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by 333さま 日米百年戦争支援SS 日米百年戦争支援SS2 フローデ達の憂鬱 設定 フローデ達の憂鬱1 フローデ達の憂鬱2 フローデ達の憂鬱3 アーヴの休日 フローデ達の憂鬱4 フローデ達の憂鬱5 フローデ達の憂鬱6 フローデ達の憂鬱7 フローデ達の憂鬱8 フローデ達の憂鬱9 フローデ達の憂鬱 番外編 フローデ達の憂鬱10 フローデ達の憂鬱11 フローデ達の憂鬱12 フローデ達の憂鬱 番外編2 フローデ達の憂鬱13 フローデ達の憂鬱14 フローデ達の憂鬱 小ネタ フローデ達の憂鬱15 フローデ達の憂鬱16 フローデ達の憂鬱17 フローデ達の憂鬱18 フローデ達の憂鬱19 フローデ達の憂鬱 番外編3 フローデ達の憂鬱 番外編4 フローデ達の憂鬱 番外編 帝宮訪問 フローデ達の憂鬱20 フローデ達の憂鬱21 フローデ達の憂鬱22 フローデ達の憂鬱23 フローデ達の憂鬱 小ネタ2 フローデ達の憂鬱24 フローデ達の憂鬱25 フローデ達の憂鬱26 フローデ達の憂鬱27 フローデ達の憂鬱28
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『汐華初流乃の憂鬱』 第一話 太陽とパスタの国 語り部:キョン 落ち着け、まずは素数を数えて落ち着くんだ。 俺は自分にそう言い聞かせながら、深呼吸した。 心臓の鼓動がどんどん早くなるのを感じる。 ちらりと隣に目をやってみる。 ハルヒが、流石に少し緊張した面持ちで立っていた。 いつもなら色々うるさいこいつが今日に限ってはかなり大人しい。 ハルヒの沈黙が気まずい。 頼む、いつものペースで巻くしたててくれ こんな時に限って黙るなよ。 俺も何を言ったらいいか、分からないじゃないか。 ハルヒは落ち着かない様子でそわそわと辺りを見回している。 心なしかちょっぴり顔が赤いか? そりゃそうだろうな、 なんせ俺たちは今、たった二人だけで 人生初の海外イタリアに来ているんだ。 …さて、ここまできて、 俺やハルヒをツンだとかデレだとか言うのが好きな連中が 十中八九意図的に勘違いしているだろうから、 何がどうなってるのかを説明しておくとしよう。 事の始まりは一月ほど前、放課後の部室での出来事だった。 いつもの5人に加えて、鶴屋さんも遊びに来ていた時のことである。 「今度は古城がいいわね。」 「なにがだ」 その日も我らの団長様は突拍子もないことを言い出した。 「合宿よ、合宿!孤島、雪山の次は何がくるかと考えていたの。 その先に続くシチュエーションがなかなか思いつかなかったのよね。 で、昨日気がついたのよ! 次は曰くありげの古城しかないわ!! 湖の真ん中に立ってるようなの」 ああ、昨日は木曜映画劇場で 「カ○オストロの城」をやっていたからな。 お前がそれを見たのが丸分かりだ。 とすると、怪しげな怪盗の宝探しでも期待してるんだろうか。 が、その前にとりあえず一言 日本にそんなものはない。 仮にあったとしても、それはお前の期待する 西洋風デザインのお城じゃなくて 侍と忍者が似合う、純和風造りだ。 出てきそうなのはせいぜい、ねずみ小僧や石川五右衛門くらいのもんだ。 「それくらい分かってるわよ。やっぱり海外に行かないとダメからね」 「海外旅行なんて、普通の高校生がぽんぽんいけるものじゃないだろう」 と、まぁここは流石に俺が適度に突っ込みを入れて終わる・・・はずだった。 ところが 「僕の遠い親戚に旅行代理店を始めようという方がいまして、 ツアープランのモニターの募集をしていたところなんですよ」 「うちはヨーロッパの本物のお城を別荘に使ってるんだけどどうかなっ!? 」 イエスマンスマイル全開の古泉 そしてたまたま来ていた鶴屋さんのおかげで話はトントン拍子に進み 俺たちは、次の休みを利用して海外旅行に出かけることとなった。 旅費のほとんどは機関と鶴屋家が持ってくれることとなり、 俺たちが実際用意する物といったらパスポートとお土産代くらい。 流石に人として、そこまで世話になるのもどうかと思ったが、 「このハルヒすでにノリノリである」って言う状況と そんな超超格安で行けるなら一回位は海外に行ってはみたいかな~ という欲求には勝てず 次の合宿はめでたく海外旅行ということになったのだ。 そして旅行当日 毎回毎回、一番最後に登場して奢らされてる身としては 一回位は思いっきり早く行ってみようと思い 目覚ましを予定よりかなり早くセットして万全の体制で当日を迎え撃った。 …つもりだったが気がついたら二度寝してた。 夢でなぜか裸のハルヒと朝比奈さんと長門がが出てきたことは黙っておこう 俺はまだ死にたくない。 ましてその続きを見ようと、わざと粘って寝続けていたなんて事が 知れようものならその場で自害できる自信がある。 フロイト先生も爆笑通り越してドン引きだっつ~の。 若さゆえの過ちとか、何かそういうのではなく 人間慣れない事ははするものではない。 ということだ。と思っておく。 うん、そうだ。 ともかく俺は大急ぎで空港へと出発した、 すでに集合時間はおろか、飛行機の時間にすら 間に合わないことが分かりきっていたが、とにかく出来る限り急いだ。 ちなみに、妹がまたついていくといい続けていたが、今回は 「パスポートを取って来い、話はそれからだ」 でクールに切り抜けた。 この上でお前にまで構ってられん。 「遅い、何考えてんのあんたは!飛行機行っちゃったわよ!」 大急ぎで空港までこぎつけた俺を待っていたのは 怒りのオーラを全身にまとい、 遅刻者を鬼の形相で睨みつけるハルヒだった。 今回ばかりは流石に何もいいようがない。 申し訳ございません。 「飛行機…行っちゃったよな」 「当たり前でしょ!バカキョン!!バカ!今すぐここで死になさい!!」 怒りの程はもっともだが、容赦のなさ過ぎるその言動に少しへんだ。 他の皆は、先に予定通りの飛行機に乗って出発したらしい。 「飛行機キャンセルして別のチケット取っといたわよ、エコノミーだけどね」 ハルヒはそういって俺の顔に、チケットの入った袋を叩きつけてきた。 