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戦場のヴァルキュリア 第19章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1241343025/ 戦場のヴァルキュリア 第18章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1241237695/ 戦場のヴァルキュリア 第17章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1240835623/ 戦場のヴァルキュリア 第16章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1240663058/ 戦場のヴァルキュリア 第15章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1240365124/ 戦場のヴァルキュリア 第14章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1240216772/ 戦場のヴァルキュリア 第13章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1240117729/ 戦場のヴァルキュリア 第12章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239943110/ 戦場のヴァルキュリア 第11章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239692317/ 戦場のヴァルキュリア 第10小隊 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239535646/ 戦場のヴァルキュリア 第8章(実質9) http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239472871/ 戦場のヴァルキュリア 第7章(実質8) http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239089618/ 戦場のヴァルキュリア 第6章(実質7) http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1238942014/ 戦場のヴァルキュリア 第5章 (実質6スレ目) http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1238894796/ 戦場のヴァルキュリア 第5章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1238894485/ 戦場のヴァルキュリア 第4章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1238871323/ 戦場のヴァルキュリア Part3 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1238169424/ 戦場のヴァルキュリア アニメ化 Part2 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anime3/1236699731/ 戦場のヴァルキュリア アニメ!! http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anime3/1224363422/
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[2009/12/23 19 27] 戦場のヴァルキュリア 第01章 「戦火の出会い」 第02章 「コナユキソウの祈り」 第03章 「第7小隊誕生」 第04章 「束の間の休日」 第05章 「クローデン奇襲」 第06章 「従軍記者、奮闘す!」 第07章 「ダルクスの災厄」 第08章 「紐解かれる歴史」 第09章 「蒼き魔女」 第10章 「吹雪の夜」 第11章 「招かれざる客達」 第12章 「さらわれた姫君」 第13章 「戦慄の移動要塞」 第14章 「ファウゼンの選択」 第15章 「歌姫の過去」 第16章 「語られなかった想い」 第17章 「精霊節の贈り物」 第18章 「八月の雨」 第19章 「涙」 第20章 「愛しき人」 第21章 「はかなき絆」 第22章 「とまどい」 第23章 「愛のかたち」 第24章 「決意」 第25章 「護るべきもの」 第26章 「決戦」 第01章 「戦火の出会い」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6652636 24 00 2187 874 第02章 「コナユキソウの祈り」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6724060 24 00 2147 881 第03章 「第7小隊誕生」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6788714 24 00 2222 826 第04章 「束の間の休日」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6856325 24 00 3319 952 第05章 「クローデン奇襲戦」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6927621 24 00 2428 689 第06章 「従軍記者、奮闘す!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7001522 24 00 2794 1330 第07章 「ダルクスの災厄」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7066378 24 00 2544 640 第08章 「紐解かれる歴史」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7136996 24 00 1664 600 第09章 「蒼き魔女」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7203335 24 00 2973 650 第10章 「吹雪の夜」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7270245 24 00 2206 670 第11章 「招かれざる客達」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7337207 24 00 1947 676 第12章 「さらわれた姫君」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7403148 24 00 1454 482 第13章 「戦慄の移動要塞」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7469786 24 00 1438 504 第14章 「ファウゼンの選択」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7538987 24 00 1784 855 第15章 「歌姫の過去」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7608106 24 00 1507 723 第16章 「語られなかった想い」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7674566 24 00 1143 962 第17章 「精霊節の贈り物」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7744651 24 00 1375 739 第18章 「八月の雨」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7813104 24 00 1469 738 第19章 「涙」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7880803 24 00 1319 417 第20章 「愛しき人」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7948403 24 00 1087 621 第21章 「はかなき絆」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8013554 24 00 1507 872 第22章 「とまどい」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8082661 24 00 191 236 第23章 「愛のかたち」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8147548 24 00 1019 491 第24章 「決意」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8212950 24 00 1152 450 第25章 「護るべきもの」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8278498 24 00 1082 457 第26章 「決戦」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8349759 23 30 1206 626
