約 31,427 件
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/7162.html
いくさば あすをつかむはしとうのさき 収録作品:世界樹の迷宮V 長き神話の果て[3DS] 作曲者:古代祐三 概要 本作におけるストーリー後半の第四階層・第五階層で流れる通常戦闘曲。PVでも使用された。 ストリング主体だった前半の通常戦闘曲と比べよりエレキギターを強調させており、一層ハードになる戦闘を印象付けてくる。 途中からサックスの音色が入ってくるのが特徴的で、サビの部分のエレキギターとサックスによる掛け合いはとても熱い。 なおこのサックスの奏者は伊勢賢治氏が担当。伊勢氏は後の『世界樹と不思議のダンジョン2』でもサックス奏者として参加している。 またサビが終わって曲がループするかと思えば、ここでさらにギターソロが始まり続いて全く違うメロディーによるサビが入り出す。 いわば1つの曲に2つのサビが使われているという豪華な構成で、そのため1ループも2分強と通常戦闘曲にしてはけっこう長め。 「ここからが本番」をしっかり伝えてくるスリリングな曲調であると同時に、世界樹らしい爽やかさも感じさせる完成度の高い1曲である。 本作での通常戦闘曲は先制時・通常・奇襲時によってそれぞれイントロが異なるという仕様が採用されている。 この曲では特に先制時のイントロが入ったバージョンが人気を集めており、この高揚感のあるイントロがあるとないとではけっこう印象が違う。 この先制時イントロを聞きたいがために、パーティを先制スキル持ちで固めてしまうプレイヤーもいるとか。 サントラでは先制時のイントロが入ったバージョンが収録されているので、ファンの人なら安心してほしい。 『世界樹の迷宮X』ではクリア後に行ける第十四迷宮「奈落ノ霊堂」での通常戦闘で使われている。見事最後の迷宮の戦闘曲として選ばれた。 ただダンジョンの暗い雰囲気や音楽に対して、戦闘曲があまりにも明るすぎるという意見も…。 過去ランキング順位 第11回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 41位 第12回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 180位 第13回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 596位 第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 319位 第16回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 313位 みんなで決める2016年の新曲ランキング 12位 みんなで決める通常戦闘曲ベスト100 54位 サウンドトラック ニンテンドー3DSソフト「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」 オリジナル・サウンドトラック
https://w.atwiki.jp/hachinai_nanj/pages/649.html
【度胸を掴む一歩】直江 太結 (遊) 最終更新日時 2021/03/30 12 55 42 このページを編集 ★ 覚醒前画像▼ 属性 レア 守備適性 - - - - - 〇 〇 ◎ - △ - キャラ総評 イベントマッチ熱夏の始まりの報酬として登場。 2018年8月中旬に行われる強豪イベントに有効なカウンタースキル発動のピースである才能「夢追人」を持つ。 性能としては最近のたゆたゆの傾向通り守備が高めで、チームスキルの鉄壁の内野陣を容易に発動できるのが強み。 スキルや才能も守備面を強化するものが多く、鉄壁イベなどではガチャ産を差し置いての起用もありえる。 一方で打撃面はお世辞にも優秀とはいえない。というか無凸だと正直悲惨なレベル。 風属性の遊撃は最大の強豪相手に自身がいるが、入手のしやすさはこちらの方がはるかに上。 あちらを所持していないならば属性染めなどで案外出番はあるかも。 試合評価 * ミート パワー 走 力 守 備 素パラメータ 2776 2587 3313 3943 打撃恒常スキル後パラメータ 3326 3137 3812 5043 守備恒常スキル後パラメータ 3326 3137 4113 5343 初打席 - +300 - - 1~6回まで(全体) - +100 +100 - 走力1凸で鉄壁発動ラインなのでとりあえずそこに凸は確定。 ちなみにたゆたゆは信頼度を上げても走力が伸びないキャラなので、たとえ信頼度7のガチすこ勢でも走力凸は必要。 後はミートとパワーに振ってささやかな打撃面を強化してあげればええんちゃう。 ミートは逆立ちしても3500に届かないので、チームスキルを活用するなら走力3500超えを活かして先鋒(1~3)で起用することになる。 とはいえこの打撃能力で上位打線に置くのが果たして適切な起用なのかどうか…。 デレスト評価 メニュー ランク カード名 属性 力 速 技 効果 練習メニュー ★★ バント練習 風 9 0 20 - 追加メニュー ★★★ ベースランニング 風 25 0 40 - 追加メニュー ★★ バント練習 風 9 0 20 - とても平凡なたゆたゆ~ スキル解説 ランク スキル名 効果 入手可能デレスト1 入手可能デレスト2 ★★ 新しい自分に飛び込む 守備時、自身の守備・走力が上昇し、エラー回避率が大幅に上昇する 練習なくして0-0-36 重なる気持ち0-5-34 ★★ 圧倒の奥義 守備時、勝っているとき、ときどき、敵打者のミート・パワーを大きく減少させる 重なる気持ち 0-5-34 小麦色の世界 5-0-27 ★ 新しい一歩の始まり 打席時、初打席のとき、自身のパワーが上昇する 練習なくして 重なる気持ち ★ 守備職人の極意 エラー回避率が上昇し、守備も少し上昇する キャプテン代理 一本足 ★ 安打製造の極意 ミートとパワーが少し上昇する 楽しさに潜むもの 練習なくして ★ 走力の極意 走力が大きく上昇する 楽/清/踏/代/練/い/一/シェ/重 - ★ テリトリーの心得 守備が少し上昇し、走力もごくわずかに上昇する ★ 悪球打ちの心得 ときどき、四球になる確率がわずかに減少するが、ミートが大幅に上昇する ★ 鉄壁の心得 走者が一人いると、守備が少し上昇し、エラー回避率も上昇する ★ 守備の心得 守備が少し上昇する ★ ミートの基礎 ミートがわずかに上昇する これでもかと言わんばかりの守備特化たゆたゆ。 固有青の「新しい一歩の始まり」は初打席限定なので他の心得のほうがええかもな。 幸いどのスキルも取得難易度は低いので、使う気があるならさっさと取得してあげるとええと思うで。 なんなら姉妹校に練習に出せば相手は取得しやすいし嬉しいんちゃう? 才能名 Lv 条件 効果 鉄壁 7 守備時 自身の守備が上昇し、エラー率が超大幅に減少する 夢追人 5 6回まで 味方全体のパワー・走力がわずかに上昇する バイタル◎ 5 なし 自身のパワー・守備が上昇する 器用さ◎ 5 なし 自身のミート・守備が上昇する これでもかと言わんばかりの守備特化たゆたゆ(二度目) 新才能&特攻の「夢追人」以外のすべての才能で守備にバフがかかる。しかも恒常バフ。 正直ここまで特化せんでもええやろと思わなくもない。やはり守備イベで使えということだろうか…。 セリフ集 +押すと開きます 状況 セリフ ホーム - - - - - - - - 試合 試合前 ちょっとずつだけど、変わってみせますから! 開始 ここから始まるんですね…チームも、私も! カットイン通常 - カットインターニングポイント - 勝利 チームの勝利に、貢献できたでしょうか…私… あ…無我夢中でやってるうちに、勝っちゃいました… 敗北 - デレスト 特訓 - - アイコンタップorクリックで"SSR"各ページへ アイコンタップorクリックで"SR"各ページへ コメントフォーム ログを開く 名前
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/605.html
カイロスの前髪は掴むべきか? ◆7DVSWG.5BE 夕焼けで赤く染め上げられていた校舎の色が薄くなり始めた夕暮れ時。 普段であれば吹奏楽部の演奏、運動部の掛け声で学校周辺はある程度賑やかだ。 しかしそれらは聞こえない。 耳をすませば代わりに集団下校をする生徒達の話し声が聞こえる。 「しかし爆発って化学室かどこかで何か実験でもしてたのかよ。なんかマンガみたいだな」 「でも爆発したのは中等部の3-Dの教室らしいぜ」 「マジかよ。じゃあテロか何か?それってヤバくね」 「でもここまで大事になったから二三日は休校かもよ?」 「そうなったらいいけどな」 紫髪の女性はすれ違った男子生徒ふたりの雑談に聞き耳を立てるが特に有益な情報を含んでいるわけでもないので、二人の会話を聞くのはやめ下校する別の生徒へ観察の意識を向ける。 視覚で、聴覚で、嗅覚で、それらを総動員させる。 目当ての人物を捕捉するために。 武智乙哉は校門から十数メートル離れた先で待ち構えていた。 ◆ 『私は第一案を推す』 『あたしは第二案でいきたいな』 お互い念話で自分の意見を主張する。 喫茶店内は緩やかな空気に包まれていた。 普段はもう少し客入りも良く店内は活気があるが集団下校のせいで客は疎らだ。 そして客入りが少ないせいか店員が気を緩めておりそれも店内の緩やかな空気の形成に一因になっている。 しかし二人の表情は少しだけ険しく周りの空気は店内の空気と違い少しだけピリピリとしていた。 お互いの主張は対立する。 二人は話し合いで今後取る行動三案を決めた。 1.寺の調査、 2.ほむら襲撃犯と春紀の出待ちと尾行 3.帰宅 吉良は寺の調査を優先すべきと主張し。 乙哉はほむら襲撃犯、春紀を発見尾行するために学校で待ち伏せすることを提案する。 二人ともお互いが主張する案の利点も理解していたが、乙哉は自分の案を譲るつもりはなかった。 2案を主張したのはほむらを襲撃した犯人を捜したい。 それももちろん有る。 それと寒河江春紀を早急に始末しておきたかったからである。 理由としては自分をマスターと認知している。 そして自分の本性を知っている可能性があるからである。 武智乙哉のアサシンとしての最大の長所はコミュニケーション能力といえる。 快楽殺人者である自分の本性を欠片も見せることなくターゲットに接近。 友好的に接し、相手に好感を持たせ警戒心を解かせてから後ろから襲い切り刻む。 その社交的で明るい性格は他人が見れば多くの人間が好感を抱くだろう。 だが快楽殺人者という本性が知られていたら? 聖杯戦争に参加しているマスターにも殺人をおこなったことがある人物は複数人いる。 ある者は金のため、ある者は自分の目的のために。 そして武智乙哉は自分の快楽のために殺人をおこなう。 そこに必要性も理念も信念も何もない。ただ自分の快楽のために殺す。 人間の社会において最も忌むべき行為を快楽のために平然と実行する。 そんな人間の心情を誰が理解できようか。 理解できるとしたら同じ快楽殺人鬼だけである。 乙哉の本性を知ったマスターがいたら間違いなく嫌悪感を示し警戒し関わりを持たないだろう。 相手が最初から関わり合いを持つ気がなければコミュニケーション能力が高い乙哉といえど取りつく島もない それは武智乙哉の最大の長所が封じられることになる。 そして寒河江春紀が存在することによりその可能性は常につきまとう。 春紀が他のマスターと対峙した際に春紀がそのマスターを殺せば別に問題ない。 ただ仮に春紀が他のマスターと同盟関係を結び、情報交換をするときは自分の存在を知られた今ならこう言うだろう。 「武智乙哉は快楽殺人者だ。気をつけろ」 もしそれを知ったマスターが別のマスターに自分の本性を伝えられたら、情報は拡散される。 それがこの聖杯戦争において後々大きな傷になるかもしれない。 乙哉はそれを危惧していた。 『あたしがマスターと知っているのもそうだけど、本性を知っているかもしれない人は早めに始末しておいたほうがいいと思うんだよね。 何かとめんどくさそうなことになりそうだし』 乙哉の意見を聞いた後吉良はコーヒーカップを皿に置き、数秒間考え。 『マスターの本性を知っているか…… そうだな、あの女は早めに始末したほうがいい。 マスターの案を受け入れよう』 乙哉の案を受け入れることにした 『あれ?寺の調査はいいの?』 もう少し食い下がると思っていたが、自分の案にすんなり応じたことを意外に感じていた。 『確かにあの甲冑のサーヴァントは要注意だが、私がサーヴァントと知られたわけでは無い。 あの主従の容姿と所在地らしき場所を確認できただけで良しとしよう。 寺に行くにしても今日の夜や明日でも行ける。 ただ君の本性を知りマスターと認識している人間を始末するほうが重要と考え直しただけだ』 乙哉はふ~んと言いながらコーヒーを口につける。 本音を言えば吉良は今すぐにでも寺に向い聖白蓮の手を頂きたかった。 だが自分の案を通せば乙哉の案を棄却することになる。 自分の案を棄却されたからといって明らかに気分を害する人物ではないのは短い付き合いではあるがわかっている。 だがこれをきっかけに関係に亀裂が走るかもしれない。 別に仲良しこよしでいたいというわけではないが聖杯戦争で意思疎通がとれなくなるのは明らかに不利になる。 それに乙哉の不安は同じ殺人鬼としては分からなくもないとは思っていた。 そして乙哉の案に従ったのは最大の要因は生前の失敗を考えてのことだった。 川尻浩作に成り代わっている時に欲望に耐えきれず衝動にまかせ殺人をした。 だが吉良を疑っていた川尻早人に殺人現場を目撃され、それが命を落とした原因の一つになってしまう。 自分の欲望のままに生きていけるのは強者の証しである。 スタンド能力で犯行の証拠を消し、自分の欲望のままに15年間女性を殺し続けた吉良は杜王町では間違いなく強者だった。 だがこの聖杯戦争では吉良は弱者に分類されていると自覚している。 故に自分の欲望を抑え込む。 『じゃあ校門で待ち伏せするからアサシンは霊体化してあたしの傍にいて』 『……ところでマスター、バス停は北側と南側に二つあるのだったな』 『そうだけど、それがどうしたの?』 『私はバス停付近でその春紀とかいう女を待ち伏せしようと思う。マスターは校門で待ち伏せしてくれ』 『まあ、二人が一か所で待ち伏せするより二人が二か所で待ち伏せしたほうが見つけやすいか』 学校周辺の塀は全長4Mほどの高さがある。 乙哉普通の人間はそこをよじ登ることは困難であり、学園から出るには校門から出るしかないと思い込んでいた。 だが吉良は違った。 だがサーヴァントは普通でもなければ人間でもない英霊である。 その英霊にとってマスターを抱えて4Mの塀ぐらい難なく飛び越えられることを知っていた ならば出口は校門だけではない。 そして学園から出た後はどう行動するか。 すぐにでも学園から離れたいと考えれば高速で移動でき人ごみに紛れやすいバスを使うと睨んでいた。 『じゃああたし行くから、アサシンは少し遅れて出てね。一緒に出るとこ見られたらまずいし』 『わかった。危なくなったら令呪で……』 『令呪で呼べでしょ。そっちもドジして見つからないようにね。おとうさん』 乙哉は吉良に人をからかうような笑みを見せ店から出て行った。 (さて、どちらのバス停に張り込むか) ◆ 店を出た乙哉は校門前付近に陣取り学校周辺を包む外壁に背をもたれながら立つ。 友達を待っている暇つぶしに携帯電話をいじっていますというような体を装いながら出てくる生徒達を観察していた。 本来ならばより正確に観察するために校門のすぐそばに居たかったが、 集団下校中にいつまでも校門近く居たら教師たちに注意されるかもしれないので校門から十数メートル離れたところにいた。 集団下校のピークであるこの時間は人通りが多い。 数多くの生徒をある程度正確に観察することは集中力を擁する。 