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■キャラクター名:川添珠姫 ■二つ名:■ワークス:高校生 _ __ /\ |_l |丶 | | \ \ | | └′ \/ 丶| , 、 .. -─────- .. \ ,. ´. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ` 、 <丶、 \/ /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ `′ /. . . . . . \ , '. . ,' . . . . . . . . . . . . . ,ィ . . . . . . . . . . . . . ........ \ ┌─┐ /. ! . .-‐/─- .、/ l . . . . . . . ./|. _、 . . . . . . . . . . . ...ヽ  ̄ ̄ /. | . . . / | . . . . ./` | . . . . . ./ ´! . . .ハ` . . . . . . . . i . . . .ヽ. / i | . ./x===x/ | . . . . / 」x≠xl、∧ . . . . . .l . . . . . ', ,' | ! .〃 ヾ | . . , ' 〃 ヾ V . . . . l . . . . . l. i γ | V{{ }} j/ {{ }} V . .,' . . i . .|. | l | | ゞ 〃 ゞ 〃 | . / . . |ハ|. | ∧ 丶| | ` ‐=‐" `‐=‐ " |/、 . .! リ. |/ V | | .. . . ∨ . .| Ⅵ ! ハ . | ゙| | _ __ イ | . ! l i ト .. __ ,. ' ´ `Y´ `ヽ_ .... ´ | ,' ', | ! ノ / ノ \ /! / ヽ !\ |-‐ ´l/ /、| ヽ / j/ ` 、| / / | ∨ ■総合レベル:1 Lv ■ウィザードクラス:人狼 / 1 Lv■スタイルクラス:アタッカー / 0 Lv ■属性:風 / 火■C値/F値:8/5 ■CF修正値:1■プラーナ:内包値 9/ 開放力 1 ■所持金:103,200v+140万v ■ライフパス■ 出自 生活 項目 脳味噌スライム 超☆方向音痴 ■コネクション■ 対象 関係 備考 学生 1000v 私立輝明学園 1000v 赤羽くれは 兄姉 土御門元春 保護者 ■基本能力値■ 筋力 器用 敏捷 精神 知力 信仰 知覚 幸運 ベース 10 12 11 06 06 05 08 05 現在値 10 12 11 06 06 05 08 05 ■戦闘値■ 命中 回避 攻撃 防御 魔導 抵抗 魔攻 魔防 耐久 魔法 行動 移動 ベース 10 09 11 07 05 06 06 07 17 12 10 02 ベース修正 -2 2 クラス合計 06 05 08 03 00 00 00 00 11 03 04 特殊能力 03 総合Lv 01 =未装備= 16 14 22 10 05 06 06 07 28 15 15 02 装備 -02 -1 12 05 06 -11 -01 =最終値= 14 13 34 15 05 06 06 13 28 04 14 2sq HP 28/28 MP04/04(15)命中 14 攻撃 34 行動 14防御 15(10) 魔防 13(7)■特殊能力■ 《名称》 SL タイミング 判定値 難易度 対象 射程 代償 参照 《月衣》 ― 常時 自動成功 なし 自身 なし なし P126 《月匣》 ― 常時 自動成功 なし 自身 なし なし P126 《物理攻撃力UP》 CL 常時 自動成功 なし 自身 なし なし P.86 《獣化》 2LV セットアップ 自動成功 なし 自身 なし 2HP P106 《獣魂の牙》 1LV メジャー 命中 対抗 範囲選択(1) 武器 3MP P106 《財力》 1LV 常時 自動成功 なし 自身 なし なし P.126 《伝家の宝刀》 1LV 常時 自動成功 なし 自身 なし なし P.127 ■魔法■ 《名称》 Lv 種別 タイミング 判定値 難易度 対象 射程 代償 価格 参照 《マジックブレード》 1 付与 マイナー 自動成功 なし 自身 なし 3MP 10,000 P.142 魔法Lv合計 1 / 魔法記憶容量 7■武装・魔装■ [名称] 種別 価格 重量・Lv 射程 備考 参照 ウィッチブレード 武器(箒) 6 0sq 《伝家の宝刀》によって取得 P.160 スタビライザー OP(箒) 200,000 2 - P163 バリアシステム OP(箒) 90,000 2 - P163 オートフィールド 防御魔装 25,000 1 - P138 マナスクリーン 防御魔装 25,000 1 - P138 マジックシェル 防御魔装 50,000 2 - P138 ミラージュウォール 防御魔装 50,000 3 - P138 武装重量合計 10 / 上限 11魔装Lv合計 07 / 上限 07■所持品■ 名称 個数 価格 重量 参照 MUGEN-KUN 1 0 0 P.158 0-Phone 1 0 0 P.158 スマート0-Phone 1 39,800 0 P.158 重量合計 0 / 筋力+総合Lv=11月衣収容可能重量上限=21
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__,,,..,,__ { , -‐-ミ、 ji斗fセチ゛¨⌒¨``~、、 __/ . . /ヽ . . . . . `、. ヽ __ア . . /. / } . . .} . . . `、. ' ____ノ / . /ヽ{ レ゙}. /゚,. i . . .゚,. } ``~i{ ,ァ=去 ァ斧=ミ/ . . . `゚、 __ノヽ从 { リ { , リ} . . 「゙ー┛ ¨¨ア / } 、、、 、、、 /.. /ヽ〉. } /{ __7∥人 - ..‐'゙ /. . / . . . } ヤ `~、____} {イ. . ミh、 イ. / . . . .i} ^'*。__ . ∨. . __ `,i´ //___ . . . \ -=彡⌒ . . . . __ノ二二,ン゙ _ji斗fセチL_ . . . ``~┓ /´ . . . 〈⌒!´/'、 /------- 、〉 . . . ____ノ. / . . . . ┌イ,ヽ}ト、〈。o*'∥ ノ´ ] . . . . . ヽ ∥/ . . . ノ / / 。゚ ./¨¨¨¨`、 「 . . . . . . ', イ´{ . / . . 〉--{/ ... ../ .. 〈__ ア゙ . . . . . / . . { { . ∥ ┻――┴ァ…./ ヽ」 . . . . . /ヽ. / ∨ヽ ヽ、___、、、、, -゙ 。゚7´ . . . ,。oイ {/ ∠,,____丿 .{ {^'*。 / ∥‐'゙{. / ⌒/ ,' .. ', ヽ `¨´ 〉 ∨ / ∥__ `、\ ミh、 r彡゙ ノ⌒¨¨^'*。\``~、、_____`~、、 \ー‐イ } . i`~、、______ア¨}ミh、」 ``~{´ミぅ=---劣彡゙´ __、丶`ヤ /┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃名前:南条光┃性別:女性┃ランク:☆☆☆┃配合回数:3┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃HP:20┃基礎ダメージ:4┃ランダムダメージ:1d1┃敏捷力:40┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃《特技名/種類/説明》┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃固定攻撃 ┃攻撃┃敵に基礎ダメージを与える┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃偵察攻撃 ┃攻撃┃敵に固定攻撃を与えた後、任意の控えと交代する┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃激励 ┃補助┃味方単体の基礎ダメージを+6(重複可能)┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃そこまでだ!┃妨害┃敵単体を怯み状態にし、基礎Dと敏捷力が現在の数値以上に上がらなくする。1戦闘1回。┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃《タイプスキル/種類/発動回数/説明》┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃正義のアイドル┃補助┃1┃登場時、味方全体の基礎ダメージを+4する。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃ノーガード戦法┃妨害┃1┃登場した時、場にいる敵のスキル(防御)を1つだけ封印状態にする┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃小さな英雄┃変身┃1┃自身が生存し、自分以外の味方が全て戦闘不能になった時、正義のヒーローに変身(控)┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 小さな英雄使用時 .. / / \/ /\ | . / / , |\ ∧ | _ / / , | }/ ‘ , |. / / | / /7 / , / <\ | / / Y | / / / / , /,/< . . . . . . |\ 乂/ __/_ / /____,|/ /゙| / / , // . 斗-ミ,, . . | ≧=一゙/ ) / /\ / |.// | /\ { ̄v ̄}// ./(__ }- . .| |__/ -‐'^ /  ̄\ 「 | . 7 7| | ̄ ̄ 7 . . . . . . 〃乂zツ ノ . . . | / `ー‐く / / /\ | / / .| l. / . . . . . . . . . . _ . . / r‐‐一' / /≧ミ 「\ |. / 人| / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . // / / / /ニニ≧ミ人| \|/ . . / / . . / ̄ ̄\ . . . . / ./ / { / / -‐ミ三三三ニヾ| \≧=‐- _/ ,  ̄ / | {/ }二ニニ /=| |ハ ノ / | / /ニニ=/ニ^ | /\|ニ=\ `ー‐- __-一 / ! / /ニ/ --ミ/ニニ\ニ=〕iト / / /7// ``丶ニニニニニニ≧s。,,____,,.,。sく/ i / ̄ 〈// \二ニニニニ\___// | / // \ニニニニニニニニ / | / /┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃名前:正義のヒーロー┃性別:女性┃ランク:☆☆☆┃配合回数:3┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃HP:55┃基礎ダメージ:16┃ランダムダメージ:1d1┃敏捷力:60┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃《特技名/種類/説明》┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃固定攻撃 ┃攻撃┃敵に基礎ダメージを与える┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃ふきとばし ┃攻撃┃敵に固定攻撃を与える。ダメージを受けた敵は次のターン、強制交代となる。1戦闘1回。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃正義のキック┃攻撃┃敵に基礎ダメージ+15の固定攻撃を与える。1戦闘1回。┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃英雄の覚醒 ┃補助┃使用した次のターン、自身が戦闘不能になった時のみ効果が発動する。1戦闘1回。┃. ┃ ┃HP1で蘇生し、以降自身の基礎ダメージを+20、敏捷力を+10、受けるダメージ-10となる。┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃《タイプスキル/種類/発動回数/説明》┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃等身大の素顔┃補助┃1┃変身した後、自身のHPを全回復し、基礎ダメージへの妨害効果を消す(控)┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃無限大の夢 ┃補助┃攻撃の後、自らの○○状態を全て消し、与えたダメージだけ自分のHPを回復する┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃ミンナノミカタ┃特殊┃1┃変身時、戦闘不能になっている味方の特技(変身・特殊以外)を1つだけ奪うことができる┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
