると思われる。趣味や嗜好の共通点に依って人を集める一般的なサークルと違い、Masspyは「企画」という自由度の高い概念によって、趣味も嗜好も異なる学生を集めなければならない。"サッカー"や"国際交流"などのわかりやすい概念に頼れない分、組織の理念、目的(存在意義)を燦然と示す必要があるのだ。 そこまで考えた結果、自ずと導かれたのが本企画である。すなわち、初代の学生たちが考えた設立の原点を、末永く残すことだ。 【目的】 Masspyを(文化的な意味で)継続可能な組織にすること 【対象】 未来のMasspyメンバー 【目標・手段】 年代記の編纂によって、Masspy草創期から第一期の終焉までの歴史と文化(=初代の物語)を活字で記す 年代記を読むことで、設立以来5年間の流れが体系的にわかるようになる Masspyに関して前提知識のない者が違和感なく読めるレベルの文章をめざす 【規模と難易度】 規模:Masspy周辺 難易度:★★★☆☆ (企画の実行自体は非常に簡単だが、継続的に書くにはそれ相応の忍耐が必要なため星3つ) 【どんなメンバーに向けた企画か】 記録する意志のつよい現役生 Masspyの成り立ちに興味のある現役生 本文 【内容】 Masspedia内に「年代記」のページを設け、そこで推敲をかさねる。 編纂にあたり、資料として メールの過去ログ 歴代の企画書やフライヤー 外部媒体に掲載されたMasspy関係の記事 を参考にする。 資料が残っていない場合は、OB/OGにインタビューを行い対処する。 【スケジュール】 2010年4月 スタッフページの過去ログの整理 2010年5月 スタッフページ過去ログ整理終了、年代記の編集開始 2010年9月 第一稿完成(この時点では大雑把な草案でよい) 2011年3月 第二稿完成(ひととおり読めるレベル) | 地道に推敲 2012年3月 完全に脱稿 【必要素材】 チーム規模:執筆者1名、編集者1名 役職:なし 準備物:インターネットを使える環境、情報収集ノート 情報共有の方法:@wiki(Masspedia) 活動拠点:自宅、(ネット使えるなら部室でも可) 【コスト】 必要経費:とりあえずゼロ 労働力:少なく見積もっても200時間以上(1ページ仕上げるのに4時間×50ページ) 【リスク分析】 時間をかけたからといって、よいものができるとは限らない 企画のスタート時に結末が見えない。たぶん、ある程度書かないとイメージ共有すらできない 【備考】 参考概念:ミーム[meme]:文化的遺伝子 文化とは、そこに存在する「人」が作り、「人」から「人」へと受け継がれていくもの。 [page up↑] 企画書一覧に戻る アイデアプールに戻る 実装ページへ移動
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第7話 「・・・で、結局何時に集合する? 俺的には七時あたりがありがたいんだが」 くぴごんの魔性からリオとティンカーベルを引き剥がすことができず、仕方なくディスはティンカーベルを除く三人へと話を切り出した。葉奏は少し顎に手をやって考え、結論を言う。 「あたしはそれでいいわ。歌ちゃとしょーは?」 「おいらはおっけー」「私もいいよ」二人から肯定の返事が帰ってくる。 「なら、七時にここ集合ってことにするか。そっちは三人でいいのかな?」 「ええ・・・尚君には残ってやってもらいたいこともあるしね」 「じゃあ、食料や荷物を載せる馬車を手配しておくよ。問題は『七魔団』の動向だな・・・ロランがどう動くかが不安だ」 ディスが腕を組んで考える。葉奏と歌妃も頭を抱えていた。ショーティだけは何故かくぴごんに気を取られていた。 「・・・また妙なことやってるな、お前ら」 くぴごんに抱きついた二人を見て言っているのであろう声。ディスの後ろに、いつの間にかトシヤが立っていた。 「あら、としさん」 葉奏が驚いたようにトシヤを見やる。 「どうしたの?」 「また預かってきたんだよ・・・丁度ここにいる三人にな」 懐から出す、三つの手紙。葉奏は顔を引きつらせて溜息をついた。 「ほれ、これがお前に」 葉奏が差し出された手紙を受け取り、宛名を見やる。『妖艶でビューティなマイラバー姫へ』再び大きく溜息をついた。 「・・・これ、見る価値あると思う?」 「それを俺に尋ねた場合、答えは一つしかないが?」 トシヤが疲れた顔で言う。 「ない」 「・・・でしょうね」 ”ど”がつくほどキッパリといわれ、葉奏は手紙をそのまま引き裂いた。 破り、破り、また破り、紙片になるまで破ってからゴミ箱へと捨てる。 「ま、それが賢明な判断だろうな」 「ミラケルにはかわいそーだけどねえ」 にやにやと笑みを浮かべながらディスが呟く。 「いあ・・・前回の内容見れば・・・」 歌妃が顔を引きつらせながら苦笑した。 「んで、これがショーティ宛てだ。お前には初めてだろうから、一応読んどけ」 「はーい」 ショーティが手紙を受け取り、宛名を見る。 「『可愛い可愛いラブリーしょーちゃんへ』・・・きゃー、そんなホントのことを♪」 「ま、たわ言は放っておくとして」 トシヤがあっさり流した。 「葉奏、ティン起こせ。こいつの突っ込みないと面白くないからな」 くぴごんと共にどこかへ逝っているティンカーベルに、葉奏が近づく。そして耳元に手を当て、ぼそぼそと何かを言った。同時にティンカーベルが跳ね起きて、がたがたと震えながら葉奏を見る。 「そ・・・それだけは勘弁して! お願い!」 「じゃあ起きなさい♪」 葉奏がこれ以上ない極上の笑顔で命じた。 「でないと今日帰ってから・・・」 「お、起きた! もう完璧!」 ティンカーベルが恐怖の表情のままで、力なくテーブルに戻る。一体何を言ったのか、それは葉奏以外の誰にも見当すらつかない。 「・・・恐ろしい効果だね・・・」 ディスが苦笑しながら呟いた。 「それじゃ読むよー」 ショーティが手紙を取り出し、おもむろに開く。 「『ポニーテールの似合う可愛いしょーちゃんへ』」 「まずその時点でお世辞ってことに気づこうね♪」 情の欠片(かけら)もなく葉奏が告げる。ショーティがジト目で「うるさいー」と言って手紙へ再び目をやった。 「『ナイスガイ!』」 ・・・。 「それだけしか書いてないんだけど・・・」 「なんで本文よりタイトルの方が長いんだよ!」 ティンカーベルがびしっ、と手紙に平手で突っ込んだ。 「あ、もう一文書いてある。すっごいちっさく」 ショーティが手紙の下の方をまじまじと見やる。 「『この手紙は、読後焼却のこと』」 「なんでそれだけで機密文書扱いになってるんだよっ!」 うがーっ、と今にも暴れそうな勢いでティンカーベルが叫ぶ。 「突っ込みうまいなぁ」 的外れな感想を、ディスがした。 「・・・んじゃ、最後にリオ宛だ」 トシヤが最後の一枚をリオに手渡す。いつの間にか現世への帰還を果たしたリオが、相変わらず不気味な微笑みを浮かべながら受け取った。 「『キュートな姿に心ドキュン♪リオちゃんへ』・・・ふふふ・・・」 「なんかかなり、手紙じゃなくリオさんを突っ込みたいんだけど・・・」 「その気持ちは痛いほど分かるよ・・・」 ウズウズしているティンカーベルに、トシヤが苦笑しながら呟いた。 「『最近寒くなってきました。外に出るのもマフラーをつけないと寒い日が続くようになりましたね。体調など壊していないかとても心配です。特に夜などは冷え込むので、なるべく暖かい格好で寝るようにしてください。私は王宮で元気にやってます。仕事は疲れますがやり甲斐もあります。いつも、皆が笑顔でいられる国を目指して日々邁進しているので、応援してください。ミラクルより』」 「ふっ・・・」 ティンカーベルが肩を震わせながら言葉を紡ぐ。 「普通だっ! 普通の手紙だっ!」 「そう書いてある・・・ふふふ・・・」 リオは相変わらず不気味な笑顔を作りながら、その手紙をテーブルの上へと置いた。白紙に一言、『ジュテーム』と書かれた紙を。 「って全部創作かいっ!!!!!!」 一際大きい音と共に、その小さな体がぱたん、と倒れる。ディスが近付いて苦しそうにうめくティンカーベルを見ながら、軽い溜息をついた。 「過呼吸(かこきゅう)だね。誰かビニール袋持ってきてー」 違う意味で、ティンカーベルはまた違う世界へと飛んで逝った。 「失礼致します。ミラクル様」 言葉と共に、ソレンセンがミラクルの執務室へと入る。 