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372 名前:幸せな2人の話 補足・下(終わりB)[sage] 投稿日:2011/03/22(火) 02 58 47.34 ID QIcezTTP ********************************************* 「沙紀、あのさ……」 だから、俺はこんな沙紀を見たくなんてない。 「ごめんね、圭君、今は聞きたくないの」 それでも、俺には今すぐに言いたい事がある。 「お前の事が大好きだ、誰よりも。 俺は沙紀の側を絶対に離れたりしないからな」 「えっ……」 沙紀が顔を上げる。 涙も拭かないままで呆然としていた。 「どうして、なの? 今までそんな事言ってくれなかったのに」 「だから、だよ。 陽たちの事を考えたらどうしても言いたくなったんだ。 愛してる、俺は沙紀とずっと一緒に居たい」 驚きの表情のままだった沙紀が、 ふわりと穏やかな笑顔になった。 「……ありがとう、圭君。 えっと、だから、動かないでくれるかな?」 言うや否や、沙紀が正に目にも止まらぬ速さで抜刀し、 気付いた時には俺の目の前に刃先が振り下ろされていた。 373 名前:幸せな2人の話 補足・下(終わりB)[sage] 投稿日:2011/03/22(火) 02 59 12.75 ID QIcezTTP じゃらり、じゃり、じゃらりと鎖が寸断された床に落ちる。 だが、俺の体には傷の一つも付いていない。 これは、どういうつもりなんだろう? 「だって、必要が無いもの」 沙紀は俺の疑問を先読みするように言った。 「……圭君が他の女の子と居ると圭君が離れて行きそうで怖かったの。 だから、圭君の気持ちを私へ釘付けにしないとって、 自分でも押えきれなくなっちゃうんだ。 俺は苦笑した。 沙紀の、嫉妬深い、 という控えめ過ぎる言葉が無性におかしかった。 「知ってるよ。 ただ、もうちょっと手心を加えてくれると嬉しいな」 「安心して、もうそんな事しないから。 だって、圭君が今言ってくれたでしょ? 絶対に私から離れないって」 「ああ、けど、それだけで良いのか? その、俺が言うのも難だけど、ただの口約束だよ?」 「大丈夫だよ。 圭君は私に言った約束は絶対に破らないわ。 だから、もう圭君を縛る必要なんて私には無いよ」 「それだけ?」 「うん、それだけ」 「じゃあ、今までのお仕置きは……」 そう俺が言うと沙紀は顔を赤らめた。 「ふふ、馬鹿らしいよね。 私も雪風達の事、全然責められないね」 顔を見合わせた時、俺も、沙紀も涙を流していた。 それはお互いの想いが通じ合う事の嬉しさなのか、 それとも、陽や雪風や、シルフちゃんに対してなのか。 何の為の涙なのか分からなかった。 「沙紀、泣いてるよ」 「くす、圭君こそ」 沙紀は俺から顔を逸らしながらハンカチで顔を拭った。 本当に単純なんだな、ただちょっと言葉を伝えるだけで良かったんだ。 それだけで幸せになれる。 374 名前:幸せな2人の話 補足・下(終わりB)[sage] 投稿日:2011/03/22(火) 02 59 41.61 ID QIcezTTP 俺と沙紀は幸せなんだ。 こうやって二人で言葉や想いを伝えあえるのだから。 じゃあ、それがもうできないんだとしたら? じゃあ、陽や、雪風や、シルフちゃんは、やっぱり、不幸なんだろうな。 三人の事を考えてしまうと、また目が熱くなった。 それを沙紀から隠そうとして手で顔を覆う。 「だめだよー、圭君。 折角、約束してくれたのにそんな泣き顔になっちゃ」 そっと沙紀の手が俺の顔を持ち上げる。 沙紀はもう泣いていなかった、代わりに笑顔があった。 それから俺に言った、行こう、と。 「? 行くって、どこへ?」 「雪風の所」 「え、だって今更、無駄なんだろ?」 「気が変わったんだ。 やっぱり、気持ちは伝わった方が良いの。 ……その方がずっと幸せだって、今分かったから。 ありがとう、圭君」 「本当に良いのか? 上手く行くなんて分からないし、 シルフちゃんと喧嘩になるんだぞ?」 「大丈夫だよ、陽君が諦めてなければ絶対に上手く行くって!! 陽君には伝えたい事があるんだから。 それに、圭君は私と一緒に居てくれるんだよね?」 「ああ、約束する」 「だから、絶対に大丈夫!!」 そう言って沙紀は駆け出した。 左手に物騒な刀を、右手に転びそうな俺の手を握って。 375 名前:幸せな2人の話 補足・下(終わりB)[sage] 投稿日:2011/03/22(火) 03 00 08.13 ID QIcezTTP ********************************************* ……今日も行かなかった。 夢の中でシルフも雪風も残念そうな顔をしてたな。 二人の居る所の手前までは行ったんだけど。 けど、それでも俺が本当に幸せにしたいのは夢の中の二人じゃない。 そう心に誓ってなんとかあと一歩の所で踏み留まれた。 ただ、あと何回我慢できるのかは自分でも分からないけど。 イイカゲンニシテヨ!! ナンナノ、ナンノツモリナノ!! ワタシノイバショヲモウトラナイデ オネガイダカラヤメテ…… はぁ、でも、結局、 今日だって本当の二人には伝えられないんだろうな……。 オ、アキラダ ア、アキラクンダ オ、オニイチャン!? ガン! ア、ウ、ヒキョウ…… ゴン! ゴン!! ゴン!!! ゴン!!!! ゴン!!!!! ……バタン エ、チョット、シルフチャン!! ッテ、アッ!! ゴン パタ…… ……? 何だ? さっきから下でドタン、ドタンと凄い音がしてるんだが? 不審に思っていると間もなく勢い良く部屋のドアが開き、 ドサドサと人型の何かが乱暴に放り込まれた。 って、え、これシルフと雪風か!? 何が何だか分からない状況に思考が追い付かない。 すると、きゅう~、と目を回して床に伏せる二人の後ろから、 久しく顔を見ていなかった二人の幼馴染が慌ただしく現れた、 虎かライオンと喧嘩をしたのかというぐらいにボロボロな姿で。 圭はずるずると右足を引きずっていて右腕も折れているっぽいし、 沙紀の方は自慢の刀が半分くらいの所で折られている。 けれど自分の傷を気に留める様子もなく二人は部屋に入ってきて、 てきぱきと気絶しているシルフと雪風を床に押さえつけた。 「やっほー、圭(くん)」 ……一体どうしたんだ、お前ら? 「幸せの押し売りに来たぞー(よー)!!」 俺は沙紀と圭から目を背けた。 もう、幸せなんて言葉はうんざりだ。 376 名前:幸せな2人の話 補足・下(終わりB)[sage] 投稿日:2011/03/22(火) 03 01 23.40 ID QIcezTTP いい加減にしてくれよ。 何なんだよ、幸せ、幸せって。 もう良いだろ。 シルフも雪風もこれで良いって言うなら、 これ以上邪魔なんてしないでくれよ。 「あれ、どうしたの? どうして黙ってるのかなー?」 煩いな、知ってるんだろ? 俺はもう喋れないんだよ。 ……こいつら、本当に何をしに来たのだろう? 今更、何が出来るっていうん……痛っ!? 何か四角い物を圭からぶつけられた。 箱だった、俺の顔にぶつかって地面に落ちる。 「良いから、さっさと受け取れ。 それで、早く渡してやれよ、この馬鹿!!」 落ちた衝撃で箱が開いた。 その中には、あの指輪が、あった。 「何のつもりなの!? 放してよ!!」 雪風の声に呆然と指輪を見ていた俺は我に帰った。 圭に押さえつけられている雪風が沙紀に向かって叫んでいた。 同様に沙紀に押さえつけられているシルフは黙って床を見つめている。 「だーめ、陽君は二人に伝えたい事があると思うの。 だから今、それをちゃーんと言ってもらおうねー」 「止めろ!!」 それを聞いた雪風が激昂して怒鳴った。 まるで沙紀を喰い殺さんばかりの必死の形相だった。 「嫌、私は聞きたくなんて、ない……」 シルフが弱く呟く。 昔みたいに怯えていて、目は涙で潤んでいる。 「ね、本当にこれで二人が幸せだと思うの?」 377 名前:幸せな2人の話 補足・下(終わりB)[sage] 投稿日:2011/03/22(火) 03 02 58.49 ID QIcezTTP 違う、こんなのは幸せなんかじゃない。 「思わないよね。 なら、陽君は言わないといけない事があるんじゃないのかなー? 今ならきっと伝わるよ。 それでも、そのまま黙っているつもりなの?」 沙紀が厳しい視線で俺を責めたてる。 ありがとう、沙紀。 今なら雪風もシルフもちゃんと聞いてくれるってのに、 こんな時に黙ってなんていたら駄目だよな。 「それとも、本当に何にも出来ないなんて訳じゃないだろうな?」 圭が挑発をするような口調で言った。 大丈夫だ。 何度も何度も練習したんだ。 だから、絶対に言える。 息を大きく吸って、全身に力を溜める。 「止めて…お兄ちゃん……」 「兄さん、言わないで!!」 シルフと雪風の声が聞こえた。 俺は、言った。 シルフ セツカ イママデモ コレカラモ アイシテル 戻る 目次