その結果。 (張り込みって地味でめんどくさ~い) 開始十数分で乙哉は張り込みの作業に飽きはじめていた。 自分好みの女性を待つのであれば数時間は集中力が持続できるかもしれないが。 大して興味もない生徒たちに注意を向け来るかどうかもわからない春紀やほむらを倒した相手を待つのは正直苦痛に感じていた。 (あたし好み娘でも通りかかってくれたらテンション上がるんだけどな。ん?) 乙哉の耳にガラスが割れたような音が届いた。 それは気のせいと言われたらそうであると納得してしまいそうな小さな音だった。 どうせ誰かがふざけてガラスを割ったのだろうと考え、下校する生徒たちに意識を向ける。 そして数十秒後に野太い大声が聞こえてきた。 どうやら生徒にたいして何か言っているようである。 その直後に校門を勢いよく駆け抜ける黒髪の少女が乙哉の目に飛び込んできた。 おそらく中学生ぐらい、何をそんなに急いでいるのかと考えながらその黒髪の少女に注意をむける。 ぱっと見の印象は結構美人で黒髪が綺麗だな程度だった。 少女は乙哉のほうに向ってきており目を合わせない様に携帯に視線を向けているふりをしながら観察する。 そして少女は乙哉の傍を勢いよく通り過ぎた。 その瞬間乙哉は即座に勢いよくその黒髪の少女に首を向けるというあからさまな反応を取ってしまう。 幸いその少女には乙哉の姿は見られていないが、もし見られていたら明らかに怪しまれていただろう。 少女のほうを思わず向いてしまった理由。 それは漂ってきた血の匂いだった。 一般人なら気づくこともない匂いだっただろう。 だが武智乙哉は多くの人間を切り刻んできた。そしてその切り刻まれた人間からでる血の匂いも嗅いできた。 血の匂いを何回も嗅いできた乙哉だからこそ感じ取れたのかもしれない。 そして近くにいたといえど漂ってきた血の匂い。 これはカッターで指を斬った程度での怪我の血の匂いではない。 それ相応の怪我と出血量だろう。 NPCがそのような怪我をするような行動をとるのか? ―――怪しい―――― 断定はできない。だが聖杯戦争に参加しているマスター、そして暁美ほむらを倒したマスターである可能性は十分にある。 黒髪の少女は信号に捕まって足を止めている。 今なら尾行することは可能だがどうする…… 【C-3 /月海原学園周辺/一日目 夕方】 【武智乙哉@悪魔のリドル】 [状態]:健康 [令呪]:残り3画 [装備]:月海原学園の制服、通学鞄、指ぬきグローブ [道具]:勉強道具、ハサミ一本(いずれも通学鞄に収納)、携帯電話 [所持金]:普通の学生程度(少なくとも通学には困らない) [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を勝ち取って「シリアルキラー保険」を獲得する。 1.あの黒髪の女の子(ミカサ)を追う? 2.『友達』を倒した相手を探したい。 3.他のマスターに怪しまれるのを避ける為、いつも通り月海原学園に通う。 4.寒河江春紀を警戒。 5.有事の際にはアサシンと念話で連絡を取る。 6.可憐な女性を切り刻みたい。 [備考] ※B-6南西の小さなマンションの1階で一人暮らしをしています。ハサミ用の腰ポーチは家に置いています。 ※バイトと仕送りによって生計を立てています。 ※月海原学園への通学手段としてバスを利用しています。 ※トオサカトキオミ(衛宮切嗣)の刺客を把握。アサシンが交戦したことも把握。 ※暁美ほむらと連絡先を交換しています。 ※寒河江春紀をマスターであると認識しました。 ◆ 「行きましょう学校に」 D-3地区 生い茂る木々に囲まれたこの土地で早苗は力強く自分に言い聞かせるように学校に行くことを宣言した。 「それでいいのかマスター」 「はい。ここで手招いている暇はありません。急ぎましょう」 複数のマスターとサーヴァントがいる激戦区に飛び込む危険性は重々承知している。 しかし早苗は少しでも早く聖杯が誤りであると証明しなければならなかった。 今この時この瞬間。アキトや他のマスターが聖杯を求め殺し合っているかもしれない。 自分が無駄に時間を過ごしている間に命が失うことは避けなければならない。 ならばやることは一つ。 一刻も早く学園にいるかもしれない岸波白野に会い聖杯についての話を聞く。 居なければ白野の所在についての情報を得て白野に会う。 白野に話を聞きそこから聖杯の誤りを証明し、アキトや他のマスターにその誤りを伝える。 それが成すべきこと。 「わかった。向かうとしよう」 「お願いします。アーチャ―」 そう言うとアシタカは早苗を優しく抱きかかえ森林を駆け抜ける。 危険を顧みず目標に向かって突き進むその意志と行動力。改めてその精神力に感心していた。 だが今から向かう複数の主従がいる激戦区。 いつ何時襲撃されるかわからない。 百戦錬磨のサーヴァント達から早苗を守ることができるのか? アシタカは一抹の不安を抱えながらも主の要望に応えるべく可能な限り速く学園に向かう。 ◆ そこは辺り一面に雑草が生い茂っていた。 人の手入れが行き届いていないことが伺える。 さらに校舎が日の光りを遮っているせいか湿度が高い、そのせいか土は柔らかく所々には苔が生えている。 そんな環境のせいかここには生徒が立ち寄ることはそうそう無い。 ここは月原学園校舎裏。 早苗とアシタカは山を下り校舎裏まで移動していた。 本来であれば校門から堂々と入るところだがそれはしなかった。 早苗は今月原学園の制服を着ていない。 皆が制服を着用しているなか私服の人物が堂々と校門から入れば相当目立つだろう。 それを避けたかった早苗は校門を迂回し、学園を取り囲むように設置されている塀を乗り越えて校門とは反対方向にある校舎裏から侵入することを選択する。 「マスター。やはり学園内には依然複数のサーヴァントがいる」 「どこらへんに居るとかはわかりますか?」 「周辺数十メートルには居ないが詳細な位置まではわからない。すまない」 謝罪を述べた後、アシタカは霊体化し着ていた白い長袖のシャツに紺の長ズボンが落ちた。 サーヴァントの詳細は把握できないが学園内に居ることはわかっている。 このまま霊体化せず早苗と一緒にいればより詳細な位置が把握できるかもしれない。 だがそれは敵にも自分を発見させる可能性を高めることになる。 何より自分の服装は学校で目立ってしまうと判断して霊体化した。 『マスター。私の服をどこかに隠して置いておいてくれないか』 『え?』 アシタカの念話での意外な要望に早苗は思わず聞き返してしまう。 『白野殿のことを調べ終わったら衣服を回収したい。折角マスターに選んでもらった服をここで捨てるのはしのびない』 『わかりました。どこかに隠しておきましょう』 アシタカが自分の選んだ服をそこまで大切に思っていることを少し嬉しく感じながら、衣服を綺麗に畳み草むらの陰に隠した。 衣服を隠した後は人に目撃されない様に注意を払いながら校舎に侵入し職員室を目指す。 白野がこの学園にいることも考えられるが、クラスメイトだったかもしれないというあやふやな記憶しかない状態で広い学園内で探すのは難しい。 ならば当初の予定通り職員室に向い生徒名簿を見させてもらうことにする。 早苗は職員室に向っているなかある違和感を感じていた。 『どうしたマスター?』 『何か変なんですよ。何と言うか静かすぎるというか』 放課後といえどNPC時代の記憶ならばもう少し人の気配を感じ取れた。 たが今はそれが感じ取れない。 ただの偶然なのか、それとも聖杯戦争に関することなのか。 そのことは一旦頭の隅に置き、意識を周囲に向けながら教職員室に向かう。 幸運にもサーヴァントやマスター、それどころかNPCの生徒に出会うこともなく教職員室の入口扉から十数メートルの付近まで近づくと中から声が聞こえてきた。 ここから声が聞こえるという事はそれなりの人数の教師が教職員室にいると予想される。 この時間に教師が大勢いることは珍しかった。 早苗は不審に感じたがとりあえず様子を見ようと考え教職員室の扉の前にしゃがみ込み扉を数センチ開けて中の様子を覗き見ると。 「生徒の帰宅状況の把握はどうなっている!?」 「大半が帰宅しました!」 「大半じゃない!もっと正確な情報を報告してください!」 「校長先生!警察の方からお電話です!」 「教頭先生!警察の電話対応お願いします!」 そこは修羅場だった。 電話のベル音が鳴り響き。教師たちが忙しなく動き回る。 ある者は生徒の両親からの電話対応に追われ。 ある者は欠席している生徒の両親に確認の電話をかける。 教師誰一人とても声をかけられる状況ではなかった。 (う~んどうしよう) 早苗の当初の予定では教師から岸波白野の連絡先を聞き出す予定だったがこれでは到底無理だ。 かといってこのような状況な教職員室に侵入し名簿を探し出すのは相当目立つ。 これだったら夜まで待ってから侵入したほうがよかったという考えが頭を過るがすぐさまその考えをかき消す。 どのように白野の情報を得るかを教職員室の様子を見ながら思案するが。 『マスター人が来る』 それはアシタカの声で中断される。 周りを見渡すと教職員室に近づいてくる人影を発見する。 背格好からして教師だろう。20代と思われる女性だった。 盗み見るように教職員室を見ている姿を見咎められたら厄介なことになる。 その教師から離れるように歩き出そうとするが声を聞いて足が止まった。 「あれ東風谷さん?」 自分の名前を知っている?だが記憶にはこの教師についての情報は全くない。 思い出そうと脳内で記憶を検索するがその間に教師はどんどん近づいてくる。 そして顔が判別できる距離まで近づいてくると思い出した。 「藤村先生?」 ――――藤村大河――――― 彼女は早苗のクラスの担任教師。 明るく親しみ易い性格の人物で生徒からもそれなりに慕われている。 大河を見たことでNPCだった頃の記憶が少し蘇っていた。 笑い声が絶えない和やかな朝のホームルームの時間。 急遽代理で授業を受け持った大河が英語の小テストをやらせ生徒達から非難を受けそれを一蹴する姿。 そして同じ教室にいた白野。 記憶があやふやで容姿や声などは明確には思い出せない。 だが白野とはクラスメイトだったという確信はあった。 白野のクラスの担任ということは連絡先を知っている可能性が高い。 今上手く聞き出せば教職員室に忍び込み名簿を見る必要性が無くなる。 早苗は白野の連絡先を訪ねようとしたが大河の質問により遮られた。 「どうしたのこんな時間に?連絡が来ないから今日は休みだと思ったわ。それに制服は?」 「え~とこれはその……」 大河の質問に答えが詰まる。 ――白野の連絡先を知るために学校に来ました。制服は急いでいて着る暇がありませんでした―― と正直に答えたいところだがそれだとまず怪しまれる。 学園内にマスターがいる状況で極力怪しまれることは控えたい。 この場はそれなりに説得力がある嘘をついて誤魔化し、自然な流れで白野の連絡先を聞くために脳をフル稼働させる。 「実は朝寝坊してしまって……昼過ぎぐらいに学校に登校するつもりだったんですが登校中にペンキ塗りたてのベンチに座ってしまって、そんな格好で学校に行くのは恥ずかしくて一旦家に帰ろうとしたんです。 その帰り道の途中で岸波君の財布を拾って、財布が無いと岸波君も困っていると思いまして、一旦私服に着替えて学校に来たところです」 「ふ~ん。まあ寝坊したこととか注意しなきゃいけない点があるけど、わざわざ財布を届けに学校に来たのは感心ね」 即興で考えた嘘だがとりあえず信じてもらったようで内心胸をなで下ろす。 「でも折角来たのに悪いけど今日岸波君は休みよ。あと色々有ったから早く帰ったほうがいいわ」 「岸波君は休みなんですか?あと何かあったんですか?」 「あれ知らない?中等部の教室で爆発事故がおこって念のために集団下校中。今日は残業ね~」 これから処理しなければならない雑務の量を想像したのか深いため息をついていた。 『マスター、どうやら戦いはすでにおこっていたようだ』 『そうなんですか?』 『その爆破というのはサーヴァント同士の戦いの結果だろう』 大河の情報から今の人気の少なさは集団下校によるものだと分かった。 そして爆発事故。 たんなる爆発事故である可能性は完全に否定できないが、アシタカはサーヴァント同士の戦闘の結果と考えていた。 サーヴァントが戦えば爆発事故程度の規模の破壊はおこるだろう。 お互いの宝具を出していたら校舎そのものが吹き飛んでいたかもしれない。 早苗も学校という平和の象徴といえる場所で命のやりとりが行われているのを知り、ショックを受けるとともに聖杯戦争は着々と進行していることを実感していた。 今すぐ学園内の戦闘をおこなったマスターを探し、戦いをやめるように呼びかけたい。 しかし自分の言葉を聞いて戦いを止めようとする主従はいないだろう。 今の自分の言葉には力がない。自分の言葉はただ相手に自分の願望を一方的に押し付けているようなもの。 そんな言葉には誰も耳を貸さない。 聖杯は穢れている。聖杯が正しいやり方で願いを叶えてくれない。 それを証明することで初めて言葉に力が宿る。 それができて初めてアキトのような強い願いを持って聖杯戦争に参加している者を止められる可能性が出てくる。 そのためには何としても白野と会い聖杯について聞かなければならない。 「藤村先生、岸波君の住所と連絡先を教えてくれませんか?私が岸波君と連絡を取って財布を届けますので」 財布を届けるという目的で白野の連絡先と住所を聞く。 これなら自然な流れで情報を入手できるはず。 早苗は二つ返事で教えてくれるだろうと予想していたがそれは外れる。 「今の世の中個人情報をはいそうですかと教えるわけにはいかないのよね。 それに新都の方は騒ぎがあって物騒だし。あなた一人で向かわせるのもね……」 そう言うと大河はう~んと唸りながら考え込む仕草を見せる。 NPCは所謂現代と呼ばれる倫理観や常識をインプットされている。 現代では振り込め詐欺など個人情報を悪用した犯罪が流行しておりNPCの大河も個人情報の扱いには慎重になっていた。 だが早苗が住む幻想郷は振り込め詐欺などという小賢しい犯罪とは無縁の場所。 現代の個人情報に対する価値観が違うのは当然かもしれない。 「そうだ!私が岸波君の財布を届けてあげるわ」 「え!?でも先生も一応女性ですしそんな物騒なところに行くのも危ないんじゃ……」 「ちょっと『一応女性』なんて失礼な娘ね!まあいいわ。これでも腕には覚えがあるのよ。心配いらないわ」 (ちょっとこの流れはマズイです) 早苗は大河が白野の家まで財布を届ける段取りになっていることに焦りを感じていた。 このままだと白野の連絡先を聞く必要性がなくなる。 そうなれば一旦学園を出て夜間に教職員室に忍び込み大河の机から名簿を探すことも視野に入れなければならない。 完全に二度手間だ。 それでは危険を冒して学校に来た意味がなくなってしまう。 何より貴重な時間をただ無駄に浪費したことになる。 何としても自分が白野の家に財布を届けるように説得しなければならない。 だが大河が財布を届けるという話の流れは筋が通っており、これを覆すにはそれ相応の納得がいる理由が必要となってくる。 「大丈夫です私が届けます」 「そうは言ってもね、そんなに岸波君に直接届けたいの?」 「えっと……えっと……」 「実は私……岸波君のことが気になっていて……これをきっかけに岸波君と話せないかなと思って……この機会を逃したらもうダメなような気がして……だから岸波君の家に直接財布を届けたいんです……」 早苗は喋り終えると両掌で紅潮した顔を覆いしゃがみこんだ。 (何言っているの私!?) 早苗自身何でこのような嘘を喋ったのかわからなかった。 大河に納得してもらえるような嘘を思案している最中で、気付いたらあのようなことを口走っていた。 (よりによって何で恋愛ネタ!?こんなウソで藤村先生も信じるわけが……あれ?) 指と指の間から恐る恐る見てみると目に飛び込んできたのは腕を組み先ほどよりも悩ましげな様子の大河だった。 (う~ん。どうしようかしら) 生徒の安全を考えれば教師である自分が届けるのが良いはず。 