「先程トシヤ様より、この手紙を頂きました」 「ほー、ラブレターかい♪ トシヤ君やるなぁ〜」 「中には、『あなたの事が好きです。結婚を前提にお付き合いしてください。トシヤより』と書かれておりました」 「おぉ〜、それこそまさにラブレタ〜♪ で、返事は? 返事は?」 「しかし・・・」 す・・・とどこからか右手でハリセンを取り出す。 「宛名には『冷たく綺麗なマイパートナーソレンセンちゃんへ』とありました」 「・・・」 つぅー、と冷や汗が頬を流れる。 「そ、そうか。トシヤ君既にパートナー扱いかぁ♪」 「明らかにお前の仕業じゃぁぁっ!!!!」 すぱーん、と心地よい音と共に、ミラクルの頭へ衝撃と痛み。 「くぅっ・・・見事な一撃だ・・・」 「して、ミラクル様」 何事もなかったかのように、ソレンセンが姿勢を戻す。勿論、ハリセンはどこかへと消えていた。 「冒険者へと出したあの三通、どういった意味があっておやりに?」 「ん?」 頭をさすりながら、ミラクルがソレンセンを見る。 「リオちゃんとしょーちゃんへの二通は意味ないよ。姫のだけは、うちの知ってる真実を全部書いたけどね」 「真実?」 「『賢者の石』がうちに見せた、姫の身にかかる災厄(さいやく)と絶望。呪われし運命を全て書き記した。もし知らなければ、あの運命を逃れられないかもしれない・・・」 謎を含んだミラクルの言葉。その真実が闇の中へと消えたことは知らずに。
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バーストエラー イブ・ザ・ファースト 【ばーすとえらー いぶ・ざ・ふぁーすと】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 角川書店 発売日 2010年3月25日 定価 6,090円 判定 劣化ゲー シリーズファンから不評 ポイント オールドファン激怒いっそ別作品にしてくれ EVEシリーズリンク 概要 問題点 評価点 総評 その後の展開 概要 PC-98時代から続くADVシリーズ『EVE』の最初の作品『EVE burst error』をリメイクしたもの。コンシューマーではセガサターン・プレイステーション2に続く三度目のリメイクとなる。 二人の主人公がそれぞれの目線から物語を紐解いていく「マルチサイトシステム」を採用し、長きに渡ってファンに支持されてきた作品である。 「新たなるEVEシリーズのスタート」「すべての部分を1から作り直した21世紀向けの新たな『バーストエラー』」と謳い、シナリオ、キャラクターデザイン、システム、音楽、声優と大幅な変更を施している。 シリーズ初の携帯機版ということもあり、ここから後発作のリメイクへとつながるのではないかと期待されたが……。 問題点 大胆な変更がことごとく原作よりも悪くなっている。 シナリオ関係 物語のアウトライン以外はすべて別物だと思った方がいい。 まりなが帰国前にかかわった事件が「ハイジャック」から「シージャック」に変わっていたり、小次郎が捜索を頼まれる物品が「イスラムの文様絵画」から「宝剣」に変更されているのを皮切りに、数え切れないほどにシナリオが変更されている。 大人の事情もあるのだろうが、こういう細かい所まで変わっている為、原作の面影はほぼない。 シナリオ展開や情報の開示時期も変わっている為、終盤の重要な情報が中盤にネタバレされたりもする。 原作が少々唐突に思える所もあったので伏線を張ったのだろうが、シナリオ変更でオチがある程度予想がついてしまうために終盤の衝撃がなくなっている。 原作の名シーンがことごとく悪化。名台詞もなくなっている。 名シーンとして挙げられる事も多いハッキングシーンはなんとギャグシーンに。 追加キャラと追加シーン、そしてクリア後には別視点によるシナリオも追加されるがことごとく微妙。 人物関係 見た目も内面も大きく変わっている人物が多く、「大人の事情への配慮」のためか重要な設定が消えている人物も。 活躍しなくなったばかりか、駄目人間と化した主人公 元々は二人とも凄腕であり、作中でも観察眼や推理、アクションシーンでの活躍でその設定を遺憾なく発揮していたが、小次郎は的外れな推理をし、まりなはとにかく思慮が足りない。 例えば、まりな編のひき逃げシーン。原作では逃げられる一瞬に車のナンバーが工作されている事を確認し、護衛対象の保護を第一にするが、本作ではたまたま再会した頼りになる人物と共に護衛対象を放置して追跡、しかもわざわざ追いかけたのに取り逃がしナンバー確認すらしない。失敗しながらもその中でしっかり任務をこなして有能な点を見せていたのが、ただの駄目なエージェントになっている。 必要以上に出会う二人。 原作では直接出会うシーンは少なく、だからこそ印象的なシーンになっていた遭遇シーンだが、やたら出会いが増えているためにそれぞれのシーンの印象が弱くなっており、またそのシーンもそれぞれのしょうもない印象が強くなっている。 原作で酒は飲むが煙草は嫌いな小次郎が煙草を吸ったりと、趣味嗜好においても細かい変更がされている。 サブキャラもことごとく魅力がなくなっている為、単純にシナリオを見ていていらいらする。以下に例を挙げる。 「所長職が忙しくて探偵の仕事をできていないが本来は優秀」な弥生が、「ただ小次郎の足を引っ張るだけの無能な探偵」に。 「自分なり信念を持ち、権謀術数で大人と渡り合う」まだ若い姫が、「ただのわがまま家出娘」に。 「小次郎に対抗心を燃やす野心家」だった二階堂も「事件に巻き込まれるただのヘタレ」になってしまった。 何人かは一部設定を引き継がれて新キャラになっている。 つまり存在そのものが消されているのが何人か。 キャラデザ 緒方剛志によるキャラデザも「今風になった」というよりも「安っぽくなった」という印象。 原作ファンに特に気になる変更点が「目の隠れていない小次郎」と、あるヒロインキャラ。 前者はこれまでシリーズで一貫されてきた小次郎の髪の毛で目が隠れた「エロゲ主人公」のようなビジュアルは原作スタッフのこだわりでもあるためそれを変更しただけでも不評である(*1)。 後者は本来「見た目は高校生だが実はもっと年上」だったのが「つるペタロリ」になっている。 まりなのデザインも「動きにくい」という印象を与えている。 サブキャラも大きく様変わりしてしまっているキャラが多い為、旧作をプレイしたユーザーからすれば違和感が半端ない。 その他 コマンド選択式からノベルゲームへの変更 「自分で捜査をしている」という感覚がなくなり、味わいが大きく変わってしまった。 掲示板の張り紙や珍奇な行動等の、コマンド選択式だからこその遊び要素も消えている。 声優の一新 声が変わるとそれだけで印象が変わってしまう。 一新されたBGMも微妙。 奥井雅美が唄うテーマソングが、劇中では着信メロディー程度でしか聞けない為、印象が薄い。 しかもシングルカットされてないためこのソフトでしか聞けない。もったいない。 評価点 ノベルゲームへのジャンル変更で、遊びやすくなったとは言える。 総評 分かりやすく一言で言えば「発売当時のラノベ風EVE」である。 絵柄やシナリオの変更、メイドキャラの追加など、「若い世代に受けるように今風に作り直そう」という狙いと思われるが、その結果、原作の良かった所がことごとく潰され、新たに作ったシーンもことごとく微妙という散々な出来になってしまった。 大元のPC98版の発売から13年も経っている為「今風の作品にしよう」と考えた事自体は理解できなくもないが、その結果、捻り過ぎて大失敗してしまっている。 EVEシリーズの存続自体危ぶまれている状況で『EVE new generation』は多少なりとも盛り返していたが、本作でシリーズ展開に大打撃を与えてしまい、シリーズはまた長い沈黙期に入る事になる。 とはいえ、元々が評価の高い名作であり大筋の部分はある程度引き継いでいるため、クソゲーと言えるほどの出来ではない。 その為、発売当初は「どうしても携帯機でEVEを遊びたい!」という需要もなくはなかったが、2016年にPS Vitaでほぼ完全移植された『EVE burst error R』が発売された為、携帯機で出来る利点も失われてしまう事となった。 その後の展開 本作には続編を匂わせる描写も追加されていたが、一切音沙汰がないまま数年が経ってしまった。 原作そのままにグラフィックのみ改める形での移植が再開された事もあり、恐らくはお蔵入りになったと思われる。 2019年4月25日 『burst error』の続編として 『EVE rebirth terror』が発表された。 お馴染みのキャラのデザインや声優も一部を除いて旧作に回帰しており、当然と言えば当然だが本作の要素は受け継がれていない。
