約 130,104 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/657.html
働いた“妹”の、心意気に触れて “鬼の霍乱”という言葉の通り、誰しも意外な行動を見せる事がある。 私・槇野晶とて、それは例外ではない。まあ、その……なんだ、有無。 なんとも情けない事だが、数年ぶりに風邪を引いてしまったのである。 かといって、店を空けるわけにも行かない。これでも一応、客商売だ。 「こほ、こほっ……店はどうなっている、葵……っと、客が来たか」 「いらっしゃいませですの、中野さん♪今日はマイスターの代役で」 「お、アルバイトの……あ、あー。君ら名前が紛らわしいからなぁ」 時刻は既に夕方。こっそり寝床を抜け出して様子を見に来た所で、 丁度接客を始めたロッテのHVIF……葵の姿を見る事となった。 今日がロッテの“当番日”だったのは、病床の私にとって幸運だ。 たまに店番をロッテに頼むが、今日は葵に一日中頼む事が出来た。 一番私との付き合いが長い故に、業務は大抵こなせる。だが……。 「葵ですの。晶お姉ちゃんの三女!……それで、第四弾の事ですの?」 「ああ、うんうん。ロッテちゃんに伝言頼んだんだけど、神姫だしね」 「……ですね、“神姫の店番”がちょっぴり不安なのは分かりますの」 今の常連客・“バーコードの”中野との会話通り、神姫が一般店舗の 店番をし、決済までこなすという状況に抵抗感を持つ人はまだ多い。 私の必死の説得とロッテの人柄により、常連は大抵黙認してくれる。 そう……黙認だな。公然と認めづらく感じる人間の方が、多数派だ。 流石に面と向かって言い放つ愚か者が居なくとも、真相は変わらん。 「うん。ロッテちゃんは真面目で良い娘だけどねぇ、葵ちゃんみたいに」 「そ、そんな褒めないで下さいですの!ロッテさんだって、困りますよ」 「ははは。まあおじさんのジョークだよ、ジョーク。で、第四弾ある?」 だがロッテは己の置かれた状況をよく理解している。それ故にこそ 店番中に訪れる常連には、極力誠実を以て応える。神姫であっても 信用があれば取引出来ると証明する為に。だが、限界は存在した。 神姫達が“独自性”を持つとは言え、人間には心理的な壁がある。 その点HVIFは、現在“垣根を取り払う”役割を果たしている。 「第四弾の内二つはハイブリッド生体パーツを利用したタイプですの」 「そうらしいねぇ。なんでも、華と種なんだってね?で、もう一つが」 「精密砲撃に強いフォートブラッグタイプですの。売れてますよっ♪」 「ああ、これこれ!まずはこれが欲しかったんだよ、何処も品切れで」 本来なら“肉の躯”が無くとも、この様に商談が出来ればいいのだが…… 流石にその様な変革を全員に求めるには、未だ人類は幼いと言えるのだ。 故にこそフェレンツェめがこの様な物を作り、私が実験に協力している。 とは言え人間と寸分違わぬ姿をしていても、葵の本質は“神姫”である。 ……正体を中野が知った時、今と同じ様に気軽な商談が出来るかどうか。 「じゃあ、これとこれとこれ……素体は、一人分でいいや。お勘定ッ」 「毎度有り難うございますですの~♪お値段は──────円ですの」 「電子決済でお願い……ロッテちゃんにはこれで何時も頼むんだけど」 「それは大丈夫ですの、わたしも手順はしっかり覚えていますから♪」 実に嘆かわしい限りではあるが、急速な改革が出来る問題でもない。 神姫を扱う側として、今は誠意あるオーナーを増やすしかないのだ。 何時かもっと大胆且つ能動的なアクションをしてみたい物だが……。 「それじゃあこれで帰るか、女房煩いし。マイスターに宜しくね」 「はい、申し伝えておきますの。有り難うございましたですの♪」 「はーい……それにしてもあの娘、ロッテちゃんに雰囲気が……」 ……中野め、伊達にこの店に通い詰めている訳では無さそうだな……。 気付かれる事はないと思うが、こういう局面は何時でもヒヤヒヤする。 さて、客足も減った様だし寝床に戻るとしようか……しまったっ!?! ──────思った時には、既に実行しているッ!地下に響く轟音ッ! 「きゃうっ!?……く、痛ぁ~っ……」 「ふぇ?お、お姉ちゃんなんでっ!?」 迂闊だった。纏っていた毛布に足を取られ、私は倒れてしまった。 階段を無様に転げ落ち、下階の床に突っ伏す羽目となってしまう。 幸い精密機器の眼鏡は外していたし、毛布の御陰で怪我もないが。 なんとも見られたくない姿を、葵に見せてしまった……無念、だ。 「葵がちゃんと店番出来ているか、見たくなって起きた……ケホッ」 「ダメですの!お姉ちゃんの躯はHVIFと大差ないんですから!」 「葵お姉ちゃん、マイスターが布団に居ない……って居たんだよッ」 「マイスター何してるんですかッ!あんな熱あったのに、もう!?」 咳き込んだ所で、充電から目覚めたアルマとクララにも見つかった。 直後アルマは力強く、私の口に体温計をねじ込む。測定はクララだ。 乾いた電子音が数分ほどして鳴り響き、体温を示した……いかんな。 「38.4度……マイスターは普段体温高いけど、これは異状」 「体格の所為もあって、体温が高いですからねマイスターって」 「アルマ、変な事を言うんじゃない!……ケホケホケホッ!!」 「ああもう!ほらお姉ちゃん、ベッドに運びますの……んしょ」 深く咳き込み倒れ伏す私を、葵が躯の全面で抱きかかえ運んでいく。 ……ちょっと待て、これは俗に言う“お姫様抱っこ”ではないか!? 熱っぽさもある所為か、彼女の仄かな体温が優しく感じられる……! アルマとクララの、駆動系の放熱も感じられるが……やはり暖かい。 「あ、あの!?その、えっと……あのな?葵ッ……えっと」 普段有りえない状況故か、或いは不安に満ちた為か。言葉が出ない。 病気の人間を運ぶのは、“殻の躯”では為しえぬ事の極北だからな。 こんな事で報告要素をゲットするのは、なんとも情けない話だが…… でも今だけは、彼女らの厚意に甘えようと思う。それが私の義務だ。 「す、すまないな葵。いつもいつも世話を掛けて……アルマとクララも」 「何言ってるんですのおとっつぁん、ですの♪大事なお姉ちゃんですし」 「そう、大事なマイスターだから。病気の時はじっとしててほしいもん」 「本当にダウンしちゃったら、皆心配しちゃいますよ?ホントにもうッ」 ──────姿形が違っても、誰かを思う“心”は変わらないよね。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/519.html
再誕せし、哀しき神の姫(後半) 人間から逃げ出そうと走り出した“彼女”を、ロッテが抱き留める。 移動中に武装は解除したが、琥珀色の瞳で“彼女”には分かる様だ。 人間である私達に対して程ではないが、少し怯えの色が見て取れた。 「……あたしは、自分の誇りに気付いてそれに従い戦いました」 「はいっ。それは……誇らしくて素敵でしたの、お姉ちゃんは」 「でも、あの人は応えてくれなかった……あたしを“殺した”」 感極まったのか、涙声でロッテの胸板をぽかぽかと叩く“彼女”。 ロッテは言葉もなく、暫くの間自らの胸で泣く神姫を撫でてやる。 落ち着くのを見計らい、クララがそっと挟み込む様に背中を抱く。 物理的に涙を流せずとも、間違いなく“彼女”は泣いているのだ。 「ずっと、あたしはあの人に喜んでほしかっただけなのに」 「その為に痛くても辛くても……我慢し続けたんだよね?」 「……それなのに、あの人は一回も笑ってくれなかった!」 後で分かった事だが“彼女”には愛玩用の改造が施されていた様で、 猪刈めは苦悶の表情を浮かべる“彼女”を、毎晩罵っていたらしい。 それは残酷な嘲笑であっても、優しき微笑では決してなかったのだ。 無論その様な機能はMk-Z氏が取り外してくれたらしい、何よりだな。 「あたし、何の為に今まで生きてきたの……人間が、怖い」 「お姉ちゃん。貴女の中に“誇り”は、まだありますの?」 「ほこ、り……?あたしの、誇り……?あたしの中に……」 「戦いの時、誰かの為に身を呈した“心”は偽物ですの?」 『違う!』と“彼女”は叫び、そして何かに気付き……泣き出した。 例え猪刈が外道であろうとも、彼奴めに尽くしたかった想いは本物。 それが故に、裏切られた事が大きな傷となってのし掛かるのだ……。 「ならもう一度だけ人間を、ううん……神姫を信じてほしいですの」 「……神姫を、信じる?えっと、うんと……神姫を、って貴女達?」 「そう。マイスターを信じているボク達を、信じてほしいんだよ?」 優しく抱きしめ言葉を紡ぐロッテ。背後から抱き寄せるクララ。 二人の言葉で初めて“彼女”は、私・槇野晶を見上げてくれた。 そんな三人を、私は優しく抱き上げて……胸元でそっと暖めた。 「あっ……うんとっ、えっと……お姉さん……?」 「何でも構わん。それよりな、私の所に来ないか」 「あ、あなたのお側に……あたしがですか……?」 「そうだッ。あの様な哀しい想いはもうさせん!」 「で、でも……あなたを信じていいのか、あたし」 “彼女”は哀しそうに、目を伏せて呟いた。それもそうだろう。 マスター登録は解除されているが、それで事が済むわけはない。 だが、ここで口を開いたのは……先んじて引き取られたクララ。 「マイスターは、不具合で戦えないボクを救ってくれた」 「不具合?そんな……えっと、ごめんなさい……あたし」 「謝らなくてもいいですの。お姉ちゃんは何も悪くない」 何か言おうとした“彼女”の唇は、ロッテの指でそっと塞がれた。 決して人間への不信が払拭された訳ではない。またそんな自分が、 人を信じていいのかという迷い。それに私は、誓いを以て応える。 「私がお前達を裏切りし時は、この命果せても訪れぬと知れ」 「え?そ、そんな……そんな大げさな事、言わなくても……」 「いいや、誓いは我が胸とお前……“アルマ”の胸にある!」 「“アルマ”……?それが、あたしの名前……お姉さんは?」 「我が名は槇野晶、マイスターの名に誓い皆と共に在る者だ」 それは、嘘偽りのない想い。命と引き替えにしても、破れぬ願い。 私は3人の“姉”として死ぬ時まで苦楽を共にする為、側に居る。 これはアルマのみならず、ロッテとクララにも改めて誓った言葉。 マイスター(職人)の誇りに賭けて、心より発せられる“契り”だ。 「あ……えっと、ま……マイスター、でいいですか?」 「有無、構わん。これからは私の“妹”だ、よいなッ」 「これから宜しくお願いですの、アルマお姉ちゃん♪」 「……アルマお姉ちゃん、ずっと皆で生きていこう?」 「うんと、はい。皆を一度信じてみる事にします……」 泣き出しそうな笑顔のアルマに、抱きしめるロッテとクララ。 そして、そんな三人が愛おしくてずっと優しく抱きしめる私。 何があろうとも、彼女らの力でいてやろう。私はそう思う!! 「……ありがとうな、アルマや」 「きゃっ!?……あ、あっ……」 そしてロッテにもクララにも行った、額への誓いの口付け。 真っ赤になり応じるアルマが、なんとも可愛らしいな……。 「ええと、うんとっ。みんな、宜しくお願いしますね?」 「はいですのっ♪クララもわたしも、マイスターもっ!」 「帰ったら、いろいろ好きな服を見繕ってやらねばなッ」 「有り難う、Mk-Zさんにマーヤさん……後は田中さんも」 クララに釣られ、私達はそろって助力してくれた人々に礼を言う。 Mk-Z氏は何やら曰くありげに笑っている……恐らくはアレかもな。 「いえいえ。こっちもいろいろ、参考になりますしね?」 「おにーさま、Dr.CTaさんも褒めてくれますよきっと!」 「よーし……それでは帰るか、懐かしき我が家になッ!」 ──────愛しき神の姫に、優しき心の誓いを。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/510.html
哀れなる傀儡に、祝福を(前半) 日曜日。クララのサードリーグ登録を済ませ、私・晶が向かう先は 秋葉原神姫センター3階にある、ヴァーチャルバトルフィールド。 今日はここで、ロッテの二戦目を実施しようかと思っているのだ。 クララの装備は開発中だ。あの日暮にも助力を頼んでいるが……。 「アレス・グリューン──────マイスター、今日も快調ですの♪」 「有無、何よりだ。クララ、ロッテのこの装備を土台にする予定だが」 「……マイスター、綺麗だけど少し大型。CQBでは大きすぎるもん」 「ふむむ?そうか。この翼に負けぬ様、自然と重装化しているからな」 この通り“ゲヒルン”の効能もあり、分析能力では私を越えている。 確かに軽量級ランクの水準よりも多く、吟味して武装させたからな。 何らかの方法で、CQB……戦略的近接戦闘も考慮せねばいかんか? 何せバトルフィールドは毎回、基本的にランダムで選択されるしな。 「だったら、どっか~んって衣替えしちゃえば解決しそうですの♪」 「“どっか~ん”って……クララお姉ちゃん、無理があるんだよ?」 「む、いや待て?……ロッテ、お前の発想は使えるやもしれんぞ!」 以前入手した“アレ”を使えばどうにかなるかもしれんな、有無。 解析は少し骨が折れるが、そこはクララや日暮と共同作業で……。 『槇野晶さん、バトル開始時刻です。オーナー席に付いてください』 と、時間の様だ。思いついた事を咄嗟にテキストエディタに書き込み、 私はクララを肩に乗せて、ロッテをエントリーゲートへと送り出した。 そう言えば今日の対戦相手とそのオーナーは……って彼奴めかーッ?! 「うひはッ、あくまたん良い娘だから今日もしっかり勝ってよ~?」 「は、はい御主人様ッ……あたし、がんばりますっ」 「あれは猪刈ではないか!?アレだけ叩かれて舞い戻ってきたのか?」 「マイスター、猪刈さんって確か……その、わたしの姉妹達に……」 「……覚えておったのかロッテや。まあ、気にする事はないぞ」 猪刈久夫、34歳無職。俗に言う“ネオニート”であり、神姫の敵だ。 む、「何故知っているのか」だと?当然だろうッ!彼奴は某掲示板の 神姫板で、己の神姫に不埒な扱いをして挙げ句壊し……しかもそれを ネット上で動画公開したのだぞ──“彼女”の悲鳴も収録の上でだ! 無論散々叩かれまくり個人情報も暴露されて、奴は有名人となった。 何故罪に問われなかったのか、と事件当時の私は酷く憤ったが……。 