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都市伝説 日々、新しい伝説が生まれてくるもの 同じような話でも、それは何時の間にか変化していることもあり …そして、都市伝説は新たな力を手に入れる 「わかってたんだよ。それは、わかってるつもりなんだよ。こんな事に首つっこむハメになったせいで」 っひゅん!! 飛んできたそれを、ギリギリの所で交わす 元々、運動神経がいい方ではない 花子さんと契約して事件に巻き込まれるようになってから、辛うじて自身の身の安全を護れる程度の運動神経が、ようやくついた程度 …だと、言うのに!? ひゅんっ、ひゅんっ、と 相手の攻撃は、容赦なく俺を襲ってきやがる 「だ、だいじょーぶ!?けーやくしゃ!」 「ギリギリ大丈夫だが……これは反則だろ、ど畜生っ!」 目の前で、ひゅんひゅん、と縄跳びを振り回している、妹の姿に 俺はただ、絶叫するしかなかったのだった 虚ろな眼差しの妹 ひゅんひゅん、縄跳びを振り回し… …っひゅん!と 片側を、俺向けて飛ばしてくる! 「うおっと!?」 すんでのところで、俺はそれを交わした っが!! 縄跳びの持ち手が、トイレの壁を貫通する おかしいだろ この威力はおかしいだろ!? 俺より2歳下の妹の力で振り回した縄跳び その持ち手が扉を貫通するとか、どう言う威力だど畜生めっ! 「こんの、糞餓鬼っ!俺の妹からさっさと離れろ!!」 『…くすくすくす。い~や』 ぼんやりと 妹の背後に、影が見える くすくす、くすくす 邪悪に笑うその姿は…俺の傍らにいる花子さんと、瓜二つ 「トイレの花子さん」 学校の七不思議でもよく語られる、ポピュラーな都市伝説 故に、「トイレの花子さん」は複数存在する 俺が契約している花子さんは、無数に存在する花子さんの中の一人に過ぎない …そして 今、俺の妹にとり憑きやがった都市伝説もまた、花子さんの一人だった それも、タチが悪いタイプの花子さんだ 子供を襲い、殺すタイプ 凶器は縄跳び どうやら、縄跳びで首を締められて殺された女の子…と言うパターンのようだ だから、縄跳びを武器にしてくるだろうと言う予測は出来た しかし 「縄跳びをヌンチャクみたいにしてくるなんて聞いてねぇぞ!?んな話、ネットですら見た事ないわっ!?都市伝説で語られてすらいねぇ進化の仕方してんじゃねぇっ!?」 「都市伝説、特に、私たち花子さんはせーぞんきょーそーが激しいの。だから、頑張らないと駄目なの」 ひゅんひゅんひゅん!! 連続攻撃を、俺は全てギリギリのところで交わす 余裕を持って…じゃなくて、ギリギリじゃないとよけられないんだよ、畜生 どうしろというんだ! 『くすくすくす…!私は花子さん。あなたが契約した相手も花子さん。テリトリーは一緒。力は互角よ…!』 「む…!」 その通りだ ここは女子トイレ 花子さんの力が存分に発揮される場所 互いの力は互角なのだ …ならば 契約した人間である、自分が何とかしなければ 「…っ花子さん!」 「……!うん!」 契約している者同士、思考が通じ合う こちらが思いついた作戦を、花子さんは即座に読み取ってくれた からからからからからからから トイレットペーパーが、ひとりでに動き出す 「え~っい!」 しゅるん! トイレットペーパーが、妹の体に巻きついていく 破れやすいはずのトイレットペーパー しかし、それは強力な束縛力を持って、妹の動きを封じた いつもなら、そのまま絞め殺す事もできるのだが… 「手加減してくれよ!」 「うん!けーやくしゃのヤンデレ妹さんを殺す訳にはいかないの!」 ヤンデレなんて言葉をどこを覚えた花子さん 後で、その出所に付いては、じっくり尋ねる事にしよう 無邪気なちみっこである花子さんに、変な事を教えるのはどこの馬鹿だ ぎり、ぎり トイレットペーパーに巻きつかれ、ミイラのようになった妹が、その束縛から逃れようとしている 『くすくすくすくす…いいのかしら?この子の動きを封じていたら、私を攻撃できないじゃない?』 「…あぁ、そうだな」 確かに この状態では、花子さんは、妹にとり憑いている花子を攻撃はできない トイレットペーパーを操る事に集中しているのだ そちらに意識をさく暇は無いだろう かつん 俺は一歩、そいつに近づく 『…あらあらぁ?人間なんかに何ができるのかしら?幽霊の私を攻撃なんてできるのかしらぁ?』 人間にとり憑く、などという姑息な手段を使うだけあって、この花子は霊体だ 人間で、しかも、霊力と呼ばれるものとはてんで縁のない俺じゃあ、普通は触れる事も出来ないだろう …だが 舐めるな 俺は、「トイレの花子さん」と契約しているのだ 妹に巻きついていたトイレットペーパーを数枚、引っ張って拳に巻きつける …敵対していた花子から、余裕が消えた 花子さんの力が備わっているトイレットペーパー これを、巻きつけた状態ならば… 『っや、やめ…っ!お、女の子を殴るの!?』 「悪いが、俺はそんなに紳士じゃねぇ…それに」 トイレットペーパーを巻きつけた拳を、強く、強く握り締め 俺は、拳を振りかぶった 「…人の妹に、手ぇ出す糞餓鬼にゃあ、容赦してやらねぇよ!!」 