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854 :影響を受ける人:2016/05/29(日) 22 40 22 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第九十二話 ―決戦前夜09 ― ―8月22日― 天皇陛下から武装を授けられる。その通知が来たのは御前会議の当日だった。 思い付きの相談を受けた九曜葛葉は、 「武器はそれなりにあります。ですが相性と言う物が有りますので、まずは人を決めない事には・・・」 と言ってまずは人を集める事から始めた。 と言ってもそれほど時間が有るわけではない。命が下された北郷章香、江藤敏子両名は台風の目に突撃するメンバーから選出する事に決める。 敏子の方はわりと早く決まったのだが、章香の方が苦戦。 流石に天皇陛下から貸与されると言うのは畏れ多く、誰もが辞退していった。 戦闘中に損失したらどうなるか、怖くてとても責任が取れそうもない。 (そんなの自分だってそうなのにぃぃぃ!!!) そう思って自分の上司を、厄介事をあっさり渡してきた水瀬を恨んだ。 ついでに、 「旗本さん。宜しくお願いします。」 「・・・寝言は寝て言え。」 「後生です! 期日までにメンバーが集まらないのは不味過ぎる!!」 「・・・知らん。」 最後に頼み込んだ旗本サエは、それはもう渋りまくった。長い交渉のすえに何とか受けてもらったが・・・ まあ嘆いても仕方がない。あまり相談に乗ってくれなかった副官も連れて皇居に向かった。 ――――― 皇居に向かった一同であったが、武装の貸与に対する御礼を申し上げ、陛下がそれに答えるまでは普通(?)の式典。 が、さあ武装を渡そうという段階になって陛下が、「武装は兵器開発試験場に運んである。朕も向かうぞ。」と言って一同を慌てさせた 同席していた九鬼大将と柴田大将は動じていなかったが(天皇陛下の御転婆ぶりは有名だったので)、章香と敏子は目を見開いてどうしようと、これまた同席していた水瀬大佐と田中大佐をみる。 (ど、どうすれば!?) (どうにでもなれ・・・) (大佐ぁぁぁぁ!!) 流れに乗るしかないと悟った上司は役に立たなかった。 それはともかく、一名がとてもウキウキして移動し、複数名が胃をキリキリさせて追従、残りが困惑しつつもしたがう。 こうして一同は兵器試験場となっている場所に到着し、貸与される現物を始めてみることになった。 それらは刀剣類が主であったが、一部よくわからない防具らしきものが数点ある。 何だろうと思っていると、天皇陛下が武装群の前に立ち、 「では、朕自ら説明をしよう。」 「「「「「「「「「「ええぇ・・・・・・」」」」」」」」」」 とんでもない事を言い放った。当然陸海軍の将軍が眉間をモミモミしている。 ついでに、ここにはいないけど遠くから監視している、信頼する侍従長も頭を振るって痛みを紛らわせていた。 とはいえ本人は真剣そのもの。おもわず声が出てしまったが、気を引き締める。 「では、扶桑皇国海軍所属 田端みね隊 副隊長 真嶋志麻、前へ。」 「う・・・ はい!」 危うく「うぃっす。」と言いかけ、隣にいる旗本から威圧を受けてすぐさま言い直す。 そして前に出ると、黒子が一つの大斧を持って来た。っていうか、この黒子の人達誰? そんな一同(一部察し)の疑問をよそに、陛下は目の前の武器についてにこやかに述べる。 「この武器は、名を【硬絶(こうぜつ)】と言う。 みての通り巨大な斧であり、全て鋼鉄製の一品である。」 陛下に言われ改めて武器を見下ろし・・・志麻は少し口が引き攣った。 そりゃそうだ。彼女が扱う鉞は、刃渡り大凡70㎝、柄の長さも2m位だ。 しかし目の前の緒のは常識はずれ、刃渡り1m、柄の長さ3.5mもある巨大なモノ。 これ持てるの?それは一同が、当たり前に思った事。 855 :影響を受ける人:2016/05/29(日) 22 41 08 「ところで、陰陽魔法力は出来るかね?」 「は、はい。できますぐぁ・・・」 「それは良かった。この斧の特徴は陽魔力で重量が増し、陰魔力で重量が減ると言う物。 重さは・・・ふむ。通常は120㎏だが、40㎏から3tまで変えられる。」 「ぇ・・・・・・」 沈黙が場を支配した。 120㎏の斧が、40㎏から3tまで重量を自在に変動させる。その非常識な能力に全員が唖然となっていた。 確かに歴史博物館において、かの有名な蜻蛉切は、先端に止った蜻蛉をそのまま真っ二つにしたという逸話がある。 しかし実際に振るわれて使用されている刀剣類の殆どは、頑強性能を追求されて製造されていると聞いている。 なのに、目の前の斧はそんな常識外の代物だという。 「もってみたまえ。」 どうすれば良いのか、信じても良いのか、わかりかねて混乱していた志麻だが、天皇陛下に促さられて恐る恐る【硬絶(こうぜつ)】を手に取る。 視線が武器と陛下を何度も往復したが、意を決し、鍛え上げられた両腕でもって持ち上げる。 「ぐぁ!」 重い。 全て鉄と言う斧の重量が、志麻の力に抗い、重力したがって上がらない。 恐らく疑似椀部全部使っても上がらないだろう。そのぐらいは馬鹿な自分でもわかる。 一度力抜き息を整える。 (畜生。俺、陰陽魔法力苦手なんだが・・・) そうも言っていられない。目を瞑って集中する。 後ろから、なんとなく心配するような気配がするのがわかった。背中を任せてきたからわかる。 自分が一方的にライバル視し、その強さに尊敬を持ち、目の前にいるそいつを守りたいと思った。 だから努力を忘れる事は無かった。 「ぅしっ!!」 +方向の魔力を流し、再び持ち上げ・・・天高く持ち上げすぎた。 だが、 「お・・・おお!!??」 斧は、羽の様にとまではいかないが、先程よりも軽く扱える。 手元にまで戻し、しげしげと見ていると、満足げに頷く陛下。 「では、試し切りをしていただこう。物は使ってこそわかる!」 「え?」 そう言われて陛下が腕を振り上げた先には、一台の軽戦車が鎮座しているのが見えた。 そしてそのまま陛下の顔を見ると、ニコニコ笑っておられる。 やるの? うん♪ 視線で語ってみたが、現実は変わらない。 視線に促され、取りあえず軽戦車の前まで来たものの・・・ 仲間達の方をちょっと見てい見るが、全員ソッポを向いた。ついでに上司は空を見上げている。 助けは無い。孤軍奮闘せよ。酷い裏切りに自然と肩が落ちて、重量が戻りそうになる。 「えぇぇいぃぃ! クソッたれぐがぁぁ!!」 と怒鳴りたいが、天皇陛下の前でそんなことは出来ない。 だから、 「グゥゥゥガァァァァァ!!!!」 思いっきり振り上げて、 「ゲェラァァァァァァァ!!!」 全力で振り下げた。 黒光りする斧は、黒い残像を残して軽戦車に接触し、金属同士が接触する音と共に轟音が響き渡る。 志麻はほぼ本能的に接触する直前で陰魔力を注ぎ込み、重量を最大まで引き上げていた。 その結果は軽戦車の装甲を拉げながら叩き割り、その衝撃に耐えかねた軽戦車は接触した部分から二つに割れ、前後に部品をぶちまけながらひっくり返り、斧はそのまま地面に陥没。 土煙が舞い上がり、その衝撃の強さを示して見せた。 この結果に、一同は・・・この武器を製造した物を知る将軍二人さえも、驚きを隠せない。 それは斧を振るった志麻も同様。 さっきまでは気が付かなかったが、魔力の流れ方がいつも以上にスムーズで、六角棒の柄も非常になじむ。 恐る恐る持ち上げて状態を確認してみるが、何の損傷も無い事がわかった。 まるで手足のように振るえ、戦車を切りつけても何ともない武装。其れがだんだんわかってくると、興奮が体の中から燃え上がる。 「どうかな?」 「すげぇ・・・ こりゃすげぇぇぇぇ!!」 856 :影響を受ける人:2016/05/29(日) 22 42 19 大興奮状態で大声を張り上げる。 それは獣の歓喜の様で、とても女性的ではないが、嬉しいという感情がはっきりわかる。 「そうか。それはよかった。」 「あ“・・・・」 それに大満足する天皇陛下にたいし、失態を犯したこと悟った真嶋志麻の引き攣った声が出た。 すぐさま振り返って頭を下げるが、そんな事は気にしない御方であったので事なきを得る事ができた。 後で書類と説教をもらう事になるが。 続いて陸軍狛犬隊副隊長 江草貴子が呼ばれた。 先程の結果を見て期待が高まるが、同時に不安にもなる。 どんなものが自分に与えられるのか、まったくわからない。 そんな思いを抱いていると、先程の様に再び目の前にモノが運び込まれてきた。 一見するとそれは鎧のようにも見えるのだが・・・ つける部位として言うならば、上半身だろうか。 「この防具は、名を【鬼支腕(きしで)】と言う。 防具に見えるかもしれないが、どちらかというと補助である。」 防具に見えるのに補助? 良くわからないが、黒子の人達に手伝ってもらって装着する。 「意外と軽い~?」 装着が終わって立ち上がってみるが、あまり重量が感じられない事に驚いた。 見た目古い扶桑の武者鎧、それも両肩から垂れ下がる“大袖”が、弾体の様に垂れ下がって腕の籠手につながる様になっている。 いろんな方向に腕を動かしてみるのだが、まるで阻害されるような事は無く、自在に動いてくれた。 「ではこれを持ってみると言い。」 「・・・・・・わぁ~」 そして、やっぱり先程の志麻の様に御試しの物が運び込まれて来ていた。 それは先日持ってこようとした30mm機関砲よりも大きい、37mm機関砲。 弾帯付きで、示された目標は先程叩き斬られた軽戦車。 「えっとぉ~・・・」 取りあえず視線を陛下に向けるが、相変わらずニコニコ笑うだけ。 すると、黒子の一人が陛下に耳打ちする。 「おお、そうだったな。跳弾を避けねばな。」 そう言って黒子と共に避難していく。どうやら御付の人がわかってくれたようで一安心。 ようやく安心して射撃ができる様になり、37mm機関砲を持ち上げて驚く。 両手で持ち上げたのはいつもの癖。何時もは20mm機関砲を扱っていたから、そのつもりだったのだ。 「軽い~・・・」 しかし、30mmよりも重いはずの代物が軽く扱える。これは自分の“怪力”を増幅させているのだと分かった。 そしてそのまま銃口を残骸に向けて発砲。 しばらく銃撃の音が場を支配していたが、扱っている貴子自身は大興奮状態。 「反動が力で殺せる~。跳ね上がるのを捻じ伏せられる~。真っ直ぐ狙えるぅ~!」 目算で3倍。いや、5倍近い能力の向上。これならもっと重い武器が持てる! 興奮しすぎて、全弾撃ち尽くすまで、ずっと貴子は笑い続けた。 以上です。 今回時間がかかりました。 さあ、あとの武装を考えなぁ・・・
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268 :影響を受ける人:2014/11/16(日) 22 00 12 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第三十六話 ―異なる翼は共に飛びⅦ― 上空で行われている激しい攻防を、アドルフィーネ・ガランド大佐とエリス・グリンフィールド大佐見ていた。 視線の先の戦闘はあり得ないほどの接近戦で、あり得ないほどの技術が盛り込まれたものだった。 「あはははは。なにあれー。」 「・・・凄まじいとしか言えんな。」 エリスは呆れ、多少知っているガランドはそれでも冷や汗を流している。 現代において銃器が主流となっている戦闘だが、扶桑においては“飛来する銃弾”をはじき返す・・・もしくは切り裂く猛者のウィッチがいた。 その中のでも最高峰と言うのが上空で戦う二人だ。 流石に剣の腕前は北郷章香の方が上だ。 しかし、江藤敏子も見切りに関しては旨い。 短刀をはじき返し、肘打ちが来ても冷静にさばく。 回転鋸+鉄棍棒となっている魔力撃を込めたストライカーすら、柔らかく受け止めては反撃している。 対する章香はほとんど勘で避けていた。 「あれが本来の戦闘スタイルか?」 見上げるに疲れたガランドは、傍にいる副隊長の旗本サエに問いかける。 椅子に座って熱い御茶を飲んでいたが、何時もの鉄皮面のままであった顔を少しだけ上げる。 「・・・否。 ・・・本来はいつもの刀を使う。 ・・・二刀流もできるが、一本で戦うのが普通だ。」 「となると、あれは・・・」 「・・・今回の為に作ったやり方だろう。」 サエは立ち上がると、上空を見上げた。 「・・・江藤中佐も本来は違う。」 「へぇ、どんなの?」 「・・・小型のシールドブレードを四枚展開、身の周囲を旋回させて切り刻む。」 興味本位で聞いてみたが、想像してエリスは「うぇ~」と顰め面になった。 それをチラリ見した後、サエは呟くように喋る。 「・・・元々対人戦用の技術。 ・・・ネウロイには、効果が薄い。」 「だろうな。」 「・・・おたがいに好敵手。 ・・・手の内は知りつくしている。」 「故に、か・・・・・・」 上空で戦う二人は八の字を描く様に飛行し、時折逃げては途中で交差するようにぶつかり合う。 「・・・短期決戦を意識しているだろう。」 「やはり、疲れるのか?」 「・・・バカみたいな魔力が無い限り、無理だ。」 ――――― 「クシュン!クシュン!クシュン!」 「む、九曜。大丈夫か?」 「だ、大丈夫です。 ・・・風邪ではないようですね。」 「そうか、身を大事にせよ。」 「お気遣い、有難うございます。」 269 :影響を受ける人:2014/11/16(日) 22 00 42 ――――― 鍔迫り合いを切り上げた二人はそのまま離れ、荒い息を整える。 汗が大量に出てきているが、気分は高揚してとても良い。 「ぜぇ・・・ ぜぇ・・・」 「ふぅ・・・ ふぅ・・・」 二人とも魔力の残量が少なくなっている。 章香の全身凶器化もそうだが、敏子の完全制御シールド棍も、多大な消費が付いて回る。 故に二人とも悟っていた。 次のぶつかり合いが、最後の攻防となるのを・・・ 「よくもまあ、魔力が持つのね。」 「お前も、シールドの操作と制御・・・一度も間違えないじゃないか。」 「当たったら死んでしまうからね。」 「・・・ダイジョウブダ。コロシハセンヨ。」 「棒読みになるな。後、こっちを見なさい。」 真剣勝負に熱くなりすぎて手加減を忘れていた章香は、先程とは違う汗を大量に流し始める。 そんな彼女を見て呆れつつも、途中からへし折れて使い物にならなくなった木刀を腰に差し込む。 そしてシールド棍を両手に持ち、本数を四本に変更して少し短くした。 章香も小太刀のみに魔力を回し、後は解除する。 軍人である身だ。魔力全損なんて事態は回避しなければならず。 余力を残しつつ勝負を決めなければならない事に、少々不満があるが仕方がない。 最後の一撃を決めるべく、お互いの“起こり”を見極めるべく集中する。 思えば長い付き合いだ。 最初は陸軍・海軍のウィッチを集めての、技術的な交換が目的だった。 その時のお互いのエースとして紹介されたのが二人。 地上での軽い手合わせから始まり。 旧ストライカーでの戦闘訓練。 交流会以外にもたびたび競い合った。 もはや腐れ縁と言っていいだろう。 ニヤリと笑うと、敏子も不敵に笑った。 「参る!」 ストライカーに魔力を注ぎ込み、一気に加速する。 それを見た敏子は右腕を前にだし、左腕を僅かに後ろに下げる。 左右に置いておいた棍は、何時でも繰り出せられるように前方に置いておく。 この迎撃のスタイルも、何時もの光景だ。 二人の間の距離は一気に縮まり、叩き落とさんと章香が突進する。 最初に接触したのは宙に浮く右側の棍。 突き出された棍は、真っ直ぐに眉間を狙い撃ちにしてきた。 だが章香は右の小木刀で斬り砕く。 間髪入れずに左も突進するが、棍の状態を止めてシールドとして障害物なった。 「っち!」 僅かに鋭く息を吐き、左を下側に突き出してそのまま突き刺した。 そして上に思いっきり切り上げるが、敏子はそのままの勢いを利用してシールドを上に持って行く。 追従するように引っ張り上げられてしまった為、章香の体勢が崩れた。 「ハッ!」 好機を逃がさず、左手で薙ぎ払う。 章香も負けてはいない。咄嗟に左手を小木刀から手を離しつつ、戻していた右手の小木刀でもって下から迎撃した。 僅かに拮抗するが、込めていた魔力量の違いにより棍の方が先に砕かれる。 しかし代償に右手の小木刀が砕け散った。 度重なる打ち合いと、注がれた魔力に耐久力が撃ち負けたのだ。 使えなくなった獲物をそのまま投げ捨て、左手を手刀にして袈裟懸けに切り掛かる。 敏子も残していた棍を突きだす。 到達するのは敏子が早い、得物を残していた分リーチもある。 故に「勝った!」と思った・・・が、相手に先に到達するはずの棍の間合いが開いた。 「えっ?」 270 :影響を受ける人:2014/11/16(日) 22 01 18 驚いてしまったが何の事は無い。章香が下がっただけだ。 左手の手刀を中断し、小さいシールドを展開して、左手で自分を押し下げたのだ。 無茶な動きをした左手に異常を覚えるが、あえて無視をする。 稼いだ距離と時間を活かし、右手を戻して腰に差した木刀を逆手で引き抜く。 しかし、少し遅かった。 瞬時に事態を把握した敏子がそのまま突き進んみ、もう一度棍を振りかぶっていた。 章香が引き抜き終わる前に、棍は彼女を横から襲い掛かる。 もうどうしようもない。 下から見ていた美緒達は悲鳴を上げそうになり、ミチルは勝利を確信した。 エリスは全く攻防が見えていなかったが、ガランドは魔眼により見えていた。 章香の木刀が、途中から切断されるところを。 境界面完全拒絶型シールドで短くした木刀でもって、敏子の棍を防ぐ。 防がれると思っていなかった為に一瞬呆けた。 短い木刀をそのまま捨てて止めた棍を掴み、こちら側に引き寄せる。 そしてそのまま襟をつかみ取って内側に体を沈め、背負い上げて投げた。 本来ならば空中では意味のない投げ技。 しかし、途中でシールドを使う事により地面に投げたのと同じ効果が得られる。 何とか受け身を取ったが、息が乱れてしまう。 体勢を整えようとした時には、寝技のように腕を首に巻きつけられていた。 このまま腕を動かせば首が折れる・・・ 「どうだ?」 「・・・参りました。」 判定勝ち無し、文句なしの北郷章香の勝利だった。 ――――― 「何やってんだい!!」のですか!!」 「「申し訳ありません・・・」」 二人は怒られていた。 無理もない・・・完全に途中から私情で戦闘をしていたのだから。 これが普通の試合ならば、即刻失格である。 上司である二人はそれを許さず、ガミガミ怒る怒る。 それを遠くから見る現北郷隊と旧北郷隊。 「大佐の説教なげぇんだよな。」 「・・・お前も自業自得だ。」 そりゃねぇですぜ!と隣で頭を抱える馬鹿を無視し、初めて怒られている姿を見る学兵達に視線を向けた。 すると、彼女等はあり得ないモノを見たかのように驚いている。 そんなに驚くようなモノかと思ったが、近くにいた凛に話しかけてみた。 「・・・どうした?」 「いえ、先生が起こられているなんて想像していませんでしたので・・・・・・」 「・・・・彼奴とて人。 ・・・怒られることもある。」 「そうですけどね・・・」 里子も違和感があるのか、頭を掻いている。 「・・・とりあえず覚えておけ。」 「「「「「「??」」」」」」 「・・・特別なものなどいない、という事をな。」 そう言って、お叱りを受ける隊長を内心楽しそうに見続けた。 以上です。 戦闘シーンを何とか書き上げたぞ!! 動作を書き上げるの、やっぱり大変・・・ しばらく残業続きになるから、ここに来れないです。