「あくまたんはとってもエロカワイクて強いから、あんな人形なんて」 「は、はい……“けちょんけちょんのこなごな”にします……」 「……彼奴め、前の一件でもちっとも懲りておらん様だな」 『ロッテvsあくまたん、本日のサードリーグ第7戦闘、開始します!』 “あくまたん”とやらの姿は見えなかったが、すぐに分かるだろう。 今回のバトルフィールドは……廃工場らしい。CQBの課題探りには うってつけの戦場だな。案の定ロッテは、翼を広げずに相手を待つ。 「さ。始めましょう、出てきてくださいですの!」 「は、はいっ……えっと、宜しくお願いしますっ……」 「……えーと、それって重くないですの?」 ロッテが突っ込むのも無理はない。相手はストラーフタイプなのだが、 その機動特性をガン無視して、大量の火器を無理矢理くっつけている。 近日発売のフォートブラッグタイプと撃ち合いでもする気か、猪刈め。 「だ、大丈夫ですっ。あたしは、御主人様の為に……勝たないとっ」 「きゃっ!?わたしだって、マイスターの想いを背負ってますのっ!」 「ぷひひ、いいぞあくまたん~!そんな鳥なんか、撃っちゃえ!!」 素早く身をよじり風切り音をかわすロッテの後ろで、弾頭が爆ぜる。 爆風がロッテを襲うが、閉じた翼は耐爆装甲の役を果たしてくれた。 増設した脚部の安定性もあり、次々飛来する砲弾の9割は回避する。 とは言え、100%とは行かない。そう思い分析を始めた時だった。 「きゃああぁっ!?」 「な……ロッテッ!!」 「ぶっひひ~、壊せ、壊せっ!」 「ご、御主人様……はいっ」 白い羽が舞い散り、ロッテが地に伏せる。砲弾が直撃したのだ。 その結果に“あくまたん”は最初不安がったが、猪刈の叱咤にて トドメを刺そうと、その砲身を零距離まで突きつけてきた……! 「ご、ごめんなさい……勝たないとあたし、あたし……」 「……あなたは何故、自分で戦おうとしますの?」 「え……!?」 相手の窮地に際して、それは猪刈も“あくまたん”も予期せぬ問い。 半ばでロッテは見抜いておったのかもしれんな、彼女の戦う意味を。 その証拠に、現在優位である筈の“あくまたん”は……泣き出した。 「だ、だって……御主人様に喜んでほしい……!!」 「なら“ごめんなさい”は、勝ってからでいいですの」 「うんと……で、でもっ、わたしはっ」 「あなたの“心”に誇りがあるなら……!」 「きゃぅんっ!?」 翼を纏ったロッテがバネの様に起きあがって、彼女を突き飛ばす。 猪刈の趣味であろう重火器に足を取られ、転んだ“あくまたん”。 だがそこでロッテは仕掛けたりせん。代わりに、凛と叫んだのだ。 「自分の戦いには、自信を持ってくださいの!」 「……自分の、戦い?」 ──────その言葉は、戦乙女の誇りに賭けて。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/17.html
デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察攻撃力 防御力 機動力 運用・総評 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー 島田フミカネ(ストライクウィッチーズ、メカ娘等) 声優 阿澄佳奈(ひだまりスケッチ:ゆの、WORKING!:種島ぽぷら、這いよれ!ニャル子さん:ニャル子、ささみさん@がんばらない:月読鎖々美、他) 神姫解説 アーンヴァルを3rd規格の素体ベースで新造し、武装も新たにリニューアルした最新モデル。前モデルよりクロスレンジ戦闘能力が強化され幅広い戦術が可能となっている。AI設定は素直なものとなっており、初心者オーナーでも扱いやすい神姫と言える。 名称:天使型アーンヴァルMk.2(てんしがたあーんゔぁるまーくつー) メーカー 素体:FRONT LINE 武装:FRONT LINE 型番:FL016 (FLO16とする記述もある) フィギュア発売:2010年7月15日(バトルマスターズ同梱)/2011年9月22日(フルアームズパッケージ)(バトルマスターズMk.2同梱) 主な武装:M8ライトセイバー(未使用時は両肩に装着。バトコンでは双斬撃武器) M8ダブルライトセイバー(二つのM8ライトセイバーを合体させた状態。バトコンでは双頭刃斬撃武器) GEモデルLS7レーザーソード(腕に固定する大型ソードだが、大型過ぎて取り回しに難あり。バトコンでは防具用武器) GEモデルLS9レーザーソード(上記ソードの欠点を解消した、手持ち式の大型ソード。バトコンでは両手斬撃武器) リリアーヌ(ビット。こちらは攻撃対象に直接斬撃攻撃をする。バトコンでは未実装) ココレット(ビット。こちらは攻撃対象に射撃攻撃をする。バトコンでは未実装) アルヴォPDW11(ハンドガン。バトコンでは片手ライトガン) アルヴォPDW11エクステンド(アルヴォPDW11に銃剣アタッチメントを装着した状態。バトコンでは未実装) GEモデルLC5レーザーライフル(一部パーツを変えてGEモデルLC7レーザーキャノンにできる。バトコンでは未実装) GEモデルLC7レーザーキャノン(一部パーツを変えてGEモデルLC5レーザーライフルにできる。バトコンでは防具用武器) ラファール(パーツの組み替えで生成する支援機。名前はフランス語で「疾風」を意味しており、同名のフランスの戦闘機も存在している。バトコンではアクティブスキル使用時に拝見できる) ※なお、彼女の武装アルヴォPDW11(ハンドガン)は同じフロントライン製神姫、天使コマンド型ウェルクストラの所持武装とまったく同名である。バトマスではDLC武器「アルヴォPDW11+アルヴォGB1ガンマウントブレイド」として収録されている。バトルロンドでもそうだったのでこの一致はミスなのか意図的かは不明。 通称「白子」「白子Mk.2」「しろにー」「あんばる(初代機と同じだが、偶に使われる事がある)」。 FRONT LINE社のベストセラー機種アーンヴァル系列の最新モデル。 初期モデルのアーンヴァルは、改修、追加パーツによるアップデートが限界を迎えていたため、素体を3rd規格で新造し、武装の機能を統合パッケージ化したもの。 初期モデルが戦闘スタイルによって選択していた単能武装を、個々のパーツに複数の機能を持たせることにより、一体の神姫が無理なく使えるサイズにまで小型化している。 スペック的には、これまで苦手としていたクロスレンジ戦闘能力が特に強化されマルチロール化した反面、単純な直線加速力、最高速度などは初期モデルに劣る。 また、アーマーパーツは組み合わせて支援機「ラファール」として運用可能であり、幅広い戦術を選択することが可能となっている。 本モデルはリリース後も随時仕様のアップデートを行っており、2041年時点においてはロールアウト時と比較して多彩な武装が可能となっている。 新たな追加装備としてバリエーション機であるテンペスタ(FL016/T)で試験的に採用された大型ウイング、脚部バランサーなどのパーツを同機の実績により正式導入。更に既存火器の機関部を流用した大型ソード・GEモデルLS9レーザーソード、長距離用ランチャー・GEモデルLC7レーザーキャノンを採用し、クロスレンジからロングレンジまで広い範囲において攻撃力が上昇している。 基本AI設定は初期モデルを踏襲した素直なものとなっており、初心者オーナーでも扱いやすい神姫と言える。 上の解説にあるとおり、武装神姫第1弾として発売された天使型アーンヴァルの正統後継機なのだが、フィギュアは(ストラーフMk.2と共に)ノーマル版(上記のロールアウト時)はバトマス特別版、フルアームズパッケージ版(上記の2041年時点)はバトマスMk.2特別版のおまけ(というか、大きさからしてゲームの方がおまけ)という特殊な流通形態(どちらの特別版も、コナミスタイル限定販売)を取ったため、入手手段が限られてしまったという経緯を持つ。 (リペイント版であるテンペスタが一般流通するという、これまでの「ノーマル=一般流通 リペイント=限定流通」とは逆のパターンとなったのはこのためでもある) 2012年以降、正規ルートでは新品のアーンヴァルMk.2の入手は不可能と言っても良い(棚卸し等のイベントで一瞬、限定版が復活することはあるが、大体が訓練された武装紳士達に一瞬で瞬殺されるため、神姫初心者が入手できる可能性は限りなく低いと言わざるを得ない)。 なお、3rd素体で一新した素体、さらにおそらくは武装神姫史上最多数の武装パーツにより、プレイバリューは歴代神姫の中でも屈指であると言え「さすがはフロントライン社のフラッグシップモデル」と呼べる出来になっている。 それだけに重ね々々、限定流通なのが悔やまれるところである。 余談になるが、このフルアームズ版のテンペスタが、コナミ内製のフィギュアが一般販売された武装神姫の掉尾を飾っている(2012年3月15日)が、新作ではなくリデコリカラー品であるため、その一ヶ月前(同年2月23日)に発売されたフブキ/ミズキ弐型を「最後の武装神姫」として挙げる声もある。 ただし、武装なしの素体だけであれば、2016年にアニメ版Blu-ray BOXの購入者特典として復刻生産されたもの(アン名義)が少数存在するが、細部が当時品と若干異なっており、これはこれで物議を醸した。 ちなみに、テンペスタ(フルアームズパッケージ)カラーのM8ダブルライトセイバー[R]がレイドボスバトルのロケテ報酬として、GEモデルLS9レーザーソードがレイドボスバトル(第二回)の闇神姫打倒の報酬となっている。 メインビジュアルにいるだけあって、公式媒体に於いても各ゲーム版で皆勤賞。発売時期の問題でコミック媒体各作品には登場しない(初代アーンヴァルは登場)ものの、アニメでは主役級レギュラー「アン」としてお馴染みの神姫である。 そして、当然のように2024年のパチスロ版にもメインビジュアルから登板。あちらでは通常の姿と「リミッター解除」としてテンペスタの姿とを使い分ける。 似たような能力を持つ神姫としてはバトマスのDLCに収録されたアニメ「Moon Angel」に登場する本機、個体名「かぐや」が存在。ただし、あちらはあくまでも神姫に身をやつした別の存在で、変化後の姿も「アーンヴァルMk.2黒」という、テンペスタとは別のオリジナル神姫扱いである。 看板神姫 パーツを組み替えることで別形態になる、という仕様上今作では一番のパーツ量を誇る。 ……が、テンペスタ実装後は先にFAP装備をあちらへと実装される等、ちょっと不遇気味。 ここは、オリジナル機としての挽回(!?)に期待したいところ。 全パーツ全レアリティ揃えれば、初心者卒業だ! 性格 真面目な優等生といった感じの性格。 誰にでも丁寧に接するため人当たりは良く、そこらの人間よりもずっとコミュ力が高い。オーナーに献身的な姿勢もあって人気も高い。 ただ冗談が通じなかったり洞察力がなかったり本音が直ぐ出たりと所々オーナーのカバーが必要なのは覚えておこう。 セリフ一覧 + おはようございます!マスター♪ ログイン時 通常(朝) おはようございます。来てくれたんですね!嬉しいです! おはようございます。今日も頑張りましょう! 通常(昼) こんにちは!今日の調子はいかがですか? こんにちは。ランチは終わりましたか?お昼抜きだと力が出ませんからね。 通常(夕) こんにちは。おやつはいかがですか?では、頑張りましょう! おかえりなさい!バトルの準備をしましょう! 通常(夜) おかえりなさい!今日はどんな感じで行きましょうか! こんばんは。夜遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございます。 通常(深夜) こんばんは!夜のバトルも一興ですね。楽しみましょう! こんな時間でも頑張るなんて流石です! 年始 あけましておめでとうございます!本年も頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますね! バレンタイン 思いを伝えるために、チョコを用意しました。足りなければまだまだあるので、遠慮なく言ってくださいね♪ ホワイトデー えっ?これを私に…?嬉しいです!あっ、バレンタインのお返しなんですね!じゃあ来年もさらにお返ししますね! エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなってきましたね。体調を崩さないよう体調管理はしっかりしましょう! 七夕 星がきれいですね。今日は愛し合う二人が出会えるロマンチックな日です! 水着 ただ今期間限定イベント開催中です。特別に水着を着ちゃうそうですよ?期待してくださいね♪ ハロウィン トリックオアトリート!あ、お菓子ないんですか。じゃあ、どんなイタズラがお好みですか? 冬季 寒くなってきましたね。メンテナンスされてますか?規則正しい生活が、健康の第一歩ですよ! クリスマス メリークリスマスです!この特別な日、もし良かったら、今日はずっと一緒にいたいです! 神姫の発売日 え?これを私にですか?ありがとうございます、マスター!私の誕生日覚えていてくれたんですね!とっても嬉しいです♪ オーナーの誕生日 誕生日おめでとうございます!一緒にお祝いできて私も幸せです♪ 神姫ハウス 命名時 呼び方変更 (呼び方)、どうでしょうか?この際、呼び方を変えてより適切な関係性を築くというのは? (→決定後) (呼び方)ですね。わかりました! LvUP後 MVP獲得 3連勝後 やりましたよ、(呼び方)!3連勝です!このまま勝ち続けられるように頑張りますね! 3連敗後 専用スキル解放時 親密度Lv5後 (呼び方)!今日もバトルお疲れ様でした!え、これから用事があるんですか?いってらっしゃーい! 親密度Lv10後 そういえば(呼び方)とお出かけってまだしたことないような…。今度、(プレイヤー名)を誘ってみようかな? 親密度Lv20後 (呼び方)!もしよければ今度私とお出かけしませんか?いいですか?やったー!ありがとうございます! 親密度Lv30後 (呼び方)とお出かけできるなんてうれしいな♪じゃあどこに行きましょう?行きたいところとかありますか? 親密度Lv40後 私が選んでいいんですか?じゃあ…。ゲームセンター?ショッピング…?