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英雄名:神凪 御影(かなぎ みかげ) 英雄レベル:2 プレイヤー名:御影 性 別:男 現世での国籍:日本 年 齢:16 現世での職業:高校生 【能力値/修正値/歌姫修正加算】 筋 力:16/+12 /+16 通常HP:33 敏 捷:18/+16 /+20 生命力:14/+8 /+8 負傷HP:26 知 力:12/+4 /+2 精神力:12/+4 /+16 MP :15 絆 : 3/-14 /-12 【基本戦闘修正】 白兵:+18 射撃:+13 回避:+20 抵抗:+32 【装備】 武器名 種別 命中値 攻撃回数 射程 ダメージ バスタードソード 白兵 67 1 なし 片手1D10+21/ 両手2D10+20 ピストル 射撃 58 1 50m 1D10+4 必要現世武器知識又は拳銃射撃5 防具名 防御値 回避低下 皮ヨロイ 2 0 所持品 ずた袋 小袋 水袋×2 火口箱 たいまつ×5 奏甲用工具 毛布×2 ロープ10m フード付きマント 携帯食料×3(6食分) 包帯・秘伝の軟膏 所持金 217500G 22FP 【スキル】 スキル名 英雄の値 ランク 歌姫の値 備考 剣術 19 4 回避 21 3 同調 10 2 メンテナンス 11 2 強撃 12 2 幻糸武器知識 9 1 銃射撃 10 1 現世武器知識 10 1 救急 1 1 調理 1 1 エンジニアリング 9 1 【英雄能力】 絆上昇 1 【歌姫データ】 歌姫名:アイゼン 歌姫レベル:1 階位レベル:2・白つるばみ 年齢:19 出身国:シュピルドーゼ 【能力値】 筋力 12 +4 通常HP:24 敏捷 12 +4 生命力 10 ±0 負傷HP:21 知力 11 +2 精神力 16 +12 MP :27 絆/歌力 11 +2 【装備】 龍矛 革ヨロイ 【歌術】 No. 歌術名 4 奇声抑止の歌 12 奏甲攻撃力UPの歌 34 念話の歌 【スキル】 値 ランク 槍 25 3 直感 18 3 弓 15 2 回避 17 2 強撃 10 2 推理 3 1 交渉 4 1 料理 7 1 鍛冶/工作 5 1 蟲知識 6 1 【英雄能力】 【優先反応表】 1 可笑しい 2 怖がっている 3 わくわくしている 4 狙っている 5 ビクビクしている 6 あれこれ想像している 7 ボーっとしている 8 ヘコんでいる 9 恋しい/一緒に居たい 10 さみしい 【奏甲機動チャート】 01-40 速攻 41-55 パワー 56-65 セーフ 66-75 通常 76-85 警戒 86-90 前回と同じ 91-00 英雄指定 【経験点】 70 【設定】 【奏甲】 奏 甲 名:グラオグランツ タ イ プ: 工 房:赤銅 T L:3 移動速度:3/1 移動属性:地上(通常) 歌術補正:0 ダメージ修正:±0 最大荷重:14 ハードポイント:胴、肩×2、腕×2、手×2 武装タイプ:ABDEH 総維持費:30万/15FP 【修正】 白兵:+10・18 射撃:+5・13 回避:+10・30 移動:3/1 抵抗:±0・32 偵察:+15・0 装甲:+4 歌術:±0・2 【装備】 装備名 HP 攻撃回数 命中値 射程 重量 ダメージ カタナ 手・手×2 1 82 無 4 1D10x2+4/2D10x2 ルーンソード 手 1 92 無 3 3D10+4 幻糸武器知識5 カイトシールド 腕 - - - 4 防御点3 【メモ・チューン】 装甲幻糸純度向上・LV1 装甲全部位+1、歌術補正±0 隠蔽チェック+10 【命中部位表】 % 部位 装甲 HP 01-58 胴体 7(11) 30 59-63 右腕 5(9) 10 64-68 左腕 5(9) 10 69-82 脚 7(11) 14 83-91 装備 0 特殊 92-96 コクピット 4(8) 特殊 95-00 頭部 3(7) 7
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目が覚めると、そこは見知らぬ世界だった。 魔法少女リリカル☆なのは~NEXUS~ 第一話 『悪魔』 闇の書事件。ロストロギア、『闇の書(夜天の魔導書)』を巡る事件から一年が経とうとしていた。事件の中心人物だった 少女、八神はやては今では自力で歩けるまでに回復し(もっとも、まだ激しい運動はタブーだが)、家族である魔導 書の騎士達も、管理局の保護観察を受けながらも彼女と平和な日々を送っていた。 そんなある日の夜。 「今日はすき焼きやぁ。ヴィーダもお腹すかしてるやろなぁ」 「そうですね。あ、そうだ。帰りに皆のアイスを買っていきましょう」 「ええなぁそれ」 はやてと彼女の守護騎士の一人であるシャマルはゆっくりと鳴海市内を歩いていた。シャマルもまだあまり速く歩け ないはやてに合わせて気持ちゆったり歩いている。荷物は二人で半分ずつ。全部持つと言うシャマルをはやてが説得 して、半分ずつにするのは何時ものことだった。 ふと、はやては空を見上げた。頬に当たった冷たい感触。雪だ。またふわふわと降りてくる。 「……雪やなぁ」 「……そうですね」 二人はしんしんと降る柔らかな雪をしばらく見つめ続けた。彼女達にとって、雪とは特別な意味を持つものだから。 「(リィンフォース……今どこにおるんやろなぁ)」 一年前に旅立っていった一人の家族のことを思い、はやては少しだけ微笑んだ。 刹那、夜空を白い光が掠めた。 「あれ?流れ星?」 はやてが言った。シャマルもつられてそれを追う。だがその光が輝いたのは一瞬。もう見えるはずも無かった。 「願いこと、しましたか?」 「そんな余裕、あらへんよ」 「ほないこか」はやてとシャマルは手を繋いでその場を後にした。 「(今の光、本当に流れ星やったやろか……)」 心中、はやては首を捻っていた。今の光は魔導師が飛行する時に残す魔力の残光にも見えたからだ。 闇の書事件から一年が過ぎようとしていた十二月一日。一人の青年が漂着しているのが発見されて市の病院に運ばれ、 その明朝に行方を眩ましてから一週間後のことだった。 砂漠に覆われた世界。かつて、フェイト・テスタロッサ(現フェイト・T・ハラウオン)とはやての守護騎士、シグナムが 激突したこの地で今、管理局の精鋭達は己らの知る存在を遥かに超えたモノと交戦していた。それは静かに、しかし 確実に彼らに死を運ぼうとしている。 「く、くそぉっ!」 彼らとて管理局の精鋭。その強い自負があった。故に彼らはここで判断を誤る。 逃げておけばよかったのだ。形振り構わずに。この中の誰一人として、それに敵うはずがなかった。 「消えろぉっ!」 一人の魔導師が破れかぶれに魔道杖を振るった。他の魔導師もそれを見て、何とか自分を奮い立たせて『ソレ』に 立ち向かった。同時に繰り出される砲撃魔法。青の光の爆発が『ソレ』を吹き飛ばした。 「なっ!?」 かに見えた。あれだけの砲撃を受けたというのに、『ソレ』は確かに自分の足で立っていたのだ。 