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真・女神転生 デビルチルドレン 闇の書 part62-107~113 107 :真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20 23 41.46 ID ADPmirXv0 先日予約した GBA「真・女神転生デビルチルドレン 闇の書」 を投下 まずは登場人物&舞台の簡単な説明。 <登場人物> アキラ(名前変更可能) 原宿小学校に通う6年生。闇の書の主人公。 ジン 原宿小学校に通う6年生。対になる「光の書」の主人公。 レナ 原宿小学校に通う6年生。アキラやジンの幼馴染。3人で「不思議クラブ」と言う部活をやっている。 亜美(ゲーム中表記は「アミ」) アキラのクラスに転校してきた女の子。苗字は「カシハラ」(漢字は不明) ゲイル(名前変更可能) アキラのパートナー。ヘイロンと言うドラゴンみたいなデビル。闇属性。 <地名> 地上(原宿) アキラ達人間が住む世界。 魔界 大魔王ルシファーが治めるデビルの世界。 ヴァルハラ 時空を越えた場所に存在する世界。人間とデビルが共存している。 108 :真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20 25 18.13 ID ADPmirXv0 場所は魔界ダークパレス。 魔王ルシファーが部下のフォロウから「時のユガミ」について報告を受けている。 この「時のユガミ」が消えないとこの世界の時の流れが止まり、世界が滅びるらしい。 魔界に伝わる伝説として「時のユガミと共に世界を救おうとする子供達が現れるだろう」と言うものがあるそうだが・・・ 場所は変わり、いきなり「ノルン」と名乗る女神が現れる。 名前を聞かれ(ここで主人公の名前を入力、ここでは「アキラ」にしたことにする)、答えるとノルンの後ろの扉から転生の旅が始まる・・・ またまた場所は変わり、200X年の10月、東京原宿小学校6年生の教室。 転校生が紹介されている。名は「カシハラ アミ」 授業が終了し、廊下に出るとジンとレナがアキラを待っていた。 どうやらレナが「デビル図鑑」とやらを図書室で発見したらしい。しかもデビルを呼び出す契約の言葉まで書いてあるんだとか。 デビルが大好きなジンは早速呼び出そうぜ!と張り切っているが、そこに亜美が現れ話に入ってくる。 何故デビルを呼び出そうとするのか?と問う亜美に「自分達は不思議クラブだから」と説得するレナ。 少し考えた後、亜美も同行することに。 図書室に行くと、「デビル図鑑が無い!」と騒いでいるジンやレナ。 司書のお姉さんが「見慣れない本だから」と回収していたのを受け取ると、ジンとアキラは契約の呪文を唱えようと意気揚々。 それを見た亜美が「本当にデビルを呼び出すつもりなの?」「デビルを呼び出すには特別な力が必要なのよ」など意味深な発言。 そんな亜美を尻目に、アキラとジンは呪文を唱えだす。 ケヤガ・カ・リカヒ レフ・アチミ・ミヤ イニシエの ケイヤクにしたがい 姿を あらわせ ・・・コーーーーール! 109 :真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20 27 43.64 ID ADPmirXv0 すると本当にデビル・ガーゴイルが現れてしまう。 「ヴァルハラ」と言う場所から来たというガーゴイルを見てデビル好きのジンは大興奮。 このガーゴイルはヴァルハラを支配しようとする帝国軍のデビルで、ヴァルハラから姿を消した亜美を探してやってきたらしい。 レナは果敢(無謀?)にもガーゴイルに突っかかり、案の定捕まる。 すると亜美がデビライザーとヴェネコンアキラとジンに渡す。 渡されたデビライザーをガーゴイルに向けると、デビライザーから激しい光と共に1体のデビルが現れる。 そのデビルはアキラのことを「デビルチルドレン」と呼んだ。 デビルの名は「ゲイル」(変更可能)。アキラのパートナーとなるデビルである。 戦闘の末、ガーゴイルを撃退することに成功する。 ガーゴイルは「この世界に未来はない!時のユガミに閉じ込められた世界は滅ぶしかないのだからな」と言い残して姿を消す。 図書室を飛び出した亜美を追って学校の下駄箱の近くに行くと、中央に謎の渦。これがガーゴイルの言っていた「時のユガミ」らしい。 触ればどんなものか分かるだろう、と4人で時のユガミに触れる。 ・・・と、下駄箱から少し離れたところに戻っている。ユガミに触れたことで時間が戻ったらしい。 亜美は自分が「ヴァルハラ」と言う異世界から来たことを告げると、時間が無いからヴァルハラへのゲートがある屋上の小部屋に来てくれと言い走り去ってしまう。 後を追うアキラだが、2階に上がった時にデビル・ピクシーに行く手を阻まれる。 どうにか退けたものの、今の戦闘の間にヴァルハラへのゲートは閉じ、お前はこの世界に取り残されたんだと告げられる。 確かめるためにも屋上の小部屋に入るが、そこには何も無い。 迷子にでもなったような顔(ゲイル談)をしているアキラはとりあえず小部屋を出ようとする・・・ とその時、突如魔界ゲートとフォロウが現れる。 フォロウはルシファーの命令で時のユガミが現れた地上(アキラ達の世界)の様子を探りに着たらしい。 時のユガミは魔界にも現れ始めている、とフォロウ。 とにかく時のユガミをどうにかする方法をフォロウに問うと、 大魔王ルシファーなら時のユガミのことや、時のユガミ消す方法を知っているとのこと。 魔界に行けばルシファーに会えるらしいので、フォロウが開いた魔界ゲートから魔界へ向かうことに。 110 :真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20 29 50.25 ID ADPmirXv0 辿り着いたのは風の魔界。ここから南に行けばルシファーの居るセントラルランドに辿り着けるらしいのだが、 セントラルランドに繋がる「風の門」にも時のユガミが。 そこにフォロウが現れ、風の魔界の王、テュポンならどうにかできるかもしれないと言うのでテュポンが居ると言う「突風の祠」へ。 ちょっとした手違いからテュポンと戦闘することになるが、戦いが終わるとこちらの事情を聞いて「突風の風車」を渡してくれる。 これを使えば時のユガミを「吹き飛ばして移動させる」ことはできる。ユガミを消すわけではない。 急いで風の門へ戻るアキラの前に森の女神・カイポラが現れ、何かあったら力を貸すと言われる。 突風の風車を使い、風の門のユガミを移動させることに成功したアキラは無事にセントラルランドに辿り着く。 やっとの思いでダークパレスに到着し大魔王ルシファーに会うと、ルシファーは「光の御子」と「闇の貴公子」の話を始める。 この2人がヴァルハラをつくり、そしてそのヴァルハラが時のユガミと関係しているそうな。 時のユガミを消すために必要な「時の鎖」についても話してくれたルシファーはアキラにデビライザーのパワーアップ版「キングライザー」を渡し、 時の女神達の待つオルゴールルームへの道を開いてくれる。 オルゴールルームでアキラは時の女神・ウルド、ヴェルザンディ、スクルドから光の御子と闇の貴公子が残した時の鎖を受け取る。 しかし、時の鎖を使って時のユガミを消すだけでは事態は解決しない。 やはりヴァルハラに行ってみるしかないようだ。 セントラルランドから西にある氷の魔界にヴァルハラへと繋がるゲートがあるらしいので、氷の魔界を目指すことに。 すると、前からレナが見知らぬ少年と一緒に現れた。 少年の名は「シュン」ヴァルハラ出身のデビルチルドレンで、帝国軍と戦う反乱軍のメンバーだそうだ。 2人はルシファーに話を聞くために魔界にやってきたらしい。ヴァルハラでジンや亜美とも一緒に居たそうで、色々教えてくれる。 時の鎖を手に入れたことを報告したりして、2人とはお別れ。 氷の魔界の王であるキングフロストに会うため氷の神殿へ向かう道中、 キングフロストがヴァルハラからやってきたデビルに捕まったとの情報を得る。 神殿ではヴァルハラ帝国軍の1人、ハボリムが待ち構えていた。 ハボリムを撃退すると、ゲイルがランクアップ(この時の対応によって魔法型かパワー型に分岐) キングフロストの話では地下からヴァルハラのデビルが現れたらしい。 つまりヴァルハラへのゲートはそこにあるはず。 神殿の中を進んでいくと思ったとおり、ヴァルハラへのゲートが。 そこにシュンとレナが現れ、ヴァルハラを救うには「光と闇の力」が必要と教えてくれる。 111 :真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20 31 16.44 ID ADPmirXv0 そのままヴァルハラへのゲートに入ると、そこは「時の塔」と言う場所にある「時の最果て」に繋がっていた。 時の最果ては様々な時間に通じる扉がある狭間の空間。 最果てを出るとレナはハイドラと言う町に来て欲しいと告げて去っていってしまう。 塔を出て道なりに進んでいくと、ハーミットと言う町に到着。 そこで反乱軍のジュディとミノタウルスのブルに会い、やはりハイドラに来て欲しいと言われる。 辿り着いたハイドラの町。 情報を得るために入った酒場に居た反乱軍のメンバー、ナオミから亜美の所在を聞き、 会いに行くと何とレナが帝国軍に捕まり、助けに行ったジンも行方不明になってしまったとの知らせが! アキラは反乱軍が掘り進めていた鉱山から帝国軍の収容所、「炎の煉獄」に2人を助けに行くことに。 アキラが煉獄に辿り着くと、待ち構えていた帝国軍の将軍・クロセルと戦闘に。 この戦闘に勝利するとゲイルがランクアップ(この時の対応で魔法型、万能型、パワー型に分岐) 煉獄の中を探し回ってみたものの、ジンもレナも見当たらない。無事脱出したのだろうか。 報告のためにハイドラの町に戻ると、町は帝国軍に占領されていた。 ナオミから皆は反乱軍のアジトに居ると言う情報を得、急いで後を追うことに。 アジトで亜美に再会するも、レナは帝国軍に捕まったままらしい・・・ 今のままでは帝国軍皇帝に勝てない、ヴァルハラを救う「光と闇の力」を探すためにもアキラは時の塔から1度地上(原宿)へ戻ることに。 小学校の下駄箱に出現していたユガミを消して学校の外に出ると、校庭に見知らぬおじいさんの姿が。 おじいさんは「未来の原宿を救ってくれ」と言っているが・・・? 時の最果てに入ると、今まで入れなかった扉が通れるようになっていた。 早速中へ入ってみると、何と崩壊した未来の原宿に繋がっていた。 崩壊原宿を彷徨うアキラの前に、デビル・アグニが現れる。 アグニを倒すと、アグニは「この世界に緑を取り戻して欲しい」と言って消滅。 現代で木を植えれば、未来を変えられるかも知れない!ってことで現代の原宿に戻り、町を歩いていると 何とここにも帝国軍のデビルが。ケンヌンノスと名乗るデビルを倒すと、時のユガミは皇帝が作り出していること、レナが皇帝によって処刑されたことを聞かされる。 ケンヌンノスが居た場所の向こうは公園。そこに木を植えている少女が。 彼女に話しかけると、風の魔界で会った森の女神・カイポラが現れ、この木を立派に育ててくれることに。 早速時の最果てから未来の原宿へ行くと、そこは緑溢れる豊かな世界になっていた。 現代で植えた木の傍に居たカイポラに話を聞くと、今のアキラにならルシファーも力を貸してくれるはずだと言うことで、 魔界に戻ってルシファーの元へ。 ルシファーはルシファーに宛てた手紙を持ってきたものだけに伝えられることがある、その手紙はアキラが持ってくる、と予言めいたことを告げる。 時間を越えた場所にその手紙はあるらしいのだが・・・? 112 :真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20 34 20.95 ID ADPmirXv0 時間を越える場所、と言えば時の最果て。 また通れなかった扉が通れるようになっているので入ってみるとそこは過去の闇の神殿。 神殿の奥でルシファーがヴァルハラを創るために旅立とうとしている闇の貴公子と何か話していた。 2人が去った後、神殿にある宝箱を開けるとそこには闇の貴公子からの手紙と「時の鍵」が入っていた。 今まで時のユガミを消すために使っていた時の鎖は1度使うと無くなってしまったのだが、 時の鍵は何度でも使える上、時の鎖では消すことの出来なかった大きなユガミも消すことが出来る。 だが、ユガミをいくら消しても意味は無い。やはり帝国軍をどうにかしなければ。 時の最果てに戻ると、そこにはシュンの姿が。 皇帝を倒すためには光と闇の力が必要。 しかし反乱軍は壊滅し、亜美までも帝国軍によって処刑されてしまったと聞かされる。 自分達の負けだと嘆くシュンに喝を入れ、レナや亜美のためにも皇帝を倒す力を得るためルシファーの元へ急ぐ。 過去の世界で手に入れた手紙をルシファーに渡すと、アキラこそ闇の力を受け継ぐに相応しいことを認めてくれる。 そして闇の力がある闇の神殿への道を教えてくれる。 闇の神殿で宝箱を開けると、そこには闇の貴公子からのメッセージと「血脈の証」が入っていた。 光の御子と闇の貴公子は自分達が創ったヴァルハラが原因で今回の事件が起こることを知っていたのだ。 そこへ帝国軍の将軍・ビフロンスが現れ戦闘に。 ビフロンスを倒すと、血脈の証が輝きだしその力がゲイルに宿りゲイルが最終形態へ(この時の対応によって魔法型・魔法寄り万能型・パワー寄り万能型・パワー型に分岐) 闇の力を手に入れたことをルシファーに報告すると、ジンがヴァルハラのエリュシオンと言う町に居ることを教えてくれる。 エリュシオンの中央の塔の中で、同じように光の力を手に入れたジンと再会。 皇帝を倒すと言う約束を確認した2人はアヴァロンと言う町の先にある皇帝の居城、ティルナノーグへ向かう。 ティルナノーグの皇帝の部屋の目前でジンと合流。 光属性の兄と闇属性の弟、2人の皇帝に対してアキラとジンはそれぞれ自分の力を反対の力を持つ皇帝と戦うことに。 苦戦の末皇帝を倒した2人だが、皇帝達はそれぞれ「光の狭間」「闇の狭間」に逃げてしまう。 アキラとジンはそれぞれ後を追い、アキラは光の狭間の最奥に辿り着く。 そこにはこの世界が生まれた時に生まれた魔物、「セイファート」が眠っていた。 セイファートは皇帝を取り込むと、ヴァルハラを創った力が自分を生み出したこと、時間と空間が生み出す全てを破壊することが望みであること、自分が全ての黒幕であったことをアキラに話し始める。 世界の運命を任されたデビルチルドレンとして、アキラはセイファートと戦い、勝利する。 すると闇の貴公子に連れられて、エリュシオンの塔の内部のような場所へ。 光の御子と闇の貴公子はレナと亜美を蘇らせた上、1つ願いを叶えてくれると言う。 「新たな転生を」→パートナーが初期ランクに戻った状態でストーリーを1からやり直せる。 つまりパートナーの違うランクアップ姿を見ることができる。アキラのレベルや仲魔はそのままなのでクリア自体は凄く簡単。 「更なる冒険を」→クリア後専用ダンジョンへ行けるようになる。 「しばしの休息を」→選んだこと無いから分からない・・・ ちなみに「新たな転生を」は1回しか選べないので結局パートナーの全ての形態を見ることはできない。 Q.前作のキャラクターは出ないの? A.前作の主人公である刹那や未来、将来達はストーリー上には出てこないけどゲーム内での対戦ゲーム施設(バトルネット)で戦える。 Q.光の御子と闇の貴公子ってなんだったの? A.未来が見えたり色々凄い人間だったっぽい。 ジンは光の御子、アキラは闇の貴公子の生まれ変わり。 OPのノルンのシーンで転生したってこと。 上記のバトルネットではっきり生まれ変わりだと明言されている。 113 :真・女神転生デビルチルドレン 闇の書:2012/07/29(日) 20 37 03.95 ID ADPmirXv0 以上で終わり。 部屋の掃除してたらソフトと攻略本が出てきて懐かしくなったから書いてみた 他のシリーズも持ってたはずだから、見つけてプレイしたらまた書きに来るかもしれん すっごくあっさり流されてるし描写もないけどヒロインが2人とも処刑されるとか流石アトラス
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ロックマン&フォルテ part13-606 606 名無しさん@お腹いっぱい。sage 2005/03/22(火) 19 39 12 ID JpJwh3Lc 1~8以外の元祖ロックマンシリーズを投下してみる ・ロックマン&フォルテ ロボットだけの国家を提唱する謎のロボットキングが現れ、ワイリーの秘密基地を奪取した ワイリーは、なんとライト宅に逃げ延び居候を決め込む。調査を開始するロックマンとフォルテ。 キングが再生したロボット達を倒しながら、キングを追い詰める。 そんな中ワイリーが現れる。暴走したキングを倒すためにワイリーが一芝居打ったのだ。 再びキングを手中に収めたワイリーだったが、結局破れることになる ・ロックマン編 もっとうまく戦えばキングを助けることができたと悩むロック そんな彼の元に、罪の償いをし人々のために働く事を宣言したキングの手紙が届く ・フォルテ編 ワイリーはロックマンを倒せない事に疑問を持ち、キングを作った。 それに勝ったフォルテに対し、キング2号を作って一緒に戦えば勝てるというが、 ブルースが設計図を破壊する。 609 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2005/03/22(火) 20 48 51 ID 8CZoit5U ロックマンシリーズで出てくるフォルテってどういう存在なの? 上で出てるがワイリーが作った奴?フォルテの行動の目的は? かなり気になるので、良ければ教えてください。 610 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2005/03/22(火) 21 01 31 ID HeqBZ066 609 ワイリーがロックマン打倒用に作ったいわゆる黒ロックマン、純粋な力と強さを求めるうち完全に自我が芽生え 結局どちら側にも属さない存在になった。コイツのおかげでブルースの影が薄く・・いやなんでもないっす ところでDASHはゼロが完全に無視されてるっぽいからやはりパラレルと考えるべきかね 611 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2005/03/22(火) 21 03 23 ID glLav9yL 610 2のラストで蘇ったっていう「古き神々」ってのがレプリロイドなのかも 続編が出るかは絶望的だがorz 612 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2005/03/22(火) 21 08 44 ID HeqBZ066 611 そうか・・ゼロは3のシナリオ用にとっておいてあったのか、つくづく残念
