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概要 引用 所属 詳細藍鼠(あいねず)眼の魔女 性格 媒介魔術 髪長姫 異端の魔女 人に近い魔女 関連人物 出張先 参照先 概要 藍鼠(あいねず)眼の魔女マユクニト。 薄紅眼の魔女ナヴィーニャが使役する二百五十六色の魔女の一人。 引用 「事務的なツッコミをせざるを得ない方の身にもなってください」 所属 二百五十六色の魔女。 薄紅眼の魔女ナヴィーニャに従事する存在。 詳細 藍鼠(あいねず)眼の魔女 紀元はラプンツェルと白雪姫とメリーポピンズ。その外殻は御伽噺。 司る字は媒介魔術師。 性格 昔は絵にかいたような優等生だったが、今はナヴィーニャの無茶ぶりに疲れてやさぐれている。 他の魔女たちはそんなマユクニトの様子を反抗期と称して酒の肴にしているようだ。 そんな彼女は自分では真面目な方の人間だと思っている。実際は似たり寄ったり。 天狗。 ミーハー。 媒介魔術 特定のアイテムを消費することで、魔術の効力を増加させる等価交換の術理。 集積・消費が前提となるデメリットと、多彩な魔術に応用できる可能性のメリットは、「窮地からの逆転」という文脈を得意とする。 マユクニトは自身の生物細胞を媒介として多様な魔術を行使する。爪、血、涙、睫毛、かさぶた、垢、ありとあらゆる身体の部位を媒介とする。 特に髪の毛はレートが高い。 髪長姫 『髪には多大な呪力が宿る』という「髪長姫」、あるいは「ペトロシネッラ」伝承を参照することで、魔術を成立させている。 髪を燃料として幅広い魔術が使用可能なほか、髪そのものに魔術干渉を行うことで魔器具として使用できる。 髪によって人形を編むことで神卸術を行ったり、絡繰術を行使することが可能。 異端の魔女 二百五十六色の魔女はほぼ共通の背恰好を持つが、マユクニトはその中では異端。 己の身を魔術の糧とする性質上露出の多い服装を好み、また髪もサラサラのストレートヘアーとなっている。 身体を媒介とするため、他の魔女たちよりも成長・育成のリソースが少なくやや幼い。 常に携帯しているポーチには、散髪セットの他に自身の頭髪がぎっしり詰まっている。 末っ子気質。他の魔女に可愛がられる。 人に近い魔女 己の肉体を媒介として魔術を発動するため、人間に極めて近い身体構造を保っている。 それは、人間への理解が徐々に浸透していくという事でもある。 人間の倫理思考に引っ張られがち。 関連人物 ナヴィーニャ 「せんせー」呼び。 忠誠心も他の魔女よりは高いが、その破天荒な素行にはやや呆れている。 ヴェルダン 偉そうで気に入らない。 ラ・クール・ベル バカ。 出張先 魔女探偵ナヴィーニャ 脇役。ナヴィーニャの助手、補佐として活動している。 参照先 ラプンツェル - Wikipedia グリム童話はイタリア起源? - 今日は店じまいしました 白雪姫 - Wikipedia メアリー・ポピンズ - Wikipedia
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御陵 憂衣 御陵 憂衣(みささぎ うい) SSR SSR-Max SSSR[覚醒] 「あまり私を煩わせるな……」 「」 「世界のすべての『裏側』は、我らの監視下に置かれねばならない。例えばYAKUZAであるとかな。」 ローマを根拠地とするバチカンの秘密組織『異端管理局』の極東局長。日伊ハーフであり、父から地位を継ぐ。 どんな場所にも表と裏がある。バチカンにおける表は教皇猊下を中心とする教会。裏は我々異端管理局だ。 コスト24成長型普通 Lv1⇒100攻撃8950⇒__防御7250⇒__特攻3490⇒__特防3490⇒__ 前衛[火]【役強化】異端に下す鉄槌消費手札P 40単体使用回数 2回[攻撃][敵1人][増加][自身][対象自身にダメージ効果付与][狂気 防御貫通・威力5倍][火の構え・【諸刃】火の構え 威力・効果増加・手札P消費なし][役強化 スリーカード威力2倍][2回] 後衛[火]【役完成】熾天使の聖炎消費手札P 20単体使用回数 2回[減少][敵後衛3人][状態異常 ダウン効果2倍][焔帝の構え 回数消費なし・ダウン効果のターゲット変更効果付与][無効化・反射・受け流し不可][役完成 スリーカード][2回] サポート[火]疎まれし血統単体使用回数 制限なし[確率発動][火威力・効果増加][特殊条件 威力・効果増加][火の構え・【諸刃】火の構え 発動率2倍] 【スリーカード威力2倍】【狂気特効】【状態異常 狂気】・敵1人に極大ダメージを与え、自身の攻撃が極大アップする。・攻撃対象が使用する攻撃・必殺スキルで発生したダメージを対象自身が受ける効果を2回まで与える。・直撃対象が狂気状態の場合、対象の防御アップ値を無視して威力が5倍になる。・火の構えか【諸刃】火の構え発動時、威力と効果が更にアップし、手札Pを消費しない。・このスキルは応援効果アップサポートスキルも発動する。・レベルが上がると威力と効果が増加する。 【使用後スリーカード完成】【状態異常 狂気】・最も戦闘力が高い敵後衛3人の全パラメータが特大ダウンする。