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330 :影響を受ける人:2015/09/06(日) 22 37 04 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十四話 ―隣人の国家― 【オラーシャ帝国】 ストライク・ウィッチーズの原作において、ロシア帝国とソビエト連邦を合体させたような国家として登場している。 しかしこの世界においては怪異 …ネウロイ… のせいもあり、南下政策も巧く進んでいなかった。 更に大昔にモンゴル帝国から救援を受けたことにより、人種差別がなくなっている。 モンゴル帝国との付き合いは大昔からあり、現在も続いている。 何とか現在の浦塩:旧名ウラジオストックまで活動範囲を広げるものの、この時すでに伊達藩を中心とした扶桑皇国大陸派遣軍が近くまで進出していた。 お互いに一時的に緊張感が高まったが、モンゴル帝国との交流が合ったおかげで比較的友好的に交渉する事ができた。 不凍港を欲した南下政策はこの時点で終了し、格安で高麗半島の港を使わせてもらうことで妥協する。 扶桑としても寒すぎる北進に魅力を見いだせなかったし、南方を探索する事がネーデルランドとの連携が容易だったこともあり、かなりの良心価格で港を共有する事になった。 原作通りならば、そのまま単なる友好国として終るのだが、この世界において九曜葛葉がとり行った 生活に根差したウィッチの育成 の影響を受ける。 寒村でも使える暖房術、雪を逆利用する冷房術、そして近くの鉱物資源を輸入する国として。 当時に扶桑にはそれなりの鉱山があったが、史実同様にあまりにも数が少ない。 その為鉱物資源の鉄は主に輸入に頼るっていた。 外国船籍の帆船が運搬してくる鉱物資源は高く、運搬頻度もすくない。 しかしオラーシャならば比較的近いこともあり、輸入先としては申し分なかった。 航海術が未熟だった当時において、オラーシャ帝国から輸入される鉱物資源は大変重宝されたという。 そして伝えた魔道技術を使う為に、原作よりもウィッチ育成に力を入れており。 多少なりとも人数が増え、質に関しても欧州よりはいい。 民間人の交流も盛んにおこなわれ。現代において東北地方・北海道・択捉等に住む扶桑人は、オラーシャ人の特徴を持つ者もいる。 影響は旅路にも表れ、速いが危険な海路を選ばず、長いが比較的安全な陸路を通じて旅をする者達も利用した。 オラーシャで盛んにネウロイが出現して戦闘となると、イの一番に扶桑ウィッチ義勇飛行隊を送り出したのも、長年の付き合いによるものだ。 しかし扶桑が守っている大陸方面にネウロイが出てくると、オラーシャ帝国は即座に義勇飛行隊を返そうとした。 だが豊臣秀文首相はその提案を受諾しなかった。仁義に反すると思ったのだ。 オラーシャはそれでも少数を残し、殆どを返してくれた。 残った少数の扶桑ウィッチ達は、自ら志願して残っている。 オラーシャとしても難民受け入れと、脱出できる港を確保してくれる扶桑は有り難いモノ。 織田信平が政権を握ると、導術士学校・法術士学校の留学生受け入れ枠の拡大を指示。 さらにストライカーの輸出が出来ないかを尋ねたが、倉崎は現状維持で手一杯と述べ、他の企業も通常兵器生産に追われてそれどころではない。 しかしそれでも一部企業がストライカー生産を開始し、多少なりともオラーシャに輸出する事が出来るようになった。 さらに倉崎の変態技術者が作った急造戦車、駆逐戦車の活躍を知ると此方の増産を命じた。 リベリオンも現在生産している戦車の一部を駆逐戦車に改造し、オラーシャや欧州に輸出する事になった。 ――――― 織田信平首相は執務室で激務に励んでいた。 「まったく、ガリアは・・・」 先程まで各国の大使と話しをしていたのだが、大半はすぐに返せなかった事の謝罪。 しかし一部はまだ返したくない、残留してほしい、そう言う嘆願だった。 その中でガリアは露骨にアピールしてきた。 「本土防衛予算を削減したのは、自国の責任であり。私達のせいではないだろうに。」 書類を片付けながらも口から出てくるのは愚痴。 それぐらい苛立っているのだ。 「しかし・・・こちらのウィッチを、結婚させて取り込もうなど、片腹痛いわ。」 この試みはガリアの一部将校が考え、実行されていたという。 数人のウィッチが騙されかけたが、疑い深い人物が入念に調べ上げ、ガリア将校の良識人もおかしいな動きを感知。 そこから企みがばれて、事なきは得ている。 むろん信平は猛抗議し、ガリアに対してのみ扶桑ウィッチ早期退却が早まった。 確かに扶桑のウィッチ寿命は長い。 331 :影響を受ける人:2015/09/06(日) 22 37 36 しかしながらその功績は長年の積み重ね御蔭であり、そんなにすぐ効果が出るものではないのだ。 ガリア将校と同じように考えた他国の人物たちもいた。 が、ブリタニアは長くコツコツやっているのに成果が上がらない為、教育方針の切り替えを検討しているという。 そんな裏話はさておき、カールスラントの方に意識が飛ぶ。 航空母艦三隻の購入をするなど、かなり友好的な国であり、すぐに義勇派遣軍を組織してくれた友好国だ。 彼等の恩義に報いる為にも、様々な面で支援する必要性があるだろう。 さしあたって思いつくのは、 「留学生の受け入れ拡大・・・ オラーシャと共に引き上げれば問題は無いか。 ブリタニアやリベリオンも同様にすれば・・・ うむ。」 取りあえずこのぐらいで良いだろう。 書類を片付けていくとその量はドンドン少なくなるが、時間が経てば別の問題が立ち上がり、課題が増えていく。 民衆の奴隷が王様・・・とは誰が言ったのだろうか? 口元が苦笑に歪む。 ――――― 「はぁぁぁぁ・・・」 「なに溜息ついているの。」 慣れない制服を着ている穴吹智子に対し、加東圭子はきっちり着こなしていた。 そんな二人は総隊長の御伴としてきていたのだが、今現在二人は席を外している。 というのも田中ウメ大佐から「結婚か、残留か。」を問われているのだ。 個人的に江藤敏子は引退したいが、早期に結婚するのもウィッチとしての使命。 たしかに扶桑においてウィッチは特別に保護されているし、免除されている部分や優遇されている所もある。 しかし通常には無い制限や義務もあり、おいそれとは結論が出せないのだ。 引退するならお見合い結婚しなければならず。 残留するなら目の前の上司と肩を並べる大佐に昇進し、後方に置いてやりたくもない書類地獄が待っている。 なので、どうはぐらかすか高速思考しているのを横目に、二人は静かに断って逃げ出した。 その際、敏子から「裏切り者!」と言う視線を受けたが、無視した。 そして二人は食堂で甘味を食べているのだが、先程から溜息ばかりつく隊長に副隊長も困り顔だ。 智子はちょっと目を伏せつつも、甘味を一口頬張る。 「もうそろそろ、うち等も撤退かなっと思ってさ。」 「ああ、基地の放棄のこと?」 「それもあるけど、ここまで頑張っているのにさ。 なんだかな・・・って思うのよ。」 不満げな智子ではあるが、大陸放棄に関しては理解している。 現状踏ん張ったとしても、被害拡大が収まる事は無い。 何より機動力が高すぎる地上ネウロイが、地上戦力のみで抑えきれないのが原因だ。 防御戦術だからこそ、保っていると言っていい。 「あははは・・・」 「むぅ。」 頭ではわかってはいる。だが納得できない。 苦笑する圭子に対し、膨れっ面をみせる。 すると、珍しい人物がやってきた。 「あれ。新撰組じゃない?」 「本当だ。」 ぞろぞろと一団が入って着たので視線を向けると、陸軍の中でも異色のウィッチ達が入ってくるところだった。 近接戦闘を主体とする陸戦ウィッチ達は、制服を着ているのだがどうにも着慣れていない様に見える。 殆ど連戦で最前線に居続ける部隊だから、しょうがないのかもしれないが。 「皆よく聞け。一人一個までだ。」 「ええ~! 隊長、そりゃないですよ~。」 頬に傷がある少女が抗議するが、黒田剛己は眉間をもみながら睨み付ける。 「確かにお前達も給料は入ってくるが、それでもこの人数に驕るのは大変なんだぞ。」 「ぅぇぃ…」 「いや、そうですけどね・・・ っていうか、可楽。おまえ何気に高いのを選ぶのな。」 「あぁ・・・ 可楽、すまないがもうちょっと安ので。」 「ぅぃ…」 個性的過ぎる部下を纏める事に苦労して居そうで、智子と圭子は同情する。 と、注文し終わって一団はそのまま彼女等の後ろを通過し、 「ここで待つか。」 「ぉぅ…」 「あ、御茶持ってきます。」 そのまま後ろにすわった。 (*1) もっと席はあるのに! そんな思いが二人の胸中によぎるが、そんなの知るかとばかりに一団はリラクッスする。 332 :影響を受ける人:2015/09/06(日) 22 38 11 「それにしても隊長。前線から離れていいんですか?」 「今更過ぎるぞ、小野田。 まあ、連戦続きだったからな。田中大佐が手をまわしてくれたのだ。 それに手紙の返信も書けんし・・・」 「妹さんでしたっけ?」 「うむ、そうだ!! かわいらしいぞ!! 一度家に帰れば「お姉ちゃん」と、もうその笑顔が眩しい!!」 「あ~・・・ そう言えば遠縁で、もう一人いると聞きましたが?」 「那佳のことだな! あれもかわいい妹だ!! 「おねえ」と言って、たどたどしい足取りで付いて来る姿がたまらん!! 二・三回しか会っていないが、手紙は欠かさず送っているぞ!」 黒田剛己は機関銃のように喋りはじめた。 噂に聞いた他シスコンは本当の様で、うかつに聞いた隊員が、他の仲間から非難めいた視線を受けて小さくなっている。 甘味が来ても剛己のマシンガントークは止まらず。食堂に人が出入りするたびに視線が向く。 別に仲間ではない二人だが、近くにいるせいでどうも一緒に見られているように思える。 「に、逃げればよかった。」 「あははは・・・ 噂以上ね。」 智子は項垂れ、圭子は只々感心する。若干引き攣っているが。 充分妹自慢を堪能した駄目隊長は、自分の元にある甘味を一口食べ、その美味しさに舌鼓を打つ。 ようやく解放された隊員達は思い思いに話し始めた。 その中で話題になったのは本土にひいてから、だった。 智子達も後ろで聞きながら呟く。 「本土か・・・ こっちに来てから帰っていないわね。」 「一度戻って、一回ぐらいは実家に顔を出したいけど・・・ できるかしら?」 「無理じゃない?」 「無理かなぁ・・・ 休暇ぐらいあると思うけど。」 「いくら戦力が戻ってくるって言ってもさ。長い旅路で腕が落ちているかもしれないから訓練は必要でしょ。 それに駆り出されないかな?」 「うわ。それは嫌だなぁ・・・」 圭子はそのまま頭を抱える仕草をする。と、同時に隣の隊長の成長を感じる。 智子としては未だに刀で戦う事にこだわりを持っているが、銃で戦う事もできるようになっている。 嫌がりながらも書類仕事をやらせたおかげで、最近は総隊長も褒めている。本人は知らないが。 このままいけば、総隊長の座も夢ではないだろう。 (もっとも、私も相方として連れて行かれそうだけどね・・・) 圭子は最近軍隊を止めて世界を見て回りたいと思っている。 難しいが、実現したい夢だ。 だから最近はカメラを良く所持している。 咎められることはあるが、取り上げられる事は無い。 少しだけ未来に意識を向け、現実をから目を背けてみるのであった。 ようやくできたぜ。 しかしオラーシャを題材にしようとしたら思った以上に書けなかった。 何度も書き直して、それでも納得できてないのよね。
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109 :影響を受ける人:2014/11/09(日) 21 45 29 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第三十五話 ―異なる翼は共に飛びⅥ― 二度目の哨戒を終えた美緒達は、待機所に戻って休憩していた。 と言っても、緊急事態にすぐ対応できるようにはしていたが。 これも戦場生活の影響だろう。自然とそうなっていた。 「次は最後の競技ですわね。」 双眼鏡で会場となっている上空を仰ぎ見る凛の隣で、徹子も双眼鏡をのぞきながら同意した。 「チーム戦は惜しかったな。」 「・・・っていうか、真嶋さんのゴリ押しがすごかっただけッスよ。」 「あの弾幕はちょっとね・・・」 里子はげんなりした様に言い、醇子は乾いた笑いをするしかなかった。 噂には聞いていた重火力のウィッチ存在、それが真嶋志麻だと知ったときは納得したものだ。 あの筋肉量から重火器を運用しているのからだと思っていたが、能力による通常戦闘機にも劣らない弾幕が売りだったのは予想外ではあったが。 それでも「ああ、あの人なら・・・」と、実際にあった六人はすんなり受け入れた。 それでも技量と質を、チームワークで埋めるリベリオン組には負けた。 チームの弱点である鮫島トミに狙いをさだめ、早々に撃墜してした。 こうなると重火力を発揮する真嶋の価値は激減する。 元々狙いが荒い彼女は、弾薬補給係がいないとただのお荷物になってしまう。 接近戦を禁じられていたのもあって、得意の獲物である鉞を振るえなかったのも大きいだろう。 なによりも、彼女のストライカーは補給係が使用している【鍾馗】のカスタム・ストライカーを使用しているので燃費も悪い。 そう言う理由から負けてしまった。 次に当たった欧州組もそこを狙ったものの、学習した真嶋は機関銃を四丁に変更して鮫嶋を背中に貼り付けて戦闘を行うという暴挙に出たため、諦めて周りの敵を撃ち落として判定勝ちに持ち込んだ。 真嶋はその後、水瀬大佐に呼び出されてこってり怒られたという。 それはさておいて。 この場にいるのはいつもの学兵メンバーと、ミチルがいるだけだ。 ミチルと同僚の学兵は知り合いがいたので、そっちに行ってしまってこの場に居ない。 真面目なミチルも、何もしていないというのはさすがに暇なので、美緒達同様に見物人となっている。 「最後は隊長陣の総当たり戦・・・誰が勝つと思う?」 「「「「「「北郷先生です!」わ!」ッス!」だ!」」」 「そ、そうか・・・」 皆揃って言うと、驚いて唖然としてしまう。 まあ、それだけ慕われているという事だ。 はた目から見ても北郷章香の訓練は、自分が受けた訓練以上にきついものがあったと思う。 いや、きつくしなければならなかったのだ。 聞けば訓練期間は自分よりも短い期間だった。 そうなると、必然的に切り捨てられる部分が出てくる。 切り捨てられるのは当然、訓練についていけない者達。 そして与えられたのは、軍隊としての必要最低限の知識。 一時的な志願学兵とはいえ、本当の戦場に放り込まなければならない以上、必要な事だけは教え込まなければならない。 そうしてやってきたのが彼女等だ。 彼女達には・・・才能が有った。 そこまで考慮して、北郷章香は選んだわけではないだろうが。 しかし・・・ 不敵に笑うと、美緒達が目を見開いた。 110 :影響を受ける人:2014/11/09(日) 21 46 03 「江藤大隊長も負けていないぞ。」 「あれ、贔屓ッスか?」 「ちがうな・・・ 一度だけ、訓練の戦闘を見たんだが。」 視線を滞空する大隊長に合わせ。 「あの人は別格だったよ。」 そう呟いた。 「美緒ちゃん。私、先輩が笑う所初めて見たかも。」 「そうですね・・・」 「醇子に小毬もひどいと思うよ。先輩は人なんだから。」 「美緒・・・ お前も十分酷いぞ・・・・・・」 「皆さん・・・早良先輩が肩を震わせておりますわ。」 (アタイは何もいわないッス・・・) ――――― 闘技場となる空中で陸軍が誇るウィッチと、海軍が誇るウィッチが対峙している。 両者ともに本土では有名であり、希望の星だ。 「こうして交えるのは久しぶりだな。」 「そうね・・・まだこんなえらい階級じゃなかった頃は、よく刀を交えたわよね。」 二人は過去の出来事を思い出して、懐かしそう笑う。 「五十戦二十三勝二引き分け・・・」 「ここで勝たせていただきましょうか。」 二人の笑みがにやりとした不敵なものに変わる。 「ぬかせ。私が勝ち越させてもらうぞ。」 北郷章香はそう言って、唯一の武器である刀・・・ではなく木刀を引き抜く。 対して江藤敏子も獲物である木刀を構えた。 お互いに銃器は持っていない・・・ 完全な接近戦勝負だ。 そのままお互いに構えに入り・・・ 「いざ・・・」 「参る!!」 激突した。 元々距離的にはそんなでも無かった、ゆえに衝突は早かった。 「ゼェイ!」 「ふっ!」 章香の上段からの斬撃を、滑らせるようにして右に逸らす。 そしてそのまま無防備な頭部・・・ではなく肩を狙うが、章香は倒立するようにして体を捻って避ける。 左の発動機を弱め、右を強くする。それでその場での倒立が可能となる。 ウィッチならでは・・・ストライカーが双発と言う特性の回避方法だ。 しかもそのまま横薙ぎに移行するが、敏子とって負けてはいない。 同じ様に発動機の出力調整で回転し、木刀を逆手持ちにして滑らせるようにして受ける。 木刀が接触し、受けた勢いを利用して大きく下がる。 それを猛追する章香・・・しかし、突等に右に大きく避けた。 経験と嫌な予感で避けたが、それは正しかった。 「っく!」 「忘れたの? この距離が私の間合いよ!!」 見れば敏子は左腕を突きだしている。 彼女御得意のシールド攻撃。見えざるシールドの棍が付きだされていたのだ。 「ああ、忘れていたよ! お前は陸軍一のシールドの使い手だと言うのを・・・っな!!」 負けじと、魔力斬撃を繰り出してリーチを伸ばす。 慌てて避ける。流石にこの攻撃は受けたくない。 111 :影響を受ける人:2014/11/09(日) 21 46 34 「ちょっ! それは反則よ!! 受けたら死んじゃう!!」 「本気で来ている相手に手加減など無用だ!」 元々二人は相反する特技を持っていた。 敏子はシールドが得意。 章香は魔力撃が得意。 攻撃と防御・・・だからなかなか勝負がつかず。何時も時間切れでの判定となっていた。 「今日こそは、しっかり勝たせてもらうぞ!」 「それはこっちのセリフ!!」 「「大佐に弄られるのは嫌だ!」なのよ!」 二人の戦う理由は同じで、くだらないが必死だ。 それに、そうでなくても決着をつけたいとも思っているのは事実。 故に真剣に、しかし楽しく大空を舞う。 「イッヤァッ!」 「っっ!!」 見えざるシールド棍を、空中制御で操作して足払いを掛ける。 己はそのまま上段切りで肩狙い。 章香は棍を木刀で防ぎ、脇差代わりの短い木刀で上段切りを防ぐ。 と同時に小刀に魔力を流して鋭利にする。 それに気が付き、受け止められていた棍を掴みとり、空間固定して一気に伸ばして後ろに下がる。 追撃で小木刀に込めていた魔力撃を、放射状にして撃ち放つ。 威力は無いが判定を大きくとられてしまう。 仕方なく棍を丸めていたのをやめて、大きく広げて防ぐ。 そこに章香が斬り込むが、敏子は大きく広げたシールドを突進させて近づけさせない。 仕方なくシールドを切り裂いて突撃するが、途中で止まる。 「おいおい・・・」 目の前には魔力の光を放つ、見えるようになった棍が六つ浮かんでいた。 「いつの間にそれだけ制御できるようになった。」 「あら心外ね。私がデスクワークだけしかしていないと思っていたの?」 「うむ。」 ガックリと前のめりになってしまう。 この脳筋一歩手前は・・・・・・ 眉間をモミモミして頭痛を和らげる。こんなことを気にしていたら身が持たない。 それは部隊を纏める上で経験してきた事だ。 そんな思いを知らない章香は、息を整えると眼前のライバルを見据える。 「それが今のお前の最高か・・・ならば、こちらも見せようか。」 「え?」 章香は木刀をしまうと、小木刀をもう一本取り出した。 そして、 「ぬぅぅぅぅ!!!」 魔力を両手に持った小木刀、両肘、ストライカーの先、使い魔の尻尾に集中させた。 それぞれの場所が、魔力撃を伴った狂気に変貌したのだ。 全身凶器と化したライバルに、敏子も苦笑い。 「さて、待たせたか?」 「いいえ。再開しましょうか!」 「そうしよう!」 二人はそのまま、最初の様にぶつかりあった。 以上です。中途半端になってしまったけど、次回も続くんじゃ。 と言うかしっかり勝敗を決めたい。
