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514 携帯デイリー sage 2008/10/16(木) 21 22 59 ID yl326Jk70 10月16日 (京セラドームでの練習終了後、一塁ベンチ裏の素振り室で) ―中日とのクライマックスシリーズ第1Sまであと2日。選手の気分も盛り上がってきた? 「あともう1日あるからな」 ―まだムチを入れる状況じゃないと…。 「ムチっていうか、そんなんなあ(苦笑)。アマチュアやないんやから…こういうシステムでこういう形になったわけやから。高校野球のように毎日ミーティングするわけと違うんやし、わかってるんやからな。 どういう気持ちでCSに臨むか、というのは、それも含めて、当然選手はわかっていることやから」 ―打順の方はある程度考えている? 「いや、それはもう調子のいいもんからよ。向こう(中日の先発が)右か左かわからんけど。1年間の相性とか、データであるけど、とにかく調子のいいもんを…1個のポジションだけやけどな。右左関係なしで」 ―それはどこ? 「ライトや」 ―中日・チェンに対してどうするかだが…。 「一番打ててないからな。数字的には(川上)憲伸はみんな結構(いい)数字があるんやけど…この間(12日・中日戦)はチェンやけど、葛城がどんなバッティングするかな、と一回使ってみたんやがな。合わんかった。 そらええボール投げるから、なかなかな。他の打者にしても対応できてなかったけど。相手の投手も打者も、相性が悪い、と言って、打席に入らんぞ。ほんとに1打席1打席の勝負になるわけやから…。 ずっと試合があって、相性が悪いから外そうと、そんなゲームやないんやし」 ―最短2試合しかないという中で、思い切ったことをする考えは…。 「思い切ったことをするゲーム展開になればいいんだけど(苦笑)。まあ、そうならんとあかんわな。(シーズンの)後半みたいに、ランナーが出んと、何にもできんぞ。 ゲーム始まって、ヨーイドンで先頭(の赤星が)出てな。そういう展開にせんといかん。この間みたいに、ランナーが出ても、ツーアウトからでは、走ることぐらいしかできん」 515 代打名無し@実況は野球ch板で sage 2008/10/16(木) 21 25 30 ID JzWMF4Cy0 ★ムチっていうか、そんなんなあ(苦笑) 517 代打名無し@実況は野球ch板で sage 2008/10/16(木) 21 40 37 ID /zmF9JCV0 (トリとラギに)ムチ?いれなあかんな、グフフ… 519 代打名無し@実況は野球ch板で sage 2008/10/16(木) 21 45 09 ID e+kFuStt0 ―(就職に向けて)まだムチを入れる状況じゃないと…。 ムチっていうか、そんなんなあ(苦笑)。大学生やないんやから…こういうシステム(競争社会)でこういう形(自宅警備員)になったわけやから。
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特訓(消費3)獲得経験値「大成功+50、成功+30、失敗+15」 出題内容 正解回答 2004~13年シーズンで、開幕戦の勝利数が最も多いチームは? ソフトバンク 2011~13年の3シーズンで、合計勝利数が最も多いチームは? 巨人 2011~13年の3シーズンで、合計勝利数が最も多い投手は? 田中 将大 2011~13年の3シーズンで、合計打点数が最も多い選手は? バレンティン 2011~13年の3シーズンで、合計奪三振数が最も多い投手は? 田中 将大 2011~13年の3シーズンで、合計登板数が最も多い投手は? 平野 佳寿 2011~13年の3シーズンで、合計盗塁数が最も多い選手は? 聖澤 諒 2013年、オープン戦の勝率が最も高かったチームは? 巨人 2013年、オールスター3試合で出た合計本塁打数は? 0本 2013年、オールスターファン投票の両リーグ最多得票選手は? 糸井 嘉男 2013年、シーズン開幕戦と最終戦の両方で先発した投手はオリックス・金子千尋と誰? 成瀬 善久 2013年、シーズン開幕直前に川本良平とのトレードでヤクルトに移籍した選手は? 田中 雅彦 2013年、パ・リーグのシーズン最多犠打記録を更新した選手は? 今宮 健太 2013年、ファーム日本選手権のMVPは? 田上 秀則 2013年、フレッシュオールスターのMVPは? 加藤 翔平 2013年、楽天の日本シリーズ球団初打点を記録した選手は? 銀次 2013年、広島・前田智徳が現役最後の試合で出場したポジションは? 右翼手 2013年、阪神・桧山進次郎がクライマックスシリーズで迎えた現役最終打席の結果は? 本塁打 2013年3月29日、開幕戦で来日初打席初本塁打を放った選手は? ロペス 2013年3月29日、日本ハム・大谷翔平のプロ公式戦初打席の結果は? 三振 2013年4月8日、育成選手出身では初となるプロ初登板初勝利を挙げた投手は? 西野 勇士 2013年4月14日、プロ初勝利を挙げた北海道出身の投手は? 鍵谷 陽平 2013年4月14日、阪神・藤浪晋太郎がプロ初勝利を挙げた球場は? 甲子園 2013年4月20日、パ・リーグタイ記録の3試合連続三塁打を放った選手は? 鈴木 大地 2013年4月27日、楽天が球団通算500勝目を挙げた試合の勝利投手は? 則本 昂大 2013年4月8日、育成選手出身では初となるプロ初登板初勝利を挙げた投手は? 西野 勇士 2013年5月12日、プロ初打席初球本塁打を放った選手は? 加藤 翔平 2013年5月20日、中日の球団最年長満塁本塁打を放った選手は? 和田 一浩 2013年5月22・23日、2試合連続で初回先頭打者本塁打を放った選手は? 長野 久義 2013年5月31日、稲尾和久に並ぶ月間18試合登板を記録した投手は? 益田 直也 2013年6月13日、91球の“省エネ投球”で完封勝利を挙げた投手は? 木佐貫 洋 2013年6月22日、プロ6年目で初勝利を挙げた投手は? 大田 阿斗里 2013年6月28日、中日・山井大介がノーヒットノーランを達成したが、中日では誰以来の快挙だった? 山本昌 2013年7月13日、自身11年ぶりの完封勝利を挙げた投手は? 藤井 秀悟 2013年7月24日、DeNA・三浦大輔が通算3000投球回を達成した試合の相手先発は? 山本昌 2013年7月25日、広島が東京ドームでの連敗を14で止めた試合の勝利投手は? 前田 健太 2013年8月、セ・リーグ新記録の月間46安打を放った選手は? 村田 修一 2013年8月1日、リーグ史上2番目の若さで満塁本塁打を放った選手は? 高橋 周平 2013年8月11日、一塁塁審に当たるゴロの打球を放った選手は? 菊池 涼介 2013年8月22日、ロッテは1イニング2本の満塁本塁打を記録したが、打ったのは井口資仁と誰? 鈴木 大地 2013年8月24日、巨人・山口鉄也に1打席で19球投げさせた選手は? 鶴岡 一成 2013年8月25日、巨人の球団通算9500本塁打目を放った選手は? ロペス 2013年9月17日、1試合150球を投げた投手は? メッセンジャー 2013年9月18日、中日・岩瀬仁紀が日本人最多の通算382セーブをマークした球場は? ナゴヤドーム 2013年9月22日、巨人が2年連続リーグ優勝を果たした試合の勝利投手は? 菅野 智之 2013年9月25日、広島がクライマックスシリーズ進出を決めた試合の勝利投手は? バリントン 2013年10月5日、中日・山崎武司の引退試合で先発した中日の投手は? 山本昌 2013年シーズン、12球団で最も登板数が多かった投手は? 西村 健太朗 2013年シーズン、12球団で得点圏打率が最も高かった選手は?(規定打席以上) ブランコ 2013年シーズン、12球団で唯一、主催試合を全て本拠地球場で行ったチームは? ロッテ 2013年シーズン、1点差での勝率が最も高かったチームは? ロッテ 2013年シーズン、2度の退場処分を受けた監督は? 中畑 清 2013年シーズン、NPB通算2000安打を達成した選手は何人? 3人 2013年シーズン、サヨナラ満塁本塁打を放った選手は阪神・福留孝介と誰? 畠山 和洋 2013年シーズン、セ・リーグで唯一、全試合にスタメン出場した選手は? 鳥谷 敬 2013年シーズン、ビジターの試合での勝率が最も高かったチームは? 楽天 2013年シーズン、ヤクルト・バレンティンが最も多く本塁打を放った相手投手は? 大竹 寛 2013年シーズン、ヤクルト・小川泰弘が最も多く勝利を挙げた相手チームは? 広島 2013年シーズン、リリーフでの勝利数が最も多かった投手は? サファテ 2013年シーズン、リリーフでの投球回数が最も多かった投手は? 佐藤 達也 2013年シーズン、開幕から21試合連続無失点を続けた投手は? 河内 貴哉 2013年シーズン、外野手で補殺を最も多く記録した選手は? 荒波 翔 2013年シーズン、完封勝利が最も多かったチームは? 阪神 2013年シーズン、逆転勝利が最も多かったチームは? 巨人 2013年シーズン、交流戦で最も多く安打を放った選手は? 長谷川 勇也 2013年シーズン、阪神・藤浪晋太郎がプロ初登板で投げた第1球の球種は? ストレート 2013年シーズン、守備で3度のライトゴロを完成させた外野手は? 長野 久義 2013年シーズン、西武・浅村栄斗が唯一、内野で守備に就かなかったポジションは? サード 2013年シーズン、田中将大と並んで、交流戦での勝利数が最も多かった投手は? 帆足 和幸 2013年シーズン、両リーグで最も多く犠飛を記録した選手は? 今江 敏晃 2013年シーズン、両リーグで最も多く得点を挙げたチームは? ソフトバンク 2013年シーズンオフ、FAの人的補償で移籍した選手は何人? 5人 2013年シーズンの最短試合時間は?(コールドゲームは除く) 2時間20分 2013年シーズンの最長試合時間は? 6時間1分 2013年シーズン終了時点で、通算本塁打数が最も多い現役選手は? 中村 紀洋 2013年に引退した中日・山崎武司が通算400本塁打を達成した時の相手投手は? 菊池 雄星 2013年日本シリーズ第6戦で、楽天・田中将大が投じた球数は? 160球 2014年、10シーズンぶりに巨人と阪神の開幕戦が組まれたが、10年前の阪神の開幕投手は? 井川 慶 2014年、12球団で最年長の監督は? 星野 仙一 2014年、12球団で新しく選手会長に就任した人数は? 9人 2014年、12球団で選手兼任監督と選手兼任コーチは合わせて何人? 3人 2014年、7シーズンぶりに西武と楽天の開幕戦が組まれたが、7年前の西武の開幕投手は? 西口 文也 2014年、阪神のGM付育成、打撃コーディネーターに就任した人物は? 掛布 雅之 2014年4月22日、サンマリンスタジアム宮崎で予定されている巨人主催試合の対戦相手は? DeNA 2015年に予定されている野球の国際大会「プレミア12」の開催地は? 日本 レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークは、メジャー全球団の本拠地で何番目に古い球場? 1番目 楽天・ユーキリスがMLB時代に記録したシーズン本塁打の自己最多本数は? 29本 楽天・銀次は2013年の日本シリーズで打点をいくつ挙げた? 5打点 楽天・美馬は2013年のクライマックスシリーズ、日本シリーズを通して何イニング連続無失点だった? 20回2/3 球界再編問題が起きた2004年当時のプロ野球選手会会長は? 古田 敦也 次のうち、2013年シーズンに一軍の公式戦が開催されなかった都道府県は? 長崎県 次のうち、育成選手出身で初めて新人王に輝いた選手は? 山口 鉄也 次のうち、開幕からの最長連勝記録を持っているチームは? 中日 次のうち、楽天が2013年4月5日に達成した記録は? 野手全員得点 次のうち、沢村栄治賞の選考基準7項目に含まれないものは? 完封勝利 次のうち、日本プロ野球名球会の会員になる条件は? 250セーブ 谷繁元信と中村紀洋、通算2000安打を達成した日付が早いのは? 中村 紀洋 コメントフォーム 名前 コメント すべてのコメントを見る
