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とある雀荘。 マホ「リーチです!」 おっさん「またか……早いな嬢ちゃん」 マホ「タコスパワー充電しましたから!」 おっさん「は? タコス?」 ムロ「あ、何でもないんです。気にしないで下さい」 マホ「―――ツモ!4000,8000で終了ですね!」 ムロ「げっ……」 おっさん「また一発かよ!?」 マホ「二回戦行きましょう!出た目起家ですよー」 カラカラカラ… ムロ「対7……」 マホ「対面のお兄さんが親ですね」 傀「……」 ニッ 東、傀 南、おっさん 西、マホ 北、ムロ 東一局、ドラは中。 マホ(あ、あれ? もうタコス力が切れましたか??) 2p5p9p一赤五八334東南西北 マホ(それなら次は『あれ』ですね……!) ムロ「……」タンッ 傀「……」タンッ おっさん「……」タンッ マホ(お借りします、和先輩!) マホ(スーパーまほっちです!!)ヒュッ 六巡目。 マホ(……)ヒュッ 2p2p5p7p一三赤五1334東東 4p ――打、7p。 ムロ「……」タンッ マホ「ポン」 2p2p4p5p一三赤五1334 (東東東→) ――打、1索。 おっさん「なんか急に打つのが速くなったな。いい手なのか?」 傀「……」 マホ(対面のお兄さんはさっきから一回もアガりも振り込みも鳴きも全くないです) マホ(親番とは言え恐くなさそうです!マホの勝ちですね!) おっさん「……」タンッ ――打、四萬。 マホ「チー」ヒュッ 2p2p4p5p一334 (四三赤五)(東東東→) ――打、一萬。 おっさん「ちっ、急所鳴かせちまったか!」 ムロ(マホの奴、今回はチョンボするなよ……?) 十巡目。 傀「……」 ■ ■■■■■■■■■■■■■ ――打、8p。 マホ(手出しの8p……お兄さんも手が進みましたね?) 2p2p4p5p334 5 (四三赤五)(東東東→) マホ(よーし、聴牌です……)ヒュッ ――打、3索。 ムロ(聴牌……って、こんなところ引くのか) 3p4p5p6p四五六七八八九赤56 八 ムロ(3-6p切りかぁ。マホも聴牌気配だし……うーん……) ムロ(―――よし、ここは行こう!) 3p4p5p6p四五六七八八八九赤56 ムロ「リーチ!」 ――打、3p。 マホ「ロン!3900です!」 2p2p4p5p345 (四三赤五)(東東東→) ムロ「うわっ!やっぱり張ってたかぁ―――」 傀「ロン……こちらの頭ハネになります」 マホ「へ?」 ムロ「!」 パタッ! 8p8p778899發發白白3p 傀「2400点」 ムロ(七対子……3p単騎?) おっさん「良かったな嬢ちゃん。少し安い方で」 マホ(あ、あの河……!) 1二一1p南九 東6七8p マホ(直前の8pはおかしくないですか? 3p切りなら役牌・一盃口になりますよ?) 傀「……」 フッ マホ(さ、さっきまでずっと大人しかったのに急にですか……?) 東一局一本場。ドラは5索。 ガラガラガラ… 傀「……」 ■■■■■■■■■■■■■ ガラガラガラ… マホ(スーパーまほっちが頭ハネされるとは……不覚です) 二赤五六1257北西發5p6p8p マホ(こうなったら次は『あれ』ですね……!) ムロ(おぉ。久し振りにマホが燃えてるな) ムロ(いつもあれくらい集中してくれればいいんだけど……) 七巡目。 マホ(……)チャッ 二三赤五六1235795p6p8p 三 ――打、8p。 ムロ「……」タンッ 傀「……」 ツッ… おっさん「……」タンッ マホ(……一向聴です!) 二三三赤五六1235795p6p 7p ――打、二萬。 傀「……」 ニヤリ… 次巡。 マホ(来ました!9索切りで三色・ドラ赤!) 三三赤五六1235795p6p7p 七 マホ(―――が普通ですが、ここは清澄の部長さんのようにこう打ちます!) マホ「リーチ!」 ――打、5索。 北1p發2p西2 8p二5(リーチ) おっさん「ドラ切りリーチか」 ムロ(今回のマホは『誰』なんだろ?) 傀「……」 傀「……」 チャッ ■ ■■■■■■■■■■■■■ マホ(ふふっ。これならツモれる気がするです!) マホ(それどころか出アガりも有り得ますよ!) 傀「……リーチ」 1東八7p4p中 1p3西6(リーチ) マホ(追いかけられました!? ていうか嵌6索ならマホ討ち取ってたです!) おっさん「いきなり二軒リーチかよ!」 ムロ(オリだな……) 二巡後。 マホ(うぅ……引けないです……)タンッ ムロ(安牌……っと)タンッ 傀「……」 ニヤリ 傀「 御無礼 ツモりました 」 パタッ! 3p3p3p赤55566778白白 白 マホ(!!) ムロ(う、5-8索・白待ちの高目……!?) 傀「6000オールの一本です」 マホ(そ、そのアガり形でその捨て牌ですか!?) 傀の捨て牌 1東八7p4p中 1p3西6(リーチ)發二 3p3p3p赤55566778白白 白 おっさん「6索切りリーチ? 普通なら8索切ってツモ四暗刻だろ!?」 ムロ(ま、まさか……マホの待ちが8索とか……?) マホ(こ、この人やっぱりとんでもないです……!!)ゾクッ 三三赤五六七123795p6p7p ぱたり… 傀「二本場……です」 ツッ… マホ(まずいです……このまま永遠に連荘しそうですよ!) マホ(出し惜しみしてられませんね。マホ、次は『あれ』をやってみます!) 東一局二本場。ドラは南。 傀「……」 ■■■■■■■■■■■■■ マホ(覚悟して下さい!) ■■■■■■■■■■■■■ 九巡目。 ムロ(……配牌から手が殆ど進まないな)タンッ 傀「……」タンッ おっさん「……」タンッ マホ「チーです」 四五六七赤5p6p7p赤5556 (一二三) ――打、七萬。 おっさん「よく分からん仕掛けするなぁ」 ムロ(なんだあの鳴きは?) マホ(ふふっ。これでマホが海底になりました!) マホ(流石に天江衣先輩ほどの支配力はマホにはありませんがね!) 十五巡目。 マホ(!!) 四五六赤5p6p7p赤5556 南 (一二三) マホ(ド、ドラの生牌持って来ちゃいました……最悪ですっ) マホ(海底牌は多分7索っぽいので4-7の受けは残したいですが……) マホ(……それならこうです!) ――打、5索。 ムロ(それは鳴けない……)タンッ 傀「……」 スッ ■ ■■■■■■■■■■■■ ――打、南。 マホ(あっ、手出しでドラ! 通るんですか!?) 四五六赤5p6p7p赤556南 8 (一二三) マホ(張り直しました!そしてマホも南切り!) ――打、南。 傀「南……ポン」 マホ(ふぁっ!?) 傀「……」 ニヤッ ■■■■■■■■■■■ (南↑南南) ――打、7索。 マホ(役なしだから7索でアガれないです……しかも海底もズラされました) おっさん「おいおい、切った牌鳴き返すなんてありか?」 ムロ(なんだこの人……なんでこんな打ち方を……?) マホ(ま、まさか天江衣先輩も通じないんですかー!?) 傀「 海底…ツモりました 」 一二二三三四9p9p68 7 (南↑南南) 傀「4200オールです」 マホ(こ、このお兄さん凄い!今までで一番凄いです!) ムロ「海底ドラ3……って、え!? 7索フリテン!?」 おっさん「なんとも迷惑な親満だなぁオイ!」 マホ(こうなったら最後のとっておきを使うしかないですね……!) 東一局三本場。ドラは7p。 傀「……」 ツッ… マホ「ポン!」 ■■■■■■■■■■■ (3p↑3p3p) ――打、1p。 ムロ(喰いタンか……?)タンッ マホ「ポンです!」 ■■■■■■■■ (二二二→)(3p↑3p3p) ――打、四萬。 傀「……」 フッ おっさん「タンヤオか?」タンッ マホ「それもポンです!」 ■■■■■ (←九九九)(二二二→)(3p↑3p3p) ――打、西。 ムロ(これで対々は確定だな。西が最終手出しなのは単騎待ち選択か?) 傀「……」 マホ(ふふっ。マホがただの対々で終わる訳ないでしょう!) 9北北北 (←九九九)(二二二→)(3p↑3p3p) マホ(狙うは四槓子です!) ゴッ 次巡。 マホ(来ました!) 9北北北 3p (←九九九)(二二二→)(3p↑3p3p) マホ「カンです!」 9北北北 二 (←九九九)(二二二→)(3p3p↑3p3p) マホ「もいっこカン!」 9北北北 九 (←九九九)(二二二二→)(3p3p↑3p3p) ムロ(うわっ……!) おっさん「マジかよ!」 マホ「もいっこカンです!」ゴッ 9北北北 (九←九九九)(二二二二→)(3p3p↑3p3p) 傀「 御無礼 」 マホ「―――へ?」 ばたり… 一一1p9p19東南西北白發中 ムロ「!?」 おっさん「げっ!」 傀「……トビましたね?」 マホ「」 ――――――――――――――――――――――――― 傀「……どうやらここまでのようですね」 スッ ムロ(何この人……強すぎでしょ……?) マホ「お、お兄さん一体何者なんですか!?」 傀「 傀……と呼ばれています 」 ガチャッ……バタン。 マホ「……」 ムロ「傀? 聞いたことないなぁ」 マホ「……マホ、思いついちゃいました」 ムロ「え?」 マホ「あのお兄さんを真似すればマホもっと強くなれます!」 ムロ「う、うん。まぁ真似できたらの話だけどさ……」
