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正義の味方 ◆0UUfE9LPAQ 変わらずファイルを見つけた棚の前、約束の時間まで後13分。 火憐さんのところまで行かないと。 あれ…そういえば 「火憐さんには見せないつもりだけど」 万が一このファイルを見られたらどうしよう。 僕のページは別に保存してある。だからそれを見られる心配は無い…けど。 「僕一人だけのページが無かったら疑うよな…」 あえて確認してなかった僕のランダム支給品ということにしようか。 それなら僕のページが無くてもそこまで言われないだろう。 「でも僕以外にも見せちゃいけない…というか見せられない人がいっぱいいるし、いっそのこと危険人物のページは全部取ってしまおうか…」 さっき見た零崎一賊のページと他にも危険そうな人が載っているページを丁寧に引き千切る。殺したくなってっくるな… さすがに何枚もポケットに入らないな…出てくる心配はあるけどデイパックの中に入れよう。 いっそのこと棚から適当なファイルを引っ張り出して中身を入れ替えようか、間違えないように違う色のものの方がいいな。 これでいいかな…中身は「怪異の王 キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード研究レポート」どれどれ、ページを捲る。 へぇ、吸血鬼のことなのか…火憐さんのお兄さんのこともあるし、ついでに中身も持って行こうか。 …よし、作業は全部済んだ、後は火憐さんのところに行こう。 ~~~~~ 「やあ火憐さん。とりあえず戻ってきたよ」 「お、お帰り。宗像さん」 時間は6時5分前。何もせず待つには微妙に長いので簡単にお互いの成果を報告し合う。 「私はこれとこれかな。宗像さんはどうだった?」 火憐さんが持ってきたのはDVDと一冊の本。DVDは後で見るとして、本は「よく分かる現代怪異」…怪異か。 さっきのファイルの中身を持っててよかった。ここであの参加者名簿を見せるわけにはいかないし何の成果も無しというのは言いづらいからね。 「僕はこれしか見つけられなかったよ」 そう言ってファイルを見せる。 「ふーん、そうか。じゃ早速DVDを確認するか」 そう言ってDVDコーナーへ向かおうとする火憐さん。 放送が間もなく始まることを分かっているのだろうか。殺したくなるじゃないか。 「もう1分もしないうちに放送が始まるんだから、待った方がいいと思うよ」 「あ、あちゃ、そうだった。私としたことがすっかり忘れてたよ。教えてくれてサンキューな」 わかっていなかった。というか忘れていたようだった。まったく…殺したい。 そして放送が始まる。 ~~~~~ ―実験の最中だが、放送を始める。 放送が始まった。理事長とは違う老人の声、聞いたことがない声だな…殺したい。 名簿が解禁されるが、ファイルを見てしまった僕にはほとんど意味が無い。 まずは死亡者から発表するようだ、順々に読み上げられていく。 ―零崎曲識 ファイルで見た零崎一賊の一人、死んでしまったのか。 彼は限定条件付きの殺人鬼と書いてあった。 もし彼が殺人衝動を抑える方法を知っていたのなら、僕はそれを知る機会を永久に失くしてしまったことになる… ―とがめ 僕がこの会場で出会って一番に刺した彼女。 致命傷は避けたし出血も少なくなるようにしたはずだから僕の刀とは別の要因で死んだのだろうか… 火憐さんはとがめさんの名前を知らないんだっけ、特別な反応はない。 「くそっ!こんなに人が死んでるなんて!」 7人目が読み上げられた時点で火憐さんが怒鳴った。 まさか僕も6時間でこんなに死人がいるとは思わなかった。それに、まだ死亡者の読み上げは続くようだ。 ―阿良々木暦 ―阿久根高貴 「「え」」 僕と火憐さんの声が重なった。 阿久根高貴。箱庭学園生徒会書記。 僕とはほとんど直接の関わりがなかったけど、彼も死んだのか。 それよりも― 阿良々木暦。吸血鬼。そして火憐さんのお兄さん。 「嘘…嘘だよな…」 横で火憐さんがショックを受けている。当然だろう、自分の兄が呼ばれたんだから。 返事をしてあげたいけど、ここで返事をすると禁止エリアを聞き逃す可能性がある。 殺したい…っていけないいけない、我慢しなきゃ… ―俺からも以上だ。 放送が終了した。 幸い禁止エリアはどれもここから遠い、地図に記入するだけでいいだろう。 それより今は― 「なぁ…宗像さん、兄ちゃんが死んだなんて嘘だよな?」 いつの間にか火憐さんが床に座り込んでいた。 救いを求めるような目で聞いてくる。殺したい。 だけど― 「残念だけど、放送に嘘は無いと思うよ」 僕は残酷な答えを返す。 「例えばの話、僕か火憐さんの名前が読み上げられればすぐに嘘とわかるだろう。 逆に、目の前に誰かの死体があったとして、それが誰なのかわかっているのに、 読み上げられなかったらそれも嘘だとわかる。 それにこれは『実験』だ。 どの学問の研究者にしろ、どの分野の研究者にしろ『実験』において嘘をつく 理由も必要もどこにも無いんだよ。 不知火理事長なら尚更だ。 だから本当に残念だけど、君のお兄さんは 死んでしまった…誰かに殺されてしまったんだよ」 「そ、そんな…」 火憐さんの声がどんどん小さくなっていく。殺したい。 だけどこのままにしておくわけにもいかない。 「火憐さんの持ってきたDVDを見れば、君のお兄さんや他の人を殺した人を確認できると思うけど…火憐さんは犯人をどうするつもりなんだい?」 「……ちょっとだけ考えさせてくれないか…」 そりゃそうだろう。自分の兄を殺した犯人の処遇をすぐに決められるわけがない。 「僕はDVDを見れるように準備をしてくるから、そこのソファーに座って考えるといいよ。くれぐれも建物から出ていったりしないようにね」 「いや、その心配は無いよ。結論は出した」 もう決めてしまったようだ。本当にちょっとだけだった。 「私は『正義の味方』だ! 殺し合いなんか絶対に乗らない! 兄ちゃんを殺した奴は許せないけど、だからといって殺しはしない! 兄ちゃんの前まで連れてって謝らせてやる! 他の奴らもそうだ! そいつらが殺した奴の前まで引っ張って謝らせる! そして殺し合いに乗るようなやつも! こんな馬鹿げたこと考えたじーさんに協力する奴ら全員! 一人残らず私がぶっ飛ばしてハッピーエンドを迎えてやる!」 『正義の味方』なんだから!と火憐さんが所信表明を終える。 最初と変わらない正義のあり方だった。 奇麗なあり方だった。 そうだ。だから僕は彼女を守ろうと決めたんだ。 もっと彼女の正義の味方ごっこを見ていたいから― ~~~~~ 「なぁ、宗像さん。これも電源入らないよ」 場面変わってDVDコーナー。 さっきのDVDを再生しようとしているのだが… 「僕のところもだめみたいだ…他のをあたってみよう」 今のところ二人で10台試したがどれも電源が入らない。 故障とは違うみたいだから理事長がわざとそうしたのだろう。 「あ、電源入った」 火憐さんの声がする。殺したい。 僕が使おうとしたプレーヤーは使えない。 どうやら使えるのは1台だけみたいだった、でも1台使えれば十分だ。 火憐さんのところに行く。 「使えそうかい?」 「うーん、電源が入ったはいいけど使えるようにならないんだよなー」 画面が青くはなったはいいけどそこから一向に進展しない。 「叩いたら調子よくなるかな?」 お婆ちゃんの知恵袋的なことを言ってディスプレイをバシバシ叩く火憐さん。 叩くならプレーヤーを叩けばいいのに…しかも結構音が大きい。殺したくなるなぁ… 「宗像さん、ちょっと離れてくれるか?」 「…?わかったよ」 火憐さんに言われて離れる僕。殺し… 「あちょーーーー!!」 途端、火憐さんの声と共にディスプレイがプレーヤーの上から消えた。 代わりにプレーヤーの上には火憐さんの足…が通り過ぎて行った。 そしてディスプレイが床に落ちた音。 「…は?」 火憐さんはローリングソバットを決めていた。 いやだから、なんでローリングソバット… あまりの衝撃で殺人衝動が一時的に引っ込んでしまったみたいだ。 「あちゃ、強すぎちまった」 強すぎる、なんてものじゃないと思う。 じゃなかったらあんな重いディスプレイが5m以上先まで吹っ飛ぶものか。 それにディスプレイはプレーヤーの上に固定されてたはずだし。 「…DVD再生できなくなったけどどうするんだい?」 プレーヤーは全部調べたけど使えそうなのはこれしかなかった。 そして唯一使えそうだったプレーヤーはたった今火憐さんが破壊した。 「他あたれば使えそうなとこあるだろ!」 あっけらかんと火憐さんが言う。 誰のせいでこうなったと思ってるんだろう。 とは言っても火憐さんを責めても始まらないので地図を広げる。 DVDプレーヤーが無くてもパソコンがあれば再生できるだろう。 パソコンを置いてそうなところは… 「じゃあネットカフェか斜道郷壱郎研究施設に向かおうか」 何を研究しているかはわからないけど研究施設なんだ。 パソコンを置いていないわけがない。 「おう!早速行こうぜ!」 蹴り飛ばしたディスプレイには目もくれず出入り口へ向かう火憐さん。 少しくらい気にしたらどうなんだろう… と、火憐さんが出入り口に入った瞬間 ――ビィィィィィィィィィィィィィ 防犯ゲートがあったのだろう、けたたましい音が鳴り響く。 原因は多分あれだ、火憐さんが手に持ったままのDVD。 確かDVDは貸出用じゃなかったはず、防犯タグがついていてもおかしくない。 となるとまずい、近くに殺し合いに乗った人がいたら見つかる恐れがある。 早くここから離れた方がいいな。 走って火憐さんに追いつく。 「火憐さん、今の音で人が来るかもしれないから急いでここから離れようか」 「え?別に急ぐ必要なんてないだろ」 「だから、今の音でもし近くに殺し合いに乗った人がいたら困るだろう?」 「んなもん、私が一人残らずぶっ飛ばすから心配無いよ」 「だから一旦態勢を整えるんだよ」 「そっか、んじゃ走るぞー!」 凄いスピードで走りだす火憐さん。 結局名簿をしっかり読めなかった…後で余裕ができたら読むしかないな。 それにしてもさすがだな、僕も千刀を全部捨てないと追い越せないや。 だからといって遅れるわけにはいかない。 だって、僕は彼女を守らないといけないんだから。 【1日目/朝/F-7】 【宗像形@めだかボックス】 [状態]健康 走行中 [装備]千刀・?(ツルギ)×872 [道具]支給品一式、ランダム支給品(0~2)、「参加者詳細名簿×1、危険参加者詳細名簿×1、ハートアンダーブレード研究レポート×1」 [思考] 基本:殺したいけど、死なせたくない 0:ネットカフェか斜道郷壱郎研究施設へ向かう 1:火憐さんを守る 2:誰も殺さない。そのために手段は選ばない 3:殺人衝動は隠しておく 4:機会があれば教わったことを試したい 5:とりあえず、殺し合いに関する裏の情報が欲しい 6:零崎一賊の誰かと話がしたい 7:火憐さんに参加者詳細名簿は見せない 8:DVDを確認したい [備考] ※生徒会視察以降から ※阿良々木暦の情報はあまり見ていないので「吸血鬼」の名を冠する『異常』持ちだと思っています ※無桐伊織を除いた零崎四人の詳細な情報を把握しています ※参加者全員の顔と名前などの簡単な情報は把握しています ※危険参加者詳細名簿には少なくとも宗像形、零崎一賊、匂宮出夢のページが入っています ※上記以外の参加者の内、誰を危険人物と判断したかは後の書き手さんにおまかせします 【阿良々木火憐@物語シリーズ】 [状態]健康 走行中 [装備] [道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3) 、「よくわかる現代怪異@不明、バトルロワイアル死亡者DVD(1~10)@不明」 [思考] 基本:この実験をぶっ壊す。悪人はぶっ飛ばす。絶対に殺し合いには乗らない。 0:ネットカフェか斜道郷壱郎研究施設へ向かう 1:兄ちゃんを殺した人を見つけて兄ちゃんに謝らせる 2:DVDを再生して、【悪】が分かれば、そいつをぶん殴る 3:そんでもって殺した人に謝らせる 4:白髪の女の子と合流したい 5:本も読みてえな ※辺りに防犯ゲートのブザー音が鳴り響きました。が、そこまで大きくないため同じエリア内にいても聞こえていない可能性があります 怪異の王 キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード研究レポート@オリジナル 文字通り怪異の王にして鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードについての研究レポート あくまでもハートアンダーブレードについてのことなので忍野忍になってからのことは記載されておらず、 そのため二代目の眷属である阿良々木暦についてのことは詳しく記載されていない 狐のきまぐれ 時系列順 疑心暗鬼(偽信案忌) 狐のきまぐれ 投下順 疑心暗鬼(偽信案忌) 図書館での静かな一時 阿良々木火憐 紆余曲折、あるいは猪突猛進 「鬼」そして《鬼》 宗像形 紆余曲折、あるいは猪突猛進
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正義の味方 ◆EPqQEjq/rc 田中ぷにえの祖母は激怒していた。 必ずや、殺し合いを開いた雄一少年と、黒尽くめの男共を抹殺せねばならぬと決意した。 そして、この殺し合いを開く程の驚異的技術を聖魔法王国に持ち帰り、軍事運用せねばならぬとも思った。 「ジュラル星人め、僕が滅ぼしてやるぞ!!」 歳のせいもあったかもしれない。相手は子供と油断したのが敗因だった。 ぷにえの祖母は、突如目の前に現れた少年の手にある銃から発せられた熱線により、一瞬にして煙となってしまった。 「まだ一人か、先は長いな」 泉研は祖母に遭遇するよりも前、人間に変身したジュラル星人を見かけた。 そこで研は考えた。この殺し合いは自分以外全てジュラル星人なのではないかと。 奴等はこの殺し合いで自分を亡き者にするつもりなのだ。 「でも、必ずこの島に居るジュラル星人は全て倒して見せるぞ!」 そう誰に言うでもなく叫ぶと泉研は去って行った。 【ぷにえの祖母@大魔法峠 死亡 】 【J-7/一日目・深夜】 【泉研@チャージマン研!】 [状態] 健康 [装備] 熱線銃@ドラえもん [道具] 基本支給品、ランダム品0~2 [思考・状況] 基本:この島に居るジュラル星人を皆殺して主催者も倒す。 1:スペクトルアローを探す。 その様子を物陰から見つめる二つの黒尽くめ人影があった。 「ククク……馬鹿め。この殺し合いが、人間同士によって行われているとは知らずに」 「ああ。そうやって人を殺していくうちに 他の参加者に危険人物扱いされ、チャージマン研は人類の敵とみなされ、同じ仲間の筈の人間の手によって殺害されるという訳だ。何もしらないで」 「まさか奴が最初に見かけた人間に変身したジュラル星人が、我々主催側が用意した罠とは夢にも思うまい」 「えぇー!? 大変ナリよ!!!」 「「聞いたなこいつ!!」」 【コロ助@キテレツ大百科】 [状態] 健康、驚愕 [装備] なし [道具] 基本支給品、ランダム品1~3 [思考・状況] 1:えぇー! 【黒尽くめの男A@???】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 不明 [思考・状況] 1:聞いたなこいつ!! 【黒尽くめの男B@???】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 不明 [思考・状況] 1:聞いたなこいつ!! 支給品解説 【熱線銃@ドラえもん】 ドラえもん最キチ回の一つ「ねずみとばくだん」に登場したスナイパーライフル型の武器。 鉄筋コンクリートのビルを一瞬で煙に変えるほどの威力を持つ。 銃身の短いタイプも存在する。 018高速ババア 投下順 018高速ババア 時系列順 行動開始 泉研 [[]] 行動開始 祖母 GAME OVER 行動開始 コロ助 [[]] ▲
