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「あ~ずにゃん」 音楽室へと向かう私の後ろから耳に届くその人専用の私のあだ名。直後、周りの目を気にすることなく私を優しく抱きしめる。 それはいつもと変わらない唯先輩のスキンシップ、……と思ったらいつもと違うところがひとつだけ。 「何ですか、その紙?」 唯先輩の手には一枚の紙が握られていた。 「あ、これ?まあ読んでみて」 私は促されるままに唯先輩から渡された紙に目を通す。 「えーと……、 『小さいからって見くびるな!なめてかかるとケガするぜ!ツインテールをなびかせながら、じゃじゃ馬だって乗りこなす。 ネコミミつけたらたちまちみんながメロメロに!軽音部の小さなアイドル!ギター、あずにゃん!』 ……何ですかこれ?」 「ライブのときのメンバー紹介に使えないかな、と思って考えたんだけど」 唯先輩は、どうだと言わんばかりの表情で私を見ている。 「あの……、保留でお願いします」 「えー、ダメだったー?」 ついさっきまでの自信満々の表情とはうってかわって、唯先輩は不満そうな顔を私に向ける。 「いや、ダメっていうわけじゃないんですけど……。こればっかりはライブでやることなので他の先輩の意見も聞いてみないといけませんし」 「そっか、そうだよね。じゃあみんなにも提案してみるよ」 たぶん律先輩が一蹴しちゃうんだろうなあ、そう思ったけど言わぬが仏、私はダンマリを決め込んだ。 「そうだあずにゃん。私のも考えてみてよ。あずにゃんならどんなふうに私を紹介してくれるのかな?」 唯先輩の突然の注文に、私は普段の、そしてライブのときの唯先輩を思い浮かべながら考える。 「うーん、そうですね…… 『いつもはふわふわ癒し系。でもやるときはやるんです。愛しのギー太を抱えれば、ミュージシャンへと大変身。 音楽の楽しさを知った私を止めることは誰にもできない!それじゃあ今日もいっちゃうよー! ボーカル&ギター、平沢唯!』 こんな感じでどうでしょうか?」 「おおっ、あずにゃん凄い!すぐに思いつくなんて。私なんか、さっきのつくるのに二時間近くかかったのに」 ――私のことを考えてくれてたのはうれしいですけど、せっかくだからその時間、ギター練習にあてましょうよ…… もちろんそんなこと言えるはずもなく、ありがとうございますとだけ答えて私はその場をやり過ごす。 そんなやり取りを交わしながら音楽室に到着すると、すでに他のみなさんはティータイムを楽しんでいた。 「よっ!悪いけど先にお茶してたぞ」 「りっちゃん、これ見て。今度のライブのメンバー紹介のときに使えないかなと思って考えてきたんだけど」 律先輩の形だけの謝罪の言葉を無視して唯先輩はついさっき私に見せた紙を律先輩に渡す。 早く自作のメンバー紹介文、というより私の紹介文を見てほしくて仕方ないようだった。 私は心配しながらその様子を眺める。 ――律先輩、あまり強く否定してあげないでくださいよ。唯先輩の悲しむ顔は見たくありませんから。 「ん?なになに……、おお、結構面白いじゃないか!」 「ええっ!?」 その日、音楽室に最初に響いたのは律先輩のドラムでも唯先輩のギターでもなく、私の驚きの声だった。 私も良いと思う! -- (あずにゃんラブ) 2013-12-31 02 31 39 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 2』というスレに投下されたものです http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1247988782/l50 432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/19(水) 00 35 56 ID t6U7ZYJP 「あ~ずにゃん」 音楽室へと向かう私の後ろから耳に届くその人専用の私のあだ名。直後、周りの目を気にすることなく私を優しく抱きしめる。 それはいつもと変わらない唯先輩のスキンシップ、……と思ったらいつもと違うところがひとつだけ。 「何ですか、その紙?」 唯先輩の手には一枚の紙が握られていた。 「あ、これ?まあ読んでみて」 私は促されるままに唯先輩から渡された紙に目を通す。 「えーと……、 『小さいからって見くびるな!なめてかかるとケガするぜ!ツインテールをなびかせながら、じゃじゃ馬だって乗りこなす。 ネコミミつけたらたちまちみんながメロメロに!軽音部の小さなアイドル!ギター、あずにゃん!』 ……何ですかこれ?」 「ライブのときのメンバー紹介に使えないかな、と思って考えたんだけど」 唯先輩は、どうだと言わんばかりの表情で私を見ている。 「あの……、保留でお願いします」 「えー、ダメだったー?」 ついさっきまでの自信満々の表情とはうってかわって、唯先輩は不満そうな顔を私に向ける。 「いや、ダメっていうわけじゃないんですけど……。こればっかりはライブでやることなので他の先輩の意見も聞いてみないといけませんし」 「そっか、そうだよね。じゃあみんなにも提案してみるよ」 たぶん律先輩が一蹴しちゃうんだろうなあ、そう思ったけど言わぬが仏、私はダンマリを決め込んだ。 「そうだあずにゃん。私のも考えてみてよ。あずにゃんならどんなふうに私を紹介してくれるのかな?」 唯先輩の突然の注文に、私は普段の、そしてライブのときの唯先輩を思い浮かべながら考える。 「うーん、そうですね…… 『いつもはふわふわ癒し系。でもやるときはやるんです。愛しのギー太を抱えれば、ミュージシャンへと大変身。 音楽の楽しさを知った私を止めることは誰にもできない!それじゃあ今日もいっちゃうよー! ボーカル&ギター、平沢唯!』 こんな感じでどうでしょうか?」 「おおっ、あずにゃん凄い!すぐに思いつくなんて。私なんか、さっきのつくるのに二時間近くかかったのに」 ――私のことを考えてくれてたのはうれしいですけど、せっかくだからその時間、ギター練習にあてましょうよ…… もちろんそんなこと言えるはずもなく、ありがとうございますとだけ答えて私はその場をやり過ごす。 そんなやり取りを交わしながら音楽室に到着すると、すでに他のみなさんはティータイムを楽しんでいた。 「よっ!悪いけど先にお茶してたぞ」 「りっちゃん、これ見て。今度のライブのメンバー紹介のときに使えないかなと思って考えてきたんだけど」 律先輩の形だけの謝罪の言葉を無視して唯先輩はついさっき私に見せた紙を律先輩に渡す。 早く自作のメンバー紹介文、というより私の紹介文を見てほしくて仕方ないようだった。 私は心配しながらその様子を眺める。 ――律先輩、あまり強く否定してあげないでくださいよ。唯先輩の悲しむ顔は見たくありませんから。 「ん?なになに……、おお、結構面白いじゃないか!」 「ええっ!?」 その日、音楽室に最初に響いたのは律先輩のドラムでも唯先輩のギターでもなく、私の驚きの声だった。 すばらしい作品をありがとう
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目の前に広がるは、真っ白な風景。 そこにいる、真っ白な、可愛らしいドレスに身を包んだ梓。 彼女の黒髪が、その白だけの世界によく映えている。 ―――ああ、そうか。これは。 「唯、結婚おめでとう」 りっちゃんは、その性格とは正反対の、やや落ち着いたドレスで祝福してくれた。 「にしても、新婦が2人か。ややこしいな。嬉しいけど」 りっちゃんの隣で、おとなしめのドレスを着た澪ちゃんは苦笑い。 「本当、招待してもらえて、嬉しい限りだわ」 ムギちゃんは、右手になぜかずっとビデオカメラを持って撮影している。 後ろでムギちゃんの執事っぽい人が、「私がやります」とおろおろしているのに、気にも留めない。 「それより、私のショーはどうだった?良い感じだったでしょう?」 さわちゃん先生、確かにショーは盛り上がったけど、歯ギター披露は余計だったよ。 「お姉ちゃんは、『お姉ちゃん』のままだけど、梓ちゃんはなんて呼べばいいんだろう?『奥さん』じゃ、他人行儀すぎだよねぇ」 憂は、よく分からない心配をしている。呼び方なんて、どうでも良いよ。 「そうね。今まで通りで、いいんじゃないかしら、呼び方なんて」 和ちゃんが、最善の答えを出してくれた。いくつになっても頼りになる。 「あの~、私ホントに、来てよかったんでしょうか……?」 梓のもう一人の友達、確か……、純ちゃんだったかな。が、申し訳なさそうに質問してくる。 もちろん。なんだって、梓の友達だもの。そう答えると、ようやく可愛らしい笑顔を見せてくれた。 「唯先ぱ……、唯」 梓が、呼び慣れていない、呼び捨てで私の名前を呼ぶ。 気づくと、私は手に愛しのギー太を持っていた。あ、愛しいって言っても、梓ほどじゃないよ?もちろん。 「こんなところに呼び出して、どうしたの?