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560. ひゅうが 2011/11/10(木) 21 37 34 提督たちの決断ネタ帳――厳秘 「衝号計画」要綱 1、ラ・パルマ島の構造とマグマの特質 カナリア諸島、ラ・パルマ島。 面積は約706平方キロ。南北47キロの南向きの楔形をしたこの島は、2つの火山により構成されている。 プレートテクトニクス的には大西洋ホットスポットの一員であるこの島は、ユーラシアプレートとアフリカプレートのせめぎあいの中で誕生した火山性の地質を持つ。 問題は、その島が大洋底4000メートルから海上2400メートルまでそそり立つ「巨大な火山」であることである。 また、海底の玄武岩層を主成分とするこの島は、花崗岩のように丈夫的ではない。 幸いなことに大西洋岸の火山が持つマグマは発泡性や水分に富んではおらず、ある日突然噴火し大爆発を起こす性質はない。 だが、アイスランド島のような巨大な島ではないカナリア諸島は、たとえば砂場に作った砂山のように脆弱である。 通常の噴火は、海底のマグマだまりの圧力が島の形成時にマグマが冷えてできた山体の割れ目を押し破り、間欠泉のようにたびたび噴火を起こすのであるが、その噴火により海面下にいくつもの亀裂が生じ、そこを通じ海底に蓄積され続けているマグマだまりに水分が供給される。 たちの悪いことに、マグマは水分を得るととてつもなく粘性を増す。 水分の供給が一定以上となると、まるで過冷却の水に衝撃を与えると結晶化し氷となるようになり、噴火を起こさず「すんづまり」状態となる。 こうして本来ならば爆発によりほどよく圧力が解放されていたはずのマグマだまりは圧力を高め続け――3〜4万年に一度、巨大な爆発を起こすのである。 元来ラ・パルマ島はこうして海底火山が大爆発を繰り返し、鋭角三角形の断面の上部が崩れ落ちることで「土台」を押し固めて成長したと考えられている。 島が巨大になるに従ってこういった「山体崩壊」と呼ばれる現象は起きなくなったが、それでも着々と圧力は高まっていたのだ。 海面上の圧力は低いため、島の海面下にあるマグマだまりとは別に2つの火山の下には浅部マグマだまりが形成され、に通常はアイスランド島やハワイ諸島のように溶岩流を噴き出す噴火を繰り返しているものの、深部マグマだまりは「寸詰まり」の状態を有史以来続けていた。 2、衝号計画 衝号計画は、北米大陸へ巨大津波を到達させることを目的としており、そのためには上述の山体崩壊が必要である。 幸い、ラ・パルマ島は2つの火山で構成されており、その間には深い断層帯が斜面のように横たわっている。 これは、もともとの島体を構成する古い火山のカルデラ横から新しい火山がそびえたっているがためである。 そして、カルデラ斜面の底は海面下4000メートルにまで達する。 要するに衝号計画とは、新しい方の火山噴火により断層帯で二つの火山を切り離し、古い火山のカルデラ斜面から高さ2000メートル、長さ25キロ×15キロの巨大な陸塊を崩壊させながら海面下へ一気にたたきこむ作戦と推定できる。 これを完成させるには、活発な活動を繰り広げる新しい方の火山――ケンブレビエバ火山による大噴火を起こしつつ、島そのものを吹き飛ばすレベルでの噴火を巻き起こし断層を分断しなければならない。 実現にあたって考慮できるのは、水蒸気爆発である。 島の海面下2000から3000メートルほどに横たわる巨大なマグマだまりによる爆発も広義の意味では水蒸気爆発に近い。 それは、本来は圧力に耐えかねたマグマだまりに生じた裂け目から火の玉の塊のような海水含有マグマが上昇し、ついに海中の海水と出会って沸騰することによって怒る爆発である。 今回は、ケンブレビエバ火山の活発な活動により生じているであろう地上から海中にまで達する断層という裂け目を掘削し、なるべく地下深くの、かつ海中に近い部分で炸裂させることが望ましい。 これに加え、できれば二つの火山の間を走る断層帯と合流している部分であるならば言うことがない。 561. ひゅうが 2011/11/10(木) 21 38 27 手順はこうである。まず、核爆発の高熱により弾体から直径500メートルほどの地下空間が生じる。想定される爆発深度は地下およそ500から800メートルほど。 衝撃により、マグマだまりは刺激され、この低圧の地下空間の崩壊開始と同時にマグマも殺到していることだろう。 また、海に近い断層帯のため、地下空間の崩壊によって海底の水圧により割れ目の方から海水の流入もはじまる。 こうして、マグマと海水は出会い、大爆発が生じる。 この課程でおそらくケンブレビエバ火山には新たな火口が誕生することになるだろう。 しかも、崩壊した地下空間は直径500メートルほど。富士山の火口の大きさを考えれば破格なほど巨大なマグマの通り道ができあがる。 連続する水蒸気爆発によりその大きさは更に拡大していることだろう。 こうして浅部マグマだまりの圧力は急速に低下していく。 そうすると、圧力や自身の粘性のために蓋をされていた深部のマグマだまりも、核爆発の衝撃に加えてこの圧力低下によりにわかに活気づく。 大噴火の開始である。 圧力低下点である「爆発火口」めがけて、粘性が高いために直径100から200メートルほどになっているだろう巨大な1000度以上の炎の塊が上昇を開始する。 そして、もとから水をため込み続けていたマグマは、流入しつつある大量の海水に触れ・・・ 大爆発を生じることになる。 威力は、ガスや含有水分の発泡も考慮し、かつ圧力がまだ万年単位でたまりきっていないために「不完全」であることも考えれば全てが吹き飛ぶ「破局的大噴火」とはなり得ない。 しかし、20キロ四方の暑さ2キロ程度の岩塊であるケンブレビエバ火山を島本体と切り離すには十分だろう。 最終的には、水爆数十個分のエネルギーを一気に放出しつつ、ケンブレビエバ火山を構成していた質量の大半は海中に没する。 その課程で、熱いマグマが水蒸気爆発を繰り返しつつさらに多くの海水を押しのけ続ける。 その轟音は、遠くイベリア半島や英国諸島でも聞くことができたかもしれない。 この大噴火により生ずるであろう津波は、最低でも225立方キロメートル(周囲15キロ、深さ1キロほどの崩壊)。最大となると、海底部分の山体も崩壊するため(周囲20キロ、深さ10キロ程度の崩壊)4000立方キロメートルまで達することだろう。 ここは、元ネタであるロンドン大学のシモン・デイ博士の試算にのっとり「長さ25キロ、幅15キロ、厚さ1.4キロ」とし、約525立方キロメートルが落下したものと推定してみよう。 試算によれば、地滑り開始2分後には津波の高さは906メートルに達する。反動によりラ・パルマ島近辺の海面は1324メートルまで沈下するという。 盛大に崩落面からは水蒸気爆発が起こりまくっていることだろう。 ひょっとすると、大量のマグマが一気に流出し、崩落分の質量分の炎の塊のような代物をぶちまけているかもしれない。 こうして生じた津波は、作中の描写の1.5倍、30メートルほどに達してフロリダ半島を飲み込むことだろう。 東海岸に押し寄せる波の高さは20メートル弱となる。 だが、恐ろしいのはここからだ。 作中で無理矢理山体崩壊を起こし、マグマを排出させてしまったので、その分の熱を冷やさなければならない。 何で冷やすのか? もちろん海水だ。 この時点で排出されているであろうマグマの量は、マグマだまりの大きさを5キロ四方としても125立方キロ。 このうち外側をくるめばいいので反応するものを考えてみると、少なくとも1キロの厚さを持つ即席のブランケットを作るには20〜30立方キロ程度の反応は必要になるだろう。 これだけの質量を持つ物体の温度を7〜800度程度から100度以下に下げなくてはならないのだ。 水蒸気爆発は連続するだろう。 あたかも空想科学読本で「ザンボラー」というウラン食ってる怪獣が自分の熱で岩を溶かし、キノコ雲を毎分何本も立ち上らせて地球中心へ落下していくように、それはすさまじい光景だろう。 爆発により生じるエネルギーは見当もつかない。ただ、毎秒核爆発を起こしているようなもの・・・というのが火山学入門書の表現だ。 ここは、5〜6メートルの津波を北米大陸にもたらす程度と考えておこう。 562. ひゅうが 2011/11/10(木) 21 41 30 こうした爆発は、おそらく数日から数ヶ月続く。 初期の派手な爆発により生じた津波は、10波や20波ではきかない程度の津波を東海岸の標高の低いあたりにもたらしているはずだ。 525立方キロメートルの土砂に加え、20〜30立方キロの高温(少なくとも700度ほど)の岩石が蒸発させただろう140〜210立方キロの水は、体積は圧力によって違うものの概ね1000倍になっていると推定できよう。 蒸気の全てが海面を押し上げるわけではないが、巨大な気泡やそれが破裂する爆発音はそれだけで十分に驚異的なエネルギーを秘めているだろう。 津波の高さを押し上げるわけではないものの、断続的に続く水蒸気爆発は、津波の全体体積を十倍以上にしているとしても驚くことはない。 3 被害推定 こうして生じた津波は、大西洋を押し渡り、まずはフロリダ半島を飲み込む。 高さは30メートルほどだが、前記の水蒸気爆発により波は連続しており、0.5時間程度継続していたとすると、津波の総体としての幅は300〜400キロほどになる。 高さ30メートル、幅300キロの水の壁が襲いかかってくるのである。 フロリダ半島やカリブ海の島々には、生存者がいる方が不思議であろう。 同時に、北米大陸東岸部の低地地帯は壊滅しているだろう。 アパラチア山脈より東側は、おそらく3割近くが水没。水をかぶった部分だけ考えれば、その遡上は内陸1000キロ程度の河川にまで達している可能性すらある。 ワシントン.D.Cはポトマック河の水域に面している。0メートル地帯も多く、津波はこれらのほぼ全てを押し流すだろう。 ホワイトハウスは完全に水没。議事堂は高さ87メートルのドームを有しているが、議事が行われている場所は高さ30メートルもない。 おそらく阿鼻叫喚の中議員たちは生きたまま水葬されたことだろう。 また、ワシントンD.Cの建造物の高さ制限のため、建物および政府機能はそのほとんど全てがストップする。 南に目を転じ、ニューヨーク市も似たような状況だ。 高層の摩天楼は残るが、そこに避難できる人間は突然の津波もあって数万人いればいい方だろう。 ニューヨーク海軍工廠は、北米東岸のフィラデルフィア、ニューポートなどと同様に浸水。 建造中の軍艦は横転するか、ドックにたたきつけられて崩壊する。 市街地に近いため、巨大な軍艦や客船が人々を圧しつつ市街地のど真ん中へ突っ込むかもしれない。 同様な光景の北限はおそらくニューファンドランド島だが、そこでも少なくとも5メートルの津波に襲われる。 南部沿岸は悲惨に襲われるだろう。 カリブの島を丸ごと押し流した津波が殺到し、メキシコ湾岸の油田地帯は崩壊。数ヶ月たっても海が燃え続ける恐ろしい光景が現出するだろう。 ダラス、ニューオリンズなどの都市機能も麻痺し、ミシシッピ川を遡上する津波によって耕地は塩害に苦しめられるだろう。 ただでさえ地下水のくみ上げすぎで海面とほぼ同じレベルまで沈降している大平原に海水が流入するかもしれない。 こうして第1波の被害で唖然としていると、そうこうしているうち北アフリカとポルトガルというラッパ状構造で跳ね返った波が逆に押し寄せてくる。 津波のあまりの巨大さからそれは、「いつまでたっても水が引かない」という状況になるだろう。 なまじっか標高が低く、なだらかな北米大陸では水が引くのはさらに遅くなるかもしれない。 結果、同地域に居住していたアメリカ合衆国の国民およそ8000万のうち、沿岸都市部に居住する3000万あまりの半分以上は、適切な避難がなされるか、高い避難場所が存在するか、あるいは運がよいか出ない限り、そのほとんどが海に呑まれる。 南米、アフリカ西岸、ポルトガルなどもあわせればその数はさらに数倍されるだろう。 以上が、衝号計画における初期の被害推定である。 (以下略) 【あとがき】――まじめに「衝号計画」の流れを想定してみた。 書いておいてなんですが、こんな恐ろしい代物が大西洋に眠っているのは恐ろしすぎます。 実は南九州とか薩南諸島とかにも似たような怪物が眠っていますが・・・ そのあたりは石黒先生の作品あたりでおなかいっぱいです。 では、長文失礼しました。
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679 :影響を受ける人:2015/09/21(月) 22 44 39 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十五話 ―後方の戦争― 倉崎重工。最も新しい工業会社。 夢幻会において強い発言権を持つ転生者だ。 前世において夢幻会の力を借り、未来知識で会社を大きくし、最新兵器を生み出した。 国内でも有数の大企業になり、趣味を生かせる環境に満足した。 しかしこのストライク・ウィッチーズの世界では、そんな力は全くない。 未来知識がほとんど役に立たないこの世界では、会社を大きくするのも一苦労だ。 裏側で九曜葛葉の支援があったのもそうだが、本人の努力 ―倉崎翁自身は「ハードモードと思えばどうってことないワイ」と言っている。― によるものもあって中小企業よりは大きくなる事ができた。 老舗の企業には負けるが、未来知識を【アイディア】として利権を取得し、“発想の倉崎重工”として地位を確立しつつある。 何とか会社を安定化させ、そんな中で力を入れたのが“ストライカー”開発だった。 当時は背中に発動機を背負い、それほど火力が無い銃器での戦闘がウィッチのスタイルだった。 原作基準に行くと遅い配備になり、需要に対して九曜指導により増えたウィッチの数に間に合わない事は目白。 それに対処するためになんと倉崎翁は、直接宮藤一郎博士に交渉に赴いた。 別会社に勤めていた宮藤博士は当初難色を示し、御断りをしたのだが、それでもめげずに頭を下げて交渉し続ける。 何度も訪れ、頭まで下げられては、断わるわけにもいかない。 「では、一度だけ研究所を訪れるという事で・・・」 「おお! 有り難い!!」 熱意に折れ、人の良い宮藤博士はポリポリ頭を掻きながら了承。 まだストライカーの基礎となる宮藤理論が完成する前の事だ。 数日後、迎えに来た送迎の車に乗り込み倉木重工に訪れた宮藤博士は・・・ヲタク共に汚染された。 「こ、これはいったい!?」 「椀部着装型重機関砲ですが、なにか?」 「おお! これは一体なんの設計図なのですか!?」 「ああ、墳式発動機ですね。まだ研究段階なのですよ。」 「戦艦を丸ごと!!??」 「まだ実験段階にも至っていない理論ですが、結界士達を乗せて戦力の向上を考えているのです。」 余りにも打っ飛んだ発想にそりゃもう大興奮。 家に帰ってすぐさま書斎にこもり、新しい設計図を書きだすなどの効果を生み出した。 結果、原作よりも早くストライカーが完成し、この時すでに宮藤博士は倉崎重工に移籍している。 制空権を獲得するための 海軍名“96式艦上戦闘脚”、陸軍名“キ27 97式戦闘脚”。 迎撃を主目的としつつ、大重量を運搬する事も目的とした“キ44 二式戦闘脚:鍾馗” 原作よりも早く登場し、早く配備されることが決まったストライカーは前線のウィッチ達に絶大な支持を得る。 また同時並行で開発を進めていた陸戦ストライカーも、少々遅れて配備する事ができた。 これに気を良くした宮藤博士はさらなる開発に没頭する。 以前は色々制約があったのだが、此処倉崎重工ではあまりない。 というのも、夢幻会が宮藤博士の失踪を恐れたからだ。 あれほどのモノを開発できる人物がいなくなってしまったのは、よほどの理由があっての事だろう。 結局原作において、彼がどこで何をしていて、宮藤芳佳の元に帰ってくるのか全くの不明。 才能を惜しみ、他国に誘拐されないように秘匿されてしまった可能性も捨てきれない。 それでは思うように開発できないのではないか? 危惧した夢幻会は先手を打って行動し、可能な限り自由に開発できる環境を作り出した。 更に刺激として前世でも働いていた、技術者と言う名のヲタク共と接触させることに。 これらは成功したのだが、宮藤博士は「戦う少女は良いよね!」などと、家に帰っては言えない事を研究室でぶちまけるほど汚染されてしまう。 良識派は思いっきり頭を抱えたが、これも必要悪(?)であると思い、硬く口を閉ざす他なかった。 