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早朝のヴェストリ広場、朝の霧の中を二つの影が目まぐるしく動き回る。 リゾットは土中から相手を取り囲むように刃物を出現させ、一斉に相手に向けて放つ。それに対して相手は跳躍すると同時に『レビテーション』を使って浮き上がり、刃物の囲みから抜け出した。 宙に浮いた相手に駆け寄りつつ、リゾットがなおも刃物を射出するが、出現した無数の刃物はその一つ一つが相手が飛ばした氷の矢によって撃ち落された。 朝の薄い光の中で砕けた金属と氷の欠片が乱反射し、煙幕のようにお互いの視界を遮る。 視界が晴れた時、リゾットの姿は消えていた。 きょろきょろとリゾットを探すが、その間もなく砕かれた刃物が空中で再構成され、容赦なく襲い掛かる。それらをマントや杖で叩き落し、身のこなしで回避しつつ、口元を隠し、素早く呪文を詠唱し、杖を振る。 途端に周囲の温度が下がっていく。だが、人間にすぐに害になる温度ではない。リゾットは気にせず、攻撃を続けようとした。 だが次の瞬間、そのリゾットの位置に正確に『ウィンディ・アイシクル』が叩き込まれる。 「!?」 驚愕しつつ、氷の矢をある程度、デルフリンガーで吸収し、残りを自らの剣技で切り払う。 その僅かな驚愕が作った隙に相手はリゾットの側面に回りこみ、『エア・ハンマー』を打ち込む。 「相棒、横だ!」 デルフリンガーが警告を発するが間に合わず、氷の矢の対処に気をとられたリゾットはそれを直に受け、吹っ飛んだ。倒れた拍子に霜柱が折れる音が聞こえ、リゾットは相手がどうやってこちらの位置を掴んだのかを理解した。 跳ね起きたリゾットの目に、喉元に向けてすさまじい勢いで迫る杖の先端が映る。 相手は『エア・ハンマー』を撃った直後に『フライ』を唱え、その加速を突きに利用したのだ。ただの木の杖といえど、急所に打ち込まれれば致命傷を負いかねない。 避けるのは間に合わないと判断し、リゾットは杖の先端を手で受ける。杖の先端がリゾットの手を抉るが、その勢いに逆らわず自分自身の上体を回転させ、蹴りを放つ。 小柄な身体が宙を舞った。相手は大地に打ち付けられる所で受身を取り、転がりながら立ち上がる。見ると、リゾットもデルフリンガーを構えなおしていた。 再び二人は向かい合い、視線が交錯する。が、突然、リゾットが剣を下げた。 「こんなところでいいだろう。これ以上やるとどちらかが死にかねない」 その言葉に、相手は無言で頷き、杖を収めた。 第二十章 タバサと小さなスタンド使い 「……満足したか?」 リゾットの問いに、今までリゾットと戦っていたタバサは頷いた。 何故二人がこんなところで実戦さながらの組み手をしたのかといえば、朝の訓練をするリゾットへ、タバサが組み手を申し込んだからだ。 リゾットも一人でトレーニングをするよりは、相手がいた方が訓練としての質があがるので引き受けたのだが、その理由は計りかねていた。 「よければ聞かせてくれ。なぜ俺と戦おうと思った?」 タバサは無表情にリゾットをみつめている。答えないと思ってリゾットが諦めかけたその時、不意にぽつりと呟いた。 「貴方はスタンド使い」 「……スタンド使いと戦ってみたかったのか?」 タバサは頷いた。受けてくれたのだから、一応、理由くらいは教えてもいいと思ったらしい。 「経験が必要」 DIOの館でタバサは自分自身も所属している北花壇騎士団を脱走したケニー・Gに敗北した。幸い、命は助かったが、あそこで終わっていてもおかしくなかった。 タバサは母を守るため、復讐のため、強くならねばならない。そのために知識を蓄え、魔力を得、様々なタイプの敵と戦って力を得る必要がある。 スタンド使いが叔父王の配下にいるというならば、スタンド使いとも戦わなければならない。そして手近にいたサンプルがリゾットだった、というわけだ。 リゾットはDIOの館の経験を通して、自らの母親の仇を討つ、というタバサの目的を何となく察している。自分も相手は違うものの復讐が目的であり、タバサの力になれることなら力になりたかった。 「スタンドに興味があるのか?」 タバサは頷く。リゾットはしばらく考えていたが、この機会にスタンドについては話すことに決めた。 「分かった。確かに、敵として出会う可能性も高い。今度、キュルケやルイズやフーケも交えてスタンドについてきちんと話そう」 リゾットの言葉に、タバサは頷いた。 「ところでタバサ……、髪とマントが乱れている。授業に行く前に直した方がいい」 タバサはまた頷いた。 トリステインの城下町、ブルドンネ街では派手に戦勝記念パレードが行われていた。 聖獣ユニコーンに引かれた王女アンリエッタの馬車を先頭に、高名な貴族たちの馬車が後に続く。その周りを魔法衛士隊が警護をつとめている。 狭い街路だけでなく、通り沿いの窓から、屋上から、屋根から人々はパレードを見つめ、口々に歓声を投げ掛けた。 「アンリエッタ王女万歳! トリステイン万歳!」 数で勝るアルビオン軍をタルブ草原で討ち破った王女アンリエッタは『聖女』と崇められ、今やその人気は絶頂である。 民の人気だけに留まらず、タルブ草原での戦いは政治状況を一変させていた。 この戦勝記念パレードが終わり次第、アンリエッタには戴冠式が待っている。母である大后マリアンヌから王冠を受け渡されるのだ。 当然、王になるのだから、ゲルマニアとの婚約は解消である。ゲルマニアはそれを渋々承知した。一国でアルビオンの侵攻軍を破ったトリステインに、強硬な態度が示せるはずもない。 同盟の解消など論外である。アルビオンの脅威に怯えるゲルマニアにとって、トリステインは今やなくてはならぬ強国となっていた。 賑々しい凱旋の一行を、中央広場の片隅で捕虜となったサー・ヘンリー・ボーウッドはぼんやりと見つめていた。彼は炎上したレキシントン号を不時着させるため、最後まで艦に残ったため、トリステインの捕虜となったのだった。 捕虜といっても、杖を取り上げられるだけで、縛られているわけではない。見張りこそ置かれているものの、ボーウッドを含めた貴族の捕虜たちは、広場の片隅で思い思いに突っ立っている。 貴族は捕虜となる際に捕虜宣誓を行う。その誓いを破ることは貴族として最大級の汚名であるとされ、名誉を重んじる貴族たちにとって、それを破ることは死んだも同然なのだ。 「見ろよ、ホレイショ。僕たちを負かした『聖女』のお通りだぜ」 ホレイショと呼ばれた貴族は太った身体を揺らしながら答えた。 「ふむ……、女王の即位はハルケギニアでは前例が無い。それに戦争はまだ継続中だ。大丈夫なのかね。あの年若い女王は」 「ホレイショ、君は歴史を勉強すべきだよ。かつてガリアで一例、トリステインでは二例、女王の即位があったはずだ」 ホレイショは照れ隠しに頭をかいた。 「ふむ、歴史か。してみると、我々はあの『聖女』アンリエッタの輝かしき歴史の一ページを飾るに過ぎない、リボンの一つというべきかな? 我々の艦隊を殲滅したあの光! 驚いたね」 ボーウッドは頷いた。 「奇跡の光だね。まったく……。あんな魔法は見たことも聞いたことも無い。いやはや、我が『祖国』は恐ろしい敵を相手にしたものだ」 呟きつつも、考える。あの光、そしてレキシントンに乗り込んできた謎の竜騎兵は、本当にトリステインが使用したのだろうか。 ボーウッドは捕虜として捕まった後、トリステイン側にその二つについて根掘り葉掘り聞かれていた。ボーウッドはありのままに話したが、トリステイン側が意図的に使ったなら質問されることもないはずだ。 ワルドは竜騎兵に心当たりがあったようだが、彼は行方をくらましていた。もう会うことはないだろう。 ボーウッドは手近に立っていた兵士に部下の安全と処遇を確認した。兵の捕虜は軍役、もしくは強制労働が課されるという。 それだけ確認して兵士に金貨を握らせる。兵士が一杯飲むために立ち去るのを見届けて、ボーウッドは口を開いた。 「もし、この忌々しい戦が終わって、国に帰れたらどうする? ホレイショ」 「もう軍人は廃業するよ。何なら杖を捨てたって構わない。あんな光を見てしまったあとではね」 ボーウッドは大声で笑った。 「気が合うな! 僕も同じ気持ちだよ!」 現王女、そして数時間後には女王となるアンリエッタはパレードの馬車の中でため息をついた。勝利によって自由を掴んだはずの彼女だが、その心は晴れない。 自分を玉座に持ち上げることになった勝利はアンリエッタのものではない。彼女の左の薬指に光る風のルビーの本来の持ち主であるウェールズ、経験豊かな将軍やマザリーニの機知によるものだ。自分はただ率いていたに過ぎない。 憂鬱そうなアンリエッタに、枢機卿マザリーニは口ひげをいじった後、問うた。ちなみに彼はアンリエッタの戴冠以後、相談役に退く予定である。 「ご気分が優れぬようですな。まったくこのマザリーニ、殿下の晴れ晴れとしたお顔をこの馬車の中で拝見したことがございませんわい」 「マザリーニ、私も母のように父の喪に伏し、王座を空位にすることはできないのですか?」 マザリーニは途端に顔をしかめた。 「またわがままを申される! 殿下の戴冠は御母君、臣下一同、そして民が望んだ戴冠ですぞ! 殿下のお体はもう、殿下御自身のものではありませぬ!」 マザリーニが戴冠式の手順の確認を始めた。長い儀式の最後に始祖と神に対して誓約を述べ、大后から王冠を授かるのである。 アンリエッタは心から誓約する気にはとてもなれない。 過去、アンリエッタが心から誓ったのは、ラグドリアンの湖畔で恋人のウェールズとした誓いだけだ。 もう一つあげるならば、アルビオンに赴くルイズの前で行った誓いである。 