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正義の味方,正義の味方2 正義の味方Ⅲ 正義の味方,正義の味方2 ■■■■爺鯖のTatsuyaが畏怖鯖へそのⅣ■■■■ 956 名前:正義の味方[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 17 27 56.71 ID S+4XFa6b たっちゃんの悪口を書くな 957 名前:正義の味方2[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 17 29 49.72 ID hLMUdq4l そうだ、そうだ! 963 名前:正義の味方[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 18 11 47.69 ID S+4XFa6b たっちゃん大好きヽ(^ω^)ノ 977 名前:正義の味方2[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 18 43 17.51 ID hLMUdq4l ここまで追い込んだらもういいだろ。。。 普通に見て引くぞ、そもそも直接の被害者も第3者も たっちゃんの引退が最後なのか? 愚者さんの謝罪撤回だから又、戻って来るってどうよ。。 社会人のようなコメントが記載されてたが、いい大人ならいいかげんにしろよ^^; まあ、言っても解んないだろうけど、人の揚げ足ばかり取って嬉しいか? リアル良い事ないのか?そこから考え直しましょう。 正義の味方Ⅲ ■■■■爺鯖のTatsuyaが畏怖鯖へその五■■■■ 148 名前:正義の味方Ⅲ ◆wIggSzRFEU [sage] 投稿日:2007/08/12(日) 10 26 55.82 ID oR0H6rtK 刑事気取りな方と傍観者の方へ 人の悪口は端から見て、楽しいものだけど 人として善くない行いだと思います。 事実、悪いことを行った事は、当人も反省が必要だと思いますが 必要以上に追い掛け回したりする行いは善い事とは思えません。 この件を■的にどう考えているのか判りませんが、(何とも思ってない気はするけど) 十分に当人には罰を与えたのではないですか? inして誰からもスルーされたら誰でも面白くはないでしょう。 いい加減にこのスレと追いかけは止めてみては? 154 名前:正義の味方Ⅲ ◆wIggSzRFEU [sage] 投稿日:2007/08/12(日) 10 54 28.23 ID oR0H6rtK ここに書いたからといってスレが止まるなんて事はきっと無いでしょう。 それは解ります、でもね 当時、嫌な思いをした被害者の方も、今思えばFF11の良き思い出には なっていないでしょうか?(嫌な思いでは嫌と言われればその通りですが^^;) 追求する方達も、被害者もこれを見て気分的に開放された事でしょう。 だからいろんな意味でffが面白いのであって「やりすぎ」は何事も良い事は生まれ 無いと思います、 極端な例ですがこの先、SFさんが精神的錯乱で社会的に事件を起こした場合 「あいつならあり得る」、「だから注意してたのに」とか言ったところで リアルで被害を受けた方がいた場合に、今度はマスコミが追っかけで ここにいる追っかけは傍観者に代わるだけです。 ゲーム内で起こった事が引金で何かかが起こっては遅いと思うし いい気は絶対にしませんよ。 166 名前:正義の味方Ⅲ ◆wIggSzRFEU [sage] 投稿日:2007/08/12(日) 11 25 26.34 ID oR0H6rtK 160 そうですね、それが話を収める一番良い方法だと思います。 ですが、きっと彼は今更そんなtellがきても聞く耳は無いでしょう それは、今までここを見てきた方なら解ると思います。 それに私が言いたいのは、本人のみではなくここを見ている方達も 含めてですから。 155さんは今でも嫌な思い出が残っていると言われているので それに付いて私が何か言う事は出来ませんし、嫌な思いを消す事も 出来ません;; でも、理由はどうあれ鯖移動してスルーされている事が 確認出来た事で少しは楽になったのでしょう? ここを見ているのだから 気分的に良かった?ですよね この先スレを続けても、きっと最後に残るのは達成感では 無い物が残って、何の為にFFをしたのか、何がFFでしたかったのかが 解らないままになりますよ。きっと 171 名前: ◆wIggSzRFEU [] 投稿日:2007/08/12(日) 11 44 26.32 ID neGES+80 テスト 173 名前:正義の味方Ⅲ ◆wIggSzRFEU [sage] 投稿日:2007/08/12(日) 11 47 02.46 ID oR0H6rtK トリップに関しては申し訳ないw あまりに適当(ものすごくベタなのでw) まあ、味方1,2は解んないけど 当人にはそれなりの罪は与えていると思うよ その上でこの先、自分の周りに被害が出た場合はに付いては やはりGMコールしかないと思っているが、そこまで■が放置するので あれば、FF自体に魅力を見出せないのかも知れない。 174 名前:正義の味方Ⅲ ◆wIggSzRFEU [sage] 投稿日:2007/08/12(日) 11 50 10.71 ID oR0H6rtK 朝から板汚してすいません; テストで漏れてる(漏れ気はしてたけど ここまで書く気はなかったらw 逝ってきまする 燃料のような事をしてしまったけどスルーしといて下さい。 満喫なんで帰りますw 謝罪当日8/3/8/4/8/5-7/田中Pと親戚発言8/7-8/8/9/正義の味方/バンテージ(仮)氏8/9/tell晒し8/10-11付SF情報/リムジン氏8/12-14/8/15-16/コメント削除8/17-19/YesNo8/20-22/侍完と新掲示板8/23-8/25SF情報/初出勤8/26-28/8/29-8/31
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正義の味方 ◆2kGkudiwr6 あちこちを走り回って、私に分かったことがある。 それは、ただ走り回るだけでは私にはこの怪人を撒けないということだ。 「どうした? その程度の速さしか出さないのか?」 狂ったような笑みで怪人が笑う。 小さな隙間を通り抜けることはした。久方ぶりに飛行することさえした。 だがどんな小技を使おうとも、力任せで突破してくる。 隙間を怪力で崩壊させたり、飛行並みの跳躍をするのは当然。 建物に足をめり込ませて壁走りなんて真似さえやってのけてみせた。 質の悪いストーカーにも程がある。 「下劣ね。それがレディへの態度かしら?」 「クク、お前がレディか。ハハハハハ」 またもや狂ったような……いや、狂った笑い声を上げていた。 どんな思考回路をしているかなんて考える気さえ起きない。理解不能だろうから。 私は足を止めて溜め息を吐くしかなかった。どうやって逃げよう…… 目の前から騒音が聞こえたのは、そんな時だった。 トラックが道路を走っていた。あれも支給品、なのかしら? 私が考えたのは、そんな真っ当なこと。 だけどこの怪人は。 「あれに乗っているのはただ逃げるだけの野良犬か、それとも私に歯向かえる人間か、それとも怪物か。気になると思わないか?」 「…………」 そんなことをほざいた。そろそろ本気で頭を抱えたくなってきた。 いい加減理解不能だけど、どうやら、悩み込んでいるのは確からしい。 いくらこの化け物でもトラックに追いつくなんてそうそうできないはずだ。 もしあれを追いかけるようなら、私はその隙に逃げよう。 そんな予想をして……それは、不可能だと知れた。 「餞別でも送っておくか」 「なっ!?」 怪人はあっさりと銃を抜いて、発砲した。 しかもちょっとした動作に過ぎないはずなのに、その狙いは恐ろしい程の精度。 綺麗にトラックのタイヤが撃ち抜かれ、道路から外れて横転した。 「貴方……!」 「貴様を逃がすのも惜しいが、もしあの中に面白い者がいたらそれを逃がすのも惜しい。 まあ、貴様を追うついでだ」 私は今更ながら戦慄していた。 こいつは「ついで」で人を傷つけられる。 私が撒こうとその辺を走り回れば、こいつは見た者に片っ端から「餞別」を送りつけていくのだろう。 せめて、トラックに乗っていたのが大人ばかりだったら安心できたかもしれない。 殺し合いに乗った者が乗った者を撃ったに過ぎないと思い込めたかもしれない。 ――出てきたのは、小さな子供や女の子ばかりだった。 「さて、野良犬か人間か……」 それをこいつは哀れむどころか、じっくりと観察している。 私は再び確信した。こいつはなんとしてでも撒かなくてはならない、と。 そうしないと、永遠にジュンとは合流できない……いや、するわけにはいかない。 遭った瞬間、こいつはジュン目掛けて発砲するだろうから。 デイパックの中からレヴァンティンを探す。こうなったら実力行使も辞さない…… だが、それが抜かれることは無かった。 その前に対処すべきことができたから。 咄嗟に受身を取ったことが幸いし、私――長門有希は無傷だった。 横転したトラックから身を乗り出して、なんとか脱出する。 ひどい有様だった。 涼宮ハルヒの言葉に応じ、私達はD-3の橋を目指す予定だった。 しかしそのすぐ後に、銃声と共に車体が大きく揺れ、横転。 恐らく車輪が破壊された可能性が高い。修理には相応の時間がかかると思われる。 襲撃者は恐らく悠々とこちらを眺めている長身の男。 なぜか次を撃ってくる気配は無い。理由は分からない。 とりあえず、私は急いで全員をトラックから搬出し、被害状況を確認する。 石田ヤマト。気絶しているが目立った外傷なし。脳震盪と判断。 しばらく安静にしていれば問題は無い。 涼宮ハルヒが連れてきたアルちゃんと呼称されていた人類に近似した生命体。 足と肩に打撲が認められるが、それほど重傷ではない。骨も折れていない。 ……問題は、涼宮ハルヒだった。彼女を動かすのはかなり慎重を要した。 意識が無い。呼吸が荒い。頭部から出血。明らかに、命に関わりかねない負傷。 病院で治療を行うのが最善。しかし下手に動かせばどうなるか分からない。 だから、手を当てる。最低限の治療を私の手で施し、なんとか動かせる段階まで回復させる。 させられる、はずだった。 「治らない……?」 「おい……私は放置か……」 豚のような生命体が声を出した。答える余裕は無い。 仮に全身を貫かれていても、治癒できる自信があった。思念体と連絡が取れれば。 連絡が取れないこの場においても、最低意識を取り戻す程度ならば可能なはずだった。 だが今、私が手を当てても涼宮ハルヒの治癒は遅々として進まない。 通常の人間と同じ再構成の方法では涼宮ハルヒの肉体に通用しない可能性を想定してみる。すぐに否定した。 最もありうる答えは一つ。主催者による私の能力への介入。 不自然ではない。ギガゾンビという男の目的は殺し合い。 特に治癒能力に関して念を入れて阻害すれば、死亡者数の増加する速さは助長されていく。 否、理由は重要ではない。どちらにせよ結論は一つだけ。 今の私には――涼宮ハルヒを救えない。 ――何かが、切れたような気がした。 「……どーしたの……?」 アル(仮称)が声を上げたが、無視した。 石田ヤマトのデイパックを引っ張り出し、中に入っていたRPGを片手で抜き出して榴弾をセット。 反動に備え、構えながら周りと距離を取る。 軽々と私がこれを持ち上げていることに絶句しているようだが、 全く気にも留めない。今は何より――撃ってきた相手を吹き飛ばしたかった。 狙うは悠々とこちらを観察している長身の男。 風向きは南南西。強さは微風。角度は上向きに7°。目標からの距離228m。 機械的に呟く。相手は遠い。しかもあの距離から当ててくる視力。 当たらない可能性は86%。そう結論する。 だが、ノイズが言った。 ――当たる確率が、14%ある。 発射。着弾。爆発。 ……しかし、爆風の中から何かを抱えて飛び上がった相手の姿を視認。 そのまま相手は後退していく……それでも、見えなくなる距離まで離れはしなかった。 こちらが視認できる限界の距離で立ち止まる。 まるで、興味深い対象を観察するかのように。そしていつでも手を出せるように。 論理的に考えてもできれば排除したい。加えて、あの笑みは見ているとノイズが走る。 相手は予想以上に俊敏。確実に当てるとすれば、追いついて機関銃を使うしかない。 だが、ここを離れるのは危険……涼宮ハルヒの生命に関わる。 ならば、ここからもう一発撃つ。14%に賭けて。 突然声が聞こえたのは、そんな時だった。 「そこの義体!」 叫びながら、マウンテンバイクに乗った中年が近づいてきていた。 義体という言葉の意味する所は判らないが、視線からすると私に言っているらしい。 アルは私の後ろに隠れており、豚はまだトラックから出ていない。私以外に言ったということはないだろう。 ……急いでいるのに。 右腕でRPGを構えながら左腕で拳銃を抜く。 それを見て、慌てて男はマウンテンバイクから下りて手を上げた。 「と、とんでもない強化義体だな。とりあえずこっちはやるつもりじゃないんだが」 「……そのような証拠はない。 何より、あなたが私を信用する理由が無いのと同じように、 私もあなたを信用する理由は無い」 「警察なんだが、駄目か?」 そう言って相手は警察手帳を見せてきた。 写真にある顔と彼の顔は一致している。本物の可能性は高い。 それでも、まだ警戒を解くには情報が不足。 「……あなたが私を信用する理由は」 「こんなにたくさんの子供を引き連れている。遺体さえ丁寧に扱ってる。 それに怪我人に丁寧に手を当てて、何かしようとしてたのが見えた。 殺人者がこんな真似するか?」 そう、男は言った。その表情は、なぜか誠実なように見えた。 論理的思考をすれば、警戒を怠るべきではない。表情なんて簡単に誤魔化せる。 ……だけど、今は時間が無い。涼宮ハルヒの命が危険だ。 何より。横転の原因となった男は未だに、こちらを観察していた。 「あなたに頼みがある。私がいない間、ここにいる人間を守っていて欲しい。 それと、彼女の手当ても」 男に背を向けて、横転したトラックの中から機関銃を引っ張り出した。 右腕にも拳銃を構えておく。武器は多ければ多いほどいい。 RPGはここに置いていくことにした。動きが重くなるだけだから。 「援護は……」 「いらない」 男はやれやれ、と溜め息を吐いた。「彼」を思わせる仕草だ。 意固地な女の子だとでも呆れているのだろうか。……そうかもしれない。 「状況はまだよく分からないんだが、わかった。俺はトグサ。君は?」 「長門有希。 それと……涼宮ハルヒには私の力の事は言わないで」 思わず呟いてしまったことは、今更どうでもいいことだった。 この状況下で、涼宮ハルヒによる情報爆発を防ごうとするなんてもはや不可能だ。 彼女はもう、恐ろしい数の在りえないことを目撃している。 それでも、なぜか言いたくなった。 「倒れてる女の子のことか? なんでだ?」 「私のことを、特別扱いしてほしく、ないから」 とっさに答えたこの言葉。嘘だった。色々と誤魔化すはずの、嘘のはずだった。 なのに、なぜか、説得力があった。 そうかもしれない、と私は思う。 言葉も、それに続いて自然と出てきていた。 「今まで、私は影で彼女を助けてきた。 それは、今も変えたくない。普通の人として、見ていて欲しい」 ノイズは、事実だ。言葉は、事実だ。 例え涼宮ハルヒの力を奪って行使してでも……今の私はSOS団という存在を保持するだろう。 それも悪くない、と私は思う。 そんな私を見て、アルが声を上げた。 「おねーちゃん、せいぎのみかたみたい」 ……正義の味方。 抽象的な発言。正義というものは数多く存在する。 統合思念体さえ、意志を統一することなく争う。有機生命体も同じ。 当然、正義というものは数多く存在する。 それぞれが正しいと思うことこそが正義。正義という言葉ほど抽象的な物は無い。 だが。 「――ありがとう」 なぜか、そう呼ばれても悪くない気がした。 「安心するがいい……真の正義の味方であるわたs」 そうして少女の言葉を背に、私は跳んだ。 「クク、来たか。 来ないようならば誰かもう一人吹き飛ばしてみるつもりだったが」 誰かこちらへ歩いてくるのを見て、嬉しそうに怪人は呟いていた。 そのままのんびりと相手を待ち構えている。嬉しそうに。 なんで私は逃げ出そうとしないかというと、理由は簡単。 