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662 :ひゅうが:2016/07/13(水) 00 03 59 艦こ○ 神崎島ネタSS――「2月26日」その4 たとえばの話をしよう。 たとえば、天皇機関説が政治問題になったときは、自宅への投石に百人単位が動員できた。 たとえば、争議とあれば1000人以上の人間が暴徒となってぶつかりあった。 鉄砲玉はいくらでもいた。 そんな奴らを帝国陸軍も、そして政党も利用した。 その成れの果てがこの光景だった。 まず第一に、サイドカーをつぶすために日本では珍しいトラックが突っ込んできた。 続いて爆発。 これは労働争議の合間に盗み出されたダイナマイトのうちのいくらかが使用された。 発砲されたのはシカゴ・タイプライターと呼ばれるM1921トンプソン・マシンガン。 トラックに隠れていた鉄砲玉どもが発砲し、警護官が一瞬ひるむ。 「天誅ーっ!!」 絶叫が響く。 あわてふためく街道の警備の警察官たちが何かを叫ぶ中、道の左右からわいて出たような集団が抜刀突撃を開始する。 突撃を開始した男は、詰襟軍服だった。 階級章は、大佐。 その後ろに少尉と中尉、烈士の字を染め抜いた鉢巻姿の若者が続く。 停止した車の中で、長嶺喜一中佐が私費で仕立てたモーゼルの撃鉄を起こす。 警視庁警護課の警護員たちが身を盾にすべく待ちの態勢に入る。 だが、神崎提督はそれを目で制し、吹雪と大淀の方に視線を送った。 頷く二人。 「提督、いったい何を…」 言うが早いが、吹雪と大淀は足で車の扉を蹴破った。 扉が吹き飛ぶ。 「えっ?」 警護官の一人からそんな音が漏れた。 音は金属質。 彼女の足元には、いつの間にか分厚い鉄でできたような靴がはまっていた。 「お願い!あたってください!」 発砲するのにそれはないだろう…と誰もが思った。 その衝撃波は、誰もを圧倒していた。 突撃をかけた凶賊も。警護官たちも、そしてようやく態勢を整えていた街頭警備の巡査たちも。 そして、数瞬も経たずに土煙が上がり地響きが足元を揺らした。 見ると、「吹雪」の手にはハイカラな遊びであるボウリングのボール大の四角い物体が握られていた。 その中央からは長さ1尺ほどの筒が二本突出しており、その先端から白煙がたなびいていた。 「撃て撃て!!」 我に返ったのは、凶賊の方だった。 どこから持ち出したのか、小銃がトンプソンと共に向けられる。 「逃げろ!」 「いや。」 神崎提督の冷静そのものな声に、長嶺中佐が殺意すら感じさせる目を向けると、彼は静かにいった。 「吹雪の方が強い。」 663 :ひゅうが:2016/07/13(水) 00 04 30 50メートルもない距離から放たれた一斉射撃は、空中に出現した半透明の何かにあたり、火花を散らして弾き返された。 「提督。」 大淀だった。 「いや、大丈夫だろう。」 神崎はそう返した。頷いた大淀は手にしていた四角い物体を空中に放った。 と、何もなかったかのように「それ」は消える。 音もなく。 ようやく長嶺中佐は気付いた。彼女が持っていたものは、装甲車か戦車の主砲塔によく似ていた。 いや、軍艦の… 「皆さん!」 吹雪が叫んだ。 「撃ちますよ?」 その一言には、おそろしいほどの殺気が込められていた。 まるで数百人分の殺意を濃縮したかのような―― 返答は、絶叫と一斉射撃。 薬きょうが落ちる音さえ聞こえるこの距離で、突撃をかけない凶賊は明らかに恐怖していた。 やがて、重い連射音とマズルフラッシュがあたりを圧する。 発生源は「吹雪」。 今度こそ凶賊は凍りついた。 「双方それまでぇ!」 唐突に絶叫があたりに響いた。 長嶺中佐は今頃気付いた。 ここは、もう日比谷公園の近くである。 「武器をおさめよ!御前である!」 馬上から告げたのは、特徴的な丸眼鏡の軍服姿の男――東条英機。 その背後には、数名の飾緒をさげた士官や随伴歩兵に守られた白馬。その馬上には軍服姿の人物。 東条がいちだんと声を張り上げる。 「国事犯ならず、大逆犯となる気か!控えよ!」 のちに昭和天皇と諡号される男性が、冷徹にその場を睥睨していた。 664 :ひゅうが:2016/07/13(水) 00 05 32 というわけで、さくっと一発。 残念!装甲車とかの出番は終わってしまった! 680 :ひゅうが:2016/07/13(水) 00 40 36 おっと。追加しときます。本日はこれにて。 【補遺】 ――意外かもしれないが、昭和天皇は自ら電話をかけたことがある。 それも昨年。ちょうど一年前である。 2.26事件の渦中、状況確認のために麹町警察署にひかれたホットラインを通じて自ら状況を諮問したのだ。 ちょうど署長を警護するためのサイドカー担当の巡査が代理で電話に出て状況を言上したのだが、このときの一人称が「朕」であったことから巡査は震えたという。 このときも、宮内省を通じて昭和天皇は自ら状況を確認。 あらかじめ事態を予想して待機していた近衛師団および皇宮警察部隊を自ら率いて出陣されたのである。 泣いて止める侍従たちを振り切って馬上にのぼった昭和天皇の姿は、古の大王のようであったとも、また江戸城に在した将軍家のようであったともいわれる。 そしてこの動きは、蠢動しようとした者どもの動きを完全に封殺してのけた。 退役大佐橋本欣五郎を筆頭とした凶賊どもを制圧すべく「たまたま近くにいた」陸軍部隊や海軍陸戦隊部隊が現場に介入することもできず、一行は駆けつけた見物人どもの万歳の声に送られて宮城へと堂々と行進していったのである。 なお、この直後、数名の若手陸軍士官が「不始末を一命をもってお詫びする」として自決しているが、関連は不明である。
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238 :ひゅうが:2016/08/25(木) 22 22 31 ――神崎島ネタSS「第二次上海事変」その17 ――1937(昭和12)年7月2日 午後4時9分 揚子江 「敵軍に総攻撃の兆候あり、だと?」 米内光政GF長官は思い切り目を見開いた。 「神崎島鎮守府からの警告か。」 「はい長官。高高度偵察機による観測により全体的な赤外線の増大を確認。さらに前線でも攻勢の勢いが鈍化したと。」 参謀長 岩下保太郎少将が、電送写真と数枚のプリント用紙を手にいった。 「撤退の兆候では?」 副参謀長として次期参謀長就任がきまっている小沢治三郎少将が目を細めながら疑問を呈する。 「いえ。火砲の類が前線へ移動しています。」 ごらん下さい。と、岩下は写真を提示した。 よく写っている。 「なんとまぁ…こんなものまで。」 「ディッケ・ベルタ。ヴェルダン要塞で名高い24サンチ砲に、21サンチ砲。 要塞攻略用装備が前線へ。旧式砲が多いですが、火力は青島攻略作戦時のわが陸軍に匹敵します。」 小沢が呆れたようにいった。 「こんなに隠し持っていたとは。ヴェルサイユ条約で絞り上げられておきながら。ソ連との蜜月、ラッパロ条約の秘密条項というのは本当のようですな。」 欧州大戦後、ワイマール・ドイツ共和国は軍備を厳しく制限された。 その中には西部戦線で猛威を振るったドイツ製の重砲類の保有制限も含まれており、これらの火砲は破棄されたはずのものだったのだ。 