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第541話:大崩壊/ディストピア(憎いし苦痛) 作:◆eUaeu3dols 全ては圧縮される。 参加者達は一点に圧縮される。 悲劇もまた一点に圧縮される。 時間すらも一点に圧縮される。 23時10分。 大集団の待機組で起きた惨劇が一つの終わりを迎えた時刻だった。 23時13分。 ダナティアの透視と、待機組から舞台組への電話。そしてパイフウが姿を消した。 23時15分。 緑地に飛び下りていた茉衣子はようやく立ち上がり、よろよろと逃げ始めた。 23時16分。 一人の少女が、徐々にマンションへと近づいていた。 23時17分。 ダナティアはパイフウを見つけだすためにもう一度透視を使った。 23時18分。 一人の少女が、徐々にマンションへと近づいていた。 23時19分。 パイフウが奇襲を仕掛け舞台組の一室では目まぐるしい激突が繰り広げられていた。 23時21分。 一人の少女が、舞台組のマンションに近づいていた。 一人の少女が、待機組のマンションに近づいていた。 23時23分。 待機組に居たリナは部屋を飛び出し地下駐車場を経由して舞台組の部屋へと向かった。 ――23時24分、マンション。 舞台組で、爆発が起きた。シャナは待機組の居る一室に到着した。 途中から、何かがおかしいと思っていたのだ。 遠目にあの人達のマンションから飛び下りる誰かの姿が見えた。 気になって近づけばそれはシャナの知らない黒いドレスの少女で、 たまたまシャナには気づかずよろよろとどこかへ走って行ってしまった。 (あんなのに、あの人達を殺す事なんて出来っこ無い) その確信を持っていて、だけど誰かが傷つけられているかもしれない。 隣のマンションで爆発が起きたけれど、この場所じゃない。今は、後で良い。 だから急いでマンションに駆け込んであの人達と使っていた部屋に向かった。 シャナは知る由も無かったが、待機組の部屋はそこから移動していなかった。 彼らがそこに居るのを知っている者は居なかったから、 どこかに行ってしまったシャナが迷わず帰ってこれるように、そこを移動しなかった。 その気遣いは功を為し、シャナは迷うことなくその部屋に帰り着いた。 部屋の前に立ち、少し言葉に詰まる。 どう言えば良いのだろう。何をすれば良いのだろう。 それは判っている、だからそれをするだけ。 今のままじゃいけないから、どこかに進まなければいけないから。 ほんの欠片だけど持つ事が出来た決意を篭めて。 大きく息を吸い込んで。言葉に出来ずに吐いて。もう一度吸い込んで。 …………………………言った。 「ごめんなさい」 部屋の中で複数の気配がびくりとなる。 精一杯の勇気を振り絞って、怯える子供の震える指でドアのノブを掴む。 夜気に冷やされたドアノブは氷のように冷たくて、心が凍えてしまいそうになる。 脈拍は早鐘の様に早まり、呼吸は荒く安定しない。 やる事はそう難しい事じゃない。ドアを開けて、謝って、どうすれば良いか教えてもらう。 それだけの事なのに足が挫けて腕の力が萎えてしまう。 それでも、それでも腕に力を入れて必死にドアノブをゆっくりと回す。 「ごめんなさい。もう合わせる顔なんて無い。正しい道も判らない。 だけどそれでも……もう一度、会いに来た。 正しい道を捜したいから。……あなた達を、信じてるから。 だから、セルティ」 罵倒されるだろうか。憎まれるだろうか。怨まれているだろうか。 それとも許してくれるのだろうか。それはとても都合の良い解釈にしか思えないけれど。 (私は誇りを失った化け物で、体は穢れ、心は穴だらけで、もう何も残っていない) 残っているとすればそれは自分自身と、ダナティアの言葉だけだ。 ダナティアは言った。悔い改めて進め。奪うな、失うな、過つなと。 悔い改めろと言った。 (それは正しい事なんだ) だから悔い改めなければならない。勇気を持って。 それが正しい事は判っている。 だから迷ってはいけない。悩んではいけない。進まなきゃいけない。 それはほんの少し体を動かすだけの事なのに、千里を進むよりも苦しく思える。 それでも進まなきゃ、進まなきゃ、進まなきゃ、進まなきゃ………… 「ごめんなさい。お邪魔します」 吸血鬼になって強まった筈の全身に渾身の力を込めて、ゆっくりとドアノブを押していく。 鍵は掛かっていなくてドアと壁との隙間は少しずつ少しずつ開いていく。 ドアを押し開ける1秒にも満たない時間が長く永く長く長く感じられてられて………… そこに開かれた光景は。 何かを延々と呟き続ける千絵。こちらを呆然と見つめる保胤。立ちつくしている臨也。 そして床に横たえられた、シーツを掛けられた二つの…… 「…………………………………………………………え?」 ――23時25分、灯台。 灯台の頂上から唐突に血の塊が流れ落ちた。 灯台の壁面を伝い、灯台の足下にぱしゃん。 勢いをそのまま利用して飛び散った血が見る見るうちに血文字を速筆した。 【動きが有った。なにか爆発が起きたようだ】 「戦闘か?」 【おそらくは】 ブルーブレイカーの問いに素早く答える。 EDは、帰って来ていない。 いや。 EDは、帰ってこない。 【放送まであと30分と少しだが、動いた方が良いかもしれない】 「そうね。戦闘まで起きてしまったなら、グズグズしてはいられない」 「危険だが」 「判ってるわよ、そんなの」 風見とブルーブレイカーは灯台の一階で待機していた。 EDの予定は『放送までに帰る』、だ。放送までで考えればまだ帰って来るかもしれない。 だが今から2時間ほど前にあったあの放送を見て、EDは寄り道をするだろうか? “予定を早めて”帰って来る、そう考えるのが普通だ。 それから2時間。EDは“予定通り”まだ帰って来ていない。 【……彼の名は、放送で呼ばれる可能性が高いだろうね】 子爵は断腸の思いで宣言する。 彼の生存を期待するのは希望的観測に感じられた。 そもそも彼が行っていた事は危険な綱渡りだ。 話が通じない相手に遭遇してしまう危険を敢えて呑んで、歩き回って仲間を集める。 帰って来れなくなる可能性は何時でも有ったのだ。 【もし帰って来た時の為にメモは残しておいた。 放送で君の名前が呼ばれなければすぐに灯台に戻るとね。 だから今は、あちらの事について考えるとしよう。さあ、出発だ!】 「……ええ」 「了解した」 彼らは渦中へ向かって歩き出す。 ――23時26分、マンション。 ―――――――――――――――――――――――――。 「おかえりなさい……シャナさん」 保胤の声が聞こえる。 ああそうか、わたしはマンションに帰ってきたのだ。 謝るために。前に進むために。 帰ってこれたのだ。この場所に、みんなの集まるこの場所に帰ってこられたのだ。 ――それじゃみんなは、何処に行ったの? 「ダナティアやベルガーは仲間達と共に、あっちのマンションに移ったよ。 リナも今、あっちに向かってる。 俺達は居残りさ。そしてセルティは……」 臨也の優しい声は詰まり、そっと屈み込んだ。 そして手を伸ばし、そこに有るシーツの一枚を、はだける。 ゆっくりと開かれたシーツの下には、白い裸体が見えた。 意外と起伏の有るその体が誰の物か、考える必要は無かった。 首の有る場所に何も無くて、そこからは何も流れ出していない。 首を切り落とされたのなら流れ出ている筈の血が、当然の様に一滴すらも流れ出ない。 ずっと前から、生まれた時からそうだったように。 ――どうして? 「黒い服の女の子を、見なかったかな? 元は保護していた女の子なんだけどね。 突然暴れて志摩子……ああ、由乃ちゃんの友人だったらしいよ。 それを殺して、飛び下りて逃げて行ってしまったんだ。 その時にセルティまで、殺されてしまった……」 臨也の声は深い悲しみと落胆に包まれた静かな物だった。 あの少女が……黒いドレスの少女が彼女達を、殺した? どうでも良いと見逃した、あの少女が? ――ウソだ。 「本当だよ。そうだろう、保胤?」 「…………ええ」 ………………。 ………………………………。 「そして千絵さんは、奇妙な恐慌状態になって…… 向こうに電話を掛けているのですが、一向に繋がらないのです」 ――繋がらない? 「そうだよ。……見てみなよ、あれを」 臨也はカーテンの隙間から外を指し示す。 ふらふらと靴を脱ぐのも忘れて部屋に踏み入り、窓際に歩み寄った。 その外には、ある一室から黒煙を上げているマンションが有った。 「あれが舞台組、ダナティア達の居る部屋なんだけどねぇ。 今さっき、凄い爆発が起きた」 言葉が頭に入らない。声が耳に届いているのに、それ以上が聞こえない。 ダナティアとベルガーの居る筈の一室からは黒い煙が上がっていて、下を見ると。 吸血鬼の夜目はそこで起きた事を、全て捉えた。 ……逃げ去る二人の影。転がるダナティア。起きあがったダナティアに近づく少女。 「――っ!!」 「シャナさん!?」「シャナ!?」 制止の声も耳に入らず反射的に飛び下りる。 ――少女から伸びた銀色の糸がダナティアの首に巻き付く。 大気が逆巻く。夜の風が。地面が迫る。夜の大地が。膝を曲げて、着地。 ――少女とダナティアが何かを話す。数言。 声を出そうとするが着地の衝撃で息を吐き出している。 ――少女がにっこりと笑う。 息を吸って立ち上がり酸素を全身に送り込み足を動かし走り出そうとした目前で。 ダナティアの首が、ねじ切られた。 ――23時27分、石段。 彼らはその場所まで辿り着き、言葉に詰まった。 「……随分と派手にやってるじゃない」 「ライトアップの次は狼煙を上げたか。目立ちたがりな奴らだ」 「ンなわけねえだろ! “何か”が起きてるんだ!」 火乃香が、コミクロンが、ヘイズが声を上げる。 場所は石段。マンションを見晴らす事が出来る場所。 彼らは焦り、しかし同時に期待もしている。 放送の時にあれ程の力を見せたダナティア達なら何ともないのではないか。 あんな爆発が起きる戦闘でも平気で生き残っているのではないか。 「……下手に突っ込めば無駄に巻き込まれたりするかもしれねえな」 「そうだね。放送まで、あと30分か……」 放送まで待って、生死を確認。それからでも良いはずだ。 そもそも自分達はダナティアと少年の声しか知らないのだから。 下手に突っ込めば敵も味方も判別がつかない。 「待て、向こうから誰か来たぞ」 「……隠れろ」 三人が茂みに隠れてから少しの後。 その場に現れた二人を見て、火乃香は思わず声を上げそうになった。 (先生!?) パイフウと古泉が石段に現れた。 ――23時28分、外灯と月明かりの隙間。 …………………………………………………………どうして、だろう。 どうして、この世界はこんなにもひどいのだろう。 どうして、みんな死んでいくのだろう。 どうして、なにもかもが失われていくのだろう。 どうして。 どうして。どうして。どうして? 「どうして。そう、『どうして』だ。問い掛けろ。捜せ。答えを探せ」 ハッと反射的に顔を上げる。 マンションの足下。明かりの届かない闇。未知の底。 そこに……『坂井悠二』が立っていた。 「悠二――!?」 シャナの驚愕の声に、しかし『坂井悠二』は反応を返さない。 『坂井悠二』は一方的に、坂井悠二の声で語り始めた。 「かつて地図の上には空白が有った」 少年の声で不可解な言葉を語り始めた。 「人々は地図の空白にある未知の領域には怪物が住まうと信じていた」 「悠……二……?」 「だが地図の空白は埋められていき、やがて全てが埋め尽くされた。 人々が信じていた怪物は何処にも見つからない」 「悠二……何を、言ってるの…………?」 「ならば怪物は何処へ行った? 未知に住まう怪物は何処へ行った?」 違う。 当たり前の事だけど、こいつは違う。 坂井悠二の体をして坂井悠二の声をしているのにまるで違う。 当然だ、坂井悠二はもう居ないのだから。殺されてしまったのだから。 シャナは埋めるところは見ていない、けれどもう埋葬されている筈なのだから。 「この島にも、怪物は居る」 別のモノ、違うナニカ。 「それなのに地図の空白が埋め尽くされても怪物は見つからない。 怪物は何処へ消えた? 人を喰らう怪物達は何処に行った?」 そう、こいつは。 「おまえたちが自ら以外の全てを死で埋め尽くした時、そこには何が見えるだろう?」 人の姿をした怪物だ。 「私は御遣いだ。これは御遣いの言葉だ」 唐突に、ソレは別の言葉を始めた。 「――心の実在を証明せよ」 怪物の問い掛け。 未知の、問い掛け。 『忌まわしき未知の問い掛けに弄ばれる者達よ』 突如、全てが繋がった。 「おまえが」 ダナティアの演説の冒頭にあった不可解な言葉と。 「おまえが」 薔薇十字騎士団がビジネスと言った背後に居る誰かと。 「おまえがっ!」 目の前の存在が。 「元凶かあっ!!」 一瞬でソレの目前まで踏み込み、刃を振り下ろそうと、して。 「…………ずるい」 ソレは何もしていない。 「ひどいよ……」 ソレは何も起こしていない。 「どうして」 ただ、ソレは人として、存在としてあまりに冒涜的な存在だった。 「どうして、悠二の姿を使うの!!」 ソレが坂井悠二の姿を冒涜し、使っていただけ。 怪物は冒涜的な笑みを浮かべて、ただ繰り返した。 「心の実在を証明せよ」 その言葉を最後に。 そこにはまるで最初から何も居なかったかのように、坂井悠二の姿は消えていた。 理解できない悲劇。 理解できない意思。 理解できない物事。 理解できない元凶。 理解できない怪異。 理解できる、絶望を植え付けて。 (わたしは、この怪物と戦うことすらできない) 抗う事すら叶わない絶望がシャナを打ちのめした。 ――23時29分、フリウ。 「通るならばその道」 少女は唄う。 「開くならばその扉。吼えるならばその口」 軽やかに、しかししめやかに。 「作法に記され、望むならば王よ、俄にある伝説の一端にその指を、慨然なくその意思を」 甘美な絶望に心を浸して。 「もう鍵は無し」 より多くの絶望を撒き散らす為に。 「開門よ、成れ」 世界を破滅で埋め尽くす為に。 突如現れた銀色の巨人に、ダナティアが落ちた部屋の住人達は俊敏に反応した。 部屋の奥に退いたのだ。 耳を澄ませば騒がしく部屋の奥に逃げる足音がする。 いや、これは逃げる足音ではない。物々しい装備の音が、騒がしい音がする。 (こっちに攻めて来るんだね) 窓から飛び下りて来るほどに無謀ではないらしい。 足下を見下ろすとそこには無惨に首をねじ切られた死体と、その血に埋もれた喋る石が有る。 安否の確認をしないのだろうか? それとも、遠くから一瞬でそれを済ましたのだろうか? ――ダナティアの死体から一本の針金が飛び出ているのは、目に映る物ではなかった。 それはかつてメフィストが坂井悠二に仕込んだ針金と同じ物だった。 (じゃあそれまでにさっきの喋る石を、死体ごと……) そう思ったその時、混ざる別の、近い足音を聞いた。 音の先に立っていたのは、赤い髪の一人の少女。シャナ。 シャナを見つめると、フリウはくすりと笑い、破壊精霊に命じた。 壊せ、と。 そして、23時30分。 シャナは駆ける。一直線に。炎髪灼眼を燃やして、赤い髪を翻して。 「壊れろ!」 フリウはその瞬間、襲い来る少女の双眸に―― 少女の右眼に―― 銀色の巨人が笑う姿が映るのを確かに見た。 デジャ・ヴュ。 シャナは“偶然”にもフリウの回想を再現する。 黒いマントのような夜傘で体を包み、後方に飛び退いた。 一瞬前までシャナがいたその場所に、銀色の柱が突き刺さる。 衝撃はただ一度だけ。 たった一撃の拳が踏み石を粉塵に砕き潰し緑地を赤茶の土で抉り返し大地の深くまで貫く。 ――外れた。 それはかつてフリウが歯が立たなかった赤い髪の剣士を、殺人精霊を彷彿させる。 (でも今は、あたしも怪物だ) ならば壊せる。壊せるはずだと言い聞かせる。 この殺し合いの渦中、マンションの前の緑地に立ち――破壊精霊ウルトプライドが上体を起こす。 床に突き刺さった右腕を引き抜き、天になにかを差し出すように両腕を掲げ、破壊の王たる精霊は雄叫びをあげた。 そして炎に包まれた。 「嘘……」 何から何まで同じだった。 シャナが放った幾重にも束ねられた紅蓮の光跡が破壊精霊に叩きつけられていた 気温が上昇し、抉られ宙に舞う緑地の草花に次々と火が灯る――眩しい吹雪のように、 火の粉が激しく渦巻く気流の中、さらに烈火のごとく輝く巨人は突き上げた拳を強く固めた。 (この後、あの時は小さな音と共にアレは破壊精霊を飛び越えて来た) だからそれを警戒しフリウは破壊精霊の肩を見上げ。 ――あの時と同じように、想像もしない現実が迫った。 轟っと音がして。 シャナは小柄な肉体と信じがたい速度で破壊精霊の足の間をくぐり抜けて、迫った。 銀色の柱が、巨大な拳が穿った穴は彼女に追いつけない。 (……勝てない……また、勝てない!?) フリウがそれを認識した次の瞬間。 シャナは一瞬で、フリウの懐まで踏み込んでいた。 * * * 「チクショウ! チクショウ、チクショウ!」 少年は怒り悔やみ嘆き、走る。 「メフィスト! ダナティアは……本当に死んだのか!?」 「彼女が首だけで生きでもしない限り、間違いない」 併走するメフィストは淡々と答える。 「あの巨人……足下に一人、少女が居た。彼女にやられたのだろう」 「あの二人じゃねーのか!?」 「おそらくはまた別だ」 投げ落とされた衝撃は防護服の加護もあって大した損傷にはならなかったはずだ。 だが、態勢が崩れ完全に無防備な状態となってしまう事は避けられない。 「この島では誰も彼もが死の危機に脅かされている。何者さえも死に呑まれうる」 無力でありながらも機知に長けた少年、坂井悠二のように。 新宿の魔人、秋せつらのように。 「判るだろう?」 「……ああ。チクショウ!!」 竜堂家の長兄であり東海竜王とも呼ばれる竜、竜堂始のように。 そして……ダナティア・アリール・アンクルージュのように。 悲劇はまたも起きてしまった。それどころか終がそれに一役を買ってしまった。 (おれのせいだ……!) さっき怒りに任せて暴走しなければダナティアはパイフウを解放する必要が無かった。 古泉が隙を作ろうとも逃げる機会は無く、あの二人はそのまま捕らえられたはずだ。 そうなればダナティアが投げ落とされる事も、そこで殺される事も無かった。 パイフウは許せない。鳥羽茉理を無惨にも殺したパイフウは絶対に許せない。 だけどその憎しみを止めるために、ダナティアが死んだ。 (おれが……!) 「前を向け……竜堂終。君らしくも、ない……!」 ゼェゼェと荒い息に混じった叱責が終を打つ。 併走するベルガーはまだ片肺を失ったままだったが、それでも走り、話してみせる。 「ベルガー……?」 「今回は不運すぎる偶然が悪魔的に重なった……君に有る責任なんて……一部だ」 「だけど……!」 「それに!」 ベルガーは片肺だけから酸素を全身に送り、その余剰で言葉を紡ぐ。 「忘れたか? ……ルールを。ダナティアの言葉を!」 「…………っ」 終は息を呑む。 嘆きを呑み込む。憎しみも今は我慢する。 そして、ゆっくりと答えた。 「『過ちを犯した者として告げましょう。悔い改めて進みなさい』」 「やれるか……?」 「……当然!」 終には悲しむ事も悔やむ事も落ち込む事も山ほど有る。 だけどそれでも、竜堂家の三男は単純であり続ける。 「なら、どうする? 竜堂終!」 「ごちゃごちゃ考える前に走ってやる!」 前に。未来に。光に。 振り向いて折れるよりも前に走って突き破る。 それが竜堂終の出した、単純にして明朗な結論だった。 少年はひたすら前に走り続ける。 廊下を駆け抜けて階段を駆け下りる。 その時、下からも駆け上がってくる足音が聞こえた。 「誰だ!?」 「あたしよ! リナ・インバース! 一体何が起きているの!?」 「パイフウと古泉は逃げ、巨人を使役する少女が襲撃を行い、ダナティアが死んだ」 駆け付けたリナにメフィストが答え、息を呑む音がした。 * * * 石段に現れたパイフウは、焦燥して落ち着かない様子だった。 火乃香達に気づく事もなくナイフを取りだすと、右足を刺した。 それから両腕も刺して何かを抉り出して、よく見もせずに森に向かって投げ捨てた。 火乃香達が隠れる茂みにそれは転がってきた。 (二つに切られた……針金? 何、これ) 火乃香は気になったが、それよりも冷静に様子を見る事にした。 何か様子が可笑しい。 「さすがですね。文字通り僕とは住む世界が違うようです」 パイフウと居た青年、古泉が拍手と共に賞賛する。 パイフウはそれに応えず、黙って座り込んでいる。 「ところで、一つ疑問があるのですが、お聞きしてもいいですか?」 パイフウはそれにも応えようとしない。それを肯定と受け取ってか、青年が質問した。 「なぜあなたは僕を助けたんですか?」 「なぜあなたはわたしを助けたの?」 (助けた?) 火乃香は考える。それはつまり、マンションの方で危険な目に遭ったという事だろう。 (何が有ったの?) 胸騒ぎが広がっていく。 「共感したものですから」 「え?」 「まぁもちろん、あなたのように割り切っている方のほうが利用しやすそうというような利己的判断や、 大人数は何かと問題が多そうだからという消去法的な判断もあるかもしれませんがね?」 「…………」 前半はドライだがこの状況なら常識的な信頼関係だ。 だけど……後半は、どういう事なのか? ちょんちょんとヘイズの指が火乃香の肩を叩く。 (何?) ヘイズは指を口に当てて静かにとジェスチャーをしてから、有機コードを繋いだ。 『どう思う?』 『どうって……』 『あの女の方、おまえの知り合いなんだろう? 何だかきな臭いぞ』 『………………』 火乃香は応えずにパイフウを観察し続ける。 「少し休んだ後、零時の放送が終わったら動くわ」 「怪我の方は大丈夫なんですか?」 「そのうち治るからどうでもいいわ。狙撃くらいは出来るもの」 「あのマンション自体もそうですが、どこかにいるもう一方の集団にも立ち寄らない方がいいですよ」 「言われなくても、もうあの同盟には関わりたくないわ」 その会話を聞きながら考える。 『先生は、あの放送を行った集団と敵対した?』 『みたいだな。だが、どっちが原因かはさっぱりだ』 『………………』 火乃香はパイフウの方を信じたかったが、彼女の様子はどこか怪しい。 その時、パイフウが立ち上がって。 「……!」 「? 何か……!」 『見つかった!?』 『違う、方向が逆だ! あのマンションの所に……!』 ヘイズが示した通り、マンションの隣に、音もなくそれが現れていた。 銀色の、巨人。 それはゆっくりと拳を振り上げ、一室に叩き込んだ。 「どうやら僕達は、かなりタイミングがよかったようですね」 「……行動を変更するわ。ここであれから逃げてきた人間を狙撃する」 『な……っ!?』 『無差別攻撃かよ……?』 火乃香とヘイズが驚愕し、更にこれまで仕方なく黙っていたコミクロンも小声で呟いた。 「……どう見てもそこの女が相棒共々極悪人に見えるのだが。本当に知り合いか?」 「………………!」 『お、おい、待――』 止める間もなく、火乃香はコードを引き抜いて茂みから立ち上がった。 ガサリと茂みから立った音は石段を登っていこうとしたパイフウ達の耳にも届く。 「なっ!?」 反射的にパイフウは振り返りライフルを構え引き金に指を掛けて―― 「…………ほの……ちゃん……?」 ――凍り付いた。 「先生……どういう事なの?」 マンションの手前で破壊精霊が上げた雄叫びが、一拍を置いて石段に届く。 茂みが震え木々が鳴る。 風が咆哮を叫ぶ。 「どういう事なの!? 先生!!」 楽園だったはずのその場所で。 その周辺で。 詰め込まれた絆が絡まり、もつれ合い。 そして―― 【C-6/マンション前/1日目・23 35】 【決着、そして――?】 【シャナ】 [状態]:吸血鬼(身体能力向上)/???? [装備]:贄殿遮那/神鉄如意 [道具]:支給品一式(パン6食分・水2000ml) /悠二の血に濡れたメロンパン4個&保存食2食分/濡れていない保存食2食分/眠気覚ましガム /悠二のレポートその2(大雑把な日記形式)/タリスマン [思考]:???? [備考]:体内に散弾片が残っている。 手術で摘出するまで激しい運動や衝撃で内臓を傷つける危険有り。 ただし吸血鬼の再生能力と相まって高速で再生する。 18時に放送された禁止エリアを覚えていない。 C-8は、禁止エリアではないと思っている。 【フリウ・ハリスコー】 [状態]:全身血塗れ。右腕にヒビ。正常な判断が出来ていない [装備]:水晶眼(眼帯なし、ウルトプライド召喚中)、右腕と胸部に包帯 [道具]:デイパック(支給品一式・パン5食分・水1500ml)、缶詰などの食糧 [思考]:勝てない……!? 【C-6/マンション2・1F/1日目・23 35】 【大集団/舞台組+】 【Dr メフィスト】 [状態]:物語に感染 [装備]:支給品不明、針金 [道具]:デイパック(支給品一式・パン5食分・水1700ml) [思考]:現状を把握し、収拾する。病める人々の治療(見込みなしは安楽死) 【竜堂終】 [状態]:健康 [装備]:騎士剣“紅蓮”、コンバットナイフ [道具]:なし [思考]:前へ! 前へ! 考えるな! 【ダウゲ・ベルガー】 [状態]:右肺損傷(行動の合間のメフィストの治療により、なんとか戦闘をこなせる程度) [装備]:強臓式武剣“運命”(ゲレーゲンハイト)、単二式精燃槽(フロギストンタンク)(残り四つ)、黒い卵(天人の緊急避難装置)、 PSG-1(残弾20)、鈍ら刀 [道具]:携帯電話(呼び出し中)、コキュートス [思考]:現状を把握し、収拾する。 [備考]:天人の緊急避難装置:所持者の身に危険が及ぶと、最も近い親類の所へと転移させる。 【リナ・インバース】 [状態]:疲労困憊。魔法は一切使えない。 [装備]:光の剣(柄のみ) [道具]:メガホン [思考]:!! 千絵が心配、美姫に苦手意識(姉の面影を重ねています) 仲間集め及び複数人数での生存。管理者を殺害する。美姫を許す気はない 【C-5/石段/1日目・23:35】 【戦慄舞闘団+パイフウと古泉】 【ヴァーミリオン・CD・ヘイズ】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:有機コード、デイパック(支給品一式・パン6食分・水1100ml) 船長室で見つけた積み荷の目録 [思考]:警戒 [備考]:刻印の性能に気付いています。ダナティアの放送を妄信していない。 【火乃香】 [状態]:健康 [装備]:騎士剣・陰 [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1400ml) [思考]:先生、どういう事? 【コミクロン】 [状態]:右腕が動かない。 [装備]:エドゲイン君 [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水1000ml) 未完成の刻印解除構成式(頭の中) 刻印解除構成式のメモ数枚 [思考]:警戒している。 [備考]:かなりの血で染まった白衣を着ています。 [チーム備考]:火乃香がアンテナになって『物語』を発症しました。 [チーム行動予定]:EDとエンブリオを探している。刻印の情報を集める。 【パイフウ】 [状態]:両腕・右脚・脇腹に浅い刺し傷(すべて止血済)。 両腕にヒビ(ヒーリングによる治療中) [装備]:ライフル(残弾29) 外套(数カ所に小さな血痕が付着。脇腹辺りに穴が空いている。 偏光迷彩に支障があるかは不明) [道具]:なし [思考]:激しく動揺 [備考]:外套の偏光迷彩は起動時間十分、再起動までに十分必要。 さらに高速で運動したり、水や塵をかぶると迷彩に歪みが出来ます。 【古泉一樹】 [状態]:左肩・右足に銃創(縫合し包帯が巻いてある) [装備]:グルカナイフ [道具]:デイパック(支給品一式・パン10食分・水1800ml) [思考]:ひとまずパイフウと共闘。出来れば学校に行きたい。 手段を問わず生き残り、主催者に自らの世界への不干渉と、 (参加者がコピーではなかった場合)SOS団の復活を交渉。 [備考]:学校にハルヒの力による空間があることに気づいている(中身の詳細は知らない) 【C-6/マンション1・2F室内/1日目・23 35】 【大集団/待機組】 【慶滋保胤】 [状態]:かなりの精神的ダメージ。不死化(不完全) ボロボロの着物を包帯のように巻きつけている [装備]:携帯電話(呼び出し中) [道具]:デイパック(支給品一式(パン6食分・水2000ml))、不死の酒(未完成、残り半分) [思考]:シャナの事が気になる。千絵を落ち着かせたい。味方になる者の捜索。 【海野千絵】 [状態]:物語に感染。錯乱中。かなり精神不安定 [装備]:なし [道具]:なし [思考]:不明 [備考]:吸血鬼だった時の記憶は全て鮮明に残っている。 【折原臨也】 [状態]:不機嫌(表には出さない) [装備]:なし [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水2000ml)、 ジッポーライター、救急箱、スピリタス1本(少し減った)、 セルティとの静雄関連の筆談に使った紙 [思考]:保胤を集団内で孤立させたい。危なくなれば集団から抜ける。 クエロに何らかの対処を。人間観察(あくまで保身優先)。 ゲームからの脱出(利用出来るものは利用、邪魔なものは排除)。 残り人数が少なくなったら勝ち残りを目指す [備考]:クエロの演技に気づいている。 コート下の服に血が付着+肩口の部分が少し焦げている。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第540話 第541話 第542話 第567話 時系列順 第542話 第537話 海野千絵 第544話 第566話 ヘイズ 第543話 第537話 フリウ 第543話 第566話 火乃香 第543話 第540話 BB 第542話 第537話 パイフウ 第543話 第537話 リナ 第543話 第537話 折原臨也 第544話 第540話 子爵 第542話 第537話 慶滋保胤 第544話 第540話 風見・千里 第542話 第537話 ベルガー 第543話 第537話 古泉一樹 第543話 第540話 シャナ 第543話 第537話 竜堂終 第543話 第537話 メフィスト 第543話 第566話 コミクロン 第543話 第537話 ウルトプライド 第543話 第537話 アラストール 第543話 第568話 アマワ 第549話