皆、向こうでパーティやってるのに……」 そうだ。今は、披露宴のパーティの途中。そこで、私は梓だけを連れて抜け出したんだ。 きっと、主役のいないパーティで、ほとんどの人はどうしたんだ?と思うだろうが、その辺は、どうしてもらうか軽音部の人たちにはちゃんと説明済みだ。 ―――と、隣の部屋で、聞き慣れた軽音部による演奏が始まった。 どうやら、こちらも始める番らしい。 「あのね、梓。梓には、とっておきの―――」 「唯。起きてよ。もうお昼だよ。唯!」 ゆさゆさ。体を揺すられる。 重い瞼を開けると、高校の時とは違い、髪を下ろして大人っぽくなった梓が、眉を吊り上げている。 「もうっ、折角の結婚記念日、寝て終わらせる気?」 結婚。そうか、したんだっけ、結婚。じゃあ、あれは?さっきの、出来事は? 寝ぼけている顔をぴしゃりと叩くと、同時に寝ぼけていた頭も、目が覚めたらしい。 そっか。あれは―――夢か。それも、結婚式のときの。 「今日は一緒にごちそう作るって、約束したのに……、もうっ」 ぷいっ、と梓がそっぽを向ける。ああ、どうやら本気で怒っているらしい。無理もない。今日は結婚してから最初の記念日なのだ。 どうしたものかと、ベッドから周りを見渡すと、ふとギー太が目に入った。 そういえば、去年の今日も、君で演奏したね、ギー太。 思って、ひとつの考えが、覚めたばかりの脳で思い出される。 「唯は、どうでもいいの?私たちの記念日……。恥ずかしいけど、私は、楽しみにしてたんだよ、今日を」 そんなことないよ、梓。私だって、楽しみにしてた。 「嘘。じゃあ、なんで今まで寝てたのよ」 「昨日、がんばって考えてたんだ。それこそ、夜中まで」 「考えてたって、何を?私とどうやって別れようとか?」 「まさか」 そんなことしたら、私は死んでしまうよ。 「じゃあ、なに?」 見るからに不機嫌な梓を、私は笑って「ちょっと待ってて」と促す。 不機嫌そうに腕組している梓を背に、私は、部屋の壁で私たちを見守っているギー太に手を伸ばす。 そう、あの日も、梓が不思議そうに、私とギー太を見ていたね。 そして、私は言うんだ。 「あのね、梓。梓には、とっておきのラブソングを送るよ」 去年、一生懸命考えた曲の、アレンジ版だけど。 でも、こもってる心は、あの時以上だよ。 「だから、聴いてくれたら嬉しいな」 ふと、去年の曲を送った後の、梓の表情が思い浮かぶ。 あの日は泣きながら、「ばか」って言ってくれたけど、すっごくかわいい笑顔だったね。 今日は、どんな顔をしてくれるのかな。 明日は、どんな顔をしてくれるのかな。 梓の“新しい”を見つけるたびに、私は嬉しくなるんだよ。 大好きになるんだよ。 だから、そばにいてね。 おばさんになっても、おばあさんになっても。 ずっと、ずっと。 ―――観客は1人だけの、リサイタルが始まった。 おわり 一人だけど一人じゃない!これを見てる人みんなが観客だよ -- (あずにゃんラブ) 2013-01-22 00 24 40 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 3』というスレに投下されたものです http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1253346269/l50 361 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/04(日) 02 02 42 ID SRIgdHWx 目の前に広がるは、真っ白な風景。 そこにいる、真っ白な、可愛らしいドレスに身を包んだ梓。 彼女の黒髪が、その白だけの世界によく映えている。 ―――ああ、そうか。これは。 「唯、結婚おめでとう」 りっちゃんは、その性格とは正反対の、やや落ち着いたドレスで祝福してくれた。 「にしても、新婦が2人か。ややこしいな。嬉しいけど」 りっちゃんの隣で、おとなしめのドレスを着た澪ちゃんは苦笑い。 「本当、招待してもらえて、嬉しい限りだわ」 ムギちゃんは、右手になぜかずっとビデオカメラを持って撮影している。 後ろでムギちゃんの執事っぽい人が、「私がやります」とおろおろしているのに、気にも留めない。 「それより、私のショーはどうだった?良い感じだったでしょう?」 さわちゃん先生、確かにショーは盛り上がったけど、歯ギター披露は余計だったよ。 「お姉ちゃんは、『お姉ちゃん』のままだけど、梓ちゃんはなんて呼べばいいんだろう?『奥さん』じゃ、他人行儀すぎだよねぇ」 憂は、よく分からない心配をしている。呼び方なんて、どうでも良いよ。 「そうね。今まで通りで、いいんじゃないかしら、呼び方なんて」 和ちゃんが、最善の答えを出してくれた。いくつになっても頼りになる。 「あの~、私ホントに、来てよかったんでしょうか……?」 梓のもう一人の友達、確か……、純ちゃんだったかな。が、申し訳なさそうに質問してくる。 もちろん。なんだって、梓の友達だもの。そう答えると、ようやく可愛らしい笑顔を見せてくれた。 「唯先ぱ……、唯」 梓が、呼び慣れていない、呼び捨てで私の名前を呼ぶ。 気づくと、私は手に愛しのギー太を持っていた。あ、愛しいって言っても、梓ほどじゃないよ?もちろん。 「こんなところに呼び出して、どうしたの?皆、向こうでパーティやってるのに……」 そうだ。今は、披露宴のパーティの途中。そこで、私は梓だけを連れて抜け出したんだ。 きっと、主役のいないパーティで、ほとんどの人はどうしたんだ?と思うだろうが、その辺は、どうしてもらうか軽音部の人たちにはちゃんと説明済みだ。 ―――と、隣の部屋で、聞き慣れた軽音部による演奏が始まった。 どうやら、こちらも始める番らしい。 「あのね、梓。梓には、とっておきの―――」 362 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/04(日) 02 06 23 ID SRIgdHWx 「唯。起きてよ。もうお昼だよ。唯!」 ゆさゆさ。体を揺すられる。 重い瞼を開けると、高校の時とは違い、髪を下ろして大人っぽくなった梓が、眉を吊り上げている。 「もうっ、折角の結婚記念日、寝て終わらせる気?」 結婚。そうか、したんだっけ、結婚。じゃあ、あれは?さっきの、出来事は? 寝ぼけている顔をぴしゃりと叩くと、同時に寝ぼけていた頭も、目が覚めたらしい。 そっか。あれは―――夢か。それも、結婚式のときの。 「今日は一緒にごちそう作るって、約束したのに……、もうっ」 ぷいっ、と梓がそっぽを向ける。ああ、どうやら本気で怒っているらしい。無理もない。今日は結婚してから最初の記念日なのだ。 どうしたものかと、ベッドから周りを見渡すと、ふとギー太が目に入った。 そういえば、去年の今日も、君で演奏したね、ギー太。 思って、ひとつの考えが、覚めたばかりの脳で思い出される。 「唯は、どうでもいいの?私たちの記念日……。恥ずかしいけど、私は、楽しみにしてたんだよ、今日を」 そんなことないよ、梓。私だって、楽しみにしてた。 「嘘。じゃあ、なんで今まで寝てたのよ」 「昨日、がんばって考えてたんだ。それこそ、夜中まで」 「考えてたって、何を?私とどうやって別れようとか?」 「まさか」 そんなことしたら、私は死んでしまうよ。 「じゃあ、なに?」 見るからに不機嫌な梓を、私は笑って「ちょっと待ってて」と促す。 不機嫌そうに腕組している梓を背に、私は、部屋の壁で私たちを見守っているギー太に手を伸ばす。 そう、あの日も、梓が不思議そうに、私とギー太を見ていたね。 そして、私は言うんだ。 「あのね、梓。梓には、とっておきのラブソングを送るよ」 去年、一生懸命考えた曲の、アレンジ版だけど。 でも、こもってる心は、あの時以上だよ。 「だから、聴いてくれたら嬉しいな」 ふと、去年の曲を送った後の、梓の表情が思い浮かぶ。 あの日は泣きながら、「ばか」って言ってくれたけど、すっごくかわいい笑顔だったね。 今日は、どんな顔をしてくれるのかな。 明日は、どんな顔をしてくれるのかな。 梓の“新しい”を見つけるたびに、私は嬉しくなるんだよ。 大好きになるんだよ。 だから、そばにいてね。 おばさんになっても、おばあさんになっても。 ずっと、ずっと。 ―――観客は1人だけの、リサイタルが始まった。 おわり すばらしい作品をありがとう
https://w.atwiki.jp/83452/pages/2889.html
