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~次回予告~推奨BGM:Nobody's Perfect(instrumental)ナレーター(立木文彦)『最終回!』翔太郎『街の危機は終わる気配がねぇ…。』青年『俺達はミュージアムを継ぐ者。』若菜『この汚れた街を浄化する!』翔太郎『なぁフィリップ…、お前の力が欲しいよ…!』ナレーター『これで終わりだ!』 ※ここまでのあらすじは『仮面ライダーWの第48話』をご覧ください。 ペットショップ。翔太郎が店員に詰め寄っている。 翔太郎「兄ちゃん! しっかりこの口で言ったろうが!? レジェンドデリシャスゴールデン缶、今日は入るって!」 店員「いやいや、言ってないですよ!?」 そこへサンタちゃんが登場。 サンタ「翔ちゃん、申し訳ない!」 翔太郎「サンタちゃん、頼むよ」 サンタ「店長と呼んでよぉ! これでね、許して頂戴。」 翔太郎が代りの商品を受け取り、店を去る。 店員「誰なんですか、あの人!?」 サンタ「左 翔太郎。どんな危機でも救ってくれる、この街の顔さ……」 店から少年が顔を覗かせ、翔太郎の様子を見ている。 空を仰ぐ翔太郎。破壊された風都タワーが元通り再現され、風車が回っている。 翔太郎 (フィリップ…… お前が消えて、もう1年になるな。風都タワーもようやく再建されたぜ。でもな、俺はお前に合わせる顔がねぇよ……) そんな翔太郎の様子を、どこかで誰かが見つめている── 警察病院。若菜の病室を翔太郎が訪ねる。心を閉ざしている様子の若菜。翔太郎「よぉ、少しは元気出たかい? 心配したよ。あれからずっと眠り続けてたんだってな」若菜「……命の恩人のつもり? それとも来人(らいと)の差し金?」(フィリップ『この事は、姉さんに内緒にしておいてくれ』)翔太郎「……」 翔太郎 (街の危機は終わる気配がねぇ。なぁ、フィリップ。お前の力が欲しいよ……。『ハードボイルドじゃないね』ってまた笑われそうだが、俺には今でも、お前がすぐそばにいるような気がしてならないんだ。今でも俺の近くに……) 鳴海探偵事務所に帰って来る翔太郎。 ペットショップにいた少年が相変わらず、後をつけて来る。 翔太郎「なんだ、坊主? うちに用か?」 少年「姉さんを…… 取り戻してくれる?」 最終話 Eにさよなら/この街に正義の花束を 亜樹子「青山晶(あきら)くん、小学6年生。姉の唯さんが3日前から行方不明、警察からも連絡なし、と」 晶「僕、姉さんがいないと何もできないんです」 平然と言い放つ晶。翔太郎が口に含んでいたコーヒーを派手に吹き出す。 翔太郎「ゴホ、ゴホ! 男が胸張って言うな、そんな台詞! いいか? いかなる事態にも心揺らず、1人で耐え抜く。それが、ハードボイルドっていうんだ」 晶「それって、いい事なんですか?」 翔太郎「……なんだと?」 晶「第一、完全な人間はいないっていうじゃないですか。僕は子供で、まだ半人前だし、人に頼るのは当然ですよ」 亜樹子「うわぁ~……」 翔太郎「あぁ、もう! 耐えられん! おい亜樹子、こいつを調査に連れてくぞ!」 晶「うわぁ、何するの!? 僕は依頼人ですよ!?」 亜樹子「翔太郎くん、無茶しないでね!」 翔太郎が晶を連れたまま、いつものクイーン、エリザベス、ウォッチャマンのもとで聞き込み。 エリザベス「唯ちゃんて、嵐が丘高校でしょ? あそこの連中って、悪いグループと関ってるらしいよ。名前は確か、エグゼ」 翔太郎「エグゼ? 何だ、そりゃ?」 ウォッチャマン「E、X、EでEXE(エグゼ)。ガイアメモリを売買してる、若者のグループだよ」 クイーン「ボスはエナジーって呼ばれてるよね」 翔太郎「エナジー? メモリの名前か。よし、キーワードは揃った。嵐が丘高校、EXE。相棒に連絡だ」 エリザベス「フィリップ君!? 海外留学から帰って来たの?」 翔太郎「あ…… いけね。つい、癖で……」 とある廃施設へやって来た2人。 翔太郎「ここがEXEの溜り場か…… いかにも、って感じだな」 そこへ1人の青年が、2人を嘲笑うように現れる。 青年「ハハハ!」 翔太郎「子供のくせにメモリの取引なんかしやがって。お仕置きだぜ。」 青年「お仕置きするなら、こいつからだろ?」 別の青年が晶の姉・唯を引っぱりだし、次々に、EXEのメンバーの青年たちが現れる。 唯「晶!」 晶「姉さん!?」 翔太郎「どういう事だ!?」 青年「俺たちのメモリ売買は元々、唯が始めたことなんだ」 晶「そんなの、ウソだ!」 唯「ごめん! 本当なの、晶。一度偶然見つけたものを売ったら、すごい値段で売れて……」 晶「酷いよ、姉さん!」 青年「俺達はミュージアムを継ぐ者。偉大なカリスマもいる!」 翔太郎「カリスマ?」 青年「今は街で静かにしているあの方を迎えるため、俺達は残りのメモリをかき集めるのさ! 再起動の日は近い……!」 青年たちの1人が、ガイアメモリを手にする。 『アノマロカリス!』 翔太郎「どいてろ」 翔太郎が晶を下がらせ、ロストドライバーを装着する。 ガイアメモリを手にした青年が、アノマロカリスドーパントに変身。 翔太郎「いくぜ、フィリップ」 『ジョーカー!』 翔太郎「……いけね、また癖だ」 青年「はぁ? 何、それ?」 翔太郎「変身」 『ジョーカー!』 ロストドライバーとジョーカーメモリにより、翔太郎が全身漆黒のライダー、ジョーカーに変身する。 ジョーカー「俺は仮面ライダー……ジョーカー!」 晶「翔太郎さんが……!?」 アノマロカリス「はぁ? 仮面ライダー!?」 青年「じゃあねぇ、頼むねぇ~」 唯「晶ぁ! 晶ぁ!」 青年たちが唯を捕まえたまま、逃げてゆく。 アノマロカリスの攻撃を軽々とかわし、ジョーカーのパンチが決まる。 ジョーカー「おいおい、どうしたぁ! そんなもんかぁ!?」 パンチとキックが次々に命中し、アノマロカリスが地面に転がる。 ジョーカー「これで決まりだ」 『ジョーカー!』『マキシマムドライブ!』 ジョーカー「ライダーパンチ……!」 反撃に転じようとするアノマロカリス目がけて、ジョーカーの必殺パンチが炸裂。 変身を解除された青年が、気を失って地面に沈む。 翔太郎もジョーカーの変身を解除。 翔太郎「晶、姉さんを追うぞ」 晶「もうイヤです…… 何も知りたくない、したくない!」 翔太郎「おい、晶!?」 翔太郎「殻にこもってる場合か!?」 晶「僕は、あなたみたいに強くないんだ!」 被子に逃げ出そうとする晶。 翔太郎「いいか? 俺は強くなんかねぇ。お前と一緒だ」 晶「え……?」 翔太郎「本当は1人じゃ何もできねぇけど、無理やり1人でふんばってるだけさ」 晶「……それがハードボイルド? わかんないよ」 翔太郎「……先に事務所に戻ってろ。俺は調べることがある」 大混乱の警視庁。震え上がっている刃野と真倉。翔太朗が駆けつける。翔太郎「どうした!? おい、どうした!?」刃野「あれ! あれが……」警官たちに取り囲まれた若菜が、狂ったように笑い続けている。若菜「アッハッハッハ! アッハッハッハ!」翔太郎「若菜姫……!?」刃野「あれが、俺たちの知ってる若菜姫!? 現物を見ても、まだ信じらんねぇよ!」真倉「本当に彼女が、諸悪の根源だったんですね!若菜が手から光を放ち、警官たちを次々になぎ倒す。照井も駆けつける。照井「変身しないでも、ドーパントの力が発動している!?」駆け去っていく若菜を照井が追い、翔太郎も続く。若菜「パワーが足りない…… はぁ、はぁ……」照井「待てぇ! 園咲若菜!」若菜「お断りよ! 私は再起動し、この汚れた街を浄化する!」照井「この街は汚れてなどいない! そう思うのは、お前の心が歪んでいるからだ! 風都を危機に晒す者はこの俺が許さん!」『アクセル!』照井「変……身!!」『アクセル!』翔太郎「待ってくれ、照井!!」照井が仮面ライダーアクセルに変身するが、とっさに翔太郎が割って入る。アクセル「どけ、左! 力ずくでも彼女を止めなければ!」翔太郎「頼む! 待ってくれ、照井…… 今彼女を傷つけたら、フィリップは何のために命を投げ出したんだ!?」口を滑らせたことに、しまったという表情になる翔太郎、たちまち顔色が変わる若菜。若菜「来人が命を……!? 一体どういう事!?」翔太郎「……」若菜「ねぇ、どういうことぉ!?」翔太郎「フィリップは消えた…… 君を守るために、最後の力を振り絞って…… 地球の中へと……」若菜「……うぅわああぁぁっっ!!」絶叫とともに、若菜が光となって消え去る。 探偵事務所へと帰って来た翔太郎。 フィリップの声「問題ないよ、亜樹ちゃん。」 翔太郎「……フィリップ!? 帰ったのか!」 翔太郎が事務所の中へ飛び込む。 翔太郎「ハハッ、やっぱりなぁ! いつからだ? 俺はなぁ、ずぅっと気配を感じてたんだよ。……あれ?」 室内には亜樹子と晶のみ。フィリップの姿はない。翔太郎があちこちを捜し回る。 翔太郎「ハハッ、おい、フィリップ!」 フィリップの声「亜樹ちゃん、問題ない」「さぁ、検索を始めよう」 声のほうを見ると、フロッグポッドがフィリップの声を再生している。 亜樹子「たまたま、晶くんにフィリップ君の話をしてて、で、フロッグポッドに声が残ってたもんだから、つい……」 翔太郎「……」 亜樹子「ごめんね、翔太郎君! ほんと、ごめん! どうか、これを…… これで一発!」 スリッパを手にして必死に詫びる亜樹子。翔太郎は無言で部屋を去る。 亜樹子「怒んないの……? 『亜樹子ぉっ!!』って……」 晶「ははっ、なぁんだ。相棒がいなくなって、メソメソしてるなんてカッコ悪い。僕のこと、偉そうに言えないじゃないか」 亜樹子「……」 晶「だって、外国に行ったくらいで」 亜樹子「……あれ、嘘。本当は、この世から消えちゃったの」 晶「え……」 亜樹子「フィリップ君は、翔太郎君の大事な相棒だったの。君にとっての姉さんと同じ…… いてくれないと何もできないくらい、2人で1人だったの……」 (翔太郎『俺は強くなんかねぇ。お前と一緒だ』) 亜樹子「ずっと、痩せ我慢してるんだよ……」 晶「痩せ我慢…… それが、ハードボイルド?」 そのとき、晶の携帯にメールが届く。 『EXE・探偵には見せるな 今からすぐに俺らのアジトに来い。場所は──』 森の中。シュラウドのもとを、若菜が訪れる。シュラウド「それで、何を望むの?」若菜「再起動。そして、私なりのガイアインパクト」シュラウド「そう…… あなたの知りたい答は、地球の本棚にある」若菜「意外。あなたがこんなに素直に協力してくれるなんて」若菜の手を取るシュラウド。シュラウド「家族だもの」若菜「え……?」シュラウド「若菜…… あなたの思うようにするといいわ」草原の上に佇む、シュラウドと若菜。シュラウド「あなた…… 今、逝くわ……」シュラウドの体が、若菜の膝の上に崩れ落ちる。若菜「お母様……!?」 一方で晶はメールでの指示通り、1人でEXEのもとへ現れる。 青年「遠藤さん!」 遠藤と呼ばれた、最初に翔太郎の前に現れたあの青年が進み出る。 遠藤「ヤッホー! 約束通り、誰にも言わないで来たな? さぁ、来いよ。おいで、おいで!」 晶「僕は…… 僕は、あなたたちなんか怖くありません。姉さんを返してください!」 遠藤「ハハッ、痩せ我慢にしろ、いい度胸じゃねぇかぁ!」 唯「やめて、遠藤!」 遠藤「なら早く、メモリの場所を教えろよ! 唯! 弟が痛い目見る前に!」 晶「姉さん!?」 唯「晶…… おいで」 青年たちが無理やり、晶を唯の前に連れ出す。 唯「ごめんね、晶……」 唯が晶の鞄を裂き、中に隠されているガイアメモリを取り出す。 晶「姉さん!?」 ガイアメモリに群がる遠藤たち。 『オーシャン!』 遠藤たち「オーシャン…… レアだよな、これ! オーシャン!」「初めて見ますね!」 彼らがメモリに気を取られている隙をつき、唯が晶の手を取って逃げ出す。 唯「晶!」 遠藤たち「おい、逃げるな!」「待てぇ!」 一同が2人を追う。青年の1人がコックローチドーパントに変身し、青年たちとともに2人を取り囲む。 必死に抵抗する晶。 そこへ翔太郎がハードボイルダーで駆けつけ、コックローチを跳ね飛ばす。亜樹子も駆けつける。 晶「翔太郎さん! どうしてここが?」 亜樹子「念の為!」 靴を指す亜樹子。いつの間にか晶の靴に、スパイダーショックの発信機が貼り付けられている。 翔太郎「よぉ、晶。1人でふんばったんだな。見直したぜ」 晶「翔太郎さんも、1人でふんばってるから!」 翔太郎「行くぜ」 『ジョーカー!』 翔太郎「変・身!」 『ジョーカー!』 翔太郎が仮面ライダージョーカーに変身し、コックローチに立ち向かう。 コックローチ「仮面ライダー!?」 照井も駆けつけ、青年たちをつぎつぎになぎ倒す。 遠藤「何だ、お前!?」 照井「俺に質問するな」 その隙に、亜樹子が晶たちを救い出す。 亜樹子「大丈夫?」 ジョーカー「さぁ、お片づけだ」 『ジョーカー!』『マキシマムドライブ!』 ジョーカー「ライダーキック…… はぁぁ──っっ!!」 必殺キックが炸裂し、コックローチがあっけなく敗れ去る。 遠藤ともう1人の青年が慌ててガイアメモリを取り出すものの、あっという間に照井とジョーカーに阻止される。 ジョーカー「出番がなかったなぁ、エナジーさんよ」 ジョーカーのデコピン一発で、遠藤はあっさり気絶。 地面に転がったメモリを、ジョーカーが踏み潰す。 照井「左、後は任せろ、俺の仕事だ」 ジョーカー「任せたぜ」 晶「翔太郎さん!」 照井が遠藤らを運んでいく。 これで解決と思いきや、壊れたメモリから漏れた声は「エナジー」ではなく…… 『エッジ!』 帰途につく翔太郎たち。 唯「ありがとう、晶。あんたがあんな勇気出すなんて……」 晶「覚えたてのハードボイルド、だよ」 翔太郎「こんにゃろ! ったくぅ! 調子のいい奴め、ハハッ!」 談笑する一同の前に、1人の男が立ちふさがる。 翔太郎「なんだ、お前……? あ、ペットショップの!」 店員「偉そうに。何が街の顔だよ!」 