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2 俺は十五歳の時に軍隊に入隊し、その二年後、十七歳の時に軍隊隊長に任命された。 日々剣技や馬術、格闘などの 武芸十八般の特訓に明け暮れ、磨きをかけ、そして未成年にも関わらずこの地位まで上り詰めた。 異例とも言える早過ぎる昇進。 周りの奴等には『猟犬』だの『狼』だのと呼ばれ、そして畏怖された。 敵のものとも味方のものともつかない屍の山を築き、踏み越えて戦場を駆け抜け、剣を振るい、敵の心臓を貫き、首を撥ねた。 俺の剣技の前には、鋼の鎧などほとんど無意味だった。 敵国の奴等には“血濡れの猟犬(ブラッディー・ハウンド)”だの“野獣(フォーヴ)”だのと呼ばれ、そして畏怖された。 恐れる物など何も無かった。 生に執着する人間の、死ぬ間際の恨みを孕んだ目。耳障りなほどに響く、人々の悲鳴や、哀叫。人を断つ感触。大量に吹き出て来る真っ赤な血液。 自分の死でさえ、俺は恐れてはいなかった。 すべてを投げ捨てて、俺は戦っていた。 ある日、俺は国王に呼ばれて城へと向かった。 「隊長に任命されたらしいな、ファド・ギルト。 ――いや、今は“狼”と呼ばれているのだったか。確かに、お前の放つ空気は腹を空かせた狼のそれとよく似ている」 少し冗談交じりに言う王の前で、俺は方膝を付いて頭を下げる。 「……それで父上、本日はどのようなご用件で?」 「父と呼ぶな。誰が聞いているとも分からんのだから。…全く、一体何の為にお前等母子に『ギルト』の姓を背負わせたと思っている」 「…ギルト。…罪(ギルト)、ね。母さんも良く言っていたよ、アンタに国から追放されて得た物は金と罪の名前くらいだとね」 半ば呟きのように言って、俺は王を見上げた。これでもかというほどの金や銀、宝石の散りばめられた趣味の悪い豪奢な部屋。国民から掻き集めた血税の完成品だ。忌々しくて息が詰まる。 「確かに使用人に生ませたあんたの子だとバレたら大事だよな。だが俺は誰にバレても構やしない。お前の都合なんて知ったこっちゃない。それで、用件は?俺は早く帰って馬の世話をしてやらなければならないのだがな」 …ファド・ギルト。 運命の罪か、それとも罪の運命か。 自身に対する戒めか、それとも俺達母子に対する戒めか。 この男は自ら手を出した女に『罪』という姓と金を与えて国から追放した。 俺は立ち上がり、王を睨みつける。 …全く、見ているだけで殺意が湧いてくる奴なんてコイツだけだ。こんな奴が国を担っているのかと思うと反吐が出る。実に不快だ。不愉快極まりない。この男の息子として生を受けてきたことだけが、俺の人生で最大の過ちだ。 「最近エレイジアとの戦が終わり、国もある程度落ち着いてはきたんだが、今度は西のグノースの動きが不穏だ。それで、娘の護衛を頼みたくてな」 「娘?……あぁ、例のマリア王女様か。見たことはないが、なかなか美しい娘だそうだな。良いのか?俺などに任せてしまって。ともすればあんたへの腹いせに押し倒してしまうかもしれんぞ? 俺はもともと、産まれた時から人の道から外れているんだ。今更、何も躊躇う必要など無いからな」 俺はくつくつと低く笑い、王を見上げた。 …金鍍金でもされたような趣味の悪い髪と瞳。俺と同じ、鮮やか過ぎる金色。 最悪だ。 「…下衆が。口を慎め」 王は苦々しいと言うように俺を見下ろした。…いや、見下した、という方が正確だろう。卑しいものを見るように、王は一段高くなった玉座から俺を見下す。 「ははっ、これはこれは随分と口の悪い。それで、どうなさるんです国王サマ?」 「なんてことはない。そうなったらお前を始末するだけだ。命が惜しかったら止めておくんだな。 ――詳細はこれにまとめてある。来週までに返事をよこせ」 「はいはい」 別に惜しむほどの命など持ち合わせてはいないけれど、と内心舌を出しながらやる気のない返事を返し、床に放られた封書を拾い上げる。 「それでは、失礼致します」 心中で早く死んじまえと毒づきながらも折り目正しく頭を下げ、退室した。 正直、引き受けるつもりはない。 人を殺せない仕事など退屈だ。 俺は堂々と殺しが出来るから軍人になることを決めたのだから。殺しは、俺を心地よく酔わせる。麻薬にも似た快楽だ。 人を殺せない人生など、きっと退屈だ。 …だが。 ――案外、面白いかもしれない。 聞いたところによると、その姫君はまるで百合のように白く美しく、そして清らかな娘なのだという。 馬鹿馬鹿しい。 そういう奴ほど手におえないのに、何を言っているんだか。 百合。 確かに美しい花だ。それは認めよう。 大きな花びらが広がり、茎がすらりと伸びたその様は確かに華やかで美しい。花言葉も清純だの潔白だのとそれらしい意味合いのものが付いている。 しかし、百合ほど皮肉な花はない。 白は清らかな色だ。だが同時に、白は何よりも染まり易い色でもある。 百合の花粉は強く香り、花びらや服につけば、それは得てして取れ難い。そしてその香りはむせ返るほどに甘く、どこか官能的ですらある。 それはつまり、何かに溺れたときそこから抜け出せなくなるってことだろうが。 いくら白く清らかで純粋でと言っても、所詮は世間知らずのお姫様だ。口説き文句の一つ二つで簡単に落ちるだろう。 精々遊んでやろうじゃないか、腹違いの我が妹よ。 …はっ、お笑いだ。 