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名前:諌早 十里(いさはや とおり)愛称:トーリ性別:男年齢:18歳身長:170㎝後半から180㎝前半所属:スラム街にある孤児院の職員住所:N市北部にある「アパート 露草」3階5号室に在住外見:黒髪を短髪に切り揃え、至って普通の純日本人。黒いサングラスをかけ、右耳に銀であしらった逆十字架のピアスを身に着けている。 普段着には年相応なラフな恰好性格:好奇心旺盛持物:伸縮可能な特殊警棒及びスタンガン異能:【-削除 Delete-】 触れた(掴んだ)対象の身体能力、異能の効力を半分にする力。 また、半分にした相手の力を自分のものにすることができ、常に最大レベルの力を維持できる。 相手に力を戻す場合は指を鳴らすだけで元に戻る。 【-雷霆 ThunderStorm-】 雷を操る程度の異能。主な攻撃方法は速度と連射性に優れた直接電気を放出する雷撃 微弱な電磁波を操作し高速移動や壁に立つといった具合に幅広く活用できる。 また能力の所為か電気に対して耐性があり、スタンガンや同系統の能力をある程度の無効化可能 背景:異能が具現した時期は定かでは無いが幼少の頃から周囲に被害を出し、虐められて育ったとの事。 その後約10歳の時両親から見放されN市にあるスラム街の孤児院へと送り込まれた。(然し一定額の生活費は与えられていた) 現在は住居を移転し北部に在るアパートの一室に構え生活を営んでいる。更には育てて貰った感謝の表れか孤児院で働いている模様 長年一人での生活が多かった為か家事全般のスキルは一般家庭の主婦レベル プレイヤー名 トーリ
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Ⅰ どっとなだれ込むように海岸へ迫った緑も、生々しい岩肌を露出させている鋸山も、しばらく見納めとなると感慨深いものがある。 幼いうちから見慣れた山のかたちと向きあって、俺はじっと耳を澄ます。燃え上がるような蝉の鳴き声の渦に、身を投げ出してみる。両目に浮かぶのは、幼い頃に走り回った雑木林の山道や、花火のもたらす硝煙の匂い。学校帰りの内房線。生まれ育ったこの町で積み重ねてきたものは、自分の思っていた以上にたくさんあった。そういった故郷の大切さを知ったのも、大学に進学して東京に暮らすようになってからである。 「えーた、何してるの? 早くおいでよ!」 連れの美那子が俺を呼んでいる。振り返ると、背景の浦賀水道が午後の日に照らされ、ぎらぎら輝いていた。まるでその輝きがそのまま透過しているかのように、瞳がきらめいている。美那子はキャリーバッグの取手を引っ張り上げると、こう言って俺をせかした。 「早くしないと、フェリー出ちゃうよ? この暑い中、何十分も待つの嫌だからね!」 はいはい、今行きますよーっと。 そう大声で言ってから帰省の荷物を肩にかけ、俺は美那子のもとへ歩き始めた。 日差しがとにかく眩しくて、両腕の皮膚をちりちりと焼く。鼻の奥が焦げ付いてしまいそう。右手に握っているミネラルウォーターのペットボトルも、もう空っぽだ。 でも、そんな暑い夏ももうすぐ終わろうとしていた。 自動券売機で片道ぶんの切符を買う。ビワだか牛乳だかサザエだか、フェリーの発着場はお土産を売る店員の声で賑やかだ。そんな夏休みの喧騒を掻き分け、俺たちは「かなや丸」の乗船口へ向かう。帰省のさい、いつもはJRの直通電車で東京まで帰ってしまうのだが、今回は美那子の提案で東京湾フェリーに乗船し、横須賀を回ることにした。 フェリーに乗り込んでようやく落ち着いた美那子は、さっそく船内の売店で菓子パンなぞを買っている。美那子は実家の近くに住んでいた幼なじみで、今は都内の大学に通っている。たまたま俺と帰省の日程が合ったので、一緒に東京へ戻ることになった。 背が高くなっても、短めの髪やぱっちりとした大きな目元、日焼けした黒い肌は昔とちっとも変わらない。今日はワンピースみたいな黄色のロングTシャツに、ホットパンツを履いている。この帰省で久しぶりに美那子と対面したが、自分の中で思い描いていた美那子のままでいてくれて、本当によかった。 生まれも育ちも学校もずっと一緒だったが、お互い大学に通うことになってから、はじめて別々になってしまった。その大きな変化を、美那子はどう受け止めているのかは知らないが・・・・・・。 「ねね、えーた。デッキ上ってみない?」 「ああ、いいよ。行こうか」 不意に呼ばれて俺は少し戸惑った。いつの間にか、美那子の接近を許していたことに戸惑った。美那子は俺と会話をするとき、いつも顔を近くに寄せてくる。そんなささいな癖も、昔のままだった。「ほい、これあげるよ」などと言われ、海軍カレーパンなるものを受け取った。 「フン」 美那子のかぶりついた跡を見てから、照れ隠しのためカレーパンを口いっぱいに詰め込んだ。 階段を上がって甲板に出たとき、船がゆっくり旋回をして向きを変える。三浦半島の久里浜に向けて進行を始めた。 故郷が離れていく。散々見慣れた南房総の山々も、こうして船の上から離れていくのを眺めていると、とても切なくなってくる。 ため息を吐いた。こんな風にして一人、大海原へと投げ出されていった自分は、これからどこへ向かっていくのだろう。 そんなことを思いたくなるのも、俺が「異能者」であるからなのかもしれなかった。 Ⅱ 「うわー、見て見て! すごーい!」 美那子は大喜びで一羽の鳥に指をさした。海を進む俺たちと並ぶようにして、かもめがすぐ目の前を滑空している。翼を広げたまま静止しているこの海鳥に、年配の乗客がカメラを構えていた。 俺は高校生時代に遭遇したある事故をきっかけとして、「異能者」であることが判明した。 事故といっても水の事故で、美那子が溺れたのを助けに出たときに能力が発露した。まさか、この俺に特別な力があったなんて夢にも思わない。 それから俺は、とにかく「強くなること」を目指してきた。俺の通う学校――双葉学園は、異能者を育てる学校だ。この学校を選んだおかげで俺は自分の異能に相当詳しくなれたし、異能者としても大幅な成長を遂げられたと自負している。だから、俺にとってベストな選択肢であったはずだった。 それなのに、時折「疑問」を感じるときがある。自分の選択に自信を持てなくなり、臆病な気分になるときがある。どうしてそんなナーバスな気持ちになってしまうのか、俺にはよくわからない。美那子とこうして一緒に行動している、今がまさにそんなときであった。 田舎の友人も美那子もみんな、普通の大学に通っていたり普通の生活を送っていたりしていた。それに比べて、俺はいったいどういう方向へ突き進んでいるのだろう。みんなとは違った生き方をしている自分に、どことなく孤独に似たようなものを感じていた。 新学期が始まれば、また異能者としての生活が待っている。異能について深く学び、訓練に明け暮れる多忙な日々が待っている。双葉島という箱庭で繰り広げられる、一味変わった日常。でも、学園生活やラルヴァとの戦いを終えたその先に、いったい何が俺を待ちうけているのだろう? 俺は将来どうなっているのだろう。 重たいため息を一つ吐いてから、俺は周りを見渡した。東京湾を出てきたコンテナ船が、たくさんこちらに向かってきている。フェリーがなぞる航跡に、太平洋に出て行くタンカーが真っ直ぐ直角に交わった。雑然としてせわしい浦賀水道は、こうしていくつもの航路が縦横無尽に交錯し続けている。 真正面から吹きつける潮風が気持ちよかった。地上で熱せられた体が冷やされて、疲れが抜けていくのを感じる。ふと上を見ると、まだかもめがフェリーと並んで飛んでいた。このかもめはウミネコだろうか、群れから離れ、風の強い浦賀水道を悠々と横断している。 俺みたいだな、と唐突に思った。実家や友達、故郷から離れ、よくわからない都市伝説の世界に首を突っ込んでしまっている俺。このどこまでも広がる海原をあてもなく飛び回っている、はぐれもののウミネコのようなものだ。それはとても心細いことだと思う。 「えーた、こっち来なよ! 眺めがとってもキレイだよ!」 呼ばれて振り返ると、いつのまにか美那子は反対側の手すりに移動していた。相変わらず、あいつは年甲斐もなくはしゃいでいるようだ。俺は美那子のところへ行く。 海が傾いた日差しに照らされて、ゆらゆらと白銀に輝いていた。 もう少し経てば日没だ。遠くを見やると、物見やぐらを連想させる火力発電所の煙突が三本、黒い影となって屹立している。 終点の久里浜が近づいていた。 Ⅲ 久里浜に着いてから、俺たちはフェリー発着場の隣にある小さな浜辺に寄った。美那子が寄りたいと言い出したのだ。 浜辺ではボールを蹴り上げて遊んでいる円陣組や、バーベキューをして鉄板を囲んでいる若者たちがいた。午後であるためか、もしくは港の脇にある小規模な浜辺なためか、海水浴を楽しんでいる人間は一人も見られない。俺たちの乗ってきたかなや丸が、久里浜港を出ていった。 波打ち際を美那子は裸足で歩いている。一人で波を蹴り上げたりして遊んでいる。 本当に海が好きな奴だなと俺は思った。そういうところが昔と何も変わっていない。