『っひ……!?』 悲鳴は、途中で途切れた 俺の渾身の一撃は、無防備な状態だった花子の顔面にクリーンヒットし 花子さんの力がトイレットペーパーから伝わったのだろう 花子の体は、まるで初めから存在していなかったかのように、あっけなく、消えた 「…ん~…?」 「お、起きたか?」 「…あれ~?兄貴~?」 まったく、相変わらず可愛くない呼び方をしてくる妹だ 「お兄ちゃんv」とか「お兄ちゃま」とかそんな呼び方はできないものか 「…あれ?私…何してたんだっけ?」 「あ~、気にすんな。いいから寝てろ」 妹をおぶり、俺は家路につく …妹にとり憑いていた花子が消えた瞬間、妹は気を失った トイレがあちこち壊れてしまったが、それはもう仕方あるまい ひとまず…こいつが無事で、良かった 「良かったね、けーやくしゃ。妹さん、全然覚えてないみたいで」 てちてち、横をついてきていた花子さんに、俺は妹にばれないよう、小さく頷いた …花子さんは、学校から離れることもできる 女子トイレ全てがテリトリーの彼女 女子トイレ以外では著しく力が弱り、俺以外には視認できない状態にはなってしまうが 「けーやくしゃはお兄ちゃんだもんね、妹さんを護って上げれて、良かったね」 あぁ、ともう一度頷く 可愛らしくない妹だが、大切な家族である 花子さんと契約していて、良かった そうじゃなければ、妹を助けられなかっただろうから 「……ありがとうな、花子さん」 「兄貴?今、何か言った?」 「いいや」 小声で、花子さんにお礼を言う どういたしまして、と花子さんは、少し誇らしげに笑ってきて …都市伝説と契約した者は、都市伝説と戦い続けなければならない 一度は呪った己のその境遇に しかし、今日は感謝したのだった 「…ところで、兄貴」 「何だよ?」 背中から、妹が話し掛けてくる 何だよ、うるさい お前は、体を無茶な使われ方をしたのだから、大人しく寝ていろ 「さっきから、横からついてきてるお子様誰?兄貴の知り合い?」 ……… おやぁ? 「…花子さんや。学校を出たら、俺以外には視認できないんじゃなかったか?」 「……あれ?」 あれれ?と首をかしげる花子さん …あれ? 「あ、やっぱ兄貴の知り合い?花子さんって言うの?」 …え~と 「…一回、都市伝説にとり憑かれたから…都市伝説を認識しやすくなってる、のかも?」 おい 待て待て待て待て そんな事がありうるのか 聞いてないぞそんの!? 「都市伝説~?兄貴たち、何言ってんの?」 あぁ、畜生、ちょっと黙ってろ妹 まさか まさかだが、このパターンは!? 「けーやくしゃの妹さん、多分これから、色んな都市伝説に巻き込まれるかもなの」 「うぉおおおい!!??」 あぁあっ!? どうして嫌な予感に限って当たりやがるか!? 畜生、俺が何をした!? 「けーやくしゃ?都市伝説??」 「あぁ、もう、お前は寝てろ。マジ寝てろ。全て忘れろ畜生め」 まさか、これからは妹を都市伝説から護り続けなければならないのか? 最悪、妹も何か都市伝説と契約するハメになるのではないか そんな予感がして、俺は頭を抱えるしかないのだった fin 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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127 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/08/16(日) 13 16 28 ID ??? シャア「ララァ、肩に顎をのっけると痛いよ」 クエス「へぇ、大佐は私をララァと感じたんだぁ…」 シャア「ナナイ、もうちょっと肩の力を抜いてリラックスして」 ナナイ「い、いえ、結構です、社長はさっさとデスクに戻ってください」 シャア「お世辞は言わない主義だ。美味しい。ちょっと火が入りすぎたかな」 レコア「男の人って、いつも自分勝手な物言いしかしなくて!私が本物の火に慣れてないからって!」 シャア「ハマーンはチャーミングだからこっちの服装(ハマーン様14歳のころの)も似合うよ」 ハマーン「ほぅ…シャア、選択肢は何にする、選べシャア」 シャア「えぇい、理不尽ではないか!!なぜアムロのほうがウケがよいのだ!!」 アムロ「妬むな!!貴様ほどの男が、何て器量の小さい!」