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―ここはどこかの世界 のどこかの田舎町 のどこかの一軒家… そこに住む少年、ソルトがいた… ソルトは何でも面倒くさがりだが、自分のいる世界以外に 他の世界があったら行ってみたいという無謀な夢を持っていた… この日、ソルトはゲームをしていた。 (カチャカチャッ カチャッ) その時、部屋の扉が突然開いた。 母 「ソルト、ちょっと卵買ってきてくれる?」 ソルト 「めんどくせぇ…」 母 「い っ て き て く れ る か し ら ?」 ソルト 「行ってきまーす」 ソルトはお金をもらい家を飛び出し、卵屋に向かっていた。 ソルトは思った。本当にこの世界が自分のいるべき世界なのか。 そんな事を考えながら歩いていると、前にあった電柱にぶつかりそうになり、あわてて転んでしまった。 ソルトはそのまま道路の横にある森へ落ちてしまった… ソルト 「いったたたた…酷い目あったな…」 ソルトは起き上がると、目の前には大樹があった。 ソルト 「立派な…んん!!?」 ソルトが驚いた理由は、大樹の真ん中に大きい穴があいていたのだ。 中は真っ暗で何も見えない ソルト 「もし…もしこの中に入って別の世界に行けたなら、ありがたい事この上ないなー…」 そういってふざけ半分でソルトは穴の中に入った。 ソルト 「よっとぉ…ぉおおお!!?」 穴の中は足場がなく、ソルトは落ちていってしまった。 ― 時空大冒険 ― ここは緑が広がり、青空が広がる豊かな世界… その空に、大きい穴があき、そこから一人の少年が落ちていった… ソルト「ななななななななな何だコレハははああぁあqあwせdrftgyふじこlp;@:「」」 意味不明な事を言いながら地面に激突、ソルトは何故か無事だった。 ソルト 「いたたた…もしかして、ここは本当に別の世界…!?夢か!?」 ソルトは自分の頬をつねった。痛かった。 次はまぶたをつねった。痛かった。 ソルト 「どうやら本当みたいだ…別の世界にほんとに来れたのか…?」 そういっていると、奥の木の向こう側から、自分の4分の1くらいしか大きさがない何者かが現れた。 ソルト 「な…なんだ?」 ワドルディ 「驚!!!」 ―星のカービィの世界― 著・ (^ω^) (2009-07-11 14 17 49) 「ななな…なんだァお前!!?」 ソルトは思わず後ずさり、そのまま座り込んでしまった。 ワドルディ 「~!!」 その生物はなにやら唸りながら木の向こうへ逃げ込んでしまった。 ソルト 「わ…わけがわからない…ここは?」 するとさっきの生物が木の陰からオドオドしつつこちらを覗いてきた。かわいい。 ワドルディ 「…君はだぁれ?」 ……しゃべりやがった!!!!ありえねぇ!!!ホントなんなんだこの世界!!! …とまぁ動揺しつつあくまでも冷静な表情を見せながらオレは言った。 ソルト 「オレは異世界から来た、ソルトだ。よろしく!君は?」 ワドルディ 「…ワドルディだよ。ここに住んでるの。」 ここ?そうだ。ここは一体なんなんだ?聞いてみよう。 ソルト 「そうか!ワドルディか!仲良くしような!…ところで、一つ聞いていいか?」 ワドルディ 「うん!!いいよ!!!」 早くも心を開いてくれたらしい。流石オレ。 ソルト 「ここは一体どこなんだ?」 ワドルディ 「ここはプププランドだよ!!君、異世界から来たんでしょ?なら分からないことだらけだよね?色々教えてあげるよ!」 ずいぶんおしゃべりになったな。でもまぁ、わけのわからない世界の良い情報源だ。色々聞こうじゃないか。 ワドルディ 「案内してあげる!!」 ソルト 「お、おう!ありがとよ!!」 ワドルディはなにやら上機嫌だった。 もしかしてオレみたいに平凡な世界にうんざりしていたのかもしれない。 この世界、見るからに平凡だからな。 そうだとしたらオレ達は似たもの同士だ。 …気が合うかもしれないな…。 …とか考えてるうちに、不意にワドルディの声が響く。 ワドルディ 「ほら!アレがカービィだよ!」 ソルト 「ん?あぁあのピンクの奴か?」 ワドルディ 「うん、そう!すっごく食いしん坊でみんな困ってるんだ!!」 困ってるわりには良い笑顔だなぁ…! とりあえずオレはそいつに近づいてみた。 カービィ 「…?」 ワドルディとは大違いだ。全く動じない。 ソルト 「やあ、こんにt…へ!!!!??」 なんだ!?どうなtt…吸い込まれてる!!? 吸い込まれてうわあぁあぁあーーー… 気づいたらオレは草っぱらに寝っ転がっていた。 数メートル先からワドルディの怒鳴り声が聞こえる。 カービィは…多分聞いちゃあいないだろう。 ソルト 「ふぅ…ワドルディ、助けてくれた…んだよな?」普通に考えたらそうとしか思えない。 ソルト 「ありがとよ!」 ワドルディ 「あ!起きたんですか!もう大丈夫です!こっ酷く叱っておきましたから!」 カービィ 「ぽーよぅ!」 こっ酷く叱られて「ぽーよぅ!」って…絶対大丈夫じゃない。絶対。 ソルト 「カービィって言うんだよな?よろしくな、カービィ!」 カービィ 「よろしくぽよぉ!」 …しゃべった!!!!!!!コイツはしゃべらない、と心のどこかで確信してたせいか…!!!! 少し顔をひきつってしまったがコイツらはそんなわずかな表情は読めないであろう… ワドルディ 「…どうしたんですか?」 カービィ 「ぽよぅ?」 …読まれたぁ!!!! ソルト 「いや!なんでもない!ひきつづき、案内を頼むよ!」 あなどれねぇなコイツら…。 そしてオレ達はワドルディの後に続いて次の場所を目指した。 …で、なんでお前(カービィ)は自然に俺等の後をついてきてるんだ…? 著・ (´・ω・) (2009-07-11 16 10 56) ソルト 「カービィ・・・だったっけ?何でお前ついてきてるんだ・・・?しかも「じゅるり」ってなんだ?またか?またなのか?また吸い込む気か?」 カービィ 「え?べ・・・別にそんなわけじゃないぽよ・・・」 ワドルディ 「カービィ・・・いいかげんにしといた方が身のためだよ・・・?」 …ワドルディからなにやらどす黒いオーラが出ている・・・ カービィは、ワドルディから目をそらした。まぁ俺でも普通に目をそらすけど。 ワドルディ 「さあ、ここがデデデ城だよ!ここにプププランドの王様、デデデ大王が住んでるんだ!」 ソルト 「これが王様の住んでる城・・・なんだかすげぇぼろぼろだな・・・」 ワドルディ 「・・・それは・・・カービィが何度も壊したりしてるから・・・」 カービィ 「ぼくのお菓子をデデデ大王が取るからぽよ」 ソルト 「だからといってそこまでするか・・・」 ワドルディ「 カービィはお菓子のためには何でもするからね。」 ワドルディ 「そうそう、実はぼく、ここで働いてるんです。よければ中に入ったらどうです?」 ソルト 「ああ、そうするよ。」 カービィ 「久しぶりにデデデ大王と一緒にお菓子でも食べるぽよ。」 ソルト 「なんだ、カービィって、この城を壊したりしてるのにデデデ大王ってやつと仲がいいんだな。」ワドルディ 「う~ん・・・それはきっと、カービィがデデデ大王のことを友達と思っているだけで、デデデ大王は、いつもカービィに迷惑かけられてるだけですが・・・」 ソルト 「そ・・・そうか。」 ワドルディ 「ま、こんなところでいつまでも話してないで、中に入りましょうよ。」 俺達は城の中へ入っていった。 ワドルディは、やはり楽しそうだ。やはり俺みたいに異世界に興味があるのか・・・ それとも、ただの世話好きなのか・・・ ワドルディ 「この扉の先がデデデ大王の部屋ですよ。」 ソルト 「じゃあ、そろそろデデデ大王ってやつの顔でも拝むか。」 カービィ 「しばらく会ってなかったから、どうしてるか気になるぽよ。」 ワドルディ 「カービィと会ってないから、とても元気ですよ。」 カービィ 「それはいったいどういう意味だぽよ!?」 ワドルディ 「さあ、入りましょう。」 …ワドルディはカービィを無視して扉を開いた。 扉の向こうは、赤いカーペットがしいてあり、中央に玉座があった。 その玉座には、なにやらペンギンのような生物が、だらしなさそうに座っていた。 ワドルディ「あれがデデデ大王です。」 ソルト 「いい!?あれが大王!?お・俺にはペンギンに見えるが・・・」 カービィ 「ペンギンってなにぽよ?食べれるぽよ?」 ソルト 「ペンギンを知らないのか、まあ俺の世界の生き物だし、当たり前かもな。」 ワドルディ 「さあ、デデデ大王に挨拶しに行きましょう。」 俺達は、デデデ大王の方へ走って行った・・・やれやれ・・・ カービィといい、ワドルディといい・・・この世界はよく分からない生き物が多すぎるな・・・ ワドルディ「デデデ大王さま、起きてください。お客ですよ。」 デデデ 「う~ん・・・どういう客だデ・・・?」 ワドルディ 「異世界からのお客です。」 デデデ 「何!?異世界からのお客だデ!?」デデデ大王は、いきなり立ち上がって握手してきた。 デデデ 「いや~!じつは俺様、異世界に憧れてたんだデ!それで・・・おぬしの住む世界は、どんな世界だったんだデ?」 俺はデデデ大王に俺の世界のことを話した・・・ワドルディも楽しそうに聞いている。 カービィは・・・どこからか持ってきた果物を食べている。 デデデ 「それは楽しそうな世界だデ・・・・俺様も行ってみたいデ・・・」 ソルト 「つまらない世界ですよ。」 デデデ 「いいや!それでも行く!」 ワドルディ 「楽しそうな世界ですね・・・ぼくもいってみたいなぁ・・・」 カービィ 「食べ物はいっぱいあるの?」 ソルト 「食べ物か?まぁ・・・多いところもあるし・・・少ないところもあるな・・・」 カービィ 「じゃあ行ってみたいぽよ。」 ワドルディ 「そういえば、野原でこんな宝石を拾ったんですけど、デデデ大王さま、これはなんなんでしょうか?。」 デデデ 「ほうほう・・・透き通って見えて、これはとてもキレイだデ。」 その時!玉座から一つ目の黒い「何か」が出てきて、デデデ大王に向かって飛んできた! ソルト 「な、なんだ!?」 ワドルディ 「デデデ大王さま!危ない!」 デデデ 「ん?の、のわぁぁぁぁ!!」 カービィ 「ぽよ?」デデデは、天井を突き抜け、屋上まで飛んでいってしまった・・・ どうやら一つ目の「何か」に体を乗っ取られてしまったらしい・・・ ソルト 「おいおい・・・なにがどうなってんだよ?やっぱりおかしいのが多すぎる・・・」 ワドルディ 「デデデ大王さま~!」ワドルディは階段を駆け上がっていった。 カービィもワドルディについていった。 ソルト 「なんで俺まで・・・」ぶつぶついいながらも、俺はカービィとワドルディについていった。 著・ 神!ガノンおじちゃん (2009-07-11 17 03 54) ソルト 「やけに長い階段だな・・・」 カービイ 「お城の階段だから仕方ないペポ」 ソルト 「確かにな・・・」なんてグダグダ話してると目の前に屋上へ出る扉が現れた。 ワドルディ 「ちょっと2人とも遅いですよ~」 ソルト 「悪かったな」合流した3人は扉を開けた・・・。 一瞬、太陽の光で視界が遮られたが直ぐになれた。 そこは、村が一望できる形でテーブルとイスが置いてあった。 ソルト 「スゲェ・・・絶景じゃん」まさにそうだった、遠くの山並みから近くの街まで全てを眺められた。 ワドルディ 「どうですか?この眺め!!大王様のお気に入りなのも頷けます」 カービイ 「凄いペポ」緊張感のまったく無い会話が高く晴れていた空にピッタリだった。 しかし平和というものはそう長くはないらしく・・・。 ソルト 「アレ?俺たち何しに来たんだ?」 カービイ 「何か重要な用事が有ったはずペポ」その時ワドルディが珍しく大声を出した 「用事って大王様が大変なことになったんでしょーが!!」 ソルト 「そうだったな」 カービイ 「思い出したペポ」 ワドルディ 「まったく・・・・しっかりしてくださいよ。さあ行き・・・」 ワドルディはそこで言葉を切った、言葉が出なかったと言う方が正解かもしれない。 カービイ 「どうしたペポ?」ワドルディは何も言わず顔には焦りの色が窺える。 ソルト 「おい・・・どうした?」するとようやくワドルディが言った 「う・・・・・うし・・・・・・・ろです」そうすると彼は右手を差し出した。 ソルト 「だからなんだよ・・・」 カービイ 「食べ物でも有るペポ?」そうすると2人は後ろに振り返った。 ソルト 「なんだよ・・・これ?」そこにはさっきまでの平和な世界とは別の世界だった。 空一面を赤黒い色が覆いその先には一際黒い塊のような物が有りその中には人影のような物が見えた。ワドルディ 「あれは・・・・大王様です」 ソルト 「マジかよ?」 ワドルディ 「はい。間違えないです」 カービイ 「どうするペポ?」 ソルト 「行くしかねえだろ・・」そう言うと2人の顔を見た。 2人は頷いて返事をした。 著・ かつどん(仮) (2009-07-11 23 03 50) すっかり変わり果てた大王様を目の前に、足が竦んでしまった。 ソルト 「だが…一体どうしたらいいんだ…?」 ワドルディ 「な、何とかしましょう」 ソルト 「何とかって…」 デデデ 「グ…グワァァアアァア!!!!」突然デデデが叫び出したかと思えば、デデデの腹からいきなり目が現れた。 その目からは黒い物体が3つ飛び出し、追いかけてきたのだ。 ソルト 「うわ~~!!!何処まで逃げてもついてくる!!!く、くるなぁ!!!」 その時、カービィはソルトの前に飛び降り、黒い物体を吸い込み、その黒い物体をもう一つの方にぶつけた。 最後の黒い物体を吸い込み、デデデに当てたのであった。 