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純「では、開きます」 梓「・・ゴクリ」 憂「そ、そんなの見るなんて良くないと思うよ///」 ちらっちらっ 菫「どうしたんですか?」 純「エロ本持ってきたから見ようと思って」 菫「エロ本!」 菫「でもどこから持ってきたんですか?未成年は買えないですよね?」 純「兄貴の部屋から持ってきた!」 菫「あ、純先輩お兄さん居たんですか?」 純「うん、結構年離れてるけどね」 憂「菫ちゃん、こんなの見るなんて良くないよね?」 ちらっちらっ 菫(その割にはさっきからチラ見してるけど) 純「いやいや、私達も高3だしこれくらい見ておかないと」 梓「そうだよ」 純「スミーレは見たい?」 菫「はい、見たいです!」興味津々 梓「エロ本もみんなで見れば怖くないよ」 純「じゃあ、ここでみんなで一緒に見ようじゃないか」 憂梓菫「はーい」 純(憂も見る気満々じゃないかよ) 梓(憂も見るんだ) 菫(ムッツリですね) 純「下着通販ページだ」 梓「エロエロなの売ってるね///」 菫「あ、でも私のもこんな感じですよ?」 憂「え?これって?///」 梓「黒のTバック!!」 純「そんなエロエロなの履いてるの?」 菫「はい、お嬢様に頂いたので」 梓(お嬢様?) 純 ジーッ 純「あのさ、ちょっとだけ見せてもらって良い?」 菫「えっ、駄目ですよそんな///」 純「良いじゃん、減るもんじゃないし」 梓「そうだよ、見せるだけだから。純も見せるから大丈夫だよ」 純「何で私も。じゃあ、梓と憂も見せてよね?」 梓「分かったよ」 憂「私も?」 純「と言いつつ、油断したスミーレのスカートぺろーん!!」 菫「キャーッ!!///」 純「あ、本当に黒のTバックだ///」 梓「実物はエロエロだね」ドクドク 憂「わ、凄い///」 菫「もう///」 菫「今度は先輩方の番ですよ?」 純「じゃあ、はい」ぺろーん 憂「青の縞々パンツだ」 梓「あれ?それってもしかして澪先輩と」 純「そう、澪先輩とお揃い」ふふん 梓「まさか純まで・・」 純「純までって?」 梓「ほら」ぺろーん 菫「純先輩と同じ青の縞々パンツですね」 純「梓も澪先輩とお揃いかよ!」 憂「純ちゃんと梓ちゃんもお揃いだね」 梓純「ハッ!!///」 純「じゃあ、今度は憂見せて」 憂「え?駄目だよ。恥ずかしい///」 梓「私達も見せたんだから大丈夫だよ」 純「と言いつつ、油断した憂のスカートぺろーん!!」 憂「キャーッ!!///」 純(あれ?履いてない?) 梓(ノーパン?) 菫(何故ノーパン?) 純「さてと、次のページをめくりますか」 菫(スルーした) 梓(全力でスルーした) ヌードグラビア 純「この女の人おっぱい大きいね」 菫「巨乳ですね」 梓(ハッ!律先輩が卒業して貧乳は私だけに) 梓(純も憂も大きい。菫も大きい。何この仲間はずれ?) 梓(居なくなって分かる律先輩の有り難み) 憂「梓ちゃんどうしたの?」 梓「な、何でもないよ。次いこ」 純「そう言えば、スミーレは結構胸大きいよね?何カップ?」 菫「私はDカップです」 純「私より大きい!」 憂「私と同じだ」 純「憂も私より大きいのか」 梓「憂と菫はどっちが大きいんだろうね?」 菫「どうでしょうね?」 純「比べてみれば?」 憂「どうやって?」 純「そこは、おっぱい星人の梓が揉んでみれば」 梓「おっぱい星人って・・・」 純「揉みたくないの?」 梓「揉みたい!」フンス!! 純「じゃあ、憂からね」 憂「こっちに拒否権は無いんだね」 菫「私達は、揉まれるの決定なんですね」 梓「では、憂から」 憂「私はどうしてれば良いの?」 純「バンザーイって」 憂「こう?」バンザーイ 梓 ギラーン! 梓「憂のおっぱい揉み揉み!」 憂「きゃっ///」 純「駄目だよ、ちゃんと手を挙げてないと」 憂「う、うん///」 梓「これは・・・!」揉み揉み 菫「揉み方がイヤらしいですね///」 純「さすがおっぱいマスター梓」 憂「梓ちゃん、もっと優しく揉んでよ///」 梓「あ、ごめんつい」 純「で、どうなのよ?」 梓「柔らかくって揉み心地最高!」 憂「結構揉まれるの恥ずかしいね///」 菫「そうなんですか?」 純「今度はスミーレね」 菫「はい///」バンザーイ 梓「菫のおっぱい揉み揉み!」 菫「あん///」 純(揉まれてるスミーレの顔がエロイ///) 梓「むぅ・・・何と!」揉み揉み 純「どうした梓?」 梓「凄い弾力があってぷにぷに!」揉み揉み 純「梓、ちょっと交代交代」 菫「えっちょっ///」 純「これは!」揉み揉み 純「ぷにぷに~。スミーレのおっぱいぷにぷに~」 菫「もう良いですか?///」 純「も、もうちょっと」揉み揉み 憂「で、判定は?」 純「あ、そうだ大きさ比べてるんだった。どうなの梓?」 梓「柔らかさなら憂で、弾力なら菫だね」 梓「大きさは憂の方がちょっと大きいかな?」 憂「そうなの?」 菫「そうなんですか?」 梓「澪先輩>ムギ先輩>憂>菫って感じ」 純「憂が軽音部1の巨乳か」 憂「えへへ///」 次ページめくり 梓「うわSMだって///」 憂「SMって何?」 純「あれよ、サドとマゾ」 憂「サドとマゾ?」 梓「身近で例えると、Sが澪先輩でMが律先輩だね」 憂「あ、なるほど。分かりやすい」 梓(分かりやすいのかよ!) 純「みんなどっち?」 菫「私はMですかね?お嬢様にお叱り受けたりするとハアハアするんで」 純(・・・このドMめ) 梓(だからお嬢様って誰?) 純「私Sかな?」 憂「純ちゃんはSっぽいね」 純「梓もSかな?」 梓「突っ込み役だし、そうかも」 純「憂はどっちだろうね?」 梓「Mっぽい気がするけど」 憂「そうかな?」 純「あんまり、他人殴ったりとかしたいって思わないでしょ?」 憂「でも、お姉ちゃんに手を出すような奴は、殴ってやりたいって思うよ」 梓「え?」 憂「もう、ギッタギタのフルボッコにして・・」 梓「はいはい、そこまで!」 純(こいつは、天性のドSだ) 菫(眼が怖い・・) 次ページめくり 純「おおーっ、濃厚なキスシーンが」 憂「キャーッ!!///」目隠し 菫(指の間からしっかり見てる・・) 梓「ちなみに、この中でキスした事ある人居る?」 梓純憂菫「・・・・・」 純「全員無しかよ!!」 梓「純もでしょ」 憂「キスってどんな感じなんだろうね?」 梓「してみる?」 憂「ええっ?女同士なのに?」 菫「女同士はノーカンですよ」 純「物は試しにしてみよっか?」 梓「ちょうど、4人だし2:2に別れよ」 純「グーパーしよっか?」 憂「じゃあ、グーパージャス」 梓(憂もノリノリじゃないか) 純「パー」 憂「グー」 梓「パー」 菫「グー」 純「私と梓」 菫「私と憂先輩ですね」 梓「どっちの組からする?」 憂「梓ちゃん達からしてよ。私良く分かんないし」 純「良いよ」 梓「いざ、するとなったら何か照れくさいね///」 菫「相手を好きな人だと思ってすれば良いんじゃないでしょうか?」 純「さすがスミーレ。ナイスアイデア」 梓(好きな人か・・・澪先輩かな?) 純(もちろん澪先輩) 純「あ!そうだ梓ちょっと後ろ向いて」 梓「何?」 純「良いから良いから」 ほどきほどき 純「出来た」 梓「何で私の髪の毛解いたの?」 純「んーっ、ちょっとね」 梓「?」 純(ふっふっふっ、梓って髪下ろすとちょっと澪先輩に似てるんだよね) 純「じゃあ」 梓「うん」 ちゅっ 純(澪先輩) 梓(澪先輩) 「ん、ちゅっ」 純梓「澪先輩・・」 純梓「!!」 純梓「梓(純)も澪先輩かよ!!」 純「あーっ、もう白けちゃった。これで終わりね」 菫「今度は私達の番ですね」 憂(菫ちゃんをお姉ちゃんだと思って) 菫(憂先輩を紬お嬢様だと思って) 憂菫「ちゅ」 憂「んんっ・・・・お姉ちゃん・・ふ・・・ぅ・・・」 憂「ふふ・・ちゅ・・はぁ・・お姉ちゃん。ちゅ・・む・・・ちゅぷっ」 憂「んぅ・・ちゅむ・お姉ちゃん。んくっ・・ふ・・・」 憂「くふぅ・・・んんっ、お姉ちゃん。ちゅむっふああっ、ちゅく、んむ・・」 純「うわ///」 梓「ディープキス、初めて見た///」 菫「すみゅうううう///」 純「あ、スミーレがぶっ倒れた」 梓「憂やりすぎ///」 憂「つい、その気になっちゃって///」 純(キスしながらお姉ちゃんって言ってた様な) ページめくり 純「オナニー特集だって」 菫 ガバッ! 梓「菫が復活した」 憂「オナニーって何?」 純「え?」 梓「憂、した事無いの?」 憂「うん」 憂「気になるよ、教えて」 梓「えーと、それはね。純教えて上げて」 純(私に振るのかよ) 純「オナニーって言うのは、スミーレが教えてくれるって」 菫「オナニーって言うのはですね」 梓「わーっ!わーっ!!」 純「本当に説明せんでええ///」ポカッ 菫「いてっ」 憂「どうしたの?」 梓「えっと///」 憂「何で教えてくれないの?」 純「それは///」 憂「じゃあ、ここでオナニーして見せてよ」 菫「ええ?」 憂「どうしたの?何で出来ないの?」 菫(やっぱりドSだ) 純「憂も大人になれば分かるよ」 梓「そうだよ」 憂「そうなんだ」 純「じゃあ、今日はこれで解散しよう」 菫(逃げましたね) 純(危うくオナニーを説明させられる所だった) 梓(どんだけ純情なんだ憂は) その日の夜 鈴木家 純「髪下ろした梓やっぱ可愛かったな」じゅん 純「なんだこの気持ち?」 中野家 梓「純の唇柔らかかったな」 梓「もっと純とキスしたいかも」 琴吹家 紬「菫!まだティーセット持ってきてないの?」 菫「すいませんお嬢様」 (;´Д`)ハァハァ 平沢家 憂「今日、お姉ちゃん帰ってきてるんだっけ」 憂「ったく純情キャラ演じるのも楽じゃないよね」 憂「お姉ちゃんのパンツパンツと」 憂「お姉ちゃんのパンツぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!パンツパンツパンツぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!お姉ちゃんのパンツをクンカクンカ!クンカクンカ!あぁあ!! 」 クチュクチュクチュ 憂「ああ、お姉ちゃんいくよ。んほおおおおぉおーっ!!」 おしまい 戻る
