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ここでは、世界の中心ハニームー学園の舞台となる世界に存在する、異世界の扉について説明する。 異世界の扉 異世界の扉とは、様々な場所に突然開く、異世界へ通じる穴のことである。 この異世界の扉は世界中に存在し、意思のある生物が穴に触れることによって、その生物を異世界へと強制的に転移させる。 通じている異世界は様々であり、この世界に存在する八百万の種族のほとんどは異世界から移住してきた種族である。 この世界と異世界には、正式な国交があるが、異世界の扉では移動する生物が身に付けている物しか一緒に転移されないため、貿易などの大規模な取引は無い。 また、この数百年の間、新たに異世界の扉が発見されたという報告は無い。 人工的な扉 この世界では異世界の扉を研究し、人為的に異世界の扉を開けないか、という研究が成されている。 実験が成功したという例は未だに無いが、空間関係の魔法を組み合わせることによって、非常に小さな人工世界を作ることには成功している。 使用者の魔力に依存した大きさの世界が出来上がるため、多くは家一軒程度の広さの空間が出来上がるだけである。 が、人工とはいえ異世界であるため、周囲に影響の出るような魔法実験を行う際などに安全な実験場所として有効活用されている。 異世界の扉の扱い 異世界にはこちらの世界には無い新たな技術、魔法、貴重な資源などの存在する世界もある。 そのような扉は国家の資産として厳重に管理されており、また1000年戦争以前は異世界の扉を巡って戦争まで起きることもあった。 ただし、現存する異世界の扉のうち8割程度はこちらの世界と似たような資源か、大昔に開いたためもう既にこちらの世界に馴染んだ技術体系などが存在した世界である。 そのような世界に通じる異世界の扉は一般開放されており、簡単な身分証明書を提示すれば自由に通行が可能である。
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登録日:2021/05/12 (水) 00 05 05 更新日:2024/03/18 Mon 22 56 38NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 どこかで見たような設定 ガンガン スクウェア・エニックス スーパー戦隊 ファンタジー 中吉虎吉 仮面ライダー 出オチ 剣と魔法と戦隊ヒーロー 太陽の森の防人アメン 少年ガンガン 戦隊 戦隊パロ 戦隊レッド 異世界で冒険者になる 漫画 特撮オマージュ 異世界 絆創戦隊キズナファイブ 転移 魔力の種 戦隊ヒーローは異世界でも無双する!!? ■概要 『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』とは『月刊少年ガンガン』2020年11月号から連載している作品。既刊6巻(2024年1月現在)。 作者は中吉虎吉。 その名の通りスーパー戦隊×異世界モノの漫画。 ネタ漫画と思いきや作者が戦隊好き(というより特撮好き)という事もあり、ファンタジーに戦隊のお約束を組み込んでいい感じの王道漫画に落とし込んでいる(*1)。 1話は無料でweb公開されているので、試し読みして気にいった方は単行本を買おう。 ■あらすじ 悪の組織との最終決戦で、敵と相打ちになった戦隊ヒーローの浅垣灯悟。 命を落としたかに思われたが、気が付くと異世界に転生していたのだった! 異世界でも困った人々を救うため、冒険者となり、キズナレッドに変身して今日も戦いを続ける――! 異世界×戦隊ヒーローの最強英雄譚、開幕!! (公式より引用) ■主な登場人物 浅垣灯悟/キズナレッド ええ!? 元の世界では子供から大人気だったんだぜ!? 真っ赤でカッコいいって。 本作の主人公。『絆創戦隊キズナファイブ』の一員。愛称として「レッド」を自称する。19歳。 元の世界で敵組織『秘密結社ゼツエンダー』のボス『絶縁王』との一騎打ちにて相打ちで終わり、死後異世界に転移していた。 この世界でも困っている人がいる事を知り、この世界に転移した理由と帰る方法を探しながら人助けするために冒険者になった。 性格は一言で言えば『熱血バカ』。とはいえ4クールの冒険を終えた後ゆえに単なる馬鹿ではなく知的さを垣間見せる事も。注射は嫌い。 事あるごとに「絆」「絆」と言うが、元いた世界で追加戦士っぽい人から「人一倍「絆」を求めるのは、絆に飢えた寂しがり屋だから」と指摘されている。 最終回後の設定なので元一般人とは思えないほどの戦闘経験もあり半端なく強い。 その戦闘力は、雑魚戦闘員≒高レベルモンスター。 というか、そもそも特撮の敵はかつて地上を席巻した超越種・宇宙の彼方から襲来した危険集団・いくつもの世界を破滅させた化け物などなど、世界を超えてくるなど当たり前の連中。 一勢力で現地世界の半分も掌握できてない特撮界の野生動物レベルの支配力しかない連中+野良モンスターなど真価を発揮すれば相手になるはずがないのである。 ただし戦隊ヒーローは全員揃って全力が出せるため、純粋に敵が強い事もあって無双するには程遠く、味方との連携が必要不可欠。 色恋沙汰に興味がないかというと意外とそうでもなく、巨乳を見ると目がそちらに向いてしまう年頃の青年らしい所もある。イエローの目は死んだ。 寝てる彼に魔道具を接続するとかつての戦いが再生されるため、仲間たちに無断でちょくちょく脳内を覗かれている。 イドラ・アーヴォルン 一体どんな洗脳教育を受けたらそんな感性になるのよ。 本作のヒロイン。ツッコミを担当。16歳。レッド曰く「可愛いって言うより美人系」その胸は豊満であった。 アーヴォルン家は王家に仕える魔道士の最高位『王家の杖』を代々任命されていた一族であり、イドラは現当主。 しかし先代である父親が王家の杖の座を賭けた戦いに敗れてしまい、一族揃って王都から追い出されてしまい没落。 しかも王家の杖は「人々の役に立つため」に存在するのに対し、 現在の王家の杖『シャウハ』は私腹を肥やすために地位を使っているため、その地位を奪還する事を目的としている。 魔法に対する姿勢は高潔で、たとえ父親を侮辱した死ぬほどムカつく相手でも命を助ける為の魔法は躊躇わなく使う。 明らかに世界観の違うキズナレッドのあらゆることに困惑を隠せない。 (キズナレッドのステータス(*2)を見て) 「何故パンチ力とキック力が分けられているの?攻撃力でまとめなさいよ レベルはどこ?ステータスに身長・体重を乗せる意味! てかスキルが見当たりませんのですが? やっぱ必殺技名ダッサいわ……。 (付属している「ゼツエンダーにはまけないぞ!」という写真を見ながら) 「そしてコレは誰に対する何情報なの?」 1話目にレッドの熱烈発言で早々に落ちかけ、後に自分の好意を自覚。 本人に想いを告げこそしないが、彼との絆をモチベーションとするなどかなり惚れ込んでいる。 ただし、他の女子と仲がよさそうだと包丁とか持ち出しそうな顔をする。 テルティナ・リズ・ワーグレイ・アヴァルロスト あんな力を持った人間を野放しにしたら魔力の種より危険だと。 イドラの一族が仕えているアヴァルロスト皇国の第三王女。15歳。ぺたい。本人も気にしてる模様(主にイドラとの比較で)。 チャームポイントは八重歯。 王族としての使命感を持ち、貴族の間で流行っている『魔力の種』を危険視してそれを回収する旅に出ている。よく見ると瞳が……。 しかし自分とロゥジーだけでは限界を感じ、王家の杖の末裔であるイドラと灯悟を仲間にした。 他の身分が高い王族と争うことになっても「種」を破壊する覚悟を持ち、レッドの変身を見て好奇心を爆発させたり、 レッドと共感しないと乗ることのできない巨大ロボに簡単に搭乗したりと肝が据わっている。それでも宇宙に来たときは放心していたが……。 レッドと初対面の時、ロゥジーと独特のやり取りをした結果、レッドから「変わった奴らだ」と言われた。イドラが「お前が言うな」という目で見てる。 ある日、一夜明けて何だかもじもじするレッドとイドラを見て、『「絆創合体」したんですか?』とぶっ込んでくるなど、結構いい性格をしてる。 ロゥジー・ミスト テルティナ様との二人旅を邪魔されたくありません!! テルティナに仕えている従者。 『孤高の剣鬼』の異名を持つ元S級冒険者にして聖剣に選ばれた勇者。 レッドの変身を見ても動じない・合体ロボ相手に互角に戦うなどその実力は本物(レッド曰く幹部怪人以上)だが、「守る戦い」は不慣れ。 異世界人の灯悟を除き、大なり小なり魔力を持っているこの世界の生物の中で魔力を一切持たない特異体質の青年。 かつて魔王を封印した『王家の聖剣(*3)』は魔力吸収能力があり、 それは敵のみではなく所持者の魔力すら吸収してしまい、屈強な男ですら魔力を吸いつくされ昏倒してしまう。 なので「最初から魔力を持たない人間なら持てるのでは?」と考えたテルティナによって勇者に選抜された。 幼少期、魔力を持たない事で『忌み子』として周りから拒絶されており、そんな自分を拒絶せず受け入れてくれたテルティナを慕っている。ドストレートに愛を語るが、お互い異性として見てるかは不明。 テルティナに対して取り繕うためにちょくちょく嘘をついたりするが、「正直に言いなさい」と言われるとノーウェイトで本当のことを言う。 そのため同じく魔力を持たず、自分も見た事がないテルティナの笑顔を引き出した灯悟を敵視している。 ラーニヤ/7代目アメン 天に戴きこの身を宿す!! 我こそが太陽の森の防人"アメン"だ!! エルフの里『ルグシム』に住む若き次期女族長。 かつて古の勇者と共に戦ったという異世界の戦士『初代アメン』の力を宿したバッジメダルではないの力で『太陽の森の防人アメン』に変身する。 ロゥジーとテルミィナと対峙した際は直情的な面を見せていたが、実際は内気で恥ずかしがり屋。 戦闘時には「心に強気な仮面をかぶることで勢いをつけている」とのこと。ラーニ『ャ』ではない。念のため。(*4) ■用語 絆創戦隊キズナファイブ 灯悟がいた世界で活躍していた戦隊ヒーロー。メンバーは赤・青・黄・緑・ピンク。 あと追加戦士っぽい人もいたが最終決戦時にはいない。 『絆』と、それにかけた『絆創膏』がモチーフ。変身後の姿のあちこちに絆創膏がある。 絆創膏型の変身アイテム『絆装甲(バンソウプレート)』を手首の『キズナブレス』にセットし「絆装チェンジ!!」と叫ぶことで変身する。 変身音は「ペッTURN」、解除音は「ベリーGOOD」。これらは、絆創膏を貼る音と剥がす音をモチーフにしていると思われる。 手首に絆創膏という点に闇を感じるのは気のせいだろうか。 この『キズナブレス』近年の戦隊アイテムらしく、やたらハイテンションであり技を使う度に技名を叫ぶ。 + イカれた仲間たちを紹介するぜ! ・万丈寺流/キズナブルー 澄み渡る清き信頼の戦士。 24歳。IT企業の若き社長であり大金持ちのボンボン。クールな知的眼鏡枠。アホの灯悟に頭を抱えている。 社会人として信頼を重んじており、早々に秘密であるはずの秘密を明かしたレッドに対し、信頼できないと言い放った。けど結局はデレた模様。 バイザーは雫型。 ・飛星エミリ/キズナイエロー 永遠に輝く約束の戦士。 26歳。高校教師(灯悟の担任かどうかは不明)。ぺたい。 美人だが元ヤンで怒ると怖く、灯悟の暴走を物理的に止めるイエティ(Yellow Teacher)女。 どうやら灯悟に気があるらしく、彼が巨乳美人に見とれていた時は死んだ目で自分の胸を触っていた(他の面々は珍しい灯悟の色恋の気配で煽りモードに突入)。 バイザーは星型。 ・堅岡修二/キズナグリーン 硬く揺ぎ無い団結の戦士。 20歳。メンバー中随一の巨漢で暑苦しいサバイバルゲームオタク。筋トレ好きで礼儀正しい。 バイザーは宝石型。 ・愛沢ツカサ/キズナピンク 咲き乱れ荒ぶる恋愛の戦士。 16歳。灯悟の後輩。気だるげで恋愛脳な今時のギャル。灯悟を先輩と呼ぶが、やはり同じ学校かは不明。 バイザーはハートマーク。 カサブー 所謂マスコット。陣笠を被ったブタのようなゆるキャラ…もとい、サポートキズナビースト。 ペタゴラス博士 キズナファイブの装備一式を作ったマッドサイエンティスト。 絆という不確定要素を万物の根源となる結合エネルギーに転換する技術を作った。 絆創甲型のバイザーを着用している。 ・キズナレッド 浅垣灯悟が変身した姿。腕輪型アイテム『キズナブレス』に『絆装甲』を嵌めポーズを取ることで「燃え盛る熱き友情の戦士キズナレッド」になる。 変身すると必ず背後で爆発(本物)が起こるので隠密活動には不向き。 某テレビマガジン風のステータス表(*5)によるとパンチ力が20トン・ジャンプ力が30m、100mを3秒で走るなどハイスペックで、 オーガやトロルをザコ戦闘員扱いし、普通の冒険者なら迷わず逃げるミノタウロスを蹴散らすほど。 必殺技のバーニング・キズナパンチの他に握手(アクシュ)カリバーや縁結(エンムス)ビームガンを使う。 戦隊ヒーローなだけあって合体ロボやチーム全員で扱う大型ビームバズーカもどこからか召喚できる。作中の説明からすると、どうやらその場で創造している様子。 激昂すると赤と黒の配色が反転した形態になるが、詳細は不明。 キズナブラック レッドの奥の手。やや大きいブラック絆装甲を使って変身する。 通常はセットした絆装甲が回転して変身シーケンスに入るのに対し、こちらはセット箇所を覆うように固定具が展開される仕様。 また、変身中の敵からの攻撃による変身妨害への対策として、黒い絆創膏が出現し周囲を防ぐようになっている。 戦闘能力はレッドの時点で高かったそれが更に大幅アップするというすさまじいもの。帯状の絆創膏を自在に展開して攻撃することもできる。 大量の絆創膏を固めて作った巨大な拳で殴りつけたり、束ねた絆創膏を杭のように打ち出す「パイル・カットバンカー」などの技がある。 何より、性質上戦闘そのものに絆の力を必要としないので、単独でも力を発揮できる。 その力の源は、灯悟の孤独への恐怖と絆への執着。 心の闇を力とするため、制御の利かない暴走形態であり、仲間以外に対して無差別攻撃を仕掛ける。特に、仲間に攻撃した敵に対するヘイトの上昇率が凄まじい。 ざっくりいうと、暴走初号機みたいな挙動をするゼルエル。 暴走形態なので、自分で変身を解除できないのが最大の欠点。 キズナビースト 動物(ティラノサウルス、鳥、虎、ゴリラ、イルカ)を模した5体の巨大戦力。 設定によるとAIを搭載したロボットで、言葉は話さないが意思を持っている。異世界の面々からは巨大ゴーレムと認識されている。 本来はキズナファイブの各メンバーの相棒メカのようだが、レッド単独でもすべてを呼び出すことができ、召喚に応じてどこへでもすぐに現れる。 元の世界でこいつらどうなってるんだとか、これに乗って帰ればいいじゃんとか言わない 合体のほか、巨大戦闘と等身大戦闘を並行して行う場合や怪人化した敵を運ぶ場合に単独でも活躍する。 マキシマム・キズナカイザー キズナレッドの最終兵器。5体のキズナビーストが合体することで巨大なロボットになる。 お約束に漏れずとてもカラフルで、もちろん巨大な剣も持っている。 原動力は絆エネルギーという不確かで曖昧なモノであり、搭乗者が少ないと初期エネルギーが少なくすぐ動けなくなる。 定員は5名で、キズナファイブ及び彼らと絆を結んだ仲間だけが搭乗できる。つまり乗れている時点でレッドと絆が結ばれていることになる。 レッドでは敵わなかった古代の魔龍をも圧倒し、巨大化して街を潰そうとした怪物を宇宙へ押し出すなどの活躍を見せるが、 その場に仲間が4人いないと全力を発揮できない 狭い洞窟で呼ぶとはまって動けない 相手が小さいと攻撃が当たらない …等々制約も多い。 イドラ曰く「同サイズの相手と広い所でしか戦えないポンコツなのでは?」 ちなみに大きさはせいぜい常人の10倍程度と、元ネタに比べてかなり小さい。 必殺技は胸の口から放つ超火力砲「マキシマム・キズナブラスター」、絆創膏を模した巨大剣グレート・絆ソードでの斬撃「勇輝一閃(ブレイブレイ)キズナスラッシュ」など。 絆エネルギー レッドを始めとするキズナファイブの装備のエネルギー源。 魔力とは全く異なるが決して特別な力ではないようで、キズナファイブ以外の普通の人々や異世界の人間でも持っている。 人数が揃うほど高まる一方で、互いの心にわだかまりがあるとエネルギーを束ねても反発してしまうなど、良くも悪くも人間同士の絆に左右される性質がある。 キズナファイブ世界の理論では原子の結合もまた結び合う絆の力であり、絆エネルギーの本質は『万物の創造を司る万能の力』というかなり大それたものである。 スーツや武器はどこかから取り出したり呼び寄せているのではなく、絆エネルギーでその場で創り出している。 緊急キズナワープ 絆装ブレスの機能のひとつ。遠く離れた場所にいる仲間のもとにワープで即座に駆け付けられる。 原理としては先述の絆エネルギーの創造の力と、絆の結び付きが強いと引かれ合う性質を利用し、「一旦原子レベルまで肉体を分解して相手の所で再構成している」らしい。何それ怖い… 本来は絆装ブレス同士で強い絆エネルギーを交信しないと使えないが、イドラがマナメタルを持った状態で偶然に発動させたことで、マナメタルと絆エネルギーの間に何らかの関係があることが判明した。 マナメタル この世界で最近発見された、地脈から噴き出した魔力が何らかの力で結晶化した希少鉱石。 イドラは王家の杖として返り咲くため、このマナメタルの性質を研究している。 魔力の種 近年貴族の間で取引されている種。 この種を肉体に植えると魔力が増大し、宿主にその願望を叶える『特権魔法』を与える。 『特権魔法』とは、例えば金が欲しいと願う者には触れる物を金に変化させる物質変換魔法、 財宝を守りたいと思っている者には屋敷ごと包む巨大結界魔法など、本人の願望に根差した効果の強力な魔法である。 特権魔法の発動(『特権解放』)時には、植えられた種から花が咲くのが外からも見える。 植えるだけで簡単に高位魔法が使えるようになる素晴らしい魔導具に見えるが、種の力が宿主を超えると宿主を飲み込んで魔物に変えてしまい、理性を失った暴走状態に陥る。 テルティナはこれを危険視しているが、他の王族の後ろ盾がある王家の杖であるシャウハがこの種に関与している可能性があり、立場の弱い彼女には表立って禁止できない。 そのため種を使っている疑いのある貴族の元へ直接赴き回収して回っている。 王家の聖剣 かつて勇者が魔王を封印した時に使っていた聖剣。 七つの聖剣を融合し一つの神器にした存在であり、姿形を変える事で能力も変化する。 融合した剣の中に膨大な魔力消費を補うために『魔力を吸収する剣』というモノがあり、 これが敵のみではなく所持者の魔力すら吸収してしまい、屈強な男ですら魔力を吸いつくされ昏倒してしまう。 その結果、1000年ぶりに魔力を持たないロゥジーが現れるまで誰もこの聖剣を持つ事が出来なかった。 聖剣の内訳は以下の通り。 第一聖剣:基本形態なので、名称不明。無+強欲。フルオートで片っ端から周囲の魔力を吸収する。この吸収した魔力が、他の聖剣の動力源となっている。 第二聖剣:核熱怒業(ドラグラース)。炎+憤怒。片刃の大剣で、爆炎を纏う。 第三聖剣:羨姫絶響(エンヴィーネ)。水+嫉妬。水の糸を打ち込み、内側から炸裂させるレイピア。歌わない。 第四聖剣:冥休楽土(エンヴィーネ)。土+怠惰。超重力を周囲に展開するが、自分も影響を受ける上に魔力消費が大きいので10秒しか使えない。 第五聖剣:飢生疾風(グラトシルフ)。風+暴食。剣というかナイフの巣。夥しいほどのナイフを射出し、嵐のように襲う。 第六聖剣:星蝕浄咬(ラストノワール)。闇+色欲。