兄妹で、揃って道から外れるのだ。 くつり、と俺は笑った。 あのクソ親父の慌てふためく様を見るのもまた一興。 引き受けてやろうクソ親父。 少し、本気を出してやるよ。 ・ …引き受けなければ良かった。 今になって、心底そう思う。 引き受けると返事をした次の晩、俺はこっそりと城内に忍び込んだ。憎き国王の一人娘、腹違いの妹、麗しのマリア王女サマとやらのご尊顔を拝むためだ。 もちろん、その姫君には気付かれない様に、だ。 月の明るい夜。 その人を見て、俺は息を飲んでいた。 月が煌煌と差し込む城の一室。そこに、彼女はいた。 まるで夜の闇のような色合いの真っ直ぐな髪。 凛とした、端正な顔立ち。 磨き上げた琥珀を填め込んだような、鮮やかな金の瞳。 触れれば壊れてしまいそうなほどほっそりとした体つきに、白い肌。 月を見上げるその表情はただひたすらに楽しげで、わずかにやつれたような感じが彼女から幼さを消し、病的な美しさをかもし出していた。 それが二つ年下の、俺の妹の姿だった。 ――まさか。 俺は頭を抱えた。 ――まさか、本当に守ってやりたくなるとは…。 思ってもみなかった。 恋愛など、暇を持て余しているような浮ついた奴がするものだと、今までずっとそう思っていたのだ。恋愛など、暇人がやっていれば良いのだと。自分には関係の無い、縁の無いことだと思っていた。 それなのに、俺は見入っていた。 腹違いであるとはいえ、自分の妹に。 実際、自分の考えがこうも容易く揺らぎ、呆気なく覆ってしまうような物だとは思ってもみなかった。 『守ってやりたい』 この思いは、兄としてのそれではない。 一人の男としての思いだった。 …どうかしてる。 俺は一つ溜め息を吐く。 …まさか俺が色恋沙汰で悩むことになろうとは…。 …百合は、もしかしたら俺の方だったのかもしれない。 決して白くは無い。 けれど、何かに溺れたとき真っ先に沈んでいき、そこから抜け出せなくなるのは俺の方だったのかもしれない。 …きっと、今までそういうものが無かっただけなのだ。 そして、現れた。 決してそういう対象として見ては行けない人物が。 …本当に、どうかしてる。 これこそお笑いだ。 俺の妹、マリア。 頼むから、お前は百合のように、俺のようにはなってくれるな。 …出来ることなら、お前には気高く美しい棘を持つ者になって欲しい。 …そう。 汚れ無き純白の花びらと自身を守る棘を持つ、フィオナのような気高い女性になって欲しい。 その願いを込め、俺はマリアに純白の薔薇の花を渡した。 『フィオナ』という名前の、気高く清らかな花。 どうか願わくは、百合ではなくフィオナのような女性に…。 『私のフィオナ』 そう言い残し、私はマリアの前から姿を消した。そしてそのとき以来、常に彼女の側に控え、姿無き守護者となった。 姿を見せる事無く、彼女を守り続けた。 …そして、今に至る。 第四章思惑の行方へ
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「セラ」 涼やかな声が男を呼んだ。共に旅をする少女のものだ。 月神セリューンに由来するのだという、セレネという名の少女だ。 猫屋敷――数ヶ月ぶりに顔を合わせた少女は、少しだけ大人びて一層美しくなっていた。 「呼び出して大丈夫だった? 私の都合でごめんなさい」 「構わん、リーダーはお前だ。……で、片付いたのか」 セラの視線がセレネの身体を伝い、その腕でふと止まる。見慣れない盾。 ロイとアーギルシャイアの行方だけを執拗に追うセラに悪いからと、 戦争の気配に巻き込まれ始めたセレネはセラに別行動を勧めたのだった。 だからこの二、三ヶ月程、セラはセレネがどうしていたのかは知らない。 相変わらず高評価な噂話が伝わってくる程度だった。 「うん、一応。ディンガルとロストールの戦争の話は、セラも知っているでしょう。 ……あ、これ? えーと……ロストールの騎士の証、なんだって」 「……ノーブル伯、か?」 「そう、それ。成り行き……なんだけど」 困ったように笑うセレネに少しの違和感を覚える。 無愛想な顔の眉を少し顰めたのを見咎めたように、転送機の傍に佇んでいたオルファウスが割って入った。 「いつまでも此処で立ち話も何でしょう。泊まって行きますか?」 「あ、ううん。届け物があるから、ロストールに行かなくちゃいけないの。だからすぐ発ちます」 「そうですか、気を付けていってらっしゃい」 頷くと、隣部屋のネモに挨拶をして、セレネは慌しく猫屋敷を出て行く。 その表情が嬉しそうにも辛そうにも見えるのは、セラの思い違いか――? 「セラ、セレネはキレイになったでしょ。この先大変かも」 「……?」 セレネの後を追うルルアンタの後ろ姿を眺めるレルラが、少し皮肉げに口元を歪めたような、気がした。 一週間後、ロストールに辿り着いてすぐギルドに向かい依頼を達成したセレネは、その足で貴族街へ向かった。 セラ達もまた思い思いに街で過ごし、外泊でなければ夜に滞在する宿に集合するいつもの手はずは変わらない。 夕刻、偶然大通りの酒場前で居合わせたセラを、レルラが呼び止めた。 「セレネの事が心配?」 「……何の話だ」 究極に無愛想な対応をするセラに、ベテランらしく案外食わせ者であるレルラは臆さなかった。 「セレネ、リューガの一員になっちゃったんだ。ノーブル伯っていうのは、そういう事。 ……ねぇ、セレネがキレイになった理由、解る? セラがいない間に、セレネには『お義兄さま』ができたんだよ」 「……」 「レムオン・リューガ――キレイだったよ。金髪で、セラとは対称的だったなぁ……あ、でも性格はちょっと似てるかも。 苛められて、かわいそうなセレネ。でも、セレネってマゾだよね」 声を潜めて少し面白そうに話すレルラの声は、しかし確実にセラに届いていた。 ――セレネが綺麗になった理由? 知るものか――。 そう思って無言のままリルビーの前から踵を返して去る。 酷く気分が悪かった。靄々する。気に入らない。 脳裏を掠めたのはロストールへ立つ前の、そして向かう途中の少女の顔だ。 嬉しそうで、辛そう。 ロイの事を話している時の姉シェスターの顔と重なる、それが酷く不愉快で、セラは月光の柄をきつく握り締めた。 夜、リューガ邸には泊まらず、戻って来たセレネの様子は誰が見ても無理をしている様子だった。 憔悴している事をあからさまに表に出す少女ではないが、笑うにも辛そうなのだ。 慰めたり事情を聞いたりするのに適役のルルアンタは、今日に限って夕食時になっても戻らなかった。 レルラも夜歩きに出たのか姿が見えない。 結局――今、セラとセレネは二人きりで宿のテラスに居る。 「……何か、あったのか」 柄にもない。そう思いながらも、夕刻からの苛立ちは今もセラの中に渦巻いていて、それが口を開く切欠を与えた。 金髪を風に遊ばせていたセレネが何度か目を瞬かせて、それから気まずそうに眉を下げるが、すぐに誤魔化すように笑う。 「――。……え、と。……何か……ほら、王女様のドレス見たら、何となく気後れしちゃって」 「……」 「此処の……ロストールのティアナ王女ってね、とっても綺麗なの。同性なのに、私も見惚れちゃうくらい。 すごく優しいし、でも……ちゃんと女の子、で、……だから、ほんの少しだけ憧れ――」 剣を持つとは思えない程細い、けれどしなやかな筋肉を付けた少女の腕を掴む。 驚いたように言葉を途中で止め、青緑の瞳を見開いて見上げてくるセレネを、セラはきつい程の眼光で睨んだ。 「……レムオンとかいう男に、何か言われたのか?」 「――セ、セラ……?」 セレネが息を呑む。 ――何だ、この不快感は。 ミイスで出会った時にはロイの手がかり程度にしか思っていなかった少女が、 何時の間にこんなにも自分の心を苛立たせる存在になったのだろう。 セレネの不調の原因が、間違いなくレムオンという男なのだと悟ったセラの脳裏を、夕刻のレルラの言葉が過ぎる。 あのリルビーの言葉を何処まで信用するかはともかく、セレネがレムオンに振り回されている事自体が気に食わない。 こんな事なら少女の傍を離れるのではなかった。 「苛められて萎れているのか。……フン、それとも喜んでいるのか? お前はマゾらしいからな」 「ち、違う、セラ、何言ってるの」 「その男に苛められてそんなになっているんだろう。貴族が冒険者など信用するはずがない。 都合の良い時だけ利用して、後は屑篭に放るように捨てるだけだ」 「レムオン義兄さまはそんなことしない!」 少女が叫んだ。 だが、次の瞬間には我に返ったように目を見開いて口をつぐむ。 「ご、……めん、なさい……セラ……」 「……お前がリューガにいるというのならそれでも構わん。だが、俺はロイとアーギルシャイアを追う。 お前がパーティーリーダーである以上従って来たが、そういう事ならばパーティーからは抜けさせてもらう。 ――俺にとって、お前はもう用済みだ」 「っ!! 待って、セラ! 私――私だって、兄さまを追う、だからそんな事言わないで……!」 「なら、俺に逆らうな」 セラは冷徹だが、セレネのように情をかけた相手には決して酷薄に振舞う事はない。 レムオンという男の事は知らないが、自分がセレネに頼られている事は知っていた。 剣聖の異名を取る少女であっても、セレネはまだ十代の少女にすぎない。 育った村を滅ぼされ、兄は消え、途方に暮れたところを拾ったセラに、 セレネが依存するのは無理もない話だった。 そしてセラは、それを狡猾に利用したのだ。 ――俺は、セレネを……? 馬鹿げている。そんな事があるはずがない。 何より大事なのは姉をアーギルシャイアから取り戻す事であり、断じてセレネなどではない。 ただ、妹に何かあったならロイは嘆くだろう。 そして姉のみならずロイを無事に取り戻すためにも、セレネを側に居させなければならない。 傷付いたのか瞳を潤ませて縋るように見上げてくる少女を、セラは冷淡に見下ろした。 「返事はどうした」 「…………わか、った」 観念したように呟いたセレネが項垂れる。 「セレネ、日中はお前の好きにするがいい。アーギルシャイアは自ずと追いかけるだろうからな。 だが、夜は必ず俺の側に戻れ。お前が逆らわなくなるまで、調教してやる」 一度焚きついた衝動はもう止まらなかった。 驚愕の表情を浮かべる少女の片腕を掴んだまま、口の端を歪めて笑う。 「調、教……って……」 「セレネ……お前は俺のモノだ。姉を取り戻すまで、な」 セレネの瞳が、あからさまに怯えて見開かれる。 こんな横暴は本来許されるものではない。だが、他の男の事で戸惑っているのが悪いのだ。 掴んだ腕を強引に引き寄せ、もう片方の手で少女の顎を捕らえて口づける。 その頬を涙が伝ったのを感じたが、構わずに呆けたように抵抗を忘れたセレネの口内を味わった。 