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荒らし回避の為、自己紹介板に立てられたスレ、 カウちゃんことカウパーと愉快な仲間達の略である。 最終的には、ID板であるのに何の効果もみせず。 更に一部椰子が、遊びで、幸せスレのまとめをやっていたので 書籍化などと勘違いする連中までいた。
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【 願う 何を? 幸せ 何が君の幸せ?】 ◆ACfa2i33Dc 早朝の日差しが、偽りの街に差し込む。 街の端。隣町との境目、絶対領域の境界線。 「奉野」という表札の掛けられた一軒家。 居間で椅子に腰かけて、シルクハットを被った少女――シルクちゃんは、その手紙をずっと注視していた。 その目に感情はない。 ただ、興味と、そして疑心だけがある。 「――どうしました? シルクちゃん様」 居間の奥、キッチンから割烹着に似た侍女服を着た女性が顔を出す。 当然、ただの女性ではない。頭からは、まるで鹿のそれのように二本の角が生えていた。 自動人形、鹿角。シルクちゃんの従者であるランサー――その、更に従者。 「鹿角か。……ランサーは?」 「忠勝様ならば、外で警戒を」 「そうか。……どうでもいいけど、その『シルクちゃん様』って微妙に呼び方として違和感があるからやめない?」 「いいえ。私の主は忠勝様一人のみです。いくらシルクちゃん様が現在の忠勝様の主と言えど、やはりマスターと呼ぶのは不適格かと」 「妙なところで杓子定規だね君は。……まあいいや、これなんだけどさ」 椅子に腰かけたまま、シルクちゃんが鹿角へと手紙を差し出す。 薔薇の模様で彩られた便箋。鹿角はそれを受け取って、ざっと手紙の内容に目を走らせた。 「ルーラーからの手紙、ですか」 「うん。朝起きて郵便受けの中を見たら入ってた。この内容をどう思うか聞きたいんだよね」 「5000円とはまたみみっちいのかそうでないのか判断がつけ難い金額ですね」 「いや、そこじゃなくて」 「おや、そうでしたか。では、掲示板を見るために鹿角が契約している通神帯(ネット)と表示枠(サインフレーム)を使用したいという事ですか? この家何故か回線どころかテレビすらありませんし」 「できるのそんな事? ……いや、確かに興味はあるけれど、それでもなくて。フェイト・テスタロッサの事だよ」 送られてきたルーラーからの手紙に記されていた、諸所の連絡事項。 その一つ、『フェイト・テスタロッサというマスターの捕縛』。 同封されていた写真に写っている金髪を長いツインテールにした少女を眺めながら、シルクちゃんは問うた。 「開始早々の『捕縛依頼』。どう思う?」 「どうと言われましても。 現状で最も可能性の高い判断といたしましては、このフェイト・テスタロッサという参加者が何らかのルール違反を犯したと見ますが」 「そうだね、それが真っ当な判断だ。 ただ……」 シルクちゃんは、そこで一旦、言葉を切った。 「ルーラーは、あまり信用できないかもしれないな」 「ほほう? それはまた何故でしょう」 「聖杯戦争のルールを犯したのなら……、そんなものがあるのかは知らないが、とにかく、普通に理由を明かしてもいいんだ。 それをしないっていうのはつまり、参加者に明かすには後ろめたい何かがあるからだ……って、推測もできる。 そのあたりは、本人に聞いてみないとわからないけれど」 「なるほど。確かにそう解釈する事もできますね。しかし、ならばどうするのですか?」 「……、どうするって?」 「ルーラーが信用できない、というのはわかりました。しかしそれはシルクちゃん様独自の解釈であり、他のマスター達もそう思っているとは限りません。 令呪という報酬もある以上、フェイト・テスタロッサを巡ったなにかが街で起こるのは避けられないでしょう」 一直線に、鹿角がシルクちゃんを見つめる。 感情を有さない瞳が、感情を消したはずの瞳を射抜いた。 「率直に言えば、無干渉を決め込んで騒ぎが収まるまで待つのが得策かと」 「………………」 実際のところシルクちゃんにも、それは理解できていた。 ルーラーが信用できるかどうかは置くとしても、フェイト・テスタロッサを追えば同じように彼女を追う参加者と戦いになるのは避けられない。他の参加者との接触の確率が跳ね上がるのは聖杯戦争において、好ましくない。 戦わなければ願いに辿りつく事はできない。しかし戦うばかりでは消耗し、討ち取られる可能性をいたずらに上げるだけ、というのも事実だった。 ルーラーに反する、という選択肢もまた遠い。ルーラーの持つ令呪を持ってすればランサーを自害させる事は容易い。 下手をすれば、自分が第二のフェイト・テスタロッサとなる可能性だってある。 実際のところシルクちゃんにも、それは理解できていた。 ――ならば、どうしてこうも引っ掛かるのか。 「……わかっては、いるんだけどね」 我知らずの内に、シルクちゃんは呟いていた。 この街を忘却の国と見立てるならば。 それを裏から操るルーラーは。 そして、そのルーラーに追いかけられる少女は―― 飛躍が過ぎるのは、本人にもわかっていた。 けれど悲しい事に、彼女には己の内に膨れ上がっていたなにかを発散する為の言葉が無かった。 「……ランサーを呼んでくれ、鹿角。出る」 テーブルの上に置かれていた羽ペンを握る。シルクちゃんは地面を蹴り、席を立った。 その目に感情はない。 ――ないはずだ。 「おやおや? 先程の提案をもうお忘れですか」 「わかってるさ。だから極力他の組との接触は避ける。図書館の近くも張られてるだろうから、できるだけ近寄りたくないね」 「ではどうするおつもりで?」 「フェイト・テスタロッサの顔でも見てくるよ。捕まえるつもりはないけどね。ついでに、ふらふらしてるマスターを一組倒せたら上出来ってところかな。 鹿角は家で待機。魔力を感知されたりはしないだろうけど、その外見は目立つ」 「――そうですか」 自動人形である鹿角が、主(正確には、シルクちゃんは主のまた主だが)の目的に本気で口を挟むことはない。 だから鹿角は、その判断に対して何も言う事はなかった。 「では通神で忠勝様をお呼びしますので、その間朝食を食べてからお出掛けください」 代わりにその口から紡がれたのは、そんな言葉だった。 一旦キッチンに引っ込んで、準備していた朝食をテーブルに載せていく。 「……今すぐ出たいんだけど」 「それは構いませんが。食材が無駄になりますし、長い時間外に出る事を考えれば朝食は摂っておいた方がいいかと」 「………………」 抗議の言葉にも構わず、鹿角は手早く配膳を終わらせる。 顔を顰めていたシルクちゃんも、テーブルに並んだ和食の数々を目にして、観念したように再度席に着いた。 