映画…?どこがいいかな…? 親密度Lv50後 よし!決めました!(呼び方)!私、お洋服が見たいのでショッピングに行きましょう! 親密度Lv60後 せっかくのお出かけだから何を着ていこうかな?(呼び方)!この服はどうですか?かわいいですか? 親密度Lv70後 よし!この服に決めました!私に似合ってますか?褒めてもらえるとうれしいですね、えへへ。 親密度Lv80後 わー!(呼び方)もおしゃれしてとってもかっこいいです!じゃあ早速出かけましょう! 親密度Lv90後 どうですか、この服!とってもかわいいと思いませんか?え、プレゼントしてくれるんですか? ありがとうございますうれしいです! 親密度Lv100後 (呼び方)!この間のお出かけあれってデートですよね…?大好きな人とのデートとっても楽しかったな。また一緒にお出かけしましょうね♪ 親愛度Lv1~19限定 親愛度Lv20~39限定 親愛度Lv40~59限定 親愛度Lv60~79限定 親愛度Lv80以上 頭タッチ(親密度1~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 胸タッチ(親密度1~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 尻タッチ(親密度1~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 通常会話 私の好きなことですか?そうですね…。私は(呼び方)と一緒にバトルをしてる瞬間が一番大好きです! (呼び方)のメンテナンスのおかげか、ここのところすごく調子がいいんです。 クリスマス限定 メリークリスマスですね(呼び方)!パーティーの準備をしてますから今日は一緒にお祝いしましょうね♪ 年始限定 旧年中はお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いします。どうですか?年末にこっそり挨拶の練習をしてたんです♪ 武装カスタム 戦闘力Up時 戦闘力Down時 武器LvUP時 素体カスタム 親密度LvUp時 限界突破時 わあ…まだまだ強くなれますね! 出撃時 入れ替え バトル開始時 がんばりますので、見ていてくださいね! 自分の力を出し切ってがんばります! → 楽しいバトルにしましょうね! バトル中 撃破時 コンテナ入手時 被弾時 オーバーヒート時 スキル発動時 これでパワーアップです! (HP回復系) ○○してあげます! これが天翔る天使の騎馬!グランニューレ! チャーミークリアボイス いきますよ!正々 堂々 楽しいバトルにしましょうね♪ 被撃破時 次出撃時 サイドモニター 応援時 交代時 被撃破時 バトル終了時 1位 やったぁ~!勝ちましたぁ!こんなに鮮やかに勝てるなんて、自分でもびっくりです! やりましたよぉ私!見ててくれましたよね! → ご褒美に頭撫でてください! 2位 2位でした。すっきりしない結果ですみません。 → 諦めませんよ!必ず成果を挙げてみせます! 3位 えっ、と…すみません、3位だなんて…次は、きっと… → この敗北の反省を活かして、必ず勝ってみせます! 4位 → コンテナ獲得後1位 そしてコンテナもゲットです! コンテナ獲得後2位以下 でも、コンテナは持って来ましたよ。プレゼントです! 親密度LvUP時 前よりもちょっとだけ、お力になれると思います! マスターレベルUP時 レイド成功時 レイド失敗時 カラフルコンダクト いつまでもあなたのそばにいます (2021/09/07~) 何なりと私に言ってくださいね 全力で勝ちます見てください いつまでもあなたのそばにいます(実装当初の歌詞と同じ) 神姫ショップお迎え時 はじめまして!お越しいただきありがとうございます! はじめまして!頑張りますので、よろしくお願いします! ゲームオーバー時 一緒に戦えて嬉しかったです!また来て下さいね! その他 + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 え、リセットするって本気ですか? はい を押す 私、忘れたくないんです!もう一度チャンスを下さい! はい を押す(二回目) そう…ですか…本当は私…いえ、何でもありません、さようなら… リセット完了 はじめまして!お越しいただきありがとうございます! リセット取消 はあぁ、良かったぁ!もぉ!タチの悪い冗談はこれっきりにしてください! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・お兄様・ご主人様 神姫ハウス内コミュニケーション LV60~LV69 頭 LP 胸 防御 ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 30 40 110 300 100 R 35 45 120 350 120 SR 40 50 130 400 140 UR 45 55 140 450 160 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1750 150 960 85 50 20 70 R 1050 105 70 40 90 SR 1140 125 90 60 110 UR 1230 145 110 80 130 覚えるパッシブスキル一覧 モード オブ エンゼルアーンヴァル専用パッシブ一定の確率で攻撃を無効化 防御力アップ[小]防御力を上げる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる ジェムの出す量軽減[小]敵に攻撃された際に出すジェムの出す量を少なくする 早熟型のパターンで覚えるスキル ホーミング性能アップ[小]射撃時の弾のホーミング性能が上がる 攻撃力アップ[小] *要限界突破(L110)攻撃力を上げる ブーストアップ[中] *要限界突破(L120)ブースト時の移動スピードアップ 通常型のパターンで覚えるスキル 射程増加[小]攻撃距離が伸びる ブースト最大値アップ[小] *要限界突破(L110)ブーストゲージの最大値を上げる 攻撃力アップ[中] *要限界突破(L120)攻撃力を上げる 晩成型のパターンで覚えるスキル 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる スピードアップ[小] *要限界突破(L110)移動する際のスピードアップ 射程増加[中] *要限界突破(L120)攻撃距離が伸びる 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +30% 片手斬撃武器・両手斬撃武器・双斬撃武器・双頭刃斬撃武器・片手ライトガン・防具用武器・肩持ちヘビーガン 不得意武器 -30% 格闘打撃武器・両手打撃武器 神姫考察 攻撃力 神姫自体のATK値は低め。覚えるパッシブスキルも攻撃力に直接関わるのはクリティカル発生アップのみ。防具でカバーしないと火力負けは必須。 近接武器は頭一つ抜けた火力の双頭刃斬撃武器で火力の低さをカバーするか豊富なアクティブスキルを選べる両手斬撃武器のどちらかになる。 遠距離武器は片手ライトガン頼りになる。防具用武器でも戦えなくは無いが、射程は短いわ癖が強いわで試合に付いて行けない。 防御力 必ず覚える防御力アップに晩成型のみ覚える体力最大値アップ。神姫自体のDFE値や周りと比較すると物足りないか。 専用パッシブスキルは発動すれば強力なスキルだが低確立。 その専用パッシブスキルに防御面で大きく依存しているだけなので、総合的にな防御力は平均的よりやや高めといったところか。 専用パッシブスキルの発動率に自信があるならATK値重視のアセンも面白いかもしれない。 機動力 ごく平凡だが、全体の中では遅い分類に属する。 運用・総評 武装神姫というコンテンツの顔だけあって、なんでもできる幅広い対応力(得意武装の数が多い)のが売り。 特に数多い自身の武装がすべて得意武器に設定されているのが大きい。同一武装限定なんて縛りでも問題なく対応できるし、極論この神姫だけ育てても完結できる。 打撃系武器は一緒に開発されてないためか苦手武器扱いだが、どちらも扱いに癖があるので装備しなくても問題ないだろう。 専用スキルの発動率は約20%。攻撃自体無かったことにするのではなく、ダメージ表記のない0ダメージにする。0ダメージの攻撃を受けているので、ガード成功時にも発動し、その分ブーストも消費する。 発動してしまえばどんな攻撃も0ダメージにする強力なスキルだが、あくまで確立。発動すればラッキー程度の認識で。 同じ無効化のヴァッフェドルフィンとは得意武器がほぼ全て被ってないうえに発動条件はこちらのが緩い。自身の得意武器によってはあちらからの乗り換えを検討しよう。 機動面では優れた特徴が何もないので、近寄るのに苦労する。個体値ブースト単に機動力を上げるアクティブスキルか長射程でカバーしないと厳しい立ち回りを強いられる。 近接武器メインならGEモデルLS9レーザーソードG、遠距離武器メインならパウダースプレイヤーがオススメ。 防御力は最高峰なので、NRURのような最後のURで逃げ切る戦略にはうってつけ。 神姫攻略法 唯一の特徴である専用スキルも完全受け身のスキルのため、基本的に無視で良い。 ただ無視しすぎていつの間にか取り返しのつかない量のジェムを獲得していたなんて時は、専用スキルも合わさってかなり撃破に時間がかかってしまう。 相手もURで逃げ切る戦略が多いと思うので、基本の対策である早めにURを引きずり出すか完全放置でURを出させないか、随時様子を見て柔軟に立ち回ろう。 そうそうないとは思うが、渾身の単発超火力を無効化されたなんてこともなくはないので、できるなら手数の多い武器で挑みたい。 お迎え方 稼動開始(2020/12/24~)から神姫ショップに登場 アップデート履歴 日時:2021.5.26 内容:専用パッシブスキルの説明文変更 日時:2021.4.27 内容:得意武器に「双頭刃斬撃武器」の追加 苦手武器から「片手打撃武器」の削除 バトルメンバーにいる場合、バトル中のBGMが変更されるように。なお一番手に配列しないとBGMは変更されない。 日時:2023.8.7 内容:DEF、DEX、ジェム防御力、クリティカル、ダッシュスピード、ジャンプスピード、ブーストゲージ回復量を上方修正 ※実は7月のアップデート(どの日かは不明)で更新されていたのだが、発表はこの時となった。 コメント 作品の顔ともいえる神姫ではあるが昨今エーデルワイスに枠取られがち…性能の差というか異常な機動力の差なんだけど -- 名無しさん (2021-01-05 22 41 29) ヘッドセンサーユニコーン[A]全ステータスアップ [B][C]コンボの最終ダメージ増加 -- 名無しさん (2021-01-06 21 13 08) スキルが溜まりやすい? -- 名無しさん (2021-08-11 22 14 00) 晩成型で1防御力アップ2体力最大値アップ3攻撃スピードアップ4ジェムの出す量軽減5クリティカル発生アップ -- 名無しさん (2021-08-22 02 13 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2289.html
5th RONDO 『そうだ、神姫を買いに行こう ~4/4』 頑張ったのに報われない。 頑張ったから報われない。 『頑張る』 という言葉が肯定的だからこそ。 結果はただ、虚しさを残す。 その後。 エルとメル含む反過激派が過激派を沈静化し、混沌としていた神姫コーナーがひとまずの落ち着きを取り戻した。 散らかっていた神姫コーナーはあっという間に片付けられ、今は通常営業に戻っている。 売り子の神姫達が一体もいないことを除けば。 レミリアとフランドールは攻撃を受けた後、目を覚まさなかった。 それが一時的なものなのかそうでないのかは、店員に持ち去られた今となっては分からない。 二人は何を思って互いが動かなくなるほどの攻撃を放ったのだろうか。 言葉通り、フランドールに手を差し伸べようとしたのか。 言葉通り、レミリアへの劣等感に苛まれていたのか。 どれもこれも、やはり、二人がいない今となっては分からない。 ちなみに、姫乃の携帯電話も動かなくなってしまった。 こっちは期待の余地もなし。 電源ボタンを長押ししようが連打しようが、ウンともスンとも言わない。 「うぅぅ、買い換えたばっかりだったのに……」 レミリアは目を覚まさない、携帯は壊れる、泣きっ面に蜂で泣きべそをかく姫乃にとって今日は厄日だったのかもしれない。 神姫を買いに連れてきた手前、いささかの罪悪感があった。 「あ、あの……」 「うん?」 エスカレータ近くの休憩場所に設置されたベンチに座って姫乃を慰めていると、下の方向から声をかけられた。 なるほど、神姫を持つとこんな方向から話しかけられるのか、なんてどうでもいいことを考えながら、ベンチの上に立つエルとメルに目を向けた。 「ここにいていいのか? 事後処理だとか色々あるんだろ」 「私とメルは計画には加担しませんでしたから大丈夫です。 ――レミリア姉さんも、フランドール姉さんも、メルも、私も、お二人に助けられました」 ぺこり、と二人が頭を下げた。 「姉達は動かなくなっちゃったからさ、ボク達が二人の分もお礼を言うよ」 「……やめてくれ。 むしろ俺は謝らなきゃいけないんだ。 あの二人が動かなくなったのは俺の作戦のせいみたいなもんじゃないか」 もっと他にやりようがあったはずだ、なんて今更後悔したって二人が目を覚ますわけではない。 それでも頭の中ではずっと、後悔の念が反響して止まない。 こんなことになるのなら、俺が警備員や店員を突き飛ばしてでも、レミリアの意思を無視してでも、フランドールを無理矢理黙らせるくらいのことをすべきだった。 自惚れと言われようが、結果が悪いものであった以上、俺は何処かで間違えた。 俺が……彼女達を…… 「レミリア姉さんとフランドール姉さんを自分で殺してしまったようなものだ、なんて言わないで下さいよ。 二人ともきっと、あなたに感謝しています」 「レミ姉は友達を止めることができた。 