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魔導物語1-2-3 part7-369~371 369 ■魔導物語1-2-3(1/3) sage 04/04/30 03 54 ID kXXoT7jA エピソード1 ・主人公(アルル)6歳の卒園試験。用意された塔の攻略が試験内容。 【MSX2/PC-98版(全機種共通)】 四つの石版を集めて、無事塔を脱出、友達や先生が歓迎してくれる…と思いきや、 みんなの身体が腐り落ちてゆく! それは、ラスボス腐導師の見せた幻で、腐導師を倒して外に出たアルルは、 今度こそ本当に卒園試験に合格、みんなに祝福される。 【GG版】 四つの石版+三つの魔導球を集めるのが目的。 競争相手としてカミュという少年が出てくる。 彼はことあるごとにちょっかいをかけてくるが、腐導師戦でアルルがピンチになると 助けに来てくれる。 (※未確認だが、上記のイベントを見るには、サブイベントで行き倒れのカミュを 助けないとダメな気がする) エンディングで、カミュは先生が作ったイリュージョンだと分かる。 【SFC版】 卒園試験を受けるために、八つのオーブを集めるクエストがあり、シナリオは そちらをメインで進む。 アルルのライバル役として、サタンの別荘に囚われていたデビルくんが出てくる。 彼は最終的に、卒園試験のラスボスである腐導師を乗っ取ってアルルと対決。 (※上記二作品に比べるとほのぼのした感じ。友人や先生が腐り落ちる幻は出てこない) MD版・PCE版はやっていないので補完待ち… 370 ■魔導物語1-2-3(2/3) sage 04/04/30 03 55 ID kXXoT7jA エピソード2 ・主人公アルルは十六歳。一人前の魔導師になるため、古代魔導学校を目指して 旅をしているところを、彼女の魔導力を狙う闇の魔導師シェゾ・ウィグィィに捕まる。 シェゾの元をどうにか脱出、その際に謎の鳥ミイルと、宝石「ルベラクラク」と引き 替えに究極の杖「ウラノス・スタッフ」をもらう約束を取り付け、宝石を取りにライラの遺跡へ。 ライラの遺跡の最深部にはサタンという男がおり、求婚されるアルル。 ところがアルルの口から「ルベラクラクを取りに来た」と聞いたサタン、態度豹変。 怒り狂うサタンを倒すと、ルベラクラクを持つ生物「カーバンクル」が出てくる。 カーバンクルを気に入ったアルルは、ウラノス・スタッフを諦めカーバンクルを相棒に。 【MSX2/PC-98版】 上記説明通り。補足無し。 ※PC-98版は、シェゾ戦が三連戦(シェゾ→シェゾ生首→実験体なる謎の生物) 【GG版】 ライラの遺跡突入後にも、シェゾがしつこく追ってくるため、何度か戦闘になる。 最後には、サタンとアルルの元に駆けつけて、何やら分からぬままに「サタンとシェゾ、 どちらかを選ぶ」展開に。どっちも嫌だ、というと、二人が協力関係になってしまって ゲームオーバー。どっちを選んでも、結局シェゾが負けてサタンと戦闘。以下同じ。 371 ■魔導物語1-2-3(3/3) sage 04/04/30 03 58 ID kXXoT7jA エピソード3 ・2のすぐ後。アルルとカーバンクルが仲良く旅をしていると、謎の美女が「カーバンクルは サタンと婚約した証、許せない!」と因縁付けてきて、ミノタウロスを召喚。 アルルはミノタウロスから逃げる内、うっそうとした森に迷い込んでしまう… 【MSX2/PC-98版】 迷い込んだ森で子供の魔物を助け、その親から感謝の印に脱出方法を教えてもらう。 ワープアウトした先は見知らぬ迷宮。そこからまた脱出。しかし、氷の魔法を使い続ける 羽目になったアルルはしもやけになってしまう。しもやけ薬を買おうとするアルルだが、 店の人に薬の材料がないと言われ、取りに行くことに。 薬の材料がある迷宮は魔物に占拠されていた。迷宮最深部にいたのは、アルルに因縁 つけた美女・ルルー。ルルーはミノタウロスをまた召喚し、アルルはこれを撃退。 サタンから「偉大な魔導師と結婚する」と聞いてきたルルーは、アルルや街の人間に 薬の材料を分ける代わり、アルルと一緒に古代魔導学校を目指す、と言い出す。 アルル&カーバンクルとルルー&ミノタウロスの一行は、古代魔導学校目指して旅立つ…。 【GG版】 迷い込んだ森は、ミノタウロスが支配しており、そこに住むカエルたちは困っていた。 カエル王はアルルにミノタウロス退治を依頼。倉庫にあった「魔導スーツ」と、古代遺跡から 発掘した「わんだふりゃ魔導砲」でバッチリ決めたアルルはミノタウロスを撃退。 ひどい目に遭った恨みをルルーにぶつけるべく、ルルーの屋敷に乗り込むアルル。 ルルーと一騎打ちして勝利、魔導砲で止めを刺そうとするアルル。 そこを止めに入ったのはカエル王ことサタン。サタンは、アルルとルルー、どちらを自分の 后にするか悩んだ末、カエルの変装をしてアルルに試練を課したという 当然、アルルから魔導砲の一撃を食らうサタン。 ルルーはアルルと決着を付けるべく、古代魔導スクール(※GG版はこう呼ぶ)の旅に ついていくことにした。 サタンはそんな二人を先に古代魔導スクールで待ってるとか、待ってないとか……。 <予告> まとめサイトに『魔導物語』とあったので真っ先に書いたが、よく見るとリクはなかった、ぎゃふん でもせっかく書いたから投下 意外に知られてないし 今度はリクのあるRとS書きます…
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Yumiko / MTP nicovideo_com エラー ( 正しいコミュニティ埋め込みタグURLを入力してください. ) mylist/11553956 Twitter Blog 踊る時は「Yumiko」、振り付け師の時は「MTP」。 振り付け曲 +ニコニコ動画流星群 ニコニコ動画流星群 2009年01月13日 02 00 投稿 sm5829975 http //www.nicovideo.jp/watch/sm5829975 2009年04月19日 17 10 投稿 sm6794227 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6794227 ↑動画プレイヤーでリンクつけるか迷い中 +ニコニコ動画流星群 ニコニコ動画流星群 2009年01月13日 02 00 投稿 【踊ってみた】海外仕様ミク-どちらかというとはちゅね【コスプレ】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm5829975 2009年04月19日 17 10 投稿 【踊ってみた】ニコニコ動画流星群【yumiko featuring 初音ミク】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6794227 +教えて!!魔法のLyric 教えて!!魔法のLyric 2009年03月12日 18 21 投稿 [祝殿堂入り]-教えて!!魔法のLyric-踊ってみた http //www.nicovideo.jp/watch/sm6410906 2009年04月05日 12 51 投稿 【yumiko featuring 初音ミク】教えて!!魔法のLyric『LIVE PARK IN AKIBA』 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6655956 +ストロボナイツ ストロボナイツ 2009年04月05日 02 28 投稿 【yumiko featuring 初音ミク】ストロボナイツ『LIVE PARK IN AKIBA』 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6652447 2009年04月17日 01 46 投稿 【踊ってみた】ストロボナイツ【yumiko featuring 初音ミク】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6840159 +Silence Silence 2009年04月23日 00 01 投稿 【踊ってみた】Silence【yumiko featuring 初音ミク】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6826214 +Nostalogic Nostalogic 2009年06月14日 00 28 投稿 《preview》Nostalogic-RadioEdit-踊ってみた http //www.nicovideo.jp/watch/sm7327615 2010年04月04日 01 34 投稿 【ロリMEIKO】 Nostalogic (single edit) 【HD】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm10270387 2010年04月04日 01 05 投稿 《complete》-Nostalogic(single edit)-踊ってみた http //www.nicovideo.jp/watch/sm10267890 +『プラチナ』-shin in future Mix- 『プラチナ』-shin in future Mix- 『プラチナ』-shin'in_future_Mix-リンク +可能世界のロンド 可能世界のロンド 2011年01月05日 22 36 投稿 【初音ミク PV】可能世界のロンド http //www.nicovideo.jp/watch/sm13227088 DANCEROID +LOL-lots-of-laugh- LOL-lots-of-laugh- 10/02/06 05 10 投稿 【DANCEROID】LOL-lots-of-laugh-【踊ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm9614960 +メグメグ☆ファイアーエンドレスナイト メグメグ☆ファイアーエンドレスナイト 10/10/29 10 06 投稿 【DANCEROID】メグメグ☆ファイアーエンドレスナイト【踊ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm12579642 +情熱をUpload 情熱をUpload 11/04/03 20 53 投稿 【DANCEROID】情熱をUpload【花たん×プリコ×ヲタみん×ちょうちょ×転少女】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm14054657 +HAKUMEI HAKUMEI 11/07/03 07 47 投稿 【DANCEROID】HAKUMEI【踊ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm14912100 +ポーカーフェイス ポーカーフェイス 11/09/11 21 22 投稿 【DANCEROID】ポーカーフェイス【踊ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm15578755 +galaxias! galaxias! 11/12/14 20 00 投稿 【galaxias!】galaxias!踊ってみた【DANCEROID Ver.】 http //www.nicovideo.jp/watch/1323811445 +チャイナサイバー@ウォーアイニー チャイナサイバー@ウォーアイニー 11/12/17 21 18 投稿 【DANCEROID】チャイナサイバー@ウォーアイニー【踊ってみた】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm16450848 me to me +スーパー☆スター スーパー☆スター 2010年12月22日 23 41 投稿 【ラクダと亀】スーパー☆スター 踊ってみた【me to me】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm13098241
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真・女神転生if...ハザマ編 要約スレ1-984~985・987~988 984名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/04/18(火) 18 26 12 ID pnledeqI ifは、携帯アプリでハザマ編があるけど、やれないんだよなぁ 真・女神転生シリーズは、さりげなくパラレル要素入ってるんだよな ペルソナシリーズにifの学校が出たり、ICBM発射阻止のニュースがあったり 985名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/04/18(火) 18 33 43 ID l2YadCD1 ハザマ編の台詞全公開してるサイトあるからそこで我慢だ 987名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/04/18(火) 19 23 30 ID 7v+mySMT 985 そのサイト教えて下さい 988名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/04/18(火) 20 07 26 ID l2YadCD1 987 ほらよ ttp //chris2second.web.fc2.com/
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「宿題する宿命」 https //scratch.mit.edu/projects/781800270/ 「みんなは宿題してる?コメントで教えて!」 あらすじ キャットが冬休みの算数の宿題をしようとする。 最初の方の問題は簡単。 しかしその下が複雑かつ適当な問題だらけ。 さらに下は適当な8マス計算で、最後はいきなり漢字問題となってしまう。 関連話 なし 前回・次回 前回 1/3 次回 1/5
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EMIT 当Wiki連絡用掲示板内差し替え・追加スレッド-390~397 390 :EMIT:2013/03/09(土) 22 44 03 ID ??? ●EMIT 田中百合:ごく普通の17歳の女子高生。ポニーテール。 田中敏子:百合の母親。 田中和夫:百合の弟。 小沢洋子:百合のクラスメートの友達。 太田一郎:中学からの男友達。 ケン:向こう側の世界の子供。 ジュリア:ケンの母親。百合にそっくり。 『不思議な老人』 信号待ちをしていた百合に60才ぐらいの老人が年月日を尋ねてくる。 年月をきかれる事を変に思いながらも答えると、1994年かと老人が考え込む。 次にこの辺りに昔、時計屋が無かったかと聞いてくるので知らないと答えた。 老人はあなたぐらいの年齢なら知っていると思ったと、礼を言って去っていった。 百合は信号を渡る。するとEMIT(エミット)という言葉が後ろから聞こえた。 振り向くとさっきの老人が深刻そうな顔でこちらを見ている。驚いた百合は走って逃げた。 『夕食どき』 百合・敏子・和夫の三人で夕食中。百合は母に時計屋の事を聞いた。 今ある駅前の本屋が以前は時計屋だったらしい。もう何十年まえだとの事。 電話が鳴ったので百合はとりに行った。 『電話』 電話の相手はクラスメートの小沢洋子。 今まで風邪をひいて休んでいた、明日から学校に行くので英語の授業がどこまで進んでいるのかを教えてほしいと聞かれる。 受話器を置いて二階の自室のノートを見にいく。自室で鞄を開けると走り書きのメモが入っていた。 ”エミットの事を知っていたら教えてください。困っているのです。またお会いできたら。明日にでも。” 老人の物と思われるメモ。百合は電話口に戻り洋子に英語の授業を教え、そのあと老人の事を話した。 放っておいたら? と言われ、そうすることにする。その後、無駄話を続ける。 ずぶ濡れの父が帰ってきて、傘を持ってきてほしいと電話したかったのに通じなかったと長電話を叱られた。 『若返った男』 一ヶ月後、信号を待っていると男にエミットと声をかけられる。老人に声が似ていたが、明らかに若かった。 話があると言われ、土曜日で時間があるのと顔が魅力的だったのでついて行く。 391 :EMIT:2013/03/09(土) 22 44 56 ID ??? 『喫茶店』 信号近くの喫茶店に入る。百合は男にエミットについて聞いた。 すると男は百合が知り合いに似ていて知ってるかもしれないから聞いたと答えた。 前に会った老人は父親ですかと百合は聞く。 あれは僕自身だと答えられた。変装か何かかと尋ねると、年を取ったと答えられた。 どう見ても20~30にしか見えないと百合が考えていると、男は別の世界から来たと言った。 その世界とこの世界は目につかないトンネルで結ばれている。 ここに来た時に使ったトンネルが壊れて、帰るために他のトンネルを探している。そのトンネルが時計屋の地下にあるらしい。 百合は信じることができず呆れた返事しかできない。 前に会った老人は60歳ぐらい男は30ぐらい、別人に見えると百合は聞いた。 この世界では僕は1日に1才ずつ年をとる。しかもこちらの世界にとっては逆にだと答える。 二つの世界は時間の進み方が違い、男が年をとっているのを、こちらでは若返っているように見える。 「つまり60才の子供だったあなたが、30日で30才の大人になったわけですか?」 男は肯定し、百合は老人に見えると答えた。 その言葉に怒った百合は「いい加減にしてください!」と言って、喫茶店を走るように飛び出した。 『校庭にて』 喫茶店から2週間後。 次の時間は英語のテスト。洋子と気軽に話していると、洋子がフェンスの向こうに12才ぐらいの少年を見つける。 百合が見るととても悲しそうな目をしていた。百合は少年を呼ぶ。 「助けてください、あともう1日たつと僕の力では扉が開けられなくなる」 百合は校庭を飛びだし、洋子が止めるのも聞かず学校を出た。 『脱出1』 本屋の奥。段ボールの積まれた部屋の所に立ち入り禁止と書かれた鉄の扉があった。 それを開くと花の匂いがする。「僕の世界の匂いだ」と少年は嬉しそうに入っていく。 一緒に入る百合、少年は床の土を払うと扉が地面に現れた。 『脱出2』 百合が取っ手を引っ張るがびくともしない。 少年は扉のプレートにEMITと掘らないといけないと言われ、百合は石で力を込めて書く。 『脱出3』 徐々に引き上げていくが、錆びているのか扉はなかなか開かない。 すると背後の扉を叩く音がしたのか「誰かいるのか?」どうやら本屋の人らしい。 何とか力を込めて引き上げ、少年を隙間に入れる。 「ありがとう」 「ねえ、私は誰に似ていたの?」 「僕のお母さん」 「せめて恋人と言ってよ」 「今度、こっちの世界に遊びに来て、いつでもいいから、僕の名前は……」 背後の扉のノックが激しくなる、慌てて百合は扉を閉める。そして土を上からかぶせた。 392 :EMIT:2013/03/09(土) 22 50 23 ID ??? 『EMITの秘密』 百合は自室で母の敏子にテスト時間をすっぽかした事を叱られる。本当の事を話しても信じないだろうと百合は理由を言えない。 明日は先生に一緒に謝りに行くことを約束され、母は出ていった。 百合は老人の事、そしてもう一つの世界の事を考える。できれば老人の17才ぐらいに会いたかったと思う。 少年が百合の事を母親に似ていたと言っていたのを思い出し、あっちの世界では自分の未来の姿があるのではと考える。 ノートにEMITと書いて、いつか遊びに行きたいとわくわくしていた。 そのとき百合はあることに気づきノートに文字を書いた。それはEMITの逆、TIMEという言葉だった。 『書店にて』 百合が本屋で本を読んでいると、一郎とバッタリ会った。 一年ぶりと挨拶する百合。昨日会ったと言う一郎。詳しく話したいと百合は自宅に誘った。 幻でも幽霊でもないと歩きながら言う一郎に、百合は気味が悪いと思った。 『EMIT再び』 百合の自室。 昨日の誕生日パーティーで百合に出会ったと言う一郎。送ると言ったが一郎の自宅前で別れたと言う。 一郎は帰り際にその娘が言った言葉を思い出した、「エミット」と。 『地下室の扉』 百合は再び、本屋の扉がある所に来ていた。 もしかしたら以前の老人の母親がこちらに来ているのではないかと、考えたからである。 土を払いEMITと書いて扉に手をかける。以前と違い簡単に扉が開いた。 『もう一人の百合』 扉の中を覗くと自分そっくりの娘が、下から見上げていた。 唖然としながらもとりあえず挨拶する百合。 相手も挨拶を返してきて、いい所であったと彼女は百合の手を取った。そして扉の中に引きずり落とした。 意識を失っていた百合が周囲を見ると真っ暗だった。見上げるとかなり高い所に閉じた扉がある。 はしごかなにか上に登る手段があるかと探すが見当たらない。 トンネルの向こうに微かに光が見える。ここでじっとしても仕方ないと、そっちに向かった。 『向こうの世界へ』 辿り着いた所は行き止まり、頭上の高い所から光がさしている。 どうすればいいのかと考えていると、地面がエレベーターの様にせり上がる。 さっきの場所もこうなっていたのかと百合は考えた。 地面が止まり扉が前にあった。ゆっくり扉を開けて覗きこむと、二人の警備員が待っていた。 「戻ってきたようだな」「世界の行き来は重罪だ」 困惑する百合。警備員達は百合を捕まえ腕に注射を打ちこむ、百合は気絶した。 393 :EMIT:2013/03/09(土) 22 51 06 ID ??? 『再会』 目を覚ますと、百合はベッドにいた。そばに自分を母さんと呼ぶ老人がいた。 以前あった少年だと気付いた百合は話そうとするが、私に任せて黙っててと老人は言う。 さっきの警備員の二人が来る。百合の代わりに謝罪する老人。 「今回は見逃してやる」「この年齢なら仕方ないな」 部屋から出される二人、外の風景は元の世界と同じだった。 老人はケンと名乗り、老人の母親の名前はジュリアだと教えられる。 もっと年寄りらしく歩かないと周りに変に思われると言われ、百合はゆっくりと歩いた。 『次元のトリック』 公園で子供たちは弱々しく語り合い、老人たちが元気に遊びまわる。百合は変な気分になる。 道を歩きながら百合とケンはジュリアについて会話する。 ジュリアはこちらの世界に遊びに行き、そこで太田一郎に恋をしてしまった。 そしてジュリアは百合に成り変わり、戻らないつもりだと。 ケンはもう一つの問題を口にする。ここでは百合は毎日1つずつ年齢が増えると。 百合は茫然としてしまった。 『焦り』 真夜中。百合とケンは壁の裏側から、警備員たちがいる古いビルを伺う。 すでに3日が過ぎている。何度も忍びこもうとしてたが、失敗している。 ジュリアは今頃、太田一郎に言いよっている。この世界で百合は毎日、年を取る。 百合がこの世界に居る限り、ジュリアは年を取らないらしい。このままでは完全になり変わられてしまう。 『冷たい雨』 百合はもう20才。ケンが殺されると止めるも待てなかった。 猫がお尻に当たり悲鳴をあげる百合。「誰だ!」と警備員が出てくる。 猫を放り出すと「なんだ猫か」と戻っていった。 『未来が呼んでいる』 大雨が降りだす。 危ないからと再び止めるケン、しかし百合は「さよなら私の坊や」と言って走り出した。 彼女の未来が呼んでいるのだ。 『危険な賭け』 扉の近くまで走り寄った百合。 建物の中には銃を持った警備員が二人、猫と遊んでいる。 ケンが「助けてくれ」と叫ぶ。警備員たちは二人とも外に出て、一人はケンの元に走りもう一人は扉の前に立った。 百合は警備員を突き飛ばし、中に入る。 394 :EMIT:2013/03/09(土) 22 51 57 ID ??? 『脱出』 「止まれ、撃つぞ!」警備員の警告を百合は無視する。 エレベーターの場所に行き、ボタンはどこかと壁を触る。すると下へと動き出した。 