https://w.atwiki.jp/bamboo-blade/pages/86.html
何時見ても幼い体つきだ 珠姫にSEXはまだ早いように思えるので 無理強いはせず、毎夜両手でシテ貰っている。 いや、むしろ一生懸命に擦る珠姫を見ながら 果てるのも悪くない。 珠姫「U字君…こうすると気持ち良い?」 裏筋を親指で搾る様にしごいてくる。 珠姫には色々と技術を教えた。 だから当たり前のように気持ち良いのに 確かめるように聞いてくるのは自信が無いのか、 それとも解ってて俺の反応を観ているのだろうか。 「良かった…」 と微笑む珠姫に無用な勘繰りは消し飛ぶ。 負けじと珠姫の女性器に指を這わす。 小さいワレメに似合わず指を包み込む陰唇に 火傷しそうな熱の愛液が絡み付く。 珠姫「んあっ…あぁっ…」 快感とそれに対する不安で体が震え、 息づかいが荒い。 それでも両手の動きを止めることはなく 不安を払おうと、すがる様に更に強く絞ってくる。 お互い立ち膝で向かい合い性器を刺激しあう。 喘ぎ声も半分啜り泣きになってきた。 珠姫「ごめんなさい、イクとまたオシッコでちゃう…」 「かまわない」と言い、左手を珠姫の腰に回して支え 昇天と放尿を促す。 楽な体勢になった珠姫は 「手でごめんね、次はきっと最後まで頑張るから…」 腰は己の発言で興奮したかカクカクと震えだし、愛液は 音を立てる程溢れている。 イキそうだ。 珠姫は泣いていた。 珠姫「っ…きちゃうっ…やぁぁっ!」 ここぞとばかりに自分も腰を動かし、 しごいている両手を珠姫の顔に持っていく。 「珠姫でイクのをよく見るんだよ」 珠姫「う、うん。イって欲しい、気持ち良くなって ……っでちゃう、オシッコでちゃうぅ…!」 珠姫「ふぁぁ…イクっ!全部でちゃうっ!~~~ゃぁぁ~~~~」 勢い良くオシッコが吹き出すやいなや自分も果てた。 が、イク瞬間を見てくれなくて拗ねた自分は 意地悪して少し口の中に射精した。 珠姫は魂まで放出したかの様にぐったりしている。 力が入らないようだ。 体をティッシュで拭いてあげる。 珠姫「イク度にオシッコもらしちゃって恥ずかしくて 最後まで出来ないかも…」 と落ち込む。 徐々に我慢は出来ればいいよ、SEXも。とフォローしたが 申し訳なさそうにするので じゃあ今度からはお尻でして見ようと言うと、 躊躇いながらコクンと頷いてくれた。 ここから本格的に珠姫を調教する日々が始まる。
https://w.atwiki.jp/bamboo-blade/pages/91.html
ピンポーン 「はーい」 「おじゃまします」 「うん、はいってよ。タマちゃん」 ~ふたりの時間~ 「ふむっ、んんっ、じゅるるる」 珠姫の小さい口が勇二のモノを吸い上げる、珠姫は熱心に勇二を咥え勇二もまた気持ち良さそうな顔で 自分のモノをフェラチオしている彼女の顔を眺める。珠姫のが舌で亀頭を舐めると勇二は「うわ」っと ふがいない声をあげた。 「タマキ、出すよ」 「うん、んんっ」 射精が近づき勇二が声を出すと珠姫はそのままフェラチオを続けた。 「うっ」 「っ!!ケホケホっ」 「あ、タマキ大丈夫か」 「うん、大丈夫」 勇二の射精に咽た珠姫は口の前に手をやり、口に出された精液をそこに出すと今度はゆっくりとそれを 飲み干した。 「無理に飲まなくてもいいのに」 「今日はそんな気分だったから」 ちなみに、日によっては顔射や体に射精するよう要求してくる日もある。 二人が恋人同士になってから体の関係を結ぶのはそう時間がかからなかった、子供の頃から一緒にいる 分、信頼関係が元から築かれていた事からだろう。そして、今日は勇二の親は外出中ですくなくとも晩 になるまでは帰ってこない。二人はこうしたチャンスを見つけては蜜月の時間を堪能していた。そして この時間の間だけは二人は愛称ではなく本名で呼び合う。 「それにしても、ユウジは一杯だすね」 「ま、まぁね」 定期的に珠姫が抜きにくる為、すっかり自慰をするという習慣が減った為である。そして、勇二は基本 珠姫からの愛撫に対しては特に要求はしない(どうしてもさせたい時は頼む事はあるが)。今回のフェ ラの奉仕は完全に珠姫の気分で行われていた。 「じゃあ、今度は僕の番だね」 「うん」 と珠姫はコロンと横になった。カーテンでしきってはいるものの、まだ外は昼間なので白い素肌を晒し 産まれたままの姿の珠姫がよく見える。 「タマキ………」 「んっ………」 勇二はそのまま体を倒すと珠姫にキスをした、軽く唇を押し当てて舌を弱く動かしてお互い舌を絡み合 わせた。勇二は自分の精液の味がするが、そんなのは気にしない。すぐさま珠姫の味に変わるからだ。 勇二は腕を珠姫の脚に伸ばし、そのまま珠姫の秘所に手を伸ばした。そこはすでに蜜で濡れぬるりとし ていた。 「ふっ………」 勇二はそのまま、中指と人差し指をゆっくりと珠姫の中に沈めていき。そこで軽く指を曲げ、軽く擦り あげた。 「…………!!」 珠姫はビクリと体を奮わせた。が、それでも二人は唇を離さない。いまだ舌を絡ませている、そのため 二人の口角からは涎が少し溢れていた。勇二はそのまま指を動かし続ける、と珠姫は急にシーツを掴ん でいる手に軽く力を込め、少しするとスッと力を抜いた。 「タマキ、イッたね」 「うん」 ようやく顔を離れとツーッ唾液が糸を引き、プツリと切れた。また、勇二が責めていた秘所からも多量 の愛液が溢れてきた。すでに先ほどのフェラチオで体が出来上がりつつあった為、感じやすくなってい たのだ。 「ユージ…」 「ダメ、まだだよ」 と勇二は体を起すと、そのまま珠姫の脚を開いて剥き出しのまま愛液で潤っている秘所に顔を近づけた。 薄い珠姫の茂みがぐっしょりと濡れていた。 「ふぁっ」 軽く吸い付くと珠姫は高い声をあげた。勇二はそんな珠姫を無視するかのようにそのまま舌を伸ばし、 舌先でクリトリスを舐め始めた。そして、勇二はそれだけでなく両手を珠姫の小さい胸に伸ばし可愛ら しいその乳首を摘んだ。 「あっ…んん」 珠姫は脚こそ勇二の顔をはさむようにしているものの、力はそんなに入れてはいない。両手は彼の頭を 掴むわけでもなくそのままシーツを掴んで、なるべく力を入れないようにしていた。その為、時折勇二 が感じやすい珠姫のポイントをつくとそのまま高い喘ぎ声をだしてしまう。 「ジュルッ、ジュッ、ジュルル」 すでに珠姫の秘所に顔を埋めている勇二は珠姫の胸を責めつつ、秘所を舌で舐めまわし吸い付いていた。 勇二の愛撫に珠姫は次第にさらなる高みへ登り始める。珠姫の太ももがプルプル震え始めたのに勇二が 気付くと少し強めに乳首を摘んで、顔を上げた。 「あ………」 珠姫の秘所からピュピュっと潮が噴かれ、その一部が勇二の顔にかかった。 「ん、今度は大丈夫だったね」 「はぁ………もぅ、ユージ。あの時はたまたま……」 以前、こうした時思わず珠姫が失禁してしまい、珠姫の小水が勇二の顔にかかった事があり。勇二はそれ をからかうと、珠姫は赤い顔をしてぷぅっと頬を膨らませた。 「ごめんごめん、それじゃあさ…」 「………うん」 と珠姫は頷くと、両手を秘所にもっていって 「きて、ユージ」 くっと指でそのピンクの綺麗な割れ目を開いた。とろり、と蜜がシートにこぼれ汚した。 「んんんっ………!」 勇二のモノがずぷっと珠姫の中にゆっくりと入っていく、モノ自体は標準男子のそれより少し大きいくら いだが珠姫の体が元々小柄な為、慣れてはいても少しきついように感じられた。 「全部…入ったよ。タマキ」 「うん、ユージの熱いのが入ってるの感じるよ」 勇二は自分を全て珠姫の中に挿れると、そのまま軽いキスをした。そして珠姫に軽く腰をあげる様促すと そのまま、体重をかけて彼女の奥を突いた。 「あんっ」 可愛く珠姫が呻くとキュッと中が締まる。そして、勇二はピストン運動を開始した。珠姫は両脚と両腕を 勇二の腰に絡ませ密着度をあげる。勇二もそれに応えるかのように彼女を抱きしめる。 「ユージ、ユージぃ」 珠姫が囁くように勇二の名前を呼ぶ、勇二はそれを聞くとそのまま体を押さえつけて彼女を蹂躙したくな るが理性でもってそれを必死に押しとどめる。 「うう、ね、ぇ。私、も」 「うん」 と一旦動きを止め勇二が上体を起すと、珠姫はそのまま勇二の力を借りず筋肉の力だけで体を起した。 その為、自然に秘所に力が入り勇二のモノを締め上げる。膣内もぞわりと蠢くため、勇二は思わずイき かける。 「んん……それじゃあ、動くよ」 お互い見つめあい舌絡ませ合うキスを交わすと今度は珠姫が腰を使い始めた。以前として、両手両脚は 勇二の腰に巻きついている為、激しい動きはないがゆっくりとしたその動きは淫靡なものだった。 そして、珠姫は動きながら勇二の首に顔を擦り付ける。 (今日のタマキは甘えん坊だな) 珠姫から与えられる甘美な刺激を楽しみつつ勇二はそう思った。前戯の時といい、今といい今の珠姫は 完全に勇二に甘えていた。そもそも、繋がった時から両脚を腰に絡めるという行為事態が彼女にとって 甘えるという癖になっているのだ。騎乗位もいいが、彼女の香りと吐息を感じられるこの体位は勇二に とって最も好きな体位になっていた。 「タマキ…そろそろ」 「うん、いつでも、いいから」 ザワザワと勇二を締め付けながらも絡み付いてくる珠姫の膣内に勇二は二度目の射精に登り始める。 「私も、そろそろ………あぅっ!」 「出るっ!」 ビュビュっと二度目ながらも勢いよく飛び出た勇二の精液が珠姫の膣内を汚していった。 「あぁ、熱いよ…、ユージのが、ビュクビュクでてるの………」 「タマ、キ…」 二人はそう呟くと再び唇を合わせた。 「今日は、甘えんぼさんだったね」 「だって、最近練習づくしでエッチできなかったから」 勇二の腕の中で丸くなった珠姫はゴロゴロと猫のように勇二の胸に頬を擦りよせた。 あれから結局、後処理をするために秘所から溢れてくる精液をフキフキしていたのたがその都度珠姫が 可愛い声で鳴く為三回戦目に突入し、今に至った。 「そうだね、学校の剣道場は先生達に使われちゃってるからね」 これはもちろん紀梨乃と小次郎の事を指している。あの二人は生徒と教師の壁を越えて密かな交際をし ていて、主に学校の剣道場で体を重ねあっているのだ。以前、勇二と珠姫が剣道場でいたしていた時に 不意に入ってきて大層焦った事がある。(この時は用具入れに隠れてヤリ過ごした)なお、それだけで はなく、勇×珠・紀梨×小次郎・段×都が剣道場に集った事があるのだがそれはまた別の話。 (小次郎達が道場を勇ニと団十郎は男女それぞれの更衣室にいたため、バッティングする事はなかった) 「ねぇ、ユージ」 「うん?」 「好き、大好き」 「僕もだよ、タマキ」 二人の唇が重なり合う、四回戦副将戦が始まろうとしていた。
https://w.atwiki.jp/bamboo-couple/pages/586.html
