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車椅子から見たアリーナは、普段より広く見える。自分がちっぽけに見えると言うべきか。 見るがいい、あの究極的に公平な戦場を。炸薬と光が飛び交う舞台を。戦場での命の張り合いとはまた違う、闘志のぶつかり合い。盛り上がるのも納得がいく。 だが悦びを求めて来たわけではない。老人がそこに来たのは、クライアントがどんな戦いぶりをするのか確認するためだった。 「馬鹿者が……」 ハナから期待していなかったが、やはり機体を使いこなせているとは言い難かった。FCSは近距離戦闘用だと言ったのにも関わらず、パイロットは敵に突っ込もうとしない。装甲を厚くしたのは何のためだ? ハンドガンは当たらないと錯覚して、闇雲にリニアライフルを撃っている。距離にあまり影響されないリニアライフルの採用は「戦い方を知らん奴でも戦えるように」という老婆心からだったが、案の定と言うべきか。 ああ、きっとこれは後で文句を言われる。甘んじて受けてやろう、度が過ぎればぶん殴ってやる。 ため息を一つ、車椅子を動かしながら帰路につく。何処となく懐かしい歓楽街を通ると、路地裏に佇む子供が一人、賑やかな街に目を向けていた。老人はふとその子供の方へ進路を変え、アリーナの観戦の際に貰った飴玉を、一つ渡す。 疑り深い子供は、手を伸ばすのを一度は躊躇った。だがすぐさま強奪するかのように飴玉を掴んで、路地裏の奥へ姿を消していった。 ああ。こんなことまで懐かしい。良い場所だ。偏屈爺でも気分は良くなるもので、歓楽街など彼からすれば単なる通り道だったのに、珍しく何か食べて帰ろうと、目についた飯店に入る。 狭い店内では、どうやら相席が基本のようだった。老人の目の前にいる白髪の子供が、手慣れたように注文して料理を頬張る。軽く一品ほど食べるつもりでいたが、実に美味そうに食べるものだから食欲が煽られ、老人の胃には重いものを合計三品は食べる羽目になった。 まあ、今日は別に仕事があるわけでもないし、冷めてもゆっくり食べるか、と思っていたら、酒を飲んだ子供がこちらに話しかけてきた。老人は酒を飲むのを止めようとするのを遮られた。 「お前さん、こっちの言葉が上手いの」 「……嫌でも覚えるさ」 「ほんなら、ここに住んで長いんか?」 「いいや」 「ほうか」 単に気になっただけだったのか、そこで会話は終わってしまった。子供がまた食べ始めたのを見て、老人はゆっくりと炒飯を咀嚼する。 こちらが一皿を食べ切ったところで、子供は既に置かれていた皿を食べ切っていた。子供は取り出した端末で支払いを済ませると、そのまま店を出ていった。結局、酒を飲んだことに注意する暇はなかった。 「……ありゃあ、また忘れてら」 近くにいた客が一人、こっちのテーブルを見て呟く。確かに、テーブルの隅にさっき触っていたであろう端末がぽつんと寂しく置かれている。 「おかみさん、白大人がまた忘れ物だぁ!」 厨房に大きな声が飛んでいく。 「ええ?今手が離せんのよ、誰か渡してきとくれ!」 すぐに返事が来た。 「なんでえ、預かってくれりゃいいのに。なあ?」 別席の酔った客が、老人に同意を求めるように絡んできた。老人は食事中だったところを突然忘れ物の話題に巻き込まれて、内容を理解できていなかった。軽く同意の相槌を打つ。 それに被せるようにして、ほろ酔い男は名案を思いついたとばかりに老人へ提案した。 「あんたが持ってきなよ。相席だったんだからさ」 「あ?一体何の────」 「店出たら見えるところにいるからよ、そこの端末持ってってやりな」 カッカッカと笑う男。老人は呆れたように端末を持つ。どうやら相席していた子供が忘れ物をしたようだ、と把握することに時間はかからない。 「おかみさん、俺が持っていく。食べかけの料理は片付けないでくれ」 「はいよ、ありがとね!」 なるべく大きな声を出せば、反応はある。まだ幼い兵士だった頃の教訓である。 なるほど、ほろ酔い男の言葉は正しかった。まだ見える位置にあの子供がいる。小柄な白髪がよく目立っていた。 車椅子を動かし、追いかける。子供は度々ふらつきながらゆっくりと歩いていたため、大した速度も出さずに追いついた。 「坊や、忘れ物だ」 「おん?……おお、こりゃ手間をかけさせたようじゃ」 「しょっちゅう忘れ物してんのか、お前」 「ん〜まあ、ほれ、歳食うと、の……」 こめかみ近くで指をくるくると回し、ふにゃ、と微笑む子供。受け取った端末を操作して、中身が無事かを確認する。うんうん、と頷いたのを見る限り、特に問題は無いと分かったようだった。 だが老人はその反応には大して興味がなかった。子供が語った内容に混乱して、状況を把握する余裕が欠けている。その話しぶりは、まるで何十年も生きているかのような。 「……まだ若いだろ」 「ん〜ん。これでも老いぼれじゃよ……いや、お前さんは知らんで当然じゃな」 これも何かの縁だとばかりに、ごそごそと懐から名刺を取り出す。端末を使えばよいのに、と思ったが、その端末を持たない者も少なくはないのだろう。あの路地裏の子供のような、貧しい人間などは特に。 老人は名刺に記載された名を見て、狼狽えた。 「白……毛」 「……どうかしたんか?」 老人は震えていた。視界が滲む。ああ、確かに、客の一人が言っていた。『白大人』。そうか。白毛。 老人にとって、それは忘れることのない名前だった。子供に物を恵んだあの時の懐かしさは、これのせいだ。 良い街だ。本当に良い街だ。 ようやく。だが。それでも。しかし。 老いてなおまだ無事に残る脳には、激化したプラスとマイナスの感情が無数にあった。 + そして、混濁した記憶も、共にそこにある。 幼い頃の老人に家族はいなかった。親の顔を知らず、家があるのかも分からない。きっと、その生活圏で最も貧しい者の一人で、最も生きることに貪欲な一人でもあった。 彼はずっと孤独だった。子供は無邪気かつ邪悪であるが故に、気持ちの悪い孤児の彼を害しては喜ぶ。大人はそもそも見向きもしない。 かつての生活の基本は弱肉強食だった。小動物を殺し、ギラつく太陽の下に死骸を置いて、干からびたものを噛み締めて飢えをしのいだ。残飯はご馳走だ。とにかく奪い、漁ることでしか生きていられない。 だからある日の少年は、輝いて見えた。 理由は分からないが、少年にひとつ、飴玉を施された。あの記憶は今も鮮明に残っている。幼い頃に受け取った、初めての親切だった。 その少年を「兄貴」と呼んで慕い始めたのはそれからだった。当時の彼が認めてくれていたかはともかく。汚らしいなりに小綺麗にして、ついていくことさえあった。 ある日、住処の外は鉄臭さと土煙で充満していた。というより、それ以外が失われていた。知らない光景だ。太陽がいつも以上におぞましい熱を篭もらせている。 住処が巻き込まれなかったことを、彼は寂しく思った。子供ながらに、街にはお前の居場所などないと言われたように感じた。 希死念慮は誰にでも起こりうる。彼はその孤独を見て初めて、必死に生き延びることを、手放そうと考えた。どうせなら、俺も連れていってくれたらよかったのに。そんな資格もないのか。 打ちひしがれた子供に向かって、見覚えのない大人が近付いてくる。まるで死神のようだ。さも当然のように、子供の首へ。 目を覚ますと、自分は歩けなくなっていた。動けない体を大人たちが持ち上げ、機械の中に乗せる。 「───、出撃時間だ」 教え込まれた名であろうものを呼ばれて、轟音の響く世界へと押し込まれる。見るがいい、あの閑散とした地獄の再現を。絶対に子供が見て良いものではない。が、殺すことで生きてきた子供には、変わらない世界でもあった。ただ、知っているより煩いだけだ。 とはいえ、訓練もまともに受けていない新兵というのは、どれだけの才能があっても精神的には鳥の雛のようなもの。戦場の親鳥に、彼は無意識についていく。それが敬愛する兄貴だとは、その時は知らなかったのだが。 実際にその判断は正解だった。子供は生き残り、次回の作戦にも投入されることが決まった。殆どの功績は兄貴の方にあり、彼は一方的に助けられていただけだったのだが。あの時の大人の、強化人間技術を賛美する声が響く。 どうでもいい。自分が認められているわけじゃない。あのACパイロットに助けられたのだ。自分が生き残ったのは、あの人がくれた奇跡だ。彼の優先順位は、同じ戦場にいた人物にあった。あの人は今どうしているのだろう。大人なら何か知っているだろうか。 聞かなければよかった。 「彼は出られないんだ」 ACから降りたら、生きていられない。嘘ではないことは理解できた。何時ぞやに車椅子を用意してくれた、冴えないが優しい大人だ。酷く迷って、苦虫を噛み潰したような顔で教えてくれた。 奇跡を見せてくれた人物は、惨たらしい現実に置かれている。どうして? あるいは、自分も? 後悔に終わりはない。彼を見つけた場所は。 「───────」 よく知っている。 死の恐怖よりも恐ろしいものが、世界にはあるのだと知った。 次に投入された戦場でも、その恐怖はコクピットの至るところに張り付いていた。アラートが鳴る度に必死になって回避し、感情の抑制も出来ていない精神はヤケになってマシンガンを乱射する。射程外だ、当たるはずもない。アラートの正体は大型の垂直ミサイルで、ずっと遠くの砲台から放たれていたから。センサーの表示は敵の砲台を示し続けていたが、もはや各種情報を処理できるような冷静さは消滅していた。 姿勢制御が効かないことも理解できていない。 赤い光が明滅する。 恐怖が完全な支配をもたらした時、彼のACは爆ぜた。 ACの平たい頭部を、直撃した大型垂直ミサイルが吹き飛ばし、コア上部を重い衝撃で破壊した。その圧は当然内部のパイロットにも降り掛かる。以前のように衝撃をなるべく殺すこともできず、体は揺らされ、繋げられたケーブルが無理やりに引きちぎられる。 彼の意識はとうに消えていた。きっと大人たちには戦死の報が飛んでいただろう。戦場が静寂に包まれた後も、回収は来なかった。 誰にも届かない唯一の生存証明は、機体が完全には死んでいなかったこと。 目を覚ますと、周囲は酷い有様だった。片腕は力なくぶら下がっている。肘が本来と逆の向きに曲がっていた。 こういう時にどうするかはよく知っている。モニターの破片を歯で咥え、腕を掴み、一気に元の位置へ。 「ぁ──────ッ、───────ッ!!」 激痛を和らげる為の叫びが、噛み締めていた破片の落ちた音をかき消した。破片は口に小さな切り傷を作る。戦場の苦悶に恐怖する。痛みは死ぬよりも恐ろしい。 追い詰められた精神は、唯一繋がっていたケーブルを介して恐怖を書き連ねていく。放置された今の状況は、彼の本能には好都合だった。 彼はその場から逃げた。機体反応は消えている。ACの姿勢制御は働かず、上手く動けない。武装も無い。もう死にたくない。機体が軋み、泣き声を上げる。 一抹の罪悪感がケーブル内を通過したのを、彼は見つけられなかった。彼は傲慢に、兄貴を捨てたと思い込んだのだ。 兄貴の乗機と同じACの存在がパイロット『白毛』の名声と共に広まるのを、すっかり大人になった彼は見つめていた。最初に知ったのは、傭兵の仕事を始めたばかりのACの中だった。 俺に彼を讃える権利はない。白毛、白毛の兄貴。ごめんよ。俺はこのジャンク品のACを扱う資格もないのに。ごめん。その新しい名前を、俺が口にしちゃだめだ。ごめんなさい。 すっかり古くなったケーブルを伝う情報は、更なる記録を書き連ねる。過去と今が混ざる歪な文字が、彼さえも知らない情報のスープに溶け込んでいった。 老人の抱いた激情にどれだけの理由があったのか、老人自身も理解できない。唐突な予定外の再会とは得てしてそういうものだが、彼の受けた衝撃は統制を決壊させ、濁流が流れ出した。 「本当に、白毛、の……兄貴なのか」 「あに……?儂に弟はおらんが……」 「あ、ぁ……分かるわけねえ、こんな爺になっちまった、俺は、逃げて、あんたを……あんたを捨てて……お、俺は─────、」 嬉し涙に悔恨が混ざる。かつての名を、もう捨てた名を漏らすほどに、老人は後悔に苛まれ、贖罪に飢えている。 自分を兄貴と呼んで震える老人。彼が摘んでいる名刺にシワができている。白毛は少し困った。 知らない名だ。 「むう……すまんが、わからん……」 「───────」 「もうちっと、」 「そうだな、そうだ、知ってるはずがッ、分かるはずがねえ……は、はは……すまん、あに……いや白大人、人違いだ……ごめん」 詳しく教えてくれんか、と伝えるつもりだったところを、老人が遮る。そのまま老人は踵を返し、車椅子を動かして去っていった。白毛は知ろうとすらできず、取り残される。 「……話は最後まで聞かんかい」 知らなくて当たり前だ。義体となって、それより昔の記憶は殆ど消えている。今も残っているのは、空からの輝きと地を進む暴力。それ以外を思い出せない。 自分を兄貴と呼ぶ知らない老人。その呼び名が下手くそな詐欺でないのなら、一つくらいは良い思い出話が聞けたかもしれないのに。 「どっかで会ったんじゃろか……」 老人は店に戻ってきた。泣き腫らした沈痛な面持ちが嫌な空気を纏ったのか、入った時、客が一瞬言葉に詰まる。 「……おかみさん、持ち帰りはできるかね」 「あ……ああ、できるよ」 注文を捌ききって客の様子を見ていた店主も、同様に言葉が詰まり、返答に遅れた。食べ残していた炒飯と餃子、八宝菜を持ち帰り用の器に入れ、密封させて老人に渡す。袋に入った品々を、老人は大事そうに抱えた。 「器、返さなくて大丈夫だからね」 「……ありがとう」 端末から精算して、老人は店を出ていった。 拠点に戻り、持ち帰った料理を食べ始める。冷めても美味い。 おかみさんの心ばかりの慰めだったのか、肉まんが一つ入っていた。帰路は長かったにも関わらず、蓋を開けると未だ出来たての状態だった。 良い街だ。本当に。 忘れられているなら、それでもいい。兄貴は、あの人は生きていたのだから。 孤独には慣れている。人の繋がりは、あの子供に飴玉を渡した時くらいで充分だ。あの子供もじきに忘れる。 時が来れば人は忘れる。当たり前のことだ。 罪の精算など、しようもないだろう。 しかし、彼は愚かな老人だ。 いくら自分に言い聞かせても、諦めきれないのだから。 関連項目 シャーウッド 白毛 投稿者 生贄さん