・対象が状態異常の場合、ダウン効果が2倍になる。・焔帝の構え発動時、効果は得るが残り有効回数を消費せず、ダウン対象に「次に使用する応援スキルのダウン効果の対象が、敵チームではなく味方チームになる」効果を与える。・この効果によるダウン効果は「ターゲットを強制的に自身に向けさせる」効果の対象にならない。・この効果は重ねがけできない。・このスキルは無効化、反射、受け流しすることができない。・レベルが上がると効果が増加する。 ・一定確率で火属性スキルの威力・効果が大アップする。・自身のデッキに含まれる火属性スキルが多いほど威力・効果が大アップする。・火の構えか【諸刃】火の構え発動時、発動率が2倍になる。・レベルが上がると発動確率と効果が増加する。 サポートに継承枠有り 出現日20__/__/__取得方法
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あいさつ どうも、レノアの異端児すざくです。 長ではありませんが、立場上このwikiの管理をしています。 このページは主にログ記録やメモなどに使用しようと思います。 自己紹介 本名:○○大輝……隠しても至るところでバレてますがw 年齢:15歳で中3。他のレノアメンバーと同じです。 立場:T学園3年B組、レノア家幹部、ヘロン数学同好会会長、MC部部長、ニコリクラブ会員 趣味:数学、パズル、コンピュータ、etc.. 資格:漢検2級、英検準2級、数検2級……普通すぎるw 資格はないけど:タイピング(TWJRでXHレベル・美佳タイプ300文字/分)やパズルなども得意。 好きなこと:編集作業、意味のないこと、理解する勉強 嫌いなこと:なかなか進まない物事、普通の生活、暗記する勉強 連絡先 腐っても鯛:数学・パズル関連のページ。すざくの主要サイトです。 板持てっても鯛:レノア家方向のページです。 メールは daiki@vo-ov.net まで。メッセでも共用しています。 メモ サウンドノベルのページを作成しました。とりあえず姉さんが頑張ってくれないと困るので、急いでください。(2005/10/04) あまりに更新されてないので啓発も含めて自分のところを更新。とりあえず文化祭も終わったのでそろそろなんらかの動きを始めたほうがいいかな。まずはサウンドノベル辺りでしょうか。アンドロメダはページ作っちゃっていいんだろうか。そういえばメッセ関連のまとめとかザックさんが作ろうとしてたような気もする。書いてみるとまだまだやれそうなことも多いですね。(2005/10/01) とりあえず主要メンバー全員を登録し、基礎は完成しました。あとはまとめサイトとして機能するようにトピックの内容を充実させていきたいです。(2005/08/06) メンバー著作集のページを作りました。大まかにやっておきましたが抜け落ちも多いので適当に補完していってください。(2005/08/05) サークル合併のページを作りました。まだ把握できてない部分もあるのでこれからという感じではあります。(2005/08/05) とりあえずレノア纏め人としてwikiを作りました。今後はメンバーの新たな活動場所となるほか、合併後の拠点としてもやっていきたいと思っています。今後の動きとしては、ゲームやアンドロ計画など、それぞれにおいて専用ページを作り、掲示板よりも迅速で纏まった活動ができるようになったらいいと考えています。(2005/08/04) メンバーからひとこと とりあえず、言わせてください。貴方も充分変人だと。そして、数コン頑張りましょう。(姉小路) 変人の度合いは姉様が一番高いのですが。。。すざく氏の任務遂行能力には頭が下がります。(シャルル) 僕から見たときすざく氏は異端児ではありません。どちらかというと異端児というか異常者は僕の方なのでww(ザック) 連絡版 (連絡があったら編集で書き込んでください)
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あ~わ行 あ~わ行 アンデッド 異端討伐者 神格適合者 聖女 天使 物語 レガリア
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作品名:いづれ神話の放課後戦争 使用者:マリア・ミント いづれ神話の放課後戦争に登場する能力。 天使の一つ。 炎鞭を操る処罰の天使になる。 能力についての詳細懲罰の天使 炎鞭 元ネタ 関連項目 関連タグ リンク 能力についての詳細 懲罰の天使 焔の翼と鞭を持つ能力形態能力として纏うが、天使自身にも意思がある。異端の神々が同胞を攻撃すると暴走する。 「その時マリアにも天使を堕ろした。名前は確かクシエル。懲罰の七天使のひとり。それ が同胞の天使を攻撃した異端の神に反応して暴走してる」 炎鞭 炎の鞭を振るう速度は音速。 焔の翼も分裂させて百を超える鞭として使うことが可能。 焔の鞭はその全てが音速を超えるスピードで、あらゆる角度からテスカトリポカを襲う。 テスカトリポカはマカナでそれを斬り飛ばしつつ、マリアさんへと近づこうとしている が……たった一柱で防ぎ切るには、あまりに鞭の数が多かった。 元ネタ クシエル(Kushiel) ユダヤ・キリスト・イスラム教世界に登場する天使。 名前は「神の厳格」(rigid one of God)を意味する。 マセケト・ゲヒノム(Masekhet Gehinnom)によればゲヘナの七つの区画の一つを持つ死の主天使とされる。 Midrash Konenによれば地獄を司る天使であり、処罰の七天使の一つ。 炎の鞭をもって地獄に堕ちた者を処罰するとされている。 関連項目 天使 クシエルの能力分類。 関連タグ いづれ神話の放課後戦争 天使 形態変化 炎鞭 能力 鞭 リンク