安堵する百合に、上から警備員が拳銃の引き金を引いた。 『小さな疑惑』 夜の百合の家。敏子は娘の百合が、何かがおかしいと感じていた。 タオルの置き方、コップの位置。些細なクセが色々と変わっている。 しかし百合は百合だと思い直し、気にしない事にした。 そこに一郎が訪ね、敏子が出る。 友達に百合の様子が変だと言われ気になって訪ねたと言うと、敏子もまた百合の様子がおかしいと答える。 そこに百合が現れる。 『百合じゃない!?』 百合は一郎に挨拶をし、「この間のパーティーは面白かったわね」と言った。 一瞬、疑惑の目を向ける一郎。すぐに笑顔に変える。 心配する敏子をよそに二人は百合の部屋へと移動する。 何の用と聞いてきた百合に、一郎はこの前に貸したエジプトの本を返してもらおうと思ってと言った。 何処に直したかわからないと答える百合。また今度でいいよと一郎は笑顔で去っていった。 百合は何かに気付き、ベッドに座ってうつむいた。 敏子に一郎は言う「あれは百合じゃない」。 『残された手紙』 百合にそっくりな娘がいる。 一郎と敏子はキッチンで話しあい、本物の百合はどこか問いただす事にした。 二人は百合の部屋に行き、入る。 すると誰もいない。開いた窓から逃げ出したらしい。 置き手紙がおいてあった。 「いつか分かる事が思ったより早く来た。でも私はこの世界から出て行きたくない。いつかまた……」 まだ近くに居ると二人は家の外へと、探しに走りだした。 『帰還』 本物の百合が家に帰ると、誰もいない。 銃弾のかすめた右腕から出血し、ズキズキと痛む。 とにかくへとへとに疲れていた百合は、居間のソファに倒れ込み目を閉じた。 395 :EMIT:2013/03/09(土) 22 52 39 ID ??? 『対決』 やっと自宅に帰って来たのだ、このまま眠ってしまいたい。 だが眠ってはいけないと、やらなければならない事があると頭の中で思考が働く。 ジュリアの事を考える。 目を開ける百合。すると目の前に百合がいた。 夢かと思って瞬きをすると、目の前の百合がナイフを振りおろしてきた。 「やめて!」叫びながら百合は転がるように、ナイフを避けた。 『説得』 「どうして帰って来たの?」 「あなた……ジュリアさんでしょ」 名前を呼ばれて驚くジュリア。 「ケンが心配してるわ、戻ってあげて、あなたも母親でしょ?」 「私は……私はここにいたいのよ」 「どうして? あなたには逆の世界でしょ?」 「私は……」 そのとき玄関から音がした。息を飲み窓から逃げ出すジュリア。 代わりに一郎と敏子が入ってくる「百合をどうしたんだ!?」。 説明し本物である事を認めてもらう。 『思い出の行方』 ジュリアが逃げてから10日以上たった。 下校途中で洋子にもう一つの世界の事を話したが、全く信じてもらえない。 百合はそれもそうかと考える。ひどい目にあった百合は、あちらの世界とはかかわり合いになりたくなかった。 歩いている途中、扉のある本屋が工事中になっていた。 工事現場の人に聞くと、明日には地下も取り壊すらしい。 『消えゆく存在』 洋子と別れ一人で歩く百合は、ジュリアの事を考えていた。 ふと歩きながら公園を見ると、EMITと小石が並んでいた。 公園に入り、ベンチに座っていた老人ケンを見つける。 お互いの無事を確認する二人。ジュリアはまだ帰ってないらしい。 明日には扉が工事で壊されてしまう。それもあるがケンはもっと深刻な事態がある事を言った。 ジュリアはかなり年齢を取ってしまった。 396 :EMIT:2013/03/09(土) 22 53 34 ID ??? 『刻限』 あと3日もすれば、こちらで言えば0才。それ以降は存在が消滅してしまうと言う。 百合はケンに家で待ってるように言った。 夜になり、百合は一郎に寄り添うように歩く、傍から見れば恋人同士の様に。 キスしようかと冗談で言っている時に、幼い少女が前方に現れた。 ジュリアと声をかけると走って逃げていく。しかしケンが道を塞いだ。 『涙』 「間に合ったよ母さん、さあ帰ろう」 幼い少女は一郎を振りかえり、涙を見せる。 百合は一郎にジュリアを抱きしめるように言う。言われた通り抱きしめた。 ジュリアもまた顔を一郎の肩にうずめた。 『別れ』 別れを言い、祖父と孫娘のように見える二人が闇の中へと去っていった。 幼い少女は一度、振り返ったが、時期に見えなくなった。 「肩が濡れてる、あの子、泣いてたんだ」 「女の子泣かして、悪い奴だ」 『私にさよならを』 百合と洋子が本屋の近くを歩いていると、ビルが更地になっていた。 もう二人がどうなったかは確かめようがない。 でも、他にもトンネルがあって向こう側の人がこちらに来てるのではないかと思うと、百合は嬉しくなった。 「ねえ、私エステ行ったんだけど、若返って見える?」 「エステも良いけど、ほどほどにしときないさよ」 「どうして?」 「若返りすぎると、誰にもわからなくなっちゃうんだから」 もちろん洋子には冗談にしか聞こえなかった。 終わり。 397 :名無しさん:2013/03/09(土) 22 54 55 ID ??? 投下終了。音楽を小室哲也、百合の声は林原めぐみと割と豪華 なんか黒歴史扱いされてたけど、理由は知らない
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アナザー・マインド part53-47~56,59~73,88,95 47 :アナザー・マインド:2010/07/28(水) 13 42 03 ID nwHgqZq50 主な登場人物 キミ…プレイヤー自身のこと。デフォルト名は「真野俊平」。正体不明だが少なくとも男なのは間違いない。 説明書には「なるべく自分の名前を入力しましょう」と書いてあるが、 女性プレイヤーの存在は想定されてないっぽいので 女の名前を入力するのはやめたほうがいい。 葉山 瞳…主人公。名前変更可。高校2年生。キミの意識が入り込んでしまった女の子。 鳴海 健一…K県警の刑事。 高木 真理子…瞳のクラスメイトで親友。 明円 輝夫(みょうえん てるお)…フリーのルポライター。 向井 夏子…心理療法士。 第一章 「あなたは誰?」 キミは真っ暗な世界で覚醒する。何も聞こえない、何も見えない。 ここはどこなのか、キミは考えたが、何も思い出せない。 『あなたは、誰?』 いきなり女の子の声がしたので、キミは驚く。 “僕は――。” キミは名前を名乗った。 『私は葉山瞳と言います。16歳。N学園に通ってて…。 って、こんなこと話してもしょうがないですよね。あの、私、買い物に行ってて…。 それで車にはねられて…。ということは、私、死んでしまったのかしら』 “さぁね。僕には何もわからない。” 『そうですか…』 3月23日(月) 真っ暗だった世界に突然光が射す。看護婦がこちらを覗き込んでいる。ここはきっと、病院だ。 「大丈夫ですか、葉山さん」 看護婦はこちらを見て、女の子の名前を呼ぶ。 唐突にキミは理解する。どういうわけか、キミは意識だけの存在になり、 葉山瞳という女の子の中に入り込んでしまったらしい。 看護婦は、ここはT大学付属病院だということ、瞳は交通事故に遭って1ヶ月間意識不明だったことなどを話す。 看護婦が去っていった後、瞳はキミに話しかける。 『あの…いますか?』 “僕は君の中にいる。” 『やっぱり、夢じゃなかったんだ…。出て行ってください、と言いたいところですけど…』 “出来ればそうしたいよ。だけど、今の僕はこうして瞳と話すことしか出来ない。 出て行く方法もわからないし、僕の体も、どこにあるのか…。” 『そうですよね…。こうなったら仕方がありません。これからよろしくお願いしますね』 “こちらこそ、よろしく。” 『それで、私、考えたんですけど、あなたは幽霊なんじゃないですか?』 “そうかも知れない。死んだ自覚は無いけど。” 『この病院に入院してて、死んじゃった、とか。名前がわかってるんだから、そこから何とかならないかしら』 3月26日(木) 今日は検査の日だ。黒川という医師に連れられて、瞳は検査室に行く。 そこで瞳はCTスキャンにかけられた。そのときキミはデジャヴのようなものを感じる。 夜、瞳はぼんやりとテレビを見る。ニュースで、F市のパチンコ店に強盗が入ったと報じている。 「F市って、隣の市じゃない。いやぁねぇ」 3月27日(金) 看護婦がやってきたとき、キミは幻覚を見る。 【看護婦の背後に謎の影が忍び寄る。看護婦は振り返って驚く。】 『あの、あなたも見ました?看護婦さんが襲われているところ…』 “うん。” どうやら瞳も同じ幻覚が見えたようだ。 その幻覚が何を意味するのか。キミと瞳は戸惑うばかり。 キミに繋がる手がかりを得ようと、瞳は夜中にこっそりベッドを抜け出し、霊安室を調べる。 ドアには意外にもカギはかかっていなかった。中に入って見回すが、それらしい遺体は無いようだ。 と、そこに看護婦が倒れているのを発見する。 「見回りをしていたら、男に襲われて…」 『これって、もしかして…』 “ニュースでやってた、強盗犯、かもな。” 瞳は電話の元へ走り、警察に通報する。 もしかしたら、昼間に見えたビジョンはこのことを予言していたのでは、とキミは考える。 ホッとしたのも束の間、謎の男がこちらに向かってやってくるのが見える。看護婦を襲ったヤツだろうか。 瞳は病院中を逃げ回り、空き病室に入り、ロッカーの中に隠れる。 息を殺して待つ。しばらく後、男がやってきて、瞳が隠れたロッカーを開ける。 恐怖のためか、瞳はそこで気を失う。 3月28日(土) 瞳の病室に男が訪ねて来る。 「私、K県警捜査一係の鳴海という者です」 鳴海刑事は、事件のあらましを瞳に話す。 瞳を追ってきた男は、病院に忍び込んだ例の強盗犯で間違いないようだ。 強盗犯は何故か瞳を襲わずに、逃げ出したという。 4月2日(木) 数度に渡る検査の結果は異常なしだった。瞳は無事退院する。 だが、学校に行けるようになるには、まだ少しかかりそうだ。 第一章 終わり 4月12日(日) もしかしたら、キミは何らかの事故や事件に巻き込まれたのかも知れない。 そう考えたキミと瞳は、図書館へ行く。 過去の新聞記事を調べてみたが、それらしいものは見つからない。 第二章 TIAMATの呪い 4月16日(木) 【そこは学校の屋上だ。「待ってくれ!」と男は言うが、少女は虚空に足を踏み出し、落ちていく】 瞳は冷や汗にまみれながら飛び起きた。例のビジョンだ。 『リアルで…イヤな夢だった。まさか死ぬなんて…。』 “ああ、そうだな…。” 今日は瞳が退院後、初登校する日だ。 通学路の途中で、瞳の親友である真理子に会う。 学校の校門に着く。校門の柱に、赤いチョークで落書きがしてある。 逆三角形の中に「TIAMAT」という文字が書いてある。 それをじっと見ている少年がいる。瞳と同じクラスの金田だ。 ホームルームの時間になり、文化祭の実行委員を決めることになった。 まず真理子が立候補する。そして早くクラスになじめるようにと、真理子は瞳を推薦してきた。 戸惑った瞳はキミに相談する。 『あの、どうしましょう?』 “僕は受けた方がいいと思う” 『じゃあ、やってみようかな…』 こうして瞳も実行委員をやることになった。男子は金田と北川だ。 放課後、実行委員4人は、担任の樋口という男性教諭も交えてミーティングを行う。 4月17日(金) 真理子は瞳に、例の三角形の落書きが増えていることを話す。 確かに校内のいたるところに落書きがされているようだ。 放課後、ミーティングに向かおうとした瞳は、 下駄箱に「文化祭を中止せよ」との脅迫状があるのを発見する。 どうやら実行委員4人全員に脅迫状は届いているらしい。 脅迫状を樋口に見せると、とりあえず今日はこれで解散ということになる。 落書きのことが気になったキミは、瞳に調査をするよう提案する。 瞳は真理子と一緒に、校内の落書きを調べて回る。 落書きは尽く何者かに消されていた。 「あ、ほら、見てよ、これ」 屋上に向かう途中の階段の壁に書かれたその落書きをよく見てみると、 うっすらと二重に書かれているのがわかる。 「一度消して、その上からまた書いたみたい」 確かに、真理子が言う通りだ。 瞳たちは、用務員のおじさんが落書きを消している場面に遭遇する。 「まったく、こんな訳のわからん落書きを書いて…。 でも、樋口先生は意味を知っているみたいだったがのぅ」 瞳たちは樋口に会いに行くが、不在だった。 「あなた、2年生?」 校門を出たところで、瞳は他校の女子生徒に呼び止められる。 「金田って知ってる?」 「クラスメイトですけど…」 女子生徒は「火浦菜々子」と名乗る。 「彼が悪いことしないかどうか、気をつけて見てて」 瞳は菜々子を呼び止めようとしたが、彼女は無視して去って行く。 4月20日(月) 今日は金田が休みだ。 放課後、瞳は樋口に会う。 「あの落書きのこと、教えてください」 樋口は、TIAMATとは風のカオ…ではなく、古代の女神のことだと言う。 「それが、何か?」 「そういう意味ではなく…。あの落書き、うっすらと二重になってました。 昔、誰かが――」 【学校の屋上に書かれた、TIAMATの落書きの前に立つ女子生徒】 突然、例のビジョンが見える。 『今の…』 “ああ、見えた、な。” 「話が終わったなら、帰りなさい」 他の教師に邪魔されて、それ以上話を聞くことは出来なかった。 下校途中のこと。 「あなた、N学園の生徒ですよね?よかったらお話、聞かせてくれません?」 瞳は見知らぬ男に呼び止められ、喫茶店に行く。 「フリーライターやってます、明円輝夫です」 明円は瞳に名刺を渡す。 「5年前、N学園の女子生徒が、学校で死んでいるんだ。学園祭の前日にね」 屋上から落ちる女子生徒のビジョン、あれは本当にあったことだったのかと、キミは思う。 「教師にフラれて、そのショックで飛び降りたと言われていたんだけど、真相はわからないままさ。 気になるのは、その子が死ぬ少し前に、赤いチョークの落書きがされていたことだ。 最近になって、その落書きが復活したらしいって噂を聞いてね。 ま、そのところの真相を究明したいわけだ。協力してくれないかな」 「何をすれば…?」 「これから、何か分かったことがあったら、教えて欲しい」 「それだけでいいんですか?わかりました。協力します」 4月28日(火) とうとう、文化祭の前日になった。準備のために、普段立ち入り禁止になっている屋上へと行かねばならない。 瞳たち実行委員は、樋口に連れられて、屋上へ行く。 屋上の床には、大きくTIAMATの落書きが書かれていた。 「5年前もこうだったんですか?」 金田は樋口に言う。 「これは、たちの悪いイタズラだ」 樋口の顔が真っ青になっている。 「この落書きは私が消しておくから、君たちは他の準備を進めなさい」 瞳たちは屋上から追い出されてしまった。 真理子の携帯電話が鳴り出す。しばらく話した後、真理子は携帯電話を切り、瞳に言う。 「明円さんが金田くんのことで話があるって。大至急」 明円と真理子はいつの間にか知り合いになっていたらしい。 キミは樋口や金田の様子が気になったが、明円に会おうと瞳に言う。 瞳と真理子はこの前の喫茶店に行く。そこには、明円の他に菜々子も待っていた。 菜々子の顔を改めて見て、キミと瞳は、屋上に立つ女子生徒のビジョンとそっくりだと思う。 「そっくり…ですね」 瞳は素直な感想を口にする。 苗字こそ違うが、菜々子は5年前に死んだ女子生徒「大沢杏子」の妹なのだ。 明円から事情を聞く。金田と杏子は幼馴染だった。そして、杏子は樋口と付き合っていた。 「危ないことしないように、って言ったけど、どうやら遅かったみたいね」 菜々子はため息をつく。 「たぶん、脅迫状も、三角形の落書きも、金田くんの仕業だろうね」 「どうして…」 「彼は樋口先生を裁こうとしているのよ」 あの落書きは、杏子が樋口を呼び出すときの合図だったという。 「金田君、無茶しなきゃいいけど…。学校へ行きましょう」 辺りはすっかり暗くなっていた。瞳たちは急いで学校へ戻り、屋上へ駆けつける。 金田は今にも落ちそうな位置に立っている。そんな金田を見て、樋口はオロオロしている。 「もういいでしょ、金田君」 瞳たちは金田を説得しようとするが、金田は聞かない。 「こんなことで許されると思っているのか、樋口! 杏子は死んだ。あんたはのうのうと生きて…。そんな虫のいい話ってあるか? お前も杏子と一緒に飛び降りて死ぬべきだった。だから猶予をやったのに、 知らない顔をしていやがった。脅迫状も、落書きも、全部無視して…」 金田は樋口を睨む。樋口はうつむきながら話す。 「おれには、何も言う資格は無い」 「逃げるんじゃねぇよ。杏子が死んだときみたいに、逃げるのか? 先生はいいよなぁ。学校がかばってくれるんだから。 でも、二人目の生徒を殺しても、学校は守ってくれるかな、先生?」 金田は飛び降りようとする。明円が飛び出していって、金田をつかんで引き戻す。 金田は助かった。 4月29日(水) 文化祭当日。当然というべきか、金田は学校に来ていなかった。 瞳は、樋口と学年主任の教師が話しているのを立ち聞きしてしまう。 「結局、私は金田を助けることが出来なかった。自分の言うことが全て嘘に思えて、 生徒たちに語るべき言葉が無い」 「また逃げるんですか、樋口先生。教師だって人間です。間違うことだってあります。 とりあえず、この辞表は預かっておきますよ」 第二章 終わり 5月3日(日) 瞳は、心理療法士の向井夏子の元へ行き、カウンセリングを受ける。 瞳は夏子に、キミのことを説明する。 「なるほど。頭の中で男の声がする…と。彼と直接話をすることは出来ないかしら」 「どうするんですか」 「瞳さんの意識を一時的に消して、彼の意識を浮かび上がらせるの。やってみていいかしら?」 「どうぞ」 夏子は瞳に催眠術をかける。瞳の意識が消え、キミの意識が浮かび上がる。 キミは夏子にいろいろと質問されるが、それに素直に答える。 夏子が指を鳴らすと、瞳の意識が復活し、キミの意識はまた瞳の中に戻る。 「先生、私って二重人格なんでしょうか?」 「それはまだわからないわ。また来てください。彼ともっとお話がしたいわ」 第三章 明神池の怪 5月9日(土) 瞳と真理子、そして明円は列車のボックス席に座っている。 窓の外をのどかな風景が通り過ぎていく。 三連休を利用して、瞳と真理子は温泉旅行の計画を立てたのだが…。 「でも、どうして明円さんがついて来るんです?」 真理子は不満そうに言う。 「瞳ちゃんに付いて行けば、面白いことに遭遇出来ると思ってね」 明円はそう答える。 静かな田舎の駅で、瞳たちは列車を降りる。 駅前のバス停に行ってみるが、今日のバスはもう無い。 近くにレンタカーもあったが、明円は免停中とのことで、運転はできない。 仕方なく瞳たちは歩いて旅館を目指す。 山道を歩いて1時間ほど行ったところに、ガス欠になった車が乗り捨ててあるのを見つける。 ドアのロックはかかっておらず、キーはさしたままになっている。 辺りを見回してみたが、車の持ち主らしき人物は見当たらない。 【男は山の斜面を転がり、悲鳴を上げながら池に落ちる。】 キミと瞳は例のビジョンを見る。その男は何らかの事故に巻き込まれたようだ。 その車はレンタカーだったので、明円は携帯電話を取り出し、レンタカー会社に連絡する。 「おたくの車が乗り捨ててあって…。え?二条?違いますよ。おれが借りた車じゃなくて…」 とにかく、ガス欠ではどうしようもない。瞳たちはその車を見捨てて再び歩き出す。 日暮れ頃、ようやく旅館に着く。 瞳と真理子は早速露天風呂へと向かう。脱衣所で服を脱ぎだす真理子。 瞳は慌てて脱衣所を出る。 “瞳、どうした?” 『あなたが見ないとも限りませんから。真理子が脱衣所を出るまで待たないと』 “わかった。見ません。” 『その心がけは立派です』 瞳はしばらく待った後、キミに真理子の裸を見せないよう慎重に露天風呂に入り、目を閉じる。 キミの視覚は瞳と共通のものなので、これでは何も見えない。 旅館の食堂で夕食となる。 「そうだ、女将さん。この近くで、何か面白い場所、ありませんか?」 明円が女将に尋ねる。女将は、旅館の近くには「明神池」という古池があって、 半魚人が住んでいるとか、そんな伝説がある、と答える。 夕食後、瞳はあてがわれた部屋に戻る。 そこには見慣れぬ大きいバッグが置かれ、中身が広げられている。 「何これ?カメラ?」 部屋を間違ったわけではない。戸惑っていると、男が部屋に入ってくる。 「あ、ゴメン。部屋を間違えたみたいだ」 男は、カメラマンの大崎と名乗った。瞳と大崎はしばらく話をする。 “瞳、この男、怪しいぞ。” 『うん、そうかも』 “カメラのことについて聞いてみよう。何かボロを出すかも知れない。” 『わかったわ。でも、私、カメラのこと、わからない』 “レンズの明るさについて聞くんだ。” 「ねぇ、大崎さん。これ、大崎さんのカメラなんですか?」 「そうだけど」 「えっと、このレンズなんですけど、どんな明るさなんですか?」 「ここに書いてあるよ、ほら。135ミリ」 “135ミリは、レンズの焦点距離のことだ。大崎は偽のカメラマンだ。” 大崎は荷物をまとめて、そそくさと部屋を出て行こうとする。 【何かの液体の入ったビンが高いところから落ちて割れる。液体が床に飛び散る。】 このビジョンが何を意味するかわからないが、大崎は何かをしでかすに違いない。 とりあえず大崎の様子に注意することにする。 5月10日(日) 「きえええええーっ!!」 朝早く、奇声によって瞳と真理子は起こされる。 どうやら隣の部屋から聞こえてくるようだ。二人は隣の部屋を訪ねる。 そこには、いろいろな色で書かれた文字が躍っている紙が散らばっている。 その中心に、気難しそうな老人が座っている。彼はどうやら、前衛的な書家の先生らしい。 瞳は書家の先生としばらく話をする。彼は字を書く際に奇声を発する癖があるようだ。 