「夕食も仕込みをしておきますので、19時までにお帰りください」 ∇ 星輝子の朝は早い。 『親友』であるキノコ達はある程度手入れをしなくてもすくすく育つが、それとこれとは別の問題だ。 「フヒヒ……フヒッ……今日も元気か……? ……うんうん、元気そうだな……」 キノコの原木に向かって挨拶。様子を見てから、満足気に頷く。 他人からすれば奇矯な行為だが、彼女にとってはいつもの日常だった。 かびかび。 かびかびかびかび。 「……あっ……あ、新しい友達……おはよう……。 そっちも……元気か……?」 そしてこちらは、いつもとは違う日常。 周囲を漂う『かび』に、輝子は先程と同じように挨拶する。 「かび」 「そうか……よかったなー……フヒッ」 『かび』達から返された笑顔に、やはり輝子は満足気に頷いた。 「……あ……メール、来てる……誰かな……」 一通り挨拶を終わらせたところで、充電器にかけてあった多機能携帯電話にメールの着信が来ているのに気付く。 充電器から多機能携帯電話を手に取って操作。ちょっと昔は慣れない操作だったこれも、今ではすぐにこなせるようになった。 アイドルになって、色々な人間と知り合えたお陰だ。 「フヒッ……あれ、知らない人だ……ルーラー?」 受信箱に入っていたメールの送り主は、知らないメールアドレスだった。 題名は『ルーラーより、聖杯戦争予選通過者の皆様へ』。 一瞬迷惑メールを疑って、でも聖杯戦争という単語にそれはないと思い直す。 開いてみれば、内容は聖杯戦争についてのお知らせだった。 聖杯戦争そのものにはあまり興味のない(叶えたい願いはもちろんあるけれど、しかし喧嘩は嫌いな)輝子ではあったが、重要な事が書いてあるかもしれないし一応上から下までじっくりと目を通す。アイドルも報・連・相は大事だ。 そして、一つの連絡が輝子の目に留まった。 ルーラーが用意したという、聖杯戦争参加者のための掲示板ではない。(ボッチが身体に染み付いていた彼女は、顔も知らない聖杯戦争の参加者と交流する事になるだろう掲示板は苦手だった) 電子マネー5000円分でもない。(これは使い道に悩んだが、最終的に通販サイトでキノコに関するあれこれを注文するのに使うのを決めた) 『捕獲クエスト』の対象として設定された、金の髪をツインにした少女。 彼女の事で、輝子の頭はいっぱいになった。 「……ライダー」 「うん? どうした、マスター」 呼びかける声に応じて、ライダーが歩いてくる。その鼻先に、多機能携帯電話を突き付けた。 「な、なんだ? ……ルーラーからの連絡ぅ?」 唐突な行動に目を白黒させながらも、ライダーは輝子の手から多機能携帯電話を奪い取って操作。 メールの内容に目を通して確認する。 「えーっと……このフェイトって奴がどうかしたのか?」 「この子も……ボッチ……なのかなって……」 『捕獲対象』の少女――ルーラーからの情報が正しければ、名は『フェイト・テスタロッサ』。 彼女のことが、輝子はどうしても気になってしまった。 だって、この聖杯戦争に、彼女の味方はいないのだ。他の参加者はおろか、本来公平な筈のルーラーまでもが敵に回ってしまった。 皆に狙われる立場になって、彼女はきっと一人ぼっちだ。 それがどうにも、輝子には我慢がならなかった。『トモダチ』と出会う前の自分が、そうさせるのか。 「……いや、サーヴァントがいるんだからボッチじゃないんじゃないの?」 「あっ」 「だいたい、フェイトって奴はルーラーから捕獲しろって命令されてるんだろ。それなら危険な奴かもしれないぞ」 呆れたように言うライダーの指摘は、確かにその通りではあった。 捕縛の命令をルーラーが出したという事は、フェイトという少女はなにか悪いことをしたのかもしれない。 下手に近付けば攻撃されるかもしれないし、そうでなくとも他の参加者とも戦う事になる可能性は高かった。 「でも……」 けれど。 「危険な子なら、ほら……幸子ちゃんと小梅ちゃんも、危ないし……」 輝子にとって、その指摘は逆効果だった。 そもそも輝子の大目的は、この街にいる幸子と小梅を守ること。 危険な人物が街をうろついているなら、それこそどうにかしないとならない。 「………………」 そう輝子が考えているのを悟ったのか。ライダーは、不機嫌そうに顔を顰めた。 「……オレサマは手伝わないからな!」 「うん、乗り物の改造お願い……」 「そういう事でもなーいっ!」 プリプリと擬音化された怒り方をしながら、ライダーはこの前と同じように、かびるんるん達を引き連れて行ってしまう。 ただ輝子は、ライダーがいつも徹夜して(サーヴァントは眠る必要がない以上、徹夜と呼ぶのが正しいのかはわからないが)自らの乗り物を改造している事を知っていたから、特に不安に思ったりはしなかった。 「学校、行かないと……今日も幸子ちゃんと小梅ちゃんとお話……フ、フッ」 そうして輝子は、今日も学校の支度を始める。 聖杯戦争は始まったが、幸子と小梅が来ているだろう学校に行かないなんて、輝子には考えられない話だった。 だから気が付かない。掲示板に苦手意識を持って開きもしなかった彼女には。 悪意が、彼女の仲間、そして『トモダチ』を蝕もうとしている事に。 ――気が付かない。 ――今は、まだ。 ∇ かくして二人の少女が、一人の少女を巡った盤面に乗る。 異なる動機で。異なるやり方で。 【D-7/奉野宅/一日目 早朝】 【シルクちゃん@四月馬鹿達の宴】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備]魔法の羽ペン [道具] [所持金]一人暮らしに不自由しない程度にはある [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手に入れて、復讐する。 1.朝食を食べたら街に出る。 2.フェイト・テスタロッサに対しては―― 3.ルーラーへの不信感。 [備考] ※フェイト・テスタロッサを助けるつもりはありません。ですが、彼女をルーラーに突き出すつもりもありません。 ※令呪は×印の絆創膏のような形。額に浮き上がっているのをシルクハットで隠しています。 【ランサー(本多・忠勝)@境界線上のホライゾン】 [状態]平常 [装備]『蜻蛉切』 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:主の命に従い、勝つ。 1.マスターと一緒に街へ出て一暴れする。 [備考] ※宝具『最早、分事無(もはや、わかたれることはなく)』である鹿角は、D-7の奉野宅に待機しています。 【C-2/マンション/一日目 早朝】 【星輝子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備] [道具]多機能携帯電話 [所持金]一人で暮らせる程度にはある [思考・状況] 基本行動方針:幸子ちゃんと小梅ちゃんを守る。 1.学校へ行って、幸子ちゃんと小梅ちゃんに会う。 2.フェイト・テスタロッサが気になる。 [備考] ※掲示板を確認していません。 【ライダー(ばいきんまん)@劇場版それいけ!アンパンマン『だだんだんとふたごの星』 及び『よみがえれバナナ島』 他、劇場版】 [状態]平常 [装備]宝具『俺様の円盤(バイキンUFO)』、『地の底に潜む侵略者(もぐりん)』、『踏み砕くブリキの侵略者(だだんだん)』 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:宝具を改造して、準備を整えてから行動したい。 1.宝具をエンチャントする。輝子については勝手にしろと言っているが――? [備考] ※どの宝具から改造しているかは後続にお任せします。 BACK NEXT 006 匿名希望のアガパンサス 投下順 008 砂糖菓子の朝はほろ苦い 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 000 前夜祭 シルクちゃん&ランサー(本多・忠勝) 021 いつか見たグラジオラス -017 シルクちゃん&ランサー 000 前夜祭 星輝子&ライダー(ばいきんまん) 014 絶望少女育成計画Reflect -012 星輝子&ライダー