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梓「憂ってさ」 純「うん」 梓「料理は作ってあげるの好きだけど人に作って貰う機会ってないと思うんだよ」 純「両親を除くとそうなるね」 梓「その両親も留守がちでしょう?」 純「うんうん」 梓「だから、憂の誕生日に軽音部で皆が得意料理を憂に振る舞うのはどうかな?」 純「いいねそれ!」 梓「スミーレや直にも参加して貰おうよ」 部室 梓「という訳なんだよ」 菫「喜んで参加します」 直「私も」 純「担当はどうする?」 梓「ケーキは皆で作るとして後は」 梓「煮物 炒め物 サラダ 揚げ物かな?」 純「OK」 梓「皆は何が得意?」 純「私は炒め物」 菫「私はサラダくらいしか…」 直「じゃあ、私は揚げ物で」 梓「なら私は煮物ね」 梓「精一杯、憂をもてなそうよ」 純菫直「おーう!」 憂「遅くなってごめんね」ガチャッ 梓「憂、誕生日は私達が憂をおもてなしするからね」 憂「いいの?嬉しい」 純「各自の得意料理で憂の舌をとろけさせてあげるよ!」 憂「うわぁ~凄く楽しみ」 菫「わ、私の料理は期待しないで下さいね」 憂「そんな事ないよスミーレちゃん」ニコッ 直「平沢先輩は好き嫌いありますか?」 憂「大丈夫だよ直ちゃん」 梓「場所はどこにする?」 純「憂の家は?」 憂「大丈夫だよ誰も居ないから」 梓「じゃあ、当日は平沢家に集合だよ」 菫(どうしよう…) 菫の部屋 菫「見栄はってサラダくらいとか言ってしまったけど」 菫「手の込んだの作れないよ…」 菫「お姉ちゃんに相談してみよう」ピポパ 紬「もしもし菫、どうしたの?」 菫「あの、お姉ちゃんちょっと相談が」 紬「どうしたの?」 菫「実はね…」 紬「そんなの気にする事ないわ~」 菫「でも…」 紬「梓ちゃんも憂ちゃんも純ちゃんもきっと喜んでくれるわ~」 菫「でも、何を作れば良いのか…」 紬「菫にはとっておきのサラダがあるでしょ?」 菫「あ、あれ?」 紬「そうよ~とっても美味しかったから大丈夫よ~」 菫「が、頑張る」 紬「心を込めて作ってあげてね」 菫「うん!」 誕生日当日 純「さあー張り切って作ろう!」 憂「わーい」パチパチ 梓「先ず何から作る?」 純「そりゃケーキでしょう?」 直「ところでケーキ作ると言っても作り方わかるんでしょうか?」 梓「…」 純「…」 菫「…」 直「…」 梓「どうしよう…」 憂「わ、私が作るから」 梓「憂は駄目だよ主役なんだからさ」 純「う、憂に教えて貰って皆で作ろうよ」 菫「それが一番安全ですね」 直「では、平沢先輩お願いします」 憂「任せて!」ふんす 憂「では早速作ろうか」 純「はい!憂先生」 憂「///」 憂「先ずは純ちゃん、ボウルに全卵と卵黄を入れ、泡立て器でよくほぐす。グラニュー糖を加えて、よくなじませてね。」 純「純ちゃんに任せなさい!」 憂「出来たね。じゃあ次は梓ちゃん」 梓「よし!」 憂「湯せんにかけ、泡立て器でよく混ぜる。指を入れてみて、風呂の湯くらいの温度(40~42℃)になったら、湯せんからはずす。その湯でバターと牛乳を湯せんにかけ、溶かしてね。」 梓「頑張る!」 純「頑張れ部長!頑張れあずにゃん」 梓「あずにゃんは余計だ///」 憂「出来たね、じゃあ次はスミーレちゃんだよ」 菫「が、頑張ります」 梓「菫、落ち着いて大丈夫だからね」 菫「はい!頑張ります」 憂「ハンドミキサーを低速にし、すばやく円を描きながら2を1分間泡立てる。次にハンドミキサーを高速にして、生地が少しだけもったりとするまで、同様に約1分~1分30秒間泡立てる。ハンドミキサーを持ち上げたとき、生地がスーッと絶え間なく落ち、まだリボン状の跡が残らないくらいが目安だよ。」 菫「行きます!」 憂「スミーレちゃんやったね」 憂「じゃあ次は直ちゃんの番だよ」 直「平沢先輩見守って下さい」 憂「ハンドミキサーを低速に戻し、ゆっくりと円を描きながら1分間泡立ててきめを整える。ハンドミキサーを持ち上げたとき、生地がトロトロと落ちて、リボン状の跡ができたそばから消えていくくらいが目安だからね」 直「やってみます」 憂「直ちゃん上出来だよ」 憂「じゃあ、再び純ちゃんお願いします」 純「頼れるベーシスト純ちゃんに任せなさい!」 憂「ハンドミキサーを泡立て器に変え、50回グルグルと混ぜる。泡立て器を持ち上げたとき、リボン状の跡が残り、ゆっくりと消えていくくらいが目安だよ。」 純「よっしゃ!」 憂「出来たね、次は梓ちゃんお願い」 梓「頑張るよ!」 憂「5に薄力粉の1/2量をまんべんなく加える。ゴムべらをボウルに沿わせるようにして、ボウルを少しずつ回転させながら10回ほど混ぜる。残りの薄力粉を加えて、同様に混ぜてみて」 梓「こんな感じかな?」 憂「うん、大丈夫だよ」 憂「スミーレちゃんの番だよ」 菫「はい!」 憂「ボウルの中央を縦に通るようにゴムべらを動かし、向こう側に返すようにして混ぜる。ボウルを少しずつ回転させ、薄力粉が完全に見えなくなるまで混ぜるんだよ。」 菫「うーん難しいです…」 憂「焦らなくても大丈夫だよスミーレちゃん」 憂「直ちゃんの番だよ」 直「はい」 憂「2のバターと牛乳をよく混ぜ、ゴムべらを伝わせて7に加える。ゴムべらをボウルに沿わせるようにしてよく混ぜてね。」 憂「流石直ちゃん、純ちゃんお願いします」 純「うん!」 憂「型のテープをはずし、8を高いところから流し入れる。ゴムべらについた生地は重いので、端のほうに入れてね。」 憂「綺麗に入ったね梓ちゃんお願い」 梓「何か楽しくなってきた」 憂「170℃のオーブンで約45分間焼く。型と生地の間に透き間ができ、表面がしっかりとしていれば焼き上がり。また、中央に竹ぐしを刺してすばやく抜き、何もついてこなければOKです。」 梓「上手く焼けてね…」 菫「焦げたら大変ですね…」 純「スミーレ」 菫「はい」 純「大丈夫きっと成功するよ」 菫「は、はいそうですね!」 憂「上手く焼けたね。これで半分くらいだよ」 憂「皆、凄いよ!最後は中心部にイチゴをバランスよく乗せるだけだよ」 純「じゃあ最後の締めは梓だよね」 直「それはもう部長ですから」 菫「梓先輩お願いします」 梓「何か恥ずかしいって///」 梓「じ、じゃあ」 梓憂菫直純「かんせーい!」 梓「ありがとう憂」 純「後は私達で出来るから」 菫「先輩はゆっくりしといて下さい」 直「平沢先輩の誕生日ですから」 憂「うん」ニコッ 梓「私が使う材料はこれだよ」 純「人参 玉ねぎ ジャガイモ 豚肉ってカレー?」 梓「調味料はこれ」 菫「醤油 砂糖 味醂 コンソメ ケチャップですね」 直「ケチャップ煮込みですか」 梓「直、正解だよ」 純「ホールトマト使わないの?」 梓「ケチャップ好きなんだもん」 純「お子様」 梓「う、煩い純」 菫「まぁまぁ」 直「ケチャップ美味しいですよ」 梓「先ずは豚肉を炒める」ジュー 梓「火が通ったら人参を投入」 梓「ジャガイモ投入して」 梓「最後に玉ねぎ」 梓「水を加えてと」 梓「コンソメ入れて」 梓「砂糖 味醂 醤油の順に入れてと」 梓「暫く煮込む」 純「簡単だけど美味しそう…」 菫「確かに…」 直「おぉ…」ゴクッ 梓「灰汁を取りながら火を通す」 梓「最後にケチャップ入れてじっくり弱火で煮込んで出来上がり」 純「おー」パチパチ 菫「いい匂いです」 直「食欲をそそりますね」 2
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紬「……もう朝」 紬「……」 紬「うん。そろそろ起きないと……」 紬「……!」 梓「zzz」 紬「ななな、なんで」 紬「なんで梓ちゃんが横で寝てるの!?」 梓「むにゅむにゅ……あ、ムギ先輩おはようございます」 紬「なんで梓ちゃんが……!」 梓「なんでって、忘れちゃったんですか?」 紬「え、えーっと……」 梓「今朝忍び込んできたじゃないですか」 紬「えっと……梓ちゃんが?」 梓「他に誰が?」 紬「忍び込んできた?」 梓「はい」 紬(ガードマンさんたちがいて忍びこむのは無理だと思うけど) 梓(本当は菫に頼んで入れてもらったんだけど黙っておこっと) 紬「まぁいっか」 梓「はい。細かいことは気にしちゃだめです♪」 紬「そ、そうね」 梓「それでムギ先輩、これを受け取って下さい」 紬「この便箋は?」 梓「開けてみて下さい」 紬「ええ……あら、マッサージ券」 梓「はい」 紬「でもどうして私に?」 梓「それはムギ先輩がおばあちゃっぽいからです」 紬「えっと、どこらへんがおばあちゃんっぽいのかしら?」 梓「白髪みたいに髪の色素が薄いですし」 紬「あ、そうね」 梓「……」 紬「どうしたの?」 梓「ここは怒るところです!」 紬「そうなんだ?」 梓「そうです!」 紬「梓ちゃん、めっ!」ポカ 梓「いたっ」 紬「うふふ」 梓「……ふふっ」 紬「それで、本当はどうして?」 梓「あ、それはですね……本当は私のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんにあげようかと思ったんですけど」 紬「けど?」 梓「なんだか気恥ずかしくて渡せなくて、それで……」 紬「そうなんだ。でも……だからって私に?」 梓「せっかく作ったのが勿体無いですし」 梓(ムギ先輩をマッサージしてみたかった……というのは黙っておこう) 紬「そっかぁ」 紬(むむむ。梓ちゃんはお祖母ちゃんやお祖父ちゃんとスキンシップをとりたかったのね) 紬(だけど気恥ずかしかったから、かわりに私で……) 紬(うん。梓ちゃんのお祖父ちゃんお祖母ちゃんの代役をしっかり果たさなきゃ) 紬「よしっ!」 梓「……?」 紬「じゃあ梓ちゃん、肩を揉んでくれる?」 梓「は、はい!」 紬「うふふ」 梓「いきますよ」モミモミ 紬「うん」 梓「どうですか?」 紬「もうちょっと強くしてくれる?」 梓「あ、はい」モミモミ 紬「もっと強く」 梓「はい」モギュモギュ 紬「うん。気持ちいいわ―」 梓「結構凝ってるんですネ」 紬「ええ、自分でも気づかなかったけど、そうみたい」 梓「やっぱり大学生活って大変ですか?」 紬「ううん。そうでもないのよ。唯ちゃん達もとても仲良くしてくれるし、他にも友達ができたし」 梓「そうですか」 紬「でも……ううん。なんでもない」 梓「え」 梓(気になる……) 梓(もしかして、私に会えなくて寂しいっていう) 梓(……そういうことかな) 梓「あの……それって」 紬「気になる?」 梓「はい」 紬「実はね、菫が朝起こしてくれないから、朝が大変なのー」 梓「えっ」ドテ 紬「あ、梓ちゃん? コントみたいに倒れたけど大丈夫?」 梓「は、はい。なんとか」 紬「はい、つかまって」つ 梓「はい」つ 紬「ふふっ、梓ちゃんの手、全然大きくなってないんだ」 梓「それはムギ先輩の手もです」 紬「そうね。一年ぐらいじゃ大して変わらない……こともないわよね」 梓「あ、菫のことですか」モギュモギュ 紬「ええ、菫ったらどんどん背が伸びちゃって」 梓「ほんと、羨ましいです」モギュモギュ 紬「梓ちゃんは大きくなりたいの?」 梓「それは……小さいよりは大きいほうが」モギュモギュ 紬「そうなんだ。私も唯ちゃんも梓ちゃんは小さくてかわいいって思ってるのに」 梓「むむっ」モギュモギュ 紬「不服そうね?」 梓「そんなことないです」モギュモギュ…プイッ 紬「あらあら」 梓(『小さくなかったらかわいくないってことですか』)モギュモギュ 梓(なんて……恥ずかしくて聞けないよね)モギュモギュ 梓(きっとムギ先輩は取り繕ってくれるけど……)モギュモギュ 紬「もうそろそろいいかな」 梓「あ、そうですか」モギュ… 紬「うんうん。気持よかったわー」 梓「それならよかったです」 紬「じゃあそろそろ朝ごはんでも食べましょうか。梓ちゃんも食べるわよね?」 梓「何を言ってるんですか?」 紬「え?」 梓「マッサージはまだ始まったばかりです。次は腰、その次は足の裏ですから」 紬「えっと…朝ごはんの後にしない?」 梓「駄目です」 紬「むむっ」 梓「ほら、寝転がってください」 紬「もうそろそろいいかな」 梓「あ、そうですか」モギュ… 紬「うんうん。気持よかったわー」 梓「それならよかったです」 紬「じゃあそろそろ朝ごはんでも食べましょうか。梓ちゃんも食べるわよね?」 梓「何を言ってるんですか?」 紬「え?」 