そんな美那子を見ていると、将来について深く悩みこんでいた自分が、余りにも馬鹿馬鹿しく思えてきて苦笑が漏れてしまいそう。 いや、もしかすると美那子にとって「海」としばしのお別れだから、ああして波と戯れているのかもしれない。 彼女は今、内陸部の大学に通っている。下宿先も学校の近くだから、これから海とは無縁の生活を送ることになるのだ。もちろん美那子は美那子なりに楽しくやっていることだろうということは、俺がいちいち考えるまでもないことなのだろうが・・・・・・。 「えーたもこっち来て遊ぼうよお!」 と、美那子は俺に両手を振って言った。そのとき、夏の日差しよりも美那子の笑顔が眩しく映った。なんとなく照れくさかった俺は、その場で片手を振って応えてあげる。 西から照りつける日があまりにも暑くて、背中を汗が流れていった。喉が渇いていた。 飲み物が欲しい。美那子のぶんも適当に買ってこようと思い、俺は浜辺を上がる。 コンビニの看板が県道沿いの先にうかがえたが、美那子を残して遠くまで行くのもはばかれるので、近場の自動販売機で済ますことにする。アクエリアスを自販機から取り出したあと、ミネラルウォーターのボタンを押した。 自動車の往来が落ち着いてから、俺は県道を小走りに渡ってもとの浜辺に戻ろうとする。バーベキューをしている若者たちは、いよいよ紙製の白い皿を取り出していた。サッカーをしている円陣から、ボールがあさっての方向へと飛び出してしまい、全員が爆笑を交えながらボールを追いかけていた。 そういった光景を横目にしてから、俺は美那子のほうを見る。美那子は、何か見つけたのだろうか、足を膝まで波に浸して何かを見つめている。 そして次の瞬間、美那子が細長い触手のようなもので腕をつかまれて、一気に引きずり込まれたのを見た。 「美那子!」 背筋がぞっとした。とっさに走って近づいたとき、美那子の細い腕が暗い色をした海中へと沈んでいった。 触手はクラゲのものにしてはかなり太くて、毒々しいピンク色をしていた。俺はその触手に見覚えがあった。その異形を忘れられるわけがなかい。 終わり行く夏を遊び呆けている若者たちは、誰も一人の少女が海中へ呑み込まれていったことに気づかない。・・・・・・むしろそのほうが、俺にとって都合が良かった。 「上等じゃねえか」 俺は怒りに震えた。帰郷をしていて、しばらく惰眠を貪っていた魂源力が奮い立つ。ボストンバッグとキャリーバッグが固めて置いてあるところに飲み物を放ったあと、正面から海に突っ込んでいった。 Ⅳ 汚い海だな、というのが正直な感想だった。夕方になろうとしている時刻のためか、海はますます暗く濁っており、沈みゆく美那子を追うのにやや苦労した。 美那子だって海辺で育った奴だ。パニックに陥ることなく、海底に引きずり込もうとしている化物の触手を殴打したりして必死に抵抗していた。しかし、俺にはわかる。そいつを倒すのは一筋縄ではいかない、まったく別次元の異形であることを。 俺が追いついて美那子の体をつかんだとき、美那子はこらえきれずにごぼっと泡を口から吹き出した。苦しみもがいているうちに、俺は右手に魂源力を込めて触手を握りつぶす。 異形から分離した美那子を肩にかつぎ、すぐに浮上を始めた。「もう、大丈夫だ。俺がついている」。そう、水中で「ささやきながら」 もう敵は追ってこなかった。真っ赤な尻尾を漂わせながら、ほの暗い沖のほうに消えていったのを確認する。 「げほっ! ごほっ!」 水中から顔を出した美那子は、強く咳き込んで海水を吐き出す。俺は美那子をおぶって、浜辺に向かって泳いだ。 砂浜でへたりこんだ美那子は、開口一番にこう言う。 「ぜー、ぜー、・・・・・・なんなの、なんなのあれ!」 「まあ、落ち着こうな。世の中にはお前の知らないところで、おっかない化物がいるもんなんだぜ」 「おっかないってモンじゃなかったって! すっごく長い触手みたいなものが伸びてきて、腕つかまれて、ぐおおおおっと」 動転している美那子をほっといて、俺は海を見つめる。眼球のなかに炎を感じていた。おもむろにシャツを脱ぎ捨て、砂浜に放る。 「ねえ、えーた、何始めるの?」 「ちょっとひと泳ぎしてくるわ」と、俺は言った。「とりあえず物陰で着替えてこいよ。あと、カバンのあたりに飲み物あるから、好きなもの飲んで待ってな」 「危ないからよしなって! えーた!」という言葉を無視して、俺は暗い海中へ滑り込む。 「久しぶりじゃねえか・・・・・・」 と、港の沖まで潜ってやってきた俺は心の中でそう呟いた。 なかなか光の差し込んでこない濁った視界の向こうを、ゆらりゆらりと一枚の巨体が身を翻している。 それは、成人男性ぐらいの体長はあるエイだった。トビを思わせる大きな胸ひれで水を掻き分け、鞭のような長い尻尾は先端が尖っている。先ほど俺が潰した尻尾を、すでに再生させていた。 不気味な赤い色を帯びたエイが、こちらを振り向く。目と目が合ったとき、俺はニヤリと笑った。 「高校のとき以来だな。あんときも浜辺で遊んでた美那子を引きずり込んでくれたよな」 はっきりと聞こえたことだろう、ニンゲンの言葉にエイのラルヴァは大きく目を開いた。俺はエイにむかって指をさし、こう大声で「怒鳴った」 「俺はお前と決着を着けるために今日まで修行してきたんだ! 昔の俺だと思うなよ!」 俺の異能は水中戦闘特化だった。肺呼吸を行う人間であるにも関わらず、魂源力の恩恵を受けている俺はこうして海中でも会話ができる。たとえ人生を狂わせるような激流の中だろうが、一筋の光の届かない孤独の深海だろうが、地上にて躍動・疾走・跳躍するがごとく俺は海の中で暴れまわることができる。 こんな力に目覚めたのも、過去にこのラルヴァによって美那子を沖に引きずりこまれたのがきっかけであった。「美那子を離しやがれえ!」。思わず怒鳴ってしまったその言葉は水中にもかかわらず克明に響き渡り、自分でも驚かされたものだった。 「覚悟しやがれ!」 素早くエイとの距離をつめると、俺は巨大な胸ひれを殴って穴を開けてしまう。 水中のほうが地上よりも体が軽く感じる。この自由な三次元空間が、俺のバトルフィールドだと言ってよいだろう。双葉学園において、水を得た魚という表現はまさに俺のためだけにあるのだ。 俺の通っている大学には、龍河弾という超人がいる。竜の血を全身にめぐらせた彼は、恐らく地上で最強に近い生物に違いない。 なら、俺は海中での最強を目指してやる! 血潮がたぎる。筋肉が激しく伸縮する。俺は大きな穴の開いた胸ひれを両手でつかみ、ばきばきと大胆に破り捨ててしまった。 ところが、俺の心臓をめがけて尖った尻尾が飛んできた。 「ぐおっ!」 直撃してしまう。胸板に空いた穴から、煙のように血液が舞い上がった。エイはふらふらと俺から距離をとって逃げようとするが。 「・・・・・・残念。全然効いてない。伊達に鍛えてないんだぜ」 そう、俺は堂々と言ってやった。エイは憤怒に満ちた眼球を俺に向ける。 「前回は尻尾の毒にまんまとやられてしまったからな。でも、言っただろ?」 もう一度エイに急接近し、尻尾をつかみ上げる。ばたばたと暴れて抵抗するエイに、俺は直に魂源力を叩き込んだ。 エイはばっと燃焼し、黒焦げになってしまった。尻尾が根元からちぎれ、本体は燃えカスを上げながらぶくぶく沈んでいく。俺は手元に残った尻尾を海底に投げ捨てると、こう言い放った。 「昔の俺とは違うってな・・・・・・」 Ⅴ 美那子を守りたかったというのが、双葉学園で頑張ろうと思った真の理由だった。 あのエイは美那子を海底に引きずりこんで、食おうとしていたに違いない。高校生のときは美那子を助け出すのがやっとで、反撃するのもままならなかった。一発ぶん殴らないと気がすまなかったが、結局毒針をもらってしまい戦闘不能に陥ってしまった。 (また、その子を狙いに来るからナ) 激痛にもがき苦しみながら浮かんでいく俺に、あのラルヴァは確かにそう言った。無力なニンゲであった俺に、轟然とそう言い放った。だから、俺は強くなる必要があったのだ。 俺と美那子を乗せた三両編成の電車は、右に大きくカーブを描くと終点に到着する。列車が停止すると同時に、美那子が立ち上がって俺の顔をうかがった。 「ほら、着いたよ。もしかして眠い?」 「いいや、そんなことないぞ」 表はすっかり真っ暗になっていたが、美那子の希望で寄り道をすることにしたのだ。鶴見駅を出たローカル線は、ネオンの目に付く都会を離れるにつれ、物静かな暗闇の世界へ足を踏み入れていった。 扉が開いた瞬間、冷たい潮風がばっと車内に入りこんできて一気に眠気がすっ飛ぶ。電車を降り、俺は美那子に手招きされてホームの手すりまで寄った。 すると、青くライトアップされた鶴見つばさ橋が目に飛び込んできた。 「・・・・・・こりゃ、すげえや」 と、俺は漏らした。この駅は運河に面しており、京浜工業地帯や往来する船を一望できる。なかでも一番目を引くのが、首都高速湾岸線の通っている大規模な逆V字のつり橋だった。 「えーたにこの夜景見せたかったんだあ。キレイでしょ」 「ああ。港もけっこう美しいもんだなあ・・・・・・」 「ここは夜景を楽しむためにある駅なの。帰りの電車まで一時間近くあるから、一緒にのんびりしてよっ」 一時間、ねえ。 