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09 ネギ節分の豆を食べる 第一回 2004年2月3日、 女子寮の一室では、龍宮真名が独り、レ○バンのシューティング・グラスを装着して ガットリング・ガンを磨いていた。 女子寮643号室。 「いただきまーす」 ネギが、先端にちょいちょいと醤油を付けた海苔巻きをはむっと口にしていた。 「美味しい、ネギ君?」 テーブルを挟んだ向こうで、木乃香がにこにこ微笑んでいた。 「はい、日本では今日が節分でこの恵方巻きを食べるんですね」 「ええ、まあ、どちらかと言うと最近の風習ですが…」 お呼ばれしていた刹那が、苦笑して言った。 「でも、小さい頃一緒に食べてたなぁせっちゃん」 「え、ええ…」 「あ、せっちゃんご飯粒」 「い、いけませんお嬢様」 「もー、又お嬢様言うー」 「それで、このお豆は…」 ネギが、目の前の升を持ち上げて言う。 「あー、それまだ食べない、どっちかって言うとそっちの方がメインだから」 明日菜が言った時、玄関からチャイムが聞こえた。 「はーい」 木乃香がのんびり返答しながら立ち上がり、刹那がほっと胸を撫で下ろしていた。 「うおーっ、悪い子イネガー♪」 「がおー♪(棒読み)」 ハリボテの金棒を手にリビングに現れて、 両腕を広げて可愛らしく威嚇する虎縞ビキニ姿の裕奈とアキラを前に、 恵方巻きをくわえたままのネギの目は点になっていた。 「えーっと、これは女子寮の恒例行事で、毎年クラスごとにくじ引きで当番決めて、 鬼になって部屋を回ってるって訳」 アキラと共に頭に人参を二本装着した裕奈が、説明しながら腰に手を当ててにかっと笑った。 「去年は那波さん達の所やったもんなー♪」 木乃香が言った。 「それでは、始めましょうか」 升を手に刹那が言い明日菜が促す。 「はい、ネギもネギも」 「えっと、確か、節分ってお豆で…」 「そ、鬼に豆をぶつけるの、こうやってね、鬼はー、外おーっ!」 「鬼はー外っ!!」 「きゃあきゃあきゃあ」 「わーわー(棒読み)」 「えっと、あの、いいんですか?」 楽しそうだから良さそうではあるが、ネギとしては聞き返してしまう。 「節分と言うのは、鬼に豆をぶつけて追い払う事で、 厄払い、一年の悪い事を追い払って福、幸福を内に呼び込む、そう言う行事です」 「そ、いーからいーからじゃんじゃんやっちゃってー、そう言う日本の伝統行事なんだからー」 刹那の説明に裕奈がにかっと笑って言い、その後ろではアキラが優しく微笑んでいる。 「それでは、鬼はー、外ーっ」 「はいもっと元気よくーっ、一年の始まりなんだからー、この部屋だけいい事逃げちゃうよーっ」 ぱらぱらと豆を投げるネギに裕奈が言う。 「はいっ、鬼はー外ーっ!」 「たたたっ!その調子その調子っ」 裕奈が弾けるお肌に苦笑して言う。 「よーし、じゃんじゃん行くわよーっ、鬼はー外ぉーっ!」 「鬼はぁー外ぉーっ!!」 643号室斬り込み隊長神楽坂明日菜の号令で、一斉攻撃が開始された。 「鬼はー外ぉっ!福はぁー内いっ!!」 「きゃあきゃあきゃあ」 「わーわー」 裕奈と一緒に逃げ惑いながら、アキラがふと視線を向けると、 なんだかんだ言って思い切り叫んで体を動かしたネギが快活に笑っていた。 “…だんだん楽しくなってきた…” 「鬼はー外ぉーっ!」 「あたたっ、うぉーっ!」 「きゃーきゃー」 そんなアキラに木乃香のひとつかみがヒットし、アキラは両腕を前のめりに木乃香を威嚇し 刹那が思わず木乃香に前に回っていた。 「はい、せっちゃん」 「はい」 背後の木乃香の声に、刹那はにっこり振り返る。 「鬼はー外ぉーっ(×2)」 「うおーうおー」 「きゃあきゃあきゃあ」 笑って逃げ惑っていた裕奈がちょっと視線を向けると、ネギがふと手を止めてぽーっと立ち尽くしていた。 「ネギ君もう終わり?」 裕奈がにかっと笑って尋ね、ネギがハッとした表情を見せる。 「い、いえっ、鬼はー外ぉーっ!」 「きゃあきゃあ♪」 ミルクの様な頬にぽーっと朱を差したまま、ネギが慌てた様に豆を引っ掴んでバラ撒き、 裕奈が飛び跳ねる様に逃げ惑う。 そんな裕奈の、たぷんたぷんと虎縞からはみ出しそうな揺れに、又、目が吸い寄せられたネギが、 ぶんぶんと頭を振る。 「はい終わりぃー」 ハッとネギが後ろを向くと、明日菜が笑って升を逆さに振っていた。 「うちもや」 「私もです」 「あ、ぼ、僕もです」 「どうもー」 「それじゃあ、お休みなさい」 「お休みなさい」 「また明日ねー」 麗しきビキニ鬼が辞去した後、木乃香は換気扇のスイッチを入れた。 「はーい、お待ちどー。焼けたでー、イワシの丸干しやー」 「いただきまーす」 「はふ、はふっ、おいしーです♪」 「あれっ!?」 ふと、飲物の追加に台所に立った明日菜が悲鳴を上げた。 「どうしたん明日菜?」 「やだ、これゆーな達んトコのじゃない?」 明日菜が、目に付いた伝票を取り上げて言った。 「ほんまや。そう言えば、ちょっと数が違ごうてたなぁ。 お店に取りに行った時すぐ近くやったから」 「ちょっと行って来ましょうか、困ってるかも知れませんし」 「ネギ、行ってくれる?お願い」
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「・・・・・・・・・遅い」 ここは麻帆良学園、3-Aの教室。 ホームルームも終わり、静まり返った教室に人影が一つ。 オレンジ色の髪に蒼と緑のオッド・アイ。ネクタイを緩め、第一ボタンを外した制服。 出席番号8番、神楽坂明日太である。 さて、何故彼が教室に一人でいるのかというと、理由は簡単である。 毎度のごとく居残りを食らったのだ。 いつもであれば他に四人、いわゆるバカレンジャーの面子が揃っているのだが、今日は一人だ。 『今日は新発売のゴーヤ珈琲ミント風味の発売日ですので。居残りを受けるわけにはいかないのです』 と、夕。 『いやあ、双子に勉強を教えてもらったんでゴザルよ。あの二人の方が拙者より勉強できるでゴザルからな』 と、楓。 『ワタシは五月に教えてもらったアルよ。超とハカセに聞いても何言ってるかチンプンカンプンアルからな』 と、古。 『えへへー、分かんなかったからテキトーに埋めたら当たってたんだー。ラッキー!ゴメンねアスタ』 と、まき絵。 「チクショウ・・・裏切り者どもめ」 幾多の戦場(居残り授業)を共にくぐり抜けてきた戦友の離反を恨みながら、ネギ子を待つ。 「あーあ。せめて高畑先生だったら居残り一人でも大歓迎だったのによ」 去年までは英語の授業はタカミが担当していて、居残り授業も彼女が行っていたのだが、今年からはすべてネギ子が受け持っている。 アスタとしてはこの居残りもタカミが担当していればまったく苦ではなかったのだが、今ではただの拷問である。 「にしても遅いなアイツ。何やってんだよ」 かれこれ30分近く待っているのだが一向に来る気配がない。 「まさか忘れてんじゃないだろうな・・」 ガラガラッ そう思った瞬間、教室の扉が開いた。どうやら来たらしい。 「おっ。遅せえぞネギ子・・・・げっ」 「『げっ』、とはなんですの『げっ』とは」 予想に反して、教室に入って来たのは別の人物であった。 ハーフと見間違える程に見事なブロンドの髪をなびかせた少女。 3-Aの委員長。出席番号29番、雪広あやかである。 アスタの発言に眉をひそめながら歩み寄る。 「なんか用かよいいんちょ、俺はこれから居残りがあってネギ子待ってんだから用があるなら後に・・」 「残念ですがネギ子先生は急用で来られませんの。ですから私が代理ですわ。貴方の居残りなんかに時間を割くのは不本意ですが、ネギ子先生がお困りの様でしたので」 「はあ!?なんだよ、よりにもよっていいんちょかよ・・・」 思いっきり感情を表情に表すアスタ。あやかの眉間の皺はより一層深くなる。 「なんですかその反応は?私では不満とでも?」 「当たり前だろ」 即答 「人が厚意で来て差し上げたというのに、なんですのその態度は・・・」 「別に俺が頼んだわけじゃねえだろ。大体なんでお前なんだよ!普通なら他の先生とか」 「他の先生、ではなくて高畑先生、でしょう?下心見えみえですわよ」 「ばっ、違えよ!」 図星をつかれたアスタは、顔を赤くしてムキになって反論する。 「ふんっ、貴方みたいなおサルさんと高畑先生を二人きりにしたらどんな間違いが起きるかわかったもんじゃありませんからね。私が来て正解ですわ」 「な、なんだとこのヤロウっ!誰がするかそんなことっ!!」 「あらゴメンなさい。そうですわね、小学生の頃からずるずる片思いを続けている貴方にそんな度胸があるはずもありませんわよねえ?」 「コイツ・・言わせておけば・・・」 「さ、下らないことを言ってないでさっさと始めましょう。いい機会ですわ、基礎の所から教えて差し上げます」 あやかはアスタの向かい側の席に座る。椅子は床に固定してあるタイプなので後ろを向きながら教えるのは体勢が少々辛いが、隣に座る気はないらしい。 「余計なお気遣いど-も。学年四位様」 「お礼なら結構ですわ。その代わり厳しくいきますので、覚悟して下さいな。学年最下位候補さん」 「はいはい」 「ですからそのthatは‘あれ’という意味ではなくてその前にある単語の・・」 10分経過 「えっ・・・・・・と?あれ、でもそれだと・・・・・」 20分経過 「ああもう、何度言ったら分かるんですの?ですからそこは・・」 40分経過 「だからここの和訳は・・と。あれ、これなんて意味だっけ・・・・・」 1時間経過 「あーーもうわかんねえ!!休憩だ休憩!!」 シャーペンを投げ出し、アスタは背もたれにもたれかかる。もはや神経を使い果たしたといった感じだ。 「もう集中力が切れたんですの?・・まあ、貴方にしては持った方ですわね」 「人間の集中力なんてせいぜい10分が限界だって聞いたぜ」 「それを言い訳にしないで下さい。まあいいですわ、ひとまず休憩にいたしましょうか」 あやかはふう、とため息とつき、アスタは身体を背もたれに預けてだらりと力を抜く。 二人共ただ静かに身体を休ませる。 無音の空気が二人を包む。しかし気まずさはまったくない。 なんだかんだで長い付き合いの二人である。お互いの存在もそこにいるのが自然のことの様でもあった。 こうして何も喋らずに同じ空間を共有することが、あやかには心地よかった。 顔を合わせれば先程の様に口喧嘩ばかりではあるが、それも挨拶みたいなもの。 言い合いをするのもあやかは結構楽しんでいるのだが、今の様に静かに過ごすのも悪くはない。 (・・・そういえば、こうしてゆっくりと二人きりになるのは久し振りな気がしますわね・・・・・) アスタが転校してきたばかりの頃、彼は他のクラスメイトとあまり関わろうとせず、一人でいることが多かった。 しかしそんな中で、あやかはアスタに積極的に触れ合っていた。 なので自然と二人でいることが多くなり、始めは本当に喧嘩の売り買いばかりであったが、その内にどんどん打ち解けあい、アスタも変わっていった。 今のアスタがあるのは、彼女のおかげだと言ってもいいだろう。 そうしてアスタもクラスに馴染んで友人も増え、同室のこのかと一緒にいることが多くなり、最近ではネギ子もやって来た。 こう考えると、二人だけになる機会というのは意外にも少ないものだ。 思い返してみればリゾート島や麻帆良祭の時もほとんど二人にはなれなかった。 (って、何残念がってますの私ってば) そんな自分の思いも自覚はしつつも素直に認められない、プライドの高いあやか。 「そういや、こうやって二人でいんのも久し振りだな。小学校のころはこんな感じの時もよくあったけど」 「へっ!?あ、そ、そうですわね!言われてみればそんな気もしますわ。おほほほほほほほ」 まさか自分と同じことを考えているとは思ってもみなかったあやかは驚きながらも嬉しくなった。笑って誤魔化してしまったが。 気持ちが通じているのかも、なんて。 「最近はお互い色々忙しいしな。いいんちょはなにかと仕事多いし、オレもネギ子が来てからこっち騒がしいことばっかだし」 「ええ、そうですわね。小学校の頃は長い休みの時に貴方がよく私の家までついて来たりもしましたけど、最近ではそういうことも減ってしまいましたし」 「この前の春休みに行ったのも久し振りだったしな。あ、教室で二人といえば覚えてるか?教室で居残り掃除くらったこと」 「覚えていますわよ。貴方と喧嘩ばかりしていたら先生に怒られて、『仲直りできるように二人で協力してお掃除しなさい』って、遅くまで掃除させられましたわね。私の人生の汚点の一つですわ」 「今となっちゃいい思い出じゃねえか」 「ほとんどの掃除を私にやらせたことも、ですか?」 「悪かったって」 なんということのない会話だが、あやかにとっては幸せな時間だった。 こんな風に誰かと一緒にいるだけで幸せになれるのは、きっと幸福なこと。 貴方が私にくれる、幸福な時間。 そんなことを考えながら、あやかはアスタの言葉を一字一句漏らさないように耳を傾け、話に花を咲かせた。 