紆余曲折しまくって珠姫と勇次は恋人同士になったが、付き合い出したというのにデートの一つもしていないのだ。 それには理由があり、珠姫が休日に遊びに行こうとしても勇次が用事があるといって断り続けているのだ。 そんな感じが続いて早一ヶ月、幸いにも道場は二人っきりだったので珠姫は勇次に事の真偽を尋ねた。 「ねぇユージくん、あたしたちってその、こ、恋人同士だよね?」 「うん、そうだよ。急にどうしたのタマちゃん?」 「じゃあどうしてお休みの日はいつも用事があるの? あたしと遊びに行くのがイヤなの?」 真剣な珠姫の問いかけに勇次は困ったように指で頬をかいた。 しかし意を決した勇次は、休みの日の件についての真実を話す決意をした。 恥ずかしがりながらも勇次は珠姫の目をジッと見据えて、珠姫に話し出した。 「実は俺、成明高校に行って林先生に稽古つけてもらってるんだ」 「どうして?」 「……強くなりたいんだ。タマちゃんを、惚れた人を守れるくらいに」 理由を聞いた珠姫は嬉しさ半分、寂しさ半分といった感じだった。 自分を守ってくれる為に強くなろうとしてくれるのは嬉しいが、それなら自分に相談の一つもして欲しかった。 なおも勇次は自分の思いを珠姫に伝えようとしたが、それは珠姫に遮られた。 「ユージくん、わかってないよ……」 「タマちゃん?」 「あたしはもうユージくんにいっぱい守ってもらってるんだよ、色んなことから」 「タマちゃん……」 「それにあたしだってそんなに強くない。ユージくんに会えない日は寂しくてしょうがないの。……不安になるの」 勇次は自分の強さを求めるあまり、珠姫の心を考えていなかったことを激しく後悔した。 珠姫の寂しげで今にも泣き出しそうな表情を見て、自分の不甲斐なさを痛感した勇次は、珠姫を優しく抱きしめた。 「ゴメン、ゴメンねタマちゃん。俺、自分のことしか考えてなかった。タマちゃんを泣かせるなんて本当にダメな奴だよ」 「本当に、本当に悪いと思ってる……?」 「うん。強くなるならタマちゃんと一緒に。タマちゃんの笑顔は絶対に絶やさない。休みの日はいっぱいデートする。この誓いをタマちゃんに捧げるよ」 「じゃあ誓いの証として、しばらくこのままでいたい。……ダメ?」 珠姫の問いに勇次は頷くことで答えるとしばらくの間、勇次は珠姫を抱きしめていた。 勇次の腕の中にいる珠姫は勇次にしか見せることの無い、極上の笑顔を浮かべていた。 そして勇次が珠姫を離すと、言ってはいけない不用意なことを言ってしまった。 「本当は今週も行く予定だったけど、林先生に断りの電話を入れないとダメだな。メイちゃんにも謝らないと」 「……ユージくん。メイちゃんってどうゆうこと?」 「うん、実は林先生に頼まれてメイちゃんの相手もしてたんだ。素人だから教えがいもあるんだよ」 「どうしてメイちゃんって親しげに呼んでるの?」 「メイちゃん本人がそう呼んで欲しいって言ったからで、別に深い意味は無いよ」 (……そうだよね。ユージくんはそんな人じゃないよね) 「たまに夜遅くなるから家まで送っていったり、メイちゃんの家でご飯をご馳走になったり、一人じゃ心細いからって言うから2人で買い物しただけだから」 勇次の悪意が全く無い物言いに珠姫は固まってしまった。 芽衣に対して勇次がしたことは全部、珠姫が恋人としての勇次にしたいこととしてもらいたいことだった。 しかも厄介なのは、勇次本人に悪気が一切無い、この点だろう。 無自覚に他の女の子とデートをし、あまつさえそのことを恋人である珠姫に堂々と打ち明けた勇次に珠姫は、 「ユージくんのバカ!! 大っキライ!!」 怒りを露にし、涙を流しながら道場を飛び出して行った。 その話をした勇次は部員全員から責められて、ようやく自分のしたことの愚かさを自覚した。 慌てて勇次は珠姫の後を追いかけて、珠姫の家まで押しかけてひたすら謝り倒して何とか許しを得たのだった。 その際、珠姫の父に大量の塩や熱湯をかけられたりしたのは珠姫の怒りと比較すれば些末事である。
https://w.atwiki.jp/akitobr/pages/109.html
「はっ……、はっ……、はっ……」 桑原鞘子は走っていた。 「あたしはやれる!あたしは出来る子だ!」 時折、自らを鼓舞する言葉を叫びながら走っていた。 走っている内に頭からズレてきた66式鉄帽は手に持ち替え、鞘子は走り続けていた。 何故彼女は走っているのか、その理由を説明するためには、 正午にあった放送のさらに少し前まで、時間をさかのぼる必要がある。 「キリノ、タマちゃん、ミヤミヤ、ダンくん、どこ?」 放送前、彼女は鷹野神社付近で双眼鏡片手に室江高校の仲間を探していた。 コンパスや筆記用具、時計、それに地図と名簿は折りたたんでポケットに突っ込み、 その他のポケットに入らない支給品は、双眼鏡と66式鉄帽以外、 デイバックごと鷹野神社に隠しておいた。 最初は、元いた場所で例の拡声器の声を聞きつけた人が来ないか待っていたのだが、 しばらく待っても、あの山に入っていった二人の男子以外、誰もやっては来なかった。 きっと、島の南側であの声を聞いたのは、鞘子とその男子二人だけだったのだろう。 そこで鞘子は、もっと眺めのいい場所はないかと、少しずつ移動しながら仲間を探した。 幸い今の季節、山や林の木々は、そのほとんどが葉を落としており、 双眼鏡を使えばかなりの広範囲を見渡すことが出来た。 そうして鞘子が仲間を捜していると、鞘子の位置から見て西の方で何かが動いた。 「あ!あれは!!」 それはかなり遠くで、肉眼では豆粒ほどにも見えなかったが、 双眼鏡を使ってやっと人だと分かった。 どうやら、歩いている人が二人、ちゃんとした道を歩いている訳ではなく、 道無き道を進んでいるようだ。 そして、その二人の内のひとりに、鞘子は見覚えがあった。 「タマちゃん!!」 見間違えるはずがない。 室江校剣道部のエース兼コーチ兼マスコットの、ここ半年以上ほとんど毎日会って苦楽を共にしてきた仲間の川添珠姫。通称タマちゃんだ。 そのことが分かっただけで鞘子の心臓は高鳴り、目頭が熱くなった。 (くぅぅー、やっと室江のメンバー見つけたよ!) 今回のプログラムのルールなら、同じ学校出身者は確実に安全だろうし、 ルールなど抜きにしても、珠姫ならきっと殺し合いなんかしないだろう。 「あ、あれ?」 しかし喜びもつかの間、珠姫達の姿は、すぐに鞘子から見えなくなってしまった。 鞘子とその二人の間には、たくさんの木々が生えており、いくらほとんどの木が葉を落としているとはいえ、かなり見通しが悪かったのだ。 「待ってー!」 走り出そうとした鞘子だったが、すぐにピタッと足を止めた。 「落ち着けあたし!考えろあたし!」 鞘子と珠姫達の間の距離はかなり離れており、珠姫達も移動していたことを考えると、 今から珠姫達が見えたところへ駆けつけても、その場にたどり着く頃には、 珠姫達は、どこかへ行ってしまった後だろう。 「えっと、えーっと!」 はやる気持ちを抑えながら、鞘子は地図とコンパスを取り出した。 珠姫達が見えたのはおそらく、地図でいうとG-3かG-4の南側あたりだった。 そこを、鞘子から見て右、つまり北側へ向かって移動していた。 ということは、彼女たちが向かっていたのは……。 「平瀬村分校跡…かな?」 半分は勘だったが、珠姫達の見えた場所と移動していた方向から、 鞘子は彼女たちが平瀬村分校跡に向かったものと判断し、今度こそ走り出しだ。 その途中で放送があり、鞘子は無視するわけにもいかず、生唾を飲み込んで放送を聞いた。 名簿の順に読むという死者の発表で、室江が飛ばされた瞬間は涙が出るほど嬉しかったが、 その後読み上げられた死者の数には、信じられないくらい驚いた。 しかし今は、立ち止まっていられない。 禁止エリアも、鞘子には当面関係なさそうな場所だったので、放送が終わると、 鞘子は再び走り出した。 「待っててタマちゃん!待っててみんな!」 平瀬村分校跡では、川添珠姫が栄花段十郎を保健室に運び込み、手当てをしていた。 本当は、段十郎の傷を水で洗ったり、腫れているところを濡れタオルで冷やしたりしてあげたかった珠姫だったが、水道が使えないのでそれは諦めた。 しかし、その保健室には消毒液や包帯、絆創膏などの道具と、ベッドや椅子などの備品が、 この分校が使われていた頃のままの姿で残されており、 珠姫はそれらを使って、何とか段十郎を手当てをしていた。 手当てといっても、出血しているところは、タオルやガーゼで血を拭き取ったあと消毒し、 絆創膏を貼ったり包帯を巻いたりして止血する。 腫れたり、痣になっているところには冷湿布を貼る、といったことしかできなかったが、 やらないよりはマシだろう。 途中で放送が流れた時は、さすがに珠姫も段十郎の手当てを中断し、放送の内容を書き取った。 珠姫は、最初言葉と出会った時にもう死んでいた相馬光子を見ているので、 もう何人かは死んでいる人いるのかも知れないと予想はしていたが、すでに10人もの犠牲者が出ていることに驚愕した。 一人も殺さず正義の味方として、このプログラムを破壊すると、この島で最初に目覚めた時、 珠姫は心に誓ったが、現実には言葉ひとりにすら手を焼いている状況だった。 その間に、相馬光子を除いても9人、珠姫の知らないところで死んでいったことになる。 今回の放送時点では室江校剣道部の仲間は無事だったようだが、 こんな事ではプログラムの破壊どころか、仲間を守ることすら出来ないかも知れない。 (やっぱり、無理なのかな……) やはり、国家権力を前にひとりの高校生ができる事など、たかが知れているのだろうか。 珠姫は自分の無力さを痛感し、同時に少し弱気になっていた。 放送が終わると珠姫はそんな弱気を振り払うためにも、段十郎に声をかけ、手当てを続けた。 「栄花くん、大丈夫?」 段十郎に意識はなく、当然反応も無かったが、脈や呼吸はしっかりしているし、 それほど苦しんでいる様子もないところを見ると、重傷ではあるが、 今すぐ命に関わる怪我という訳でもないようだ。 そのうちに、段十郎はすやすやと寝息を立て始め、珠姫はそれを見て少し安心した。 それまでの間、桂言葉は珠姫を手伝う事も、邪魔する事もなく、 珠姫が段十郎を保健室に運び込むのも、段十郎に手当てをするのも、ただ黙って見ていた。 放送の時も、言葉は無表情で、禁止エリアをメモしたり、死者の名前に線を入れたりした。 自分と同じ榊野学園の加藤乙女と西園寺世界の名前が呼ばれた時も、それは変わりなく、 ただ作業的に、加藤乙女と西園寺世界の名前に線を入れていた。 もちろん、言葉は考える事をやめてしまった訳では無い。態度や表情に出さないだけだ。 珠姫が段十郎を手当てしている間も、言葉は言葉なりに頭を働かせていた。 考えていたことは、もちろん伊藤誠のことだ。 誠は無事だろうか? 誠と合流するにはどうしたら良いだろうか? こういったことが、言葉の思考の大半を占めていた。 放送も、誠の名前さえ呼ばれなければ、他はどうでも良かった。 禁止エリアは、誠を探す上で必要だからメモしただけ。 名簿に線を入れたのは、もし誠が優勝を目指していた時に必要になるかも知れないから。 全ては誠のためだった。 そして今現在、言葉が考えているのは、自分自身の現状についてだった。 誠を捜し出して守るのは、言葉自身の役目なのだから。 (良くないですね……) 盾代わりに良いし、利用してやろうと思って珠姫に従うことにした言葉だったが、 怪我人である段十郎との合流は誤算だった。 言葉としては、一刻も早く誠を捜しに行きたいところだったが、 珠姫と段十郎が合流したおかげで、今は保健室に足止めされてしまっている。 それに、先ほど逃げた、優勝を目指していると言ったあの男のことも気になっていた。 もし、自分達がこうしている間にあの男が誠を襲ってたら、そう考えると言葉は 居ても立ってもいられなかったし、今更ながら追わなかったことを後悔していた。 (もう、いっそのこと……) 用済みというわけではないが、珠姫と段十郎が自分にとって足枷となるのなら、 早い内に排除した方が良いのかも知れない。 言葉はそう考えはじめ、段十郎の手当てをしている珠姫の背中を見つめた。 言葉の瞳に、漆黒の闇が広がっていった。 「ん?」 そんな言葉の視線に気づいたのか、珠姫が後ろを振り返り、 言葉は目をそらすように、窓の外へと視線を向けた。 窓の外には小さな校庭が広がっており、言葉がその校庭を眺めるふりをすると、 ちょうど誰か校庭に入ってくるのが見えた。 「どうしたんですか?」 「誰か来たみたいですよ」 「え、本当ですか?」 珠姫の質問は、自分に向けられていた視線のことだったが、 言葉は、分校の敷地に入ってきた人物のことを答えた。 その言葉の声に誘われて、珠姫も保健室の窓に近づいた。 (サヤ先輩!) その人物は珠姫と同じ制服で、赤毛のロングストレートヘアー、 そう、珠姫と同じ剣道部の先輩、桑原鞘子だった。 (よかった、サヤ先輩、元気そう) (あとは宮崎さんとキリノ先輩を見つければ、剣道部のみんなが揃うな) (プログラムを壊すのが無理でも、せめて剣道部のみんなは守りたいな) (あれ?サヤ先輩、デイバック持ってない。どうしたんだろう?) 鞘子の姿を見て、停滞気味だった珠姫の頭に色々な考えが浮かんできた 「私、行きますね」 言葉はその間に、自分の刀だけ持って保健室を出て行ってしまった。 「待って下さい、あたしも行きます」 それを見た珠姫も、刀だけ持って言葉の後を追った。 段十郎を残していくのは気がかりだったが、刀を持った言葉を放っては置けなかった。 「タマちゃん!やっぱりタマちゃんだったんだね!」 そうして校舎から出てきた珠姫を見つけると、鞘子はすぐさま珠姫に駆け寄って抱きついた。 「会いたかったよー、タマちゃん」 「はい、あたしもです」 鞘子と珠姫のふたりの顔には、この島へ来て初めての笑みがこぼれていた。 「うー、タマちゃーん」 「あの、サヤ先輩、痛いです」 「あぁ、ゴメンゴメン」 感激のあまり珠姫をギューッと抱きしめていた鞘子だったが、 珠姫が声を上げたところで、やっと珠姫を解放した。 (また、川添さんの仲間ですか…) そんなふたりを見ていた言葉の瞳には、より一層深い闇が広がっていった。 (やっぱり、私ひとりで誠くんを捜した方が効率が良さそうですね) きっと、鞘子と珠姫のふたりは、段十郎が動けるようになるまでこの分校に留まるだろう。 そして、言葉を見張るという珠姫は、言葉の別行動など許さないかも知れない。 そんな風に考え、言葉は手に持っている刀にそっと視線を落とした。 「あら?タマちゃんそっちの子は?」 「あ、桂さんです」 そこでやっと、鞘子は珠姫の後ろにいた言葉に目を向け、紹介を求めた。 「どうも」 言葉もその声に視線を戻し、鞘子に軽く挨拶をした。 鞘子は、そんな言葉の目を見て、背筋が凍り付くのを感じた。 明らかに普通じゃない。鞘子は、何とも言えない混沌としたものを見た気がした。 