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「さーて、生け捕りにした魔女にはどんなお仕置きがいいかな」 1万近い人間の思念を縒り合わせて作った結界に囚われ身動きが出来なくなったミティを見て、教祖は勝利を確信した。 が、次の瞬間愕然とした。 神殿前の広場に詰めかけた信者達、魔女を捕らえる為の結界を張るために召集された信者達が、老若男女を問わず身につけていた衣服を脱ぎ捨て、転げ回っている。 「き、貴様何をした」 「あたしは何もしちゃいない。 あの連中はあたしの心に触って熱くなったんじゃないかな」 「何を馬鹿なことを」 「あたしの氷の心に触れたことによって体温が下がってしまった。 で、相対的に気温の方が体温を上回っちまったから、熱さを感じて服を脱ぎ捨てて新興宗教、露出教の誕生ってわけさ」 「きさま、我がしあわせ教を馬鹿にするのか」 「はっ、言いがかりは止しとくれ。 あたしが何もしなくてもあんたは最初っから馬鹿さ」 「何を」 「あんな普通の人間を使って私を止められると思ってたぐらいだからさ。 動けない振りをしたら、鼻の下を伸ばしやがってこのエロおやじが」 氷の鎌を手に魔女は教祖を睨みつけた。 「あんたに永遠の幸せをやるよ、感謝しな」 魔女の腕の一振りは赤い霧が呼び、霧はたちどころに凍った。
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かがみ「はい、あーん、おいしい?」 おいしいよ!かがみ かがみ「よかったぁ!あ、ほらこぼさないで」 ありがとう、かがみ かがみ「ふふ、まだたくさんあるから一杯食べてね」 うん、かがみ かがみ「もうずーっと一緒だよ、男くん」 そこには一人幸せそうに笑ったかがみと男だったものが存在した。
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#blognavi 今日はいつもに増して峰くんのこと考えてた そしたら・・・ さっき峰くんから電話かかかってきた♡ 峰くんも紗織のこと考えてたんだって(*^~^*)ゝ なんだか二人の雰囲気がよかった♡ 愛されてるんだ♪って安心できる幸せな時間でした♡ 名前 コメント カテゴリ [峰くん] - trackback- 2006年12月22日 23 22 35 #blognavi
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2021年5月26日 出題者:耳 タイトル:「幸せの瞬間」 【問題】 結婚して収入も増え、まさに幸せの絶頂の男に 妻が恥ずかしそうに「もうすぐ家族が増えるの…」と言ってきた。 しかし男は浮かない顔だ。なぜ? 【解説】 + ... 新婚の男は宝くじで高額当選した。(=収入が増えた) そのとたん、今まで縁を切っていた妻の親やきょうだいが どこで聞きつけたのか連絡してきて、家に住み着こうとしているというのだ。 今まで妻が逃げても逃げても場所を突きとめて、たかってきた奴らだという。 そんなやつらをどうやって追い払うか、いっそ自分たちが逃げるか… 頭を抱える男であった。 配信日に戻る 前の問題 次の問題
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赤い翼の輪舞曲 第14話――響け! 幸せのスキャット!!―― 「なんで……。どうして今頃になって、私に幸せのメロディを歌えだなんて言うの? そんなの、あんまりじゃない!」 広場から少し離れた路地を、ビートはフラフラと、あてもなく歩き続ける。 どれだけ歩こうが、どこへ向かおうが、そんなことはもうどうでも良かった。どうせ――逃げる場所などありはしないのだ。 もうじき、全てが終わる。自分が幸せのメロディを歌えないことで、世界が終わってしまうのだ。 「私は、幸せのメロディの歌姫に選ばれることが、自分の全てだって思ってた。自分の歌声が誇らしかった。ハミィに優しくできたのだって、溢れんばかりの幸せを、分けてあげられると思ったからよ」 幸せのメロディの歌姫に選ばれることは、歌の妖精ならば誰もが思い描く夢。これ以上ない最高の栄誉だった。 でも、最高の幸せを手にすることは、最悪の不幸を招き入れることでもあった。 幸せのメロディの歌姫に、ハミィが選ばれた瞬間、自分は全てを失った。 決してハミィに非があったわけではない。彼女の神々しいまでの歌の力が、情け容赦もなく、己の才能の限界を照らし出したのだ。 まるで足元から世界が崩れ、奈落の底に突き落されたような気分だった。 明るく幸せだった毎日は、暗く光の差さぬ不幸に取って変わる。歌姫の自信は絶望に変わり、ハミィへの愛情は、嫉妬から憎しみへと変化した。 「でも、ハミィはそんな私すら見捨てずに、愛し続けてくれた」 今なら――よくわかる。どうして、自分よりハミィが選ばれたのか。 単に、歌唱力が及ばなかっただけじゃない。妖精としての力が劣っていたわけでもない。 もし、ハミィが自分の立場だったらどうしたろう? 他の妖精に、歌姫の座を奪われてしまったら、何を思うだろう? きっと、ハミィは心の底から、新しい歌姫を祝福するだろう。 自分に勝る歌声を心から楽しみ、惜しみない賞賛を贈るだろう。 ハミィは、誰も恨まない。誰も憎まない。常に笑顔を振りまいて、みんなの心を癒していく。 人を愛し、自然を愛し、世界を愛し、何よりも音楽を愛している。その優しい想いを、幸せのメロディに乗せて歌う、最高の歌姫なのだ。 「幸せのメロディの歌姫は、ハミィにこそ相応しい。不幸のどん底に落ちた、私だって救ってくれたんだもの。だから――だから私は!」 ハミィを――助けたいと思った。それが叶うなら、この身の全てを失ってもいいとすら思った。 そう念じた時、妖精の証である、首のネックレスが粉々に砕け散った。 あの時から、自分にとって一番大切なことは、幸せのメロディを歌うことじゃなくて、親友のハミィを守ることになったんだろう。 だからこそ、歌の妖精の身体と声を捨てて、歌姫の資格を手放すことと引き換えに、人間の身体とプリキュアの力を得たんだろう。 「なのに、今度は私に歌えと言うの? 歌より、戦いを選んだ私に……。もう、この身体では、以前の歌声は出せないというのに――」 普通の歌なら、いくらだって歌えるだろう。本来なら、歌を歌うのに資格なんて要るはずがないのだから。 だけど、人間の身体で、音符一つ操ることのできない声で、世界の運命を担うなんて―― できるわけが……なかった。 「こんな私を見たら、ハミィはどう思うだろう。今度こそ、愛想を付かせて嫌われるかな。それとも、またあの天然ボケの口調で励ましてくれるのかな。ハミィ……会いたいよ。ハミィ!!」 ついに、ビートは足を止めて膝を付く。もう――歩く気力も湧いてこなかった。 力なく地面を叩く手が震え、嗚咽がこみ上げる。 しばらくそうしてうずくまっていたビートは、ふと、誰かに呼ばれたような気がして、顔を上げた。 「嘘っ……」 思わず息を呑む。信じられない光景が――居るはずのない者の姿が、そこにあった。 「ハミィ? どうして、ここに? そんなこと、ありえない……」 ビートの目の前に転がっているのは、一体のネコの石像。 驚きや恐怖の表情を浮かべる石像が立ち並ぶ中で、唯一つ、微笑を浮かべて、見る者を癒すような表情の石像。 それはビートにとって、命よりも大切な存在。世界で一番の歌姫。石になってもなお、自分に笑いかけてくれる、最愛の友達のハミィだった。 「ねぇ、ハミィ。お願い、教えて! 私は――どうしたらいいの?」 