そんな風に考え始めると、偉大なる勝利も戴冠の華やかさも、アンリエッタの心を明るくはしないのだった。 アンリエッタは手元の報告書に目を落とす。 それを記したのは、捕虜たちの尋問にあたった一衛士で、ゼロ戦に撃墜された竜騎士や、『レキシントン』号の乗組員だった者たちの話が纏めてあった。 その報告書にはタルブ村に突然現れたゴーレムや、竜騎士を全滅させ、『レキシントン』号を襲った竜騎兵の存在が記されている。 ゴーレムの方は詳細は不明。捕虜たちは全くその正体を把握しておらず、タルブの村の人々からも、フードを目深に被ったメイジだった、としか証言を得られなかった。 一方、竜騎兵は敏捷に飛びまわり、竜騎士隊を全滅させた後、『レキシントン』号内で奇妙な魔法を使い、あと少しで船を落とすところだったという。当然、そのような竜騎兵はトリステインには存在しない。 調査の結果、その竜はタルブの村に伝わる『竜の羽衣』と呼ばれるマジックアイテムであることが分かった。それがマジックアイテムではなく、未知の飛行機械だったということも判明している。 タルブ村の住人の証言によると、それを引き取ったのはトリステイン魔法学院の生徒らしい。さらに、『レキシントン』号の艦長、ボーウッド他の証言により、『竜の羽衣』を操っていた者の外見特徴なども分かった。 導き出されるのはルイズの使い魔である。リゾットに関して、アンリエッタは努めて感情を殺して判断するように心がけていた。嫌悪が先に立つからだ。 使い魔がいたということは主人もどこかにいたと考えるのが自然で、実際、アルビオン艦隊を薙ぎ払った光が発生する直前、複数人の乗った所属不明の風竜が目撃されている。そしてその一人がルイズらしい、とも。 尋問に当たった衛士はあの光を発生させたのはラ・ヴァリエール嬢か、その周囲の人間ではないか? という仮説を立てていた。だが、衛士は直接の接触を彼女にしてよいものかどうか迷い、報告書はアンリエッタの裁可を待つ形で締められていた。 「あなたなの? ルイズ」 アンリエッタは呟いた。 戦勝パレードに湧くブルドンネ通りから、いくつも路地を入った裏通り、そこは社会からはじき出されたような連中の吹き溜まりだった。 狭い通りにはいつもは怪しげな露天商や盗品売り、ゴロツキ同然の傭兵が溜まる酒場などが立ち並ぶのだが、今日に限ってはパレードの警備を警戒して、人通りが多くない。 その閑散とした通りを、フーケは歩いていく。普通、フーケのような美女がこの通りを歩いていたらただではすまないのだが、杖を持つメイジとなれば話は別だ。 フーケもまたこの通りに慣れているようで、迷いのない足取りで一軒の建物の戸を開いた。 「……どちらさんだい?」 「私だよ。婆さん」 奥から聞こえたしわがれた声に答えながら、フーケは暗く、埃の臭いが店内を進んでいく。 店内は素人では何を使うか分からないような薬品や器具、鉱物などが陳列されている。見るものが見ればそれらが秘薬の材料だと理解できただろう。 ここは秘薬屋だった。といっても表通りに看板が出ているわけではない。いわゆる非合法の闇店舗というわけだ。もちろん、ご禁制の品々も扱っている。 「おや、フーケかい」 フーケの前に、ローブをまとった老人が姿を現した。腰が曲がっており、杖を突いている。この店の店主である。 「また何か盗んできたのかい?」 「婆さん、私はもう盗賊からは足を洗ったって言っただろ? ちょっとご機嫌を伺いにきただけだよ」 「おおっと、そうじゃったそうじゃった。惚れた男のために足を洗ったんじゃったな」 ひひひ、と笑いながら老婆がからかいを口にする。フーケは顔をしかめた。 「別に男のためじゃないさ。盗まなくても金が手に入るようになっただけでね」 否定の言葉を口にしつつ、フーケは自分の頬が紅潮しているのを感じた。それを自覚したことに余計に照れてしまう。 それをみて、また老婆がひひひ、と笑った。ほとんど皺と垂れ下がった眉毛に隠れているのに、目は見えているらしい。 フーケはこの老婆にどうも頭が上がらなかった。フーケ同様、貴族の身分を剥奪された者の先輩だと言うこともあるかもしれない。 メイジとしての格がフーケよりも一段階上だということもあるかもしれない。この年老いた老婆には戦う身体能力は無いだろうが、それでも秘薬を作らせればまだ天下一品だった。 フーケはため息をついて、話題を変えるべく店内を見回した。 「景気はどうだい?」 「かなりいいのぅ。何しろ最近、大きい仕事があったから」 「へぇ、誰から……って聞くのは野暮か」 「そういうことじゃな。わしの人生最後の大仕事と思って、やらせてもらったがの」 『人生最後』、という言葉に引っかかってフーケは怪訝な顔をした。 「婆さん、どこか悪いのかい?」 「いや、最近、この辺も物騒じゃてな…。……おお、そうじゃ。フーケよ、お主に餞別をやろう」 名案を思いついたように呟くと、老婆は足元にある棚の鍵を開けた。フーケはその厳重な棚にこの店でも最高価の薬品がしまわれていると知っている。が、でてきたものを見て眉をひそめた。 「何だい、私が売った惚れ薬じゃないか。そんなもん貰ってもねえ……」 「いらんのかい?」 「……いや、そんなもので相手を落としてもね。第一、相手が素直に飲んでくれるわけ無いじゃないか」 「その割には間があったのぅ。それに、わしは別に誰かに飲ませろなんていった覚えは無いがね。また売ったっていいわけじゃから」 「う……」 やられた、という顔をするフーケを見て、老婆はにたりと笑い、言葉を続ける。 「まあ、そこまで自分に夢中にさせるのがためらいがあるなら、香みたいに吸わせても若干弱いが効果はでるぞ」 「嗅がせるのかい? でもそれじゃ、自分まで影響がでるじゃないか」 何だかんだいって興味があるのか、フーケは詳しい話を聞いている。 「至近距離じゃなけりゃ大丈夫…心配なら予め解毒剤を飲んでおけばいい話じゃ。お主が欲しいなら解毒剤もつけるが……どうじゃ?」 フーケの心は揺れた。うまくやれば相手に悟られずに仕掛けられるかもしれない。あの堅物というか鉄面皮を落とすにはそれこそあらゆる努力が必要だろう。 「……本当に、ただでくれるのかい?」 「ああ、ただ。わしとお前の間柄じゃしな」 フーケは心を決め、次の言葉を言った。 「でも断る」 「なんと!?」 驚く老婆に、フーケは髪をいじりながら言葉を続ける。 「あのね、婆さん。私にだってプライドがあるのよ。そんなものに頼るのは自分自身に魅力がないと断言するようなものじゃないか。 それに、私は別にあいつに尽くしてもらいたいわけじゃないからね」 「要するに自分で飲んで素直な気持ちで相手に尽くす、と?」 フーケは頭を痛くなってきた。少しだけ老婆をにらむ。 「何でそうなるんだい。いいかい? 私は雇われちゃいるが、本質的にはあいつと対等でいたいんだよ。薬の力なんか使ったら、そのときは良くても後で対等になれないじゃないか」 それから横を向いて、もしもあいつが弱ってたら助けるけど、と付け加える。老婆は感心したように息をついた。 「なるほどのぅ……。まあ、お主がそう思うならこの話はなしにしておこうかのぅ」 「そうしてくれて構わないよ」 そこでフーケは店にある時計を見た。 「それじゃ、私はもう行くよ」 「おや、デートかの? 妙に声が弾んでおるが」 「はは、そんなんじゃないよ。ちょっと雇い主の仲間と顔合わせするだけさ」 笑ってフーケは店を出て、魔法学院を目指して移動する。それが老婆とフーケの最後の出会いだった。 さて、一方、魔法学院では戦勝に湧く城下町とは対象的に、いつもと変わらぬ日常が続いていた。 戦争といっても学び舎である学院には一応、関わりのない事件であるし、学院長のオスマンが大騒ぎすることを嫌ったからでもある。 そもそもハルケギニアは始終どこかが小競り合いを行っており、始まれば騒ぐものの、戦況が落ち着けばいつものごとくである。 ルイズたちが戦場に行ったことは彼女たちに怪我もなかったこともあり、コルベールは秘密にしていた。 リゾットが怪我をして帰ってきたことでギーシュなどは気づいたようだが、見舞いには来たものの、特に騒ぎ立てず、平穏な暮らしに戻ることが出来た。 そんな平穏な魔法学院の夜、人も少なくなった寮塔の廊下を、一つの人影が人目を忍ぶように歩いていく。 人影はローブを着込み、フードを目深に被っており、その人相は知れないが、その裾から時折のぞく白く、細い指はどうやら女のようだった。 女は音もなくある部屋の前に来ると、扉を一定のリズムにしたがって叩く。開いた扉から中へ入り、フーケはフードを取った。 「まったく、お尋ね者は辛いね。魔法学院に来るのにも一苦労だよ」 やれやれ、といった感じでフーケはため息をつくが、扉を開けたリゾットはあくまで冷静に返す。 「お前の前科は本物だからな……仕方ない。それより、もう傷はいいのか?」 「タルブの村で匿ってもらったお陰でゆっくり出来たから、それは心配しなくていいよ。治療費は高くついたけど、あんたに出してもらったしね」 「そうか…」 「そうそう、それと、さっき見たとき、ミスタ・コルベールが広場でゼロ戦をバラバラにしてたようだけど、いいのかい?」 「ああ。先生に構造の研究がてら、整備をお願いしてるところだからな」 「ちょっと、いつまで話し込んでるのよ……」 不機嫌そうな声が二人の間に割って入った。ルイズだ。 「おっと、そうだね。お待たせしちゃ悪い」 フーケは一つ咳払いをすると、柔らかな微笑を浮かべた。 「お待たせしました。皆様、そろっていらっしゃるようですので、始めましょうか」 「いきなり、ミス・ロングビルにならないで!」 いらいらとルイズは叫ぶ。 一応、リゾットから事情を聞いて納得はしたもの(『納得』までにかなりの時間を要したことは書くまでもない)の、ルイズはフーケを好きになれなかった。 殺されかけたということもあるが、それ以上に、リゾットと親しげなのが気に食わない。要するに、ルイズはフーケに嫉妬しているのだ。 そんな思いを見透かすように、キュルケがルイズをたしなめた。 「嫉妬はみっともないわよ、ルイズ」 「し、ししし嫉妬って何よ!? 誰が嫉妬してるのよ!?」 怒りと照れで顔が真っ赤になるルイズに、キュルケは指を突きつけた。 「貴方よ、貴方。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 「嫉妬なんかしてないわ! 私は使い魔が盗賊といちゃいちゃしてるのが気に入らないだけで」 「それを嫉妬って言うのよ、ルイズ」 「違うもん! 色ボケのあんたと一緒にしないで!」 「何ですって!?」 言い合いを始めた二人を見て、フーケがクスクスと笑い出す。 「あんた達、仲良いねえ」 「「どこが!?」」 同時に同じ返事をした二人は顔を見合わせ、フーケは再び笑い始めた。傍観していたリゾットが呆れて口を出す。 「……そろそろ始めよう。この調子だと夜が明ける」 「同感」 本をめくるタバサにまで言われ、ルイズもキュルケもとりあえず矛を収める。