絶えず吹き付ける横風のとどろきに加え、小刻みな波がホームの真下をぴちゃぴちゃ舐める。手すりに両腕を乗せてどっと寄りかかると、俺は火照った頬を夜風にさらした。 「私ね、子どものころに横浜のベイブリッジを見たことがあるの」 俺は美那子のほうを向いた。横浜ベイブリッジは鶴見つばさ橋の隣にあるつり橋で、ここからでも青くライトアップされているのが見える。 「みなとみらいじゃなくて、少し離れた小高い立地にある公園からね。夜に見たんだけど・・・・・・すごく怖かった」 「怖かった?」 「うん。だって、あんなにも遠くから眺めていたはずなのに、ほの暗い色をしてぬぼっと浮かび上がってて、なんか街をすべて飲み込んでしまいそうなぐらい巨大に見えたの」 「まあ、見ようによっちゃ不気味な色をしてるよな」 「『存在してる』ってそういうことなんだと思うんだ」と、美那子は言った。「上手に表現できないけど、ベイブリッジは確かにそこにあるんだってこと。そこに強く存在しているんだってこと。ほら、あの煙突の、点滅している白い光だって。あの港をぎらぎら照らすオレンジのライトだって。『存在』を示すためにああして強く強く光ってるんでしょ?」 美那子の言いたいことが、おぼろげながらもわかってきた。ナトリウムランプが横一直線に連なった首都高も、ちかちかライトを点滅させながら低空飛行をしている旅客機も、この暗闇のなかで『存在』を強く示すために輝いている。すなわち、色とりどりの明かりは人々の営みのしるし。 宝石のように仕組まれてちりばめられたわけではない。人や物といった『存在』のしるしが街の成長とともに配置されていった結果、俺と美那子が目の当たりにしているこの風景は実現している。人間の生み出した偶然の産物だ。 「だから、夜景は美しい」 「わかってんじゃん、えーた」 フン、と俺は照れ隠しにそっぽを向いた。向こうの埋立地に伸びた煙突から、紫色の炎がゆらめいたのを見る。 それにしても俺は、何のために存在しているのだろう。 因縁の敵と決着をつけて、とりあえずは一区切りついた。今後は異能者として人とは違う教育を施され、普通の人とは違う人生を歩むことになるだろう。美那子を守ってやりたくて双葉学園に入学したはいいが、俺はこれからどうなっていくのだろう。どんな生き方をしていくのだろう。 「えーたさあ」 と、美那子がつり橋をぼんやり見ながら話しかけてくる。 「どこの学校でどんな生活をしてるのか知らないけどさ、たまには私に顔を見せてよ。こうして帰省のついでで会うだけじゃあさ、気になってしょうがないよ」 美那子は俺が双葉学園に通っていることを知らない。異能者であることも知らない。俺が何を学んでいるのかも知らないし、俺がどんな毎日を送っているのかも知らない。 「会えないの? 暇なときに」 「あいにく俺は忙しいんだ。下宿先からなかなか離れられない」 「そう・・・・・・」 本当だったら、俺の暮らしている島にでも招待したいぐらいだった。双葉学園で勉強していることや何より自分の力について、何から何まで教えてあげたいぐらいだった。お前のために俺は強くなったんだということを、告白してやりたい。しかし、それは許されない。なぜなら俺は「異能者」だから。 美那子のためを思って選んだ選択が、美那子と俺を隔てる高い壁を構築してしまった。何てことだろう、とんでもない皮肉じゃないか。 俺はようやく理解する。俺は独りぼっちが寂しかったのだ。「美那子と離れたくない」「ずっと一緒にいたい」。その欲求が、俺を悩ませているものの正体だった。美那子の見ている目の前で、大海原に向かって叫んでやりたい胸の中の本音。フェリーに乗る前からずっと、美那子とまた離れ離れになるのが辛かった・・・・・・。 進学して、離れてようやく知った『存在』の大きさ――。 俺はわざとらしく大きな息を吐いて、高ぶった気持ちを落ち着けようとした。すっと夜空を見上げてみると、一点の明かりが目に入る。 「この海芝浦駅はね、夜景がとっても綺麗だからデートスポットとしても有名なんだ。んまあ、いつか彼氏でもできたらまた来ようかなあ・・・・・・」 「・・・・・・確かに俺は全寮制の、ちょっと厳しい環境の下で暮らしてるから、ふだん会うことは難しい。それでも連休なら都合がつくと思うから、また船乗ったり海見たり、二人で一緒にここに来たりしような」 「ほんと?」 「ああ、約束するよ。それまで俺も、孤独な学校生活頑張るわ。あのキレーな明かりのことをお前のことだと思って、頑張っていくから」 ぎこちない動作で俺が指した方向を、美那子は見上げる。 くっきりと夜空に映える、シャープな三日月。 ずっとその『存在』に気づけなかった美那子は、ふっと吹き出してから、頬を赤らめてもじもじとはにかんだ。 「そ、その、はっきりと言えねーけど、お前は俺にとってそういう『存在』なんだ! いくら世間と隔てられたわけのわからない環境のなかにいても、輝かしいお月さまだけは見ることができる! お月さまだってたとえ地球から気が遠くなりそうなぐらい離れていても、ずっと俺たちのことをじっと見つめてくれているだろう? あんなつり橋や港の明かりなんかよりもずっとずっと明るい色をしていて眩しくて大きくて、ずっと側にいてくれるような身近な『存在』じゃねえか。つまりお前は俺にとってそういう『存在』であって、どんなことがあっても俺の心の中で離れることはなくってああもう、何が何だかわけがわからねえ・・・・・・」 「じゃあ、私もあの月のことをえーただと思うことにするよ」 間抜け面をして絶句した。 理解が後から後から追いついていき、どんどん顔が紅潮していったのを感じる。美那子は顔を近くに寄せてきて、俺の目を覗き込んでいる。ぱっちりとした二重まぶたの上目遣い。俺はそれ以上、美那子を見ることができずに体ごとそっぽを向いてしまった。 「聞こえていたよ」と、そんな俺に美那子がささやく。俺の背中に手のひらをぴったりつけて、こう言う。「『俺がついているから大丈夫』って。海の底で言ってくれたよね。聞こえたよ、えーたの声。・・・・・・昔もそうやって私のこと、助けてくれたよね。覚えてるよ」 鶴見線の車掌はあえて笛を鳴らさず、静かに帰りの列車は俺たちを残して発車した。赤いテールサインが闇に紛れて消えていった。 これから自分がどんな生き方をしていくのかなんて、いくら悩んでもわかりっこない。でも、今は深いことを考えずに、時間のあるときに好きな人と一緒に波打ち際を歩いていければいいのではないか。 対岸の煙突から、フレア・スタックがひときわ強く輝いた。 それは情熱を思わせるとても真っ赤な炎だった。 トップに戻る 作品保管庫に戻る
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概要 前回引き分けに終わった地中潜行能力者“土竜”ゲディスワフ。と、条件付きの身体能力強化持ちである奴隷商人ニアの対決である。 本文 戦闘前 東ゲートより、“土竜”が現れる。前回は内臓グジュグジュぐろシーンはなく、対戦相手の壮絶な自爆の末の引き分け。前回の試合において、見栄えに対する貢献において彼の評価はそこまで高くはない。 なので、少々の焦りがあるようで。 土竜「へへ…今回こそは内臓掻き回してR18Gなシーンを見せてやる!あ、安心してくれよな!人間の鳴き声がどんなもんかって観客達にも分かるようになるからよぉ…!」 実況席から飛んできたマイクでアピールをする事になっていた。 今回の対戦相手はどんな物だろう。そこそこ苦戦する程度にヌルい相手だといいな、とか思いつつ。西ゲートの方をチラチラ見た。 すると、ジャリ、ジャリ……と、足音が響く西ゲート。 鋼鉄の横幅広め、丸みが分厚くない長槍を背負って現れた“奴隷商人”。真っ赤な髪と瞳が歩いて靡くたび、会場の照明に輝かせられている…武装に似合わず真っ黒なセーラー服である。 女だ。見た目もごついわけではない。だがわざわざここ『コロシアム』まで来たのだ。強みがあってここに来てるのだろう。外見だけで判断するのは少々早いかもしれない。 ニア「……野蛮だねぇ。あー恐ろしーなぁー!ハハッ!やっぱそんくらいハッタリつけなきゃやってらんないかい?地底人さんよ~!」 大げさに舐めたアピールをしつつ、更には挑発も付け加える。小物感溢れるセリフだったし若干ダサいようなのに本人は気がついていないようで貼り付けた顔でニヤニヤしている。 土竜「そうさ、やってらんねぇ…!」 マイクを遠くに投げ捨てて応じる。何か気の利いた反論でもあれば良いのだが、実際やってられないんだからやってられないとしか言えないのだ。図星、悲しいかな。 土竜「けど、いやぁ。観客の奴らが喜びそうな見た目だなぁ! ガ キ あいつら、女子供が殺られる姿が好きでよぉ…!へへへ…。」 土竜は全体的に見ると女性とのマッチングの方が多い。それは“そういう期待もこめて”なのだろう。強味があるのは異能者なら当然、されどこちらも相手を侮るに値する。異能者かそうでないか、それ以前に“俺の前に内臓を掻き回されたがってる女が来た”と考えているのだ。土竜は地面に手を付けた。土竜の構えである。 土竜「まぁ、細かいやり取りはあんま重視されねぇからよ、さっさとやろうぜ?」 実況男(実況)「さぁ、両者揃いました!!