梓「マッサージはまだ始まったばかりです。次は腰、その次は足の裏ですから」 紬「えっと…朝ごはんの後にしない」 梓「駄目です」 紬「むむっ」 梓「ほら、寝転がってください」 紬「えっと……こんな感じでいいかな?」 梓「はい、では失礼して…」モミモミ 紬「あ、梓ちゃん、くすぎったいわ」モゾモゾ 梓「我慢して下さい」モミモミ 紬「そ、そんなこと言ったって」 梓「えっと……じゃあここならどうです」モミモミ 紬「あ、そこならそんなにこしょがしくないかも」 梓「では、ここを重点的にやりますね」モミモミ 紬「うん……気持ちいい」 梓「楽にしてくれていいですよ」モミモミ 紬「ええ……」 梓「……」モミモミ 紬「……zzz」 梓「……」モミモミ 紬「zzz」 梓「あれ……ムギ先輩?」 紬「zzz」 梓「寝ちゃった……二度寝するなんて疲れてるのかな」 梓「あどけない寝顔だなぁ」 梓「……」 梓「同じ大学に行ったら、毎日起こしてあげられるかな?」 梓「……それにしても」 梓「かわいい後輩が来たのに寝ちゃうなんて」 梓「ムギせんぱーい」コソコソ 梓「はやくおきないといたずらしちゃいますよー」コソコソ +++ 紬「……うん?」 梓「zzz」 紬「あら、横で梓ちゃんが……寝てる」 紬「マッサージしてるとちゅうで私が寝ちゃって……それから梓ちゃんも寝ちゃったのかしら」 紬「かわいい寝顔」 紬「こんなに無防備にしちゃって……もう」 紬「後ちょっとだけ続く夏休み」 紬「せっかく梓ちゃんが来てくれたんだから何かしたいけど……」 紬「あ、そうだ」パチン 梓「むにゃむにゃ……あ、ムギ先輩」 紬「あ、起こしちゃった」 梓「はい……」 紬「ね、梓ちゃん。梓ちゃんのお祖父様の家ってとなり町にあるのよね?」 梓「そうですが……」 紬「ね、二人で行ってみない? そして二人でマッサージしてあげるの」 梓「えっと……それはとっても気恥ずかしいような」 紬「やってみれば平気よ。それに梓ちゃんのお祖父様とお祖母様に一度会ってみたかったし」 梓「どうして会ってみたいんですか?」 紬「一度挨拶しておきたいじゃない」 梓「……そうですね。ムギ先輩がそう言うなら」 紬「ふふ、じゃあ朝ごはんを食べたら出発よ」 梓「はいっ!」 紬「今日の朝ごはんは何かしら―」 梓「スクランブルエッグとベーコンとベーグルらしいですよ」 紬「なんで知ってるの?」 梓「菫に聞きましたから」 紬「そういえば梓ちゃんはなんで菫のことを菫って呼ぶの?」 梓「え?」 紬「憂ちゃんや純ちゃんはスミーレって呼んでるでしょ?」 梓「あ、それはですね……」 おしまいっ! 戻る
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…… コトブキ邸 地下 憂「――へえ、直ちゃんって言うんだ。よろしくね」 梓「どうして渡り鳥になろうと思ったの?」 直「何か新しいことがやってみたくて……」 梓「それで渡り鳥ってなかなかすごいな……普通は敬遠するもんだけど」 純「スミーレはどうして?」 菫「す、スミーレって……」 純「なんかスミーレはスミーレって感じじゃん。で、どうして渡り鳥に?」 菫「え、えっと……あ、着きましたよ! ここがARM倉庫です」ガチャ 純「うわ、すごッ!?」 梓「こんなにたくさんのARMが……」 憂「いろんな種類があるね~。スミーレちゃんに直ちゃん、早速触ってみて?」 直「えーと、まずはギターを……こうですか?」 菫「……それはバイオリンっていう古代楽器の持ち方です」 梓「ほら、こうやって持って、弦を弾いてみて」 直「あ、はい。――えい!」ブチッ!! 梓「え!?」 純「うわ、弦が切れた……一発で」 直「す、すいません……」 梓「今、自分の力だけで切ったよね……えーと、他の楽器もやってみる? アームスティックなら簡単なんじゃないかな。これでドラムを叩いてみて、音が増幅されればOKだよ」 直「わかりました――えい!!」ズガン!! 憂「スティックが吹き飛んじゃった……すごいね!!」 純「……いや、今のはARMの力じゃなくて自力でしょ?」 梓(もしかしてこの子、ARM親和性ないんじゃ……) 直「斉藤さんもやってみる?」 菫「う、うん……触るの久しぶりだし大丈夫かな」 菫(はあ……何やってるんだろう私。このままじゃお嬢様の言いつけを守るどころか、渡り鳥として危険な旅に出るはめに……) 菫(もー、私のバカバカバカーーーーッ!!!)ズガガガガガガ バシュンバシュン!!! 梓「ちょ、菫、衝撃波出しすぎッ!?」 純「うわ、あっぶなッ!!」ヒョイ 憂「わ!」カキン 直「ひぃ!?」 梓「菫、落ち着いてッ!!」 菫「――はっ!? 私一体……!? す、すみませんでしたーー!!」 ※菫はソニックバスターを覚えたッ! 梓「すごいじゃん菫! もう決まりだね」 菫(……結構気持ちよかった……渡り鳥って楽しいのかも?) …… 梓「さて、あとは……」 直「……」ジャーン ブチッ!! 純「さっきから弦切りまくってるけどいいのスミーレ?」 菫「弦ならまあ大丈夫ですが……」 直「あの……ずっと黙っていたことがあるんですけど」 梓「どうしたの?」 直「私……実はARM触ったの初めてなんですッ!!」 梓「知ってるよ!? なんで今言ったの!?」 直「おかしいですね……音楽理論は完璧に勉強してきたはずなんですが」 純「いや、ARMの適性は音楽関係ないよ」 憂「ARMと精神を同調させるようにするんだけど……できないかな?」 直「はい……」ズーン 梓「うーん、しょうがないか……ARMがないと荒野に出るのは危険だし……」 直「私、勉強以外はからっきしで……渡り鳥になってみたいと思ってたんですけど、慣れないことはしないほうがいいですね。短い間ですが、お世話に――」 菫「――ま、待って!! 勉強が得意なら、もしかしたら……『アームマイスター』になれるかも」 直「……あーむ、まいすたー?」 菫「うん……ARMを改造する人のこと」 純「え、ARMって改造できんの?」 梓「コトブキ家ならやりかねない……」 菫「ARMは構造が複雑だから、しくみを理解するのが難しいんです。だから、勉強が得意な人に――」 直「――それなら、私でもできる……? お、教えて、斉藤さん! 私勉強するからッ!!」 菫「お、落ち着いて!? 今、うちのアームマイスターの人のとこに連れて行くから」 直「……というわけで先輩方、私は今から修行の旅に出ます!」 梓「いや、旅じゃないけど……でもARM改造ができたら頼もしいな。がんばって!」 …… 街 菫「――遅くなりました! 直ちゃん、張り切って早速勉強し始めてましたよ」 憂「よかった。早くメンバーに加わってほしいね♪」 純「そしたら五人か。だいぶにぎやかになるんじゃない?」 梓「よーし、じゃあ次の目的地に……あっ」 純「どこに行くか聞こうって話だったじゃん。そうだ、スミーレ、知らない?」 菫「な、何をですか? というか、そもそも先輩方は何を探して――」 憂「そういえば話してなかったね。実は――」 …… 菫「そういうことだったんですか……ガーディアンのことやデス・ナイト・クォーターズについては聞いてます。それを追っている渡り鳥が先輩達だったんですね」 菫(えーっと……そのバンドがお嬢様たちのバンドだったはずなんだけど……じゃあ梓先輩はそのバンドから抜けてきたってこと……? それでお嬢様が連れ戻すようにお言いつけを?) 菫(ど、どうしよう……そんな重要な役目だったなんて……このままじゃお嬢様にしかられちゃう……) 梓「菫? それで、このあたりにガーディアン関連の遺跡ってない?」 菫「――え!? は、はい。コトブキ家の関係者しか知らない、光のガーディアン『ステア・ロウ』が封印されている遺跡がこの近くにあります」 憂「すごい、やっぱり知ってるんだ」 純「てか、そんな秘密の遺跡をキャサリンたちはどーやって見つけ出してるわけ?」 菫(確かに、どうやって遺跡を見つけたんだろう……まさか、関係者なのかな) 梓「さあ……まあいいや、早速そこに向かおうよ!」 憂「おー♪」 …… 数時間後 同所 唯「ここがムギちゃんの住んでる街か~。すごい、機械がいっぱい!」 律「久しぶりに来たけどやっぱここは雰囲気違うな」 澪「私達渡り鳥に対する目も厳しくないしな。居心地はいいよ」 紬(菫から特に連絡がないわ……うまくいったかな?) 紬「とりあえず酒場で情報を集めましょう」 …… 酒場 唯「――あ、晶ちゃんだーーッ!!」ダッ 晶「え? ちょ、唯ッ!? ――うわ!!」ムギュ 晶「こら!! 離せッ!!」ジタバタ 唯「晶ちゃん久しぶり~!!」ギュウウ …… 晶「まったく……」 律「唯がご迷惑を……」 唯「そんなぁ~……」 菖「まあまあ。晶をこんだけイジれるなんて珍しいから大歓迎だよ」 晶「歓迎するなよ!?」 紬「そういえば、敵じゃなくて会うのは初めてね」 澪「えっと、そう、でいいのか……?」 幸「もう敵じゃないから大丈夫だよ」 晶「ま、アークセプターのことについてはもうどうでもいい」 菖「はいはい盗んどいてえらそうに言わないの!」ゲシッ 晶「ぐえ!?」 律「相変わらずだな。ところでお前らは今何してるんだ?」 晶「いてて……それはこっちのセリフだ。お前らこそ何をもたもたしてるんだ? 奴らが動き出しているのに」 澪「奴らって……キャサリンたちのこと何か知ってるのか!?」 菖「そうだよ! あいつら、各地のガーディアンのパワーを吸い取ってまわってるんだよ。アークセプター無しで」 紬「やっぱりそうだったのね……!」 晶「奴らの後を追ってるんだが、遺跡にたどり着いたころにはもぬけの殻ってことが多くてな」 幸「一回だけミーディアムを回収できたけど、後のところはなかったよ」 律「え、ミーディアム? どうやってとったんだ?」 幸「ガーディアンが最後の力を振り絞って、ミーディアムになって落ちてたの」ヒョイ 紬「それは……雷のガーディアン、『ヌァ・シャックス』のミーディアムね」 唯「私たち一回もそんなことなかったよ?」 澪「キャサリンたちに回収されたのかな……?」 晶「いや、奴らはこのことに気づいていないはずだ。あんたらが回収してないとなると、他の渡り鳥が……?」 紬「梓ちゃんかしら……」 菖「あ、そういえばその子どうしたの? キミたちのチームに入ったって噂聞いたけど」 律「いやぁ、いろいろありまして……」 晶「まあ、容易に予想できるな」 唯「……」 菖「ん~、とりあえず新情報はなしか……えっと、ムギちゃんだっけ? 残りのガーディアン遺跡の場所、わかる?」 紬「ええ。あと二つだから、もしよければ二手に分かれてほしいのだけど……」 晶「ま、あんたらと組む気はないしな。そうさせてもらう」 ?「――それは多分もう間に合わないわ。それよりも、頼みたいことがあるんだけど……」 晶「……誰だ?」 ジャニス「ジャニスって呼んで。やっと見つけた……君たちが噂のバンドね。恩那組の子たちもいるなんてラッキーね」 和「――唯、唯じゃない!!」 唯「え? 和ちゃん!? 和ちゃーーん!!」ダッ 和「うわ!? ちょっと唯、勢いよすぎよ……もう。ふふ、久しぶりね」 唯「和ちゃん、会いたかったよ~!!」ギュウウ 律「なんだなんだ、展開がまったく読めんぞ?」 