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ゲーム内解説 使用感・備考など コメント欄 ゲーム内解説 マークスマンライフルに最適な、ロシア製の標準的な高倍率スコープ。 7倍ズームを備えており、長距離の狙撃を可能にする。 使用感・備考など コメント欄 最新順 JNGにこれつけるとダサい上に見づらい。ライフルスコープを解除するのに何時間かかったことか。。。 - 2016-02-06 15 38 36 僕一番 嫌い - 2015-03-15 16 37 38 むしろこれが使いやすいい俺って異端なのか・・・ - 2014-07-20 00 50 37 いや、異端じゃないと思う。俺も8倍じゃ倍率高すぎで全然キルとれなかったが7倍にした途端キルとれるようになったから - 2014-08-08 20 21 59 スコープ覗き込んだ状態でどれくらいマウスを動かすorどれくらいスティックを傾けるとどのくらいレティクルが動くかは体が憶えちゃってるからね、倍率を変えると成績が下がるってのはAIMの感覚を体に染み付けられている証拠だよね - 2014-08-10 03 15 08 正直僕から見ると産廃...SV-98とJNGの初期スコープがこれだがその二つを使うのを敬遠してしまっている。地味に線が細いのかよくわからないが背景と同化してしまって...好んでいる人には悪いが - 2014-04-06 18 04 57 SVD......orz - 2014-03-31 03 38 42 ∧と∧の間の狙いにくいこと - 2014-01-07 18 44 00
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名前:キリコ 年齢:17歳 性別:女 身長:158cm 体重:48kg 性格:おっとりした優等生。常に微笑を浮かべているが、あまり感情変化がない(※理由は後述) 好きな教科:音楽、英語、理数系、倫理、体育 苦手な教科:古文、漢文、日本史(ほとんど0点) 好きな事:清貧 高潔 絶対 合理化 嫌いな事:特になし 趣味:声楽、読書、西洋ナイフ集め、音楽鑑賞(クラシックや聖歌など) 映画鑑賞(ほとんど戦争もの) 容姿:肩まで伸ばした金髪、たれ目のエメラルドグリーンの瞳。古びたロザリオを常時身に付けている。 所属:ホウオウグループ兼オツユウ学園いかせのごれ高等学校 能力:ナイトメアアナボリズム「串刺しの悪夢」 海外の修道院育ち。彼らの教義を乱す者を処分する断罪者として教育され、暗殺者として暗躍。 厳しい教育を受けてきたため、七つの大罪に当たる傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲の感情が欠落しており、感情の抑揚が少ない。 彼女の育った修道院では、社会から疎外された能力者を手厚く保護していたのだが、 世間から理解が得られず、孤立し、次第に排他思想に取りつかれ、異端派の烙印を押されるようになる。 彼女が15歳の時、政府により異端派狩りが行われ、修道院は解体される。 その際、世間への見せしめとして、能力者や修道院関係者は惨殺され、彼女も、数十本もの銀製の槍に串刺しにされた。 直後、能力を得て、その場に居合わせた連中を皆殺しにする。 その後、修道院で共に暮らしていた者たちの弔いとして、異端派狩りを推進した主要人物を次々に暗殺。 最後の一名が日本に逃亡した事を聞きつけ、後を追い、来日、暗殺に成功。 目的もなく放浪していたところをホウオウグループに拾われる。 彼女は今でも神を信仰しているが、神に当たる対象は、かつての教義の中にあった「人の追い求める願望を叶える偶像」ではなく、 絶対的な合理化。故にホウオウグループに賛同し、絶対者たるホウオウに忠誠を誓い、決して裏切ることはない。 現在、オツユウ学園いかせのごれ高校に通う。ケイイチたちの隣のクラスで図書委員をしている。 暗殺者として育ってきただけに、暗殺、隠密、ゲリラ戦に特化しており、あらゆる武器に精通し使いこなす。 が、現代兵器や銃器より、中世の西洋ナイフを愛好している。 また、戦闘時は冷徹で迅速、惨忍な手段も平気で取る。彼女の持つ能力「串刺しの悪夢」は、 標的を刺すまで止まらない一種の自動追尾機能があり、これを応用して防御、乱射、果てはミサイルを撃墜することも可能。 しかし、経緯が経緯だけに能力者に向かって能力を使う事には若干ためらいがあるようだ。 最近は日本刀の小太刀や、任侠映画にも興味を示している。 基本的にはおっとりしていて疑う事をしないので、妙なことを吹き込まれると簡単に信じてしまう。 制作者:睦月のにこ 過去話:no data 収録場所 時系列391~420 いかせのごれ高等学校関係者 ホウオウグループ関係者