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……諦める事を選んだ、と そうか、そう見えるのか、と何か納得した 「………本当に、何もかも諦める事ができたら、どれだけ楽だろうな」 雨村の言葉に 俺はただ、そう答える事しかできなかった 本当に、何もかも 今、俺が抱えている、この全て 全てを、諦める事が、できたなら 果たして、どれだけ、楽だろうか? それは、短くて 冷たいようでいて、そうでない 諦めきっているようで、どこか、諦めて切れていない ……そんな、返答だった さっさと歩き出してしまう龍一 在処がその後姿を見送るように歩いていると…くいくい、と 花子さんに、制服の裾を引っ張られた 「…花子さん?」 「あのね」 じ、と 花子さんが、在処を見上げる ちょっと、困っているような、そんな顔 「けーやくしゃは、ね。まだ、全部は諦めてないよ」 花子さんは、知っている 龍一が小学生だった頃、契約した花子さん それから、ずっとずっと彼のそばに居たから 龍一の絶望を知っている 龍一が、何を諦めてしまったのかを、知っている 「いくつかは諦めちゃったかもしれないけど、まだ、全部じゃないの。全部諦めちゃってたら………きっと、けーやくしゃは、もう、ここにはいないの」 ここにはいない、の意味が 在処には、どの意味なのか、はっきりとはわからなかった この世にいない、と言う意味なのか それとも、単に、この学校にいない、という意味なのか ……どちらとも、とれそうだったから 「…花子さん」 「み?」 「……先輩は。そんな、意志の弱い人には見えないんです」 それは、この学校に通うようになって 龍一と関わるようになって、在処が感じた感想 投げやりなようでいて、しかし、どこか、芯が通っていて …どこか、絶対的な信念の元、動いているようにも見えて あそこまでの、深い諦めと絶望に そう簡単に、取り付かれるようには、見えなかった ……だから 「………何が。先輩を、あそこまで、諦めさせてしまったんですか?」 何が あの深い、後一歩で戻れなくなってしまうほどの諦めを抱かせたのか …在処には、予測すら、できなかった 「…えっとね」 花子さんは、前方を歩いていく龍一の後姿を見ながら 少し、悲しそうに、答える 「……けーやくしゃはね、一回、「失敗」しちゃったの」 「………失敗?」 「うん……助ける事はできたけど。一杯一杯、怖がらせちゃったの。その子は、けーやくしゃを見て、一杯泣いて…お化けって、言って。人殺し、って言ったの」 それは 龍一が、花子さんと契約して、1年ほどたった頃だったろうか 小学校を、卒業する直前の事 その頃から、ほんの少しの諦めが生まれ始めていた龍一の心に 致命的な打撃を与えた、出来事だった 「その子は、その時の事を覚えてないの。怖くて怖くて、怖すぎて。覚えていたら、壊れちゃうから、忘れちゃった。でも、けーやくしゃは、全部覚えてるの。けーやくしゃも、一杯一杯辛いのに、全部覚えてるの」 いっそ、それを忘れる事ができたなら その出来事から逃げる事ができたなら、どれだけ楽だろうか? いっそ、その出来事をキッカケに 完全に諦める事ができたなら、どれだけ楽だろうか? 「……本当に、全部諦めちゃうか。それとも、今、諦めちゃってるのを、もう諦めないようにするのか。これから、けーやくしゃがどうなるかは…………わかんない。でも、私はけーやくしゃとけーやくしてるから、けーやくしゃが全部諦めても、諦めなくなっても、傍に居るの」 それは、花子さんなりの、けじめ 自分が、龍一と契約した それもまた、龍一が「諦め」を抱くキッカケとなった出来事に、彼が遭遇する要因の一つとなったから ……龍一が死ぬ、その瞬間まで 彼の契約都市伝説として、傍らで彼を支え続ける 花子さんの、それが、けじめ 「…おねーちゃんも、できれば、けーやくしゃを嫌いにならないでね」 どこか、懇願するように 花子さんは、在処を見上げ続ける 「けーやくしゃも、本当は、一杯お友達が欲しいの………でも、お家の事、考えて。自分にはそんなのいない方がいいって考えてて、ちょっとしかいないの」 本当は、そんな事を、気にしなくてもいいだろうに 万が一の時、カタギの人間に迷惑かけないように、巻き込まないように、と 彼は、必要以上に他者に関わろうとしない それこそ、在処や真樹のように、強引に踏み込まなければ、その距離は永遠に縮まる事はないのだ 「……だから……………できれば、おねーちゃんは……けーやくしゃを、嫌いにならないでね」 花子さんの、その言葉に 在処は、どう答えたらいいのか、わからず…答える事が、できない 顔を、あげる 気付けば、龍一が立ち止まって、在処と花子さんを見ていた 「……人、多いから、離れていたらはぐれるぞ」 「み!」 てちてちてち、と花子さんが龍一の元に駆けていく …在処も、少し早足で、彼のそばに駆け寄った 龍一は、いつもと変わらない様子だ 在処のあの言葉を、受けた後でも ……変わらない、接し方 何を考えているのか 本当は、怒っているのではないか …在処には、わからない ただ 変わらぬ、いつもと変わらぬ、その接し方は 傍にいて、酷く、居心地良く感じられてしまったのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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「帰りたくない……だと……!?」 「なんと大胆な女子だ!?」 「若……立派になられて…!!」 「祝言だ!祝言の準備を!!」 ……あー まずは、あれだ 「…ちょっと待っててくれ」 「あ、うん」 ミニスカサンタの格好のままのこいつを残し 俺は、バレバレの状態でこっちを窺っていた親父たちの方に向かって、駆けた こう言う時は、あれだ 親父を一番に黙らせるに限る!! 「おごはっ!!??」 ごずっ!!と 俺が放ったとび膝蹴りは、親父の顔面に直撃して黙らせる事に成功したのだった 突然走り出し、父親に飛び膝蹴りをかましている花子さんの契約者の姿に、若干あっけにとられている女装少年 そこに、あらあら、とミニスカサンタの衣装をまとった、花子さんの契約者の母親が姿を現す 「あらあら、あの人ったら、いつも早とちりなんだから」 ころころと、わりと容赦なく父親に攻撃しているように見える息子の様子に、母はたのしそうにわらっていた ……数分後 「悪い、待たせた」 「あ、う、うん」 父親と組員を黙らせてきた花子さん契約者が戻ってきた なんだか、色々と疲れた表情だ 「で、泊まりの件なんだが」 「いいんじゃないかしら?」 花子さん契約者の母親が、微笑みながら答えた 何か言いたげな彼の代わりに、女装少年に告げる 「どうせ、お部屋は余ってるもの。それに、今日はクリスマスイブ。組の皆さんが集まるから、お料理もたくさん作ってるの」 問題ないわよ、とそう言って笑ってくる 「い、いいんですか?」 「えぇ。ねぇ、あなた?」 …廊下の向こう側で安らかに力尽きかけている己の旦那に声をかける母親 父親は、力尽きた体勢のまま……しかし、ぐ!と親指を立ててきた OK、ということのようだ 「……どうやら、いいらしい」 良かったな、との花子さん契約者の言葉に 女装少年は、うん、と頷いたのだった お袋が、「どうせなら、お風呂に入ってしっかり温まった方がいいんじゃないかしら」と言ってきて 風呂の準備ができていると言うので、こいつを風呂まで連れて行く事になった 風呂を借りる事を申し訳なく思っているのか、こいつは小さくなっている 「ご、ごめんね、獄門時君、お風呂まで借りることになっちゃって…」 「気にするな」 「…それに、クリスマス会か何か、するはずだったんでしょ?…混ざっちゃっていいの?」 「親父たちがいいって言ったし、問題ないだろ」 …むしろ、問題は 濃い組の連中とこいつが顔を合わせるわけで トラウマを残さないか色々と心配だ 「…うちの組、わりと濃い連中多いから。一部は見なかった事にした方がいいかもしれない」 「あ、い、いや、そんな事ないと思うよ?」 …その言葉、多分、後悔すると思う 「えっと、お父さん?の周りにいた人達って…」 「…組の構成員。まぁ、家にいる事多いし、家族みたいなもんだが」 賑やかだね、といわれて、無駄にな、と答えておいた …もうちょっと もうちょっと、静かでもいいと思うんだ、色々と まぁ、一番煩いのは親父なんだが と、もうちょっとで風呂場、と言う所で 「あ、兄貴、帰ってきてたんだ。お帰り……って、その子、誰?」 妹と、顔を合わせてしまった …あ、そう言えば、妹とこいつ、初対面か? 「クラスメイトだよ」 簡潔にそう答えておく ふーん、と妹はやや疑わしげな視線をこいつにやって 「…まぁ、いいけど。兄貴が知り合い家に上げるなんて、何かあったの?」 「色々と」 説明は、後にしておこう 何と言うか…うん、簡単に説明するのが、ちょっと難しいぞ、うん 「ほら、お前は部屋の飾りつけあるんだろ?」 「あ、うん。花子さんにも手伝ってもらっていい?」 「まぁ、いいんじゃないか?炬燵ある部屋にいるから、声かけておけ」 わかった、と答えて、妹はぱたぱたと廊下をかけていく …その後ろ姿を見送って、こいつが呟く 「妹さん?」 「あぁ」 年々生意気になって困る 思わずそう愚痴ると、こいつは笑って 「可愛い妹さんじゃない。大事にしないと駄目だよ?」 そう言って、笑ってきて -------気のせいだろうか? そう言った、こいつの表情に、影がさしたような 一瞬、言い表しようのない、寂しさのような、絶望のような、そんな表情が、見えたような気がしたのは? 「…言われなくてもそうするさ」 家族だからな、と俺が答えてやれば 「うん、そうだよね」 と、こいつは、先程の影など、まったく感じさせない笑顔を浮かべてきた 「ほら、ここ脱衣所だから。タオルはその辺にあるの適当に使って大丈夫だ」 「あ、うん、ありがとう」 ぱたぱたと、脱衣所に入っていって… ……… 「?どうかしたの?」 「…ちょっと待ってくれ」 うん この気配は、あれだ 俺は、脱衣所になぜか常備してあるドスに手を伸ばして ------っが!!! 