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戦場のヴァルキュリア4 【せんじょうのう゛ぁるきゅりあふぉー】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 プレイステーション4Windows(Steam)Nintendo Switch メディア 【PS4】BD-ROM【Win】ダウンロード配信【Switch】ゲームカード 開発元 メディア・ビジョン 発売元 セガゲームス 発売日 【PS4】2018年3月21日【Win】2018年9月25日【Switch】2018年9月27日 定価(税別) 【PS4】 通常版 7,990円 限定版 12,990円【Win】8,629円【Switch】7,490円 レーティング CERO B(12才以上対象) 廉価版(税別) 2020年10月22日/2,700円 判定 良作 ポイント 原点回帰の正統派進化 ファン待望の据え置き版続編ゲームバランスが改良『3』から退化した部分も見られる 戦場のヴァルキュリアシリーズ 概要 システム 新要素 ストーリー 評価点 賛否両論点 問題点 総評 Steam版『Complete Edition』 余談 概要 『戦場のヴァルキュリア』シリーズ10周年記念作品にして、前作『戦場のヴァルキュリア3』から7年振りの続編。 物語のテーマは「成し遂げようとする意志」で、シリーズ第1作以来の据置機での発売となった。 作中の時系列は『1』『3』と同様、征暦1935年に勃発した「第二次ヨーロッパ大戦」が舞台となる。 本作は『1』『2』『3』はガリア公国の視点から描かれたが、今回初めて大西洋連邦の動向を追う事となる。 主人公クロードの手記を追う形で、大戦で最大の犠牲者を出したとされる「ノーザンクロス作戦」の詳細が描かれている。 本作は過酷な進軍を表現するため、雪のマップが非常に多いことも大きな特徴となっている。 具体的にはなんとゲーム全体の約半分が雪のマップで構成されている。 これは現実の第二次世界大戦の東部戦線をモチーフとして取り入れたためである。 雪のマップは雪崩・吹雪・ホワイトアウトなどのギミックを含んでいることも多々ある。 プレイヤー自身も雪というシチュエーションを理解して戦況を有利に進めていく必要があると言える。 また、全体的にゲームバランスがライト向けへシフトした。 システム 携帯機から据置機へ復帰する都合もあってか、『2』以降に登場した兵科(剣甲兵・機関銃兵等)や分岐クラスチェンジなどの要素がオミットされ、据置機で発売された『1』のシステムに近いものとなっている。 ただし、対戦車猟兵が迫撃槍に武器交換可能であったり、『3』で主人公クルトが使用した「直接指揮」が続投している等、携帯機で登場した要素のいくつかは本作でも継承されている。 新要素 擲弾兵 榴弾による長距離からの爆撃を得意とする新兵科。戦車や迫撃槍を凌駕する長射程を誇り、障害物ごしの爆撃や、他の兵科では対応しづらい高所でも攻撃することが可能。さらに迎撃も可能であり、広大な野戦マップの多い本作では非常に有用な兵科。 この兵科の追加により、既存シリーズになかった新たな戦略性が生まれている(詳しくは評価点に記載)。 雪上巡洋艦センチュリオン ゲーム中盤から登場。エディンバラ海軍が極秘裏に建造した決戦用巡洋艦。氷原を進むことが想定されており、砕氷用の巨大な衝角を艦首に備えている。同型艦が3隻建造されのだが、クロードたちが乗艦することになるセンチュリオンは2番艦である。 今作は戦闘によって船からの「シップオーダー」という援護攻撃が命令できる。 レーダー…一定の範囲内にいる未発見、視界から消えた敵をコマンドモード上に表示する。最初から使用可能。 艦砲射撃…指定した地点に砲撃を実行し、範囲内にいる敵にダメージを与えることができる。 救護部隊…出撃中の自軍歩兵ユニットのHPを回復する。瀕死状態のキャラクターは負傷退避させられる。 車輌応急修理…ミッション中に撤退した自軍の車輌ユニットを復活できる。 通常のオーダーと異なり回数制限があるものの、どれも相応に強力であり、攻略の切り札となりえる。 ブレイブ キャラクターが敵の攻撃で瀕死になった際、不屈の闘志で立ち上がり最後に何かひとつ行動ができる場合がある。これを「ブレイブ」と呼ぶ。 最後にできる行動は「立ち上がる」(敵ターン時は「反撃」)、「託す」の2種類があり、タイマーが表示されている間に行動を選択できる。 「立ち上がる」 …1アクション行える。 「託す」…最も近い味方の能力を上昇させ、CPを1回復させる。上昇する能力は瀕死になったユニットの兵科によって異なる。 ストーリー 舞台となるのは架空のヨーロッパ大陸。 北半球に位置する最も大きな大陸の西部地域一帯を指す。全土統一を目指し、古代から多くの覇権争いが繰り広げられてきた地である。1800年代を迎え、ヨーロッパ大陸は皇帝が中心となり国を統治する連合国家「東ヨーロッパ帝国連合」(通称:帝国)と、王政を廃した共和国国家の連合体「大西洋連邦機構」(通称:連邦)、東西2つの大国によって分断される。やがて両陣営は鉱物資源「ラグナイト」をめぐって対立。征暦1935年、世界情勢は緊迫の一途を辿り、帝国軍は不可侵条約を破り連邦の同盟国内へ進撃を開始。ヨーロッパ大陸全土を巻き込む史上最大規模の大戦、「第二次ヨーロッパ大戦」が勃発した。 本作『戦場のヴァルキュリア4』では、連邦内でも強い発言権をもつエディンバラ連合王国軍から戦争に参加した主人公・クロードの視線を通して第二次ヨーロッパ大戦を描く。連邦軍E小隊隊長として戦争に参加したクロードは、緒戦に挑み、辛くも勝利する。しかし開戦から3ヶ月、帝国の圧倒的な物量を前に敗退を重ねた連邦軍は、苦しい情勢に置かれていた。戦いを終え、拠点へと帰投したクロードに、上官は大規模な作戦の発動を告げる。 連邦の劣勢を覆すべく帝国の首都を急襲する大反攻作戦――「ノーザンクロス作戦」であった。 ——公式サイトより 評価点 ファン待望の据置機での続編 『1』の出来から期待された『2』『3』の続編は 主にハードスペックに起因する分割マップなどのゲーム性やグラフィック面の評価が低かった。しかし、今作ではPS4の性能を存分に発揮しており、『1』のような広大なフィールドを戦略的に駆け巡るゲーム性が復活し、正当に進化している。 今作では、ステージ毎に異なるギミックや特殊条件が設定されていることが多く、マップの数自体も多い為、同じようなステージを何度もプレイするということはほぼ無くなっている。 ライト層にも受け入れられるゲームバランス 『戦場のヴァルキュリア』シリーズはSRPGにアクションゲームの要素を取り入れた画期的なゲームであるが、独自性が強く初見のユーザーからするとゲームをクリアするまで少々難易度が高い。 しかし今回、イージーモードの搭載等で、ライト層にも受け入れられる難易度となった。ただし、単に簡単になったということではなく、Sランクを取る為には相応の戦略を練る必要がある。歯ごたえがないということではない。 難易度が低下したことで攻略の自由度も増加。好きなキャラを使用して、攻略したり、特定の兵科のみで攻略を目指すということも可能。 新要素によって高まった戦略性 擲弾兵について 砲撃の弾道が山なりになるのが特徴で、今まではできなかった遮蔽物ごしの長距離砲撃や高所の敵兵への対応が可能な兵科。敵の進行に対する迎撃能力もあり、命中すると敵兵や車両の足止めが可能。さらに武器を切り替えれば対人・対甲どちらにも対応できるのも強み。 また擲弾兵には、自身が敵を視認できなくとも、味方の誰かが敵を視認していれば自動で敵をロックして攻撃・迎撃が可能という特性がある。これによって「見晴らしのいい場所に歩兵を配置して敵の位置を割り出し、続いて擲弾兵で爆撃」という、さながら現実の戦争のような戦術が可能になっている。 このように一見強力な擲弾兵だが、当然弱点もある。弾数の制限に低い耐久力や機動力、状況や距離によっては使用が困難or無力化されてしまうと、決して万能ではない。 そして当然敵側にも擲弾兵は配置されている。味方擲弾兵をどう生かすかだけでなく、敵に回ったときにどう対処するかということも新たな戦略性を生み出している。 足の速い兵科で走り抜ければ擲弾の直撃を受けづらいことや、榴弾耐性をもつ対戦車兵ならダメージを抑えて進軍できるなど、擲弾兵の登場により既存兵科の特性もまた際立ったといえる。 なお、武器である擲弾砲は移動時には折りたたんで携行し、攻撃時に設置する。その際の展開ギミックはなかなか凝ったものである。 シップオーダーについて レーダー・砲撃など、味方ユニットを即座に送り込むのが難しい地点に対して偵察・攻撃が行えるようになるなど、攻略の切り札として存在感のあるシステムとなっている。 負傷者救護は、瀕死者放置によるキャラロストがある本作では、その回避作として重要になる。 また、車輌応急修理では、撃破撤退させられた車両の即時復帰が可能になった。これはシリーズを通じてはじめての機能となる。 『2』『3』では「偵察支援」系オーダーがレーダーの機能を有していたものの、エリア全体の敵を一度に網羅してしまうなど、やや手軽すぎる面もあった(*1)。今回は有効範囲を絞り、1ミッション中の使用回数の制限をしたことで、適度なバランスになっているとも言える。 レーダーや砲撃は隊長であるクロードの乗る戦車の位置を基点として発動される。指揮車両である戦車をどこに配置し、またいかに生存させるかということが戦略面でより重要になっている。 また実際の戦争においても「前線から後方への支援要請」というのはよくあるシチュエーション。従来作でも一部の「オーダー」でそれらの一部は再現されていたが、シップオーダーはその演出も含めてより一層「戦争の雰囲気」を強めている。 ブレイブについて ユニットのHPがゼロになった際に、最後のあがきとして「反撃」「行動力を使い果たすまで再行動」「託す(付近の味方を強化)」の行動から1つを選んで行えるというシステム。 必ずしも狙って発動するものではなく攻略に組み込むのことは難しいが、思わぬところで発動して攻略の助けとなることもある。 ゲームに熟練してくればユニットが瀕死になること自体が減ってくるため、ブレイブの発動そのものも減る。どちらかというとゲームに不慣れなプレイヤーやライトユーザー向けの救済システムという面がやや強い。 発動時には専用のセリフも用意されており、「仲間のために最後の力をふりしぼって行動」というシチュエーションは、なかなかに滾るシステムとなっている。 調整された既存システムと戦闘バランス 戦車の使用CPが歩兵と同じ1に引き下げられ、戦車がより強力な兵器となった。また2台の戦車を同時出撃させられるのも1以来である。 一方で、敵方の対戦車砲が迎撃してくるようになった、一部ボスの使うオーダー「急所攻撃」の存在、更には戦車の装甲すら貫く強力な重機関銃の登場など、戦車にとって手痛いダメージを受ける場面も格段に増えており、これまで以上に運用には気をつける必要が出てきた。 「直接指揮」や「装甲車」などで、足の遅いユニットも使いやすくなった。 狙撃兵がクラスチェンジで上級兵種になると迎撃可能となった。長射程かつ一発の威力が大きい狙撃兵が迎撃可能になったことは戦略的にもかなり影響が大きく、特に敵側も上級兵種となる終盤戦で顕著である。 