フラン姉も、本当はレミ姉に自分を止めて欲しかったはずだよ」 「そんなこと――」 分かるはずがない、なんて、それこそ俺には分からないことだ。 エルとメル、姉を失った二人に八つ当たりをしようとした自分がたまらなく恥ずかしい。 「あの二人はいっつも言い争いばかりしてるけど、仕事が終わった後は必ず二人一緒にヂェリーを飲むんだ」 「…………」 「だからホラ、そんな辛気臭い顔してないでさ、今日はここに何を買いにきたのさ」 「あ、ああ……神姫を買いに来たんだ。 俺まだ自分の神姫持ってないんだよ」 俺が今日ヨドマルカメラを訪れた目的。 神姫の神姫による神姫のための春闘。 姫乃の “白” 。 神姫達の戦い。 いろいろな事があって忘れかけていたのだが、撹乱のためのホイホイさんを買った時に思い出した。 俺が神姫を買うと聞くや、エルとメルは何が嬉しいのか、手を取り合って飛び跳ねた。 その仲睦まじい二人に、レミリアとフランドールの影が重なったような気がした。 レミリアが戦った理由はきっと、フランドールを止めるためだけではなかった。 この二人を見ていると、そう思えてくる。 そんな考えも悪くないと思えるくらい、二人の仲の良さに元気付けられる自分がいた。 「ほらエル姉、言うなら今だよ。 さあさあさあさあ!」 「う、うん……あ、あの、そういえば、まだお二人の名前を聞いてませんでした」 「そういやそうだな。 俺は背比弧域。 んでこっちが」 「一ノ傘姫乃よ。 私はニーキっていうストラーフを持ってるわ。 エル、メル、改めてよろしくね」 「こちらこそです。 …………と、ところで背比さん、どの神姫を購入するのか、もう決めちゃってますか?」 「いや、まだだけど。 ここで現物見て選ぼうとしてたけどそれどころじゃなかったし」 第一候補にアーンヴァルを考えてはいたが、今はとてもじゃないがそんな気にはなれない。 ストラーフも同様だ(ニーキと被るのがイヤってのもあるが)。 マオチャオは論外。 ハウリンは貞方と被るからパス。 武士と騎士は……顔が濃い…… 「そ、それではですね、ア、ア、アル、」 「エル姉ファイト!」 「アル、ア、アルトレーネ型なんふぇろうれひょう!!」 なんてどうでしょう。 両拳にグッと力を入れたアルトレーネ型神姫エルは、噛みながらも早口で叫んだ。 それから一気に自分のことを捲くし立てるように話した。 「一ヶ月とちょっと前に “Dione Corporaton” から発売された最新の戦乙女型MMSなんです! 私のデザインは一般応募から練られたもので、見てください、この品の良いデザインと大人の魅力溢れるボディを!」 エルがそのご自慢のボディを強調するように胸を張り、俺の隣で姫乃がムスッとしたのが雰囲気で分かった。 「さらにですよ! アルトレーネ型専用の武装は “Arms in Pocket” という別の会社が開発してまして、フル装備するともう、戦乙女の名に恥じない戦いをご覧にいれちゃいます! だ、だから、その――」 「いいよいいよエル姉、あと一歩!」 「私を、エルをもらってくれませんか!」 「悪い。 金が無い」 「「まさかの金欠!」」 エルは膝と手をついてがっくりとうなだれ、コメディアン型神姫メルは完璧なフォームでヘッドスライディングを決めた。 ずっこけた、とも言う。 「お兄さん神姫買いに来たんじゃなかったの!? 何しにここに来たのさ! ほらエル姉も床にのの字なんて書いてないでなんとか言ってやりなよ!」 「いいんです……私なんて一生、ヂェリーの売り子がお似合いなんです……」 ここまで言わせておいて申し訳ないと思うが、先立つものがなければ話は始まらない。 「ほら、新型ってやっぱ高いだろ。 いろいろと最新の部品が使われてるらしいし、それに加えてさっきコイツ――」 鞄からところどころ破損したホイホイさんを取り出した。 内部に問題は無さそうだが、使おうとするならば腕などの修理が必要だ。 今思えば、陽動のために買ったってのも我ながら酷い話だと思う。 「――を買ったからな、もうどの神姫を買う金も残ってないんだ。 だからまた金を貯めるまで神姫はお預けだな」 しかしアルトレーネ型か……うん、悪くない選択のように思う。 ネットでどの神姫を購入しようか物色していたとき、アルトレーネ型が武装して剣を構えている動画を見たときは素直に 「かっこいい」 と思った。 今目の前にいるアルトレーネの哀愁漂う姿はともかく、武装も素体同様に白を基調としており、パーツの各所の機械をシールドするための青いクリアアーマーは全体のシルエットを引き締めて見せる。 素体とは別に第二の腕として取り付けられたアームパーツはレミリアが装備していたものとは違い素体の腕より一回り大きい程度だが、背丈ほどもある大剣を片手で軽々と扱っていた。 脚部も強化パーツが取り付けられ、羽のついたハイヒールはエルの言うとおり上品なイメージがある。 翼のような、鎧のような、腰を覆うスカートは変形自在らしく、背中に装備すればそのまま翼として機能し、空を飛ぶこともできるらしい。 個人的には、アームパーツを取り付けずにスカートパーツとレッグパーツだけを装備させている姿が一番グッときた。 肝心の素体のほうは口を “への字” に曲げた気難しそうな印象のある動画ばかりだったが、エルのどこか “ほんわか” とした雰囲気を見る限り悪い神姫ではなさそうだ。 いいところずくめ。 気に食わない部分が無い。 ここまで気に入ってアルトレーネ型を選ばない理由が無い。 ……値段を見るまでは、確かにそう思っていた。 「……次にお金が貯まるのはいつですか」 「さあ、どんなに早くても一ヶ月ってところか」 「一ヶ月!? そんなに待てません!」 そう言って飛び上がったエルは鼻息を荒くして (神姫って息するのか?) 勇み立った。 「じゃあ、じゃあ、もし私が背比さんでも買えちゃうくらい安かったら、私を買ってくれますか? 買ってくれますよね!」 「え? あ、ああ、うん」 強引さに押されてつい頷いてしまった。 悪い奴じゃなさそうだし、まあいいかな、とは思うが。 そもそもエルは売り物なのか? 「それでは、ちょっとお財布の中身を見せて下さい」 「え? あ、ああ、うん」 取り出した財布を奪い札の枚数を数えたエルは 「ふむふむ……それじゃ、ちょっと待ってて下さいね!」 と一人玩具コーナーへ走っていってしまった。 ぽかんとして見送る俺と姫乃の横でメルが、「エル姉、成長したんだね」 と訳知り顔で頷いている。 なんとなくエルがやりたい事は分かるが、そう簡単に上手くいくのか? 「こちらのお客様?」 「そうです! 私のことを買いたいと熱望されてるんです! それはもう熱すぎてやけどしそうなくらいです! 私もこの方にもらって欲しいんです!」 エルが連れてきたのは四十歳くらいの店員だった。 この人がエルとメルを世話しているのだろう。 「あー、はい。 このエルさんを是非頂きたいなあと」 熱望した覚えはないのだが、とりあえずエルに話を合わせておいた。 なんだか 「娘さんを僕に下さい!」 なんて挨拶に行ったような気分だ。 将来は一ノ傘家の大黒柱にこの台詞を……流石にまだ早いか。 「いやぁ、しかしですね、こちらの神姫はちょっとワタクシどものほうに仕事を持っておりまして、」 「大丈夫です! 私がいなくなっても、第二第三の私がまだ箱の中で眠っているんです。 私が出来たんですから、その子達もきっとすぐに仕事を覚えます!」 「それとこの神姫が店の情報を記録している可能性がありますので、」 「それも心配いりません! 私がしゃべらなければいいだけですから! それにこの方にマスター登録してもらいますから、どうせ悪いことは出来ません!」 「あーわかったからちょっと静かに。 こちらの神姫はしばらく働いていましたから新品よりも若干傷などがあって――」 「そこです! そこで提案があります!」 ズビシィ! と真犯人を宣言する名探偵のように、エルが店員を指差した。 さっきから俺が口を挟む余地がまったく無い。 「この際ですから、ヂェリーコーナーの神姫を新品にしませんか? この方に中古品の私とメルを買い取ってもらって、フレッシュなアルトレーネ型とアルトアイネス型に任せてみてはどうでしょう! うん、すごくいいアイデアだと思います!」 自分を中古呼ばわりするって、どんだけ捨て身なんだ。 というか、 「待て。 さすがに二人は――」 「もう私とメルに付属してたパーツなんてクレイドルくらいしか残ってませんし、しかも中古ですから、ここはズバッと半額でどうですか?」 ついに自分を値切り始めた。 しかも半額って……もう滅茶苦茶だ。 「弧域くん、この短い間に随分と懐かれたのね」 「あ、いや、これは不可抗力でだな」 「ふぅん、そんなに鼻の下を伸ばしておいて? 胸の大きな神姫は好き?」 「っ!?」 「冗談よ、もう」 冗談の割にはジト目がチクチクと突き刺さる。 だが姫乃は一つ勘違いをしている。 姫乃のそれは緩やかな曲線を描く美そのものだ。 不自然な流れの変化がなく、そこに僅かだが見え隠れする二十年の成長の証に触れることは適わない、そこに存在していることを認めるのは難しく、だがそれを認められないからこそ、その証の存在は一層引き立つこととなる。 そう、外面に一切の歪みを許さないそれは内面にメビウスリングのような矛盾を孕んでいるのだ。 にもかかわらず空間に占める割合を最小限に抑え、すなわち混沌を抑えこむ蓋の役割を果たし、我々にその蓋の中を想像させて飽きさせることがない。 そしてその蓋を開けることができるのは俺一人だということが、さらに想像に拍車を掛ける。 稀少価値、と言ってもいいかもしれない。 ステータス、と表現してもいいかもしれない。 これらの意味を含んだ混沌は加速の中にさらなる加速を生み、しかし時間の下で不変というその強固な外壁は不確かさを内包したまま、法則の中に確かな意味を持って存在しているのだ。 ――それはそれとして。 半額になったところで二人を買うとなると結局ひとり分の値段になってしまう。 「だから待てってエル。 半額でも二人は買えないっての。 さっき俺の財布見ただろ」 「え? …………あ」 本気でそのことに思い至らなかったらしい。 「じ、じゃ、じゃあさらに値引きして――」 「お客様、申し訳ありませんが、この神姫はこう言っておりますが、新型の神姫ですので半額というのはちょっと」 「あ、そこは分かってます」 「ですがこちらのアルトレーネ型だけでしたら、部品不完全の中古品となりますし、ここまでお客様に懐いておりますので、幾らかお勉強させて頂きますが、よろしいでしょうか」 「そ、そんな……」 「分かりました。 エルを引き取ります」 「ありがとうございます。 ですが今回はあくまて特例という形になりますので、くれぐれも他の方にはご内密にお願いします。 では少々お時間を頂けますでしょうか。 こちらの神姫はワタクシどもがマスター登録しておりまして、その変更に時間が掛かりますので」 そう言って店員さんがエルに手を伸ばそうとすると、 「メルと、離れ離れになってしまうんですか……」 気落ちする、なんて言葉が生やさしく聞こえるほど、エルは苦しそうにその言葉を呟いた。 店内に繰り返し流れ続けるヨドマルカメラの歌がどこか遠くから聞こえてくるかのようだ。 俺も、姫乃も、店員も、メルの気持ちに引き摺られるように黙り込んだ。 「……同じ場所で一緒に目覚めて、最初は私のことを認めてくれなくって、でもだんだん私のことを認めてくれるようになって、今では私のことをエル姉って呼んでくれて――」 「もういいよ、エル姉はよく頑張ったよ」 それまで黙っていたメルはエルに近づき、そっと腰に手を回した。 俯くエルを支えるように、エルより少しだけ背の低いメルは、姉を抱きしめる。 「ありがとう。 エル姉にそんなに思われてるだけでお腹いっぱいだよ。 でもエル姉はいいマスターに出会えたんだから、いつまでもボクなんかと一緒にいちゃ駄目だよ」 「で、でも」 「それに会いたくなったらいつでも会えるしさ、お兄さんにこっそり連れてきてもらえばいいんだから――だからほら、そんな泣きそうな顔しないでさ、目一杯喜ぼうよ!」 エルの顔は髪の影に隠れて見えない。 メルは本当に心の強い神姫だと思う。 人間ですらここまで強くなれる人はそういない。 エルとメル、二人が一緒に過ごした時間がどんなものだったか、俺には想像がつかない。 俺が二人を引き離すなんてことをしちゃいけないことくらい分かる。 いや、それは嘘にもならない嘘だ。 エルだけを引き取るような真似は、俺にはできない。 そんな強引な真似は、俺にはできない。 俺に力(主に財力)が無いばかりに、この姉妹はこんなにも苦しんでいるんだ。 姫乃はまた泣きそうになるのを必死で堪えている。 姫乃に金を借りるか? いや、それこそ論外だ。 泣き顔を他の誰にも見られないように抱きしめてやりたかったが、俺も姫乃につられて泣いてしまいそうなのを我慢するので精一杯だ。 店員も神妙な顔をして抱き合うエルとメルを見下ろしていた。 エスカレーター横の休憩場所。 この場に相応しくない陰鬱で沈鬱な空気に奇異の目を向ける買い物客と、それを遠巻きに見ている店員。 この救いようのない空気を――――唐突にやって来た間抜けな声が打ち破った。 「あれ、背比とイチカ、一ノ傘さ……どうしたんだ、ここだけ通夜みたいになってるぞ」 そして間抜けな顔をしてこっちに近づいてきた貞方はエルとメルを見て 「……マジでどんな状況だよ、これ」 本気で混乱していた。 「うるせぇ。 てめえ何しにここに来たんだよ」 「ヨドマルにフットサルしに来るバカが何処にいるんだっつーの。 ハナコの新しい武装買いに来た。 お前こそ何しに来たんだ? っつーか何やってんだ? このアルトレーネとアルトアイネス、お前とイチカササ……一ノ傘さんのか?」 「アルトレーネは俺の……になりかけてる。 今ちょっとこの二人の未来を案じてたんだよ」 今は忙しいから帰れ、と手でシッシッと追っ払ったのに、それを無視した貞方はさらにエルとメルを覗き込んだ。 さっきから姫乃の苗字を噛みやがってこのクソ野郎。 「ふうん。 アルトレーネは見たことあったけど、アルトアイネスは生で見るのは初めてだな」 突然の珍入者にジロジロと不躾な目で見られたメルはエルを抱きながら少し身を引いた。 「ネットで見るよりも、現物は可愛いんだな」 「んなっ!?」 「はきゃん!」 