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基本設定 周回数:4 (コースの長さにより変更) イコール・コンディション・モード:オフ スタート方式:ローリングスタート ブースト:なし スリップストリームの強さ:リアル コース外のグリップ低下:リアル 以下、各リンク先で詳しいセッティング内容をご確認ください。 模倣BoP F40 '92 (フェラーリ) NSX Type R '92 (ホンダ) XJ220 '92 (ジャガー) Z Performance '23 (日産) ヴァルカン '16 (アストンマーティン) ゾンタR '09 (パガーニ) 独自調整する既存のGr.3 スカイライン Super Silhouette '84 (日産) マクラーレン F1 GTR - BMW '95 (マクラーレン) その他 上記に無い車両はサスペンションやギア比などのセッティング、チューニングパーツの変更は禁止です。 セッティングシートにて公式のBoPに数値を合わせてください。 セッティング画面から セッティングシートの編集→シートの追加 でノーマルの数値で設定されますので そこからフルカスタムコンピュータで最高出力を、バラストで車両重量を変更してください。
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Smalltalkの思想を模倣した設計思想 ほとんど全てがオブジェクト メソッドもオブジェクト クラス定義もオブジェクト 詳しく:クラス構造の定義とグローバルオブジェクト化宣言を同時に書いている nil(Javaのnull)すらもオブジェクト NullObjectパタンが簡単に! 全てがオブジェクトだとどうなの? 全てが何かのクラスに所属している 全てに操作のためのメソッドが存在する オブジェクトじゃないもの 式(メソッド扱いを除く) 制御構文 「式」として扱われる 定義構文 シンタックス・シュガー 式? 値を返すもの メソッド 演算 制御構文 ほとんど全てがメソッド 演算子もメソッド 再定義が可能 ValueObjectの"=="は同値性を保証するのに大活躍 メソッドじゃない演算子 = ? .. ... ! not and || or メッセージ・ドリブン DuckTyping - もしもそれがアヒルのように歩き、アヒルのように鳴くのなら、それはアヒルである メッセージ・パッシングした先のオブジェクトが 「何のクラスか」が大事なのではない 「そのメソッドを持っている/持っていない」が大事 持ってなかったらどうなる? NoMethodError が飛ぶ
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模倣より生まれ来る創造 ◆2XEqsKa.CM 歩を進めるは繁華街。 滔々と白んでいく空を見上げ、アスカは歩みを止めた。 同時に、腕時計を掲げて目線を落とす。 時刻は5:58分。 「結局、あいつ等とは合流できなかったわね。……別に、積極的に探してたわけでもないけど」 一人ごち、手ごろなベンチを見つけて座り込む。 一人で二つ持っていたディバッグのうち一つを脇に、一つを足元に潜らせて。 周囲に人の気配はない。 視線を走らせる途中、抜きん出て高い建物が目に止まった。 『HOTEL KSK』 その頂点に電燈の付いていない看板を掲げるあれは、地図に書かれた「ホテル」であろう。 アスカは一人で納得すると、軽く目を閉じて深呼吸する。 (大丈夫……加持さんは生きてる、生きてるはず) 慕う男の顔を思い浮かべ、祈るように唇を噛み締める。 先程はぐれた行き掛かりの者達や、碇シンジの事も多少は気になったが、 彼女が最もこれから始まる放送で名を呼ばれないことを願ったのは、加持リョウジであった。 キッ、と目を開けたとき、アスカの耳にどこからか、聞き覚えのある不快な声が聞こえてくる。 『あー、あー、マイクテスト、マイクテスト』 「……」 もったいぶって、男――草壁タツオは話し始めた。 『さて、それじゃあ禁止エリアの発表と行こう。 いいかい、一度しか言わないからよぉく聞いておくんだよ? 午前7 00から F-02 午前9 00から E-10 午前11 00から E-03。ふふ、ちゃんと聞きとれたかな? 聞き取れなかった悪い子は、頑張って人に聞いて回らなくちゃだねぇ、ふふふふ』 「禁止エリアは、 午前7 00から F-02、午前9 00から E-10、午前11 00から E-03……」 草壁の言葉を復唱しながら、アスカは地図に書き込みを加える。 呼ばれたエリア1マスを丸々バッテンで区切り、各々に時刻を淡々と書き込む。 書き込んで再確認してみても、やはり自分からはかなり遠い位置だ。 アスカはこの市街部からあまり離れるつもりも今のところはなかったし、好都合ともいえた。 『そしてもう一つ、お待ちかねの死者発表だよ』 「! ……来たわね」 身構える。 きっと息継ぎをする程度の一瞬の、しかし耐え難い空白の時間。 草壁の声が走る。 『 涼宮ハルヒ モッチー フェイト・T・ハラオウン 日向冬樹 ゼルガディス=グレイワーズ 』 「ッッ! 」 『 いやー、それにしてもなんだか思ったより死んでいかないねぇ。 六時間もあったのにたったの五人、一時間一人以下じゃないか、ねぇ? 』 行きずりとはいえ、ついさっきまで行動を共にしていた者たちは、既にこの世の者ではない。 無論、アスカはこのような事態を想像していないわけではなかった。 だが実際に聞かされると、やはり眉を顰め、恐怖と嫌悪感で口を噤まずにはいられなくて。 『 あ、そうそう。君達にいいことを教えてあげよう。 さっき死んだ五人の中にはねぇ――――長い付き合いの、仲良しの友達に殺された人もいるんだよ。 いやいや、実に立派。 殺し合いだもの、情も思い出も切り捨てる、かっこいいねぇ。 死ぬのが怖いそこの君、そういうときは「やられる前にやれ」、だよ。 殺される前に殺してしまえば、君は生き残れるんだ。 だからね、君が今一緒にいるお友達。 その子がいきなり後ろからナイフで刺してきても驚かないように、心の準備をしておくといいよ』 「……見え透いた煽動。ま、効果的ではありそうだけど。バカシンジとかには特に、ね」 ぽつりと呟き、アスカは名前を呼ばれた者たちに思いを馳せた。 涼宮ハルヒ。 鬱陶しい、女だった。 どうせ自分に突っかかってきた時と同じように、迂闊に危険人物に接触して殺されたんだろう。 あの長門って女の事を知っていた人間――ヴィヴィオを助けろと自分を脅したあの女と同じ――を失ったのは、残念だ。 まだ碌に情報も引き出せていなかったし、あの禁則事項女に再び遭遇できる可能性は極めて低い。 と、なると。 涼宮が言っていた知り合い――朝倉、朝比奈、キョン、キョンの妹、古泉の誰かに運よく出会える事を祈るしかない。 名前の感じからすると、あの禁則事項女は、おそらく朝倉か朝比奈だろう。 涼宮はその二人について「同級生」などと言っていたのが、どうも腑に落ちないが。 日本の高校生は発育がいいのか? モッチー。 そういえば、不思議な生き物だったな――などと、今更ながらに考える。 結局アイツは、なんだったのだろうか。 奴自身は特に危険ではなかったからいいが、この島にはあんなのがゴロゴロしていると考えたらそれだけで気が滅入る。 先程いきなり襲ってきた化け物の事から考えても、その可能性はないとは言えないだろう。 フェイト。 ヴィヴィオのもう一人の母親。 そうか。あのおどおどした子供は、早くも母親を失ったんだな、と。 単純に、その事実だけを心の中で呟く。 深く考えれば、自分の身空と重ねてしまいそうだから。 あの少女はどうしているだろう。 仲間も親も失い、(恐らくは)一人ぼっちで。 今頃、どこかで泣いているのだろうか? それとも、まだ我慢しているのだろうか? ……どうでもいい。 もう、自分が関与することではない。 日向冬樹。 ゼルガディス=グレイワーズ。 名前も知らない、どこかの誰か。 間抜けな奴等だ、と笑う。 どんな死に方をしたのかは知らないが、こいつらはこの状況に適応できなかった、それだけは確かだ。 ....... 自分は違う。 日常から隔絶され、『要らない子』として、ゲームの駒として遣い捨てられた、哀れな家畜なのだ。 ....... 自分は違う。 いや、本当に違うのか? そこまで考えて、アスカは、アスカの精神負荷は、ついに限界を超えた。 「……何なのよ。何なのよッ、これはッ! 」 爆発する。抑えていた感情が、堰を切って溢れ出す。 それでもアスカは自分の体を強く、強く抱き絞め、必死で震えを隠そうとする。 「なんであたしが、こんなことに、巻き込まれなきゃっ……」 うっすらと涙を浮かべ、頭を落として怯える。 その姿は、歳相応の……あるいはそれ以下の、子供の姿だった。 誰も周りにいないとはいえ、このような無様を晒すことで、アスカのプライドは益々傷ついていく。 だが、どうしようもなかった。 (バカシンジみたいに、現実逃避できれば楽なんだろうけど……そんな事したら、死んじゃうじゃないッ! ) アスカは死に怯えていた。 使徒と戦うことには何の恐怖も感じていなかった。 何故なら、使徒と戦って勝つのは使命であり存在意義であり、そして何より誇りだったから。 その過程で命が危機に瀕しても、問題なく受け入れることが出来る。 そんな精神を、アスカは護身のように熟成させていたのだ。 だが、今の状況はそれからあまりに逸脱している。 何故だ? 何故、自分が。 何故自分のような人類にとって重要な人間がこんな、意味があるとは思えない死のサバイバルに興じなければならない? 自分はEVAに……。 「あ――」 思い至る、最悪の可能性。 自分は――EVAに、乗れなくなって。 それで、ネルフに。 ネルフに、捨てられ――。 「違う……」 アスカが恐慌状態で、頭を振る。 何かに憑り付かれたようなその姿は、酷く脆い天使のようで。 「違う違う……違う! 違う、違う、違う、違う、違う違う違う違う違う違うッ! 」 クライ 叫ぶ。 .クライクライ 泣き叫ぶ。 クライ・クライ・クライ 視界を覆うは闇、闇、絶望の闇。 「あたしは……まだッ! 」 アスカが立ち上がった。 