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魔法少女の聖弓、オーネストアローをその手の中に呼び寄せられる。 狩人の魔銃、デア・フライシュッツがその手の中で黒く輝いている。 交差する魔力。優美なる殺意、埃に塗れた決意。止まった世界で、お互いの意思が静かに向かい合う。 (――――不味い……!!) こうして、オーネストハートは一応の完成を見た。これで藤宮明花の時間停止を無効化し、真っ向からの戦闘を行うことが可能になるまで仕上げることが出来た。 勝ち目は確かに手に入れることが出来た。だが、この現状。散々に消耗した今現在のオーネストハートをぶつけて勝利することが出来るほど、藤宮明花は甘い相手ではない。 万全の状態であったとしても、零を壱に変えることが出来た、程度なのだ――――まともにやって勝てるはずがない、だというのに。 オーネストハートは、立ち塞がる。逃げろ、と叫ぼうにも、声をだすこともままならない。そんな焦燥を、オーネストハートは知る由もなく。 「初めて会ったときから。少し気にはなっていたのですが……成程、私の感覚は正しかったようで」 才能に恵まれ。力に恵まれ。まるで平凡に生きていた、雛菊ひよりとは正反対の世界に、藤宮明花は生きていた。 その少女は、まるで取るに足らない凡人だ。だと言うのに。一目見たときからなぜだか気になった。故にここまで足を運んできた。その一端を知った気分だった。 この魔力の重圧の中に踏み込むことが出来るほどの成長。あろうことか骸姫との同調をすら果たした魔法少女。 謀略家たる来栖宮紗夜子がそれに全てを賭けることも理解できる――――目の前に入る魔法少女は。自身の計画を崩しかねない者だと、藤宮明花は理解する。故に。 「……藤宮明花さん。私は貴女を許せません」 「へぇ――――私と貴女、まともに話すのは、今が初めての筈ですが。そこまでとは。それは何故でしょう? 多くの魔法少女をこの手で刈り取ったこと? 貴女の仲間を殺めたこと? はてさて――――心当たりが、多すぎて」 オーネストアローの鏃を握り締める。光の矢が装填されて、照準を合わせる。 明確に向けられた、敵意と殺意に対して、藤宮明花は麻痺しているかのように笑っていた。そこにある魔力の刃を、物とも思っていなかった。 オーネストハートは、ただ静かにそれを突きつけていた。それを以て、彼女の意思を決定づけていた――――お互いに、思うことは同じだった。 「――――貴女は、魔法少女を貶めた」 藤宮本人、その本体ではなく。発射の直前、照準をその頭上へと向けて、光の矢が放たれた。銃弾の速度など遥かに超える速度を以て突き進むそれは。 頭上で炸裂したならば、無数の小さな矢となってその頭上へと降り注いだ。その一つ一つが、必殺の一撃とすら謳っても過言ではない威力を誇る。 そして、その矢の雨霰の中を、オーネストハートは駆け抜けていく。勿論、それに触れれば自分もまた唯では済まないことは承知の上で――――疾走する。 (接近と一撃――――叩き込めるならば、勝機は、有……) ――――踏み込んだ先、それは迎えたのは、矢の嵐でもなければ、拳を叩き込む感触でもなく。 冷たく、硬いものが顔面に叩き込まれることによる鈍痛だった。藤宮明花が握る小銃の銃床が、確かにオーネストハートへと叩き込まれていた。 大きく動いた形跡もなければ、矢を叩き落とした動きすらも見えなかった……確かに。無防備に、降り注ぐ矢の中に藤宮はいたはずだというのに。 掠り傷の一つすらも、受けてはいない。それどころか、冷静に的確に、オーネストハートへとカウンターを叩き込めんだ――――理解が、全く及ばなかった。 「そうですか。それは申し訳ありません」 不遜に嗤う藤宮の手の中で、『FORTUNE』のプレートが光り輝いていた。そしてそれを含めた、三枚のプレートを空中に放り投げたのであれば。 長い右脚が、叩き込まれようとしていた。動き自体は、オーネストハートも見切れない程ではなかった。達人とまで言えるほどに習熟してはいない練度だった。 咄嗟に回避行動を取ろうとして、両足が動かないことに気付いた。そこには――――日本の鎖が、絡みついていて。 「――――――――ご、はっ」 腹部に勢いよく突き刺さる右脚。その勢いに、両足を縛る鎖すらも砕かれて、後方へと弾けるように飛んでいった。 空気を求めて喘ぐ身体だが、その身体が無理矢理に空中に縫い留められた。急制動に身体が追い付かず、それだけで意識を奪い取られそうになる。 今度は両手足を強力に縛り付けられている。オーネストアローも取り落とし、正に空中に張り付けられるかのように――――見せつけるかのように。 「ですが、仕方ありません。高貴なる者には義務がある――――下々の者達の為に、果たすべき義務が」 高らかに足音を響かせて、藤宮明花のその手には炎が舞い上がった。 