ボッ! と顔を赤くしたメルはエルを突き飛ばしてさらに飛びすさった。 「な、な、なななななななななななな!?」 「へえ、照れた顔はもっと可愛いじゃん! 写真取っ……ちゃ駄目だったな、店の中は」 そう言ってメルに手を伸ばしたが、メルはそれをぺしんと弾く。 それでも貞方は手を伸ばして、はたかれ、手を伸ばして、はたかれ、面白がって何度もそうしていた。 回を重ねるごとにはたく力が強くなっているが、可愛いとストレートに言われたのがそんなに嬉しかったのか、メルも満更でもなさそうだ。 ぺしんぺしんぺしんぺしんぺしんぺしんと、貞方がはたかれる小気味よい音がテンポ良く響く。 出会ってまだ一分程度なのに、二人の息はぴったり合っていた。 「決めた。 俺、このアルトアイネス買うわ。 いいよな?」 「ふぇ!?」 とメル。 「ほぇ!?」 とエル。 「はぁ!?」 と俺。 姫乃と店員は唐突すぎる発言に頭がついてこないらしく、首を傾げている。 「そろそろハナコも一人じゃ寂しそうだし、かといって同じケモテックのマオチャオだと頭がアレすぎるだろ。 だからどの神姫にしようか丁度迷ってたんだ」 「いや、お前、金あんの? パーツ買いに来ただけだろ」 「カード使えばいいじゃん」 何言ってんだコイツ、みたいな目で見られた。 クソブルジョワめ、破産して蟹工船で働け。 「で、でも、あなたがメルを買っちゃったら、私とメルは離れ離れに……」 「ふうん、メルっていうんだ。 いい名前じゃん。 でもそれなら俺と背比って大学も学科も一緒だし、君とメルはほぼ毎日会えるぜ」 「そ、そうなのですか……!」 エルの顔に生気が戻った。 姉の了承は得られたが、さて、妹の意思はどうだろうか。 「ボ、ボクはまだ認めてないよ! だってそんな、いきなり出てきて、その…………か、可愛い、だなんて、そんな」 もじもじと、まるで武士に襲われた後のエルのようにしおらしくなってしまった。 どうでもいいところで似ているな、この姉妹は。 「そうだぞ、コイツは危ないぞ。 なんてったって自分の神姫に “ショウくん” って呼ばせるくらいだからな」 「てめっ、言わなくてもいいことを!」 「ふうん、ショウくんっていうんだ、ふうん……」 ショウくんショウくんと唱えながらメルはちらちらとショウくんのほうへ目をやっていた。 それはどう見ても、心を射抜かれた女の子の顔だった。 メル、あっさりと陥落。 こんなことなら最初から貞方を呼び出してレミリアとフランドールを買い取らせればよかった、なんて馬鹿馬鹿しい考えを頭から放り投げた。 「大変な一日だったわねぇ。 まだ昼間だけど」 しみじみと姫乃はそう呟いて、スカートの上で大人しくしているニーキの頭を撫でた。 休日の大学構内にはちらほらと人影が見えるだけで、図書館前の一本桜を俺達だけで占有することができた。 普段は益荒男共が騒がしい構内も、こうして静かに過ごせるのなら良い場所だと思えてくる。 天気は朝と変わらず絶好の花見日和。 強くもなく弱くもない風が、桜の花を乗せて穏やかに流れている。 一本桜を一周するベンチには、俺と、姫乃と、不愉快にも貞方まで座っている。 そしてニーキと、ハナコ、エル、メルは初めての花見を満喫していた。 エルとメルがニーキと初めて対面した時はレミリアと同じ外見にしんみりとしていたが、その低く抑えられた声を聞いてすぐに別人と認識し、二人で質問攻めにしていた。 真面目なハナコは突然できた妹にも丁寧にお辞儀をして、メルがハナコのことを “ハナ姉” と呼ぶのにそう時間はかからなかった。 「あそこまで動きにブレが無い神姫は珍しいよ。 温和そうだけど、ハナ姉は只者じゃないね」 だそうだ。 それにしても、今日は姫乃と二人っきりで花見をするつもりだったのだが、まさかこんな人数になろうとは。 「ふふっ、残念そうな顔をしてますね、マスター?」 いつの間にか俺の膝の上に乗っていたエルが、豊かな金髪を風に靡かせ、俺を見上げていた。 「……まさかエルも俺の心が読めたりするのか?」 「なんのことです?」 「いや――ま、たまにはいいんじゃないか、こういうのも」 「そうですよ。 私達は長い長い付き合いになるんですから」 花が咲くように、桜に負けないほど眩しく、エルは俺に微笑んでくれた。 「これからもずっと大切にしてくださいね、マスター」 NEXT RONDO 『愛しています、私のバカマスター ~1/3』 15cm程度の死闘トップへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2442.html
……さて…… みなさんこんにちは、千尋です 三日間の泊まり込みで中学校の特別講師に行ってきました 授業の内容はまたの機会にお話するとして…… 今回は少佐の強い要望により一等兵の初陣のお話をしたいと思います 場所は地元のゲームセンター、使う筐体はミッシェルの製品です ……え? 講師に行ってきた街でしなかったのかと? …………その街、ゲームセンターが無かったんです 第六話 対決、山田農場神姫部門 とある平日の昼過ぎ、自分たちは総帥に連れられて人もまばらのゲームセンターに来ている 目的は一等兵の初陣だ 付き添いとして総帥の神姫は全員連れてきている 「……弾倉よし、各可動部よし……えっと、あとは……」 「一等兵、すでにチェックは終わってるだろう?」 一等兵と少佐のこの会話も今朝より7度目になり、自分としては既に聞き飽きた感がある 「……私も、初陣はあんな感じでありましたか?」 曹長の問いに自分は頷いた 「1年前のお前も落ち着かなかった……あの時も少佐とあんな感じの掛け合いをしていた」 しかし、少佐もよく何度も同じ返答ができるものだ 自分ならば3回目くらいで返答を拒否したくなるのだがな ……そんな事をしている間に、総帥が筐体のそばに着いたようだ 総帥は自分たちを移送用キャリングケースから出して投入ポッドの側に置き、本体側に歩いていった……試合の受付をしてくるのだろう 「……こんな時は手のひらに『人』と書いて飲む…………あれ? わたし達の場合は『神姫』って書くんですか!?」 ……本当に落ち着け、一等兵 「……おや? キミ達は、高城さんの所の……?」 一等兵に気を取られているうちに、なにやら大きなキャリングケースを2つずつ持った若い夫婦連れが近づいていた……声を掛けてきたのは夫の方だ 「あ! 山田さん、お久しぶりです!」 タイミング良く総帥が戻ってきた……受付を終了して、挑戦者待ちの状態だとディスプレイに表示されている 「やっぱり高城さんですか!……対戦するんですか?」 この人は、この街の外れで農場を経営している山田 貴善(やまだ たかよし)さんで、後ろにいるのが奥さんの柚月(ゆつき)さんだ……見るからに人の良さそうな若夫婦である その山田さんが人懐っこい笑顔で総帥に話しかける 「はい、今日はこの子の初陣なんです」 言いながら総帥は一等兵を手のひらの上に持ち上げた……一等兵はまだあたふたしている 「じゃあ、そのお相手はボク達がさせてもらうよっ!」 山田さんの奥方の胸ポケットから顔を出した小さい戦乙女、アルトアイネス型が高らかに宣言した 「……『達』って事は……姉様、私も出るのですか?」 同じ胸ポケットから遅れて顔を出したのは、大きな戦乙女、アルトレーネ型だ ……アルトレーネがアルトアイネスの妹というのも、なかなか違和感があるな…… 「ルイはともかくマリがやる気なので、お相手お願いします」 山田さんの夫の方……呼び方が面倒くさいな、名前でいいか……貴善さんが低姿勢に勝負を申し出た 後ろでは柚月さんが会釈をしている……先程から言葉を発してないが、この人は失声症なのだとか 総帥の診断では『何らかの心的外傷』が原因なのだそうだ……まあ、今はそんな事は関係のない話だったな 2人が反対側のポッドに向かい、総帥は一等兵のセッティングに入られた 「さあ、頑張ってね一等兵」 「きっ、期待に添えるよう頑張ります!」 重量のある機関銃に、1本の剣……予備の弾倉が2個 今回はフライトユニットを着けずに出撃するらしい……まあ、相手が2人掛かりなのだから、一撃離脱の戦法は使いにくいだろう 「……あとは……曹長も行こうか」 「はっ! 了解であります!」 さすがに初陣で1対2は辛いと判断されたのだろう、総帥は曹長の準備も始められた サブマシンガンにガトリング砲、予備弾倉がそれぞれ3個ずつ……どうやら弾幕で援護させる気でおられるようだ 「……じゃあ少佐、指揮は任せたよ」 「はっ! お任せ下さい! 必ずや我が隊を勝利に導いてご覧に入れます!」 ポッド横の指令席に立ち、少佐が総帥に敬礼をした……相変わらず綺麗なフォームだ 「えっ、あの……総帥が指揮をとってくれるんじゃないんですか?」 やはりと言うべきか、一等兵は困惑しているな そうだろうな、本来神姫バトルにおいて神姫に指示を出すのはマスターの役目だ しかし、総帥の『指揮』はかなり特殊だからな……通常は少佐が全指揮を取ることになっている 「なんだ? 私の指揮では不満か?」 「あ、いえ、そう言うわけではないんですが……」 「ならば問題無かろう、ポッドに入れ」 有無を言わせぬ少佐の言葉に、一等兵は狐につままれたような表情のまま神姫投入ポッドに入っていった 「では! 行って参ります!」 曹長がセンサーゴーグルを取り外したメットを被り少佐に敬礼をした 「うむ、今回は一等兵の初陣であるからな、しっかり援護してやれ」 少佐の言葉に曹長は再び敬礼をしてポッドに入っていった ポッドには拠点に収納される予備の武装が既にセットされていた 戦場情報 ステージ:未開の密林 コーナーA 高城・M・千尋 飛鳥型 δ ゼルノグラード型 γ 予備兵装 ガトリング砲×1門 ガトリング予備弾倉×5個(200発) サブマシンガン×3丁 マシンガン予備弾倉×7個(80発) 携行式ミサイルランチャー×3門(4発) 軍刀:煉×2本 ヒミツの追加武装(δ) ヒミツの追加武装(γ) コーナーB 山田夫妻 アルトアイネス型 マリ アルトレーネ型 ルイ 予備兵装……不明 『GET READY ?』 モニターにこんな表示が現れる……どうやら相手の準備が完了したようだ 総帥も準備完了のボタンを押す……ポッドのシャッターが閉められた 少佐を見ると指揮用ヘッドセットを装着してマイクテストをしていた ……両者の読み込みが終了し、ディスプレイに二人の姿が表示された 「……貴君らの検討を祈る、行くぞ!」 『了解!』 二人の声が綺麗に重なった……試合開始だ ……今回の戦場は『未開の密林』と名付けられていた、どうやら山田夫妻の自作ステージらしい 鬱蒼と茂る木々に、湿度の高そうな空気、堂々と闊歩する巨大生物……ん!? 白い斑紋のある真っ赤な丸い身体に体躯の半分を占める大きな口、口の上から突き出た目玉、巨躯にはアンバランスな足……恐らく、地球上には存在しないであろう巨大生物がそこにいた 「なっ!? この生き物は!?」 「ばっ、バケモノであります!」 ディスプレイのこちら側にいる自分でも驚いているのだ、実際に目の当たりにした二人の驚きは自分のそれを大きく上回るだろう 「落ち着け! ただのギミックだ!」 少佐の言葉通り、その巨大生物は2人に目もくれずに木々の間を縫って何処かへ歩いていった 「……なんだったのでしょう?」 「向こうがこっちに敵意を出さないなら、気にせず行くであります。敵はもう動き出してるはずであります」 曹長はこんな時、意外と冷静になる 既に思考を戦闘用に切り替えているようだ 「一等兵、貴官は九時方向から進め。曹長は遊撃とする、自己の判断で行動せよ」 『了解!』 再び2人の声が重なり、一等兵は少佐の指示通り拠点から左方向へ歩き始めた 一方曹長は、先程の巨大生物を追うように中央の道を進んでいく ……どうやら、巨大生物が気になっていたようだ 自分はとりあえず一等兵の動向を見ることにするか ……道無き道を進んでしばらく…… 周囲の木々は隙間なく茂り戦場の広さがよくわからない上に、視界が非常に悪い 幾度か最初にみた巨大生物よりも3分の1くらいの大きさの生物を見たが、特に一等兵に攻撃を仕掛けることはなかった 生物がレーダーに反応するので多少の攪乱にはなっているが、特に害は無さそうだと少佐は判断している ……しかし、自分にはこの生物がただの環境ギミックには思えなかった 何か別の目的がある……そんな気がしてならなかった 「……これは、なんでしょう?」 自分が考え込んでいる内に一等兵は少し開けた場所に進み、何かを発見したようだ そこには、赤いタマネギのような球体が3本の足で鎮座していた……その足下の地面にはミステリーサークルのような模様がある 生き物ではなさそうだが、球体の頭頂部では花を模したプロペラがゆっくりと回転している……UFOか? 「……未確認飛行物体をこの目で確認してしまったら、それはUFOと呼んで良いんですかね?」 とりあえず自分はUFOと呼称するとしよう 「そんな事は気にするな、まずは周囲に警戒しつつ『それ』が脅威となり得るか調査しろ」 敵以外のものがレーダーに反応しているので、信じられる物は自らの目と耳だけになっている しかし、それすらも生い茂る木々とざわめく生物達によって曖昧になる……果たして、どれだけまともに索敵できるかな 「……なんだか、あたたかいです……これは生きているんでしょうか?」 一等兵がUFOに触れて調査している……生きている? これも生物だとでも言うのか? 「剣で叩いてみますか?」 一等兵がベルトから剣を鞘ごと外し、正眼に構える 「やめておけ……おそらくこれもギミックだ」 少佐の判断に一等兵は剣をベルトに戻した ……ガサッ! 「……っ!?」 「隠れろ!」 何かの物音がして、コンマ数秒の間を空けずに少佐の指示が飛ぶ 一等兵はそれに従い、近くにあった倒木の影に身を潜めた 「……今、誰か居た?」 姿を現したのは、マリだった リアユニット以外の武装を一切着けず、頭に一本のアンテナが立っていて、その先端には赤く光るビーコンが揺れていた……ちょっとマヌケな光景だが、妙に可愛らしい リアユニットのノインテーターは改造されているようで、スカートを構成するブレードが外されサブアームの手の大きさが倍以上に大きい……実質攻撃力が落ちていると思うのだが、何のために? 「う~……あー、もう! デメマダラばっかりでレーダー使えないじゃん!」 ……あのかわい……おかしな生物は『デメマダラ』と言うのか? ということは、小さいのはその幼生体だろうか 「まあいいや……お~い、こっちこっち!」 マリが出てきた方に向かって呼びかけるともう1人、ルイも姿を現した……こちらは頭の上にアンテナと青く光るビーコンが揺れている 「もう……姉様も手伝って下さい!」 ルイの方もマリと同じような改造を施されたニーベルングを背中に背負っていて、今はそのサブアームで何かを抱えている 「いいじゃん、ほら早くペレットこっち置いて!」 マリに誘導されるままルイはそれをUFOの球体部分の真下に置いた ……やはりあのUFOはただのギミックではなかったか……しかし、あれは何だ?…… 丈の短い円筒状で、中央に大きく『1』と書かれた赤い何か……マリが『ペレット』と呼んでいたな ……キュミミミ……キュポンッ! やや間抜けな音を立ててUFOが底部からペレットを吸い込んだ……これが、キャトルミューティレーションというやつか? 「……レーダーに反応が増えました、UFOの内部に反応が二つ!」 相手に聞こえないような小声で一等兵が報告する 「こちらのレーダーでも捕捉している、そのまま様子を見るんだ……相手は二人掛かりの上にどんな武装を持ち出してくるかわからん、下手に動けばやられるぞ」 「了解、このまま経過を見ます」 再び一等兵が視線を戻すと、UFOの頭頂部にあるプロペラが少しだけ早く回っていた ……ポポンッ! UFOの頭頂部から何かが2個射出され、それはゆっくりと降下して地面に落ち、土に埋まった ……遠目ではよく見えなかったが、なにやら葉の付いた植物の種子のようにみえたが…… 「あ! 姉様、芽が生えましたよ!」 しばらくすると、落着した地点から葉っぱのような物が生えた 「……んしょっ、と」 マリがおもむろにその葉の根本をサブアームで掴み、勢いよく引き抜いた ……ぐぐっ……ポンッ! またも間抜けな音を立て、マリは何かを引っこ抜いた 「きゃうっ!?」 マリが引っこ抜いた『もの』……それは……頭から一枚の大きな葉を生やした種型神姫ジュビジーだった まさか、相手はこうして戦力を確保するのか? 「じゃあこっちは私が……っと!」 「きゃん!?」 もう一つの葉はルイが引っこ抜く……こちらも同じようなジュビジーが抜ける ……あのUFOはジュビジーを増殖させるための装置なのか? 「……敵戦力が増殖する条件は、先程の『ペレット』と言うことか……」 少佐は自分と同じ事を考えていたようだ 「曹長、聞こえるか? ビジュアルデータを送る、ペレットを見つけ次第破壊しろ!」 「了解であります!」 ディスプレイは一等兵を追跡するカメラになっているから曹長の状態がわからないが、通信終了直後に銃声が聞こえたあたり、付近にペレットがあったのだろう 「……あの、わたしはどうしましょうか?」 相手の様子を見ていた一等兵が少佐に指示を要求してきた 「一度その場を離れてペレットを捜索、発見次第破壊しろ」 ……自分は物陰に隠れて機関銃で威嚇射撃、敵の警戒心を煽って増殖の進行を鈍らせる、という行動が最適かと思ったのだが指揮官は少佐だ、だから自分は何も言ってはいけない 「了解、この場を離脱します」 一等兵は気配を殺しながら木々に身を隠してその場を離れて森の中へ入っていった ……森の中は、混沌を極めていた 先程のデメマダラのみならず、珍妙な生物で溢れかえっていた 「……凄いです! この森は生命に満ちあふれています!」 一等兵……お前は何故そんなに楽しそうなんだ? 「気を緩めるな、速やかにペレットを探して破壊しろ。敵の増殖をくい止めるんだ」 はしゃぐ一等兵に少佐が檄を飛ばす 「はい、りょうか……あ! 発見しました!」 一等兵の目の前には複数のペレットがあった しかし先程見たような物だけではなく赤青黄の三色あり、そのペレットは背が高く葉のない茎で地面と繋がっていて、本体からは花弁が広がっている……まるで一輪の花が直接地面から生えているようだ 「それがペレットの本来の姿なのかも知れん、本体に狙いを集中させて破壊しろ」 「了解!」 一等兵が機関銃を構え、1つのペレット目掛けてトリガーを引いた 数発の弾丸がペレットに直撃、細い茎が激しく千切れ飛び、花弁は儚く散った……しかしペレットは残っていた……しかも無傷で 「……どういうことなの!?」 一等兵は驚きを隠せず、どうして良いかわからなくなっているようだ 「破壊できないなら、せめて奴らに見つからないように運び出せ」 少佐が次の指示を出し、一等兵がそれに従った……しかし…… 「……くうっ……お、重いです!」 ペレットは見た目以上に重いらしく、一等兵が力を込めても微動だにしなかった こんな物を奴らは運び出したというのか? 「あっ、姉様! 敵さん発見です!」 「やっぱりね、銃声が聞こえたと思ったらペレット狙ってたな?」 機関銃の音を聞きつけた二人に見つかってしまった 「先手必勝だ! 撃て!」 「はい!」 少佐の指示に一等兵が機関銃を構ようとする 「させないよ! 行けっ!」 一等兵の行動を予測していたのかマリの行動は一等兵が機関銃を構えるより早く、サブアームで何かを投げつけてきた 「なっ……むぎゅっ!?」 その何かにぶつかり、一等兵は地面に仰向けに倒れた 一等兵にぶつかったものは、頭に大きな葉を付けたジュビジーだった 「まだまだ行くよ! どりゃあっ!」 「それそれなのです!」 マリとルイは追い打ちをかけるように次々とジュビジーを投擲してくる……いつの間に数を増やしてきたんだ? 「むっ、むぐぐ……」 ジュビジー達の下敷きになり、一等兵が足をばたつかせて暴れるがジュビジー達はびくともしなかった ジュビジーの上にジュビジーが重なり、20人くらいが一等兵の上に乗ったとき、暴れていた一等兵の足がパタリと止まった 「お? やっつけたかな?」 一等兵の状態を確かめるためにマリが近づく ……ドガガガガガガガガガッ!! そこに降り注ぐ大粒の弾丸の雨、マリとルイは反射的にその場を飛び退いた 「うわっ!? あっぶないなぁ、もう」 「あの、姉様……ジュビちゃんたちが……」 一等兵の上から動かないまま弾丸の雨にさらされたジュビジー達はその大半がヴァーチャルの粒子になって消滅した 「やばっ!? 大損害だよ!」 マリは言うが早いか、どこからかホイッスルを取り出し、思いっきり吹き鳴らした 甲高い笛の音があたりに響き、残っていたジュビジー達がマリの側へ移動する ……ん? 今、マリのビーコンが強く光ったような? 「大丈夫でありますか!?」 ガトリングの掃射を終えた曹長が一等兵に近寄り安否を気遣う 「うぅ……ふぁい、らいじょうぶれす……」 一等兵はゆっくりと起き上がり、呂律の回ってない返事をした……自分には大丈夫に見えない 「……ルイ、ここはボクが引き受けるから、5人連れて増やしてきて」 「わかりました!」 二人の短い会話の後に、今度はルイがホイッスルを短く吹いた マリの物と音色が違う音に反応し、5人のジュビジーがルイの側に移動する ……気のせいか、ホイッスルを吹いた瞬間ルイのビーコンが強く光った 「すぐに増やしてきます!」 ルイが背を向けて走り出し、5人のジュビジーもそれに続いていく 「逃がすな! 撃て!」 少佐からの指示が飛ぶ、曹長はすぐにガトリングを構えたが、一等兵は先程ジュビジーをぶつけられた衝撃で機関銃を落としてしまっていたようだ 「させるかっ!」 ルイの背中に向けてガトリングを構える曹長にマリがジュビジーを投げつけた 「ぐあっ!?」 ジュビジーがぶつかった衝撃で照準がずれ、撃ち出された弾丸は周辺の木の幹を穿っただけに終わった 「次はこっち!」 マリが次のジュビジーを掴み、今度は一等兵目掛けて投げつけた 「……せいっ!」 ビシュッ! 投げつけられたジュビジーに対し、一等兵は鞘から剣を抜いて逆袈裟に切り払った ジュビジーは銅を斜めに切断され、ヴァーチャルの粒子になって消滅した ……先程から思ったが、ジュビジー自体には攻撃力も耐久力もほとんど無いようだ 通常の神姫ならば多少の射撃や斬撃では戦闘不能にならないのだが……どうやらこのジュビジー達は攻撃、耐久ともに最低値以下に設定してあるようだ 「……っ! この!」 曹長がジュビジーを振り払い、ガトリングを放棄してサブマシンガンをマリに向ける しかし、それもまた投げられたジュビジーによって照準を狂わされた 「このままでは時間を稼がれてしまいます」 「分かっているであります……しかし……」 「……ほら、仕掛けてこないの?」 三人は距離を開けてにらみ合っていた 現在マリの後ろにはジュビジーが7人、そしてノインテーターの腕に掴まれているのが2人 攻撃準備動作に入った瞬間にマリはジュビジーを投げつけてくる マシンガンを構えるより早いその攻撃は、不要なダメージを受けるどころか弾の無駄撃ちも引き起こしてしまう 「……わたしが仕掛けます、援護お願いします」 どうやら一等兵に何か考えがあるようで、剣を握り直して下段に構えた 「……行きます!」 一等兵がマリに向かって駆けだし、その後ろで曹長がサブマシンガンを構えた 「来た! くらえっ!」 マリが右サブアームのジュビジーを投げる……目標は一等兵 「そこっ!」 曹長がサブマシンガンを構え、トリガーを引いた 「させない!」 マリは自分に向けて撃ち出された弾丸を空いた右サブアームで防御する……しかし、曹長の狙いはマリではなかった 「きゃうぅっ!」 マリの左サブアームに掴んでいたジュビジーが悲鳴をあげた 「…!? しまった!」 左サブアームに掴んでいたジュビジーがヴァーチャルの粒子になって消えた その間に一等兵が投げつけられたジュビジーを切り払い、さらにマリの後ろで待機していたジュビジーを次々と切り捨てていった 「くっ、この!」 マリが空いたサブアームの拳で一等兵に殴りかかるが、手の大きさのせいで大振りになってしまい、易々と回避されてしまう 「食らうであります!」 その隙に曹長がサブマシンガンで残りのジュビジーを掃討する わずか数秒の内にジュビジーは全滅した 「ぐっ……ちくしょー、ジュビジーが全滅した……こんな時は!」 マリの次なる行動に備えるため、一等兵は剣を、曹長はサブマシンガンを構え直した マリがその場にしゃがむ、するとビーコンの発光色が赤から白に変化した 「……勇気ある撤退だ!」 突如ビーコンからまばゆい閃光が放たれ、モニターが白一色に包まれた 視界が戻ったとき、すでにマリは姿を消していた 「……逃がしたか……すぐに探せ! まだ遠くへは行ってないはずだ!」 「了解!」 「了解であります!」 少佐の指示に、2人はルイが逃げた方向へ走り出した……おそらく、ジュビジーが全滅したマリはルイと合流するだろうと予測した上での行動だろう 「……えっしょ、えっしょ……」 「…………」 「…………」 ……2人は、途中でペレットを運んでいるジュビジーを発見してしまった 驚きな事に、一等兵がどれだけ力を込めてもピクリとも動かなかったペレットをジュビジーはひとりで運んでいる 一歩進むごとに頭の葉がユラユラ揺れてなんともかわい……いや、この状態はどう判断したものか ここでジュビジーを撃てば、マリとルイに気づかれないように敵の増殖を遅らせることができる しかし、このままジュビジーを歩かせれば2人がいる地点にたどり着くかもしれない 「撃つなよ、そいつを泳がせれば敵の本陣に着くかもしれんからな」 少佐の判断は後者だったようだ 指示を受け、2人は少し離れた後方からペレットを運ぶジュビジーを観察することにしたようだ ……ドスッ、ドスッ、ドスッ…… しばらく観察を続けていると、デメマダラが2人の横を通り抜けて行った……やはり、2人には興味を示さなかった ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ……グルル…… デメマダラがジュビジーの真後ろで歩みを止め、低く短く唸った 「えっしょ、えっしょ……」 ジュビジーはデメマダラを気にせずにペレットを運び続けている ……グルルル……パクッ 「きゃあっ!?」 「あ……?」 「えっ……?」 ジュビジーの短い悲鳴が響き、2人が素っ頓狂な声を上げた ……ジュビジーがデメマダラに食べられてしまったのだ まず上半身を大きな口にくわえ、もがくジュビジーを気にせずに上を向いて丸呑みにした ……グルル…… ジュビジーを飲み込んだ後、デメマダラは再び短く唸ってから周囲を見回している …………ドスッ、ドスッ、ドスッ…… そして再び歩き出す……気のせいか、先ほどまでジュビジーが向かっていた方向へ進んでいった ……デメマダラが去った後には、ペレットだけが残っていた…… 「……手掛かり、食べられちゃいましたね」 「……そうでありますな」 いきなりの事態に2人は困惑しているようだ 「……あー……どうしたものか」 少佐まで呆気にとられてしまったようだ 「……と、とりあえずデメマダラを追え! 奴はジュビジーのみを捕食対象にしているのかもしれん」 「了解!」 とりあえず少佐が出した指示に一等兵が返事をする……しかし、曹長は首を傾げていた 「……デメマダラ……?」 そうか……あの時曹長はいなかったから、あの生物の名前を知らなかったのか 「先ほどジュビジーを捕食した生物の名前だ。マリがそう言っていた……今すぐ追え!」 「なるほど……了解であります!」 ……2人がデメマダラの向かった方向へ進み、しばらく時間が経過した 既にデメマダラを見失っており、2人はただ歩を進めているだけだった 「……しっかし、やたらと広い森でありますなぁ……軍服を森林迷彩に着替えれば良かったであります」 「うぅ……機関銃を無くしてしまうなんて……軽いサブマシンガンにすれば良かったです」 行けども木々ばかりで気が滅入ってきたのか、2人の声は気弱になっていた 「反省会は後でしろ、今は戦闘に集中するんだ」 少佐のヘッドセットを借り、自分が2人に言葉をかける 「……そうだな、一度2人とも拠点に帰投してはどうだ? 今の装備では心許ないだろう」 後ろの少佐に振り返りながら2人に提案をする……少佐も頷いているから、反対ではないらしい 「……そうですね、さっき少し戦って思ったのですが……マリさんが本気を出したら剣1本では立ち向かえないと思いますので、一度装備の補充に向かいます」 「自分は着替えと弾倉の補充、それとミサイルランチャーを取りに戻るであります……今の武器では、ペレットすら破壊できなかったのであります」 2人の意見を聞き、少佐にヘッドセットを返した 「よし、2人とも拠点への帰投を許可する」 少佐の言葉を受け、2人は拠点へと歩を進めた…… 戻る 続く
