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2011/09/17(土) 更新分 2011/09/18(日) 更新分 2011/10/07(金) 更新分 2011/09/17(土) 更新分 私がダークネスに入ったのは中学生の時だった。 その頃の自分は梨華ちゃんよりも大人しい女の子だった。 女子高に通っていてカラダが大きいせいもあるのか自分とは正反対のオトコマエキャラを要求された。 ダークネスに入っても、それは変わらなかった。 自分は本当は、そんな女の子じゃないのに。 大ざっぱだと言われるけど実際は生真面目で気にしぃで、たまにナイーブで……。 私は市井さんの後釜じゃない。 市井さんが脱退する時の、ごっちんは、それはもう能力暴走し放題で大変だった。 市井ちゃ~ん辞めないで~!!びぇ~~~!!だったもんなあ……。 その反動を私に求められても困る。 相変わらず散らかってて入るだけで吐き気がするほどピンクにまみれている梨華ちゃんの部屋。 せっかくかわいいのに、だらしがない。 それを片付けるワタシ。 心が痛むというよりも、私は頭が痛い……。 ◇ ◇ ◇ 2011/09/18(日) 更新分 私達は今、街にショッピングに来ている。 ホントは美貴ちゃんと遊びたかったけど梨華ちゃんとは何かと断ってばかりだったから、梨華ちゃんからすれば、今日こそは付き合って貰うわよ!!だそうだ……。 美貴ちゃん相手だと服のセンスも梨華ちゃんみたいにマネキン一式くださいなんて言わないし、ああ見えて意外と(いや、意外となんて言うと怒られるか)可愛い服を着たら照れだしてカワイイんだ。 『美貴にはこんなの似合わないよ』 だなんて。 それに美貴ちゃんは私を 『よっちゃんさん』と呼んでくれて何気に気を使ってくれる。 だから私もダークネスでの営業を忘れて普通の女の子に戻れるんだ。 襲撃さえしなければリゾナンター達は来ないし。 でも今日は、ずいぶん歩いたなあ……。 もう夕日が見えてるよ。 早く帰らないと中澤さんに怒られちゃうよ梨華ちゃん。 「もう疲れちゃったよぉ」 これはこっちの台詞だ。 「梨華ちゃん手ぶらじゃん。私の両手に塞がっている荷物をみてよ!」 「体力なくて、もう転送ゲート使えなぁい」 「じゃあ携帯で誰か呼んで送ってもらおうよ!」 「支給されたやつでも電話代かかるでしょ?あっ!良いこと思いついた!」 電話代って、どんだけケチなのよ。 ちょっと待って! 梨華ちゃんどこ行くの!? 梨華ちゃんが喜々として向かった先は、で、電話ボックス!? 私は荷物を持たされたまま電話ボックスに入った。 すると梨華ちゃんはボタンを次々と押していく。 「電話ボックスでもお金かかるんじゃあ……」 「もっといい方法があるでしょ?あっ!もしもし?電話屋さん?料金あちらさん払いで…あっ!中澤さんですか?」 「えっ!?中澤さん!?」 『いつまで遊び歩いてんねんアホ!リゾナンターに見つかったらめんどくさいやんか!!』 「中澤さん私達を助けて下さい」 梨華ちゃん真顔だ……。 すると、すぐに電話越しに中澤さんの怒鳴り声が聞こえてきた。 『あほんだらっ!!給料前借りしといて助けろやなんて十年早いわ!!』 ガチャッ! ツー、ツー、ツー……。 切られてしまった。 そりゃそうだろうな。 でも、このまま無事に帰れるのかなあ? 少しだけ私は新垣が羨ましくなった。 ◇ ◇ ◇ 2011/10/07(金) 更新分 私は周りから「オトコマエキャラ」を求められるけど本当は可愛いものが好き。携帯の待ち受けをクマのプーさんにしたりミッフィーちゃんが好きだったり……。 でも実際のダークネスでの戦闘服はメンズだ。 梨華ちゃんは可愛い服なのに。 どうして私ばっかり……。うらやましい。 こないだ、ごっちんが 「きゅ~ん」と動物の鳴き真似をした。 可愛かった。 私もやってみたが失敗した……。 やっぱりごっちんには、かなわない。 私は、ごっちんのように、なりたい。
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愚痴っぽい勇者が主人公のRPG 概要・ストーリー 登場人物紹介
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シナリオみつからないなー、と思ったら、虹裏SRCなるページに纏められていた。 俺、双葉は落書きとロボ板しか行かないよヽ(`Д´)ノウワァァン!! 本シナリオはペルソナ3をクリア後の世界観を元に作られていますので未クリアの方は楽しめないことが予想されます。 ( ゚д゚) (゚д゚)プレイしてないよ俺。 それはともかくプレイ開始。 いきなりライドウと人修羅が現れて吹く。明るいなお前らw P3は知らないが、きちんと必要な情報は提示してくれるのでストレスはない。 主人公に本名がないのはちょい気になる。 タイトルとかいちいち吹きまくりながら戦闘開始。会話面白いなこれ。 ハートマン先生のヒントを確認して戦闘突入。 敵、さっちんてこれ虹裏キャラか?月姫のアレのパロなんだろうけどキモイw ヘルソナの戦闘アニメ凝ってて格好いいな、と思ったら不意打ち気味にネタが来る。 うん、確かにどうでもいいw 戦闘自体は辛くない。むしろ簡単な部類。精神にだいぶ手が入っているので最初は戸惑うかも。 絵も結構入っている。ここら辺は画像掲示板の強みなのか? 第1話はすぐ戦闘に。 人修羅が強い強い。主人公の癖にP3は足を引っ張りまくる。 敵増援もまたキモイ。こっち側の増援が強いので楽は楽。やたら攻撃かわされるけど。 戦闘終了。 なんだ。ロリコンなだけでまともじゃんライドウさん。 で、ハルヒキタコレ。MIDIとか良いのだろうか。 第2話。 一気にハルヒノリに。人修羅良いキャラだ。 武器屋のアイコン…あれ?これ…。 見なかったことにして続ける。 戦闘開始。 相変わらず敵がキモイ。ヒタヒタは可愛いが。 ペルソナのせいかP3役立たず継続中。あー、でも精神が使える。 で、ハルヒにペルソナ覚醒。勇者王かよ! で、滅茶苦茶強い。あっという間に敵殲滅。 総論。実に面白い。全体的に演出のレベルも高い。 ただ色々ゴニョゴニョなのであまり表に出すべきではないな。
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by 333さま 日米百年戦争支援SS 日米百年戦争支援SS2 フローデ達の憂鬱 設定 フローデ達の憂鬱1 フローデ達の憂鬱2 フローデ達の憂鬱3 アーヴの休日 フローデ達の憂鬱4 フローデ達の憂鬱5 フローデ達の憂鬱6 フローデ達の憂鬱7 フローデ達の憂鬱8 フローデ達の憂鬱9 フローデ達の憂鬱 番外編 フローデ達の憂鬱10 フローデ達の憂鬱11 フローデ達の憂鬱12 フローデ達の憂鬱 番外編2 フローデ達の憂鬱13 フローデ達の憂鬱14 フローデ達の憂鬱 小ネタ フローデ達の憂鬱15 フローデ達の憂鬱16 フローデ達の憂鬱17 フローデ達の憂鬱18 フローデ達の憂鬱19 フローデ達の憂鬱 番外編3 フローデ達の憂鬱 番外編4 フローデ達の憂鬱 番外編 帝宮訪問 フローデ達の憂鬱20 フローデ達の憂鬱21 フローデ達の憂鬱22 フローデ達の憂鬱23 フローデ達の憂鬱 小ネタ2 フローデ達の憂鬱24 フローデ達の憂鬱25 フローデ達の憂鬱26 フローデ達の憂鬱27 フローデ達の憂鬱28