ギガドリルブレイク。 第七聖剣:王輝金轟(フルプライド)。光+傲慢。両手と背後に7つの大型剣(というか剣の柄と刃のある盾に近い)を生成する。 太陽の森の防人アメン ラーニヤが変身した姿。 スクラッチ音声が鳴る円形の缶バッジ型の小物「レリーフグリフバッジ」の後部のピンを外し、「戴天身!!」と叫びながら左腰に下げたバッグ型アイテム「アメンバッグル」の中央部にセットすることで変身。 スフィンクスなら格闘戦を得意とする『スフィンクスフォーム』 スカラベなら遠距離攻撃を得意とする『スカラベフォーム』 ファルコンなら飛行戦が得意な『ファルコンフォーム』 ……という風に、様々な模様の描かれたバッジを交換することで状況に応じた様々なフォームにチェンジする。 必殺技はそれぞれ巨大なエネルギー弾を投擲する『スカーレット・ランページ』(スカラベフォーム)、 両腕の翼から無数の羽根手裏剣を飛ばす『コンバット・ブレイズ』(ファルコンフォーム)、 そして生成した巨大なピラミッドをジャンプキックで叩きつける『スピリット・コフィン』(スフィンクスフォーム)。 灯悟が戦隊ならこちらは仮面ライダー…といったところか。 ラクダのバッジをセットすることでラクダ型オフロードバイクも召喚。ライダーブレイクを思わせる突撃攻撃も可能。 逆に言えば、バイクへの搭乗には専用のフォームが必要となる。 名前の由来は古代エジプトの太陽神アメン(アモンとも)から。 エジプトの知恵の神・スフィンクスの他にもスカラベは日輪の回転を司るケペラ神の化身、ファルコン=ハヤブサは天空神ホルスの化身、 ラクダは砂漠の移動手段とバッジの絵もエジプトにまつわるものから由来していると思われる。 追記・修正は結んだ絆で未来を創ってからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 記事作成乙。戦隊モノ(ぼっち)、理解できなくてもいいや -- 名無しさん (2021-05-12 00 33 18) 「絆」と「絆創膏」をかけるってのは面白いと思ったけど、変身の際の「絆創膏を手首に貼る」ってのは何か闇を感じすにはいられない… -- 名無しさん (2021-05-12 06 31 41) 最近はヒーロー、ヒロイン側を皮肉って叩く作品が多いから、ヒーローが王道にいい奴っぽいだけで面白そうって思っちゃう -- 名無しさん (2021-05-12 06 47 11) 無料公開してた1話を見てきたけど中々面白かった。ヒーロー系も異世界転生系も捻ったものが多い中で珍しく王道な予感がする -- 名無しさん (2021-05-12 07 20 43) 異世界転生モノらしくレベルやらスキルやらステータスやらも登場するのだが、レッドのには笑った -- 名無しさん (2021-05-12 08 11 53) 最終回でラスボスに特攻してレッド生死不明とか「絆絆うるさいのは誰よりも寂しがり屋だから」とかそこはかとなく靖子の匂いがする… -- 名無しさん (2021-05-12 09 10 40) 主人公は良い奴、ヒロインも優秀なツッコミかつ可愛らしい、無双もせず程々に強いといい感じもだが、クサいセリフバンバン言っても「戦隊レッドだから」で納得してしまうのもいいな。明るい熱血兄ちゃんキャラで親しみやすい。 -- 名無しさん (2021-05-12 09 14 40) 第1話面白かったんだけど変身して合体ロボも必殺技も出して出し惜しみしなさすぎで読み切りかと思うほど詰め込まれてたけどその後の話も面白い? -- 名無しさん (2021-05-12 09 40 07) 転移物で元の世界に帰ることを目指すっての最近だと珍しいな、キャラ的には自然ではある -- 名無しさん (2021-05-12 14 38 43) ザコ戦闘員と高レベルの魔物が同じ程度の強さというあたり、異世界のほうが弱いのか戦隊のほうが強いのか -- 名無しさん (2021-05-12 15 06 30) 特撮ヒーローや怪人ってカタログスペック上だと数百~数千馬力とか余裕で叩き出すの多いし、そこもお約束に沿ってる気がする -- 名無しさん (2021-05-12 20 44 21) 異世界転生だと転生後の世界に合わせた能力になることがほとんどだが、そんなの知ったこっちゃないとばかりに戦隊の世界観をそのまま持ってきているのがいいね -- 名無しさん (2021-05-12 20 55 58) 巨大ロボを召喚して攻撃(街ごと吹っ飛ばす事になるから止めろと言われて未遂だが)なんてやらかそうとしてるとか、割と容赦ない -- 名無しさん (2021-05-12 23 19 47) 気持ちいい主人公だなぁ -- 名無しさん (2021-05-13 01 56 13) 細かいところ見ても、作者が戦隊や特撮好きで描いてるんだなって愛を感じるのがいい。作品によっては戦隊や特撮ヒーローをよく知らず、調べもせず、明らかににわか知識だけでパロディしやがったな…ってのはそっちばかりが気になっちゃうからね。 -- 名無しさん (2021-05-13 09 53 47) ↑評価するのはいいけど、よそへの愚痴が入るのは良くないと思う -- 名無しさん (2021-05-13 09 58 41) ↑まあ、最近は「王道をけなせばいい」みたいな作品が多いんで書いた人の気持ちはわかる。王道をちょっと外す、くらいならいいんだろうけど。この作品は直球ど真ん中な感じが好感持てるって人も少なくないだろうし。 -- 名無しさん (2021-05-25 05 47 13) 異世界モノって「普通の人間が転移・転生することで超人化」というパターンが多くて、「強い人が強いままで異世界に」というパターンは少数派だよね -- 名無しさん (2021-05-25 22 01 40) レッドさん、生身でもめちゃ強だよね?特撮ヒーローは変身前でも戦闘員(=高レベルダンジョンモンスター)相手に無双するシーン結構多いし。 -- 名無しさん (2021-06-13 17 42 11) ターボ円陣が「これ年末商戦で売れ残るやつだ…」っていわれるのがなんかわかる -- 名無しさん (2021-06-22 12 45 08) 第一話のかませ冒険者やライバル勇者にも矜持や強みを持たせる辺り頭悪そうな作風に比べて結構考えて作ってるのがわかる。 -- 名無しさん (2021-06-22 13 35 44) ニチアサの戦隊ものっぽい技名とかの付け方がすごいと思う、異世界転生ものはやっぱこういう異種格闘技という -- 名無しさん (2021-07-11 18 08 54) おお、こっちでも記事作られてたのか。王道で良い作品だし、2巻の発売と共に知名度も上がって行ってくれるといいねぇ -- 名無しさん (2021-08-24 20 39 07) 最終決戦後のヒーローである、というだけで人助けのために動くことも強いことも違和感全くないもんな。作者の着眼点がすごい。 -- 名無しさん (2021-08-24 21 06 16) イドラお嬢様のオッパイすげーデカいな! -- 名無しさん (2021-08-24 21 23 51) 今メダルで変身する仮面ライダーっぽいキャラも出てるよね -- 名無しさん (2021-08-24 21 27 28) 「気軽にレッドって呼んでくれ!」「あんだけ赤けりゃ言われなくてもそう呼ぶわよ」←このやり取り好き -- 名無しさん (2021-08-29 20 44 45) レッドがテンプレ的いい奴なのもいいが、下心なしにサクッと美人とかいい奴とかイドラのこと褒めまくるのも好感度高い。素直に褒める人って素敵。 -- 名無しさん (2021-09-03 16 10 02) 聖剣は同じスクエニのエルナサーガのオマージュを感じる -- 名無しさん (2021-09-13 03 46 35) まさかのイエローが最年長とは...。しかも次がブルー。グリーンお前あの見た目で20かよ...。 -- 名無しさん (2021-09-18 09 39 39) 漫画の実写化には反対派だがこの漫画は実写化してほしい。ある意味逆輸入的な… -- 名無しさん (2022-06-01 15 32 48) 桃井タロウ程じゃないがソノイが気に入りそう -- 名無しさん (2022-06-01 16 35 19) 冒頭をキズナファイブの記事っぽいあらすじにすると面白そう -- 名無しさん (2022-06-26 10 00 22) 単行本勢なので2巻後の展開を知らないけど、ステータス展開の技術、元々現世からシルバーとウラギリスが持ち込んだ技術ベースだったりしないかな。それなら、レッドの表示がおかしい理由になるし。 -- 名無しさん (2022-06-26 19 39 46) ライダー模したキャラとの戦いで、(電子音や声が)うるせえ…と言われていたのは笑った。共演してもあそこまでうるさいのは映画くらいだけどね。 -- 名無しさん (2022-09-02 12 39 50)
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「仮面ライダー電王」の野上良太郎とご一行 『使い魔な電王 異世界で俺、誕生!』 第一話 『使い魔な電王 異世界で俺、誕生!』 第二話
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異世界の迷宮 普通に攻略 攻略する前に
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暗闇の中、焚き火の火をボンヤリと眺める。 自分には知覚できないが、パチパチと爆ぜる炎の中では、火精霊が踊っているのだという。 枯れ枝をかき集めて作った小さな焚き火だ。 踊っているとしても、せいぜいひと組の火精霊が手を取り合ってダンスしている程度だろう。 莫迦は莫迦なりに、世界の事を考えた事もある。 なぜ二つの世界は繋がったのか。 なぜ二つの世界は、こんなにも装いが異なるのか。 当然、答えは見つからない。 この世界に来て、少しでも解答に近づけるかと思ったものだが、現実は厳しい。 自分の眼では、精霊すら見ることが出来ない。 いや、ただ一人だけは見ることが出来た。 不思議なものだ。 手元の枯れ枝を拾い上げ、パキリと二つに折って火の中に放り込む。 パチパチと火の粉が舞い上がり、まるで新たな食事を楽しむかのようだ。 それでも火精霊の姿は見えない。 「眠れませんか?」 不意に背後から女性の声がした。 旅に同行するオークの少女だ。 「火精霊のカップルが心配してますよ。 自分たちは最高の舞踏を見せているのに、不満そうに見えるって。 何か落ち度でもあったのでしょうか・・・ですって」 彼女は僕の肩に厚手のマントをかけながらそう言った。 不満な事など何もない。ただ、自分にはそれが見えないし、聞こえないだけだ。 「綺麗な火の粉を見続けていたんだ。 とてもステキだって、伝えてくれないかな」 僕がそう言うと、小さな炎は一層輝き、キラキラと火の粉を舞い上げた。 「もう伝わってます」 オークの少女は傍らに腰をかけながら、ニコリと笑って僕に言った。 そのまま僕の肩に頭を預けながら彼女は言う。 「お父様も酷いです。 せっかく婚礼まで上げたのに、掌を返して『試練を与える』だなんて。 飛燕竜の子安貝なんて、そう簡単に手に入るものじゃない事くらい、私にだってわかります。 そんなに我が娘の幸せを邪魔したいのかしらね。ね、どう思いますか?」 イタズラっぽく笑いながら、オークの娘は言った。 父親の気持ちもわかった上で、そう言っているのだ。 それにしても、彼女はこんなにも饒舌だっただろうか。 一番親しくしていたと思う者も、世界が変われば様相を変えるのだろうか。 「義父上は僕に『世界を見てこい』とおっしゃられたんだと思う。 それに、たかが宝物を探す程度の試練もこなせないようじゃ、後継にも相応しくないだろう。 ラ・ムールの試練はもっと過激だって聞くぜ?」 再び手元の枝を折り、焚き火にくべる。 やはり、火精霊の姿は見えない。 焚き火をボンヤリと眺めていると、手前で暗い影が揺れているのが見える。 僕に唯一見える精霊。闇精霊だ。 暗い影はクルリと振り返ると、あまりにか細い声で話しかけてきた。 「(・・・ありがとうって言ってますよ)」 何故、闇精霊だけなのだろうか。 仮に、自己の魂の種別で見られる精霊が決まるのだとしたら、自分の魂は闇に染まっているのだろうか。 だとしたら、自分は一体何者なのだろうか。 「闇精霊だけは見えるのは・・・」 オークの娘がポソリとつぶやく。 「闇に対して優しいからなんですよ」 もぞもぞと僕の正面に体を寄せながら、そう言った。 オークにしては小柄だが、人間と比較するとやや大柄で肉感的な体だ。 焚き火をしているとは言え、夜の闇に冷えた体に心地よい熱を与えてくれる。 「オークとて元を辿れば総身に闇を飼う生き物です。 そんな私に一番優しく接してくれたのは、あなたですから」 彼女の柔らかな髪の中に、自分の顔をうずめる。 こちらの世界に来てからずっと燻っていた、心のざわつきが薄れていく気がした。 パチパチと焚き火は燃える。 小さな人影がひと組、僕たちにお辞儀をするのが見えた。 当然、答えは見つからない。 という一言に全てが集約されているように思えた一本。 実に人間らしい人間像だった -- (名無しさん) 2012-09-13 23 32 41 娘にふさわしいかどうか試練。これは流行る -- (としあき) 2012-09-14 09 46 35 見える者と見えない者の違いから異世界結婚など短い中にまとめられている。大人びた空気も良し -- (名無しさん) 2012-09-15 01 12 08 雰囲気ってか台詞の一つ一つが沁みるぞ -- (tosy) 2012-09-21 22 23 34 心は人の数だけあってそれは精霊も同じなのかなと思いました。最初から繋がっている手はなくて互いが歩み寄ることで結ばれていくのかなと思いました -- (名無しさん) 2015-01-18 17 26 38 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ルミコープ運河と双頭貿易都市を巧みに使い、半ば王都から離れ商人の力による自治の元にその規模その影響力を増大させてきた異世界中の香辛料取引の最大大手とも言われる都市【メッチャ・カーラー】。 その都市の実質上の統括者である大豪商カルアイノ・クイターニャ氏は若い頃より数々の試練を乗り越えてきた猛者、試練越者、【可能性の猫人】とまで称され敬虔な太陽神の信徒でもある。 彼が国政をも動かす財を成すまでに信条のようにも傍から見える【香辛料への傾倒】。本人曰く、「あのカレーのため」というのだ。 バイタリティ溢れるカルアイノ氏であるがそれは大ゲート開放直後から目を見張るものであった。 ゲート開放に備えてあったかの様に即座に王宮に派遣を訴えたのが交流使節団である。 当時、湾岸戦争処理中であり異世界交流は二の次にされていた中東在国連軍の前に堂々と現れて交渉を始めたのがカルアイノ使節団。翻訳加護の効果もあってか表立たない水面下での協議が幾度と無く行われることとなる。 非公式の記録ではあるが、2000年前後から行き場を失いかけて浮いていた中東のオイルマネーの画期的な投資先として異世界、ラ・ムールを強く推し紹介したのもカルアイノ氏が中心であったと記されている。 商人として都市の代表として多忙ながらも地球へ赴き見聞と友好と商交を深めたカルアイノ氏が遂に動き出す。それは自身の【夢】のために。 まずカルアイノ氏は都市の各区域の担当を召集し一大都市改造計画とも呼べる大々規模な全容を包み隠さず打ち明け説明した。担当の商人達はその計画を知ると心根にある商魂を刺激されたのか諸手を挙げて賛成したという。 巨大な観客席を有する競技場。と、ここまでなら異世界でもある場所にはあるものであるが、ここから先が異世界でも革命と言える規模になる。 ラ・ムールのみならず異世界中より集められた選りすぐりの精霊交渉士達。その稼動人数はおよそ日に千人。その運用費用は一日分で町一つの建造費とも同等と言われている。 何故この様な類を見ない規模の精霊交渉士団が必要になったのか?確実堅牢な競技場とそれに連なる施設群の建造のためか?工期中の天候調整のためか?都市人口が倍増するとも言われた人員確保による生活安定のためか? 真はそこに在らず、目的なるは【異世界での電気製品の運用】のためである。 計画了承から中東ゲートを越えてラ・ムールに運び込まれた大小電気製品から分解された発電機構、燃料そして大量の技術者整備士。 異世界での文明実施という名目で最も多くのオイルマネーが投じられたのもこの部分である。 異世界で電気機器は使われなかったのか?と言われるとそうではなく、大ゲート開放より異世界に入った人間により生活家電から軍事機器までそれらの運用は実行されてきたのだ。 が、それらのほとんどは満足な結果を出さずに仕舞われたのが現実であった。 原因は【精霊による機器干渉】である。電気の流れから部品の動き、果ては自然の事象すら操る精霊達は物珍しさもあってか電気製品を取り出すだけで寄って来て、いざスイッチをONするや否やしっちゃかめっちゃかにしてしまうのだ。 その様な電気機器を安定しかつ競技場内で運用するためには入念で万全なる精霊への交渉と根回しは必須なのである。万が一にも事故など起こさぬために。 天邪鬼奔放で好奇心旺盛な光精霊をまとめるために名立たる大精霊をも複数人がかりで招聘するなどもされた。 太陽すらも眩かせると言われた夜明けの告鳥、【 太陽鳳 】(ゾンニクス)。かつて月夜に降りた月神の追撃から太陽神ラーを守り自ら輝き囮となった【 天光球 】(ホフォル)。 共に強い影響力で光精霊を安定させ都市一帯における電力使用を可能にした。 合わせて異世界式の調理施設も充実させていった。冷暗室や闇壷などの冷蔵施設を運用するためにラ・ムールでは存在が稀と言われる闇精霊も各地より集め運んだ。 料理にふんだんに使われるであろう水も土精霊による地下水路建造と、水精霊による運河と地下水の誘引により用意した。合わせて水精霊を多く都市に顕現させることで水棲種族の滞在にも補助を行った。 いよいよ発電設備が組み上がると風精霊を一定の空中回廊を通過させることにより風力発電を実行に移した。 計画初期は地球より運搬した燃料による発電機運用を検討していたが、気紛れな風精霊達に一定の風力で受風羽を抜けるコースを飛ばし続けるという無理難題も 東イストモスより平原楽団にやってきた風の大精霊【 碧の帯 】(ルゥクン)による風精霊の統制により風力発電中心へと移行されることとなった。 しかし、大精霊含む風精霊の維持に関しては精霊交渉とはまた違う労力が必要となった。 平原楽団の他に異世界各国から集められた計六つの大楽団。それらの中から二つが交互に演奏し、二つが様々な旋律の組み合わせを思考錯誤し、残った二つが休むというローテーションを組んだのである。 会場に設置された電気機器の運用試験と平行し各地より集められた食材の保管、名器と名高い調理器具の整備が進められ着実にカルアイノ氏の構想が現実のものになっていくのである。 開催も一月前ともなると運営側の人材も広くより集い始める。 異世界にてカレーを名物料理として評判を広めたオルニトのハーピーの宿の大女将。大商人組合より香辛料を広く扱う大頭目。地球と交流広くあらゆる文化の入り混じる新天地より飲食業界に最前線で活躍する者達。 大延国より大食祭にて審査を務めた美食家、そして神である金羅にも仙人郷を介し文を送ったという。 カルアイノ氏はこのカレーコンテストを己の夢を叶えるためではなく世界同士の交流の大きな一歩と位置づけ、異世界のみならず地球にも多くの来賓に招待状を送ったのであった。 コンテスト準備期間中のカルアイノ氏率いる商会の利益は数割増しとなったが、都市改造とコンテスト準備により使われたカルアイノ氏の財産は半分、それ以上とも言われており地球側から投資された資金は数兆円とも言われている。 異世界における電気使用の実現は未だ実用範囲にあるとは言えないが、一つの現実例を見せるに至ったのである。 そしていよいよカレーコンテスト開催まで数日、大ゲート祭の始まりを告げる朝陽が昇る。香辛料都市はいよいよ熱気と音楽と香りに包まれるのであった。 だがしかし、全てが万全上手く進んだかのように見えたが一つどうしても実現できなかったことがある。それは、【電子レンジの使用】であった。 光精霊の安定化から電気製品の使用は実現したのだが、電子レンジを使用した際に大放電爆発が発生したのである。 原因は電子レンジ使用による電子振動が精霊に著しい変調をきたすのである。それにより精霊に数倍の力を発揮させたり激しく運動させたりするのだ。 数度の実験が行われたがどれも失敗。結論として電子レンジの使用は禁止されることとなったのである。 異世界で電気製品を使うには…とても大きなコストがかかってしまうのだろうと想像して一本 家電とか思ってる以上に繊細だし精霊が面白がって寄ってくるだけで故障しちゃうとなると大変だな -- (名無しさん) 2016-06-23 23 26 00 わざわざ異世界で地球と同じことしなくてもいいよねと実感するコスト説明だった -- (名無しさん) 2016-06-23 23 56 11 カルアイノ氏の資産は国家予算レベルなのか。地球の富裕層の異世界移住計画とかありそう -- (名無しさん) 2016-06-24 22 10 34 名前 コメント すべてのコメントを見る