しかしあの様子からすると早苗は白野に恋心を抱いている。 その手の機微に鈍い自分でもわかるぐらいだ。 そして勇気を振り絞って自分に言ったのだろう。 ならばその思いを無下にせず早苗に行かせて後押しするのもまた教師の務めか。 生徒の安全と生徒の想い、教師としてはどちらを尊重すべきか。 藤村大河は大いに悩んでいた。 数十秒経っただろうか。 大河はその間微動だにせず腕を組んで立ち続けていた。 「少し待っていてね。東風谷さん」 そう言うと勢いよく扉を開けて教職員室に入室し、十数秒で早苗の元に戻り手に何かを握りこませる。 手を開けて中味を確認すると四つ折りにされたメモ用紙で開くと住所と二種類の電話番号が書かれていた。 「それが岸波君の住所と電話番号だから。あとその下の数字が私のケイタイの電話番号。 岸波君と会ったときと自宅に帰った時にはその番号に電話をかけて」 「はい……」 「このことは秘密にしておくわ。がんばりなさい女の子」 「はい……」 予想外の事態に軽く動揺しつつ早苗はお辞儀した後小走りで駆けてゆく。 大河はその後ろ姿が見えなくなるまで見送った。 「青春してるわね~」 ◆ 「マスター、あの教師は何をがんばれと言っていたのだ?」 「それはあれですよ……」 早苗はアシタカの質問に答えようとするが、顔が紅潮しゴニョゴニョと言いよどむ。 大河から白野の連絡先を聞いた二人は校舎に向いアシタカの服を回収した後塀を飛び越え学園から出ていた。 「藤村先生は私が岸波さんのことを好きと思って……それについてガンバレと言ったんですよ……」 「好きとは色恋の好きということか?」 「そうですけど、あの話は私のは出まかせです!岸波さんのことは全然好きじゃありません!」 「そうなのか?」 「そうです!あ~さっきの姿を神奈子様と諏訪子様が見たら笑われるかも」 二人に笑われる姿を想像しているのか早苗はさらに顔を紅潮させる。 一方アシタカは何故早苗が恥ずかしがっているまるで分からなかった。 「そういえば岸波さんの住所はどこかな~?」 これ以上大河についた嘘のことを聞かれるのは恥ずかしいので強引に話題を変えるべく、早苗は唐突に一人ごとのようにしゃべりながら大河からもらった四つ折りのメモ用紙を開ける。 「C-8の地区ですか」 「この場所から白野殿の家までは一里、二里程度ではすまないな。ならばバスを利用したほうが良さそうだな」 「え?バスを使うんですか?」 身の安全を守るためにバスを使うのは控えた方がよい。 そう言ったアーチャ―自らがバスを使用することを進言した。 早苗にはアシタカの発言の意図が読めなかった。 「さすがに白野殿の家まで徒歩で行くのは遠すぎる。かといって私がマスターを抱きかかえて街中を走るのは目立つ。 バスを利用したほうがよいだろう」 本当ならば早苗を守るためには乗り物にのることは控えたかった。 ただ仮に白野の家に徒歩で向かえば早苗の疲労は計り知れないだろう。 何より時間がかかりすぎる。 今から出発しても恐らく日を跨ぐ。 それだけの時間が経てば状況は劇的に変化しているだろう。 白野が死亡している可能性もありえる。 もしそうなれば早苗の聖杯の間違いを証明するという目的を達成することは難しくなる。 「わかりました。では北側のバス停に向いましょう。あそこには確か公衆電話もありましたし岸波さんには一度連絡を入れた方がいいかと」 アシタカは与えられた記憶から電話についての記憶を掘り起こす。 遠くの相手に自分の声を届けることができ会話できる道具。 もし自分が住んでいる世界に電話があれば山の中で生活することになったサンとも気軽に会話できたかもしれない。 そんなあり得ない光景を思い浮かべながらバス停に向かった。 学園北側のバス停に着いた二人の目に映ったのは長蛇の列だった。 集団下校により普段は学校に残っている生徒がこの時間に帰ることによりいつも以上にバス停は混雑していた。 「これは空くのを待った方が良さそうですね」 バスに乗ってスシ詰め状態にされるのを回避したいということもあるが、身動きが取りづらい状態で敵に襲撃されたら致命的であることは早苗にも充分理解できていた。 早く白野から話を聞きたいと焦る気持ちもあるが、満員バスに乗って襲撃されたら多くのNPCが傷つくだろう。それは本意ではない。 この長蛇の列が無くなるのに一時間はかかるだろう。 それならば先に白野への連絡を済ませたほうがいいと早苗は公衆電話ボックスに向かう。 「マスターが白野殿の家に出向くのか」 「はい、合流先を決めてそこで会うことも考えましたが、話を聞くならば私から岸波さんの家に出向くのが礼儀と思いまして。 あと私が来る時間を電話で伝えていればすれ違うこともありませんし」 公衆電話ボックスに着いた早苗は中に入り受話器を取り、メモに書かれている電話番号を押していく。 岸波白野という人物はどのような人物なのか? 自分と会ってくれるだろうか?聖杯の話をしてくれるだろうか? アキトのように聖杯で願いを叶える為に手を汚す覚悟を持った人物なら? 期待、不安、恐怖。様々な感情が早苗の胸中を駆け巡る。 ―――プルルル、プルルル――― 緊張しているのか、いつもより心臓の鼓動が速い気がする。 ―――プルルル、プルルル――― 出だしは何と喋ろう?自分の話を聞いてくれるだろうか? ―――プルルル、プルルル、プルルル、プルルル――― コール音の規則的な音が何度も早苗の耳に届く。 この音はいつまで続くのか、家に居るなら早く出てほしいと思っているなかコール音は唐突に終わる。 「こちらは留守番電話サービスです。ピーという音の後に用件を伝えてください」 抑揚の無い機械的な声が早苗に次の行動をとるように促す。 「ふぅ~」 緊張から解放されたのか思わず息を吐いた。 直後に精神を落ち着かせるために大きな深呼吸を一つする。 まだ伝言を残していない。 ここで白野に用件と自分の想いを伝えなければならない。 「もしもし、私は東風谷早苗と申します。この聖杯戦争に参加しているマスターの一人です。 けど私は願いをかなえるために他の参加者を殺そうとは思っていません。 嘘に聞こえるかもしれませんが、これは本心です。 私は27人の命を犠牲にして1人の願いを叶えるこの聖杯戦争は間違っている。 そんな聖杯は穢れている。そんな聖杯がまともに願いを叶えるわけがないと考えています。 ですがあるマスターは願いを叶える為に他のマスターを殺そうとしています。 他のマスターも願いのために人を殺そうと考えている人はいると思います。 私は殺し合いを止めたい! そのためには聖杯の穢れを証明し、この戦いが無意味だと証明しなければなりません。 穢れを証明するには聖杯のことを知る必要があると考えています。 それには岸波白野さん。あなたの知識が私には必要です。 あなたに話を聞いた方がよいと裁定者のカレンから教えられました。 今日の21時、お話を聞くために岸波さんのお宅に伺います」 受話器を下したガチャリという音が電話ボックス内に響く。 電話ボックスを出た後身体が新鮮な空気を欲しているかのように深く深呼吸をした。 よほど緊張していたのかもう一度深く深呼吸をする。 用件と自分の考えは伝えた。 後は白野がこの伝言を聞いて聖杯について話してくれることを祈るのみ。 電話ボックスから出てきた早苗をアシタカは少し微笑みを見せながら出迎える。 「実にマスターらしい言葉だった」 「聞こえていたんですか?何だか恥ずかしいです」 用件だけを伝えればよかったものを敢えて自分の考え、自分の想いを伝言に残す。 自分のすべてをさらけ出すその実直さが実に早苗らしいと思っていた。 だが岸波白野は聖杯戦争のセオリーとは違うイレギュラーの行動をとる早苗のことをどう見るのか? 現実を見ない理想論者、人を殺す覚悟もない弱い参加者。 アキトと同じように肯定的にはとらえないかもしれない。 ただ早苗の言葉には贔屓目かもしれないが人の心に訴える何かを感じた。 可能性はかぎり無く低い。 けれども白野が早苗の言葉に影響を受けその方針に賛同してくれることを期待していた。 人を説得できた言う実績は早苗にとって自信になる。 なにより早苗と共に歩む同士が増えることになる。 早苗が歩む道はある意味この聖杯戦争で最後の一人になることより困難な道だ。 自分も全力で早苗を支えるがその孤独さ、その過酷さに心が挫けるかもしれない。 だが仲間がいれば挫けずにいられるかもしれない。 「どこかベンチに座りましょう」 早苗は緊張して疲れたこともあってアシタカにベンチに座らすように提案する。 どうせあと一時間は混雑が続く。 それならばどこかに腰かけて雑談や今後のことについて話して時間を潰そうと考えた。 アシタカをベンチに誘導するために顔を見た瞬間思わず鳥肌が立った。 その顔は今までアシタカが見せたことのない険しい顔をしていた。 『マスター、サーヴァントが居る。しかもかなり近くにだ』 アシタカは念話で早苗に忠告する。 『近くにいるってアーチャ―の気配察知でも感知できないサーヴァントがいるんですか!?』 アサシンの気配遮断すら感知できるアシタカの気配感知を掻い潜って接近できるサーヴァントがいる。 その事実に早苗は動揺していた。 『近くにいることは感知できているか詳細な位置がわからない。 マスター、私の目を使って周りを見てみてくれないか』 『は、はい』 アシタカは不自然にならないようにゆっくりと自分周辺360度を見渡す。 このバス停は遮蔽物が少なく、身を潜めるような場所も少ない。 自分の視界の範囲にサーヴァントがいればアキトのバーサーカーや学園の屋上に居たサーヴァントのようにスタータスが表示されすぐに見つけられるはず。 辺りを見渡すと多くの学生、通勤帰りらしきサラリーマンはいたが、サーヴァント、正確にはパラメーターが表示されている人物は一人もいなかった。 『どうだ?』 『それらしいサーヴァントは一人もいません』 その報告を聞いてアシタカも早苗ほどではないにせよ動揺していた。 自分の感覚が正しければ謎のサーヴァントは今現体化しており、近くにいる。 恐らく半径数十メートル以内だろう。 それならば気配感知のスキルで詳細な位置も判別でき、早苗の目にもステータスが表示される人物がいるはずだ。 ならば何故その存在を感知できない? ならば何故早苗の目でサーヴァントを見つけられない? 気配遮断のスキルを使用しているアサシンが近くにいるのか? それは無い。 自分の気配感知のランクはB。 それより高い気配遮断のスキルを持つサーヴァントがいるのならば気配を感じることができない。 そしてランクが低ければ気配遮断を使用していたとしても気配を感じることができる。 ならばそのサーヴァントは霊体化しているのか? それもない。 霊体化していても気配はわかる。 学園の屋上で霊体化したシオンのサーヴァントを発見できたように視界に入ればすぐに発見できる。 アシタカも自分の目で周りを見渡してみたが霊体化したサーヴァントはいなかった。 ――――何が起こっている?―――― ◆ 正直見つけられるとは思っていなかったが、これはツキが回ってきたというべきか。 私は南側のバス停と北側のバス停のどちらに張り込んで春紀とかいう女とほむらとか言う女を襲ったマスター達を探そうかと迷った結果北側のバスを選んだ。 何でと聞かれれば勘としか言いようがない。 そして北側バス停についた直後に電話ボックスに傍に立っているサーヴァントを発見した。 私のスキルならサーヴァントとバレることはないが念のため凝視しないように視線をそらし数十メートル距離をとりながら観察する。 あの甲冑のサーヴァントのように『私は勇者ですよ』といういかにもな恰好をしていないのでクラスがしぼり難いがある程度は見当がつく まずは実体化している時点でアサシンの可能性は除外だ 隠密が得意なアサシンが姿を現してどうする。 だとしたらよほどの自信家かマヌケだろう。 まあ現体化している私が言えた義理ではないがね 次にバーサーカーである可能性も除外だ。 あのサーヴァントは服を着ている。理性を失った奴が現代の服を着こなす知能はないだろう 次にキャスターである可能性だがこれも低いと予想できる。 クラスの性質上待ちの戦法が得意なキャスターがマスターと一緒に現体化して外出するなど悪手だ。 だが例外があるので断定はできない ということは三騎士かライダーのクラスの可能性が高いか。相性が悪いな。 アサシンを除く6クラスの内4クラスが対魔力を持っているとはつくづく理不尽な戦いだ そんな愚痴を考えている間に中の電話ボックスから緑髪の女性が出てきた。 あのサーヴァントと話していることからマスターがあの女性だろう。 近づいてみなければわからないが中々の美貌と持ち主だな。 肌も瑞々しそうで美しい手の持ち主かもしれない。 余裕があれば手を保管したいところだが、あのマスターを消すのが最優先だ。 手は二の次だ。 様子を観察しているとあのサーヴァントが見渡し始めその際に目が合ってしまった気がする。 少し軽率だったな。 私の正体がバレているとは思わないがこれからは気をつけなければ。 さてこれからどうするか? あの主従を尾行して隙があれば暗殺すべきか。 ただトオサカトキオミのように暗殺に失敗したらあの時と同じように正面きっての戦闘を強いられる可能性は高い。 そうなれば分が悪い。 そして三騎士やライダーのクラス相手に前回のように逃げ切れるかはわからない。 リスクを回避のためにあの主従を見過ごして、春紀とかいう女を探すための張り込みを開始するべきか。 ◆ アシタカは何故吉良の存在を正確に感知できなかったか? 吉良が所有しているスキルが気配遮断のみだったらアシタカは吉良に十数メートルまで近づかれる前に詳細な居場所を察知できていただろう。 だが吉良のスキル『隠蔽』『正体秘匿』によってそれはできなかった。 スキル『隠蔽』 サーヴァントとしての活動によって生じる魔力を隠蔽する。 これにより吉良は実体化中でも一般人程度の魔力しか感知されず、魔力の痕跡を残すこともない。 スキル『正体秘匿』 サーヴァントとしての素性を秘匿するスキル。 契約者以外のマスターから吉良のステータス、スキルを視認出来なくする。 この二つのスキルを所有している吉良が宝具を使わず、戦闘を行おうとせず、ただその場に居るだけであれば、 例え鼻がふれる距離でも吉良をサーヴァントとして認識することはどのサーヴァントでも不可能に近い。 だがアシタカは『気配感知』のスキルの持ち主。 『気配感知』のスキルはサーヴァントの存在を認識することに最も優れたスキルの一つ。 わずかな気配でも察知できるそのスキルは『隠蔽』で抑え込まれているといえどサーヴァントの魔力とNPCの魔力のほんの些細な違いを察知したのかもしれない。 『気配感知』と『正体秘匿』『隠蔽』スキルが効果を発揮し合った結果。 アシタカの感知は『近くに実体化したサーヴァントが半径数十メートル内にいるが詳細な位置はわからない』という曖昧なものになっていた。 吉良吉影 武智乙哉 二人の殺人鬼は奇しくもほぼ同時刻に獲物を発見した。 その獲物は無残にも殺される哀れな子羊なのか。 それとも殺人鬼を返り討ちにする牙を持った狼なのか。 それとも殺人鬼はその牙に恐れをなして逃げるのか。 現時点ではわからない。 【C-3 /月海原学園北側バス停所/一日目 夕方】 【アサシン(吉良吉影)@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康、聖の手への性的興奮、 [装備]:なし [道具]:レジから盗んだ金の残り(残りごく僅か) [思考・状況] 基本行動方針:平穏な生活を取り戻すべく、聖杯を勝ち取る。 1.あの女(早苗)を攻撃するか否か? 2.甲冑のサーヴァントのマスターの手を頂きたい。そのために情報収集を続けよう。 3.B-4への干渉は避ける。 4.女性の美しい手を切り取りたい。 [備考] ※魂喰い実行済み(NPC数名)です。無作為に魂喰いした為『手』は収穫していません。 ※保有スキル「隠蔽」の効果によって実体化中でもNPC程度の魔力しか感知されません。 ※B-6のスーパーのレジから少額ですが現金を抜き取りました。 ※スーパーで配送依頼した食品を受け取っています。