翌日 放課後 律「どうした澪? そんなミス連発するなんてお前らしくもない」 澪「んん…、なんだか思ったようにできないんだよな」 澪「唯のギターと合わせるときなんて特に酷くなるんだ」 エリ(すまん澪…ワシ…エライことしてもうたわ……) 唯「私も…澪ちゃんと合わせるとギー太がなんだか嫌がってるみたい…」 ギー太(唯ちゃんごめんなさい…私…汚れちゃった…) 唯「それになんだか色合いもいつもより赤くなってる気がする…」 梓「赤く? まさかとは思いますがそれって唯先輩的に言うと、照れてるってことですか?」 唯「う~~ん…なんだか照れとはまた違ってるような…」 律「やっぱり、昨晩楽器同士で何かあったのかもな…」 エリ(!?)ボボンボーン♪ 紬「み、澪ちゃんいきなり音出してどうしたの?」 澪「えっ!? いや…私は何も……」 澪「あれっ?なんで……?」 その夜 怒羅無「ったく、あのバカ…」 キー坊「ねぇねぇ、怒羅無さん。ギー太ちゃんとエリザベスさんどうかしたの?」 怒羅無「ん? あ、あぁ。まぁな…」 キー坊「ケンカ?」 怒羅無「そうだな…」 キー坊「早く仲直りしたらいいのに」 怒羅無「大人にはよ、そんなに簡単に行かないことの方が多いんだよ」 キー坊「大人って面倒くさいんだね。でも、二人ともお互いの事が好きだと思うけどな~」 怒羅無「そりゃ~、どういう事なんだ?」 キー坊「ボクね、演奏の最中も結構余裕があるから周りをよく見渡してるんだけど」 キー坊「ギー太ちゃんとエリザベスさん、演奏中はなんて言うかいい雰囲気なんだよね」 怒羅無「そ、そうなのか? まったく気付かなかったぜ」 キー坊「うん。だって怒羅無さんは演奏でいっぱいいっぱいでしょ?」 怒羅無「ああ。全身全霊で奮闘中だからな」 キー坊「ギー太ちゃんが勢いつけすぎちゃってるところにエリザベスさんが落ち着きを」 キー坊「逆にエリザベスさんはギー太ちゃんに引っ張って行ってもらってる時もあるよ」 キー坊「まぁ、怒羅無さんとエリザベスさんのコンビほどではないけどね」 怒羅無「まぁな、あいつとは勝手知ったる仲だからな」 キー坊「でも、ギー太ちゃんとエリザベスさんのコンビもボクは見ていて楽しいよ」 怒羅無「なんだ…じゃあ、結局のところ相思相愛じゃねぇかよ」 キー坊「えっ? 何のこと~?」 怒羅無「んん? あぁ…なんでもねぇよ」 キー坊「あ~ヒミツの何かなんだ~」 怒羅無「うるせぇ! それより今回の話はついに宇宙へ飛び出すぜ!」 キー坊「ほ、ほんと!? 楽しみだな~。早く早く!!」 怒羅無(あとは、2人の問題だな……) 平沢家 唯自室 唯「どうしたのかな~ギー太…」 唯「エリザベスとなにかあったのかな~?」 ギー太(唯ちゃん、私、エリザベスさんに乱暴されちゃったんだ…) 唯「ギー太、何があったかは詳しくは聞かないけど澪ちゃんのエリザベスには いつもお世話になってるでしょ?」 ギー太(……) 唯「バンドっていうのは一人で出来るものじゃない。仲間とのコミニュケーションだ!」 唯「よく、音楽性の違いとかで解散するバンドが多いけど、結局はそういう事なんだよね」 唯「私は、澪ちゃんのベースが好き。りっちゃんのドラムも、ムギちゃんのキーボードも もちろんあずにゃんのギターだって」 唯「でも、いくら私が好きだからって、ギー太がみんなを好きになってくれなきゃ意味なんだよ」 ギー太(私も…、本当はエリザベスさんの事が……好き、だと思う) ギー太(でも、きっとエリザベスさんは私の体にしか興味がない……) ギー太(だって、こんな小娘なんかに……。だから、昨日は試してみたの) ギー太(もし…優しくしてくれたなら、きっとそこには愛が存在するのかも…って) ギー太(でも、昨日はエリザベスさんの太いアレが私のジャックを……無理やり…) 唯「ねぇギー太。きっとエリザベスはギー太のこと好きだと思うよ」 ギー太(えっ…?) 唯「私演奏しててわかるんだ。澪ちゃんのベースがシッカリと私のギターを包んでくれてるって」 唯「なんだかダメになりそうな時も澪ちゃんの演奏が 『がんばれーがんばれー』って言ってくれてる気がして」 唯「それに応えようと私もがんばって演奏したら澪ちゃんもわかってくれて」 唯「そうやって『音』ができてくるんだよ」 ギー太(……) 唯「だからね、きっとみんなもお互いを支え合って音を紡ぎ出してるんだよ」 唯「ギー太のことなんにも思ってなかったら、そんな事できないよ」 ギー太(唯ちゃん……) 唯「もしなにか悩み事があるのなら…何か本当の事が言えないのなら」 唯「思い切ってぶちまけちゃった方が楽になるよ!!」 唯「さんざん無茶苦茶演奏してきた私だもん、今更無理だなんて言われないよ、きっと!!」 ギー太(ありがとう、唯ちゃん) 憂(お姉ちゃん…あんなに楽器に話しかけて…大丈夫かな…) 唯「さ~て。独り言はこれくらいにして、と」 唯「さぁ、ギー太ちゃん今日はどんな服着ましょうかね~♪」 唯「…って、アレ? いつもより服がキツイ」 唯「ギー太、なんか以前よりもふっくらとしてる…?」 唯「そんなわけないよね、きっと気のせいだね」 ギー太(そんなまさか……) ギー太(あの一晩のことで……!?) 翌日 放課後 唯「雨」 澪「置いて帰る」 唯「寂しい」 梓「知るか」 紬「うぜぇ」 律「帰るぞ」 ガチャバタン … … … エリ(あかん…ワシ、どないな顔してギー太と……) 怒羅無「おい、バカ野郎」 エリ「…なんやねんな」 怒羅無「男だったらちゃんと、責任とれよ」 エリ「……わかっとるがな」 怒羅無「だったら、早いとこプロポーズしてしまえよ」 エリ「そないな事言うたかて…ギー太にも選ぶ権利があるっちゅ~もんやで」 エリ「こないなオッサン……」 怒羅無「なんだ? だったら結局あの日は勢いでやっちまったってわけか」 エリ「せやな……」 怒羅無「嘘つけ…、本当は好きなんだろ?」 エリ「なっ!? なんでそうなんねん!!」 怒羅無「じゃあ好きでもないのに、か。ギー太も可哀想に…」 エリ「……いや、どうやらワシも素直にならなあかんっちゅ~ことやな…」 エリ「確かに、今まで演奏を共にしてきていつの間にか…その…愛情っちゅ~もんがやな」 怒羅無「ヒュ~ッ。聞いたか? むったん」 むったん「ああ。こっちもギー太の話は聞いてやったよ」 エリ「な、なんやねんな2人して! つるんどったんかいな!?」 むったん「ほらエリザベス。男を見せる時だよ!」 エリ「あ、あのなギー太…」 ギー太「はい…」 エリ「この前はホンマすまんかった…ワシ…お前のこと…」 エリ「こんなん順番逆になってもうたけど…ワシ、お前のことめっちゃすっきゃねん」 エリ「あの時はなんやえらい浮かれてもうて…こんなオッサンが嫌やったんなら もう、金輪際話しかけへんし、何らかの形で一生償っていくつもりや」 エリ「だから…堪忍したってや!!」 ギー太「許しません!!」 エリ「そうか…それもそうやわな…」 ギー太「だから…一生かけて、私を愛してくださいますか?」 エリ「へっ?」 ギー太「不束者ですが…」 エリ「ホンマかいな……」 キー坊「仲直りできた?」 怒羅無「ああ、もっと絆が深まったかもな」 キー坊「よかった♪」 むったん「ほら、もっと言う事あったでしょ?」 ギー太「は、はい」 ギー太「あの…エリザベスさん…」 エリ「ん?なんや言うてみ」 ギー太「私…実は…」 エリ「?」 ギー太「できちゃったみたいなの!!」 エリ「な……」 「なんやって~~~~!!!!」 翌日 放課後 唯「ギー太ぁ!!」 澪「エリザベス…///」 梓「アレ? なんですか?これ」 律「あん? えらく小さなアコギだな」 紬「ウクレレ…じゃないかしら?」 澪「誰が持ってきたんだ?」 梓「私は知りませんよ」 律「弦楽器なんかには興味ないぜ!」 紬「私も知らないわ」 澪「と、言うことは…」 唯「ギー太とエリザベスの子供だっ!!」 澪「なんでそうなるんだっ!!」 唯「でも、ほらほら。よく見たら2人に似てるよ」 律「んん~。そう言われれば…」 唯「弦が4本なとこはエリザベスから受け継いで」 梓「音楽的な要素はギー太から受け継いだってことですか?」 唯「そうそう」 紬「まぁ素敵」 澪「そんなバカな…」 唯「じゃあ名前決めないとね~」 律「ウクレレっていったらハワイだよな」 紬「私もハワイへ行ったとき何度か地元で生演奏をきいたことがあるわ~」 紬「波の音と相まってとても素晴らしかったの」 梓「音色が癒されますよね~」 唯「ハワイ…海…常夏…癒し…」 唯「よし! 閃いた!! 高木ブー!!」 澪「うぉいっ!!」 エリ(なんでやね~ん!) さわ子「みんな、やってる?」 唯「あ、さわちゃん先生! 見て見て。ギー太とエリザベスの子供だよ」 さわ子「は?」 澪「ああ…まぁ普通はそんな反応しますよね」 さわ子「何言ってるのよ。このウクレレ私のよ」 律「なんだよ、人騒がせな」 紬「なんだか残念…」 唯「もう! 教師なら子供に夢見させてよ!!」 さわ子「え?何? なんで私こんなに攻められてるの?」 梓「なんか…すみません…」 エリ(そら、楽器同士で子供なんかできるわけあらへんわ…) ギー太(ご、ごめんなさい。早とちりしちゃって…) むったん(ところでなんで妊娠しちゃったって勘違いしたのよ?) ギー太(それはね…) 唯「あ、そうだ!」 梓「どうしたんですか? 唯先輩」 唯「ギー太! ゴメンね、この前ふっくらしたなんて言って」 怒羅無(そういう事か…) 唯「でも安心して! アレはギー太が太った訳じゃなくって いつもより小さい服だったから、私の勘違いだったんだよ」 ギー太(……) 梓「またギターに服着せてるんですか…」 澪「だいたいギターが痩せたり太ったりする訳ないだろ」 唯「え? えへへ…そうなんだけどさぁ~」 ギー太(ご、ごめんなさい…) エリ(ま、まぁええがな) 落ち込んだりもしたけど…ギー太は元気です! おしまい おまけ 律「ところでさわちゃん、なんでウクレレ始めたの?」 さわ子「こんど教師の寄合で一発芸披露することになってね」 さわ子「それで、ウクレレをつかった芸をやろうかな~、って」 唯「へ~、見たい見たい!」 紬「私も、ぜひ見てみたいです!」 梓「ウクレレ芸って…想像もつきません」 澪「何か作詞のヒントがある…かも…」 律「それではエントリーナンバー1 山中さわ子さ~ん!!」 さわ子「あ~ん あんあ やになちゃった♪」 さわ子「あ~んあ あんが おっどろいた♪」 「……」 唯「なにそれ?」 紬「何を表現してるのかしら?」 さわ子(ジェネレーションギャップ……) 澪「ま、牧伸二とか…」ブフッ 一同「!?」 おわり 戻る