今回も実況はわたくし実況やる男で行きますよ!! 前回は自らの上半身が吹き飛ぶ様を見せてくれた土竜選手!今回こそは対戦相手の内臓をドバドバふっ飛ばしたいところですねぇ! そして、対戦相手は新顔のニア選手!可愛い顔に隠した本性は鬼か悪魔か!!さぁ、パフォーマンスも終わったので、さっさと試合開始と行きましょう!試合開始!!」 戦闘開始 ニア「フフ、良い趣味してんねぇ。」 試合開始と共にニアはまるで大きな剣のような槍を構え踏み込むように前進してくる。 だが、この時点ではまだ無傷で実質無能力。速度は大して無いし一般的な人間並。 土竜「女にそんなこと言われたのははじめてだな…。」 土竜は突き出される槍を見てから地中へ撤退。潜伏までのスピードは0.8秒。格ゲーなら約50F。現実に攻撃を避けるのには充分な速度であり、更にそこから攻撃に転じる事すら可能だ。 地面からは土竜の片手。つまり、ドリル状の爪の五本が地面から出ており、それがニアの足元を狙って突き進んでいく。 ニア「…土竜というのは名ばかり…じゃないとな。」 そんな瞬間的に潜り込んだのを見て、ニアは若干遅れてだが槍をばねのように地面に突き刺し足に受けるのを避けようと飛びあがる。見た目は槍術と言うよりかは棒術なのだが。 実況男(実況)「おお、ニア選手、華麗な槍さばきですね。惜しむらくはその動きが一般人相当であるというところ。彼女の能力の予想はこの時点では全く付きません!」 ニアの動きによって、土竜は爪の攻撃が外れたことを感知する。そして、先程の攻撃により出来た穴からニアの位置を把握。ニアの斜め下より飛び出ると、爪を前面に突き出しての突撃攻撃を行った。 土竜「こいつは痛いぜぇ!!」 回転する爪は人間の体程度は簡単に削り取る。当たればただではすまない。 ニア「不味ッ」 ニアは横に飛びのこうと槍を蹴り飛ばすが左肩へとその回転する爪は直撃する。死角からの攻撃。胴体に直撃しないだけマシだろうか。しかしニアの左腕はこの一撃だけで吹き飛んだ。 土竜「へへへ…まだ普通の女の子って所しか見てないぜ?ああ、普通の女の子も悪くないけどよ…。」 土竜は着地し、ニアに向き直ると、爪と爪を重ねて回転させ、意図的にヂュインヂュインという音を響かせる。やかましくも攻撃的。そこに含まれるのは挑発と威圧の意図。 土竜「そぉら!次は右だ!」 左腕を無力化したならば次は右と言わんばかりに。ニアの右肩を狙って、片爪を突きだす。 ニア「……ぐ…やったな…やってくれたな!!」 激痛に顔をしかめる。だが、ようやく本領を発揮できる状態まで持ち込めた。ようやくだ。これで闘える。 ニアに白い糸のような、赤い血と一緒に断面から糸のようなものが浮き出るのが見えるだろう。そして飛ばされた彼女の左腕、その指がゲディズワフの目元めがけて飛んでいき潰さんとばかりに攻撃を始めた。飛んだ腕から血しぶきも出ているため目つぶし効果も期待できるのだ、それを特に狙っている。 そして、槍を右手で拾いって片爪を打ち払おうと振るう。 土竜「なんだぁそりゃあ!」 土竜には何が起こったか分からなかった。 ――飛んできた左手が凄まじい力で、自分の右目を鱗ごと潰してきたなどとは夢にも思うまい。血しぶきにより前も見えないまま、伸ばした片爪…左の爪も槍に横から弾かれる。 土竜「くそっ、どうなってやがる…。」 ニア「…へっ……おもしろいだろう?痛いだろう?感じるだろう!?」 辺りに満ちる血の匂い、視覚も嗅覚もかなり潰せている状況。 勝機は大いにあるのだ、これだからやめられない。 ニアは槍を元々は左手だった所へと置き、浮かせたかと思えばそれをバリスタのようにゲディスワフの胴体めがけて射出させる。追い打ちを畳みかけようと言わんばかりに。 土竜「ぐ、ぐぐぅ…。痛ぇ…痛ぇ…。ぎぎっ…。」 土竜は左手を弾かれていたが、右手はまだ使える。脅威のドリルがついた右手だけはまだ戦えるのだ。回転する爪を飛来した槍に当てて、弾き飛ばす…だが、槍の勢いが強すぎたか。合計二本の指がへし折れて地面にポトリと落ちた。 土竜「大人しく殺されやがれぇ…」 腕力だけならばまだ負けてはいないのでは、という考えなのか。低姿勢のタックルでニアに飛びかかり、押し倒すことを狙う。上を取ればきっと殺せると考えて。ニアも流石にそこまでは弾けず、押し倒されて下敷きになる。 ニア「ぐあッ!!ち、くしょう…離れろ…ッ!!」 左腕もなく、抵抗手段は右腕のみ。焦りの表情が見える。 土竜「心臓を一思いに貫いて…それで終わりだ…そうだよなぁ…。」 ニアを組み敷いた土竜は右目から血を垂れ流しながらも笑う。この戦いに終わりが見えたから。左目だけでニアの心臓のある位置をしっかりと捉えると、両手の指をそこに向かって突き入れようとした。 ニア「…ハー…ハーッ…。」 恐怖、痛み、苦痛に歪む顔。 ニア(打開策はあるか、否。良くて相打ちだろうか。考えている暇もない。やるしかないんだ。) ニアがガーターベルトに携えた唯一の武器。 毒ナイフを動力で抜き、ゲディスワフの後頭部から首にかけてを貫かんとばかりに動かす。 早撃ちのようなもの、ニアが死ぬか土竜が死ぬか。この場合はニアが死んで、副産物で土竜も戦闘不能が良いところだ。態勢はゲディスワフ、瞬発力はニアが有利。 勝利に辿り着く確率は五分五分でしかない、次の瞬間……。 「は、ははは!勝ったぁ…よな?生意気だったなぁ、ええ?は、はははァ…。」 次の瞬間、土竜のドリルが敵の心臓を掻き回していた。(R18G要素は略)の感触が自身に歓喜をもたらす。ああ、勝ったのだ。ナイフは喉の直前にあり、危ないところではあったが。 だが、あえて理由を付けるならば。元々反撃ではなく攻撃を考えてたゲディスワフに分があったのか。 ニアの腕はダラン、と力なく。臓器はかき回されほどなくして絶命する。 ―――そうだ、これが人間。脆く、醜く生き、最後まで狡猾だ――― 動力を失い、勢いだけ残ったナイフは首元よりやや下。背中の真ん中へと落ちるように飛んでいく。心臓横。胸のド真ん中にナイフはストンと落ちた。致命傷といって差し支えない。 土竜「おっ…?ぐ…」 脂汗が出る。だが、これでまた引き分けに陥るわけにはいかない。気力を振り絞る。 土竜「即死じゃないぞ…!まだ、余裕で生きている…!こいつが先で、致命傷は後っ…!!へへへっ、勝ったよなぁ、レフェリィ…!!」 致命傷を負った身体のどこから出るのかという声で叫び、意地汚く勝利を要求した。 実況男(実況)「ですねぇ!致命傷だけど、より簡単な手順で蘇生可能、相手の死亡確認が完了してるなら勝ちですねぇ!いやぁ、残念。もっかい引き分けにしてくれたら儲けも大きかったんですが……!」 ジェイド戦でも出た話題として、とりあえず致命傷を負っても相手が死んでいればOKみたいな所ではあるのだ。今回は致命傷でもまだ元気な部類。問題なく勝利として扱われるだろう 実況男(実況)「さて、では土竜ゲディスワフの勝利!今回は格闘戦がメインでしたね!身体能力上昇が早ければ、組み付きを避けれれば結果は逆だったか…いや、ナイフが先に刺さればそれだけで結果は逆だったかもしれませんねぇ! ああ、射撃戦なんかも見たい人は別の試合も見てこよう!今朝の3番コロシアムの戦闘とか中々いい感じ!動画単価は80円格安、纏め買いしよう!」 必死なコロシアム内部の異能者を傍目に宣伝なども行っている。戦士の痛みも、意地も、苦しみも。運営や観戦者には金銭という形でしか関係しない…。
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優秀な異能を受け継ぐ能力者の家系。権勢、経済において大きな立ち位置を占めている。 新條 →新條家 緋鉢 天候操作の異能を受け継ぐ名家。家格は新條や子立津に並ぶ。いくつかの分家筋と別邸を有している。 気象状況の変更や気候の制御、落雷や竜巻、局所的な吹雪の発生といった、多様な手数と最高クラスの能力の規模を持つ。反面、精密な操作は不得手で、近距離での異能戦が可能なほどの腕前の者は稀有。 子立津 空間操作や概念系能力者が多く集う。子沢山で多くの血族が居り、現在56人の次期当主候補が競っている真最中。時空を歪め歴史改変を行ったという噂がある。 七宮家 子立津家から派生した七つの家系。経済力がエグいらしく、少なくとも橙宮家は日本トップレベルの服飾産業の会社を経営している 家ごとに本家、分家が存在し結構な人数が所属しているらしい 割とナチュラルに自分たち以外の人を見下すらしく、実際傲慢な物言いの人物が多い 家ごとに発現しやすい異能の系統が異なるらしく、相伝と呼ばれている。相伝を持たないと立場は低いらしい 以下三家が現在判明済み 紫宮 相伝は不明。末端の分家まで存在するなど血族の人数はかなり多い 家員 紫宮(風紀委員)…能力は「隙間を埋める」。風紀委員の新人でかなりいい子。ただし胸は小さい 紫宮(本家)…大学部所属。能力は不明。上記の風紀委員の方とは股従姉妹の関係。胸が大きいらしい 赤宮 相伝は不明。七宮の中でも特に選民思想が強いらしい 赤宮朱道…能力は不明。赤宮の本家所属。七宮以外を下民と呼ぶ傲慢な男。同じ血族でも下民に負ければ容赦しないらしい 家員 赤宮雄介…能力は赤いもので囲われた空間内で身体能力が爆増する。