それが磔にされたオーネストハートへと打ち上げられるような形で叩き付けられたならば、打撃に加えて、その身体を火炎が焼き尽くしていった。 数多の魔法を、藤宮明花は十全に使い熟していた。お前達の出来ることなど、思い至ることなど、私にはこうも簡単に出来るのだと謳うかのように。 「貴方達魔法少女を殲滅する。それこそが、私の――――"高貴なる義務"ですから。 ……終わりにしましょう。すぐに楽にして差し上げます」 落下するオーネストハートの身体。その右手が赤熱し、熱量は光を捻じ曲げるほどにまで。 そこにいる、全ての魔法少女が終焉を悟った。 ゲームマスターは、冷たくその行く末を見据え。レギナ・ルシフェルは、自身の詰めの甘さを呪い。藤宮明花は、勝利を確信し。ラッキークローバーは―――― (――――またか。またなんか。また、見逃すんか。また、みすみす殺すんか!! 梨花ちゃんの時みたいに!! そしてまた、ひよりちゃんを見殺しにするんか、そうじゃないやろ、ウチの願いは、願いは――――) 思い返すのは、魔法少女ロワイヤルでの戦い。弟を守ると決意したその時。咲本梨花という少女との出会いと別れ。 それから――――その結末に後悔はなかったが。それをもう一度繰り返すかと問われれば、そんなことは、耐えられない。 もう二度と。例え、手遅れだったとしても。今、目の前にある命だけは。 (絶対、生き残って誰も、不幸にせず。この、殺し合いを――――終わらせる! 力を貸してくれ――――梨花ちゃん、紅葉ぃ!!!!!) ――――叩き込まれようとする、赤熱した藤宮明花の拳が、一際強い光を放った。 「……私の支配に、魔法自体が、抗っている?」 瞬間。その手から吹き上がった炎が、藤宮自身を襲う。その出力は、決して彼女へと致命傷を与えるものではないが、少なくとも。 オーネストハートへの攻撃を遅らせる一端にはなった。どさりと地上に崩れ落ちるオーネストハートの身体、そしてその熱量は、やがて藤宮自身からすらも離れ。 まるで生きているかのように、それはラッキークローバー――――天王寺ヨツバの下へと向かい。その姿を、包み込んだ。 「――――ウチの炎が燃え滾るッ!!!!!!」 そのシャムロックは。剣技も、謀略も、折れない心も持ち合わせないが。 「――――ウチの心が燃え盛るッッッ!!!」 それでも尚、今此処に、煌々と燃え盛り、燃え滾り、輝いて、立ち上がった。 紅に染まるワンピース。右肩から左腰にかけられた黒いベルト。そして何よりその両腕は、巨大なガントレットに包まれている。 「ラッキークローバー・バーニングインバースッ!!!! ウチは、もう二度と――――悲劇には屈せん。目の前に在る命を絶対に――――救ってみせる。ウチは一人じゃ、無いんやァ!!!」 凍結した時間の中。燃え盛る炎は、優しくその瞬間を、藤宮の手の中から、攫い、奪い、融かしていく。 第六話 BURNING CLOVER 第一節 終
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「……これで三つ。土壇場で新たな魔法との融合を果たすとは、成程……才能かもしれませんね」 燃え盛る炎のラッキークローバー・バーニングインバース。それを前にして、尚も藤宮明花は笑っていた。 その程度を未知とは言わない。その程度を驚異とは呼ばない。自身が支配する凍結した時の空間を打ち破られて尚、藤宮明花という魔法少女の絶対は揺るがない。 ただ、傍らに歩み寄ろうとした無色透明の少女――――ゲームマスターと、ゆりかごの魔法少女達が呼ぶ彼女が駆け寄るのを、ただ片手を上げて静止した。 「必要ありません。貴女はとても、とても重要な一欠片――――先に帰還しなさい。私もすぐに行きますから」 「……分かった。でも、気を付けて」 それと共に、少女の姿がふわりと揺れた。時間が歪んだかのように、その空間が捻れ曲がって、瞬きをもう一度して見る頃にはその姿は消えていた。 ……それを追いかける余裕はラッキークローバーには無かった。言うなれば、寧ろ好都合とでも言うべきか……不幸中の幸いとでも言うべきか。 ともあれ、これで相手をするべき魔法少女が一人に絞られた。どれほど多彩な能力を持っていようとも、相手はただ一人、ならば三人である自分が負けるはずがないのだと。 「……ウチに聞かせてくれ。あんたは、なんでこんな酷いことが出来るんや」 口から溢れたのは、純粋な疑問だった。 大きな力を得て。燃え滾る心と、それとは真逆に冷静な空白ができたが故の思考の果て、思わず零れ落ちたシンプルな、たった一つの疑問。 きっとこの藤宮という少女の所業を垣間見た時、誰もが真っ先にそれを思ったことだろう。 ラッキークローバーとて、また同じだった。いや、ある意味では、平凡たる彼女が放ったたった一言は、他の誰が放つよりも、鋭く重たいものだった。 「何度も、何度も、同じことを……」 聞き飽きた問いかけだった。疲れと言えるものすら、僅かに垣間見せるほどに……それが何を意味するのか、ラッキークローバーが理解するには平常が過ぎた。 その立ち居振る舞いに、ほんの僅かな綻びがあったことすらも思わせないほどの藤宮明花という存在の重さもあったのだろう。 