震える声で気勢を上げ、震える足で大地を蹴り。 走り出す。 脇目も振らずに走り出す。 ベンチの下に置いたディバッグを、その場に忘れて。 ◇ ぽちゃん、と。 バスルームから水滴が落ちる音を聞いて、俺は目を開けた。 この民家に逃げ延びてからどれほどの時間が経っただろうか。 壁に掛けられた大時計を見れば、既に時刻は5:58分。 確か、放送は……6時からだったな。 ゾアノイド 立ち上がり、どこから放送が聞こえてきてもいいように偵察・斥候用の五感が優れた鳥型の獣化兵に変態する。 キィィィィン、と普段聞こえてこない音が耳を鳴らした。 周囲の音域が一気に跳ね上がったような聴覚を制御するのに苦戦しつつ、放送を待つ。 これでも実物のせいぜい百分の一かそこらの感覚だろう。 出来損ないの自分の変態では空を飛ぶ能力も再現出来ず、せいぜい心持ち程度の感覚強化に過ぎない。 自身の調整が成功さえしていれば、クロノスが幾星霜貯蓄した獣化兵全てのデータを生かせたはずだった。 このゲームで生き延びられる可能性も、飛躍的に伸びただろう。 ロスト この損種の身は、俺の自尊心だけでなく、未来をも縛る枷なのだ。 「……そういえば、この首輪」 首に手を遣ると、そこには変わらず自分を束縛する首輪がある。 それはピッタリと自分の首に填まり、微塵のズレも感じさせない。 変態でかなり体型が変わっているにも関わらず、何の違和感もない。 それが、逆におかしいと感じた。撫で回してみるが、材質は少なくともゴムの類ではない。 金属のような質感と硬度を持つ、真っ当な首輪だ。 考えてみれば先程あの怪人と戦った時も、特に問題なく戦闘を行えた。 首をきっかり締め付ける輪っかを付けて激しく動き回れば、呼吸困難に陥るのではないか? 「まさかとは思うが……この首輪、ガイバーのコントロールユニットのように……? 」 脳裏をよぎる超兵器・ガイバー。 あの兵器のように、この首輪は人間の体と有機的に融合し、事故等で外れないようになっているのではないか? 無理をして外せば、主催者側からの粛清を抑えても致命的なダメージを負う可能性もある。 そうだとすれば、反逆者を首輪を介して生命のスープとやらに変えられる理由も大方想像がつく。 ただの機械ではなく、生物と融合して内部から遺伝子やらなんやらを弄っているのだろう。 奇怪な現象で参加者を脅かし、万が一主催者側が粛清の操作を行えない状態に追いやられた時の保険にもなり、 不慮の事故であっけなく外れる恐れもなくなる。なるほど、一石三鳥のシステムではないか。 事実、この首輪が有機的に俺の身体に融合しているとすれば、打つ手はない。 あのガイバーに取り込まれた深町晶が逃れられないように。 この首輪はガイバー・ユニットと同じく、取り外す方法などないのだ。 そういった科学事に詳しい者に運よく出会えれば、話は別だが。 「杞憂ならいいんだがな……む。始まったか」 突如、脳内に入り込んでくるように草壁の言葉が響く。 俺はメモの用意をして、重要な情報を得る準備をする。 『 ―――だからね、君が今一緒にいるお友達。 その子がいきなり後ろからナイフで刺してきても驚かないように、心の準備をしておくといいよ』 数分後、草壁の演説は終わる。 書き取った情報を頭の中で反復させる。 「なんだ……案外少ないな」 死者は五名。 草壁の言うことじゃないが、この状況で6時間も経ったにしては随分と平穏じゃあないか。 どうやら、ゲームに乗っている者はそう多くはないようだ。 あの悪魔のような強者は少ないのかもしれない。 「となれば……ある程度は大胆に動いてもよさそうだな。とりあえず、近場のホテルにでも行って……ん」 強化された聴覚が、この区画に近寄る足音を感知する。 距離はそう遠くなく、この民家の隣する道を直進していた。 特に気配を隠す様子もなく、だ。 誰かに追われているのか? 数十秒後、足音は民家の前を少し過ぎたところで止まる。 激しい息継ぎ。小休止といったところか。 周囲に(俺が探知できる限りでは)人のいる気配はない。 俺はしばし考えてから、肉体を変容させる。 脳が身体情報の急速な変化を促し、灼熱する。 ――捻れ――るキン――肉。再構――成サれ――る神――ケイ――系。伸縮――変――形すル――骨カ――ク。 やがてたどり着いたのは、ガイバーを模した姿。 窓から外の小道を覗けば、少女……と言っていいくらいの年頃の茶髪の娘が、息を切らして前傾している。 小脇に銃を抱えている事を除けば、その動作から危険性を感じ取ることは出来なかった。 「M1897か……危険ではあるが、使うのがガキではな」 ただの一般人と変わらんな、と判断し、俺は民家の玄関に向かった。 ◇ 「はぁっ……はぁっ……うぅ……」 勢いよく息を吐きながら、あたしは嗚咽していた。 銃を杖代わりにして立ち、くらくらする頭を両手に押し付ける。 ……無様だ。 取り乱して、怯えて。 こんなの、あたしじゃない。 冷静に、冷静になれ。 なんとしても生き延びて、加持さん達と一緒に帰るんだ。 深呼吸して、頬を両手で挟む勢いで叩く。 ディバッグから水を取り出して、頭から被る。 熱した頭と身体の隅々に、ぬるい水流が走った。 爪先まで伝った水が地面を濡らす。 「……気持ち悪い」 じとっ、とした感覚が身体を覆う。 制服の中までしっとりとした感覚は浸食していく。 不快だ。イラつく。吐き気をもよおす。 だが、頭は冷えた。 この悪感情も生きているという実感をあたしにくれて、モチベーションが維持される。 そうだ……加持さんだってまだ生きてるんだ。 ここから加持さん達と脱け出られれば、きっとネルフに帰れる。 ミサトだって、今頃心配しているだろう。 ネルフスタッフも、きっとファーストだけで使徒の相手をしないといけなくなって困っているはずだ。 何も、怖がることなんてない。 まだ私には……。 「帰れる場所……あるよね……? 」 それでも、不安は影のように心に纏わりついていた。 ――その時だった。 がちゃり、と。 何気ない、日常的な音があたしの耳に届いたのは。 ドアノブを回す音。 そして ぎぃぃぃ、とドアが開く音。 それはつまり……! 咄嗟に振り返り、銃を構える。 銃口の先に、民家から出てきたモノが見えた。 まず目に付いたのは、淡い光を浮かべる両眼。 頭部の濁った色の宝石から後部に突き出た触覚は、糸を引くようにあちこちから頭部に細線を伸ばしていた。 口元には内側に収束したような乱杭歯。 生物的な身体のなかで特に目を引くのは、両肘部分から飛び出す刃。 ヒトの形を模っていたが、それはまさしく――。 乱杭歯が、人間の声を発した。 「お前は……」 「死ねぇぇぇぇぇっ!! 」 有無を言わさず、ウィンチェスターの引き金を牽く。 化物と会話をする必要がないと言う事は、先ほどの緑顔との交戦で把握済みだ。 放出された弾筒が拡散して怪物を襲う。 怪物は驚いたように飛び避け、急所を手に付いた刃でガードする。 当然弾の全ては避わしきれず、左肩に風穴が開いた。 あたしは追撃を仕掛けようと、トリガーを引いたまま前床を前後させる。 二発目の銃声。 散弾の連続射撃に怪物は怯んだのか、一歩後ずさる。 (いけるっ! ) 怪物の肩を見れば、血のような液体を垂らしていた。 あの緑顔とは違い、そこまで強固な皮膚ではないようだ。 あとはこのまま距離を取ってグレネードでもぶち込んでやれば……!? 懐に入れた特殊弾頭に手を掛けた瞬間、怪物が思わぬ行動を取った。 引いた足に注力し、獣のような敏捷さで自身に迫る散弾の上を飛び越えようとしたのだ。 高く飛び上がり、足に一発喰らいながらも、散弾を回避。 怪物が着地したのは、あたしの目の前だった。 「……! 」 もちろんあたしも馬鹿みたいにそれをぼさっと見ていたわけではない。 懐から慌ててグレネード弾を取り出し、装填。 怪物が目の前に来たと同時に、射撃した。 だが、こちらが引き金を引ききるよりも早く、怪物はウィンチェスターの銃身を握って脇に逸らす。 グレネード弾は狙いを外し、明後日の方向に飛んでいって数十m先の民家の壁に直撃した。 爆風に揺らされるのは、武器を相手に握られたあたしの髪。 「Scheisse! 」 ナイフに手を伸ばして――その逆手を、怪物に取られる。 へし折られそうな力で握り締められ、そのまま捻りあげられて組み伏せられた。 手から離れるウィンチェスター。転がって、やや遠くで静止。 右手であたしの背中を押さえ、左肘の刃をあたしの首に宛がう怪物。 怪物は勝ち誇ったような声で、余裕ぶって話しかけてくる。 「いきなり仕掛けてくるとはな……」 「くっ……」 やられた。 この状況では、もう反撃はできない! 死――その単語が頭をよぎる。 首筋に走る刃が、冷たく光って。 今、引ききられ――――? 「さて……お前の名前を聞こうか」 「……はぁ? 」 攻撃は行われず。 怪物はくぐもった声で、あたしの名前を聞いてきた。 どういうつもりだろう。獲物を殺す前のお遊びだろうか。 そんな事をする隙がある相手なら、上手くすれば逃れられるかもしれない。 あたしは一縷の希望に縋り、答える。 本来なら「そっちが先に名乗れ」くらいの皮肉は飛ばしたいのだが……ここは我慢だ。 「惣流……アスカ・ラングレーよ」 「変な名前だな。……アスカ君、君に聞きたいことがあるのだが」 失礼な事を言ってから、表向き丁寧な口調で語りかけてくる怪物。 しかしあたしを押さえつける力には微塵の緩みもなかった。 コミュニュケーションに必要な自分の名前も名乗らないし、やはりあたしをここで殺すつもりなのだろう。 なんとか……なんとかしなくては。 とりあえずか弱い女の子のような声を出し、相手の油断を誘う。 