この他、上記の擲弾兵の迎撃などもあり、従来シリーズと比べても安易な単騎特攻はできないバランスになっている。 遠距離攻撃が出来たり移動力があるキャラはその分防御力が弱いなどバランスは取れている。ただ目の前の敵を倒せばいいのではなく、目標を達成するために武器の種類や隊員の行動順等、どうすればいいのかを考えながら攻略していくという点は従来作を踏襲している。 一見すごく難しいステージでも、オーダーなどでバフを味方に撒いたり、装甲車で前線に歩兵を送り込んだりと、アイディア次第で非常に短い手数でクリアすることが可能。どのステージも奥深い作りとなっており、詰将棋のような戦略性も健在。 地雷のダメージが調整された。『2』では弱すぎて逆に移動に利用され、『3』では踏んだら即死でストレス源であるなど両極端な調整が続いていたが、今作ではHP満タンであれば「踏めば痛いが即死はしない」程度の適度な調整になっている。 「曲がり角を曲がってすぐ」や「目標地点までの最短ルート上にある土嚢の裏」などのいやらしい設置も少なくなっており、ゲームクリアを通じて地雷の存在感そのものが薄まっている印象である。 コンフィグで敵ターンの進行スピードを早めることができる。携帯機である『2』『3』にはあった機能だが、今作ではじめて据え置き機でも採用された。 シナリオ面 『1』のような「青春と戦争」というテーマに原点回帰された。戦争における愛国心、仲間との絆、そして、仲間の喪失、民間人の犠牲と戦争の残酷さ…明るくポップなデザインであるが、戦争への悲惨さも描かれており重厚な人間ドラマとなっている。 キャッチコピーの「熱い友情」が示す通り、戦争という過酷な状況下、若者達が時間を共有し困難に挑む青春模様が大きくクローズアップされている。 新たなる世界観の追加 前述の通り今までの作品はガリア公国視点のストーリーであったが、今回からヨーロッパ連合や海軍、合衆国、東の島国などの新たな勢力や組織でのシナリオとなり、世界観が広がり新鮮味が出るようになった。 従来のそれとは異なり、大国間の全面戦争を正面から描くシナリオとなっており、特に過去作では予備知識程度の扱いでしかなかった「連邦」がどのような勢力であるのかがわかるようになっている。 これに伴い、「連邦とガリア公国との密接な繋がり」「戦争開始時点で両勢力共にヴァルキュリア人の研究がかなり進んでいる」など新たな描写や設定もあかされており、これらの描写によって過去作の世界観、特に『2』の諸設定に明確なフォローがなされている。 これまでのシリーズでも見られたダルクス人に対する強烈な迫害描写もかなり抑えられており、連邦が多民族からなる一大勢力であることを思わせる描写は多い。 人物総覧や兵器総覧も、今作初登場のものも含めしっかりと描かれている。 隊員断章 『2』より導入されている「隊員断章」も継続。これにより、初代では人物総覧でしか分からなかった一般隊員達のキャラがより立つようになった。また、隊員断章で仲良くなった隊員達は救護や援護の時に反応が変わる。 ただし、今作では1人1章ではなく、2~3人で1章となり、個々のキャラクターの掘り下げは『2』『3』に比べると薄くなっている。これは隊員数が携帯機の倍ほどに多くなっているため仕方のない所でもあるが。 また、今作ではメインストーリーにおいても一般隊員にスポットがあたるシーンが存在する。終盤で任意の一般隊員を1名選び、とあるキャラとのペアで特別任務に従事させることになるのだが、 なんと隊員全員にそれぞれコメントが用意されている という作り込みである。 ボリューム 全部クリアすると50時間強という中々のボリューム。 クリア後に死亡したキャラが復活するなど隠し要素も豊富。 キャラクター 今回もデザインは高評価。特に女の子はクロードと同期のミネルバや敵側のニコラ、キアラなど個性が立っている。 生真面目で有能な主人公クロード、チンピラ気質だが情に厚いラズなど、主要人物はしっかり好感が持てるキャラになっている。 敵方のヴォルツ中佐は貴族のご落胤で町の人々に育てられ、世話になった故郷と人々守るために戦うという背景とその男っぷりの良さも好感触。 自身の研究のために躊躇無く何もかも犠牲にするマッドサイエンティストなど、純粋な憎まれ役も居る。 DLC DLCでは追加断章では「1」のウェルキン達との合同任務や海水浴任務が追加された。 賛否両論点 シナリオ面 「戦争」の描写 『1』から一貫して批判されているが、「ポップなデザインであるからこそ、戦争という内容のストーリーを受け入れやすい」という評価がある一方で、「戦争への描写が甘くリアリティに欠ける」という批判もある。特に「占領して間もない敵領の市街地で友軍と模擬戦をする(*2)」という行為には突っ込みが多い。 中盤のミネルバとのやりとり 「(自身がかつて所属していた)F小隊が壊滅の憂き目に遭ったのはE小隊の救援が遅れたせいだ」とクロードを非難するが、遅れた理由は帝国の基地を襲撃して進軍速度が低下したためである。のこのこ歩いて来た訳でもないのに非難されるのはいい気分がしない。 もっとも、件の帝国基地襲撃はE小隊の独断で決行したものであり、また決行した理由も「ガリア(クロード達の故郷)方面への帝国軍の補給路を断つため(*3)」という私情の入ったものであるため、クロードにも全く非がないわけではない。仮に言い訳をしたところでミネルバが納得するとも思えないのだが。クロード達の「自分達の故郷優先」の寄り道行動によって「本来の作戦では来るはずだったE小隊」が来なかったためにF小隊が不当なワリを食った可能性は高く、この件のミネルバの怒りは正当なものだと思われる。 とはいえ、圧倒的勢力に仮にE小隊が居ても全滅に近い打撃を与えられるのは必然である。やはり一番の責任者は上層部や帝国側であり、長い目でみれば、クロードの行動も間違いではないので、違和感を覚えるプレイヤーもいる。 終盤のシナリオ展開 + ネタバレ注意 帝国首都爆破 クロードたちは最終局面で特殊爆弾を使って、敵国の首都を民間人ごと大爆破させようとする。「戦争を終わらせるため、散っていった仲間たちのため」という大義名分はあるものの、「民間人の大量虐殺」という帝国側でもしなかった行為を行おうとするのはやり過ぎでは?という批判もある。 また、「それによって首都を取ったとしても、焦土作戦を帝国側が行えば結局戦争は継続してしまう」という指摘もある。 すっきりしない結末 今回連邦と帝国は停戦合意しただけで勝利したというわけでなく、ややすっきりしない。 厳密には停戦合意の後にひと悶着があり、それで主要キャラクターたちのさまざまな因縁に改めて決着をつける、という形なのだが、やはりあくまで停戦合意というだけなので根本的な解決には至っていない。 もっとも、ここで連邦が勝利してしまうと、他のシリーズ作品と矛盾してしまうため、仕方ないことではあるが。 また、戦争がもたらす悲劇や狂気を描く本シリーズにおいては、敵側だけでなく味方側においても謀略や凶行といった非人道的な行為が行われていることが度々描かれている。これは本作にも共通する要素なのだが、それを主軸となって行ったであろう人物や組織が作中では明示されず、それに対して何らかの制裁や結末が下されることもない(*4)。このことも「すっきりしない」要因のひとつとなっている。 システム面 前作よりも少なくなったミッション数 今作ではDLCを除外したミッション数は70、前作や全然作と比較してやや少なめのミッション数に落ち着いており、単純なボリューム面では過去作には及んでいない。 有料DLC等を除外すると、『1』では57、『2』は170前後、『3』は150前後のミッション数だった。 ただし、最大のミッション数をほこる『2』ではストーリー本編に絡んだミッションの内訳が極端に少ない(*5)こと、続く『3』では、ストーリーミッションの数は大幅に増えたものの、マップ素材などが『2』からの流用であることや、さらに『3』の作品内でも1つのマップ素材が多用されていることが問題点として指摘されていた(*6)。 本作では全てのマップが新規におこされたものであり、また1つのマップの流用も本編とフリーミッションでの計2回程度に留まっている。このために総ミッション数が少なくなっているともいえる。これをどう評価するかは、過去作をプレイしているかどうかや、充実したストーリーミッションとクリア後のお遊び的なミッションどちらをより重視するかなど、人によって判断の分かれる所だろう。 また評価点の項でも述べられているように、本作のミッション数でも1つのゲームとしてのボリュームは十分確保されていることには留意したい。 フリーミッションにあたる「遊撃戦闘」がやや淡白。 ステージや敵ユニットの強さ・構成こそ違いはあるものの、全てのミッションクリア条件が「敵本拠地を占拠せよ」で統一されて、遊びのバリエーションにはやや乏しい。 従来作では「敵の全滅」「目標物破壊」「輸送車護衛」「物資の確保」など様々なクリア条件のフリーミッションが存在していた。そのためあくまで比較するとやや淡白に感じられるという程度のものである。 ストーリー本編のミッションでは様々なシチュエーションや勝利条件が設定されているため、差別化を図っているという見方もできる。またフリーミッションは稼ぎのために反復するものであり、余計なギミックやブリーフィングなどはないほうがプレイしやすいともいえる。 本編クリア後の要素となる「遊撃戦闘HARD~CHALLENGE」、および有料DLCである「遊撃戦闘HARD-EX」のミッションでは多様な勝利条件のミッションが楽しめる。 リーダー枠の固定化 リーダーユニットは戦場にいるとターン開始時のCP(*7)が+1され、さらにユニットを随伴させ同時に移動できる「直接指揮」が使えるという強みをもつ。本作のミッションクリア評価はクリアターン数の少なさ=早解きに直結しており、高評価を狙うにあたってはどちらも無視しづらいメリットである。 そして本作のリーダーは最大で6枠なのだが、そのうち5枠はクロードらメインキャラクター5人で固定。同時に出撃できる人数は最大10人程度。結果的に早解きを優先すれば出撃メンバーの半数はいつも同じキャラということになる。 これに関して、隊長であるクロードがリーダーなのは当然としても、せっかく50人近い隊員がいるのだから残りのリーダー枠はフリー枠とし、もっと自由に好きなキャラを登用させてほしかったという意見がある。 ちなみに従来作では『1』は同じくリーダー枠は4人に固定、『2』『3』では主人公以外に好きなリーダーを指定・変更できるシステムだった。『4』は他のシステム面同様に『1』を踏襲した形となる。 リーダー権を抜きにしても、メインキャラは性能・ポテンシャルといった面で一般隊員より優遇されている傾向にある。特に狙撃兵については2人以上同時に出撃させる必要性が他の兵科に比べて薄いことから、性能が優秀かつリーダーでもあるカイ一人を出撃させれば「(狙撃兵は)もうあいつ一人でいいんじゃないかな」という状況になりやすい。 