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トルネコ異世界 攻略Ⅰ トルネコ異世界 攻略Ⅱ
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巻物の識別 読んで識別する場合は、その階でやることが終わって階段の上で読むという基本は絶対に守りましょう。 この基本を破ると死ぬ恐れがあります。 持ち物が一杯の時に巡回途中で巻物を見かけたり、欲しいアイテムがあったが持ち物に未識別巻物があるという場合は 階段の近くになにか持ち物を置いて再びアイテムが落ちていた場所に戻って回収して下さい。 そして、持ち物の中で一番いらないアイテムを階段から二マス離れた所に置いて(炎上や砂柱対策) 階段の上で未識別巻物を読んでから、二マス離れたアイテムを拾って次の階へ進んでください。 後半に進むにつれて巻物を識別するメリットは下がってくる 巻物は異世界でフロアに落ちている未識別巻物の種類42種類もありますが、その中で利用価値の高いものは限られています。 さらに、祝福されていない限り一度使うとなくなってしまうので、もう一枚同じ巻物を拾う必要があります。 その上に確定されたものを使いたかったらインパスの必要もあります。(人食いをニフラムしていたらシャナクだけで確定) それに比べて杖は使えるものも多く、一度試し振りをすれば3回は確実に使えます。 このように巻物は杖に比べて使い勝手が悪いので、中盤以降に荷物がいっぱいのときに未識別巻物を見かけたときは 無視してもよいと思います。使えない巻物の確率が高い上に、もし使える巻物だったとしてもそれと同じ巻物をそれ以降で拾う確率が低いので 識別するメリットはあまりありません。巻物は中盤までに識別したものを使うだけでも充分助けになります。ただし、どうしても呪いが解きたかったり、装備を外したい場合でシャナクの巻物やパンの巻物が未読なら未識別巻物をちゃんと読んだほうがいいと思います。 巻物の利点 巻物の利点は踊り中でも使えるということと、複数の敵に効果があるということです。 特に20階モンハウで草神がない時の複数キメラの対処などは巻物が一番適しています。 一度使うと無くなってしまう
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自由に追加等よろしくお願いします。 参考:トルネコの大冒険3 - 異世界百の鉄則 -(アーカイブ) 基本 「異世界の迷宮に入ります よろしいですか?」 の前にアイテム、ゴールドの再確認するべし。 白紙の巻物にあらかじめ名前を書いておいてはならないぞ。書き込むのにターン消費はされないので直前に書こう。 白紙の巻物を足元においてから、せいいきと書き込めば二度利用することが できるぞ。 メイジももんじゃ等に封印されたら、なにがあっても長居してはならないぞ。 パンの石像の部屋では風が吹くまで経験値とパンを稼ぐべし 4~5階の時点で持ちアイテムが、いまいちだったらとっとと再挑戦したほうが いいかもしれないぞ。 15階ででるアイテムはバイキルトの巻物、スカラの巻物、リレミトの巻物だぞ。 この階では粘るべし。 末尾0の階(モンハウ以外)にはアイテムが埋まっているぞ。白紙を使っても、 大部屋にする価値があるぞ。発掘できるアイテムは次の通りだ。石 魔法の石 壷 保存の壺 インパスの壺 草 世界樹の葉 パン きょだいなパン 魔法のパン ゴールド たとえ今役に立たないアイテムでも、道具欄に余裕がある場合は持っておくべし。 はりせんもぐらに投げつけたり、変化の壷に入れたりと使い道はあるぞ。 基本的には素振りして罠をチェックしながら歩くべし。 特にポポロで異世界に挑む時は必須だぞ。 寝ているモンスターを狩りに行くときは、先に素振りで罠チェックをするべし。 即降りする階、散策する階のメリハリをつけるべし。 20Fまでは泥のワナ対策に壷にパンを入れるべし。 壷を割るときは、罠、指輪、石像、水辺の確認をするべし。アイテムが散らばったところに地雷があったり、壷を遠投してしまうなど重要なアイテムを失ってしまう可能性があるぞ。 飲むとマイナス効果の草でも以下の方法でリスクを軽減できるぞ。満腹度がどうしても必要な場面で飲もう。不幸の種 LVアップ後 目潰し草 階段の上 メダパニ草 階段の上、混乱避けの指輪 毒草 階段の上、毒消しの指輪 ラリホー草 階段の上、眠らずの指輪 盾が強ければペンペンで、メッキしてあればゾンビで稼ごう 異世界は持ち込み不可なので攻略を目的としているときはリレミトの巻物は不要 アイテムを見たらひとくいばこだと思うべし。アイテムがひとくいばこである確率は10%である。 世界樹の葉があるから大丈夫と思ってはならないぞ。呪われていたりひとくいばこだったりするかもしれないぞ。 杖の使用回数は最低で4だぞ。4回振ったらピンチの時には使えないと 心得よ。(最大は6) モンスターと戦う際の鉄則 次の一撃で倒せると思ってはならないぞ。攻撃を外す確率は8%と低くない。(アイテム投擲は12%) あと一撃で倒される状況では、絶対に攻撃してはならないぞ。逃げるか 杖や大砲の弾など確実に効果のあるアイテムを使うべし。 危険を感じたらアイテムを出し惜しみしてはならないぞ。死んでしまったら 元も子もないぞ。 混乱や身代わりを使っても確実に敵はこちらを狙ってくると思うべし。(1/8=12.5%) 開幕モンハウに当たったら、落ち着いて最初の一手を考えるべし。あとから 最適な行動を思いついても意味がないぞ。 モンスター別の鉄則 オニオーンはできるかぎり倒すべし。 ホイミンが回復してくれる確率は大体1/3。期待してはならないぞ。検証出典 ラリホーアントは飛び道具でダメージを与えて、あと一撃の状態にしてから 斬りつけるべし。 タップペンギーは通路で戦うべし。ただし、通路の角に位置してはならないぞ。 その他に、メダパニは混乱よけの指輪で防げるぞ。 さそりかまきりと戦うときは大切な草や巻物は保存の壷に入れておくべし。 その他に、人形よけの指輪で2回攻撃が1回攻撃になるぞ。 アイテム識別の際の鉄則 → 「識別テク」参照 アイテムを使う際の鉄則 大砲の弾、爆発の指輪は非常に頼りになるぞ。ただし、爆死しないモンスターには 注意が必要だぞ。 コメント欄 メタルハンター異世界に出てこないし攻撃回数も間違ってるの草。 - 名無しさん (2020-10-27 21 21 54) 名前
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登録日:2016/08/17 (水) 13 40 42 更新日:2024/04/14 Sun 12 14 58NEW! 所要時間:約 36 分で読めます ▽タグ一覧 SF アニメ ゲーム ファンタジー ライトノベル 創作 小説 所要時間30分以上の項目 漫画 異世界 異世界モノ 異世界転生 異世界転移 異世界モノとは、狭義やアニヲタなどの認識上は「読者のいる地球とは別の世界に移行する主人公の物語」を指す。 ●目次 【概要】 【異世界モノの特徴】◆ジャンル惑星冒険もの 仮想空間 この世と地続きでない世界 悪役令嬢 時間移動(仮称) クロスオーバー ◆異世界=異環境≒活躍・無双?知識・技術で活躍 物資・補給で活躍 政治的に活躍 環境の違いで元から無双できる 苦難も多い 「活躍」というファクターの重要性 活躍しない、伴侶の尻に敷かれ続ける、愛玩系主人公 スローライフ スペック ◆『中央アフリカから来た男』 ◆異世界≒だいたい「人」がいるっぽい異世界でサバイバルする作品 ◆異世界での言葉その他SF考証的な部分 ◆異世界と活躍の関係性本来の主題と違う活躍要素 ◆異世界と主人公の関係性 ◆異世界への行き方 ◆転生と転移の違い ◆人外転生 ◆異世界と自分の世界の融合 ◆異世界にいる人が地球に来る 【媒体別】◆商業的なもの小説 漫画・アニメ 実写 ゲーム ◆個人が自由に投稿・頒布できるもの小説家になろう・アルファポリス・カクヨム Arcadia・ハーメルン・Pixiv小説・ドリームノベル・占いツクール ケータイ小説・魔法のiらんど 各種BBS 個人サイト Pixiv・ニコニコ漫画 Twitter Youtube・ニコニコ動画 同人誌 同人ゲーム その他のサイト 【各作品の例】 【参考文献】 【余談】 【概要】 字面に反し、狭義の「異世界モノ」には 「読者・視聴者が感情移入できる様な現代地球に近い価値観・思考回路・視点を持っているキャラが比較的少なく、 別の常識が支配する異世界そのもの『のみ』の日常と戦いをひたすら描く」作品は含まれない。 それは「ハイ・ファンタジー」という別分類に入るらしい。 ジャンルにおいて、広義の意味での「異世界」は文字通り「異なる世界」であり、 ファンタジーとしての別世界や、量子論などを用いてパラレルワールドとして説明したり、 「惑星冒険もの」「仮想空間(データ世界)」なども含まれて述べられることもある。 元の広義の「異世界モノ」はジャンル横断的な概念だが、狭義の「異世界モノ」という言葉はライトノベルや「小説家になろう」といった小説投稿サイトに2010年代ごろから雨後の筍のように増えた下記のような特徴を持つ形式を指して発祥した。 現代の日本(と言っても作品世界ではあるが)に住む人物が、異なる環境を持つ世界へ転移/転生する その世界では転移した人物の持つ(現代日本では評価されない、または当たり前の)特技が珍重されている また、例外もあるが転生する先はジークジオン編(SDガンダム外伝)や大貝獣物語のようにファンタジー(あるいはRPG(ロールプレイングゲーム)的な)世界に召喚されるものが主流。細かな差異はあってもおおよそテンプレートな世界観が多いことも「(狭義の)異世界モノ」と言われる理由となっている。 ここでは広義の概念的意味も含めて記述する。 【異世界モノの特徴】 ◆ジャンル 惑星冒険もの ALDNOAH.ZEROの元ネタである「火星のプリンセス」(1917)は 「南軍の騎兵隊大尉ジョン・カーターの意識が火星に転移して、現地の火星人と戦ったり、王女のデジャー・ソリスとラブロマンスしたりする」という物語。 場所は同じ太陽系内の惑星だが、性質はファンタジー異世界転移モノと極めて類似していると言える。 また「低重力惑星ゆえに無双できる」という、下記のMARやドラえもんのネタの祖先でもある。 ちなみにwikipedia本家では上記は「惑星冒険もの」と呼称されていると記載があり 剣と魔法のファンタジーとは細かく識別されている一方、初期の路線(つまり元来の惑星冒険もの)を模倣したものが 「剣と魔法」をもじった「剣と惑星もの」、「ホースオペラもの」をもじった、 「スペースオペラもの」というサブジャンルとして呼ばれるようになっていったなど、「剣と魔法のファンタジー」との類似性も指摘されている。 SFジャンルにおいてはヘンリー・ライダー・ハガードの小説に代表されるような白人が秘境などを冒険したり現地人のリーダーとなったりするものがあるが、これも秘境を異世界と見做したものであろう。また、後述のようにタイムスリップして過去の世界で無双するような展開もある意味異世界モノの一種である。 仮想空間 ソードアート・オンラインの作中の多くの描写はゲームの世界で、この世界は現実の人間が作成したプログラムである。しかしログアウト不能のデスゲーム化したことで登場人物にとっての 生活空間と生存のすべてはゲーム世界のそれが担うことになり、ゲームでありながら遊びではなくなっている。 昨今は、この路線を延長し、「現実世界には絶対に戻れなくなり、仮想空間がその人の現実になる」といった、胡蝶の夢の如き導入をするものも多い。 またバーチャル三部作のように、どんでん返しとして「仮想空間、だったはずが……」というケースもある。 そうした「仮想空間と現実との境目が曖昧になる」という性質のSF要素を含む作品は、1984年のウィリアム・ギブスンの小説「ニューロマンサー」に端を発する「サイバーパンク」と呼ばれるSFジャンルの派生と見ることもできるかもしれない。 ニューロマンサーは体内に機械を埋め込むことが日常的に行われるようになった未来が描かれており、倫理観が時代の変遷とともに変化しうることを暗に示している。 こうした仮想空間も、それが実現可能な世界を生きる人にとってもただの生活の一部、もっと言えば「本当の現実世界」として受け入れられているのかもしれない。 ただ、上記のような意味合いではなく異世界ものの構文を含むような作品やパートもある。 例えば上に挙げたSAOも、デスゲームではない後半のアリシゼーション編において《アンダーワールド》と呼ばれる高度な感情すら有したAIたちが住む世界へ主人公がダイブしており、地球上には存在しない種類の樹を切り倒して剣にしたりゴブリンをスレイしたりAIの友達と遊んだりその友達の為に戦ったりしている。 これは下記にある「環境」と「人」を含んでおり、異世界性(前述のニ要素を含んでいるという意味)があるパートと言える。 また同じく作品の主幹要素とはなっていないものの、なろう作品ではシャンフロも異世界性が高いゲームを含んだ作品となっている。 シャンフロはSAOで言う所のGGOやALOなどのように表題と別のゲームが作中多数描写されており、そちらに異世界性はほぼない。 そうした要素はメインタイトルであるシャンフロが殆ど担い、高度な演算機構によって発生した高レベルの感情と知性を有したAIをゲーム世界内に生活させ、主人公の砲台になったり楽しく殺し合ったりヘタレていたり色々している。 ただ主幹要素ではないと言ったように、シャンフロの場合はSAOの別タイトルのようにそれだけで単行本になるレベルで他ゲーの描写量が多いため「VRゲー探訪もの」としての側面を持っていたりするが、 表題作や作中プレイヤーが最初に始めたワンタイトルのみでアリシ編やシャンフロ本体のような設定=人間並みの高度知性のあるAIや歴史を長く詳細にシミュレートされた別世界レベルのゲーム世界を持つ、があるゲームが劇中で遊ばれている場合、ある程度異世界物と構文が近くなる部分がある。 (書籍化タイトルでは「Only Sense Online」「骸骨魔術師のプレイ日記」後者は表題=ゲームタイトルではない、など) とはいえ平和裏にログアウトが可能な類の普通の日常生活の中にゲームがある場合と、前述のようにガチのログアウト不能系でデスゲなど命の危険を含む要素が盛り盛りの場合とでは描写の重心も変わってくる。 そのためあくまでゲームはゲームというような風味が強い作品は異世界モノ「構文を含む」だけであり、純異世界モノとは言えない。 シャンフロは(多分恋愛特性とかが)レジギガスとか作者に言われるヒロインちゃんとリアルデートしたり試験問題解いたりしていて、日帰りでも異世界は命が危なくて現実なんだ的な要素もないし、VRゲーではそれに代わってよくあるデスゲ要素も特段ないのである。 純粋にゲーム異世界への意識転移を起こしている作品というと、例えばオーバーロード(小説)は、 主人公が愛したゲームのサ終をゲーム内で迎えようとしたが強制ログアウトが発生せず それどころか所属ギルドのNPCが自律的に動き出してありえないレベルで高度に言葉を発し始めるなどする、という始まりとなっている。 ログ・ホライズンは、画面の前でプレイ中にゲーム世界に……という展開なので、VRMMOものにおける 意識電脳化後の転移・転生すなわち「境界線の曖昧化」とはまた違っている。どちらかというとふしぎ遊戯寄りか? この世と地続きでない世界 ゼロの使い魔の主人公・平賀才人は現代日本の出身だが、魔法の力によって異世界に召喚されている。 またこの素晴らしい世界に祝福を!において見ず知らずの他人を助けようとして死亡した主人公・佐藤和真は死後の世界で女神アクアと契約し、異世界へ転移させてもらっている。 このような場合異世界は単に主人公の知らない世界というだけでなく、元の世界の技術では行ったり見たりすることができない世界という意味合いも付与される。 後述する小説家になろうなどの小説サイトで一般に「異世界転移」「異世界転生」と呼ばれるジャンルは狭義には現代の地球から来た主人公とこうした異世界(多くはゲームに出てくるような西洋風の世界)との関わりを描いているものである。 このような異世界は多くの場合中世の西洋のいずれかの国、あるいは西洋と言われて思いつくイメージがベースになって作られている場合が多く、小説投稿サイト「小説家になろう」にこうした世界観の小説の投稿が多いことから「ナーロッパ」などと揶揄されることがある。ヨーロッパほどではないもののいい感じにエキゾチズムを感じられるという点では日本や中国なども同様にモデルになるケースがあり、特に中国は大規模なスケールで描くことができる点などから女主人公が后妃となってライバルを蹴落とし、皇帝と恋仲になる「中国後宮もの」が転生(転移)要素のあるなしに関わらず根強い人気を誇っている。漫画においては「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」のように世界が変わっても地名の一部が共有されている場合がある。 なので東方Project世界の「幻想郷」や阿部智里の八咫烏シリーズの「山内」の様な、「現代文明からは隔絶しているが、現実世界と同一座標に存在する『隠れ里』」は、一見異世界っぽく見えるし現代日本人が訪れる事もあるが、あまり異世界モノ扱いされることはない。 