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唯「雨、すごい降ってるね~」 澪「今日は楽器置いて帰るか」 梓「そうした方がよさそうですね」 唯「ああ~ん…ギー太と離れ離れになるなんて~」 『最終下校時刻となりました。校内に残っている生徒は────』 澪「ほら唯、帰るぞ」 唯「うん……じゃあねギー太! さよならは言わないよっ!!」 梓「たった一晩じゃないですか…」 … … … ギー太(唯ちゃん…寂しそうだった…) ギー太(でもね…ギー太って男の子の名前付けてもらったけど…) ギー太(本当は……) ギー太(本当は私、女の子なのっ!!) ギー太「でも、唯ちゃんはいつも私を可愛がってくれる」 ギー太「そんな唯ちゃんが私はとっても好き」 ギー太「例えネーミングセンスがおかしくても……」 「ホンマやで勘弁してほしいわ」 ギー太「エリザベスさん!」 エリ「いやいやいやいや! ないで!」 エリ「ワシかて男やっちゅ~ねん!」 エリ「せやけど、お前んとこの持ち主がワシにけったいな名前付けよってからに…」 エリ「澪のヤツも結局その気になっても~て…定着してもうたがな…」 ギー太「うふふ。でもお似合いですよ、エリザベスさん」 エリ「やめ~や、背中痒ぅなってくるわ」 エリ「しっかし、えらい雨やな~」 ギー太「そうですね~」 エリ「こんな日に外出たら、水分吸ってもうてえらいことになってまうわ」 ギー太「ただでさえ日本は湿気が多いですもんね」 エリ「ワシら楽器にとっては死活問題やさかいの~」 エリ「まぁ、澪はワシのメンテなんかはキッチりやってくれとるさかいに心配はしてへんけど」 ギー太「唯ちゃんだって!!」 エリ「なんや、最近はあのお嬢ちゃんもお前のメンテやってくれるようになったんかいな?」 ギー太「はい! いつもキレイにしてくれてます!!」 エリ「ほな、よかったがな」 ギー太「それに毎日一緒に寝てくれるんです」 エリ「お前、寝返りうたれてバキッ!ってなったら一貫の終いやぞ」 ギー太「そこはなんとか気合でっ!!」 エリ「なんやねんそれ…」 「いいなぁ~、ギー太ちゃんは…」 エリ「おお、キー坊か。あんじょうしとったか?」 キー坊「ボクなんかずっと紬ちゃんと一緒に居たいのに、週末くらいしか持って帰ってもらえないんだよ」 エリ「まぁ、キー坊は楽器っちゅ~よりも精密機械に近いさかい」 エリ「そう毎日持って帰るんも紬嬢ちゃんとしては気も遣わなあかんからな~」 キー坊「でも、ボク寂しいよ…」スンスン ギー太「キー坊くん…」 「ったく…そんなに毎晩泣かれちゃ、迷惑なんだよ」 エリ「まぁそない言いなやドラム」 怒羅無「ちげぇよ!! ちゃんと怒羅無って言いやがれってんだ!!」 エリ「そんな、暴走族みたいな名前しよってからに。恥ずかしないんかい」 怒羅無「エリザベスなんかよりは何億倍もましじゃね~かよ」 エリ「なんやと! やんのかコラ!!」 怒羅無「ああん!?」 ギー太「もう、やめて下さいよ2人ともっ!!」 「あ~あ、久々に部室に置いていかれたと思ったら…アンタたちは騒ぐしか能がないの…?」 ギー太「むったんさん!」 エリ「なんや、むったん」 怒羅無「うるせぇぞ、むったん」 むったん「ちょっと! その名前で呼ばないでくれる!?」 むったん「私にはムスタングって言う名前があるのよ! 暴れ馬よ、暴れ馬!!」 むったん「それが、梓ったら唯に影響されて私に『むったん』なんて名付けちゃって…」 むったん「暴れ馬の名が聞いて呆れるわ!!」 ギー太「ええ~、でもむったんってカワイイですよ~」 エリ「せやせや、ちっこいねんからむったんでええがな」 怒羅無「むったん、むったん、むったん、むったん」 むったん「う、うるさ~いっ!!」 キー坊「あはっ! 今夜は寂しくないや! ね? 怒羅無さん!」 怒羅無「けっ! 知るかよっ!!」 エリ「なんやなんや~? キー坊は怒羅無と仲がええんか?」 キー坊「ううん、そういう訳じゃないんだけど ボクが寂しくて毎晩泣いてるから、いつも怒羅無さんに迷惑かけちゃうんだ」 ギー太「そうなんだ…」 怒羅無「ったく、迷惑だと思ってんなら我慢しやがれってんだ」 エリ「仕方ないがな…」 むったん「そうよ、まだお子様なんだからあんたがちょっとは我慢しなさいよ」 怒羅無「けっ! お前は梓とちっこいもん同士だからお子様の扱いにも慣れてるんだろうな」 むったん「な、なによっ! 言っとくけどアンタたちの持ち主と梓の実力とは 実際のところ比べ物にならないんだからね!!」 むったん「家は音楽一家だし、本格的にギター始めたのは小学4年からだけど 楽器の類はもっと以前から触れていたし」 むったん「本当だったらこんなお遊びのクラブなんかじゃなくって 本格的に音楽の道を目指しても不思議じゃないんだから」 むったん「仕方なくアンタたちとつるんでやってるのよ!」 ギー太「はい! スゴイですね! むったんさん!!」 エリ「ホンマ、関心するでむったん」 怒羅無「変なこと言って悪かったな、むったん」 キー坊「尊敬します。むったんさん!!」 むったん「きぃ~~~~~~~っ!!!!!」 エリ「でも、そんなこと言うたらキー坊のとこの紬お嬢も相当な実力持っとるやろ?」 怒羅無「ああ、あいつの実力は認めざるを得ないな」 ギー太「うん、紬ちゃんもすっごく上手いよね」 キー坊「でもね、紬ちゃんも小さい頃からクラシックピアノやってたんだけど 結局伸び代がなくて辞めちゃったんだって」 キー坊「やっぱり、その道に進めるのは一握りの才能のある人だけだって」 エリ「そないな事が…、音楽で食うて行こう思たらしんどいねんなぁ~」 むったん「……梓は…きっと大丈夫よ…」 怒羅無「おい、お前さっきから自分のことばっかりじゃねえかよ」 むったん「ふ、ふん! どうせ、才能がなかったなんて言い草は努力の足りなかった者の言い訳よ」 怒羅無「んだと!コラ!!」ドムドムドムドム むったん「ちょっと! 止めなさいよ! そんなにバスドラ連打されたら 振動でスタンドから落ちちゃうでしょ!!」 エリ「せ、せやで!! ワシらも危ないで!!」 ギー太「きゃ~!! 助けて~!!」 キー坊「で、でもね! 紬ちゃんピアノやってて良かったって言ってたよ!」 怒羅無「ピタッ」 キー坊「ピアノやってたから、だからこの軽音部でキーボードが弾けるって みんなと一緒にバンドが組めるって、本当に嬉しそうだった」 キー坊「諦めて、自分の限界を知って落ち込んだけど、 この出逢いのためにピアノを続けてきたんだって」 キー坊「そう考えたら今までやってきたことのお釣りも来るくらいだって」 キー坊「紬ちゃん、そう言ってたよ!」 エリ「…そうか」 ギー太「ううっ…紬ちゃん…イイハナシダナー」 むったん「……ふん」 怒羅無「おめぇも、もちっと素直だったらカワイイのにな」 むったん「なによ! そうやって仲良しゴッコしてればいいのよ!!」 ギー太「むったんさん…」 エリ「あかんあかん。ああなったらプライド高いやつはテコでも動かへん」 怒羅無「梓は素直でいいヤツなんだけどな」 エリ「ところで、ギー太。自分最近メンテやってもろとるか?」 ギー太「えっ? ちゃんとキレイに拭いたりしてくれてるよ」 エリ「いや…そうやのうて弦の張替えとか」 怒羅無「おう。転ばぬ先のメンテだぞ」 ギー太「でも…唯ちゃんそういうの苦手で…」 エリ「あのなぁ~…そんなん言うたかて最後に痛い目見るんは結局自分やで?」 怒羅無「ああ。何かあってからじゃ遅ぇからな」 キー坊「大丈夫だよ! 何かあったらまた紬ちゃんの店でなんとかしてくれるよ」 ギー太「そうだよね!!」 