この幸福な時間を一秒でも無駄にしない様に。 しばらく経って二人は勉強を再開し、参考書とにらめっこを続けた。 ついでにあやかが持ってきた今日ネギ子がやるはずだった小テストのプリントも終わらせ、居残り授業は終了した。 「あーーーーーーーー疲れたああああああ今日はもうなんもやる気しねえええ」 「まったく、このくらいで音をあげないで下さいな」 「お前の授業がキツすぎんだよ」 「お褒めに預かり光栄ですわ」 「褒めてねえって」 教科書類を鞄に詰めながら、グチグチと文句をたれるアスタ。 鞄を閉じて立ち上がり、ぐぐっと背を伸ばして一息つく。 「さて、帰るかいいんちょ」 「え、えっと私はこの後プリントの採点をしてネギ子先生の机に置きに行って、その後・・その、図書館に行くつもりですので」 「ん、そうか?そんじゃ先に帰らせてもらうか」 「ええ。そうして下さいまし」 扉まで歩くアスタの背中を見送る。ガラッと引き戸を開けたところでアスタは少し振り向いた。 「悪かったないいんちょ。つき合わせちまって」 「そう思うなら少しは成績を上げてくださいな」 「それは保証できないな」 ニヒ、とイタズラっぽい笑いを浮かべて、扉を閉めた。 除々に遠のいていく足音が聞こえなくなったところで、あやかはほっと胸を撫で下ろした。 ペンケースから赤のボールペンを取り出し、キャップを外す。 「まさか一緒に帰るのが気恥ずかしかったなんて・・・言えませんわね」 間違いの回答に、少し憎たらしげに×をつけた。 ------------------------------------------------------------------ 「たっだいまーっと」 「あ、おかえりーアスタ」 普段使わない頭をフル活動させた反動でクタクタになったアスタは帰宅を遂げた。 部屋へと入りながらネクタイを外し、鞄と一緒に無造作にベッドに放り投げる。 「やっほー兄さん、お帰りー」 ネギ子の部屋に改造されたロフトから、夏近くだというのに冬毛のオコジョがピョコンと飛び降りてきた。言うまでもなくオコジョ妖精のカモである。 「あれ、エロガモ。ネギ子と一緒じゃないのか」 「姉貴がエヴァにとっ捕まっちゃったから逃げてきちゃった。てへっ」 「急用ってそれだったのか。ったくエヴァの奴、お陰でいいんちょにしごかれるはめになっちまったじゃねえかよ」 愚痴を言いながらアスタはどっかりと座布団に座り、テーブルにつっぷす。 「居残りお疲れさんアスタ。はいっ、疲れた時は甘いもんやえ?」 台所から三人分の紅茶とケーキをお盆に載せたこのかが出てきた。 「おっ、サンキューこのか」 「あっ私の分もある!ありがとーこのかの姉さん」 人間の姿へと成り変わって並べられたケーキに飛びつくカモ。 三人でテーブルを囲んでのちょっとしたティータイムだ。 このかの用意したケーキは甘ったるく、疲れた身体に染み渡る。先程脳が消費しきった糖分を身体中に供給してくれる様だった。 「ところでいいんちょがどないしたんアスタ?」 「ん?ああ、ネギ子が来れなくなった代わりになんでかいいんちょが来てよ」 「いいんちょが勉強見てくれたん?」 「そうそう。これがまたキツイのなんのって」 「へえー。よかったじゃないの」 「そうやなあ。よかったなあ」 ニコニコと笑うこのかとカモを見て、アスタは紅茶をすすりながら眉をしかめる。 「よかねえって。こっちはクタクタだっての」 「アスタやなくていいんちょが、や」 「そうそう。いいんちょの姉さんが、ね」 「ん?なんだそりゃ」 ますます笑いを強めニヤニヤと笑う二人を不思議に思いながら、アスタはケーキを口へ放り込んだ。 「ただいま帰りました。遅くなって申し訳ありません。連絡の一つでもよこせばよかったのですが」 プリントの採点を終えた後、念の為アスタと鉢合わせしないように時間を置いたあやかは少し遅めの帰宅である。 「あ、帰ってきた。お帰りいいんちょー」 「遅いであやか姉ちゃん」 「お帰りあやか。もうすぐご飯の用意できるから着替えておいで」 ルームメイトの夏美と千津雄、そして現在居候中の夏美の妹(と言うことにしている)コタ美が迎えた。 部屋で着替えを済まし、千津雄の手料理が並べられた食卓に着く。 「いいんちょこんな遅くまで何してたの?」 「ネギ子先生に急用ができてしまったので、代わりにアスタさんの居残り勉強を見て差し上げたんですの。アスタさんの素晴らしい理解力のお陰ですっかり遅くなってしまいましたわ」 「大変やなああやか姉ちゃんも。ネギ子に雑用押し付けられたんかいな」 「な、なんて言い方しますの!私は自分からお手伝いを申し出たんです!!まったくコタ美さんは・・・。ああもうほら、口の周りが汚れてますわよ。もっとお行儀良く食べなさいな」 「むぐぐ」 行儀悪くご飯をかっこんで汚れたコタ美の口をナプキンで拭いてやるあやか。なんだかんだ言って面倒見はいい。 「そういえば今日は居残りアスタ君だけだったんだよね。てことは今までアスタ君とずっと二人きりだったんだ?」 「え、ええ。そうですけど」 「ふふふ、良かったねあやか」 「な!べ、別にちっとも良くなんてありませんわ!変なこと言わないで下さいな千津雄さんてば。大体、あのおサルさんに勉強を教えるのがどれだけ大変だと思っていますの?おかげで私もクタクタですわよ」 顔を赤くして反論するあやか。しかしそんな事を言いつつも、顔は嬉しそうであった。 「あはは。素直じゃないなーいいんちょは」 「んもうっ、夏美さんまで!」 「なんや、あやか姉ちゃんアスタのこと好きやったんか?」 「なっ・・・なああ!!??」 キョトンとしながら「ふーんそーやったんか」と一人納得するコタ美。そんなコタ美を口をあやかは見てパクパクさせる。 「な、ななななな何言ってるんですのあなたは!!わ、わた、私がアスタさんをす、すすす、好・・・・ああもうっ!!そんな事言うのはこの口ですか!!?このっ、このっ!」 「いふぁふぁふぁふぁ!ひゃ、ひゃめれやあやふぁねーひゃん!いふぁいふぇ!!」 あやかは更に顔を耳まで真っ赤に染めて、コタ美の頬を引っ張る。実に良く伸びた。 「ああダメだよいいんちょ、コタ美ちゃんいじめちゃ」 「そうだよあやか。コタ美ちゃんはただでさえ夏美ちゃんの実家で酷い扱いを受けているんだから」 「だからウチの実家はフツーだって!!」 ------------------------------------------------------------------ 翌日の放課後 「窓の施錠完了、と」 日直の当番だったあやかは、丁寧にまとめ上げた日誌を職員室のネギ子の元へ届け、その後教室の黒板の清掃をし、仕上げに窓の鍵閉めを行った。 几帳面な性格な上に根が生真面目なので、人よりも時間がかかってしまった。 「さて、帰ると致しましょうか」 足元に置いてあった鞄を持ち、教室を出ようと歩き出したが、ふとアスタの机が目に止まった。 進行方向を変えて、歩み寄る。 つつ、と指で机の表面をなぞり、昨日の事を思い出したりなどしてみる。 「まったく、本当にあの人には理解力が欠けていますわよね」 何度説明を繰り返してもまったく頭に入っていかないアスタに勉強を教えるというのは非常に困難であった。 だが、そんなことも含めて楽しんでいる自分が確かにいた。 「一緒に帰らなかったのは・・ちょっと惜しいことをしましたわね」 普段アスタは同室のこのかと下校しているし、近頃では刹那も混じっているので、二人きりで下校できるチャンスなどほとんどない。 昔はよく二人で帰っていたのに。 意地っ張りも考えものですわ。とため息を一つ。 「・・・ふう。こんな事をしていたらまた帰りが遅くなってしまいますわね」 そうして余韻に浸りながらも、あやかは教室を後にする。ちなみに、もちろん消灯は怠らない。 階段を下りて下駄箱へと向かった。少々急いではいるが、みっともなく走ったりしないのは彼女らしいと言える。あくまでも行儀良く、歩く姿は百合の花という言葉の体現かのようだ。 昇降口まで着くと、見慣れた姿がそこにはあった。 開け放たれた入り口の所に寄りかかり、腕組みをしながらあやかを見つめる二色の瞳。 それはもちろん 「・・・アスタさん」 「よう」 素っ気なく挨拶を返すアスタ。 一方のあやかは平静を保つのが精一杯だ。なにせつい先程まで想いを巡らせていた相手が不意に現れたのだから。 「な、なにをなさっているんですの?そんな所で。こんな時間にそんな所でボーっと突っ立っているなんて余程暇なんですのね」 しかしそんな素振りは見せない様に、普段通りの憎まれ口を叩いてしまう。まあそんな事もアスタには分かってしまうのかもしれないのだが。 「別に。ただ、昨日わざわざ遅くまで勉強見てくれたどっかの世話焼きお嬢様にお茶でも奢ってやろうかなー・・とか思ってよ」 「あ、あら。貴方にしてはいい心がけですわね。その世話焼きお嬢様とやらが羨ましいですわ」 「そこではぐらかすなよ」 アスタはムスっとあやかを睨む。あやかとしては照れ隠しだったのだが。 「・・・ごめんなさい」 「謝んねえでもいいっての。で?どうすんだよ。行かねえのか?まあ嫌ってんなら別に・・・」 ゴソゴソ、カチャッ。ピッピッピッ・・・・ アスタが言い終わる前に、あやかはおもむろにケータイを取り出し、電話をかけだした。 「ん、おい・・」 「あ、夏美さんですか?私です。今日も少し帰りが遅くなりそうですので、夕食は千津雄さん達と先に食べていて下さいな。ええ、別に大したことではありませんわ。ちょっとした野暮用です。それでは」 ピッ ケータイを切り、ポケットへ仕舞う。そして上履きから革靴へ履き替え、アスタへと向き返る。 「さ、行きましょうか。奢ってくださるんでしょう?」 「・・・ったく、調子いいやつ。で、俺とのお茶は野暮用扱いかよ」 「言葉のあやですわ。それに貴方とお茶だなんて言ってあらぬ誤解を受けたらたまったもんじゃありませんからね」 「へいへい、そうですか。ほんじゃ行くか」 嫌味を言いながらニッコリと笑うあやかを連れて、アスタは歩きだした。 ほのかに陽が傾いた空の下を、二人で歩く。 「ところで、ちゃんとしたお店なんでしょうね?まあ貴方が連れて行くのですからあまり期待はしませんけど」 「馬鹿にすんなよな。ちゃんとこのかに良い店聞いてきたんだからよ。よく分かんねえけど、紅茶の葉っぱがいいんだとさ。まあお前んちの比べたら話になんないかもしれねえけどな」 「その辺は我慢して差し上げますわ」 (・・・それに、貴方と一緒ならティーパックの紅茶でも美味しく感じられるんでしょうから) 手を少し伸ばせば届いてしまう距離、あやかは歩く。 ちらりと、気づかれないように横目でアスタを見る。 昔から変わらない、生意気そうな横顔 ぶっきぼうに見えて、今もこうして私に合わせて歩幅を短くしながら歩いてくれる、優しい貴方 私はずっと、そんな貴方に惹かれていたのでしょうね 『あらゴメンなさい。そうですわね、小学生の頃からずるずる片思いを続けている貴方にそんな度胸があるはずもありませんわよねえ?』 人の事は、言えませんわね 私もずっと片思いのままですもの。告白する度胸も、ありはしませんわ でも、いいんです 今はまだこのままで 今はこうして、貴方の隣りを独り占めできるだけで十分ですから まだお互いに無垢な子供だったあの頃のように 二人で歩く帰り道 アナタと歩く、帰り道 「何にやにやしてんだ?」 「なんでもありませんわ。ふふふ」 「変なヤツ」 愛しい人と並んで歩く。 あやかは3cmだけ、アスタに寄り添った。 .END おまけ こうしてあやかはほのかな幸せを噛み締めながら、アスタの横を歩いた。 そんな二人を見守る姿が、あやかが消灯を済ませてもう誰もいなくなったはずの教室にあった。 「よかったですね。委員長さん」 窓側の列の一番前の席。 そこにひっそりと佇む、制服とは違うセーラー服を身に纏いった少女。まるで透き通る様な白い肌と髪をしている。 いや、実際に透き通っている。 そう。60年前からずっとこの教室にいる彼女は自縛霊、相坂さよ。 彼女は今現在一人の例外(実際にはもう一人、某吸血鬼もいるのだが普段まったく関心無しなのでノーカン)を除いて誰も見ることのできない、まったくもって存在感0の幽霊である。 実は彼女、昨日の居残りの時も教室にいたのだ。もちろんアスタ達は気づくはずもなかったが。 邪魔をしてはいけないかな、と思ったのだがあやかのことを応援したくなってしまい、彼女は陰ながら応援していた。(陰ながらと言っても同じ教室にいたのだが) 二人の様子を見て、あやかがアスタに好意を抱いているのが分かったからである。 そう。同じ恋する乙女だから。 「私もあんな風に、二人っきりで・・・なんて」 並んで歩く二人を見つめて、そう願う。 あの二人もまだ両想いではないが、それでもさよには、あやかがこの上なく幸せそうに見えた。 好きな人となら一緒にいられるだけで幸せなのだからと、さよは思う。 一人きりの教室。 みんな帰ってしまって、独りぼっちの教室。 60年間毎日訪れる、独りだけの時間。 もう慣れっ子だと思っていた。 でもやはり、孤独に慣れるなんてことはないのだと、改めて実感した。 誰かにそばにいて欲しい。 ううん。好きな人に、『あの人』にそばにいて欲しい。 「我侭、ですよね」 もし自分が幽霊でなかったとしても、そう思ってしまうのはきっと独りよがりなことだ。 「うん・・そうですよ。それに少し我慢して、明日になれば会えるんですから」 そう。また明日になればあの人に会えるんですから。 あの扉を開けて、あの人が・・・・ ガラッ 「よっ、さよちゃん。お邪魔するよ」 そう思った途端、引き戸が開かれてその人物は現れた。 「えっ、あ、朝倉さん・・・?」 朝倉和実。 彼こそが今現在さよを見ることができる一人の例外。 そして、まさに今、さよが会う事を望んでいた人物。 「え、な、なんで朝倉さんが・・・?」 「ん?いや、今度の麻帆良新聞に載せるネタ探してたらこんな時間になっちゃってさ。今日はもう諦めて帰るかなーと思ったんだけど、疲れたから少し休もうと思って」 「それで、教室に?」 「一人でダラダラしてるより、誰かとお喋りしてる方が楽しいからね」 「え・・・?それってつまり・・・・」 私に、会いに来てくれた?い、いえ。そんな都合のいい考え方しちゃ・・・ 「ってわけだからさ。ちょっといいかな?それとも、やっぱお邪魔かな」 「いいえ!そんなことないです!あの、私もその、誰かとお話したいなーって思ってたところでしたから・・・少し、寂しかったので」 「そう?じゃ、ベストタイミングか」 「ええ、それはもう」 だって会いたいと願った瞬間に、朝倉さんが来てくれたんですから。 ちょっとした神様のプレゼントかもしれませんね。 「そんじゃお言葉に甘えて。・・・隣りいいかな」 「はいっ。もちろんです」 もう一人の少女の、小さな幸せのお話でした。 .END