「全く、せっかくファーストクラスをだったのに、 あんたのせいで肩身狭くしてエコノミーじゃないのよ」 「だったら先にみんなと一緒に行けばよかっただろ」 「そしたら誰があんたにチケット渡すのよ! ちょっと押さないでよね、席狭いんだから」 今回ばかりは返す言葉もない。 飛行機の中でハルヒは文句を言い続けていた。 しかし、高校生にファーストクラスは贅沢すぎるだろう、常識的に考えて… 帰りはビジネスクラスでいいですよ、機関のみなさ~ん? しばらく、機内のモニターに移された映画をみたり、 機内食を食ったり、一眠りしながら、現地への到着を待った。 まさかこいつペアで一日中過ごすことになるとはな。 やっていた映画はまだ日本じゃ公開前の物だったがちゃんと翻訳されていた。 心なしか、そのうちハルヒの機嫌は直っていったようだった。 それから数時間のフライトを終えて、俺たちは空港に着く。 ブラボーおお、ブラボー 初の海外、さらば~日本よ~♪ たびだ~つ~ふねは~ ああ、いや、これは飛行機だったな。 やってきたぜ、場所はイタリア、ネアポリス空港。 まさに太陽と地中海の国、イタリア トマトとピザとパスタが上手そうで楽しみだぜ、ひゃっほい 「所で、ハルヒ知ってるか?昔ホームアローン2という映画があってだな。」 「知ってるわ・・・先週の映画劇場はそれだったもの。」 「今、ものすごい親近感をあの少年に感じているんだが」 「偶然ね、私もよ。でもあの子ってさ、もう私達より年上じゃなかった?」 「だったな、確か 映画自体かなり古かったからな」 「でも、あの子のトラップの才能は見るべきものがあるわね、 実際にいたらSOS団にスカウトしてるところよ」 「本当に、いたらな」 … … … 鶴屋さんの別荘の所在地はスイスだそうだ。 俺たちはどこで何を間違ったんだ。 ←to be continude
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あまでうすのゆううつ【登録タグ GUMI muhmue あ 曲】 作詞:muhmue 作曲:muhmue 編曲:muhmue 唄:GUMI 曲紹介 モーツァルトの様に奔放に生きたい少女の想い。 タイトルにある通り、モーツァルトを若干絡ませてます。でも、いつも通りの女の子系POPですけどね(*ノωノ) そんな感じで聴いてやってください!(・е・)ノ(作者コメ転載) ギターは maya氏 が演奏。イラストは eb氏 が手掛ける。 歌詞 あなたという傘に 守られてたけど 降り注ぐ雨の中 飛び出し世界巡るの 幸せの福音 投げ捨てていいかな? 目の前のベクトルの 果て見たいから 二人で過ごした時間 後悔なんて無いけど 私が求む真理は ここに無いと気づいたの アマデウスみたいに 時代(とき)を駆け抜けたい 奔放に旅してた あのメロディのように 憂鬱な天気も 鉛色の空も まだ見えない明日を 思えば心ときめく 夢を指し示す 羅針盤の針は 700 の行き先を 自由に巡り廻るの 孤独の箱舟 少し寂しいけど あなたがいないことに 慣れてきたかな 愛が永遠の鍵だと 信じたこともあったけど 私が求む奇蹟は 常識の外にあるの アマデウスみたいに 言葉で遊べたら 些細な悩みさえ 小さな希望になる 憂鬱を隠したままの日々は捨てて 顔が火照るような 熱の中音奏でる アマデウスみたいな 一瞬の光でも 密度が高ければ それが望んだ道 憂鬱の協奏曲(コンチェルト) 流れては消えてく 私が歌うのは 空に響くセレナーデ コメント 名前 コメント
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『喜緑江美里の憂鬱~the melancholy of fake star~』 『喜緑江美里の告白~the melancholy of fake star~』 『喜緑江美里の暴走~The sigh of fake star~』 『喜緑江美里の溜息~The sigh of fake star~』 『喜緑江美里の消失~the boredom of fake star~』 『喜緑江美里の消失~the disappear of fake star~』
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「…御免、少し準備に時間がかかったわ」 「いえ、構いませんよ」 …幽霊マンションにて 黒服は、少女と待ち合わせていた 向かう先は、「首塚」主催の宴の会場 日焼けマシンの契約者の青年は、準備もあって先に会場に行っている …時間帯的にも、少女を一人で歩かせるのは気が引けて、黒服が少女を迎えに来たのだ 『いってらっしゃ~い………うぅ、付いていきたいよぅ』 若干めそめそしている女幽霊をあっさりと部屋に置いて 少女は部屋を出て、黒服と並んだ 「…「組織」からも、人は来るの?」 「若干名、参加するようですね…まぁ、いくらなんでも、将門公の前で騒ぎは起こさないでしょう」 …そうだとは、信じたいが 「組織」と敵対する形になっている少女の事が心配である事に変わりは内 …なるべく、目を離さないようにした方がいいかもしれない 「さぁ、行きましょうか」 「ぁ………」 そっと、少女と手を繋いで、黒服は日が沈みかけた街を歩き出した ……宴の時は、近い 前ページ次ページ連載 - とある組織の構成員の憂鬱
