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408 名前 SS「唯「そんなのりっちゃんのキャラじゃないよ!」  Mail sage 投稿日 2009/07/10(金) 01 20 38 ID j94hR3D9 唯「そんなのりっちゃんのキャラじゃないよ!」 律「なんだとー!じゃあどんなのがあたしのキャラだっていうんだよ!」 唯「りっちゃんは……明るくて!元気がよくて!ドラムがちょっと走り気味で!」 律「……」 唯「皆のことをよく考えてて!お茶目だけど実はちょっぴり寂しがり屋で!」 律「唯……」 唯「私に心の底から惚れてて!ちょっぴりえっちで!」 律「唯……?」 唯「私と付き合ってて!昨日プロポーズしてくれて!再来週式を挙げるんだよね!」 律「ちょっと待て途中からおかしくなってる」 唯「りっちゃんは私のこと嫌い?」 律「いや、好きだけど、それとこれとはべつ」 唯「子供は何人欲しい?私は国会が開けるくらい!」 律「日本を支配するつもりか?多すぎるし、人間としての限界を超えてるって。それに女同士だと子供はできないよ」 唯「名前はりつとゆいから一文字ずつとってギー太、ギー子、ギー朗、ギろゆき」 律「一文字とってないじゃん。というかギターを生むのか。ギターで日本を支配するつもりか。ある意味ロックだな」 唯「それから、それからね」 律「も、もういいか唯?……あたしボーカルやらないからいいけど流石に声枯れてきたよ……」 唯「ありがとーりっちゃん!スカッとしたよ~」 紬「普段あれだけぽけぽけしててもボケたりないの……?」 梓「唯先輩の○欲は底なしですね」 唯「普段と一味違うゆったりしたりっちゃんの突っ込みも気持ちいいよ~」 梓「なんだかいやらしい意味で聞こえてしまいますね」ジュルリ 紬「……」ゴクリ 澪「律、プロポーズってうそだよね!?結婚なんてしないよね?」 律「しないよ、安心しな澪。……澪までボケになったら突っ込みどうすんだよ……」 出展 【けいおん!】田井中律はカチューシャ可愛い38【ドラム】
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Second Mission ◆tCW/w.b6/g とある孤島に向かって、現れる戦艦と機体の群れ。 ソレスタルビーイングは刹那・F・セイエイと太陽炉を―― リボンズ・アルマーク率いるイノベイター達もまた太陽炉と、ついでに人間を超えた傭兵を―― 黒の騎士団はゼロを―― OZはゼクス・マーキスとトレーズ・クシュナリーダを―― それぞれ目的の人物と道具を取り返すためにバトル・ロワイアルの舞台へと来ていた。 その小島の上空を飛ぶ飛行船。 それを落とさんと、四方から砲撃の嵐が放たれた。 「全て遠き理想郷―――」 しかし、全ての砲撃は飛行船を守る神の加護に寄って無に帰す。 「さて、ディート・ハルト。フレイヤ弾頭を10発ほど撃ちたまえ」 「了解した」 空は閃光に包まれる。 ここに、戦艦の群れは跡型もなく消えうせた。 「はははっ・・・!これが魔法の力か・・・・・・!」 遠藤は叫んだ。 【ソレスタル・ビーイング@ガンダム00 全滅】 【イノベイター(リボンズ軍)@ 全滅】 【黒の騎士団@コードギアス 全滅】 【OZ@ガンンダムW 全滅】 ☆ 遠藤だ。 インデックスは今寝ているからオレが話す。 放送の時刻だ。 よく聞いておけ。 戦闘している馬鹿は聞き逃しても知らんぞ。 では禁止エリアから発表しよう。 【】【】【】 電車は壊した馬鹿のせいで当分動かない。 残念だったな。 次に死者発表! 【真田幸村】 【キャスター】 【黒桐幹也】 【田井中律】 【八九寺真宵】 【利根川幸雄】 【刹那・F・セイエイ】 【本多忠勝】 【船井譲次】 【琴吹紬】 【アーニャ・アールストレイム】 【荒耶宗蓮】 【セイバー】 以上の13名。 もっと、殺せ!殺せ!殺せ! お前らに拒否権はない! では期待しているぞ。 ☆ 「殺せと言ったな――」 金色の男がいる。 「ああ、奴らはそのために・・・うぐあ」 何かが遠藤の体を貫く。 「貴様は勝手に我の財を支給した万死に値するぞ」 「飛んだ道化だったな、御苦労と言っておこうか」 そう言ったのは言峰綺麗という神父だった。 【遠藤勇次@カイジ 死亡】 【第二回定時放送終了(ゲーム開始十二時間経過)@残り37人】
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律「ただいま」 唯「おかえり」 律「ただいま」 唯「おかえり」 律「そのドアを開けてくれそのドアを開けてくれ」 唯「なんだってんだ」 律「もう何十回もノックしてノックしてるよ」 唯「耳をすましたら 微かに聞こえるよ」 律「鍵が見当たらないんだ あれ昨日どこしまったっけ」 唯「足元をごらんよきっと転がってるさ」 律「本心で言えるなら良いですね」 唯「天気予報によれば夕方からの降水確率は上がっている」 律「土下座でもなんでもするから このドアを開けてください」 唯「いつまでうだうだしてるんだ」 律「どうすべきかは知ってるんだ knock knock knock knockだれかいますか開けてくれますか」 唯「世界は誰にでも門を開いて待ってる 平等の名の下に領収書と一緒に」 律「理論武装で攻め勝ったと思うなバカタレ!」 唯「アッハッハ」 律「この感情はなんだろう 無性に腹立つんだよ」 唯「無駄なんじゃない 大人気ない」 律「相変わらずだね まずはお前らが死刑になりゃいいんだ」 唯「そんな理不尽もコメディーに見えてくるまで大きいハート持てると良いな」 律「どうなってんだ 分かっていやしない 本当の俺を」 唯「バイバイ バイバイ バイバイ」 律「思いっきり息を吸い込んで この思いを空に放ちたい」 唯「それは 愛の仕業と 小さく笑った」 律「もう入ってもいいかなぁ?このドアを開けてください」 唯「イライラして過ごしてるなら愛を補充」 律「もう壊れそうだ」 唯「受け入れたつもりがどこかで拒んでる」 律「連れてってくれないか 連れ戻してくれないか」 唯「果てしない闇の向こうに 手を伸ばそう」 律「もういいや もういいや 疲れ果てちまった」 唯「嫌なことばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう」 律「もう何百回もノックしてノックしてるよ!!」 澪(何でミスチルの歌詞で会話してるんだ・・・) 出展 【けいおん!】田井中律はカレーうめぇ49【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る タイトルで「もしや?」と思ったぜ!www -- (ちるおたっ!) 2010-10-07 15 06 34