だが、それを見越してハンス・フォン・ゼークトら国防軍の人々は密かにソヴィエトと手を結んだ。 軍備を制限されている間、兵器類の開発についてソ連と協力関係を結んで技術途絶を防ぐ一方、廃棄されたはずの武器や禁止されていたはずの戦車をロシア領内に隠していたのだ。 これが、ナチスドイツの成立に伴い即座に再軍備宣言ができたからくりだった。 そして、これらの火器は当のドイツ自身も喉から手が出るほど欲しい代物のはずだ。 それがこんなところにあるということは。 「蒋介石は、ドイツにいくら貢いだのやら。」 「ドイツ本土ではタングステンほかの希少金属がとれません。加えて――」 「シナの国内にはあらゆる機材が足りない。資源や利権と引き替えの外資導入か。どうりで手厚いわけだ。」 現在、ドイツは欧州において英仏ら戦勝国と対立の度合いをやや深めている。 そんな中で有望な市場であり資源供給地であり、かつ分割された世界の残りは、中華しか存在しなかった。 「感心している場合ではないぞ。」 米内がいう。 「この情報が確かなら、揚陸したばかりの米比軍2万はなりふり構わぬ総攻撃にさらされる。さらにひどいことになるぞ。」 「あそこには、租界内だけで120万、その外側も含めて300万とも400万ともいわれる人間が存在しますからね。市街地で住民を巻き込んだ戦闘をやるだけでも悪夢であるのに。」 「うむ。10年前の南京事件が何千倍もした規模で上海全体に広がるようなものだ。」 「となれば、早急に叩きつぶさなければなりませんね。」 岩下と小沢は顔を見合わせて頷いた。 239 :ひゅうが:2016/08/25(木) 22 23 31 「アジア艦隊のヤーネル提督も、幸い協力的です。突入の際には先頭を任されたいと。」 戦務参謀 角田覚治大佐がいった。 彼は、第一次上海事変当時の上海特別陸戦隊参謀をつとめており、その経験もいかしてこれまで他国艦隊との直接交渉を続けていた。 「ヤーネル提督も辛い立場だ。」 米内は同情半分でいった。 「名誉ある停戦監視任務のはずが、いきなり攻撃を受けて居留民を保護せねばならなくなったのだから。」 「我が国や米国が考えた以上に中華の怒りは深かったのでしょう。」 「だが、彼らは正義ではない。少なくとも国際社会において。」 「ですな。」 差し出された餌に食いついた米国としては、それを横取りしようとした者を許すわけにはいかない。 そして侵略者の日本人のみを恨む思慮深くいたいけな国という印象はもはや潰えた。 すべてが反転してしまったのだ。 こうなれば、ペットを愛でるような感覚――というよりよくいって後輩を叱咤激励するような優越感混じりの感覚も反転。 まさにかわいさ余って憎さ百倍で報復する。満州事変後の日本にそうしたように。 列強とはそういう存在だ。 すでに艦隊は揚子江河口から侵入を開始している。 さすがに重慶まで遡上するのは厳しいが、黄浦江の入り口から上海市街地までは直線距離で10キロ程度。 十分に艦砲の射程内である。 「ヤーネル提督に連絡を。『ワレに貴艦隊を掩護する栄誉を賜りたし』と。」 戦艦「長門」艦橋に陽性の苦笑が広がった。 それは、関東大震災の被災者救援を申し出た駐日米大使の言葉をそっくり逆にした言葉だったからだ。 プライドの高い日本人が施しは受け取らぬということを読み切った実に見事な言葉である。 おそらくこの返しに気付く者もいるだろう。 だが今はそれでいい。 こういう一言こそが、後世における評価を決定づけることが多いのだ。 ただでさえ、わが帝国は攻撃されそうになったら米国の影に隠れたという印象を与えかねない。 ここは全力で支援をしつつ、名誉を米英両艦隊に贈らなければならない。 「了解しました。」 揚子江に浮かぶジャンク船の一群から必ずや報告は飛ばされているだろう。急がねば。 米内は艦隊を組み直す。 発光信号で返信が届く。「感謝す。誓って合衆国の誉れを見せむ」提督はやる気だ。 一気に20ノットへ増速したアジア艦隊は、損傷をそのままに将旗を掲げた「オーガスタ」を先頭にして突入を開始する。 地平線上には、すでにあちこちから黒煙の上がる上海市街地がうっすら見え始めていた。 240 :ひゅうが:2016/08/25(木) 22 24 02 【あとがき】――「ペイバックタイムだ」byアジア艦隊一同 誤字修正
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959: 影響を受ける人 :2017/05/08(月) 21 41 29 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百九話 ―扶桑海事変-13― ―撃て!― 指揮官型“スズメバチ”の必死の叫びが同胞たちを動かす。 ―墜とせ!― 習性の為に反撃できない“オカ”が粉砕され、当たらない砲弾が“ヤマ” の表面を削る。 ―撃ちまくれぇェェ!!― ようやく落ち着けられると思ったらこれだ。一体相手は何枚の手札を用意しているのか、まったく見当もつかない。 しかも突撃してくる奴のせいで、護衛戦力を総動員しないといけなくなった。 目の前での戦闘は今までの戦闘とは違い、もっとも原始的な戦闘。手足を用い、莫大な魔力に任せて相手を蹂躙する。 まるで採掘した“アレ”の様ではないか。最も、改造によってだいぶ変化しているらしいが、詳細は知らない。 ―撃てぇぇぇぇ!!― 決死の弾幕。しかし相手はそんなモノを意に介さずに、強引に突き進んでくる。 こちらは一撃離脱の為に前方から接近し、後方に抜けるわけだが、敵の長い、何かに絡められては落とされて逝く。 下手に接近しようものなら物理攻撃で粉砕されてしまう。 二体の“アホウドリ” が左右にから攻撃を加えるべく飛翔したが、一体が最も接近した時に高速跳躍で張り付かれた。 慌てて体を揺らして振り落とそうとするも。 「■■■ッ■■■■ォォ! ■ゥ■■■■■■ゥゥ!!」 まるで削岩機のごとく前方から斬り飛ばされ、殴り潰され、叩き潰されて核を破壊されてしまった。 砕け散る同僚に動揺した“アホウドリ”が、なりふり構わずにレーザーをブチ込む。 それに続いて“スズメバチ”達も、とにかく大量に打ち込み始めた。 既に恐慌一歩手前までに統率が乱れ始めており、指揮官型は細かい指示を諦めつつも、何とか統率しようとする。 流石の相手もこの密度の攻撃は嫌がったのか、直上に跳躍して避けた。 ―おっしゃ! 狙い撃ったる!― ―あ、おぃ・・・― 空気が読めない“ヤマ”が主砲で狙い撃とうとしたが、 ―オボアァ!― ―・・・・・・(やっぱりな)― 戦艦と(良くやく届く様になった)重巡の砲撃が降り注ぐ中で、呑気にチャージなど許して貰えるわけが無い。 重巡はチョット小さめの砲弾とは言え、対ネウロイ用砲弾を用いている。 脆いレーザー発射口を粉砕されて“ヤマ”が憤激するが、無視する。自業自得だし。 それはともかく、こちらも仕切り直しをするしかない。 “オカ” に命令して一時的に飛来する全ての砲弾を撃ち落とす様に言い、エネルギーを残さず使用してから位置変換をするように命令する。 計算しながらの移動はどうしても鈍る。