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『汐華初流乃の憂鬱』 第8話 -引力-後編 語り部 キョン 古泉の策略にはまり、よりにも寄ってハルヒと二人きりで ホテル一室で夜を明かすハメになってしまった俺たちは、結局ほとんど一睡も出来なかった。 「…コーヒー入ったぞ」 2つのカップにコーヒーを注ぎ、そのうちの一つを ソファーに座っているハルヒの前においてやる。 夜明けのモーニングコーヒーってか? 出来ればもうちょっと色気のあるシチュエーションで飲みたかったぜ。。 結局、ハルヒが頼んだ洗濯物が届いたのは、俺たちルームサービスで朝飯を食い終わった後であった。 やれやれ、これでようやく落ち着けるぜ…。 ハルヒが着替えた所で、俺たちはロビーで待っている承太郎さんたちと合流し、今日の予定を決めることとなった。 「やぁ、キョン君。昨夜はどうじゃったかの」 みんなの下にやってきた俺たちに対しての最初の一言は、ジョセフジョースター氏の満面の笑みから発せられたこの一言であった。 危うく俺は、昨日ハルヒが見せたシャイニングウィザード張りの膝蹴りをかましかけたが 静ちゃんがいるということと、ジョセフさんも歳が歳と言うことで、自重しました。 ありがとうございます、あの夜のおかげでちょっとばかり成長出来たようです 主に精神的耐久力とかが。 ちなみにハルヒはというと俺と目をあわせようとしない あれ、何でこんな展開に・・・何もしてないってのに。 「仲がいいのー」 全くこの爺さんは…勘違いも甚だしい。 俺とハルヒはそんなんじゃないんだ! 朝比奈さんだったら喜んで間違われもしようが、ハルヒではあまりありがたみは感じない。 承太郎さんの仕事の関係から、俺たちはもう一泊この町で過ごすことになるとの事。 俺たちはもう一泊このネアポリスで過ごすことになるとのこと。 「夕飯は6時過ぎを予定している。一緒に食いたいならその時までに戻ってきてくれ。」 そういって承太郎さんは先にホテルを出て行った。 「ワシらは午前中はホテルで休んで用と思うんじゃが、君らはどうするのかね」 「ちなみに俺はこいつらのお守りだ…服とか見に行きたかったんだけどよー、ま、これが旅費出してもらう条件だから仕方ねーけど」 「あたし達は、今日一日街を見て回るつもりよ、行くわよキョン!」 今日の予定に関して、俺はハルヒに何かを同意した記憶はないのだが・・ 言うが早いか、ハルヒは俺の腕を引っ張って外に飛び出そうとしている。 「仲がいいのー」 ジョースターさん、やっぱりなんか勘違いしてるだろ。 仗助さんも微笑ましいもの見る目をするしないでくれ。 さて、こうしてハルヒに連行された俺は、市内のあちこっちを回るハメとなっただが 思えば、こいつと一緒に不思議探索なんてのは、あのとき以来だな。 普段はどういうわけか、いつものペアを決める爪楊枝のクジでハルヒに当たったことがない。 俺としてはできれば一緒に町を歩くなら朝比奈さんのほうがいいのだが・・。 さて、イタリアといえば、穴を掘ったら遺跡にぶつかる…そんな明言が実際あるかどうか走らないが、 実際にそれくらい歴史的建造物や古代遺跡が多いことで有名だ。 古代遺跡…ハルヒのなんとも好きそうなフレーズだな。 実際この古い町並みを見ていると、ついうっかり古代生物の生き残りがめり込んでる柱とか そいつらが落とした世界の命運の半分くらいは左右するようなアイテムを拾うんじゃないか? という気分になる。 …というより、こいつの場合本当にそういう代物を見つけかねない。 が、当のハルヒは、どうもこの古代ロマンよりも気になるものがあるらしい。 「…いないわね…」 「何が?」 「昨日の泥棒少年よ!見つけ出してカバンを取り返すの!」 まだハルヒは犯人を見つけ出してカバンを取り返す、ということを諦めてないらしい。 地元警察にでも任せておけばいいものを・・ どうやらハルヒは、自らの手で犯人を見つけ出して粛清しないと気がすまないらしい。 「見つかるわけわけないだろう…まだ古代人とか探すほうが話が分かるぞ」 「…あんた熱でもある?真面目に不思議探索するなんてどういう風の吹き回し?」 こいつは、俺が真面目に不思議探索に付き合うと今度はこういう事を言い出すから困る。 「戻ってこないと困る物があるのよ」 「困る物ってなんだ?」 「そこはどうだっていいでしょ!ほら、あんたも探すの!顔くらい覚えてるでしょ」 午前中いっぱいはこんな感じだった、不可思議な超古代アイテムも、あの盗人少年も見つからず 粘って探しているうちに、ジョースターさんたちは多分昼飯を終えてしまったであろう頃になってしまった。 結局俺たちはなけなしの金で自腹を切って昼飯にマルガリータのピッツァを食った。 なんだかんだといって結局この昼飯も俺のおごりである 「まぁ、いいわ。続きは服とか見ながら探しましょ」 なるほど、それには大賛成だ。 あんな夜は一回で十分だからな、せめてハルヒの服だけでも何とかしてもらわなくては。 俺の奢りで温存した分は、着替え代にでもまわしてもらおう。 さて午後はこうしてブティックや雑貨店が並ぶ商店街を見て回った。 「これ、みくるちゃんにいいわね・・こっちは有希にいいかも、どう思うキョン?」 ハルヒ、お前が手に取っている品をどうこう言う前に、言わせてもらいたい点が二つある。 第一に、朝比奈さんや長門のはいいから、自分が使う分をさっさと決めてくれ。 第二に、折りたたまれて店に並べられている商品とはいえ、パンツやら何やらを見せられて同意を求められても非常に反応に困る。 って言うか、普通のブティックでも気まずいのに、下着がいっぱい並んでるとあっては破壊力倍増である。 「今選ぶわよ 自分のだけ選んでもつまんないの」 やれやれ…付き合わされるこっちの身にもなってくれ。 買い物が終わって、二人で店を出た直後だ 「アーーーーーーーーーーーッ!?」 とハルヒがいきなり叫びだした。 で、ものすごいスピードで道路に飛び出すとそのまま 近くいた通行人に向けて唐突にとび蹴りを放った なにをするだーーーーーっ!? 「だりゃあーーーーーーーッ!!」 「ひでぶぁ!?」 核兵器で滅んだ世紀末に跳梁跋扈してるモヒカンの死に様のような叫び声をあげて 哀れにもいきなりハルヒに蹴り飛ばされたのは、俺たちと同じくらいの年頃の黒髪の少年である。 ン…黒髪? 「な、何なんだよ、今度は」 そういって情けない声を出したそいつの顔を見て俺は驚愕したね なにせ昨日会ったばかりの忘れようもない顔 あのタクシーの少年だったんだ。 「ふふん、や~っと見つけたわよっ」 仁王立ちで倒れこんだ少年の前に立ちはだかるハルヒ。 恐るべきことにこいつは本当に犯人を探し出していた。 やれやれ、まさかこいつの能力がトラブル解決の糸口になるとはな と、一瞬思ってから俺は改めて不安になった。 これって解決の糸口なんだろうか、とな。 まぁ、その不安はかなりの部分で的中しちまったわけだが。 ←to be continude