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轟々と燃える、焼却炉。 『霧切、俺のことは気にするな!』 裏切り者が、叫ぶ。 幾度となく繰り返される、あの日の夢。 この夢は過去の記憶をなぞるだけ、故に私はその結末を知っている。だからこそ、恐い。 あの時の私は、探偵への憧れと、事件解決への焦燥、そして名誉の渇望を抱いた、 どうしようもなく愚かしい子供でしかなかった。 『…彼の命は助けてくれるのね…?』 落ち着いて振舞おうとすればするほど、私の声や体は震え、冷たい汗が体中を伝う。 『ああ、いいぜ。きっちり30秒間な』 『…』 私は自ら、燃え滾る炎の中に、自分の両手を差し出した。 『うあ゛ぁあああぁぁああぁああああっ!!!!』 場面は一転して、見慣れた教室の一角が、私の主観から映しだされる。 『ね、霧切さんの手袋の下の秘密、知ってる?』 『知らない。っていうかアレって、なんていうの、中二病ってやつじゃないの?』 『普段から、そういう発言多いもんね。自分は選ばれた人間で、あんたたちとは違う、とか思ってそう』 『まあ、それは置いといて、あたし霧切さんの素手見ちゃったんだけど』 『どうだったの?』 『めっちゃグロいの!なんか爪がほとんどなくて、皮膚とかしわくちゃにただれてて…』 私は叫び出したい衝動に駆られながら、ぐっと唇を噛む。 しょうがない。彼女たちの言っていることは、何も間違ってなんかいない。 必死に自分を説得していくうちに、再び場面は歪み、私は焼却炉の前へと―― ふ、とまぶたを開けると、カーテンの隙間から日の光が差し込んでいる。 時計は正午ちょうどを指し示しており、こんな時間まで眠りこけていた自分の体たらくに、半ば茫然とする。 寝巻を着替えようとして、気づく。 「…酷い寝汗」 まるで服の上からシャワーでも浴びたかのようだ。 あの夢を見るのは、初めてじゃない。 人が悪夢を見るのは、罪の意識から来るストレスを軽減させるためだという。 「っ…つ」 手から迸る激痛に、私は思わず眉をひそめた。 もう痛覚なんてほとんどないはずなのに、記憶からそれを得るなんて、おかしな話じゃないか。 まるで過去の罪が、過ちが、私にそれを忘れさせないために戒めているかのようだ。 「あ、霧切さん、おはよう」 「…おはよう、苗木君」 シャワーを浴びて汗を流し、まだ寝ぼけていた頭から切り替える。 思考や感覚が鮮明になってくるころには、あるはずのない右手の痛みは、とっくにどこかに潜んでいた。 食堂へ向かう頃には、いわゆる昼飯時はとっくに過ぎており、 まだ食堂にいるのは、今の今まで寝ていたという彼――苗木誠だけ。 「休日だと、ダメだとわかってても二度寝しちゃうんだよね」 呑気にそんなことを言いながら、彼は自然な動作で、私の隣に腰掛ける。 その平和そうな笑顔に、私は幾度となく救われている。 彼といると、忌々しい思い出を、その瞬間だけ忘れていられるような。 彼の笑顔を見ると、過去の傷が少しずつ癒されていくような。 「僕コーヒー入れてくるけど、霧切さんも飲む?」 「お願いするわ」 「ブラックでいいんだっけ」 「ええ」 けれど、だからこそ、私が彼に近づきすぎることは許されない。過去の罪から、目をそむけることは許されないのだ。 そして、彼はそういう物語とは、程遠い場所にいる存在。 私に刻まれた汚れを、彼にまで背負わせるなんて、絶対あってはならない。 いつか、この手袋の下の罪を、彼に告白するべきだとは思っていた。 別に隠しているつもりなどないけれど、これを秘密にしたまま彼と接するのは、ひどく不誠実な気がした。 彼は、私の汚れなど当然知らずに、私に話しかけてくれる。 「今日はあまり、寄宿舎に人がいないね」 それはとても愛おしくて、 「部活や芸能活動で、遠征してる人が多いと聞いたわ。ほとんど出払っているみたいだけど」 それはとても心苦しい。 「そっか。…じゃあ、もしかして今日、霧切さんと二人きりなのかな」 照れたように言う彼を見ると、心臓を握りしめられたような心地がする。 息苦しい。彼の信頼が、茨となって私を締め上げる。 いつか、言うのだ。今はそれでいい。 私は自分を納得させようと、必死でその二言を頭の中で反芻する。 いつか言うから、今は彼の笑顔や、優しさや、無垢さを、側に置かせてほしい。 「残念ね、私なんかと取り残されて」 言えば彼も、きっと私から遠ざかってしまう。 だって、彼は私のような汚れた存在と、対極の位置にいるのだから。 「そんな!残念だなんて、全然思ってないよ!」 ただ、ほんの少しだけ、淡い希望を彼に見出してもいる。 もしかしたら、この手を見ても、それでも彼はそばにいてくれるのではないか。 「そう?舞園さんと一緒の方が、よかったんじゃない?」 それが押しつけの希望だと、自覚もしている。彼にしてみれば、いい迷惑だろう。 だから、「希望」は抱くけれど、「期待」はしない。 彼がそばにいてくれる、そういう可能性もある、とだけ頭の片隅においておくだけ。 それに縋ったりはしない。 「な、なんで舞園さんがでてくるのさ…」 「ふふ、顔が赤くなってるわよ」 「う、あっ…」 彼が舞園さやかに憧れを抱いているというのは、周知の事実だ。 愛らしい笑顔、誰に対しても等しく振りまかれる優しさ、みんなを元気づける明るさ。 私なんかよりも、ずっと彼のそばにふさわしい。 それだから余計に、私が彼に期待を抱いてはいけない。 彼は優しい人だから、自分より他人を優先するお人よしだから、私が期待を抱けば、彼はそれに応えようとする。 そしてそれは確実に、彼が舞園さやかの隣へ行くことへの足枷となってしまう。 「ホントに私と残されたことが残念じゃないなら…」 いつか打ち明ける。打ち明けて、彼を私から遠ざける。 「今日は少し、付き合ってもらっても良いかしら」 だから、今だけ。今だけ、隣にいさせてほしい。 「もちろん。どうせ暇だし、それに霧切さんと一緒に過ごせるなら、有意義な休日になりそうだしね」 せめて打ち明けるまでの短い時間を、彼の優しさに、愛おしさに浸らせて… 用という用ではなく、学校の図書室から借りていた本を、返しに行くだけ。 それに付き合うだけのつまらない用事なのに、彼は快く引き受けてくれた。 「ごめんなさいね、こんなどうでもいい用事に、わざわざ付き合わせちゃって」 「ううん、気にしないでよ。ところで、何の本を借りていたの?」 「推理小説よ。この作者の心理描写が、すごく巧みで…」 私のどうでもいい趣味の話にも、彼は興味を示してくれる。 「…そうだ。せっかく付き合ってもらったのだし、軽く奢らせて」 少しでも長く、彼といたい。そんな醜い独占欲。 「ええ!?そんな、悪いよ…」 「悪いというのは、こちらのセリフよ。なにか食べたいものなんかあったら、遠慮しないで言って」 「うーん、そう言われても…さっきご飯食べたばかりだし…」 歩きながら、彼は眉を寄せて真剣に考える。 年頃に見合わない、抱きしめたくなるほどあどけない表情。 「そうだ」 「決まった?」 「えっとさ、霧切さんって、紅茶淹れられる?」 「?…まあ、一応、それなりに知識はあると思うわ」 「じゃあ、あのロイヤルミルクティーっていうの、ちょっと飲んでみたいんだけど」 「…ああ、セレスさんが山田君に作らせている、アレね」 「自分で何度か試してみたんだけど、どうも上手くいかなくてさ」 「それを作って御馳走すれば、奢りは見逃してもらえる、ということでいいのかしら」 「ダメ、かな」 「いいえ、お安いご用よ。じゃ、寄宿舎に戻りましょうか」 帰宅と同時に食堂へ向かう。どうせなら作り方を覚えたいから、と、彼もともに厨房に入る。 「それじゃ、お湯を沸かしてもらえる?」 「え、お湯?牛乳で煮立たせるんじゃないの?」 「先に茶葉をお湯にくぐらせるのよ。そうすることで茶葉が開いて、一層風味が増すから」 「へえ~」 「特にこの茶葉は、牛乳の風味に負けがちだから。面倒だったら、濃く作った紅茶に、あとからミルクを注いで加熱してもいいのよ」 「霧切さんはなんでも知ってるね」 「そんなことないわ」 「…」 「…」 彼は、色々な話題を提供してくれる。