団体戦に出場するが特に見せ場なく1回戦で敗退する。 赤宮緋蓮(あかみやひれん)…能力は炎を出す。団体戦に出場。下民の相手など寄せ集めで十分と噛ませ臭たっぷりの発言をするが1回戦を勝ち抜き決勝まで進む。しかし、決勝で約束された噛ませ犬ムーブをかます 橙宮 相伝は糸や布や繊維を操る事。グループ経営で服飾業界トップレベルに立っている。団体戦の物販にも出店するなど商売に抜かりがない 緑宮 藍宮 青羅権小助弁天宮 高天城 念動力の名門 神長家 代々時空を操る異能を受け継いできた名家。その強力な異能を持って名家としての地位を確固たる地位を築き上げた。 旧家として古くから続く家柄であり、経済界や政治界に根を張っており分家も多い。 血統主義の名家の中でも特に選民思想が強く、他の名家以外を見下す者が多い。 家員 皆城 銀(元)…年少期に銀の異能の弱さから迫害されており、その結果が銀の右目喪失の事件である。 喪失事件の後にこのことがバレるのは家の恥ということで、親戚として作りだした皆城の家に追放された。 司馬家 拘束系の異能が多い。名家ってほどではない。闇が深そうな家。 家員 異能持ち 連(レン)『グレイプニール』 塞(サイ)『八方塞』 錠(ジョー)『ナンキン』 累(カサネ)『蜘蛛の糸』 縲(ルイ)『黒縄』 紲(キズナ)『縲紲』※現在の姓は不破 縊(クビレ)『蛆縄』※現在の姓は宇治 閂(サン)『不動閂』 綾(アヤ)『赤い糸』 覊(タビ)『羈絆』 繋(ケイ)『繋縛』 獄(ゴク)『如意糸』 家員 異能なし 絆(ホダシ)紬(ツムギ)轡(クツワ)牢(ロー)括(ククル)束(タバネ)拘(コウ)緊(キン)釱(カナギ)箝(カン)羂(ケン)枷(カセ)械(カイ)桎(シツ)梏(コク)囹(レイ)鎖(クサリ)縛(バク)鍵(カギ) 閑院家 壊滅した元名家。 物質とかを操る系の異能が多い。 甚仁により直胤以外が殺害された。ちなみに隔離の直胤は異能が危険で生まれてすぐ異能学園に押し付けられたため家族とはほぼ面識がない。 元家員 直胤…反物質を無限に作る。 直嗣…直胤の双子の弟。物質を無限に作る。 甚仁…閑院家を壊滅させた張本人。異能なし。 定正…浦正の兄。閑院家前当主。無機物を操る。 浦正…触れた物を一時的に操る。隻腕。 直亮…舐めたことのある有機物を操る。 景清…あらゆるエネルギーを増幅させる。 浅那…景清の妻。エネルギー変換を行う。 明博…景清の兄。血を操る。 正光…景清の子。異能は放射能。盲目の剣士。
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俺ロワ・トキワ荘 1スレッド目 版権異能授与バトロワ
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初等部 名前(呼び名) 異能名 学科・学年 所属団体 性別 備考・セリフ例 仁藤 にとり 窒素操作 初等部6年 不明 女 仁藤透理の妹。玉城錬のファン。異能を扱いきれておらず、玉城に制御の手ほどきを受けた。 中等部 名前(呼び名) 異能名 学科・学年 所属団体 性別 備考・セリフ例 ニノノ アミ 不明 中等部芸術科 リンボリンボ団 女 カワイイものが大好きで男の子に女の子要素を加えたのが一番カワイイらしい。ですます口調でカワイイ男子を見つけるとたぎる ニノノ キリ 不明 中等部? 不明 男 ニノノの兄。妹の暴走には慣れっこの常識人 新條 晴 ベクトル 中等部普通科 不死鳥の騎士団 男 新條兄妹の三男。可愛い。めげずに頑張る良い子 仁藤 透理 窒素操作 中等部普通科3年 不明 男 大会運営委員会場演出担当(スモーク、空調等)。液体窒素を操る。シスコン疑惑。 子立津 誠司 徹権政祭 中等部3年 偉人連盟 男 通称フハハハ君。かわいい。異能は一定空間内の人を法に基づく権利に強制的に従わせるもの子立津当主候補ランキング13位 笹垣 ヴィクトリア 色調変化 中等部家政科2年 なし 女 お年頃。普段はセイレーン・ヴラヴァツキーと名乗っている「ヴ」が重要らしい 大春 蘭牙 犬の特性 ご褒美でパワーアップ 中等部普通科 不明 女 犬耳尻尾の自称「野良ペット」。とてもいい子だが人に約束を破られるとその人を喰おうとしてしまう 二矢 マオ 猫 中等部1年 家庭部 女 異能はイエネコ限定で集めたり命令できるものだがよく言うことを聞かなくなる。猫耳、白被毛、肉球、爪、足は逆関節だがしっぽ無し。喋る前に「にゃあ」、語尾は「~です」「~なのです」が口癖。毎朝猫を集めて登校。 五段坂柚月 過去と未来の魔眼 中等部普通科2年 保健委員 男 保健委員。仕事の辛さを中二病で紛らわす。 皆城銀 卵焼きを完璧に作る 中等部3年 なし 女 右目を包帯で隠している利他的少女。卵焼きを作ってる、割と人気。本家と実家が嫌い 司馬連 グレイプニール 中等部2年 風紀委員会 男 捕えた相手の異能と動きを封じる。だぜ口調。風紀委員だぜ 新條贋 コピー 中等部2年 なし 男 新條家の分家生まれ。エセ関西弁を喋るポンコツ 高等部 名前(呼び名) 異能名 学科・学年 所属団体 性別 備考・セリフ例 十六夜 月姫 テレポート 医学科首席 保健委員会 女 保健委員長。泉川海姫とは幼なじみ 泉川 海姫 水操作 高等部水産科 不明 女 十六夜月姫の幼なじみ。ドジっ子 玉城 錬 圧縮性念動系非連続感覚気体掌握 高等部普通科 不明 男 泉川、十六夜と仲が良い。空気に働く念動力を使える 綾小路 幸 見殺し 高等部特殊異能科 風紀委員会 男 父に虐待された過去を持つ少しでも風紀を乱すものは抹殺しようとする過激派 皇后崎 掌理 高潔なる剣 高等部普通科 円卓の騎士団 男 円卓の騎士団の団員。決定戦では眉毛を持ってくるなど、偶にハジける 雨野 叢雲 なし 高等部戦闘科 不明 男 無能力者にも関わらずその実力は学内トップクラス誰が呼んだかフィジカルギフテッド。しかしたまにハジける 雨野 月雲 触電導 高等部工学科 不明 男 雨野叢雲の弟。兄弟仲は良好で一緒に団体戦に出るほど 新條 創 異能無効化 高等部戦闘科 金翼の騎士団 男 新條兄妹の長男。決定戦優勝者で伝来の剣"流星"を愛剣とする 新條 実 異能奪取 無効化 高等部戦闘科 聖騎士修道会 男 新條兄妹の次男。素行の悪さが目立つ 新條 唯 衝撃波 高等部戦闘科 金翼の騎士団 女 新條兄妹の長女。実力は当代一と言われるがそれに見合う扱いは受けていない 緋鉢 大空 天候操作 高等部戦闘科 銀翼の騎士団 男 緋鉢家の次代。その異能は天のみならず地形をも変えてしまうほどの力を持つ 風紀委員長 全身武器 高等部 風紀委員会 男 身長6mくらいのガンダム。その実力は列強に匹敵するとも 迫 不明 高等部? 風紀委員会 男 新入り風紀委員。綾小路のブレーキ。しかし最近壊れてきている 紫宮 澄香 隙間を埋める 高等部普通科2年 風紀委員会 女 新入り風紀委員。子立津系七宮の名家、紫宮家出身。とてもいい子 青野 鷹木 千里眼 高等部 風紀委員会 男 異能で学園の風紀を見守る。仕事には真面目だがドタバタ劇を面白いと評する性格 ヤン ライタン 爆発 高等部戦闘科 なし 女 中国出身。まだ若干カタコトである。百歩心菜と仲良し 百歩 心菜 物質変化 高等部戦闘科 不明 女 「私強いよ!」とのこと。実際強い。ヤンライタンと仲良し 御影原 不明 高等部 生徒会 女 生徒会総務。ポンコツ天然ボクっ娘クールビューティ セリナ先輩 癒しの尻尾 高等部普通科 不明 女 高等部一可愛いと話題。生徒会選挙に出るらしい 親條 助 中指から花を生やせる 高等部普通科 不明 男 新條に対してコンプレックス気味。常に自信満々である。道行く人によく花を贈っている。美男子には薔薇、美女には百合を贈るとか ギャル子ちゃん 念動力? 高等部芸術科 不明 女 なかなか周囲からは理解されがたいが良い子 小桜 分身生成 高等部普通科 保健委員会 男 新人保健委員。前十六夜月姫に助けられた事から彼女を崇める狂信者 佐川 通 超配達 高等部普通科1年 保健委員会 男 「送り主」と「届け先」があれば物理的なものは運搬時に悪影響を受けず配達できる。自分は送り主にも届け先にも荷物にもなれない。「○○を○○に配達だー!」傷病者を保健室に配達する以外にも配達のバイトをしている止まってられない性格。 水無月露夢 なし 高等部パラレルワールド科 家庭部 女 異能のない世界から迷い込んできた普通の高校生。異能に振り回されてメンタルが不安定になりつつある。料理が下手。 羽月蝶野 歴史改変 特殊異能科 隔離校舎 女 悪意の塊みたいな異能を持っており、隔離に自主的に入って来た。隔離としては常識人だが、あくまで隔離準拠。成績が良くない。 会計さん 呪毒体液 特殊異能科 生徒会会計 女 優柔不断な人。ワーカホリックの気がある自身の異能にデビルズドランク《悪魔の酔いどれ》と名づけた黒歴史がある 玄魔爆錬 ダイナマイト生成 高等部 隔離校舎 男 爆弾魔であり爆破魔、爆発は芸術と言って憚らない。