『1』でもマリーナという優秀な狙撃兵がいたことで、同様の問題が指摘されていた。 今作では対人スナイパーライフルの他に対戦車に特化したライフルもあるため、それを使って役割分担させれば2人目以降の狙撃兵にも起用の目はある。他兵科で代用可能ではあるが。 ただし、ミッションの難易度にもよるだろうが、必ずその5人を出さなければSランククリアできないゲームバランスというわけでもない。リーダー不在の穴は、プレイヤーの創意工夫で補うこともできるだろう。 また軍隊であるということを考えれば、クロード他メインキャラクターは全員が優秀な人物であり、階級も一般隊員より上。性能が高いことも指揮権があることも全くおかしくはない。むしろ特別な事情も無く、階級が下の者が上官を指揮することが不自然とも言える。 携帯機からオミットされた武器や兵科 「軍用レンチ」「剣・爆剣」といった近接武器、敵を扇状になぎ払う「機関銃」と、味方を強化する「楽器」に加え、これらを扱う兵科だった「技工兵」「剣甲兵」「機関銃兵」などが挙げられる それぞれ個性的な機能をもっていた兵科のため削除を惜しむ意見もあるものの、本作の兵科での全体のバランスは決して悪くない。また、特に近接武器に関しては「銃火器と戦車」がメインの世界観においてやや浮いているという意見も存在した(*8)。 「技工兵」の土嚢修復や地雷撤去に関しては、もともと『1』で支援兵が担っていた役割であり、本作では再び支援兵に統合される形となっている。 問題点 シナリオ・キャラクター 無茶な作戦が多い。 肝であるノーザンクロス作戦だが、資源や人的資源を消耗しているのに無理な北上を目指すというかなり無茶な作戦である。しかも、雪が例年より早く降ってからも撤退せずに進軍を続けている。 その後の洋上を経てさらに北上することになるが、その後の戦闘で戦力大幅ダウンした状態で首都を強襲する、という無茶な作戦を決行する。それを補うために資源は現地調達という無茶苦茶な作戦もある。そこに至るまでの経緯・描写が薄いため、何故ここまで上層部が無能なのか不明のままである。 ここらへんは「連邦は多数の国の連合体のため主導権争いや手柄の取り合いなどで足並みが揃わない」という形で一応はフォローされている。 主人公の部隊は精鋭の特殊部隊である機甲レンジャー隊という設定だが、隊員がまったくそれらしくない。一般の小隊からメンバー全員が選抜試験をクリアして、同じ編成のままレンジャー部隊になった、というかなり強引なご都合主義は百歩譲って認めるとしても、追加加入するメンバーが兄を心配して加入した妹・婚活女・小説家・お笑い芸人etcと、明らかに「精鋭レンジャー部隊」の肩書にそぐわない面々。 過去作ではあくまで寄せ集め(義勇兵、士官学校生、懲罰部隊)の部隊であり、戦場での実績から精鋭と呼ばれていただけなので奇抜な面子でも納得の余地があるが、今作は正規軍の特殊部隊という肩書があるため違和感がすごい。 ゲームとしての華やかさ的な側面から個性豊かなメンバーが必要なのは理解するが、それにしたって北斗の拳ばりのヒャッハーや酔っぱらいのアル中が最精鋭の特殊部隊を名乗るのはいかがなものか。 主要メンバーの描写不足。 今回E小隊の主要メンバーは、帝国に故郷を焼かれその復讐と愛国心から志願兵となった。しかしその経緯の描写はプロローグでナレーションが説明するだけで終わらせてしまっている。「帝国への恨みの描写が薄い」という批判がある。 一部キャラの行動に賛否両論点あり。 + ネタバレ注意 クロード(主人公) ストーリー序盤や中盤の時点で、特にヘマや失敗をした訳でも無いのに幼馴染や同僚から非難されることが多いため、良い気がしないことが多い。また、「弱虫クロード」とみんなから言われるが、子供時代の回想がないため、何故弱虫と言われるかよく分からない。 ストーリー終盤にて帝国の非人道性を非難しつつも自分達も非人道性の行為を行おうとする(前述の帝国首都爆破)。戦争の狂気に魅せられた、というのは分かるが、そこに至るまでの心理描写が薄い。 上記のとおりあれだけ無茶な作戦を遂行していたのに、その終戦後クロードが上層部から冷遇され、降格処分を受けるのもすっきりしない結末である。その後DLCでクロードが融通の聞かない人間と上層部の人間に思われる場面が追加された。 レイリィ(ヒロイン) 「クロードのせいで両親と妹をいっぺんに失う」という悲劇にあったためクロードの事を怨むようになったのだが、その詳細は「父の工場が帝国軍に放火され、無策で助けに行こうとしたレイリィをクロードが止めた(しかもクロードは当時10歳)」と情状酌量の余地が十分ある。 火事の現場に戻ろうとする人を止めるのは当然の行為であり、「これではただクロードに八つ当たりしているだけでは?」と思うプレイヤーも多い。その後上から目線でクロードのことを評価してくるのもプレイヤーを逆なでさせる要因となる。 一応、クロードとの険悪な関係は序盤で早々に解消され、以後は好感を持ちやすい描写が多くなってく。 フォルセ / カイ・シュレン(兄) かつてE小隊に所属していたが、その後連邦を裏切り帝国側の参謀となった人物。しかし、寝返った最たる理由が「"ヴァルキュリア人の少女たちをセンチュリオンを始めとする巡洋艦の動力源として扱う"など、連邦側の非人道的な行いに憤りを感じ、彼女たちを救うことを決意した」ためであるにもかかわらず、その後帝国側でなりふり構わぬ非道な作戦を平気で行っている。結果、妹や故郷を平気でないがしろにする為ただのロリコンにしか見えないとも言われることも。 この辺りに関してはゲーム内でも「お前は狂っている」と糾弾されてはいるが。 カイ・シュレン(妹) 本名はリナ・シュレン。カイの妹。カイに命じられてE小隊に送り込まれたスパイで、その活動の結果数百人の命が失われている。その後帝国と兄の姿勢に疑問を抱き連邦に寝返るのだが、エンディングでは以前のスパイ活動に対するお咎めが一切ない。正直彼女なりに罪悪感を覚え罪滅ぼしもしているのだが、それでチャラになるのは違和感を覚える。 また、彼女のスパイ行動に対し、「無二の親友」と言えるラズはともかくクロードやレイリィが何も言わなかったのはおかしいとの批判も。 スパイ活動に身を投じた理由が「カイに盲目的に従っている」という理由ぐらいしかないうえに、そもそもそこまでに至った経緯が描写されない。 「私は兄さんには逆らえない…」と思わせぶりに言うのだが、何故逆らえないのか、理由やエピソードは結局不明なまま終わる。 グラフィック PS3で発売された『1』とあまり代わり映えがしない。 (PS4より)グラフィックス性能の低いSwitchに合わせた結果とは推測できるが、それでも少々物足りなさを覚える。 ただし、『1』に比べてマップが広くなっていたり、戦場を飛び交う無数の銃弾等のエフェクトが強化されていたり、それでいて処理落ちが少なくなっていたりと、まったく進化していないわけでもない。 『1』から言われているが、実際のグラフィックと判定面との食い違いが大きい。特に「小さな段差なのに進めない」「当たり判定がわかりづらい」「髪が服を突き抜けていたり、しゃがむと宙に浮いたりする」といった初歩的な問題点が批判される。 特に今回は擲弾兵の影響で爆撃され、飛ばされるため、敵味方多くの兵士が岩や壁にめり込み、リアリティが削がれる。 キャラクターモーション 『1』では、一般隊員が敵を撃破したときのモーションが「兵種別」かつ「男女別」に用意されていたのだが、本作では「兵種別」のみで男女差がなくなり、モーションのバリエーションが減っている。 システム・インターフェイス 『1』のシステムをベースとした本作だが、『1』で指摘されていた問題点もいくつか残ってしまっている。 会話においてオート再生やバックログがない。ストーリーでの会話パートはエピソードごとに再度見返すこともできるが、戦闘中の会話イベントは確認するのは少々手間である。 訓練や開発において一々キャラクターの反応があり、テンポが悪い。 敵ターンは基本的にオートで進むのだが、敵の援軍要請・到着時のメッセージで止まってしまうためボタンを押す必要がある。 一部の敵兵器やマップのギミック、シップオーダーの使用時などに長めの演出が入るが、スキップできない。似たような衛生兵の演出はスキップできるのだが…。 装備のキャラ間受け渡し機能がない。キャラAに武器Bを持たせたいが、既に他のキャラに装備させていた…という場合、50にのぼるキャラの中から武器Bをもっているキャラを探して取り外し、もう一度キャラAを選んで装着、という手間が必要になる。特に入手数が1個限定であるアクセサリにおいて手間になり DLC 「断章」一つ1000~1500円(税別、シーズンパスあり)となっており、シリーズの中でも高めの価格設定。 1本あたり2~3のエピソード&ミッションに追加キャラ・アバターが付属するものや、高難度のフリーミッションだけを詰め合わせたものなどで、それぞれの内容そのものは悪くない出来である。 2022年現在はシーズンパスによるセット販売のみとなっており、価格も抑えめとなっている。 総評 ファン待望の据置機での続編。全体的に『1』を踏襲しており、システムやゲームバランスが改良された正統派続編。携帯機作品だった『2』『3』からオミットされてしまった部分や、『1』から継続する若干の問題点こそあるものの、独自の戦闘システムである「BLiTZ」を根幹とした奥深い戦略性、戦争というハードな状況で必死に生きようとする人々の姿を描いたシナリオ、また独創的なデザインの銃火器や戦車、巨大兵器などのシリーズの魅力は健在。無印をはじめとするシリーズ作品にハマった人はもちろん、シリーズ未プレイのユーザーにも是非プレイしてもらいたい一作。 Steam版『Complete Edition』 2018年9月に、Steamにて本作のWin版がDL販売を開始。当初は日本語は音声のみ対応の「おま国」仕様だったが、2019年2月のアップデートによって字幕も日本語対応した。 さらに2019年11月にはゲーム本体に全ての有料DLCを同梱した『Valkyria Chronicles 4 Complete Edition』に差し替えられた(*9)。なお価格は無印版から据え置きであり、事実上の完全版となっている。 この「Complete Edition」にはPS4版の初回特典および限定版特典DLCにあたる「先行特別作戦」「第7小隊との共同戦線」 も含まれる。これらのPS4版でのプロダクトコード有効期限は終了しており、現在これらを遊びたければWin版1択となっていた。 2021年6月現在、PSstoreにおいても初回特典および限定版特典DLCが配信されているのを確認。おそらくPS4で廉価版が発売された時に追加されたものと思われる。これはSwitch版も同様。 余談 本作で登場したアズサ・ツキカゲという隊員の人物総覧には、「彼女の本国と合衆国の関係が極端に悪化したため、帰国を余儀なくされる。彼女の帰国と時を同じくするように、欧州のみならず世界を巻き込んだ新たな大戦の気配が漂い始める」と書かれている。ここから「次回作のモデルとなる戦争は太平洋戦争では?」と推測するユーザーもいる。 序盤~中盤の展開(*10)が、姉妹作である『蒼き革命のヴァルキュリア』と似通っているのだが、偶然か、何らかの意図があるのかは不明。