日持ちする食品を選んだようですが、中身はお任せします。 ※切嗣がNPCに暗示をかけ月海原学園に向かわせているのを目撃し、暗示の内容を盗み聞きました。 そのため切嗣のことをトオサカトキオミという魔術師だと思っています。 ※衛宮切嗣&アーチャーと交戦、干将・莫邪の外観及び投影による複数使用を視認しました。 切嗣は戦闘に参加しなかったため、ひょっとするとまだ正体秘匿スキルは切嗣に機能するかもしれません。 ※B-10で発生した『ジナコ=カリギリ』の事件は変装したサーヴァントによる社会的攻撃と推測しました。 本物のジナコ=カリギリが存在しており、アーカードはそのサーヴァントではないかと予想しています。 ※聖白蓮の手に狙いを定めました。 進行方向から彼等の向かう先は寺(命蓮寺)ではないかと考えていますが、根拠はないので確信はしていません。 ※サーヴァントなので爪が伸びることはありませんが、いつか『手』への欲求が我慢できなくなるかもしれません。 ですが、今はまだ大丈夫なようです。 ※寒河江春紀をマスターであると認識しました。 【東風谷早苗@東方Project】 [状態]:健康 [令呪]:残り2画 [装備]:なし [道具]:今日一日の食事、保存食、飲み物、着替えいくつか [所持金]:一人暮らしには十分な仕送り [思考・状況] 基本行動方針:誰も殺したくはない。誰にも殺し合いをさせたくない。 0.サーヴァントが近くに居るんですか!? 1.岸波白野の家(C-8)へバスで向かう。 2.岸波白野を探し、聖杯について聞く。 3.少女(れんげ)が心配。 4.聖杯が誤りであると証明し、アキトを説得する。 5.そのために、聖杯戦争について正しく知る。 6.白野の事を、アキトに伝えるかはとりあえず保留。 [備考] ※月海原学園の生徒ですが学校へ行くつもりはありません。 ※アシタカからアーカード、ジョンス、カッツェ、れんげの存在を把握しましたが、あくまで外観的情報です。名前は把握していません。 ※カレンから岸波白野の名前を聞きました。 岸波白野が自分のクラスメイトであることを思い出しました。容姿などは覚えていません。 ※倉庫の火事がサーヴァントの仕業であると把握しました。 ※アキト、アンデルセン陣営と同盟を組みました。詳しい内容は後続にお任せします。なお、彼らのスタンスについて、詳しくは知りません。 ※バーサーカー(ガッツ)、セイバー(オルステッド)、キャスター(シアン)のパラメータを確認済み。 ※アキトの根城、B-9の天河食堂を知りました。 ※シオンについては『エジプトからの交換留学生』と言うことと、容姿、ファーストネームしか知らず、面識もありません。 ※岸波白野の家の住所(C-8)と家の電話番号を知りました。 ※藤村大河の携帯電話の番号を知りました。 【アーチャー(アシタカ)@もののけ姫】 [状態]:健康 [令呪] 1. 『聖杯戦争が誤りであると証明できなかった場合、私を殺してください』 [装備]:現代風の服 [道具]:現代風の着替え [思考・状況] 基本行動方針:早苗に従い、早苗を守る。 0.近くにサーヴァントがいる!? 1.早苗を護る。 2.使い魔などの監視者を警戒する。 3.学園に居るサーヴァントを警戒。 [備考] ※アーカード、ジョンス、カッツェ、れんげの存在を把握しました。 ※倉庫の火事がサーヴァントの仕業であると把握しました。 ※教会の周辺に、複数の魔力を持つモノの気配を感知しました。 ※吉良が半径数十メートル内にいることは分かっていますが詳細な位置は把握していません。吉良がアシタカにさらに接近すればはっきりと吉良をサーヴァントと判別できるかもしれません。 [共通備考] ※キャスター(暁美ほむら)、武智乙哉の姿は見ていません。 ※キャスター(ヴォルデモート)の工房である、リドルの館の存在に気付いていません。 ※リドルの館付近に使い魔はいません。 ※『方舟』の『行き止まり』について、確認していません。 ※セイバー(オルステッド)、キャスター(シアン)、シオンとそのサーヴァントの存在を把握しました。また、キャスター(シアン)を攻撃した別のサーヴァントが存在する可能性も念頭に置いています。 ※キャスター(シアン)はまだ脱落していない可能性も念頭に置いています。 BACK NEXT 144 明日への飛翔 投下順 146-a Festival 136 スカイ・イクリプス Sky Eclipse 時系列順 147[[体調管理には注意しよう] BACK 登場キャラ:追跡表 NEXT 118 前門の学園、後門のヴォルデモート 東風谷早苗&アーチャー(アシタカ) 150-a生きろ、そなたは美しい 133 クラスメイト 武智乙哉&アサシン(吉良吉影) 150-bだから、みんな死んでしまえばいいのに ▲上へ
https://w.atwiki.jp/vermili/pages/1396.html
発言者:ギルベルト・ハーヴェス 対象者:アシュレイ・ホライゾン 『誰かのために/Hero's』より――― まだ見ぬ敵と邂逅するであろうアッシュに対するギルベルトの激励の言葉。 遂に仮想世界の屋台骨(フレーム)にまで聖印が届き、古都プラーガは色彩を無くしていく。同じく輪郭を喪失しながらも微笑みを浮かべるギルベルトはアッシュにまさかの提案を持ちかける。 「せっかくだ。景気づけに私を殺していかないかね?」 しかし、アッシュがそんな提案(強いか弱いか)に乗るわけもなく、何処までも優劣を付けたがる審判者(ラダマンテュス)に対して返した言葉は 「おまえには多くの苦難を与えられてきたけれど、最後まで奪われて続けただけじゃない」 「取り戻せたもの、再開できたもの、新しく手に入れられたものだって、それこそたくさんあったんだよ」 「ありがとう――たとえ一握だとしても、感謝の念がある以上そこは嘘にしたくない」 「誰かを憎むのは疲れるからな」 これはまいったと白旗を上げるかのようにギルベルトは首を振り 「礼を言うのはこちらの方さ。私の導いた英雄が、憧れの英雄と轡を並べて戦うのだぞ?これに勝る救いは無い」 「迷わず進め、後継者(ハイペリオン)。煌めく勝利を掴むがために」 「言われずとも」 その誓いに満足したギルベルトは、魂がいつ如何なるときも英雄と共に在ると信じて 「アドラー万歳、総統閣下に栄光あれッ!」 響き渡るは英雄讃歌(エリュシオン) 架空の舞台は破却され、審判者は笑顔と共に銀河の彼方に去っていった。 ナギサちゃんだったらきっと56してた -- 名無しさん (2021-02-22 13 09 07) 100人中99人は56してただろうけど、その中の唯一人になれるのが聖アシュレイくんだからね -- 名無しさん (2021-02-22 17 44 42) ↑そうなれなければ救世主は説き伏せられないよね -- 名無しさん (2021-02-22 19 23 09) ここでギルベルトをヤルのが闇。やっぱ闇って糞だわ。 -- 名無しさん (2021-02-23 01 05 16) 幼馴染と自分自身を改造実験して自身は寿命数年レベルになりトリニティのあのヘリオスと真っ向から勝負するクソルートへと行かせた男なら普通に殺してもおかしくないわ -- 名無しさん (2021-02-23 01 16 40) 昔から言うだろ、糞眼鏡は一人見つけたら30人はいると思え。なのでここで殺しても次の糞眼鏡が出てくるだけだから、バルサン焚いて全滅させないと。 -- 名無しさん (2021-02-23 07 38 40) ここで殺されようが拒否されようが、自分を超えた勝者の決断である以上祝福をもって肯定できるのだからこの眼鏡は大概無敵である。 -- 名無しさん (2021-02-23 13 56 22) それはそれとして一発ぶん殴っとけば…と思ったけど、閣下の拳を恍惚の表情で受けてたコイツには逆効果か -- 名無しさん (2021-02-23 17 09 28) 実際眼鏡に捕獲されてなかったらヒロインズや師匠と再開することもなくモブ兵Aとして戦場の露と消えてただろうってのがなあ -- 名無しさん (2021-02-24 12 45 23) ヴェティルート以外だとギルベルトがハジけないからアッシュは順当に戦場で死亡かワーグナーのどっちか。特にチトセルートだと新たな勝者に手綱を握られるからアッシュの生存の目が一番ない。 -- 名無しさん (2021-02-24 16 44 22) なので神様の視点で見ると紛れもなくアッシュの命の恩人になる。 -- 名無しさん (2021-02-24 16 46 28) 神様視点と言うか対岸の火事と見てられる赤の他人視点だろうな… -- 名無しさん (2021-03-05 05 50 33) 私の導いた英雄とかいうナギサが聞いたらアクティブヴォイドぶち込みそうなワード -- 名無しさん (2021-03-09 13 53 49) 理屈としては何も間違ってはいないからな。アッシュが無敵の英雄になれたのはナギサや師匠、他の多くの皆のお陰だが、そもそもギルベルトがいなければそのルートに入れずに戦場で名無しのモブ兵Cくらいで終わるという。まあ闇の系譜でもあるナギサなら、だからなんだ知った事か私はお前を許せない、でブチ切れられそうでもあるけど。理屈が立たなくても感情で動けるのが闇の利点であり欠点でもあるわな。 -- 名無しさん (2021-03-09 14 16 43) ↑4神様視点もなにも、この世界だと第二太陽(日本人)にこんな恋愛ドラマが観たいで導かれた可能もあるんだよな -- 名無しさん (2021-03-09 14 35 41) つくづく光は問題生みまくりだがそれを上回る功績叩きつけてくるから性質悪いってよく分かるわ。サンキュー糞眼鏡 -- 名無しさん (2021-03-10 04 51 19) 糞眼鏡のどう転んでも最後には勝手に満足してハッピーな状態で逝ける「無敵の人」感よ -- 名無しさん (2021-03-27 21 49 09) 「殺してもお前が喜ぶだけ」で殺さなくても苦笑するだけだし、うわキモ無視しよ・・・でもいいのに感謝するの人良すぎる。アヤ√で殺したのも、捕まったとこでまた出てくるから放置できないって理由だったしなぁ。 -- 名無しさん (2021-04-04 21 08 56) 私の導いた英雄(過去の記憶を塗りつぶして光トンチキにする人体実験) -- 名無しさん (2022-09-15 08 27 53) お前が導いたのは英雄への道じゃなくて黄泉への道じゃい(アッシュ君の基本残り寿命的に) -- 名無しさん (2022-09-16 05 47 32) 寿命問題がよく言われるがギルベルトくんが拾わにゃそのうち邪竜に着いてけずに死ぬかワーグナー行きなのでギルベルトくんに拾われた方が長命なのだ -- 名無しさん (2022-09-16 18 23 29) ありがとうって言われた時、本当に想定してなかった答えが返ってきて呆然としてる感じで好きなシーン。 -- 名無しさん (2022-12-12 10 06 11) ↑3死後裁判の神(ラダマンテュス)が示した道なんだからそれも宜なるかな -- 名無しさん (2022-12-12 23 37 37) ↑2 作中であれだけされてまだありがとうと言えるアッシュ君の器の大きさ…普通は言えんて… -- 名無しさん (2022-12-14 09 57 22) 光キチの糞眼鏡すら感服させるアッシュ君いいよね… -- 名無しさん (2023-10-14 15 53 35) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/game_rowa/pages/44.html
私はずっと、後悔し続けて生きてきた。 もう17年前の話になる。 親交の深かったユグノア王国が、魔物の集団の襲撃によって崩壊した。 当時の私は弱かった。 エレノア様が命と引き換えに私たちを逃がしてくださり、その際にまだ赤ん坊だった彼を任された。だというのに、私は魔物の集団から彼を守りきれなかった。 川に落ちた彼に手を伸ばすもその手は空を切り、彼は濁流に呑み込まれて消えていった。 私はロウ様に助けられて命は繋ぎ止めたけれど、彼を失ったショックは消えなかった。あの時ロウ様に助けられたのが私じゃなくて彼だったら──幾度となくそう思った。 しかしその後悔は、私が強くなる糧となってくれた。 そして16年もの旅路の末、何と私たちは生きていた彼と再会することが出来たのだ。 今度は彼の仲間として、彼の隣で戦う日々が続いた。 16年の修行で手に入れた力を彼のために駆使して、彼の役に立てていると自負していた。 この時のために王女という立場も捨てて厳しい修行に臨んで来たのだ。 16年の後悔も報われた……と、そう思っていた。 しかし命の大樹に辿り着いた時、私たちはウルノーガの策略によって再び引き裂かれた。 彼は勇者の力を失い、私は魔物の手に堕ちてしまった。 私はまた、彼を守れなかったのだ。 ただし今度は、彼の方から私を助けに来てくれた。 その時、私は思い知った。私は彼を守る対象としか捉えていなかったことに。 しばらく見ない間にとても大きく見えるようになった彼を、いつしか私は「きみ」とは呼べなくなっていた。 私は安心していたのだ。 今度こそ彼と一緒に平和な世界を取り戻せるって。 強くなった彼の背中を見て、私はにっこりと微笑んでいた。 それでも結局、彼はいなくなってしまった。 ウルノーガを倒して、その中で 死んだベロニカの供養のために再び集まった私たちに提示された新たな冒険。 この世界を捨てて過去の世界に旅立つ──もしかしたらベロニカも助けられるかもしれない世界を求めて。 ただし、過去に戻れるのは彼だけだったのだ。 止めたかった。 行ってほしくなんてなかった。 だけど止められなかった。 手を伸ばしても取りこぼしてしまった命への後悔がどれほど胸を突き刺すのかを、私は知っているから。 結果的に彼が生きていて、私は16年間の後悔から解き放たれた。だけどあなたがベロニカを守れなかった後悔からは、この機会を逃せばもう解き放たれないのだ。 笑顔で見送ろう。 彼が後悔しないように、笑顔で。 『行ってらっしゃい』 彼の姿がとこしえの神殿から消えた瞬間、貼り付けていた笑顔は消えて、代わりに涙がどっと堰を切って流れ出してきた。 今度は魔物の侵攻でも、魔王の攻撃でもなく、彼自身の意思で……私は彼を完全に失ってしまったのだ。 そうして彼が居なくなってから数ヶ月の月日が過ぎた。 ウルノーガが滅びてもなお世界には魔物が残っていたため、私は彼を除く仲間たちと共にその残党狩りを依頼されてきた。 それは魔王を倒した私たちにとって、手が余るほど軽い仕事だった。 そしてそんな簡単な魔物討伐から帰還する度に思うのだ。 『ああ、この世界に彼は本当に必要なくなったんだな』と。 勇者がいなくても平和が維持できる世界。 違う……私はこんな世界を作るために戦ってきたわけじゃない。どうしてあの時、彼を止められなかったの? 考えてしまった。 もしウルノーガをまだ倒せていなかったのなら、彼は過去に戻ることはなかっただろうと。 彼がいなくても私たちが大丈夫な世界だから、彼は過去に旅立ったのだろうと。 (あの時、あなたを失いたくないともっと強く言えていたら……私は大丈夫じゃないと伝えていたら……あなたは残ってくれていたの……?) あ……。 これは、駄目だ。 また私は、後悔してしまった。 今度は二度と解き放たれない後悔を……。 それを感じてからは、自分の精神が次第に蝕まれていくのが分かり始めた。 想いは止まることなく募っていく。 もし私が彼に恋していたのだったら、もっと話は簡単だったのかもしれない。 しかし人生のおおよそ3分の2を彼を守るために捧げた想いはそんな尺度では測れなかった。 『あなたの居ない世界なんて、私には救った意味も無いのよ……。』 魔物の残党の屍を放り棄てながらそう吐き捨てた。何かが狂い始めているのが自分でも分かった。 そのままに流れていく灰色の生活。 その果てに、彼女はこの世界に集められた。 参加者全員が集められた最初の会場。 