隔離校舎脱走常連 学年不明 名前(呼び名) 異能名 学科・学年 所属団体 性別 備考・セリフ例 ダウザー ダウジング 不明 宝探し部 男 紛失物保管庫にしばしば出入りしている他、案内や人・物さがしでどこでも見かける 月見 次狼 人狼 不明 不明 男 月光を浴びると人狼になる。Grrが口癖 ひとつになりたい人 不明 不明 不明 女 体を粘土のように自在に操れるひとつになりたいという願望を抱える 太刀川 蔓樹 肉体剣 不明 不明 男 戦闘狂。チ〇コに対して並々ならぬ情熱を持つ。「ヤろうぜ」が口癖 楯川 莢華 抹消済み 不明 不明 女 楯川財閥のお嬢様。「太刀川くんの鞘になりたい!」んだそう 紅ノ宮先輩 テレパス系? 不明 テレパシー広報部 女 天然グラマラス系で男子人気が高い 超正義 ジャスティス 剣系? 不明 警察志望部 女 とても正義感が強い俺っ娘。唯一の良心。剣の腕は良い 緋鉢 志乃 霧? 不明 コタツ部 女 コタツを愛し、コタツを常に考え、コタツへの哲学を持つ生粋のコタツ部。能力は、霧が出るだけと自称しつつも爆発したり、詳細不明 鳩田 平和の鳩 不明 不明 男 学内有数の実力者。その異能は鳩を呼び寄せ周囲の物体全てから戦闘の意思を失わせるというもの 京都弁の子 不明 不明 不明 女 京都弁で喋る人。頭と口が悪いが料理はとてもうまい。そして結構チョロい。 彫形 阿子 ピグマリオン 芸術科 不明 女 彫像”阿形””吽形”を操る。 吸血姫 吸血鬼 特殊異能科 隔離校舎 女 本名不明 とても美人で血を好む 綾部 星 星月夜 特殊異能科 不明 男の娘 とても可愛い。異能は一定範囲内に星を降らせる強力なモノ 牛宮先輩 牛 家政科 家庭部 女 どことは言わないがどこかがとても凄い (※かなり後になるかもですが学科別に分けて50音順とかしたいと考えております。とりあえず今は表に情報を書いてくだされば大丈夫です)
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ケロイド◆YlfcDuGY1. 参加者の一人である分目青司が会場の一部であるミカン畑にたどり着いたのはゲーム開始から30分ほど経った頃。 月明かりに照らされたそこでは驚くべき光景が広がっていた。 「なんだこれは……?」 そろそろ収穫期が近いのだろうか? 柑橘系独特の甘酸っぱい香りと多くの木に黄色く実った果実が目を引く場所であったが、その一部のミカンの木が、スライムのようにドロドロに溶けていた。 木に集っていたのであろう小さな幼虫なども溶けていた。 現実ではありえない、異様すぎる光景である。 「まさか、これが異能という奴なのか? 信じられないが……奴が言ったことは本当のようだな」 しかし現実ではありえない出来事を可能にする力を分目は知っていた。 ヒューマが言っていた“異能”の力である。 この殺し合いの主催者であるヒューマは全員に異能の力が与えられていると言っていた。 それが嘘でないからこそ、ミカンの木がドロドロになっているのだ。 漫画や何かでしかありえない出来事だが、それを目の当たりにした以上、異能を認めざる負えなかった。 「ん……? あれは人か?」 分目はミカン畑の中で、数十m先に人影があるのを発見する。 状況から察するに異能の力でミカンの木をいくつかスライムに変えた参加者だろう。 その参加者は何か闇夜で光るものを持っていた。 ……光っていたのはサブマシンガンの銃口だ。 「ッ!?」 銃口が自分に向けられていると知った分目は急いで銃撃から逃れられる場所を探そうとする。 しかし周りの木は全部溶けてしまっており、障害物にすることができない。 それに焦った分目は最後に参加者が殺し合いに乗っていない可能性にかけたが…… 「待ってくれ! 俺は殺し合いに乗ってな――」 例の参加者は聞く耳持たず、分目に向けた十数発発砲した。 そう、この参加者は殺し合いに乗っていたのである。 携行性と弾幕を張ることを優先的に開発されたサブマシンガンの命中率はさほど高くない。 その集弾性は距離が開けば開くほど低くなっていく。 実際、ほとんどの弾丸は数十m離れていた分目の横をすり抜け、もしくは近くの地面に当たるだけであった。 しかし、たった一発の銃弾だけは分目の顔面に直撃し、分目の体は仰向けにバタリと倒れた。 「痛ッ……マシンガンの反動はキツいって聞いてたけど、これほどなんて……」 たった今、分目を射殺した厚手のパーカーに分厚いマスクをかけ、少女の声を発する鈴宮ミカはサブマシンガンであるマイクロ・ウージーを持っていた手を振っていた。 非銃社会である日本生まれの彼女は銃なんて握ったことはなく、銃に慣れていない故に高反動のマシンガンは手をジンジンと痛めていた。 更に銃のリコイルの仕方もよくわからなかったので貴重な弾丸の大半は無駄になってしまった。 「けど……結果オーライだね」 弾丸の多くは確かに無駄になってしまったが、マグレ当たりで参加者の一人の殺害に成功した。 頭に直撃するのを確かに見た……分目が生きているとは到底考えられなかった。 「……悪く思わないでね。私はどうしても優勝しなきゃ、いけないんだから」 彼女の声はどこか震えていた。 殺人は初めてだったので、それをやってのけてしまった自分に恐怖していたのだ。 それでも彼女は立ち止まることはしなかった。 屍を作り出してでも優勝したい“理由”が彼女にはあったからだ。 マシンガンの銃声で他の参加者が近づいてくる危険がある。 優勝を目指す以上は他の参加者は全て敵。 参加者と正面からかち合わないためにも、さっさと殺した参加者から支給品を剥ぎ取ってこの場から立ち去る必要があった。 「よくもやってくれたなァ……」 「!!?」 鈴宮が倒れている分目に十m圏内まで近づいたところだった。 死んでいたと思われた分目が突然起き上がりだしたのだ。 その声は先程までの良い人そうな穏やかなものではなく、怒りを込めたドスの効いた口調になっていた。 「絶対に許さねえぞ……キリキリキリ」 いや起き上がったのは分目だったというべきか。 その姿はいつの間にか消防士の制服姿から、心臓と眉間の部分が妖しく光る、灰と黒で彩られた悪魔のような姿に変貌していた。 「ば、化け物!」 「キリッ!!」 分目が生きていたことと怪人に変貌したことに驚いた鈴宮は震えた手のまま、マシンガンを分目に向けた。 しかし分目は彼女が銃弾を放つよりも早く、手から火炎放射に似た攻撃――獄炎弾を放つ。 「ひッ、ひいいいいいいいいい!!」 獄炎弾が放たれた瞬間、鈴宮は急に萎縮してその場にかがみ込んでしまった。 これが結果的には幸いだったと言うべきか、伏せたことによって直線的な攻撃である獄炎弾を躱すことに繋がった。 しかし火炎によって生じる煽り風によって鈴宮のパーカーがめくれ上がった。 「キリ?」 鈴宮の顔を分目が見るとそこには右側は美少女の美貌を持っていたが、もう片方の左側は火傷によって生じたと思われる大きなケロイドで醜くい顔があった。 それを見たとき、分目は一瞬だけ反撃を忘れて手を止めてしまう。 「く、来るな、見るなぁ!」 「キリィ!?」 分目が隙を見せたことを見計らって、鈴宮は一目散に逃げ出した。 その際に分目に向けた数発撃ち込む。 当てるために撃った弾丸ではないが、それでも数発の弾丸が分目の体に命中した。 それでも怪人と化した分目には効果は薄く、ダメージはそれほどは入っていない。 「キリキリーーーッ!!」 分目はまた攻撃された報復に、怒りを込めて獄炎弾をがむしゃらに放った。 だが攻撃の判断が少しばかり遅かったのか、逃げる鈴宮には一発も当たることなく、何本かのミカンの木を燃やしただけであった。 気づいた時には鈴宮は獄炎弾の射程圏外であった。 「キリ……」 そのまま分目は鈴宮を追撃しようとも考えたが、スライムのようになった木々を思い出して踏みとどまる。 彼女が引き起こしたと考えられる異能――銃弾ぐらいで死ななくなった自分でも、ミカンの木のように溶かされたら目も当てられない。 そう考えた分目は深追いは危険だと思い、追撃を止める。 鈴宮はその頃には闇夜に紛れて雲隠れしてしまった。 それからしばらくして溶かされていたミカンの木は元通りの木々に戻り、分目も敵がいなくなったことで戦意と興奮が薄れてきたためか、元の消防士の姿に戻った。 「これが俺の異能なのか……?」 戦闘が終わった後、分目はただただ己の力に圧倒されていた。 弾丸が自分の顔面に直撃する寸前、死を悟った分目だったが、それが異能を発現するためのスイッチになったのだろう。 自分が悪魔のような姿になったのだ。 姿だけでなく防御力も人間のそれを上回っていたのか、人間に戻った時に銃弾が当たった部分に多少の出血と腫れはあったが、負傷はせいぜい打撲レベルであった。 それだけでなく炎を腕から出すこともできた。 「あの姿は確か……ウルトラマンティガに出ていたキリエル人、もしくはキリエロイドだったか?」 キリエル人/炎魔戦士キリエロイド。 分目が怪人である時の姿から、自分がウルトラマンティガに登場する怪獣・宇宙人であるキリエル人になったことと考察する。 分目自体はサブカルチャーに疎い上、子供の時に見ていたと思われるウルトラマンティガの内容などほとんど覚えてはいない。 