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03-004 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 20 38 ID oaQddDSN 超高機能自律型キテレツ美少女マシンのホンジョロイドは、喜怒哀楽をほとんど見せず、冷徹に決断し独善的に行動する。 だが、Hな雰囲気があるレベルを超えたり、当人がそういう気分になったりすると、突然Mモードが発動する。 そして、どこかトンチンカンな言動はそのままに、超高感度発情型デレデレ美少女マシンのミサロイドに変型するのだ。 そして、ミサロイドの時の彼女は、マジ本物のドレイっぽい。 ――本物のドレイというものがどういうものなのか、そもそもドレイに本物や偽物があるのかどうかはわからないが。 俺は彼女の頭に手をやり、髪の間に指先を入れ、そっと撫で下ろした。 唇を重ねた。 上唇を吸い込みながら、左から右に舐め回す。 本条の口の端から熱い息が漏れ、すぐに自分から舌を入れてきた。 たっぷりとキスをしていると、彼女の身体から力が抜けていく。 唇を離した時には、すでに本条は荒い息をつき、顔も紅潮し、目はとろんと潤み切っていた。 静かに俺は尋ねた。 「どうして欲しい?」 「……結城の好きなように、すればいい」 「俺、今、すごくやらしいことしたいぞ?」 「……いいよ」 「許してっていってもやめないぞ?」 「好きにしろ」 「わかった。じゃあ好きにする」 そういって俺はベッドから抜け出す。 どこか慌てたような表情を浮かべる彼女に俺は笑いかけ「……ちょっと待ってて」と言って部屋を出た。 一階へ行き、洗面所においてあるケースから、バスタオル一枚とフェイスタオルを何枚かとり、それから自分の部屋へ戻った。 「どうか、したのか?」 微かに不安を滲ませて尋ねる本条の質問には答えず、ベッドの下に隠してあったスポーツバッグを引き出す。 ここしばらくエッチできなかった間に、悶々と妄想を広げ、用意しておいたものだ。 「今日はめいっぱいヤらしいことすることに決めたから」 「……そ、そうか」 「ん、じゃあ、ちょっと両手を上に伸ばして」 そう言って俺は彼女の手首を掴み、ベッドの頭の方へ引き上げる。 手首を交差させる形で組ませたところに、下から持ってきたフェイスタオルを一本、巻き付けた。 それだけで、ひくっと本条の身体に震えが走った。 「ちょ、ちょっと、結城っ……」 「シロウトが直接ロープで縛ると、身体に傷つける場合が多いんだって。先にタオル巻くのがいいってネットに書いてあった」 何でもないことのようにそういって、スポーツバッグからロープを取り出し、タオルの上からしっかりと巻き付ける。 縛り終えた手首はそのまま上にひっぱり、ベッドの頭側のパイプに固定する。 掠れた喘ぎを漏らして、本条がまた身体を震わせる。 彼女の震えが移ったように、俺は背中にぞくぞくするような興奮を感じながら、俺はゆっくりと布団をはいでいった。 03-005 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 22 08 ID oaQddDSN 「あっ」 小さな悲鳴と共に、白い裸身が目に飛び込んでくる。 細いくせに丸みを帯びて柔らかなラインを描く肩や腕も、服を着ている時にはわかりにくい胸の膨らみも、その中心で自己主張するように色づく丸い乳首も、何もかもがさらけ出されていた。 二つの胸の膨らみの間には、Mの字をかたどったペンダントが乗っている。以前クリスマスに俺がプレゼントしたものだ。 気に入ってくれたらしく、肌身離さずしているらしい。 「エアコンの温度上げたけど、寒いようだったら言ってくれ」 「寒くは、ない、けど……、じろじろ見るな。こ、こんなことがしたい、のか……」 じっとしていられないのか、両腕がわずかに左右に動く。とはいえ、軽く肘を曲げた状態で手首は頭の上で完全に固定されていて、それ以上どうすることもできなくなっている。 「大丈夫、すごく綺麗だから心配するな。……綺麗だし、それになんていうか、……エロい」 「っ! そんなこと、言われても、嬉しくない……」 「すまん、だが正直な感想だ」 「そういうことは、……言わなくて、いいから」 「でも、こうやって縛ってしまったから、どこ見られてても、何を言われても、逃げられないけどな」 「んんんっ、そ、そうだけどっ……」 ひくひくと肩を震わせながら、本条は熱い溜め息を漏らす。 ──うん、さすがミサロイド、イニシャルMは伊達じゃない。 久しぶりだということもあって、ホントならすぐにでも身体を重ねたい欲求が高まっていた。 だが、逆に久しぶりだからこそ、ただのHじゃ我慢できない、という気もしていた。 何度かHして慣れたこともあり、さすがに以前に比べたら余裕はある。 しばらくできなかった間にたっぷりと妄想が膨らみ、今度する時にはあれもしよう、これもしようと、エローな計画を練っていたのだ。 それに今日は、まだたっぷり時間がある。 しつこいが本当に久しぶりで、しかも『どうにでもして』モードのミサロイドだからこそ、ゆっくりとそのすべてを味わいつくしたかった。 俺は本条をまたぐ形でベッドに上がり、彼女の顎に指先で触れた。 ただそれだけで、白い肩が震える。 左の頬をそっと撫で、耳の輪郭を辿る。 耳たぶの後ろ側を指で下になぞると、ひくっとまた肩が震えた。 反対側の手で、右耳も同じようにする。 左右対称に首筋に沿って撫でながら、シルバーのチェーンを辿って鎖骨まで指先を下ろす。 白く滑らかな鎖骨にそって指を滑らすと、小さく呻いて本条の腰がくねっと揺れる。 「あ、……あんっ」 「ほら」 「な、何?」 「今、『あんっ』って言った」 「……い、言ってない」 「そうか?」 右と左、同時に同じ動きで、指先を肩へ向かって広げていく。 さらに首筋を撫でる。 「あんっ」 「ほら、また言った」 「い、言って、ない……」 顔を近づけ、耳たぶにキスした。 その途端、また甘い声が上がる。 「お前が『あんっ』て言うの、可愛いくて、すげー好きなんだけどな」 顎を唇で辿りながら、手は彼女の伸ばされた左右の二の腕の内側に、そろそろと指先を這わす。 「あ、や……、はぁっ、あんっ」 「今、言っただろ?」 「……や、だ」 「可愛いんだから、否定するなよ」 そう言って二の腕から脇の下にかけて撫でる。 びくびくっと本条の身体が震えた。 「ひぁっ、やっ、言った、言ったからっ、ひぁあっ」 本条はひきつったような声を上げて、激しく身体をひねる。 その度に甘い匂いが強くなっていく気がした。 「……本条の匂いがする」 「あ、ああ……」 目を閉じて、いやいやをするように身体を揺する彼女は、熱い息を吐いて斜め上に頭をくねらせる。 キスをねだっているようにも見えたが、俺はまた丸い肩の輪郭を指でなぞった。 03-006 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 23 44 ID oaQddDSN 指先で肩に触れ、ゆっくりと腕に向かって辿ると、それだけでびくっと身体が震える。 「お前、ドレイの自覚がないって言ってたよな?」 「そ、それは、普段は、ということだ。今はもう、キミの……言いなりじゃないか」 半分、泣きそうな声で本条はそう言った。 だけど、今日の俺は本気と書いてマジ、ミサロイドがMならそれに対するSだ。 「お前、本当に綺麗だぞ? それに、普段はまじめでクールで頭よくて冷静で、……そんな本条が俺のドレイだって、凄いことだと思ってる」 「私は別に、ぜんぜんクールじゃないし、頭も悪い……」 「って、俺が言いたいのはつまり、……わかってんだろ」 「……全然わからない」 いい匂いをさせながら、彼女は不思議そうに俺の顔を見上げていた。 ――正直な話、俺だって自分が何を言いたいのか、何を望んでいるのか、はっきりとわかっているわけじゃない。 ただ、なんていうか、本条は最高に魅力的で、いい女で、可愛くて、しかもミサロイドの時はグっとエローなドレイになる。 どう考えても、俺は間違いなく100%ラッキーな男だ。なのに、いつもは自信たっぷりでエラソーな本条が、こと恋愛とか俺との関係に関することになると、全然自信なさげなのが釈然としない。 たとえば今、見事な曲線を描くおっぱいが、すぐ目の前にある。 これはもう、本当にすばらしいバストなわけだが、多分当の本人はその価値に気付いていないし、それが俺をどれくらい興奮させるかわかっていない。 まるで俺を誘うように、甘い匂いが鼻をくすぐる。 これにもちょっと神秘的といってもいいくらいの強烈な催淫効果があるんだが、これまた当の本人はその効能を十分には理解していない。っていうか、買い物やパソコンメンテのお礼なんか、この匂いだけでお釣りがくるってことに気付いていない。 ──上手く言えないが、それがどうにもシャクだった。 何としても、そのことを思い知らせてやりたいという、逆ギレに近い感情が湧いてくる。 俺は彼女の胸の谷間に顔を押し付けたい誘惑に耐え、静かに言った。 「本条、マジで凄く綺麗だ」 じっと見つめる俺の下で、彼女の身体がむずがるように揺れる。 「あ、あんまりじろじろ、見るな」 「綺麗なんだから、いいだろ」 「……そんな、こと、ないし、恥ずかしすぎる」 「じゃあ、どうしたらいい?」 俺は指先で、胸の膨らみを裾野から頂点にむかってなぞる。 それだけで、彼女は息を荒げ、突然胸を大きく反らした。 「ああっ」 乳首には触れずに、両手で乳房を包み込む。 しっとりと吸い付いてくるような感触を手のひらに感じながら、その柔らかな膨らみを揉みしだく。 「あうっ」 あえぎ声が大きくなった。 彼女はすでに、目を固く閉じていた。 俺は手のひらを離し、再び指先だけで、膨らみを辿る。 嫌々をするように左右に身体を揺らしながら、時折びくっと震えるその動きを愉しみながら、俺は言った。 「本条」 「は、はい……」 「お、素直?」 「……ど、ドレイだから、だ」 「どうされたい?」 「だから、……結城の好きにすれば、いい」 「お前がもっとヤらしくなることしたいんだけど」 「も、もう、なってるっ」 感極まったように小さくそう叫ぶミサロイドの声に、俺のペニスがびくっとなった。 だが俺は、なんとか衝動を押さえ込み、彼女の胸から手を放して身体を起こした。 左胸の裾野の方から指先でなぞる。 触れるか触れないかのタッチで、胸の回りをぐるっと回り込むように、ゆっくりと頂上を目指す。 ミサロイドは白い咽喉を反らして、大きく喘いだ。 乳首ぎりぎりのところまで指先が届く。 そこで俺はまた、ゆっくりと指先を下ろしていく。 「あ、あ、あ……」 今度はまっすぐ、脇から乳房の頂点へ、つーっと指先を走らす。 だけどやっぱり、乳首には触れずに手を放す。 それを2回繰り返し、また乳首に指が触れそうになった瞬間、ミサロイドが身体をひねった。 僅かに背中を反らしたその態勢は、まるで左胸を差し出しているみたいだった。 激しく興奮した。 しかしやはり、そのまま乳首には触れずに、再び指を離した。 はあはあと荒い息をつきながら、ミサロイドの身体から力が抜ける。 普段は白い胸元までが、ほんのりと赤く染まっていた。 03-007 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 24 29 ID oaQddDSN いったんベッドから降り、足下の方に廻った。 ミサロイドが慌てたように両足を閉じる。 だが、白地に花がちりばめられたような模様のショーツの股間は、影になった部分を中心に色が変っているようだ。 両手で大腿を掴むと、それだけでまた小さく腰が震えた。 そっと股間に指を差し込む。 そこはねっとりと染み出したもので濡れていた。 「あ、あっ」 「凄く濡れてる……」 「だ、だってっ」 「いっぱい濡れてて嬉しいんだけど」 「あ、ああ……、う、うん……」 俺は彼女の両腰に指で触れ、ゆっくりと下着を下ろす。 脱がす時に、本条が僅かに腰を上げるのもかなりエロくてドキドキしたが、それは言わなかった。 腰の下にバスタオルを敷いた。 これは本条の指示で、Hの時はそうすることになっている。 ベッドから降り、彼女の足から抜き取ったショーツを、椅子におかれた服の上にそっと乗せた。 それから俺はおもむろに、スポーツバッグから別のロープを取り出す。こっちはもっと長くて6メートルある。ちなみに2週間前の日曜に、いつか来るこの日のためにホームセンターで買っておいたものだ。 ベッドの奥の方に投げ出された彼女の足を掴み、膝の少し上あたりにフェイスタオルを巻き付ける。 その途端、本条がほとんど小さな悲鳴のような声をあげた。 「ゆ、結城っ」 「ちゃんとタオル巻くから」 「そこはっ、……そこは縛らなくていいっ」 「んー、俺の好きなことしていいんじゃなかったっけ?」 「でもっ、……縛らなくても、抵抗できない、から」 「わかってる。でも、抵抗されないために縛るわけじゃないらしいんだな、こういうのはさ」 いい加減なことを言いながら、俺はすぐに2重にしたロープをタオルの上から何回転かさせ、結び終えた。 縛った残りはベッドの向こうへ垂らし、足下にまわってベッドの下をくぐらせる。 ロープの端をベッドの底から手前に持ってくると、もう一方の足にもフェイスタオルを巻く。 「だ、駄目……」 「大丈夫、痛いこととかしないから。苦しくなったらすぐにそう言えよ?」 そう言って俺は、力まかせにロープを引いた。 「きゃ」 本条の奥の足がずるっと滑り、壁際にむかって開かれる。 彼女は慌てて自由な方の足を閉じようとした。だが俺は急いで膝を掴み、思いきり手前に引いてロープを巻き付ける。 「や、……こんなの、変、だって」 何度もHなことしているし、大きく足を開かせたこともある。 だが、こうして縛られてその姿勢を固定されるのは、また違った恥ずかしさがあるのかもしれない。本条は何とか足を閉じようとしていた。 しかし残念ながらミサロイドは、パワータイプではない。 って、俺にとっては実に素晴らしいことなわけだが、もっとずっと繊細で柔らかな、正に人間そっくりのロボットそっくりだった。 おまけにその態勢では、力も出ないんだろう。彼女の足を開くのは想像以上に簡単だった。 いったん膝の上で縛ったロープは横へ下ろしてベッドに括りつけ、さらに下を通して反対側の足に結び、もう一度ベッドに固定する。 さらに反対側へまわし、今度は足首に巻き付け、同じようにベッドの下をくぐらせ反対側の足首も縛り付ける。当然、足首にも先にタオルを巻いた。 本条は両手を頭の上で固定され、足は大きく股を開く形で完全にベッドに括り付けられていた。 