「そっそう…、桂さん……」 それでも、珠姫が一緒にいるのだから害はないはずと考え、鞘子は何とかそう返した。 ちなみに珠姫は、最初に言葉と斬り結んで以来、一度も言葉と目を合わせていなかった。 普段から、珠姫は剣道以外ではあまり人と目を合わせない方だし、 一度、真剣で斬り合った相手と目を合わせるのは、何となく気まずかったのだ。 「あ、そうだサヤ先輩」 「ん、なあに?」 固まってしまっていた鞘子だったが、珠姫の声で我に返ると、珠姫に視線を戻した。 「ここの保健室に…」 ドン (え?) 「ここの保健室に、栄花くんがいるんです」そう言おうとした珠姫だったが、 その瞬間、突然背中を押され、体重の軽い珠姫はそのまま鞘子の方へ飛び込む形となった。 カチャ 押された瞬間には、何が起こったのか分からなかった珠姫だったが、 その音が、言葉が刀に手をかけた音だという事は分かった。 (しまった!) そこで珠姫は自分が言葉に突き飛ばされたということと、言葉の狙いを理解した。 (斬られる!) そう思った珠姫だったが、その時にはもう珠姫自身ではどうにも出来ないほど 体勢が崩れた後であり、珠姫はそのまま鞘子の体に飛び込むことしかできなかった。 「タマちゃん!」 言葉に背を向けていた珠姫は、言葉の動きが見えなかったが、 鞘子は、言葉と目を合わせた後だったこともあり、言葉のことを視野に入れて警戒していた。 そんな鞘子の反応は早く、言葉に突き飛ばされた珠姫を抱きとめると、 次の瞬間には珠姫の体をグイッと引っ張り、体の位置を入れかえた。 ヒュッ ガキィン そして鞘子は、手に持っていた66式鉄帽で、言葉の抜き打ちを受け止めた。 言葉にとって予想外の、鞘子にとってはある程度予想通りの振動が、ふたりの腕に伝わった。 「うっ」 「この!」 さらに鞘子は、言葉が予想外の鉄同士がぶつかる衝撃に怯んだところに、 中学時代ソフトボール部のレギュラーだったその強肩を活かして、66式鉄帽を投げつけた。 「くっ」 言葉は、とっさにそれを刀の柄で受け止めたが、その隙に鞘子は後ろにいた珠姫の手を取り、 一目散に走り出した。 「逃げるよ!タマちゃん!!」 「……逃がしません」 鞘子の剣道部での実力は、団体戦での彼女の対戦順が示す通り中堅程度だが、 基礎体力や運動神経に関しては、剣道部どころか室江高校全体でもトップクラスだ。 鞘子は、その健脚でグイグイと珠姫を引っ張り加速していく。鷹野神社からここまで、 ずっと走ってきて疲れてはいたが、そんなことで彼女の脚は鈍らなかった。 言葉も、刀の鞘を投げ捨てるとすぐに後を追ったが、これは追いつけないかも知れない。 (あの人、思ったよりもやりますね) 追いかけながら、言葉は「サヤ先輩」について考えていた。 確かに体格は良いし運動も出来そうに見える。現に足は相当速い。 しかし立ち振る舞いなどから、剣の腕は自分より劣るだろうと、言葉は思っていたのだ。 しかし、先ほど自信を持って放った抜き打ちを、あの「サヤ先輩」は受け止めた。 あれが偶然でないとすると、自分の中での評価を改めなくてはならないかも知れない。 しかし、実は言葉の抜き打ちが防がれたのは、言葉自身に原因があった。 言葉の居合いはとても美しく、しかも剣速は尋常でないほど速い。 ソフトボールと剣道で鍛えた鞘子の動体視力でも、その刃を目で捉えることは出来なかった。 しかし、言葉の剣はとても綺麗であるが故に、多少武道をかじったことのある者であれば、 言葉が実際に刀を振る一瞬前に、その太刀筋が「視」えてしまうのだ。 少し前に、空手の経験がある花澤三郎を斬り損ねたのも、これが原因だった。 一方、鞘子と珠姫は言葉を順調に引き離し、このまま分校の敷地を出れば逃げ切れるかに見えたが、ふと、珠姫は保健室にいる段十郎のことを思い出した。 自分自身が斬られそうになったことで忘れていたが、もし、珠姫達が逃げてしまったら、 言葉の矛先は保健室で寝ている段十郎へ向かうだろう。 「サヤ先輩、待って下さい!校舎の中に栄花くんがいるんです!」 「え!?どわあああ!!」 この季節、地面には霜が降りており、昼の日光がそれを溶かして、 ところどころ、土のぬかるんだ場所が存在していた。 悪いことに、珠姫の制止の声を聞いて鞘子が振り返ったその瞬間、 鞘子の足は、そのぬかるんだ地面を踏んでしまい、鞘子は派手にすっ転んだ。 それでも鞘子は転ぶ瞬間、珠姫を巻き込まないようとっさに手を放した。 人は転びそうになると、何かに掴まろうとするものだが、鞘子はその逆をやってのけたのだ。 彼女の高い運動神経と、後輩を想う気持ちが成せる技だった。 「大丈夫ですか!サヤ先輩!」 「もう、逃げないで下さいね」 「……!!」 おかげで珠姫は無事だったが、その間に言葉に追いつかれてしまった。 鞘子は転んだばかりで、まだ起きあがれないでいる。 それを見た珠姫は、鞘に収まったままの刀を構え、言葉へ一歩踏み出した。 (サヤ先輩は、あたしが守る!!) そのためには、相手に多少怪我をさせるのも仕方がない。手加減して勝てる相手じゃない。 守るべき人を背に、珠姫はこの島に来て初めて人を傷つける覚悟を決めた。 (川添さん、雰囲気が変わりましたね) 言葉は、ふたりに追いついた瞬間に斬り捨てようとしていたのだが、 珠姫の様子を見て一足一刀よりも半歩ほど遠めの間合いを取り、足を止めた。 最初に珠姫と斬り合った時感じた、どこか遠慮したような雰囲気が無くなっている。 どうやら、さっきので珠姫を本気にさせてしまったようだ。 「……許しません」 「そうですか」 最初に剣を合わせた時のように、珠姫は中段の構え、言葉は脇構えで睨み合った。 (絶対に勝つ!) 珠姫は、ここで負ける訳にはいかなかった。 珠姫がここで斬られるということは、珠姫、その後ろの鞘子、それに保健室の段十郎、 三人の死を意味する。 珠姫は、確実に言葉から勝利する方法を考えた。 珠姫と言葉が最初に剣を合わせた時、珠姫が言葉に負けていると感じた要素は二つ。 リーチと剣速だ。 この内、リーチは体格差と刀の長さの差であり、どうしようもない。 もっとも、珠姫の場合普段から自分より大きな相手とばかり稽古しているので、 体格差に関しては、特に気にならない。 刀の長さ関しては、最初に戦った時、間合いを見誤ったことで、頬と首にかすり傷を負ってしまったので注意が必要だ。 逆に言えば初見だった前回と違い、今回は刀の長さ分かっているので注意さえすればいい。 次に剣速だが、珠姫が負けている大きな原因は、珠姫が鞘付きのまま刀を使っているということにある(と、珠姫は思っていた)。 剣道家である珠姫の父は真剣も持っているので、珠姫も真剣に触るのは初めてではないし、 稽古では真剣並みに重い素振り用の木刀で、素振りをしたりもする。 だが、鞘がついたままの刀は、それよりももっと重かった。 しかし、今の時点では刀を鞘から抜くつもりは無い。 怪我をさせても仕方ないとは思ったが、殺してもいいとは思っていないし、 第一この状況では、刀を鞘から抜く暇は無いだろう。 (それなら……) 動きが最小限で済み、得物が重くても剣速が鈍らないであろう技。 珠姫は、そんな技を頭に思い浮かべ、すり足でジリジリと間合いを詰めていった。 (さて、どうしましょう?) 一方、言葉は冷静に状況を分析していた。 言葉も、最初に珠姫と剣を合わせた時、自分が珠姫に勝るのはリーチと剣速だと感じていたが、 その、最も大きな原因は、覚悟の差だろうとも思っていた。 人を殺すことの何の躊躇もない言葉と、明らかに人を傷つけることを恐がっている珠姫とでは、 振りの鋭さが全然違っていた。 だが、珠姫が本気になった今、この覚悟の差は最初に比べ縮まっているだろう。 しかし、プログラム開始直後から覚悟を決めていた言葉と違い、 珠姫が覚悟を決めたのはついさっきで、しかも、刀は鞘に収まったまま。 まだ、人を殺す覚悟までは出来ていないと見える。 (それでは…) それなら、少し話をしてそこを揺さぶれば、珠姫の覚悟は簡単に揺らぐのではないか。 言葉はそう考え、口を開いた。 「私は…」 「きあああああああああ!!!」 言葉が、話術で珠姫の覚悟を削ごうとしたその瞬間、 珠姫の、本気の気合いの掛け声がその場の大気を振るわせた。 「……っ!」 剣道では、こういった声を上げるということを知っていた言葉だったが、 珠姫ほどの気合いを目の当たりにするのは初めてだった。 しかも喋ろうとした瞬間だった事もあって、一瞬息が詰まり、体も硬直してしまった。 ザッ 言葉が息を詰まらせたのは本当に一瞬で、それに伴う隙もほんの僅かなものだったが、 珠姫はその隙を見逃さず、一気に踏み込んだ。 圧倒的な速さと、踏み込んだ瞬間を悟らせない巧みさを併せ持ったその踏み込みに、 言葉は、全く反応できなかった。 そして、室江校剣道部員からアトミック・ファイヤー・ブレードと呼ばれている、 川添珠姫必殺の突きが、言葉に炸裂した。 「突き!!!」 ガチン 剣士と言えるほどの実力を持つふたりだったが、剣士としての格が違いすぎた。 その突きは、ワンクッションあった方が怪我が軽くて済むだろうという、珠姫の情けから、 言葉の首輪に命中した。 しかし、もちろん首輪に当たったからといって受けた方が平気なはずもなく、 言葉は2メートル近く吹っ飛んで、背中から地面に落ちた。 「…………」 言葉はそのまま仰向けに倒れ、突然目の前に広がった青空を呆然と眺めた。 「……!?ごほっ、ごほっ、げほっ」 しかし、すぐに突かれた喉が苦しくなり、両手で喉を押さえるとゲホゲホと咳き込みだした。 手に持っていた刀は、吹っ飛ばされた拍子に落としてしまっていた。 「げほっ、げほっ、ひゅー、ひゅー、ごほっ、ごほっ」 言葉は息がうまく出来ないらしく、苦しそうに咳き込みながら、 時折、喉からひゅうひゅうという音をさせていた。 珠姫は、そんな言葉の側に歩み寄ると手を差し伸べながら声をかけた。 「大丈夫ですか?」 しかし、その台詞とは裏腹に、珠姫の目は据わっていた。 「……!!」 言葉はそんな珠姫の目を見ると、珠姫の手は取らずに立ち上がり、 ヨロヨロとした足取りで、分校の敷地を出て行った。 珠姫はそれを追わず、黙って言葉の背中を見送った。 「行かせちゃって良かったの?」 「あ…、サヤ先輩」 その頃にはすでに立ち上がっていた鞘子が、珠姫に声をかけた。 そういえば、珠姫が覚悟を決めたキッカケは鞘子だったが、 その後、言葉に集中するあまり、珠姫は鞘子のことを少しの間失念していた。 「はい、……これでよかったと思います」 鞘子の声で現状を思い出した珠姫は、そう答えると 「一緒にいたら、きっとまたこういう事になると思いますから」と続けた。 言葉と一緒にいるのが珠姫ひとりなら、まだ何とかなったかも知れないが、 鞘子、段十郎と合流した今、彼らに危害が加わる可能性を考えると、 言葉と一緒にいるのは危険すぎた。 「それよりサヤ先輩、大丈夫でしたか?」 「ああ、平気平気。タマちゃんこそ怪我はない?」 「はい、あたしは大丈夫です」 「そっか」 珠姫と鞘子は、お互いの無事を確認するとホッとため息をついた。 そして鞘子は、地面に落ちている、言葉が先ほどまで使っていた刀を拾い上げると、 「えい、えぇい!」と、2、3回素振りをしてみた。 その刀は、竹刀はもちろん、ソフトボール部時代に振っていた金属バットよりも重かったが、 鞘子の体力ならば、何とか使うことが出来そうだ。 この先、もしまた誰かと戦わなければならない状況になった時、 珠姫だけに戦いを任せるわけにはいかない、という想いからの行動だった。 しかし、確かに棒状の武器が欲しいと望んでいたが、まさか真剣が手に入るとは。 正直、腰が引けそうな思いの鞘子だったが、珠姫の手前、なんとか態度には出さずにいた。 しかし、その珠姫はというと、何だか表情は冴えず、どこか不安げな様子だった。 「ん?タマちゃん、どうしたの?」 「サヤ先輩……、あたし、突きを使ってしまいました」 珠姫の突きは、年上で男の剣道経験者以外には使わないよう、父親から止められている。 それは、室江校剣道部内ではよく知られている事だった。 そして、言葉は年上でも、男でも、剣道経験者でもない。 確かにあの瞬間、言葉から確実に勝利するために突きは必要だったのかも知れなが、 しかし、本当に突きでなくてはならなかったのか?他の技でも良かったのではないか? そんな思いが、珠姫の頭の中をぐるぐると駆けめぐっていた。 (タマちゃん……不安なんだね) 普段無表情なことが多い珠姫だが、考えてることが表情に出ている時は、それが分かりやすいのも、珠姫の特長のひとつだ。 鞘子は、そんな珠姫見ると再会の時とは違い、ゆっくりと優しく抱きしめた。 身長170センチの鞘子がそうすると、身長150センチに満たない珠姫の顔は、 うつむき気味だったこともあり、鞘子の胸に埋まってしまう。 「ありがとねタマちゃん、おかげであたし助かったよ」 「サヤ先輩……、はい」 珠姫はそのまま鞘子の胸に顔を埋めて、しばらく何事か考えているようだったが、 次に顔を上げた時には、不安げな表情は消えていた。 「サヤ先輩って、ちょっとお母さんみたいです」 「お母さんはよしてよー、せめてお姉さんとかさぁ」 「ん、そうですね」 「さあ、タマちゃん。