ワドルディ 「さ…さすがはカービィ…!こういう時は役に…」 ソルト 「ありがとう…(汗」 カービィ 「大した事ないぽよ~」 デデデの方を見ると、これぐらいにしておいてやろうか、とでも言いたげな黒く目がついた物体が出てきたのだった。 ソルト 「こいつは……」 著・ (^ω^) (2009-07-12 00 27 03) ソルト「一体なんなんだ…」 (←サーセンww) ワドルディ「僕にもさっぱり分かりません…ですが…」 ソルト「何…なんか思い当たる節があるのか?」 ワドルディ「はい…最近、プププランドはなにかおかしいんです…」 ソルト「おかしい…のか?」 ワドルディ「ええと…詳しく言うと、さっきの大王様みたいに他の仲間達も憑依されてしまうんです…」 ソルト「あんなのがしょっちゅう出現したら困るな」 ワドルディ「そうなんですよ…。そこでカービィが退治してなんとか今この現状を保っているのですが…」 カービィは誇らしげに構えている。 はいはい、褒めてあげますよ。 ソルト「おぉお!すごいんだな!お前!」 カービィ「それほどでもないぽよぉ!」 めちゃめちゃ嬉しそうじゃねぇか。 ワドルディ「というわけでこれからソルトさんにも協力してもらうことがあるかもしれないんです…」 ソルト「できることなら全力を尽くすが、一体オレに何ができるんだ?」 ワドルディ「分かりませんが…ソルトさんの力が必要だったからこの世界に飛ばされたのではないのですか?」 …!そういえばどうしてこの世界に来てしまったのか考えてもいなかった… オレの力が必要だからか…? ソルト「いや、まて。オレはただの…なんの戦う能力のない奴なんだぞ?そんな奴を…なぜだ?」 ワドルディ「きっと何か秘めている力があるのかもしれません!きっとそのうち分かりますよ!」 ソルト「…そうかもな。とりあえず力になれるようにがんばるよ。」 カービィ「その息ぽよぅ!」 リンゴムシャムシャ食べながら言うんじゃねぇ!そんな大事な台詞を! ワドルディ「では、次の場所を目指しましょう!」 ソルト「おう!」 カービィ「ぽよぅ!」 …とまぁ、変な展開になって動揺してるオレだが、正直すごく楽しい。 そりゃそうだ。いくら異世界へ来ても平和だったらもとの世界と変わりゃあしない。 こん位のスペクトルアドベンチャーの方が燃えるのさ。 …とか考えながらのうのうと歩く一行であった。 ~その頃~ アドレーヌ「~♪」 いつものように鼻歌を歌いながら絵を描いている。 そこに一つのキレイなカケラが落ちてきた。 アドレーヌ「…?何かしら…」 それを拾いあげそのカケラの美しさにうっとりしていた。 アドレーヌ「うわぁ!すっごくキレイ!」 すると絵の中に黒い影に大きな目がギョロリ。 アドレーヌ「…!!?」 著・ (´・ω・) (2009-07-12 13 23 11) ~次の日~ カービィ「そういえば最近、アドレーヌに会ってないぽよぅ」 ソルト「アドレーヌ?」 ワドルディ「プププランドの画家さんですよ。まだ見習いらしいですが。」 カービィ「それに、描いたものを実体化させることができる、不思議な力があるぽよぅ」 ソルト「まじで?だったらアドレーヌがいればあの黒いやつなんて楽に追い払えるんじゃないか?」 ワドルディ「いえ、絵は3分くらいで消えてしまうんです。」 ソルト「そうか・・・」 ワドルディ「プププランドは、一年中春のところや、一年中夏のところ、さらに一年中秋のところや、一年中冬のところがあるんです。」 カービィ「アドレーヌは、よく秋のところで絵を描いてるぽよぅ」 ソルト「じゃあ俺もその能力が気になるし・・・行ってみるか。」 ワドルディ「ではこっちです!」 俺はワドルディについて走っていった。 ワドルディ「走りすぎて疲れたので・・・休ませてください・・・」 ワドルディは、到着する前に疲れきってしまった。 ソルト「なるほど・・・これだけきれいな景色なら、そのアドレーヌってやつがここを気に入るのも分かるぜ・・・」 カービィ「あっ!アドレーヌぽよぅ!アドレーヌ!食べ物描いてほしいぽよぅ!」 ほうほう、あの赤いベレー帽の女がアドレーヌか。ん?頭をかかえているな・・・どうしたんだ? カービィ「アドレーヌ?どうしたんだぽよぅ?」 アドレーヌ「・・・・・・・・・・」 アドレーヌは何も言わずに絵を描き始めた。 アドレーヌが筆を止めた・・・すると!いきなり絵の中から敵が出てきた。 カービィ「な、何だぽよぅ!?もしかして、アドレーヌも憑依されてるのかぽよぅ?」 アドレーヌは、手を休めずに絵を描き続けている。 カービィ「こんな絵にはやられないぽよぅ!」 カービィは、絵をすいこみ、他の絵にぶつけ、倒している。 ソルト(そういえばワドルディが、俺には何か秘めてる力があるかも・・・って言ってたな・・・よし、俺も戦ってみるか・・・!) 俺は絵をなぐろうとした・・・が、 反撃される。 ソルト「く・・・くそぉぉぉぉ!!!」 またしても反撃される。 ソルト「ちょっ・・・やめてやめてやめてやめて!!!申し訳ありませんでした!!」 まぁ俺がそんなことしている間に、カービィは敵を全滅させていた。 アドレーヌ「しまった・・・もう絵の具が・・・こうなったらわたしが自ら・・・!」 アドレーヌが筆を振り回して突進してきた。しかし、その時! ワドルディ「ソルトさ~ん!カービィ~!遅れてごめ~ん!」 と、ワドルディがすごいスピードで走ってきて・・・アドレーヌに突撃した。アドレーヌは遠くへ飛んでいってしまった。それと一緒に、黒い目のついた物体も空高く飛んでいった。 アドレーヌ「う~ん・・・あれ?カービィくんに・・・ワドルディくん?それと・・・誰?」 ソルト「ああ、信じる信じないはお前の自由だが、異世界から来たソルトだ。」 アドレーヌ「え!?本当に!?」 ワドルディ「ええ、ソルトさんは、本当に異世界から来たんです。 ・・・ところでアドレーヌさん、その手に持っている物はなんですか?」 アドレーヌ「ああ、さっき拾ったんだ。きれいでしょ。」 ソルト「そういやデデデ大王もこんなの持ってたな。」 ソルト「もしかして・・・あいつらはこのカケラを狙ってるんじゃないのか?」 カービィ「そうかもしれないぽよぅ。じゃあとりあえずカケラを持ってるデデデ大王のところに行ってみるぽよぅ」 ソルト「そうだな。」 アドレーヌ「へぇ・・・デデデ大王もこのカケラ持ってるんだ。」 著・ 神!ガノンおじちゃん (2009-07-13 16 06 35) ナレーション「カービィとソルトたちはデデデ城を目指して、歩いていた。」 ソルト「そういや、俺は誰なんだっけ?ここへ来る前の記憶がまったくない。」 ナレーション「ソルトはまさかの記憶喪失だった。そしてその頃DDD城では・・・ デデデ大王「う~む。きれいなカケラZOy。誰にもあげんZOY。」 ポピー「大変です!大王様!カービィとワドルディとアドレーヌとそれから、ここの住人ではない体格をした何者かが城へと近づいております!」 デデデ「うるさい!そんなことで、いちいち騒ぐでないZOY!そんな、やつらの1人や2人、城中の兵士を追う動員させて、それから、奥の部屋にやつを待機させとけば、カービイでもさすがにこの城は攻略できんZOY。」 ポピー「いや、あの、4人なんですけど・・・。それに、そんなに兵士を行かせたら、後で多額の給料を払うことになりますよ。特にヤツの場合。(払ったこと無いけどね。)」 ナレーション「なっなんと!デデデが兵士を総動員させてきた!カービィたちは無事、DDD城を攻略できるのか!?そして、ヤツとは・・・?続く! 著・プリム君 (2009-07-13 19 31 41) 再びデデデ城に戻ってきた一行は、城の前に立ち尽くしていた。 ワドルディ「な、何だか…雰囲気が…」 高い城を見上げた四人は、先程訪れた城と酷く掛け離れた雰囲気に眉間にシワを寄せた。 ソルト「なんか…さっきのおとぎチック ファンタジックな感じが跡形も無く消えてるな…これも憑依するバケモンのせいか?」 入りたくねー、と溜息を吐くソルトの後ろで隠れるようにして城の様子を伺っているアドレーヌが泣きそうな声を出した。 アドレーヌ「…デデデ大王…大丈夫なのかしら」 不安げな呟きに一同は黙り込む。 外に居ても震え出しそうな邪念なのに、中はもっと凄いだろう。 ワドルディ「僕たちの事解らなくなってるかも知れませんね…」 しゅんとなるワドルディは、より小さく見えてしまってソルトは何だか胸が張り裂けそうになった。俺は何もしてやれないのか? カービィ「大丈夫ぽよ!」 ワドルディのあるかないか解らない背中をぽんと叩いてカービィが場の雰囲気に似合わない明るい声を出した。 その声と表情に一同は何だか元気づけられた気がして小さく微笑んだ。 最初に会った時はただの食い意地の張ったピンクボールかと思ったけど結構イイヤツじゃんか。 だからきっとみんなに慕われていてみんなコイツの事好きなんだろう。デデデ大王だってきっとそうだ。それは忘れちゃいけない事だ。 ソルト「…っよし!デデデ大王を取り戻しに行くぞ!」 ソルトの後に声を揃えて、おーッ!と全員が叫んだ。その声は、どんな邪念も吹っ飛ばしそうな明るく高らかな声だった。 何かしたいと思ったから。だから今は面倒臭さがらないよ。 ソルト一行は邪念を帯びた城に入っていった…。 著・ 黒乃 (2009-07-15 15 06 42) ソルト「これが・・・あの城か?」 ワドルディ「ヒドイ・・・」 無理もなかった まったく別の世界がそこに広がっていたからだ 黒く汚れた壁 所々破れた絨毯 一歩一歩踏み出す度に重い空気を感じる ソルト「急ごう、時間が無い」 カービイ「了解ペポ」 1つめの角を曲がった瞬間、ソルトは自分が 『招かれざる客』なのを実感した そこには槍を持ったワドルディが10匹いた ソルト「どうやらデデデは本気で俺たちを殺るつもりだな」 カービイ「ここは任せるペポ」 ソルト「1人で勝てるか?」 カービイ「余裕ペポ」 カービイは笑顔で答えた -- 残戦ルカリオスパーク (2009-07-15 22 24 37) するとここまで、緊張からか一切口を開かなかった アドレーヌが言った 「ちょっとまって」 すると彼女は持ってきた小さなキャンパスに 剣の絵を描いた 「これでよし!!」 そう言うと書いた剣が実像となった 「これを使って」 カービイの前に剣を差し出した 「ありがとうペポ」 そう言い残すとカービイは、ワドルディの中に突っ込んだ 5分後 倒れているワドルディの前にカービイが立っていた ソルト「やるな」 カービイ「アドレーヌの剣に助けられたペポ」 ワドルディ(味方)「強い・・・」 アドレーヌ「そんな・・・私はただカー君の力になりたくて・・」 カービイ「そんなことより・・・お腹空いたペポ」 ソルト(マジかよ・・・) アドレーヌ「じゃあ、勝ってくれたお礼に『リンゴ食べさせてあげる」 そう言うとキャンパスに赤いリンゴの絵を描いた それが実像になったとたん、カービイは凄い勢いで食べ始めた カービイ「美味しいペポ」 アドレーヌ「よかったー。ソルト君たちの分のあるよ~」 ソルト「そうか、ありがとう」 アドレーヌ「ワドルディ君もどうぞ」 彼女は満面の笑顔でリンゴを差し出した ワドルディ「ああ・・・ありがとう」 一応受け取ったがどうも食欲がわかない ソルト「どうした、ワドルディ?」 ワドルディ「いや・・・なんでもない。」 彼は無理に笑顔を作った 敵は倒したがどうもすっきりしないソルト一行は また、歩き出した -- 残戦ルカリオスパーク (2009-07-15 22 51 04) ポピー「大王様…奴らはワドルディ達をいとも簡単に倒してしまいました…!! その後も次々と兵士はやられていきます!!!」 デデデ「何ぃ!?まぁ…予想通りだぞよ 今は奴しかいないが…むう、あとあいつ等がいればどうにかなるんじゃが…」 二人の会話が部屋に響いていた。 その時、黒い渦に包まれながら謎の少年が現れた… ???「お困りのようですね、大王さん」 デデデ「何者だぞよ!?」 突如現れた謎の少年を目の前に、二人は驚いた。 ???「おっとこれは失礼、私はシルラ… よければ大王さん、力になりましょうか?」 突然現れられてそんな事を言われたのでデデデは参ってしまった。 シルラ「そうなるでしょうね 私の力を見れば大王さんも頷かれると思います」 シルラは腕から黒色をした邪悪なオーラを発し、そのオーラはみるみるうちに謎の4体に変身した デデデ「こッ…これは…!!!」 ポピー「な、何故だ!!?」 シルラ「私は異世界から来た者を抹殺する… それが私に与えられた使命、私はあの少年を止める義務がある もう一度聞きましょう、力になりましょうか?」 コイツの力があれば、と満足した顔を見せたデデデは、いいだろう、と頷いた。 ここから世界は変わり始めたのであった… ワドルディ「ぁぁぁああぁあぁあああぁあ!!!!」 と言いながら敵のワドルディはカービィの口の中へ吸い込まれてしまった。 ソルト「……」 ソルト達はその姿をただ眺めていた。 カービィ「どうかしたぽよ?」 ソルト「ななな、何でも?」 そう言っていると目の前には扉が立ちはだかった。 アドレーヌ「行ってみましょう…!!」 ソルトはその扉を恐る恐る開けたのであった… そこには暗い影がうつり、辺りはたちまち森林になっていた。 カービィ「あぁ!りんご!」 アドレーヌ「え?りんごならもうさっき…」 上を見上げた瞬間、尻餅をついてしまった… ソルト「これは…!!」 ワドルディ「う…う…ウィスピーウッズです!!!」 デデデ「よし…四天王を向かわせた後、奴を出させるか… そこまで来ればの話だがなぁ…ぐわっはっはっは…」 -- (^ω^) (2009-07-15 23 40 53) ソルト「う…ウィスピーウッズ!!?」 なんだ!?この馬鹿でかい木…あれ?顔がついてやがる…!! なんてファンシーな顔n… ワドルディ「危ないっ!」 危機一髪!!ウィスピーウッズとやらの猛烈な吐息をかわすことが出来た。 ソルト「あ、ありがとよ…!」 ワドルディ「いえ、仲間をフォローするのが僕の役目ですから!」 やはりコイツは根っから良い奴だな。 それにコイツだけじゃない。カービィもアドレーヌも… だからこそ、コイツらにばかり迷惑をかけたくない… いつもオレは守られてばかりだからな… 今みたいに… いざとなったら、オレが守る側になってやる…!! この時オレはそう、強く心に決めた。 オレとワドルディ、アドレーヌはそのまま、物陰に隠れながら戦闘の様子を伺っていた。 そして激戦の末、ウィスピーウッズは大きな唸り声を上げ、 赤朽葉を散らしながらみるみると枯れていった。 ワドルディ「やりましたね!カービィ!流石です!」 カービィ「大したことないぽよ。ただ…」 ワドルディ「どうかしたんですか?」 