こういった動きにより、一時的にストライカー開発は多少遅れが生じたものの、何とか原作よりかは早目に配備する事ができた。 九曜葛葉の行った行動により増えたウィッチの人数を考慮し、多少のスペックUPで妥協したのも高評価と言えるだろう。 ――――― 「いってらっしゃ~い。」 「ああ、いってくるよ。」 680 :影響を受ける人:2015/09/21(月) 22 45 15 愛娘、宮藤芳佳に見送られ、宮藤博士は迎えに来た車に乗り込んで会社に向かう。 バックミラーに見える娘が、車が見えなくなるまで手を振り続ける姿に微笑ましく思い、自然と口元が緩む。 流石に見えなくなると小さく溜息を吐くのは、少々寂しい思いがあるからだろうか? 「何時も、何時も送り迎えすまないね。」 「いえ。これも職務ですので。」 倉崎に移籍して最初に驚いたのは、毎日送り迎えしてもらえる事だった。 これは夢幻会の配慮・・・というよりも、博士を狙う外様を牽制するため。 原作において、どうして居なくなったかがわからない以上、警戒して損は無い。 車も特注で、装甲車とまではいかないが、十分な装甲を持つ。 更に博士と家族を守る為、秘密裏に護衛部隊を派遣して居る。 夢幻会で裏の世界・・・殺人を問わない非公式部隊があるのはあまり知られていない。 前世憂鬱世界では同じ転生者であろうとも、危険思想を持つ者、機密情報を漏らそうとした者、様々な障害を秘密裏に処理する部隊。 この世界では 日本× 扶桑○ なのであるが、「故郷を守るために」行動する狂信者たちには関係ない。 外敵は何であろうとも排除する。 現代日本が外国勢に圧力を加えられ、思うような外交が出来なかった。と、考えているが故に・・・ 彼等は軍隊に所属して居たり、警察だったりするが、街中では民間人で守りについている。 それ故に武装は限られてはいる。 しかし武術などを習得し、素手でも相手を殺害できる実力者ぞろいだ。 武器を所有する者達もいるが、あくまでも最終手段としている。 そんな恐ろしい護衛がいるとも知らずに、博士を乗せた車は走る。 その車を見つめる複数の視線。 それらは車のスピードと同じ速さで屋根を駆け、空を飛行している。 狂信者の護衛の他にもさらなる護衛を九曜葛葉は個人的に付けていた。 光を屈折させるシールドを身に纏った分体達だ。 彼女等は九曜葛葉直々に命令を下し護衛をしている。 おりしも車の荷台に隠れ潜む一体のチビ九曜(六尾)が、魔力を使用して車を更に強固にしている。 超豪華な護衛に囲まれている博士は、車に揺られながらのんびりと外の景色を見詰めていた。 ――――― 会社に到着すると、すぐさま研究室に向かう。 研究所はかなり大きくとられているのだが、何せ機械を扱うので所狭しと、試作品や失敗作が当たりする。 こんな状況なので急遽、隣接した設計図などを書く建物を建設した。 まだ真新しい建物に入っていくと、自分のロッカーに向かい、上着と私物を置いて白衣を着る。 そしてそのまま研究室に向かい、そのまま入ると気が付いた一人が挨拶をした。 「あ、主任。お早うございます。」 「ああ、お早う。今日も早いね。」 「寄宿舎が凄く近いですから。」 「僕もそちらに移ろうかな・・・」 通勤が大変なんだと笑って言うと、その場にいた全員が笑う。 博士としては、毎回送り迎えしてもらう事がどうにもなれない。 前の会社では電車通勤が当たり前だっただけに、余計に感じるのだ。 「さてと・・・」 自分の作業机に座ると設計図を引っ張り出して睨めっこ。 現在の課題は出力向上と継戦能力向上だ。 確かに今のストライカーは、以前のモノと比べれば雲泥の差がある。しかしまだ改良の余地があると見て良い。 「現行のストライカーを改造しても、それほど上がらないか・・・」 「やはり、新型の発動機を作らなければいけないのでは?」 「う~ん。そうしたいのだけれどね・・・」 そう言って背もたれに体重をかける。 「そうでもしないと現状、大変だと思うんだ。」 「・・・最前線はそれほど危ないと?」 宮藤一郎は戦場とはほぼ無縁の技術者であるが、嫁の宮藤清佳(みやふじ さやか)、祖母の秋本芳子(あきもと よしこ)から話は聞いている。 戦場から帰ってきた兵士達の話を直接聞ける二人は、貴重な情報源だ。 それからわかる事は、欧州以上の圧力が加えられている事。 そして学兵達の悲惨な現状だ。 「直接現場に良ければなぁ・・・」 そうすれば生の情報を得られる事もでき、更に何か思いつくかもしれない。 「それはいくら何でも無茶ですよ。」 だが副主任の一言が思いを切り裂く。 自分とてわかっているのだ、しかしもどかしいく思う気持ちは変わらない。 個々の研究者たちは優秀だ。何せ見様見真似で別系統の発動機を作り上げ、“鍾馗”を作り上げてしまった。 これにはさすがの一郎も驚いた。 そんな彼等は迎撃機開発に回されてこの場にはいない。 681 :影響を受ける人:2015/09/21(月) 22 45 58 仕方なく目の前にある設計図を片付け、真新しい紙を引き出す。 気持ちを切り替え、次世代のストライカーユニットを作る事に決めた。 更にコンパクトに、更にパワフルに。 少女達が生き残れる確率を上げるため、知恵を絞って設計を書く。 既に自分が確立した理論は世界に配信され、特許も取得している。 そこから莫大な利益が倉崎重工にもたらされるが、その殆どは開発費用に回される。 思うのことは、せめて娘が、芳佳が戦場に出る事無く戦争が終わるのを祈るだけ。 たとえ間に合わなくとも、生きて帰って欲しいと願う。 自分が出来るのはこれぐらいなのだから。 ――――― 大陸の最前線では、旺盛な射撃が叩き込まれていた。 射撃を叩き込むのは重砲隊の他に戦車隊。そして、先の作戦で大いに役に立った、戦艦の主砲を流用した大型砲。 大型砲が砲弾を叩き込むのは、決まったポイントだ。 地形をつくり、砲撃で誘導し、渋滞を起こしたところに叩き込む。 基本的にネウロイは突撃戦法しか行わないから出来るやり方だ。 「だけど、BETAと違って学習するんだよな・・・」 「おい。弾帯を下げるな。」 「あ、わりぃ。わりぃ。」 そんな最前線で兵士とし奮闘する転生者が、同僚と共に機関銃を操作する。 二人共同じ会社で働いていたヲタクで、仲が良かった。 この世界に来るのも同時で、近所に知り合いがいて驚いたものだ。 「まあ、愚痴りたくもなるよな。」 「せっかくストライク・ウィッチーズの世界にきたのに、オレツエエが出来ないなんて。」 「俺ら一般市民だぜ? こうして戦っているればお知り合いに・・・が強かったんだけどなぁ。」 「原作知識が全く役に立たないなんて、どうかしてるよ!」 「キュウベエ乙。」 駄弁るように話しているが顔は真剣そのもの。 一瞬の油断が命取りとなるのだから、真面目にやるに決まっている。 「夢幻会だっけか? お前、よくそこに所属できたな。」 「出来たというか・・・ させられたというか・・・」 「ああ、人数足りないからだっけか?」 同僚をちらりと見ると、その表情は物凄く暗い。 彼は原作に関わろうとして宮藤家を訪れた一人だった。 しかし前途に書いたように警護していた護衛達に捕縛され、強制的に軍隊に入れられた経緯を持つ。 同情して一緒に入ってくれた友人が、とても救いになっていた。 ついでに言うと、二人とも一回目の転生だったりする。 「でも、俺頭良くないしなぁ・・・」 「叩き上げで頑張るしかないでしょ。」 上手くすれば陸戦のウィッチと仲良くなれるかもしれないし。そう言って二人は無言となった。 前世でも童貞で、魔法使いとなった二人は、最前線で機動戦闘する少女達を見詰める。 自分達が奮闘すれば、彼女等も生き残る確率が上がる。 そすれば出会う確率もある。 邪まな思いを抱きながらも、小さな確立に縋って、今日も戦う馬鹿コンビであった。 以上です。 宮藤一郎博士の口調がわからんのでトト○のパパを思い浮かべて書きました。 最後は余ったからついでに書いた物ですwww
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この司令室はこんなに広かったのか。 今夜私が寝るための布団を残して、机も棚も片付けた部屋は、ひどくがらんとしていた。 明日にはこの部屋を引き払い、そして…… 「司令官、郵送の手はずは整えてきた」 艤装を全て取り外した響が、秘書役として最後の務めを終えて戻ってきてくれた。 艤装を外して水兵服だけになると、元の年相応の少女としての顔がよくわかる。 ……明日には、この子はソ連に引き渡される。 今さら何を言っても、どうわめいても、何一つ変わる事ではない。 この子の戦時賠償艦としての扱いを拒否する権限など、今の私には、わが国には無いのだ。 「最後まで、ありがとう響。もう遅くなってしまったが、君も休みなさい」 己の無力さに痛む胸を無視して、響に声を掛ける。 明日は早いのだから、という言葉を危うく口に出すところで飲み込んだ。 明日のことを、あえて思い出させることはない。 「司令官……」 いつもなら、仕事が終われば特に躊躇もなく「そろそろ戻ってもいいかな?」と自室に帰る響が、物言いたげな目でこちらを見てくる。 まさか朝まで酒を酌み交わすわけにもいくまいが、茶の一つを出してゆっくりと話してやることもできないほど片付けてしまったことが悔やまれる。 「響、どうした?」 我ながら、間の抜けた問いかけだと思う。どうしたもこうしたもあるまいに。 「司令官。……お願いが、ある」 何気ない仕草で、響が靴を脱いで畳の上に正座した。 「……」 響がお願いとは珍しいな、などとは言えなかった。 軽口で済ませてよいことではないと、その顔が告げている。 「響」 「司令官、私は明日、ソ連へ行く」 わかりきっていることを、しかし、響は胸を張って言った。 それも、連れて行かれるではなく、行くと言った。 こういう子だ。強い子だった。 だが、 「しかし、貴方もご存じのはずだ。満州で、ソ連兵が何をしたのかは」 きりきりと胸が痛む。それが意味するところと、響にそれを言わせてしまったことに。 「ああ……、よく聞いている」 「私も同じことになるだろう。彼らが戦時賠償艦を丁重に扱うとは思えない」 氷のような表情を変えることなく淡々と告げる響の言葉を、私は血が滲むほど唇を噛んで聞いていた。 響は、私の無能さ、無力さを、罵倒していいはずなのだ。 泣き叫んで、殴りつけて、この愚かな司令官を射殺してくれてもいいはずなのだ。 いっそ、響がそうしたいと言うのなら、私はそれでもいいと思っていた。 「だからその前に、司令官」 血の気の薄い響の頬に、めずらしく紅が差した。それは、怒りではなく、 「…………私を、抱いて欲しい」 予想だにしない言葉に、私は呆然となった。 そのような言葉を掛けてきた娘は何人もいたが、響はいつも冷淡だった。 妹の雷や電が私にじゃれついたり、姉の暁が私に頭を撫でられているときでも、響だけは私に直接触れることなく、常に一歩引いて私に接していた。 「貴方は、けっして私たちに手を出そうとなさらなかった。他の鎮守府にいる提督の中には、娘を手籠めにする者も少なくなかったと聞いているが、貴方は違った」 「私は君たちの命を預かっていたのだ。そんなことができるはずはない」 無論、間近に接する若い娘たちの身体に欲情をもてあましたことはある。 それでも、そんなことをすれば戦場へ送り出す彼女達の命だけでなく尊厳までも傷付けることになる。 何が何でも、私は自らを律することにした。そうし続けた。 「貴方は優しかった。でも、それゆえに残酷だった」 その私を、響は静かに糾弾した。 「残酷、だな。そうだ、私は……」 「違う。違うのだ、司令官。私の言いたいことと貴方の認識には齟齬がある。貴方が残酷だったのは、皆を戦場に送り出したからではない」 どういう、ことだ。 はらり、と。 響の瞳から一筋、美しく光るものが落ちた。 「……これほどに、貴方に胸を焦がされながら、ついぞ、抱いてもらえることもなく、乙女のまま沈んでいくことが、皆にとってどれほどにつらいか、貴方は理解して下さらなかった……」 静かに、されど血を吐くように、響は告げた。 「皆、貴方の優しさを、立場ゆえの苦悩を、それがゆえの強さを、愛していた。 恋い、焦がれていた」 こんな、もはや老いたと言ってもいいような、無能な司令官をか。 などと、言えるわけもなく、私はただただ、響の告白に曝されていた。 今、私が自らを貶めることは、私に恋い焦がれていてくれたという、今は亡きあの娘たち全てを、冒涜することになると、さすがの私でもわかっていた。 「私と、同じように……」 常に一歩引いていたこの子の態度が、姉妹たちへの遠慮だったのだと、今更ながらに気づいた。 姉妹たちや、他の娘たちの思いを代弁してからやっと、自分の思いを告げるくらいに、この子は優しいのだった。 その響をして、死んでしまった皆のことをわかっていてさえ、ああ言わせることがどういうことか。 「私の身体は、まだ男を知らない。ソ連兵にいいようにされる前に、……せめて、最初だけは、貴方に……」 最後は、蚊の鳴くような声だった。 「響……」 「私の……、一生のお願い、です……」 三つ指を突いて、まるで新妻のように、最後は口調さえ改めて、響は深々と頭を下げた。 様々なものが頭をよぎる。 この部屋に来て、そして帰ってこなかった娘たちの顔が、幾重にも、幾重にも重なる。 君たちは、私を恨んでいるのだろうと思っていた。 それは、大きな勘違いで、そして、同時に正しかった。 今、こうすることは、抱いてやれなかった君たちを裏切ることになる。 私はこれでも、君たちを愛していたつもりだ。慈しんでいたつもりだ。 それは、今目の前にいる少女とて、例外であろうはずもない。 いや、誰か一人を贔屓してはいけないと思いながら、どうしてもそうしてしまっていた少女だった。 明日には露助たちの手に落ちて穢される愛しい少女が、こうして何もかも振り捨てて頭を下げている。 済まない。 心の中で、幾多のものに頭を下げる。 最後に身体を動かしたものは、義務感や哀れみではなく、枯れたと思っていた男としての衝動だった。 愛しい女が他の男に抱かれる前に、我がものにしたかった。 頭を下げ続けていた響の身体を抱き起こし、部屋に唯一残っていた夜具の上に押し倒した。 灯火管制で裸電球に絞った傘を被せていたため、部屋の隅は夜の闇が舞い込んでいた。 その暗がりに組み伏せた小さな身体は蜉蝣のように儚く見えて、ここまでやっておきながら、思わず手を出すのが躊躇われた。 だがその薄闇の中で、響は、うっすらと、だが、決して見間違えようがなくはっきりと、微笑んでいた。 私の暴挙を受け止めるように、許すかのように、待ち焦がれていたとでもいうように。 私は、その微笑みに応えたかった。 だが、決して壊したりしないように、そっと、数え切れないほど見ても見飽きなかった赤いスカーフに手を掛ける。 後戻りできないことをしているという自戒とともに、思っていたよりも、するりとほどけた。 響の服を脱がしているのだという罪悪感に、甘い疼きが混じることが否定できない。 そうだ、長きに亘って気づくまいと目を背けていたが、私は、傍にいるこの娘の身体に、女を感じていたのだ。 感じていたからこそ、今の今まで手を出せずにいたのだ。 だが、次を脱がそうとしたとき、私は酷く間が抜けたことに気づいた。 水兵服の脱がし方が、わからない。 士官学校卒以来、水兵服を着ることもなかった自分の経歴を、この時ほど恨んだことはない。 服を揃えるのも、洗濯をするのも、皆、任せっきりだった。 こんな身近にいる少女の服の造りさえ知らずに居て、少女たちの指揮を取っていたなど。 「司令官、ひょっとして……」 戸惑っている私を見て、響がいつも通りの察しの良さで声を掛けてくれた。 まったく、私はつくづく戦術指揮には向いていない男だったというわけだ。 「済まぬ。どうやったら脱がせてやれるか、わからん……」 それを聞いて、響はくすりと笑った。 妹たちを思わせるような、邪気のない笑顔だった。 「安心した。貴方が、そういう人で」 左手を後に突いて上半身を少し起こした響は、右手を襟元に持っていき、何かを解いたようだった。 それで、襟元から下へ、スカーフに隠れていた部分が半分まで開かれた。 なるほど、こうして首が通る大きさに広げて上から被っていたのか。 「あとは、脱がせて欲しい。貴方の手で……」 是非もない。本来ならばさきほどのことも私がやらねばならなかったのだ。 裾に手を掛けて、響が身体を任せやすいようにゆっくりと上げていく。 白い腹がだんだんと露わになっていく。 さらにその上までたくし上げたところで、下に身につけている真っ白い胸当てが覗く様は、途方もなく淫靡だった。 響の頭が襟を抜けるときに、響の視線が遮られた瞬間に、そこへ目が行くのを止められなかった。 胸当てとはいっても、サラシと大して変わらないほどに、それが守っている胸は慎ましやかだった。 上着を脱がし終えて、その胸当てに手を伸ばそうとすると、響はかすかに身をよじった。 「その……先に、スカートを」 この期に及んで順序も何も無い気もするが、今これから男に蹂躙されようとする娘心は、せめて溢れる羞恥を後にしたいと思うのだろう。 「わかった」 スカートの造りは私にもおおよそ推測が付いた。 暗がりの中で手で探ると、左の腰の辺りに釦があり、これを外すと腰回りが広がった。 響の後腰に軽く左手を回して、彼女が腰を浮かせやすくしてから、右手でスカートを引くと、その下から胸当てと同じ色の腰巻きとすら言えない小さな布が、申し訳程度にその場所を守っていた。 これで、響の身体の線がほとんど露わになった。 胸だけでなく、腰周りも細く、これから蹂躙することが許されぬほどに幼い身体だった。 艦娘たちは、その役目を背負った時から老いることが無くなる代わりに、成長することも無くなる。 男を受け入れることができるほどに、成長しているはずもなかった。 その無垢な身体を前にして、私は恥知らずなことに、途方もなく劣情を催していた。 ただの子供の身体ではない。 私が長らく、愛しく思い続けてきた、少女の身体だ。 堅く絞っていた褌の中が、ひどく窮屈になってきた。 今すぐにでも、響の身体を覆う布を全て剥ぎ取りたくなってきた。 だが、己が願ったこととはいえ、貞操を叩き込まれた大和撫子としての響の恥じらいを無残に壊してしまうことはできなかった。 私は二度三度と、大きく息を吸い込み、吐き出して、己を辛うじて抑え込んで、響の両脚を覆い隠す黒い靴下から脱がせることにした。 少しでも後にしてやらねば、響の心に覚悟も定まるまいに。 「……ありがとう」 どうやら、その判断は間違っていなかったらしい。 指の先に微かに触れる素足の感触は滑らかで、脱がせやすかった。 ふと、右足からするりと脱がせた靴下が絹であることに気づいた。 