冒頭でのペットショップ店員。その手に「E」のガイアメモリがある。 『エナジー!』 翔太郎「下がってろ!」 店員がエナジードーパントに変身。 翔太郎「逃げろ!」 とっさに一同を庇う翔太郎。 彼が背を向けた瞬間、エナジードーパントの先制攻撃の光弾が、その背に炸裂する。 晶「翔太郎さん!?」 亜樹子「翔太郎君!?」 照井「左……!?」 店員「ハハハ! ハハハハハ!」 生身でまともに攻撃を食らった翔太郎の体が、地面に沈む。呆然とする一同。 店員「誰も知らない! 俺がこの街で一番強いことを…… EXEの真のヘッドだということを! ハハハハハ!」 亜樹子「翔太郎君…… 翔太郎君! 翔太郎くぅん!!」 若菜「再起動のためのすべてを閲覧した……」目の前にそびえ立つのは、まだ破壊されたままの、再建前の風都タワー……?若菜「来人……」 攻撃を食らったはずの翔太郎が、起き上がる。 晶「翔太郎さん……!?」 その背中で、消失したはずのエクストリームメモリが光弾を受け止めていた。 翔太郎「エクストリームメモリ!? ……え!?」 驚く翔太郎の前で、エクストリームメモリから光があふれ、その中から人影が現れる。 なんと── 消滅したはずの、フィリップ。 翔太郎「フィリップ……!?」 フィリップ「フッ……」 亜樹子「フィリップ君!?」 フィリップ「やぁっ、翔太郎!」 翔太郎「……なんでだよ?」 フィリップ「1年前、若菜姉さんが僕に体をくれたんだ」 これまでの若菜のエピソードはすべて、1年前の出来事だった。若菜「来人…… これが私の決めたガイアインパクトよ!」破壊された風都タワーの前で、若菜の体が消え去り、エクストリームメモリと化す。エクストリームメモリの中の空間。消滅したはずのフィリップが目覚める。そばには若菜がいる。若菜「来人……」フィリップ「姉さん!?」若菜「来人、私の体をあなたにあげる」フィリップ「え……?」若菜「あなたの相棒の泣き顔、見てられなかったんですもの」フィリップ「……」若菜「人類の未来の為に地球を変えるのは、園咲の使命。でも一番相応しいのは私じゃない。誰よりも優しいあなたよ、来人……」フィリップ「姉さん…… でも僕、どうやって?」琉兵衛、冴子、シュラウドも現れる。冴子「答はそのうち見つかるわ。取敢えずこれからも、風都を守る風でいなさい」フィリップ「皆……!?」琉兵衛「私達は、地球に選ばれた家族だ。この星の中から、お前を見守っているよ」フィリップ「父さん…… 母さん、姉さん!」一同の元へ駆け寄ろうとするフィリップを、琉兵衛が笑顔で制止する。シュラウド「来人、来ては駄目……」冴子「さよなら、来人……」若菜「さよなら…… ありがと……」涙を浮かべる若菜。フィリップ「若菜姉さん…… 初めて貰ったポストカードと、同じ笑顔だ……」若菜「馬鹿……」泣き始める若菜を、冴子が優しく抱きとめ、そんな冴子の肩をシュラウドが抱く。琉兵衛が笑顔で頷いた後、一同が宙へと消えていく。涙を拭うフィリップ。フィリップ「ありがとう……」 フィリップ「体を復元しながら、僕はずっと君を見ていた」 翔太郎「気のせいじゃなかったんだ……!」 亜樹子「私…… 聞いてない!」 晶「あなたがフィリップさん? 翔太郎さんの相棒!」 フィリップ「やぁ! 青山晶君。君のことはすでに検索済みさ。よく頑張ったね。僕達の仲間になれるかもしれないね」 翔太郎「……わああぁぁ! フィリップぅ!」 絶叫しつつ、翔太郎がフィリップに飛びつく。 フィリップ「翔太郎!? 相変わらず全っ然ハードボイルドじゃないねぇ!」 亜樹子「翔太郎君は、完成された『ハーフボイルド』だからねぇ!」 翔太郎「そんな完成、したかねぇ! ハッハッハ!」 店員「こらぁ! さっきから何だぁ! 無視すんなぁ!」 翔太郎「おっと、いけねぇ! 忘れてたぜ。さぁ行こうか、フィリップ」 フィリップ「あぁ、相棒」 『エナジー!』 店員がエナジードーパントに変身。 『サイクロン!』『ジョーカー!』 翔太郎・フィリップ「変身!!」 『サイクロン!』『ジョーカー!』 翔太郎がWに変身。倒れるフィリップをすかさず、亜樹子が支える。 亜樹子「これこれ! やっぱ、これよぉ!」 W「「だな!」」 『ルナ!』『トリガー!』『ヒート!』『メタル!』 W「どんどん行くぜぇ!」 ルナトリガーの変幻自在の銃弾、ヒートメタルのロッド攻撃がエナジードーパントに次々に炸裂。 フィリップ『さぁ行くよ、翔太郎』 W「あぁ、ハードボイルドに決めるぜ! ジョーカーエクストリーム!!」 サイクロンジョーカーの必殺キックが炸裂。 大爆発。エナジードーパントの変身が解除され、地面に転がる。 フィリップ『決めゼリフは忘れてないだろうね、翔太郎?』 W「当たり前さ、フィリップ。街を泣かせる悪党に、俺たちが永遠に投げ続ける、あの言葉──」 「さぁ、お前の罪を数えろ!!」 1年間、応援ありがとうございました。 そして、物語はファイナルステージおよび『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズMOVIE大戦 MEGAMAX』および『風都探偵』へ続いていく…。
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悪魔超人、完璧超人との戦いを勝ち抜き、超人オリンピックV2、宇宙超人タッグトーナメント優勝を果たしたキン肉マン。 この功績によって、第58代キン肉星大王への即位が決まったキン肉マンの前に、彼を王位継承者として認めない5人の邪悪な神々が現れた。 神々は、キン肉マンが生まれたばかりの時、病院に大火災が起こり、6人の子供の取り違えが起こったと主張し、キン肉マンを除く5人の超人を真の王位継承者として推薦した。 かくして、王位継承を賭けての一大トーナメント戦が勃発。キン肉マン率いる正義超人チームは1回戦でキン肉マンマリポーサ率いる飛翔チーム、準決勝でキン肉マンゼブラ率いる技巧チームを下し、決勝進出を果たす。 一方、準決勝の第2試合では、キン肉マンスーパー・フェニックス率いる知性チームがキン肉マンの兄・アタル率いる超人血盟軍を「超人予言書」を使った卑劣な手段で破り、決勝へ駒を進める。 そして決勝戦は、先鋒、次鋒、中堅戦を経て、3対3の「イリミネーション・ルーレット・デスマッチ」に持ち込まれた。激戦の末、双方2人ずつが脱落・消滅し、最後に残ったキン肉マンとフェニックスの1対1の死闘が始まる。 その最中、フェニックスの母親であるシズ子がフェニックスを止めるため試合会場の大阪城パノラマリングに出現、説得を試みた。しかしフェニックスは聞き入れず、自分が正当な王位継承者であることを信じてキン肉マンの心臓にとどめの攻撃を叩き込んだ──!! 実況「あ──っと キン肉マンの心臓の鼓動が完全に止まった──っ!!」 テリーマン「い・・・今までどんなに死の淵に立とうとも 奇跡の逆転ファイトで残虐超人どもを倒してきたキン肉マンが・・・」 ラーメンマン「し・・・」「死んでしまった・・・!」 真弓「す・・・すると 超人予言書のいうところの心臓に病の種のある偽りの王子とは スグルのことじゃったのか~~!!」 キン肉星王位争奪編114キン肉マンよ永遠(とわ)に・・・!の巻 フェニックス「や・・・やった・・・」「天才的な頭脳を持って生まれながら 子供のころの取り違え事件で貧乏な家庭に引き取られたために なにをするにもキン肉星の王子・キン肉マンという権力に負け続け イヤというほど辛酸をなめさせられ続けたこのオレだが・・・」「だ・・・だが今ここに オレは自分自身の手で24年間 偽りの王子として 超人界に君臨してきた キン肉マンを 王子の座から引きずり落とし みずからが正当なるキン肉星の王子だという証明ができた・・・!」「今こそ声を大にしていえる! 我こそキン肉星の正当なる王子・・・大王継承者だと!!」 実況「あ──っと フェニックスのニー・ドロップで切断されたロープの一本につながっていたキン肉マンの運命の予言書を結んだ糸がほどけ 予言書がたいまつの中へーっ!!」 フェニックス「ハーハハハ・・・フェニックスの大王としての第一の命令は キン肉マンよ 24年間も超人の民をたぶらかした罰として その存在を消してわびるのだ──っ!!」 実況「あ──っと キン肉マンの足元から存在が消えはじめた──っ!!」 ビビンバ「イヤ~~ッ スグルさまを 殺しただけでは あきたらず その亡骸までも消してしまうと いうの──っ!!」 そこにフェニックスに憑依している知性の神が助言を与える。 知性の神「ただその存在を消してしまってはおもしろくない・・・ 兄・キン肉アタルと同じく おまえのマッスル・リベンジャーをくらいながら その存在を消していくという処刑法をキン肉マンに味わってもらいなさい」 フェニックス「おおっ そいつは一興・・・!」「見よっ 重罪人キン肉マンの最後の姿を──っ!!」 フェニックスがキン肉マンの亡骸を上空に放り投げた。 その時、シズ子がリングに上がり、フェニックスに迫る。 シズ子「フェニックスマンよ おまえは正統なキン肉星の血をひく王子ではない おまえの体に入りこんでいる邪悪の神に たぶらかされておるだけなんじゃ──っ!!」 フェニックス「か・・・母さん・・・」 知性の神「フェニックスよ 今日よりおまえの両親はキン肉大王とキン肉王妃・・・ おまえの眼前に今いるのは ただの貧乏なババアだ・・・ やってしまえ・・・!!」 シズ子「フェニックスマンよ 母の命令です スグル王子さまにこれ以上の無礼を働いてはならん!!」 フェニックス「ううっ・・・」 知性の神「はようせいっ おまえは24年間の暗い過去をふりきりたくないのか!!」 フェニックス「うわぁ~~っ オレは正統なるキン肉星の王子だ──っ!!」 フェニックスがキン肉マンの亡骸をヘッドバットで弾き飛ばし、マッスル・リベンジャーの体勢に入った。 シズ子「ダ・・・ダメだわ あ・・・あの子は完全に邪悪神に魂を売ってしまっている・・・」 実況「お──っとフェニックス ヘッド・バットの繰り返しによってキン肉マンの死体をどんどん上昇させていく──っ!!」 テリーマン「間違いない これはビッグ・ボディ キン肉アタルたちを葬った フェニックス最大の必殺技 マッスル・リベンジャーへの前奏曲(プレリュード)だ──っ!!」 ラーメンマン「死体となったキン肉マンに対しても容赦しないとは・・・ 恐るべきフェニックスの勝利に対する執念・・・!!」 フェニックス「このキン肉マンの死体をマッスル・リベンジャーでコーナーの鉄柱にたたきつけ そして完全に消滅したのを見とどけた後(のち)に 大会委員長からの勝ち名乗りを受けてやるぜ──っ!!」 その時、フェニックスが急に胸を押さえる。 フェニックス「ウッ・・・左胸が く・・・苦しい!!」「な・・・なんだ 正統な王子の このオレの左胸から この心臓の異常な鼓動は!?」「ゴボッゴホ・・・」 フェニックスが吐血しだした。 ウォーズマン「おおっ・・・フェニックスが血を吐いて急に苦しみだしたぞ!!」 シズ子「だ・・・だから母は忠告したんじゃ・・・ 偽りの王子はフェニックス おまえじゃと・・・」 その頃、これまでの王位継承サバイバルマッチでの激闘で肉体を失い、霊体となったキン肉アタル、ロビンマスク、ジェロニモ、ネプチューンマンは、天上界にある邪悪大神殿へと向かっていた。 ロビンマスク「キン肉マンが予言書に書かれているところの偽りの王子と同じく 心臓が止まり 仮死状態に陥ったのは・・・」「一回戦でミキサー大帝と邪悪五神たちによって 7千万パワーを誇る火事場のクソ力を 邪悪大神殿に閉じこめられ 基本の95万パワーだけで二回戦・・・決勝と死闘を続けてきたために 心臓に今までかかったことのないような過度の負担がかかったためだったんだ・・・」 ジェロニモ「だから 決して偽りの王子のような 心臓に先天的な病の種があるからではねえズラ!」 アタル「フェニックスによって奪われた 弟スグルの命は一部でしかない! スグルの命の大部分は あの邪悪大神殿に封じこめられている火事場のクソ力だ──っ!!」 ロビンマスク「みんな つっこむぜ!!」 衛兵「く・・・くせ者!」 ロビンマスク達が、二人の衛兵に守られている火事場のクソ力の封印に突っ込んでいった。 衛兵A「ま・・・まさか・・・ この邪悪大神殿には 生身の超人が侵入するのは無理のはず!!」 衛兵B「そ・・・そうだ! 超人の神か 実体を持たない霊にしか侵入できない!!」 ジェロニモ「そうズラ! だからオラたちは 運命の予言書を焼かれて その存在を消されてしまった」 ネプチューンマン「実体を持たない幽霊超人だから 容易に天界に侵入できるのよ──っ!!」 ジェロニモ「ウララ──ッ」 ジェロニモが衛兵Aをブルドッキング・ヘッドロックで倒した。 ネプチューンマン「喧嘩(クォーラル)ボンバー!!」 ネプチューンマンが衛兵Bを喧嘩ボンバーで倒した。 アタル「この火事場のクソ力さえ 解放すれば スグルは必ず蘇る・・・!!」 ロビンマスク「待ってろよっ キン肉マン!!」 ロビン、アタル「グオオッ」 ロビンマスクとアタルが、火事場のクソ力の解放を始めた。 大阪城パノラマリングでは、フェニックスがキン肉マンの亡骸をマッスル・リベンジャーの体勢に固めていた。 フェニックス「これでキン肉マンを鉄柱にたたきつければ キン肉マンの復活は完全になくなる!!」 実況「あ──っとフェニックス 両ヒザまで消えかかっているキン肉マンをとらえ 落下していく──っ!!」 ネプチューンマン「急げっ いくら火事場のクソ力を解放しても 戻るべきキン肉マンの肉体が消滅してしまってはキン肉マンが蘇ることはできんぞ!!」 実況「あ──っと キン肉マンの肉体の消滅とともに 脳天も鉄柱に激突寸前だ──っ!!」 ビビンバ「スグルさま・・・!!」 テリーマン「キン肉マン!!」 ロビンマスク「ぐうう・・・」 ネプチューンマン「はやく! もう間に合わん!!」 