温かく甘美な粘膜がセラの舌を押し包み、唾液がぴちゃと音を立てる。 セレネの心中はどれほどに荒れている事だろうか。 それを思った時、セラは今までになく闇の気配というものを身近に感じた。 セレネはそれから何度かレムオン邸に通ったが、レムオン本人には会えなかったようだ。 セラはあの夜も口づけをしただけで、それ以上の事をしたわけではなかった。 ロストール滞在中、セレネはルルアンタと同室で眠り、残った男二人が同室で眠る、ごく常識的な夜を過ごした。 それが変わったのは数日後にロストールを離れ、猫屋敷でレルラに代わりフェティを呼び出した時からだ。 その夜、エンシャントに宿を取ったセレネはルルアンタにフェティと同室で眠るようにと言った。 フェティは人間の男なんかと同室で眠れるわけがないと当然受諾し、ルルアンタも少し訝しげながらも了承した。 セレネが、セラは自分の兄の親友で保護者のようなものだし大丈夫だと、ロストールからの陰を引きずりながらも 笑った言ったからだ。 そして。 「セラ、……、やめて……」 「やめろと言われてやめるのは、愚か者か役立たずだけだ。……フン、いい眺めだな」 二人の取った部屋の中、金髪の美しい少女は束縛の糸に繋がれて、立っているのがやっとの状態だった。 しかも身につけているものと言えば、白く簡素で頼りないショーツ一枚きり。 豊かな乳房も、なめらかな腰のラインも、男を魅了する太腿も、すべてが露わにされていた。 激しい羞恥からか頬は紅潮し、瞳は今にも泣き出しそうに潤んでいる。 この姿に興奮しない男がいるのならば会ってみたいものだと――セラは己の前に晒された 淫らな芸術とも言うべき少女の姿に薄い笑みを浮かべた。 後ろ手に括られた自由のきかない少女の身体を、首輪のように巻きつけた糸の先端を引っ張って テラスへと連れ出す。 「っ……! い、嫌、セラ……!」 力の入らない身体で抗うセレネに構わず、夜風の吹き抜けるテラスの壁に、少女の背を押しつけた。 初めて触れる、その豊かな乳房。 肉感的で柔らかい質感は女に淡白であるセラですら興奮を煽られ、その頂へと誘う。 薄い桃色の乳首にむしゃぶりつくと、セレネはあられもない声を上げた。 「ぁ、あ、はあ……ぁあんっ! だめ、セラ、ああ」 「何がだ? 裸にされて縛られて、テラスで声を上げるお前が」 「ひぁ、あぁ……言わないで、セラ、あっ」 二人の姿はインビジブルの魔法で隠され、その声も姿もテラスから見える通行人には知れない。 それでも意識してしまうのが当然で、テラスの下を人の気配が通るだけで、セレネは必死に声を抑えようとしていた。 その様子がよりセラの欲望を煽る。 「剣聖だの戦女神だの言われようが……所詮牝か。何だこの臭いは」 「ぁうっ!」 乳首の下を歯でこそぐようにして刺激を与えながら、ショーツの中に無造作に手を伸ばす。 柔らかい茂みの感触と一緒に伝わったのはねっとりとした蜜と、体温よりもずっと熱い温度。 高い悲鳴と同時にぶるぶると全身を震わせて、上向いた顎に白い咽喉が晒される。 セレネが本当に拒むのならば、この事態を逃れる術は用意されている。 彼女には魔法があり、それを封じているわけではない。 にも関わらずセラの行為を受け入れている、それは少女が逃れ切れていない、何よりの証拠だった。 もっとも、呪文を使ってでも逃れようとしたのならば、それを封じるくらいの覚悟はあった。 「セ、ラ……どうして、こんな……やぁあ、……ん!」 「……」 セラは答えない。 どうしてと問われても答えが見当たらなかった、それだけだ。 抱えていた苛立ちをこの行為によって緩和する事ができると思った。 現実はどうだ。――緩和するどころか、乱れる少女を目にして益々苛立ちは募る。 それでも止めようとは思わなかった。 片方の乳房を乱暴に掴み、すっかり硬くなった突起に唾液を塗りつける。 強く吸ってやるとセレネの身体は益々熱くなってしっとりと汗ばみ、柔らかい肌を上気させた。 乳房から腰へ、下腹部へと両手を伝わせてショーツを引き下ろす。 髪と同色の淡い茂みが露わになり、室内からテラスへ向けて溢れる光に炙られ、 脚の間からショーツへと引いた銀色の糸がぬらりと光った。 「これで本気で嫌なのなら、相当な淫乱だ」 その糸を指先で掬い取ったセラが嘲笑う。 羞恥ゆえか打ち震える姿は、とても大陸一の冒険者と呼ばれるには不相応なのに、 潤ませた瞳は透明で少女が知性を失っていない事が分かる。 それを目にしたセラが苛立たしげに眉を寄せた。 そして何かを考えるように瞼を伏せる。 「先ほどの問いだが」 一度伏せた瞼を持ち上げる。 闇と同じ漆黒の瞳が、常と変わらない鋭さでセレネを見た。 「お前を愛しているからだとでも言うような、くだらない睦言が欲しいのか? お前を尊重していたのはロイの妹だから――それだけだ。その証拠を、教えてやる」 セラは、少女が何かを言うより前に蜜に濡らした指でその後孔を弄った。 恐らくは男に抱かれた経験もないだろう無垢な身体に、残酷な形で己を刻む事に決めた。 ひゅっと不自然に息が吸い込まれるのを聞いたが、気にも留めない。 硬く窄まった菊座に濡れた指の一本を押し込み、熱い中を掻き分ける。 「――! っひ……!」 その場にしゃがみ込むと片手で少女の膝裏を持ち上げて、テラスの壁に縫い止める。 ねっとりと蜜に濡れた秘所を暴き、花弁のような造りをした性器とその上にある花芯とを 押し付けた唇で吸った。 