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今まで感じた事のない恐怖。 私は蛇に睨まれた蛙のように固まってしまった。 梓「…………」 梓ちゃんが何の感情も込もっていない目で私を見ている。 憂(殺……され…る……)ガクガク 梓「……なんて、冗談ですよ、冗談」 張りつめていた空気が緩む。 憂「え………?」 梓「私の存在を知ってしまった奴は全員殺すことにしているというのは本当ですが」 梓「表の私の友達を殺したりはしませんよ」 憂(……よかった) ほっと胸を撫で下ろす。 梓「それにあなたには感謝してますから」 憂「感謝……?」 梓「私の霊力を封じていた術式を解いてくれたのはあなたでしょう?」 梓「あのまま封じられていたら、私は出てこれませんでしたから」 憂「……何故?」 梓「表の私に霊力が生まれたのと同時に、今の私が生まれたんです」 梓「だからなんでしょうか、霊力を封じられていると私は出てこれなくなるんです」 梓「表の私が霊力を封じられたまま田井中律と戦った時は焦りました」 梓「もし、昨日私が殺されていたらそのまま死んでいましたからね」 梓「私は、表の私が死んだ時、正確には限りなく死に近づいた時に出てくることが出来るんです」 憂(………そうだったんだ) 梓「あなたがさっき田井中律に話した仮説は大体合ってますよ」 憂「梓ちゃんは?私の知っている梓ちゃんは今どうなっているの?」 梓「あ、表の私はちゃんと生きていますから安心してください」 梓「3年前の時は回復に3ヶ月近くかかりましたが、今回は2日くらいで目覚めると思いますから」 梓「それじゃあこれからもよろしくお願いしますね」 梓「表の私は機関に復帰するらしいので」 憂「梓ちゃんは3年前、牙の撃ちすぎで体を壊した………それは大丈夫なの……?」 梓「その点は大丈夫です。腕も脚も以前の状態に戻りましたし、これからは牙を撃つときは私が中から力を貸しますから」 梓「これを3年前にもやっておけばよかったんですけどね。まぁ……私のミスでした」 梓「まさかあれくらいで駄目になるとは思ってませんでしたから」 梓「じゃあ、私はそろそろ消えます。後のこと、任せますね」 そう言って、梓ちゃんはソファーに歩いていった。 梓「あ、私のことは内緒にしておいてくださいね」 梓「表の私は今の私のことを知りませんから」 梓「だから、田井中律を倒したのはあなたってことにしておいてもらえます?」 憂「……分かりました」 梓「……あなたとはまた会えるかもしれませんね」 そう言って梓ちゃんはソファーに座り目を閉じた。 私は、そのあとすぐに機関に連絡をし、梓ちゃんは機関直属の病院に運ばれていった。 音楽室には私と澪さんだけがいた。 憂「澪さん、起きてください」ユサユサ 澪「ん……あれ?憂ちゃん?ここは……」 憂「音楽室ですよ。澪さんが入っていくのが見えたのでちょっと覗いてみたんです」 澪「なんで私、こんなところに……」 澪「ダメだ、思い出せない……」 憂「……もう下校時間です。帰りませんか?」 澪「ああ……」 憂が音楽室のドアノブに手をかけた。 澪「……なぁ憂ちゃん」 憂「なんですか?」 澪「こんなこと、憂ちゃんに言うのもおかしいけど」 澪「私、夢を見てたんだ……律の夢」 憂「…………」 澪「律が私のことを呼びに来て、私は律と一緒に行こうとするんだけど梓が私の腕にしがみついて止めるんだ」 澪「行かないで、澪先輩、って」 澪「なんだったのかな……?」 憂「……気にすることはないですよ」 澪「え?」 憂「それは、ただの夢ですから」ニコッ ―――パチッ ここは、どこだ……? 辺りを見渡す。どうやら病室のようだ。 憂「梓ちゃん……!!よかった、目が覚めたんだね……!!」 梓「憂……?」 梓(私はなんでここに……?) そして、全てを思い出す。 梓「澪先輩……!!澪先輩はどうなったの!?律先輩、律先輩は!?」 憂「梓ちゃん、落ち着いて。澪さんはちゃんと生きてるよ」 梓「……ホントに?」 憂「うん。律さんは私が倒したからもう大丈夫だよ」 梓「私はなんで生きてるの……?確か、律先輩に殺されたはずじゃ……」 憂「梓ちゃん、律さんに胸を刺されたんだよね?それが運良く、急所を外れてたみたい」 梓「憂はどうやって律先輩を倒したの?」 憂「梓ちゃんが律さんに牙を何発を当てたでしょ?それで律さんはだいぶ体力を削られた」 憂「だから、私が倒すことが出来たんだよ」 梓「そうだったんだ……」 少し、律先輩と戦った時の記憶が曖昧だった。 でも憂が言うのであればその通りなのだろう。 憂「今、先生よんでくるね」 憂「お姉ちゃん達、梓ちゃんのこととても心配してたから、お姉ちゃん達にも連絡してくる」 憂「お姉ちゃん達には梓ちゃんは精神的ストレスとか疲れが溜まって入院したってことで話してあるから」 梓「うん」 そう言って憂は病室を出ていった。 梓「そうか……澪先輩は無事なんだ……」 梓「よかった……本当によかった……」ポロポロ そして、私は病室で泣いた。 病室には唯先輩、澪先輩、ムギ先輩がすぐに来てくれた。 唯先輩は私にいきなり抱きついて私の名前を呼びながら泣き出してしまった。 澪先輩とムギ先輩もその光景を見て目に涙を浮かべながら笑っている。 そして、私もそんな澪先輩をみて……また、泣いてしまった。 ―――その後のことを少し語ろう。 私が病院を退院してから数日後、澪先輩達が音楽室に来てくれた。 今まで待たせてごめん。私達、もう大丈夫だから。 