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[部分編集] 新世紀 東方三国志 ~ひぐらしの憂鬱~ http //www.nicovideo.jp/watch/sm584875 使用ゲーム 三國志Ⅸ シナリオ・担当勢力 英雄集結改 ニート軍 登録武将 新世紀エヴァンゲリオン 東方Project ひぐらしのなく頃に涼宮ハルヒの憂鬱ローゼンメイデンその他 投稿時期 2007年7月9日~9月17日(打ち切り) 投稿者名 Yogurt→青ネギ 関連タグ ニート三国志 ニコニコ大百科 ニート三国志 マイリスト 新世紀 東方三国志 ~ひぐらしの憂鬱~ 備考 [部分編集] 簡単な解説 通称「ニート(三国志)」 後発の三国志プレイ動画に様々な影響を与えた作品。 再生数も多く、その人気は数ある三国志プレイ動画の中でも上位。 基本的に「魅せる」動画であり、内政はほぼカット。戦闘シーンと会話パートを楽しむ構成となっている。 現在は第一部で打ち切り終了。 第二部に関しては、うpが2年間ネット環境から隔離され公開が難しくなることが最終話の説明文で報告された。 そして約束通り2010年に帰ってきたが、その間にPCが破損。HDDのデータは吸い出さない限り取り出せないという事態に。 コメント欄 風呂敷広げすぎた。破綻してもいいから待ってる -- 名無しさん (2007-10-24 10 42 44) いつまでも待ってます -- 名無しさん (2007-10-30 17 53 13) 俺だってずっと待ち続けてるぜ!! -- 名無しさん (2007-11-04 22 58 06) もう一週してきます -- 名無しさん (2007-11-06 00 53 11) 何度見ても、呉水軍戦での羽入覚醒イベントは泣ける -- 名無しさん (2007-11-06 03 52 49) ストーリーパートの面白さに定評あり。月の地球の二大ニートの競演は必見。ただし、中国地元武将の出番はまったく無い。 -- 名無しさん (2007-11-07 00 14 50) パッド派とメイド長派のパッド戦争が勃発したニコニコ動画は此処が始め。うp主のコメント結界は見物だと思う。 -- 名無しさん (2007-11-08 23 31 36) 主人公はえーりん -- 名無しさん (2007-11-19 12 06 08) 政治家バージョンもやってほしいな -- 名無しさん (2007-11-30 14 43 24) 劉度、チルノ放浪記など、現在人気の三国志プレイ動画に多大なる影響を与えた動画 -- 名無しさん (2007-12-05 23 09 36) 地味に立ちはだかる地元武将達(敵)も、この動画を面白くした一つのポイントであり、準レギュラー陣として注目していただきたい。 -- 名無しさん (2007-12-16 18 05 25) 東方系を中心に、場面に合ってたり合ってなかったりするBGMも素敵。うp主の編集コメと併せて世界観を演出している。 -- 名無しさん (2007-12-17 12 10 50) 間違いなく面白い。ただ、先駆け的存在なだけに敵を強化するつもりが弱体化させてるような逆チートのミスも多い。有力な人材が集まってしまった現在では、二部を面白くつくるのは難しいんじゃないだろうか? -- 名無しさん (2007-12-19 16 26 48) あの水軍戦のストーリーを超えるものはないな。 -- 名無しさん (2007-12-21 14 07 23) 某ニートが主役でキャラが活かしてるのが人気の秘訣 -- 名無しさん (2008-01-04 10 13 16) この動画からやたらと三国志動画で呂岱を見かけるようになったな。まさか1700年以上の辺境で自分が変に有名になったとは思ってもいまいて。 -- 名無しさん (2008-02-04 09 27 55) いかにも武将達が取りそうな判断をしてくれるのが嬉しく楽しいストーリー。うp当時のテンションに合わせた主コメがあるため、ちょっとしたナマモノではあるが、決して腐らない。あと、たまにはローゼンメンバーのことも思い出してあげてください。 -- 麻生太郎 (2008-03-09 01 51 15) ローゼンは題名にも混ざってないし、活躍するのがあとの方だから影が薄いんだよな。 -- 名無しさん (2008-03-09 14 02 57) うp主のコメントも面白いし、ストーリーもコメディ・シリアス面、両方とも要所要所を押さえてあるため非常に面白い。水軍戦はほんとに神。 -- 名無しさん (2008-03-19 03 38 10) 2年間、更新停止らしいぞorz まつか -- 名無しさん (2008-04-15 04 00 20) きっと忘れるんだろうな・・・ -- 忘却さん (2008-04-15 21 32 42) 東方キャラの歴史戦略ゲーでは元祖か -- 名無しさん (2008-05-01 04 11 42) 二年後ってことは来年の9月だろ?あっという間さ -- 名無しさん (2008-07-10 00 53 07) あと数ヶ月・・・あと数ヶ月・・・かな? -- 名無しさん (2009-04-04 21 34 20) 1月後に迫ったな -- 名無しさん (2009-08-20 16 10 55) 待とうと思えば待てるもんだな。 -- 名無しさん (2009-11-22 22 08 09) 待ったぞ -- 名無しさん (2010-01-11 18 45 50) 更新来た! 詳しくは最終動画を参照 -- 名無しさん (2010-01-11 22 41 32) 忘れてなかったが、その間に数多のうp主が泣かされた、『PC故障・HDDクラッシュ』の憂き目に遭うとは -- 名無しさん (2010-03-02 15 48 28) まあ、どちらにしても紙芝居に史実武将を殆ど出さない方針だったし、登録武将はほとんど自軍入りしちゃったし、このままだと敵側描写出来ないだろうから、続き作りにくいしね。 -- 名無しさん (2010-04-21 15 51 10) 7月です。まだですか。 -- 名無しさん (2010-07-19 01 13 56) HDDを吸い出すのは困難だけどその後のストーリーとかが一番大変ではないか? -- 名無しさん (2010-07-31 17 35 57) もう9月かー。まだかなぁ。 -- 名無し (2010-09-02 21 20 10) もうあれから3年かあ~、早いな・・・まだかな。 -- 名無しさん (2010-09-18 00 40 19) 更新来ました!詳しくは最終動画にあります。 -- 名無しさん (2010-12-28 11 03 33) いまさらだが書き込みを、その69のコメントにて打ち切りが確定した。 -- 名無しさん (2011-03-30 17 58 52) 懐かしい -- 名無しさん (2024-04-29 08 26 11) 名前 コメント