タバサが本を閉じ、全員の視線が集まったところで、リゾットが口火を切った。 「それじゃあ、スタンドについて詳しく説明する」 まずはスタンドの基本的な能力である、一人一体の生命の像を持つ、スタンドと本体のどちらかが傷つけば一方も傷つく、像はスタンド使い以外には見えない、といったことを説明する。 そして次にリゾット自身のスタンド『メタリカ』の能力について話し始めた。 リゾットの手の中で、空中から粒子が集まるようにしてナイフが作られていく。 「これが俺のスタンド『メタリカ』だ。能力は磁力による鉄分の操作」 「ねえ、リゾット、鉄分って何? それに磁力を操るって…どうやって?」 ルイズが質問を挟んできた。一緒に聞いていた一同もイマイチ要領を得ない顔をしている。 ハルケギニアでも磁力という概念はあるものの、その特性に関してはほとんど未知の領域らしい。 「鉄分は…目に見えないくらい小さな鉄の粒だ。それがいろんな物にくっついてると思えば大体間違いない。土にも湧き水にも空気中に含まれる僅かな土埃にも人体にも含まれている」 「人間の身体にも?」 ルイズは自分の手をしげしげと見た。その中に鉄が含まれてるとは信じられないらしい。 「人体では血液に多く含まれている。血の味が錆びた鉄のような味なのは鉄が含まれているからだ。俺のスタンドはそれらの鉄分を自在に操り、増やして固めることで鉄を作ることができる」 「『錬金』の魔法みたいなもの?」 キュルケが分かりやすいように自分たちの既知の手段に置き換えて言う。 「それに近い。それだけなら汎用性の無い『錬金』だが、そこでもう一つ、磁力が関わってくる。 磁力というのは……そうだな。鉄同士を引き寄せたり弾いたりする、見えない力だと思えば大体間違いない。これを自在に操ることで、俺は金属を飛ばしたり引き寄せたりすることができる」 ナイフを宙に浮かべつつ、リゾットが簡単に解説する。 「俺の能力は以上だが、スタンド使いはそれぞれ固有の能力を持っている。幻覚を見せる、炎を操る、未来を予知する、などなどだな。 凄いのになると時間を止めたりするスタンド使いもいる。どんな能力であれ、基本的にスタンドは一人一能力だ」 例外はいつでもいるのだが、とリゾットは付け加える。現にリゾットが地球で最後に戦ったボスは、予知に加えてさらに何かの能力を持っていた。 「一つしかないんじゃ、不便だと思うんだけど、そうでもないのよね?」 「そうだな。これは地球での俺の仲間がよく言っていたことだが、どんなくだらない能力も頭の使いようだ。たった一つの能力でも発想一つで様々に変わる」 リゾットのメタリカとて、最初から様々なことが出来たわけではない。最初は使いにくいかったが、時間をかけて試行錯誤し、技を磨いてきたのだ。 そういう意味で、ホルマジオの苦労は身にしみて分かっている部分がある。 「…『治す』スタンド使いはいるの?」 今まで黙っていたタバサが急に口を開いた。 「いや、俺は知らない。だが、そういうのがいても不思議じゃないな」 「そう……」 母を救うことができるスタンド使いもいるかもしれない、という希望がタバサにはあった。異世界を行き来する目処は立っていないので、単なる可能性の一つ、程度で考えているが。 「この世界にスタンド使いはどれくらいいると思う?」 「予想もつかないが、この数ヶ月で二人に出会った。他にいるなら、また出会うことになるだろうな」 「あら? どうして?」 キュルケが不思議そうな顔をする。経験則からの仮説になるが、と前置きしてリゾットは説明を続けた。 「『スタンド使いは惹かれあう』という法則があるからな……。俺たちスタンド使いは、必ずどこかで出会う。それこそ、磁石みたいに引き合うんだ」 「ふ~ん……。しかし、みずくせえや、相棒。もっと早く話してくれりゃあ良かったのに」 不平をもらすデルフリンガーに、フーケも思い当たる点があった。 「そういえば、前に私が聞いてときも答えてくれなかったね。どういう心境の変化だい?」 「魔法と違って、汎用性がないスタンドは、自分の手の内を知られることは弱点を知られることに繋がる。だから、信頼した相手にしか明かせない」 それを聞いてルイズが不満そうに漏らした。 「ふん。もっと早く教えなさいよね。私はあんたのご主人様なんだから信頼して当然でしょ?」 「お前は気分屋だからな……」 「何よ、それ…」 ルイズはむすっとして横を向いた。秘密を明かしてくれたこと自体は嬉しいのだが、キュルケやフーケと一緒というのが気に食わないのだ。 進歩のないルイズを見てリゾットは内心、ため息をついた。こういう気難しいところがリゾットに話すのをためらわせたのだ。 「私が言うことじゃないかもしれないけど……ダーリン、フーケにまで明かしてよかったの? 一度は私たちを騙した女よ?」 キュルケはそんなことを言ってしまう。キュルケとて、嫉妬を感じないわけではないのだ。あまり表に出さないだけで。 だが指摘された当のフーケはニヤニヤしている。からかう気満点だ。 「まあ、確かに。私は金次第で転ぶかもしれないけどね」 「お前はそんな裏切りはしない。そのくらいの節度はある」 あっさり即答され、フーケは下を向いた。ぼそぼそと呟く。 「…………まったく、面白くない男だね…」 それから顔を上げた。辺りさわりのない話題に変えてみる。 「あー、と……その……そういえば、だ。今回、シエスタには教えないんだね。ちょっと意外だよ」 「彼女は戦うわけじゃないからな……。スタンド使いの存在と危険性は教えてある。それで十分だろう。むしろ詳しく知ると却って危険な可能性もある」 「じゃあ、ギーシュは?」 「あいつは……人間的に信頼はできても、口が軽いからな……。酔っ払った拍子とかで喋りそうだ…」 ああ、とキュルケは納得する。キュルケもギーシュと飲んだことがあるが、ギーシュは酒に酔うと羽目を外すタイプなのだ。 酔っ払ったところに美女が言い寄れば、簡単に口を割る可能性はある。酔ってなくてもモンモランシー辺りに乗せられれば簡単に話しそうだ。 「他には?」 タバサが続きを促す。 「後は……スタンドには射程距離というものがある。スタンドの像やその能力が有効な距離だな。 スタンドによって数メイルから数リーグまで幅広いが、本体からの距離が近いほうがパワーが強い。どのくらいの射程かはスタンド像と本体の動きで大体わかる。 近距離型は本体が姿を見せて挑まざるを得ない。つまり近づいてくるスタンド使いは大体、近距離型だ。パワーがあるから近づかれずに戦うようにすることが必要だ。 中距離型、つまり距離が10メイルから100メイル前後の場合は本体が付かず離れずの距離を保って攻撃を仕掛けてくる。俺のメタリカもこのタイプだが、像での攻撃より、能力を使ってくることが多い。 遠距離型は別名遠隔操作型。かなり遠くまでスタンド像を動かせるから、本体は姿を見せないのが一般的だ。ただ、パワーは大抵の場合、弱い。 例外として自動追跡型というのがいる。これは本体から遠く離れていても強いパワーを持っているが、特定条件に当てはまる者に近づいて攻撃、といった単純な行動しか出来ない。このタイプは像が傷ついても本体に影響がないことが多い」 「それなんだけど、スタンドってのは、本当にスタンド使い以外には見えないのかい? 遠隔操作型や自動追跡型に狙われたらほとんど対処できないんだけど」 フーケの危惧はもっともだ。遠隔操作型でも大体は、人間一人を始末するくらいの能力はある。 「……スタンド使いでなくても、才能がある人間なら見える場合もある。同じ精神力を使うメイジが該当するかどうかだな。スタンドは幽霊と同じだ。見える奴は見えるし、見えない奴は見えない……」 その瞬間、タバサの体がぴくりとゆれた。 「? どうした?」 「……何でもない」 「? そうか……」 まさかタバサが幽霊が苦手とは思わないので、リゾットは気にせず、自分のスタンドを身体の外に出す。 「今、俺のスタンドをここに出した。よく見てみろ」 全員の視線がリゾットの指先に集まる。 「何もないじゃない」 「見えないわね」 「見えないねえ……」 「………何かコツは?」 「『感覚の目』だ……。光の反射を捉えるのではなく、もっと本質的なものを捉える。言葉で言えばそういうことになる。そういうつもりで見ろ」 スタンドの中には同じスタンド使いでも気付きにくいタイプもいる。そういうスタンドを見る時のつもりでリゾットはアドバイスをした。 「気のせいっていえば気のせいのような感じだけど……」 「そういわれると…何かいるような気もするわね……」 「う~ん……像としては見えないねえ……」 「………」 どうやら『何かいる』程度には感じるものの、はっきりと像としてみたり、声を聞いたりはできないようだ。 スタンドの外見から能力をつかめるケースもあるので不利といえば不利だが、まったく感知できないよりはマシだろう。 「大体そんなところだな……。万が一スタンド使いと戦うことがあったら、パニックを起こさないことだ。一見異常な攻撃でも、何かの法則に基づいて攻撃しているはずだ。それを見極めろ」 ルイズがメタリカから顔を上げて、リゾットに視線を向けた。 「ねえ、リゾット。さっきから戦うことを前提にして話しているけど、スタンド使いってそんなに凶暴なの?」 「そういや、確かにそうだな。今まであった二人も好戦的だったし、その辺、どうなんだ、相棒?」 ルイズとデルフリンガーがそういうのも無理はない。リゾットは主にタバサに向けて話したため、どうしても戦闘が前提になってしまったのだ。 「……絶対とはいえないが、スタンド使いにはどこか社会から外れた人間が多い。何だかんだ言って自分の能力に自信を持っている連中ばかりだからな……」 実際、スタンドに目覚めた者で犯罪に一切手を出さないでいる人間というのは稀だ。 特に貧しい生まれで生まれながらのスタンド使いの場合、親も周囲も警察も恐れず、どんどん犯罪に手を出した挙句、ギャングやもっと性質の悪い組織の一員になるといったケースは珍しくない。 「まあ、貴族社会から追放されたメイジが傭兵や犯罪者になるみたいなものか」 自身を省みて、色々思うところがあるのか、フーケが少し遠い目で呟く。その目でキュルケは以前の疑問を思い出した。 「そういえば、前にも聞こうと思ったけど、貴方って何をして貴族から追放されたの?」 「ちょっと、キュルケ……」 ルイズが止めようとするが、キュルケは好奇心を抑えられない。 「別にいいじゃない。無理に話せとは言ってないし」 そういいつつ、好奇心に目を輝かせているキュルケに、フーケは呆れた。黙秘しようとも思ったが、考え直す。 「ん~……まあ、確かに一応、仲間になったことだしね。少しは教えてもいいか。王家に『あるもの』を差し出さなかったせいさ」 「『ある物』って? それに、王家ってどこの王家?」 「そいつは言えないね。……まあ、リゾットになら条件次第でもっと詳しく話してやってもいいよ」 途端にルイズがむっとする。 「何であのイカ墨に教えてそのご主人様には教えられないのよ」 「そりゃ、リゾットは私の直接の雇い主だからね。