「こんな……馬鹿なことが……」 恐怖を一気に通り越させられて、絶望の底辺。その巨体が、彼ら管理局魔導師の自信と意地、全てを砕いて捨てた。 それは確かに人の形をしていた。しかし人ではない。 まず大きさが違う。それはまるで大型の傀儡兵のよう。 そしてそれは仮面を被っているようだった。人でいう口の部分の輪郭が、まるで笑っているようで。しかしその 微笑みは優しげでない。この世全てを哂うような皮肉げな微笑。頭頂部からは角のように突起が生え出ていた。 胸には黒い水晶体。 全身を覆う黒と赤の斑なツートン。それはかつて、ある世界でこう呼ばれていた。 悪魔―『ダーク・メフィスト』と。 『下らん、これがお前達、魔導師とやらの力か』 地の底から響いてくるような低い声。戦う意志をすっかり失っていた局員達をさらに追い詰める。彼らに許されることは ただ震えることだけである。 『まあ良い。最初からお前達には期待などしていない。人間の身で、私に対抗し得るはずがないのだから』 ダーク・メフィストは腕を胸の前で交差させた。その両腕に集う紫紺の妖光。炸裂音を発しながら増してゆくその光を前に しても、優秀なはずの管理局員達は身動き一つ取れなかった。あまりにも大きな力の壁を前にして、心と身体が麻痺してし まっていた。やはり彼らに残された道はただ死を待つことのみ……― 『諦めるな』 世界に、希望の光が射した。 ここが何処なのか、分からない。自分に残されたこの力が何を意味するのか分からない。あの時、確かに感じた はずだ。自分からあの溢れる力が抜けていくのを。だというのに今、身体を満たしているのは失ったはずの光の力。 一体何故?何の為に?この力はあるというのだろう。それはまだ分からない。それでも……。 「この力が有る限り、俺は退かない」 姫矢准は、再びエボルトラスターを天に振り上げた。贖罪の戦いはもう終わったのかもしれない。それでもまだ 宿命が告げていた。戦い続けろと。砂塵舞う地に降り立ち、立ち上がる銀(しろがね)の巨人。眼前に立ち塞がるの はかつての強敵。それに向かって彼の戦士は立ち向かう。 ウルトラマンネクサス・アンファンス、降臨。 ED『英雄』 次回予告 傷付き、倒れるウルトラマン。 『所詮は光の残り滓。お前にはやはり、輝く力は残されていなかったということだ』 再び闇を彷徨う姫矢。 「堕ちて来いよ姫矢。闇は、悪くないぜ」 「俺はお前とは違う!」 そして管理局も強大な敵の対応に追われることとなる。 『黒い巨人、鳴海市上空に出現!』 「なのはさん!フェイトさん!急いで!」 三人の魔法少女VS闇の巨人。 『人の身で、私と戦おうというのか』 次回、魔法少女リリカル☆なのは~NEXUS~ 第二話『暗黒』 「スターライトぉ!」 「プラズマザンバーぁ!」 「ラグナロクっ!」 『ブレイカー!!!』 前へ 目次へ 次へ
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1993年7月OVA発売。 監督 千明孝一 原作 本田恵子 脚本 渡辺麻実 キャラクターデザイン・作画監督 関野昌弘 作画監督補 藤川太、藤田しげる 美術監督 加藤浩 色指定・検査 秋山久美 撮影監督 山口仁 特殊効果 谷藤薫児 編集 尾形治敏、伊藤勇喜子、寺内聡 音響監督 本田保則 録音 波多野勲 音響効果 柴崎憲治 録音助手 鈴木義和 音楽ディレクター 桜井裕子 音楽 めいなCo 設定 浦畑達彦 演出助手 田中洋之 アニメーション制作 マッドハウス ■関連タイトル VHS お江戸はねむれない! イメージアルバム お江戸はねむれない! 原作コミック 本田恵子/お江戸はねむれない! 集英社文庫
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白雪姫の真相 簡易シミュレーターが空中に展開する無数の曲線と記号と数式で構成された光の樹形図を見上げながら、朝比奈みくるは溜息をついた。 彼女は行き詰っていた。 シミュレーターが示すキョンと涼宮ハルヒの結末は、彼女の満足にいくものではなかった。 なぜなら、それは彼女が知っている史実からずれていたから。 二人は結婚して幸福な一生を過ごすはずなのに、なぜか二人とも生涯独身という結末になっていた。 まだ、時間軸の上書きは観測されてないが、何かの拍子に上書き現象が発生しないとも限らない。そうなれば、このシミュレーション結果が現実となってしまう可能性があった。 何かが足りない。それは、どこかの時点で介入する必要があるということ。 問題は、二人の結婚が規定事項として認定されるかどうかだ。二人が結婚しなくても、今のこの時間平面には影響がないと判断されれば、上書きが発生しようとも放置されることになる。 二人が結婚するかしないかという問題は、道端に転がっている石ころの位置が10センチずれてましたという程度の瑣末なことでしかない可能性も否定できないのだ。 そのような瑣末な差異による時間軸上書き効果は一定の時点で終息してしまい、その時点以降の未来には影響を与えない。時間軸の再帰性と呼ばれる性質である。 問題はもう一つあった。 二人が北高に入学した春に発生した特殊閉鎖空間。そこから二人が帰ってくる確率について、規定事項管理局はシミュレーションを放棄していた。データがないので、シミュレーションは不可能だというのだ。 世界改変を行おうとしていたのだからSTCデータ上に痕跡が残るはずなのだが、いくら観測してもその痕跡が見つからない。おそらく、涼宮ハルヒの力によって完全に消し去られたものと推測されていた。 あの特殊空間は、完全なブラックボックスということだ。 このままでは、世界改変が成功してこの時間軸が完全に上書きされてしまう可能性が残ってしまう。 二人があそこから戻ってくるという規定事項をなんとしても確定させなければならないのだが、そのためにどのような介入を行なうべきなのか、検討もつかなかった。 朝比奈みくるは、簡易シミュレーターをポケットにしまって、自室を出た。とある人物の部屋へと向かう。 「機関」時空工作部最高評議会の一員であり、かつ、情報統合思念体の端末でもある存在、すなわち、長門有希の部屋であった。 部屋のドアに手を触れる。DNAがチェックされ、部屋の主に来客が告げられたはずだ。 ほどなくして、ドアのロックが開錠された。 「失礼いたします」 朝比奈みくるが中に入ると、長門有希が読書をしている光景が目に入った。この組織を牛耳る長老の昔から変わらぬ趣味だ。 朝比奈みくるは促されるままに、長門有希の向かいの席に座った。 長門有希は、ぱたんと書物を閉じると、簡潔に問うた。 「用件は?」 「御相談したいことがあります。お時間は大丈夫でしょうか?」 「今日は評議会の開会は予定されていない。時間は充分にある」 朝比奈みくるは、現在行き詰っている点について、率直に話した。 それに対して、長門有希はこう答えた。 「私は、あのとき、あの閉鎖空間にいる彼に対して、一つの示唆を与えた」 「示唆……ですか?」 