「聞きたいこと……ってなんですかぁ……」 「このゲームに参加している中で機械に詳しい者や生物科学の権威……みたいな人物を知らないか? あ、いや……まずは知り合いの名前を全部教えてもらおう」 「……碇、シンジ、冬月コウゾウ、涼宮ハルヒ……モッチー」 「ほう? 」 怪物が興味深そうな声を上げる。 まさか、コイツが涼宮やモッチーを殺したのだろうか。 十分にありうることだ。 加持さんの事をこんな危険な怪物に教えるわけにはいかないし、 ヴィヴィオへの義理もあってその二人の名前は伏せたのだが、どうやら正解だったようだ。 あたしはナイフを取ろうと懐に突っ込んだ捻られていない方の手を悟られないように動かしながら、相手の出方を待つ。 「後ろの二人は死んで名前を呼ばれた連中だな……君が殺したのか? 」 「まさか。少しすれ違った……それだけよ」 「そうか……で、残りの二人はどうなのだ? どう、というのは機械や生体に詳しいか……ということだが」 「……」 この口ぶりだと、首輪を外そうとしているのだろうか? バカシンジはもちろん何の役にも立たないだろうし、 副指令にしたって本部で偉そうにしている指令の横でちょっと偉そうにしている、くらいの認識しかない。 まあ、EVAを使って使徒を撃退するネルフの副指令なんてやってるんだし、それなりに博識だとは思うが。 名前を伏せた加持さんはどうだろうか。 なんとなく、機械に強そうなイメージがなくもない。 ヴィヴィオは問題外だ。 「そこまで深い仲ってワケじゃないから詳しくは知らないけど……冬月コウゾウは、少し詳しいかも」 「そうか……ふん! 」 「ッッッ……!? っぎゃぁぁぁああああっ!! 」 怪物が、捻りあげたあたしの右手の指――人差し指を、自分の親指で摘んで回す。 指は何の抵抗もなく一回転――簡単に圧し折れた。 ただ折れただけではなく、骨が飛び出していることを感覚で理解した。 直後、襲い掛かる激痛。 いや、激痛などという言葉では生ぬるい。 生まれて初めての凶悪な感情に、あたしは臆面なく叫びを上げた。 快感だか恐怖だか怒りだか悲しみだか分からない。 そして意志とは関係なく、大粒の涙が流れる。 怪物はせせら笑うように人差し指に掛けた指を中指に回す。 「があぁっ……うぃぃッッ……ひぃっ! 」 「俺が気付かんとでも思ったのか? 懐からゆっくり手を出せ……出さなけれ、ば」 首筋の刃が数mmほど動き、首からうっすらと血が流れる。 同時に怪物の顔があたしの顔に頬擦るように接触し、べとり、と嫌な感触。 そしてあたしは見た。怪物の額の球体から、粘性の液体が放出されるのを。 唾みたいなものだろうか、と地面に垂れる液体を眺めていると、 それは地面に触れたとたんに強酸のように嫌なにおいの煙を上げる。 ジュウウウウウ、と音を立てるそれを怯えながら見るあたしの顔を横目で見て、怪物が顔を離した。 「10数えるまでに手を出さなければ、これをお前の全身に掛けるぞ。キサマにはまだ聞きたいことがある。 何か隠していることがあるだろう? 全て話すまで生きていたければ……わかるな? 10…9…h」 「う……」 加持さんの存在に気付いたのだろうか。勘のいい化物め。 カウントが8に達する前に、あたしは左手を懐から出した。 ナイフを握った左手を、だ。 怪物はニヤリと笑い……そして、む? と呟く。 ナイフを持ったあたしの手から、小振りな鉄塊が転がり落ちたのだ。 この行動は賭けだ。じっとしていれば、情報を全て引き出された上であたしは殺される。 強酸性の液体の上に転がり、溶けていく鉄塊、それは。 「何の真似――」 ボンッ! 「――だ!? 」 怪物の声を遮り、周囲を白煙が覆う。 賭けに勝った! あたしは疼く右手を物ともせず、動揺した怪物の刃から抜ける。 あたしが落としたのはウィンチェスターの特殊弾。 弾を酸のような物で溶かして何が起こるかは分からなかった。 その上、弾がどの種類――グレネード、煙幕弾、閃光弾、ガス弾――かも不明。 だが、あたしは勝った……逃げ切れる! やはりあたしは出来る子だ! この煙の感じは、煙幕弾とは違う。おそらくガス弾――主催者の良心を信じるなら、催涙ガス弾だろう。 吸い込まないように、視界に広がる謎の煙に混乱する怪物から離れ、走る。 「ゴホッ! ゴホッ! クソ……」 背後で怪物の憤る声。勢い余って落ちるディバッグ。だが構わず走る。 銃は――無理だ、回収している暇がない。諦める。 怪物はあたしがいなくなったのに気付いたようで、怒号を上げた。 「おのれッ! どこに逃げても、必ず見つけ出して殺してやるぞ! このガイバーⅠ、深町晶様がなぁ! 」 (ガイバー……! ) 怪物の名を心に刻み、あたしは振り返らず、必死で走った。 ◇ 「……」 舐め過ぎていた。 相手が一般人とはいえ、追い詰めれば牙を剥くのは自明。 どうせ情報を聞き出したら殺すつもりだったが、もう少しソフトに接触すべきだったか。 俺はM1897とディバッグを拾ってから、催涙ガスで弱った目が回復するまで数分待って、擬態を解除する。 全裸の、俺本来の姿である。ちなみにガスの残り香を避けるべく、サングラスを掛けている。 「あのガキに俺の事をベラベラ触れ回られると……厄介な事になるかも知れんな」 いきなり銃を撃たれたのは、自分が異形の姿だったからか? それとも、あの小娘がゲームに乗っていたのか。 後者は恐らくないだろう。どんな馬鹿でも、相手の腹に探りを入れるくらいの事はするはずだ。 あの悪魔のような絶対的な力を持ち、小細工が必要ない者以外は。 ともかく、俺の危険性を他の参加者に気付かれてしまっては、首輪を外せる技術を持つ者がもしいた場合に困る。 首輪さえ外れれば殺すのは厭わないが、先に悪感情を持たれては拷問でもして言うことを聞かせるしかなくなる。 そういった技能も趣味も俺にはない。だが、まあ……。 「手は打っておいた。深町には悪いが、そう簡単に死ぬ奴でもあるまい。これをきっかけに精神的に弱ってくれれば、 復讐もやりやすくなるかもわからん……姑息な手だが、許せよ、ダイム、ソムルム……」 今は亡き親友に一言侘びを入れる。 だが、あいつ等ならわかってくれるはずだ。 俺は黙祷するように目を閉じ、ホテルに向かって歩き始めた。 【B-5 市街地/一日目・朝】 【アプトム@強殖装甲ガイバー】 【持ち物】 碇司令のサングラス@新世紀エヴァンゲリオン、光の剣(レプリカ)@スレイヤーズREVOLUTION ヴィヴィオのディパック、ウインチェスターM1897(2/5)@砂ぼうず、ディパック(支給品一式入り) 【状態】疲労(小) 肩口負傷、左足負傷(移動には問題なし) 【思考】 1.ホテルに向かう。 2.深町晶を殺してガイバーになる。 3.強敵には遭遇したくない。 4.冬月コウゾウ他 機械や生体化学に詳しい者に接触、首輪を外す為に利用する。 【備考】 ※まだ全裸の人間形態のままです ※首輪が有機的に参加者と融合しているのではないか? と推測しています ◇ 「あった……」 あたしは、先程放送を聞いた場所、ベンチにまでたどり着いた。 ついさっき気付いたのだが、バッグを一つここに置き忘れていたらしい。 回収して、中身を見る。 ……なんに使うかも分からない、コントロールユニットがある。 こっちは、元々のあたしのバッグか。 水を取り出して、勢いよく飲み込む。 「っ……っ……ぷは……」 落ち着いた。 あたしは自分の右手を開いて手のひらを出し、人指し指に目をやる。 酷い有様だ。白い骨が突き出し、爪が逆に付いた様に、指の腹がこちらを向いている。 あたしはゆっくりと右手を伸ばして、損壊した指を口に咥える。 ... 捻る。 骨を支えにして、丁度細い棒アイスの少なくなった余りを吸い取るように、歯で齧ってグルグルと回す。 やがて指先は千切れ、三つ目の関節の少し手前から、骨が突き出している、見るに耐えない状況に。 あたしは制服を破り、ぐるぐる巻きにしてそれを隠した。 痛い。 ああ、痛いとも。 痛くない、筈がない。 だけど、その痛みはあまり感じなかった。 怒りが原因だろうか? どうでもいい。 ............ あたしはガイバーⅠ・深町晶を殺す。 あのフォルム、あたしのプライドをずたずたにして、身体を傷つけた化物。 初めての感覚を味合わせてくれた怪物。 必ず殺す。 どんな手を使ってもだ。 忘れない、忘れてなるものか。 あの悪魔のようなフォルムを! 「殺してやる……」 殺意を、吐く。 「殺してやる……殺してやる……殺してやる……殺してやる……殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる 殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる…… 殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやるッ! 殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる! 殺してやる殺してやしてやる殺してやるる殺してやる殺殺してやる殺してややる殺してやる殺してる殺してやるッ!」 殺してやしてやる殺してやる殺してやるる殺してやる殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺」 コ、ロ、ロ、ロ、ロ、ロ。 コロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ。 コ。ロ。 コロロロロ、とあたしの頭の中で、殺意がスパークしている。 ふと見れば、道路の横断鏡がこちらを見下ろしていた。 「……ふふ」 殺意もここまで来ると、こんな表情になるのか。 あたしは笑っている。いい笑顔だ。本当にいい笑顔だ。 でも、コレじゃダメだ。 こんな精神状況じゃ、自滅するのがオチ。 しばらく休んで、落ち着こう。 