ビートは、ハミィを抱き上げて問いかける。穏やかな笑みを浮かべるハミィの顔を、ポタリ、ポタリと零れ落ちる涙が濡らす。その時―― (泣かないでほしいニャ。セイレーンは、とっても頑張ってるニャ。な~んにも、悪くなんてないんだニャ) 「ハミィ……。ハミィなのね! 意識があるの? 私と話せるの?」 (歌は、一人で歌っても楽しいけど、ハミィはできたらセイレーンと一緒に、幸せのメロディを歌いたかったんだニャ) 「そうね。ハミィは、そんなことを言ってたわね。ごめんなさい、私には勇気がなかったの。私は幸せのメロディの歌姫を諦めることで、もう一度ハミィの友達に戻れたわ。 もし、幸せのメロディを歌ったら、またハミィに対する嫉妬の気持ちが沸いてくるかもしれない。それが――怖かったの……」 (セイレーンなら、大丈夫ニャ! あれはちょっとだけ、間が抜けただけニャ。気にすることないニャ) 「馬鹿ね。それを言うなら、魔が差した、でしょ?」 (ハニャニャ~。そうだったかニャ~? やっぱり、セイレーンは賢くて頼りになるニャ) 「でも、もう遅いわ。あなたは石になってしまったし、伝説の楽譜も、どこにあるのかわからない。それに、私は妖精の歌声を失ってしまったもの」 (セイレーン、思い出してニャ。歌は誰が歌っても、力が宿るものニャ。妖精は、少~しだけ、それが強いだけニャ。もしもセイレーンひとりじゃ足りないんだったら、響たちが居るニャ。それに、楽譜がないなら、新しい幸せのメロディを作って、歌えばいいんだニャ) 「新しい、幸せのメロディを作る? そんなことができるの!?」 (セイレーン……) その言葉を最後に、ハミィは完全に沈黙してしまった。何度話しかけても、心の声が返ってくることはない。 いや、始めから、そんな声は聴こえていなかったのかもしれない。ハミィの石像からは、体温も感じられず、手触りもごつごつと硬く、鼓動も感じられなかった。 今のは自分の心が生み出した、幻聴なのかもしれない。 「だとしても――もう、私は迷わない。忘れていたわ。この胸に宿るト音記号は、全ての音符を奪われて、真っ白になった伝説の楽譜から新しく生み出されたもの! 新しい音楽を、自らの手で作っていくために、伝説の楽譜から託されたもの。 ねぇ、ハミィ。ハミィは言ってくれたわよね? 『不幸のズンドコに突き落とされても、大丈夫!』って。そしたら、私が一緒に泣いてくれるからって。 私も同じ気持ちよ、ハミィ。たとえ世界が滅びたって、全てが石になったって、フュージョンに飲み込まれたって、私はずっと――ハミィと、ずーっと一緒にいるから!」 ビートは、スッと立ち上がる。両の瞳は熱く燃え上がり、猫の目のように爛々と光る。その身のこなしは軽く、足を怪我していることすら感じさせないほどだった。 「私の、本当の夢が見つかったわ。これが最初で、もしかしたら最後になるかもしれないけど。 私はプリキュアとして戦い、人間として歌う。新しい幸せのメロディの歌姫になる。みんなの幸せを守り、ハミィと一緒に幸せになるために!」 キュアビートは、ハミィを大切そうに抱えて、全速力で駆け出した。 逃げ出そうとした自分を、それでも信じて待っていてくれる仲間の元に。最後の希望の集う――調べの館に向かって。 『赤い翼の輪舞曲――響け! 幸せのスキャット!!――』 「違うっ! こうじゃないよ」 「落ち着いて、響。次は、私がやってみる!」 調べの館に到着した、メロディ、リズム、ミューズは、変身を解除して広間のピアノの周りに集まった。プリキュアの状態だと、腕力が強すぎて、繊細な力加減を必要とする演奏は難しいからだ。 三人はさっそく記憶の糸を手繰り寄せて、幸せのメロディの再現を試みる。 しかし、最初の段階から躓いてしまう。曲のイメージは浮かぶのだが、具体的な旋律がどうしても思い出せないのだ。 いや、それは分かっていたことだった。幸せのメロディは記憶できないのだと、先ほどエレンも言っていたのだから。 それでも、その場になれば、楽器を前にすれば、ある程度は何とかなると楽観していた。その考えが甘かったことを、三人は思い知らされる。 大音楽家の団は、絶対音感と呼ばれる正確無比な音感と、音楽のことにかけては常人を超えた記憶力を持っていて、一度聞いた演奏は完全な形で楽譜に再現できるという。 響や奏はそこまで極めてはいないが、二人とも音楽のセンスは人並み外れている。そんな彼女たちですら、ただの一つのフレーズも覚えていない。こんなことは、生まれて初めてだった。 何度か交代して弾いた後、響は悔しそうな表情で鍵盤から指を離した。 「ダメだぁ~、わかんない! 信じられないよ! あんなに間近で聞いた曲なのに、まるで覚えてないなんて……」 「エレンが言ってたのは、このことだったのね。アコは、幸せのメロディについて、他に何か知らないの?」 「わたしも、そんなに何度も聴いたことがあるわけじゃないから……。でも、幸せのメロディは、楽譜のある間でしか演奏されないし、歌姫も必ず楽譜を読みながら歌っていたわ」 奏の問いかけに、アコはなんとかそれだけを答える。メイジャーランドで生まれ育ったと言っても、まだ九歳の少女だ。物心付いてからの年月ならば、その半分にも満たないだろう。 『国で毎年行われている、大切な儀式』という程度の認識しか持っていなかったのも、無理からぬことだった。 「やっぱり、ただのメロディじゃないんだね。音符の一つ一つが、ネガトーンになるくらいの力を持ってるんだし」 「プリキュアの変身の鍵になるト音記号だって、伝説の楽譜から生まれたのよね」 かつての、マイナーランドとの戦いの日々を思い出して、響がつぶやく。 音符の数は、平均的な楽譜でも一ページで五百個近くある。一度は手にしたこともある伝説の楽譜の厚みを考えれば、総数はその数十倍だろう。 それだけのネガトーンに匹敵するほどの力が、伝説の楽譜には宿っている。キュアモジューレだって、その中の四つのト音記号でしかない。 改めて、自分たちがやろうとしていることの無謀さを痛感する。 「もしかしたら――幸せのメロディって、伝説の楽譜と、それに宿る音符の力を解放させる、魔法の儀式みたいなものなんじゃないかな」 「そんなっ! だとしたら、どんなに頑張ったって、私たちには歌えないってことになるじゃない……」 成す術の無くなった彼女たちの思考は、悪い方向にばかり傾いていく。しかも、響の仮説には否定できない説得力があった。奏が悲鳴にも似た叫び声をあげる。 アコも、懸命に過去の音楽祭の記憶を辿ったが、何の打開策も思い浮かばなかった。 今更ながら、メイジャーランドに行った時に、伝説の楽譜を見つけられなかったことが悔やまれる。 もちろん、あったとしても使える状態だったかどうかはわからない。そもそも幸せのメロディとは、一年に一度しか歌われることのないものだからだ。 いずれにせよ、今から取りに行ける時間なんてあるはずがなかった。時間がかかればかかるだけ、ノイズがフュージョンに倒される危険が増すことになる。そうなれば、せっかく掴んだ小さな希望が、あっけなく消え去ってしまうことになるのだ。 「せっかく――せっかくピーちゃんが助けてくれたのに。こんな最期なんて、あんまりだよ……」 「私も嫌よ! またみんなに会えるかもしれないって、そう思ったのに……」 「わたし、エレンに酷いこと言ったわ。エレンはただ、こうなることに気付いていただけなのに」 三人が深くうな垂れる。その時、彼女たちの耳に、ボロロン……という心地よいギターの音色が聞こえた。 「この音は……」 「エレン!」 「帰ってきてくれたんだ!」 響が、奏が、アコが、一斉に立ち上がって、調べの館の入り口に目をやる。そこにはギターと石像を胸に抱いて、少し照れたような表情で階段をゆっくりと降りてくる、エレンの姿があった。 「エレン、ごめん! わたし――」 「ごめんなさい! 私たち、幸せのメロディの、最初の部分すらも弾けなかった……」 「わたしがエレンにどれだけ無理なことを要求したのか、よくわかったわ。