私も、出来るだけそれに応じてきた。 それでも、時々、本当に時々だけれど、会話が止まることもある。 今までは、会話が終わると同時にどちらかがその場を離れ、それを繰り返してきた。 けれど今は、逃げ場がない。 私と苗木君はお互い黙ったまま、ただ小鍋に入れた水が沸騰するのを待っている。 こういう状況は、気まずい、というのだろうか。 私は沈黙も嫌いではないのだけれど、彼にとっては重圧になっているのかもしれない。 今、何を考えているの? 口に出さずに問う。 舞園さんのことだろうか。 ぎゅう、と、また心を鷲掴みされたような息苦しさが体を縛る。 「霧切さん」 予想外に近くで響いた声。 ふと見ると目の前に、苗木君が近付いていた。 目の前に唐突に映し出される、彼の顔。 「っ…」 それに驚き、私は無意識に、本当に無意識に、右手を跳ね上げた。 ガン! 鈍い音が耳に届く。感覚は、あまりない。 「あっ!」 苗木君が目を見開いた。 私の右手は、沸騰したお湯を入れた小さな鍋の、その取っ手を跳ね上げていた。 音もなくお湯が飛び散り、そのうちの一部が、というよりほとんどが、私の右手に降り注いだ。 「霧切さん!」 彼が心配そうな顔をして、しゃがみこんだ私に顔を寄せる。 「ゴメン、僕が…その、沸騰していたから、次はどうすればいいのか聞こうと思って…」 「…いいの、大丈夫。あなたのせいじゃないわ。私の方こそごめんなさい、苗木君にはかからなかった?」 かかったのは、幸い既に熱さを感じない私の右手だけ。 心配されるようなことはないのだけれど、彼の心配した顔つきを見ると、 どうも本当に右手が、熱を感じているような、そんな錯覚に陥ってくる。 「と、とにかくその手袋外さなきゃ」 彼はそう言って、私の右手に手をかけた。 バシッ 「…えっ」 見開かれた幼げな目が、まず撥ねられた自分の手、そして私へと移る。 「あ…」 彼の善意の手をはねのけてしまったのだと、私自身が気づいたのはおそらく彼とほぼ同時。 無意識の行動だった。 何をしているんだ私は。 ――いや、違う、これでいい まだ、見せる時じゃない。 まだ、側にいることを許されても良いはずだ。 多少の誤解や批難なら、甘んじて受ける。 「…ごめんなさい。でも、大丈夫だから」 どう思われたって、構わない。彼の傍にいられる限り。 「大丈夫じゃないよ!」 おそらくは初めて聞く彼の、戒めの大音声に、私は身をすくませた。 顔を挙げると、彼の顔には、怒りとも悲しみともつかない表情が浮かんでいる。 「ほら、腕を貸して」 彼が半ば強引に、私の右腕を掴んだ。 予想外の、握力。普段の小動物を思わせるか弱さからは、想像もつかない力。 ああ、男子なんだ。 「手袋、脱がすよ」 彼の強い力と、その意外性。それらが相まって、私は、 「やっ、ちょっと待って。おねが…」 ろくな抵抗も出来ないまま、手袋を外すことを許してしまった。 「…!!」 苗木君の目が見開いた。 その瞬間、私の右腕を掴んでいた力が緩み、私は急いで右腕を自分の支配下に引き戻す。 手袋を脱がされた右手に刻まれていたのは、私の罪の証である、醜悪な火傷の痕。 ――見られた どうしようもない現実が、眼前に落ちてきた。 絶望。激しい鼓動。パニック。 頭がぐるぐると回り、言い訳でも責め句でもない、次に紡ぐ言葉を必死で探す。 行き場を失った右手は、聖者からコソコソ逃げ回る娼婦のように、私の背に隠れ潜んだ。 いつか彼に打ち明けると覚悟を決めていたくせに、このざまだ。 ――いや、違う 私はきっと、少しも覚悟なんて決めていなかった。 いつか打ち明けるという自分との約束は、この罪を隠しながら彼と時間を共有するための、言い訳に過ぎなかった。 見られたら、終わってしまうかもしれないから。 自分に都合の良い逃げ道だけ残して、現実から逃げていただけじゃないか、私は。 そして、もしかしたら彼なら、これを見ても気にしないかもしれない、という虫の良い希望は、 彼なら私の罪を許してくれるかもしれない、という無意識下の期待は、 「あ…」 全くの的外れだったのだと、彼の表情が雄弁に語っていた。 彼の表情は、彼の眼は、 かつてのクラスメイトが、気味悪がって私の手を瞥見した時と、寸分狂わず同じだった。 そして、よほど私の中の絶望が表情に表れていたのだろうか、彼は私の顔を見ると、すぐに視線を反らし、 「…ゴメン」 そう、一言つぶやいた。 私は、改めて驚いた。 謝罪の言葉が、これほどまでに胸を痛々しく貫くなんて、初めて知った。 彼は何も悪くないのに。悪いのは全部、私なのに。 それでも謝るのは、彼が本当にどうしようもなく優しいから。 お人好しの彼に、罪悪感を抱かせてしまったことへの罪悪感。 そんな複雑な感情が、鋭く胸を穿った。 「…私、部屋に戻るわね」 そんな、気の利かない言葉しか出せなかった。 むしろ頃合い、ちょうどいいのかも。 きっと、このアクシデントが無ければ、私はこの先も罪を隠し、彼を欺いて、側にいようとし続けた。 これは、そんな私のずるさへの、罰なんだ。 私は立ち上がり、彼に背を向ける。 厨房から、彼の下から、去る。もう戻ることはないだろう。 「まっ、待ってよ!」 ぐ、と右腕が進行方向と真逆のベクトルに引かれ、危うく転びそうになる。 苗木君は、 私のむき出しの右手を握って、私を止めていた。 ――何をして… そこは、あなたが触れていい場所じゃない。 苗木君の顔は蒼白で、目は右手と私の顔の間を行ったり来たりと泳ぐ。 この醜悪な右手をつかみ取るのに、いったいどれほどの勇気が必要だったのだろうか。 「霧切さん、違うんだ、僕はけっして…」 きっとまだ不気味さが拭えないのだろう、彼が掴んだ右手には、先ほどのような力はない。 それでも私の絶望を、少しでも和らげるために、必死で掴んでくれたのだろう。 お人好しにも、ほどがある… でも、ダメだ。 ここで彼の優しさに、甘えてはいけない。 彼を私なんかに、近づけてはいけない。 ――だから… 「離してくれないかしら、苗木君」 「え…」 「いいえ、違うわね。離した方がいいわよ、苗木君。 私の汚いのが移ったら、困るでしょう」 声を震えさせないように、最新の注意を払う。 あたかも本心で言っているかのように。 心の底の、「離さないで」という叫び声に気付かれないように。 ゆっくりと、しかし克明に、彼の顔に絶望が浮かぶ。 酷い顔だ。まるで、今の私を鏡で見ているようだ。 本当はあなたに、そんな顔をさせたくはない。 けれど、仕方がないのよ、苗木君。 あなたが私なんかにまで優しくするから 彼が私の手を離すことはなかったけれど、力は幾分弱まったので、 私は先ほど同様、強引に手を引きぬいて、足早に彼の下を立ち去った。 「っ~~~う゛ぅっ…」 二度とこんな醜いものを、彼の目に触れさせないように。 堪え切れなくなった泣き声が、彼に届かぬように。 右手を隠し、声が出ぬよう左手で喉を絞りあげ、少しずつ歩幅を広める。 彼の心を、それらが絡み取ってしまう前に、部屋に戻らなくては。 部屋に入り込むのと、私が大声をあげて泣き出したのは、ほぼ同時だった。 「っうぁあぁああ…あぁぁあああああああああああっ…」 泣く、というより、哭く、という方が、文字に充てれば正しいだろう。 慟哭。それくらい、私は大声をあげて哭いていた。 寄宿舎の個室は、完全といっていいほどの防音が施されているから、私は気兼ねなく哭き続けた。 涙は粒ではなく、一筋の線になって、瞳から流れ落ち続けた。 苗木君に右手を見られたこと。 苗木君が右手を見たときの反応。 苗木君に罪悪感を抱かせてしまったこと。 苗木君のそばに、もういられなくなったという決定的な事実。 それらがどうしようもない後悔になって、私を傷め続けた。 むき出しの右手を壁にたたきつけながら、私は叫ぶように泣きじゃくる。 「っ、こ、こんな手なら、無くてよかった… こん、な、こんな悲しみを感じるなら、心なんていらなかった… こんなに側にいられなくなるのが辛いなら…っ、彼と出会わなければよかったのに…!!」 張り上げた大声が私の耳に返ってきて、はた、と私は気付く。 ――いや、違う。それはダメだ 手も心も、なくていい。けれど、彼との出会いを、否定してはいけない。 彼とのこれまでを、否定するのは間違っている。なぜなら、彼は何一つ間違っていないから。 正しい反応だ。右手を見た時のものも、訳もなく謝ったことも。 