空気の美味しい森がいいな。 うん、空気の美味しい森がいい。 あたしはフラフラと森に向かう。 バッグの中で、コロコロコロロ、と転がるコントロールユニット。 ディバッグの中身を見てみると、心なしか。 ユニットの球体が淡く光っている、気がした。 【C-6/森の入り口/一日目・朝】 【惣流・アスカ・ラングレー@新世紀エヴァンゲリオン】 【状態】右手人差し指喪失、精神不安定 【持ち物】 アーミーナイフ@現実、予備カートリッジx12@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 コントロールユニット(ガイバーⅡ)@強殖装甲ガイバー、デイパック(支給品一式入り) 、 砂ぼうずの特殊ショットシェル用ポーチ(煙幕弾(2/3)、閃光弾(3/3)、グレネード弾(1/3)、ガス弾(2/3))@砂ぼうず 【思考】 0.森で休んで落ち着く 1.積極的に殺し合いには乗らない、ただし人間以外は問答無用で撃つ。ガイバーⅠ(深町晶)は必ず殺す。 2.加地と再会したい。シンジに関しては、そこまで執着はない。 【備考】 ※参戦時期は少なくとも第弐拾四話以前。 時系列順で読む Back 片道きゃっちぼーる Next ハレ晴レフユカイ 投下順で読む Back 片道きゃっちぼーる Next ハレ晴レフユカイ 死闘の果てに… アプトム 台風の目~they and……~ 風がそよぐ場所に僕らは生まれて 惣流・アスカ・ラングレー 心のかたち 人のかたち
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第一話:模倣姫 ここは桐皮町にある神姫センター。そこではいつものようにオーナーと神姫がバトルロンドで戦いをしたり、自分の神姫自慢をしたりと様々な事が繰り広げられている。 今日は俺は蒼貴と紫貴だけを連れて来てみた。最近、誰かと一緒にというパターンが多くて、こうして三人で来るというのも久々だ。 「ミコちゃん~。早いとこ。バトロンしようよ。新しく覚えた技を試したいし」 「焦るなって。バトルロンドは逃げやしねぇからよ」 「そうですよ。イリーガルマインドが見つかればそれはそれで丁度いいんですけどね」 「おいおい。フラグは立てるなよ…・・・」 そう。技がどうとか言っているが、普通に今日は蒼貴と紫貴を戦わせに来ただけだ。さすがにイリーガルマインド装備の神姫ばかり相手にしているのは疲れる。たまには普通の戦いもしたい。そんな気持ちで今日は安全そうで真那も来なさそうな神姫センターをわざわざ選んだのだ。 輝との一件から随分な時間が経ち、その中で色々な強敵、イリーガルマインド装備の神姫を狩りまくってきた。 その中にはイリーガルマインド以外の物を所持しているヤツもいたが、ギリギリを渡りながら、圧倒的なその力を技で覆していった。 紫貴はカスタム機で普通のイーダよりも性能は高いが、それでもイリーガルには遠く及ばない。蒼貴は論外だ。普通の神姫の域を超えない。装備をろくに増やさないのもあって、戦術、技、機転と力以外の要素を磨いていく他無かったのだ。 奥に入っていき、バトルブースへと向かう。辺りを見回せば、色々なオーナーや神姫が対戦している姿があった。それぞれが各々に合わせたスタイルで戦っている様は個性的で誰もが二人での戦い方を自分らしく表現していた。 安易に力に手を出す奴らとは違う工夫、努力が感じられる。土台のしっかりした力はどんな時も裏切らないし、装備も選ばず、発揮するものだ。見ていて気持ちがいい 「クレア! エクストリーマ・バレルスタンバイ!!」 「はい!」 その中で何となく一人の少年とクレアと名づけたアーティルが目に留まった。 自分の実力を試してみたい。そんな気持ちでバトルロンドをしているという事が伝わってくる。 「オーナー?」 「ああ。悪い。……この試合を見たくなってな。いいか?」 「別に構わないけど、あんまり長いのは勘弁よ?」 「何、一戦だけさ。それに……そろそろ決着だ」 『プレシジョン・バレルを撃ちながらレオナの間合いから離れるんだ!』 「はい! マスター」 クレアに健五は指示を飛ばす。彼女はそれを聞いて、レオナというらしいレイディアント装備一式とハウリンの標準武器とリペイント版の狗狼「クーロゥ」を装備したハウリンからブースターユニットを用いて距離を取りつつ、プレジション・バレルを連射をする。対戦相手であるレオナは総じて近距離が多い。距離を取って射撃戦に持ち込めば恐れるのは棘輪のみとなる。吠莱壱式は撃ってくる様なら避ければ良く、脅威とする必要は無い。 それは相手もわかっている様で右手にはめたナックル「狗狼」でばら撒かれる弾丸を防御をしつつ、クレアめがけて棘輪を飛ばした。クレアはバックユニットのブースターをフルに活用する事で棘輪が自分に到達しようとした瞬間、ギリギリで避けて素早く回り込みを始める。 その間にも牽制射撃を飛ばし、彼女は第二の攻撃を仕掛けようとするが、レオナは守っていても勝てないと判断したらしく跳躍や身をかがめる事で回避しつつ、突進する。 「突っ込んでくる!?」 『カタマランブレードを用意するんだ! 来る!』 接近を続けるレオナに僕は距離を取る事を諦め、威力の高いカタマランブレードを用意する事を伝える。クレアは健五の指示から射撃武器をフェリスファングに戻して迎撃するべく、カタマランブレードを構築し、構えた。 そして、近接の間合いが入り込んだ時、カタマランブレードを振るうと……左手で十手を取り出して上手く武器を絡めてを本命のナックルを仕掛けてきた。 (な・・・!?) 「かかったな!」 クレアはレオナの異なる武器の連続攻撃に驚きを隠せず、硬直してしまい、レオナの一撃を受けてしまった。 「ぐっ……!?」 動揺するクレアは彼女の攻撃の衝撃で吹き飛びそうになるが、大振りの一撃の隙に体勢を戻し、フェリスファングで追撃を阻止しようとする。 レオナはナックルで顔を防御し、レイディアント装備の曲面装甲で何とか攻撃の軌道を逸らして、最小限のダメージにとどめるが、その代償としてクレアの間合いを離す移動を許す事になってしまった。 そしてお互いに行動が手詰まりとなり、にらみ合いになる。 「マスター、次はどうしますか?」 『なら、ここで……!』 「わかりました!」 マスターの指示をうけたクレアは突撃に転じる。そうするとレオナはその行動に意外と思ったようだが、それに対応して棘輪を投げる。しかし、それに対してクレアは左手に持ったクローを使って軌道を反らしてさらにフェリスファングを連射した。それにより、レオナに隙が生じる。 「今だ!」 それを見たクレアは素早く左手を突き出して、彼女の鳩尾に当たる部分に打撃を加える。そうした瞬間、それで生じた衝撃がレオナに伝わり、体勢を崩させた。 『そのまま、ゼロ距離射撃!!』 「行け!!」 体勢を立て直そうとするレオナに逃れる隙を見せない内にクレアはゼロ距離からフェリスファングを連射した。 それは敵を倒さんと唸りを上げ、銃弾を殺到させて瞬く間にレイディアント装備を蜂の巣に変える。そしてトドメと言わんばかりにもう一度クローでレオナを殴り飛ばした。 彼女はその集中攻撃にたまらず倒れて動かなくなり、バーチャルバトルから姿を消した。 『Winner! 健吾&クレア!!』 その表示がマスターである健吾とその神姫であるクレアの勝利判定が表示される。 『や、やった!』 「マスター! 勝ちました!」 「ゼロ距離射撃か……。アレは上手い手だったな」 「綺麗に入りましたね。あれだけの事ができるなら将来、すごい有名オーナーになっているかもしれません」 「そうね。……なんか凄い人だかりね」 しかし、そんな時だった。他のバトルブースで人だかりができているのを見つけた。その数は相当多い。一体何があったのだろうか。 「何だ? あれ?」 俺はそれに興味を持って、見つめる。蒼貴と紫貴も気になったようでバトルブースに目を向けていた。 「行ってみましょう。すごいオーナーが戦っているのかもしれませんよ」 「ええ。有名なオーナーだといいわね」 三人とも意見一致でそのバトルブースに近づいてその様子を見る。そこには二体の神姫が荒野フィールドの真ん中で静かに佇んでいた。どうやら二対二のタッグバトルであるらしい。バトルブースの情報パネルを見ると、詳細が表示されている。 玲央と氷睡というらしい男女二人組のオーナー二人に、焦茶色のぴったりフィットした長袖と暗い灰色のズボンの上に黒の薄手のロングコートという格好で、背中にウェスペリオーのスナイパーライフル「グロプス」とハンドガン「ヴェントス」を装備したパーティオプロトタイプ 長閑。黒で統一されたマフラー、半袖、ベスト、チャックが大量に付いた半ズボンといった格好でウェスペリオーの槍「レサート・ロッドシステム」、ハンドガン「イクリル」を装備しているアルトレーネ 天音だった。その二人は共通して軽装で首に「イリーガルマインド」が装備された神姫だった。 「蒼貴……。フラグが最速で回収されたんだが……」 「す、すいません……」 「まぁ、しゃあねぇさ。……いっちょやるか。二人とも」 「はい」 「もちろんよ!」 そう言うと人ごみを通って、バトルブースの挑戦者側の席に座る。そうすると周りがざわめき始める。どうにもあの二体の神姫は連戦連勝をしているらしい事がその話の中から伺える。タネはあってもそれを知らなければ単純な強さにしか見えないということのようだ。 俺は必要な情報を聞き終えると蒼貴と紫貴をバーチャルバトルのアクセスポッド二つそれぞれに配置し、カードリーダーにICカードを入れる。さらに杉原が新たに製作したデュアルオーダー用のデバイスをバトルブースにセットした。そうする事でバトルブースの相手側としてオーナー「尊」と神姫「蒼貴」、「紫貴」の名前が表示される。 