その両手が、優美に広げられる――――その手の中には、空白が広がるのみ。 「総ての魔法少女は私が管理する。ただ、それのみ」 そしてそのために、魔法少女を鏖殺しなければならない。その宣言は、何一つとして変わらない。 握り締められたラッキークローバーの拳が、熱く燃え盛る。散っていった命一つ一つに、怒れるように。 「――――分からん。やっぱりさっぱり、うちには、全然全く、何一つとして分からん」 ただ、それでも。何をすべきかを、ラッキークローバーは理解していた。 駆け出した。その拳と命、それだけを燃え滾らせて、絶大極まりない力の奔流へと立ち向かう。 ■ 「……身体が、動く……」 凍結していた時間が動き出す。オーネストハートはそれを確認すると、ゆっくりと立ち上がった。 身体中が痛む。無抵抗な身体に散々に攻撃を叩き込まれた状況、こうして立っているのもやっとだが……然し、自分が立ち止まるわけにも行かないと。 ふと視線をやれば、そこではレギナ・ルシフェルと――――そして、確かに。軍服の魔法少女……コノハナ少佐が、ゆっくりとその瞳を開けた。 「立夏……!」 「……コノハナさん」 その双眸が、先ずはゆっくりとその天翼の魔法少女を見据えると、小さく微笑んでその右手がゆっくりと持ち上がり、その頬を撫でていった。 それから、その視線はオーネストハートへと向かうと共に、支えられていた身体を起き上がらせる。ズレた軍帽を被り直しながら。 ダメージのほどで言えば、オーネストハートのそれと大差はない。だが彼女もまた、そこに立った……立つ理由が、立たなければならない理由がそこにあった。 「……許せとは言わん。だが、今は――――」 「――――そう、ですね」 オーネストアローを握り直して、たった今最前線に立っている親友の下へ……彼女を独りで戦わせるわけには、いかない。 それに何より、今此処には確かに……全員が揃って、なんて上手くは行かないが、それでも、今ならば、共に並び立つことも出来るはず。 ■ 炎を纏った拳が、藤宮明花の拳と衝突する。魔力によって硬質にコーティングされたその右手を砕くことは出来ないまでも……"まともに打ち合えている"。 そして、藤宮の動きに対抗できている。ただそれだけで大きな進歩のようにすら感じられる、漸く同じ土俵に立つことが出来たとすら思っていた。 左の拳が握り締められて、赤熱しながら叩き込まれようとする。それを藤宮の右手が受け止める――――だが。 「――――――――ぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」 咆哮と共に、受け止められた右の拳がそのまま藤宮へと叩き付けられようとしていた。 魔法少女フォーチュンが有していたのは未来視の魔法。三秒先の未来を視る事ができるというもの。 本来であれば、強力な代わりに失明の危険をすら伴うものであったが、藤宮はその無尽蔵の魔力を利用して常にそれを使用している。 然し、未来が視えようが対応できなければ意味がない――――見誤れば意味がない。その拳の威力は、藤宮の想定を遥かに超えて、その身体が大きく衝撃に襲われて後方へ飛ばざるを得ない。 「まだやァァ!!!!!」 そして、そこに右の拳を振り上げると、湧き上がる火炎が弾丸と化して飛んでいく。それは着弾と同時に、天まで届くかのごとく火炎の渦へと変化。 藤宮の姿すらも飲み込んでしまいながら、唸りを上げる―――――――― 「どうや!!! ウチの炎は!!! 参ったかぁ!!!」 三つの魔法を並行させた、その出力は通常のラッキークローバーとは比較にならない――――通常の魔法少女であれば、一溜まりもなかっただろう。 だが、彼女が相手をしているのは、通常どころか、異常、例外すらも圧殺する……それは、黒百合の女王。魔法少女の、管理者をすら名乗る者。 吹き荒れる炎の渦が、一息に消し飛んでいった。膨大な、単純極まりない魔力放出によって……そしてそこには、確かに。無傷の女王の姿があった。 「全く、無駄な抵抗を」 その手を掲げると、無数の鎖がラッキークローバーへと向かい、その姿を絡め取った。 魔法少女フェンリルが行使する、縛狼の魔法は――――絡め取った存在の、魔法の出力を抑制し、魔法の類で破壊することを不可能とさせる効果を有している。 「――――その意気は認めますが。終わりにしましょう」 その手の中に、再度狩人の銃、デア・フライシュッツが握り締められる。 こうまでして、まだ届かないか。ラッキークローバーは、黒々と開いた銃口。魔法少女というには、余りにも現実味があって、冷たいそれを見据える。 ぐっ、と奥歯を噛み締めて。それでも尚、諦めまいと、その女王を睨み付けて―――――――― 「――――――――いいえ、終わりになんてしない!!」 放たれる無数の矢が、藤宮へと襲いかかった。魔力の矢の雨霰、それはラッキークローバーにも無論見覚えがあるものだった。 最も信頼していた親友の矢が……通じないまでも、確かに藤宮の射撃体勢を崩して、迎撃させるという隙を作り出すにまで至っていた。 「立夏! これを!!」 「――――ああ、これだ。ありがとう、紗夜子。やっぱり、これが一番しっくり来る」 縛狼の魔法によって生み出された鎖が、"断ち切られ"ていく。 