誰もが困惑し、そして誰も絶望したであろうこの殺し合いの始まりの舞台。 そこで私は──彼の姿を見つけた。 群衆の遥か先に見えた彼。 後ろ姿だったけれど、見間違うなんて有り得ない。その姿を認めた瞬間、私は走り出した。 見知らぬ少年が見せしめに殺されようとも。 仲間が殺し合いに反抗しようとして殺されかけていようとも。 かつて倒したはずの宿敵が現れようとも。 私は……おそらく私だけは……そんな"ノイズ"など気にも留めずに走っていた。 群衆を掻き分け、何人かにぶつかりながらも、もう少しで背に触れられる……。 私は手を思い切り伸ばした。 『 これでルール説明は終わり! じゃあみんな、頑張ってね』 しかし主催者の最後の一言を聞いた次の瞬間、私たちはそれぞれ別の場所に飛ばされていた。 伸ばした手は、彼に触れることは叶わなかった。 あの日のユグノアでの光景がフラッシュバックする。 もう一歩踏み込めていたら掴めていた彼の体と、彼を守れない無力な私。 気付けば私──マルティナは見たことの無い世界に独りで立っていた。 ここは殺し合いの世界。 彼がこんな催しに乗るとは思えないけれど、他の参加者は何を考えているか分からない。彼が易々と負けるとも思えないけれど、他の参加者がどれだけの力を持っているのかも分からない。 だったら私のすべきことはひとつだ。 もちろん第一に彼──イレブンを探す。そして……彼と合流するまで、出会った人間は全員殺す。誰かが彼に危害を加える可能性をことごとく排除して回る。 もちろん分かっている。それが許されないってことくらい。 それでも私は、もう後悔したくはないの。 私はすでに………あなたを3回失っているのだから。 【D-3/一日目 深夜】 【マルティナ@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて】 [状態]:健康 [装備]:光鱗の槍@ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド [道具]:基本支給品、ランダム支給品(1~2個) [思考・状況] 基本行動方針:イレブンと合流するまで他の参加者を排除する。 1.もうあなたを失いたくない……。 2.カミュや他の仲間と出会った時は……どうしようかしら。 ※イレブンが過ぎ去りし時を求めて過去に戻り、取り残された世界からの参戦です。イレブンと別れて数ヶ月経過しています。 【支給品紹介】 【光鱗の槍@ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド】 本編ではミファーの形見となった槍。三又の形状をした名槍で、耐久力も高め。「祭事の槍」という模造品も存在する。 Back← 011 →Next 010 お前、いきなりアウトってわけ 時系列順 012 ある日森の中ブタさんとウサギさんに出会った 投下順 NEW GAME マルティナ 030 灯火の星
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/856.html
第伍話 『姫ならきっとそう望むから』~その手に掴むもの~ ~1950年 とある前線基地 宮藤少佐自室~ エイラさんとサーニャちゃんから届いた手紙を読んで、私はもう1度思い出す 人は本当に大切な人のためならば、己の限界など軽く飛び越えていく事ができる事を知ったあの日を あの日、エイラさんが必死に手を伸ばした結果掴んだ物はサーニャちゃんの笑顔だった 私と俺さんはそのお手伝いをしただけ・・・ そう言えば、あの作戦の時エイラさんに『お前達は本当に似た者同士ダヨ』って言われたっけ? あれってどういう意味だったんだろうか? 私と俺さんって全然似て無いと思うけど・・・ ~1945年 501基地 ブリーフィングルーム~ こ、こんにちは!!宮藤芳佳です!!! 大変な事になりました、今日現れたネウロイは全長が3万メートル超え・・・えーと富士山の・・・って数えてる場合じゃありません!! 巨大なネウロイのコアはその天辺にあるらしく、ロケットブースターを使用しての攻撃作戦が決定されました。ロケットブースターは強力な反面、魔法力の消耗が激しいらしく短時間の使用しかできないそうです そこで瞬間的かつ、広範囲な攻撃力を備えているサーニャちゃんがネウロイのコアへの攻撃役を、そのサーニャちゃんを守るための盾役として、最も強力なシールドを張れる私が作戦の実行役に選ばれ、私達2人を、残りの全員が高度3万メートルまで押し上げてくれるそうです そんな作戦に不満そうな2人が・・・エイラさんが私に、俺さんがサーニャさんに何か言いたげに詰め寄ります・・・ エイラ「ぐぬぬぬぬぬぬぬ・・・・」 俺「ぐむむむむむむむ・・・・」 ち、近いです・・・エイラさん・・・ あと、俺さんもサーニャさんにそんなに近寄らないでください!!!私とは魔力供給の時以外でそんなに顔近付いた事無いですよ!!! ~翌日~ 俺「姫、あれ何やってるんですかね?」 俺さんの指さす方を見れば、基地の上空でリーネちゃんがペリーヌさんに銃弾をしこたま撃ちこんでいる姿が目につきました 芳佳「えっ――――!!」 俺「よく見ればリネットがエイラに対して撃った弾をエイラがかわしてるみたいに見えますね・・・エイラのシールド練習でペリーヌがサーニャ役・・・って所ですかね?」 芳佳「そうなんだ・・・よかった・・・」 リーネちゃんがおかしくなっちゃったかと思いました あ、ちなみに俺さんは私の説得もあって私が突撃班になる事に納得してくれました、一晩かかりましたが・・・ 俺「やっぱりペリーヌがサーニャ役は無理があるんですかね?やる気的な意味で」 今、酷く失礼な言葉を聞いた気がしましたが、無視します 俺「ひ、姫?あの~別に俺が手伝いたいとか、そんなのじゃないんですけど、俺実は忍術で他人にそっくりに変身できるんですよ」 俺さんが、少し目線を外して喋りだしました、えへへ、素直に『手伝いたい』って言えばいいのに 俺「きっとペリーヌよりかはエイラもやる気が・・・あ、いや別に手伝いたいとかじゃなくて・・・」 芳佳「俺さん、宮藤芳佳が命じます、エイラさんの特訓手伝ってきて」 うふふ、俺さんがんばってね♪ ~基地 上空~ エイラ「やっぱお前じゃやる気でないナ・・・」 ペリーヌ「どういう意味ですの!!??」 ツンツン眼鏡が私に協力してくれてるのは感謝するけどさー・・・やっぱりサーニャとこいつじゃ全然違うよなー サーニャ(?)「・・・エイラ?」 ペリーヌ「サーニャさん!?なぜここに?・・・まさか練習に協力・・・」 エイラ「お前・・・サーニャじゃないナ!?誰ダ??」 サーニャ(俺)「な、なんで速効バレてんだよ!!完璧に化けたはずだぞ!!」 エイラ「ふふふ、匂いが違ウ!!」 甘いんだよ!確かにサーニャに“近い匂い”ではあるがあくまでそれは“近い”だけ!!完璧に一致しなければ私を騙す事は不可能だ!! サーニャ(俺)「クッ・・・無念・・・」 という訳で、サーニャに化けた俺でも私の練習の役には立たなかった・・・ やっぱり、私じゃ守れないのかな?私のこの手は・・・何を守れるのかな・・・? ~その日の夜 海岸~ サーニャに怒られてしまった「なんで諦めるの?」って「諦めるからできない」って・・・サーニャには解からないんだ、私の気持ちが・・・守りたいのに、守れない・・・ 沈んだ気持ちになった時に、人が海を見つめたくなるのはなんでなんだろうか?現に私も今こうしてなんの問題の解決にもならないのに一人で海を眺めている・・・いや、どうやら一人ではなかったみたいだ エイラ「・・・おい、お前やっぱ気配隠すの下手だヨ」 俺「バーカ、今のはわざとだよ」 嘘付け、背後の物影からフソーニンジャが負け惜しみと共に現れる エイラ「お前はいいのかよ、大事なお姫様が危険な任務に出向くノニ」 俺「姫が“自分でやる”と望んだからな、お前達には理解できないかもしれないが、忍ってのはあくまでも主君の道具だ・・・姫の事は守る・・・が、その意思は何よりも尊重するのさ」 エイラ「じゃあ私と一緒ダナ、サーニャもきっと私に守って欲しいなんて思ってないヨ、私もサーニャの意思を尊重して・・・」 俺「サーニャが前に守って欲しくないって言ったのか?」 エイラ「それは・・・」 エイラ「サーニャは私に『諦めるな』って・・・」 俺「はぁ・・・」 俺が心底呆れた顔でため息をつく、なんかその顔が無性に腹が立った 俺「サーニャはお前に“守って欲しい”って言ってるようなものじゃん」 エイラ「でも私じゃ守れない!シールドも満足に張れない私じゃ!!」 俺「まぁ確かに、“できない”から諦めるのか、諦めるから“できない”のか・・・俺には結論はだせない・・・だけど“やらない”奴の手は何物も掴めないぞ」 俺「お前は・・・“やらない”のか?」 自分の手を見つめてみる、小さい、ちっぽけな手だ・・・ 俺「おっと、要件を忘れる所だった。今日はお前に伝えたい事があってきたんだった」 俺「お前には借りがあるからな、1度だけ・・・只1度だけ・・・お前が望んだ時に、俺はお前の為に不可能を可能にしよう」 私の気持ちも考えずに、俺は言葉を続ける 俺「最後に1つ、扶桑の言葉をお前に贈るよ『成せばなる、成さねばならぬ、何事も』個人的にはあまり好きな言葉じゃない、俺は常に物事を成すからな・・・だが、今のお前には・・・ぴったりな言葉だと思うよ」 好き放題偉そうに言いたい事言った挙句、未だ悩む私を置き去りにして、優しくない忍者は去って行った エイラ「・・・」 こんなちっぽけな手でも、掴める物があるのかな? ~海岸から基地への道~ らしくない事をした、いつから俺は他人に説教できるほど立派な人間になったのだろうか? 本当は要件だけ伝えて帰るつもりだったのに、諦めようとしてるエイラを見て無性に腹が立ってしまった なぜだろうか?俺の任務は姫を守ること、エイラに借りがあるとはいえ俺は道具、望まれた時にだけ力を貸すのが本来のあるべき姿だろう エイラとサーニャの事なんて気にかける必要も無いのに・・・ 俺「・・・はぁ」 全く、忍者失格だな、俺は今『私がやります』と言った姫の言葉よりも、エイラに笑顔になって欲しいと思っている どうする?主君の意思は何よりも尊重しなけばならない物だ・・・ 俺「・・・」 脳裏によぎったのは、己の主君、誰かのためなら自分が傷つく事すらいとわない少女 真剣な顔でみんなが笑顔になって欲しいと迷わず言える事のできる少女 俺が、憧れ、こういう人間になりたいと思う少女 俺「そうですよね、悩む必要なんて無いですよね・・・姫なら・・・きっとこう望みますよね」 ~翌日 作戦開始~ なんの決断もくだせないまま、作戦は始まってしまった、私の揺れる気持ちはそのままに5人からなる第一打ち上げ班による上昇はもうじき高度1万メートルに迫ろうとしている ふと、上をみればサーニャと目が合った サーニャ「・・・」 何か言いたげな瞳、その視線に耐えられなくなって視線を外す 坂本「高度1万メートルに到達!これより第一打ち上げ班は離脱!第2打ち上げ班のロケットブースターによる上昇に移る!!」 少佐の言葉に全員が作戦通りの動きで応じる ロケットブースターの加速はもの凄くて、グングン上昇していく・・・もうじき・・・高度2万メートル・・・サーニャと、宮藤を見送る地点 俺「おい、どうするんだ?“やる”のか?“やらない”のか?」 エイラ「!?」 高度2万メートルに到達、私達第2打ち上げ班は離脱、サーニャ・宮藤の突撃班はロケットブースターで上昇を始める エイラ「私は・・・私は・・・」 この期に及んでまだどうしたらいいのかわからない 俺「チッ!しょうがねぇな!!」 俺が手で印を結ぶ、これは確かニンジュツの合図だったはずだ サーニャ(?)「・・・エイラ」 私の目前に突然サーニャが現れ、そっと私の手を握る・・・なんだ、私の手でも、ちゃんと掴めるじゃないか・・・感じる、サーニャの掌から、暖かさを・・・儚さを・・・愛おしさを・・・それが、私の・・・ 俺「これが今お前の望んでいる物だ!!」 突然の俺の声で我に返った、私の目の前にいたはずのサーニャが消えさってしまう、本物は当然私の上で上昇を続けていた 俺「今のは!俺がお前の今一番望んでいる物を見せた幻術だ!!何が見えた!?何を望んだ!?さぁ!!答えろ!!!」 私は・・・私は・・・そうだ“やるんだ”!!そうだ!!私がサーニャを“守りたい”から!!!!この手に掴むんだ!掴みとってみせるんだ!!今度は本物の!サーニャの笑顔を!! エイラ「私が!!私がサーニャを!!守るんだァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」 ロケットブースターにもう一度点火する、飛行の機動もデタラメだ ペリーヌ「何をなさってますの!!もう届きませんわよ!! 俺「意地でも届かせるさ!俺は天駆忍者、仲間のためなら不可能を可能にしてみせる!!」 再び印を結んだ俺が無数に分身する、そのまま私の下に先程私達が組んだような打ち上げフォーメーションを一人で組んでしまった、そのまま私達は急上昇を開始する 俺「エイラ!お前は魔力を残しとけ!サーニャを守るんだろ!俺が必ずサーニャの元まで届けてやるから!!」 エイラ「俺・・・なんで・・・私のためにそこまでしてくれるんだ?」 俺「言ったはずだ、只一度だけ、お前の為に不可能を可能にすると・・・」 俺「・・・・あと、きっと・・・姫なら・・・きっとこう望んだろうから」 ~高度3万メートル付近~ さっきから、サーニャちゃんが少し寂しそうな表情をしています・・・きっとエイラさんに来て欲しかったんだろうな・・・ でも大丈夫、きっと・・・エイラさんはきっと来るよ・・・ 私がそう望んだから、エイラさんとサーニャちゃんに笑顔になって欲しいって、そう望んだから、きっとあのお節介な優しい私の忍者が運んでくるよ ほら、ロケットブースターの音が聞こえてきた エイラ「サーニャ―――――ッ!!!」 サーニャ「エイラ!?」 俺「くっそ!!もうちょいなのに!!魔力が・・・」 後少しで届きそうな距離で、次々に俺さんの分身が消えていきます、きっと魔力が限界なんでしょう 俺「姫―――――ッ!!!お手をッ!!!!」 手を伸ばす、私の手はエイラさんの手を掴み、俺さんに変わってエイラさんは押し上げる、俺さんは魔力が切れたようで下降を開始しました 芳佳「エイラさん、行きましょう」 エイラ「宮藤!?お前までなんで!?」 芳佳「ふふっ、なんででしょうね?多分・・・私はエイラさんとサーニャさんに笑っていて欲しいんだと思います・・・」 芳佳「あと・・・きっと・・・俺さんならこう望んだだろうから・・・」 エイラ「お前ら・・・呆れるほど似た者同士だヨ・・・」 ―――――――――――――― エイラさんを、限界まで送って、私は下降を開始する 寄り添っている二人の姿は私にはとても眩しく映りました、多分今のエイラさんならどんな困難からもサーニャさんを守りきるでしょう 人が誰かのために限界を飛び越える事、それはとても難しい事ですよね・・・それでもエイラさんはそれを成し遂げてしまいました すべて終わらせて帰ってくる時、きっとエイラさんの手には笑顔のサーニャさんの手が握られているのでしょう あ!やっと俺さんに追いついた! 芳佳「俺さん、おつかれさま」 私は、自分の守りたい物をちゃんと守れて少し嬉しそうな忍者の手を掴みました え?この後のエイラさんとサーニャちゃんですか?・・・えへへ、それはまた別のお話ですよ ~1950年 とある前線基地~ うん、やっぱり似てないと思う、私はあんなに不器用じゃないし、あんなに厳しい言葉も言わないし・・・ あんなにお節介じゃないし、そもそもあんなに鈍感じゃないし!・・・ はぁ・・・ダメだ・・・最近私、俺さんの事考えてばっかだな・・・ 芳佳「気晴らしにお風呂でも行こうかな」 《次回予告》 ~1950年 とある前線基地 大浴場 脱衣場~ 私が配属された基地には必ず大浴場を作ってもらっている、少佐にもなれば発言権はかなりあるのだ、今の私は偉いんです エッヘン 服を脱ぎ、第2次性徴を終えて少しは女性らしい凹凸のでた体を鏡越しに見つめる そう、もう私は『少女』ではなく『女性』なのだ もちろん四六時中なにかと私を見守っているあの過保護な忍者もさすがに入浴中はどこかに行くようになった あれ?いつからだっけ?というかそれって私の事多少なりとも『女』だと意識している証拠じゃないの!? えーと・・・えーと・・・ あ!あの日!ロマーニャ基地にお風呂ができた日!!! 次回『俺さん!私を見てください!!』~女の意地と男の純情~