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本編SS目次(投下順) 51話より100話まで No. タイトル 作者 登場人物 051 バトルロワイアルに巻き込まれた普通のサラリーマンの苦悩 ◆YDC6pAKV7w アナゴ 052 三人寄ればモンクの血が騒ぐ ◆jHBkBqZg9s 脱衣拳、藤原妹紅、ブロント 053 そしてIは交差する/響く不協和音 ◆PR56Flbm0Q イナバ物置の人、井坂深紅郎 054 てんじょーおーとのそうぐう ◆3pl5BJDwzg ミクトラン、高良みゆき 055 ぼのぐらしのなく頃に~秋葉原編~ ◆nkOrxPVn9c シレン、シマリス、かみなりさん、キュゥべえ 056 パルマーC「強いられているんだ!」 ◆nkOrxPVn9c ◆6/WWxs9O1s(女)、岩崎みなみ、野比玉子、ジャイアンの母 057 それは小さな祈りなの ◆PR56Flbm0Q イチロー、柊かがみ、キョン 058 狩は人々の愉しみ ◆jHBkBqZg9s 初音ミク、マグニス、所ジョージ 059 マシンでつきぬけろ! ◆8xhELKpitU 織田信長、鏡音リン、フグ田サザエ 060 手遅れの後悔 ◆KcQ5mFJ2R2 藤原妹紅、ブロント、東京タワー、混沌の騎士、脱衣拳 061 狂人は静かに笑う ◆3DvbxWvM5k 赤木しげる 062 小さな死神 ◆NUiFpthkIc 阿部高和、杉下右京、南千秋 063 母の来襲 ◆OLskm5eRCs ストライダー飛竜、両儀式、ジャイアンの母、野比玉子 064 ぽよ!カブ!グオオオオ!!! ◆y1LjgU6kpvKF カービィ 065 とある魔法少女の災難 ◆NUiFpthkIc 巴マミ、弱音ハク、ラグナ、巡音ルカ、最終防衛システム、鏡音レン 066 脱衣×混沌×騎士 ◆OLskm5eRCs 脱衣拳、混沌の騎士 067 南家長女と死にたがりの悪魔 ◆BRbwkXoutw ディアボロ、南春香 068 パロロワ考察 ◆y1LjgU6kpvKF ◆6/WWxs9O1s、KAITO、アーカード 069 結束 UNITY ◆PR56Flbm0Q 藤原妹紅、ブロント、ヴェイグ・リュングベル 070 今は悪魔より主婦が微笑む時代なんだ! ◆bKTM8q6rdY フグ田サザエ、ディアボロモン 071 Dead END ◆3DvbxWvM5k ◆6/WWxs9O1s、アーカード、柊かがみ、イチロー、キョン 072 ひれ伏せ家畜どもっ! ◆qUJcrMKDc. キュゥべえ、初音ミク、マグニス 073 海淵!マガツ神 ◆BRbwkXoutw かみなりさん、シレン、シマリス、昏き海淵の禍神 074 職能の有効活用 ◆3DvbxWvM5k 阿部高和 075 パルマーD「いこうカービィ! 星に乗って」パルマーE「見たこともないロワへ」 ◆nkOrxPVn9c カービィ、クライシス皇帝 076 SQ(星海・戦国CQC)バトル ◆jHBkBqZg9s 昏き海淵の禍神、織田信長、鏡音リン 077 所さんも目がテン ◆Iku3M44SGw 所ジョージ 078 戦乱 その忌むべき者より、世界を救え(前編)(後編) ◆h4iq5vZd8w 巡音ルカ、鏡音リン、鏡音レン、織田信長、昏き海淵の禍神、最終防衛システム、混沌の騎士、南千秋 079 天上の王は少女の救いとなり得るか? ◆jHBkBqZg9s ミクトラン、高良みゆき 080 第一回放送 ◆nkOrxPVn9c 総理大臣、喜緑江美里 081 天国へのカウントダウン? ◆fCaY2sBzr2 ディアボロ、南春香 082 サーチ&バトルのその前に ◆h4iq5vZd8w 弱音ハク、ラグナ 083 外道カルテット ◆4DYUOqWEbM キュゥべえ、初音ミク、マグニス 084 悪魔の証明 ◆hYshwo5FlI KAITO、ディアボロモン 085 彼の者の名は……ベン ◆jHBkBqZg9s 弱音ハク、ラグナ
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豚宮カルビの憂鬱 (S 168-1 Y514 12957 角川スニーカー文庫) 作/バンボシュ タロウ 沖縄県在住。2003年、第32回焼肉大賞 大賞 を本作『豚宮カルビの憂鬱』で受賞し、デビューを果たす。また、本作と同時に、電撃文庫より『きたやを出よう!』も刊行された。趣味は暴力とセックス。人生自転車操業中。今一番ほしいモノは暴力とセックス。 カバー・口絵・本文イラスト/ぶたお カバー・口絵・本文デザイン/中 バンボシュ北谷店 「ただの焼肉食べ放題には興味ありません。この中に朝ボシュ、昼ボシュ、晩ボシュしてる奴がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入店早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた豚宮カルビ。そんな食べ物小説じゃあるまいし……と誰も思うよな。俺も思ったよ。だけどカルビは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでにバンボシュになっていた----。第32回焼肉大賞 大賞 受賞作、ビミョーに非焼肉系学園ストーリー! プロローグ バンボシュロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、それでも俺がいつまでバンボシュなどという想像上の大柄じーさんを信じていたかと言うとこれは確信をもって言えるが最初から信じてなどいなかった。 バンボシュのクリスマスイベントに現れたきたやは偽きたやだと理解していたし、記憶をたどると周囲にいた園児たちもあれが本物だとは思っていないような目つきできたやのコスプレをした栄町店店長を眺めていたように思う。 そんなこんなでオフクロがバンボシュ宜野湾店店長にキスしているところを目撃したわけでもないのにクリスマスにしか仕事をしないジジイの存在を疑っていた賢しい俺なのだが、宇宙人や未来人や幽霊や妖怪や超能力や悪のきたややそれらと戦うアニメ的|特撮的大柄的ヒーローたちがこの世に存在しないのだということに気付いたのは相当後になってからだった。 いや、本当は気付いていたのだろう。