「そう。sleeping beauty、と」 「眠り姫ですか」 「涼宮ハルヒは、あのとき、二人で夢の世界に引きこもろうとしていた。そんな彼女の目を覚ますものは……」 長門有希の言葉を、朝比奈みくるが引き継いだ。 「王子様のキスというわけですね」 「そう。しかし、私の示唆だけでは、説得力が弱い。あの時点では、彼の私への信頼は、低くはないにしても、高いとはいいがたかった。よって、未来人から類似のヒントを与えることによって、説得力をより高める必要があると判断する」 「なるほど。それが私の役目ですね。私は『白雪姫』とでも言っておきましょうか」 「それでよい。そして、これは、あなたのもう一つの問題をも解決する。閉鎖空間内での二人の口付けという要素を加えて、シミュレーションを修正してみて」 朝比奈みくるは、簡易シミュレーターを取り出し、作動させた。 空中に展開された光の樹形図が、さきほどとは違う形を示していた。 ある曲線のある一点にまとわりついている記号と数式が、とある事象の確率を示している。 キョンと涼宮ハルヒが結婚する確率99.86パーセント。 「そもそも、彼は異性間の友情に疑問を持たない人間。その心理傾向からすれば、SOS団における様々な経験は、本来的には、彼の涼宮ハルヒへの友情を深める方向にしか作用しえない。それが二人が恋愛関係に至らない主要な原因である」 「でも、キョンくんが涼宮さんを女性として意識せざるをえないような出来事があれば、それも変わってくるということですね」 「そう。特殊な状況下で口付けをしたという事実は、鮮烈な記憶として残ることになる。彼の意識の奥底から離れることはない。彼のような誠実な性格であれば、なおのこと」 「なるほど。でも、問題が一点だけ残ってますね。長門さんと私の示唆に、キョンくんが従うかどうかは、不確定です」 「やはり、あなたは優秀」 長門有希は、朝比奈みくるの能力の高さに賛辞を送った。 「そう。まさに、問題はその点にある。あの閉鎖空間には外部からの干渉が不可能である以上、事態の進展はあの二人だけにかかっている。そして、あの二人自体が第一級のイレギュラー要素」 「もしも、失敗したらどうなると思います? やはり、世界が改変されて、この時間軸も上書きされてしまうのでしょうか?」 「それはない。彼が口付け行為をしなくても、あの閉鎖空間は崩壊する」 長門有希の断言に、朝比奈みくるは、驚きの表情を浮かべた。 「なぜですか?」 「彼は、涼宮ハルヒと二人だけの世界にとどまることを最後まで拒否する。これは、彼の心理傾向からして確実。そして、彼のその態度に絶望した涼宮ハルヒは、閉鎖空間を崩壊させた上で、廃人と化す可能性が高い。 植物状態というべきかもしれない。それこそ、王子様の口付けでなければ、目覚めないような」 「……」 朝比奈みくるは絶句した。 それこそ、考えられうる最悪の事態だ。 「このような事態に陥れば、世界改変がなされなくても、我々の規定事項のほとんどすべてが破壊されるといっても過言ではない。その補正は不可能に近い」 「危険な賭けですね。いっそのこと、あの閉鎖空間が発生することを未然に防いだ方がよろしいのではありませんか?」 「あなたは本当にそう思うか?」 朝比奈みくるは答えることができなかった。 実は、今自分が言ったことは、一度シミュレーションしてみたことがあるのだ。 その結果は、惨憺たるものだった。 あの時点で、「機関」と情報統合思念体に、涼宮ハルヒが有する世界改変能力の本当の恐ろしさを肌で実感させなければ、その後の規定事項は成立しえないのだ。 話を打ち切ったのは、長門有希だった。 「以上を踏まえて、計画を練り直してもらいたい」 「かしこまりました。御相談に応じていただきありがとうございました」 朝比奈みくるは、一礼して立ち去っていった。 ────白雪姫って、知ってます? ────これからあなたが何か困った状態に置かれたとき、その言葉を思い出して欲しいんです。 ────最後にもう一つだけ。わたしとはあまり仲良くしないで。 終わり
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settitle(電子の歌姫 - to_dkの専門用語) 電子の歌姫 <△> 初音ミクを説明する時の、便利な言葉 2つの意味がある初音ミク。2007年当時の異名の一つ。当時は信仰対象に近かった VOCALOIDの女性陣。こちらは、VOCALOIDファンが意識して使う時の呼び方 メモ マスメディアが初音ミクを紹介する時に、使われる事がある初音ミクの歌声は、存在感を持った、歌うシンセ 初音ミクを一般の人達に紹介する時に、最も分かり易い言葉である もっとも、取材が偏っていると、全然別の形で紹介される事もある 関連する記事 専門用語 - 初音ミク 専門用語 - VOCALOID タグ 初音ミク 専門用語 た行 ダヨー ダヨー類 誕生日 調教 鼓カノン 鼓リズム 弦巻マキ TDKI TeaBall DTM 電子の歌姫 専門用語 ▼あ行 ▼か行 ▼さ行 ▼た行 ▼な行 ▼は行 ▼ま行 ▼や行 用語一覧 上へ お役立ち度( - ) Copyright ©2008-2010 to_dk. _
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番外編その一「馬鹿騒ぎのレディーズ’バス」 機動六課隊舎内 大浴場 ここは、はやての要望により建設され、つい最近完成したばかりの設備である。 ちなみにその経費は、はやてがクロノを脅s…ゲフンゲフン、説得して捻出したとかしないとか。 まぁそれはさておき―― 「いっちばーん!」 夜九時、訓練と仕事を終えたスバル達が浴場に入ってきた。 「スバル、お風呂場で走るんじゃないの!転ぶわよ!」 「へーきへーき…ってあ痛ぁっ!?」 濡れたタイルに足を取られ、スバルは派手に後頭部を打った。 「言ってる側から…」 「あはは…」 呆れ返るティアナと苦笑するキャロ。 「う~、頭がバカになったらど~しよ~。」 涙目で頭を押さえているスバル。 「心配ないわよ、もうなってるから。」 歯に衣着せず言うティアナ。 「ひどいよティア~…」 「いーから早く入んなさいよ。いつまでそこにいる気?」 「う~…」 体を流した後、湯船に浸かる3人。 「「「ほ~~~~。」」」 のんびりと湯に浸かり、同じ声を出す。 「お風呂って良いですね~。」 キャロが緩みきった表情で言う。 「ホントね。最初は慣れなかったけど、シャワーよりずっと良いわね~。」 「仕事とか訓練の疲れを取るにはもってこいだよね~。…ところでティア。」 急に隣りにいるティアナに話かけるスバル。 「何よ?」 「思うんだけどさ…」 そして素早くティアナの背後に回り 「またおっきくなったでしょ?」 その胸を揉みまくるスバル。 「何やってんのよアンタはーー!!」 「やっぱりそうだ。前より柔らかい。」 「シカトすんなっ!早く離れなさいよ!」 