怪人に左腕で抱え上げられていたからだ。 「離しなさい! レディに失礼なのだわ!」 「先ほどの爆風から守ってやっただけだが?」 「元々貴方が原因でしょう!?」 私の反論も全くこいつは気にする様子が無い。 確かにあのままだったら巻き込まれて吹き飛ばされていただろうけど、 そもそもこいつが撃ったから撃ち返されただけだろう。 力ずくで逃れようといくら暴れても無駄だった。この怪人の膂力は尋常ではない。 結局、私に出来たのは溜め息を吐いて相手を一緒に待つことだけだ。 しばらくしてこっちへ移動してきたのは、一見無害そうな女の子だった。 無表情で、大人しげ。小柄な体に着ているのはどこかの高校の物らしき制服。 見る限りは、ただの女の子だ。 容姿だけを、見る限りは。 左腕に機関銃、右腕に拳銃。 それを持ってこちらを無表情で見つめているというのは、正直……怖い。 そもそも、数mくらいの距離を軽々と跳び移りながらこっちに来たような気がする。 もっとも、私を抱えてる怪人もそれくらい朝飯前だろうけど。 「いい目だ、ヒューマン。怒りに燃える目……誰か死んだか?」 「…………!」 「やはりただ追い払うためだけに来た、というわけでもないらしいな。 敵討ちか? いい心がけだ!」 「いいえ」 相手は相変わらず無表情。 だけど静かな声の中には、確かに感情が込められていた。 怒りという名の、感情が。 「私は、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース。人間ではない」 「え……?」 「なに?」 疑問の声を浮かべる私達に答えは無い。 代わりに贈呈されたのは、銃弾。当然、掴まれたままの私も巻き込まれた。 私を抱えている本人がしっかり避けたお陰で怪我は無いけれど、 拘束されている状態で銃口を向けられるのは精神衛生上非常によろしくない。 「私を離しなさい! 危ないでしょう!?」 「この程度、当たらん」 「そういう問題じゃ……きゃあ!?」 こちらのことなんて全く考える様子も無いまま、近くの住宅へと怪人は銃弾から逃れる。 私を抱えたまま、コンクリートの壁ごと蹴破って。おかげで埃まみれだ。 もちろん、女子高生の方も礼儀正しい入り方なんてしない。扉を蹴破って追ってきた。 ……そろそろ本気で勘弁して欲しい。 「逃がさない」 「やってみろ!」 女子高生が機関銃の引き金を引くのと、怪人がテーブルを相手へ蹴り付けるのはほぼ同時。 撃ち出された銃弾はテーブルに衝突し、遮られる。 ……だが、盾としては問題がありすぎる。 確かに分厚いテーブルだったが、その材質は木に過ぎない。 機関銃に穴だらけにされるのは時間の問題だろう。防御としてはお粗末だ。 だけど、違った。私は怪人が差し出した銃を見て知った。 これは防御のためではなく、攻撃のためだと。 あの距離からタイヤを軽々と撃ち抜く銃だ、こんなテーブルを貫通するくらい簡単なんだろう。 テーブルで視界を塞ぎ、銃を撃ち込む。単純で分かりやすく、だからこそ有効。 あの子に警告を出そうと思った。だけど、その暇は無く必要も無かった。 あっさりと女子高生はその場に屈んでテーブルごと銃弾を回避する。 まるで、「視えていた」かのように。 「第三の目か? 確かにただの人間ではないらしいな!」 心底愉しそうに怪人が笑う。 ……この時、この二人は本当に人間じゃあないみたいね、と今更ながら私は思った。 そんな私の感想を露知らず、相手は拳銃を向けてくる。ただ、狙いが少しおかしい。 「情報因子、解明」 そんなことを呟いて、女子高生は私達の背後へむけて撃つ。 正確には、キッチンに巡らされたパイプを。同時に広がるのは、何かきつい匂い。 何かのガスだと気付いた時には、相手はもう何か呟いていた。 「微調整……発火」 女子高生が、言葉を呟きながら跳ぶ。 その言葉によって生み出されたのは、ほんの小さな火花だけ。 だけど盛大にガス漏れしているのだ、それはあっと言う間に家の中を爆発させるだろう。 着火した当人はとっくに窓から脱出している。このままでは大惨事だ。 それでも結果から言うと、私は無傷で済んでいた。なぜかというと。 「ハハハッ、魔女狩りならぬ吸血鬼狩りの炎と言うわけか!」 怪人はこんなことを叫びながら、その場から垂直に跳躍。 天井を突き破って屋根に降り立ち、爆発から逃れるというとんでもないことをしていた。 当然私も怪人も無傷……ただしまた埃まみれ。 眼下には、やっぱり大した傷も無くあの少女が立っている。 もちろん、家の中は無事じゃないだろうけど。 「ククク、面白い、面白いぞ!!! 片腕しか使っていないとは言えここまで戦えるか! いいだろう!」 そんな事言うんだったら離して頂戴、と言う間も無かった。 怪人は私を放り投げた。あっさりと。 慌てて受身を取った私を見ることもなく、彼は告げる。高々と笑いながら。 「本気でやらせてもらおう。これはゲームだ。 女、貴様はどれだけもつか。そして人形、貴様はどれだけ逃げられるか……!」 思わず、全身が泡立ったように錯覚した。私の体にそんな機能はないはずなのに。 今までだって、十分過ぎるほど狂っていると思っていた。 だけど、もうこいつは狂ってるとかそんなレベルで表現できる奴じゃない。 今までずっと無表情だった女子高生も、思わず数歩下がっている。 それを見て、にたりと怪人……いや、怪物が笑う。 「どうした? 逃げないのか? 撃たないのか? お楽しみはこれからだ! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY!!!」 銃声が響く。女子高生が機関銃を乱射したのだ。 それに釣られる形で、私も慌ててその場から逃げ出していた。 だが、しっかりと見ていた。 銃弾を掻い潜りながら、軽々と突進していく怪物の姿を。 「愚かだな、私も」 溜め息を吐く。自分に嫌気を覚えながら、かつて渡った橋を渡る。 やっていることは人探し。だが殺すために人を探しているわけではない。見つけたい人物は二人だけ。 結局こんな結論に傾いた自分に自嘲するしかなかった。 さっきまで、家の中で悩んでいた。 聞こえていたのは二つの声。 衛宮士郎が死んでも、この身は消えない。 ただ永遠に、掃除屋として人を殺していくだけ。そう運命は決定された。 なら、せめて今だけは従わなくてもいいだろう。サーヴァントである今だけは。 そんな声が聞こえる。もう一方で、別の声も聞こえた。 ただの我侭で、仕事を放棄するのか? もしそれが原因でギガゾンビに逃がし、また惨劇が繰り返されればどうする? それにもう二人、お前のせいで死んでいる。 二つの考えがぶつかり合う。 苦悩した。オレだって、好き好んで人殺しなどするものか。 だが、オレには脱出できるだけの自信が無い。力も無い。 全てを救おうとして二も三も取りこぼすのは、今まで何度も繰り返してきたこと。 未来への諦観から生まれた理屈と、過去から生まれた諦観が生んだ理屈がぶつかり合う。 だが最後に勝敗を分けたのは、単なる私情だった。 ――ふざけんな。セイバーと遠坂を殺すのかよ? 聞こえたのはそんな声。 そう言ったのは、紛れもない……かつての自分自身だった。 否定しようにも、できなかった。 自分でさえ迷っている理屈で彼女達を殺すなんて、できない。 そうして何も決まらないまま、二人を探しにあたりを飛び回っていた。 「……くそ」 磨耗して尚、過去に引き摺られている自分が嫌になる。 それでも凛とセイバーだけは、助けたい。どちらかなんて選べない。 そして二人の前で、みっともない真似なんてできない。 それだけは、誤魔化しようがない事実。 「HAHAHAHAHAHAHAHA!!!」 「…………!」 怪物が、笑う。銃声が響く。暴力の嵐が周辺を破壊する。 その魔手から逃れるために、塀を蹴る。宙を舞う。 天と地が逆さまになった視界で両腕に持った二つの銃を放つ。 何割かが命中しているのは明らか。なのに死ぬ様子は全く無い。怯みさえしない。 相手の放った銃弾が腕を掠めた。血が出る。痛む。反応が遅れる。 同時に左腕で振り回してきた標識は、住宅の屋根へ飛び移って避ける。 情報因子を変更し、強化していたはずの足がだるい。明らかに稼働率が落ちている。 なのに相手に疲れた様子は無い。笑いながら、呼吸を乱すことなく迫ってくる。 「どうした? 瞳に絶望が混じってきたぞ!」 そんなことを言いながら、相手は標識を上段から振り下ろしてきた。断頭台のごとく。 間一髪で外れたそれは易々と住宅の屋根に突き刺さる。 当たっていれば両断されていたことは想像に難くない。 だが突き刺さり、止まったのは好機。拳銃を素早く標識の柱の部分に密着させ、銃弾を放つ。 構造上脆い部分が綺麗に撃ちぬかれ、先端がもげる。標識はただの棒と化した。 だが相手の武器を失わせたことに安堵する間もない。上を見て、私は再び絶句した。 片手で自動車を持ち上げながら、怪物が上空へ跳んでいる。 自動車とは言っても、タイヤはなくフレームもボロボロ。 明らかに動きそうもない廃自動車だが、それでも重いことには変わりないはず。 それを相手は軽々と持ち上げて、上から私目掛けて叩きつけていた。 寸前で回避はできた。だがそのままバランスを崩して、屋根から地面に叩きつけられる。 「……はぁ、あ」 体が軋む。それでもすぐに呼吸を整えて、立ち上がって走りだそうとして。 目の前には既に、相手が立っている。 離れていく。 後ろで盛大に行われている戦闘から逃れる。 できれば、あの女子高生が怪物を倒してくれるのが理想だろう。だけど。 「……勝てるのかしら」 あの女子高生は明らかに普通の人間じゃなかった。 だけど、あいつは普通じゃない程度で勝てる相手じゃない。 あいつは、常識の尺度で測ることさえできないのだから。 それに……子供が倒れていた様子を思い出すと、軽く自己嫌悪に陥りそうになる。 あいつを放って置けば、今後どんどんと人が巻き込まれていくだろう。姉妹達やジュンさえも。 私はこうやって逃げないで、援護するべきではなかったんだろうか? そんなことを考えながら走っていたからだろう。誰かが接近しているのに気付けなかったのは。 「首輪があるところを見ると参加者か…… 何か向こうで戦闘が起こっているようだが、どういうことか知っているのか?」 「!?」 慌てて立ち止まる。目の前には、赤い外套の男が立っていた。 例の怪物同様こちらも長身だが、髪は白く肌は浅黒い。その体は明らかに鍛え抜かれた物だ。 すぐに右手を構えた。 「……誰? それがレディに物を聞く態度かしら?」 「これは失礼。 金髪に青いドレスを纏った少女と、黒い髪を二つに纏めた少女を探しているが、知らないかな?」 「知らないわ」 即答する。質問するどころか逆に質問されてしまった。 そんな私の考えを露知らず、更に男は質問を続けていく。 「では、向こうで戦闘をしているのは?」 「赤い外套で長身の男と高校生くらいの女の子よ」 「……その男、吸血鬼とか自称していなかったか?」 「言ってたわ」 「奴か」 ふん、と男は息を吐いた。溜め息のような、それとも鼻で笑ったかのような。 ともかく質問が止まったのは確かだ。素早く口を開く。 「次は私の質問に答えてくれるかしら」 「…………」 「ちょっと!?」 それを男は完全に無視して、近くの電柱に跳び上がっていた。 どうやら戦闘を眺めているらしい。悩んでいる様子もある。 とりあえず、聞いていないのは確かだ。 「聞いてるの?」 「……すまない。もう一つだけ聞かせてくれ。 戦闘が始まった経緯はどうなっている?」 ……警戒より、怒りが先に立ってきた。 あの怪物といい、長身の赤い外套を着た男は話を聞かないのだろうか? 「あの怪物が先に手を出したわ。相手をしている方はそれに応じただけね」 「そうか」 答えは小さな呟きだった。同時に、男は剣を取り出していた。 狙いは明らかに私じゃない。見ているのはあの戦いの場。 ……まさか。 「……戦うつもりなの? 相手は正真正銘の怪物だわ」 「知っている」 「なら、どうして?」 警戒することも怒りも忘れて、そんな事を私は言ってしまっていた。 理由は単純だろう。私は、人を囮にしてあいつから逃げ出したばかりだから。 だから、信じられない。彼の判断が。 「ちょっとした勘違いで下らん判断ミスをし、何人もそれに巻き込んだ。 だからせめて奴を倒すとは言わないまでも……責任を取って保護するだけだ。 実行犯も違う以上、償いには程遠いがな。それでも、私が止められたかもしれないという共通点はある」 返ってきたのは、そんな自嘲の笑みだった。 腕を掴まれる。そのまま野球のボールかなにかのように軽々と投げられ、地面に叩きつけられる。 状況判断。背骨に衝撃。呼吸に一時的な阻害。 「は……ぐ……」 「いい目だ。まだ諦めていない目だ」 悠々と笑いながら、相手は歩いてくる。攻撃してくること、そのものを期待しているかのように。 罠だろうか……だけど、撃つなら今しかない。 「情報、因子変、更……射出!」 右手を翳す。同時に、左右から放たれた三本の槍が相手を貫いた。 機動戦では勝てない。射撃戦でも同じ。なら、勝つためにはそれ以外の要素を使うだけ。 だから、跳びまわりながらゆっくり、確実に槍を構成していた。相手に気付かれないように。 組み上げるのにかなり時間は掛かったものの、威力はかつて朝倉涼子が私に放ったものと同じ。 一つは頭部を貫いた。致命傷。致命傷のはず。そうでなくてはおかしい。 それなのに。 「なるほど、これが貴様の切り札か。吸血鬼には杭を撃ち込むものだしなあ?」 相手はあっさりと頭から槍を抜きとり、平気で喋っていた。一歩一歩近づいてきた。 機関銃を向けた。カタカタ、と耳障りな音を立てるだけだった。 目の前に相手の膝が迫る。とっさに機関銃を盾にする。 それなのにその一撃で左腕ごと機関銃は砕かれ、私はあっさりと宙を舞った。 再び地面に叩きつけられる。体が動かない。意識が朦朧としている。 理由は脳震盪。そう判断した。回復には十秒ほど必要。 だが、十秒あれば相手は私を殺せるだろう。 「じょ……ほ……つ」 情報凍結、解除開始。そう、呟こうとした。 無理だとは、分かっている。思念体と連絡の取れないこの状態でできるはずがない。 それでも、呟かずにはいられない。 結果は、無残だった。指先さえ、消えようとはしない。 男が腕を振り上げる。 私も死という概念はよく理解していないけれど、これから死ぬと言うことくらいは分かる。 そんなことを思った矢先だった。 「I am the bone of my sword」 ふと、声が聞こえた。周りの情報因子が変わっていく。 振り向けば、赤い外套の男が手を掲げて叫んでいた。 「熾天覆う七つの円環――!」 四枚の花弁を持った桃色の花が咲く。 殺し合いの場にはそぐわない幻想的な趣の花が、私を潰そうとした腕を受け止めていた。 【E-3中央 1日目 午前】 【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:左腕骨折、疲労、背中に軽い打撲、脳震盪により一時的に行動不能、思考にノイズ、SOS団正規団員 [装備]:熾天覆う七つの円環(不完全)@Fate/stay night、S W M19(残弾2/6) [道具]:支給品一式/タヌ機@ドラえもん [思考] 1、アーカードの撃破(自己保身より優先) 2、ヤマトたちに付き合い、ハルヒ及びぶりぶりざえもんの治療。できれば人物の捜索も並行したい 3、SOS団のメンバーを探す/八神太一を探す/朝倉涼子を探す 【アーチャー@Fate/stay night】 [状態]:右腕に中程度の火傷や裂傷(応急処置済み) 右目の視力低下(接近戦は問題ないが、エリアを跨ぐような狙撃に支障) 右半身に軽い火傷や擦り傷、魔力消費小 [装備]:名も無き剣@Fate/stay night [道具]:支給品二人分、チャンバラ刀専用のり@ドラえもん [思考・状況] 1.長門の保護(アーカードの撃破より優先) 2.凛、セイバーと合流 基本:セイバーや凛と合流し、脱出案を練る。 【アーカード@HELLSING】 [状態] 全身の所々に銃創、頭部・脇腹・右足に裂傷(自然治癒可能) [装備] 対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾10)@HELLSING [道具] なし [思考・状況] 1、真紅の捕獲、だがアーチャーも長門も逃がさない。 