ジャニス「ごめんなさい、じゃあ唯ちゃんが落ち着いたらゆっくり話そうかしら」 …… 律「なるほど、デス・ナイト・クォーターズに対抗する組織に協力して欲しい、ね……」 和「ええ。それで私とジャニスさんは組織の本拠地をこの近くに作ろうと思ってるんだけど……ちょっと唯、もう離れなさい」 唯「えへへ、だって久しぶりなんだもん~」ギュウウ ジャニス「今、梓ちゃんと憂ちゃんがキャサリンを追っているわ。それはそっちに任せて、あなたたちは別のことにあたってほしいの」 晶「ちょっと待て。私は協力するなんて一言も言ってないぞ? だいたい、あんたは何者なんだ。突然出てきた奴の言うことをそうそう信じられるかよ?」 晶「それに、私は渡り鳥だ。渡り鳥に無償で協力しろなんて笑える話だな。報酬が示されて初めて依頼が成り立つのが荒野のルールだろう」 ジャニス「そうね……じゃあ報酬は、『デス・ナイト・クォーターズの正体と目的』でどう?」 晶「なんだと……?」 菖「全部知ってるの!?」 ジャニス「うん、もちろんよ。協力してくれるからには全てを話すわ。どうかな?」 晶「本当だろうな……? まあいい、受けよう」 澪「私達も受けるよな、律?」 律「まあ、私は別に報酬とか関係なく協力するつもりだったけどな。いいよな、唯にムギ?」 唯「もちろんだよ! 憂もあずにゃんも元気そうでよかった~」 紬「ええ、いいと思うわ!」 紬(でも、気になるわ……このジャニスさん、何者なのかしら……) ジャニス「ありがとう! じゃ、早速だけど、恩那組のキミたちはここから離れた砂漠地帯にある電波塔に向かって欲しいの」 ジャニス「最近、突然何もないところに電波塔が立ったって噂よ。おそらくデス・ナイト・クォーターズが関わっていると思うから、調べてきてほしい」 晶「なんだって急に塔が……よし、向かうぞ」サッ 菖「急に張り切っちゃって……んじゃ、みんなまたねー!」サッ 幸「またね」サッ ジャニス「唯ちゃんたちに行ってほしいのは、ここから山を越えたところにある……ユグドラシル」 紬「ユグドラシル!?」 ジャニス「紬ちゃんは知ってるかな? 山の中腹に隠されたトンネルがあるから、そこを通れば行けるわ」 紬「なぜ、それを知ってるんですか……?」 ジャニス「んー、じゃあそれは後でまとめて話すね? ユグドラシルに着いたら、最上階にある制御装置のコアを抜き取ってほしいの」 唯「ユグドラシルって何? 機械?」 紬「ええ、まあそんなところかしら……。わかりました、ジェネレータのコアですね」 ジャニス「話がすぐ通じて助かるわ。お願いね!」 和「それじゃ、私達はこれで……唯、しっかりね」 唯「うん! またね和ちゃん」 …… 光射す庭 ダンジョン・遺跡系2 菫「ここです。ここが光のガーディアンの遺跡です」 梓「こんなところに……今まで全然気づかなかった。キャサリンはもう来てるかな? よし、行こう!」 …… 最深部 キャサリン「……」キュイイン 梓「――いたッ! 今すぐエネルギー吸収をやめてください、キャサリンッ!!」 キャサリン「――はい終了っと! 残念だったわね、今終わったところよ」 憂「そんな……!」 純「まぁ、あとでミーディア――むぐッ!?」モゴモゴ 梓(純、それは言っちゃダメだって!)ギチギチ 純(ぐぇ……ゴメンゴメン、わかったから離してって!) キャサリン「……何かしら? まぁいいわ、吸収も終わったところだし……ちょっと最近あなたたちの妨害も無視できなくなってきたのよね。ここらへんで本気出させてもらうわよ」ギロッ 菫「ひぃっ!?」 キャサリン「あら、新人さんかしら。なかなか着せ替えがいのありそうな子ね……覚悟しなさい」ニヤリ 菫「ひぃぃぃッ!?」 憂「スミーレちゃん、後ろに隠れてて? 後ろから援護してくれればいいから」 梓(菫が仲間になったとはいえ、まだ初心者だし……本気のキャサリンに勝てるかな?) ?「――ちょっと待ちな、キャサリン」 キャサリン「クリスティーナ!? 『浄化』が終わったのね」 梓「しまった、挟み撃ち――」 クリスティーナ「ああ、やっとね。キャサリン、あんま無理するんじゃないよ。あんたもそろそろ限界だろ? 大事なときに変身解けちゃったらどうすんだい」 キャサリン「う……そうね」 クリスティーナ「ここは私に任せな。あと一つのガーディアンもね。あんたは一旦戻って『浄化』してきなよ」 キャサリン「わかったわ。悪いわね」サッ クリスティーナ「――さて、と」ニヤリ 純「梓、この人も強いわけ?」 梓「う、うん……多分同じぐらい」 憂「――大事なとき、って何のことですか? 何を企んで……」 クリスティーナ「それならすぐにわかるさ。そのためにも、あんたたちにはここでリタイアしてもらわないとね――アクセスッ!!」ピカァァァ 菫「へ、変身……!?」 菫(どうしよう……私、生きて帰れるのかな……お姉ちゃん……) 梓「――来るよッ!!」 ―――――――――――――――― boss; クリスティーナ バトル・ナイトブレイザー クリスティーナ「しかし、話には聞いてたけど、前とは全然メンバーが違うねぇ。駆け出しばかりに見えるけど」 梓「そうですけど……でも、負けませんッ!」 ◆お宝いっただき☆ 純「まずはお宝ッ!」 Force level up! クリスティーナ「は?」 ※クリスティーナは何も持っていない! 純「あれ、またお宝なし……?」 梓「ちょっと純! この人たちはトレジャーハンターじゃないから!! 説明したでしょ!?」 純「あはは……つい」 クリスティーナ「あっはっは、こりゃダメね。バラバラじゃないかい、このチーム」 梓「そんなこと……くぅ……これからだもん!」 ◆マイトアヴァランチ 梓「たぁーーッ!!」ジャーン ズガガガガガガガガガガガン!!! Force level up! クリスティーナ「く……! ほう、あんただけは一人前ね」1094 ◆プロバイデンス 憂「強そう……守りを固めないとね!」DFP, MGRアップ 梓「よーし!」DFP, MGRアップ 純「お、これこれ!」DFP, MGRアップ 菫「? なんだか強くなった気がします」DFP, MGRアップ クリスティーナ「へぇ……」 憂「ほら、スミーレちゃん、スティックに心を通わせて……あの時みたいにね?」 菫「は、はい! できるかな……」 ◆ソニックバスター 菫「――えーい!!」シャキン!! クリスティーナ「いた! ……? 何、ほんとにほんとの初心者?」45 菫「全然効いてませーん!!」 憂「これからだよ、スミーレちゃん!」 クリスティーナ「さて、様子を見させてもらったけど……あんたたちのことはよーくわかったよ」 ▼デッドオアアライブ クリスティーナ「――まずはあんただッ!!」ゴォォォ 憂「う……」death ドサッ 菫「憂先輩ーーッ!?」 梓「しまった……!」 梓 憂 純 菫 HP1027/1027 HP0/1040 HP1211/1211 HP110/110 FP38 弦5/6 FP0 弦5/6 FP36 弦4/4 FP15 MP4/11 …… ▼ファントムファング クリスティーナ「さぁ、どんどんいくわよ」ズドーン!! 純「ぎゃーーッ!?」789 Force level up! 梓「憂の魔法の効果があるのに……やっぱり強いな」 純「こんの……こうなったら手に入れたガーディアンの力を――」 梓「純、ダメだってば!!」 純「あ、そうか……んじゃこれをくらいなさいッ!!」 △全力全開 純「私の本気、どうだーーッ!!」シュイイン ◆クリティカルヒット 純「たぁーーッ!!」ジャーン ズドン!! クリスティーナ「ぐっ!?」1278 梓「あ、結構やるじゃん」 ○リヴァイブフルーツ 梓「ほら、憂」キュルリン 憂「うう、ありがとう」 梓「菫、もう一回さっきのできる?」 菫「も、もう無理です……」 ◆アタック 菫「え、えーいッ!!」スカッ Force level up! クリスティーナ「避けるまでもないわね」miss! 梓 憂 純 菫 HP1027/1027 HP260/1040 HP471/1211 HP110/110 FP48 弦5/6 FP0 弦5/6 FP45 弦3/4 FP25 MP4/11 14
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――朝。中野家 梓(今日は私の誕生日) (・・・なんだけど、まさかの日曜) 「うーん・・・」 (自意識過剰みたいだけど、優しい憂あたりは今日祝ってくれそうな気がする。でもそうなると純も一緒にいるだろうし) (そうなるとあの純のことだ、「サプライズパーティーにしよう!」とか言い出すに決まってる) (・・・今日は日曜だから親も祝ってくれる予定になってる。から、それと被ると、正直、困る) (贅沢すぎる悩みだけど、被ったらどちらかに悲しそうな顔をさせちゃうわけで。それはいやだ) (でも・・・) 「「今日、私を祝ってくれる予定ある?」なんて聞けないし!」 「そもそもサプライズなら聞いても教えてくれるわけないし!!」 「もっと言うならそもそも確定してるわけじゃないんだし!!!」 「聞くこと自体が自意識過剰見え見えで恥ずかしい行動なわけで!!!!」 母「梓、うるさい!」 梓「ごめんなさい!!!!!」 母「うるさい!!」 梓「ごめんなさい・・・」 ――商店街のほうのどこか 梓(うるさいからって追い出されてしまった・・・) (せっかくだから少しブラブラしてようかな) 「・・・って、あれ。あそこにいるのは・・・」 菫「あっ」 直「げっ」 クラスメイト「ありゃ」 梓「菫と直・・・と、あの時の」 クラスメイト「はい。単行本P35の私です」 梓「どういう自己紹介なの・・・」 クラスメイト「あはは。お久しぶりです先輩」 梓「うん。あの時はありがとね」 クラスメイト「いえいえ。結局何のお力にもなれませんでしたし」 梓「そんなことないよ。ところで二人は何か私を見て驚いてたみたいだけど・・・」 菫「あっ私急に急用を思い出しました!では!」ピューン 直「あっ、待って菫!日本語おかしいよ!」ピューン 梓「・・・行っちゃった」 クラスメイト「行っちゃいましたね」 梓(あの二人の慌てよう・・・やっぱり何か企んでる?) クラスメイト「追いかけないんですか?」 梓「それ割と私のセリフなんだけど・・・っていうか休日に一緒に外出するくらい仲良しだったんだね」 クラスメイト「あの時はそんなに仲良くなかったんですけどね、どちらとも」 梓「そうなの?」 クラスメイト「はい。ほら、斉藤さんって人間っぽくないようなところあるじゃないですか」 梓「人間っぽくない!?」 クラスメイト「あ、間違えました日本人っぽくない、です」 梓「あー・・・外見とか」 クラスメイト「はい。そして奥田さんも奥田さんで何考えてるかわかりづらいところあるじゃないですか。決して悪口じゃなくて」 梓「うん・・・言いたいことはわかるよ」 クラスメイト「そんなわけで少し距離があったんですよね、学園祭までは」 梓「学園祭?」 クラスメイト「はい。斉藤さんも奥田さんも、もちろん先輩達もとても楽しそうに輝いてて」 梓「は、恥ずかしいなぁ」 クラスメイト「ふふっ。それで、そんな二人と変に距離を取ってることがとても勿体ない、バカバカしいことに思えてきて」 梓「・・・うん。二人とも、とてもいい子だよ」 クラスメイト「はい。