「んーこれはD、もしくはそれ以上かな?」 「離れなさいっての、このバカスバル!!」 誰もいないのを良いことに騒ぎ立てるティアナ達。 だが彼女達は、物陰から自分達を見詰める視線に気付いていない… (ぐふふふ。いいねいいね~、眼福だぜこりゃ。) その視線を放つのはもちろんあの男、希代のエロ男にして歩くワイセツ物、クルツ・ウェーバーである。 何故コイツが全くバレずにここにいるのかというと、M9にセットされている魔法の一つ“ECS”(電磁迷彩)を使用して透明化しているからだ。 しかもクルツはスナイパーという仕事柄、気配を消す術に長けているので尚更バレないのだ。 (大浴場の完成を待ち続けた甲斐があったな。俺は今日、この光景を一生、目に焼き付ける!!) 間違った方向に情熱を燃やす男だった。 カラカラカラ 大浴場の扉が開き、隊長組が入ってきた。 「二人とも何を暴れている。風呂では静かにするのがマナーだぞ。」 シグナムが二人の様子を見て咎める。 「「すいません…」」 ショボンとうなだれる二人。 「まぁまぁシグナム、そう怒らなくても。二人も悪気があった訳じゃないだろうし。」 フェイトがフォローを入れる。 「お前は部下に甘すぎるな、テスタロッサ。 まぁいい、我々も入るとしよう。」 「はやてちゃん、後でリインが背中を流してあげますです~。」 「うん。お願いするで、リイン。」 「はいです♪」 「ヴィータちゃん、後で頭洗ってあげるよ。」 「別にいいよ。一人でやるからよ。」 「そう言わずに♪」 「あたしの髪をいじくるな!」 そんなヴィータを見てくすくすと笑うなのは。 (うひょっ!!部隊長達のナイスバディまで! 今日は人生最高の日か!?) 予想外のハプニングに大興奮のクルツだが、その思考は冴え渡っていた。 (シグナム姉さん、フェイトちゃん、ティアナちゃんは予想通りのデカさだな。 なのはちゃんとはやてちゃん、スバルは次点だが形が良いな。 ヴィータとキャロ、リインは…まあ今後かな。しかしああいうスレンダーもまた…) エロオヤジ思考全開で品定めするクルツ。 人として末期だった。 「それにしても、さっきはなんで騒いどったん?」 何気なくティアナに質問するはやて。 「スバルがまーたセクハラしてきたんですよ。人の胸を揉んで…」 そこまで言ってティアナはハッと気付く。 はやてが黒い笑顔を浮かべている事に。 「ほ~~。そういや私、最近は忙しくてそーゆー事しとらんかったな~。」 意味ありげな発言を聞いたなのは、フェイト、シグナム、ヴィータは瞬時に危険を察知してその場から離れようとするが、はやてはそれを上回る速度で接近し、 「きゃっ!」 「ひゃっ!」 「あうっ!」 「うひっ!」 瞬く間に四人の胸を揉み終えた。 「ふむふむ、なのはちゃんとフェイトちゃんは前よりええ感じや。 シグナムのゴージャス感とヴィータのぺったり感は相変わらずやけどグッドやで。」 「あの速さで四人の胸を揉んで、さらには評価まで下すなんて…!」 「感心してる場合じゃないですよスバルさん!このままじゃ次の標的になるのは…」 「さ~て、今度はフォワード陣やな~。今日は特別にリインも揉んだげるで~。」 「え、遠慮しますです~~~!!」 そして響き渡る乙女達の悲鳴。 セクハラ魔人はやての独壇場だった。 (ぬおおおーー!!もうたまんねえーー!!!)鼻血を流しながらそれを見るクルツ。 だが、彼の幸運はここまでだった。 ECSは非常に魔力を食う魔法なのでクルツから直にではなく、デバイス内のコンデンサに貯めた魔力を使用するのだが、長時間の使用により残量が僅かになってきたのだ。 (ちっ、もう時間か。それじゃ最後に至近距離から…) しかし、湯船に近付くクルツの足下には先程の騒ぎで湯と一緒に流れてきた石鹸が。 (都合良すぎと言いたければ言ってくれ) クルツは当然それを踏んでしまい、思いきりすっ転ぶ。 「ぐおっ!?」 「何?誰かいるの!?」 クルツの上げた声に反応し、全員がこっちを向く。 (やばい!急いで撤退を…) 立ち上がり出口へ向かおうとするクルツだったが、丁度その時M9が 『コンデンサ内の魔力、エンプティ。ECSを強制解除します。』と告げた。 そして露わになクルツの姿。 「…クルツ君?」 やけに低い声で言うなのは。 「ふーん、クルツ君覗きしてたんや~。」 目が笑ってない笑顔で言うはやて。 「これはちょっと、許せないね…」 怒気を含んだ声で言うフェイト。 「覚悟の上での行動だろうな、クルツ?」 修羅の形相で言うヴィータ。 そしていつの間にか、全員がデバイスを起動し、包囲網を狭めてくる。 「ち、違うんだ!これはその…そう!魔法の使用テストで…」 「へー、魔法のテスト?ほな皆、私らも攻撃魔法のテストしよや。 内容は『非殺傷設定の威力限界を知る』で、的にはクルツ君がなってくれるそうや。」 「りょうかーい。」(×8) その言葉に戦慄を感じたクルツは逃亡を試みるが、踏み出そうとした足は氷で固定されていた。 「何っ!?」 「逃がしませんですよー♪」 リインフォースⅡの「凍て付く足枷」だ。 「さてウェーバー、制裁を下す前に、何か言い残す事があれば聞いてやるぞ?」 レヴァンテインをシュツルムファルケンの形態にしてシグナムが言う。その顔には一片の憐れみもない。 他のメンバーもすでに魔力チャージが完了している。 処刑の準備は出来ている、といった感じだ。 「…出来ることなら…」 観念したように俯いていたクルツが、ぽつりと言う。 「ん?」 「出来ることなら、俺がこの手で皆の胸を触りたかったあーーーーっ!!!!」 絶叫するクルツ。 「「「「「「「「「死ね!!」」」」」」」」」 ドゴォォォーーーン!!! 発射された色とりどりの魔力の奔流はクルツを飲み込み、壁をブチ破って突き進む。 「エロスは正義だぁぁーー・・・・」 そしてクルツは夜空の星の一つとなった。 「ふぅ、これで悪は滅んだね。」 なのはの言葉に一息つく一同。 だがその直後 ガシャーン! 出入口の扉が蹴破られ、そこから飛び出す影が一つ。 「全員無事か!!敵はどこだ!?」 ショットガンを構えた宗介が言う。 その場の空気が数秒間停止する。 しかし、すぐに自分への殺気の篭った視線を感じ取り、脂汗を流す宗介。(いかん…良くない…。この状況は非常に良くない…) 「主、いかがなさいますか?」 シグナムがはやてに尋ねる。 「状況はどうあれ、見た事に変わりないしな。おしおき決定や。」 そして再チャージされる魔力。 「待て!俺は…」 「「「「「「「「「問答無用!!」」」」」」」」」 ズドォーーーン!! クルツ同様に吹き飛ばされる宗介であった。 ああ、この哀れな軍曹に幸あれ… 終わり 目次へ 次へ