だったら思い切って使い切ってからの方が良いだろう。 “オカ”も危機感が有ったのだろう。“ヤマ”の ―アイツぶっ飛ばせー!― 暴言を無視して残った個体で、短照射の連射で砲弾を撃ち落とす。 そしてすぐさま最大出力で発射する。狙われた一隻の前に光の壁が展開されたが、先程よりも高出力で放ったおかげか、曲げられる確度が浅い。 薙ぎ払われるように真ん中より後ろ寄りで切断し爆発、両端が持ち上がり急速に沈んでいく。 その戦果を確認せずに現状迫っている敵に意識を戻すと、ソイツは“スズメバチ”の一体を捕まえて武器のように振るって同胞を潰し回っていた。 慌てて後退を指示したが、ボロボロになった“スズメバチ”を“オカ”に投げつけて突き刺してしまう。 ああなってしまっては容易に復帰などできない。回復役の“ヒラクモ” を呼び寄せようにもアイツらの行動速度は遅い。 再び猛攻撃に打って出た相手に対し、友好的な手段が思いつかない。 速度を取り戻した“オカ”が配置につくのはもう少し時間がいる。再チャージにかける時間はもっといる。 一度止んだ砲撃も再開して始めた。天から砲弾が降り注ぎ、自分も危なくなってきている。 ―不味いですよ!― ―わかってる!! 今、打開策を・・・― ―そうじゃなくて、小さい脅威が迫ってきています!?― ―っな!!??― 960: 影響を受ける人 :2017/05/08(月) 21 42 30 意識を向けてみると、差し向けた “コバエ”の群れが・・・減り過ぎていた。 どうやって減らしたのか皆目見当もつかない。わかるのは危機的状況が更に跳ね上がったという事。 真相は狙撃の危険が無くなったので、単純に戦艦の対空射撃の範囲に誘い込んだだけ。 基本的に“コバエ”はアホだから、あっさり引っ掛った。此方の対処に追われていたせいで、指示を出していなかったのもあるだろう。 だからと言って好転するわけではないが。 取りあえず“ヤマ”にたいして“オカ”にチャージして置く様に指示した。 だが、彼は何も答えない。あれ? ―何をしているんだ?― ―・・・ぃ― ―何だ? 聞こえないが・・・― ―ぅ・・・・・・ぁぃ― ―だから、小さくて聞こえn―うるぅさぁぁぁぁぁぁぁいいいぃぃぃぃ!!!!―うぉ!?― ―― 狐狸部隊 ―― 「クソ、比叡が!」 視線を轟沈していく戦艦に向け、疲労が滲み出ている顔の表情を歪めた。しかし、加藤武子は救援に向かう事無く突撃を続ける 若本徹子が作ったこの機会、けして逃せるものではない。 だから【金剛】【妙高】【羽黒】の三隻も、そのまま突撃を継続している。 誰しもが、硬直を破ったこの機会を逃がさぬまいと動いているのだ。 「あのバカ。あの馬鹿。あの大馬鹿がぁ!!」 「うっさい。」「元気だね。」 先程若本徹子の話を聞いた穴吹智子が、罵りながら立ち塞がろうとする“コバエ”を纏めて切り裂いて進路を抉じ開ける。 不和姉妹も後方から追従して、智子が残した左右の敵を切り裂いていく。 そんな突撃脳筋三人と狐火隊のメンバーが粉砕しなかった敵を、狸釜隊がフォローして殲滅していた 「ああ、もう! もうちょっと、後で援護している人たちの事を考えて欲しい!」 「それは無理なのでは?」 忙しさに涙を流す暇もない黒江綾香の嘆き、を古参のウィッチがあっさり否定する。 あんまりな会話をする上の人達を見て井沢十華は、 (陸軍に入っても、この人たちの下にはいきたくないわ・・・) と賢明な判断をしていた。それが叶うかは別として。 更に後方から大きく迂回してきた敵の狙撃している加東圭子は、目立つ三人を視界の端にとらえつつ苦笑する。 「まったく、智子は変わらないわね。」 「ですね~ ああいうのは、死んでも変わらないかと~」 能天気に江草貴子は酷い事を言い、圭子の顔を引き攣らせる。 そんな中でも銃身は敵を常に補足し続け、能力も全開で稼働し続ける。代償にさっきから頭痛が酷い。 魔力回復薬に栄養補給ドリンクも飲んでいるから、胃の中がさながら毒沼の様にゴボゴボいっている感じがする。 顔色も悪いだろうけど、取りあえずゴーグルで目の周りを見せない様にしているから問題ないだろう。 「サッサとケリを付けないと・・・なに?」 急に“ヤマ”が雄たけびを上げた。同時に、ラミッド型の体に筋が入り始める。 その筋は中央以下に発生し、縦横に二筋走った。そして【ガコン】という音共に、筋を境目としてそれぞれの方角に展開していく。 中央と端、上中下段。それぞれに別れて棚が形成されていく。 更に筋が入らなかった上部が一時的に上昇すると、迫り出した棚の中心部に収まるように降下していく。 八方向に広がった棚の舞台上をよく見ると・・・ワシャワシャと陸戦ネウロイの群れがいた。 「うげぇ・・・」 「まるでゴ○の団子風呂状態ですね~ 戦力が少なくなったので、格納していたのを、出したんですかね~」 圭子が嫌そうにするのと同時に、給弾していた貴子が考察を述べた。こいつはこんなものを見ても平然としている変態か? 内心は冷や汗を流していたが、圭子は取りあえず平静を装う。貴子の考察は半ば当たりで、違っている。 良い様にやれている状況に怒りを燃え上がらせた“ヤマ”が、再び勝手な判断で戦力を展開したのだ。 はっきり言えば愚策。確かに格納戦力は魅力的に見えるかもしれないが、しょせん地上戦力。今必要な航空戦力ではない。 さらに広く展開したという事は、目標が大きくなったという事だ。 相手は、何処でも撃てば敵に命中するわけだから。良い事と言えば一番高い位置にあった自身の弱点を底部に移せたことだけ。 何時までも上空から狙い撃たれるというのは、良い気分では無かったし。 高度がさがりつつあるが、問題はない。はずである。 いきなり引き出された陸戦戦力は戸惑っていたが、こちらにも指揮官型が配置されていたのですぐさま対空攻撃を開始する。罵声と悪態をばら撒きながらだが。 命中し辛い実体弾ではあるが、それでも数でカバーできる。 急造の対空陣地の出現に、反対側から迫っているはずの北郷隊も戸惑いを見せたが、さらに高度を取る事で危険から遠ざかる。 そんな退避している最中、先頭を斬り進んでいる智子はとんでもないモノ発見した。 961: 影響を受ける人 :2017/05/08(月) 21 43 37 「え、あれって・・・」 「列車砲だ。」「でっかい。」 大陸で、実験で使用された列車砲を取り込みネウロイとした巨大な多脚型が、迫りくる戦艦に向けて砲身を向けている。 すぐさま警告をしようとインカムに叫ぼうとし、その前に巨砲が吠えた。 轟音が響き渡り、放物線を描いて戦艦の横に着弾する。 「冗談でしょ! あのデカブツまで相手に出来ないわよ!」 叫びつつも横目で中森彩子を見ると、彼女はニヤリと笑って墳進砲を三つ取り出して見せた。 「こんな事もあろうかと。」 「・・・あんた。誰に似たのよ」 「隊長です。」 ぐうの音も出ない。 取りあえず突っ込む前に通信を繋げる。相手は総隊長の武子。 「あいつは放っておけない。こちらで対処しても?」 『ああ、頼む。反対側にも出たらしくてな、そっちは突撃娘が向かったらしい。』 「了解。・・・回収できるの?」 『してみせると、さ。やる気に満ち溢れすぎて、怒りに肩が震えているそうだが。』 