ごめんなさい……」 三人がエレンに駆け寄って、口々に謝罪する。エレンは首を振って、そんな彼女たちに優しく微笑んだ。 そして、大切に抱えてきたハミィの石像を、仲間たちに見せる。 ハミィとの会話。その中で気付いたこと。これからやろうとしてること。自分の新しい夢―― それらをエレンは、微笑みを絶やさず、大きな光る目で仲間たち一人一人を見つめながら、穏やかに語った。 「私ね、この世界に来て気付いたの。伝説の楽譜と幸せのメロディがあれば、それで世界中が幸せになれる。そんなの、何か間違ってるって」 幸せのメロディは、確かに最高の音楽なんだろう。だからこそ、最高の歌姫によって、年に一度だけ歌われる特別な歌なのだ。 それはそれでいい。だけど―― 「一年に一度だけ、たった一人の歌姫に歌われる、幸せのメロディ。それだけが、私たちの守りたかった音楽なのかしら」 この街に来て、初めて知った。 世界には無数の人が居て、無数の音楽があるんだってことを。 人の数だけメロディがあって、人の数だけリズムがある。中には歌が上手じゃない人もいる。デタラメな節回しだってある。 だけど、どんなに演奏が下手でも、音楽を好きになることはできる。たとえ音痴でも、楽しく歌うことならできる。 この世界は無数の音に満ちていて、ただの一つも不要の音なんてないのだ。 「メイジャーランドの歌の妖精は、ここには居ない。伝説の楽譜もなければ、幸せのメロディもない。でも、それでいいじゃない! ただの人間として、音楽を愛し、この街を愛し、この世界を愛する気持ちを乗せて――」 エレンは、一呼吸置いてから、ビーンと、鋭くギターを一閃する。 「歌いましょう! 私たちだけの、幸せのメロディを!」 エレンの力強い宣言に、響と奏はポカンとして顔を見合わせる。 「それって、幸せのメロディはあきらめて、普通の歌を歌うってこと?」 「う~ん、言ってることはわかるけど、それじゃあ、みんなを石から戻すことはできないんじゃ……」 呆れた口調の奏と、首を傾げる響に、待ってましたと言わんばかりに、エレンは不敵に笑う。 「戻せなくても、大丈夫よ!」 「どうして?」 「たとえこの世界がどうなっても、私たちは一人じゃない。上手くいかなかった時は、一緒に泣いてくれる友達がいるじゃない」 「それって、ハミィの言葉だね」 「でも、それじゃあフュージョンのやってることを、認めることになるんじゃない?」 「そうね。なら――上手くいかなかった時は、最後まで一緒に戦いましょう!」 「クスッ、そうだね。よく考えたら、始めからそれしかないもんね」 「ホント! 私たち、一体何を悩んでいたのかしら」 「やろう! エレン、響、奏。それでどうなったって、何も起こらなくたって、わたしは決して後悔しない!」 そうと決まれば、一分一秒だって早い方がいい。アコの指示に従って、四人は調べの館の音響装置を起動させる。 本来は、ノイズとの決戦に備えて設計された、パイプオルガン用の拡散装置。それは、ここで演奏される音楽を増幅させて、加音町の全域に響き渡らせる仕掛けだった。 「準備OKだよ、エレン!」 「うん」 エレンのギターの音が、静かに響き渡る。 ラ~ララララ♪ ラ~ララ~♪ ラ~ララララ♪ ラ~~♪ 「これは……ハミィの夢の中で歌った!」 「スキャットよね?」 スキャットとは、歌詞の存在しない歌。旋律に合わせ、即興(アドリブ)で、意味を持たない声を乗せていく歌。 歌というよりも、声という楽器で演奏するような歌唱法だった。 「そう。決められた意味を持たない代わりに、どんな意味だって込められる。私の歌いたい歌は、特別な人の特別な歌じゃない。誰にでも歌えて、いつでも、どこでも、みんなで歌うことができる歌。 私の目指す、最初の幸せのメロディ。名付けて――」 “幸せのスキャット” エレンのギターと歌声に合わせて、響と奏のピアノ連弾が加わる。 アコのオカリナの音が、曲に繊細なアクセントを与える。 四人の想いは一つになり、音となって響き渡り、加音町の全域を駆け巡る。 神秘の力を持たない、ただ心からの想いを込めた音楽にだって、人を幸せにする力はあるはずだから。 そう――きっと、奇跡を呼び起こすと信じて。 赤い翼の輪舞曲――繋がる世界と結ぶ歌――へ続く
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通称 すっぱ ハンドル名 すっぱ(狂言用語で愚か者の意) 年齢 小泉今日子くらい 出没時間 早朝~22 00 趣味 ピアニカでジャズること 特技 安田大サーカスのクロちゃんの声の物まね 性別 ♀ 特徴 AAのコピペが好き 出身 北陸地方 似ている芸能人 西村知美 幸せスレのお母さん的存在の女性で neroと一番乗り対決をするライバルである。 ほのぼのしたAAなどで、住人達を和ませていた。 淡い恋の話など、奥ゆかしい一面も・・・。
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52 名前:それも名無しだ:2009/06/28(日) 21 00 20 ID UsDuQdkk いすぺいる「あの、これ(100万円)で私を守ってもらえませんか?」 真矢「こ・これだけあれば黒のガーターベルト(まだ諦めてなかったのか)で一騎君を悩殺できる! わかったわ。で、ターゲットは?」 いすぺいる「ロリコンズ……」 ジョシュア「僕です!ジョシュアです! ゴミ捨て場に簀巻きにされたロリコンズがいました!」 ヴェリニー「貼り紙があるわね。『この者達 ハレンチ罪!』」 192 名前:それも名無しだ:2009/06/30(火) 23 24 41 ID XRqXwibd 真矢「いすぺいるちゃんの護衛で100万円を頂いちゃった~!!これで黒のガーターゲット~!!」 弓子「真矢、随分とご機嫌じゃない。良いことでもあったの?」 真矢「まあね~」 弓子「少しは分けて欲しいくらいよ。結婚したいのに、道生は無職…」 真矢「お姉ちゃん…」 弓子「出産もあるから無駄遣いできない。式位は挙げたかったわ」 真矢「…あのね…」 イスペイル様「なんと?いんでぃくす☆で披露宴を開きたい?」 弓子「はい…あまり予算はないんですけど…」 道生「…真矢や一騎達がお世話になっているこの店でパーティーでもと」 イスペイル様「ふむ。祝い事と聞いては断るのは野暮だな」 弓子「じゃあ…!!」 イスペイル様「宜しい、いんでぃくす☆は店を挙げて協力させて貰おう」 一騎「遠見、道生さんから聞いたけどお前って凄く家族思いだな」 真矢「…も~道生さんたら口軽いんだから…」 一騎「…なんかさ、俺そういう優しい女の子って結構好きだな」 真矢『(///)はぅ~…この言葉だけで100万円の価値があるよぉ~』 196 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 00 47 14 ID eGsgQoET 翔子「うがぁぁぁーーーーー!ルルちゃんと同じ、お腹の中真っ黒の女狐め!私の一騎君とイチャイチャしゃがって!!今日こそ成(ry」 ザイリン・ノーザ・剣司・カノン・プロ子「少しは空気嫁ぇぇぇーーーーー!!」(量産型ミナールハンマー(魂付き)で翔子を叩く) 翔子「へぶっし!!」 ジョシュア「(ry)(珍しくザイリンさんとノーザさんが翔子さんにツッコミました!・・けど、掃除は皆さんでやって下さい!!)」 ローサ・静流・マリュー「結婚かぁ・・・・・・ハァ」 ジョシュア「(・・・・・あそこの人たちのせいで、少し空気が重いです・・・・・)」 ヴァン・レイ兄「エレナ(シノ)・・・・・・」 ジョシュア「(兄さんとヴァンさんのせいで、一気に空気が重いです・・・・・)」 197 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 01 04 22 ID OxJ8Op9a 真矢「ふぅ…」 ルル「真矢さん具合でも悪いの?」 