2、人々の集まりそうなところへ行き闘争を振りまく 3、殺し合いに乗る 【E-2 1日目 午前】 【真紅@ローゼンメイデン】 [状態]:健康、人間不信気味、迷い [装備]:なし [道具]:支給品一式、レヴァンティン@魔法少女リリカルなのはA s、くんくんの人形@ローゼンメイデン [思考・状況] 1:ここから離れたいが、少し罪悪感も 2:自分の能力が『魔力』に通ずるものがあるかを確かめたい 基本:ジュンや姉妹達を捜し、対策を練る 【D-3・E-3境界・道路脇 1日目 午前】 【新生SOS団 団長:涼宮ハルヒ】 【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:左上腕に矢(刺さったまま)、頭部に重度の打撲 [装備]:小夜の刀(前期型)@BLOOD+ [道具]:支給品一式、着せ替えカメラ(残り19回)@ドラえもん、インスタントカメラ×2(内一台は使いかけ) [思考・状況] 基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームからの脱出。 1、気絶 [備考] 矢は刀によって極力短く切られた状態にされていますが、出血を抑える目的で依然刺さったままになっています。 【アルルゥ@うたわれるもの】 [状態]:人見知りモード。右肩に中程度、左足に軽い打撲。SOS団特別団員認定 [装備]:ハクオロの鉄扇@うたわれるもの、ハルヒデザインのメイド服 [道具]:無し [思考・状況] 1、「正義のみかたのおねーちゃん」の帰りを待つ。 2、ハルヒ達に同行しつつエルルゥ等の捜索。 【石田ヤマト@デジモンアドベンチャー】 [状態]:人をはね殺したことに対する深い罪悪感、右腕上腕に打撲、相次ぐ精神的疲労、SOS団特別団員認定、脳震盪 [装備]:クロスボウ [道具]:ハーモニカ@デジモンアドベンチャー デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、支給品一式 真紅のベヘリット@ベルセルク [思考・状況] 1:気絶 2:病院へ行ってぶりぶりざえもんとハルヒの治療 3:ハルヒとアルルゥにグレーテルのことを説明。 4:街へ行って、どこかにグレーテルを埋葬してやる 5:八神太一、長門有希の友人との合流 基本:これ以上の犠牲は増やしたくない。生き残って元の世界に戻り、元の世界を救う。 [備考] ぶりぶりざえもんのことをデジモンだと思っています。 また、参加時期は『荒ぶる海の王 メタルシードラモン』の直前としています。 額からの出血は止まりましたが、額を打ち付けた痛みは残っています 【ぶりぶりざえもん@クレヨンしんちゃん】 [状態]:黄色ブドウ球菌による食中毒。激しい嘔吐感。無視されている。 なぜか無傷。SOS団非常食扱い? [装備]:照明弾 [道具]:支給品一式 ブレイブシールド@デジモンアドベンチャー クローンリキッドごくう@ドラえもん(残り四回) パン二つ消費 [思考・状況] 基本:"救い"のヒーローとしてギガゾンビを打倒する 1.私こそが真なる正義の味方……おい、聞いてるのか貴様ら? 2.強い者に付く 3.自己の命を最優先 [備考] 黄色ブドウ球菌で死ぬことはありません。 [共通思考]:市街地に向かい、グレーテルを埋葬するのに適当な場所を探す。 [共同アイテム]:おにぎり弁当のゴミ(後部座席に置いてあります) RPG-7弾頭:榴弾×1、スモーク弾×1、照明弾×1(地面に置いてあります) 【トグサ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態]:疲労 [装備]:暗視ゴーグル(望遠機能付き)/刺身包丁/ナイフ×10本/フォーク×10本/マウンテンバイク [道具]:支給品一式/警察手帳(元々持参していた物)/技術手袋(残り19回)@ドラえもん [思考]:1、涼宮ハルヒの治療・護衛 2、情報および協力者の収集、情報端末の入手。 3、十分な協力者を得られた後、ホテルへ帰還しバトーとセラスを弔う。マーダーがいるようであれば撃退。 4、九課の連中と合流。 [備考] ※他メンバーの行動の妨げにならないよう、他メンバーについての情報は漏らさないつもりです。 ※セラスや長門のことを、強化義体だと思っています。 ※セラスが死んでしまったと勘違いしています。 ※なので、正午にホテルに戻るという行動はキャンセル。ですがあそこを拠点として使う考えは失っておらず、いつか必ず戻るつもりでいます。 ※マウンテンバイクはレジャービルの中で発見しました。 ※あの場にいたもう一人のメイド(みくる)を、バトー殺害犯だと勘違いしています(セラスについてはよく確認できなかったため、保留)。 ※トグサの首輪についての考察は以下の通りです。 ・『首輪は技術手袋で簡単に解体できるが、そのままでは起爆する恐れがある』 ・『安全に解体するための方法は、脱出手段も含めネットワーク上に隠されている』 ・『ネットワークに繋ぐための情報端末は、他の参加者の支給品に紛れている』 ・『監視や盗聴はされていると思うが、その手段については情報不足のため保留』 ・『ギガゾンビが手動で首輪を爆破させるつもりはないと考えているが、これはかなり自信ない』 時系列順で読む Back 白雪姫 Next 親友を失った悲しみと、愛する人を失った悲しみ 投下順で読む Back 白雪姫 Next ハードボイルド・ハードラック 125 D-3ブリッヂの死闘 長門有希 145 正義の味方Ⅱ 119 幸運と不幸の定義 near death happiness アーチャー 145 正義の味方Ⅱ 130 Ultimate thing アーカード 145 正義の味方Ⅱ 130 Ultimate thing 真紅 160 逃げたり諦めることは誰にも 125 D-3ブリッヂの死闘 涼宮ハルヒ 155 お別れ 125 D-3ブリッヂの死闘 アルルゥ 155 お別れ 125 D-3ブリッヂの死闘 石田ヤマト 155 お別れ 125 D-3ブリッヂの死闘 ぶりぶりざえもん 155 お別れ 132 トグサくんのミス トグサ 155 お別れ
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正義の味方 ◆KV/CyGfoz6 猫の鳴き声を頼りに山道を歩いてきたキラ・ヤマトの目の前に、1軒の屋敷が建っている。 地図によると『猫屋敷』らしい。 キラは周囲に注意を払いながらその建物の中に足を踏み入れる。 ここは殺し合いの会場で、いつ自分を殺そうとする人間が現れてもおかしくないという状況に緊張が高まる。 周囲に対して細心の注意を払いながら部屋をひとつひとつ確認し、1階の最後の部屋の扉の前に立つ。 中からは無数の猫の声。2階からも猫の声は聞こえるが、この部屋にもかなりの数の猫がいるらしい。 キラがゆっくりと扉を開けると、そこには猫と、そして一人の人間がいた。 黒いマントに体のラインを強調するようなピッタリした感じの燕尾服らしき服。 上部がドゲドゲしている黒いヘルメットに、よくよく見ればシークレットシューズ。 おまけに、大量の猫に噛まれまくっている。 普通の人間が普通の感覚で考えたらツッコミどころ満載の人物であり、状況なのだが、 キラはそのあたりをすべてスルーして自身の意見を力説した。 「殺し合いなんて、許されるわけがないんだっ! 僕はこんなことは認めない!!」 「その意見には僕も……私も同感だ。世界の平和は守られなければ……ちょ、いたっ、ま、守られなければならない」 キラの目の前の怪しすぎる人物は、猫に噛まれながら、両手を広げ微妙に腰を捻ったような妙なポーズをとりながらそう答える。 「僕はキラ・ヤマト。僕は殺し合いを止めて、こんなことを始めた人間を倒す。……僕たちは協力しあえるだろうか?」 「ああ、いいだろう。ぅうぅぅ…痛い……あれ? アーサー…?」 「君の名前は?」 「僕はくる……わが名はゼロ!」 「ゼロ! 僕たちでみんなを守ろう! そのために僕は戦う!」 キラが熱く語った瞬間―― 『イエーイ! ノッてるかーい!』 ――2階からの変な雄叫びに、ゼロの返事はかき消された。 キラと、猫に噛まれ続けているゼロの間に沈黙が流れる。 「……キラ・ヤマト」 「なんだい?」 「提案なんだが、ここを…あぅっ…出ないか?」 「……そうだね」 とりあえず、ゼロを猫から救出してここを出ようとキラ・ヤマトは決めた。 【エリア/時間】H-4/猫屋敷1階/1日目深夜 【名前】キラ・ヤマト@機動戦士ガンダムSEED 【服装】- 【状態】健康 【持ち物】支給品一式 本人確認済み支給品(1~3) 【思考】 1.ゼロと協力して殺し合いをとめる 2.主催者を倒す 3.とりあえず、猫屋敷から出る ※服装、参戦時期の詳細は、これをリレーしてくれる人にお任せします。 【名前】枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ 【服装】ゼロの仮面&衣裳 【状態】健康 【持ち物】支給品一式 本人未確認支給品(1~3) 【思考】 1.キラと協力して殺し合いをとめる 2.主催者を倒す 3.ゼロの振りって大変だな 4.痛い…… 5.とりあえず、猫屋敷から出る ※R2本編最終話、ゼロレクイエム実行後からの参戦(そのため、ゼロとして振舞っています) ※「生きろ」ギアス継続中。 ※スザクに噛みついていた猫の中に、本当にアーサー(スザクの飼い猫)がいたのかどうかは謎です。 時系列順で読む Back 殺人鬼 Next 『恋』 投下順で読む Back 殺人鬼 Next 『恋』 GAME START キラ・ヤマト 『偽証の呼びかけ』 GAME START 枢木スザク 『偽証の呼びかけ』
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「正義の味方の味方の味方」は哀川譲によるライトノベル。イラストはさくやついたち。 電撃文庫(アスキー・メディアワークス)より2013年1月から刊行。既刊3巻。 書評サイト「読書メーター」や2ちゃんねるではそれなりに好評だったがセールスは芳しくなかった。 あらすじ 炊事、洗濯が目下の任務となっている怪人、鳥坂橙也は、かわいらしい少女で総帥を務める一ノ院凛奈との総勢二名の弱小秘密結社ゼロウ・ファミリーの構成員だったが、ある日凛奈からファミリーの解体を言い渡される。 その後、凛奈と共に正義の味方養成機関である白陽花学園に転入することになり、様々な騒動に巻き込まれていく。 登場人物 鳥坂橙也(とさか とうや) 悪の秘密結社の怪人。真名はジャックランタン。正義の味方を毛嫌いしており、基本的な言動はチンピラそのもの。ただ周囲に彼以上の変人が多いため、いつも突っ込み役に回っている。現在は怪人の力を大半封印している。 一ノ院凛奈(いちのいん りな) 悪の秘密結社の総帥。驚くほどお人好しで「悪の秘密結社は正義の味方の味方」という独自の美学を持っている。好きな相手についついちょっかいを出してしまう。橙也を理由もなく弄っていることが多い。しかし橙也が構わなくなると子供のようにむくれる。運動音痴。 冬咲姫紗希(ふゆさき きさき) DH学科の優等生。喋る時ですら口を動かさないほどの無表情だが、悪ふざけには大いに乗ってくる。氷系の魔術を好んで使う。母親からもらったグローブ型の魔術アイテムを大切にしている。 立花カノン(たちばな かのん) 自称魔法少女。外見は黒い三角帽、マント、箒を常備で魔女にしか見えない。橙也達のムードメーカーであり、いつも不自然なくらいニコニコしている。飛行魔術を扱える。明るく脳天気だからか意味不明な言動が目立つ。 大狼真弦(おおがみ しんげん) 陰陽師を名乗っているが、外見はサングラスをかけた狼。狼の鼻と陰陽道を併用した追跡術が十八番。元は人間だったという噂。しかしDH学科の「正体を探らない」という決まりのため、橙也は真相を聞き出せていない。 用語 白陽花学園 白陽花学園は一般教養も学べる正義の味方の専門学校で、いわば「ヒーロー養成機関」。「正義の味方育成学校」という呼び名が定着している。 最大の特徴としては一般九科目の他に「人助け」という実習がある。白陽花の卒業資格を得ると、国家の正義を名乗っていい資格の準二級国家資格を得られるといわれている。上位に二級国家資格、純国家資格がある。 DH学科 白陽花学園のダークヒーローを養成する学科。DHはダークヒーローの略。癖の強い生徒が集まっている。橙也たちが所属している。 既刊情報 タイトル 初版発売日 ISBN 1 正義の味方の味方の味方 2013年1月10日 ISBN 978-4-04-891267-9 2 正義の味方の味方の味方2 2013年4月10日 ISBN 978-4-04-891556-4 3 正義の味方の味方の味方3 2013年7月10日 ISBN 978-4-04-891821-3
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136 正義の味方 ◆BEQBTq4Ltk 満身創痍の空条承太郎、しかしその瞳は死んでいない。 見るからに瀕死体ではあるが、倒れる気配が全く感じられず、南へ向かおうとしている。 「すごい血が……」 その後姿を見る本田未央の口からありのままの状態が零れ落ちる。 彼が歩いた道は全て黒い赤に染まっており、見ているだけでも痛みを連想してしまう。 進むスタンド使いを止めたい気持ちもあるが、自分が声を掛けたところで何が変わると言うのか。 「待ちなさい、その傷で何処へ向かうつもりですか」 「急に目覚めたと思えばいきなり行動して……身体が保たんぞ」 セリュー・ユビキタスに続いてロイ・マスタングが承太郎に静止を掛ける。 一般人とは言い難いが彼らから見れば承太郎はまだ子供に当る年齢であり、できれば死地へ向かわせたくない。 常人ならば天に昇っても不思議ではない傷を負っているならば尚更である。 「気にするな……それに、お前は誰だ?」 声を掛けられようが承太郎は気にも掛けずに、己の意思を曲げようとしない。 少々言葉が荒くなるが、自分に静止を掛ける男に名を問うた。 「ロイ・マスタング……名簿ではそう記載されている」 「ロイ・マスタング……そうか、あんたが」 「何か聞いているのかね、私のことを」 「………………いいや、何でもねえ」 帽子を深く被り直しただけで、その先に紡がれる言葉は無かった。 承太郎が聞いていたマスタングの情報は主にセリューから流れていた。 その肝心な彼女に信用が置けなかったため、半信半疑ではあったが、気絶していた自分の近くに居たのだ。 きっとそれが彼の本質なのだろう。同行者である女性三人からも嫌にされている素振りは見えない。 人間火炎放射器、事実であろうが彼が聞いた件はいやな事件――そうだったのかもしれない。 「あの、承太郎さんは何処に向かうんですか?」 「俺は足立を追い掛ける……それだけだ」 未央は信じられない。その傷で何故動けるのか。 ステージに立つ彼女に血の鉄混じりの匂いや硝煙は関わりのない存在である。 けれどその存在達が人体にとって良い影響を与えないことなど解り切っているのだ。 承太郎が抱えている痛みを想像すると自分の身が崩れそうになる。何が彼をそこまで動かせるのか。 「その傷で追いかけても……どうして、死にそうなのに……っ。 病院に行かないと死んじゃうよ!? どうして、どうして皆そこまで――っ」 出会った人間も別れた人間も、誰も彼もが強かった。 単純な力の覇者から決して折れない心を持った芯の人間と様々に。 どうして彼らはそこまで強いのか。 殺し合いに巻き込まれて恐怖に怯えている自分が異端のように感じる。 承太郎とは面識が無い。けれど、未央の瞳は涙混じりになっている。 重症を背負いながら動く彼は、自ら死にに行くようにしか映らないから、見ていると心が錆び付いてしまう。 「関係ない、俺はもう行く」 言葉が響こうと承太郎は何一つ揺れ動くこともなく、足立の後を追う。 未央の言葉が届かなかった訳ではない。 イギー、花京院、アヴドゥルが死んでしまったこと。会場に招かれてからの足立との接触。 全てが絡み合ってしまい、退くに退けない状況である。