「じゃ、あとで自分も殴らせて言っておいて。」 『自分で言え。それと、一撃離脱で仕留めろ。・・・頼むぞ。』 通信を斬り、眼下の敵陣を睨み付ける。 戦艦と重巡の砲弾が降り注ぐ中、異常な装填速度で巨砲の反撃を放つ異形を見やり、ついで部隊全員の顔が見えるように体勢を変える。 「狐火隊はアイツを潰す! 一発薙ぎ払うから、不和姉妹は雷球で追撃! それで進路が開けしだい突撃する! 後ろから突撃してくる奴は無視しなさい!! 全部私が切り捨てる!!!」 「「「「「了解!!!」」」」」 全員が肯定すると一つ頷いて、最近ではやらなくなった手振り信号で圭子に後を託し、部下共々急降下していく。 圭子自身は徹子に負けず劣らずの突撃馬鹿に、別の意味で頭が痛くなる。 取りあえず見取った手振りは見知ったモノだったので、見ていないのだとしても軽くやっておく。 こういうのは気持ちの問題だ。 「突撃馬鹿が行っちゃったから、こちらの負担が増えるけど後もう少しだからね。」 「まあ、ここまできて失敗なんて言えませんよ。」 「やったります。」 「隊長も無理しないでくださいね。」 「補給はまだ大丈夫です。お任せを。」 頼もしくて涙が出る。 後ろから迫ってきた二手に分かれた“コバエ”の群れだが、もはや脅威と言えるほど残っていない。 それでも後ろから追いすがれるのは御免こうむる。 「後方の敵を迎撃しつつ、前方の敵を攻撃!」 「「「「「無茶難題、了解です!」」」」」 副隊長と隊員一人が後ろ向きで銃を構え、圭子ともう一人が前を見る。 残った二人は再度を守るポジションを維持し、給弾のタイミングをはかる。 短い期間で完成させた陣形。他の陣形もやりたかったが結成が短い犬化隊ではこれしか出来ない。 それでも最善を尽くす。 以上です 戦艦【比叡】が沈没しました。う、運が悪かったんや(ダイスをジャラジャラ 5/8 誤字脱字修正。
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441: 影響を受ける人 :2017/04/05(水) 22 22 34 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百五話 ―扶桑海事変-09― ―― 第一打撃艦隊旗艦:戦艦【紀伊】 ―― 古賀峯一はこの世界に来れたことを感謝と共に、怒りをもって神に祈りをささげている。 まずはもう一度戦艦に乗れること、しかも架空戦記のともいえるアニメの戦艦だ。 映像にはなっていないが、それでも史実世界に生まれなかった船に乗れるというのは転生者ならではだと思っている。 一応前世でも伊吹型戦艦がったが・・・ちょっと違う気がする。あっちはある意味妥協の産物だし。 だから、 一 応 は満足している。 怒りは「また転生か。」と言う事。 前世で戦艦ノリとして、大砲屋として満足する人生を送った。 気が合う友人や、趣向の合う同志に会えたのも大きい。 【古賀峯一】になった時はどうした物かと思ったが、家族も出来て悠々自適の生活が送れた。 自分達の干渉のせいで激変した世界に苦労したが、それでも大往生とげてあの世に旅立った・・・はずだった。 しかし暗い闇の落ちたかと思えば、前世よりも遥かな前に再転生。 「なんでだよ。」と思ったのも無理はない。子供らに看取られて、大満足だったのだから。 その後は、不純な思い(主に女性の下半身の隠蔽率)を抱きつつ、再び海軍に道を定めた。 半ば確信めいた考えもあったがそれは正しく、生活をして行く中で同じような転生者達に巡り合い、前世の有名人たちも転生していると驚き、夢幻会の重鎮に収まった。 「順風満帆・・・とは言えんな。」 「は?」 すぐ後ろにいた副官が反応して此方を向いた。 「あ、ああ・・・ 本来なら、紀伊型四隻で向かう予定だったのだがな。」 「ああ、なるほど。確かに順調とは言えませんね。」 「予定はしょせん未定だ。」 「しかし予定通りに行かせるのも、仕事を持つ者役目です。」 「そうだな。」 取りあえず誤魔化せたようだ。 しかし頭の痛い問題ではある。予定では脱落しても一隻だろうと思われていた。 夢幻会の介入により主砲の換装は早く済ませてあり、対空装備も上げてある。 しかし予想以上の敵圧力、原作にはいなかった種類の出現。これらの結果、甚大な被害をこうむった。 「第二打撃艦隊は上手く捌いたというのに。」 「新参者には負けない。でしょうかね?」 戦艦【長門】を中心としていた第二打撃艦隊の“オニグモ”撃破は遅れると思われいた。 無論最初は警戒して詰め寄らない敵に業を燃やしたが、後背から忍び寄る様に接近していた戦艦【陸奥】の砲撃により、特徴的な足を破壊する事に成功する。 結果的に奇襲となった事で敵の足並みが乱れ、速力を上げた【長門】【伊勢】【日向】が【陸奥】との間に挟むように移動して攻撃を開始。 機動力を破壊された“オニグモ”は、なんとかその場で旋回して【陸奥】に攻撃を仕掛けたが時すでに遅く。 【陸奥】の護衛としてついてきていた重巡【田代】【焼石】が、猛烈な対空砲火でもって攻撃能力を減殺し。 交戦から30分もしない内に沈めてしまった。 【陸奥】が合流を急いだことと、挟撃できると踏んだからこそ短時間で仕留める事ができたのだ。 その際、恐慌状態に陥ったネウロイが逃げ出す者達と、果敢に反撃に出る者達に分裂してしまった事だけが、唯一の計算外だった。 逃げ出した一部のネウロイが第二機動艦隊に向かい、偶発的な戦闘を引き起こして、空母【飛龍】が被弾して発艦不能になった事も含めて。 「後は時間との勝負だ。」 「ええ。敵の交代する為の戦力が来る前に仕留めなければ・・・」 「作戦は失敗する確率が大きくなる。」 本当に嫌になると思う。しかし前世でも、よくあったのである意味慣れた。 艦隊は駆逐艦と軽巡を置いて既に台風に突入している。 戦隊が猛烈な風と波の影響を受けて、右へ左へと傾く。今更ながら本当に無茶な作戦だと思う。 船乗りとなって、航海は危険が付き物だと経験している。要因は大小さまざまだが、一つ間違えれば死に直結するのだ。 敵戦力を可能な限り集中した航空戦力で漸減させ、決戦戦力でありながら囮となった打撃艦隊でエネルギー消費を狙う。 442: 影響を受ける人 :2017/04/05(水) 22 23 47 交戦した敵戦力は交代時間半ばであったから、あっと言う間に息切れを起こして大陸に戻らなければならない。 補給地点となるブラウシュテルマーの建設をしていないが為に、侵攻を急いだ敵は長距離を戻らないと息継ぎが出来ない。 まさに餓島にきた零戦のような状況に追い込まれるわけだ。 そして交代する予定の次戦力は、交戦した時間が短いほど時間の間が空く。 その間に“ヤマ”を仕留めなければならない。 「時間制限つきプレイは前前世でも、苦手だったなぁ・・・」 「今この時代に無いゲーム機など、喋らんでください。」 振り返って副官をじろりと睨む。副官はキリッ!とした表情で言い放った。 「やりたくなっちゃうじゃないですか。」 「すみません。」 素直に謝る偉い人。 その茶番をしっかり見ていた艦長は、もう突っ込みを入れるのやめている。 一々付き合っていたらメンタルが持たない。っと。急に視界が明けた。 台風を抜けたのだ。 