瞳は自分の部屋に戻った。まだ朝早いので、寝なおそうかと迷っていると、隣の部屋から物音が聞こえてくる。 「明神池の半魚人?」 「まさか、そんなわけないでしょ」 しばらくして、物音が収まった後、瞳は再び書家の先生の部屋へ行く。 中には誰もいない。見回すと、テーブルの端の落ちそうなところに、 液体の入ったビン――絵の具のリムーバーが置いてある。その側に、携帯電話が置かれていた。 老人には似つかわしくない、最新機種のものだ。携帯電話を調べてみると、「大崎」とネームが入れられている。 後で大崎に返すことにして、瞳はとりあえずその携帯電話をポケットに入れた。 瞳と真理子と明円、そして何故か大崎も交え、4人で観光することになる。 リフトに乗って山の頂上へ。 昼頃、大崎は明円から携帯電話を借り、何処かへ電話をかける。 瞳のポケットの中の、大崎の携帯電話が震える。 帰りに、瞳たちは書家の先生と会った。先生は大崎に話しかけるが、大崎は先生を睨んだ。 夜、瞳たちがロビーでくつろいでいるところへ、女将が慌てた様子でやって来る。 「玄関に人が倒れてて…」 玄関に倒れていた男はロビーへと運び込まれる。幸い、大した怪我もなく、意識もはっきりしているようだ。 「僕、大崎って言います。交通事故に遭って、気が付いたら池に落ちてて…」 昨日見えたビジョンはこの男のことだったのか、とキミは思う。 「あ、僕のカメラ、拾ってくれたんですね」 もう一人の大崎が持っているカメラを見て、助けられた大崎は言う。 「大崎さん、話があります。付いて来てください」 瞳はもう一人の大崎を部屋に連れて行き、話をする。 「あなた、本当は二条さんでしょう?大崎さんの荷物を拾って、大崎さんになりすました」 「……」 「そして、書家の先生の部屋に携帯電話を置いて、振動でビンが落ちるように細工した。 あのビン、ラベルを見たら、毒性あり、って書かれてました。先生に何の恨みがあるんですか?」 「どうしてこんなことになっちまったんだろうな。あんた、男と付き合ったこと、あるかい? まぁ、大人になれば、わかるよ」 ニセ大崎――二条は、瞳の言ったことを否定も肯定もせず、そう言う。 「私にだって、いつも一緒にいてくれる男の人くらい、います」 それは自分のことか、とキミは思う。 「何背伸びしたこと言ってんだよ。じゃあな」 二条は瞳に背を向けて逃げ出す。 二条を追って旅館の玄関を飛び出そうとした瞳は、意外な人物と出会う。 「あれ?夏子さん?どうしてこんなところに?」 「瞳さん…父と会ったのね」 実は書家の先生は、「向井正三」という、夏子の父だったのだ。 そして、二条はかつて、夏子の元へ通っていた患者だという。 二条は明神池のほとりにいた。 二条は自分の思いを吐露する。二条は夏子を一方的に思いつめていた。 その恋を正三に邪魔されたと思い、正三を恨むようになった。 「おれは大崎になりきって、自分から解放されたんだ」 二条は池に入っていこうとする。それを明円が体を張って止めた。 5月11日(月) 帰り道、妙円は素直な感想を述べる。 「いや、世の中にはいろんな人間がいるもんだな、と思ってさ。 きっと、みんな何かに救いを求めたいんだな」 第三章 終わり 5月16日(土) 夏子の元でカウンセリングを受ける。 瞳に催眠術がかけられ、キミの意識が浮かび上がる。 キミは夏子の質問に答えていく。 『それで、あなたは、瞳さんをどうしたいの?』 “僕は瞳を助けたい。” 『私と目的は同じみたいね。協力してくれる?』 “僕に出来ることなら、何でも。” 『そう、良かった。これからよろしくね』 夏子が指を鳴らすと、キミの意識は瞳の中へと沈む。 「どうでした?」 「彼も協力してくれるって。きっと、彼は瞳さんに必要だから、現れたんだと思うの。 必要がなくなれば、瞳さんの意識と統合して、消えるはずよ」 「消える…いなくなるってことですか?」 キミの存在は、ただ脳内で作り出されただけの妄想の産物なのかと、瞳は夏子に問う。 「それは…まだわからないわ」 第四章 夕暮れ爆弾男 5月17日(日) 瞳は真理子と一緒に、NKホールへとやって来る。今夜は若者に人気の歌手のコンサートがある。 開場一時間ほど前、すでにホールの前には列が出来ている。真理子はトイレに行った。 瞳が一人で待っていると、挙動不審な男がやってくる。あのブルゾンはきっと、コンサートのスタッフだろう。 男はアタッシュケースを置いて去っていこうとする。 「あの、これ忘れてます!」 【ステージ上で歌手が歌っている。そのとき、どこかに置かれたアタッシュケースが、爆発する】 瞳がアタッシュケースを持って男に渡そうとしたとき、ビジョンが見える。 「あ、ああ」 男はアタッシュケースを受け取り、去って行く。 『あのアタッシュケースの中身、あれって…』 “たぶん、時限爆弾だろう。” 『大変!あの人を追わなくちゃ』 瞳はコンサートをあきらめて、男を捜すことにした。 やがてコンサートが始まるが、まだ見つからない。スタッフなら、一般人が入れないところにも行ける。 そうなったらもうお手上げだ。 『どうしよう…』 “瞳、警察に通報だ。” 『でも私、携帯電話持ってないし、ホールの外に出なきゃ…』 ホールの外に出ようとしたが、どの出入り口にもカギが掛かっている。閉じ込められたようだ。 “瞳、非常ベル!” 非常ベルを鳴らそうとボタンを押したが反応が無い。 「え?どうして…」 そのとき、同じく閉じ込められたと知って途方に暮れている、あの爆弾男と会う。 「あなた、このホールに爆弾を仕掛けたでしょ」 「なんでわかった?…まぁいいや。どうせおれは死ぬ運命だ。まんまとハメられたよ」 男はホールに爆弾を仕掛けたが、共犯者に裏切られ、逃げられなくなってしまったと語る。 「どうしてそんなことを…」 「爆弾に関する知識、おれにはそれしか誇れるものが無かったんだ」 男はポケットから酒の小瓶を取り出し、ちびりちびりと飲み始める。 「爆弾、止めに行きましょう」 瞳は、このままでは共犯者の思う壺だ、それで悔しくないのかと男を説得する。男は説得に応じる。 「まずは、控え室だ」 瞳と男は控え室に行く。そこに置かれたアタッシュケースを男は開く。 「もう酒はやめだ。これはあんたに預かってもらおう。 今のおれは、酒が無いと手が震えちまう。情けねぇ」 男は瞳に酒瓶を渡してから、見事な手つきで作業を進め、爆弾を解除する。 もう一つの爆弾を探すためステージ裏へ。爆弾は面倒な場所に置かれていたので、探すのに手間取る。 そして男はアタッシュケースを開いて作業を始めるが、何だか手つきがおぼつかない。 と、電子音とともに、タイマーが作動し、カウントダウンを始める。 「しまった!酒が切れて、手が震えて…」 男は、瞳が抱きかかえている酒瓶を物欲しそうに見る。 「ダメだ。このままじゃ、元の木阿弥じゃねぇか」 “瞳!お前が、あの男の手になって、爆弾を解除するんだ。” 『えっ?そんなこと、出来ないよ』 “それしか方法が無い!” 『わかった。どうなっても知らないから!』 「私がやりますから、解除の仕方、教えてください」 「でも…」 「あきらめないで!」 瞳はペンチを持ち、男の指示通りに爆弾の配線を切っていく。 そして、タイマーはゼロになる前に止まる。 「やった…。すごいよ、あんた」 「ところで、名前、聞いてませんでしたね」 「荒井ってんだ、おれ」 コンサートは無事終了し、荒井は駆けつけた警官に逮捕される。 「荒井さん…」 パトカーに乗り込む直前、瞳は荒井を呼び止める。 荒井は振り返って瞳を見つめる。 第四章 終わり 5月24日(日) 【マンションのカギを開けて部屋の中に入っていく。床に、胸を血に染めた女の人が倒れている。 女の人を抱きかかえて揺するが、もう事切れている。】 瞳は悲鳴をあげながら目を覚ます。 “どうした、瞳?” 『とても悲しかった。あの女の人、知らない人なのに、どうして?』 夏子の元へ行く。瞳は夏子に、今朝見た夢のことを説明する。 「その夢の中では、私、男の人だったんです」 夏子はしばらく考えた後、言う。 「今日は、瞳さんの記憶を遡ってみようと思うの」 夏子は瞳に催眠術をかける。すると、頭の中に数々の場面が浮かんでは消えていく。 最近の記憶から徐々に過去へと遡っていく。 温泉旅行、文化祭、入院していた頃、初めて目を覚ましたとき、そして――。 【パジャマ姿の女の人が病院のベッドに腰掛けて、ぼんやりと天井を見ている。】 病院にいた女の人はたぶん、アパートで倒れていた女の人と同じだ。 瞳は、今見たビジョンを夏子に話す。 「その女の人を見たとき、ああ、妹だな、って思いました。私は一人っ子なのに」 夏子は、その女の人の幻覚はキミの記憶なのではないか、と言う。 「今度は、彼の記憶を遡らせてみたいわ」 「ぜひ、やってください」 「今日はダメよ。瞳さん、とても疲れているでしょうし。また今度にしましょう」 第五章 夢猫 5月27日(水) 下校途中、瞳は捨て猫を見つける。かわいい白い猫だ。 瞳はその猫を拾って帰宅した。瞳は母に猫を飼ってもいいか聞いたが、拒否された。 だが今からまた捨てに行くのは忍びないと思い、 とりあえず今晩だけは自分の部屋に白猫を泊めることにした。 「優美(ゆみ)お嬢様」 優美は召使に起こされ目を覚ます。 そこは巨大でレトロなお屋敷だ。優美はすでに両親を亡くしており、家族は偏屈な祖父だけ。 広い食堂で、祖父と二人だけの寂しい朝食を済ませる。 そしてお勉強の時間となった。優美の部屋へ、教育係の「砂原(さはら)」という小説家の男がやってくる。 砂原はお屋敷に居候している。 優美の具合が悪そうなので、砂原は勉強は中止にしましょうと言い、 自室に帰って小説の続きを書き始める。 午後、広い庭へテーブルと椅子を持ち出し、お茶の時間となる。 周囲には誰もいない。今がチャンスだ、とキミは思う。 “おい、瞳!” 『ふふっ、バレたか』 今朝目が覚めた途端、自然に優美になりきっていた、と瞳は言う。 “ここはどこなんだ?夢なのか?” 『私にもわからない。でも、お嬢様になれるなんて、滅多に出来ない体験よね』 瞳はお屋敷の中を探検してみることに。その途中で、白いかわいい猫と出会う。 その猫は、砂原が飼っている「雪風」という猫らしい。 大した収穫もなく、瞳は眠りに就いた。 翌日。目が覚めると元に戻っていた…ということもなく、相変わらずあのお屋敷の中だ。 『いつまでもこのままでいいわけない、よね?元に戻るには、どうすればいいんだろう』 “何か、現実につながるものを探すんだ。” 『現実に…そうだ、雪風のことね』 瞳は雪風を探し回るが、見つからない。 また次の日。瞳は書斎に行く。そこには「もう一人の私」という本がある。 タイトルが気になったので、瞳はそれを読んでみることにする。 なんと、その本の中には、瞳とキミのことが書かれている。 『でも、現実とちょっと違う。温泉旅行が海外旅行になってたり。でも、ほとんど同じよ』 その本の作者は砂原だ。 砂原は、現実での出来事を小説の中の出来事にすることで、瞳とキミをこの世界に閉じ込めた。 現実を小説に、そして小説を現実にすりかえてしまったのだ。 瞳は砂原の部屋へ行った。そこに雪風がいたが、砂原はいない。 瞳は砂原の書きかけの原稿を読む。そこに書かれていたのは優美というお嬢様の話だ。 【とあるボロアパートの一室。砂原は雪風を抱き上げる。 「僕の作品を理解してくれるのは君だけだ。さあ、僕たちの小説の続きを書こう」砂原は雪風に言う。】 「書きかけの原稿を読むなんて、いい趣味とは言えませんね、瞳さん」 「砂原さん、私たちを元に戻してください!」 「ここにいれば、現実の辛いことも全て忘れていられるというのに…」 「こんなこと、続けてはいけないと思います」 「こうでもしなきゃ、僕の作品は誰にも読んでもらえない」 瞳の説得に、砂原は耳を貸そうとしない。 「雪風は、一人でも多くの人に読んでもらおうと、この世界を作ったんです。あなたのために」 雪風の名を聞いて、砂原は思い直したようだ。 砂原は、自分はもう死んでいることや、最後の原稿が心残りだということを話す。 と、瞳はランプを倒してしまい、辺りは火に包まれる。 「あっ、原稿が!!」 「もういいんです、瞳さん。ありがとう。ここまで読んでくれたのは、あなたが初めてです」 砂原は炎に包まれながら笑う。 5月28日(木) キミと瞳は、現実の世界で目を覚ます。 瞳は明円に連絡する。砂原から言われたことを話し、砂原の原稿を探すよう依頼する。 6月2日(火) 砂原の原稿は、砂原が言った通りの場所にあった。 ただ不思議なことが一つある。その小説の主人公は優美ではなく、瞳になっていたのだ。 第五章 終わり 6月4日(木) 夏子の元へ向かう。 「じゃあ今日は、約束通り、彼の記憶を遡らせてみるわね」 夏子は瞳に催眠術をかけ、キミの意識を浮かび上がらせた後、さらに催眠術をかける。 キミの記憶は過去へと飛び、ついに瞳と出会う前まで遡る。 【マンションのカギを開けて部屋の中に入っていく。床に、胸を血に染めた女の人が倒れている。 女の人を抱きかかえて揺するが、もう事切れている。】 【パジャマ姿の女の人が病院のベッドに腰掛けて、ぼんやりと天井を見ている。】 【カーテンをレールから外していく。青い表紙のファイルから中身の紙を取り出し、 折りたたんでカーテンの縫い目の間に入れる。】 「どう?何か見えた?」 “青いファイルを、カーテンに隠した。” 「それが何を意味するのかはわからないけど、とりあえず、 あなたにとって重要なことなのは間違いなさそうね」 第六章 メリーゴーランド 6月12日(金) 《こんばんは!》 夜、瞳が眠った後、突然、何者かがキミに話しかけてくる。 《あなた、あたしがわかる?》 相手はどうやら女性のようだ。 “誰だ?” 《あっ、ごめん。今日は時間ないの。もう行かなくちゃ。また明日ね》 “おい、ちょっと!” キミは叫んだが、相手はもう答えない。 6月13日(土) 瞳は目を覚ますと、大慌てで支度をして家を飛び出す。 駅前で真理子と待ち合わせし、映画館へ。やがて、映画が始まる。 【遊園地のメリーゴーランドの前に、女性が待っている。しばらくして、男性がやってくる。 女性は男性に迫るが、男性は拒絶し、去っていく。女性は泣き崩れる。】 《ハーイ♪》 “君は昨日の…。” 昨日キミに話しかけてきた女性が、また話しかけてきた。 『え?何?誰なの?』 《こんにちは。あなた、瞳ちゃんよね?あたしは「渡瀬鈴(わたせ りん)」。 一度、あなたたちと話がしたかったの。パパがね、あなたたちのこと話してたから。》 キミと瞳は、鈴と話をする。 鈴は、他人の精神や残留思念と自由に交信できるという、テレパシーのような能力を持っている。 鈴はキミに、自分と同じように他人と会話出来ないかと聞く。 “僕は、瞳と話すことしか出来ないよ” 《そう?でも、あなたたちも見えるんでしょ?人の記憶や未来なんかが。 あたしと同じ能力だと思うんだけどなー。パパが、アナザーマインドって呼んでた能力。》 “アナザーマインド…?” 『ねぇ、パパって誰なんですか?』 《パパはあたしの父親みたいな人よ。ね、明日、デートしましょ。 海浜公園で午後1時に待ってるから。それじゃ、バイバイ!》 鈴は言いたいことだけ言ってコンタクトを打ち切る。 気が付くと映画は終わっていた。 “明日、どうする?” 夜、キミは瞳に話しかける。 『気が進まないけど、鈴さんに会って、話を聞かないと』 “そうだな。アナザーマインドのことも気になる。” 「アナザーマインド」という言葉は、今の自分の状態にピッタリだと、キミは思う。 キミと瞳は海浜公園で鈴を待つ。帰ろうとする瞳をキミはなだめる。 鈴は30分遅れてやってきた。 「ごめんなさい。待ち合わせとか慣れてなくて…」 鈴はそんな言い訳をする。 「あたし、ずっと寝てたの。植物人間ってやつ」 鈴は自分のことを語る。17歳のときに水難事故に遭い、それから3年間意識不明だったこと。 そして半年前に目を覚ますと、件の能力が使えるようになっていたらしい。 「ねぇ、あたし、行きたいところがあるんだけど…」 鈴は瞳を遊園地に連れて行く。鈴は自分勝手、良く言うとマイペースだな、とキミは思う。 鈴は絶叫マシンに乗ろうと誘う。キミに異存は無いが、瞳はそういった乗り物が苦手だという。 「もっと他のに乗りません?ほら、メリーゴーランドとか…」 瞳がそう言うと、鈴は悲しそうな顔をする。 「あれは、見てるのがいいのよ」 結局、瞳は鈴によって強引にジェットコースターに乗せられてしまう。 日が暮れる頃、メリーゴーランドの前へ行く。ライトアップされているメリーゴーランド。 なるほど、見てるのもいいな、とキミは思う。 「知ってる?このメリーゴーランドに一緒に乗ったカップルは、別れるってジンクスがあるのよ」 鈴はそんなことを言う。 “ってことは、これに乗ったら僕と瞳が…。” 『えっ?ち、違いますよ。私たちはカップルとかそんなんじゃ…』 「ふふっ、嘘よ」 そのとき、ビジョンが見える。 【メリーゴーランドの前に、女性が待っている。しばらくして、男性がやってくる。 女性は男性に迫る。男性は女性にそっと口づける】 昨日と似た幻覚だが、少し違うのは何故か、とキミは考える。 「見たんでしょ、あたしの記憶」 鈴が言う。 『あの女性、鈴さんに似てましたね』 “うん。確かに、あれは鈴だ” 「さてと。瞳ちゃん、今日はありがと♪」 鈴は別れを告げ、去っていく。 6月15日(月) 『待ち合わせに慣れてない人は、移動時間を考えに入れてないんです。 だから、待ち合わせに遅れてしまう。鈴さんは30分遅れて来たから…』 “なるほど、それで、ここなのか” 鈴にもう一度会おうと、キミと瞳はショッピングモールへとやって来た。 瞳の推理だと、鈴は海浜公園から30分移動したところに住んでいることになる。 とりあえず、ショッピングモールを歩いてみる。やがて、端にたどり着く。 そこにはフラワーショップがある。 「いらっしゃい。今日はかすみ草が安いですよ」 瞳に話しかけてきたのは、鈴だった。いや、よく見ると、鈴とは雰囲気が違う。 「あの、鈴さんですか?」 「私、鈴の姉で玲(れい)と申します。鈴は双子の妹です」 鈴と玲から話を聞く。 「3年前、私たち、海難事故に遭いました。私は助かりましたが、鈴は意識不明になりました。 途方に暮れていたところへ、あるお医者様が、画期的な治療法があると言われて…」 「それがパパよ。天才医学博士、桐原育生(きりはら いくお)」 「それで、その治療法を施したら、私の意識の中に鈴の精神が感じられるようになったんです」 『それって、私たちと似たような状態ですね』 “そうだな。” 「桐原先生は、その状態のことをアナザーマインドと呼んでいました。 しばらく経った後、鈴の精神を鈴の体に戻しました」 「そして、あたしが目を覚ましたら、その能力が使えるようになってた、っていうわけ」 そのとき、電子音が鳴り響いた。玲が持っていたポケベルが鳴っていたのだ。 それは、玲と交際中の「良介」という男性からの呼び出しだ。 玲は良介の元へと向かう。 残された鈴はキミたちに語る。 2年前、鈴が玲の意識に入り込んでいた頃、玲は良介と出会った。 奥手な玲に鈴がいろいろアドバイスしたお陰で、玲は良介と付き合うようになった。 「でも、あたしが戻ったら、すっかり邪魔者扱いなんだもん」 “鈴は良介が好きなんだな。” 鈴はキミの問いには答えず、話を続ける。 鈴は目を覚ました後、玲のフリをして良介に会いに行ったが、見破られてしまったという。 キミは似ているが結末が違う2種類のビジョンの意味を理解する。 男――良介にフラれて泣いていたのが鈴で、良介とキスしたのが玲だ。 「それじゃあね。今日は帰る」 鈴は去っていく。 第六章 終わり 6月17日(水) キミと瞳が図書館にやって来るのも、もう何度目になるだろう。 その度に新聞を調べてみるのだが、全て徒労に終わっていた。 新聞を閲覧していく。閉館時間が近付き、今回も徒労かと思い始めた頃、 それらしい記事を見つける。 1月8日、冴子という27歳の女性が自宅の朝日台マンションで胸を刺されて殺されていた。 第一発見者の兄が警察に通報した。 以前見たビジョンと状況が同じだ。 『それじゃ、やっぱり、あの女の人は、あなたの妹だったんですね』 “そうみたいだな。でも、確証がない。写真があれば…。” それから2ヵ月後、3月の新聞記事に、ついにキミの名前を発見する。 新聞社に勤めている32歳の冴子の兄――キミに、冴子を殺した容疑がかかっているが、 行方不明になっていると書かれている。 “僕は、妹を殺したのか…?” 『あのビジョンが本当なら、そんなはずないです。あんなに悲しかったのに…』 “やっぱり、写真、だな。明円にでも頼んでみたらどうかな?” 『わかりました。明円さんに頼んでみます』 瞳は明円に連絡し、冴子の写真のことを頼む。 第七章 明かされた過去 6月19日(金) キミと瞳は明円の事務所へ向かう。そこには明円の他に鳴海がいた。 明円から写真を受け取る。 「やっぱり…」 マンションで死んでいた女性、そして病院のベッドに腰掛けていた女性は、キミの妹、冴子だった。 「それで、何がやっぱりなんだい?話してくれないかな。もちろん、口外はしないよ」 「わかりました。信じてもらえないかも知れないけど、話します」 瞳は明円と鳴海に、キミのことを説明する。 「なるほどな。おれは信じるよ。職業柄、不思議なことには幾つも遭遇してるんでね」 明円は信じると言った。鳴海も信じると言う。 実は鳴海は、この殺人事件を担当していたのだった。鳴海は、キミは犯人ではないと考えていたらしい。 「冴子は精神病を患っていて、看病疲れが殺しの動機とされている。 だが、彼はそんな素振りを見せていない」 冴子は、医療機器メーカーに勤めていて、とあるプロジェクトに参加していた。 ある日、冴子は精神薄弱状態で発見された。 