ロビンマスクとアタルが火事場のクソ力を封じる壁を開いた。 激しい光が巻き起こる。 アタル「壁があいたぞ──っ!!」 火事場のクソ力がアタルたちを跳ね飛ばしながら、飛び出てきた。 アタル「うわ──っ!!」 マッスル・リベンジャーの体勢に固められたキン肉マンの落下が加速していく。 実況「さあっスーパー・フェニックス 完全勝利目前だ──っ!!」 ビビンバ(おねがい・・・100の正義の超人神たちよ 今まで残虐超人 悪魔超人 完璧超人たちとの対戦で見せた スグルさまの あの奇跡の逆転劇を 今一度 超人界のために起こしてください・・・!!) その時、大阪城パノラマリング上に奇跡が起こった!! テリーマン「おおっ・・・まっ黒な雷雲の切れ間から ひと筋・・・ふた筋と光線が差しこんでくる──っ!!」 ミート「うわ──っ 巨大な炎の固まりがふってくるぞ──っ!!」 ビビンバ「あの炎の固まり スグルさまの形をしているわ──っ!!」 実況「あ──っと 突如 天空から ふってきた キン肉マンの姿 形をした光の帯が マッスル・リベンジャーで落下していくフェニックスとキン肉マンに向かってつっこんでいく──っ!!」 邪悪神「な・・・なにィーッ あれは邪悪大神殿に封じこめていたはずのキン肉マンの火事場のクソ力ではないか──っ!!」 フェニックス「なにィ!?」 実況「おお──っと フェニックス キン肉マンの姿 形をした炎の威力に思わずマッスル・リベンジャーの体勢からキン肉マンの死体を離した──っ!!」 火事場のクソ力「注魂! 火事場のクソ力ー!!」 火事場のクソ力がキン肉マンの死体に入りこむと、これまで着ていたコスチュームが破れ、新たにキン肉族伝統の戦闘服が装着されていく。 真弓「おおっ・・・ すでに死にたえ青ざめておったスグルの体に 謎の炎が入りこんだ瞬間 精気が蘇ってきおった──っ!!」 キン肉マン「復活! 火事場のクソ力──ッ!!」 ついにキン肉マンが完全復活を遂げた。 同時に、キン肉マンの予言書もたいまつの中から出てきた。 テリーマン「おおっ・・・キン肉マンの火事場のクソ力の復活に伴って たいまつの中に落ちて燃えていたキン肉マンの予言書が復元された!!」 キン肉マン「フェニックス および知性の神よ わたしの火事場のクソ力を 邪悪大神殿に封じこめたまではよかったが 始末せずにそのままにしておいたことが 仇(あだ)となったようだのう!」 ラーメンマン「おおっ キン肉マンの足も元どおりに!」 キン肉マン「そりゃっ」 実況「あ──っと復活したキン肉マン フェニックスをマッスル・スパークの体勢に決めるべくブリッジでフェニックスをはねあげる──っ!!」 フェニックス「さ・・・さすが火事場のクソ力のこもった マッスル・スパークだ・・・ 95万ぽっちのパワーでくりだすのとは迫力が違うぜ・・・」 キン肉マン「フェ・・・フェニックス!!」 フェニックス「ダ・・・ダメだ・・・ こいつばかりはオレにははずせやしない・・・」 キン肉マン「な・・・なにを弱気な もう一度 強気なフェニックスに戻って このわたしのマッスル・スパークをやぶってみろ!!」 フェニックス「む・・・無理だ・・・ おまえのような火事場のクソ力を持ちあわせていれば・・・別だが・・・」 キン肉マン「いくぜっ フェニックス!!」 フェニックス「そ・・・そろそろ偽りの王子の証明でもある病巣が オレの左胸で・・・さ・・・騒ぎはじめたようだ・・・」 キン肉マンが両足でフェニックスの首と右足を固める。 キン肉マン「7000万パワーマッスル・スパーク!!」 マッスル・スパークの第一段階「天」が決まると同時に、フェニックスの心臓が限界を迎えた。 実況「あ──っとキン肉マンのマッスル・スパーク フェニックスにパーフェクトに決まった──っ!!」 フェニックス「や・・・やはり・・・ オレは 最後まで キン肉マン・・・おまえには勝てない運命だったんだな」 キン肉マン「死ぬなーっフェニックス!!」 キン肉マンはそう言いながらもフェニックスをマッスル・スパークの第二段階「地」の姿勢に固め、リングへ落下していく。 キン肉マン「ミートよーっ すぐに純白のマントをリング上にしいてくれっ!!」 ミート「ハ・・・!」 ミートが純白のマントを敷いた。 実況「あ──っと すでにマリポーサ ビッグ・ボディ ゼブラ ソルジャーの血で染めあげた純白のマント・・・」「あと一か所 フェニックスの血液で染めれば キン肉大王の真紅のマントが完成して キン肉マンの王位継承が決まる──っ!!」 キン肉マン「長かった戦いよ さらば!!」 純白のマントの上に、完璧版マッスル・スパークが炸裂した。 フェニックスの頭から血があふれ出す。 実況「キン肉マン 純白のマントの血で染まっていない残り一か所の部分に血ダルマのフェニックスの頭をスタンプして 真紅のマントを完成させた──っ!!」 委員長「カ・・・カウントを・・・」 キン肉マン「そいつは無用だ・・・」 委員長「エ!?」 キン肉マン「やつは・・・ フェニックスは知性の神とともに息絶えたよ・・・」 フェニックスの死を確認し、委員長がキン肉マンの右手を高く差し上げる。 実況「ああ~~~~っと マッスル・スパークによる即死により 偽りの王子はスーパー・フェニックスと判明・・・」 ミート「王子!!」 真弓「スグル──ッ!!」 実況「・・・この瞬間 キン肉星第58代大王はキン肉スグルに決定した────っ!!」 リングサイドと観客席から、大喝采が起きる。 その時、空に100人の超人の神の顔が浮かんだ。 超人神「キン肉マンよ・・・!」 真弓「おおっ スグルの大王継承任命のために 100人の超人神が現れなされたぞ!!」 キン肉マンが超人神にかしずく。 超人神A「キン肉スグルよ・・・ 邪悪神たちの妨害にもめげず・・・」「偽りの5人たちを撃破して よくぞキン肉星の大王の座をつかみ取ったのう・・・」 超人神B「最後の対戦相手であったフェニックスは 特に・・・ 運命の予言書によって おまえは4人の仲間を失ってしまった・・・」 超人神C「さあ 勝利者の権利じゃ 今度は逆におまえがフェニックスのルーレット・ストリングを切って予言書を燃やすがいい・・・」 シズ子「い・・・いくら悪さをしたといっても やはり わが子の死体を消されてしまうとは しのびない・・・」 キン肉マンが、過去の数々の激闘を思い起こしながら語り始めた。 キン肉マン「超人の神よ わたしは今まで 極悪 残虐と呼ばれる超人たちと数限りなく対戦してきて・・・最初は憎しみあいながらも 戦いを通して それらの超人たちの全員が全員 本当は優しい心根を持ち なおかつ素晴らしい格闘技哲学を持っていることを知りました・・・」「だから わたしは 今まで対戦してきた超人から 対戦中にいろいろな哲学を学び 対戦後には おたがいを尊重しあい かならず友情を深めてきました」 キン肉マンが真紅のマントの上のフェニックスの亡骸を見ながら言う。 キン肉マン「わたしは このフェニックスからは 王というものは自分の栄光のために支配者となるのではなく 民衆の利益のために王となることを教わりました」「たとえ他人であっても すべての超人たちを 血のつながりなど関係なく 家族のように愛せよとのことです・・・」 キン肉マンが両親と委員長、シズ子を見ながら言う。 キン肉マン「年老いた超人を見れば 自分の祖父母 父母のように敬い尊び・・・」 空いっぱいに、色鮮やかな花が次々と咲き始めた。 ビビンバ「まあ 空からスグルさまにむかって無数の花が・・・」 キン肉マン「フェイス・フラッシュ!!」 キン肉マンが落ちて来る花へフェイス・フラッシュを放つ。 実況「ああっ キン肉マンのフェイス・フラッシュを受けた四輪の花から その存在を知性チームに消滅させられたはずの」「キン肉アタル ロビンマスク ジェロニモ ネプチューンマンが復活していく──っ!!」 キン肉マンが復活したロビンマスク達を見ながら言う。 キン肉マン「自分より年上の経験豊かなベテラン超人には 兄 姉として教えを乞い・・・」「フェイス・フラッシュ!!」 キン肉マンが別の四輪の花にフェイス・フラッシュを放った。 テリーマン「おおっ・・・今度の四輪の花からは やはり知性チームに敗れ生死不明となっていた ブロッケンjr. バッファローマン アシュラマン ザ・ニンジャが復活していくぞ!!」 キン肉マンが復活した超人血盟軍を見ながら言う。 キン肉マン「自分より年下の まだ超人格闘者になりたての未熟な者たちは 弟 妹として指導し・・・」 キン肉マンがミートや試合を見に来ていた幼い超人の子たちを見て言う。 キン肉マン「そして まだ物心のついたばかりの子供たちに対しては 自分の子としてかわいがり たくましく育てる!!」「これがキン肉スグルのキン肉大王としての心構えでございます」 超人神「うん よういうたキン肉スグルよ その心構えをわすれんよう 血のつながりに関係なく すべての超人たちを自分の家族として愛してみい・・・!!」 キン肉マンがフェニックスの亡骸に歩み寄る。 キン肉マン「スーパー・フェニックスよ おまえもこれからはわたしの大切な家族だ!!」「フェイス・フラッシュ!!」 ミート「ああっ・・・王子が自分をあれだけ苦しめたフェニックスの左胸に フェイス・フラッシュを・・・」 フェニックスの心臓が再び動き始めた。 シズ子「おお──っ フェニックスの心臓が動きはじめた!!」 フェニックス「オ オレの負けだ・・・ キン肉マン・・・ 今までの・・・ことは 許してくれ・・・」 キン肉マン「許すことなど何もない・・・」「さあ 帰ろう」 マントと王冠を身に着け、第58代大王となったキン肉マンが、みんなの祝福を受けながらフェニックスを抱きかかえる。 友情は成長のおそい植物である。それが友情という名の花を咲かすまでは幾度かの試練・困難の打撃を受けて堪えねばならぬ─── 完
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巨神(ジャイアント)ゴーグの最終回 1990年、南太平洋の一角に出現したオウストラル新島は、巨大な目に見えぬ力によって闇の中に葬られてしまった。 それから8年後…13歳の少年・田神悠宇は、父の教え子だったトム・ウェイブ博士に会う為に渡米。 ウェイブとその妹ドリス、そして謎多き男・船長と共に巨大企業体GAIL(ガイル)やレイディ・リンクス率いる盗賊団クーガー・コネクションを振り切りながら、地図にない島となったオウストラルへと渡る。 そこで遭遇した青い巨神"ゴーグ"に導かれ、"馬の鞍"の洞窟の奥深くにある異星文明の遺跡に辿り着き、異星人マノンと邂逅する。彼は3万年前に地球を訪れ、その文明の成長を見る為に眠りについていたという。 ほのかな交流も束の間、遺跡の秘密を狙うGAILの特殊部隊がシールドを破壊して遺跡に侵入してきた事により、マノンは地球人に対して宣戦を布告してしまう。 危機を伝える為にどうにか遺跡を脱出した悠宇は、ゴーグ共々ガイルタウンに捕えられ精密検査を受けさせられたが、彼の危機に際して動きだしたゴーグと旧島住民の援護により救出される。 しかし、マノンが差し向けたガーディアンの大部隊(*1)が報復に現れ、更に船長がCIAに新島で起こった事を報告した為、米政府は島の核攻撃を決定してしまう。 GAILに反旗を翻したロッドは、島を守る為に各国に掛け合うも聞き入れてはもらえなかった。一方、ガーディアン部隊は戦いの最中突如停止。そして悠宇はマノンに導かれて再び遺跡を訪れる。 そしてゴーグの機内で風化した状態で発見されたマノンの弟・ゼノンからのメッセージによって、自身とゴーグの関係の真実を知る。 ゼノンの親友マシウス・デ・ル・マドゥが悠宇の遠い先祖だった事、ゴーグにマシウスの死後もその子孫を守る様に命令していた事…。 その絆の強さに感服したマノンは、噴火の影響で多くの同胞の墓標となってしまった島に1人残る事を決め、悠宇に仲間の下へ帰る様に告げるのだった。 仲間達がキャリア・ビーグルで悠宇を迎えに来たその時、とうとう核ミサイルが島に向けて発射されてしまった…。 PAIRS 6:00AM フランス・パリ、午前6時(*2)。 キスを交わす男女。 TVの声「今日、現地時間夜6時、南太平洋で行われる画期的な相互ミサイル実験は、我がフランス政府も予定の時間に…」 男がTVを消す。 NEW YORK 0:00AM アメリカ・ニューヨーク、午前0時。 行き交う大勢の車。 男が女の肩を抱きながら車を運転している。 ラジオの声「協定によって、間もなく合衆国核ミサイルが…」 男がラジオをニュースから別の局に切り替える。 TOKYO 2:00PM 日本・東京、午後2時。 主婦が菓子をつまみながらTVを見ている。 TVの声「こんにちは。お元気ですか? 2時の奥様の時間です」 赤ちゃんの泣き声に、主婦が茶の間を離れる。 TVの声「まず初めにお伝えするニュースは、地球規模で行われる核実験です」 世界の何処かで、核ミサイルが発射される。 光(ひか)る島(しま) 夕焼けの中、山岳地帯に佇むゴーグとキャリア・ビーグル。 ウェイブ「時間だ……」 徐々にへたり込む。 悠宇「時間?」 アロイ「ミサイル発射のか?」 サラ「嘘よ!! そんな!!」 ドメニク「確かめてみる」 ヘッドセットをつけ、ラジオをチューニングする。 それを見守る悠宇達。 ドリス「…」 もぬけの殻となったガイルタウンの管制室。 モニターには「WARNING」の文字が。 しばらくすると突然表示が切り替わり…。 FINAL NOTE All of the missiles on the for Austral Island: 25:00MT. for Attack サイゴツウコク: スベテ ノ ミサイル ハ ハッシャ サレタ・・オウストラル マデ 25フン・・・・・ダッシュツセヨ・・・・・ダッシュツセヨ・・・・・ ドメニク「駄目だ…誰も出ない…」 悠宇「…」 外では、ただ砂嵐が空しく吹いている。 