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/931.html
負けた。 叩きのめされた。 さゆみ達が誘い出された場には、全国各都市に拠点を持つ組織の、その各部隊が待ち構えていた。 いくら個々の力では勝っていようとも、多勢に無勢。 深い傷を追い、命からがら逃げるのがやっとだった。 相手部隊も深追いすることなく、撤退するさゆみ達を見送る余裕を見せた。 総力戦にも関わらず、ここまで明白な敗北を喫したのは、初めてだった。 日暮れ、10人は無事にリゾナントで合流した。だが、各人とも傷は深い。 より重傷な者から順に、さゆみによる治癒が行われてゆく。 しかし、さゆみ自身も負傷し体力を低下させている為、全員の治癒を終えた時には疲労困憊だった。 「このくらいなら私は大丈夫です、道重さんは早く休んで下さい」 そう申し出る者もいた。 だが、さゆみの責任感がそれを許さなかった。 なんとか全員の治癒が終わり、ひと安心した一同は、椅子やソファー、はたまた床に横になった。 「私達、守れるのかなぁ…。世界なんて、おっきなものを」 誰ともなしに呟いた。 「うん、こうして初めて分かった。敵の強さ。世界の重さ」 「でも、戦いは続いてるんだよ。一度背負ったものを、下ろすなんて…できないよ…」 しばらく沈黙が続いた。 そして、さゆみが口を開いた。 ただし、こう前置きをして。 「今からおっきな独り言言うから。聞いてても、聞かなくてもいいから」 今日負けてよかったと思う。 すごく悔しいけど、よかったと思う。 みんな戦いが好きで戦ってるわけじゃないよね。 みんな優しい子なのは、私がよく知ってる。 優しいから、戦うことは苦しいと思う。 でも、苦しさを知って、よりまた優しくなれると思う。 優しさが、守りたいという気持ちを強くさせると思う。 それと、私達は再び立ち上がるための強さも知れた。 負けを知って、ままならないことがあることを知って…若いうちに知れてよかった。 勝ってばかりの人達よりも、私達は色んなことを知ってる。 知るってことは、世界が広がるって事。 それでまた、守りたいという気持ちを強くさせると思う。 若い時のこの大切な時間に、守りたいと思ってくれたこと。 戦わなきゃと思ってくれたこと。 ついてきてくれて、ありがとう。 …でも、この次生まれて来た時にはみんな、誰も傷つけない、花みたいになれたらいいね。 「…よし、ピザでもとろっか!」 久しぶりに、店内に明るい声が響いた。 投稿日:2013/11/27(水) 00 40 07.00 0
https://w.atwiki.jp/dvdlivedoor/pages/52.html
「韓国ドラマ 愛するウンドン DVD」の3組のカップルがそれぞれの魅力でお茶の間に登場する。初々しいロマンスの始まりを告げるGOT7のJr.とイ・ジャイン、20代の情熱的な恋を描くペク・ソンヒョンとユン・ソヒ、30代の切ない恋を演出するチュ・ジンモとキム・サラン。彼らは視聴者の心を掴むことができるのだろうか。 27日、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区汝矣島洞(ヨイドドン)GLADホテルでは、JTBC新金土ドラマ「愛するウンドン」(演出:イ・テゴン、キム・ジェホン、脚本:ペク・ミギョン)の記者懇親会が開催された。チュ・ジンモ、キム・サラン、キム・テフン、キム・ユリ、ペク・ソンヒョン、ユン・ソヒ、イ・ジャインらが出席した。 久しぶりにドラマに出演するチュ・ジンモとキム・サラン。二人は「この作品のタイトルから惹かれた。ストーリーも、ハマる魅力がある。これまで披露してきた強いイメージ、セクシーなイメージから抜け出し、新しい一面を届けることができると思う」と口を揃えた。DVD販売 チュ・ジンモはチ・ウノという芸名で活動しているトップスターパク・ヒョンス役を務めた。幼い頃に姿を消したウン・ドンヘの懐かしい思いを持っている男性だ。ソ・ジョンウン役のキム・サランは前向きなエネルギーが溢れる美貌の自叙伝の代筆作家だ。交通事故で下半身麻痺となった夫のジェホ、幼い息子のライルとともに厳しいが幸せな人生を生きている。 20代のカップルであるペク・ソンヒョンとユン・ソヒは抜群の相性を誇った。ペク・ソンヒョンは体を張って演技をするユン・ソヒの情熱を讃え、ユン・ソヒはペク・ソンヒョンのおかげで気楽に撮影することができたと高く評価した。 キム・サランと夫婦として共演するキム・テフンは「この作品のオファーがあった時に、すぐOKした。映画でもそうだし、悪役を多く演じてきたので今回の役が演じたくなった。悪役が嫌いではないが、実際の僕は可愛くて善良な人なので、このような役が演じたかった。ストーリーもとても面白かった」と伝えた。キム・ユリも「台本を読んでいて、涙が出た。他の俳優たちもみんな同じ気持ちだろう」と伝え、どんどん引き込まれる台本に満足を示した。 しかし、俳優たちの素晴らしい共演やぴったりの息があるとしても、重要なのは視聴率である。どれだけ視聴者の心を掴むことができるのかが重要だ。JTBC側は既存の時間帯から1時間早く編成を調整した。 これについてイ・テゴンプロデューサーは「戦略的なものではなかった。周りを見てみると『プロデューサー』『三食ごはん』があった。一生懸命に撮影したのに、存在感がなければどうしようと心配にもなる。けど、気にしないつもりだ。僕たちにも競争力はある。結局は視聴者がどう見てくれるかにかかっている」と伝え、覚悟を見せた。 「愛するウンドン DVD」は二人の男女の20年間に関する奇跡のような愛を描く叙情的なラブストーリードラマだ。一人の女性に向けたトップスターの純粋で一途な愛をアナログ風の感性で描き、視聴者の恋愛感情を刺激すると期待を集めている。29日に放送される第1話を皮切りに、韓国で毎週金、土曜の午後8時40分に放送される。
https://w.atwiki.jp/v-sw/pages/888.html
■技術局長私室 └実験体保管室へ ■実験体保管室 ├エレベータに乗り、敵を全滅させる ├クロノスライサーを稼動させてレーザー地帯を抜ける └青い装置を攻撃して青い封印を解除 ■戦闘力解析所 └クロノスライサーを稼動させてレーザー地帯を抜ける ■教団大聖堂 └橋を渡る ■本部内回廊 ├クロノスライサーを稼動させてレーザー地帯を抜ける ├右壁を調べるとSECRET MISSION 06へ ├下に降りて、敵を全滅させて赤い封印を解除 └クロノスライサーを稼動させて回転刃を上って反対側に進む ■実験体廃棄場 └奥の装置を調べて上に進む ■円卓の間 ├敵を全滅させて赤い封印を解除 ├左壁を調べるとSECRET MISSION 07へ └時空神像があるので活用しよう ■帰天の間 └ダンテと戦闘 DMC4 Topページへ
https://w.atwiki.jp/changerowa/pages/364.html
← ◆ 何が起きたかをすぐには理解出来なかった。 カードを装填し、目障りな小娘の剣士へ制裁を下す。 数秒後には物言わぬ肉塊と成り果て、自分は勝利の余韻に浸りながら風都タワーを去る。 黎斗の描いた未来図を裏切るように、望まぬ現実が襲い掛かった。 「……っ!?なん、だと…!?」 真っ先に来たのは全身を苛む痛み。 ジューダスの攻撃を何度か受けたが、今感じているのは特に強烈。 やがて安定した視界が捉えたのは、星が輝く夜空。 地べたに背中を預けていると気付き、神とは正反対の無様さに歯軋りを抑えられない。 この期に及んでふざけた抵抗に出たせいで、自分は屈辱を味わう羽目になったのか。 怒りのままに立ち上がろうとし、視線を落とせばそこには白い袖と生身の手。 まさかと周囲を見回して、嫌な予感は現実のものとなる。 「お、おのれ…!」 散らばった緑色の欠片が何なのか、分からない筈がない。 カードデッキが破壊されたのだ。 愛着を持っていた訳ではないが、殺し合いで最も使い慣れた武器だった。 それをここに来て失ったのは相当な痛手。 リプログラミングされ変身能力を失った苦い記憶が、嫌でも思い起こされる。 ふざけた真似をしたジューダスへの怒りが更に燃え上がり、 「ほう、辛うじて破壊を逃れたか」 聞き覚えのある声が耳に届いた。 ばっと振り向いた黎斗の視界に飛び込む、マゼンタ色の装甲。 プレートが突き刺さった異様な仮面は、悪鬼の如く歪んでいる。 細部に違いこそあれど見間違えはしない。 世界の破壊者、仮面ライダーディケイドが再び姿を現したのだ。 DIOを破壊し終えた後、予定通りJUDOは風都タワーに向かった。 所詮口約束とはいえ自ら宣言を撤回する真似には出ず、志々雄との決着は次の機会に持ち越し。 最終的に破壊する相手なことに変わりは無いが、優先して狙うのは仮面ライダー達。 まずは自分に手傷を負わせた二人で一人のライダー、その片割れと仲間達を破壊する。 トビウオに乗り最短ルートで移動、到着し見付けたのは自分と一戦交えた二人が殺し合う場面。 仲間同士で争う理由に興味は無い。 破壊対象がすぐそこにいるのなら迷う必要も無く、JUDOは再び破壊者の鎧を纏った。 「貴様らの他にいないようだが…まあいい。行き付く果ては同じだ」 黒いライダーと真紅の銃使いは別行動中なのか姿が見えない。 であるなら、先にこの二人を仕留めるまで。 片方は仮面ライダーではない、しかし出会った以上は破壊以外に有り得ない。 ミラーモンスター諸共ディメンションキックを叩き込まれ、黒龍はダメージに耐え切れず爆散。 契約者を二度変え結局餌にはあり付けなかったが、同情を向ける者は不在。 デッキを破壊されたからといって黎斗を見逃す気も無い。 変身者の息の根も確実に止めてこそ、真に破壊は完了するのだから。 「本当に戻って来たのか…」 鈍痛に顔を顰めるジューダスからは、ディケイドの登場への驚きは感じられない。 ベルデが余裕ぶってペラペラ話し始めた時、エリア内に悪の魂が一つ現れたのが分かった。 自分達に気付けば上手く黎斗への妨害に利用できるかと考え、結果はこの通り。 状況が改善されたとは口が裂けても言えないが。 焦りが強いのは黎斗だ。 カードデッキを失い、この場で最も不利なのは間違いなく自分。 ジューダスのように生身でも戦える力が無い以上、支給品に頼る他ない。 となれば使うべきは仮面ライダーではなくとも、強大な力を秘めた一つの道具。 アレならこの状況でも勝ちを狙えるかもしれない。 しかし暴走という多大なリスクが使用に躊躇を抱かせる。 だからこそ決して自分自身に使おうと思わなかったのだが、取れる選択は多くない。 「…良いだろう。私にこの力を使わせた事を後悔し、神の前に跪けェッ!!」 『ディケイドォ…』 ゲームマスター復活のチャンスを無に帰す訳にはいかない。 神である自分が死したままでいるなど認められない。 リスクを恐れる脆弱さは神に不要、迷いを捻じ伏せアナザーウォッチを己に埋め込む。 破壊者の軌跡を否定する偽りの歴史が流れ込み、瞬く間に姿を変える。 マゼンタ色の胴体、バーコードを思わせる模様、何より激情態に負けず劣らずのおぞましい顔面。 正しき心を持った少年達とは違う、此度の変身者は神を名乗る悪。 ある意味ではこれまで以上にアナザーライダーに相応しい男だ。 剥き出しの口から漏れるのは獣に似た呻き声、ではない。 「これしきで…神を御せると思うなアアアアアアアアアアアッ!!」 多少苦し気であっても破壊衝動へ完全には呑まれていない。 黎斗の意識は未だ健在。 承太郎のように不意打ちでアナザーウォッチを埋め込まれたのではく、自分の意思で変身に踏み切った。 悪という形であれど精神面では決してブレず、破壊衝動にも抵抗が可能。 加えて異なる世界線において、黎斗はアナザーオーズの力を使いこなしていた。 アナザーライダーへ強制的に選ばれた一般人と違い、自らの意思でアナザーライダーの力を制御可能なポテンシャルは秘めている為と考えられる。 『あれは新八くんの…!?』 「回収していたということか…。神というよりはコソ泥だな」 承太郎達が死闘の果てに暴走を止めた怪物が、最悪の形で再び現れた。 新八の時とは違い遠慮なく倒せるとはいえ、強さの程は直接戦っていないジューダスにも分かる。 一方JUDOは激情態の破壊衝動に蝕まれながらも、思考は鋭く研ぎ澄まされている。 むしろ破壊の為に冷静に状況を見極め、ここから取るべき手を素早く弾き出す。 新八が変身したアナザーディケイドは難なく倒せたが、今回はあの時よりも脅威に感じられる。 ジューダスの強さも以前の戦闘で把握しており、少なくともアナザーディケイドの片手間に倒せる雑魚ではない。 だから手っ取り早く数の差で有利に立つ。 『ATTACK RIDE ILLUSION!』 ディケイドライバーがカードの力を解放、新たに三体のディケイドが並び立つ。 耐久力以外は本体と同性能の分身を出現させる、非常に使い勝手の良い能力だ。 これまではプライド的な理由で使用を控えていたが、最早過去の話。 世界の破壊者の戦いに正々堂々など不要、手段を選ばず破壊するまで。 ジューダスへ二体の分身を向かわせ、三体目の分身と共にアナザーディケイドを相手取る。 それぞれライドブッカーをソードモードとガンモードに変形。 先手必勝とばかりに斬りかかった。 「しゃらくさいっ!」 ディヴァインオレ製の刃とアナザーディケイドの剛腕が激突。 武器を持たない身で止められる程甘くは無いが、此度はそれを現実の光景にする怪物。 ライドブッカーは腕を斬り落とすどころか、傷の一つも付けられない。 幾ら押し込んでもびくともせず、反対に押し返される始末。 体勢が崩れたら一気に畳みかけるチャンス、殴打の嵐が殺到。 分身も指を咥えて見ているだけではなく、援護射撃を行うも怯んだ様子は無し。 とはいえ僅かに意識は逸れた。 ライドブッカーを翳しながら後退、拳の範囲内から離脱に成功。 『ATTACK RIDE BLAST!』 『ATTACK RIDE SLASH!』 連射性能を高め狙い撃つ。 雨霰と全身に叩き込まれるエネルギー弾で隠れた巨体へ、もう一体が再度接近。 斬撃の威力を強化したライドブッカーが、血を欲する魔剣の如く急所へ走る。 目障りな虫を払い除けるように腕を振るう。 たったそれだけでエネルギー弾は霧散。 斬撃にも動じず拳を一発ぶつける、その動作一つでライドブッカーが弾き返された。 急ぎ防御の構えを取るも刀身を襲う衝撃は非常に重い。 背中から倒れないようどうにか踏み止まる。 一度風都タワーで戦った時よりも、変身者が違う為か手強い。 加えて耐久力の異様な高さも厄介だ。 なればここはただ武器を振り回すだけではない、ディケイドの力を存分に使わせてもらう。 『KAMEN RAIDE HIBIKI!』 『KAMEN RIDE KIVA!』 激情態はディケイドのまま直接他のライダーの力を行使可能だが、カメンライドが使用不可能になった訳ではない。 音撃戦士とキングオブバンパイア、二体のライダーヘ変身。 そこから更に変身を重ねるべくカードを取り出す。 『FORM RIDE HIBIKI KURENAI!』 『FORM RIDE KIVA BASSHAA!』 本体が変身する仮面ライダー響鬼は藤色から一変、全身を炎に染め上げる。 夏の魔化魍に対抗すべく修行を経た姿、響鬼紅だ。 並ぶ仮面ライダーキバが纏うのは緑の鎧。 ガルルやドッガと同じく、こちらもアームズモンスターの力を借りた派生形態。 水中戦と遠距離攻撃に特化したバッシャーフォーム。 ヒレの付いた専用武器、バッシャーマグナムの照準を合わせる。 同時に響鬼がカードを装填し、こちらも音撃棒烈火を装備。 