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戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校 機種:PSP 作曲者:崎元仁 発売元:セガ 発売年:2010 概要 PS3で発売された『戦場のヴァルキュリア』の続編。 前作の2年後、内乱状態のガリア公国が舞台。 収録曲 曲名 作・編曲者 補足 順位 戦場のヴァルキュリア2 メインテーマ 演 Czech Film Orchestra 熱戦 崎元仁 ランシールの冬 クラスの日常 練習戦 王立士官学校 反乱軍の強襲 ブリーフィング 解放戦 応戦 論功行賞 時は流れて ランシールの春 俺たち落ちこぼれクラス? 野戦 臨戦態勢 雪中戦 反乱軍のテーマ ランシールの夏 市街戦 守戦 対立 砂漠戦 決戦 敗北 戦場のヴァルキュリア シリーズメインテーマ 級友たちとの日々 決勝戦 第4回329位2010年169位セガ116位 G組のテーマ 寄宿舎の夜 ランシールの秋 接戦 戦火の涙 鉱山戦 淡い青春 攻防戦 ヴァルキュリアのテーマ 受け継がれたもの 失われたもの 艦上戦 ガッセナールの野望 最終決戦 卒業 さらば、わが学び舎 サウンドトラック 戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校 ORIGINAL SOUNDTRACK 世界観紹介ムービー
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戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校の攻略 戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校の攻略ゲーム前作 攻略本・サウンドトラックなど 攻略サイト その他 ゲーム パッケージ メーカー公式HP 価格 発売日 備考 セガ公式HP PSP¥ 6,090 2010年1月21日 特典 ドキュメント オブ ガリア 1936付き 前作 戦場のヴァルキュリア 攻略本・サウンドトラックなど 表紙 タイトル 出版 価格 発売日 備考 戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校 オリジナル・サウンドトラック ¥ 3,045 2010年1月27日 攻略サイト サイト名をクリックで攻略サイトへ移動します。 サイト名 感想 攻略裏部屋 その他 戻る
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戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校 戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校
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戦場のヴァルキュリア3 ※タイトルロゴでは「戦場のヴァルキュリア3 UNRECORDED ◆ CHRONICLES」と表記されている 以下は本スレではなくこのページに直接投稿されたもの 征暦1935年 架空のヨーロッパ 大陸の覇権を懸けて対立する東ヨーロッパ帝国連合(帝国)と大西洋連邦機構(連邦)は遂に開戦。全面戦争となった。 物語の舞台であるガリア公国は、両国の狭間に位置しているラグナイト鉱石の豊富な小国家である。ラグナイトはエネルギー、医療品、爆薬などに使われる万能鉱石で、ラグナイトの需要でガリアは小国家ながら潤っていた。 1935年3月、ラグナイトを狙って帝国はガリアに宣戦を布告。ガリア領内に侵攻を始めた。 後にガリア戦役と呼ばれる戦いの始まりである。 この戦いはガリア義勇軍第3中隊第7小隊を中核とする部隊の活躍で国内から帝国軍を排除することに成功、勝つには勝った。 それでものっけから不利を強いられた。 戦力で劣るガリア軍は国境の拠点ギルランダイオ要塞を落とされ、同時に国境近くの街ブルールを占領され敗走。首都ランドグリーズの目前の都市ヴァーゼル市まで追い詰められていた。 第1章 NAMELESSへ 1935年4月15日、ガリア義勇軍第3中隊第7小隊隊長ウェルキン・ギュンター少尉の奇策で一度は奪われたヴァーゼル市を奪還。これを機に本格的な反攻作戦が始まった。 しかし、ヴァーゼル市北東に展開する帝国軍の戦力は多く、にらみ合いになっていた。 新兵ばかりの部隊で、上官から指揮を任された新任の少尉が、ヴァーゼル市近辺の帝国軍先遣勢力の排除作戦の説明を始める。 彼の名をクルト・アーヴィングという。 ランシール王立士官学校を首席で、しかも歴代最高で卒業するという成績を持つ彼は、不安に駈られる新兵を前に 「この戦い、我が軍の勝利は決まっている」と言い放った。 同期生も唖然とする中、立案した作戦を説明する。 敵前面に少数の兵力を置いて、主力は背後に迂回。前面から牽制射撃と後方の主力が突撃をかけて、敵戦力を駆逐する。 作戦内容に皆懐疑的だったが、事実うまくいった。 前面を少し下げた結果、前面を主力と睨んで追撃した帝国軍は完全に側背を見せる形になり、一方のクルトが率いているがリア軍部隊は全くの無傷で敵先遣部隊を全滅させた。 ヴァーゼル市近辺の守りを固めるため、部隊が集結して来る中、クルトは見慣れぬ軍服を着た部隊の姿を認めた。 様子を見るに、正規軍撤退の殿(しんがり)として、一個小隊で機甲部隊の足止めを命じられ、壊滅的被害を被ったらしい。彼らの前に戦死した隊長が横たわっている。異様なのは軍服だけではない。皆ナンバーでお互いを呼んでいた。 同期生に聞くと、422部隊、通称ネームレスという。軍規違反者や犯罪者を集めた懲罰部隊とのことで、捨て駒同然の作戦を命じられるらしい。命令拒否は銃殺刑で、拒否権は皆無である。 彼らを横目にクルトは通り過ぎる。 クルトに声をかける人物がいた。カール・アイスラー少将はクルトの作戦指揮を認め、激励に来たのであった。司令部でもクルトの名は知られており、期待されているという。 アイスラー少将の執務室を訪ねる時、明らかに民間人がクルトとぶつかり、去って行った。民間人が落とした手紙にはアイスラー少将の署名が入っていた。執務室でアイスラー少将に落とした手紙を届けると、二三激励の言葉をもらった。クルトが執務室を出た後、アイスラー少将は届けられた手紙を見て何か考えているようであった。 上官に呼ばれ、士官室に入ったクルトは何の説明も無く、422部隊への転属を記した辞令を渡された。自分には反逆罪がかけられているという。一方的に転属を命じられ、唖然とするクルト。 これからの上官はガリア軍諜報部のラムゼイ・クロウ中佐になるとだけ説明され、士官室を出たクルトは全く納得がいかなかった。 新しく上官となったクロウ中佐に説明を求めても、「知らん」と一言だけ言われ、クルト・アーヴィングではなく『No.7』と名乗るよう命じられた。 422部隊の行動は一切記録にされないため、所属する隊員に名前を持つ必要は無い。名前ではなく、番号で管理されるのでネームレスという。 クロウ中佐によれば、恩赦をもらうことで転属が可能らしい。未だ実例は無いが。 早速作戦を命じられたクルトは、クロウ中佐の適当振りに呆れつつ、422部隊の移動宿舎に来た。作業をしている女性隊員に声を掛けた。彼女は目にも留まらぬ早業でクルトの喉元にナイフを突き付けたが、クルトが「この隊ではこれが挨拶なのか?」と言って気がついたらしく、慌てて謝った。 騒ぎを聞いて他の隊員も集まって来る。隊員の一人はクルトの話を無視して立ち去り、さっきのナイフを突き付けた隊員は再び謝ってその場を逃げ出して行った。 残ったNo.6と名乗った隊員にこれまでの経緯を話すと、彼も身に覚えの無い反逆罪でここに転属させられたそうだ。 渡された作戦指示書には、今日中にヴァーゼル市に接近する偵察部隊を駆逐することが書かれていた。正規軍の援護は無し。一個小隊で規模不明の敵勢力と交戦しろ、とのこと。 422部隊の隊長は前の作戦で戦死。隊長不在のまま今日までいたようだ。部隊の中で最高階級であるクルトは、No.6の勧めで指揮を執ることになった。 ナイフを突き付けた女性隊員、もといNo.13の偵察報告で楽に包囲殲滅できると思って現場に向かって唖然とする。 隊員のほとんどが作戦をサボタージュして、僅か3人しかいないのである。その内の一人No.1は指示とは違う配置に待機している有り様だった。混乱したクルトは懐から飴を取り出してかじり始めた。昔から彼は気持ちの不安定収めるために飴をかじる癖がある。不思議と落ち着くらしい。 落ち着いて再度配置し直す。No.6の戦車とNo.1で左翼から突撃、友軍の方へ逃げると踏んでクルトとNo.13は右翼に回り込んで待機する。逃げてきた偵察部隊を待ち伏せで叩く狙いだ。 No.1が命令無視もいいところの大暴れをしたお陰で、待ち伏せも上手くいった。作戦に懐疑的だったNo.6は感心した様子であった。No.6自身、責任逃れでクルトに指揮を任せたつもりだったが、予想以上の戦果に驚いていた。彼はクルトに「なぜ4人でも戦おうと思ったのか」問うた。 その問にクルトは「どうして最高の結果を求めようとしない?逃げて何が生まれるんだ?目の前にある問題をどう解決するか、追及したくないのか?逃げた先にもっといい答えがあるのか?無いと思う、俺は」と答えた。 クルト・アーヴィングはこういう男である。クルトの人柄にも感心したNo.6は本名のグスルグと名乗り、クルトの指揮で戦うことを誓った。 この部隊では、自分の認めた相手には名前を教える、ネームレスの流儀だという。 隊員のサボタージュに頭を悩ませていると、かつての同期生が声を掛けて来た。今回の作戦の戦果は全て、後方で引っ込んでいた正規軍のものになるということであった。自分を捨て駒呼ばわりする同期生にクルトは 「戦力不足のガリア軍に捨て駒などあってはならない」と答えた。 その一言に腹を立てた同期生は、クルトを殴り倒した。彼はクルトを汚物でも見るような目で一瞥し、「名無しのネームレス」と罵倒して去っていった。 雨が降り始め、湿った地面から立ち上がったクルトは、嘲笑を浮かべる同期生ら正規軍を尻目に、必ず名前を取り戻す決意を胸に歩き始めた。 