元よりこの状況で黙る男ではないが。 去る承太郎を見ているだけの四人。 何故彼らは必死に止めないのか疑問に思う未央だが、答えは直ぐに返って来た。 「私達も追い掛けましょう。 足立は悪です、生かせる理由なんて無いし――ほむらちゃんの仇」 「承太郎……彼に何を言っても止まらないだろう。 あの傷で動くほどの意思を持っている男だ、私達は彼をフォローしなくては、な」 セリューは仲間であり、同志であった戦友暁美ほむらを殺害した足立を殺すために。 その意思を秘め、承太郎本人の意向を尊重した。彼の背中を見ても、言葉一つで止まる気配など存在しない。 マスタングもまた、彼の足を止める選択を選ばなかった。 あの類の男に何を言っても無駄なことは心得ているつもりだ。本人のやる気を削ぐことにしかならない。 かと言って黙って送る訳でもなく、自らも着いて行く。此処で追わなければ確実に後悔するだろう。 自分の目の前でこれ以上死人を出させてなるものか――焔の錬金術師にだって意地がある。 「しかしセリュー君。 私が承太郎君を追い掛けるから君は卯月君と未央君を……聞いてくれそうにないか」 「勿論です! 悪を滅ばすのが私の使命でありますからね。それにほむらちゃんの件だってある、引き下がるつもりはありません」 女性陣を連れて戦場に赴くのは少々どころか大きな危険を含んでしまう。 前にも小泉花陽や高坂穂乃果、白井黒子に……佐天涙子や天城雪子には辛い経験をさせてしまった。 今回は女性といえ、セリューに任せれる。ウェイブ達と一緒に行動していた時のような『何処に行っても敵が居る』状況では無いかもしれない故に。 だが、セリューの返答はマスタングの思い通りにはならなかった。 寧ろ、なってしまえば本当に彼女はセリューかと疑いを持ってしまう。 正義に囚われた彼女が悪を見逃すつもりが無く、その手で葬るのは簡単に予想出来る。 軽く息を吐いたマスタングは残りの女性陣に、行いたくはないが確認を取ることにする。 「今更だが私達はこれから――」 「私はセリューさんに付いて行きます! 其処がどんなにぐちゃぐちゃでも私は」 「しまむー……マスタングさん、私も一緒に行きます。何が出来る訳でもないけど……ううん、何でもないです」 そして一般人である彼女達も止まらなかった。 卯月はセリューに依存しており、彼女と別れる選択肢など最初から存在していないような即答。 未央もまた逃げることを選ばなかった。 言葉を詰まらせた時、視線の先には友である卯月の姿。 殺し合いによって変わってしまった彼女を放置するなど、友達の思いの未央が選ぶ訳もない。それに、 (何処に行ったて安全な場所何てもう……) 覚悟を彼女なりに決めている。 図書館の一時でさえ簡単に崩れ去ってしまった。 一緒に行動していたセリム・ブラッドレイは人に害なすホムンクルスだった。 頼れる大人だったキング・ブラッドレイも――安全な場所などもう存在しないようで、あったとしても信じられない。 「まったく……セリュー君、私達はこれから承太郎君を追い掛け彼を助ける――誰も死なずに」 「当然です、悪である足立透に正義の鉄槌を下し死んだ物達への手向けとします。卯月ちゃん達を守って」 「ありがとうございます! 島村卯月、頑張ります!」 「………………うん、私達も頑張ろうね! しまむー……」 響く和音はどこか不協を奏で、目に見えない部分で崩壊の予兆を感じさせる。 普段は星のように輝く未央の笑顔が満ちていない、欠けている、足りていない。 振る舞う輝きは無理やりに作成された擬似の星、真なる輝きとは程遠い煌めき。 知らず知らずのうちに侵食されていく心、それを止める防波堤は存在する筈もなく、腐敗の香りに毒される。 けれど止まることも出来ずに、これ以上犠牲を出さないために彼女達は承太郎を追った。 「少しだけ先に行っていてください、三分もしない内に追いつきますから!」 セリューを除いて。 ■ 外は外だ。 緑があり、青があり、黒がある。 比率としては青が薄いが奈落があるため仕方がない。 所々に燃え上がる赤は地図上でいう図書館か。 更に北の北方司令部では謎の氷が天へ連なっている。 東では電車が爆発し、西でも何かが起きるかもしれない。 そしてこの南でも動乱だって引き起こるだろう。 向かってくるのは瀕死の男。 続くように四人の集団が迫っている。 これでは偽りの情報を流しても意味が無い。本人が来てしまえば。 少しだけ嗤いが漏れた後、骸の少女が刀を握り動き出した。 ■ 「遅れてすいません……特に何も?」 「大丈夫ですよセリューさん、何もないです」 慌てて追い付いたセリューに卯月が声を掛ける。 そのやり取りを見つめるマスタングの視線はセリューに集まる。 特段、止めもしなかったが彼女は一体何をしていたのか。時間はそれほどかかっていない。 衣服にも作業を行った痕跡は無く、何をしたか見当も付かない。 危険人物の香りを漂わせる彼女はなるべく眼を離したくないが、これからも注意が必要であろう。 「マスタングさん、セリューさんは何をしてたのかな」 「分からん。私達に見られたく無いことは確かだが……まぁいいだろう」 未央も気になっている。 彼女にとってセリューの存在は異質である。 正義に盲信しているのもそうだが、島村卯月の存在が大きい。 セリューと出会ってから彼女の何かが壊れている、壊されているかもしれない。 何があったかは言葉でしか解らないが、心情までが解り切れる訳ではない。 前を歩くセリューと卯月、ついでにコロ。 殺し合いの最中ではあるが、何故か笑顔である。 煌めきに黒を交えた禍々しさを秘め、天使達の視界は何色に映っているのだろうか。 「未央ちゃん!」 突然振り向く卯月に対して、咄嗟の反応が出来ない。 「こんな状況でも私達、頑張りましょうね!」 言葉も出て来ない。 ましてや暁美ほむらが死んだ直後で、傷だらけの承太郎が前にいる時に。 「う、うん……そうだねしまむー」 どうしてそんな――綺麗な笑顔でいられるのか。 ■ 血を吐き出す。 線路の上に赤黒い鮮血がこべりつく。 東の方角へ走る電車が見える。 足立が乗っている可能性もあるが、足を止める理由にはならない。 アイツは――俺がぶっ飛ばす ■ 線路を歩き終えた承太郎の目の前に立ち塞がる白いコートを羽織った存在。 場所はひらけており、右手には民宿が見える。 「テメェ、邪魔するなら――」 握られている刀から敵対の意思を隠すつもりは無いらしい。 幽波紋を具現化させ、両者の力が一斉に大地を蹴る。 距離を詰め振られる刀を逸らすようにスタープラチナの右拳が当る。 白いコートはその場を大きく後退すると、弧を描くように足を動かし直接承太郎へ走る。 追い掛けるスタープラチナを間に割り込ませ、声と共に顔面を狙い拳を放つ。 「オラァ!」 吸い込まれていく拳を白いコートは身を低くすることで回避し、尚も承太郎に迫る。 対応しようと足を踏み込む承太郎だが、連戦による疲労と損傷からか身体が上手く動かない。 足取りが重く、踏み込むだけでも身体の内部から悲鳴が轟音を響かせてしまう。 「――ッ」 吐血。 溢れでた鮮血を気に留めることも無く、白いコートが距離を詰め刀を振ろうと――しかし。 承太郎との間に燃え上がる焔がそれを止める。 彼らの背後にはマスタングが錬成しており、白いコートは再度距離を取る。 「また会うとはな……ウェイブには悪いが私の手で葬ってやる」 忘れる筈もない。 忌々しい記憶が今でも残り続けている。あれはウェイブ達と合流した後の悲劇。 エンヴィーとキンブリーに踊らされたあの時に対峙している相手である。 マスタングの隣にいるセリューの表情が曇る。 話には聞いていた。でも信じたくなかった。 白いコートの存在を彼女は知っている。それもたくさん、一緒に過ごした時を忘れるなど有り得ない。 だから。思い出は消えない、消せない、消させない。 死んで暴れるなら――私が此処で生命を潰して終わらせてやるのが嘗ての仲間の役目。 「クロメ……今、私が開放してあげますからね」 帝具を冠する狗が彼女の腕を喰らい尽くす。 獰猛な牙を覗かせぐちゃぐちゃと肉を喰らう音を響かせ。 骨を噛み砕く音を響かせながら現れるは刀、宋帝刀。 左側から距離を詰め定石を無視して力が思うがままに刀を振るう。 風を斬り裂く音だけが響き、白いコートは左斜めに身体を移行させ回避していた。 「――っ」 その時、動きから白いコートが羽ばたいて落下する。 其処にはやはり、セリューが知っているクロメの姿が骸となって生の世界を彷徨っていた。 歯を食いしばる。 骸の力は帝具八房の能力であり、それはクロメの愛刀である。 それを盗んで彼女を殺害した男をセリューは許さない。キンブリーを許さない。 「コロッ!!」 黙っていれば自分が殺される。 刀の勝負でクロメに勝てる可能性など零だ。 迫る攻撃から逃れるように転がり込み、自分とクロメの間には力を発揮したコロが割り込む。 響きを上げた遠吠えと共に右拳を大地に叩き付ける。 周辺に地震を発生させるも、クロメは跳ぶことによってこれを回避。 着地した後、これを追撃しようと走りだすも急停止し、右から迫る拳を回避する。 スタンドの拳は嵐のように迫り、全てを回避するのは不可能と判断し腕を交差させる。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ――オラァ!!」 何発も浴びる度に後方へ追いやられ大地が削られていく。 一発一発が必殺級の拳を受け止める毎に骨が軋みを響かせ人体の崩壊を匂わせる。 骸で無ければ苦痛の表情を浮かべていただろうが、死者に痛みなど皆無。 最期の一撃は全力を振り切った拳。 大きく飛ばされるクロメであるが、受け身を行い、直ぐに走りだす。 対する承太郎だが、最期の一発と共に大きく血を吐いてしまい、大地に片膝を付けている。 守るように焔が燃え上がるも、クロメは大地を縦横無尽に走り込み、己の軌道を撹乱している。 殲滅力に関しては参加者の中でも上位に君臨する焔の錬金術師ではあるが、守るべき存在が近くにいる時、その真価を発揮することは出来ない。 強力な力故に、仲間を巻き込む恐れがあるから。 跳んだクロメの刀は無情にも承太郎の上半身を斜めに斬り裂く。 溢れ出る血は刀身に付着し、禍々しい妖気を放ちながら返すように切り上げ――これを刀で防ぐセリュー。 「下がってください!」 強引に弾き飛ばし、クロメの腹に蹴りを叩き込み彼女を大きく吹き飛ばす。 左腕で静止するように承太郎の前に出ると、再び刀を握りしめクロメに向かう。 勝てる気がしないが、逃げ出す必要も理由もない。 鍔迫り合いが発生するが簡単に終わり、左肩が八房に貫かれる。 苦痛の表情を浮かべるが、やっと好機を掴んだ――歪んだ笑顔が降臨する。 「捕まえた――逃がさないッ!」 抜こうとする八房を強引に掴み、行動を抑制すると空いた片手で刀を握り締める。 ゆっくりと上に、すると次は素早くお返しと謂わんばかりに心臓を一突き。 「まだまだァ! 死ねええええええええええええええええええええ」 刺しても安堵することは無く、肉を抉るように刀を振り回す。 人体の臓器を潰し、血管を斬り裂き、生命を削る。 骸相手に生半可な戦い方では自分が負けてしまう。嘗ての仲間だろうと遠慮することなど――無い。 その戦闘を眺める未央は口を抑え、奈落の下へ溢れ出る異物を落とし込んでいた。 鮮血には慣れてしまった自分が居る。それだけでも不快感が身体を走り回るというのに。 続いて実際に人間が斬り裂かれる瞬間を、人体が喰われる瞬間を、人体の臓器が潰される音を聞いてしまえば。 壊れてしまう。人間としての大切な何かが壊れてしまう。 目尻に涙を這わせ、それでも絶望に屈しないために、気を手放すことは絶対にしない。 セリューが、承太郎が、マスタングが戦っている。 自分が動けなくなり、足を引っ張ることなんて絶対にしない。 タスクも、狡噛も、新一も、アカメも、ウェイブも――他の参加者達だって今も戦っている。 自分だけ。 自分だけが逃げる訳にはいかない。 だけど。 (しまむーは平気なんだね) それでも、認めたくない現実だってある。 「退け! セリュー!!」 掌を合わせたマスタングが叫ぶ。 動きを止めたならば好都合だ。最大火力で焼き尽くすまで。 一般人である未央と卯月には見させたくない光景だが、躊躇すれば死者が出るかもしれない。 酷ではあるが、我慢してもらうしかあるまい。 殺し合いに巻き込まれた時点で平穏な時を一生過ごそうなど理想の果てくれに漂う蜃気楼だ。 安地など、約束の大地であるカナンなど存在しない。 「――ッ、任せましたよマスタング!」 刀を引き抜く前に全体重を付加させ、クロメの左足まで強引に斬り裂く。 行動を可能な上まで制限させた上で、刀を引き抜き大きく後退するセリューはそのままコロの背後に回る。 圧倒的な焔の近くに居れば、己も焼けてしまう。 「お前の仇は私達が取る――此処で眠ってくれクロメッ!」 弾かれた指と共に錬成される焔は骸を包み込む。 火葬――冗談にもならない不謹慎な言葉ではあるが、死体を葬ることに変わりはない。 ウェイブが見れば何と言うか。 彼ならば全てを受け止めてくれるだろうが、心の傷は癒やされないだろう。 この時、誰もが気付かなかった。 クロメが刀を投げ捨てていたことを。 民宿の二階からキンブリーが嗤っていたことを。 そして焔と共に、クロメに仕込まれた悪魔の火薬が一帯を焦土へと叩き堕とす。 「ハハ――ハハハハハハハハハッ! 何とも美しい爆発ではありませんか!」 荒れ果てた大地の上で一人の悪魔が嗤い、その声が嫌でも響いてしまう。地に刺さった死神の刀を引き抜きながら。 転がる首輪が彼の足に当たり、止まる。機会的な金属音が小さい静寂を奏でる。 「あの爆発にも耐えるとは……中々どうして面白い」 首輪の耐久力に興味を示すも、更に興味を惹く存在が在る。 「貴方も」 口内に溜まった血を吐き出した学生は側に幽波紋を立たせ、悪魔を睨む。 「貴方も」 爆発に対して咄嗟に大地の壁を錬成し、己を含み後方に居る一般人をも守った男が、因縁の錬金術師を睨む。 「貴方も」 一番爆発に近かった彼女は帝具に守りを取らせ、その帝具も傷こそ負えど人造生命体のように傷を回復させ、仲間の仇を睨む。 「素晴らしい! よくも此処まで立ち上がれる……その意地、敵ながら尊敬させてもらいますよ」 腕を広げながら立ち上がる参加者に賛辞を送る紅蓮の錬金術師。 しかしその言葉を誰も受け取らずに、最初に動いたのはセリューだった。 コロに腕を喰わせ鉄球を強引に振り回し首からを上を吹き飛ばそうとするが骸の愚者に止められてしまう。 「――――――――――――――――テメェッ!!」 全てを悟った承太郎は死に体に鞭を振るい、気力がある限り身体を動かす。 飛ぶスタンドの拳は銀の弾丸よりも早く、強く、信念が篭っている。 この男は殺す。 イギーを殺したこの男を――殺す。 「やはりこの能力は貴方と一緒でしたか」 イギーの持つビジョンに興味を示していたキンブリーは気になっていた。 民宿から戦闘を眺めていた時、承太郎の能力と似ていることに。 天城雪子のペルソナとも似ていたが、どうやら本質は此方らしい。 「亡き友のために拳を振るいますか」 「そんな飾った言葉で気取るつもりはねぇ……テメェが俺に売った喧嘩を買うだけだ」 悪魔の囁きを掻き消すように振るわれた拳は愚者を崩壊させる。 砂塵が吹き荒れ蜃気楼のように消える――最初から狙いはスタンドの本体であるイギーのみ。 「――――――――――――――じゃあな、イギー」 叩き落とされた拳はなるべく身体を破壊しないように、心の臓だけを止めるように放たれた。 骸となって世界を彷徨う仲間に出来ることは、終わらせること。 長い旅を共にした仲間との別れが――世界との別れが訪れる。 光り輝くイギーの身体。 発せられる悪魔の煌めきは世界を赤く包み込み爆の波動。 クロメと同じように身体に細工を施された骸の罠が発せられる。 セリューは爆発から逃げるように、承太郎を救えない現実を噛み締めながら後退する。 その瞬間、承太郎の表情は憎しみによって歪められていた。 それと同時に、自分の死を悟ったのか――何処か後悔を浮かべているようで。 「残念――ただの発光でした」 「テメェ……」 気付けば承太郎の心臓は悪魔が握る八房に貫かれていた。 もう吐く血も残っていない。 コロが卯月と未央を乘せ西へ移動している。 「そんな、私だけ逃げるなんて……セリューさん!」 