唾液を含ませた舌でその形状を辿るように嬲り、次第に硬く尖って包皮を押し上げる花芯を 舌の粘膜で押し潰し、擦り立てる。 その間も排泄孔は指で嬲り続けていた。 「や、あ! あ、ぁぁ、……セ、ラ……ぁ……!」 降り注ぐ吐息。熱を帯びた肌。恥ずかしげに堪えながらも、抑え切れない声。 それが、己の雄を刺激するのが煩わしい。 濡れた音を立てて花芯を吸い上げた瞬間、セラの顎に生温かな水流が迸った。 僅かに驚いて顔を離し、少女を見上げてみればその全身を震わせて、股間からは液体を溢れさせていた。 それが少女の絶頂なのだと気づくまで、そうはかからなかった。 床についたセラの膝元を濡らし、あえかな吐息がテラスに満ちる。 微かな尿素の臭いから、絶頂と同時に失禁したのだと知った。 「神に仕える神官であり巫女である女が、こんなに淫らだとはな」 嗤う男の息も最早荒かった。 濡れた顎を乱暴な仕草で手の甲で拭い、異物を押し出そうとする腸壁を逆行して 指を奥へ奥へと進めると、少女は声を抑える余裕もなく鳴いた。 其処に明らかな愉悦の色が含まれているのを聞くと、セラの指は一層大胆に中を攻めた。 そうしてかき回す事でセレネが快感を捉えている事は疑いようもなく、 片脚を浮かされ自由を奪われた中でもその細腰が揺れ始めている。 「はぁ、は、ぁああ……っ」 セラには、こうまでされても本気の拒絶を向けない少女の考えている事が理解できなかった。 どうして逃げないのか、それが聞けない。 これまでもセレネは無理をしてセラに付き合っているような節は見られなかった。 他人から見れば決して付き合い易い人種ではない事は自覚している。 だが、少女は凪いだ海のような穏やかさでセラと向き合ってきた。 多分、今も。 「……くっ」 独占したいと望む気持ちに蓋をして、セラは呻いた。 腰を上げると少女の身を抱き上げると、並ぶベッドの一つに少女の身をうつ伏せに投げ出させすぐに覆い被さる。 後ろ手の戒めだけを解く。 その腰を掴むと慣れきってもいない少女の肛門に、自らの剛直を突きたて奥まで埋めた。 乱暴な仕草は己が仇を討つかのようだった。 幼い頃に両親を失くしてから、姉はセラの全てだった。淑やかで頭がよく控えめで美しい、そしてはかない人だ。 その姉と目の前の少女とは重なる所など殆ど見出せない、似ているというならば外見は余程セラの方が似ている。 女である事と、そして時折見せるはかなさくらいのものだ。 そもそも姉を仇のごとく乱暴に扱う理由などない。 少女の中はぬるぬるとして熱く、死に際の獣のように不自然に蠢いた。 それが元の形を取り戻そうと急速に狭まって、セラのものを締めつける。 「――……! ……っ、ぁ……」 突きたてた直後に声にならない悲鳴を上げた少女は、寝台の上でで無様に這いつくばっていた。 裂けないのが不思議なくらいぱっくりと開いた菊座は襞を失い、薄皮一枚で繋がっているような有様だ。 構わずに奥まで押し込むと亀頭に壁が触れる。そこが直腸の一番奥なのだろう。 少女の手は白くなるほどにシーツを握り締め、震えるだけでぴくりとも動けないでいた。 「セ、ラ、……待っ」 「煩い」 ようやく搾り出したのだろう掠れた懇願の声が全てを紡ぐより先に、男は腰を突き上げた。 二人だけの結界の中、少女の悲鳴が響く。 いや、もう結界など切れてしまっているかもしれない。 それももうどうでも良かった。 「ああああぁぁッ」 少女の表情は見えない。ただ、声だけが聞こえる。都合が良かった。 姉を明確な欲情の対象などにはした事がなかったが、全てである姉と何のしがらみもない世界に行けたならば そういう事になっていたかもしれない。 そんなものはただの夢想に過ぎなかったが、目の前の少女に対してならば幾らでも手酷く振舞えた。 不規則に蠢く慣れない内壁は、想像以上の心地良さでセラの肉棒を包む。 女の痴態を見たからというそれだけの理由ではない、異常な興奮が男の身を炙っていた。 腰を何度か突き上げてやると、少女は再び失禁しシーツを汚した。 それを見咎めたセラの右手が閃き、丸く白い尻に振り下ろされる。 鋭くはないが十分な痛みの刺激にセラを飲み込む後孔がきゅっと締まった。 「……はぁ、……ぁ……っ……セラ、……怒って、るの?」 シーツにぺたりと頬をつけて身に降りかかる衝撃に耐えていた少女が、視線だけを振り返らせて問う。 こんな仕打ちを受けておいて、責める言葉ひとつ口にしない。 ――慈愛の女神にでもなりきったつもりなのか。 一方でそんな生温いものでない事はセラも分かっていた。 男の仕打ちが不当ではあっても故ない事ではないのだと、少女は理解している。 どれほどか涙を零した海色の瞳が、不自由な体勢でじっとセラを窺っていた。 そこに怒りや羞恥や苦痛はあったが、憎しみはなかった。 セラの闇は、振り払われた。 「……鳴け」 問いに答えないまま、セラはそう命じた。 セレネの腰を掴んでいた右手で打って赤い痕のついた尻をさすると、そのまま前に回して茂みを探る。 じっとりと熱を帯び濡れた中心の小さな突起をつまみ、愛撫を与えた。 クリトリスは大概の女が弱点とするが、少女はひときわ触れられると弱い。むしろ、全身がそうだった。 後孔を穿たれる痛みと鈍い快楽とは別に、鮮烈な刺激を与えられて華奢な腰を踊らせる。 「あ、ぁあっ……セラ、セラ……ぁ……」 縋るように鳴く少女の奥を何度も突いた。 