「姿を変えた程度で倒せる神ではない!」 得物を変え、アナザーディケイドと再び真っ向からぶつかり合う。 通常時以上の身体能力の恩恵により、弾き返される事無く打ち合いに持ち込む。 アナザーディケイドの拳を防ぎ、時折胴体を叩く度に炎が発生。 体内で最大限に高めた火の気を攻撃にも転用している。 能力の低い魔化魍程度なら、複数体纏めて殲滅可能な威力だ。 アナザーディケイドの敵は一人だけでは無い。 響鬼とは対となる能力、アクアバレットが彼らの背後から放たれる。 遠距離戦を得意とするフロッグファンガイアを圧倒し、撃破に追い込んだ射撃能力を発揮。 水の弾丸が当たっては弾け、響鬼のサポートを行う。 「神に気安く触れるなど許さん!」 なれど、偽りの破壊者を倒すにはまるで足りない。 致命傷には程遠くとも鬱陶しいことこの上なく、苛立ちへ呼応し腹部の装飾が発光。 エネルギーの波動が全方位に放たれ、二体のライダーを痛め付け吹き飛ばす。 多少のダメージ程度で済ませはしない、翳した掌にエネルギーを収束。 威力を高めたエネルギー波で纏めて葬る。 『FINAL ATTACK RIDE KI・KI・KI KIVA!』 対抗手段なら当然持っている。 フエッスルの代わりにライダーカードの効果で魔皇力を増加。 竜巻を発生させアナザーディケイドを捕えた。 この程度の拘束など長続きしないが、多少なりとも動きを鈍らせ先手を取れたならそれで良い。 威力を高めたアクアバレットを発射、一手遅れて敵もエネルギー波を放つ。 高威力の力が激突し、互いを打ち消し合う。 バケツを引っ繰り返したように大量の水飛沫が跳ね、アナザーディケイドの視界を隠す。 それこそ破壊者が狙った展開。 ここからが本命と言わんばかりに、無慈悲な電子音声が奏でられた。 『FINAL ATTACK RIDE HI・HI・HI HIBIKI!』 水気が一瞬で消える灼熱を纏い、響鬼が二本の得物を振り被る。 咄嗟に両腕を交差させるも、関係無いと音撃棒烈火による殴打が炸裂。 魔化魍を一撃粉砕する清めの音が叩き込まれ、アナザーディケイドの体内で激痛が暴れ狂う。 堪らず吹き飛ぶ巨体へ追い打ちを掛けようと、更にカードを取り出した。 「舐めるなァッ!!!」 宙へ浮かんだ巨体は地面への激突を良しとせず、突如現れたオーロラに消える。 この現象には見覚えがあった。 他ならぬJUDO自身が巻き込まれ、風都タワーへ転移させられたのだから。 あっちこっちへ視線を飛ばす前にカードを装填、振り向きざまに拳を放つ。 『ATTACK RIDE BEAT!』 パワーとスピード、両方を強化させた鉄拳が狙うは背後からの標的。 転移能力を使ったアナザーディケイドを迎え撃つも、敵が放ったのも拳による一撃。 交差は一瞬、一手早く胸部を叩いたのはアナザーディケイド。 響鬼紅の耐久力を以てしても痛みは免れず、呻き声と共に後退る。 破壊者同士が一歩も譲らぬ闘争を繰り広げるその一方。 天使と悪魔の死闘には、大きな変化が訪れようとしていた。 ◆◆◆ 『ATTACK RIDE KICK!』 宙に身を躍らせ、地上の標的目掛け蹴りを放つ。 跳躍の勢いもキックの威力も、通常形態の倍。 激情態のスペックにローカストアンデットの能力を上乗せしたのだ。 これだけでも並の怪人なら、数体纏めて爆散は免れない。 脱兎の如く駆けて躱すと、真横で地面が粉砕される。 飛び散る破片を払い除け、今度はこちらが技を繰り出す番。 相手が変わろうとやる事は一つ、己の剣で倒すだけ。 「双連撃!」 『ATTACK RIDE SLASH!』 双剣には双剣をぶつける。 ブレイラウザーが召喚と同時に切れ味を強化、同じ土俵に立ち勝ちを奪う。 ディヴァインオレとオリハルコン、悪を斬る剣が此度は邪悪な牙と化し振るわれた。 剣戟が奏でるは殺意に溢れた死闘。 頸を、心臓を狙い振るわれる刃を掠りもさせぬと防ぎ合う。 得物はどちらも最良、なれど技量で勝るは翼をもがれた天使。 『ATTACK RIDE BLAST!』 だが剣術の差だけで有利不利は決められない。 響く人の声では無い雑音に、ジューダスは鍔迫り合いを即中断。 後方へ大きく跳び、立っていた場所に複数のエネルギー弾が躍り出た。 「エアプレッシャー!」 重力場を発生させ、二体纏めて圧し潰す。 これで決着が付けば御の字だがそう簡単に事が運ばないのが現実というもの。 技の発動を察知し巻き込まれる前に退避。 避けながらも引き金を引き、ばら撒かれたエネルギー弾がジューダスに風穴を開けんと迫る。 上空へ逃れようとし、飛べない事を思い出し舌を打つ。 元の体と同じ状態に戻ったと言えば聞こえは良いが、飛行に慣れて来たのもあって複雑だ。 翼が元に戻る気配は一向に現れず、無駄な期待をするよりはきっぱり諦めた方が良い。 背中に生えた一部が急に消え生まれる違和感を無視し、双剣を振るってエネルギー弾に対処。 銃撃を防いでいる間、敵の一体はライドブッカーに手を伸ばす。 片方が作った隙を活かし、ディケイドライバーが力を解き放った。 『ATTACK RIDE BOKU NI TSURARETEMIRU?』 「我に釣られてみるか?」 電王・ロッドフォームの武器、デンガッシャーを装備。 不要な決め台詞まで口にするデメリットはさておき、長得物を豪快に振り回す。 先端から発射された糸がシャルティエの刀身に絡み付く。 武器の奪取を狙い引っ張り上げると、当然向こうも抵抗に出る。 風都タワーでエターナルソードを奪われた時と違い、新たな剣の入手を許してはくれないだろう。 『ATTACK RIDE TSUPPARI!』 「がっ…!?」 剣を奪われまいと意識を向け過ぎたのが仇となる。 横合いからの衝撃が叩き込まれ、羽のように軽い少女の体が吹き飛ぶ。 もう一体のディケイドが使ったのも、電王のアタックライドカード。 激情態の影響か、フォームチェンジせずともアックスフォームと同等のパワーを発揮。 イマジンを怯ませた張り手は天使化していようと、アイドルの肉体には強烈だ。 『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DEN-O!』 立て直す機会を誰が与えてやるものか。 戦闘に遊びを持ち込む男はもういない、ここにいるのは世界の破壊者。 投擲されたデンガッシャーを何とか防ごうとするが、狙いは串刺しに非ず。 先端の命中と共に、亀の甲羅状のエネルギーが展開。 DIO相手にも放った技は拘束し、蹴りを叩き込んでトドメに持って行く流れ。 藻掻くジューダスへ追い打ちをかけるかの如く、電子音声が鼓膜を叩いた。 『FINAL ATTACK RAIDE FA・FA・FA FAIZ!』 もう一体のディケイドとて見物に徹するつもりはない。 脚部から光線が放たれ、円錐状のポイティングマーカーに変化。 ゲル化能力を持つバイオライダーをも仕留めた力で、二重の拘束を行う。 確実な破壊を与える準備は完了、後は終わらせるだけだ。 「仮面ライダーではないが逃しはせん。己の不運を呪え」 慈悲など微塵も宿らせない死刑宣告を、はいそうですかと受け入れる気は当然無し。 しかし抵抗虚しく拘束はビクともせず、剣を振るう事すら不可能。 晶術を使わせまいと破壊者が跳躍、破壊力を高めた蹴りを叩き込む体勢に入った。 『坊ちゃんまずいですよ!このままじゃ…』 「分かっている…!」 ソーディアンの焦りは最もだが、余裕がないのはジューダスも同じ。 天使化の影響を受けているとはいえ、ディケイドの蹴り技を二つも受けて生き延びれるとは思えない。 どうなるかなんて考えるまでもない、この先の展開は一つ。 (死ぬのか、僕は…!) 何も出来ずに、何も為せずに死ぬ。 リオンを殺した破壊者の手で、ジューダスという存在もまた命を刈り取られる。 まるで、殺し合いでの自分(達)の運命は最初からこうだったとでも言わんばかりに。 歴史修正の作戦は蓮達に話し、メモも残してある。 自分が死んでも彼らに任せればそれで良い。 と、あっさり生を投げ出す程諦めの早い人間になったつもりはない。 何より思ってしまう、彼らの姿を思い浮かべてしまう。 能天気なナイト気取りのアイツは、馬鹿正直なアイツの息子は。 あの二人なら、こんな場面でも黙って死を受け入れはしないだろうと。 ああ全く、暑苦しい奴らだとの呟きに嘲りはなくて。 絶体絶命の状況だというのに、俄然死を拒絶する気力が湧いて来て。 最後には消え、歴史の狭間を漂う運命だとしても、それでも。 「まだ死ぬわけにはいかない…僕の終わりはここじゃない…!」 生を叫べども手を差し伸べる神はおらず、与えられるのは破壊者からの終焉。 瞳を焼く赤い閃光が埋め尽くし―― ――『使徒達よ、この漆黒の翼の庇護、これからも期待するがいい!』 目の前に青が広がった。 ○○○ 知らない場所と、知らない人々。 何処なのか分からない、何故こんなものが急に見えたのかも分かる筈がない。 船の上、だろうか。 但し大海原を進むのではなく、海と同じ青さを持つもう一つの自由な世界。 空だ、ここは果ての見えない空の上。 青に包まれ、大勢の人々が自分を取り囲む。 少女達と、不思議な生き物と、それに『――』。 自分を見つめる瞳に悪意は無く、向ける言葉に宿るのは優しさ。 何となくむず痒さを感じるも、目の前の彼女達はお構いなしだ。 自分、否、『彼女』を認める想いへ応えるように宣言する。 自分では無い、だけど今の自分の聞き慣れた声で。 今見ているのが何か、薄々察しが付き始める。 だからこそ余計に分からない。 『彼女』は争いとは無縁、戦う力を持たない普通の少女。 ソーディアンマスターのような戦場に身を置く者とは違う。 目の前に映る、記憶の中の景色とは明らかに矛盾しているではないか。 だが妄想の産物、という訳でも無いのだろう。 その証拠に自分の内から目覚めようとしてるのが分かる。 『彼女』の奥底に眠ったままで、『彼女』が気付く事なく消えた筈の力が。 果たしてこの現象が、彼女にとって良いと言えるのかどうかは分からない。 力を失い、平穏な日常に戻る筈の『彼女』を再び争いに引き摺り込んだようなものじゃないのか。 そう言われたら強くは反論できない、しかし自分にとっては必要不可欠なのもまた事実。 ならば、こう言わせてもらう。 「力を借りるぞ、蘭子」 ◆ 「なに…!?」 驚愕を声に出したのはどちらの破壊者か。 答えが何だろうと起こった事に変わりは無い。 電王とファイズ、二つの力に捕らえられ死を待つだけの哀れな羽虫。 最早死は確定となった小娘に蹴りを叩き込む正にその瞬間、自分達は無様に宙を舞った。 拘束など何の意味も為さない爆発的なエネルギーの上昇を感知、警戒度を引き上げる間もなく余波が襲う。 暴風に弄ばれる枯れ葉の如き姿をいつまでも晒してはいられず、ディケイドの機能を行使。 テスラバンドよりマイクロ波を飛ばし浮遊、着地を終えた二体は今一度敵の姿を目に焼き付ける。 黒の衣装を脱ぎ去り、新たに纏うはアーガイルチェックのゴシックドレス。 赤いスカートが風に揺られ、容姿も相俟って男女問わず魅了する魔性のオーラを醸し出す。 だが変わったのは服装だけではない、更に目を引く特徴が二つ。 頭部から生えた、スカートの色よりも濃い真紅の二本角。 背中には再び翼を取り戻すも、そこに天使の純白は無い。 夜を色に落とし込んだ羽を広げ、双剣を手に破壊者を見下ろす。 天使ではなく、魔王と呼ぶに相応しい少女がそこにいた。 346プロのアイドルが巻き込まれた、空の世界での大冒険。 元の日常に帰還した彼女達が、異世界での力を使う機会は二度と無い筈だった。 しかしだ、殺し合いという非日常に突き落とされ、仮の器に封じられたのはソーディアンマスターの精神。 本来持ち得ぬ天使の力が宿り、更には空の世界の生物兵器を目の当たりにし肉体の記憶が刺激された。 ここまでの条件が揃っているならば、彼女の奥底で僅かに燻る魔王の力が再覚醒を果たしたとて、有りえぬ話とは言い切れない。 尤も詳細な理由をジューダスは求めない。 まだ戦える、正しい終わりを迎える為に足掻き続けられる。 その一点さえ可能ならば何も文句は無い。 翼が宙を叩き、猛加速し破壊者へと刃を届かせた。 「シャドウエッジ!」 地面から生えた剣は一本に留まらない、複数本が破壊者へ突き刺さる。 パラゾニウムの強化に加え、闇を司る魔王の能力の影響だ。 「ブラッディクロス!」 同じく闇属性の晶術を発動。 十字を描く巨大な斬撃から破壊者は逃れられず、霞のように消滅。 威力も範囲も元の肉体以上、内心で思わず舌を巻くも顔には出さない。 仕留められた分身は一体だけ、残るもう一体はダメージを受けつつも生き延びた。 反撃に移らんとライドブッカーに手を伸ばし、取り出したカードが宙を舞う。 剣で弾きカード装填の工程を阻止したジューダスが、一気に攻め立てる。 「千裂虚光閃!」 空中へ斬り上げ、無防備を晒した所を狙う無数の突き。 腕が数十本に分裂でもしなければ不可能な速さに、対処が間に合わない。 何よりこれでもまだ終わりではない、次に放つ本命の前段階でしかないのだ。 「魔人千裂衝!」 敵の落下を待たずに追撃。 縦横無尽に空を駆け、次から次へと斬撃を繰り出す。 獲物を狩る爪と牙の両方が突き立てられ、遂に分身は消滅。 優雅に降り立つも気は一切抜かない、倒すべき敵はまだ残っている。 再度翼を広げ加速、もう一つの戦場へ躍り出た。 「ジューダス…!懲りずに私の邪魔をする気かァッ!!」 一度は追い詰めた憎たらしい相手が、またもや自分の前に立ちはだかる。 しかも新たな力まで手に入れており、全く持って鬱陶しい。 横槍を入れたディケイド共々、地獄へ叩き落とさねば気は済まない。 「神の力を思い知れェエエエエエエエエエエッ!!!」 巨体に違わぬ両足で蹴り付けられた地面が粉砕。 神に逆らう忌々しい連中を見下ろす位置まで跳び、腹部からエネルギーを放出。 10枚のカード状へ変化し道を作った。 異世界の仮面ライダーや、常磐ソウゴの仲間を屠った蹴り技だ。 神に楯突く大罪人への裁きが下されようとしている。 『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』 『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』 なれば破壊者が放つは驕りを撃ち落とす魔弾。 二体共にディケイド激情態へ戻り、ライドブッカーの銃口を向ける。 「喜べ。これも使ってやろう」 ディケイドは破壊の為にもう一手打つ。 ビー玉のような石、アクションストーンから引き出したエネルギーをライドブッカーに付与。 仮面ライダーとは違うヒーローの力が悪しき目的に利用される。 銃口に電撃が迸り、解放まで残り僅か。 「ッ!!!」 最後の一人もまた、持てる最大火力の技で勝負に出た。 ジューダスとしての剣術ではない、蘭子の肉体が放てる奥義だ。 力の引き出し方が自然と頭に浮かび、不可思議な現象を今は黙って受け入れる。 自分自身をも壊し兼ねない膨大な魔力を収束、決着を付ける準備は整った。 来るべき瞬間に口を突いて出る、知らない筈の名が引き金となる。 「スクーロ・ヘルフィエレ!」 闇と光、氷と炎。 相反する属性同士が絡み合い、審判の時を告げる。 魔王の力を得てもラブボムの効果は健在。 故に元々は存在しなかった光属性の効果も追加されたのだ。 二人の悪も決して勝利を譲らない。 ディメンションブラストが戦場へ邪悪な輝きを齎し、アナザーディケイドは己が生み出した道を駆ける。 神、破壊者、魔王。 三つの力が互いを喰らい合い、光が彼らを包み込んだ。 ◆◆◆ 会場中央の島と陸を隔てる湖の上にて、風都タワーに背を向ける者が一人。 全身を襲う痛みと倦怠感を噛み殺し、ジューダスは戦場から遠ざかる。 技の衝突により発生したエネルギーに巻き込まれる中、急ぎ空から離脱。 ダメージこそ避けられなかったが瀕死に追い込まれるのだけは回避し、今に至る。 後の二人がどうなったかは分からない。 死んだか、虫の息となったか、自分と同じように逃げ延びたか。 戻って確認しようにも、ジューダス自身消耗が激しい。 今の状態で再びディケイド達と戦い、確実な勝利を手に出来るかは怪しい所だ。 