「おぉ・・・」 艦長は思わず感嘆の声を上げる。 暗い防風の中を突き抜け、解放さるかのように飛び込んできた陽光は、気持ちを僅かでも向上させてくれた。 しかしすぐに気を引き締める。報告によれば、大量の“コバエ”が存在するという。 小生意気にレーザーを発射してくるる為、艦艇には驚異的な敵と見られている。 “オニグモ”は大型だけあって主砲も使える。しかし“コバエ”は小さいうえにすばしっこいので当てにくい。 群れで動く分まだ殲滅しやすい、が小集団になると面倒になるというのが共通認識になっている。 しかしその心配はしなくてもよい状況となっていた。 “コバエ”の群れは、すでに到着していた第二打撃艦隊に向かっていたから。 ―― 第二打撃艦隊旗艦:戦艦【長門】 ―― 少し時間は巻戻る。 堀川吉郎は台風から出ると、すぐさま上空に双眼鏡を向けた。 視線の先ではウィッチの部隊が応戦しているのが見える。報告の通り苦戦しているようだ。 「ふむ・・・」 状況をすぐに認識し、後ろを振り向かずに言った。 「一発ぶちかませ。」 「了解しました。主砲、射撃開始! 相手はデカブツだ。全弾命中させよ!」 砲術長が答え、すぐさま指示がとんだ。 すでに【長門】と【陸奥】の主砲は仰角がつけられており、いつでも発射可能になっていた。 だから間をおかずに主砲は轟音と共に鉄塊を吐き出す。そして、あっさり全弾命中した。 台風の目に突入して、ほぼ間を開かずに攻撃したおかげで迎撃されずにダメージを与えたことに、幾人かの船員が握り拳を作る。 「まだまだ【長門】と【陸奥】は働けるな。」 「なに。まだ後輩に道を譲るには早いですからな。」 嬉しげに呟く堀川に対して副官もにやりと笑う。 士気が向上した第二打撃艦隊に対し、攻撃を喰らった側は混乱するとともに怒りを向けた。 “ヤマ”の主砲が戦艦【長門】に向けられて発射される。だが、巨大なシールドであっさり防がれる。 その事実に対して“ヤマ”は憤激にかられ、全ての護衛に排除を命令した。 指揮官型も脅威の出現に対して狼狽していたが、さすがに激戦を潜り抜けた個体だけあって立ち直りは早かった。 すぐに細かい命令を下し、“コバエ”を包囲するように突撃させる。 もっとも脅威が高いモノが来た以上、空を飛ぶ小さなモノに対しては時間稼ぎでいい。 だが、同じように突撃しようとしていた“アホウドリ”二体は押しとどめた。 敵は狡猾だ。自分たちをここに閉じ込めて、現れた敵戦力が た っ た こ れ だ け のはずが無い。 指揮官型の考えはあっている。 この戦場に現れた戦艦四隻の他に、あと十隻やってくるのだから。 だから戦力の温存は当たっていた。ただし、 「【伊勢】【日向】、出ます。」 「うむ。」 戦艦と言う、 「“コバエ”か・・・」 戦力価値をよく知らないが故に、 「対空戦艦になった、二隻の敵ではないな。」 その考えは間違いになってしまう。 【伊勢】【日向】に対空射程範囲に入った“コバエ”達は二隻が放ち始めた対空砲火に飲まれて砕け散っていく。 退避する輸送船団を守り、時折少数で前線を無視してやってくる敵相手にしていた二隻は、連合艦隊内でもっともネウロイ相手の対空戦闘が得意な戦艦となっていた。 無論【山代】【若狭】も同じように対空戦闘が出来る。四隻そろっていれば、その対空砲火はさらに苛烈になっていただろう。 それでも、戦艦と言う地上戦力とは比べ物にならない密度の火力は、彼等にとって未知の事だった。 443: 影響を受ける人 :2017/04/05(水) 22 24 21 もし襲撃していた生き残りがいればよかったのだが、最悪なことに誰も帰ってこなかった。 夢幻会としても、海軍としても、情報を持ち帰るような行為だけは避けたかったが為に、襲撃者はすべて殲滅していたのがここに来て役に立った。 先程まで襲撃を担当していた構成部隊が、燃料切れになって大急ぎで戻ってしまい。報告がされなかったことも、要因となった。 “コバエ”とともに突撃した“スズメバチ”があっと言う間に粉砕され、指揮官型はしばし呆然となる。 すぐに正気に戻ると、なけなしの戦力である“アホウドリ”二体に挟撃を命じた。 遅れて正気に戻った“ヤマ”が猛烈に抗議するが右から左に受け流す。 いま指揮官型がする事は可能な限りの時間稼ぎ。とにかく味方が到着すれば何とかなる。 だが、そんな考えをあざ笑うかのように反対側に別の戦力が出現した。 第一打撃艦隊が到着し他のはこの時。 双眼鏡で艦隊を確認した堀川は、ニヤリと笑いつつ伝令を呼んだ。 「第一打撃艦隊に電文。 『我、第一撃を与えたり。共に奮闘せん』とな。」 言い終わると同時に、【長門】と【陸奥】は第二射撃を放った。 ―― 北郷隊:学徒兵 ―― 「す、すげぇ・・・」 「うわぁ。」 「・・・・・・」 初めて目にする戦艦の火力に、学徒兵も見とれるように見つめていた。 しかし、すぐさま御叱りの言葉が通信機から飛んできて鼓膜を揺らす。 慌てて周囲を警戒するが、足止めの少数戦力だけとなったので先程よりは対処しやすくなっている。 二回三回攻撃を加えると、竹井醇子は通信機に手を添えた。 「こちら観測班。応答をお願いします。」 『こちら北郷だ。どうした。トラブルか? それとも下か?』 「ちがいます。」 『ア、ハイ。スミマセン。』 なんとなく和ませようとした北郷章香は、精神的成長をとげた冷徹かつきっぱりとした低い声の否定に、思わず謝ってしまった。 それに気が付いき、慌てて軽く咳をして調子を整える。それを見計らって、醇子は伝えるべきことを通信機越しに告げた。 「これより観測班は任務を遂行します。」 『ふむ・・・』 一時沈黙した。恐らく周囲の戦況を確認しているのだろう。 しかし割と早めに答えが返ってきた。 『承知した。任務を遂行せよ。』 「はい!」 醇子が元気よく返答して振り返ると、幼馴染の二人が背を向けつつ迎撃しているのにも拘らず、こちらがわかる様に親指を上げていた。 「それじゃ。美緒ちゃん、行こう!」 「わかってる。徹子?!」 「もう切り上げた。いけるぞ!」 三人は、そのまま飛翔して観測が安全に出来そうなポイントを探しにいく。 同時に第二打撃艦隊の艦砲射撃が放たれるのであった。 いじょうです。 視点移動が大変やねんなぁ・・・ でもそうしないと、ネタと戦場風景が・・・