ドリス「信じない…そんな筈ないわ! あたしはアメリカ人なのに、アメリカのミサイルで殺されるなんて…ねえ悠宇…!」 泣きながら悠宇に縋りつく。 ドリス「どうすればいいのよ……」 ウェイブ「…愚かだ…愚か過ぎるよ…クソぉ…」 悲嘆にくれる2人。その時、悠宇が何かを決意した。 悠宇「……行くんだ」 ドリス「え…?」 梯子を上り外に出る悠宇。 ドリス「…悠宇!」 悠宇はゴーグの右手に乗っていた。 ドリス「悠宇待って! どこ行くの!?」 悠宇「行くんだ!! みんなの所へ!!」 ドリス「え?…行くったって…悠宇!!」 悠宇「そうだ…行かなくっちゃ!」 そしてゴーグは、ガイルタウンを目指して歩き出す。 アロイ「ゴーグ…」 ウェイブ「今更タウンに帰って何になる…手遅れだよ…無駄なこった!」 ドリス「駄目よ…あたし達も行かなきゃ!!」 サラ「そうだ! 無駄でもいいよ!」 アロイ「ついて行こうぜ! ゴーグに!」 ガイルタウンを目指して進むゴーグ。 突然立ち止まって振り返ると、ビーグルがついて来ていた。 落ち込んでいるウェイブ。アルゴスが顔を舐めて慰める。 ウェイブ「……そりゃあまあ、死ぬ時だって賑やかな方が…うわああぁっ!?」 ウェイブが立ち上がった瞬間、地震が起こり車体が傾く。 ビーグルは崖崩れに巻き込まれ、転落していた。 サラ「あああっ!!」 アロイ「あぁっ!!」 ドメニク「うわああぁっ!!」 それを見たゴーグが助けに駆けつける。 悠宇「みんなー!! 大丈夫ー!?」 ハッチを開放してアロイ・サラ・ドリスが外に出る。 アロイ「……半分死んじゃったぜ…」 むせるサラ。 アロイ「お!?」 ドメニク「こりゃ、駄目だ…」 ビーグルは瓦礫に埋もれ、動けなくなっていた。 ウェイブ「…! タウンまではまだまだ遠いっていうのに!!」 ゴーグが左手を差し延べる。 サラ「?」 ウェイブ「?」 悠宇「みんなー!! ゴーグに乗って!!」 左手に乗り移るドリス。 アロイ「え? 俺達も? いいのかよ!」 アロイ・サラ・アルゴスも続いて乗り移った後、右手を差し延べるゴーグ。 ドメニクは驚いて後ずさるが、ウェイブは嬉々として乗り移る。 ウェイブ「えーい乗っちゃう!」 悠宇「早くしてドメニクさん! ミサイルが来ちゃうよ!」 ドメニク「神よ…感謝します…」 祈りを捧げ、ドメニクも乗る。 サラ「あははは…」 ドリスは悠宇の両手に捕まり、ゴーグの頭の上に移動する。 そして再び、ガイルタウン目指して歩き出す。 何処かの岸辺に泊まる1隻のヨット。 その甲板上でくつろいでいるロッドとレイディ。 レイディ「綺麗ね…夕日…ねえ、天国へ行ったら、あたし達やり直せるかしら?」 ロッド「っはっはっは…天国だって? ふふふ…おいおい、誰の台詞だ一体?」 レイディ「何さ…あたし、構やしないわよ。地獄だって…」 ロッドの胸にもたれる。 レイディ「…ねえ? また最初から生きられたら素敵ねあたし達…」 ロッド「もう一度、リンクスファミリーに生まれて…?」 レイディ「そうよ。そしてあなたはバルボア家に生まれて…それでいいのよ。それだってこんなドジはしないわ」 ロッド「ふっふっふ…」 レイディ「素敵に生きられると思うわ…今度は…」 レイディの頭を優しく撫でるロッド。 ガイルタウン・ロッドの私室。 船長が酒を飲み干して立ち上がる。 ガイルタウンの港。 GAILの戦車が海面めがけて主砲を乱射。兵士達の歓声が上がる。 デヴィ「止めた止めたぁ!!」 兵士達「?」 デヴィ「えーい!! このぉ!!」 弾薬箱を投げ飛ばす。 デヴィ「こんな事してどうなるっていうんだ馬鹿馬鹿しい!!」 ベーム「いい根性してるじゃねえか。え!? サイコロ屋さんよ!!」 驚く兵士達。 デヴィ「寝ぼけるんじゃねえやこの兵隊ボケ!! 往生際が悪いったらねえぜ!!」 ベーム「て~め~え~!!」 デヴィの襟首を掴む。 ベーム「ベトナムからこっちの俺はな、人の生き血なんぞ嫌って程見てきたんだ!! 往生際がどうだってこの野郎!!」 デヴィもベームの襟首を掴み返す。 デヴィ「サイコロ屋なんて抜かしやがったのはてめえだろ!? カポネも真っ青(まっつぁお)のクーガー・コネクションを知らねえかこの…」 ベーム「女のケツに引っ付いていやがっただけのクセに!!」 デヴィ「何だと!? この雇われ…ネズミが!!」 ベームの腹にボディブローを入れ…。 デヴィ「この!!」 更にアッパーカットを決められ吹っ飛ぶベーム。 ベーム「!!」 デヴィ「ぅわっはっは!! 来いオラぁ!! もうお終(しめ)ぇか!?」 ベーム「…まだまだこれからぁ!!」 血を拭って立ち上がり、タックルをかける。 デヴィ「ぅおっ!!」 背後の木箱の山にぶつかる。 そしてベームはそのままデヴィにパンチのラッシュを浴びせ、デヴィも負けじと殴り返すが、1発当てても次のラッシュが空振りし、カウンターを食らう。 見ている兵士達も、熱狂して歓声を送っている。 「ベーム大尉に、カリフォルニアの土地3万エーカーを賭けるぜ」 「大きく出たな」 ベームがダウンする。 「俺はフロリダの別荘だ!」 互いの顔面を拳が直撃。 「大尉に全部だ持ってけ泥棒!!」 ベーム「うぉっ!」 デヴィ「うぉっ!」 既に息も絶え絶えの2人。それでも尚立ち上がる。しかし…。 デヴィ「…どうした…かかって来い…」 ベーム「…お前こそ…」 お互い顔を押し付けあったまま睨み合うも、そのままへたり込んでしまう。 ベーム「はぁ…はぁ…止めだ止めだ…」 デヴィ「ああ…下らねえ……確かによぉ…いきがってみても…ケチなヤクザさ…」 ベーム「ケチな戦争屋さ…この俺も…ははは…」 ベームがデヴィの肩を組む。 ベーム「違(ちげ)えねえ…」 デヴィも泣き出す。 それを兵士達は呆然と見ていた。 しばらくして、ベームが何かを見つけた。 ベーム「あいつ…何処へ?」 その人影は、タウンを離れて間もない船長だった。 ヘルメットに流し込まれるコンクリート。何処かで兵士達が外壁の補修作業をしている。 「もっと厚くしろい! そんなんじゃな、放射能が染みてくらあ!!」 「けどよ…」 「放射能を防げてもよ…窒息するんじゃねえのか俺達」 「…」 「…お、おい、見ろ」 「?」 穴から見えたのは船長と、その後についていくベーム、デヴィ、そして兵士達の姿が。 「みんな…行っちまうぞ…」 「大尉まで…何処へ行くんだろ…」 「放っとけ! 安全なのは屋根の下に決まってらあ! そうだろ?…?」 振り返ると、他の兵士達が抜け出していた。 「おーい!! 俺だけを置いて行かねえでくれ!!」 コテを投げ捨てて突っ走る。 ホツ・マツア長老についていく旧島住民。 「ホツ様どちらへ…」 「ミサイルが降って来ます。何処かへ身を隠さねば…」 ホツ「神の使いが、帰って来る」 「「?」」 足を止める島民達。 ホツ「出迎えねばなるまい。嫌な者は良いぞ。好きに、身を守るがよい…」 「…ホツ様! 待って下さい、わし等も!」 駆け足でホツについていく。 ヨットを降りたロッドとレイディ。 レイディ「何処へ行くつもりかしら、こんな時に…」 軍服を投げ捨て、島民の下へ向かうロッド。 レイディ「ロッド! どうしたのよ!?」 ロッド「田神ジュニアが、帰って来るんだ」 レイディ「え!?」 ゴーグは目的のガイルタウンに近づきつつあった。 そしてタウンにも島中の人々が集結。 しかし、悠宇達の希望をよそに、ミサイルは非情にも迫っている。 カモメの群れも一斉に島を離れていく。 迫り来るミサイルに、恐れおののく悠宇達。 その時、ミサイルが突如空中で爆発。閃光と爆風が島を覆い尽くしていき、きのこ雲が空を突き破る。 その最中、一瞬オーロラが現れていた。 様子を見つめる発射基地の人々。 米大統領官房では、大統領と秘書も同じく島の様子を見ていた。 大統領「これでいいのだね、確かに」 秘書「はい。いくつかの岩礁は残ると思われますが、島は、消滅した事になります」 大統領「うむ…」 閃光防御用サングラスを開く。 大統領「…終わったな」 きのこ雲に覆われた島。 寄せては返す波。 しばらくしてきのこ雲が晴れ、光が消えていき、空にオーロラが輝く。 ゴーグの頭上で身をかがめていた悠宇も、事態の沈静化に気付いて空を見上げる。 悠宇「…?」 ドリスも一緒に様子を見る。 ドリス「…?」 アルゴスが頭上の悠宇達に向かって吠える。 アロイとサラも身を起こし、ウェイブ、ドメニクも周囲を見渡す。 島は、ミサイルの影響を全く受けていなかった。 島中の人々も、ガイルタウン近くの橋の上にいた。 船長「……ふっふっふっふ…はっはっはっはっは…!!」 高笑いする船長。 座り込んでいるロッドと、彼の胸に寄り添うレイディ。 ロッド「…?」 見つめ合った後2人は…。 ロッド レイディ「はっはっはっは…」 ホツ「ふっふっふ…」 デヴィ「?」 ベーム「?」 ベーム デヴィ「…?…はっはっはっは…!!」 兵士達も、大喜びしながら一斉に帽子を上空へと放り投げる。 その頃発射基地では…。 司令官「? な、何だこれは!?」 「何ともなっておらんじゃないか!」 「至急調査しろ!」 「爆発規模は計算通りです!」 「強力な電磁シールドがあった模様です!」 「100メガトンで30個分は落ちてるんだ!」 「モスクワから入電!」 「大統領官房へ繋げ!」 「PQPQ、こちらペンタゴン! こちらペンタゴン!!」 オウストラル島。 ドリス「生きてるのね、あたし達…どうして…? どうして生きてるの!?」 悠宇「分からない…でも、生きてるんだ…見てごらん! 島もそのまんまだよ!」 島の無事を喜ぶドメニク、ウェイブ、アロイ、サラ。 向こうから、船長を先頭に島の人々が走って来る。 アロイ達も手を振って叫びながら彼等に応える。 悠宇「(きっとマノンさんだ…マノンさんが守ってくれたんだ…)」 夜、ガイルタウンの港。 ドリス「良かったわ…やっぱりいい人だったのね…マノンさんって」 アルゴスがドリスに頭を撫でて貰っている。 悠宇「うん…だけど、これからどうしたらいいんだろう…」 ドリス「え? だってもう安心じゃない。放射能だってゼロだったんでしょ?」 悠宇「ううん、そうじゃなくってさ。ミサイルは防げたけど、やっぱり世界中がこの島を放っておかないよ」 ドリス「攻めて来るって、言うの?」 悠宇「うん…」 一方、島の人々は宴を催していた。 肩を組みながら美酒に酔いしれるベーム、デヴィ、そして兵士と旧島住民達。 アロイの太鼓に乗って踊るサラ。 書類をキャンプファイヤーに次々と投げ入れる兵士達。 悠宇「攻撃されればマノンさんは戦うよ」 立ち上がってゴーグに目を遣る。 悠宇「ゴーグだって……そうなったら…同じ事の繰り返しだ…」 波がドリスの足につく。 ドリス「ああっ!! 冷たい!」 悠宇「…? 海が…こんな所まで…」 水位が上がってきていた。 悠宇「…沈んでる?」 ドリス「え?」 悠宇「…島が沈んでるんだ…でなきゃここまで水は来ないよ」 様子を報告する為に船長に会いに来た悠宇。 悠宇「船長! 大変だ!」 船長「うむ。俺も今気付いたところだ」 しばらくして火山が噴火。 悠宇「!?」 吹き上がるマグマ。 その様子を見つめる人々。 悠宇「マノンさん…オウストラル島を、また沈めちゃうの?」 ゴーグの両目が青い光を放つ。 遺跡中枢部の制御室にいるマノン。 マノン「悠宇…これが最後だ…我々がコントロール出来た島のエネルギーは、これで全てだ…」 周囲に集まっていた光の一部が結合し、輝きを放つ。 マノン「君に会えて、良かった…悠宇…」 再び地上。 船長「放っておけば島はまた争いの種になる……それを見越して自分から始末をつけようって言うんだろう」 悠宇「(…マノンさん…)」 そして次の日。 人々が島を離れる準備に追われる中、ホツは1人座り込んで火山を見つめていた。 ホツ「神は見捨てなされた。何という事だ…わしらの島が沈むとは…」 ドメニク「出直せ、という事ですよ」 ホツ「教えを垂れるのか? お前が、このわしに」 ドメニクはただ黙っていた…。 ホツ「…フッフッフ…」 兵士と一緒に荷物運びをしているアロイとサラ。 アロイ「…!…重いぞ!…」 サラ「ねえ。このボート、とても乗せらんないね、ゴーグ…」 アロイ「…」 タウンを歩くゴーグ。 その足元を、船長と悠宇の乗る車が通り過ぎる。 悠宇は黙ってその背中を見つめていた。 船長「悠宇、前を見てるんだ…辛くてもな」 別れを惜しむ悠宇に、船長が励ましの言葉をかける。 兵士を乗せたボートが、GAILの運搬船へと向かう。 その運搬船のデッキ上で、ロッドとレイディが海を見ていた。 レイディ「…帰るあてがあるのあんた」 ロッド「?」 レイディ「GAILはブッ壊れちまったし…あんたにはもう屋根もベッドもないんだよ?」 ロッド「望むところさ。清々しているぜ。やり直しが…」 傍に立てかけられたデッキブラシを持ち、格好つけながら…。 ロッド「…出来るんだからな」 レイディ「フフ…そうね。天国にも地獄にも行けなかったけど、最高よね」 ウェイブが、船長に手を掴まれながらボートに乗る。 ウェイブ「おっと…僕の夢の島よ、お前は僕を捨てて沈むのか…切ないわぁ…」 ドメニクがボートに乗った途端にバランスを崩し…。 ウェイブ「ぁああっ…!!」 船長とアルゴスに支えられる。 船長「急げドリス。置いてくぞ」 ドリスは港に立ち尽くしたまま、悠宇の帰りを待っていた。 ドリス「(悠宇…)」 その頃、悠宇はゴーグに別れを告げようとしていた。 島が沈んだ影響で、海水は既に足まで達している。 長い沈黙の後…。 悠宇「…ゴーグ……また、会えるよね……きっと…また来るよ…僕……待っててくれるよね…これまでだって…長い間待っててくれたんだもんね…」 咆哮と共に、ゴーグの両目が青く輝く。 約束してくれた事を喜ぶ悠宇。泣きそうになった瞬間、港へと走り出す。 一度だけ振り返り、涙を拭い、仲間達の待つ港へ向かう。 噴火は続く。 悠宇とドメニクがボートで運搬船へと移動。しかし、船に乗ったのは悠宇だけだった。 ドメニク「じゃあ、元気でな。うんと勉強しろよ」 アロイ「…あ、兄貴も、な…お、俺、必ずさ、手紙書くからよ!」 ドメニク「水が変わるから、体には、十分気をつけろ」 汽笛が鳴り、船は島を離れていく。 人々もデッキから、沈みゆく島の姿を見つめている。 そしてゴーグは、遺跡を目指し火山帯を進む。 悠宇「(きっとまた、会えるよゴーグ…今に、みんな間違った事に気付いてくれるから…それまで、マノンさんも死んじゃ駄目だ…待っててよ…)」 その時、船長が悠宇の肩に手をかける。一緒に振り返る悠宇とドリス。 船長は、ただ黙って見つめていた。 悠宇「…うん」 再び悠宇は、約束を胸に島を見つめる。 オウストラルの島が今、異星の神秘と共に海の底へと深い眠りにつく────。 THE END OF AUSTRAL AFFAIR