音楽室にきて、澪先輩はそう言ってくれた。 そして、私達は学祭に向けて毎日遅くまで練習をしていた。 学祭を成功させて、天国にいる律に私達の歌を届けよう。それが私達が出来る唯一のことだ。 これも澪先輩が言ってくれた言葉だ。 そして、私達は今、四人で駅のホームにいる。 律先輩のお墓参りに行った帰りだ。 カナカナカナ……… ひぐらしが鳴いている。 梓(夏も、もうそろそろ終りだな……) その時、ふと私の携帯が鳴った。 梓(誰からだろう……?) 携帯の画面を見る。 梓(通知不可能?) 携帯電話の画面に写った通知不可能の五文字。 私は先輩達から離れて、ホームの端に移動した。 そして電話に出る。 梓「もしもし……?」 ?「もしも~し!!梓、私が誰だか分かる?」 この声は……!! 分からないはずがない。 忘れるはずがない。 だって、この声はついこの間まで毎日聞いていた声だ。 梓「律……先輩……?」 律「そう、当ったり~~!!」 そんな……バカな……!! もういなくなったはずじゃ……!! 梓「律先輩……なんで……」 律「いや~いろいろあってまたこっちに戻って来ちゃった♪」 梓「なんで……戻ってきたんですか……?」 律「決まってるだろ?澪をこっちの世界に連れてくるためだよ」 梓「!!」 律先輩は続ける。 律「前は梓に邪魔されちゃったからな~」 律「でも……」 途端に律先輩の声色が変わった。 律「でも、今度は負けない」 律「必ず、澪を連れていく」 梓「………!!」 私は声を張り上げた。 梓「律先輩……!!今、今どこにいるんですか!?」 梓「隠れてないで、姿を見せたらどうです!?」 律「……隠れる?何言ってんだ梓」 律「私はちゃーんと梓の目の前にいるよ」 梓「!?」バッ 私は顔を上げて前をみる。 ………いた。 線路を挟んで反対側。 向かいのホームに律先輩はいた。 あのカチューシャ、あの服装。 あれは間違いなく律先輩だ。 梓「…………!!」 私はあまりの事に言葉を失った。 戻ってきた……。律先輩が黄泉返ってきた。 一度消された悪霊が黄泉返る。そんなこと、あり得るのか……? アナウンス「間もなく、一番線を快速列車が通過します。危険ですので白線の内側にお下がり下さい。」 場内にアナウンスが流れた。 律「じゃあそういうことだから。またな~♪」 梓「待っ……!!」 ゴォォォーーー!!!! 私の目の前を列車が通り過ぎる。 梓「…………」 向かいのホームに律先輩はもういなかった。 ツーッ、ツーッ、ツーッ…… 私はすでに通話が切れた携帯電話を持ってその場に立ち尽くしていた。 そして、呟く。 梓「まだ、終わりじゃない……」 完 戻る
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律唯・唯律 律澪・澪律 その他・カオス短編 律「サイレンナイ?」澪「ホーリーナイ!」 シリアス系短編 秋山澪誕生日記念SS 2013 律「愛してくことを惜しがって」 澪「貴女への」 律紬・紬律 律梓・梓律 クロス・元ネタ長編 律「九つの、物語」 その他・カオス短編 律「トライアングルラブ」 律和・和律 律憂・憂律 律純・純律 律さわ・さわ律 その他 戻る
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アニメ、けいおんに登場するキャラクターの1人。 N@SEは彼女のことが大好き(らしい)。 もーどーにでもなーれ
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――出会いはいつも、突然に。 最近、俺が読んだ雑誌の帯に書いてあった言葉だ。 出会いというものは、本当に予想もつかないところからやってくる。 自分が気構えていようがそうでなかろうが、来るものは来る。 俺もまた、これまでの短い人生の中で、何度かそういう経験をしてきた。 どちらかというと、俺は気構えていた方だと思う。 待ってるばかりじゃ、だめだ――というのは、俺の姉ちゃんの言葉。 こっちから飛び込んでいこう――というのは、俺の心掛けている事。 そんな風にして日々を過ごしていたから、かもしれない。 その日の出会いは、俺にとって全く予想もできなかったことで、それがやってきた場所も、これまたおかしな場所だった。 「……はぁ」 その日、俺は起きてからカーテンを開け、ため息をつくことになる。 この時期にしてはどこか薄暗い感じ。そして、さっきから揺れているガラス窓。 予想は、してたんだ、けど―― 「……これはだるい」 再びベッドにゴロンと横になり、俺は一人不平を漏らす。 今日が学校なら、まだ良かった。元々、雨は好きじゃないけど、学校に行くという目的さえあれば一日を乗り切ることは、まだ簡単になるからだ。 けど、休日の雨の日だと、そうはいかない。 まず、外に出たくなくなる。そして、外は言うまでもなく、家の中までジメジメしてやってられないんだ、これが。 「聡ー! ご飯よー!」 「……」 しかし、いつまでも不貞寝してるわけにもいかない。 せっかく母さんが朝ごはんを作ってくれたんだ。早く行かないとご飯が冷めてしまう。 ただでさえ今日一日を過ごすことが憂鬱なのに、のっけからこれじゃいけない。 「よっ……と」 ベッドから下りて、部屋のドアまで歩き、開ける。 廊下に出てから、ふと隣の部屋のドアが目に入った。 「……」 なんとなく、開けてみる。案の定、散らかっていて、俺の貸した漫画もところどころに散乱していて、ボロボロになった雑誌もあって―― 空っぽの、部屋。 「聡ー! 冷めちゃうわよー!」 「……分かったー」 母さんのその言葉でしっかりと目を覚まし、ドアを閉め、階段を駆け降りる――。 いや、別に大したことがあったわけじゃない。 さっきの言葉だとまるで姉ちゃんがもういないとか、そういう風にも捉えられるだろうけど、決してそんなことは無くって。 きっと今、姉ちゃんは、京都を絶賛修学旅行中だろう。 「聡ー! おみやげなんか欲しいかー?」 「いや、特になんも」 「なんだよ、淋しいやつだなー! いいぞ、ケチケチしないでなんでも言ってみろって!」 