最初は痛みに身を引き攣らせる事しかできなかったのが、時間が経つにつれ淫猥に蠢くようになる。 内壁はもっと顕著に変化を表して男にも少女にも快楽を生み出していた。 告げた通り、少女は淫蕩だった。 いつしか花芯を探っていた指は元の通り腰を掴んで揺さぶり、セレネも穿たれるだけで甘い声を響かせる。 前の孔からは絶えず蜜が伝い、腿を伝ってシーツを濡らした。 「も、ぅ、……セラ、……ぁ、ああッ! わた、し……ぁ、あぁああん」 「いいだろう……っ……そろそろ出す、ぞ」 「っんぁあ、あ……! やぁ、ぁあああぁぁ……ッ!」 射精の前兆を感じたと思うよりも先に、少女の中に熱いものを注ぎ込んでいた。 歯を食いしばって放出に伴う快楽を堪え、搾り取るように絡みつく腸壁に委ねる。 狭く熱く、細かな蠕動を繰り返し、肛門は輪のように締めつける――行為にこなれたどんな女よりも、 少女のそこは気持ちが良かった。 やがて全てをその中に注ぎ込むとゆっくりと性器を引き抜く。少女の腰は崩れるようにベッドに這った。 元のように窄まった菊座は、しかし真っ赤に充血していた。嬲られた証拠だ。 嵐のような衝動が射精と共に過ぎ去ってしまうと、後に残されるのはひどい気まずさだった。 謝る気など毛頭ない。それなら最初からそんな愚挙に及ばなければいいだけだ。 「吐き出せ。そのままでは腹を下す」 結局、かけられたのはそんな言葉だけだった。あんまりだ。 はぁはぁとまだ荒い呼吸を繰り返していた少女が、視線だけをそっと寄越す。 次いで、こらえきれないというように吹き出して、笑った。 「ふ、ふふ……セラ、おかしい……」 「……煩い」 多分――ひとりで空回りをしていた。 こんな仕打ちを受けて笑っていられるのだから、義兄になったという男に情を与えないはずもないのだ。 それがシェスターがロイの事を語る面影に似ていたとしても、セラに責められるいわれはない。 下肢を強張らせた少女の菊座から、黄色い汚濁交じりの精がどろりと流れ落ちる。 少女はセラよりも狡猾なのかもしれない。 この暴力を憎まない事で、口に出して怒らない事で、セラはレムオンの事でセレネに口を出す権利を失った。 少なくとも今、セラはそういう事なのだと思った。 考え過ぎかもしれない。 「……ごめんね、セラ」 何に対しての謝罪なのか。 セラは何も言わず溜息だけを漏らすと、立ち上がり布を取り出して簡単に身を清めた。 流れ出したものは拭われたが、少女の方はそこからどうにかする気力はまだないのだろう。 「もう休め。始末は俺がしておく」 「あり……がと、……」 そう言い終わりもしない内に気を失うようにして眠りに落ちた少女を見下ろす。 さらりとした金髪を梳いて、散々に嬲った華奢な身を抱き上げた。 汚れていないベッドに寝かせると身を清めてやり、夜着を着せて毛布に押し込んでやる。 全ての後始末を終えると、セラは月光を手にテラスに出た。眠る気にはなれなかった。 「無限のソウル、か……」 こんな夜を過ごす事は、多分もうない。あるとすればセレネがセラを選んだ時だけだ。 もう誤魔化す気もなかった。分かってみればなんと単純なのか。嫉妬したのだ。 後悔はないが達成感もなかった。すっきりしたとも言えない。 ただ、レルラと会話した時から感じていた靄だけは消失していた。 サイフォスとアーギルシャイアを追い、姉を取り戻すまではもう何も考えまい。 白み始めた空を見ながら、セラは月光を高く掲げた。 Fin.
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東北大SF研 アンソロジー部会 「月の光 現代中国SFアンソロジー」 ケン・リュウ 編 大森望等 訳 序論 今までは注目されていなかった中国SFは、「三体」の出版によって一気に人気を得て、今となってもはや英語圏SFに次ぐ最も注目されている海外SFと言ってもいいだろう。特に2020年には、多くの中国SF作品の和訳が出版され、大豊作の一年となっている。その中に特におすすめしたいのが「月の光 現代中国SFアンソロジー」というアンソロジーである。 本書に収録された作品の数が多く、各性別各年齢層の作者と中国SFの様々な側面やサブジャンルをカバーしている。ヒューゴー賞レベルの作品がないものの、面白くて読みやすい作品が多い。また、最後に収録された三つのエッセイでアカデミック的な視点から中国SFを知ることもできる。即ち、本書は各方面から考えると中国SFの入門書としてはちょうどいい一冊だと思う。 もちろんここに選ばれた作品はケン・リュウの好みに基づいたものであり、ベスト集というつもりでもないのが前書きに書かれている。本書は決して中国SFの全て、また中国SFの最高峰を反映しているわけではないのが注意されたい。 編者紹介 ケン・リュウ。中国系アメリカ人作家、幼年期にアメリカへ渡り、その後、英語でSF小説を創作し始めた。アジア的な背景や自分のマイノリティ・アイデンティティを生かした作品が多い。また、中国SF翻訳者としても活躍している。特に「三体」を英訳した後、世界的な中国SFブームの先頭を切り、今までほとんど紹介されていなかった中国SFを紹介し、英訳を通じて世界に広げた。日本においてもケン・リュウの英訳を介して和訳された中国SFが数多く存在している。 