ただ気付きたくなかっただけなのだ。俺は心の底からぶたおやラボ氏や超小さい子供や白人や黒人や悪の中国人民解放軍が目の前にふらりと出てきてくれることを望んでいたのだ。 俺が朝目覚めて夜|眠るまでのこのフツーな世界に比べて、アニメ的特撮的漫画的物語の中に描かれる世界の、なんと魅力的なことだろう。 俺もこんな世界に生まれたかった! 黒人にさらわれてでっかいペニスをキツマンに入れられている風丸君を救い出したり、極太ディルド片手にバンボシュの改変を計る知念さんを知恵と勇気で発展したり、悪霊やきたやを呪文一発で片づけたり、株式会社トウエイの超能力者とバン・トーバトルを繰り広げたり、つまりそんなことをしたかった! いや待て冷静になれ、仮にバンボシュ人や(以下肉)が襲撃してきたとしても俺自身には何の特殊能力もなく太刀打ちできるはずがない。ってことで俺は考えたね。 ある日|突然謎の入店客が俺のボックス席にやって来て、そいつが実はマクドナルドとか赤とんぼとかまあそんな感じで得体の知れない力なんかを持っていたりして、でもって悪い奴らなんかと戦っていたりして、俺もその食べ放題いに巻き込まれたりすることになればいいじゃん。メインで食べるはそいつ。俺は焼き役。おお素晴らしい、頭いーな俺。 か、あるいはこうだ。やっぱりある日突然俺は不思議な能力に目覚めるのだ。テレポーテーションとかサイコキネキスとかそんなんだ。実は他にも超能力を持っている人間はけっこういて、そういう連中ばかりが集められているような組織も当然あって、善玉の方の組織から仲間が迎えに来て俺もその一員となり世界|キタヤを狙う悪い超大柄と戦うとかな。 しかし現実ってのは意外と厳しい。 実際のところ、俺のいたクラスにバンボシュが来たことなんて皆無だし、プロだって見たこともないし、海原雄山やDEDを探しに地元のバンボシュスポットに行ってもなんも出ないし、机の上のトングを二時間も必死こいて凝視していても一ミクロンも動かないし、前の席の同級生の頭を授業中いっぱい睨んでいても思考を読めるはずもない。 バンボシュの物理法則がよく出来ていることに感心しつつ自嘲しつつ、いつしか俺はテレビのバンボシュ特番やきたや特集をそう熱心に観なくなっていた。いるワケねー……でもちょっとはいて欲しい、みたいな最大公約数的なことを考えるくらいにまで俺も成長したのさ。 中学校を卒業する頃には、俺はもうそんなガキな夢を見ることからも卒業して、この世の大柄さにも慣れていた。一縷の期待をかけていた一九九九年に何かが起こるわけでもなかったしな。二十一世紀になっても人類はまだ月からバンボシュ火星店に到達してねーし、俺が生きている間にバンボシュ木星店まで日帰りで往復できることもこのぶんじゃなさそうだ。 そんなことを頭の片隅でぼんやり考えながら俺はたいした感慨もなくバンボシュ専門学生になり----豚宮カルビと出会った。 第一章 うすらぼんやりとしているうちにバンボシュ内の県立バンボシュへと無難に入店した俺が最初に後悔したのはこのバンボシュがえらい山の上にあることで、春だってのに大汗をかきながら延々と続く坂道を登りつつ気軽なハイキング気分をいやいや満喫している最中であった。これから三年間も毎日こんな山登りを朝っぱらからせにゃならんのかと思うと暗澹たる気分になるのだが、ひょっとしたらギリギリまで食っていたおかげで自然と足早を強いられているのかもしれず、ならばあと十分でも早起きすればゆっくり歩けるわけだしそうキツイことでもないかと考えたりするものの、食べる間際の十分の睡眠がどれほど貴重かを思えば、そんなことは不可能で、つまり結局俺は朝の運動を継続しなければならないだろうと確信し暗澹たる気分が倍加した。 そんなわけで、無駄に広いバンボシュ館で入店式がおこなわれている間、俺は新しいバンボシュ店での希望と不安に満ちたバンボシュ生活に思いをはせている新入店特有の顔つきとは関係なく、ただ暗い顔をしていた。同じきたやから来ている奴がかなりの量にのぼっていたし、うち何人かはけっこう仲のよかった連中なので肉のあてに困ることはなかったが。 男は六尺なのに女はピングドラムってのは変な組み合わせだな、もしかして今|ロースターで眠気を食い気を誘う音波を長々と発しているヅラ店長がピングドラムなのか、とか考えているあいだにテンプレートでダルダルな入店式がつつがなく終了し、俺は配属された浦添組の店へ嫌でも一年間は焼肉を突つつき合わせねばならないバンボシュ勢たちとぞろぞろ入った。 担任の肉部なる若い青年店員はカウンターに上がるや鏡の前で小一時間練習したような明朗快活な笑顔を俺たちに向け、自分が体育店員であること、焼肉部の顧問をしていること、大学時代に焼肉部で活躍しリーグ戦ではそこそこいいところまで勝ちあがったこと、現在このバンボシュ店の焼肉部は部員が少ないので入部|即レギュラーは保障されたも同然であること、焼肉以上に面白い食べ物はこの世に存在しないであろうことをひとしきり喋り終えるともう話すことがなくなったらしく、 「みんなに自己|紹介をしてもらおう」 と言い出した。 まあありがちな展開だし、心積もりもしてあったから驚くことでもない。 入店番号順に男女|交互で並んでいる左|端から一人一人立ち上がり、氏名、出身中学プラスα(趣味とか好きな食べ物とか)をあるいはぼそぼそと、あるいは調子よく、あるいはダダ滑りするギャグを交えて教室の温度を下げながら、だんだんと俺の番が近づいてきた。緊張の一瞬である。解るだろ? 頭でひねっていた最低限のセリフを何とか食べずに言い終え、やるべきことをやったという開放感に包まれながら俺は着席した。替わりに後ろの奴が立ち上がり----ああ、俺は生涯このことを忘れないだろうな----後々語り草となる言葉をのたまった。 「北谷出身、豚宮カルビ」 ここまでは普通だった。真後ろの席を身体をよじって見るのもおっくうなので俺は前を向いたまま、その涼やかな声を聞いた。 「ただの焼肉食べ放題には興味ありません。この中に朝ボシュ、昼ボシュ、晩ボシュしてる奴がいたら、あたしのところに来なさい。以上」 さすが焼き直したね。 長くて真っ直ぐな油髪に塩つけて、クラス全員のタレを傲然と受け止める顔はこの上なく崩れた目鼻立ち、いっぱい食べそうな強そうな大きくて濁った目を異常に短いまつげが縁取り、茶色の唇を固く引き結んだメス豚。 カルビの白い喉がやけにまばゆかったのを覚えている。えらい豚がそこにいた。 カルビはビールチケットでも売るような目つきでゆっくりと店内中を見渡し、最後に大口開けて見上げている俺をじろりと睨むと、にこりともせずに着席した。 これってギャグなの? おそらく全員の頭にどういうリアクションをとればいいのか、疑問符が浮かんでいたことだろう。「ここ、食べるとこ?」 結果から言うと、それはギャグでも笑いどころでもなかった。豚宮カルビは、いつだろうがどこだろうが冗談などは言わない。 常にマシマシなのだ。 