「大丈夫ですよ卯月ちゃん、だって私は正義の なんですからね!」 「承太郎さん……承太郎さんっ!!」 未央の叫び声が聞こえるが、承太郎は思うように声を発せない。 少々適当にあしらってしまった彼女だが、心配してくれたことに変わりはない。 (生きろ) それだけ。 口を動かし伝わるかも解らない合図を送る。 それを感じ取ったかは不明だが、彼女は泣いていた。 続いてマスタングは焔を錬成し、キンブリーを焼こうとするも愚者に防がれている。 殺したかと思えば心臓もフェイクであり、悪魔に完全に嵌められてしまった。 セリューは鉄球を振るうも悪魔が錬成した大地の壁に阻まれてしまう。 故に承太郎を救える人間は存在しない。最も助かる傷ではない。 「貴方の強さは本物だ……是非とも私の役に立ってくれるでしょう」 八房の能力は殺した人間を骸と化し己の駒とすること。 刀を引き抜けば承太郎は絶命し、キンブリーの下僕と成り果てる。 だが、 「抜けない……ッ!?」 黙って死ぬ程、空条承太郎という人間は大人しくない。 今でもキンブリーを殺さんと絶望的な状況ではあるが、その瞳は死んでいない。 スタープラチナが刀身を握り締め、動かさないように固定している。血を流しながら。 (生きてるのはジジィだけか) イギーも、花京院も、アヴドゥルも死んでしまった。 会場に生きている旅の仲間はジョセフ・ジョースターのみ。 ポルナレフも生きているだろうが、会場に居る仲間はジジィだけである。 (DIOの野郎……) 志半ばに倒れてしまう自分が情けない。 だが、黙って死ねる訳もない。 今、出来ることを――。 「テメェを殴らねぇと死んでも死にきれねぇ」 放たれた最期の一撃は星の煌めきのように儚い。 星屑を纏う拳はキンブリーの右頬を捉え、彼を大きく吹き飛ばした。 それと同時に。 空条承太郎の身体から八房が抜かれ――今此処に一人の男が死んだ。 承太郎の死を目撃したマスタングはなりふり構わず焔を錬成し、一つの終わりを告げる鐘を鳴らすべく修羅となる。 「君には助けられたこともある」 迫る愚者の猛撃を無様に身体を大地に這いつくばるように回避し、焼き払う。 「君が居なければ私もウェイブも、白井君達も死んでいた」 更に掌を合わせ、顔を歪めるイギー目掛け最大火力を錬成し、指を鳴らす。 「礼を言う。君のおかげで私達は今も生きている――さらばだ、本当にすまない」 焔の発現を背後に、マスタングは振り返らずキンブリーの元へ走る。 躊躇いも、戸惑いも、情けも無い。 嘗ての仲間だろうと、命の恩人であろうと心を修羅にしたマスタングはイギーを完全に消し去った。 呆気無い。何とも呆気無いがこの火力こそが焔の錬金術師の代名詞であり、彼の罪であり、業であり、力であり、生き様である。 掌を合わせ、飛ばされた悪魔を焼こうとするも視界が暗くなる。 太陽は昇っている。視界を遮るはスタンドの拳。気づいた時には彼もまた吹き飛ばされていた。 「遅かったか――承太郎ッ!」 迫るスタープラチナに対応しようと焔を錬成するも、簡単に回避されてしまい距離を詰められる。 スタンドの背後に燃え上がる焔が悪夢を演出させ、拳がマスタングに迫る。 これを腕で受け止めるも、近接戦闘が得意ではないマスタングにとってこの状況は圧倒的に不利だ。 焔を錬成しようにも拳の応酬によって錬成する時間も、呼吸をする時間さえも惜しい。 腕を交差させラッシュに耐えるも――限界が訪れる。 腕を上にかちあげられてしまい、無防備となった身体に無数の拳が吹き荒れる。 人体から骨が悲鳴を上げ、内部では臓器が危機の信号を体中に響かせる。 空条承太郎、骸と化した今でもその能力は衰えない。 ■ コロから降りた未央と卯月は線路の上から爆発が絶えない戦場を見つめ、戦っているであろう彼らの無事を祈る。 承太郎の死を以って訪れた別れの時。 あの場所に戦えない自分達が居れば、足手まといになるのは目に見えている。 今も、セリューにとって大事な相棒であるコロを奪っているのだ。居場所なんて無い。 コロは主であるセリューの元へ向かうため、此処を離れる。 「承太郎さん……最期に『生きろ』って……自分があんな状況で私に『生きろ』って」 死者に明日を夢見る資格は無い。だが生きている人間は明日を体感する権利を持っている。 生者には死者に出来ない夢を追う資格がある。承太郎の真意は不明だが、生きろと言われたらからには生きるしか無い。 タスク達も生きている。 彼らが頑張っているならば自分も頑張らなければ、腐っている訳にはいかない。 「しまむー、私達は絶対に生き残ろうね。生きてみんなのところに――」 「へ? あっ、そうですね……生きて帰ってもう一度みんなで……ニュージェネレーションで……にゅー……?」 それはもう取り戻せない日常。 卯月が紡ぐ言葉に未央の瞳には涙が浮かぶ。 心が壊れていようが、目の前に居るのは未央が知っている島村卯月だ。 「未央ちゃん何で泣いて……あれ、私も泣いてる……これって何なんでしょうね凛ちゃん……凛ちゃん?」 ニュージェネレーション。 あの輝きを卯月の口から聞けたことに未央は心の底から嬉しがった。 もう聞けないと、もう私の知っている島村卯月は存在しないかもしれない。 そんな不安が、再開してからずっと心の青空を雲が覆っていたのだ。 「どうしてなんでしょうね……助けてください、セリューさん……」 それでも、やはりあの頃の島村卯月は――。 【C-8/一日目/午後】 【島村卯月@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]:悲しみ、セリューへの依存、自我の崩壊(中)、精神疲労(極大)、『首』に対する執着、首に傷 [装備]:千変万化クローステール@アカメが斬る! [道具]:ディバック、基本支給品 [思考] 基本:元の場所に帰りたい。 0:セリューに着いて行く。自分の価値を失くしたくない。 1:セリューを待つ。 2:セリューに助けてもらう。 3:凛ちゃんを殺した人をセリューに……? 4:死にたくない。 [備考] ※参加しているμ sメンバーの名前を知りました。 ※渋谷凛の死を受け入れたくありませんが、現実であると認識しています。 ※服の下はクローステールによって覆われています。 ※自分の考えが自分ではない。一種の自我崩壊が始まるかもしれません。 ※『首』に対する異常な執着心が芽生えました。 ※無意識の内にセリューを求めています。 ※クローステールでウェイブ達の会話をある程度盗聴しています ※ほむらから会場の端から端まではワープできることを聞きました。 【本田未央@アイドルマスター シンデレラガールズ】 [状態]:健康 深い悲しみ [装備]:なし [道具]:基本支給品、不明支給品0~2、金属バット@魔法少女まどか☆マギカ [思考・行動] 基本方針:殺し合いなんてしたくない。帰りたい。 0:マスタング達を待つ。 1:しまむー… 2:セリューに警戒。 3:生きる。 [備考] ※タスク、ブラッドレイと情報を交換しました。 ※ただしブラッドレイからの情報は意図的に伏せられたことが数多くあります。 ※狡噛と情報交換しました。 ※放送で呼ばれた者たちの死を受け入れました ※アカメ、新一、プロデューサー、ウェイブ達と情報交換しました。 「随分と血だらけですが大丈夫ですか?」 「此方の台詞だ、君こそ私に任せてそろそろ倒れたらどうだ?」 背中合わせの英雄の身体は満身創痍、限界を迎える直前である。 キンブリーの錬金術によって被害を被ったセリュー・ユビキタス。 承太郎のスタンドによる攻撃によって人体に深刻な損傷を負ったロイ・マスタング。 対する悪魔達は英雄よりかはずっとマシな状態である。 キンブリーの傷と云えば承太郎の拳による攻撃ぐらいであり、今も嘲笑っている。 承太郎は何度かマスタングの焔を喰らったものの、直撃は受けておらず、骸ながらに生命を維持している。 このどうしようもない状況で、英雄は眼前の敵だけは此処で殺さんと覚悟を決めている。 「さぁどうしますかね。 私は残念ながら貴方達を逃がす程のお人好しではない」 「そんなことが出来る悪など存在しない、貴様は私が此処で葬る」 「口だけは達者な女性だ……似合わない鉄球では私を捉えることも出来ない」 「ならば私の焔はどうだ? 悪魔の皮を剥がしてやる」 不意打ちのように迫る焔に対し、キンブリーは舌打ち共に大地を隆起させる。 盛り上がった土で焔を受け止め、お返しと謂わんばかりに彼らの足元へ爆発の錬成の閃光を走らせる。 「飛べ!」 「無茶を言わないでください!」 散開し爆発を回避した彼らは相手を取り替えて敵に向かう。 承太郎に対して鉄球を振るうセリューだがスタープラチナに鎖を掴まれてしまう。 行動を塞がれてしまうが、この未来は読めていた。 「斬り裂かれろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 腕を強引に振り回し、スタープラチナを中心に鎖を回転させる。 すると鎖はスタンドを巻きつけ、その場に封じ込めてしまう。それでも尚動きを止めない。 更に回転させ鎖で引き千切ろうとするも、星屑のスタンドパワーは想像を絶する。 「まさか――鎖を自力で破壊した!?」 己の身体を開放させ鎖を解いたスタンドはセリューに向かう。 お返しと謂わんばかりに無慈悲にも最強の拳が彼女の顔面を捉え、大地に転がせる。 「セリュー!」 「余所見をする余裕があるとは流石ですねぇ!!」 「しまっ――」 吹き飛ばされるセリューに気を取られたマスタングの隙を狙い、紅蓮の錬金術が彼に迫る。 大地ごと爆発物に錬成され、防御も間に合うはずもなく、無慈悲に爆発が轟いてしまう。 一応、錬成は間に合ったものの、直撃を避けるの意味合いでありマスタングの左腕は大きな火傷を覆ってしまった。 奇しくもセリューと同じ場所に飛ばされたマスタングは彼女が生きていることを確認して、立ち上がる。 其れにつられて――か、どうかは不明だがセリューも立ち上がり、眼前に一人の悪魔と骸になってしまった仲間を睨む。 「またこんな状況だが――私に任せて逃げる選択肢を選ぶつもりはないか」 マスタングの提案は自分一人を犠牲にしセリューを逃がす、自滅の誘い。 しかし彼女はこれを受けずに、口元を緩ませてあろうことが耳を疑う返しを行った。 「その言葉そっくりそのままお返しします」 呆気に取られるマスタング。 どうも天城雪子や白井黒子、アカメといい強気な女性ばかりが戦っているようだ。 だが、嫌いではない。思えばアメストリスで周りにいた女性も強い女性ばかりである。 男である自分がこんなところで情けない言葉を吐けば中尉に撃ち殺されてしまう。 「仕方がない。ならば打開するしかあるまい――この状況を」 キンブリーと承太郎の厄介な所は組み合わせではない。 錬金術によって広範囲攻撃を行うキンブリーとスタンドによる圧倒的な近接戦闘力を保有する承太郎。 言葉や表現は違えどマスタングとセリューも似たような組み合わせである。 前者と後者の大きな違いと云えば『傷』である。 連戦によって大きく浪費しているマスタング達と、然程浪費していなく骸も持っているキンブリーでは体力に大きな差が発生する。 状況を打開するには焼き殺すのが手っ取り早いが、そう上手く行く筈もない。 「貴方達は大分追い詰められていますが――ああそうだ。 先程逃げた彼女達も今頃私達の仲間によって……クク、死んでいるかもしれませんねぇ?」 『貴様ァッ!!』 セリューとマスタング、二人の声が重なり一斉に走りだす。 マスタングは焔を錬成しキンブリーを焼き殺そうとするも正面からの錬成では簡単に防がれてしまう。 「甘いッ!」 ならばそれを上回る火力で圧倒的に焼き尽くせばいい。 大地の錬成の守りを崩しキンブリーの上半身を焼くも、致命傷にはならない。 寧ろ、此処まで酷使しているマスタングの身体が悲鳴を上げ、その場に膝を落としてしまう。 追撃を行おうと飛び出したセリューが鎖を振るいキンブリーに打撃を与えようとする。 しかし骸である承太郎のスタンドが割り込み、拳で弾かれてしまう、ならば。 「何も帝具だけが私の武器ではないッ! 斬り裂かれろよおォ!!」 懐から日本刀を取り出しスタープラチナを斬り裂くセリューだが、右腕しか捉えられない。 しかしそれで充分であり、その場で固まるスタンドを通り抜けキンブリー目掛け走る。 「学習しない人達です――ッ!?」 いい加減飽きたと謂わんばかりにセリューを殺そうとするも、キンブリーはその場から緊急回避。 上空から此方へ降下してくるコロの奇襲を回避すると、転がり込み承太郎の近くへ移動した。 「この狗が来たということは誰も彼女達を守ることは出来ない」 彼女達は セリューが 「心配するな 守る」 卯月ちゃん達はマスタングが 虚しく響くだけの音を誰も拾わない。キンブリーでさえも嗤わずに彼らを見つめている。 沈黙を破ったのはセリュー、強引にマスタングのバッグに何かを捩じ込むと彼の背中を叩いた。 「私にはコロが来てくれた、でも卯月ちゃん達を守ってくれる人は誰もいません。 だから、此処は私に任せてマスタングさんは先に行っていてください。私も直ぐに追いつきますから!」 「その言葉を私に飲み込めと――君に此処を託して一人で逃げろと言うのかッ!」 「キンブリーが言っていることだって嘘の可能性もあります。 コロが敵に気付かずに此方に来る何てあり得ません。だから念の為にです。 それに――マスタング、卯月ちゃんを救えるのは貴方しか今は頼れない――コロォォォォオオオオ!!」 マスタングの返答を無視して好きなだけ言葉を紡いだセリューはコロにその身体を喰らわせる。 全く曇りのない瞳は絶望的な状況であろうと、悪を滅するために、その身を危険に陥れようと勇猛果敢に振る舞う。 その覚悟を見てマスタングはまた届かない言葉を並べるのか。違う。 一度決めた覚悟は簡単に崩れない。故に覚悟。 鋼の錬金術師も、アームストロング姉弟も、中尉も、あのブラッドレイだって、キンブリーでさえも覚悟を持ち合わせている。 ウェイブも、白井黒子も、高坂穂乃果や小泉花陽だって、それに空条承太郎――セリュー・ユビキタスもだ。 己の人生を、覚悟を決めた人間に水を差す行為は茶番だ。その人間に対する愚かな行為である。 一度決めたその決意を、咎める権利など他人は持っていない。 けれど。 「私も直ぐに追い付く――生きろ、セリュー・ユビキタス」 「勿論だ、何せ私は正義の ! 悪を滅ぼすまで死ぬことなんてあり得ない!」 コロに全身を喰わせたその身体は十王の裁きを組み合わせた殲滅力を限界にまで高めた悪を滅ばす覚悟の現れ。 ミサイル、ライフル、キャノン砲、ショルダーランチャー……様々な銃火器を人体に宿わせる。 硝煙の香り、それに似合わない少女は敵を殺すべく己の身体を機会的に改造し、明日に手を伸ばす。 「空条承太郎、セリュー・ユビキタス……君達が居なければ私達は全員死んでいたかも知れん」 走り去るマスタングは振り返ることもせずに、未央達の元へ急ぐ。 キンブリーの言葉が正しければ彼女達の生命が危ない、もうこれ以上誰も死なせるわけには行かない。 例え全てが悪魔達の掌の上で踊らされていようと――生者は歩みを止めるわけにはいかない。 【C-7・西/一日目/午後】 【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】 [状態]:疲労(大)、精神的疲労(大)、迷わない決意、過去の自分に対する反省、全身にダメージ(大)、火傷、骨折数本 [装備]:魚の燻製@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース [道具]:ディパック、基本支給品、錬成した剣 即席発火手袋×10 タスクの書いた錬成陣のマーク付きの手袋×5。暁美ほむらの首輪、鹿目まどかの首輪、万里飛翔マスティマ [思考] 基本:この下らんゲームを破壊し、生還する。 0:殺し合いを破壊するために仲間を集う。もう復讐心で戦わない。 1:未央達の安全を確認した後、セリューの加勢に入る。 2:ホムンクルスを警戒。ブラッドレイとは一度話をする。 3:エンヴィーと遭遇したら全ての決着をつけるために殺す。 4:鋼のを含む仲間の捜索。 5:死者の上に立っているならばその死者のためにも生きる。 [備考] ※参戦時期はアニメ終了後。 ※学園都市や超能力についての知識を得ました。 ※佐天のいた世界が自分のいた世界と別ではないかと疑っています。 ※並行世界の可能性を知りました。 ※バッグの中が擬似・真理の扉に繋がっていることを知りました。 風が吹く。 覚悟を決めた女に積まれるは男の浪漫を詰め込んだ圧倒的殲滅壊滅力保有銃火器。 目の前には悪魔と骸と化した存在。 葬るには絶好の獲物であり、己が正義であらんことを証明するための礎となってもらう。 狙いは定める必要も無い。この広範囲武装の前に人体など気にする必要もない。 「さぁ! 遂にお前を殺す時が来たぞキンブリー! 我がイェーガーズの仲間であるクロメを! それにこの場で殺した空条承太郎を殺した罪――死んで償うがいい!!」 己を奮い立たせる短歌は亡き友へ向けた開戦の祝砲。 死んだ人間はもう戻らない。嘗ての師であるオーガやDr.スタイリッシュ、悪に殺された両親と同じように。 クロメも戻らぬ存在となってしまった。 その仇が目の前に居る。 マスタング、承太郎と三人掛かりで臨んだ戦いも今じゃ一人しか残っていない。 居るのは相棒のコロだけ。けれど。 (私には待ってくれている人が――居る) この会場に来て最初に出会った参加者の島村卯月。殺しには無縁の無垢な少女だった。 最初は守るべき存在だったが、知らない間にセリューもまた、卯月に心を許していた。 この生命は最早一人の物ではない。帰りを待ってくれる者のためにも死ぬ訳にはいかないのだ。 「だって私は正義の味方だから」 憧れであり、目標であり、己を指す言葉を引き金に。 悪を滅ぼさんとするセリュー・ユビキタス全力全開の攻撃が始まった。そして――――――――――。 民宿だけが奇跡的に残された大地で立ち上がる人間は一人しかいない。 圧倒的焦土と成り果てた大地で生命を噛み締める男は一人しかいない。 焦土の彼方此方には嘗て人間を構成していたと思われる肉片が落ちており、辺りには腐臭が漂う。 奇妙な程までに頑丈な首輪が転がっており、刻まれている名前はイギーと空条承太郎。 骸と化したスタンド使いは文字通りこの会場から消え、正真正銘に死んだこととなった。 吹き荒れる爆炎、轟く銃声、全てを赤に包む爆風、崩壊する世界。 この世の終わりとも思える音を世界に響かせた一瞬の輝きも終われば、立ち上がるのは悪魔だけ。 迫る銃火器を己の錬成で防ぎ、その間にセリュー・ユビキタスにも爆発の錬成を迫らせる。 己の錬成だけで防ぐのは不可能であり、ならば新たな盾が必要となる。 そこで新たに調達した骸である承太郎を肉壁にすることにより、キンブリーはその生命を散ずに済んだ訳である。 嘗て承太郎と呼ばれた存在を表す記号は最早、首輪しか残っていない。 しかし全てを防げた訳ではない。 キンブリーも全身に重症一歩手前の傷を追うこととなり、夥しい数の火傷が上半身に浮かんでいる。 それがセリュー・ユビキタス最期の証であり、悪魔キンブリーに一矢報いたことを表す。だけど之で終わる彼女では無い。 「まだ生きていますか……しぶとい人だ」 「此方の台詞だ……クソ、悪は絶対にころ……す……」 下半身を爆発によって吹き飛ばされてしまったセリューは当然のように上半身しか存在しない。 身体の断面から想像出来ない程の血液が漏れだしており、彼女周辺の一帯だけは赤い池が形成されている。 その瞳はまだ死んでいない。 しかし残念ながらそれ以外が死んでおり、事実上キンブリーを殺す術を持ち合わせていない。 彼女に近づいたキンブリーが見下すように、 「正義の味方――響きは良いですが死ねばそれで終わりですよ」 彼女が攻撃をする前に呟いた記号を彼は聞き逃していなかった。 何故、あの瞬間にこの言葉を響かせたかは不明だが、きっとセリュー・ユビキタスの存在を表す記号なのだろう。 色や形は違えど、鋼の錬金術師と同じような、芯を持った人間であり、その身を酷使していたに違いない。 敵であろうと、相容れない存在であろうとその姿にはある種の敬意すら抱ける。 「私が死んでも、正義が悪に屈したことにはならない……悪は必ず滅び……っ」 言葉に耐え切れなくなり身体から血液が溢れ出る。声を発する動作すらまともに行えない程、彼女は死に体である。 悪を滅ぼす、殺す、断罪する。 その目標だけを捧げてきた一人の英雄の詩が紡がれなくなる瞬間が近付いている。 「悪ですか……社会不適合者は確かに悪ですが貴方にとって悪とは……いえ、なんでもありません」 悪の美学、或いは定義を聞こうとするキンブリーだが、最期まで言葉を紡がない。 これから死んでゆく彼女に語らせても、得るものも、失うものも何もない。 世界を去る正義の味方の最期ぐらい彼女の言葉を紡がせてあげようではないか。 「正義は必ず勝つ……じゃなければ市民が、皆が安心して暮らせない……だから、私は――ッ!!」 カチリ。 遂にその時がやってくる。 終わりを告げる針が世界を動かす。 例えこの身が朽ち果てようと。 私は――――――悪を断罪する。 「悪は必ず滅びる! 私が断罪する! キンブリーィィィイイ!! 貴様に訪れる明日など存在しない!!」 息を吹き返したように叫ぶセリュー。口から血が吐き出ようが関係ない。 此処で悪を一人でも殺せるなら本望――かもしれない。断言は出来ないだろう。 けれど彼女の使命は一つ果たされる事になる。それにクロメの仇も取れるだろう。 「この音……まさか貴方は自分ごと――ッ!」 「五道転輪炉……私の脳内に施された爆弾はDr.スタイリッシュがくれた最期の――正義」 セリューの言葉を聞いたキンブリーの表情が一転して曇り、その場から離れようとする。 針の音が聞こえた時、全てを理解した。 絶大な生命力もそうだが、彼女は自分を引き止めるために言葉を紡いでいたのだろう。 それに圧倒的な火力は此方の体力を可能な限りまで削り、大地を破壊し確実に追い込むためだったのかもしれない。 (一杯食わされたという訳ですか……チィ!) 「今更逃げたって無駄だぁ! 貴様は此処で死ぬんだよキンブリーィィィィィイイイイイ!!」 錬成で防ごうにもあの圧倒的火力を人体に背負った存在の爆発から守り切れる自信が無い。 可能な限り離れようとするが――一か八かの賭けに出るしか無いだろう。 「誰もいなくなっちゃった……」 残されたセリューの周りには誰もいない。 常に側に居てくれた島村卯月は別の場所へ避難している。もしかしたら彼女は既に――いいや、それはない。 マスタングが向かっているからきっと大丈夫だろう。 今一つ信用が置けない彼ではあるが、ウェイブが信頼している男でもある。信用と信頼は違うが上に、きっと卯月達は大丈夫だろう。 「ごめんね卯月ちゃん、一人にしちゃって」 心残りは彼女を残してこの世を去ることである。心配であり、ただ単純に彼女のことが心配である。 南ことりの殺害現場を見せたこと、不可抗力とは云え一般市民には辛い現実を体感させてしまった。 錯乱状態に陥った人間の果ては由比ヶ浜結衣の一件で卯月も感じ取れただろう。 悪は例え善人の心であろうと、蝕んでしまい、負けた者は心ごと悪へ変化してしまう。 「負けないでね卯月ちゃん……自分を見失わないで」 だから彼女には最期まで自分の意思を貫き通して欲しい。 他人の言葉を借りる訳でもなく、依存することでもなく、自分の意見を通せる意思を。 「ふふ……ブラッドレイの時に死を覚悟してたから涙が出ないや」 これから死を迎えるのに何故か涙が出て来ない。 嘗てキング・ブラッドレイに敗戦を喫した時は死を実感しこれまでの出来事が脳内に響いた。 待ち受ける死の恐怖に怯えていたあの時に己の覚悟は既に完了していたらしい。 「仇、取ってからそっちに行きますね」 友であるクロメを殺したキンブリーを道連れに天へと昇る。 マスタングに聞いた所、ブラッドレイとキンブリーは同じ世界の人間らしい。 あの世界の人間に掻き回された事、一生癒やすことの出来ない敗北の思い出になってしまう。 「まだ会場には沢山の悪が居る……皆、頼みましたよ」 高坂勢力を始めとする悪が会場にはまだ蔓延っている。 ウェイブやエスデス、サリア達にはその身を削ってでも正義の意思を継いでもらいたい。 「そう言えばほむらちゃんには悪いことしちゃった」 マスタング達に遅れて承太郎を追い掛けた時。 セリューは残ってほむらの支給品を漁り、彼女と鹿目まどかの首を切り落として首輪を回収していた。 物は全部マスタングのバッグに収納したが……正義のためとは云え、悪いことをしてしまった自覚はあるようだ。 「もうそろそろ、かな」 己の世界が終わりを告げる時がまもなく訪れる。 「私がこの手で断罪したのは南ことりと由比ヶ浜結衣……ちゃんだけか」 蓋を開ければ全く悪を断罪出来ていない自分が情けない。せめてもの救いがキンブリーだろうか。 それに由比ヶ浜結衣は出会いが違えば、南ことりだって手を共に繋げる答えがあったかもしれない。 「でも、そんなことを一つでも認めれば……揺らいでしまう」 正義の味方にとって悪は断罪する対象である。 その定義が揺らいでしまえば、己の感覚が鈍り、甘くなり、己を滅ぼすこととなる。 その断罪全てに関わっているのが島村卯月である。 やはり、知らない間ではあるがセリュー・ユビキタスにとって島村卯月の存在は無くてはならない。 「本当にごめんね卯月ちゃん……私は此処でお別れ。でも、絶対に追い掛けちゃダメ、だからね」 此処に来て涙が浮かんでしまう。 正義の味方故に最期までかっこ良く散りたかったが自分も人間であるようだ。 残された者の悲しみをセリューは知っている。 両親のように、オーガのように、Dr.スタイリッシュのように。 そして、終わりの時が訪れる。 「――――――――――コロ?」 誰も傍に居ないかと思えば、瀕死の身体を引き摺ってコロが近くに寄り添った。 キンブリーの爆発を、空条承太郎のラッシュから自分を守ってくれたためにその身体は回復が追いついていない。 「ごめんねコロ……ずっと一緒に居てくれてありがとう」 出会ったから一緒に居てくれた存在がコロである。 生物帝具ではあるが家族同然の存在であり、殺し合いでも早くに合流出来て安堵していた。 皆が離れてもコロだけは離れることが無かった。正真正銘の家族であり相棒。 最期にコロが来てくれたお陰で安堵したのか、更に涙が溢れてしまう。 死にたくない、誰もがそう思う。けれど、誰もが、抗えない。 コロを抱き寄せる。 その表情は悪を断罪する時の険しい表情では無く、優しくて女性らしい笑顔で。 「――――――――――――ねぇ、コロ」 そして本当に終わりを告げる針が響く。 最期には似合わない、星の輝きを冠する笑顔で。 「私はちゃんと正義の味方だったかな」 【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 死亡】 【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る! 死亡】 彷徨いの果てに辿り着いたベッドに己の身体を全て託すように眠る。 セリュー・ユビキタス最期の爆発に対し紅蓮の錬金術師は賭けに出た。 手持ちにあった流星の欠片を賢者の石と同じように扱い、己の錬成への糧として使用した。 それでも爆発を防げるか怪しい段階ではあったが、生きている自分が答えである。 しかし全身は更に火傷を覆い、立っているだけでも限界な身体は簡単に気を失ってしまった。 全ての骸を失ったキンブリー。 その生命を潰すことは出来ずとも、正義の味方の一撃は確かに届いていた。 【D-7・民宿/1日目/午後】 ※D-7は民宿以外崩壞しました。 【ゾルフ・J・キンブリー@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】 [状態]:疲労(大)、精神的疲労(小)、全身に火傷(大)、右頬骨折、全身に痛み(絶大)、上半身裸 [装備]:承太郎が旅の道中に捨てたシケモク@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ [道具]:ディパック×2 基本支給品×2 、死者行軍八房@アカメが斬る!、イギーの首輪、クロメの首輪、空条承太郎の首輪 [思考] 基本:美学に従い皆殺し。 1:傷を癒やす。 2:ウェイブと大佐と黒子は次に出会ったら殺す。 3:少女(婚合光子)を探し出し殺す 4:首輪の解析も進めておきたい。 5:首輪の予備サンプルも探す。 6:余裕があれば研究所と地獄門を目指す。 7:武器庫で首輪交換制度を試す。 [備考] ※参戦時期は死後。 ※千枝、ヒルダと情報交換しました 時系列順に読む Back 見えない悪意 Next これから正義の話をしよう 投下順に読む Back PSI-missing Next 自由の刑 128 Inevitabilis 空条承太郎 GAME OVER セリュー・ユビキタス GAME OVER 島村卯月 139 これから正義の話をしよう ロイ・マスタング 本田未央 131 奈落の一方通行 ゾルフ・J・キンブリー 145 かわいい破滅
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正義の味方Ⅱ◆S8pgx99zVs 蹲る長門有希の目の前に突如として浮かび上がった四枚の花弁を持つ桃色の花。 それは吸血鬼の一撃を受け止めると、粒子となって舞い散り再び空気の中に姿を消した。 そして再び開けた彼女の眼前には、吸血鬼と対峙する真紅の外套を纏った男の姿があった。 彼女を襲った吸血鬼。そして今彼女の窮地を救った男。 どちらも彼女からすれば未知の存在だった。 単純な現象の結果として現れる生物ではなく、概念として現れる彼女達とはまた別種の存在。 長門有希は急激に展開する事の推移を、自身の回復を進めながら見守った。 意外な再会に吸血鬼は驚く。一度は逃した男。何故再び現れたのか? 「……また会ったな掃除屋」 皮肉めいた笑みを顔に浮かべる。以前と変わらないのなら、少女諸共この場で殺してしまえばいい。 だが、相対する男――アーチャーが吸血鬼の台詞を訂正する。 「今はただの弓兵――アーチャーだ」 ほう?と、吸血鬼が目を細める。実に楽しそうに。新たな玩具を手に入れた子供のように。 「どうやら走狗(いぬ)から人間に戻ったようだな。ならば私の前に立つに相応しい。 いいだろう――ならば弓兵よ。私は吸血鬼。名はアーカード。 貴様の弓でこの私の心の臓腑を撃ち貫いてみせろ。 兵の職務を果たしこの化物を見事狩りとってみせろ!!」 対峙する弓兵は己が獲物の正体に戦慄した。 ――アーカード。どの世界どの時代に於いてもその名が持つ意味は一つ――『真祖の吸血鬼』 成る程、只の吸血鬼ではないのだと弓兵は納得する。 陽光の下に立っていることから格の高さは窺えたが、遥かに予想を上回る存在。 少なく見ても三倍……それ以上だと彼我の戦力差を見積もる。 「どうした?かかって来ないのか?お前の獲物は此処にいるぞ?」 ぞわりぞわりと吸血鬼の身体がざわめき、長門有希から受けた傷が元の状態へと還っていく。 弓兵はその様子をじっくりと解析する。 身に着けていた着衣まで元に還す能力。それは再生や回復といった生易しいものではない。 どれだけの傷を負おうと易々と死ぬことを許されない彼らに課せられた呪詛の力。 真核から溢れる魔力による破損した部分を過去へと還す能力――復元能力。 彼らは人の形(かたち)をしてはいるがそうではなく、人の容(かたち)をした化物なのだ。 いくら刃を、矢を、銃弾を、魔法を叩き込もうともそれは水面に石を放り込む行為に等しい。 波紋起こし形を変えることはできても、それだけでは彼らの命には届かない。 「ここだ。此処を狙え弓兵。私を討ち滅ぼすにはここを――心の臓腑を抉るしかない」 吸血鬼が心臓の上をトンと指で突く。 そう。吸血鬼の根本的な弱点は過去現在未来一切変わらない。 呪詛と命の媒介――血液。それらを汲み出し送り出す心臓。そこを破壊すること。 あくまでそこが真の吸血鬼の本体なのだ。目に見える人の形はそれの映し出す影にすぎない。 ならばこの生存競争の参加の証明であり枷でもある首輪が頭と身体の間にないのも当然だ。 相手は強大無比な真祖の吸血鬼。ならば最大の奥義――無限の剣製で挑むか? 答えは否。固有結界を展開、維持するにはこの空間の魔力消費では大きすぎる。 吸血鬼を討ち取る前にこちらの魔力が底をつくだろう。ならば―― 弓兵は夢想する。この吸血鬼を倒し得る剣を。 