冴子は病院に入院していたが、キミは冴子をわざわざ引き取り、自分のマンションで面倒を見ることにしたという。 そんな人は妹を殺さないだろう、と鳴海は言う。 冴子が参加していたプロジェクトが怪しいと、鳴海は睨んでいるらしい。 そのプロジェクトは、「精神医療開発センター」という施設の所長である桐原がリーダーを務めている。 『桐原って…』 “鈴が言っていた、パパのことだ。” 6月21日(日) 桐原の話を聞こうと、鈴と玲に会いにショッピングモールの端のフラワーショップへ。 そこには誰もいない。 「あれ?玲さん?いませんか?」 そのとき、瞳は何者かに後ろから襲い掛かられて、気を失う。 6月22日(月) 瞳は目を覚ます。そこは、今は使われていない倉庫だ。 “大丈夫か、瞳?” 『大丈夫。怪我とかはしてないみたい。でも、手も足も縛られてて…』 外には見張りとしてチンピラが二人立っているのが見える。 瞳は辺りを見回す。 “瞳、あそこの廃材から釘が飛び出ているだろ?あれでなんとかならないか?” 『やってみます』 瞳は這って廃材に近付き、手を縛っているロープを釘にこすりつけた。 こすり続けること2時間弱。ついにロープは切れた。足を縛っていたロープも解く。 それから、キミと瞳は逃げる算段を始める。そのとき、チンピラが倉庫内に入ってきた。 瞳がロープを切っているのを見て、チンピラは逆上し、瞳に襲い掛かる。 そこへ鳴海刑事がやってきて、チンピラを倒し、瞳を連れて逃げる。 倉庫を出たところで、車が通りかかる。 「乗りたまえ。さぁ、早く!」 瞳と鳴海は、夏子の元へと連れてこられた。二人を車に乗せたこの男が、桐原博士だ。 桐原から話を聞く。 5年前、桐原がリーダーとなってアナザーマインドプロジェクト、略してAMPが発足した。 人の脳細胞に磁気的な刺激を与えて、精神的疾患を治療する。 そんな研究をすることを目的としたプロジェクトだった。 とある医療機器メーカーと協力し、装置が完成した。 健常者の脳と患者の脳を繋げて、異常個所の修正を施す装置だ。 そして2年前、昏睡状態の患者にその装置が使われた。その患者はアナザーマインド状態になった。 それは鈴と玲のことだな、とキミは思う。 アナザーマインド状態となった者の意識がシンクロするとき、 何らかの超常的な現象が発生することがわかった。 そして、患者に再び装置を使い、患者の意識を元に戻すと、患者はアナザーマインド状態を得た。 つまり、その装置を使えば、マインドコントロール可能な超能力者をいくらでも生み出せるということだ。 AMPは桐原の手を離れて勝手に動き始めてしまった。 桐原は、装置を作った医療機器メーカーに勤めていた冴子と協力し、AMPを中止させようとした。 だが、冴子は捕まり、実験台にされた挙句、廃人同様になってしまった。 桐原は、キミと連絡をとり、このことを新聞で告発しようとした。 しかし、冴子は殺され、キミは殺人の濡れ衣を着せられてしまった。 桐原はT大学付属病院の黒川医師にキミを託した。黒川は、桐原の古い友人だという。 だが黒川は既にAMPに買収されていた。黒川は、病院の患者を使って人体実験を行っていたらしい。 黒川はキミを装置に入れ、記憶を消した。そして、瞳にキミの意識を移した。 意識を失ったキミの体は暴走した。 あの病院での夜、瞳を追いかけてきたのは、自我を失ったキミの体だった。 瞳の中のキミの意識に、キミの体が引き寄せられたのだ。 その事件で警察が騒ぎ出したので、黒川はAMPに始末されてしまったらしい。 キミの体はたぶん、AMPの手に渡っていることだろう。 「どうして、警察に通報しなかったんですか?」 そこまで聞いて、瞳は桐原に疑問を投げかける。 「証拠が無いんだ。人の精神を他人に移動させるなんて、荒唐無稽な話を警察が信じるとは思えない。 だが、冴子君が持ち出した資料がどこかにあるはずだ。青いカバーのファイルなんだが…」 【冴子はキミに、青いカバーのファイルを渡す。】 「桐原博士、彼は以前、こう言っていました。青いファイルをカーテンの中に隠した、と」 夏子の言葉に、桐原は目を見開く。 「それだ!早速向かおう」 桐原は夏子と一緒に、朝日台マンションへと向かう。 第七章 終わり 第八章 隠したもの 隠されたもの 6月23日(火) 夜の12時を回り、日付が変わる。瞳は鳴海と、桐原と夏子の帰りを待つ。 キミは桐原のこと考える。瞳を助けに来たとき、やけにタイミングがよかったのが怪しい。 それと、冴子がキミにファイルを渡したときのあの目は、何かを訴えているような…。 “二人とも、遅いな…。” 『そうですね。こんなとき、あの幻覚が見えればいいのに…』 “そうだ瞳、桐原博士は、「意識がシンクロするとき超常的な現象が起こる」って言ってたよな?” 『ええ』 “だから、僕たちの意識がシンクロするようにすればいいんだよ。同じことを考えるとか。” 『そうですね。やってみましょう』 キミと瞳は夏子のことを考える。すると、ビジョンが見える。 【桐原は夏子を謎の施設へと運び込む。】 「鳴海さん、精神医療開発センターって、どこにあるか、わかりますか?」 「わかるけど、どうして?」 「たぶん、夏子さんはそこにいます」 瞳と鳴海は精神医療開発センターへと駆けつける。 「それで、夏子さんはどこへ?」 ビジョンに従い、2階の部屋に行くと、そこに夏子が横たえられていた。 夏子を助け起こす。どうやら記憶を消されたりはしていないようだ。 「さぁ、帰りましょう、夏子さん」 「まだよ。ここには彼の体がある」 キミと瞳は意識をシンクロさせ、キミの体がある部屋を探り出す。 そこには、CTスキャンに似た謎の装置に入れられた男の体がある。あれがキミの体だ。 そして、傍らには桐原が立っている。 「よくここがわかったな」 桐原がAMPを中止させようとしたというのは、真っ赤な嘘だ。 冴子を殺したのも、キミに濡れ衣を着せたのも、桐原だ。 桐原は、事情を知る者を排除しようと、黒川を殺し、瞳を誘拐した。 そして今、キミに危害を加えようとしている。 「そのへんでやめといたらどうだ、桐原」 やってきたのは明円だった。 「ファイルを回収して、夏子さんの記憶を消せば、それで済むと思ったのか? 彼は、ファイルのコピーを残していたんだよ」 追い詰められたはずなのに、桐原は笑っている。 「それで私を追い詰めたつもりか?私を自由に出来るのは、私だけだ」 桐原は懐から毒物が入った瓶を取り出し、中身を一気に煽る。桐原は息絶える。 6月25日(木) いよいよ、この時がきた。 瞳はT大学付属病院に行き、謎の装置の前に立つ。 『元に戻るの、うれしいはずなのに、何だか寂しいような気がします』 “僕も、寂しいよ。” 『元に戻っても、私のこと、忘れませんよね?』 “もちろん!” 瞳は装置に入る。キミの意識は暗闇に飲み込まれる。 第八章 終わり 第九章 アナザー・マインド 7月3日(金) 真っ暗な世界に突然光が射す。ここは、病院だ。瞳がこちらを覗き込んでいる。 「気が付いたんですね」 「ああ、瞳か…」 「私、一週間前に目が覚めたんです」 「まさか、毎日お見舞いに来てくれたのかい?ありがとう」 何だか様子がおかしい、とキミは思う。この体は自分のもののはずなのに、動かせない。 “おい、瞳!” キミは瞳に呼びかけてみるが、もちろんその声は届かない。 『これがアナザーマインドか。興味深い感覚だな』 キミの意識に男が語りかけてくる。 『私が誰か、わかるかね?』 キミは考える。キミより先に、キミの体の中に入ることが出来た人物。それは――。 “桐原、か?” 『正解だ。桐原育生はここにいる。君は自分の体を動かすことも出来ず、 ここで死ぬまで傍観することになる…』 7月8日(水) キミの体を乗っ取り、キミになりすました桐原は退院し、朝日台マンションへ。 そこで、桐原は恐ろしい計画をキミに語る。 鳴海刑事や夏子や明円、そして瞳。事情を知っている邪魔者を全て殺し、AMPを復活させるという。 『AMP――増幅。精神を増幅させるのだ。まさに、正鵠を射た名前だろう?』 “みんなを殺すなんて…そんなことさせるか。止めてみせる!” 『君に何が出来るというのだ。まぁ、大人しく見ていたまえ。 手始めに葉山瞳、あの小娘を排除するとしよう』 桐原はキミのフリをして、瞳に電話をかける。 「やぁ、瞳ちゃん。明日、どこかへ行かないか?デートのやり直しをしよう」 “瞳、来ちゃダメだ!” 『無駄だよ。君の声は彼女には届かない』 7月9日(木) 何も知らない瞳は、待ち合わせ場所の喫茶店へとやってくる。 「こうして面と向かって話をするのも、何だか新鮮だな」 「えっ、やだ、そんなにじっと見ないで下さいよ」 キミになりすました桐原は、瞳としばらく話しこむ。 「それにしても、いろんなことがありましたよね。 退院した後、初めて学校に行った日とか、もうずいぶん昔のことみたいで…。 そうだ、あの落書きのこと、覚えてます?」 『落書きとは何だ?答えたまえ』 “あれは確か、四角形の落書きだったな” 「ああ、あれは四角形だったよね」 「違いますよ。三角形だったじゃないですか」 『後で覚えておきたまえ!』 こんな調子で、キミは桐原の質問に嘘をつき続けた。 「今、私の前にいるあなたは、まるで別人みたい。あなたは、誰なの?」 瞳は桐原を睨む。 「や、やだなぁ。僕は僕だよ。瞳ちゃんが一番よく知ってるじゃないか」 「…そうだ、あの約束、覚えていますか?」 『約束とは何だ?』 “約束なんて、していない。” 『本当だな?』 “本当だ。” 「…ああ、確か、君に服を買ってあげる約束だったね」 「うれしい、やっぱり覚えててくれたんですね。あ、ちょっと、トイレ行ってくるね」 瞳が席を外した後、桐原はキミに語りかける。 『見たかね?まんまと騙されて。所詮、子供だな』 瞳と桐原は喫茶店を出る。 「ちょっと、ここへ寄って行きましょう」 瞳はひと気の無い公園へと桐原を誘う。 「少し、歩きませんか?」 散歩道を歩いていく。 「桐原!」 背後からの声に、桐原は思わず振り向く。それは明円の声だった。 桐原は、いつの間にか夏子や鳴海や真理子たちに取り囲まれていた。 「引っかかったな、桐原」 「わ、私は桐原では…」 「嘘。本当の彼は、そんな話し方しないわ」 瞳は語る。 「桐原さん、私は彼と何の約束もしていないんです。 でも、その約束が無いことが、逆に彼と私との約束になっていたんです。 あなたは、喫茶店で何度も言い間違えた。 それは彼が、私との思い出を守ろうとして、嘘をついたんだと思います。 でも、あなたは最後に彼の本心までも疑って、ありもしない約束をしゃべった。 それが、決定的だったんです。こんなこと出来るのは、桐原博士しかいない。 そして、トイレに行くフリをして、みんなを呼びました」 「おれが名前を呼んだら、あっさり振り向いたな。もう言い逃れは出来ないぞ」 “桐原、これは僕と瞳の、絆の勝利だ!” 第九章 終わり エピローグ 数日後。キミは病院のベッドの上で目を覚ます。 「気が付いた?」 瞳がこちらを覗き込んでいる。 「瞳…」 キミは、今度こそ本当に、自分の体を取り戻したことを確認する。 桐原は、キミの体の中から出された後、コンピュータのメモリの中に入れられたという。 「瞳、僕が退院したら、どこかに行こう」 「そうですね。今度こそ、デートのやり直しです」 Fin 88 :ゲーム好き名無しさん:2010/07/31(土) 10 19 02 ID VZifCSJs0 アナザーマインド乙です。 鈴って死ななかったっけ? 95 :ゲーム好き名無しさん:2010/07/31(土) 13 07 57 ID 8mPLsnnI0 88 条件によっては生きている。 死ぬパターンでも鈴を殺す必然性がストーリー上全く感じられない よって鈴は死んだとも生きてるとも明言していない模様
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【小説タイトル】 高野笹子と魔法の年金 【作者】 逢坂十七年蝉 【掲載日】2011年7月20日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n5939y/ 【備考】お題「大人になった魔法少女」 【小説タイトル】 師の教え【企画競作スレ】 【作者】 まめ太 【掲載日】2011年11月17日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n5831y/ 【小説タイトル】 師の教え、ウサギとカメ 【作者】 あんたのわたし 【掲載日】2011年11月17日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n5920y/ 【小説タイトル】 地獄先生 【作者】 櫻井事変 【掲載日】2011年11月19日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n6479y/ 【小説タイトル】 Mr,Torture 【作者】 めいそ 【掲載日】2011年11月20日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n6973y/ 【備考】お題「奥歯のスイッチ」「自助努力」 【小説タイトル】 ある師弟のオンライン 【作者】 猫凹 【掲載日】2011年11月23日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n7984y/ 【小説タイトル】 改・師の教え、ウサギとカメ 【作者】 あんたのわたし 【掲載日】2011年12月10日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n2925z/ 【小説タイトル】 鏡子と飛鳥と文学の先生 【作者】 わんこ 【掲載日】2012年5月19日 【URL】http //ncode.syosetu.com/n2957bf/
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月の光~沈める鐘の殺人~ part35-472~476・486~489・492・503・506・512・515、part36-6~10 part54-424,439,460~468,492~498、part55-372~381 472 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/02(土) 20 14 57 ID GUmaA1/60 『月の光~沈める鐘の殺人~』 ・夜想曲の流れを引き継ぐ、赤川次郎原作のミステリー系サウンドノベル。 主人公は、♂♀選択可で、世界史の教師(24歳・独身)。 ・主人公は失恋をきっかけに、都心の高校を辞職して、山の中の完全寄宿制名門女子高【鐘園学院】に代用教員として赴任する。 エロゲフラグにしか見えないが、そこは、死と謎の渦巻く場所だった。 マルチエンディングなので、各話ベストエンドで簡潔に書きます 記憶違いあったらすいません 473 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/02(土) 20 17 02 ID GUmaA1/60 ■プロローグ~月明かりの少女 登場人物 【中沢爽香】ヒロインキャラ。どこか影のある美少女。謎が多く、暇さえあれば学校の池をうろつく毎日。 展開によっては、後々わりとアグレッシブに好意を伝えてくれる。主人公が女でも。 【岡江克二】 学院長の息子。一言にまとめると、DQNボンボンニート。 あらすじ 秋の夕暮れ、主人公を乗せたバスが、燃える様な紅葉の坂を登っていく。 主人公は、今日から勤める「鐘園学院」へ初めて向かうところ。途中で、元恋人から携帯に着信アリ。 出ても無視してもよく、「アディオス!!」と叫びながら窓から投げ捨てようとするのも可。 そのうちに、山道の途中でもう終点だと降ろされてしまう。おまけに運転手から、あの学院で最近教師が殺されたらしい…と聞く。 暗くなっていく中、心細く坂道を登ると、岡江克二に会い、学園まで案内してもらう。ちなみに、女だと出会い頭にブン殴れる。 校門で克二に放置プレイされて、学院長邸を探す。すると、池から悲鳴と水音が。 急いで向かうと、暗く広い池で美少女が溺れていた。飛び込んで助けると、少女は、「中沢爽香」ここの生徒だと名乗る。 その時、重い鐘の音が響き渡る。爽香は「鐘が鳴っている…」と謎めいた口調で呟く。 人が駆けつけてくる気配に主人公が安心すると、爽香は逆に身を強張らせ、 「私がここにいたことを、誰にも言わないでください」と言いおいて走り去ってしまった。 一人ずぶぬれで残された主人公は、集まってきた人に、「一人で転んで池に落ちました」という情けないウソをつくはめになったのだった。 474 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/02(土) 22 20 32 ID GUmaA1/60 ■第一話 一巻『信じる心』 登場人物 【古谷公治(公子)】・パートナーキャラ。主人公と逆の性別になる。鐘園学院の国語教師。 年の近い主人公とすぐに打ち解け、いきなりPHSを売りつけようとする。少々変人だがよき相談相手。 【岡江多美子】鐘園学院学院長。亡き夫を継いだ二代目学院長らしい。上品な初老の婦人で、教育者としての人望も厚い。 【須崎美佐子】時折、学園の池を訪れる女性。そこで死んだ草壁先生のフィアンセ。 プロローグから引き続き、主人公がずぶぬれのまま校長宅でお風呂を貸してもらったところから始まる。 一人で池に落ちました、とウソをついて、程よく呆れられたところで、古谷を紹介される。 年も近いし、ここに慣れるまで面倒をみてくれるとのこと。 池にハマった時に携帯が壊れたと言うや否やいらないPHSを売りつけてくる。 寄宿舎の自分の部屋に案内してもらい、その日は終了。 赴任第一日目、古谷に学内を案内してもらい、色々情報ももらう。 ・この学院のシンボルは、池のほとりの鐘楼だが、肝心の鐘がない。 昔、盗もうとした奴がいて、それを見つけた前校長と泥棒がもみ合いになり、バランスを崩した前校長は、鐘もろとも池に落ちて亡くなったらしい。 鐘と前校長は、今も池の底に沈んでいる。 ・その鐘楼から、最近 草壁という男性教師が池に転落して亡くなった。警察は自殺と見ている様子だ。 ・ここは修道院を前身に持つ名門女子高で、完全寄宿制である。 教師も同じ寄宿舎に住むので、皆家族の様に結託が固い。が、経営は赤字らしい。 などなど。 下駄箱を開けてみると、何と3通のラブレターが。 主人公が爽香を助けるところを目撃した生徒がいたそうで、新しい先生への期待も合わさって、 主人公を英雄化したウワサが広まっているらしい。 475 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/02(土) 22 35 22 ID GUmaA1/60 なんとなくいい気分だったが、校長に呼び出されて怒られ、更にラブレターを書いた生徒達と面談してお断りするように言われる。 放課後、3人の少女に会うが、 3人ともグルで、ラブレターは嘘です。 という衝撃の告白を受ける。聞いてみると、 草壁先生の死以来、学院が重苦しいムードだったところに、新しい先生が来てしかも生徒を助けた!ということで これはお祭り騒ぎにしてみんなで盛り上がっちゃおう!!とう為の工作だったらしい。 がっくり来る主人公だったが、最後の少女から気になる情報を入手。 警察に親戚がおり、草壁先生の事件について聞いたのだが、 ・鐘楼は確かに池のほとりにあるが、意外と離れていて、転落した際 池に落ちるのは不可能。 ・例えバウンドしたとしても、池にハマるのは不自然な距離。 ・先生は明らかに高所から落ちており、即死レベルだったはず。肺からは池の水が検出された 以上の事から、警察内では、 「死体が歩いた」 という噂が冗談まじりに囁かれているらしい…。 そして、生徒は皆、草壁先生は自殺なんかする人じゃないと主張する。 鐘楼が気になって池まで行き、草壁先生のフィアンセ、須崎美佐子に出会う。 美佐子は、先生は自殺なんてしない、あれは殺人なんです!と主張。勢いに負けて休日美佐子の家へ。 警察は、美佐子との不仲で草壁が自殺したという方針。 遺族が激怒して、美佐子はお葬式にも入れてもらえなかった。 痛ましい美佐子の姿に同情した主人公は、学院内部からの協力者として、事件に取り組むことを決意。 しかし、警察に行ってみたところ ・警察も自殺説の一枚岩ではない。殺人の方向も美佐子に伏せて調査中。 ・美佐子は、過去に謎が多く、今も何を収入源にしているか不明。 と判明。そういえば、美佐子はスーパーでパートをしているといってた割に、豪華なマンションに住んでいた…。 476 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/02(土) 22 38 02 ID GUmaA1/60 モヤモヤしたまま学院に帰り、鐘楼に登って考えていると、誰かに突き飛ばされて落っこちかける。 古谷に事件について相談すると ・学園敷地はある開発のエリアに引っかかっていて、売却話が出ている。 ・ヤクザ絡みの不動産がしつこく地上げにくる。そいつらなら学園のイメージを下げる為に何でもやりそう。 という話に。二人で不動産屋を張ってみる。 すると、学院で見かけたことのある男が出てきた。怪しい!ということで、古谷に尾行してもらう。 そのまま見張っていると、 何と、美佐子が不動産屋へ入っていった。どういうこと?やっぱり美佐子はグルなのか? 主人公もこっそりとビルの中に入る。 