目の前には白くすっきりとした下腹部と縮れた茂み、そしてその下に雨が降った後の花のように、たっぷりと露を含んだ性器が露になっている。 花弁のような襞は、咲く寸前のようにぽってりと膨らんでいるように見えた。 「ああ、い、やっ、こんなの、恥ずかし、すぎる」 「心配するな。すげー綺麗だ」 「や……駄目っ」 彼女がそう言った途端、ぶるっと大腿が震えるのが見えた。 俺は両手で彼女の両膝を掴む。 そのまま、手を滑らせて太股を撫でた。 「ああ、や、め……」 濡れそぼった襞のすぐ脇で、手を止めた。 俺はすぐにもそこへ顔を押し付けたい衝動を押さえ込み、再びベッドを降りた。 03-008 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 25 25 ID oaQddDSN 頭の方に廻り、横から彼女の顔を覗き込む。 「本条」 「う、……う、ん」 「お前の身体、どこもかしこも、すげー綺麗」 「……そ、そんなこと、ない」 くっと白い咽喉を反らせた彼女の顔は真っ赤だ。 薄く開かれた目は熱く蕩けていて、何度も瞬きを繰り返している。 「これは俺の主観かも知れないけど、ブタの100万倍は可愛いぞ」 「……有り得ない」 「あっ、そうだ」 「な、何?」 「さっき、俺がお前のことを本条って呼ぶの変だって言ってたよな?」 「あ、……う、うん」 「だったら、これからは美沙希と呼んでもいいか?」 「え?」 「んー、二人だけの時とか、……お前がドレイの時とか」 「し、知らないっ」 「美沙希」 「……う、ん」 「大好きだ」 俺がそう言うと、彼女はくふっと鼻を鳴らす。 僅かに間を置いて、聞き取れるかどうかギリギリの小さな声でつぶやいた。 「……わ、たしも」 だが、一瞬俺と目が合うと、真っ赤に上記した顔を思いきり壁の方に背けてしまう。 目を閉じたまま、小さくまた鼻を鳴らす。 そんな彼女の上に覆いかぶさり、唇の端に自分の唇を重ねた。 ふわっと、熱い息が漏れていった。 たっぷりキスをした。 舌を絡ませ、唇を吸い、音をたてて何度も唇を重ね合った。 ようやく顔と身体を離した時には、本条はもう完全に息が上がっているようだった。 手を頭の上に伸ばしているせいで隠しようもない胸を上下させ、荒い息をしている。 正直、俺も鼻息が荒くなっているが、気にする必要はなさそうだ。 多分、当人は気がついていないのだろう。よく見ると、力なく横たわる本条の腰がゆっくり左右に揺れていた。 「ゆ、う、き……」 「どうした?」 「あんんん、なんか、おかしい……」 「ヤらしくなった?」 「ああ、そうっ、頭が変、……身体もっ」 「ふふ、じゃあ、もっともっとヤらしくなることするから」 俺がそう言った途端、彼女の腰がはっきりした動きでくねっとなった。 一瞬遅れて、あふっと、荒い息とともに声が漏れる。 俺はまたベッドを離れ、机の引き出しを開いた。 何をされるのか気付いたのか、それとも直感的に拒否したのか──。ベッドに戻ると、本条は今度こそ本気で脅えた表情になった。 「やっ、……そっ、そんなの、無理っ」 俺が両手に一本ずつ持っていたのは書道用の小筆だった。 03-009 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 26 08 ID oaQddDSN 筆をちょっと近づけただけで、本条は小さくひきつったような声を出して、顔を背ける。 「新品だから汚くないよ。ちゃんと全部指でほぐしたし、お湯につけて糊も完全に取ったから痛くないし」 「ちがうっ、そういうことじゃないっ……」 もちろん、本条の抗議に耳を貸すつもりはない。 今日の俺は、完全にSだ。本格的な人に比べたら、ぜんぜん及ばないだろうし、そこを頑張るつもりはない。ただ、ミサロイドのMに十分対抗できるくらいにはSな筈だ。 だから容赦なく、彼女の顎を小筆で撫でた。 「ひぁああっ」 びくんっと身体を震わせ、本条は一瞬顎をのけぞらせ、それからすぐに肩を竦める。 だが、俺は休まず、顎から首筋へ、す、すっと筆を滑らせる。 「ひゃっ、やめっ、くすぐっ、はうっ、駄目っ、あああっ」 何度も繰り返し首を竦めながら、彼女は苦悶の喘ぎを漏らす。 普段ほとんど笑わない本条の甲高い声は、それだけで十分刺激的だった。 首筋の次は肩だ。 「はんっ、あうっ」 身体をびくびく痙攣させながら、本条が次々と違う声で鳴く。 同時にロープとそれを固定したベッドのパイプが、ぎしぎしと音を立てる。 肩から脇の下、そこから脇腹にかけて激しく筆を震わせると、本条は全身を絶え間なく蠢かせ、嬌声を上げ続けた。 「ひゃうっ、ば、馬鹿やめっ、あは、だ、駄目っ、やんっ、やめっ」 真っ赤に上気した顔を左右に振って身悶える本条は、いつもの無表情ではまったくなく、か弱く可愛い愛しのドレイそのものだった。 「あう、いやっ、お、かし、ひ、ぁ、あうぅっ」 だんだんと筆の刺激に慣れたのか、声のトーンが微妙に変わってきている気がした。 俺はいったん筆を止め、本条の様子を窺う。 彼女は目にうっすらと涙を溜めながら、恨めしそうな表情で俺を見た。だがすぐに、「はあっ」と熱い溜め息を漏らして、顔を逸らす。 その様子は、これまで俺が見たどんな本条にもない、濃厚な色気のようなものに包まれていた。 確かに意地悪だとは思う。でも、全身を赤く染めぐったりと横たわる本条の身体は、ぼんやりとオーラが見えるほどの魅力を放っている。 何かに取り憑かれたように、気がつくと俺はまた火照った彼女の肌に、筆を触れさせていた。 今度は乳房だ。さっき指で辿った同じ道筋を、小筆の先でなぞっていく。 「はうっ」 彼女の身体が、またぶるっと震えた。 右胸の膨らみをゆっくりと頂上へ向かって筆を滑らせると、すぐにそちらの胸がゆらっと動いた。わずかに背中も反らせている。 もちろん、今の俺は完ぺきドSだから、乳首に触れるギリギリで再び降りていく。 「あ、あんっっっっ」 「美沙希……」 「あ、あ、ああっ」 「気持ちいい?」 「ああ、……う、んっ」 本条は泣き出す寸前のような声で小さくそう答える。 「くすぐったかったんじゃないの?」 「くすぐったい、……けど」 「気持ち良いんだ?」 「お、かし、い……おかしく、なるっ」 再び乳首すれすれで筆の方向を変える。 突然、くいっと大きく胸が反らされ、乳房が突き出された。 執拗に、俺は反対側の乳房でも同じことを繰り返す。 円を描くように、乳房を周囲を筆でなぞり、徐々にその円の径を狭めていく。 乳首のすぐそばで筆を離し、今度は裾野から直線で乳首を目指す。 その度に、本条は大きな喘ぎ声を上げ、身体を揺らめかせる。 右胸の時には右胸が、左の時には左の乳房が、くっと突き出される。 俺はできるだけ左右同時に乳房を這い登らせる。 「ああああああっっっ」 しかし左右どちらもギリギリ乳首に触れないところで、筆を止める。 筆が止まると、本条は一瞬息を飲んで身体をこわばらせる。 だが、ゆっくりと筆を離していくと、とうとうその動きを追うように胸をくねらせ始めた。 03-010 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 26 34 ID oaQddDSN 離れては近づき、ギリギリで止めるのを繰り返すと、その動きが徐々に大きくなっていく。 「ああっ、駄目っ」 「……どうされたい?」 「ああっ、……お願いっ」 小筆は、今にも左の乳首に到達寸前だった。 大きく左胸が突き出される。 「ああっ、ああっ、ああっ、……してっ」 「どこを、どうされたい?」 「乳首、に、直接」 「筆は嫌なんじゃなかった?」 「い、い、からっ」 今度は右胸だ。 すーっとなで上げ、乳首の直前で止める。 くいっと、右胸が差し出された。 そのまま黙って顔を覗き込むと、本条は絞り出すような声で言った。 「ああっ、……して、欲しい」 「……こんな感じでいいか?」 そう言って俺は、突き出された右胸の先端に、すっと筆を走らせる。 「あうっっっ」 びくびくっと、驚くほど身体を震わせ、本条が喘ぐ。 次は左胸だ。 同じように乳房を撫で上げ、乳首に届かせる。 「くっ……」 本条が、ぐっと胸を突き上げる。 予想以上の大きな動きに、とうとう俺は我慢できなくなった。 両方の小筆を左右の乳首に押し当て、細かく震わせてみた。 「あっ、んっ、あんっ」 はっきりと背中を反らして、何度も胸が突き出された。 筆の動きを速くすると、それだけで本条の声がかん高くなる。 遅くすると、甘く湿った声になる。 「はああっ、だ、駄目っ、……お、か、しいっ」 「お前、ホントに敏感だよな」 「あっ、あ、あん、あんっ、あんっ」 答えを聞くために、筆の動きを止める。 はあはあと熱い息を吐きながら、本条の身体から力が抜けた。 「敏感だよな?」 「……う、うんっ」 汗の滲んだ顔を赤く染めながら、彼女は小さく頷いた。 「乳首も凄く感じるし」 「う、……うんっ」 「それにスゲー可愛いし」 「ああああっっ」 「美沙希の乳首、超可愛いな……」 そう言って俺はまた、筆の動きを再開した。 指で触れなくても、そこが固くなっているのがわかる。少し強く押し付けただけで筆の先端が曲がり、毛先がわかれて全体を覆う。 その状態で細かく震わせると、本条の身体がくねくねと動きまくる。 「あ、あ、あーっ」 ただ、毛先が柔らかすぎて物足りないのか、徐々にまた胸が突き出される。 筆を動かす速さを少し緩めると力が抜けるが、乳首の周囲をゆっくり円を描くように撫でると、ゆっくりと背中が反らされ、そしてまた突然かくっと落ちるのを繰り返す。 「あんん、あんんんんんっ」 気がつくと、腰までがゆっくりと上下に動き出していた。 03-011 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 26 58 ID oaQddDSN 俺はまたベッドを降りて、足下に廻った。 本条は固く眼を閉じたまま、はぁはぁと荒い息を漏らしている。 大きく開かれた足の手前に立って、右足の指先に筆を近づけた。 2本同時に、細かく揺らすようにして撫でる。 「ひあっ、やっ、め、ろっ」 ぎしぎしと音を立てて、ベッドが揺れる。 だが、膝上と足首の両方で縛り付けたロープはそう簡単にほどけない。 左は足の裏を撫でると、きゅっと何かを掴むような動きを見せた。 「ひゃうっ、だ、ひぁ、そこ、駄目っ」 筆を離すと、ぜいぜいと荒い息をつきながら、本条が俺のことを睨みつける。 とはいえ、その眼は濡れてしっとりしている。全身真っ赤で、顔にも身体にも小さな粒のような汗が浮かんでいるし、股間はもっと激しく濡れそぼっていて、なんとも壮絶、と言ったら大袈裟だが、これまで見たことがないほどエロの塊って感じだ。 「じゃ、こっちはどうだ?」 俺は左右同時に、くるぶしからふくらはぎにかけて、筆で撫で上げる。ドS全開だ。 「はうっ……」 きゅっと、足の内側の筋肉に力が入るのがわかる。 自然に膝が閉じようとするが、ロープに阻まれて大きな動きにはならない。そのかわり、ぎしっとベッドが音を立てる。 俺は筆を滑らせ、膝の内側をゆっくりと上へ移動させる。 タオルと一緒にロープが食い込んでいるところを通過したあたりで、本条の声が変った。 「あふ……」 甲高い悲鳴に近かった声に、熱い息が混じり、時折すっと息を止めるようになる。 何度も言うが、今日の俺は覚悟が違う。 本条を最高にエロくする、そのためだけに選ばれた男だ。……って、誰に? いや、俺自身がそう決めただけだが。 ベッドを這い上がり、本条の足の間に近づくと、はっきりと熱が伝わってくるのがわかった。 大きく開かれた太ももの奥で、全てがさらけ出されている。そこが熱の中心だ。 深い色をした襞は、内側から溢れた体液でべったりと濡れていた。 下に敷いたタオルも、股間の下の部分だけ濡れて変色している。 白い陶磁器のように滑らかな大腿をなぞりながら、最深部目指して、ゆっくりと筆を近づけていく。 本条はもう、声を出していなかった。 ただ、はぁはぁと熱い息をつきながら、時折びくんっと身体を震わせ、すっと息を呑む。 太ももには繰り返し小さな痙攣が走り、その時はロープがぴんと張る。 だがすでに、足を閉じようという意思はないのだろう、きしっとなる音もほとんど聞こえなくなっていた。 柔らかな太ももの肉の一番奥、足の付け根に筆が届いた。 「あ……んっ」 甘く蕩けた声を上げて、本条が微かに腰を揺らす。 俺は2本の筆で、襞の両脇を同時に撫で上げた。 「はあっはあっ」 吐息に熱い声が混じる。 目を閉じた本条は陶然とした表情で、快感に身を任せているようだった。 両方の足の付け根を、筆で上下に撫でながら、俺はその位置を徐々に狭めていく。 すぐに襞の外側に達した。 ふっ、ふっと、漏れる吐息が、筆の動きに併せて速くなる。 両側から責めていった筆がついに襞をなで上げ、そして中心を擦った。 「あああああああっ」 下から上へと撫で上げる筆の動きに合わせて、腰が持ち上がる。 筆を外して再び下へ移動させた瞬間、がくっと本条の腰が落ちた。 期せずして、毛先が身体の中心を擦った。 「ああっっっ」 筆に押されて襞が左右に開き、鮮やかなピンク色の器官がのぞいた。 染み出す体液が筆の毛先に吸い込まれる。 だがすべては吸収しきれず、さらに内側から溢れてきたものが、とろっと滴り落ちる。 襞の合わせ目で膨らんだ部分に、筆を走らせた。 すぐにまた甲高い喘ぎが漏れ、再び腰が持ち上がった。 03-012 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 27 21 ID oaQddDSN 「はんっ、あんっ、あんんんっ」 絶え間なく、熱い喘ぎが上がっていた。 俺は彼女の一番敏感なところで、筆を震わせて続けていた。 2本の筆の先で、包皮の上から挟むようにして止めると、くっと小さく息を吸って、本条の動きが止まる。 「ここ、可愛いよな」 「やんっっ、あああっ」 「クリトリス、感じる?」 そう言って、突起の左右を挟んだ筆を、左右逆の動きで上下に動かす。 「ああっ、か、ん、じ、んんんんっ」 体液を吸ってまとまった毛先で襞の内側を撫で上げると、ピンク色の真珠のような部分が微かにのぞいた。 むわっとした熱気と本条のそこの匂いに包まれながら、俺は顔を近づける。 筆を左手にまとめて持ち、右手で襞を開き上に引くと、小さな丸い部分がさらに姿を現す。 右手はそのままにして、短く持った左手の筆でそのピンク色の真珠に毛先を撫で付けた。 