「旅行前だからってテンション高すぎだって」 「えー、姉の親心を分かってくれよー」 「姉ちゃん、せめて日本語くらいはちゃんとしようよ……」 そんなちぐはぐな、ちんぷんかんぷんなやり取りがあったのが昨日の朝。 玄関で靴を履きながら、姉ちゃんは傍目から見ても分かるくらいに、相当はしゃいでいた。 ドアの前で澪姉がそんな姉ちゃんを苦笑しながら見てるところも、見慣れた光景だ。 (……そういえば、昔から遠足前とか凄かったなあ) まだ姉ちゃんと同室で寝てた頃、遠足前夜に姉ちゃんがはしゃいで、そのせいで俺は全く眠れず、二人とも寝坊し、姉ちゃんと揃って学校までダッシュで向かったのも今となってはいい思い出だ(当時は本当に恨めしかった)。 「……おい、律! そろそろ行かないとまずいぞ!」 「うわっ、ホントだ! じゃ、じゃあな、聡!」 話しこんでるうちに随分と時間が経っていた(話の大部分は、姉ちゃんのテンションによって成り立っていた)。 「あ、ああ、行ってらっしゃい。それじゃ澪姉、姉ちゃんの面倒よろしくね」 「ちょっと待った、聡! それじゃまるで私が子どもみたいじゃ――」 「あー、もう! じゃあな、聡!」 姉ちゃんが何か言おうとするも、澪姉が先手を取って姉ちゃんを引きずって駅へと向かっていった。よく聞こえなかったけど、姉ちゃんは子どもだと思うな、俺は。 (元気にやってるかなあ……) 回想終了、今現在の雨の日に思考を戻す。 俺は母さんの作ってくれた朝ごはんを食べてから、食後のコーヒーを飲んでいる(姉ちゃんがいると、勝負を吹っかけてきて、紅茶派VSコーヒー派の熾烈な戦いが繰り広げられることもある。 その場合、大抵、ゲームで決着がつく)。 「……お姉ちゃんのことが、心配?」 コーヒーを啜っていると、母さんがそんなことを言ってきて、俺は面食らってしまう。 見ると、母さんは紅茶を飲みながら(母さんは紅茶派だけど、大人だから、戦いを仕掛けてくるようなことはしない)穏やかに微笑んでいる。その落ち着きっぷりは、いかにも大人の女性っぽくて、それを見るたび、いつも姉ちゃんのせわしなさっぷりが頭をよぎる。 「別に心配じゃないよ。ただ、姉ちゃん『子ども』っぽいからなー」 「ふふ、聡は大人なの?」 「まあ、姉ちゃんに比べれば、ね」 「大人にしては、随分と色の白いコーヒーがお好みなのね?」 「……そ、そういうのは無し!」 ひそかに気にしてることを、母さんはずばりと言ってくる。 くそ、早くブラックが飲めるようになってやる! 「……あー、暇だ~」 結局コーヒーを飲み終わると、本当に何もすることが無くなり、俺はリビングで横になる。窓から見える景色はさっきと変らず、灰色がかった、俺にとって陰鬱な感じを漂わせるものだった。 「聡は昔から雨の日が好きじゃないわね」 寝転んでると、母さんが優しさを含んだ口調でそう言った。 なるほど、たしかに俺は昔から雨の日がそんなに好きじゃなかったような気がする。 「私、なんで聡が雨の日が嫌いか心当たりあるのよ?」 「え、そんなのあるの?」 俺は全く覚えていない。そんなものがあるんだったら、教えてほしい。 「ええ。もう10年以上前のことになるかしら。私と律と聡でお風呂に入ったの。 その時、律がふざけて聡の顔に思いっきりシャワーを――」 「……もういいや、母さん。ありがとう」 頭が痛くなってきた。姉ちゃん……きっと関係ないだろうけど、恨むぞ? 「でも、そんな風にゴロゴロしてるのは年頃の男の子にとってあんまり良くないわね。 ……あ、そうだ!」 俺がなおも転がり続けてると、母さんが何か思いついたらしく、居間に向かった。なんだなんだ? 少しして、母さんが戻ってきた。その手には―― 「はい、これ」 バット。グローブ。そして、軟式野球ボール。 「……」 姉ちゃん、どうしよう? 俺には母さんのことが最近よく分からないんだ。 でも、姉ちゃんはこういう時々変な行動をとる母さんとよく話してるよね? だったら弟の俺にも何とかできるかな? 「母さん、今の天気、分かる?」 「察しが悪いわよ、聡。まだまだ、子どもね」 「予想外の反撃!?」 母さんはそんな俺のリアクションを無視し、一枚のチラシを取りだした。 そしてそれを見て、頷くと、俺に手渡した。 「なになに……『バッティングセンター、OPEN!』あれ、しかもここって……うちから近 い?」 「そういうこと。健全な男子中学生たるもの、運動すべきじゃない?」 得意げにする母さんを見て、俺は「なるほど」と思った。 たしかに運動するっていうのは、いいアイデアだ。俺も(姉ちゃんほどではないにせよ) 運動はそこそこ得意だ。近くにバッティングセンターがあるのなら、そこで思いっきりバットを振るうのも憂さ晴らしになるかもしれない。とはいえ―― 「これ随分と昔、小学生の頃、俺たちが使ってたやつじゃん。これでボールを打てっていうの?」 とはいえ、この野球セットを使っていたのは主に姉ちゃんの方だ。 今でこそしなくなったものの、小学生の頃は、男子に交じってサッカーだったり野球だったりしていたものだ。ちなみに、当時の姉ちゃんの運動神経は男子顔負けだった、らしい(その光景を遠巻きに眺めていた澪姉によれば、だけど)。 「なに言ってるの、聡。私がこれを出した本当の意味に気づかないのかしら?」 「……へ?」 ぽかんとする俺に向かって、母さんはご満悦といった表情で―― 「そのまま『野球』って言うのもなんだから、出してみたかっただけに決まってるじゃない」 「……」 ――ウイーン ――ガシャッ! ――ビュン! ――カキン! とりあえず、母さんの提案に従ってバッティングセンターに来てみた。 最初こそ少し不安だったものの、野球は昔やったことがあるスポーツだったので(実際にクラブチームとかに入ってたわけじゃないけど)、意外とすんなり勘が戻ってきた。 (フォームとか、ちゃんと沁み込んでんだなあ……) 自分の身体にしみじみと感心しながら、打ち続ける。せっかく来たんだから、ホームランを目指そう、などと思っていると―― 「えいっ……えいっ!」 どこか高い声が聞こえてきて、俺はちょっと驚く。 隣の親子連れの人を挟んで、その声のした方を見てみると、予想通りと言うべきか、そこには女の人がいた。 そりゃもちろん、バッティングセンターだってレジャー施設。