戦時下ではまず手に入らなかったであろう代物だ。 響は、最初から私に抱かれるつもりで、目立たぬ中で精一杯着飾ろうとして、こんなものを履いてきたのだろうということが察せられた。 そのいじらしさを噛み締めながら、左足からも靴下を脱がせ取る。 見たことのなかった響の素足は、愛らしい指の先まで細く細く、大人の女性のような肉感的な色香はまだ無かった。 いや、まだもなにも、ついぞ、得ることはなかった。 ただ、美しかった。 「さすがに、これは……」 恥ずかしいのだろう。 露わになった二本の脚を、その付け根を隠すかのようにぴたりと合わせて揃えていた。 貞淑な、愛らしい仕草だった。 わずか二枚の布。 それだけが、最後に響を守っていた。 どちらから脱がしてやるべきか迷ったかが、やはり上からだろうか。 しばし逡巡していると、響がおそるおそる声を掛けてきた。 「司令官は……脱がないの?」 言われるまで、私は自分のことをすっかり忘れていた。 士官服のままで、ここまでの凶行に及んでいたなどと。 だが、響としては自分だけが裸に近い姿なのに、私がそのままではおかしいだろう。 「そうだな、済まなかった」 言われると、服はひどく邪魔だった。 身体が響を欲していて、服など早く脱ぎ去りたかった。 だが、慌てて脱げば、響を怖がらせてしまう。 焦らさぬ程度に、できるだけ悠然を装って、私は上下を脱いで褌一枚になった。 響は、そんな私をしばらく呆然と眺めていた。 「どうした?」 「司令官のお体を見るのは、初めてだから……」 そういえば、水泳訓練のときでも響は居なかったような記憶がある。 他の娘らのようにはしゃぐのを嫌っていたのかと思っていたが、今にして思えばただの強がりだったのかもしれない。 「もっと若い男の身体ならばよかったのだろうが……」 「いえ……、逞しい、ご立派な身体です」 うっとりと、響が言う。 ついぞ、愛する少女一人守れなかった程度の鍛錬に何の意味があったのかと思っていたが、そう言ってもらえるのなら僅かででも鍛えていた甲斐もあったというものだ。 今すぐにでも、窮屈になった褌を脱いでしまいたかったが、まだ駄目だ。 今でさえ、これから起こることの恐怖を抑え込もうと必死になっているはずなのに、さらに見せつけようものなら、響の心を傷付けてしまいかねない。 そして、それ以上に、私は響の裸身が見たかった。 胸当てに手を掛ける。 ぴくり、と響の身体が震えた。 いいな、と目で問いかけると、響は微かに目を伏せて頷いた。 背中に手を回し、胸当てを留めている結び目に指をかけた。 ほどく。 あっけなく、その一枚は響の身体を放棄した。 「ああ……」 どちらからともなく、ため息が漏れた。 紳士にあるまじきだが、私は凝視することを止められなかった。 暗がりの中で、その身体はほのかに白く、輝いているようにさえ見えた。 その、露わになった響の胸。 淡い、房とすら言えない小さな膨らみの真ん中に、二つの小さな蕾が、精一杯に尖って自己主張していた。 彼女そのものらしく、愛らしく、美しかった。 「小さいから……そんなに見ても……」 かすかな灯りを背にしている私の表情はわかりにくいだろうに、女の勘で視線がわかるのか。 それとも、わかりすぎるくらいに、私が食い入るように見ていたのか。 「……美しい」 思わず、そんな言葉が口から漏れた。 よもや童貞の小僧でもあるまいに、こんな少女の膨らみかけの乳に、崇めたくなるほどの思いを抱くとは、我ながら下劣な純情さに呆れかえる。 士官学校を出たての頃、遠洋航海で港に寄るたびに上官に引っ張り回されて地元の色街に踏み込むことが何度あったか。 肌の色も白いのから褐色まで色々な女を抱いてきた。 大半は顔すら覚えていないが、それでも今の響より胸の小さい女を抱いた覚えはない。 そして、今の響よりも美しいと思った女を抱いた覚えもなかった。 幼い少女の身体に、あどけなさの隠しきれない面差しが、ギリシアの大理石彫刻すら及ばぬ宝のように思えた。 「貴方が……、そんなに嘘が上手とは、知らなかった」 照れているのか、瞳をわずかにそらしながら、そんなことを言ってきた。 それはそうだろう。嘘偽り無く、本心で言っているのだから、上手な嘘に聞こえるだろう。 嘘ではないと、言葉で言っても聞いてはくれまいか。 どれほどに私が、今の響に欲情しているか。 この身体を、誰にも渡したくないと願っているか。 それが叶わないことに、どれほどに煩悶しているか。 せめて、だった。 せめて、響の身体の全てを最初に手にする男は、私であろうとするのだ。 左腕を伸ばして、響の腰の後ろに回し、彼女が抵抗する間も与えずに抱き寄せた。 私の腕の中に、すっぽりと響の小さな身体が収まってしまう。 今このときだけは我が物となったその白い肌にそっと右手の指を伸ばす。 細い頬をなぞり、乱暴にしたら折れてしまいそうな首筋をなぞる。 凹凸の浮いた鎖骨からさらに下へと伸びた私の指が、淡い膨らみに掛かった。 握るほどの大きさどころか、摘むほどもない。 だが、少女のそこまでの肉よりも確かな感触が、指の腹に伝わってきた。 滑らかな肌をなぞる。 かすかに力を掛けながら、撫で回す。 右も、左も、ゆっくりとなぞっていくと、そのかすかな膨らみの輪郭がわかる。 艦娘の宿業に囚われなければ、豊かに膨らんでいたであろうと思わされた。 だが、この慎ましやかな身体はあるいは響の心根のようで、なぞっているうちに、響に触れているという思いが湧き上がってきた。 もっと、触れたい。 心の臓に近い方の蕾に、人差し指を伸ばす。 その先に、ほんのわずかに触れた。 一瞬だが響の身体がぴくんと撥ねた。 女の、反応だった。 もう片方の蕾にも手を伸ばし、今度は、もう少し強く押した。 膨らみとは違う確かな感触が伝わってくる。 それを、そっと人差し指と親指で摘もうとするが、摘めるほどには大きくなく、その先端をいささか強く擦ってしまった。 「あっ……」 それは、嬌声だった。 響の口から漏れたとは思えないほどに艶のある声に、私は背筋がぞくりとするほどの背徳感が降りて来て、褌の中で滾るのをやめてくれなかった。 もっと、もっと声を聞きたい。 今度は、押し込みながら摘もうとする。 「んんっ……」 今度の声は、艶に痛みが混じった。いかん、やりすぎたか。 「司令官……、少し、痛い……」 「ああ……、すまない」 「だから……、もう少し優しく、もっと……触れてほしい……」 ねだってきた。 しかし、手で触れていると、響を手に握りたいという衝動が溢れてきて留めようがなくなってきそうだった。 それならば、いっそ、そうしよう。 唇を響の蕾に寄せて、私はその先を唇でそっと咥えた。 驚いた響が反射的に身体を跳ねさせたが、私は両手で響の肩を押さえつけて逃がさなかった。 そのまま、吸った。 響が堪えきれずにあげる、甘い悲鳴が耳に心地よい。 少し吸って、唇の中で、その蕾を舌先でなぞる。また、吸う。 そうしながら、両手は響の身体をまさぐる。 肩から今度は二の腕や背中に伸ばし、触れる、なぞる、撫でる。 「司令官……、なに、も、出ないから……」 そんなことはわかっている。 わかっているが、だが、響の蕾を貪っていると、ひどく満たされている自分がいることに気づかされた。 こんな老いも見えた男が、幼い少女にそんな思いを抱くなどお笑いぐさだが……。 いや、男など、いくつになっても所詮そんなものかもしれない。 艦が全て娘に限られるのは、我々のような情けない軍人たちの、愚かな懸想の結果なのかもしれないのだから。 それも、新兵から元帥まで揃いも揃って。 そんなことを内心で言い訳にしながら、乳が出ないとわかっている幼い果実を吸う。 右も、左も、時折舌で嬲ることを混ぜながら、そのたびに響は身体を震わせてくれる。 だが、やがてそれだけでは満足できなくなってきた。 この身体が、何者かに侵される前に、全てを私のものにしなければという、義務感のような思いに駆られてきた。 それは、乙女の純潔だけではなく、響の全てをだ。 そう思った私は、響の身体中を撫で回すだけでは飽きたらずに、蕾の周りに舌と唇を這わせていった。 膨らみの外輪から、脇の下を通り、か細い二の腕から右手の指の先まで。 「司令官……それ、は……」 最初は、私の愚行に驚いて、響は手を引っ込めようとした。 だが、その手をそっと、しかし逃れられるほどに強く握って止める。 「響……。そなたの全てを、私で染めておく」 あえて、何かが起こる前にとは言わずにいた。 こうしてやり始めるときから、わかりきっていたことだ。 「それなら……」 と、響は何か言いたげな顔をした。 指を泳がせて、唇を振るわせて……ああ、そうか。 まったく、そんなことも忘れるくらいに、私は彼女を貪っていたのか。 順序がまったく逆だった。 「そうだな。すまない。先にそうすべきだったな」 響のおとがいに指を添えて上向かせる。 どうしても身長差があるから、私が覆い被さる形になった。 白無垢を着せてこうしてやることができていれば、何もかもが違っていたのだろう。 誰かを贔屓してはならないなどという私の思い上がりが、結局は、何もかもを不幸にしたのか。 だが今こうして、深くなってきた夜の闇の中で私を見上げてくる響の姿は、白無垢さながらに美しかった。 白い柔肌は言うに及ばず、姉妹全てを失った悲しみで白くなってしまった髪さえも、今こうして見れば、彼女によく似合った。 間に合わなかった婚礼のつもりで、私は、彼女の唇に接吻した。 響の唇は見た目通り厚くはないから、さほど押しつけた時に深みはない。 だが、柔らかく、暖かく、芳しい。 驚いたような響の吐息を吸いこんだのか、鼻腔を甘くくすぐるような匂いがする。 芳醇な匂いを放つ青い果実を目の前にしているのだから当然だろうが。 唇だけで満ち足りなくなり、舌先を差し入れる。 フレンチ・キスと言うのだと、欧州留学の折に身につけた下らない知識が頭の深いところから浮かび上がってきた。 驚いたらしい響がかすかに身動きしたが、すぐにこちらの意図を察したのだろう。 唇にかかっていた力が抜けて、私の舌は響の口の中を侵し回ることができた。 響の味だと同時に、響が私を味わっていると思うと、妙な気分だった。 私はこの若々しい果実を味わっている果報者だが、こんな枯れた男を味わっている響はどう思っているのだろう。 そんな頭に浮かんだ疑問を察したわけでもないだろうが、差し入れた舌先に、濡れた感触が絡みついてきた。 あまつさえ、絡みながら舌を遡って、私の口の中にまで入ってきた。 もっと味わいたいと、言わんばかりに、しばらく、息をするのも忘れて啄み合った。 先に息が続かずに音を上げたのは響だった。 これで私の方が先に息を切らしていたらあまりに格好が付かない。 海軍士官学校で鍛えた肺活量が、こんなところで活きるとは思わなかった。 「髭が、くすぐったかった……」 まさか味がどうだったかと聞くわけにもいかなかったが、響は、少しはぐらかすようなことを呟いた。 そういえば、朝方髭を剃ってからなので、少し響の頬に刺さったかもしれない。 「髭は、いやだったか?」 接吻が嫌だったかとは聞けず、そんな尋ね方をした。 「いいえ。悪くない感触でした。……もっと」 接吻ではなく、髭の感触を名目にして、私たちはまた唇を合わせた。 それを、息が切れるまで繰り返す。 今度も、響の方が先に息を切らせ、もういいかと思ったが、響はまたもねだってきた。 都合、合わせて、四度。 終わったときには、水から上がってきたときのように二人とも荒く息を繰り返していた。 啄んでいるときには息ができないのに、まるで水中で空気を求めるかのようにお互いを求めているのだから、不思議なものだ。 さすがに酸欠で、姿勢を維持することもできず、夜具に背中から倒れ込む響の背中をそっと支えながら横たえさせた。 さしずめ、俎板の上の鯉のようにさえ見えた私は、どうかしている。 存分に味わった唇の周りの、頬や耳、瞼や額を、なぞり、接吻の雨を降らせた。 一カ所残らず、私が触れた跡を残すように。 響は、時折身じろぎしながら何も言わずに、私がまだ接吻していない顎や首元を自分で指さした。 言葉を返すこともなく、私はその指示に応える。 髪の毛一筋一筋までは舐ることは難しかったが、全てに触れておこうと、幾度も幾度もその長い髪を指で梳いた。 絹の糸でさえ、この髪には及ぶまい。 かつては姉の暁と同様に漆黒だった髪はこうして白銀になってしまったが、この色には、その姉妹を失った悲しみが込められているのだ。 顔の周りを撫で終わると、私は響の身体を下へ下へと侵略していった。 服の上からでもわかっていたが、裸にするとなおのこと細すぎる腰は罪悪感を呼び起こさせる。 そんな中に、小さな臍があるのが、愛らしかった。 その下には、辛うじて最後に残った一枚の布がある。 その布を取り去ったら、私の自制もそこまでだろう。 辛うじて堪えて、為すべきことを先にしようとする。 ふともも、などとはとても呼べない、幼い少女らしくすっきりと伸びた足のうち、右足を膝立たせながら、表も裏も指と唇と舌でなぞっていく。 膝裏も、ふくらはぎも、その感触を私の脳裏に刻みつけるように触れていく。 足の指を舐めていると、かすかに塩気と、汗の匂いがした。 だが、それすらも芳しいと思えてしまう。 私の中に乱歩の小説のごときこのようないかがわしい嗜好があったとは。 つくづく、あの娘たちに手を出さずにいてよかった。 手を出せばきっと、私はそれに溺れきってしまい、あの娘たちを壊してしまっていただろう。 「司令官に……、こんな、こと……」 私が響の足の指を口にしていると、私を足蹴にしているような体勢になることに響は気が引けているのか、恥じらうような顔を見せた。 男を足蹴にしてよいなどと、教わっては来なかったのだろう。 響に教え込まれた大和撫子としての慎みがわかって、私はなおいっそう愛おしくなった。 「私が、そなたを味わいたいのだ」 「……はい」 そう答える響の顔が嬉しそうなことに、私は救われた。 右足を舐り終えて、今度は左足を先の方から舐めていく。 隈無く、全ての新雪を踏み荒らし尽くすように。 左の股まで舐めて撫で終えてから、響の背中も蹂躙すべく、その細い腰に手を掛けた。 言わずともわかるのか、響は私が力を掛けるよりも先に、くるりと身体を翻す。 細すぎる背中が目に入り、そして、私はそのとき間違い無く、心臓が跳ねるのを覚えた。 わずかの布きれに覆われた小さな尻がこうして私に向かって突き出されるのを目の当たりにして、私ははっきりと、この娘を孕ませたいという衝動に駆られてしまった。 ひどく動物的で、暴力的な衝動だった。 欧州女で、尻の大きな女などいくらでも見て来たはずが、その今まで見て来たどの女に対しても抱いたことの無かった、はっきりとした生殖衝動だった。 否応なく、褌の中が固くなる。 そろそろ、我慢も限界に近くなってきた。 響がくすぐったがる声を聞きながら、背中を撫で舐め終える。 これでもう、響の身体で触れていないところは、最後に残った布一枚の下だけだ。 既に、私は響の身体を組み敷いていた。 無理やりにでもこの布を剥ぎ取って、獣のように交わりたかった。 だが、幼い響の身体にいきなりそんなことをしたらどうなるか。 この後に響を待っている運命がそれだとしても、せめて最初の交わりくらいは、優しく抱いてやらねば、今こうして私が生きている意味すらもない。 そう己に言い聞かせて、獣の衝動を辛うじて抑え込む。 ゆっくりと、身体を開いてやらねばならぬ。 今まで交わったどの女にしたよりも、もっと。 「響……」 そっと身体を抱きかかえて、仰向けに横たえさせた。 じっと私を見つめてくる響の瞳を見つめ返しながら、取るぞ、とは言わなかった。 わずかに睫毛を動かして、響が頷いたように見えたのを確認してから、その最後の一枚を取り去った。 予想はしていたが、その下には一筋の翳りもなかった。 わずかばかり膨らんだ割れ目はぴったりと閉ざされて、おそらくは自分で弄んだことすら無いのだろう。 女陰とは、こんなにも美しいものだったのか。 壊してはならない儚い硝子細工のようなその姿に、しばし、私は陶然と魅入っていた。 こんなところに、入るはずもないものを入れようとするのだ。 指の腹を当ててみると、硝子細工ではなく、柔らかく暖かい肉の感触だった。 まだ何者にも侵されていない、閉ざされた、穢れのない感触だった。 私の爪が伸びていないのが幸いだった。 まず小指の先を、割れ目の入り口にそっと差し入れてみる。 ぴったりと閉ざされていて、固い貝を開いてみるような感触だった。 いきなり力を加えては駄目だ。 少しずつ、響が痛がらないか確かめながら押し込んでいく。 それでも小指の第一関節まで入れるのがやっとだった。 それ以上はとても開きそうにない。 手首を返して割れ目の上側をなぞりながら、一度そっと指を抜き取る。 そうしてからまた差し入れて、また抜く。 一度目よりは二度目の方が、ほんの少しだけ深く入った気がする。 少しずつ、少しずつ、響の身体を開いていく。 何十回目かで指を抜こうとしたときだ。 「…………っっ!!」 響が弾かれたように首を仰け反らせた。 「響……?」 「し……れい……、いま、の……?」 響は戸惑った顔を見せた。 痛みを覚えた風ではなく、むしろ、自分が今し方初めて味わったものを咀嚼できずにいるという顔だった。 ようやくに響の幼肉に隠された陰核に触れることができたのだろう。 響にとっては、自分の身体にそんな感触を受けることができる部位があることすら知らなかったのかもしれない。 幼い身体にこれから刻み込むその感触が、せめて苦痛ではなく快感として記憶に留まってくれることを、願わずにいられなかった。 「響」 触っていいか、とは聞かなかった。 響も、やめてとは言わなかった。 ただ、核を私の指の腹が擦るたびに、声を殺して身体を震わせる。 はしたない声を上げるのが恥ずかしいのだろう。 私は、もっと声を聞かせて欲しいと思っているのだが、無理強いはさせたくなかった。 やがて、繰り返していくうちに、うっすらと湿り気を帯びてきた。 それでもまだ、入れるには到底足りるものではなかった。 生娘の響を傷付けずに済むとは思えなかったが、それでも濡れているとすら言えないこんな姫洞にねじ込んだらどうなるか。 「司令……官……?」 しばし思案に耽っていた私を訝しんで、響が声を掛けてくる。 「大丈夫だ、響」 何が大丈夫なものかと自分を嘲笑いながら、響の立てた膝を両手で開かせる。 響は身についた慎みのせいか、反射的に膝を閉じようとしたが、歳は食っていてもこれでも海軍士官の私に勝てるような力は無かった。 開いた膝の間に頭を入れて、響の下の唇に口づけした。 「し……司令!?……汚い、です……そこは」 「どこが、汚いものか。こんなにも美しい……」 一度唇を離し、響の非難に対して嘘偽りのない思いを口にする。 また口づけし、割れ目の間に舌を這わせ、唾液を垂らしていく。 