そこに立っているのは、マントを翻して、輝かしい軍刀の白刃を煌めかせる剛剣の魔法少女と、剣と盾を携えた、六枚羽の天翼の魔法少女。 「……ひよりちゃん、皆……」 解放され、立ち上がり、その三者に一様に視線を送る。皆、それぞれ思うところがあるのだろうが、そこにいる魔法少女達、彼女達は確かに。 一つの大きな脅威へと向けて。今漸く、一丸となって、刃を突き付けている。 「……なんとも小賢しい。群れたところで、何か出来るとでも」 それでも、やはり藤宮明花という女王は、絶対の自信を崩さない。此処にいる総ての人間の、立ち上がる心をすら圧し折りかねないほどに。 だが、ここには確かに折れない心の魔法少女がいる。ただそれだけで、他の魔法少女の心を支え、そして立ち上がらせるにまで至らせる。 その在り方こそ、歪んでいようとも。たった今、その魔法少女が齎す結果は――――きっと、"魔法少女"のそれと相違無いものなのだろう。 「私達は、魔法少女――――貴女を倒すくらいなら、きっと出来るはずです」 背筋を伸ばして、目線を上げて、胸を張って。凛々しく、君臨する女王へと言い放った。 第六話 BURNING CLOVER 第ニ節 終
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柔らかな、朝の光が差し込んでくる。 死屍累々、皆思い思いのまま一つのベッドの中で折り重なって力尽きるように、泥のように眠りこけていた。 皆、ここに来てこうまで油断しきっていたのは初めてだった。曲がりなりにも、仲間とともに在る、という事実が人間らしい欲求を思い起こさせたのであろう。 ――――――――最初に目を覚ましたのは、此花立夏であった。 戦闘に特化している以上、中でも特に変化というものに鋭敏であったのは、ここに居る皆が知るところであった。 つられて隣に眠る来栖宮紗夜子が目を覚まし、連鎖して残る二人が目を覚ました頃には既に、立夏は締め切られたカーテンを開いて、外の景色を映し出していた。 雛菊ひよりと天王寺ヨツバは、この光景を理解できなかったが、立夏と紗夜子にとっては鮮明とは言わずとも、思い出させる物があった。 「――――――――まさか、結界!?」 紗夜子がそういうのに、立夏は頷いた。 二人にとっては預かり知らぬものであった。魔法少女として、魔法少女ロワイヤルには存在しなかった……少なくともここにいる四人はそれを持たなかった。 「……瀬平戸出身の魔法少女だけが持つ、謂わば専用のバトルフィールド……でも、今は使えないはずじゃ……」 二人への説明も兼ねて、それを立夏が補足する。 そも、この現在の瀬平戸には汎ゆる平行世界の魔法少女と呼ばれた存在が集結している。本来であればひより達はこの世界にとって異常な魔法少女ということになる。 故に、預かり知らぬ魔法、或いは基本能力というものがあったとしても不思議ではない……事情を知らぬ以上は、そう認識する他になかった。 「それだけ藤宮明花の力が強大だった、ということでしょうか。ともあれ……こうなれば、最早時刻は関係ありません」 魔法少女達の戦いは基本的に深夜に行われていた。 被害を出さないように、誰かを巻き込まないように、何より大半が学生である以上は昼間の日常というものが存在するからだ……それはここに来ても変わらなかった。 だが、今度は違う。結界を張れば、いつ何処であろうとも、周りに被害を出すことなく存分に戦闘を行える。いつでも仕掛けることが出来る。 「眠っている時間は無い、ということですね」 ひよりの言葉を皮切りに、そこにいる少女達が魔法少女へと変身する。 眼下には――――魔法少女兵と、それに混じったMG-AIE……それらが、ホテルの周囲をぐるりと取り囲んでいる。 既に場所は特定されている。直ぐにでも総攻撃は始まるのだろう。ならば先手必勝だと、オーネストハートはホテルの窓の縁へとその右足を掛けた。 「良いですか、目標は藤宮明花ただ一人。それ以外を相手する必要はありません――――作戦も変わらず 行きましょう。我々アケラーレが、勝利する瞬間を!」 翻って、少女達は空を駆け出した。 異界の空を駆けていく。右とも左ともつかぬ空の下、少女達の心の内は、迷いなく、不思議と今までの何時よりも軽いものとなっていた。 ドレスを着込んだ、歯車の女王。 規則的に動き続ける、正しく機械の如く、彼女は其処に在り続けた。今がその頂点であった。 黒百合学院……藤宮明花にとって、全てが始まった場で、全てを終わらせるべき場だった。その屋上に、坐していた。 だからこそ、魔法少女兵達を放ち、追い立てて、ここまで追い詰めるつもりだったが、少々予想外だったのは獲物の方から、こちらへとやってきたことだろうか。 「……御足労頂き感謝します、魔法少女の皆様方」 スカートの端を摘みながら、カーテシーを振る舞った。そこに漲り、そして迸る力に、魔法少女の四人は背筋を冷たいものが這い上がっていった。 感情や、恐怖心とはまた別の方向から来る本能を揺さぶるもの……目の前に在るのは絶対的な支配者だ、逆らってはいけない、自然の摂理として上に立っている存在であると。 だがそれでも、立ち止まろうとは考えなかった。