しかし、子供の頃、おもちゃ屋で売られていたキリエル人のソフビ人形はなぜか印象に残っていた。 たぶん、ウルトラマンのライバルのようなデザインが好きだったのだろう。 「ふふふ、しかしこれはチャンスだな」 燃えるミカンの木を背にして分目は怪しく笑う。 分目青司は正義感の強い優秀な消防士として知られ、表彰をいくつも貰った事もあるほど周囲からは高い評価を得ている。 しかし、その実態は自己顕示欲の強い独善的な性格の持ち主であり、彼が得た表彰というのも、自ら放火した家を消火するというマッチポンプ行為によって獲得したものである。 つまり彼は消防士であると同時に放火魔であるのだ。 そんな危険人物である分目は何を企んでいるのか? 殺し合いの優勝だろうか? (優勝……優勝すれば生きて家に返すことや願いを叶えるだとのたくっていたが、そもそもナオ・ヒューマが約束を守る保証がどこにもない。 願いを叶えることに関しては殺し合いを盛り上げるためのでっち上げの可能性も十分に有り得る) 分目は主催者であるナオ・ヒューマへの不信感から優勝の路線は踏まなかった。 ならば主催に抗うということになるが…… (殺し合いを、ナオ・ヒューマを打破した方が得だろう。 もし、こんな30人以上は巻き込まれている歴史的大事件を解決して多くの人々を救ったとあらば、俺は英雄として持て囃されるだろうな。 ニュースにも出て一躍時の人、国民栄誉賞、歴史の教科書にも乗れるかもしれないな……ふふふ) 彼の路線は主催に抗うものであったが、その動機は実績目当てで自己顕示欲を満たすための極めて独善的なものであった。 (まあ、ヒューマの願いを叶えるという話も嘘じゃないかもしれないが、だったらヒューマに叶えてもらう必要はねえ。 生きていく上で欲しいものはいくらでもでるだろうし、消えて欲しい人間もいっぱい現れるだろうから……どうせなら願いを叶える方法を奪って、俺が好きな時に好きなだけ叶えちまえばいい) 分目は名誉欲に飽き足らず、ヒューマの願いを叶える方法を奪って、自分に使うつもりであった。 もちろんこれは先ほど自分で考えていた通り、でっち上げの可能性や奪えるものではない可能性も十分にあったため、オマケ程度の考えだが、もし奪えるものだったら彼はヒューマから迷いなく奪っていくだろう。 「さて、これからが忙しいぞ。 まずは正義の消防士さんとして民間人を保護しなきゃならんしな。 殺し合いに乗った奴は……まあ、殺しても正当防衛でなんとかなるか」 未だに燃え盛るミカン畑を背に分目は歩みだした。 その胸に野望を燃やしながら。 一方、分目から少し離れた地点では一人の少女がいた。 キリエロイドと化した分目から無事に逃げおおせた鈴宮ミカである。 彼女は荒い深呼吸をしていた。 「スゥ、ハー、スゥ、ハー……スゥ……もう大丈夫……」 やや過呼吸気味だった深呼吸は収まったようだ。 顔面左側の火傷痕、死んだような目。 そんな今の彼女からは想像もつかないが、かつては活発な美少女であった。 しかし火事により肉親を亡くし、自身も顔から足にかけての左半身に大きな火傷を負ってしまってから彼女の人生は狂い始めた。 まず体の大半にできた火傷によって将来的にまともな職には付けないだろう、他者との交流についても気持ち悪がられて避けられるか蔑まされるか上辺だけの心配されるかのどれかしかない。 それだけでなく両親の生命保険が自分の知らない内に8割程親戚間で分配されていたことを知ってしまう。 親戚としては両親の代わりに育てているのだからこれくらい当然だという態度だったが、それにより彼女は人間不信に陥ってしまった。 それでも少しでもまともに生きられるように奨学金で高校に通い続けるが、周囲の奇異の視線に耐えられなくなり、幾度も自殺を試みて自殺を考え、何度も手首に切り傷を作ったことか。 先ほど分目の放った炎を見たとき、自分の何もかもを奪った火事を思い出して一時的にパニックになってしまったのだ。 「でもこんな暗い人生も、もう終わるんだ……」 彼女の死んだような魚の目にギラギラと光が宿る。 彼女は優勝を目指していた。 そして参加者最後の一人になり、優勝した暁には主催者であるヒューマに願うのだ。 「あの日の火事をなかったことにして、この火傷や母さんと父さんの死をなかったことにするんだ」 人生を狂わせ、自分から人なりの幸せを奪った火事。 それをなかったことにすれば両親は生き返り、コンプレックスである火傷痕も消える。 彼女にとってこの殺し合いは、幸せを取り戻すための最後のチャンスに感じられたのだ。 「そのためなら何を犠牲にしてでも、優勝してやるよ」 仮に親戚が参加していようとも容赦なく殺す気である。 人間不信に陥っている彼女には信頼できる人間は亡くなった両親だけであり、全部敵に見えていた。 さて、立派な野望を抱いていた鈴宮だが、彼女はまだ16歳。 サブマシンガンで武装しているとはいえ、戦いの素人である彼女は40名以上いる参加者を相手にするには無茶に思えるだろう。 それなのに優勝への自信の根拠はなんなのだろうか? それは彼女の隣に立つ“何か”にあった。 「この悪霊の力を使いこなせば、きっと優勝できる……ハズ」 悪霊――鈴宮がそのように称した物体の名前はスタンド“ビタミンC”である。 道化師とも悪魔ともとれる姿に肩から下が無数の腕に覆われている奇怪なスタンドだが、これこそ鈴宮がヒューマの肉体改造によって与えられた異能である。 その能力は、本体があらかじめ付けておいた指紋に触れた人間を、ビニールか熱したチーズのように軟らかくして溶かしてしまうというもの。 先ほど、ミカン畑の一部の木が溶けていたのは、鈴宮がこの能力の実験を行っていたためである。 彼女はジョジョリオンは読んだことがないため、スタンドやビタミンCのことはわからなかったためであるが、実験によってビタミンCの大体の能力を把握した。 実験により石などの非生物には効果がないことや指紋で作った結界の外には効果がないことを理解した。 後者の結界の外である射程外に対応できるようにするためにサブマシンガンが支給されたのだろう。 この異能を先の分目には直接使うことはなかったものの、事前に実験を行っていたことで溶けたミカンの木が彼の目に入り、追撃を振り切ることはできた。 いくら銃弾を弾く防御力を持っていても、溶かされれば意味がなくなるからだ。 「さっきは遅れを取ったけど、今度こそ殺してやる」 先程は突発的な遭遇戦に加えて準備が足りず、キリエロイドに変身して炎を操った分目の力に驚いてしまい、無様に逃げるしかなかったが、次はこうはいかないと心に誓った。 能力の使い方や銃の使い方もだんだんわかってきた。 態勢を整え次第、次の襲撃を結構するつもりである。 「絶対に取り戻してやる、私の幸せを!」 そして鈴宮ミカはミカン畑を後にした。 彼女の心もまた、分目と同じく、それでいて違う野望で燃えていた。 【一日目・1時00分/・E-8 ミカン畑】 ※ミカン畑の一部が現在も炎上中です 【分目青司@キリエル人の力@ウルトラマンティガ】 [状態]:ダメージ(小)、疲労(小) [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3 [思考・行動] 基本方針:殺し合いを「俺が」打破して名声を得る、もしくは願いを叶える力を奪う 1:一先ず、他の参加者を保護する 2:殺し合いに乗っている者は可能なら殺す 3:特に火傷の女(鈴宮ミカ)は特に注意する [備考] ※自分の異能がキリエル人の力であると知りました ウルトラマンティガ放送時の記憶が曖昧なので今のところ使うことができると思っている能力はキリエロイドへの変身と獄炎弾のみです ※鈴宮ミカの能力を生物を柔らかくする能力だと知りました(指紋による結界はまだ見ていません) ※分目がどこに向かったのかは次の書き手氏にお任せします 【鈴宮ミカ@ビタミンC/田最環@ジョジョリオン】 [状態]:疲労(小)、精神疲労(小) [装備]:マイクロ・ウージー(8/32) [道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2(本人確認済み) [思考・行動] 基本方針:優勝して家族との幸せな日々を取り戻す 1:体制が立て直り次第、他の参加者を襲撃する 2:火は大嫌いだ……! [備考] ※自分の異能(スタンドの作った指紋による結界に触れた生物を柔らかくする)を自覚しました ※分目青司の異能の一部(キリエロイドへの変身、獄炎弾)を知りました ※彼女がどの方角に逃げたのか、次の書き手氏にお任せします セイギトアクイ 時系列順 超人誕生 光と影 セイギトアクイ 投下順 超人誕生 光と影 GAME START 分目青司 秩序・狂と混沌たち GAME START 鈴宮ミカ あの素晴らしい愛をもう一度