第2章 72時間の戦い 話を進める前にこのネームレスと呼ばれる部隊について知っておく必要がある。 正式な名称422部隊の起源は20世紀初頭の第一次ヨーロッパ大戦に遡る。 通常の部隊では手が回りにくい特殊作戦に従事する目的で、この部隊は創設された。所属が諜報部に配置してあるのもこのためである。 敵の後方で破壊工作や諜報活動によって後方撹乱など、敵中に飛び込むような難易度の高い危険な任務を少人数で行うため、死亡率は極めて高かった。 創設当初は、正規軍のベテラン兵が任務に当たったが、そもそもこういう類いの作戦思想自体がガリア軍内で未確立のために、精鋭を湯水のように使う結果になった。 正規軍は正規兵の消耗を極端に嫌う節がある。貴族出身の軍人ダモンが軍司令に就くと、上の性格はますますひどくなった。今戦役で正規軍よりも義勇軍の活躍が目立つのもそのためである。正規軍が後方に下がり、義勇軍が矢面に立って敵を駆逐する、その後で正規軍がやってくる。表面上の手柄は正規軍のものとされた。プロパカンダに使えるからだ。ガリア正規軍のモラルはこの国の軍組織で最も低劣な部類に入るだろう。422部隊は一応正規軍の所属ではあるが、その立場は今や義勇軍よりも低い。 自然、422部隊には軍規違反者や刑法犯罪者が送られ、任務も無茶な命令が指示されるようになった。 その422部隊の印象をクロウ中佐は質問している。 クルトは一言だけ言った。 「最低です」 懲罰恩赦を頂くことが現時点での彼の目的であった。クロウ中佐の口からアイスラー少将の伝言を聞いたが、かまうことはなかった。 クロウ中佐から次の作戦の指示が出された。遊撃戦と中部アスロン市の攻略である。 遊撃戦、とは本隊から離れて大多数の敵に立ち向かうことである。 多くの場合、敵に対してこちらの戦力は少ない。出来ることは嫌がらせ攻撃だったりと、規模も小さい。何度も言うようだが、422部隊の実戦的戦力は一個小隊である。 が、司令部が422部隊に命じているのは中部の小都市アスロンの奪還と敵戦力の殲滅である。敵の戦力は一個中隊かそれ以上。 一個小隊単独で出来る仕事量ではない。しかも制限時間が付いていた。 72時間である。 制限時間はともかく、部隊を立て直してまともな部隊にするにはいい機会かもしれない。クルトはそう考えてクロウ中佐の士官室を出た。 作戦事項を部隊に伝え、作戦を実行してもらわなければならない。前回のヴァーゼル近郊戦のように、またもやサボタージュされては部隊そのものの運用性が下がり、自然作戦成否による生存率の向上も望めない。 クルトは、その点を不安視していた。 彼はグスルグに相談した。 グスルグによると、現時点で動ける実動部隊の隊員の数は10人。その中で5人、彼の計らいで協力的、と思える面子を集めてもらった。No.15、No.21、No.24、No.32、No.56である。 集まって早々、クルトに辛口の意見が飛んだ。とりあえずナンバーと前回の作戦でサボった理由を聞いた。グスルグの出した助け舟で、皆何とか口を開いてくれた。聞くと、死にたくないだの仲間を失いたくないだの止められただの嫌だから逃げただの、終いには隊長不在による参加義務が発生していないために不参加だった隊員もいた。どうやらこの部隊では隊員の推薦と承認で隊長が決定される。全員が懲罰で配属されてナンバーで呼び合っている以上、この部隊におよそ上座と下座は存在しない。命を預けるためには、隊員が信頼し得る者をトップに据えなければ生き残ることは出来ない。隊員たちが慎重になるのも無理はない。クルトがこの部隊に着任してまだ1週間も経っていないのだ。グスルグはクルトに作戦指揮を任せたが、隊員の過半数が承認していなかったために隊長命令の強制力が発生していなかったのだ。 現時点で隊員たちはグスルグを推していた。この中では最も聡明で、目の配り方も器用であった。しかし、当のグスルグ本人が固辞し続けていた。彼はダルクス人である。 ダルクス人の悲劇は、伝説上の神話「ダルクスの災厄」に端を発す。 このヨーロッパで暦がまだ確立していない頃に、大陸にダルクス人が侵入。邪法を用いて100の都市と100万の人畜を焼き払い、大陸は荒廃した。そこへ強大な力を持った古代ヴァルキュリア人がダルクス人を制圧。ヨーロッパは救われ、ダルクス人は大陸を焼き払った罪から姓と職業の自由を奪われ、今日までヨーロッパ中で差別され続けている。古代ヴァルキュリア人がその後文献上から姿を消したため、伝説とはされているが、ガリア公国中東部に位置するバリアス砂漠には「ダルクスの災厄」で焼き払われたと思われる家屋が点在しており、ダルクス人が現存している以上単なる伝説とは片付けられない。このバリアス砂漠の遺跡もダルクス人差別の一助になっているのもまぎれもない事実だ。 就職の自由がないダルクス人は肉体労働、主に大陸で激しくなりつつある産業革命で勃興する工業の労働者として働いていた。機械を扱うことが多いことから、ダルクス人は「油臭い」と蔑まれた。一方で彼らは工学知識に富み、優れた工学博士を輩出してきた歴史を持つ。ダルクス人工学技術者で最も有名なテイマーはダルクス人であろうがなかろうが憧れる者は多く、その後も彼のように仕官して立身出世する若者が現れた。 ダルクス人の特徴として、彼らは濃紺色の髪と身体のどこかに特徴的な模様の衣類やストールを身につけている。グスルグの場合は革製ジャケットの胸と背中に工具のマークとダルクスの模様を縫い付けていた。見た目ですぐ分かるように、ダルクス人は自身の民族の正当性を決して卑下したりしないのである。 また、ダルクス人はどれだけ差別的な扱いを受けても決してやり返すようなことはしてはならないという教えを持っていた。 「ダルクス人は報復しない」 同じ事を行えば、同じ事が繰り返されて、閉じた円環の中で永遠に差別が続くことを説いているのである。 だが、現実はダルクス人に対する差別感情は根強く続いている。 ヨーロッパ全体に目を向ければ、これと言って差別的な感情を持っていない人間もいるが、極端なものでは道を歩いているだけで殺してしまう者もいる。 余談が、過ぎた。 差別されているダルクス人を部隊のトップにしたらどうなるか、グスルグには容易に想像がついた。おそらくはダルクス人を理由にあらゆるサボタージュが部隊に仕掛けられるだろう。今よりひどい任務を押し付けられる危険もある。その先に待っているのは部隊の全滅である。かといって他に部隊指揮が出来る人間もいない。グスルグはクルトが適任であると、彼を推した。次の作戦を彼の指揮下で戦ってみることを隊員に勧めた。納得できないなら自分が指揮を執ってもいい。グスルグの言葉に、皆納得してクルトの作戦会議を聞いた。 アスロン市はガリア中部に位置しており、ヴァーゼル市を取り戻したガリアにとっては、アスロン市を奪還することによって中部戦線を押し広げ、北部と南部に展開した帝国軍に分断の脅威を与えて牽制を行いたかった。だが、手元には中部方面に出せる駒がない。ヴァーゼル市奪還の立役者ギュンター少尉ら第7小隊を含めた第3中隊は南部へ派遣が決定していたし、もちろんのこと正規軍は出せない。と言うより、出さない。 結局お鉢が422部隊に回ってきたことになる。422部隊にしてみればいい面の皮である。 アスロン市郊外西部の草原地帯に陣取る帝国軍部隊の攻撃に成功した後、作戦が思いのほかすんなりと、しかも戦死者ゼロで終わったことに、参加した隊員たちは驚きを隠せなかった。 No.15、No.24、No.32はクルトの指揮能力を認め、それぞれエイミー・アップル、アニカ・オルコット、ジュリオ・ロッソと名乗ってくれた。だが、まだNo.21とNo.56はクルトを認めておらず、軽々に名乗るべきでないと言った。 クルト本人もこの戦闘一回のみで認めてもらおうなどと、欲は出さずに上の両名には保留とした。 あと、気になるのはNo.1とNo.13の両女性隊員であった。No.13は一言二言言ってその場を逃げ出し、No.1に至っては完全無視でいなくなってしまった。クルトを認めた上記の隊員も特にNo.13との作戦出撃を躊躇しており、クルトが理由を質すと彼女には「死神」と言う呼称がついて回っているのだと言う。後は本人に聞くしかなかった。 この部隊を率いるには、まだ不足している要素があることを感じ、先にNo.13の問題を解決することにした。 その夜No.13に会って話をした。 彼女は元々義勇軍兵士であった。彼女の部隊は開戦直後の撤退戦の中で帝国軍の猛攻を受け全滅、彼女だけが生き残った。これだけなら奇跡的な生還と言えよう。 しかし、彼女の部隊の全滅と生還は5回繰り返された。 彼女だけが毎度生き残るので、あるとき彼女を「死神」と呼んだ者がいた。 それが定着し、結果厄介払い代わりに422部隊に送られたのであった。
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1 戦場のヴァルキュリア ――――――――――――――重要事項―――――――――――――― ・【※実況厳禁】放送時間内に書き込む行為は実況と見なされます。 →アニメ特撮実況板:http //atlanta.2ch.net/liveanime/ →番組ch実況板:http //live24.2ch.net/weekly/ →番組ch(西日本)実況板:http //live24.2ch.net/livewkwest/ →スカパー実況板:http //live24.2ch.net/liveskyp/ ・【※ネタバレ禁止】原作の話やネタバレは原作スレやネタバレスレで ・動画投稿、ファイル共有等に関する話題は自粛。 ・基本的にsage進行(メール欄に半角でsage)で。2chブラウザ推奨。 ・煽り、荒らしは徹底放置しましょう。→削除依頼:http //qb5.2ch.net/saku/ ・次スレは 950が宣言してから立てる。無理なら代役を指名すること。