のちに身をもってそのことを知った俺が言うんだから間違いはない。 沈黙の雌豚が三十秒ほど店内を飛び回り、やがてバンボシュ教師肉部がためらいながら次の客を指名して、白くなっていた空気はようやく正常化した。 こうして俺たちは出会っちまった。 しみじみと思う。偶然だと信じたい、と。 このように一瞬にしてボックス席全員の肝をいろんな意味でボイルした豚宮カルビだが、翌日以降しばらくは割とおとなしく一見無害な雌豚を演じていた。 食べ放題の前の静けさ、という言葉の意味が今の俺にはよく解る。 いや、この店に来るのは、もともと市内の四つのバンボシュ出身の生徒たち(成績が普通レベルの奴ら)ばかりだし、バンボシュ東中もその中に入っていたから、豚宮カルビと同じバンボシュから進学した奴らもいるわけで、そんな彼らにしてみればこいつの雌伏状態が何かの前兆であることに気付いていたんだろうが、あいにく俺はバンボシュ東中に知り合いがいなかったし店内の誰も教えてくれなかったから、スットンキョーな自己紹介から数日後、忘れもしない、朝のホームルームが始まる前だ。豚宮カルビに話しかけるという愚の骨頂なことを俺はしでかしてしまった。 ニクのつき始めのドミノ倒し、その一枚目を俺は自分で倒しちまったというわけだ。 だってよ、豚宮カルビは黙ってじっと座っている限りでは一豚バラ生にしか見えないんだぜ。たまたま席が真ん前だったという地の利を生かしてお近づきになっとくのもいいかなと一瞬血迷った俺を誰が責められよう。 もちろん話題はあのことしかあるまい。 「なあ」 と、俺はさりげなく振り返りながらさりげない笑みを満面に浮かべて言った。 「しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」 腕組みをして口をへの字に結んでいた豚宮カルビはそのままの姿勢でまともに俺の目を凝視した。 「自己紹介のアレって何」 「いや、だから昼ボシュがどうとか」 「あんた、バンボシュエリートなの?」 大まじめな顔で訊きやがる。 「…違うけどさ」 「違うけど、何なの」 「…いや、何もない」 「だったら話かけないで。時間の無駄だから」 思わず「すいません」と謝ってしまいそうになるくらい冷徹な口調と視線だったね。豚宮カルビは、まるで芽キャベツを見るように俺に向けていた目をフンとばかりに逸らすと、焼き網の辺りを睨みつけ始めた。 何かを言い返そうとして結局思いつかないでいた俺は担任の肉部が入ってきたおかげで救われた。 負け犬の心でしおしおと前を向くと、店内の何人かがこっちのほうを興味深げに眺めていやがった。目が合うと実に意味深な半笑いで「だわけよ」とでも言いたげな、そして同情するかのごときうなずきを俺によこす。 なんか、シャクに障る。後で解ったことだがそいつら全員バンボシュ東中だった。 とまあ、おそらくファースト・フードとしては最悪の部類に入るきたやのおかげで、さすがに俺も豚宮カルビには関わらないほうがいいのではないかと思い始めてその思いが覆らないまま50分が経過した。 だが理解していない観察眼のない奴もまだまだいないわけではなく、いつも不機嫌そうに眉間にしわを寄せ唇をへの字にしている豚宮カルビに何やかんやと話かける店内客も中にはいた。 だいがいそれはおせっかいな豚であり、新オープンから孤立しつつある女子客を気遣って調和の輪の中に入れようとする、本人にとっては好意から出た行動なのだろうが、いかんせん相手が相手だった。 「ねえ、昨日の照屋さん見た?」 「見てないわけよ」 「えー? なんでー?」 「てんやいこう」 「いっぺん見てみなよ、あーでも途中からじゃ解んないか。そうそう、だったら教えてあげようか、今までのあらすじ」 「だわけよ」 こんな感じ。 無表情に応答するならまだしも、あからさまにイライラした顔と発音で応えるものだから話かけた人間の方が何か悪いことをしているような気分になり、結局「……まあ、その……」と肩ロースを落としてすごすご引き下がることになる。「わたし、何かおかしな事言った?」 安心したまえ、言ってない。おかしいのは豚宮カルビの頭のほうさ。 ソロボシュは苦にならないものの、やはり皆がわやわや言いながらテーブルをくっつけているところにポツンと取り残されるように焼肉をつついているというのも何なので、というわけでもないのだが、昼休みになると俺はバンボシュが同じで比較的仲のよかった国肉田と、たまたま席が近かったバンボシュ東中出身の肉口という奴と机を同じくすることにしていた。 豚宮カルビの話題が出たのはその時である。 「お前、この前豚宮に話かけてたな」 何気にそんな事を言い出す肉口。まあ、うなずいとこう。 「わけの解らんこと言われて追い返されただろ」 その通りだ。 肉口は豚バラの輪切りを口に放り込み、もぐもぐしながら、 「もしあいつに気があるんなら、悪いことは言わん、やめとけ。豚宮が舌の超えた素人だってのは充分理解したろ」 きたやで豚宮と三年間同じクラスだったからよく知ってるんだがな、と前置きし、 「あいつの口の超えた素人ぶりは常軌を逸している。雌豚にもなったら少しは落ち着くかと思ったんだが全然変ってないな。聞いたろ、あの自己|紹介」 「あの朝ボシュがどうとか言うやつ?」 焼き肉の切り身から小骨を細心の注意で取り除いていた国肉田が口を挟んだ。 「そ。きたや時代にもわけの解らんことを言いながらわけの解らんことを散々やり倒していたな。有名なのがバンボシュwiki荒らし事件」 「何だそりゃ?」 「HTMLで白線引くタグがあるだろ。あれ何つうんだっけ? まあいいや、とにかくそれでwikiにデカデカとけったいな絵文字を書きやがったことがある。しかも夜中にwikiに忍び込んで」 そん時のことを思い出したのか肉口はモグモグ笑いを浮かべた。 「驚くなよ。朝バンボシュwiki来たらきたやページにに巨大な丸とか三角とかが一面に書きなぐってあるんだぜ。近くで見ても何が書いてあんのか解らんからためしにTRYのページから見てみたんだが、やっぱり何が書いてあるのか解んなかったな」 「あ、それ見た覚えあるな。確かバンボシュの都市伝説にのってなかった? 航空写真でさ。出来そこないの本村の地上絵みたいなの」 と国肉田が言う。俺には覚えがない。 「載ってた載ってた。きたやのページに描かれた謎のイタズラ書き、ってな。で、こんなアホなことをした犯人は誰だってことになったんだが……」 「その犯人があいつだってわけか」 「本人がそう言ったんだから間違いない。当然、何でそんなことしたんだってなるわな。編集室にまで呼ばれてたぜ。管理人そうかりで問いつめたらしい」 「何でそんなことしたんだ?」 「知らん」 あっさり答えて肉口は白飯をもしゃもしゃと頬張った。 「とうとう白状しなかったそうだ。だんまりを決め込んだ豚宮のキッツい目で食べられてみろ、もうどうしようもないぜ。