悪役令嬢 「悪役令嬢」と呼ばれる作品ジャンルは、死後、元いた世界で嗜んでいた創作物(小説・漫画・ゲームなど)の世界の悪役である貴族や皇族の女性に転生した人物が、後に前世の記憶を取り戻し、前世で獲得した知識を元に、 本来のヒロインとなる女性を蹴落として、王子などのメインとなる人物のパートナーになる(*1) 恋愛はともかく、悲劇的な結末を回避するため奮闘する 原作を壊さないよう「原作通りの悪役」を演じつつなんとか水面下でバッドエンドを回避しようとする 自分以外の恋愛模様を観察して楽しむ 自分の推しと結ばれるよう努力する 筋書きを無視して第二の人生を自由に生きようとする 本人ではなく使用人や血縁の人物に転生した場合は悪役令嬢を更正させてハッピーエンドに導く といったタイプの話のことを指す。 その話の特性上、転生する人物のほぼ全てが女性であるが、男女を逆転もしくはBL的にアレンジした「悪役令息モノ」などの派生型がある。 創作物の世界がテーマとなるために、後述のような人工言語などの複雑な世界観を作る必要がないのも特徴の一つ。 もっとも小説家になろうで異世界転生・異世界転移作品がランキングで隔離された後は、現地人主人公による転生・逆行例が増加傾向にある。 必ずしも転生・転移・憑依・逆行といった要素を採用している訳では無く、舞台も異世界では無く現実と大差無い現代だったり、主人公が悪役令嬢に憧れる作品もある。 なお、本来主人公であるはずの女性は蹴落とすにあたって良心の呵責を生じないよう悪人として描かれたり、その逆で敵対関係を解消して良い関係を築く例もあるなど振り幅が大きく、悪役令嬢と同じ世界からの転生者である場合も多い。 似たようなジャンルに「逆行もの」がある。こちらは異世界に行くわけではない。 時間移動(仮称) 「魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~」 タイトル全部を乗せると説明しやすいので提示する。 要するに異世界、というか異環境が時間軸で出現したパターンの物語である。 隆盛を誇った時代の人物が、衰退期に現れ無双。白人酋長と概念的差異はないと考えられる。 ただしこのタイプの作品では衰退理由が「子孫がバカだから」などではなく「対立種族の悪意ある工作での衰亡」(*2) という設定になっていたりすることもあるため、やはり単純に現地人(この場合未来人?)YOEEEEとは言えない。 上の項にある「逆行モノ」をタイムスリップ逆転モノと捉える場合、ティアムーン帝国物語が なろう作品では有名どころで、アニメ化されるなどしている。 なおもっと古くには、「紺碧の艦隊」という作品がある。こちらは明確な並行世界転生モノである。(*3) 第二次世界大戦前夜のタイミングに転生した主人公らが、文字通り焼き潰された日本の悲惨な敗亡を軟着陸させんとするストーリー。 こうした仮想戦記と呼ばれるジャンルは普通に界隈ではいちジャンルを形成しており、FGOで今川が信長を逆に破る、というイベントも ある種このタイプの仮想戦記と形質は似ている。(*4) クロスオーバー 一部の作品の企画や二次創作のジャンルにおいて、他作品同士の世界観が重なり合い、一方の作品のキャラクターがもう一方の作品へ移動するものがしばしばある。 現代の商業作品の場合は両方の作品を立てるようにして作られているが、二次創作の場合、単に好みのキャラに好みの世界観で活躍してほしいという願望で作られているものなどは、片方の作品のキャラだけが活躍する無双系になっているものもある。 ◆異世界=異環境≒活躍・無双? 異なる環境であるという事は、それをネタにしてキャラクターを活躍させやすいという点はある。 例えば異世界モノのネタの一部には「現代知識無双」というものがある。 これはファンタジー系異世界に現代の技術などの知識を持ち込み、主人公が崇められるというもの。 2010年代後半では、「異世界食堂」など、料理漫画との融合させた作品も多くみられた。 なろう系に多く見られると言われており、元々ネット小説であったGATEの原作や、 ラノベではノーゲーム・ノーライフにネタにされている記述があったりする。 こういう風にみられると、近代で発達したジャンルのようにも思われるが、 「もし○○が別の場所にいたら…」というコロンブスの卵的な発想は、多くの創作の題材として登場してきている。 「異世界モノ」と「無双(活躍)」はジャンルとしての関連性が古くからあり、小さくないものであると言える。 近年の「なろう系」と言われるものの特徴としては、インターネットの登場によって、それほど作品に練りこみがなくても小説の発表が容易になり、 「主人公が好き放題する舞台装置以上の世界観の練り込みが少ない」「世界観がテンプレート化している」ことが特徴といえる。 後述の「JIN-仁-」や「信長のシェフ」等のタイムスリップ物は時代考証や世界観の設定などにそれなりに専門的な知識が求められるが、まったく架空の異世界を舞台にしてしまえばそういった労力をすべてスキップできてしまうからである。 知識・技術で活躍 1889年にマーク・トウェインが「アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー」という作品に書いている。 本作は(小説が書かれた当時の)現代アメリカ人技師が昔のイギリスで知識無双という物語である。 「新スタートレック」でそのトウェインが24世紀の世界を目の当たりにしたのは皮肉だろうか 最近の日本で言うと医者が幕末頃にタイムスリップする「JIN-仁-」や料理人が戦国に行く「信長のシェフ」も構造的には類似している。 まあ彼らは割とお上につかまったり無茶振りされたりするが……。 イギリスでは「アウトランダー」という作品も大体同じで、1945年に看護婦だった主人公が1743年スコットランドに転移する。 そして権力者に「能力利用したろ!」と軟禁食らったり。 ドラえもん本編にはのび太が「マッチやラジオを原始時代に持ち込んで崇められよう」と「過去に戻る」エピソードがあり、 仮想戦記にも「戦争の推移の知識を持ち込んで〜」といったものがある。 これらは過去改変モノやタイムスリップモノと識別されるが、前述のように「異世界での現代知識無双」との相違点は?と言えばガワの部分が結構大きく、 前述の「火星のプリンセス」にも野蛮な火星人に主人公が知性で優位に立つシーンがある。 こうしたものは映画の世界では「白人酋長モノ」と称されるらしい。 これは技術レベルが低い(という設定の)「ジャングル奥地などの未開の蛮族」に銃など「文明の利器」を見せて神や偉人と崇められ酋長に……という物語である。 なおそうしたのとは別に、新井素子の『扉をあけて』や雑賀礼史の『召喚教師リアルバウトハイスクール』等の様に「現代人ながら異能者」なんてキャラが異世界に移動するケースもある。 平和な現在では生かしづらかった異能や戦闘力も、異世界でなら…と言った発想からだろうか。 アニメ『聖戦士ダンバイン』の様に「転移の条件=異能の適性」というシンプルなケースもある。 また、「なろう系」成立以前、新世紀エヴァンゲリオンの頃のweb上の二次創作のジャンルの中に、 視聴者が登場人物に転生し、その知識で理不尽な出来事を回避 という設定のものが多数あったこととの関連を指摘する説もある。 前述の「悪役令嬢」タイプの創作物(なにも宮廷恋愛モノに限らないが)においては原作を体験している点で主人公にアドバンテージがあり、特に二次創作(所謂オリ主ss)においては「原作知識」と呼ばれるタグも存在する。 物資・補給で活躍 異世界と現実世界の往復が容易い場合、上手く現実世界の物資を利用すれば異世界で大金を得ることができる。 「スレイヤーズ」でおなじみ神坂一の異世界モノ「日帰りクエスト」は秀逸にここに目をつけている。 ある日突然異世界に呼び出されたごく普通の女子高生、村瀬エリ。 大した使命や運命などど言うものもなくお試しで呼び出された事に激怒した彼女は自分を呼び出した魔法使いに単なるデジタル腕時計をプレゼントし「下手に外すと爆発するから(大ウソ)毎週日曜日指定の時間に呼び出して」と脅迫する。 その異世界では戦争中で塩や香辛料が不足していた。持ってくればいくらでも金貨で買ってやる、と言われてエリは「本気であっちとこっちの交易でもしてやろーかしら」とほくそ笑む。 もっとも、彼女はある程度現実的な性格だったので「女子高生が大量の金貨を現金に換金していたら色々マズイ」事に気がついて物語の後半では金貨は異世界でしか使っていない。 「異世界Cマート繁盛記」でも現実世界の商品を異世界に持ち込んで商売する男の姿が描かれる。 人生に嫌気がさしていた男がある日異世界と行き来する手段を獲得し、現地人に親切にされたことから恩返しのために採算度外視の商売を始めることを決意。現実世界で商品を仕入れ、異世界に行って売る生活を始める。 こちらの世界でも塩が不足しており、男が最初に持ち込んだ商品も塩であった。後に塩不足が原因の戦争が起きそうだと聞いた際は方々を駆けずり回って10トンの塩を入手して異世界に運び(*5)、現地で仲良くなった商人に卸すことで見事戦争を回避に導いている。 この作品では異世界で金貨や銀貨を砂金と交換し、それを現実世界の質屋で換金している。もっとも本人はあくまで恩返しのために商売をしているので稼ぐ気はほぼ無く、仕入れに必要なだけ手に入れば十分だが。 異世界のお宝をリアルマネーに変えるのは中々難しいようだ。 ちなみになろうから書籍化されたタイトルでは「スキル『市場』で異世界から繋がったのは地球のブラックマーケットでした」 では文面通り、主人公は異世界の敵対する人間国家から奪った財貨をアフリカらしき闇の市場へ流している。 この項において重要なのは取引相手の黒人で、彼は旧型戦車と交換可能なほどの財貨を主人公から渡されながら、 それが元で逮捕されスキルが使用不能になるといった流れはない。 また夢枕獏原作「荒野に獣慟哭す」は異世界ものではない。 が、コミカライズ版の描写であるが「政府政策に反対するゲリラの活動資金がジャングル内にある遺跡の黄金類である」と語られている。 つまりどこから出てきているか分からないような金塊・貴金属工芸品が闇ルートで捌かれ、 政府筋と対立する存在の武器や食料といったものに化けることが見逃されている設定である。 このことから考えると、ダンジョン等異世界の出入口が日本のように公や治安が強い国家のご家庭裏庭などに固定されているタイプはキツいが、 「個人の」魔力・スキルに依拠するタイプならば、治安やワイロの通りがすごくアレな土地にいってしまえば……。 地球でもある程度魔法やスキルが運用できるならば、なおのこと確実にそうしたヤバイ筋と話も可能であろう。 政治的に活躍 主人公が封建制度の異世界において民主主義を広めたり、地球の歴史を参考にした政治戦略によって外交で無双するというもの。 例えば、「科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌」という作品では、主人公はハーレムを築くことを宣言し世界を旅する危険人物でありながら、 大学生である自身の知識を交渉材料に種族間の争いを収めたり、現代日本の知識と技術、そして政治的見聞を広めたりしている。結果、「ハーレム(女)を差し出す程度なら安い」とまで言われ、その活動を多くの人々から応援されるようになった。 変わり種としては、主人公が異世界で唯一配信活動もといラジオを行う異世界で配信活動をしたら大量のヤンデレ信者を生み出してしまった件という作品では、主人公の民主主義的、人権的発言に王女に暗殺者に少女皇帝、聖女に魔王といったヤバすぎる面子が聞き入ってしまい、主人公の狂信者と化した彼女らが主人公の政治語りを馬鹿正直に実行、世界に急速な文化革命が起こるという作品となっている。ただこの作品の主軸は、アヘ顔決めながら主人公の声によがり狂い、身元割れをした主人公にリア凸して破茶滅茶するヤンデレヒロインたちの奇行にある。 …一方で、物語を書くのが人間である以上は仕方ないのだが、物語はどうしても右・左に偏り、しかも主人公に敵対する政治勢力は極端に無能に描かれやすい。 「科学的に〜」の作者は元より保守派で有名な人であり、政治描写は下手な漫画誌であれば打ち切られかねないくらい丁寧に描かれ、「異世界で配信活動をしたら〜」はギャグ作品寄りで政治描写が作品のメインではないため、「敵=かませ犬」という図式が嫌悪感なく受け入れることが出来る。 ネット小説のアマチュア作家にありがちなのだが、現代日本ほどインフラや医療技術も発展していないのに日本の施政を参考にした政策を掲げてしまったり、酷いものになるとツッコミどころ満載で下手したら国家が機能不全に陥りかねない「ぼくのかんがえたさいきょうのほうりつ」を施政して、その後何故か問題も起きずに経済が発展するなどという作品もある。(*6) そんな政策を掲げておきながら、敵対者を極端に無能に描けばそれは炎上しても仕方ないだろう。 アニヲタWikiにも項目が存在する「とある創作群」においては、二次創作の書き手複数人が過激な単語が並ぶ政治的に偏った作品を幾度も投稿し、それを受けてか外国の反共産のヤバい人たちからサイトを荒らされるという事件が発生。創作群の作者が「本創作群に政治的な意図はない」と声明を出すに至ったこともある。 テレビや映画評論家やSNSなどで政治的な発信する人間はデリケートであり、いくら「本作品はフィクションです」と言っても、サブカルに僅かな政治要素が見えただけで延々と粘着して攻撃してくるものである。ゆえに最近は「政治的な利用はNG」を前面的に掲げるコンテンツも増えた。 異世界モノに限った話ではないが、政治的な作品を書いて政治的な主張がしたいのならば、二次創作ではなく一次創作で行おう。 後述の素材の配布元にも、政治的主張の利用を許可しているものはたくさんあるのであるので、NGと言われたら、屁理屈をこねたり言いがかりつけて縋り付いたりせずに、大人しく退こう。 環境の違いで元から無双できる 知識や技術を用いないパターンとしては、安西信行の漫画MARには「メルヘン世界の方が低重力なので主人公が強い」という描写が序盤にある。 (前述の通り「火星のプリンセス」に同じ) 同じネタはドラえもん本編にもあり、短編「行け!ノビタマン」・映画『宇宙開拓史』では行った先の星が低重力だったため、銃弾がポップコーン並にもろく、ドラえもんやのび太の肉体強度はスーパーマン状態であった(もっとも、129.3馬力という怪力を誇り、大爆発をモロに受けても身体が原型を留めているほど頑丈なドラえもんは、本来なら地球上でも同様の活躍が出来るはずだが)。 また『魔法騎士レイアース』・『ブレイブ・ストーリー』等の様に「異世界から来た人間しか使えない力がある」とされることもよくある。 但し上に例として挙げた作品等では背景にとんでもない裏事情があり、単なる「無双」・「勇者もの」にはなっていないが。 (「火星のプリンセス」でも重力の違いのみでなく、火星人の間で使われている読心術に関して、 「主人公は火星人から学んだ読心術で他人の心を読めるが、他の火星人は地球人である主人公の心をうまく読めない」という優位性を持っていた) 変則的な例では『魔法使いハウルと火の悪魔』のハウルとサリマンがおり、彼らは魔法のない「ウェールズ」の出身ながら異世界で魔術師をしていた。 そのため主人公のソフィーが「ウェールズ」を訪れる逆パターンが描かれた。 苦難も多い もっとも異なる環境で主人公のスキルが活かされる場があるからといって、それは主人公無双を簡単に許すという意味でもない。 前述のSAOで言うと、主人公は本人の実力自体が高くユニークスキルも持ち活躍はするがそれでも死線と隣り合わせ。一番チート(文字通り)な人物には翻弄されている。それ以降もやっぱりチートな連中に苦戦続きで心身ともズタボロにされることが多い。というか本人にチート感は全くない ドラえもんでは本編の実銃弾こそポップコーン扱いだったが、宇宙開拓史で光線銃を用いるプロの殺し屋ギラーミンには一切雑魚描写がない。 平和な現代日本では役に立たない銃スキルを活用するのび太も、ドリームガンとドラミの補助があった本編における西部の話と違ってこのシーンは無双ではなくガチの撃ち合いである。 現代兵器を持ち込んで・・・の場合は、『戦国自衛隊』のように補給問題が触れられることも多くなってきただろうか。 多勢やその世界における強者を相手に無双できるカタルシスと、その力が絶対ではないという緊張感が物語の面白さを生むともいえる。 白人酋長モノにも「日食を予言して太陽を神と見る蛮族をビビらせる」というネタに「え?日食?知ってるけど」(マヤ文明並の計算力)という作品もあるとか。 コネチカット・ヤンキーなど黎明期の作品が普通に無双している(マーリンが敵になったりはするが)事を考えると、 むしろ近年こそ「単純に活躍させるだけじゃなあ」という意見を持つ読者と、それに対応したギミックや反応を考える作者が増えた時代ではないだろうかと思われる。 「この素晴らしい世界に祝福を!」など、いかにも「なろう系」のようなゲーム世界的な異世界に主人公が行くものの、 日常生活から大変な目にあるという、苦労を描くことでパロディにした作品もある。 「活躍」というファクターの重要性 活躍というのは、実は物語論的にもとても”重要”な事でもある。 何故かと言えばカタルシスというものは物語に欠かせない要素であり、主人公を主人公たらしめる側面も持っているからだ。 下記サバイバルの項にはウガウガ言ってる奴だらけファンタジーという「ねーよ」「少数派すぎだろ」という”無茶苦茶な例”を提示してみたが、 これと同じ事として、「活躍」というファクターを欠いた作品のあらすじを書いてみるとこうなる。 中世風異世界に転移してしまった主人公。右も左も分からず彷徨っているうちにいきなり奴隷商人の一団に捕まりどことも知れぬ炭鉱で強制労働に苦しみ抜いた挙げ句、ある日突然落盤事故に遭い誰からも省みられず無惨な死を遂げるのであった……完。 直感して欲しい。 これ、読んで面白いだろうか?? 主人公が貶められたがどん底から苦難を乗り越え這いあがっていく、という作品にはなろうでも有名な部類の作品がある。 流行り(2020年前後)のジャンルでは「追放もの」でざまぁするという作品も構造上はある程度近く、主人公が何らかの形で貶められる、という点までは一緒。その後、スローライフするかのし上がってかつて所属していたパーティを見返すかは作品によるが、少なくとも最終的には以前の状態から躍進する事は共通している。 主人公が一時は徹底的に追い詰められ落ちぶれても、そこから奮起し這いあがっていく姿というのは、どの時代になっても共通して多数の人間が共感を覚えるものなのである。 なので、現代日本ではいじめられっ子・ブラック企業の平社員という立場にしがみつくしかない主人公が偶然異世界に赴き、上流階級の優しいお姉さまに拾われておねショタしたり取って付けたチート能力を授けられて高名だけどちょっぴり残念な美少女たちに囲まれてやれやれとスカしたりしても許そう。 どんなに外野が「まーたテンプレかよ」などと叩こうと、少なくとも『名もなき現地人に余計いじめられてうつ病になって自殺しましたー、ちゃんちゃん。』なんてしみったれた転落劇よりははるかに需要があるから皆こぞって書くし、企業だって予算をかけてメディア化するのだ。 上記のあらすじみたいな作品は……実在することはする。アニメ化?書籍化?……まぁブログや執筆サイトを片っ端から漁れば出てくるんじゃないかな? 現実的と言えば現実的ではあるのだが、単に主人公が落ちぶれて埋もれていく だけ の作品なんてそもそもエンターテイメントとしての意義があるのか?とすら言えてしまう。下手すりゃ『何が悲しくて今自分が現在進行形で陥ってる姿を改めて見せつけられなきゃいかんのか?』という人だって居るかもしれない。 主人公が非の打ちどころしかない醜悪な人物で、その報いを受けていくざまぁ展開として描いていくならまだ需要が出てくるかもしれないが、それでも追放ざまぁ系のような「カタルシスのある」=「主人公が何らかの形で活躍・救済される」作品と違って、相当ニッチな部類になる事は否めないだろう。 