「双姫主の尊!?」 「首輪狩り!?」 色々なあだ名が飛び交う。全くもって遺憾だ。素性がバレていない所まではいいが、こうも尊というバトルネームが有名になっているのは非常によろしくない。のんびり対戦をしたいというのに。 そんな詮無い事を思いながらバトルブースに目を向ける。 「『首輪狩り』……。噂には聞いているけど、はたから見れば特別な装備はしていないね……」 「ふん。『首輪狩り』なんて恐るるに足らないじゃないか。アタイらには秘密兵器があるんだ。こいつをここで終わらせてやるよ」 アルトレーネが口を開き、それに口調の荒いパーティオプロトタイプが答える。しかし、その口調はどちらもかなり緊張している。どうにもあちらは強がっているという事の様だ。 『首輪狩り』と呼ばれる事はイリーガルマインドを狩る際にはその点においては都合がよく、役に立つらしい。 「二人とも。いつもどおり、首輪を奪ってから本格的に攻めるぞ。まずは長閑とかいう遠距離型からだ」 「了解」 「わかったわ」 『Ready……Fight!!』 戦いが始まるや否やパーティオプロトタイプとアルトレーネがイリーガルマインドからオーラを発して、それぞれ、スナイパーライフルとハンドガンを放ってきた。 そのアクションは素早いが恐ろしく鋭く、正確でまっすぐ蒼貴と紫貴に飛んでいく。イリーガルマインドの力をかなり使いこなしている様だ。 しかし、経験を積むのはイリーガルマインドの特権ではない。蒼貴と紫貴は相手が構える前から回避のために回り込みを始め、そのまま反撃の苦無で相手の連射を中断させる。 さらに紫貴がヴィシュヴァルーパーに変形し、蒼貴が飛び乗って突撃を始めた。フィールド一面に岩や山が広がっており、張り巡らされたそれは射撃をしてくる相手に対して遮蔽物として使える上に発見されにくくなる。奇襲もできるいい手だ。 それに対応して長閑と天音は同じく岩影に隠れそこから様子を伺い、ある時はタイミングを見て音を立てずに走って、移動する。その速さは音を消しているにもかかわらず、速い。イリーガルマインドの効果の一つなのだろうか。 素早く動く彼女達はすぐに蒼貴と紫貴を見つけた。気づいていないように見えた様で銃を構えて接近する。 しかし、その時だった。蒼貴が接近の瞬間にアサルトカービンをばら撒き始め、紫貴がヴィシュヴァルーパーで逆に突撃をかける。 「気づかれた!?」 長閑は迎撃のためにスナイパーライフルからハンドガンに取り替えると、それを接近する二人に向けて、撃つ。 それに対して紫貴は蒼貴を上へと飛ばして弾幕から逃すと変形を解除し、サブアームで防御しながらブレードを取り出して構える。一方、飛ばされた蒼貴は上から苦無を放って、身構えている二人に不意打ちを仕掛ける。 長閑と天音は薄ら笑いをするとそれを回避し、長閑は蒼貴に射撃、天音は紫貴に格闘で攻めに入った。 宙を舞う蒼貴は長閑の射撃に対して、苦無を武器に放つ事で狙いを付けられなくして、着地をしてみせる。 「何!?」 隙だらけのはずの彼女が即座に反応して対応の一手を返してくるのを見た長閑は予想外の行動に驚きを表す反応を示した。 蒼貴はその隙を逃す事なく、駆け出す。 『長閑から先打を使って武装を奪え。武器でも技でもアドバンテージを取るんだ』 「はい」 尊がそう指示すると蒼貴は右手に鎌、左手に苦無を持って、長閑に襲いかかる。彼女はハンドガンを連射して蒼貴の動きを止めようとするが、彼女の動きは素早く、上手く照準を合わせることが出来なかった。攻撃をかいくぐり、剣の間合いに辿り着いた蒼貴は左手の苦無を振るって長閑の左腕を切り裂く。 それによって左手で持っていたハンドガンが手から落ちる。そうすると長閑はは咄嗟に右手のハンドガンを発射しようとした。これでは蒼貴は回避が間に合わないかもしれない。 しかし……蒼貴もまた右手を動かす。その手の中にあった鎌で撃たれるであろうハンドガンを弾き飛ばしたのだ。 それによって、長閑は無防備となる。そこを躊躇いなく、長閑の腹部に苦無を突き刺し、落ちていくハンドガンを奪って至近距離から連射する。 その攻撃にはさすがに長閑も耐えられずに素早く後退し、残っているスナイパーライフルを取り出して蒼貴に狙い打つべく回りこむ。 その瞬間、回り込まれている蒼貴は彼女を見ることなく、ハンドガンを放ってみせる。 「ノールックショット!?」 長閑はその技に覚えがあるのか、驚く。それは当然だ。かの有名な『ハイスピードバニー』の異名を持つティアの得意技だからな。俺はこれを先打と名付けて使わせてもらっている。 狙い撃つはずだった長閑は逆に狙い撃たれる羽目になり、硬直した。 蒼貴はスカートアーマーに弾き飛ばしたハンドガンを格納し、もう一つのハンドガンで追撃を仕掛ける。 「それを返せ!!」 長閑は叫びながらスナイパーライフルを放つ。それは狙いが雑で射程距離も合わず、蒼貴を貫く事はなかった。 かわしつつ、近距離に辿り着いた彼女はハンドガンで牽制し、首についていたイリーガルマインドをひったくる。それが奪われた瞬間、長閑からオーラが失われ、動きのキレが鈍くなる。イリーガルマインドの効果が切れたからだ。 「長閑!?」 「よそ見禁止っ!!」 瞬く間にハンドガンとイリーガルマインドを奪われる様に天音が驚いている間に紫貴がアサルトカービンの連射で襲ってくる。天音はその弾幕をユニホーンの回復能力で強引に耐え切り、槍を振り上げて上から振り下ろした。 まず、サブアームで左右から鋭いクローで引っかこうと連続攻撃を行く手を遮る様に攻撃を仕掛ける。が、天音はその攻撃を掠めながらも上手く上に飛んで敵に接近し、槍で突く。 それに対して攻撃に使うはずだったブレードを振るい、受け止めるが、イリーガルの力は恐ろしく強く、紫貴は空高くに飛ばされた。 しかし、彼女は逆にチャンスと考えたらしく、ヴィシュヴァルーパーに変形する。 天音がハンドガンで連射してくるが、紫貴はそのままトライクを回転させながら、上からの体当たりを仕掛ける。 直後、天音は迎撃は無理と判断し、回避して近くにあった岩陰に突っ込んで紫貴の一撃から逃れた。 「もらった!」 『ストームトリック』 隙だらけだと思い込んだ天音が槍で突進してくるが、俺は技の指示を出す。紫貴は天音が攻撃準備に入るために動きを止めた瞬間に変形解除しつつ、サブアームのバネを活かして相手の背後に一瞬で回り込んで見せた。 「何!?」 『続いてエアロスティングだ』 「ええ! 私も、キメる!!」 俺は紫貴に更なる技の指示を飛ばす。彼女はそれに答えると体勢を崩している天音に向かってブレードでいくつもの打突を残像を残すほどの速度で放たれる。 この連撃に天音は槍で武器を捌くが、かわしきれずに多くの攻撃を受ける事になる。 「今度は『黒衣の戦乙女』に『ブラッディ・ワルキューレ』か!」 「まさかこいつら、色々なヤツの技を盗み始めたってのか!?」 ユニホーンとサイドボードを使って体勢を立て直すために後退する天音と長閑が今更のように俺達の神姫が他人の神姫の技の真似をしている事に動揺する。 その通りだ。俺は響の過去話から武器を盗む以外にも技を盗む事もまた重要と考えていた。そのためにある時は使える技のバトルの記録を徹底的に見て、またある時は実際にシミュレーションでその技を受けるなどして学習をさせる事で蒼貴と紫貴が使えるようにアレンジをした。 これによって真似事ではあるものの、手札を増やす事ができたのだ。気づいた所でもう遅い。お前らには俺達の技の実験台になってもらう。 『蒼貴、紫貴。ここからが本番だ。奴らは再生ができなくなる事を恐れて避けたり、出し抜いてくるだろう。蒼貴は神力開放、紫貴はアサルトカービンでそれの援護しろ』 「わかりました」 「OK!」 そんな思惑をめぐらせると指示を飛ばす。紫貴の牽制の隙の中、蒼貴は神力開放を発動する。 「くっ!? 塵の刃が来る!!」 「それをされる前にとっとと始末する。私が援護するから天音は攻めろ」 「わかった!」 長閑は岩陰からサイドボードから呼び出したアサルトライフルを蒼貴と紫貴に撃ち始め、彼女達の動きを止める。 その隙に天音は苦無とアサルトカービンのを掻い潜りながら駆け、二人に辿り着く。 間合いに入った天音は蹴散すべく、槍をなぎ払った。それはイリーガルの出力をもって、とてつもない威力となって襲い掛かる。 蒼貴は上へ飛ぶ事で、紫貴は距離を取る事でその攻撃に逃れ、苦無とアサルトカービンで攻撃を返そうとした。 しかしその瞬間、アサルトライフルで長閑が銃弾を浴びせかけてくる。距離を取っている彼女は二人が相手にしている間に虎視眈々と攻撃の機会を狙っていたのだ。 弾幕のはれるアサルトライフルで天音に当てる事無く、回避中の二人に銃弾が飛んでいく。 それに対して蒼貴は身体を捻って回転させる事でその攻撃によるダメージを最小限にとどめる。紫貴はサブアームでその攻撃を防ぎ、さらにそれにより余裕の出来た彼女は天音にブレードを振るい、武器を破壊する。 「くっ!?」 『隙ありだ。蒼貴』 「はい」 天音は槍を破壊されて硬直する。それに反応して、俺は蒼貴に指示を飛ばす。 空中から着地しようとしている彼女は天音の頭に蹴りを入れてそのまま足場にする。そのまま踏み台にすると、力強く飛んで自分の落下の勢いを減らすと上手く地面に着地をする。その時、紫貴がサブアームでダメ押しの追撃を食らわせ、吹き飛ばした。 「天音!!」 一方、遠くでそれを見ていた長閑は天音が体勢を立て直せるようにアサルトライフルによる援護射撃を続ける。それに対して、蒼貴は反応し、半分になった天音の槍を奪って、それを長閑に投げつけた。勢いよく飛ぶそれはアサルトライフルに当たったために思い切り壊れて使い物にならなくなった。 その刹那、長閑はスナイパーライフルに持ち替えてすぐに蒼貴に放ち、攻撃を続行する。 「まだまだぁ!!」 