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「リボンなナイト11」 + + 温かそうな赤い服装のネギ・スプリングフィールドは、 巨大な銅像の台座、その壁に体をくっつけながら、じりっ、じりっと前進していた。 そして、バッと台座の角から先に飛び出す。 はっ、と振り返ると、正にそこに降下していた。 手応えを感じる、と、同時に、ネギの視界も真っ白に封鎖された。 + + 「うん、まあ、俺の方がちぃと早かったな。ようやったようやった」 掌にゴッテリすくったクリームをあむあむ食らいながら、小太郎がうんうん頷く。 「何言ってるのコタロー君!?僕の方が先だったでしょう」 ゴシゴシと袖で拭ったネギがムキになって反論した。 「何言うてんね…」 言いながら、小太郎とネギは、ひょいひょいと身を交わし、 手にしたパイで着実な反撃を成功させる。 「しかしまぁ、相変わらずアホなイベントやなぁ」 両手で後頭部を押さえて言う小太郎に、ネギの苦笑を返す。 2003年12月24日、 麻帆良学園では、クリスマス名物サンタ杯バトルレースの真っ最中だった。 学園中にサンタのコスプレが溢れ返り、パイが飛び交い白兵戦が展開される。 学園のそこら中に白いパイを積んだテーブルが設置され、スタッフが次々と追加していく。 人数の関係で、抽選で複数のチームに分かれ、時間ごとにレースを行う形式。 ネギと小太郎はBチームに所属していた。 「おーし、ほな行こか」 「うん」 人数が人数であり、当面は共同戦線を張るネギと小太郎が頷き合う。 飛んで来たパイをひょいと交わし、ニッと笑みを交わす。 学園某所に屹立するフラグをゲットすれば優勝、なのだが、 フラグ周辺エリアには攻撃専門キャラが待機していて、 ここでは顔面パイで指定エリアまで強制撤退と言うルールになっている。 取り敢えず、この辺に集結してるライバル達を二人で片っ端から一時停止させる。 パイ以外の暴力行為は御法度、すばしっこさとテクニックだけの勝負は悪くなかった。 + + 「おしっ、こっからやな」 クリスマスイベントとして大開放された建物の中で、小太郎が模造暖炉を指差す。 小太郎とネギがそこに潜り込み、そのまま梯子を伝って煙突を模した通路を上っていく。 「ふうっ」 梯子で登る縦型トンネルが終わり、開けた場所に出る。 取り敢えず、ネギは手近な梁にひょいと飛び乗る。 既に、小太郎がそこに乗ってきょろきょろしていた。 「天井裏に出たみたいやな」 「だね…」 「む」 小太郎がすっと遠くに視線を向け、ネギもそちらを見る。 「あ、高音さん」 「よう」 「どうも」 そちらでは、セクシーブラックサンタ高音・D・グッドマンと、 可愛らしいミニスカサンタの佐倉愛衣が別の煙突から現れ、離れた梁にひょいと飛び乗った所だった。 取り敢えず、ぺこりと頭を下げたネギと気軽な小太郎に、新たに現れた二人は丁重に挨拶を返す。 「お二人もBチームだったんですね」 「ええ、お陰様で。ですからネギ先生」 「はい?」 「このクリスマスバトルレースにおける男女のLR、当然ご存じですねネギ先生?」 「え?男女の?」 高音からの不意の問いに、ネギは戸惑いの仕草を見せる。 「そう、このレースにおいて異性からのパイを顔面で受け止めた者は、 その相手に誘われたクリスマスディナーを断ってはならない。 これは、麻帆良のクリスマスの風物詩として長年受け継がれてきた由緒正しい仕来りなのです」 高音が決然と宣言したその時には、スチャッと構えを取った高音の両手と その背後でうぞうぞ蠢く大量の触手にはこんもりたっぷりクリームパイがしっかり乗せられていた。 ネギは自分を指さし、高音はこっくり頷く。 「あ、あのですね高音さん、僕は先生としてクラスのクリスマス…」 「問答無用っ!!」 「はわわわーっ!!」 「おーおー、大丈夫かいな」 大量の触手を駆使して天井裏狭しと始まった激戦を眺め、 親指を額に当てながら小太郎が苦笑した。 「で、メイ姉ちゃん」 「はい?」 ちらりと振り返らずに後ろを見ながら、小太郎は尋ねる。 小太郎の背後では、愛衣が可愛らしくにこにこ微笑んで梁にたたずんでいる。 「その、後ろに隠してる手ぇの事でやな」 愛衣は、にっこり微笑みパイの乗った両手を掲げる。 「お行儀悪いですけど小太郎さん、お顔奪らせていただきますっ!」 「上等っ!!」 小太郎がニヤッと犬歯を剥き出した。 「ほれおっにさんこっちらーっ!」 「小太郎さん待て待てーっですーっ!」 「お待ちなさいっ!!」 「駄目ですうっ!!」 + + 「風呂は命の洗濯だねーっ」 女子寮露天風呂「涼花」では、級友らと共に早乙女ハルナが巨大な湯船を満喫していた。 「いやー、もちっとだったんだけどにゃー」 そんな一人、明石裕奈も湯船の壁に背中を預け、心地よい疲れを癒している。 「んー、うちらAチームに結構集結しちゃったからねぇ」 やはり戦い終えて一風呂浴びていた神楽坂明日菜が苦笑して、ふと天井に視線を向ける。 「あれ?ネズミさんかいな?」 明日菜の隣の近衛木乃香が、天井に視線を向けてはんなりと呟く。 「いや、これがネズミってんならカピパラかよ」 一際大きな音を聞き、長谷川千雨がぼそっと呟く。 天井からの物音はそんな面々から遠ざかって行ったが、 「あーーーーーーーーーーーうーーーーーーーーーー」 少し遠くの大浴槽の天井が派手な破壊音を響かせ、 悲鳴と共にどぶーん、どぶーんと落下するのを他の面々は大汗を浮かべて眺めているしかなかった。 + + 「ふむ」 天井の大穴から戻って来た長瀬楓が、 じゃぶんと下の湯船に着水してから一言口を開く。 「どうやら、イベント用通路と通常エリアの封鎖線が手違いで外れていたらしいでござるな」 「どうも、お騒がせしました」 湯船の中で解説する楓の傍らでは、 わらわら集まって来た面々を前にネギと愛衣がぺこぺこ頭を下げ、 亜子とあやかが目を回して湯船にぷかぷか浮いている高音をゆさぶっている所だった。 「ほな、俺ら戻るさかい」 「お騒がせしました」 ずぶ濡れの小太郎が平然と言い、ネギもそれに従い動き出す。 「待ちなさい」 「あたたたっ、アスナさん髪、髪はあっ」 そんなネギの後頭部で明日菜が束ね髪をむんずと掴み、ネギが悲鳴を上げた。 「あんたどんなレースして来たのよ、どろっどろじゃない。 こんなんで表出ていいと思ってるの?」 「え、いや、でもあのっ、あーっこのかさんっ!」 怪しい紙切れをばらまき始めた木乃香を見てネギが更なる悲鳴を上げた。 「はいはいこっちこっち、ほらちゃっちゃと済ませるから」 「あーーーーーーーうーーーーーーー」 「ははっ、ネギの奴、相変わらず姉ちゃんらにはダメダメやなぁ」 小太郎が冗談の嘲り笑いを浮かべ、入口に足を向ける。 「あー、コタロー君」 「ん、夏美姉ちゃん」 「コタロー君もあんまり他人の事言えないと思うけど、ずぶ濡れだし」 「ああ、ええて。後で風呂入るさかい」 「だーめ、コタロー君も」 「で、ござるな」 「へ?楓姉ちゃん?」 そこら中の浴槽から爆裂する水しぶきだけが目に見える痕跡。 「涼花」狭しと展開されるそんな水しぶきだけの追いかけっこを、 居合わせた面々は感心して眺めていた。 「あらあら、やっぱりケガしてたのね。 まずは、キレイキレイしちゃいましょうねー」 「………」 ネギを片手に大浴場を堂々と進む那波千鶴が、 ネギの先端にくっついた小太郎をジャグジー風呂にどぶんと投入した。 次
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214 :ベンジャミン内村 ◆Q4Q0yKXgEE :2006/03/20(月) 19 57 32 ID E91fmnl1 【手抜きSS・いきなりクライマックス 木乃香髪射編】 「ひっ、いやぁあっ!? ネ、ネギ君、何す、するん……っ!?」 発現時間を最長に設定した戒めの風矢(アエール・カブトゥーラエ)に身体の自由を奪われて、 木乃香は絨毯に座した状態でいやいやとかぶりを振る。 身につけた制服は特に乱れている様子もない。 ──が、木乃香は必死にその場から逃れようともがき続けた。 「ご、ごめんなさい、このかさん……っ! でも僕、このかさんの綺麗な髪の毛を見てたら……、ガマン、出来なくって……!!」 戒められて身体を満足に動かせない木乃香の背後から、ネギが近づいてくる。 その声は劣情に満ちており、はぁはぁと荒く呼吸を繰り返していた。 「ヒッ、い、イヤぁぁっ!!」 木乃香が、正面に置かれていた姿見に映るネギの姿に悲鳴をあげる。 目を妖しく輝かせて迫るネギはスラックスの股間部分をパンパンに張りつめさせており、 一歩、一歩と近づくごとにそのチャックをジジジ……、と下ろしていく。 やがて、10歳の少年に似つかわしくない隆々とそそり立つ勃起が晒される。 鏡越しにその凶悪な牡の象徴を目にした木乃香は、恐怖に震えた。 と、身を竦ませていた木乃香の顔が痛みに歪む。 ──ぐいっ!! 「きゃっ!?」 長く艶やかな髪が強引に引っ張られて、木乃香は首をのけぞらせた。 首に無理な体勢を強いるその格好に、視線だけを必死に背後に向けて痛みを訴える。 「や、いややぁっ……、ネギ君、は、離してぇっ……!!」 しかし木乃香の訴えは凌辱者と化したネギにはまるで届かず。 それどころか嫌がる反応に呼応してペニスが更に硬さを増していく。 そして、遂に。 木乃香の頭とネギの手の間で張り詰めさせられた黒髪の上を、 先走りで濡れたネギのペニスが滑り──犯し始めた。 「……ぁぁっ、このかさんの……ふぁぁっ……!!」 「や、ぁっ!? ひっ、ネギ君、そんなっ……! 髪に、こ、擦りつけんといてぇぇっ!」 ずりっ、ずずっ、ずずずっ、ずちゅううっ!! ネギの腰が中空を泳ぎ、がくがくと前後に振りたくられる。 白く柔らかそうな肌が間近にあるというのに、それには微塵も触れる気配を見せず。 黒く光沢を放つ大和撫子そのものといった風情の絹糸のような髪に、 迸る劣情を如実に示す自身の体液を塗り広げていくネギ。 少しの風にも吹かれてさらさらとそよぎ、その流麗さを知らしめていた木乃香の髪の毛は、 そそり立つ肉茎を擦りつけられて粘液にまみれていく。 哀れなほどに汚された木乃香の髪の毛は、 しかしそれまでとは違った、妖艶な美しさをたたえていた。 と言っても、それは見る側の──と言うよりむしろ、女性を性欲の対象として見る側の見解である。 女性であるなら大切でないはずがない髪を為す術なく汚されている事実に、 木乃香は絶望的な感覚を味わった。 「こ、こんなんイヤやぁっ……、ひぃっ……!」 「うぁぁっ、このかさんっ、このかさん……ッッ!!」 ネギの腰使いが荒さを増し、びくびくと震える感覚が髪越しに伝わる。 髪の毛が焼き切れてしまうのではないかとさえ感じるほどの擦過が続く。 やがて、ネギが息を詰まらせたようなうめき声を上げた。 びゅるっ! びゅぶぶぶっ!! ぶびゅうううっ!! 「ひ──、ぃぁぁああぁっっ!?」 直後、木乃香の髪に叩きつけられる多量の熱濁。 ネギのペニスが激しく脈打ち、亀頭の先端からぶびゅぶびゅと白液を吐き出した。 髪の毛を通り抜け、それは白く細い首筋にさえ付着していく。 