だが、一方的に攻め立てているつもりはなかった。 かすかに感じる塩の味と、潮の匂いにも似た響そのものの香りが、舌と鼻腔から私の頭を蕩かしていく。 熟した女とはまるで違う、瑞々しく、若々しい、響の、味と、匂いだった。 脳髄が蕩けていっているのに、身体の下の方には熱く血が巡っていることがはっきりとわかる。 ただただ、精を放ちたいという少年の頃のような欲求が、この枯れた身体に残っていたとは。 痛いほどに陽根が固くなっていた。 これではますます響の中に入れるのは難しいかも知れないと頭のどこかで思いながら、もう我慢ができなかった。 褌を解き、今まで隠していたものを響の前にさらけ出した。 「……っ!?」 怯えたのも無理はない。 元々、同期の桜たちと風呂場で比べて、大きさでそうそう劣った覚えもない。 ただでさえそうなのに、私自身、こんなにも強く猛ったのはそれこそ初めて女と交わったとき以来だろうか。 そんなものを、生娘の前に突きつけるのはやはり残酷だった。 これがお前を刺す槍だぞと、喉元に突きつけているようなものではないか。 いっそ、見せることなく響が何も分からないままに貫いてやる方がよかったのか。 「これが……殿方の……」 屈み込んで、一思いに差し入れようかとした私の動きを、差し伸べられた響のたおやかな手が留めた。 おそるおそるという仕草で、そっと私の竿に触れてきた。 その白魚のような手が、赤黒く膨らんだ怒張に触れると、それだけで何か清められたような気さえしてくる。 おずおずと顔を近付け、まじまじと見つめてくると、さすがにいささか気恥ずかしい。 と、毒気を抜かれたような私の男根に、柔らかく湿った感触が走った。 驚いたことに、響が、先端の割れた鈴口に舌を伸ばして舐めたのだ。 先ほど怯んだことを気に病んでのことだろうか。 しかし、一度ではなく、二度、三度と舐めてくる。 まるで、子猫が水を飲むかのような愛らしい仕草で。 「響……そんな汚いもの、口にしてはいけない……」 商売女に無理やり咥えさせたことは何度かあるが、こうして見下ろす光景は、そのときの記憶とはまるで違っていた。 響のような美しい少女の、睫毛を伏せたような表情と、その眼前に突きつけられた私の醜い欲望の塊とが、無様な、あるいは見事な対比に見えて、その表情を一層美しく見せていた。 「どこが、汚い……。こんなにも、逞しい」 世辞にしても先ほどの私の言葉の意趣返しにしても、冗談が過ぎると思ったが、響は、それが嘘ではないと告げるかのように、一度口から離し、赤黒い竿元まで頬ずりさえした。 そして、なんということか。 響の小さな唇がめいっぱい開かれたかと思うと、私の欲望の先端がその中に飲み込まれた。 柔らかく湿った中に怒張が浸されて、その感触になおのこと膨れあがる。 響の口の中は小さく、上あごと舌とに挟まれて窮屈なのがなおのこと心地よい。 その中で、健気にも私の幹に快感を与えようと、瑞々しい舌が前後して私の裏筋を刺激する。 先端しか飲み込めていないのが気がかりなのか、無理にでも喉の奥に押し込もうとしているのがわかる。 たどたどしい動きながら、なんとか歯を当てないように気を使っていることがわかる。 むろん、初めてなのだろう。 だが、響がそもそも陽物を咥えるということを知っていたことが驚きだった。 「こんなことを……どこで」 商売女のような技巧は無い。 しかし、小さく湿った中でその舌が動き回るだけで、たっぷりとした唾液とともに私の竿に絡みついて、えもいわれぬ稲妻めいた感触が私の下半身を浸す。 「それは……秘密」 呼吸をするのを忘れていたのか、荒い息を継ぎながら、響は少しだけ謎めかして答えた。 「誰が教えたかは……、聞いた皆が全員、水底まで持っていくという約束で、教えて貰ったから……」 意外な答えが、返ってきた。 とすると、私が想像すらしなかった誰からしい。 ふっと、笑いたくなった。 笑う資格など無いとわかっていても、笑いたかった。 あの娘たちが、私に黙って、そんなささやかでひめやかな秘密を抱いていたことが、嬉しかった。 そんな感慨に耽っていると、ふと、不思議な感触がした。 咥えたり、舐めたりとかいがいしく仕草を繰り返している響だが、それだけではないような気がしたのだ。 まるで、南方の女宿で、何人もの娘を同時に相手したときのような……畳み掛けられるような感触が、私を予想外に昂ぶらせた。 そんなことがあるはずがないのに。 物思いに没頭していたのがまずかった。 気がついたときには、込み上がってくるうねりのような衝動が止めようのないところまで来ていた。 「ひび……き、離せ……」 聞こえなかったはずはない。 響は、それを聞いて、私の竿の根本をしかと掴み、小さな口で喉まで飲み込まんばかりに深く咥えた。 女陰の奥を突く感触にも似た響の口の奥は、暖かく私を迎え入れた。 駆けあがってくる輸液の奔流がもはやどうにもならぬままに、男の衝動を鼓動とともに脈打たせる。 小さな肉の中に包まれながら、私は許されたような解放感のままに、思い切り精をぶちまけていた。 こんなにも激しく放ったのは、もう何十年ぶりか。 一度の脈動で響の口の中にどれほど放ったのか、考えることも出来ぬほどの紫電めいた快感に私は燃え尽きるほどの喜びを味わっていた。 ただ、健気にもしかと握って離すまいとしていた響が、あまりの量に耐えきれずに咳き込みながら口を離してしまい、その口から涎のように白濁が滴り落ちる前に、その響の眼前で、第二射を炸裂させてしまった。 止めようがない。 第三射、第四射と、私は響の顔といい、頭といい、ありったけの精をぶちまけてしまっていた。 誤ってではない。 私は確かに、美しいものを穢す暗い喜びに良心の呵責すら悦に入って味わっていた。 精を顔にぶちまけるなど、南方の商売娘にさえしたことはない。 そんな所業を、ずっとずっと、慈しみ、守ろうとしてきた最愛の娘に行っていた。 「響……」 何度目かの脈動で、ようやく砲弾が発射されなくなったようだった。 目の前には、白く美しい髪と顔に、私の汚濁液をありったけ浴びせられた響の姿があった。 精を放った後に訪れる特有の後悔があった。 やってしまったことへの後悔があった。 にも関わらず同時に私の中には、これだけの精を、どうして響の胎の中にぶちまけることができなかったという後悔すらも併存していた。 若い頃ならばいざしらず、一晩に二発もやった最後の記憶は何年前だろう。 響が露助に穢されて、純潔を奪われる前に、私がしなければならなかったのに、この老いた砲塔を使い物にならなくしてしまうとは、なんという不覚か。 義務感と本能とがない交ぜになった身勝手な悔恨と、今し方味わった快感の余波で動けなくなっている私の前で、響は喉に精を詰まらせて咳き込んでいた。 しかし、咽せて何度か吐き出した白い塊を、響は自分の手に受け止めていた。 ようやく息を落ち着かせてから、響は両手に載った唾液混じりの精液を、再び口に持っていき、全て舐め取ってしばらく口の中に留めてから、こくりと嚥下した。 「これが……貴方の味……」 どくり、と、それを見た私の心臓が跳ね上がった。 響の口から出たにしてはひどく淫靡な、それでいて男の自尊心をくすぐる言葉だった。 それから響は、長い髪にべっとりとまとわりついた精液を拭うどころか、まるで椿油を差すように髪にすりこんでいった。 響の美しい白い髪に私の白い汚濁が絡みつき広がっていく。 不思議な光景だった。 夜の乏しい光の中で、私の汚らわしい欲望の雫が、響の髪の上ではまるで真珠のように輝いて見えた。 その美しい姿に、熱く流れ込んで来るものを感じた。 同時に、何かに支えられるような、弄ばれるような不思議な感触が下半身を浸した。 仰角が上がる。 この老いた身体に、これだけの精力が残っていたとは思えぬゆえに、助けられているとしか思えなかった。 仔細は分からぬが、ただ為すべきことはわかっていた。 いや、義務ではなく、私がやりたいと思って為すことだ。 この娘を、抱きたいのだ。 今この私の手で、その純潔を奪いたいのだ。 私の物に、したいのだ。 せめて、この時だけ、初めての時だけは。 幸い、響の唾液と私が溢れ出した精液や先逸り液のおかげで、私の怒張は濡れそぼっている。 ろくに濡れてもいない響の中に入れるにしても、少しは滑りがよくなるかもしれない。 「響……」 そっと肩に手をやり、響の身体を夜具に横たえさせる。 初めてのときに、無理な姿勢を取らせるのははばかられた。 しかし、恐怖に震えていてもおかしくないはずの響は、色濃くなってきた闇の中から真っ直ぐに私の瞳を見つめてきていた。 「響……?」 嫌がっているのではあるまいが、何か伝えたいことがあるのかと問いかけてみた。 「私の名前だけでなく、暁と、雷と、電の名前も、呼んで……」 その願いを、どう受け止めてやればよいのか。 これから乙女の花を散らそうとする閨で、他の女の名前を呼ぶなど、地獄で焼き尽くされても償えない大罪だろう。 それなのに、響はそんなことを頼んできた。 姉と妹たちの魂を、自分の身体に載せて、私に抱かれようというのか。 艦娘たちの魂は、神社に祭られた柱のようなものではないかという説を聞いたことがある。 水底に送ってしまったあの子たちの魂が、今この場に来ているのか。 そう思い至ったとき、私の枯れそうな男根を先ほどから支えてくれているものが何なのか、私はようやく思い至った。 お前たちも、今こうして私が響を抱くことを願っているのか。 お前たちも、私に抱かれたかったのか。 その願いのために、水底から戻ってくるほどに。 「響……」 「はい……」 おそるおそる、私は呼びかけた。 「暁……」 「……はい」 響の瞳に、姉の面影が重なって見えたような気がした。 「雷……」 「はーい……」 響の口から漏れるこの声は、幻聴とは思えなかった。 「電……」 「はわ……」 思えば、この四人はこんなにも、似ていたのだ……。 せめてこの一時が、私の罪の意識が見せた幻などではなく、彼女達が少しでも救われる一助とならんことを。 「いい子だ」 彼女の、彼女たちの頬をそっと撫でる。 安心したように私の手に小首を軽く預ける彼女の表情は、四人の誰にも見えた。 その四人の娘の純潔を一度に奪うのだ。 役得というには、あまりに外道な果報者ではないか。 彼女達のお陰で、私の男根はこれ以上ないというくらいに固く張り詰めていた。 しかし、果たして本当に入るのか。 秘唇にそっと砲門をあてがうと、あまりの大きさの違いに愕然となる。 これはもう、濡れているとか滑るとかいったことでどうにかなるものではない。 入れようとすれば、彼女の身体を裂かずにいられるはずがない。 「問題……ないですから、一人前のレディとして……扱って……」 それは、誰の言葉だったのか。 私の躊躇を拭い去るには十分な言葉だった。 そうすると、果てしない肉欲が衝動として私の身体を突き動かす。 私の醜い肉塊が、翳り無く美しい割け目に突き刺さろうとするその様は、嗜虐心を呼び起こさずにはいられない光景だったのだ。 小さな下唇を掻き分けるように押し入れ、肉を膜に押しつける。 ただでさえ小さいそこに、紛れもない純潔の幕が下りている。 「いくぞ」 逃げられないように、彼女の細い腰を両手で押さえつける。 あとは、私の重みをそこに集めて押し通るのだ。 「はい……」 彼女は、そっと両手を伸ばしてきた。 まるで、自分の身体が痛みで逃げてしまうことを恐れているかのように。 掴まれ、と答える代わりに上半身を彼女に覆い被させるように倒して、彼女の両腕が私の首にしがみつけるようにしてやった。 もう、お互いに後戻りはできない。 気がつけば、間近に彼女たちの瞳があった。 そこに見えた四人分の思いを胸に刻みながら、私は最後の一押しを彼女たちの姫裂に叩き込んだ。 「…………!」 彼女たちが、言葉にならない声をあげて身体をのけぞらせた。 間違い無く、達成感があった。 そこを裂くその感触。 続いて私自身が潜り込んだところは、禁断を思わせる小さな世界だった。 そこを、勢いのままに蹂躙する。 だがそれなのに、彼女たちは、逃げなかった。 ひたすらに私にすがるようにしがみついて、私の暴虐を受け入れて、飲み込んでいった。 私は、抱いているのか抱かれているのかわからなかった。 貫いているはずが、包まれていた。 乙女たちの中には、紛れもない女というものがあった。 それも、今までに抱いたどの女たちよりも深く、果てしない世界が。 この小さな身体のどこに、私の欲望を受け止めるほどの器量があるというのか。 「……うれ……しい」 確かに、四人揃って、私はその声を聞いた。 隠しきれない涙をこぼしながら、その面影には四人全ての微笑みが集まっていて、私の胸を疼かせた。 だが同時に私を包む海原は、その幼さを忘れさせるほどにうねり、私を昂ぶらせた。 この行為は、まだ終わっていないのだ。 月と潮とに左右されるその身体の奥に、私は男として届けねばならないものがあることを確信した。 「動くぞ」 今し方純潔を失ったばかりの乙女の身体に、本来ならせめてもう少し落ち着くための時間をくれてやらねばならないだろう。 だが、彼女たちは、小さく、頷いた。 彼女たちは待つことを望んでいないと確信した。 私の欲望のたけを、彼女たちの身体は受け入れようとしてくれると信じた。 私を包み込む姫襞を、膨れあがった雁首で掻き分ける途方もない感触が、私の腰を甘く痺れさせた。 先ほど出していなければ一息で達してしまっていたほどの悦楽が私を襲った。 しかし、腰を引いても私の竿はそこから抜け出ることができなかった。 彼女たちがしがみつく腕と同じように、私の肉竿の先端を絡め取るように包んで離さなかったのだ。 ならばもう、躊躇はすまいと私は腰を前後させ始めた。 往復するごとに、そのあどけない世界は柔らかく、しかし決して緩むことなく私を奥へ奥へと誘っていく。 少しずつ少しずつ、私の身体が埋まっていく深さが増していく。 そのたびに私の竿から全身へと紫電のごとき快感が走る。 その竿は、私が先に出した精の白と、彼女たちの純潔の証たる紅とで、斑に染まっていた。 やがて、最果てに届いたという感触が、壮絶な快感の中に混じるようになった。 それでもなお彼女たちの小さい姫洞は私をさらに飲み込まずにはいられなかった。 もはや言葉もなく、獣じみた荒い吐息がお互いの声として交わされる。 彼女たちの月のものがどうとか、考えるまでもなかった。 他の誰に犯されるよりも、誰よりも先に、彼女たちの胎内を私で満たすのだ。 精通のときでさえ、男になったときでさえ、ここまで放ちたいとは思わなかっただろう。 男など所詮、自らの砲をより奥へと叩き込むための付属物なのだと思い知っていた。 全身が、痛いほどに固く張り詰めた砲身そのものになった気がした。 この悦楽をもっと味わいたいという願望すらあっけなく振り切って、本能を限りにした私の精の巣が爆発した。 砲身を駆け抜けていく私の分身たちの集団を、彼女たちの最後の聖域めがけて放った。 それはもう、一射とか二射とかいう量ではなく、私の身体にこれほどのものがよく蓄えられていたと思うほどの量を、彼女たちの胎内を文字通り満たすほどに注ぎ込んでいた。 痛みしか無かったであろう彼女たちは、そうして注ぎ込まれている間、何をされていたのかそれでもよくわかっていたのだろう。 かすかに甘く、切なげな吐息をついて、 「ああ……」 と、何かに浸るような声をあげて、私にしがみついていた腕の力さえ抜けて、夜具の上に力尽きて倒れ込んでいった。 そうしてようやく、彼女の秘唇が私の男根をようやく手放した。 濁った水音とともに、赤白く染まった私の竿が砲身を露わにし、先ほどまで純潔だった少女の姫洞は痛々しく口を開いていた。 そこから彼女の荒い呼吸に小さな身体が上下するのに合わせて、時折真紅混じりの白濁液が吐き出される。 我ながら、どれほど注ぎ込んだものかと呆れる。 にも関わらず、私の男根はまだ傾きを失っていなかった。 それどころか、あれだけ放ったというのになお、その硬さをも失っていなかった。 どういうことだ。 いくらなんでも、二度もありったけ吐き出しては、この老いつつある身体に力が残っているとも思えない。 それでは、なおこれを支えているのは、お前たちなのか。 その疑念を私が抱いたのを察したのか、それとも私の陰茎を支えながら姉妹の身体をも抱き起こしたのか、彼女は息も絶え絶えの有様の中、やっとのことで夜具の上の身体を翻して、うつ伏せに倒れ込んだ。 それから、背中越しに私を振り返り、ねだるような、すがるような目で私を見やった。 そろそろと、力の抜けた両手が、彼女自身の細い腰の下の、肉付きの薄い尻肉を掴む。 尻肉の間からは先ほど私が注ぎ込んだ白濁液が漏れて、しとどに濡れそぼっていた。 それだけで、硬さを保った私の下半身がさらに疼くほどに扇情的な眺めだった。 それなのに、その狭間を見せるように、彼女は自らの尻肉を開いて見せた。 「こち……らも」 ぞくりと、悪寒のごとき予感が私の肝を冷たくした。 大陸での露助たちの蛮行は噂に聞き及んでいる。 その中には嘘か誠か分からないが、前だけでなく後ろでも容赦無く楽しむのだという話があった。 誰だ、これから大陸へ行こうという彼女にそんな噂を聞かせた愚か者は。 いやしかし、その愚か者に感謝しなければならないだろう。 彼女は、その身体の全てを、露助に陵辱される前に、私に差し出しているのだ。 確かに、これだけ彼女の全身を味わいつくしておきながら、そこだけはまだ触れても、犯してもいなかった。 そして、その幼ささえ残る後ろ姿に、なおも欲情してしまう自分を否定できなかった。 これが本当に最後だ。 この時が終われば、用済みの砲塔など二度と立てなくなっても構わない。 その代わりに、彼女たちがこのおんぼろを立たせてくれているのだと信じるのみだ。 差し出された尻肉を両手で掴み、その真ん中にある小さな孔を指でなぞる。 暗がりの中でも、指で触れば大きさもわかろうというものだ。 先ほど無理やり貫いた女陰よりもさらに小さい。 せめて少しでも楽にしてやろうと舐めて、唾液を垂らしてやる。 汚いなどとは微塵も思わなかった。 彼女たちの身体に、一片の穢れさえもあるものか。 穢れているのは、この私と、戦場と、この後に彼女を待っている者でしかないのだ。 私は、鬼畜だ。 米英にも劣る鬼畜の所業をこの娘に刻み込んで、この後にこの娘を襲う鬼畜たちに先んじる。 そう、心に決めた。 あてがう。 まるで穴などなく、壁に突き立てるような堅い感触だった。 もはや尻を開く力もなく夜具に倒れた彼女に覆い被さり、全体重を一点に掛けて、堅くいきり立ったままの杭を思い切り押し込んだ。 「…………!!」 あまりの激痛に声も出ないのだろう、彼女が仰け反って、水中で空気を求めるかのようにもがいて喘いだ。 彼女自身が望んだこととはいえ、これは紛れもない強姦だった。 