女の人がいたって全然不思議じゃない。 でも、やっぱり男の人が主に来る場所だろうなあ、という先入観があった。 (ああ……フォームがなってない) ボールを打つ合間に、やっぱり少し気になるので、女の子の方を見ていた。 タイミングも揃ってないし、バットも重そうだ。さっきからほぼ全て空振りと言う有様で、打ててもせいぜいボテボテのゴロくらい。 俺が教えてあげられたらな、とちょっと残念に思った。 「――いいかい、ここをこうして……」 すると、隣の親子連れのお父さんが、小さな男の子にバッティングフォームを教えてあげていた。 昔、俺もあんな風に教えられたのかなあ、とどこか感慨に浸りながら、それでも意識はボールに向けて、打ち取っていく。 もう残り5球程度、というところで―― ――パンパカパーン! 「……えっ?」 思わず声を漏らしてしまった。音のした方を見ると、そこには「ホームラン」と書かれた的があった。ボールを打ちながら、どうやら誰かが当てたらしい。凄いな、なかなか難しいと思ってたのに。 一体だれが当てたんだろうなあ……と思っていると。 「……やった!」 ガッツポーズをしてる件の女の子。いやいや、ちょっと待て! (ど、どうしていきなりホームランなんて……さっきまでの様子じゃ絶対無理だろ!?) そのせいでボーっとしてしまい、次の球を逃してしまう。 残り、3球―― (……) 落ち着け、聡。さっきまで素人同然だった女の子に取られたくらいで、慌てるな。 俺は「大人」、俺は「大人」――こんなことで慌てふためいてるうちは、「子ども」だ! 続く1球目――ヒット。どうやら、このマシーン、高めが多いらしい。 2球目――ゴロ。低めだと、ヒットさせにくいのかもしれない。 そして、最後のボールが飛んできた。その球速と、それまでの手ごたえから、確信する。 次で、必ず――! ――カッキ―ン! バットがボールの芯をしっかりととらえる。ボールは高く、高く飛んでいきそして―― ――パンパカパーン! さっきと同じ音がセンター全体に鳴り響く。 「……よっしゃ!」 俺はなんとも言えぬ達成感を味わいながら、自然と体はガッツポーズを取っていた。 こういうところでホームランを取ったら、もしかして景品をくれたりするんじゃないか? こいつは、楽しみだ! ※ 「わー、凄い! あの男の子も取ったみたいだよ!」 「うわ、ホントだ。ホームラン2人目って……どうなってるの?」 「凄い人もいるもんね――って、あれ?」 「え、どうしたの?」 「いや、あの子――ひょっとして」 ※ 「おめでとーございます!」 景品引き換え所でホームランの暁にもらえたのは、でかい亀だった。 布製の。 「……」 意外とずっしりしたその亀を抱えながら、俺はこれから取るべき行動について考えた。 姉ちゃんにあげよう。そうしよう。 「欲しくねーし!」とか言いながらもらってくれるはずさ……きっと。 俺が押しつけたものを姉ちゃんが喜んでくれれば……という目論見を立てる俺。 「……はぁ」 俺がつい、ため息をついた、次の瞬間―― 「なーに、ため息ついてんの?」 後ろから肩をポンっと叩かれた。亀のことを考えていて、完全に力を抜いていた俺は―― 「うわぁっ!」 本当に驚いた。 景品の亀を抱えながら、跳び上がりそうになる。 だ、誰だ!? 別にこの亀にやましいところがあったわけじゃないぞ!? 「相変わらずオーバーだなあ」 その後、少し呆れたようなその口調を耳にして、俺は「あれっ?」と思った。 そのままほんの2秒くらい静止して、記憶とその声を照らし合わせ、そして―― 「じゅ、純さん?」 「やっ、聡くん、久しぶり。元気してた?」 振り向くとそこにいたのは、俺の知り合いだった。 このヘアースタイル、そして、この頭のボサボサ具合は―― 「……聡くん、失礼なこと考えてない?」 「いえ、大丈夫です。今日は雨ですもんね」 「それ、フォローなの?」 「こんにちは、純さん」 「スルー!?」 ガーンといった風な純さん。 俺もオーバーだったけど、純さんは俺に勝るとも劣らないだろう。 ……というか、いいのか? 中学生と高校生が同じようなレベルで? この人は鈴木純さん。俺の友達のお姉さんだ。 「……ところで、今日は――その――俊、くんはどうしてるんですか?」 俊、というのはその友達の名前だ。 鈴木俊。純さんの弟である。 顔立ちはそこそこ似てるものの、性格は結構異なっている。 「あー、わかんないな。私、昨日、友達の家に泊まってたから」 「そうですか……友達、っていいますと」 ちらりと後ろを見やる。すると、そこには、二人の女の子がいた。 「こんにちは」 ポニーテールの人がにこやかに挨拶してくれる。 「……こ、こんにちは」 もう一人のツインテールの人は、若干緊張気味だけど、挨拶してくれる。 俺も二人に挨拶をして、少し考える。 なるほど、純さんと話してて気付かなかったけど、ポニーテールの人はどうやらさっきホームランを打った人らしい。 「さっきの、おめでとうございます」と言ったら、「ありがとう」と最高のスマイル付きで返事をしてくれた(これだけで、相当いい人だと分かる)。 「――そういうわけで、この子は私の弟の友達で、聡くん、っていうんだ」 場所を変えて、ちょっとした休憩所。 そこでテーブルを囲み、ジュースを飲みながら、純さんが改めて俺を紹介してくれた(何が、「そういうわけで」なのかはいまいちよくわからないけど、純さんだから仕方ない)。 「へぇー、そうなんだー」 「純、弟くんいたんだ……なんか意外」 ポニーテールの人――平沢憂さんがそう相槌を打ち、ツインテールの人――中野梓さんが 少し驚いたような声を出した。 二人の名前は、ここに来るまでの間、純さんが教えてくれたのだ。 「ふふふ、梓ー? 私、お姉さんなんだよ?」 「そうなんだ……弟くん、大変そうだね」 「私が世話されてるの!?」 ……純さんって誰からもこんな感じの扱いなのか。 いや、でも、ここ一番のイニシアチブの取り方? っていうのは上手いんだよなあ。 特にそれは、パーティーゲームで遺憾なく発揮される(大抵、俺と鈴木がやってる所に乱入してくるわけだけど)。 