功績が非常に大きいとはいえ、ケン・リュウがアメリカ人であり、彼の手を介して出された翻訳、アンソロジーが主にアメリカ市場向けであることを忘れないでほしい。即ち、ケン・リュウの翻訳、アンソロジーにはどうしてもアメリカの視点が入りがち、但し今回はそれをうまく抑止したような気がする。 作品解説 「月の光」 著者 劉慈欣 本作の著者劉慈欣は「三体」の作者であり、中国SFにおいて最高峰に立つ作家として認識されている。「月の光」はそこまで優れた短編作品ではないものの、彼の特徴をよく反映し、短くて読みやすい作品ではある。 作品が発表されたのは2009年初頭、2008年の経済危機の爪痕がまだ残っている。経済危機の対策の一環として、中国政府は2008年の年末に四兆人民元の投資計画を打ち出した。計画によると、投資は主にインフラと福祉に回す予定だったが、研究とハイテク産業への投資も注目されていた。小説に頻繁に出てきた四兆元は恐らくこの投資計画のことを指している。 経済危機のことを描いていないとはいえ、主人公が経験しているさまよい、未来への不安、重大な決断による圧力などの感情はその時代の読者にとって非常に共感しやすいのではないかと思う。とある時代の読者の共通的な経験、感情を抽象化して主人公の物語に再現させるのが劉慈欣の作品における特徴の一つである。 本作には未来社会のエネルギー源について二つの仮想案が出されている。作品の長さに制限され、詳しく展開されていなかった。しかしその合理的に見えながらも狂想的なスケールと鋭いスケッチはやはり何度読んでも想像を膨らませ、感心させるような素晴らしい文字となっていると思う。火力発電所のエンジニア出身という経緯もあって、劉慈欣は工学的なSFガジェットの創作に長けている。特に地球の深くまで掘るという行為に関して、他の短編作品では中核的なガジェットとなって、より詳しく展開されている。劉慈欣はゼロ年代に活躍していた作家なので、ガジェットが古臭いと思われても致し方がない。しかし裏返すと、SF黄金時代のレトロ的なガジェットがゼロ年代で、今まで知られていなかった別の国の作家によって再び描かれることで、新たな魅力を得たのではないか。実際、中国以外において劉慈欣の作品を評価する人々にはそう思っている人は少なくないような気がする。 最後、また現実の話に戻そう。2008年の経済危機の後に実行された四兆人民元の投資計画は多くのインフラプロジェクトと企業の助けとなったが、結局投資をもらった企業はほとんどの金を不動産投資に費やした。その結果、四兆人民元計画は経済の回復とインフラの整備を多少実現したが、不動産バブルという爆弾が益々危険になる。本文の最後尾で無に戻った主人公の努力は、現実に起きた滑稽劇に対する諷刺と嘆きとなっているのではないかと思う。 更に大きな視点からみると、本文で繰り返して強調された「市場原理」、「新しいテクノロジーによる救済」などの概念とそれらの概念に基づいた努力が果たした虚しい結末が、資本主義社会における市場原理に対する狂熱的な信仰、及びテクノロジーの発展は必ずよりいい生活をもたらせるという約束が、如何に虚しいなのかを示しているのではないかと思う。 「サリンジャーと朝鮮人」 著者 韓松 ぶっちゃけに言うと、この作品は解説してはならぬヒドイ作品なのである。展開もガジェットもおちも何もかもめちゃくちゃ。そのゆえ僕が初めて読んだ時はサリンジャーについてほとんど何も知らなかったにも関わらず、大笑いにして大満足した。 作者である韓松にとって、「サリンジャーと朝鮮人」は割と変則的な作品である。国営大手メディア新華社で記者として働いている韓松は、記者っぽくてマジックリアリズム的な作品を多く書いている。グロテスク、重苦しい、理不尽などの感覚が彼のほとんどの作品を支配し、こんなド直球なユーモアが滅多に見られない。 と言っても本作はただのコメディではない。というのが、サリンジャーの人生と「ライ麦畑でつかまえて」という小説の内容や主旨について、本作は中途半端で合致している。例えばサリンジャーは1950年代(30歳くらい)以降ほとんど作品を発表しておらず、ニューハンプシャーのド田舎の山の上で小屋を建て、ご隠居さんみたいな生活を送っていた。「ライ麦畑でつかまえて」を読んだ上で本作を読み返すと、更なる楽しみが得られ、理解を深めることができるだろう。 では本作は一体何を伝いたいのだろう。韓松という作家はひねくれものであり、決して作品の主義主張を安易に見いだせてくれないのである。その故、彼の作品を読み解く際に過剰に考える必要ながなく、むしろ作品の雰囲気を真剣に感じる方こそ、作者の意図に近づくことができる。ということで、素直にテキストを受け入れれば、本作は資本主義を否定しながらも、朝鮮人が代表している社会主義は決して資本主義の代わりになれないという観点が見出せると思う。おちに「中国人」の登場とそれに関連する内容は、資本主義と社会主義の関係を暗示する寓話だと思い、そして最後の一文はこの二つの主義が否定された末にたどり着いた虚無を語っているのだと思う。もちろん他の解読も大歓迎です。柔軟かつ多様な視点から作品を解読することができるのも韓松の作品特徴の一つなのである。 「未来病史」 著者 陳鰍帆(スタンリー・チェン) 物語の体すらなっていなさそうなこの作品は、陳鰍帆の作風から大きく離れている。