天井に向かって、投げつけた こいつが驚いているが、それに言い訳している暇はない 「蛇城さん、こいつは怪しい奴じゃないから、天井から見張る必要ないですから」 「…………わかりました、若がそう仰るなら」 天井から帰ってきた返事 やっぱりいたか…蛇城さん 心配してくれるのはありがたいが、天井裏に潜んで見張るとか不審者だからやめてほしいんだが ずるずるずる 天井を這っていく音に、こいつはきょとん、として 「個性的な人がいるんだね」 と、正直な感想をしてくれて 「……あぁ、まったくだ」 と、俺はかすかに頭痛を感じつつ、そう答えるしかないのだった 続くかどうかはわからない 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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こちらを抱きしめてきている在処を見下ろす …まったく、こいつは 「……そういう言葉は、気軽に言うなと言っている」 呟くように言いながら、在処を引きはがそうとする …予想より、力が強い 「気軽に、じゃないです…誤魔化さないでください」 「……誤魔化してはいないが」 引き剥がす わかってる 本気だからこそ、余計に、口に出すな、とそう考える 俺に 誰かに愛される資格など、存在するはずがない かつて、護りたい者を護る事もできず、怖がらせる事しかできなかった俺が 化け物に一歩足を踏み入れている俺が、化け物以外の存在に愛されていいはずもない 「龍一」 「…みー」 翼さんと花子さんが、こちらに来た …怪我は、ないようだ 紗江と紗奈も、怪我はないように見える ぬらも……まぁ、こいつには怪我はないだろう こいつなら、戦うよりも「相手から気づかれないように」する事を選ぶだろうし 「……俺は、何ともありません。大丈夫です」 「大丈夫じゃないじゃないですか」 じたばた こちらに改めて抱きつこうとしている在処を止めつつ、翼さんを見上げる …心配、させてしまっている まだこの人にとって、こちらは加護対象でしかないのだろう 俺の方が、年下だから、俺の方が、弱いから …やはり、もっと強くならなければいけない この場にいる、全員 その全てを、護りきれるほどに もっと、もっと、力が必要だ 「………」 ちらりと、在処を見る 必死な様子が、伝わってくる、伝わらないはずもない それでも 俺は、それに答える訳にはいかないのだろう 「彼女」への未練を引きずっている俺が、それに答えていい訳もない 「……雨村」 「何でしょうか」 「……「化け物」、とは、人とは決して相容れないもの。たとえそれが何者であろうとも、打ち倒すべき相手。それを、「化け物」と呼ぶ」 「………?」 突然、何を言い出すのか、と言う様子だ 構わず、続ける 「……だから。俺が真に「化け物」になったならば、「それでも構わない」となど、口にしない方がいい。お前も「化け物」と認識されて、討伐される側に回る」 「それでも、私は構いませんが」 ………即答か 何故、よりによって俺なのか 一度、在処から視線をそらす …この辺りの相手は、まずは倒した そして、北区の方向に見える、あの黒い巨大なドーム ……まだ、やるべきことは、ある 「翼さん、天倉達が今生活しているマンションですが。彼女達の部屋は通常、発見されないのでしたね?」 「あ?あぁ、そうだけど」 それがどうした?と首をかしげた翼さんに 教えていただきありがとうございます、と頭を下げてから 今度は、ぬらと、天倉達に視線を向ける 「…ぬら。天倉達を、家まで送ってやってほしい」 「この嬢ちゃん達をか?」 え、と 天倉達が、きょとんとした表情をする 出来れば、目を放したくない 目を離した隙に、「あの時のようになったら」という考えがぬぐいきれないのも事実なら …だが、あの場所なら、安全だろう 「首塚」の保護範囲に手を出す馬鹿が、そうそういるとも思えない それに、ぬらが送るのならば、安心だ 「ご、獄門寺君。私達、まだ、戦えるよ?」 「……俺達でも対処できる相手がどんどんいなくなって、後には対処しきれないだけの者が残ってくる。危険だ」 紗奈の言葉に、そう答える あの、冷気を操るような奴程の実力の者も、まだいるのだろう ……危険からは、遠ざけた方がいい 「それじゃあ……獄門寺君は、どうするの?」 「…俺は」 紗江の言葉に、答えようとすると 俺にしっかりと抱きつく事を諦めたらしい在処が、腕に抱きついてきた どう振り払おうか考えつつ、まずは紗江の言葉に答える 「……あの場所。恐らくは、今回の騒動の元凶がいるだろうから……あの場所へ、行く」 今回の騒動について、俺は詳しいことは知らない だが、あの巨大な漆黒のドームからは、禍々しさだけが伝わってきて…そこに、何かあるような気がする 「でも、獄門寺君だって、危ないよ…」 「みー、花子さんも一緒に行くの。だから、大丈夫なの」 ぴ!と、花子さんが元気に答えてきた ぽふん、と 俺の頭に、翼さんの手が触れる 「俺も行くさ。「首塚」としても放っておけねぇしな」 ……翼さんなら、そういうのだろう 口では、「首塚」を言い訳にしているが、この人ならば、そうじゃなくとも、あの場所に向かうのだろう …だから、余計に、俺もあそこに向かうべきなのだ 「私も」 「……ぬら、天倉達を送るついでに、在処も家に送ってやってくれ。一応は女だし 「一応!?一応って酷いですせんぱ………って、今、私の事を「雨村」じゃなくて「在処」って」 続こうとした在処の言葉を、遮って え?