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848. ひゅうが 2011/11/04(金) 09 12 04 提督たちの憂鬱について14の513氏に触発されて。昨今の情勢からすると火薬庫で火遊びなみのネタですが一筆。 ――あいつのことか。ああ、知っている。 知っているか?人類最強職は三つの種類を持っている。 エンジニア。 ジャーナリスト。 そして物理学者。 この3つだ。 アイツは――「チューリヒ特許局の片翼」といわれた男。 「彼」の相棒―― 「よう相棒。いい眺めだ。」 「この黒鉛の塊が、人類を変える。」 私は彼を追っている。 あれは、あの戦争がはじまった、妙に寒い日だった―― 「ニューヨークが海に飲まれた!?」 「すぐに電源を復旧しろ!暴動だかなんだかは知らないが今これを止めたら――」 「修復隊へ。撤退は許可できない。水をかけ続けろ。」 「だろうな。死亡保険金上乗せだ。」 「こちら消防隊。可能な限り援護する。」 「青白い光は俺の見えないところで漏らしてくれよ・・・」 アイオワ・パイルは謎が多い。 誰もが名前は知っているのに、燃料の種類すら分からない。 分かっているのは、誰もが被害者になったことだ。 「統括より全技術者へ。黒鉛火災の鎮火のため、爆圧消火法を試す。退避せよ。」 「黒鉛ブロックは崩れかけてるんだぞ!むき出しの反応体を誰が掴むってんだ!」 「獅子狩りだ。」 「『円卓』が水蒸気爆発を起こしている!」 「『円卓』が何だ。俺がやってやる!」 「『消火』にルールはない。あるのは誰も想定したことがない状況と、想像でしかない方法だけ。ただ消火するだけだ。」 「この戦いは、反応体がこの世から消え去るまで終わらない。」 「受け入れろ。小僧。これが『第3の火』だ。」 「シカゴの犬が!」 「撃てよ臆病者・・・・撃てええええっ!!」 消火(交戦)規定はただひとつ――生き残れ。 「生き残るぞ、ガルム1。」 「あんんたもな。アインシュタイン。」 ――エース・オブ・アイオワ 〜Pressure Zero〜19XX年○月×日 全国大映系ロードショー。 【あとがき】ネタもとは某名作ゲーム。 提督たちの憂鬱世界でもアレが作られていたらこんな悪夢が現出しそうで恐ろしくなったので書きました。
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219: 194 :2017/07/09(日) 10 56 44 ちょっと、話の統合性が取れない所とかがあったので、修正版を投下します。 ※<の部分は扉越しのセリフです。 総統閣下は神崎島の出現にお喜びのようです 「太平洋の一角に神崎島という島が出現しました」 「かの島には、艦これに登場する全ての艦娘・妖精さん・鹵獲した深海棲艦達が実在しているとの事」 「彼女達自身の証言によると艦娘として転生後、深海棲艦達と気の遠くなる様な激戦の末に勝利・講和を結ぶ事に成功し」 「平和になった矢先に、この世界に戻ってきたとの事です」 「遂にビス子やプリ子達と、ケッコンカッコガチが出来る日が来た訳だな」 「・・・総統閣下。・・・残念ながら・・・・・」 「彼女等の指揮官である神崎提督と、既にケッコンカッコカリをしております」 「全ての艦娘・妖精さん・深海棲艦達全員とです」 \ ` ⌒´. / / \ / / / /: プル ○-○ ( ̄ ̄ / プル  ̄ ̄ 「「デスヨネーw」とか、「NTRキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」とか思った奴は、此処に残れ・・・」 (ガチャ ゾロゾロ・・・) (・・・バタン) 「何だよこのリアルハーレムは!」 「全ての娘達とカッコカリとかどんなリア充だ!!」 「というか」 <艦娘ばかりか、妖精さんや深海棲艦達までとかマジふざけんな!! <最近の転生物()なハーレム展開なネット小説も真っ青じゃねーか!! <どんだけチートなリア充なんだよ!! 「全員となるとどう考えても300は下らないじゃねーかよ!!」 「にもかかわらず、平然と全員とカッコカリしてしまう」 「チートな神崎提督なんて大っ嫌いだ!!!」 「しかしNTRスキーの面々は歓喜しております」 「そんなの極一部だけじゃねーか!ワシ等には普通に罰ゲームだ、バーカ!!」 「幾ら何でも、転移前にカッコカリを済ませている以上どうしようも」 「だからと言って、ワシの嫁達が寝取られている光景を黙ってみていられるか!!」 \ガンッ/ 「チクショーメー!!!」 220: 194 :2017/07/09(日) 10 57 25 「そもそも嫁達が実体化するとか、普通なら起こらない奇跡に全てのT督達は喜んだ」 「それこそ、国や国籍・人種を問わずだ」 <だが、いざ出現した嫁達が揃いも揃って <神崎提督と全員がケッコンカッコカリ済みだとは 「「読めなかった・・・この海のリハクの(ry」って言いたくもなるわ!!」 「私もやるべきだった・・・!」 「全ての艦娘達との重婚の為の超重課金プレイを(※100万200万は当たり前なレベルで)」 「スターリンの様にやるべきだった!!!!!」 (私に隙は無かった) 「・・・確かに、彼女達自身の気持ちも理解するべきだ」 「本当に・・・彼女達の幸せを望むなら・・・・・」 「寧ろ祝福して然るべきだと・・・」 「だが、それでも・・・」 「悔しいのは、やっぱ悔しいんだよ!!」 「「( ゚∀゚)o彡゚ おっぱいぷるんぷるん!」な」 「ビス子やプリ子・グラ子達を根こそぎ取られたのが」 「この世界にワシの居場所はない」 「ならばワシは、電子の海の世界に旅立つ!!」 「魔法使い(意味深)になって、電子の海へと繰り出す!!」 「・・・いざとなったら、殴ってでも止めないとね」 (おう、取り敢えず最初は私に殴らせろ(怒)) 221: 194 :2017/07/09(日) 10 58 04 「・・・レーベたんやマックスたんもどうにもならない・・・」 「うーちゃんに至っては、ろーちゃんに垢抜ける有り様だ・・・」 「そして全員が神崎の嫁・・・」 「奪還は絶望的だ・・・」 「だがワシは諦めない」 「未実装艦がどうなっているかの情報はまだ出てない以上」 「ワンチャンは有ると、ワシは信じている・・・」 「・・・取り敢えず、シャルンかティルピッツの実装化はよ」(なおやっぱりケッコンカッコカリ済みだった模様。現実は非情である)←殴 222: 194 :2017/07/09(日) 10 59 33 改めて、以上です。未実装艦に関してはまだ明言がなされていないので、その辺りを変更した次第。 wiki掲載時は、此方の方をお願いします。
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60 :第三帝国:2014/07/03(木) 21 35 18 戦後夢幻会ネタSS~「死闘のソロモン~第1次ソロモン海戦」 連合軍、ガダルカナル島へ来る! との報告を受けて8月7日からラバウルから臨時編成された第八艦隊が出撃する。 これは制空権が確保されていない海域へ殴りこむ、 危険なものであったが幾つかの幸運の下、8日深夜ついにガタルカナル島へたどり着く。 重巡『鳥海』『青葉』『衣笠』『加古』『古鷹』 軽巡『天龍』『夕張』 駆逐艦『夕凪』 サボ島南方に到達した午前11時30分。 三川提督より『全軍突撃せよ』が下令され全艦一斉に襲撃運動に入る。 午後11時47分、連合軍南方艦隊を発見。 照明弾の下『鳥海』が距離3500で魚雷を4本発射、重巡『シカゴ』に3本の命中、炎上を確認。 後続も重巡『キャンベラ』と米重巡『シカゴ』、随伴していた米駆逐艦『パターソン』に向けて砲雷撃戦を開始。 重巡『シカゴ』『キャンベラ』駆逐艦『パターソン』に反撃する暇を与える前に大破させてしまう。 一方的な勝利を勝ち取った三川艦隊だが、 『古鷹』『天龍』が回避機動をとったたため、一度戦列から離れる。 しかし、結果的に二手に分かれたたため、次の戦いでは挟撃するような形になった。 