今では二人ともクラスの人気者です」 梓「そっか。よかった」 クラスメイト「私としては先輩もとてもかわいらしいのでお近づきになりたいのですが!」ガシッ 梓「ええっ!? え、えっと、じゃあ軽音部に入る?」 クラスメイト「考えておきますねー」パッ 梓「軽っ!?」 ~~~~ クラスメイト「ところで先輩はこんなところで何を?」 梓「あー、えっと・・・」 (そうだ、この子にカマかけてみようかな) クラスメイト「?」 梓「あー、私、今日誕生日なんだよね」 クラスメイト「それはそれは、おめでとうございます。あ、もしかしてこれ私プレゼントをたかられてるんですか?」 梓「そんなんじゃないけど!ただ、その、友達が企み事が好きそうな奴でさ」 クラスメイト「サプライズパーティーとか?そういえば斉藤さん達もさっき何か買ってましたね」 梓「・・・確定、かなぁ」 クラスメイト「嫌なんですか?祝ってもらうの」 梓「そうじゃないけど、今日って日曜じゃん?家族も祝ってくれるって言ってたから、それと時間が被ったら申し訳ないなーって」 クラスメイト「あー、サプライズだから時間がわからない、と」 梓「そういうこと」 クラスメイト「斉藤さん達を捕まえて聞けばよかったじゃないですか」 梓「逃げちゃったじゃん」 クラスメイト「追いかければよかったじゃないですか」 梓「まぁ、そうなんだけど・・・」 クラスメイト「っていうか私、完全にあの二人から忘れられてますよね」 梓「フツーに置いていかれたもんね・・・」 クラスメイト「熱く優しく慰めてくれませんかお姉さま」ピトッ 梓「ごめんね私もこれから急用ができる予定なんだ」 クラスメイト「それならしょうがないですね」 梓「今からでも追いかけてみるかな」 クラスメイト「私は一人寂しく帰りますね」 梓「・・・なんかごめんね?」 クラスメイト「ぐすん;;」 ~~~ 梓「・・・見つからないし!!」 「仕方ない、一回家に帰ろう。結局何の解決法も見つかってないけど・・・」 ~~~~ 梓「ただいまー」ガチャ 「「「「「「おかえりー」」」」」」 梓「・・・ん?」 憂純菫直父母「ハッピーバースデー!!」 パンパンパンパンパンパーン 梓「多っ! まさかの全員集合!?」 純「サプライズパーティーだよ!」 梓「ウチの両親まで巻き込んでるなんて確かにサプライズだけど!」 母「祝ってあげるって言ったはいいけどどう祝おうか悩んでいたらね、憂ちゃんと純ちゃんに持ちかけられて」 憂「えへへ、梓ちゃんのお母さんと一緒に立派なお料理作ったんだよ!」 梓「おお・・・所狭しと並べられたご馳走。お昼ご飯どころか夕食の分までありそう・・・」 純「よく気づいたね。夜までぶっ続けのつもりだよ」 母「ねー」 梓「それもそれでサプライズ!」 菫「プレゼントもお母様方と相談の後、買いに行きました!」 直「これでプレゼントが被って気まずい空気になることはありません」ドヤ 梓「さっき私の顔見て「げっ」って言ったこと忘れてないからね、直」 純「そんなことより早く食べようよー」 梓「そんなことって」 憂「まぁまぁ。ほら、座って座って」 梓「わ、わかったから押さないで!」 ・・・結局、私の悩みは全部意味の無い悩みだったってオチになっちゃったけど。 でも楽しかったし、何よりサプライズパーティーらしく驚かせてもらったのでこれでよかったのかな。 ありがとう、みんな。私は幸せ者だよね。 貰った幸せは、みんなの誕生日にちゃんとお返しするからね。 あと菫と直はお友達にちゃんと埋め合わせしておくように。 おわれ 戻る
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‐音楽準備室‐ 梓「……えーと、その」 梓「ごめんね、わざわざパーティーなんて開いてもらっちゃって」 菫「いえいえ、せっかくの誕生日ですし」 純「いえいえ、ケーキ食べたかったですし」 直「先輩こそ受験で忙しいのにすみません」 梓「大丈夫」 梓「わたしも息抜きはしたいなって、ちょうど思ってたところ」 純「わたしも糖分の補給をしたいなって、ちょうど思ってたところ」 憂「梓ちゃん普段から勉強頑張ってるもんね〜」 梓「憂ほどでは……」 純「わたしよりは……」 憂「ううん。だって梓ちゃんには、ずっと前から目標があるんだもん」 梓「……うん」 純「……」 * * * 菫「それじゃ、ケーキ開けますよー」 梓「おぉー……!」 憂「立派だね!」 菫「梓先輩のお祝いをするってことで、はりきっちゃいました」 菫「琴吹家専属のパティシエが」 梓「パティシエが!?」 憂「もう琴吹家では梓ちゃんの名前が知れ渡ってるんだね」 菫「お嬢様の話でも、よく出てきていましたからね」 梓「それは喜ばしいことなのか……」 純「……はぁ〜」 憂「どうしたの純ちゃん?」 純「いやね。梓は琴吹家でも反応を見せられるほど、著名人だというのに」 純「わたしはさっきから軽音部の中ですら反応されないんだな……、って」 梓「あえてスルーしてたことぐらい察してよ」 梓「……それに著名人ってわけじゃないし」 純「甘いよ、梓! あの巨大な琴吹グループのことだ、裏でなにやってるかわからない——」 純「その世界有数の巨大グループを味方につけたってことは、 もはや“世界の中野梓”になったも同然!」 憂「グローバルな梓ちゃん!?」 梓「なんじゃそりゃ……」 梓「というか、琴吹グループがそんな黒い仕事してるわけないじゃん。 ねえ、菫?」 菫「あっ……」 菫「はい、そうですね!」 梓「今の間はなんだ」 直「……梓先輩、明日から背後に気を付けた方が」 梓「せっかくの誕生日に暗殺予告!?」 菫「もう! そこまでのことはしないって!」 直「そこまでのこと“は”……?」 「…………」 憂「……じゃ、じゃあ仕切り直してこのケーキ食べようか?」 純「う、うん、それがいい。それがいいね」 菫「なんで二人とも少し本気にしてるんですかー!」 * * * 純「あー、そうだ梓。忘れる前に渡しとくね」 梓「これなに?」 純「プレゼント。開けてごらん」 梓「……純が一番目にプレゼントを渡すなんて、嫌な予感がするんだけど」 純「いやいや今回は本気で考えたんだ」 純「梓が一番欲しいものはなんだろう、ってね」 梓「怪しい」 純「ま、開けてみ」 梓「ふぅん……」 梓「……」 純「梓?」 梓「……純、これはなに?」 純「梓の一番欲しいもん」 梓「その名を?」 純「シークレットシューズ」 梓「いるかっ!!」 純「えぇ!?」 梓「誰がこんなもん履くか! むしろ自分の小ささを認めたみたいで嫌だわ!」 純「でも梓、この前の健康診断で」 純「“はあ、1センチしか伸びてなかった。澪先輩ぐらいの長身があればなあ”」 純「って言ってたじゃん!」 梓「それとこれとは話が別!」 純「頑張ってプラス9センチのものを探してあげたっていうのに!?」 梓「知らんわっ!!」 菫「……あ、あの梓先輩! わたしたちもプレゼントがあるんです!」 梓「たち?」 直「わたしたちは二人で選んだんです」 梓「そうなんだ。ありがと、二人とも」 直「いえ」 直「最初は悩みましたが、純先輩のアドバイスを聞いてピンときました」 梓「んっ?」 梓「誰のアドバイスを聞いたって?」 直「純先輩です!」 梓「嫌な予感しかしねえ!」 菫「わ、わたしはどうかなーって思うんです」 菫「でも梓先輩が喜んでくれるなら!」 梓「ワー、ウレシイナー」 梓「……」 菫「い、いかがでしょう?」 梓「菫」 菫「はい」 梓「これの名前を言ってみて」 菫「胸パッドです」 梓「いるかっ!!」 菫「えぇ!?」 梓「誰がいるかっ! 余計悲しくなるわっ!」 菫「一応、純先輩のアドバイスに従って、大きめのものを選んだんですけど……」 梓「余計なお世話じゃ!!」 菫「ひぇ〜……」 梓「……でもね。二人は悪くないよ」 梓「悪いのは純だからね。二人の気持ちはわかってるつもり」 梓「ありがとね!」 直「ちなみにこの大きさをチョイスした上で、 “本当にこれで足りるかな?”と呟いてたのも、菫です」 梓「菫ぇっ!?」 菫「な、直ちゃんなんてことを!」 直「事実でしょ?」 菫「そんなこと言ったら直ちゃんだって、 ノリノリで純先輩と話し合ってたでしょ!」 直「なんのことやら」 梓「直もそっち側かー……!」 梓「う、憂……」 憂「わたしのプレゼント、受け取ってくれる?」 梓「う、うん! わたしは信じてるよ、憂のこと!」 憂「大丈夫。わたしは純ちゃんとも相談してないし、 このプレゼントはわたし一人で選んだんだ」 梓「それなら良かった……」 憂「凄く考えた。今の梓ちゃんに一番必要なものってなにか。 結局答えは出せなかったけど、一つだけ道が見えたんだ」 憂「原点に立ち返れば、また景色は変わるんじゃないかって」 梓「う、うん……?」 憂「だからはい、梓ちゃん!」 梓「これは……!?」 憂「そう、梓ちゃんの原点にして最高のパートナー……」 梓「その名を?」 憂「猫耳」 梓「いるかっ!!」 憂「えー?」 梓「なにか語りだしたかと思えばこれだよ!」 憂「とっても似合うと思うのに」 梓「問題はそういうことじゃないんだよ!!」 梓「……ああもう、折角一人で考えたっていうのに、 憂も結局あっち側の人間だったなんて……!」 純「あっち側ってどっち側?」 梓「あんた側だよ!!」 憂「梓ちゃん、お願い! いまこそ原点に立ち返るときなの!」 梓「憂もお願いだから真面目キャラに立ち返って! 軽音部に入ったせいで絶対毒されてるから!」 純「えー、わたしってば、そんなに毒されてるかねー?」 梓「あんたは元々だよ!!」 菫「梓先輩、お願いします。ぜひ身につけてください!」 直「お願いします」 梓「もう、いい加減にしてよ! わたし帰る!」 純「あ、待って梓!」 憂「梓ちゃーん!」 * * * 梓「——勢い余ってバッグを忘れてしまった」 梓(ちょっと怒りすぎたかな……。でも、みんなもみんなだよね……) 梓「……ってあれ、誰もいない?」 梓(わたしが怒っちゃったから、解散になったのかな……?) 梓(悪いことしちゃった?) 梓「……」 梓「……とりあえず今日は帰るとしようか」 ‐外‐ 梓(とりあえず明日皆に会ったら、ちょっと言い過ぎたって謝って……) 「待ちなさい、そこのお嬢さん!」 梓「っ!?」 ?「ふっふっふっ……」 梓「そ、その声は……」 覆面T「わたしは、そうね。覆面Tとでも呼んでもらおうかしら!」 梓「ムギ先輩ですね」 T「……」 梓「……」 T「それはともかく」 梓(図星だったか) T「これを見なさい!」 菫「た、助けてください梓先輩!」 梓「なっ!?」 T「ふっふっふっ……この子はあなたの大切な後輩だそうね。 いまから彼女をさらって、酷いことをしようと思うの」 梓「はあ、そうですか……」 T「ただし、わたしにも弱点の一つや二つがあってね」 梓「えっ?」 T「そうね、例えば“身長160センチ台でツインテールの少女”なんかが 目の前に現れた日には、ひとたまりもないと思うの!」 梓「……」 梓(現在の身長151センチ) 梓(純から貰ったシークレットシューズ。プラス9センチ) 梓(足し算すると、ぴったり身長160センチ! わあ素敵な計算式!) 梓「どうぞご勝手にさようなら」 菫「梓先輩!?」 T「……」 菫「行っちゃったね……」 T「……そうね。