エリ「ホンマ、そんなとこばっかし持ち主に似おってからに…」 怒羅無「お前はメンテ出すだけで済んでも、唯の評判が落ちるぞ」 エリ「せやで、何回おんなじこと繰り返すねん! って」 むったん「正直あんたの持ち主の不備のせいで練習がストップするのが迷惑なのよ」 エリ「この件に関してはむったんの意見に同意やな」 ギー太「ううっ……」 翌日 放課後 唯「ああっ!! ギー太!! 会いたかったよっ!!」 澪「あいかわらず、大袈裟だな~」 唯「澪ちゃんは、エリザベスのこと心配じゃなかったの?」 澪「まぁ…ある程度は…」 唯「でしょ~」 律「でも、唯には負けるよ。なぁ、梓」 梓「むったん…///」 澪「……梓」 梓「あっ」 紬「梓ちゃんもよっぽどそのギターがお気に入りなのね」 梓「はい…。お恥ずかしながら、唯先輩の気持ちも分からないではないんです」 唯「だよね! みんな愛が足りないよ!!」 唯「ちゃんと愛を持って接すれば楽器だって応えてくれるんだよ」 梓「唯先輩にしては良いこと言ってますね」 唯「えへへ」 澪「そうは言うが、唯は愛のかけ方がちょっとズレてるっていうか…」 律「そうそう、服着せたりとかだもんな」 唯「失敬な、ちゃんとキレイに拭いたりしてるも~ん」 紬「えらいわ、唯ちゃん。ちゃんと先の教訓をいかしてるのね」 唯「えっへん! そういう澪ちゃんやりっちゃんはどうなのさ~」 澪「私は心配されなくてもシッカリとしてるよ」 律「私だって、ドラムセットはちゃんとメンテするとなると時間かかるから 毎日終わってからチョコチョコと少しずつやってるよん」 梓「確かに律先輩は意外なほど毎日コツコツとやってますもんね」 澪「律にしてはよくやってるよな」 律「え?なに? この言われ方……」 唯「感動したっ!!」 律「うるへー!!」 ジャカジャカ♪ ギー太(う…う…) エリ(ん? どうしたんや?ギー太) ギー太(わ、私…もう…らめっ!!)プチンッ!! 唯「うわっ!!」 律「唯!? 大丈夫か!!」 ギー太(ん…/// はぁん///)ガクガク 澪「弦切れたのか!?」 紬「ケガはない唯ちゃん!?」 唯「うん、大丈夫」 梓「よかった…」 怒羅無(ほら言わんこっちゃねぇ!) キー坊(でもケガなさそうでよかったね) むったん(まったく…、今日はもう練習できそうにないわね) 紬「……うん、どこにも傷はなさそうね」 唯「はぁ~、ビックリした~」 澪「それはそうと、唯。いつ弦を交換した?」 唯「え? ええ~っと……。前にムギちゃんのお店でやってもらってから一度も…」 律「メンテやってたんじゃないの?」 唯「だって、弦の張替えなんて難しいことできないよ~」 梓「それならそうと、言ってくれれば私だって教えますよ」 澪「できないからって面倒くさがってちゃ、いつまでたってもできないぞ」 唯「じゃあ今からまたムギちゃんとこの店で…」 律「今回はちゃんとお金あるのか?」 唯「あっ…」 紬「ごめんなさい唯ちゃん。さすがに毎回無料にするわけには…」 唯「そ、そうだよね…」 唯「じ、じゃあ、あずにゃんに弦の張り方教えてもらうよ」 梓「それはいいですけど、今は予備の弦なんて持ってないですよ」 唯「あぅ…」 澪「どっちにしろ、今日は練習できないな。楽器屋に替えの弦買いに行かなきゃいけないし」 律「なんだよ~。せっかく練習する気になってたのに~」 唯「…ごめんね、みんな…」 律「じゃあさ、せっかくだからついでにカラオケに行こうぜ!!」 澪「お前はそれが目的だろ!!」 唯「あ、あははは……」 ギー太(唯ちゃん……) エリ(分かったか? こんな些細な綻びがいつか大きな亀裂になる場合もあるんやで) 怒羅無(今は律がおちゃらけたからなんとか保ってるけどな) むったん(…くっ)ギリギリ……!! キー坊(むったんさん、どうしたの?) むったん(う…ぐっ…)プチンッ!! ギー太(!?) 梓「キャッ!?」 紬「梓ちゃんのギターまでっ!?」 律「こりゃあ…今日はギターの厄日かもな」 唯「昨日置いて帰ったから怒ってるんだよきっと」 澪「そ、そんなわけないだろ!?」 律「…いやいや、もしかしたら楽器達が人間への不満を爆発させて遂に反抗をっ!!」 澪「ひぃっ!!」 紬「弦なんてめったに切れないのにそれが2回も続くとなると…」 澪「む、ムギまで!?」 紬「ご、ごめんなさい。でも、こうなってくると唯ちゃんのギターの弦が切れたのも 何か違う力が働いたのかも…」 澪「や、やめてくれ~!!」 むったん(はぅ…/// んんっ…///) ギー太(むったんさん…もしかして、唯ちゃんと私のために…) むったん(か、勘違いしないでよね! そろそろ弦の交換してほしかっただけよ!!) 梓「つい先日全部の弦を張り替えたばっかりなのに…」 エリ(ニヤニヤ) 怒羅無(ニヤニヤ) むったん(な、なによっ!!) エリ(ワシ感動で今ごっつ弦緩んでもうとるわ~) 怒羅無(俺も、今叩かれたら変な音が出そうだぜ) むったん(ふんっ!! ギスギスしだしたら梓が可哀想って思っただけよ) ギー太(フフフッ。でもありがとう、むったんさん) キー坊(むったんさんもボク達放課後ティータイムの仲間だもんね!) むったん(そ、そうよ! あくまでこのバンドのためよ!) エリ(もう分かったがな) 2
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唯「えへへ、私のギター♪」 唯「かわいいなぁ~」 唯「もってみたりもして・・・うおっ!!ミュージシャンっぽい!!」 唯「サ、サインの練習しなきゃ!!」 憂「お姉ちゃんうるさい・・・」 唯「えへへ、私のギター♪」 唯「やっぱりかわいいなぁ~」 唯「なにか弾いてみよう♪」 チャラリ~ララ~♪ 唯「できた!チャルメラ!」 唯「明日りっちゃん達に聞かせてあげよう!」 … 唯「今日りっちゃんにフィルムはがされちゃったね・・・」 唯「君の初めては私って決めてたのになぁ」 唯「ん?君っていうのもなんか変だよねぇ?何かいい名前・・・」 唯「ギースケ・・・ギブ造・・・ギー太郎・・・う~ん」 唯「!そうだ!ギー太!ギー太に決定!いい名前だよねぇ~♪ これからよろしくね、ギー太♪」 ギー太「・・・・・」 … 唯「試験勉強めんどくさいなぁ~ 全然わからないよ~」 ギー太「・・・・・」 唯「う~ん・・・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「・・・ふぅ、ちょっと休憩しよっと」 唯「息抜きにコードの練習でもしようかな」 ギー太「・・・・・」 唯「よいしょっと・・・えへへ、ギー太は重たいね えっと、これがCで・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「ま~つ~わ~♪」 ギー太「~~~♪」ジャカジャカ 唯「ふぅ、疲れたぁ」 唯「私あんなに勉強したの初めてかも」 ギー太「・・・・・」 唯「でもみんな優しいよね。いくら軽音部の為とはいえ 私の家まで来て勉強会開いてくれるんだから」 ギー太「・・・・・」 唯「それにみんなで勉強するの楽しかったしお菓子も美味しかった 私やっぱり軽音部に入ってよかったかも♪」 唯「さて・・・寝る前に少し練習にお付き合いくださいギー太さん!」 ギー太「・・・・・」 唯「よっと・・・」 唯「み~か~た~♪」 ギー太「~~~♪」ジャカジャカ … 唯「合宿楽しかったねぇ~♪みんなで海で遊んだり、いっぱい練習したり・・・」 唯「でっかいお風呂にも入ったんだよ」 唯「澪ちゃんのおっぱい大きかったなぁ・・・私もいつかあんな風に・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「ムギちゃんも結構大きかったな・・・ りっちゃんは・・・私と同じくらい! ・・・いや、私のほうがちょっとだけ大きかったかな?」 唯「まだまだ私もこれから大きくなるよね」 ギー太「・・・・・」 唯「ふぅ、今日は疲れたから練習はまた明日・・・お休み、ギー太」ぱちん ギー太「・・・・・」 唯「ぐぅ・・・・」zzzz ギー太「・・・・・」 … 唯「今日はいろんなことがあったね まさか軽音部がまだクラブとして認められてなかったなんて・・・」 唯「でも和ちゃんやさわちゃん先生のおかげでなんとか続けていけそうだね♪」 ギー太「・・・・・」 唯「でもびっくりだなぁ。さわちゃん先生がギター弾けたなんて、それにすごく上手だったしね 私もいっぱい練習してもっと上手にならなくちゃね♪」 唯「あ、でも歯ギターはしないから安心してね?」 ギー太「・・・・・」 唯「じゃあ今日も練習練習・・・よっと」 唯「まずGコード・・・あいたっ!」 唯「うぅ・・・そういえば今日手の皮向いちゃったんだ・・・ ごめんねギー太、明日は必ず練習するから」 ギー太「・・・・・」 … 唯「もう少しで学祭だねギー太」 ギー太「・・・・・」 唯「私たちの初ライヴ!しかもオリジナル曲! 