その主人様のあんたにゃ、別に雇ってもらった覚えもないし」 ルイズは悔しさのあまり、う~、と唸り始めた。タバサはそんなフーケとルイズを無表情にじっと見ている。 「フーケ……。俺をあまりルイズをからかうダシにするな……」 リゾットが口を挟むと、フーケは苦笑してリゾットに向き直った。 「別に、ダシにしてるわけじゃないよ。で、どうだい? あんたの過去を話してくれるなら、私も私の過去を話すけど、興味ない?」 口調は茶化しているが、目は真剣だった。しかし、リゾットは首を振る。 「……いや、遠慮しておこう」 リゾットとて、ある程度話しても構わないとは思うのだが、それを交換条件などの材料にはしたくなかった。お互い、教えたいなら話せばいいし、知りたいなら訊けばいいのだ。 「そうかい……。ま、仕方ないね」 フーケは落胆を隠して明るくいった。 「ふん、ご主人様にだって話さないのに、アンタになんか話すわけないでしょ!」 何故かルイズが勝ち誇って言う。実際には勝ってはいないのだが。 そんなルイズとフーケを見て、キュルケが微笑んだ。 「ダーリンを思うのって、大変ね。ライバル多くって」 「? 普通、そこは笑わねーと思うんだけど……」 不思議そうにデルフリンガーが呟く。キュルケは前髪をかきあげながら、妖艶に笑った。 「あら? だって好きな男が他人からも好かれてるなんて素敵じゃない? むしろ誇らしいし、燃えるわ」 「お、おでれーた…。すげープラス思考……」 デルフリンガーが感心していると、途端にルイズが噛み付いた。 「ちょっとキュルケ! 私はこんなイカ墨、好きじゃないわよ! 変な想像しないで!」 「あら、そうなの?」 「そうよ! ……まあ、それなりによく仕えてくれてるから、決して嫌いではないけど……」 「何だかねえ……」 フーケはこの日、何度目かになる苦笑をもらした。そこで自分の目的を思い出す。 「ところでリゾット、ついでにルイズ。話しておきたいことがあるんだけど……いいかい?」 「何だ?」 「ついでにってのがひっかかるけど……何よ?」 改まったフーケに、リゾットとルイズだけでなく、キュルケも注目する。タバサは本を読み始めた。 「タルブの村にかくまわれてる間、王宮から来たらしい連中を何度かみたよ。多分、あの竜の羽衣の出所を探ってたんじゃないか?」 「姫様かしら……」 「多分ね。あの様子だとあんたたちに辿り着くのもそんなに時間はかからないんじゃないかな。 あの『奇跡の光』のこと……詳しくは聞かないけど、誤魔化したいなら何か考えておいた方がいいよ」 フーケの言っている『奇跡の光』とはもちろん、ルイズが放ったあの『爆発』の魔法だ。それを間近で見ていたキュルケが心配げにルイズをみつめる。 「ねえ、ルイズ……。あの魔法って……?」 「ん、ごめん……。まだ、自信がないの。はっきりするまで、もう少し時間をちょうだい」 キュルケは息をついた。 「ふぅ……。まあ、いいわ。でも、あんまり溜め込まないで。せめてダーリンには相談しなさいよ」 「うん、ありがとう、キュルケ…」 何だ、素直になれるじゃないか、とフーケは妙な驚きをしてルイズを見ていたが、やがて席を立つ。 「さて、じゃあ、私はそろそろ帰るよ。連絡したいときは例の方法で」 「ああ……」 「あっと……そうそう、シエスタだけど………。まあ、これは私が言うことじゃないか」 「?」 「ま、女ってのは強いようでいて弱いものさ。弱いようで強いものでもあるがね。その辺、あんたは覚えておきなよ?」 意味深に笑って、フーケは部屋から出て行った。 「夜も遅いし、私たちも帰りましょうか、タバサ?」 タバサは頷く。二人は連れ立って廊下に出た。 自室の前で、キュルケはタバサを振り返った。 「さっきもちょっと話題に出たけど、ダーリンって元の世界で何をしてたのかしら。タバサ、知ってる?」 「……どうして私に?」 「いや、何かタバサって、ダーリンから特別に思われてるようなところがあるから」 「そう?」 タバサは2、3回瞬きを繰り返した。それから付け加える。 「彼は彼なりに私たちを信頼している。その証拠にスタンド能力についても教えてくれた。私はそれで十分」 タバサだって過去のことはどうしても知られたくないわけではないが、積極的には話したくはない。リゾットも似たようなものなのだろう、と思っていた。 「そうね……。どうしても知りたくなったら訊いてみましょうか。お休み、タバサ」 タバサは頷いて、キュルケが部屋に入るのを見届けると、自分も部屋に戻る。DIOの館以来、時折感じる奇妙な感覚に襲われながら。 ワルドがアルビオンのロンディニウムに帰還すると、早速、皇帝クロムウェルに呼び出された。 久しぶりに見るクロムウェルは、相変わらずシェフィールドを従え、いつもと変わらぬ笑みを浮かべていた。あれだけの敗戦の後にこんな笑みを浮かべられるというのは、大物なのか、馬鹿なのか、どちらか判断が付きかねた。 「トリステイン侵攻に失敗いたしました。申し訳ございません」 「おお、子爵。そのようなことは気にせずとも良い。君が今回の失敗の原因ではないのだからな。いや、君だけではない。誰の責任でもない。 あえて言えば、あのような未知の魔法の使用を予見できなかった我ら指導部にこそ、罪はある。だから、そのようにかしこまらずともよい」 クロムウェルはワルドに手を差し出した。ワルドはそこに口をつける。 「は、閣下の慈悲のお心に感謝いたします」 そういいつつ、今のワルドの心は晴れ晴れとしていた。ガンダールヴとの二度目の戦いを制し、恐怖を乗り越えたことで、ワルドは自分が成長した実感を得ていたのだ。 しかし、あのときの光は気になった。クロムウェルが言うには『虚無』は命を操るという。ならばあの光は一体なんだというのか。 「あの未知の魔法の光は『虚無』なのでございましょうか? あの光は四系統とは相容れませぬ。しかし、閣下の仰る『虚無』とも相容れませぬ」 「余とて、『虚無』の全てを理解しているとは言い切れぬ。『虚無』には謎が多すぎるのだ。歴史の闇に包まれておるからな」 「歴史。そう、余は歴史に深い興味を抱いておる。たまに書を紐解くのだ。始祖の盾、と呼ばれた聖者エイジスの伝記の一章に、次のような言葉がある。数少ない『虚無』に関する記述だ」 クロムウェルは詩を吟じるような口調で、次の言葉を口にした。 「 始祖は太陽を作り出し、あまねく地を照らし出した ……。まるであの未知の光だ。しかし謎が謎のままでは、気分がわるい。目覚めも悪い。そうだな、子爵」 「仰るとおりです」 「トリステイン軍はアンリエッタ自らが率いていたという。ひょっとするとあの姫君は『始祖の祈祷書』を用い、王室に眠る秘密をかぎ当てたのかも知れぬ」 「王室に眠りし秘密とは?」 「アルビオン、トリステイン、ガリア、それぞれの王家は元々一つ。そしてそのそれぞれに始祖の秘密が分けられた。そうだな? ミス・シェフィールド」 クロムウェルが傍らの女性を促した。 「閣下の仰るとおりですわ。アルビオン王家に残された秘法は二つ。『風のルビー』は行方知れずに、もう一つは調査が済んでおりません」 ワルドはシェフィールドを見た。深いローブで顔を隠しているが、表情は伺えない。魔力は感じないが、博識さといい、何か特殊な能力なり技能を持っているのだろう。 「今やアンリエッタは、『聖女』とあがめられ、なんと女王に即位するとか。彼女を手に入れれば、国も、王家の秘密も手に入ろうな……」 クロムウェルは笑みを浮かべた。 「ウェールズ君」 廊下から、クロムウェルによって蘇ったウェールズが、部屋に入ってきた。 「余は君の恋人……、『聖女』どのに戴冠のお祝いを言上したいと思う。我がロンディニウムの城までお越し願ってな。なに、道中、退屈だろうが、君がいれば退屈も紛れるだろう」 ウェールズは抑揚のない声で、 「かしこまりました」とだけ呟いた。 「では、子爵。ゆっくりと休養を取りたまえ。『聖女』をこのウェールズ君の手引きで無事晩餐会に招待する事ができたら、君にも出席願おう」 ワルドは頭を下げた。死人に仕事を取られるのは業腹だったが、ここはクロムウェルの手並みをみることにした。 リゾットのことをワルドは報告していない。あくまで決着は自分でつけるつもりなのだ。ウェールズ相手に倒されるなら、それも仕方ない、とは思いつつ、ワルドは退室した。 ワルドが退出した後、シェフィールドも自室に下がった。扉を閉め、周囲を見渡す。誰もいないことを確認し、椅子に腰掛けると、急に部屋の隅から声がした。 「ウェールズの同伴にスタンド使いをつけなくていいのか? ミス・シェフィールド」 先ほどまで誰もいなかったはずの部屋の中に、いつの間にか男がいた。その男を認めると、シェフィールドが不機嫌そうに鼻を鳴らした。 「ふん、お前か……。ノックくらいはしたらどう?」 「したさ。お前が気付かなかっただけだろう?」 男は平然と答える。その言葉にはどこかシェフィールドを嘲るような調子があった。 「口の利き方に気をつけるんだね。戻されたいの?」 「これは失礼を。だが、私を戻すと貴方様も困るのでは?」 シェフィールドは舌打ちした。この男、拾った当初は従順だったが、日が経つにつれ、次第に傲慢な本性をあらわし始めた。 だが、スタンド使いを束ねるのはスタンド使いでなければ勤まらない。この男ほど強力なスタンド使いは今のところ、いなかった。 「……スタンド使いね。一人でいいわ。今のところ、トリステインにスタンド使いは確認されていないからね」 「了解した。そうそう………事後承諾になるが、使えぬスタンド使いを1名、野に放った。害にならないところにな。トリステイン側にスタンド使いがいるなら、つぶしあってくれるだろう」 シェフィールドは男をにらみつけた。 「勝手な真似を!」 「そうかね? 陛下はお気になさらないと思うが。それに、アレは置いておくと、悪戯に被害が増える……」 その言葉でシェフィールドはピンと来た。 「分かったわ……。陛下には私から申し上げておく。これからは事前に報告を上げなさい、いいわね」 「仰せのままに。ミス・シェフィールド」 一礼すると、男は再び姿を消した。 その後、案の定、王宮からの使いがやってきて、ルイズはアンリエッタの元へと召しだされた。 謁見の間に通されたルイズは恭しく頭を下げた。 「ルイズ、ああ、ルイズ!」 アンリエッタは駆け寄り、ルイズを抱きしめた。頭をあげず、ルイズは呟いた。 「姫様…、いえ、もう陛下とお呼びせねばいけませんね」 「そのような他人行儀を申したら、承知しませんよ。ルイズ・フランソワーズ。貴方はわたくしから、最愛のお友達を取り上げてしまうつもりなの?」 「ならばいつものように、姫様とお呼びいたしますわ」 「そうしてちょうだい。ああルイズ、女王になんてなるんじゃなかったわ。退屈は二倍、窮屈は三倍、そして気苦労は十倍よ」 アンリエッタはつまらなそうに呟いた。気を使う客ばかりでうんざりしていたのだ。 (リゾットが聞いたら怒るでしょうね) アンリエッタの台詞に心の中で苦笑しつつ、友人の愚痴を受け止める。 