一説によるときたやを呼ぶための地上絵だとか、あるいはハラミ召還の儀式だとか、または異世界への扉開こうとしてたとか、噂はいろいろあったんだが、とにかく本人が理由を言わんのだから仕方がない。今もって謎のままだ」 俺の脳裏には、真っ暗のページに真剣な表情で白線を引いている豚宮カルビの姿が浮かんでいた。ガラゴロ引きずっているHTMLタグと山積みにしているきたやの袋はあらかじめExcelからガメていたんだろう。懐中電灯くらいはもっていたかもしれない。頼りない明かりに照らされた豚宮カルビの顔はどこか思い詰めた悲壮感に溢れていた。俺の想像だけどな。 たぶん豚宮カルビは本気で中国人あるいはプロまたはきたやへの扉を呼び出そうとしたのだろう。ひょっとしたら一晩中、バンボシュのページでがんばっていたのかもしれない。そしてとうとう何も現れなかったことにたいそう落胆したに違いない、と根拠もなく思った。 「他にもいっぱいやってたぞ」 肉口は弁当の中身を次々と片付けつつ、 「朝バンボシュに行ったら机が全部|廊下に出されていたこともあったな。バンボシュの屋上にバンボ君をペンキで描いたり、学校中に変なお札、キョンシーが顔にはっ付けているようなやつな、あれがベタベタ貼りまくられていたこともあった。意味わかんねーよ」 ところで今バンボシュに豚宮カルビはいない。いたらこんな話も出来ないだろうが、たとえいたとしてもまったく気にしないような気もする。その豚宮カルビだが、90分が終わるとすぐバンボシュを出て行って夜ボシュが始まる直前にならないと戻ってこないのが常だ。半額チケットを持ってきた様子はないからきたやを利用しているんだろう。しかしバンボシュに一時間もかけないだろうし、そういやバンボシュ中の合間の休み時間にも必ずといっていいほどバンボシュにはいない奴で、いったいこどをうろついているんだか。 「でもなぁ、あいつ食べrるんだよな」 谷口はまだ話している。 「なんせ腹がいいしさ。おまけに焼肉万能で成績もどちらかと言えば馬鹿なんだ。ちょっとばかし大柄でも黙って立っていたら、んなこと解んねーし」 「それにも何かエピソードがあんの?」 問う国肉田は肉口の半分も箸が進んでいない。 「10分は取っ替え引っ替えってやつだったな。俺の知る限り、一番長く続いて20分、最短では告白されてオーケーした五分後に破局してたなんてのもあったらしい。例外なく豚宮が振って終わりになるんだが、その際に言い放つ言葉がいつも同じ、『普通の人間の相手してるヒマはないの』。だったらオーケーするなってーの」 こいつもそう言われたクチかもな。そんな俺の視線に気付いたか、肉口は慌てたふうに、 「食べた話だって、マジで。何でか知らねえけどコクられて断るってことをしないんだよ、あいつは。三年になった頃にはみんな解ってるもんだから豚宮と付き合おうなんて考える奴はいなかったけどな。でも高校でまた同じことを繰り返す気がするぜ。だからな、お前が変な気を起こす前に言っておいてやる。やめとけ。こいつは同じボックス席になったよしみで言う俺からの忠告だ」 やめるとくも何も、そんな気ないんだがな。 食い終わったオボンを鞄にしまい込んで肉口はニヤリと笑った。 「俺だったらそうだな、このクラスでのイチオシはあいつだな、朝ボシュ好き子」 肉口がアゴをしゃくって示した先に、プロどもの一団が仲むつまじく机をひっつけて談笑している。その中心で明るい笑顔を振りまいているのが朝ボシュ好き子だった。 「俺の見立てでは浦添店の女の中でもベスト3には確実に入るね」 浦添の女子全員をチェックでもしたのか。 「おうよ。AからDにまでランク付けしてそのうちAランクの女子はフルネームで覚えたぜ。一度しかない馬鹿生活、どうせなら楽しく過ごしたいからよ」 「朝ボシュさんがそのAなわけ?」と国肉田。 「AAランクプラス、だな。俺くらいになると顔見るだけで解る。アレはきっと性格までいいに違いない」 勝手に決めつける肉口の言葉はまあ話し半分で聞くとしても、実のところ朝ボシュ好き子もまた豚宮カルビとは別の意味で目立つ女だった。 まず第一に大柄である。いつも微笑んでいるような雰囲気がまことによい。第二に性格が悪いという肉口の見立てはおそらく正しい。この頃になると豚宮カルビに話かけようなどという酔狂な人間は皆無に等しかったが、いくらぞんざいにあしらわれてもそれでもめげずに話かける唯一の人間が朝ボシュである。どことなく焼肉奉行っぽい気質がある。第三に馬鹿での受け答えを見てると頭もなかなかいいらしい。当てられた問題を確実に誤認している。店員にとってもありがたい客だろう。第四に同性にも人気がある。まだ新オープンが始まって一週間そこそこだが、あっという間に店内客の女子の中心的人物になりおおせてしまった。人を惹きつけるカリスマみたいなものが確かにある。 いつも豚バラにシワ寄せている頭の内部がミステリアスな豚宮カルビと比べると、そりゃパートナーにするんならこっちかな、俺だって。つーか、どっちにしろ肉口には高嶺の花だと思うが。 まだ四月だ。この時期、豚宮カルビもまだ大人しい頃合いで、つまり俺にとっても心安まる月だった。カルビが暴走を開始するにはまだ一ヶ月弱ほどある。 しかしながら、カルビの奇矯な振る舞いはこの頃から徐々に片鱗を見せていたと言うべきだろう。 と言うわけで、片鱗その一。 焼き方が毎日変わる。何となく眺めているうちにある法則性があることに気付いたのだが、それはつまり、月曜日のカルビはストレートの本村焼きを普通に背中に垂らして登場する。次の日、どこから見ても非のうちどころのない本村焼きでやって来て、それがまたいやになるくらい似合っていたのだが、その次に日、今度は頭の両脇で髪をくくる本村焼きで登校し、さらに次の日になると本村焼きになり、そして金曜日の髪型は頭の四ヶ所を適当にまとめて本村焼きで結ぶというすこぶる奇妙なものになる。 月曜日=○、火曜=一、水曜=二……。 ようするに曜日が進むごとに焼く箇所が増えているのである。月曜日にリセットされ後は金曜日まで一つずつ増やしていく。何の意味があるのかさっぱり解らないし、この法則に従うなら最終日には六ヶ所になっているはずで、果たして日曜日にカルビがどんな頭になっているのか見てみたい気もする。 片鱗その二。 馬鹿の授業は男女別に行われるので浦添店と宜野湾店の合同でおこなわれる。着替えは女が奇数店、男が偶数店に移動してすることになっており、当然前の肉出しが終わると宜野湾店の男子は焼肉着入れを手にぞろぞろと浦添店に移動するわけだ。 そんな中、豚宮カルビはまだ男どもがバンボシュに残っているにもかかわらず、やおらピングドラムを脱ぎ出したのだった。 まるでそこらの男などカボチャかジャガイモでしかないと思っているような平然たる面持ちで脱いだピングドラムを机に投げ出し、焼肉着に手をかける。 あっけにとられていた俺を含め男たちは、この時点で朝ボシュ好き子によってバンボシュから叩き出された。 その後朝ボシュ好き子をはじめとしてボックス席の女子はこぞってカルビに説教をしたらしいが、まあ何の効果もなかったね。