カービィ「ぽよ…デデデのやり方じゃない気がするぽよ。 いくら憑依されても馬鹿は馬鹿ぽよ…。」 オレはそこで思わず吹き出しそうになったが場の雰囲気を読み取りぐっとこらえた。 カービィ「つまり、デデデの後ろにもっと大きな敵が居る気がするんだぽよ…!」 ソルト「じゃあ、そいつは今プププランドで問題になってる“憑依”とも関係があるんじゃないか?」 ワドルディ「その可能性も高いですね…僕も自然にプププランドがおかしくなるなんてありえない… なにか裏に強大ななにかが居るんじゃないか…と思ってました」 こいつら見かけによらず頭良いな…。 オレは全然気づかなかったぞ…! ソルト「オレも何かおかしいと思ってた…大体オレが異世界からこんな世界に飛ばされる時点でおかしいだろ。」 とまぁいかにも知ってるかのように振舞った。 ワドルディ「でも、こんなこと考えてる暇はありません…!!こうしてる今もプププランドは着実におかしくなっていってるのです…! そして何よりも、デデデ大王を助けてあげないと!!」 ソルト「そうだな…オレたちがなんとかしなきゃプププランドは大変なことになっちまうよな…」 カービィ「ここで僕が悪を食い止めるんだぽよ!!」 カービィは無邪気な笑顔で言った。 そしてオレたちは次の場所へ小走りで向かった。 一刻も早くプププランド、そしてデデデ大王を助けるために…! -- (´・ω・) (2009-07-16 15 45 27) ソルト「さて、次はこの岩でできた扉の向こうに敵が居るのか?」 俺はなにも考えずに扉に手をかけた。 ワドルディ「ソルトさん、待ってください。もしかしたらなにか仕掛けがあるかも・・・」 ソルト「へ?」 俺はワドルディの注意を聞く前に扉を開けてしまった。 アドレーヌ「・・・・・・・・・・・・」 カービィ「ぽよぅ」 ワドルディ「・・・・・・・・・・・・」 ソルト「・・・・・・何も起こらんな。」 どうやらワドルディの予想が外れたようだな。まぁ外れてくれた方がいいんだが・・・ ワドルディ「な、なんだ、何もおきませんね。」 カービィ「先に進むぽよぅ」 カービィは一人で先に走っていった。 アドレーヌ「あ、待ってよ。カー君。」 ワドルディ「一人で先に進むのは危険だよ!」 ソルト「なんでカービィはあんなに元気なんだ・・・デデデ大王が危ないっていうのに。」 扉の先は、緑が一つもない、荒野であった。 ソルト「なんだこれ・・・?さっきとは打って変わって緑がほんの少しもない・・・!」 カービィ「なんだか寂しいところぽよぅ。」 ワドルディ「そうですね・・・あれ?みなさん、床を見てください。中心に穴g・・うわぁぁぁぁ!?」 ソルト「ななななななんだぁ!?」 いきなり床がせりあがってきた! 上に上がるのが早すぎてバランスが取れん・・・! アドレーヌ「や・・・やっと動きが遅くなったね・・・あれ?床の真ん中に柱がはえてるよ・・・?」 本当だ・・・こんな柱最初はなかったぞ・・・? さては、さっき床が動いてたときに・・・ ワドルディ「それにしても、ずいぶん高いところまで床が上がってきましたね・・・こんなところから落ちたら・・・」 それにしても、この部屋の敵はどこに居るんだ?どこにも見当たらないな。 カービィ「ぽよぅ!柱からなにか変なのが出てきたぽよぅ!」 なんだこれ?これが次の敵か?回ってるだけじゃないか・・・ アドレーヌ「赤と青と緑の三つの色がそろってるね。」 ワドルディ「あれ・・・?これ、どこかで見たような・・・たしか・・・デデデ大王とホロビタスターに行った時に見たような・・・」 ソルト「なんだ?心当たりでもあるのか?ワドルディ。」 ワドルディ「そうだ!思い出しました。これは確か、「ピクス」といって、いわゆるホロビタスターのボスです!」 ソルト「何ィ!?だったらこいつらすげぇ強いのか!?」 ワドルディ「はい、こいつらは自分の体を槍のようにして、回転しながら攻撃してくるんです。ぼくも一回、デデデ大王と一緒にこいつらにボコボコにされてました。」 ソルト「そ・・・そうか。」 それにしても・・・こいつら、いつになったら動き出すんだ・・・? -- ガノンおじちゃん (2009-07-16 16 51 55) カービィ「今のうちに吸い込むぽよぅ」 カービィが口をあけて吸い込もうとした、その時! カービィ「ぽよぅ!」 カービィは、ピクスの攻撃で吹き飛ばされてしまった。 ソルト「カービィ!」 俺はカービィの元へ駆け寄った。 そして、カービィを持ってピクスから逃げ回った。 ソルト「ワドルディ!ピクスを倒す方法知らないか!?」 ワドルディ「あ、はい!ピクスは自分と青いピクスは青の子分、赤いピクスは赤の子分というように、同じ色の子分が居るので、青には青、赤には赤、そして緑には緑をあてれば倒せるはずです!」 なるほど、まずは子分を探せばいいんだな。 おっ?あそこに居るのが子分か?なにやら青いぞ?そうか、青のピクスの子分だな、これは。 ソルト「おい!カービィ!これを吸い込んで青いやつにぶつけるんだ!」 しかし、カービィは返事をしなかった。どうやら最初のピクスの一撃で失神したようだ。 ソルト「ちくしょう!こうなったら俺がこいつを投げてやる!こう見えても俺は幼稚園の頃に野球をやってたんだぞ!」 ワドルディ&アドレーヌ(それってすごいの・・・?) 俺の投げた子分は、見事青いピクスに当たった。 さすが俺。すごいぞ俺。 ピクス「・・・!?」 ソルト「あっ!こ・子分が!ちくしょう!これじゃああいつらに攻撃できねぇじゃねぇか!」 あいつら頭いいな・・・それにしてもあいつらの脳はどこにあるんだ・・・? アドレーヌ「ソルトさん!これを使って!」 アドレーヌは絵を描き始めた。すると!キャンバスからはピクスの子分が出てきた。 ソルト「なるほど!アドレーヌ!お前頭いいな!よし!これでまた戦えるぜ!」 しかし、子分を受け取ろうとした瞬間に、俺はピクスに吹っ飛ばされた。 アドレーヌ「ソルトさん!大丈夫ですか!?」 ソルト「大丈夫じゃない。利き手である左手が痛い。ものすごく痛い。」 アドレーヌ「じ、じゃあピクスはどうすれば・・・」 ワドルディ「ぼくじゃあどう考えても駄目だし、カービィとソルトさんはピクスの攻撃くらって無理だから、ここはアドレーヌさんがやるしか・・・」 アドレーヌ「そ・・・そうね・・・わかった!やってみるわ!」 アドレーヌは子分の絵を大量に描き始めた。 アドレーヌ「これくらいでいいかな。」 そして、アドレーヌは子分の発射台のようなものの絵を描き、それに子分を入れた。 アドレーヌ「これで狙いを定めて・・・今だ!」 アドレーヌは子分をピクスに次々と当てていった。 ピクスは、アドレーヌの攻撃で骨組みだけになってしまった・・・ ワドルディ「アドレーヌさん!すごいです!」 アドレーヌ「え・・・えへへ・・・」 ソルト「それと、悪いけど何か薬とか出してくれないか?」 アドレーヌ「いいよ、あとカー君にはマキシムトマトを・・・」 アドレーヌはさらさらと薬とトマトの絵を描いた。 カービィ「トマトのにおいがするぽよぅ!」 と、起き上がり、トマトを食べ始めた。 ソルト「すごいな・・・カービィ・・・」 さて、俺も薬で傷もだいたい回復したし、そろそろ次の部屋に行くかな・・・ アドレーヌ「じゃあこの気球に乗って降りるよ。」 俺達はアドレーヌの描いた気球に乗って、ゆっくりと下へ降りて行った・・・ -- 神!ガノンおじちゃん (2009-07-16 16 52 38) ソルト「へえ~、今度は、水のステージか。なかなか涼しげだな。」 アドレーヌ「ここは水の世界だよ。海辺の洞窟を抜けて、それから、川を下って、浜かr、もぐれる場所を探して、それから海の中を抜けると、デデデ大王のところへ近づけるよ。」 ソルト「・・・海の中?てことは・・・水中!?ちょっとまてよ!どうかしてるだろ!俺は人間だぞ!海の中じゃ、せいぜい数十秒しか息できないのに、どうやって、海の中行くんだよ!」 カービィ「大丈夫。アドレーヌにシュノーケル出してもらえばいいよ。」 ソルト「そうか。それもそうだな。バカだな、俺。なに、そんなことで、あわててたんだろうな・・・。」 そして、海辺の洞窟への道を俺達は歩き出した。 アドレーヌ「この辺は、さかなや、切れ味の鋭い皿を投げてくる、カパーって敵キャラに気をつけて。そこの、水溜りが住処だから」 ソルト「そうか。」 カパー「久しぶりの獲物だ!みんなおいらのお皿で、切り裂いてやるぜ!」 ソルト「ええええええええ!?いきなり襲ってくるのかよ!」 襲ってくるカパーやそんな俺のツッコミをよそにアドレーヌはのんびりピクルスの絵を描いていた。アドレーヌの秘策はいかに・・・ -- プリム君 (2009-07-17 20 39 43)
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第542話:大崩壊/リベンジ・ワード(放送禁止) 作:◆eUaeu3dols 閑話休題。 これはある一連の流れの傍流である。 殺した者も殺された者も罪深い、ただの復讐劇である。 それが何から始まり何に繋がるかという事を考えなければ大した悲劇では無いだろう。 この殺し合いの中で言うならば幾つでも転がっている、そんな出来事である。 そう、大した悲劇じゃない。 ただの惨劇だ。 * * * 23時30分を、過ぎる。 光明寺茉衣子は夜闇の森の中、身を縮めて放送を待っていた。 24時に始まる第4回放送をだ。 今更死んで悲しい者など居ないが、禁止エリアと殺し合いの進行状況は気になっていた。 もしも上手くすれば彼女は生き残れるかもしれない。 元の世界に帰れるかもしれない。 (……けれど、そこに班長は居ないのですね) そう思うと自分が何を望めばいいのかすら判らなくなる。 ただ死にたくないとは思うけれど、それ以上に望むことは――何も無いのだ。 閉塞した未来へ向かって歩いているだけ。果ての有る今を歩いているだけ。 それは何の意味も無い事に思われた。 (考えるのはよしましょう) 今はただ時を待とうと、茉衣子はそう思った。酷く寒く静かな夜を、ただ越えようと。 だが。 『おい、茉衣子……』 「……わかってます」 誰かが木々を掻き分け近づいてくる音がする。数は1人と…… (なんなんです、この足音は……?) まるでロボットが歩いているような重々しい足音。 どういうわけか水を零しながら歩いてでもいるのか、奇妙な水の音が絶えず続いている。 (隠れなくては) 静かに這い回り、木に隠れて近づく者達をやり過ごそうと試みる。 問題ない、この暗闇ならやりすごせる。やり過ごせば…… 『おい、茉衣子』 「わかってます」 だから喋らないで欲しい。この声が聞かれたら…… 『違う、そっちじゃねえ後ろだっ』 (え?) エンブリオの警告に首を傾げたその先に……二人の女が立っていた。 「わお、かわいこちゃん発見♪」 「なっ!?」 更に振り返り驚愕する茉衣子の背、さっきまでの前方からも声がかかった。 「さっきからそこでこそこそ隠れてるけど……何者なの?」 (二組居た――!?) 茉衣子は自らの不運を、呪った。 茉衣子は冷静に、目の前に出てきた者達を観察する。 まず目の前に居るのは二人の女だ。どういうわけか互いの片腕を長い革ひもで繋いでいる。 どこかで衣服を調達したのか、それとも同じ世界から来たのか、二人とも旅館っぽい雰囲気の服を着ている。 小さな方の女……というより少女はこちらをじっと見つめて、しばらくして呟いた。 「“ウィルオウィスプ”、それから“金の針先”かな」 (何……?) 怪訝な表情が表に出たのだろう。少女はにっこりと笑って答える。 「あなた達の今の魂のカタチだよ、“ウィスプ”さん」 「何を言って……」 「ウィルオウィスプは彷徨う鬼火。森の中を彷徨って、旅人達を破滅に誘ってしまう」 その言葉が茉衣子の蛍火の力と重なる。 (この女、私の能力を知っている!?) 何故? どうして!? 「でもウィルオウィスプは旅人達を迷わせるけれど、それは自分も彷徨っているから」 少女は唄うように教える。 「可哀想な“ウィスプ”さん。元は夜に舞う蛍だったのに、傷を負って変わってしまった。 自らの後ろに有るべき夜を失って、暗澹たる闇に踊る鬼火になってしまったんだねぇ」 (後ろに有るべき夜……班長の事!? この女どうしてそれを知ってるの? まさか、あの女の……!) 驚愕し後ずさり……背後に居る者達を思いだし、茉衣子はゆっくりと振り返った。 目に蒼い壁が映った。 「ひっ」 そこに夜闇にも浮かび上がる蒼いロボットが有った。 そのロボットはじっと茉衣子を見つめているだけで、何も言おうとはしない。 だがその威圧感は殺意にも感じる程だ。 その横には女が足下を懐中電灯で照らし、何か頷いている。ここからは見えないが、何が有るのか? 女は顔を上げて言った。 「奥の二人は子爵の知り合いなのね」 「ああ、子爵の仲間なんだ。よく見るとそこに居るんだね。 知り合いだよ、ちょっと話しただけの。 ねえ、子爵はなんで姿を見せないの? それじゃ話せないよ」 背後から背が高い方の女の声がした。 前に居る女の足下、茂みに隠れたそこに誰かが居るというのか? 子供が入るのがやっとの空間に。 (小人でも居るのですか? それなら、上手くすれば……) 敵対しても隙を見て捕まえれば人質に使えるかも知れない。 目の前に居るロボットはとてつもない脅威だろうが、上手くすればなんとかなるかもしれない。 「この状況で知らない相手に姿を見せるのは良くないってさ。まあ判るでしょ?」 「“紳士”さんは紳士なのにねぇ」 少女の方がまるで意味不明な事を言う。 「……姿を見せてもらえませんか? 隠れて話すような相手は信用できません」 茉衣子は慎重に要求する。 彼女達の出方は判らないが、少なくともここで遭遇したのは予定にある事では無いらしい。 そのせいか馴れ馴れしく話し合いながら、どこか牽制しあっているような雰囲気も感じられる。 上手く話し合えば交渉できるかもしれない。 「……………………判ったわ。その前に私達も名乗っておくわね。 私は風見・千里。こっちはブルーブレイカー」 千里という女が自己紹介をするが、横にいる人型のロボットは微動だにしない。 「それからこっちが……」 ぶわりと。 千里の持つ懐中電灯の明かりの中に赤い液体が躍り出た。 ――血飛沫が文字を為す。 【先程までは失敬。我輩はゲルハルト・フォン・バルシュタイン! 子爵の位を賜り、グローワース島の元領主であり現在は隠居の身にある吸血鬼である!】 (吸血鬼――!?) 息を呑む茉衣子の背中を別の言葉が追い打ちをかけた。 「というかほんと、その姿で吸血鬼っていうのは信じがたいんだけど」 「“カルンシュタイン”さんはオーソドックスな吸血鬼だものねぇ」 (こいつらも!?) 茉衣子は直感した。 ――ここはまだ、あの女の庭だ。 無数の蛍火が輪舞した。 閃光。爆光。爆裂。炸裂。 「子爵!?」 誰かの叫びが聞こえる。 (どうやらあの血の塊には私の力が効くようです) 今が好機と全力で走り出した。その首に。 何か細い物が絡みついた。 (しまった――!!) 「だーめ、逃がさないよ」 くすくすとカルンシュタインと呼ばれた吸血鬼がほくそ笑む。 次の瞬間、絡みついた紐が引き締まる。 「――っ!」 「あれ、反応早いね」 くすりと茉衣子の背後で吸血鬼が笑う。 茉衣子は辛うじて首と絡みつく革ひもの間に左手を滑り込ませていた。 「だけど」 「ぁ――!!」 ぎゅうっと。紐に掛けられた力が強くなる。 (なんて、力ですか――!?) とても未成熟な女の力で抑えられる物ではない。 手に、掌に食い込んだ革ひもが、諸とも首を絞めつける。このままでは絞め殺される! 「さ、さっきの、光を、見なかったのですか」 「何が?」 「あの、吸血鬼と名乗った血の塊に当たった光の事です」 ああ、と聖は笑う。 「脅し? でも、私に当たったのは何ともなかったんだけどなぁ」 「っ!!」 聖にはその理由がよく判らなかったが、目の前の少女の素直な反応で理解した。 どういう理屈かはさっぱり判らないが、あの無数の蛍火は聖には効かないのだ。 「別に子爵は仲間ってわけじゃないけど、あなたは美味しそうだし。 お腹ぺこぺこの私の前に姿を見せたのが不運と思って諦めてね」 (そんな勝手な――!!) 蛍火の脅しが利かないなら、他は―― 「で、あたしらにはそれを見ておけっていうわけ?」 唐突に千里の言葉が掛かった。 その言葉に聖はオーバーなくらいに意外だと驚いて見せる。 「子爵の仇でしょ?」 【かってに ころさないで くれたまえ】 その言葉を否定する血文字が浮かび上がった。 【すこし――きいたのはたしかだがね――】 ひらがなばかりになって少しよれた字ではあった。 それでもしっかりと書き綴る。 【もっとも こわがらせてしまうことは わかっていた から ――よみぐるしくて すまない。 いきをととのえる】 しばし、間。血の池に幾つもの波紋が浮かび波打った。 まるで荒い息の様に浮かび上がる波紋は深呼吸のような物だろうか。 やがて子爵は元気を取り戻した様子で改めて話し始める。 だがそれでも樹にもたれかかった随分と萎びた字だ。ダメージは大きい。 【怖がらせてしまってすまない。だがそういう可能性は考えていたとも。 だから文字の部分は言うならば腕の部分だけを使っていたのだよ。 重いボディブローでも受けてしまった気分だがね。いやはや良いパンチだ】 子爵は慎重で、用心深く、奥の手を残しておく事に長けている。 子爵の強さはその肉体の高い不死性よりも、その紳士としての人格と知恵にある。 (それならどうすれば殺せるのです?) 茉衣子はもう対話という可能性を考えてすらいなかった。 こいつらは吸血鬼であり、即ち『あの女』の僕であり、そして既に交戦を開始した敵だ。 『落ち着いた方がいいぞ茉衣子』 囁きが――茉衣子以外にはくっついている聖にしか聞こえないくらいの囁きが聞こえる。 エンブリオの声だ。 「私は……冷静ですっ」 だから冷静に二つの事を考えているのに。 どうやってこいつらを殺すか。あるいはどうやってこいつらから逃げ延びるか。 彼らを殺しうる武器は一つしかない。あの首無し女を仕留めた銀の短剣だ。 ならばどうやって隙を作りこいつらを殺すか、あるいは傷つけるのか。 首を絞められるのを左手を挟んで少しは防いだが、このままでは左手が使えない。 背後の女が子爵とやらに気を取られて力を抜いているから手を抜く事だってできるが、 その状態で勢いよく紐を絞められれば一瞬で意識が飛ぶだろう。 『で、そうやって破滅する気かよ?』 「あなたは黙っていなさい、エンブリオ! あの女の僕共にあなたは渡しません!」 「エンブリオ? 今話してるのが詠子ちゃんの言った“金の針先”っていう人かな?」 「ひ――っ!」 首に掛かった紐が緩み、チャンスと思う間も無くゾクリと寒気が走る。 背後の聖が悪戯半分に耳に息を吹きかけながらその左手で胸を鷲掴んでまさぐってきたのだ。 だけど問題は性的な事などではない。 確か、吸血鬼と一緒に居た少女は自分ともう一人の誰かに話しかけていた。 「“ウィルオウィスプ”、それから“金の針先”かな」 謎の名前、金の針先。 ――気づいているのだ。エンブリオの事に。 彼女の胸元に下がるエジプト十字架に秘められた意思に。 (あの女の僕にエンブリオが奪われる!?) それは絶対に避けなければならない事だ。許されない事だ。 エンブリオは班長から遺された唯一の物だ。絶対にあの女に渡してはならない物だ。 それ位なら――壊さなければならない。 「あ、有った、指に何か……あつっ!?」 何故か聖の力が一瞬抜けたその隙に、茉衣子は右手で聖の手を払った。 同時に首から抜いた左手で首もとに下がっていたエンブリオを手に取る。 後は一瞬だ、蛍火をエンブリオに叩き込んでその炸裂と閃光の隙に右手で短剣を抜いて 密着している吸血鬼の腹でも胴でも刺してその後で革ひもを切って逃げれば――!! 「カ……ハ…………ッ!?」 その全ての達成は困難でもほんの僅かな勝算の有った目論見は、最初の一手で崩れ去った。 裂帛の気勢を叫ぼうとした喉に巻き付いた革ひもが締め上げられて一瞬視界が白くなる。 (どう――し――て――――!?) 革ひもの片端は聖の右手首に繋がれている。 聖はそれを絡みつけもう片方の左手で締め上げていた。 だが聖は茉衣子の胸をまさぐる為に左手を革ひもから放していたはずだ。 その手の力が抜けた隙を狙ってその手を払った。革ひもは片端だけしか繋がれていない。 それならどうして―― 「ごめんね、“ウィスプ”さん」 ――茉衣子はようやく“吸血鬼と革ひもで繋がれていた少女”の事を思いだした。 次の瞬間、改めて聖が握り直した革ひもが蛇の様に首を締め上げていた。 「――――!!」 思考が飛んだ。 【待ちたまえ、殺すのは】 「大丈夫、殺さないよ」 子爵が綴ろうとした言葉に先んじて聖が言う。 「お腹減ったから血は貰うけど、こんな可愛い子は殺さないってば」 その理由は徹頭徹尾欲まみれであったが。 なんとも吸血鬼らしい欲深さである。 その欲望に対してブルーブレイカーは無関心を、風見は不快感を示す。 特に風見は子爵が話し合おうとしていなければ一撃入れていたかもしれない程に不快だった。 人として吸血鬼の餌食を放置するのかとかそういう問題も有る。 だがそれは一部で、それ以外の言葉を集約するならこの一言だろう。 (覚並のエロ魔人だ、この女) ……割と本気である。 色んな意味がその一言に集約されて、風見・千里は腹を立てていた。 「あとそれと、『あの女の僕共にあなたは渡しません』って胸元のに言ってた事が気になってさ」 こっちは真面目な理由だった。 「胸元の触ったらちょっとだけ熱かったんだけど……詠子ちゃん取ってくれない?」 「うん、良いよ」 朦朧となっている茉衣子はそれを聞いても何もできない。いや、聞こえすらしない。 詠子は易々と茉衣子の胸元をまさぐり、エジプト十字架を取りだした。 「こんばんは、“金の針先”さん」 『……ケッ。さっきからなんなんだよ、その呼び名は』 「“金の針先”さんは人を目覚めさせる金の針の名残だもの」 『ハン、全部お見通しって事かよ』 「名残になってしまっても、それでも綺麗だよ。あなたの魂のカタチは」 喋るエジプト十字架にも驚くことなく、詠子はにっこりと笑って言葉を交わす。 詠子にはエンブリオと人を差別する理由も、区別する理由さえも有りはしないのだ。 といっても子爵というとびきり変な者と一緒に居る一同も特に驚きはしないのだが。 「ああそっか、ロザリオだったんだ。道理でちょっと熱いと思った」 聖は茉衣子が完全に窒息しないように締め付けを緩めながら、苦笑する。 リリアン女学院のロザリオに触れた時に比べれば大した事は無いが、驚く程度の熱さは感じた。 「でも“カルンシュタイン”さんとは宗派が違うんじゃないかなあ?」 「十字架だったらどれも似たような物じゃない?」 そんなアバウトだから火傷するのだ。 「それであの女って……そのロザリオに訊けば判るかな?」 『茉衣子に聞け……いや良い、オレが話してやるよ』 茉衣子に話させるとややこしい事になる。 そう考え、エンブリオは少しだけお節介を焼いた。 『教会に居た吸血鬼の女のせいで、茉衣子の仲間が死んだんだよ。 で、オレは元々はそっちに支給された支給品だったってわけだ』 茉衣子は朦朧としながらもエンブリオの言葉を聞いた。 (余計な事を……いえ、援護ですか? これは……) 結果として聖の視線は詠子の手にあるエンブリオを向いていた。 聖の紐もまた窒息はしない程度に緩んでいるし、詠子もまた動こうとしたら、判る。 今なら隙がある。 エンブリオはそんな事の為に彼女達の気を引いたわけではなかったが、結果は同じだ。 茉衣子は再び一撃を狙う。今度は聖を殺すために短剣を掴み――! 「いや、流石にもう油断しないってば」 ――掴んだ指ごと握られた。 万力のような力が手を締め上げる。痛みが走り、茉衣子は顔を歪めた。 『バカが……』 エンブリオの呟きが闇に溶ける。 「この短剣、血が付いてるね。そういえば服も返り血だらけじゃない。誰の?」 「……あの女の僕の血です」 「だからそのあの女ってのは誰なのさ?」 「教会に居た、美姫という女です!」 ああ、と聖は笑った。 「そっか、私の血を吸ったマリア様だ。私は僕っていうのに当てはまるのかな? そんな自覚無いんだけどね」 「自覚が無くとも操られている事だって有るでしょう! あのアシュラムという騎士だってそうだった! 志摩子という女だって――」 ――――――。 「今、なんて言った?」 ぞくりと寒気がした。まるで吹雪の中に裸で投げ出されたような寒気。 いや、雪女に抱き締められているような寒気だ。 茉衣子は聖の顔を顧みる。 さっきまでの情欲に濁った紅い目とは違う、業火のように熱くそれなのに冷え切った目が見つめていた。 全てを見通そうとするかのように。 聖はゆっくりと、茉衣子の手ごと短剣を自らの口元に近づけると。 そっと舌を伸ばして短剣に残った血を舐め取って、その味を確かめる。 猛獣が獲物の匂いに涎を垂らすのではなく、猟犬が獲物の痕跡を嗅ぎ分けるように。 「ちょっと変な血も混じってるけど、可愛い女の子の血の味がするな。 ねえ。……この血は、誰の?」 茉衣子は直感し、感覚し、覚知し、知悉した。 (答えれば、殺される) なのにその理性を超えた激情が沸き上がっていた。 (志摩子はやはりあの女の僕で、そして目の前にはあの女から直接血を吸われた僕が居る。 そしてこいつは、カルンシュタインというらしいこの女は志摩子の事を大事に思っている) あの女の僕にも大切な者が居た。そしてそれを茉衣子が殺した。 (班長はあの女の僕に殺された。何度も何度も切り刻まれ徹底的に殺された。 私はあの女の僕を殺していた。何度も何度も切り付けて、きっと今頃は死んでいる。 あの女の僕にとって大切な者を何度も何度も切り付けて徹底的に殺してやった) 今や彼女はその事に歓喜していた。 殆ど絶望の底で全てを諦めて投げ捨てていた過去が嘘のように光に満ちる。 代償は命を、即ち未来を投げ捨てる事。 迷うことさえない。 エンブリオが彼女に叫ぶ言葉も聞こえない。 (こんなに嬉しい事はありません) だから茉衣子は未来を代価に過去を一つの達成へと変えて。 聖を見つめ返すと。 最高の満面の笑みを浮かべながら。 復讐の言葉を、告げた。 「ええ、藤堂志摩子の血です。 両足を短剣で刺したら豚か蛙みたいな声を上げて無様に泣き叫んだから、 右腕も左腕も刺して放って置いたら悲鳴が続いてもうやかましくてしかたなくて、 だから喉に突きつけて黙れって言ってやったらぴたりと黙って面白いくらいでしたけど、 その内にまた耳障りな事を言いだしたから指を全部切り飛ばしてあげたらまた叫びだして、 もう無様で滑稽で可笑しいくらいにのたうち回った挙げ句に死んでいきました、ピエロみたいに」 ――――――。 指が全て砕ける音は案外小気味よい音だった。 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 「ふうん、ほんと無様な声をあげるんだ、女の子って」 つまらなさそうに聖は茉衣子の手を離す。 転げ落ちる短剣を落とさないように掴むと、茉衣子の足が目に入った。 踏み砕いた。 「あがっ、あ、あぐあきゃああああああああああああっ」 「可愛い女の子だから優しくエスコートしてあげようと思ってたんだけどな」 聖は茉衣子のゴシックロリータ風の黒い服に手を掛けて、一息に引き裂く。 そして、引きちぎった布地を口に含んだ。 噛み締める。 じんわりと広がったのは濃密で甘い、志摩子の血の味。 全身に掛かった志摩子の返り血をたっぷりと吸い込んだドレスを口にはむ。 口腔から胸一杯に愛しい義妹の味と香りが広がっていく。 「甘い。味も、香りも……」 聖はくすりと笑う。 怒りと憎しみと怨みと悦びと苦しみと悲しみを込めて。 それから自立さえ出来なくなった茉衣子を押し倒して、唇を奪った。 「ん、んむ……!?」 舌で口腔を犯し尽くし、牙で彼女の舌を噛み裂いて、唇の味も舌の味も血の味も嫐り尽くす。 「んぐっ、ん、んー!!」 腕の下で藻掻く少女の姿が体と心を満たしてくれる。 だが、それでも。 (ああ、足りない) まだまだ渇きは癒えない。癒える側から怨嗟の業火が渇かしてしまう。 (これじゃ、まるで足りないじゃない) この渇きを紛らわすのは僅かな血程度ではとても足りなかった。 「ねえ、茉衣子って言ったっけ」 だから、聖は告げた。 「茉衣子の体も肉も心も魂も血も生も死も■も■も■も――」 昏い情熱と共に。 「ぜんぶ、犯してやる」 復讐の言葉を。 * * * 「……あんたは、やる気なわけ?」 それを見た千里達は……少なくとも千里は、止めようとしていた。 だがその目前に、『魔女』十叶詠子が立っていた。 「ううん、私は止めないよ」 魔女は微笑む。背後から響く悲鳴を気にもせずに。 「私は止めない。だけどね」 千里はその視線が自分ではなく背後のブルーブレイカーに向いている事に気がついた。 ブルーブレイカーに魔女の言葉が贈られる。 「ただ、渡しておく物があるんだ。 これは“蒼空”さんをまた堕天させてしまうかもしれないけれど、 知らないでいるのはかわいそうだものね」 「俺に……?」 彼にはそもそもこの争いを止める気も、介入する気もなかった。 あの少女、茉衣子も危険な人物のようだ。助ける意味は無いはずだ。 やる事など、弱っている子爵と風見・千里が危なくなれば護る事しかない。 「そう、これをね」 『おい、何しやがる……?』 魔女はエジプト十字架を天に捧げるように投げ放った。 