と、首をかしげた在処の腕を、振り払った 刀の柄に、改めて触れる 借り物の刀で、さて、どこまでやれるか 「……頼んだ、ぬら」 視線を、ドームへ向ける 意識を、ドームへと向ける 昔の未練に引きずられている場合ではない 今は、今の騒動を収める事に、集中すべきだ あの時の俺の絶望など 今回の騒動には、関係ないのだから23 41 2011/08/24 to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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在処「こんにちは。中央高校一年生、在処です」 操「…誰、あんた。そして、何、この雰囲気」 在処「作者曰く、中央高校の今年の学園祭の出し物紹介、だそうです。 全部じゃなくて、一部だけですけど」 操「それはいいけど、私達、この作者のキャラじゃないじゃない」 在処「獄門寺先輩とかは、学園祭準備で忙しくて無理だそうで、私が選ばれました」 操「…私は?」 在処「突っ込み要員、だそうです」 操「何よそれはっ!!??」 と、言うわけで、はないちもんめの人と三面鏡の人に紐なしバンジー土下座しつつ紹介ネタ開始するよ!するよ!! この二人、面識ないはずなのに何やらせてんだか 在処「では、早速、私達一年生の出し物から見ていきましょうか。 私のクラスの出し物は私の生みの親が決定するかもって事で紹介しませんが」 操「…どこまでメタなネタが許されるのよ、今回は」 在処「まずは私の隣のクラス。クレープ屋さんです」 操「まぁ、シンプルな店よね」 クレープ屋生徒A「メニューは30種類超え!!」 クレープ屋生徒B「アイスなメニューもホットなメニューもあるよ!!」 クレープ屋生徒C「無駄に色々作るよりもクレープ一本勝負!これで決める!!」 操「メニュー30種類超えは十分に色々作りすぎでしょ!?」 在処「気合入ってますよね」 一年生からしてこの気合。それが中央高校学園祭 在処「次は無料の休憩所です」 操「あぁ、手抜きしやすい出し物よね」 休憩所生徒A「…あぁ、確かにその通りだ……何せ、椅子とテーブル用意して ついでにお菓子と飲み物用意すればオッケーだからな」 休憩所生徒B「たまにお菓子と飲み物を供給すれば十分、そんな出し物ではある…」 休憩所生徒A「だが!!賞を狙うからには、それだけでは終わらせない!!」 休憩所生徒B「無料でお客様の外靴預かりもやるよ!」 休憩所生徒C「学園祭とか、見にいくのいいけど外靴自分で持ち歩かなきゃ駄目だったりで面倒よね!」 休憩所生徒D「有料だが軽いマッサージもするぞ!クラスでよりぬきのマッサージ自慢がな!!」 操「休憩所の枠超えてるわよ!?」 在処「休憩所とは言え、奥が深いですね」 ただの休憩所じゃ、賞狙えませんから 在処「獄門寺先輩とは別のクラスでも、喫茶店をやるようです」 操「人気の出し物、ってところかしらね」 喫茶店生徒A「2年B組には負けないわ!」 喫茶店生徒B「我がクラスは、メイドや執事などというもので客にはこびぬ!!」 喫茶店生徒A「私達の店のターゲットはお子様!」 喫茶店生徒B「よって!お子様が来てくれそうな店にすべくテーマを決めた!!」 喫茶店生徒A B「「テーマは「夢の国」、すなわちディズn」 操「アウトォオオオオオオ!!!!!!」 在処「クラスのテーマくらいならセーフ……だといいですよね」 中の人の姉が高校三年の頃やった模擬店のテーマが「夢の国」だったそうですが まぁ、それくらいは許してくれますよねディ○ニー! 在処「今度はクラスの出し物じゃなくて、部活動の出し物に注目しようかと」 操「あぁ…この高校、大きなクラブハウスあるし、無駄に部活数多かったわね」 在処「まずは生物部です、こんにちはー」 生物部生徒「こんにちは。我が部活では、金魚掬いの店を開く予定ですよ」 操「金魚掬いね…でも、これって確実に金魚余りそうよね」 生物部生徒「問題ありません。この魔法の紙をはれば」 生物部生徒 つ 『この金魚達は余った場合、近日中に実験に使われます』 操「ちょっとぉおおおおお!!??」 生物部顧問「元々、生物実験用金魚だしなぁ」 金魚掬いであまった金魚とか、本当どうなってるんでしょうね 在処「次は漫画同好会です」 操「…オチが読めたような」 漫画同好会生徒A「大丈夫、いかがわしい本は出さないから」 漫画同好会生徒B「さすがに学校側に止められるから、PTAから苦情がくるって」 操「苦情がこなかったら出す気!?」 漫画同好会生徒A「そういうわけで、普通に年齢指定なし、同性カップルなしの同人誌即売会やりま~す!」 漫画同好会生徒B「お子様もあんしーん!」 漫画同好会生徒A「…ちなみに、販売を止められるような本を購入希望の方は」 漫画同好会生徒B「裏でこっそり連絡してね!」 操「こら!!!」 ちなみに、生徒の男女比率は女性の方が多い為……まぁ、予想できるな? 在処「こんなところでしょうか。