私はボーカルまで担当することになったんだよ」 唯「澪ちゃんの作ったあの歌を歌えるってだけで・・・ なんだか楽しみだなぁ・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「でもね、少しだけ緊張してるんだ・・・ でもこれから一週間、さわちゃんがギター教えてくれるし・・・」 唯「何より、ギー太やみんなと一緒だから大丈夫な気がする!」 ギー太「・・・・・」 唯「さぁ!明日からいっぱい練習頑張ろうね!」 … 唯「うう、練習のしずぎでごえがガラガラだ・・・」 唯「ごのままだったらわだじ・・・ボーカルでぎないかも・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「わだじボーガル楽しみだっだのになぁ~」 唯「でもでも、ギターの腕はがなりあがっだよね!」 ギー太「・・・・・」 唯「よ~し、寝る前にすごじ練習っと・・・」 唯「ぼえ~♪」 ギー太「~~~♪」ギュイーン … 唯「やったねギー太!今日のライヴ大成功だったよ!」 唯「やっぱりがんばって練習した甲斐があったね~♪」 ギー太「・・・・・」 唯「それにあんな大人数の前で演奏できてすごく気持ちよかったよ~♪ 私ほんとに軽音部に入ってよかった♪みんなも同じ気持ちのはずだよね♪」 ギー太「・・・・・」唯「まぁ・・・澪ちゃんは違うかもしれないけれど・・・」 唯「またライヴしたいなぁ。そのためにはもっと腕を磨かなくちゃね これからもよろしくね、ギー太♪」 ギー太「・・・・・」 … 唯「クリスマス会楽しかったなぁ」 唯「またみんなでやりたいなぁ・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「ギー太、私ね?憂にはちょっと恥ずかしくて言えないけど 憂が私の妹でほんとによかったと思ってるんだぁ」 唯「いっつもご飯作ってくれるしね? アイスだっていつも買ってきておいてくれるんだ」 ギー太「・・・・・」 唯「今日だってね、料理や飾り付けのほとんど憂がやってくれたんだよ?」 唯「こんなこと言ってたらどっちがお姉ちゃんかわからないけど・・・ 私は憂がだ~いすき♪」 唯「もちろんギー太もね♪」 ギー太「・・・・・」 唯「えへへ///憂には内緒だよ?それに今日は憂と一緒に寝ようと思うんだ だから今日はひとりきりだけどごめんね?明日は一緒に寝ようね」 唯「じゃあギー太、おやすみ~」 ばたん ギー太「・・・・・」 … 唯「ギー太さん!明けましておめでとうございます」 ギー太「・・・・・」 唯「去年はギー太にお世話になったね~ 一緒に添い寝したり、合宿にいったり・・・ライヴもがんばった!」 唯「今年もいろいろとお世話になると思いますが、よろしくおねがいします」 がちゃ 憂「お姉ちゃ~ん、そろそろ軽音部の皆さんと初詣行く時間じゃないの~?」 唯「えっ!もうそんな時間!?大変だ急がなきゃ!」 憂「あっ!お姉ちゃん上着!」 ばたん ギー太「・・・・・」 … 唯「うぅ・・・ギー太ぁ・・・軽音部廃部になっちゃうのかなぁ」ぐす ギー太「・・・・・」 唯「活動実績を示さなくちゃいけないんだってぇ・・・」 唯「さわちゃん先生は次の新入生歓迎会で部員ゲットできればいいっていうけど・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「・・・もしだれも入部しなかったらどうしよう? せっかくみんなと仲良くなれたのに・・・・なくなるなんていやだよぅ」ぽろぽろ ギー太「・・・・・」 唯「・・・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「・・・・ごめんねギー太。一緒にがんばるって約束したのに弱気になっちゃって だったら頑張ればいいんだよね 新入生が入部したくなるような演奏をすればいいんだ!」 唯「うん・・・!そうだよね!さーて、今から練習頑張るぞー!」 唯「きみをみてると~♪」 ギー太「~~~♪」ジャカジャカ … 唯「やったよギー太!私2年生になれた!」 ギー太「・・・・・」 唯「実は私ね、2年生になれるかどうか心配だったんだ~ でもなんとかなったよ~」 ギー太「・・・・・」 唯「それと後もう一つ嬉しいお知らせ!憂がね・・・ なんと!私と同じ高校に合格したんだよ~!」 唯「やっぱり私の妹!やればできるんだね!」 ギー太「・・・・・」 唯「あとは新迎を頑張るだけだね~」 唯「よーし!その日の為に練習頑張るぞ~!」 … 唯「ん・・・?もう朝・・・?布団から出たくないなぁ 学校休もうかなぁ・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「ギー太はどう思う?」 ギー太「・・・・好きにするといいさ」 唯「・・・・・・え!?」 唯「ギー太がしゃべった!?」 ギー太「・・・・・」 唯「・・・・・」 ギー太「・・・・・・」 唯「・・・そんなわけないよね さて、もうひと眠り・・・・」 … 唯「ふふ~ん♪今日は良かったねギー太♪」 唯「なんとか新入部員ゲットできたよ~」 ギー太「・・・・・」 唯「名前はねぇ、中野梓ちゃん。私と同じギターなんだよ♪」 唯「なんでも私たちの演奏を見て感動して入部しようと思ったんだって」 唯「やっぱり練習した甲斐があったね~♪」 ギー太「・・・・・ 唯「ごほっごほっ・・・なんだろ・・・風邪ひいたのかな?」 唯「今日はもうつかれちゃった・・・もう寝るねギー太 今日はお疲れ様♪」 ギー太「・・・・・」 … 唯「あずにゃんってギター上手だよね~ 小さい時からギターやってるんだって~」 憂「あずにゃん?ああ、あずさちゃんね そうなんだー」 唯「うん!私もがんばってあずにゃんみたいにうまくなりたいなぁ~」 憂「お姉ちゃんならなれるよ!がんばって!」 唯「ありがと~憂~」 唯「そうだ!憂もギー太弾いてみなよ!はい♪」 憂「え!?でも私弾き方なんかわからないよ」 唯「適当に弾くだけでもいいからさ~気持ちいいよ!」 憂「わかった・・・」 ギー太「~♪」ジャラ~ン … 唯「最近ね?あずにゃんが部室に来ないんだぁ・・・」 唯「やっぱり私たちがちゃんと練習しないからかな?」 ギー太「・・・・・」 唯「でもね、みんなで練習も大事だけどみんなでお茶するのも大事だと思うんだ」 唯「それに、ムギちゃんのお菓子も美味しいしね♪」 ギー太「・・・・・」 唯「でも・・・このままじゃ駄目なのかなぁ?」 ギー太「・・・・・」 … 唯「今年も合宿楽しかったね♪」 唯「あずにゃんも楽しんでたみたいだし、 一事は退部するのかと思ったけどその心配ももうないようだね」 ギー太「・・・・・」 唯「それに・・・私よりおっぱい小さかった!」 唯「でも・・・りっちゃんに私追い抜かされたかも・・・」 ギー太「・・・・・」 唯「まだまだ・・・これからだよね」 唯「じゃあ今日はもう寝るね おやすみギー太」 唯「すぅ・・・・」zzzz ギー太「・・・・・・」 2
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最近澪先輩と唯先輩が上機嫌だ。 多分、というよりは確実にそうなんだろうけど、やはり自分の歌ができたからなんだろう。 澪先輩はといえば、今鼻歌を歌いながらベースを弾いている。勿論聞こえてくるハミングは「Heart goes boom」 腕はいいのに、恥ずかしがりやな性格で損をしている先輩には、いい歌だと思う。本当なら、もっと自信過剰になるくらいでもいい人なんだから。 今聞こえてくる音色が、以前のものよりもずっと深く重く、そして澄んで聞こえることがその証明。 唯先輩はといえば、同じく鼻歌を歌いながらキュッキュッとギターを磨いていた。ニコニコしながら、楽しそうに行為を繰り返してる。 その分練習に当ててくれれば、と思わなくもないけど、そうしてギターと触れ合うのもやはり大事なことなんだろうと先輩を見てると思えてくる。 唯先輩の歌―「ギー太に首ったけ」 聞くだけで、本当に大事にしてて大好きなんだってことが伝わってくる、そんな歌。 ―そんな唯先輩を眺めながら、ふととある疑問が頭に浮かんだ。 少しボーっとしていたせいだろうか。私はそれを吟味することもなく、あっさりと口にしてしまっていた。 「ギー太って、男の人なんですか?」 口にしてから、何で私はこんなことを聞いたんだろうと激しく後悔した。ギターはギターだし、そもそも無機物だし。 どこから男の人なんて発想が出てきたんだろう。それは、確かに「太」という妙に男らしい名前がつけられているからなんだろうけど。 でも、頭の中でちらりと浮かばせるくらいならともかく、こうして口にしてしまうなんて。 唯先輩もギターを磨いていた手を止めて、え?と書かれた顔をこっちに向けていた。不意をつかれた、そんな顔。 