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名前 空渡瀨・カレンデュラ・摩澄(うつとせ かれんでゅら ますみ) 性別 女 年齢 17 所属 SWH高等部2回生 容姿 腰まである黒髪。紅玉のように赤い瞳、右目付近に泣きぼくろ。 病的に白い肌に消え入りそうな雰囲気は、正しく深窓の令嬢然としたもの。 繊細な輝きを持ちながらも、触れれば容易く砕けてしまう硝子細工の風情。 一方彼女の赤い目には、時折年不相応の妖艶さが宿る。 異能 上下左右逆さまの徘徊者(シミラー・ワンダー) 擬似的な引力を発生させる能力。これにより壁、天井等、あらゆる箇所への自由落下を発生させる。 天性のアジリティと組み合わさることで発揮される高度な3次元機動が持ち味。 単発式圧縮大気投射機構 コロッサル・キャリバー 周囲の大気を圧縮し、運動エネルギーとして放つ為の装置。 見た目は“超”大口径の拳銃に酷似しているが、火薬の使用は一切ない。 充填時間により威力を調節する事が可能。最大出力で投射した場合コンクリートを容易く粉砕するレベルの破壊力となる。 これらを用いてのヒットアンドアウェイによる中間距離戦を最も得意とする。 ――――以上が“表向き”に登録されている能力。 彼女の本領を見ることが出来るのは、意図的に設けられた異能のリミッターが解放された時。 彼女が持つ本来の異能とは、引力と斥力、相反する二つの力の操作である。 異能により擬似的に構成された斥力は、即ち高密度のエネルギー波。壁状に広げればバリアのように、棒状に連ねれば槍のように、自由自在に姿を変えながら破壊痕を刻んでゆく。 鏖殺力学(キリング・ダイナミクス)――――これは嘗てある場所で、圧倒的な破壊力を見せつけた彼女に対し付けられていた異名である。 概要 SWH高等部2回生。時期外れの転校生として訪れた彼女には未だ謎が多い。 楚々とした見目に雅馴とした立ち振る舞い――――空渡瀨の最も外側に位置し、他者を己の内側から遠ざけようとする斥力は、決して貼り付けられた嘘偽りでは無い。 裕福な家庭に生まれ、偏執的な家族愛を受けながら育った彼女にとって格式に則った振る舞いを意識することは息をするも同然に身に付いているからだ。 しかしそれに至るまでに与えられた親の愛情――時に心身への痛みを伴うもの――は、同時に醜悪な歪みを生み出す原因でもあった。 即ち、極めて不安定な暴力衝動――――傷付き、また傷付けることへの極自然な正当化。 叱責により叩かれた肌が熱を帯びることに、ヒステリックにがなる親から漏れた感情に、咄嗟に放ったカッターが裂いた親の肌に、自他を問わずに迸るありとあらゆる痛みに。 彼女は――――空渡瀨・カレンデュラ・摩澄は、恋をした。 奇妙な時期の転校には、これらのパーソナリティが関わっているのかもしれない。 空渡瀨・カレンデュラ・摩澄について ① ランキング9位、鏖殺力学(キリング・ダイナミクス)のカレン。レガリア高等学園にて絶対的な王政を敷くトップランカーの1人。 これが空渡瀨・カレンデュラ・摩澄の過去の姿である。 入学早々にランカーを打ち倒した空渡瀨は、1回生の身ながらもレガリアの階層を駆け上がっていく。 家庭から切り離された学園という空間。そこでの血湧き肉躍る死闘は彼女にとって、柵から解放された、正真の青春と呼ぶに相応しいものであった。 しかし春にはいずれ終わりが来る。霜が降りる頃には全てが消える。 家庭の事情――――そう言ってしまえばそうとしか言えない、その程度のものだった。 生徒の自主性を尊重するという建前の元、無秩序が常習するレガリアに見切りをつけた空渡瀨の両親は、彼女にSWHへの転校を打診する。 既に両親を小指の先で捻り潰せる程の力を身に付けていた空渡瀨に対し、両親は恐る恐るにそれを切り出す。だが懸念に対して、空渡瀨の返答は二つ返事のものであった そうして空渡瀨は王権に近しい者という身分をあっさりと捨て、新たな場所へと移住する。 果たして彼女が浮かべる微笑の下に如何なる考えが浮かんでいるのか。両親ですらも、それを察する事は出来なかった。
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【名前】東雲 夏鈴 (しののめ かりん) 【性別】女性 【学年】高校二年 【容姿】 天然茶髪のストレートロングに茶色の眠たげな眼。 平均的な身長に平均的な体重。ちょっと気怠そうにしているギャルっぽい(?)子。 学校指定の制服を少し着崩している。 【性格】 雑でテキトーな性格。「めんどくさい」が口癖。 でもやるときはやる(本人談)らしい。 【能力】 ≪P.S.I≫ いわゆるサイコキネシス。 触れた物を自在に動かし、宙に持ち上げたり射出する事が出来る能力。ただし無機物限定。 無機物、なおかつ操作されていない場合に限り敵の能力によって生じた物質も操作可能。 一度に動かせる物は6個が限度。200kgを越えるような物質は持ち上げる事が出来ない。 射出した時の最大威力は例を挙げると野球ボールなら薄い鉄板が凹むくらい。 許容範囲内なら人や物を乗せた状態でも操作できる。 【持ち物】 『ナイフ』×4 自衛用の四本の普通のナイフ。懐に忍ばせてある。 異能力による犯罪に巻き込まれた時の為にと両親から強引に押し付けられた。 本人は「これじゃアタシが犯罪者みたいじゃん……」と不服な様子。 【概要】 ほんの一ヶ月前に異能に目覚め、学園都市へと引っ越してきた女学生。 最初は生まれ故郷を離れるのをめんどくさがっていたが、今は今で楽しい?らしい。 自分の異能が成長する能力だという事は知っているが、本人は「めんどーだし楽しい事がしたい」と詳しく学ぶ気は更々ない様子。 基本的には面倒事なく穏やかに過ごしたいと思っている。
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【名前】守丈 華美(かみじょう はなみ) 【性別】女 【学年・職業】高等部二年/妖怪 【容姿】 紅色の和服を着込み、下駄を履いた緋色の瞳の少女。頭髪は黒髪、レディースのミディアム。 前述の姿は和服は妖怪の力を前面に出した際の妖としての姿であり、普段は並大抵の女子生徒同様に制服を着用し生活を送っている。 【性格】 やや自惚れた性格、生粋の戦闘狂の少女。口調は男勝りで堅い。一人称は『私』。出世欲が強い。 "唐傘小僧"に憑依されたが故にこんな性格になったのか、或いは元々こんな性格だったのかは定かではない。 『戦場にルールは無い』と言う価値観を有し、不意打ちや騙し討ち等、卑劣な手段でも躊躇わずに行う。 【能力】 『基本情報』 素の身体能力はプロの格闘家に匹敵。 戦闘技術は千種以上の体術の技を持つ技巧派。空手やカンフー等のメジャーな格闘技から中華空手なる奇妙な格闘技に至るまで、数多の実戦技術を会得している。 妖力の解放によって身体能力を一時的に上昇させる事も可能だが、強化の度に妖怪へと近付いて動きが大振りになり技術が失われる。 『藍々傘』 "唐笠小蔵"の妖気を帯びて開花した、特殊な傘を具現化する異能。 傘は『不壊』、即ち如何なる衝撃や影響を受けても決して壊れない特殊性質を持つ。 但し彼女自身は唯の人間なので彼女自体を殺害或いは意識を失わせる事が出来れば傘もオーラの供給が途絶えて消滅する。 傘は素早く開閉する事で盾として機能させる事が可能。空中で傘を開く事でパラシュートの様に落下の勢いを緩和すると言った応用的な用途も存在。 妖気によって傘自体の殺傷性も増しており、殴打すれば鉄板を歪ませ、先端で刺突すれば人体すら貫く貫通力を発揮する。 傘の石突きの部分は弾丸の如く射出する事が可能。射出後、僅かなタイムラグの後に消失した部位は復元される。 【概要】 "唐傘小蔵"に憑依された少女。唐笠小蔵には全国に一切の伝承が残っておらず、一説では付喪神の一種とも。 彼女にそれが憑依した後、妖怪と彼女の間で一切の意思疎通は行われておらず『異能者が妖怪を完全に制御したパターン』であると考えられる。 制御、と言うよりは自我が同化していると表現した方が正しいかもしれない。 彼女自身は高等部二年の女子生徒。フラワーアレンジメント部に所属する。両親は他界済み。 学生寮で一人暮らしをしている。 余談 この大ビッグウェーブに乗ってちょっとだけ自分もこれやってみます。ラムネの没案の娘が居ました。その子の更にまた没案のキャラに流行に乗って妖怪の設定をぶち込んでみただけです。作るだけ作って満足しちゃった子は結構いるんですけど、ゲームの片手間に没キャラ眺めてたら「あぁぁぁ~この子一回で良いから使いたいなぁあああ~」ってたまに無性に思う事があって、二期はそんな欲望を満たす為に没キャラ達を少し魔改造した上で解放してバーゲンセールみたいに沢山出してみました。アモリも実はそんな元没キャラ出身です。ミザカナに能力貸してたアモリは本当は至の枠で最初考えてたんですが、至にして正解だったな~って思います。動かしやすさとか……。タロット要素だけは無理矢理キャラに味付けする為の後付けでした。後はアモリの持ってる異能も基本的に没った異能ばかりです。つまりアモリは自分にとって完全に闇鍋、辛辣に言えば墓場やゴミ捨て場みたいなものでした。ウイイレが沢山入ってたりするゲーム屋の在庫処分福袋みたいなものです。そんなゴミ袋に超超超超超超超超超大おおおおおおお当たり(龍神さんのキャラの能力)が後から入りましたがリセットまでに結局活かせなかったのが心残りですね……折角頂いたのに……。宝の持ち腐れとはきっとこの事だと思います。