そこで隠れて美佐子と幹部の話を盗み聞き ・美佐子は以前キャバ嬢で、ここの幹部の女だった。 ・スキャンダル作りに草壁に近づき、惚れてしまい、幹部の元を去った。 ・その腹いせと、学園イメージダウンを兼ねて、草壁を幹部らは殺した。 美佐子は問いただす為にここに来たが、逆に縛られてしまう。 主人公もノコノコ出てって縛られてしまう。 郊外の倉庫に連れてかれて、池の水を入れたドラム缶の中で溺死させ、鐘楼から落とす という草壁先生の時と同じトリックで殺されそうになる。 そこに、古谷が刑事さんを連れて駆けつける。 古谷から譲り受けたあのPHSの、GPS機能が、二人の命を救ったのだった。 警察は不動産屋の一部の社員を逮捕し、美佐子は晴れて恋人の墓前に立つことが出来たのだった。 ◆大抵PHS貰い忘れたり 爽香が絡んだりして失敗する。 486 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/03(日) 17 20 46 ID KKNxhakH0 第二話 登場人物 【元恋人(小牧/迎)】 主人公の元カレ/元カノ。前の恋人とのもつれから主人公と気まずくなり破局。 でも、ヨリを戻したいと思っている。ちなみにグラフィックと名前は異性の主人公のものが使用される。 【成田&尾形】 名警部&それを尊敬する部下。主人公と草壁事件で知り合う。 【小島&内藤】 協力してくれる巡査さん。葉月中学校最寄の派出所に所属。どちらも元ラグビー部。 学院の前の紅葉坂には伝説がある。 沢山の紅葉が紅く色づく中、一枚だけ金色に輝く葉がある。 それを見つけて好きな人に贈れば、二人は永遠に幸せになれる。というもの。 というのが地元で有名になってしまい、バカップルが遊歩道から踏み越えて歩き回るので 紅葉の根が傷んでしまう。そこで、学院では、日曜朝に当番制で紅葉坂を見回っている。 一話から一週間、学院に慣れてきた主人公にも今週末当番が回ってくる。 怯えきった爽香が、主人公に相談がある と部屋を訪ねてくる。 変な手紙が送られてくるらしい。見てみると、明らかにストーカーからの脅迫状だった。 寄宿舎生活でいつもは安全だが、日曜は皆、町に出かけてしまう。 爽香は、紅葉当番で一人残らないといけないので不安らしい。 主人公が、自分も紅葉当番だと告げると、爽香は大喜びするだった。 紅葉当番当日、巡回メンバーは、克二、主人公、爽香、古谷の4名でペアに分かれる。 克二が不人気すぎるのか、古谷VS爽香の主人公争奪戦になる。 主人公が3人の中から指名することになる。爽香との約束を守る方がいいが、克二を選んでも面白。 爽香を選ぶと、爽香に 実は病気でダブっているので、皆より2歳上なこと、父が行方不明になり、今の父は継父なこと を打ち明けられる。 誰を選んでも、爽香は不審者に肩を切りつけられ、主人公は犯人を取り逃がす。 犯人を見失って爽香の元に戻ると、見覚えのある奴が爽香を介抱していた。 別れた元恋人だった…。 487 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/03(日) 17 26 09 ID KKNxhakH0 警察に全員事情聴取される。待ち時間に元恋人が「やり直そう 迎えに来た」とキス要求。 してもしなくても目撃されて、爽香と気まずくなる。 その夜、部屋で眠れずにいる時、誰のことを考えるかが重要選択の一つ。 ・古谷のこと 部屋に古谷が乗り込んできて酒盛りに。 ・元恋人のこと 元恋人に電話して、留守電にメッセージを残す。 ・爽香のこと 爽香が心細くて部屋に来る。規則違反だが、入れないとその夜爽香殺害。 仲直りしたり 爽香が泣いちゃったりする。 ベストは必ず古谷寄り というゲームなので、古谷を選ぶのが無難。 翌日、爽香に新しい手紙が届いた。 「あんなことしてごめんね でも君も悪いんだよ。 仲直りしよう。放課後にボクらの思い出の学校においで」 とかいう内容。 爽香は主人公に真っ先に見せに来る。ここで警察に連絡しないと爽香殺害。 草壁事件で顔なじみになった成田&尾形刑事が、協力してくれることになる。 爽香に心当たりはないそうだが、通ってた葉月中学校に行くことに。 最寄の派出所から、マッチョなおまわりさん小島&内藤を貸し出してもらう。 二人とも、強豪ラグビー部のOBで、親友同士らしい。 葉月中学は改装中で、シートで覆われた校舎内はかなり暗い。 チームに分かれて、不審者を探すことになる。 色々な組み合わせとルートがあるが 一例は 校内を、主人公&爽香&尾形&内藤 小島&成田 に別れて捜索する。 怪しい部屋に、内藤巡査が調べに入ったきり戻らず、後を追った尾形刑事も戻らない。 爽香&主人公は、ひとまず安全なパトカーへ引き返そうとする。 そこに、成田警部とはぐれたらしい小島巡査が合流。 主人公が階段を見つけたが、何者かに突き飛ばされて転落。意識を失った。 主人公が目を覚ますとそこは病院だった。 ・内藤&尾形が消えた部屋は底が抜けており、尾形は転落して気絶していたらしい。 ・主人公を突き落としたストーカーは、拳銃を奪って小島巡査と爽香を拉致。 小島巡査は虹ヶ沢まで車を運転させられ、そこで放り出された、今から帰還する と連絡があ った。 ・内藤巡査は、意識回復して捜索を再開していたようだが、 廊下で撃たれて亡くなっているのが発見された。 488 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/03(日) 17 31 12 ID KKNxhakH0 爽香を連れ去られて、無力感に打ちひしがれる主人公、成田&尾形。 そこに、小島巡査が虹が沢から戻ってくる。 藁にもすがる思いで、頼み込んで写真資料を見せてもらう。 内藤の死体のホルスターの不自然さに気付けば、事件解決。 ・内藤は正面から撃たれているが、ホルスターから銃を抜いていなかった。 不審者がやってくるのが見えたはずなのに ・何故か? それは自分が撃たれると思っていなかったから ・尾形は部屋に入った直後に転落して失神。内藤の姿は見ていない。 尾形を誘導して部屋に入れたとも取れる よって、内藤は犯人の共犯である可能性が高い。 ・不審者は本当にいたのか?いたとして、屈強な小島巡査からやすやすと拳銃を奪えるのか? 主人公が突き飛ばされた時、後ろに居たのは、小島巡査と爽香。 どちらかが突き飛ばしたのではないか? 小島と内藤は、グルで、刑事達を撒いて爽香を連れ去り、仲間割れして片方を殺したのでは? ここまで推理した時、小島が突然、ナイフで自分の腹を刺し、自殺を図った。 小島のマンションから、無傷の爽香が発見され、無事に保護された。 小島は一命を取りとめ、自供した。 爽香は、中学校時代、交番前を通って通学していた。 毎朝、おはようございます と挨拶してくれる美少女に、内藤と小島はムラムラだった。 冗談半分に、フラグ立つんじゃねぇの?どっちがモノに出来るか勝負だぜ とか言ってる内に、本気になってきてしまったが、爽香は地元を離れて進学し、姿を見せなくなった。 この前、帰省していた爽香を久しぶりに見かけた二人は、大人びて綺麗になった爽香を見て拉致計画を思い立つ。 爽香をストーキングしながら、地の利を活かした誘拐計画を練っていく。 中学校を舞台にすれば、最寄派出所で一番マッチョな二人が呼ばれることも計算してあった…。 爽香を手に入れた小島は、独占欲から内藤を射殺した。 ということで、事件は解決した。 489 :月の光~沈める鐘の殺人~:2008/02/03(日) 17 32 23 ID KKNxhakH0 今まで立てたフラグによって 1巻『ひとつめの真相』退院して学院に戻ると、校門まで迎えに来てくれた古谷の頭に金色の葉が舞い落ちた。 古谷はそれを主人公にくれた。これの意味を知ってる?と聞くとはぐらかされる。 3巻『忘れていた愛』 退院した主人公の元に、元恋人がやってくる もう一度やり直そう、という申し出を受け、主人公は辞職して都心に戻る。 5巻『院長との約束』 退院して学院に戻ると、校門には、病院を抜け出した爽香の姿が。 爽香と主人公はお互いの気持ちを再確認するが、学院長が学内恋愛を厳禁している。 爽香は、継父が経営する学校に転校することになる。主人公も引き抜き という形でそこに赴任する。 (女主人公の場合、ガチレズの妹分と、はぐらかすお姉様 位の関係に留まる) ◆3、5巻は、次の話に続かないのでバッドエンド扱い。 492 :ゲーム好き名無しさん:2008/02/03(日) 19 52 58 ID iRbJTda3O 月の光乙です。 でも1巻とか3巻とか5巻とかがどういう意味なのかよくわからない。 各話がマルチエンディングで、そのエンディングごとに○巻ってついてるってこと? なら、なぜ1・3・5巻だけ書いて2と4はとばすの? 503 :ゲーム好き名無しさん:2008/02/03(日) 20 47 34 ID rVhZwEbP0 492 早い話がバッドエンドだから 書き始めに全部は書かないって言ってるしな。 2話は犯人が共犯なんだけど、進め方によって真犯人が変わる(内容は変わらない) ちなみに2巻は真犯人が違うだけのエンド、4巻は爽香が死ぬバッドエンド。 エンディングリストは本棚の本として収録されているので○巻と書いてある。 一応書いておくと、月の光は続くエンディングを迎える事で次の話に進むタイプ 第一話 第二話 第三話 END1(終) |END1(終) |END1(終) | END2(終) |END2(続)→|END2(終) | END3(続)→|END3(終) |END3(続)→| 506 :ゲーム好き名無しさん:2008/02/03(日) 21 25 14 ID KKNxhakH0 492 説明不足でした(´・ω・`) このシリーズは、辿り着いたエンディングを1巻と数えて本棚に集めてコンプリートしてくんだけど 各話に大体10巻くらいエンディングがあるんです 基本的に1巻がベストで、あとはグッド2冊に、あとは死んだり捕まったり 全部書くと死んでばっかだし めちゃくちゃ食うのでベストにしぼって書いてますが 2話だけ 幸せなエンドが他にあるので追加で書いときました。 512 :月の~沈める鐘の殺人~:2008/02/03(日) 22 50 15 ID KKNxhakH0 第三話 一巻 『新たなる鐘の音』 登場人物 【高田百合】 副学院長。学院長の親友でもある。 お嬢様育ちでちょっとずれてるが、おおらかなおばさん。 【大井先生】 40半ばの社会の先生。院長に頭があがらない。 各話にちょい出してるが、池の周りをうろついたり、爽香を妙に気にしたりと挙動不審。 【狭山一夫】 酒びたりで無職のおっちゃん。学院売却話で不動産屋に協力してるらしい。 学院長の古い知り合い。 爽香のストーカー事件からしばらくたって、主人公はまったりした生活をおくっている。 午後に受け持ちの授業がなかったので、町に出かけてみることにした。 とりあえず、中華料理屋でごはんを食べることに。 店内は空いてたので、他の客の会話が聞こえてくる。 何となく聞いてると、何と鐘園学院のことを話しはじめた。池について話しているらしい。 そっと見てみると、ジャンパー姿の汚い中年男と、あの不動産屋の人間の二人。 まさか、また学院買収の件?と尾行してみるが、見失ってしまう。 学院長に報告すると、意外にも院長はジャンパー男に心当たりがあるらしいが、 狭山、という名前しかおしえてくれなかった。 翌日、院長、副院長と3人で町へ 買い物がしたい副院長をスーパーに残して、院長に連れられて狭山の家へ。 主人公を表に残して院長は狭山のアパートへ。 中々出てこないので、心配した主人公が中に入ってみると、狭山はうつぶせに血を流して倒れていて、 学院長が呆然としていた。 院長が、私じゃないの 警察には連絡したくない とゴネるので とりあえず副院長と合流する。 主人公は、こっそり院長を説得して、公衆電話から匿名で警察に通報した。 何も知らない副院長は、二人を甘味処に誘う。 そこで、生徒達にバッタリ会うが、副院長は気前よくみんなにオゴってくれた。 その時、副院長がレシートを落とす。拾うと 捨てといて と言われて、何となく財布に入れる。 515 :月の~沈める鐘の殺人~:2008/02/03(日) 22 52 57 ID KKNxhakH0 学院に帰ると、クレーマーが来ている と克二が困り果てていた。 学院内に入り込んで、犬を散歩させていたところ、犬が池で溺死したらしい。 管理責任で学院を訴える!とクレーマーは3時間も克二にわめいているそうだ。 院長は対応に追われて、事件について話し合うことができなかった。 夕食後、サロンにあるTVで、狭山が殺害された、とニュースが流れた。 院長はそれを見て、何故か大ショックを受けたようで、フラフラと立ち去ってしまった…。 何故か院長は、狭山が死んだとは思っていなかったようだ。 翌日夕方、成田警部が学院を訪ねてきた。 よく考えると、主人公はストーカ事件の時に、指紋採取に協力していた。 なのに狭山宅に、ベタベタ指紋を残してきてしまった。 大失態…と事情を話し、とりあえず院長を探すことに。 夕食時なので食堂を覗いてみると、そこは何故かパーティー会場になっていた。 一体何の日だっけ?と皆に聞いて回るが 誰も知らないらしい。 こんなにごちそうを並べて、経営が苦しいのに大丈夫かな と心配する人もいるくらい。 そこへ、院長がやってきた。 何のお祝いですか?と聞く皆に 院長はほがらかに答えた。 「実はわたくし、再婚することにしましたの」 皆は祝福し、楽しい立食パーティーが始まった。 院長は、生徒達の笑顔をしばらくほほえんで見回っていたが、いつのまにかいなくなっていた。 主人公も、しばらくパーティーを楽しんでいたが、待ちくたびれた刑事さん達が来て、我に返る。 刑事さんたちを連れて、院長室に向かう途中、ふと嫌な予感が。そこに、 銃声が響き渡った… 6 :月の光~沈める鐘の殺人~3話途中から:2008/02/07(木) 17 02 15 ID TfWK5vKy0 主人公達が院長室に駆けつけると、院長は、先代院長形見の銃で、頭を撃ちぬいていた。 あの言葉は、亡き夫の元へ逝く という意味だったのだ…。 院長は、自分が狭山を殺した という旨の遺書と、 学院を克二に譲り、存続していってほしい という遺書を残した。 刑事さんと事件について話してみると、気になる点があった。 ・狭山は偽名で、何者か分からないこと ・遺体は仰向けになっていて、傷が浅いものと深いもの、二箇所あること 自分が見た時、狭山はうつぶせだった。 ということは、狭山はあの時まだ生きていたのでは? そして、あとから来た何者かに改めて刺されたんだ。院長は犯人じゃない! じゃあ、誰をかばっている? という感じで、主人公は院長の無念を晴らすべく、調査を始める。 土曜日、爽香に謎々デートに誘われる。謎々を解いて、待ち合わせ場所を探し当てると、爽香は、驚くべきことを話してくれた。 学園の鐘の、悲しいあの話は 本当は逆。 鐘を盗もうとした泥棒が、先代院長に撃たれて、鐘もろとも池に沈んだ。 泥棒は今も鐘と一緒に、深い池に沈んでいる。存在を闇に葬られたまま… その泥棒が、爽香の本当の父親だと。 爽香の治療費を稼ぐ為に、父はその話に乗った。 皮肉にも、父が死んで、美しい母はお金持ちの男性と再婚。今や爽香は健康で、名門校に通うお嬢様である。 病気が治って以来、爽香は水泳を習い続け、そして鐘園学院に入学。 全て、池に沈んだ父の骨を、ひとかけらでも拾ってあげたかったから。 主人公と出会ったあの時は、いつものようにこっそり潜っていたら、思ったより水が冷たくて足がつったそうな。 翌日、古谷からもデートに誘われて、高級料亭へ。 要するに、私(俺)だって実家は金持ちなのよーん ということらしい。 7 :月の光~沈める鐘の殺人~3話途中から:2008/02/07(木) 17 29 49 ID TfWK5vKy0 爽香の告白を受けて、当然浮かび上がる疑問がある。 では、先代院長は どこに消えたのか? 主人公は、学院の古い卒業アルバムで、先代院長の写真を調べた。 そこに写っていたのは、死んだ狭山だった…。 警部もそこに目をつけ、更に掘り下げていた。 鐘みたいな重くて持ち運びにくいものを、いきなり外部から盗むはずがない。内部に協力者もしくは首謀者がいたはず。 それこそが、先代院長=狭山だったのでは? 院長が自殺に使った銃は、過去にもう一発発射されていた。 それは、爽香の父を撃った時に使用されたのではないか。 全てを確かめるため、池をさらう作業が決行された。 しかし、池には先客がいた。岡江克二と、測量業者だった。 聞けば、克二は、学院の所有権を相続したのをいいことに、廃校して土地を売ろうとしていた。 経営難の学院を切り盛りするなんてまっぴらだ ラクして大金を手に入れる という克二に 高田副院長が お母さんの遺志をつごうと思わないの?!考え直して!と詰め寄る。 そんな副院長を、克二はうるさがって池へ突き落とした。 副院長は、院長代行の激務と、池の冷たさで心臓発作を起こして病院へ運ばれた。 警察が見積もりを中止させ、池の捜索が開始。 やがて、黒く汚れた鐘は見つかったが、爽香の父はついに発見されなかった。 副院長は快方に向かっているらしいが、依然学園の前途は暗い。 滅入っている主人公を励まそうと、古谷が外食に連れて行ってくれる。 支払いのときに、紙が落ちる。見てみるとレシートで バンノウナイフ 3480円 の文字。 こんなの買ってないけど…と考えて思い当たる。これは、高田副院長の落としたレシートだと… しかもこれは、副院長を置いていったスーパーのもの。もしかして、狭山を刺したのは… 8 :月の光~沈める鐘の殺人~3話途中から:2008/02/07(木) 17 33 10 ID TfWK5vKy0 色々あって、スーパーから狭山宅への近道発見。 スーパーで、ベテラン店員にレシートを見せると、同じナイフを探してくれた。 それを持って警察に行き、その足で副院長に会いに病院へ。 しかし、副院長は失踪した後だった。 学院に戻り、副院長を探す。 主人公は図書室で副院長に遭遇。全てを話してもらった。 先代院長岡江正二=狭山は、救いようのない駄目男で、学院の金を使い込んで免職になった後、 鐘泥棒を思いつき、爽香の父をそそのかして夜の学校に忍び込んだ。 鐘楼の上で、奥さん(二代目院長)に発見され、奥さんは激昂して発砲。 弾は、鐘を支えていた爽香の父に当たり、その拍子に鐘は池の底へ。 院長は、学院の世間体か、真実を隠蔽。 夫の英雄的な死をでっちあげて、本人には偽名を使わせ、 学院近くのアパートに住まわせて定期的に金をやっていた。 そして、学園から遠ざけるだけで許された狭山は、再び、金儲けのダシに学園を狙ってきた。 激怒した副院長は、狭山宅に押しかけ、狭山を刺した。 真実を知った主人公は、致命傷を負わせた犯人は他にいる と副院長を説得 一緒に図書室を出ようとしたが 副院長が図書室に篭城。火を放ち、学園と心中を謀る。 幸い火はすぐに消し止められたが、副院長は再入院。克二は売却を進めている。 生徒達と主人公は、引き揚げられた鐘を懸命に磨いた。 かつてシンボルだった鐘が もう一度輝けば、学園もきっと再生すると思いたかった。 池の捜索は終わり、結局誰の遺体も発見されなかった。爽香は池のそばで落ち込んでいた。 そこに、大井先生がやってくる。 そして、打ち明け話を始めた。 撃たれた泥棒の傷は浅く、彼は死ななかった。院長達の手当てを受けて、回復した。 そして、犯罪者となった自分が生きていては、家族に逆に迷惑がかかる と決意。 そんな彼を、院長は全く別人として、新しい名前と職を与えてくれた。 鐘園学院社会科教師 大井俊治として… 大井先生は、爽香の父親だった。今はもう親子と名乗れない二人は、やっと再会を果たした。 9 :月の光~沈める鐘の殺人~3話途中から:2008/02/07(木) 17 38 01 ID TfWK5vKy0 主人公は、改めて事件を総括して推理。 副院長は、時間的に、最初の傷を負わせただけ。では、結局狭山を殺したのは誰なのか? この件で利益を得た奴を疑いたいところだが、克二にはクレーム処理のアリバイがある。 古谷に相談してみたところ、気になることを言い出した。 クレーマーにお茶を出したのは、古谷らしい。そして、お茶を出したのは、クレーマーが来た直後一回だけ。 以降は、克二に言われて、皆下がっていたらしい。 そして、響くクレーマーの声は皆聞いていたが、克二の声を聞いた者は居ないという。 はいはい仲間を使ったアリバイ作り。 ということで克二を追及。 ちょうど、警察も同じことを考えていたらしく、クレーマーの身元が割り出された。 克二は、アリバイを作ってアパートへ行ったが、 先客が居たので、庭から一部始終を見ていた。 自分にとって好都合な展開。副院長が残した凶器で、起き直った狭山にとどめを刺した、という感じらしい。 克二は逮捕され、理事会が学園売却を阻止。 生徒全員で磨いた鐘は、本来の輝きを取り戻した。 鐘楼に鐘は戻され、美しい音色が学院中に鳴り響いた。 新しい門出を祝福する、福音のように… 以下ゲームから抜粋 澄み切った青空に、鐘楼がまっすぐに伸びている。 その先には、金色の鐘が揺れていた。 幸せの鐘の音が響き渡る。 いつまでもいつまでも、それは紅葉の中で揺れていた。 10 :月の光~沈める鐘の殺人~3話途中から:2008/02/07(木) 18 11 51 ID TfWK5vKy0 ◆真沙子の肖像画がサロンに飾られている。 閉館した野々宮図書館から寄贈されたもの? この他に、本文に隠されたミステリーチップから飛べる七不思議編や 七不思議外伝『繭』、一年後の後日談になる完結編、パンダ編 等 おまけが沢山ついてきます。 