わざわざ授業のある平日に自分を呼び寄せた理由はなんだろう。やはり『虚無』のことだろうか? 一応、リゾットと相談して、あの『虚無』と思しき魔法のことはリゾットがガンダールヴであることと同様、秘密にする予定ではあるが、アンリエッタがどこまで調べているか分からない。 何より、ルイズはアンリエッタに嘘をつきたくなかった。最近になるまで、アンリエッタはルイズのただ一人の友人だったからだ。 ルイズは次の言葉を待った。だがアンリエッタは自分の目を覗き込んだまま、話さない。仕方なくルイズは今回の戦の勝利の祝いをのべはじめた。 「あの勝利は貴女のおかげだものね、ルイズ」 ルイズははっとしてとぼけようとしたが、アンリエッタは微笑んで、ルイズに羊皮紙の報告書を手渡した。それを読んだ後、ルイズはため息をついた。隠し通せないと悟ったのだ。 「ここまでお調べなんですか」 「あれだけ派手な戦果をあげておいて、隠し通せるわけがないじゃないの」 「今まで隠していたこと、お許しください」 「いいのよ。でも、わたくしにまで隠し事はしなくても結構よ、ルイズ」 アンリエッタはふぅ、とため息をついた。 「多大な……、本当に大きな戦果ですわ。ルイズ・フランソワーズ。貴方と、その使い魔が成し遂げた戦果は、このトリステインはおろか、ハルケギニアの歴史の中でも類をみないほどのものです。 本来なら、ルイズ、貴方には領地どころか小国を与え、大公の位を与えてもいいくらい。そして使い魔にも特例で爵位を授けることくらいできましょう」 「わ、私は何も……、手柄を立てたのは使い魔で……」 ルイズはぼそぼそといいにくそうに呟いた。 「あの光は、貴方なのでしょう? ルイズ。城下では奇跡の光だ、などと噂されておりますが、わたくしは奇跡など信じませぬ。あの光が膨れあがった場所に、貴方たちが乗った風竜は飛んでいた。あれは貴方なのでしょ?」 ルイズはアンリエッタに見つめられ、それ以上隠し通すことができなくなった。 こうなったら仕方ない。リゾットには口止めされていたが、ルイズは「実は…」と切り出すと、始祖の祈祷書のことを語り始めた。 「始祖の祈祷書には、『虚無』の系統と書かれておりました。姫様、それは本当なのでしょうか?」 アンリエッタは目を瞑った後、ルイズの肩に手をおいた。 「ご存知、ルイズ? 始祖ブリミルは、その三人の子に王家を作らせ、それぞれに指輪と秘宝を遺したのです。トリステインに伝わるのが貴方の嵌めている『水のルビー』と始祖の祈祷書」 「ええ…」 「王家の間では、始祖の力を受け継ぐ者は王家にあらわれると言い伝えられてきました」 「私は王族ではありませんわ」 「ルイズ、何をおっしゃるの。ラ・ヴァリエール公爵家の祖は、王の庶子。なればこその、公爵家なのではありませんか」 ルイズははっとした顔になった。 「あなたも、このトリステイン王家の血をひいているのですよ。資格は十分にあるのです。それに、貴方の使い魔は『ガンダールヴ』なのでしょう?」 ルイズは頷く。オールド・オスマンやワルド、それにデルフリンガーもそのようなことを言っていた。 「では……、間違いなく私は『虚無』の担い手なのですか?」 「そう考えるのが、正しいようね」 ルイズはため息をついた。それを見ながら、アンリエッタは言葉を続ける。 「これで貴方に、勲章や恩賞を授けることができなくなった理由はわかるわね? ルイズ」 ルイズはこわばった顔で頷いた。ルイズの『虚無』が本物だった場合、下手をすればトリステインからさえ狙われる、とリゾットは指摘していた。 「だからルイズ、誰にもその力のことは話してはなりません。これはわたくしと、貴方の秘密よ」 それからルイズはしばらく考え込んでいたが……、やおら決心したように、口を開いた。 「おそれながら姫様に、私の『虚無』を捧げたいと思います」 「いえ……、いいのです。貴方はその力のことを一刻も早く忘れなさい。二度と使ってはなりませぬ」 「神は……、姫様をお助けするために、私にこの力を授けたに違いありません!」 しかし、アンリエッタは首を振る。 「母が申しておりました。過ぎたる力は人を狂わせると。『虚無』の協力を手にしたわたくしがそうならぬと、誰が言い切れるでしょうか?」 ルイズは昂然と顔を持ち上げた。自分の使命に気付いたような、そんな顔であった。しかし、その顔はどこか危うい。 リゾットがいればルイズを止めようとしただろう。秘密裏に動く特殊な能力者、などリゾットたち暗殺チームとほとんど同じ立場だからだ。だが、彼女の使い魔は今、別の部屋で待たされている。 「わたしは、姫様と祖国のために、この力と身体を捧げたいと常々考えておりました。そうしつけられ、そう信じて育って参りました。しかしながら、わたしの魔法は常に失敗しておりました。 ご存知のように、ついた二つ名は『ゼロ』。嘲りと侮蔑の中、いつも口惜しさに体を震わせておりました」 ルイズはきっぱりと言い切った。 「しかし、そんな私に神は力を与えてくださいました。私は自分が信じるもののために、この力を使いとう存じます。それでも陛下がいらぬとおっしゃるなら、杖を陛下にお返しせねばなりません」 アンリエッタはルイズのその口上に心打たれた。 「わかったわ、ルイズ。貴方は今でも……、一番の私のおともだち。ラグドリアンの湖畔でも、あなたはわたくしを助けてくれたわね。わたしくの身代わりに、ベッドに入ってくださって……」 「姫様」 ルイズとアンリエッタは、ひし、と抱き合った。完全に二人の世界である。 「これからも、わたしくの力になってくれるというのね、ルイズ」 「当然ですわ、姫様」 「ならば、あの『始祖の祈祷書』はあなたに授けましょう。しかしルイズ、これだけは約束して。決して『虚無』の使い手ということを、口外しませんように。また、みだりに使用してはなりません」 「かしこまりました」 「これから、貴方はわたくし直属の女官ということに致します」 アンリエッタは羽ペンをとると、さらさらと羊皮紙に何かしたためた。それから羽ペンを振ると、書面に花押がついた。 「これをお持ちなさい。わたくしが発行する正式な許可証です。王宮を含む、国内外へのあらゆる場所への通行と、警察権を含む公的機関の使用を認めた許可証です。自由がなければ、仕事もしにくいでしょうから」 ルイズは恭しく礼をすると、その許可証を受け取った。アンリエッタのお墨付きである。ルイズはある意味、女王の権利を行使する許可を与えられたのだった。 「あなたにしか解決できない事件がもちあがったら、必ずや相談いたします。表向きは、これまでどおり魔法学院の生徒として振舞ってちょうだい。まあ、言わずともあなたなら、きっとうまくやってくれるわね」 「はい、きっと!」 ルイズは勢い込んで答えた。 一方その頃、リゾットは特別に用意された部屋で一人、なかなか戻ってこない主人の帰りを待っていた。 リゾットは丸腰だった。デルフリンガーを含む武装の一切は城に入るときに預けている。 「…………」 敵など出ようはずもない状況なのであるが、部屋の中はまるで立会い中のように張り詰めた空気に満たされていた。 原因はリゾットではなく、柱の影から放たれる敵意にある。 「おい……、いい加減に出て来い。そんなに敵意をむき出しにして、隠れるも何もないだろう」 潜んでいた人物が無言で姿を現す。 短く切った金髪の下、青い目が覗く女性だった。本来なら澄み切っているのだろうが、今は敵意に満ちている。所々板金で保護された鎖帷子に身を包み、その腰には杖ではなく剣が下げている。 「何だ、お前は?」 リゾットの問いに答えず、女はつかつかと歩み寄ってきた。じろじろと値踏みするようにリゾットを見る。 その立ち居振る舞いには隙がない。リゾットはこの人物がスタンドを使えばともかく、丸腰で勝てる相手ではないと瞬時に悟った。 (武装は剣だけじゃないな……。銃も携帯している) 「どうやらただの馬の骨ではないようだな。私に気付かないようなら城からたたき出してやろうと思っていたが」 「…………」 女は何かの証明書らしきものを取り出してリゾットに突きつけた。断片的しか読めないが、アルビオンの時に見たアンリエッタの花押が押されている。 「女王陛下の、か?」 リゾットの呟きに、女は頷いた。 「ミス・ヴァリエールの使い魔、リゾットだな? お前に知らせることがある。ついて来い」 言うなり身を翻して部屋を出て行こうとする。女の態度に嘘は見つけられなかったが、リゾットは動かなかった。 「……お前の主人はまだ戻ってこない。さっさとしろ」 「お前の名は? 名前も分からない不審人物についていくつもりはない」 「さっきの証明書に書いてあっただろう?」 「俺はまだ人名は読めない。読み方の法則は習ってないからな」 女は舌打ちした後、名乗った。 「アニエスだ。納得したらついて来い」 頷くと、リゾットはアニエスについていった。
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ホーム ルール集 playok3.gif みんなで作ろう PlayOKのルール http //www.playok.com/ja/spades/ 名前 コメント 二ル失敗したプレーヤーのトリックはそのチームのトリックに加算されない -- 名無しさん (2017-07-06 00 34 27) 「友達リスト」で友達のログイン状況を確認: http //www.playok.com/ja/stat.phtml?uid=fa21a -- 名無しさん (2010-12-20 20 52 50) dz = thanks -- 名無しさん (2010-10-28 21 51 27) 音を鳴らす: ラウンジの右上にある「オプション」ボタンを押して、「一手ごとに音を鳴らす」をオンにする。 コントロールパネルの中にある「サウンド」を開いて、設定を「標準の組み合わせ」にする。 -- 名無しさん (2010-10-27 19 05 56) レートと色: 灰色:new 水色:0-1199 緑色:1200-1399 黄色:1400-1599 橙色:1600-1799 赤色:1800-2000 -- 名無しさん (2010-10-26 22 23 41) ラウンジのプレイヤーリスト: 太字:テーブルに入っている。 細字:テーブルに入っていない。 -- 名無しさん (2010-10-26 22 16 09) テーブルタイプ: 公開・保護・非公開・レート制限。 レート制限のあるテーブルでは、ホストの招待を受けたプレイヤーは、レートが低くても参加できる。 -- 名無しさん (2010-10-25 21 36 58) 試合時間: 一人当たりの持ち時間。 7・10・15・20分。 スコアと関係なく、先に持ち時間を使い切ったペアが負け。 -- 名無しさん (2010-10-25 21 33 20) テーブル数制限: 参加できるテーブル数は、3つまで。 作成できるテーブル数は、2つまで。 -- 名無しさん (2010-10-25 21 29 54) レートの表示: 0ゲームの時点では1200、Newと表示される。 ゲーム数と時間によって、実レートが表れると共に、ラウンジでのチャットもできる。 例:9ゲーム(7勝2敗)のあと、実レートが表示された。 -- 名無しさん (2010-10-25 21 09 40) cz = hello -- 名無しさん (2010-10-25 12 39 37) ゲーム開始 カードはそのまま見せられる。 点差が200以上の場合、ブラインドニルを選択できるので、カードが見えないままでビッド。 ブラインドニル=ダブルニル -- 名無しさん (2010-10-24 18 20 29) ダブルニル=00 200点以上点差の場合、カードを見ずビッドできる。しかし、カードのパスはしない。よって、点差が広がる可能性も。 -- 名無しさん (2010-10-24 18 15 11) 操作: シングルクリック。 宣言ウィンドウを右側の中央に移動させると、その位置が記憶される。 -- 名無しさん (2010-10-24 17 28 17) Op = Operator テーブルのホストです。 -- 名無しさん (2010-10-24 13 16 44) チャット: ラウンジでの発言はゲーム歴によって制限される。 テーブルでは自由。 インスタントメッセージあり。 -- 名無しさん (2010-10-24 12 51 46) 自動保護: ゲーム中いなくなった場合、席が保護され、持ち時間カウントダウンが始まる。時間が切れると、相手ペアの勝ちとなる。 -- 名無しさん (2010-10-24 12 10 21) 表示: トリック / ビッド 例:1/0はニル失敗 -- 名無しさん (2010-10-24 11 41 40) スコア: 下限はないので、-200以下の場合、減点が続く。 例:-1523 vs. 323。 -- 名無しさん (2010-10-24 11 36 58) ビッド: 0はニル 00はダブルニル -- 名無しさん (2010-10-24 11 32 31) 次へ 目次へ ホームへ
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選手関連 最優秀選手賞 (MVP) 2008年中であらゆる意味で、東方プロレスにおぴて最も活躍した選手に贈られる賞。 試合での活躍、マイクパフォーマンス、展開上の存在感、タイトル歴、業界の発展、その他もろもろに関わるあらゆる面で最も活躍したスーパースターへ投票する。 最優秀U3選手賞 (U3MVP) 2008年中で最も活躍した、U3級選手に贈られる賞。 試合での活躍、マイクパフォーマンス、展開上の存在感、タイトル歴、、U3の発展、その他東プロ U3階級に関わるあらゆる面で最も活躍したU3級選手へ投票する。 最優秀タッグチーム賞 2008年中で最も活躍したタッグチームに贈られる賞。 試合での活躍、マイクパフォーマンス、シナリオ上の存在感、タイトル歴、その他東プロに関わるあらゆる面で最も活躍したタッグチームへ投票する。 最優秀3人タッグチーム賞 2008年中で最も活躍した3人タッグチームに贈られる賞。 試合での活躍、マイクパフォーマンス、シナリオ上の存在感、タイトル歴、その他東プロに関わるあらゆる面で最も活躍した3人チームへ投票する。 殊勲賞 2008年中で、主に勝率・リング中での華麗なる技術、スキットの巧みさを評される選手に贈られる賞。 基準として、試合中のインパクトや勝率、タイトル歴などを重視して投票する 敢闘賞 2008年中で、その敢闘精神が讃えられるべき選手に贈られる賞。 神主ZUNの一次創作作品としての「東方Project」内の地位や弾幕ごっこの強さと比較して、東方プロレスでの肉弾幕戦において極めて目だって活躍した選手へ投票する。 技能賞 2008年中で、試合中に高いレスリング技術をみせた選手に贈られる賞。 勝敗歴に関わらず、高いレスリング技能を魅せてくれた選手へ投票する。 話題賞 2008年中に最も話題となった選手・スタッフに贈られる賞。 特に制約はないので、とにかく東方プロレスを盛り上げた選手・スタッフへ投票する。 特別賞 2008年中に最も東方プロレスに貢献したスタッフ、または引退・無期限謹慎中の選手に贈られる賞。 東方プロレスの発展に寄与したスタッフ、引退・無期限謹慎中の選手を讃える意を込めて投票する。 技関連 最優秀スペルホールド賞 2008年中に最も存在感を示したスペルホールドに贈られる賞。 スペルホールドと言っても、スペル名がつかない物も含め、あらゆる技が選考対象となる。 スペル名がつかない技が受賞大賞となった場合、もっともその技を多用する選手を代表して受賞席壇上にあがる。 試合関連 年間最高お笑いベストバウト賞 2008年中に最も観客を笑わせた試合に贈られる賞。 既存の「お笑いベストバウト」タグに縛られる必要はなく、あなたにとっての「お笑いベストバウト」試合を投票する。 年間ベスト興行 2008年中で最もインパクトのあった興行・興業に贈られる賞。 イベントマッチだけでなく通常興行でも、あなたが最も楽しんだ興行の回数名を投票する。 年間最高試合賞 (ベストバウト) 2008年中で最もインパクトのあった試合へ贈られる賞。 既存の「ベストバウト」タグに縛られる必要はなく、あなたにとっての「ベストバウト」試合を投票する。
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今日で、私の命は終わる。 ナキサケーベのカードを使い切っても プリキュアを倒せなかった私は、 寿命を操作され、今日限りの命となった。 必要のない人間は、排除される。 私も、必要がなくなったということだ。 寿命を止められた人を、たくさん見てきた。 皆、一様に無表情だった。 死も、当然のように受け入れる。 私にも、その時が来た。 手紙を見た瞬間は、 激しく動揺した。 私が、必要のない人間となったこと。 存在する価値が無い人間となったこと。 しかし、任務を果たせなかったこと、 兵士として使い物にならなくなったことは、 この処遇を受け入れるには充分な理由だった。 やるだけのことは、やった。 私には、これが精一杯だったのだろう。 みんな、そうやって人生を終わる。 眠るようなものだ。 目覚めないだけだ。 椅子に腰を下ろし、 目を閉じる。 思い出されるのは、なぜか ラビリンスではなく、ラブとの思い出。 抱きしめてくれた。 笑いかけてくれた。 手を差し伸べてくれた。 そのラブでさえ、もう 私を必要とはしていないだろう。 正体を隠して、だまし続けた。 夢を、壊し続けた。 差し伸べられた手を、払いのけ続けた。 友情のしるしも、踏みつぶした。 思いつく限りの、憎まれることを やってきた。 絶望に満ちたラブの表情が浮かぶ。 胸が、掻きむしるほど苦しくなる。 部屋を見回す。 片付ける物など、なかった。 指を曲げ、手のひらを合わせる。 「スイッチ、オーバー」 手を伸ばし、東せつなの姿に変わる。 無意識に、手が 胸元のペンダントを探る。 指先が空を切り、それがもう 無いことに、あらためて気づく。 私とラブをつなぐものは もう、何もない。 占い館を出る。 もう二度と、ここに戻ってくる ことはないだろう。 命が尽きる前に、 ラブと決着をつける。 おそらく、勝負にならないだろう。 私にはもう、体力が残っていない。 簡単に倒されるかも知れない。 それなら、それでいい。 憎まれて、倒されて。消える。 今の私には、よく似合っている。 『我々の全ては、メビウス様に決められている。 もしや、それ以上のものを手に入れられるとでも 思っているのか?』 サウラーには 解っていたのかも知れない。 私が無意識に「それ以上のもの」を 求めていたこと。 ラブの笑顔。 友達。 そして、幸せ。 求める全てのものは、 掴むことが出来なかった。 草を、踏みしめて歩く。 遠くから人影が 近づいてくる。 やはり、来た。 涙があふれそうになる。 最後に、ひとつ望めるのなら、 もう一度、抱きしめて欲しい。 今さら、何を。 心を、憎悪で塗りつぶした。 躊躇なく、ラブが 私を倒せるように。 4-563へリンク 5-275はその後の二人を
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スクルメタ劇場 【意味】 2003年に所属したマット・スクルメタ投手(背番号36)のクローザーとしての仕事振りがあまりにもハラハラドキドキさせる展開であったためについた呼称。 いきなり2ベースまたは四球がデフォ。しかしセーブのつく場面を最後まで投げた試合で失敗したことは一度もない。 北海道での西武戦、一点差の九回裏に二死満塁フルカウントから松井稼頭夫を三振にしとめた試合は今でも語り草である。 シーズン途中に肩痛で降格→オフに退団。2004オフにホークスの入団テストを不合格になり、楽天イーグルスに入団もかつての輝きを失ったまま退団。 ■派生語 「輝メタ」「アキラメタ」
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スコア オープン戦 横浜-熊本 横浜スタジアム 熊本 000 000 000-0 横浜 001 003 10×-5 (熊)●秋田、狛、高倉、大森-葛木、法条 (横)○竹達-七浦、縁鉢 戦評 横浜の先発は3年目の竹達、対する熊本は7年目の秋田と昨季苦しんだ両投手が先発。また、熊本はドラフト1位ルーキー古美門が4番に座りシェリー・円谷も先発メンバーに名を連ねる。 試合開始早々に熊本の1番・葛木が仕掛けた。俊足を生かしセカンドへの内野安打で出塁し、さらに一死から盗塁に成功しチャンスメイクに成功する。ただここは竹達が踏ん張って後続を断ち無得点。 3回裏、今度は横浜のアイラが足で魅せる。一死からヒットで塁に出てすかさず盗塁し同じく一死二塁に。続く川浜は凡打に倒れるも右川が一二塁間を抜けるヒットを放ち、アイラは二塁から一気にホームへ。先制点を手にする。 その後も6回裏には死球などで溜まったランナーを宮坂の3ランで返し、7回にも左田のタイムリー内野安打、8回は無得点ながらも満塁のチャンスを作るなど、試合を通して横浜が主導権を握り続けた試合となった。先発・竹達は5回に四球などで満塁のピンチを背負うもしのぎ、最終的に12個の三振を奪って3安打完封。打撃では石田が猛打賞、アイラが2安打1盗塁と下位打線が奮闘した試合ともなった。 熊本は秋田が粘投するも打線が援護できず敗戦。1回と5回にチャンスを作るもあと1本が出なかった。また、リリーフで登板した全員が複数の出塁を許すなど不安材料の多い試合となってしまった。葛木は2安打1盗塁で好調を印象づけた。 責任投手・本塁打 [勝] 竹 達 1勝 [S] [敗] 秋 田 1敗 [本] 宮 坂 1号 試合詳細 +... 打撃成績 +... 投手成績 +...