しかし、一応ネットには「僧侶「ひのきのぼう……?」」という「追放あり、ざまぁなし、主人公は虐げられ世界からは評価されない」 かつ”名作”とされる作品がある。 実際、検索上位の作品まとめブログのコメント欄には何年ものあいだちょくちょくコメントがつくほどである。 が……「主人公の僧侶♂は偉業を成し遂げている」し本人視点ではあるが「報われている」。 またこの作品、描写されていない事で不満コメントが出るポイントがある。 ラストシーン、僧侶は報われたと思いながら姿が消える。が、記憶を消されていた勇者♀は最後まで主人公に執着しているしキスしている。 つまり、僧侶の記憶を消して結婚しようとまで考えていた賢者♂にとっては地獄めいた状況である。 答え①記憶が戻った勇者に問い詰められ賢者は蛇蝎の如く嫌われる 答え②世を儚んで僧侶の魂を弔う修道院コース。結婚?ハハッ 答え③ハンサムな賢者は冴えた解決策を思いつく 3になるといいね(棒読み) 繰り返すが本作は、”それでも”「名作」である。僧侶はある意味チートだが弱い武器で強敵と戦い抜き、 パーティーの好意的な相手の記憶からは消され、民間人から嫌われたりすらするがそれでも腐りも曲がりもせず人界を守りぬいた。 ブッダメンタルな。ブログコメントでも聖人の行跡では?とか言われたりする。 そんなわけで僧侶への読者好感度は高い。 ……だが、安易にこの作品の二番煎じを狙うのは激しくオススメ出来ない。 主人公やその周囲の環境をネガティブ寄りに描く時点で明快な作品を求める読者からは難色を示されがちで、それを崩さず作品としての自然な見せ場に繋げる展開描写の選択肢や許容範囲が非常に限られてしまうからだ。 主人公はなぜ苦難に耐えるのか。主人公にどこまで苦難を与えるか。嫌なキャラの嫌な行動をどう描写するか。 このあたりの塩梅を少しでも間違えたら単なる胸糞、不自然な主人公マンセー、二番煎じしたい作者の意図が露骨に透けて見える不自然な作品…などにしかなりかねず、不愉快だと思う人間のブーイングに溢れかえって炎上じみた事態になるか、ロクに見向きもされずサイトの片隅に埋もれてゆく当然の結果ですエンドになるのがオチである。 ざまぁ前提ならすごくクソみたいなやつが出ても最後は笑えるかもしれないと期待ができる。 だが主人公の聖性を頼りに一方的に過ぎた苦難を与えると、主人公やその仲間(好意的な相手)への共感が『善人を気取ったクズ』という怒りに変わる。それでいて主人公側は善人として持て囃されて終わり…となると、最悪作品どころかそうした展開を良しとする作者の人格や書き方などにまで非難が及ぶ事態になる。 ひのきのぼうという「ざまぁなし、主人公虐要素あり、報われてるか?」なSSは実在する。 が、やはりちょっとこれを主流にするのは難しすぎる気がする。 2024/1月、過去に「ニセモノの錬金術師」という異世界転生モノをpixivで発表(のちに商業化)した 杉浦次郎が「めちゃくちゃ追放される話」というクラス召喚短編を発表。 主人公が強くなる反動で嫌われ度を高めるスキルを得る設定があり、主人公は顔を見るだけでも 召喚した女神が怒りを抑えられず暴力に走るほど嫌われるように。 クラスメイトたちは「我慢に我慢を重ね、殺意をやっとの思いで抑え」ることで「殺したいほどムカつく主人公を作戦に組み込み」魔王を討ち果たす。 しかしスキルを捨てるとかが出来る世界観でもないのか、主人公は全身をフードで隠す世捨て人に。 一応、ゴーレム等人間とは感情の動作システムが根本から違う存在とかの救いはあるのだが、 クラスメイトたち「英雄」に別にざまぁはないし、主人公は顔を見せるだけで感情を喪っていた人物に殺意級の嫌悪を持たせる存在なのは変化なし。 主人公は世界や人々を救えるのならどれだけ嫌われてもいいという菩薩メンタル族だからまあよかったが……。 ひくわー女神さんひくわー。 作品自体は好評なのだが、商業作品をニセ錬以外でも出している商業作家の腕前があるのは忘れない方がいい。 活躍しない、伴侶の尻に敷かれ続ける、愛玩系主人公 男がいない女だらけの世界で生殖能力を当てにされたり、はたまた単純に「かわいい」「魂が綺麗」などの理由で、 大した能力も才能もない主人公の存在そのものが特別として扱われる。 展開としては、しょうもないことで褒め称えられたり、別に偉業を成し遂げたわけでもないのに異性がワラワラと寄ってきたり、別に頼んだわけでもないのにかつて主人公を無下に扱った人間たちに報復したりする。 作者も読者も間違いなく草食系 「弱い主人公を守る超強いヒーロー」ということで、おねショタや異類婚姻譚との相性も抜群。 「残虐すぎる異世界でも鈴木は可愛い」という作品では、ヤクザと入れ違いになり万年戦争をしているえげつない世界に異世界転生してしまった主人公が、「かわいい」のただ一点のみで切り抜け、残虐だった世界を変えてしまう…というエロ ギャグ作品となっている。 女性向け作品でもこの傾向は顕著であり、伴侶が鬼やドラゴンなどで、身内から迫害されていた人間である主人公を一方的に可愛がる…というシンデレラストーリー作品が多々あり、いくつもの作品が書籍化されている。 男女問わず夢の展開であることに間違いないものの、肉食系とは言わずとも自分の人生にきちんと当事者意識を抱いて前向きに生きている人間たちからしたら、そんな作品は虫唾が走るほど嫌うのではないだろうか。 その時は作品に噛みついたりせずに見なかったことにしよう スローライフ 上記でも少し単語で触れたが「スローライフ」という語を冠したりあらすじに記載した作品群があり、 これは「活躍ではない」と言えるかもしれない。 かもしれない、となるのは「スローライフとはそもそも能力などの要求水準が高い」事に起因する。 例えば「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」(刊行版やアニメ版などは「奴隷」が抜けている)という有名作があるが、 原題ではタイトル通り異世界に存在する奴隷制度を用いて美少女奴隷を買って戦闘要員などとして侍らせる、という作品である。 本作の冒頭は転移転生の別が明示されていないが、このすばのカズマに近い方式ではある。 つまり『現地のカネモチの子として転生』という方式では全くなく、高額資産の持ち主ではないため主人公は冒険者になる。 そして活躍を「内密に」させて、稼いでハーレムを回していく。 ところで、タイトルである「奴隷ハーレム」達成には何が必要か分かるだろうか? そう、お金様だ。次点でチート。 なぜなら奴隷は商品である。しかもいい奴隷は高いお金を積まなきゃ買えないのだ。 天竜人ごっこがしたければ金を積むんだえ~。 なろうでは捨て値やタダでもいらないが仕方なく保持しているような奴隷を引き取り、主人公が何とかする、 というのが(それ自体は慈悲心からでも)展開上あることはある。 だがそれは例えば異世界で上前はねて生きていく~再生魔法使いのゆるふわ人材派遣生活~のように 欠損奴隷を再生する、しかも奴隷販売者がやれない・やらないほど高度高価な治癒などがたいがいは前提となる。 つまりカネを積めなくともカネになるレベルの高い能力が要求される。 チートや!チーターや!としか言えないだろう。少なくとも平々凡々としたキャラがただぼーっと生きる、 という描写の積み立ての果てにあるものではない部分が大きくなる。 せせこましく毎日働いて稼ぐその日暮らし冒険者の物語に受容が無いわけではないかもしれない。 だがこれは「スローライフ」とは定義が真っ向から対立する。 一応、チートをひた隠してうまく隠蔽しつついい生活してる庶民に収まる作品もある程度はある。 しかし本人は平凡・平穏希望者のつもりで「なんかやっちゃいました?」になる、というかそういう台詞が出がちになるのは そもそも論として高いスペックになりがちだからである。 スペック 上記に関してスペックの問題も記載する。奴隷ハーレムもそうだが、現地カネモチ転生以外のパターンは現代知識含めチートがお供になりがちである。 死んだら話にもならない、主流になりにくい事は前述したが「チート縛り平凡生活」も実は厳しい。 なぜなら転移者などは特に「なにもない」からだ。戸籍や住居や仕事などが。 「とんでもスキルで異世界放浪メシ」の主人公は、召喚事故に巻き込まれ異世界へ飛んだ。 彼は戦争をやらかしそうなキナ臭い召喚国(「勇者召喚悪用」の具体例の一種)を抜けるため、 自分はいらないようだしちょっとお金くれれば出て行きます、と言って当座の資金を得た。 そして国から抜けるために、貰った資金の1/3に当たる金額を旅の護衛の冒険者依頼に充てた。 「1/3」である。その先どうなるか分からない中、決して少なくない金額、現地で通用する資金を突っ込まざるを得なかった。 作品的にはシビアな空気の物語ではないし、その後は超強い従魔などとやっちゃいましたか案件を連発するのだが……。 しかし、従魔を得たのは地球の物資購入系スキルで手にした調味料など現代日本文明チートのパンチ力あってのもの。 従魔を得たのは全くの偶然だったが、主人公の向田は「スキル自体はカチグミ」だということを認知していた。 先々商売に使えるじゃん、と思っており、楽観的になれる要素が従魔以前にはっきりして見通しがあったのである。 ゴミスキルを育てながら不安で五里霧中の状態で当座の生活費1/3を全くの異国にて消費、「ではない」。 そういう物語もなくはないし需要もあるだろうが、ちゃんと連載が継続されないとゴミスキル強制の方が読者は当然やきもきする。 この辺のバランスや逆張りの関係か、チートという程でもない、現地でも使い手がいる、そこそこ程度のスキルを 主人公の解析や組み合わせ発想力で上手く使っていくバトルみたいな作品もなくはないようである、 ◆『中央アフリカから来た男』 19世紀末~20世紀前期の英国人SF小説家、歴史家のH.G.ウェルズが自著「タイム・マシン」で主人公に語らせたたとえ話。 現代(19世紀末)のロンドンに中央アフリカの山奥から一人の男がいきなり連れて来られたら? 当時の英国の社会システムや最新の技術をどれだけ理解出来るだろうか? 彼が聡明な男で親切な案内人が現物を見せながら丁寧に説明すれば、彼は相当の水準まで理解するかもしれない しかし、彼が故郷の仲間に物証も使わずに英国の最新技術を理解させる事はほぼ不可能だろう 中央アフリカから来た男は「現物を見せながらの説明」というプロセスである程度の再検証性を担保されているが、故郷の仲間への説明には再検証を行うのに必要な現物サンプルを使う事が出来ない。 男の言葉が正しかったとしても、仲間には再検証性が担保されていない疑似科学と見分けがつかないし、自分達が見た事が有る物レベルに落とし込んでの想像が精一杯だろう。 「タイム・マシン」では「現代人同士でも現物を見せながら説明をしないと他の文化の技術なんて理解出来ないのに、異世界を案内人も無しに理解しろって無理な話だよ」と異世界の全体像をぼかしている。 其れを言ったら、「全知全能、少なくとも人間より遥かに知識も知能も優れた神からの預言も預言者が神からの助言を基に周りの人間のお頭に合せてたとえ話をしているだけだよ」となってしまうのだが・・・。 ◆異世界≒だいたい「人」がいるっぽい 異世界モノらしさ、を定義づけるファクターとしてもう一つあるのは、 恐らく「友好的で、かつ主人公グループではない集団などが存在する」ことであろうと思われる。 これは逆説的に無人島モノを見てみると分かる。 異世界でサバイバルする作品 アニメ「無人惑星サヴァイヴ」は上述のように「別の惑星で高度技術を用いる」要素がある話だが「火星のプリンセス」のような異世界モノらしさは薄い。 これはなぜかと言えば、個体では現地宇宙人もいるが集落レベルの知性体は現地にいないからである。 このため「神のように崇められる」どころか「集団の一部として称賛される」という要素すらなく、物語の大半は漂流した生徒達の身内の描写になっている。 これの類似例としては小説『突変』があり、「地域レベルで異世界『裏地球』との転移・交換が頻発する地球」という設定ながら、 「裏地球」に知的生命体がいないため、登場人物たちが出会うのは「先に転移していた、元の世界の人々」と「異世界の動植物」だけというサバイバルものに近い作りになっている。 これを置き換えて考えてみると 主人公はファンタジーの世界へ転移してしまった! 言葉の通じるエルフ? ドワーフ? いないよ。偶然近くにいた野盗はどっかにいるはず。 ウガウガしか言わないゴブリンとかトロールとかオンリーの世界で、モンスターを殺して剥いで食べ、強盗を警戒しただひたすらひとり泥臭くも逞しく生き延びるサバイバルが、今始まる……! 舞台設定だけは紛れもない異世界である。が、こんな作品が世にいくつもあるだろうか? 少なくとも火星のプリンセス≒宇宙開拓史≒MARのように、SFや宇宙モノと一定の共通性や互換性のあるファンタジー作品の例は少ないと考えられる。 楳図かずおの漂流教室は十五少年漂流記などのサバイバルものに近いと言われるが、集団を持ち知性や文化もある「未来人」と称する生物が出る。 が、彼らは敵対的であるし、また学校にいた大人の関係者の中には子供たちを支配しようとしたり、殺しに来る「敵」もいる。 「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」は、広大な砂漠に墜落した飛行機に乗っていた者たちが脱出を試みる様を描いたサバイバルものである。 対して漫画「王家の紋章」は、古代エジプト文明の学者を父に持つ少女が古代エジプトにタイムスリップさせられ、 その知識を用いて現地の王などに保護やら恨みやらを受けつつ彼らと生活しながら生き残っていく物語。 こうしてみると全般的に「主人公(ら単一グループ)vs敵対的な周囲や環境」というだけでは根本的に「サバイバルもの」の性質が強くなりすぎるのだろうと思われる。 トウェインやバロウズの描いた「異世界(環境)での無双・活躍」のようなイメージを「異世界でサバイバルしている」作品に対して読者も作者も共有している感じは見受けにくい。 要するに「主人公に対して友好的なものと敵対的なもの」の両者を以て「世界」があるとでも言うべきだろうか? 敵対的性質オンリーの場合、知性体がいてもそれは「動く障害物」であり「生きるために対策すべき邪魔者」となる。 その中で主人公グループの方針対立による内ゲバが起きたり、その解決のために交渉を試みたり・・・(この辺はだいたい漂流教室に見られる) こういうひたすら生きるための努力にフォーカスされると「異世界性」というものがどうしても希薄になるのだろうと思われる。 とはいえ異世界を旅するという作品もなくはないし、藤子Fの短編「みどりの守り神」では、 知性体ではないが動物の治療や食事に役立つようになっている植物が出て異世界感を持っていると言えなくもない。 この辺りはやはり描写の重心の問題もあるのだろう。 ◆異世界での言葉 ※この節の内容については人工言語の記事も参照することをオススメします ネットでは「異世界に行ったのにすぐ言葉が通じるのはなあ」という否定意見がある。 しかしこれもまた、考えてみれば読者の理解が求められる部分である。 言語学ガチ勢などが本気で言葉を習得するまでの物語、カタコトが通じるようになり徐々に友人などが出来て・・・ という作品があれば、それは立派な異世界モノだろう。だがそればかり掘り下げようとしたら異世界モノ=言語学モノになってしまう。 そうなれば「トールキン得にしかならないだろ!いい加減にしろ!」と反感を持つ読者も出てきかねない。 架空世界創作の界隈の用語ではこのような「作り込むほど売れなくなる」現象は「商精反比」と呼ばれている。 作る側としても人工言語や架空言語を作るには専門的な知識が要る上、にわかに競技人口も多い(例えば後述する架空言語「アルカ」を題材にしたシェアードワールドやそのフォロワーないしフォロワーのフォロワーたる所謂「架空言語界隈」, あるいはそうした界隈から距離を置きつつも地学的な現象からのアプローチや自主制作映画等のメディア化にも積極的なアルティジハーク語をはじめとする中野智宏氏による創作物群, 他、海外の創作者など)ため学問的に自然な言語を作って自作品に組み込み、更に平均的な完成度にしようとすることは至難の業である。 知識に関して例を挙げれば言語学者のJ・R・R・トールキンは指輪物語に登場するアルダの言語を作るのに13歳から作り始めて81歳で亡くなるまでの68年を費やしているし、 19130の語彙を持つ日本最大級の人工言語・アルカは作者セレン・アルバザードが他の全ての創作活動にかける時間を捨てて22年の歳月を経て製作している。 専門知識を手に入れるための資金や時間だけでも膨大な量に上るため、作品作りと言語の創作を両立させることは至難の業なのだ。 さらに言えば、異世界の言語を作ってしまうと 今度は「人がいて人の使う言葉を喋れるような世界に行ってる時点でかなり確率低いところを引き当ててる筈なのに、なんで言語だけは違うの?」という問題も出てくる。 故に言語の超速理解や翻訳前提が多いことにも「仕方ないね」「突っ込んではいけない」「こまけぇことはいいんだよ」の精神がある程度は必要なのだ。 「意思疎通はできても、異世界の文字は読めなくてそこから何かのネタになる」という展開などもあるので作者たちも考えていないばかりではないはずである。 具体例としては、TRPG『異界戦記カオスフレア』で、「異世界からの来訪者がやたら多い世界なので、世界を覆う『結界』に自動翻訳機能がついている」として言語問題を解決、 「『結界』がおかしくなると言葉が大変だよ?」(翻訳機ある来訪者も多いけどね)と言う話もしたことがある。 『十二国記』の『月の影 影の海』では最初主人公が普通に日本語で異世界の言葉を理解していたが、後に日本からの他の漂着者達との出会いで「本来は日本語が通じない(漢字での筆談でもかなり大変)」と知り、それが異世界転移の背景の伏線となっていた。 ちなみにこの世界には「不老で再生力の高い身体と言語に不自由しない感覚を得る『仙籍』」というシステムがあり、続編『風の万里 黎明の空』では小間使いではあったが『仙籍』を得た日本人も登場している。 電撃文庫→電撃の新文芸の作品『Bebel』ではこの「翻訳前提」が話の核となっており、当初異世界でも普通に言葉が通じることに疑問を持たなかった主人公が、 後半にて「舞台世界にある特殊な言語取得法則とその揺らぎ」と地球の言語事情を知った異世界人からの『ならなぜこの世界の言葉が法則外のはずの主人公に通じたのか』と2つの問題に直面し、それを解いていくことになる。 他には、漫画「ドリフターズ」では『先に来訪していた人物が日本語↔現地語のほんやくコンニャク的なのを作っていた』という形で解決が図られている。 当初は主人公の一行は、半年かけて異世界言語を片言ながら習得した仲間が通訳する事で異世界人との意思疎通を行っており、 その仲間が居ない時は当然言葉は通じないため、身振り手振りや現地民に「タスケテ(助けて)」と発声する事を強要する(*7)といった強引な方法を取っていた。 後に主人公らに先駆けて異世界に来た人物が上記のアイテムを主人公らに配ったことでようやく解決したのである。 これは「異世界では言葉が伝わらないのが普通」と「とはいえ同じ問題を何度もやっていては話が進まない」という指摘を同時に解決するものでもあると言える。 また本作では異世界の文字はひらがなをマヤ文明の文字のように変形させたような横書きの文字として形容されており、 異世界人の台詞には吹き出しの中に日本語と同じ文章が併記されている。 