それから少し経ち(その間、主に話してたのは純さんと俺で、二人も時々会話に加わってくれていた)その場の雰囲気も最初に比べたら段々と落ちついてきた辺りで―― 「あのさ……」 憂さん(さっき「平沢さん」と言ったら、「名前でいいよ」と言ってくれた)がそう切り出してきた。その目の先には……俺? 「さっきから気になってたんだけど……聡くんの名字ってなんなのかなって」 憂さんはそう言って、微笑む。 なるほど、たしかに、気になるかもしれない。やっぱり、名字と名前揃ってこそ、かもしれないし。 見ると、梓さん(これもまた、「名前でいい」だそうで)も少し気になっていたらしく、頷いている。 「あー、それ私も聞きたかったー!」 「……あれ、純さん知りませんでしたっけ?」 「知らなかったよ、全然全く」 けろりと言い切る純さんにため息をついて(純さんらしいけど)、その場の全員に向かって言う。 「俺の名字は、田井中です。田井中聡って言うんです」 なぜか、空気が静まり返った。そして、これまた何故か3人が真顔になっている。 なんだろう、俺なんか悪いことしたかな? いや、でも静まったとはいえ、冷たいってわけじゃないし……うーん? 「……あ、あのさ、聡くん?」 少し長い沈黙の後で、俺に話しかけてきたのは――梓さんだった。 見回すと、どうやらこの三人の中で一番驚いてるらしいのが窺える。 「もしかしてさ……お姉さんとか、いる?」 驚きのためか、途切れ途切れになりながら、梓さんが俺に問いかける。 俺はというと、「なんでそんなことを訊くんだ?」と疑問に思った。 いや別に、応えることに抵抗は全く無いけど―― 「……いますよ? でもそれが一体――」 「お姉さんの名前は?」 次に訊いてきたのは、憂さんだ。梓さんと同じく、結構戸惑っているように見える。 雰囲気がただならぬものに(別に険悪ってわけじゃないけど)なってきてることを察知した俺は即座にその質問に―― 「俺の姉ちゃ――いや、姉は、田井中律、っていいます」 応えると、再びの沈黙。 居心地は悪いわけじゃないけど、少し落ち着かないそんな時間だった。 その時間を終わらせたのは―― 「……っはははは!」 純さんの笑い声、だった。 何がおかしいのか、本当に心の底から楽しそうに、笑っていた。 純さんの声を皮切りに、他の二人も笑いだす。 「さ、聡くんが、まさか……律先輩の弟って……!」 いまだ笑いながら、純さんが俺に向かって言う。 なにがそんなにおかしいんだろう――と訝っていた俺は、ふと純さんの言葉を反芻し、 「ん?」と引っかかった。 律――先輩? 「いや、ごめんね、聡くん。ちょっとびっくりしちゃった」 純さんの言葉に戸惑っていた俺に声をかけてきたのは、梓さんだった。 さっきまでの緊張気味の表情はどこへやら、口元が綻んでいる。 「聡くんのお姉さんがまさか、あの……律先輩――って!」 言い終わる前に、また笑いだす。 二人が笑うにつれて、俺の戸惑いは増していく。 「――えっとね、聡くん? 実はね」 その場で一番先に落ち着いたらしい憂さんが、俺に助け船を出してくれた。 なんとなく予想はついていたものの、どことなく実感がわきにくい、その事実は―― 「聡くんのお姉さんの律さんは、私たちの学校の軽音部の部長さんなんだよ」 憂さんの口からはっきりと語られた。 「いやー、世間は狭いねえ」 ようやく純さんと梓さんが落ち着き、場の雰囲気が和やかになったところで、純さんがそう言った。 「こっちこそ驚きましたよ。まさかあの姉ちゃんが……」 この人たちと知り合いだなんて、想像もつかなかった。 姉ちゃん――田井中律は、この人たちと同じ、桜ヶ丘高校の軽音部の部長だった。 もちろん姉ちゃんが「どこの高校か」とか「どこの部か」とかは知っていたものの、この人たちと面識があるとは全く予想もつかなかった。 「……でも私、律先輩の家にお邪魔したことあるけど、聡くんにあったこと無かったよね?」 それまで少し考え込むそぶりを見せていた梓さんが疑問を口にする。 たしかにそれは、俺も思っていたことだ。 「分かりませんが、もしかしたら姉ちゃんが関係してるのかもしれませんね。 けど、俺たちは間違いなく会ったことは無い、と思います」 「そっか、そうだよね」 とりあえずその場はそれで収まったけど、疑問は残ってしまった。 やっぱりこの件については頼りになりそうな人にあたるしかないな。 「それで、聡くんは律先輩とどんな感じなの?」 梓さんと俺のやり取りが終わるやいなや、純さんが笑いながら訊いてきた。 ちなみにその笑いは「くすくす」というようなものではなく(まず純さんにそんな笑い方は似合わないと思う)「にやにや」という感じだった。 「ど、どんな感じって……普通の姉弟ですよ、ホントに」 「『普通の』じゃ答えになってないよー? ほら、言ってごらんって」 純さんがしつこく訊いてくる。 見回すと、他の二人もどこか興味がありそうだった。 「じゅ、純さんはどうなんですか!? 純さんにだって弟が――」 「私は俊のこと、大好きだよ? 今更なに言ってんの?」 いまだにやにや笑いを崩さない純さんが、何のためらいもなくそう言った。 くっ、そういえば、純さんの家にお邪魔したときの二人は、相当仲良しだった――! 鈴木も照れながら、嬉しそうだったし。 「ほらほら、次は聡くんの番だよー? 言いなさい!」 純さんに一本取られて(そこで純さんが少しでも戸惑ってくれたら、うやむやにできたかもしれないのに……)俺は仕方なく話し始める。 「俺は別に、姉ちゃんのこと――嫌いじゃありませんよ。姉弟仲も悪くない、と思いますし。ただ、ことあるごとに、俺の部屋から漫画やゲームを借りていくのはやめてほしいですね。ただでさえ散らかってる部屋が、余計に酷いことになるし……今日の朝だってそうです。いつもその掃除を手伝わされる俺の身にもなって――」 「聡くん、律さんのこと、好きなんだね」 俺がまくし立てているところで、誰かがそんなことを言った。 「誰だ?」と探すと、憂さんがなんの邪気も無く微笑んでいるのを見つける。 顔がかっと赤くなるのを感じた。 「な、なんでそうなるんですか――!」 「だって、好きじゃなかったら、そんなたくさん話せないもん。『嫌いじゃない』っていうのは、裏を返せば、『好き』って風にも取れるし。