本棚を埋めていくエンディング収集や、集合写真風登場人物集めなど、収集要素もたまりません! 肝心のトリック等がショボいですが、文章や背景の雰囲気が凄くよくて、おすすめです。 ネタバレしといて何ですが、サウンドノベル好きの方は、捨て値で売ってたら是非買ってみて下さい。 チームクレイズはもう復活しないんでしょうか…DS夜想曲買っちゃいそうです(´・ω・`) では、長文失礼いたしました。 424 :ゲーム好き名無しさん:2010/12/22(水) 20 25 07 ID tNzgWzpZ0 リクエストの『月の光』の「エピローグ」「あとがき」のついでに「七不思議」「完結編」「七不思議外伝」を補完しようと思ってるのですが問題点が2つ。 ・リクエストはDS版なのですが、投稿するのはPS2版。 ・「あとがき」は『夜想曲』『夜想曲2』と同じくプロデューサーの挨拶なので本編とは何の関係もない。 DS版は未プレイなんですけど、ストーリーに大きな違いはないと聞いたので気にせず投稿してもいいんでしょうか? 439 :ゲーム好き名無しさん:2010/12/23(木) 16 59 42 ID AaTE0X/z0 424 PS2版であることを明記しとけば大丈夫 まぁ好きに書け あとがきについてはストーリーに関係ないので割愛でも構わない(夜想曲がそうなってる) 何だったらWikiにある既出部分を書き直しても構わないぞ 460 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 02 53 28 ID HLS1JyWt0 424 アドバイスありがとうございます。 というわけで、早速投稿します。 以前投稿してくれた内容を考慮して、パートナーは古谷と表記します。 <七不思議について> 『夜想曲2』のミステリーチップのようなもので、特定の箇所で△ボタンを押すと鐘園学院にまつわる七不思議を聞く事ができる。 また7つのうち3つは話を聞いた後、主人公が実際にその話の怪異に遭遇する体験編がある。 461 :ゲーム好き名無しさん:2010/12/27(月) 02 56 50 ID HLS1JyWt0 <七不思議その1:音楽室の怪> (噂) 今から20年前、夜中に音楽室からピアノの音が聞こえてくるという噂を聞いた教師が真偽を確かめるべく夜中に音楽室を訪れた。 そこには、見慣れない制服を着た女生徒がピアノを弾いていた。 教師は女生徒を注意したが、女生徒は教師の言葉が耳に入っていないのか、ピアノを弾き続けていた。 何度注意しても全く耳を傾けようとしない教師は感情的になり、肩を掴んで力ずくでこちらに振り向かせた。 すると……その女生徒はゴトリという音を立てて地面に倒れた。 驚いた教師は女生徒を助け起こそうとした。 その時見た女生徒の顔は……骸骨だった! 骸骨は教師の手を握り返し、こう言った。 「弾かせて…、弾かせてぇ…」 (体験編) 大塚千絵(ラブレターを出した3人の生徒のうちの1人)からこの話を聞いた主人公は翌日の放課後、学院を探検している際に音楽室の前を通りかかった。 肝試しに音楽室の中に入ると、音楽室の幽霊と遭遇し気を失ってしまう。 大井先生に助けられ自室に運ばれた主人公は、そこで幽霊の正体を聞かされた。 20年前、その幽霊を目撃した教師は大井先生だった。 大井先生は幽霊の事を独自で調べると、正体は戦時中に学院に在籍していた音楽部の部長だとわかり、見慣れない制服は当時の学院のものだった。 ピアノを何よりも生きがいにしていたのだが、戦火が激しくなると学院の寮が閉鎖され、女生徒は疎開先へと落ち延びた。 疎開先にはピアノがあるはずもなく、生きがいを奪われた女生徒はやがて体を壊し、「もう一度ピアノを弾きたい」と言い残して亡くなったという。 462 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 03 01 17 ID HLS1JyWt0 <七不思議その2:怨念のトイレ> 数十年前、この学院に1人の女生徒がイジメの被害にあっていた。 所持品を隠されたり、嫌がらせの手紙を送り付けられたり……陰湿な苛めは徐々にエスカレートしていった。 冬のある日の放課後、女生徒がトイレに入って行くのを見たイジメっ子が、トイレの扉をモップの柄をつっかえ棒にして開かなくし、そしてドアの上から水をかけた。 イジメっ子は女生徒はトイレに閉じ込められたまま帰っていった。 残された女生徒は扉の上の隙間から脱出しようとするも、運動が苦手な女生徒は扉を乗り越える事ができず、真冬の校舎に一晩中ずぶ濡れのまま放置された。 そして次の日……女生徒は凍死体で発見された。 その女生徒の閉じ込めれていた一番奥の個室は現在、まるで何かを封印しているかのように使用禁止になっている。 その個室のドアをコンコン、コンコン、コンコンと3回ノックすると…… 「私を閉じ込めたのは、お前か!?」 濡れた黒髪の少女が鬼の形相で出てくるというのだ!! 463 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 03 06 10 ID HLS1JyWt0 <七不思議その3:血を吐く校舎> (噂) 図書室の入り口の側の壁に奇妙なシミが存在する。 この校舎に使われている石は江戸時代に囚人達が強制労働させられていた石切り場から切り出された石である。 囚人達の人権が尊重されなかった時代、ちょっとでも看守に歯向かえば即死刑だった。 死刑と言っても斬首はまだ良い方で、長時間石に打ちつけ苦しませた挙句に殺すという惨たらしいものもあったという。 そんな囚人達の怨念がこもった血を吸い込んだ石が、この校舎に使われているというらしい。 (体験編) 片平奈緒(ラブレターを出した3人の生徒のうちの1人)からその話を聞かされた後日、放課後に図書室で古谷が呼んでいると杉本先生から伝えられ、図書室に向かった。 図書室に入ろうとした時、壁のシミが気になって目を向けると何かを打ちつけている音とうめき声が聞こえてきた。 思わず壁に耳を当てる主人公だが、突如ヌルッとした感触がして顔を離す。 主人公の顔は鮮血で真っ赤に染まっていた! パニックに陥った主人公はハンカチで何度も顔を拭うが、血は止まらない。 片平の呼びかけて正気を取り戻すと、顔には何もついていなかった。 ふらつきながらその場を去ろうとすると、片平が主人公の落としたハンカチを拾って手渡した。 「結構、派手なハンカチですね」 主人公の白いハンカチは、鮮血で真っ赤に染まっていた! 464 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 03 12 38 ID HLS1JyWt0 <七不思議その4:終わりのない廊下> この学院は元は修道院であり、その時にこんな事件があった。 ある日、学院が大雨に見舞われた。 激しい地滑りが起き、敷地内の小屋が巻き込まれた。 その時、その小屋には1人のシスターがいた。 地滑りの直後、小屋が土砂に半分埋まったままの状態で中からシスターが助けを求める声が聞こえていた。 しかし、二次災害を恐れ誰も助けにいけなかった。 そうしているうちに2度目の地滑りが起き、小屋は完全に土砂に押しつぶされ流されてしまった。 シスターは遺体すら見つからなかったという。 そしてこの話にまつわる怪談がある。 神出鬼没の「開かずの扉」……突然学院内に現れては消えるという。 そして、この扉を見つけて入った人がいるらしい。 その人によると、扉を開けると終わりのない廊下につながっており、そこに入ると入口も消えてしまい、進んでも戻っても一本の廊下が延々と続くだけ。 しばらくすると、小さな明かりがゆらゆらと揺れながら、こちらに近づいてくる。 それはシスターの幽霊が持っている蜀台に乗った蝋燭の明かりである。 シスターは声をかけない限り人がいる事に気付かず、近づいて来ても何もせず通り過ぎて行くだけらしい。 もし声をかけると…… 「どうして見捨てたの!」 465 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 03 19 55 ID HLS1JyWt0 <七不思議その5:いじめられた転校生> 30年ほど前、何をやっても不器用な生徒がこの学院に転校してきた。 やがてよそ者扱いされ、いじめの対象になってしまった。 そんな転校生をかばってくれたのは、転校生とは真逆のイメージの学級委員長だった。 委員長がかばってくれたおかげでいじめられる事は少なくなったが、転校生は困った時は委員長が助けてくれると、委員長の救いに依存し続けるようになった。 自分が強くならなければいじめが止む事はない……転校生はその事に気付いていなかった。 転校生を心配した委員長は2つの校舎を繋いでいる3階の屋外の渡り廊下、空中回廊に転校生を呼び出してその事を指摘した。 しかし転校生はいくら言っても理解してくれなかった。 さすがの委員長も痺れを切らし始め、転校生もまた委員長に不満を抱き始める。 互いの不和が出始めていたその時、いじめっ子達が回廊の両端の扉が閉め、2人を閉じ込められた。 いじめっ子達は「委員長だけなら出してもいい」と言った。 普段なら怒鳴り返す委員長も、この時ばかりは迷った。 委員長が転校生の方を見ると、転校生はいつものように助けを期待しているような目で委員長を見ていた。 その時、委員長の心に今までにない怒りが湧き上がり、ついに転校生を見限って入れてもらうよう頼んだ。 意外な展開にさすがのいじめっ子達も一時は驚いたが、すぐに大笑いして委員長だけを中に入れて、転校生を空中回廊に残したまま校舎を去った。 校舎の外からいじめっ子達が容赦なく罵声を浴びせるが、委員長はもうそれを止めようとはしなかった。 次の瞬間、転校生は空中回廊から飛び降りた! 空中回廊の下は花壇で、当時は先端が槍のような柵が立っていた。 転校生は柵に体を貫かれ串刺しになった。 それでも意識があった転校生は、集まってきた委員長といじめっ子達を睨むと、こう言った…… 「……もう、いじめない?」 それ以来、あの空中回廊には転校生の霊が出るという。 466 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 03 25 55 ID HLS1JyWt0 <七不思議その6:走る! 人体模型> 科学を担当している杉本先生に狭山が殺害された日の克二のアリバイを聞いた。 杉本先生と話をしている最中に主人公は、ふとあることに気付いた。 教壇の横にあったはずの人体模型が、いつの間にか奥の方に移動している? その事に気付いた杉本先生は、人体模型がひとりでに動いたのではないかと言った。 怯える主人公に杉本先生は鍾園学院の七不思議の1つ、夜中に走る人体模型の話をした。 この人体模型は午前0時なると、ひとりでに動き出して学校を一周するらしい。 肌寒いある日、真夜中に女生徒が忘れ物を取りに校舎に入った。 教室で忘れ物を回収した女生徒は、すぐに教室を出て廊下を歩き出した。 真夜中の校舎に恐怖を感じながら足を進めると、理科室の前に差しかかった。 頭の中をよぎる人体模型の噂。 時間は午前0時を過ぎていた。 恐怖心と同時に好奇心もあった女生徒は、何気なく理科室の扉を開けて中を覗いてみた。 そこには……人体模型はいつも通りの場所にあった。 ため息をついた女生徒は扉を閉めて、再び廊下を歩き始めた。 そして理科室を通り過ぎたその時……背後で扉の開く音がした! 女生徒が反射的に振り向くと…… 何もなく扉も閉まったままだった。 空耳なのだろうか? 女生徒は先へ急ごうとした。 そいつは、目の前に立っていた!! そして女生徒は消息不明になったという。 消息不明になったのに話だけは伝わっている事に薄ら寒さを感じた主人公はただ噂なのだと強がり、人体模型が動いたのは気のせいだと必死に思い込もうとした。 しかし杉本先生は笑いながら言う。 「科学にどっぷりつかっている人の言葉だからですよ。現代人は本やら何やらで物の本質をわかっている振りをしている。本当は分かってないのにね」 467 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 03 30 45 ID HLS1JyWt0 <七不思議その7:血まみれの女教師> (噂) 30年ほど前、1人の女教師がこの学院にやって来た。 若くてスタイルがよく美人、優しくて頭もいい、まさに非の打ち所がない才色兼備の女性で、生徒教師問わず人気を集めた。 やがて同じように人気のある男性教師と婚約。 だが、その男性教師は学年主任の女性と婚約関係だった。 男性教師は自分の心変わりを学年主任に伝えたが、学年主任は納得しなかった。 学年主任は同じ女として何もかも持っている女教師を妬ましく思った。 ある日、遅くまで仕事をしていた女教師を学年主任は鐘楼の下に呼び寄せた。 時間は午後11時。 女教師は時間通りに鐘楼の下で学年主任を待ったが、約束の時間から30分経っても姿を現さない。 しかし、学年主任はすでにその場所に来ており、鐘楼の上で女教師を見下ろしながら迷っていた。 女教師がこのまま去るのを待つか、それとも……ここから岩を落として殺すかを! しばらく迷った末に、学年主任は止める事にした。 (人殺しだなんて……自分がどうかしていた) そう思って立ち上がり鐘楼を降りようとしたその時、痺れを切らした女教師は学園主任に愚痴を吐いた。 「なによ、あのブス主任! 人のことをバカにしてるわ!」 その言葉を聞いた学年主任の自我は吹き飛んだ。 「醜いのは、あなたも同じよ…!」 学年主任は女教師の頭上に岩を落とし、岩は女教師の頭に直撃した。 致命傷を避けたものの頭からおびただしい血が流れる。 女教師は事態を察知し、血だらけになりながらも逃げ出した。 その後を追う学年主任。 女教師はサロンに逃げ込んで隠れてやり過ごすと、サロンにあった公衆電話から男性教師に助けを求めた。 しかし、その途中で学年主任に見つかり殺されてしまった。 それ以降、夜中の12時にサロンで電話をかける血まみれの女教師の霊が現れるらしい。 468 :月の光~沈める鐘の殺人~:2010/12/27(月) 03 33 16 ID HLS1JyWt0 (体験編) 中沢爽香からその話を聞かされた後日、岡江院長の葬式の日の夜、主人公は部屋で事件について考えるも一向に頭が冴えず、気分転換に寮から出て散歩した。 その時、サロンから明かりが漏れているのを目撃する。 中を覗くが誰もいない。 サロンの電気を消して去ろうとした時、ふと自分の記憶を疑った。 さっき電気を消した瞬間、サロンの奥に……白い人影を見たような。 爽香の話を思い出し、おそるおそるサロンの中を覗いてみると……公衆電話の前に血まみれの女性が立っていた! 主人公は一目散に自分の部屋に逃げ帰る。 呼吸を整え必死で自分を落ち着かせようとした時、部屋の電話が鳴り出した。 主人公は重い腰を上げて、受話器を取った。 『どうして逃げたの!』 翌日、主人公は高田事務長に昨日の出来事を話し、祈祷師を呼んでサロンのお祓いをしてもらった。 その時に高田事務長から女教師が殺された事件は実際にあった事だと聞かされる。 その後、女教師の幽霊がサロンに現れることはなくなった。 女教師を殺した学年主任は、今どこにいるかは不明だという……。 492 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/01/03(月) 01 40 03 ID 1PkT2an80 ■完結編 登場人物 【北原琴美】 鍾園学院の1年生。 主人公の受け持つクラスの生徒。 霊感が強い。 【杉本先生】 理科担当の教諭。 いつもクールな視点で物事を理論的に考えている。 主人公に何かと力になってくれる人。 鐘楼から悲鳴が響く…。 買い物から戻ってきた主人公は、古谷から主人公のクラスの北原琴美が鐘楼から転落しそうになった事を聞かされる。 主人公と古谷は事情を聞くために琴美の部屋に向かった。 あの一連の事件から1年の月日が流れた……。 主人公は変わらず学院に勤めており、今年から担任のクラスを持った。 岡江克二は岡江正二殺害で起訴され、裁判のために拘留中。 中沢爽香は卒業し、1人暮らしをしながら都内の大学に通っている。 高田事務長は自殺した岡江院長の後を継ぎ、理事会の満場一致の決議で今年の春に院長に就任。 一連の事件のせいで今年の鍾園学院の受験者数は激減したが、それでも卒業生達の働きかけもあって、なんとか定員数にまでこぎ着けた。 その後は何事もなく平穏な月日が流れ、再び紅葉の季節を迎えることになったのだが…… 最近になって鐘楼から転落しそうになる生徒が増えていた。 琴美をサロンに呼び寄せ事情を聞くと、鐘楼に上がって景色を眺めていると転落しそうになったと言うのだ。 幸い擦り傷だけですんだ。 主人公は青ざめながら事情を説明する琴美を見て不審に思った。 その時、1年前に草壁先生の事件を調べるために鐘楼に上ったとき、誰かに突き落とされそうになった事を思い出した。 琴美に誰かに突き落とされそうになったのかと聞いてみると、琴美は驚いてその通りだと答える。 鐘楼に上った直後異様な雰囲気を感じ、そして誰かに背中を押されたと言うのだ。 琴美は霊感が強いことで生徒の間では有名であった。 493 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/01/03(月) 01 42 48 ID 1PkT2an80 事情を聞いた後、古谷と相談し、鐘楼を管理している高田院長に鐘楼の閉鎖案を直談判する事にした。 院長の部屋に向かう途中、古谷は夜空に浮かぶ月を見上げながら言った。 月には不思議な力がある。 月は太陽の光を反射して輝いている。 自分の力で光る事ができないので、その背中は真っ黒。 その部分を見せないために、自分達に光る部分だけを見せて回っている。 闇の象徴たる月には、様々な迷信がある。 月夜の晩には犯罪が多いとか、死んだ魂が蘇るとか……。 古谷は最近、月に対しそう感じるようになったという。 その時、主人公は密かに思い出した。 1年前、この学院に初めて訪れた日、池で溺れていた爽香を助けた直後に響いてきた鐘の音。 あの時、鐘楼の鐘は池の底に沈んでいたはずなのに。 そして、その時も夜空には輝くような月が昇っていた……。 院長室に来た主人公と古谷は、さっそく鐘楼の閉鎖を院長に訴えた。 しかし高田院長は鐘楼からの景色は学院の名物で今の生徒達にも見てほしいと決断を渋る。 そして、15年ほど前にも主人公と同じように鐘楼の閉鎖を訴えた先生がいたと聞かされる。 主人公が強く訴えた結果、高田院長はしばらく鐘楼への立ち入りを禁止する措置を取る事にした。 また主人公には転落する人が増えている原因を探ってほしいと頼まれる。 次の日、学院内は琴美の転落未遂の話で持ちきりだった。 幽霊に押されて鐘楼から落ちそうになったという噂が一斉に広がったのである。 主人公は事務員の桐島一枝から噂に尾ひれが付き「池に河童がいる」という話まで伝わっていると聞かされる。 これ以上噂が広がる前に何とかしなければならないが、どうやって調べればいいのか見当がつかない。 こういう時は理論的な人に相談するのに限る。 主人公は理科室を訪ね、杉本先生に相談した。 幽霊については完全に否定しなかったが、鐘楼の事故は科学的に説明がつくと言う。 そして鐘楼をじっくりゆっくり調べれば答えが見えてくるだろうとアドバイスした。 科学の先生だけあって説得力のある言葉に安心する主人公。 しかし、杉本先生はわざわざそんな事をするよりも鐘楼を閉鎖した方が早いと力をこめて言った。 というのも、15、6年前に鐘楼で誰かが転落して死亡した事故があったというのだ。 主人公は杉本先生に礼を言って、鐘楼に行って見る事にした。 494 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/01/03(月) 01 46 34 ID 1PkT2an80 鐘楼を下から眺めながら主人公は転落の原因について考えてみた。 1.物理的原因(突風が吹いた、足元が崩れた、階段を上がった疲労によるめまい等) 2.心理的原因(高所恐怖症による立ちくらみ等) 3.霊的原因(幽霊に押された等) 主人公は物理的要因を主眼に置いて調べる事にした。 鐘楼に上り景色や足場等を調べてみるが、これといって不審なところは見当たらない。 これでは誰かが押さない限り落ちそうになるなんて事はないのかもしれない。 草壁先生の場合は坂本本人かその仲間の仕業で間違いないだろうし、主人公を突き飛ばしたのも多分そいつらの仕業だろう。 だが他の生徒は? 坂本やその仲間は今も拘置所の中だし、仮に他に仲間がいたとしても1年前と同じ手を使うだろうか? そもそも突き落とされそうになったという前提で考えていいのだろうか? 行き詰った主人公は一度鐘楼から降りようとする。 その時、主人公は突然転びそうになった。 慌ててバランスを取ってこらえたものの、先程の感覚に何らかの違和感を覚えた。 そよ風が通り過ぎ、風を受けた紅葉が一瞬同じ方向に動いたように見えた。 あたかも大きな1つの物体が目の前を移動したかのように。 主人公の頭の中に1つの言葉が浮かんだ。 『錯覚』 だまし絵のように、人の目は惑わされやすい事で有名だ。 先程見た光景も錯覚によるものだとしたら。 その錯覚を見たことで、めまいのような感覚が起きバランスを崩した。 柵から落ちてしまうほどではなかったが、人によってはどうだろう? 主人公は再び杉本先生を訪ねて先程の事を話すと、錯覚について教えてくれた。 錯覚、つまりは『錯視』。 人間はかなりの部分を視覚に頼っている。 逆に言えばそれだけ目に見えるものの影響を受けやすいということだ。 