『あの二人はどうなったんでしょう?どっちも死んだ、というのは楽観的過ぎですかね?』 「仮に連中が生きていたとしても、すぐに動ける状態じゃない。そう思いたいがな…」 自分でも納得のいかない部分はあるが、無理やりにでも飲み込むしかない。 色々と予想外の結果になったとはいえ、一先ずは風都タワーを離れ蓮達との合流に向かう。 黎斗が敵だったと知らせなければならない事に、僅かながら気を重くして。 【D-4 水上/夜中】 【ジューダス@テイルズオブデスティニー2】 [身体]:神崎蘭子@アイドルマスター シンデレラガールズ [状態]:疲労(絶大)、ダメージ(極大)、天使化、魔王ブリュンヒルデ、飛行中 [装備]:シャルティエ@テイルズオブデスティニー、パラゾニウム@グランブルーファンタジー [道具]:基本支給品、ルナメモリ@仮面ライダーW、新八の首輪 [思考・状況] 基本方針:主催陣営から時渡りの手段を奪い、殺し合い開催前の時間にて首謀者を倒す。 1:蓮達に合流する。 2:黎斗とディケイドがどうなったにしろ、今は離れるしかないか…。 3:エボルトやグリードも悪の魂の持ち主のようだが…。 4:ギニューは次に会えば斬る。 5:巨人(康一)はあれでどうにかなったとは思えない。 6:この機械は蓮に渡せば良いだろう。 [備考] ※参戦時期は旅を終えて消えた後。 ※天使の翼を失いました。 ※天使化により、意識を集中させることで現在地と周囲八方向くらいまでの範囲にいる悪しき力や魂を感知できるようになりました。 ※蘭子の肉体はグランブルーファンタジーとのコラボイベントを経験済みのようです。その影響によりグラブル出典での力が使えるようになりました。 ※現在の服装はヘルロードゴシックになっています。 ※アビリティの使用等は後続の書き手に任せます。 ◆◆◆ 「お…のれ……」 爆撃でもされたと見紛う程に、風都タワー前は無惨な有様と化した。 破壊の限りを尽くされた地べたに這いつくばり、黎斗は怨嗟の呟きを漏らす。 白の衣服は襤褸切れ同然となり、傷を負っていない箇所を見付ける方が難しい。 敗北者の三文字がこれ程に似合う者もそういないだろう。 そのような姿に成り果てて尚も、彼の眼は死んでいない。 神である自分へとことんまで屈辱を味合わせた者達への、消せない怒りが燃え上がる。 アナザーライダーの中でも非常に高い能力を持つ、アナザーディケイドに変身していたのは幸いだった。 変身解除に追い込まれ多大なダメージを負ったが、死だけはどうにか避けられたのだから。 尤も代償が少ないとは言えないが。 排出されたアナザーディケイドウォッチは砕け散り、二度と使用不可能。 ジューダスの攻撃を受けただけならこうはならなかった。 だが先の闘争に参戦したのは世界の破壊者。 変身者の精神こそ違えど、本物の仮面ライダーディケイド。 アナザーウォッチはアナザーライダーの元となった戦士の力でのみ、破壊する事が出来る。 三度の猛威を振るったアナザーディケイドと言えども、四度目の機会は訪れない。 即ち、黎斗の持つ手札がまた一つ失われた。 「まだ、だ…まだ私は終わってなどいない……!」 アナザーディケイドには劣るが、自分にはまだアナザーウォッチが一つ残っている。 何より満身創痍でも生きているのだ。 ゲームオーバーを迎えるには早い、再起のチャンスは十分に存在する。 神は決して滅びない。 「この私を倒せなかった事を…後悔させてやる……」 ジューダスから話を聞くだろう蓮達を利用するのはもう不可能だ。 状況は放送前よりも格段に悪い。 問題は山積み、とにかくまずは生きてここを離れなければ。 窮地を幾度も乗り越えて来た、神の才能を持つ自分に不可能は無いと言い聞かせ立ち上がる。 それが終わりの幕開けとなった。 「なっ…!?」 目の前に緑色が見え、視界が反転。 押し倒されたと気付いた時にはもう、体を喰われていた。 「ぐぁああああああああああああっ!?」 咄嗟の抵抗で伸ばした腕は掴まれ、枯れ枝のようにへし折られる。 爪を腹部に突き立てられ、引き摺り出された臓物が貪られる。 契約者だった男の返り血に汚れながら、バイオグリーザは夢中で食事を続けていた。 デッキが破壊された事で、最早バイオグリーザが黎斗に従う理由は無い。 ディケイドやジューダスとの戦闘が終わるまで、ミラーワールドでじっと息を潜めどれくらい経ったか。 気が狂いそうな空腹に耐えた甲斐も有り、ようやく待ち望んだご馳走に有り付ける。 我慢の必要が無くなったなら、遠慮無しに喰らうだけだ。 エビルダイバーやメタルゲラスのような、契約者と良好な関係を築いていた訳じゃ無い。 むしろ殺し合いでは無惨以外に餌を与えられなかったのもあって、不満ばかりを募らせた相手。 自らの腹を満たすのに何の躊躇もない。 「ば、かな……」 与えられた終焉は、獣の餌として食い散らかされる。 神にあるまじき末路をどれだけ拒絶したくても、現実は嗤いながら告げた。 これがお前の最期、奇跡は二度と起こらないと。 ゲームマスターが敗れるなど認められない。 神である自分がこんな惨めに死ぬなど、あってはならない。 自分は生きて、間違った歴史を正さねばならない。 突き付けられる終わりから目を逸らし、これは何かの間違いだと叫ぶも無駄。 目に映るのは究極のゲームが完成した輝かしい未来ではない。 口を赤く汚した醜悪な獣と―― ――『許せ、黎斗!お前を止めるのは、父としての愛が故だ!』 信じられないものを見た。 「は……?」 食い千切られる痛みも忘れて、ただ呆然と呟く。 父と、自分が抱き合う光景。 自分の記憶には無い、くだらない幻覚としか思えないナニカ おかしいだろう。 父は自分の事を息子では無く、ゲンムコーポレーションの商品としか見ていなかった。 昔から父にとってはそれが当たり前で、黎斗にとっても当たり前。 親子としての愛を向ける人間では無い。 これまでも、この先もそうだろうと確信を抱いた。 檀正宗とはそういう人間だろうに。 なのに、今のは何だ。 商品価値の有無でしか見なかった男が、父としての愛を口にした。 上司と部下なんかじゃあない、家族だからと体を張った。 死に際の馬鹿げた妄想か。 もし違うのなら、あれは―― 未来に起こる筈だった、正しい歴史だとでも? 「ふ――ざけるなあああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」 叫ぶ。 残った体力全てを使い果たす勢いで、血を零しながら怒りを吐き出す。 何故怒りを抱いているのか、そもそもこれが本当に怒りなのかどうかすら分からず。 だけど叫ばずにはいられない。 「神は死なない…!もう一度戻って来る…!私は不滅だァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」 そうして黎斗の世界は、神の栄光など存在しない闇に落ちる。 放たれた言葉も獣には雑音以外のなにものでもなく、頭部を食い千切られ完全に沈黙。 後には肉を噛み、血を啜る音だけが響く。 やがて吐き出した首輪が転がり、それで本当に終わり。 神を名乗る男が最後に何を思ったかは、本人にすら分からない。 ただ、死に際の彼が宿らせた感情。 それはきっと神とは程遠い、ありふれた人間らしいものだったのだろう。 【檀黎斗@仮面ライダーエグゼイド(身体:天津垓@仮面ライダーゼロワン) 死亡】 ◆ 骨も残さず腹に入れたバイオグリーザだが空腹は未だ治まらない。 多少マシになっただけで、まだまだ腹が減って仕方がない。 「つまらん最期だな」 気が立っている獣が唐突に聞こえた声に振り向くと、いつの間に現れたのかマゼンタ色の装甲が見えた。 技の衝突の巻き添えから退避したのはジューダスだけではない。 但しJUDOの場合は空ではなく、鏡の中を逃走経路に使った。 本来ミラーワールドへの侵入が許されるのは、カードデッキで変身したライダーのみ。 しかしディケイドにはそういった、「龍騎の世界」での法則は当て嵌まらない。 嘗てライダー裁判が行われた世界を通りすがった門矢士は、カードデッキ無しにミラーワールドへ足を踏み入れた。 ライダー世界のルールを破壊する、これもディケイドの特性の一つ。 適当なガラスから現実世界に戻り、JUDOが見付けたのは今しがたの凄惨な光景。 黎斗の死を悲しむ等有り得ない。 飼い犬に手を噛まれる末路へ同情を向ける気もない。 ただ自分の手で仮面ライダーを破壊出来なかったのが大いに不満だ。 折角風都タワーまで足を運んだにも関わらず、一人は逃走、もう一人はこの始末。 余り良い結果とは言えないだろう。 JUDOの事情に最初から興味の無いバイオグリーザは、餌がまだ残っているのに歓喜し咆えた。 両足のバネが伸縮し、獲物の元まであっという間に接近。 まずは邪魔な鎧を剥がすべく両腕を振るう。 ネコネコの実の影響で生えた爪だ、ライダーの装甲越しでもダメージは期待出来る。 『ATTACK RIDE ONIBI!』 だが破壊者を相手取るには、強化されたとはいえミラーモンスター程度では役者不足。 早撃ちのガンマンのように手札を切り、口から火炎を放射。 魔化魍にも有効な鬼の術だ、顔面を炙られ堪らず後退る。 『ATTACK RIDE SWORD VENT!』 怯む様子を見せるのは、どうぞ破壊してくださいと身を差し出すのと同じ。 偶然か意図してかは定かではないが、ミラーモンスターの力を借りた武器を装備。 顔を上げたバイオグリーザの視界にディケイドはもういない。 ドラグセイバーの最も効果的な使い方は把握済み。 頭上を取り、繰り出された龍舞斬が出血代わりに火花を散らす。 大きくよろけた緑と斑模様の巨体を蹴り付け、冷えた地面が背中に当たった。 起き上がるのを許すつもりは無い。 腹部に足を乗せて動きを封じ、首には青龍刀を添える。 生殺与奪の権を握り、後は軽く腕に力を籠め斬首すれば終わり。 しかしここでJUDOの脳裏に、ふと殺す以外の選択肢が浮かぶ。 「見境なしの獣に我の言葉が通じるか知らんが、一応聞いておく。従うか死ぬか、好きな方を選べ」 もしここにいるのが門矢士本人だったら、絶対にしないだろう提案。 士にとってはたとえ激情態になっていた時間軸でも、一般人を襲うミラーモンスターを生かそうとはしない。 ではJUDOはどうだろうか。 激情態への覚醒を切っ掛けに強い破壊衝動へ苛まれているが、JUDO本人の精神が完全に侵食された訳ではない。 支配か抹殺か、BADANの大首領としての二択を選ばせる程度には元の面が残っている。 従わなければ殺す。 シンプルな問いかけにバイオグリーザが選べる答えは、あってないようなもの。 今の短い攻防だけで、力の差も理解させられた。 ややあって足をどかされると抵抗は見せず、付き従うような仕草を見せる。 考えようによっては悪い事ではないのかもしれない。 JUDOが他の参加者との戦闘を行えば、餌に有り付ける機会はどんと増える筈だ。 ゲルショッカーの改造人間にも似た獣を従え、黎斗の荷物に手を伸ばす。 首輪を回収し、思い出したように足元がふらつく。 志々雄とDIOの連戦からそう時間を置かずに、風都タワー前での闘争だ。 癪ではあるが自分も一度休憩を挟まねば、今後の戦いに支障が生じる。 網走監獄へ行くのはもう暫く後になるだろう。 (そういえば……) 激情態になり忘れかけていたが、ディケイドにはまだ秘められた力が存在するのではないか。 放送前に地下通路のモノモノマシーンを目指したのは、ディケイドライバーの拡張ツール入手も目的の一つだった。 一人殺して得た使用権に加え、複数の首輪もDIOのデイパックから確保済み。 望んだ道具が手に入る可能性は低くない。 より強大な力を用いれば、全ての破壊という目的が叶う。 正史にて激情態となった士がディケイドの最終形態、コンプリートフォームに変身した記録は無い。 能力で生み出したコピー体に過ぎないとはいえ、自らの使命である破壊を他のライダーにまで担がせるのを嫌った。 そういったプライド的な理由かは不明、しかし激情態がコンプリートフォームを使えない訳ではない。 仮面ライダー達との絆を武器に、多くの悪を倒して来た。 そのコンプリートフォームを正義も何も無い、ただ破壊の為に使うとすれば。 世界を破壊する正真正銘の悪魔が、全参加者にとっての脅威として立ちはだかる時はそう遠くない。 【D-4 風都タワー前/夜中】 【大首領JUDO@仮面ライダーSPIRITS】 [身体]門矢士@仮面ライダーディケイド [状態]疲労(極大)、ダメージ(中)、激情態、破壊衝動 [装備]ディケイドライバー+ライドブッカー+アタックライド@仮面ライダーディケイド [道具]基本支給品×9、トビウオ@ONE PIECE、賢者の石@ドラゴンクエストシリーズ(次回放送まで使用不可)、警棒@現実、アクションストーン@クレヨンしんちゃん、海楼石の鎖@ONE PIECE、逸れる指輪(ディフレクション・リング)@オーバーロード、アナザーカブトウォッチ@仮面ライダージオウ、サソードヤイバー&サソードゼクター@仮面ライダーカブト(天逆鉾の効力により変身不可)、精神と身体の組み合わせ名簿×2@オリジナル、レインコート@現実、プロフィール(クリムヴェール、ピカチュウ、天使の悪魔)、首輪(デビハムくん、貨物船、姉畑支遁、悲鳴嶼行冥、鳥束零太、DIO、檀黎斗、鬼舞辻無惨、童磨) [思考・状況] 基本方針:優勝を目指す。そしてこの世界の全てを破壊する。 1:闘争を楽しむ。そして破壊する。 2:仮面ライダーは優先的に破壊する。 3:体力を回復させた後、網走監獄方面に向かう。 4:ディケイドの能力を強化する道具があれば手に入れる。 5:先ほどの者(志々雄)は、もし再会するようなことがあったらその時破壊する。 6:我と同じベルトを使う仮面ライダー…何者だ。そいつもいずれ破壊する。 7:改めて人間どもは『敵』として破壊する。 8:疲れが出た場合は癪だが、自制し、撤退を選択する。 9:優勝後は我もこの催しを開いてみるか。そして、その優勝者の肉体を我の新たな器の候補とするのも一興かもしれん。 [備考] ※参戦時期は、第1部終了時点。 ※現在クウガ~キバのカードが使用可能です。 ※ディケイド激情態に変身できるようになりました。 ※破壊の力に目覚めました。本来は不死身である存在や、特殊な条件を満たせないと倒せない相手でも、問答無用で殺害することが可能であると思われます。 ※ディケイド激情態の、倒した仮面ライダーをカード化する能力は制限で使えないものとします。 ※ディケイド激情態が劇中で使っていた、ギガント等の平成一期サブライダーの武装のアタックライドカードは、ここにおいては無いものとします。 ※バイオグリーザを力で屈服させました。 ※バイオグリーザがネコネコの実の能力者になったミーティの肉体と、体内にあったいのちのたまを捕食しました。その影響でバイオグリーザ自身の能力が上昇しましたが、空腹も大きくなっています。 ※ベルデのデッキ@仮面ライダー龍騎、バットショット@仮面ライダーW、アナザーディケイドウォッチ@仮面ライダージオウは破壊されました。 ※ドラグブラッカーは死亡しました。 ※着火剛焦@戦国BASARA4、召喚石『ドグー』@グランブルファンタジー、MP40(予備弾倉×1)@ストライクウィッチーズシリーズが付近に落ちているか戦闘の巻き添えで破壊されたかは後続の書き手に任せます。 【ルナメモリ@仮面ライダーW】 幻想の記憶を宿したガイアメモリ。 超常的な属性を付加し、肉体や武器の形状をゴムのように自由自在に変化させ、変則的な攻撃が可能になる。 ダブル専用の装備やエンジンブレードに装填すれば、マキシマムドライブで効果を発揮する。 ダブルが扱う特殊な設計を施されているが分類上はT1ガイアメモリな為、メモリ単体で仮面ライダーやドーパントへの変身は不可能。 142 LOST COLORS -桃源郷エイリアン- 投下順に読む 144 何ガルガルしてるの!言うこと聞かないとおやつ抜きだよ! 時系列順に読む 137 瞬間センチメンタル 檀黎斗 GAME OVER ジューダス 139 Jの奇妙な冒険/懐玉 大首領JUDO 145 神ノ牙 -集結の百禍(前編)-