ねとり……とした触感と、肌を垂れ落ちる粘液の気持ちの悪さ。 首の後ろに放たれた精液から立ちのぼる性臭が、木乃香の鼻をつく。 鏡越しには後頭部の惨状を見ることは出来ないものの、その臭いに悲嘆に暮れる。 「っ……! ぐすっ……、や、ぁぁ、べたべた、っっ……!! ネギ君、ひ、酷い……ぇ……っ……!!」 涙をこぼしながら力なく責めの言葉を吐く木乃香にもまるでかまう様子もなく、 ネギは一心不乱に射精後のペニスを木乃香の髪に擦りつける。 「ふぅっ、はぁ、っ、はぁ……っ、んっ──……」 ペニスを根元から強くしごき、輸精管に残っている精液の残滓を絞り出して拭う。 先走りとは色の濃さも粘性もはるかに違う白濁液で、 木乃香の頭には卑猥極まりないデコレーションが完成していた。 「……っ、すごく、キレイですよ……んっ……」 射精の始末をし終わったのか、ネギが木乃香の目の前に移動してくる。 「ひっ……!」 木乃香は、突然目の前に突き付けられたモノを見て恐怖に息を詰まらせた。 隆々と天に向かって反り返る勃起がそこにはあった。 男性との性的経験の少ない木乃香であっても、 男が射精をするということや、射精すればペニスは小さくなる──ということくらいは知っている。 なのに、ネギのソレは疲れを知らないかのように木乃香に矛先を向けていたのだ。 「あ、ひっ……! や、アカン、ち、近づけんといて……っっ!!」 眼前に迫る剛直。 すべてを吐き出したはずのソレからは、早くも新たな先走りが滲み出していた。 「~~っうううっ!?」 動かない首に必死に力を入れ、少しでも顔をそむけようとするが、徒労に終わる。 そうして引き攣った木乃香の顔――ちょうど、おでこのあたりに、ネギはゆっくりと腰を近づけていく。 「……次は、前髪に……、出させてください、このかさん……っっ♪」 その表情は、普段の凛とした少年の顔とは程遠い――、熱に浮かされた貌。 木乃香の顔色が、額に近づく亀頭に呼応するように青ざめていく。 ――そして、髪だけを標的に据えた宴はまだ続くのであった。 おわり
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712 ◆O/UZZY.mgg sage 03/06/12 22 21 ID bpNZxR9v 第三話 (今日、突然倒れたのは、一体なんだったんだろう……。 あの後、保健室で休んだあとは良くなっていたみたいだけど……。 そういえば、ココ最近、普通の授業の時でも、調子悪そうにしていたみたいだったな……。) 練習中に亜子が倒れた日の夜、ネギは、木乃香の実家に遊びに行った同居人二人が居ない部屋で 一人寝の寂しさに震えながらも、いきなり倒れた亜子の事を心配していた…。 (そういえば、和泉さんの同室の佐々木さんやゆーなさんに聞いてみたけど、明確な答えが返ってこなかったな…。 今わかっている事といえば、大方昼間体調が優れないことがあって、夕方以降になるとそうでもなくなる事、か。 昼がダメで夜が平気……まさか、吸血鬼なんてことはないよね……なにより、ここは日本…なんだ…から……Zzz......) 色々と亜子について考察しているうちに、ネギは疲れでそのまま熟睡モードに突入した。 きぃぃぃぃぃ………ぽむ 「………………」 週末の夜を白河夜船に揺られるネギの元に、妖しい闖入者が入ってきた。 (何とか、みんなのお陰で、正式な教員になれたけど、 メルディアナの同期のみんなは今頃どうしているだろ…。 アーニャ……ロンドンのスモッグの中、元気でやっているかな……。 お姉ちゃん……いくら僕より大人と入っても、僕が居なくなった事で淋しくなっていないかな……。) どうやら、ネギは、故郷のみんなを心配したり懐かしがったりしている夢を見ているため、全く侵入者に気づいていない…。 (あ……お姉ちゃん……一緒に寝てくれるんだ……。 えっ!おっぱい触らせてくれるの……やった!!! えっ……直に吸ってもいいの?正教員として根付けたご褒美に……ありがとう…。 えっ……その前に……キスさせて欲しい?それまではダメ……? う、うん、判ったよ、お姉ちゃん……。あ、あぁん……あっ……あん…………!、!?はうっ?! ちょ、ちょっと、何してるのお姉ちゃん!!何で僕の血を……えうぅ……気持ちよくて力出ない……でもこれじゃダメだ!ごめんお姉ちゃん!) 「え――――――――――い!!」 どんがらがっしゃ――――――――――ん 「あれ……夢か……でもなんで起き上がる時に人の重さ感じてたんだろ……おまけにちょっと首がすーすー……!!だ、誰だ!」 「う……うう…………」 (ま、まさか……この日本に……吸血鬼!? 落ち着け……落ち着くんだ……えーと、確かこの手の相手を拘束できる魔法があったような……思い出した!えーい!!) ネギの夢とシンクロするように現れた吸血鬼。 正確には、吸血鬼がネギの寝首をかく為にした行動がネギの夢にフィードバックされていたのだが…。 歳不相応な冷静さで、吸血鬼の動きを拘束する魔法を発動させた。が……。 「「あ、亜子――――――――――、ダメ――――――――――!!……あ。」」 「え……佐々木さん、ゆーなさん……。」 「……なるほど、そういうことだったんですか…………。」 「はぁ……スンマセン、ネギ先生……ウチがこんな体質なばっかりに巻き込んでしもて……。」 「ていうか、私的にはネギ君の力の方にびっくりだよ……。」 「前々から、特に、島の時から普通の子と違うなーって、思ってたけど……。」 なんとか、事の収拾をつけるべく、仲良し3人組の部屋に来たネギ。 今の騒動で、三人に、ネギが修行中の魔法使いであることが発覚され、 同時に、亜子が、かつて他の吸血鬼に襲われたことで自分もそれになっていたことがネギに発覚してしまっていた。 「んで、何とか悪あがきして逃げよう思て、しくじって血を吸われたところが、この痕やねん……。」 他の女子には公然の秘密となっていた脇腹の傷を、ネギに見せる亜子。 「…………て、なにまじまじ見てるん?」 「え……あ、いや……その……綺麗なおなかだなー、と思って……すいません。」 「!!な、何アホな事いうてるんですか先生!!……こない、傷物やのに……。」 「そんな事ないですよ……例え傷があろうが、和泉さんは和泉さんですから……。」 「あー、ネギ君言ってることがエロオヤジになってるにゃー♪」 「あははは!流石は「イギリス紳士」言うことが違うねー♪」 「ななななな、なんでそっちの方に行くんですか!! ……まぁそれはともかくとして、今までは今のままで良いとしても、最近の感じじゃ、 そうは言い切れないんじゃないですか?和泉さん。最近頓に昼間の体調が優れない感じに見受けられるので…。」 「そうなんや……今までは、まき絵や裕奈に、定期的に血を分けてもらえれば、 他の子と同じように普通に生活できてたんやけど……最近は血を貰う頻度あげないとしんどくなってきたねん…。 時々、まき絵と裕奈も、あんまり調子が芳しくない時あるやろ?それも、ウチが原因なんよ…はぁ、ウチ、どんどん人でなくなっていく…。」 「それでさ……実を言うと、ネギ君が来る前に、バカレンジャーのみんなで、亜子の為に 「この世のありとあらゆる憑き物を払うことが出来る方法を記した本」を探したことあるんだけど…… この前の頭がよくなる魔法書の時と違って、ゲームみたいなモンスターがうようよいてバカレンジャーでもどうしようもなくなって諦めてたの。」 「…………それだ!!」 がばっ! 「「「あ、ちょっと、ネギ君、ネギくーん!!」」」 何とかして亜子を救いたいという一心から、その魔法書の話を聞いた途端に、 ネギは飛び跳ねるように部屋を後にしていった。恐らく、このまま図書館島に行ってしまうのであろう。 「ねぇ……ネギ君、さっきの本の場所、わかるのかな?」 「「さぁ?」」 第三話終
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332 (;´・`)@Bフレ中毒 ◆O/UZZY.mgg sage 03/11/20 03 52 ID 6+orW9Bm 巻の五 (最終話) 「あ、ちょっと待ってください……。」 がさごそ…… 「あ、あった。」 ぱくっ ちゅっ、ちゅ、ちゅう………… 「あん、そんな、いきなり……。」 「楓さん、ちょっと、口開いてもらえませんか……。」 「え……ん、あーん……!!?」 ごく、ごくんっ 何か薬らしき物を口に含んだネギは、続けざまに楓の母乳を口に含み、 口の中の物を口移しで楓に全部飲ませた。 「ちょ、ちょっと、ネギ、何を飲ませた?」 「えーと、その……【万が一の間違い】にいつ直面しても大丈夫なように、 特製の避妊薬を飲ませておきました。こうしておけば、後で何も問題は無い筈です……。」 「…………。」 「え……僕、何か気に障る事を言いましたか……?」 「あ……いや、あれだけ暴走しておきながらそこまで気を回してくれるのが、 ちょっと照れくさく思えてね……。それに、避妊の事なら、忍術の一つで それに対応する事など造作も無かったのに……かたじけない、ネギ……。」 「いえいえ……。ところで、ここでは何なので……。」 ひょいっ 「え……あひゃあっ!」 「テントを壊してしまうといけないので、外に移ります。」 ネギはそういって、魔法力で補助しつつ両腕と剛直で楓をお姫様抱っこで持ち上げ、 テントの外の近くにある草むらまで、楓のつま先と後ろ髪を少し引き摺りつつ運んでいった。 「ちょ、ちょっとネギ、恥ずかしいよ……!」 「え?今ここにいる人間は僕達二人だけですよ?」 「あ…そうじゃなくって……今まで、里や、任務の時に、男を抱きかかえた事はあったけど… こうやって、男の人に抱きかかえられた事……幼い時以来、無かったから………………。」 「えへへ。これで、図書館島の最下層の借りが返せましたね♥」 「ま、まだそんな事覚えてたの……バカ♥」 恥ずかしがる楓を降ろし、再び臨戦態勢になるネギ。 「それじゃ、いきますよ……。」 にちゃ…… 「くっ……。」 ずぶずぶ…… 「はぁぁ……くぅっ!」 (なんて太さなの……もう余裕がないなんて……。こんなの奥まで入ったら……) ずぼっ!! こつん…… 「んん━━━━━━━━━━━━!!!!!」 びくん、びく、びくんっ! 常識はずれの逸物をいきなり勢いよく挿入された上に、 奥の子宮口を突っつかれた衝撃まで併さって、 本来の意味での修行の甲斐なく昇天してしまった……。 「楓さん、楓さんっ!大丈夫ですか!?」 「大丈夫なわけないでしょ……はぁはぁ……いきなり奥に当たってきたから……。」 「す、すいません……。」 「謝る事は無いよ。すごく良かったから……。 ああ……ネギの逸物の鼓動が…温度が…直接おなかに響き渡ってくる……。」 「僕も……楓さんの中の、熱くて、柔らかくて、きついのが判ります……すごい気持ちいい……。」 「さぁ……私は気にしないで、どんどん突いてきて!あたしのをネギので満たして!!」 「は、はい!」 多少の理性こそあれ、すでに壊れている二人。 任務の為に鍛え上げられた女陰と、女性を犯し殺す為としか思えないような巨根。 問題なく結合できたのを理解した直後から、互いの死力を尽くすかのように貪り始めたのであった……。 きゅううううううん! 「はああんっ!楓さん、それ、いい!もっと、もっと締めてぇぇ!!!」 「そんな……密偵のを捩じ切る為に使った術が効かないだなんて……。」 「ちょっと待ってください!何でまたそんな物騒な事を……やっぱり本当は…。」 「ち、違う、そんな悪意は無い!ただ……ネギが激しすぎるから、 ちょっと休みたくて……冗談でやっただけだから……ごめん、ネギ。気を落とさないで。」 「いいですよ。悪意が無いのは判りましたから……。でも、ちょっと驚いたので、休ませません♪」 「ござぁぁぁ............」 ネギの予想だにしない激しさに消耗し、ここいらでまったり、と思って 冗談で「奥の手」を出して止めようとした楓だったが、逆にネギを悦ばせてしまった挙句に、 楓は息つく暇すら奪われてしまっていた……。 じゅぷっ(こんっ)じゅぶっ(こんっ)じゅぶっ…… 「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」 「はぁはぁ…楓さん……僕、喉が渇いてきました……。」 「おやおや~?はぁはぁ……休ませないといったのは何処の何某だったかなぁ?えいえいっ♪」 「きゃっ、はうっ!誰も休むだなんていってないですよ。そもそも手近な所に……。」 「へ……ま、まさか……?」 ちゅっ、ちゅぱ、ちゅうぅぅ………… 「ひっ、ひいぃぃぃぃぃぃん、だ、駄目!今、吸うのダメェェ!!」 (吸われる、吸われるぅぅ……只でさえ下は火事場みたいになってるのに、 上までそんな事されると……気持ちよすぎて本当に壊れちゃうよぉ……) きゅん、きゅん! 「はぁぁ……すごい……おっぱい吸われてこんなに感じちゃうんだ……よーし、もっと吸っちゃえ♥」 「い、いやああああああああん!」 (ち、違うのぉ!気持ちよすぎて、また私一人だけイッちゃうのがイヤなのぉ!!) また一人だけみっともなく昇天するのが恥ずかしくなった楓は、 奥の手を使ってネギに呼びかけるも、逆にそれが今のネギには最高のご馳走になっている事を 見事に失念し、余計に重い快楽のメインディッシュを喰らう羽目になってしまい、 要らぬ所でバカブルー丸出しになってしまっていた。 「しかしさっきから、ダメとかイヤとか言っている割には……顔が凄く嬉しそうにみえますよ……。」 「そ……それは……気持ちよくされるのは、嬉しいんだけど……一人だけでイクのが……面目が無くて……。」 「そんな事気にしなくていいですよ。最初は僕が散々気持ちよくなってましたから。 だから、楓さんも、遠慮しないで、どんどん気持ちよくなってください。あまり技には自信ありませんが……。」 「技なんか無くても、ネギのは、スゴイよ……。その一生懸命さだけでも……。」 「ありがとうございます……。あ、顔といえば、さっきから、楓さん、両目が開いてますね……。」 「えっ、そ、そう……?ふだんから、あまり目は開かない方なんだけど……。」 「普段の糸目な楓さんも、優しげで良いと思いますが……今の両目開いた楓さんは……。」 「今の私は……?」 「凄く綺麗で……そして、えっちな感じです……。」 「やだ、もう……イギリス紳士がそんな事ばかり言っていると、本当に千切っちゃうぞ♪」 「はうっ!」 途中で気づいた顔と態度の乖離の意味が判り、もっともっと良くしようと再び本腰を入れるネギ。 中々言い出せなかった意地をも心配するネギの優しさに再度惹かれ、再び快楽に身を投じる楓。 それぞれの想いが交錯した末の甘く激しい睦み合いも、 楓の迫力のボディ、ネギの魔法力による意外な膂力と逸物の所為で、 端から見れば弩迫力の獣のような交わり合いにしか見えないであろう。 「あああ……楓さぁん……もう、僕、出ちゃいそうです……もっと、もっと締め付けてぇぇ!!」 「そう……もう、私も限界……ネギ、もっと吸って!もっと突いて!!もっとこわしてぇぇ!!」 じゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっ………… きゅんっ、きゅっ、きゅきゅきゅきゅ……… ちゅぱっ、ちゅぱっ、うじゅうううう………… 「ひゃああああんっ!楓さん、出る、出ちゃいますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 「ネギ……あ、わ、私も、もう、ダメ……思いっきり出してぇぇぇぇぇ!!」 どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ………… どびゅるるるるるるるるるるるるるる………… ネギは楓の子宮内に溢れかえり、そして膣外まで漏れ出すほどの大量の精子を放ち、 楓は、ネギの口では全て受けきれないほどの母乳を、天に向かって綺麗なアーチを描きながら発射して、 同時に昇天し、それでもなお結合を放さずに、 楓はネギを強く抱きしめながら、ネギは楓の乳房に顔を埋めながら強く余韻に浸っていた…………。 外にまで及んだ激しい行為の後、二人はもう一度ドラム缶の五右衛門風呂を沸かしなおし、 まるで親子か恋人同士かのように、向かい合ってじゃれ合いながら行為の汗を流していた……。 「昼間に続いて、さっきまであんなに動いて……大丈夫でござるか?」 「へへ……流石に、今となってはちょっときついです……。」 「そうでござるか……でも、成長していけば問題ないから、気にしなくていいでござるよ。それより……。」 「それより?」 「学園に戻ったら、拙者を、パートナーとして受け入れて欲しいでござる……。」 「ええ。よろこん……」 むにゅん…… 今頃になって積もりに積もった疲れがどっと出て、湯船で眠りついてしまったネギ。 しかしその寝顔は、至極安心しきった穏やかな寝顔で、楓の乳房にしがみつきながら安らかな寝息を立てている。 楓は、再び母性溢れる穏やかな顔で見つめながら、ぽつりと今の心中を呟いた……。 「ふふっ……アレだけ散々驚かしておいて、これでござるか。 でも、ここまでの器だったら、今後の苦しい事態も、きっと上手く切り抜けて、一緒に笑い飛ばせそうでござるな……。」 その週明けの月曜日の昼間 学生食堂にて――― 「あー、ネギは職員室に呼ばれてるし、このかは学園長に呼ばれているし……。 なんか久しぶりに一人きりの昼食になっちゃったなー。 最近はネギに付き纏われるのもそんなに嫌じゃなくなってきたし、なんか淋しいな……。 しょうがない、バカレンか図書館部かチアの連中かいいんちょと合流して相席してもらおうか………。」 そう呟きながら、ネギの仮契約従者・神楽坂明日菜は、 注文した昼食を持ちながら、食堂敷地内をぐるぐる彷徨っていた。 「おやおや、席がないでござるか。よければ相席でも構わないでござる。」 「あっ、楓ちゃん!いいの?あの双子は?」 「二人なら、また何かよからぬ悪戯を思いついて先に行ったでござるよ。」 「あ、そう……それじゃあ、失礼するね。」 路頭に迷っていた明日菜を、楓は誘い込んだ。 おにぎりセットとプリンパフェを頼んでいて、後はパフェを半分残している状態。 いろいろと学園生活について等の取り留めない話をしながら、完食し、 立ち上がり様、妖艶かつ、たくらみ深い薄い笑顔で明日菜の耳元で囁いた……。 「あんまりネギ坊主の気持ちに気づかずにボサッとしていると、こちらから掠め取ってしまうでござるよ……ニンニン♥」 「えっ?………………!!」 ━━━━━━完━━━━━━
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359 :ベンジャミン内村 ◆Q4Q0yKXgEE :2006/04/09(日) 10 31 49 ID hzw1TwHx 【リクエストSS・雪広あやか流房中術髪扱き/母乳絡み 5】 ゆさゆさと、魔力で肥大させられた大きな乳房を揺らして。 しこりきったその先端からは母乳を噴き出させながら。 中学三年生の少女が、その若さに似合わぬ妖艶な仕草で十歳の少年の上に跨がっている。 少女──雪広あやかの、お尻の下まで伸びたきらめくブロンドヘアの一房は、 少年──ネギのまだ剥けきっていない、幼さを残した勃起に絡みついて動きを封じ。 そうして今まさに。 スレンダーなのに女性特有の柔らかさを十分に感じさせる太腿があぎとのように開かれて、 淫らに花開いた未通の秘所が、子供先生の若い肉茎を頬張ろうと口を開けるのであった。 くちゅ──り……っ……。 やがて、膣口と亀頭が軽くキスをする。 「~~っっ!!」 触れた瞬間に、その煮えたぎるように熱をもった粘膜同士の接触に驚いて腰を跳ねさせるネギ。 髪の毛で幾重にも巻かれてはいるものの、それは微塵も快楽を軽減してはくれなかった。 むしろ、二人の敏感な肉の器官に挟まれて擦られ、より一層食い込んでいく。 「や、ひあぁっ、んぁぁっ!!」 「──っ、ああっ……! こ、こんなぁ……っ!!」 ずじゅ、ざりっ、ざりぃぃっ……!! 発情しきって過敏になっていた恥肉どうしの粘着音に、乾いた擦過音が混じる。 互いの恥肉へ押し付け合い、コイルの様に巻かれたしなやかで強い髪が異質の快楽を与えていったのである。 亀頭部分を膣内に受け入れただけで、全身に気が狂いそうな快楽が駆け抜けた。 このまま先へ進めば――それこそ、気が触れかねないと。あやかの身体が反射的に自身を押しとどめようとする。 その瞬間、びくりと震える身体。しかし、あやかの心が身体をすぐさまに凌駕した。 「はぁ、あ、くぅぅぅっ……!!」 「ひぁ、あぁぁぁっ!! ひ、や、ぁぁっ! いいんちょさ……っぁぁ!!」 ず、ずずずっ…………、じゅぶっっ……!! びぢゅ、ずぶぶぅっっ……!! 息を吐き出しながら、徐々に脚の力を抜いてネギの上に腰を下ろしていく。 ペニスの竿の部分をゆっくりと飲み込んでいくあやかの秘所。 多量すぎるのではないかというほどの愛液を分泌しながら、そのすべてを体内に収めきった。 全体に巻きつけ、しっかりと結んだはずの髪の毛が、 まるで輪ゴムを取りまとめるかのように膣でしごかれて付け根に押しやられる。 「――ぁ、ぁぁ……ッ、ネギ、先生の……で、ぇ……、いっぱいに……んぁっ……」 歓喜に身震いするあやかの太腿には、破瓜を示す赤い痕跡があったが、 それに頓着している余裕も、痛みを感じている余裕もまるでなかった。 悩む時間はとうに過ぎた。あとは愛し合う以外に何があろうかと。 母乳と共に撒き散らされている魔力の放散が、あやかとネギの性感を押し上げていく。 「んぅ、ァ、ぁぁぁぁ……!」 ず、ずずずずずぶぶぅゥゥッ……!! ずぶっ、ずっ、ずっ、ズブッ! ずぢゅっ、ずぢゅぶっ!! 両腿に力をこめ、あやかが腰を引き上げる。騎乗位のまま、開始されるピストン運動。 持ち上げては脱力する――という行為の繰り返し。 ネギの下腹部に自らの尻肉を叩きつけんばかりの強さで、粘着音と打擲音が混じって響いた。 そうやって身体を揺らすたび、その動きよりもさらに激しく揺れる乳房。 先端からはなおも盛大に母乳が飛沫き、二人の身体に跳ね返りしとどに濡らしていく。 睦み合っているベッドのシーツも既に、バケツをひっくり返したかのような惨状になってしまっていた。 にちゅにちゅという音。愛液の粘つきに巻き込まれるように、 ペニスの根元に押しやられた髪の毛が膣に引っ張られて再び竿の部分を擦りあげる。 愛液に塗れたせいで初めて挿入したときほどのサラサラ感は無くなってしまったが、 それでも食い込み、絡まって絞り上げる髪の毛の感触はネギを狂わせた。 「ひぁ、あぁぁ! ダ、メぇ……っ、うぁ、あぁぁぁっ……!!」 「ネギ先生、ネギ、せ、先生ぇ……!!」 あやかもまた、ネギの名前をうわごとの様に繰り返すのみ。 それでも、腰の動きは単調なものではなく。 円を描いてみたり、深く密着したままで内壁を擦ったりと、本能でネギの牡の部分を歓ばせようと躍起になっていた。 ネギの喉は反らされたまま。もはや動く気力さえも吸い尽くされたように震えるだけで。 その体勢のまま、あやかの動きに合わせて身体が跳ねる。完全に快楽に翻弄されていた。 ペニスに巻きついた大半の髪の毛も、激しい交合の果てに千切れて解けていく。 それらがまた、寄り合わされて捏ね固められ、球になって二人の粘膜を刺激する。 塊になったソレに、ようやく髪の擦れる感触に慣れ始めた粘膜がまたも敏感に反応させられた。 「はひ、も、もう、いやぁっ、ッ……! お、おち、ん……ち、が、ぁぁっ……!!」 「と、止まらないんで、ですっ、ふぁ、ぁぁ!!」 明らかに許容外の快楽。それでも突き動かされるようにして、貪りあう二人。 ペニスも膣も、その粘膜の表面が赤く腫れあがりかけるほどに交わりあった。 ぶぢゅ、ぐぢゃ、じゅぶっ、じゅぷ、ぢゅ、ぶびゅっ、ぐぢゅっ――!! 「ぁ、っ、イ、ひィっっ……!!」 ――そして、数え切れないほどの粘膜同士の擦りあいの末に。 あやかは、自身の最も弱い箇所に――ネギのペニスで、自らの動きで到達した。 俗に「Gスポット」などと呼ばれるその場所に亀頭の先端が触れてしまったのは、まったくの偶然。 しかし、劣情で完全に火のついた身体は勝手にその刺激を繰り返し求め続けて。 ピストン運動というより、痒いところを掻き毟るような速度で――、あやかは膣内を掻き回した。 咥え込まれた股間からダイレクトに伝わってくる、肉の接触と髪の毛の擦過による二重の快楽に加え、 たぷたぷと縦横に揺れ弾む乳房の重量感が視覚を、そして撒き散らす母乳が味覚と嗅覚を刺激した。 正に全身を責め苛まれるという言葉が相応しい快楽に、遂に身体と心が同時に限界を訴える。 「――……ぁ、あぅぅぅっ――――!!」 一際高い、まるで少女のような叫び声。ソレと同時に、ネギのペニスは本日最後の精液を高く放った。 放たれた子種は、一滴も漏らさずに繋がったままのあやかの膣内へと飲み込まれていく。 その熱さに、まるで膣から脳天まで突き刺され突き抜けたような感覚をあやかは味わった。 騎乗位のまま、背筋を反らして絶頂に達する。 「ッ、ゥウゥゥゥゥゥゥ――!!」 びゅぶぶっ、びゅるっ、びゅぶぅっ!! びゅっ、ぶびゅぶっ!! 精液の塊が膣内の奥へと弾け叩きつけられる回数が、そのままあやかの絶頂と重なった。 「ひ、ィ、イク、っ、っぁぁぁあああぁ!!」 仰向けになったネギの頭の両脇に手を置いたあやかが、濡れたシーツを鷲掴みにしながら絶叫する。 「ぁ、ぁぁぁ……ぁっ……っ!」 ――どさ……ぁっ。 腕の力が、否、身体全体の力が萎えて、ネギの身体の上に倒れこんでしまう。 ずぶ、ぢゅぷぷぅぅっ……!! 「あぅっ……!!」 身体を倒した拍子に、精液を吐き出しきったネギのペニスがごぼりと音をたてて膣内から抜け落ちた。 その様相は、先ほどまでの凶悪そうな牡の器官ではなく――10歳の少年そのもののソレ。 