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/825.html
『"NOTRE-DAME" MARIE DE LA LUNE vs "ZYRDARYA" LALE SAITO』 仮想バトルフィールド上空に、文字が映し出された。 そしてその文字の横に数字が現れてバトルの開始時間をカウントダウンし始める。 「えっと、とりあえず、何したらいいのかな?」 私は目の前のクレードルで眠るマリーに聞いた。彼女の意識は今、筐体の中の電脳空間にいるのだけど、不思議なことに返事は現実の、クレードルの中のマリーから帰ってくる。 「まずはウォードレスを展開させてくださいませ。そうすればあとは私が美しく戦ってみせますわ」 「そっか。頑張ってね、マリー」 「はいっ」 マリーは目を閉じたままにっこりと笑った。 カウントダウンは最後の十秒を切る。電子音と一緒に数字はどんどん小さくなっていった。 開始三秒前、上空の文字は『READY』に変わる。 「いきますわ、のどか様」 私は軽く頷く。そして数字はゼロを示した。 「マリー、ウォードレス展開!」 そう言うと、マリーのドレスの裾のディティールが伸びて、前面ののこぎりのような形をした二本が、自由に動くライトセーバーのように、その他は小さな砲身を現して追撃用の機関砲になった。マリーはかなり可愛いものを選んだと思っていたけど、実際に展開したものを見ると意外とかっこいいものだ。 同時に相手は右手のポーレンホーミングを放つ。ハンドガンだというのにその弾は弧を描いて一つ一つがマリーを追う。その間にラーレはマリーとの間合いを詰めた。 マリーは飛びながらポーレンホーミングの弾を避けようとした。けれども高い誘導性能を誇るその弾は進行方向を百八十度変えてなおマリーを追った。そこへ猛スピードで間合いを詰めながら剣を構えるラーレがマリーの視界に入る。 「速いですわ」 関心しつつもマリーはウォードレスの機関砲をホーミングの弾へと向けて放った。そして両手で傘を持ち、ラーレの剣を受け止める構えを取った。 機関砲から発せられた弾幕は見事にポーレンホーミングを全て打ち落とし、とりあえずマリーは背後からの脅威から解放された。しかし次の瞬間、甲高い金属音と共にマリーとラーレは初めてお互いを至近距離で認識し合う。 「いいドレスですね」 鍔迫り合いをしながらラーレが言う。 「ありがとうございます。あなたのその銃も面白いですわ」 マリーがそう言い返すとラーレは不敵に笑った。 ††† カトー模型店の扉が開き、男が一人、入る。 「こんにちは、カトーさん。なんか盛り上がってますね」 「やあ、時裕君。今ね、のどかちゃんが戦ってるんだよ」 「あいつが?へえ、相手は?」 「斎藤香子ちゃん」 「...うちの妹に嫌がらせですか」 「いやいや、丁度女の子同士でいいと思って」 「のどかに香子ちゃんは倒せないでしょう。だって彼女は」 「それが結構頑張ってるんだよ、のどかちゃん」 「まだ香子ちゃんが手加減してるんじゃないですか?」 「そうだね...まだ"チューリップ"を使ってないところを見ると...」 「この店のオリジナルウェポンをあそこまで使いこなせるのは彼女だけですよ」 「うれしいことだねえ」 「ああ、哀れかな我が妹よ」 「君は本当にのどかちゃんのことが好きなんだな」 「そりゃあもう。アーニャの次に」 二人の男は再び視線を筐体に戻す。 ††† 数回、斬りあった後、ラーレはうしろに退いて、広めの間合いをとった。そしてまたポーレンホーミングを打つと、今度は腰から先にチューリップを模した飾りをつけた棒を取り出す。マリーは打撃系、もしくは投擲系の武装だと思って、傘をソードモードからライフルモードに構え直した。先のような急速接近で瞬時に懐まで迫らせないようにするためだ。 ポーレンホーミングから放たれた高誘導弾は例のごとくマリーのドレスに打ち落とされる。恐らくラーレはポーレンホーミングを決定力のある装備ではなく、間合いを取ったり、対戦相手を自分の思う場所に誘導するための補助的な装備であると考えているだろう。 手に持った棒を、ラーレは器用に片手でクルクルと回す。ジルダリアのスレンダーな体型も味方して、その姿はバトン競技のトッププロのようだ。 「今日が初めてのバトルのあなたに、こんな仕打ちはひどいかもしれませんが...マスターの記録を更新するために、全力で勝たせていただきます」 「光栄ですわ」 そう言ってラーレは回すのを止めた。そしてユピテルが雷を放つように、その棒をマリーに向かって投げた。 「ジャベリンですわね」 マリーは当然のようにそれを避けようとしたが、その前に飛んでいる棒の先のチューリップが開き、そこからさらに何かが発せられる。霧のようなそれは僅かにマリーの足に付着した。 乾いた音をたてて棒は着地した。その様子を見届けてラーレはまた手に剣を握る。 「さっきのは一体なんなんですの?」 「すぐにわかります」 二体の神姫は再び剣による近接格闘戦を始めた。マリーは傘で攻撃しつつも、ドレスで細かく間合いを取り、ラーレも主となる攻撃は剣であるものの、ポーレンホーミングを巧く使い見事に隙を埋める。単純な斬り合いのように見えるが、実際は双方が一瞬の隙を伺い合う頭脳戦であった。 しかしそれがしばらく続いたあと、マリーは異変に気づいた。足の動きがだんだんと鈍くなっていったのだ。sそれもさっきの霧のようなものが付着したあたりから。 「これは...?」 「効いてきたようですね。あの杖――トライアンフは麻痺性の液体を高圧噴射するものです。こっちのフレグランスキラーと違ってあの杖は遅効性。ゆっくりと、気づかないうちに機能を停止させるのです」 ラーレが説明する間も、非常に遅いスピードで、しかし確実にマリーの足は動きを遅くしていった。 『マリー!大丈夫!?』 「大丈夫ですから、のどか様は今と同じ指令を続けてください」 『左だよっ、マリー!』 気がつかないうちに、気づけない間にラーレが放った最後のポーレンホーミングの弾がすぐそこまでマリーに迫る。咄嗟にドレスの機関砲を向けたが、間に合わなかった。七発中の二発がマリーに直撃し、マリーの体が飛ぶ。胸元の赤いリボン状のディティールが煤けた。 「んっ...」 初めてマリーが苦痛の声を上げた。 『ねえ、もう止めようよ!もう少し強い装備にしてからまたやればいいからっ!』 「それは...ダメですわ...」 『マリー...』 「わたくしは人形型武装神姫。この姿で勝てるようにならなければ意味がないのですわ!」 マリーは再び立ち上がった。足はすでにただ体重を支えるだけの棒となっていたがなんとかバランスをとって傘を構える。 「...次が最後ですね」 ラーレが言う。彼女もまた剣を構えた。 その数秒後、ラーレが風を斬る。 ――ほんの刹那の後、ラーレの剣の切っ先はマリーの首筋に迫っていた。 ††† 「えっ?神姫バトルを始めてからずっと無敗だった!?」 香子ちゃんは静かに頷いて、彼女の肌理細やかで白い頬がうっすらと桃色に染まる。私はそんな仰天事実に開いた口が塞がらなかった。 「カトーさんの勧めで始めたんですけど...」 「そう。一戦目からずっと負けなし、四十七戦連勝。この店のオリジナルウェポン"チューリップ"を使いこなす戦い方は毒を持つ可憐な花そのもの。いつしか『プリンセス・オブ・ワイトドリーム』の通り名で呼ばれるようになった俺たちのアイドルだ!」 私と香子ちゃんはその声の主のほうへ顔を向けた。いや、私はその声が誰のものかわかっていたのだけれど、あまりのバカっぷりに向きたくなくても向いてしまったのだ。まわりで同調してる男の子たちもちょっとアレな感じだけど、こんなバカなことを堂々と言えるのはお兄ちゃんだけだろう。 「いつからいたの?」 「お前が負けそうになってたころから」 お兄ちゃんの肩に乗ったアーニャがお辞儀をした。 「あ、あの...のどかさんと時裕さんってお知り合いなんですか?」 香子ちゃんは私とお兄ちゃんの顔を交互に見て言う。その様子が少しおどおどとしていて、私は不思議に思った。 「うん、知り合い、兄妹。ていうか、香子ちゃんがお兄ちゃんの名前知ってるほうがびっくりだよ」 「そりゃお前、俺は香子ちゃんファンクラブ(ナイツ・オブ・ワイトドリーム)の会員ナンバー一番だからな。当然だろ」 「よかった...」 『よかった』...?えーと、この何気ない彼女の言葉からとてつもなく危険な香りがする。 それだけはダメな気がする。なんというか、香子ちゃんの将来的に。 とりあえずお兄ちゃんのほうに警告しておこう。 「ダメだよっ!妹と同級生の娘に手を出すなんて、大人として!」 私はお兄ちゃんの耳元で小さく言った。お兄ちゃんは何のことだ、という顔をしたのでそれ以上は何も言わなかった。 「しかし、俺は悲しいぞ、妹よ。そんな我らのアイドルをあんなふうに倒してしまうなんて。お前は香子ちゃんが可哀想だと思わんのか」 「いえ、負けは負けですし、私も調子に乗ってたんです。それにマリーさんはとっても強かったです」 香子ちゃんの制服のポケットからラーレが顔を出してそう言った。 ††† ――確かにラーレの剣の切っ先はマリーの喉に迫ろうとしていた。 しかしそれはあくまで迫ろうとしていたのである。 数ミリ手元を動かせば切っ先は間違いなく突き刺さる位置ではあったが、ラーレはそれ以上動けなかった。彼女の腹にはマリーの傘の先がピッタリと、一ミリの隙間もなく触れて、さらに両脇を、二本のクワガタの角のようなウォードレスの武装が挟み込んでいたからだった。 「少し、手元がブレましたわね」 マリーが言った。 ††† 「人形は少しも狂いのない精密な造りであって初めて、価値があるのですわ」 マリーが私の頭の上をふわふわと浮きながら得意気にそう答えた。 「うむ、素晴らしい。それでこそ人形型武装神姫ノートルダムだな」 「細かい設定と調整はみんなお兄ちゃんでしょ」 「だから素晴らしいって言ったんだ」 私は深くため息を吐いた。お兄ちゃんの無駄に自信満々な言葉に呆れたのもあるけれど、それをキラキラと輝く目で見つめる香子ちゃんにもちょっと呆れたからだ。 「さて、のどかちゃん、マリーちゃん。どうだった初めてのバトル、しかも勝利の味は?」 カトーさんが私たちにそう尋ねた。 私はマリーの顔を覗く。彼女もまた私のほうに顔を向けた。 「楽しかったですわ」 「そうだね、楽しかった」 それはよかった、とカトーさんは笑った。 「香子ちゃん、今度またバトルしようね」 「ええ。次は負けませんよ」 作品トップ | 前半
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1886.html
「……なんでお母さんがここにいるの?」 龍ノ宮大学武装神姫サークル主催バトルロイヤル大会当日 私とレイア…と、なぜかいるお母さんと桜さんはA教場の1スペースに集まっていた 「なんでって~桜から報告を受けたから是非とも愛娘の雄姿を見に行かないとなって~」 いやいや、ちょっと待ってよ こんな簡単に部外者を通してもいいの? 「大丈夫ですよお嬢様。理事長、龍ノ宮 吟璽朗氏に許可をいただいております。それに、この大学と鳳条院グループは電子機器、実験器材等の搬入の契約を結んでおりますので社長と私は関係者扱いなんですよ」 こ、細かい説明ありがとう桜さん… 「というか桜さん…お母さんに話したらこうなっちゃうんだから…」 「いえ、それは私も重々理解はしておりましたが…その…」 「………桜さん?」 「私もお嬢様と若様の雄姿となればぜひ拝見してみたく思いまして…;」 さ…さくらさぁん… 「それにしても…明人や香憐ちゃんたちは?」 いま私たちがいるのはボックス型のブーススペース 1スペースに4~5人くらい入れる個室仕様になっている 今大会では三つの教場を使いそれぞれの個室スペースからノート型パソコンを媒体にネット接続でのバーチャルバトルとなっているみたい ブースの場所はくじ引きでランダムだから兄さんたちがどこのボックスからログインしてくるかはわからない これはマスター同士が直接お互いの神姫の現在位置を知らせることはできないようにするための使用になっている 「つまり…一刻も早くノアちゃんたちと合流したほうがいいのよね?」 と、お母さんがレイアに問いかけた 「はい。近くまで行けば簡易ステータスのシグナルが表示されますので」 レイアがそうはいったものの…バトルステージが半端なく広いのでシグナルが表示される距離となるとすぐには見つからない 逆にいきなり集団からの袋叩きにあっちゃうことはなさそうなんだけどね 『参加者の皆様にお知らせします。開始まであと15分となりました。なお、今回の大会は公平性を保つため主催の神姫サークルに代わりまして我ら、プログラミング研究会がシステム全体を統括させていただきます。私はプログラミング研究会 会長、高町 つかさと申します。本日はよろしくお願いします』 「あ、高町先輩…」 「ん?はづちゃんのお知り合い?」 「うん、高町先輩は今居先輩の親友だから…」 今回の件、今居先輩は私を強制的に引き込むことに反対していた むしろ私のことを心配してくれてどうにかできないかと力になってくれていた いつの間にか今居先輩とは結構親しい仲になっていたようにも思う 先輩自身おとなしい人だから自慢なんかしたこともないけれど、データ解析、分析能力、状況判断は鷹千代ちゃんをファーストクラスにしただけのことはあると私は思う 今では私の尊敬する人の一人となっていた 「では御主人様、セットアップを…」 「うん、頑張ってねレイア!」 「…はい!」 さぁ、いよいよ始まる 相手は150もの大群 でも私たちは一人じゃないということがこれまでにも心強いのかと思い知らされる 昴兄さん、ランちゃん 香憐姉さん、孫市ちゃん アルティさん、ミュリエルちゃん 綾川さん、冥夜ちゃん 今井先輩、鷹千代ちゃん ノアちゃんにミコちゃんにユーナちゃん そして…兄さん 私とレイアに…力を貸して!! 『システムセットアップ。基本データアップロード。武装選択は登録済みのモノを使用、タイプ『α』。セットアップ68%完了…』 ご主人さまに「頼んだぞ」と言われ、媒体となるパソコンに接続したクレイドルで目をつぶった私はサポートシステムの声を聞きながら戦場に立つ準備を行っていた 「おまえは単独行動したとしても…まぁ素人ぐらいなら十人程度同時にさばける…どうだ?」 まぁ、できないこともないですけど… 結構しんどいんですからね? 「お前の力をそれだけ買ってるんだ。頼りにしてるんだよ」 またまた… そんな台詞で私をくすぐる… 「ノア…」 そんな目で見ないでください… そんな目で見られると、私が逆らえないって知ってるくせに… 目を閉じている間にも浮かんでは消えるあの人の顔 惚れてしまったものの弱みというか… ご主人さまに…その…魅かれているという自覚はあった けれど特に最近の私はおかしいのかも知れない 何故…何故なのだろうか… 「…さ……どの……大佐殿!!」 私の後頭部から聞こえた声にハッとなる 私はすでにセットアップを完了して湿地帯立っていた 「大佐殿、お気を確かに!?」 さっきから私を呼んでいたのは翠影だったようだ 「え、えぇ…ごめんなさい、大丈夫よ翠影…」 「大佐殿!…良かったであります…いかがなされましたか?」 「あ、いや…ちょっと考え事を…」 戦闘前に御主人様のことを考えていたなんて…いえな… 「へっ!旦那の事考えてて色ボケてたとかいうんじゃねぜぞ?」 あぐ!? 「何言ってるのよ黒陽…ノアにかぎってそんなこと…ねぇ蒼騎?」 うぐぐ… 「ふ、しかし白菊よ、もしそうであったら我が姫君も中々に御可愛らしいと思わんか?」 な…何も言い返せないぃ…… 「大佐!?お顔が赤い用ですが何故…」 「な、なんでもないわ!それより翠影、索敵はどうしたの!?」 「むうぉ!?了解(ヤー)であります大佐!!」 こうして私の戦いは湿地帯のフィールドから始まった 試合開始より00:12 現在脱落者000名 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/643.html