ダン君のところへ案内してよ」 「はい、実は栄花くん、怪我をしていて……」 そうして、珠姫と鞘子のふたりは喋りながら、揃って校舎の中へと入っていった。 【G-3 平瀬村分校内/1日目 日中】 【川添珠姫@BAMBOO BLADE】 【状態】:健康 右頬と咽に薄い刀傷 【装備】:二尺七寸の日本刀 【道具】:支給品一式 確認済支給品0~1 【思考・行動】 1:鞘子を案内して段十郎の看病をする 2:千葉紀梨乃、宮崎都と合流 3:せめて、剣道部のみんなは守りたい 4:人は殺さない、乗った人は多少怪我をさせてでも無力化する 5:一人も殺さず正義の味方として、このプログラムを破壊したいけど……できるかな? 6:花澤を危険人物と認識 【桑原鞘子@BAMBOO BLADE】 【状態】:疲労(中) 【装備】:三尺五寸の日本刀 【所持品】:双眼鏡、66式鉄帽、地図、名簿、コンパス、筆記用具、時計 【思考・行動】 1:珠姫と一緒に段十郎の看病をする 2:千葉紀梨乃、宮崎都と合流したい 3:必要があれば、鷹野神社に置いてきた支給品を取りに行く レミントンM700(5/5)予備弾丸20、その他の支給品(デイバック、食料、水、ランタン) は鷹野神社に隠してきました。 【栄花段十朗@BAMBOO BLADE】 【状態】:重症 後頭部に強い打撲(手当て済み) 【装備】: 【所持品】、デイパック、筆記用具、時計、コンパス、地図、狙撃用スコープ 【思考・行動】 0:……… 1:分校やその近くで争いが起きた場合、なんとかしてそれを止める そしてその方法を考える。それ以外での接触はなるべく避ける 2:室江高のメンバーと合流する。 ※その他の支給品は用務員室に、 モシン・ナガンM1891/30及び予備弾35発は分校跡のどこかに隠されています 「はぁ…、はぁ…、げほっ、げほっ、はぁ…、はぁ…」 言葉は分校の敷地を出た後、珠姫が追ってこないのを確認すると近くの気に寄りかかり、 珠姫の突きを受けて痛む喉を庇いながら、呼吸を整えた。 「はぁ……、はぁ…………」 努力の甲斐あって、言葉の呼吸は徐々に戻ってきた。 「まこ…、ごほ、ごほっ」 しかし誠の名を呟こうとした瞬間、喉の苦しさが一気に戻ってきて、言葉は再び咳き込んだ。 どうやら、しばらく声は出さない方が良いようだ。 (はあ、これからどうしましょう) 衝動的に珠姫から逃げできたが、支給品は全て分校に置いてきてしまった。 しかし、戻ろうとは思わない。言葉は、再び珠姫に会うのが嫌だったのだ。 珠姫の突きは、防具無しでそれを受けた言葉に、ある種のトラウマを残していた。 (もう、川添さんには会いたくないですね) しかし、それならばこれからどうするか?今の言葉は丸腰で、このままでは誠と合流しても、 彼を守るために戦うことも出来ないし、地図やコンパスも無いので、誠を捜すことも出来ない。 (そういえば、あの人の) 言葉はそこで、この島で最初に会った相馬光子のことを思い出した。 確か、彼女の荷物は彼女の死体の側に置いてきたままだ。 そして、その荷物の中には拳銃があったはずだし、地図や食料もあるだろう。 (では、相馬さんの荷物をお借りすることにしましょう) 言葉はそう決めると、相馬光子の死体があるところまでの道順を思い出しながら歩き始めた。 【G-3 平瀬村分校跡付近/1日目 日中】 【桂言葉@School Days】 [状態]:喉にダメージ [装備]: [道具]: [思考] 基本:全ては誠くんのために。優勝狙いだが最終的にどうするかは誠次第 1:相馬光子の支給品を回収する 2:伊藤誠、清浦刹那との合流 3:川添珠姫には近づきたくない 4:誠の無事と意思を確認するまでは積極的に戦わない ただし誠を害する可能性がある者は何をしてでも殺す ※誠以外の人間に対して心を閉ざしました。普通に会話はできます。 しかし、今は声を出すと咳き込んでしまうかも知れません。 色々と変化していますが、本質は変わっていません ※伊藤誠と合流するか、何か言葉にとって衝撃的な出来事があれば元に戻るかもしれません
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桂言葉とアトミックファイヤーブレード ◆xXon72.MI. 「はっ……、はっ……、はっ……」 桑原鞘子は走っていた。 「あたしはやれる!あたしは出来る子だ!」 時折、自らを鼓舞する言葉を叫びながら走っていた。 走っている内に頭からズレてきた66式鉄帽は手に持ち替え、鞘子は走り続けていた。 何故彼女は走っているのか、その理由を説明するためには、 正午にあった放送のさらに少し前まで、時間をさかのぼる必要がある。 「キリノ、タマちゃん、ミヤミヤ、ダンくん、どこ?」 放送前、彼女は鷹野神社付近で双眼鏡片手に室江高校の仲間を探していた。 コンパスや筆記用具、時計、それに地図と名簿は折りたたんでポケットに突っ込み、 その他のポケットに入らない支給品は、双眼鏡と66式鉄帽以外、 デイバックごと鷹野神社に隠しておいた。 最初は、元いた場所で例の拡声器の声を聞きつけた人が来ないか待っていたのだが、 しばらく待っても、あの山に入っていった二人の男子以外、誰もやっては来なかった。 きっと、島の南側であの声を聞いたのは、鞘子とその男子二人だけだったのだろう。 そこで鞘子は、もっと眺めのいい場所はないかと、少しずつ移動しながら仲間を探した。 幸い今の季節、山や林の木々は、そのほとんどが葉を落としており、 双眼鏡を使えばかなりの広範囲を見渡すことが出来た。 そうして鞘子が仲間を捜していると、鞘子の位置から見て西の方で何かが動いた。 「あ!あれは!!」 それはかなり遠くで、肉眼では豆粒ほどにも見えなかったが、 双眼鏡を使ってやっと人だと分かった。 どうやら、歩いている人が二人、ちゃんとした道を歩いている訳ではなく、 道無き道を進んでいるようだ。 そして、その二人の内のひとりに、鞘子は見覚えがあった。 「タマちゃん!!」 見間違えるはずがない。 室江校剣道部のエース兼コーチ兼マスコットの、ここ半年以上ほとんど毎日会って苦楽を共にしてきた仲間の川添珠姫。通称タマちゃんだ。 そのことが分かっただけで鞘子の心臓は高鳴り、目頭が熱くなった。 (くぅぅー、やっと室江のメンバー見つけたよ!) 今回のプログラムのルールなら、同じ学校出身者は確実に安全だろうし、 ルールなど抜きにしても、珠姫ならきっと殺し合いなんかしないだろう。 「あ、あれ?」 しかし喜びもつかの間、珠姫達の姿は、すぐに鞘子から見えなくなってしまった。 鞘子とその二人の間には、たくさんの木々が生えており、いくらほとんどの木が葉を落としているとはいえ、かなり見通しが悪かったのだ。 「待ってー!」 走り出そうとした鞘子だったが、すぐにピタッと足を止めた。 「落ち着けあたし!考えろあたし!」 鞘子と珠姫達の間の距離はかなり離れており、珠姫達も移動していたことを考えると、 今から珠姫達が見えたところへ駆けつけても、その場にたどり着く頃には、 珠姫達は、どこかへ行ってしまった後だろう。 「えっと、えーっと!」 はやる気持ちを抑えながら、鞘子は地図とコンパスを取り出した。 珠姫達が見えたのはおそらく、地図でいうとG-3かG-4の南側あたりだった。 そこを、鞘子から見て右、つまり北側へ向かって移動していた。 ということは、彼女たちが向かっていたのは……。 「平瀬村分校跡…かな?」 半分は勘だったが、珠姫達の見えた場所と移動していた方向から、 鞘子は彼女たちが平瀬村分校跡に向かったものと判断し、今度こそ走り出しだ。 その途中で放送があり、鞘子は無視するわけにもいかず、生唾を飲み込んで放送を聞いた。 名簿の順に読むという死者の発表で、室江が飛ばされた瞬間は涙が出るほど嬉しかったが、 その後読み上げられた死者の数には、信じられないくらい驚いた。 しかし今は、立ち止まっていられない。 禁止エリアも、鞘子には当面関係なさそうな場所だったので、放送が終わると、 鞘子は再び走り出した。 「待っててタマちゃん!待っててみんな!」 平瀬村分校跡では、川添珠姫が栄花段十郎を保健室に運び込み、手当てをしていた。 本当は、段十郎の傷を水で洗ったり、腫れているところを濡れタオルで冷やしたりしてあげたかった珠姫だったが、水道が使えないのでそれは諦めた。 しかし、その保健室には消毒液や包帯、絆創膏などの道具と、ベッドや椅子などの備品が、 この分校が使われていた頃のままの姿で残されており、 珠姫はそれらを使って、何とか段十郎を手当てをしていた。 手当てといっても、出血しているところは、タオルやガーゼで血を拭き取ったあと消毒し、 絆創膏を貼ったり包帯を巻いたりして止血する。 腫れたり、痣になっているところには冷湿布を貼る、といったことしかできなかったが、 やらないよりはマシだろう。 途中で放送が流れた時は、さすがに珠姫も段十郎の手当てを中断し、放送の内容を書き取った。 珠姫は、最初言葉と出会った時にもう死んでいた相馬光子を見ているので、 もう何人かは死んでいる人いるのかも知れないと予想はしていたが、すでに10人もの犠牲者が出ていることに驚愕した。 一人も殺さず正義の味方として、このプログラムを破壊すると、この島で最初に目覚めた時、 珠姫は心に誓ったが、現実には言葉ひとりにすら手を焼いている状況だった。 その間に、相馬光子を除いても9人、珠姫の知らないところで死んでいったことになる。 今回の放送時点では室江校剣道部の仲間は無事だったようだが、 こんな事ではプログラムの破壊どころか、仲間を守ることすら出来ないかも知れない。 (やっぱり、無理なのかな……) やはり、国家権力を前にひとりの高校生ができる事など、たかが知れているのだろうか。 珠姫は自分の無力さを痛感し、同時に少し弱気になっていた。 放送が終わると珠姫はそんな弱気を振り払うためにも、段十郎に声をかけ、手当てを続けた。 「栄花くん、大丈夫?」 段十郎に意識はなく、当然反応も無かったが、脈や呼吸はしっかりしているし、 それほど苦しんでいる様子もないところを見ると、重傷ではあるが、 今すぐ命に関わる怪我という訳でもないようだ。 そのうちに、段十郎はすやすやと寝息を立て始め、珠姫はそれを見て少し安心した。 それまでの間、桂言葉は珠姫を手伝う事も、邪魔する事もなく、 珠姫が段十郎を保健室に運び込むのも、段十郎に手当てをするのも、ただ黙って見ていた。 放送の時も、言葉は無表情で、禁止エリアをメモしたり、死者の名前に線を入れたりした。 自分と同じ榊野学園の加藤乙女と西園寺世界の名前が呼ばれた時も、それは変わりなく、 ただ作業的に、加藤乙女と西園寺世界の名前に線を入れていた。 もちろん、言葉は考える事をやめてしまった訳では無い。態度や表情に出さないだけだ。 珠姫が段十郎を手当てしている間も、言葉は言葉なりに頭を働かせていた。 考えていたことは、もちろん伊藤誠のことだ。 誠は無事だろうか? 誠と合流するにはどうしたら良いだろうか? こういったことが、言葉の思考の大半を占めていた。 放送も、誠の名前さえ呼ばれなければ、他はどうでも良かった。 禁止エリアは、誠を探す上で必要だからメモしただけ。 名簿に線を入れたのは、もし誠が優勝を目指していた時に必要になるかも知れないから。 全ては誠のためだった。 そして今現在、言葉が考えているのは、自分自身の現状についてだった。 誠を捜し出して守るのは、言葉自身の役目なのだから。 (良くないですね……) 盾代わりに良いし、利用してやろうと思って珠姫に従うことにした言葉だったが、 怪我人である段十郎との合流は誤算だった。 言葉としては、一刻も早く誠を捜しに行きたいところだったが、 珠姫と段十郎が合流したおかげで、今は保健室に足止めされてしまっている。 それに、先ほど逃げた、優勝を目指していると言ったあの男のことも気になっていた。 もし、自分達がこうしている間にあの男が誠を襲ってたら、そう考えると言葉は 居ても立ってもいられなかったし、今更ながら追わなかったことを後悔していた。 (もう、いっそのこと……) 用済みというわけではないが、珠姫と段十郎が自分にとって足枷となるのなら、 早い内に排除した方が良いのかも知れない。 言葉はそう考えはじめ、段十郎の手当てをしている珠姫の背中を見つめた。 言葉の瞳に、漆黒の闇が広がっていった。 「ん?」 そんな言葉の視線に気づいたのか、珠姫が後ろを振り返り、 言葉は目をそらすように、窓の外へと視線を向けた。 窓の外には小さな校庭が広がっており、言葉がその校庭を眺めるふりをすると、 ちょうど誰か校庭に入ってくるのが見えた。 「どうしたんですか?」 「誰か来たみたいですよ」 「え、本当ですか?」 珠姫の質問は、自分に向けられていた視線のことだったが、 言葉は、分校の敷地に入ってきた人物のことを答えた。 その言葉の声に誘われて、珠姫も保健室の窓に近づいた。 (サヤ先輩!) その人物は珠姫と同じ制服で、赤毛のロングストレートヘアー、 そう、珠姫と同じ剣道部の先輩、桑原鞘子だった。 (よかった、サヤ先輩、元気そう) (あとは宮崎さんとキリノ先輩を見つければ、剣道部のみんなが揃うな) (プログラムを壊すのが無理でも、せめて剣道部のみんなは守りたいな) (あれ?サヤ先輩、デイバック持ってない。どうしたんだろう?) 