そういった現象全般を『空間認知』と呼ぶらしい。 杉本先生はいい線をついていると励まされた。 だが、主人公が鐘楼に上った事についてはあまりいい顔をしてくれなかった。 495 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/01/03(月) 01 51 50 ID 1PkT2an80 主人公は図書室で錯覚について調べる事にした。 1年前の火事で本がほとんど燃えてしまったが、蔵書は新しく買い足したり、近くの図書館や一般の人からの寄付のおかげですっかり元通りになっていた。 主人公は、『錯覚』『空間認知』『知覚』関連の本を一通り読んでみた。 人間が『錯覚』を起こす原因はいろいろな説がある。 つまり具体的な理由は分かっておらず、どれも決定的とはいえない。 主人公は『空間認知』の本を手に取って読んでみた。 そこには1つの写真が載っていた。 斜めに立てられた部屋……というより、普通に建てた部屋を微妙に傾斜している場所にそのまま置いたという感じだ。 はたから見れば当然、置いてあるテーブルも家具も全て斜めに見える。 写真には、その部屋で転んでいる人の姿が写っていた。 普通、床は地面と並行であるという認識の元に人は暮らしている。 だからこのような場所でも人は無意識に部屋と同じ角度になろうとする。 しかし自分ではまっすぐ立っているつもりなのに、実際には床が斜めになっているため写真の人は転んでいるのだ。 忍者屋敷のようなアトラクションでこのような部屋を見かけた事がある。 見ているものとはものと実際の状況が違う。 それが『錯覚』というものだ。 これを見た主人公はピンと来た。 数日後、主人公はかつて克二が学院を売り払うために呼び寄せた測量士達を再び呼び寄せ、鐘楼を測量してもらった。 測量の結果、鐘楼がわずかに池の方に傾いている事が判明した。 高田院長にこれまで調べた事を報告した。 鐘楼は池に傾いているのだが、周りの景色のせいで見た目にはわかりにくくなっている。 景色を見ていると錯覚を起こし、そして感覚を失ってバランスを崩す。 これが転落の原因だと主人公は結論付けた。 496 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/01/03(月) 01 54 28 ID 1PkT2an80 主人公は高田院長の要請で、朝礼の場でこの事を皆に報告した。 転落の原因が科学的に解明された事で生徒も教師も安心し、鐘楼の幽霊騒ぎは急速に収まっていった。 朝礼の後、琴美が廊下で話しかけてきた。 琴美も主人公の説明に納得し、安心していつもの日常へと戻って行った。 それからは何事もないまま平穏な毎日が続き、季節は紅葉が散る日へと移った。 そんなある日の夜、琴美が血相を変えて主人公の部屋を訪ねてきた。 琴美のルームメイトの新藤水絵と高見沢美紀が、琴美の静止を聞かずに鐘楼へ肝試しに行ったというのだ。 主人公と琴美は急いで鐘楼に向かうと、2人が池の前にいた。 主人公が厳重に注意すると、2人は素直に謝る。 どこまで反省しているのかは疑問だったが、とりあえず何事もなく安心する。 その時、鐘楼から声がした。 見ると、柵から新藤の親友の水谷佐和子が身を乗り出して手を振っていた。 佐和子も肝試しに加わって、水絵達より先に鐘楼へと上っていたのだ。 主人公はその場から佐和子に注意し、すぐに鐘楼から降りるように大声で言った。 佐和子は残念そうに返事をし、鐘楼を降りようとした。 改めて2人を注意しようとしたその時、鐘楼から悲鳴が上がる。 見ると、佐和子は必死に柵にしがみつき、今にも落ちそうになっている。 主人公は急いで鐘楼を駆け上がった。 頂上にたどり着くと、佐和子は何とか自力で這い上がり床にへたり込んでいた。 佐和子は震えながら口を開く。 「私、押されました……。誰かに押されました…」 主人公は再び高田院長に抗議した。 いくら原因を見つけても、興味本位で鐘楼に上がる生徒は後を絶たない。 もはや立入禁止ではなく本格的に閉鎖する必要がある。 しかし、それでも高田院長は学生時代の思い出と院長としての立場を秤にかけて閉鎖案を渋っていた。 結局、主人公が詰め寄っても、少しだけ考えさせて欲しいと返すだけだった。 497 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/01/03(月) 01 57 03 ID 1PkT2an80 主人公の部屋に古谷が乗り込んできて、ビールを飲みながら高田院長への愚痴を吐く。 結局、事態は振り出しに戻ってしまった。 古谷は「もう一度調べたら?」と軽く言う。 しかし錯覚の事だって杉本先生のアドバイスを受けて、ようやく突き止めたのだ。 これからまた新しい原因を調べるとなると大変な事である。 古谷の酒は進み、すでに呂律が回っておらず、主人公の話もろくに聞かない有様だった。 主人公は古谷を部屋から追い出すと、古谷は大井先生と飲むために部屋を出て行こうとする。 部屋を出ようとした時、パートナーは「さっき誰のアドバイスで鐘楼を調べたと言った」と聞いてきた。 主人公は杉本先生のアドバイスで調べたと言うと…… 「誰、それ? どこの先生?」 古谷の言葉の意味が分からず主人公は理科の先生と答えると、古谷はこの学院の理科の先生は小泉先生だろと言い残して部屋を出て行った。 古谷は何を言っているのだろう? 確かにこの学院には小泉先生という人がおり、理科の担当をしている。 しかし理科の担当はもう1人、杉本先生がいるはず……。 主人公は部屋を出て、今言った古谷の言葉の意味を誰かに聞いて確認するために校舎に向かった。 サロンに行くと、一枝がテレビを見ていた。 すぐに一枝に杉本先生の事を聞こうとするも、慌てていたため杉本先生の名を何度も連呼するだけだった。 一枝は「そんなに杉本先生、杉本先生と何度も言わなくてもわかりますよ」と返した。 その言葉を聞いて、主人公は一枝が杉本先生の事を知っていると思いホッとした。 「で、誰ですか、それ?」 主人公の期待はもろくも崩れ去った。 いない? 杉本先生なんていない? 498 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/01/03(月) 01 59 06 ID 1PkT2an80 主人公は再び誰かに確認を取るために校舎を徘徊した。 丁度その時、古谷の部屋に向かう途中の大井先生と遭遇する。 さっそく、大井先生に杉本先生の事を聞いてみると…… 「知ってますよ」 大井先生はそう返した。 それを聞いた主人公の肩はずっと楽になり、安堵のため息をついた。 古谷と一枝は杉本先生を知らないなんて、何を言っていたのだろう。 「無理もありませんよ。亡くなりましたからね、15年程前に」 大井先生はそう言うと、古谷の部屋に行くために去っていった。 主人公は、その言葉を聞いて目の前が真っ暗になった。 亡くなった? 杉本先生が15年前に? 主人公は15年前と聞いて、今までに聞いた話を思い出した。 15年ほど前にも、主人公と同じように鐘楼の閉鎖を訴えた先生がいた。 15、6年前に鐘楼で誰かが転落して死亡した事故があった。 主人公は図書室に行き、16年前の卒業アルバムを引っ張り出して開いた。 そして、冒頭の教職員の集合写真の左上の枠の中に見慣れた顔が写っていた…… 杉本結貴 理科担当 享年38歳 to the eighth wonder… 「PAST」 完 372 :月の光:2011/02/28(月) 02 43 21.06 ID 14ePsGp10 かなり間が空いてしまいましたが、七不思議外伝とエピローグを投稿します。 373 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 02 47 33.82 ID 14ePsGp10 ■七不思議外伝 鍾園学院に伝わる七不思議…… ・音楽室のピアノの怪 ・入ってはいけない禁断のトイレ ・神出鬼没の開かずの扉 ・血を吐く校舎 ・空中回廊の女生徒 ・真夜中に走る人体模型 ・電話口に立つ、血まみれの女教師 だが、最近になって新たな怪談が囁かれるようになった… ・学院を徘徊する男性の幽霊 主人公は高田院長に杉本先生の事を話した。 半信半疑の高田院長だったが、やがて杉本先生について話し始めた。 杉本先生は同僚の先生達からの信頼も厚く、奥さんが死別した後、男手一つで娘を育てていた立派な先生だった。 16年前、杉本先生はその娘を学院に連れてきた。 ところが杉本先生が目を離した隙にその娘は鐘楼まで行き、そこで遊んでいた時に誤って転落し、死んでしまった。 それから杉本先生は岡江院長に鐘楼の閉鎖を訴えたが、今の高田院長同様、数ヶ月の立入禁止の措置はとらたものの閉鎖案は却下された。 生徒が落ちた訳ではないし、杉本先生の不注意もあったからというのが理由だった。 そして紅葉の散る今ぐらいの時期に杉本先生は失意のうちに学院を去っていき、その後まもなく娘の後を追うように心労でこの世を去ったのだった……。 杉本先生は学院を恨んで現れたのか? 転落騒ぎも杉本先生の仕業なのか? そして、なぜ自分にだけ杉本先生が見えたのだろうか? 部屋で古谷と話し合うと、最近囁かれるようになった8つ目の怪談……男性の幽霊の話題になる。 古谷によると、廊下の曲がり角をふっと横切るらしく、昼間でも目撃する事があるらしい。 そして、この噂が囁かれたのは去年の主人公が赴任した後からだという。 その時、ドアをノックする音が聞こえた。 主人公がドアを開けると……そこには誰もいなかった。 374 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 02 50 43.91 ID 14ePsGp10 翌日、佐和子の一件が発端となり、学院は鐘楼の幽霊話で持ちきりだった。 その日の放課後、主人公は理科室を訪ねた。 思い起こせば、理科室に入るといつも杉本先生が出迎えてくれた。 だが、そこには杉本先生はいなかった。 (あなたが転落騒動の原因なのですか?) 心の中で問いかけるも、答える者は当然いない。 ため息をついて理科室を出ようとしたその時、 「あなたは、カッジ?」 突然、背後から声が聞こえた。 振り向くと、そこには見覚えのある少女が立っていた。 1年前、この学院に初めて来た時に鍾園学院前行きのバスの中で見かけた少女だ。 主人公はカッジじゃないと答えると、少女は主人公だと理解するとその場から走り出した。 慌てて追いかける主人公だが、少女は「カッジが来ちゃう」「カッジから猫を守らなきゃ」と言いながら姿を消してしまった。 鐘楼を眺める主人公と古谷。 果たして本当に杉本先生がこの騒ぎを引き起こしたのか? 主人公も古谷も写真で見た杉本先生の印象から、とても信じられなかった。 古谷は先に校舎に戻ろうとするが、その前にこの前借りた金を返すと言って100円を渡した。 一昨日ジュースを買おうとしたら小銭がなかったのでその場にいた主人公に借りたと言うのだが、主人公には身に覚えがなかった。 古谷は100円を返すと校舎に戻って行く。 その時、午後5時を告げるチャイムが鳴り出した…。 375 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 02 52 33.50 ID 14ePsGp10 主人公は中間テストの採点に追われ、夜中遅くまで職員室に残っていた。 夜中の10時にようやく終わったが、すでに職員室には誰も残っていなかった。 職員室の戸締りをし、廊下を歩く。 主人公の足音が冷たい廊下に反響している。 夜の学校は想像以上に不気味だ。 昼間は黄色い声で賑わっていても、ほんの数時間で廃墟のようになる。 人の暖かさが決して根付かないのが学校というものだ。 感受性豊かな子供たちはそんな雰囲気を肌で感じ取る。 学校の怪談というのも、そう言った恐怖の心から生まれているのだろう。 ……。 ……。 ……。 主人公は後ろを振り向いた。 だが、そこには誰もいない。 気のせいだろうか? 誰かが自分の足音に合わせて付いて来ている気配がしたのだが……。 主人公は再び歩き始める。 ……。 ……。 ……。 主人公は再び振り向いた。 だが、やはり誰もいない。 主人公は再び歩き始めようとすると、そこには……大井先生が立っていた。 驚いた主人公は悲鳴を上げ、大井先生も悲鳴を上げた主人公に驚く。 答案用紙を忘れたので取りに来たとの事だ。 職員室の鍵を渡すと、大井先生は主人公を気遣いながら職員室へと向かっていった。 部屋に戻った主人公はベッドに突っ伏した。 この学院には不思議な事が多すぎる。 去年の頃は醍醐不動産が起こしたものと思っていたのだが、最近それだけではないように思えてきた。 目に見えず漂っているようなものがある。 『死の臭い』……言葉にするとそんな感じだ。 376 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 02 55 44.79 ID 14ePsGp10 翌日、主人公は鍾園学院について調べてみる事にした。 主人公がわかっている事は、ここは以前修道院だった事だけである。 鐘楼の周りをうろつき裏手を進んでみると、木に隠れるようにして広がっている瓦礫の山を見つけた。 建物が崩れ去った後のようだが…。 屈んで調べようとすると、鐘楼の方から声がした。 鐘楼に行くと、池の前にあの少女が叫んでいた。 少女は前に会った時と同じように、カッジという言葉を何度も叫んでいた。 そして「猫が危ない」と言って、鐘楼を上っていった。 主人公は慌てて少女を追いかけ、鐘楼を上った。 「『カッジ』が来ちゃう!」 少女は興奮しながらその言葉を繰り返し、大声を上げながら柵に向かって駆け出した。 主人公は反射的に少女の方に手を伸ばした。 その瞬間、少女の姿が消えた。 主人公の勢いは止まらず鐘楼から落ちそうになるが、間一髪誰かに体を引き戻される。 優しい声が後ろから聞こえてきた。 振り向くと、杉本先生と少女が立っていた。 少女は杉本先生の足にすがるようにして顔をうずめている。 杉本先生は静かに語り始めた。 この少女の名前は繭と言い、16年前に鐘楼から転落して亡くなった杉本先生の娘だった。 16年前、学院に繭を連れ来た時、繭が可愛がっていた野良猫を当時小学生の岡江克二こと『カッジ』が鐘楼から落とそうとした。 それを止めようとした繭は鐘楼から転落した。 克二は何事もなかったかのように黙っていた。 杉本先生も当時は事故だと思っていたが、幽霊となった繭とこうして会った事で真実を知ることができた。 繭は幽霊となってから鐘楼に来ると我を忘れて、いないはずの克二を止めようとするのだ。 琴美や佐和子を始めとした最近の転落未遂騒ぎ、そして去年主人公を押したのも繭だった。 草壁先生だけは例外で、あれは坂本の仕業だという。 杉本先生は克二の復讐のために幽霊となって学院に現れたのだが、殺人事件を起こし逮捕された克二を現状を見て、悪意を持ったまま人間は生きられないと悟り、復讐の念は消え失せた。 しかし繭がここから離れない限り、成仏する事はできない。 何度もお母さんのところに行こうと説得しても、繭は「お父さんは嘘つきだもん」と言って離れようとしない。 妻が亡くなった時、杉本先生は繭に「また会えるから」と言ってしまい、結局生きているうちに会えた事がなかったので繭は杉本先生を嘘つき呼ばわりして信用していないのだ。 だから今もここで克二から猫を守ろうとしているのだ。 主人公は繭に「もうここに克二は来ないから見張る必要はない。それにお父さんは嘘つきなんかじゃないから、付いていけばお母さんに会える」と優しく説明した。 繭は主人公を信じ、そして杉本先生を信頼してくれた。 杉本先生は今までにない笑顔を主人公に返した。 それが全ての答えだった…。 377 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 02 57 56.12 ID 14ePsGp10 主人公は最後に、なぜ自分には杉本先生が見えたのかを尋ねた。 だが、杉本先生もその理由を知らなかった。 1年前、この学院に赴任して来た時、主人公は職員室で杉本先生と会った。 それ以来、杉本先生は自分がまるで生きているように感じた。 そのせいか、杉本先生の事を感じ始める生徒も出てきた。 「命の尊さや、人の心が分かる人には、本当が見えるのです。この学院には、人の悲しみを形にするような不思議な力がある。……また、いつかお会いしましょう」 杉本先生と繭は手を振りながら、ゆっくりと透き通るようにして主人公の前から消えていった…。 翌日、主人公は再び鐘楼へとやって来た。 鐘楼を下から見上げながら昨日の事を考えていた。 鐘楼の転落未遂騒動の原因は分かった。 杉本先生と繭は学院を去って行った。 もう二度とこんな事は起きないだろう。 だが、主人公は杉本先生の残した「この学院には、人の悲しみを形にするような不思議な力がある」という言葉が気になっていた。 その時、主人公の足元に一匹の老猫がやって来て、横になり毛づくろいを始めた。 なんとも、平和でホッとする光景だ。 そこへ高田院長がやって来た。 高田院長は今頃になって、ようやく鐘楼の閉鎖を決意していた。 しかし主人公は、もう閉鎖の必要はないと答えた。 理由を問う高田院長だが、主人公は詳しくは言わなかった。 繭や克二の事なんて高田院長は知らない方がいいし、何より説明が面倒くさい。 曖昧に答えるも、当然高田院長は納得しない。 その時、池の向こうから古谷が呼びかけていた。 主人公は高田院長の声を無視して古谷の方へと向かう。 新しい季節が、もうそこまでやって来ていた。 「繭」 完 378 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 03 02 25.69 ID 14ePsGp10 ■エピローグ 真夜中に浮かぶ月…… 池のほとりから歩き始める… ぽつぽつと外灯が照らす道を歩く… ゆっくりと校舎へと足を進める… 校舎に入ると、サロンから電話のベルが響く… ゆっくりと電話の前に立つ… 鳴り続ける電話のベル… やがて電話のベルが止まる… 入り口から物音がする… 高田院長が立っている… 「あら、こんな時間にどうしたの? 私? 私はちょっと残業をね。これでも院長ですからね、忙しいんですよ。 あら、顔色が悪いわね。…体の具合でも悪いの? …そう、ならいいんだけど。じゃあ、私は帰るわね。 …いや、戸締りはいいわ。まだ何人か先生が残ってるみたいだから。 じゃ、おやすみなさい」 高田院長が去っていく… サロンを後にする… 廊下に一枝がいる… 「あっ、お疲れ様です。 そうなんです、今日は一日、高田院長の事務作業に付き合わされちゃって… 気が付いたら、もうこんな時間ですよ。もうすぐ日付が変わっちゃいますね。 ええ、これから帰るところです。 大丈夫ですよ、宿舎まで近いし。 それじゃ、失礼します」 一枝が去っていく… 校舎の中へと足を進める… 379 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 03 05 10.59 ID 14ePsGp10 職員室に入る… 大井先生がいる… 「ああ、先生。先生も残業ですか。 そうなんですよ。今日は何故だか、みんな忙しくて。 いや、私はもう終わりました。そろそろ帰ります。 古谷先生? 古谷先生なら、図書室で調べ物をしてたみたいですよ。 それじゃ、お先に!」 大井先生が去っていく… 職員室を出る… 図書室に向かう… 図書室に入る… 古谷が立っている… 「…あれっ、珍しいね、こんな時間に。どうしたの? …ははっ、冷やかすなよ。柄にもなく頑張ってるんだから。 うん、ちょっとね…。テストの見直ししてたら、気になるところが出てきちゃって…。 …そうなんだ。もうちょっとかかりそうだよ。 そうだ! ねえ、100円貸してくれない? 自販でジュース買いたいんだけど、小銭切らしちゃってるんだ。 サンキュー! ちゃんと返すからね。…まあ、覚えてたらの話だけど。 ははは、冗談。ちゃんと返すって。 …あれっ、もうお帰り? …うん、分かった。おやすみ!」 図書室を後にする… 校舎を出る… ぽつぽつと外灯が照らす道を歩く… 寄宿舎の前に立つ… 主人公の部屋の窓に人影が写っている… 380 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 03 07 29.24 ID 14ePsGp10 私はひとり、部屋にたたずんでいた。 夜になってから始まった頭痛が止まらず、寝付けずにいたのだ。 この感覚…一体なんだろう? なにかこう、目に見えずに漂っているものがある。 前にも一度感じたことがある感覚だ。 この学園には、不思議な何かが影を落としている。 拭っても拭っても消え去らない、黒い霧のような…。 言葉にするとそんなものが、体中で感じているようだ。 いつにも増して寝苦しい。 自分が自分でないような感覚だ。 朝にはこの頭痛が治まってくれればいいんだけど…。 窓に映っていた人影が消える… 寄宿舎の前を後にする… ぽつぽつと外灯が照らす道を歩く… 池の前に戻ってくる… 鐘楼を見上げる… どこからか音が聞こえる… 池のほとりに移動する… 主人公の壊れた携帯電話が着メロ『月の光』を鳴らしている… 鐘楼の鐘が響く… 人形が池の前に転がっている… 夜空に月の光が輝いている… 「月の光」 完 381 :月の光~沈める鐘の殺人~:2011/02/28(月) 03 12 24.08 ID 14ePsGp10 ラストのエピローグは雰囲気を出すために、一行置きで表現しました。 これで月の光の補完を終わります。