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濃姫の章・第五話「本能寺の変」 この無双演武は、戦国無双3・通常版ではプレイ出来ません。 濃姫の章・第五話「本能寺の変」あらすじ 戦況(解説者 濃姫) 勝敗条件 武将データ イベント ミッション 撃破効果 アイテム配置 攻略アドバイス 無双演武一覧 あらすじ 雑賀衆を沈黙させた信長は、 柴田勝家、明智光秀、羽柴秀吉らを 軍団長に任じて各地に派遣した。 天正10年(1582)6月、 毛利と戦う秀吉から 援軍要請を受けた信長は 光秀に出陣を指示。 自らも濃姫を連れ立ち、 居城・安土城を出て、 京・本能寺に移る。 そこで濃姫は、 またもや過酷な運命に弄ばれる。 明智光秀、謀反。 だが、濃姫はもはや絶望などしない。 信長と共に 地獄の先へと歩めるのだから。 戦況(解説者 濃姫) ふふ、光秀、謀叛したの…。 本能寺はすでに囲まれているわ。 本能寺の本堂には、 まだ敵の手が伸びていないみたい。 まずは皆で本堂に向かいましょう。 ようやくあの人と、 地獄の先を見られるのだもの…。 すぐには終わらせないわ。 勝敗条件 勝利条件 織田信長の本堂への到達↓明智光秀の撃破 敗北条件 織田信長の敗走 武将データ 織田軍 備考 明智軍 獲得 備考 織田信長 総大将 明智光秀 なし 総大将 濃姫 プレイヤー 斎藤利三 装備品 ミッションNo.2の撃破対象 森蘭丸 敗走時に討死 明智茂朝 装備品 撃破効果No.1の撃破対象 安田国継 素材 ミッションNo.6の撃破対象 明智光忠 素材 四王天政孝 装備品 ミッションNo.3の撃破対象 桑名吉成 巻物 撃破効果No.2の撃破対象 妻木広忠 素材 撃破効果No.3の撃破対象 御牧兼顕 素材 撃破効果No.4の撃破対象 長宗我部元親 装備品 ミッションNo.1終了後出現ミッションNo.4の撃破対象 谷忠澄 装備品 ミッションNo.4達成後出現ミッションNo.5の撃破対象 福留儀重 巻物 津田信春 素材 ミッションNo.5失敗時に出現 明智秀満 巻物 イベント シナリオ冒頭で本能寺炎上イベント。 クリア後、ムービー「地獄の先へ」が流れる。 ミッション 番号 内容 備考 No.1 5分以内に、織田信長を本堂に到達させよ! 発生時、織田信長が本堂に進軍開始終了後、本堂が開門長宗我部元親が出現 No.2 斎藤利三を撃破せよ! 達成後、中央広場南門が開門 No.3 本堂への道を切り開くため、四王天政孝を撃破せよ! 達成後、本堂への門が開門 No.4 長宗我部元親を撃破せよ! 達成後、勝利条件変更第四のお堂東門が開門達成後、第三のお堂がすべて開門谷忠澄と福留儀重が出現 No.5 2分以内に、谷忠澄と福留儀重を撃破せよ! 失敗時、明智秀満と津田信春が出現 No.6 明智光秀への道を切り開くため、安田国継と明智光忠を撃破せよ! ミッションNo.5に継続して発生終了後、西広場への門が開門 撃破効果 番号 内容 効果 備考 No.1 撃破数が100以上で明智茂朝を撃破 織田軍全武将の移動力が一定時間上昇 No.2 無双奥義中に桑名吉成を撃破 織田軍の体力が回復 No.3 織田軍の武将数が3人以上の状態で妻木広忠を撃破 武器を獲得 No.4 開始から7分以内に御牧兼顕を撃破 明智光秀の防御力が一定時間低下 アイテム配置 携帯道具 壱 団子 団子 団子 大盛御飯 大盛御飯 大盛御飯 弐 大盛御飯 黒漆太刀 当世具足 戦草鞋 霊鏡 荒御魂 参 団子 戦草鞋 戦草鞋 荒御魂 秘伝之書 金印 攻略アドバイス レア武器獲得ステージ。→レア武器獲得のポイントを見る 無双演武一覧 第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 桶狭間の戦い 稲葉山城の戦い 金ヶ崎撤退戦 木津川口の戦い 本能寺の変
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幻奏の歌姫ソプラノ(OCG) 効果モンスター 星4/光属性/天使族/攻1400/守1400 「幻奏の歌姫ソプラノ」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):このカードが特殊召喚に成功した時、「幻奏の歌姫ソプラノ」以外の 自分の墓地の「幻奏」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを手札に加える。 (2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。 「幻奏」融合モンスターカードによって決められた、 このカードを含む融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、 その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。 下級モンスター 光属性 墓地再利用 天使族 幻奏の歌姫 幻奏補助 融合 同名カード 幻奏の歌姫ソプラノ(アニメ)
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60日目 天女姫の悩み・序 リエル あ、あのさ、何となくだよ?もしかしたらの話だよ? (プレイヤー) どうしたんですか?やけに落ち着かない様子ですが リエル う、うん……リエルってさ、もしかしてさ、最近……った? (プレイヤー) え?最後の部分が全然聞こえませんでした リエル だからぁ!リエル、最近……太った? (プレイヤー) うーん、言われてみれば昔よりふっくらしてる気がしないでも リエル ばかぁ!アンタなんてもう知らない! (プレイヤー) ぐほぉおぅ、目がっ、何で僕の目を突くんですか!? 次へ 一覧に戻る
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第四章『君の印象』 初めて出会う君に思いを得る 合ったり合わなかったりする事を ● 夜が訪れると学校はその性質を変える。勉学と交遊を楽しむ施設から、闇に沈む先行き不明の迷宮へと。 「忘れ物で夜の校舎に潜入なんて・・・私は小学生かっちゅうねん」 はやては尊秋多学院の校舎を歩いていた。手に持つペンライトが暗い廊下を僅かに照らす。 こんな時に限って、なのはちゃんもフェイトちゃんもお仕事で留守やし・・・ 頼りにならない親友をはやては思う。こんな夜更けまで帰らないとはよぽど長引いているのか、という心配と共に。 不意に見た窓には夜空がある。だが窓にはもう一つ映るものがあった。額に絆創膏を貼ったはやての姿だ。 「・・・佐山君、次会ったら覚えときや・・・っ」 乙女を傷物にした罰は受けてもらう、とはやては思う。佐山のデコピンは痕を残し、額に絆創膏を貼る羽目になったからだ。いかなる刑に処すべきか、と廊下を進み、気付けば目的地に辿り着ついていた。 「美術室。・・・多分ここやと思うんやけど」 はやては眼前の扉を睨むが、いつまで経ってもドアノブに手をかけなかった。 「べ、別にこわいとちゃうねんで? この中に何かいるんかなとかなんて・・・」 行き先不明の弁明を呟けば首筋を何かが撫でた。 「ひぇっ!? ・・・か、風か? 驚かさんといて」 振り返れば確かに窓が半開きになっており、まるで急かされた様だ、とはやては思う。 