鞘子の姿を見て、停滞気味だった珠姫の頭に色々な考えが浮かんできた 「私、行きますね」 言葉はその間に、自分の刀だけ持って保健室を出て行ってしまった。 「待って下さい、あたしも行きます」 それを見た珠姫も、刀だけ持って言葉の後を追った。 段十郎を残していくのは気がかりだったが、刀を持った言葉を放っては置けなかった。 「タマちゃん!やっぱりタマちゃんだったんだね!」 そうして校舎から出てきた珠姫を見つけると、鞘子はすぐさま珠姫に駆け寄って抱きついた。 「会いたかったよー、タマちゃん」 「はい、あたしもです」 鞘子と珠姫のふたりの顔には、この島へ来て初めての笑みがこぼれていた。 「うー、タマちゃーん」 「あの、サヤ先輩、痛いです」 「あぁ、ゴメンゴメン」 感激のあまり珠姫をギューッと抱きしめていた鞘子だったが、 珠姫が声を上げたところで、やっと珠姫を解放した。 (また、川添さんの仲間ですか…) そんなふたりを見ていた言葉の瞳には、より一層深い闇が広がっていった。 (やっぱり、私ひとりで誠くんを捜した方が効率が良さそうですね) きっと、鞘子と珠姫のふたりは、段十郎が動けるようになるまでこの分校に留まるだろう。 そして、言葉を見張るという珠姫は、言葉の別行動など許さないかも知れない。 そんな風に考え、言葉は手に持っている刀にそっと視線を落とした。 「あら?タマちゃんそっちの子は?」 「あ、桂さんです」 そこでやっと、鞘子は珠姫の後ろにいた言葉に目を向け、紹介を求めた。 「どうも」 言葉もその声に視線を戻し、鞘子に軽く挨拶をした。 鞘子は、そんな言葉の目を見て、背筋が凍り付くのを感じた。 明らかに普通じゃない。鞘子は、何とも言えない混沌としたものを見た気がした。 「そっそう…、桂さん……」 それでも、珠姫が一緒にいるのだから害はないはずと考え、鞘子は何とかそう返した。 ちなみに珠姫は、最初に言葉と斬り結んで以来、一度も言葉と目を合わせていなかった。 普段から、珠姫は剣道以外ではあまり人と目を合わせない方だし、 一度、真剣で斬り合った相手と目を合わせるのは、何となく気まずかったのだ。 「あ、そうだサヤ先輩」 「ん、なあに?」 固まってしまっていた鞘子だったが、珠姫の声で我に返ると、珠姫に視線を戻した。 「ここの保健室に…」 ドン (え?) 「ここの保健室に、栄花くんがいるんです」そう言おうとした珠姫だったが、 その瞬間、突然背中を押され、体重の軽い珠姫はそのまま鞘子の方へ飛び込む形となった。 カチャ 押された瞬間には、何が起こったのか分からなかった珠姫だったが、 その音が、言葉が刀に手をかけた音だという事は分かった。 (しまった!) そこで珠姫は自分が言葉に突き飛ばされたということと、言葉の狙いを理解した。 (斬られる!) そう思った珠姫だったが、その時にはもう珠姫自身ではどうにも出来ないほど 体勢が崩れた後であり、珠姫はそのまま鞘子の体に飛び込むことしかできなかった。 「タマちゃん!」 言葉に背を向けていた珠姫は、言葉の動きが見えなかったが、 鞘子は、言葉と目を合わせた後だったこともあり、言葉のことを視野に入れて警戒していた。 そんな鞘子の反応は早く、言葉に突き飛ばされた珠姫を抱きとめると、 次の瞬間には珠姫の体をグイッと引っ張り、体の位置を入れかえた。 ヒュッ ガキィン そして鞘子は、手に持っていた66式鉄帽で、言葉の抜き打ちを受け止めた。 言葉にとって予想外の、鞘子にとってはある程度予想通りの振動が、ふたりの腕に伝わった。 「うっ」 「この!」 さらに鞘子は、言葉が予想外の鉄同士がぶつかる衝撃に怯んだところに、 中学時代ソフトボール部のレギュラーだったその強肩を活かして、66式鉄帽を投げつけた。 「くっ」 言葉は、とっさにそれを刀の柄で受け止めたが、その隙に鞘子は後ろにいた珠姫の手を取り、 一目散に走り出した。 「逃げるよ!タマちゃん!!」 「……逃がしません」 鞘子の剣道部での実力は、団体戦での彼女の対戦順が示す通り中堅程度だが、 基礎体力や運動神経に関しては、剣道部どころか室江高校全体でもトップクラスだ。 鞘子は、その健脚でグイグイと珠姫を引っ張り加速していく。鷹野神社からここまで、 ずっと走ってきて疲れてはいたが、そんなことで彼女の脚は鈍らなかった。 言葉も、刀の鞘を投げ捨てるとすぐに後を追ったが、これは追いつけないかも知れない。 (あの人、思ったよりもやりますね) 追いかけながら、言葉は「サヤ先輩」について考えていた。 確かに体格は良いし運動も出来そうに見える。現に足は相当速い。 しかし立ち振る舞いなどから、剣の腕は自分より劣るだろうと、言葉は思っていたのだ。 しかし、先ほど自信を持って放った抜き打ちを、あの「サヤ先輩」は受け止めた。 あれが偶然でないとすると、自分の中での評価を改めなくてはならないかも知れない。 しかし、実は言葉の抜き打ちが防がれたのは、言葉自身に原因があった。 言葉の居合いはとても美しく、しかも剣速は尋常でないほど速い。 ソフトボールと剣道で鍛えた鞘子の動体視力でも、その刃を目で捉えることは出来なかった。 しかし、言葉の剣はとても綺麗であるが故に、多少武道をかじったことのある者であれば、 言葉が実際に刀を振る一瞬前に、その太刀筋が「視」えてしまうのだ。 少し前に、空手の経験がある花澤三郎を斬り損ねたのも、これが原因だった。 一方、鞘子と珠姫は言葉を順調に引き離し、このまま分校の敷地を出れば逃げ切れるかに見えたが、ふと、珠姫は保健室にいる段十郎のことを思い出した。 自分自身が斬られそうになったことで忘れていたが、もし、珠姫達が逃げてしまったら、 言葉の矛先は保健室で寝ている段十郎へ向かうだろう。 「サヤ先輩、待って下さい!校舎の中に栄花くんがいるんです!」 「え!?どわあああ!!」 この季節、地面には霜が降りており、昼の日光がそれを溶かして、 ところどころ、土のぬかるんだ場所が存在していた。 悪いことに、珠姫の制止の声を聞いて鞘子が振り返ったその瞬間、 鞘子の足は、そのぬかるんだ地面を踏んでしまい、鞘子は派手にすっ転んだ。 それでも鞘子は転ぶ瞬間、珠姫を巻き込まないようとっさに手を放した。 人は転びそうになると、何かに掴まろうとするものだが、鞘子はその逆をやってのけたのだ。 彼女の高い運動神経と、後輩を想う気持ちが成せる技だった。 「大丈夫ですか!サヤ先輩!」 「もう、逃げないで下さいね」 「……!!」 おかげで珠姫は無事だったが、その間に言葉に追いつかれてしまった。 鞘子は転んだばかりで、まだ起きあがれないでいる。 それを見た珠姫は、鞘に収まったままの刀を構え、言葉へ一歩踏み出した。 (サヤ先輩は、あたしが守る!!) そのためには、相手に多少怪我をさせるのも仕方がない。手加減して勝てる相手じゃない。 守るべき人を背に、珠姫はこの島に来て初めて人を傷つける覚悟を決めた。 (川添さん、雰囲気が変わりましたね) 言葉は、ふたりに追いついた瞬間に斬り捨てようとしていたのだが、 珠姫の様子を見て一足一刀よりも半歩ほど遠めの間合いを取り、足を止めた。 最初に珠姫と斬り合った時感じた、どこか遠慮したような雰囲気が無くなっている。 どうやら、さっきので珠姫を本気にさせてしまったようだ。 「……許しません」 「そうですか」 最初に剣を合わせた時のように、珠姫は中段の構え、言葉は脇構えで睨み合った。 (絶対に勝つ!) 珠姫は、ここで負ける訳にはいかなかった。 珠姫がここで斬られるということは、珠姫、その後ろの鞘子、それに保健室の段十郎、 三人の死を意味する。 珠姫は、確実に言葉から勝利する方法を考えた。 珠姫と言葉が最初に剣を合わせた時、珠姫が言葉に負けていると感じた要素は二つ。 リーチと剣速だ。 この内、リーチは体格差と刀の長さの差であり、どうしようもない。 もっとも、珠姫の場合普段から自分より大きな相手とばかり稽古しているので、 体格差に関しては、特に気にならない。 刀の長さ関しては、最初に戦った時、間合いを見誤ったことで、頬と首にかすり傷を負ってしまったので注意が必要だ。 逆に言えば初見だった前回と違い、今回は刀の長さ分かっているので注意さえすればいい。 次に剣速だが、珠姫が負けている大きな原因は、珠姫が鞘付きのまま刀を使っているということにある(と、珠姫は思っていた)。 剣道家である珠姫の父は真剣も持っているので、珠姫も真剣に触るのは初めてではないし、 稽古では真剣並みに重い素振り用の木刀で、素振りをしたりもする。 だが、鞘がついたままの刀は、それよりももっと重かった。 しかし、今の時点では刀を鞘から抜くつもりは無い。 怪我をさせても仕方ないとは思ったが、殺してもいいとは思っていないし、 第一この状況では、刀を鞘から抜く暇は無いだろう。 (それなら……) 動きが最小限で済み、得物が重くても剣速が鈍らないであろう技。 珠姫は、そんな技を頭に思い浮かべ、すり足でジリジリと間合いを詰めていった。 (さて、どうしましょう?) 一方、言葉は冷静に状況を分析していた。 言葉も、最初に珠姫と剣を合わせた時、自分が珠姫に勝るのはリーチと剣速だと感じていたが、 その、最も大きな原因は、覚悟の差だろうとも思っていた。 人を殺すことの何の躊躇もない言葉と、明らかに人を傷つけることを恐がっている珠姫とでは、 振りの鋭さが全然違っていた。 だが、珠姫が本気になった今、この覚悟の差は最初に比べ縮まっているだろう。 しかし、プログラム開始直後から覚悟を決めていた言葉と違い、 珠姫が覚悟を決めたのはついさっきで、しかも、刀は鞘に収まったまま。 まだ、人を殺す覚悟までは出来ていないと見える。 (それでは…) それなら、少し話をしてそこを揺さぶれば、珠姫の覚悟は簡単に揺らぐのではないか。 言葉はそう考え、口を開いた。 「私は…」 「きあああああああああ!!!」 言葉が、話術で珠姫の覚悟を削ごうとしたその瞬間、 珠姫の、本気の気合いの掛け声がその場の大気を振るわせた。 「……っ!」 剣道では、こういった声を上げるということを知っていた言葉だったが、 珠姫ほどの気合いを目の当たりにするのは初めてだった。 しかも喋ろうとした瞬間だった事もあって、一瞬息が詰まり、体も硬直してしまった。 ザッ 言葉が息を詰まらせたのは本当に一瞬で、それに伴う隙もほんの僅かなものだったが、 珠姫はその隙を見逃さず、一気に踏み込んだ。 圧倒的な速さと、踏み込んだ瞬間を悟らせない巧みさを併せ持ったその踏み込みに、 言葉は、全く反応できなかった。 そして、室江校剣道部員からアトミック・ファイヤー・ブレードと呼ばれている、 川添珠姫必殺の突きが、言葉に炸裂した。 「突き!!!」 ガチン 剣士と言えるほどの実力を持つふたりだったが、剣士としての格が違いすぎた。 その突きは、ワンクッションあった方が怪我が軽くて済むだろうという、珠姫の情けから、 言葉の首輪に命中した。 しかし、もちろん首輪に当たったからといって受けた方が平気なはずもなく、 言葉は2メートル近く吹っ飛んで、背中から地面に落ちた。 「…………」 言葉はそのまま仰向けに倒れ、突然目の前に広がった青空を呆然と眺めた。 「……!?ごほっ、ごほっ、げほっ」 しかし、すぐに突かれた喉が苦しくなり、両手で喉を押さえるとゲホゲホと咳き込みだした。 手に持っていた刀は、吹っ飛ばされた拍子に落としてしまっていた。 「げほっ、げほっ、ひゅー、ひゅー、ごほっ、ごほっ」 言葉は息がうまく出来ないらしく、苦しそうに咳き込みながら、 時折、喉からひゅうひゅうという音をさせていた。 珠姫は、そんな言葉の側に歩み寄ると手を差し伸べながら声をかけた。 「大丈夫ですか?」 しかし、その台詞とは裏腹に、珠姫の目は据わっていた。 「……!!」 言葉はそんな珠姫の目を見ると、珠姫の手は取らずに立ち上がり、 ヨロヨロとした足取りで、分校の敷地を出て行った。 珠姫はそれを追わず、黙って言葉の背中を見送った。 「行かせちゃって良かったの?」 「あ…、サヤ先輩」 その頃にはすでに立ち上がっていた鞘子が、珠姫に声をかけた。 そういえば、珠姫が覚悟を決めたキッカケは鞘子だったが、 その後、言葉に集中するあまり、珠姫は鞘子のことを少しの間失念していた。 「はい、……これでよかったと思います」 鞘子の声で現状を思い出した珠姫は、そう答えると 「一緒にいたら、きっとまたこういう事になると思いますから」と続けた。 言葉と一緒にいるのが珠姫ひとりなら、まだ何とかなったかも知れないが、 鞘子、段十郎と合流した今、彼らに危害が加わる可能性を考えると、 言葉と一緒にいるのは危険すぎた。 「それよりサヤ先輩、大丈夫でしたか?」 「ああ、平気平気。タマちゃんこそ怪我はない?」 「はい、あたしは大丈夫です」 「そっか」 珠姫と鞘子は、お互いの無事を確認するとホッとため息をついた。 そして鞘子は、地面に落ちている、言葉が先ほどまで使っていた刀を拾い上げると、 「えい、えぇい!」と、2、3回素振りをしてみた。 その刀は、竹刀はもちろん、ソフトボール部時代に振っていた金属バットよりも重かったが、 鞘子の体力ならば、何とか使うことが出来そうだ。 この先、もしまた誰かと戦わなければならない状況になった時、 珠姫だけに戦いを任せるわけにはいかない、という想いからの行動だった。 