イリーガルマインドで再生をする天音が叫ぶとサイドボードから紗羅檀のノートゥングとリジルの二刀流転送されてきてそれで蒼貴に集中攻撃を仕掛ける。 彼女は着地の隙をものともせず、突っ込んでくるそれを見切って回避し、紫貴がフォローのアサルトカービンを放つ。 それで天音は一旦攻撃を止めるが、再生能力で物を言わせた強引な攻撃を仕掛ける。 それは回避したいが、長閑の援護射撃によって動けなくなっていて、それは不可能だ。そう判断した蒼貴は塵の刃で紫貴のサブアームに盾を作り出して貼り付けると彼女に防御をさせた。 衝撃はダメージとなって伝わるものの、直接的な攻撃は防がれ、致命傷は免れる。 「くぅっ……! 蒼貴、今よ!」 「その首輪、頂きます」 紫貴が代わりに受けてくれたおかげで手の空いた蒼貴は大振りの攻撃をする天音の攻撃の隙を突いてイリーガルマインドを盗んだ。奪われた天音は無力化され、ただの神姫に戻る。 「しまった!?」 「お命頂戴します」 あっけに取られる彼女を尻目に紫貴に纏わせていた塵の刃を解除し、それを鎌に纏わせると、トドメの一撃に天音の首を狩る。首が落ち、地面に転がる前に彼女はバーチャルバトルから姿を消す。 「天音!? 畜生!!」 遠くからその様子を見ていた長閑は残された最後の抵抗手段であるスナイパーライフルを連射する。 『二人とも、あれを試すぞ」 「はい!」 「OK! やっちゃいましょう!!」 俺は武装サイドボードを用いて蒼貴に忍者刀「桜花」を転送し、鎌を回収する事で『あれ』の準備をする。 そして紫貴は蒼貴を掴み、長閑めがけて飛ばした。彼女は紫貴の投擲を勢いで高速で駆ける。 長閑はとんでもない突撃にスナイパーライフルで迎撃するが、蒼貴は塵の刃を忍者刀に纏わせて盾にする事で弾丸を逸らし、間合いに詰める。 『フェイタルスラッシュだ!!』 「はぁっ!!」 蒼貴は身体をひねる事で自身に回転を与え、長閑に居合斬りを放った。攻撃を受けた彼女は真っ二つに斬り裂かれ、上半身と下半身に分かれた。 駆け抜けた蒼貴は足の鉤爪で着地し、ブレーキをかけると忍者刀を収めると、キンという音と共に勝敗が決した。 『Winner! 尊&蒼貴、紫貴!!』 トップへ -第二話:擦違姫
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決戦機模倣型規格外機体開発計画『レイ・プロジェクト』 連合の一部派閥によって立ち上げられた機体開発計画の総称。 バイロン軍にて確認された大型決戦機の模倣を試み、実用化させる計画であり、開発は直属の新鋭研究機関、『アトラス特殊技術開発研究所』にて機体の開発が行われることとなる。 開発された四機にはほぼ共通の大型試作フレームを採用しており、非常に高いペイロードと出力を持ち合わせているが、機体の全高は通常のEXMのほぼ二倍ほどにまで肥大化しており、オリジナルとされた機体よりも大型なことから、バイロンとの技術の差が出ていることが見て取れる。 それでも超高出力、高ペイロード機体であることには変わりはなく、ある程度の量産も視野に入れていた該当機体が戦場に投入されさえすれば、一気に連合の有利に戦況を動かす事が出来るのではと期待されていたが、何の不幸か一機はCOLORS研究施設にて運用をしようと運び込まれたところを被検体に強奪、もう一機も輸送中に謎のカラテカに強奪されるなど相次いで機体を奪取され、同セクションは管理能力の責任を取らされる形で四号機、『グレイプニール』の開発を凍結、封印。後にX台地での戦闘が始まってしまい、試作兵器に割く運用予算も無くなってしまった為、当計画は完全に凍結、破棄されてしまった。 それによって閉鎖されていたが、現在ではアトラス特殊技研の施設はスタッフごと連合の名門、ハウゼン家にて買い取られ、その一人娘が操る1号機と、レストアされた4号機の運用、整備が行われている。 実は開発にはマクシオン本星を離反し、地球に辿り着いた一族が関わっている。その為、スピナティオを相手に出来るよう高出力、高火力が基礎コンセプトとなった。 後に、マクシオン軍支援組織『教団』にて運用されている3号機のデータからマクシオン製レイシリーズともとれる『アスラティオ』が開発されるが、試作機はXシティ奪還作戦にて見る影も無いほどに大破。同2号機やその他予備パーツも教団に合流しているタカ派ではなくハト派によって回収され、現在では『魔剣』と呼ばれる武装の運用に特化した改修が行われているらしい…… 該当機体 レイシリーズ1号機/レギンレイ・ブランシュ レイシリーズ2号機/ダインスレイ・ヴェールトゥ レイシリーズ3号機/ディナイアル・ノーヴァ レイシリーズ4号機/グレイプニール
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今回の事件において電子レンジ氏が行った行為のどこに問題があるかについて、筆者の視点となるが説明する。 ●「著しい模倣」という表現と、模写とトレースの定義について 今回の事件において電子レンジ氏は謝罪のスクリーンショットにおいて以下のように述べている。 "私の作品の中に他のイラストレーター様作品・写真作品を著しく模倣したものが存在するという旨の通知が行き渡っているというお話がございますが、それらは紛れもない事実です。 本当に申し訳ありませんでした。" この「著しい模倣」という表現により、事件の当初は「パクリという大仰なものではなく、ただ似てしまっただけなのではないか」という声が見られた。 この「著しい模倣」という表現は著作権法においてどのような意味を持つのか。 そもそも、「模写」と「トレース」と「模倣」はそれぞれ違う行為を指す言葉である。 「模写」とは「解釈や修練のために作品を写し取り再現すること」を指す。これは元の図案の製作者の制作意図や技法を学ぶための手段でもあり、職人や芸術家の育成の上で行われる。 対して「トレース」は、表現技法において「元になる図案を、何らかの方法を用いて透かせ、それを上からなぞる事によって図案を写し取る技法」のことである。アナログならばトレーシングペーパーやトレーサーを用いて透かす、デジタルならば元の図案の透明度を下げ、レイヤーを重ねて上からなぞる等の行為がトレースに該当する。 複製にトレースを用いる際は、元の図案の価値をそのまま複製する意図で行われる事が多く、その場合は模写に対する言葉で「転写」と呼ばれる。これが盗作を弾劾する際に「トレパク」(=トレースを用いたパクリ)という語が用いられる所以である。 また、美術の技法の上では、模写は「元となる図案を横に置き、見て描くこと」を指すが、それに対しトレースはその意図を問わず「転写」と表現され、模写とは明確に区別されることが多い。 また「模倣」は、「既存のものを元に、それと著しく特徴が似ているものを作り出す行為」を指す。「模倣品」とは一般的にブランドバッグの偽物のようなものを指し、知的財産権のうち意匠権などを侵害する可能性がある。 著作権法において侵害の疑いのある図案の著作権侵害を問う場合、その図案がどれほど似ているかが問題であり、その図案の製作技法については問われない。つまり先に述べた「模写」であるか「転写」であるかは関係がなく、さらに言えばその図案がどれだけの努力と時間を積み重ねて制作されたものであるかも関係がないのである。 つまり今回の事件においては、あくまで電子レンジ氏が既存の作品を「模倣」したかどうかが焦点となり、その点については上記の通り自身のツイートで認めているため疑う余地がない。 また、今回、電子レンジ氏に盗作の疑いがかかった際、擁護者から「トレースじゃなくて、たまたま似てしまっただけではないか?」という反論がなされた。 著作権侵害の判断において、制作の上で既存の図案を元にしていなければ著作権侵害となることはない。つまり、互いの意図を知らない状態で偶然に同じような図案を制作した場合、双方がそれぞれの作品に対して著作権を持つことになる。このような「偶然の一致」の場合、どちらかがどちらかを訴えることは出来ない、 しかし、偶然の一致であったならばそう釈明すればよいだけの話だが、電子レンジ氏は上記スクリーンショットにおいてそれも否定しているため、今回の事件において「偶然の一致であったか否か」という議論は意味をなさない。 ●二次創作が違法であることと盗作が違法であることの区別について 今回の事件をまとめる意図で作られたTogetterに以下のコメントが投稿された。 "そもそも二次創作の時点で法律的には限りなく黒に近いグレーだと思うんだけど。法律的にOKかNGかはずぶずぶなのに、実力を詐称するしないの境界線で同人というムラから追い出されるんだなあというのが外野から見た感想。プロが構図の模倣で叩かれるのは分かるんだけど、お前らプロじゃねえしもっと自由に楽しめばええやろ。" この発言者の認識のズレについて説明する。 今回、電子レンジ氏の行動のうち問題とされているのは 「絵を描くことの素晴らしさを説いておきながら、既存の作品を盗作して作った作品を頒布していた」 「小説の表紙イラストを依頼された際も、既存の作品を盗作して作ったイラストを提出していた」 「著作権侵害で罪に問われる可能性がある制作物を製造・販売し、さらには二次創作の権利者(バンダイナムコ)と密接な関係がある人物(声優)に対しプレゼントしていた」 「権利者の機会損失にあたるグッズ(ミリジャン)の制作の際、権利者の制作物を模倣した可能性が高いイラストを使用した」 というものである。 前提として、日本の著作権法において著作権侵害は親告罪であり、権利者(著作権保持者)が訴えない限りは、刑事裁判が行われることはない。 