だ、だって・・・何か出たら怖いやん・・・っ! うぅ、と涙目にはやては唸る。誰か代わってくれー、と思いながら。しかし誰かがいる訳もなく、 「えぇい、女は度胸! ――かかって来いやーっ!!」 すんません! 何かおってもかかって来んでくださーいっ!! 二つの意思を持ちながら、はやては美術室の扉を思いっきり開いた。 その眼前に室内が晒される。暗がりは月明かりに照らされ、キャンバスや机、汚れた戸棚がその陰影を僅かに浮かばせていた。再び吹いた風が大窓のカーテンをはためかす。 「・・・さっさと見つけて、こんなトコおさらばやっ」 はやては身を低くして探索を開始、ペンライトと月明かりを頼りに模索すれば、 「おー、あったあった。・・・“おしおき天使ソドムちゃん”、早いとこ衣笠書庫に返さんとなー」 そう言ってはやては立ち上がり、そこで一つのものを見た。 「―――森?」 それはキャンバスに描かれた風景だった。匂いと一見した材質から油絵である事が解る。 「美術部の誰かが描いたんかな? でもこれは・・・」 その絵からはやては、誰かの回想を覗いているような感覚を得た。 まるでアルバムを・・・そう、古い写真を見てる様な・・・ 何だろうか、その思いにはやては手を伸ばす。そして表面に触れるかというその時、 「・・・・っ!?」 突然音が響いた。はやては身を竦ませ、 「あいたっ!」 尻餅をついた。あぅ、と尻をさすりながらはやては周囲を見渡す。原因は背後の椅子にいた。 「――黒猫?」 闇と同色の小動物、光る両目をこちらに向けるのは確かに猫だ。一体どこから、はやては呟こうとした。だが意志に反して喉は声を紡がない。 引きつっとる? 気付けば目尻に涙もある。あ、こらあかんわ、とはやてが思った時には意図せず息が漏れ、 「・・・大丈夫ですか?」 「うぉっひゃうっ!?」 新たに響いた声で完全に涙をこぼした。 ● 「落ち着きましたか? 生徒会長」 はやては紫の瞳を見た。灰色の髪を左右で結んだ少女、その身は小柄なはやてよりも更に小さいもので、 「どっちかっちゅうと幼児体型・・・」 「ふふふ、生徒会長? 私の話を聞いてましたか?」 少女が笑みを送ってきた。ただしその目は笑み以外の感情を宿していたが。 「あ、あぁ、すまんかったな・・・ブレンヒルトさん」 欧州系の容姿をしたその少女が誰なのか、はやては知っている。 ブレンヒルト・シルト。私と同学級で、次の美術部部長さん・・・ フェイトと同じ外国人の生徒、という事で割と印象にあった。まともに話すのは今回が初めてだったが。 「こんな夜更けまで見回りですか?」 「あー、いや、ちょっと忘れ物をな。・・・ブレンヒルトさんは何で残っとるん?」 「私は・・・絵を描いていたものですから」 絵? とはやてが問えば、はい、とブレンヒルトは答える。 「作業に集中し過ぎて気がつけばこんな時間です。・・・この部屋、防音も良いですから」 「ひょっとしてこれか? ブレンヒルトさんが描いとるのって」 はやては視線を逸らす。さっきまで見ていた森の描かれたキャンバスへと。 「ええ。――黒い程に暗く、奥底知れぬ・・・しかし豊かな森です」 そこではやては、ブレンヒルトの答えが微かに揺れを含んだ事に気付く。 何かに動じたんか・・・? しかし初対面の相手が何に対して動じたのか、など解る筈もなく、はやては感想を続ける事にした。 「・・・随分描き込んどるなぁ」 「何度か書き直してますから」 「絵っちゅうのはいっぺん塗ったら終わりとちゃうんか?」 「そういう手法もある、ということです。何をどう描くのか・・・それによって変わりますから」 そーゆーもんか、とはやては頷き、改めてブレンヒルトの絵を見入る。 深い黒と緑で彩られた森。キャンバスの形が窓の様に思え、はやてはいつの間にか顔を近づけていた。 「余り近付くと塗料がつきますよ?」 ブレンヒルトの忠告にはやてはあわてて身を離す。そこで一つの不可解な部分を見た。 「・・・なぁ、なんで一カ所だけ色塗っとらんの?」 はやては絵の一角を指差す。そこには塗料が無く、キャンバスの生地が剥き出していた。よく見てみれば、下書きなのか木炭で何かが薄く描かれている。 「小屋と・・・何人かの人か?」 「――ええ」 問うはやてにブレンヒルトは、 「森が森たる由縁はそこに人がいるからです。人がいるからこそ木々は群ではなく数えられる。森とはこの・・・この国で最初に覚えた字ですが、良い表現だと思います」 「じゃあここにいる人達は?」 「森には隠者が、世界を憂う賢人が住むものです。そしてその傍らには弟子や庇護を求めた者が寄り添い・・・周囲と隔絶された日々を送る」 成る程なぁ、とはやては絵を見たまま頷く。 「・・・設定マニアなんやね」 「今何か言いましたか?」 はやては、いえ何も、と即答。そのままブレンヒルトを見れば向こうもこちらを見ていた。 「な、何か?」 冷や汗を流すはやてにブレンヒルトは、いえ、と前置きし、 「・・・その額のものは?」 はやての絆創膏を指差して言った。 「ああ、これか? いやちょっと生徒会仲間にな」 「上役に手を上げるとは問題児ですね。・・・後で姉伝来の粛正作法を教えしましょう。どんな馬鹿も呼び声一つで参上する忠犬になりますよ?」 「それ別の何かを粛正しとるよ絶対」 どーして私の周囲はこんなんばっかなんやー、とはやては胸の内で溜め息。 「悪い子とちゃうんよ? ・・・あの子が本気になったら、こんなんじゃ済まんし」 「そんなに凶暴な生徒がこの学校に?」 凶暴とはちゃうよ、とはやては苦笑する。 「中二ん時に学生空手の無差別級で、決勝に進出すんも拳砕いて敗退。その後祖父からあらゆる知識を叩き込まれ、現在この学校じゃあ文武共に成績トップ。問題があるとすりゃぁ・・・」 ブレンヒルトから視線を外し、 「その能力と姿勢の偏りを知っとるせいで本気になれん事。・・・それは凶暴っちゅうより、行き場の無い力の塊やよ」 そしてはやては見た。小屋の側に描かれた人々の下書き、その内の一つが掻き消されていたのだ。 男の人、か? 微かに残る輪郭からはやては推測する。何故消したのか、はやてはブレンヒルトに問おうと振り向いた。その時、 「・・・誰かいるのか?」 ● 低い男性の声が美術室の向こう、廊下から聞こえてくる。 この声は・・・ はやてはその声に聞き覚えがあった。故に確認を飛ばす。 「グレアムおじさん、か?」 「おや、はやてか」 声に親しみが含まれて扉が開いた。そうして入ってくるのは、色褪せた銀の髪と髭を持つ英国風の老人だ。片手には光を放つ懐中電灯を持っている。 「こんな時間までどうしたんだい? いつもなら寮に戻っている時間だろう」 「う、やぁ、まあそうなんやけど・・・。おじさんこそ何しとるん?」 「私は見回りだよ。ずっと衣笠書庫にいるからね、教員の都合が悪い時は代行する事もある」 「・・・お人好しやなぁ」 と言うはやての笑みにグレアムも微笑むが、 「ところでその額は?」 「みんなこれの事言うな? いやちょっと生徒会仲間に」 「ふむ、それは良くないな。