そういうことなら」 菫「え、ちょっとお姉ちゃん? なんか役にのめり込みすぎてない? いや、あ、待っ……」 * * * 梓(酷い悪夢を見た) 梓(……んっ?) 直「た、助けてー」 覆面「ふははは!」 梓「また出た」 直「こいつわたしにひどいことをしようとー」 梓「しかも直は棒読みが酷い!」 覆面R「わたしは覆面R! 今からこの後輩に——」 梓「酷いことをしようというんですよね、律先輩」 R「……」 梓「……」 R「さて、それはそれとしてだ」 梓「律先輩も誤魔化し下手だなあ」 R「普段のわたしならお前みたいなチンチクリンには負けない」 梓「誰がチンチクリンじゃ」 R「だが、今日はどうもコンディションが良くないようでな」 R「“豊満なバストでツインテールの少女”を見せられては、さしものわたしも大打撃だろう」 梓「うわぁ」 R「なにドン引きしてんだよ……」 梓「別に」 梓(……今日のプレゼントにあったアイテムその二) 梓(胸パッド〜!(しかも大きめ)) 梓(この大きさなら、わたしでも豊満なバストが実現可能に!? 夢みたーい!) 梓「誰がその手に乗るか」 R「あ、おい、逃げるのか!」 R「……行っちまった」 直「タスケテー」 * * * 梓(はあ、もういい加減にしてほしいよ) 梓(……でも、この流れだと恐らく) 覆面Y「わたしの名前は覆面Y!」 梓「言わんこっちゃない」 憂「助けて、梓ちゃん! 知らない覆面の人がわたしに酷いことをしようとしてるの!」 梓「レパートリー無いなあ」 Y「うぇっへっへっ、覚悟ぉ〜」 梓「わたし先を急ぎますので」 Y「あ、ちょっと待ってあずにゃん! ええと……」 Y「“猫耳をつけてニャンと甘ったるい声で鳴かれない限り”、 わたしは無敵なんだよ〜」 梓「隠す気ゼロかっ!」 Y「なんのことやらー?」 梓「しかもいま台本確認してましたよね?」 Y「……」 Y「無敵なんだよっ!」 梓「もう“敵”が一人も“無”い状態で“無敵”を誇っててください」 Y「ああん、いけずぅ〜!」 2
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梓「我が家も節電でクーラーつけたら怒られるし、困ったものです」 梓「憂も節電してるし、律先輩はバイト。澪先輩は親戚の所へ帰ってるんですよね」 梓「純はジャズ研の合宿だし」 梓「紬先輩の所にでも遊びに行こうかな」 ピンポーン 斎藤「中野梓様ですね、お入りください」 梓(えっ、何でわかったんだろう) ポカーン 紬「カメラがついてることを知らないのね。かわいいわー!何処の馬の骨かもわからない男性の元へお嫁に行くのにはもったいない!」 斎藤「お嬢様、声に出ております」 紬「……コホン。梓ちゃん、まだかしら~」 梓(ま、迷った……!) 梓(やっぱりお手伝いさんに迎えにきてもらえばよかったよ……) 梓(ここどこ……) 菫「あら、紬お嬢様の後輩の方ですよね」 梓「あなたは?」 菫「琴吹家に居候させていただいている者です。紬お嬢様のお部屋までご案内します」 梓「ありがとうございます!」 梓「菫さんはいつから琴吹家にいるんですか?」 菫「敬語なんて使わないでください。梓様の方が私より一つ年上ですから」 梓「と、年上?私が?嘘でしょ?」 菫「本当ですよ。私は紬お嬢様の二つ年下なので」 梓(信じられないなー、すごく大人っぽいのに) 菫「ここがお嬢様のお部屋です。私はこれで失礼します」 梓「ありがとう!」 梓(おおう、涼しい……) 紬「梓ちゃん、待ってたわよ」 梓「お邪魔してます!」 紬「梓ちゃんのことだもの、唯ちゃんの所に行くものだと思ってたわ~」 梓「いやあ、唯先輩の家は暑いんですよ。それにひきかえここは……」 紬「あらー、クーラー目当てだったのねぇ」 梓「そ、そんなことは……うん、えっと……」 紬「正直な梓ちゃんもかわいいわ~」 梓「決してクーラーだけを求めてたわけじゃないです!紬先輩に会いたくなって!」 紬「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」 梓「にしても紬先輩は節電しないんですか?」 紬「家は太陽光発電で電気を作ってるのよ。それでも照明を暗めにしたりはしてるけどね」 梓「だからシャンデリアが消えてたんですか」 紬「そうよ」 梓「あれを目印にしてたので困りました」 紬「悪いことしちゃったわねぇ」 梓「いえ、菫さんがここまで連れてきてくれたので!」 紬「そうなの?それはよかったわ。あの子、かわいいでしょう」 梓「すごい大人びてて美人でした!凛としてるっていうか」 紬「そうよねぇ……」 紬「やっぱり眉毛よねぇ!私もあんな風にしてみようかな、梓ちゃん!」 梓(ええー、一人で勝手にコンプレックスの海に潜っちゃった……) 梓「いえ、紬先輩は素敵です!ふわふわしてお嬢様の風格も出てて!」 紬「お嬢様、か……」 梓(あれ、もしかして地雷踏んじゃった……?) 紬「みんなそういうのよ。お嬢様、紬お嬢様、ってね」 紬「お金目当てで近づいてくる人。お金持ってるのは両親よ、私が持ってるはずないじゃない」 紬「当然何も買ってあげられないわ。そうしたら手のひら返して去って行くの」 紬「持ってるくせに出さない?何をふざけたことを言うのかしら。持ってないから出せないの!わかる?梓ちゃん!」 梓「は、はい……」 紬「しかもね、物が恐ろしいのよ。やれ自転車買ってくれだの、パソコンが欲しいだの。私はATMじゃないのよ!」 紬「それを少ししゃべっただけの人が平気で言うんだもの。そんなことしてたらグループは破滅よ!そうでしょ?」 梓「ソ、ソッスネ……」 紬「それにね、ただ儲けてるだけじゃないのよ。裏には多大な損失だってあるわ」 紬「それなのにお金お金って何よ!私の名前は琴吹紬、お金じゃないわ!」 梓「せ、先輩落ち着いて!」 梓「私、先輩に何か買ってもらおうなんて思ってませんから。他の先輩方もそうですよ」 梓(唯先輩は……あれだけど) 梓「紬先輩が大富豪だろうが、庶民だろうが、私は紬先輩の後輩です!」 紬「梓ちゃん……」 梓「先輩がいなければ放課後ティータイムはなりたちません!」 梓(なりたつどころか壊滅しちゃう) 紬「……私ってば幸せ者ね。こんなに素敵な後輩を持って」 紬「ありがとう、梓ちゃん」 紬「ごめんなさいね、変なの見せちゃって。お茶でも飲みましょうか」 梓(私にはお金持ちの苦労はわからないけど、ストレス、溜まってるんだなあ……) 梓(私も親がサラリーマンじゃないからって珍しがられたりしたな……) 梓「あの、紬先輩。また何かあったら私に言ってください。全部理解できないけど、聞き役くらいにならなれます」 紬「梓ちゃん、私、そういうの本気にしちゃうわよ?」 梓「問題ないです。私、紬先輩好きですから」 紬「さっきの言葉、忘れた?」 梓「放課後ティータイムはなりたたない?それとも、聞き役になれる?」 紬「本気にする、ってところよ」 梓「ああ、あれですか」 紬「!」 紬「そ、そうよね!私の勘違いよねぇ!」 梓(ま、また始まった……?) 紬「私だって唯ちゃんも澪ちゃんもりっちゃんも大好きだもの!」 紬「梓ちゃんが私のこと好きだっていうのもそれよね!その、愛してる的な意味じゃないわよね!」 紬「私ったらなんて恥ずかしい!梓ちゃんは普通の女の子だもの、道を踏み外したりしないわ!」 紬「さあ、素敵な男性を探しに行ってらっしゃい!」 紬「飛び立つのよ、中野梓!」 梓「ちょ、待ってくださいよ」 紬「梓ちゃんはGPSがなくても飛べるわ!」 紬「あなたのエンジンは一流だもの!」 紬「風を、風を拾うのよ!」 梓「落ち着いてください!!」 ガシャン 紬「あ、ご、ごめんなさい……」 梓「落ち着いてくれたらそれでいいですから」 梓「私の話も聞いてください、ね?」 梓「私、紬先輩が好きですよ。他の先輩方も好きです」 梓「でも、紬先輩は特別。ええ、愛してるんです。私が言ったら何だか安っぽいですけど」 梓「最初は女子校の雰囲気に流されてるのかと思いましたけど」 梓「違うんです、好きなんですよ、紬先輩が」 梓「でも、私たちは同性じゃないですか」 梓「紬先輩はお嬢様だし、いつかどこかの若社長と結婚するんだろうと思って黙ってたのに」 梓「何で紬先輩から言っちゃうんですか……!」 梓「空気読めないというか、自由奔放というか……」 梓「紬先輩は私とは一緒になれないじゃないですか……。だから黙っていた私の努力も台無しですよ」 梓「わかります?目の前にいるのにどうにもならない気持ち」 梓「同性だし、先輩後輩でどうにもならないんですよ。わかってもらえますか?」 紬「梓ちゃん、取り乱さないで。落ち着いて」 梓「さっきの紬先輩、こんな風だったんですよ。もう暴走しないでくださいね」 梓「あ、今言ったことは全部本当です。でも、私は紬先輩の人生を壊したくはありません」 梓「だから、忘れてください。私は中野梓、紬先輩の後輩です」 紬「そんなの嫌よ」 紬「梓ちゃんを私のものにするためなら日本の法律くらい、変えてみせるわ」 梓「無理だと思いますけど」 紬「ど、どうにかするわ。何だったらアメリカにでも行っちゃえばいいもの」 紬「だから、忘れろだなんていわないで。私の気持ちも受け取って」 梓「先輩は後悔しませんか?琴吹家はどうするんです?」 紬「後悔なんてしない。好きな人のためなら琴吹の名を捨ててもいいもの」 梓「……ハァ。そんなこと言われたら断れないじゃないですか」 紬「梓ちゃん、それって……」 梓「紬先輩、これからは恋人として先輩と接しますから」 梓「そのつもりでいてくださいね」 おわり ※ ムギ先輩って呼んでたっけ? しまった……! 戻る