「ほら、特にここが可愛い」 「あ、あ、あっ……」 包皮の内側に毛先を潜り込ませながら、表面をなぞるように細かく動かすと、本条の息がまたせわしなくなっていく。 下から支えるように筆で押えた状態で、右手の指先で左右から挟み込む。 その途端、びくびくと本条の身体に痙攣が走った。 「ああっっ、お、かしく、なるっ」 「いいよ、おかしくなって」 そのままゆっくりと筆先を動かす。 同じ速度で再び腰が動き出し、そしてまた突然、ぐっと持ち上がり、そして落とされる。 「ああっ、駄目っ」 「何が駄目なんだ?」 「あああああ、おかしいっ、気持ちいいのにっ、おかしいっ」 「何がおかしいんだよ?」 「変、なんん、あああっ、どんどん気持ち、よく、なってる……」 「いいじゃん、気持ちいいなら」 「ち、がう、ああ、ああ、もう、駄目ぇっ」 彼女がそう叫んだ途端、再び腰がぐっと上がり、そしてまた落ちる。 だが、今度はその動きが止まらなかった。 くにくにと腰が上下に動き、その動きが大きくなる。 俺はもう手を動かしていない。 ただ、彼女のその部分に筆先があたるようにしているだけだ。 「腰、動いてるな」 「ああっ、い、やっ」 指摘した途端、腰の動きが止まった。 だが、俺がちょっと筆を動かすと、僅かに腰が震え、すぐにまた何度か上下に動き、そしてまた止まる。 そんなことを何度か繰り返すうちに、徐々にまたその動きが大きくなっていく。 「あんんん、が、まん、できないっ」 「気持ちいいんだから、仕方ないだろ。がまんするなよ」 「ああっ、き、気持ち、いいけど、違うっ、おかしいっ」 「おかしくないよ、とっても可愛いし、それにエロい」 「あああっっ、違うっ。してっ、もう、して、欲しいっ」 「ヤらしいこと、いっぱいしてるんだけど?」 「ち、がうっ、もっと、ちゃんとっ」 「ん? もっとどうして欲しいんだ?」 「あああっ、いつもみたいにっ」 どうやら筆の刺激は柔らか過ぎて、気持ちはよくても逆にじれったくなるらしい。 でも、半分泣きそうになりながら腰を振る本条は、とてつもなくエロくて、可愛くて、そして愛おしかった。 03-013 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 28 57 ID oaQddDSN 本条が喘ぐ。 その喘ぎ声が、俺の股間をダイレクトに刺激して、もう限界まで張りつめている。 だが、何度も言ってる通り、今日の俺は超ドSモードだ。 徹底的にヤらしいことをすると決めていた。 ──自慢じゃないけど、普段の俺は無難を愛する男だ。 喧嘩はもちろん、議論も好きじゃない。だから他人とは適当な距離感で、最低限のマナーを守って仲良くやっていきたいと思っている。 俺が設定したそのぼんやりとした境界線やルールは、大抵の場合有効に働く。こちらが普通に接していれば、大抵の人は向こうも普通に接してくれて、波風立たずに上手く行く。 中には強引に、自分勝手にアレコレ押し付けてくるようなヤツもいる。だが、そういうヤツとは出来る限り距離をとり、自分から離れてしまえばそれでいい。 ──ただ、その俺のルールがまるで通用しない相手が一人いる。 もちろんそれは、本条美沙希だ。 何でコイツにはマイルールが通用しないのか。──うっすらとだが、それもわかってる。 まず第一に、俺は何か頼まれるとついつい引き受けてしまうようなお人好しだ。 そして第二に、本条は役職的には俺の上に立つ生徒会長だ。 生徒会の会計としては、生徒会長の意見に耳を傾けないわけにはいかず、その指示に従うのも、一部当たり前、っていうか、無難にこなすためにはそれが一番だった。 第三に、ホンジョロイドは常識外の破天荒さで、俺の想像をはるかに越えていた。 ……なんていうか、普通俺は誰かにものを頼む時だって、命令はしない。最低限、「頼む」くらいのことは言う。だがコイツは平気で命令する。 特に知り合った頃は、その常識外に圧倒された。……そしてそれが習慣化した。 さらに、これが最大の要因ではないかと思うのだが、彼女は超高性能なアンドロイドばりの無感動仕様、しかも美少女だ。 確かに本条の俺に対する言動は最初から、強引でつっけんどんで自分勝手で独善的だ。 だが、生徒会の仕事としてはまあ理にかなってはいて、こっちは頼まれると嫌と言えない性格で、生徒会長が会計に何か指示したとしてもそれは当然で、おまけにその生徒会長が美少女で、なおかつ抗議を一切受け付けないようなアンドロイドそっくりだとしたら……? これはもう当然の帰結、っていうか必然、はたまた運命──? そんなわけで普段の俺は、あまり考えたくないが、本条の使用人、っていうのは大袈裟としても、使いっぱ的な気分になることがあった。 そしてそれは、彼女がドレイになった後でもあまり変わっていない。 いや、気分的には何の問題ない。 心の中で「だけどコイツ、本当は俺のドレイだし」と思い出すだけでゾクゾクワクワクできるし、ましてミサロイドのエローな仕草や声や匂いや感触は、思い出しただけで軽くご飯三杯はいけるくらいのオカズ、……いやご馳走だったりする。 しかし、よくよく考えるとそれも含めて、本当は俺の方がドレイなんじゃないかという気もしてくるってもんだ。 だから、……というのは自分勝手なのかもしれないが、とにかく俺は、本条がエロエロでデレデレでアウアウなドレイになるところを見たかった。そして、そんな彼女に、自分がどれくらい夢中になっているか、思い知らせてやりたかった……。 「あんんっ、して、お願いっ」 感極まったような声で、本条が俺を誘っていた。 赤く染まった全身を、時折ひくひくっと震わせる。 溢れた体液と汗の匂いが混じった体臭には、南国の植物の濃い匂いに加えて蒸せ返るような熱気が含まれていた。 「よし、じゃあ、もっともっとヤらしくする」 そう言って俺はまたベッドを降りた。 スポーツバッグ探り、掴んだものを手にして再び彼女の足の間に戻った。 「な、何っ?」 薄目を開けてその白いプラスチックの器具を見た本条が、脅えた声で尋ねる。 「んっと、電動歯ブラシ。回転タイプじゃなくて、首振りのヤツ。但し、毛先は硬過ぎて粘膜傷つけちゃうってネットで読んだんで、ホームセンターで探して、ゴムのキャップかぶせてみた」 「そ、そんなのっ……嫌っ」 もちろん今日の俺は、そんな抗議に耳など貸さない。 先端にかぶせたゴムのキャップの部分を、彼女の襞の中心にあてがう。 ぬるっと溢れた体液が、無機質な灰色のゴムを包み込んだ。 03-014 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 34 14 ID oaQddDSN ピンク色の小さな真珠を包む襞の上から、粘液で濡れたゴムの先端をあてがった。 緊張したように本条の身体がこわばる。 スイッチを入れると、ウ゛ィィィっとモーター音がした。 ほぼ同時に、本条の太ももがぴんと伸びた。 「あっ、ゆ、ゆう、きっ……」 角の丸い三角錐の形をした器官が、速い振動で左右に擦られている。 見ると、下の襞が勝手にひくひくと動いていた。 「あんんんんんんんんんんっ」 長く尾を引くような声で、本条が喘ぐ。そしてすぐにその声が、切羽詰まった息に変わっていく。 「ああ、ああ、ああっ」 くいっと、腰が浮いた。 場所が外れた歯ブラシの先端を、もう一度同じ所に当てる。 長い喘ぎ声が漏れ、すぐにまたせわしない声に変った。 「あ、だ、めっ、も、もうっ……、い、イき、そうっ」 そう言った後、一瞬、本条の声がやんだ。再び僅かに腰が浮き、足がぴんと伸ばされた。 ウ゛ィィィっと機械的な音だけがしている。 そこで俺は、歯ブラシの先端を離した。 「はあっっっ」 大きな溜め息と共に、本条の腰が下ろされる。胸を上下に波打たせながら、ぐったりと脱力していた。 「イった?」 黙ったまま、本条はただ小さく左右に顔を振った。 「んじゃ、もう一度」 そう言って、俺はまた歯ブラシの先端のゴムを、襞の合わせ目に当てる。スイッチは入れたままだ。 「あんんんっっ」 驚いたような声はすぐにやみ、荒い呼吸音だけが漏れる。 モーターの音だけが聞こえる時間が続き、そこへ時折、甘い喘ぎが加わり……、そして足がぴんと伸びる。 ゆっくりと腰が浮かされた。 「あ、あ、あ、……イ、っちゃうっ」 そこで俺はまた、歯ブラシを外した。 「ああっっっ」 がくんと腰を下ろした本条の身体に、立て続けに3回、痙攣が走った。 痙攣が終わった後も、腰から上がうねるように動く。 股間はびっしょりと濡れそぼり、下のタオルも染みだらけになっていた。 03-015 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 34 50 ID oaQddDSN 俺は電動歯ブラシのスイッチを切り、先端を下にして、襞の中心になすりつけた。 「ああ……」 なぞるように撫で上げ、真珠の器官に下から直接触れさせる。 敏感な器官だが、ゴムのキャップは本条の愛液でたっぷり濡れているから、傷つくことはない筈だ。 そのままスイッチを入れる。 「あうっ」 びくんと震えたのは一瞬で、今度はさっきよりも速く、足が突っ張り始める。 「あ、あ、あ、あ、い、イく」 腰がゆっくりと持ち上がる。 「ああ駄目、ほんとに、イくっ」 ぐいっと腰が跳ねる。だが、その動きで離れた歯ブラシを俺は元に戻そうとはしなかった。 がくんと腰を下ろし、はあはあと荒い息をつきながら、本条が赤い眼で俺を恨めしそうに見た。 「イきそう、だった、のにっ」 「これ、嫌なんだろ?」 そう言って俺は、本条の敏感な場所にそれを当てる。今度はスイッチは切っていない。 「ああ、あ、あ、い、あああっ、い、い、イく」 すぐに腰が浮き上がる。だがやはり俺は、先端を離し、スイッチも切ってしまう。 大きく喘ぎながら、熱のこもった眼で彼女は俺を見つめてくる。 「ああっ、ゆ、ゆうきぃ……」 「美沙希、すげー可愛い」 「ああ、うんっ、可愛いい、からっ」 「それに、今、超エロい」 「う、うんっ、ヤらしく、なってる」 「これ、嫌じゃなくなった?」 俺はまた、電動歯ブラシの先端のゴムを一番敏感な場所に当てて、スイッチを入れた。 「ああっ、き、もち、いいいい」 ──ウ゛ィィィィィィ。乾いたモーター音に、本条の甘く蕩けた喘ぎ声が混じり、すぐにそれも小さくなる。 足がぴんと突っ張り、ゆっくりと腰が浮く。 「ああ、イく、イくイく、イくーっ」 くいっと腰が突き上げられる寸前で、俺はまたそれを離した。 本条はひきつるような声を上げながら、なおも数回腰を動かし、しかしすぐにぐったりとなる。 「ああっ、どうしてっ、イきたいっ、……い、イかせてっ」 「美沙希にお願いがあるんだ」 「な、何っ?」 「俺の、……その、俺の彼女になってくれないか?」 03-016 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 35 45 ID oaQddDSN 驚いたような顔で眼を見開き、本条は俺をじっと見つめ返した。 だが俺はまた、電動歯ブラシの先端を彼女の股間に差し向ける。 今度は大きく開かれた太ももに平行に持って、横から襞の合わせ目の上にあてがった。 「わ、私は、キミの、ドレイだ……。それじゃあ、駄目、なのか?」 「駄目ってわけじゃないけど……」 そう言って俺はスイッチを入れた。 ──ウ゛ィィィィィィ。 「あううっっ」 今までは、クリトリスを左右に震わせていた振動が、向きを変えたため今度は上下だ。 包皮の上からだが、その包皮が上下に震えている。内側にあるピンク色の真珠は高速で半ばむき出しにされ、そしてまた下ろされるように擦られている筈だった。 「ああ、ああ、ああっ……」 断続的に上がる声が徐々に高く細くなっていき、やがて掠れた喘ぎだけになる。 そして腰が浮き上がり、……俺はまたスイッチを切った。 「いやぁっ、止めちゃ駄目っ」 「ほら、めっさエロくなってる」 「なってる、……なってるから、イきたいっ」 「じゃあ、俺の彼女になってくれる?」 「どうして、ドレイじゃ駄目、なんだ?」 「俺はドレイの美沙希に最高に夢中だけどさ。でも、恋人のお前とつきあうってのも夢なんだよな」 「そ、そんなの、……私には、無理」 「そっか、残念」 俺はまた、電動歯ブラシのスイッチを入れる。 「ああっ、ああっ、おかしいっ、イ、くっ、もうイっちゃうっ」 くいっと腰が浮きあがったところでスイッチを切る。 「俺、現在、恋人募集中……」 「嫌、い、や、やめ、ちゃ、駄目っ!」 それから2回、俺は同じことを繰り返した。 息も絶え絶えになった本条は、ぜいぜい言いながら恨めしそうな顔をこちらに向ける。 「ど、どうして……」 「ドレイの美沙希は超可愛いけど、やっぱドレイだと思うと、どこまで我慢できるか試したくなる」 「も、もう、我慢、できない……よ」 「でも、それがドレイじゃなくて自分の彼女で、しかも可愛く『イかせて』なんて言われたら、それ以上意地悪しちゃ駄目だと思う」 「……私、には、でき、そうにない」 「別に今まで通りでいいんだけどな。ただ、お前が恋人だって認めてくれればそれでいい」 はあはあと荒い息を繰り返しながら、本条は何も答えなかった。 だが、俺がまた歯ブラシのスイッチを入れ、一番敏感な場所に当てた途端、切羽詰まった声で言った。 「い、イかせて……」 ──ウ゛ィィィィィィ。 振動音と共に、本条の声がか細くなり、腰が浮き上がる。 「美沙希って、俺の彼女?」 そっと、先端を離した。 「ああーーっ、駄目ぇっ、彼女に、なるっ」 再びあてがう。 瞬間、ウ゛ィィィという機械音以外、何も聞こえていないような静寂を感じた。 「ああっ、イきそうっ、止めないで、イかせてっ、彼女、だからっ、……あ、イく、イくイく、イっ!!!!」 本条の背中が大きく反らされ、そのままの形で一瞬止まる。 ぶるぶるっと彼女の全身に痙攣が走り、それからがくっと腰が落ちた。 すぐにまた腰が突き上げられ、そして落ちる。 「あああああっっ」 僅かに遅れて、本条の口から甘く低い声が漏れた。 ぴんとつっぱった足に細かい震えが走り、何度も腰がくねらされた。 電動歯ブラシを離してスイッチを切った後も、本条の身体はしばらくの間、ひくひくと痙攣を繰り返していた。 03-017 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 39 37 ID oaQddDSN 部屋の中には、本条の甘い体臭と淫らな匂い、そして強い熱気がこもっていた。 