私にもお姉ちゃんいて、大好きだから、聡くんの気持ちがなんとなくわかっちゃうんだ」 最後の方は少し照れ笑いを浮かべながら、憂さんが言う。 その言葉を聞き、何故か純さんと梓さんが呆れた様子を見せる。 なにやら、裏がありそうだ……けど、今はそれどころじゃない! 「姉ちゃんにはいつも困らされてますってば! だ、だから、別に『好き』とか『嫌い』とかそういうのは――!」 「聡くん、顔赤いよ?」 くすくすと笑いながら(純さんとは違う笑い方だ)憂さんが楽しそうに言う。 俺がどんなに抗議しようとしても、憂さんの邪気のない微笑みと泰然とした様子には届かない。 まるで澪姉を相手にしてるような気もしたけど、憂さんにはお姉さんがいるらしく、同じような境遇だからだろう、俺はこの人に敵わないと実感させられた。 「……ねえ、お家での律先輩ってどんな感じなの?」 俺が顔を赤くして黙りこんでいると(純さんはからかってくるわ、憂さんは何も言わずに笑いかけてくるわで、踏んだり蹴ったりだ)、今度は梓さんが訊いてきた。 「いや、さっき言った通り、ホントがさつですよ? 繊細なところとかも――あるのかもしれませんけど、それは普段の行動に隠されて、ほとんど見えません」 「……学校と家とで、変わらないんだ、ふーん」 まるで、「唯先輩」みたいだなあ、と梓さんがどこか呆れた様子を見せると、憂さんが笑みを深くした。それを見て、梓さんはその表情に呆れをさらに深くにじませ、純さんも小さく苦笑する。 ……このグループの人間関係を垣間見た、ような気がする。 「じゃあ、またね!」 「……ばいばい」 憂さんと梓さんが去り際に挨拶をしてくれたので、俺は手を振って、「さよなら!」と声をかける。純さんもそんな二人ににこやかに手を振った。 二人の姿が見えなくなると、純さんと俺は歩き始める。 「……しかし、律先輩と聡くんが、ねえ」 歩きながら、どこか感慨に浸った様子の純さん。 そっか、やっぱりそうしみじみとするよな。今まで遊びに来てたのが、先輩の弟なんだから。 でも、純さんもこんな表情をすることがあるんだな。少し誤解してたかも――。 「……道理で聡くんも背が小さいわけだ」 「純さんへの見方を少しでも変えようと思った俺が馬鹿でした」 「えっ、なに、いきなり!? 気付かないうちに、私、評価されてたの!?」 「知りません、自分の胸に訊いてみてください」 相変わらずオーバーな純さんには、やっぱりしみじみなんて言葉は似合わなかった。 「……まあ、それはいいとして。律先輩のこと、大事にしなよ?」 それから少し歩き、その間に落ち着いたらしい純さんが、そう言った。 俺はふと純さんの顔を見る。純さんはどこか穏やかな優しさを見せている、ような気がした。 「私、俊のこと大好きだってさっき言ったよね? 私ね、そう言える自分が少し好きなんだ。で、そんなこと言ってると、『ああ、やっぱり姉弟っていいな』って思うんだ」 純さんがそう続け、俺と目を合わせてくる。 圧迫されてるわけじゃないけど、どこか目を反らせられない雰囲気。 「だからさ――律先輩とずっと仲良くするんだよ?」 そう言うと、「じゃあね!」と言って、純さんは方向を変えて、走って行った。 それを見て、分かれ道に着いたことを知る。 挨拶を返す暇もなく、俺は純さんの後ろ姿を見つめ続けていた。 その後、俺は自分の家へ帰ろうと思ったものの、ふと思うところがあって、最寄駅へと向かった。 そういえば、今日だ。せっかくだから―― 「――なあ、律。あれって、もしかして」 「なんだよ、澪、いきなり――って、あっ!」 駅に着いた俺を二人が見つけたらしい。 たくさんの荷物を持っていることが窺えた。 俺は小さく手を振って、「おかえり」と声を出す。 「聡、どうしたんだ、用事でもあったのか?」 「家で待ってるんじゃなかったっけ? どうして、ここに――」 二人の質問には応えず、俺は何も言わずに手を差し出す。 何かものを掴む時のポーズ。 それを見て、二人は顔を見合わせて、笑い合い―― 「……聡、ありがとう」 「さっすが、私の弟!」 荷物を、俺の手に掛けてくれた――。 ここから、後日談。 その日は何となく切り出しにくかった、「出会い」の話を翌日の登校中に二人に訊いてみた。 二人はその報告を聞き、やっぱり驚いた。 けど、最後にはお互い笑い合って――それこそ昨日の三人組のように――和やかな空気になった。 「――そういえばさ、姉ちゃん?」 俺は二人が落ち着いたのを見計らって、そう切り出す。 「ん、どした、聡?」 「いや、部活の人とか家に呼んだことあるんだよね? なんでいつも俺がいない時だったの?」 ぴしっと硬直する姉ちゃん。 そして、一気に顔を赤らめる。 「あー、それはな、聡?」 「や、やめろ、澪! その先は――!」 わめく姉ちゃんを無視して、澪姉は答えを教えてくれた。 「恥ずかしかっただけだ。こいつ、お前と仲良いだろ? だから、みんなが来た後で、からかわれるのが嫌だったんだよ」 「――――ッ!」 苦笑を浮かべる澪姉と滅茶苦茶恥ずかしそうな姉ちゃん。 二人の表情を見て、俺はなんとなく理解した。 なるほど、昨日の梓さんもなんだかんだで結構姉ちゃんのことをからかっていそうだった。 あの人が、姉ちゃんと俺を一緒に見たら、きっと大笑いするだろう。 その時、あの人は、憂さんみたいなくすくす」笑いをするのか、純さんみたいに「にやにや」笑うのか、俺には分からないけど。 「――まあ、聡にもバレちゃったことだし、もういいんじゃないか、律? 今度、みんなで――」 「み、澪! まだ、私には心の準備が――!」 いつもとは少し違う二人の掛け合いを見ながら、俺は昨日の「出会い」を思い起こす。 きっとこれからも、たくさんの「出会い」をしていくんだろう。 その全てが素晴らしいものとは限らないけど―― こんな風に楽しくさせてくれる「出会い」なら大歓迎だ―― 第4話「出会い!」おしまい 5