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梓「はぁ~外冷えるな、今日は。マフラー巻いて来て正解だ」 梓「ぬくい家で勉強したかったけど、今日はお父さんのバンド仲間が遊びに来るって言うからしかたないね」 梓「音楽の話を聞かせてもらいたくなって勉強に集中できないのがなー。むったんについつい手伸ばしちゃうし」 梓「図書館は暖房効いてるといいな」 梓「あれ? あそこにいるのって」 幼女「おいしい! ありがとーすみれおねえちゃん!」 菫「バイバーイ!」 梓「菫!」 菫「ヒャイっ?!」 菫「あ、あずさ先輩!? こんにちは~…」 梓「ゴメン驚かせた?」 菫「いえ、その、驚いたというかびっくりしたというかっ」 梓「意味同じだし」 菫「それもそうですねアハハ…」 梓(スッゴイ挙動不審なんだけど……) 梓「さっきの娘はどうしたの?」 菫「あ、あの娘はたまたま、道に迷ってたところをたまたま出会っただけで、決して変なことはしてません!」 梓「そんな意味で私言ってないよ!?」 菫「ですよね~…」 梓(もしかして私ってそういう妄想をしやすい人だと思われてたりするのか……)ズーン 菫「せんぱい?」 梓「あぁ…別になにも」 梓「でもそっかー。だから菫は道案内してあげてたんだ? エライ!」 菫「はいそんなところです。ちょうど家のお使いで通る道だったので、ついて来てもらいました」 菫「梓先輩は塾ですか? 手荷物が通学かばんだけのようですけど」 梓「ううん図書館。勉強しに行くのは合ってるよ」 菫「大変ですね受験……応援してます」 梓「ありがとう」 梓「にしても寒くない? 最近わたし寒気がひどくて、今日みたいに冷え込む日が続いて風邪引かないと良いな」 梓「受験期に風邪でノックアウトしてたら時間もったいないし。菫も、風邪引かないようにね」 菫「はい。実はお嬢様ほどではないけど、私も風邪には強い方なのでたぶん大丈夫です!」フンス! 梓(そういや皆でさわ子先生から風邪もらったときになぜかムギ先輩だけ無事だったな) 菫「あのー…」 梓「あっゴメンそろそろお別れしよっか? 寒い中立ち話もなんだし、また明日部活の時間に話そ」 菫「その部活のことで……せっかくなので今聞きたいことがあって」 梓「?」 菫「ずっと先輩方に迷惑かけてる気がしていて……。学園祭を終えて受験勉強してる先輩達の傍らで私、ドラムをバシバシ叩いてますし、個人授業まで…」 菫「先輩達の時間を奪ってる感じを抱いてしまいます」 梓「あー、それ私も通った道だ」 菫「えっ…?」 梓「菫が心配することじゃないってこと! 部室を使わせてもらってるのは引退した私達三人だし。個人授業だって私達が勝手にやりたくてやってることだし。菫のドラムは良いBGMになる」 梓「それにこれでも私、N女の判定Bだし! 成績のことならぜんぜん気にしなくていいから」 梓「だから私達に変に気遣わないでじゃんじゃん叩いて。ね?」 菫「あ、ありがとうございます!」 梓「じゃそういうことでサヨナラ~」 菫「あっお礼に飴ちゃん差し上げます! 手出してください!」 梓「なんで飴!?」 つぎのひ! 梓「昨日は先輩らしいこと言えたからか、気分が凄く良いな~。純のいつもの悪態だってそこのけそこのけよ」 梓「その純は今日お兄さんと、憂は家族と用事があるらしいし、部室で一人で勉強するくらいなら帰ろうかと思ったけど」 梓「昨日菫にあんなこと言い切ったばかりだし、可愛い後輩の面倒をみようじゃないの」フンス! 梓「こんにちはー……て菫だけ?」 さわ子「失礼ね! わたしも居るわよ!」 梓「すいません背景と同化してて気づかなかったです」 菫「直ちゃんは学校を欠席してます。風邪を引いた弟達の面倒をみるってメールで」 さわ子「すみれちゃんお茶はやく~」 菫「はいただいま」 梓(はぁ…唯先輩、将来教師になりたいって言ってたからな……こんな人にならないように、これからも言い聞かせないと……) 梓(ん? お茶といえば、去年のこの時期はたしか……) 梓(丁度良いや。先輩らしさをさらに磨くチャンス) 梓「スミレ! 今日は私がお茶入れるよ!」 菫「えっえぇ?」 さわ子「なら丁度良いわ梓ちゃん。去年ノリノリで着てくれたミニスカフリルメイド服がまだここに~」 梓「着ませんからね?」ピキッ 梓「フッフッフッ。実は去年ムギ先輩にギター教えるお礼にと、お茶の入れ方を教わっていたんですよ!」 さわ子「あらそうだったの(料理オンチな梓ちゃんでも、ムギちゃんの加護があれば毒味は要らないか)」 菫「いいなー…お嬢様…手とり足とり……はぅ」 梓(あれ…反応薄い……) さわ子「味薄っ」 梓「えっウソ!?」 梓「そんな……うわっ苦い…。ムギ先輩の教えを忘れてる!?」 菫(茶葉の蒸らしが足りてないんだ……。これをうちの旦那様に出したらまず無事じゃいられない……この間、長い家訓を十回も斉唱させられたしッ…) 梓「うぅ…ごめんねすみれ。先輩らしいとこを菫に見せたかったのに。私にはお茶は無理なのかな…」 さわ子(見えっ張りなのかと思うと途端に素直になるんだから)クスクス 菫「わ、わたしはわるくないと思いますよセンパイ!」 梓「…へ?」 菫「すこし失敗しちゃっただけでだいたい合ってるはずです! 梓センパイの入れ方を見てたら、なんだか小さなお嬢様を見てるような気がしました!」 菫「だいじょうぶ! もう一度やりましょうセンパイ! こんどは私も付いてますから!」 菫「…梓先輩さえよかったら、ですけど」ハワワッ 梓「…うん! 私やるよ! 教えてスミレ!」 菫「ハ、ハイ!」 さわ子「傍から見てると、失敗を落ち込む後輩と慰める先輩ね。背丈的に」 梓「……今屈辱的なこと言われた気がする」ギロッ さわ子「や、やあねー身長なんか関係ないに決まってるじゃない」 さわ子(後輩に良いとこを見せたくて空振りしちゃう梓ちゃんはもう見慣れてるけど) さわ子(後輩に励まされる梓ちゃんはレアよね~。学園祭のときの菫ちゃんは良かった) さわ子(直ちゃんはすこし梓ちゃんをいじる側に変わったか)クスクスッ さわ子(まあ、いいのよ。そうやって旧若葉ガールズ内の友情が深まっていくのを、そして梓ちゃんたちの卒業をこの目で見届けてれば) さわ子(そして来年もまた……――) さわ子(ハハハッ。さてさて、私らしくないこと考えてないで) さわ子(己の欲に従いましょうか)キヒヒヒッ 菫 < まずこういうことは形から入りましょう! メイド服に着替えてください先輩! 梓 < そこまでやるの…? さわ子「ヘイユー! 服のことならあたしに任せなさいア・タ・シ・に!!」 梓「呼んでないし絶対にあの際どいメイド服は着ませんからね!?」 さわ子「いいじゃないのケチィー」 菫「ふ、ふつうのでいいですから。ね、先輩?」 梓「…菫がそこまで言うなら……着替えは倉庫でするから。誰かさんの目が届かないように」 さわ子「先生相手に酷い言い様ねぇ」 菫(やった!) 数十分後。 さわ子「うん美味しい、合格ね」 梓「ほんとうですか!?」 菫「おめでとうございますセンパイ!」 梓「やったーできた!!」 梓「…ハッ」 梓「あーコホン、なんとか様になるくらいには出来る気がするわ」 さわ子「もっと喜んだらどうなのー」ニヤニヤニヤ 梓「黙っててくださいッ」キッ 梓「ありがとう菫。おかげで助かったよ」 菫「いえいえ、わたしは頑張る梓先輩にすこし助言しただけですよ」 梓「次こそは一発で成功させてみせるから、楽しみにしてて!」 菫「はい、お待ちしてます♪」ナデナデ 梓「んなっ撫で…!?」 菫「あ、すいません。つい」 梓「…………」 菫「あの…怒ってます…?」 梓「うわ~~~ん!! わたしはセンパイなのー!!」ギューッ 菫「ほわぁ!?!?///」 さわ子「抱きつくのも先輩の仕事?」 さわ子「つくづく唯ちゃんの影響受けてるわね梓ちゃんは……、てあら? ムギちゃんからメール?」 ムギ『スイマセン(キラキラ)部室の様子を一枚(笑顔)写メしてもらえませんか(お犬様)(サクランボ)(はーと)』 さわ子(やっぱりこの娘エスパーなんじゃないかしら…)タイミング ヨスギ さわ子 < それにこんなに絵文字使う娘だったかしらムギちゃん……まさに今時の若い娘って感じぃ~? その深夜、直宅。 菫「ねえねえ、直ちゃんの弟くん一人くれない? 四人もいるし♪」 直「だーめっ。誘拐は犯罪」 菫「ざんねんだなー。琴吹家流のもてなすし優しくするのに。飴ちゃんあげたら付いてきたりして」 直「せいぜい看病だけにして。感謝してるから」 直「ホント意外。菫が初めて家に来てくれた時に気づくべきだったのかもしれないけど」 直「菫に幼児(体型)趣味があるなんて」ジトーッ 菫「だ、だめ?」アセアセ 直「ダメとは言ってない」 直「ただ梓先輩に知られないようにしときなよ。あの人、自分の身体にコンプレックス持ってるっぽいし(けいおん部員でいちばん貧相だし)」 菫「かわいいよね~そういうところド・ストライク!! 悔しそうに見上げてくるのがも~~~~!!!」ゴロゴロゴロゴロ 直「静かに。近所迷惑」 菫「こ、断っとくけど、梓先輩の良いトコは小さいだけじゃないからね。背伸びするトコとかいじけるトコとか怒ってるときとか」 直「うん全くフォローになってない」 菫「なんといってもアレ! 年上もイイってことを身体で教えてくれたこと!」 直「その表現はイロイロ危ないからやめなさい」 菫「そうそう、先輩が一年生の頃は今よりもっと怒ってたんだって」 直「ふーん。じゃ今は丸くなった方なんだ」 菫「うんうん。とくにね、梓先輩にとって初めての文化祭は大失敗だったらしくて。憂先輩のお姉さんにそうとうキレてたそうでね」 直「ふしぎ、この話の流れで聞くと怒る梓先輩がぜんぜん恐くない」 菫「でしょ?」 直「冗談」 直「そういえば昔の梓先輩のことあまり知らないかも。その話誰に聞いたの? 梓先輩じゃないだろうし」 菫「ふふふふっ、それがね、なんと! 憂先輩のお姉さん!」 直「へー」 直「いつ知り合ったの?」 菫「たまたま憂先輩の携帯で話す機会があってね。スッゴイ面白い人だよ」 菫「なにかのご縁だからってことでメルアドまで交換しちゃって~♪ 最近は毎日あずにゃんトークしてるんだ~」 直「すみれ・・・」 菫「はっ、あずさセンパイについてトォクするとこもあるってだけ///」 直「わたしの知ってる菫はどこに消えたんだろう」 菫「ほらほら! 見てこの受信メール! 憂先輩のお姉さんだからやっぱりただ者じゃないオーラを感じる!!」 直「うわあ…宛名が師匠…うわあ本気だこの子……」 菫「そしてほらこの写真! さっき話した学園祭で演奏する浴衣にゃん!」 直「お姉さんと大層気が合うようでヨカッタッスネ……」 菫「あとついでに送ってもらった着ぐるみにゃん(とその先輩達)」 直「イッツソーシュール…って恐い!?」 おしまい!!! 戻る
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菫「名前で?」 直「うん、中野先輩の事を梓先輩って呼びたい」 菫「呼べば良いんじゃない?」 直「何か恥ずかしい」 菫「何で?」 直「今更とか思われたら…」 菫「そんな事、先輩達は思わないって」 直「私、そんなキャラじゃないから」 菫「憂先輩や純先輩は?」 直「わからない…」 純「おーす」 憂「遅くなってごめんね」 菫「お疲れ様です、憂先輩、純先輩」 直「…」 純「直?」 直「あっ!お疲れ様です鈴木先輩、平沢先輩」 憂「何か悩み事?」 純「うん?どうした?直」 菫「それがですね…先輩達の事を名前で呼びたいみたいで」 純「名前?良いよ」 憂「うん、そんなの全然構わないよ」 直「い、良いんですか?」 純「うん、それで悩んでたの?」 憂「何時でも言ってくれたら良かったのに」 直「じ、じゃあ行きます」 直「純先輩」 直「憂先輩」 純「おぉ…何か新鮮でいいね」 憂「うん、何か凄く良いよ直ちゃん」 直「ありがとうございます///」 純(あの、直が照れた) 憂(照れた直ちゃん可愛い) 菫(はぁはぁ可愛い) 純「次は梓だね」 憂「直ちゃん、頑張ってね」 直「失礼にならないでしょうか…」 純「何で?スミーレだって梓先輩って呼んでるじゃんか」 直「菫はそういうキャラですから」 菫「直ちゃんもきっと大丈夫だよ」 直「うん…」 純「一度、二人で話してみたら?」 憂「梓ちゃんなら受け止めてくれるよ」 菫「いっそのこと思い切ってあずにゃんって呼ぶとか?」 直「それは無理…」 純「まぁ、あずにゃんは無理だけど」 憂「梓先輩って言ったら喜ぶよ?きっと」 直「頑張ってみます」 純「梓の事怖い?」 直「怖いとかじゃないんです…」 菫「遠慮があるの?」 直「うん」 純「よーし、先輩命令で今日は絶対に梓先輩と言う事!」 直「…」 純「わかった?」 憂「直ちゃん、返事は?」