むしろ、今まで見てきた反応の中では、最良の誠実さを伴っている。 思い出で、いいじゃないか。 彼との出会いを、共に過ごした時間を、思い出としてとどめておくだけ。 こういう素晴らしく綺麗な心を持った男の子もいた。そうやって記憶の一端にとどめておけばいい。 それだけで、十分なはずだ。 だから、これで彼の優しさに甘えるのは終わり。 彼のそばにいるのも終わり。もう彼は思い出の中の人物。 もう、関わってはいけない。 コンコン と、しばらくして、想定していた通り、ノックの音が部屋に響いた。 その頃には私はとっくに泣きやんでおり、もちろん、幾分かは落ち着きも取り戻していた。 彼なら、きっとフォローのために部屋に来るだろう。そう予想していたから、 「…あの、霧切さん」 「いいわよ、入って」 彼が部屋の前に、オロオロとした、小動物のような顔つきで立っていても、普段通り対応できた。 「え、あの…」 「話があってきたんでしょう?それとも、やっぱり部屋に入るのは嫌かしら。それなら…」 「う、ううん!おじゃまします…」 さあ、どう出るだろうか。 どう出てきても、私は彼の弁明や慰めを、完膚なきまで拒まなければならない。 今後、彼の中に、私のそばにいるという選択肢が無くなるように。 彼に椅子を差し出し、私はベッドに腰掛ける。 それから、ただじっと、彼が話し出すのを待った。 「あの…」 「何?」 出来るだけ冷たい声で、問いかける。 「まずはこれ、返しておこうと思って…」 彼が差し出したのは、私が外された右の手袋。 そういえば、あの場に忘れてきてしまっていたのか。 「ああ、ありがとう。わざわざ持ってきてくれたのね」 私が無感情――に聞こえるように取り繕った声を響かせるたび、彼は怯えたように身をすくませる。 罪悪感が胸を突き刺す。彼は何も責められるようなことなどしていないのに。 「えっと、それで、改めて謝りたいな、と」 「謝る?何を?」 さあ、どうでる。 「…霧切さんが見られたくないものを、勝手に見てしまったから…」 なるほど、そう来たか。 「…それはこの、右手のことを言っているのね?」 彼は無言で、下を向いている。肯定ととっていいだろう。 「…そう思うということは、やはりあなたも、『私がこれを他人に見られたくないと思っている』と思ったのね」 「え…」 違うの?とでも言いたげな表情。 「私はね、別に『この傷跡を人に見せること』自体には、何の抵抗もないわ。 私は、『私のこの傷跡を見た人の反応』が見たくない、それだけなの」 「反応…?」 「みんな、同じ顔をするの。『気持ち悪い』『見なければよかった』といったような、ね。 ちなみに苗木君、さっきのあなたの表情も、例に漏れていないわ」 「そっ、そんな、こと…」 ドス、ドス、と、罪悪感が私の心を切り刻む。 彼に投げかけた言葉の槍が、そのまま私の心を貫く。 今私がしているのは、悪魔の行いだ。心配してきてくれたのに、それを仇で返すなんて。 けれど、そうする他にないから。だから、 ――おくびにもだすな… 「あなたを責めているわけじゃないのよ、苗木君。あなたの反応は、ごく自然なもの。 だからあなたは謝るべきじゃない。だってあなたは、何一つ悪いことなんてしていないんだもの」 彼は、ぐっと唇をかみしめた。 それは、なにかに耐えるというよりは、なにかを決意したような、そんな仕種。 「…わかった。的外れに謝ることは、しないよ」 「そう。それでいいの」 「…ただ」 「?」 それまで下を向いていた彼の瞳が、力強く私を射抜く。 「聞いても良いかな。その、手の傷のこと」 ――これは、 今までにない、初めての反応だ。 なるほど、今まで私のそばにいただけあって、意表を突くのには慣れているのかもしれない。 「…傷ができた経緯、ということ?」 「それも含め、諸々」 「諸々、って?」 「どうしてそんな傷を負うことになったのか、とか、その傷ができてからの周囲の反応とか」 「…そう。ずいぶん遠慮なしに尋ねるのね」 「遠慮する方が、失礼かなって思ったから」 彼は時々、ひどく真っすぐな目をする。 「手の傷跡自体じゃなくて、それを見た相手の反応が嫌なんでしょ? そこには「偏見」や「忌避」だけじゃなくて、「同情」や「遠慮」もきっとあると思ったから。 でも「言いたくない」「言えない」のなら、もちろん言わなくていいよ」 職業柄、悪意と威圧に満ちたまなざしは、嫌というほど見て、見慣れてきたし、耐性もある。 けれど、彼の眼には、悪意はもちろん、威圧の欠片もない。 それなのに、なぜか気圧される。 真っすぐ、鋭く、そして正しく。これが同い年の少年か、と思わせるほど、芯の強い目。 どうも私は、その目には滅法弱いらしい。 「…いいわ。言いたくないということもないし」 私は抵抗を諦め、素直に話すことにした。 「…私がこの傷を負ったのは…そうね、まだ探偵として駆けだし中の頃、とでも言えばいいのかしら。 私が相手をしていたのはとある犯罪組織。私はいくつかの事件を解決していく過程で、その存在を知ったの」 どうせ今日で終わりなんだ。 傷の経緯くらい、幾らでも話せばいい。 「…自分の力を過信していた、というのもあるし、周囲からの評価が欲しかった…焦っていたんでしょうね。 とにかく私は、数名の仲間と一緒に、その犯罪組織の根城を探し当てた…けれど、 仲間の一人に、内通者がいたのね。私は根城に潜り込んだのだと思っていたのだけれど、実はその逆。 彼らにおびき出されたのよ。その根城の最奥まで。 逃げることは難しくなかった…けれど、人質を取られたの。その人質というのが…」 「本当は、その内通者だったんだね」 「そういうこと。よくわかったわね。探偵業が身についてきたのかしら?」 彼は私の茶化しも介せず、続けるように促した。 「…もちろんその時の私はそんなことは知らなかった。プライドを捨てて、彼を助けてくれるように頼みこんだ。 そこで彼らが出した案は、『その犯罪組織に伝わる拷問に耐えきれば、彼も私も無傷で解放する』というもの」 「拷問…」 「焼却炉の中に自ら手を入れ、30秒耐えきれば合格、というシンプルなものよ」 苗木君の顔が青ざめる。 「本来のルールでは、手枷なんかをして、無理矢理30秒耐えさせる、というのがあるらしいのだけれど… 私にはそれをさせず、その代わり耐えきれず早く手を出してしまえば、目の前で彼を殺すと言われたわ。 そして私は、裏切り者の命を救うために、自分で自分の手を焼いた… 目が覚めた時は、知らない町の病院にいたわ」 「…」 苗木君は、予想外に壮絶、とでも言いたげな表情をしていた。 他人の経験に感情移入してしまう彼には、よほど耳に堪える体験談だっただろう。 自画自賛、とは少しベクトルは違うけれど、自分でもこの体験はかなり酷な部類に入ると自負している。 「それで…ああ、えっと、周囲の反応ね。まあ、身内以外は概ね同じ反応よ。 気味が悪い、えぐい、グロい、近寄りたくない。 視線や顔で訴えてくる人がほとんどだけど、中には直接口に出す人もいたわ。 …あなたの反応は、その中のどれよりも、優しかった」 …何を口にしているんだ、私は。 そんなこと、わざわざ言う必要なんかない。 彼には冷たく接すればいい、もう二度と私に関わろうという気が起こらないように。 「でも、やはりあなたも思ったでしょう。この手が、気味が悪いと」 彼には、罪悪感を植え付ける。ありもしない罪に対する罪悪感を。 「…驚きはしたけど、気味が悪いなんて思わない」 「嘘はつかなくていいのよ。言ったでしょ、あなた、顔に出やすいのよ」 「…どうかな。見たときは正直少し、いや…かなりショックで、その時の気持ちは忘れたけど、 少なくとも今は、ぜんぜん思わないよ。不気味だなんて」 思わず、イラッとする。自分の思い通りにならないことに。 もう少し露骨に、責めた方が良かったか。 「さっきあなたも自分で言ったでしょう。『同情』も、私はいらないの」 「『同情』なんかじゃないよ」 「じゃあ何なの?」 「…強いて言うなら『尊敬』かな」 頭に血が上る、とは、こういうことを言うのだろう。 メリメリ、と、血管が膨張する音まで響いてきそうだった。 違う、わかっている。 苗木君に怒りをぶつけるのは、全くの筋違いだ。 それでも怒りは、彼に罪悪感を抱かせていることへの負い目や、彼のそばにいられなくなるという絶望を、軽く凌駕するほどだった。 この傷について、知ったかぶりをされることへの怒りは。 「『尊敬』?