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1.大会期間について・指定したスケジュールの通りに対戦をすべて消化する事を約束できる方のみご参加お願い致します。 ・これは期限内ならいつ試合を行っても良いという趣旨ではなく、参加者には一日も早い試合消化が求められています。・諸事情で試合をこなせない期間が生じた場合は、主催または掲示板にその旨を報告してください。理由が正当と認められる場合は考慮されます。 2.音信不通者の処遇・大会期間に一度もこちらが指定したチャットへ顔を出さず、掲示板等に現状の連絡が無く、主催及び管理人からメールで連絡しても返信がなく、大会期間を過ぎた場合、当該参加者は当該大会を辞退したものと判断し処理します。 ・この条件は、大会当初は参加していたものの、大会途中から音信不通となった者にも適応されます。この場合は、辞退とは見なさず無効扱いとします。 ・これらはリーグ戦、決勝ステージの全てに適応されます。 3.使用PTのネタバレについて チャットでの対戦相手のポケモンについて直接的に語ったり、参加者同士での他参加者のPTの情報交換は厳禁とする。 また非参加者への情報交換は良しとするがその情報を他の参加者非参加者問わず口外禁止とする。プラチナバージョンの新機能、バトルビデオでバトルログを記録するのは自由とするが大会の試合のバトルビデオをWi-Fi機能を使いアップロードする事は禁止とする。 これらの事が発覚した場合対象者を失格とする。 ※ただし、対戦者同士の合意の上ならばその限りではなく、任意に情報を公開してもよい なお、この規約は大会終了後無効となる。 4.成績が同率でなおかつ1位か2位の際の順位について・リーグ戦で2名の順位が同じ者に関しては、当該対決で勝利している者を上とする。 ・リーグ戦で3名以上の順位が同じものに関しては、特別にその順位が同じ参加者同士で総当り戦を行い、 その総当り戦における順位をその同成績者間での順位とする。 もしその総当り戦でまた同成績者が3名以上出た場合はその成績以下の者を切り捨て、 もう一度総当り戦を行う。これを決勝ステージ進出に必要な順位が決まるまで繰り返す。 5.辞退者、音信不通者の大会での成績について・辞退した参加者及び音信不通者の成績はこれまで行った試合全ての試合を勝利数、敗北数に関係なく全試合無効扱いとなる。 ・無効扱いは勝利にも敗北にも含まれず、無効者が参加してた場合に決勝ステージに進出するための順位が変動する可能性のある参加者はその時の主催の指示に従う事。 6.お断り・参加者への連絡は、主に当Wikiの当該大会ページで行います。 ・大会参加者は当Wikiを定期的に閲覧しているものとみなします。 ・連絡記載後、数日経って「知らない」等は正当な事情のある場合を除き、言い訳になりませんのでお気をつけください。 ・大会中の大会規定変更ないし追記は極力避ける予定ですが、大会の健全な運営に必要な際は変更ないし追記を行う場合もございます。
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横浜DeNA・藤井秀悟投手のこと。ヤクルト時代の2002年の日韓ワールドカップを観戦した後に風邪に感染した時に命名された。 なお、この語でGoogle検索すると藤井本人のブログが上位にヒットする模様。 他にもこれだけのafoっぷりを曝している。 2001 オープン戦の結果から首脳陣に怒られた腹いせに無茶な投げ込みを敢行し、練習計画が台無しになったおかげでさらに大目玉を食らう。 リードしていた巨人戦で一塁に全力疾走したため相手から野次られ、マウンド上で泣いてしまい降板。 最多勝受賞で優勝に貢献。優勝祝賀会では酒に弱いためベロンベロンに。 優勝特番に出演するも、酔っ払ってまともな返答ができず途中退場させられる。 翌日先発だったが、案の定二日酔いでメロメロ。 2002 サッカーW杯を観戦に行って風邪をひき先発回避。「afo」が定着し始める。 フライデーに不倫をすっぱ抜かれ、数々の迷言が生まれる。 「オレ、ヘタクソだろ?ダメだろ?」「オレをこんなにハマらせてどうするんだよ」 大学時代に知り合った夫人とはその後離婚。 2003 元々痛めていた肘の靭帯が切れてしまいシーズンを棒に振る。 大学の後輩であるホークス和田が訪ねてきたとき、禁止されているのに腕を使って熱血指導。 2004 やっと投げられる状態になりファームで調整登板をしている時期に交通事故を起こし、 親友の福留に怒られる。「何やってんですか。野球以外のことばかりで話題になって」 また事故そのものよりも、午前6時という時間に自宅や練習場所から遠く離れた場所にいたことで問題に。 シーズン半ばに一軍復帰を果たすものの、走者としてボーッとしていたときに牽制され、 慌てて帰塁し足を痛めて残りシーズンを棒に振る。 2005 内角球に怒ったウッズに突進されるも、何故か逃げずに殴られて首を痛める。 (でも今は仲直り) ヒーローインタビューで翌日の先発投手を予告してしまう。 「えー、明日投げる川島にも悪いイメージを残してしまって申し訳なかったですし・・・」 2006 交代を告げられる前にリリーフカーに乗って登場するも、結局投手交代は無く、歩いてマウンドから去る。 UFOキャッチャーで取ったタイヤキのぬいぐるみを、見ず知らずの人に自慢する。 2007 ハンカチ王子ら母校早稲田の選手に焼肉を奢った様子をブログにアップしてしまい、プロアマ規定に触れるとして球団から怒られる。 オールスター休みにプールではしゃいで流血。 すさまじい更新頻度と内容から、週刊誌にてプロ野球選手の「ブログ王」に認定される。 フリーアナウンサーとの車内キス写真が写真週刊誌に掲載されるが両者とも交際を否定。 2008 サイパンでの自主トレ中に北海道日本ハムファイターズへのトレードを通告される。 通告前にサンスポにすっぱ抜かれるが、正式発表前にブログに掲載したこと、 自主トレを切り上げずに帰国しなかったことが物議を醸す。 登板前夜まだ寒い札幌で深夜まで迷子になる。 成績が低迷してるにもかかわらず、ダルビッシュ夫妻、ほしのあきとヴァレンチノのパーティーへ。その脳天気ぶりでファンをあきれさせる。 交際していたフリーアナウンサーは他の男と結婚。破局の理由となった性癖が週刊誌に。 登録抹消中、CS出場が決定した試合で、球場内の売店に買い出しに走り、後方支援。 CS第1ステージ第2戦でまさかの先発。見事勝利を挙げ、第2ステージ進出を決めるが、打球を当てて右手を骨折。それでも第2ステージの最後の試合で中継ぎ登板。 笑っていいともを客席で観覧、カメラに思い切り抜かれ、それをみていた選手に怒られる トークショーにて「最近野球を真剣にやり始めました」「今まではかじる程度」と発言 12月3日のディナーショーチケットは即日完売。乾杯の音頭を取り、翌日の道新スポーツの1面を飾る。 12月に入っても、なかなか契約更改せず。球団側はなんとか日程の調整をしようとするが、日取りがまとまらない。その間にもブログは頻繁に更新。札幌市内にいたり、知人のパーティーに出席したり、時間はありそうなのにいつまでも更改せず、球団関係者に「意味が分からない」と言われる。そのまま自主トレとダルの結婚式出席の為にハワイに行ってしまった。結局、年内に一度も交渉しないまま越年更改。 2009 ブログで「バレンタインのチョコ送ってくれたらプリクラとサイン送るよ!」と書いたところチョコ殺到、宿舎の自室を埋め尽くす 12球団勝利の記録がかかったヤクルト戦でファーストのベースカバーに入らず逆転負け、吉井コーチを激怒させる プライベートでも自分のグッズ(Tシャツ)を身に付け、ダルや久に「どんだけ自分好きなの」とツッコまれる ご飯を食べに行った先で偶然スピードスケートの大菅小百合選手と同席、2ショット写真をブログに載せるがエントリ名は「彼女できました」 動物園に行き、ブログで「カバすごかったよ~」しかし写真はサイ 9月5日の楽天戦、野球小僧Tシャツを着て試合中にKスタ内野席をぶらぶらうろつく さらに12日、ジェラート屋台に出現 札幌駅前でのローカル情報番組の生放送現場に一般人にまぎれて映りこみ、数分後ダルに電話で怒られる ブログに「ボッツ、CSも頼んだぞ!」と2ショット付きで更新した数分後に、ボッツの退団が決定。 日本シリーズで一世一代の神ピッチ。しかしもっとも気合が入っていたのは打席というもっぱらの噂。勝ち投手の権利を持って降板するも後続にまたしても勝ちを消される。 11月9日、移籍を前提としたFA宣言。それも理由が「監督の起用法が悪い」というもの(*1)。 2012 村田の人的補償でDeNAに移籍。移籍会見で、「『怪盗ロワイヤル』と『戦国ロワイヤル』にはまっている」「その2つはプロ野球選手で一番強いのは間違いない。レベルは1000を超えている」と豪語。「ゲームで親会社を支えています。本当に貢献しているから(人的補償に)選ばれたのかな。これからは野球でも貢献します」と述べる。 ブログに横浜担当の記者の名前と写真をアップする。 関連リンク [#zfd19206] 藤井秀悟オフィシャルブログ『野球小僧』 http //ameblo.jp/yakyukozo/ ~ tag; ~