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ●放送局 ・チバテレビ 4月4日より 毎週土曜 25時35分~ ・tvk(テレビ神奈川) 4月4日より 毎週土曜 26時30分~ ・MBS(毎日放送) 4月4日より 毎週土曜 27時28分~ ・TOKYO MX 4月6日より 毎週月曜 23時00分~ ・テレ玉(テレビ埼玉) 4月6日より 毎週月曜 25時00分~ ・TVQ九州放送 4月9日より 毎週木曜 26時48分~ ・CBC(中部日本放送) 4月10日より 毎週金曜 26時30分~ ・テレビ北海道 4月10日より 毎週金曜 26時30分~ ・アニマックス 4月13日より 毎週月曜 22時00分~ ・BS11 4月11日より 毎週土曜 23時00分~ ポータルサイト - http //portal.valkyria.jp/ アニメ公式サイト - http //www.valkyria-anime.com/ まとめサイト - http //www36.atwiki.jp/valkyria-anime/ ◆前スレ◆ 戦場のヴァルキュリア 第12章 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239943110/ 2 ◆スタッフ 原作:SEGA 監督:山本靖貴 シリーズ構成:横手美智子 キャラクターデザイン:渡辺敦子 総作画監督:米澤優、中路景子、渡辺敦子 デザインワークス:湯川純、狩生豊、佐野誉幸 美術監督:谷岡善王 美術設定:塩澤良憲 色彩設計:中島和子 CG監督:中村友紀、雲藤隆太 撮影監督:石原浩二 編集:坪根健太郎 音楽:崎元仁 音響監督:長崎行男 制作:A-1 Pictures 製作:PROJECT VALKYRIA ◆キャスト ウェルキン・ギュンター (CV:千葉進歩) エレノア・バーロット (CV:田中敦子) アリシア・メルキオット (CV:井上麻里奈) マクシミリアン (CV:福山 潤) ファルディオ・ランツァート (CV:櫻井孝宏) セルベリア・ブレス (CV:大原さやか) イサラ・ギュンター (CV:桑島法子) ラディ・イェーガー (CV:大塚明夫) ロージー (CV:皆川純子) ベルホルト・グレゴール (CV:大塚周夫) ラルゴ・ポッテル (CV:乃村健次) オープニングテーマ:HIMEKA 「明日へのキズナ」 エンディングテーマ:pe'zmoku 「アノ風ニノッテ」 3 ゲーム公式サイト - http //valkyria.jp/ オフィシャルブログ - http //blog.valkyria.jp/ ◇漫画 月刊コンプエース 「戦場のヴァルキュリア」 原作:SEGA/作画:鬼頭えん - ttp //www.comptiq.com/ace/ comic B'sLOG 「戦場のヴァルキュリア -wish your smile-」 原作:SEGA/作画:時東穹生 - ttp //www.enterbrain.co.jp/bslog/comicbslog/index.html アニメキャラ個別 【戦場のヴァルキュリア】アリシアはツインテールかわいい http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1239032070/ 【戦場のヴァルキュリア】イサラ・ギュンター【義妹】 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1239633086/ 【ヴァルキュリア】ゆとり大学生のウェルキン・ギュンター http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1239684116/ 【戦場のヴァルキュリア】スージーはクロワッサンかわいい http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1238873304/ 【戦場の】セルベリア・ブレス【ヴァルキュリア】 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1239137624/ 戦場のヴァルキュリアのロージー萌えスレhttp //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1240108264/ゲームキャラ 戦場のヴァルキュリアのアリシアは死亡かわいい http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1222832498/ 戦場のヴァルキュリアのイーディはツンデレかわいい http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1208893596/ 戦ヴァルのセルベリアちゃんはエロかわいい 第六章 http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1231071709/ 4 Q 軍事的に考えてあれこれはうんたらで A 本作品はファンタジーです。 Q エーデルワイス号チートすぎない? A エーデルワイス号は傾斜装甲、自動装填など作中の時代では画期的な技術を取り入れて作られ、 エンジンも改良されています。 対して2話でフルボッコされた帝国の戦車は旧型の部類に入ります。 Q なんでガリアの人たちは戦闘馴れしているの? A ガリアは国民皆兵制国家なので、小学校~大学に至るまで軍事教練の単位が定められています。 よって実戦経験の有無はあるにしても、戦闘の素養は身についています。 Q ウェルキンはなんで少尉なの? A ウェルキンは大学で将校課程を修了しているので、将校資格があります。 よって第1小隊のファルディオ共々、動員によって少尉に任命されています。 Q アリシアなんでいきなり軍曹なの? A ゲームでは自警団での指揮経験や第七小隊において隊長であるウェルキンの補佐を務めることから 与えられていると考えられます。アニメではまだ明言されていませんが上記に加え撤退戦における功績なども 加味されているかもしれません。 Q ウェルキン抜けてね? A 2話まで見た限りではまわりの雰囲気や感情に流されず的確な判断をしていると言えるでしょう。 ただし空気を読むのは苦手かもしれません。 Q ダルクス人の特長って何? A 紺色の髪、手先の器用さ、勤勉さ、姓が無い、ダルクス人形、ダルクスの布、胸が・・・
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戦場のヴァルキュリア3 ※タイトルロゴでは「戦場のヴァルキュリア3 UNRECORDED ◆ CHRONICLES」と表記されている 以下は本スレではなくこのページに直接投稿されたもの 征暦1935年 架空のヨーロッパ 大陸の覇権を懸けて対立する東ヨーロッパ帝国連合(帝国)と大西洋連邦機構(連邦)は遂に開戦。全面戦争となった。 物語の舞台であるガリア公国は、両国の狭間に位置しているラグナイト鉱石の豊富な小国家である。ラグナイトはエネルギー、医療品、爆薬などに使われる万能鉱石で、ラグナイトの需要でガリアは小国家ながら潤っていた。 1935年3月、ラグナイトを狙って帝国はガリアに宣戦を布告。ガリア領内に侵攻を始めた。 後にガリア戦役と呼ばれる戦いの始まりである。 この戦いはガリア義勇軍第3中隊第7小隊を中核とする部隊の活躍で国内から帝国軍を排除することに成功、勝つには勝った。 それでものっけから不利を強いられた。 戦力で劣るガリア軍は国境の拠点ギルランダイオ要塞を落とされ、同時に国境近くの街ブルールを占領され敗走。首都ランドグリーズの目前の都市ヴァーゼル市まで追い詰められていた。 第1章 NAMELESSへ 1935年4月15日、ガリア義勇軍第3中隊第7小隊隊長ウェルキン・ギュンター少尉の奇策で一度は奪われたヴァーゼル市を奪還。これを機に本格的な反攻作戦が始まった。 しかし、ヴァーゼル市北東に展開する帝国軍の戦力は多く、にらみ合いになっていた。 新兵ばかりの部隊で、上官から指揮を任された新任の少尉が、ヴァーゼル市近辺の帝国軍先遣勢力の排除作戦の説明を始める。 彼の名をクルト・アーヴィングという。 ランシール王立士官学校を首席で、しかも歴代最高で卒業するという成績を持つ彼は、不安に駈られる新兵を前に 「この戦い、我が軍の勝利は決まっている」と言い放った。 同期生も唖然とする中、立案した作戦を説明する。 敵前面に少数の兵力を置いて、主力は背後に迂回。前面から牽制射撃と後方の主力が突撃をかけて、敵戦力を駆逐する。 作戦内容に皆懐疑的だったが、事実うまくいった。 前面を少し下げた結果、前面を主力と睨んで追撃した帝国軍は完全に側背を見せる形になり、一方のクルトが率いているがリア軍部隊は全くの無傷で敵先遣部隊を全滅させた。 ヴァーゼル市近辺の守りを固めるため、部隊が集結して来る中、クルトは見慣れぬ軍服を着た部隊の姿を認めた。 様子を見るに、正規軍撤退の殿(しんがり)として、一個小隊で機甲部隊の足止めを命じられ、壊滅的被害を被ったらしい。彼らの前に戦死した隊長が横たわっている。異様なのは軍服だけではない。皆ナンバーでお互いを呼んでいた。 同期生に聞くと、422部隊、通称ネームレスという。軍規違反者や犯罪者を集めた懲罰部隊とのことで、捨て駒同然の作戦を命じられるらしい。命令拒否は銃殺刑で、拒否権は皆無である。 彼らを横目にクルトは通り過ぎる。 クルトに声をかける人物がいた。カール・アイスラー少将はクルトの作戦指揮を認め、激励に来たのであった。司令部でもクルトの名は知られており、期待されているという。 アイスラー少将の執務室を訪ねる時、明らかに民間人がクルトとぶつかり、去って行った。民間人が落とした手紙にはアイスラー少将の署名が入っていた。執務室でアイスラー少将に落とした手紙を届けると、二三激励の言葉をもらった。クルトが執務室を出た後、アイスラー少将は届けられた手紙を見て何か考えているようであった。 上官に呼ばれ、士官室に入ったクルトは何の説明も無く、422部隊への転属を記した辞令を渡された。自分には反逆罪がかけられているという。一方的に転属を命じられ、唖然とするクルト。 これからの上官はガリア軍諜報部のラムゼイ・クロウ中佐になるとだけ説明され、士官室を出たクルトは全く納得がいかなかった。 新しく上官となったクロウ中佐に説明を求めても、「知らん」と一言だけ言われ、クルト・アーヴィングではなく『No.7』と名乗るよう命じられた。 422部隊の行動は一切記録にされないため、所属する隊員に名前を持つ必要は無い。名前ではなく、番号で管理されるのでネームレスという。 クロウ中佐によれば、恩赦をもらうことで転属が可能らしい。未だ実例は無いが。 早速作戦を命じられたクルトは、クロウ中佐の適当振りに呆れつつ、422部隊の移動宿舎に来た。作業をしている女性隊員に声を掛けた。彼女は目にも留まらぬ早業でクルトの喉元にナイフを突き付けたが、クルトが「この隊ではこれが挨拶なのか?」と言って気がついたらしく、慌てて謝った。 騒ぎを聞いて他の隊員も集まって来る。隊員の一人はクルトの話を無視して立ち去り、さっきのナイフを突き付けた隊員は再び謝ってその場を逃げ出して行った。 残ったNo.6と名乗った隊員にこれまでの経緯を話すと、彼も身に覚えの無い反逆罪でここに転属させられたそうだ。 渡された作戦指示書には、今日中にヴァーゼル市に接近する偵察部隊を駆逐することが書かれていた。正規軍の援護は無し。一個小隊で規模不明の敵勢力と交戦しろ、とのこと。 422部隊の隊長は前の作戦で戦死。隊長不在のまま今日までいたようだ。部隊の中で最高階級であるクルトは、No.6の勧めで指揮を執ることになった。 