愛液で亀頭から竿、果ては陰嚢までもぬらぬらと濡らし、千切れた髪の毛の残りが巻きついている、 ――という差異はあるが、その縮こまり方は明らかに子供のそれであった。 中国拳法を習ってはいるものの、まだ少年らしさを些かも失っていないネギの胸板の上で乳房がひしゃげる。 あやかはそのまま横へ転げ落ちるようにして、ベッドの上で脚を絡ませあいながら寝転ぶ形となった。 「ぁ、あら……? す、すいません、ネギ先生……、な、何だか、力が抜けてしまって……」 「大丈夫ですか、いいんちょさん!?」 「え、ええ。問題ありませんわ。……ちょっと、眠いですけれど――……」 恥液に、汗に、母乳で濡れ鼠さながらに身体を濡らしたまま、ベッドの上で気遣いあう二人。 「……それなら……眠った方が良いですよ? 僕も……ふぁ……っ」 性交という全身運動を続けざまに、しかも多分に変態的なそれを行ってきたのである。 初めてなのに、若さに任せて幾度も。それで疲れないはずはなかった。 ネギの欠伸をきっかけにして、二人の意識は急激に消耗を自覚する。 とろりと蕩けてしまった瞼どうしで見詰め合った。 「――……いいんちょさ、ん……」 「ン……ネギ、せ……先生……」 眠りの間も互いがそこに居ることを確認しあうように名前を呼び、目を閉じ――ようとした瞬間。 「……そうですわ、ちょっと待ってくださいませ?」 今にも眠りに落ちようとしていたネギを呼び留める。 眠そうな表情であやかを伺うネギを目の前にして、何を思ったか片手で乳房を掬い上げた。 掴みあげた指先がむにゅりと乳肉に容易く沈み込み、中心の乳首を乳輪ごとぷっくりと浮き上がらせる。 期せずして搾り上げる形にされて、奇異な形に揉み歪められた乳首の先から雫となって溢れ出すミルク。 あやかの口が、ゆっくりと開かれる。 いつもの上品な所作とは違う、舌を出し気味にしながらのはしたない大口。 まるで好物を目の前にした子供のように、待ちきれないと首を傾げ。 自らの乳首を不意に口に含み、ちゅうちゅうと吸い立てた。 「……え、っ……?」 突然のことに、眼を丸くするネギ。 頬の窄まり具合から見ても、自ら母乳を吸っているのは明らかで。 あやかが何をしたいのか理解できず、硬直して。しかし、あやかの口元から視線を離せなかった。 ちゅぽ……っ。 「ン……むぅ……っ」 しばらくしてあやかが、自身の乳房から唇を離す。 ぶるんっと勢いよく弾み、元に戻る乳房。口元からは、乳白色の残滓が漏れ覗いていた。 「あ、あ……あの……っ」 「ん――…………♪」 何かを言おうとするが言葉にならず当惑するネギに、あやかはひとつ舌なめずりをすると。 ――そのまま、有無を言わせずに唇を重ねた。 にちゅ、くちゅ、……ちゅぱっ……♪ くちゅ、ぴちゅ、ちゅっ……♪ 「んぶ……ぅぅっ!?」 「ん、んんッ、んっ……」 飲んでいたのではなく口中に溜めていたのだとネギは気付いたが、それでどうにかなる訳でもなく。 あやかの口の中で温められたミルクが、直接流し込まれる。 とろとろ。とろとろ。 唾液より粘性が低い代わりに、果てしなく甘く鼻腔から抜けていく感覚。 「ぁ、んぅ、んっ、んんっ……!」 「はぁ、ぁっ、っ……」 唇どうしの触れあい。横になったネギの頬をつたって、白液がぽたぽたと垂れ落ちる。 名残惜しげにあやかの舌がネギの口腔粘膜を這いまわり、 最後にチュッ、と音をたてて、ようやく唇が交わりを解いた。 「はぁ…………ンゥっ……」 陶酔したような溜息をつきながら、満足したという顔をするあやか。 「それでは、改めておやすみなさいませ。ネギ先生……♪」 「――は、はぃ……っ」 すっかり骨抜きにされてしまったように、頷きを返すネギ。 微笑みを返して、眼を閉じるあやか。それを見届けてから、ネギもまた眼を閉じた。 ============================================ 起きてからがきっと一番大変だろう――と、ネギとあやかはどちらも理解している。 ネギが持っていた年齢詐称薬は大人から子供に戻ったあれで最後であったし、 あやかの髪は念入りに手入れをしなくては元に戻らないはずで。 二人の服はあやかの母乳に濡れてしまっているから、新って乾かすにも大変だろう。 いろいろと考える事は多かったが、とりあえず今はそんな無粋なことを考えるのは止めて。 充足感に包まれたままで眠りにつくことにしたのであった。 余談として。 魔力の暴走は一時的なものであったのか、朝起きるとあやかの胸の大きさは元に戻っていた。 ……しかし、感情が昂ると母乳がでてしまう体質は戻らなかったという。 それを利用してネギを責めたり責められたりして、更に倒錯的な世界にはまり込むことになったのだが──、 尚も、あやかは魔法の存在を知らない。
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803 (;´・`) ◆O/UZZY.mgg sage 03/10/04 02 29 ID a4X8rm98 巻の三 夜中―――――― 昼間、楽しさのあまりに疲れを忘れたのか、入浴後どっと寝てしまったネギと楓、 今回も一緒のテントの中で夜を迎えていた。 そんな中、ふと目覚めた楓は、母親が我が子の成長を優しげに見守るような顔でネギを見つめながら物思いに耽っていた。 (ふっ……。 10歳そこいらでずば抜けて頭がよくて教師を務め、おまけにとんでもない魔法まで使って……。 線が細いながらも中々どうして頼もしく感じられるというのに、こうしていると普通の子供と変わらないでござるな。 修行のためとはいえ、経験が少ないこの年齢では、怖いと思う事も結構多いでござろう……。 それを、よくもまぁこの小さな体で耐え抜いて……常人とは違う環境とはいえ、 拙者の十の頃はここまでのことが出来たでござろうか…。まぁ、怖い思いに巻き込ませた片棒担ぎが考える事ではないでござるな。 ふふっ……。こんな事考えていると、何か、拙者がネギ坊主の母上になったような錯覚に陥っているみたいでござるな…………?) 「……あ……さん……。」 やや照れを感じつつ楽しげに考え込んでいた楓の耳に、ネギの寝言が微かに流れ込んできた。 (何か、夢でも見ているのでござるかな……いったい、どんな夢を見ているのでござろうか。 故郷の思い出?今までの出来事の回想?……職業柄とは言えど、我ながら悪趣味でござるな…。) 自嘲しつつ、楓は、ネギの夢によって紡がれる寝言に聞き耳を立てた。そこには…… 「……すなさん……あ…なさん……アスナさん……」 夢の中でも、ネギは、アスナの後ろで子犬のように尻尾を振っていたようである…… (やれやれ……夢の中でもアスナの心配でござるか……。 学園長の奨めとはいえ寝食を共にして、そして、ネギ坊主の姉上に似ていると聞いた事があるとはいえ、 こんな事を、ネギ坊主に夢中になっているまき絵や委員長などの皆が聞いたら、さぞ淋しがるでござろうなぁ。 最近は、最初の頃より仲良くなっているとはいえ、まだ色々と干渉しているように見受けられるのに、良くついていけるでござるな…。 拙者がアスナの立場だったら、人として、男子としてするべき事の口出し以外は、全て受け入れて、立派になるまで守っていたいのに…) ずきんっ (!?……何だ、今の感じは……? まさか、拙者が、アスナに嫉妬……? そんな……ネギ坊主の心は彼奴の方に向いているというのに……。 それこそ、クラスの一部はその両人の雰囲気から半ば公認にしていると言うのに……。 しかし…しかし……この感じは……ああ、胸が苦しい……ああ、淋しいでござるよ……。) 産まれて初めて、職業的に押し殺そうとしても潰えない感情に、楓は戸惑いを禁じえなかった…… (ふふ……これでネギ坊主が本当の主だったら、家臣失格でござるな……。) この後はなるようになれ、といった感じで自嘲しながら、楓はそっと、ネギの唇に自分の唇を重ね合わせた…… 「んっ……んん……んっ!ぷはぁ…。はぁ、はぁ、は……な、長瀬さん、一体何を……んんっ!」 かなり長く、熱い接吻で息苦しくなり、ネギは目を覚ました。 「んん……んっん……ふぅ。ネギ坊主に、ある件について、仕置をするところでござる♪」 いつもの笑い顔ながらも、少し頬を上気させて、楓は悪戯っぽく答えた。 「ある件って、一体なんですかああああああああああっ!!!」 「暫しの間、自分の胸に聞いてみるでござるよ♪」 意味不明且つ、心当たりが皆目見当つかない事項について問おうとした刹那、 ネギの肛門に、何かの骨らしい物質で出来た傘か杖の柄の様な物が楓の手によって挿入され、 暫くの間、その物体によってもたらされる、ペニスで得る物とは違う快楽にネギは身をよじらせ続けた……。 「はっ、んん、ああんっ!んんん……くうっ!な、何コレ……? おなかが熱いよぉ……先走りしか出ていないのに、イッちゃいそうだよぉ……ふあああんっ!」 肛門に挿入された異物によって、ネギは連続的に無射精でイカされ続けていた。 肝心のペニスは、ネギの腕並みにまで赤黒く怒張し、血管までグロテスクに浮き出ているのに、 透明な先走りだけを大量に吐き出し、己を包み込んで淫靡に光らせているだけであった……。 「拙者が今、ネギ坊主に使った獲物は、恵根鮪(えねまぐろ)(※)の骨と肝をつかった拷問道具で、 それを尻に差し込まれた男児は、たちまち淫らな女人のように半永久的に、 しかも最後まで男児として至らせないまま、その身を悶え振るわせるでござる♥ もし、逸物で至らせて、現状から開放されたいのならば、先程の問いに答えるしか術は無いでござる。」 「はぁはぁ……うああああっ!そんな事言われても…本当に何が何だか…… うわあっ!また来たああっ!うわ、うわぁぁぁぁん!! ……うっ、ひっく……ぐすん……な、長瀬さん…なんで、こんな事を……僕、何か怒らせるような事を……?」 男としてイキたくても、女としてしかイク事を赦されない状態が苦痛に感じたのか、 ネギは涙声で責めの理由を聞いた。楓の問いの答えになっているかどうかは二の次という心境で。 その懇願を聞いたとき、めったに開眼しない両目を開けつつ、悲しそうな顔で楓は答えた……。 「ネギ坊主……お主、水臭すぎるでござるよ……。」 「へ!?」 ますます楓の真意がわからなくなり、今おかれている状況も失念して、素で首をかしげるネギ。 「拙者……見てしまったでござる。4月の半ば頃、橋の上で、ネギ坊主と、あのこまっしゃくれ…エヴァンジェリンといったか。 そなたら2人が、自らの信念を賭して、戦っていたのを……。 その時……エヴァンジェリンの相棒の茶々丸というからくり人形、それの邪魔立てを防ぐための相棒として…… ネギ坊主は、アスナを選んだのを。クラスの仲間が「パートナー」になるのを、思惑はどうあれ切望しているというのに、 その時は、そういう話を冷ややかに見ていた、アスナを選んでいたのを……。 拙者は、ネギ坊主から、特に何も聞いていなかったから、事の成り行きを影で見守っていただけでござったが…… もしも、拙者があの時、パートナーだったらば、あんなもどかしい事には絶対させない、誰にも落ち込んだネギ坊主を見せない! もう2度とネギ坊主が悲しくなるのを見たくない!……自画自賛ではござるが、そうする自信があったでござる……。 ネギ坊主……どうしてアスナなのでござるか?どうして、みんなや、拙者を信用しないで、アスナだけを信用するのでござるか……!!」 「!!…………な、長瀬さん……。」 穏やかで、且つ、冷静な普段からは想像も出来ない、 敗北感と、悲しみと、切なさを湛えた顔で、楓は、ありのままの心情をネギにぶつけるように叫んだ…… 「すいません……長瀬さん。 僕は、別に、長瀬さんや、アスナさん以外の皆さんを信頼していないわけではないのです。 ただ……アスナさんは、一緒に暮らしている、お姉ちゃんに似ている、というのもそうなんですが、 エヴァンジェリンさん、茶々丸さん以外は、ただ一人、僕の魔法の力の事を知っていて、 今まで、その事が他の皆さんに知られないように色々と気遣ってくれていて、あの時のような 自分の正体に関わるような緊急時には、事情を知っているあの人しか心置きなく頼める人がいなかったのです。 それに……何より、あのような、下手をすれば全生徒まで被害が及ぶような事態に、何も知らない他の生徒を 自分の身勝手で迷惑を被らせたくなくて……本当は全部一人で抱え込もうと考えたのですが……………………。」 切実な楓の問いかけに、今おかれている状況も省みずに、ネギは真摯に答えた。 「……本当に、優しいでござるな……ネギ坊主。昼間言ったとおり、それ故に苦しむほどに。 関係の無い、事情も知らない連中を巻き込ませたくない……その考え、全くもって真っ当な考えでござる。 だが……本当に苦しい時、困った時には、苦楽を共にした仲間と相談し、 力を合わせて、その困難に打ち克とうとするというのも、また真なりでござるよ。 日本では昔から「困った時はお互い様」という助け合いの精神が根付いているでござる。 それこそ、魔法以外の面で、ネギ坊主には、アスナ以外にも、苦楽を共にした面々がいるではござらんか。 