しかし、確かに棒状の武器が欲しいと望んでいたが、まさか真剣が手に入るとは。 正直、腰が引けそうな思いの鞘子だったが、珠姫の手前、なんとか態度には出さずにいた。 しかし、その珠姫はというと、何だか表情は冴えず、どこか不安げな様子だった。 「ん?タマちゃん、どうしたの?」 「サヤ先輩……、あたし、突きを使ってしまいました」 珠姫の突きは、年上で男の剣道経験者以外には使わないよう、父親から止められている。 それは、室江校剣道部内ではよく知られている事だった。 そして、言葉は年上でも、男でも、剣道経験者でもない。 確かにあの瞬間、言葉から確実に勝利するために突きは必要だったのかも知れなが、 しかし、本当に突きでなくてはならなかったのか?他の技でも良かったのではないか? そんな思いが、珠姫の頭の中をぐるぐると駆けめぐっていた。 (タマちゃん……不安なんだね) 普段無表情なことが多い珠姫だが、考えてることが表情に出ている時は、それが分かりやすいのも、珠姫の特長のひとつだ。 鞘子は、そんな珠姫見ると再会の時とは違い、ゆっくりと優しく抱きしめた。 身長170センチの鞘子がそうすると、身長150センチに満たない珠姫の顔は、 うつむき気味だったこともあり、鞘子の胸に埋まってしまう。 「ありがとねタマちゃん、おかげであたし助かったよ」 「サヤ先輩……、はい」 珠姫はそのまま鞘子の胸に顔を埋めて、しばらく何事か考えているようだったが、 次に顔を上げた時には、不安げな表情は消えていた。 「サヤ先輩って、ちょっとお母さんみたいです」 「お母さんはよしてよー、せめてお姉さんとかさぁ」 「ん、そうですね」 「さあ、タマちゃん。ダン君のところへ案内してよ」 「はい、実は栄花くん、怪我をしていて……」 そうして、珠姫と鞘子のふたりは喋りながら、揃って校舎の中へと入っていった。 【G-3 平瀬村分校内/1日目 日中】 【川添珠姫@BAMBOO BLADE】 【状態】:健康 右頬と咽に薄い刀傷 【装備】:二尺七寸の日本刀 【道具】:支給品一式 確認済支給品0~1 【思考・行動】 1:鞘子を案内して段十郎の看病をする 2:千葉紀梨乃、宮崎都と合流 3:せめて、剣道部のみんなは守りたい 4:人は殺さない、乗った人は多少怪我をさせてでも無力化する 5:一人も殺さず正義の味方として、このプログラムを破壊したいけど……できるかな? 6:花澤を危険人物と認識 【桑原鞘子@BAMBOO BLADE】 【状態】:疲労(中) 【装備】:三尺五寸の日本刀 【所持品】:双眼鏡、66式鉄帽、地図、名簿、コンパス、筆記用具、時計 【思考・行動】 1:珠姫と一緒に段十郎の看病をする 2:千葉紀梨乃、宮崎都と合流したい 3:必要があれば、鷹野神社に置いてきた支給品を取りに行く レミントンM700(5/5)予備弾丸20、その他の支給品(デイバック、食料、水、ランタン) は鷹野神社に隠してきました。 【栄花段十朗@BAMBOO BLADE】 【状態】:重症 後頭部に強い打撲(手当て済み) 【装備】: 【所持品】、デイパック、筆記用具、時計、コンパス、地図、狙撃用スコープ 【思考・行動】 0:……… 1:分校やその近くで争いが起きた場合、なんとかしてそれを止める そしてその方法を考える。それ以外での接触はなるべく避ける 2:室江高のメンバーと合流する。 ※その他の支給品は用務員室に、 モシン・ナガンM1891/30及び予備弾35発は分校跡のどこかに隠されています 「はぁ…、はぁ…、げほっ、げほっ、はぁ…、はぁ…」 言葉は分校の敷地を出た後、珠姫が追ってこないのを確認すると近くの気に寄りかかり、 珠姫の突きを受けて痛む喉を庇いながら、呼吸を整えた。 「はぁ……、はぁ…………」 努力の甲斐あって、言葉の呼吸は徐々に戻ってきた。 「まこ…、ごほ、ごほっ」 しかし誠の名を呟こうとした瞬間、喉の苦しさが一気に戻ってきて、言葉は再び咳き込んだ。 どうやら、しばらく声は出さない方が良いようだ。 (はあ、これからどうしましょう) 衝動的に珠姫から逃げできたが、支給品は全て分校に置いてきてしまった。 しかし、戻ろうとは思わない。言葉は、再び珠姫に会うのが嫌だったのだ。 珠姫の突きは、防具無しでそれを受けた言葉に、ある種のトラウマを残していた。 (もう、川添さんには会いたくないですね) しかし、それならばこれからどうするか?今の言葉は丸腰で、このままでは誠と合流しても、 彼を守るために戦うことも出来ないし、地図やコンパスも無いので、誠を捜すことも出来ない。 (そういえば、あの人の) 言葉はそこで、この島で最初に会った相馬光子のことを思い出した。 確か、彼女の荷物は彼女の死体の側に置いてきたままだ。 そして、その荷物の中には拳銃があったはずだし、地図や食料もあるだろう。 (では、相馬さんの荷物をお借りすることにしましょう) 言葉はそう決めると、相馬光子の死体があるところまでの道順を思い出しながら歩き始めた。 【G-3 平瀬村分校跡付近/1日目 日中】 【桂言葉@School Days】 [状態]:喉にダメージ [装備]: [道具]: [思考] 基本:全ては誠くんのために。優勝狙いだが最終的にどうするかは誠次第 1:相馬光子の支給品を回収する 2:伊藤誠、清浦刹那との合流 3:川添珠姫には近づきたくない 4:誠の無事と意思を確認するまでは積極的に戦わない ただし誠を害する可能性がある者は何をしてでも殺す ※誠以外の人間に対して心を閉ざしました。普通に会話はできます。 しかし、今は声を出すと咳き込んでしまうかも知れません。 色々と変化していますが、本質は変わっていません ※伊藤誠と合流するか、何か言葉にとって衝撃的な出来事があれば元に戻るかもしれません 45:第一放送 投下順で読む 47:覇王樹 45:第一放送 時系列順で読む 47:覇王樹 ▲
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「…ひーまー!」 なんて叫んでみても、状況がかわるわけもなく。 彼女、安井絵里奈は退屈していた。 せっかく今日で定期テストが終わったってのに、憂さ晴らしにカラオケでも行こうにも友人はみなデート、デート、デート。 「あーあ、なんであたしには恋人の1人や2人もいないのよー!」 などと愚痴りながら、あてもなくフラフラと歩き回るが、彼女の憂鬱が解消されることはなかった。 なんとなく、近所の雑木林に寄ってみると、草むらの中に座り込んでいる1人の少女の姿が目に入った。 白いワンピースを着て、こちらに背を向けて座っている。 (…かわいい) 真っ先に思い浮かんだのはその言葉だった。 綺麗な黒い長髪で結われた三つ編みが純白のワンピースと透き通るような肌をさらに引き立て、それでいて――― (…って、何考えてんの私!これじゃまるでロリコンじゃない!) 絵里奈は心の中で自分に軽くツッコミを入れ、でもせめて顔くらいは拝んで帰ろう、と思って近づいた時、少女が少し声を出していることに気付いた。 それも普通の声ではなく、「あっ…!」とか、「んん、っ…!」といった、色っぽい声を。 よく見ると、両手がせわしなく動いているようにも見える。 (え…これってまさか…!?…いやいやいや、そんな、こんな小学生くらいの子が、まさかね!) 「あ、はぁ、っ!あ…―――っっっ!!」 無理矢理自分を納得させようとした絵里奈のことなど露知らず、少女は一段と高い声をあげ、身体を震わせた。 一瞬の沈黙ののち、少女ははぁっ…はぁっ…と荒い息を整え、絵里奈のほうに振り向いた。 「ふぅ…。で、お姉さん、何の用ですか…?」 「え!?あ、ああああたしはその、たまたま通り掛かっただけのしがない女子高生だけど!?」 こんなあどけない少女の自慰行為を見てしまったという後ろめたさと、振り向いた少女の色っぽさに当てられて、絵里奈はすっかり動揺してしまった。 もっとも、平日の昼間で人気がないとはいえ、雑木林の中などで自慰をしていた少女の方に落ち度があるのだが。 「そ、そそそそれより!お嬢ちゃんは、こんなところでナニしてたの!?」 「何って…野外オナニーですけど」 「そーいうこと女の子が言っちゃらめええええ!」 どうやら、少女は自慰を見られたことについてなんとも思っていないらしい。 (これじゃ、キョどってるあたしの方が変な子みたいじゃない…) 絵里奈はなるべく冷静になろうと努めた。とにかく、この少女に一言言ってやらなければ気が収まらない。 「あのねお嬢ちゃん!そもそも…」 「あの、お嬢ちゃんっていうのやめてもらえませんか。私にはちゃんと、大河珠姫って名前があるんで」 「はいはい、珠姫ちゃんね。で、どーして珠姫ちゃんは昼間っからこんなとこでオナ…うっ、えっちなことなんてしてるわけ?学校は?」 「お姉さんこそ、どうしてこんなところにいるんですか」 「ちょっと珠姫ちゃん、自分は名前で呼ばせといてあたしのことはお姉さんなんてズルいじゃない?ちゃんと絵里奈さんって呼んで」 「すいません、絵里奈さん。で、絵里奈さんはどうしてここにいるんですか?」 「高校には定期テストってものがあるの!はい、次珠姫ちゃんの番!学校は?」 「サボりです。どうせ私がいてもいなくても変わりないんだから」 「でも、お友達やご両親は…」 「みんな、私のことなんてどうでもいいんです。私をまともに見ようともしない、私のことを理解しようとしない」 それまでと違い、どこか悲しそうな目をしながら、珠姫はそう呟いた。 そして絵里奈は、そんな悲しい境遇の少女を放っておけるような人間ではなかった。 気付いた時には、珠姫は絵里奈の腕の中に抱かれていた。 「絵里奈、さん…?」 「嘘だよ…!そんな悲しい話、ないよ…!親も友達もそんなことするなんて、絶対嘘…!」 「残念ながら本当のことです。少し同世代の子から浮いてるということだけで、私は周囲の他者全てから拒絶されました。殺されたり捨てられたりしなかっただけ、まだマシってものです」 「じゃ、じゃあ!」 絵里奈は珠姫の肩を掴み、しっかりと目を見つめ、叫んだ。 「あたしが珠姫のこと理解する!あたしが、珠姫を大事にする!」 「あなたが、私を理解する?今知り合ったばかりなのに?」 「これから理解していくの!とにかく、あんたを1人になんかしない!ずっとあたしが傍にいる!」 事情を知らない他人が聞いたら、まるで告白とでも思うような言葉を、絵里奈は恥ずかしげもなく叫んだ。 固かった珠姫の表情が、ほんの少し綻ぶ。 「絵里奈さんのこと、信じていいんですか…?」 「もちろん!そのかわり、あたしは一度決めたら全力でいくから、珠姫もちょっと覚悟して…え?」 絵里奈の言葉が終わる前に、今度は珠姫のほうから絵里奈の胸に飛び込んだ。 一瞬戸惑った絵里奈だったが、珠姫の頭にポンと手を乗せ、軽く撫でてやる。 (やっぱり、こーいうとこは子供だなあ) などと微笑ましく、まるで母にでもなったかのような気持ちでいると。 「…理解、してくれるんですよね?」 「…ん?―――きゃっ!?」 視界が突如、満天の青空に変わる。中腰で珠姫を抱きしめていたため、バランスを崩して倒れてしまったのだろう。地面の芝生のおかげで、目立ったケガはなく済んだが。 「あたた…って何してんのよっ!?」 見ると、絵里奈の上に乗っかった珠姫が、絵里奈のカッターシャツのボタンを外していた。早くも上の3つが外され、胸元の素肌とブラが外気に晒されている。 「私のこと、理解してくれるんでしょう?だったら、私がエッチな女の子だってことも理解してもらわないと。」 「いや、それとこれとは別…ってちょっ!シャツ脱がすなああ!」 「ちょっと強硬手段でいかせてもらいます。確かめたいことがあるんで」 話している間に、珠姫は全てのボタンを外し終えていた。 そのままシャツをずらし、絵里奈の腕を頭の上で組ませてシャツで縛る。 「ちょ、やめてー!放せー!襲われるー!」 「そんな大声出したらさすがに人が来ますよ。小学生にレイプされる女子高生、なんて紹介されて1番恥ずかしいのは誰ですか?」 「う…!」 流石にそれはマズイと判断し、絵里奈は口をつぐんだ。 しかし、もはやブラしか付けていない自分の上半身を珠姫に舐め回すように凝視され、冷静でいられるわけもなかった。 「絵里奈さん、やっぱり胸大きいですね」 「この状況で言われても嬉しくないわ…。ねえ、いつまで見てるつもりなの?」 「待ってください。…やっぱり、見ただけじゃわからないな…実践あるのみ、です」 「実践って何を…ひぁっ!」 いきなり胸から電流が走り、絵里奈はのけ反った。 見ると、珠姫の指が、ブラの頂点を軽く摘んでいた。 「やっぱり…絵里奈さんの乳首、硬くなってます」 「やっ、あ…!放し、てぇぇ…!」 「絵里奈さん、敏感ですねー。ここ、そんなに気持ちいいんですか?」 少し笑みを浮かべながら珠姫が問い掛けるが、絵里奈は満足に答えることもできない。 指が離れ、ようやく深呼吸出来るようになった。 「ぁ、はぁ、は、ぁ…いきなり、何すんのよぉ…」 「ちょっと確かめたかっただけです。絵里奈さんが変態かどうか」 「なあっ!?変態なのは珠姫のほうでしょ!?」 「失敬ですね。私のオナニー見て興奮してたんでしょ、絵里奈さん?ほら、ここも」 「きゃっ、ちょ、何すんのよっ!?」 