これは電子レンジ氏の件についても同様であり、つまり今回の盗作事件において、少なくとも第三者には電子レンジ氏に法的な責任を問う権利は存在しない。 また、今回の事件における各人の被害は比較的小規模なものであるため、権利者による訴訟や警察が介入する可能性はあまり高くない。 故に「電子レンジ氏を法で裁けるか否か」については最初からほとんど議論されておらず、法律の話を持ち出す時点で、そもそも二次創作というジャンルを理解していない者の意見と感じざるを得ない。 ではなぜ今回電子レンジ氏の行動が問題視されているのかというと、これが司法ではなくむしろモラルの問題だからである。 上記にもあるが、著作権はその手法や意図を問わず似通った図案に対し元の図案の権利者が行使することのできる権利であるため、あるコンテンツの設定を間借りして制作を行う「二次創作」はその全てが常に著作権侵害で訴訟されるリスクを抱えている。 しかしながら、昨今のゲーム市場ではファンによる二次創作やファン活動が広告宣伝として力を持ち、ゲームの盛り上がりの大きな要素となっているため、権利者に黙認されているというのが実情である。 この空気感の説明は「鉄拳」のディレクター、原田勝弘氏の発言に詳しい。 このように二次創作というジャンルは絶妙な均衡で成り立っているが、これらの均衡はファンによる過度な表現によりしばしば崩れることがある。 昨今の例だと「ガールズ パンツァー」が許可を得ないグッズの頒布を牽制する旨のツイートを投稿したし、「アトリエシリーズ」の「ライザのアトリエ」の同人グッズ(タオル)がメーカーの指導により販売禁止になった事件も昨年のことである。全ての判断は権利者の一存であるというのはゆるぎない事実である。 つまるところ二次創作製作者と権利者を繋ぐものは「信頼」という極めて不安定な要素でしかなく、だからこそ、そのようなジャンルで活動している製作者は権利者の利益を損ねない行動を心がけるべきであると筆者は思う。 その観点から見れば、今回、電子レンジ氏がとった行動は日本の法律を犯しかねないものであり、更にその行動には権利者とコンテンツを作り上げる関係者を巻き込んでいる。 これは権利者と二次創作製作者の信頼関係に傷をつけ、ミリマス二次創作というジャンルそのものを破壊しかねないものである。 事実、冒頭に挙げた、今回電子レンジ氏が起こした行動はすべて関わった人間の信頼を裏切る行為として糾弾されている。 そして、ミリマス二次創作の存続を考えた場合、第三者が電子レンジ氏を糾弾し再発を防止しようとすることは当然の反応である、と筆者は考える。 「二次創作を容認する」ことと「二次創作における盗作を糾弾する」ことは矛盾なく両立しうる考えである。
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すべてただのもほうです【登録タグ 作す 作り手】 特徴 YouTubeにて全てあなたの所為です。氏をリスペクトした楽曲を投稿している。 リンク YouTube 曲 エンテイル 動画 コメント 名前 コメント
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Sacrifice Escape 不条理の模倣による感情と代償/ memex 本機種より後に移植されたBEMANIシリーズは下記の通り pop'n music peace(FLOOR INFECTION第37弾) Lv CHAIN 譜面属性 BPM TIME Version Genre Illustrator Effect NOVICE 05 0413 100 VIVID WAVE03 FLOOR 被験者番号:11Q104 鋼のビスカッチャ ADVANCED 11 0683 EXHAUST 14 0817 MAXIMUM 17 1425 + 難易度投票 NOVICE 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 ADVANCED 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 EXHAUST 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 MAXIMUM 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 1 弱 0 逆詐称 0 攻略・解説 譜面・楽曲の攻略についてはこちらへどうぞ 見辛さ解消の為に改行や文頭の編集、不適切なコメントを削除することがあります 名前 コメント ※文頭に[ bgcolor(#aaf){NOV}]、[ bgcolor(#ffa){ADV}]、[ bgcolor(#faa){EXH}]、[ bgcolor(#888){MXM}]をコピー ペーストすると見やすくなります コメント 楽曲やイラストなどのコメントについてはこちらへどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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に:重要人物報告書-グレンヴィル、模倣者エールプティオ・クォーク ・グレンヴィル 人工海底地区【ポスティハダル】中心部端末より引用: 都市部【グレンヴィル】島内中心部に設置されております。人工島総管理者である〇〇〇〇氏がそちらで住んでおり、また彼が作ったPrototype達が共に過ごしております。彼は極度の小心者であり、ダーカーの脅威を避ける為に堅牢な城に閉じこもっていると比喩されます。尚、この島にダーカーは侵攻する事は不可能です。また、島全域のフォトン管理を担う制御装置が存在しており、それらは機械樹【トレント・ヴァジュ】が管理しております。 大規模研究所群第一研究棟に設置された第19端末より引用: 58-69:都市部の名称から名付けられたグレンヴィルは、【深淵なる闇】封印に貢献した英雄の一人である。同時に、フォトンを扱う力を放棄した人物の一人でもあった。更なる脅威に向け、彼は非常に恐怖心を抱えながら研究に没頭した。理由としては自らの行った所業に後悔していたからだ。フォトンを失う事も恐れ、何としても再びフォトナーとしての権威を取り戻したかった彼は無謀とも云える研究に没頭し、皮肉にもその副産物が時代の発展に繋げたのだ。ルーサーも彼には一目置いていた。無論、私もだ。こうして幽閉している今も、我々を消滅しようと企む彼をどうにか改心させたいが希望は今の所見えていないのだ。 59-7:この記録は島を破棄した際に解読可能となるように設定してある。もし記録を見ている者がいたならば、我々の存在を知ってほしい。彼は依代を得ずに生き永らえる方法を見つけた。しかしそれは同時に、彼自身が狂気に呑まれる要因となったのだ。自らを被検体にするなど馬鹿げている。フォトナーとしての権威を維持する為とは言え、何故彼は惑星をも利用しようと企んだのか。グレンヴィルは我々をも支配しようとしていた。理由は分からない、我々が危惧している事を知っているからだろうか?不滅の身体を得た彼をどうにか止めねばならない。ルーサーに頼るしかない。どうしたとしても、結局私は彼を頼るしか無い様だ。とても情けない。 ◇◇◇:コラプサーから逃げろ コメント:これはどうやら比較的古い文献である事から、トレント・ヴァジュもメタリーエルスって名前を使う前かもな。しっかし、こんな所で嵌められてなければ創世器になっていたかもしれない英雄じゃないのか?コイツ。---亡月 君もフツーに健全な研究してたら優秀な研究部の一員だったかもしれないね。---ヘリック エールプティオ コラプサー模倣体の一人。行動原理は不明。エンティ・アマルガムを殺害し各アークスと対峙した。ホムンクルスとは遺伝子上親子関係である事が判明したが、ホムンクルス自身はエールプティオを抹殺する勢いらしい。彼は既に良い父親を持っているからだろう。 使用武器: 「蒼ノ天鵞絨」 片腕展開式高出力型粒子砲=高周波型両鋼爪 粒子砲が放つ威力をブレードに適応させる事で、一つの武器で近・遠距離戦の両立を図った変形武器。自己修復機能はあるが、接合部分が比較的脆いため半壊状態では粒子砲を放つ事は出来ない。 刀匠ジグがクラス制定に伴い、開発を中止させた変形機構搭載武器の一つ。創世器に劣らぬ性能を持ち合わせているが、ラビュリスよりも耐久性が優れておらず頻度のメンテナンスが必要となる。この武装を所持している事から、彼らはクラスという概念を持たずに戦闘に及んでいる事が解っている。 クォーク コラプサー模倣体の一人。行動原理は不明。アルターズ破棄式を従えており、ゲイルロズの内部崩壊を企てた人物。言動からして【黒衣】を試しているかのような様子が見られた。 使用武器: 蜉蝣:Ⅲ型 高電流蛇腹剣=洗脳者対象指揮剣 クォークが制御不可能であるアルターズ破棄式を、強制的に命令信号を与える為に開発及び改良した変形武器。蛇腹剣はあくまで護身用であり、殆どの戦闘は洗脳対象に行わせる。 変形機構搭載武器の一つだが、フォトナーが激しい抵抗を見せるアークス候補者達を制御させる為に使用したとの逸話が存在する武器。現在は開発禁忌武器としてリスト入りされているが違反アークスの中にはこれを使用している者がいたらしく、開発を企てた人物を過去に情報部にて拘束した事がある。 名称のみで詳細が明かされていない人物 Dr.ランダル フォトナーの一人。機構島の責任者に近しい役割を担っていると思われるが、具体的人物像を掴めていない状況である。 オリュクス フォトナーの一人。ディスケィド関連文書に記されているが、研究者の一人だった事以外は明確な情報を確認出来ていない。