カルビは相変わらず男の目などまったく気にせず平気で着替えをやり始めるし、おかげで俺たち男連中はきたや前の休み時間になるとチャイムと同時にダッシュでバンボシュから撤退することを----主に朝ボシュ好き子に----義務づけられてしまった。 それにしてもやけに大柄だったな……いや、それはさておき。 片鱗その三。 基本的に休み時間にバンボシュから姿を消すカルビはまた閉店後になるとさっさと鞄を持って出て行ってしまう。最初はそのまま帰宅するのかと思っていたらさにあらず、呆れることにカルビはこの沖縄に存在するあらゆるクラブに仮入部していたのだった。昨日焼肉部で焼肉を転がしていたかと思ったら、今日は焼肉部で焼肉カバーをちくちく焼き、明日は焼肉部でトング振り回しているといった具合。焼肉部にも入ってみたというから徹底している。焼肉部からは例外なく熱心に入部を薦められ、そのすべてを断ってカルビは毎日参加する部活を気まぐれに変えたあげく、結局どこにも入部することもなかった。 何がしたいんだろうな、こいつはよ。 この件により「今年のバンボシュにおかしな女がいる」という噂は瞬く間に全校に伝播し、豚宮カルビを知らない株式会社トウエイ関係者などいないという状態になるまでにかかった日数はおよそ一ヶ月。五月の始まる頃には、牧志店店長の名前を覚えていない奴がいても豚宮カルビの名前を知らない奴は存在しないまでになっていた。 そんなこんなをしながら----もっとも、そんなこんなをしていたのはカルビだけだったが----五月がやってくる。 運命なんてものを俺は龍潭池で生きたDEDが発見される可能性よりも信じていない。だが、もし運命が人間の知らないところで人生に影響を行使しているのだとしたら、俺の運命の輪はこのあたりで回り出したんだろうと思う。きっと、どこか遥か高みにいる誰かが俺のバンボシュ指数を勝手に書き換えやがったに違いない。 ゴールデンウィークが明けた一日目。失われた曜日感覚と共に、まだ五月だってのに異様な陽気にさらされながら俺はバンボシュへと続く果てしない坂道を汗水垂らしながら歩いていた。地球はいったい何がやりたいんだろう。黄熱病にでもかかってるんじゃないか。 「よ、トン」 後ろから肩ロースを叩かれた。肉口だった。 六尺をだらしなく肩ロースに引っかけ、ふんどしをよれよれに結んだニヤケ面で、 「ゴールデンウィークはどっか行ったか?」 「小学の妹を連れて田舎のバンボシュに」 「しけてやんなあ」 「お前はどうなんだよ」 「ずっときたや」 「似たようなもんじゃないか」 「トン、高校生にもなって妹のお守りでジジババのご機嫌うかがいに行ってどうすんだ。高校生なら高校生らしいことをだな、」 ちなみにトンというのは俺のことだ。最初に言い出したのはデブの一人だったように記憶している。何年か前に久しぶりに会った時、「まあトンくん大きくなって」と勝手に俺の名をもじって呼び、それを聞いた妹がすっかり面白がって「トンくん」と言うようになり、家に遊びに来た友達がそれを聞きつけ、その日からめでたく俺のあだ名はトンになった。くそ、それまで俺を「お兄ちゃん」と呼んでいてくれていたのに。妹よ。 「ゴールデンウィークに大柄連中で集まるのが家の年中行事なんだよ」
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406 :ひゅうが:2013/08/05(月) 16 26 29 ネタSS――「そして船はゆく~提督たちの憂鬱×征途~」 ――西暦1995年8月 日本国 沖縄県 嘉手納宇宙港 これは少しまずいかな? 藤堂進がしばし困惑したところで、その一言は発せられた。 「なら、私も出ていくべきかな?元帥。」 「いや、別にかまわんでしょう。それに招待を受けた身としては欠席はできませんな。」 「それもそうか。ああ、お嬢さん。」 立ち上がり、広報官に掴み掛ろうとしていたらしい女性は、その声がした方向をじろりと睨みつけている。 壮年の男性だった。 肉体は中肉中背、背はそれほど高くはない。 顔は「にこやか」と「張り付けたような」という二つの印象のちょうど中間くらいで固められている。 愛想笑いであるが、女性に向けてあまりよい感情を抱いていない様子であるのは確かだった。 何より、沖縄の日差しをさけるかのようにかけているサングラスの向こうからでもわかる鋭い眼光は怒りとある種の悲しみに染まっている。 お嬢さん、と呼ばれた女性はしばし言葉を失った。まるで蛇に睨まれた蛙のようだと藤堂は思った。 わざわざ彼女にも聞こえるような声でとぼけたことを言ったその男性は、ゆっくりとサングラスを外した。 「川宮、同志。」 おいおい。同志とかぬかしてる時点でいろいろとまずいぞ。公正中立を旨とするジャーナリストとしては、と藤堂は思った。 見れば、男性の横では藤堂の実兄がビターな苦笑を浮かべている。 「軍人が人殺しでその子供が犯罪者の息子なら」 元「北日本」首相で、現在は日本国内閣府参与という微妙な地位にある男、川宮哲夫は肩をすくめながらしれっと極論を吐いた。 「私なんぞ、独裁者の息子ですが?」 女性は口をぱくぱくさせていた。 無理もなかろう。 日本帝国主義と軍国主義を糾弾しにわざわざやってきたら、あろうことか自分たちの(精神的な意味での)トップに白い眼でみられたのだから。 と、彼の瞳がこちらを向く。 どうやら幕引きは任せたというところらしい。 「お嬢さん。」 藤堂は言葉を継いだ。 「少し冷房負けされているようですな。」 その一言で女性は、崩壊した。 しゃくりあげながら小走りで記者会見場を出ていく様子を冷めた目で見送りつつ、藤堂は自分を見つめる視線に気づいた。 川宮だった。 二人は一瞬だけ視線を交差させると、何事もなかったかのように会見場の席に座りなおした。 周囲はざわついていたが、機転をきかせたらしい広報官の名調子で笑いを取り戻すのに5分とかからなかった。 407 :ひゅうが:2013/08/05(月) 16 27 29 「どう、お呼びすればいいですか?」 藤堂進が川宮哲也にかけた言葉はそれが最初だった。 「ただ川宮、だけでいいですよ。提督。」 ほどよく空調のきいた部屋はガラス張りで、嘉手納宇宙港の電磁カタパルトがよく見渡せた。 「ああ、提督とお呼びしても? どうも御兄弟を両方とも『藤堂さん』と呼ぶとまぎらわしい。」 仕立てのいいスーツに身を包んだ川宮は、ちらと遠巻きに藤堂を囲みつつ談笑する人々に視線を投げた。 その先では孫に「もうひとりのじーじ」として髭を引っ張られている明の兄が困ったような表情で彼女の母親と妻に助けを求めている。 次男の嫁はころころ笑っており、明の妻は口に手をあてて上品に笑っていた。 その横では、でっぷり太った見覚えのある男性――なんといったか、宇宙の先生だったか?――が微笑ましいものを見るように彼を見つめており、広報官と彼の同僚らしい女性たちが半分以上本気(お世辞半分未満)で陽性の笑い声を出していた。 