縛られたままの彼女は、まだ赤みのとれない身体を横たえ、まるで意識を失ったように動かない。 俺はベッドの横に膝をつき、そっと彼女の頬に触れた。 本条は小さく息を吐き、薄く瞼を開く。 その目はまだ熱く潤んでいて、とろんと蕩けているように見えた。 そっと、頬にキスをした。 くふん、と、小さく鼻を慣らすその顔には、穏やかな表情が浮かんでいる。 本条が蚊の鳴くような小さな声で、そろっとつぶやく。 「イ、った……」 「うん」 「なんか、……凄いこと、された」 「ああ、……超可愛かった」 「……それに、……その、……か、彼女にならされた」 「ふふ、嫌か?」 「……わからない、どうしたらいいか」 「言っただろ? 今まで通りだって。ただ、お前が自分のこと、俺の彼女で、つきあってるってことを認めてくれればそれでいいんだよ」 「……ドレイは、廃業か?」 「んー、時々は? ドレイも欲しいかも」 「随分欲張りなんだな」 「そうだな……。でも、さっきお前、言ってただろ? 何かお礼しなけりゃって」 「あ、そうだった」 「そのお礼ってことで」 「何が?」 「だから、美沙希って呼んでいいことにしてもらったし、お前はもう俺の彼女だし、二人は恋人同士だし」 「……そ、そんなのがお礼なのか?」 「ただの彼女じゃないぞ。超可愛い彼女なんだから」 「……それは無理」 そう言って本条は、未だに赤い顔をぷいっと壁の方に向けてしまう。 そんな彼女を、俺はたまらなく可愛いと感じていた。 03-018 :前スレ282:2011/01/12(水) 22 40 15 ID oaQddDSN 俺はその熱を持った頬にまた、軽くキスをする。 「大丈夫、超可愛いから」 「キミがそう感じるのはキミの勝手だし、止めることはしない。……できないし」 「ふふ、じゃあ、ブタの100万倍可愛い」 「駄目っ。それは却下」 「んーと、じゃあ、ブタの100万倍エロい」 「そんな、こと……」 本条は猛烈に抗議するつもりだったのかも知れない。 だが俺は、困った顔でこちらを向いた彼女の口を、自分の唇で塞いだ。 優しくついばみ、それから舌を絡めた。 貪り合うようなキスではなかったが、それでもビックリするくらいHなキスだった。 口を離した時には、二人とも息が上がっていた。 「そういえば、キミはまだ満足していなかった」 「ふふ、今日は、美沙希をエロくすることに命懸けてたからなあ」 「……私と、したくならない、のか?」 「馬鹿、そんなことあるわけないだろ」 俺は静かにベッドに上がり、トランクスを下ろす。 ペニスの先端が収められていた部分が、自分でも驚くほど濡れていた。 それくらい、俺も興奮していたってことだ。 今でもビンビンに反り返ったままだ。……ていうか、本条と合体したら、すぐにでもイってしまいそうな気がした。 気がつくと、本条が薄目で俺のものを見ていた。 溜め息まじりに言った。 「……なんか、いつもより、……おっきい」 「可愛いドレイが超可愛い彼女になったので、そのせいかも」 本条はそれには答えず、顔を反らす。 俺はベッドを降りて、机の引き出しからコンドームを取り出す。 それからまた彼女の方を見て、まだ縛ったままであることに気付いた。 頭の上で縛られた手首のロープに手を伸ばす。 「あ、すまん。今解くわ」 「……こ、このままで、いい」 消え入るような声で、本条がそう言った。 ぞくっと震えが走るような興奮を感じた。 どうやら俺のドレイにして超可愛い彼女は、未だにミサロイドのままのようだった。
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和「ねえ唯」 唯「なあに和ちゃん」 和「私たちももう三年生よね」 唯「そうだけど……どしたの?」 和「新学期になる前に……生徒会も衣替えをするの」 唯「へえ、じゃあ和ちゃんも生徒会を引退するの?」 和「私はまだ残るつもりよ」 唯「おお! それなら生徒会長になってよ!」 和「うふふ、私もそのつもりよ。今度の生徒会長を決める選挙に出るつもりだから」 唯「さっすが和ちゃん! がんばってね! 私も和ちゃんに投票するから!」 和「そうなると……いいわね」 唯「? うん」 … ――翌日 軽音部 部室 ふわふわタ~イム♪ ふわふわタ~イム♪ 澪「うん、結構よく録れてるな」 紬「ちょっと雑音も入ってるけど、いいね」 梓「昨日の演奏、とてもよかったです!」 唯「そう? でへへ~」 梓「あっ、唯先輩は違います」 唯「あずにゃんしどい!」 ガチャ! 律「た、た、大変だー!」 澪「なんだよ騒がしい」 律「とにかく大変なんだよ!」 紬「なにが?」 律「いいから私のあとについてこい!」ピュー 梓「あ、足早っ」 唯「どうしたんだろうね、りっちゃん」 澪「しょうがない…行こうか」 紬「うん」 … ――1階 廊下 唯「あっりっちゃん、いた」 律「ここだ! ほら早く!」 澪「なんだよ……なにがあるんだ?」 紬「あら、これはポスター?」 梓「どうやら、次の生徒会長を決める選挙のポスターですね」 唯「あっ和ちゃんもいるよ!」 紬「ほんとだ!」 澪「…で、なにが大変なんだ? 律」 律「和のポスターの公約のところをよく見てくれ」 澪「なになに……私が生徒会長に選ばれたならば、今後部活でのお茶会を禁じます…だと!?」 紬「ええっ!?」 唯「どゆこと?」 梓「つまり、和先輩が生徒会長になったら、私たちのティータイムがなくなるってことですよ」 唯「ええっ!? それは困る!」 律「だろ!」 澪「でも……なんでこんな軽音部をピンポイントで狙った公約を…?」 紬「もしや、軽音部が気に入らなかった…とか?」 律「それはないだろ。和だって私たちにいろいろ協力してくれたもの」 唯「だよね……」 梓「こうなったら、和先輩のところに行きましょう!」 律「ああ!」 唯(和ちゃん……いったい何を…?) … ――生徒会室 律「たのもーっ!」バタン 和「あら、律……と、軽音部のみんな」 律「おい和! お前の生徒会長になった時の公約、どうなってんだよ!」 和「見たのね……」 唯「ひどいよ和ちゃん! あんなことしたら私たちのティータイムが無くなっちゃうよ!」 和「そりゃそうよ。それが狙いだもの」 澪「なんでそんなことするんだ?」 和「あんたたちのティータイム……結構先生方や生徒から苦情が来てるのよ」 紬「えっ、そうだったの……?」 和「私も今までは黙認してたけどね。生徒会長になるからにはこういうこともきっちりしないと……」 梓「そ、そんな……」 和「残念だけど、私はあなたたちの味方になるわけにはいかないの。ごく一部の声を尊重するんじゃなくて、多数の声を尊重しなきゃね」 澪(和……もう生徒会長っぽい……) 唯「そんな~……和ちゃん、そこを何とか……」 和「ダメなものはダメ! あきらめて頂戴」 唯「じゃあ、あきらめる」 梓「あきらめ早っ!?」 澪「待った! 和、なんで私たちだけ目の敵にするんだ?」 和「じゃあ言うけど……私、あんたたちのような部活は許せないの」 唯「へっ!?」 律「な、なんだとっ!」 和「あんたたちみたいにお茶ばっかり飲んでて、ろくに練習もしない部活なんてあっても意味がないもの」 律「な、なあにぃ!?」 唯「ひどいよ和ちゃん! そんなこと言うなんて!」 和「あら、本当のことを言っちゃダメなの?」 律「くっ……わかった、もういい!」 澪「り、律」 律「和がそんな薄情者だとは思わなかったよ……じゃあな!」 澪「ちょ、待ってよ律!」 紬「りっちゃん!」 梓「失礼しました……」 唯「……」 和「行かないの? みんな行ったわよ?」 唯「和ちゃんの……バカ!」 バタン! 和「……バカ、か……」 … ――軽音部 部室 律「あーあ、どうしよっか」 澪「どうするも何も……な」 紬「私、このティータイムがそんなに嫌われてるとは思わなかった……」 梓「ムギ先輩……」 律「気にすんなよ。あんなの和がついた嘘だ!」 唯「……」 澪「唯……」 澪(一番つらいだろうな……親友があんなことやるのは……) さわ子「ちょりーっす」 律「なんだ、さわちゃんか」 さわ子「なんだとは何よ! 私が来て悪い!?」 澪「そ、そういうわけじゃ……」 さわ子「ん? どうしたの? なんか暗いけど」 梓「実は……」 … さわ子「な、な、なんですって!?」 律「和は本気だよ……あいつが生徒会長になったら本当にティータイムが無くなっちゃうんだ」 さわ子「そんなこと許せるわけないでしょ!」 澪「でも……それを防ぐにはどうしたら……?」 紬「やっぱり和ちゃんにお願いするしか……」 律「そんなのダメだ! これは和との戦争なんだよ!」 梓「じゃあ、どうしようもないじゃないですか」 律「うっ……」 紬「じゃ、じゃあ和ちゃん以外の立候補者に生徒会長になってもらえばいいんじゃないかな?」 律「そっか! そうすれば和の公約も意味がなくなるもんな!」 梓「えっと……そのことなんですけど……」 澪「どうやら和の人気はすさまじいらしい」 律「なにっ! どういうことだ!」 梓「和先輩はその堅実さで生徒から人気があって、この選挙では間違いなく当選すると言われているんです」 律「なんだとー!」 澪「うちのクラスでも和は人気あるからな」 紬「それじゃあ私たちが他の人にいれても無駄なのね……」 律「打つ手なしかよ……」 澪「しょうがない。ここは和に従って……」 さわ子「いいえ! まだ手段はあるわ!」 律「手段?」 さわ子「そう! これはとっておきの手段よ!」 律「もったいぶらずに早く言えよ」 さわ子「それは……あんたたちの誰かが生徒会長になればいいのよ!」 一同「えーっ!?」 律「そんなの無理に決まってるじゃないか!」 さわ子「まだ無理とは決まってないじゃない」 梓「さすがに和先輩を打ち負かして生徒会長になるのは……」 紬「厳しいよね……」 一同「はあ……」 さわ子「うっ……そんなため息つかないでよ!」 唯「……やる」 梓「へっ? 唯先輩?」 唯「私、やるよ! 生徒会長になってみせるよ!」 律「ゆ、唯! そんなの無理に決まってるじゃないか! あいては和だぞ!」 唯「さわちゃん先生も無理とは決まったわけじゃないって言ってるじゃん! あきらめるのはまだ早いよ!」 澪「で、でもさすがにいろいろと問題が……」 唯「そんなの関係ないよ! 和ちゃんの公約を防ぐにはこれしか方法がないの!」 梓「唯先輩、落ち着いて……」 唯「うぅ……」 澪(唯がこんなに怒ってるの、初めて見た) 律「……唯の気持ちはわかった。でもな、私たちだって軽音部の活動があるんだ。これをないがしろにするのは……」 さわ子「別に生徒会長って言っても、部活と両立できるぐらいの忙しさよ?」 澪「でも……唯が今立候補しても、和に太刀打ちできるとは……」 唯「大丈夫! 要は和ちゃんに勝てばいいんでしょ?」 律「それが難しいんだよ……」 唯「私、ずっとみんなとこのティータイム続けていきたいもん! そのためには私、何だってするよ!」 紬「唯ちゃん……」 唯「ねえみんなお願い! 一緒に生徒会長になろう!」 梓「そうは言っても……」 さわ子「私は手伝うわよ!」 澪「教師が手助けしていいんですか……?」 さわ子「さりげな~く援助するわ」 紬「私も……手伝う!」 澪「ム、ムギ!?」 紬「このティータイムは私の生きがいだもん。たとえみんなに嫌われても続けたい!」 唯「ムギちゃん……!」 さわ子「……ん? 嫌われてるってどういうこと?」 澪「このティータイム、生徒や先生方からあまりよく思われてないらしいんです……」 さわ子「そんなことないわよ? 私が他の先生たちにムギちゃんのお菓子あげたりしてるけど、先生たちも喜んでくれてるわ」 紬「ほ、ほんとですか?」 律「ほら言っただろ? あんなの和の嘘だって」 紬「うん、よかった……」 律「……よし! 私も手伝う!」 唯「りっちゃん!」 律「ムギをこんなに悲しませてさ……」 律「それに、私たちがそんなんで黙ってられるかよ! 和の根性を叩きなおそうぜ!」 紬「りっちゃん……!」 律「澪と梓はどうする?」 澪「私は……」 梓「私もやります!」 唯「あずにゃん!」 梓「私だってティータイムは……その……好きだから……」 唯「もう、あずにゃんったらかわいい!」ダキッ 梓「うっ……とにかく、私も手伝いますよ」 律「よーし、あとは……」チラッ 澪「うぅ……やればいいんだろ!」 律「よし! これで全員だな!」 唯「うん!」 律「みんな! この道は険しいかもしれないが……絶対にやりぬくぞ!」 一同「おーっ!」 さわ子「じゃあ、みんながんばってね」 律「えっ? さわちゃん手伝ってくれないの?」 さわ子「あくまでサポートだから。必要になったら呼んで頂戴! じゃっ」 バタン 律「冷たいな……」 唯「とりあえず、みんなで申し込みにいこうよ!」 澪「まてまて、まずは誰が生徒会長になるか決めないと」 唯「それは私がなる!」 律「本当に大丈夫かな……」 唯「大丈夫だよー」 梓「その自信はどこから来るんですか……」 澪「じゃあ唯が生徒会長に立候補するとして……推薦人は誰がするの?」 律「それは私がやる!」 唯「えっ? りっちゃんが?」 律「なんだよ、わたしじゃ不満か?」 唯「いや、そういうわけじゃないけど」 紬「私もやりたい!」 律「ムギも?」 紬「私なら唯ちゃんのいいところをいっぱい知ってるわ! 推薦人としてぴったりよ!」 唯「ムギちゃん……///」 梓「そ、それなら私も!」 律「梓も!?」 梓「私だって……唯先輩のすばらしいところいっぱい知ってます! ムギ先輩には負けません!」 唯「あずにゃんまで……///」 律「おいおいそんなんじゃ決まんないぞ? ここは唯に決めさせようぜ」 唯「私? 私は……」 紬「……ゴクリ」 梓「……ゴクリ」 唯「澪ちゃんがいい!」 澪「わたしっ!?」 唯「だって、澪ちゃんはファンクラブもあるぐらい人気じゃん! 推薦人としてぴったりだと思う!」 律「唯は現実的だな」 澪「わ、わたしは……そんな人前に出るなんて……」 紬「唯ちゃんが言うなら……」 梓「仕方ないですね……」 澪「ちょっと……私じゃ無理だって……」 律「がんばれよ、澪」 唯「澪ちゃん、よろしくね!」 澪「うっ……やればいいんでしょ! やれば!」 律「そいじゃ申し込みに行くか」 唯「うん!」 … ――生徒会室 役員「はい、確かに受理しました」 唯「よろしくお願いします!」 役員「中間投票はこれから一週間後ですので、準備はしといてください」 唯「中間投票?」 澪「生徒会長を決めるにはまず中間投票をして、上位の二名で決選投票をやるんだよ」 唯「そうなんだ」 澪「前にやっただろ…」 唯「でへへ、あんまり覚えてない…」 和「あら? 唯じゃない」 唯「! 和ちゃん……」 和「唯も生徒会長に立候補したの?」 唯「そうだよ。和ちゃんには負けないんだから!」 和「そこまでしてお茶会を存続したいわけね……。わかった、受けて立つわ」 律「おうよ! てめえには負けないぜ!」 紬「私も負けない!」 梓「私もです!」 澪「和……」 和「澪もなの?」 澪「スマン! でも、私もティータイムが好きなんだ! これだけは譲れない!」 和「そう。それじゃ一週間後にまた」 唯「……うん」 律「よし! まずは作戦会議するぞ!」 澪「もう帰る時間だな」 唯「じゃあ私のお家に来なよ!」 紬「そうしようか」 2