真矢「ちょっと考えごとしてるだけ~…はぁ」 (以下真矢回想&妄想) 一騎『…優しい女の子って結構好きだな』 真矢『一騎くん…』 一騎『もしよかったら俺と…結婚を前提に…』 真矢『…はい…』 真矢「ふにゃ~…照れる一騎くん可愛いよぉ~お持ち帰りぃ~!!」 ルル「……(変態ぶりが翔子さん並みになってきたわね)」 カノン「しかしトリプルシックスが結婚とはな…幸せになって欲しい」 翔子「道生さんの仕事も決まったし、順調な婚約生活だって」 カノン「婚約…か」 (以下カノン妄想) カノン『一騎は晩ご飯何が食べたい?』 一騎『…カノンの一番得意なやつ。でもその前に…カノンを…(チュッ)』 カノン『んっ!?…だ、駄目だ!!こんな明るいうちから……あっ!?』 翔子「…ちゃん!!カノンちゃん!!」 カノン「ふぇっ…あ、翔子お姉ちゃん…」 翔子「どうしたのよ、ぼんやりして」 カノン「す、すまない…少し考え事を」 翔子「でも結婚かぁ…私も……」 (以下翔子妄想…ですが全年齢板のためカット) 翔子「フヒヒヒヒヒwwwあと4年間の辛抱よ~」 カノン「翔子お姉ちゃん…顔が崩れてるぞ」 ジョシュア『ぼ(ry最近女性の間でぼんやりしたり急に笑いだす症状が増えているそうです』 203 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 10 23 31 ID OxJ8Op9a イスペイル様「道生君と弓子君の結婚パーティーの配役を暫定ながら発表するぞ」 新郎新婦 道生・弓子 仲人 親族 真壁司令(代理)・遠見千鶴・一騎・真矢・カノン 司会 ローサ(一曲付) 特別ゲスト レミコト「ありのままでLOVIN′U」 つばき&乙姫「ふたりはつばきちゃん・1日限定で復活よ」 ジョシュア「仲人が空欄になってますが?」 剣司「特別ゲストが……一騎好みなのが…」 イスペイル様「仲人はそのうち決まるだろう。ゲストは知らん。あと当日の剣司と翔子は式の参加者。他はいつも通りに働いて貰うぞ」 ジョシュア『ぼ(ry今日は特に突っ込み所はありません!!』 205 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 11 17 00 ID btj/DCPU カギ爪だけは来ないように用心棒を雇っておくべきなのでは 206 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 12 39 06 ID PD5k5oyP 結婚式か… 無言の重圧に耐え切れなくなったアスランが血を吐きそうだ 207 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 13 50 33 ID zw+0N7bc イスペイル様「用心棒か、黒いサザンクロスにでも頼むか?」 ゲイナー「前科持ちのゲインさん呼んだら、晴れの日が台無しになりませんか?」 ゲイン「そりゃどういう意味だよ、ゲイナー…」 208 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 15 37 47 ID Z8Gc2iYO このスレの剣を見てると ローザさんが浮かばれない事この上ないな…… 草葉の陰で泣いているか、あるいはそのうちセレブレイダーに取り付いて暴れるんじゃね? 209 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 16 10 46 ID kT6ouDGR 208 ルゥはまだコスモダイバー(改造)だしな。 サスページ「・・・・(セレブレイダー手に入れる→大雷鳳と合体する→勇者シリーズ並みのカッコいい必殺技習得)!!」 ルゥ「・・・・(セレブレイダー手に入れる→大雷鳳と合体する→『コーチ!私を握って!!』→師弟を超えた関係になる)!!!」 サス・ルゥ「「ちょっと今からセレブレイダー探してきます!!」」 イスペイル様「結婚式終わってからにしろ!忙しくなるのに出て行かれちゃ困るわ!!」 210 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 16 48 35 ID 8v4r9x4x 真矢「お姉ちゃんと道夫さん、産まれた赤ちゃんにどんな名前付けるのかな」 翔子「お互いから一文字取るとか素敵だよね。例えば私と一騎君で『一子』とかねフヒヒwww」 真矢「凡百な名前ー。私と一騎君なら『一矢』…うん、空手の達人になれそうな良い名前ー!」 翔子「どーせメドローアみたいな半端な技しか使えないわよ」 真矢「なによー!」 翔子「そっちこそ!」 カノン「わ、私と一騎なら『カノ騎」…いや、『一ン』?」 真矢翔子「いやいやいやおかしいおかしい」 カノン「ん?そうなのか」 ゲイン「両親から一字ずつ取るのはヤパーナーだけの風習だなぁ」 ゲイナー「漢字圏じゃないと難しいですよね」 211 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 17 56 03 ID ipteHlGG 210 イスペイル「空手の達人か・・・・ (格闘が得意だからモーショントレースする>装備無しでは危ないから三鉄昆や小型の剣等も付ける それだと遠距離が駄目だから遠距離用の武器として投擲用のナイフ状の武器と、内臓の機関銃等も付ける それでは必殺技が無くて地味だから。必殺の一撃を決めるため敵を空中に放り出すファンを内蔵する すごい金属が使われたとき破ることができないから先ほどのファンに炎を噴出させ即座に冷やし金属をボロボロにする機能も付ける) イスペイル「ちょっと設計図書いてくる!」 ジョシュア(僕です、ジョシュアです!ミイラ取りがミイラになるとはこのことだったんですね!) 212 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 18 06 02 ID OxJ8Op9a ギル「なんだか隣のメイド喫茶がこの所やけに賑や…前からだが」 ア・カン「なんでも結婚パーティーを開くんだとさ。あたいも参加したいなぁ…」 ソル「ダメダメ、当日はこっちも忙しくなるから抜けないでくれよ」 ア・カン「ちぇっ」 ギル『ふ~む…ここで恩を売っておけば…』 (イスペイル感謝→格安でギル・ギア強化→ミアに勝てる) ギル『俺様たちも特別メニューを差し入れしてみるか』 レベッカ「キャサリン店長、今度の結婚パーティーの件ですが」 キャサリン「勿論出席するわよ~、私もレベッカちゃんも」 レベッカ「…はあ」 キャサリン「来場者にうちの商品を配ってPRするチャンス!!」 レベッカ「私の衣装はやはり…」 キャサリン「当然、この夏最新モデルの水着よ」 レベッカ「orz」 ルル「私たちチームDMにも招待券が来ました」 ルナマリア『DMって…』 ミラ『脱・負け組じゃ聞こえ良くないでしょ』 ルル「そこで美しく変身してお互いの目標を射止めましょう!!」 ル・コボル「え、当日は働かなきゃいけない?」 ガズム「何でも参加者が多く、人数が足らないそうなので」 ル・コボル「やだ~!!わたしも美味しい物食べてブーケ貰うの~!!」 ガズム「我が儘言わないで下さい…あいたた…」 ヴェリニー「じゃ…(ヒソヒソ)…でどうです?」 ル・コボル「う~…じゃパンツ三枚あげるね……(う、レムの意識が…)」 ヴェリニー「しゃー!!!ル・コボル様のパンツゲットー!!!!」 ジョシュア『ぼ(ry欲もあるみたいですが、皆さんお祝いしてくれるようです』 215 名前:それも名無しだ:2009/07/01(水) 21 41 46 ID zw+0N7bc 200 屋根の上 剣「ここからなら幼女を存分に眺め回せるぞ、最高だ」 ディック「オレ達にはラッキーの女神様がついてるようだぜ」 ディアッカ「ええい、ロリはいい!