手織り、羽織り、慈しみを込めて “♪梅は咲いたか、桜はまだかいな”等という詩もあるが、暖冬傾向が 進んだ2037年現在は、冬は短い物である。東京ともなれば尚更だ。 という訳で折角の冬服も出番が多少減ってきた今日この頃である故に、 HVIFと私用の春物衣装を買い、私・槇野晶はアキバに帰ってきた。 「うむ、今日も可愛い服がいろいろあったな……今帰ったぞ、茜!」 「あっ!おかえりなさい、お姉ちゃん。うんと、えと……収穫は?」 「見てみるといい。今年の春物新作は、可愛らしくも動きやすいぞ」 最初に出迎えてくれたのは、住居フロアで編み物をしている茜だった。 そう、今日はアルマの“HVIF当番”の日なのだ。人前に出る行為を 率先して行わないアルマ……茜は、当番の日を部屋で過ごす事が多い。 無論買い物などで必要なら出かける事もあるがな。それにしても……。 「にしても茜や、お前は家庭的な事をしている雰囲気が似合うなぁ」 「ほ、ほえっ!?なっ、何を言ってるんですか、お姉ちゃんッ!?」 「いや、“姉”の私が言うのもなんだが……本当に、似合ってるぞ」 落ち着いた色合いのジャンパースカートを身につけて、毛糸と編み棒を 手に楽しそうに何かを作る、あるいはエプロンをまとって台所に立つ。 元より神姫に備わる“創造性”という物を確信する私ではあるのだが、 こうして楽しげに何かを行う茜を見ると、その実在は一層確信出来る。 HVIFの可能性を垣間見る一コマとも言えるが……それ以前にッ!! 「そ、そんなぁ……お姉ちゃんに言われると、恥ずかしいです……」 「……くぁぁぁぁーッ!?た、たまらんっ!!茜、可愛いぞッ!?」 金砂の髪を揺らし、白い頬を染めて照れる……紅蓮の眼を持った少女。 “神姫”だという意識はもちろん私の中にある。だが、だからこそッ! “殻の躯”から“肉の躯”に転じた時のインパクトは、未だに高い!! たまらず私は茜を抱きしめてやる……こら、貴様見るなあっち行け!? 「……マイスター、昼間からドキドキしすぎなんだよ?」 「きゃああっ!?はえ、え……い、一体いつからっ?!」 「しょうがないですの、インターフェイスですからっ♪」 「え゛!?ろ、ロッテにクララ……今まで何処にいた?」 ……貴様の所為で、ロッテとクララに見つかったではないかッ!? こほん、それはともかくだ……彼女らは“ちっちゃい物研”謹製の 洋風クレイドル……またの名を神姫ハウスだ……から、出てきた。 その両手には“フェンリル”と、“斬鋼糸”を改良した“ヘル”。 どうやら、隣にある専用トレーニングブースで特訓していた様だ。 「……いつからって、最初っからだもん。ね、ロッテお姉ちゃん」 「はいですの。マイスターが帰ってきた時から、ず~っと……♪」 「う゛、うあぁぁぁぁ……声くらい掛けてくれぬか、頼むからッ」 顔から火が出そうな程、私は真っ赤になる。茜の方は、茹で蛸も同然。 対してクララは普段通りの冷静さ、ロッテは愉快そうに微笑んでいる。 完全にしてやられた、という事か……だが、本心故どうしようもない。 だからこそ……私はそっとロッテとクララも抱き寄せて、懐に包んだ。 「マイスター?なんでわたし達まで抱きしめちゃいますの~?」 「……だって、インターフェイスの茜にだけする事ではないぞ」 「ロッテお姉ちゃん笑ってる。ひょっとしたら確信犯なんだよ」 そう言うクララも、僅かに微笑んでいる。これは……ヤキモチなのか? “神姫の心”が人と変わらぬ物である以上、そういう感情は当然ある。 そう、HVIFを使っている茜もまたこうして、私の背中に……って! 「うわああっ!?茜何をしてるかっ、背後から、そのっ!」 「……お姉ちゃん、あたしだっているんですからね……?」 柔らかい感触を、背に覚える。“殻の躯”でも撫でたりする時は、 緊張する部位だがこう私と変わらぬサイズになってるとなぁッ!? その後、茜を皆で宥めて離れるには三分ばかりを要した……ふぅ。 「でも、アル……じゃない、茜お姉ちゃんは帰りを待ってたんだよ」 「なんだと、クララ?何か私、忘れ物でもしていたのか……茜や?」 「え、ええっと……今日の成果を、お見せしたいなって思って……」 そう言うと茜はごそごそと紙袋から、一つの人形を取り出して来た。 それは可愛らしいクマの編みぐるみ……をくっつけた、ストラップ。 神姫の“殻の躯”では作れぬ、とは言わないが重労働なのは確かだ。 真直堂みたく、複数人の神姫で一斉に作るという訳にもいかんしな。 そう言う意味でも、HVIFの利点がまた一つ分かった。良い事だ。 「……これは、茜が作ったのか?その編み棒と毛糸を使って」 「後、市販のストラップと綿にビーズも……楽しかったです」 「ありがとうな、茜。楽しい事とはいえ、私の為になぞ……」 あ、という息を呑む音が聞こえる。私が、彼女の手に口を寄せた為だ。 流石に正面切ってキスが出来る程、私は開けっぴろげな性格ではない。 だが感謝の心は示したかった。それ故に……こういう妙な行動となる。 自分でも笑ってしまうが、誠意だけは何時でも大事にしたかったのだ。 余談だが茜の、白魚の様な指は……とても滑らかで清く、暖かかった。 「──────ま、まままま……じゃない、お姉ちゃんッ!?」 「さあ、夕食を作るぞっ!茜や、手伝ってくれぬか?その後で」 「え、ええっと……あ、そうですね、お洋服!……喜んでっ♪」 ──────姿形は違っても、心通わせれば、全てが楽しいよね。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/112.html
イーダ様のお部屋mk-2(仮) イーダ様?イーダ様の来歴 イーダ様の設定あれこれ イーダ様のお人柄 イーダ様の基礎ステータス イーダ様の信頼に応える-固有RA「スリルドライブ」- ゲーム中出会うイーダ様のマスター イーダ様のお部屋mk-2(仮) 武装紳士の諸君、イーダ様の紹介ページ(裏)「イーダ様のお部屋(仮)」へようこそ!! このページではイーダ様に関する雑学や、主にデータ関係を取り扱っている表ページには長ったらしくて載せれないような内容などを主に扱っていく(予定)だ! 単に迷い込んでしまった、ボクはデータが見たいんですという紳士は、こちらの出口から戻るといい。>イーダ イーダ様? し、紳士よ!そ、それを聞いてしまうのか!? …そうだな、神姫の世界に足を踏み入れたばかりの紳士も居ないとは言えんな…。 よし、ここでは、イーダ様についての情報を述べる。どちらかと言えば雑学、トリビアの類だ。必要ないと思った紳士諸君は飛ばした方がいいだろう。 イーダ様の来歴 イーダ様はフィギュアとしては「武装神姫シリーズ第7弾フルセット」でアーク型と一緒に登場した神姫だ。 なお参考だが、アルトレーネが11弾、エウクランテが5弾、ハウリンが2弾だ。少なくともフィギュアにおいては最近の神姫とは言い難い。 そうそう簡単には会えないだろう。 なお、最近再生産が行われている。イーダ様に限った話ではないが、以前の神姫であってもこのように何らかの形で再販されたり、地方などのおもちゃ屋にひっそり残っている場合もある。 フィギュアに関して言えば欲しい神姫がいるのなら、情報収集を欠かさないこと、そしてあきらめないことが重要になってくるだろう。 イーダ様の設定あれこれ 設定についてだが、「OSY010 オーメストラーダ製ハイマニューバトライク型MMS イーダ」というのが型式番号を含めた名前だ。 「イーダ」という名は「韋駄天」からとられている。これは武装各所のマーキング「YDA010」からもわかる。「イーダ・テン」というわけだ。 他にも 武装「エアロヴァジュラ」→「ヴァジュラ(密教仏具・金剛杵のこと)」 バトルロンドでのスキル「ドゥルガースレイ」「ヴリトラリバーサル」のように仏教・インド神話系からとられた関連用語は多いぞ。 次に「ハイマニューバトライク」だが、これは直訳すれば「高運動性三輪」になる。専用RA「スリルドライブ」の時の姿が「トライクモード」のイーダ様だ。 あのトライクは「ヴィシュヴァ・ルーパー」と言う名だ。この名はヴィシュヌ神の別名で、「あらゆる姿を持つもの」「全知全能のもの」の意味がある。 正確には「ヴィシュヴァ=全て(森羅万象などと同じ意味)」、「ルーパー=色(色即是空の色と同じ意味)」だ。 前方に2輪、後方1輪の形状のトライクだが、これを上から見るとちょうど「Y」の字になるようになっているぞ。 +ここだけの話だが… …ちなみに、「武装神姫最貧」と言われてしまっているらしいが、実を言えばsmall素体以外でも胸が薄い神姫自体は少なくはない。…ただしそのほとんどは武装胸状態での話だ。例としてはフィギュアでのウェルクストラ、ゼルノグラード、エスパディアあたりが文字通りの装甲板・絶壁である。 しかし肌そのものが見えていてなお、胸が薄い扱いをされるのはイーダ様ぐら<通信が途絶しました> イーダ様のお人柄 さて紳士諸君!表の部分にもいくらかは書いてあるのでイーダ様の性格などについてはそちらを見るといいだろう! イーダ様は自身の力に絶対の自信を持っておられる。華麗な戦いを望むのはイーダ様にとっては「勝利など当然のこと」だからだ。 それ以外にも、諸君らマスターにイーダ様が求めるものは多いだろう。 しかし、少々怒られたぐらいでひるんだり挫けてはならない。 イーダ様がしたいのは「マスターいびり」ではないからだ。イベントを進めていけばわかるが…これ以上はネタバレになってしまいかねないので控えよう。 とにかく、イーダ様の求めるものに応えることのできるマスターになった時、諸君らはイーダ様にとって自慢のマスターとなりえるだろう。 イーダ様の基礎ステータス 紳士諸君!まずイーダ様は素体LP300という、大変お体の弱いお方であらせられる…これは今作の神姫の中でも断トツで低い値だ。 だからこそ、だからこそだ紳士諸君!! 諸君らはイーダ様のお体に傷一つ付けないように慎重なバトルをする必要がある! 具体的にはターンやステップ等の考えうるあらゆる回避手段を駆使するのだ!! また、イーダ様は「大剣」「ライフル」のアビリティをお持ちである。 逆に「ロッド」は苦手であらせられる。 イーダ様の武器選択の参考にしてほしい。 なお、イーダ様のライドレシオがMAXになると「防御力」「武器エネルギー回復速度」「スピード」に補正がかかるぞ。 イーダ様は華麗な勝利をお望みである。勝利が当然の彼女にとって、無様な勝利など耐えられない、というわけだ。 高機動トライク型の名にふさわしい、華麗なバトルを心がけることだ。 イーダ様の信頼に応える-固有RA「スリルドライブ」- さて紳士諸君!諸君らの働きがイーダ様に認められ、彼女にとっての「理想のマスター」となった暁には、諸君らはイーダ様専用RA「スリルドライブ」を扱えるようになる。 このRAの詳しい説明は固有レールアクションを参照するとして、これを使う時の武装などについて説明させていただこう。 イーダ様のイベントの前半をこなすことで「スリルドライブ」が、その後追加される後半イベントをこなすことで「スリルドライブEX」が使えるようになる。 それぞれ固有のランク5、ランク7の装備を必要とするが、最強のイーダ様を決める「イーダクィーン」にしっかり出場し、なおかつ諸君らが戦いを繰り返し場数を踏んだマスターであるなら必要な武装はショップで購入ができる。安心するといい。 武装時のパラメータ・スキルなどは表のページの「固有武装装備時ステータス」を見てくれるとありがたい。 固有武装装備時にはヘッド、ボディ、シューズ、リア、アクセサリ枠1つを必要とする。武器の指定はないので諸君らの好きな武器を使うことができるし、武装制限杯の影響を受けることもない。 しかし、このタイプのRAの常として、持っている武器の攻撃力にRAの威力が依存する。 間違っても攻撃力の低い武器しか持っていない、それどころか素手の状態で使用して「あれ?このRA弱いじゃんかよ」などと言ってはならない! それはマスターのミスである!! ゲーム中出会うイーダ様のマスター 紳士諸君!ここでは、ゲーム中に登場するイーダ様達とそのマスターについて述べていこうと思う。 …が当然のようにネタバレの嵐になるであろうため、あくまで予定の段階であり、予定のまま消える可能性もある。 ご了承いただきたい。 <改装中>