まだ色々ありますけど」 操「…この高校に、激しく不安を感じたわ」 在処「ところで、賞ってもらえたら何かあるんでしょうか?」 操「さぁ?…去年、うちのクラス賞とらなかったし」 在処「噂では、賞を取ると補修を受けなくてすむとか」 操「ないない」 在処「なら、何を希望に賞をとれと!?」 操「そんなに補修受ける可能性高いの?あんた」 こんなオチでごめんね!!! 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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"ラボメン"No.006 可愛い男の娘「ルカ子」 読み:"らぼめん"No.006 かわいいおとこのこ「るかこ」 カテゴリー:Chara/男性 作品:STEINS;GATE 属性:地 ATK:4(+1) DEF:5(+2) 【登場】〔自分のキャラ1体を【表】から【裏】にする〕 [永続]「漆原 るか」と同じネームとしても扱う。この能力は【裏】でも発動する。 [永続]自分のアリーナに【表】の「鳳凰院 凶真」が登場している場合、このキャラは攻撃力と耐久力が2上昇する。 ボク……女の子に、なりたいです…… illust:5pb./Nitroplus NP-177 U 収録:ブースターパック 「OS:ニトロプラス2.00」
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三面鏡の少女 33 白い蛇の行く末は から 「契約者、か」 「うん、そうなの」 学校の帰り道 俺は、クラスメイトの逢瀬 佳奈美と話しながら歩いていた てちてちてち そんな俺達の後を、花子さんがてちてちと追いかけている てちてち、てちてち、てちてちてち 俺達の影を踏んだりして遊びながら、てちてち無邪気についてくる …その姿は、都市伝説や都市伝説契約者以外には、見えない 「契約者がいないと、引っ張り込まれちゃうみたいで…」 「……不便だな」 …まいった 水を司る蛇という存在 水場にさえ放せば、それで安定するのなら良かったのだが それなら、その蛇を一旦自分が預かり、家の庭にある池に放せば解決だったのだが… (契約者がいないとトイレに引きずられる、となるとそれじゃあ駄目だな) どうしたら、いいものか 俺が、考え込んでいると 「……えと、獄門寺君」 「ん?」 逢瀬に話し掛けられた 顔をあげれば、逢瀬はやや、不安そうな顔をしていて 「えっと…その、獄門寺君の、知り合いで……この蛇さんと契約してくれそうな人、いるかな?」 「…そうだな…」 『できれば、女性が良いのだが。体温や質感的な意味などで」 にゅい 白蛇が、逢瀬のコートの内側から顔を出した 「にゃーーー!?」と逢瀬が悲鳴じみた声をあげる 「と、突然顔を出さないで!?く、くすぐったいよ!?」 『しかし、我の意見も尊重して欲しいのでな』 「…あー…」 …まぁ、蛇の言い分もわからない、でもないが 逢瀬にしてみれば、この時期にもぞりと胸元から出られたら、寒くて仕方ない事だろう ……蛇が顔を出している胸元が、一瞬見えてしまいそうになったので視線をそらしておく 「……とりあえず、探しておく」 「う、うん、ありがとう」 ほっとしたような表情を浮かべてくる逢瀬 …期待に、答えられればいいのだが と、そうしていると、てちてちてち 花子さんが、こっちに駆け寄ってきた 「み?お話終わった?」 「あぁ……逢瀬、それじゃあ」 「あ、うん。また明日ね」 交差点、逢瀬と別れて家路につく てちてちてち、花子さんは、無邪気に俺の後をついてきていた ここ最近、花子さんは夕食時になるまで、俺の家にいる事が多い ぱたぱた走り回っても、妹以外には見えていないし、特に問題はないから俺も止めてはいない (……いや) ………もしかしたら 見えている人が、いるかもしれない その可能性に、俺はいつからか気づいてしまっていて だが、今まで、それにふれる勇気はなかったのだが (いい機会だよな) そう考えて、俺は門の前に立っていた竜宮さんにただいまといって、家に入っていった 俺の部屋に付いて、制服から部屋着に着替える 花子さんは、ぽすんっ、とベッドに倒れこんで、ごろごろしていて ……さて 「蛇城さん」 天井を見上げて、声をかけると 「何でしょうか、若」 帰ってきた、返事 やっぱり、そこにいたか 「ちょっと、降りて来てくれるか?」 …しばしの、沈黙の後 天井の板が少し動いて……すたんっ、と人影が降りてきた み!?と花子さんがびっくりしている…そりゃあ、びっくりするよな、普通 「どうなさいましたか?」 そう言ってくる人影…蛇城 水智さん 親父の組の構成員の一人だ まだ若くて、大学を卒業したばかりだったはず …いや、大学、と言っても、通信教育なんだけどな 何せ、この人は親父の組の構成員の中でもトップ3にはいる変わり者で、どこよりも天井裏に居るのが落ち着く、という人なのだ 世間一般で言うと美人の基準に入る人なのだが、多分、勿体無いのだと思う 常に天井裏に居るのに、なぜかその長い黒髪は常に艶やかだ 「ちょっと、質問していいか?」 