ミリィを探せミリィを!!」 甲洋「翔子…オレ達の子なら洋子ってマトモな名前がつけられるのに…」 ケイン「甲洋どの、元気を出して下さい」 甲洋「ケインさん…」 ケイン「私などノーザ様が私の下(の階)で寝てると考えただけで、鼻血が止まりません!」 甲洋「下…翔子…翔子もオレの下(の階)で…シャワーや着替えを………ブッ!」 ザイリン「結婚式当日は上の奴らも大人しくしてくれたらいいのだが」 ヴォル子「ザイリンもルージと結婚式するか?」 ザイリン「もちろんだ!ルージ君のウェディングドレス姿が目に浮かぶようだ」 ノーザ「ダイヤとのケーキ入刀か…ハァハァ」 翔子「一騎君とのハネムーンは…ハァハァ」 ジョシュア「ザイリンさん達も大人しくしてくださいね」 244 名前:それも名無しだ:2009/07/03(金) 11 15 19 ID +KPihM1S 神父「汝らは健やかなる時も病める時も、互いを愛し続ける事を誓いますか?」 道生「誓います」 弓子「はい誓います」 ジョシュア『ぼ(ry唐突ながら今日は道生さん達の結婚式当日です』 真矢「お姉ちゃん綺麗だよ~…可愛いよ~…お持ち帰り…したいけど…無理だよ…ひっく」 一騎「泣くなよ遠見。今日は道生さん達の晴れの門出なんだから」 真矢「ひっく…一騎く~ん(ギュッ)」 一騎「あ…(///)」 カノン「真矢、くっつきすぎだ。場を弁えろ」 ???「ふぅ…やっと教会についたz」 ドドド… ザイリン「いか~ん!!こんなめでたい日に限って寝過ごした!!(疾走中)」 ノーザ「これと言うのもお前らが夜更かしさせたからだ(同じく疾走中)!!」 翔子「ノーザさんだって『ダイヤの隣りでウェディング姿なのは俺』ってハァハァしたじゃないですか(同様に疾走中)!!」 プチッ ザイリン「今何か踏んだ気がするが!!」 ノーザ&翔子「そんなの問題ない(です)!!」 ドドド… ???「…こ、こんな……地K(ガクリ)」 ザイリン「はあはあ…なんとか。ま、間に合ったか…」 ジョシュア「ザイリンさん達遅刻ですよ…今からライスシャワーです」 翔子「あり?すぐ出てくる筈じゃないの?」 剣司「少し休憩を入れてからだけど…あっ!!」 ノーザ「どうやらお出ましのようだ」 ⊃⌒米 新新 米⌒⊂ ⊃⌒米 郎婦 米⌒⊂ ⊃⌒米 米⌒⊂ カノン「おめでとう!!トリプルシックスに弓子!!」 ミラ「おめでとう~、お幸せに~」 コトナ「二人とも良い家庭をね!!」 ピュリア「最高な笑顔をありがとよ!!」 ロリコンズ「ヒャハー俺たちも今日はまともに祝福するぜー!!」 ゲイン「…(人生の墓場だぞ結婚なんて)」 ジョシュア『ぼ(ryこの後のブーケトスの場面は又の機会に語りますが、結婚式自体はとても感動的なものでした』 ???『道生…おめでとう…弓子…ありがとう…ブーケの花…大切にするわね』 251 名前:それも名無しだ:2009/07/03(金) 14 45 33 ID +KPihM1S 道生さん結婚編ラスト ミィ「う~…あの変態達のせいでブーケが(怒)」 ルージ「ミィだって暴れまくったじゃないか…」 静流「全くみんな子供なんだから…」 杏奈『ゴオちん、静流さんも争奪戦にいたよね』 ゴオ『しっ…それは言わないお約束だ…』 カルメン「まぁ、女性全員へブーケの花一輪ずつ行き渡ったから、結果オーライということね」 ギル「ではギル・バーガー★特別メニュー…ウェディングバーガーを!!」 ⊃三段重ね巨大バーガー ダイヤ「でかっ!!」 アナ姫「ヤーパンの巨大バーガー…噂に違わない大きさです!!」 バルバ「くぅん(ごちそうさま)♪」 シン「そして喰うの早!!」 ギル「orz」 一騎「うお~!!レミコトもいいけど…Wつばきもサイコーだぁ!!」 コトナ「一騎くんは私たちのファンだと思ってたけど…」 総士「ただのアイドルマニアだ一騎は」 乙姫「ふたりはつばきちゃんは今日でお別れです…私は総士だけの妹に戻るね」 真矢「へー…みなしろくんすごくあいされてるー(棒読み)」 総士「………orz」 レベッカ『…パレオがあるとは言え水着で宴席に侍るなど……恥辱の極みだ!!』 ジョシュア「(料理運び中)レベッカさん似合いますよ。背筋伸ばして下さい、照れる必要ないですよ」 レベッカ「な、なにを言っている!!(///)こ、これは照れている訳でなく恥ずかしい事を貴様が言うから…(///)」 キャサリン『人、それを照れと言うのよレベッカちゃん…』 道生「みんな祝ってくれてるな…」 弓子「うん…でもゆきっぺが来てくれたのが一番嬉しかった…」 道生「ああ…教会の控室に現れた時は心底驚いたけど」 弓子「ブーケも渡せたし…幸せになれるよね…あの娘も…」 道生「勿論…ただブーケがダミーだって事は参加者にバレてないな?」 弓子「ええ…」 剣司『母ちゃん、何事もなく道生さん達の披露宴も終わりそうです』 翔子「私も式に参加するはずじゃなかったんですか!!」 イスペイル様「馬鹿者!!式に大遅刻した罰だ!!」 ザイリン「とはいえこの量の皿洗い、飲み物補充に料理運びは…」 ノーザ「辛いぜ…」 247 名前:それも名無しだ:2009/07/03(金) 12 29 14 ID mSDRhBX+ 後日談 ジョシュア「僕で(ryジョ(ryあれから一週間が経ちましたが道生さん達は新婚旅行に出掛けています。」 イスペイル様「なにはともあれ、無事に終わって良かった…」 ジョシュア「イスペイルさんそれで十回目ですよ!」 …回想 真矢「なんとお礼を言って良いのか…」 イスペイル様「いやいや気にするな、こちらとしても無事に終わってホッとしてるような有様なんだ。礼を言われる程では無いよ。」 真矢「でも…有り難うございました!」 ジョシュア(イスペイル様を招き寄せる) イスペイル様「なんだ?…ヒソヒソ」 ジョシュア「…気のせいか遠見さんの変態性が…ヒソヒソ」 真矢「?」 イスペイル様「…気付いたか、恐らく今迄のは一騎への純粋な愛とザイリン酸(もしくはその他変態組成物質)が残念な形で反応した結果だろう…ヒソヒソ」 サコン「…その意見は賛成です…ヒソヒソ」 ジョシュア「わっ!…いつの間に…ヒソヒソ」 サコン「…細かい事は気にしないで下さい…ヒソヒソ」 イスペイル様「…まあ今回身内の結婚に際して、精神的な抵抗力が付いたのでは無いだろうか…ヒソヒソ」 サコン「…そうですね…ヒソヒソ」 ジョシュア「…まあ、あんなに変態の濃い空間にいたら仕方ない気も…ヒソヒソ」 イスペイル様「…もしかしたら私達や非変態の者は抵抗力を持っているのかもな…ヒソヒソ」 サコン「…もしくは潜伏期間かも…ヒソヒソ」 レベッカ「ああして見ると、あの人達も変態な気が…」 乙姫「多分ベクトルが違う上に(あまり)迷惑かけてないから目立たないだけかも」 249 名前:それも名無しだ:2009/07/03(金) 13 51 27 ID /hFH8Uw6 マユ「おにいちゃーん!こないだの結婚式の写真見せて~」 シン「ああ、ほらこれ」 マユ「弓子さん…すごく綺麗だねぇ。マユも憧れちゃうな、およめさん」 シン「マ、マユ!お嫁に行くならお兄ちゃんよりいい男じゃなきゃ許さないからな!」 マユ「も~、お兄ちゃんたら」 アスハム「口のうまい男には気をつけるのだぞ!例え一夜の過ちとはいえ…ぐぇっ!?」 シン「アンタって人はー!マユの前でその話題出すなら殴るぞ!」 マユ「もう殴ってるじゃない、お兄ちゃん…」 ヴァン「死んだヤツは決して帰ってこねぇ」 レイ兄さん「…ああ、帰ってくるはずがないな」 ヴァン「だがここにいるとよ…そいつにゃ自信がなくなって来た」 レイ兄さん「ああ…少しだけ分かる…」 剣「ローザが生き返ったら…いやもし生きていたら…ガクガクブルブル」 ディック「有り得ない話じゃないぜ。オレだって幽霊になったのに生き返ったしな!」 剣「ガクガクブルブル」 ※後日談ネタ歓喜~ふたご