さらに午後11時53分連合軍北方部隊を発見した『鳥海』は距離4000で主砲を斉射。 後続の各艦も次々と砲撃を開始し、重巡『アストリア』は味方との同士討ちをしていると勘違いしたまま沈没。 重巡『ヴィンセンス』『クインシー』は辛うじて応戦し、『鳥海』の1番砲塔を使用不能にししたが、 日付が翌日に変わった直後分離した『古鷹』『天龍』が反対側から雷撃、これが命中し『ヴィンセンス』『クインシー』が横転。 残った駆逐艦『ヘルム』『ウィルソン』の2隻も距離5000かそれ以下の距離から挟み撃ちにされる形で砲撃を受けて沈没。 連合軍北方部隊もここで一隻残らず全滅してしまった。 サボ島北方に集結した三川艦隊はそのまま船団に突撃するか意見が分かれたが。 だが転生者に発破を掛けられ自ら旗艦『鳥海』に乗り込んだ第八艦隊作戦参謀、神大佐が敵輸送船撃破を強く主張。 さらに司令官の三川提督は前世では栗田であったため、三川提督は攻撃を選択した。 『海軍ノ伝統ニ従イ見敵必殺。全艦我ニ続ケ』 午前12時10分。 未だ炎上する敵艦をバックライトに進軍を続行。 三川艦隊は、そのまま隊列を保ったままサボ島を一周すると米船団に向けて突撃を開始。 そして、流石に一連の戦闘に気づいた連合軍スコット少将率いる東方部隊は三川艦隊の迎撃に出る。 重巡『オーストラリア』 軽巡『サン・ファン』『ホバート』 駆逐艦『モンセン』『ブキャナン』 確かに数の上では重巡洋5対3。軽巡2対2。駆逐艦1対2。 とやりようによっては連合軍に勝機は見出せたが、この時の帝国海軍の夜戦における練度は連合軍を優越しており、 空から日本の水偵から落とされた吊光弾による背景照明でその姿が暴露されると、たちまち至近距離から砲弾が飛んで来た。 未だレーダー射撃がない夜間戦闘ならば日本側が圧倒的に優位であった。 だが、それでもスコット艦隊は自らの全滅と引き換えに重巡『加古』を大破させる事に成功、後に自沈。 しかし三川艦隊の進撃を止めることは適わず、艦隊は泊地へ突入。 脱出中の高速輸送船も血に酔い狂い30ノットを出せる三川艦隊から逃れることは適わず、全滅。 揚陸されていなかった重装備、食料を全て失うことになる。 特に海兵隊にとって最悪だったのは神参謀の意見具申で山積みされている物資に対して艦砲射撃を実行。 そのせいで海軍から取り残された米軍海兵隊の物資は欠乏し、1日の食事は1食に制限されてしまう。 史実と違い飛行場および橋頭堡が強化は大幅に遅れることになる。 加えて翌日にはアメリカの混乱の最中に敷設艦『津軽』輸送船『明陽丸』砕氷艦『宗谷』で輸送された海軍陸戦隊が上陸。 敵情を誤認したのと、夢幻会が未だ主導権を握っていないなど、幾つかの偶然でガタルカナル島へ到着してしまう。 だが、アメリカ側もまた日本の戦力を本格的な逆上陸と誤認。 そして、それがアメリカ軍の戦力を一層ガタルカナル島に集中させ、血泥みの消耗戦の幕が開いた。
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420: 635 :2018/09/05(水) 15 33 47 銀河連合日本×艦これ神崎島ネタSS「私は日本人である」 彼はすこぶる機嫌が悪かった。 目の前にいる人物達がそもそもの原因だ。 なぜこんなやつらと会話せねばならないのかと思いたくなるが、日本からの要請であるからして仕方ない。 今回担当となった人物も物凄く申し訳なさそうにしていたが。 「貴方は平和を愛する我と同じ半島出身だ!貴方なら神崎島を変えられる!」 「そうだ!神崎島の軍国主義を打倒し、憲法9条を神崎島にも広めるのが貴方の崇高な使命だ!!」 「我々も協力するから、軍国主義者を神崎島から追い出そう!」 「民主主義を神崎島にも広めなければ。」 こいつらは何を言っているのだろうかと彼は考える。 自分は確かに半島出身だがあの時代では日本生まれの日本育ちだ。 神崎島の半島出身者の妖精と話がしたいと、 朝鮮総連に在日本大韓民国民団、民主生活党、日本共産連盟などが二藤部政権に話を持って来たのがそもそもの始まりだ。 彼らは神崎島に平和主義を広め、独裁的な神崎博之提督の現政権を打倒することこそ己が使命として思っている。 その裏には半島や大陸がいることは間違いない。 二藤部政権もそれは分かっているが自由民主主義である以上止める事はできない。 表向き同胞との再会を謳っているからだ。 二藤部総理は苦々しく思いながらも神崎博之提督に要請を行い、この場を設けることとなった。 「貴方達は神崎島勘違いされているようだが、神崎島には議会はあるし、軍事第一優先だったのは当時の状況上仕方ないことだ。」 何度この説明をしただろう。 こいつらは全く話を聞きゃしない。 神崎博之提督は事実だけ見れば独裁者と言っていいだろう、しかし周囲や神崎島の住民の意見には耳を傾ける、 国益を損なうような判断はしない、選挙こそないが神崎島全体からの支持もある以上、神崎島住民の代表と言ってもいい。 現状において提督ほど神崎島の国家元首として相応しい人物もいない。 まあ、彼らはその事実がお気に召さないので悪の独裁者にしたいようだが。 「貴方は騙されているんだ!!」 「そうだ!神崎博之などより同じ国の人間の話を信じるべきだ!」 「貴方の出生地は韓国だ。貴方は韓国人なんだ!」 ぶちっ。 何かが切れる音がした。 こいつらはなんと言った? 自分が韓国人? 日本で生まれた自分が韓国人だと? 421: 635 :2018/09/05(水) 15 34 30 「貴方方は勘違いされているようだ。私は大日本帝国の朝鮮半島で生まれた日本人だ。」 怒りを覚えたが彼らに対して自分は日本人だと宣言をする。 それは紛れもない事実だ。自分は同じ日本人の戦友と共に戦い、散っていった日本人だ。 今は妖精となったが自分の故郷は日本だ。 「njsdahfunjchuisl!!」 「kasjlhdshnahfikasluqip;;.fadjui!!」 彼らは喚き散らしているが何をいっているのか分からない。 彼らがなんで怒っているのか分からない。 その事実が彼らが自分にとって"外国人"であると認識させた。 「このまま続けても平行線なだけです。お引取り下さい。」 こちらを罵倒する言葉を吐き彼らは退出していった。 日本人である自分には全く理解出来ない彼らを見て、 自分の生まれた地がもう日本ではないのだと理解した。 彼らは数十分に渡り汚い言葉を吐き続け、 覚えていろよという三流の悪役のような言葉を放ち退出した。 「どうやればあんな風になるのなるのやら。」 日本人で妖精な彼には理解出来ない話である。 あんな元祖国の一部だった隣国が存在する現在の祖国を同情してしまう。 どうすれば日本人があんな人間になるのか理解に苦しむ。 しかし、それ以上に彼らに同調する日本人がよく分からない。 歴史好きだった彼は日本の近代史や現代史を調べて見ようかとも思う。 「お疲れさまでいた。こんな事をお願いして申し訳ありません。」 「いえいえ、民主主義国家である以上仕方ありませんよ。」 担当者が申し訳なさそうに話しかけてきたが、あんな要望にもしっかり答えるということは、 民主主義が機能している証拠だ。 