ナイフを突き付けた女性隊員、もといNo.13の偵察報告で楽に包囲殲滅できると思って現場に向かって唖然とする。 隊員のほとんどが作戦をサボタージュして、僅か3人しかいないのである。その内の一人No.1は指示とは違う配置に待機している有り様だった。混乱したクルトは懐から飴を取り出してかじり始めた。昔から彼は気持ちの不安定収めるために飴をかじる癖がある。不思議と落ち着くらしい。 落ち着いて再度配置し直す。No.6の戦車とNo.1で左翼から突撃、友軍の方へ逃げると踏んでクルトとNo.13は右翼に回り込んで待機する。逃げてきた偵察部隊を待ち伏せで叩く狙いだ。 No.1が命令無視もいいところの大暴れをしたお陰で、待ち伏せも上手くいった。作戦に懐疑的だったNo.6は感心した様子であった。No.6自身、責任逃れでクルトに指揮を任せたつもりだったが、予想以上の戦果に驚いていた。彼はクルトに「なぜ4人でも戦おうと思ったのか」問うた。 その問にクルトは「どうして最高の結果を求めようとしない?逃げて何が生まれるんだ?目の前にある問題をどう解決するか、追及したくないのか?逃げた先にもっといい答えがあるのか?無いと思う、俺は」と答えた。 クルト・アーヴィングはこういう男である。クルトの人柄にも感心したNo.6は本名のグスルグと名乗り、クルトの指揮で戦うことを誓った。 この部隊では、自分の認めた相手には名前を教える、ネームレスの流儀だという。 隊員のサボタージュに頭を悩ませていると、かつての同期生が声を掛けて来た。今回の作戦の戦果は全て、後方で引っ込んでいた正規軍のものになるということであった。自分を捨て駒呼ばわりする同期生にクルトは 「戦力不足のガリア軍に捨て駒などあってはならない」と答えた。 その一言に腹を立てた同期生は、クルトを殴り倒した。彼はクルトを汚物でも見るような目で一瞥し、「名無しのネームレス」と罵倒して去っていった。 雨が降り始め、湿った地面から立ち上がったクルトは、嘲笑を浮かべる同期生ら正規軍を尻目に、必ず名前を取り戻す決意を胸に歩き始めた。 第2章 72時間の戦い 話を進める前にこのネームレスと呼ばれる部隊について知っておく必要がある。 正式な名称422部隊の起源は20世紀初頭の第一次ヨーロッパ大戦に遡る。 通常の部隊では手が回りにくい特殊作戦に従事する目的で、この部隊は創設された。所属が諜報部に配置してあるのもこのためである。 敵の後方で破壊工作や諜報活動によって後方撹乱など、敵中に飛び込むような難易度の高い危険な任務を少人数で行うため、死亡率は極めて高かった。 創設当初は、正規軍のベテラン兵が任務に当たったが、そもそもこういう類いの作戦思想自体がガリア軍内で未確立のために、精鋭を湯水のように使う結果になった。 正規軍は正規兵の消耗を極端に嫌う節がある。貴族出身の軍人ダモンが軍司令に就くと、上の性格はますますひどくなった。今戦役で正規軍よりも義勇軍の活躍が目立つのもそのためである。正規軍が後方に下がり、義勇軍が矢面に立って敵を駆逐する、その後で正規軍がやってくる。表面上の手柄は正規軍のものとされた。プロパカンダに使えるからだ。ガリア正規軍のモラルはこの国の軍組織で最も低劣な部類に入るだろう。422部隊は一応正規軍の所属ではあるが、その立場は今や義勇軍よりも低い。 自然、422部隊には軍規違反者や刑法犯罪者が送られ、任務も無茶な命令が指示されるようになった。 その422部隊の印象をクロウ中佐は質問している。 クルトは一言だけ言った。 「最低です」 懲罰恩赦を頂くことが現時点での彼の目的であった。クロウ中佐の口からアイスラー少将の伝言を聞いたが、かまうことはなかった。 クロウ中佐から次の作戦の指示が出された。遊撃戦と中部アスロン市の攻略である。 遊撃戦、とは本隊から離れて大多数の敵に立ち向かうことである。 多くの場合、敵に対してこちらの戦力は少ない。出来ることは嫌がらせ攻撃だったりと、規模も小さい。何度も言うようだが、422部隊の実戦的戦力は一個小隊である。 が、司令部が422部隊に命じているのは中部の小都市アスロンの奪還と敵戦力の殲滅である。敵の戦力は一個中隊かそれ以上。 一個小隊単独で出来る仕事量ではない。しかも制限時間が付いていた。 72時間である。 制限時間はともかく、部隊を立て直してまともな部隊にするにはいい機会かもしれない。クルトはそう考えてクロウ中佐の士官室を出た。 作戦事項を部隊に伝え、作戦を実行してもらわなければならない。前回のヴァーゼル近郊戦のように、またもやサボタージュされては部隊そのものの運用性が下がり、自然作戦成否による生存率の向上も望めない。 クルトは、その点を不安視していた。 彼はグスルグに相談した。 グスルグによると、現時点で動ける実動部隊の隊員の数は10人。その中で5人、彼の計らいで協力的、と思える面子を集めてもらった。No.15、No.21、No.24、No.32、No.56である。 集まって早々、クルトに辛口の意見が飛んだ。とりあえずナンバーと前回の作戦でサボった理由を聞いた。グスルグの出した助け舟で、皆何とか口を開いてくれた。聞くと、死にたくないだの仲間を失いたくないだの止められただの嫌だから逃げただの、終いには隊長不在による参加義務が発生していないために不参加だった隊員もいた。どうやらこの部隊では隊員の推薦と承認で隊長が決定される。全員が懲罰で配属されてナンバーで呼び合っている以上、この部隊におよそ上座と下座は存在しない。命を預けるためには、隊員が信頼し得る者をトップに据えなければ生き残ることは出来ない。隊員たちが慎重になるのも無理はない。クルトがこの部隊に着任してまだ1週間も経っていないのだ。グスルグはクルトに作戦指揮を任せたが、隊員の過半数が承認していなかったために隊長命令の強制力が発生していなかったのだ。 現時点で隊員たちはグスルグを推していた。この中では最も聡明で、目の配り方も器用であった。しかし、当のグスルグ本人が固辞し続けていた。彼はダルクス人である。 ダルクス人の悲劇は、伝説上の神話「ダルクスの災厄」に端を発す。 このヨーロッパで暦がまだ確立していない頃に、大陸にダルクス人が侵入。邪法を用いて100の都市と100万の人畜を焼き払い、大陸は荒廃した。そこへ強大な力を持った古代ヴァルキュリア人がダルクス人を制圧。ヨーロッパは救われ、ダルクス人は大陸を焼き払った罪から姓と職業の自由を奪われ、今日までヨーロッパ中で差別され続けている。古代ヴァルキュリア人がその後文献上から姿を消したため、伝説とはされているが、ガリア公国中東部に位置するバリアス砂漠には「ダルクスの災厄」で焼き払われたと思われる家屋が点在しており、ダルクス人が現存している以上単なる伝説とは片付けられない。このバリアス砂漠の遺跡もダルクス人差別の一助になっているのもまぎれもない事実だ。 就職の自由がないダルクス人は肉体労働、主に大陸で激しくなりつつある産業革命で勃興する工業の労働者として働いていた。機械を扱うことが多いことから、ダルクス人は「油臭い」と蔑まれた。一方で彼らは工学知識に富み、優れた工学博士を輩出してきた歴史を持つ。ダルクス人工学技術者で最も有名なテイマーはダルクス人であろうがなかろうが憧れる者は多く、その後も彼のように仕官して立身出世する若者が現れた。 ダルクス人の特徴として、彼らは濃紺色の髪と身体のどこかに特徴的な模様の衣類やストールを身につけている。グスルグの場合は革製ジャケットの胸と背中に工具のマークとダルクスの模様を縫い付けていた。見た目ですぐ分かるように、ダルクス人は自身の民族の正当性を決して卑下したりしないのである。 また、ダルクス人はどれだけ差別的な扱いを受けても決してやり返すようなことはしてはならないという教えを持っていた。 「ダルクス人は報復しない」 同じ事を行えば、同じ事が繰り返されて、閉じた円環の中で永遠に差別が続くことを説いているのである。 だが、現実はダルクス人に対する差別感情は根強く続いている。 ヨーロッパ全体に目を向ければ、これと言って差別的な感情を持っていない人間もいるが、極端なものでは道を歩いているだけで殺してしまう者もいる。 余談が、過ぎた。 差別されているダルクス人を部隊のトップにしたらどうなるか、グスルグには容易に想像がついた。おそらくはダルクス人を理由にあらゆるサボタージュが部隊に仕掛けられるだろう。今よりひどい任務を押し付けられる危険もある。その先に待っているのは部隊の全滅である。かといって他に部隊指揮が出来る人間もいない。グスルグはクルトが適任であると、彼を推した。次の作戦を彼の指揮下で戦ってみることを隊員に勧めた。納得できないなら自分が指揮を執ってもいい。グスルグの言葉に、皆納得してクルトの作戦会議を聞いた。 アスロン市はガリア中部に位置しており、ヴァーゼル市を取り戻したガリアにとっては、アスロン市を奪還することによって中部戦線を押し広げ、北部と南部に展開した帝国軍に分断の脅威を与えて牽制を行いたかった。だが、手元には中部方面に出せる駒がない。ヴァーゼル市奪還の立役者ギュンター少尉ら第7小隊を含めた第3中隊は南部へ派遣が決定していたし、もちろんのこと正規軍は出せない。と言うより、出さない。 結局お鉢が422部隊に回ってきたことになる。422部隊にしてみればいい面の皮である。 アスロン市郊外西部の草原地帯に陣取る帝国軍部隊の攻撃に成功した後、作戦が思いのほかすんなりと、しかも戦死者ゼロで終わったことに、参加した隊員たちは驚きを隠せなかった。 No.15、No.24、No.32はクルトの指揮能力を認め、それぞれエイミー・アップル、アニカ・オルコット、ジュリオ・ロッソと名乗ってくれた。だが、まだNo.21とNo.56はクルトを認めておらず、軽々に名乗るべきでないと言った。 クルト本人もこの戦闘一回のみで認めてもらおうなどと、欲は出さずに上の両名には保留とした。 あと、気になるのはNo.1とNo.13の両女性隊員であった。No.13は一言二言言ってその場を逃げ出し、No.1に至っては完全無視でいなくなってしまった。クルトを認めた上記の隊員も特にNo.13との作戦出撃を躊躇しており、クルトが理由を質すと彼女には「死神」と言う呼称がついて回っているのだと言う。後は本人に聞くしかなかった。 この部隊を率いるには、まだ不足している要素があることを感じ、先にNo.13の問題を解決することにした。 その夜No.13に会って話をした。 彼女は元々義勇軍兵士であった。彼女の部隊は開戦直後の撤退戦の中で帝国軍の猛攻を受け全滅、彼女だけが生き残った。これだけなら奇跡的な生還と言えよう。 しかし、彼女の部隊の全滅と生還は5回繰り返された。 彼女だけが毎度生き残るので、あるとき彼女を「死神」と呼んだ者がいた。 それが定着し、結果厄介払い代わりに422部隊に送られたのであった。
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