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wikiを借りてこんな事をしてしまって非常に申し訳ありません、皆様。 でも、まことに、自分の意思を確実に伝える方法はこれしかないと思ったからであり冷めやすい人間である俺が今のこの熱いうちに熱い思いを述べる方法はこれしかないと思ったからです。 まーくんの言うように、確かに立つには立てた。歩けそうにも見える。でも、実際は立っている事で精一杯なんだ。 先輩に恋をした、でもそれはかなう可能性は限りなく低い。俺が居る学校は女子率が以上なまでに低いから敵は多すぎる。 そしてその先輩は恋とか・・・・・みたいなあんまり無関心な人なんだ。それと先輩をかわいがりたいというあまりの思いに暴走しそうになり、理性で食い止めた。 踏み出せず、踏み出したところで勝ち目のない俺が踏み出したなんてこと自体が笑いものだ。周りに笑われるのは嫌だ、だから踏み出せない でもそんな自分の精神、外見、すべてにいらいらしていたんだ。自信を持てない自分に。 それと俺はゴミみたいな中学から学校が変わり、今度こそ何とかなると思っていた しかし割とそうではなかった。ヲタが多いと思わせてリア充が多く、一部のリア充に変に絡まれる始末 おかげで一部の授業ではすごく憂鬱な思いをさせられている。それでも非常にいらいらしている なぜ絡まれてしまうのか、自分にもわからない。そしてそのリア充とともにいようと思っていたが1ヶ月足らずでそのリア充に見放される。 外見がいかにもヲタだから何だろうな。そして遅れてヲタの中に入ろうにもあまり入り込めずにいるんだ。周りのつながりが深すぎて自分は入る穴がないというのか。 そう、結局俺は友達が少ない。でもそれはまーくんと居ると忘れさせてくれた。 ヲタな友と居ても自分とあまり趣味が合わず熱いトークする相手が居ない。カメラに詳しい友達がいれば盛り上がれるけどそういう人はあいにく地元にしか居ない。 そして寮だからなかなかあえない。そう、熱くなろうとしているのに熱くなる物がない、空の鍋のような状態だったんだ。その俺の熱を奪いまともにさせてくれる存在、それがまーくんだったんだ、俺にとって。 このままでは俺は熱暴走を起こす。でもその暴走を限界寸前で食い止めてくれるのがまーくんだった。むしろほどよい温度にさせてほかの物まで成功に導くような。 そしてまーくんに頼っている時はすごく俺として素の俺が出せて気が楽になって居て楽しかった。結局どこに行っても素の俺を殺すしかなくて、素の俺を全力で受け止めてくれる唯一の存在 生きていてつらいことがあってもまーくんと居ると楽しかった。本当にまーくんが居なかったら俺は受験に失敗しただろうし、そのまま吊っていた。享年15だっただろう。 それとまーくんは俺に対して立てたから歩けるだろうと言っているが、俺は今松葉杖をつきながら立ったように見せかけているに過ぎないんだ そしてその松葉杖はとれる物なのかわからない、でも俺が本当に一人で歩けるようになるまでまーくんには言ってみればリハビリを手伝ってほしい。 それとまーくんに一つ言いたいことがある。優しすぎ。 俺が結構やみやすい人なのはもちろんご存じの通りだ。でも、そのために他の人に迷惑をかけるのはむしろ病む原因になってしまう、それを理解してほしい。 そして俺は甘ったれだ。どうにかしたいけど甘えられるとわかるとストッパーがかからないくらいの。 だから、まーくんにはその甘ったれをほどよく治すのを手伝ってほしい。甘えられなくなるとより強い欲となり、その貪欲な自分を改めて見て嫌になり、のループを起こす 甘えられないのは病む原因につながり、甘えすぎるのは駄目、この塩梅はまーくんしかわからないと思うんだ。だから俺は本当にまーくんを必要としている。 今回みたいな事になると俺が甘えすぎなかったらってすごく後悔するんだ。ここだからそれですむけどリアルでしてしまうと本当に人生を狂わせそうで怖い だからまーくんは俺を赤ん坊からガキまで育ててくれた、ガキから青年まで育てるのも手伝ってほしい、そう思うんだ。 今の俺にとって生きている楽しさというのは今ひとつわからない先輩の喜ぶツボを探すのとまーくんの笑顔を見ることだったんだ 2 8くらいで。先輩に近寄りすぎるとウザがられるかなとか思って結局近寄れずにいる。するとまーくんの比率が大きくなる。 その8割の楽しみをすべて奪われたら、俺はどうしたら良いの? 俺は何もしないと8割の楽しみに悪魔の、負の手がおそってくるとしか思えないんだ、そして俺は成り立たなくなると思う。 だから、まーくんには俺の悪魔の手を押さえるのを手伝ってほしい。 もちろん俺もまーくんを支えたいし、むしろまーくんにはもたれかかってきてほしいんだ。 人を支える事で俺は結構生き甲斐を感じる人なんだけど自分が支える人(=後輩)が居ないという現状である面つらい思いをしているのは確かだ。 人にもたれかかられると今までの自分の分だけの1だと間に合わなくなり1.2や1.5も努力し、苦労する。でもその苦労が実は俺は好きなんだ。 変なやつだろ?でも仕方ないんだ。 そして人に支えられるのも好きな人だ。しかし先輩に一人前として認められたい(=先輩に頼りたくない)という面倒な人なんだ。 それと、もたれかかったせいで相手がどけよ!!!みたいに思わないか心配で今ひとつ体を預けられないというのかな。 先輩にもたれかかりすぎるのは気が引ける、タメにはやっぱり大きく見せたい、後輩にもたれかかるだなんてとんでもない ある意味まーくんは僕に取って先輩で先輩以上の存在。 俺にとって支えになってくれて俺の全体重を心置きなく支えてくれて決して見捨てない人、それがまこと、君一人しかしか居ないんだ。この通りだ、だから帰ってきてほしい まーくんは受験で突き放した、二度と会えなくなるかも、そうしたら周りが・・・・と思って努力した。 でもそのせいでまーくんの存在の大きさを強く感じさせられて、まーくんへの思いが強くなって、そのせいでまーくんなしには居られなくなったんだ。 まーくんは妹を守る事で今まで生きてこれたって何回も言ってたとおもう。 まーくんの中での妹の存在というのは俺の中でのまーくんの存在と同じに近いんだ。守れていなく、むしろ守られているけれどいつしか守ってあげたい。 それにまーくんが俺にもたれかかってきてくれる、親じゃないけど親孝行みたいなちゃんと恩返しまでしないと俺は気が済まない。 まーくんをちゃんと守れるようになってまーくんのすべてを受け入れられるような熟成した人間になって、俺はようやく一人歩きできた、といえると思うんだ。 だから、まーくんには俺が本当にまーくんを支えられるようになってから一人で歩けるようになったと言ってほしい。 それに、確かに俺は一応歩けるのかもしれない。 でも一人で歩くというのは非常に寂しく、つまらない物だ。数歩踏み出して戻りたくなるような。 だから、一緒に歩いてほしい。そうする事で、俺はリアルでも楽しく歩けると思う。 うん、ここまで書いておきながらだけど中身は支離滅裂な気がする でも、これはある俺の魂の叫びだ。まーくんにどうしてあのように依存する形になったのか、それをある意味表した物だ。 この魂の声を聞いてほしい。まだまともに形にはなっていいないけれど強い力を持っていると思う。 だからまーくんにこれをきれいな形に整えるのを手伝ってほしい、ただその思い一つだ。 そしてこの力は使い方を誤ると大きな事故につながる、だからその事故を起こさせず安全な物として使えるように手伝ってほしい。 そして俺がこれをまーくんが寝ると言ってから1時間くらいずっとほかの事はほぼせずに書いた、そのくらいまーくんへの思いは何よりも強くそして大きなものだと理解してもらえればうれしい。 そして最後にここまで長々と公共の場を借りてしまい本当に申し訳ありませんでした
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第8-14章.第8-15章.第8-16章. 第8-15章. 「王よ、ドローナの息子は、その腕の軽さを見せつけ、矢でビーマを貫いた。彼は体のすべての急所を知っていたので、彼のすべての急所を狙って、素早い手のアシュヴァッタマは再び90本の矢で彼を打った。ドローナの息子によって全身を鋭い矢で貫かれたビーマセーナは、その戦いで光線を放つ太陽のように輝いて見えた。パーンドゥの息子は、ドローナの息子を1,000本の矢で覆い、獅子吼を上げた。王よ、ドローナの息子は、まるで微笑むかのように、その戦いの敵の矢を自分の矢で困惑させ、それからパーンダヴァの額を布矢の矢で打った。王よ、森の中で誇り高きサイが角を持つように、パーンドゥの息子はその矢を額に負った。勇猛なビーマは、その戦いの中で、まるで微笑んでいるかのように、ドローナの苦闘する息子の額を3本の矢で打ち抜いた。その3本の矢が額に刺さったそのブラフマナは、雨の季節に水で洗われた3つの頂を持つ山のように美しく見えた。ドローナの息子はその後、何百本もの矢でパーンダヴァを苦しめたが、風が山を揺るがさないように、彼を揺るがすことはできなかった。同様に、パーンドゥの息子は喜びに満ちていたが、その戦いで、雨の激流が山を揺るがすことができないように、何百もの鋭い矢でドローナの息子を揺るがすことができなかった。二人の偉大な車夫、二人の英雄は、獰猛な力を備え、二人の最前列の車の上で燦然と輝いていた。そして、世界を滅ぼすために昇った2つの燃え盛る太陽のように見え、優れた矢を表す光線で互いを焼き尽くした。偉大な戦いの中で互いの技を打ち消すために細心の注意を払い、最も恐れを知らぬ矢の雨で実際に技を競い合った。無敵で恐ろしい矢は彼らの牙となり、弓は口となった。雲に覆われた大空の太陽と月のように、二人は四方の矢の雲に隠れて見えなくなった。そして、敵を懲らしめるこの二人は、やがて見えるようになり、曇った屏風から解き放たれた火星と水星のように燃え上がった。そして、その恐ろしい戦いの進行中のその瞬間、ドローナの息子はビーマセーナを彼の右に置き、山に雨の奔流を注ぐ雲のように、何百もの激しい矢を彼に浴びせた。しかし、ビーマは、敵の勝利のその兆候を我慢できなかった。王よ、パーンドゥの息子は、まさにアシュヴァッタマの右の位置から、後者の偉業を打ち消し始めた。両者の車は様々に動き回り、状況に応じて前進と後退を繰り返し、二頭の獅子の戦いは熾烈を極めた。様々な経路を走り回り、円形に旋回しながら、弓から放たれた矢で互いに打ち合い続けた。そしてそれぞれ相手を滅ぼそうと最大限の努力をした。そして、それぞれがその戦いで相手を無車にすることを望んだ。その時、その車の戦士、すなわちドローナの息子は、多くの強力な武器を発動した。しかし、パーンドゥの息子は、その戦いで、自分の武器で、敵のそれらの武器をすべて打ち消した。その時、君主よ、万物消滅の時の惑星の恐ろしい出会いのような、武器の恐ろしい出会いが起こった。バーラタよ、彼らによって放たれた矢がぶつかり合い、羅針盤のすべての点を照らし、汝の軍隊もまた周囲を照らした。矢の飛翔で覆われた大自然は、まるで王よ、万物流転の時、降り注ぐ流星で覆われるような恐ろしい光景となった。バーラタよ、矢がぶつかり合うと、火花が散り、炎が燃え上がった。その火は両軍を焼き尽くし始めた。主よ、この戦いはあらゆる戦いの中で最も優れたものです。どんな戦いも、これの16分の1にも及ばない。このような戦いは二度と起こらないでしょう。このブラフマナとこのクシャトリヤは、ともに知識を備えている。両者とも勇気があり、腕力は獰猛である。ビーマの力は恐ろしく、もう一人の武器の腕前は素晴らしい。両者のエネルギーは如何に大きく、両者の持つ技は如何に素晴らしいか!二人はこの戦いで、ユガの終わりに宇宙を破壊する二人のヤマのように立ちはだかる。二人は二匹のルドラのように、あるいは二匹の太陽のように生まれた。人間の中のこの二匹の虎は、共に恐ろしい姿をしており、この戦いにおける二匹のヤマのようである」。そのようなシッダたちの言葉が刻々と聞こえてきた。そして、集まった天界の住人たちの間で、獅子吼が起こった。その戦いにおける二人の戦士の驚くべき、想像を絶する偉業を見て、シッダとチャラーナの密集した群衆は驚きに満たされた。そして、神々、シッダ、偉大なリシたちは、二人に喝采を送った。素晴らしい、ビーマよ」。一方、この二人の英雄は、その戦いの中で、王よ、互いに傷つけ合い、怒りに目を丸くして睨み合った。目は怒りに赤く染まり、唇も怒りに震えた。そして彼らは怒りに歯を食いしばり、唇を噛んだ。そして、その二人の偉大な車の戦士は矢の雨で互いを覆った。まるでその戦いの中で、矢の雨を降らせ、稲妻を構成する武器で輝く二つの雲の塊であるかのように。その偉大な戦いで互いの旗と馭者を貫き、互いの馬を貫き、互いを打ち続けた。そして君主よ、怒りに満ちた彼らは、その恐ろしい戦いの中で、2本の矢を手に取り、それぞれ相手を倒そうと思い、敵に向かって素早く放った。その2本の矢は、抵抗することなく、雷の力を帯びており、王よ、2人の戦士がそれぞれの分隊の先頭に立っているところに来て、2人を打った。二人の戦士はそれぞれ、その矢で深く打たれ、それぞれの車のテラスに沈んだ。ドローナの息子は無感覚であることを理解し、彼の運転手は、すべての軍隊の目の前で、王よ、彼を戦場から運び去りました。同様に、王よ、ビーマの運転手は、何度も卒倒していた敵の烈士であるパーンドゥの息子を、自分の車に乗せて戦場から運び去りました」。 第8-14章.第8-15章.第8-16章.