こうした異世界の言語考証の問題に真っ向から立ち向かった作品として、 ガチの言語学マニアが書いて書籍化までこぎ着け、それなりに売れた『異世界語入門 〜転生したけど日本語が通じなかった〜』という例がある。 この作品では、主人公が転生した異世界で日本語が通じず、言語学の知識を用いて主人公が現地の言葉や文化に慣れていく様子が、異世界転生もののフォーマットに落とし込まれた上でクローズアップされて描かれている。 この作品の人気度合いを見ると、この手のガチな要素に関心を寄せる読者が潜在的に一定数存在する(=必ずしも「トールキン得」とは見なされない)のだと考えられるが、 この作品自体が異世界での言葉に関する問題提起をセールスポイントにしており、むしろこうした宣伝が読者の興味を引いている側面が大きいと言えよう。 変わった例だと過去に地球人が大量に転移してきたので異世界でも普通に地球の言語が通じる、というものがある(もっともそれは日本語や英語ではなく古代のエジプト語やメソポタミア語だったり地球の各言語を混合したものだったりするわけだが)。 ゲーム「ことのはアムリラート」の舞台となる異世界では定期的に地球から転移して来る者がいるので主人公がやってきた時点で「ユリアーモ」という地球の各言語を基にしたリンガ・フランカ言語(共通語)が成立しているという設定。 その他SF考証的な部分 言語問題などのような『ツッコミどころ』と言われるものは、例えばジャガイモ警察と評されるような、考え始めるときりがない分野でもある(異世界or地球から未知の病原菌がもたらされるなど…)。 一応言語以外の部分にも触れてみれば、たとえば地質や気候、植生等と、建築物、食物、衣服等との関係性や、 倫理観、文化の果たす機能、重力、時差、暦などが挙げられる。 例えば瞬間移動によって長距離を移動すれば、地面が球状なら時差が発生するし、 月が二つあるなら少なからず地球の軌道に影響を及ぼしている筈である。 出自が母系である社会は存在するが、女性が社会的な権力を男性より持つ未開社会は存在しない。 不確定要素は無数にあるが、完璧でないにせよ(あるいはまったくの出鱈目であるにせよ) こうした事象に読者をうまく納得させられるような解説を加えていく必要があるのだ。 (一例を挙げると、上記文中に出てくる「宇宙開拓史」では舞台となる異星の二つの月の運行が潮汐作用に影響を及ぼしており、二つの月が重なると大潮になるということがはっきりと描写・説明されている) ここで、そもそも異世界への転移という現象や、多くは魔法という科学では説明のつかない技術が存在している時点で、 この種の科学的な常識が異世界でも通用するのかという疑問は当然存在する (事実、『十二国記』に登場する異世界では水平線が見えるにもかかわらず地球が平面だと言われており、こちらの世界の常識が通用しないことが示唆されている)。 異世界モノの主人公の多くが現代の科学技術を持ち込むため、 結果世界観にまで科学のメスが入ってしまうのは致し方ないと言えるかもしれない。 また言語にしろこの種の考証にしろ、あった方がそれっぽさが出ると考える読者層が少なからず存在することは 『異世界語入門 ~転生したけど日本語が通じなかった~』の書籍化からもうかがえる。 結論としては「できる人はやればいいが、やってもやらなくても(売り上げはどうあれ)完成度に違いはない」ということだろう。 ◆異世界と活躍の関係性 このように、「異世界モノ」には「活躍モノ」のファクターが混じりやすいのだろうと思われる。 それは異世界の友好的存在との交流を描くものであり、故に異世界モノを異世界モノたらしめるための不可欠な一面であるからだ。 「異環境での活躍」は「俺TUEEE」的になりかねない要素を孕んでいるところがある。 「白人酋長モノ」は正にそうした点を批判されているものであり、オタ文化に限った事ではない宿痾である。 しかしこれらの作品全てがそのような性質を持つと見るのも早計である。 岩明均の漫画「ヒストリエ」では、主人公が文化を教え指揮する村に攻め入った敵将が、 「貴様ら蛮族はこのような詩も知らんのだろう!」と言うと「知ってるよ、○○だろ?」と作者名を言い返されて驚愕するシーンがある。 前述の「日食? 知ってる知ってる(マヤ並感)」のようなもので、本当に知性や文化性が低レベルなら覚えようとすらしない、 覚えられないだろうが村人はごく普通に返答でき、知らんだろうと言った側の傲慢さと間抜けさが浮き彫りになっているシーンである。 また先発作品な『船乗りクプクプの冒険』で、原始的そうな住人に対してある人物が「これが現代の技術だ!」とやったら、 「いや、自分ら科学力有るけどあえて原始的に暮らしてるだけなんで」とそれ以上の技術でやりこめられた。 上述したノーゲーム・ノーライフでも(内政/NAISEIするのが主眼の作品ではないとはいえ)、 知識は供与するが具体的なところは元からいる官僚に任せた方がいいだろうと言っていたりする。 このように、渡来者の主人公が現地の「無能な」「蛮族の」人間に何かを与えて「すげー!」と言われるだけで、さすが主人公というような描写の作品ばかりではないとは言える。 逆になろう系などネット界隈では「召喚勇者に適当にモノを与えて魔王に特攻させよう」といった悪辣な王なども結構出ていたりする。 彼らが敵として無能なまま狩られる(カタルシスの道具でしかない)ケースもあるが「惰弱な現地人にただ崇拝される強者」という所へのメタではあると言える。 聖戦士ダンバインのアの国のドレイクなどは、こうした「渡来した者=頼ったり崇めるべき力ではなく道具」という立場をとった者の古い例。 ふしぎ遊戯でも、主人公の友人は本来従う者であるはずの七星士のひとりに「レイプ(実際は未遂)され見捨てられた」と思い込まされ、異世界から来た巫女としての力を利用される。 この「召喚・渡来存在を利用」した上の二人は描写的にも能力的にも普通に有能な部類の悪役であったりする。 騙された地球の人間もまた人格面に大きな問題がある場合があり、ゲームや小説で描かれている様なチート系主人公に自分が選ばれたと歓喜し、何の疑いも無く自身を召喚した悪党達の言葉を鵜呑みにして悪事に荷担(*8)。そして最終的に用済みとして切り捨てられるか、または主人公側によって断罪される状況に追い込まれる。 改心して主人公達と和解し償いの為に戦う展開(*9)もあるが、最期まで頑なにそれを認めようとしないなど、騙した悪党達ですら辟易する程の愚かさを露呈する展開(*10)も少なくない。 『悪役令嬢モノ』では主人公のヒロインとなった転生キャラが数多く登場しているが、本当にゲームの世界に転生した所為もあって上述の転移者達以上に周りをよく見ていない愚者に成り下がり、周囲の人々を、あくまでも「キャラクター(NPC)」としてしか見なかった事で孤立して自滅する展開(*11)がほぼ定番となっている。 ダンバイン(1983)より後になるが、悪党による召喚ネタは海外の例が関係性の項にもある「ランドオーヴァー」シリーズ(1986)に見受けられる。 悪い宮廷魔術師「国からはモノを持ちだせない……そうだ! 金持ちで王に合わないやつに王位売って追い出してまた売って無限ループだ!」 クリスマスカタログ「魔法の王国売ります!」(1巻タイトル、某TRPGでは「売国奴」のスキル名) 主人公「辣腕弁護士だったんだが、妻に死なれてしまってな……新しい事にも挑戦してみるか、と思い買ってしまった。今ではこの国の窮状を救いたいと思っている」 魔術師「ええ……なんでこんな有能な上に適応できるやつ来てるんですかね……追い出さなきゃ」 つまり悪の魔術師が金儲けループコンボしてたら、条件に合わない王候補を引いてグワーッ!が物語のスタート地点である。 本来の主題と違う活躍要素 「異世界で主人公が活躍するのいいよね……」は、本来それが主題ではない作品をモチーフに制作されているケースも存在する。 スウィフトの「ガリヴァー旅行記」は、本来は当時のイギリス社会等を元に描いた風刺小説。結構な長編で、○○の国編が計4つ存在している(3つ目では帰国時日本に立ち寄ってもいる)。 が、「小人の国に流れついた主人公が敵艦隊相手に無双」という序盤のシナリオがネタにされるケースが結構ある。 ドラえもんでのび太が上のエピソードを読んで「そういう(小人のいる)星に行こう!」と言い出してドラえもんとのび太が現地小人の迷惑になる話 「めいわくガリバー」は、ある意味ではモロに異世界モノの揶揄・風刺とも取れる。 藤子Fは同じように巨大宇宙人が第二次大戦期の地球は日本に来て、米国艦隊相手に無双するという話もSF短編として描いている。 2010年にもアメリカで1章が映画「ガリバー旅行記」として制作され、この映画では異世界から主人公が(一回捕まってたりはするが)後で英雄として迎えられる。 また、スター・ウォーズなどを自分のオリジナル作品として語って称賛される(後でバレたけど)という、 「自分のものでもない知識などで利益を得る」というシーンがある。 興業的には米国ではヒットせず、海外展開で製作費以上には儲けた。評論家の評価的には余り高くないようである。 「オズの魔法使い」はドロシーと仲間たちが体の特徴などによって互いに助けとなる話だが、 2013年の「オズ はじまりの戦い」はサーカスの魔術師が「オズの国」へ飛ばされ、手品のトリックや彼のいた当時のアメリカでの技術知識を現地の住民に伝え 協力を得ることで戦いに勝利している。単純に主人公を称賛する話ではなく、ドリフターズのドワーフのように多くの現地職人らが働く感じであるが。 こちらは米国で興業的に製作費を上回っており、評価もまあまあくらい。 上は「異世界などで主人公の知識等が活かされる事は主題ではない」作品の派生でありながら、主人公が活躍したりそれを望むという特徴がある。 このような例は、やっぱ受け手も作り手もこういうの好きなんすね〜的な、需要というか普遍性のようなものの存在を感じさせるところがある。 ◆異世界と主人公の関係性 「異世界」とは基本的に「主人公の世界」とは違う・関係のない世界として描かれる。 だが「異世界」と「主人公」ないし「主人公の世界」に最初から関係性を持たせ、異世界転移に必然性を持たせるケースも多く存在する。 例えば『リダーロイス・シリーズ』(コバルト文庫)は序幕こそ現代日本が舞台だが、 主人公が異世界の王子と言う『貴種流離譚』なので主役と彼女以外現代的要素は少なかった。 古い例だと『ナルニア国物語』では、舞台となる「ナルニア」と主人公達のいる「20世紀の英国」は同じ『皇帝』の作った世界であり、 ゆえに聖書に登場する「アダムとイブの子孫(たる人間)」が物語のキーポイントになりえた。 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『クレストマンシー』シリーズでは『異世界が認知された魔法世界』と『異世界や魔法を知らない世界』が入り混じっていた。 テリー・ブルックスの『ランドオーヴァー』シリーズでは、主人公が異世界の国「ランドオーヴァー」の王位を「買う」ことで王となっている。 『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』における「現代」と「未来」は、厳密にいうと「互いにタイムパラドックスが起こらない世界」で、並行世界移動に近い。 これらの例だと「異世界を行き来する手段」や「並行世界の仕組み」等がある程度解明されており、それゆえに世界観の関係性が必要とされている。 また『魔法騎士レイアース』原作版では、「何で異世界なのに『マジックナイト』なんて英語があったんだ?」と言う疑問をキャラが抱き、終盤で「作り手が同じ」な事が明かされている。 このように「2つの世界」の類似性から、世界の謎に迫るという作品も存在する。 ◆異世界への行き方 ではどうやって異世界へと登場人物たちが誘われるのか?というものも各種異なる。 『火星のプリンセス』では「臨死状態の時意識だけが遥々火星へと転移する」という、それこそ「夢物語」のような生き方であった。 対して『ナルニア国物語』の「ライオンと魔女」では「居候していた家のクローゼットが世界間を繋ぐ通路だった」という、より「違う場所へ行く」雰囲気が強いものとなり、 他のナルニア作品では「異世界から強制的に召喚される」・「絵が門の代わりになる」・「アスランを呼んでいたら近くの扉が門になる」・「魔法の指輪を使う」と各種パターンを取りそろえ、 「クローゼット」に関しても「実はナルニアからの種で生えた木で制作」として「通路」となった必然性を理由付け、最終巻では現実世界で死んだから渡れたという『火星のプリンセス』に近いものになっていた。 このように異世界への行き方には大きく分けて 1:異世界へのゲートをくぐる 2:意識不明状態で幽体離脱の如く異世界へ行く 3:異世界へ行ける道具・乗り物等を使う 4:異世界の住人から呼び出される の4パターンがある。 このうち2の変種に「貴種流離譚」・「転生もの」の要素を合わせて生まれたのが、「異世界転生モノ」と思われる。 また変則的な例としてはしては外国文学『ネシャン・サーガ』がある。 同作では「異世界に棲む主人公」の冒険を「主人公と同じ名を持つ地球の病弱な少年」が夢を通じて体験し、時に主人公に対して助言するという形式で進行していた。 ところが後半になって「病弱な少年」が突然異世界に転移し知らぬ間に主人公と同化、以降「主人公」は「病弱な少年の記憶を持った異世界人」となった(「病弱な少年」は地球では行方不明扱い)。 「病弱な少年」が異世界に降り立った時や地球での扱い等の描写は「異世界転移」とも取れなくもないが、異世界の住人たちは皆「病弱な少年」を普通に「主人公」として扱っており、「異世界転生」とも取れる。 だったら元の(「病弱な少年」を他人として認識していた)「主人公」の人格はどうなったのかという疑問が残るが。 元の世界と異世界の行き来が選択できる場合、「どちらの世界で生きるか」と葛藤する展開もお約束である(*12)。 最初は転生だと思って死んだ前世のことは忘れていたが、物語後半で実は帰れることがわかり…というパターンもある。 また「死にそうなショックによって転移」の場合もあくまでも転移先は生身の世界であり、死後に閻魔を相手に地獄の国盗りを企てた人や 実行した人を異世界モノに分類する人はまずいない(単にその作品の本題ではないからかもしれないが)。 ミヒャエル・エンデの小説『はてしない物語』では、小説の世界・ファンタージエンに入り込んでしまった主人公が、現実世界とファンタージエンが相互に悪影響を及ぼしている状況を打破し、自らも成長して戻ってくる過程が描かれる。 昨今の『異世界転生もの』などは、トラックによる事故・病気・老衰による死や原因不明によって優れた知識や能力を持ったまま異世界にいくケースが多く、 いずれも共通することは、『主人公には元の世界に戻る手段ないし、当人にその意思がない』こと。 よくもわるくも「自分が活躍する・自分を必要としてくれる人がいる世界」で人生を過ごすこととなる。 アニメ『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』では逆に、異世界に行き成り上がった男が、異世界の王から過ぎた野心を見抜かれ、得たもの全てを失って元の時代に戻されるという展開もあった。 ◆転生と転移の違い 元の世界への帰還意志について上記で触れられているので、この二つを区別してみようと思う。 転生は「死んでから新たに命を授かる」というのが一般的イメージであろうと思うが、これは転移とどう違うのか? 実は「戸籍等の問題が生じやすい」という事実がある。例えば「本好きの下剋上」では主人公は現地の子供が亡くなった体に憑依転生している。 「無職転生」のルーデウスも現地人の子供として産まれている。ルーデウスに関しては本好きのマインと違い、 日本での生活的に「帰りたくない勢」ではあったが、もし日本への帰還を切望したとしても肉体は「異世界の物質で出来た完全に日本人でもなんでもない誰か」なのである。 眼の色が、髪の色が、肌の色が、年齢が違う。なろうでは人類に魔力を操る器官が生得的に備わっているという設定の場合もあるので、 下手をすれば解剖学的にも遺伝学的にもヒトと別種になっている可能性すら否定しきれない。 故に「帰りたい」と切望し「帰れる」としても「帰って幸せになれるか?」というと、全肯定は難しいというケースは割と多い。 「このすば」のカズマなどは外見等ほぼ変わらないタイプの転生をしているようであるが、死んでいる事自体は事実のようなので葬儀が行われていると思われる。 となれば「死んだと確認されている人間」なので、もし女神アクアが活躍の褒美に地球の人と会ってもいいと計らっても 「アイエェェ……オバケ!ズンビー!」「死んだはずだよカズマさん」というオチもありえなくない。 転生は関係ないが「荒野に獣慟哭す」のコミカライズ版では「姿形が大きく変化し、死んだことになっている男が妻子の幸福そうな姿に涙する」というシーンがある。 陰から短時間見守ったりできれば満足ならいいが、「別人」や「死んだはずのヤツ」として帰るということは中々に難しい。 転移というのはその点拉致・失踪と同類項であるため、帰還意志が強く手段さえあれば上記のように最悪戸籍捏造が始まるレベルの問題が全くない事もある。 実際なろうでも異世界に召喚されたぜ→魔王を倒したぜ→強くなって帰って来たぜ→地球でわちゃわちゃライフがはじまったぜ、的な作品は 一定数存在しているし書籍化作品もあるようである。 ただこれらの作品は「地球で異世界ファンタジーのスペックを発揮する」ことが主眼のものも多いようである。 ただしなろう無関係なところで、地球で異世界の魔法を使うドタバタをしつつ異世界パートにも力が入っている「異世界おじさん」のような作品もある。 時系列上は帰還後の後日談モノではあるが。 異世界から帰るまでが物語です、を正面からやりきっている作品の大手を挙げるとすれば、実は大長編ドラえもんにかなり多い。 例えば魔界大冒険は魔法がある並行世界を救って帰還→魔法はもうないんだよね→チンカラホイ!→風だよね、きっと(いい話風にパンチラ) など「日常への回帰」と「でももしかしたら不思議はある……?」という塩梅でシメている。 異星へ赴き巨大化チートで異星人の政治的危機を救ってラストの台詞が「今度の休みにまたいこう」(スネ夫) これは裏を返せば現地土着ではなく地球の生活を基本とする言葉と言える。 竜の騎士ラストも地底国から帰還→地底に隠してあった0点の答案が配達されてきてグワーッ。これも「テストがあるただの小学生への回帰」である。 こうしてみると、異世界(異なる環境)へ赴き誰かを助け帰ってきて完全に日常へ戻る勇者ムーヴなのがよく分かる。 (夢幻三剣士については「学校の位置おかしくね?」など逆に微妙に異世界混じり的な意味でアレなネタがあるのであえて省いた) ◆人外転生 転移や召喚など「元の人間に魔法力やスキルが付いてくる」といった変化が多い物語と違い、 「転生したらスライムだった件」、「蜘蛛ですが、なにか?」「オーバーロード」等、 転生においては人間どころか生身の人間以外の存在へ転生するという物語もヒット作を含め少ないわけではない。 こうした作品では転スラなどで人間態があったりはするが、人間化や人間への転生を至上としているわけではない事も普通にある。 例えばうしおととらの雪女のエピソードでは、人間と愛し合う雪女が人間に転生を果たすことがハッピーエンドとして描かれている。 (作中では雪女の親の雪女も人を愛していたが逃げられており、結ばれた二人に涙するという表現がある) これに比べると、転スラの主人公リムルはスライムの姿でいることも普通にあり、「人間でありたい、なりたい」を 最高のことととしているわけではない。またリムルの主導する作中国家は知性体としてのゴブリンやオークを住民に含んだ、 非ホモ・サピエンス(劇中だと人間も異世界人だからそう定義できるかはまたアレだが)系が主幹の国家である。 なので「人型になれるスライム」であることに問題はなく、「ヒトという種」にならなければならないといった理由は別にない。 この辺はヒトに戻ることを夢見て戦う作品も存在しているため、個々の個性というべきだろう。 ◆異世界と自分の世界の融合 作品の中には、最終的に異世界と地球が融合する・大規模で邂逅するという話も見られる。 『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』など。 今まで主人公達しか知らなかった異世界が、地球の常識を揺るがし、主人公たちがそれに関わるというカタルシスのある展開ということも。 ただ、こうした作品は必然的に政治・経済の分野にも精通していなければ、ツッコミどころ満載や無理やりな展開になりがちなため、 作者の力量が問われる話でもある。 ◆異世界にいる人が地球に来る 異世界に地球にいる主人公がいく話は上記のように多々あるが、当然ながら逆に異世界にいる人が地球に来るという話もある。 日本の有名作品で言えば、M78星雲・光の国から地球のために宇宙警備隊員が何人も来ている。 ただコメントで異世界的ではないと指摘があったが、原因は彼らが同一宇宙の異星人である事よりもむしろ 「活躍の分断」にあるのではないかと考えられる。 異世界モノにおいて「活躍」さらにはそこから発展する「友好的存在との交流」というファクターが重要である事は 前述されている通りだが、この場合はそうした要素が薄めなのだ。 なぜなら光の巨人=怪獣を倒す者≠変身する前の隊員、というのが一般認識であり、要するに異世界モノによくあるような 「主人公が凄いパワーで強いモンスターをやっつけて周囲に称賛される」というような流れが作られていないのである。 構造的には先達のこの人も同じ。 もっとも目立ちたくないから活躍を隠そうとして内密に強いモンスターを倒して称賛は身内のヒロインからのみ受ける、 みたいなタイプの作品もあるが……。 「怪獣を討つ光の巨人すごいですね。ところで、隊員の中に怪獣が出たらいつもいない人がいるそうですが。いらない子では?」 上記作品の中には隊員がこんなバッシング記事に傷つけられ「もう変身するのやめようかな」という精神状態にまで 追い詰められた描写のある媒体も存在するという。うん、活躍隠すとか昼行燈ってレベルじゃねーぞ。カワイソス なお近年はイケボが付いて、満員電車を「精神の修行にはもってこい」と言うシーンがあったりするなど 異世界人っぽい「異文化をなんかズレた見方してる」的な台詞があったり、喋るようになった事で少しだけ異世界あじは増えた。 といっても主人公や他の光の巨人以外とは軽妙にトークする訳ではないので、その辺やっぱり限定性がすごく強く異世界性は低めだが。 シュワ?シュワシュワワ?シュワ? >日本語でおk ちなみに「別の星から来て高い能力(大体は科学力)があるキャラクターがメイン級」の作品だと 星からヒロインがやってきた「うる星やつら」や、タイトルまんまだが星ごと吹っ飛んで全住民が宇宙に散在する難民と化した国の王家が地球に移住する「ウメ星デンカ」など昔の漫画にも該当作品はなくもない。 が、ラムたちが科学力を発揮すると基本はトラブルになってドタバタギャグ状態に陥るのであって、 あたるもラムに今わの際まで惚れたなど言わない。 また『十二国記』シリーズのエピソード0にあたる『魔性の子』は、ある少年が異世界から自覚無しにえらいものを連れてきてしまったせいで起こった悲劇と、現実より未知の彼岸にこそ望郷の念を抱いてしまう主人公を描いた作品。 少年は異世界に関する記憶を失い欠落感を抱いているのに+して異常な怪異のせいで人々に恨まれ、最終的に地球での居場所を殆ど無くした所で迎えが来て記憶が戻り、異世界のものを何とか宥め共に再び異世界に。 そして途中で自分の憧れを「実際に何かがあった少年とは違う」と先輩に一刀両断された主人公は、最後に異世界の実在と少年も異世界生物だという事を告白されるも、渇望空しく隔絶を知り取り残されるという、「異世界への憧れの光と影」を描いたかなりビターな話である。 只後のシリーズ展開を見るに、言葉の通じない異世界の荒廃した国に、一般人で都合のいい憧れしかない主人公が行けたとしても足手まといになった公算が強いので、少年が独りで帰還した事は双方によってましな選択だったろう。 近年ならば『はたらく魔王さま!』では、勇者に敗れ世界征服に失敗し現代日本に逃亡した魔王が、 人間が生きていくうえで不可欠な『働く』ことを知るため、アルバイトをして出世を目指し、人間世界の在り方・人間の導き方を学びなおそうとする話となっている。 他作品として金色のガッシュ!!等があるが、やはり地球で地位を築くとかが主眼ではないためやや異世界あじは薄い感はある。 ワールドトリガーも主人公らは十分濃いのだが群像劇的側面が結構強めな上、異世界に拉致された人々を取り戻すというむしろ逆の目的に虎視眈々と牙を研いでいる。 【媒体別】 異世界モノは様々な媒体で存在している。ここでは日本語媒体のものを掲載。 サイトやイベントを利用する際は利用規約・ローカルルールを守らないとBAN等の原因になる。 ◆商業的なもの 小説 ファンタジーを題材にした小説(幻想文学)は純文学・ジャンル小説を問わず存在し、当然ながら異世界を題材にしたものもある。 特にホラージャンルでは「行って帰ってくる」という話が多いため、必然的に異世界モノになりやすい。 純文学でいえば泉鏡花の『天守物語』などは主人公が妖怪の世界へ招かれる話であるし、 志賀直哉の『城の崎にて』は現実世界での話ではあるが、精神的な意味では別世界と見ることもできるかもしれない。 古い例ではダンテ・アリギエリの『神曲』が有名であり、これは主人公が天国・地獄・煉獄を旅するものである。 SFやオカルトにおいては上記に述べたスペース・オペラやVRの他にも、秘境冒険談や、平行世界、時間移動、異次元、サイバースペース、はたまた神や妖怪の住む常世を題材にしたものがある。 フレドリック・ブラウンの並行世界SF『発狂した宇宙』は、1949年当時のSF雑誌にありがちな設定を風刺しながらも、主人公を活躍させるエンタメ性があり、さながら現代でいう「このすば」のようである。 新しい作品に目を向ければ、宮沢伊織『裏世界ピクニック』のように都市伝説を題材にしたものや、ジェフ・ヴァンダミアの『全滅領域』などホラー要素を加えたものもある。 ファンタジーではミヒャエル・エンデの『遠い旅路の目的地』のように、異世界に主人公の意識が大きく反映されたものもある。 エンタメ性を重視したものでは、ウェン・スペンサーの『ティンカー』などが挙げられる。 ライトノベルでは富士見ファンタジア文庫で女子高生が「未来の並行世界」で活躍するSF『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』や主人公の男性が異世界での召喚獣役を兼業するバイオレンスファンタジー+学園格闘コメディの『召喚教師リアルバウトハイスクール』、 電撃文庫だと少年少女が危機的な状況の並行世界へ招かれる『時空のクロス・ロード』、富士見ミステリー文庫で『マルタ・サギーは探偵ですか?』と平成前半から異世界モノは存在したが、 2020年現在では狭義のジャンルとしての『異世界モノ』はweb上で連載されたものが書籍化されている場合が多い。 児童文学では、例えば小学校低学年向けではふるたたるひ『おしいれのぼうけん』やルース・スタイルス・ガネット『エルマーとりゅう』、 高学年向けではルイス・キャロル『不思議の国のアリス』、一般小説『魔性の子』を起点に少女向けライトノベルとして開始した小野不由美『十二国記』が挙げられる。 漫画・アニメ 実写で表現できないことが表現できる分、異世界を題材にした漫画やアニメは無数に存在するものの、 ラノベ的な意味での異世界モノはオリジナルでは少なく、 大抵は小説の漫画化・アニメ化が殆どである。 ラノベタイプの異世界では、オリジナル作品では平野耕太の漫画『ドリフターズ』などが挙げられる。 アニメではたつき監督の3DCGアニメ『けものフレンズ』が有名であり、これは主人公のかばんちゃんがアニマルガール達の暮らす世界で目覚め、ほかの「けもの」にはない人としての性質や技能を活かして障害を乗り越えていく。 純粋にファンタジー世界へ行って帰ってくるタイプの話であれば、アニメオリジナル作品では宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』などが挙げられるだろう。 実写 実写では『BALLAD 名もなき恋のうた』や『JIN -仁-』のような原作付きのものが異世界モノと呼ばれている。(ここで挙げられたものは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』、『JIN -仁-』の実写化である)。 また、そうでなくても異世界はファンタジーやSFを描写しなければならず、特撮やVFXを用いなければならないため、 表現媒体の制約から時間遡行がテーマになっていることが多い。 ミュージカル等の場合、衣装や書割りなどによって異世界を表現できるため、オリジナルでは現実とは違う世界に行って戻ってくる要素がしばしば用いられる。 ゲーム 一般人視点でストーリーを楽しんでもらうため作品内の場所等に疎いキャラクターが主人公になることがある他、所謂「お祭りゲー」では単に流行に倣って異世界モノを取り入れている場合もある。 『FINAL FANTASY Ⅹ』では、主人公が異世界に行くところからストーリーが始まる。 『DISSIDIA FINAL FANTASY』シリーズでは、各ファイナルファンタジーのナンバリングタイトル等の主人公が別の世界に呼び出され、一堂に会する。 ソーシャルゲームでも、例えば『ディズニー ツイステッドワンダーランド』のように一人称となるキャラクターが他のキャラクターとは別の世界から来ている場合もある。 また逆に、『きららファンタジア』のように様々な作品のキャラクターがひとつのファンタジー世界へ呼び出されることもある。 ◆個人が自由に投稿・頒布できるもの 小説家になろう・アルファポリス・カクヨム 基本的な小説サイト。「なろう系」と言われたらこのあたりを一括りにして指していることが多い。 「なろう」では更新頻度が重要視されるのに対し、カクヨム では完成度が重視されるなど、サイトごとに毛色の違いがある。 基本的には主人公に感情移入できるように作られているか、作者の思想がキャラクターに反映されていることが多い。 また多くの場合主人公はかなりの強さを持っていたり、特殊な能力を持っていたりする。 「なろう系」のファンタジーはひとくくりに「ナロタジー」と呼ぶこともあるが、近年では異世界モノではないハイファンタジーも台頭してきているため一概に異世界モノ=ナロタジーではない。その他、ナロタジーに出てくるヨーロッパ風の異世界のことを「ナーロッパ」、ナロタジーの典型的な主人公のことを「ナローシュ」( なろう主)などと呼ぶ。これらは蔑称同然と化しており、毒者(*13)や対立煽りの愉快犯らの口癖になっている。 「チート」「魔力」といった、通常とは若干異なる語法があり、個人によって大きく用法が異なるものもあれば、逆に濫用すると批判をくらう単語もある。 異世界に生きたまま移動することを「転移」、死んでから異世界に行く場合を「転生」、神様の手違いにより死んだ主人公が異世界で蘇るものを「神様転生」と呼び分けている。 これらのサイトでは企業が新人賞を設けていたり、ヒットしている作品にスカウトが入ったりする。 このようにして「商業化」が行われた場合、サイト側の規約や商用化権等の企業の規約から個人の手を離れてしまうリスクはあるものの、 賞金や商業での連載を目当てに多くの作家が作品を投稿することが多い。 その中で特に商業化の割合が高いのもこれらのファンタジージャンルであり、 現在ではサイトでの評価が必ずしも売り上げに結びつかないと認識され始めてはいるが、 こうしたジャンルから商業化が行われていることは多い。 因みに、異世界モノ以外で主流なファンタジージャンルは「追放系」と「婚約破棄」、 あと2022年から「現代にダンジョンができた」系が増えてきている。 一応このジャンル自体はそれ以前からあったものの、一大ジャンルとして作品数が大幅に増えたのは2022年から。 さらに「とあるVRMMOのシステムがそのまま現実になった」など、他の異世界物サブジャンルと合体することも。 商業化を狙うなろう作家志望のことを蔑みを込めてまたは自称として「ワナビ」と呼ぶことがある。というのも、なろう作家は「誰でもなれる」と思い込んでいる浅はかな志望者(もちろん、流行を察知し、毎日同じ時間に面白い作品を上げ続けなければならないため、誰でもできるわけではない)はごまんとおり、加えてこうした無料で読める小説サイト自体がそのギャンブルや頭を使うことを嫌う読者の特性上テンプレを遵守した作品以外受け付けない所謂「魔窟」なこともあって、そうした場所で自分の個性を(技術もなく)活かそうとする無謀な挑戦者を嘲笑する意味合いが強い。 Arcadia・ハーメルン・Pixiv小説・ドリームノベル・占いツクール 主に二次創作が行われているサイト。他のサイトでは二次創作が原則禁止されているか極端に制限されているため、二次創作ではこれらのサイトが用いられることが多い。 前三者では所謂男性向けも多いが、後二者では主に夢小説等が扱われている。現実世界から来た主人公が作品内世界で冒険するパターンや、別々の作品同士のクロスオーバーもある。 ケータイ小説・魔法のiらんど 主に女性向けの恋愛モノを扱っている小説サイト。独自の文体をもつ。上記二者と比べて異世界モノの規模はそれほど目立っていない。 魔法のiらんどでは二次創作も許容されている。 各種BBS 5ちゃんねるをはじめとする電子掲示板(BBS)には一次創作や二次創作の小説をコメントによって投稿する専用の板がある。 有名なものではニュース速報VIP(通称VIP板)がある他、 やる夫スレのように、版権キャラクター等をAAにしたものに会話させるという特殊な方法を取るものがある。 またオカルト板では「きさらぎ駅」のような異世界を題材とした怪談が語られることもある。 なろうとは違い収益にならない上に出会いもないので、完全に個人の趣味で成り立っているといっても過言ではない(さらに言えば商用化権が5ちゃんねるに還元され、誰でも自由利用が可能となってしまう)が、 ファンタジーモノではゴブリンスレイヤーのようにやる夫スレからキャラクターを差し替えて書籍化することがある。 個人サイト 自分のサイトで小説や漫画を連載することも可能である。 上記のサイト群が台頭する前はエヴァや魔術士オーフェンの二次創作などで賑わっていたらしいが、現在ではサイトをスマホに対応させなければならないなど個人でサイトを立ち上げるハードルが上がっているためあまり主流ではない。 オリジナルのものでは人工言語「アルカ」を題材にしたシェアードワールドへ転移する小説「紫苑の書」などがある。 またアンディ・ウィアーの小説「火星の人」も元々は作者の個人サイトに掲載されていたが、これも見方によっては異世界モノになるかもしれない。 Pixiv・ニコニコ漫画 漫画を投稿することができる。 異世界モノの漫画自体がややニッチではあるが、特にPixivではR-18でファンタジーが扱われることもあり、 アマチュアによる投稿も多い。 Twitter 主に漫画が投稿される。 商業漫画の一部や再販の見込みがない同人誌が投稿されることがあるほか、 アマチュアでも気軽に漫画を投稿できたりと敷居が低い。 「漫画が読めるハッシュタグ」などで検索すると一次創作漫画全般が出てくるが、異世界モノだけを検出するタグは今のところない。 Youtube・ニコニコ動画 異世界を題材にした怪談を読み上げた動画のほかに、アニメのキャラクター等をファンタジー世界で戦わせる架空戦記モノがあり、これは文字や絵によって表現されることが多い。 また、はるふりのボカロ曲『異世界チートハーレム』のように異世界を題材にした楽曲もある。 ニコニコ動画には、ニコニコで使う分なら自由に使える素材集であり、素材主にも広告収入が還元される「ニコニ・コモンズ」があるため、そこでの立ち絵やBGM、効果音を借りての動画製作が容易という利点がある。 間違ってもニコニ・コモンズの素材使った動画をyoutubeに投稿するなよ!?絶対にだぞ! 同人誌 漫画や小説を個人で出版し、イベントで頒布したり、友人に配ったりする方法。Pixiv同様エロが多い。 サイトのサービスが終了してもデータが消えてしまう危険がないが、焼失・破損等の危険がある。 それなりに資金と労力がないと作れないためある程度の覚悟と狂気を要する。 同人ゲーム RPGツクール等の専用のソフトウェアを使う場合と、ある程度自分で作る場合とある。 特に前者の場合、公式でゲームを共有できるようにしている場合もある。 「RPGツクールDS+」のように比較的仕組みが簡単なゲームを作る場合、典型的な異世界モノが用いられることがある。 その他のサイト 例えば、SCP Foundationでは異世界を題材にした記事がある。 【各作品の例】 クレヨン王国シリーズ 『夢のクレヨン王国』の原作となった『クレヨン王国シリーズ』は最初「地球の人間が現実の問題を投影した異世界へと誘われる(あるいは夢見たり異世界発の生き物や品に遭う)」異世界モノだったが、 日本の少女とクレヨン王国王族の恋物語を軸にした『月のたまご』シリーズ以降では『クレヨン王国』サイドのキャラや風土が個性化、クレヨン王国内で完結する話やクレヨン王国の人がさらに違う世界や地球へ旅する話が描かれアニメのベースになった。 しかしそのせいで、第1作冒頭の「クレヨン王国のカメレオン総理の元に主人公のクレヨンの擬人化存在が集まる」という描写が半ば死に設定化。 一応擬人化クレヨンはこの後も出てくる話があるが、基本は「総理と人型種族『クレヨン』の王国民から選ばれた各色を象徴する大臣たち」設定に落ち着いている。 『魔法少女リリカルなのは』シリーズ 高町なのは・八神はやては、「現代日本に来た異世界人に魔法を学び高い適性を発揮、スキルを活かして異世界移住・就職」という経緯を辿っている。 但し舞台が異世界ミッドチルダの『魔法少女リリカルなのはStrikerS』以降の作品では、強い地球人がいてもメインが異世界出身者なためあまり「異世界モノ」とは扱われていないし、実際の描写も魔法関係を除けば「月が二つあるのが当然」「成人年齢が違う」など、なのはやはやてがいた世界との違いが軽く説明された程度であった。 【参考文献】 山北篤『現代知識チートマニュアル』『軍事強国チートマニュアル』 ルイス・ダートネル『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』 ライアン・ノース『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』 「F-files図解」シリーズ(新紀元社) 祖父江孝男『文化人類学入門』 勝田有恒 山内進 森征一『概説西洋法制史』 【余談】 異世界モノでは元の世界で死亡して転生することが多いのだが、この際の死因が交通事故かつ大抵の主人公がトラックに轢かれて死ぬ…というイメージが強いためそれを皮肉った作品が出たり(*14)、海外の読者から「日本ではトラックに轢かれる人がそんなに多いのか?」