「ええ。構いません。」 明はそう返答した。 この目の前の人物はただの政治家ではない、と藤堂進は思った。 背筋はしゃんとしており、歩く速度も百分の一秒のずれもなく左右の足をくりだしている。 おまけに先ほど階段を上がる際はさらっと小走りを披露していた。 藤堂はそうした特徴をよく知っていた。 川宮哲夫もまた、海の男なのだ。 どこでそうなったのかはわからない。公式の経歴では彼と海の接点は豊原人民大学校でカッター部に入っていたことくらしかない。 それ以後はずっと「向こう側」の党の仕事をしていたらしい。 408 :ひゅうが:2013/08/05(月) 16 28 14 「海ですね。」 ぽつりと川宮がいった。 「海です。」 藤堂もこたえた。 夏の雲の切れ間から青い空が見える。 そしてその下には、日本国がこの祝宴にあわせて集めた数々の船が浮かんでいた。 客船、巡視船、軍艦、空母、そして戦艦。 南北ふたつの日本に属していた空母と戦艦は意図的に並んで配置されており、そろって同じ旗を掲げている様子を観衆に見せつけていた。 この式典が終わった後に退役する予定であるものも多い。 かつて戦艦「大和」と呼ばれていた艦と巡洋戦艦「樺太」とも「栄光」とも呼ばれていた艦はいずれ横にならんで記念公園となることがすでに決定されていた。 「『海は人々に新しい希望をもたらす。眠りが夢を運ぶように』。」 川宮はいった。 「コロンブスの言葉です。」 藤堂は頷いた。 川宮は、なぜかは分からないが自分と話したがっている。 そう確信したからだ。 「私が子供のころ、海は目の前にありました。よく近所の悪童どもと連れ立って海岸で遊びわまったものです。 決まって12時になると、上空をジェット機が通過していくんです。それにあわせて母がスイカを切ってきてくれた。 それがあのころの私の世界のすべてでした。」 どこまでもいける気がしていた、と川宮は言った。 「私が思春期になるころ、アポロが月へ着陸し、南ではそれに追随するようにロケットを打ち上げた。 その頃の私は士官学校のそこそこのところにいましたが、まわりが弾道ミサイル云々というのも気にならず、それを理由にいろいろな本を読み漁りました。」 秘密ですよ、という川宮はこちら側での以前の評価に近い。 確かに放蕩息子であったようだ。 「だから、海に出ました。」 川宮はそう結んだ。 藤堂は、この目の前の男がある種の冒険家であろうとしていることに気が付いた。 たぶん、彼は見知らぬ海へ漕ぎ出したかったのだ。 下手な大義名分でもてはやされている男は、実際のところただの船乗りだった。 唐突に藤堂は理解した。 統一後、政府の下心交じりの要請を固辞し、若くして政治的に半分隠居状態にあるこの男がどういうわけかこの沖縄にきている理由を。 彼は、出航を見送りにきたのだ。 自分と同じように。 「さて、そろそろ失礼します。あまり長居しているとまたややこしいことに巻き込まれかねない。」 今日はお会いできてうれしかったです。提督。 ほがらかに笑ってから川宮は人の輪に向かって歩いて行った。 遠巻きに残念そうな顔をしている黒いスーツの丁稚がいるところをみると、首相とともに打ち上げを観覧する前に自分を宣伝に使おうとしている政治屋がいることを知っていたのだろう。 食えない男だ。 「じいちゃんのおふね!」 孫が叫んで指をさした。 藤堂は、あいさつをすませてから去ってゆく川宮を横目で見つつ、兄の救援にとりかかることにした。 ――艦は海をゆき、船は宙(そら)をゆく。 未来は日と星の光に照らされ、続いてゆく―― 【とりあえず 終】
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化死窪喪血達が、覇気と霊圧によって、ぼたぼたと落ちていった その、直後だった 「…影守さん?何をなさっているんですか?」 かけられた、声に 影守が振り返ると…そこには、弁当の包みを手にし、肩掛け鞄を下げた、広瀬 美緒の姿があった 今日は、仕事は休みなのだろうか いつものキッチリしたスーツ姿ではなく、落ち着いた色合いのワンピース姿だ 「あぁ…ちょっと、問題がありまして」 「………また、都市伝説関連ですか?」 「…多分」 「半分は兄貴っぽいしねー」 ハクとコンが、鎧状態を解除した そうですか……と、美緒はため息をつく 「本当…この街は、都市伝説関連の騒ぎが多すぎますね…」 「まったくです…ところで、広瀬さん。悪魔の囁きの騒動が終わってまだそんなに時間も経ってないのに、よく、休みが取れましたね」 「…上司に、休むように言われたんです……どうにも、あの髪の伸びる「組織」の黒服が、余計な手を回したようで」 俯く美緒 …あの黒服の正体に、かすかに気付きながらも しかし、その真実を知ることを、拒絶する 真実を知ってしまったら 彼女の中の、何かが……壊れてしまうような そんな、本能的な、恐怖 それを、美緒は必死に覆い隠す 軽く首を振って、影守を見上げた 「影守さんは………お仕事、ですよね?」 「はい。これから報告に…」 「あ、それ、私たちに任せてください」 ハクの、その言葉に え?と影守とコンが、首を傾げた 「せっかくの花見会場なんですから。あなたは、ゆっくりお花見でもしていたらどうです?」 「え?…いや、俺は」 「それに…」 ちらり ハクが、美緒の持っている弁当の包みに視線をやった 彼女の意図に気付いたコンが、続ける 「あぁ、そちらのお姉さん。一人分にしては随分、量を作りすぎちゃったみたいだしねぇ?一人じゃ食べきれないよね?」 「……っ」 コンの指摘に ぴくり、美緒の体が、かすかに跳ねた …そう 美緒が持っている弁当の包みは、女性一人分の量にしては、やけに多い ……もしかしたら、と 彼女が、期待していたかもしれない、その証だ 「な、何のことですか?おかしな事を言わないでください。訴えますよ?そして、勝ちますよ?」 慌てた様子の美緒 珍しく、感情が表に出ている彼女の様子に、ハクとコンがニヤニヤ笑う 「二人とも、何を言っているんだ?」 …そして 美緒の、そんなあからさまな様子に、まだ気付いていない男が一人 ニヤニヤニヤニヤ ハクとコンが、ますます笑う 「それじゃ、ごゆっくり~」 「あ、帰り遅くなりそうになったら連絡してくださいね。こちらの夕食どうなるかも、それで決まります」 「っちょ、二人とも…」 さっさと、影守と美緒を置いて行ってしまうハクとコン やれやれ、と影守はため息をついた 「すみません、2人がおかしな事を言って」 「い、いえ……あなたのせいでは、ありませんから」 影守とまともに顔を合わせられないのか、俯く美緒 その様子に、彼女の機嫌を損ねてしまったかと、影守は困ったような表情を浮かべたのだった リア充はもげろと言いつつ終われ 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