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口の中を蹂躙されながら、梓は薄く目を開けた。 自分の上に乗り、目を閉じて夢中になっている唯を見た梓に去来したのは無諺の飢餓感だった。 唯先輩、まだ足りない。 もっともっと、私を求めて。 私の隙間を全部埋めて。 梓は唯の身体をきつく抱き、積極的に舌を絡めた。 三十八度の唾液は混ざり、二人の舌が溶け合う。 そうしていると、二人の存在の境界がぼやけていく気がした。 それでも二人の飢餓に終わりは見えない。 唯「あ……あずにゃ……むっ……うむっ……ん」 梓「はっ……あ、せんぱ……唯先輩っ……」 舌を絡め、身を捩りながら、唯は掻き毟るように梓の髪を撫で、梓は引っ掻くように唯の身体を触った。 少しでも身体がひっつくように、太股をこすりつけ、腕を絡めた。 梓はリモコンのスイッチを押し、コンポの電源を切った。 梓の右手からするりとリモコンは滑り落ち、理性の鎖から解き放たれたその手が、唯の身体に回される。 歌声はぷっつりと途切れ、二人が互いの名を囁く声と唇の触れ合う音だけが、セミの合唱の中、蒸した部屋に響く。 歌うための唯の声と、ギターを弾くための梓の指は、もはやその目的を失い、論理のない行為のためだけに存在していた。 あずにゃんに溶けたい。 唯先輩とひとつになりたい。 そう願ってもなお、二つの鼓動は交わらない。 聞こえる。 重なった身体から鼓動が聞こえる。 まだ聞こえる。 心臓が、身体が、私たちが二つである事がもどかしい。 私達は本当はひとつなのに、ずっと分けられて生きている。 だからこんなに惹かれ合う。 だからこんなに求め合う。 どれだけ唇を貪っても埋まらない隙間に耐えかね、唯は梓のノースリーブシャツの中に手を滑らせると、下腹部を撫でた。 梓「あっ……」 戸惑い混じりの嬌声を梓が漏らした。 唯はそれに気づいたが、意志の確認をする理性は残っていなかった。 梓が発する匂い。 シャンプーとか吐息とか、そういうものとは別の……梓自身から香る、甘くすえた匂いが、夏を照らす太陽のように唯を眩ませた。 唯 「はぁ……はぁっ……ん……ふ……」 めちゃくちゃに梓の舌を舐めまわしながら、唯は梓の胸を触った。 梓「あっ、あ……ん」 蕾の様に微かに膨らんだ乳房、その先端を摘むと、梓の身体が仰け反った。 梓「あっ、あ……」 濁り、遠のく梓の意識に反比例して、感覚は研ぎ澄まされていく。 梓「んっ……あっ……うあっ……んっ……んん」 唯の鼓膜を震わせる梓の声は、唯の脳髄に届き、針を突き刺すように響いた。 それは唯にほんの少しの恐怖と、際限のない喜びを与えた。 その声は、梓自身も刺激した。 唯の指先から伝わる体温が、未知の梓を引き出した。 梓は唯の太股をすっと撫で、唯の腰に巻かれたベルトに手をかけた。 唯「あずにゃん……」 唯は泣きそうになるのをやっとの思いで堪えた。 梓がここまで踏み込んでまで自分を求めている事が、この上なく嬉しかった。 唇を離し、互いの顔をじっと見詰めあう。 カチャカチャという金属の擦れる音がして、ベルトは外された。 梓「唯先輩……」 梓はデニムの中に手を滑らせると、唯の下着の上から恥部をなぞった。 唯「んっ!あ、あっ!ま、待って……」 構わず、梓は触り続ける。 唯 「やっ、だっ……め……!あっ、あっ、あ……ああ……ん……!」 弱々しく顔をしかめ、唯は喘いだ。 梓「はぁ……はぁ……唯先輩、可愛い……」 息を荒げながら、梓は唯の下着の中に指を入れた。 唯の湿りが、梓の指先に触れた。 そこから伝わる原始的な熱が、梓の情欲を更に加速させる。 子供のように柔らかく、母親のように温かい。 その感触は、唯の存在そのものを、弁舌な詩人のそれよりも遥かに正確に梓に伝えた。 唯「あっあっ……やだっ、は……あ……うぁっ……ああっ!」 梓の上に乗る唯の身体が、大きく脈打った。 唯の喘ぎが、天使と悪魔の紙一重、その丁度真ん中で揺れる。 聞いた事のない声。 見た事のない顔。 私の知らない唯先輩。 可愛い。 唯先輩、もっと可愛くなって。 私の指で、もっともっと可愛くなって。 唯「あっあっああっ!うあ…………あっ……!ひっ……いい…っ」 汗ばんだ唯の頬に、栗色の髪が張りつく。 唯は梓の唇に、自分の唇をあてがった。 そこにかつての迷いはもうなかった。 なおも唯は喘ぎ続け、唇から直接伝わる嬌声は、梓の本能をさらに刺激した。 未発達な身体からフェロモンは搾り出され、四方に広がる。 蒸した部屋は、汗と欲にまみれた二人の熱でいっそう温度を増し、蝉の合唱も打ち消すような嬌声が響き渡った。 梓の指に弄ばれる唯の恥部からは、卵を混ぜるような卑猥な音が鳴り続ける。 身体を貫く、閃光のような快感で霞む意識の中、唯は梓を求めた。 唯は梓のショートパンツの中に手を入れ、優しさを余す事なく伝えた。 梓「んっ……ん……あ……はあぁっ……」 それから唯と梓は、愛情を存在ごとぶつけあうように、激しく手を動かし、お互いを確かめ合った。 世界を吹き飛ばす快楽の中、衝突し合う二人の存在は潰れ、溶け合い、人の容を捨ててひとつになっていく。 より強く舌を絡め、嵐のように手を動かし続ける唯と梓は、二人の鼓動の鳴るリズムが重なった事に気づいた。 行為を通して、唯と梓はついにひとつの心臓を共有したのだ。 梓「あ、ああっ……唯先輩…… 唯先輩……っ!」 唯「あっ、うあ……ふあぁ……あ、あ……もっ……もっとぉ……!」 至上の幸福に包まれた二人は、より高次へと昇っていく。 最後の快感が、二人を真っ白に塗りつぶた。 唯「は…ぁ……はぁ……」 梓「はっ……はっぁ……」 力の抜けた二つの身体が不規則に震えた。 部屋は、撒き散らされた女の匂いで充満していた。 唯「えへへ……」 唯は梓の下着から手を抜き、指先についた粘液を舐めた。 しょっぱい。 苦い。 でも、とっても甘い。 これがあずにゃんの味……。 梓の味は、摘んだばかりの青い苺のように瑞々しく、唯の口の中に広がった。 梓「はぁ……はぁ……唯、せん……ぱい……」 のしかかる唯の身体の重みを感じながら、梓は無意識に唯の名を呼んだ。 梓は少しずつ言葉を取り戻していったが、不埒に揺れる焦点は合わない。 それでも梓は唯の顔を見つめる。 唯も慈愛に満ちた眼差しを梓に送る。 呼吸が整い、身体の熱が逃げると、鼓動はまた二つに分かれた。 別々の身体に宿りなおした二人の意識。 それでもなお、共通の時間が彷徨う。 梓は唯の鼓動に耳を澄ませながら、床に転がるリモコンに手を伸ばした。 私達は、これからも別々なまま。 だから、これからも求め合い、今の行為を繰り返す。 飽きる事なく貪り、心と身体を開拓していく。 唯は向日葵の綿にそうするように、静かに梓の首に唇を当て、剥けた皮を舐めとった。 唯「気持ち悪い?」 梓は目を閉じ、リモコンのボタンを押した。 梓「気持ち悪くないです……」 唯は満足気な笑みを見せるとスピーカーから流れる音楽に耳を傾けた。 唯は梓から唇を離し、呟いた。 唯「あ……私、この歌知ってるよ……」 梓は目を開けて、唯の顔を見上げた。 唯「ストロベリーフィールズ……」 唯が囁き、あやすように歌う。 今の心持ちのまま、梓が緩慢な眠りにつけるように、唯は優しく歌う。 唯「ストロベリーフィールズフォーエバー……」 しかし、梓が唯の下着の中に入れたままの手を動かすと、歌声はまた嬌声に変わった。 唯梓編」完 参考BGM http //www.youtube.com/watch?v=8A4r2RU1u3g 戻る 律澪編
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天使の羽の白さのように ◆auiI.USnCE ――――その涙を、私も流す事ができるのだろうか。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ふぅ……こんな所でしょうか」 日が落ち始めた時間に、ベナウィは広い病院のロビーにて腰を落ち着かせていた。 六階建てにも及ぶこの病院は二人で探索するには、大分時間がかかってしまった。 誰か自分達以外にも訪れてる人が居る事を少しは期待をしていたのが、その期待も外れてしまっている。 思わず溜息が出てしまうが、ベナウィにとって収穫は無い訳ではなかった。 一つ目は此処まで発展した医療施設がこの島にある事。 二つ目はトゥスクルには存在しないような道具を沢山見つけられた事。 そして、三つ目は…… 「あ、あの………………ベナウィさん」 くいくいっと着物の裾を引っ張る短い間に慣れた感触。 聞き取るのも大変な程の小さな声。 振り返って確認するまでもない陰日向のような少女、長谷部彩だった。 3つ目の収穫と言えば、この同行する少女が少しぐらい自分に慣れた事ぐらいだろうか。 「ああ、纏め終わりましたか」 頼りげ無さそうに微笑む彩の手に、一つの手提げ袋がある。 其処には絆創膏や消毒液、包帯などなどの救急セットが入っていた。 ベナウィの知識では解らないので、彩に纏めて貰ったのだ。 ベナウィは彩が集め終わった医療具を一度確認し、 「なら、行きましょ……」 出発を促そうとし、彩の表情を見て言葉を止める。 ひたいには汗が浮かんでいて、疲労の色が残っていた。 よくよく考えれば、一階から六階まで休憩無しに一通り歩いて回ったのだ。 軍人であるベナウィなら兎も角、彩はただの少女でしかない。 付け加えるなら運動とか普段する事が無さそう雰囲気すらだしている。 疲れるのも当然かもしれない。 気が回らなかったと思いながら、 「いえ、一度ここで休みましょうか」 ベナウィは彩に言葉をかける。 彩は少しびくっとして、ベナウィの顔をうかがうように、 「い、いえ……大丈夫です」 ふるふると首を横に振った。 彩にしてみれば、無理に言わせたような感じがして、何処か申し訳そうな顔をする。 ベナウィは溜息をつきながら、あえて厳しく言う。 「いえ、疲れてるのを隠される方が迷惑です。大事な時に、下手な間違いをしかねない」 「……あ……う……」 彩の表情が、どんどん青くなっていき泣きそうな顔になっていく。 そんな様子にベナウィは微笑みながら、出来るだけ優しい声色で喋る。 「だから、休みましょう? アヤも」 「…………はい」 彩はこくんと嬉しそうに笑いながら頷いて、お茶いれてきますねと小さく告げてぱたぱたと歩き出していく。 まるで小動物のようだとベナウィは思いながら、小さく微笑んだ。 やはり、あの笑顔はやすらげるものになっていると思いながら、 そして、同時に自分を縛っているという事は、あえて、隠した。 隠したかった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 両手には温かい緑茶が入った湯のみがある。 これはアヤが入れてくれたものだ。 それを私は一口のみながら、アヤの方を見る。 アヤとの距離は何故か妙に離れている。 私は長椅子(ソファーと言うそうだ)の右端に座っていたのだが、アヤはお茶を渡すと何故か左端に座った。 そして、暫く無言のまま、二人してお茶を飲んでいた。 これが、今の妙な距離感だろうか。 まあ、そうなのでしょうね。 実際、私は弱いアヤの庇護者程度しかないかもしれない。 私自身も最初見捨てようとしたのだし。 「…………………………の」 そして、これからもそうなのかもしれない。 まあそんなものでしょう。 「………………あの」 そう思って、私はお茶を啜った。 お茶のいい香りが、随分と私をやすらげてくれた。 「あの!」 「おっと……なんでしょうか?」 どうやら、アヤに呼ばれていたらしい。 全然気付かなかった。 いけない事ですね。 元々小さい声なのですから。 ちゃんと拾ってあげなければなりません。 「……あの、ベナウィさんの国の事聞きたいです」 勇気を振り絞るように尋ねられた事はとても些細な事だった。 そういえば、彼女はトゥスクルの事は知らないのでしたか。 「そうですね……」 それから、私は私が仕える国の事を話した。 ハクオロ皇の事。 彼に統治された国はとても素晴らしい国になっている事。 そして、住んでいる民達は笑顔である事。 それは、とても幸せの象徴のような事である事。 些細な事でも、私はそれを言葉にした。 私自身が国について、話す事は滅多にないのかもしれない。 だから、少し饒舌になってしまった。 けれど、アヤはとても興味深そうに聞いてくれた。 そして、少しずつアヤが此方に近づいていた。 アヤは楽しそうに笑っていた。 「……そうですか。とても素晴らしい国なんですね」 「ええ、私も国を護る為に戦っています。それが武士の私の務めなのですから」 「……戦う?」 「ええ」 そのまま、私は国が成り立った理由を話した。 一揆がおき、戦いが起きた事。 そして、自分達も戦い守るべきものの為に戦った。 それだけではない。 国を護る為に、戦わなければならなかった事。 その為に、自分自身も戦い続けた事。 それを私は誇るように、話した。 けれども。 「……………………アヤ?」 彼女は泣いていた。 彼女の頬には、一筋の涙の跡が流れていた。 何かを耐えるように。 彼女は涙を流していた。 「…………哀しいです」 「…………哀しい?」 何が哀しいのだろうか。 私は国を護る為に戦った事を話しただけなのに。 それこそ、武士の誇りだというのに。 何が哀しいと言うの………… 「沢山の人が――――死んだのですね」 ――――ああ。 この子は、ただ、純粋に。 人の死に、涙を流している。 戦って死んだ兵士。 戦火を受けて死んだ民。 沢山の人に純粋に涙を流している。 「ええ……沢山死んでしまいました」 「……そうなのですか」 そして、彼女は、目を閉じ手を組んだ。 祈りを捧げているのだろうか。 気が着けば、彼女との距離も大分近くなっている。 散っていくもの仲間達。 沢山の人の死に、私が涙を流さなくなったのは何時の頃だっただろうか。 それすらも忘れてしまった。 あまりにも、当然のように、沢山の命が散っていく。 私は、いつの間にか涙を流す事を、忘れてしまったのだろうか。 ふと、思ってしまう。 私は家族のように過ごした仲間達。 彼らの死に泣けるのだろうか。 答えは見つかるわけがなかった。 そして、彼女は、アヤは。 とても、平和な国で育ったのだろう。 人の死がとても、とても遠い信じられないような国に。 けれど、それだけではなく。 彼女の心はとても、純粋で白いのだろう。 誰かの、誰かも解らない死に涙を流して、哀しむことが出来る。 それが同情というものでも。 純粋すぎるその想いは、とても輝いて、貴重に思える。 