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146: 弥次郎 :2022/03/05(土) 22 23 17 HOST softbank060146116013.bbtec.net 憂鬱SRW GATE 自衛隊(ry編SS「平成世界の兵士たちの憂鬱」 特地 アルヌスの丘 日本国自衛隊拠点 某会議室 「---以上が、検証作戦D-17からD-24までの結果を統合した結論となります」 プロジェクターの稼働が止まり、照らし出されていた映像が消える。 それとともに部屋の中に明かりが戻り、科学の結晶たる電灯による光で部屋が満たされた。 同時に、出席者たちの間からはため息が漏れ出ていた。 「つまるところ、デモンゴーレム相手には有視界戦闘になった時点で不利、というわけか」 狭間陸将は、つぶやきを漏らすのがやっとだ。 他に並ぶ特地における幕僚たちの顔色も悪い。 「90式の戦車砲による砲撃でダメージは与えられ、集中砲火を浴びせれば撃破も可能となる。 ただし、一体に対して複数車両で同時攻撃をかけてようやく相手の再生能力を上回れる、と。 そして尚且つ正確に狙うには動きを止めざるを得ないこちらに対して、相手は90式以上の速度で接近できる、こちらの数以上を以て」 それらの意味するところは、明白だ。 十全な火力を発揮したところで、90式戦車ではデモンゴーレムを止められない、ということになる。 無論、理論上は的確に集中砲火を順番に浴びせることによって排除し続けることはできるだろう。 だが、早々にうまくいかないことはよくわかっている。理論と実践では違うからだ。 「ヘリや自走砲による支援を持ちこんだE-18から始まる検証作戦でも同様でした。 つまるところ、アレの相手は時間稼ぎでいっぱい、としか」 「だが、前線を受け持ってもらえば戦果を挙げられるのは確かなのでしょう? ならばその存在意義までも揺らぐことはないのでは?」 幕僚の一人が言うが、狭間はそれを一笑に付す。 「行われた検証作戦で、多くの場合連合の戦力による救援が入らざるを得なかったケースは46%にも及んでいる。 その時に救援が入らなかった場合の被害は合計で8個戦車中隊相当。随伴する歩兵や自走砲も含めればもっとだろう」 つまり、計算上はほぼ2回に1回は危険な状況に追い込まれることになるし、その被害はとてもではないが自衛隊が受け止めきれる被害ではない、ということ。 そも、この検証作戦---デモンゴーレムらを群れから意図的に分離させ、指定されたエリアに誘導して自衛隊戦力とぶつけ合わせる---は連合の発案でもあった。 自衛隊の戦力が真っ向からぶつかることがいかに危険であるか、そして機動兵器でない存在が如何に無力化を理解してもらうためのものだ。 これには機動兵器についての情報収集を担当していた間宮やリーなどからの援護射撃もあった。 「ともすれば、我々が現在錬成を進めているカタクラフト隊などが主軸となってもらう必要がある」 「ですが陸将。機動兵器部隊は未だに錬成途中で、おまけに既存兵科との連携は未だに不安定ですが……」 「人死には避けねばならない。殊更、この特地での戦闘においてはな」 狭間の言葉に、幕僚の一人は言葉を詰まらせるしかない。 そもそも自衛隊というのは戦死者というものを忌避する傾向にある。成り立ちやその後の世論などの観点からも、それは非常に強い。 ましてや、今回は侵略を受けた後の報復として、またゲートの向こう側の調査という名目で自衛隊が展開しているのだ。 つまるところ侵略戦争という、今の世論では受け入れがたい側面を秘めているといっても過言ではない。 147: 弥次郎 :2022/03/05(土) 22 24 08 HOST softbank060146116013.bbtec.net そして現在、ヴォルクルスという、巨大災害級の被害をもたらす存在が現れ、特地を脅かしている。 ここで阻止しなければゲートを通じて自分たちの世界にまでなだれ込んでいくことは明白だ。 まさしく、かつての満州という立地を再現しているといっても過言ではない。 旧日本軍と違うのは、それでもなお、戦闘や死者を避けざるを得ないという縛りが存在していることか。 (儘ならない、な) つまるところ、自衛隊や米軍は現状お荷物ということである。 唯一の例外としていえるのはカタクラフトを要する部隊であるが、その部隊さえも練度不足が指摘されている。 とはいえ、シミュレーションにおいては戦車部隊などで戦うよりもはるかに低い損耗率で撃破数を稼げるというのも事実だ。 デモンゴーレムらに有効打を与えつつ、攻撃を柔軟に回避し、至近距離に潜り込まれても逃れられる唯一と言っていい戦力。 問題は、今のところ他の兵科との連携が乏しく、連合に依存しない戦力としては使いにくいことか。 いや、その自衛隊内や米軍内での連携においても、機甲化戦力がお荷物にしかなっていない。 展開速度、火力、運動性や回避などにおいて置いてけぼりにされる。 実際、検証作戦においても退避が間に合わないとの理由から、機動兵器に戦車が抱えられて逃げる、という事態が何度も発生しているのだ。 (しかし、それでは連合だけに頼ることになり、この特地における任務を果たしきれていないということになる) 加えて、国家としての体面もだ。少しは貢献しているという自負はなくもない。 だが、結局は連合の力を借りているに過ぎないものだ。 張り合うのが間違っている国家規模なのだから、しょうがないという面もなくもないのであろうが。 「ともあれ、だ」 ガヤガヤと話が続いていた中に、狭間は声を届かせる。 「現状のところ、自衛隊及び米軍ではとてもではないがヴォルクルスに敵うことはない。 我々ができることはいかに自分達のみを自分たちで守るかだ。それを第一義として、行動してほしい」 それは決定事項でもある。 防衛省にも問い合わせ、通信で会議を行って改めて決めたことでもある。 「連合は遠からずヴォルクルスとの決戦を行うとのことだ。 我々の力は微力に過ぎない。だから、せめて死なないように、この特地に現れた驚異のことを伝えてほしい。 そして---いつ何時我々の生きる世界にも脅威が現れるかわからないということも、把握しておいてほしい」 その言葉は、果たして重たい。 