「はい」 「……今、この部屋に、何人いる?」 俺の、その問いかけに 蛇城さんは、小さく首を傾げた 「…3人、ですが?」 「-----っ!!」 み?と俺の背後で花子さんが首を傾げている 三人 俺と、花子さんと、蛇城さん 確かに、間違っていない だが、それは 「…蛇城さん、花子さんが、見えてるんだな」 「見えるのー??」 花子さんが、じっと蛇城さんを見詰める こくり、蛇城さんは頷いた 「はい。見えています……若がそう仰るという事は、その少女、普通の子供ではないのですね」 「…まぁ、そう言う事だ」 さぁて どっから、話したらいい物か 困ったように花子さんに視線をやれば、花子さんは「みー?」と首を傾げていて ……まぁ、踏み出したからには言うしかない 俺は、花子さんとの契約の時点から、蛇城さんに話す事にした 数分後 「なるほど、事情は理解いたしました」 俺と花子さんの話を、蛇城さんは納得してくれて そして、蛇城さんも、花子さんが見える訳を教えてくれた とどのつまり…蛇城さんは、昔から霊感じみたものがあったのだそうだ お盆の時期とか、じいさんが里帰りしていたのが見えていたとか見えていなかったとか なるほど、花子さんも、霊感がある相手だと、自分が見える事があるといっていた だから、蛇城さんにはずっと、花子さんが見えていたのか 「…よく、今まで黙っていてくれた」 「はい、その子がトイレに入って消えるのが見えたので……てっきり、若に取り憑いた幽霊の類かと、悩んでいまして。組長たちにもどう相談したらよいものか、と」 …悩んでたのか 悩んでたのか、蛇城さん 良かった、今回聞いておいて!! 大事になる前に確認して本当に良かった!! 「都市伝説、ですか、そんなものが存在していたのですね」 「いたのー!」 ぴ!と元気に声を上げる花子さん 元気で無邪気な花子さんの様子に、蛇城さんは表情を緩めている 「…蛇城さん」 「はい?」 「都市伝説を知った蛇城さんに……相談が、あるんだ」 乗ってくれれば良いのだが いや、本当は巻き込みたくないが…霊感が強いと言う事は、それだけで都市伝説事件に巻き込まれる可能性が出てくる ならば、いっそ、契約した方が安全かもしれない そう考えて、俺はあの蛇のことを蛇城さんに話し始めた ---数日後 学校町 北区 神社敷地内 「うー…寒いなぁ」 ぶるっ、と小さく震える少女 蛇のことを相談したクラスメイトから、契約してくれる人が見付かった、といわれて…その人との待ち合わせ場所に指定されたのが、この場所 どんな人が来るのだろう? 期待半分不安半分、辺りを見回していると 「…あ、あの人か……な……」 …それらしき、人を見て いや、違うかな? むしろ、あれは都市伝説かな?と不安になる 長い黒い髪の女の人 しかし、その顔はサングラスとマスクで覆い隠されており、真っ赤なコートを着ていて、何か大きな細長い筒状の物を布で巻いて隠して持っているようないないような 「…く、口裂け女…?」 どどどど、どうしよう きょろきょろ辺りを見回す、不審人物の姿に、少女は対応に困ってしまうのだった 「花子さん、やっぱ、あれ、口裂け女にしか見えないよな?」 「見えないかも」 …うん、やっぱり 蛇城さん……外が苦手なのは、わかるけど、さ 俺の相談を、承諾してくれたのもありがたいけど、さ その不審者全開の格好と、持っていないと落ち着かないからとライフルを隠し持つのはやめてくれ 少し遠くから蛇城さんの様子を見て、俺は軽く頭痛を覚えたのだった 三面鏡の少女 34 白い蛇と蛇の城に続く 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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.--19??年 冬 ????- 森の中を一台の車が走っていた 子供「ねぇ~、まだ付かないの~?」 運転手「ははは、もう外は飽きちゃったのかい?」 無理も無い、かれこれ2時間は車に揺られているのだ、疲れもするし、いい加減飽きるだろう。 飽きるな、というほうが無理がある。 子供「だって、ずーっと森の中を走ってるだけだよ?」 運転手「仕方ないなぁ、なら少し、お話でもしてあげようか?」 子供「え!いいの!?聞かせて聞かせて!?」 子供の顔がパッと明るくなった、退屈で仕方なかったのだろう。 運転手「なら…『ブレイブウィッチーズ』については知ってるかな?」 子供「ううん、知らない…でも、格好よさそう!」 運転手「じゃあ、『ブレイブウィッチーズ』の話をしてあげようか、世にも珍しい、男のウィッチの話を、ね」 子供「男のウィッチ?どんな話!どんな人!?」 少し振り返れば、もう待ちきれないのか身を乗り出して聞きにきていた。 運転手もまんざらではないのか、笑顔を浮かべる。 運転手「慌てない慌てない、あれはまだ、世界中にネウロイがいて、ウィッチたちが最前線で戦っていた頃のお話でね…」 TOP