おかしなことを言うのね」 口端が、怒りからかヒクヒクと震える。 探偵の職務中ですら、こんなに怒りを抑えきれなかったことはない。 「一体今までの話のどこをどう取れば、この醜い手に対して、『尊敬』を抱けるのかしら」 彼の眼は、射抜くような真っすぐさを保っていた。 それは、彼が自分の発言に少しの負い目もない、という証拠に他ならない。 彼はウソをついてはいない。本心から言っている。 それが、余計腹立たしい。 そしてだからこそ、次の発言は、 「…だってその傷は、霧切さんが戦った証だから」 確実に、的確に、 私の逆鱗に触れた。 「知った風な口を利かないで!!」 ここまで感情的になったのは、いつ以来だろう。 私は腰かけていたベッドから立ち上がり、彼の胸ぐらをつかみ、絞りあげる。 苗木君は抵抗せず、そのまま引きずりあげられた。私より身長が低い分、宙に浮くような形になる。 椅子が音を立てて倒れても、彼の射抜く目は変わらない。 ――その目をやめろ! 「この火傷痕は、私の過ちの傷跡!過去の汚点であり、それを忘れないための戒めなの! 今までこれを、磔刑のごとく背負って生きてきた…『尊敬』?的外れな発言も、そこまでいくといっそ清々しいわ。 あなたに何がわかるの…!?この傷を背負うための私の覚悟、この傷を背負ってからの屈辱… あなたみたいな凡人に、その一欠けらでも共有できるの!?いいえ、一欠けらも理解されたくなんかないわ…!!」 攻め立てる私の方が泣き叫んでいる。おかしな構図だ。 私は追いつめられたか犯人のように暴言を吐き散らし、彼は淡々とそれを受け、そして答える。 「…共有なんて、絶対できない。それは、霧切さんが戦った証だから、他の誰にも、ましてや僕なんかに、 それをわかちあうことなんか絶対できやしないんだ。 僕にできるのは、霧切さんが教えてくれたその事実から、僕自身の見解を作ることだけだよ」 「それが『尊敬』?そうだというなら、あなたは相当な盲信者か頑固者、もしくは相当のペテン師ね。 でもね、どんなに自分を偽っても、本能から来る嫌悪感には、抗うことは出来ないのよ…!」 私は半ば自暴自棄になって、左手で彼の胸ぐらを捕まえたまま、むき出しの右手を彼の眼前に差し出した。 おそらく、何も考えずにしゃべっているのは私の方だ。 ただ、怒りと、自分から彼を突き放す、という衝動にだけ駆られている。 「ほら、見て…気色悪いでしょう?私が自分でそう思うんだから、あなたには尚更のはずよ…」 さあ、怯め。 臆しろ。慄け。 『尊敬』だなんてウソの言葉に隠した本心を、さらけ出せ。 そうじゃないと、私はあなたに縋りついてしまう。 そうじゃないと、私は希望を抱いてしまう。 だから ――その目で見るのを、やめて…! 「…お願いだから、苗木君。正直に、気持ち悪いと、不気味だと、そう言って。 あなたが何を言おうとしているのかは、皆目見当もつかないけれど 私はあなたがその言葉を口にするのを、期待しているわ」 その方が、変な希望を持たされるより、幾分も楽だから。 彼は、口を開かなかった。 じっとその目で、私を、右手を見つめていた。 その珍妙な硬直は、そのまま少しだけ続き、先にその均衡を破ったのは、 無様にも沈黙に耐えきれなくなった私の方だった。 「…苗木君」 呟くように、彼の名前を呼び、ふといつのまにか、彼を締め上げる手の力が、緩んでいたことに気づく。 彼はすでに地面に足をついていたけれど、まだ私の手を振り払ったりはしない。 苗木君はまだ、何も言わない。 ただ、その代わりに。 私が名前を呼んだことを合図にしたかのように、ゆっくりと彼が動き出す。 ずい、と、二人の距離を縮めて、一歩前へ。 「ちょ、ちょっと…」 目は、私を射抜いたまま。何をされるのかもわからず、私は気圧され、一歩退いた。 先ほどはアレほど激昂していたのに、おかしな話だ。これほど容易く、彼に押し負けるなんて。 きっとさっき私が喚いていたのは、子犬が恐ろしい相手に向けて吠えたてるのと同じだったのかもしれない。 彼の言動は、常々私の予想を上回る。わからないものは、恐い。 この部屋に入ってきた時は、彼の方が捨てられた犬のようにオロオロとしていたくせに、 いつの間にか、彼にリードを許してしまう。いつも、そうだ。 尻込みした私が、思わず右手を引っ込めようとすると、 それを察したのか、彼は食堂でみせた力強さで、私の右手をしっかりと握りしめた。 「ひっ…」 思わず、そんな情けない悲鳴が漏れる。 私の悲鳴や、おそらく怯えて情けない表情を浮かべている顔を受けても、苗木君は微動だにしなかった。 ビリっ、と、今朝のように、何も感じるはずのない右手から、鈍痛と熱を感じる。 それは右手が彼に近づけば近づくほど、より強く、大きな刺激になり、私は顔をしかめた。 まるで彼が、あの時の炎のようだ。 ほら、言わんこっちゃない。近づいてはいけないのに、近づくから。 自分を過信して、太陽に近づきすぎるから、羽をもがれるのだ。 あまりの激痛に、足に力が入らなくなり、そのまま後ろのベッドに倒れるようにして座る。 彼は座った私に目線を合わせるように跪き、そして、 おもむろに私の左手にまで手を伸ばした。 それは、恐怖さえ感じるほど。 本当に、何をされるのか分からない戦慄。 彼が私の左手を器用につかむ。そして、その手袋にまで手をかけられて、 やっと私は、抵抗する、ということを思い出した。 「いっ、やだ、苗木君…離して…!」 必死にもがき、腕を振りほどこうとするけれど、やはり彼の力には敵わない。 暴れても暴れても。故意ではないけれど、振り回した足が彼の腹を蹴り飛ばしてしまっても。 彼は決して、私の腕を、私の罪を、離そうとはしなかった。 ぐい、と、手袋に指がかかる。 「いや、だっ…!!見ないで、苗木君!お願いだから…許して、苗木君っ…!」 涙が出そうになる。 なぜ?どうしてこんなことをするの?嫌がらせ? それとも、とうとう堪忍袋の緒が切れたのか。私が彼に、的外れに怒鳴り散らし、罪悪感をなすりつけたから。 私が思索を進める間にも、彼は器用に左手の手袋を取り去った。 そして、彼は私の汚れた両手を手にとって、 それを、自分の両頬に押し当てた。 ――なに、を、してるの…? 尋ねようと口を開くけれど、言葉が出ない。 私の体から、抵抗という概念を失ったかのように、力が抜けていった。 私の素手を、自分の両頬に当てるだけ。言葉にすれば単純なその行為は、それは、 私が今まで最大の禁忌としてきた行為を、体現していることに他ならなかった。 「なえぎ、くん…?」 力なく、喘ぐように、私の口からこぼれおちた、彼の名前と、それに続く泣きごと。 だめだよ。 きたないよ。 うつっちゃうよ。 幼児退行でもしたかのような、情けない語り口だ。 おそらく後で思い出して、顔から火を吹く思いをするのだろう。 けれど、そんな目も当てられない私のざまを見て、彼はあやすように囁いた。 「誰かが、そう言ったの?」 だって、私の手、汚いから。 「汚くなんかないよ」 呪われているから、呪いがうつっちゃうよ。 「…絶対、そんなことない」 少しずつ、苗木君が私の手を握る力が緩んでいく。 けれど、不思議と私は、彼の頬に触れる私の手を、引き離すことができなかった。 そうしなければ、ならないのに。触れていてはいけないのに。 だって、きたないから。うつっちゃうから。 「…霧切さん」 言い聞かせるような彼の声は、幾分か鼻にかかったような音をしていた。 今にも泣き出しそうな声で、けれどそれを必死にこらえていた。 目は潤むけれど、力を入れて、それが零れおちないように、じっと私を見つめていた。 「…さっきも言ったよね。 この手は…火傷の痕は、霧切さんがどう思おうと、霧切さんが戦ってきた証だ。 僕は、凡人だ。戦いとか、何も知らずに安穏と生きてきた。 だから、戦ったことのない僕には、この手を『尊敬』することはできても、汚れていると思うことはできない。 目に見える姿形に囚われて、馬鹿にするやつらの方が、何倍も醜くて、何倍も汚いんだよ」 やめてよ。 だめだよ。 私に、私なんかに、優しい言葉を投げかけないで。 汚れた私が、あなたのそばに―― 「汚れてなんかない――!!!」 苗木君が叫んだ。 恐ろしいほど、怒気に満ちた声だった。 彼がこれほどまで感情的になったのは、見たことがないというほどに。 なのに、そんな彼の表情は、 「汚れてなんか…いないんだっ…!」 初めて私の素手を見た時と同じくらい、絶望に満ちた悲しい表情だった。 