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カナン…… あなたは私の光。どこまでもまっすぐに輝き続けるあなた。あなたに愛され、あなたに照らされることで、心の片隅に生まれてしまう影。ごめんね、カナン……私はあなたを、照らすことができない……ごめんね…… 上海の鉄道を行く列車の中で、カナンとアルファルドの激闘が続く。 マリアの乗る車両は切り離され、カナンたちの列車の遥か後方に置き去り。 しかも、時限爆弾が仕掛けられている。 ユンユンがとっさに、走行中の列車から飛び降り、マリアの車両目がけて全力疾走する。 ついに時限爆弾が作動し、大爆発──! カナン (マリアぁ──っ!) マリア (カナン……) 最終話キボウノチ 線路の彼方で、もうもうと黒煙があがる。 アルファルド「本当に、頭のいい女だよ。あいつは。お前から逃げたんだ」 カナンは無言で、アルファルドを睨みつける。 アルファルド (!? なんだ、この目は? 怒(いか)りでもない。ただ、どこまでも見られている……) カナン (ただそのまま、ありのままを見つめろ。すべてを、ありのままに……!) アルファルド「見るな…… 見るな、見るな…… わ、私を…… 見透かすなぁぁっ!!」 アルファルドが激高して、発砲する。 カナンは銃撃をかわして、反撃に転じる。 アルファルド「(なぜだ? なぜ乱れない? 奴は、大沢マリアを失ったというのに…… 私はここでも、亡霊を殺すことができないのか?) 結局、終わらせることはできなかったな。道連れになってもらおうか。お前も、私も。またこの列車に置いておく。想いも、懺悔も、後悔も。お前はまたあの日のように、ここで失い、私はまた、決着をつけられずに置いて行く」 突然のヘリコプターの音。 機関銃の銃撃が、列車の窓を叩き割る。 カナンが気を取られた隙に、アルファルドは外に飛び出し、屋根の上によじ登る。 カナンも追って来る。 カナン「アルファルド!」 アルファルド「光栄だね! 大沢マリアは追わずに、私に執着してくださるとはな!」 カナン「マリアは、死んでいない」 アルファルド「……!」 カナン「死んでいない。私にはわかる」 マリアの乗っていた車両が炎上している。 煤だらけのユンユンがマリアを背負い、息を切らしつつ脱出する。 ユンユン「はぁ、はぁ…… カナン! 私は、約束を守る女っス! マリアは、絶対になんとかするッス! だから、へばったら承知しないっスよぉ!」 マリア (ごめんね…… ごめんね、カナン…… でも私、守られてるんじゃなくて、あなたの隣に立ちたいの……) カナン「わかる。色が見えなくても、マリアの優しさは伝わってくる。それがわかるのは、きっとマリアは、私にとっての……」 アルファルド「光。それがお前の強さの正体だ。お前は、新たな光を見つけることで、シャムの亡霊から解き放たれようとした」 カナン「違う。マリアは光じゃない。友達だ」 アルファルド「……プッ! フフフ、アハハハハハ!」 ヘリコプターが縄梯子を垂らし、アルファルドがそれを掴む。 アルファルド「お友達のために戦うか!? それはいい。私が振り回され続けた呪いから、お前はそんなちっぽけな願いで解放されたというんだな!?」 カナン「行かせない。お前はここで、私が……」 アルファルド「私がぁっ!?」 アルファルドの銃撃を避けつつ、カナンも縄梯子を掴む。 カナンの銃撃がアルファルドの手から銃を弾き飛ばし、さらにヘリ機内の銃撃手を撃つ。 ヘリがバランスを崩し、墜落する。 カナンとアルファルドは、再び列車の屋根の上に舞い降りる。 列車の上で戦いが続く。 銃を失ったアルファルドを、カナンは何度も殴りつける。 カナン (なんだ、この手応え? まるで、まるで白い闇を殴ってるみたいだ…… そう、か……) アルファルド (カナンは、2人も要らない…… 同じ名を持った私たち……) (シャム『アルファルド……』) アルファルド (そうだ…… シャムは私を、アルファルドとは呼ばない。違う。あいつは最後に一度だけ……) シャム「アルファルド、お前は無敵だ。だが、もし目的でなく、個人としての欲望を持ったのなら……」 アルファルド「持ったのなら?」 シャム「そのときには、訪れるだろう。お前の新しい名が持つ意味、孤独が……」 アルファルドがナイフで反撃に転じるが、脚を滑らせ、屋根の上から滑り落ちる。 とっさにカナンがアルファルドの腕をつかみ、必死に体を支える。 アルファルド「……なぜだ!? 私がここで死ねば、あの日は繰り返さない! お前はシャムの亡霊から逃れられるというのに!?」 カナン「お前、いつも変な色してる…… シャムみたいな茶色だったり、今日なんて真っ白だ! その理由がやっとわかった…… もうお前は、死んでいるからなんだ!」 アルファルド「……!」 カナン「シャムが死んだ時点で、お前は、お前の心は死んだ! でも私は違う! あの日から、いろんな人に会った。みんな、忘れられない人になった。私は、あの日で止まっていない!」 アルファルド「……」 カナン「お前の心は、もう死んだ…… 決定権は、生きている者にある。私は生きている。生きている者として命令する…… お前をこれ以上、死なせない!! 死なせない…… ここで誰も救えなかったら、あの日と同じだ。たとえそれがお前でも」 アルファルド「(……リャン、お前の言うとおりだ。私は確かに、あの時代に縛られ続けていた。私は、カナンとその化け物を作れば、シャムに、シャムに近づけるとでも思ったのか? カナンは、とうの昔に解き放たれていた…… シャムの亡霊から、繰り返すあの日から、そして、私だけが……) 同じ名を、同じ刺青を持つ私たち!」 列車の屋根の上から銃が滑り落ち、アルファルドがその銃をつかむ。 アルファルド「シャム、お前はどこまでも私に絡みついてくる…… 私は、蛇の呪縛を解き放つ!」 アルファルドが銃口をカナンに向ける。 カナンを撃つかと思われたそのとき、不意に表情を緩め、なんとカナンが握っている自分の腕目がけて、銃を乱射する。 血が飛び散り、アルファルドの体が眼下の渓谷へと消えてゆく。 屋根の上にはカナンと、ちぎれたアルファルドの腕が残されたのみ── マリアとカナンが、あやとりで遊んでいる。 マリア「違うよ」 カナン「ここ?」 マリア「そう。で、中指をこっち。──そう」 カナン「マリア」 マリア「ん?」 カナン「謝りたいことがあるんだ」 マリア「それは私の方だよ、カナン。謝りたいこと、たくさん……」 カナン「そうか…… だったら、おあいこだ」 マリア「……うん、おあいこだね」 ふと、マリアが指のあやとりに視線を戻す。 マリア「あ~ぁ、こんがらがっちゃったね」 カナン「うん、こんがらがっちゃった。もう、元には戻せないよ」 マリア「……戻せない?」 次第にカナンの姿が遠ざかってゆく。 カナン「うん。もう、元には戻せないよ……」 マリア「カナン!?」 マリアが目覚めると、そこは夜の病室のベッドの上。 翌朝。 御法川(みのりかわ)が病室を訪れる。 御法川「おっ、お目覚めか! 思ったより傷が浅くて、良かったなぁ」 マリア「じゃあ、ここは天国じゃない……」 御法川「こんな辛気臭い天国なんてあるかよぉ!? ユンユンみたいなこと言いやがって」 マリア「えっ?」 御法川「お前を、必死こいて運んでくれたよ。あいつは」 回想。 夜道を行く御法川の車の前に、ユンユンとマリアが倒れている。 御法川「おい! 大沢、ユンユン! ケガしてるじゃねぇか!?」 ユンユン「あ…… ミノさん。極楽っスか、ここは……? 先に逝ってたっスね…… ナンマンダブ、ナンマンダブ」 御法川「ふざけんなぁ! 俺は生きてるってのぉ!」 ユンユン「あ!?」 いきなりユンユンが、御法川に泣きつく。 ユンユン「……じゃあ、マリアを! マリアを、助けてくださぁい! そんで、そんで…… 哀れなユンユンに… なんか、お供えをください……」 ユンユンが倒れる。 御法川「おい!?」 腹の虫が泣く。 ユンユン「お、お供えは…… 饅頭がいいっス……」 御法川「メシ食わせたら元気になってなぁ、もうバイトに行ったぞ」 マリア「そうだったんだ。ありがとう、ユンユン…… あ、カナンは!?」 マリアが飛び起きようとし、傷の痛みに顔を歪める。 御法川「お、おい!? 無茶するな! カナンのことは、お前の携帯からかけた番号を調べてみたが、使われてないってさ」 マリア「えっ!?」 御法川「あんなに一緒に居たのに、カナンのことは結局、何もわからないままだ……」 マリア「カナンが見てる世界、カナンが抱えてるもの、それが見たくて、それを知りたくて、やっと隣に立てるかもしれないって思ったのに…… なのに……」 御法川「わかってやれ。あいつの望みは何だ?」 マリア「……私を」 御法川「あぁ。あいつは、お前を守りたいんだ」 マリア「結局、そうなんだ…… どこまで行っても、カナンは、私を隣に立たせてくれない……」 御法川「立てるはずがない。お前たちの境遇は違いすぎる」 マリアが肩を震わせ、涙を流し始める。 御法川「だけど、寄り添うことはできるだろう?」 マリア「……寄り添う?」 御法川「そう。心だけ、寄り添うことなら……」 マリア「心だけ、寄り添う……」 どこかの道を、カナンが行く。 カナン (初めて会ったとき、あの灰色の街で、マリアだけは輝いていた…… 私がそばにいたいと願わなければ、マリアを危険な目に遭わせることもなかった。ごめん、マリア…… でも、どこにいたって、マリアの優しさはわかるから…… そう、どこにいたって、離れていたってわかるから……) 御法川が街中で、様々な景色をカメラに収める。 御法川 (上海…… 上海蟹のシーズンには未だ遠く、この街は、俺たちが初めて足を踏み入れたときと、何ら変わりない。流れるニュースだけが、わずかに違いはするが、すでに誰も興味を示さず、産まれた空白は次々に塗り替えられる) 日本の後輩のライター、磯 千晶へ電話をかける。 千晶『何やってんですかぁ!? メールも電話も繋がらないしぃ!』 御法川「あぁ、すまん」 千晶『ほらぁ、あのヘンテコな事件はどうしたんですか? 消えた村とか、なんとか……』 御法川「あれは、もういい」 千晶『はぁ!?』 御法川「そうだ、他にとびっきりのネタが」 千晶『えっ、どんなですか?』 懐から、今は亡きサンタナとハッコーの写真を取り出して見つめる。 御法川「上海の街で1人の女に魅入られた男が、恋に破れ、彼女の面影を追う……」 千晶『はぁ? それ、何の三文小説ですか? もう、しっかりして──』 電話を切る。 御法川「転職しようかなぁ…… (そう、この三文小説の続きを、俺は書き終えなければいけない)」 サンタナの営んでいたバーを訪れる。 つけっぱなしのテレビ。 アイドル歌手・ネネの歌声が流れている。 御法川「ったく、テレビくらい消して行けっての……」 無人の店内で、ネネの歌声を真似る。 御法川「俺は…… クッ、くそぉ…… あぁ、いいケツしてたなぁ~、ホント」 御法川とマリアが上海を発つ日。 マリア「お父さんにユンユンの薬を送ったら、複製できるだろう、って」 御法川「おぉ、良かったなぁ! で、その本人は?」 マリア「バイト持ちすぎて、来れないって」 御法川「相変らずだなぁ」 2人の前に、いつものタクシーが停まる。 運転手「どうぞ。旦那、お嬢さん」 2人を乗せ、タクシーが街を行く。 カーラジオが流れている。 『じゃあ、この辺りで次のリクエストに行こうかなぁ。『新しい世界に旅立つお友達に、ぜひネネさんの曲を贈りたい』──』 運転手「う~ん! わかってるねぇ、このリスナー!」 『では、聞いてください。ラジオネーム・シルクロード饅頭さんからのリクエストで──』 御法川「あ!? シルクロード……」 マリア「……饅頭!?」 ユンユンが営んでいた饅頭屋の名前── マリアが、カーラジオから流れる歌声に耳を傾けつつ、街景色を眺める。 マリア「凄いですね……」 御法川「ん?」 マリア「本当、雑多なパワーに満ち溢れてて…… 凄いですね」 御法川「久しぶりだな、それ」 マリア「え?」 御法川「お前、昔は『凄い、凄い』を連発してたろ? 近頃、何見ても言わなくなったって思ってたが」 マリア「……カナンの隣に立つためには、それじゃ駄目だって思ったんですよね。周りを凄いって思うだけじゃなく、自分が凄くならなくちゃって」 マリアが改めて、街景色を見渡す。 マリア「でも、みんなそれぞれ必死で、一生懸命で、だからこその輝きで、凄いこと、普通じゃない手の届かないことなんて、本当はどこもないのかもしれない。だから、ミノさんが言ってたみたいに、心は寄り添えるんですね。きっと……」 御法川「フン。お前は、凄いよ……」 マリア「え?」 御法川「いや……」 ユンユンは街角の八百屋で、アルバイトに励んでいる。 ユンユン「バナナ、バナナ、バナナを食べて、ガンバナナ! スイカもいかがっスイカ~! (マリア。お別れの言葉は、無しっスよ。きっと、また……)」 ユンユンが巨乳を揺らし、売り声を張り上げる。 店主が、ユンユンの胸に詰め込まれたスイカを取り上げる。 店主「勝手に、売りもん詰めるなぁ!」 ユンユン「お、お客さんに喜んでもらおうと……」 街外れの寺院。 修道僧の列の中に、出家したカミングスの姿がある カミングスがふと、道端で足を止め、落ちていた木の実を拾い上げる。 修道僧「どうか、しましたか?」 カミングス「現世への…… 未練の形です」 亡きリャン・チーの愛用の玩具銃の弾に似た形── 空港。 アルファルドが椅子に座っている。 腕の通っていない袖が、ぶらりと垂れ下がっている。 この街で、出逢った人たちを忘れない。 忘れないで…… この街で目にした出来事を、忘れない…… この街で感じた想いを、忘れない…… 忘れない…… 御法川とマリアを乗せた飛行機が、上海から日本へと飛び立つ。 カナンが上海の街角で、銃の照準で飛行機を捉える。 カナン「バーン…… フッ。あれ、私のだ」 何日かが過ぎた。 日本、渋谷での写真展。 マリアの撮った写真が展示されており、多くの客で賑わっている。 前作のゲーム『428』の登場人物と思しき者たちの姿も見える。 アルファルドとカナンの顔写真が、並べて壁に掛けられている。 マリアは、2人の写真に添えられている「CANAAN」の題を、愛おしそうに撫でる。 カナンは生きてる。 その命は、激しく輝いて、 この目で直接見るには、眩しすぎて。 でも、目がつぶれそうになっても、 私は見つめることができたと思う。 それはきっと、普通の女の子の物語── どこかの国、どこかの部屋。 カナンのもとに、夏目から電話が入る。 夏目『仕事です』 カナン「あなたも懲りないよね。相変らず私を使うなんて」 夏目『その言葉、そっくりお返しします。それに今回は、相手が相手ですから』 カナン「ターゲットは?」 夏目『片腕の女……』 カナン「……了解」 END