自身の中にある無限の剣の中から目の前の吸血鬼を討ち取れる剣を探す。 重要なのは強さではなく属性。神格の高い英雄同士の戦いが常にそうであるように。 そして一本の剣を選び出す。 心の内に広がる風景の中からその一本を抜き出すと現実の手の中に投影を開始した。 その様を吸血鬼は興味深げに見守る。それが自身の願望を満たしてくれると切望して。 「……それが貴様の切り札か。成る程、らしい武器だ」 ――赤原猟犬(フルンディング)。 漆黒の螺旋剣。それと同じ闇色の弓が弓兵の手の中にあった。 弓兵は無言でその剣を弓へと番い、魔力を込めて弦を引く。 魂を命の糧とする怪異――魔の属性を持つ者との間では言葉を交わすことさえも消耗となる。 ただ剣によって応えるのみ。 「さぁッ!! その刃を見事私の心臓に突き立ててみせろッ!! 人間!!」 瞬間。赤い閃光が二人を繋ぐ。 ――ギイィィィ……ンッ!! 鈍い金属音を立てて赤い閃光――赤原猟犬(フルンディング)があらぬ方向へと逸れる。 吸血鬼の前には煙を吐く対化物戦闘用13mm.拳銃ジャッカル。 これでこの勝負は決着したのだろうか?――いやそうではない。 弾かれた矢が空に真紅の軌跡を残し弧を描いて舞い戻り再び吸血鬼を襲う。 これが、赤原猟犬(フルンディング)――必中の矢。 射手が立っている限りその矢は決して地に落ちない。 ――ギイィィィ……ンッ!! 再び金属音……、再び……、再び……、再び………… 必中の矢は繰り返し吸血鬼を――その心臓に突き立たらんと赤い軌跡を描く。 弓兵はその全身全霊を矢へと送り込む。 あの剣こそが吸血鬼狩りに彼が出した回答。選択。二の矢は無い。 この特殊な空間内において魔力の集中は激しい消耗を伴う。 残された時間は多くはない。後何度、あの剣に吸血鬼を襲わせることができるのか。 長門有希は目の前の、情報としても現象としても理解の及ばない戦いをただ静かに視ていた。 赤い閃光――追尾属性を持たされた矢があの化物を襲っている。 だが、それは肉薄する度に化物の持つ銃によって撃退されており、いまだ傷一つつけられないでいる。 目の前で矢を操る化物と同じ赤い男。彼と自分は化物を倒すという目的で利害が一致している。 ならば、この機に乗じて自分もまた攻撃を再開すべきではないか? だがしかし、自分の取り得る手段はもう残り少ない。 機関銃は失った。右手に残った拳銃の残弾も残り二発のみ。攻制情報も消費してしまっている。 何より身体の回復がまだ完全ではない。このコンディションは満足な戦闘行動を取るには不十分。 ――思いつく。戦闘に関連する情報としては下位に置かれていた一つの道具。 タヌ機と名前の付いたあの精神誘導装置。あれなら、あれならば動かずとも使える。 あれであの怪物の動きを止めることが出来たなら、止めは目の前の男が刺してくれるはずだ。 長門有希は僅かに震える右手を不自由に使い、デイバッグから眼鏡と尻尾を取り出した。 ――!? 吸血鬼アーカードは闘争の最中、突如として夕闇の荒野へと放り出された。 ――此処は。この場所は…… そう、この場所は吸血鬼にとって忘れられない場所。100年前――吸血鬼の最後の場面。 『――お前の負けだ』 銀の銃弾が吸血鬼の胸を撃ち抜く。鮮血が迸った。 そこにはマスケット銃を構えた一人の男がいた。 ――アーサー・ホルムウッド!? 『もう、お前の下僕は全て倒してしまったぞ』 再び銀の弾丸が吸血鬼を襲い、新しい傷からまた血が迸る。 吸血鬼を追い詰めるのは一人だけではなかった。 ――キンシー・モリス!? 『後はお前だけだぞ吸血鬼』 三度、吸血鬼が銀の弾丸に討ちぬかれ地面に赤い花を咲かせる。 さらにもう一人新しい男が現れる。 ――ジャック・セワード!? 『彼女はお前のものになんかならない』 四人目。最後の男がその手に白木の杭を持ち吸血鬼の目の前に現れる。 ――エイブラハム・ヴァン・ヘルシング!! 四人の狩人が吸血鬼に詰め寄る。 『もう終わりだ』『醒めない悪夢などない』『お前には何もないぞ』『哀れな不死の王』 ――私の負けか? 『そうだ。お前の負けだ』 最後の男が白木の杭を手に吸血鬼に詰め寄る。 その手を振りかぶり吸血鬼の心臓へ振り下ろした――が。 クックックッ……ハハ……HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA……!! 吸血鬼が哂う。声を上げて哂う。愉快そうに。そして不愉快そうに。 その手に受け止められた白木の杭は握りつぶされ幻と消えた。 ――この私相手に幻術とはやってくれる。だが! 吸血鬼に幻覚を見せることはできても、幻覚に魅せること能わず。 第三の眼によりバリバリと音を立てて幻が破られる。夕闇の広野も。四人の狩人も。破られ消え去る。 吸血鬼は悪夢より現世に帰還する。 弓兵は――狩人はただ吸血鬼を撃ち続ける。 矢を弾く金属音が鳴り止み、その音は肉を抉り、骨を砕き、血を吐く音へと変わった。 理由は解らない。だが、吸血鬼の迎撃は止まった。 ――好機! 倒れろ吸血鬼(アーカード)!! 赤い閃光を暴れ狂わせる。赤い螺旋が吸血鬼を解体していく。 消え去る前の一瞬の激しい燃焼。最早猶予は少ない。 だがしかし、魔剣が吸血鬼の心臓を捕らえるのもまた時間の問題。 ――吸血鬼の手首が飛びその巨大な拳銃が地面に落ちる。 ――腹を貫かれた吸血鬼が身体を折る。 ――吸血鬼の撃ち抜かれた肩から鮮血が迸る。 ――下肢を失った吸血鬼が膝を地に付く。 ――吸血鬼の頭蓋が吹っ飛び下顎が顕になる。 ――破けた吸血鬼の腹から内臓が零れでる。 ――吸血鬼の肺が破れ顕になった喉穴から血の泡が吹き出る。 ――腋下を撃たれた吸血鬼が独楽のように廻る。 血を、肉片を、骨の欠片を、脳漿を撒き散らし吸血鬼が踊る――踊る――踊る。 己が血で引いたラインの上で身の毛もよだつ死者のタップを踏む。 血を吹雪かせ赤い閃光と共に真紅の舞台を演出する。 そして今まさに狩人の矢が吸血鬼の心臓に突き立とうとしたその瞬間―― 暴風はピタリと止んだ。散った鮮血が霧雨となって地へと降り注ぐ。 そして、夕闇の世界から帰還した吸血鬼の哄笑が響く。 「クックックッ……ハハ……HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA……!!」 弓兵の放った矢――吸血鬼を討つ白木の杭は彼のその腕に捕らえられ砕けて消えた。 「”惜しかったな”」 頭の無い吸血鬼が喋る。 弓兵の放った乾坤一擲の一撃はあと僅かの所で絶命に届かなかった。 再びぞわりぞわりと吸血鬼が姿形を取り戻す。対する弓兵は疲労困憊。絶望的な状態である。 が――、 「いいぞ。人間。その目だ。その目だけがこの化物を追い詰める。 ――狂信か?猛進か?勇気か?蛮勇か?なんでもいい。一欠片でも力が残っているのなら、 諦めていないのなら、私の前に来い…」 弓兵は諦めない。いや、諦められない。 伝説の吸血鬼。それを倒すのはいつも力弱き人間だ。何故か? 吸血鬼。それを討ち倒すのに必要なのは力でなく物語。人が物語を起こし、物語が奇跡を起こす。 諦めが人を殺す。ならば引くことはできない。例え勝利の可能性が無に等しくても。 最後を目の前に弓兵は自分に課した役割を果たすべく背後の少女に話しかける。 「もう動けるようになっただろう?今のうちに君は逃げるんだ。今、君に機は無い」 ――機は無い。長門有希は考える。 事の成り行きを見守りながら両者の情報解析を進めていたが、結果は「UNKNOWN」 彼女には未知の文法で組み立てられており、解析を進めるには情報統合思念体による コンバートが必要と判断。だが此処ではそれは期待できない。 あの男――底知れぬ力を振り回す真紅の化物。 今もあの化物を見ているだけでチリチリとしたノイズが走り、傷ついた涼宮ハルヒの顔がフラッシュバックする。 ノイズが生み出す衝動で拳銃を持つ手に力がこもる。 だが、この拳銃の中にはもう二発しか弾丸は残されていない。 機関銃は失った。攻性情報も消費している。左腕の骨折の回復にも時間が掛かるだろう。 そして、タヌ機――これも決定打とはならなかった。 長門有希の中の大部分は未知の敵からの撤退を推奨している。勝機は無い。 しかし、情報の奥底から沸々と湧き上がり思考を乱すノイズがその選択を許そうとしない。 ――次はない。 それが葛藤する長門有希の今の結論だった。 それは人間で言う所の負け惜しみでしかなかったかもしれないが、 彼女自身は涼宮ハルヒの生命の維持を最優先とする冷静な判断だと自分自身を納得させた。 長門有希は静かに立ち上がると、今一度真紅の化物を目に焼き付けその場を去った。 弓兵は安堵する。 返事はなかった。だが少しの逡巡の後、彼女が場を去るのが気配で解った。 後は目の前の怪物に討ちかかることだけ。 デイバッグより”最後の剣”を取り出す。何時かの自分が作った無銘の剣。 ――なんの因果か。弓兵は想う。 全ての場所。全ての時代。一瞬でありまた無限でもある守護者としての戦い。 その那由多の果ての今この瞬間、自分は守護者でなく、自分でありながら此処に在る。 化物を、吸血鬼を、脅威を、死を前に。逃げる少女を、迷う少年を、幾多の弱者を背に…… そして手には”俺の剣”。あの時の剣が今この手の中にある。 あの時の俺が切望して止まなかったモノ。そしてあの時より絶望して已(や)まなかったモノ。 ――正義の味方。 時を越え、運命を越え、物語を越えて今此処に在る。 弓兵は無銘の剣を片手に吸血鬼に討ちかかる。 吸血鬼相手の近接戦闘。それはもう無謀とすら呼べる代物ではない。 剣戟を二度合わせた所で左腕が落とされた。数えて二度目になる。 だが諦めない。何よりも自身が望んだ奇跡が此処にあるのだ。 果てればまた苦い記憶として残るだけ、またはただ朽ちるだけかもしれない。 だからせめてこの刹那を魂に刻み込まんと剣を振るう。 ――素晴らしい。相対する吸血鬼は想う。 これが、これが人間の持つ可能性だと。これこそが化物を倒し得る唯一無二の白木の杭だと。 素敵だ。人間は本当に素晴らしい。 ――そして決着はついた。 吸血鬼は命の抜け殻を抱え想う。 彼の血。命の銀板。魂の記憶。 彼もまた無限の地獄を生きる化物であった。 だが、最後の瞬間まで人間を諦めてはいなかった。 その彼が振るう刃は吸血鬼を討ち取る寸前の域にまで達していた。 ならば何故自分が――化物がまだ立っているのか。 それは彼がその自らの望む者であることに拘泥したためだ。 そのため彼の物語は悲劇に終わった。 化物の悲願は果たされなかった。 化物に物語は無い。 できるのは化物を破滅させる物語を紡ぐ者を待つことだけ。 また永い時を闇の中で待つか?――いや、「お楽しみはこれからだ」 此処にはまだまだ化物を倒す物語を紡ぎえる存在が幾人も存在するはず。 例えば、夕闇の中で不義を見守るもの。 例えば、不完全を克服せんと抗う人形の少女。 例えば、己を知らぬ観測者。 時を置かずしてそれらと、または未知の何者かとあいまみえることだろう。 吸血鬼は哄笑する。 破滅の予感に。自らを打ち倒さんとする者の足音に。 「クハハハハハハハハハハハハハハ…… 来いッ!! 人間どもよ!! 私は此処にいるぞ!!」 吸血鬼は一頻り笑うと。 次の物語を待つために一度舞台袖へと姿を消した。 【E-3 市街地/1日目/昼】 【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:疲労/微熱/左腕骨折/背中に軽い打撲/思考にノイズ/SOS団正規団員 [装備]:S W M19(残弾2/6) [道具]:支給品一式/タヌ機(使用済み) @ドラえもん [思考]: 1.ハルヒ達の下へと戻る。 2.怪我人達を治療するために病院へと向かう。 3.残りのSOS団メンバー及び仲間の知人を探し合流する。 4.アーカードへの対抗策を模索。武器となる物や手段を探す。 【アーカード@HELLSING】 [状態]:全身に裂傷(回復中) [装備]:なし [道具]:対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾無し)@HELLSING [思考]: 1.不愉快な陽光を避け日が落ちるまでは積極的には動かない。 2.だが、獲物の気配がすれば闘争に赴く。 【アーチャー@Fate/stay night 死亡】 [残り54人] [E-3 市街地にアーチャーの遺留品が落ちています] [道具]:デイバッグ(×2)/支給品一式(×2)/チャンバラ刀専用のり 時系列順で読む Back Birth&death Next 彼は信頼を築けるか 投下順で読む Back Birth&death Next 彼は信頼を築けるか 137 正義の味方 長門有希 180 Wind ~a breath of cure~ 137 正義の味方 アーカード 158 圧倒的な力、絶対的な恐怖 137 正義の味方 アーチャー
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セイギノミカタ ヒビキ【登録タグ ID IM パワーパンプ 助太刀 沼倉愛美 特徴付与 特徴指定】 autolink IM/S07-043 カード名:正義の味方 響 カテゴリ:キャラクター 色:緑 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 ● パワー:2000 ソウル:1 特徴:《音楽》?・《動物》? 【自】あなたがこのカードの『助太刀』を使ったとき、あなたの《動物》?のキャラすべてに、そのターン中、《愛》?を与える。 【起】●助太刀3000 レベル2[① 手札のこのカードを控え室に置く](あなたは自分のフロントアタックされているキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+3000) 弱いものいじめはよせ!自分が、助太刀するぞ! レアリティ:C illust.藤枝雅 助太刀3000。自動効果で《動物》?に対する《愛》?付与が追加されている。 キャラクターとカード名が反映された原作再現的な側面の強い効果。 《愛》?を付与することによって、“愛マニア”フロンや“南蛮我道”ザビーによる強化が見込める。 ただし、《動物》?を持つことが条件なので、あくまでもおまけのようなものと考えた方がいいだろう。 状況次第では強力なカウンターになりえるが、そういった場合でも、相手はこのカードの存在を警戒するはずである。 特徴を付与するという性質上、略奪者アッシュが強化されることもあり得るので気に留めておきたい。 ・関連ページ 《動物》? 《愛》? 「響」?
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【クラス】ルーラー 【真名】"正義の味方"(ソロモン) 【容姿】全体的に色素の薄い白髪の少女 【英雄点】40点(ステ25点・スキル15点):令呪0画消費 【HP】25/25 【筋力】EX:8(10) 【耐久】A:5 【敏捷】A:5 【魔力】B:4 【幸運】E:1 【スキル1】全知:A+ 5:相手サーヴァントの容姿を確認した時点でキャラシートを閲覧できる。 【スキル2】対魔力:C 5:キャラシート作成時、英雄点5を得る。魔術防御時、補正値5を得る。 【スキル3】調停者:B 5:キャラシート作成時、英雄点5を得る。 悪属性の相手に対して物理攻撃時、補正値5を得る。 【宝具1】『判決の時来たれり、其は世界を調停するもの』(レメゲトン)1/1 【ランク・種別】A+++:対人宝具 【効果】物理攻撃時に相手前衛全てに攻撃でき、補正値5を得る。 相手に悪属性が含まれていた場合、追加で補正値3を得る。 【宝具2】『正義の味方』(ヒーロー)1/1 【ランク・種別】EX:対界宝具 【効果】諸事情により非公開 【その他】秩序・善/天属性/女/魔術王 普通なら彼の様な高位英霊は誰の手によっても召喚できない。 が、今回は特例として彼が「自ら、自身を召喚した」。 誰からも魔力供給は受けておらず、自らの霊基を削って魔力へ変換し、現界している。 しかしそれでも新しい肉体を維持し続けるのは困難な為、依代である「少女」に憑依する事でそれを解消している。 本質が似通っているのに合わせて、少女がそれを承諾している為、ある程度は安定している様だ。