連合はそのことにも言及したのだ。 いつの日か、そちらの世界にも人類に敵対的な存在が現れ、侵略してくるかもしれないと。 冗談だと一笑に付すところであるが、実例があるだけに否定しきれない。帝国の侵略などその最たる例だろう。 たまたまそれが現代の軍隊で対処しきれるレベルの文明と軍隊だったから被害はまだ小さかったのだから。 「そして、目下の課題はいかにヴォルクルスやその眷属と戦うかだ。 遺憾ながらも我々だけでは勝てない。連合と共に共同で戦い、生き残らなくてはならない。 各員にはそれを徹底するよう通達してくれ」 以上だ、と若干の憂鬱な気分を抱えつつも、狭間は解散を告げる。 ああ、なんとも、情けない話だ。兵士たちに、自衛官たちに、他者を頼って生き残れとしか言えないとは。 今回の件は政府も市ヶ谷も霞が関もだいぶ気をもんでいると聞く。とはいえ、現状の対処だけで手一杯なのも確か。 だが、目を背けても、目をそらしても現実が変わるはずもない。 自分も少しは機動兵器の運用についての学習を進めるべきか、と重たい気持ちを引きずりながらも歩むことにした。 148: 弥次郎 :2022/03/05(土) 22 25 12 HOST softbank060146116013.bbtec.net 以上、wiki転載はご自由に。 ヴォルクルス戦の話はそろそろ一区切りにして、怪獣事変までとその後を書きましょうかねー 239: 弥次郎 :2022/03/06(日) 09 54 22 HOST softbank060146116013.bbtec.net 文章がおかしかったので修正お願いします 146 ×そして尚且つ正確に狙うには動きを止めざるを得ない相手に対して、 ○そして尚且つ正確に狙うには動きを止めざるを得ないこちらに対して、
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『汐華初流乃の憂鬱』 第15話 はるかなる帰路 さらば友よ 語り部 キョン 俺はホテルの一室で目を覚ました。 昨日、俺とハルヒが泊った部屋・・・か? ベッドのすぐ横に俺とハルヒのカバンが見える。 どうやら間違いないようだ。 ・・・いや待て カバンは盗まれたはずだ。 俺達が泊っている部屋にあるのはおかしい・・ 「キョン、大丈夫かい?」 まだ混乱している俺に、ベランダの方から声をかけた奴がいた。 アイツの顔を見てようやく意識がはっきりして来た。 初流乃だ。 昨日は、あの涙目のルカという奴らに襲われたんだったな・・。 どうやら俺はスッコプの一撃でそのまま倒れて意識を失っていたらしい。 全く・・・アレは恐ろしい凶器だ、人の頭を殴るのに使って良いものじゃないな。 だが・・頭のほうに特に傷や痛みはないようだ。 「仗助だっけ・・?あのリーゼントの彼が言うには思ったほど大した怪我じゃなかったらしいよ」 初流乃の話ではその後、承太郎さんと仗助がやってきて何とかしてくれたらしい。 確か、最後にルカが拳銃を出したと思ったんだが・・あの後を潜り抜けて俺達を助けたのか? 只者じゃないとは思っていたが、本当にものすごい人たちなんじゃないだろうか。 「ハルヒはどこだ?」 「そこにいるよ」 ハルヒはソファーの方で横になっていた。 「君が目を覚ますまでおきてるといって頑張ってたよ。結局寝ちゃったみたいだけどね」 「ああもうっ、何であたしが寝てるときに目を覚ますのよ」 ハルヒがふくれっつらで叫ぶ 目を覚まして、俺の顔を見ての第一声がこれである。 結局ハルヒがを覚ましたのは、俺達がコーヒーを入れた後に ドラゴンボールについて、熱く語り合った後だった。 DB最高キャラはナッパ様だよな? 初流乃はギニュー隊長といって譲らなかった。 頑固な奴だ。 「変な事してないでしょうね」 やれやれ、顔に落書きでもされると思ったか? 全く仕方のない奴だ。 「それで・・あんた大丈夫なの?」 ハルヒが俺の顔を覗き込みながらいう。 「なんだ、心配してくれてたのか?」 「だ、団員の心配するのは団長の義務だもの、当然でしょ」 そういったきりハルヒはそっぽを向いてしまった。 やれやれ、うちの団長様は気まぐれで困るぜ。 「だからいったろ、大した怪我じゃなかったってよ」 そういいながら、部屋に仗助さんが入ってきた 相変わらず、今日も気合の入ったリーゼントだ。 「何はともあれ・・みんな無事でよかったの キョン君もハルヒちゃんもそれから・・・」 そういった後からジョースターさんと、静ちゃん そして承太郎さんも入ってきた。 今回の旅行の一同勢ぞろいだ。 「汐華・・初流乃君もな」 承太郎さんの静かな眼が初流乃をじっと見つめていた。 こうして俺達一同はお互いの無事を確認したことで、今回の事件のは完全に終了となったようだ。 それから一日だけ滞在期間を延ばしてもらった俺達は 初流乃の案内で、ネアポリスの街を見て回った。 「さぁ、明日帰るんだからなんとしても面白そうなものを見つけて持ち帰るわよ!!」 とはいえ、このようにハルヒはパワー全開で、 ろくすっぽ説明も聞かずに次から次へと町中を駆け回っていた。 こんなペースでは観光も何もあったもんじゃない。 「いっつもこんな感じなのかい?」 初流乃が、引きずられる様にハルヒの後を追いかけながら言う。 「ああ、大体こんな感じだ。他にも色々その時の気分でよく分からん事ばかりやりたがる」 「楽しそうじゃないか」 そう思ってるのは、毎日アイツに付き合って無いからだ。 「あいつに引っ張りまわされるんは楽じゃないぜ?」 「それはキョンがやってくれるんだろう? 僕は横で惜しいところだけいただくよ」 「無理無理、そういうポジションは別の奴ですでに埋まってるからな」 古泉の顔が浮かび、ついで他のみんな顔も浮かんできた。 みんなどうしているかな、こいつを連れて行ったらどんな顔をするだろうか。 「ちょっと何してるの、二人とも、さっ早く行くわよっ!! イタリアでなんとしても『面白い物』を見つけて皆のところに持っていかないと団長としての沽券に関わるわ!!」 どんどん突っ走って言ったハルヒが、俺達が遅いので痺れを切らしたのかユーターンして戻ってきた。 「な、こいつに着いていくのは楽じゃないだろ?」 