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高野「何ィ打ち切り!!?」 「唐突にどういう訳だ!?前回までそういう気配は全くなかったぞ!!人気もあったはずなのにいったい何故だ!あっまだ切るな!!寺田コラ!!」 「絶望したッ、過去これだけ貢献してきた作家をいとも簡単に切り捨てるとはっ、講談社の冷たい仕打ちに絶望したッ」 京子「いや・・・講談社にもいろいろ事情があるんだと思いますよ・・・・」 高野「切ないなぁ。世間の冷たい風が身に沁みる時は無性に人の情けにすがりたくなるなあ」 File113 最後の最後まで喰いまくる!! 高野「緒方君僕は悔しいよッ、一緒に飯食って僕の悔しい思いをじっくり聞いてくれないかっ。もちろん君の奢りでッ」 緒方「すみませんッ、今から覚醒剤取締法違反の容疑で暴力団の事務所に家宅捜索かけるので、そのお誘いは是非またッ」 高野「何だ君はッ、僕よりヤクザが好きなのかっ」 緒方「好きとか嫌いとかそういうお話ではなく都市の安寧を守るため我々警視庁はなすべきことをするまでですッ」 「これまで何度か暴力団事務所を捜索しましたが情報が漏れてすべて成果なしに終わってるんです。今日こそは警察の威信にかけても覚醒剤を発見しなくてはいけないのですッ」 高野「オーイ無視すんなー」 松本組長「ガハハッ、情報はもう事前にみんなこちらに流れて来てんだ」 「警察がいくら事務所の中を探し回っても、もう一週間も前にヤクは安全な場所に隠してあるんだから何ひとつ出てきやしねえよ」 「ただ一点・・・・おまえら万が一にもヤクを打ってはいないだろうなぁ。尿検査で反応が出てきた時はブツがなくてもしょっぴかれるぞ!!」 幹部1「当たり前ですよ。操作のあることは前から知ってるんですからそれにヤクをやる馬鹿はいませんや」 松本「そうか・・・それならいいが・・・油断してドジ踏むんじゃねぇぞ!!」 一番後ろに立っていた肥満体の男、西裕二(にし ゆうじ)が居眠りしていた。 松本「コラァ聞いてんのかデブ!!」 西「ハ・・・ハイ!!す・・・すみません!!つい腹が減ってボーッとしちゃって・・・・」 松本「ヤクザ者がボーッとしてただとォ・・・随分うすらみっともない生きモン飼ってるな!?オオ?」 幹部2「申しわけありません親父っさん・・・!!全然昇進できずに廃業した相撲取りなんですが力はあるんで何かの役に立つかと・・・・」 松本「フン・・・・!!どんなのでも構やしえが行儀ぐらいは躾けとけ!!」 組員「すみません・・・・!!」 幹部1「いいかあ!?ぐれぐれもドジ踏むんじゃねえぞォ!!」 組員たち「「「オスッ」」」 幹部2「ホレ!!片づけものぐらい気を利かせてやっとけ!!」 西が茶の片づけをしている脇で、3人の組員が話をしていた。 組員たち「そんで・・・ヤクはどこに隠してあるんだ!?」 「ホラ・・・この前潰れちまった文房具屋の倉庫に・・・」 「あーあ!!あそこなら安心だわ!!」 「オ・・・!?何を立ち聞きしてやがんだ!!」 「殺すぞデブ!!」 警官「開けろ!!警察だ!!」 組員「へ・・・!!何も知らねえでのこのこやってきやがったぜ・・・!!」 刑事「広域指定暴力団、講談会系伊武忍組!!覚醒剤取締法違反容疑により家宅捜索を行う!!!」 警察による家宅捜索が始まった。 刑事「屋根裏を探せ!!床下にも隠し扉があるかも知れん!!どんな小さなスキ間も見逃すな!!便所を探してみろ!!水洗のタンクの中に隠しているかもしれないぞ!!机の中の中の隠し引き出しやソファーの中も見逃すな!!」 組員「く・・・・くくく」 「くくく・・・・!!」 刑事「で・・・出ませんね・・・・このまま本当に出なかったらこの度重なる失態・・・・相当まずいことになりますよ」 ?「出ました!!」 刑事「何ッ出たか!!」 高野「高野聖也出ました――ッ。いやぁ緒方の行く先を聞いたら前から行きたかったすごい旨味の焼き肉屋の上でさ。それで緒方の仕事が終わるまで焼き肉喰って待っててそれからどかへ繰り出そうって寸法!」 店員「出前お待たせしましたー」「お待たせしましたー」 高野「ささっ皆さんご一緒に旨味な焼き肉をいただきましょーー!!」 刑事「あ・・・・あ・・・あの人はいったい・・・・?」 高野「ハイハイ、どんどん持って来て」 緒方「いいからさっさと覚醒剤を探しましょう!」 高野「アレーーー?みんな食べないの?こんなに旨味な焼き肉なのに勿体ないなー」 幹部1「あいつはいったい何なんですか!?」 松本「け・・・警察の仕掛けたワナかも知れん・・・!!無暗に手を出すんじゃねぇぞ・・・・!!」 高野「あーー・・・・そこの君ィ!!一人じゃ寂しいからこっちで一緒に食べようよ!!」 西「え・・・・・あ・・・・いや・・・あのそういうわけには・・・・」 高野「何を言ってんだい、料理が冷めちゃうよ。ホラホラ、こんなに旨そうなお肉がいっぱいあるんだよー」 西「・・・・へへへ・・・それじゃ遠慮なく・・・!!」 幹部1「な・・・何をやってんだあの野郎・・・!!」 松本「け・・・警察がいるんだ。うかつなことはすなよォ~~~!!」 西「いやあ旨い!!こりゃ旨い肉っスね!!」 京子「七輪が3つって・・・」 高野「ハッハッハッ、足りなかったら追加注文するからどんどん食べてくれたまえ」 「焼き肉もうまいがここのキムチもまた絶品なんだ。まあ食べてくれたまえ」 西「ハイ旨い!!すごく旨い!!ごっつあんです!!」 高野「焼き肉のみやたさん?あと上カルビにロースにハラミにミノにホルモンにキムチ10人前ずつ追加よろしく!!」 西「ああ・・・!!こんなに腹いっぱい食べるのは久しぶりだなあ・・・・!!」 高野「食べるものもろくに食べさせてもらってないのかい・・・・?さっきから見てると酷い扱いを受けているようだが何でこんなとこにいるんだい・・・?」 西「自分・・・相撲部屋を追い出されて今更おめおめと故郷にも帰れないし・・・ほかに何の取り柄もないし・・・行く所もどこにもないんス・・・・オレがとろいからみんなに厳しくされちゃうけどいざって時がきっとオレのこと守ってくれると思うから・・・」 高野「ふうん・・・そうか」 刑事「ダメです警部・・・!!出ません・・・!!」 松本「オイオイ、いつまでやるつもりなんだ?さっさとしてくれないとこっちも仕事があるんだぜ?」 緒方「全員の尿検査を実施する!!覚醒剤の陽性反応が出た者は警察に出頭してもらうぞ!!」 幹部2「ヘヘヘ・・・いよいよ手詰まりになってきたようですね」 幹部1「いいか・・・!!大人しく言うことを聞いておくんだぞ」 組員「ヘイヘイ、このコップに小便を入れりゃいいんですね?」 「おいデブ!!お前もだ!!来い!!」 西「ハ・・・ハイ!!」 鑑識「出ません・・・!!これも!!これも反応なしです」 緒方「ダメか・・・!!」 鑑識「!、出ました!!!明らかなよう正反応です!!!」 幹部1「な・・・・・」 松本「なにィ!!!?」 鑑識「西裕二・・・28歳!!」 西「え・・・・?ええ・・・・!!!い・・・いや知らない!!オレは覚醒剤なんてやってないです!!」 刑事「残念だったな、伊武忍組組長、松下陵!!今から警察でたっぷり話をしてもらうぞ!!」 松下「・・・・!!ハハハ・・・・何を言ってるいるんです刑事さん・・・・!!」 「あいつはうちに勝手に出入りしとるただのチンピラですよ。盃を下しているわけでもなんでもない全然関係のない人間なんだよ。こいつが覚醒剤をやったってんならこいつ一人をどうぞ引っ張っていって下さいよ」 西「お・・・親父さんそんな・・・!!た・・・助けて下さいよォッ」 松下「うるせえぞこの野郎・・・!!あれほど言ったのに下手ァ打ちやがって警察に釈放された後手足の2・3本はへし折ってやるから覚悟しろよ・・・!!」 高野「やっぱりね・・・この親分を見てるとそんな気がしてたんだ。自分たちが助かるためなら君のことも平気で切り捨てる連中なのさ」 西「オレは覚醒剤なんかやってないよォ!!!覚醒剤を売ったり買ったりしてんのはこの人たちだ!!!嘘じゃないです刑事さん!!潰れた文房具屋の倉庫に隠したってオレはっきりと聞きました!!!」 刑事「や・・・やった!!これでこいつら全員を締めあげることができるぞ!!」 京子「ど・・・どういうことなんですか先生!?彼は本当に覚醒剤をやっていたんですか?」 高野「覚醒剤の尿検査ではメタンフェタミンという成分を検出するが、ある食べ物を多雨量に食べることによって同じ物質が検出されることがあるんだ。それがキムチなんだ」 京子「ええ・・・!?キムチ!!?」 高野「キムチを食べると尿に微量ながらメタンフェタミンが出るというレポートがあるんだ。だからこいつらをはめるために彼に大量のキムチを食べさせたのさ」 「君には迷惑をかけてしまったな」 西「じゃ・・・じゃあオレは無罪なんですね!?もうヤクザもやめよ」 緒方「先輩・・・それじゃ最初から捜査に協力してくれるために焼き肉を・・・僕のために・・・・」 高野「よかったな。これからも都民の安寧を守るために活躍を頼むぞ緒方!!」 京子「珍しいですねえ、先生が頼まれもしないのに緒方さんを助けてあげるなんて・・・」 高野「置き土産さ」 京子「置き土産・・・・?」 高野「しばらくアルゼンチンに渡るつもりなんだ」 京子「え・・・・?」 高野「講談社の仕事がこれでひと段落ついたからね、前からやってみたかった恐竜化石の発掘物語を書いてみたいんだ、長い間恐竜の化石は北米かヨーロッパでしか発掘されなかったけど、アルゼンチンでは南半球独自の恐竜が近年続々と発見されてるんだ。その発掘にかける学者の生涯の物語を緻密な取材を元に何年もかけて書きあげるつもりなんだ。一度向こうに渡ってしまえば、もう何年も帰ってこれないかもしれないからなあ」 京子「そ・・・・そうなんですか・・・・」 高野「うん、まあそういうことだ」 京子「身体・・・・気をつけて下さいね・・・・」 高野「何言ってんだい。君も来るんだぞ」 京子「・・・・・え!?」 高野「僕を一人で放っておいたら何をするかわからないぞ!!いろんな人に迷惑をかけるのが心配じゃないのか!?」 京子「何言ってんですかもう・・・!!そんな脅かし聞いたことないですよ!!」 「もちろんついて行きますよ!!だって私、先生の秘書なんですもん!!」 人が居なくなった高野の家を、可奈が掃除していた。 可奈(あれから3カ月・・・主のいなくなった高野先生のお家を私は週に一度お掃除をしに通っている。ううん・・・!!ボランティアじゃなくてお金は貰ってるよ。白木さんに高野さんがお願いしてきったらしいの。白木さんのお店にも高野さんは来なくなって、当たり前のことなんだけど随分静かになっちゃた・・・あんなに騒がしくて馬鹿ばっかりやって・・・でも何でいなくなるとこんなに寂しんだろう・・・私は・・・本当は・・・・) そこへ、今まで高野が関わってきた人たちが押し掛けてきた。 清原「ちょっ・・・ちょっと高野先生が外国へ行っちまったって本当かい!?冗談じゃないよ!!日本を出る前にしこたま喰ってこんなにツケを残していきやがったんだぜ!!」 小栗「うちにもこんなに請求書が届いたぞ!!」 寺田「うちにもです」 可奈「アハハハッ」 清原「な・・・何だよ!!笑いごとじゃないぜ可奈ちゃん!!何がおかしいんだよ!?」 可奈「だって、それはきっと高野さんが帰って来るつもりだからです」 (ねっ・・・・そうだよね高野さん!!) 喰いタン/終わり