前よりもさらに小さい、本来の用途ではない小さな孔を、軋みさえあげながら、彼女の純潔の血で濡れたままの男根で刺し貫いていく。 押し込んだ砲身は、彼女の内臓を、私の男根の形にねじ曲げて掻き回している。 途方もない罪悪感と、それにも勝るくらいの薄汚い背徳感とが同時に私の脳裏を走る。 同時に、しがみつくどころか絞り切るほどに狭い穴を貫通させる中で、彼女の穴によって絞られる快感が私の脳髄を焼き尽くしそうになる。 私は、快楽のために愛しい娘を犯す外道だった。 それなのに、彼女は、激痛に涙と涎を垂らしながら、私を振り返って、微かに笑った。 そうだ、そなたを犯しているのは私だ。 これから先、誰に、どれほど陵辱されようと、そなたの身体の初めてを奪ったのは、この私だ。 この残酷な苦痛の時を、せめて心に刻んで、今よりも果てしない地獄でこの娘は生きていく。 こんな外道の、人にあらざる所業が、この娘の救いになってくれることを願いながら、私は彼女の身体の中に砲身の全てを埋め込んで、奇跡のように辛うじて身体に残されていた精の全てを彼女の内腑に解き放っていた。 ……ありがとう。お礼は、ちゃんと言うよ…… ……これでもう、大丈夫なんだから…… ……ありがとう、なのです…… そのとき、その言葉を、確かに聞いた。 私の罪悪感が聞かせた空耳などではなく、彼女の……響の口から、確かに彼女たちの声を、私は聞いた。 そして、 「ありがとう……。これで私は……、どんな世界でも、生きていける……」 最後に、響自身の声でそう私に微笑むと、彼女は気を失った。 そうして力の抜けた身体から、私は全ての役目を終えてふぬけた男根を引き抜いた。 私の役目は、終わった。 いや、まだ一つだけ残っている。 せめて、その身体を清めてやらねばならなかった。 露助たちの前に出すときに、男の精液まみれでは、引き渡しのその場で何をされるかわかったものではない。 響が目を覚ますまでに、せめて身体を洗う湯を用意してやりたかった。 とはいえ、撤収寸前の上に元々物資不足だったこの建物に、まともに動くボイラーも無い。 しかし幸い、空のドラム缶だけはそれなりにあった。 井戸水を汲んで中のきれいなドラム缶に注ぎ、空と思われたドラム缶の底で見つかった重油の残りカスを掻き集めて燃料にし、あとは簀の子代わりの木材は、建物の立て付け板からへし折って調達した。 三度も全力で精を放った身体は今にもへし折れそうであったが、今このときだけ動けばよいと己を殴って叱咤して動かした。 身体を殴って動かすことを叩き込んでくれた江田島の先輩共に、まさかこんな人生の終わりになって感謝する日が来ようとは。 東の空が少し明るくなり始めたところで、なんとか湯と着替えの準備が出来て、響の様子を見に行くと、丁度目を覚ましたところだった。 しばらく響らしくなくぼうっとしていたが、目の焦点があった途端に、その裸身に敷布を巻きつけて私の視線を遮って恥じらったことが、私には嬉しかった。 「湯を用意している。洗ってきなさい」 「いい。このままで……」 髪に絡みついたままの私の精液の雫に触れながら、響はそんなことを言う。 「私の響は、わが国の艦は、こんなにも美しいと、奴等に見せつけてやるんだ。 出陣の準備は、整えないとな」 笑いかけてやったつもりだったが、うまく笑えただろうか。 しばらく私の顔を見つめていた響は、こくりと頷くと、敷布を纏ったまま立ち上がった。 湯に入る寸前に一瞬、東の空から広がる朝日の前触れに照らされた響の身体は、生涯忘れられぬほどに美しかった。 ********************** 時が来た。 響を受け取りに来たソ連将校たちは、こちらを見下す態度こそあからさまであったが、さすがに雑兵とは違ってそれなりに節度を持っていた。 考えてみれば、バルチック艦隊を破った後でロシアことソ連の海軍力は激減しており、響は戦力として現実に貴重なものなのだろう。 その意味では、イギリスあたりに引き取られていく娘や、アメリカに奪われた娘よりも、あるいは、ましな運命になってくれるのかもしれない。 気休めかもしれないが、そう、思った。 見慣れた、そして、最後に見ることになる服装で、響は私を見上げてきた。 「司令……」 私が出世してからも、ついぞ提督とは呼ばなかったなと思い出す。 そうなる前から、私の傍に居続けているという気概があったのだろうと、こんなときになってようやく思い至った。 そんな私の朴念仁を悟ったわけでもないだろうが、響はささやくように小さく口を開く。 「愛してる。…………永久に」 不死鳥は、喩えようもなく美しい笑顔で永遠を誓った。 そうして、翼をはためかせるようにして身を翻す。 その背に幾重もの翼のように、三人の少女の姿が見えたような気がした。 それから堂々たる歩みで、自らの分身にして一心同体たる艦へと向かう。 居並ぶソ連将校たちが、思わず居住まいを正して一斉に敬礼するほどに、その後姿は余りにも美しかった。 そうして、響は振り返ることなく、日本海の向こうへと旅立っていった。 **************************** その後の人生は、私にとって蛇足のようなものだ。 だが、あえて一つ無理をして、かつての舞鶴鎮守府の近くに居を構えることにした。 生き残っていた同期の桜の首根っこを捕まえて、職権濫用をいくつもした。 佐渡や利尻の方がウラジオストクに近いことは分かっている。 しかしそこでは帰ってきたときに私がそこに居るとわかるまい。 舞鶴ならば、つてをたどれば私がいるとわかるかもしれない。 そんな、叶うはずもない望みのために、私は戦後という時代をそこで過ごすことにした。 戦後に溢れた未亡人をもらってくれと方々から頼まれたが、全て丁重に断った。 あの日以来、私は男としては役立たずになっていたから、それを理由とすれば皆引き下がってくれた。 だが、そもそも私にとっての最後の女は、あの不死鳥以外ありえないと誓いを立てたのだ。 生涯最後の交わりが最愛の女だった私は果報者に過ぎるが、その幸福を薄れさせたく無かったのだ。 何をしていたかといえば、何もしていなかっただろう。 あえていえば、漁師になった。 漁師といっても、小舟を日本海に出して日がな一日ウラジオストクの方を眺めていることが多かったが、そんな私の気配の無さが幸いしてか、よく魚は釣れた。 魚を売る市場で、アカの連中と顔が繋がったのは幸いだった。 元帝国軍人としてはあるまじきかもしれないが、それでも私は日本海の向こうの情報が欲しかったのだ。 そうして掻き集めた噂の中に、確かにその情報はあった。 ヴェールヌイ、と名付けられている。 どんな意味かと日露辞典を紐解いてみたら、信頼できる、という意味と知った。 虐げる艦に、そんな名前は付けないだろう。 彼女が、せめてその誇りを失うことなくあってくれることを願うしかなかった。 やがてヴェールヌイの情報が途切れ、再び手を尽くしたあげく、練習艦となったと聞いた。 響が、練習艦か。 次姉のくせに、長姉の暁よりも姉然としていた面影を思い出す。 さて、北の新兵どもにどんな練習をしているものか。 その頃には、私にはもはや、響が虐げられる姿を想像することができなくなっていた。 もはや戦後ではない、などと何を言うのか。 ラバウルよりも遙かに近いはずのウラジオストクが、こんなにも遠いままだというのに。 手を尽くしても、響の情報が手に入らなくなって数年が過ぎていた。 衰えた身体で日本海に船を出すことも出来なくなり、私自身、もはやただ生きているだけで、月日が虚しく過ぎていく。 そろそろ、先に逝ったものたちの後を追う日が近いだろう。 そんなある日、来客があった。 この家に来客があったことなど、新聞の勧誘を最後にここ数年記憶に無い。 扉を開けた私は、一瞬、目が眩んだかと思った。 長い黒髪を、太陽の光に梳かして風になびかせながら、ロシア風の毛皮服に身を包んだ少女がそこに立っていた。 最初は、暁が現れたのかと思った。 しかし次の瞬間、暁よりも、髪が白くなる前の響の方によく似ていることに気がついた。 だが同時に、もう遙か昔に胸を病んで若くして死んだ私の姉や妹にも似ているような気がした。 「そなた、は」 少女は、見覚えのある、生涯忘れまいと思ったあの笑顔を見せて、 「あなたが、私の……」 了
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704: 名無しさん :2016/12/29(木) 23 18 16 ひゅうがさんに許可貰いましたので wiki掲載かまいません。 神崎島三次小ネタ――「IFストーリー 『中立国ルート』編」 「惜しい話だ」 第三艦隊旗艦重巡『足柄』の艦橋にて、司令長官・高橋 伊望中将は呟く様に吐き捨てた。 「どうかしましたか?」 その呟きを隣にいた参謀長の中村 俊久少将が拾って答える。 高橋中将が視線で外を指しながら言う。 「彼女等の事だ。過ぎた事だが、最初の接触時にもっと丁寧に対応していればと考えるとな」 溜め息。 「長官」 中村少将が囁く様に注意を促す。 作戦中の『足柄』艦橋には二人だけではなく艦幹部や下士官兵が複数居る。 これから戦闘になるというのに指揮官に溜め息をつかれていたらたまった物ではない。 「すまん」 「いえ、私の方こそ申し訳ありませんでした」 真珠湾攻撃により太平洋戦争が開戦した現在、第三艦隊はフィリピン上陸を目指す陸軍第18師団を載せた輸送船団を護衛してフィリピン海を南下しつつあった。 その第三艦隊旗艦艦橋において司令長官は船団から遠巻きにこちらを監視している艦列を見つめ、溜め息を零していた。 「しかし長官のおっしゃることも分かります。私も彼、彼女等が味方であればと考えると惜しくあります」 「そうだな、彼女たちという兵力だけじゃなく交易品も、だ。 我々が喉から手が出るほど欲しがっている重油,航空機用の高オクタンガソリンや潤滑油もお流れになる前の通商交渉では好感触だったようだが、それが…馬鹿者どもが」 実際、神崎提督襲撃前の交渉においてはアメリカから差し止められていた産物の輸入交渉が行われていた。 その交渉において掲示された価格はアメリカのものよりもかなり安く設定されており、最恵国待遇まで掲示されていた。 「それを馬鹿共は、帝国に恐れて下手に出たと勘違いして、圧力を掛ければ折れてなし崩しに併合まで持っていけると考えたようです。 それに神崎島側がアメリカを刺激しないように配慮して兵力をひけらかさないように1個水雷戦隊程度に抑えたのも不味かったですね。 海軍省や軍令部にすれば水雷戦隊程度ですから反発しても大したことなく、その上で彼女たちが魅力的に写ったんでしょう」 「その結果が神崎島側の反発。その反発に馬鹿共の跳ねっ返りがさらに反発して暴発…。神崎提督への襲撃か」 注意されたばかりだが高橋中将は再度溜め息をつきたくなってきた。 「暴発した連中も彼らなりにこのままでは日本は立ち行かなくなり不味いと分かってはいたのでしょう。 そこに兵力と資源、生産力を持った拠点が急遽現れ、交渉に現地の酋長が現れた。人種的に言えば彼は日本人です。 ”不幸な事件”で人事不省にしまえば日本人ということでアメリカが出てくる前に保障占領にもって行くつもりだったのでは?」 「占領してしまえば、艦隊戦力の拡充、その海軍を維持できる生産力、南進への拠点、帝国が自給できるだけの資源、アメリカにも無い技術力。一石五鳥だな。画餅だったが」 705: 名無しさん :2016/12/29(木) 23 18 52 神崎提督襲撃は大津事件の再来だった。 最初に車列外からの襲撃があり、帝国,神崎島側の双方の護衛がそちらに気を取られた隙に帝国側の護衛の一人が神崎提督に向け発砲。 襲撃犯は即座に鎮圧されたが、神崎提督が被弾、この時点で人事不省となった。 後の取調べで襲撃犯らは米英からの資源による締め付けからの脱却、帝国の自給体制の確立のためだったと語った。 ここまでは決起派の想定どおりだったが、神崎提督もこの事態は想定していたのだろう。 神崎提督を襲った襲撃犯等はその場で即座に鎮圧され、負傷した提督の治療のため、輸送された飛行艇に戻ることになった。 帝国側は病院へ搬送しようとしたが、神崎島側は信用できないと、また治療設備もこちらの方が進んでいると切り捨てた。 実際、帝国側は身内から襲撃犯が出ていたため、この言に何も言えず沈黙した。 ただ帝国側は飛来した飛行艇は確かに規格外の大きさだが航空機にそこまで設備があるとは思えず大丈夫なのかと心配したが、それも海岸に近づくまでだった。 海岸に近づいた段階で既に見えていたが飛行艇より更に沖合いに、機密でありいまだ就役していない筈のA140号型艦とその護衛艦艇が神崎島鎮守府の旗を掲げ出現していた。 全艦共に銃砲すべて仰角を一杯上げていたが、存在自体がこれ以上ないほどに帝国に対し猛烈なメッセージを叩き付けていた。 「結局神崎島側は提督が人事不省となり、交渉できる状態ではないとそのまま帰還。 別働していた神崎島の保障占領へと先走った馬鹿共も、神崎島の連合艦隊規模まで膨れ上がった戦力を見て顔を青くして引き返してきましたから」 「一個水雷戦隊規模だったのが一個連合艦隊規模に急増。その後の神崎提督の回復後の日米に対しての中立宣言。誰もが決起派を殺してやりたいと思っただろうな」 「アメリカは神崎島の中立宣言に対し即座に歓迎の意向を表明しましたからね。 2個連合艦隊相手にするかもしれなかったのが、帝国の自滅で帝国軍を引き付けてくれるかもしれない存在に変化しましたから万々歳ですよ」 「もう笑いしか出んよ」 ハハ、と力なく笑う。 「神崎島妙高型離れていきます!」 見張り員が声を上げて報告する。 船団の行き先を監視していた神崎島の戦隊がフィリピンへの航路を確認し終えたのか船団から遠巻きに離れていく。 「対米戦を行いつつ、神崎島に圧力を掛ける兵力の余裕なんてあるのか…」 高橋中将は消え入るように呟いた。 706: 名無しさん :2016/12/29(木) 23 19 24 と言うわけでひゅうがさんの神崎島ネタSSの三次ネタです。 接触したのが1937年ではなく1941年後半だったらというネタです。 帝国の一部人間が対米戦が避けえぬということで切羽詰って余裕がなく神崎島が相当魅力的に見えて強行したようです。 なお結果 神崎提督(in嶋田)は太平洋のスイスを目指して頑張って下さい しかし艦これネタと言いつつ艦娘登場してねぇや なお、これで力尽きましたので誰か太平洋戦争中の神崎島ネタ書いて(棒 SS量産できる人は尊敬します
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718: 影響を受ける人 :2017/01/22(日) 22 30 03 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百一話 ―扶桑海事変-05― ―雲仙型重巡洋艦三番艦【田代】:艦橋― 第三打撃艦隊として編成されていた一隻の戦艦、二隻の重巡、そして駆逐艦数隻は第二打撃艦隊に合流すべく急いでいた。 しかし、いかに自分達の庭と言える扶桑海とはいえ、すでに何度も敵が浸透している為に、周りをしっかり見張らねばならない。 現状、馬鹿な司令官のせいで航空支援を望めない状況だ。 既に戦端はきられ、第一打撃艦隊・第二打撃艦隊共々発見されている。 ならばなおのこと急がなければならないのだが、先方から「合流中止」を打電されてしまった。 戦闘中に陣形を組み直すなど、自殺行為しかならないのはわかりきっている為、この指示は正しい。 正しいのはわかるが・・・ 古田高雄の悩みは尽きない。 「やはり、口惜しいな。」 扶桑皇国海軍の最新鋭重巡洋艦。 幼き日より、海上に浮かぶ戦船を目にしてきた。 そして将来はあの大きな船に乗りたいと、ずっと思い続けていた。 その願いは叶い、こうして軍艦の艦長としてこの場に立っている。 「仕方が有りませんよ古田艦長。」 副艦長が後ろから声をかけてきたので振り返る。 「聞こえていたかな?」 「ええ。」 小さく呟いたつもりだったのだが、思ったよりも大きい声になっていたようだ。 しかし、扶桑男児であり。皇国軍軍人であり。国を守る職業に就いた以上、戦闘に加われないというのは・・・ 「言われていた魚雷に関してですが、取りあえず信管を抜いておきました。」 「そうか。すまないな。」 「派閥争いのせいで、いらない武装をしていますからね。 水雷長の前で言うのもなんですが。出港前に置いていきたかった。」 「派閥か・・・ 俺には関係のない話だ。」 「ですが、最近はそうも言っていられないと聞きます。」 「堀井大将が大人しくなったと聞くが?」 副艦長は溜息を一つ吐き、帽子をかぶり直す。 「確かに堀井大将はなにかあったのか大人しくなられました。 しかし、下の者達がどうにもキナ臭いとか。」 「そうだな・・・ 今回の作戦拒否のような行動。陛下が許すはずもない。」 「陛下は政治に対しても、軍事に関しても、何も言ってはいませんが?」 「だからと言って関心が無いわけではないだろう? 事実、突入隊として選ばれたウィッチに対し、秘蔵の武具を渡したという。」 「秘蔵の武具・・・ですか。正直信じられません。それで勝てるのでしょうか?」 「それはわからん。しかし、陛下は聡明な御方だ。決して無駄な事はすまい。 ・・・人伝に聞いたのだが、九鬼大将が武具の受け渡しの後。胃のあたりを抑えつつも、 「まさに一騎当千となりうる武具だ。」 っと、いっていたらしい。」 「九鬼大将が・・・!?」 副艦長が驚く。もっとも、その後の言葉が有り「しかし・・・もう少し自重して頂きたいものだ。」と愚痴っていたのだが。 すると伝令が駆け寄ってきたのが見えた。 「どうした。」 「はっ! 長門より通信が送られてきました。こちらです。」 そう言って伝令はメモを手渡す。 古田はそのまま視線で読むとにやりと笑い、メモを副艦長に渡す。 そこには第二艦隊の現状が克明に描かれており。同時に作戦内容も書かれていた。 「第二打撃艦隊に“オニグモ”ですか・・・そして・・・」 「悪くないな。」 「ええ。」 古田の視線は前方を向いており、その視界では光信号で『続け』と指示している【陸奥】の艦橋が見える。 「さて、仕事だ。」 719: 影響を受ける人 :2017/01/22(日) 22 30 33 ――第一打撃艦隊 上空―― 「クソッたれ。何時まで攻勢つづける気だ!?」 天龍空姫が悪態をつきつつも機関銃で“スズメバチ”を追い払う。 すると疲れ気味の須藤つばめが飛んできた。 「隊長。すでに弾薬が残り少ないです。」 「そうだな・・・」 敵の攻勢が思った以上に早く、急いで出撃してきたために誰しも消耗が激しい。 天龍自身も新品だった刀が、何度も叩き付け過ぎたせいでボロボロ、棍棒のような事しかできない。 