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天使にふれたよ!/放課後ティータイム(平沢唯(CV 豊崎愛生),秋山澪(CV 日笠陽子),田井中律(CV 佐藤聡美),琴吹紬(CV 寿美菜子),中野梓(CV 竹達彩奈)) (TVA けいおん!! 第24話挿入歌) われらの旅立ち/水木一郎 (TVA 宇宙海賊キャプテンハーロック ED) All You Need Is Love/田村直美 (OVA 魔法騎士レイアース ED) 面影橋/wac (アーケード pop n music 19 TUNE STREET ほか収録曲) I ll remember you/佐坂めぐみ (PS3/PSV 英雄伝説 閃の軌跡II ED) 宝島/町田よしと,コロムビアゆりかご会 (TVA 宝島 OP) またあした/鹿目まどか(CV 悠木碧) (TVA 魔法少女まどか☆マギカ BD/DVD版第1話・第2話ED) さよならbyebye/馬渡松子 (TVA 幽☆遊☆白書 ED2) さよならにさよなら/海援隊 (映画 ドラえもん のび太の創世日記 ED) さようならへさよなら!/μ s(高坂穂乃果(CV 新田恵海),絢瀬絵里(CV 南條愛乃),南ことり(CV 内田彩),園田海未(CV 三森すずこ),星空凛(CV 飯田里穂),西木野真姫(CV Pile),東條希(CV 楠田亜衣奈),小泉花陽(CV 久保ユリカ),矢澤にこ(CV 徳井青空)) (CD MOMENT RING LACM-14449 ) 僕たちからありがとう/日向仁(CV 松本梨香),月城飛鳥(CV 岩坪理江),星山吼児(CV まるたまり),白鳥マリア(CV 吉田古奈美),小島勉(CV 島田敏),佐藤大介(CV 塩屋浩三),坂井ときえ(CV 佐藤智恵),泉ゆう(CV 林原めぐみ),高森ひろし(CV 松井摩味), 春野きらら(CV 南杏子),池田れいこ(CV 鈴木砂織),栗木容子(CV 岩坪理江),近藤ひでのり(CV 吉田古奈美),小川よしあき(CV 佐藤智恵),石塚織絵(CV 松井摩味),今村あきら(CV 南杏子),島田愛子(CV 松本梨香),真野美紀(CV 鈴木砂織) (CD 僕たちからありがとう TYDY-2046 )
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772 名前:SS「甘ロリっちゃん」[sage] 投稿日:2009/07/16(木) 00 03 24 ID qCm/bWnY 唯「りっちゃんはゴスロリとか甘ロリとか着ないの?ゴスロリは澪ちゃんのが似合いそうだけど甘ロリは髪の色軽いりっちゃんの方がいいと思うんだけどなぁ」 律「甘ロリ?何だそりゃ」 梓「ピンクや白で、フリルなんかを使った可愛らしい洋服のことですよ」 律「甘い歌詞書く澪に合いそうだけどなぁ」 唯「澪ちゃんみたいな綺麗な黒髪の人は甘ロリよりもゴスロリの方が似合うんだってー」 律「そんなもんなのか?よくわかんないな」 澪「じゃ、試してみようか?」 律「へっ?」 澪「ムギ、梓ァッ!」パチン 紬「用意は」ガシ 梓「できてます」ガシ 律「ちょ、離せよ二人とも!」 紬「ごめんねりっちゃん」 梓「私たちも律先輩の甘ロリ、見てみたいんです」 唯「それでは、りっちゃんお色直したーいむ♪」 律「いやぁぁぁぁ……」 751 ※画像404の為、補完されている方いらっしゃれば提供願います。 律「……お、おかしいし……」 澪「おかしくねーし!!」 律「みおっ…?」ビクッ 澪「あ、いや……す、凄く似合ってるぞ律」 律「そうか……?何かいつもと違って変な感じだなぁ…//」 唯(どうしよう照れてるりっちゃんが猛烈にかわいい……) 梓(やべぇこれマジやべぇ) 律「へへー……回ってみたりっ!」くるり 澪「きゅう」パタン 唯「りっちゃんかわゆいっ!」だきっ 梓「り、律先輩つぎ、次これ着てみましょう!」 紬「こ、これは一生ものだわ!」●REC 出典 【けいおん!】田井中律はポロシャツ可愛い41【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る 律ちゃんが着るとやっぱり“でこロリ”……ドゲシッ!!(紅玉、全FANの脳内で二段たんこぶ確定) -- (紅玉国光) 2009-09-29 19 21 50 はいはい変態乙wwwww -- (名無しさん) 2009-07-31 20 43 13
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永琳「という事で『やごころ!』のキャスティングを発表するわ!」 平沢唯=輝夜 秋山澪=鈴仙 田井中律=てゐ 琴吹紬=慧音 中野梓=妹紅 平沢憂=永琳 輝夜「一番上って事はヒロインかしら?」 永琳「ヒロインと言うよりは主役です。天賦の才で大活躍…… するけれど日頃は天然ドジっ娘でぐぅたら。ヒロインはむしろウドンゲの役ね」 鈴仙「なんか台本見た感じだと恥ずかしがりでいじられのような……」 てゐ「そんな事はないわ。ま、フォローは幼馴染役の私がするし、安心しなさいって」 鈴仙「……(物凄く不安だ……)」 慧音「何故永遠亭のネタなのに私が入っているんだ?」 永琳「眉毛にたくあんと帽子に弁当で誤差の範囲よ」 慧音「何処の世界に眉毛にたくあんを乗せた奴が居るんだ…… しかも台本だとお嬢様言葉になっているではないか」 妹紅「そうそう、それに私まで巻き込まれてるし……」 永琳「あなたの配役は姫達の後輩で、姫と張り合う小生意気なキャラよ」 妹紅「む……それなら輝夜の立場を食ってもいいわけだな」 鈴仙「あれ、師匠は先生役じゃないんですね」 永琳「ふっ、姫の補佐である私の役は、やはり姫の妹、 姫の事を案じフォローする身内の立場が一番合うわ!」 慧音「ふむ、その役はメインキャストの中で一番若いのだな」 輝夜・鈴仙・てゐ・妹紅「「……」」 永琳「歳とか関係ありませんから!あくまでもキャラのマッチングが!」 慧音「わ、わかった!悪かった!だから落ち着いてくれ」 永琳「(ふーはー)足りない分は豊姫達と永遠ウサギ隊で何とかしましょう。 それでは『やごころ!』第一期開始!」 配役検討時に忘れ去られていたが、鈴仙の役どころは作詞担当でもあり、 その独特の超センスにより短期間で打ち切りの憂き目を見たのであった。 てゐ 埋めネタ 妹紅 慧音 永琳 輝夜 鈴仙