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こんな最終回 【投稿日 2006/05/25】 最終回に寄せて 春コミサークル「げんしけん」で留守番する斑目と咲 700円500部は2時間ほどで完売 ボロイ商売になってきたと言い出す咲 9割荻上さんのお陰だけどねと言う斑目 笹原の部屋で仮眠取ってる荻上のカット 次回以降の皮算用を始める咲に「アナタモ2ページホドカイテミマスカ?」と切れ気味にツッコム斑目 あ、はいすいませんマジスイマセンと謝る咲 しかし色々あったよねえとしみじみする2人 げんしけんの活動の日々が回想シーンで挿入 間に耐えられず飲み物を買いに行こうとする斑目 近い奴に買いに行かせればいいよ座ってなと クッチーに携帯で連絡する咲 荷物(買った同人誌)を置きに来るついでに飲み物買ってこさせる 2人で待ち 間 クッチー到着 なんで自分パシリッスかもー でも私の知識総動員して激ヒヤのPETボトル買ってきましたよさあありがたく飲むがいい! 咲「はいはいありがとねー」 斑目「悪いねあーこれ代金ね(2人分)」 朽木「ん(3の口で)」 朽木「ん? んー……… あっ自分は島中で新しいサークル開拓したいんで続き買ってきます 斑目さんいいのがあればキープしときますけどどうしましょ」 斑目「あーその辺は完全に任せるから(追加軍資金を渡す)」 朽木「いってきまーす」 咲「よく体力が続くね」 斑目「ははは」 夜の打ち上げまでまだ時間あるし一旦帰って休んだらどうかすすめる斑目 イベント終わってないし田中や大野がまだ戻ってきてないしいいのか聞く咲 俺が留守番してるからいいよと斑目 じゃあ一旦銭湯でも寄って休んでおこうかなと席を立つ咲 そうしなよ俺は閉会準備ちょっと手伝ってから行くからと斑目 んーやっぱやめたと言って今まで閉会までいた事無いから今回は残ると席に戻る咲 椅子に座る2人の後姿 笹原の部屋で休む2人 コスプレスペースの2人 サークル回るクッチー クガピーとコーサカは仕事中 日常は続いていく げんしけん 完
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超者(ちょうじゃ)ライディーンの最終回 超者降臨! 飛翔たちライディーン戦士10人が合体して巨大戦士・ライディーンS(スペリオール)となり、魔神と化したゴッドライディーンに立ち向かう。 きらりや玲子たちは、軍の艦艇の中で戦いを見守っている。 飛翔「俺たちは負けない! 絶対にお前を止めてみせる!」 きらり「玲子さん。私…… お別れするときが迫っています」 玲子「えっ……!?」 飛翔「うおぉぉ──っ! ライディーンフレアーっ!!」 玲子「お別れって、飛翔たちが死ぬっていうこと!?」 きらり「いえ。飛翔たちは、必ず戻って来てくれます」 玲子「じゃあ!?」 きらり「私…… 思い出したんです。本当のことを!」 玲子「えっ……!? 大丈夫。あなたには、私がついてるわ」 きらり「玲子さん……」 涙ぐむきらりを、玲子も涙を滲ませながら抱きしめる。 玲子「泣いちゃ駄目。泣いちゃ…… あなたは、みんなの心を明るくするアイドルでしょ?」 きらり「いえ。私のほうが…… みんなに励まされていた。みんなに出逢えて、私、幸せだった……」 一夜(かずや)「俺にもう迷いはない! ライディーン迫撃斬!!」 次々に繰り出されるライディーン戦士たちの攻撃の前にも、ゴッドライディーンはビクともしない。 提督「我々にはもう、何もできないのか」 織田「提督!?」 提督「我々人間は、戦いの歴史を繰り返してきた。そのためにこんな武器を造り上げて…… だが、あの巨大な神のごとき力の前では、あまりにも無力だ。人間には、どうすることもできないのだ」」 玲子「違います! あそこで戦っているのは、私たちと同じ人間です! どこにでもいる普通の少年たちが、傷だらけになりながら、必死で地球を守ろうとしているんです! 飛翔、電光(いかずち)、疾風(はやて)、銀牙(ぎんが)、エース! あんたたち、負けんじゃないわよ! 負けたら…… 踊りの練習、2倍に……」 エース「俺たちが倒れるわけにはいかないんだ! ライディーンナックル!!」 銀牙「命のある限り戦ってみせる! ライディーン激流波!!」 ゴッド「魔は、滅ぼさねばならない── ウオオォォ──ッッ!!」 突如としてゴッドライディーンの全身が、漆黒の色に変る。 玲子「何!?」 きらり「あれは!?」 飛翔「どういうことだ!?」 織田「ゴッドライディーンが……」 そら「どういうことでしょうか!? ゴッドライディーンの身体が、暗黒の色に染まっています!」 きらり「駄目…… 駄目よ。目を覚まして、早く!」 ゴッドライディーンが左手の弓、ゴッドゴーガンを構える。 飛翔「あれは、まさか!?」 そら「魔神が、魔神が弓を取り出しました! 1年前に地球を壊滅させた、あの光の弓です!」」 電光「あかん、あの弓は!?」 飛翔「させるもんかぁっ! うぅおぉぉ──っ!!」 ゴッドゴーガンの矢が放たれる。 ライディーンSは両手で必死に食い止めるが、次第にその力に押される。 背後には、玲子たちの乗る艦艇。 玲子「あぁっ!?」 織田「ぶつかる!?」 すんでのところで衝突を避け、ライディーンSはそのまま海の中へと沈む。 きらり「あぁっ、みんな!?」 そら「鋼鉄の戦士ライディーンが、身をもって魔神の矢を防いでくれました! しかし、しかしライディーンは!?」 ゴッドライディーンの体が宙に浮き、空高く飛び立つ。 カイル「何をする気でござるか!?」 聖人(まさと)「魔界を滅ぼしたときと似ている……」 忍武(しのぶ)「野郎、ゴッドバード・チェンジするつもりだぜ!」 藤丸「間違いありません!」 一夜「おそらく、大気圏外からこの地球にゴッドバード・アタックをかけるつもりだ。俺たちが魔界で見た光景が……現実になってしまう!」 飛翔「そうはさせない! 止めるんだ!」 ライディーンSもまた海の中から立ち上がり、翼をはためかせて空へ飛び立つ。 宇宙空間で、ゴッドライディーンとライディーンSが再び対峙する。 飛翔「この地球は、絶対に守ってみせる! ライディーンフレアぁ──っ!!」 ライディーンSとゴッドライディーンの拳が激突。 ライディーンSが吹っ飛ぶ。 銀牙「なんというパワーだ!」 聖人「ゴッドライディーンに、限界はないのか!?」 飛翔「諦めるな! 俺たちが諦めたら、地球は終わりなんだ!」 そのとき、飛翔たちのもとにきらりの歌声が響く。 電光「聞こえるで!」 疾風「きらりちゃん!」 地上では、きらりが空を見上げつつ、歌声を奏でている。 ゴッドライディーンの体内に閉じ込められている瑠璃の目が、次第に開かれる。 瑠璃「嫌ぁぁ──っっ!!」 ゴッド「ウオオォォ──ッッ!!」 ゴッドバスターが放たれ、ビームがライディーンSを直撃。 さらにゴッドライディーンが鳥型形態、ゴッドバードに変形する。 一夜「ゴッドバードが!?」 飛翔「まだだ! まだ、終わっちゃいない! みんな、自分の力を信じろ!」 銀牙「そうだ、諦めるな!」 疾風「おぅっ!」 電光「やったるでぇ!」 飛翔「行くぞぉ! 俺たちは負けない!!」 一同「鋼鉄の翼にかけて!! ううおおぉぉ──っっ!!」 ライディーンSが突進する。 全身を火の玉と化し、ゴッドライディーンと激突する。 凄まじいパワーの応酬の中、ライディーンSの全身の装甲が次々に砕け散る。 電光「くそぉぉっ!」 疾風「な、なんてパワーだ!?」 エース「げ…… 限界だ!」 銀牙「持ち堪えるんだぁ!」 飛翔「みんなの、みんなの力を俺にくれ!」 一夜「わかった! みんな、飛翔に力を集めろ!」 カイル「All right!」 聖人「頼むぞ、飛翔!」 藤丸「お願いします!」 忍武「信じてるぜぇ!」 飛翔「ううぅぅおおぉぉ──っっ!!」 想像を絶するゴッドバードの力を、ライディーンSが必死に食い止める。 飛翔「る…… 瑠璃!!」 ゴッドライディーンの中の瑠璃。 次第に瞳の色が甦る。 地上で空を見上げるきらりの体が、突如として光り始める。 きらり (飛翔……!) 玲子「き…… きらりちゃん!?」 きらり「私の役目は終わりました。ありがとう……」 きらりの服がはじけ飛び、背中から翼が伸びる。 玲子「きらりちゃん!?」 きらりが翼をはためかせ、空の彼方へと飛び立つ。 玲子「きらり……」 宇宙空間。 きらりがゴッドライディーンの中へと飛び込む。 ゴッドライディーンの体内の瑠璃のもとへ、きらりが降りてゆく。 幼い頃の瑠璃の回想。 鏡を見つめる瑠璃。 瑠璃「セイラ様から預かったこのオーブ。私、守り切れるかな?」 鏡の中で、瑠璃の鏡像が語りかける。 鏡像「大丈夫。超魔なんかには、絶対に渡さないわ!」 瑠璃「私が明るい心でいればいいんだものね」 鏡像「そうよ!」 瑠璃「でも私、やっぱり自信ない……」 鏡像「できるよ、きっと!」 幼い頃の回想のように、瑠璃の目の前に、自分と瓜二つのきらりがいる。 瑠璃「あなたは……!?」 きらりがそっと、瑠璃を抱きしめる。 きらり「もう、終わったのよ……」 瑠璃「終わった……?」 きらりの体が瑠璃へ溶け込み、一つとなる。 ゴッドライディーンの全身の色が漆黒から元に戻り、その動きも止まる。 ライディーンSも合体を解き、ライディーンイーグルを始め10人のライディーン戦士の姿に戻る。 一同「ゴッドライディーンの動きが止まった……」「何が起きたんだ?」 ゴッドライディーンの頭部から、瑠璃が降りてくる。 イーグル「瑠璃……!? 瑠璃ぃ!!」 イーグルが瑠璃を、しっかりと抱きとめる。 ゴッド「この時代での、私の使命は終わった」 イーグル「何? もう、戦わなくてもいいのか?」 ゴッド「戦いは常にあり、そして終わることはない。お前たちは様々な宇宙、様々な時代に、その時その時、人間を蝕む魔と戦ってきた。そしてお前たちが魔に敗れることがあれば、私はその世界を滅ぼすだろう──」 イーグル「お前は…… 何なんだ!?」 ゴッド「この姿は仮のものに過ぎない── 違う時代、違う宇宙で、私はまた別の姿で、お前たちの前に現れるだろう──」 ゴッドライディーンの全身が光り、無数の光の粒子となって消滅する。 ファルコン「僕たち、勝ったんだね……」 イーグル「瑠璃……」 瑠璃「飛翔……」 イーグルが変身を解き、飛翔の素顔を晒す。 瑠璃「ずっと、そばにいてくれたのね……」 飛翔「あぁ、そばにいたよ……」 瑠璃「ありがとう……」 何日かが過ぎ、玲子と織田の結婚式が開かれた。 式場の教会の出席者の中には、飛翔たち5人、一夜たち5人の姿もある。 (玲子のナレーション) 天使たちは、私のところに戻って来てくれた。 しかし、西条きらりはその姿を消してしまった。 彼女は、1人の少女の心が生み出した幻だったのだろうか? いや、彼女は間違いなく存在していた。 そして私たちに、かけがえのないものを残してくれた。 もしかしたら彼女こそ、本当の…… 窓のステンドグラスに天使の姿── 教会を出た玲子と織田が、出席者たちの喝采を浴びる。 ふと飛翔が車道に目をとめる。道の向こうで、妖しげな笑みを浮かべる男。 超魔の首領、ルーシュ・デ・モン……? 飛翔「あっ……!?」 ブーケを受けようとするギャラリーに押され、飛翔が転倒。 顔をあげると、ルーシュとおぼしき男の姿は消えている。 電光「何、ボケッとしとるんや、飛翔」 エース「どうした?」 飛翔「いや…… 別に」 さらに何日かが過ぎ、飛翔たちANGEL(エンジェル)と、一夜たちザ・ハーツのジョイントコンサートが開催されようとしていた。 会場の控室で、一夜たちが出番を待つ。飛翔たちは一向に到着しない。 聖人「遅すぎるぞ! ANGELのヤツら!」 藤丸「マネージャーが、道を間違えたんだそうです!」 忍武「気合が入ってねぇから、そういうことになるんだ!」 カイル「本番に間に合うでござるか?」 一夜「フ…… アイツららしいといえば、アイツららしいが、な」 カイル「プッ…… ハハハハ!」 一同「アハハハハハハ!」 当の飛翔や玲子たちは、篠田の運転する車で会場を目指していたものの、渋滞の真っ只中にいた。 飛翔の妹・つばさ、瑠璃も同乗している。 篠田「ごめんなさぁい!」 玲子「何でこんな大切な日に、道間違えんのよぉ!」 篠田「だから、謝ってるじゃない……」 玲子「もう! 着いたら、すぐステージよ! メイクも衣装も完璧にやっといてちょうだい!」 エース「玲子さん、新婚旅行に行くんじゃなかったんですか?」 玲子「あんたたちを置いて、1人だけ遊びにいくわけにいかないでしょ!?」 瑠璃「織田さん、かわいそう」 玲子「いいのよ、旦那はほっといて。私には、あなたちのほうが大事なんだから」 篠田「離婚も間近ね……」 玲子「んんっ!?」 エース「嬉しいような、怖いような……」 飛翔「本当は玲子さんのこと、好きだったんだろ?」 エース「す、好きな人には幸せになってもらいたいもんだ!」 飛翔「この、格好つけやがって!」 カーラジオから、きらりの歌声が流れる。 つばさ「きらりちゃんの曲だ! ねぇ、ボリューム上げて!」 瑠璃が一緒に、きらりの歌を口ずさむ。 美しい歌声に、一同がしばしの間、和む。 そして、ようやく飛翔たちが会場に到着。 一夜「遅いっ!」 電光「遅れとぅて遅れたんやないわい!」 一夜「フ…… まったく、お前らときたら」 飛翔の母・まりえが、銀牙に花束を差し出す。 まりえ「鳥飼くん。外にいた女の人が、これを君にって」 銀牙「私に?」 まりえ「綺麗な人だったわよ」 花束には「銀ちゃんへ」とカードが添えられている。死んだはずのエキドナが銀牙を呼んでいた呼び名──? 電光「ええな、ええなぁ! あぁ、『銀ちゃんへ』? 誰なんや? 馴れ馴れしい」 玲子「本番始まるわよぉ!」 電光「よっしゃあ!」 一夜「よし! 行くぜ、飛翔!」 飛翔「おぉっ! 一夜!」 ステージの上に飛翔たちANGEL、一夜たちザ・ハーツ、総勢10名のコンサート。 観客たちが歓喜し、陽が沈むまでステージが続いてゆく。 街外れで、きらりの古びたポスターを、1人の幼い少女が見上げる。 「私にも、できるかなぁ……?」 どこからか、声が響く。 「できるよ! きっと……!」 (終)