絵里奈の上から降りた珠姫は、絵里奈の足元に寝転び、スカートの中に頭を突っ込んだ。 「あんた、どこ入っ―――あん!」 今度は股間から、さっきより激しい快感が絵里奈を襲った。 ねちゃ、ねちゃと卑猥な音を出しながら、珠姫の指が絵里奈を責め立てる。 やっと股間から離れた珠姫が、自身の指を絵里奈の眼前に見せ付ける。 「ほら、見てください。これ、絵里奈さんの愛液ですよ?やっぱり絵里奈さん、私のオナニー見て濡らしてたんですね」 「ち、違っ…!それは、さっきあんたが指で…」 「じゃあ、ブラ越しに乳首を弄られるだけでこんなに濡らしたんですか?絵里奈さん、ずいぶんエッチな身体してるんですね」 「…あんた、性格悪い…」 「理解してくれるんでしょう?私が、こういう性格だってことも」 絵里奈は、先程の自分の言葉を心の底から後悔した。 目の前の少女は、小悪魔なんてもんじゃない。まさしく悪魔だ。 「わかった、わかったわよー!煮るなり焼くなり好きにしなさいよー!」 「ふふ…じゃあ、お言葉に甘えて」 珠姫の手が、絵里奈のパンティを引きずり下ろした。スカートもめくられ、絵里奈の秘部を隠す物は何もない。 「ちょ、ちょっと!いくらなんでもそれは恥ずかし…っああ!ん!や、あ!」 「すごい…絵里奈さんのナカ、ぐちょぐちょてすごく熱いです…」 「そんな、言っちゃ、やだぁ!ん、だめ、激し、あ、あ!」 絵里奈の懇願も聞き入れられず、珠姫の指は膣の中を蹂躙する。 「絵里奈さん、もしかして経験ないんですか?」 「そうよぉ、初めてよぉ…っ!ん!珠姫こそ、なんでこんなに、じ、上手なのっ!」 「私も初めてですよ?そういう本で勉強しただけです。こんなこととかも、ね」 絵里奈の意識が性器に集中している隙に、ブラも剥ぎ取る。 珠姫の舌が乳首に触れると、絵里奈は不意打ちの快感に身を悶えさせた。 「あ、舐めない、でぇぇっ!それ、ヤバいのぉっ!」 「ん、れろ…絵里奈さんは胸が敏感、ですね」 「やだ、だめ、つぅっ、あ、っあん!やめ、あ、あたしだめ!」 「あ、イキます?ふふ、思ったより早かったですねえ、どうぞ」 「あぁんっ!イク、イっちゃ、イっちゃぅぅぅぅああぁぁぁぁぁぁ!!」 珠姫がさらに侵入させた2本の指と舌での責めに限界を迎え、絵里奈は果ててしまった。 がくがくと身体が震える。 珠姫は満足そうな顔をして指を引き抜いた。 腕を縛っていたシャツをほどき、絵里奈の上体を支えて起こしてやる。 「はぁ、はぁっ、はっ、ごめ、たまき…」 「いえいえ、絵里奈さんの乱れるところ、すごく素敵でしたよ?」 「う、うるさ…っん!」 またもや不意打ちで、珠姫が乳首に吸い付いた。 絵里奈が喋ろうとした言葉は、喘ぎ声に変わってしまう。 「あ、まだ、あたし動けな…っ、あん…」 「大丈夫です、ちょっとオカズにするだけなんで」 「あんた、何言って…あぅ!んっ、両方なんてダメ、え…!」 珠姫は片方の乳首を舐めながら、指でもう片方の乳首を摘んだ。 「んんっ…!れろ、ふ、う…!」 「あぁぁっ、珠姫ぃっ…!」 「あ、は、あ…っ!んんっ…!」 絵里奈は、珠姫の責めが少し弱くなってきていることに気付いた。 快感に耐えながら珠姫の方を見ると、自分でワンピースの中に手を突っ込んで慰めていた。 (まだちょっと力入んないけど、うまく体重をかけて…) 「んあ、あ、え…いっ!」 「ふぁっ…!?」 「ふふふ、これで形勢逆転ね」 珠姫を押し倒し、絵里奈が不敵な笑みを浮かべる。 「まさか、もうそんなに動けるとは思いませんでした」 「あんたねえ、自分でえっちなことしながらあたしをイカせられるとでも思ってんの?女子高生ナメんじゃないわよ!」 「舐めないでー、それヤバいのー!…とか言ってた人の発言とは思えませんね」 「う、うるさい!とにかく、あんたもさっさと脱ぐ!」 少し体を浮かし、珠姫のワンピースを脱がしてしまう。 小学生らしい起伏の少ない身体と、それに似合わず愛液を垂れ流す秘部が露になった。 「あんた…下着は?」 「さっきオナニーしてそのままなんで、ポーチに入れっぱなしです。流石の私も、常日頃からはいてないわけじゃありません」 「ああ、そうよね、びっくりした…まあいいわ、じゃいただきます」 絵里奈は珠姫の足を強引に開かせて股間に顔を埋めると、割れ目に舌を這わせた。 「んちゅっ…んあ、ヘンな味ぃ…」 「あぁっ…!絵里奈さんっ、クンニ気持ちいいですっ…!」 「あんた程じゃないかもだけど、あたしもちょっとレズに興味あってさ…ん…いろいろ、勉強したのよ?」 「ひゃあ、ん…っ!やっぱ、り、絵里奈さんも変態なんじゃないですかっ…!」 「うるさい、口答えする子にはこうよ」 勃起している珠姫のクリトリスを口に含み、甘噛みする。 断続的に舌で舐め、甘噛みし、珠姫を責め立てる。 「ひゃあああんっ!や、あ、あ!えりなさぁんんっ!」 「さっきのお返しよ、ほら、イっちゃえ珠姫ぃ」 「あ、や、あ、あ、―――――っっ!!」 クリトリスへの責めを継続しながら、膣に指を差し込む。 いつもの自慰での指による刺激の何倍もの快感を与えられ、珠姫は呆気なく果てた。 「ふふ、所詮小学生なんてこんなもんよ」 「ふぁっ…あ!だめ、くる…!えりなさ、あん、離れっ」 「え?…きゃ!」 ひくひくと痙攣する珠姫の股間から黄色い液体が噴き出し、絵里奈の顔を汚した。 「ああん、やあっ…!…あはは、おもらし、しちゃいました…!」 「見りゃわかるわよ…ふぅ」 「ごめんなさい…」 先程までとはうってかわって弱気な表情の珠姫に気を良くしたのか、絵里奈は珠姫を軽く抱きしめた。 「いいのいいの、まだ小学生なんだから仕方ないわよ。それより―――もう1回、どう?」 「もちろん、です」 やはり耳元で囁くというのは効果が高いらしい。珠姫はあっさりのってきた。 絵里奈は珠姫の足の間に自分の足を割り込ませ、秘部を珠姫の足に押し付ける。 「1回やってみたかったのよね、これ…っあ!ちょっと珠姫、いきなり動いちゃっ、あ!」 「あぁっ…!これ、すごい、です…っ!」 互いの秘部から溢れる愛液がふとももを汚し、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が2人の理性を溶かしていく。 もっと、もっと、もっと――――。ただ快感だけを求めて、必死に腰を振り、乱れた。 「ああん!ん!あはぁっ!きもち、いい、よぉっ!」 「ふぁぁっ…!はぅっ、あ!んぁぁっ!」 「これ、やばっ…!いい、だめ、ああああん!」 「私、も、だめですっ…!イ、ク、ぅぅぅ――――っ!!」 「たまき、たまき、たまきぃぃっ!もう、あたし、だめぇぇぇっ!イっちゃ、あ、ああぁぁぁぁぁっっっ!!」 もはや絶叫のような喘ぎ声を上げ、2人は達した。 絵里奈の膣からはびゅっ、びゅっ、と潮が噴き出し、2人が倒れてから尚も身体を汚し続けた。 「…あれ」 「ああ、起きたー?」 珠姫が目を覚ました時、服は丁寧に着せられており、股間やふとももをつたう液体の感触もなかった。 「これ、絵里奈さんが?」 「そうよー。ちょっとティッシュ使いすぎちゃったけど」 「すいません、ご迷惑かけて」 「別にいいよー、一応あたしのが年上だし、これくらいはね」 「…ありがとう」 「なぁに言ってんの、あれだけ愛し合った仲じゃないのー。それにあたし、理解するって言っちゃったし」 絵里奈がひらひらと手を振る。 一方、珠姫はポーチから出した紙に何やら書くと、絵里奈に手渡した。 「ん、なにこれ?」 「私の電話番号です。…また、連絡ください…!」 それだけ言うと、真っ赤にした顔を押さえて走り去ってしまった。 「やれやれ、エッチの時以外はかわいいんだけどねぇ…ま、これからじっくり理解していくとしますか」 ―――またね、私の小さな恋人。 絵里奈はもう誰もいない方へ手を振ると、自分もまた帰路についた。 名前 コメント
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勇次と珠姫はコスモサーティーンショーを見るために遊園地に来ていた。 「どこかに案内板無いかな?」 勇次はキョロキョロしていると 「こっち」 と珠姫は勇次の手首を掴み走り出した。 「タマちゃん!?そんなに急がなくても大丈夫じゃないかな?」 と走りながら問いかけるが珠姫には聞こえていないらしく、むなしく独り言に終わったので、はは…と苦笑いをするしかなかった。 ショーの場所に着き、珠姫は勇次の手首から手を離すと、力を入れすぎたせいか勇次の手首は赤くなっていた。 「あ、ごめんね。痛かったよね。」 珠姫は申し訳なさそうに訪ねる。 「大丈夫、平気だよ。それにしてもタマちゃん、本当に好きなんだね。」 勇次はいつも通りの笑顔をつくりながら話す 「え……何が?」 珠姫の頬は知らず知らずのうちに赤くなっていた。 「ブレードブレイバーだよ。こんなによく動くタマちゃん、剣道以外ではめったに見れないもん。」 微妙に失礼な事を言う勇次。 「あ、うん……。」 (なんで一瞬ユージ君の事だと思ったんだろう…?なんで顔が熱いのかな?) 珠姫は頭の上に?を浮かべながら考えていた。 そうこうして、ショーは始まった。続く ショーが終わり、勇次と珠姫は帰りの電車に乗っていた。 「あの、ユージ君……」 「なに?タマちゃん」 「ありがとう、今日は楽しかった。」 「良かったね、タマちゃん」 周りから見れば珠姫は淡々と話しているように感じるかも知れないが、 幼なじみである勇次は、ちゃんと気づき、喜んでくれたことを嬉しく思った。 「また………。」 そして珠姫はポツリと言った。珠姫自身も自分が言ったことに驚いたらしく、はっとなり、そして少し下を向いた。 勇次はというと 「うん、またこういうショーがあると良いね」 (よっぽど生でショーを見たのが楽しかったんだなぁ) 相変わらずのフラグクラッシャーだった。 二人は別れてから勇次は竹刀を持ち帰るため、一人で学校に寄った。剣道場に入ると 他の部員は皆揃っていた。そして勇次を見るやいなや、サヤが 「どうだった?なんか楽しい事あった?」 と尋ねてきた。それに対して勇次は 「タマちゃんは楽しんでましたし僕も楽しかったです」 「んー、それだけ?いつもと違う、青春的展開は?」 キリノはω←の口を作りながら尋ねた。 「何のことですか?」 そう勇次が答えると 「やっぱりね」 「ユージ君はユージ君だからね」 「気にするな。お前のそういうとこ、俺はキライじゃないぞ」 など散々言われ、さすがの勇次も困惑の表情を浮かべた。 一方珠姫はというと、 珠姫にもわからないが、布団に入って寝ようとしていたとき、勇次の言葉が頭を巡っていた。 もう一度勇次が言っていた言葉を思い出す。 「うん、またこういうショーがあると良いね。」 ん?と何か違和感というかズレを感じた珠姫だが、今日1日に大きな充足感を感じていたので、 「まぁ、いいか」 と一人つぶやき、眠りに落ちた。 おわり
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ある日、珠姫は思い出す。それは母である椿が生きていた頃の記憶。 小さかったあの時、勇次が椿を見つめる憧憬を感じさせる瞳。そしてあの言葉。 『椿さんの髪ってとってもキレイだよね。ボク、ああゆうキレイなロングヘアーの人って素敵だと思うんだ』 その時は大して気にも留めなかった発言。しかし今はあの言葉が珠姫には重く感じられた。 どうして思い出したのか、それはきっと勇次を振り向かせたい、ただそれだけのこと。勇次の視線を釘付けにしたい、それだけが目的。 しかし一晩で珠姫の髪が椿のような長髪になるまで伸びるはずも無い。そんなのは怪談の域の話だ。 伸ばすことは決定事項だが、気持ちが逸る珠姫はせめて形だけでもと押入れの中に保管してあったあるものを取り出した。そして翌朝、 「お、おはよう、ユージくん。どうかな、髪型変えてみたんだけど、似合ってる……?」 セミロングの髪をした珠姫が勇次の前に現れた。もちろん、髪が一晩で伸びたとかそんなことは起こっていない。 簡単な話だ。珠姫は押入れの中に(どうゆうわけか)あったウィッグを着けただけである。 いつもよりも若干ではあるが大人っぽくなった(と思ってる)珠姫は勇次の反応を待った。しかし勇次の反応は珠姫にとって残酷だった。 「えっと……どちら様ですか?」 そう、勇次はウィッグを着けた珠姫を珠姫だと認識出来なかったのだ。あまりのショックに脳内で“ズバガーン!”という音が木霊した。 ショックから立ち直った珠姫は悔し涙を堪えつつ、ウィッグをその場で外した。そこに勇次の地味だが効果的な言葉が投げかけられた。 「なんだ、タマちゃんだったんだ。ゴメンね気付いてあげられなくて。でも俺は今のタマちゃんが一番好きだよ」 「……えっ? ゆ、ユージくん、今あたしのことがその、好きって……本当に?」 「うん。どうしてウィッグを着けたのか分からないけど、タマちゃんは今のままで充分、というか今のタマちゃんが一番素敵だと思うんだ」 勇次の言葉で珠姫の悔し涙は嬉し涙へと変わった。赤面する顔を隠すことはせずに、髪をいじりながら勇次に微笑む。 その微笑みから勇次は目を離せなかった。文字通り、珠姫の微笑みに釘付け状態である。 当初の目的は叶わなかったが、それ以上に得るものがお互いにあった。これは珠姫と勇次、二人にとっての新しい関係のプロローグ……