俺はそういってやったが、やっぱり初流乃は楽しそうに笑っていた。 やれやれ。 そして次の日 余りにも早い別れの朝は来た。 ネアポリスの駅まで俺達はバスで移動し、そこから列車でヴェネツィア、ローマへを経由しスイスに入国する。 ヨーロッパは地続きだから、列車で違う国までいけてしまうのだ 日本に住んでる身として若干奇妙に感じてしまう。 滞りなく淡々と、チェックアウトから移動へと事は進み 俺達は、ネアポリス中央の駅のホームまでたどり着いてしまった。 「それじゃあ、ここでお別れだね」 初流乃が名残惜しそうに言う。 「ああ、元気でな」 「おめーら、そろそろ乗らねーと列車が出ちまうぞ」 先に乗り込んだ仗助さんが、窓から顔を出して叫んだ。 急いだ方がよさそうだ。 これに載り損ねたらシャレにならない。 「それじゃあ、行くかハルヒ」 と思ったらあいつの姿が見えない、こんなときにどこ言ったんだアイツは? 最後の最後まで「面白い物」を見つけ出そうと、粘ってるんだろうか? 二人でホームを見渡しているとハルヒが、改札の方からこっちに駆けつけてきた。 今までどこで何やってたんだお前? 「いいから、それより」 ハルヒはそういって、初流乃に何かを押し付けた。 「持ってなさい」 アイツがいつもつけている腕章だ。 いや違うな、例によって微妙に字が違う。 ハルヒの腕章には「団長」、古泉には「副団長」、鶴屋さんは「名誉顧問」だったか。 他に名探偵とか超監督とか編集長とかって時もあったな… ってあれ編集長?何を言ってるんだ俺は、そんな腕章はなかったはずなんだが おかしいな。 で、今回初流乃に押し付けた腕章は 「団員候補生」 「いい、今からテストをするわ、この腕章を日本のSOS団本部まで持ってきなさい!」 「テ、テスト?」 初流乃はきょとんとしてあっけに取られていた 「そう、これはテストよ。あんたがちゃんと更正できるかどうか だから・・そのね・・ え~と・・ 何年かかってもいいから必ずあたし達のところに持ってきなさい!!良いわね!?」 初流乃は、腕章を握り締めて黙っていた なんて返したら良いのか迷っているようだ。 そうこうしてるうちに、電車が動き出す。 「ハルヒ、電車が出るぞ」 「分かってるわよ」 俺とハルヒは急いで、動き出した列車に駆け込んだ。 「分かった、いつになるかわからないが必ず持っていく!!」 駆け込んだ俺達をみて、初流乃が叫んだ 「ああ、ちゃん待っててやるからもってこい!」 俺も叫び返した。 「忘れたら死刑だからねっ!絶対持ってきなさいよっ!」 ハルヒも一緒に、二人で窓から身を乗り出して叫んだ そうこうしているうちに初流乃の姿はどんどん小さくなって見えなくなってしまった。 それが、イタリアでアイツを見た最後だった。 ←to be continude
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「こら!いつまで寝てるの?遅刻するよ!」 いつも以上に目覚めの悪い朝だ。変な夢を見たせいだろうか。俺を起こしたのは誰だ・・・母さんの声? わざわざ母さんが起こしに来るほど俺は寝坊しちまったのかと思い時刻を確認するのだが、まだ6時であった。学校には7時半起きで充分なんだが? 「学校?寝ぼけてるの?早く起きないとほんとに遅刻だよ!」 「寝ぼけてるのはどっちだ、母さん・・・寝かせてくれよ・・・」 「母さん!?23にもなってあたしと母さんを間違えるなんて・・・もう、キョン君ったら!」 何?今なんと言った?・・・23? 起き上がった俺は、そこにあり得ない光景が広がっているのを見て、どうやら本気で寝ぼけてるらしいと感じた。 「あ・・・朝比奈さん?」 朝比奈さんが俺の部屋に居たのだ。これは夢か、幻覚か。例え幻でも、寝起きに朝比奈さんが拝めるなんて今日は朝からついてるね。ん?でも何かが少し違うような・・・。 「あれ、朝比奈さん、何か胸が小さく・・・」 「ちょっ・・・キョン君何言ってんの!?きもい!!変態!!」 バシン。 「いてっ!!」 「もう知らない!!」 いや、色々おかしいぞ。朝比奈さんが俺を起こしにきてくれるわけがないし、大体声がまるで母さんそっくりだ。しかもきもい変態言われた。 思い切り殴られた衝撃と痛みは確かに本物なのに、まだ目が覚めないのか幻のエンジェルが消えない。何だこれは。ハルヒの仕業か? とりあえず目を覚ますべくけだるい身体を起こして洗面所へと向かう。心なしかいつもより視界が高く感じたが、それも寝ぼけているせいにして洗面所のドアを開いた。 「あ!?」 そこでも俺はあり得ないものを見るはめになった。鏡に映った俺がやけに大人びていたのだ。それに身長も高くなっている。これは夢でも気味が悪いぞ! 俺は慌ててひんやりとした水を顔に打ち付けるが、鏡は先程見たものと同じ姿しか映さない。どうなってんだ? 「キョン君、目覚めた?」 歯ブラシをくわえた母さん声装備の朝比奈さんが鏡越しで俺と目を合わす。・・・違う。こいつは朝比奈さんなんかじゃないじゃないか。こいつは・・・。 「俺の、妹・・・」 「キョン君、まだ寝ぼけてんの!?いい加減目覚ましてよね、会社遅刻するよ!!」 「かい・・・しゃ?」 どこの会社へ行くというのだ、俺はまだ高校生・・・。 ・・・いや、高校など、とうの昔に卒業しているじゃないか。 そうだ・・・俺は大学だって出ているぞ。そして今年入社一年目の・・・。 「・・・いっけね!!遅刻する!!」 「聞いてよ母さん。今朝キョン君のことお越しに行ったら、あたしのこと母さんだとか朝比奈さんだとか言い出したの!」 俺が急いでパンを頬張っていると、妹が隣で母さんにそう言う。 「まぁ、寝ぼけてたの?朝比奈さん・・・って、誰だったかしら」 「朝比奈さんは高校の先輩だよ。こいつ、ほんっとよく朝比奈さんに似てるんだ」 このお転婆な性格と胸の大きさは除くがな。 「でも、なんでまた突然みくるちゃんの話なんて出てきたの?もしかして、高校時代の夢でも見てたとか?」 「あぁ、いや・・・」 実を言うと・・・さっきから変な感覚が取れないでいる。よくわからないのだが、高校生時代の記憶がすごく新しいものに感じるのだ。まるで、昨日まで高校生だったような気がして・・・。 「それ、まだ寝ぼけてるんだと思う」 やっぱりか? 