シールドブレードでも使えれば話は別だろうが、自分にそんな器用な真似は出来ない。 すると、視界の端に援軍が飛行しているのが見えた。 すぐさま向かうと、 「お、陸軍じゃねぇか。」 「申し訳ない。遅れてしまった。」 アナスタシア・ジュガシヴィリ・葛城が率いる狛犬隊と轆轤(ろくろ)隊に、鎌鼬隊だった。 轆轤隊と鎌鼬隊はすぐさま敵に突撃して行く。 同時に天龍隊の面々が牽制弾を放ちつつも交代していく。 「いや、いいタイミングだ。」 「そうか・・・ 状況は?」 問われ、天龍の表情が苦虫を潰したようにある方向を向く。 そこには悠々と大空を泳ぐ“オニグモ”がウィッチ達を蹴散らしていた。 「“オニグモ”の奴。初撃の砲撃喰らってからビビッて近寄ってこねぇ。」 「どういうことだ?」 「最初、そのまま馬鹿正直に突っ込んできたのさ。 そんで【紀伊】以下、狙える三隻で大砲ぶっ放したのは良かった。 着弾位置を大きくずらしていたのも効いたんだろうな。なんとまあ4発も食らって、あわってて艦隊の外側に移動して今は牽制攻撃しかしねぇ。 こっちから攻撃しても、墳進砲の攻撃よりも大砲が怖いのか避けもしなくなった。 おかげで釣る事も出来やしない。」 「厄介だな・・・」 思った以上に厄介な現状に葛城は頭を抱える。 これから交代して、さらに“オニグモ”を誘導しなければならない。 「これはかなり忙しいぞ・・・」 「手伝えればいいんだがな。」 「消耗しているのだろう? 急いで戻った方が良い。」 「すまねぇ。」 詫びとの為に深々と頭を下げ、須藤を連れて後退していく部下の後を追った。 それを見届けると、すぐさま轆轤隊と鎌鼬隊に連絡を入れ、手短に説明する。 「思った以上に状況が悪い。」 『それはまた・・・』 『おお、それは頑張らないとネー』 鎌鼬隊隊長飛龍優花が呆れていると、轆轤隊隊長はむしろやる気を見せる。 「考えとしては・・・『それは私がやるネー』まだ何も言っていないが?」 『自分の能力忘れちゃ駄目ヨー』 轆轤隊の隊長は転生者だ。しかし自分が男性だったのか女性だったのか、まったく覚えていないという珍しいパターンの転生者でもある。 ただ印象的に残っているキャラクターが、髪の色含めて自分に良く似ている為、それを自分の個性として活用している。 そして能力持ちであるのだが・・・ 「【害意誘引】・・・だったか?」 『むぅ?』 良く知らない寒衣シキが唸ると、飛龍が説明をする。 轆轤隊隊長の能力は、敵味方無差別に作用する範囲型。 効果は単純。敵意を自分抜向ける。もしくは自分に対する殺意を増加させる。 ある意味、狂戦士化させる能力なのだ。敵味方無差別に。 正直言って葛城は、こんな能力を与えた神様を罵りたいと思っている。 『そうなのヨー。』 『むぅ・・・』 『寒衣。思い悩むのはわかるけど、黙っておきなさい。』 天龍の話から高攻撃力を放っても、戦艦の主砲以下はすべて無視するらしいとわかっている。 だが、この場で能力持ちは彼女だけ。 悩む葛城の耳に、飛龍が賛同の声を上げた。 『それに、ココは強引にでもやらないと不味くない?』 「・・・時間も無い、わかった。だが。」 『はは。回避と防御能力、逃げ足が速いのが私の特徴ですネー!』 陽気に笑う彼女に対し、葛城は歯を食いしばって心中で謝る。 そして部隊全員に作戦とは言えない作戦を伝えた。 730: 影響を受ける人 :2017/01/23(月) 20 26 32 ――第一打撃艦隊旗艦:戦艦【紀伊】―― 佐宗縄斗【さむね なはと】。しがない新聞記者である。 行動力は同期に比べると非常に高く、面白い記事を書くので部長は目を付けている。 しかしながら彼の執筆速度は御世辞にも早いとは言えない。それでも下から見れば十分早いのではあるが。 そんな彼は現在戦艦に乗り込み、上空の戦闘を写して・・・いない。 「遠すぎる・・・」 一時は近づいてきた巨大な敵は、今は艦隊外周部よりも遠くに陣取っている。 これだけ離れると主砲の命中率は下がってしまう。 それを理解していたので望遠レンズで撮影を試みていたが、やはり遠すぎて見えない。 海上の覇者と言える戦艦に乗り込んだ当初は喜びに震えた。が、戦闘に入ってから生きた心地がしない。 上空から襲い掛かる“ウシアブ”。海水を恐れず低空飛行で突進してくる“スズメバチ”。 駆逐艦や軽巡を執拗に狙う“アホウドリ”。 知っては、いた。ただ、現実を知らなかった。 こんなに恐ろしい物に立ち向かう少女達。それを援護する男達。 詳しく書きたいのに書けない。もっとわかりやすく書きたいのに、まるでページが足りない。 そんな思いが、彼の中を渦巻いている。 「おい。アンタ、大丈夫か?」 「ええ、大丈夫です。そちらは?」 声をかけてきた兵士は、攻撃を受けて潰された砲座の一人だ。 その際、たまたま近くにいた佐宗が救助の助けをしたので、礼を言いに来たのだ。 「さっき、一人な・・・」 「そうですか・・・ えっと、其れでなんでしょうか?」 「ああ、なんでも彼女等が敵を引き付ける作戦を立てたらしいんでな。教えておこうかと。」 「そうなんですか!?」 それを聞いて、すぐさまカメラの調子を確かめる。同時にフィルムも確認した。 その様子を見ていた兵士は苦笑しつつ、新たな配置場所に急ぐために足早に立ち去る。 佐宗がカメラを構え直した時に礼を言おうとしたが、もう兵士はいなかったので後で礼を言おうと心の中でメモをしておく。 カメラを通して視線を“オニグモ”に向けると、一人のウィッチが“オニグモ”の前に出た。 しばらくは追い返すように攻撃をしていたのだが・・・ 挑発行為をウィッチがし始めると、段々攻撃を集中し始める。 そして、進路を変えた。 以上です。 遅れてすみません。
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123: 194 :2018/05/11(金) 23 00 43 注意書きについて 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ その二 をご覧ください(手抜き) 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編Ⅱ ~絶対に笑ってはいけない神崎島女学校24時~ その31 ※本編中に銀連キャラは出てきません。辛うじて、本編後に極稀に書かれるおまけのみに出る程度です 06 00 朝一の潜水艦娘達の襲撃に、早くも翻弄された一行。 気を取り直し、ポーラの案内の元、食堂へと向かう。 長門「全く、朝早くから大変だったな・・・」 大和「潜水艦らしく、文字通りの奇襲でしたからね・・・」 金剛「とはいえ、もう間も無く終わるデスネー」 日向「ああ、さっさと終わらせ・・・ん?」 扶桑「え、どうしたんです・・・あれは?」 みるとそこには、後ろにヘルメットに佐清マスクを着用している赤いジャージ姿の女の子と、同じく赤いジャージを着て自転車に乗った高雄(佐清マスク着用)の姿が。 高雄「おう、お前等!おはようさん!」※掠れ声 長門「また、タメ口か・・・。にしても、又出てくるとは」 大和「あの、もう大丈夫なんですか?昨日の(※笑ってはいけない神崎島女学校 その25参照)」 高雄「おう、一晩寝たら良くなったわ。心配掛けたの」 金剛「ソレヨリ、後ろの子ハ?」 高雄「妹や。ちょっと熱出しとんねん。これから、病院に連れて行く所や」 占守「寒気しゅる~」 長門・金剛・日向「・・・www」 \デデーン/ 長門、金剛、日向、アウトー! 長門「えw占守なのかwww」スパーン 金剛「デモ、声は掠れて無いデスヨーwww」スパーン 日向「どっちかに統一しとけよwww」スパーン 高雄「ほなな」 そう言い残して、高雄達は去って行った・・・。 チリンチリ~ン <「寒気しゅる~」 124: 194 :2018/05/11(金) 23 01 28 大和「まさか、天丼で来るなんて・・・」 扶桑「占守ちゃんも、何をやっているんですか・・・」 長門「ちょっと予想出来なかったな・・・」 金剛「マダ食堂に着かないデスカー?」 ポーラ「もう間も無くです~。あ、ここで~す」 漸く食堂へと到着した一行。部屋の中を見ると・・・。 長門「何だあれ?」 其処には、ダーツの的らしきものが置かれていた。 大和「何やら名前が書かれていますね」 金剛「それ以上に、燦然と輝く「たわし」の文字が気になるんデスケド・・・」 日向「・・・多分、あの番組と似た奴なんだろうな」 扶桑「ポーラさん。あれって・・・」 ポーラ「よくぞ聞いてくれました~。それではこれから~、朝食をかけて~、皆さんにダーツゲームをやってもらいます~」 日向「・・・普通に、朝食を食べたいんだけど」 ポーラ「もう~。そんなノリの悪い事言っては駄目ですよ~。では、ルールをご説明しますね~」 ※朝食ダーツゲーム・ルール説明 5人で交代でダーツを投げ、当たったマスの内容で朝食の内容が決まる。 的から外れる、または他のメンバーと被った場合、じゃんけんで権利を決める。 これを繰り返し、全員の内容が決まるまでゲームを行う。 125: 194 :2018/05/11(金) 23 02 06 ポーラ「因みに~、『たわし』に当たった場合は~、たわしの被り物を被ってもらいま~す」 長門「まじか・・・」 ポーラ「で~、『たわし』の人のメニューは~、おにぎり1個(塩のみ)と、沢庵一切れとなります~」 大和「・・・キツイですね」 扶桑「でも、他のメニューはわからないんですよねぇ・・・」 金剛「・・・考え様によっては、案パイカモ知れませんガ」 日向「でも、あの被り物はなぁ・・・」 ポーラ「さて、それ以外の場合ですが~。この人たちが用意した食べ物を食べてもらいます~。どうぞ~、入って来て下さ~い」 入って来たのは、神崎 秋月・磯風・比叡・龍鳳。そして、アークロイヤル・神崎の5人が入って来た。 大和「・・・・www」 \デデーン/ 大和、アウトー! 大和「ちょwアークロイヤルさんwww」スパーン アークロイヤル(以下ロイヤル)「何だ?人の顔を見ていきなり笑うなんて」 大和「だって、そのマスクにTシャツ・・・」 怒るアークロイヤルだが、大和が笑ったのも無理は無い。 何せプロレス用服面マスクに、「ウナギ・ゼリーヨセ・ロイヤル」とプリントされたTシャツを着用していたのだから。 長門「・・・ああ、そう言えば昨日の朝、宣伝カーで言ってたな」 金剛「マサカここで出て来るナンテ・・・」 扶桑「大和さん、何気にツボってましたからね・・・」 日向「・・・人選が、若干不安なんだが」 大和「まぁ、的に当てないと始まりませんしね・・・最悪たわしに当てるのも(ボソッ)」 ポーラ「もお~。そんな事言っては駄目ですよ~。では~、最初は長門さんで~す」 長門「わかった」 秋月達「「「「「たわし!たわし!」」」」」 長門「・・・・・ww」 \デデーン/ 長門、アウトー! 長門「・・・そこは、『パ○ェロ』じゃ無いのかとww」スパーン ポーラ「まぁ、パ○ェロがもらえる訳では無いですからね~。では、改めてどうぞ~」 126: 194 :2018/05/11(金) 23 02 46 改めて、ダーツを投げる長門。当たったのは・・・『秋月』 長門「・・・よかった。取り敢えずはまともそうだ」 大和「でも、被った場合はじゃんけんとなりますから、まだ油断は出来ないですよ?」 長門「・・・そうだった」 次に投げるのは大和。当たったのは・・・『龍鳳』 大和「やった!多分、一番の当たりかと」 日向「・・・後の私達が、少々苦しくないか?」 扶桑「まぁじゃんけんでワンチャン有るだけ、マシですけど」 次に投げるのは金剛。当たったのは・・・・・・・。 テーテレテテテッテ♪テテッテテテッテ♪※効果音 『たわし』だった。 金剛「Oh・・・・・・・orz」 大和「龍鳳さんと秋月さんの間の所に、綺麗に刺さりましたね・・・」 長門「ある意味『おいしい』な」 金剛「おいしくないデース!!」 扶桑「とはいえ、残っているで大丈夫そうなのは・・・」 日向「・・・アークロイヤル位か」 お次は日向。よく狙い済まして投げる。当たったのは・・・・・『アークロイヤル』 日向「よし!」 扶桑「・・・もうまともそうなのが、残ってないじゃないですか」 日向「いや、まだじゃんけんが有るじゃないか」 ポーラ「あっ、今大淀さんから指令が来まして~」 扶桑「え?」 ポーラ「『仲間ハズレは良くない』との事で~、もし磯風さんか比叡さんに当てた場合~、特別に二人の朝食を一緒に食べる様にとの事です~」 扶桑「鬼ですか!?貴女達は!?!?」 ポーラ「あ、それと~、わざと『たわし』に当てた場合も~、同様の処理をするとの事です~」 扶桑「そ、そんな・・・・・orz」 長門「・・・何が何でも、あの二人の料理を食べさせる気か」 重苦しい空気の中、ダーツを投げる扶桑。当たったのは・・・・・無常にも磯風だった。 金剛「Oh・・・・・」 日向「一発で決まるとは・・・」 扶桑「・・・・・orz」 127: 194 :2018/05/11(金) 23 03 26 かくして、朝食は以下の様に決まった。 長門 秋月 大和 龍鳳 金剛 たわし 日向 アークロイヤル 扶桑 磯風&比叡 ポーラ「それでは~、私が呼んだ順番で~、それぞれ朝食を取ってもらいます~」 長門「え、同時にじゃないのか?」 ポーラ「はい~。出て来てからのお楽しみという奴です~。では最初は、龍鳳さんで~す」 龍鳳「はい。献立は、十六穀米と豆腐と玉葱の味噌汁。出し巻き卵に鯖の塩焼きと納豆になります。では、召し上がれ」 大和「わぁ~、美味しそうです。では、頂きます」 ポーラ「次は、秋月さんとなります~」 秋月「はい。献立は、麦飯と麩入りの味噌汁。沢庵に、ちょっと奮発して鰹節も付けました」 長門「おお。中々美味しそうじゃないか。では、頂こう」 ポーラ「次は~、磯風さん&比叡さんとなります~」 扶桑「え?もうですか?」 ポーラ「はい~。では、最初は磯風さんで~す」 磯風「うむ、私が用意したのはこれだ」 そう言って出して来たのは・・・・・、ごく普通のトーストした食パン二枚だった。 扶桑「あれ?想像と違って、まともなのが」 磯風「失礼な言い草だな。ただの食パンではないぞ。これは日本のヤマ○キの食パン工場を見学した時に、体験で作らせて貰った食パンなのだ」 扶桑「は、はぁ・・・」 磯風「最近は凄いな。ボタン一つで食品が出来上がるとは。これからは機械の時代だな」 128: 194 :2018/05/11(金) 23 04 07 扶桑「・・・まぁ此方は大丈夫みたいですね。問題は・・・」 ポーラ「続いては、比叡さんです~」 比叡「金剛お姉様直伝のスープカレーです。トーストに浸して、召し上がって下さい」 見た所、ごく普通のスープカレーだが・・・。 扶桑「・・・・・・・」 長門「・・・扶桑、頑張れ」 大和「骨は拾いますから」 扶桑「・・・・・ええ、ままよ!」 意を決して、トーストに浸して口にする扶桑。 扶桑「・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?普通に美味しいです」 比叡「・・・磯風ちゃんの時もそうだけど、失礼過ぎませんか?」 扶桑「あ、すいません。てっきり変なアレンジでもしているとばっかり」 比叡「本当は、もっと色々アレンジしたかったんですが・・・。横で霧島が見張ってて。『少しでも余計な物を加えたら、即ビンタです』って」 扶桑「うわぁ・・・・・(汗)」 大和「でも、よかったですね。まともな物で」 扶桑「ええ。本当に、助かりました」 日向「・・・・・」※嫌な予感がしている ポーラ「次は金剛さんです~。先程も言った通り~、たわしの被り物をして~、朝食を食べてもらいます~」 宣言通り、たわしの被り物をしておにぎりと沢庵を食べる金剛。 金剛「・・・・・」 扶桑「・・・・・凄いシュールな光景ですね」 金剛「言わないでくだサーイ・・・」 長門「今回、食べ物に縁が無いな。金剛は」 大和「ですね・・・。でも、それじゃあアークロイヤルさんの朝食って」 ロイヤル「では、日向。私が用意したのは、英国名物・ブレックファーストだ↓」 ベーコン・英国風ソーセージ・食パン(イチゴジャム付き)・マッシュルームのソテー・焼きトマト・スクランブルエッグ(※ソードフィッシュが混ぜ込んである) 5人「「「「「wwwww」」」」」 \デデーン/ 全員、アウトー! 長門「おいw最後www」スパーン 大和「またソードフィッシュがwww」スパーン 金剛「ある意味私より酷いネーwww」スパーン 扶桑「まさかの地雷枠だったなんてwww」スパーン 日向「・・・・・orz」スパーン 129: 194 :2018/05/11(金) 23 04 44 仕方無く、スクランブルエッグ以外から食べていく日向。そして、スクランブルエッグに相対する事に。 日向「・・・・・」 扶桑「・・・日向さん。余り無理しない方が」 日向「・・・とはいえ、出された物を残すのは駄目だからな。ここは、一気に流し込む!」 そう言って、一気に口に入れる日向。 ガリッ!ボリッ!ゴリゴリゴリ! 長門「ひ、日向!?」 金剛「だ、大丈夫デスカー!?」 日向「う」 4人「「「「う?」」」」 日向「~~~~~」※口を押さえて真っ青になりながら、トイレに駆け込んでいる 4人「「「「・・・ww」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、扶桑、アウトー! 長門「・・・やはりこうなったかww」スパーン 大和「無理し過ぎですよww」スパーン 金剛「アークロイヤルが、キョトンとしているデスヨーww」スパーン 扶桑「理由が全然わかっていない様ですねww」スパーン 日向「・・・やれやれ、酷い目に遭った」 大和「またキツイ目に遭いましたね」 金剛「『たわし』とどっちがマシかというと・・・ちょっと微妙デース」 長門「そうだな・・・。さて、次で最後な訳か?ポーラ」 ポーラ「はい~。この後は体育館で行われる修了式に~、参加してもらいます~」 扶桑「やっと終わりが見えてきましたね」 ポーラ「でですね~。修了証書は~、長門さんに代表として受け取ってもらいます~」 長門「え、私がか?」 ポーラ「はい~。ただ受け取るだけですので~、緊張しなくても大丈夫ですよ~」 長門「そ、そうか・・・」 ポーラ「では~、体育館に向かいましょう~」 ポーラの号令の元、体育館へと向かう一行。 次回、今年最後の戦いの幕が切って落とされる。 130: 194 :2018/05/11(金) 23 05 22 以上です。中々気分が乗らず、思った以上に時間がかかりました。 朝食ネタは、以前頂いたアイデアを形に。多少なりとも楽しんでいただけたら幸いです。 いよいよ、残す所後二回。もう少しだけお付き合いいただけたらと思います。 wiki掲載は、自由です。