同じく同部屋の木乃香、期末試験前の悪あがきで一緒に頑張った図書館トリオと、拙者も入っているバカレンジャー。 だから、自分の手に負えないことがあったときは、もっともっと、拙者たちを頼ってもいいでござるよ。 そして、周囲に被害が及びそうな戦闘が起こりそうな時は、躊躇せずに、拙者を頼ってきて欲しいでござる…………。」 路頭に迷う我が子に自身を戻させつつ諭す母親のように、楓はネギに語りかけた…… 「長瀬さんがそこまで考えているとは思わずに、苦しませてしまいましたね。ごめんなさい……。 これからは、自分自身を鍛錬していくのは勿論ですが、どうにもならない時は、 皆さんや、長瀬さんを頼って、共に困難に打ち克ち、互いを信頼し、それで得た物を自らの糧に出来るよう、頑張ります……。」 「本音を言うと、そのような事態の時以外の、まったりとした日常でも、もっと、拙者を頼ったりして欲しいものでござるが……」 「えっ?それは一体……」 「拙者に、二度も恥ずかしい思いをさせるつもりでござるか? それは……その……何と言ったら良いでござるか…………。 ネギ坊主の、先生としての、魔法使いとしての奮闘を見守っている内に、好きになってしまったということでござる!」 「………………」 忍者としてではなく、一少女としての意外な告白に、ネギは言葉を失っていた。 「やっぱり……拙者では駄目でござるか?」 よほど焦っているのか、答えを待たずして落胆する楓。 「駄目なわけはありません。一教師として、そして、一個人として、誰かに慕われるのは嬉しい限りです。 しかし、まだ、的確な答えを出すには、長瀬さんと触れ合っている時間が今の時点では十分ではありません。 でも、以前や、今日触れ合った事で、長瀬さんがどんな人なのか、少しだけわかってきました。 今後、さっき語り合ったように、日常から信頼し合って、長く触れ合っていった時には、 長瀬さんの事をもっと深く知る事が出来て、今よりもはっきりとした良い答えを出せるかもしれません。 ごめんなさい……まだ今はこんな頼りない答えしか出せませんが……でも、今の時点でも、長瀬さんを良いと思えます。」 まだ答えは出せないといったものの、そのしっかりとした態度に、楓はほっと安堵し、 同時に、自分を見捨てたわけではない事の嬉しさに、再び感情を昂らせていた…… 「まだ10歳だというのに……ほんとに人間が出来ているでござるなぁ……。 でも、せめて今だけは、今晩だけは、恋人同士同然に、若い夫婦同然に、振舞いたいでござる……駄目で、ござるか?」 「いいえ、僕でよければ……」 この時の楓とネギの間には、先ほど語り合った「信頼」が、当人が気づかない内に固く強く成立されていた。 そして、ネギに対する蟠りが消えた楓は、無限の責め苦に置かれているネギを開放しようと、既に動き出していた…… 「ああん!あ、はぁん…………ら、らめぇ……長瀬さぁん……もっと変になっちゃうぅ!」 「ふふふ……もうちょっと辛抱するでござる……そうすれば、もっと良くイケるでござるよ♥」 先程の緊張から開放されてほっとしたと同時に、沈黙した「恵根鮪」製の獲物が発動し、 女性的快楽の無限ループに置かれているネギを、楓は愛しげに全身をくまなく愛撫していた。 「それにしても……本当にデカイでござるなぁ……♥」 「あ、あんまり見つめないで下さいぃ~…… わ、あひゃあん!長瀬さん、そ、そんなに激しくしないで……♥」 「だって……大人顔負けの大きさなのに、持ち主より繊細で敏感だから…… 思わずいぢめたくなってしまったでござる……ほら、袋もこんなにパンパンに♥」 「やあああんっ!」 先ほどから、活火山のマグマのように先走りを絶えず湧出しているネギのズルムケ巨根を、 時には壊れ物を扱うように、或いは力強く勢いに任せて、カリ首を擦ったり、 握りきれない軸を先走りを潤滑油代わりに扱いたり、そして、睾丸も優しく、激しく揉みしだいた…… 「しかし……これほどデカイと、こんな事も出来そうでござるな……えいっ!それそれ~!」 ずぷっ!じゅぶっじゅぶっじゅぶっ…… 「はううううううんっ!ゆ、指、指入れちゃ駄目ぇぇぇん!!」 楓はネギのペニスの尿道に指を一本入れてかき回し始めた。 尋常ではない大きさだからこそ出来ると踏んで嬉々としてかき回しつつピストン運動を行い、同時に左手は外側を扱き続けていた。 ネギは、常識で考えられない事にかなり驚いているが、それとは裏腹にペニスは鮮烈に楓の指に感じていたようである。 「尻穴で感じて、おまけに尿道で感じるなんて……前後の穴で感じるなんて言うと、ふしだらな女人と変わらないでござるぞ♪」 「いやぁん、言わないで……あぁ、長瀬さん、僕、もう……」 「イキそうか?イキそうでござるか?…………なら、えいっ!」 すぽん! 楓は、ネギの尿道から指を抜き取った。離れた指と尿道からは、いやらしく先走りで出来た糸が引いていた……。 「ええっ、そんなぁ……。」 「ちょっとお預け喰らっただけで腰振って身悶えるなんて……ネギ坊主はエッチで可愛いでござるな♥」 「………………(ぼっ)」 「そんなエッチで可愛い先生には、これでイカせてあげるでござる……それ!」 ぼふっ ぱくっ 「!!」 漢の夢・パイズリ+フェラがフィニッシュブローに決定したようである…… ぐにゅっぐにゅっ……ちゅぱ、ちゅぱ……ぎゅっぎゅっ……ちろちろ…… 「んっんふっふぐ…………ぷはぁ、拙者の胸、気持ちいいでござるか……?」 「は、はい……あったかくて柔らかくて、適度に固く挟まって、凄く……いいです……あん、そこダメェ!」 先走りのぬめりをフルに活かして、楓は自慢の「ボイーン♥」級の胸でネギのペニスを 挟んで扱きあげ、同時に亀頭の敏感な場所、カリの継ぎ目や先ほど激しく責めた尿道などを下や唇でほどよく刺激していた……。 「あ、ああっ!長瀬さん、僕、僕、もう、駄目です……くふぅ!」 「今まで良く我慢したでござる……さぁ、遠慮なくぶちまけていいでござるよ!」 「きゃああああああんんっっ!!」 どぴゅるるるるるるるるるる、びゅるっびゅるっびゅるっ、びゅる、びゅる、びゅ、びゅ…… ネギの泣き叫ぶような喘ぎ声と共に、ペニス同様、規格外の量の精液が、今まで開放されなかった分、 待ってましたと言わんばかりに弾け出し、楓の口の中に注ぎ込まれた。 楓も、先程まで苦しめた侘び代わりにしているかのように、その大量の迸りを、一滴残らず飲み干した…… にゅぽん それと同時に、発射で力んだのか、ネギを悶え苦しめた恵根鮪も、肛門から排出され、床に転がり落ちた…… 「はぁー、はぁー、はぁー……」 「うっぷ、げふ、げふ…………。」 「だ、大丈夫ですか長瀬さん!ごめんなさい、気持ちよさが溜りに溜まって、つい……」 「ん…………ごくんっ……謝る事無いでござるよ。好きで全部飲み込んだでござるから。 …………不思議と、エグイ感じがなく、むしろ……ほんのり甘くて、美味しかったでござるよ♪」 「………………(ぼっ)」 「さて、こんどは、ネギ坊主が、拙者を良くして欲しいでござる。さぁ……」 巻の三・完 812 巻の三おまけ ◆O/UZZY.mgg sage 03/10/04 02 40 ID a4X8rm98 ※恵根鮪(えねまぐろ) 古来から、鮪を多く消費していた日本にあって、食用以外でも珍重されていた希少な鮪の一種。 その食用以外の用途の主立った物が肝や骨髄に含まれる催淫物質である。 その骨髄液が染み込んだ骨で作り、内部に骨髄液や肝を漉した液を封入したり、 その液を塗りこんで作った器具や、その液自体の効能は、 男性をも女性のような永続的快感をもたらす事から、男性障害の治療や、 忍者などのスパイを拷問するための手段として有力な諸藩に広まっていったという。 ちなみに、米国で勃起障害のリハビリ道具として生まれ、一般人でも 特殊なアナルオナニー器具として入手できる「エネマグラ」の機能と名前はこれに由来しているのは有名な話である。 民明書房「世界拷問史」より
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315 :ベンジャミン内村 ◆Q4Q0yKXgEE :sage :2006/01/14(土) 20 37 21 ID ZKOIYYFm(9) 【魔法先生ネギま! 121時間目 ネギ・マジばれテル マギステル・マギ OTHER SIDE】 麻帆良祭──2日目── まほら武道会での準優勝を受けて、子供先生であるネギに殺到するマスコミに野次馬、その他多数。 どこへ逃げても追ってくるマスコミたちに疲れきったネギ、千雨、茶々丸の三人は、 大観覧車へと乗り込んでようやく一息をつくことができた。 ――と、緊張が解けたのかネギの身体がぐらりと傾ぐ。 武道会で限界まで魔力――精神力――を擦り減らしたネギは、 茶々丸に「休んだ方がいい」と促されるままに驚くほどあっさりと眠りに落ちた。 横に座る、ゴシックロリータ風の服を着た茶々丸の膝の上に。 普段、まるで接点のない茶々丸と千雨の会話が続く。 二人を繋ぐ一点は、まどろみの中にいる子供先生だけ。 時に途切れがちになりながらも、続いていく。 命をかけるような羽目になったこともあるという話、仮契約(パクティオー)についての話──と。 それでも、やはり話題の少ない二人はやがて押し黙ることになってしまう。 どこか気まずい雰囲気。 ここが地上ならば逃げ出すことも出来ようが、あいにく観覧車の中である。 千雨が対面に座っている茶々丸から微妙に眼を逸らすようにした、ちょうどそのとき。 ふと、茶々丸の手が──ネギの股間に触れた。 「っっ!?」 声を出さずに驚愕の表情を出す千雨。 しかし、茶々丸はそれにまるで頓着した様子を見せずにふにふにとズボンの上からネギのペニスを揉みしだく。 子猫を撫でるように優しく撫でさする。 「ふ、……ぁん……っ」 目を閉じたまま、眠ったままのネギがむずがるように甘い声をあげる。 その声に、茶々丸の表情が和らいだ。 ──対照的に、千雨の表情は凍り付くように引き攣っていく。 (オ、オイオイ、こいついきなりナニしてんだっ──!?) ガタンッ! とうとう耐えきれずに二人の対面の席からずり落ちる千雨。 カチューシャで頭につけていたネコミミが、衝撃でズレた。 「あ、あんた何してんだよっ、いきなりっ……!! て、手コキって……っ!?」 つい大声をあげてしまった千雨に、茶々丸は人指し指を口元にあてて応えた。 「──お静かに。ネギ先生が起きてしまいます」 「っ、そりゃこっちのセリフだ……!」 いくら何でも寝てる子供にイタズラするなんて──、 そういうシチュエーションがあることは勿論判る。 だが、他の騒がしいクラスメートはともかくとしてロボットの茶々丸が。 慈しむような表情でネギの股間をさする茶々丸の姿に、千雨はすっかり硬直してしまっていた。 と、そんな千雨に向けて茶々丸が口を開く。 「──特訓のとき、お倒れになられたネギ先生をいつもこうして介抱しているのですが……」 『こう』とは膝枕のことを示しているのだろう、そう言いながら茶々丸は優しく手を動かす。 「ぁ、んぅっ、ん、っ……」 膝枕に顔をうずめたまま、ネギは頬を赤くして熱い吐息を吐く。 明らかに性的な悦びを感じている顔に、千雨はドキドキさせられた。 (……コイツ、なんでこんなエロい顔するんだよっ……!?) 「こうして撫でると、ネギ先生は喜ばれます」 その行為の意味を知っているのかいないのか、茶々丸は一定のリズムで手の平を動かし続ける。 ネギのペニスは、手が触れるごとに力を増していった。 ズボンの上からでも容易にソレと判るほどに突き上げていく。 テントを張る、という表現がこれほどに的を射ているものだと、千雨は知った。 「っ、っ……んぁ、ぁっ……」 ネギの痴態から、眼を離すことが出来ない。 股間から這い登る快楽にぷるぷると身を震わせ、額にうっすらと汗を浮かべて。 半開きになった口元からは、唾液に濡れた舌先が顔を覗かせている。 その艶かしい肉色に、眼を奪われた。 知識としてはいくらでも脳内にあることではあったが、実際に目にするのは初めてである。 鮮烈な衝撃に、声を出すのも忘れて見入ってしまった。 故に茶々丸からかけられた一言に内心を見透かされたような気がして、心臓が跳ねる。 「……千雨さんも、なさいますか?」 「なっ、なんで私がンなことっ!!」 不必要に声を荒らげ、今の状況の特異性を認識しようとする。 流されてはいけないと告げる理性に従って。 「てゆーか、こんなんしてたら起きちまうだろ!? フツー!!」 無理だ、駄目だ──と理由を並べる。 理詰めで普通に考えつく正論を喋る。 「いえ、魔力を消耗したネギ先生の眠りは深いので、ちょっとやそっとでは起きません。 ────大丈夫です」 ヒートアップした千雨の言葉に冷水を浴びせかけるような、体温の籠もらない声。 『大丈夫』と。千雨の行動を促すように。 「………あ、う……」 目の前の光景に、どんどん追い詰められていく千雨。 