と思われたりしているとか。もっとも以前に小説家になろうにおける異世界転生作品で調査した人によれば、トラックによる轢死例は突出したものではなく、死因が不明だったり過労死(*15)や突然死など直接的には他人を巻き込まない例も相当数に上ったという。小説家になろうやアルファポリスなどが誕生する前は、二次創作でトラックに轢かれて転生する小説が多かったため、その頃に抱かれたイメージの産物だと推測される。 ドラマツールとしての事故というものを考察するなら、「キャラ立てや説得力を持たせる要素にしやすい」というのが大きい。例えば「本好きの下剋上」での主人公は「大量の本が雪崩て圧死」しており、まあそんな奴なら紙本の作り方自体を知っててもおかしくないか……という転生後知識の披露や本への執着心に納得しやすい。「幼女戦記」では逆恨み殺人犯な上にもともと問題があった輩とはいえ、その心理を読めなかったエリート主人公が背後から襲われ電車に轢かれた。これも転生後の主人公の行動を見るとまあうん……な所があり、キャラ立ての一種と言えるだろう。なろうと一切無関係な作品で言うなら、「幽☆遊☆白書」の序盤の設定は「咄嗟に人助けしたら轢かれる→お前死ぬタイミングじゃなかったんだよなぁ→試練をクリアしたら蘇生してもええやで」となっており、ここから主人公はオカルトの世界へ踏み込んでいく。この構造自体がなろうや後発異世界転生ものにおける「人助けで死んだので神が謝罪や褒美で転生させる」という展開の前例のひとつと言える(もっと古い例はあるかも)。これ系のパロディをしている作品ではこの素晴らしい世界に祝福を!は有名だろう。(*16)キャラクターの変化のきっかけ、という視点だけで見るならダークギャザリング(主人公は死んでないけど)やゾンビランドSAGAが近年目立つだろう。「ある日突然特殊能力が覚醒する」「体質が変化する」という作品もあるが、説得力や他の展開へのシナリオフックのためにキャラクターを事故に遭遇させること自体が別に珍しくも異常でもないことは幽白が前例として示している。要するに「ある日親の都合で知らない国へ」とか、そういうのとある種近い「変化のためのツール」としての事故というものもあるという部分はあるのだろう。 『星のカービィ ディスカバリー』の最終決戦では、なんとカービィがモンスタートレーラーをほおばり突撃する展開となっているが、これを冷静に考えてみると、トラックでラスボスを轢いて異世界から帰還するという異世界モノのイメージを逆手に取ったものであり、異世界モノを知るプレイヤーの舌を巻かせている。また曲も一発でこの展開を分からせるものとなっており、古参のプレイヤーをも唸らせている。 召喚成功・・・あなたは伝説の追記・修正職人ですな!この項目を良化してくだされ! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 異世界転生転生ものって基本的に主人公は人間って前提があるよね。昔妄想したやつでは隕石の影響で異世界転生したティラノサウルスが現地のドラゴンやオーガといったモンスター達と戦うってストーリーを考えたことがある。 -- 名無しさん (2018-03-09 01 42 18) 「主人公が人間以外」はそれでもう一ジャンルだから異世界モノって別ジャンルと混ぜるのは難しいからね。面白くするのは更に -- 名無しさん (2018-05-24 09 28 56) 架空戦記小説ブームみたいに、流行ってるからってひたすら数だけ出して駄作を氾濫させたあげくブームを自らつぶしてしまう形になりそうだ -- 名無しさん (2018-05-24 20 54 31) 児童文学の「デブの国ノッポの国」という作品は人間が身長体重で二つの国に別れて暮らしている、という世界観の話だったがこの世界に迷い込んだ兄弟は特に何をするでもなく傍観者という点が変わっていて面白いと思った。 -- 名無しさん (2018-05-24 21 39 22) コメント欄リセットしました。 -- 名無しさん (2018-06-14 08 58 19) 純ファンタジーの代表であるドラクエより異世界ものの代表であるダンバインの方が古いと聞いた時の衝撃 -- 名無しさん (2018-06-14 22 30 09) 昔は異世界行って成長して帰ってきたけど、最近は行きっぱなしとか転生増えたよね。そりゃまあ転生なら家族友人置いてきてないから後腐れないわけだが・・・ -- 名無しさん (2018-06-27 10 16 52) ↑2 だからダンバインのファンタジー路線は受けが今一つで(熱狂的なファンもいたけど、全体的な傾向としてはという意味)、後半は主役機がメカっぽいビルバインになったり、舞台が地上になったりした。 -- 名無しさん (2018-06-27 10 30 55) 「彼方から」のカタコトヒロインに萌えた記憶 -- 名無しさん (2018-06-27 11 18 26) 何故他の事故死者は転生していないのか…別の転生者がライバルorラスボスにとかはありそうっちゃありそうだよな(多分俺が知らないだけだろうが) -- 名無しさん (2018-06-27 13 17 19) 歴史上の人物が死んで異世界に転生したら、(魔法とかの恩恵を受けずとも)普通の子供以上に無双しそう。八艘飛び伝説で知られる源義経とか、魔法使いや怪物が相手でも刀1本で一方的に戦えるように見えるし。 -- 名無しさん (2018-06-30 13 35 10) 何が面白いんだろうこれ同じような奴ばかり少し自分のアレンジ(それもどこかで見たような奴ばっかり別にパクりとかそういう事言いたいわけじゃないけど)加えてそれが受けるんだから意味わかんねーな -- 名無しさん (2018-11-12 06 51 34) いつのまにか異世界=勇者とモンスターと魔王とかいる世界みたいな扱いになってるのが解せぬ。王国制なのは童話や児童文学でなじみ深いがモンスターや魔王が出てくるゲームになじみがなかったから慣れない。 -- 名無しさん (2018-11-12 06 59 47) 物語を考える上で「奇をてらう」なんて、料理におけるそれと同じぐらいにはダメになる要素の筆頭だしなあ -- 名無しさん (2018-11-12 21 48 05) ウルトラシリーズのマルチバースは異世界設定とは違いそうだな -- 名無しさん (2018-11-12 22 30 39) 『ピーターパン』も、ある意味異世界モノに相当する作品よね。 -- 名無しさん (2018-11-18 16 45 01) 現代知識、技術で活躍するやつは現地にあるものだけでなんとかするなら許せるけど、元いた世界からチートか何かで物取り寄せるやつは好きになれない -- 名無しさん (2018-11-18 18 00 29) いつかスパロボみたいに異世界に迷い込んで戦う作品同士をクロスオーバーしたゲームを見てみたいわ -- 名無しさん (2019-03-05 20 39 47) 甲竜伝説ヴィルガストが項目化して欲しい -- 名無しさん (2019-03-09 18 40 43) ↑9 いわゆる大喜利に近いのよ。 -- 名無しさん (2019-12-30 19 52 08) 少年向けでよくあった「異世界に召喚されて冒険を通して成長し、現実世界に帰る」というのは、異世界に親友や恋人ができた時に別れがつらいということで異世界転生に変わったのもわかる。わかるが、別れを含めて大人への階段であり現実を生きる勇気になるものなのだがなあ。 -- 名無しさん (2020-06-27 21 16 23) 現代日本に住んでりゃおとなになるまで学校を入学と卒業してるだけで友人との出会いと別れなんていくらでも経験できるからなあ…「別れ」が現実で十分に需要を満たせた結果「創作の中にまで別に求めない要素」になったんじゃなかろうか -- 名無しさん (2020-06-27 23 20 14) (↑に追記)記事見たけど、あっさり異世界を選んだっていう火星のプリンセスってのが1917って書いてあるし、現実でもそのぐらいが学校制度が整った環境を生きてきた人間が書く側に回った頃合いってことだろうか? -- 名無しさん (2020-06-27 23 25 26) 最近「異世界転生」と「異世界転移」がごっちゃになってる人をよく見かける。 -- 名無しさん (2020-06-27 23 33 57) 日帰りクエストは行き来できるまま終わったな。主人公がどっち選ぶかはもう少し考えるわーっていう。こう書くと暢気に思えるが、話自体は結構ハード。 -- 名無しさん (2020-07-01 21 46 08) 光の国のウルトラマンたちは宇宙人であって異世界人とは違うだろ(近年は平行宇宙の地球にも行くので、そういう意味での「地球に行く異世界人」になるケースはあるが) 日本で「異世界の住民が地球に行く」って内容で有名な作品は金色のガッシュやBLEACHや幽遊白書やワールドトリガーだと思うぞ -- 名無しさん (2020-11-15 03 15 10) 血界戦線のヘルサレムズ・ロットは物語の開始時点で異界と現世が混ざり合う都市だったな コップクラフトは物語の開始時点で地球と異世界の行き来が可能な状況だった -- 名無しさん (2020-11-15 04 24 39) もうほとんど目ぼしいアイデアは出尽くして衰退期に入った感がある。ニコ静でもコメ数が少ないし、またかこんなのみたいなコメント内容が多い -- 名無しさん (2020-12-07 23 36 47) エターナルメロディいいよね…… -- 名無しさん (2020-12-08 02 23 23) 逆に異世界の魔法使いが現代社会に転生した方が無双できるんじゃないかな -- 名無しさん (2020-12-12 10 55 30) 3↑「発明されるべきものは(ry」 とはいえある程度の飽和はあり得るかもな これからはより深い話が評価されていくことだろう -- 名無しさん (2020-12-19 18 15 05) 幻想入りもこのジャンル? -- 名無しさん (2020-12-19 19 42 51) 3↑これに関しては、そもそも「ブーム=何かが流行る」という事自体がどうしてもそういう側面(つまりは類似作品の粗製乱造)を含むものだから、正直仕方がない部分もあるよ。 昔ドラクエが流行った時だって、それはもうこれでもか!と言う位に類似品な「ロープレ」が出まくってたからね…… ついでに言えば、現在はWebのお陰で昔よりよ容易に作品を世に出せる様になってるから、そういう側面が更に強まってるとも言えるし。 ……まあ、あくまで世に出す=発表するのが容易になっただけで、そこから「高い評価を得る」為のハードルは参加人数が増えた分むしろ高くなってるのだけれども。 -- 名無しさん (2020-12-19 20 43 27) ある外人YouTuberのチャー研レビューを観てたら、「ごめんねー、僕の(以下略)」の所で人を車で轢くことを「isekai」って言ってて腹抱えて笑った -- 名無しさん (2020-12-19 21 12 15) 単純に「普通乗用車や軽自動車に比べてトラックの方が被害者の死亡率が高い上、それ以外の車種にしようとすると作画が大変だったりその車種を扱う職業(例 消防車)の人へのヘイトになりかねない側面もあると思う -- 名無しさん (2020-12-30 09 39 44) トラック以外に轢かれてるのも普通に見掛けるけどトラック転生で一括りにされて伝言ゲームで実態以上にあるかのように誤解された感がある。事故に遭ったとだけで車種不明のケースもままあるし -- 名無しさん (2020-12-30 10 44 11) 有志による統計(2017)なお一位は不明 https //twitter.com/sioagisoluto/status/951362826743963648 -- 名無しさん (2020-12-30 10 59 21) 異世界ものについて、「その転生チートキャラが戦国時代や幕末に行ったとしても無双できる?」という話を聞いてなるほどと思った -- 名無しさん (2021-02-02 00 10 33) 異世界転生トラックを(石)畳替えしで浮かし、釣り腰で投げ飛ばす大統領よ。なおその直後自分の石像の頭で。 -- 名無しさん (2021-02-13 11 32 39) 異世界モノの評価が低いのって主人公以外のキャラの存在意義がほぼ無くなってしまってたりするからなんだよな。仮面ライダージオウの始まりの男のセリフで「全部一人で解決するのが、君のなりたい王様なのか?」「それでは君の周りにいる人達がいる意味がなくなる」っていうセリフがあるけどまさにそれだと思った -- 名無しさん (2021-08-28 20 44 50) なろう系でトラック転生が多いっていうイメージはこのすばでネタにされたのが一因だっていわれてるな -- 名無しさん (2021-09-01 15 15 04) うーん。あるアニメやゲームの世界に転生して、原作の悲劇を回避するなどの原作改変に挑むのは異世界モノとは違うのかしら? -- 名無しさん (2021-09-01 15 35 33) 自分の都合のいい代替ボディの獲得や別世界の侵攻のための尖兵の製造の為の過程として行っている作品や、被召喚者を洗脳・改造等して用が済んだらポイして元の世界で暴走させたりする作品もあったし、(ガチガチに強化された)親兄弟といった身内が死と引き換えに封じたラスボスを被召喚者の縁者に殺させる為に召喚・転移・転生をさせる作品もあった。 -- 名無しさん (2021-09-01 15 41 00) ↑4 サブキャラの重要性はたしかにあるんだが、たまにそっちに意識向きすぎて主人公の出番がドンドン減っていって「俺が見たいの主人公なんだけどなぁ」ってなる作品もあるのよね。何事もバランスは大事。 -- 名無しさん (2021-10-11 09 54 04) そもそも異世界モノの評価が低い(妄想)でしょ? 確たる統計を全く聞いたことがない -- 名無しさん (2022-01-24 20 48 52) まあ嫌う人がいるってのは理解できる。某サイコパスの批評動画とそのコメント見ると尚更 -- 名無しさん (2022-05-31 07 43 30) 異世界ものといわれると=転生ものという考えになってしまうな、そこまでがひとつのお約束になっているのかと無意識に考えていた -- 名無しさん (2022-06-27 21 42 59) そもそもこれ異世界に転生する必要ある?普通にファンタジーでいいじゃんてなる作品も多い -- 名無しさん (2022-06-27 21 43 58) SFや歴史物だと世界観構築や知識が必要だが、コレはドラクエの知識とご都合主義でなんとか作れるからな。 -- 名無し (2022-07-16 20 05 55) BALLADとJINはタイムスリップ物では…じゃあテルマエ・ロマエも異世界もの?(文明と文化の違いを考えるとある意味異世界かもしれない) -- 名無しさん (2022-07-17 20 13 06) 何で異世界転生物の主人公たちは皆トラックに轢かれるんだって外国人が話してたのが記憶に新しい。 -- 名無しさん (2022-07-18 16 43 00) 人外や竜やケモノが進化・変化で亜人化する事を(理由や必要性の有無を問わず)読者が残念がったり批判することがしばしばある。ぶっちゃけ何でいちいちケモナーや人外フェチに配慮しなきゃならねぇんだと大声で言いたい… -- 名無しさん (2022-07-26 20 18 49) ↑亜人化固定されるとつらいが固定されないのならばありなのかな? -- 名無しさん (2022-08-29 22 36 58) 現実世界でプログラマやってる社畜がマイクラのレッドストーンで計算機作るぐらいしろよとか言われて、出来なかったらお前社畜になるべくして社畜になっただろとマウント取られる話があって、なんかすげえ気分悪くなった -- 名無しさん (2022-08-29 23 43 08) 古いアニメでチバテレの再放送されていたのかな?主人公とヒロインが異世界に転移し互いに敵対する国に引き離されてしまうのがあったような? -- 名無しさん (2022-09-18 17 38 59) ↑11まあ本当に評価が低かったらこんなに量産されないし、累計一千万部クラスのヒット作が産まれる訳ないからなあ。つまらないと思う人間以上に面白さを感じる人間もまた多いってことだな -- 名無しさん (2023-03-15 15 11 16) 「平将門が独立政権樹立に成功した世界(=東日本が飛躍的に発展)」とか「源平合戦で平家が勝った世界(=西日本のみ飛躍的に発展)」とか「大坂の陣で豊臣家が勝った世界(=豊臣政権自体は100年ほどしか続かなかった代わりに日本の近代化は百数十年早かった)」なんてのが書かれてもよさそうなのに、なぜ「信長や龍馬が難を逃れた世界」ばっかりになちゃうんでしょうかね。 -- 名無しさん (2023-03-15 15 28 47) 美人で流暢に言葉を話して意思疎通できている女の子がなんで大した歴史的背景があるわけでなく外見で迫害され差別されるんだと異世界モノでリベラル系作品書き手に思う -- 名無しさん (2023-03-15 17 26 16) ザック・スナイダー版のスーパーマンシリーズだと、地球とクリプトンの大気成分が違うため、クラークもゾッド将軍も地球に来た当初は苦労し、その果てに後者は地球をテラフォーミングしようとしていた。それに倣って「この現世と異世界は大気成分が違う」という小説が書かれてもいいんじゃないか。 -- 名無しさん (2023-03-16 15 28 13) もはや異世界モノじゃないフィクションのが希少レベルまであるよなあ -- 名無しさん (2023-05-19 15 10 45) ↑4 単純に対象者の人気の問題だと思う… -- 名無しさん (2023-09-18 15 53 47) ↑2 「大気成分すら違う」なんてのはもう現代日本人が独力で解決できる範疇を超えてるもの。それを解決できるレベルの能力を主人公に与えないといけないからその後の展開に悪影響が大きすぎる -- 名無しさん (2023-11-10 08 54 22) 作品によっては転移・転生要素が向こうの世界でやらかしまくったターゲットを無力化する為の方便だったりする事もあるしな。 -- 名無しさん (2023-11-10 15 50 43) 死んだ(もしくは死にかけた)けど時代を越えて復活はコレに入るかな? -- 名無しさん (2023-11-10 18 20 12) ↑なろうなら「生き残り錬金術師」とかかな。確かに「主人公の時代はあって当然だったものが亡くなった衰退期を復古してSUGEEE」みたいなやつは結構あるね。構造も似てるかも -- 名無しさん (2023-11-21 18 07 33) 死因がトラウマになる展開は読者にとって求められているのかいないのか、トラックが死因ならでかい何かの突進的なやつで怯える的な -- 名無しさん (2023-11-23 14 26 06) ↑拓銀令嬢はカロウシの後「あんな死に方する人間は少ない方がいい」が行動指針になってるし、勘違いモノだけど星間国家の悪徳領主は「善人は馬鹿を見るから悪事に走るぜ」だな。トラウマじゃないが、ヒット作にも死因が行動に影響してるキャラはいるとは言える -- 名無しさん (2023-12-05 00 46 16) 名前 コメント