「それにしても、みくるちゃん・・・か。懐かしいなあー。」 妹が感慨深い表情をしながら俺を見る。 「ハルにゃん、有希ちゃん、古泉君も・・・元気かな。もうしばらく連絡取ってないんでしょ?」 「あぁ・・・そうだな、大学入ってから全然連絡取らなくなって、多分もう2年くらい・・・」 いや、呑気に昔話なんてしてる場合じゃない。遅刻する。お前も遅刻すんなよ、受験生。 ・・・そう、もう二年も奴らとは連絡を取っていない。 いないのだが、昨日奴らに会ったばかりに感じる俺はやっぱり寝ぼけているのだろうか。 ワイシャツに腕をさっと通す。羽織るのはブレザーではなくスーツ・・・当たり前だ。急いで家を出て、電車に揺られながら会社へ向かう。毎朝恒例の満員電車には未だに慣れずにいる。高校の頃は楽だったな、徒歩で行ける距離で。 ギリギリだが何とか時間前に会社へ到着した俺は、まだぼんやりとした頭を起こそうとブラックコーヒーを一気に飲み干す。気分は悪いが、遅刻にならないだけ良かった。遅刻するとハルヒがうるさいからな。探索パトロールの日は遅刻しなくても俺に罰金を・・・って!また何考えてんだ俺は!ピーターパン症候群か?いい加減目を覚ませ! ・・・SOS団か・・・。懐かしいな。皆今頃何をしているんだろうか。朝比奈さん、長門、古泉・・・ハルヒ・・・。 「はぁ・・・」 深い溜め息でパソコンのディスプレイが白く曇り、だいぶ前のめりに仕事していたことに気が付く。 「キョン、そんなに画面に近づいてたら目が痛くならないかい?」 声のする方を向くと、隣で意外な人物がこちらを見ていた。 「え・・・国木・・・田?」 「なんだいキョン、今日の僕、何かおかしいかい?」 ・・・いや、何も驚くことなど無い。国木田とは同じ会社に入社したんじゃないか。それに大学だって同じ出だ。もう本当にいい加減目を覚まそうぜ俺よ。 「すまんな・・・何か、今日の俺おかしいんだよ。何か異様に高校時代が懐かしくってな」 「高校時代が懐かしい?そりゃいきなりだな。キョン、疲れてるんじゃない?」 俺は深く椅子にもたれながら、天井を見上げた。目の奥がズキズキするし、毎日パソコンに向かいっぱなしで肩もこってる。本当に疲れてるのかもな。 何だろう。昨日の記憶・・・いや、昨日までの記憶が嘘のようだ。高校時代の、SOS団で過ごした記憶だけが綺麗で、鮮やかで・・・。 あの頃はよかった。毎日黙々と読書をする長門が居る文芸部室で、麗しい朝比奈さんが入れてくださるおいしいお茶を飲みながら、ボードゲームが滅法弱いニヤケ面の古泉とオセロをやって、ハルヒの無茶に付き合わされて・・・。 あいつの思いつきはいつも俺を心身ともに徒労させるんだ。それでも俺は、何だかんだそれが楽しかったんだよな。 楽しくて仕方なかったんだ、もう戻れないあの日々が。 「―――ちょっ、キョン!?」 国木田の驚いた声で我に返る。頬がスーッと一筋、冷たい。俺・・・もしかして泣いてるのか? 「はっ・・・ははは、俺・・・頭がおかしくなっちまったのかもな・・・?」 誰か教えてくれ。おかしいのは俺の頭か、それともこの色あせた日常か? 「キョン・・・」 国木田は、まるでフラれた谷口を哀れむような目で俺を見る。 「君は疲れているんだよ、きっと。昔を懐かしむことは誰にだってある。おかしくなんてないさ。・・・こんな毎日を過ごしていれば、誰だって青春時代が恋しくなるよ。」 そう言う国木田も疲れているようだった。微笑んだその顔が何だか痛々しい。 「・・・俺、今日は帰らせてもらうよ」 「うん、そうしたほうがいいよ。」 ゆっくり休みな、そう言いながら俺の肩を叩く国木田に感謝して、俺は会社を早引きした。 行く先は、決まっている。 長い長いハイキングコースを登る。もうこの坂道はだいぶご無沙汰で、運動不足の俺にはかなり堪えたのだが、久しぶりだとは毛頭思えなかった。 険しい坂を登り終えた先の北高は外観がだいぶ変わって見え、俺は少しだけ驚いた。校舎の構造などは変わっていないことから、恐らく塗り替えられただけなのだろうが。 職員室の戸をノックすると、岡部が応答してくれた。しばらく近状報告をしあったり他愛の無い話をしていたが、俺は早いところ本題を切り出すことにした。 「あの、すみません、文芸部室に行かせてもらえないですか?」 「文芸部室?勿論いいとも。・・・あ、」 「何です?」 「言っていなかったが、旧館は明後日から取り壊し作業が始められるんだよ」 俺は、岡部の言葉をすぐに理解するが出来なかった。 「生徒が減ったせいでこっちの校舎に空き部屋が多くなってね。文化部の数も少なくなったし、あそこは取り壊して第二グラウンドにするんだ」 「・・・そんなの・・・」 そんなの、ハルヒが許しませんよ。そう言いかけた俺の手を取り鍵を握らせた岡部は、 「その前に、来てくれてよかったよ。あの部室はお前たちが卒業してから、一度も開かれていないから・・・」 その言葉に、何だか激しく胸が痛んだ。 こんなにもあの頃を懐かしんでいるのは・・・俺だけなのだろうか。 ボロボロな文芸部室の扉。軽く一蹴りしたら突き破れそうな程だ。きっとハルヒが乱暴に扱ったからだろうな。 錆びた音を立てながら開いたその先は、まさに俺の記憶に新しいままの文芸部室だった。古いパソコン、たくさんの本、積み置かれたボードゲーム、朝比奈さんのコスプレ衣装・・・ 全てほこりかぶってはいたが、俺の記憶の「昨日」のままだ。一つ違うところを上げるならば、カビの臭いが鼻の奥を刺激することくらいである。 俺は自分の低位置に腰掛ける。古くなったパイプ椅子、ちょっとケツが痛いな。だが俺にとっては、どんなに上等なソファーよりも、この椅子の方が座り心地よく感じるのだ。 校庭から生徒たちの声が聞こえる。・・・体育だろうか。俺は目を閉じる。 ・・・ああ、聞こえる。聞こえるよ。あいつらの声が。 ―――キョン君、今、お茶淹れますね。 ―――オセロしませんか?ポーカーもいいですね。 ―――今度のみくるちゃんのコスプレ衣装、これなんかどうかしら!? ―――・・・ユニーク。 ・・・・・・ああ、朝比奈さん。ありがとうございます。あなたが淹れてくれるなら例え水道水であろうと俺にとってはアルプスの天然水のようです。 ・・・おい・・・、顔が近いぞ古泉。