・・・よし、名前を教えなさい、はやて。私が制裁を下しに行こう」 「け、怪我させたらあかんよ!?」 「何、問題はない。我が祖国秘伝の奥義にかかれば、傷一つなく自らが穢れた魔女だと告白する」 「やーめーてーやー!!」 ほんともーなんで私の周りはこんなんばっかなんやろー・・・ おじさんは基本的に優しいのになー、とはやては思う。 そこでふとブレンヒルトが自分達を見ている事に気付いた。何か信じられぬものを見るような目で。 「どうかしたんか? ブレンヒルトさん」 「・・・生徒会長、グレアム司書と親しいんですか?」 固い声でブレンヒルトが問うてくる。何だろうか、とはやては思う。 「うん。グレアムおじさんはな、身寄りの無うなった私を引き取ってくれた養父なんよ。んで今は寮暮らしで別れとるけど・・・そうなる前までは一緒に暮らしてたんよ」 一緒に住んでたのは私だけやあらへんけどな、とはやては補足する。 「――そう、ですか」 それを聞いたブレンヒルトが俯いた。身を小さく震わせながら。 なんやろ・・・? 泣きそう、そう表現出来る姿だ。一体何が彼女をそうさせるのか、はやては疑問に思う。 「ブレンヒルトさん?」 「・・・帰ってくれませんか?」 ブレンヒルトが口を開いた。 「私、まだ絵を描いてる途中で・・・そろそろ再開したいんです」 何でや・・・? さっきまで一緒にいたのに、そんな思いがはやての中にある。それが何故突然突き放されたのか、と。 「―――帰って下さい」 ブレンヒルトはこちらを見ずに言う。何も聞きたくない、それを示す様に。 「帰ろう、はやて」 グレアムがこちらを見る。でも、とはやては言いかけるが、それが意味をなさない事は解っている。だからはやてはブレンヒルトを見て、 「じゃぁ帰るけど。―――また、話そうな?」 そう言い残し、グレアムと共に美術室を後にした。 ● はやてとグレアムの出て行った扉をブレンヒルトは見つめていた。 「・・・ブレンヒルト、大丈夫?」 凝視を続けるブレンヒルトに声がかけられる。だが周囲には声をかける様な誰かはいない。そこで椅子に座るブレンヒルトの膝に黒猫が乗った。そして黒猫の口が開き、 「ねぇ」 ブレンヒルトにかけられる声の主は黒猫だった。黒猫は心配そうにブレンヒルトを見上げる。 「・・・ねぇ、ねぇねぇ。ねぇってばっ! おーい、セメント娘ーッ!!」 「うっさいわね、握りつぶすわよ」 喚く黒猫の胴をブレンヒルトが鷲掴みにした。 「あーっ! ちょ、だめっ! 握力がっ! あ、ああ、肋骨揉んじゃやぁっ!?」 黒猫は手足と尾を振り回して抗議、ブレンヒルトは床に叩き付ける事でそれを許諾する。 「・・・ねぇ、最近LowーGの悪い癖が染み付いてない?」 「やかましい、使い魔の口は無駄口の為にあるんじゃないわよ」 とっとと見た事を話しなさい、とブレンヒルトは五体倒置の黒猫に言いつける。 「――1stーGの魔女に協力する、使い魔としての本分を果たしなさい」 ブレンヒルトの言葉に黒猫は、へぇい、と起き上がる。 「和平派は王城派の使いを追い返したよ。んでその使い、ガレ・・・何とかは管理局に追い詰められて自害した」 「人狼を? 確かにあの種は変身すると頭悪くなるけどその分強くなるわ。よくそこまで追い詰めたわね」 「追走部隊は全滅させたんだけど、その後概念空間に閉じ込められてちゃったの。・・・時空管理局の特課にね」 そう、とブレンヒルトは頷く。それから再び黒猫に視線を向け、 「ラルゴ翁は? 私達は今後どうするって言ってたの?」 「市街派はどちらとも連絡をとらない、だって。最近アッパー入ってるファーフナーの馬鹿が言ってた。それから、近い内に王城派が何かするだろう、って」 「王城派が? 和平派から抜けた理想だけの連中に何が出来るっていうのよ」 それなんだけどね、と黒猫は前置きを一つ。 「全竜交渉って覚えてる? 前にラルゴ翁が言ってた奴」 「あの胡散臭い情報屋から得たっていう話? 確か、マイナス概念の活性化に全概念核の解放で対抗しようとしてて、その使用権を得る為の交渉でしょ」 「そ、でね? それ用に編成されつつある部隊が動いたみたい。管理局特課の中でも少数精鋭で編成された全竜交渉部隊。・・・王城派の使いを追い詰めたのもそいつ等っぽいよ」 「で?」 「解んないかな、そんな連中なら上層部だって絡んでる。王城派は管理局じゃなくて全竜交渉部隊を狙ってんの。地上本部全部長の大城・一夫あたりでも捕まえれば何か交渉出来んじゃないか、って」 「ふぅん」 ブレンヒルトは腕を組んで熟考の構えをとる。そんなブレンヒルトから黒猫は目を逸らさない。 「・・・何よ?」 「――ねぇ、本当に大丈夫?」 何がよ、とブレンヒルトは睨むが黒猫は動じない。 「さっきの会話。――ギル・グレアムには、養女がいるって」 この猫・・・ 心配された、という事実に思うのは、僅かな嬉しさと強い反発だ。 「どうって事無いわよ。・・・それよりも、自分の知らない事を語るのは猫の感傷?」 真面目な話、と黒猫は断りを入れる。 「ブレンヒルトはある意味、1stーG崩壊において最も原因に近い場所にいたんでしょ? そんな身の上が、そろそろ戦いも終わるかっていうこの時に・・・」 黒猫は身を伏せ、 「1stーGを滅ぼしたあの人の監視、なんてさ。あんまり、精神衛生に良くないよ」 ブレンヒルトと黒猫の視線が交差する。 しばしそれが続き、先に外したのはブレンヒルトの方だった。苦笑を浮かべて黒猫を撫でる。 「そんなに私、ピリピリしてる?」 「・・・不機嫌は今に始まった事じゃないけどねー。ちゃんとカルシウム採ってる? 牛乳とかさ」 「嫌いなのよ、牛乳」 「だからいつまで経っても体が成長しないンっはぁン!? あ、ちょい待っ! お尻は最後の貞操ー!!」 あぁー、と悲鳴を上げる黒猫を無視してブレンヒルトは立ち上がる。窓辺に立てば見えるのは月明かりに照らされたグラウンド、そして二つの人影だ。 「ギル・グレアムと八神・はやて・・・」 互いに手を振った後、はやては学生寮へ、グレアムは衣笠書庫へと向かって行く。 「――あの男は、六十年前の亡霊が戻って来てるって知ったらどうするのかしらね」 そして目線が追うのは、学生寮へ歩くはやての姿だ。 「・・・貴女は、彼にとっての何なの?」 ● 佐山は新庄と共に、正門を目指してIAIの敷地を歩いていた。新庄は包帯の巻かれた佐山の腕を見て、 「良かったね、腕の傷が大体塞がって」 「激しく動かせばまた開く、と言っていたがね。・・・リインフォース君の能力、ユニゾン、か」 佐山は全竜交渉の説明を受けた後の事を思い出す。 「他者と合一して能力の強化や付加を行う力、か。姿が変わったのは相性の問題だと言っていたが」 「リインフォースさんはそれを治療に用いる事で、シャマル先生の補佐をしてるんだよ」 ほう、と佐山は頷き、新庄はその顔は窺う様に見上げた。 「ごめんね? 検証だからって上着とか持ち物とか、全部取り上げちゃって」 「スーツは使い物にならなくなっていたし、持ち物もほぼ同様だ。