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トップページ セナ☆のワンフリR日和♪ - 過去ログ 最終回のお話 ミミはフラグ?のお話 ←前 セナ☆のワンフリR日和♪ - 過去ログ 最終回のお話 2015/4/13(月) 午後 3 53 こんにちは、セナですヨ☆ タイトルにもあります通り、このブログ『セナのワンフリR日和』は今日で最後の更新ということになりましたヨ おもな理由はワンフリRに対する情熱が薄れてしまったことですネ もともとこのブログはワンフリが好きすぎてもっと盛り上げたくて始めたのですケド、この前のLEVEL5新作発表会の結果、先月今月のマイナーアップデートの感じからは私にはどうしてもポジティブに考えられないのですヨ(;¬_¬) こんな気持ちのままでなにかを書いても見ていただいてる方々に失礼なだけだと思います(・_・、) それに、もう攻略が必要なこともないように思いますネ(^_^;) 私の攻略法はイマの感覚ではちょっと古いようにも感じますし… ということで、ブログの更新はもうありませんケドこの場所はしばらく残しておこうと思ってますヨ☆ 過去ログには様々な検証データや攻略法が載っていますので興味のある人は見てみてくださいネ♪ 最後にいままでこのブログを見て応援していただいたすべての方々に感謝しますヨ☆ 本当にありがとうございましたm(*_ _)m ほな!(* ̄▽ ̄)ノ~~ ▲上へ ミミはフラグ?のお話 ←前 セナ☆のワンフリR日和♪ - 過去ログ トップページ セナ☆のワンフリR日和♪ - 過去ログ 最終回のお話
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<発端(19代目スレ)> 36 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/29(日) 01 49 47 ID ??? このスレが最終回だなんていまだに信じられないですよね このレスにのっかる住人たち 37 :ハゲ平1号 ◆beBPLelkXc :2006/10/29(日) 02 09 26 ID ??? しかたないさ・・・ いつかは離れるもんなんだ・・・ その時期が来るのが少し早かっただけだ・・・ (´;ω;`)ブワッ 40 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/29(日) 10 18 05 ID ??? (■∋■) (AA略) 終わりらしいヴェイ!! 41 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/29(日) 11 00 55 ID ??? みんな今までありがとう! 絶対忘れないぜ! 56 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/29(日) 13 01 47 ID ??? 最終回なんだから終わるのはしょうがないよなあ スレが終わることを悲しむ住人たち 39 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/29(日) 09 59 12 ID ??? このスレで終わりなんでつか?(´;ω;`) 46 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/29(日) 12 05 51 ID ??? これから俺は何を見て生きていけば良いんだ・・・ 48 :RATE ◆W48S2eY4nU :2006/10/29(日) 12 11 19 ID ??? とうとうなくなるのか・・・ 今まで一度も実況に参加してないけど、楽しかったよ おまいらありがとう。 期せずしてMONSTERの実況が始まる 267 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/29(日) 23 49 14 ID ??? こうして実況できるのも最後か・・・ 318 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/30(月) 00 30 32 ID ??? スレ最終回にはコレ聴きたかった゚・(ノД`) 今年の自分ベスト3に入る曲だ 331 :名無し ◆FBDeucz9RA :2006/10/30(月) 00 45 19 ID ??? オワタ 乙&再生つきあってくれた人有難うでした! 支援とかも楽しかったなぁ。またどっかで実況しようwダンス編とかなwww 次第に冷静になる住人たち…スレ最終回ってなんだ?そんなわけねえw 334 :るー坊 ◆LOSE///MIY :2006/10/30(月) 00 49 23 ID ??? なんで最終回騒がれてるのかよく理解できてない自分は空気読めない奴ですね 336 :名無し ◆FBDeucz9RA :2006/10/30(月) 00 57 59 ID ??? 最終回ネタは自分もさっぱし解らんwけど解らなくもないwどっちだよwww 339 :188 :2006/10/30(月) 01 07 12 ID ??? 要するに、「もちっとだけ続くんじゃ。」 だよな? 341 :るー坊 ◆LOSE///MIY :2006/10/30(月) 01 10 37 ID ??? 普通に次スレ建てた時の話してるしね 342 :哀夢短家黒 ◆LOOSEw4uWI :2006/10/30(月) 01 14 44 ID ??? なんとなく言ってみただけのことがスレを混乱させるとは、その時の 36は思いもしなかったのである 343 :188 :2006/10/30(月) 01 17 56 ID ??? 俺も釣られたww 344 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/30(月) 01 18 18 ID ??? その後、元気に走り回る 36の姿が!! その後、元気に走り回る 36の姿が確認されている 384 :名無しの歌が聞こえてくるよ♪ :2006/10/30(月) 10 29 56 ID ??? ┗36┓ ┏┗ 三 ダッシュ トップページ ネタ集
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学校の昇降口。 あゆみは一人、空を見上げていたが―――― あゆみ「――――って、一人で考えても始まらないか!!」 第32話 ハツコイリミテッド。 慧「相談って何よ?」 あゆみ「えっと・・・あたしさあ、財津くんのこと好きでしょ?今もトーゼン好きなんだけど。だけど・・・海で財津くんがあたしじゃない女の人の名前叫んでるの聞いて、あたしのこの想いは一生報われないのかもって思ったの。それならもういっそ、あたしのことを好きって言ってくれた財津くんのお兄さんと――――――」 慧「あゆみ。男は顔じゃないのよ」 りか「変わったなー、江ノ本。オマエがそれをゆーか」 慧「そりゃ、財津兄は見た目ブサイクよ。恐ろしいわよ!でもそーゆー人に限ってピュアなハートを持ってたりするものなの!!」 あゆみ「それ楠田くんのこと?」 りか「それに好きって言ってもらえるだけで・・・嬉しくってくすぐったくて恥ずかしくって・・・でも心地よくて」 慧「そーなのよねー、わかるわかる」 あゆみ「けど、それって相手にもよるって絶対~~~~~~」 りか「つーかあゆみ、財津兄にまだ返事もしてないのか!?告られたの何ヶ月前だよっ」 慧「信じらんない!アンタって子は・・・って逃げるなー!!」 あゆみ「ひえ~つ」 小宵「そりゃつきあうなら断然、兄でしょ」 あゆみ「・・・小宵ちゃんそれ本気で言ってる!?あの人のことずっと怖がってたくせに」 小宵「んーーっ、んーーっ、んーーっ」 「困った時はこれーーーっ♪」 小宵が一本の花を取り出した。 小宵「私がこの花であゆみちゃんの進むべき恋路を占ってしんぜよー」 「あにーっ、おとうーっ、あにーっ、おとうとーぅ」 あゆみ「・・・」 名央「え?愛する恋と愛される恋・・・?」 あゆみ「うん!千倉ちゃんならどっち選ぶ?」 名央「・・・あたしにはわからないけど、でも・・・たとえ報われなかったとしても、その恋もたしかに・・・意味はあるはずだから」 あゆみ「千倉ちゃんどうしちゃったの?」 名央「な、何?」 あゆみ「だって言葉にすごく重みが・・・もしかして千倉ちゃん今好きな人いるの!?」 名央「えっ、やっ」 曽我部「・・・あのさあ、そーゆーこと男子に聞くかなフツウ」 あゆみ「だって二人とも財津くんと仲いーんだもん!それと曽我部くん髪切ったの正解!」 曽我部「苦労して美容院入ったからな、良くなってないと困る!めちゃくちゃ恥ずかしかったんだぞ!!」 あゆみ「で、曽我部くんはこの先あたし、どーすればいいと思う?」 曽我部「どーするも何も、好きな奴を好きなままでいいじゃないか。実らない恋だって得るものはたくさんあるはずなんだから」 あゆみ「うーん、それ千倉ちゃんもゆってたんだよね~~~~~」 曽我部「千倉さんと同意見!!それはそれでフクザツだ・・・・・」 「じゃあ千倉さんはアイツのこと忘れる気は・・・・」 あゆみ「ねぇねぇ、あの慧ちゃんのハートをゲットした楠田くんの意見も聞かせてよ-」 楠田「別にゲットしたなんておもっちゃいねーが」 「――――――俺は財津の兄貴知ってっからゆーけど・・・告るのに相当勇気が必要だったと思うんだよな。だって俺とか財津の兄貴とかダメモト側の人間じゃん。きっと・・・本当にすげー一生懸命だったと思うぜ・・・・・」 曽我部「何エラソそにー言ってんだよ!直接告ったわけじゃないだろ楠田は!」 楠田「俺は俺なりに頑張ったんだよ!!」 曽我部「あ――――――っ!楠田だけ彼女がいるなんて許せないーっ!!!」 あゆみ(ますますわからなくなりました・・・) あゆみ「あっ」 岬「あっ・・・」 あゆみが公園でブランコをこいでる所に、岬達、高校生組の3人が通りかかった。 めぐる「へえ―――――、有原くんの妹!」 岬「将来はあたしの妹になるかもよ」 めぐる「はは・・・あっ、そ」 夕「でも何か深刻な顔してたよね?」 あゆみ「そうなんです!山本さんに聞きたいことがあるんです!!財津・・・衛くんのことで――――――」 岬「・・・あたしは衛のこと、弟としてしか見てないけど、あゆみちゃん、操と衛の間で悩んでるんだね。ごめんね・・・・」 あゆみ「い、いえ、別にあたしは・・・・・・・・」 めぐる「財津操ってアレでしょ?弟もやっぱゴツイわけ?」 夕「慧ちゃんの写真で見たことあるけど、かわいい感じの男の子だったよー」 岬「操のこと言える?あんな変態海パン男を好きなくせに!」 あゆみ「ヘンタイ」 めぐる「変態はヤメて、変態は!!」 変態海パン男こと、めぐるの思い人の武居がくしゃみした。 めぐる「あたしにとっては、小学生からのあこがれの先輩なんだから!」 あゆみ「・・・ずっと好きなんですか?」 めぐる「えへへ・・・ま、まあ、あたしは好きって気持ちを優先したほーがいいと思うけどね」 岬「あゆみちゃんは操のこと、やっぱり怖いとしか思えないの?」 あゆみ「財津くんを探しに行く時」 操「結果はわかってても、伝えねーで生きてくよりはずっとマシって・・・・!」 あゆみ「って言われてドキッてしたけど―――――」 岬「ドキドキするならそれは恋でしょ!?ね」 あゆみ「違います!「ドキドキ」じゃなくて「ドキッ」とです!!」 岬「あは・・・勘違いでもそーゆー感情大事じゃない?あゆみちゃんの一番素直な気持ち、それに従ってみようよ・・・・・ね?」 あゆみ「・・・・・・よし!あたし今から財津くん家行ってきます!ありがとう山本さん!!」 あゆみが駆け出していった。 めぐる「青春ねー」 夕「いーなー、夕は恋愛させてもらえなかったから・・・」 あゆみは、財津家に行った。 操「うあ?」 衛「有原さん・・・どうしたの?何の用?」 あゆみ「財津操さん!!」 操「え・・・・」 あゆみ「あたしやっぱり財津衛くんのことが好きなんです!!返事遅くなっちゃてごめんなさ・・・」 衛「え?え?あ、有原さん、あの」 あゆみ「今は・・・知ってる。操さんが怖いだけの人じゃないって。弟想いの優しいお兄さんなんだって・・・でも、もうちょっとだけ追いかけてみたいの。大切なあたしの・・・・・・初恋を」 操「・・・そーだな。好きな気持ちばっかはしょーがねーもんな・・・」 「――――じゃあ、俺もまだ諦めねぇ。わかって・・・くれるよな?」 あゆみ「・・・・・お互い頑張ろ・・・!」 あゆみが去って行った。 衛「兄貴・・・」 操「ハハハ!とりあえず「いい人」には昇格したからな!当分は俺達ライバルだな、衛・・・・!」 あゆみ「うまくいくことばかりじゃない」 岬と有二が顔を赤らめながらも、寄り添って歩く。 その後ろで、夕と小宵の兄の良彦も並んで歩いていた。・・・更にその後ろに夕の趣味仲間の男達が大勢付いてきていて、 名央の兄の一真が呆れ顔で見ていた。 あゆみ「間違うこともあるかもしれない」 めぐると武居が一緒にプールの中で泳ぐ。 りかがテニス部の仲間で彼氏の寺井と一緒にいた。 あゆみ「でも初めて出会った恋する気持ちは」 エロ本を持って走り去る楠田を慧が追いかける。 慧「だからあたしの目の届く範囲でエロ本読むのはやめてって言ったでしょ―――!!」 あゆみ「きっと、確かに大切なもので」 名央と曽我部が一緒に絵を描いている。 あゆみ「そんな思いの一つ一つが」 「―――私達を未来へ運んでゆく」 あゆみが小宵達と合流した。 名央「あゆみちゃん!」 慧「あゆみ?」 りか「何?今帰りなんだ」 小宵「で、どっちの財津くんに決めたの?」 あゆみ「ひーみーつ!」 慧「もう一度忠告するけど、いい?男は中身なのよ、中身!!」 りか「やめて江ノ本―、そのセリフアンタが言ったらマジギャグだから」 あゆみ(アナタは今恋をしてますか・・・?) おわり