どっちだっていいさ、どうせ勝敗は決まっている。 ハルヒ、朝比奈さんは着せ替え人形じゃないんだぞ・・・? 長門・・・相変わらずお前は、セリフが原稿用紙一枚分を超えないな・・・・・・・・・ 「皆・・・どこ行っちまったんだよ・・・」 こんなの違う、間違っている。 毎日毎日満員電車に揺られて、パソコンと睨めっこして・・・これが俺の現実だと? 違う。そうじゃない。俺の毎日にはお前らが居るんだ。 朝からハイキングコースを登って。授業中居眠りしてはハルヒにつっつかれて。放課後はここでお茶を飲みながらオセロして、土日は不思議探索パトロールに出るんだ。これが俺の日常だ。 俺はおかしくなんてない、疲れてなんてない。おかしいのはそっちだ、こんなのは違うんだ! 皆どこに居るんだよ、会いたいよ、皆に会いたい。俺は、だからここに居るんだ。 俺の頬を、涙が伝った。 ハルヒ、長門、朝比奈さん、古泉・・・聞こえるか? 「・・・俺は・・・、俺は・・・ここに居るぞ!!」 そう高らかに泣き叫んだ瞬間、 「・・・ピポ。」 起動音・・・――ヒューマノイド・インターフェイスの、――・・・がした。 「・・・それが鍵。私たちが、鍵。」 「・・・長門・・・?」 「貴方は鍵を見つけ出した。」 それだけじゃない。 「朝比奈さん、古泉・・・っ・・・ハルヒ・・・!」 皆がそこに居た。 見た目は俺と同じで大人びていたが、俺にはわかる。皆あの頃のままだ。あの頃と同じ・・・ 「いい年して何鼻水垂らしてんのよ?」 「もう、らしくないですよ!キョン君」 「それにしても水臭いですね。もっと早く呼んでくださればいいものの」 「本当よ!このバカキョン!!」 ハルヒが怒鳴りつけるように言ったかと思うと、腰まで伸びた髪を揺らしながら俺に近づき、優しく頬の涙をぬぐってくれた。 「ここはあんたの居るべき世界じゃないの。」 「・・・ハルヒ・・・」 「大丈夫よ、何も心配ない。また会えるわ、あたしたちに!」 ハルヒは俺の肩に、そっと手を添えた。 「ほら・・・『戻る方法』は、あんたが一番よく知ってるでしょ?」 大人びてますます綺麗になった我らが団長は、優しく微笑んだ。 「キョン・・・忘れないで。あんたの傍には、いつだってあたしたちが居るわ。ね、皆!」 ハルヒの少し後ろで、皆が頷いている。 「どんなに時が流れていこうと、どんな障害があろうと・・・それは変わらない。SOS団は不滅なんだからね! ・・・約束するわ、キョン。ずっと一緒よ」 ハルヒがそっと目を閉じ、つられて俺も目を閉じる。 暖かい頬に手を添えて―――そっと、口付けた。 ―――・・・ 「キョン君~朝だよ~!!」 聞きなれたこの声が、これ程心地よく聴こえたことは未だかつてないだろう。ボディープレスを食らう前に起き上がった俺は、眠い目をこすりながらその姿を確認する。 「えっ、キョン君もう起きてたの~?珍しいね!」 ・・・そこに居たのは、俺の「小5の」妹だった。 惜しいだなんて、そんなことはこれっぽっちも思って無いぞ。 これから学校へ行けば会えるんだからな。 ・・・皆に。 放課後、ハルヒを除いた全員が揃う文芸部室で、長門に昨晩の「夢」の種明かしをしてもらった。 「涼宮ハルヒは昨日、文芸部室で地獄先生ぬ~べ~を読んでいた。貴方が異世界に飛ばされた理由はこれだと思われる」 そりゃまた懐かしい漫画を読んでいたことだな。 「夜中に枕元にやってきて枕をひっくり返す、または、頭を足の向きを変える『枕返し』という妖怪が作中に登場する。その妖怪に枕を返されると、返された者が望まない未来に飛ばされるという設定。」 長門は黒曜石のような瞳を瞬かせ、坦々と説明する。 その話にハルヒが心を打たれたりなんかして、俺が漫画と同じ目にあったっていうことか? 「まあ、こうして戻ってこれたわけですし、よかったじゃないですか。これも貴重な体験だと僕は思いますよ。」 お前は他人事だから言えるんだ古泉!俺はもうあんなの二度とごめんだ! 「貴方が今回飛ばされた世界は一種の閉鎖空間ですが、貴方が見てきた世界は本当にあり得る未来なのですよ。 無数に存在する未来のうちの、たった一つですが」 「未来は、簡単に変えてしまうことができるの。それを阻止するのがあたしたち未来人の仕事なんです!・・・それより、キョン君が無事戻ってこれてよかった・・・」 朝比奈さんは何ともいじらしい笑みを浮かべるが、 「あ、そういえば、どうやって戻ってきたんですか?キョン君」 一番触れて欲しくないところをつついてきた。知らん、俺は何も知らんぞ。 空気を読んだのか、派手にドアを開いてハルヒがやってきた。 「おっはよー!!」 もう夕方だが。 「うるさいわねキョン。目の下にクマなんか作っちゃって!」 昨日は眠れなかったんだ、誰かさんのせいでな。 「何よそれ。もしかしてあんた、北枕で寝たりしてんじゃない?」 「・・・北枕には、注意して」 朝比奈さんが短く悲鳴を漏らした。長門がそう言うなら、注意せざるを負えないな。 「そうよ!北枕には注意しなさい!そうそう、枕返しっていう妖怪が居てね、そいつが・・・」 ハルヒが実にいい顔をしながら、俺の睡眠時間を奪った原因についてを語り始める。やれやれ、当の本人は何も知らないなんてな。無茶苦茶もいいところだ。 機関銃のように唾を飛ばすハルヒに、俺はお返しとばかりに言ってやるのだ。 「・・・ハルヒ、ずっと一緒に居てくれよな」 あんぐりと口を開けて停止したかと思えば、次にはトマトのように顔を真っ赤にさせた。忙しい奴だな。 「なっ・・・ちょ、キョン、何言ってんのよ!」 その時、俺はどんな顔をしていたのだろう。しばらくあたあたとしていたハルヒだったが、俺の顔を見るなり、あの「夢」のような微笑を作ってくれたのだ。 「当たり前じゃない!SOS団は不滅なんだから! ・・・ずっと一緒よ、キョン」
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デザイン 機種 フィーバー涼宮ハルヒの憂鬱 アニメーション なし スキル効果 50回転の間、通常の確率より2倍当りやすくなる 消費SP 27 入手方法 スキルフィギュアガチャ LvMAX経験値 ? 限界突破素材 限界突破先 限界突破元 備考