それは確かにブルーブレイカーの手に吸い込まれる。 (喋る十字架は奇妙だが、それ以外に何か有るのか?) ブルーブレイカーは怪訝にその十字架を観察する。 形状は多少特殊な形状の十字架。十字の一端が長く伸びた……その先に、見つけた。 切っ先とも言うべき尖った先端に奇妙な汚れが多少付着している。 血……では無い。それとは全く別物だ。 機械的な油、機械的な液体、機械的な……血? (これは……) それはブルーブレイカーにとってよく知る液体だ。 ブルーブレイカーの体にも僅かなら使われている液体。 機械化歩兵が破壊された時に一部に付着しているそれに、似ていた。 (機械化歩兵、特に精密な形状の機体に多く使われる衝撃緩衝液……) だとすれば、それは何を意味する? 何があれば、それが付着する? この切っ先を何に突き刺せばそれが付着する? この島において、ブルーブレイカー以外の誰に突き刺せばそれが痕となる? 「…………まさか」 『…………まさか』 ブルーブレイカーとエンブリオの声が唱和する。 魔女は哀しげに、優しげに、慈しみと悲しみを、慈悲を湛えて真相を告げた。 「“蒼空”さんは、片翼を折られてしまったんだねぇ」 『そうか、テメェしずくの……』 「いぎっ、ええええああああああきゃあああああああああがっあぎいいいいいいいい」 背後では声ともいえない悲鳴が響き続けていた。 風を裂く音が、した。 ………………。 「……ブルーブレイカー。あんたの要求は、何?」 「アレを見殺しにしろ」 それが、彼の復讐の言葉。 突きつけられた木刀は千里の動きを奪っていた。 如何に木刀とはいえ、ブルーブレイカーの出力で振るえばそれは十分な凶器と化す。 「子爵、おまえにも要求する」 【………………】 (これは、まずい…………) 子爵も、動きを奪われていた。 そもそもやせ我慢はしたが、ついさっき茉衣子に叩き込まれた蛍火のダメージは重い。 腕(?)だけで文字を綴ったのは二度目以降で、最初の一撃は直撃していたのである。 なんとか文字を綴って見せたが、正直完調するには30分は掛かるだろう。 「いあああっぎああああああああああぎぎぎっひあああああぁあぁあああぁあああはあぁっ」 凄惨な悲鳴が響きわたる中で、魔女は一人朗らかだった。 「気に病む事は無いと思うな」 微笑んで、笑みを浮かべて、静かに笑って言葉を紡ぐ。 「これは正当な復讐であり、正当な報復であり、正当な捕食だもの」 魔女は手を広げて、くるりと踊るようにその陵辱を振り返る。 「だから私は祝福するの。この惨劇を」 「あきゃあああっあっぎひきいいいいぃいぃいぃやあああああぁあぁあぁあぁあああぁ」 悲鳴は延々と夜の森に響きわたっていた。 僅か十分程度の永遠、ずっと響き続けていた。 * * * ――怪物が悲鳴を耳にした。 (誰かが愉快で馬鹿な事をやっている) 怪物が認識したのはそれだけだった。 (つまりそこには愉快で馬鹿な奴らが居る) 怪物が理解したのはそれだけだった。 (獲物は狩る物だ) 怪物が判断したのはそれだけだった。 (待ってろ、バカな獲物共) 怪物が進路を変えた―― * * * ブルーブレイカーは、ゆっくりと木刀を下ろした。 「………………」 もう悲鳴は響いていなかった。 茉衣子の居た場所には亡骸が残るだけだったから。 それがついさっきまで生きていた事を連想するのは難しい。 だが茉衣子が完全に息絶えたのは僅か十数秒前でしかなかった。 「まあ、私のむかつきは収まったかな」 復讐者にして捕食者は独り言つと、立ち上がった。 手に持っていた短剣と、茉衣子のデイパックから奪い取ったスタンロッドをしまい込む。 それからすぐに屈み込んで、亡骸を掴んで、拾い上げて……掲げた。 その場にいる者達全てに見せつけて晒し者にするかのように。 (こいつ……!!) 風見はそれを見て、思わず歯を噛み締めた。 千里から見ても光明寺茉衣子の死に様は自業自得だと言える。 同情の余地はまるで無い。だが。 如何なる罪人で有ったとしても、どうしようもなく哀れに思える死に様というのは有るものだ。 その亡骸は正にそれだった。 人として。 人類として。 そして女として。 ここまで酸鼻を覆う亡骸を見たのは、その場に居る殆どの者にとって初めてだった。 子爵に限り長い人生の中で似た光景を見た事が有ったが、結末の一場面としてはそれをも超えた。 (たった十分程度で行われた殺人が、か) 子爵はただ哀れだと思った。 「……それで、悪趣味な劇を無理矢理見せられたあたしのむかつきはどうすればいいわけ?」 「ああ、ごめんごめん。でも……」 聖は千里の背後に立つ彼を見て、更に言う。 「そっちの彼のむかつきはまだ終わってないんじゃないの?」 「………………」 「ブルーブレイカー!」 千里の非難の声の間隙に。 「もう死んでるけど、あなたも壊す?」 そう言って、聖は茉衣子の遺体を放った。 「っ!!」 千里の横を抜けてブルーブレイカーへと飛んでいく亡骸を千里は振り返り。 「――――!」 ブルーブレイカーは木刀を振り上げ。 【やめたまえ!】 樹の側面に乱れた子爵の文字が浮かび。 茉衣子の遺体はそのまま別の立木に叩きつけられた。 木刀は振り下ろされなかった。……別の理由で。 「むかつきは、晴れたんだけどさ」 千里はぞくりとした寒気を感じていた。 「やっぱり、穴は開いちゃうんだね」 背中に胸が当たる。押しつけられた胸がひしゃげ柔らかな感触を返す。 首筋にひんやりとした腕が巻き付いている。冷たい、ほっそりとした腕が絡みつく。 フッと、耳に優しい息が掛けられた。 「……なんのつもり?」 「うん、ちょっと寂しいかなって思ってさ」 志摩子を奪われた事に対する憎しみは全て纏めて吐き出した。 残ったのは志摩子を失った事による深い、悲しみ。 胸に開いてしまった虚ろな穴だ。 「だからあたしで自分を慰めようって腹?」 「……そういう事」 BBが動く。敵対者に向け木刀を構える。 子爵の文字も踊る。 【それは認められない】 だが、千里は目でそれらを制した。 (要らないわ) この身勝手な女に対してそんな物は要りはしない。要るのは一つだ。 「子爵から聞いた所だと……聖って言うんだっけ、アンタ」 「うん、そうだよ」 「じゃあ聖。一つ言っておくわ」 風見・千里は大きく息を吸うと。首を振った。 身につけていたクロスのシルバーペンダントがくるりと回り聖の顔面に直撃。 「あちゃあっ!?」 そして、千里は言った。 「甘えんな!」 言葉と同時に熟練の裏肘が聖の脇腹を抉る。 「あたしはそんなに安くない!」 振り解いた僅かな隙間に振り返り滑り込ませた膝蹴りが聖の股間に直撃。 「ついでにそういう趣味も、無い!」 トドメに渾身の正拳突きが聖の顔面に炸裂した。 「…………き、効いた」 聖はよろよろと後ずさる。 その鼻からは鼻血が流れ始め、肘の直撃を受けた脇腹は大層痛んでいる。 幸い女性のおかげで股蹴りの被害は少なかったが、男性なら急所攻撃だった。 激しく容赦がない。 「最初の十字架以外は対覚用必殺コンビネーションよ。アンタには勿体ない位ね」 「……その覚ってのとどういう交際してるのか、ちょっと気になるんだけど」 「普通の交際」 凄く嘘臭かった。 「あと、一つって前置いて三つ言わなかった?」 「気のせいよ」 大嘘だった。 「………………」 「まだ、何か?」 「ううん、別に。ただ……」 聖は少し黙り。すぐに言った。 「迷惑かけたわね。それと……ありがと」 「………………」 千里は何も言わなかった。 そもそも彼女を“殴ってやった”のだって勢いだ。 千里は聖の起こした過剰すぎる惨劇を許すつもりはない。 ただ、孤独を訴えてきた彼女が見ていられなくなっただけで。 ……狡いと思った。 「それじゃ行くよ、詠子ちゃん」 聖は振り向いて声をかける。 「何処に行くのかな? “カルンシュタイン”さん」 「志摩子の遺体を捜しに」 「そっか。良いよ、付き合ってあげる」 魔女はくすりと笑う。 「魔女はかつては悪役に誑かされて、今は吸血鬼に囚われの身だもの」 まるで怖れない様子でそう唄う。そして。 「ああそうだ、一つ聞いておこうっと。 “カルンシュタイン”さんとは関係がないわたしの用事」 そう言って、呼んだ。彼女の魂のカタチで。 「――ねえ、“鬼嫁”さん」 「………………」 沈黙。 「…………ねえ。あたしの魂のカタチって、本気でそんな形なの?」 「うん、そうだよ。お嫁さんが鬼だなんて心強いよね。とても頼もしいと思うな」 心底から善意で言っている辺りタチが悪かった。 (これが悪意有ったりエロ意あったりすれば対処法は色々あるのに。 殴るとかどつくとか殴るとか叩くとか殴るとかこづくとか殴るとかしばくとか) 千里の物騒な思考を知る由も無く、魔女は真面目に話を続ける。 「もう子爵さんから聞いているかもしれないけれど、“法典”君は前進を選んだ。 “欠けて”しまっても尚、前に向かって進撃する事を選んだ」 囁くように、魔女は言葉を伝え始める。 それは何処か不吉な響きを持っていた。 「……何が言いたいの?」 「“鬼嫁”さんはまだ“欠けて”いない。つがいの翼もきっとまだ生きてるよ。今はまだ」 いや、何処かではない。それは。 「でもね。“鬼嫁”さんとそのつがいは、きっと共には死ねないよ。 あなたが失うか、あなたが失わせるか。そのどちらかが待っている」 それは何処から何処までも不吉な言葉だった。 「その時“鬼嫁”さんとその夫は、何か変わってしまうかな? 鬼であってもお嫁さんは、つがいを無くしても変わらずに居られるのかな? “法典”君のように傷を受け入れて前に進むかな? “カルンシュタイン”さんのように膿を吐き出す事で変わらない事を選ぶかな? それとも“蒼空”さんのように……ううん、これはわたしが言う事じゃないか」 「……未来を見たみたいな事を言うわね」 「わたしにそんな力は無いよ。これはただの魔女の不確かな予言の言葉。 当たるかもしれないし当たらないかもしれない、それだけのものだもの」 「………………」 それでも魔女の言葉は浸み入る。脳裏に響き奥底まで浸透し足の先までどす黒い血が流れるように。 それを待って、魔女は微笑んで手を振った。 「それだけ。じゃあね、ばいばい」 魔女は吸血鬼と共に歩き出した。 闇の奥に。 * * * 結局、彼女達は完全に、完璧に場を振り回して去って行った。 自らに必要な事を全て行い、必要な物を全て持っていったのだ。 聖は自らの憎悪を思う存分吐き出した。 そしてその後に心に開いてしまった大穴を、千里の拳で穴埋めした。 身勝手にも千里を利用して……甘えたのだ。見も知らぬ相手に。 千里には自分を殺すほどの理由が無いことを知っていて。 おかげで詠子は餓えた聖にも欠けた聖にも襲われる事は無くなった。 聖の血の渇きは癒されて、憎しみは吐き出され、悲しみもひとまずは誤魔化したのだから。 「“カルンシュタイン”さんは残酷だねぇ」 魔女はまるで敬意を払うかのように言う。 「ん? さっきの事?」 吸血鬼は何事もなかったかのように聞き返す。 それに対し魔女は微笑みと共に答えた。 「違うよ。そういう所だよ」 「うーん、詠子ちゃんの言うことはほんとよく判んないな」 そう言って佐藤聖は……笑った。 ついさっき自らの手で引き起こした惨劇も、茉衣子にぶつけられた憎悪も忘れて。 「さあ、志摩子の遺体は何処にあるのかな。やっぱりマンションかな? 血を吸うかお墓を作るかは……どっちもしてあげればいいか」 藤堂志摩子を失った悲しみは、抑えているだけだ。 だけど志摩子を殺した光明寺茉衣子への憎しみは、早くも忘れつつあった。 それを見て詠子も笑う。その完成された魂のカタチの美しさに。 「何も変わらないで居られる事こそが“カルンシュタイン”さんの一番大きな変化なんだね」 聖は何も変わらなかった。吸血鬼になっても。誰かを激しく憎んでも。 相手からぶつけられた憎悪と相手に向かってぶつけた憎悪を、すぐに忘れて流してしまった。 「そんな事より早く行こう。詠子ちゃん」 それこそが佐藤聖が光明寺茉衣子に向けた、最も残酷な復讐の言葉だった。 * * * 「………………」 千里は闇の中に去り行く二人の姿を見送った。 彼女達と戦うには理由が無くて、説得するにも通じる論拠が無かった。 だけど。 「ブルーブレイカー」 振り返ったそこには、何も変わらぬ様子で……表情の見えない機械化歩兵が立っていた。 彼には、一つ言わなければならない。 「どういうつもり?」 「どういう?」 「さっきの事よ!」 千里はブルーブレイカーの首もとを掴み寄せて怒鳴った。 そのまま押し込んだ腕と気迫はブルーブレイカーを一歩後退させ、背後の木に背中が当たる。 「あんな胸糞悪い見せ物を見物するのが趣味なわけ?」 「……そうらしいな」 ブルーブレイカーは平然と答えた。 「この……!」 「だがおまえもそういう面は有るのではないか? 魔女の言った通りの事が起きれば」 小さく子爵の水音がした。 「EDの仮説は間違っていた。しずくはこの島に居た。そして殺された。 ……そうなんだろう? 金の針先」 『オレの名はエンブリオだ。その呼び名でも間違ってるとはいえねぇけどな。 それとその通りだよ。しずくとは短い間だが、一緒に居たのさ』 「………………」 子爵の飛沫の音が少し大きくなるだけの静寂。 そう、EDの仮説はBBを落ち着かせる為の虚説だった。 「俺の片翼は失われた」 子爵が弱々しく木を這い上がる音がするだけ。 BBは喪失を噛み締め。 千里は彼を責める言葉を失った。 場の雰囲気を変えようとするかのようにエンブリオが軽い口調で喋り出す。 『最初にオレを持った奴は死んで、受け継いだ茉衣子は何人も巻き添えにして破滅しちまった。 まったく、大した疫病神っぷりだと思わねえか?』 子爵が流れ落ちて形になる音が…… 『なあ。ちょっくらオレを壊して――』 【気を付けろ!】 「!?」 自ら浮き上がる力が出ず、子爵は木に登って張り付く事で警告の文字を作りだした。 その僅かなロスが決定的な差を作り出す。 「イーディー、いや、シーディーだな。そうか。つまり俺は、ようやく見つけたって事だ」 ぞっとするほど近くから男の声がした。 振り返ると、周囲に警戒を払っていれば絶対に気づけた筈の距離に、怪物が立っていた。 その背後の足下には少女の亡骸がそっと横たえられている。 雨に打たれ青白く変色し背中には死斑の浮き出ている死体が。 「そしておまえらは運が悪い。俺を敵に回してしまったんだからな」 風見・千里はブルーブレイカーに詰め寄り二人揃って態勢を崩してしまっている。 子爵は先程受けた攻撃のダメージが思いの外大きいのかまともに動けない。 そして怪物は、彼にとっては一息の間合いに立っていた。 (ヤバイ……!) 赤い青年、クレア・スタンフィールドは口を歪め劫火のような笑みを浮かべて、告げた。 