その中でもオーネストハートは、自身を律し、貫き、一歩前に踏み出して、目の前の女王を睨みつけるのだ。 「今度こそ。貴女を倒します。これ以上、貴女に魔法少女を、貶めさせない」 その言葉に、くっ、と……女王の口元が綻んだ。傍らに立っている、無色透明の少女、ゲームマスターのそれとは比べ物にならないほどに表情は豊かだった。 或いは、わざとらしいほどに、とでも言うべきか。口元に片手を添えながら、然し嘲笑するような笑いを隠しきれていない様子であった。 「魔法少女を、貶める? 貴女が一体、何を言っているのか……全く分かりません」 「理解なんて求めてません。ただ、私達は貴女を打倒します」 オーネストハートが、双剣を構える。それと同時に、各々また同様に得物を構えた。 刀、槍、剣と盾……何れも、今正しく彼女へと斬りかからんとするような意思を見せていたが、然し女王は銃を構える素振りすらも見せることはなかった。 「そうですか、ですが……私には、その前に少しやることがあるのです」 どうでもいいと、切り捨てるかのようにそう言った。 傍らのゲームマスターへと、女王が視線をやると、それを受けた彼女が小さく頷いて、一歩近付き、そしてその右手を差し出した。 眼の前の光景に気圧されているかのように、四人は動かなかった、或いは動けなかった。何が起こるのか、その場にいる誰もが、理解していなかった 「――――――――さぁ、私に、この魔法少女ロワイヤルの"ゲームマスター権限を譲渡しなさい"」 全員が驚愕した。 ゲームマスター権限の譲渡。この戦いが魔法少女ロワイヤルであると仮定するのであれば、それは絶対的な、正しく神の如き力を手に入れるに等しい。 それはゲームを平等に運営するというゲームマスターの力があってこそ成り立つもの。もしも明確に、意思があり、目的が在る存在に譲り渡されたと為れば。 何も考えなくとも、何が起こることは、分かるだろう。 「――――させるものか!!!」 「……貴女達に、届くとでも?」 縮地。真っ先に駆け出したのはコノハナ少佐であり、握り締めたその刃を振り下ろし、その手首ごとを断ち切らんと試みていた。 瞬間、女王が片手を掲げれば、命じた通りに時は静かに動きを止める。然しその中でも動くことが出来る魔法少女が存在していることを、女王もまた知っている。 連結したオーネストアローから、何度も矢が放たれた。エネルギーの塊を……防いだのは、"ティーテーブル"だった。 「――――アール、グレ……」 紗夜子の絶叫は、止められた時間の中では届かない。 放たれた魔法に意識を取られた一瞬、その手足を絡め取るのは鎖だ。先にも見覚えのあるそれが手足を絡め取り、何重にも拘束を仕掛けている。 この時間停止を打破するための要は、他でもないオーネストハート自身だ……その動きを、封じられてしまったのならば。 「――――――――さぁ、"ゲームマスター"」 差し出されたその右手を、女王が手に取った。これで最早、誰も、邪魔をする者は居ない。 白く、何者にも染まらない光が、ゲームマスターの片目に奔った。 「……魔法少女ロワイヤル、権限申請を許諾。再起動の後、ゲームマスター権限は藤宮明花へと権限委譲します。さん、に、いち……」 静かなカウントダウン。派手なエフェクトが迸るでもなく、静かにそれは実行されようとしていた。 機械的、機構的、設定された通りに……ゲームマスターという無色透明の存在は、その意義を失って、ゆっくりとその輝きを失いつつあり、それは全て。 女王、藤宮明花の元へと収束しようとして―――― 唐突に、繋がれた手の間に白く光が迸った。 それは痛みを生じさせ、女王は反射的に手を引いた。火傷に似た痕がそこには残っていた。 ゲームマスターの表情に薄っすらと困惑にも似たものが浮かんでいた。それから視線は……拘束された、オーネストハートへと向けられ、確信したように頷いた。 「権限委譲は却下された。ワタシと同等の権限が……申請を、拒否して」 「……"ゲーム、マスター"……」 雛菊ひよりの知る、オーネストハートの知る、ゲームマスター。たった一度、この瀬平戸で、自分達を助けたあのゲームマスターの力が……却下した。 この場には、二人のゲームマスターが存在することになる、そうなればその神の如き力も、お互いの権限が打ち消し合って、無意味なものになってしまう。 ならば……暫くの間、女王はゲームマスターを見下ろしていた。自身に寄り添った、その少女をだ。それから、一度だけ瞳を閉じて―――――――― 「――――――――であれば、貴女は"不要"ですね」 ――――――――乾いた炸裂音が響いた。 発砲煙が銃口から薄く立ち昇っている。 無色透明を赤色が染め上げていた。その腹部を、確かに女王が放った鉛玉が、無残に引き裂いていったのだ。口元には、何でもないかのように笑みを浮かべながら。 ゲームマスターの表情は、驚きのものではなかった。ただ、藤宮明花という少女に対する……罪の意識、"申し訳ない"という感情で、頭の中は一杯になって。 止まった時間の中、小さな身体が倒れ込むその音を背にして、女王は再度、魔法少女達へと向き直る。 102 名前:名無しさん[] 投稿日:2019/07/06(土) 17 23 05 「――――さ、続けましょうか」 .