眩しいぐらいの、白さだった。 「ベナウィさん……」 いつの間にか、目を開けて、私の手に自分の手を重ねている。 その手の温かさがとても、心にささっている。 「ベナウィさんも……殺したのですか?」 「………………ええ」 私は静かに頷いた。 頷くしかなかった。 彼女は笑いもせず、けれども哀しみもせず、私だけを見て 「それは…………」 何か言葉を言おうとして、そこで途切れた。 何を伝えたかったのだろうか。 哀しいと伝えたかったのだろうか。 私には解る訳など無かった。 私が誰かを殺す事に何も感じなくなったのは何時だろうか? 涙を流さなくなったのは何時だろう。 哀しまなくなったのは、苦しまなくなったのは何時だろう。 もう、思い出すことができない。 それぐらい、殺すという事が、身近であった。 だから、私は救われないだろう。 でもそれが、忠義なのだから。 それが、武士なのだから。 私は、彼女の瞳を見た。 何処までも、澄んだ、儚く優しい、瞳だった。 それが、救いを与える目にも、苦しみを与える目にも、見えた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ベナウィさんの顔が、とても近く感じた。 沢山の人を殺したといったベナウィさんの顔が、何故かとても切なく感じられた。 私には、人を殺した事なんか勿論無い。 だから、その苦しみや哀しみなんて、解らない。 けれど、私は彼がとても、弱く感じられてしまう。 何故だか、解らない。 けれども、そう思えて仕方がない。 人の死は、哀しい。 それは、あの日、父を失ったあの時から、変わらない。 苦しくて、切なくて、心が壊れそうになってしまう。 涙が溢れて仕方ない。 きっと、もしこの島で亡くなった人現れてしまうのなら……私は泣いてしまうだろう。 知らない人でも、泣いてしまうかもしれない。 知ってる人達……和樹さん達ならきっと尚更だろう。 涙が止まらなくなってしまうかもしれない。 彼は、もう、涙を流さないだろうか? 人の死に。 殺した事に。 そう思ったら、何故かとても、哀しく感じた。 ……ベナウィさんの瞳を見て思う。 彼は、貴方を必要としている人が此処にいると言った。 だから、私、思うんです。 そんな哀しい瞳をした貴方を。 私なりの方法で。 私は…… ――――貴方を護る事が出来ますか? ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ それから、私達は黙っていた。 アヤは私の隣で、静かにしていた。 これ以上、語る言葉など思いつかなかった。 私は、何か良く解らない想いが巡っている。 アヤの瞳が心に残っている。 とても、白くて、純粋な心が、その瞳が私を射抜いていた。 私は、何故、こんなに迷っているのだろう。 今更ではないか。 とっくの昔に心は決めている。 そして、骨の髄からもう、武士なのだ。 武士として生きる、それが、私の矜持。 なのに、どうしてあの瞳は私を射抜く。 あの微笑が、私を苦しめる。 私は、救われていいわけ………… 「…………ふう、何か考えているのでしょうね、私は」 そこで、変な方向に行こうとした私の思考を打ち切る。 考えては仕方ない事だ。 そう、仕方が無い事だ。 アヤ、貴方は、何を考えてその瞳を向けたのだろう? 私には解らない。 だから、 「アヤ……」 彼女に聞こうとして、気付く。 「すぅ……すぅ……」 アヤは私の肩にもたれかかる様に眠っていた。 道理で静かな訳だった。 緊張感があったのだろう。 疲れがまとめて来たのかも知れない。 私はふぅと溜息をついて外を見る。 もう、日が完全に落ちている。 そろそろ、放送が行われる時間だろう。 だから、その時間までこのまま、眠らせておこうと思った。 私は、そう思って、もう一度、彼女の横顔を見る。 ――――哀しいです。 彼女の純粋すぎる白い心が発した、あの言葉。 それが、何故か、頭の中で反芻を繰り返していた。 【時間:一日目 午後5時50分ごろ】 【場所:E-1 病院】 ベナウィ 【持ち物:フランベルジェ、水・食料一日分】 【状況:健康 彩と共に行動】 長谷部彩 【持ち物:藤巻のドス、救急セット、水・食料一日分】 【状況:健康、ベナウィと共に行動】 108 何故か、夕日が眩しいと感じたのだ。 時系列順 099 光か、闇か 084 隣人は静かに笑う 投下順 086 I know it 077 侍大将は儚き少女の為に ベナウィ 135 泣けない貴方の為に、私が出来る事 長谷部彩
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はぐるまのように【登録タグ は ナノリータP 曲 桃音モモ 轟栄一 雪歌ユフ】 作詞:ナノリータP 作曲:ナノリータP 唄:雪歌ユフ コーラス:桃音モモ、轟栄一 曲紹介 ○○のためにクルクル 歌詞 見慣れた街並み 見慣れた人並み 気がつけばそんな風に思ってた イカれた街並み イカれた人並み 最初の頃はそう思ってた 早く 早く 早く 急かされるように 回る 回る 回る 目まぐるしく 歯車のように 龍馬のように革命を 起こせたら…って指くわえる でもおりこうさんのフリをして 多数派に身を任すんだ 歯車のように 言いたい事なら いくらでもあるよ 話す場所は一つも無いけど 黙って 黙って 黙って 働けばいい 回って 回って 回って 歯車のように こんな退屈な暮らしの 中にでも喜びが そんな小さな幸せを 守るためにも回るんだ (どんな どんな どんな) 形してたって (どんな どんな どんな) 役割だって (そうさ そうさ そうさ) 無くちゃいけない歯車だから ○○のためにクルクル 龍馬のように革命を 起こせたら…って指くわえる でもおりこうさんのフリをして 多数派に身を任す こんな退屈な暮らしの 中にでも喜びが そんな小さな幸せを 守るためにも回るんだ 今日も回るんだ 身を任すんだ 悪くもないな コメント 名前 コメント
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俺は椅子に座りながら、白んできた窓の外を眺める。 8月はじめの太陽が大地を照らし始めていた。 俺はくぁっと欠伸をする。徹夜明けの頭が新鮮な空気を求めているらしい。 「ふ……ふははは」 不敵な笑いを浮かべて、俺は椅子から立ち上がる。 徹夜で応用数学の教科書の内容を完璧に理解した俺は、近くにあった問題集を手にとってぱら ぱらと捲る。 どうやら簡単に解けるようで、俺は再び不敵な笑みを浮かべる。 「見ててくれ……母上!」と俺は楽しそうに言う。 俺は履きなれたスニーカーに足を通してタンと軽快に家を飛び出していった。 俺にとって今日が最後の試験だった。 徹夜で覚えた応用数学。せめてこれだけはとらねば、と俺は思う。 と言うのも俺は、この学期の単位をすべて落としていた。 ただひとつ、今日の応用数学を除いて。 ふらりふらりと一時間ほどバスに揺られて、俺は俺の家からとにかく遠い大学へ向かう。 やっと到着したバスを降りてしばらくアスファルトを歩き、だだっぴろいキャンパスを 歩いて俺の属する工学部へ。 さあ、戦ってやろうじゃないのさ! と俺は気合を入れている。 俺は試験会場のM151教室に着く。ふぅ、と一息入れ、俺は思い切りドアを開けた。 ――が、扉を開けた向こうに、俺は人を見つけることができないようだった。 しばらく俺の思考が停止する。 俺の顔が疑問マークで埋め尽くされる。 何ゆえ人がいないのかと、俺の頭がぐちゃぐちゃになっていった。 俺は試験予定表を取り出す。 『応用数学 M151教室』俺の目の前にその教室がある。 俺は腕時計に視線を落とす。試験開始15分前のようだ。 俺は歩き出すと、工学部玄関にある掲示板を見に行った。 どうやら変更があったようで、俺はそれを見るとひざから崩れ落ちた。 応用数学 試験会場:M151 試験日程変更:7/31 9 00~(90分) 気がつくとタバコをくわえて、俺はゲーセンでスティックを握っていた。 俺は死んだゾンビの目をしている。いや、ゾンビはもう死んでいるか。 俺は今学期全単位を落とすことに成功したようだった。 俺にとって人生何度目の絶望だろうか。 さてどうするんだろうな、俺は。 俺の咥えていたタバコの灰がポロリと手の甲に落ちた。 熱かったようで、手が思わず脊髄反射して灰を床に落としていた。 ――――内側の俺、過去を語る。 昔から勉強が得意だった。 塾にも通い、学校では頭のいい人3本指に入っていた。 模擬試験を受けると必ず上位に食い込んだ。 優秀賞だかなんだかで高そうな万年筆をもらったこともある。 俺の机に今も飾ってあるのさ。 母さん父さん従兄弟に再従兄弟、爺ちゃん婆ちゃん近所の人たち、ガッコの先生、塾の人、 みんなが俺の頭の良さを褒め称えていた。頭がいいね、将来はH大かい? とね。(暇な人は この段落初めの行をラップ調で読んでみよう) 中学を卒業し、頭のいい高校に入った。 当たり前のごとく、周りの連中はみな頭がよかった。 俺はそこで初めて劣等感を抱いた。 俺の通っていた中学校のなんとレベルの低かったことか。 井の中の蛙という言葉を生まれて始めて自分に適用させたな。 その劣等感をバネにすることができるやつもいれば、漬物石にして自分を押しつぶす 奴もいる。俺は後者だった。 その高校の授業で難しい問題がでると、俺が解く前に他の頭のよい奴がすらすらと答え ていた。俺は劣等感に苛まれない様、授業中はほとんど寝たふりをしていた。 高校に入ってから成績ががた落ちになっていく俺を見て、両親はかなり落ち込んだよう だった。生まれてから一度も言われたことのない「勉強しろ」を言われた。頭にきた。自 分たちもできない微分積分を俺にやれと言うのか。バブルの時代でらくらく就職できたお 前らが、この不況に生まれて生存競争にかけられる俺に何を言うのか。高校でたら就職で きたお前らが俺に勉強して大学にいけって言うのか? 親を殺したいと、本気で思った。 やがて、どんなに刺激を与えられても俺は反応しなくなってきた。 常に世界を半開きの濁った目で見て、ああ、なんてくだらない世界なんだろうと思った。 勝手に期待されて、勝手に落胆される人間の気持ちが分かるか? 俺はその感情をなんていうか知っている。 絶望。 さてその絶望を感じた人間はどうなるだろうか。 落ち込んでニートに大変身か? いや違うんだな。 世界をフィルター越しに見るようになるんだ。 世界をフィルター越しに見るとはつまり……上手く説明できるか分からないが、そうだな、 まず自分が外側と内側に分かれる。 んで外側がいかに傷つこうが、内側の自分は安全だから傷つかない。 外側は人間性を否定されるひどい言葉を言われて傷つくが、内側には被害が届かない。 外側が手首を切ってしまっても、内側の自分の手首は切れない。 そして、内側の自分は、外側の自分を通して世界を見るようになる。 結果、あらゆることに無感動になる。 自分が生で体験してないからな。 こういう風に現実と折り合いを付けていかないと、生きていけなくなってしまったんだ。 彼はね。 (※) ああ、ここで注意だ。 『内側の自分は、外側の自分を通して世界を見るようになる』と言ったな。 つまりだ。 「俺」を「彼」に読み替えながらもう一度読み返すと、なんだか変に見えていた文章も よく理解できるようになるらしいぜ。 ―――― 二回ぐらい死んだ魚の目をしながら俺はゲーム筐体のディスプレイを眺めている。 ゲームの中のキャラは俺の手に従ってきびきびと動いた。 俺はタバコを吸い終わり席を立ち上がると、ゲーセンを出てしばらく歩いた。 気がつくと、どこを歩いているのか分からなかった。 まったく知らない町並みで、誰も人がいなく、時間が止まったように静かだった。 そこに自分がいた。 まったく同じ服を着て、まったく同じ顔をして、まったく同じ目をしていた。 俺(これは内側の"俺"である)は俺越しにそいつを見ていても、かなり衝撃をうけた。 しかし俺はまったく驚いてはいなかった。 「絶望のたびに俺が増える」 と三人目の俺は言う。 「そして絶望のたびに入れ替わる」 と付け足す。 「入れ替わる?」 「そう、入れ替わる。新しい俺は少し時間を戻してやり直す。俺がこれ以上増えないように」 「俺をどうするんだ?」 「外側を入れ替える。内側のお前はそのまま」 「時間は戻るのか?」 「戻る」 「記憶は?」 「内側のお前のものは消去。すべての記憶は外側が保有している。内側のお前はただぼんやりと 外側の発する警告を受信し、行動を改める。ただ、完全によくすることはできない。今回の場合、 単位すべてを取り戻すことはできず、応用数学の試験に受かることぐらいしかできない」 スベテノキオクハ ソトガワガ ホユウ シテイル。 内側の俺がダメージを受けていた。 内側が絶対だと思っていた。 「いつの間にか内側は外側にのっとられていたのか」 「乗っ取ってはいない。外側が勝っているだけ」 「内側の俺が外側の俺を知ることはできるのか?」 「できない。意識が肉体と会話できないように」 「そうか」 またあれだ。 井の中の蛙。 俺のすべては外側にあったのか。 なんだよ、外側なんてただのフィルターだと思っていたのに。 「なぁ」"俺"は三人目に聞いてみる。「本当の俺はどっちなんだ?」 「答えはない」三人目は答える。「初めて俺が絶望した瞬間、俺は外と内二つに分かれた。林檎を二つ に切り分けても両方が林檎であるように、両方が本当の自分。ただ、内側は外側より劣っているだけ」 ウチガワハ ソトガワヨリ オトッテイル。 ああ、またこの感じだ。 内側の俺がダメージを受けている。 「外側の交換には内側を取り出す必要がある」三人目はナイフを内ポケットから取り出す。 「そのためには内側を痛めつける必要があった。そして自分に負けると言う圧倒的な敗北感 より生まれる……自滅願望」 「殺してくれ」 「わかった」 三人目の俺は俺の胸にナイフを突き立てた。 ――――外側の俺 俺は椅子に座りながら、白んできた窓の外を眺める。 7月最後の太陽が大地を照らし始めていた。 俺はくぁっと欠伸をする。徹夜明けの頭が新鮮な空気を求めているらしい。 「ふ……ふははは」 不敵な笑いを浮かべて、俺は椅子から立ち上がる。 徹夜で応用数学の教科書の内容を完璧に理解した俺は、近くにあった問題集を手にとってぱら ぱらと捲ってみた。 どうやら簡単に解けるようで、俺は非常に気分がよくなった。 「見ててくれ……母上!」 俺は履きなれたスニーカーに足を通してタンと軽快に家を飛び出していった。 『自分フィルター/妄想男』完