しかし、本作品は陳鰍帆、そして中国SFの大きな潜在力を反映していると思う。陳鰍帆は中国SF作家の中の若い世代の代表として、今までの作品はエンタメがメインだった。別にエンタメがダメというわけでもないが、そればかりやるとやはり期待できなくなる。しかし本作では陳の独特な社会観察とそれに基づいた思考がみっちり詰め込んでいる。実際、社会に対する独特な観察と、その観察を生々しい描写に生かすのが陳鰍帆の作品の最も優れたところだと思う。陳鰍帆本人もこれを意識して、リアリズム的な作家と自称している。「未来病史」の各節はあらすじみたいに、どちらも一つの作品になりそう。これだけのあらすじをかけることが、陳鰍帆の底力と蓄積が期待に値すると思う。 作品そのものに戻ろう。九つの仮想病気を通じて、陳鰍帆は自分が想像した未来社会のイメージを技術の発展や突如の異変に介して正当化、合理化させてあたかも実在したように描いた。その末に、作者であるスタンリーは自分の意図を強調し、この作品は今の人々に対する警告と祝福であることを宣言した。作者はGoogleをはじめとする大手IT会社に勤めて今でもAIによる小説創作を試みているという経緯で、多くの病気は情報技術と関連している。 関連書目 「三体」、「三体2」 著者 劉慈欣 「折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー」 編者 ケン・リュウ 「完全な真空」 著者 スタニスワフ・レム 「荒潮」 著者 陳鰍帆 その他の中国SF関連書目のまとめ: https //scrapbox.io/ryray-sf-bookguide/%E3%83%A1%E3%83%A2%EF%BC%9A%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E6%89%8B%E3%81%AB%E5%85%A5%E3%82%8B%E4%B8%AD%E5%9B%BD%EF%BC%B3%EF%BC%A6%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88
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【登録タグ いざ、倒れ逝くその時まで つ 凪ユイナ 十色奏音 少女フラクタル 曲 神月紅璃夢 雲隠レシ空、誰を想フ。】 【注意】 現在、このページはJavaScriptの利用が一時制限されています。この表示状態ではトラック情報が正しく表示されません。 この問題は、以下のいずれかが原因となっています。 ページがAMP表示となっている ウィキ内検索からページを表示している これを解決するには、こちらをクリックし、ページを通常表示にしてください。 /** General styling **/ @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight 350; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/10/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/9/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/8/NotoSansCJKjp-DemiLight.ttf) format( truetype ); } @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight bold; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/13/NotoSansCJKjp-Medium.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/12/NotoSansCJKjp-Medium.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/11/NotoSansCJKjp-Medium.ttf) format( truetype ); 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【ゲーム】赤川次郎:月の光(PS2) 【作者名】arapanman 【完成度】更新中(08/07/24~ ) 【動画数】 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/7679627 【備考】 名前 コメント
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三月精 ルナチャイルド 属性:妖精 体力5 回避3 決死判定(2) このキャラクターは『ルナチャイルド』としても扱う。 [充填フェイズ・戦闘フェイズ・起動フェイズ]常時 このキャラの体力が1以下になる場合、代わりに自分のリーダーを『ルナチャイルド』以外の自分の『三月精』ひとりに変更する。 配置されているサポートは引き継がれる。 この特殊能力を使用した場合、自分の『ルナチャイルド』はリーダーにする事ができなくなる。