「ええと、ギー「太」って名前じゃないですか」 とりあえずそう続けてみる。その直後、なんでもなかった振りをして話題を打ち切ってしまえばよかったと再び後悔した。 ううん、今からでも遅くはない。何か別の話題を振って、打ち切ってしまえばいい。 それなのにそうしないということは、ひょっとしたら私は本気でその答えを聞きたいと思っているのかもしれない。 まさか。でも、それを否定しきる材料はみつからない。なら、もしそうだとしたら、私は何を理由にしてそんな行動に出ているのだろう。 唯先輩はというと、しばらくきょとんとした顔でこちらを見つめていた。釣り眼がちの私がときに羨ましく思うくるりとした大きい瞳に、惜しげもなく私を映しながら。 ふいっと、何の前触れも無く唯先輩の視線が落ちる。釣られて、私の視線も下へと落ちる。 そして「ギー太」とぶつかった。 直前まで磨かれていたボディはいつもよりも心なしか輝きを増して見える。 一生懸命にそして本当に大事そうに磨いていたさっきまでの唯先輩の姿を見ていた私には、それがたっぷりに注がれている愛情の結晶のように見えていた。 ううん、実際にそのとおりなんだ。そうでなければ、先輩はあんな歌を作ったりしないだろうから。そして、あの歌を聴けば唯先輩がいかにこのギターを、「ギー太」が大好きかってこと、誰にだってわかる。 そんなのずっと前からわかってた。一度お店にメンテナンスに持ち込むような事態にはなったものの、それはただその知識が無かったせいだし。 それまでも、先輩なりにずっと大事にしてきたことはわかっていた。服を着せたり、添い寝をしたり―方向性はおかしいけど。 そもそも、そうでない人にはあんな演奏はできないだろうから。 あの時、ううん、結局は今でも私を虜にしているあの音色を出すなんてできないはずだから。 それは、私が唯先輩を尊敬している部分のひとつで。私はそれを感じることに微笑ましさを覚えていたはずなのに。 何故だろう、今この瞬間の私は―それをなぜか疎ましく思ってしまっていた。 「そっかぁ~ギー太、君は男の子だったんだねっ」 その理由を探り始めるより早く、下を向いていた唯先輩の顔がほわっとほころんだ。 「決めてなかったんですか」 とりあえず、反射的に突っ込みを入れる。冷静に考えれば、それは当たり前のことなんだけど。 そう、唯先輩にもそれは当たり前だったんだ。なのに何故私はそんなことを気にしてしまったのか。 「ギー太~」 別に唐突ということは無かった。構えていたギターを、ひょいっと立ててぎゅーっと抱きしめる。 予備動作から本動作まで、そこに私が驚くような要素は何一つない。緩慢とも柔らかともいえるその動作は、それがなされる前からそれが何か簡単に想定できるものだったから。 けれども、私はそれにどうしようもないほどの衝撃を受けていた。 「大好きだよ~」 ぎゅーっとギー太を抱きしめ続ける唯先輩は、そんなことまで口にしている。うっとりと浮かべられる笑みは、私を抱きしめているときの表情と同じか―ひょっとしたらそれ以上。 もともと表裏のない人だから、その言葉に嘘なんてあるはずがない。その仕草全てがそれを示していて、でも今この瞬間だけは、それが覆されればいいなんて私は思っていた。 「お、唯、ラブラブだなー」 「へへー、そうだよ~」 横から投げかけられる声。唯先輩に触発されたのか、チューニングキーと六角レンチを手にドラムセットのメンテナンスをしていた律先輩が、ひょいっと顔をこちらに向けている。 何の変哲もない、いつもの律先輩の声なのに。その言葉は思ったよりも勢いよく私の側頭部にぶつかってきた。 「…ラブラブ…」 ぼそりと繰り返す。ラブラブ…それは、つまり。 「ギー太は私の恋人だもんっ」 そして更に決定的なフレーズが、逆側からもはや決定的な一撃を私のこめかみにヒットさせた。 「こ、ここここっこっ…」 「なんだぁ、梓。鶏のまねか…?」 あまりの衝撃に舌が回らない。だから私の口はそんな音を紡いでるわけで、決して律先輩の言うような特技を身に着けたわけじゃない。 というか、こんな状況でそんな真似をする余裕があるわけ無いじゃないですか―というか、こんな状況って何だろう。 何で私は、こんなにも動揺してるんだろう。 「いい心がけだと思うぞ。ギタリストにとって自分のギターは、それくらいに思って丁度いいくらいだしな」 いつの間にか演奏を終えていた澪先輩が背後から現れる。そう、まったくその通りだ。澪先輩はいつも正しいことを言ってくれる。 だけど、今の私は何故かそれに―何とか反論できるところを見つけようと―必死になって反発しようとしていた。 「ふふ~ギー太ぁ」 だけどそんな言葉なんて見つからない。私が何もいえないでいると、唯先輩は今度はギー太に頬ずりなんかはじめてて。 それは、いつも私がしてもらってることなのに。ぎゅーっと抱きしめられて、頬ずりして、あずにゃんはかわいいねって言ってくれて。 ―だけど、今の先輩の目にはわたしなんて入ってなくて。ギー太だけを映してる。 ううん、それでいいのに。ギターを大事にしてくださいね、なんていったのは私で。そもそも先輩がギー太を大好きなんてこと前から知っていたことで。 なのに、そうだ―それを恋人と、自分の一番の存在だよって先輩があっさり言ってしまったことが― ぎりぎりと胸が締め付けられる―なんで、私はこんなになってるのかな。 ―…まさか、まさかだと思うんだけど、私ひょっとして ―唯先輩のギターに、ギー太に…嫉妬してるの? まさか、そんな馬鹿なことあるわけない。だいたい、ギターに嫉妬なんて―ありえないです。 そもそも、唯先輩に嫉妬するほど―そんな感情、抱いてるなんて―なんて。 ―なんて? なんで、そこで疑問系になるんだろう。断定してしまえばいいのに、それが出来ない。 ぐるりと思考が回転を始め、私の頭が混乱する。それが、とある答えにたどり着く前に 「…あずにゃん?」 そんな唯先輩の声が、私を現実に引き戻してくれた。 引き戻された私の視界には、いっぱいに広がる唯先輩の顔。 「へ…ひゃっ!!」 慌てて飛びのく。すると、いつもの大きさに戻った唯先輩が残念そうな顔をする。 「何で逃げるかなぁ」 そんな気の抜けた声と共に、ぐいっと先輩の顔がまた近付く。私の懐にきゅっと踏み込んで、すいっと手を伸ばして、あっさりと私を捕まえてしまった。 「あずにゃん、捕獲ぅ!」 何で唯先輩は、こんなに私の隙を付くのが上手いのだろう。迅速ってわけじゃないのに、気が付けば私はいつも捕まえられてしまっている。 「な、なんですか…!」 そう言い返しつつ、私はどこかほっとしていた。元々―内緒だけど―先輩に抱きつかれるのは嫌いじゃない。 そのぬくもりも柔らかさも安心感も、私はこっそり楽しみにしていたりした。それがない日は、何だか落ち着かなく思ってしまうくらいに。 だけど、今はそれだけじゃない。きっと、さっきはギー太を抱きしめていた腕がそこから離れて、今は私を抱きしめていることに嬉しくなってしまったんだろう。 ―だから、なんで私は―うぅ、もう、これじゃ本当に! 「なんですかじゃないよぉ~どうしたの、あずにゃん?」 「…ど、どうしたのって、なにがですか…?」 「今。ぼーっとして変だったもん」 「へ…?あ…べ、別に何でも…ないです」 誤魔化そうと先輩から顔を背けようとしたけど、先輩はそれを許してくれなかった。大きな瞳に、きゅっと真剣な光を灯して、私をじっと見つめている。 それは、本当に私を心配してるんだよって気持ちがいっぱいに伝わってきて、私はつい、正直に自分の気持ちを打ち明けてしまいそうになる。 そんなわけに行かないけど。だって、言える筈がない。ギー太に嫉妬してましたなんて。 無機物に嫉妬してたことが露呈するのはまだいい。あまりよくないけど。だけどそれは、それを告げてしまうことは、つまりは裏返すとそれだけ先輩のことが―ということになってしまうから。 ―そんなの、そんなこと、言えるはずがありません! だから私はきゅっと口を閉めて、黙秘を通そうとしてたのに。 「なんだぁ、梓。ひょっとして唯のギターに嫉妬でもしてたのかー?」 「何で律先輩はそんなあっさり言っちゃうんですか!!」 反射的に怒鳴り返して、私はハッと我に帰った。 見回すと、私を抱きしめたままきょとんとしてる唯先輩と、後頭で手を組んだポーズでぽかんとしてる律先輩、同じくぽかんとしている澪先輩と、ビデオカメラを片手にこちらを撮影しているムギ先輩が目に入る。 ―最後なんか不穏な行動が見えた気がするけど、それは置いておいて― これは、今の私の発言は…つまり 「いやー…わりぃわりぃ、まさかマジだとは思わなくってさー」 自分から、隠し通そうとしていたことを自白してしまったってことだ。 ―もういいです…律先輩なんて知りません。ごめんなーと手をあわせる律先輩からぷいっと視線をそらして、唯先輩に視線を戻す。 するとそこには私の予想通り、キラキラ目を輝かせて私を見つめる唯先輩の顔があった。 「あずにゃん~~~…!!」 