ニコニコ 直「は、はい」 純「私達も助けてあげるからさ」 菫「頑張ろう直ちゃん」 直「はい」 憂「ほらっ、力抜いてリラックスだよ」ニコッ 梓「遅くなってごめんね」ガチャッ 純「ほらっ、梓が来たよ」 憂「大丈夫だからね」 梓「何?何かあったの?」 純「直が梓に用があるんだってさ」 梓「どうしたの?直」 直「いや、そのですね…」 菫「直ちゃん、頑張って!」 直「う、うん…あのですね」 梓「うん」 直「今からですね…中野先輩の事を」 梓「うんうん」 直「…」 梓「黙ってたらわからないよ?」 憂「あのね、直ちゃんが梓ちゃんの事をね」 純「ストープ憂、これは直に言わせないと駄目だよ」 憂「でも、純ちゃん…」 純「良いから、言ってしまえば大した事じゃないんだからさ」 憂「うん、わかった」 梓「不満とかあれば言って」 梓「部長として直して行くから」 直「不満とかじゃないんです…」 菫「直ちゃん、はっきり言わないと!」 純「今やらないと永遠に梓と本当の意味で仲良く出来ないかもねー」 直「!」 梓「ちょっと純、まさか純が何か言わせようとしてるの?」 純「違うって」 梓「本当に?」 憂「本当だよ梓ちゃん」 梓「わかった、それで何?」 直「じゃあ、言います」 梓「うん、ちゃんと聞くからね」 直「これから、梓先輩って…呼んでも良いですか?」 梓「へっ?」 直「先輩達の事を名前で呼びたいんです」 梓「そんな事?」 直「はい…駄目ですか?」 梓「良いよ」あっさり 直「本当に?」 梓「本当も何も嬉しいよ、そう呼んで貰えたらさ」 純「これで、直もみんなとの距離を縮められた訳だ」 憂「良かったね直ちゃん」 菫「本当に良かった」 直「うん」ぐすっ 梓「何で泣くのよもう」なでなで 直「私、演奏出来ないから」 直「本当は必要ないんじゃないかって、ずっと考えてて…」 梓「直…」 直「それで、皆さんにも遠慮してしまって」ぐすっ 憂「直ちゃんは曲作り頑張ってるよ」 菫「私は直ちゃんの詞と曲とっても好きだよ」 梓「そんなに気にしてたんだ」 梓「ごめんね、気付いてあげれなくて」 直「そんな…」 梓「ならさ、私が受験終わったら直にギター教えてあげるよ」 直「でも、受験で疲れてるのに」 梓「良いから良いから」 梓「私も憂も純も卒業だけどさ」 梓「菫も直もまだ後2年あるんだから」 梓「出来る事はしてあげたいんだよ」 直「ありがとうございます///」 梓「おっ!直が照れたよ」 直「照れてなんかいません///」 純「可愛いなー直は」なでなで 憂「直ちゃん、可愛いよ」なでなで 菫「もっと照れても良いんだよ?」なでなで 直「うぅっ///」 梓「さて、練習しようか」 純「えーティータイムは?」 梓「練習終わってからね」 純「えーそんなー」 憂「純ちゃん、美味しいケーキあるから頑張ろうね」 菫「美味しいお茶もありますから」 純「よしっ!やろう今すぐ練習するよ梓」 梓「あんたは唯先輩か律先輩か…」 直「あの、本当にありがとうございます」ペコッ 梓「溜め込まないでちゃんと言うんだよ?」 直「はい」 梓「うん」ニコッ 直(梓先輩、憂先輩、純先輩) 直(私は貴女達の後輩で本当に本当に…) 直「幸せです」 おしまい 戻る
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━第38話━ ─部室─ 純「新入部員も入ったし、今日は部室でパーティでもしようか!!」 菫「わぁ、いいんですか?」パァ~ッ 憂「だめだよ」メッ 菫「そ、そうですよね……」シュン… 憂「うそだよ~」ハミッ 菫「あ、右の耳をかじらないでくださいっ!!」 純「じゃあ私は左の耳をゆっくりかじろう……」ハミッ 菫「ああ汝、左耳をハミられたらみぎみみみみみみ…・・・!!」ハミハミハミハミ 菫「という夢を見ました」 憂「はぁ」 純「なに言ってんのこの子」 菫「のこのこ!!」キャッ 憂「なんだかあぶない子だなぁ~」 梓「ところで菫、ひとつ気になったんだけどね」 菫「はい」 梓「夢の中に憂と純が出てきているのに私だけがいないようだね」 「おかしいなぁ~」 菫「こ、この人、なに言ってるんですか?」 憂「梓ちゃんは危ない子だからいいよ」 菫「よかった!いいのならいいんですね!だっていいんですから!!」ホッ 純「???」 奥田「この部活は不思議な部活ですね」 「私のようなクズ人間でも 入部しているだけで勇気がびちびち湧いてきます」 憂「ははっ、よかったぁ」 奥田「おや?」 「入部しているだけで勇気が湧いてくるということは ひょっとすると部室にわざわざ来なくても 勇気が湧いてくるんでしょうか?」 憂「どうだろうねぇ」 奥田「試しに今日は帰りますね」 ガチャッ バタン 憂「あの子、なにを言ってたのかなぁ」 純「本当に出ていっちゃったよ……」 梓「そんなことよりお茶にしようよ!!」 純「部長として、意味もなく帰ろうとする部員に 何か言うことがあるんじゃないのかね?」 梓「でも律先輩が部長やってたときは まだまだこんなもんじゃなかったよ」 憂「誰が一番長い間、部室に来ないか競ったこともあったそうだね」 純「えっ、なにそれ」 「結局どうなったの?」 梓「私と唯先輩と律先輩とムギ先輩は3日くらいで部室にきたけど 澪先輩だけ半年間来なくて優勝した」 純「半年間……?」 梓「だけど、勝ったハズの澪先輩の横顔は何故か寂しそうだったよ」 ガチャッ さわ子「やっほ~」 純「あっ、さわ子先生」 憂「こんにちわ~」 さわ子「今、メガネとスレ違ったけど、あの子も新入部員?」 梓「お前は次に『お前もメガネだろうがっ』と驚く」 菫「お、お前もメガネだろうがっ!!」エィッ さわ子「あなた、新入生の分際で 私をお前呼ばわりとはいい度胸じゃない」 菫「ごごめんなさい……!!アイツが言えって言ったんです……」オドオド 梓「新入生の分際で先輩をアイツ呼ばわりとはいい度胸だね」 菫「はぅぅ……」 純「梓が後輩をイジめている」 憂「きっと今までお姉ちゃんたちの後輩というポジションに甘んじていたから ウサ晴らししているんだ」 さわ子「梓ちゃんってマゾだと思ってたけど実はサディストでもあったのね」 憂「右利きの人がサウスポーに転向するようなものだから手ごわいですよ」 「なにせ右で撃つジャブがすべて大砲並のパンチ力なんだから」 梓「菫、早く私の耳の穴に煮えたぎった紅茶を流しこむんだよ」 菫「ひゃぁっ、そ、そんなことできませんんっ」 さわ子「菫ちゃんに自らを責めさせることで、SとM、両方を兼ねているなんて!!」 純「私も何やら帰りたくなってきました」 菫「あっ、そうだ!」ポン 「新入生歓迎会での先輩の一人弾き語り、とっても上手でした!」 梓「えっ、えへへ」 「そうかなぁ///」ウニャァ 純「ロコツにご機嫌をとりにいった」 憂「でも正直、ものすごい音痴だったよね」 「私、ひいちゃった」 梓「えっ」 さわ子「なんていうか、こう、ジャイアンみたいなギャグの音痴じゃなくて 聞いてるとこっちが恥ずかしくなってしまう リアルで哀れな音痴ぶりだったわね」 梓「ち、違う!!あれは澪先輩の歌詞が恥ずかしいのであって 私の歌は恥ずかしくないです!!」 憂「今まではギターが超絶うまかったから生意気言っても許された感があったけど もう梓ちゃんは澪さんたちのことをバカにしない方がいいと思うんだ」 純「うん、歌へたあずにゃんにそんな資格はないんだよ」 梓「うぐぁ」 菫「お、お気の毒です」 梓「お前のせいだ!!お前の!!お前の!!お前の!!」ハミハミ 菫「み、みみっ」 菫「耳をやさしくかまれると気持ちいいんですね……」ポワポワ~ 「私、知りませんでした」エヘヘ さわ子「その歳でそんなこと知っている方がおかしいのよ」 純「でも高校生だから そういうことを知り始める年でもあるような」 憂「さわ子先生が彼氏に初めて 耳をアマガミされたのはいつですか?」 さわ子「この間、耳にバターを塗ってネコたちにぺろぺろ舐めてもらったのよ?」 純「えーっと」 梓「このバンドのボーカルは 私が菫の耳をかんで そのとき菫が漏らしたイイ声がボーカルっていうのはどうかな」 憂「わけがわからないよ」 さわ子「バカなんじゃないの?」 菫「怖いです」 憂「菫ちゃん、そこは死ねばいいのにって言った方が流れがよくなるよ」 菫「あっ、そうなんですね! 先輩すごいです!死ねばいいのに!」 純「心清らかな新入部員に地獄のコンビネーションを仕込むのやめてくんないかなぁ」 さわ子「そんなことより私が学校に来ているのは 安定した給料とボーナスとお茶とお菓子だけが目的だって知ってた?」 菫「あっ、私、お茶淹れてきますね」カタ 憂「私も手伝うよ~」ガタ 純「いやぁ、お茶係は憂がやると思ってたけど 菫があんなに紅茶を淹れるのが上手なんて、思わぬ伏兵出現だよね~」 さわ子「そういえば茶道部といえば緑色の気持ち悪い汁野郎ってイメージしかないけど 上手に紅茶を入れる紅茶道部なんてあったら需要あるんじゃないかしら」 梓「あぁ、確かに赤い方が興奮しますもんね」 純「花嫁修業でやるにしても、今どきの人なら緑茶より紅茶を淹れてあげた方が喜びそうかも」 さわ子「あっ、珍しくみんなの支持が得られたわ!」ワーワー!! 憂「梓ちゃんの意見はカウントに入れてもいいのかなぁ」 菫「お茶が入りましたっ」カチャ さわ子「ん~、いい薫りねぇ、とても芳醇でまろやかで濃厚な ミルクのような濃い霧の中で新呼吸をしたような」 梓「おいしいなぁ」ずずっ 純「正直、紅茶の味ってよくわかんないけど、おいしいって言っておこう」 さわ子「それでお菓子は?」 憂「ピーナッツですよ、ほら」がさがさ 梓「わぁ、5粒も」 さわ子「なぁっ!?」 「こんなのおやつじゃないっ!!」 憂「わがままだなぁ、早く糖尿病になればいいのに」 さわ子「そんなリアルに怖いこと言わないでっ!!」 梓「唯先輩はいくら食べても太らないみたいな事言ってたけど 糖尿病は大丈夫なのかなぁ」 憂「いくら食べても太らないのは私が作った 偽装こんにゃくアイスや偽装こんにゃくステーキしか食べてかったからだよ」 「最終的には偽装水道水こんにゃくまで飲ませてたから安心だね!」 純「それって逆に虐待じゃないんだよね?」 憂「ぶっちゃけた話、お姉ちゃんは家にいる間はこんにゃくしか口にしてなかったよ」 「今は学生寮だから太らないか心配だなぁ」 さわ子「憂ちゃん、偽装こんにゃくティラミスとかないの?」 憂「こんなこともあろうかと作ってきました!!」 ジャーン 純「ティラミスだ」 菫「どこからどう見てもティラミスです!」 さわ子「ねぇ、これ食べていい?食べていい?」ハッハッ 憂「あっ、待ってください。食べる前にこの注射を」 チューッ 憂「はい、こんにゃくの中に生チョコンニャクとかを注入しておきました」 純「あー、びっくりした。私、てっきり」 梓「残念だなぁ」 さわ子「おいしいおいしい!!」ガツガツ 菫「生チョコンニャクって響き、なんだかカワイイですね!」 憂「ありがと~♪」 菫「あっ、可愛いのは生チョコンニャクであって先輩は関係なくて……すいませんっ」 憂「私、こんな扱いをうけたの始めてだなぁ」バキッ さわ子「あなた達も もう3年生だものね」 「今までは可愛い可愛いと言われたでしょうけど、ちょっと憂ちゃん、もうその辺で……」 純「わぁああっ、わあああああああ」 ─第38話─ おわり 29