つ、と彼の頬を、さんざん溜められた涙が、ようやくか、とでもいうように、ゆっくり伝う。 涙は私の手に当たり、そこから言い知れぬ感覚が、ず、と私の中に入り込む。 「拒み続けることが、どれほど辛いのか…っ、僕には、わからない…」 彼は言葉を紡いだ。 その間にも、涙は一粒、また一粒と、私の指を、掌を濡らす。 「よく、耐えてきたね…」 涙が触れた火傷の痕から、温かい彼の感情が、私の中に流れ込んでくるようだった。 「…馬鹿ね」 彼の温かさが、ゆっくり、ゆっくりと、 「なんであなたが泣くのよ…」 私の中の氷を、溶かしだしていく。 「ゴメン…僕が、泣いちゃいけないって、わかってるのに…っ」 溶けだした氷は水になり、 「ほら、さっきも言ったでしょう…的外れな謝罪は止めてって… だってあなたは、何一つ、悪いことなんてしていないのよ…」 ゆっくり、ゆっくりと、 私の目から、溢れだした。 「ごめんなさい、苗木君…」 私は壊れた人形のように、 「ごめんなさい、ごめんなさい…!」 止まらぬ涙を流し、彼に謝り続けた。 そして、最後に一度だけ、 「ありがとう…」 と、涙でぐしゃぐしゃになっただらしのない顔で、私は告げた。 ダメだ。彼から離れることなんて、もう私にはできない。 だって彼は、この右手の罪を、罪じゃないと言ったから。 だって彼は、この左手の汚れを、汚れじゃないと言ったから。 だって彼は、この両手の醜い火傷の痕を、私の誇りに変えてくれたから。 離れる理由を、側にいるための動機に変えられてしまっては、どうしようもないじゃないか。 そのまま、私たちはお互いの顔を見ながら泣いた。 彼の手が私の手を掴むのをやめても、私は彼の頬から手を離さなかった。 その代わり彼は、自分の手を私の頬へと触れさせる。 優しく両頬を包まれて、思わず私はどきりとする。 しばらくそうして、互いの泣き顔に手を添え、私たちは見つめ合う。 ぐ、と苗木君が顔を近づけた。 いいのだろうか、こんな―― いや、もういい。もう、考えるのも面倒だ。 ただ、この幸せを享受すればいい。 そして私は、ゆっくりと目を閉じた。 情緒不安定、という言葉を当てては失礼かもしれないけれど、それはめまぐるしい表情の変化で きっと僕に傷を見られたのがショックで、霧切さんは初めて僕の前で怒り、泣いた。それなのに、 「ふふ、もしかして、苗木君のファーストキス、頂いちゃったのかしら」 その、キス、を終えた後の霧切さんは、いつもの霧切さんに戻っていた。 「ええっ、その、えーと…」 「ねえ、答えて苗木君。答えられないということは、初めてじゃないのかしら?」 いつもの霧切さんとはどういうことか、というと、本当にいつもの霧切さんで、 ミステリアスな笑みを浮かべ、意地悪な質問をぶつけて困る僕を見ては、それを面白がる霧切さんのことだ。 「な、なんでそうなるのさ!」 「慌てる、なんて、ますます怪しいわね。そう、私としては構わないけれど、少し残念だわ。 せっかく私の初めてのキスを捧げたのに、苗木君にとっては、このキスはそれほど貴重なものではなかったのね」 手袋を再びつけてしまったのは少し残念だけれど、こればかりはしょうがないと思う。 やはりまだ、人目に触れるには抵抗がある、と、彼女は言ったから。 「え、は、初めて…霧切、さんも…?」 「あら、意外?というか、私にキスをしようとしたモノ好きなんて、あなたが初めてよ、苗木君。 そして私も、ということは、苗木君も初めてだったのね。 でも…意外ということは、苗木君の目には、私は誰とでもキスをするような淫らな女に写っていたのね。ショックを隠せないわ」 それでも、少しずつだけど、僕の前では手袋をはずす努力をする、とも約束してくれた。 色々と気障なセリフをぶつけてしまった気もするけれど、彼女の前進に携われたこと。今は、それを誇りに思う。 「もう…アレだけ勇気を出したのに、どうして僕だけ恥ずかしい思いをするんだよ」 「…何を言っているの、苗木君」 僕たちは今、彼女のベッドの上に並んで座っている。 手袋に包まれてはいるけれど、互いの手を、しっかり握って。 霧切さんは、そこで数秒だけ口を閉じ、それからみるみる顔を赤らめた。 「わ、私だって…」 「え?」 「私だって、ちゃんと、恥ずかしかったわ…」 そういうと、彼女は顔を赤らめたまま、つ、とそっぽを向いてしまった。 ああ、ダメだ。これからも僕は、彼女のペースに振り回されっぱなしだ、と、ここで改めて確信する。 だって、そんな彼女の恥ずかしがる素ぶりに当てられて、 きっと今の僕の顔は、一段と真っ赤に染まってしまっているだろうから。 気まずい沈黙を打破するため、僕はこの部屋に来た、もう一つの目的を彼女に告げた。 「実は、手袋と謝罪のほかにも、まだ霧切さんに用事があったんだよね」 「そ、そうなの?」 「約束したでしょ。霧切さんの手作りのロイヤルミルクティ、飲ませてくれるって」 「…ええ、そうだったわね」 穏やかにほほ笑んだ彼女の手を取り、僕は霧切さんと食堂へ向かう。 途中で遠征から帰ってきた朝日奈さんたちに、手を繋いで歩いているところを見つかって、 これでもかというくらいに冷やかされるのだけれど、その時の様子まで事細かに書くのは、 さすがに僕のか弱い羞恥心では、耐えられそうにない。 だって、彼らが冷やかす間も、顔を真っ赤にして言い訳を並べながら、 彼女は僕の手を、離そうとはしなかったんだから。
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心的外傷 や・ら・わ行 名称 類推英語名称 考察 ユーモアコンテスト humor contest そのままユーモア(洒落)のコンテスト?contestには争いという意味もあるのでユーモアの優劣を決める争い? ライクミストプレセンス Like mist presence 霧のような存在感? ライフインターバル Life interval 直訳で生命もしくは寿命の間隔?輪廻転生を前提として死んでから次に生まれ変わるまでの間の時間という意味? ラブパラサイト Love parasite 直訳で愛の寄生虫。総合精神体の残滓に触れると手に入るスティグマ。 ラブバリュー Love value 直訳で愛の価値。 ラブミッシング Love missing 紛失した愛? ラブリーノイローゼ Lovely (独)neurose 素敵な、もしくはかわいいノイローゼ? ランチタイムホリック Lunch time holic 直訳で昼休み中毒。 リザーブセクサロイド Reserve sexaroid 直訳でセクサロイドの確保。もしくは予備のセクサロイド?セクサロイドはSF作品等に登場するロボットやアンドロイドの中でセックス機能やそういった行為に特化した用途をもつものを表す造語。 リトルキャパシティ Little capacity capacityは容量の他包容力、度量、才能、理解力等の意味がある。度量が狭いという意味? リバースサルーテオフェンス Reverse salute offense saluteは敬礼、挨拶、称賛等の意。offenseは違反、無礼、侮辱等の意。敬礼が逆に侮辱になる=慇懃無礼というような意味? リピートフィアー Repeat fear 直訳で恐怖を繰り返す。 リフィルハート Refill heart 直訳で心の補充。 ルーザーマインド Loser mind 直訳で敗者の心。 ルーズテリトリー Loose territory ゆるい領域? レグレッショナルブレイン Regressional brain 退行的な脳? レストレスフィアー Restless fear restlessは落ち着きのない、休めない、眠れない等の意。眠れない恐怖? ロストハピネスリターン Lost happiness return "many happy returns"でお祝いの言葉としてよく使われる定型文になる。祝われるような幸福を失うという意味? ロストフォーリンラブ Lost fall in love "fall in love"は恋に落ちる、一目惚れなどの意。失恋、無駄な恋、迷った恋というような意味? ロストプライド Lost pride 直訳で誇りを失う。 ロボトミーブレイン Lobotomy brain ロボトミーは恐らく現在禁忌とされている精神疾患の治療として大脳の一部を切除する外科手術の事。術後の患者にはてんかん発作、人格変化、無気力等多くの重大な後遺症が残った。