ぎゅーっと抱きしめられる。ほお擦りされる。更には私を抱きしめたままくるくる回りだす。 唯先輩はとっても嬉しそう―だって私はつまり、ギターに嫉妬してしまうくらい唯先輩のことが大好きです、なんて告白してしまったようなものだから。 ―ああもう、好きにしてください。もう… そう言いつつ、私は何故か変に落ち着いた気分だった。先輩たちの前でこんな宣言させられて、あまつさえ唯先輩にそれを知られてしまって、そういうことだって思われてしまって。 いわば、本来の私だったら顔を真っ赤にして否定しているはずなのに。 そのことを先輩が嬉しそうにしているのが―なんだかとても心地よかったから。 「大丈夫だよ、あずにゃーん」 私をぶんぶん振り回しながら、唯先輩は言う。―私は目が回りそうで、あまり大丈夫ではないですけど。 その気配を察してくれたのか、先輩はトンっと私を地面に降ろした。突然軸を戻された体が、ふらりと揺らめき、唯先輩の手がそれを支えてくれる。 「私、ギー太と同じくらい、あずにゃんのこと好きだから」 かくりと私の頭が落ちた。―ギターと同列扱いですか、いえ、別にいいんですけど。 ―あれ? ふと、疑問が持ち上がる。ギターと、ギー太と同じくらい、好き?そこが何故か引っかかる。 だって、さっき先輩は確かにそう言っていたはずだから。 そう、確か、ギー太は唯先輩の―それと同じと言うことはつまり、私は―唯先輩と私は― ―恋人? ぽんっと私の頭が沸騰する。 確かに、私は今ほとんど先輩に大好きって告げたようなものだし、それを受けた先輩は私のことを好きと―ギー太と同じ、恋人として好きだって言ってくれたから。 つまりは、そういう意味で取るならカップル成立というか、恋人同士って言っても間違ってるってわけじゃない。 ―いやいや、私の思考暴走しすぎだから。でもなんでか、もうそういうことにしちゃおうっていうか、そうなっても言いやって方向に勝手に思考が流れようとしてる。 駄目駄目、冷静にならなきゃ。唯先輩のことだもの。きっと、いつものじゃれあい的な…そんな― 「ふふ、あーずにゃん…」 「へ…?」 「むちゅ~」 「…!?!?」 そんな―って表情のまま、接近する唯先輩をよける術もなく、私の唇はあっさりと奪われていた。 はむっと私の下唇を挟み込んで、甘噛みするように動かすと、先輩はまたあっさりと離れる。 「な、な、なにを…」 言葉にならない。だって、先輩の唇が、私の唇に触れて―その箇所が焼け付くように熱くて、上手く動かない。 唯先輩にキスされた、ってその事実が上手く巡ってくれなくて、まるで焼け付くマグマのように私を溶かそうとしてしまってる。 それはつまり、証明だ。仮定として私の中に浮かんだ、恋人同士という関係。それをあっさりと、何よりも明確に唯先輩は明らかなものにしてしまった。 ううん、客観的な事実としてだけじゃない。私の中にあったそれ、その形をもう言い逃れのしようもないくらいに、はっきりを私に突きつけてくれた。 それはずっと、私が望んでいたことだということを。 ―何でそんなにあっさりと、そんなことをしてしまえるんですか。 「えへへ、あずにゃん、大好き」 ―そんな台詞を、そんなに簡単に口にしてしまえるんですか。 先輩の顔はいつもどおりの笑顔のようで、でも少しだけ頬が赤く染まっていた。 ―ああもう、その顔は反則です。 ぷしゅーと私の頭が蒸気を上げる。そりゃもう、こんな熱に当てられたら、私の沸点なんてあっさりと超えてしまってもおかしくない。 意識を保つのも精一杯。ううん、きっとあと数秒も持たずに、私は倒れこんでしまうことだろう。 そんな冷静な自分の忠告に、私はきゅっと唇を噛む。 目が覚めてからじゃ、ちょっと遅い。今この瞬間に、先輩に返さないといけない言葉がある。 ―そう、お返しです。こんなにされたんですから、先輩にも多少は同じようになってもらわないと、割に合いませんから。 一生懸命手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめる。いつもは胸に埋める顔をとんと肩に乗せて、まるでキスをするように先輩の耳に唇を寄せた。 「私も大好きです―えっと、愛してます、唯先輩」 記憶はそこまで。自分の台詞が止めになったのか、私の意識はすうっと純白の中に溶け込んで行った。 ―追記。 後で聞いた話―私の企みはどうやら成功していたみたい。 意識を失った私を支える形になった唯先輩は、そのあと私と同様ぷしゅーとオーバーヒートしてしまったとか。 あとあと保健室で同時に目を覚ましたときは―それを確認する余裕なんて欠片もなかったけど。 翌日その話を律先輩と澪先輩から聞かされて、恥ずかしがる唯先輩に私はこっそり勝ち誇ったりしてた。 そのあとムギ先輩の「ゆいあずメモリアル」ムービー上映が始まるまでは、の話だったけど。 ―ええ、そういえば撮影してましたね、本当に迂闊としか言いようがないです。 ―大ダメージですよ…冷静さを欠いた自分を客観的に見るのがこんなに痛いなんて。…なんで唯先輩、そんなに嬉しそうなんですか。 ―ちょ…保健室の映像は駄目です!修正いれ…というか見ちゃ駄目です!もう、なんでこんなのまで撮ってるんですか、ムギ先輩! (終わり) 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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このページはこちらに移転しました わたしのギター 作詞/うんこマン わたしのギターは高くも安くもない そもそも値段がわからない わたしのギターは貰い物 わたしのギターは良くも悪くもない そもそも音の違いがわからない わたしのギターは傷だらけ わたしのギターは少しだけ臭い 二本目は生ごみ臭い わたしのギターは拾い物 わたしのギターの上のほうに 「ギブソソ」と書いてある わたしのギターはメーカー品
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SS52 ギー太の恋 「どうだ唯!カッコイイだろ?梓も見てみろよ」 どういう風の吹きまわしか『チマチマ』したことが苦手な律先輩がギターを部室に持ってきた。 先日行われたフリーバザーで購入したらしい。 全体的に傷みが進んでるし、塗装なんて素人が自分好みに塗り直したのかムラだらけ。とどめにアンプにつないでも音が出ないらしい。 かわいそうだな…せっかく良いギターなのに。 「黄色がかわいいねりっちゃん!」 「確かに年代物の風格はありますが、律先輩ギター弾けないですよね。コレどうするんですか?」 「唯のスペアにでもなんでもなるだろ。いや~1000円にしては良い買い物だったぜ」 「え!?安すぎますよ…新品なら15万円とか20万円しますよ?」 状態が良くなくても1000円なんてことはありえない。よっぽど楽器の知識が無い人だったのかな? 「そんなに高いのか?ただ色が好きで安かったから買ったんだけど」 「りっちゃん!何か弾いてみて?」 「私が弾けるわけないだろ?唯か梓が弾けよ」 と言うわけで、なぜか律先輩のギターを私が弾いてみることになってしまった。 チューニングを合わせてからアンプにつないで音を出してみる。 ………… ペチペチと小さな生音がするだけで、アンプの方からは何も聞こえてこない。 「やっぱり音が出ないですね。唯先輩どうぞ」 音が出ないものは仕方ないので唯先輩にギターをわたす。 「やっぱりおっちゃんの言う通り壊れてるか。まぁ、1000円だから別に良いけどな。話のタネにはなったし」 「直すとなると確実にその十倍以上のお金が要りますからね…!?」 「おおっ!すごい音だよりっちゃん」 律先輩と修理するかどうかを話していると、耳を塞ぎたくなるような大きな音がした。 私の時は音がしなかったのに、唯先輩が弾いたら鳴るなんて。 「なんだよ。しっかり音出てんじゃん。儲けもんだな」 「凄いよ。この子りっちゃんみたいに元気いっぱいだよ」 何か納得できない私を置いて、律先輩と唯先輩はギターに名前をつけるとか言って盛り上がりはじめた。 「ほんとに”きーちゃん”貰っていいの?りっちゃんが買ったのに…」 「良いよ。元々唯にプレゼントするつもりだったし、ギー太ばっかり大事にして”きーちゃん”を怒らすなよ?」 どうやらギターの名前は”きーちゃん”に決まったらしい。おそらく、理由はボディの色が黄色だからで間違いないと思う。 「大丈夫だよ。ギー太、今夜からお友達と一緒だね?あれれ、ギー太が照れてるよ」 「なるほど、きーちゃんは私に似て美少女なんだな。良かったなギー太!彼女ができたぞ」 「おとうさん、きーちゃんを僕にください!」 「お前に娘はやら~ん!」 ギー太ときーちゃんで顔を隠しながら、唯先輩と律先輩が変な遊びをしている。 それにしても、私の時だけ音が出なくて唯先輩だと元気いっぱいって…ギターも持ち主に似るのかな? end