・・・それに御老体からはこの自弦時計も貰えたのだから問題はない」 「あれは貰えたって言わないよ! 強奪したっていうんだよっ!」 「おや新庄君、勘違いはいけないね? 珍獣と人間をひとまとめにするとは。・・・獣に人権は無いよ?」 新庄が半目を向けてくる。何か変な事を言っただろうか、と佐山は過去の言動を思い返すが心当たりはない。だが思い出す事はあった。 「御老体は言っていたな。・・・山中で私達を襲った相手は、1stーGだったと」 新庄は頷きを持って返す。その無言に、まだ思いがあるのだな、と佐山は判断するが指摘はしない。 「もし私が祖父から権利を受け継いだとしたら、彼等との交渉になるのかね」 「Tes.、だね。でも聞いた話じゃあの人狼は王城派らしいし、交渉で当たるのは市街派の方かなぁ」 そこで佐山は聞き慣れない単語を耳にした。 「Tes.、とは? 確か聖書における契約の意味だった筈だが」 佐山の質問に新庄は、あ、と口を開け、 「ごねん、説明忘れてたね。Tes.、っていうのは管理局特有の符号みたいなものだよ。了解とか相づちに使うの」 「成る程。・・・あぁ、話を中断させてしまったね。で、市街派とは?」 「1stーGの過激派の一つだよ。概念核の半分を収めた機竜を持ってるんだ。・・・機竜っていうのは竜を模した機械兵器の事だよ」 「そんな漫画兵器まであるのかね・・・。しかし半分か、もう半分は管理局が持っているのかね?」 「1stーGの八大竜王が持ち帰ったデバイスの中に収められてて、今はIAI本社地下にある地上本部西支部に格納されてるんだって。近々、こっちの方に輸送されるらしいけど」 と、そこで佐山は足裏に妙な感触を得た。柔軟な感触、まるで肉塊を踏んだ様な感覚だ。 何だ? と足を退けて見下ろせば、そこには小動物がいた。丸い体に猪の様な頭をした、手の平程の大きさだ。それは医務室で大城から預けられ、ずっと肩に乗っていた筈の存在だった。 「貘・・・とやらか。いつの間にか肩から転がり落ちたと見える」 「ちょっと佐山君! その子は一応稀少動物なんだから、もっと大事にしてよ?」 ああ、と佐山はしゃがんで貘を確保、頭の上に乗せてやれば蹄のある四肢で頭髪にしがみついてくる。 「全竜交渉の助けになる、って言ってたね。夢という形で過去を見せるとか何とか・・・」 「どのような過去を見せるというのか。・・・ろくな過去は無いだろうに」 そこでふと新庄が俯いているのを見た。何だろうか、と歩きつつ眺めれば向こうがそれに気付き、 「あ、御免ね? ボクは佐山君の事何も知らないな、って思って。・・・十年前の事とか」 「そう言えば話していなかったか。父はIAIの救助隊として関西へ赴き――」 佐山は続けようとした。しかし、言わなくていいよ、と新庄がそれを止める。 「狭心症があるんでしょ? ・・・あんまり言わない方がいい」 「別に私は構わないが」 「じゃあ構ってよ。家族の事とか自分の事とか・・・そんな他人みたいに言わないで」 「――何故君は、そんなに気にするのかね?」 佐山は新庄に問う。どうして他人の考え方を気にするのか、と。それに対して新庄は、 「・・・ボクね? 六歳より前の記憶が無いんだよ」 新庄は告白する。 「親とか自分の事も解んなくて・・・残ってたのは名前と、清しこの夜っていう歌。後はこの指輪だけ」 そう言って新庄は右手を上げて見せる。その中指にあるのは男物の指輪だ。 「君のと似てるよね。・・・何か知らないかな?」 「残念だが心当たりはないな。今のご時世、ファッションで指輪をする者も多い。・・・しかし、それを探ってどうする? 親の事など知っても面白い事は何もないよ」 「そ、それは知ってる事が当然の人だから言えるんだよ」 何も知らないボクには、と新庄は続け、しかしそこで口を閉ざす。そして次に出るのは、 「・・・ごめん」 という謝罪の呟きだ。 「何故謝るのかね」 「だって、こんなの押し付けだもん。・・・佐山君にとっては」 つい先ほど会ったばかりの人間が親や考え方を改めさせようとした、そう言いたいのだろうか。 君は正しいのに、何故自分が間違っているような顔をするのか・・・ 佐山は思い、そして口を開く。普段なら、解ってもらえて有り難い、という筈の場面だが、 「――そんな事はない」 紡がれたのはその一語だった。それを聞いた新庄は微笑み、 「ありがとう」 新庄の返事に佐山は頷く。そして気付けば正門に辿り着いていた。開いた門からは道路と森林が見える。 「ともあれ私が今考えるべきは―――全竜交渉を受けるかどうか、だね」 「でも全竜交渉はただの交渉じゃないよ? 引き受ければ相手と戦う事だってある。・・・あの人狼みたいな、必死な人達と」 必死、それについて佐山が思う事は一つだ。 彼に対して私は、必死だっただろうか・・・? 答えは否だ。そうなる前に決着は奪われ、またその時佐山は思ったからだ。自分は間違っている、と。 「大城さんが言うには、あの人狼は1stーG居留地に行ってらしいよ。ボク達が動き出した事に気付いて、和平派を引き込もうとしたみたい」 「わざわざ敵地の中央まで来て、か。・・・何が人を危険な道を行かせるのか」 「それは・・・」 「言葉では表せない何か、かな? 御老体は明日に皇居で概念戦争の始まりを見せ、明後日には事前交渉として1stーGの和平派代表と会わせると言っていたが」 それだけならば受ける気はなかった。しかし山中で見た過激派には興味を得た。 本気の者同士が必死を持ってぶつかる場所、か・・・ 「力を用いれば遺恨が生じる。しかしそうでなければ納得出来ない者達もいる。――矛盾を抱えた交渉だね」 だから私が選ばれたのか、と佐山が呟けば、新庄がこちらを覗き込んできた。 「何で、だから、なの? 何を持って佐山君が選ばれたの?」 「祖父が常々言っていた事さ、佐山の姓は悪役を任ずる、と。・・・つまり汚れ役が必要なのさ、そういう馬鹿な連中を叩き潰す為の」 自分はそれを望まれている、と思い、果たせるだろうか、とも思う。熟考していると、向こうから車のライトが近付いてきた。それを見た新庄が、 「うぁ、窓まで黒い高級車だ!? ・・・凄い待遇だけど、家族の人?」 「祖父の形見の様なものだ、自らの力で得たものではないよ。・・・君には」 いないのか、そう続けようとして佐山は言いよどむ。それに新庄は僅かに逡巡した後、 「大丈夫、ボクにも・・・弟がいるよ。双子のが」 そうか、と佐山は頷き、そして車が側まで来たのを見て、潮時か、と判断する。 「見送ってくれてありがとう、新庄・・・」 名前まで呼ぼうとして、姓しか知らない事を思い出した。密度のある一時を過ごした割に薄い付き合いだ、と思い、 「運。――新庄・運だよ。」 助け舟を出す様に、新庄は己の名前を苦笑と共に明かす。佐山は、そうか、と笑みを返し、 「・・・では、また明日、かね? 新庄・運君」 「うん。・・・また、明日」 新庄の応えが別れの合図となった。 ―CHARACTER― NEME:ブレンヒルト・シルト CLASS:美術部次期部長 FEITH:1stーGの魔女 戻る 目次へ 次へ