ロボトミー手術を受けた脳=実際の手術の後遺症のように酷い精神状態という意味? ロンリーデストピア Lonely dystopia デストピアの元ネタはユートピア文学という現実には存在しない理想的な管理社会を書く作品に対してそういった管理社会の負の側面を批判的に書いた作品内世界の事。孤独なデストピア=管理する民のいない矛盾した世界というような意味?もしくは孤独に暮らす事を理想としてそれを批判する意味でデストピアに例えている? ロンリネスティラニーマン Loneliness tyranny man 孤独で暴虐な男? ワウンテッドプライド wounded? pride 傷ついたプライド。一番病(ナンバーワンシンドローム)のトラウマ解決条件がこのスティグマを外しストロングソウルをセットすること。 ワーストナンバー Worst number 直訳で最悪の数字。このスティグマのステータス補正値は命中精度-8 クリティカル+8 筋力+8で888と並んでいる。ゲマトリアという数秘術で888はイエス・キリストを意味する。獣の数字として有名な666のパロディとして888を使っている? ワードブルドーザー Word bulldozer 直訳で言葉のブルドーザー。ブルドーザーのように周囲を均す=黙らせるような強力な言葉というような意味? ヴィランズマインド villains mind 直訳で悪役の心。 幻痛 ー 幻肢痛という手足等体の一部を欠損した後に無いはずの部位が痛む症状が元ネタ?肢を使っていないので体に限らず精神や自分の身体以外のなにかに対する存在しない痛みというような意味?
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「あ、暦お兄ちゃん。偶然だねっ。どうしたの? こんなところで」 「あれっ、千石。そうか、お前の家はこの近くだったな」 「うん、そうだよ。あっ、よかったら撫子の家に来る? 今日はお父さんもお母さんも出掛けてて少し寂しいんだ」 「う~ん、ちょっと八九寺とゆっくり話をするために場所を探してたんだけど……」 「八九寺って?」 「お前は会うの初めてだったか? こいつが八九寺だ」 そう言って僕は八九寺の方に手を向けた。 そういえば八九寺も千石も人見知りが激しい。 もし八九寺の姿が見えていたら千石はどうしただろうか。 いつか羽川と会った時みたいに焦って、神原顔負けの俊敏な走りでどこかへ去っていくかもしれないが、 小学生相手にそんなことをするのかちょっと気になるところだ。 八九寺はいつだったか神原が僕のストーカーをしていた頃に一瞬で逃げてしまったことがあった。 あの時神原には八九寺が見えていなかったかもしれないが、それでも一緒にいることは出来なかったのかもしれない。 そんな二人が出会ったのだけれど、なぜか逃げることはなかった。 類は友を呼ぶ、というやつだろうか。 八九寺はもしかしたら神原の本質を知っていたのかもしれない。 『小学生の下着に興味がある』と言った僕を嫌うどころか趣味が合うなんて言ったやつだからな。 百合でロリにまで興味が及んでいるあいつと出会うことに身の危険を感じたと言われてもおかしくは思わない。 千石は首を傾げて、訝しい顔を僕に向けながら穢れの無い桃色の唇を開く。 「誰も居ないよ? ここには暦お兄ちゃんと撫子しかいないけど……」 「ああ、そうか。お前には見えないんだな」 「撫子には見えないって…。……また……なの?」 心配そうな瞳で僕を見上げる千石は少し大人になった気がする。 いつの間にこんなに成長したんだろうか、と思えるくらい雰囲気が女性らしくなった。 長い前髪をカチューシャで上げているから、大きな瞳が僕を捉えているのがよくわかる。 そのせいかあんまり見つめられると照れてしまう。 そんな僕の気持ちには気付かず、千石は不思議そうにじっと僕の顔を見つめていた。 僕は耐えられなくなって視線を逸らし、 「お前が心配するようなことじゃないよ。今は浮遊霊をやっててこの辺りをフラフラしてるんだ。 こいつは面白くて良いヤツだから安心して大丈夫だよ。 あと千石が八九寺のことを見えないのも問題はないから安心していいからな」 「う、うん、暦お兄ちゃんがそう言うなら、信じる。ど、どんな娘なのかな?」 「小学生でツインテイルで背が小さくて日本語のプロで僕の事が大好きで『いつも一緒にいたい』『離れたくない』って泣いて頼む可愛いやつなんだ」 「な、なんてことを言うんですかっ!? 千石さんには私の言葉が届かないと思って変なことを言わないでください!」 「暦お兄ちゃん! 小学生が好きだったの!? ちゅ、中学生はどうかなっ!?」 二人とも何か的外れなことを言っている気がするけれど……、僕は八九寺のことが大好きだから八九寺も僕のことが大好きだし。 小学生からおばあちゃんまで、僕のストライクゾーンはかなり広いぞ。もちろん中学生も問題はない。 「八九寺、お前はポルターガイストでも勉強してみたらどうだ? そうすれば千石と話せなくても意思の疎通くらいは出来るんじゃないか?」 「さては阿良々木さん。心霊現象を勉強させて私に悪戯させる気ですね。可愛い女の子を狙って、スカート捲りとかさせる気ですね?」 「そ、そんなことをさせるわけないだろ! 僕はそんなに信用されていないのか!? それに僕の部屋には近い将来家宝になるモノがあるから、そういうことに関してはお前の協力は必要ないんだよ」 「家宝ってなんですか!? もしかして女性の下着とかですか!? とうとう下着泥棒にまで成り下がりましたか!? ですが……まあ時間の問題と思っていましたから、あまり違和感はありませんね」 「違和感持ってくれよ! 僕は泥棒なんてしない! 前に忍から『スカートの中を覗いてどんなパンツを穿いているか教える』という提案を断った実績だってある!!」 「普段忍さんとどんな話をしているんですかっ!? 子供なのをいいことに自分色に染めてしまおうということですか!?」 というか『家宝』っていう言葉だけで下着を想像するなんて勘のいい奴だ。 でもなんというか……鋭すぎないか? もしかして見てたとか……。 羽川がブラジャーを外して僕に揉まれそうになっているところを覗いていたとか……。 羽川にいやらしいことを言わせている僕を見ていたとか……。 迷子だからどこにいても不思議じゃないしな。 もしそうなら……は、恥ずかしすぎる!! 八九寺が今何を考えているかはわからないけど、とりあえず怒っておこう。 「お前、僕のことなんだと思ってるんだ!? そんなことするわけないだろ! 僕は忍にそんなことをしないし、その下着はちゃんと合法的に手に入れたものだ!」 「阿良々木さんが女性の下着を合法的に手に入れられるものですか!? 盗んだに違いありません! 盗んでいないとしたら……まさか忍さんのですか!? ロリだとは思っていましたが、そこまでの幼女が好きだとは……」 「その下着の持ち主には僕が大切に持っていることは宣言してあるんだぞ! だから何の問題もない! それに僕が忍に何かするわけない! 第一、忍は下着を付けないだろ!! 実際には五百歳以上だからロリじゃないしな!」 「し、下着を付けていない!? そ、そんなことを知ってるなんて!? まさか確認したんですか!? 忍さんのワンピースを捲くって中を凝視して触ってしっかりと確認したんですね!?」 「ち、違うっ! あいつは着る物は全部自分で作るし、僕の影の中には忍の作ったものしか持っていけないんだよ!」 「はいはい、そんな言い訳しなくてもいいですよ。阿良々木さんがロリコンだというのは皆知っています。羞恥の事実です」 「『周知の事実』だ! この野郎!! 僕をロリコンだと思っているやつなんかこの世の中の何処を探してもいるわけがない!!」 「この世の中の何処を探しても阿良々木さんのことをロリコンじゃないと言える人がいるとは思えませんっ!!」 僕は八九寺と本気の喧嘩をし始める。 忍に血を吸ってもらったばかりだから大怪我しても問題はない。 八九寺は躊躇いなく僕の指を噛み切ろうとし、僕はそれを防ぐため八九寺にアイアンクローをかます。 目の前の小学生とじゃれ合うことに夢中になりかけた時、ふと千石の質問を思い出した。 「あ、そうだ。千石、中学生もいいと思うぞ」 八九寺の頬をつねりながら千石に言葉を投げかける。 千石は嬉しそうに顔を綻ばせ、笑っていた。 おわり 戻る