「さあ、狩りの始まりだ」 復讐の言葉を。 【077 光明寺茉衣子 死亡】 【残り 48人】 【B-6/森/1日目/23 50】 【灯台組(出張中)】 【ゲルハルト・フォン・バルシュタイン(子爵)】 [状態]:やや疲労/グロッキー状態(物にもたれて文字を綴るのと移動しかできない) [装備]:なし [道具]:なし(荷物はD-8の宿の隣の家に放置) [思考]:クレアに対応したい アメリアの仲間達に彼女の最期を伝え、形見の品を渡す/祐巳のことが気になる /盟友を護衛する/同盟を結成してこの『ゲーム』を潰す [備考]:祐巳がアメリアを殺したことに気づいていません。 会ったことがない盟友候補者たちをあまり信じてはいません。 【風見・千里】 [状態]:風邪/右足に切り傷/あちこちに打撲/表面上は問題ないが精神的に傷がある恐れあり [装備]:懐中電灯/グロック19(残弾0・予備マガジンなし)/カプセル(ポケットに四錠) /頑丈な腕時計/クロスのペンダント [道具]:懐中電灯以外の支給品一式/缶詰四個/ロープ/救急箱/空のタッパー/弾薬セット [思考]:クレアに対応 早く体調を回復させたい/BB・ED・子爵と協力/出雲・佐山・千絵の捜索 [備考]:濡れた服は、脱いでしぼってから再び着ています。 EDや子爵を敵だとは思っていませんが、仲間だとも思っていません。 【蒼い殺戮者(ブルー・ブレイカー)】 [状態]:精神的にやや不安定/少々の弾痕はあるが、今のところ身体機能に異常はない [装備]:梳牙(くしけずるきば)、エンブリオ [道具]:なし(地図、名簿は記録装置にデータ保存) [思考]:???? /風見・ED・子爵と協力?/火乃香・パイフウの捜索? /脱出のために必要な行動は全て行う心積もり? 【B-6/森/1日目/23 50】 【クレア・スタンフィールド】 [状態]:健康。激しい怒り [装備]:大型ハンティングナイフx2 [道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水2000ml)、コミクロンが残したメモ [思考]:この世界のすべてを破壊し尽くす/目の前の奴らをCDの仲間と誤認 “ホノカ”と“CD”に対する復讐(似た名称は誤認する可能性あり) シャーネの遺体が朽ちる前に元の世界に帰る。 [備考]:コミクロンが残したメモを、シャーネが書いたものと考えています。 シャーネの遺体は足下に置いています。 【B-6/森/1日目/23 50】 【吸血鬼と魔女】 【佐藤聖】 [状態]:吸血鬼(身体能力大幅向上)/満腹/良いパンチ貰った [装備]:銀の短剣/剃刀/スタンロッド [道具]:デイパック(支給品一式、シズの血1000ml) [思考]:志摩子の遺体を捜す。 身体能力が大幅に向上した事に気づき、多少強気になっている。 詠子は連れ歩いて保存食兼色々、他に美味しそうな血にありつければそちら優先 詠子には様々な欲望を抱いているが、だからこそ壊さないように慎重に。 祐巳(カーラ)の事が気になるが、状況によってはしばらくそのままでも良いと考えている。 [備考]:詠子に暗示をかけられた為、詠子の血を吸うと従えられる危険有り(一応、吸血鬼感染は起きる)。 詠子の右手と自身の左手を数mの革紐で繋いでいます。半ば雰囲気 【十叶詠子】 [状態]:やや体調不良、感染症の疑いあり。 [装備]:『物語』を記した幾枚かの紙片 [道具]:新デイパック(パン5食分、水1000ml、魔女の短剣(アセイミ)) [思考]:聖が満腹状態でしばらく危険も無い為、同行する。 [備考]:右手と聖の左手を数mの革紐で繋がれています。 2007/02/10 修正スレ290 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第541話 第542話 第543話 第541話 時系列順 第543話 第540話 十叶詠子 - 第541話 BB 第573話 第540話 クレア 第573話 第541話 子爵 第573話 第540話 佐藤聖 - 第541話 風見・千里 第573話 第537話 光明寺茉衣子 -
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大崩海岸について ■黄色い車■ 大崩海岸に放置された言わずと知れた有名な黄色い車(ワーゲンらしい)。 車を撤去しようとする度に事故や死人がでてしまい何度も撤去作業中断、 それからずっと放置され続けていたが、某番組の企画で爆破され現在黄色い車はありません。 場所 静岡市焼津市-駿河区 MAP アクセス 関連情報 wikipedia
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名前 ふりがな わだ そらた 英 Wada Sorata 生年月日 2007年10月25日 経歴 選手歴 横浜ジュニオールSC2019年4月〜2020年3月 - 横浜FC U-12強化カテゴリー 2020年〜2021年 - 横浜FCジュニアユース + ... 2020 2021 外部リンク 和田 空大(サッカー歴ドットコム)
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大崩海岸 おおくずれかいがん 静岡県焼津市と静岡市の境にある海岸。 山が海に迫りで、かつては「東海の親不知」といわれた難所だった。 現在は、断崖上を国道150号が走り、国道150号バイパスや東名高速道路、東海道本線・新幹線は日本坂トンネルで通っている。 所在地 静岡県焼津市 地図 より大きな地図で 静岡県 を表示 関連項目 2002年夏合宿プレ この項目のタグ 2002年 2002年8月 地形 断崖 海岸 焼津市 自然 静岡市 静岡県 タグ「焼津市」がついた項目 大崩海岸 / 焼津ツナコープ タグ「断崖」がついた項目 石廊崎 / 鵜原理想郷 / 大崩海岸 / おせんころがし / 親不知 / 黒崎 / 黄金崎 / さった峠 / 三段壁 / 堂ヶ島 / 東尋坊 / 日本キャニオン / 能取岬 / 屏風ヶ浦 / 義経の舟かくし / ヤセの断崖
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時空門ガイア・ゲート P 自然文明 (6) アウェイク・ゲート ■自分のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。 ■リベレイト-バトルゾーンに自分の自然のクリーチャーがあれば、このカードを自分の超次元ゾーンとリンクする。(リンクしている間、このカードをタップする。リンクが外れた時、このカードをアンタップする) ■このカードが自分の超次元ゾーンとリンクしていれば、コスト7以下の自然のサイキック・クリーチャーを自分の超次元ゾーンから召喚してもよい。 作者:123 収録 DMSX-06 「時空大激戦!サイキック・マスター12」 評価 名前 コメント
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123制作オリジナル特別エキスパンション第6弾で、20xx年10月発売。 全84種類。 12種類のパック(中身の判別不可)があり、それぞれのパックに7枚のカードが固定で封入されている。 「シノビパック」と「S・トリガーパック」以外のすべてにサイキック・クリーチャーが入っている。 新規キーワード能力にドミネイトが登場した。 収録セット 1.熱きキズナXXパック 《炎時空 トルネードシヴァXX》/《超覚醒 テンペストシヴァXX》(新規・ビクトリー) 《爆竜チェーンストームXX》(新規・ SR仕様) 《ストーム・アイニー XX》(新規) 《時空門シヴァ・ゲート》(新規) 《時空の神風ストーム・カイザー XX》/《奇跡の覚醒者ファイナル・ストーム XX NEX》(SR仕様) 《爆竜 GENJI・XX》(VR仕様) 《超次元ストーム・ホール》 2.火焔地獄の侵略者パック 《時空の侵略者 レッド・ブレイズ》/《轟風の覚醒者 ハード・チャレンジャー》(新規・ビクトリー) 《爆風の侵略者 プロミネンス・ドミネイター》(新規・ SR仕様) 《龍印の侵略者 バルガ・サイディア》(新規・ SR仕様) 《音速の侵略者 エクストリーム・シューター》(新規) 《単騎連射 マグナム》 《超次元ブレイズ・ホール》(新規) 《勇愛の天秤》 3.完全防御エンジェルパック 《聖時空 グレイト・ギャラクシア》/《超覚醒 グレイテスト・ギャラクシー》(新規・SR仕様) 《龍聖霊アポロニウス》(新規・SR仕様) 《ギャラクシー・リターン》(新規) 《時空門ギャラクシー・ゲート》(新規) 《時空の精圧ドラヴィタ》/《龍圧の覚醒者ヴァーミリオン・ドラヴィタ》(SR仕様) 《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》(VR仕様) 《超次元ドラヴィタ・ホール》 4.冷徹支配の侵略者パック 《時空の侵略者 ホワイト・セキュルス》/《聖壁の覚醒者 クライス・ウォーラー》(新規・SR仕様) 《支配の侵略者 ホワイティ・ドミネイター》(新規・SR仕様) 《封光の侵略者 ラインレスト》(新規・SR仕様) 《精霊龍の侵略者 ヴェルツイスト》(新規) 《超次元ロジック・ホール》(新規) 《制御の翼 オリオティス》 《パニック・ルーム》 5.無限破壊デーモンパック 《獄時空 ベル・ヘル・デ・ガウル》/《超覚醒 ベル・ヘル・デ・エンペラー》(新規・SR仕様) 《死神魔刃ベル・ヘル・デ・バベル》(新規) 《墓標の悪魔龍 グレイブモット》 《超次元デモンズ・ホール》(新規) 《時空門デモンズ・ゲート》(新規) 《時空の賢者ランブル》/《恐気の覚醒者ランブル・レクター》(SR仕様) 《死神の邪蹄ベル・ヘル・デ・ガウル》(SR仕様) 6.深淵より出でし侵略者パック 《時空の侵略者 ブラック・エンドレス》/《暗黒の覚醒者 ダークネス・リバーサー》(新規・SR仕様) 《滅亡の侵略者 シャドウゲイザー》(新規) 《消失の侵略者 ブラックアウト》(新規・SR仕様) 《誘滅の侵略者 メリトゥム》(新規) 《超次元クラッチ・ホール》(新規) 《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》(SR仕様) 《プライマル・スクリーム》 7.最強戦略サイバーパック 《蒼時空 オーバー・フローΦ》/《超覚醒 コズミック・オーバーΨ》(新規・SR仕様) 《サイバー・X・オーバー》(新規・SR仕様) 《超次元サイバー・ホール》(新規) 《時空門サイバー・ゲート》(新規) 《時空の尖塔ルナ・アレグル》/《要塞の覚醒者ルナ・アレグリア》(SR仕様) 《知識の包囲網》 《海底鬼面城》 8.絶対零度の侵略者パック 《時空の侵略者 ブルー・フロスター》/《凍結の覚醒者 ブリザード・ブリンガー》(新規・SR仕様) 《結露の侵略者 フォールデュルス》(新規・SR仕様) 《氷結の侵略者 ブレイティス》(新規・SR仕様) 《低温の侵略者 ピキータ》(新規) 《超次元ブリザード・ホール》(新規) 《スベンガリィ・クロウラー》 《金縛の天秤》 9.大地の恵みガイアパック 《緑時空 クロノス・ストラクト》/《超覚醒 グラン・アダマント》(新規・SR仕様) 《古の大地 ストーン・ヘンジ》(新規) 《超次元ガイア・ホール》(新規) 《時空門ガイア・ゲート》(新規) 《時空の豪腕ジャパン》/《乱打の覚醒者ジャパニカ》(SR仕様) 《恵みの大地ババン・バン・バン》(SR仕様) 《セブンス・タワー》 10.時空崩壊の侵略者パック 《時空の侵略者 グリーン・クロスサイド》/《時遊の覚醒者 ディメンジョン・ワンダー》(新規・SR仕様) 《誘圧の侵略者 スプレイシス》(新規・SR仕様) 《回遊の侵略者 マイグレイター》(新規) 《霊樹の侵略者 グリマイラ》(新規) 《超次元ディメンジョン・ホール》(新規) 《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》(SR仕様) 《トレジャー・マップ》 11.最終防衛シノビパック 《光牙龍グロウリアス》(新規・VR仕様) 《斬隠クリスタル・クロッカー》(新規) 《轟火ヘルブレイズ・ドラグーン》(新規) 《斬隠オロチ》(VR仕様) 《威牙の幻ハンゾウ》(VR仕様) 《光牙王機ゼロカゲ》 《威牙忍ヤミカゼ・ドラグーン》 12.逆転S・トリガー満載パック 《メガフレイム・ワイバーン》(新規・ラミネカード) 《反撃のサイレント・スパーク》 《サイバー・I・チョイス》 《地獄門デス・ゲート》 《ミステリー・キューブ》 《天使と悪魔の墳墓》 《ホーガン・ブラスター》 関連 エキスパンションリスト DMSX-03 「大激闘NEW WORLD(ニュー・ワールド)12」
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時空門シヴァ・ゲート P 火文明 (6) アウェイク・ゲート ■自分のコマンドまたはドラゴンが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選んでもよい。そうした場合、その選んだクリーチャーと攻撃クリーチャーをバトルさせる。 ■リベレイト-バトルゾーンに自分の火のクリーチャーがあれば、このカードを自分の超次元ゾーンとリンクする。(リンクしている間、このカードをタップする。リンクが外れた時、このカードをアンタップする) ■このカードが自分の超次元ゾーンとリンクしていれば、コスト7以下の火のサイキック・クリーチャーを自分の超次元ゾーンから召喚してもよい。 作者:123 収録 DMSX-06 「時空大激戦!サイキック・マスター12」 評価 名前 コメント
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時空門サイバー・ゲート P 水文明 (6) アウェイク・ゲート ■リベレイト-バトルゾーンに自分の水のクリーチャーがあれば、このカードを自分の超次元ゾーンとリンクする。(リンクしている間、このカードをタップする。リンクが外れた時、このカードをアンタップする) ■このカードが自分の超次元ゾーンとリンクしていれば、コスト7以下の水のサイキック・クリーチャーを自分の超次元ゾーンから召喚してもよい。 ■自分のターンのはじめに、カードを1枚引いてもよい。 作者:123 収録 DMSX-06 「時空大激戦!サイキック・マスター12」 評価 名前 コメント