戦時中の祖国や現在の大陸、半島を思えば今回のようなことがあっても現在の祖国の方が好ましい。 「この後空いてますか?おごりますからよろしければ良い店で一杯どうですか?」 「いいんですか?接待とかそういうのであればお互いどうかと…。」 「いえいえ、今回は大変だったので個人的に誰かと飲みたいんですよ。」 「ではお言葉に甘えて一杯いきますか!!」 「仕事終わりの一杯は格別ですからね。」 一仕事終えた終えた後の一杯。 ささやかだけどこれが幸せというものだ。 つくづく日本人に生まれて良かったと思う。 422: 635 :2018/09/05(水) 15 44 26 以上になります。 神崎島の妖精さんは大日本帝国人の妖精さんがいるので 半島出身の朝鮮民族な普通の日本人妖精もいるだろうと書きました。 彼は日本人として戦い散っていきました。 彼の出身地だった場所はもう他国となり、そこに住む住民は外国人でしかありません。 そんな外地出身の日本人達はそんな他国を見てどう感じたのか 少し考えてもあまりいい気分にはなりそうにありません。 掲載はご自由にどうぞ。
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334: ① :2013/08/04(日) 22 21 56 征途世界のDDRがパッとしないので、少し弩派手なアクションを起こさせてみる ちょっと屈折した藤堂兄さんのドイツ版 「ポーランドのほうが騒がしいようだね」 「同志ホーネッカー、レーフ・ワレーサは労働者の待遇改善にデモとストライキを行っております」 シュタージ長官、マルクス・ヴォルフ少将が怜悧な視線で説明する。 「共産主義国家では労働者の待遇は最高のもののはずだ、それがポーランドではうまくいっていないと?」 「所詮、ポーランド人です。彼らは共産主義というものがわかっていません」 「それでポーランドはどう対処すると?」 「戒厳令を引きワレーサを逮捕すると、ソ連の介入を恐れているのでしょう」 「ふむ…ヴォルフ少将、それは最善の策と思うかね?」 「国際的批難は浴びるでしょうが、ソ連の介入を防ぐには…」 「いや、そういうことではない。ポーランド戒厳令後、経済的に停滞するのは明白ではないのかね?」 「そういうことは私は専門ではありませんが…そのような事態になるのは明白かと」 ヴォルフは少し顔をしかめながら言う。 (あなたがベルリンの壁を築いた時のように…) ホーネッカーは修正された社会主義を訴えて国家資本の再整備を訴えたウルブリヒトを粛清し、ベルリンの壁まで作って共産主義のDDRを守ってきた男、いわばソ連の手先となっている男だ。 「私が壁を築いた時と同じだな、しかし、DDRには「兄弟」がいて何とかなっている、ポーランドにはそんな兄弟はいない、ちがうかね」 「その通りですが…」 ヴォルフは腹の中を見透かされたようなホーネッカーの物言いに背筋が寒くなる。 (しかし、何を考えている?この老人は?) この期に及んでポーランドの情勢に関心を持つのか、シュタージ「A」総局長兼国家保安省次官ヴォルフ少将にはその真意が諮りかねていた。 しかし、次のホーネッカーの言葉にヴォルフは信じられなかった。 「ダンツィヒをもうポーランド人に任せてはいけない時期が来たということだ。ヴォルフ少将、命令を伝える。 シュタージは国家人民軍と共同し、西プロイセン及びシュレージェンに進駐の準備を行いたまえ」 「ど、同志!そんなことをしては…」 「大丈夫だ、ブレジネフの許可は得てある。西プロイセン及びシュレージェン地方の経済再建を我々DDRが行うことでな」 「しかし、DDRの国際的評価が…」 「さっきも言っただろう、我々には兄弟がいる。どんなに国際的孤立を深めても、我々が奴らの代わりに「失われた土地」を取り戻すのだ。 兄弟は我々を見捨てない」 「そういうことなら…」 「行け、機会を逃すとあの土地は我々の手元に戻らない」 ヴォルフ少将は敬礼を掲げるとすばやく部屋を立ち去った。 エーリッヒ・ホーネッカーは部屋に一人になると、胸元からロケットを取り出す。 「マリア…そしてパウル、ゴッドハルト…ようやく故郷に帰れるよ…」 ベルリン戦で死んだ妻の遺影を見ながらホーネッカーは呟いた 独ソ戦のさなか、共産主義者エーリッヒ・ホーネッカーと入れ替わり、スパイとして共産主義者たちの中に入り込んだ。 祖国は滅び分断されたが、彼は滅びた祖国からの最後の司令を忠実に守り機会をうかがっていたのだ。 祖国からの最後の指令、それは「祖国を再統一せよ」 そのために屈辱も忘れ、ひたすらアカどもの尻の穴まで舐めてきたのだ。 「ドイツは甦る、何度でもな…」 エーリッヒ・ホーネッカーこと、ナチス親衛隊隊員、アーダルベルト・フォン・ギースラー親衛隊大佐はその視線を窓の外に向けた。 その視線の先にはポーランド、いや時間をさかのぼる郷愁の視線であった。幼い頃の妻と自分と兄弟との思い出の地に。 誤変換修正
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125 :ひゅうが:2012/02/17(金) 22 12 48 技術的向上をしていますので義体だけでも一定上でしょうから、+装甲服などはすさまじいことになってそうですね。 軍服だけでも一定以上の抗甚性を持っていそうですから、帝国軍や同盟軍の旧式戦車相手に「対戦車肉攻」やらかして勝てるとか。 ――なんという旧帝国陸軍夢の世界w というわけでねつ造設定。 ネタ設定――軽装武装令 日本帝国宇宙軍は本質的に劣勢な状況での迎撃戦を想定していたために、その個人武装は強大化の一途をたどった。 たとえば日系国家群やUNIG諸国で一般化した義体化がそれであるが、加えて宇宙空間や惑星上での個人戦闘(白兵戦)もまた重視された。 そのために装甲の強化や義体にあわせたパワードスーツが実用化され、さながら対戦車歩兵のように各所で活躍するようになったのだが、ここで宇宙軍は気付いた。 「やりすぎじゃね?」と。 そのため、警備や通常の銃撃戦(この言葉が使われる時点で普通ではない)が行われるときの防御能力を備えた常勤服や戦闘服が制定されたのだが、今度は逆にそれらの中間が問題となった。 たとえば、宇宙船内での白兵戦である。 この際に使用すべき防御兵装をどうするか―― 一応こちらも常勤服や戦闘服に付属する形で支給することとなったのだが、ここで問題が生じた。 提督や士官以上の人々が白兵戦を指揮しつつ戦闘を行うにはどうすればいいのか。 専用のものを作ってもいいのだが、それを支給するのでは下士官兵に不公平感がつのってしまう。 この難問は、「士官の義務」として自弁を要求される軍服と同様、士官以上の自弁での調達を義務付けるとともに兵や下士官たちにも(名目上は)購入装備を許可するという結論で解決された。 その際に「軍用規格を満たしていればデザインは(軍籍表示があれば)自由」としたのである。 そして出来上がった「装甲甲冑」と呼ばれる士官以上用の重防護服は、これ以後独自のデザインの発展を遂げていくことになるのである。 なお、嶋田提督には宇宙軍有志のデザインによる「騎士甲冑」と「武士甲冑」の二種が半額支給で渡されているそうな(笑)