そう言っている間も、茶々丸の手の平はズボンを突き上げる山となったペニスを円を描くように撫で続けていた。 疲れを知らないロボット特有の、一定のルーチンを持った愛撫。 ネギは眼を閉じたままで、はぁはぁと息を荒らげ続けている。 茶々丸の表情が優しげに、千雨を招くように微笑みの形になる。 ──そして。 「──し、仕方ねーな! いいか、そんなヤリ方じゃ、男は生殺しなんだよ。 わ、私が手本を見せてやるから……み、見てろよっ……」 「はい、お願いします」 かなりつっかえた言葉でそう言い訳をする千雨を、茶々丸は迎え入れた。 座席からずりおちた姿勢のまま、猫耳としっぽを付けたセーラー服姿の千雨が身を起こす。 茶々丸の手が引かれ、ネギのぱんぱんに膨れた股間を目のあたりにした。 「い、いくぞ…………」 震える指先を伸ばし、ベルトを外してズボンのチャックを何とか引き下ろす。 両手でズボンの前を掻き分けると、ついさっき茶室で見てしまったネギのトランクスが目に入った。 ドクン、ドクン……。 (……っ、オイオイ、いいのかよ、こ、こんなところでこんなマネして……っ) 理性がどこか遠い場所から最後の警鐘を鳴らしたようだったが、もう止まれるはずもなく。 張り裂けそうになる心臓を抑えて、トランクスに手をかけた。 ──ぶるんっ……! 「っ!?」 「……」 反り返ってへそまでつきそうな勢いで、ネギのペニスが外気に晒される。 そして同時に、観覧車という密閉空間に牡の性臭が満ちた。 カチカチに勃起したペニスはまだその先端の包皮が若干剥けた程度のものであったが、 露出した亀頭には溢れんばかりの透明な先走りのアトがあった。 「…………っ……!」 眼前に突き付けられた牡の器官に絶句する千雨。 唾を飲み込む。臭いに鼻がひくつくのが自分でも判る。 ──画像や動画で見たことがある何処ぞのペニスとは造りからして違うような、 ──少年らしい、まだ半分以上皮かむりの──なのに凶悪にも見える──陰茎であった。 (だ、誰も見てないわけだし、大丈夫だよ……な……っ) 自然と口が開き、舌が伸ばされる。 鈴口から湧き出る先走りを舐めとるところから、千雨の口淫は始まった。 ちゅっ、ぶちゅ、っちゅ、っ……。 唾液と牡汁の混ざり合う音を響かせながら、千雨が熱心に口唇を動かす。 ネットで得た性知識を総動員しながら、口の中いっぱいにネギのペニスを頬張る。 熱い息で、眼鏡のレンズが薄く曇った。 (っ、なんだよコレぇっ、エグ……いなんてもんじゃ、っ……) とめどなく出てくる先走りの青臭い味に涙が浮かぶ。えづきそうになる。 それでも、這わせる舌が、包み込む口腔が離れることはなかった。 ぐちゅっ、ずちゅ、ずちゅ、ずちゅうっ……!! 「んっ、んんんっ、んッ……」 初めての──恐らくは異性との性接触などまだの口唇に初めて触れたモノ。 すべてが初めて尽くしである中で、しかし卑猥な水音は加速度的に力を増していく。 千雨が目線を横にやると、眼を閉じたままのネギが顔を赤くして苦悶とも取れる表情を浮かべていた。 口唇で一吸いするたび、それに応じてネギの身体が震える。 「んぅっ、くぅん、ぁ、はぁ……!!」 びくびくと敏感に震えるネギの様子に、千雨の行為も一気にヒートアップする。 起こしてしまうのではないかという懸念など既に吹き飛んでしまっていた。 一心に、呼吸も忘れて吸いたてた。 ぢゅ、ぢゅずぢゅううううぅぅっ──!! 「あっ!! ──あうぅっっっ!!」 加減を失くしたその一吸いが、ネギに限界を迎えさせる。 女の子と紛うような悲鳴と共にペニスが弾け、千雨の口中に降り注ぐ白い熱塊。 ぶびゅっ! びゅっ、びゅるるるっ――!! 「んッ!? んぐっっ!! ――げほっ!?」 後のことを考えずに吸い立てていたせいで、千雨の喉に直撃してしまう精液。 「げほッ、ごほっ!! ゴホ、ゴホ……!! うぇ……ェっ……」 器官に入り込んでしまった精液を、口元に手を当ててげほげほと吐き出す。 びぢゃ、べちゃっ、――どろ…っ…。 「ゲホ、……うぇっ、き、気持ち悪い……っ」 期せず飲み込んでしまった精液以外の残滓のすべてを手に吐き出し、涙目で溜息をつく千雨。 はぁはぁと息をついているところで――ふと、上方から視線を感じた。 「……なんだよ、茶々丸さん」 まだ少し咳き込みながら、見下ろす茶々丸と眼鏡のレンズ越しに目が合う。 その視線は、何かこちらに伝えようとするような。 ……やがて意を決したのか、口を開く茶々丸。 「――あの、千雨さん」 「……なんだよ」 「……」 「?」 「その、……ネギ、先生の、それを――」 『それ』と共にずらされた視線は、千雨の掌にある白濁液に注がれていた。 改めてそれを目にした千雨は、顔がまた熱くなってくるのを感じる。 (――これを……? これ、を……) そしてすぐに茶々丸の望む所を悟る。『これ』を千雨がしたようにしたいのだと、理解出来た。 「っ、でも、あんた、モノ食えない――ん、だろ?」 千雨のその言葉に、茶々丸の目が僅かに伏せられる。 しかしすぐに強い意志を持って視線が上がった。 「お願いします」 わずかな逡巡の後。 手に吐き出したネギの精液をゆっくりと茶々丸に差し上げる千雨。 茶々丸は口を開きながら身をかがめ、白く濁った粘液を舌ですくい取っていく。 手に乗った精液をすべて余さずに舐めとってしまおうと、幾度も幾度も舌を這わせた。 ──にちゅっ、くちゃ、くちゃ…くちゅっ……。 そして口の中に収めた精液を弄び、咀嚼する。 愛しげに。甘露を啜るように。 「……私には、千雨さんのように――ネギ先生の精液の味を感じることは出来ませんが――」 そう告げながら、ネギの精液を嚥下しようとする仕草も――フェイク。 実際にそうしているわけではなく、そう見える動作であるだけ。 その表情が、どこか拗ねているように千雨には見えた。 人とロボットの深い垣根に懊悩するようにも。 ──だから、つい。 柄にもなく慰めの──言葉を吐いてしまう。 「――……その、まぁ、なんだ。あんたの創造主ってヤツは「天才」なんだろ? だったらそう遠くないうちにモノも食えるようになるんじゃねーのか?」 その言葉に、茶々丸の目が心なしか見開かれたように感じられた。 「……そう、でしょうか」 「多分な。いや、わかんねーけど」 ひねくれ気味の性根が、つい先の言葉をまぜ返してしまう。 ──それでも、茶々丸には千雨の心遣いは正確に伝わったらしく。 「ありがとうございます、千雨さん」 穏やかな笑顔で、そう告げた。 気恥ずかしくなった千雨が、汚れていない方の手で頭をかきながら窓の外へ眼をやる。 眼下には、既にこの場所を嗅ぎつけたマスコミがごった返していた。 あちゃー、という表情で、今度は未だ茶々丸の膝で眠るネギを見やる。 ネギのペニスは茶々丸によっていつの間にか綺麗に拭き清められ、ズボンの中にきっちり収められていた。 何処か、力が抜けてしまう。 ――なんだか色々と、考えるだけ詮無いことのような気がした。 「──ま、いいか……」 精液で汚れた手と口元をウエットティッシュで拭いながら、 千雨は今ようやく眼を覚まそうとしている十歳のプレイボーイを眺めて。 (テメエもちょっと痛い目にあえっての) ──イマイチ自分の本心がよく判らない、この状況の苛立ちをぶつけるように。 少しだけ意地の悪い笑みを、浮かべるのであった。 おわり
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151 81 sage 03/08/14 21 56 ID E5caNjB4 その夜、ネギはベッドに寝かせられていた。 エヴァはそっとしなやかな指でネギの怒張を包み、舌を這わせた。 「ん・・・んぅ・・・」 ぺちゃ・・くちゅ・・・ 淫靡な音が部屋に響き渡り、それに合わせてエヴァは手の動きを早めた。 「あ・・・もうっ・・」 「まだだ」 エヴァは急に手を止めた。ネギが名残惜しそうにしていると エヴァは騎上位になり、ネギの怒張を自分の秘部に入れはじめた。 ズブブブ・・・ 「ん・・・いいぞ・・ネギ・・・私の中で・・・果てろ」 「く・・うあ!」 ドクン!ビュルッ! 「ん・・・フフ・・・・凄い・・・量だな」 エヴァはネギの怒張を引き抜き、ネギに抱きつくように横になった。 「どうしてこんなことを・・・・」 唐突にネギが口を開いた。 エヴァは驚き、そして外を見て微笑った。 「そうか・・・今日は月食か・・・・」 「答えてください、エヴァンジェリンさん。そうじゃなければ僕は、あなたを許せない・・・・!」 ネギが杖を構えた。 「・・・・・・・・・・・・」 しばらく無言の時が続き 「お前の父親は・・・私と同期だった。」 不意に、エヴァはネギに聞かせるように話し始めた。 「私は・・・あいつとよく話した。あいつだけだった、真祖の私に話しかけて来る奴は・・・」 懐かしむようにエヴァは語り続けた。その表情はとても穏やかに見えた。 「だが・・・あいつは私ではなく、お前の母親を選んだ。それ以来私は荒れて、賞金首まで付き、あいつに捕まった。 それからずっとここにいた。お前が生まれたと聞いた時、そしてここに来ると聞いた時、私は復讐を思いついた。 あの女とあいつの息子のお前が憎かった。お前に絶望を与えてやりたかった・・・・だが、もう終わりだ。学園長の じじいが嗅ぎつけた。数日以内に私は捕まるだろう。」 エヴァは自嘲気味に微笑んだ。 「僕は・・・・」 ネギはエヴァに声をかけようとした。しかしなにも言えなかった。 「結局私はあいつを呼ぶことは出来なかった。失敗だよ」 「・・・・」 かける言葉が見つからない。明日菜とまき絵を壊したのは許されることではない。しかし、彼女には彼女なりの 理由があった。 「あの二人はそこに倒れてる。連れて行け!」 ネギは二人の姿を見つけ、すぐさま抱えた。 「あなたは・・・・?」 「ここは私の部屋だ、出て行く理由はない」 そうですか、とネギは振り向いてドアに手をかけた。 「それでは、失礼します。」 ネギは二人を抱え、出て行った。多分明日になれば学園長から通達があるだろう。生徒を傷つけたのだ。 今度はもう許されない、最悪、極刑もありうるだろう。 「殺せなかった・・・な・・・・」 ネギの顔を見て思った。奴はあいつに驚くほどよく似ている。どうしても殺すことは出来なかった。 「ネギ・・・・先生か・・・」 エヴァは一人呟き、笑った。 「やっぱり、よく似ている・・・・」 エヴァはベッドに横になった。明日はこの毎日が終わる、平和で堕落した毎日が終わる。 (ちょっと・・・惜しいかもしれないな) そんなことを考えながらエヴァは眠りに落ちていった。 次の日、エヴァは学園長の前に立ち、処遇を待っていた。 「じじい、決めるなら決めるで早くしてくれ、私は疲れている」 その言葉に彼の眉がぴくりと上がった。 「ふむ・・・ならばお前さんはどうされたいのじゃ?」 「どうでもいい・・・私はもう疲れたんだ・・・」 エヴァは気だるそうに答えた。 学園長はしばし考え、ゆっくりと口を開いた。 「では決定する、エヴァンジェリンA.Kマクダゥエル、お主を引き続き 生徒として2-Aにおくものとする!」 「な!?」 この決定に一番驚いたのはエヴァであった。高畑やしずなも少なからず動揺している。 「何故だ!」 バンッ! エヴァは思わず机を叩いて抗議した。 「学園長!そんなことをしたらまた犠牲者が出るかもしれません!」 「そうですわ!彼女は教員一人と二人の生徒を襲ったのですよ!」 高畑としずなも食い下がる、しかし彼は平然とし、 「まあ待て、この件に関してはな、再び同じことが起こらんようにスペシャリスト を呼ぶことにしたのじゃ。現在病院で生徒二人の面倒を看取る。」 「スペシャリスト・・・・?まさか・・・!」 エヴァの脳裏に一人の男が浮かんだ。そして弾けるように部屋を飛び出し、 病院に向かった。 病院に着くと、明日菜、まき絵の病室にはネギがいた。 「おい・・・!」 エヴァは息も絶え絶えにネギを引っつかむ。その時 「あ~、エヴァちゃんだ。お見舞いに来てくれたの?」 「あんたが来るとは思わなかったわね~。どういう風の吹き回し?」 二人はさも嬉しそうに答えた。 「どういう・・・ことだ?」 その答えはネギの方から発せられた 「ついさっき、お父さんがやってきて二人のあの時の記憶を消していったんです。 中学生には辛すぎる記憶だからって・・・・」 「それでどこに行った!あいつは!」 「く・・苦しいです・・・その・・来週からここに表向きは教師として来るって・・」 「教師・・・・」 力が抜けたようにエヴァは座り込んだ 「礼など・・・言わぬからな」 エヴァは力なく言った。その目からは光るものが零れていた 「あれ?エヴァちゃん泣いてるの?」 「ちょっと、どうしたの?先生呼ぶ?」 「余計なことをするな・・・」 感情が溢れてくる。二人の言葉にもそう返すのがやっとだった。 (あいつめ・・・今度こそ私の気持ちを聞かせてやる・・・!) 病院でエヴァは泣き続けた。三人は怪訝に思いながらもそっとしておくことにした。 その気遣いが憎たらしかったが・・・少し嬉しい気がした。